(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】圧電材料及び圧電装置
(51)【国際特許分類】
H10N 30/853 20230101AFI20240628BHJP
H10N 30/87 20230101ALI20240628BHJP
H10N 30/06 20230101ALI20240628BHJP
H10N 30/079 20230101ALI20240628BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
H10N30/853
H10N30/87
H10N30/06
H10N30/079
H04R17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524419
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 CN2021101800
(87)【国際公開番号】W WO2022266880
(87)【国際公開日】2022-12-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】519385216
【氏名又は名称】北京京▲東▼方技▲術▼▲開▼▲発▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 407,Building 1,No.9 Dize Road,BDA,Beijing,100176,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】花 慧
(72)【発明者】
【氏名】陳 右儒
(72)【発明者】
【氏名】尹 曉峰
【テーマコード(参考)】
5D004
【Fターム(参考)】
5D004AA01
5D004BB04
5D004DD05
(57)【要約】
圧電材料及び圧電装置。圧電材料は、を含み基材、前記基材の結晶構造は、ABO3型ペロブスカイト構造であり、前記ペロブスカイト構造は、共存する菱面体構造と正方構造を含み、前記基材は、準同型相境界付近に位置し、ドーピング元素、前記ドーピング元素は、前記ペロブスカイト構造におけるAサイト元素又はBサイト元素を置換し、又は前記ペロブスカイト構造における隙間を充填するために用いられ、前記ドーピング元素は、前記菱面体構造と前記正方構造との格子定数の差を増大させるために用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電材料であって、
基材とドーピング元素を含み、
前記基材の結晶構造は、ABO
3型のペロブスカイト構造であり、前記ペロブスカイト構造は、共存する菱面体構造と正方構造を含み、前記基材は、準同型相境界付近に位置し、
前記ドーピング元素は、前記ペロブスカイト構造におけるAサイト元素又はBサイト元素を置換し、又は前記ペロブスカイト構造における隙間を充填するために用いられ、
前記ドーピング元素は、前記菱面体構造と前記正方構造との格子定数の差を増大させるために用いられる、圧電材料。
【請求項2】
前記基材は、チタン酸ジルコン酸鉛であり、前記チタン酸ジルコン酸鉛中のチタン酸とジルコン酸との比は、52:48又は53:47である
請求項1に記載の圧電材料。
【請求項3】
前記ドーピング元素は、前記ペロブスカイト構造におけるAサイト元素を置換するために用いられ、
前記ペロブスカイト構造における前記ドーピング元素と前記Aサイト元素の価数は、同一である
請求項1又は2に記載の圧電材料。
【請求項4】
前記基材は、チタン酸ジルコン酸鉛であり、前記ドーピング元素は、カルシウムである
請求項3に記載の圧電材料。
【請求項5】
前記基材における前記ドーピング元素のモルパーセントは、20%以下である
請求項3に記載の圧電材料。
【請求項6】
前記基材における前記ドーピング元素のモルパーセントは、10%以下である
請求項5に記載の圧電材料。
【請求項7】
前記ドーピング元素は、前記ペロブスカイト構造におけるBサイト元素を置換するために用いられ、前記ペロブスカイト構造における前記ドーピング元素と前記Bサイト元素の価数は、同一である
請求項1又は2に記載の圧電材料。
【請求項8】
前記基材は、チタン酸ジルコン酸鉛であり、前記ドーピング元素は、マンガンである
請求項7に記載の圧電材料。
【請求項9】
前記ドーピング元素は、前記ペロブスカイト構造における隙間を充填するために用いられ、前記ドーピング元素の原子量は、6以下である
請求項1又は2に記載の圧電材料。
【請求項10】
前記基材は、チタン酸ジルコン酸鉛であり、前記ドーピング元素は、炭素とホウ素のうちの少なくとも1つを含む
請求項9に記載の圧電材料。
【請求項11】
圧電装置であって、
前記圧電装置は、基板、及び前記基板の一方の側に設けられている圧電素子を含み、
前記圧電素子は、前記基板の一方の側に積層して設けられている第1電極、圧電層及び第2電極を含み、
ここで、前記圧電層の材料は、請求項1から10のいずれか1項に記載の圧電材料を含む、圧電装置。
【請求項12】
前記基板は、表示基板であり、前記表示基板は、表示領域、及び前記表示領域周辺に位置する非表示領域を含み、前記圧電素子は、前記表示基板の出光側に設けられている
請求項11に記載の圧電素子。
【請求項13】
前記表示基板での前記圧電素子の正射影は、前記表示領域内に位置し、前記圧電層の厚さは、2μm以下であり、前記第1電極及び前記第2電極は、いずれも、透明電極である
請求項12に記載の圧電素子。
【請求項14】
前記第1電極及び前記第2電極の厚さは、200nm以上500nm以下である
請求項13に記載の圧電素子。
【請求項15】
前記表示基板での前記圧電素子の正射影は、前記非表示領域内に位置し、前記圧電素子の数は、複数であり、複数の前記圧電素子は、2つのグループに分けられ、各グループにおける圧電素子は、第1方向に沿って配列されており、それぞれ、前記基板の対向する2つの側辺に近接して設けられている
請求項12に記載の圧電素子。
【請求項16】
前記第1電極及び前記第2電極の材料は、いずれも、白金を含む
請求項15に記載の圧電素子。
【請求項17】
前記第1電極、前記圧電層及び前記第2電極の膜層応力は、いずれも、-300MPa以上300MPa以下である
請求項11から16のいずれか1項に記載の圧電素子。
【請求項18】
前記第1電極は、前記基板に近接して設けられ、前記第2電極のエッジは、前記圧電層のエッジに対して100μm以上500μm以下である後退量で後退する
請求項11から16のいずれか1項に記載の圧電素子。
【請求項19】
前記第1電極は接地され、前記第2電極は、交流信号入力端に接続され、前記交流信号入力端は、交流信号を入力するために用いられ、前記交流信号の周波数は、前記基板の固有周波数と等しい
請求項11から16のいずれか1項に記載の圧電素子。
【請求項20】
前記圧電装置は、さらにタッチ層を含み、前記タッチ層は、前記圧電素子の前記基板に近接又は離反する側に設けられている
請求項11から16のいずれか1項に記載の圧電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧電技術分野に関し、特に圧電材料及び圧電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電材料に基づく触覚再生デバイスは、圧電材料層と基板との共振により、基板表面の摩擦力を調整し、それにより基板表面に物体のテクスチャ再生を実現することができる。
【0003】
しかしながら、材料の固有特性の影響を受けるため、従来の圧電材料の圧電効果が小さく、タッチ再生デバイスにおけるそれのさらなる広く応用が制限される。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、圧電材料を提供し、該圧電材料は、基材とドーピング元素を含み、
前記基材の結晶構造は、ABO3型のペロブスカイト構造であり、前記ペロブスカイト構造は、共存する菱面体構造と正方構造を含み、前記基材は、準同型相境界付近に位置し、
前記ドーピング元素は、前記ペロブスカイト構造におけるAサイト元素又はBサイト元素を置換し、又は前記ペロブスカイト構造における隙間を充填するために用いられ、前記ドーピング元素は、前記菱面体構造と前記正方構造との格子定数の差を増大させるために用いられる。
【0005】
1つ選択可能な実現方式において、前記基材は、チタン酸ジルコン酸鉛であり、前記チタン酸ジルコン酸鉛中のチタン酸とジルコン酸との比は、52:48又は53:47である。
【0006】
1つ選択可能な実現方式において、前記ドーピング元素は、前記ペロブスカイト構造におけるAサイト元素を置換するために用いられ、前記ペロブスカイト構造における前記ドーピング元素と前記Aサイト元素の価数は、同一である。
【0007】
1つ選択可能な実現方式において、前記基材は、チタン酸ジルコン酸鉛であり、前記ドーピング元素は、カルシウムである。
【0008】
1つ選択可能な実現方式において、前記基材における前記ドーピング元素のモルパーセントは、20%以下である。
【0009】
1つ選択可能な実現方式において、前記基材における前記ドーピング元素のモルパーセントは、10%以下である。
【0010】
1つ選択可能な実現方式において、前記ドーピング元素は、前記ペロブスカイト構造におけるBサイト元素を置換するために用いられ、前記ペロブスカイト構造における前記ドーピング元素と前記Bサイト元素の価数は、同一である。
【0011】
1つ選択可能な実現方式において、前記基材は、チタン酸ジルコン酸鉛であり、前記ドーピング元素は、マンガンである。
【0012】
1つ選択可能な実現方式において、前記ドーピング元素は、前記ペロブスカイト構造における隙間を充填するために用いられ、前記ドーピング元素の原子量は、6以下である。
【0013】
1つ選択可能な実現方式において、前記基材は、チタン酸ジルコン酸鉛であり、前記ドーピング元素は、炭素とホウ素のうちの少なくとも1つを含む。
【0014】
本開示は、圧電装置を提供し、該圧電装置は、基板、及び前記基板の一方の側に設けられている圧電素子を含み、前記圧電素子は、前記基板の一方の側に積層して設けられている第1電極、圧電層及び第2電極を含み、ここで、前記圧電層の材料は、いずれの実施例に記載の圧電材料を含む。
【0015】
1つ選択可能な実現方式において、前記基板は、表示基板であり、前記表示基板は、表示領域、及び前記表示領域周辺に位置する非表示領域を含み、前記圧電素子は、前記表示基板の出光側に設けられている。
【0016】
1つ選択可能な実現方式において、前記表示基板での前記圧電素子の正射影は、前記表示領域内に位置し、前記圧電層の厚さは、2μm以下であり、前記第1電極及び前記第2電極は、いずれも、透明電極である。
【0017】
1つ選択可能な実現方式において、前記第1電極及び前記第2電極の厚さは、200nm以上500nm以下である。
【0018】
1つ選択可能な実現方式において、前記表示基板での前記圧電素子の正射影は、前記非表示領域内に位置し、前記圧電素子の数は、複数であり、複数の前記圧電素子は、2つのグループに分けられ、各グループにおける圧電素子は、第1方向に沿って配列されており、それぞれ、前記基板の対向する2つの側辺に近接して設けられている。
【0019】
1つ選択可能な実現方式において、前記第1電極及び前記第2電極の材料は、いずれも、白金を含む。
【0020】
1つ選択可能な実現方式において、前記第1電極、前記圧電層及び前記第2電極の膜層応力は、いずれも、-300MPa以上300MPa以下である。
【0021】
1つ選択可能な実現方式において、前記第1電極は、前記基板に近接して設けられ、前記第2電極のエッジは、前記圧電層のエッジに対して100μm以上500μm以下である後退量で後退する。
【0022】
1つ選択可能な実現方式において、前記第1電極は接地され、前記第2電極は、交流信号入力端に接続され、前記交流信号入力端は、交流信号を入力するために用いられ、前記交流信号の周波数は、前記基板の固有周波数と等しい。
【0023】
1つ選択可能な実現方式において、前記圧電装置は、さらにタッチ層を含み、前記タッチ層は、前記圧電素子の前記基板に近接又は離反する側に設けられている。
【0024】
上記説明は、本開示の技術的解決手段の概要のみであり、本開示の技術的手段をより明確に理解するために、明細書の内容に基づいて実施することができ、且つ本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明らかに分かりやすくするために、以下に本開示の具体的な実施形態を挙げる。
【0025】
本開示の実施例又は関連技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下は実施例又は関連技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は本開示のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で、さらに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。説明すべきものとして、図面における比率は単に例示として実際の比率を表すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の実施例によるペロブスカイト構造の単位格子図である。
【
図2】本開示の実施例によるチタン酸ジルコン酸鉛の相図である。
【
図3】本開示の実施例による格子定数の変化傾向を示す図である。
【
図4】本開示の実施例による格子歪みの変化傾向を示す図である。
【
図5】本開示の実施例による圧電装置の構造の平面模式図である。
【
図6】本開示の実施例による圧電装置の構造の断面模式図である。
【
図7】本開示の実施例による圧電装置の振動の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下は本開示の実施例における図面を参照し、本開示の実施例における技術的解決手段を明確、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本開示の実施例に基づき、当業者は創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0028】
本開示の一実施例は、圧電材料を提供し、該圧電材料は、基材及びドーピング元素を含む。
【0029】
ここで、基材の結晶構造は、ABO3型ペロブスカイト構造であり、該ペロブスカイト構造は、共存する菱面体構造と正方構造を含み、基材は、準同型相境界付近に位置する。
【0030】
ドーピング元素は、ペロブスカイト構造におけるAサイト元素又はBサイト元素を置換し、又はペロブスカイト構造における隙間を充填するために用いられ、ドーピング元素は、菱面体構造と正方構造との格子定数の差を増大させるために用いられる。
【0031】
図1は、ペロブスカイト構造の単位格子図である。ペロブスカイト構造は、八面体である。ABO
3型ペロブスカイト構造におけるAサイト元素は、八面体の頂点に位置し、Bサイト元素は、八面体の中心点に位置し、Oサイト元素は、八面体の面心位置に位置する。
【0032】
ペロブスカイト構造の圧電及び強誘電性能は、置換ドーピング又は隙間ドーピングによって変更することができる。ここで、置換ドーピングは、ドーピング元素がAサイト元素又はBサイト元素を置換することにより実現することができる。隙間ドーピングは、ドーピング元素をペロブスカイト構造における隙間に充填して実現することができる。
【0033】
準同型相境界(Morphotropic Phase Boundary、MPB)付近の基材は、2相(菱面体構造と正方構造の2種の結晶構造に対応する)が共存し、2種の結晶構造のエネルギーが近く、且つ外部条件が変化する場合、例えば電場又は応力を印加すると、2種の結晶構造間の相互変換が発生し、準同型相境界付近の成分は誘電性及び圧電性の極大値を有する。
【0034】
1つ選択可能な実現方式において、基材は、チタン酸ジルコン酸鉛であり、本実施例はこれに限定されない。
【0035】
1つ選択可能な実現方式において、ドーピング元素は、カルシウム、炭素又はホウ素等の元素であり、本実施例はこれに限定されない。
【0036】
本実施例において、基材の材料がチタン酸ジルコン酸鉛であり、ドーピング元素がカルシウムである例を挙げて説明する。
【0037】
チタン酸ジルコン酸鉛は、ABO3型ペロブスカイト構造である。ここで、AサイトはPb2+であり、Bサイトは、Zr4+又はTi4+である。
【0038】
図2は、チタン酸ジルコン酸鉛の相図である。チタン酸ジルコン酸鉛は、ジルコニウム酸鉛(PbZrO
3)とチタン酸鉛(PbTiO
3)の固溶体である。ジルコニウムに富む成分は、菱面体構造であり、チタンに富む成分は、正方構造である。チタン酸ジルコン酸鉛中のチタン酸とジルコン酸との比が、52:48又は53:47である場合、チタン酸ジルコン酸鉛は、準同型相境界付近に位置する。
【0039】
ドーピングを行わない場合、基材チタン酸ジルコン酸鉛の成分は、準同型相境界付近に位置しており、菱面体構造と正方構造の2相が共存した状態となっている。発明者らは、Ca2+ドーピングの増加に伴い、2相が依然として共存し、つまり、Ca2+のドーピングは、準同型相境界領域の存在に影響を与えないことを発見した。
【0040】
図3において、Ca
2+の含有量の増加に伴って、Pb
1-xCa
xZr
0.53Ti
0.47O
3の格子定数が変化することを示す。
図3から分かるように、Ca
2+の含有量の増加に伴って、菱面体構造の格子定数a
Rが増大し、それに応じて正方構造の短軸格子定数a
Tも増大するが、a
Tの増速は、a
Rよりも遅いため、菱面体構造の格子定数a
Rと正方構造の短軸格子定数a
Tとの差が増大する。また、菱面体構造の格子定数a
Rが大きくなるにつれて、正方構造の長軸格子定数c
Tが徐々小さくなるため、菱面体構造の格子定数a
Rと正方構造の長軸格子定数c
Tとの差も増大する。そのため、菱面体構造の格子定数a
Rと正方構造の格子定数a
T又はc
Tとの間の差分値が増大する。
【0041】
準同型相境界付近の歪みの発生源は、主に正方相と菱面体相との相互転移であるからである。
図4に相転移化の過程で生じる格子歪み量を示す。
図4に示すように、Ca
2+の含有量の増大に伴い、正方対向菱面体相転移の過程において、菱面体構造の格子定数(a
R)と正方構造の格子定数(a
T又はc
T)の差が増大するため、格子歪み量(a
R-a
T)/a
T又は(a
R-c
T)/c
Tが共に増大する。ここで、(a
R-a
T)/a
Tは、正方相の短軸a
Tがいずれもa
Rに変換することによる歪み量を表し、(a
R-c
T)/c
Tは、正方相の長軸c
Tがいずれもa
Rに変換することによる歪み量を表し、実際の格子歪み量は両者の間にある。
【0042】
Ca2+のドーピングが準同型相境界領域の存在に影響を与えず、つまり、Pb1-xCaxZr0.53Ti0.47O3は、依然として菱面体構造(菱面体相)と正方構造(正方相)の共存を示し、電界を印加する時、菱面体構造と正方構造との間に相構造の転移が発生しやすく、菱面体構造と正方構造との間の格子定数の差が増大する時、歪み材料の格子歪み最大値を増大することができる。
【0043】
そのため、準同型相境界成分付近の2相(即ち、菱面体相と正方相)との間の格子定数差を増大すること、即ち、相転移前後の格子定数差を増大することにより、大きな歪を発生させて、固有歪みの最大値を高める上で有利となる。
【0044】
本実施例による圧電材料は、ペロブスカイト構造の基材にドーピング元素がドーピングされ、且つ準同型相境界付近に位置し、準同型相境界付近に位置する材料は、外界電界の作用で、菱面体構造と正方構造との間の相互転移が発生しやすい。ドーピング元素は、菱面体構造と正方構造との間の格子定数の差を増大し得るため、相転移による格子歪み量を大きくすることができ、固有歪みの最大値を向上させ、圧電材料の圧電効果を補強させる。圧電材料の固有歪みの最大値を向上させることにより、圧電デバイスの振幅を向上させ、電気エネルギー及び機械的エネルギーの効果的な変換を実現し、触覚を増大させ、触覚再生の効果を向上させることに有利である。
【0045】
本実施例による圧電材料は、機械的エネルギーと電気エネルギーの相互変換を実現することができ、圧電材料は、機械的圧力又は引張力を受ける時に電荷を生成することができ、材料が電界にある時に圧縮又は引張の機械的変形が発生する。従って、超音波探触子、圧力センサー、エネルギー収集器、触覚再生、マイクロ流体、スピーカー等のドライバーやセンサー等の分野に応用することができる。
【0046】
本実施例による圧電材料は、ゾルゲル、マグネトロンスパッタリング、化学気相堆積等の方法を用いて製造することができる。ここで、ゾルゲル法は、膜層の成分及びドーピング割合を正確に制御することができる。
【0047】
基材の材料がチタン酸ジルコン酸鉛であるとき、製造過程において、チタン酸ジルコン酸鉛膜層は、高温(>550℃)及び酸素ガス雰囲気で30minを急速にアニールする必要があり、それにより、ペロブスカイト結晶相を形成する。ゾルゲル溶液の調製時又はマグネトロンスパッタリングターゲットの製造時に、20mol%(モルパーセント20%)未満の過剰なPbを添加することができ、チタン酸とジルコン酸との比は、Zr/Ti=52/48又は53/47であり、基材を準同型相境界付近に位置させる。ドーピング元素は、ゾルゲル溶液の調製時又はマグネトロンスパッタリングターゲットの製造時に添加することができる。
【0048】
ドーピング元素の基材へのドーピングが置換ドーピングである場合、ドーピング元素と置換対象元素は、等価ドーピング又は非等価ドーピングであってもよい。ここで、非等価ドーピングは、置換対象元素に対して価位が異なるイオンをドーピングし、ドナードーピング及びアクセプタドーピングを含み、例えば、La3+でPb2+等を置換する。等価ドーピングは、置換対象元素に対して価位が同一であるイオンをドーピングし、例えば、Ca2+でPb2+等を置換する。
【0049】
本発明者らは、基材に非等価なドーピングを行う場合、ドナー元素またはアクセプタ元素の添加量が多すぎると、イオンの平衡が失われやすくなり、正/負電荷量が増加し、圧電材料内部に不均一な内蔵電界が発生し、最終的に薄膜が破壊されやすくなることを発見した。
【0050】
イオンアンバランス問題を解決するために、1つ選択可能な実現方式において、ドーピング元素は、ペロブスカイト構造におけるAサイト元素を置換するために用いられ、ペロブスカイト構造におけるドーピング元素とAサイト元素の価数は、同一である。このように、Aサイト元素に対して等価の置換ドーピングを行うことにより、圧電材料のリーク電流及び誘電率に影響を与えず、ドーピング量が多すぎることによるイオンアンバランス問題を回避することができる。
【0051】
具体的な実現において、基材がチタン酸ジルコン酸鉛である場合、Aサイト元素は、Pb2+であり、Aサイトを置換するドーピング元素は、カルシウムであってもよく、即ち、Ca2+でPb2+を置換する。
【0052】
圧電材料が常に準同型相境界付近に位置することを確保するために、基材におけるドーピング元素のモルパーセントは、20%以下であってもよい。つまり、(Pb
2+及びCa
2+)の合計量に対するドーピング元素Ca
2+のモル百分数は、20%以下である。
具体的な実現において、
図3及び
図4に示すように、基材におけるドーピング元素のモルパーセントは、10%以下であってもよい。
【0053】
イオンアンバランス問題を解決するために、別の選択可能な実現方式において、ドーピング元素は、ペロブスカイト構造におけるBサイト元素を置換するために用いられ、ペロブスカイト構造におけるドーピング元素とBサイト元素の価数は、同一である。このように、Bサイト元素に対して等価の置換ドーピングを行うことにより、圧電材料のリーク電流及び誘電率に影響を与えず、ドーピング量が多すぎることによるイオンアンバランス問題を回避することができる。
【0054】
具体的な実現において、基材がチタン酸ジルコン酸鉛である場合、Bサイト元素は、Zr4+又はTi4+であり、Bサイトを置換するドーピング元素は、マンガンであってもよく、即ち、Mn4+でZr4+又はTi4+を置換する。
【0055】
1つ選択可能な実現方式において、ドーピング元素は、ペロブスカイト構造における隙間を充填するために用いられ、ドーピング元素の原子量は、6以下であってもよい。
【0056】
例えば、基材がチタン酸ジルコン酸鉛である場合、隙間にドーピングされるドーピング元素は、炭素とホウ素のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0057】
本開示の一実施例は、圧電装置を提供する。
図5に示すように、該圧電装置は、基板51、及び基板51の一方の側に設けられた圧電素子52を含む。
図6に示すように、圧電素子52は、基板51の一方の側に積層して設けられている第1電極61、圧電層62及び第2電極63を含む。ここで、圧電層62の材料は、上記いずれの実施例に記載の圧電材料を含んでもよい。
【0058】
ここで、基板51は、シリコン基であってもよく、熱酸化層が設けられたシリコン基、即ちSiO2/Si(100)であってもよく、基板51は、さらに透明ガラス、表示基板等であってもよく、本実施例はこれに限定されない。
【0059】
第1電極61の材料は、白金、金、アルミニウム及び銅等の金属材料のうちの少なくとも1種を含むことができ、さらに、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、ITO)、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide、IZO)及び酸化グラフェン等の透明な金属酸化物のうちの少なくとも1種を含むことができ、本実施例はこれに限定されない。
【0060】
第2電極63の材料は、白金、金、アルミニウム及び銅等金属材料のうちの少なくとも1種を含むことができ、さらに、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、ITO)、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide、IZO)及び酸化グラフェン等の透明金属酸化物のうちの少なくとも1種を含むことができ、本実施例はこれに限定されない。
【0061】
なお、本実施例は、圧電素子52の形状を限定するものではなく、
図5に示すような円形であってもよいし、矩形、五角形、六角形等であってもよい。
【0062】
本実施例において、第1電極61と第2電極63は、交番電界を形成するために用いられ、圧電層62は、交番電界の作用で振動するために用いられ、基板51を駆動して共振させる。
【0063】
交番電界の作用で、圧電層62は変形して振動信号を生成し、該振動信号の周波数は、交番電界の周波数と同一であり、振動信号の周波数が基板51の固有周波数に近い又は等しい場合、圧電層62は、基板51と共振し、振幅が補強され、触覚フィードバック信号を生成し、指が圧電装置の表面をタッチする場合、摩擦力の変化を顕著に感じることができ、そのため、圧電層62と基板51との間に発生する共振によって圧電装置表面の摩擦力を調整することができ、それにより物体のテクスチャ再生を実現する。
【0064】
本実施例による圧電装置は、圧電材料の固有歪みが大きいため、圧電層と基板との共振振幅を向上させ、表面感触を増大させ、触覚再現の効果を向上させることができる。
【0065】
1つ選択可能な実現方式において、本実施例による圧電装置は、さらに、タッチ層を含むことができ、タッチ層は、圧電素子52の基板51に近接又は離反する側に設けられている。つまり、タッチ層は、基板51と圧電素子52との間に設けられていてもよいし、圧電素子52の基板51から離れた側に設けられていてもよい。タッチ層を設けることにより、圧電装置にタッチ機能を持たせることができる。
【0066】
膜切れを回避するために、第1電極61の膜層応力は、-300MPa以上300MPa以下であってもよく、最大は、400MPaである。圧電層62の膜層応力は、-300MPa以上300MPa以下であってもよく、最大は、400MPaである。第2電極63の膜層応力は、-300MPa以上300MPa以下であってもよく、最大は、400MPaである。このように、応力の過大による各膜層の破断や基板51全体の反りの発生を防止することができる。
【0067】
ここで、各膜層の応力は、膜層の作製前後にそれぞれ表面反り度をテストし、測定された表面反り度に基づいて対応する膜層の応力を算出することができる。
【0068】
具体的な実現において、
図6に示すように、第1電極61は、基板51に近接して設けられてもよい。
【0069】
1つ選択可能な実現方式において、
図6に示すように、第2電極63のエッジは、圧電層62のエッジに対して後退する。つまり、基板51での第2電極63の正射影境界は、基板51での圧電層62の正射影境界に対して後退する。このように、圧電層62のサイドエッチングが激しくなり、第1電極61と第2電極63が直接接触して短絡を引き起こすという問題を回避することができる。
【0070】
第2電極63のエッジに対する圧電層62のエッジ後退量は、100μm以上500μm以下であってもよい。このように、第1電極61と第2電極63との短絡の発生を回避しつつ、圧電層62の有効振動面積を大きくすることができる。
【0071】
本実施例による圧電装置は、以下のステップで製造することができる。まず、基板51を用意する。続いて、基板51に第1電極材料層、圧電材料層及び第2電極材料層を順次に形成する。続いて、第2電極材料層をエッチングして第2電極を形成する。続いて、圧電材料層をエッチングして圧電層を形成する。最終的に
図6に示す圧電装置が得られる。
【0072】
具体的な実現において、圧電層62と第2電極63の形状は、同一であってもよい。
図5及び
図6を参照し、第2電極63は、直径8mmの円形であり、第2電極63は、直径9mmの円形である。第2電極63のエッジが圧電層62のエッジに対して後退するため、圧電層62は、第2電極63よりも若干大きく、
図6において、第2電極63のエッジは、圧電層62のエッジに対して500μm後退する。
【0073】
図6に示すように、基板51での第2電極63の正射影境界と、基板51の境界との間の距離は、3mmとすることができる。
図5において、基板51の寸法は、71mm*60mmである。
【0074】
本実施例において、
図5に示すように、基板51は、例えば、表示基板であってもよく、表示基板は、表示領域AA、及び、表示領域AA周辺に位置する非表示領域BAを含む。基板51が表示基板であるため、圧電装置に表示機能を持たせることができる。
【0075】
圧電素子52は、表示基板の出光側に設けることができ、本実施例はこれに限定されない。
【0076】
1つ選択可能な実現方式において、表示基板での圧電素子52の正射影は、表示領域AA内に位置してもよい。表示基板の透過率に影響を与えないために、圧電層62の厚さは、2μm以下であってもよい。圧電層62の厚さが2μm以下である場合、70%以上の膜層透過率を保証することができ、表示基板と一体化して触覚再生デバイスを製造することができる。
【0077】
表示基板の透過率に影響を与えないように、第1電極61及び第2電極63は、いずれも透明電極であってもよい。第1電極61及び第2電極63の材料としては、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、ITO)、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide、IZO)及び酸化グラフェン等の透明な金属酸化物を用いることができる。
【0078】
具体的な実現において、第1電極61及び第2電極63の厚さは、例えば200nm以上500nm以下であってもよい。
【0079】
第1電極61は、マグネトロンスパッタリングを用いてITO透明酸化物を堆積し、続いて摂氏250度で、窒素雰囲気30minをアニールすることにより、低いシート抵抗値を有する結晶ITO膜層を得ることができる。
【0080】
圧電層62は、ゾルゲル又はマグネトロンスパッタリングの方法を用いて製造することができる。ここで、マグネトロンスパッタリングの膜層成長速度は、4μm/hに達することができる。圧電層62の製造は、圧電材料の製造過程を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0081】
第2電極63は、マグネトロンスパッタリングを用いてITO透明酸化物を堆積し、続いて摂氏250度で、窒素雰囲気において30minをアニールすることにより、低いシート抵抗値を有する結晶ITO膜層を得ることができる。
【0082】
別の選択可能な実現方式において、表示基板での圧電素子52の正射影は、非表示領域BA内に位置する。このように、圧電素子52は、表示領域AA内の透過率に影響を与えない。そのため、本実現方式において、第1電極61及び第2電極63の材料として、電気抵抗率が低い金属材料を用いることができる。例えば、第1電極61及び第2電極63の材料は、白金を用いることができる。白金は、優れた導電性、耐高温熱酸化性、及び、格子定数と圧電層62との相性により、圧電装置の性能及び信頼性を向上させることができる。
【0083】
本実現方式において、圧電層62の厚さは、実際のニーズに応じて設計することができ、一般的に、膜層品質を確保するために、圧電層62の厚さは、10μm以下であってもよい。
【0084】
本実現方式において、圧電素子52の数は、複数であり、複数の圧電素子52は、2つのグループに分けられ、各グループにおける圧電素子52は、第1方向に沿って配列されており、それぞれ、基板51の対向する2つの側辺に近接して設けられてもよい。
【0085】
なお、各グループにおける圧電素子52の第1電極61は、一体構造であってもよい。各グループにおける圧電素子52の第2電極63同士は、別個に設けられ、リード線によって互いに接続されていてもよい。
【0086】
具体的な実現において、
図6に示すように、第1電極61は、接地され、第2電極63は、交流信号入力端に接続され、交流信号入力端は、交流信号を入力するために用いられてもよい。交流信号の波形は、正弦波、方形波又は三角波等であってもよい。
【0087】
交流信号の周波数は、基板51の固有周波数と同じであってもよいし、近い周波数であってもよい。交流信号の周波数は、交番電界の周波数である。
【0088】
図7に示すように、基板51は、自体の固有周波数に近い振動信号により励振されると、圧電素子52と共振する。交流信号の周波数が22.8KHzである場合、基板51は、第2方向に10nodeを有する振動モードを呈し、各node点は、動かず(振幅は常に0である)、node点間の位置は、上下に振動し、ピーク及び谷を形成する。ピーク及び谷との間の変位量が1μmよりも大きい場合、指がタッチ面上を滑るようになり、タッチ面がより滑らかに感じられるようになる。圧電層62の振幅が大きいほど、指とタッチ表面との間の空気膜が激しく圧迫され、摩擦力が著しく低減し、触感が著しく向上する。そのため、圧電層62材料の固有歪みの最大値を向上させることにより、デバイスの全体振幅を向上させ、優れた触覚フィードバック機能を実現することに有利である。
【0089】
本明細書における各実施例はいずれも漸進の方式を採用して説明し、各実施例の重点説明はいずれも他の実施例との相違点であり、各実施例の間の同一又は類似の部分は互いに参照すればよい。
【0090】
最後に、説明すべきものとして、本明細書において、第1及び第2等のような関係用語は、1つのエンティティ又は操作を他のエンティティ又は操作と区別するためだけに用いられ、これらのエンティティ又は操作の間にいかなるこのような実際の関係又は順序が存在することを要求又は示唆するものではない。また、用語「含む」、「有する」又は他の変形は、非排他的な包含を含むことを意図し、それにより一連の要素を含む過程、方法、製品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、また明確に列挙されない他の要素を含み、又はこのような過程、方法、製品又は装置に固有の要素を含む。より多くの制限がない場合、文「1つの…を含む」によって限定された要素は、前記要素を含む過程、方法、製品又は装置にさらに他の同じ要素が存在することを排除するものではない。
【0091】
以上、本開示による圧電材料及び圧電装置について詳細に説明し、本明細書では具体的な個別例を応用して本開示の原理及び実施形態について説明し、以上の実施例の説明は、本開示の方法及びその核心思想を理解するためのものである。同時に、当業者であれば、本開示の思想に基づき、具体的な実施形態及び応用範囲にいずれも変更があり、以上説明したように、本明細書の内容は本開示を限定するものと解釈すべきではない。
【0092】
本開示の他の実施形態は、明細書および本明細書に開示された発明の実施を考慮すれば、当業者には容易に明らかになるであろう。本開示は、本開示の任意の変更、用途又は適応的変化をカバーすることを意図しており、これらの変更、用途又は適応的変化は、本開示の一般原則に従ったものであり、本開示に開示されていない本技術分野における常識または従来の技術的手段を含む。明細書及び実施例は、単なる例示と見なされるべきであり、本開示の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0093】
本開示は、上記で説明して図面に示した正確な構成に限定されず、その範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解されたい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0094】
本明細書において「一実施例」、「実施例」又は「1つ又は複数の実施例」とは、実施例に記載した特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。なお、ここの「1つの実施例における」の単語例は、必ずしも、同一の実施例をすべて指すものではない。
【0095】
ここで提供される明細書において、多くの具体的な詳細を説明する。しかしながら、本開示の実施例は、これらの具体的な詳細がない状況で実施することができることを理解される。いくつかの実施例において、周知の方法、構造及び技術を詳細に示さず、本明細書に対する理解を曖昧にしない。
【0096】
特許請求の範囲において、括弧の間に位置するいずれかの参照符号を特許請求の範囲に対する制限として構成すべきではない。単語「含む」は、特許請求の範囲に列挙されない素子又はステップの存在を排除しない。素子の前に位置する単語「1」又は「一」は、このような素子が複数存在することを排除するものではない。本開示は、いくつかの異なる素子を含むハードウェア及び適切にプログラムされたコンピュータによって実現することができる。複数の装置を列挙したユニット請求項において、これらの装置における複数は同一のハードウェアアイテムによって具体的に表現することができる。単語第1、第2、及び第3等の使用はいかなる順序を示さない。これらの単語は名称として解釈することができる。
【0097】
最後に、以上の実施例は本開示の技術的解決手段を説明するだけに用いられ、それを制限するものではない。上記実施例を参照して本開示について詳細に説明したが、当業者であれば理解されるように、それは、依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうちの一部の技術的特徴を均等置換することができる。これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本開示の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱させない。
【国際調査報告】