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特表2024-523963電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置
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  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図1
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図2
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図3
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図4
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図5
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図6
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図7
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図8
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図9
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図10
  • 特表-電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/103 20210101AFI20240628BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20240628BHJP
   H01M 50/133 20210101ALI20240628BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240628BHJP
   H01M 50/645 20210101ALI20240628BHJP
   H01M 50/169 20210101ALI20240628BHJP
   H01M 50/164 20210101ALI20240628BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20240628BHJP
【FI】
H01M50/103
H01M50/119
H01M50/133
H01M50/15
H01M50/645
H01M50/169
H01M50/164
H01M50/131
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560036
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2022095400
(87)【国際公開番号】W WO2022267813
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110699260.2
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲るあん▼彦平
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼亮亮
(72)【発明者】
【氏名】王冰
(72)【発明者】
【氏名】魏岩巍
【テーマコード(参考)】
5H011
5H023
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011AA09
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD06
5H011DD13
5H011FF02
5H011KK01
5H023AA03
5H023AS01
5H023CC11
5H023CC14
5H023DD06
(57)【要約】
電池ハウジング(10)は、一体成形されたプレート本体(110)を含み、該プレート本体は、展開状態で所定の形状を呈し、複数の折り返し部が予め設置され、該プレート本体は、該複数の折り返し部に沿ってカバープレート及び複数のサイドプレートに仕切られ、該複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジング(1101)を形成し、該カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返されて該中間ハウジングの開放端(1102)を閉鎖し、それにより電気化学ユニット(20)を収容する収容空間を該中間ハウジングの内部に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体成形されたプレート本体を含む電池ハウジングであって、
前記プレート本体は、展開状態で所定の形状を呈し、複数の折り返し部が予め設置され、前記プレート本体は、前記複数の折り返し部に沿ってカバープレート及び複数のサイドプレートに仕切られ、前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖し、それにより電気化学ユニットを収容する収容空間を前記中間ハウジングの内部に形成する、電池ハウジング。
【請求項2】
前記プレート本体が展開状態である場合、前記複数のサイドプレートは、同一方向に沿って配列され、前記プレート本体は、前記サイドプレートの配列方向の両側に分布する2つのカバープレートを含み、
前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、前記2つのカバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、それぞれ前記中間ハウジングの2つの開放端を閉鎖する、請求項1に記載の電池ハウジング。
【請求項3】
前記プレート本体が展開状態である場合、
前記複数のサイドプレートは、同一方向に配列された複数のサイドプレートと、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の一側に位置する1つのサイドプレートとを含み、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、前記1つのサイドプレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、前記中間ハウジングの1つの開放端を閉鎖し、
前記カバープレートは、1つであり、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の他側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返された後、前記中間ハウジングの他の開放端を閉鎖する、請求項1に記載の電池ハウジング。
【請求項4】
前記サイドプレート及び前記カバープレートは、略矩形状を呈し、前記カバープレートの外形は、前記中間ハウジングの開放端の形状に適合する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池ハウジング。
【請求項5】
前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返され、前記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、外縁が該対応する開放端の外周から突出する、請求項4に記載の電池ハウジング。
【請求項6】
ライニングプレートをさらに含み、前記ライニングプレートは、前記カバープレートの一側に接続され、
前記カバープレートが所定の折り返し部に沿って折り返され、前記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、前記ライニングプレートは、前記カバープレートの該対応する開放端に向かう側に位置し、
前記電池ハウジングは、前記ライニングプレート及び対応するカバープレートを貫通する注液孔をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池ハウジング。
【請求項7】
前記ライニングプレートの周方向寸法は、前記カバープレートの周方向寸法よりも小さく、前記カバープレートの周方向寸法は、前記中間ハウジングの該対応する開放端の周方向寸法よりも大きい、請求項6に記載の電池ハウジング。
【請求項8】
前記ライニングプレートの厚さは、前記カバープレートの厚さよりも大きい、請求項6又は7に記載の電池ハウジング。
【請求項9】
注液孔封止キャップをさらに含み、前記注液孔封止キャップは、前記カバープレート及びライニングプレートに接続され、前記注液孔を閉鎖する、請求項6~8のいずれか一項に記載の電池ハウジング。
【請求項10】
前記注液孔封止キャップを前記カバープレート及び前記ライニングプレートに溶接する溶接シームは、第1溶接シーム及び第2溶接シームを含み、前記第2溶接シームから前記注液孔の縁までの距離は、前記第1溶接シームから前記注液孔の縁までの距離よりも大きい、請求項9に記載の電池ハウジング。
【請求項11】
前記第1溶接シームの位置は、前記注液孔の縁位置から0.05~0.1mm離れる、請求項10に記載の電池ハウジング。
【請求項12】
前記プレート本体は、厚さが均一な金属プレートであり、前記複数のサイドプレートの所定の箇所は、溶接によって接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、前記中間ハウジングに溶接されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖する、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池ハウジング。
【請求項13】
前記カバープレートの外側表面の面積は、前記中間ハウジングの他のいずれかの外表面の面積よりも小さい、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池ハウジング。
【請求項14】
少なくとも1つの電池ユニットを含む電池であって、前記電池ユニットは、請求項1~13のいずれか一項に記載の電池ハウジングと、前記電池ハウジング内に収容された電気化学ユニットとを含む、電池。
【請求項15】
電気機器を含む電子装置であって、請求項14に記載の電池をさらに含む、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年6月23日に提出された、出願番号が202110699260.2である中国特許出願に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、リチウムイオン電池などの二次電池のハウジングは、一般的には、アルミニウムプラスチックフィルムの形態及び合金ハウジングの形態を含む。合金ハウジングは、硬く、耐圧性があり、電池の封止の信頼性を向上させ、広い封止縁及び折り曲げ縁を必要とせず、薄いハウジング厚さとすることで、セルのエネルギー密度を向上させることができる。しかしながら、このような合金ハウジングは、一般的には、プレス及び絞り加工によって形成され、収容空間を提供する第1ハウジングと、第1ハウジングの開放側を閉鎖する第2ハウジングとを含む。第1ハウジングは、絞り加工時に四周のR角が割れやすく、しわが生じて変形しやすいため、ハウジングの歩留まりが悪くなる。第1ハウジング及び第2ハウジングの四周の溶接封止のためのフランジは、電池の全体空間を占め、電池の有効空間利用率をある程度で制限し、さらに電池のエネルギー密度の向上を制限する。したがって、改善の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑み、本願は、電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置を開示し、電池ハウジングの加工歩留まり及び使用信頼性を向上させ、電池ハウジングの電池の全体空間に対する占用を低減することを目的とする。
【0005】
解決手段は、以下のとおりである。
電池ハウジングは、一体成形されたプレート本体を含み、前記プレート本体は、展開状態で所定の形状を呈し、複数の折り返し部が予め設置され、前記プレート本体は、前記複数の折り返し部に沿ってカバープレート及び複数のサイドプレートに仕切られ、前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖し、それにより電気化学ユニットを収容する収容空間を前記中間ハウジングの内部に形成する。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記プレート本体が展開状態である場合、前記複数のサイドプレートは、同一方向に沿って配列され、前記プレート本体は、前記サイドプレートの配列方向の両側に分布する2つのカバープレートを含み、
前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、前記2つのカバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、それぞれ前記中間ハウジングの2つの開放端を閉鎖する。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記プレート本体が展開状態である場合、
前記複数のサイドプレートは、同一方向に配列された複数のサイドプレートと、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の一側に位置する1つのサイドプレートとを含み、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、前記1つのサイドプレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、前記中間ハウジングの1つの開放端を閉鎖し、
前記カバープレートは、1つであり、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の他側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返された後、前記中間ハウジングの他の開放端を閉鎖する。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記サイドプレート及び前記カバープレートは、略矩形状を呈し、前記カバープレートの外形は、前記中間ハウジングの開放端の形状に適合する。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返され、前記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、外縁が該対応する開放端の外周から突出する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記電池ハウジングは、ライニングプレートをさらに含み、前記ライニングプレートは、前記カバープレートの一側に接続され、
前記カバープレートが所定の折り返し部に沿って折り返され、前記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、前記ライニングプレートは、前記カバープレートの該対応する開放端に向かう側に位置し、
前記電池ハウジングは、前記ライニングプレート及び対応するカバープレートを貫通する注液孔をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記ライニングプレートの周方向寸法は、前記カバープレートの周方向寸法よりも小さく、前記カバープレートの周方向寸法は、前記中間ハウジングの該対応する開放端の周方向寸法よりも大きい。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記ライニングプレートの厚さは、前記カバープレートの厚さよりも大きい。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記注液孔封止キャップを前記カバープレート及び前記ライニングプレートに溶接する溶接シームは、第1溶接シーム及び第2溶接シームを含み、前記第2溶接シームから前記注液孔の縁までの距離は、前記第1溶接シームから前記注液孔の縁までの距離よりも大きい。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記第1溶接シームの位置は、前記注液孔の縁位置から0.05~0.1mm離れる。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記プレート本体は、厚さが均一な金属プレートであり、前記複数のサイドプレートの所定の箇所は、溶接されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、前記中間ハウジングに溶接されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖する。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記カバープレートの外側表面の面積は、前記中間ハウジングの他のいずれかの外表面の面積よりも小さい。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記プレート本体は、材質がニッケル、ニッケル合金、炭素鋼及び合金鋼のうちの1種又は複数種を含む。
【0018】
本願に係る電池は、少なくとも1つの電池ユニットを含み、前記電池ユニットは、前述のいずれかの電池ハウジングと、前記電池ハウジング内に収容された電気化学ユニットとを含む。
【0019】
本願に係る電子装置は、電気機器と、前述の電池とを含む。
【0020】
前述の電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置において、電池ハウジングは、一体成形されたプレート本体で製造され、前記プレート本体は、展開状態で所定の形状を呈し、複数の折り返し部が予め設置され、前記プレート本体は、前記複数の折り返し部に沿ってカバープレート及び複数のサイドプレートに仕切られ、このようにして、前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖し、それにより電気化学ユニットを収容する収容空間を前記中間ハウジングの内部に形成する。このような電池ハウジングは、絞り加工方式で形成された電池ハウジングの四周のR角の割れ、絞り加工によるしわ、変形などの問題を回避し、構造部材の加工難度を低下させるだけでなく、電池ハウジングの四周に広いフランジが占める電池有効空間を減少させて、電池のエネルギー密度を向上させることができる。また、このような一体化電池ハウジングの設計は、カバープレートが中間ハウジングと別体である電池ハウジングに比べて、接続位置及び工程を減少させることにより、成形された電池ハウジングの気密性を高めて生産工程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本願の上記記載及び他の目的と利点は、添付図面を参照しながら以下に詳細に説明される。
【0022】
図1】電子装置の一実施形態における概略論理構造図である。
図2】好ましい実施形態における電池の斜視図である。
図3図2の電池の部分展開状態の概略構造図である。
図4】電池ハウジングの実施例1における概略図であり、電池ハウジングのプレート本体が展開状態にある。
図5】電池ハウジングの実施例2における概略図であり、電池ハウジングのプレート本体が展開状態にある。
図6】電池ハウジングの実施例3における概略図であり、電池ハウジングのプレート本体が展開状態にある。
図7】電池ハウジングの実施例4における概略図であり、電池ハウジングのプレート本体が展開状態にある。
図8図4又は図5に示す電池ハウジングの概略構造図であり、電池ハウジングのサイドプレートが閉鎖状態にある。
図9図6又は図7に示す電池ハウジングの概略構造図であり、電池ハウジングのサイドプレートが閉鎖状態にある。
図10】電池ハウジングの概略構造図である。
図11】電池ハウジングのカバープレート、ライニングプレート及び注液孔封止キャップが溶接されている場合の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、以下、本願の実施例を詳細に説明する。
【0024】
図1に示すように、本願に係る電子装置100は、電池101及び電気機器102を含み、上記電池101は、上記電気機器102に給電する。実際の応用において、上記電子装置100は、電池101で給電する必要がある任意の装置であってもよく、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコンなどのモバイル電子機器であってもよく、電動二輪車、バランススクーター、純電気自動車、ハイブリッド車両などの交通機関であってもよく、電子装置100の具体的なタイプについて制限されず、本願に係る電池101で給電することができればよい。
【0025】
図2図3に示すように、上記電池101は、少なくとも1つの電池ユニットを含み、上記電池ユニットは、電池ハウジング10と、上記電池ハウジング10に収容された電気化学ユニット20とを含む。上記電池ユニットは、単電池として理解され得る。上記電池101は、1つの単電池のみを含んでもよく、複数の単電池を含んでもよく、すなわち、電池101は、複数の単電池を含む電池パック又は組電池であってもよい。
【0026】
以下、電池101が1つの電池ユニットのみを含むことを例として説明する。この場合、電池101は、電池ユニットとして直接的に理解され得るため、電池101が複数の電池ユニットを含む場合、電池パック又は組電池が複数の下記電池101を含むことが理解され得て、単独で説明しない。
【0027】
実際の応用において、上記電池101は、リチウムイオン電池であってもよく、他のタイプの電池であってもよい。上記電気化学ユニット20は、電極アセンブリ、すなわち、セルを含んでもよく、電解液又は電解質を含んでもよく、具体的な電池タイプに応じて決められる。
【0028】
図4図11に示すように、上記電池ハウジング10は、一体成形されたプレート本体110を含み、上記プレート本体110は、展開状態で所定の形状を呈し、複数の折り返し部が予め設置される。上記プレート本体110は、上記複数の折り返し部に沿ってカバープレート及び複数のサイドプレートに仕切られる。上記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジング1101を形成し、上記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返されて上記中間ハウジング1101の開放端1102を閉鎖し、それにより電気化学ユニット20を収容する収容空間を上記中間ハウジング1101の内部に形成する。
【0029】
具体的には、上記電池ハウジング10の複数のサイドプレート及びカバープレートは、一体成形されて、プレート本体110を形成してもよい。複数のサイドプレート及びカバープレートは、上記プレート本体110上に分布する所定の位置が予め決定されてもよく、上記複数のサイドプレート及びカバープレートは、複数の折り返し部によって仕切られてもよい。
【0030】
いくつかの折り返し部は、上記複数のサイドプレートの折り返し位置を決定し、上記複数のサイドプレートがこれらの折り返し部に沿って折り返された後、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジング1101を形成することができる。他のいくつかの折り返し部は、上記カバープレートの折り返し位置を決定し、上記カバープレートがこれらの折り返し部に沿って折り返された後、上記中間ハウジング1101の開放端に転向して、中間ハウジング1101の開放端を閉鎖することにより、中間ハウジング1101がカバープレートとともに閉鎖された電池ハウジング10を形成し、中間ハウジング1101内、すなわち、電池ハウジング10内には、前述の電気化学ユニット20を収容する収容空間が形成される。
【0031】
具体的な実施において、折り返し部は、折り返し線であってもよく、すなわち、折り返し部は、実体構造ではなく、予め決定された折り返し位置又は折り返し跡である。折り返し部は、一定の寸法を有する実体構造であってもよく、例えば、折り返し部は、上記プレート本体110に一定の幅及び面積を占めることができ、折り返し位置を決定することができればよい。
【0032】
上記電池ハウジング10は、一体成形されたプレート本体110を折り返すことにより製造され、絞り加工方式で形成された電池ハウジング10の四周のR角の割れ、絞り加工によるしわ、変形などの問題を回避し、電池ハウジング10の加工難度を低下させるだけでなく、電池ハウジング10の四周に広いフランジが占める電池有効空間を減少させて、電池のエネルギー密度を向上させることができる。また、このような一体化電池ハウジング10の設計は、別体の電池ハウジングに比べて、接続位置及び工程を減少させることにより、成形された電池ハウジングの気密性を高めて生産工程を簡略化することができる。
【0033】
なお、上記電池ハウジング10の販売時の状態は、展開状態であってもよく、部分的に閉鎖された状態であってもよく、閉鎖が完了した状態であってもよく、いずれも本願の思想に含まれる。具体的には、上記電池ハウジング10の製品形態は、複数あり得る。例えば、電池ハウジング10は、販売時に完全に展開した状態であってもよく、その形態が展開状態のプレート本体110であり、プレート本体110において、上記複数の折り返し部、上記複数のサイドプレート及びカバープレートをマークなどの形式で同時に区別することができればよい。電池ハウジング10は、販売時に部分的に閉鎖された状態であってもよく、例えば、電池ハウジング10は、販売時に、上記複数のサイドプレートの折り返しが完了しており、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジング1101が形成されているものの、上記カバープレートが上記中間ハウジング1101の開放端を閉鎖していない状態である可能性がある。これらの状態は、いずれも本願の思想を具現化することができ、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【0034】
いくつかの実施形態において、成形された上記電池ハウジング10は、設計及び加工を容易にするために、通常、直方体状などの規則的な形状となる。実際の応用において、成形された上記電池ハウジング10は、必要に応じて不規則的な形状又は全体的に規則的であり、部分的に異形である形状に設定されてもよい。以下、上記電池ハウジング10が成形状態で直方体を呈することを例として詳細に説明し、電池ハウジング10が不規則的な形状又は全体的に規則的であり、部分的に異形である状況は、以下の方式を参照して簡単な変形を行うことにより実現することができる。
【0035】
図4図7に示すように、いくつかの実施形態において、上記プレート本体110が展開状態である場合、上記複数のサイドプレートは、同一方向に沿って配列される。上記プレート本体110は、上記複数のサイドプレートの配列方向の両側に分布する2つのカバープレートを含む。2つのカバープレートは、それぞれ第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132としてマークされる。
【0036】
上記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジング1101を形成する。上記2つのカバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、それぞれ上記中間ハウジング1101の2つの開放端1102を閉鎖する。
【0037】
例えば、具体的な実施において、第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132は、図4図7に示す4つの形態を参照して分布することができる。
【実施例1】
【0038】
図4に示すように、実施例1において、上記プレート本体110は、略中心対称の形状であり、上記プレート本体110は、展開状態である場合、5つのサイドプレート及び2つのカバープレートを含む。該5つのサイドプレートは、同一方向に沿って配列され、順にそれぞれ第1サイドプレート1111、第2サイドプレート1112、第3サイドプレート1113、第4サイドプレート1114、及び第5サイドプレート1115としてマークされる。これらの5つのサイドプレートは、4つの折り返し部によって仕切られ形成される。該4つの折り返し部は、それぞれ第1折り返し部1121、第2折り返し部1122、第3折り返し部1123、及び第4折り返し部1124としてマークされる。第2サイドプレート1112は、形状が第4サイドプレート1114の形状と同じであり、折り返された後、中間ハウジング1101の2つの対向する側面を形成する。第1サイドプレート1111は、第5サイドプレート1115と折り返されて接合された後、形状が第3サイドプレート1113の形状と同じであり、また、第1サイドプレート1111が第5サイドプレート1115と折り返されて接合された後、第3サイドプレート1113と対向する側面を形成する。このようにして、中間ハウジング1101の4つの側面が形成され、また、対向して配置される2つの側面の形状は、略同じである。ここでの「略」同じとは、加工精度の影響、誤差、偏差などによって引き起こされる可能性のある非絶対的な同じであるか、又は実際の応用において不可避的に導入され、能動的に設計された多少の局所形状差異を指す。
【0039】
第1折り返し部1121、第2折り返し部1122、第3折り返し部1123、及び第4折り返し部1124は、互いに平行な4つの折り返し線であってもよい。それに応じて、第1サイドプレート1111、第2サイドプレート1112、第3サイドプレート1113、第4サイドプレート1114、及び第5サイドプレート1115は、全体として矩形を呈し、4つの折り返し部により仕切られて上記5つのサイドプレートを形成する。
【0040】
2つのカバープレートは、上記複数のサイドプレートの配列方向の両側に分布する。2つのカバープレートは、それぞれ第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132としてマークされる。第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132は、上記複数のサイドプレートが中間ハウジング1101を形成した後に該中間ハウジング1101の2つの対向する開放端1102を閉鎖するように、上記複数のサイドプレートの配列方向の両側に分布する。本実施形態において、第1カバープレート1131は、上記第2サイドプレート1112の一側に設置され、第2カバープレート1132は、上記第4サイドプレート1114の一側に設置され、上記第2カバープレート1132と上記第1カバープレートとは、上記プレート本体110の両側に対向して分布する。上記第1カバープレート1131と上記第2サイドプレート1112との間に第5折り返し部1125が予め設置され、上記第2カバープレート1132と上記第4サイドプレート1114との間に第6折り返し部1126が予め設置される。第5折り返し部1125及び第6折り返し部1126は、互いに平行な2つの折り返し線であってもよい。
【0041】
また、図8に示すように、上記プレート本体110を折り返して成形する場合、上記第1サイドプレート1111は、上記第1折り返し部1121に沿って上記第2サイドプレート1112に向かって90°折り返されてもよく、上記第2サイドプレート1112は、上記第2折り返し部1122に沿って上記第3サイドプレート1113に向かって90°折り返されてもよく、上記第3サイドプレート1113は、上記第3折り返し部1123に沿って上記第4サイドプレート1114に向かって90°折り返されてもよく、上記第4サイドプレート1114は、上記第4折り返し部1124に沿って上記第5サイドプレート1115に向かって90°折り返されてもよい。このようにして、第2サイドプレート1112と第4サイドプレート1114とは形状が同じであり、折り返されて中間ハウジング1101の対向する2つの側面を形成し、第1サイドプレート1111は、第5サイドプレート1115と折り返されて接合された後、形状が第3サイドプレート1113の形状と同じであり、また、第1サイドプレート1111が第5サイドプレート1115と折り返されて接合された後、第3サイドプレート1113と対向する側面を形成する。このようにして、中間ハウジング1101の4つの側面が形成され、また、対向して配置される2つの側面の形状は、同じである。すなわち、両端が開放された直方体状のハウジングが形成される。また、上記第1カバープレート1131は、第5折り返し部1125に沿って上記第2サイドプレート1112に向かって90度折り返されて、上記直方体状のハウジングの1つの開放端を閉鎖してもよく、上記第2カバープレート1132は、第6折り返し部1126に沿って上記第4サイドプレート1114に向かって90°折り返されて、上記直方体状のハウジングの他の開放端を閉鎖してもよい。
【0042】
上記5つのサイドプレート及び2つのカバープレートの折り返しにより、直方体状の閉鎖された電池ハウジング10を形成することができ、電池ハウジング10の内部の空間は、電気化学ユニット20に用いられ、電池101を製造する。第1サイドプレート1111と第5サイドプレート1115との接合は、溶接により実現されてもよい。第1カバープレート1131は、上記直方体状のハウジングの1つの開放端の端面に溶接されて該開放端の閉鎖を実現し、それに応じて、第2カバープレート1132は、直方体状のハウジングの他の開放端の端面に溶接されて他の開放端を閉鎖してもよい。実際の応用において、上記溶接は、他の方式で代替されてもよく、対応する位置の接合及び閉鎖を実現できればよい。
【実施例2】
【0043】
図5に示すように、実施例2におけるプレート本体110の構造は、実施例1のものと基本的に同じであり、実施例1と比較して、相違点は、実施例2における第1カバープレート1131が上記第2サイドプレート1112の他側に設置され、第2カバープレート1132が上記第4サイドプレート1114の他側に設置され、上記第2カバープレート1132と上記第1カバープレートとが上記プレート本体110の両側に対向して分布していることのみである。他の実施形態は、基本的に同じであるため、説明を省略する。
【実施例3】
【0044】
図6に示すように、実施例2におけるプレート本体110の構造は、実施例1のものと基本的に同じであり、相違点は、実施例3において、第1カバープレート1131が上記第2サイドプレート1112の一側に設置され、第2カバープレート1132が上記第2サイドプレート1112の一側と対向する側に設置されることのみである。上記第1カバープレート1131と上記第2サイドプレート1112との間に第5折り返し部1125が予め設置され、上記第2カバープレート1132と上記第2サイドプレート1112との間に第6折り返し部1126が予め設置される。
【0045】
また、図9に示すように、上記プレート本体110の折り返し成形の過程において、上記第1カバープレート1131は、第5折り返し部1125に沿って上記第2サイドプレート1112に向かって90°折り返されてもよく、上記直方体状のハウジングの1つの開放端を閉鎖してもよく、上記第2カバープレート1132は、第6折り返し部1126に沿って上記第2サイドプレート1112に向かって90°折り返されて、上記直方体状のハウジングの他の開放端を閉鎖してもよい。
【実施例4】
【0046】
図7に示すように、実施例2におけるプレート本体110の構造は、実施例3のものと基本的に同じであり、相違点は、実施例4において、第1カバープレート1131が上記第4サイドプレート1114の一側に設置され、第2カバープレート1132が上記第4サイドプレート1114の一側と対向する側に設置されることのみである。上記第1カバープレート1131と上記第4サイドプレート1114との間に第5折り返し部1125が予め設置され、上記第2カバープレート1132と上記第4サイドプレート1114との間に第6折り返し部1126が予め設置される。
【0047】
上記プレート本体110の折り返し成形の過程において、上記第1カバープレート1131は、第5折り返し部1125に沿って上記第4サイドプレート1114に向かって90°折り返されて、上記直方体状のハウジングの1つの開放端を閉鎖してもよく、上記第2カバープレート1132は、第6折り返し部1126に沿って上記第4サイドプレート1114に向かって90°折り返されて、上記直方体状のハウジングの他の開放端を閉鎖してもよい。
【実施例5】
【0048】
実施例5において、
上記プレート本体が展開状態である場合、上記複数のサイドプレートは、同一方向に配列された複数のサイドプレートと、上記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の一側に位置する1つのサイドプレートとを含み、上記同一方向に配列された複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、上記1つのサイドプレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、上記中間ハウジングの1つの開放端を閉鎖し、上記カバープレートは、1つであり、上記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の他側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返された後、上記中間ハウジングの他の開放端を閉鎖する。
【0049】
つまり、上記プレート本体110は、展開状態である場合、複数のサイドプレートと、1つのサイドプレートと、1つのカバープレートと、を含み、
上記複数のサイドプレートは、同一方向に配列され、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、
該1つのサイドプレートは、上記複数のサイドプレートの配列方向の一側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返されて上記中間ハウジングの1つの開放端を閉鎖し、
1つのカバープレートは、上記複数のサイドプレートの配列方向の他側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返されて上記中間ハウジングの他の開放端を閉鎖する。
【0050】
言い換えれば、実施例5と前述の実施例1~実施例4におけるいずれかとの相違点は、実施例5において、上記プレート本体110が1つのカバープレートのみを含んでもよいことである。いくつかの応用シナリオにおいて、上記電池ハウジング10は、その一側のみに、電池101の注液、電気的な引き出しなどに用いられる1つのカバープレートが設置されてもよい。したがって、実施例1~実施例4のいずれかにおける2つのカバープレートのうちの1つのカバープレートもサイドプレートとして設置され、そのうちの1つのカバープレートのみを保留すればよい。その他の具体的な実施形態は、いずれかの実施例によって実現されるため、別途図面を参照して説明しない。
【0051】
いくつかの実施形態において、上記サイドプレート及び上記カバープレートは、略矩形状を呈する。上記カバープレートの外形は、上記中間ハウジングの開放端の形状に適合する。具体的には、上記カバープレートの外形が上記中間ハウジングの開放端の形状に適合することとは、上記カバープレートの形状が上記中間ハウジングの開放端の形状と基本的に同じであり、カバープレートが上記直方体状のハウジングの1つの開放端の端面との溶接によって該開放端を閉鎖する要求を実現することを指す。
【0052】
例えば、上記カバープレートの外縁寸法は、閉鎖効果を保証するように、開放端の端面の外縁寸法よりも大きくてもよい。すなわち、いくつかの実施形態において、上記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返され、上記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、外縁が該対応する開放端の外周から突出し、それによりカバープレートが該開放端を閉鎖できることを保証する。
【0053】
いくつかの実施形態において、上記電池ハウジング10は、ライニングプレート120をさらに含み、上記ライニングプレート120は、上記カバープレートの一側に接続される。上記カバープレートが所定の折り返し部に沿って折り返され、上記中間ハウジング1101の対応する開放端を閉鎖した後、上記ライニングプレート120は、上記カバープレートの該対応する開放端に向かう側に位置する。上記電池ハウジング10は、上記ライニングプレート120及び対応するカバープレートを貫通する注液孔130をさらに含む。
【0054】
カバープレートの内側にライニングプレート120を接続することにより、カバープレートの全体強度が向上し、カバープレートに注液孔及び他の孔位置を加工する際の変形リスクを低減し、構造部材の歩留まりを向上させることができる。電池ハウジング10が予め設置された第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132を含む場合、孔位置の設置状況に応じてライニングプレート120を設置してもよい。具体的には、第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132のうちの1つのみに孔位置が設置される場合、それに応じて、孔位置が設置された第1カバープレート1131又は第2カバープレート1132の内側にのみライニングプレート120を設置することができる。第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132にいずれも孔位置を設置する必要がある場合、それに応じて、補強のために第1カバープレート1131と第2カバープレート1132の内側にそれぞれライニングプレート120を設置することができる。
【0055】
それに応じて、上記電池ハウジング10は、注液孔封止キャップ140をさらに含む。上記注液孔封止キャップ140は、上記カバープレート及びライニングプレート120に接続されるとともに上記注液孔130を閉鎖する。
【0056】
上記ライニングプレート120の周方向寸法を上記カバープレートの周方向寸法よりも小さく設定してもよく、上記カバープレートの周方向寸法は、上記中間ハウジング1101の該対応する開放端1102の周方向寸法よりも大きい。上記カバープレートは、上記ライニングプレート120と一体に接続された後、周側に段差が形成されるため、開放端1102との組み立てが容易になる。
【0057】
いくつかの実施形態において、上記ライニングプレート120の厚さは、上記カバープレートの厚さよりも大きい。このようにして、カバープレートの強度を保証するとともに、プレート本体110の厚さを小さい範囲内に制御することができる。
【0058】
例えば、上記プレート本体110は、厚さが均一な金属プレートであってもよい。上記複数のサイドプレートの所定の箇所は、溶接されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジング1101を形成し、上記カバープレートは、上記中間ハウジング1101に溶接されて上記中間ハウジング1101の開放端1102を閉鎖する。上記プレート本体110の材質は、ニッケル、ニッケル合金、炭素鋼及び合金鋼のうちの1種又は複数種を含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、上記カバープレートの外側表面の面積は、上記中間ハウジング1101の他のいずれかの外表面の面積よりも小さい。言い換えれば、上記カバープレートの外側表面の面積は、上記中間ハウジング1101のすべての外表面の中で最も面積が小さい。このようにして、主要溶接位置を電池ハウジング10の大きい面から避け、大きい面の平面度を保証することができる。
【0060】
具体的な実施において、電気化学ユニット20は、電極体を含み、上記電池ハウジング10は、正極柱150及び負極接続片160をさらに含む。上記正極柱150は、上記カバープレートに接続されたリベットであってもよい。
【0061】
電極体の負極タブ210は、ライニングプレート120に溶接されて上記負極接続片160に溶接され、正極タブ220は、リベットに接続されてもよく、リベットは、カバープレート及びライニングプレート120とともに絶縁処理が行われ、注液孔130には、図11に示すように、注液孔封止キャップ140とカバープレート及びライニングプレート120とを溶接により融合して封止する。
【0062】
カバープレートとライニングプレート120は、2層又は2層以上の金属片を重ね溶接して製造されるため、電池ハウジング10の封止性を考慮して、注液孔封止キャップ140及び正極柱150に溶接を行う際に、少なくとも2つの溶接シームを設置することができる。
【0063】
例えば、注液孔封止キャップ140を溶接する際に、液孔に隣接する箇所130に第1溶接シーム170である溶接シームを1周追加する必要があり、第1溶接シーム170の位置が注液孔130の縁位置から0.05~0.1mm離れ、第1溶接シーム170の位置から注液孔130の縁までの距離を小さく設計することを確保し、電池の注液及び後続きの工程により電解液がカバープレートとライニングプレート120との2層の金属片の間に残存することを引き起こす可能性があることを回避し、注液孔封止キャップ140の溶接品質及び電池ハウジング10の封止性に影響を与えるリスクを回避することができる。注液封止キャップ140がカバープレート及びライニングプレート120に溶接される溶接シームは、第2溶接シーム180であり、第2溶接シーム180から注液孔130の縁までの距離が第1溶接シーム170から注液孔130の縁までの距離以上であることを確保する必要があるとともに、第2溶接シーム180は、大きな溶接エネルギーを用いて、第1カバープレート1131、ライニングプレート120及び注液孔封止キャップ140の3層の封止接続を完了することを保証する必要があり、このようにして、注液孔130の液漏れのリスクを低減することができる。同様に、正極柱150の溶接も同じ方式で行われてもよい。
【0064】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などの参照を表す語句は、当該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書における、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。
【0065】
本願の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本願の原理及び目的を逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されることを理解することができる。
【符号の説明】
【0066】
10 電池ハウジング
20 電気化学ユニット
100 電子装置
101 電池
102 電気機器
110 プレート本体
120 ライニングプレート
130 注液孔
140 注液孔封止キャップ
150 正極柱
160 負極接続片
170 第1溶接シーム
180 第2溶接シーム
210 負極タブ
220 正極タブ
1101 中間ハウジング
1102 開放端
1111 第1サイドプレート
1112 第2サイドプレート
1113 第3サイドプレート
1114 第4サイドプレート
1115 第5サイドプレート
1121 第1折り返し部
1122 第2折り返し部
1123 第3折り返し部
1124 第4折り返し部
1125 第5折り返し部
1126 第6折り返し部
1131 第1カバープレート
1132 第2カバープレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体成形されたプレート本体を含む電池ハウジングであって、
前記プレート本体は、展開状態で所定の形状を呈し、複数の折り返し部が予め設置され、前記プレート本体は、前記複数の折り返し部に沿ってカバープレート及び複数のサイドプレートに仕切られ、前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖し、電気化学ユニットを収容する収容空間を前記中間ハウジングの内部に形成する、電池ハウジング。
【請求項2】
前記プレート本体が展開状態であるとき、前記複数のサイドプレートは、同一方向に沿って配列され、前記プレート本体は、前記サイドプレートの配列方向の両側に分布する2つのカバープレートを含み、
前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、前記2つのカバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、それぞれ前記中間ハウジングの2つの開放端を閉鎖する、請求項1に記載の電池ハウジング。
【請求項3】
前記プレート本体が展開状態であるとき
前記複数のサイドプレートは、同一方向に配列された複数のサイドプレートと、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の一側に位置する1つのサイドプレートとを含み、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、前記1つのサイドプレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、前記中間ハウジングの1つの開放端を閉鎖し、
前記カバープレートは、1つであり、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の他側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返された後、前記中間ハウジングの他の開放端を閉鎖する、請求項1に記載の電池ハウジング。
【請求項4】
前記サイドプレート及び前記カバープレートは、略矩形状を呈し、前記カバープレートの外形は、前記中間ハウジングの開放端の形状に適合する、請求項に記載の電池ハウジング。
【請求項5】
前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返され、前記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、外縁が該対応する開放端の外周から突出する、請求項4に記載の電池ハウジング。
【請求項6】
ライニングプレートをさらに含み、前記ライニングプレートは、前記カバープレートの一側に接続され、
前記カバープレートが所定の折り返し部に沿って折り返され、前記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、前記ライニングプレートは、前記カバープレートの該対応する開放端に向かう側に位置し、
前記電池ハウジングは、前記ライニングプレート及び対応するカバープレートを貫通する注液孔をさらに含む、請求項に記載の電池ハウジング。
【請求項7】
前記ライニングプレートの周方向寸法は、前記カバープレートの周方向寸法よりも小さく、前記カバープレートの周方向寸法は、前記中間ハウジングの該対応する開放端の周方向寸法よりも大きい、請求項6に記載の電池ハウジング。
【請求項8】
前記ライニングプレートの厚さは、前記カバープレートの厚さよりも大きい、請求項に記載の電池ハウジング。
【請求項9】
注液孔封止キャップをさらに含み、前記注液孔封止キャップは、前記カバープレート及びライニングプレートに接続され、前記注液孔を閉鎖する、請求項に記載の電池ハウジング。
【請求項10】
前記注液孔封止キャップを前記カバープレート及び前記ライニングプレートに溶接する溶接シームは、第1溶接シーム及び第2溶接シームを含み、前記第2溶接シームから前記注液孔の縁までの距離は、前記第1溶接シームから前記注液孔の縁までの距離よりも大きい、請求項9に記載の電池ハウジング。
【請求項11】
前記第1溶接シームの位置は、前記注液孔の縁位置から0.05~0.1mm離れる、請求項10に記載の電池ハウジング。
【請求項12】
前記プレート本体は、厚さが均一な金属プレートであり、前記複数のサイドプレートの所定の箇所は、溶接によって接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、前記中間ハウジングに溶接されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖する、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池ハウジング。
【請求項13】
前記カバープレートの外側表面の面積は、前記中間ハウジングの他のいずれかの外表面の面積よりも小さい、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池ハウジング。
【請求項14】
少なくとも1つの電池ユニットを含む電池であって、前記電池ユニットは、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池ハウジングと、前記電池ハウジング内に収容された電気化学ユニットとを含む、電池。
【請求項15】
電気機器を含む電子装置であって、請求項14に記載の電池をさらに含む、電子装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年6月23日に提出された、出願番号が202110699260.2である中国特許出願に基づくものであり、かつその優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、リチウムイオン電池などの二次電池のハウジングは、一般的には、アルミニウムプラスチックフィルムの形態及び合金ハウジングの形態を含む。合金ハウジングは、硬く、耐圧性があり、電池の封止の信頼性を向上させ、広い封止縁及び折り曲げ縁を必要とせず、薄いハウジング厚さとすることで、セルのエネルギー密度を向上させることができる。しかしながら、このような合金ハウジングは、一般的には、プレス及び絞り加工によって形成され、収容空間を提供する第1ハウジングと、第1ハウジングの開放側を閉鎖する第2ハウジングとを含む。第1ハウジングは、絞り加工時に四周のR角が割れやすく、しわが生じて変形しやすいため、ハウジングの歩留まりが悪くなる。第1ハウジング及び第2ハウジングの四周の溶接封止のためのフランジは、電池の全体空間を占め、電池の有効空間利用率をある程度で制限し、さらに電池のエネルギー密度の向上を制限する。したがって、改善の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑み、本願は、電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置を開示し、電池ハウジングの加工歩留まり及び使用信頼性を向上させ、電池ハウジングの電池の全体空間に対する占用を低減することを目的とする。
【0005】
解決手段は、以下のとおりである。
電池ハウジングは、一体成形されたプレート本体を含み、前記プレート本体は、展開状態で所定の形状を呈し、複数の折り返し部が予め設置され、前記プレート本体は、前記複数の折り返し部に沿ってカバープレート及び複数のサイドプレートに仕切られ、前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖し、それにより電気化学ユニットを収容する収容空間を前記中間ハウジングの内部に形成する。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記プレート本体が展開状態であるとき、前記複数のサイドプレートは、同一方向に沿って配列され、前記プレート本体は、前記サイドプレートの配列方向の両側に分布する2つのカバープレートを含み、
前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、前記2つのカバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、それぞれ前記中間ハウジングの2つの開放端を閉鎖する。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記プレート本体が展開状態であるとき
前記複数のサイドプレートは、同一方向に配列された複数のサイドプレートと、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の一側に位置する1つのサイドプレートとを含み、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、前記1つのサイドプレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、前記中間ハウジングの1つの開放端を閉鎖し、
前記カバープレートは、1つであり、前記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の他側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返された後、前記中間ハウジングの他の開放端を閉鎖する。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記サイドプレート及び前記カバープレートは、略矩形状を呈し、前記カバープレートの外形は、前記中間ハウジングの開放端の形状に適合する。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返され、前記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、外縁が該対応する開放端の外周から突出する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記電池ハウジングは、ライニングプレートをさらに含み、前記ライニングプレートは、前記カバープレートの一側に接続され、
前記カバープレートが所定の折り返し部に沿って折り返され、前記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、前記ライニングプレートは、前記カバープレートの該対応する開放端に向かう側に位置し、
前記電池ハウジングは、前記ライニングプレート及び対応するカバープレートを貫通する注液孔をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記ライニングプレートの周方向寸法は、前記カバープレートの周方向寸法よりも小さく、前記カバープレートの周方向寸法は、前記中間ハウジングの該対応する開放端の周方向寸法よりも大きい。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記ライニングプレートの厚さは、前記カバープレートの厚さよりも大きい。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記注液孔封止キャップを前記カバープレート及び前記ライニングプレートに溶接する溶接シームは、第1溶接シーム及び第2溶接シームを含み、前記第2溶接シームから前記注液孔の縁までの距離は、前記第1溶接シームから前記注液孔の縁までの距離よりも大きい。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記第1溶接シームの位置は、前記注液孔の縁位置から0.05~0.1mm離れる。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記プレート本体は、厚さが均一な金属プレートであり、前記複数のサイドプレートの所定の箇所は、溶接されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、前記中間ハウジングに溶接されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖する。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記カバープレートの外側表面の面積は、前記中間ハウジングの他のいずれかの外表面の面積よりも小さい。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記プレート本体は、材質がニッケル、ニッケル合金、炭素鋼及び合金鋼のうちの1種又は複数種を含む。
【0018】
本願に係る電池は、少なくとも1つの電池ユニットを含み、前記電池ユニットは、前述のいずれかの電池ハウジングと、前記電池ハウジング内に収容された電気化学ユニットとを含む。
【0019】
本願に係る電子装置は、電気機器と、前述の電池とを含む。
【0020】
前述の電池ハウジング、該電池ハウジングを用いた電池及び該電池を用いた電子装置において、電池ハウジングは、一体成形されたプレート本体で製造され、前記プレート本体は、展開状態で所定の形状を呈し、複数の折り返し部が予め設置され、前記プレート本体は、前記複数の折り返し部に沿ってカバープレート及び複数のサイドプレートに仕切られ、このようにして、前記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジングを形成し、前記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返されて前記中間ハウジングの開放端を閉鎖し、それにより電気化学ユニットを収容する収容空間を前記中間ハウジングの内部に形成する。このような電池ハウジングは、絞り加工方式で形成された電池ハウジングの四周のR角の割れ、絞り加工によるしわ、変形などの問題を回避し、構造部材の加工難度を低下させるだけでなく、電池ハウジングの四周に広いフランジが占める電池有効空間を減少させて、電池のエネルギー密度を向上させることができる。また、このような一体化電池ハウジングの設計は、カバープレートが中間ハウジングと別体である電池ハウジングに比べて、接続位置及び工程を減少させることにより、成形された電池ハウジングの気密性を高めて生産工程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本願の上記記載及び他の目的と利点は、添付図面を参照しながら以下に詳細に説明される。
【0022】
図1】電子装置の一実施形態における概略論理構造図である。
図2】好ましい実施形態における電池の斜視図である。
図3図2の電池の部分展開状態の概略構造図である。
図4】電池ハウジングの実施例1における概略図であり、電池ハウジングのプレート本体が展開状態にある。
図5】電池ハウジングの実施例2における概略図であり、電池ハウジングのプレート本体が展開状態にある。
図6】電池ハウジングの実施例3における概略図であり、電池ハウジングのプレート本体が展開状態にある。
図7】電池ハウジングの実施例4における概略図であり、電池ハウジングのプレート本体が展開状態にある。
図8図4又は図5に示す電池ハウジングの概略構造図であり、電池ハウジングのサイドプレートが閉鎖状態にある。
図9図6又は図7に示す電池ハウジングの概略構造図であり、電池ハウジングのサイドプレートが閉鎖状態にある。
図10】電池ハウジングの概略構造図である。
図11】電池ハウジングのカバープレート、ライニングプレート及び注液孔封止キャップが溶接されている場合の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、以下、本願の実施例を詳細に説明する。
【0024】
図1に示すように、本願に係る電子装置100は、電池101及び電気機器102を含み、上記電池101は、上記電気機器102に給電する。実際の応用において、上記電子装置100は、電池101で給電する必要がある任意の装置であってもよく、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコンなどのモバイル電子機器であってもよく、電動二輪車、バランススクーター、純電気自動車、ハイブリッド車両などの交通機関であってもよく、電子装置100の具体的なタイプについて制限されず、本願に係る電池101で給電することができればよい。
【0025】
図2図3に示すように、上記電池101は、少なくとも1つの電池ユニットを含み、上記電池ユニットは、電池ハウジング10と、上記電池ハウジング10に収容された電気化学ユニット20とを含む。上記電池ユニットは、単電池として理解され得る。上記電池101は、1つの単電池のみを含んでもよく、複数の単電池を含んでもよく、すなわち、電池101は、複数の単電池を含む電池パック又は組電池であってもよい。
【0026】
以下、電池101が1つの電池ユニットのみを含むことを例として説明する。この場合、電池101は、電池ユニットとして直接的に理解され得るため、電池101が複数の電池ユニットを含む場合、電池パック又は組電池が複数の下記電池101を含むことが理解され得て、単独で説明しない。
【0027】
実際の応用において、上記電池101は、リチウムイオン電池であってもよく、他のタイプの電池であってもよい。上記電気化学ユニット20は、電極アセンブリ、すなわち、セルを含んでもよく、電解液又は電解質を含んでもよく、具体的な電池タイプに応じて決められる。
【0028】
図4図11に示すように、上記電池ハウジング10は、一体成形されたプレート本体110を含み、上記プレート本体110は、展開状態で所定の形状を呈し、複数の折り返し部が予め設置される。上記プレート本体110は、上記複数の折り返し部に沿ってカバープレート及び複数のサイドプレートに仕切られる。上記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジング1101を形成し、上記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返されて上記中間ハウジング1101の開放端1102を閉鎖し、それにより電気化学ユニット20を収容する収容空間を上記中間ハウジング1101の内部に形成する。
【0029】
具体的には、上記電池ハウジング10の複数のサイドプレート及びカバープレートは、一体成形されて、プレート本体110を形成してもよい。複数のサイドプレート及びカバープレートは、上記プレート本体110上に分布する所定の位置が予め決定されてもよく、上記複数のサイドプレート及びカバープレートは、複数の折り返し部によって仕切られてもよい。
【0030】
いくつかの折り返し部は、上記複数のサイドプレートの折り返し位置を決定し、上記複数のサイドプレートがこれらの折り返し部に沿って折り返された後、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジング1101を形成することができる。他のいくつかの折り返し部は、上記カバープレートの折り返し位置を決定し、上記カバープレートがこれらの折り返し部に沿って折り返された後、上記中間ハウジング1101の開放端に転向して、中間ハウジング1101の開放端を閉鎖することにより、中間ハウジング1101がカバープレートとともに閉鎖された電池ハウジング10を形成し、中間ハウジング1101内、すなわち、電池ハウジング10内には、前述の電気化学ユニット20を収容する収容空間が形成される。
【0031】
具体的な実施において、折り返し部は、折り返し線であってもよく、すなわち、折り返し部は、実体構造ではなく、予め決定された折り返し位置又は折り返し跡である。折り返し部は、一定の寸法を有する実体構造であってもよく、例えば、折り返し部は、上記プレート本体110に一定の幅及び面積を占めることができ、折り返し位置を決定することができればよい。
【0032】
上記電池ハウジング10は、一体成形されたプレート本体110を折り返すことにより製造され、絞り加工方式で形成された電池ハウジング10の四周のR角の割れ、絞り加工によるしわ、変形などの問題を回避し、電池ハウジング10の加工難度を低下させるだけでなく、電池ハウジング10の四周に広いフランジが占める電池有効空間を減少させて、電池のエネルギー密度を向上させることができる。また、このような一体化電池ハウジング10の設計は、別体の電池ハウジングに比べて、接続位置及び工程を減少させることにより、成形された電池ハウジングの気密性を高めて生産工程を簡略化することができる。
【0033】
なお、上記電池ハウジング10の販売時の状態は、展開状態であってもよく、部分的に閉鎖された状態であってもよく、閉鎖が完了した状態であってもよく、いずれも本願の思想に含まれる。具体的には、上記電池ハウジング10の製品形態は、複数あり得る。例えば、電池ハウジング10は、販売時に完全に展開した状態であってもよく、その形態が展開状態のプレート本体110であり、プレート本体110において、上記複数の折り返し部、上記複数のサイドプレート及びカバープレートをマークなどの形式で同時に区別することができればよい。電池ハウジング10は、販売時に部分的に閉鎖された状態であってもよく、例えば、電池ハウジング10は、販売時に、上記複数のサイドプレートの折り返しが完了しており、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジング1101が形成されているものの、上記カバープレートが上記中間ハウジング1101の開放端を閉鎖していない状態である可能性がある。これらの状態は、いずれも本願の思想を具現化することができ、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【0034】
いくつかの実施形態において、成形された上記電池ハウジング10は、設計及び加工を容易にするために、通常、直方体状などの規則的な形状となる。実際の応用において、成形された上記電池ハウジング10は、必要に応じて不規則的な形状又は全体的に規則的であり、部分的に異形である形状に設定されてもよい。以下、上記電池ハウジング10が成形状態で直方体を呈することを例として詳細に説明し、電池ハウジング10が不規則的な形状又は全体的に規則的であり、部分的に異形である状況は、以下の方式を参照して簡単な変形を行うことにより実現することができる。
【0035】
図4図7に示すように、いくつかの実施形態において、上記プレート本体110が展開状態であるとき、上記複数のサイドプレートは、同一方向に沿って配列される。上記プレート本体110は、上記複数のサイドプレートの配列方向の両側に分布する2つのカバープレートを含む。2つのカバープレートは、それぞれ第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132としてマークされる。
【0036】
上記複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジング1101を形成する。上記2つのカバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、それぞれ上記中間ハウジング1101の2つの開放端1102を閉鎖する。
【0037】
例えば、具体的な実施において、第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132は、図4図7に示す4つの形態を参照して分布することができる。
【実施例1】
【0038】
図4に示すように、実施例1において、上記プレート本体110は、略中心対称の形状であり、上記プレート本体110は、展開状態であるとき、5つのサイドプレート及び2つのカバープレートを含む。該5つのサイドプレートは、同一方向に沿って配列され、順にそれぞれ第1サイドプレート1111、第2サイドプレート1112、第3サイドプレート1113、第4サイドプレート1114、及び第5サイドプレート1115としてマークされる。これらの5つのサイドプレートは、4つの折り返し部によって仕切られ形成される。該4つの折り返し部は、それぞれ第1折り返し部1121、第2折り返し部1122、第3折り返し部1123、及び第4折り返し部1124としてマークされる。第2サイドプレート1112は、形状が第4サイドプレート1114の形状と同じであり、折り返された後、中間ハウジング1101の2つの対向する側面を形成する。第1サイドプレート1111は、第5サイドプレート1115と折り返されて接合された後、形状が第3サイドプレート1113の形状と同じであり、また、第1サイドプレート1111が第5サイドプレート1115と折り返されて接合された後、第3サイドプレート1113と対向する側面を形成する。このようにして、中間ハウジング1101の4つの側面が形成され、また、対向して配置される2つの側面の形状は、略同じである。ここでの「略」同じとは、加工精度の影響、誤差、偏差などによって引き起こされる可能性のある非絶対的な同じであるか、又は実際の応用において不可避的に導入され、能動的に設計された多少の局所形状差異を指す。
【0039】
第1折り返し部1121、第2折り返し部1122、第3折り返し部1123、及び第4折り返し部1124は、互いに平行な4つの折り返し線であってもよい。それに応じて、第1サイドプレート1111、第2サイドプレート1112、第3サイドプレート1113、第4サイドプレート1114、及び第5サイドプレート1115は、全体として矩形を呈し、4つの折り返し部により仕切られて上記5つのサイドプレートを形成する。
【0040】
2つのカバープレートは、上記複数のサイドプレートの配列方向の両側に分布する。2つのカバープレートは、それぞれ第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132としてマークされる。第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132は、上記複数のサイドプレートが中間ハウジング1101を形成した後に該中間ハウジング1101の2つの対向する開放端1102を閉鎖するように、上記複数のサイドプレートの配列方向の両側に分布する。本実施形態において、第1カバープレート1131は、上記第2サイドプレート1112の一側に設置され、第2カバープレート1132は、上記第4サイドプレート1114の一側に設置され、上記第2カバープレート1132と上記第1カバープレートとは、上記プレート本体110の両側に対向して分布する。上記第1カバープレート1131と上記第2サイドプレート1112との間に第5折り返し部1125が予め設置され、上記第2カバープレート1132と上記第4サイドプレート1114との間に第6折り返し部1126が予め設置される。第5折り返し部1125及び第6折り返し部1126は、互いに平行な2つの折り返し線であってもよい。
【0041】
また、図8に示すように、上記プレート本体110を折り返して成形する場合、上記第1サイドプレート1111は、上記第1折り返し部1121に沿って上記第2サイドプレート1112に向かって90°折り返されてもよく、上記第2サイドプレート1112は、上記第2折り返し部1122に沿って上記第3サイドプレート1113に向かって90°折り返されてもよく、上記第3サイドプレート1113は、上記第3折り返し部1123に沿って上記第4サイドプレート1114に向かって90°折り返されてもよく、上記第4サイドプレート1114は、上記第4折り返し部1124に沿って上記第5サイドプレート1115に向かって90°折り返されてもよい。このようにして、第2サイドプレート1112と第4サイドプレート1114とは形状が同じであり、折り返されて中間ハウジング1101の対向する2つの側面を形成し、第1サイドプレート1111は、第5サイドプレート1115と折り返されて接合された後、形状が第3サイドプレート1113の形状と同じであり、また、第1サイドプレート1111が第5サイドプレート1115と折り返されて接合された後、第3サイドプレート1113と対向する側面を形成する。このようにして、中間ハウジング1101の4つの側面が形成され、また、対向して配置される2つの側面の形状は、同じである。すなわち、両端が開放された直方体状のハウジングが形成される。また、上記第1カバープレート1131は、第5折り返し部1125に沿って上記第2サイドプレート1112に向かって90度折り返されて、上記直方体状のハウジングの1つの開放端を閉鎖してもよく、上記第2カバープレート1132は、第6折り返し部1126に沿って上記第4サイドプレート1114に向かって90°折り返されて、上記直方体状のハウジングの他の開放端を閉鎖してもよい。
【0042】
上記5つのサイドプレート及び2つのカバープレートの折り返しにより、直方体状の閉鎖された電池ハウジング10を形成することができ、電池ハウジング10の内部の空間は、電気化学ユニット20に用いられ、電池101を製造する。第1サイドプレート1111と第5サイドプレート1115との接合は、溶接により実現されてもよい。第1カバープレート1131は、上記直方体状のハウジングの1つの開放端の端面に溶接されて該開放端の閉鎖を実現し、それに応じて、第2カバープレート1132は、直方体状のハウジングの他の開放端の端面に溶接されて他の開放端を閉鎖してもよい。実際の応用において、上記溶接は、他の方式で代替されてもよく、対応する位置の接合及び閉鎖を実現できればよい。
【実施例2】
【0043】
図5に示すように、実施例2におけるプレート本体110の構造は、実施例1のものと基本的に同じであり、実施例1と比較して、相違点は、実施例2における第1カバープレート1131が上記第2サイドプレート1112の他側に設置され、第2カバープレート1132が上記第4サイドプレート1114の他側に設置され、上記第2カバープレート1132と上記第1カバープレートとが上記プレート本体110の両側に対向して分布していることのみである。他の実施形態は、基本的に同じであるため、説明を省略する。
【実施例3】
【0044】
図6に示すように、実施例におけるプレート本体110の構造は、実施例1のものと基本的に同じであり、相違点は、実施例3において、第1カバープレート1131が上記第2サイドプレート1112の一側に設置され、第2カバープレート1132が上記第2サイドプレート1112の一側と対向する側に設置されることのみである。上記第1カバープレート1131と上記第2サイドプレート1112との間に第5折り返し部1125が予め設置され、上記第2カバープレート1132と上記第2サイドプレート1112との間に第6折り返し部1126が予め設置される。
【0045】
また、図9に示すように、上記プレート本体110の折り返し成形の過程において、上記第1カバープレート1131は、第5折り返し部1125に沿って上記第2サイドプレート1112に向かって90°折り返されてもよく、上記直方体状のハウジングの1つの開放端を閉鎖してもよく、上記第2カバープレート1132は、第6折り返し部1126に沿って上記第2サイドプレート1112に向かって90°折り返されて、上記直方体状のハウジングの他の開放端を閉鎖してもよい。
【実施例4】
【0046】
図7に示すように、実施例におけるプレート本体110の構造は、実施例3のものと基本的に同じであり、相違点は、実施例4において、第1カバープレート1131が上記第4サイドプレート1114の一側に設置され、第2カバープレート1132が上記第4サイドプレート1114の一側と対向する側に設置されることのみである。上記第1カバープレート1131と上記第4サイドプレート1114との間に第5折り返し部1125が予め設置され、上記第2カバープレート1132と上記第4サイドプレート1114との間に第6折り返し部1126が予め設置される。
【0047】
上記プレート本体110の折り返し成形の過程において、上記第1カバープレート1131は、第5折り返し部1125に沿って上記第4サイドプレート1114に向かって90°折り返されて、上記直方体状のハウジングの1つの開放端を閉鎖してもよく、上記第2カバープレート1132は、第6折り返し部1126に沿って上記第4サイドプレート1114に向かって90°折り返されて、上記直方体状のハウジングの他の開放端を閉鎖してもよい。
【実施例5】
【0048】
実施例5において、
上記プレート本体が展開状態であるとき、上記複数のサイドプレートは、同一方向に配列された複数のサイドプレートと、上記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の一側に位置する1つのサイドプレートとを含み、上記同一方向に配列された複数のサイドプレートは、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、上記1つのサイドプレートは、所定の折り返し部に沿って折り返された後、上記中間ハウジングの1つの開放端を閉鎖し、上記カバープレートは、1つであり、上記同一方向に配列された複数のサイドプレートの配列方向の他側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返された後、上記中間ハウジングの他の開放端を閉鎖する。
【0049】
つまり、上記プレート本体110は、展開状態であるとき、複数のサイドプレートと、1つのサイドプレートと、1つのカバープレートと、を含み、
上記複数のサイドプレートは、同一方向に配列され、対応する折り返し部に沿って折り返された後に端と端が接合されて、両端が開放された箱状の中間ハウジングを形成し、
該1つのサイドプレートは、上記複数のサイドプレートの配列方向の一側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返されて上記中間ハウジングの1つの開放端を閉鎖し、
1つのカバープレートは、上記複数のサイドプレートの配列方向の他側に位置し、所定の折り返し部に沿って折り返されて上記中間ハウジングの他の開放端を閉鎖する。
【0050】
言い換えれば、実施例5と前述の実施例1~実施例4におけるいずれかとの相違点は、実施例5において、上記プレート本体110が1つのカバープレートのみを含んでもよいことである。いくつかの応用シナリオにおいて、上記電池ハウジング10は、その一側のみに、電池101の注液、電気的な引き出しなどに用いられる1つのカバープレートが設置されてもよい。したがって、実施例1~実施例4のいずれかにおける2つのカバープレートのうちの1つのカバープレートもサイドプレートとして設置され、そのうちの1つのカバープレートのみを保留すればよい。その他の具体的な実施形態は、いずれかの実施例によって実現されるため、別途図面を参照して説明しない。
【0051】
いくつかの実施形態において、上記サイドプレート及び上記カバープレートは、略矩形状を呈する。上記カバープレートの外形は、上記中間ハウジングの開放端の形状に適合する。具体的には、上記カバープレートの外形が上記中間ハウジングの開放端の形状に適合することとは、上記カバープレートの形状が上記中間ハウジングの開放端の形状と基本的に同じであり、カバープレートが上記直方体状のハウジングの1つの開放端の端面との溶接によって該開放端を閉鎖する要求を実現することを指す。
【0052】
例えば、上記カバープレートの外縁寸法は、閉鎖効果を保証するように、開放端の端面の外縁寸法よりも大きくてもよい。すなわち、いくつかの実施形態において、上記カバープレートは、所定の折り返し部に沿って折り返され、上記中間ハウジングの対応する開放端を閉鎖した後、外縁が該対応する開放端の外周から突出し、それによりカバープレートが該開放端を閉鎖できることを保証する。
【0053】
いくつかの実施形態において、上記電池ハウジング10は、ライニングプレート120をさらに含み、上記ライニングプレート120は、上記カバープレートの一側に接続される。上記カバープレートが所定の折り返し部に沿って折り返され、上記中間ハウジング1101の対応する開放端を閉鎖した後、上記ライニングプレート120は、上記カバープレートの該対応する開放端に向かう側に位置する。上記電池ハウジング10は、上記ライニングプレート120及び対応するカバープレートを貫通する注液孔130をさらに含む。
【0054】
カバープレートの内側にライニングプレート120を接続することにより、カバープレートの全体強度が向上し、カバープレートに注液孔及び他の孔位置を加工する際の変形リスクを低減し、構造部材の歩留まりを向上させることができる。電池ハウジング10が予め設置された第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132を含む場合、孔位置の設置状況に応じてライニングプレート120を設置してもよい。具体的には、第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132のうちの1つのみに孔位置が設置される場合、それに応じて、孔位置が設置された第1カバープレート1131又は第2カバープレート1132の内側にのみライニングプレート120を設置することができる。第1カバープレート1131及び第2カバープレート1132にいずれも孔位置を設置する必要がある場合、それに応じて、補強のために第1カバープレート1131と第2カバープレート1132の内側にそれぞれライニングプレート120を設置することができる。
【0055】
それに応じて、上記電池ハウジング10は、注液孔封止キャップ140をさらに含む。上記注液孔封止キャップ140は、上記カバープレート及びライニングプレート120に接続されるとともに上記注液孔130を閉鎖する。
【0056】
上記ライニングプレート120の周方向寸法を上記カバープレートの周方向寸法よりも小さく設定してもよく、上記カバープレートの周方向寸法は、上記中間ハウジング1101の該対応する開放端1102の周方向寸法よりも大きい。上記カバープレートは、上記ライニングプレート120と一体に接続された後、周側に段差が形成されるため、開放端1102との組み立てが容易になる。
【0057】
いくつかの実施形態において、上記ライニングプレート120の厚さは、上記カバープレートの厚さよりも大きい。このようにして、カバープレートの強度を保証するとともに、プレート本体110の厚さを小さい範囲内に制御することができる。
【0058】
例えば、上記プレート本体110は、厚さが均一な金属プレートであってもよい。上記複数のサイドプレートの所定の箇所は、溶接されて接合されて、周側が閉鎖されるとともに端部が開放された中間ハウジング1101を形成し、上記カバープレートは、上記中間ハウジング1101に溶接されて上記中間ハウジング1101の開放端1102を閉鎖する。上記プレート本体110の材質は、ニッケル、ニッケル合金、炭素鋼及び合金鋼のうちの1種又は複数種を含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、上記カバープレートの外側表面の面積は、上記中間ハウジング1101の他のいずれかの外表面の面積よりも小さい。言い換えれば、上記カバープレートの外側表面の面積は、上記中間ハウジング1101のすべての外表面の中で最も面積が小さい。このようにして、主要溶接位置を電池ハウジング10の大きい面から避け、大きい面の平面度を保証することができる。
【0060】
具体的な実施において、電気化学ユニット20は、電極体を含み、上記電池ハウジング10は、正極柱150及び負極接続片160をさらに含む。上記正極柱150は、上記カバープレートに接続されたリベットであってもよい。
【0061】
電極体の負極タブ210は、ライニングプレート120に溶接されて上記負極接続片160に溶接され、正極タブ220は、リベットに接続されてもよく、リベットは、カバープレート及びライニングプレート120とともに絶縁処理が行われ、注液孔130には、図11に示すように、注液孔封止キャップ140とカバープレート及びライニングプレート120とを溶接により融合して封止する。
【0062】
カバープレートとライニングプレート120は、2層又は2層以上の金属片を重ね溶接して製造されるため、電池ハウジング10の封止性を考慮して、注液孔封止キャップ140及び正極柱150に溶接を行う際に、少なくとも2つの溶接シームを設置することができる。
【0063】
例えば、注液孔封止キャップ140を溶接する際に、注液孔130に隣接する溶接シーム(第1溶接シーム170)を1周追加する必要があり、第1溶接シーム170の位置が注液孔130の縁位置から0.05~0.1mm離れ、第1溶接シーム170の位置から注液孔130の縁までの距離を小さく設計することを確保し、電池の注液及び後続きの工程により電解液がカバープレートとライニングプレート120との2層の金属片の間に残存することを引き起こす可能性があることを回避し、注液孔封止キャップ140の溶接品質及び電池ハウジング10の封止性に影響を与えるリスクを回避することができる。注液封止キャップ140がカバープレート及びライニングプレート120に溶接される溶接シームは、第2溶接シーム180であり、第2溶接シーム180から注液孔130の縁までの距離が第1溶接シーム170から注液孔130の縁までの距離以上であることを確保する必要があるとともに、第2溶接シーム180は、大きな溶接エネルギーを用いて、第1カバープレート1131、ライニングプレート120及び注液孔封止キャップ140の3層の封止接続を完了することを保証する必要があり、このようにして、注液孔130の液漏れのリスクを低減することができる。同様に、正極柱150の溶接も同じ方式で行われてもよい。
【0064】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などの参照を表す語句は、当該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書における、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。
【0065】
本願の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本願の原理及び目的を逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定されることを理解することができる。
【符号の説明】
【0066】
10 電池ハウジング
20 電気化学ユニット
100 電子装置
101 電池
102 電気機器
110 プレート本体
120 ライニングプレート
130 注液孔
140 注液孔封止キャップ
150 正極柱
160 負極接続片
170 第1溶接シーム
180 第2溶接シーム
210 負極タブ
220 正極タブ
1101 中間ハウジング
1102 開放端
1111 第1サイドプレート
1112 第2サイドプレート
1113 第3サイドプレート
1114 第4サイドプレート
1115 第5サイドプレート
1121 第1折り返し部
1122 第2折り返し部
1123 第3折り返し部
1124 第4折り返し部
1125 第5折り返し部
1126 第6折り返し部
1131 第1カバープレート
1132 第2カバープレート


【国際調査報告】