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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】物品のための構成要素
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20240628BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240628BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20240628BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
A24F40/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571333
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 GB2022051554
(87)【国際公開番号】W WO2022263859
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】2108816.6
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヘップワース, リチャード
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B162AA03
4B162AB12
4B162AB22
4B162AE02
(57)【要約】
本発明は、非燃焼式エアロゾル供給物品のための構成要素(3)、及び、構成要素を形成する方法に関する。構成要素は、長手方向に延在するコアセクション(26)と、コアセクションを取り囲み、加熱されたときにエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成基質を含む、長手方向に延在する外側セクション(27)と、備える。コアセクションは、加熱要素を受け入れるように構成された第1の材料を備える。方法は、エアロゾル生成基質のシート及び第1の材料を備えるアセンブリを用意するステップと、第1の材料によって形成されるコアセクションを取り囲む外側セクションをエアロゾル生成基質のシートが形成するように、エアロゾル生成基質のシート及び第1の材料を構成要素に配置するステップと、を含む。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼式エアロゾル供給システムにおいて使用するための非燃焼式エアロゾル供給物品のための構成要素であって、
長手方向に延在するコアセクションと、
前記コアセクションを取り囲み、加熱されたときにエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成基質を備える、長手方向に延在する外側セクションと、
を具備し、
前記コアセクションが、加熱要素を受け入れるように構成された第1の材料を備える、構成要素。
【請求項2】
前記コアセクション及び前記外側セクションが、同軸性に形成される、請求項1に記載の構成要素。
【請求項3】
前記コアセクションが、空洞を有する管を備え、前記空洞が、加熱要素を受け入れるように構成されている、請求項1又は2に記載の構成要素。
【請求項4】
前記空洞が、前記コアセクションの全長にわたって延在する、請求項3に記載の構成要素。
【請求項5】
前記管が、加熱要素が前記管に挿入されたときに加熱要素からの隙間を維持するように構成される、請求項3又は4に記載の構成要素。
【請求項6】
前記管の内側表面が、エンボス加工され、前記エンボス加工された部分が、加熱要素が前記管に挿入されたときに前記加熱要素との接触を最小限に抑えるように構成される、請求項3~5のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項7】
前記管が、約50%~約98%の範囲内の硬さを有する、請求項3~6のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項8】
前記コアセクションを形成する前記第1の材料が、紙である、請求項1~7のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項9】
前記コアセクションが、緩い寄せ集められたシートを備える、請求項1又は2に記載の構成要素。
【請求項10】
前記緩いシートが、材料の中央コラムを形成するように寄せ集められる、請求項9に記載の構成要素。
【請求項11】
前記緩いシートを形成する前記第1の材料が、紙材料、バンドキャストタバコ、紙再生タバコ、又はアモルファス固体材料のうちの少なくとも1つである、請求項9又は10に記載の構成要素。
【請求項12】
前記第1の材料が、多孔質の紙材料である、請求項11に記載の構成要素。
【請求項13】
前記第1の材料の孔隙率が、約50コレスタ単位~約10000コレスタ単位の範囲である、請求項12に記載の構成要素。
【請求項14】
前記第1の材料が、少なくとも1種類の活性物質、及び/又はエアロゾル変性物質、及び/又は香料を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項15】
前記第1の材料が、エアロゾルを提供するように構成されたコーティングを含む、請求項14に記載の構成要素。
【請求項16】
前記エアロゾル生成基質が、長手方向において互いに実質的に平行に延在する複数の長尺ストリップを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項17】
前記エアロゾル生成基質が、任意選択で約20um~約1mmの範囲内の深さまで波形にされる、請求項1~16のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項18】
非燃焼式エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成要素である、請求項1~17のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の構成要素を備える、物品。
【請求項20】
非燃焼式エアロゾル供給物品のための構成要素を形成する方法が、
エアロゾル生成基質のシート及び第1の材料を備えるアセンブリを用意するステップと、
前記第1の材料によって形成されるコアセクションを取り囲む外側セクションを前記エアロゾル生成基質のシートが形成するように、前記エアロゾル生成基質のシート及び前記第1の材料を構成要素に配置するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記第1の材料及び前記エアロゾル生成基質が、同軸性に形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記エアロゾル生成材料を前記第1の材料の周りに寄せ集めて同軸ロッドを形成するステップをさらに含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
寄せ集める前記ステップが、エアロゾル生成材料の流れをギャザラーに提供し、前記エアロゾル生成材料の流れを前記第1の材料の周りに寄せ集めることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
寄せ集める前記ステップが、エアロゾル生成材料の複数の流れをギャザラーに提供することを含み、前記エアロゾル生成材料の複数の流れが、前記第1の材料の周りの様々な位置に配置される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記アセンブリを用意するステップが、予め形成された第1の材料の管を用意するステップを含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記アセンブリを用意するステップが、第1の材料のシートを用意し、前記第1の材料のシートから管を形成するステップを含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記アセンブリを用意するステップが、前記第1の材料のシート上に接着剤を提供し、前記エアロゾル生成基質を前記第1の材料の周りに寄せ集める前に前記接着剤を乾燥させるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記アセンブリを用意するステップが、第1の材料のシートを用意し、前記シート材料を前記エアロゾル生成材料のシートと一緒に寄せ集めて、同軸ロッドを形成するステップを含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本発明は、非燃焼式エアロゾル供給物品のための構成要素、及び、構成要素を形成する方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
特定の送達システムは、使用中にエアロゾルを生成し、このエアロゾルは、使用者によって吸入される。例えば、タバコ加熱デバイスが、基質を燃焼させるのではなく加熱することによりエアロゾルを形成するために、タバコなどのエアロゾル生成基質を加熱する。そのような送達システムは一般に、加熱要素を有する加熱デバイスを含み、加熱要素は、加熱されたときに、エアロゾルを放出するためにエアロゾル生成基質を加熱する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態によれば、第1の態様では、非燃焼式エアロゾル供給システムにおいて使用するための非燃焼式エアロゾル供給物品のための構成要素が提供され、構成要素は、長手方向に延在するコアセクションと、コアセクションを取り囲み、加熱されたときにエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成基質を含む、長手方向に延在する外側セクションと、を備え、コアセクションは、加熱要素を受け入れるように構成された第1の材料を備える。
【0004】
いくつかの実施形態では、コアセクション及び外側セクションは、同軸性に形成されることがある。
【0005】
いくつかの実施形態では、コアセクションは、空洞を有する管を備えることがあり、空洞は、加熱要素を受け入れるように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態では、空洞は、コアセクションの全長にわたって延在することがある。
【0007】
いくつかの実施形態では、管は、加熱要素が管に挿入されたときに加熱要素からの隙間を維持するように構成されることがある。
【0008】
いくつかの実施形態では、管の内側表面が、エンボス加工されることがあり、エンボス加工される部分は、加熱要素が管に挿入されたときに加熱要素との接触を最小限に抑えるように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、管は、約50%~約98%の範囲内の硬さを有することがある。
【0010】
いくつかの実施形態では、コアセクションを形成する第1の材料は、紙であることがある。
【0011】
いくつかの実施形態では、コアセクションは、緩い寄せ集められたシートを備えることがある。
【0012】
いくつかの実施形態では、緩いシートは、材料の中央コラムを形成するように寄せ集められることがある。
【0013】
いくつかの実施形態では、緩いシートを形成する第1の材料は、紙材料、バンドキャストタバコ(bandcast tobacco)、紙再生タバコ、又はアモルファス固体材料のうちの少なくとも1つであることがある。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の材料は、多孔質の紙材料であることがある。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の材料の孔隙率は、約50コレスタ単位~約10000コレスタ単位の範囲であることがある。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の材料は、少なくとも1種類の活性物質、及び/又はエアロゾル変性物質、及び/又は香料を含むことがある。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1の材料は、エアロゾルを提供するように構成されたコーティングを含むことがある。
【0018】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成基質は、長手方向において互いに実質的に平行に延在する複数の長尺ストリップを備えることがある。
【0019】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成基質は、任意選択で約20um~約1mmの範囲内の深さまで波形にされることがある。
【0020】
いくつかの実施形態では、構成要素は、非燃焼式エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成要素であることがある。
【0021】
本発明の別の態様では、構成要素を備える物品が提供される。
【0022】
本発明の別の態様では、非燃焼式エアロゾル供給物品のための構成要素を形成する方法が提供され、方法は、エアロゾル生成基質のシート及び第1の材料を備えるアセンブリを用意するステップと、第1の材料によって形成されるコアセクションを取り囲む外側セクションをエアロゾル生成基質のシートが形成するように、エアロゾル生成基質のシート及び第1の材料を構成要素に配置するステップと、を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の材料及びエアロゾル生成基質は、同軸性に形成されることがある。
【0024】
方法は、エアロゾル生成材料を第1の材料の周りに寄せ集めて同軸ロッドを形成するステップをさらに含むことがある。
【0025】
いくつかの実施形態では、寄せ集めるステップは、エアロゾル生成材料の流れをギャザラーに提供し、エアロゾル生成材料の流れを第1の材料の周りに寄せ集めることを含むことがある。
【0026】
いくつかの実施形態では、寄せ集めるステップは、エアロゾル生成材料の複数の流れをギャザラーに提供することを含むことがあり、エアロゾル生成材料の複数の流れは、第1の材料の周りの様々な位置に配置される。
【0027】
いくつかの実施形態では、アセンブリを用意するステップは、予め形成された第1の材料の管を用意するステップを含むことがある。
【0028】
いくつかの実施形態では、アセンブリを用意するステップは、第1の材料のシートを用意し、第1の材料のシートから管を形成するステップを含むことがある。
【0029】
いくつかの実施形態では、アセンブリを用意するステップは、第1の材料のシート上に接着剤を提供し、エアロゾル生成基質を第1の材料の周りに寄せ集める前に接着剤を乾燥させるステップを含むことがある。
【0030】
いくつかの実施形態では、アセンブリを用意するステップは、第1の材料のシートを用意し、シート材料をエアロゾル生成材料のシートと一緒に寄せ集めて同軸ロッドを形成するステップを含むことがある。
【0031】
次に、単なる例として、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】物品の側面断面図(side on cross-sectional view)である。
図2】物品の側面断面図である。
図3】物品の構成要素の側面断面図である。
図4】物品の構成要素の端面図である。
図5】物品の構成要素の側面断面図である。
図6】物品の構成要素を形成するための装置の概略図である。
図7】物品の構成要素を形成するための装置の概略図である。
【詳細な説明】
【0033】
本発明は、送達システムにおいて使用するための消耗品のための物品に関する。
本明細書において、「送達システム」という用語は、少なくとも1種類の物質を使用者に送達するシステムを包含することが意図されており、
シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプのための又は手巻き若しくは手作りのシガレットのためのタバコ(タバコ、タバコ誘導体、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替品、又は他の喫煙材に基づくものであろうとなかろうと)などの、燃焼式エアロゾル供給システムと、
電子タバコ、タバコ加熱製品、及びエアロゾル生成材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムなどの、エアロゾル生成材料を燃焼させることなしにエアロゾル生成材料から化合物を放出する非燃焼式エアロゾル供給システムと、
を含む。
【0034】
本開示によれば、「燃焼式」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)の構成エアロゾル生成材料が、使用者への少なくとも1種類の物質の送達を促進するために使用中に燃焼されるか又は燃やされる、エアロゾル供給システムである。
【0035】
いくつかの実施形態では、送達システムは、シガレット、シガリロ、及びシガーからなる群から選択されるシステムなどの、燃焼式エアロゾル供給システムである。
【0036】
いくつかの実施形態では、本開示は、フィルター、フィルターロッド、フィルターセグメント、又はエアロゾル変性剤放出構成要素などの、燃焼式エアロゾル供給システムにおいて使用するための構成要素に関する。
【0037】
本開示によれば、「非燃焼式」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)の構成エアロゾル生成材料が使用者への少なくとも1種類の物質の送達を促進するために燃焼されないか又は燃やされない、エアロゾル供給システムである。
【0038】
いくつかの実施形態では、送達システムは、動力非燃焼式エアロゾル供給システムなどの、非燃焼式エアロゾル供給システムである。
【0039】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル生成材料内のニコチンの存在は必要条件ではないことに留意されたい。
【0040】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムであり、1種類又は複数種類のエアロゾル生成材料が加熱されることがある。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含むこともあればそうでないこともある。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料、及び固体エアロゾル生成材料を含む。固体エアロゾル生成材料は、植物ベースの材料、例えばタバコ製品又は非タバコ製品を含むことがある。
【0041】
典型的には、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイス、及び、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品を備えることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル生成材料を含み非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用されるように構成された、消耗品に関する。これらの消耗品は、本開示にわたって物品と呼ばれることがある。
【0043】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、消耗品を受け入れるための領域、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、マウスピース、フィルター、及び/又はエアロゾル変性剤を備えることがある。
【0044】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料格納領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、フィルター、マウスピース、及び/又はエアロゾル変性剤を備えることがある。
【0045】
いくつかの実施形態では、送達されるべき物質は、エアロゾル生成材料、又はエアロゾル化されることを意図されていない材料であることがある。必要に応じて、どちらの材料も、1種類若しくは複数種類の活性成分、1種類若しくは複数種類の香料、1種類若しくは複数種類のエアロゾルフォーマー材料、及び/又は1種類若しくは複数種類の他の機能材料を含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、送達されるべき物質は、活性物質を含む。
【0047】
本明細書において使用される活性物質は、生理反応を得るか又は生理反応を強化することを意図された材料である、生理活性材料であってもよい。活性物質は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は、自然発生的であるか又は合成的に得られてもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12若しくはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、或いはこれらの構成成分、誘導体、又は組み合わせを含んでもよい。活性物質は、タバコ、カンナビス、若しくは別の植物性物質の1種類又は複数種類の構成成分、誘導体、若しくは抽出物を含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、活性物質は、ニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0049】
本明細書において述べられるように、活性物質は、1種類又は複数種類の植物性物質又はその構成成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか或いはそれらに由来してもよい。本明細書において、「植物性物質」という用語は、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、外皮、殻などを含むがこれらに限定されない植物由来の任意の材料を含む。或いは、材料は、合成的に得られる、植物性物質に自然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉末、細粉、粉砕された粒子、顆粒、ペレット、断片、ストリップ、シートなどの形態であってもよい。例示的な植物性物質は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、アサ、ココア、カンナビス、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、アマ、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、カンゾウ(リコリッシュ)、抹茶、マテ、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶若しくは紅茶などの茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーブス、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ビャクシン、エルダーフラワー、バニラ、ウィンターグリーン、シオガマギク、クルクマ、ウコン、ビャクダン、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、ギンバイカ、クロフサスグリ、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン(damien)、マヨラナ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、キャラウェイ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はそれらの任意の組み合わせである。ミントは、以下のミント品種、すなわち、メンサアルベンティス(Mentha Arventis)、グレープフルーツミント(Mentha c.v.)、エジプシャンミント(Mentha niliaca)、ペパーミント(Mentha piperita)、ライムミント(Mentha piperita citrata c.v.)、チョコレートミント(Mentha piperita c.v.)、カーリーミント(Mentha spicata crispa)、ワイルドミント(Mentha cardifolia)、ホースミント(Memtha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)、イングリッシュスペアミント(Mentha spicata c.v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)から選択されたものであってもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1種類又は複数種類の植物性物質又はその構成成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか或いはそれらに由来し、その植物性物質は、タバコである。
【0051】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1種類又は複数種類の植物性物質又はその構成成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか或いはそれらに由来し、その植物性物質は、ユーカリ、スターアニス、カカオ、及びアサから選択される。
【0052】
いくつかの実施形態では、活性物質は、1種類又は複数種類の植物性物質又はその構成成分、誘導体、若しくは抽出物を含むか或いはそれらに由来し、その植物性物質は、ルイボス及びフェンネルから選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、送達されるべき物質は、香料を含む。
【0054】
本明細書において、「香料」及び「香味料」という用語は、地方条例が許可する場合に成人消費者のための製品において所望の味、香り、又は他の体性感覚(somatosensorial sensation)を作り出すために使用することができる材料を意味する。そのような材料は、自然発生的な香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成的に得られる材料、又はそれらの組み合わせ(例えば、タバコ、カンナビス、カンゾウ(リコリッシュ)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、カエデ、抹茶、メンソール、薄荷、アニシード(アニス)、シナモン、ウコン、インドのスパイス、アジアのスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、熱帯性の果実、パパイヤ、ダイオウ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘類果実、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、アサ、メンタ属の任意の種からのミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、アマ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ゲッケイジュ、マテ、オレンジの皮、バラ、緑茶若しくは紅茶などの茶、タイム、ビャクシン、エルダーフラワー、バジル、ベイリーブス、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、クロフサスグリ、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、マヨラナ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、キャラウェイ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚器受容体部位活性剤若しくは刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、蔗糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、若しくはマンニトール)、及び、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、若しくは息清涼剤などの他の添加物を含むことができる。それらの材料は、模造品、合成の若しくは自然の成分、又はそれらの混合品であってもよい。それらの材料は、例えば、油などの液体、粉末などの固体、又は気体といった、任意の適切な形態であってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類果実、及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、オイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、カンナビスから抽出された香料成分を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、香料は、通常は化学的に誘発されて香り若しくは味覚の神経に加えて又はその代わりに第5脳神経(三叉神経)の刺激によって知覚される体性感覚を得るように意図されたセンセート(sensate)を含むことができ、それらのセンセートは、加熱する効果、冷却する効果、ヒリヒリさせる効果、しびれさせる効果を提供する剤を含んでもよい。適切な加熱効果剤は、限定されるものではないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、適切な冷却剤は、限定されるものではないが、オイコリプトール(eucolyptol)、WS-3であってもよい。
【0057】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱されたとき、照射されたとき、又は任意の他の方法で励起されたときにエアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質及び/若しくは香味料を含有することもあればそうでないこともある固体、液体、又はゲルの形態であってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、或いは「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)と呼ばれることもある「アモルファス固体」を含むことがある。いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、乾燥ゲルであることがある。アモルファス固体は、液体などのある程度の流体を内部に保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、例えば、約50wt%、60wt%、又は70wt%~約90wt%、95wt%、又は100wt%のアモルファス固体を含むことがある。
【0058】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、1~60wt%のゲル化剤、0.1~50wt%のエアロゾルフォーマー剤、及び、0.1~80wt%の香料を含み、これらの重量は、乾燥重量基準で計算される。
【0059】
いくつかのさらなる実施形態では、アモルファス固体は、1~50wt%のゲル化剤、0.1~50wt%のエアロゾルフォーマー剤、及び、30~60wt%の香料を含み、これらの重量は、乾燥重量基準で計算される。
【0060】
いくつかのさらなる実施形態では、アモルファス固体は、アモルファス固体の約40~80wt%の量のエアロゾルフォーマー材料、ゲル化剤、及び任意選択のフィラーを含み(つまり、いくつかの例ではフィラーはアモルファス固体中に存在し、他の例ではフィラーはアモルファス固体中に存在しない)、ゲル化剤及びフィラーの量は、総合すると、アモルファス固体の約10~60wt%であり(つまり、ゲル化剤及びフィラーは、総合すると、アモルファス固体の約10~60wt%を占める)、アモルファス固体はまた、任意選択で、アモルファス固体の約20wt%までの量の活性物質及び/又は香味料を含む(つまり、アモルファス固体は、≦20wt%の活性物質を含む)。
【0061】
アモルファス固体材料は、乾燥ゲルから形成されてもよい。上述の構成比を使用することは、ゲルが固まるときに香料化合物がゲル基質内で安定化されて、非ゲル組成におけるよりも高い香料充填量が達成されることが可能になることを意味することが分かった。香料(例えば、メンソール)は、高濃度で安定化され、製品は、良好な貯蔵寿命を有する。
【0062】
場合によっては、アモルファス固体は、約0.015mm~約1.5mmの厚さを有することができる。厚さは、約0.05mm、0.1mm、又は0.15mm~約0.5mm、0.3mm、又は1mmの範囲内であってもよいことが、適切である。本発明者らは、いくつかの実施形態では0.2mmの厚さを有する材料が特に適切であることを見出した。アモルファス固体は、2つ以上の層を備えることができ、本明細書において説明される厚さは、それらの層の総厚さを意味する。
【0063】
アモルファス固体が過度に厚い場合、加熱効率が損なわれる。このことは、使用時の電力消費に悪影響を与える。逆に、アモルファス固体が過度に薄い場合、製造及び取扱いが困難である。非常に薄い材料は、鋳造するのがより難しく、壊れやすくなる可能性があり、使用時のエアロゾル形成を損なう。
【0064】
アモルファス固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、又は35wt%~約60wt%、55wt%、50wt%、45wt%、40wt%、又は35wt%のゲル化剤を含むことができることが適切である(全て、乾燥重量基準で計算される)。例えば、アモルファス固体は、1~60wt%、5~60wt%、20~60wt%、25~55wt%、30~50wt%、35~45wt%、5~45wt%、10~40wt%、又は20~35wt%のゲル化剤を含むことができる。
【0065】
アモルファス固体は、ゲル化剤を含むことができる。ゲル化剤は、セルロースゲル化剤、非セルロースゲル化剤、グアーガム、アカシアガム、及びそれらの混合物から選択される1種類又は複数種類の化合物を含んでもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、親水コロイドを含む。いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(及び誘導体)、ガム、シリカ又はシリコーン化合物、粘土、ポリビニルアルコール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1種類又は複数種類の化合物を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアガム、ヒュームドシリカ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ケイ酸ナトリウム、カオリン、及びポリビニルアルコールのうちの1つ又は複数を含む。場合によっては、ゲル化剤は、アルギン酸塩及び/又はペクチンを含み、アモルファス固体の形成中に(カルシウム源などの)硬化剤と結合されることがある。場合によっては、アモルファス固体は、カルシウム交差結合アルギン酸塩及び/又はカルシウム交差結合ペクチンを含むことがある。
【0067】
セルロースゲル化剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース(CA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、若しくはアカシアガムのうちの1つ又は複数を含む(或いは、それらのうちの1つ又は複数である)。
【0069】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、寒天、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸塩、及びそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない1種類又は複数種類の非セルロースゲル化剤を含む(或いは、そのような非セルロースゲル化剤である)。いくつかの実施形態では、非セルロースベースのゲル化剤は、アルギン酸塩又は寒天である。
【0070】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、アルギン酸塩及びペクチンを含み、アルギン酸塩とペクチンの比は、1:1~10:1である。アルギン酸塩とペクチンの比は、典型的には>1:1であり、つまり、アルギン酸塩は、ペクチンの量よりも多い量で存在する。いくつかの例では、アルギン酸塩とペクチンの比は、約2:1~8:1、又は約3:1~6:1、又はおおよそ4:1である。
【0071】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、5~25wt%又は10~20wt%などの、アモルファス固体の1~30wt%の量で、フィラーを含む。いくつかの例では、アモルファス固体は、アモルファス固体の1wt%、5wt%、又は8wt%よりも多い量で、フィラーを含む。いくつかの例では、アモルファス固体は、アモルファス固体の40wt%、30wt%、20wt%、15wt%、12wt%、10wt%、5wt%、又は1wt%未満の量で、フィラーを含む。他の例では、アモルファス固体は、フィラーを含まない。
【0072】
例では、アモルファス固体は、ゲル化剤及びフィラーを、総合すると、約10wt%、20wt%、25wt%、30wt%、35wt%、40wt%、45wt%、50wt%、55wt%からの量で、又は約60wt%からの量で含む。幾つかの例では、ゲル化剤及びフィラーの量は、総合すると、アモルファス固体の85wt%、80wt%、75wt%、70wt%、65wt%にすぎないか、又は、アモルファス固体の60wt%にすぎない。いくつかの例では、アモルファス固体は、ゲル化剤及びフィラーを、総合すると、アモルファス固体の約20~60wt%、25~55wt%、30~50wt%、又は35~45wt%の量で含む。
【0073】
フィラーは、存在する場合、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの1種類又は複数種類の無機フィラー材料、及び、分子篩などの適切な無機吸着剤を含んでもよい。フィラーは、木材パルプ、セルロース、及びセルロース誘導体などの1種類又は複数種類の有機フィラー材料を含んでもよい。特定の事例では、アモルファス固体は、チョークなどの炭酸カルシウムを含まない。
【0074】
フィラーを含むいくつかの例では、フィラーは、繊維質のものであることがある。例えば、フィラーは、木材パルプ、アサ繊維、セルロース、又はセルロース誘導体などの繊維質有機フィラー材料であってもよい。理論によって束縛されることを望まないが、アモルファス固体に繊維質フィラーを含むことにより材料の引張り強度を高めることができると考えられる。
【0075】
いくつかの例では、アモルファス固体は、タバコ繊維を含まない。特定の例では、アモルファス固体は、繊維質材料を含まない。
【0076】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、約0.1wt%、0.5wt%、1wt%、3wt%、5wt%、7wt%、又は10wt%~約80wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%、又は25wt%のエアロゾルフォーマー材料を含むことがある(全て、乾燥重量基準で計算される)。例えば、アモルファス固体は、0.5~40wt%、3~35wt%、又は10~25wt%のエアロゾルフォーマー材料を含むことができる。
【0077】
エアロゾルフォーマー材料は、可塑剤として働いてもよい。可塑剤の含有量が過度に多い場合、アモルファス固体は、水を吸収して、使用時に適切な消費体験を引き起こさない材料をもたらすことがある。可塑剤含有量が過度に少ない場合、アモルファス固体は、脆弱になり壊れやすくなることがある。
【0078】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体に含まれるエアロゾルフォーマーは、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、及びグリセリンなどの1種類又は複数種類の多価アルコール、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、若しくはグリセロールトリアセテートなどの多価アルコールのエステル、並びに/或いはジメチルドデカンジオアート及びジメチルテトラカンジオアートなどのモノカルボン酸、ジカルボン酸、又はポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。
【0079】
場合によっては、エアロゾルフォーマー材料は、エリトリトール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、ソルビトール、及びキシリトールから選択される1種類又は複数種類の化合物を含む。場合によっては、エアロゾルフォーマー材料は、グリセロールを含むか、本質的にグリセロールで構成されるか、又はグリセロールで構成される。
【0080】
アモルファス固体材料は、燃焼遅延塩(combustion retarding salt)を含んでもよい。本明細書において使用される燃焼遅延塩は、陽イオン及び陰イオンのイオン集合からなる化合物である。本明細書において使用される塩は、その陰イオン及び/又はその陽イオンが燃焼を遅延させるのに有効であり得る塩である。いくつかの実施形態では、塩は、無機塩である。
【0081】
いくつかの実施形態では、塩は、ハロゲン化塩であり、つまり、ハロゲン化物陰イオンを有する。いくつかの実施形態では、塩は、塩化物塩又は臭化物塩である。高濃度の塩化物又は臭化物の存在は、燃焼を遅延させることが示された。
【0082】
いくつかの実施形態では、塩は、アルカリ金属塩であり、つまり、アルカリ金属陽イオンを有する。いくつかの実施形態では、塩は、アルカリ土類金属陽イオンを有する。いくつかの実施形態では、塩は、亜鉛陽イオン、又は第二鉄陽イオン若しくは第一鉄陽イオンなどの鉄陽イオンを有する。いくつかの実施形態では、塩は、アンモニウム陽イオン又はホスホニウム陽イオンを有する。
【0083】
いくつかの実施形態では、塩は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物であってもよい。塩は、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属ハロゲン化物であってもよい。塩は、塩化亜鉛又は臭化ナトリウムなどの別の金属ハロゲン化物であってもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、塩は、カルボン酸陰萎イオンを有する。例えば、塩は、クエン酸カリウム、コハク酸カリウム、リンゴ酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、シュウ酸カリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、又はリンゴ酸ナトリウムなどのアルカリ金属カルボン酸塩であってもよい。
【0085】
他の実施形態では、塩は、ホウ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、又はスルファミン酸から選択された陰イオンを有する。
【0086】
塩の選択に影響することがある要因には、例えば融点が含まれ、融点は、少なくとも450℃であることがある。いくつかの実施形態では、塩は、水溶性である。いくつかの実施形態では、塩は、塩が加えられる材料に所望のpHを与えるように選択される。いくつかの実施形態では、塩は、材料のpHを著しく変化させない。
【0087】
いくつかの実施形態では、選択される燃焼遅延塩は、不活性、前駆液体における溶解度、溶解度、アモルファス固体材料若しくはアモルファス固体材料に対する前駆体材料における分布、密度、又は当技術分野において知られた他の特性などの、1つ又は複数の有利な特性を有することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、燃焼遅延塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、及び/若しくは臭化カリウムを含むか、本質的にそれらで構成されるか、又はそれらで構成される。
【0089】
燃焼遅延特性又は他の所望される物理的特性に応じて、塩の成分は、遊離塩基形態で、塩形態で、又は錯体若しくは溶媒和物として存在してもよい。燃焼遅延塩は、任意の密度及び任意の結晶構造のものであってよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、燃焼遅延塩は、溶媒又は液体キャリアに溶解されたアモルファス固体材料に組み込まれるか又は加えられる。いくつかの実施形態では、燃焼遅延塩は、液体キャリア中に懸濁される。溶媒又は液体キャリアは、水性の又は有機の液体であってもよく、その適切な応用に応じて極性の又は非極性のものであってもよい。
【0091】
液体キャリア又は前駆溶媒は、アモルファス固体材料内又はアモルファス固体材料上に燃焼遅延塩を残すために燃焼遅延材料の製造中に容易に除去されるように有利に選択されてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、液体キャリアは、水性の液体(水)及び非水性の液体(例えば、グリセロール)を含めて、液体の混合物である。塩の適用後に水が除去されると、グリセロールは、アモルファス固体材料内に保留され、アモルファス固体材料において、グリセロールは、柔軟性を提供し、加熱時のエアロゾル形成に役立つ。
【0093】
アモルファス固体は、着色料を含むことができる。着色料の追加は、アモルファス固体の外観を変更することができる。アモルファス固体における着色料の存在は、アモルファス固体及びエアロゾル生成材料の外観を強化することができる。アモルファス固体に着色料を加えることにより、アモルファス固体を、エアロゾル生成材料の他の構成要素又はアモルファス固体を備える物品の他の構成要素に色合わせすることができる。
【0094】
アモルファス固体の所望の色に応じて、様々な着色料が使用されてもよい。アモルファス固体の色は、例えば、白色、緑色、赤色、紫色、青色、茶色、又は黒色であってもよい。他の色も想定される。自然の又は合成の染料、食品等級の着色料、及び医薬品等級の着色料などの、自然の又は合成の着色料が使用されてもよい。特定の実施形態では、着色料は、アモルファス固体に茶色の外観を与えることができるカラメルである。そのような実施形態では、アモルファス固体の色は、アモルファス固体を含むエアロゾル生成材料における(タバコ材料などの)他の構成要素の色に類似していてもよい。いくつかの実施形態では、アモルファス固体への着色料の追加は、アモルファス固体をエアロゾル生成材料における他の構成要素と視覚的に区別不能にする。
【0095】
着色料は、アモルファス固体の形成中に(例えば、アモルファス固体を形成する材料を含む懸濁液を形成するときに)組み込まれてもよく、又は、着色料は、アモルファス固体の形成後に(例えば、着色料をアモルファス固体に吹き付けることにより)アモルファス固体に適用されてもよい。
【0096】
エアロゾル生成材料は、1種類又は複数種類の活性物質及び/若しくは香料、1種類又は複数種類のエアロゾルフォーマー材料、並びに任意選択で1種類又は複数種類の他の機能材料を含むことができる。
【0097】
エアロゾル生成材料は、酸を含むことができる。酸は、有機酸であってもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、酸は、一塩基酸、二塩基酸、及び三塩基酸のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかのそのような実施形態では、酸は、少なくとも1つのカルボキシル官能基を含有することができる。いくつかのそのような実施形態では、酸は、アルファハイドロキシ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、及びケト酸のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかのそのような実施形態では、酸は、アルファケト酸であってもよい。
【0098】
いくつかのそのような実施形態では、酸は、コハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸、及びピルビン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0099】
酸は、乳酸であることが適切である。他の実施形態では、酸は、安息香酸である。他の実施形態では、酸は、無機酸であることがある。これらの実施形態のうちのいくつかでは、酸は、鉱酸であることがある。いくつかのそのような実施形態では、酸は、硫酸、塩酸、ホウ酸、及びリン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施形態では、酸は、レブリン酸である。
【0100】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料がニコチンを含む場合、酸が含まれる。そのような実施形態では、酸の存在は、エアロゾル生成材料が形成される懸濁液における溶存種を安定化させることができる。酸の存在は、懸濁液の乾燥中にニコチンの蒸発を減少させるか又は実質的に阻止することにより、製造中のニコチンの損失を少なくすることができる。
【0101】
特定の実施形態では、エアロゾル生成材料は、セルロースゲル化剤及び/又は非セルロースゲル化剤を含むゲル化剤、活性物質、並びに酸を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロ(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、及びカンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)からなる群から選択される1種類又は複数種類のカンナビノイド化合物を含む。
【0103】
エアロゾル生成材料は、カンナビジオール(CBD)及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)からなる群から選択される1種類又は複数種類のカンナビノイド化合物を含んでもよい。
【0104】
エアロゾル生成材料は、カンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
【0105】
エアロゾル生成材料は、ニコチン及びカンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
【0106】
エアロゾル生成材料は、ニコチン、カンナビジオール(CBD)、及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含んでもよい。
【0107】
エアロゾルフォーマー材料は、エアロゾルを形成することが可能な1種類又は複数種類の構成成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾルフォーマー材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリトリトール、meso-エリトリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾルフォーマーは、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール及びグリセリンなどの1種類若しくは複数種類の多価アルコール、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、若しくはグリセロールトリアセテートなどの多価アルコールのエステル、並びに/又はジメチルドデカンジオアート及びジメチルテトラカンジオアートなどのモノカルボン酸、ジカルボン酸、若しくはポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。
【0108】
1種類又は複数種類の他の機能材料は、pH調節剤、着色剤、防腐剤、結合剤、フィラー、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0109】
本明細書で使用されるように、「タバコ材料」という用語は、タバコ又はタバコの誘導体若しくは代替品を含む任意の材料を意味する。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ誘導体、膨張タバコ、再生タバコ、若しくはタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含み得る。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコステム、タバコラミナ、再生タバコ、及び/若しくはタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0110】
タバコ材料は、フィラー構成要素を含むことができる。フィラー構成要素は、一般には、非タバコ構成要素であり、つまり、タバコに由来する成分を含まない構成要素である。フィラー構成要素は、木繊維又はパルプ又は小麦繊維などの非タバコ繊維であってもよい。フィラー構成要素はまた、チョーク、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの無機材料であってもよい。フィラー構成要素はまた、非タバコ鋳造材料、又は非タバコ押出材料であってもよい。フィラー構成要素は、タバコ材料の0~20重量%の量で、又は組成の1~10重量%の量で存在してもよい。いくつかの実施形態では、フィラー構成要素は存在しない。
【0111】
タバコ材料は、エアロゾルフォーマー材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、タバコ材料のエアロゾルフォーマー材料は、グリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロールとプロピレングリコールの混合物であってもよい。グリセロールは、タバコ材料の10~20重量%、例えば組成の13~16重量%、又は組成の約14若しくは15重量%の量で存在してもよい。プロピレングリコールは、存在する場合、組成の0.1~0.3重量%の量で存在してもよい。
【0112】
エアロゾルフォーマー材料は、任意の構成要素に、例えばタバコ材料の任意のタバコ構成要素に含まれてもよく、及び/又は、存在するのであればフィラー構成要素に含まれてもよい。或いは、又はさらに、エアロゾルフォーマー材料は、タバコ材料に別々に加えられてもよい。いずれの場合にも、タバコ材料中のエアロゾルフォーマー材料の総量は、本明細書において定義されるようなものであってよい。
【0113】
1つの例では、エアロゾルフォーマー材料は、40%のメンソール、16%のグリセロール、20%の結合剤(アルギン酸塩/ペクチン混合物)、及び20%の繊維(木材パルプ)を含むアモルファス固体材料を含むことができる。
【0114】
消耗品は、エアロゾル生成材料を含むか又はエアロゾル生成材料で構成されている物品であり、その物品の一部又は全部が、使用者により使用中に消費されるように意図されている。消耗品は、エアロゾル生成材料格納領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルター、及び/若しくはエアロゾル変性剤などの、1つ又は複数の他の構成要素を備えることができる。消耗品は、使用時にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放射するヒーターなどのエアロゾル生成器も備えることができる。ヒーターは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを含むことができる。消耗品は、喫煙デバイスに適切な任意の形状又はサイズであってもよい。本発明の一実施形態では、消耗品は、ロッド形状である。
【0115】
サセプタが、交番磁場などの変動磁場による侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、変動磁場によるサセプタへの侵入が加熱材料の誘導加熱を引き起こすように、導電性材料であってもよい。加熱材料は、変動磁場による加熱材料への侵入が加熱材料の磁気ヒステリシス加熱を引き起こすように、磁性材料であってもよい。サセプタは、サセプタが両方の加熱機構によって加熱可能であるように、導電性であるとともに磁性であってもよい。変動磁場を生成するように構成されるデバイスは、本明細書において磁場発生器と呼ばれる。
【0116】
エアロゾル変性剤は、例えばエアロゾルの味、香味、酸味、又は別の特性を変更することにより生成されたエアロゾルを変性するように構成された、典型的にはエアロゾル生成領域の下流に配置される物質である。エアロゾル変性剤は、エアロゾル変性剤を選択的に放出するように動作可能なエアロゾル変性剤放出構成要素内に設けられてもよい。
【0117】
エアロゾル変性剤は、例えば、添加物又は吸着剤であってもよい。エアロゾル変性剤は、例えば、香味料、着色料、水、及び炭素吸着剤のうちの1つ又は複数を含むことができる。エアロゾル変性剤は、例えば、固体、液体、又はゲルであってもよい。エアロゾル変性剤は、粉末、糸、又は顆粒の形態であってもよい。エアロゾル変性剤は、濾過材料を含まなくてもよい。
【0118】
例として、ロッドの形状の物品は、製品の長さに従って名付けられることが多い:「レギュラー」(典型的には68~75mmの範囲内、例えば約68mm~約72mm)、「ショート」又は「ミニ」(68mm以下)、「キングサイズ」(典型的には75~91mmの範囲内、例えば約79mm~約88mm)、「ロング」又は「スーパーキング」(典型的には91~105mmの範囲内、例えば約94mm~約101mm)、及び「ウルトラロング」(典型的には約110mm~約121mmの範囲内)。
【0119】
物品はまた、製品の周囲に従って名付けられる:「レギュラー」(約23~25mm)、「ワイド」(25mm超)、「スリム」(約22~23mm)、「デミスリム」(約19~22mm)、「スーパースリム」(約16~19mm)、及び「マイクロスリム」(約16mm未満)。
【0120】
したがって、キングサイズ、スーパースリム形式における物品は、例えば、約83mmの長さ及び約17mmの周囲を有することになる。
【0121】
各形式は、様々な長さのマウスピースを有して作製することができる。マウスピースの長さは、約30mm~50mmになる。チップペーパーが、マウスピースをエアロゾル生成材料に接続し、また、通常は、チップペーパーがマウスピースを覆い、例えば基質材料のロッドの形態のエアロゾル生成材料と重なり合ってマウスピースをロッドに接続するように、マウスピースよりも長い長さ、例えば3~10mm長い長さを有する。
【0122】
本明細書において説明される物品並びにそれらのエアロゾル生成材料及びマウスピースは、上記の形式のいずれでも作られることが可能であるが、それらに限定されない。
【0123】
本明細書において説明されるフィラメント状のトウ又はフィルター材料は、酢酸セルロース繊維トウを含むことができる。フィラメント状のトウは、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシナート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジパート-co-テレフタラート)(PBAT)、デンプンベースの材料、綿、脂肪族ポリエステル材料、及び多糖ポリマー、又はそれらの組み合わせなどの、繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成されてもよい。フィラメント状のトウは、材料が酢酸セルローストウである場合には、トリアセチンなどのトウにとって適切な可塑剤で可塑化されてもよく、又は、トウは、可塑化されなくてもよい。トウは、「Y」形状、「X」形状、又は「O]形状の断面を有する繊維などの、任意の適切な仕様を有することができる。トウの繊維は、1フィラメント当たり2.5~15デニールの間のフィラメントデニール値、例えば1フィラメント当たり8.0~11.0デニールの間のフィラメントデニール値、及び、5,000~50,000の総繊度、例えば10,000~40,000の間の総繊度値を有することができる。繊維の断面は、25以下、20以下、又は15以下の等周比L/Aを有することができ、ここで、Lは、断面の周囲の長さであり、Aは、断面の面積である。そのような繊維は、所与の1フィラメント当たりのデニール値に対して比較的小さい表面積を有し、これは、消費者へのエアロゾルの送達を向上させる。本明細書において説明されるフィルター材料は、紙などのセルロースベースの材料も含む。そのような材料は、1立方センチメートル当たり約0.1~約0.45グラムの間などの比較的低い密度を有して、空気及び/又はエアロゾルが材料を通過することを可能にすることができる。フィルター材料として説明されているが、そのような材料は、それ自体は濾過に関連しない構成要素の引き寄せへの抵抗を高めることなどの、主目的を有してもよい。
【0124】
図1は、非燃焼式エアロゾル供給システムにおいて使用するための物品1の側面断面図を示す。
【0125】
本実施形態では、物品1は、マウスピース2、及び、マウスピース2に接続された構成要素3を備える。構成要素3は、エアロゾル生成材料の原料から形成されたエアロゾル生成基質を備えるエアロゾル生成セクションである。エアロゾル生成材料の原料は、示されるように、エアロゾル生成材料4の円筒形ロッドの形態であってもよい。他の例では、エアロゾル生成セクションは、エアロゾル生成材料の原料を受け入れるための空洞を備えることがある。
【0126】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料の複数の長尺ストリップ5を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料4は、エアロゾル化可能材料(aerosolisable material)の複数の長尺ストリップ5及び/又はアモルファス固体材料の複数の長尺ストリップ5を備えることがある。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料4は、エアロゾル化可能材料の複数の長尺ストリップ5で構成される。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料4は、波形にされることがある。任意選択で、エアロゾル生成材料4は、約20um~約1mmの範囲内の深さまで波形にされることがある。エアロゾル生成材料4のシートが、約200um~約250umの厚さを有してもよい。
【0127】
本実施形態では、エアロゾル生成材料4の円筒形ロッドは、ラッパー6によって囲まれる。ラッパー6は、水分不透過性ラッパーであってもよい。
【0128】
エアロゾル生成材料4が複数の長尺ストリップ5を備える実施形態では、エアロゾル生成材料4の複数の長尺ストリップ5は、それらの長手寸法が構成要素3の長手軸Xとの平行配置にあるように、エアロゾル生成セクション内で位置合わせされることがある。或いは、ストリップ5は、一般に、それらの長手寸法が構成要素3の長手軸に対して横向きに位置合わせされるように配置されてもよい。
【0129】
切り刻まれたシートが材料の複数のストリップ5を備える場合、各ストリップ5の寸法は、様々なストリップ間で異なってもよい。例えば、切り刻まれたシート又はエアロゾル生成材料は、第1のストリップ5の集団と、第2のストリップ5の集団とを備えてもよく、第1の集団のストリップの寸法は、第2の集団のストリップの寸法とは異なる。言い換えれば、複数のストリップ5は、第1のアスペクト比を有する第1のストリップの集団と、第1のアスペクト比とは異なる第2のアスペクト比を有する第2のストリップ5の集団とを含むことがある。エアロゾル化可能材料4のストリップ5の第1の寸法又は切断幅は、約0.8mm~5mmの間であり、いくつかの実施形態では、約0.9mm~2mmの間であり、いくつかの実施形態では、約0.9mm~1.5mmの間である。
【0130】
構成要素3は、構成要素3のエアロゾル生成セクションに挿入するためのエアロゾル生成器を備える非燃焼式エアロゾル供給デバイスにおける使用のために構成される。エアロゾル生成器は、抵抗加熱要素又は誘導加熱要素である加熱要素であってもよい。構成要素3は、エアロゾル生成材料4のロッドにエアロゾル生成器を受け入れるように構成される。
【0131】
いくつかの実施形態では、マウスピース2は、冷却セクション8を備えることがあり、冷却セクション8は、エアロゾル生成材料4の構成要素3の直ぐ下流に構成要素3と隣り合って配置される。本実施形態では、冷却セクション8は、エアロゾル生成材料4の原料と当接した関係にある。マウスピース2は、冷却セクション8の下流の材料体7と、物品1の口側端部(mouth end)に材料体7の下流の中空管状要素9とを備える。
【0132】
冷却セクション8は、少なくとも1つの中空チャネルを備えてもよい。冷却セクション8は、例えば、突き合わせられた継目を有して平行に巻かれた紙の複数の層、又はらせん状に巻かれた紙の層、厚紙の管、パピエマシュタイプのプロセスを使用して形成された管、成型プラスチック若しくは押出プラスチックの管、又は類似のものから形成されてもよいが、それらに限定されない。冷却セクション8は、製造中及び物品1の使用中に生じることがある軸線方向圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有するように製造される。
【0133】
材料体7及び中空管状要素9は、それぞれ、実質的に円筒形の全体的な外側形状を画定し、共通の長手軸を共有する。材料体7は、第1の栓ラップ12内に巻かれる。本例では、材料体7は、フィラメント状のトウから形成される。トウは、可塑化酢酸セルローストウを含むことができる。
【0134】
他の例では、材料体7を形成するために様々な材料が使用され得る。例えば、体7は、トウではなく、例えばシガレットにおいて使用するための知られた紙フィルターに類似した方法で、紙から形成されてもよい。例えば、紙、又は他のセルロースベースの材料が、体7を形成するために折り畳まれ及び/又は波形にされるシート材料の1つ若しくは複数の部分として提供されてもよい。或いは、体7は、酢酸セルロース以外のトウ、例えば、ポリ乳酸(PLA)、フィラメント状のトウに対して本明細書において説明される他の材料、又は類似の材料から形成されてもよい。中空管状要素9は、材料体7に関連して上記されたように形成されてもよい。
【0135】
本例では、中空管状要素9、材料体7、及び冷却セクション8は、3つ全てのセクションの周りに巻かれる第2の栓ラップ13を使用して組み合わせられる。セクションのうちのいずれか1つはマウスピース2から省略されることがあることが、認識されるであろう。
【0136】
チップペーパー15が、マウスピース2の全長の周り及びエアロゾル生成材料4のロッドの一部の上に巻かれ、マウスピース2及びエアロゾル生成材料4のロッドに接続するためにその内側表面に接着剤を有する。本例では、エアロゾル生成材料4のロッドは、第1の巻き材料を形成するラッパー10内に巻かれ、チップペーパー15は、エアロゾル生成材料4のロッドの上に少なくとも部分的に延在してマウスピース2及びエアロゾル生成材料4のロッドを接続する、外側巻き材料を形成する。いくつかの例では、チップペーパー15は、エアロゾル生成材料4のロッドの上に部分的にのみ延在することがある。
【0137】
図2に示されるように、マウスピース2は、材料体7内に提供されたエアロゾル変性剤を備えてもよい。本例では、エアロゾル変性剤は、カプセル17の形態で提供される。他の例では、エアロゾル変性剤は、材料体7に注入された材料、又は、材料体7内に同様に配置されることがある糸、例えば香味料又は他のエアロゾル変性剤を積載している糸に提供された材料などの、他の形態で提供されることがある。
【0138】
カプセル17は、破壊可能なカプセル、例えば液体ペイロードを取り囲む固体の壊れやすいシェルを有するカプセルを含むことができる。本例では、単一のカプセル17が使用される。カプセル17は、材料体7に完全に埋め込まれる。言い換えれば、カプセル17は、体7を形成している材料によって完全に取り囲まれる。他の例では、複数の破壊可能なカプセル、例えば2つ、3つ、又はそれより多くの破壊可能なカプセル17が、材料体7内に配置されることがある。
【0139】
カプセル17は、コアシェル構造を有する。言い換えれば、カプセル17は、例えば香味料又は他の剤である液状剤を封入するシェルを備え、液状剤は、本明細書において説明される香味料又はエアロゾル変性剤のうちのいずれか1つであってもよい。カプセル17のシェルは、香味料又は他の剤を材料体7内へ放出するために、使用者によって破裂されてもよい。
【0140】
図3を参照すると、構成要素3は、第1の端部21、及び、対向する第2の端部22を備える。少なくとも、第1の端部21及び第2の端部22の外側寸法は、一致する。本実施形態では、第1の端部21は、マウスピース2から最も遠い構成要素3の自由端であり、第2の端部22は、マウスピース2と当接しており、すなわち、マウスピース2に最も近い。第1の端部21は、第1の表面23を備え、第2の端部24は、第2の表面24を備える。本実施形態では、第1の表面23及び第2の表面24は、一致する。
【0141】
図3及び図4に示されるように、構成要素3は、コアセクション26を備える。コアセクション26は、構成要素3の長手軸Xの長さに沿って長手方向に延在する。本実施形態では、コアセクション26は、構成要素3の長さにわたって延在する。構成要素3は、外側セクション27をさらに備える。外側セクション27は、長手軸Aの長さに沿って長手方向に延在する。本実施形態では、外側セクション27は、構成要素の長さにわたって延在する。
【0142】
外側セクション27は、第1の端部表面28、及び、対向する第2の端部表面29を備える。本実施形態では、第1の端部表面28は、構成要素3の第1の端部21の第1の表面23と同じ平面において延在し、第2の端部表面29は、構成要素3の第2の端部22の第2の表面24と同じ平面において延在する。本実施形態では、第1の端部表面28及び第2の端部表面29は、一致する。
【0143】
外側セクション27は、コアセクション26を取り囲む。したがって、コアセクション26は、外側セクション27の径方向内側に配置される。外側セクション27は、エアロゾル生成材料4を備え、エアロゾル生成材料4は、加熱されたときにエアロゾルを生成するように構成される。構成要素3の外側セクション27のエアロゾル生成材料4は、前述のように、シート材料又は複数の長尺ストリップ5であってもよい。コアセクション26は、第1の材料30を備える。第1の材料30は、使用中に加熱要素を受け入れるように構成される。
【0144】
本実施形態では、コアセクション26及び外側セクション27は、同軸性に形成される。つまり、コアセクション26の中心を通って延びる長手軸は、外側セクション27の中心を通って延びる長手軸と一致する。
【0145】
したがって、外側セクション27は、その長手軸に対して垂直な平面において、環形状である断面を有する。したがって、第1の端部セクション28及び第2の端部セクション29は、環状の断面を有する。
【0146】
外側セクション27を形成するエアロゾル生成材料4は、タバコ材料を含むことができる。外側セクション27を形成するエアロゾル生成材料4のシート又は切り刻まれたシートは、タバコ材料などの植物ベースの材料を含むことができる。
【0147】
植物ベースの材料は、粒子状又は顆粒状の材料であってもよい。タバコ材料は、粒子状又は顆粒状の材料であってもよい。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、粉末である。或いは、又はさらに、タバコ材料は、タバコのストリップ、ストランド、又は繊維を含んでもよい。例えば、タバコ材料は、タバコの粒子、顆粒、繊維、ストリップ、及び/又はストランドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、タバコ材料は、タバコ材料の粒子又は顆粒で構成される。タバコ材料は、再生タバコ材料を含むことができる。
【0148】
エアロゾル生成材料のシート又は切り刻まれたシートは、シート又はシート材料の約0.1重量%~約0.3重量%の量でニコチンを含んでもよい。
【0149】
紙再生タバコもまた、本明細書において説明されるエアロゾル生成材料に存在してもよい。紙再生タバコは、当技術分野において知られている任意のタイプの紙再生タバコであってもよい。
【0150】
エアロゾル生成材料は、エアロゾルフォーマー材料を含む。エアロゾルフォーマー材料は、エアロゾルを形成することができる1種類又は複数種類の構成成分を含む。エアロゾルフォーマー材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリトリトール、meso-エリトリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチレン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含む。いくつかの例では、エアロゾルフォーマー材料は、グリセロール又はプロピレングリコールである。
【0151】
シート又は切り刻まれたシートは、結合剤を含む。結合剤は、シート又は切り刻まれたシートを形成するためにエアロゾル生成材料の構成要素を結合させるように配置される。結合剤は、タバコ材料の表面を少なくとも部分的に覆ってもよい。タバコ材料が粒子の形態である場合、結合剤は、タバコの粒子の表面を少なくとも部分的に覆ってそれらを結合させることができる。
【0152】
エアロゾル生成材料は、フィラーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、シート又は切り刻まれたシートは、フィラーを含む。フィラーは、一般には、非タバコ構成要素であり、つまり、タバコに由来する成分を含まない構成要素である。フィラーは、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの1種類又は複数種類の無機フィラー材料、及び、分子篩などの適切な無機吸着剤を含んでもよい。フィラーは、木繊維又はパルプ又は小麦繊維などの非タバコ繊維であってもよい。フィラーは、セルロースを含む材料であってもよく、又は、材料が、セルロースの誘導体を含む。フィラー構成要素はまた、非タバコ鋳造材料、又は非タバコ押出材料であってもよい。
【0153】
フィラーを含む特定の実施形態では、フィラーは、繊維質のものである。例えば、フィラーは、木材、木材パルプ、アサ繊維、セルロース、又はセルロース誘導体などの繊維質有機フィラー材料であってもよい。理論によって束縛されることを望まないが、繊維質フィラーを含むことにより材料の引張り強度を高めることができると考えられる。
【0154】
本明細書におけるエアロゾル生成材料は、本明細書において説明される香料のいずれかなどのエアロゾル変性剤を含むことができる。1つの実施形態では、エアロゾル生成材料は、メンソールを含む。エアロゾル生成材料がエアロゾル供給システムにおいて使用するための物品に組み込まれる場合、物品は、メンソール含有物品と呼ばれることがある。
【0155】
いくつかの実施形態では、外側セクション27は、或いは「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)と呼ばれることもあるエアロゾル形成「アモルファス固体」を含むことがある。いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、乾燥ゲルを含むことがある。アモルファス固体は、液体などのある程度の流体を内部に保持することができる固体材料である。アモルファス固体は、香料を含むことができる。いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、活性物質をさらに含む。活性物質は、タバコ抽出物であってもよい。いくつかの実施形態では、アモルファス固体は、1種類又は複数種類の活性物質及び/若しくは香料、1種類又は複数種類のエアロゾルフォーマー材料、並びに任意選択で1種類又は複数種類の他の機能材料を含むことができる。アモルファス固体は、複数の長尺ストリップとして設けられてもよい。
【0156】
エアロゾル生成材料は、本明細書において説明されるようなエアロゾル化可能材料とアモルファス固体材料の混合物を含むことができる。そのようなエアロゾル生成材料は、アモルファス固体材料構成要素に含むことにより追加の香料がエアロゾル生成材料に導入可能であるので、望ましい香料プロファイルを有するエアロゾルを使用時に提供することができる。アモルファス固体材料に提供される香料は、タバコ材料に直接加えられた香料と比較して、アモルファス固体材料内により安定して保留可能であり、作製される物品間のより一貫した香料プロファイルをもたらす。
【0157】
本実施形態では、コアセクション26は、中空管31を備える。中空管31は、全体的に円筒形であってもよい。したがって、本実施形態では、中空管31の断面は、コアセクション26の長手軸に対して垂直に延在する平面において、環形状である。中空管31は、構成要素3のエアロゾル生成材料4の第1の端部21と同じ平面に配置された第1の端部表面32、及び、構成要素3のエアロゾル生成材料4の第2の端部22と同じ平面に配置された第2の端部表面33を備える。本実施形態では、第1の端部表面32及び第2の端部表面33の両方が、環状の断面を有する。
【0158】
本実施形態では、中空管31は、空洞35又は中空部を取り囲む周壁34を備える。本実施形態では、周壁34は、断面が環状である。周壁34は、約50um~約1mmの範囲内の厚さを有することができる。さらに、又はその代わりに、周壁34は、約50%~約98%の範囲内の硬さ、又は堅固さを有する。つまり、周壁は、変形が生じるまでに約0.1Nの範囲内の破砕力に耐えることが可能であってもよい。破砕力は、長手軸Xに対して垂直な方向に加えられることがある。
【0159】
空洞35は、第1の端部表面32から第2の端部表面33まで管31の長さに沿って長手方向に延在する。空洞35は、使用中に加熱要素を受け入れるように構成される。したがって、空洞35は、約1mm~約5mmの範囲内の直径を有することがあり、いくつかの実施形態では、約2mm~約4mmの範囲内の直径を有することがある。
【0160】
本実施形態では、第1の材料は、紙である。したがって、中空管31は、紙から形成される。したがって、紙管31は、突き合わせられた継目を有して平行に巻かれた紙の複数の層、又はらせん状に巻かれた紙の層、厚紙管、又はパピエマシュタイプのプロセスを使用して形成された管から形成されてもよい。
【0161】
しかし、代替実施形態では、第1の材料は、例えば、別の紙材料、バンドキャストタバコ、紙再生成タバコ、又はアモルファス固体のうちの1つであってもよいがそれらに限定されないことが、認識されるであろう。
【0162】
管31は、使用中に加熱要素が構成要素3に挿入されたときに構成要素3の外側セクション27と加熱要素との間に隙間を維持するように構成される。管31は、構成要素3の外側セクション27と加熱要素との間の接触を防ぐように構成される。したがって、コアセクション26は、残留物の形成及び/又は加熱要素への貼り付きを防ぐことが可能である。これは、後の使用のために衛生状態及び加熱要素の効率を向上させる。
【0163】
管31は、内側表面37を備える。内側表面37は、図3に点線で示される、少なくとも1つのエンボス加工された部分38を備えることができる。少なくとも1つのエンボス加工された部分38は、管31の内側表面37から空洞35の中心に向かって隆起される。少なくとも1つのエンボス加工された部分38は、加熱要素が管31の空洞35に挿入されたときに管31と加熱要素との間の接触を最小限に抑えるように構成される。管31と加熱要素との間の接触を減少させることにより、構成要素3の加熱中に管31が損傷する可能性を低めることができる。
【0164】
さらに、少なくとも1つのエンボス加工された部分38は、構成要素3と加熱要素とを正しく位置合わせするように構成されてもよい。つまり、少なくとも1つのエンボス加工された部分38は、加熱要素をコアセクション26の空洞35に挿入することができる方法を限定して、物品1とデバイスの加熱要素との間の適切な位置合わせを確実にすることができる。
【0165】
次に図5を参照すると、構成要素40の別の実施形態が示されている。構成要素40は、全体的に、上記で説明された構成要素3の実施形態と同じであり、そのため、ここでは詳細な説明が省略される。さらに、構成要素3の特徴及び構成要素と同じである構成要素40の特徴及び構成要素は、同じ専門用語及び参照番号を保有する。構成要素40の第2の実施形態と前述の構成要素3との間の主な違いは、少なくともコアセクション26に見られる。
【0166】
本実施形態では、コアセクション26は、緩い寄せ集まりのシート41を備える。緩い寄せ集められたシート41は、材料30の中央コラム42を形成するように寄せ集められる。材料30の中央コラム42は、外側セクション27の内側に配置される。緩い寄せ集まりのシート41は、コラム42の密度が約50mg/cm3~約800mg/cm3の範囲内であるように寄せ集められてもよく、いくつかの実施形態では、約60mg~約600mg/cm3の範囲内であるように寄せ集められてもよい。さらに、又はその代わりに、緩い寄せ集められたシート41は、コアセクション26にわたる圧力降下が約0.01mm/Wg~約1mm/Wgの範囲内であるように、寄せ集められてもよい。
【0167】
緩い寄せ集められたシート41は、第1の材料30によって形成される。第1の材料30は、例えば、紙材料、バンドキャストタバコ、紙再生材料、又はアモルファス固体材料のうちの少なくとも1つであってもよいが、それらに限定されない。緩い寄せ集められたシート41は、上述のように、複数の長尺ストリップ5の形態で設けられてもよい。
【0168】
本実施形態では、緩い寄せ集められたシート41は、紙材料によって形成される。紙材料は、多孔質のものであることがある。紙材料の孔隙率は、約50コレスタ単位~約10000コレスタ単位の範囲内であることがある。
【0169】
緩い寄せ集まりのシート41は、加熱要素が構成要素のコアセクション26に挿入されたときに構成要素3の外側セクション27と加熱要素との間の接触を防ぐように構成される。外側セクション27と加熱要素との間の接触を減少させることにより、残留物の形成及び/又は加熱要素への貼り付きを防ぐことができる。これは、後の使用のために衛生状態及び加熱要素の効率を向上させる。
【0170】
上記された実施形態の全てにおいて、第1の材料30は、少なくとも1種類の活性物質を含むことができる。さらに、上記された実施形態の全てにおいて、第1の材料30は、エアロゾル変性物質を含むことができる。さらに、上記された実施形態の全てにおいて、第1の材料30は、香料を含むことができる。したがって、使用中に構成要素3が加熱要素によって加熱されたときに、コアセクション26を形成している第1の材料30は、少なくとも1種類の活性物質及び/又はエアロゾル変性物質及び/又は香料を放出することができる。
【0171】
さらに、いくつかの実施形態では、第1の材料30は、コーティング45を備えることがある。コーティング45は、エアロゾルを提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の材料30は、加熱中に第1の材料30が燃えるか又は他の方法で損傷するのを防ぐように構成されたバリアコーティング46を備えることがある。図3に示されるように、コーティング45又はバリアコーティング46は、第1の材料30の内側表面37に設けられてもよく、つまり、中心軸Xの最も近くに設けられてもよい。
【0172】
次に、図6を参照しながら、構成要素3を形成する方法について説明する。非燃焼式供給物品1のための構成要素を形成する方法は、エアロゾル生成基質51のシート及び第1の材料30を備えるアセンブリを用意するステップを含む。エアロゾル生成基質51のシートは、上記のように、エアロゾル生成材料4から形成される。方法は、第1の材料30によって形成されるコアセクション26を取り囲む外側セクション27をエアロゾル生成基質のシートが形成するようにエアロゾル生成基質51のシート及び第1の材料30を構成要素3に配置するステップをさらに含む。
【0173】
方法は、第1の材料及びエアロゾル生成基質51を同軸性に形成するステップをさらに含むことができる。エアロゾル生成基質51及び第1の材料30は、製造装置53を通して別々に移送されてもよい。
【0174】
方法は、エアロゾル生成基質51を第1の材料30の周りに寄せ集めて同軸ロッドを形成するステップをさらに含むことができる。エアロゾル生成基質51の流れが、ギャザラー54に供給されて、第1の材料30の流れの周りに寄せ集められる。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成基質51の複数の流れが、ギャザラー54に供給されて、第1の材料3の流れの周りに寄せ集められる。エアロゾル生成材料の複数の流れが、第1の材料30の周りの様々な位置においてギャザラー54に供給されてもよい。
【0175】
アセンブリを用意する方法ステップは、第1の材料31の予め形成された管31を用意することを含むことがある。予め形成された管31は、ギャザラー53に提供されてもよい。装置53は、管31をギャザラー53の中心に供給するように構成された管供給機55を備えることができる。管31は、連続的な管31であってもよい。
【0176】
或いは、アセンブリを用意する方法ステップは、図7に示されるように、第1の材料30のシートを用意し、第1の材料30のシートから管31を形成することを含むことがある。管31をオンラインで形成するために、装置53は、管形成デバイス56をさらに備えることができる。
【0177】
アセンブリを用意する方法ステップは、第1の材料30のシートに接着剤を提供し、エアロゾル生成基質51を第1の材料30の周りに寄せ集める前に接着剤を乾燥させることをさらに含むことがある。第1の材料30を接着して管31を形成するために、装置53は、糊付けステーション57をさらに備えることができる。糊付けステーションは、管形成デバイス56の上流に位置するか、又は、管形成デバイス56に統合されてもよい。接着剤を乾燥させるために、装置53は、管形成デバイス56の下流の乾燥デバイス58、又は管形成デバイス56に統合された乾燥デバイス58を備えることができる。
【0178】
代替的な方法では、アセンブリを用意する方法ステップは、第1の材料30のシートを用意し、第1の材料のシートをエアロゾル生成材料のシートと寄せ集めて、緩い寄せ集められたシートを有する同軸ロッドをコアセクション26において形成することを含むことがある。したがって、管形成デバイス59は、省略されてもよい。
【0179】
本明細書において説明される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を支援するためにのみ提示されたものである。これらの実施形態は、単に実施形態の代表的なサンプルとして提供されたものであり、包括的及び/又は排他的なものではない。本明細書において説明される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲への制限、又は特許請求の範囲の均等物への制限と考慮されるべきではないこと、及び、特許請求される発明の範囲から逸脱することなしに他の実施形態が使用されてもよく、また修正がなされてもよいことが、理解されるべきである。本発明の様々な実施形態は、本明細書において具体的に説明されたもの以外の開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段、などの適当な組み合わせを適切に備えるか、それらで構成されるか、又は本質的にそれらで構成されてもよい。さらに、本開示は、現在特許請求されていないが将来にある可能性のある他の発明を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼式エアロゾル供給システムにおいて使用するための非燃焼式エアロゾル供給物品のための構成要素であって、
長手方向に延在するコアセクションと、
前記コアセクションを取り囲み、加熱されたときにエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成基質を備える、長手方向に延在する外側セクションと、
を具備し、
前記コアセクションが、加熱要素を受け入れるように構成された第1の材料を備える、構成要素。
【請求項2】
前記コアセクション及び前記外側セクションが、同軸性に形成される、請求項1に記載の構成要素。
【請求項3】
前記コアセクションが、空洞を有する管を備え、前記空洞が、加熱要素を受け入れるように構成されている、請求項に記載の構成要素。
【請求項4】
前記空洞が、前記コアセクションの全長にわたって延在する、請求項3に記載の構成要素。
【請求項5】
前記管が、加熱要素が前記管に挿入されたときに加熱要素からの隙間を維持するように構成される、請求項に記載の構成要素。
【請求項6】
前記管の内側表面が、エンボス加工され、前記エンボス加工された部分が、加熱要素が前記管に挿入されたときに前記加熱要素との接触を最小限に抑えるように構成される、請求項3~5のいずれか一項に記載の構成要素。
【請求項7】
前記管が、約50%~約98%の範囲内の硬さを有する、請求項に記載の構成要素。
【請求項8】
前記コアセクションを形成する前記第1の材料が、紙である、請求項に記載の構成要素。
【請求項9】
前記コアセクションが、緩い寄せ集められたシートを備える、請求項に記載の構成要素。
【請求項10】
前記緩いシートが、材料の中央コラムを形成するように寄せ集められる、請求項9に記載の構成要素。
【請求項11】
前記緩いシートを形成する前記第1の材料が、紙材料、バンドキャストタバコ、紙再生タバコ、又はアモルファス固体材料のうちの少なくとも1つである、請求項9又は10に記載の構成要素。
【請求項12】
前記第1の材料が、多孔質の紙材料である、請求項11に記載の構成要素。
【請求項13】
前記第1の材料の孔隙率が、約50コレスタ単位~約10000コレスタ単位の範囲である、請求項12に記載の構成要素。
【請求項14】
前記第1の材料が、少なくとも1種類の活性物質、及び/又はエアロゾル変性物質、及び/又は香料を含む、請求項に記載の構成要素。
【請求項15】
前記第1の材料が、エアロゾルを提供するように構成されたコーティングを含む、請求項14に記載の構成要素。
【請求項16】
前記エアロゾル生成基質が、長手方向において互いに実質的に平行に延在する複数の長尺ストリップを備える、請求項1に記載の構成要素。
【請求項17】
前記エアロゾル生成基質が、任意選択で約20um~約1mmの範囲内の深さまで波形にされる、請求項に記載の構成要素。
【請求項18】
非燃焼式エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成要素である、請求項に記載の構成要素。
【請求項19】
請求項に記載の構成要素を備える、物品。
【請求項20】
非燃焼式エアロゾル供給物品のための構成要素を形成する方法が、
エアロゾル生成基質のシート及び第1の材料を備えるアセンブリを用意するステップと、
前記第1の材料によって形成されるコアセクションを取り囲む外側セクションを前記エアロゾル生成基質のシートが形成するように、前記エアロゾル生成基質のシート及び前記第1の材料を構成要素に配置するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記第1の材料及び前記エアロゾル生成基質が、同軸性に形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記エアロゾル生成材料を前記第1の材料の周りに寄せ集めて同軸ロッドを形成するステップをさらに含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
寄せ集める前記ステップが、エアロゾル生成材料の流れをギャザラーに提供し、前記エアロゾル生成材料の流れを前記第1の材料の周りに寄せ集めることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
寄せ集める前記ステップが、エアロゾル生成材料の複数の流れをギャザラーに提供することを含み、前記エアロゾル生成材料の複数の流れが、前記第1の材料の周りの様々な位置に配置される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記アセンブリを用意するステップが、予め形成された第1の材料の管を用意するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記アセンブリを用意するステップが、第1の材料のシートを用意し、前記第1の材料のシートから管を形成するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記アセンブリを用意するステップが、前記第1の材料のシート上に接着剤を提供し、前記エアロゾル生成基質を前記第1の材料の周りに寄せ集める前に前記接着剤を乾燥させるステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記アセンブリを用意するステップが、第1の材料のシートを用意し、前記シート材料を前記エアロゾル生成材料のシートと一緒に寄せ集めて、同軸ロッドを形成するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【国際調査報告】