(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】低温流体のための低排出ノズル及びレセプタクルの結合
(51)【国際特許分類】
F16L 37/248 20060101AFI20240628BHJP
F16L 37/252 20060101ALI20240628BHJP
F16L 59/18 20060101ALI20240628BHJP
F17C 6/00 20060101ALI20240628BHJP
B05B 1/00 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
F16L37/248
F16L37/252
F16L59/18
F17C6/00
B05B1/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573564
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2022072628
(87)【国際公開番号】W WO2022251878
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523448750
【氏名又は名称】エンジニアード コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】グレナウェイ ジョン
【テーマコード(参考)】
3E172
3H036
3J106
4F033
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB01
3E172BD05
3E172FA14
3H036AA04
3H036AB32
3H036AD01
3J106BA02
3J106BB07
3J106BC04
3J106BD01
3J106CA01
3J106EA01
3J106EB02
3J106EC01
3J106ED04
3J106EE18
3J106EF02
3J106GA01
3J106GA12
3J106GA23
4F033AA13
4F033BA03
4F033DA01
4F033EA01
4F033LA12
4F033NA01
(57)【要約】
低温流体のための低排出ノズル及びレセプタクルの結合方法及び装置を開示する。ノズル例(1200)が、低温流体が流れるチャンバを定める本体(1240)を含む。本体は、外側シェル表面を含む外側シェル(1245)を含む。ノズルは、ノズルをレセプタクルに確実に結合するように構成されたロックアセンブリ(1210)を含む。ロックアセンブリは、外側シェル表面に固定して結合されてガイド延長部(1233)を含む内側スリーブ(1230)と、内側スリーブの上を覆って延びて内側スリーブに回転可能に結合された外側スリーブ(1214)とを含む。1又は2以上のロック歯(1215)は、外側スリーブに固定して結合され、レセプタクルのそれぞれの1又は2以上の結合スロットによって摺動可能に受け入れられるように構成される。1又は2以上のロック歯は、外側スリーブが内側スリーブに対して回転した時に、それぞれの1又は2以上の結合スロット内で回転可能に摺動してノズルをレセプタクルに結合するように構成される。
【選択図】
図50
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクルに結合されて前記レセプタクルに低温流体を供給するノズルであって、
低温流体が流れるチャンバを定めるとともに、外面及び前端部を含む外側シェルを含む本体と、
前記ノズルを前記レセプタクルに確実に結合するように構成されたロックアセンブリと、
を備え、前記ロックアセンブリは、
遠位端と、前記遠位端から長手方向に延びる1又は2以上のガイド延長部とを含み、前記外側シェルの前記外面に固定して結合され、前記遠位端が前記外側シェルの前記前端部を越えて長手方向に延びる、内側スリーブと、
前記内側スリーブを覆って延びて前記内側スリーブに回転可能に結合された外側スリーブと、
前記外側スリーブの内面に沿って前記内側スリーブの前記遠位端に隣接して固定して配置され、前記レセプタクルのそれぞれの1又は2以上の結合スロットによって摺動可能に受け入れられるように構成された1又は2以上のロック歯と、
を含み、
前記1又は2以上のガイド延長部は、前記レセプタクルのそれぞれの1又は2以上のガイドスロットによって摺動可能に受け入れられて、前記1又は2以上のロック歯を前記それぞれの1又は2以上の結合スロットと回転整列させるように構成され、
前記外側スリーブは、前記内側スリーブに対して回転して、前記1又は2以上のロック歯を前記それぞれの1又は2以上の結合スロット内で回転可能に摺動させて前記ノズルを前記レセプタクルに確実に結合するように構成される、
ノズル。
【請求項2】
前記チャンバと前記外側シェルとの半径方向中間に配置された断熱層をさらに含む、
請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記1又は2以上のガイド延長部は、前記1又は2以上のロック歯と前記それぞれの1又は2以上の結合歯との間の回転整列を容易にするために、前記1又は2以上のロック歯を越えて長手方向に延びて、前記1又は2以上のロック歯が前記レセプタクルの前記それぞれの1又は2以上の結合スロットによって受け入れられる前に前記1又は2以上のガイド延長部が前記レセプタクルのそれぞれの前記1又は2以上のガイドスロットによって受け入れられることを可能にする、
請求項1に記載のノズル。
【請求項4】
前記1又は2以上のロック歯の各々は、前記1又は2以上のロック歯を前記レセプタクルの前記それぞれの1又は2以上の結合スロット内に案内するのを容易にする丸みを帯びた表面を有するローラベアリングである、
請求項1に記載のノズル。
【請求項5】
前記1又は2以上のガイド延長部の各々は、前記ガイド延長部を前記レセプタクルの前記それぞれの1又は2以上のガイドスロット内に案内するのを容易にする丸みを帯びた角部を含む、
請求項1に記載のノズル。
【請求項6】
前記1又は2以上のガイド延長部の各々は、前記1又は2以上のガイド延長部と前記レセプタクルの前記それぞれの1又は2以上のガイドスロットとの間の半径方向位置合わせを容易にする丸みを帯びた内面を含む、
請求項5に記載のノズル。
【請求項7】
前記ロックアセンブリは、前記外側シェルに固定して結合されたスリーブリングをさらに含み、前記スリーブリングに前記内側スリーブの近位端が固定して結合されて、前記内側スリーブを前記外側シェルに固定して結合する、
請求項1に記載のノズル。
【請求項8】
前記スリーブリング及び前記内側スリーブの前記近位端は溝を定め、前記外側スリーブは、前記溝によって受け入れられて前記内側スリーブに対する前記外側スリーブの軸方向移動を防ぐ内側リップを含む、
請求項7に記載のノズル。
【請求項9】
前記1又は2以上のガイド延長部の各々は、前記1又は2以上のロック歯から、少なくとも前記1又は2以上のガイド延長部が前記1又は2以上のロック歯の回転運動に干渉するのを防ぐ距離だけ円周方向に間隔を空けている、
請求項1に記載のノズル。
【請求項10】
前記1又は2以上のガイド延長部は、前記内側スリーブに沿って円周方向に互いに等距離で離間している、
請求項9に記載のノズル。
【請求項11】
前記1又は2以上のロック歯は、前記外側スリーブの前記内面に沿って円周方向に互いに等距離で離間している、
請求項9に記載のノズル。
【請求項12】
前記ロックアセンブリは、前記外側スリーブに固定して結合されて前記内側スリーブに対する前記外側スリーブの回転を容易にするハンドルをさらに含む、
請求項1に記載のノズル。
【請求項13】
前記ロックアセンブリは、前記ハンドルを前記外側スリーブに結合する1又は2以上のポストをさらに含む、
請求項12に記載のノズル。
【請求項14】
前記ロックアセンブリは、前記ノズルを前記レセプタクルにさらに確実に結合するように構成された冗長ロック機構をさらに含み、前記冗長ロック機構は、前記外側スリーブが内側スリーブに対して回転した時にロック解除状態とロック状態との間で移行するように構成される、
請求項1に記載のノズル。
【請求項15】
前記冗長ロック機構は、
第1の端部、第2の端部、及び前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された桟部を含むステムと、
前記桟部に係合して、前記ステムの前記第1の端部が部分的に貫通するばねと、
前記ステムの前記第2の端部に結合されたホイールと、
を含む、請求項14に記載のノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2021年5月28日に出願された米国仮特許出願第63/202,162号の利益を主張するものであり、この文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に低温流体に関し、具体的には、低温流体のための低排出ノズル及びレセプタクルの結合に関する。
【背景技術】
【0003】
レセプタクルは、ノズルから流体を受け取るように設計される。レセプタクルは、受け取った流体を接続先の貯蔵タンク内に移送する。レセプタクルの一例は、車のガソリンポートである。ノズルの一例は、ガソリンスタンドのガソリンディスペンサである。接続先の貯蔵タンクの一例は、車のガソリンタンクである。
【0004】
液体水素(LH2)などの低温流体も、専用ノズル及びレセプタクルを介して貯蔵タンク間で移送することができる。例えば、液体水素補給ステーションの貯蔵タンクにノズルを接続し、その後に液体水素を輸送する車両の貯蔵タンクにレセプタクルを接続することができる。液体水素は極低温の液体形態で貯蔵されており、従って貯蔵タンク間で快適かつ確実に移送することが困難な場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
添付の特許請求の範囲は本出願を定める。本開示は実施形態の態様の要約であり、特許請求の範囲を限定するために使用すべきではない。当業者には以下の図面及び詳細な説明を検討すれば明らかなように、本明細書で説明する技術による他の実装も想定され、これらの実装も本出願の範囲に含まれるように意図される。
【0006】
本発明をより良く理解できるように、以下の図面に示す実施形態を参照することができる。本明細書で説明する新規特徴を強調して明確に示すように、図面のコンポーネントは必ずしも縮尺通りではなく、関連する要素を省略し、又は場合によっては比率を誇張している場合がある。また、システムコンポーネントは、当業で周知のように様々に配置することができる。さらに、図面では複数の図全体を通じて同様の参照数字が対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本明細書の教示による、補給タンクに低温流体を満たすためのシステム例を示す図である。
【
図2】本明細書の教示による、低温流体を移送するためのノズル例及びレセプタクル例の側面図である。
【
図3】
図2のノズル及びレセプタクルの斜視図である。
【
図6】
図2のレセプタクル及びノズルの一部の拡大斜視図である。
【
図7】結合シーケンスの第1段階における
図2のレセプタクル及びノズルの一部の拡大斜視図である。
【
図8】結合シーケンスの第2段階における
図2のレセプタクルの一部及びノズルの一部の拡大側面図である。
【
図9】結合シーケンスの第3段階における
図2のレセプタクル及びノズルの一部の拡大斜視図である。
【
図10】
図9の第3段階における
図2のレセプタクルの一部及びノズルの一部の拡大側面図である。
【
図11】結合シーケンスの第4段階における
図2のレセプタクルの一部及びノズルの一部の拡大側面図である。
【
図12】結合シーケンスの第5段階における
図2のレセプタクルの一部及びノズルの一部の拡大側面図である。
【
図13】結合シーケンスの第6段階における
図2のレセプタクル及びノズルの一部の拡大斜視図である。
【
図14】
図13の第6段階における
図2のレセプタクルの一部及びノズルの一部の拡大側面図である。
【
図15】
図13の第6の状態における
図2のレセプタクルの一部及びノズルの一部の拡大側面図である。
【
図18】
図2のレセプタクル及びノズルの側面断面図である。
【
図19】結合状態における
図2のレセプタクル及びノズルの側面断面図である。
【
図20】ノズルのプラグが閉位置にある時の結合状態における
図2のレセプタクル及びノズルの拡大側面断面図である。
【
図21】ノズルのプラグが開位置にある時の結合状態における
図2のレセプタクル及びノズルの拡大側面断面図である。
【
図22】ノズルのプラグ及びレセプタクルのプラグがそれぞれ開位置にある時の結合状態における
図2のレセプタクル及びノズルの拡大側面断面図である。
【
図23】
図2のノズル及びレセプタクルが分離した時の、ノズル及びレセプタクルの結合状態を検出するセンサアセンブリを示す図である。
【
図24】
図2のノズル及びレセプタクルが結合状態にある時の
図25のセンサアセンブリを示す図である。
【
図25】本明細書の教示による、低温流体を移送するノズル例の斜視図である。
【
図26】本明細書の教示による、低温流体を移送するノズル例の斜視図である。
【
図27】本明細書の教示による、低温流体を移送するノズル例の斜視図である。
【
図28】本明細書の教示による、低温流体を移送するノズル例の斜視図である。
【
図29】本明細書の教示による、低温流体を移送するノズル例の斜視図である。
【
図30】本明細書の教示による、低温流体を移送するノズル例の斜視図である。
【
図31】本明細書の教示による、低温流体を移送するレセプタクル例の斜視図である。
【
図33】本明細書の教示による、
図31のレセプタクルと共に低温流体を移送するノズル例の斜視図である。
【
図34】
図31のレセプタクルにノズルを確実に結合するように構成されたロックアセンブリを有する
図33のノズルのスリーブの斜視図である。
【
図39】
図33のノズルのアクチュエータ及び本体の一部の拡大断面図である。
【
図40】
図43のアクチュエータとノズルの本体との間の接続のさらなる拡大断面図である。
【
図41】
図39のアクチュエータのさらなる拡大断面図である。
【
図43】
図33のノズルが
図31のレセプタクルに結合されているノズル及びレセプタクルの部分断面図である。
【
図48】開いた状態における
図33のノズルの一部及び
図31のレセプタクルの拡大断面図である。
【
図49】本明細書の教示による、低温流体を移送するレセプタクル例の斜視図である。
【
図50】本明細書の教示による、
図49のレセプタクルと共に低温流体を移送するノズル例の斜視図である。
【
図51】ノズルのロックアセンブリの外側スリーブを除去した
図50のノズルの別の斜視図である。
【
図52】例示目的でロックアセンブリの外側スリーブ、ハンドル及び接続ポストを半透明として示す
図50のノズルのロックアセンブリの斜視図である。
【
図53】
図52のロックアセンブリの冗長ロック機構を示す図である。
【
図55】例示目的でロックアセンブリの外側スリーブを半透明として示す、
図49のレセプタクルが
図50のノズルに結合する第2段階を示す図である。
【
図56】例示目的でロックアセンブリの外側スリーブを半透明として示す、
図49のレセプタクルが
図50のノズルに結合する第3段階を示す図である。
【
図57】例示目的でロックアセンブリの外側スリーブ及びポストを半透明として示す、ロック解除状態における
図53の冗長ロック機構を示す図である。
【
図58】例示目的でロックアセンブリの外側スリーブ及びポストを半透明として示す、第1の中間状態における
図53の冗長ロック機構を示す図である。
【
図59】例示目的でロックアセンブリの外側スリーブ及びポストを半透明として示す、第2の中間状態における
図53の冗長ロック機構を示す図である。
【
図60】例示目的でロックアセンブリの外側スリーブ及びポストを半透明として示す、ロック状態における
図53の冗長ロック機構を示す図である。
【
図64】
図50のノズルのアクチュエータの拡大断面図である。
【
図65】例示目的でロックアセンブリの外側スリーブを半透明として示す、閉じた状態で互いに結合した
図50のノズルの一部及び
図49のレセプタクルの一部の拡大断面図である。
【
図66】閉じた状態で互いに結合した
図50のノズルの一部及び
図49のレセプタクルの一部のさらなる拡大断面図である。
【
図67】本明細書の教示による、
図1の低温流体補給システムを動作させるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は様々な形態で具体化することができるが、本開示は本発明の例示と見なすべきものであり、本発明を図示の特定の実施形態に限定するように意図するものではないという了解の下、いくつかの例示的かつ非限定的な実施形態を図面に示して以下で説明する。
【0009】
本明細書に開示するシステム例及び使用法は、液体窒素などの低温流体を貯蔵タンクから補給タンクに移送するためのノズル及びレセプタクルを含む。例えば、ノズル及びレセプタクルは、ノズルがレセプタクルに対して結合及び分離する際に低温流体が大気中に放出されるのを妨げるように構成される。ノズル及びレセプタクルは、補給イベント中にオペレータが低温流体を安全に移送するのを容易にするようにも構成される。
【0010】
本明細書では、液体窒素などの低温流体を貯蔵タンクから補給タンクに安全に移送するノズル例及び使用法を開示する。ノズルは、補給タンクを貯蔵タンクに流体的に接続するために、1又は2以上のタイプのレセプタクルに流体的に結合するように構成される。ノズル例は、レセプタクルに結合する時に低温流体が大気中に放出されるのを妨げるように構成される。
【0011】
本明細書では、液体窒素などの低温流体を貯蔵タンクから補給タンクに安全に移送するレセプタクル例及び使用法を開示する。レセプタクルは、貯蔵タンクを補給タンクに流体的に接続するために、1又は2以上のタイプのレセプタクルに流体的に結合するように構成される。レセプタクル例は、ノズルに結合する時に低温流体が大気中に放出されるのを妨げるように構成される。
【0012】
図を参照すると、
図1に、本明細書の教示による、液体水素などの低温流体を移送するためのシステム例10を示す。システム10は、補給ステーション20と、低温流体を輸送する車両30とを含む。
【0013】
図示の例の補給ステーション20は、貯蔵タンク22と、貯蔵タンク22に接続されて貯蔵タンク22から延びるホース24と、ホース24の遠位端における(
図2~
図3、
図5~
図15及び
図17~
図24のノズル200、
図25のノズル300、
図400のノズル400、
図27のノズル500、
図28のノズル600、
図29のノズル700、及び
図30のノズル800、
図33及び
図37のノズル1000などの)ノズルと、補給プロセスを安全かつ確実に制御するためのコントローラ26と、ボタン28とを含む。補給ステーション20のコントローラ26は、モニタリング及び制御能力を提供する回路を有するハードウェアを含む。車両30は、補給タンク32と、補給タンク32に接続されて補給タンク32から延びるホース34と、ホース34の遠位端における(
図2~4、
図6~16及び
図18~24のレセプタクル100、
図31及び
図35のレセプタクル900などの)レセプタクルとを含む。他の例では、レセプタクルが、外部中間ホースを介さずに(例えば、
図4のフランジ112を介して)直接補給タンク32に取り付けられる。
【0014】
図示の例では、補給ステーション20の貯蔵タンク22が低温流体を貯蔵するように構成され、車両30の補給タンク32が、ホース24、34、ノズル及びレセプタクルを介して貯蔵タンク22から低温流体を受け取るように構成される。貯蔵タンク22から補給タンク32に低温流体を移送するには、オペレータ40がノズルをレセプタクルに結合して補給タンク32を貯蔵タンク22に流体的に接続する。オペレータ40は、ノズルをレセプタクルに確実に結合すると、離れた位置から低温流体の移送を開始する。例えば、オペレータ40は、補給ステーション20のボタン28を押して、コントローラ26に補給シーケンスを開始するように命令する。
【0015】
図2~
図24に、本明細書の教示によるレセプタクル例100及びノズル例200を示す。具体的には、
図2~
図14には、ノズル200をレセプタクル100に確実に結合するための機構を示す。
図15~
図22には、貯蔵タンク22と補給タンク32との間の低温流体の流れを制御する、ノズル200からレセプタクル100までの内部コンポーネントを示す。
図23~
図24には、ノズル200がレセプタクル100に確実に結合した時点を検出するように構成されたセンサアセンブリを示す。
【0016】
図2~
図4に示すように、レセプタクル100は、本体110と、本体110の前端部に結合されてそこから延びるヘッド120(「ボンネット」とも呼ばれる)とを含む。本体110からはフランジ112が半径方向外向きに延びて、レセプタクル100を補給タンク32の壁などの壁に結合するように構成される。レセプタクル100のチャンバ130は、ヘッド120及び本体110の内壁111(
図16)によって定められる。また、
図23~
図24に示すように、レセプタクル100は検知装置180を含む。
【0017】
再び
図2~
図4を参照すると、ヘッド120は、結合スロット122、124を定める外面を含む。例えば、ヘッド120は、1又は2以上の結合スロット122(「一次スロット」又は「一次結合スロット」とも呼ばれる)及び1又は2以上の結合スロット124(「二次スロット」又は「二次結合スロット」とも呼ばれる)を定める。
【0018】
結合スロット122、124の各々は概ねL字形であり、特定の方向に屈曲又はカール(curl)する。図示の例では、結合スロット122、124が時計回り方向に屈曲又はカールしている。他の例では、結合スロット122、124が反時計回り方向に屈曲することができる。また、結合スロット122、124の各々は、レセプタクル100のヘッド120の外縁に沿って開放される近位端を有する。各結合スロット122、124の開放端は、ノズル200のそれぞれの結合アーム222、224が結合スロット122、124内に摺動してノズル200をレセプタクル100に確実に結合することを可能にする。
【0019】
図4に最も明確に示すように、結合スロット122の各々は、円筒形の表面121によって定められる。結合スロット124は、レセプタクル100のヘッド120に沿って軸方向に延びる円筒形の表面123によって定められる。表面123は、結合スロット124の屈曲部又はカール部に隣接する傾斜面(sloped surface)125に延びる。例えば、傾斜面125は、結合スロット124の表面123から半径方向外向き螺旋方向に離れる。傾斜面125は、結合スロット124の遠位端におけるキャビティ126に延びる。結合スロット124は、結合スロット124のキャビティ126の幅に沿って延びる棚部(shelf)127も含む。
【0020】
図2~
図3及び
図5に示すように、ノズル200は、本体210、ヘッド220、及びアクチュエータ230を含む。ヘッド220(「ボンネット」とも呼ばれる)は、本体210の前端部に結合されてそこから延び、アクチュエータ230は、本体210の対向する後端部に結合されてそこから延びる。本体210の延長部(extension)215が外向きに延びて、ノズル200を貯蔵タンク22に流体的に接続するためにホース24に接続するように構成される。以下でさらに詳細に開示するように、ノズル200は、ノズル200の本体210の前端部から延びてノズル200からの低温流体の流れを制御するように構成されたポペット(poppet)240及びポペットシート(poppet seat)242を含む。また、
図23~
図24に示すように、ノズル200はスリーブ270及び検知装置280を含む。
【0021】
再び
図2~
図3及び
図5を参照すると、ノズル200は、1又は2以上の結合アーム222(「一次アーム」又は「一次結合アーム」とも呼ばれる)、及び1又は2以上の結合アーム224(「二次アーム」又は「二次結合アーム」とも呼ばれる)を含む。結合アーム222、224の各々は、ヘッド220から、ノズル200の本体210から離れる方向に軸方向外向きに延びる。図示の例では、ヘッド220が、3つの結合アーム222及び1つの結合アーム224を含む。他の例では、ヘッド220が、ノズル200をレセプタクル100に確実に結合できるさらに多くの又は少ない結合アーム222、及び/又はさらに多くの又は少ない結合アーム224を含むことができる。
【0022】
結合アーム222の各々は、ヘッド220に固定して結合される。図示の例では、結合アーム222の各々が、それぞれのファスナ223を介してヘッド220に結合される。ファスナの各々は、それぞれの結合アーム222の近位端を結合する。他の例では、結合アーム222がヘッド220と一体的に形成される(例えば、結合アーム222がヘッド220内に機械加工される)。また、それぞれの結合アーム222の各々からは突出部226が半径方向内向きに延びる。結合アーム222の突出部226は、レセプタクル100に対するノズル200の確実な結合を容易にするために、結合スロット122によって受け入れられて結合スロット122内で摺動するように構成される。
【0023】
結合アーム224の近位端は、ヒンジ225を介してヘッド220にヒンジ結合される。図示の例では、ヒンジ225が、結合アーム224を半径方向内向きに付勢するばね付勢式ヒンジ(spring-biased hinge)である。また、結合アーム224からは突出部228が半径方向内向きに延び、突出部228は桟部(ledge)229を定める。以下でさらに詳細に開示するように、結合アーム224の突出部228は、レセプタクル100に対するノズル200の確実な結合を容易にするために、結合スロット124によって受け入れられて結合スロット124内で摺動するように構成される。突出部228の桟部229は、ノズル200をレセプタクル100に対して適所にロックするために、結合スロット124のキャビティ126内の棚部127に係合するように構成される。
【0024】
図示の例では、ノズル200が、ヘッド220の外周に沿って互いに等距離で離間した3つの結合アーム222を含み、レセプタクル100が、ヘッド120の外周に沿って互いに等距離で離間した3つの結合スロット122を含む。ノズル200の結合アーム224は、結合アーム222のうちの2つの結合アーム222間に(例えば、中心に)配置され、レセプタクル100の結合スロット124は、それぞれの結合スロット122、124に対する結合アーム222、224の整列を容易にするために結合スロット122のうちの2つの結合スロット122間に(例えば、中心に)配置される。他の例では、レセプタクル100のヘッド120が、いずれかの数の結合スロット122及び/又は結合スロット124を定めることができ、ノズル200が、レセプタクル100に対するノズル200の確実な結合を可能にするいずれかの数の結合アーム222及び/又は結合アーム224を含むことができる。これに加えて又は代えて、結合アーム224及び結合スロット124は、それぞれ結合アーム222及び結合スロット122に対し、結合アーム222、224と結合スロット122、124との間の整列を容易にするいずれかの位置に配置することができる。
【0025】
図6~
図15に、結合アーム222、224及び結合スロット122、124を介してノズル200をレセプタクルに確実に結合する際のノズル200及びレセプタクル100を示す。
【0026】
図6には、結合プロセスの予備段階においてノズル200がレセプタクル100から離間している状態を示す。ノズル200は、レセプタクル100に対し、結合アーム222が結合スロット122と軸方向に整列し、結合アーム224が結合スロット124と軸方向に整列するように配置されている。
【0027】
図7には、結合プロセスの第1段階において結合アーム222、224がそれぞれの結合スロット122、124の開放端に配置された状態を示す。各結合アーム222の突出部226は、それぞれの結合スロット122の表面121に係合及び/又は隣接しており、結合アーム224の突出部228は、結合スロット124の表面123に係合及び/又は隣接している。
【0028】
図8には、オペレータ40がノズル200をレセプタクル100の本体110に向けて軸方向に押した後の、結合プロセスの後続の第2段階を示す。各結合アーム222の突出部226は、それぞれの結合スロット122内で開放端から離れてさらに内側に配置され、結合アーム224の突出部228は、結合スロット124内で開放端から離れてさらに内側に配置されている。各突出部226は、それぞれの結合スロット122の表面121に係合及び/又は隣接し続けており、突出部228は、結合スロット124の表面123に係合及び/又は隣接し続けている。
【0029】
図9~
図10には、ノズル200をレセプタクル100に結合するためにオペレータ40がノズル200をレセプタクル100に対して回転させた後の、結合プロセスの後続の第3段階を示す。各結合アーム222の突出部226は、それぞれの結合スロット122の屈曲部又はカール部内でこれらに隣接してさらに内側に配置されている。各突出部226は、それぞれの結合スロット122の表面121に係合及び/又は隣接し続けている。また、結合アーム224の突出部228は、結合スロット124の屈曲部又はカール部内でこれらに隣接してさらに内側に配置されている。結合アーム224の突出部228は、結合スロット124の傾斜面125に係合する。傾斜面125は、結合アーム224を、ヒンジ225を中心に半径方向外向きに回転するように押す。
【0030】
図11には、オペレータ40がノズル200をレセプタクル100に対してさらに回転させた後の、結合プロセスの後続の第4段階を示す。各結合アーム222の突出部226は、屈曲部又はカール部とそれぞれの結合スロット122の遠位端との間に配置されている。各突出部226は、それぞれの結合スロット122の表面121に係合及び/又は隣接し続けている。また、結合アーム224の突出部228の一部は傾斜面125の一部に係合したままであり、突出部228の別の一部は結合スロット124のキャビティ126上に配置されている。傾斜面125は、ヒンジ225を中心に結合アーム224を半径方向外向きに押し続ける。
【0031】
図12には、オペレータ40がノズル200をレセプタクル100に対してさらに回転させた後の、結合プロセスの後続の第5段階を示す。各結合アーム222の突出部226は、それぞれの結合スロット122のさらに遠位端近くに配置され、それぞれの結合スロット122の表面121に係合及び/又は隣接し続けている。結合アーム224の突出部228は傾斜面125から離脱している。この結果、半径方向内向きに付勢されたヒンジ225が結合アーム224を半径方向内向きに回転させて、突出部228が結合スロット124のキャビティ126内に延びる半径方向静止位置に戻している。
【0032】
図13~
図15には、ノズル200とレセプタクル100との間の結合をさらに確実にするためにオペレータ40がノズル200をレセプタクル100に対してさらに回転させた後の、結合プロセスの後続の第6段階を示す。各結合アーム222の突出部226は、それぞれの結合スロット122の遠位端に配置されて、それぞれの結合スロット122の表面121に係合及び/又は隣接し続けている。
図15に最も明確に示すように、ノズル200がさらに回転することで、結合アーム224の突出部228の桟部229が結合スロット124の棚部127の下方に摺動する。結合アーム224の桟部229は、棚部127の下方の固定位置に配置されて、オペレータ40がレセプタクル100からノズル200を引き離すのを妨げ、結果としてノズル200とレセプタクル100との間の結合をさらに確実にする。
【0033】
ノズル200をレセプタクル100から分離するには、ノズル200を逆方向にわずかに回転させて、結合アーム224の突出部228の桟部229が結合スロット124の棚部127の下方に存在しないようにする。次に、オペレータ40がレバー又はワイヤなどのノズル200の分離機構に関与して、結合アーム224の遠位端を結合スロット124のキャビティ126から持ち上げる。その後、オペレータ40がノズル200をレセプタクル100に対して逆方向に回転させて、結合アーム222、224をそれぞれの結合スロット122、124の開放端から外へ摺動させる。
【0034】
レセプタクル100及びノズル200の内部コンポーネントを参照すると、
図16は、レセプタクル100の内部コンポーネントを示す断面図であり、
図17は、ノズル200の内部コンポーネントを示す断面図である。
【0035】
図16に示すように、レセプタクル100は、本体110と、本体110の前端部に結合されてそこから延びるヘッド120とを含む。本体110とヘッド120との間にはフェイスシール113が配置されてこれらに密封係合する。本体110は、内壁111、フランジ112、及び外側シェル140を含む。フランジ112は、外側シェル140から半径方向外向きに延びて、レセプタクル100を補給タンク32の壁などの壁に結合するように構成される。外側シェル140と内壁111との間に形成される間隙には断熱層(insulation layer)145が配置される。断熱層145は、レセプタクル100内を流れる低温流体の極低温から外側シェル140を断熱するために、外側シェル140と内壁111との間に形成される間隙に配置された真空及び/又は断熱材を含む。例えば、間隙内を真空にするために、本体110の外側シェル140に沿って排気ポート及び/又はバルブが配置される。また、本体110の内壁111及びヘッド120の内面は、他のコンポーネントを収容して低温流体が流れるレセプタクル100のチャンバ130を形成する。
【0036】
レセプタクル100は、ポペット150、チェック(check)160、及びシャフト170も含む。ポペット150は、レセプタクル100の本体110及びヘッド120の前端部(「遠位端」とも呼ばれる)に隣接して配置される。チェック160は、本体110の後端部(「近位端」とも呼ばれる)に向かって配置される。ポペット150及びチェック160は、いずれもレセプタクル100のチャンバ130を軸方向に貫通するシャフト170に固定して結合される。図示の例では、ポペット150がシャフト170の端部と一体的に形成されてそこから延びる。
【0037】
図示の例では、チェックシート(check seat)162が、チャンバ130を、本体110の前端部に隣接して位置する第1のチャンバ部分132と、本体110の後端部に隣接して位置する第2のチャンバ部分134とに分割する。閉位置では、チェック160が、チャンバ130内の第1のチャンバ部分132と第2のチャンバ部分134との間に固定して配置されたチェックシート162に係合する。例えば、チェック160は、閉位置ではチェックシート162のシートシール(seat seal)166に係合して、第1のチャンバ部分132と第2のチャンバ部分134との間にシールを形成するように構成される。チェックシート162と本体110の内壁111との間にはチェックシール(check seal)163が配置されてこれらに密封係合する。また、第2のチャンバ部分134内には、本体110の後端部に隣接してチェックガイド(check guide)164が固定して配置される。シャフト170の少なくとも一部は、チャンバ130内でシャフト170がレセプタクル100の軸に沿って摺動する際にシャフト170を案内するようにチェックガイド164内に延び、及び/又はチェックガイド164を貫通する。チェックガイド164とチェック160との間にはチェックばね(check spring)165が配置されてこれらに係合する。チェックばね165は、閉位置においてチェック160をチェックシート162のシートシール166に係合したままであるように付勢するよう構成される。
【0038】
閉位置では、ポペット150がポペットシート151に係合する。図示の例では、ポペットシート151が、本体110の前端部に隣接するヘッド120の部分によって定められる。ポペット150は、閉位置においてポペットシート151に密封係合するように構成されたポペットシール(poppet seal)152を含む。ポペットシート151は、ポペット150に隣接するシートシール(seat seal)153も含む。第1のチャンバ部分132内では、シャフト170、及び/又はポペット150の背後のポペット150の裏面にポペットガイド(poppet guide)154が結合される。ポペットガイド154の外側部分は、本体110の内壁111に係合及び/又は隣接する。また、ポペットガイド154の外側部分は、シャフト170がレセプタクル100の軸に沿って摺動する際に内壁111に沿って摺動するように構成される。シャフト170の一部は、ポペットガイド154を貫通してポペット240に延びる。チェックシート162とポペットガイド154との間にはポペットばね(poppet spring)155が配置されてこれらに係合する。ポペットばね155は、閉位置においてポペット150をポペットシート151に係合したままであるように付勢するよう構成される。
図23に示すように、ポペット150の外面の中心には凹部156(例えば、円錐形凹部)が定められる。
【0039】
図17を参照すると、ノズル200は、本体210、ヘッド220、及びアクチュエータ230を含む。ヘッド220は、本体210の前端部に結合されてそこから延び、アクチュエータ230は、本体210の後端部に結合されてそこから延びる。
【0040】
図示の例の本体210は延長部215を含む。延長部215は、本体210の後端部に向かって外向き後方に延び、ノズル200を貯蔵タンク22に流体的に接続するためにホース24に接続するように構成される。本体210は、内壁212及び外側シェル250を含む。外側シェル250と内壁212との間に形成される間隙には断熱層255が配置される。断熱層255は、ノズル200内を流れる低温流体の極低温から外側シェル250を断熱するために、外側シェル250と内壁212との間に形成される間隙内に配置された真空及び/又は断熱材を含む。例えば、間隙内を真空にするために、本体210の外側シェル250に沿って排気ポート及び/又はバルブが配置される。また、本体210の内壁212及びヘッド220の内面は、他のコンポーネントを収容して低温流体が流れるノズル200のチャンバ214を形成する。本体210は、本体210の後端部に配置されて低温流体の極低温からアクチュエータ230を断熱する断熱層216も含む。図示の例では、断熱層216がプラグの形態である。
【0041】
ノズル200は、シャフト218、ポペット240、及びポペットシート242も含む。ポペット240及びポペットシート242は、ノズル200の本体210の前端部に隣接して配置される。シャフト218は、ノズル200のチャンバ214を軸方向に貫通してアクチュエータ230のチャンバ内に延びる。ポペット240はシャフト218の一端に結合され、シャフト218の反対端にはアクチュエータ230のピストン232が結合される。
【0042】
本体210の内壁212と断熱層216との間には、低温流体がノズル200のアクチュエータ230に向かって移動するのを妨げるように、シャフト218の一部に係合してシャフトシール217が配置される。これに加えて又は代えて、低温流体がアクチュエータ230に向かって移動するのを妨げるように、本体210とアクチュエータ230との間に他のシャフトシールが配置される。さらに、いくつかの例では、ノズル200が、本体210の後端部に隣接するチャンバ214内に、低温流体をアクチュエータ230から隔離するベローズ(bellows)(例えば、溶接ベローズ(welded bellows))を含む。
【0043】
図示の例では、ポペット240がシャフト218と一体的に形成されている。他の例では、ポペット240を(例えば、ねじ接続を介して)シャフト218に分離可能に結合することができる。さらに、他の例では、シャフト218が分離可能な第1及び第2のシャフト部分を含む。このような例では、第1のシャフト部分が、本体210の後端部に隣接するアクチュエータ内の地点で第2のシャフト部分に結合する。第2のシャフト部分はピストン232に接続し、低温流体の極低温からアクチュエータのコンポーネントを隔離するように第1のシャフト部分に比べて低い熱伝達率を有する。
【0044】
図17では、ポペット240が閉位置にある。閉位置では、ポペット240がポペットシート242に係合する。図示の例では、ポペットシート242が、本体210の前端部に隣接するヘッド220の一部によって定められる。他の例では、ポペットシート242が、ノズル200のヘッド220及び/又は本体210に結合された独立部品であることができる。ポペット240は、閉位置においてポペットシート242に密封係合するように構成されたポペットシール244を含む。本体210とヘッド220との間にはフェイスシール246が配置されてこれらに密封係合する。さらに、
図23に示すように、ポペット240は、ポペット240の外面の中心に位置する突出先端部(protruding tip)248(例えば、円錐形先端部)を含む。再び
図17を参照すると、結合アーム222は、ファスナ223を介してヘッド220に結合され、結合アーム224は、ヒンジ225を介してヘッド220にヒンジ結合される。
【0045】
本体210の後端部に結合されたアクチュエータ230は、アクチュエータ230のチャンバを定めるハウジング231を含む。チャンバ内にはピストン232が配置されて、チャンバを圧力チャンバ233及びばねチャンバ(spring chamber)234の形に定める。圧力チャンバ233は、ソレノイドによって供給される真空又は不活性ガス(例えば、窒素)を含むように構成される。いくつかの例では、圧力チャンバ233内の不活性ガスの圧力の調整(例えば、増加又は減少)を容易にするために、圧力チャンバ233を部分的に定めるハウジング231の一部に沿って排気ポート及び/又はバルブが配置される。不活性ガスは、ハウジング231によって定められる通路235を通って圧力チャンバ233に出入りするように構成される。ばねチャンバ234内にはアクチュエータばね236が配置される。アクチュエータばね236は、ピストン232に係合して、ピストン232をノズル200の本体210から離れる方向に付勢するように構成される。図示の例では、ピストン232とハウジング231との間に、ばねチャンバ234を圧力チャンバ233から流体的に隔離するピストンシール(piston seal)237が配置されて、ピストン232及びハウジング231に密封係合する。また、アクチュエータ230のハウジング231内でピストン232が作動した時にシャフト218がノズル200の軸に沿って直線的に作動するように、(例えば、ナット、ワッシャ及びシールプレートを含む)ファスナ238がシャフト218をピストン232に締結する。
【0046】
動作時には、アクチュエータ230がポペット240をポペットシート242に対して離脱又は係合させることにより、シャフト218がノズル200のポペット240を開き又は閉じるようにする。この結果、アクチュエータ230がノズル200からの低温流体の供給を制御する。
【0047】
図18~
図22に、補給シーケンス中のノズル200及びレセプタクルを示す。
図18では、ノズル200がレセプタクル100に結合されていない。ノズル200のポペット240は、ノズル200のチャンバ214から低温流体が供給されるのを防ぐ閉位置にある。また、レセプタクル100のポペット150は、レセプタクル100を通じて材料(例えば、補給タンク32に貯蔵された低温流体)が漏出するのを防ぐ閉位置にある。
図19~
図20では、ノズル200が、閉位置にあるレセプタクル100に結合されている。ポペット240は、ノズル200から低温流体が供給されるのを防ぐように閉位置のままであり、レセプタクル100のポペット150は、レセプタクル100を通じて材料が漏出するのを防ぐように閉位置のままである。この位置では、ノズル200のポペット240がレセプタクル100のポペット150に係合する。ポペット150の凹部156は、補給シーケンス全体を通じたノズル200の動作中にポペット240が凹部156との整列を維持するのを支援するために、ポペット240の突出先端部248を受け入れるように構成される。
【0048】
レセプタクル100及びノズル200は、(1)ポペット240が開いてレセプタクル100内に延びる前に大気及び/又はデブリが捕捉されるのを防ぎ、(2)結合及び/又は分離プロセス中にノズル200及び/又はレセプタクル100から低温流体が大気中に漏出するのを防ぐように構成される。例えば、レセプタクル100のヘッド120及びノズル200のヘッド220の内部形状は、結合及び/又は分離プロセス中に捕捉されてその後に放出される可能性がある低温流体の量を減少させるように互いに相補的である。ポペット240は、いずれかの物質が捕捉されてその後に放出されるのをさらに防ぐように、ノズル200がレセプタクル100に結合した時にポペット150とぴったり重なるように構成される。レセプタクル100のシートシール153も、結合及び分離プロセス中に低温流体の排出を抑えるように配置される。また、レセプタクル100の結合スロット122、124及びノズル200のそれぞれの結合アーム222、224などの結合特徴は、ノズル200をレセプタクル100に確実に結合させておくことによって、意図しない分離から別様に生じ得る排出を抑えるように構成される。
【0049】
図21に、オペレータ40が補給ステーション20のボタン28を押すことによって補給シーケンスを(例えば、遠隔的に)開始した後のレセプタクル100及びノズル200の一部を示す。オペレータがボタンに関与すると、アクチュエータ230の圧力チャンバ233に不活性ガス(例えば、窒素)が供給される。圧力チャンバ233に十分な空気が供給されると、圧力チャンバ233内の圧力がアクチュエータ230のアクチュエータばね236及びポペット150のポペットばね155の付勢力に打ち勝ち、ピストン232をノズル200の本体210に向けて直線的に付勢させる。この結果、ピストン232に結合されたシャフト218が同じ方向に直線的に作動する。シャフト218が作動すると、ノズル200のポペット240がポペットシート242から離脱して開位置に移動し、このためポペット150がポペットシート151から離脱して開位置に移動する。
図21に矢印で示すように、このような作動により、ノズル200は、ノズル200のチャンバ214内を流れる低温流体をレセプタクル100の第1のチャンバ部分132内に供給することができる。チェック160は、圧力差によって閉じたままである。
【0050】
ノズル200のチャンバ214とレセプタクル100の第1のチャンバ部分132との間で圧力が均等になると、アクチュエータ230がチェック160のチェックばね165によって付与される付勢力に打ち勝って、チェック160をチェックシート162のシートシール166から離脱させて開位置に押すことができる。
図22に示すように、チェック160が開位置にある時には、低温流体が貯蔵タンク22からノズル200のチャンバ214を通じ、レセプタクル100のチャンバ130の第1のチャンバ部分132及び第2のチャンバ部分134の両方を通じて補給タンク32内に流れることができる。
【0051】
図23~
図24に、本明細書の教示によるレセプタクル100及びノズル200のセンサアセンブリを示す。具体的には、
図23には、ノズル200がレセプタクル100から分離した時のセンサアセンブリを示し、
図24には、結合アーム222、224及び対応する結合スロット122、124を介してノズルがレセプタクル100に確実に結合した時のセンサアセンブリを示す。センサアセンブリは、ノズル200及びレセプタクル100の結合状態を検出するように構成される。
【0052】
図示の例のセンサアセンブリは、レセプタクル100の検知装置180及びノズル200の検知装置280を含む。
図23~
図24に示すように、検知装置180は、レセプタクル100のヘッド120に隣接して外側シェル140に結合される。検知装置280は、ノズル200の結合アーム222、224のうちの1つ又は2つ以上に隣接してノズル200のスリーブ270に結合される。
【0053】
スリーブ270は、コネクタリング272を介してノズル200の外側シェル250に結合される。スリーブ270は、結合アーム222、224、ポペット240及びポペットシート242上に延びてこれらを覆い、ノズル200の使用中及び/又は保管中にこれらのコンポーネントを損傷から保護する。また、ノズル200のスリーブ270は、レセプタクル100がノズル200に結合した時にレセプタクル100のヘッド120上に延びてヘッド120を覆うように構成される。スリーブ270は、ノズル200からレセプタクル100に低温流体が流れ込む際にヘッド120及びヘッド220からの熱障壁を形成する。また、スリーブ270の位置付けは、ノズル200とレセプタクル100の間に液化空気(liquified air)が捕捉されるのを防ぐように、スリーブ270とヘッド120、220との間に大気がパージされる限定空間を形成する。図示の例では、管体(tubing)273がこのエリアにパージガス(例えば、窒素)を供給して大気の除去を容易にする。また、ノズル200をレセプタクル100から分離するためのノズル200の分離機構(例えば、レバー、ワイヤなど)は、分離を可能にするために、(1)オペレータ40が分離機構に関与できるようにスリーブ270の外部から延び、(2)スリーブ270の周囲及び/又はスリーブ270の開口部を貫通して結合アーム224の遠位端に達する。
【0054】
再び検知装置180、280を参照すると、検知装置280はノズル200のスリーブ270上に固定して配置され、検知装置180はレセプタクル100の外側シェル140上に固定して配置される。検知装置180、280は、ノズル200がレセプタクル100に確実に結合した時に、(1)検知装置180、280が互いに所定の距離内に存在して、(2)互いに対して軸方向に整列するように、それぞれレセプタクル100及びノズル200上に配置される。ノズル200がレセプタクル100に確実に結合すると、検知装置280は、検知装置180が検知装置180に近接していることを検出するように構成される。ノズル200がレセプタクル100から分離すると、検知装置180、280が(1)互いに所定の距離を越えて配置され、及び/又は(2)互いに対して軸方向に整列しなくなるので、検知装置280は検知装置180の存在を検出することができない。さらに、ノズル200がレセプタクル100に結合されているが固定位置に存在しない場合にも、検知装置180、280が互いに対して軸方向に整列していないので、検知装置280は検知装置180の存在を検出することができない。この結果、検知装置180、280は、ノズル200がいつレセプタクル100に確実に結合されているかを電子的に検出するように構成される。
【0055】
いくつかの例では、検知装置280が近接センサであり、検知装置180が、近接センサによって検出可能な材料(例えば、金属)で構成されたターゲットブロックである。近接センサは、(1)ノズル200がレセプタクル100に確実に結合している時には検知装置180の検出可能な材料の存在を検出し、(2)ノズル200が(例えば、位置ずれ又は距離に起因して)レセプタクル100に結合していない時には検出可能な材料の存在を検出しないように構成される。他の例では、検知装置280が信号受信機であり、検知装置180が信号送信機である。検知装置280は、(1)ノズル200がレセプタクルに確実に結合している時には検知装置180からの信号を受信し、(2)ノズル200が(例えば、位置ずれ又は距離に起因して)レセプタクル100に結合していない時には検知装置180からの信号を受信しないように構成される。
【0056】
図25~
図30に、本明細書の教示による、低温流体を移送する他のノズル例を示す。具体的には、
図25にはノズル例300を示し、
図26にはノズル例400を示し、
図27にはノズル例500を示し、
図28にはノズル例600を示し、
図29にはノズル例700を示し、
図30にはノズル例800を示す。
【0057】
図25のノズル300は、
図2~
図3、
図5~
図15及び
図17~
図24に示すノズル200のコンポーネントを含む。これらのコンポーネントについてはノズル200に関連して詳細に説明したので、以下では簡潔にするためにノズル300のこれらの特徴のいくつかについてはさらに詳細に説明しない。
図25に示すように、ノズル300は、オペレータ40がノズル300をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にする追加コンポーネントを含む。
【0058】
例えば、ノズル300は、本体210から垂直方向上向きに延びるハンドル390と、本体210から水平方向外向きに延びる別のハンドル395とを含み、ハンドル390とハンドル390との間には約90度の角度が形成される。ハンドル390は、オペレータ40がノズル300をレセプタクル100に対して容易に保持することを可能にするように構成され、ハンドル395は、オペレータ40がノズル300をレセプタクル100に対して回転させて、結合アーム222、224及びそれぞれの結合スロット122、124を介してノズル300をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にするように構成される。
【0059】
図示の例のノズル300は、スリーブ270の視覚ガイド(visual guide)274も含む。ノズル300の視覚ガイド274は、オペレータ40が結合プロセスの開始に向けてノズル300の結合アーム222、224をレセプタクル100の結合スロット122、124と位置合わせするのを容易にするように構成される。例えば、レセプタクル100も、ノズル300の視覚ガイド274に対応する視覚ガイドを含む。ノズル300の視覚ガイド274は、結合アーム222、224が結合スロット122、124と整列した時にレセプタクル100の視覚ガイドと位置合わせされて、結合アーム222、224が結合スロット122、124内に摺動する位置に存在することをオペレータ40に示す。
【0060】
さらに、図示の例では、本体210から下向きに延長部215が延びている。延長部215は、オペレータ40がノズル300を保持している間にホース24をオペレータ40から離れて案内するように、(1)アクチュエータ230に向かう角度で後向きに、かつ(2)ハンドル295の方向とは逆方向の角度(例えば、約22.5度)で横向きに傾斜している。
【0061】
図26のノズル400は、
図2~
図3、
図5~
図15及び
図17~
図24に示すノズル200のコンポーネントを含む。これらのコンポーネントについてはノズル200に関連して詳細に説明したので、以下では簡潔にするためにノズル400のこれらの特徴のいくつかについては説明しない。
図26に示すように、ノズル400は、オペレータ40がノズル400をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にする追加コンポーネントを含む。
【0062】
例えば、ノズル400は、ハンドル490、495及び視覚ガイド274、276を含む。ハンドル490は、本体210から垂直方向上向きに延びて、オペレータ40がレセプタクル100に対してノズル400を容易に保持することを可能にするように構成される。ハンドル495は、本体210から水平方向外向きに延びて、オペレータ40がノズル400をレセプタクル100に対して回転させて、ノズル400をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にするように構成される。視覚ガイド274は、オペレータ40がノズル400をレセプタクル100に位置合わせするのを容易にし、視覚ガイド276は、ノズル400をレセプタクル100に確実に結合するためにノズル400をどちらの方向に回転させるべきかをオペレータに指示する。
【0063】
図27のノズル500は、
図2~
図3、
図5~
図15及び
図17~
図24に示すノズル200のコンポーネントを含む。これらのコンポーネントについてはノズル200に関連して詳細に説明したので、以下では簡潔にするためにノズル500のこれらの特徴のいくつかについては説明しない。
図27に示すように、ノズル500は、オペレータ40がノズル500をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にする追加コンポーネントを含む。
【0064】
例えば、ノズル500は、ハンドル590、595及び視覚ガイド274を含む。ハンドル590は、本体210の周囲を円周方向に延びる半円であり、オペレータ40がレセプタクル100に対してノズル500を容易に保持することを可能にするように構成される。ハンドル595は、アクチュエータ230から延びてアクチュエータ230の後方に位置し、オペレータ40がノズル500をレセプタクル100に対して回転させて、ノズル500をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にするように構成される。視覚ガイド274は、オペレータ40が結合プロセス中にノズル500をレセプタクル100と位置合わせするのを容易にする。
【0065】
図28のノズル600は、
図2~
図3、
図5~
図15及び
図17~
図24に示すノズル200のコンポーネントを含む。これらのコンポーネントについてはノズル200に関連して詳細に説明したので、以下では簡潔にするためにノズル600のこれらの特徴のいくつかについては説明しない。
図28に示すように、ノズル600は、オペレータ40がノズル500をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にする追加コンポーネントを含む。
【0066】
例えば、ノズル600は、ハンドル690、695及び視覚ガイド274を含む。ハンドル690は、本体210の周囲を円周方向に延びる半円であり、オペレータ40がレセプタクル100に対してノズル600を容易に保持することを可能にするように構成される。ハンドル695は、アクチュエータ230から延びてアクチュエータ230の後方に位置し、オペレータ40がノズル600をレセプタクル100に対して回転させて、ノズル600をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にするように構成される。視覚ガイド274は、オペレータ40が結合プロセス中にノズル600をレセプタクル100と位置合わせするのを容易にする。
【0067】
図29のノズル700は、
図2~
図3、
図5~
図15及び
図17~
図24に示すノズル200のコンポーネントを含む。これらのコンポーネントについてはノズル200に関連して詳細に説明したので、以下では簡潔にするためにノズル700のこれらの特徴のいくつかについては説明しない。
図29に示すように、ノズル700は、オペレータ40がノズル700をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にする追加コンポーネントを含む。
【0068】
例えば、ノズル700は、ハンドル790、795及び視覚ガイド274を含む。ハンドル790は、本体210及びアクチュエータ230と実質的に平行に延び、オペレータ40がレセプタクル100に対してノズル700を容易に保持することを可能にするように構成される。ハンドル795は、(1)ハンドル795間に180度の角度が形成され、(2)ハンドル790とハンドル795との間に約90度の角度が形成されるように、本体210から水平方向外向きに両方向に延びる。ハンドル795は、オペレータ40がノズル700をレセプタクル100に対して回転させてノズル700をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にするように構成される。視覚ガイド274は、オペレータ40が結合プロセス中にノズル700をレセプタクル100と位置合わせするのを容易にする。
【0069】
例えば、ノズル800は、ハンドル890、895及び視覚ガイド274を含む。ハンドル890は、本体210及びアクチュエータ230の長さに沿って延びて、オペレータ40がレセプタクル100に対してノズル800を容易に保持することを可能にするように構成される。ハンドル895は、(1)ハンドル895間に180度の角度が形成され、(2)ハンドル890とハンドル895との間に約90度の角度が形成されるように、本体210から水平方向外向きに両方向に延びる。ハンドル895は、オペレータ40がノズル800をレセプタクル100に対して回転させてノズル800をレセプタクル100に確実に結合するのを容易にするように構成される。視覚ガイド274は、オペレータ40が結合プロセス中にノズル800をレセプタクル100と位置合わせするのを容易にする。
【0070】
図31~
図48に、本明細書の教示による別のレセプタクル例900及び別のノズル例1000を示す。具体的には、
図31~
図34には、ノズル1000をレセプタクル900に確実に結合するための機構を示し、
図35~
図41には、貯蔵タンク22と補給タンク32との間の低温流体の流れを制御する、ノズル1000及びレセプタクル900の内部コンポーネントを示し、
図42~
図48には、ノズル1000及びレセプタクル900の動作シーケンスを示す。
【0071】
図31に示すように、レセプタクル900は、内壁911、フランジ912、外側シェル940、エンドキャップ947及びスリーブ980を含む本体910を含む。内壁911及び外側シェル940は、本体910の近位端914(「後端部」とも呼ばれる)と遠位端915(「前端部」とも呼ばれる)との間に延びる。フランジ912は、(例えば、溶接を介して)外側シェル940に結合されてそこから半径方向外向きに延びる。フランジ912は、レセプタクル900を補給タンク32の壁などの壁に結合するように構成される。スリーブ980は、外側シェル940の一部を覆って延びて、(例えば、溶接を介して)外側シェル940に結合される。スリーブ980は、フランジ912に対してスリーブ980の方が遠位端915に近く、フランジの方が近位端914に近くなるように、外側シェル940に沿って配置される。以下でさらに詳細に開示するように、スリーブ980は、ノズル1000の1又は2以上のロック歯1015がレセプタクル900の1又は2以上の結合スロット985によって確実に受け入れられるのを容易にするように遠位端915に向かって配置される。エンドキャップ947は、レセプタクル900の遠位端915に配置される。図示の例では、エンドキャップ947が、レセプタクル900とノズル1000との間の回転整列を容易にするためにそれぞれの1又は2以上のガイドピン1049を受け入れるように構成された1又は2以上のガイドスロット948を定める。いくつかの例では、エンドキャップ947を外側シェル940と一体的に形成することができる。
【0072】
図32には、レセプタクル900のスリーブ980をさらに示す。スリーブ980は、スリーブ980の前端部983と後端部984との間に延びる外面981及び内面982を含む。内面982は、レセプタクル900の本体910の外側シェル940に係合する。スリーブ980の後端部984に隣接する外面に沿って、溝986が円周方向に延びる。前端部983に隣接する外面981に沿って、結合スロット985が配置される。結合スロット985の各々は、それぞれの凹面987及び1又は2以上の側面988によって定められる。凹面987は、スリーブ980の外面981に対して凹んでいる。側面988は、それぞれの凹面987と外面981との間に延びる。結合スロット985の各々は、スリーブ980の前端部983に向かって位置する前縁に沿って開放された近位端を有する。各結合スロット985の開放端は、ノズル1000をレセプタクル900に確実に結合させるために、ノズル1000のそれぞれのロック歯1015が結合スロット985内に摺動することを可能にする。
【0073】
結合スロット985の各々は概ねL字形であり、ロック歯1015がノズル1000をレセプタクル900に確実に結合することを可能にするように特定の方向に屈曲又はカールする。図示の例では、結合スロット985が時計回り方向に屈曲又はカールしている。他の例では、結合スロット985が反時計回り方向に屈曲することができる。図示の例では、結合スロット985が、それぞれスリーブ980の外面981に沿って円周方向に等距離で離間している。さらに、図示の例では、スリーブ980が3つの結合スロット985を定める。他の例では、スリーブ980がさらに多くの又は少ない結合スロット985を定めることができる。
【0074】
図33を参照すると、図示のノズル1000は、ロックアセンブリ1010、本体1040、及びアクチュエータ1080を含む。アクチュエータ1080は、本体1040の後端部に結合されてそこから延びる。ロックアセンブリ1010は、本体1040の前端部において本体1040の外側シェル1045に結合される。ロックアセンブリ1010は、遠位端1011及び近位端1012を含む。
図38に示すように、近位端1012は、本体1040の前端部に向かって外側シェル1045に結合され、遠位端1011は、本体1040の前端部を越えて長手方向に延びる。
図34に示すように、ロックアセンブリ1010は、ハンドル1013、外側スリーブ1014、1又は2以上のロック歯1015、スリーブリング1020、冗長ロック機構1025、及び内側スリーブ1030を含む。
【0075】
再び
図38を参照すると、スリーブリング1020及び内側スリーブ1030は、本体1040の外側シェル1045に固定して結合される。例えば、スリーブリング1020及び内側スリーブ1030のそれぞれの内面は、外側シェル1045の外面に結合される。スリーブリング1020及び内側スリーブ1030は、外側シェル1045に沿って長手方向に横並びで配置される。内側スリーブ1030の近位端は、スリーブリング1020の前面に接触する。内側スリーブ1030の遠位端は、本体1040の外側シェル1045の前端部を越えて長手方向に延びる。外側スリーブ1014は、内側スリーブ1030及びスリーブリング1020を覆って延びてこれらに回転可能に結合される。外側スリーブ1014の内面は、内側スリーブ1030及びスリーブリング1020のそれぞれの外面の一部に回転可能に係合する。外側スリーブ1014は、その近位端に、スリーブリング1020と内側スリーブ1030の近位端とによって定められた溝に受け入れられて内側スリーブ1030に対する外側スリーブ1014の軸方向移動を防ぐ内側リップ1019を含む。
【0076】
再び
図34を参照すると、ロック歯1015は、外側スリーブ1014の遠位端に隣接する外側スリーブ1014の内面に沿って固定して配置される。さらに、ロック歯1015は、内側スリーブ1030の遠位端から離間する。図示の例では、ロック歯1015の各々が、1又は2以上のファスナ1016を介して外側スリーブ1014に結合される。ロック歯1015は、ノズル1000をレセプタクル900に確実に結合するようにレセプタクル900の結合スロット985によって摺動可能に受け入れられるように構成される。図示の例では、ロック歯1015が、それぞれ外側スリーブ1014の内面に沿って円周方向に等距離で離間している。さらに、図示の例では、ロックアセンブリ1010が3つのロック歯1015を含む。他の例では、ロックアセンブリ1010がさらに多くの又は少ないロック歯1015を含むことができる。
【0077】
ハンドル1013は、外側スリーブ1014の近位端に固定して配置される。以下でさらに詳細に説明するように、ハンドル1013は、ノズル1000の内側スリーブ1030及び本体1040に対して外側スリーブ1014を回転させ、レセプタクル900の結合スロット985を通じてロック歯1015を案内するためにオペレータ40によって使用されるように構成される。
【0078】
図示の例では、外側スリーブ1014の近位端に隣接して、冗長ロック機構1025がスリーブリング1020に結合される。冗長ロック機構1025は、ロック端(locking end)1027を有するアーム1026を含む。冗長ロック機構1025は、ばね1028及びベース1029も含む。ベース1029は、スリーブリング1020の裏面に確実に結合される。ばね1028(例えば、捩りばね)は、ベース1029及びアーム1026に動作可能に結合されて、アーム1026が実質的にベース1029に対して垂直である静止位置に向けてアームを付勢する。アーム1026は、オペレータ40がロック端1027とは反対側のアーム1026の別の端部を押し下げてばね1028の付勢力に打ち勝った時に静止位置から動くように構成される。
図34に示すように、外側スリーブ1014の近位端は、冗長ロック機構1025の近傍に位置する2つのロックスロット1017、1018を定める。第1のロックスロット1017は、アーム1026のロック端1027を確実に受け入れて、外側スリーブ1014のさらなる回転を第1のロック状態で妨げるように構成される。第2のロックスロット1018は、アーム1026のロック端1027を確実に受け入れて、外側スリーブ1014のさらなる回転を第2のロック状態で妨げるように構成される。図示の例では、ハンドル1013がロックスロット1017、1018間に位置する。他の例では、ハンドル1013及びアーム1026が外側スリーブ1014の回転運動と干渉するのを防ぐために、ハンドル1013をロックスロット1017、1018の側方に配置することができる。
【0079】
動作時には、ノズル1000をレセプタクル900に確実に結合するために、ノズル1000がレセプタクル900に対して、ロック歯1015がレセプタクル900の結合スロット985と軸方向に整列するように配置される。この時、冗長ロック機構1025は、アーム1026のロック端1027が第1のロックスロット1017内に位置して内側スリーブ1030に対する外側スリーブ1014の回転を防ぐ第1のロック状態にある。その後、ロック歯1015が結合スロット985のそれぞれの開放端によって受け入れられるように、ノズル1000をレセプタクル900に向けて移動させる。ロック歯1015がそれぞれの結合スロット985内に配置されると、オペレータ40は、冗長ロック機構1025のアーム1026に関与して第1のロックスロット1017からロック端1027を持ち上げ、結果として冗長ロック機構1025を第1のロック状態から解除する。次に、オペレータ40は、ハンドル1013を使用して、外側スリーブ1014を内側スリーブ1030に対して第1の回転方向に回転させる。外側スリーブ1014を回転させると、外側スリーブ1014に固定して結合されたロック歯1015も回転する。ロック歯1015は、回転するとそれぞれの結合スロット985の屈曲、カール及び/又は湾曲した経路内のさらに遠くのロック位置に移動し、これによってノズル1000をレセプタクル900にロックすることができる。ロック歯1015が結合スロット985内のロック位置にくると、オペレータ40は、(例えば、アームを解放することによって)ばね1028がアーム1026のロック端1027を第2のロックスロット1018内に付勢できるようにして内側スリーブ1030に対する外側スリーブ1014の回転を防ぎ、結果としてロック歯1015が結合スロット985から滑り出るのを防ぐ。
【0080】
ノズル1000をレセプタクル900から分離するには、オペレータ40が、(1)アーム1026を第2のロックスロット1018から除去し、(2)ロック歯1015がそれぞれの結合スロット985の開口部に摺動するように外側スリーブ1014を回転させ、(3)ノズル1000をレセプタクル900から引き離し、(4)アーム1026を再び第1のロックスロット1017内に配置する。
【0081】
レセプタクル900及びノズル1000の内部コンポーネントを参照すると、
図35は、レセプタクル900の内部コンポーネントを示す断面図であり、
図36は、レセプタクル900の密封アセンブリの断面図である。
図37は、ノズル1000の内部コンポーネントを示す断面図である。また、
図38~
図41は、ハンドル1013を示していないノズル1000の様々な部分の拡大断面図である。具体的には、
図38はノズル1000の結合端の拡大図である。
図39は、アクチュエータ1080とノズル1000の本体1040との間の接合面の拡大図である。
図40は、アクチュエータ1080とノズル1000の本体1040との間の接合面のさらなる拡大図であり、
図41は、アクチュエータ1080のさらなる拡大図である。
【0082】
図35~
図36に示すように、レセプタクル900は、本体910及びヘッド920(「ボンネット」とも呼ばれる)を含む。ヘッド920は、遠位端915に隣接して内壁911に結合される。図示の例では、ヘッド920が、本体910のチャンバ930内で遠位端915からオフセットされている。本体910とヘッド920との間にはフェイスシール913が配置されてこれらに密封係合する。フェイスシール913には付勢ばね916が係合して、フェイスシール913をヘッド920に接して適所に保持する。
【0083】
外側シェル940と内壁911との半径方向中間に形成された間隙内には断熱層945が配置される。断熱層945は、本体910の近位端914に隣接して配置された支持ブラケット946と、遠位端915に配置されたエンドキャップ947との間を長手方向に延びる。支持ブラケット946及びエンドキャップ947は、内壁911、外側シェル940、支持ブラケット946及びエンドキャップ947によって形成される密閉キャビティ内に断熱層945が存在するように、内壁911と外側シェル940との間に密封状態で延びる。断熱層945は、レセプタクル900内を流れる低温流体の極低温から外側シェル940を断熱するように、外側シェル940と内壁911との間に形成される密閉間隙内に配置された真空及び/又は断熱材を含む。レセプタクル900は、間隙内を真空にするための排気ポート及び/又はバルブを含むことができる。排気ポート及び/又はバルブは、エンドキャップ947及び/又は外側シェル940に沿って配置することができる。図示の例では、エンドキャップ947が、レセプタクル900とノズル1000との間の回転整列を容易にする1又は2以上のガイドピン1049を受け入れるように構成された1又は2以上のガイドスロット948を定める。
【0084】
本体910の内壁911は、低温流体が流れるチャンバ930を定める。チャンバ930は、低温流体の流れを制御する、レセプタクル900の他のコンポーネントを収容する。レセプタクル900の内部コンポーネントは、ポペット950、チェック960、及びシャフト970を含む。ポペット950は、本体910の遠位端915に向かって配置される。チェック960は、本体910の近位端914に向かって配置される。ポペット950はシャフト970に固定して結合され、チェック960はシャフト970に摺動可能に結合される。シャフト970は、レセプタクル900のチャンバ930を軸方向に貫通する。図示の例では、ポペット950がシャフト970の端部と一体的に形成されてそこから延びる。
【0085】
ポペット950は、遠位端915に隣接するヘッド920によって定められるポペットシート951に密封係合するように構成される。チェック960は、近位端914に向かって配置されたチェックシート962に密封係合するように構成される。チェックシート962は、チャンバ930のチャンバ部分932(「第1のチャンバ部分」とも呼ばれる)及びチャンバ部分934(「第2のチャンバ部分」とも呼ばれる)を分離する。チャンバ部分934は、近位端914に隣接するようにチェックシート962と本体910の近位端914との間に延びる。チャンバ部分932は、チェックシート962とポペットシート951との間に延びる。ヘッド920は、チャンバ部分932と、遠位端915に隣接するチャンバ930のチャンバ部分936(「第3のチャンバ部分」とも呼ばれる)とを分離する。ヘッド920は、チャンバ部分936がヘッド920と本体910の遠位端915との間に延びるように遠位端915からオフセットされる。
【0086】
図35には、レセプタクル900の閉じた状態を示す。閉じた状態では、チェック960が、チャンバ930内のチャンバ部分932とチャンバ部分934との間に固定して配置されたチェックシート962に係合する閉位置にある。例えば、チェック960は、閉位置においてチェックシート962のシートシール966に係合して、チャンバ部分932とチャンバ部分934との間にシールを形成するように構成される。チェックシート962と本体910の内壁911との間にはチェックシール963が配置されてこれらに密封係合する。また、チャンバ部分934内には、本体910の近位端914に隣接してチェックガイド964が固定して配置される。シャフト970の少なくとも一部は、チャンバ930内でレセプタクル900の軸に沿ってシャフト970が摺動する際にシャフト970を案内するようにチェックガイド964内に延び、及び/又はチェックガイド964を貫通する。チェックガイド964とチェック960との間にはチェックばね965が配置されてこれらに係合する。チェックばね965は、閉位置においてチェック960をチェックシート962のシートシール966に係合したままであるように付勢するよう構成される。
【0087】
また、閉じた状態では、ポペット950が、本体910の遠位端915に隣接するヘッド920の部分によって定められるポペットシート951に係合する閉位置にある。ポペット950は、閉位置においてポペットシート951に密封係合するように構成されたポペットシール952を含む。
【0088】
図36で最も良く分かるように、ポペットシート951に隣接して、シートシール953がヘッド920に係合する。シートシール953は、レセプタクルがノズル1000を確実に受け入れた時に、ノズル1000の本体1040に密封係合するように構成される。シートシール953には付勢ばね954、支持リング955及びリテーナ956が係合して、シートシール953をヘッド920に接して適所に付勢する。さらに、リテーナ956にはリテーナリング957が係合して、シートシール953、付勢ばね954、支持リング955及びリテーナ956を適所に保持する。
【0089】
再び
図35を参照すると、チャンバ部分932内では、シャフト970、及び/又はポペット950の背後のポペット950の裏面にポペットガイド975が結合される。ポペットガイド975の外側部分は、本体910の内壁911に係合及び/又は隣接する。ポペットガイド975の外側部分は、シャフト970がレセプタクル900の軸に沿って摺動する際に内壁911に沿って摺動するように構成される。シャフト970の一部は、ポペットガイド975を貫通してポペット950に延びる。チェックシート962とポペットガイド975の間にはポペットばね958が配置されてこれらに係合する。ポペットばね958は、閉位置においてポペット950をポペットシート951に係合したままであるように付勢するよう構成される。
図43で最も良く分かるように、ポペット950の外面の中心に定められた凹部959(例えば、円錐形凹部)が、ノズル1000のポペット1050の突出部1052を受け入れて、レセプタクル900のポペット950とノズル1000のポペット1050との間の位置合わせ及び確実な係合を容易にするように構成される。
【0090】
図37を参照すると、ノズル1000は、ロックアセンブリ1010、本体1040、ポペット1050、及びアクチュエータ1080を含む。ポペット1050は、本体1040の前端部に隣接して配置され、アクチュエータ1080は、本体1040の後端部に結合される。
【0091】
図示の例では、ノズル1000の本体1040が、本体セグメント1041(「前方本体セグメント」及び「第1の本体セグメント」とも呼ばれる)、本体セグメント1042(「後方本体セグメント」及び「第2の本体セグメント」とも呼ばれる)、本体セグメント1043(「中間本体セグメント」、「接続本体セグメント」及び「第3の本体セグメント」とも呼ばれる)、及び本体セグメント1044(「本体延長部」、「ホース接続本体セグメント」及び「第4の本体セグメント」とも呼ばれる)を含む。本体セグメント1041、1042、1043、1044は互いに結合されて、低温流体が流れることができるチャンバ1005を形成し、チャンバ1005内には低温流体の流れを制御するコンポーネントが収容される。
【0092】
本体セグメント1043は、本体1040の他の本体セグメント1041、1042、1044に結合されてこれらの間に配置される。本体セグメント1041は、前端部に隣接して配置され、本体セグメント1043の出口ポートに機械的及び流体的に結合される。本体セグメント1044は、本体セグメント1043の入口ポートに機械的及び流体的に結合される。本体セグメント1044は、ノズル1000を貯蔵タンク22などのタンクに流体的に接続するためにホース24に接続するようにも構成される。図示の例では、本体セグメント1044が、半径方向外向きかつ本体1040の後端部に向かって戻る延長部を形成する。本体セグメント1042は、本体セグメント1043の第3のポートに機械的及び流体的に結合される。他の例では、本体1040をさらに多くの又は少ない本体セグメントで形成することもできる。例えば、本体セグメント1041、1042、1043、1044のうちの2つ又は3つ以上を一体的に形成することもできる。
【0093】
図示の例の本体セグメント1041、1042、1043、1044は、本体セグメント1044、本体セグメント1043の一部及び本体セグメント1041を通って低温流体が流れるように配置される。本体セグメント1041、本体セグメント1042、及び本体セグメント1043の一部は、ノズル1000のシャフト1055がチャンバ1005を貫通して軸方向に摺動できるように、ノズル1000の長手方向軸に沿って同軸的に整列する。
【0094】
図示の例の本体1040は、外側シェル1045も含む。外側シェル1045と本体セグメント1041、1042、1043、1044との間に形成された間隙には、断熱層1046が配置される。断熱層1046は、本体1040の後端部と前端部に隣接するエンドキャップ1047との間を長手方向に延びる。断熱層1046は、ノズル1000内を流れる低温流体の極低温から外側シェル1045を断熱するように、間隙内に真空及び/又は断熱材を含む。ノズル1000は、間隙内を真空にするための排気ポートを含むことができる。排気ポートは、真空状態を形成するように外側シェル1045及び/又は本体1040のエンドキャップ1047に沿って配置することができる。
【0095】
シャフト1055は、チャンバ1005の一部を貫通する。例えば、シャフト1055は、本体セグメント1041、1042、1043によって定められるチャンバ1005の一部を貫通する。ポペット1050は、本体1040の前端部に隣接するシャフト1055の第1の端部1056に結合される。以下で
図39~
図40に関してさらに詳細に説明するように、シャフト1055の第2の端部1057は、本体1040の後端部に隣接するアクチュエータ1080のステム1090に結合される。アクチュエータ1080のステム1090は、静止位置から伸長位置に作動すると、ノズル1000のシャフト1055を同じ位置で摺動させる。この結果、シャフト1055の第1の端部1056に配置されたポペット1050がポペットシート1053から離脱して、ノズル1000の前端部にチャンバ1005から極低温が流れるようになる。
【0096】
図38には、レセプタクル900などのレセプタクルに結合するように構成されたノズル1000の前端部をさらに示す。ポペット1050は、ノズル1000の前端部に隣接するシャフト1055の第1の端部1056に結合される。図示の例では、ポペット1050がシャフト1055にねじ結合(threadably coupled)される。ポペット1050は、閉位置ではポペットシート1053に係合して低温流体の流れを防ぎ、開位置ではポペットシート1053から離脱してノズル1000からの低温流体の流れを可能にするように構成される。ポペットシート1053は、ノズル1000の前端部に隣接する本体1040によって定められる。例えば、ポペットシート1053は、本体1040の本体セグメント1041の端部によって定められる。さらに、ポペット1050にはシール1051(例えば、Oリング)が結合されて、ポペット1050が閉位置にある時にポペット1050とポペットシート1053との間の密封接続の形成を促す。図示の例では、シール1051が、ポペット1050の裏面によって定められる溝内に固定して配置される。
【0097】
図38に示すように、エンドキャップ1047は、外側シェル1045の前端部と、チャンバ1005を定める本体1040の部分(例えば、本体セグメント1041の前方部分)の前端部との間に延びる。いくつかの例では、エンドキャップ1047が外側シェル1045と一体的に形成される。外側シェル1045にはロックアセンブリ1010の内側スリーブ1030が結合され、本体1040の前端部を超えて延びる。図示の例では、エンドキャップ1047が、内側スリーブ1030とエンドキャップ1047との間に空隙1048(例えば、トロイダル空隙)が形成されるように1又は2以上の屈曲部(例えば、2つの90度屈曲部)を含む。空隙1048(「隙間」とも呼ばれる)は、ノズル1000がロックアセンブリ1010を介してレセプタクル900に結合した時に、レセプタクル900の遠位端915を密封して受け入れるように構成される。
【0098】
ロックアセンブリ1010の内側スリーブ1030の遠位端には、内側スリーブ1030の内面に沿ってシール1031(例えば、Oリング)が配置される。シール1031は、レセプタクル900の遠位端915が空隙1048によって受け入れられた時に、ノズル1000の内側スリーブ1030とレセプタクル900の外側シェル940との間に密封接続を形成するように配置される。図示の例では、シール1031が、内側スリーブ1030の内面に沿って内側スリーブ1030の遠位端に隣接して定められた溝内に確実に収容される。スリーブリング1020に隣接する内側スリーブ1030の近位端の内面に沿ってシール1032(例えば、Oリング)も配置される。シール1032は、内側スリーブ1030の内面と外側シェル1045との間に配置されて、内側スリーブ1030と外側シェル1045との間に密封接続を形成する。図示の例では、シール1032が、内側スリーブ1030の内面に沿って内側スリーブ1030の近位端に隣接して定められた溝内に確実に収容される。
【0099】
図38に示すように、ロックアセンブリ1010の内側スリーブ1030は、外側シェル1045と本体セグメント1041、1042、1043、1044との間に位置する間隙に流体的に接続するように構成された導管1033、1034を定める。導管1033、1034の各々は、空隙1048に流体的に接続される。内側スリーブ1030は、導管1033の第1の端部にパージポート1035を定め、導管1033の反対側の第2の端部は空隙1048に接続される。パージポート1035にはパージバルブ1037が結合される。内側スリーブ1030は、導管1034の第1の端部にチェックポート1036を定め、導管1034の反対側の第2の端部は空隙1048に接続される。図示の例では、導管1033が、パージポート1035が内側スリーブ1030の近位端に沿って位置するように内側スリーブ1030の近位端に延び、導管1034が、チェックポート1036が内側スリーブ1030の近位端に沿って位置するように内側スリーブ1030の遠位端に延びる。以下で
図43~
図44に関してさらに詳細に開示するように、導管1033、1034、それぞれのポート1035、1036、及びパージバルブ1037は、空隙1048がレセプタクル900の遠位端915を確実に受け入れる前に空隙1048から水分及び/又は他の汚染物質をパージするように構成される。いくつかの例では、内側スリーブ1030が、導管1033、1034内を流れる流体及び/又はその他の物質からの断熱をもたらすように、高圧ガラス繊維積層体(high-pressure fiberglass laminate)(例えば、G-10)及び/又はその他の断熱材などの低熱伝導率材料で構成される。
【0100】
図39~
図40を参照すると、本体1040の後端部にはアクチュエータ1080が結合される。ノズル1000は、本体1040とアクチュエータ1080とを接続する結合アセンブリを含む。結合アセンブリは、(低温流体が流れる)ノズル1000のチャンバ1005をアクチュエータ1080及びノズル1000の外部から熱的に分離する断熱材を含む。
【0101】
図示の例の結合アセンブリは、熱緩衝体(thermal buffer)1061、結合リング1062、及び別の熱緩衝体1063を含む。熱緩衝体1061、1063は、低温流体が流れる本体1040からアクチュエータ1080を熱的に分離するように高圧ガラス繊維積層体(例えば、G-10)及び/又はその他の断熱材などの低熱伝導率材料で構成される。図示の例では、熱緩衝体1061が実質的にT字形の断面を有する。熱緩衝体1061(「第1の熱緩衝体」とも呼ばれる)は、アクチュエータ1080の前端部においてアクチュエータ1080の外壁1085によって形成されるチャンバ内に収容される。熱緩衝体1061の裏面は、アクチュエータ1080の長手方向軸に対して垂直に延びるアクチュエータ1080の内面に係合する。熱緩衝体1063は、熱緩衝体1061及びアクチュエータ1080によって定められる開口部内に配置される。熱緩衝体1063は、シャフト1055の第2の端部1057がアクチュエータ1080のステム1090に動作可能に結合されるチャンバ1071(「結合チャンバ」とも呼ばれる)を定める中空シリンダである。図示の例では、ステム1090が、アクチュエータ1080のコンポーネントを低温流体の極低温からさらに熱的に分離するように高圧ガラス繊維積層体(例えば、G-10)及び/又はその他の断熱材などの低熱伝導率材料で構成される。結合リング1062は、アクチュエータ1080の外壁1085によって形成されるチャンバ内に少なくとも部分的に収容される。結合リング1062は、熱緩衝体1061の前面に係合し、例えばねじ山1070を介してアクチュエータの外壁1085に結合される。結合リング1062は、熱緩衝体1061と外側シェル1045との間に軸方向に配置されるように本体1040の外側シェル1045にも結合される。
【0102】
図示の例では、熱緩衝体1061の前端部の一部が、本体1040の本体セグメント1042によって定められる開口部内に延びる。本体1040の開口部内では、熱緩衝体1061の前端部がシャフトガイド1060の後端部に係合する。シャフトガイド1060は、熱緩衝体1061の前端部とシャフト1055のフランジ1058との間に延びる。図示の例のシャフトガイド1060は、1又は2以上のファスナ1069を介して本体1040の本体セグメント1042に確実に固定されるように結合される。他の例では、シャフトガイド1060を本体1040に溶接することができる。
【0103】
図39~
図40に示すように、シャフト1055は、本体1040及びシャフトガイド1060を貫通するとともに、熱緩衝体1061、1063を少なくとも部分的に貫通して、熱緩衝体1063のチャンバ1071内でアクチュエータ1080のステム1090に動作可能に接続する。結合アセンブリは、シャフト1055の第2の端部1057をチャンバ1071内のアクチュエータ1080のステム1090に結合するコネクタ1072及び圧着ファスナ(crimped fastener)1073を含む。図示の例では、コネクタ1072が、シャフト1055及びステム1090に係合してこれらの間に軸方向に配置される。コネクタ1072は、(i)圧着ファスナ1073、並びに(ii)シャフト1055及びステム1090にも係合してこれらの半径方向中間に配置される。コネクタ1072は、シャフト1055の第2の端部1057を螺合可能に受け入れる(threadably receive)雌ねじ部と、圧着ファスナ1073の未圧着端部(uncrimped end)に螺合可能に受け入れられる雄ねじ部とを含む。コネクタ1072にはステム1090の広がった端部(flared end)が係合する。ステム1090の広がった端部の周囲には、圧着ファスナ1073の圧着端部(crimped end)が圧着されて、シャフト1055の第2の端部1057をステム1090の広がった端部に確実に固定する。
【0104】
結合アセンブリは、アクチュエータ1080及び本体1040の外部からチャンバ1005をさらに密封する1又は2以上のシールを含む。例えば、シールは、チャンバ1005と本体1040の外部との間に結露経路(condensation path)が形成されるのを防ぐ。図示の例では、結合アセンブリが1又は2以上のベローズシール(bellows seals)を含む。例えば、シャフト1055のフランジ1058及びシャフトガイド1060にはベローズ1064(「第1のベローズ」又は「第1のベローズシール」とも呼ばれる)が結合されてシャフト1055のフランジ1058とシャフトガイド1060との間に延び、シャフト1055とシャフトガイド1060との間にシールを形成する。本体1040の本体セグメント1042及び結合リング1062にはベローズ1066(「第2のベローズ」又は「第2のベローズシール」とも呼ばれる)が結合されて本体1040の本体セグメント1042と結合リング1062との間に延び、本体1040と結合リング1062との間にシールを形成する。図示の例では、結合アセンブリが1又は2以上のOリングも含む。シャフトガイド1060と本体1040の本体セグメント1042との間にはシール1065(「第1のシール」又は「第1のOリング」とも呼ばれる)が配置されてこれらに係合し、ファスナ1069を低温流体から流体的に隔離する。結合リング1062と熱緩衝体1061との間にはシール1067(「第2のシール」又は「第2のOリング」とも呼ばれる)が配置されてこれらに密封係合する。熱緩衝体1061とアクチュエータ1080の内面との間にはシール1068(「第3のシール」又は「第3のOリング」とも呼ばれる)が配置されてこれらに密封係合する。
【0105】
図41に、ノズル1000のアクチュエータ1080をさらに示す。図示の例では、アクチュエータ1080の本体1081が、本体セグメント1082(「第1の本体セグメント」又は「前方本体セグメント」とも呼ばれる)、本体セグメント1083(「第2の本体セグメント」、「後方本体セグメント」又は「エンドキャップ」とも呼ばれる)、及び本体セグメント1084(「第3の本体セグメント」又は「中間本体セグメント」とも呼ばれる)から形成される。本体セグメント1082は、熱緩衝体1061、1063及び結合リング1062が少なくとも部分的に収容されるアクチュエータ1080の外壁1085を含む。本体セグメント1082、1084は互いにねじ結合され、本体セグメント1083、1084は互いにねじ結合される。図示の例では、アクチュエータ1080の本体1081が、共に組み立てられる3つの本体セグメントを含む。他の例では、本体1081をさらに多くの又は少ない本体セグメントによって形成することができる。
【0106】
アクチュエータの本体1081は、アクチュエータ1080のステム1090が貫通するチャンバ1086を定める。図示の例では、アクチュエータ1080が、チャンバ1086内に収容されたピストン1091及びばね1092も含む。ステム1090の端部は、ファスナ1093(例えば、ボルト、ナットなど)を介してピストン1091に結合される。ばね1092(「アクチュエータばね」とも呼ばれる)は、結合アセンブリの熱緩衝体1063とアクチュエータ1080のピストン1091との間に延びてこれらに係合する。さらに、図示の例では、ファスナ1093が、互いに結合されている間にコンポーネントの回転を防ぐ鍵を形成する切り欠きを有するダンベル様構造(dumbbell-like structure)にねじ留めされるナットである。
【0107】
ピストン1091は、チャンバ1086を圧力チャンバ1087及びばねチャンバ1088に分割して分離する。圧力チャンバ1087は、ソレノイドによって供給される真空又は不活性ガス(例えば、窒素)を含むように構成される。圧力チャンバ1087は、本体1081の本体セグメント1083によって定められる入口ポート1089(例えば、「通路」とも呼ばれる)を通じて不活性ガスを受け取る。ばね1092は、ピストン1091に係合して、ピストン1091をノズル1000の本体1040から離れる方向に付勢するように構成される。図示の例のピストン1091は、アクチュエータ1080の圧力チャンバ1087との間にさらなる断熱をもたらすように高圧ガラス繊維積層体(例えば、G-10)及び/又はその他の断熱材などの低熱伝導率材料で構成される。
【0108】
アクチュエータ1080の本体1081は、チャンバ1086に流体的に接続する複数のポートを定める。例えば、本体セグメント1083は、圧力チャンバ1087のための入口ポート1089を定める。本体セグメント1082は、ばねチャンバ1088に流体的に接続する真空ポート1098を定め、ノズル1000の本体1040の一部を極低温からさらに断熱するように構成される。本体セグメント1084は排気ポート1099を定める。いくつかの例では、圧力チャンバ1087内の不活性ガスの圧力の調整(例えば、増加又は減少)を容易にするために、本体1081の一部に沿って排気ポート及び/又はバルブを配置することができる。
【0109】
図示の例のアクチュエータ1080は、圧力チャンバ1087及びばねチャンバ1088を互いに及び/又はアクチュエータ1080の外部から密封する1又は2以上のシールを含む。例えば、シール1094は、本体セグメント1082、1084を互いに結合するねじ山に隣接して本体セグメント1082、1084に係合し、これらの間に配置される。シール1094(例えば、Oリング)は、ばねチャンバ1088をねじ山から流体的に分離する。図示の例では、シール1094が、本体セグメント1082によって定められる溝内に収容される。シール1095、1096は、ピストン1091の両端に配置され、それぞれがピストン1091と本体セグメント1084との間に配置されてこれらに係合する。シール1095、1096の各々(例えば、Oリング)は、ピストン1091によって定められるそれぞれの溝内に配置される。シール1095は、ばねチャンバ1088と通気口(vent port)1099との間に配置されてこれらを流体的に分離する。シール1096は、圧力チャンバ1087と通気口1099との間に配置されてこれらを流体的に分離する。シール1097は、本体セグメント1082、1084を結合するねじ山に隣接して本体セグメント1083、1084に係合し、これらの間に配置される。シール1097(例えば、Oリング)は、圧力チャンバ1087をねじ山から流体的に分離する。図示の例では、シール1094が、本体セグメント1083によって定められる溝内に収容される。
【0110】
図42~
図44に、ノズル1000のハンドル1013を示していないノズル1000とレセプタクル900との間の結合シーケンスを示す。
図42には、ノズル1000が未だレセプタクル900に結合していない時のノズル1000及びレセプタクル900を示す。ノズル1000のポペット1050は、ノズル1000のチャンバ1005から低温流体が供給されるのを防ぐ閉位置にある。また、レセプタクル900のポペット950は、レセプタクル900を通じて材料(例えば、補給タンク32に貯蔵された低温流体)が漏出するのを防ぐ閉位置にある。
【0111】
図43には、ノズル1000が結合目的でレセプタクル900に近づいている時のノズル1000及びレセプタクル900を示す。ノズル1000がレセプタクル900に係合する前には、パージポート1035及び/又はパージバルブ1037(
図38)を介し、導管1033を通じて、ノズル1000の空隙1048及びレセプタクル900のチャンバ部分936内に空気及び/又はその他の洗浄液が噴霧される。洗浄液は、ノズル1000とレセプタクルとの間の領域から水分及び/又は他の汚染物質をパージして、ノズル1000及びレセプタクル900が互いに結合した時にこれらの間にこのような物質が捕捉されるのを防ぐために、空隙1048及びチャンバ部分936内に噴霧される。また、いずれかの水分及び/又はその他の汚染物質は、ノズル1000とレセプタクル900との間の領域から導管1034及びチェックポート1036を介して洗浄液と共に除去される。
【0112】
図44には、洗浄液が適用された後のレセプタクル900に結合したノズル1000を示す。ノズル1000及びレセプタクル900が結合すると、シール1031が、ノズル1000の内側スリーブ1030とレセプタクル900の外側シェル940との間から洗浄液及び/又は汚染物質が漏出するのを防ぐ。シール1032は、ノズル1000の内側スリーブ1030と外側シェル1045との間から洗浄液及び/又は汚染物質が漏出するのを防ぐ。
【0113】
図示の例では、レセプタクル900が検知装置908を含み、ノズル1000が検知装置1008を含む。検知装置908は、レセプタクル900のフランジ912に固定して結合される。検知装置1008は、ノズル1000の外側スリーブ1014に固定して結合される。検知装置908、1008は、ノズル1000がレセプタクル900に確実に結合した時に、(1)互いに所定の距離内に存在して、(2)互いに対して軸方向に整列するように配置される。検知装置1008は、ノズル1000がレセプタクル000に確実に結合した時に検知装置908の存在を検出するように構成される。ノズル1000がレセプタクル900から分離されると、検知装置908、1008が(1)互いに所定の距離を越えて配置され、及び/又は(2)互いに対して軸方向に整列しなくなるので、検知装置1008は検知装置908の存在を検出することができない。さらに、ノズル1000がレセプタクル900に結合されているが固定位置に存在しない場合にも、検知装置908、1008が互いに対して軸方向に整列していないので、検知装置1008は検知装置908の存在を検出することができない。この結果、検知装置908、1008は、ノズル1000がいつレセプタクル900に確実に結合されているかを電子的に検出するように構成される。
【0114】
いくつかの例では、検知装置1008が近接センサであり、検知装置908が、近接センサによって検出可能な材料(例えば、金属)で構成されたターゲットブロックである。近接センサは、(1)ノズル1000がレセプタクル900に確実に結合している時には検出可能な材料の存在を検出し、(2)ノズル1000が(例えば、位置ずれ又は距離に起因して)レセプタクル900に確実に結合していない時には検出可能な材料の存在を検出しないように構成される。他の例では、検知装置1008が信号受信機であり、検知装置908が信号送信機である。このような例では、検知装置1008が、(1)ノズル1000がレセプタクル900に確実に結合している時には検知装置908からの信号を受信し、(2)ノズル1000が(例えば、位置ずれ又は距離に起因して)レセプタクル900に結合していない時には検知装置908からの信号を受信しないように構成される。
【0115】
図45~
図47では、ノズル1000がロックアセンブリ1010を介してレセプタクル900に結合され、閉じた状態にある。具体的には、
図45には、ノズル1000がレセプタクル900に結合した時のレセプタクル900及び(ハンドル1013を含まない)ノズル1000の一部を示す。
図46には、それぞれの閉じた状態で結合した時のレセプタクル900の一部及びノズル1000の一部の拡大図を示す。
図47には、それぞれの閉じた状態で互いに結合した時のノズル1000のポペット1050及びレセプタクルのポペット950のさらなる拡大図を示す。
【0116】
閉位置では、ノズル1000のポペット1050がレセプタクル900のポペット950に係合する。ポペット1050は、ノズル1000から低温流体が供給されるのを防ぐように閉位置のままであり、ポペット950は、レセプタクル900を通じて材料が漏出するのを防ぐように閉位置のままである。エンドキャップ1047は、チャンバ1005の周囲に設けられる断熱材の量を増加させるように、本体1040の前方部分に向かって延びる。空隙1048は、レセプタクル900の遠位端915を確実に密封して受け入れて潜在的伝導経路を最小化し、結果としてチャンバ1005とノズル1000の外部との間の熱漏出を抑えるように構成される。例えば、レセプタクル900の内壁911及びノズル1000の外側シェル1045の内部形状は、チャンバ1005とノズル1000の外部との間の潜在的熱漏出を防ぐように互いに相補的である。潜在的熱漏出をさらに制限するために、シール1031がノズル1000の内側スリーブ1030と外側シェル940との間に密封接続を形成し、シール1032が内側スリーブ1030と外側シェル1045との間に密封接続を形成する。
【0117】
レセプタクル900及びノズル1000は、(1)ポペット1050が開いてレセプタクル900内に延びる前に大気及び/又はデブリが捕捉されるのを防ぎ、(2)結合及び/又は分離プロセス中にノズル1000及び/又はレセプタクル900から低温流体が大気中に漏出するのを防ぐように構成される。例えば、ノズル1000の空隙1048及びレセプタクル900の本体910の遠位端915は、結合及び/又は分離プロセス中に捕捉されてその後に放出される可能性がある低温流体の量を減少させるように互いに相補的に成形される。ポペット1050は、いずれかの物質が捕捉されてその後に放出されるのをさらに防ぐように、ノズル1000がレセプタクル900に結合した時にポペット950とぴったり重なるように構成される。レセプタクル900のシートシール953及びノズル1000のシール1031、1032も、結合及び分離プロセス中の低温流体の排出を抑えるように配置される。また、ロックアセンブリ1010は、ノズル1000をレセプタクル900に確実に結合させておくことによって、意図しない分離から別様に生じ得る排出を抑えるように構成される。
【0118】
図48に、補給シーケンスのためにノズル1000及びレセプタクル900内を低温流体が流れている最中のそれぞれの開いた状態におけるノズル1000及びレセプタクル900を示す。オペレータ40は、補給シーケンスを(例えば、遠隔的に)開始するために補給ステーション20のボタン28を押す。ボタン28が押されると、アクチュエータ1080の圧力チャンバ1087に不活性ガス(例えば、窒素)が供給される。圧力チャンバ1087に十分な空気が供給されると、圧力チャンバ1087内の圧力がアクチュエータ1080のばね1092及びポペット950のポペットばね958の付勢力に打ち勝ち、アクチュエータ1080のピストン1091をノズル1000の本体1040に向けて直線的に作動させる。この結果、ピストン1091に結合されたステム1090が同じ方向に直線的に作動することにより、ステム1090に動作可能に接続されたシャフト1055が同じ方向に作動する。シャフト1055が作動すると、ノズル1000のポペット1050がポペットシート1053から離脱して開位置に移動し、このためポペット950がポペットシート951から離脱して開位置に移動する。このような作動により、ノズル1000は、ノズル1000のチャンバ1005を通じて流れる低温流体をレセプタクル900のチャンバ部分932に供給することができる。チェック960は、圧力差によって閉じたままである。
【0119】
ノズル1000のチャンバ1005とレセプタクル900のチャンバ部分932との間で圧力が均等になると、アクチュエータ1080がチェック960のチェックばね965によって付与される付勢力に打ち勝って、チェック960をチェックシート962のシートシール966から離脱させて開位置に押すことができる。
図48に示すように、チェック960が開位置にある時には、低温流体が貯蔵タンク22からノズル1000のチャンバ1005を通じ、レセプタクル900のチャンバ930のチャンバ部分932及びチャンバ部分934の両方を通じて補給タンク32内に流れることができる。
【0120】
図49~
図66に、本明細書の教示による別のレセプタクル例1100及び別のノズル例1200を示す。具体的には、
図49~
図60には、ノズル1200をレセプタクル1100に確実に結合するための機構を示し、
図61~
図66には、貯蔵タンク22と補給タンク32との間の低温流体の流れを制御する、ノズル1200及びレセプタクル1100の内部コンポーネントを示す。
【0121】
図49に示すように、レセプタクル1100は、近位端1112(「後端部」とも呼ばれる)と遠位端1111(「前端部」とも呼ばれる)との間に延びる本体1110を含む。本体1110は、外側シェル1140及びスリーブ980を含む。以下で
図61に関してさらに詳細に開示するように、本体1110は内壁1113、1114、1115も含む。
【0122】
再び
図49を参照すると、遠位端1111と近位端1112との間にはスリーブ1180が配置されてこれらの両方からオフセットされている。スリーブ1180は、外側シェル1140の一部を覆って延びて(例えば、溶接を介して)外側シェル1140に結合される。スリーブ1180は、スリーブ1180の前端部1182と後端部1183との間に延びる外面1181及び内面を含む。内面は、本体1110の外側シェル1140に係合して結合される。スリーブ1180は、前端部1182に面取りされた(chamfered)前縁1184を含む。前縁1184に隣接してシール1185(例えば、Oリング)が配置される。前縁1184は、レセプタクル1100及びノズル1200の結合部品間の半径方向位置合わせを容易にするように面取りされる。シール1185は、レセプタクル1100のスリーブ1180とノズル1200の内側スリーブ1230との間の密封結合を容易にするように配置される。再び
図49を参照すると、スリーブ1180は、外面1181に沿って配置された1又は2以上のガイドスロット1190及び1又は2以上の結合スロット1195を定める。
【0123】
各ガイドスロット1190は、凹面1191及び対向する側面1192によって定められる。ガイドスロット1190は、レセプタクル1100の長手方向軸に平行な方向に直線的に延びる。ガイドスロット1190は、スリーブ1180の前端部1182から後端部1183に向かって延びる。図示の例では、ガイドスロット1190がスリーブ1180の後端部1183に延びている。凹面1191は、スリーブ1180の外面1181に対して凹んでおり、側面1192は、凹面1191と外面1181との間に延びる。ガイドスロット1190の各々は、スリーブ1180の前端部1182に隣接する開口部を有する。すなわち、ガイドスロット1190の各々は、スリーブ1180の前端部1182に向かって位置する前向きの面(front-facing surface)に沿った開口部を有する。各ガイドスロット1190の開口端は、ノズル1200のそれぞれのガイド延長部(guide extension)1233がガイドスロット1190内に摺動して、ノズル1200のロック歯1215をレセプタクル1100の結合スロット1195と回転整列させることを可能にする。図示の例では、ガイドスロット1190が、スリーブ1180の外面1181に沿って円周方向に互いに等距離で離間している。さらに、図示の例では、スリーブ1180が3つのガイドスロット1190を定める。他の例では、スリーブ1180がさらに多くの又は少ないガイドスロット1190を定めることができる。
【0124】
図54に示すように、それぞれの側面1192及び/又は前向きの面は、各ガイドスロット1190のそれぞれの開口部に傾斜した角部(beveled corners)1193(例えば、面取りされた角部)を定める。傾斜した角部1193は、それぞれのガイド延長部1233がそれぞれのガイドスロット1190の開口部を通じてガイドスロット1190に進入するのを容易にする。
図56に示すように、それぞれのガイドスロット1190の開口部のベースには、ガイドスロット1190とそれぞれのガイド延長部1233との間の半径方向位置合わせを容易にするために、凹面1196に隣接して傾斜した縁部1194(例えば、面取りされた縁部)が配置される。
【0125】
再び
図49を参照すると、結合スロット1195の各々は、凹面1196及び1又は2以上の側面1197によって定められる。凹面1196は、スリーブ1180の外面1181に対して凹んでおり、側面1197は、凹面1196と外面1181との間に延びる。結合スロット1195の各々は、スリーブ1180の前端部1182に隣接する開口部を有する。すなわち、結合スロット1195の各々は、スリーブ1180の前端部1182に向かって位置する前向きの面に沿った開口部を有する。各結合スロット1195の開口端は、ノズル1200のそれぞれのロック歯1215が結合スロット1195内に摺動してノズル1200をレセプタクル1100に確実に結合することを可能にする。図示の例の各結合スロット1195では、それぞれの側面1197及び/又は前端部1182の外壁が、それぞれの開口部に傾斜した角部1198(例えば、面取りされた角部)を定める。
図55に示すように、傾斜した角部1198は、ロック歯1215がそれぞれの開口部を通じて結合スロット1195に進入するのを容易にする。
【0126】
結合スロット1195の各々は概ねL字形であり、ロック歯1215がノズル1200をレセプタクル1100に確実に結合できるように特定の方向に屈曲又はカールする。図示の例では、結合スロット1195が時計回り方向に屈曲又はカールしている。他の例では、結合スロット1195が反時計回り方向に屈曲又はカールすることができる。図示の例では、結合スロット1195がスリーブ1180の外面1181に沿って円周方向に互いに等距離で離間している。さらに、図示の例では、スリーブ1180が3つの結合スロット1195を定める。他の例では、スリーブ1180がさらに多くの又は少ない結合スロット1195を定めることができる。
【0127】
図50~
図53は、ノズル1200のロックアセンブリ1210である。具体的には、
図50は、ロックアセンブリ1210を含むノズル1200の斜視図である。
図51は、ロックアセンブリ1210の他の特徴をより明確に示す、ロックアセンブリ1210の外側スリーブ1214を含むノズル1200の別の斜視図である。
図52は、ロックアセンブリ1210の斜視図であり、
図53は、ロックアセンブリ1210の冗長ロック機構1223の斜視図である。
【0128】
図50~
図51に示すように、ノズル1200は、ロックアセンブリ1210、本体1240、及びアクチュエータ1280を含む。アクチュエータ1280は、本体1240の後端部に結合されてそこから延びる。ロックアセンブリ1210は、本体1240の前端部において本体1240の外側シェル1245に結合される。ロックアセンブリ1210は、外側スリーブ1214、スリーブリング1219、ハンドル1220、1又は2以上のロック歯1215、冗長ロック機構1223(
図52)、及び内側スリーブ1230を含む。ロックアセンブリ1210は、遠位端1211及び近位端1212も含む。
【0129】
図62に示すように、ロックアセンブリ1210の近位端1212は、本体1240の前端部に向かって外側シェル1245に結合され、遠位端1211は、本体1240の前端部を越えて長手方向に延びる。ロックアセンブリ1210のスリーブリング1219及び内側スリーブ1230は、スリーブリング1219及び内側スリーブ1230のそれぞれの内面が外側シェル1245の外面に係合するように配置される。スリーブリング1219は、(例えば、溶接を介して)外側シェル1245に固定して結合される。スリーブリング1219及び内側スリーブは、外側シェル1245に沿って長手方向に横並びで配置される。内側スリーブ1230は、例えば内側スリーブ1230の近位端1232をスリーブリング1219の前面に(例えば、ファスナを介して)締結することによって外側シェル1245に固定して結合される。
図63に示すように、ロックアセンブリ1210は、スリーブリング1219と内側スリーブ1230との間に密封接続を形成するシール1218を含む。再び
図62を参照すると、内側スリーブ1230の遠位端1231は外側シェル1245の前端部を越えて長手方向に延びる。外側スリーブ1214は、内側スリーブ1230及びスリーブリング1219を覆って延びてこれらに回転可能に結合される。外側スリーブ1214の内面は、内側スリーブ1230及び/又はスリーブリング1219の外面の一部に回転可能に係合する。図示の例では、外側スリーブ1214が、その近位端に、スリーブリング1219及び/又は内側スリーブ1230の近位端1232によって定められた溝に受け入れられて内側スリーブ1230に対する外側スリーブ1214の軸方向移動を防ぐ内側リップを含む。
【0130】
再び
図50~
図51を参照すると、ロック歯1215は、外側スリーブ1014の遠位端に隣接する外側スリーブ1214の内面に沿って固定して配置される。さらに、ロック歯1215は、内側スリーブ1230の遠位端1231から離間する。
図52に示すように、ロック歯1215の各々は、1又は2以上のファスナ1216を介して外側スリーブ1214に結合される。ロック歯1215は、ノズル1200をレセプタクル1100に確実に結合するようにレセプタクル1100の結合スロット1195内で回転可能に摺動するように構成される。図示の例では、ロック歯1215が、それぞれ外側スリーブ1214の内面に沿って円周方向に互いに等距離で離間している。さらに、図示の例では、ロックアセンブリ1210が3つのロック歯1215を含む。他の例では、ロックアセンブリ1210がさらに多くの又は少ないロック歯1215を含むことができる。
【0131】
再び
図50を参照すると、ハンドル1220は、外側スリーブ1214の近位端に固定して結合されて、オペレータ40が外側スリーブ1214を内側スリーブ1230に対して回転させるのを容易にする。図示の例では、ハンドル1220が外側スリーブ1214の円周の一部に沿って延びる。例えば、ハンドル1220は、部分的環状体(partial torus)の形状である。ハンドル1220と外側スリーブ1214との間には1又は2以上のポスト1221(「支持ポスト」とも呼ばれる)が半径方向に延びて、ハンドル1220を外側スリーブ1214に確実に結合する。図示の例では、ロックアセンブリ1210が、それぞれがハンドル1220のそれぞれの端部から外側スリーブ1214へと半径方向内向きに延びる2つのポスト1221を含む。ロックアセンブリ1210は、ハンドル1220と外側及び内側スリーブ1214、1230との間に半径方向に延びるポスト1222も含む。図示の例では、ポスト1222がポスト1221の円周方向中間に配置される。
図52に示すように、ポスト1222(「冗長ロックポスト」又は「中空ポスト」とも呼ばれる)は中空であり、冗長ロック機構1223を収容する。
【0132】
図51を参照すると、ロックアセンブリ1210の内側スリーブ1230は、遠位端1231及び近位端1232を含む。内側スリーブ1230の近位端1232は、スリーブリング1219及びポスト1222に隣接して配置される。内側スリーブ1230は、内側スリーブ1230の円筒形本体と一体的に形成されたガイド延長部1233を含む。ガイド延長部1233は、内側スリーブ1230の遠位端1231から長手方向に延びる。以下で
図54~
図56に関してさらに詳細に開示するように、ガイド延長部1233は、ノズル1200とレセプタクル1100との間の回転整列を容易にするように、レセプタクル1100のガイドスロット1190によって摺動可能に受け入れられるように構成される。例えば、ガイド延長部1233は、ロック歯1215が結合スロット1195によって受け入れられる前にガイド延長部1233がガイドスロット1190によって受け入れられることを可能にし、従ってロック歯1215と結合スロット1195との間の回転整列を容易にするように、ロック歯1215を越えて長手方向に延びる。ガイド延長部1233は、内側スリーブ1230の本体に沿って円周方向に互いに等距離で離間する。さらに、図示の例では、内側スリーブ1230が3つのガイド延長部1233を含む。他の例では、内側スリーブ1230がさらに多くの又は少ないガイド延長部1233を含むことができる。
【0133】
図52に、ロックアセンブリ1210をさらに示す。例えば、ガイド延長部1233は、内側スリーブ1230の遠位端1231から延びる。ロック歯1215は、ファスナ1216を介して外側スリーブ1214の遠位端に結合される。ガイド延長部1233は、少なくともロック歯1215の回転運動に干渉するのを防ぐ距離だけロック歯1215から円周方向に離間する。
【0134】
内側スリーブ1230は、その近位端1232に隣接してその外面に沿って溝1236、1238を定める。
図52に示すように、溝1236、1238はポスト1222に近接する。溝1236、1238は、円周方向に隣り合って横並びに配置される。溝1236、1238は互いに離間しており、これらの間には内側スリーブ1230の外面の中間部分が配置される。溝1236(「第1の溝」又は「ロック解除溝」とも呼ばれる)は、冗長ロック機構1223のロック解除位置に関連し、溝1238(「第2の溝」又は「ロック溝」とも呼ばれる)は、冗長ロック機構1223のロック位置に関連する。溝1236と、溝1236、1238間に位置する外面の中間部分との間には斜面(ramp)1237(「第1の斜面」又は「ロック解除斜面」とも呼ばれる)が延びる。溝1238と、溝1236、1238間に位置する外面の中間部分との間には斜面1239(「第2の斜面」又は「ロック斜面」とも呼ばれる)が延びる。
【0135】
冗長ロック機構1223は、ノズル1200をレセプタクル1100にさらに確実に結合するように構成される。冗長ロック機構1223は、溝1236、1238に隣接して位置するポスト1222内に収容される。
図52~
図53に示すように、冗長ロック機構1223は、ステム1224、ホイール1226、ばね1227、及びキャップ1228を含む。ポスト1222は、ハンドル1220に隣接する第1の開口部と、外側及び内側スリーブ1214、1230に隣接する反対側の第2の開口部とを含む。キャップ1228は、冗長ロック機構1223をポスト1222内に確実に保持するように第1の開口部に(例えば、ねじ止め可能に)結合して第1の開口部を包み込む。冗長ロック機構1223は、確実な接続を容易にするようにワッシャ1229も含む。ばね1227は、キャップ1228及びステム1224の桟部1225に係合してこれらの間に延びる。ホイール1226は、第2の開口部に隣接してステム1224に結合される。ホイール1226は、ポスト1222の第2の開口部から少なくとも部分的に延びて内側スリーブ1230の外面に係合する。外側スリーブ1214は、ポスト1222の第2の開口部に隣接する開口部を定め、ホイール1226は、この開口部を貫通して延びて内側スリーブ1230に係合する。以下でさらに詳細に開示するように、ホイール1226は、内側スリーブ1230の外面に沿って溝1236、1238間を転がるように構成される。
【0136】
図53に示すように、冗長ロック機構1223のステム1224は、第1の端部及び第2の端部を含む。ステム1224の第1の端部と第2の端部との間にはステム1224の桟部1225が位置する。図示の例では、第1の端部がばね1227の一部を貫通する。第1の端部は、ばね1227の圧縮を可能にするようにキャップ1228から離間する。図示の例では、ステム1224の第2の端部が突起(prongs)を含む。ホイール1226は、ステム1224の突起に結合されてこれらの突起間に配置される。
【0137】
図54~
図60に、ノズル1200がロックアセンブリ1210を介してレセプタクル1100に確実に結合される際の結合シーケンスを示す。
図54には、ノズル1200が結合目的でレセプタクル900の正面に配置された時のノズル1200の内側スリーブ1230及びレセプタクル1100のスリーブ1180を示す。ノズル1200をレセプタクル1100に結合するには、内側スリーブ1230のガイド延長部1233をスリーブ1180のガイドスロット1190と軸方向に位置合わせする。ガイド延長部1233がガイドスロット1190によって摺動可能に受け入れられるように、ノズル1200をレセプタクル1100に向けて移動させる。すなわち、レセプタクル1100のガイドスロット1190及びノズル1200のガイド延長部1233は、ノズル1200及びレセプタクル1100を結合シーケンスのために互いに対して位置合わせするように構成される。
図54に示すように、それぞれのガイドスロット1190の開口部に隣接する傾斜した角部1193、及びそれぞれのガイド延長部1233の丸みを帯びた角部1234は、ガイド延長部1233をガイドスロット1190内にさらに案内するように丸みを帯びた表面を有する。
【0138】
図55には、ガイド延長部1233がそれぞれのガイドスロット1190に進入する際のノズル1200のロックアセンブリ1210及びレセプタクル1100のスリーブ1180を示す。
図55に示すように、ガイド延長部1233がガイドスロット1190によって受け入れられると、ロック歯1215がレセプタクル1100の結合スロット1195と軸方向に整列する。ガイド延長部1233がそれぞれのガイドスロット1190内にさらに摺動すると、ロック歯1215はそれぞれの結合スロット1195の開口部に接近する。図示の例のロック歯1215はローラベアリングである。それぞれの結合スロット1195の開口部に隣接する傾斜した角部1198及びローラベアリングは、ロック歯1215を結合スロット1195内にさらに案内するように丸みを帯びた表面を有する。
【0139】
図55~
図56には、ノズル1200の内側スリーブ1230のガイド延長部1233の1つがレセプタクル1100のスリーブ1180のそれぞれのガイドスロット1190に進入している様子を示す。ガイド延長部1233のそれぞれの丸みを帯びた内面1235は、ガイド延長部1233がそれぞれのガイドスロット1190の開口部を通じて進入する際に、それぞれのガイドスロット1190の開口部の傾斜した縁部1194と摺動可能に係合して、ガイド延長部1233とガイドスロット1190との間の半径方向位置合わせを容易にするように構成される。また、それぞれのガイド延長部1233のベースの内面は、ガイド延長部1233がガイドスロット1190に進入する際に、面取りされたスリーブ1180の前縁1184に摺動可能に係合して、ガイド延長部1233とガイドスロット1190との間の半径方向位置合わせをさらに容易にするように構成される。
【0140】
ロック歯1215がそれぞれの結合スロット1195のそれぞれの開口部に位置すると、ノズル1200をレセプタクル1100に向けてさらに長手方向に摺動させて、ロック歯1215を所定の距離(例えば、約0.25インチ)だけ結合スロット1195内に摺動させる。次に、オペレータ40は、ハンドル1220を使用して、外側スリーブ1214を内側スリーブ1230に対して第1の回転方向に回転させる。外側スリーブ1214を回転させると、外側スリーブ1214に固定して結合されたロック歯1215も回転する。ロック歯1215は、回転するとそれぞれの結合スロット1195の屈曲、カール及び/又は湾曲した経路内を移動する。ロック歯1215が結合スロット1195内で所定の角度(例えば、約15度)だけ回転すると、各それぞれのガイド延長部1233のベースの内面がスリーブ1180の前端部1182のシール1185に係合して、ノズル1200の内側スリーブ1230とレセプタクル1100のスリーブ1180との間に密封接続を形成する。
【0141】
その後、外側スリーブ1214を、ロック歯1215の各々が結合スロット1195のそれぞれの結合スロット1195の囲われた端部のロック位置に達するまでさらに回転させる(例えば、約45度の総回転)。すなわち、図示の例では、結合スロット1195が、結合スロット1195内でロック歯1215が約45度回転することを可能にするように構成される。ロック歯1215は、ロック位置においてノズル1200をレセプタクル1100に対して確実に保持する。ロック歯1215がロック位置に回転すると、レセプタクル1100のシートシール1153がノズル1200の本体1240の前端部に密封係合して、レセプタクル1100のチャンバ1130と低温流体が流れるノズル1200のチャンバ1205との間に密封接続を形成する。
図65に、ロックアセンブリがロック位置にある時に、シール1185が内側スリーブ1230に係合してシートシール1153が本体1240の本体セグメント1241に係合している様子を示す。シール1185(「真空シール」とも呼ばれる)は、シートシール1153が本体1240に係合する前に内側スリーブ1230に係合して、その後のノズル1200とレセプタクル1100との間の分離中にいずれかの捕捉流体(例えば、水素)が大気に放出されることなく回収されることを可能にする。
【0142】
また、外側スリーブ1214を回転させると、冗長ロック機構1223がロック解除位置からロック位置に移行する。例えば、外側スリーブ1214を内側スリーブ1230に対して回転させると、ロック歯1215及び冗長ロック機構1223の両方が同時にそれぞれのロック位置に移動するようになる。
図57~
図60に、冗長ロック機構1223がロック解除位置からロック位置に移行する様子を示す。ロック解除位置では、冗長ロック機構1223のホイール1226が溝1236内に確実に収まる。外側スリーブ1214が回転していない時には、ばね1227がステム1224を、さらにはホイール1226を溝1236に向かう方向に付勢して、冗長ロック機構1223をロック解除位置に保持する。冗長ロック機構1223をロック解除位置からロック位置に移行させるには、オペレータ40がハンドル1220を使用して外側スリーブ1214を内側スリーブ1230に対して回転させる。ポスト1222はハンドル1220に固定して結合されており、冗長ロック機構1223はポスト1222内に収容されているので、オペレータ40がハンドル1220を介して外側スリーブ1214を回転させると、冗長ロック機構1223は内側スリーブ1230に対して回転する。
【0143】
オペレータ40が外側スリーブ1214を回転させると、付与された回転力によってホイール1226が斜面1237に向かう方向に移動する。また、付与された力がばね1227の付勢力に打ち勝つことにより、ステム1224が内向きに後退するようになる。ステム1224の後退及び継続的な回転力の付与により、
図57に示す第1の中間位置においてホイール1226が斜面1237上を転がることができる。すなわち、ホイール1226は斜面1237に沿って転がってロック解除位置から離れる。
【0144】
回転力を付与し続けると、ステム1224がさらに内向きに後退し、ホイール1226が、溝1236、1238間に位置する内側スリーブ1230の外面の部分を転がる。
図58に、ホイール1226が内側スリーブ1230の外面に係合する冗長ロック機構1223を示す。外側スリーブ1214が回転し続けると、ホイール1226は斜面1239上を転がって、
図59に示す第3の中間位置にくる。冗長ロック機構1223が第2の中間位置から第3の中間位置に移行するにつれ、ステム1224は部分的に外向きに延びる。また、外側スリーブ1214がさらに回転すると、ホイール1226は溝1238内に転がり込んで、
図60に示すロック位置に至る。ロック位置では、冗長ロック機構1223のホイール1226が溝1238内に確実に静止する。外側スリーブ1214が回転していない時には、ばね1227がステム1224を、さらにはホイール1226を溝1238に向かう方向に付勢して、冗長ロック機構1223をロック位置に保持する。溝1238に対向する壁は、ホイール1226が、さらには冗長ロック機構1223がロック位置を越えて移動するのを防ぐ。同様に、溝1236に対向する壁も、ホイール1226が、さらには冗長ロック機構1223がロック解除位置を越えて移動するのを防ぐ。
【0145】
ノズル1200をレセプタクル1100から分離するには、オペレータ40が外側スリーブ1014を第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に回転させて、(1)ロック歯1215がそれぞれの結合スロット1195の開口部に摺動し、(2)冗長ロック機構1223のホイール1226がそれぞれのロック解除位置に関連する溝1236内に戻るようにする。その後、オペレータ40は、ガイド延長部1233がガイドスロット1190から除去されるまでノズル1200をレセプタクル900から引き離す。
【0146】
図61~
図66に、貯蔵タンク22と補給タンク32との間の低温流体の流れを制御する、ノズル1200及びレセプタクル1100の内部コンポーネントを示す。具体的には、
図61にはレセプタクル1100のフロー制御コンポーネントを示し、
図62~
図64にはノズル1200のフロー制御コンポーネントを示す。
図65~
図66には、ノズル1200及びレセプタクル1100が互いに結合した時のこれらの一部を示す。
【0147】
図61に示すように、レセプタクル1100は、本体1110及びヘッド1120(「ボンネット」とも呼ばれる)を含む。ヘッド1120は、遠位端1111に隣接して内壁1113に結合される。図示の例では、ヘッド1120が、レセプタクル1100のチャンバ1130内で遠位端1111からオフセットされている。チャンバ1130は、本体1110の内壁1113、1114、1115のうちの1つ又は2つ以上によって定められる。本体1110とヘッド1120との間にはフェイスシール1116が配置されてこれらを密封係合する。いくつかの例では、フェイスシール1116に付勢ばねが係合して、フェイスシール1116をヘッド1120に接して適所に保持する。図示の例では、ヘッド1120が、レセプタクル1100とノズル1200との間の回転整列を容易にするためにノズル1200の1又は2以上のそれぞれのガイドピンを受け入れるように構成された1又は2以上のガイドスロット1121を定める。さらに、図示の例では、ヘッド1120の外面が、レセプタクル1100のポペット1150とノズル1200のポペット1250との間の位置合わせ及び確実な係合を容易にするためにノズル1200のポペット1250の中心突出部1252を受け入れるように構成された中心凹部1159(例えば、円錐形凹部)を定める。
【0148】
図示の例の本体1110は、内壁1113、1114、1115、及び外側シェル1140を含む。内壁1113(「内側内壁」とも呼ばれる)は、近位端1112から遠位端1111に向かって実質的に長手方向に延びる。以下でさらに詳細に開示するように、ヘッド1120、ポペット1150、チェック1160及びその他のフロー制御コンポーネントは、内壁1113内に収容される。内壁1114(「中間内壁」とも呼ばれる)は、内壁1113の前端部からレセプタクル1100の本体1110の近位端1112に逆方向に向かって延びる。内壁1113、1114のそれぞれの前端部は、例えば溶接を介して互いに確実に密封結合される。内壁1115(「外側内壁」とも呼ばれる)は、内壁1114の後端部からレセプタクル1100の本体1110の遠位端1111に向かって延びる。内壁1114、1115のそれぞれの後端部は、例えば溶接を介して互いに確実に密封結合される。内壁1115の前端部は、レセプタクル1100の本体1110の遠位端1111において外側シェル1140に(例えば、溶接を介して)確実に密封結合される。
図61に示すように、外側シェル1140及び内壁1113、1114、1115は、長手方向に前後に延びてジグザグパターンを形成する。外側シェル1140及び内壁1113、1114、1115のジグザグ経路は、チャンバ1130と外部との間の潜在的熱漏出を抑える、レセプタクル1100の外部からチャンバ1130への細長い(例えば、約8インチの)伝導経路を定める。
【0149】
外側シェル1140と内壁1113、1114、1115との半径方向中間に形成された間隙内には断熱層1145が配置される。いくつかの例では、断熱層1145が、レセプタクル1100の本体1110の遠位端1111と、近位端1112に隣接して配置された支持ブラケットとの間を長手方向に延びる。外側シェル1140、内壁1113、1114、1115のうちの1つ又は2つ以上、及び支持ブラケットは、断熱層1145が配置される密閉キャビティを形成する。断熱層1145は、レセプタクル1100のチャンバ1130内を流れる低温流体の極低温から外側シェル1140を断熱するように密閉キャビティ内に配置された真空及び/又は断熱材を含む。いくつかの例では、レセプタクル1100が、間隙内を真空にするために外側シェル1140に沿って配置された排気ポート及び/又はバルブを含むことができる。
【0150】
図61に示すように、チャンバ1130は、低温流体の流れを制御するレセプタクル1100のコンポーネントを収容する。レセプタクル1100の内部コンポーネントは、ポペット1150、チェック1160、及びシャフト1170を含む。ポペット1150は、本体1110の遠位端1111に向かって配置される。チェック1160は、本体1110の近位端1112に向かって配置される。ポペット1150はシャフト1170に固定して結合され、チェック1160はシャフト1170に摺動可能に結合される。シャフト1170は、レセプタクル1100のチャンバ1130を軸方向に貫通する。図示の例では、ポペット1150がシャフト1170と一体的に形成されてシャフト1170の端部から延びる。
【0151】
ポペット1150は、遠位端1111に隣接するヘッド1120によって定められるポペットシート1151に密封係合するように構成される。チェック1160は、近位端1112に向かって配置されたチェックシート1162に密封係合するように構成される。チェックシート1162は、チャンバ1130のチャンバ部分1132(「第1のチャンバ部分」とも呼ばれる)及びチャンバ部分1134(「第2のチャンバ部分」とも呼ばれる)を分離する。チャンバ部分1134は、近位端1112に隣接するようにチェックシート1162と本体1110の近位端1112との間に延びる。チャンバ部分1132は、チェックシート1162とポペットシート1151との間に延びる。ヘッド1120は、チャンバ部分1132と、遠位端1111に隣接するチャンバ1130のチャンバ部分1136(「第3のチャンバ部分」とも呼ばれる)とを分離する。ヘッド1120は、チャンバ部分1136がヘッド1120と本体1110の遠位端1111との間に延びるように遠位端1111からオフセットされる。図示の例では、チャンバ部分1132、1134が内壁1113内に位置する。チャンバ部分1136は、内壁1113、1115の組み合わせ内に位置する。
【0152】
図61には、レセプタクル1100の閉じた状態を示す。閉じた状態では、チェック1160が、チャンバ1130内のチャンバ部分1132とチャンバ部分1134との間に固定して配置されたチェックシート1162に係合する閉位置にある。例えば、チェック1160は、閉位置においてチェックシート1162のシートシール1166に係合して、チャンバ部分1132とチャンバ部分1134との間にシールを形成するように構成される。チェックシート1162と本体1110の内壁1113との間にはチェックシール1163が配置されてこれらを密封係合する。また、チャンバ部分1134内には、本体1110の近位端1112に隣接してチェックガイド1164が固定して配置される。シャフト1170の少なくとも一部は、チャンバ1130内でレセプタクル1100の軸に沿って摺動する際にシャフト1170を案内するようにチェックガイド1164内に延び及び/又はチェックガイド1164を貫通する。チェックガイド1164とチェック1160との間にはチェックばね1165が配置されてこれらに係合する。チェックばね1165は、閉位置においてチェック1160をチェックシート1162のシートシール1166に係合したままであるように付勢するよう構成される。
【0153】
また、閉じた状態では、ポペット1150が、本体1110の遠位端1111に隣接するヘッド1120の部分によって定められるポペットシート1151に係合する閉位置にある。ポペット1150は、閉位置においてポペットシート1151に密封係合するように構成されたポペットシール1152を含む。
【0154】
チャンバ部分1136内には、遠位端1111に向かってシートシール1153が配置され、ポペットシート1151に隣接してヘッド1120に係合する。シートシール1153は、レセプタクル1100がノズル1200を確実に受け入れた時に、ノズル1000の本体1240に密封係合するように構成される。シートシール1153には付勢ばね1154、支持リング1155、及びリテーナ1156が係合して、シートシール1153をヘッド1120に接して適所に付勢する。さらに、リテーナ1156にはリテーナリング1157が係合して、シートシール1153、付勢ばね1154、支持リング1155及びリテーナ1156を適所に保持する。
【0155】
チャンバ部分1132内では、シャフト1170、及び/又はポペット1150の背後のポペット1150の裏面にポペットガイド1175が結合される。ポペットガイド1175の外側部分は、本体1110の内壁1113に係合及び/又は隣接する。ポペットガイド1175の外側部分は、シャフト1170がレセプタクル1100の軸に沿って摺動する際に内壁1113に沿って摺動するように構成される。シャフト1170の一部は、ポペットガイド1175を貫通してポペット1150に延びる。ポペットばね1158は、チェックシート1162とポペットガイド1175の間に配置されてこれらに係合する。ポペットばね1158は、閉位置においてポペット1150をポペットシート1151に係合したままであるように付勢するよう構成される。
【0156】
図62を参照すると、ノズル1200は、ロックアセンブリ1210、本体1240、ポペット1250、及びアクチュエータ1280を含む。ポペット1250は本体1240の前端部に隣接して配置され、アクチュエータ1280は本体1240の後端部に結合される。
【0157】
図示の例では、ノズル1200の本体1240が、本体セグメント1241(「前方本体セグメント」及び「第1の本体セグメント」とも呼ばれる)、本体セグメント1242(「後方本体セグメント」及び「第2の本体セグメント」とも呼ばれる)、本体セグメント1243(「中間本体セグメント」、「接続本体セグメント」及び「第3の本体セグメント」とも呼ばれる)、及び本体セグメント1244(「本体延長部」、「ホース接続本体セグメント」及び「第4の本体セグメント」とも呼ばれる)を含む。本体セグメント1241、1242、1243、1244は互いに結合されて、低温流体が流れることができるチャンバ1205を形成し、チャンバ1205内には低温流体の流れを制御するコンポーネントが収容される。
【0158】
本体セグメント1243は、本体1240の他の本体セグメント1241、1242、1244に結合されてこれらの間に配置される。本体セグメント1241は、前端部に隣接して配置され、本体セグメント1243の出口ポートに機械的及び流体的に結合される。本体セグメント1244は、本体セグメント1243の入口ポートに機械的及び流体的に結合される。本体セグメント1244は、ノズル1200を貯蔵タンク22などのタンクに流体的に接続するためにホース24に接続するようにも構成される。図示の例では、本体セグメント1244が、半径方向外向きかつ本体1240の後端部に向かって戻る延長部を形成する。本体セグメント1242は、本体セグメント1243の第3のポートに機械的及び流体的に結合される。他の例では、本体1240をさらに多くの又は少ない本体セグメントで形成することもできる。例えば、本体セグメント1241、1242、1243、1244のうちの2つ又は3つ以上を一体的に形成することができる。本体セグメント1241、1242、1243、1244は、本体セグメント1244、本体セグメント1243の一部及び本体セグメント1241を通じて低温流体が流れるように配置される。本体セグメント1241、本体セグメント1242、及び本体セグメント1243の一部は、ノズル1200のシャフト1255がチャンバ1205を貫通して軸方向に摺動することを可能にするように、ノズル1200の長手方向軸に沿って同軸的に整列する。
【0159】
図63~
図64に示すように、本体1040は、外側シェル1045及び内壁1247、1249も含む。内壁1247(「内側内壁」とも呼ばれる)は、本体セグメント1241の前端部から本体1240の後端部に向かって実質的に長手方向に延びる。内壁1249(「外側内壁」とも呼ばれる)は、内壁1247の後端部から本体1240の前端部に向かって延びる。内壁1247の前端部は、例えば溶接を介して本体セグメント1241に確実に密封結合される。内壁1247、1249のそれぞれの後端部は、例えば溶接を介して互いに確実に密封結合される。内壁1249の前端部は、本体1240の前端部において外側シェル1245に(例えば、溶接を介して)確実に密封結合される。外側シェル1245及び内壁1247、1249は、ジグザグパターンで長手方向に前後に延びる。外側シェル1245及び内壁1247、1249のジグザグ経路は、チャンバ1205と外部との間の潜在的熱漏出を抑える、ノズル1200の外部からチャンバ1205への細長い伝導経路を定める。
【0160】
外側シェル1245と内壁1247、1279との半径方向中間に形成された間隙内には断熱層1246が配置される。この結果、断熱層1246は、外側シェル1245と本体セグメント1241、1242、1243との半径方向中間に配置される。いくつかの例では、断熱層1246が、ノズル1200の本体1240の前端部と後端部との間を長手方向に延びる。外側シェル1245及び内壁1247、1249のうちの1つ又は2つ以上は、断熱層1246が配置される密閉キャビティを少なくとも部分的に形成する。断熱層1246は、ノズル1200のチャンバ1205内を流れる低温流体の極低温から外側シェル1245を断熱するように密閉キャビティ内に配置された真空及び/又は断熱材を含む。いくつかの例では、ノズル1200が、間隙内を真空にするために外側シェル1245に沿って配置された排気ポート及び/又はバルブを含むことができる。
【0161】
シャフト1255は、チャンバ1205の一部を貫通する。例えば、シャフト1255は、本体セグメント1241、1242、1243によって定められたチャンバ1205の一部を貫通する。ポペット1250は、本体1240の前端部に隣接するシャフト1255の第1の端部1256に結合される。以下で
図64に関してさらに詳細に開示するように、シャフト1255の第2の端部1257は、本体1240の後端部に隣接するアクチュエータ1280のステム1290に結合される。アクチュエータ1280のステム1290は、静止位置から伸長位置に作動すると、ノズル1200のシャフト1255を同じ位置で摺動させる。この結果、シャフト1255の第1の端部1256に配置されたポペット1250がポペットシート1253から離脱して、ノズル1200の前端部にチャンバ1205から極低温が流れるようになる。
【0162】
図63に示すように、ポペット1250は、ノズル1200の前端部に隣接するシャフト1255の第1の端部1256に結合される。図示の例では、ポペット1250がシャフト1255にねじ結合される。ポペット1250は、閉位置ではポペットシート1253に係合して低温流体の流れを防ぎ、開位置ではポペットシート1253から離脱してノズル1200からの低温流体の流れを可能にするように構成される。ポペットシート1253は、ノズル1200の前端部に隣接する本体1240によって定められる。例えば、ポペットシート1253は、本体1240の本体セグメント1241の端部によって定められる。さらに、ポペット1250にはシール1251(例えば、Oリング)が結合されて、ポペット1250が閉位置にある時にポペット1250とポペットシート1253との間の密封接続の形成を促す。図示の例では、シール1251が、ポペット1250の裏面によって定められる溝内に固定して配置される。本体セグメント1241、内壁1247、1249、及び内側スリーブ1230は、本体1240の前端部に隣接する空隙1248(例えば、トロイダル空隙)を定めるように配置される。空隙1248(「隙間」とも呼ばれる)は、ノズル1200がロックアセンブリ1210を介してレセプタクル1100に結合した時に、レセプタクル1100の本体1110の遠位端1111を密封して受け入れるように構成される。
【0163】
図62及び
図64を参照すると、本体1240の後端部にはアクチュエータ1280が結合される。ノズル1200は、本体1240及びアクチュエータ1280を接続する結合アセンブリを含む。結合アセンブリは、(低温流体が流れる)ノズル1200のチャンバ1205をアクチュエータ1280及びノズル1200の外部から熱的に分離する断熱材を含む。
【0164】
図示の例の結合アセンブリは、低温流体が流れる本体1240からアクチュエータ1280を熱的に分離するように低熱伝導率材料で構成された熱緩衝体1261、1262、1263を含む。例えば、低熱伝導率材料は、G-10などの高圧ガラス繊維積層体及び/又はその他の(単複の)断熱材であることができる。熱緩衝体1261、1262、1263は、アクチュエータ1280の前端部の外壁1285によって形成されるチャンバ内に少なくとも部分的に収容される。例えば、アクチュエータ1280の前端部は、ノズル1200の重量を軽減するように中空である。熱緩衝体1261(「第1の熱緩衝体」とも呼ばれる)は、外壁1285の内面の一部、及びアクチュエータ1280の長手方向軸に対して垂直に延びるアクチュエータ1280の別の内面に係合する。熱緩衝体1262は、外壁1285の内面の別の一部及び熱緩衝体1261の一部に係合する。熱緩衝体1263は、熱緩衝体1261によって定められる開口部内に配置される。熱緩衝体1263は、シャフト1255の第2の端部1257がアクチュエータ1280のステム1290に動作可能に結合されるチャンバ1271(「結合チャンバ」とも呼ばれる)を定める中空シリンダである。図示の例では、ステム1290が、アクチュエータ1280のコンポーネントを低温流体の極低温からさらに熱的に分離するように高圧ガラス繊維積層体(例えば、G-10)及び/又はその他の断熱材などの低熱伝導率材料で構成される。熱緩衝体1262は、アクチュエータ1280のチャンバ1286に流体的に接続してアクチュエータ1280のさらに素早い及び/又は別様に改善されたポンプダウンを容易にする、熱緩衝体1263のチャンバ1271に流体的に接続する真空経路1268を定める。
【0165】
図示の例では、熱緩衝体1262の前端部の一部が、本体1240の本体セグメント1242によって定められる開口部内に延びる。本体1240の開口部内では、熱緩衝体1061の前端部がシャフトガイド1260の後端部に係合する。シャフトガイド1260は、熱緩衝体1262の前端部とシャフト1255のフランジ1258との間に延びる。図示の例のシャフトガイド1260は、1又は2以上のファスナ1269を介して本体1240の本体セグメント1242に結合される。他の例では、シャフトガイド1260を本体1240に溶接することができる。
【0166】
図62及び
図64に示すように、シャフト1255は、本体1240及びシャフトガイド1260を貫通するとともに熱緩衝体1261、1263を少なくとも部分的に貫通して、熱緩衝体1263のチャンバ1271内でアクチュエータ1280のステム1290に動作可能に接続する。結合アセンブリは、シャフト1255の第2の端部1257をチャンバ1271内のアクチュエータ1280のステム1290に結合するコネクタ1272及び圧着ファスナ1273を含む。図示の例では、コネクタ1272が、シャフト1255及びステム1290に係合してこれらの軸方向中間に配置される。コネクタ1272は、(i)圧着ファスナ1273、並びに(ii)シャフト1255及びステム1290にも係合してこれらの半径方向中間に配置される。コネクタ1272は、シャフト1255の第2の端部1257を螺合可能に受け入れる雌ねじ部と、圧着ファスナ1273の未圧着端部によって螺合可能に受け入れられる雄ねじ部とを含む。ステム1290の広がった端部はコネクタ1272に係合する。ステム1290の広がった端部の周囲には、圧着ファスナ1273の圧着端部が圧着されて、シャフト1255の第2の端部1257をステム1290の広がった端部に確実に固定する。
【0167】
結合アセンブリは、アクチュエータ1280及び本体1240の外部からチャンバ1205をさらに密封する1又は2以上のシールを含む。例えば、シールは、チャンバ1205と本体1240の外部との間に結露経路が形成されるのを防ぐ。図示の例では、結合アセンブリが1又は2以上のベローズシールを含む。例えば、シャフト1255のフランジ1058及びシャフトガイド1260にはベローズ1264(「第1のベローズシール」とも呼ばれる)が結合されてこれらの間に延び、シャフト1255とシャフトガイド1260との間にシールを形成する。本体1240の本体セグメント1242及び外側シェル1245にはベローズ1266(「ベローズシール」、「第2のベローズ」又は「第2のベローズシール」とも呼ばれる)が結合されてこれらの間にシールを形成する。
【0168】
図64に、ノズル1200のアクチュエータ1280をさらに示す。図示の例では、アクチュエータ1280の本体1281が、本体セグメント1282(「第1の本体セグメント」又は「前方本体セグメント」とも呼ばれる)、本体セグメント1283(「第2の本体セグメント」、「後方本体セグメント」、又は「エンドキャップ」とも呼ばれる)、及び本体セグメント1284(「第3の本体セグメント」又は「中間本体セグメント」とも呼ばれる)から形成される。本体セグメント1282は、熱緩衝体1261、1262、1263が少なくとも部分的に収容されるアクチュエータ1280の外壁1285を含む。本体セグメント1282、1284は互いにねじ結合され、本体セグメント1283、1284は互いにねじ結合される。図示の例では、アクチュエータ1280の本体1281が、共に組み立てられる3つの本体セグメントを含む。他の例では、本体1281をさらに多くの又は少ない本体セグメントによって形成することができる。
【0169】
アクチュエータの本体1281は、アクチュエータ1280のステム1290が貫通するチャンバ1286を定める。図示の例では、アクチュエータ1280が、チャンバ1286内に収容されたピストン1291、ばね1292、及びスリーブ1297も含む。ステム1290の端部は、ファスナ1293(例えば、ボルト)を介してピストン1291に結合される。スリーブ1297は、スリーブ1297の前端部が結合アセンブリの熱緩衝体1261に係合するように、アクチュエータ1280の前端部に向かって配置される。内側スリーブ1230は、アクチュエータ1280に断熱をもたらすように高圧ガラス繊維積層体(例えば、G-10)及び/又はその他の断熱材などの低熱伝導率材料で構成される。ばね1292はスリーブ1297を貫通する。ばね1292(「アクチュエータばね」とも呼ばれる)は、(1)アクチュエータ1280のピストン1291と、(2)結合アセンブリの熱緩衝体1261及び/又は熱緩衝体1263との間に延びてこれらに係合する。
【0170】
図示の例では、ピストン1291が、チャンバ1286を圧力チャンバ1287及びばねチャンバ1288に分割して分離する。圧力チャンバ1287は、ソレノイドによって供給される真空又は不活性ガス(例えば、窒素)を含むように構成される。圧力チャンバ1287は、本体1281の本体セグメント1283によって定められる入口ポート1289(例えば、「通路」とも呼ばれる)を通じて不活性ガスを受け取る。ばね1292はピストン1291に係合して、ピストン1291をノズル1200の本体1240から離れる方向に付勢するように構成される。
【0171】
アクチュエータ1280の本体1281は、チャンバ1286に流体的に接続する複数のポートを定める。例えば、本体セグメント1283は、圧力チャンバ1287のための入口ポート1289を定める。本体セグメント1282は、ばねチャンバ1288に流体的に接続する真空ポート1298を定め、ノズル1200の本体1240の部分を極低温からさらに断熱するように構成される。いくつかの例では、圧力チャンバ1287内の不活性ガスの圧力の調整(例えば、増加又は減少)を容易にするために、本体1281の一部に沿って排気ポート及び/又はバルブを配置することができる。
【0172】
図示の例のアクチュエータ1280は、圧力チャンバ1287及びばねチャンバ1288を互いに及び/又はアクチュエータ1280の外部から密封する1又は2以上のシールを含む。例えば、シール1294は、本体セグメント1282、1284を互いに結合するねじ山に隣接して本体セグメント1282、1284に係合し、これらの間に配置される。シール1294(例えば、Oリング)は、ばねチャンバ1288をねじ山から流体的に分離する。図示の例では、シール1294が、本体セグメント1282によって定められる溝内に収容される。シール1295、1296は、ピストン1291の両端に配置され、それぞれがピストン1291と本体セグメント1284との間に配置されてこれらに係合する。シール1295、1296の各々(例えば、Oリング)は、ピストン1291によって定められるそれぞれの溝内に配置される。シール1295は、ばねチャンバ1088に隣接して、ピストン1291と本体1281との間に密封接続を形成するように配置される。シール1296は、圧力チャンバ1087に隣接して、ピストン1291と本体1281との間に密封接続を形成するように配置される。ピストン1291は、例えばアルミニウム及び/又はその他の軽量金属材料で構成される。
【0173】
図示の例のアクチュエータ1280及び結合アセンブリは、ノズル1200の重量を最小化するように軽量材料で形成された部品を含む。さらに、アクチュエータ1280は、組み立ての容易性を高めるために限られた数の外部シールしか含んでいない。さらに、図示の例の全てのシール面は、改善されたシール面を生成する金属部品間に形成される。
【0174】
図65に、ロックアセンブリ1210を介して確実に結合した、それぞれの閉じた状態にあるノズル1200及びレセプタクル1100を示す。閉じた状態では、ノズル1200のポペット1250がレセプタクル1100のポペット1150に係合して、ノズル1200及びレセプタクル1100を通じて低温流体が流れるのを防ぐ。空隙1248は、レセプタクル1100の本体1110の遠位端1111を確実に密封して受け入れて潜在的伝導経路を最小化し、結果としてチャンバ1205とノズル1200の外部との間の熱漏出を抑えるように構成される。例えば、レセプタクル1100の本体1110及びノズル1000の本体1240の形状は、チャンバ1205とノズル1200の外部との間の潜在的熱漏出を防ぐように互いに相補的である。潜在的漏出をさらに制限するために、シール1185が内側スリーブ1230に係合し、シートシール1153が本体1240に係合する。
【0175】
レセプタクル1100及びノズル1200は、(1)ポペット1250が開いてレセプタクル1100内に延びる前に大気及び/又はデブリが捕捉されるのを防ぎ、(2)結合及び/又は分離プロセス中にノズル1200及び/又はレセプタクル1100から低温流体が大気中に漏出するのを防ぐように構成される。例えば、ノズル1200の空隙1248及びレセプタクル1100の本体1110の遠位端1111は、結合及び/又は分離プロセス中に捕捉されてその後に放出される可能性がある低温流体の量を減少させるように互いに相補的に成形される。ポペット1250は、いずれかの物質が捕捉されてその後に放出されるのをさらに防ぐように、ノズル1200がレセプタクル1100に結合した時にポペット1150とぴったり重なるように構成される。レセプタクル1100のシートシール1153及びシール1185も、結合及び分離プロセス中の低温流体の排出を抑えるように配置される。また、ロックアセンブリ1210は、ノズル1200をレセプタクル1100に確実に結合させておくことによって、意図しない分離から別様に生じ得る排出を抑えるように構成される。
【0176】
図66に、それぞれの閉じた状態で互いに確実にロックされたノズル1200及びレセプタクル1100をさらに示す。ノズル1200及びレセプタクル1100が互いに結合されると、ノズル1200及びレセプタクル1100の外部を低温流体から断熱する重なり合った断熱層が形成される。例えば、外側シェル1140とレセプタクル1100の内壁1113、1114、1115との間には断熱層1145が形成される。外側シェル1245と、内壁1247、1249と、ノズル1200の本体セグメント1241、1242、1243との間には断熱層1246が形成される。ノズル1200及びレセプタクル1100は、断熱層1145、1246の一部を覆って延びる別の断熱層1201を形成する。断熱層1201は、ノズル1200がレセプタクル1100に確実に密封結合した時に形成される真空である。断熱層1201は、レセプタクル1100のチャンバ部分1136の密閉部分、ノズル1200の空隙1248の密閉部分、及びロックアセンブリ1210の密閉された空隙1213内に形成される。図示の例では、ロックアセンブリ1210がレセプタクル1100に確実にロックされた時に、外側シェル1140、スリーブ1180、スリーブリング1219、内側スリーブ1230及び外側シェル1245によって密閉された空隙1213が形成される。断熱層1201の別の一部は、ヘッド1120及びレセプタクル1100の内壁1113、1114、1115によって形成される。断熱層1201の部分の別の一部は、ノズル1200の内壁1247、129及び本体セグメント1241によって形成される。
【0177】
いくつかの例では、断熱層1201の空間内に真空が引き込まれるまでノズル1200が係合するのを防ぐことにより、断熱層1201が安全チェックとしてさらに動作することができる。真空は、ノズル1200がレセプタクル1100から分離してノズル1200とレセプタクル1100との間に捕捉された流体(例えば、水素)を解放されるにつれて、再び断熱層1201の空間内に引き込まれ始めることができる。例えば、断熱層1201は、レセプタクル1100のチャンバ部分1136、ノズル1200の空隙1248、及び密閉された空隙1213に対して開かれた空間内に配置される。真空は、ノズル1200及びレセプタクル1100が確実に密封して接続されている場合にのみこれらのエリアに引き込むことができ、この結果、ノズル1200とレセプタクル1100との間の結合のための安全チェックが形成される。ノズル1200及びレセプタクル1100が正しく結合されていない場合には、これらの空間内に真空を引き込むことができず、結果として給油プロセスは開始されない。
【0178】
補給シーケンスを(例えば、遠隔的に)開始するには、オペレータ40が補給ステーション20のボタン28を押す。ボタン28が押されると、アクチュエータ1280の圧力チャンバ1287に不活性ガス(例えば、窒素)が供給される。圧力チャンバ1287に十分な空気が供給されると、圧力チャンバ1287内の圧力がアクチュエータ1280のばね1292及びポペット150のポペットばね1158の付勢力に打ち勝ち、アクチュエータ1280のピストン1291をノズル1200の本体1240に向けて直線的に作動させる。この結果、ピストン1291に結合されたステム1290が同じ方向に直線的に作動することにより、ステム1290に動作可能に接続されたシャフト1255が同じ方向に作動する。シャフト1255が作動すると、ノズル1200のポペット1250がポペットシート1253から離脱して開位置に移動し、このためポペット1150がポペットシート1151から離脱して開位置に移動する。このような作動により、ノズル1200は、ノズル1200のチャンバ1205を通じて流れる低温流体をレセプタクル1100のチャンバ部分1132に供給することができる。チェック1160は、圧力差によって閉じたままである。
【0179】
ノズル1200のチャンバ1205とレセプタクル1100のチャンバ部分1132との間で圧力が均等になると、アクチュエータ1280がチェック1160のチェックばね1165によって付与される付勢力に打ち勝って、チェック1160をチェックシート1162のシートシール1166から離脱させて開位置に押すことができる。チェック1160が開位置にある時には、低温流体が貯蔵タンク22からノズル1200のチャンバ1205を通じ、レセプタクル1100のチャンバ1130のチャンバ部分1132及びチャンバ部分1134の両方を通じて補給タンク32内に流れることができる。
【0180】
図67は、本明細書の教示による、ノズル(例えば、ノズル200、ノズル300、ノズル400、ノズル500、ノズル600、ノズル700、ノズル800、ノズル1000、ノズル1200)及びレセプタクル(例えば、レセプタクル100、レセプタクル900、レセプタクル1100)を使用して貯蔵タンク(例えば、貯蔵タンク22)から補給タンク(例えば、補給タンク32)に安全かつ確実に低温流体を移送するシステム(例えば、システム10)の動作方法1300のフローチャートである。
【0181】
ブロック1310において、補給ステーション20のコントローラ26が、ノズル(例えば、ノズル200、ノズル300、ノズル400、ノズル500、ノズル600、ノズル700、ノズル800、ノズル1000、ノズル1200)の検知装置(例えば、検知装置180、検知装置908)がレセプタクル(例えば、レセプタクル100、レセプタクル900、レセプタクル1100)の検知装置(例えば、検知装置1008)の存在を検出したかどうかを判定する。ノズルの検知装置は、オペレータ40がノズルをレセプタクルに回転可能に締結した後に、ノズルがレセプタクルに結合されて固定位置にある時にレセプタクルの検知装置の存在を検出する。ノズルが固定位置にない場合、検知装置は検知装置の存在を検出しない。
【0182】
方法1300は、ノズルの検知装置が検知装置レセプタクルの存在を検出していないとコントローラ26が判定したことに応答してブロック1340に進み、コントローラ26が、ノズルのアクチュエータ(例えば、アクチュエータ230、アクチュエータ1080、アクチュエータ1280)のソレノイドを作動停止させる信号を送信する。コントローラ26は、ソレノイドを作動停止させてアクチュエータにノズルのポペット(例えば、ポペット240、ポペット1050、ポペット1250)を閉じさせ、結果としてノズルが低温流体を吐出するのを防ぐ。一方で、方法1300は、ノズルの検知装置がレセプタクルの検知装置の存在を検出したとコントローラ26が判定したことに応答してブロック1320に進む。例えば、ノズルの検知装置がレセプタクルの検知装置の存在を検出すると、ノズルの検知装置はボタン回路に電流を送り、その後にボタン28を介した補給シーケンスの作動を可能にする。
【0183】
ブロック1320において、コントローラ26は、補給タンク32が満杯であるかどうかを判定する。例えば、コントローラ26は、補給タンク32が満杯であるかどうかを示す信号をタンクレベルセンサから受信する。他の例では、以下でブロック1350に関してさらに詳細に開示するように、コントローラ26が、アクチュエータのソレノイドが作動して低温流体の流れを可能にした後にしか補給タンク32が満杯であるかどうかを判定しない。すなわち、他の例では、ブロック1320がブロック1350の後に実行される。
【0184】
再び
図66を参照すると、方法1300は、補給タンク32が満杯であるとコントローラ26が判定したことに応答してブロック1340に進み、コントローラ26がアクチュエータのソレノイドを作動停止させてノズルを閉じる。一方で、方法1300は、補給タンク32が満杯でないとコントローラ26が判定したことに応答してブロック1330に進む。
【0185】
ブロック1330において、コントローラ26は、貯蔵タンク22と補給タンク32との間の低温流体移送を開始するオペレータ40の補給コマンドが受け取られたかどうかを判定する。例えば、オペレータ40は、補給ステーション20のボタン28に関与して補給コマンドを送信する。いくつかの例では、ボタン28が、(1)オペレータ40が関与している時に補給コマンドを送信し、(2)オペレータ40が関与していない時には補給コマンドを送信しない、瞬間的押しボタン(momentary pushbutton)である。他の例では、ボタン28が、オペレータ40が最初にボタン28を押した後に補給コマンドを送信し続け、その後にオペレータ40が2度目にボタン28を押した後に補給コマンドの送信を停止する、ラッチ式押しボタン(latching pushbutton)である。さらに、他の例では、補給ステーション20が、補給コマンドを送信することに特化した開始ボタン(例えば、ボタン28)、及び補給コマンドを停止することに特化した停止ボタンという2つのボタンを含む。
【0186】
方法1300は、補給コマンドが受け取られていないとコントローラ26が判定したことに応答してブロック1340に進み、コントローラ26がアクチュエータのソレノイドを作動停止させてノズルを閉じる。一方で、方法1300は、補給コマンドが受け取られたとコントローラ26が判定したことに応答してブロック1350に進み、コントローラ26がアクチュエータのソレノイドを作動させる信号を送信する。コントローラ26は、ソレノイドを作動させてアクチュエータにノズルのポペットを開かせ、結果として貯蔵タンク22からノズル及びレセプタクルを通じて補給タンク32に低温流体が移送されることを可能にする。
【0187】
本明細書では、レセプタクルを含む、低温流体を移送するためのシステム例を開示する。レセプタクルは、レセプタクル外側シェルを含むとともに、低温流体が流れるレセプタクルチャンバを定める、レセプタクル本体を含む。レセプタクルは、レセプタクル外側シェルの一部を覆って延びてレセプタクル外側シェルに結合されたスリーブを含む。スリーブは、前端部と、後端部と、前端部と後端部との間に延びる外面とを含む。スリーブは、前端部から延びてスリーブの外面に沿って屈曲又はカールする1又は2以上の結合スロットを定める。スリーブは、スリーブの外面に沿って直線的に延びる1又は2以上のガイドスロットを定める。システムは、レセプタクルに確実に結合して低温流体を移送するように構成されたノズルを含む。ノズルは、低温流体が流れるノズルチャンバを定めるノズル本体を含む。ノズル本体は、外面及び前端部を含むノズル外側シェルを含む。ノズルは、ノズルをレセプタクルに確実に結合するように構成されたロックアセンブリを含む。ロックアセンブリは、遠位端と、遠位端から長手方向に延びる1又は2以上のガイド延長部とを含む内側スリーブを含む。内側スリーブは、ノズル外側シェルの外面に固定して結合される。遠位端は、ノズル外側シェルの前端部を越えて長手方向に延びる。ロックアセンブリは、内側スリーブを覆って延びて内側スリーブに回転可能に結合された外側スリーブを含む。ロックアセンブリは、外側スリーブの内面に沿って内側スリーブの遠位端に隣接して固定して配置された1又は2以上のロック歯を含む。1又は2以上のロック歯は、レセプタクルの1又は2以上の結合スロットによって摺動可能に受け入れられるように構成される。1又は2以上のガイド延長部は、レセプタクルの1又は2以上のガイドスロットによって摺動可能に受け入れられて、1又は2以上のロック歯を1又は2以上の結合スロットと回転整列させるように構成される。外側スリーブは、内側スリーブに対して回転して1又は2以上のロック歯を1又は2以上の結合スロット内で回転可能に摺動させてノズルをレセプタクルに確実に結合するように構成される。
【0188】
いくつかの例では、ノズルが、外側スリーブが内側スリーブに対して回転した時にロック解除状態とロック状態との間で移行してノズルをレセプタクルにさらに固定するように構成された冗長ロック機構をさらに含む。
【0189】
本明細書では、ノズルに結合してノズルから低温流体を受け取るレセプタクル例を開示する。レセプタクルは本体を含む。本体は外側シェルを含み、低温流体が流れるチャンバを定める。レセプタクルは、外側シェルの一部を覆って延びて外側シェルに結合されたスリーブを含む。スリーブは、前端部と、後端部と、前端部と後端部との間に延びる外面とを含む。スリーブは、前端部から延びて外面に沿って屈曲又はカールする1又は2以上の結合スロットを定める。1又は2以上の結合スロットは、レセプタクル及びノズルを互いに結合するためにノズルのそれぞれの1又は2以上のロック歯を摺動可能に受け入れるように構成される。スリーブは、外面に沿って直線的に延びる1又は2以上のガイドスロットを定める。1又は2以上のガイドスロットは、ノズルのそれぞれの1又は2以上のガイド延長部を摺動可能に受け入れて、1又は2以上の結合スロットをノズルのそれぞれの1又は2以上のロック歯と回転整列させるように構成される。
【0190】
いくつかの例では、本体が近位端及び遠位端を含み、スリーブが本体の遠位端間に配置されて本体の遠位端からオフセットされる。
【0191】
いくつかの例では、1又は2以上のガイドスロットの各々が、スリーブの外面に沿って1又は2以上の結合スロットの各々から円周方向に離間する。いくつかのこのような例では、1又は2以上の結合スロットが、スリーブの外面に沿って円周方向に互いに等距離で離間する。いくつかのこのような例では、1又は2以上の結合スロットが、スリーブの外面に沿って円周方向に互いに等距離で離間する。
【0192】
いくつかの例は、チャンバと外側シェルとの半径方向中間に配置された断熱層をさらに含む。
【0193】
いくつかの例では、スリーブが、スリーブの前端部に向かって配置された前向きの面を含む。1又は2以上のガイドスロット及び1又は2以上の結合スロットの各々は、前向きの面に沿って配置されたそれぞれの開口部を含む。いくつかのこのような例では、1又は2以上のガイドスロットの各々が、凹面及び1又は2以上の側面によって定められる。凹面は、スリーブの外面に対して凹んでいる。1又は2以上の側面は、凹面と外面との間に延びる。さらに、いくつかのこのような例では、1又は2以上のガイドスロット毎に、それぞれの開口部を通じてノズルの1又は2以上のガイド延長部のそれぞれを受け入れることを容易にするように、1又は2以上の側面及び前向きの面がそれぞれの開口部に傾斜した角部を定める。さらに、いくつかのこのような例では、1又は2以上のガイドスロット毎に、1又は2以上のガイド延長部のそれぞれとの半径方向の整列を容易にするように、それぞれの開口部のベースの凹面に隣接して傾斜した縁部が配置される。いくつかのこのような例では、1又は2以上の結合スロットの各々が、凹面及び1又は2以上の側面によって定められる。凹面は、スリーブの外面に対して凹んでいる。1又は2以上の側面は、凹面と外面との間に延びる。さらに、いくつかのこのような例では、1又は2以上の結合スロット毎に、それぞれの開口部を通じてノズルの1又は2以上のロック歯のそれぞれを受け入れることを容易にするように、1又は2以上の側面及び前向きの面がそれぞれの開口部に傾斜した角部を定める。
【0194】
いくつかの例では、結合スロットが、1又は2以上のロック歯が1又は2以上の結合スロット内で約45度回転してロック位置に到達することを可能にするように構成される。いくつかのこのような例は、本体の遠位端に向かってチャンバ内に配置されたシートシールをさらに含む。シートシールは、ロック位置においてノズルに密封係合して、レセプタクルのチャンバとノズルチャンバとの間に密封接続を形成するように構成される。いくつかのこのような例では、スリーブが前端部に前縁を含む。前縁に隣接して真空シールが配置され、1又は2以上のロック歯が約15度回転した時にノズルの1又は2以上のガイド延長部の各々のベースに密封係合して、スリーブとノズルとの間に密封接続を形成するように構成される。
【0195】
本明細書では、レセプタクルに結合してレセプタクルに低温流体を供給するノズル例を開示する。ノズルは、低温流体が流れるチャンバを定める本体を含む。本体は、外面及び前端部を含む外側シェルを含む。ノズルは、ノズルをレセプタクルに確実に結合するように構成されたロックアセンブリを含む。ロックアセンブリは、遠位端と、遠位端から長手方向に延びる1又は2以上のガイド延長部とを含む内側スリーブを含む。内側スリーブは、外側シェルの外面に固定して結合される。遠位端は、外側シェルの前端部を越えて長手方向に延びる。ロックアセンブリは、内側スリーブを覆って延びて内側スリーブに回転可能に結合された外側スリーブを含む。ロックアセンブリは、外側スリーブの内面に沿って内側スリーブの遠位端に隣接して固定して配置された1又は2以上のロック歯を含む。1又は2以上のロック歯は、レセプタクルのそれぞれの1又は2以上の結合スロットによって摺動可能に受け入れられるように構成される。1又は2以上のガイド延長部は、レセプタクルのそれぞれの1又は2以上のガイドスロットによって摺動可能に受け入れられて、1又は2以上のロック歯をそれぞれの1又は2以上の結合スロットと回転整列させるように構成される。外側スリーブは、内側スリーブに対して回転して1又は2以上のロック歯をそれぞれの1又は2以上の結合スロット内で回転可能に摺動させてノズルをレセプタクルに確実に結合させるように構成される。
【0196】
いくつかの例は、チャンバと外側シェルとの半径方向中間に配置された断熱層を含む。
【0197】
いくつかの例では、1又は2以上のロック歯とそれぞれの1又は2以上の結合歯との間の回転整列を容易にするために、1又は2以上のガイド延長部が1又は2以上のロック歯を越えて長手方向に延びて、1又は2以上のロック歯がレセプタクルのそれぞれの1又は2以上の結合スロットに受け入れられる前に1又は2以上のガイド延長部がレセプタクルのそれぞれの1又は2以上のガイドスロットに受け入れられることを可能にする。
【0198】
いくつかの例では、1又は2以上のロック歯の各々が、1又は2以上のロック歯をレセプタクルのそれぞれの1又は2以上の結合スロット内に案内するのを容易にする丸みを帯びた表面を有するローラベアリングである。
【0199】
いくつかの例では、1又は2以上のガイド延長部の各々が、ガイド延長部をレセプタクルのそれぞれの1又は2以上のガイドスロット内に案内するのを容易にする丸みを帯びた角部を含む。このような例では、1又は2以上のガイド延長部の各々が、1又は2以上のガイド延長部とレセプタクルのそれぞれの1又は2以上のガイドスロットとの間の半径方向位置合わせを容易にする丸みを帯びた内面を含む。
【0200】
いくつかの例では、ロックアセンブリが、外側シェルに固定して結合されたスリーブリングをさらに含む。スリーブリングには、内側スリーブの近位端が固定して結合されて、内側スリーブを外側シェルに固定して結合する。いくつかの例では、スリーブリング及び内側スリーブの近位端が溝を定める。外側スリーブは、内側スリーブに対する外側スリーブの軸方向移動を防ぐように溝によって受け入れられる内側リップを含む。
【0201】
いくつかの例では、1又は2以上のガイド延長部の各々が、1又は2以上のロック歯の回転運動に干渉するのを防ぐ距離だけ1又は2以上のロック歯から円周方向に離間する。いくつかのこのような例では、1又は2以上のガイド延長部が、内側スリーブに沿って円周方向に互いに等距離で離間する。いくつかのこのような例では、1又は2以上のロック歯が、外側スリーブの内面に沿って円周方向に互いに等距離で離間する。
【0202】
いくつかの例では、ロックアセンブリが、外側スリーブに固定して結合されて内側スリーブに対する外側スリーブの回転を容易にするハンドルをさらに含む。いくつかのこのような例では、ロックアセンブリが、外側スリーブにハンドルを結合するための1又は2以上のポストをさらに含む。
【0203】
いくつかの例では、ロックアセンブリが、ノズルをレセプタクルにさらに確実に結合するように構成された冗長ロック機構をさらに含む。冗長ロック機構は、外側スリーブが内側スリーブに対して回転した時にロック解除状態とロック状態との間で移行するように構成される。
【0204】
いくつかのこのような例では、冗長ロック機構が、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に配置された桟部とを含むステムを含む。冗長ロック機構は、桟部に係合してステムの第1の端部が部分的に貫通するばねを含む。冗長ロック機構は、ステムの第2の端部に結合されたホイールを含む。
【0205】
本明細書では、レセプタクルに結合してレセプタクルに低温流体を供給するノズル例を開示する。ノズルは、低温流体が流れるチャンバを定める本体を含む。本体は、外側シェル表面及び前端部を含む外側シェルを含む。ノズルは、ノズルをレセプタクルに確実に結合するように構成されたロックアセンブリを含む。ロックアセンブリは、外側シェルの外側シェル表面に固定して結合された内側スリーブと、内側スリーブを覆って延びて内側スリーブに回転可能に結合された外側スリーブと、1又は2以上のロック歯とを含む。1又は2以上のロック歯は、外側スリーブに固定して結合され、レセプタクルのそれぞれの1又は2以上の結合スロットによって摺動可能に受け入れられてノズルをレセプタクルに確実に結合するように構成される。1又は2以上のロック歯は、外側スリーブが内側スリーブに対して回転した時に、それぞれの1又は2以上の結合スロット内で回転可能に摺動してノズルをレセプタクルに結合するように構成される。ロックアセンブリは、外側スリーブが内側スリーブに対して回転した時にロック解除状態とロック状態との間で移行してノズルをレセプタクルにさらに固定するように構成された冗長ロック機構を含む。
【0206】
いくつかの例では、冗長ロック機構が、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に配置された桟部とを含むステムを含む。冗長ロック機構は、桟部に係合してステムの第1の端部が部分的に貫通するばねを含む。冗長ロック機構は、ステムの第2の端部に結合されたホイールを含む。いくつかのこのような例では、ロックアセンブリが、外側スリーブに固定して結合されて内側スリーブに対する外側スリーブの回転を容易にするハンドルをさらに含む。さらに、いくつかのこのような例では、ロックアセンブリが、ハンドルと外側スリーブとの間に延びてハンドルを外側スリーブに確実に結合する1又は2以上の支持ポストをさらに含む。さらに、いくつかのこのような例では、ロックアセンブリが、ハンドルに結合されて内側スリーブに向かって延びる中空ポストをさらに含む。冗長ロック機構は、中空ポスト内に収容される。また、いくつかのこのような例では、冗長ロック機構がキャップをさらに含む。キャップは、ハンドルに隣接する中空ポストの第1の開口部に結合するように構成される。キャップは、冗長ロック機構を中空ポスト内に包み込んで確実に保持するように第1の開口部に結合される。また、いくつかの例では、ばねがキャップとステムの桟部との間に延びてこれらに係合する。また、いくつかのこのような例では、ホイールが中空ポストの第2の開口部から少なくとも部分的に延びて内側スリーブに係合するように構成される。さらに、いくつかのこのような例では、外側スリーブが、中空ポストの第2の開口部に隣接する開口部を定める。ホイールは、中空ポストの第2の開口部から外側スリーブの開口部を貫通して内側スリーブに係合する。また、いくつかのこのような例では、内側スリーブが、冗長ロック機構のロック解除状態に関連する第1の溝と、冗長ロック機構のロック状態に関連する第2の溝と、第1の溝と第2の溝との間に位置する内側スリーブの外面の中間部分と、第1の溝と外面の中間部分との間に延びる第1の斜面と、第2の溝と外面の中間部分との間に延びる第2の斜面とを定める。また、いくつかのこのような例では、ロック解除状態とロック状態との間で移行するために、外側スリーブが内側スリーブに対して回転した時に、ホイールが第1の溝と第2の溝との間を第1の斜面、外面の中間部分及び第2の斜面に沿って転がるように構成される。また、いくつかのこのような例では、外側スリーブが内側スリーブに対して回転していない時に、ばねがホイールを内側スリーブに向けて付勢して、ホイールを第1の溝又は第2の溝内に保持するように構成される。
【0207】
いくつかの例では、冗長ロック機構が、1又は2以上のロック歯がレセプタクルのそれぞれの1又は2以上の結合スロット内に進入した時にロック解除状態になるように構成される。いくつかのこのような例では、冗長ロック機構が、1又は2以上のロック歯がレセプタクルのそれぞれの1又は2以上の結合スロットの囲われた端部のロック位置に摺動可能に回転した時にロック状態になるように構成される。
【0208】
いくつかの例では、内側スリーブが、1又は2以上のロック歯をそれぞれの1又は2以上の結合スロットと回転整列させるためにレセプタクルのそれぞれの1又は2以上のガイドスロットによって摺動可能に受け入れられるように構成された1又は2以上のガイド延長部を含む。
【0209】
本明細書では、低温流体を移送するシステム例を開示する。システムはノズルを含む。ノズルは、前端部と、後端部と、ノズル外側シェルと、1又は2以上の本体セグメントとを含むノズル本体を含む。1又は2以上の本体セグメントは、低温流体が流れるノズルチャンバを定める。ノズルは、ノズルチャンバとノズル外側シェルとの半径方向中間に配置されたノズル断熱層を含む。ノズルは、第1の端部及び第2の端部を有するノズルシャフトを含む。ノズルシャフトは、ノズルチャンバ内に収容されてノズルチャンバを摺動可能に貫通する。ノズルは、ノズル本体の前端部に隣接して配置されたノズルポペットシートと、ノズルシャフトの第1の端部に結合されたノズルポペットとを含む。ノズルポペットは、閉位置ではノズルポペットシートに係合し、開位置ではノズルポペットシートから離脱するように構成される。ノズルは、ノズルシャフトに動作可能に結合されたステムを含むアクチュエータを含む。ステムは、ノズルシャフトに結合されたノズルポペットを閉位置と開位置との間で作動させるように直線的に作動するよう構成される。ノズルは、アクチュエータをノズル本体の後端部に結合するように構成された結合アセンブリを含む。結合アセンブリは、低温流体が流れるノズルチャンバからアクチュエータを熱的に分離する断熱材を含む。システムはレセプタクルを含む。レセプタクルは、近位端と、遠位端と、レセプタクル外側シェルと、低温流体が流れるレセプタクルチャンバを定める1又は2以上のレセプタクル内壁とを含むレセプタクル本体を含む。レセプタクルチャンバは、第1のチャンバ部分及び第2のチャンバ部分を含む。レセプタクルは、レセプタクルチャンバとレセプタクル外側シェルとの半径方向中間に配置されたレセプタクル断熱層を含む。レセプタクルは、レセプタクルチャンバ内に収容されてレセプタクルチャンバを摺動可能に貫通するレセプタクルシャフトを含む。レセプタクルは、近位端に隣接してレセプタクルチャンバ内に配置されたレセプタクルポペットシートと、レセプタクルシャフトに結合されたレセプタクルポペットとを含む。レセプタクルポペットは、レセプタクルがノズルに結合した時にノズルポペットに係合するように構成される。レセプタクルポペットは、閉位置においてレセプタクルポペットシートに係合するように構成される。レセプタクルポペットは、ノズルポペットによって押された時にレセプタクルポペットシートから離脱するように構成される。
【0210】
いくつかの例では、レセプタクルが、遠位端に向かってレセプタクルチャンバ内に配置されたチェックシートと、レセプタクルシャフトに摺動可能に結合されて、閉位置においてチェックシートに係合するように構成されたチェックとをさらに含む。いくつかのこのような例では、チェックシートが第1のチャンバ部分及び第2のチャンバ部分を分離する。第1のチャンバ部分は、チェックシートとレセプタクル本体の近位端との間に延びる。第2のチャンバ部分は、レセプタクルポペットシートとチェックシートとの間に延びる。さらに、いくつかのこのような例では、チェックが、第1のチャンバ部分内の圧力がノズルチャンバの圧力と均等になった時にチェックシートから離脱して、レセプタクルチャンバ内を低温流体が流れることを可能にするように構成される。
【0211】
いくつかの例では、レセプタクル外側シェルと1又は2以上のレセプタクル内壁との間にレセプタクル断熱層が形成される。いくつかの例では、ノズルが1又は2以上のノズル内壁をさらに含む。ノズル断熱層は、ノズル外側シェルと、1又は2以上のノズル内壁と、1又は2以上の本体セグメントとの間に形成される。さらに、いくつかのこのような例では、ノズル及びレセプタクルが、ノズル断熱層及びレセプタクル断熱層の一部を覆って延びる第3の断熱層を形成するように構成される。さらに、いくつかのこのような例では、第3の断熱層が、ノズルがレセプタクルに結合した時に形成される真空である。また、いくつかのこのような例では、第3の断熱層が、ノズルがレセプタクルに結合した時に形成されるノズルのロックアセンブリの密閉された空隙内に部分的に形成される。また、いくつかのこのような例では、密閉された空隙が、レセプタクル外側シェル、レセプタクルのスリーブ、及びノズルのロックアセンブリによって形成される。また、いくつかのこのような例では、第3の断熱層が、レセプタクルの第3のチャンバ部分の第1の密閉部分内に部分的に形成される。第1の密閉部分は、1又は2以上のレセプタクル内壁及びレセプタクルのボンネットによって定められる。さらに、いくつかのこのような例では、第3の断熱層が、ノズルのトロイダル空隙の第2の密閉部分内に部分的に形成される。第2の密閉部分は、ノズルの1又は2以上の本体セグメント及び1又は2以上のノズル内壁のうちの少なくとも1つによって定められる。
【0212】
いくつかの例では、レセプタクル本体の遠位端が、ノズル及びレセプタクルが互いに結合した時にノズルの空隙によって受け入れられるように構成される。ノズルの空隙及びレセプタクル本体の遠位端は、ノズルとレセプタクルとの間に捕捉されてその後に結合中又は分離中に放出される低温流体の量を制限するように互いに相補的に成形される。いくつかの例では、ノズルのポペットが、物質が捕捉されてその後に放出されるのを防ぐように、ノズルがレセプタクルに結合した時にレセプタクルのポペットとぴったり重なるように構成される。いくつかの例では、レセプタクルが、レセプタクル及びノズルの結合及び分離中に低温流体の排出を抑えるように配置されたシートシール及び別のシールをさらに含む。いくつかの例では、ノズルが、意図しない分離及び対応する排出を防ぐためにノズルをレセプタクルに確実に結合させておくように構成されたロックアセンブリをさらに含む。
【0213】
本明細書では、ノズルに結合してノズルから低温流体を受け取るレセプタクル例を開示する。レセプタクルは、近位端及び遠位端を含む本体を含む。本体は、外側シェルと、低温流体が流れるチャンバを定める1又は2以上の内壁とを含む。チャンバは、第1のチャンバ部分及び第2のチャンバ部分を含む。レセプタクルは、チャンバと外側シェルとの半径方向中間に配置された断熱層と、チャンバ内に収容されてチャンバを摺動可能に貫通するシャフトと、近位端に隣接してチャンバ内に配置されたポペットシートと、シャフトに結合されたポペットとを含む。ポペットは、レセプタクルがノズルに結合した時にノズルのポペットに係合するように構成される。ポペットは、閉位置においてポペットシートに係合するように構成される。ポペットは、ノズルのポペットに押された時にポペットシートから離脱するように構成される。レセプタクルは、遠位端に向かってチャンバ内に配置されたチェックシートを含む。チェックシートは、第1のチャンバ部分及び第2のチャンバ部分を分離する。第1のチャンバ部分は、チェックシートと本体の近位端との間に延びる。第2のチャンバ部分は、ポペットシートとチェックシートとの間に延びる。レセプタクルは、シャフトに摺動可能に結合されて閉位置においてチェックシートに係合するように構成されたチェックを含む。チェックは、第1のチャンバ部分内の圧力がノズルチャンバの圧力と均等になるとチェックシートから離脱して、低温流体がレセプタクルを通って流れることを可能にするように構成される。
【0214】
いくつかの例は、本体の近位端に隣接してチャンバ内に固定して配置されたチェックガイドをさらに含む。いくつかのこのような例は、チェックガイドとチェックとの間に延びてこれらに係合するチェックばねをさらに含む。チェックばねは、チェックを閉位置においてチェックシートに係合するように付勢するよう構成される。
【0215】
いくつかの例は、ポペットの裏面に結合されて1又は2以上の内壁のうちの1つに摺動可能に係合するポペットガイドをさらに含む。いくつかのこのような例は、ポペットガイドとチェックシートとの間に延びてこれらに係合するポペットばねをさらに含む。ポペットばねは、ポペットを閉位置においてポペットシートに係合するように付勢するよう構成される。
【0216】
いくつかの例は、チャンバ内に収容されて、本体の遠位端に隣接する1又は2以上の内壁のうちの1つに結合されたボンネットをさらに含む。いくつかのこのような例では、ボンネットがポペットシートを定める。さらに、いくつかのこのような例は、ポペットシートに隣接してボンネットに係合するように配置されたシートシールをさらに含む。また、いくつかのこのような例では、シートシールが、レセプタクルがノズルに確実に結合されてレセプタクルのチャンバとノズルのノズルチャンバとの間に密封接続を形成した時に、ノズルのノズル本体に密封係合するように構成される。また、いくつかのこのような例は、シートシールをボンネットに接して適所に保持するように構成された付勢ばね、支持リング、リテーナ、及びリテーナリングをさらに含む。
【0217】
いくつかの例では、1又は2以上の内壁が、ポペット及びチェックが収容される内側内壁を含む。内側内壁は、近位端から遠位端に向かって実質的に長手方向に延びる。いくつかのこのような例では、1又は2以上の内壁が、内側内壁の前端部から本体の近位端に向かって逆方向に延びる中間内壁を含む。中間内壁の前端部は、内側内壁の前端部に確実に密封結合される。さらに、いくつかのこのような例では、1又は2以上の内壁が、中間内壁の後端部から本体の遠位端に向かって延びる外側内壁を含む。外側内壁の後端部は、中間内壁の後端部に確実に密封結合される。外側内壁の前端部は、本体の遠位端において外側シェルに確実に密封結合される。
【0218】
いくつかの例では、外側シェル及び1又は2以上の内壁が、チャンバと外部との間の熱漏出を妨げるようにレセプタクルの外部からチャンバへの細長い伝導経路を定めるジグザグパターンで長手方向に前後に延びる。
【0219】
いくつかの例では、断熱層が、外側シェルと、1又は2以上の内壁と、本体の近位端に隣接する支持ブラケットの間との密閉キャビティ内に形成される真空である。
【0220】
いくつかの例では、本体の遠位端が、レセプタクルがノズルに結合した時にノズルの空隙によって受け入れられるように構成される。本体の遠位端は、レセプタクルとノズルとの間に捕捉されてその後に結合中又は分離中に放出される低温流体の量を制限するように空隙と相補的に成形される。いくつかの例では、ポペットが、物質が捕捉されてその後に放出されるのを防ぐように、レセプタクルがノズルに結合した時にノズルポペットとぴったり重なるように構成される。いくつかの例は、レセプタクル及びノズルの結合及び分離中に低温流体の排出を抑えるように配置されたシートシール及び別のシールをさらに含む。
【0221】
本明細書では、レセプタクルに結合して低温流体を供給するノズル例を開示する。ノズルは、前端部及び後端部を含む本体を含む。本体は、外側シェルと、低温流体がレセプタクルに流れるチャンバを定める1又は2以上の本体セグメントとを含む。ノズルは、チャンバと外側シェルとの半径方向中間に配置された断熱層と、第1の端部及び第2の端を有するシャフトとを含む。シャフトは、チャンバ内に収容されてチャンバを摺動可能に貫通する。ノズルは、本体の前端部に隣接して配置されたポペットシートと、シャフトの第1の端部に結合されたポペットとを含む。ポペットは、レセプタクルがノズルに結合した時にレセプタクルポペットに係合するように構成される。ポペットは、閉位置ではポペットシートに係合し、開位置ではポペットシートから離脱するように構成される。ノズルはアクチュエータを含む。アクチュエータは、シャフトに動作可能に結合されたステムを含む。ステムは、シャフトに結合されたポペットを閉位置と開位置との間で作動させるように直線的に作動するように構成される。ノズルは、アクチュエータを本体の後端部に結合するように構成された結合アセンブリを含む。結合アセンブリは、低温流体が流れるチャンバからアクチュエータを熱的に分離する断熱材を含む。
【0222】
いくつかの例では、1又は2以上の本体セグメントのうちの1つがポペットシートを定める。
【0223】
いくつかの例は、内側内壁及び外側内壁を含む複数の内壁をさらに含む。内側内壁は、1又は2以上の本体セグメントの1つから本体の前端部及び後端部に向かって実質的に長手方向に延びる。外側内壁は、内側内壁の後端部から本体の前端部に隣接する外側シェルに延びる。いくつかのこのような例では、1又は2以上の本体セグメント及び複数の内壁のうちの1つが、ノズルがレセプタクルに結合した時にレセプタクル本体の遠位端を密封して受け入れるように構成された、本体の前端部に隣接するトロイド空隙を部分的に定める。いくつかのこのような例では、外側シェル及び複数の内壁が密封可能に結合され、チャンバと外部との間の熱漏出を妨げるようにノズルの外部からチャンバへの細長い伝導経路を定めるジグザグパターンで長手方向に前後に延びる。いくつかのこのような例では、断熱層が、外側シェルと、複数の内壁と、1又は2以上の本体セグメントとの間の密閉キャビティ内に形成される真空である。
【0224】
いくつかの例では、結合アセンブリが、本体の1又は2以上の本体セグメントのうちの1つに結合されたシャフトガイドと、シャフトのフランジ及びシャフトガイドに結合され、これらの間に延びてシャフトとシャフトガイドとの間にシールを形成する第1のベローズシールとを含む。
【0225】
いくつかの例では、結合アセンブリが、1又は2以上の本体セグメントのうちの1つ及び外側シェルに結合され、これらの間に延びて1又は2以上の本体セグメントと外側シェルとの間にシールを形成する第2のベローズシールを含む。
【0226】
いくつかの例では、結合アセンブリが、アクチュエータの1又は2以上の内面に係合して開口部を定める第1の熱緩衝体を含む。いくつかのこのような例では、結合アセンブリが、第2の熱緩衝体をさらに含む。第2の熱緩衝体は、第1の熱緩衝体の開口部に収容される。第2の熱緩衝体は、結合チャンバを定める中空シリンダである。さらに、いくつかのこのような例では、結合アセンブリが、結合チャンバ内に収容されて構成されたコネクタ及び圧着ファスナをさらに含む。コネクタはシャフトの第2の端部を受け入れ、圧着ファスナの未圧着端部はコネクタを受け入れる。圧着ファスナの圧着端部は、ステムの広がった端部の周囲に圧着されて、シャフトの第2の端部をアクチュエータのステムに結合する。さらに、いくつかのこのような例では、結合アセンブリが、第1の熱緩衝体の一部に係合するとともに、アクチュエータチャンバに流体的に接続する結合チャンバに流体的に接続してアクチュエータの素早いポンプダウンを容易にする真空経路を定める第3の熱緩衝体をさらに含む。また、このようないくつかの例では、第1の熱緩衝体、第2の熱緩衝体及び第3の熱緩衝体が、低温流体が流れるチャンバからアクチュエータを熱的に分離するように低熱伝導率材料で構成される。また、いくつかのこのような例では、アクチュエータが、第1の熱緩衝体、第2の熱緩衝体及び第3の熱緩衝体が少なくとも部分的に収容される外壁をアクチュエータの前端部に含む。
【0227】
いくつかの例では、アクチュエータのステムが、低温流体が流れるチャンバからアクチュエータを熱的に分離するように低熱伝導率材料で構成される。
【0228】
いくつかの例では、ノズルが、ノズル及びレセプタクルが結合した時にレセプタクル本体の遠位端を受け入れるように構成された空隙を定める。空隙は、ノズルとレセプタクルとの間に捕捉されてその後に結合中又は分離中に放出される低温流体の量を制限するように、レセプタクル本体の遠位端と相補的に成形される。いくつかの例では、ポペットが、物質が捕捉されてその後に放出されるのを防ぐように、ノズルがレセプタクルに結合した時にレセプタクルのポペットとぴったり重なように構成される。いくつかの例では、ロックアセンブリが、意図しない分離及び対応する放出を防ぐためにノズルをレセプタクルに確実に結合させておくように構成される。
【0229】
本出願では、離接語(disjunctive)の使用は接続語を含むように意図される。定冠詞及び不定冠詞の使用は要素数の粒度(cardinality)を示すように意図するものではない。具体的には、「the(英文定冠詞)」又は「a及びan(英文不定冠詞)」を付した物体(object)への言及は、考えられる複数のこのような物体のうちの1つを示すように意図される。さらに、「又は(or)」という接続詞は、相互排他的選択肢ではなく、同時に存在する特徴を伝えるために使用することができる。換言すれば、「又は」という接続詞は「及び/又は(and/or)」を含むと理解されたい。「含む(includes、including及びinclude)」という用語は包括的であり、それぞれ「備える(comprises、(comprising及びcomprises)」と同じ範囲を有する。
【0230】
上述した実施形態、とりわけいずれかの「好ましい」実施形態は可能な実装例であり、本発明の原理を明確に理解できるように示したものにすぎない。上述した(単複の)実施形態には、本明細書で説明した技術の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく多くの変更及び修正を行うことができる。本明細書では、全ての修正が本開示の範囲に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されるように意図される。
【国際調査報告】