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特表2024-5240111つ以上のケーブル及び/又はパイプを仕切りの開口に通すための貫通装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】1つ以上のケーブル及び/又はパイプを仕切りの開口に通すための貫通装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/22 20060101AFI20240628BHJP
   F16L 5/04 20060101ALI20240628BHJP
   H05K 5/02 20060101ALN20240628BHJP
【FI】
H02G3/22
F16L5/04
H05K5/02 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574621
(86)(22)【出願日】2022-06-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 SE2022050549
(87)【国際公開番号】W WO2022260577
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】2150721-5
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506259461
【氏名又は名称】ロックステック アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】カールソン アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4E360
5G363
【Fターム(参考)】
4E360AB34
4E360BC03
4E360BD03
4E360BD05
4E360EA05
4E360EB02
4E360EB04
4E360ED03
4E360GA22
4E360GA23
4E360GA26
4E360GA29
4E360GB99
5G363AA01
5G363AA05
5G363BA01
5G363BA07
5G363CA05
5G363CA06
5G363CA14
5G363CA17
5G363CA20
5G363CB11
5G363CB20
(57)【要約】
仕切り(12)の開口に1つ以上のケーブル(11)及び/又はパイプを通す貫通装置(10)は、取付フレーム(19)及び/又は仕切り(12)に接続可能であり、ケーブル及び/又はパイプ用の軸方向延在貫通開口を有する延長フレーム(20)を含む。延長フレーム(20)は、第1の端と、第2の端と、第1の端と第2の端との間に延在する軸方向延在縁部とを有する複数の延長フレームモジュール(29)を含む。軸方向延在縁部に接続要素(30)が設けられ、延長フレームモジュール(29)は、接続要素(30)により互いに接続可能であり、延長フレーム(20)を形成し、延長フレームモジュール(29)の第1の端には、取付フレーム(19)及び/又は仕切り(12)に締結するための締結要素(35)が設けられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切り(12)の開口に1つ以上のケーブル(11)及び/又はパイプを通す貫通装置(10)であって、前記貫通装置(10)は、取付フレーム(19)及び/又は前記仕切り(12)に接続可能であり、ケーブル及び/又はパイプ用の軸方向延在貫通開口を有する延長フレーム(20)を含み、
前記延長フレーム(20)は、第1の端と、第2の端と、前記第1の端と前記第2の端との間に延在する軸方向延在縁部とを有する複数の延長フレームモジュール(29)を含み、
前記軸方向延在縁部に接続要素(30)が設けられ、前記延長フレームモジュール(29)は、前記接続要素(30)により互いに接続可能であり、前記延長フレーム(20)を形成し、
前記延長フレームモジュール(29)の第1の端には、前記取付フレーム(19)及び/又は前記仕切り(12)に締結するための締結要素(35、35’)が設けられる、ことを特徴とする貫通装置。
【請求項2】
前記軸方向延在縁部に接続要素(30)が設けられる、請求項1に記載の貫通装置。
【請求項3】
前記延長フレームモジュール(29)は、2つの縁部が自由縁部である4つの軸方向延在縁部を有する、請求項1又は2に記載の貫通装置。
【請求項4】
前記延長フレームモジュール(29)は、3つの軸方向延在壁(32~34)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項5】
前記延長フレームモジュール(29)は、同一である、請求項1~4のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項6】
各接続要素(30)は、ロック要素(31)により隣接する延長フレームモジュールのフック部に接続するためのフック部を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項7】
前記ロック要素(31)は、隣接する2つの延長フレームモジュール(29)の1つ以上の接続要素(30)を封入するストリップ又はクリップである、請求項6に記載の貫通装置。
【請求項8】
各延長フレームモジュール(29)には、1つ以上の膨張材料ストリップ(27)が設けられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項9】
1つの延長フレームモジュール(29)の1つ以上の前記膨張材料ストリップ(27)は、隣接する延長フレームモジュール(29)の対応する膨張材料ストリップ(27)に位置合わせされる、請求項8に記載の貫通装置。
【請求項10】
各延長フレームモジュール(29)は、1つ以上の前記膨張材料ストリップ(27)を保持するための複数の折り曲げ式タブ(28)を含む、請求項8又は9に記載の貫通装置。
【請求項11】
前記タブ(28)は、前記延長フレーム(20)の周囲に分布して1列以上に配置され、1本以上の前記膨張材料ストリップ(27)は、少なくとも1列のタブ(28)に隣接して配置され、前記タブ(28)は、折り曲げられた後に前記延長フレーム(20)において対応する少なくとも部分的に遮られない貫通孔を残す、請求項10に記載の貫通装置。
【請求項12】
前記取付フレーム(19)を含み、前記取付フレーム(19)は、前記取付フレームを形成するために互いに接続可能な複数の取付フレームモジュール(23~25)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項13】
各取付フレームモジュール(23~25)には、取り外し可能なカバー(21)が設けられ、前記カバー(21)は、破断可能な周辺切欠部(37)を介して前記取付フレームモジュール(23~25)に接続され、前記破断可能な周辺切欠部(37)から前記カバーの自由縁まで延在する少なくとも1つの破断可能な斜め切欠部(38)及び/又は破断可能な交差切欠部(39)が形成される、請求項12に記載の貫通装置。
【請求項14】
前記延長フレーム(20)には、第1の位置から第2の位置まで変位可能である複数の個別の変位要素(36)が設けられ、第1の位置で、前記変位要素(36)が径方向内側に延在し、第2の位置で、前記変位要素(36)が前記延長フレーム(20)に沿う方向に少なくとも部分的に延在する、請求項1~13のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項15】
前記ケーブル(11)及び/又はパイプを封入するための1つ以上の圧縮性密封モジュール(13)が前記取付フレーム(19)に配置される、請求項1~14のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項16】
仕切り(12)の開口に1つ以上のケーブル(11)及び/又はパイプを通す貫通装置(10)であって、前記貫通装置(10)は、取付フレーム(19)及び/又は前記仕切り(12)に接続可能であり、ケーブル及び/又はパイプ用の軸方向延在貫通開口を有する延長フレーム(20)を含み、
前記延長フレーム(20)には、第1の位置から第2の位置まで変位可能である複数の個別の変位要素(36)が設けられ、第1の位置で、前記変位要素(36)が径方向内側に延在し、第2の位置で、前記変位要素(36)が前記延長フレーム(20)に沿う方向に少なくとも部分的に延在する、ことを特徴とする貫通装置。
【請求項17】
前記延長フレーム(20)の第1の端は、前記取付フレーム(19)及び/又は前記仕切り(12)に接続可能であり、前記延長フレーム(20)の第2の端には、前記変位要素(36)が設けられる、請求項16に記載の貫通装置。
【請求項18】
前記変位要素(36)は、第1の端及び第2の端を含み、前記第1の端は、接続部において延長フレーム(20)に接続され、前記変位要素(36)は、前記接続部を中心に変位可能である、請求項16又は17に記載の貫通装置。
【請求項19】
前記変位要素(36)は、細長い、請求項18に記載の貫通装置。
【請求項20】
前記変位要素(36)の前記第2の端は、自由端である、請求項18又は19に記載の貫通装置。
【請求項21】
変位要素(36)は、前記接続部を中心として前記第1の位置から前記第2の位置まで曲げ可能である、請求項18~20のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項22】
変位要素(36)は、第1の位置で、前記延長フレーム(20)の軸方向延在開口を少なくとも部分的に塞ぐ、請求項1~21のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項23】
変位要素(36)は、第1の位置で、前記延長フレーム(20)に対して垂直に延在する、請求項1~22のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項24】
前記延長フレーム(20)は、複数の壁を有し、少なくとも2つの対向壁に変位要素が設けられる、請求項1~23のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項25】
1本以上の膨張材料ストリップ(27)は、前記延長フレーム(20)の内側及び/又は外側に配置される、請求項1~24のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項26】
少なくとも部分的に遮られない孔は、前記延長フレーム(20)の周囲に1列以上配置され、1列以上の孔の隣に1本以上の膨張材料ストリップ(27)が配置される、請求項1~25のいずれか一項に記載の貫通装置。
【請求項27】
前記取付フレーム(19)を含み、ケーブル(11)又はパイプを封入するための1つ以上の圧縮性密封モジュール(13)は、前記取付フレーム(19)の開口に配置される、請求項1~26のいずれか一項に記載の貫通装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上のケーブル及び/又はパイプを仕切りの開口に通すための貫通装置(transit device)に関する。この種類の貫通装置は、中央の軸方向延在開口を有する延長フレームを含む。このような貫通装置は、ケーブル及び/又はパイプを壁又は他の種類の仕切りに通すために用いられる。この種類の貫通装置は、中央の軸方向延在開口を有する取付フレームを含んでもよく、取付フレームは、仕切りに接続することができる。
【背景技術】
【0002】
異なる種類の貫通装置は、ケーブル及び/又はパイプを壁又は他の仕切りに通すために用いられる。一般に、密封貫通(sealed transit)のために、仕切りの開口に配置された取付フレームの内側には、ある種のシールが配置される。シールの一例は、ケーブル又はパイプを受け入れる複数の圧縮可能なモジュールである。このような圧縮可能なモジュールは、通常、取付フレーム内の圧縮部と共に一列以上に並べて受け入れられる。圧縮部により、圧縮可能なモジュールは、圧縮可能なモジュールがケーブル及び/又はパイプの周りを内側に密封し、取付フレームの内側に対して外側に密封するように、一方向に圧縮される。
【0003】
ケーブル及びパイプ用の貫通装置は、キャビネット、技術用シェルター、接続箱、機械など様々な環境で用いられる。それらは、自動車、電気通信、発電及び配電、並びに船舶及び海洋などの異なる産業環境において用いられる。それらは、流体、ガス、火、齧歯類、シロアリ、ほこり、水分などに対して密封を形成することになり、電気、通信、コンピュータなどのためのケーブル、又は水、圧縮空気、作動液、調理用ガスなどの様々なガス又は液体のためのパイプを受けてもよい。
【0004】
様々な貫通装置には、防火性能が求められ、貫通装置の内部に何らかの防火材を配置することが一般的である。この技術分野では、防火材として膨張材料(intumescent material)を用いることがよく知られる。膨張材料は、火災時などの過度の熱に曝されると膨張する材料である。膨張材料は、火災が発生する場合にケーブルの絶縁材料として機能してもよい。
【0005】
従来技術では、貫通装置は、ケーブル及び/又はパイプ用の軸方向延在貫通開口を有する延長フレームを含む。1つ以上の膨張材料ストリップと、延長フレームの壁を貫通する複数の孔とは、延長フレームに設けられる。火災側に配置された延長フレームの孔は、膨張材料の反応時間を改善する。これにより、膨張材料は、できるだけ早く反応することができるため、ケーブルの周りの絶縁体として機能し始める。非火災側の延長フレームの孔は、フレームを換気してケーブルを冷却する。したがって、延長フレームが壁のどの側に配置されるかによって、孔の目的が異なる。
【0006】
従来技術の貫通装置は、異なる種類のケーブル及び/又はパイプの異なる用途に使用できないという問題がある。したがって、従来技術の貫通装置は、使用に制限があり、目下の用途によって取り付けが効率的ではないという問題がある。
【発明の概要】
【0007】
以上を踏まえると、本発明は、効率的な取り付けが可能な貫通装置を提供することを目的とする。本発明の第1の態様によれば、多数の用途で動作する柔軟な貫通装置を提供することを目的とする。本発明の第2の態様によれば、改善された防火材(fire protection)を有する貫通装置を提供することを目的とする。
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、1つ以上のケーブル及び/又はパイプを仕切りの開口に通すための貫通装置に関し、前記貫通装置は、取付フレーム及び/又は前記仕切りに接続可能であり、ケーブル及び/又はパイプ用の軸方向延在貫通開口を有する延長フレームを含み、前記延長フレームは、第1の端と、第2の端と、前記第1の端と前記第2の端との間に延在する軸方向延在縁部とを有する複数の延長フレームモジュールを含み、前記軸方向延在縁部に接続要素(element)が設けられ、前記延長フレームモジュールは、前記接続要素により互いに接続可能であり、前記延長フレームを形成し、前記延長フレームモジュールの第1の端には、前記取付フレーム及び/又は仕切りに締結するための締結要素が設けられる、ことを特徴とする。したがって、効率的で、信頼性が高く、コスト効率が高い方法で様々な用途に適応できる、多用途のモジュール貫通装置が実現される。また、貫通装置の構造は、軽量で取り付けが容易である。貫通装置は、前記取付フレームを含んでもよく、前記延長フレームは、前記取付フレーム及び/又は前記仕切りに接続され、前記取付フレームから又は前記取付フレームから離れて軸方向に延在する。
【0009】
前記軸方向延在縁部のそれぞれに接続要素が設けられてもよい。例えば、各延長フレームモジュールは、3つの軸方向延在壁と、2つの縁部が自由縁部(free edge portions)である4つの軸方向延在縁部とを有する。したがって、延長フレームモジュールは、互いに接続することができる。例えば、隣接する2つの延長フレームモジュールの自由縁は、互いに接続されて延長フレームを形成することができる。同時に、隣接する延長フレームは、互いに接続することができる。また、前記延長フレームモジュールは、同一であってもよく、これにより製造が簡単であり、コストが低く、取り付けが容易である。
【0010】
前記接続要素は、隣接する2つの延長フレームモジュールの1つ以上の接続要素を封入するストリップ又はクリップの形態の形状嵌合ロック(form-fit lock)などのロック要素により隣接する延長フレームモジュールのフック部に接続するためのフック部を含んでもよい。したがって、自由縁部でフック部を折り曲げ、他の縁部でフック部を打ち抜いて折り曲げることにより接続要素を簡便かつ安価に製造することができる。このため、延長フレームモジュールを折り曲げたり打ち抜いたりすることにより一枚の板金(sheet metal)などの板金に配置することができる。
【0011】
各延長フレームモジュールには、隣接する延長フレームモジュールの対応するストリップと整列する1本以上の膨張材料ストリップが設けられてもよい。したがって、難燃性の輸送は、効率的な方法で貫通装置によって達成されてもよい。膨張材料ストリップを少なくとも部分的に遮られない孔の少なくとも1列に隣接して配置することにより、仕切りの火災側に熱に対する迅速な応答を実現しつつ、冷却のための非火災側の通気を実現することができる。火災側に配置された延長フレームの孔は、膨張材料の反応時間を改善する。これにより、膨張材料は、早く反応することができるため、ケーブルの周りの絶縁体として機能し始める。非火災側の延長フレームの孔は、フレームを換気してケーブルを冷却する。したがって、孔は、二重機能があり、延長フレームが壁のどの側に配置されるかによって孔の目的が異なる。
【0012】
取付フレームは、取付フレームを形成するために互いに接続可能な複数の取付フレームモジュールを含んでもよい。したがって、延長フレーム及び取付フレームの両方は、適切な貫通装置を組み立てるためのモジュール式であってもよい。
【0013】
各取付フレームモジュールには、ケーブル及び/又はパイプを取り付ける前に取り外される取り外し可能なカバーが設けられてもよい。カバーは、ケーブル及び/又はパイプを取り付ける前に、破片及び液体などが貫通装置内に入ることを防止することができる。カバーは、防火のために配置されてもよい。例えば、カバーは、難燃剤を含むプラスチック材料などの耐火材料であってもよく、ガラス繊維強化材などの繊維強化材を含んでもよい。カバーは、破断可能な周辺切欠部を介してフレームに接続することができ、破断可能な周辺切欠部(notch)からカバーの自由縁まで延在する破断可能な斜め及び/又は交差切欠部を形成することにより、カバーは効率よく取り外されてもよい。
【0014】
延長フレームには、第1の位置から第2の位置まで変位可能である複数の個別の変位要素が設けられ、第1の位置で、変位要素が径方向内側に延在し、第2の位置で、変位要素が延長フレームに沿う方向に少なくとも部分的に延在する。変位要素は、バリアとなって、延長フレームへの不要なアクセスを防止し、延長フレームへの不要な材料の入りを防止し、貫通装置の防火を向上させる。ケーブル及び/又はパイプを容易に取り付けるように1つ以上の変位要素を変位させ、例えば手で曲げることができる。したがって、変位要素は、板金で形成されてもよく、延長フレームモジュールと共に、例えば、一枚の板金から折り曲げ及び打ち抜き加工により形成されてもよい。
【0015】
第2の態様によれば、本発明は、1つ以上のケーブル及び/又はパイプを仕切りの開口に通すための貫通装置に関し、前記貫通装置は、取付フレーム及び/又は前記仕切りに接続可能であり、ケーブル及び/又はパイプ用の軸方向延在貫通開口を有する延長フレームを含み、前記延長フレームには、第1の位置から第2の位置まで変位可能である複数の個別の変位要素が設けられ、第1の位置で、前記変位要素が径方向内側に延在し、第2の位置で、前記変位要素が前記延長フレームに沿う方向に少なくとも部分的に延在する、ことを特徴とする。変位要素は、バリアとなって、延長フレームへの不要なアクセスを防止し、延長フレームへの不要な材料の入りを防止する。火災の場合、パイプ又はケーブルは、仕切りにより熱を導くことにより、仕切りに近接するケーブル又はパイプに接触又は近接する可燃性材料は、熱により発火することができる。変位要素は、可燃性材料が延長フレームに入るリスクを低減する。ケーブル及び/又はパイプを容易に取り付けるように1つ以上の変位要素を変位させ、例えば手で曲げることができる。変位要素は、板金で形成されてもよく、延長フレームと共に、例えば、一枚の板金から折り曲げ及び打ち抜き加工により形成されてもよい。貫通装置は、取付フレームを含んでもよく、延長フレームは、取付フレーム及び/又は仕切りに接続され、取付フレームから又は取付フレームから離れて軸方向に延在する。
【0016】
延長フレームの第1の端は、取付フレーム及び/又は仕切りに接続されてもよく、延長フレームの第2の端には、変位要素が設けられてもよい。したがって、変位要素は、第1の位置で、延長フレームの第2の端の軸方向延在開口を少なくとも部分的に塞いでもよい。
【0017】
第2の態様に係る貫通装置は、上記第1の態様に係る実施形態と組み合わせることができ、以下に添付図面を参照して詳細に説明する。本発明の更なる目的及び利点は、以下の詳細な説明を読むと、当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、添付図面を参照して、実施形態によって本発明を更に説明する。
【0019】
図1】壁の形態の仕切り内に配置され、密封モジュール、ステープレート及び圧縮部が設けられた一実施形態に係る貫通装置の概略斜視図である。
図2】密封モジュール、ステープレート及び圧縮部が設けられた一実施形態に係る貫通装置の概略正面図である。
図3】一実施形態に係る貫通装置の密封モジュールの半体の概略斜視図である。
図4】第1の端モジュール、第2の端モジュール及び任意の中間モジュールで形成された取付フレームと、延長フレームモジュールで形成された延長フレームとを示す本発明の第1の実施形態に係る貫通装置の概略斜視図である。
図5図4の貫通装置を逆方向から見た概略斜視図である。
図6図5の取付フレームの端モジュール及び1つの延長フレームモジュールの概略斜視図であり、延長フレームモジュールの内部を示す。
図7図6の延長フレームモジュールの概略斜視図である。
図8】形状嵌合ロックによって接続された延長フレームモジュールの接続要素を示す一実施形態に係る2つの延長フレームモジュールの概略端面図である。
図9】一実施形態に係る取付フレームの2つの端モジュールの概略端面図である。
図10】他の実施形態に係る取付フレームの2つの端モジュール及び中間モジュールの概略端面図である。
図11図10の取付フレームを逆方向から見た概略図である。
図12】一実施形態に係る延長フレームモジュールの概略斜視図である。
図13】一実施形態に係る取付フレームの1つの端モジュール及び仕切りの反対側の1つの延長フレームモジュールの概略斜視図である。
図14】一実施形態に係る2つの延長フレームモジュールの延長フレームの概略端面図である。
図15】一実施形態に係る形状嵌合ロックによって接続された複数の延長フレームモジュールの概略端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照すると、一実施形態によれば、仕切り12に少なくとも1つのケーブル11及び/又は少なくとも1つのパイプを通すための貫通装置10が概略的に示される。貫通装置10は、壁、床、屋根又は天井の形態の仕切り12に1つ以上のケーブル11及び/又はパイプを通すために配置される。仕切り12は、図1に破線で示される。例えば、貫通装置10は、石膏又は木材などの建築板などのパネルが設けられたスタッド(studs)を含む仕切り12に取り付けられるように配置される。例えば、貫通装置10は、電気、通信、コンピュータなどのためのケーブルなどのケーブル11、又は、水、圧縮空気、作動液、調理用ガス、その他の液体又は気体などの様々な気体又は液体のためのパイプを通すために配置される。ケーブル及び/又はパイプは、貫通装置10を通って軸方向に導かれる。
【0021】
図1の貫通装置10は、1つ以上の密封モジュール13と、圧縮部14と、任意のステープレート(stayplates)15とを受け入れるために配置される。密封モジュール13は、異なるサイズで配置されてもよく、複数の異なる密封モジュール13は、異なる構成で配置されてもよく、これは図2にも参照して示される。例えば、密封モジュール13、圧縮部14及びステープレート15は、該当する場合、従来型のものである。例えば、密封モジュール13は、弾性があり、対向する2つの密封用半体(halves)16を含み、各半体(half)モジュール16は、図3に示すように、半円筒状の溝18内に配置された複数の剥離シート17を含む。任意に、適切な数の剥離シート17を除去して密封モジュール16をケーブル又はパイプの直径に合わせ、ケーブル11又はパイプは、半体モジュール16内に配置され、密封モジュール13は、2つの半体モジュール16を互いに重なり合って形成される。例えば、圧縮部14は、従来のウェッジ(wedge)である。
【0022】
図4及び図5に示すように、貫通装置10は、取付フレーム19及び延長フレーム20を含む。取付フレーム19は、1つ以上のケーブル及び/又はパイプが配置される中央の軸方向延在開口に1つ以上の圧縮性密封モジュール13を受け入れるように配置される。図4では、上記開口は、任意の取り外し可能なカバー21によって覆われ、これについては以下でより詳細に説明する。例えば、取付フレーム19の開口は、密封モジュール13、1つ以上の圧縮部14、及び任意の1つ以上のステープレート15で密封的に充填されるように配置される。例えば、取付フレーム19は、繊維強化プラスチック材料などのプラスチック材料で形成される。例えば、取付フレーム19は、ガラス繊維強化ポリアミドなどのポリアミドで形成される。したがって、取付フレーム19は、軽量であり、桁(girders)と石膏ボード又は同様の建築材料のパネルとを含む壁などのパネル壁に取り付けられるのに適する。
【0023】
図示の実施形態では、取付フレーム19は、ネジ又は他の従来の締結手段(図示せず)などによって貫通装置10を仕切り12に締結するためのフランジ22を含む。例えば、フランジ22には、ネジを受け入れるための孔が配置される。延長フレーム20は、取付フレーム19及び仕切りから離れるように延在してもよい。或いは、図1に示すように、延長フレームは、仕切り12の開口を通って延在してもよい。
【0024】
図示の実施形態では、取付フレーム19は、モジュール式取付フレームであり、取付フレーム19は、第1及び第2の端モジュール23、24と、端モジュール23、24の間に配置される任意の1つ以上の中間モジュール25とを含む。例えば、第1及び第2の端モジュール23、24は、それぞれ3つの壁部を含み、2つの壁部は、互いに対向し、一端で他の壁部を介して互いに接続される。例えば、第1及び第2の端モジュール23、24は同一である。中間モジュール25は、中央に配置された壁部を介して互いに接続された対向壁部を含む。第1及び第2の端モジュール23、24は、互いに接続されるか又は形状嵌合ロック装置26により中間モジュール25に接続されてもよく、これについては以下でより詳細に説明する。図4では、端モジュール23、24及び中間モジュール25は、ケーブル及び/又はパイプのための2つの開口を形成し、この2つの開口は図中では互いに平行に配置され、取り外し可能なカバー21によって覆われる。
【0025】
延長フレーム20は、取付フレーム19に接続され、取付フレーム19から軸方向に延在する。延長フレーム20及び取付フレーム19は、取付フレーム19及び延長フレーム20を通る軸方向延在開口を形成し、1つ以上のケーブル及び/又はパイプは、例えば、任意のカバー21を取り外した後に、延長フレーム20及び取付フレーム19を通る開口内に配置されてもよい。
【0026】
少なくとも1本の膨張材料ストリップ27は、延長フレーム20の内周及び/又は外周に配置される。膨張材料ストリップ27は、例えば、接着剤により延長フレーム20の表面に取り付けられる。しかしながら、このような接着剤は、例えば高温下では信頼性が低いことが見出された。図示の実施形態では、延長フレーム20には、膨張材料ストリップ27を所定の位置にクランプするために膨張材料ストリップ27の上に折り曲げることができる折り曲げ式タブ28が配置される。したがって、膨張材料ストリップ27は、接着剤を使用せずにタブ28によって固定される。タブ28は、延長フレーム20の周囲に沿って分布する。図示の実施形態では、タブ28は、膨張材料ストリップ27に隣接する延長フレーム20の周囲に1列配置される。例えば、1列のタブ28は、等間隔に配置される。タブ28は、例えば、手又は手持式の工具によって、膨張材料ストリップの上に折り曲げることができる。図示の実施形態では、タブ28は、延長フレーム20に打ち抜かれ、タブ28の折り曲げにより、対応する貫通孔は、延長フレーム20に形成される。タブ28によって締結される場合に、膨張材料ストリップ27は、孔に隣接して、上記孔を覆わないように配置される。例えば、1本以上の膨張材料ストリップ27は、このような1列のタブ28に隣接する延長フレーム20の内周及び/又は外周に配置される。したがって、タブ28は、いずれか一側で膨張材料ストリップ27をクランプするために内側及び/又は外側に折り曲げられてもよい。或いは、延長フレーム20は、タブ28なしで配置され、その代わりに延長フレーム20の周囲に配置された対応する孔が形成される。タブ28が膨張材料ストリップ27を保持するために曲げられた場合に、延長フレーム20内に形成された貫通孔は、仕切りの他方側で火災が発生した場合にケーブル及び/又はパイプを冷却するための換気を提供してもよい。
【0027】
本発明の第1の態様において、延長フレーム20は、接続要素30により互いに接続可能であり、延長フレーム20を形成する複数の延長フレームモジュール29を含む。図示の実施形態では、延長フレームモジュール29は、接続要素30と形状嵌合ロックなどのロック要素31により互いに接続可能である。或いは、接続要素30は互いに直接接続される。図4では、接続要素30と3つのロック要素31により接続される4つの延長フレームモジュール29が示され、ロック要素31は、使用中に接続要素30を覆う。
【0028】
図6図8及び図12図13も参照すると、各延長フレームモジュール29は、第1の端と、第2の端と、第1の端から第2の端まで延在する軸方向延在縁部とを含む。各延長フレームモジュール29は、3つの壁32~34を含み、第1及び第2の壁32、33が互いに対向し、第3の壁34を介して接続される。第1及び第2の壁32、33は、第3の壁34から垂直に延在する。延長フレームモジュール29は、例えば、U字状の輪郭を有する。したがって、延長フレームモジュール29は、対向する2つの軸方向延在自由縁と、第3の壁34に接続された、対向する2つの軸方向延在縁とを含む。一実施形態では、延長フレームモジュール29は、同一である。
【0029】
軸方向延在縁には、接続要素30が設けられる。例えば、各接続要素30は、例えば、ロック要素31により隣接する延長フレームモジュール29の接続要素30に接続するように配置される。図示の実施形態では、各接続要素30は、ロック要素31により隣接する延長フレームモジュール29の対応する接続要素30に接続するためのフック部を含む。例えば、ロック要素31は、隣接する延長フレームモジュール29の接続要素30を封入するストリップ又はクリップなどの形状嵌合ロックである。
【0030】
図7を参照すると、各延長フレームモジュール29の軸方向延在自由縁には、第1の接続要素30aが設けられ、他の軸方向延在縁には、第2の接続要素30bが設けられる。第1及び第2の接続要素30a、30bは、互いに離れるように延在するフック部として形成される。図示の実施形態では、第1の接続要素30aは、延長フレームモジュール29の軸方向延在自由縁を折り曲げて形成された連続的なフック部であり、第2の接続要素30bは、第3の壁34に接続された軸方向延在縁に沿ってタブを断続的に切断し折り曲げて形成される。したがって、2つの延長フレームモジュール29は、互いに向かう第1の壁32及び第2の壁33が配置され、第1の接続要素30a及びロック要素31で接続されてもよい。また、他の延長フレームモジュール29は、その第3の壁34が隣接する延長フレームモジュール29の第3の壁34に面するように配置されてもよく、延長フレームモジュールは、図4及び図5に示すように、第2の接続要素30b及びロック要素31により互いに接続される。
【0031】
各延長フレームモジュール29の第1の端には、締結要素35が設けられる。図6~8の実施形態では、締結要素5は、取付フレーム19に締結されるように配置され、延長フレーム20は、取付フレーム19に取り付け可能である。図示の実施形態では、締結要素35がネジを受け入れる貫通孔を有するタブであるため、延長フレームモジュール29は、ネジにより取付フレーム19に締結することができる。
【0032】
或いは、締結要素35は、フック、ヘッド付きピンなどの形状嵌合締結要素又は締結用の対応する凹部に適合する形状を有する同様の要素である。
【0033】
各延長フレームモジュール29には、孔及び1つ以上の膨張材料ストリップ27が設けられ、これらは、隣接する延長フレームモジュール29の対応する列の孔及び膨張材料ストリップ27と整列するように配置される。したがって、2つの延長フレームモジュール29を組み合わせてケーブル及び/又はパイプ用の開口を形成する場合、隣接する2つの延長フレームモジュール29の膨張材料ストリップ27は、共に延長フレーム20の内周に沿って延在し、任意にその外周にも延在する。
【0034】
図4~8及び12~15の実施形態では、延長フレーム20には、複数の個別の変位要素36が設けられる。変位要素36は、径方向内側に延在する第1の位置から、延長フレーム20に沿う方向に少なくとも部分的に延在する第2の位置まで変位可能である。変位要素36は、一端から貫通装置10の内部への不要な(unwanted)アクセスを防止するための画面を提供するように配置されてもよい。したがって、変位要素36は、第1の位置にある場合、延長フレームの軸方向延在開口を少なくとも部分的に塞いでもよい。
【0035】
図示の実施形態では、変位要素36は、延長フレーム20の取付フレーム19とは反対側の一端に配置される。したがって、延長フレーム20の第1の端は、取付フレーム19に接続され、延長フレーム20の第2の端には、変位要素36が設けられる。或いは、延長フレーム20の第1の端は、仕切り12に直接接続され、延長フレーム20の第2の端には、変位要素36が設けられる。各変位要素36は、細長く、第1の端及び第2の端を含む。変位要素36の第1の端は、接続部において延長フレーム20に接続され、変位要素36は、接続部を中心に第1の位置から第2の位置に変位可能である。したがって、変位要素36は、接続部において第1の位置から第2の位置まで折れる又は曲がることができる。例えば、変位要素36は、比較的薄い板金で形成されるため、第1の位置から第2の位置まで手で曲げることができる。したがって、変位要素36は、延長フレーム20の一端に接続された曲げ可能な細長い指状物として形成されてもよい。一実施形態では、壁32~34及び変位要素36は、板金で形成される。延長フレーム20の少なくとも1つの壁には、変位要素36が配置されるか、又は、その少なくとも2つの壁には、例えば対向する2つの壁には、変位要素36が配置される。
【0036】
変位要素36の第2の端は、自由端であってもよい。
【0037】
或いは、各変位要素36の第2の端は、延長フレーム20の対向壁に接触するか又は接続され、延長フレーム36の対向壁から延在した対向する変位要素36に接触するか又は接続され、第2の端は、手で破断することができる破断可能な切欠部により対向壁又は変位要素36に接続されてもよい。
【0038】
図示の実施形態では、変位要素36は、各延長フレームモジュール29の第3壁34に配置される。或いは、変位要素36は、非モジュール式の延長フレーム20の対向壁に配置される。
【0039】
或いは、変位要素36は、延長フレームモジュール29の対向する第1の壁部32及び第2の壁部33に配置される。例えば、変位要素36は、第1の位置で、延長フレーム20に対して垂直に、例えば図示のように第3の壁34に対して垂直に延在する。したがって、変位要素36は、軸方向に垂直な面内で延在し、第1、第2及び第3の壁32~34に対して垂直に延在してもよい。図示の実施形態では、変位要素36は、同一壁から延在する変位要素36の間に隙間が形成されるように間隔をあけて面内に分布する。この隙間は、例えば、変位要素36の幅にほぼ(substantially)相当する。
【0040】
貫通装置10にケーブル及び/又はパイプが通される場合、又は貫通装置10がケーブル及び/又はパイプの周りに配置される場合、適切な変位要素36は、第1の位置から第2の位置に変位してケーブル及び/又はパイプを通過させる。したがって、所望の位置にある1つ以上の変位要素36は、貫通装置10を貫通するケーブル及び/又はパイプの通路を妨げないように変位する。
【0041】
図9図11を参照すると、様々な実施形態によれば取付フレーム19について説明する。図9では、第1の端モジュール23及び第2の端モジュール24が示され、第1の端モジュール23は、第2の端モジュール24に直接接続されてもよい。図10では、第1の端モジュール23と第2の端モジュール24との間に2つの中間モジュール25が配置され、第1の端モジュール23は、隣接する中間モジュール25に接続され、当該中間モジュール25は、隣接する中間モジュール25に接続され、次に、当該隣接する中間モジュール25は、第2の端モジュール24に接続されてもよい。例えば、貫通装置10は、1つ、2つ、3つ又は適切な数の中間モジュール24を含んでもよい。
【0042】
図9~11の実施形態では、取付フレーム19の第1及び第2の端モジュール23、24と中間モジュール25には、貫通装置10の使用前にその開口を覆う任意の取り外し可能なカバー21が設けられる。例えば、カバー21は、モジュール23~25の一体部分(integrated part)であり、モジュール23~25の残りの部分に接続される。例えば、取付フレームモジュール23~25は、難燃性ポリアミドなどのプラスチック材料で形成される。カバー21は、破断可能な周辺切欠部37により第1及び第2の端モジュール23、24及び中間モジュール25に接続されてもよい。例えば、各カバー21は、略矩形状であり、3つの周辺切欠部37により端モジュール23、24又は中間モジュール25に接続される。したがって、モジュール23~25が分離される場合、カバー21は、隣接するモジュール23~25のカバー21と対向又は接触する各カバー21の自由縁を残して、3つの周辺切欠部37によりモジュール23~25に接続される(図9及び図10では、カバーの自由縁がより明瞭に見える)。また、各カバー21には、カバー21の周辺とその自由縁との間に、2つの破断可能な斜め切欠部38が形成される。例えば、斜め切欠部38のそれぞれは、破断可能な周辺切欠部37のうちの1つから自由縁まで延在する。図示の実施形態では、1つの斜め切欠部38は、周辺切欠部37の各角から自由縁の中心まで延在する。任意に、カバー21にも、自由縁の中央部と、自由縁に対向する周辺切欠部37の中央部との間に延在する交差切欠部39が配置される。
【0043】
図11では、一実施形態に係る、取付フレーム19のモジュール23~25を接続するための形状嵌合ロック装置26が示される。図11は、4つの形状嵌合ロック装置26により1つの中間モジュール25に接続された第1の端モジュール23及び第2の端モジュール24を示す。ただし、上述したように、中間モジュール25の数は任意である。形状嵌合ロック装置26は、モジュール23~25のそれぞれのスロットに挿入される金属製又はプラスチック製などのプロフィールピース(profiled piece)として配置され、形状嵌合ロック装置26は、一部がモジュール23~25の一方のスロットに挿入され、残りの部分が隣接するモジュール23~25のスロットに挿入される。例えば、モジュール23~25には、対応するスロットが形成され、それらのスロットは、整列して結合スロット(combined slot)を形成し、結合スロットは、例えば、形状嵌合ロック装置26を受け入れるために形状嵌合ロック装置26に対応する形状を有する。図示の実施形態では、形状嵌合ロック装置26は、接続部を介して接続された対向する横断部を含み、横断部は、接続部が横断部を接続するとともに、モジュール23~25が互いに離れるように変位することを防止するために配置される。例えば、スロットは、軸方向に延在し、形状嵌合ロック装置26は、スロットに軸方向に挿入され、モジュール23~25が互いに対して軸方向に垂直な面内で不用意にずれることを防止する。
【0044】
図6図9及び図10に示すように、取付フレームモジュール23~25は、モジュール23~25が互いに対して軸方向に不用意にずれることを防止するために重複部を形成する凹部40及び凸部41が配置されてもよい。また、モジュール23~25は、例えばピンとして配置された少なくとも1つの突起42と、隣接するモジュール23~25の突起42を受け入れる少なくとも1つの対応孔43とを含んでもよい。例えば、突起42及び孔43は、軸方向に垂直な方向に延在して、モジュール23~25が互いに対して軸方向に不用意にずれることを防止する。
【0045】
図6に戻り、貫通装置10には、任意の絶縁要素44が設けられる。絶縁要素44は、例えば、防火性能及び/又は断熱性能を向上させるために配置される。本実施形態では、絶縁要素44は、鉱物又はセラミックなどの絶縁材料のブロックとして配置される。図示の実施形態では、絶縁要素44は、取付フレーム19に取り付けられて、ケーブル及び/又はパイプの貫通のための、取付フレーム19によって形成された開口を絶縁する。例えば、絶縁要素44は、カバー21に取り付けられる。したがって、各取付フレームモジュール23~25のカバー21には、絶縁要素44が設けられ、取付フレームモジュール23~25は、絶縁要素44の外周を径方向に部分的に囲む。取付フレームモジュール23~25を組み合わせて取付フレーム19を形成する場合、隣接する取付フレームモジュール23~25の絶縁要素44を組み合わせて取付フレーム19で囲む。絶縁要素44は、カバー21の形状及びサイズに対応してもよい。絶縁要素44は、カバー21から取り外し可能であり、絶縁要素44を先に取り外し、その後、上述したように、例えば、破断可能な切欠部37、38、39を破断して、カバー21を取り外すことができる。図示の実施形態では、絶縁要素44は、1つ以上のネジ45又は他の機械的締結手段によってカバー21に着脱可能に取り付けられる。或いは、絶縁要素44は、例えば、カバー21の周辺切欠部37及び/又は斜め切欠部38及び交差切欠部39に対応する絶縁要素44の破断可能な切欠部を介して、カバー21と共に取り外し可能である。ネジ45は、延長フレーム20と同じ側から配置され、ネジ45のネジ頭は、例えば、変位要素36を妨害にならないように曲げた後に延長フレーム20を通ってアクセスされてもよい。
【0046】
或いは、延長フレーム20を取り付ける前に絶縁要素44を除去する。図11も参照すると、カバー21には、絶縁要素44を締結するためのネジ45を受け入れるネジスリーブ(screw sleeves)46が配置される。ネジスリーブ46は、カバー21の一側から、例えば軸方向に突出し、カバー21の一体部分であってもよい。ネジスリーブ46には、例えば、ネジ45のネジ山に螺合する雌ネジが形成される。したがって、仕切り12の開口に1つ以上のケーブル11及び/又はパイプを通す貫通装置10が開示され、貫通装置10は、取り外し可能な絶縁要素44を有する取付フレーム19を含む。絶縁要素44は、モジュール式又は非モジュール式の取付フレーム19の独立型特徴を有してもよい。任意に、取付フレーム19は、上述したように、取付フレームモジュール23~25を含み、絶縁要素44は、ネジスリーブ46と嵌合するネジ45などによって、取付フレーム19の取付フレームモジュール23~25のそれぞれのカバー21に取り付けられる。絶縁要素44が取り外し可能な貫通装置10は、上記延長フレームモジュール29を含む延長フレーム20を任意に含んでもよい。
【0047】
図12では、一実施形態に係る延長フレームモジュール29が示され、この延長フレームモジュール29は、図7に図示し説明したものと同様の構造を有するが、延長フレームモジュール29の第1の端には、仕切り12(図13参照)に直接締結するための締結要素35’が設けられるという点で相違する。締結要素35’は、フランジ状に形成され、ネジ又は他のタイプの従来の締結手段(図示せず)などの締結具を受け入れるための貫通孔を有する。このため、延長フレームモジュール29を仕切り12にネジなどで締結することができる。任意に、延長フレームモジュール29は、仕切り12に締結される。例えば、図1を参照して、延長フレーム20と取付フレーム19とが仕切り12の両側に配置される。
【0048】
図13を参照すると、仕切り12に延長フレームモジュール29が取り付けられる。同様に、複数の延長フレームモジュール29を含む延長フレーム20全体は、仕切り12に取り付け可能である。取付フレーム19は、仕切り12の反対側から仕切り12に取り付けられる。図13では、第2の端モジュール24が仕切り12から離れることが示される。取付フレーム19は、例えば組み立てられた後、仕切り12の開口に配置される。
【0049】
図14は、上記接続要素30によって、任意に上記ロック要素31によっても接続された2つの延長フレームモジュール29を示す。締結要素35’は、少なくとも対向する2つの第1及び第2の壁32、33に設けられ、任意に端モジュールとして用いられる延長フレームモジュール29の第3の壁34にも設けられる。締結要素35’は、例えば、接続された延長フレームモジュール29の周囲に沿って設けられ、取付フレーム19が取り付けられる仕切り12の一側とは反対側の仕切り12の他側に締結することができる。図15は、図14に示されるのとほぼ同じ特徴を示すが、相互接続された複数の延長フレームモジュール29を含み、中間延長フレームモジュール29には、対向する2つの第1の壁32及び第2の壁33に締結要素35’のみが設けられ、端モジュールである延長フレームモジュール29には、第3の壁34にも締結要素35’が設けられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】