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特表2024-524018カプセル、そのようなカプセルを備えるシステム、及び飲料製品を調製するためのそのようなシステムを実施する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】カプセル、そのようなカプセルを備えるシステム、及び飲料製品を調製するためのそのようなシステムを実施する方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/804 20060101AFI20240628BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20240628BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20240628BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20240628BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B65D85/804 200
A47J31/44 510
A47J31/06 323
A47J31/36 122
A47J31/40 107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574849
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2022067475
(87)【国際公開番号】W WO2023274904
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21182652.4
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】プリエーゼ, アレクサンドル
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA19
4B104AA20
4B104BA36
4B104BA40
4B104DA57
4B104EA09
(57)【要約】
本発明は、飲料製品を調製するためのカプセル(1)であって、食用製品を収容するように構成された空洞を画定する本体(2)と、空洞を閉じるように本体(2)に固定されるように構成された膜(12)と、を備え、膜(12)は、膜(12)が空洞を閉じるときに空洞から離れる方向を向く外側領域(14)を画定し、膜(12)は、外側領域(14)に位置するコード領域(20)を備え、コード領域(20)は、カプセル情報を保持するコード(21)を含み、コード(21)は光学的に検出可能であり、外側領域(14)は、少なくとも0.1mg/cmの量の水を吸収するように選択された水分吸収能力を有する吸収領域(22)を含む、カプセル(1)に関する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料製品を調製するためのカプセル(1)であって、
食用製品(5)を収容するように構成された空洞(4)を画定する本体(2)と、
前記空洞(4)を閉じるように前記本体(2)に固定されるように構成された膜(12)と、を備え、
前記膜(12)は、前記膜(12)が前記空洞(4)を閉じるときに前記空洞(4)から離れる方向を向く外側領域(14)を画定し、
前記膜(12)は、前記外側領域(14)に位置するコード領域(20)を備え、前記コード領域(20)は、カプセル情報を保持するコード(21)を含み、前記コード(21)は光学的に検出可能であり、
前記外側領域(14)は、少なくとも0.1mg/cmの量の水を吸収することができるように選択された水分吸収能力を有する吸収領域(22)を含む、カプセル(1)。
【請求項2】
飲料製品を調製するためのカプセル(1)であって、
食用製品(5)を収容するように構成された空洞(4)を画定する本体(2)と、
前記空洞(4)を閉じるように前記本体(2)に固定されるように構成された膜(12)と、を備え、
前記膜(12)は、前記膜(12)が前記空洞(4)を閉じるときに前記空洞(4)から離れる方向を向く外側領域(14)を画定し、
前記膜(12)は、前記外側領域(14)に位置するコード領域(20)を備え、前記コード領域(20)は、カプセル情報を保持するコード(21)を含み、前記コード(21)は光学的に検出可能であり、
前記外側領域(14)は、前記外側領域(14)の残りの部分の少なくとも一部の水分吸収能力よりも高い前記水分吸収能力を有する吸収領域(22)を含む、カプセル(1)。
【請求項3】
前記吸収領域(22)及び前記コード領域(20)は、
前記吸収領域(22)が前記コード領域(20)である、又は、
前記吸収領域(22)が前記コード領域(20)の少なくとも一部を含む、又は、
前記コード領域(20)が前記吸収領域(22)の少なくとも一部を含む、及び/又は、
前記吸収領域(22)が、前記外側領域(14)の100%にわたって、若しくは100%未満にわたって、若しくは75%未満にわたって、若しくは50%未満にわたって、若しくは25%未満にわたって、若しくは15%未満にわたって広がる、及び/又は、
前記吸収領域(22)が、前記コード領域(21)に対して同軸又は同心円状に配置される、
ように構成されている、請求項1又は2に記載のカプセル(1)。
【請求項4】
前記吸収領域(22)の前記水分吸収能力は、前記吸収領域(22)が1.5秒未満、好ましくは1秒未満で0.05mgの水に相当する少なくとも0.05mLの量の水を吸収することができるようなものである、請求項1~3のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項5】
前記コード領域(20)は、前記外側領域(14)の100%にわたって、若しくは100%未満にわたって、若しくは75%未満にわたって、若しくは50%未満にわたって、若しくは25%未満にわたって、若しくは15%未満にわたって広がる、及び/又は、
前記コード(21)は、前記コード領域(20)の50%~100%、例えば100%、任意選択的に70%~90%にわたって広がり、
前記コード領域(20)は、好ましくは、正面図において前記膜(12)の中央領域に位置する、
請求項1~4のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項6】
前記膜(12)は、少なくとも2つの層(12.1、12.2)を含み、前記コード領域(20)及び前記吸収領域(22)は、前記少なくとも2つの層(12.1、12.2)の最外層(12.1)の一部であり、前記膜(12)の他の1つ又は複数の層(12.2)の少なくとも一部は、好ましくは水を通さない、請求項1~5のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項7】
前記吸収領域(22)の前記水分吸収能力は、前記外側領域(14)の一部の構造化によって、例えばレーザエッチングによって提供される、又は、前記吸収領域(22)の前記水分吸収能力は、前記吸収領域(22)を形成する材料によって提供され、前記材料は、好ましくは、紙、ボール紙、綿、及び親水性特性を有するポリマーベースの膜のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項8】
前記吸収領域(22)に対して、前記外側領域(14)の残りの部分の少なくとも一部、好ましくは前記外側領域(14)の前記残りの部分の全ては、水を通さない、請求項1~7のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項9】
前記コード(21)は、シート要素、例えばステッカー上に付与され、前記シート要素は、前記コード領域(20)を形成する、請求項1~8のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項10】
前記コード(21)は、インプリント、エンボス加工、及びコーティングのうちの少なくとも1つを含み、前記コード(21)は、好ましくは、線形又は一次元バーコード、QRコードのようなマトリックス又は二次元バーコード、オブジェクト識別子(OID)などの角度コード、認識可能なロゴ又はテキストなどの、任意の光学的に識別可能なコードである、請求項1~9のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項11】
前記カプセル情報は、i)前記食用製品(5)に関する情報、並びに/又は、ii)例えば飲料調製マシン(102)によって処理される飲料調製パラメータ及び/若しくは命令を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のカプセル(1)。
【請求項12】
飲料製品を調製するためのシステム(101)であって、
請求項1~11のいずれか一項に記載のカプセル(1)と、
飲料調製マシン(102)であって、
前記カプセル(1)を受け入れるように構成されたチャンバ(104)と、
前記カプセル(1)が前記チャンバ(104)内に受け入れられたときに前記コード(21)を光学的に感知するように配置されたセンサ(106)であって、好ましくはカメラを備える、センサ(106)と、
前記カプセル(1)が前記チャンバ(104)内にあるときに液体を前記カプセル(1)内に送達するように構成された液体送達ユニット(108)であって、前記飲料製品を調製するために前記液体が前記食用製品(5)と相互作用し得るようにする、液体送達ユニット(108)と、
前記感知されたコード(21)を受信し、好ましくは前記カプセル情報に基づいて前記液体送達ユニットを制御することによって、前記カプセル情報を処理するように構成された制御ユニット(110)と、
を有する、飲料調製マシン(102)と、
を備える、システム(101)。
【請求項13】
前記センサ(106)は、前記カプセル(1)が前記チャンバ(104)内に受け入れられたときに、コード領域(20)に近接して又は接触して配置される、請求項12に記載のシステム(101)。
【請求項14】
飲料製品を調製するための方法(201)であって、
請求項12~13のいずれか一項に記載のシステム(101)を提供するステップ(202)と、
前記カプセル(1)を前記チャンバ(104)内に挿入するステップ(204)と、
前記カプセル(1)が前記チャンバ(104)内にあるときに前記センサ(106)によって前記コード(21)を光学的に感知するステップ(206)と、
前記制御ユニット(110)によって前記感知されたコード(21)を受信するステップ(208)と、
前記制御ユニット(110)によって、好ましくは前記カプセル情報に基づいて前記液体送達ユニット(108)を制御することによって、前記カプセル情報を処理して、前記カプセル(1)が前記チャンバ(104)内に受け入れられたときに液体を前記カプセル(1)内に送達して、前記飲料製品を調製するために前記液体が前記食用製品(5)と相互作用し得るようにするステップ(210)と、
を含む、方法(201)。
【請求項15】
前記カプセル(1)が前記チャンバ(104)内に受け入れられたときに、前記吸収領域(22)における凝縮水分が前記吸収領域(22)によって少なくとも部分的に吸収される、請求項14に記載の方法(201)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー、茶、風味付けされた水、ミネラル豊富な水、スープなどの飲料製品を調製するためのカプセルに関する。本発明は更に、そのようなカプセル及び飲料調製マシンを備えるシステムに関する。本発明はまた、そのようなカプセル及びそのようなシステムを使用して飲料製品を調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、カプセルを受け入れ、液体をカプセル内に送達し、そこで液体が食用製品と混合し、混合された飲料製品を注出するための飲料調製マシンを使用することが知られている。いくつかの既知のカプセルは、光学コードを持つ膜又は特定の表面を有し、光学コードは、飲料調製マシンのカメラのようなセンサによって感知することができ、カプセル情報を保持する。既知の飲料調製マシンは、調製パラメータを設定するため、及び/又はカプセル情報に従ってカプセル内への液体の送達を制御するための制御ユニットを備える。
【0003】
しかしながら、飲料調製マシンは、カプセルが受け入れられるチャンバ内に、残留液体又は飲料製品のような水分を含む場合がある。そのような水分は、カメラと光学コードとの間に存在する可能性があり、したがって、カメラによる光学コードの感知が損なわれる。その結果、制御ユニットは、光学コードによって保持されるカプセル情報を受信することができない。これは、次に、飲料調製マシンが飲料製品を適切に調製することができない、又は飲料製品の調製を停止する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、特に飲料調製マシン内に水分が存在するときに、カプセルによって搬送されるコードの信頼性が高く、有利には迅速な感知を可能にする又は少なくともそれに寄与する、カプセル、システム、及び方法を提供することである。
【0005】
一態様によれば、本発明は、飲料製品を調製するためのカプセルであって、
食用製品を収容するように構成された空洞を画定する本体と、
空洞を閉じるように本体に固定されるように構成された膜と、を備え、
膜は、膜が空洞を閉じるときに空洞から離れる方向を向く外側領域を画定し、
膜は、外側領域に位置するコード領域を備え、コード領域は、カプセル情報を保持するコードを含み、コードは光学的に検出可能であり、
外側領域は、少なくとも0.1mg/cmの量の水を吸収することができるように選択された水分吸収能力を有する吸収領域を含む、カプセルに関する。
【0006】
したがって、この態様によるカプセルは、さもなければセンサによるコードの感知を損なう可能性があるいくらかの水分を吸収領域が吸収し得るので、コードの感知の信頼性を高める。センサは、したがって、センサとコードとの間に水分がない、又はあまりないので、コードを確実に感知し得る。
【0007】
水分吸収能力は、通常、吸水率24時間/平衡(Water Absorption 24 Hour/Equilibrium)と呼ばれる試験手順ASTM D570-98(2018)によって決定され得る。この試験の一般的な説明として、試料(例えば、吸収領域又は膜の残りの部分)を、特定の時間及び特定の温度下でオーブン内で乾燥する。次に、乾燥した試料を、特定の冷却時間及び特定の温度でデシケータ内で冷却する。冷却直後に、試料を最初に秤量して、その乾燥重量を測定する。次に、試料を、特定の条件、例えば23℃で24時間、あるいは平衡になるまで、すなわち試料がもはや水を吸収しなくなるまで、水中に浸漬する。次いで、試料を秤量して、その湿潤重量を測定する。湿潤重量と乾燥重量との差は、試料によって吸収された水の重量を表し、これは、温度及び圧力についての標準条件下で吸収された所与の体積の水に対応する。この差を乾燥重量で割り、100を掛けたものがパーセント吸水率を表す。特定のプロセス及び試験パラメータについては、上述の試験手順を参照されたい。
【0008】
別の態様によれば、本発明は、飲料製品を調製するためのカプセルあって、
食用製品を収容するように構成された空洞を画定する本体と、
空洞を閉じるように本体に固定されるように構成された膜と、を備え、
膜は、膜が空洞を閉じるときに空洞から離れる方向を向く外側領域を画定し、
膜は、外側領域に位置するコード領域を備え、コード領域は、カプセル情報を保持するコードを含み、コードは光学的に検出可能であり、
外側領域は、外側領域の残りの部分の少なくとも一部の水分吸収能力よりも高い水分吸収能力を有する吸収領域を含む、カプセルに関する。
【0009】
したがって、この態様によるカプセルは、さもなければコードの感知を損なういくらかの水分を吸収領域が吸収し得るので、コードの感知の信頼性を高める。センサは、したがって、センサとコードとの間に水分がない、又はあまりないので、コードを確実に感知し得る。
【0010】
本出願において、「カプセル」という用語は、乾燥、液体、固体、例えば粉末状、ペースト状、及び/又は他の形態の飲料原材料を封入する任意の容器を指し得る。例えば、カプセルは、硬質又は軟質の本体及び/又は膜を有し得る。本体及び膜(エンベロープ)は、概して、同じ材料又は異なる材料から作製され得る。本体及び膜(エンベロープ)は、概して、同じ形状又は異なる形状を有し得る。カプセルは、密封されていてもよい、又は部分的若しくは全体的に多孔性であってもよい。「カプセル」という用語はまた、シングルサーブの容器、ポッド又はサッシェに対応し得る。
【0011】
本出願において、「飲料製品」という用語は、飲用可能な液体、又は食用(edible)若しくは食用(comestible)液体、例えばスープを指し得る。本出願において、「飲料調製」という用語及びその派生語は、液体とカプセル内に収容された製品との間の任意の種類の相互作用、例えば、混合、溶解、浸出、又は、水若しくは蒸気のような流体の圧力を伴う若しくは伴わない抽出を指し得る。
【0012】
本出願において、「外部領域の残りの部分」という用語は、膜の外側部分から吸収領域を除いたものによって定義される領域を指し得る。
【0013】
本出願では、吸収領域の水分吸収能力と外側領域の残りの部分の一部の水分吸収能力のような、水分吸収能力を比較するために、同じ体積及び形状を有する試料又サンプルを採取することができる。
【0014】
本開示において、「吸収能力」という用語は、「水分吸収能力」と同義語である。
【0015】
いくつかの実施形態では、空洞は閉鎖端を有してもよい。そのような閉鎖端は壁によって形成されてもよく、壁は本体の一部であってもよく、又は本体に固定されてもよい。あるいは、そのような閉鎖端は、本体に固定され得る箔によって形成されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、吸収領域の吸収能力は、吸収領域から5mm未満離れた範囲内など、吸収領域の少なくともすぐ周囲の吸収能力より高くてもよい。いくつかの実施形態では、吸収領域の吸収能力は、全ての外側領域の残りの部分の吸収能力よりも高くてもよく、一方、膜の内層が存在する場合には、吸収領域よりも高い吸収能力を有してもよい。いくつかの実施形態では、吸収領域の吸収能力は、膜の内側領域を含む膜の残りの部分の吸収能力よりも高くてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、吸収領域の吸収能力は、本体の吸収能力より高くてもよい。いくつかの実施形態では、吸収領域の吸収能力は、外側領域の残りの部分の吸収能力より高くてもよい。
【0018】
前述の詳細な態様及び実施形態のいずれか1つの実施形態によれば、吸収領域及びコード領域は、
吸収領域がコード領域である、又は、
吸収領域がコード領域の少なくとも一部を含む、又は、
コード領域が吸収領域の少なくとも一部を含む、及び/又は、
吸収領域が、外側領域の100%にわたって、若しくは100%未満にわたって、若しくは75%未満にわたって、若しくは50%未満にわたって、若しくは25%未満にわたって、若しくは15%未満にわたって広がる、及び/又は、
吸収領域が、コード領域に対して同軸又は同心円状に配置される、
ように構成され得る。
【0019】
したがって、外側領域に対して吸収領域及びコード領域をそのように配置することにより、コードが確実かつ迅速に読み取られ得ることを確保にしながら、膜を比較的容易に製造することが可能になる。更に、コード領域に対して吸収領域を同軸又は同心円状に配置することにより、コードを全体的に水分から確実に保護することができる。
【0020】
前述の詳細な態様及び実施形態のいずれか1つの実施形態によれば、吸収領域の水分吸収能力は、吸収領域が1.5秒未満、好ましくは1秒未満で少なくとも0.05mL(0.05mgの水に相当する)の量の水を吸収することができるようなものであってもよい。
【0021】
したがって、吸収領域がコード領域に対応する場合、コード領域は、比較的短時間でかなりの量の水分を吸収することができ、それによって、センサがコードを迅速に感知することを可能にする。
【0022】
いくつかの他の実施形態では、コード領域は外側領域の残りの部分に属してもよく、この場合、吸収領域はコード領域とは異なり、コード領域は吸収領域よりも低い吸収能力を有する。好ましくは、吸収はコード領域を部分的又は完全に取り囲むことができる。したがって、吸収領域は、いくらかの水分又は水滴がコード領域に到達する前にそれらを捕らえることができ、したがって、センサがコードを確実に読み取ることを可能にする。
【0023】
前述の実施形態では、コード領域は撥水性若しくは疎水性であってもよく、又は撥水性若しくは疎水性の材料若しくは構造を含んでもよい。好ましくは、コードは、膜の最外透明層の内側に印刷され得る。
【0024】
したがって、コード領域は、液滴のような膜上に存在する水をはじくことができ、水は、次いで吸収領域によって吸収され、それによってセンサがコードを迅速に感知することを可能にする。
【0025】
前述の詳細な態様及び実施形態のいずれか1つの実施形態によれば、コード領域は、外側領域の100%にわたって、若しくは100%未満にわたって、若しくは75%未満にわたって、若しくは50%未満にわたって、若しくは25%未満にわたって、若しくは15%未満にわたって広がってもよく、及び/又は、
コードは、コード領域の50%~100%、例えば100%、任意選択的に70%~90%にわたって延びてもよく、
コード領域は、好ましくは、正面図において膜の中央領域に位置する。
【0026】
したがって、コード領域は、外側領域のごく一部のみがより高い吸収能力を有し得るように、比較的小さくてもよい。これは、特に外側領域の一部が水を通さない場合に、カプセルの貯蔵寿命を延ばすことができる。また、コードはコード領域の大部分にわたって延びてもよく、これによりコード領域によって占有される面積を最小限にすることが可能になる。
【0027】
更に、コード領域の中央配置は、センサによるコードの感知を容易にすることができる。センサを飲料調製マシン内に配置することも、より容易であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、膜は、例えば膜と本体との間に配置されたインサートを介して、直接的又は間接的に本体に固定されてもよい。
【0029】
前述の詳細な態様及び実施形態のいずれか1つの実施形態によれば、膜は、少なくとも2つの層を含んでもよく、コード領域及び吸収領域は、少なくとも2つの層の最外層の一部であってもよく、膜の他の層(複数可)の少なくとも一部は、好ましくは水を通さない。
【0030】
したがって、吸収領域は、膜の限られた深さにおいてのみ水分を吸収することができ、これにより、特に膜の残りの部分が部分的に又は完全に水を通さない場合に、カプセルの貯蔵寿命を延ばすことができる。最外層は、膜の外部、すなわち、カプセルの外部にさらされる膜の部分を形成してもよい。
【0031】
逆に、外側領域の残りの部分は、限られた深さにおいてのみ水分を吸収することができ、これにより、特にコード領域が部分的に又は完全に水を通さない場合に、カプセルの貯蔵寿命を延ばすことができる。
【0032】
前述の詳細な態様及び実施形態のいずれか1つの実施形態によれば、吸収領域の水分吸収能力は、外側領域の一部の構造化によって、例えばレーザエッチングによって提供されてもよく、又は吸収領域の水分吸収能力は、吸収領域を形成する材料によって提供され、上記材料は、好ましくは、紙、ボール紙、綿、及び親水性特性を有するポリマーベースの膜のうちの少なくとも1つを含む。
【0033】
したがって、最初の製造ステップにおいて、吸収領域及び膜外部の残りの部分を同じ材料から作製することができ、その後のステップにおいて、材料を構造化することによって吸収領域を設けることができる。膜外部の製造は比較的単純であり得、吸収領域は、膜外部の残りの部分と一体化され得る、又はそれに固定され得る。
【0034】
換言すれば、膜外部は、吸収領域を形成する第1の材料又は構造と、その隣に、例えば水を通し得ない第2の材料又は構造とを含むことができる。
【0035】
特定の実施形態では、吸収領域は、これらの材料のうちの1つのみを含んでもよい。あるいは、吸収領域は、これらの材料のうちの2つ以上を含んでもよい。
【0036】
前述の詳細な態様及び実施形態のいずれか1つの実施形態によれば、吸収領域に対して、外側領域の残りの部分の少なくとも一部、好ましくは外側領域の残りの部分の全ては、水を通さなくてもよい。
【0037】
したがって、貯蔵されたカプセルに水分が全く又はほとんど侵入しないので、カプセルの貯蔵寿命を延ばすことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、コードは、多色光若しくは単色光のいずれかの可視光の下、及び/又は紫外光の下でセンサによって感知されるように構成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、コードは、対応するセンサによって感知されるように、電気的、磁気的、又は放射性特性を有してもよい。
【0039】
前述の詳細な態様及び実施形態のいずれか1つの実施形態によれば、コードは、シート要素、例えばステッカー上に付与されてもよく、シート要素はコード領域を形成する。
【0040】
したがって、コード領域は、膜上に容易に設けられ得る。
【0041】
前述の詳細な態様のいずれか1つの実施形態によれば、インプリント、エンボス加工、及びコーティングのうちの少なくとも1つを含んでもよく、コードは、好ましくは、線形又は一次元バーコード、QRコード(登録商標)のようなマトリックス又は二次元バーコード、オブジェクト識別子(OID)などの角度コード、認識可能なロゴ又はテキストなどの、任意の光学的に識別可能なコードである。
【0042】
したがって、そのようなコードは、センサによって容易に読み取られ、制御ユニットによって処理され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、コードは、コードの輪郭を取り囲む領域に対して、少なくとも2:1、好ましくは少なくとも3:1のコントラスト比を有する。
【0044】
前述の詳細な態様及び実施形態のいずれか1つの実施形態によれば、カプセル情報は、i)食用製品に関する情報、並びに/又は、ii)例えば飲料調製マシンによって処理される飲料調製パラメータ及び/若しくは命令を含んでもよい。
【0045】
したがって、そのようなカプセル情報は、ユーザに表示されてもよく、及び/又はカプセルを用いて飲料製品を自動的に調製するために飲料調製マシンによって使用されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、空洞は、例えば粉末状、ゲル状、ペースト状又は液体状の食用製品を収容することができる。いくつかの実施形態では、食用製品は、コーヒー粉末、香味料、植物要素、例えば果実又は葉、ミネラル、砂糖、カフェイン、ビタミンなどのうちのいずれか1つであってもよい。
【0047】
別の態様によれば、本発明は、飲料を調製するためのシステムであって、
前述の態様及び実施形態のいずれか1つに記載のカプセルと、
飲料調製マシンであって、
カプセルを受け入れるように構成されたチャンバと、
カプセルがチャンバ内にあるときにコードを光学的に感知するように配置されたセンサであって、例えばカメラを備える、センサと、
飲料製品を調製するように、カプセルがチャンバ内にあるときに液体をカプセルに送達するように構成された液体送達ユニットと、
感知されたコードによって保持されるカプセル情報を受信し、好ましくはカプセル情報に従って液体送達ユニットを制御することによって、カプセル情報を処理するように構成された制御ユニットと、
を有する飲料調製マシンと、
を備える、システムに関する。
【0048】
したがって、そのようなシステムは、高い信頼性でコードを感知することができるので、適切なレシピの実施において、高い信頼性で飲料製品を調製することができる。
【0049】
更なる態様によれば、本発明は、飲料を調製するための方法であって、
前述の態様又は実施形態によるシステムを提供するステップと、
カプセルをチャンバ内に挿入するステップと、
カプセルがチャンバ内にあるときにセンサによってコードを光学的に感知するステップと、
制御ユニットによって感知されたコードによって保持されるカプセル情報を受信するステップと、
カプセル情報に従って飲料製品を調製するために、制御ユニットによって、好ましくはカプセルがチャンバ内にあるときにカプセルに液体を送達するように液体送達ユニットを制御することによって、カプセル情報を処理するステップと、
を含み、
膜に近い水分は、カプセルがチャンバ内にあるときに、吸収領域によって少なくとも部分的に吸収される、方法に関する。
【0050】
したがって、そのような方法は、高い信頼性でコードを感知することができるので、適切なレシピの実施において、高い信頼性で飲料製品を調製することができる。
【0051】
本発明の更なる特徴、詳細及び利点は、添付の図面の実施形態に関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】一実施形態によるカプセルの概略分解斜視図を示す。
図2図1のカプセルの概略斜視図を示す。
図3図1図2のカプセルに適した膜の一部の概略断面図を示す。
図4図1図2のカプセルに適した別の膜の一部の概略断面図を示す。
図5】カプセルが飲料調製マシンに挿入された直後の、飲料調製マシン及び一実施形態によるカプセルを含む一実施形態によるシステムの一部の概略半切り欠き斜視側面図を示す。
図6】カプセルが飲料調製マシンの抽出チャンバに到達したときの図5と同様の図を示す。
図7】抽出チャンバが閉じ始めたときの図6と同様の図を示す。
図8】一実施形態による方法のステップに従って、抽出チャンバがカプセルを包囲しており、飲料調製マシンのセンサがカプセルによって搬送されたコードを感知することができるときの図7と同様の図を示す。
図9】一実施形態による方法を示すフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1図2及び図3は、飲料製品を調製するのに適したカプセル1の一実施形態、並びにその特定の詳細及び部品を示す。
【0054】
カプセル1は、食用製品5、例えばコーヒー粉末、香味料、植物要素、例えば果実若しくは葉、ミネラル、砂糖、カフェイン、及び/又はビタミンを収容するように構成された空洞4を画定する本体2を備える。本体2は、概して、円錐台形状又はカップ形状を有してもよい。本体2は、側壁6と、本体2を一方の側で閉じる端壁8と、空洞4の開口部の周りの環状リム10とを有してもよい。側壁6は、端壁8と一体であってもよく、例えば一体型であってもよい。本体2は比較的剛性であってもよい。本体2はアルミニウム製であってもよい。あるいは、本体2は、リサイクル可能及び/又は生分解性である繊維ベースの材料から作製されてもよい。
【0055】
カプセル1は、膜12を更に備える。図2に示すように、膜12は、空洞4を閉じるように本体2に固定されてもよい。膜12は、概して、本体2の開放端を覆うように適合される円形形状を有してもよい。膜12は比較的可撓性であってもよい。膜12は、プラスチック箔及び/又はアルミニウム箔を含む積層体など、空洞4を特に気密に閉じるのに適した任意の材料を含んでもよい。
【0056】
膜12は、環状リム10に接着又は溶接された固定環状領域を有してもよい。膜12は、例えば膜12と本体2との間に配置された、図示されていないインサートを介して、直接的又は間接的に本体2に固定されてもよい。
【0057】
膜12は、図2に示されるように、膜12が空洞4を閉じるときに空洞4から離れる方向を向く外側領域14を画定する。したがって、膜12の外側領域14は、膜12の外部16に、したがってカプセル1を取り囲む空気にさらされている。膜12は、外側領域14の反対側に内側領域18を画定することができ、内側領域18は、図1に図示されていないが指し示されており、膜12が空洞4を閉じるときに空洞4に面する(図2)。
【0058】
膜12はコード領域20を備え、コード領域20は、カプセル情報を保持するコード21を含む。コード領域20は、外側領域14に位置する。コード21は光学的に検出可能である。コード21は、任意の光学的に検出可能なデータから形成されてもよい。カプセル情報は、好ましくは、i)食用製品5に関する情報、並びに/又は、ii)例えば飲料調製マシンによって処理される飲料調製パラメータ及び/若しくは命令を含んでもよい。
【0059】
好ましくは、コード21は、バーコード、例えば線形又は一次元バーコード、QRコードのようなマトリックス又は二次元バーコード、オブジェクト識別子(OID)などの角度コード、認識可能なロゴ又はテキストなどの、任意の光学的に識別可能なコードから形成されてもよい。コード21は、インプリント、エンボス加工、及びコーティングのうち少なくとも1つを含んでもよい。コード21は、可視光及び/又は紫外光の下でセンサ106(図5図8)によって光学的に感知され得るインクを含んでもよい。
【0060】
あるいは、コードは、導電性インサート、又はカプセルの若しくはカプセル上に配置された磁気的に検出可能な要素など、電気的又は磁気的に識別可能なコードから形成されてもよい。
【0061】
外側領域14は吸収領域22を含み、吸収領域22は、少なくとも0.1mg/cm(これは0.1mL/cmに相当する)の量の水を吸収することができるように選択された水分吸収能力を有する。好ましくは、吸収領域22の水分吸収能力は、吸収領域22が1.5秒未満、好ましくは1秒未満で少なくとも0.05mg(0.05mLに相当する)の量の水を吸収することができるようなものであってもよい。
【0062】
特定の表面上で吸収される水の量は、実際に上記の量の水を吸収する要素の表面の関数であるので、吸収能力は、表面単位による水の量に対応する(ここではmg/cmを使用するが、mL/cmも同様に使用することができる)。
【0063】
提案された値は、1cmの表面上の2滴の水に対応する0.1mg/cmである。
【0064】
図1図8の例では、吸収領域22はコード領域20であってもよい。吸収領域22の吸収能力は、外側領域14の残りの部分の少なくとも一部の吸収能力よりも高い。図2の矢印23に沿った正面図では、外側領域14の残りの部分は、膜12を形成するディスクから吸収領域22又はコード領域20を形成するディスクを引いたものとして定義される環状領域によって表される。図1図2の例では、吸収領域22の吸収能力は、外側領域14の残りの部分の吸収能力よりも高くてもよい。
【0065】
図1図2に見られるように、吸収領域22は、外側領域14の10%を覆ってもよい。コード21は、コード領域20の約90%を覆ってもよい。コード領域20は、好ましくは、飲料調製マシン102の抽出ユニットの設計、及びカプセル1とセンサ106との相対的な位置決めに応じて、正面図において膜12の中央領域に、又は別の領域に位置し得る。
【0066】
図3図4の側断面図に見られるように、膜12は、最外層12.1及び1つ以上の内層(複数可)12.2を含む、2つ以上の層を含んでもよい。最外層12.1は、膜12の外部16、すなわち、カプセル1の外部16にさらされる膜12の部分を形成してもよい。
【0067】
図3の例では、吸収領域22、したがってコード領域20もまた、最外層12.1の一部であってもよい。最外層12.1は、前述の詳細な吸収能力を吸収領域22に提供するように構成されてもよい。好ましくは、内層(複数可)12.2は、水を通さなくてもよい。したがって、吸収領域22の吸収能力は、外側領域14の残りの部分、すなわち最外層12.1の吸収能力と実質的に等しくてもよい。その結果、外側領域14だけでなく、最外層12.1全体に水分を吸収させることができ、したがって、センサ106によるコード21の感知の信頼性が高まる。
【0068】
図4の例では、コード21は、コード領域20を形成し得るシート要素、例えばステッカー上に付与され得る。吸収領域22以外の外側領域14の残りの部分を形成する最外層12.1全体は、水を通さなくてもよい。吸収領域22は、紙又は綿などの親水性特性を有する任意の材料から作製されてもよく、一方、外側領域14の残りの部分は、疎水性特性を有する任意の材料から作製されてもよい。吸収領域22、ここではコード領域20の吸収能力は、外側領域14の残りの部分、すなわち最外層12.1の吸収能力よりも高い。
【0069】
図3及び図4の両方の例では、吸収領域22は、膜12の限られた深さにおいてのみ水分を吸収することができる。これは、コード21において吸収領域22によって吸収された水分が、下にある不浸透性層(複数可)(図3の内層12.2又は図4の最外層12.1のいずれか)を通って移動することができないからである。
【0070】
図3及び図4の両方の例では、吸収領域22の吸収能力は、吸収領域22が少なくとも0.05mLの量の水を吸収することができるようなものである。この量は、コード21の感知を高めるのに十分である。
【0071】
図3及び図4の両方の例では、吸収領域22の吸収能力は、吸収領域22、したがってコード領域20を形成する材料によって提供され得る。この材料は、親水性特性を有する材料、例えば紙又は綿であってもよい。代替的に又は補完的に、吸収領域22の吸収能力は、吸収領域22を形成する外側領域14の一部の構造化によって、例えばレーザエッチングによって提供されてもよい。
【0072】
図5図6図7及び図8は、飲料製品を調製するためのシステム101を示す。システム101は、先に詳述したカプセル1と同様のカプセル1を備える。システム101は、飲料調製マシン102を更に備える。飲料調製マシン101は、例えば、浸出、流体圧力を伴う又は伴わない抽出、溶解などによって、水のような液体と食用製品5との相互作用を可能にし、したがってコーヒー、茶、スープ、風味付けされた水、ミネラルが豊富な水などの飲料製品を調製するように構成される。
【0073】
飲料調製マシン(102)は、以下を有する。
【0074】
カプセル1を受け入れるように構成されたチャンバ104と、
カプセル1がチャンバ104内に受け入れられたときにコード21を光学的に感知するように配置されたセンサ106と、
図5図8に部分的に示され、カプセル1がチャンバ104内にあるときにカプセル1内に液体を送達するように構成された液体送達ユニット108であって、飲料製品を調製するために液体が食用製品5と相互作用し得るようにする、液体送達ユニット108と、
感知されたコード21によって保持されるカプセル情報を受信し、カプセル情報を処理するように構成された制御ユニット110。
【0075】
飲料調製マシン102は、挿入導管(insertion conduct)111及びカプセルホルダ112を更に備えてもよい。挿入導管111は、カプセル1が飲料調製マシン102に挿入されることを可能にするように構成されてもよい。挿入されたカプセル1は、重力の作用下でチャンバ104に到達することができる。
【0076】
カプセルホルダ112は、カプセル1の本体2を保持するように構成されてもよい。カプセルホルダ112は、以下の間で液体送達ユニット108に対して並進移動可能であり得る。
【0077】
i)カプセル1がチャンバに入ることができる第1の位置(図5)と、
ii)液体がカプセル1内に送達され得、飲料製品が調製され得る第2の位置(図8)。
【0078】
センサ106は、可視光又は紫外光の下でコード20を感知するのに適したカメラを含み得る。センサ106は、センサ106がコード領域20に近接して又は接触して位置するときにコード21を感知するように配置されてもよい。更に、センサ106は、図2に示すように、正面図において膜12の中央領域に位置するコード21を感知するように配置されてもよい。
【0079】
本発明のおかげで、カメラの表面に残っているあらゆる水又は水分を吸収領域22によって吸収することができる。吸収領域22がコード領域20である場合、コード領域は、カメラの表面に存在する水、すなわち約0.05cmの表面(カメラの感知面)上の1又は2滴の水を直接吸収することができる。これらの1つ又は2つの水滴は、約0.05mL~0.1mLの水(0.05mg~0.1mgの水に相当する)として定量化することができる。
【0080】
液体送出ユニット108は、コード21によって保持されるカプセル情報に基づいて、制御ユニット110によって制御されてもよい。液体送達ユニット108は、送達針114を介してカプセル1内に液体を送達することができる。飲料調製マシン102は、放出デバイス116を更に備えてもよく、放出デバイス116は、好ましくは、液体と食用製品5との相互作用後にカプセル1から飲料製品を放出するための放出針118を含む。送達針114及び放出針118は、既知の中空針又はカニューレであってもよい。
【0081】
飲料製品の放出後、カプセルホルダ112は、使用済みカプセル1をチャンバ104から排出させるために、第1の位置(図5)に戻ることができる。
【0082】
図9は、飲料製品を調製するための方法201を示す。方法201は、飲料調製マシン102及びカプセル1を含むシステム101を提供する第1のステップ202を含むことができる。
【0083】
第2のステップ204では、図5にも見られるように、カプセル1は、カプセルホルダ112の前のチャンバ104に到達するまで挿入導管111に挿入され、これはユーザが行うことができる。
【0084】
第3のステップ206では、センサ106は、例えば、カプセル1がチャンバ104内にあるとき(図8)にコード21を光学的に感知し、センサ106は、コード領域20に近接して又は接触して配置され得る。
【0085】
方法201によれば、コード領域20に存在する凝縮水分は、カプセル1がチャンバ104内に受け入れられたときに吸収領域22によって少なくとも部分的に吸収され得る。実際に、飲料調製に続いて、チャンバ104内の暖かい空気は、湿気を含んでいる可能性があり、湿気は、チャンバ104内に受け入れられる次のカプセル1上で凝縮する可能性があり、カプセル1は、通常、チャンバ104及びその中の暖かい空気よりも冷たい。
【0086】
第4のステップ208では、制御ユニット110は、感知されたコード21によって保持されるカプセル情報を受信する。カプセル情報の送信は、無線又は有線で行われてもよい。カプセル情報は、任意の適切なデータ交換規格に従って送信及び受信され得る。
【0087】
第5のステップ210では、制御ユニット110は、カプセル情報を処理する。これは、既知の方法で行うことができる。カプセル情報は、食用製品5に関する任意の情報、及び/又は温度、圧力、カプセル1内に送達される液体の体積などのような、カプセル1を処理するための最適なパラメータに関する任意の情報を含み得る。
【0088】
好ましくは、処理ステップ210は、カプセル情報に基づいて液体送達ユニット108を制御する第6の任意選択のステップ212を含み、これは、カプセル1がチャンバ104内に受け入れられたときに送達針114を介してカプセル1内に液体を送達するステップ214をもたらす。送達ステップ214の間及び後に、液体は、飲料製品を調製するために食用製品5と相互作用し得る。
【0089】
第7のステップ216では、飲料製品は、放出デバイス116を介して、好ましくは放出針118を介して放出されてもよい。飲料製品は、図示されていないユーザのカップに注出されるように、放出され、運ばれてもよい。
【0090】
図示されていない第8のステップでは、カプセルホルダ112は、使用済みカプセル1をチャンバ104から排出させるために、第1の位置(図5)に戻される。
【0091】
本発明は、添付の特許請求の範囲によって包含される限り、上述した実施形態に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】