(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】内視鏡又は侵襲性用途のための操縦可能な器具
(51)【国際特許分類】
A61B 1/005 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
A61B1/005 521
A61B1/005 523
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575634
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 NL2022050318
(87)【国際公開番号】W WO2022260518
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517197509
【氏名又は名称】フォーティメディックス・アセッツ・ザ・セカンド・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】FORTIMEDIX ASSETS II B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティッセン、マテウス・ヘンドリック・ルイス
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA04
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF32
4C161HH32
4C161HH47
(57)【要約】
円筒状器具は、第1のチューブ(1601;1619)と、第1のチューブ(1601;1619)を取り囲む第2のチューブ(1620)と、第2のチューブ(1620)を取り囲む第3のチューブ(1602;1621)とを有する。器具は、偏向可能な先端セクション(1613)と、操縦セクション(1618)と、先端セクション(1613)と操縦セクション(1618)との間の可撓性本体セクション(1615)と、長さ補償セクション(1617)と、操縦セクション(1618)から先端セクション(1613)まで延在する1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))と、それにより、先端セクション(1613)は、円筒状器具の長手方向に1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))を移動させることによって偏向され得る、を有する。円筒状器具は、長さ補償セクション(1617)の内側に各操縦ワイヤ(16(i))のためのボーデンケーブル配置を有し、各ボーデンケーブル配置は、操縦ワイヤ案内部分によって取り囲まれた操縦ワイヤ(16(i))を有する。操縦ワイヤ(16(i))及び操縦ワイヤ案内部分は、第1のチューブ(1619)、第2のチューブ(1620)、又は第3のチューブ(1621)の一部である。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のチューブ(1601;1619)と、前記第1のチューブ(1601;1619)を取り囲む第2のチューブ(1620)と、前記第2のチューブ(1620)を取り囲む第3のチューブ(1602;1621)とを備える円筒状器具であって、前記円筒状器具は、少なくとも1つの偏向可能な先端セクション(1613)と、操縦セクション(1618)と、前記先端セクション(1613)と前記操縦セクション(1618)との間の可撓性本体セクション(1615)と、長さ補償セクション(1617)と、前記操縦セクション(1618)から前記先端セクション(1613)まで延びる1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))であって、前記先端セクション(1613)が、前記円筒状器具の長手方向に前記1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))を移動させることによって偏向され得る1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))と、を有し、
前記長さ補償セクション(1617)が、操縦ワイヤ案内部分によって少なくとも部分的に取り囲まれた操縦ワイヤ(16(i))の第1の部分を備え、各操縦ワイヤ(16(i))と関連する操縦ワイヤ案内部分との両方は、前記第1のチューブ(1619)、前記第2のチューブ(1620)、又は前記第3のチューブ(1621)の少なくとも1つの一部であり、操縦ワイヤ(16(i))及び関連する操縦ワイヤ案内部分の各第1の部分は、前記可撓性本体セクション(1615)の曲げによる前記可撓性本体セクション(1615)の内側の前記操縦ワイヤ(16(i))の第2の部分の長さ変化を吸収するために変形するように構成された湾曲した構成を有する長さ補償要素として構成されている、円筒状器具。
【請求項2】
前記湾曲した構成が、中央軸(1622)から外方向に径方向に延在する、前記中央軸(1622)に向かって内方向に径方向に延在する、前記中央軸(1622)に対して接線方向に延在する、又は前記円筒状器具の中央軸周りでらせん状になっているもののうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の円筒状器具。
【請求項3】
前記操縦ワイヤ案内部分が、各操縦ワイヤ(16(i))の前記第1の部分に並んだ少なくとも1つの長手方向案内要素長さ補償部分(1620a(2、i)、1620b(2、i))を備え、前記少なくとも1つの長手方向案内要素長さ補償部分(1620a(2、i)、1620b(2、i))は、前記操縦ワイヤ(16(i))がその一部である前記第1のチューブ(1619)、前記第2のチューブ(1620)、又は前記第3のチューブ(1621)のうちの少なくとも1つの同じ一部である、請求項1又は2に記載の円筒状器具。
【請求項4】
前記少なくとも1つの長手方向案内要素長さ補償部分(1620a(2、i)、1620b(2、i))が、各操縦ワイヤ(16(i))の前記第1の部分の異なる側面に沿って2つの長手方向案内要素長さ補償部分(1620a(2、i)、1620b(2、i))を備える、請求項3に記載の円筒状器具。
【請求項5】
前記長さ補償セクション(1617)において、1つの操縦ワイヤ(16(i))に関連付けられた操縦ワイヤ案内部分が、前記第1のチューブ(1619)からの一部である内側操縦ワイヤ案内部分(1619(2、i))と、前記第3のチューブ(1621)からの一部である外側操縦ワイヤ案内部分(1621(2、i))とを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項6】
前記長さ補償セクション(1617)において、操縦ワイヤ案内部分が、前記操縦ワイヤ(16(i))に隣接して接線方向に位置し、前記操縦ワイヤ案内部分は、前記内側操縦ワイヤ案内部分(1619(2、i))又は前記外側操縦ワイヤ案内部分(1621(2、i))の少なくとも一方に取り付けられた、1つ又は複数の径方向に配向されたリップ(1623)を備える、請求項5に記載の円筒状器具。
【請求項7】
前記長さ補償セクション(1617)において、操縦ワイヤ案内部分が、前記少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(i))の接線方向移動を限定するように少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(i))内に摺動可能に配置された1つ又は複数の島部(1625(j))を備える、請求項5に記載の円筒状器具。
【請求項8】
第1の方向にいずれも延在する第1のバー(1645(1))及び第2のバー(1645(2))と、前記第1の方向に垂直な第2の方向にいずれも延在する第3のバー(1645(3))及び第4のバー(1645(4))とを有する正方形要素(1645)が、設けられ、前記第1及び第2のバー(1645(1)、1645(2))は、前記長さ補償セクション(1617)内の1つの操縦ワイヤ及び関連する操縦ワイヤ案内部分の対向するセットの頂点に摺動可能に接続され、前記第3及び第4のバー(1645(3)、1645(4))は、前記長さ補償セクション(1617)内の操縦ワイヤ及び関連する操縦ワイヤ案内部分の他の対向するセットの頂点に摺動可能に接続されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項9】
1つの操縦ワイヤ(16(i))のうちの一部が、前記少なくとも1つの偏向可能な先端セクション(1613)、前記操縦セクション(1618)、前記可撓性本体セクション(1615)、及び前記長さ補償セクション(1617)からの少なくとも2つの異なるセクション内の前記第1、第2、及び第3のチューブ(1619、1620、1621)における異なる1つ内に位置する、請求項1から8のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項10】
少なくとも1つの偏向可能な先端セクション(1301;1613)と、操縦セクション(1618)と、前記先端セクション(1613)と前記操縦セクション(1618)との間の可撓性本体セクション(1615)と、長さ補償セクション(1617)と、前記操縦セクション(1618)から前記先端セクション(1613)まで延在する1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i)、1309(i))であって、前記先端セクション(1613)が、前記長手方向器具の長手方向に前記1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i)、1309(i))を移動させることによって偏向され得る1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i)、1309(i))と、を備える円筒状器具であって、
前記円筒状器具が、前記可撓性本体セクション(1615)及び前記長さ補償セクション(1617)の内側に各操縦ワイヤ(16(i)、1309(i))のためのボーデンケーブル構成を有し、各ボーデンケーブル構成は、少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(i)、1309(i))と操縦ワイヤ案内部とを備え、各操縦ワイヤ案内部は、前記先端セクション(1301;1613)と前記可撓性本体セクション(1303;1615)との間の移行部において前記円筒状器具に取り付けられた遠位操縦ワイヤ案内端と、前記長さ補償セクション(1617)の内側を延在する近位操縦ワイヤ案内端とを有し、前記円筒状器具は、前記近位操縦ワイヤ案内端の1つの長手方向移動を感知するように各々が構成された、1つ又は複数のセンサ(1663(i))と、前記可撓性本体セクション(1303;1615)の曲げによる関連する近位操縦ワイヤ案内端の長手方向移動を補償するように1つの操縦ワイヤ(16(i)、1309(i))の長手方向移動を制御するように各々が構成された、1つ又は複数のアクチュエータ(1665(i))とを備える、円筒状器具。
【請求項11】
各センサ(1663(i))が、センサ信号をプロセッサに送信するように構成され、前記プロセッサは、各アクチュエータ(1665(i))が前記関連する操縦ワイヤ(16(i)、1309(i))の補償された長手方向移動を実行するように、関連するセンサ信号に応じて各アクチュエータ(1665(i))のための作動信号を生成するように構成されている、請求項10に記載の円筒状器具。
【請求項12】
各センサが、各アクチュエータ(1665(i))が関連する近位操縦ワイヤ案内端に機械的に結合され、本体セクションの曲げ中に前記近位操縦ワイヤ案内端と共に移動し、作動信号が前記アクチュエータ(1665(i))によって受信されない限り、前記操縦ワイヤ(16(i)、1309(i))が関連する操縦ワイヤ案内部の外側を近位に延在する距離を一定に保つように構成されるような機械的結合部として実装されている、請求項10に記載の円筒状器具。
【請求項13】
各操縦ワイヤ案内近位端のためのブレーキデバイス(1671(i))を備え、各ブレーキデバイス(1671(i))は、それぞれの前記近位操縦ワイヤ案内端の長手方向移動を可能にする又はブロックするように構成されている、請求項10から12のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項14】
少なくとも第1のチューブ(1601;1619)と、前記第1のチューブ(1601;1619)を取り囲む第2のチューブ(1620)と、前記第2のチューブ(1620)を取り囲む第3のチューブ(1602;1621)とを備える円筒状器具であって、
前記円筒状器具は、少なくとも1つの偏向可能な先端セクション(1613)と、操縦セクション(1618)と、前記先端セクション(1613)と前記操縦セクション(1618)との間の可撓性本体セクション(1615)と、長さ補償セクション(1617)と、前記操縦セクション(1618)から前記先端セクション(1613)まで延びる1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))であって、前記先端セクション(1613)が、前記円筒状器具の長手方向に前記1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))を移動させることによって偏向され得る1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))と、を有し、
各操縦ワイヤ(16(i))は、前記第1のチューブ(1619)、前記第2のチューブ(1620)、又は前記第3のチューブ(1621)の少なくとも1つの一部を備え、
前記長さ補償セクション(1617)において、各操縦ワイヤ(16(i))が、第1の部分と第2の部分とを備え、前記第1の部分は、突起部(16(i、9))を備え、前記第2の部分は、前記突起部を受け入れる凹部(16(i、8))を備え、前記突起部(16(i、9))と前記凹部(16(i、8))の両方は、前記円筒状器具の接線方向に対して角度付けされ、前記可撓性本体セクション(1615)の曲げによる前記可撓性本体セクション(1615)内の前記1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))の長さ変化を補償するように構成されている、円筒状器具。
【請求項15】
少なくとも1つの偏向可能な先端セクション(1301)と、操縦セクション(1307)と、前記先端セクション(1301)と前記操縦セクション(1307)との間に位置する少なくとも1つの可撓性本体セクション(1303)と、前記少なくとも1つの可撓性本体セクション(1303)と前記操縦セクション(1307)との間の場所に位置する長さ補償セクション(3200)と、前記操縦セクション(1307)から前記偏向可能な先端セクション(1301)まで延在する1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))であって、前記先端セクション(1301)が、円筒状の操縦可能な器具の長手方向に前記1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))を移動させることによって偏向され得る1つ又は複数の操縦ワイヤ(16(i))と、を備える円筒状の操縦可能な器具であって、
前記円筒状の操縦可能な器具は、
少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(i))のために、前記少なくとも1つの可撓性セクション(1307)に取り付けられた第1の端部と、前記長さ補償セクション(3200)内に延在する第2の端部とを有し、前記少なくとも1つの可撓性セクション(1307)の曲げによって前記少なくとも1つの可撓性セクション(1307)内で前記長手方向に移動し、次いで、前記円筒状の操縦可能な器具の接線方向に第1のスライダ(3218;4206(2);4206(4))を移動させるように構成される、1つ又は複数の感知要素(3201(i))と、
少なくとも1つの第2のスライダ(3219;3219a、3219b;4208(3);4208(4))と、ここで、各第2のスライダ(4208(3);4208(4))が、1つの第1のスライダ(3218;4206(2);4206(4))と一緒に前記接線方向に移動するが、前記1つの第1のスライダ(3218;4206(2);4206(4))から独立的に前記円筒状の操縦可能な器具の長手方向に移動するように構成されており、
を備え、
前記少なくとも1つの操縦ワイヤ(16(i))は、第1の操縦ワイヤ部分(16(i、1))と第2の操縦ワイヤ部分(16(i、2))とを備え、前記第1の操縦ワイヤ部分(16(i、1))及び前記第2の操縦ワイヤ部分(16(i、2))はいずれも、前記少なくとも1つの第2のスライダが前記接線方向に移動する場合に、前記第1の操縦ワイヤ部分(16(i、1))と前記第2の操縦ワイヤ部分(16(i、2))との間の相互の長手方向距離が調整されるように、前記少なくとも1つの第2のスライダ(3219;3219a;3219b;4208(3);4208(4))に接続されている、円筒状の操縦可能な器具。
【請求項16】
円筒状の操縦可能な器具を製造する方法であって、
少なくとも第1のチューブ(4300)を提供することと、
少なくとも1つの破砕要素(4306)によって互いに取り付けられた第1のチューブ部分(4302)及び第2のチューブ部分(4304)を生成するように前記少なくとも第1のチューブ内にスロット付きパターンを作製することと、
前記少なくとも1つの破砕要素(4306)にいくつかの疲労サイクルをかけることによって、前記第1のチューブ部分(4302)と前記第2のチューブ部分(4304)との間の取り付けを解放することとを備える、方法。
【請求項17】
円筒状の操縦可能な器具を製造する方法であって、
少なくとも第1のチューブ(4300)を提供することと、
少なくとも1つの溶融要素(4604(1)、4604(2)、4604)によって互いに取り付けられた第1のチューブ部分(4302)及び第2のチューブ部分(4304)を生成するように前記少なくとも第1のチューブ内にスロット付きパターンを作製することと、
前記溶融要素(4604(1)、4604(2)、4604)にレーザビームなどのエネルギービームを向けることによって、前記第1のチューブ部分(4302)と前記第2のチューブ部分(4304)との間の取り付けを解放することとを備える、方法。
【請求項18】
前記第1のチューブ部分(4302)又は前記第2のチューブ部分(4304)の少なくとも一方を前記溶融要素(4606)の溶融した部分によって前記第1のチューブの内側の第2のチューブの一部に取り付けることを備える、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、手術などの内視鏡及び/又は侵襲性タイプの用途のための操縦可能な器具に関する。本発明による操縦可能な器具は、医療と非医療の両方の用途に使用され得る。非医療用途の例は、到達することが難しい場所における機械的及び/又は電子的ハードウエアの点検及び/又は補修を含む。したがって、内視鏡用途又は侵襲性器具などの以下の説明において使用される用語は、幅広く解釈されなければならない。
【背景技術】
【0002】
[0002]標的領域を露出するために大きな切開を必要とする外科的介入から低侵襲性外科的介入、すなわち、標的領域へのアクセスを確立するために自然腔又は小さい切開しか必要としない外科的介入への変換は、よく知られている、進行中のプロセスである。低侵襲性外科的介入の実行において、医師などの操作者は、人又は動物の身体内にその体のアクセスポートを介して侵襲性器具を導入及び案内するために配置されたアクセスデバイスを必要とする。瘢痕組織の形成及び人又は動物の患者への疼痛を低減するために、アクセスポートは、好ましくは、皮膚及びその下の組織内の単一の小さい切開によって設けられる。いくつかの用途では、身体の自然腔が、入口として使用され得る。さらに、アクセスデバイスは、好ましくは、侵襲性器具が提供する1つ又は複数の自由度を操作者が制御することを可能にする。このようにして、操作者は、使用される器具の衝突のリスクを低減しながら、人間工学的で正確なやり方で、人又は動物の身体内の標的領域において必要とされるアクションを実行することができる。
【0003】
[0003]外科的侵襲性器具及び内視鏡が、当技術分野で知られている。侵襲性器具と内視鏡の両方は、そのナビゲーション及び操縦能力を強化する操縦可能なチューブを備えることができる。そのような操縦可能なチューブは、少なくとも1つの可撓性ゾーンを含む近位端部と、少なくとも1つの可撓性ゾーンを含む遠位端部と、中間部とを備えてもよく、操縦可能なチューブは、中間部に対する近位端部の少なくとも一部の偏向を遠位端部の少なくとも一部の関連する偏向にするように適合された操縦配置をさらに備える。代替的には、遠位可撓性ゾーンは、操縦可能な器具の近位端に配置されたロボット式器具によって操縦されてもよい。
【0004】
[0004]操縦可能な侵襲性器具は、チューブを操縦し、及び/又は操縦可能なチューブの遠位端部に配置されたツールを操作するために操縦可能なチューブの近位端部に配置されたハンドルを備えてもよい。そのようなツールは、たとえば、カメラ、手動操作器、たとえばはさみ、鉗子、又はエネルギー源、たとえば電気的、超音波的、若しくは光学的エネルギー源を使用する操作器であることができる。
【0005】
[0005]さらに、そのような操縦可能なチューブは、外側円筒状要素と、内側円筒状要素と、チューブの近位及び遠位端部内の可撓性ゾーンの数及び操縦配置の操縦部材の所望の実装に応じて1つ又は複数の中間円筒状要素とを含む同軸に配置された、いくつかの円筒状要素を備えてもよく、すなわち、すべての操縦部材は、単一の中間円筒状要素内に配置されることが可能であり、又は操縦部材は、異なるセットに分割され、操縦部材の各セットは、少なくとも部分的に、異なる又は同じ中間円筒状要素内に配置される。たいていの従来技術のデバイスでは、操縦配置は、たとえば操縦部材として1mm以下の直径を有する従来の操縦ケーブルを備え、操縦ケーブルは、チューブの近位及び遠位の端部において関連する可撓性ゾーン間に配置される。ボール形状の操縦ユニット又はロボット駆動式操縦ユニットのような近位端部にある他の操縦ユニットが、その代わりに適用されてもよい。
【0006】
[0006]しかし、操縦ケーブルは、多くのよく知られている欠点を有しているため、いくつかの用途では、これらを避け、1つ又は複数の中間円筒状要素の一体的部分を形成する操縦ワイヤの1つ又は複数のセットによって操縦部材を実装することが望まれる場合がある。操縦ワイヤを含む中間円筒状要素の各々は、射出成形若しくはプレーティングなどの適切な材料付加技術を使用することによって、又はチューブから開始し、その後レーザ切断、光化学エッチング、ディーププレス加工などの適切な材料除去技術、ドリル加工若しくはフライス加工などの従来のチッピング技術、又は高圧水噴射切断システムを使用することによって製作され得る。このようにして製造された操縦ワイヤは、次いで、チューブ材料から生じる長手方向ストリップとして実装され、そして引っ張り/押し出しワイヤとして使用され得る。前述の材料除去技術の中でも、レーザ切断は、妥当な経済的条件下で非常に正確でクリーンな材料除去を可能にするため、非常に有利である。
【0007】
[0007]内側及び外側円筒状要素もまた、チューブから製造されてもよい。これらのチューブは、器具の遠位端、可能であれば近位端も曲げ可能である場所において可撓性でなければならない。器具が可撓性でなければならない他の場所においても、内側及び外側円筒状要素は、可撓性でなければならない。これは、内側及び外側円筒状要素にこれらの可撓性の場所においてヒンジを設けることによって実装され得る。そのようなヒンジは、チューブ内に所定のパターンを(レーザ)切断することから生じてもよい。多くの異なるパターンが、従来技術から知られている。どのパターンを使用するかは、それだけに限定されないが、必要とされる曲げ角度、曲げ可撓性、長手方向剛性、及び径方向剛性を含む、関係する場所における設計の要求事項に依存する。
【0008】
[0008]前述の操縦可能なチューブ及びその操縦配置の設計及び製作に関するさらなる詳細が、たとえば、参照によって全体的にそのすべてが本明細書に組み込まれる、本出願人の国際公開第2009/112060号、国際公開第2009/127236号、米国特許出願第13/160,949号、及び米国特許出願第13/548,935号に説明されている。
【0009】
[0009]たとえば操縦可能な先端を有する可撓性の内視鏡器具から知られているように、可撓性の侵襲性の操縦可能な器具は、挿入可能な先端の制御に関してパフォーマンス上の欠陥がある可能性がある。そのような可撓性器具が、湾曲したチャネル、すなわち内視鏡又は自然の体腔のいずれかを通って身体内に挿入されるとき、その器具が曲がることで、長手方向の先端操縦要素の変位が起こる。従来的に構築された器具では、操縦要素、たとえばワイヤは、近位側においてハンドルのような操縦デバイスに固定され、遠位側において操縦可能な先端に固定されているため、操縦ワイヤの移動の結果、操縦デバイスの偏向及び又は操縦可能な先端の偏向が生じる。これにより、器具が狭く湾曲したチャネルを通って前進され、操縦デバイスが固定された位置に保持されるとき、先端は、前進中に制御不能に偏向し、たとえば、狭い内視鏡作業チャネル内で動かなくなる可能性、又はこれは、たとえば、肺気管支若しくは食道のような軟質組織の自然の体腔内の組織を損傷する可能性のいずれかの問題が生じる。
【0010】
[0010]別の問題は、器具が入口チャネルを通過し、標的とされる手術部位に器具先端が到達したとき、先端の偏向が、操縦デバイスの偏向に合わなくなることである。そのため、操縦デバイスの中立位置は、操縦可能な先端の中立位置にならない。このオフセットは、ユーザの視覚と手の協調に有害な影響を与える。
【0011】
[0011]可撓性の操縦可能な器具に関するさらに別の問題は、先端が操縦要素で操縦されるとき、その本体全体が操縦可能な先端のように機械的に挙動するため、本体もまた操縦要素によって操縦されることである。本体及び先端の偏向間の偏向比は、本体及び先端の曲げ剛性のみに依存する。先端の剛性に対して本体の剛性が大きくなるほど、先端はより操縦される。実際、先端は、本体より可撓性であるが、先端の操縦の結果、本体偏向も生じる傾向が依然としてあり、この本体偏向は、さらに、特定の曲率に器具本体を保つ傾向がある周囲チャネル上に横力を生じさせる。周囲チャネルが軟質の本体組織のもので存在する場合、この横力が周囲組織を損傷する場合もあるため、これは極めて望ましくない器具挙動である。また、本体の移動は、標的部位における操縦可能な先端の位置決めを妨げ、正確で予測可能な先端操縦をより難しくする場合もある。
【0012】
[0012]器具本体の曲げによる望ましくない先端操縦の問題に対処する、この問題に対する部分的な解決策が、国際公開第2014/011049号に説明されている。この解決策は、操縦ワイヤが操縦デバイスから結合解除されることが可能であり、これらの操縦ワイヤの端部、したがって器具先端が、湾曲した入口経路を通って器具が前進されるときに自由に移動することができる器具を説明している。器具先端が入口チャネルを通過して、標的とされる手術部位になると、操縦ワイヤが操縦デバイスに再結合され、器具先端は、このとき操縦されることが可能となる。この解決策の欠点は、器具が機械的により複雑であり、構築するのにより多くの部材を必要とすることである。別の欠点は、操作者は、湾曲した入口チャネルを通過するために、間違いを犯す恐れがあるか、又は実行し忘れる場合がある特定の手順に従う必要があることである。さらに別の欠点は、本体操縦の問題(横力)が依然として対処されていないことである。
【0013】
[0013]従来技術の解決策の共通点は、これらが、特別に製作されたチュービング、コイル、及び機械加工された部材から構築され、そのような器具の組み立ては、たいてい、時間がかかる難しいプロセスであることである。また、別々の部材の公差が組み立てにおいて加えられ、たとえば器具パフォーマンスが広範囲に広がる可能性があり、しばしば各器具の個々の較正を必要とする。
【発明の概要】
【0014】
[0014]本発明の目的は、上記で言及された問題の少なくとも1つが解決されるか、又は少なくとも低減される、内視鏡及び/又は侵襲性タイプの用途のための操縦可能な器具を提供することである。
【0015】
[0015]この目的を達成するために、本発明の独立的態様が独立請求項で定義され、その一方で、従属請求項は有利な実施形態に関する。
【0016】
[0016]いくつかの実施形態は、ボーデン(Bowden)ケーブル配置を備える。
【0017】
[0017]本出願において、用語「近位」及び「遠位」は、操作者、たとえば器具又は内視鏡を操作するロボット又は医師に対して定義される。たとえば、近位端部は、ロボット又は医師の近くに位置する部分として、遠位端部は、ロボット又は医師から距離を離して、すなわち手術領域内に位置する部分として解釈されるものとする。
【0018】
[0018]多くの実施形態において、本発明は、従来の解決策と同等で改良されたパフォーマンスを有するが、別個の部材をかなり減らし、組み立て努力をかなり減らして構築される器具を備える。ボーデンケーブル構造を含む、操縦可能な器具を構造化するためのすべての必要な要素は、いくつかのチューブから、ほとんどが事前に組み立てられた状態で一体的に製造されてもよい。唯一の残りの組み立てステップは、チューブを互いの中に摺動させ、必要とされる場所においてそのチュービングを互いに取り付けることからなる。事前に組み立てられる部材は、3D印刷又はプレーティング技術のような材料堆積プロセスによってチューブ壁内に作製され得る。好ましくは、事前に組み立てられる部材は、中実壁の金属又はプラスチックのチューブ(ステンレス鋼、コバルトクロム合金、ニチノールのような超弾性合金など)からの材料除去プロセスによって作製され得る。使用され得る材料除去プロセスは、たとえば、従来のチッピングプロセス、水噴射切断、エッチング、及び好ましくはレーザ切断プロセスである。
【0019】
[0019]したがって、本発明のこれらの実施形態は、そのような器具の製造コスト、したがってこれらの器具が使用される介入のコストの大幅な低減を可能にする。これらの器具を1回だけ使用し、その後これらを破棄することが、商業的に実現可能にもなってきている。これにより、適切に洗浄されていない、又は再殺菌されていない使用済み器具による患者の汚染又は感染によって処置後合併症の10%のリスクを有すると知られている使用済みの再殺菌された器具の代わりに、新しい器具がこのとき使用され得るため、介入の安全性が高められる。
【0020】
[0020]そのような器具の別の利点は、事前に組み立てられた状態で部材を生産するこの一体化された方法を使用することにより、これら部材が常に互いにフィットすること、及び部材間の最小限のあそびが達成され得ることである。これは、レーザ切断プロセスが使用されるときに特に当てはまる。2つの一体化された、製造された部材間の最小限の達成可能なあそびは、0.01mmの小ささであることができる、使用されるレーザビームの幅と同じ小ささである。通常、0.01から0.05mmのあそびが、容易に得られ得る。したがって、本発明による部材の一体的製作は、部材のフィット性及びその間のあそびに関して正確であるため、器具の機能的パフォーマンスの改良された正確性及び反復性が保証される。
【0021】
[0021]本発明のさらなる特徴及び利点が、非限定的及び非排他的な実施形態による本発明の説明から明らかになるであろう。これらの実施形態は、保護の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の他の代替策及び等価の実施形態が考えられ、実践に移されることが可能であることを当業者は認識するであろう。本発明の実施形態は、添付の図面の図を参照して説明され、図中、同様の又は同じ参照記号は、同様の、同じ又は対応する部材を示している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】[0022]円筒状要素内に切り開かれたストリップによって曲げ可能な遠位端部分の曲がりを制御する、1つの曲げ可能な遠位端部分及び1つの近位端部分を有する侵襲性器具アセンブリの概略断面図。
【
図2】[0023]
図1の器具が製造され得る3つの円筒状要素の概略概観図。
【
図3a】[0024]
図1及び
図2の器具の中間円筒状要素の一部を示す図。
【
図3b】[0025]そのような器具の中間円筒状要素の代替例を示す図。
【
図4】[0026]例示的な中間円筒状要素及びその中間円筒状要素内に挿入された内側円筒状要素を示す図。
【
図5】[0027]2つの操縦可能な曲げ可能な遠位端部分と2つの近位可撓性制御部分とを有する操縦可能な侵襲性器具組み立ての外側図。
【
図6】[0028]
図5に示される器具の遠位先端の拡大図。
【
図7】[0029]
図5に示される侵襲性器具を貫通する断面図。
【
図8】[0030]
図5及び
図7の侵襲性器具がどのように曲がり得るかの例を示す図。
【
図9】
図5及び
図7の侵襲性器具がどのように曲がり得るかの例を示す別の図。
【
図10】[0031]遠位端と近位端との間の中間セクションの少なくとも一部も可撓性である、
図5~
図9に示される侵襲性器具の代替の実施形態を示す図。
【
図11】[0032]侵襲性器具が腸管のような自然の身体管に挿入され得るように、遠位端と近位端との間の中間セクションも可撓性である、内視鏡外科用器具として侵襲性器具を使用する概略的な例を示す図。
【
図12】侵襲性器具が食道内に挿入され得るように、遠位端と近位端との間の中間セクションも可撓性である、内視鏡外科用器具として侵襲性器具を使用する概略的な例を示す別の図。
【
図13】[0033]本体セクションが曲がるときに本体セクション内で操縦ワイヤの長さ変化を補償するためにボーデンケーブル配置を有する従来技術の器具を示す図。
【
図14】本体セクションが曲がるときに本体セクション内の操縦ワイヤの長さ変化を補償するためにボーデンケーブル配置を有する従来技術の器具を示す別の図。
【
図15】本体セクションが曲がるときに本体セクション内の操縦ワイヤの長さ変化を補償するためにボーデンケーブル配置を有する従来技術の器具を示す別の図。
【
図16】[0034]操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す図。
【
図17】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図18A】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図18B】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図19】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図20】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図21A】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図21B】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図22】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図23】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図24A】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図24B】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図25A】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図25B】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図26A】[0035]ボーデンケーブル配置が長手方向補償セクション内をらせんの形で延在する実施形態を示す図。
【
図26B】ボーデンケーブル配置が長手方向補償セクション内をらせんの形で延在する実施形態を示す別の図。
【
図26C】ボーデンケーブル配置が長手方向補償セクション内をらせんの形で延在する実施形態を示す別の図。
【
図26D】ボーデンケーブル配置が長手方向補償セクション内をらせんの形で延在する実施形態を示す別の図。
【
図26E】ボーデンケーブル配置が長手方向補償セクション内をらせんの形で延在する実施形態を示す別の図。
【
図26F】ボーデンケーブル配置が長手方向補償セクション内をらせんの形で延在する実施形態を示す別の図。
【
図27】[0036]操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が単一のチューブからの一部として製造され、チューブの接線方向に長さ補償移動が起こるように構成されたボーデンケーブル配置を示す図。
【
図28a】[0037]チューブから製造されるときの長さ補償セクションの内側の操縦ワイヤの一部が、本体セクションが曲がるときに本体セクション内の操縦ワイヤの長さ変化を機械的に補償することができるように設計される実施形態を示す図。
【
図28b】チューブから製造されるときの長さ補償セクションの内側の操縦ワイヤの一部が、本体セクションが曲がるときに本体セクション内の操縦ワイヤの長さ変化を機械的に補償することができるように設計される実施形態を示す別の図。
【
図29】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び内方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図30】操縦ワイヤと操縦ワイヤ案内要素の両方が互いを取り囲むチューブからの一部として製造され、器具の中央軸から径方向及び外方向に延在するボーデンケーブル配置を有する器具を示す別の図。
【
図31a】[0038]プロセッサによって制御されて、長さ補償セクションの内側の操縦ワイヤ及び操縦ワイヤ案内部分の一部の位置を長手方向に変化させることによって、長さ補償セクションが実装される実施形態を示し、反応力補償も示す図。
【
図31b】プロセッサによって制御されて、長さ補償セクションの内側の操縦ワイヤ及び操縦ワイヤ案内部分の一部の位置を長手方向に変化させることによって、長さ補償セクションが実装される実施形態を示し、反応力補償も示す別の図。
【
図31c】プロセッサによって制御されて、長さ補償セクションの内側の操縦ワイヤ及び操縦ワイヤ案内部分の一部の位置を長手方向に変化させることによって、長さ補償セクションが実装される実施形態を示し、反応力補償も示す別の図。
【
図32】[0039]長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す図。
【
図33A】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図33B】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図33C】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図34】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図35】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図36】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図37】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図38A】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図38B】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図39】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図40】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図41A】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図41B】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図42A】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図42B】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図42C】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図42D】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図42E】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図42F】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図42G】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図42H】長さ補償機構を有する操縦可能な器具のさらなる実施形態を示す別の図。
【
図43】[0040]チューブの2つの隣接する部分間の破砕要素の例を示す図。
【
図44】チューブの2つの隣接する部分間の破砕要素の別の例を示す図。
【
図45】チューブの2つの隣接する部分間の破砕要素の別の例を示す図。
【
図46】[0041]チューブの2つの隣接する部分間の溶融要素の例を示す図。
【
図47】チューブの2つの隣接する部分間の溶融要素の別の例を示す図。
【
図48】チューブの2つの隣接する部分間の溶融要素の別の例を示す図。
【
図49】チューブの2つの隣接する部分間の溶融要素の別の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0042]本文書の目的のために、円筒状要素及びチューブという用語は、交換可能に使用されてもよく、すなわちチューブという用語のように、円筒状要素もまた、物理的実体を指す。本発明は、そのような円筒状要素から切断され、1つ又は複数の可撓性遠位端部分の曲げを制御するために器具の近位端にある操縦ワイヤの移動を遠位端に伝えるために押し出し及び/又は引っ張り操縦ワイヤとして動作可能である操縦ワイヤを参照して説明される。しかし、いくつかの実施形態では、本発明はまた、古典的な方法で作製され、チューブから切断することから生じない操縦ワイヤでも実装され得る。いくつかの実施形態では、操縦ワイヤ案内要素部分もまた、1つ又は複数のチューブからこれらを切断することによって作製される。これらは、その端部の1つに長さ変位を生成することによって、器具本体壁の長手方向長さの相違を感知又は測定する。
[本発明が適用され得る器具]
[0043]
図1、
図2、
図3a、及び
図3bは、国際公開第2009/112060号から知られている。本発明はこのタイプの器具に適用され得るため、これらは詳細に説明される。
【0024】
[0044]
図1は、3つの同軸に配置された円筒状要素、すなわち内側円筒状要素2と、中間円筒状要素3と、外側円筒状要素4とを備える従来技術の操縦可能な器具の長手方向断面図を示す。円筒状要素2、3、及び4を作製するために使用される適切な材料は、ステンレス鋼、コバルトクロム、ニチノール(登録商標)などの形状記憶合金、プラスチック、ポリマー、複合材、又はレーザ切断若しくはEDMのような材料除去プロセスによって成形され得る他の材料を含む。代替的に、円筒状要素は、3D印刷プロセス又は他の知られている材料堆積プロセスによって作製され得る。
【0025】
[0045]内側円筒状要素2は、器具の遠位端部13に位置する第1の剛性端部5と、第1の可撓性部6と、器具の中間部12に位置する中間剛性部7と、第2の可撓性部8と、器具の近位端部11に位置する第2の剛性端部9とを備える。
【0026】
[0046]外側円筒状要素4もまた、第1の剛性端部17と、第1の可撓性部18と、中間剛性部19と、第2の可撓性部20と、第2の剛性端部21とを備える。円筒状要素2の部分5、6、7、8、及び9それぞれの長さ並びに円筒状要素4の部分17、18、19、20、及び21それぞれの長さは、内側円筒状要素2が外側円筒状要素4に挿入されたときに、これらの異なるそれぞれの部分が互いに長手方向に位置合わせされるように、好ましくは実質的に同じである。
【0027】
[0047]中間円筒状要素3もまた、組み立てられた状態において2つの他の円筒状要素2、4の対応する剛性端部5、17間及び9、21間それぞれに位置する第1の剛性端部10及び第2の剛性端部15を有する。中間円筒状要素3の中間部14は、以下に説明されるような異なる形態及び形状を有することができる1つ又は複数の別個の操縦ワイヤ16を備える。これらは、円筒状要素3自体から作製され、長手方向ストリップの形態を有する。
図3aでは、3つのそのような操縦ワイヤ16が示されている。3つの円筒状要素2、3、及び4を組み立て、それによって要素2が要素3内に挿入され、その2つの組み合わせられた要素2、3が要素4に挿入された後(任意の他の順序が可能である)、少なくとも、器具の遠位端にある内側円筒状要素2の第1の剛性端部5、中間円筒状要素3の第1の剛性端部10、及び外側円筒状要素4の第1の剛性端部17は、たとえば、接着剤又は1つ若しくは複数のレーザ溶接スポットによって互いに取り付けられる。
図1及び
図2に示される実施形態では、器具の近位端にある内側円筒状要素2の第2の剛性端部9、中間円筒状要素3の第2の剛性端部15、及び外側円筒状要素4の第2の剛性端部21もまた、3つの円筒状要素2、3、4が1つの一体型ユニットを形成するように、たとえば接着剤又は1つ若しくは複数のレーザ溶接スポットによって互いに取り付けられる。
【0028】
[0048]
図2に示される実施形態では、中間円筒状要素3の中間部14は、この中間部14が、
図3aの中間円筒状要素3の巻かれていない状態で示されるような全体的形状及び形態を有するように、均一な断面を有するいくつかの操縦ワイヤ16を備える。
図3aから、中間部分14が、中間円筒状部分3の円周上の、可能であれば等しく離間された平行ないくつかの操縦ワイヤ16によって形成されることも明確になる。有利には、操縦ワイヤ16の数は、器具が任意の方向に完全に制御可能となるように少なくとも3つであるが、これより多い任意の数も可能である。操縦ワイヤ16の数は、たとえば6つ又は8つであってもよい。
【0029】
[0049]操縦ワイヤ16がそれらの長さ全体にわたって均一な断面を有する必要がないことが、観察される。これらは、それらの長さに沿って、可能であれば1つ又は複数の場所において、隣接する操縦ワイヤ16が円筒状要素3内のレーザ切断から生じる小さいスロットによってのみ分離されるように、可変の幅を有してもよい。操縦ワイヤのこれらのより広い部分は、このとき、隣接する操縦ワイヤ16が押し出された状態において接線方向に座屈することを防止するようにスペーサとして動作する。代替的には、スペーサは、他の方法で実装されてもよい。
【0030】
[0050]スペーサを有する実施形態が、巻かれていない状態で2つの隣接する操縦ワイヤ16を示す
図3bに示されている。
図3bに示される実施形態では、各操縦ワイヤ16は、第1の可撓性部6、18、中間剛性部7、19、及び第2の可撓性部8、20それぞれと同じ位置にある3つの部分61、62、及び63からなる。中間剛性部分に一致する部分62では、隣接する操縦ワイヤ16の各対は、接線方向に互いにほぼ接触しており、それにより、実際には、各操縦ワイヤの独立した移動を可能にするのに十分なだけの狭いスロットしかその間には存在していない。スロットは、製造プロセスから生じ、その幅は、たとえば、スロットを切断するレーザビームの直径によって決まる。
【0031】
[0051]他の2つの部分61及び63では、各操縦ワイヤは円周方向に見て相対的に小さい可撓性部64、65からなり、それにより、隣接する可撓性部の各対間に大きなギャップが存在し、各可撓性部64、65には、接線方向に延在し、隣接する可撓性部64、65までそのギャップを完全にほぼ渡すいくつかのスペーサ66が設けられる。これらのスペーサ66により、器具の可撓性部分内の操縦ワイヤ16が接線方向にシフトする傾向が抑制され、接線方向制御が改善される。これらのスペーサ66の正確な形状は、これらが可撓性部64及び65の可撓性を損なわなければ、それほど重要ではない。スペーサ66は、可撓性部64、65を有する一体型部分を形成してもよく、これもまた適切なレーザ切断プロセスから生じてもよい。
【0032】
[0052]
図3bに示される実施形態では、スペーサ66は、これらが取り付けられた可撓性部64、65から見て1つの接線方向に向かって延在している。しかし、1つの可撓性部64、65から開始して両方の円周方向に延在する、これらのスペーサ66を有することも可能である。これを使用することにより、接線方向に沿って見て可撓性部64、65の交互のタイプを有することが可能であり、この場合、第1のタイプには、次の可撓性部まで延在するスペーサ66が両側に設けられ、可撓性部64、65の第2の中間セットはスペーサ66を有さない。別の形で、両側にカムを有する可撓性部を有することが可能であり、この場合、器具の長手方向に沿って見て、1つの可撓性部を起点とするカムは、隣接する可撓性部を起点とするスペーサと交互になる。数多くの代替策が利用可能であることは明らかである。
【0033】
[0053]そのような中間部の製造は、射出成形若しくはプレーティング技術により、又は所望の内径及び外径を有する円筒状チューブから開始し、中間円筒状要素3の所望の形状になるようにたとえばレーザ切断又は水切断することによって、必要とされる円筒状チューブの壁の部分を除去することにより、最も好都合に行われる。しかし、代替的には、任意の3D印刷方法が使用され得る。
【0034】
[0054]材料の除去は、レーザ切断、光化学エッチング、ディーププレス加工、穿孔若しくはフライス加工などの従来のチッピング技術、高圧水噴射切断システム又は利用可能な任意の適切な材料除去プロセスなどの異なる技術によって行われ得る。好ましくは、レーザ切断は、妥当な経済的条件下で非常に正確でクリーンな材料除去を可能にするため、これが使用される。上記で言及されたプロセスは、何らかの方法で従来の操縦ケーブルが端部に接続されなければならない従来の器具において必要とされるような、中間円筒状要素の異なる部分を接続するためのさらなるステップを必要とすることなく、円筒状要素3がいわば1つのプロセスで作製され得るため、便利な方法である。同じタイプの技術は、それぞれの可撓性部6、8、18及び20を有する内側及び外側の円筒状要素2及び4を生み出すために使用され得る。これらの可撓性部6、8、18及び20は、たとえば、2008年10月3日出願の欧州特許出願第08004373.0号、5ページ、15~26行に説明される方法のいずれかを使用することによって、円筒状要素から任意の所望のパターンを切開することから生じるヒンジとして製造され得るが、任意の他の適切なプロセスが、可撓性部分を作製するために使用され得る。
【0035】
[0055]
図4~
図10に示される器具が、従来技術の国際公開第2020/214027号から知られていることが観察される。これらの器具においても、本発明は適用され得る。
【0036】
[0056]
図4は、上記で説明されたように近位可撓性ゾーン14及び遠位可撓性ゾーン16を相互接続する中間円筒状要素3の壁に長手方向スロット70を設けた後に得られた長手方向(操縦)要素16の例示的な実施形態を示す。ここでは、操縦ワイヤ16は、器具の近位部分にあるそれぞれの操縦要素16の端部分が、器具の遠位部分にある同じ操縦ワイヤ16の端部分とは別の長手方向軸の周りの角度配向で配置されるように、器具の長手方向軸の周りで少なくとも部分的にらせん状になっている。操縦ワイヤ16が線形配向で配置された場合、特定の平面内で近位部分にある器具が曲がると、遠位部分にある器具は、同じ平面内で、ただし180度反対の方向に曲がる。操縦ワイヤ16のこうしたらせん構造は、特定の平面内で近位部分において器具が曲がると、遠位部分にある器具が、別の平面内で、又は同じ平面内で同じ方向に曲がり得る効果を可能にする。好ましいらせん構造は、器具の近位部分にあるそれぞれの操縦要素16の端部分が、器具の遠位部分にある同じ操縦ワイヤ16の端部分に対して長手方向軸周りで180度の角度的にシフトされた配向で配置されるようなものであってもよい。しかし、たとえば任意の他の角度的にシフトされた配向、たとえば90度が、この文書の範囲内である。スロット70は、操縦可能な器具内の所定の場所に設けられたときに、操縦ワイヤの移動が隣接する操縦ワイヤによって案内されるように寸法設定される。しかし、特に器具の可撓性ゾーン13、14では、操縦ワイヤ16の幅は、これらの場所において必要とされる可撓性/曲げ性をこの器具に提供するためにより小さくてもよい。
【0037】
[0057]
図5は、2つの曲げ可能な近位ゾーン72、73それぞれによって動作される2つの操縦可能な遠位の曲げ可能なゾーン74、75を有する操縦可能な器具の細長い管状本体76の実施形態の遠位部分の詳細な斜視図を提供する。
図5は、細長い管状本体76が、遠位端部分13において第1の遠位可撓性ゾーン74の後に終了する外側円筒状要素104を含む、同軸に配置された、いくつかの層又は円筒状要素を備えることを示している。外側円筒状要素104の遠位端部分13は、たとえば、溶接スポット100におけるスポット溶接によって、外側円筒状要素104の内側に、これに隣接して位置する円筒状要素103に固定式に取り付けられる。しかし、任意の機械的スナップフィット接続又は適切な接着剤による接着を含む任意の他の適切な取り付け方法が、使用され得る。
【0038】
[0058]
図6は、遠位端部13のより詳細な図を提供し、この実施形態では、これが、3つの同軸に配置された層又は円筒状要素、すなわち、内側円筒状要素101と、第1の中間円筒状要素102と、第2の中間円筒状要素103とを含むことを示している。内側円筒状要素101、第1の中間円筒状要素102及び第2の中間円筒状要素103の遠位端の3つすべては、互いに固定式に取り付けられる。これは、溶接スポット100におけるスポット溶接によって行われてもよい。しかし、任意の機械的スナップフィット接続又は適切な接着剤による接着を含む、任意の他の適切な取り付け方法が使用され得る。取り付け点は、図に示されるように、内側円筒状要素101、第1の中間円筒状要素102及び第2の中間円筒状要素103の端縁部にあってもよい。しかし、これらの取り付け点はまた、好ましくは、その端縁部と可撓性ゾーン75の場所との間にあれば、これらの縁部からいくらかの距離を離して位置してもよい。
【0039】
[0059]
図5に示されるような細長い管状本体76が、合計で4つの円筒状要素を備えることが、当業者に明確であろう。
図5に示される実施形態による細長い管状本体76は、操縦配置の操縦部材が内部に配置された2つの中間円筒状要素102及び103を備える。しかし、所望であれば、これ以上の又はこれより少ない円筒状要素が設けられてもよい。
【0040】
[0060]
図5に示される細長い管状本体76の例示的な実施形態における操縦配置は、細長い管状本体76の近位端部11にある2つの可撓性ゾーン72、73と、細長い管状本体76の遠位端部13にある2つの可撓性ゾーン74、75と、近位端部11及び遠位端部13にある関連する可撓性ゾーン間に配置された操縦部材とを備える。操縦部材の例示的な実際の配置が、
図7に示されており、この図は、
図5に示されるような細長い管状本体76の例示的な実施形態の概略の長手方向断面図を提供している。
【0041】
[0061]可撓性ゾーン72、73、74、及び75は、この実施形態では、それぞれの円筒状要素にスリット72a、73a、74a、及び75aそれぞれを設けることによって実装される。そのようなスリット72a、73a、74a、及び75aは、可撓性ゾーン72、73、74及び75が所望の設計に従って長手方向及び接線方向に所望の可撓性を有するように、任意の適切なパターンで配置されてもよい。
【0042】
[0062]
図7は、上記で言及された4つの層又は円筒状要素、すなわち内側円筒状要素101、第1の中間円筒状要素102、第2の中間円筒状要素103、及び外側円筒状要素104の長手方向断面図を示す。
【0043】
[0063]内側円筒状要素101は、器具の遠位端から近位端にその長さに沿って見て、操縦可能な器具76の遠位端部13に配置された剛性リング111と、第1の可撓性部分112と、第1の中間剛性部分113と、第2の可撓性部分114と、第2の中間剛性部分115と、第3の可撓性部分116と、第3の中間剛性部分117と、第4の可撓性部分118と、操縦可能な器具の近位端部分11に配置された剛性端部分119とを備える。
【0044】
[0064]第1の中間円筒状要素102は、器具の遠位端から近位端にその長さに沿って見て、剛性リング121と、第1の可撓性部分122と、第1の中間剛性部分123と、第2の可撓性部分124と、第2の中間剛性部分125と、第3の可撓性部分126と、第3の中間剛性部分127と、第4の可撓性部分128と、剛性端部分129とを備える。部分122、123、124、125、126、127及び128は一緒になって、ワイヤのように長手方向に移動され得る操縦ワイヤ120を形成する。第1の中間要素102の剛性リング121、第1の可撓性部分122、第1の中間剛性部分123、第2の可撓性部分124、第2の中間剛性部分125、第3の可撓性部分126、第3の中間剛性部分127、第4の可撓性部分128、及び剛性端部分129それぞれの長手方向寸法は、内側円筒状要素101の剛性リング111、第1の可撓性部分112、第1の中間剛性部分113、第2の可撓性部分114、第2の中間剛性部分115、第3の可撓性部分116、第3の中間剛性部分117、第4の可撓性部分118、及び剛性端部分119それぞれの長手方向寸法に位置合わせされ、好ましくはそれとほぼ等しく、これらの部分と同じ場所にもある。この説明において、「ほぼ等しい」は、それぞれの同じ寸法が、10%未満、好ましくは5%未満のマージン内で等しいことを意味する。
【0045】
[0065]同様に、第1の中間円筒状要素102は、参照番号120aでその1つが示される1つ又は複数の他の操縦ワイヤを備える。
【0046】
[0066]第2の中間円筒状要素103は、器具の遠位端から近位端にその長さに沿って見て、第1の剛性リング131と、第1の可撓性部分132と、第2の剛性リング133と、第2の可撓性部分134と、第1の中間剛性部分135と、第1の中間可撓性部分136と、第2の中間剛性部分137と、第2の中間可撓性部分138と、剛性端部分139とを備える。部分133、134、135及び136は、一緒になって、ワイヤのように長手方向に移動され得る操縦ワイヤ130を形成する。第2の中間シリンダ103の第1の剛性リング131、第2の剛性リング133及び第2の可撓性部分134と一緒になった第1の可撓性部分132、第1の中間剛性部分135、第1の中間可撓性部分136、第2の中間剛性部分137、第2の中間可撓性部分138、及び剛性端部分139それぞれの長手方向寸法は、第1の中間要素102の剛性リング111、第1の可撓性部分112、第1の中間剛性部分113、第2の可撓性部分114、第2の中間剛性部分115、第3の可撓性部分116、第3の中間剛性部分117、第4の可撓性部分118、及び剛性端部分119それぞれの長手方向寸法と位置合わせされ、好ましくはそれにほぼ等しく、これらの部分と同じ場所にもある。
【0047】
[0067]同様に、第2の中間円筒状要素103は、参照番号130aによってその1つが示される1つ又は複数の他の操縦ワイヤを備える。
【0048】
[0068]外側円筒状要素104は、器具の遠位端から近位端にその長さに沿って見て、第1の剛性リング141と、第1の可撓性部分142と、第1の中間剛性部分143と、第2の可撓性部分144と、第2の剛性リング145とを備える。外側円筒状要素104の第1の可撓性部分142、第1の中間剛性部分143、及び第2の可撓性部分144それぞれの長手方向寸法は、第2の中間要素103の第2の可撓性部分134、第1の中間剛性部分135、及び第1の中間可撓性部分136それぞれの長手方向寸法と位置合わせされ、好ましくはそれにほぼ等しく、これらの部分と同じ場所にもある。剛性リング141は、剛性リング133とほぼ同じ長さを有し、たとえば、スポット溶接又は接着によってその剛性リングに固定式に取り付けられる。好ましくは、剛性リング145は、たとえば、スポット溶接又は接着によって、それぞれ剛性リング145と第2の中間剛性部分137との間に十分に固定された取り付けを行うために必要とされる長さにわたってのみ、第2の中間剛性部分137に重複する。剛性リング111、121、及び131は、たとえば、スポット溶接又は接着によって互いに取り付けられる。これは、これらの端縁部において行われてもよいが、これらの端縁部から距離を離して行われてもよい。
【0049】
[0069]一実施形態では、同じことは、匹敵するやり方で互いに取り付けられ得る、剛性端部分119、129、及び139にも当てはまり得る。しかし、構造は、近位部分にある円筒状要素の直径が、遠位部分にある直径より大きく又は小さくなるようなものであってもよい。そのような実施形態では、近位部分における構造は、
図7に示されるものとは異なる。直径の増減の結果、増幅又は減衰が達成され、すなわち、遠位部分における可撓性ゾーンの曲げ角度は、近位部分にある対応する可撓性部分の曲げ角より大きく又は小さくなる。
【0050】
[0070]円筒状要素101、102、103、及び104の内径及び外径は、隣接する円筒状要素の互いに対する摺動移動が可能であるように、細長い管状本体76に沿って同じ場所において、内側円筒状要素101の外径が第1の中間円筒状要素102の内径よりわずかに小さく、第1の中間円筒所要素102の外径が第2の中間円筒状要素103の内径よりわずかに小さく、第2の中間円筒状要素103の外径が外側円筒状要素104の内径よりわずかに小さくなるように選択される。寸法設定は、摺動式フィットが隣接する要素間にもたらされるようなものでなければならない。隣接する要素間の隙間は、通常、0.02から0.1mm程度であってもよいが、使用される特有の用途及び材料に依存する。隙間は、操縦ワイヤの重複構成を防止するために、操縦ワイヤの壁厚より小さくてもよい。通常、操縦ワイヤの壁厚の約30%から40%に隙間を制限することで十分である。
【0051】
[0071]
図7でわかるように、近位端部11の可撓性ゾーン72は、操縦可能な器具の操縦配置の操縦ワイヤの第1のセットを形成する第2の中間円筒状要素103の部分134、135、及び136によって、遠位端部13の可撓性ゾーン74に接続される。さらに、近位端部11の可撓性ゾーン73は、操縦配置の操縦ワイヤの第2のセットを形成する第1の中間円筒状要素102の部分122、123、124、125、126、127、及び128によって、遠位端部13の可撓性ゾーン75に接続される。上記で説明されたような構造の使用により、操縦可能な器具76を二重曲げに使用することが可能になる。この構造の作動原理は、
図8及び
図9に示される例に関して説明される。
【0052】
[0072]便宜上、
図7、
図8、及び
図9に示されるように、円筒状要素101、102、103、及び104の異なる部分は、次のように定義されるゾーン151~160にグループ化されている。ゾーン151は、剛性リング111、121、及び131を備える。ゾーン152は、部分112、122、及び132を備える。ゾーン153は、剛性リング133及び141と、部分113と123とを備える。ゾーン154は、部分114、124、134及び142を備える。ゾーン155は、部分115、125、135及び143を備える。ゾーン156は、部分116、126、136及び144を備える。ゾーン157は、剛性リング145と、剛性リング145と同じ場所にある部分117、127、及び137の一部とを備える。ゾーン158は、ゾーン157外側の部分117、127、及び137の一部を備える。ゾーン159は、部分118、128、及び138を備える。最後に、ゾーン160は、剛性端部分119、129、及び139を備える。
【0053】
[0073]操縦可能な器具の遠位端部13の少なくとも一部を偏向させるために、ゾーン158に曲げ力を任意の径方向にかけることが可能である。
図8及び
図9に示される例によれば、ゾーン158は、ゾーン155に対して下方向に曲げられる。その結果、ゾーン156は、下方向に曲げられる。第2の中間剛性部分137と第2の剛性リング133との間に配置された第2の中間円筒状要素103の部分134、135、及び136を備える操縦ワイヤの第1のセットにより、ゾーン156の下方向の曲げは、操縦ワイヤの第1のセットの長手方向変位によって、ゾーン155に対するゾーン154の上方向の曲げになるように伝えられる。これは、
図8と
図9の両方に示されている。
【0054】
[0074]ゾーン156の例示的な下方向の曲げが、
図8に示されるように、器具の遠位端におけるゾーン154の上方向の曲がりのみを生じさせることに留意されたい。ゾーン156の曲げの結果とするゾーン152の曲げは、ゾーン152と154との間に配置されたゾーン153によって防止される。その後、任意の径方向の曲げ力がゾーン160にかけられると、ゾーン159も曲げられる。
図9に示されるように、ゾーン160は、
図8に示されるその位置に対して上方向に曲げられる。その結果、ゾーン159は、上方向に曲げられる。剛性リング121と剛性端部分129との間に配置された第1の中間円筒状要素102の部分122、123、124、125、126、127及び128を備える操縦ワイヤの第2のセットにより、ゾーン159の上方向の曲げは、操縦ワイヤの第2のセットの長手方向変位によって、
図8に示されるその位置に対するゾーン152の下方向の曲げになるように伝えられる。
【0055】
[0075]
図9は、
図8に示されるようなゾーン154内の器具の初期曲げがゾーン156の曲げによってのみ支配され、その一方でゾーン152の曲げが上記で説明されたようにゾーン159の曲げによってのみ支配されるために、ゾーン154内の器具のその曲げが維持されることをさらに示している。ゾーン152及び154が互いに対して独立的に曲げ可能であるという事実により、操縦可能な器具の遠位端部13に、互いに独立した位置及び長手軸方向を与えることが可能である。特に、遠位端部13は、有利なS様形状をとることができる。ゾーン152及び154を互いに対して独立的に曲げる能力が、遠位端部13、したがって操縦可能な器具全体の操縦性を大きく高めることを当業者は理解するであろう。
【0056】
[0076]明確には、操縦可能な器具の遠位端部13及び近位端部11の曲げ半径及び全長に関する特有の要求事項に対応するか、又は近位端部11の少なくとも一部と遠位端部13の少なくとも一部との間の曲げの増幅又は減衰比に対応するために、
図7から
図9に示される可撓性部分の長さを変化させることが可能である。
【0057】
[0077]図示される実施形態では、操縦ワイヤは、1つ又は複数の中間円筒状要素102、103の一体部分を形成する操縦ワイヤの1つ又は複数のセットを備える。好ましくは、操縦ワイヤは、残りの操縦ワイヤを画定する長手方向スリットが中間円筒状要素102、103の壁に設けられた後の、中間円筒状要素102、103の壁の残りの部分を備える。
【0058】
[0078]
図10は、操縦可能な器具の例の3D図を示す。同様の参照番号は、他の図における同じ要素を指す。これらの説明は、ここでは繰り返されない。器具は、5つの同軸の円筒状要素202~210を備える。内側円筒状要素210は中間円筒状要素208によって取り囲まれ、中間円筒状要素208は中間円筒状要素206によって取り囲まれ、中間円筒状要素206は中間円筒状要素204によって取り囲まれ、中間円筒状要素204は、最終的に外側円筒状要素202によって取り囲まれる。内側中間円筒状要素は、可撓性のらせんばねで作製されてもよい。器具の近位端及び遠位端それぞれは、参照番号226及び227それぞれによって示される。
【0059】
[0079]図示されるように、ここでは、器具76は、可撓性ゾーン72と可撓性ゾーン74との間のその中間部内に可撓性ゾーン77を備える。すなわち、(可撓性ゾーン77の領域内の外側面に位置する)中間円筒状要素204には、中間円筒状要素に所望の可撓性をもたらすためにスロット付き構造が設けられる。可撓性ゾーン77内のスロット付き構造の長手方向長さは、所望の用途に依存する。これは、可撓性ゾーン72と74との間の部分全体と同じ長さであってもよい。中間円筒状要素204の内側のすべての他の円筒状要素206、208、210もまた、可撓性ゾーン77内で可撓性である。可撓性ゾーン77内に操縦ワイヤを有するこれらの円筒状要素は、定義により可撓性である。他のものには、好ましくは適切なスロット付き構造によって作製された適切なヒンジが設けられる。
【0060】
[0080]身体内で操作されるいくつかの場所は、特異的に設計された器具を必要とする。たとえば、器具の中間部分12を完全に可撓性にすることにより、この器具は、大腸、食道を介した胃、又は湾曲した血管を介した心臓のように、湾曲した自然のアクセスガイド/チャネルを介してのみアクセス可能である身体内の領域においても使用され得る。
【0061】
[0081]器具は、たとえば、大腸内視鏡として使用されるように設計され得る。
図11は、使用時の大腸内視鏡42の概略図を示す。大腸内視鏡42は、人体の大腸30に挿入される。典型的には、大腸30は、いくつかのほぼ直角のセクション32、34、36、及び38を有する。外科医が直角セクション32から上流の大腸30の領域を手術する必要がある場合、大腸内視鏡42は、最大1.5メートルの距離に沿って大腸30に挿入される必要がある。さらに、大腸内視鏡42は、大腸30の内壁を損傷するリスクを有することなく、肛門から大腸30のすべての直角セクション32~38を通って容易に案内され得るように可撓性である必要がある。
【0062】
[0082]手術時、たいていいくつかの侵襲性器具が、大腸内視鏡の遠位端44におけるいくつかの機能のための1つ又は複数のツールを提供するために、大腸内視鏡42を通って挿入される。大腸内視鏡では、そのようなツールは、典型的には、カメラレンズと照明要素とを含む。外科医がカメラ視界を大腸30内の所望の場所及び視界まで操縦することを助けるために、典型的には、遠位端は、長手方向軸からすべての角度方向に偏向可能である。これはまた、ツール2を有して挿入された器具にも当てはまる。これは、
図5~
図10に示される器具の偏向可能なゾーン16、17のような1つ又は複数の偏向可能なゾーンをそのような器具に設けることによって実装され得る。これらの遠位の偏向可能なゾーンは、器具の近位端において適切な操縦機構に接続された、器具内に収容された適切な操縦ケーブルによって制御される。
【0063】
[0083]
図12は、使用時の胃内視鏡56の概略図を示す。胃内視鏡56は、口、口腔/喉54及び食道52を介して人体の胃50に挿入される。特に外科医が胃50の下側部分を手術する必要があるとき、胃内視鏡56は、いくつかの湾曲した/角度付きのセクションを通って案内される必要がある。したがって、胃内視鏡56は、口/喉54、食道52、及び胃50の内壁を損傷するリスクがほとんどないように可撓性である必要がある。
【0064】
[0084]手術時、たいていいくつかの侵襲性器具が、胃内視鏡の遠位端59におけるいくつかの機能のための1つ又は複数のツールを提供するために、胃内視鏡56を通って挿入される。胃内視鏡では、そのようなツールは、典型的には、カメラレンズと照明要素とを含む。外科医がカメラ視界を胃50内の所望の場所及び方向に操縦することを助けるために、典型的には、胃内視鏡56の遠位端59は、長手方向軸からすべての角度方向に偏向可能である。これはまた、ツール2を有して挿入された器具にも当てはまる。これは、
図5~
図10に示される器具の偏向可能なゾーン16、17のような1つ又は複数の偏向可能なゾーンをそのような器具に設けることによって実装され得る。これらの遠位の偏向可能なゾーンは、これらの器具の適切な操縦機構に接続された、器具内に収容された適切な操縦ケーブルによって制御される。
【0065】
[0085]本発明による器具は、そのような大腸内視鏡及び胃内視鏡において使用され得るが、肺気管支に入るように設計された器具のように他の用途においても使用され得る。そのような器具に対する要求事項は、たとえば1m超の長い器具であり、大腸内視鏡及び胃内視鏡内の、又はこれに取り付けられた作業チャネルにフィットする比較的小さい直径を有する場合でも、これらが、高い回転剛性、高い長手方向剛性、その全長に沿った高い曲げ可撓性、及び操縦可能な先端の正確で反復可能な偏向性を示すことになり得る。
【0066】
[0086]本文書内で取り扱われる問題をより良好に理解するために、最初に、
図13~
図15を参照して、ボーデンケーブルを有する従来技術の可撓性の操縦可能な器具の詳細な説明が提供される。
【0067】
[0087]従来技術から知られているようなボーデンケーブルは、中空外側ケーブルハウジングに対する内側ケーブルの移動によって機械力又はエネルギーを伝達するために使用される可撓性ケーブルのタイプとして定義され得る。ハウジングは、全体的に複合構造のものであり、内側ライニングと、らせん状巻線又は鋼ワイヤのシースなどの長手方向に非圧縮性の層と、保護外側カバリングとからなる。ケーブルハウジングは、しばしばコイル管と呼ばれる。ここでは、操縦ワイヤ案内部という用語は、外側ケーブルハウジングに使用される。
【0068】
[0088]
図13は、操縦可能な先端と可撓性本体とを備え、ボーデンケーブル配置が、ボーデンケーブルの一方の端部にある長さ補償セクション内にある、従来技術による器具を示している。各ボーデンケーブル配置は、操縦ワイヤと周囲の操縦ワイヤ案内部とを備える。操縦ワイヤ案内部は、操縦可能な先端の近位端の前の遠位端内で器具本体に取り付けられ、近位端内でも器具本体に取り付けられる。長さ補償セクションは、案内部の遠位端と案内部の近位端との間に、好ましくは器具の近位端内に位置決めされる。この図では、長さ補償セクションは、短縮又は細長くされ得る湾曲の簡単な幾何学形状を有する。しかし、従来技術は、長さ補償セクションに関して多くの異なる解決策を提供している。
【0069】
[0089]
図13は、先端セクション1301と、可撓性本体セクション1303と、長さ補償セクション1305と、ハンドルを備えてもよい操縦セクション1307とを有する可撓性の操縦可能な器具1300をより詳細に示す。長さ補償セクション1305は、別の長手方向場所、たとえば本体セクション1303内側のどこかに配置されてもよい。
【0070】
[0090]操縦ワイヤ1309(1)、1309(2)は、本体セクション1303に対して先端セクション1301を曲げるのを可能にするために、操縦セクション1307から先端セクション1301まで延びる。本体セクション1303及び長さ補償セクション1305の内側では、操縦ワイヤ1309(1)及び1309(2)それぞれは、操縦ワイヤ案内部1311(1)及び1311(2)それぞれの内側に配置される。操縦ワイヤ案内部1311(1)及び1311(2)それぞれは、先端セクション1301と本体セクション1303との間の移行部において、固定位置1317(1)及び1317(2)それぞれにおいて保持される。同様に、操縦ワイヤ案内部1311(1)及び1311(2)それぞれは、長さ補償セクション1305と操縦セクション1307との間の移行部において、固定位置1319(1)及び1319(2)それぞれにおいて保持される。
【0071】
[0091]
図14は、
図13と同じ器具を示すが、このとき本体セクション1303は曲げられている。先端セクション1301は、曲げられていない。先端セクション1301内側の操縦ワイヤ1309(1)及び1309(2)の部分は、長さL1を有する。本体セクション1303の、湾曲した部分、すなわちヒンジ1313の部分の内側湾曲は、長さL3を有し、外側湾曲は、長さL4を有する。本体セクション1303の内側の操縦ワイヤ案内部1311(1)、1311(2)の初期長さ、すなわち
図13はL5である。長さ補償セクション1305の内側及び操縦セクション1307の内側の操縦ワイヤ1309(1)、1309(2)の全長は、L2である。
【0072】
[0092]曲げにより、L3は、初期操縦ワイヤ案内部長さL5より短く、L4は、初期操縦ワイヤ案内部長さL5より長い。曲げた後のL1及びL2が曲げる前のL1及びL2に等しくなることが望まれる場合、換言すれば、先端又は操縦セクション1307内の操縦デバイスが本体の曲げによって偏向することが望まれない場合、L5とL3又はL4との間の長さの相違は、図に示されるように長さ補償セクション1305によって吸収される必要がある。この図では、長さ補償セクション1305は、操縦ワイヤ1309(1)の関連する部分を有する操縦ワイヤ案内部1311(1)の湾曲高さを内側に増大させ(これは、本体セクション1303の外側の操縦ワイヤ1309(1)を有する操縦ワイヤ案内部1311(1)の長くなった長さを吸収することができ)、操縦ワイヤ1309(2)の関連する部分を有する操縦ワイヤ案内部1311(2)の湾曲高さを内側に低減する(これは、本体セクション1303の外側の操縦ワイヤ1309(2)を有する操縦ワイヤ案内部1311(2)の短くなった長さを吸収することができる)ことによって、長さ相違を吸収する。このようにして、先端偏向は、本体偏向から完全に隔絶される。
【0073】
[0093]
図15は、
図13及び
図14と同じ器具を示しているが、このとき操縦デバイスは、器具先端セクション1301を操縦するために偏向される。先端セクション1301が図示されるように偏向されるとき、引っ張り力が、操縦ワイヤ1309(2)内に生成され、押し出し力が、操縦ワイヤ1309(1)内に生成される。この結果、対応する本体セクション1303及び先端セクション1301の領域内に圧縮力又は伸張力が生じる。操縦ワイヤ案内部1311(1)及び1311(2)は、本体セクションの曲げを可能にするのに十分な可撓性であるが、これらが大きく変形することなく圧縮力又は伸張力に耐えることができるように、それ自体の長手方向に非常に硬性である。長さ補償セクション1305それ自体は、大きく変形することなく、操縦ワイヤ1309(1)、1309(2)を引っ張り、又は押し出すことによる圧縮力又は引っ張り力に耐えることができるように設計された長手方向剛性を有する。そのため、この構成では、圧縮力及び引っ張り力は、長さ補償セクション1305の内側のボーデンケーブル配置によって完全に吸収される。したがって、本体セクション1303は、もはや圧縮又は伸張せず、したがって曲げられない。このようにして、先端操縦の望ましくない結果とする本体セクション操縦が、防止される。
【0074】
[0094]
図16~
図31cは、本発明の実施形態である。
図16~
図30は、
図1~
図10を参照して詳細に説明されたように、1つ又は複数のチューブの一部から、たとえば、そのような1つ又は複数のチューブ内に適切なスロットパターンを(レーザ)切断することによって作製された操縦ワイヤ16i(i=1、2…I)によって操縦ワイヤが実装される、可撓性の侵襲性の操縦可能な器具に関する。詳細に説明されるように、操縦ワイヤ案内部は、1つ又は複数のチューブからこれもまた作製された操縦ワイヤ案内部分によって実装される。
図31a~
図31cの実施形態はまた、古典的な操縦ワイヤ及びコイル管によって実装され得る。
【0075】
[0095]
図16は、先端セクション1613と、可撓性本体セクション1615と、長さ補償セクション1617と、ハンドル、偏向可能な操縦ユニット又はロボット式操縦ユニットを備えてもよい操縦セクション1618とを有する可撓性の操縦可能な侵襲性器具を貫通する長手方向断面図を示す。長さ補償セクション1617は、別の長手方向の場所、たとえば本体セクション1615の内側のどこかに配置されてもよく、又は操縦セクション1618の内側に一体化されてもよい。右手側は、器具の近位端であり、左手側は、器具の遠位端である。
【0076】
[0096]図示されるような器具は、中央軸1622の周りに同軸に配置された5つのチューブで作製される。しかし、他の数もまた適用され得る。内側チューブ1601は、器具の内側に配置され、少なくとも本体セクション1615の内側で可撓性であるが、その長手方向に剛性である。この目的を達成するために、内側チューブ1601には、本体セクション1615内に、スロットの適切なパターンを内側チューブ1601に設けることによって作製された適切なヒンジ1609が設けられてもよい。先端セクション1613と本体セクション1615との間の移行部にある内側チューブ1601の部分は、参照記号1611で示され、長さ補償セクション1617の内側にある部分は、参照記号1607で示される。
【0077】
[0097]第1の中間チューブ1619は、内側チューブ1601を取り囲む。第1の中間チューブ1619は、全体的にリング形状にされてもよい操縦セクション部分1619(1)と、長さ補償セクション1617内の複数の内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)、すなわち操縦ワイヤ16(i)ごとに1つのものと、リング形状にされてもよい本体セクション部分1619(3)と、リング形状にされてもよく、1つ又は複数の適切なヒンジが設けられてもよい先端セクション部分1619(4)とを有する。第1の中間チューブ1619及び内側チューブ1601は、好ましくは、先端セクション1613と本体セクション1615との間の移行部において、また、長さ補償セクション1617と操縦セクション1618との間の近位側面において、たとえばレーザ溶接、接着などによって互いに取り付けられる。本体セクション部分1619(3)は、少なくとも本体セクション1615の可撓性部分内で可撓性である。
【0078】
[0098]第2の中間チューブ1620(たとえば
図18aを参照)は、第1の中間チューブ1619を取り囲む。第2の中間チューブ1620は、器具の近位端から遠位端まで延びる操縦ワイヤ16(i)を有する。これらの操縦ワイヤは、少なくとも、先端セクション1613の可撓性部内、本体部分1615の可撓性部内、及び長さ補償セクション1617の内側で可撓性でなければならない。
【0079】
[0099]第3の中間チューブ1621は、第2の中間チューブ1620を取り囲む。第3の中間チューブ1621は、全体的にリング形状にされてもよい操縦セクション部分1621(1)と、複数の外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)、すなわち操縦ワイヤ16(i)ごとに1つのものと、長さ補償セクション1617と、リング形状にされてもよい本体セクション部分1621(3)と、リング形状にされてもよく、1つ又は複数の適切なヒンジが設けられてもよい先端セクション部分1621(4)とを有する。本体セクション部分1621(3)は、少なくとも本体セクション1615の可撓性部分内で可撓性である。
【0080】
[0100]器具の遠位端において、すなわち、先端セクション1613の可撓性部分を遠位に超えたところに、すべての操縦ワイヤ16(i)は、先端セクション1613に伝えられる引っ張り力及び押し出し力を可能にするために、第1及び第3の中間チューブ1619及び1621の少なくとも一方に取り付けられる。
【0081】
[0101]外側チューブ1602は、第3の中間チューブ1621を取り囲む。外側チューブ1602は、図示される例では、近位端から遠位端に見て、全体的にリング形状にされてもよい操縦セクション部分1604と、所望の場合にチューブ1619、1620、及び1621の長さ補償部分がその延長部を中央軸1622から離れるように増大させることを可能にするための長さ補償セクション1617内の1つ又は複数の開口部分と、リング形状部分1603と、可撓性部分1605と、リング形状部分1606とを有する。リング形状部分1606は、先端セクション1613と本体セクション1615との間の移行部において第3の中間チューブ1621に取り付けられてもよい。
【0082】
[0102]
図17は、長さ補償セクション1617の拡大された外側図を示す。この図では、操縦ワイヤ16(3)(この図では見えない)の上部に位置する外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、3)も見ることができる。操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)、1621(2、i)は、操縦要素16(i)をその間にして径方向及び外方向に曲げられる。操縦要素16(i)は、このとき、操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)、1621(2、i)によって径方向に案内される。操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)、1621(2、i)がどのように構築され得るかのより多くの詳細を、
図25A、25Bが示すことに留意されたい。
【0083】
[0103]
図18aは、近位器具端が、たとえばロボット式操縦デバイス又は別個の携帯用操縦デバイスにこれを結合するように構成された実施形態を示す。この目的を達成するために、各操縦ワイヤ16(i)には、操縦セクション1618内、及び第3の中間チューブ1921内の適切にサイズ設定されたスロットの内側に、径方向に配置された開口部16(i、1)が設けられてもよい。各開口部16(i、1)は、ロボット式操縦デバイスが、ロボット式操縦デバイスの関連する機械的結合ユニットによって操縦ワイヤ16(i)を個々に動作させることができるように、これらの機械的結合ユニットを受け入れるように構成される。開口部16(i、1)の代わりに、他の結合機構が使用され得る。
【0084】
[0104]
図18bは、同じ器具を示すが、このとき器具の近位端は、
図1~
図10に示されるのと同様の方法で曲げ可能なセクションによって遠位先端を操縦するように構成される。当然ながら、ジンバル式ハンドルのような他の操縦手段又は他の知られている操縦方法が、予想され得る。
【0085】
[0105]操縦ワイヤ断面は、これらが径方向に曲がりやすいが、接線方向には曲がり難いように、実質的に矩形形状を有してもよい。この場合、長さ補償セクション1617内で操縦ワイヤ16(i)を接線方向に案内する必要もない。すなわち、これらワイヤは、引っ張られているか、又は押し出されている間、長さ補償セクション1617の内側の内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)と外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)との間にあるままである。
【0086】
[0106]接線方向にも可撓性である操縦要素16(i)が使用される場合、器具の接線方向に操縦ワイヤ16(i)を案内することも必要となることがある。これは、
図19及び
図20において示されるように達成され得る。
【0087】
[0107]
図19は、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)に向かって上方向に曲げられることが可能であり、たとえば、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)に、たとえばろう付け、はんだ付け、若しくは溶接又はスナップフィット接続によって恒久的に取り付けられることが可能である、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)の接線方向側のリップ1623を示す。
【0088】
[0108]
図20は、操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)及び1621(2、1)の少なくとも1つに取り付けられた、それぞれの操縦ワイヤ16(i)内のそれぞれの開口部内に位置する島部によって、操縦ワイヤが接線方向に移動することが防止される別の実施形態を示す。
図20に示されるように、長さ補償セクション1617において、操縦ワイヤ16(1)には、島部1625(j)を内側にそれぞれが有する複数の開口部1627(j)(j=1、2、3、…、J;6つが示されている)が設けられる。島部1625(j)もまた、チューブ1620から切断され、切断が終了しても、1つ又は複数の破砕要素1629(j)によって、操縦ワイヤ16(1)の隣接する材料に依然として接続されている。次いで、組み立て中、これらの島部1625(j)は、取り付け部分1626(j)において、操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)及び1621(2、1)の少なくとも1つに恒久的に取り付けられ得る。この取り付けは、レーザ溶接によって、接着によって、又は操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)と1621(2、1)との間の距離が、操縦ワイヤ16(1)の厚さより大きくなり、したがって径方向のケージを作製し、径方向の摩擦を低減するように開口部1627(j)の内側にリップを曲げることによって行われてもよい。このようにして、径方向スペーサが作製され、その詳細は、国際公開第2019009710A1号に説明されている。たとえばレーザ溶接による取り付け後、破砕要素1629(j)は、操縦ワイヤ16(1)の最初の起動時に破砕する。
【0089】
[0109]破砕要素1629(j)は、次のように設計されなければならない。破砕される前、各破砕要素1629(j)は、島部1627(j)及び操縦ワイヤ16(i)の対向部分に取り付けられる。島部1627(j)及び操縦ワイヤ16(i)のこれらの対向部分は、破砕要素1629(j)内の応力が、周囲材料及び/又は構造内より高くなるような幾何学的形状を有する。したがって、偏向又は十分な大きさの力が破砕要素1629(j)を有する構造上にかけられると、破砕要素1629(j)内の応力は、チューブ材料の降伏応力を上回って上昇し、破砕要素1629(j)の恒久的な偏向を引き起こす。さらにさらなる偏向力又はより高い力をかけた結果、応力は最大引っ張り応力に到達して、破砕要素1629(j)の破砕を引き起こす。破砕要素を破壊するための他の機構は、破砕要素1629(j)に低い又は高いサイクル疲労をかけることによって達成される。破砕要素1629(j)内の応力は、疲労限界を上回って上昇されて、疲労破砕を引き起こす。すべての場合において、周囲構造/材料、すなわち島部1627(j)及び操縦ワイヤ16(i)内の応力は、少なくともチューブ材料の降伏応力を下回ったままである。
【0090】
[0110]
図19及び
図20の例は、任意の操縦ワイヤ16(i)によって実装され得る。
【0091】
[0111]このようにして、
図19及び
図20の実施形態は、操縦ワイヤ16(i)の接線方向の案内を実現し、ここでは、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)は、事実上完全に閉じられた操縦ワイヤガイドが操縦ワイヤの1つごとに作りだされるように、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)に取り付けられてもよい。当然ながら、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)及び外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)を径方向に取り付けると同時に、接線方向ガイドを作りだす他の方法も予想され得る。器具の残りのセクションでは、操縦ワイヤ16(i)は、周囲のチューブ、及び操縦要素の隣に置かれた、適切なスペーサを含むチューブ1620の部分によって、径方向及び接線方向に案内されてもよい。国際公開第2019009710号に説明されるような径方向スペーサも同様に適用され得る。
【0092】
[0112]
図21a及び
図21bは、曲げ剛性が中実ストリップのものより小さくなるように、そして、湾曲形状が曲げられたとき、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)の長さが内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)の長さに適合できるように、又はその反対の形で適合できるように、操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)及び1621(2、i)内にスロットを切断することによって湾曲形状の弾性変形がより可撓性にされる、作りだされた操縦ワイヤガイドの詳細を示す。
図21aは、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)及び1619(2、4)内のそのようなスロット1633を示し、その一方で
図21bは、操縦ワイヤ案内部分1621(2、1)及び1621(2、4)内のそのようなスロット1639を示す。
【0093】
[0113]
図21aは、切断プロセスが終了した直後の、操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)、1619(2、4)が破砕要素1637によってチューブ1619の周囲材料に依然として取り付けられている状況を示す。図はまた、島部1625(1)の取り付け部分1626(1)が取り付けられ得る取り付け部分1635も示す。上記で示されたように、他の島部1625(j)が、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)に同様に取り付けられてもよい。
【0094】
[0114]
図21bは、切断プロセスが終了した直後の、操縦ワイヤ案内部分1621(2、1)、1621(2、4)が破砕要素1641によってチューブ1621の周囲材料に依然として取り付けられている状況を示す。図はまた、島部1625(j)の取り付け部分1626(j)が取り付けられ得る取り付け部分1643(j)も示す。
【0095】
[0115]その結果、圧縮する、又は引っ張るために力をそれほど必要としない、長手方向により可撓性の長さ補償セクション1617になる。これは、さらに、器具のより容易に曲げ可能な本体セクション1615をもたらす。別の得ることができる結果は、長さ補償セクション1617内の湾曲形状が外方向又は内方向に曲げられるとき、内側及び外側の操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)、1621(2、i)の平均長さが、封入された操縦ワイヤ16(i)の長さと全く等しいままであるように、内側及び外側の操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)、1621(2、i)の長手方向の可撓性が釣り合わせられ得ることである。曲げ可撓性は、長さ補償セクション1617の長手方向可撓性が大きな伸張又は短縮無しに先端操縦力に依然として耐えることができるように設計されなければならない。
【0096】
[0116]
図22は、本発明による多重チューブ器具の簡略化された提案を示す。操縦ワイヤ16(i)の関連する部分を有する内側及び外側の操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)、1621(2、i)の各セットは、特定の湾曲に事前成形された長さ補償要素を形成する。
【0097】
[0117]
図23は、
図22と同じ多重チューブ器具及び長さ補償要素が前に説明されたようにどのように作動するかを示す。本体セクション1615が曲げられたとき、長さ補償要素の湾曲した形状は、本体セグメント1615の曲げによって開始された、本体セクション1615内側の内側及び外側の操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)、1621(2、i)、並びに操縦ワイヤ16(i)の長さの相違を吸収するように変形する。このようにして、本体セクション1615の曲げが先端セクション1613及び操縦セクション1618の偏向角度に対して影響を与えないことに留意されたい。
【0098】
[0118]
図24a及び
図24bは、器具の遠位先端を操縦する間、長さ補償セクション1615の中央軸1622に垂直な方向に見た長さ変化が防止され得る、本発明による器具の実施形態を示す。
【0099】
[0119]
図24aは、本体セクション1615が曲げられていない、したがって中立位置にある状況を示し、その一方で
図24bは、本体セクション1615が曲げられ、長さ補償セクション1617が動作している状況を示す。
【0100】
[0120]この実施形態では、第1の方向に延在する第1のバー1645(1)及び第2のバー1645(2)と、第1の方向に垂直な第2の方向に延在する第3のバー1645(3)及び第4のバー1645(4)とを有する正方形フレーム要素1645が、設けられる。
図24a、
図25bの右手側は、遠位端に向かって器具の長手方向に見たときのこの正方形フレーム要素1645を示す。参照記号A(i)は、その周囲の操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)、1621(2、i)を有する操縦ワイヤ16(i)のセットを示す。これらのセットA(i)は、
図24a、
図24bの左手側に示されるような湾曲した形状を有する。セットA(1)、A(2)、A(3)、A(4)それぞれの頂点は、接続ユニット1645(4、1)、1645(3、1)、1645(1、1)、1645(2、1)それぞれを用いてバー1645(4)、1645(3)、1645(1)、1645(2)それぞれに摺動可能に接続される。したがって、各セットA(i)の頂点は、その移動が径方向に制限されるが、径方向に垂直な方向にその関連するバー1645(1)、1645(2)、1645(3)、1645(4)に沿って摺動することができる。
【0101】
[0121]2つの対向するセットA(1)/A(3)とA(2)/A(4)との間の距離が、本体セクション1615が曲がるときにわずかに変化することが示され得る。このわずかな距離変化は、器具1600の径方向に弾性であるバー1645(1)、1645(2)、1645(3)、1645(4)を使用することによって補償され得る。
【0102】
[0122]興味深い用途は、長手方向に操縦ワイヤ16(i)を移動させることによって遠位先端を操縦しながら、所定位置に固定された正方形フレーム要素1645を保持している、たとえば
図24a又は
図24bの状況である。ここでは、すべてのセットA(i)は、所定位置に保たれ、及ぼされた操縦ワイヤ力によって本体セクション1615が(これ以上)曲がるいかなる傾向にも対抗する。
【0103】
[0123]湾曲した長さ補償要素の頂点を接続する別の利点は、これが、長さ補償要素の応答を改善することができることである。本体セクション1615が曲げられたとき、長さ補償セクション1617の一方の側は、案内要素内の引っ張り力によって活性化され、その一方で長さ補償セクション1617の反対側は、対向する案内要素の押し出し力によって活性化される。力の大きさの相違がある場合、又はボーデンケーブル要素1619(2、i)、1621(2、i)のそれらの長さ、あそび、屈曲効果などによって移動に相違がある場合、長さ補償セクション1617の一方の側にあるボーデンケーブル要素1619(2、i)、1621(2、i)の変形を、長さ補償セクション1617の反対側にあるボーデンケーブル要素1619(2、i)、1621(2、i)に直接結合することがより良好である。当然ながら、長さ補償セクションの形状又は長さを結合又は凍結させるための多くの他の機構が、予想され得る。
【0104】
[0124]
図13~
図24bは、ボーデンケーブルガイドが別個の第1の中間チューブ1619及び別個の第2の中間チューブ1621の一部から構築され、操縦ワイヤ16(i)がチューブ1620間に別個に作製される、本発明による器具を説明している。しかし、曲げ可能なセクションに構造(ヒンジ)を提供する支持用内側チューブ1601及び支持用外側チューブ1602が付加される場合、この器具を構築するために5つのチューブが必要とされる。より効率的な方法は、操縦ワイヤ16(i)及びそのための案内部を単一のチューブ内に作製することである。そのような実装形態の実施形態が、次に説明される。
【0105】
[0125]
図25Aは、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)及び操縦ワイヤ16(1)のかなりの部分が、1つのチューブ、すなわち第1の中間チューブ1619で作製される、本発明による器具の実施形態を示す。第3の中間チューブ1621は、
図25Aに示されないが、
図25Bに示されている。
【0106】
[0126]この実施形態では、内側操縦ワイヤ16(1)は、近位端から遠位端に見て次の部分、すなわち操縦セクション1618内の可撓性操縦ワイヤ部分16(1、2)と、長さ補償セクション1617内の操縦ワイヤ長さ補償部分16(1、3)と、長さ補償セクション1617と本体セクション1615との間の移行部内の操縦ワイヤ取り付け部分16(1、4)と、操縦ワイヤ本体セクション部分16(1、5)とを有する。操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)及び操縦ワイヤ本体セクション部分16(1、5)は、いずれも中間チューブ1619内に作製され、その一方ですべての他の言及された部分16(1、2)、16(1、3)及び16(1、4)は、チューブ1620内に作製される。
【0107】
[0127]操縦ワイヤ取り付け部分16(1、4)には、摺動要素1647が位置する開口部1648が設けられる。この摺動要素1647は、操縦ワイヤ取り付け部分16(1、4)が長手方向に摺動要素1647に沿って摺動することができるように、たとえばレーザ溶接、接着などによって第1の中間チューブ1619に取り付けられる。さらに、操縦ワイヤ取り付け部分16(1、4)は、操縦ワイヤ本体セクション部分16(1、5)に取り付けられる。この取り付けは、任意の適切な取り付け方法、好ましくはレーザ溶接で作製され得る。このようにして、可撓性操縦ワイヤ部分16(1、2)上に及ぼされたいかなる押し出し又は引っ張りアクションも、操縦ワイヤ本体セクション部分16(1、5)の同じ移動に(そしてさらに先端セクション1613に)直接伝えられる。
【0108】
[0128]同じ構成は、すべての操縦ワイヤ16(i)に当てはまる。
【0109】
[0129]
図25Aの製品が仕上げられた後、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、1)を含む第3の中間チューブ1621が、
図26に示されるように、この製品上で摺動される。外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、1)は、その遠位端において、取り付け点1655において摺動要素1647に取り付けられる。これは、たとえば、レーザ溶接、接着などによって行われ得る。さらに、第3の中間チューブ1621は、可撓性操縦ワイヤ部分16(1、2)が曲げ可能な操縦セクション1618を作製するように位置する長手方向場所において可撓性である。これは、ここでは、スロット1653の適切なパターンによって行われる。
【0110】
[0130]
図25Bは、完成器具が3つのチューブ1619、1620、1621で作製されている、仕上げられた組立体を示している。第1の中間チューブ1619は、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)と本体セクション操縦ワイヤ部分16(i、5)の両方を含む。第3の中間チューブ1621は、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)と、さらなる外側本体構造とを含む。
【0111】
[0131]さらなる内側チューブ1601又は外側チューブ1602はこれ以上必要とはされないが、同様にこれらの一方又は両方が適用されてもよいことが理解されよう。
【0112】
【0113】
[0133]
図26Aは、外側チューブ1602が存在しない3D側面図を示す。実際、そのような外側チューブ1602は適用されてもよいが、これは必要ではない。このシステムは、チューブから切断されたボーデンケーブル構造を有する。前述の拡張システムとの相違は、この構造は、器具の中央軸周りでらせん状にされることである。その機能は、ほとんど等しい。すなわち器具シャフトが可撓性本体セクション1615内で曲げられた場合、器具シャフト内の曲げ部の内側と同じ側にある長さ補償セクション1617内の制御要素は、より短い経路長さを得て、中央軸から離れて外方向に曲がる。可撓性本体セクション内の曲げ部のこの内側に位置する操縦要素16(i)は、可撓性本体セクションの内側でより小さい長手方向スペースを有するが、長さ補償セクションではこれらの制御要素によってより大きい長手方向スペースを得る。
【0114】
[0134]それとは反対に、器具シャフト内の曲げ部の外側と同じ側にある長さ補償セクション内の制御要素は、より長い経路長さを得て、中央軸に向かって強制される。可撓性本体セクション内の曲げ部のこの外側に位置する操縦要素16(i)は、可撓性本体セクションの内側でより大きい長手方向スペースを得るが、長さ補償セクション内ではこれらの制御要素によってより小さい長手方向スペースを得る。
【0115】
[0135]その結果、曲げによる可撓性本体セクション1615の内側の操縦要素長さの変化は、長さ補償セクション1617内側の制御要素によって補償され、連接する先端セクション1613の望ましくない操縦が回避される。
【0116】
[0136]
図26Aは、5つの同軸に配置されたチューブ、すなわち内側チューブ1601、さらなる中間チューブ1608、第1の中間チューブ1619、第2の中間チューブ1620、及び第3の中間チューブ1621で作製された器具の長さ補償セクション1617の実施形態の外側を示す。内側チューブ1601は、いくつかの実施形態において省略されてもよい。右手側は、近位に位置する操縦セクション1618であり、中間部分は、長さ補償セクション1617であり、左手に、可撓性本体セクション1615の少しの詳細が示されている。
【0117】
[0137]この実施形態では、操縦セクション1618の内側の第3の中間チューブ1621の最も右の部分は、スロットパターンの形態のヒンジを有さない中実部分を備える。しかし、操縦セクション1618は、
図1~
図10及び
図18Bを参照して説明されたように、操縦セクション1618の曲げが操縦ワイヤ16(i)の長手方向移動、したがって先端セクション1613の操縦を制御するように、それ自体が可撓性であってもよい。
【0118】
[0138]この実施形態は、4つの操縦ワイヤ16(i)のためのボーデンケーブル構造を示す。しかし、この実施形態は、そのような数に限定されない。その数は、1つ又は複数であってもよい。長さ補償セクション1617内には、スロットによって分離された、4つのストリップのような外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)が設けられる。外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)の各1つは、器具の中央軸の周りでらせん状になる。その近位端からその遠位端までの接線方向のらせんの量は、360度であってもよい。しかし、接線方向の必要とされるらせんの量は、特有の用途に依存し、したがって、360度より大きくても小さくてもよい。適切な量は、10~1440度の範囲内、たとえば45~1080度の範囲内であってもよい。
【0119】
[0139]4つの外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)の各1つは、その遠位端において、外側操縦ワイヤ案内部分端部1621(2、i)Eに取り付けられる。
図26Aは、これらの外側操縦ワイヤ案内部分端部1621(2、i)Eの各1つが、2つの取り付け点1655a、1655bにおいて第2の中間チューブ1620の一部に取り付けられることを示し、これは、これ以後より詳細に説明される。これらの外側操縦ワイヤ案内部分端部1621(2、i)Eの各1つは、静止状態(可撓性本体セクション1613の曲げ無し)において、本体セクション部分1621(3)から距離を離して配置される。したがって、これらの各1つは、すべての他の外側操縦ワイヤ案内部分端部1621(2、i)Eから独立して、近位方向と遠位方向の両方に、特定の設計された範囲まで長手方向に移動することができる。
【0120】
[0140]外側操縦ワイヤ案内部分端部1621(2、i)Eの遠位側面において、
図26Aは、i=1でありi=3である、操縦ワイヤ16(i)を示している。参照番号1601(1)、1601(3)は、これ以後明らかになる内側チューブ1601の一部を指す。第2の中間チューブ1620及び第1の中間チューブ1619のいくつかの部分も見ることができる。これらは、次に、より詳細にこれらの部分を示す
図26Bを参照して説明される。
【0121】
[0141]
図26Bは、
図26Aと同じ器具であるが、第3の中間チューブ1621が存在しないものを示す。
図26Bは、4つの操縦ワイヤ16(i)の一部を示す。遠位方向に見て、接線方向の時計回り順序は、i=1、4、2、3である。2つの隣接する操縦ワイヤの中心間の接線方向距離は、90度である。操縦セクション1618では、操縦ワイヤ16(1、2)、16(4、2)間のスペースは、スペーサ1620(1、4)によって充填され、操縦ワイヤ16(4、2)、16(2、2)間のスペースは、スペーサ1620(1、2)によって充填され、操縦ワイヤ16(2、2)、16(3、2)間のスペースは、スペーサ1620(1、3)によって充填され、操縦ワイヤ16(3、2)、16(1、2)間のスペースは、スペーサ1620(1、1)によって充填される。i=1、2、3、4であるこれらのスペーサ1620(1、i)は、これらが隣接する操縦ワイヤ16(i、2)を長手方向に案内し、操縦セクション1618内での操縦ワイヤ16(i、2)の接線方向の移動を防止するように、小さいスロットによって隣接する操縦ワイヤ部分16(i、2)から分離される。
【0122】
[0142]操縦セクション1618と長さ補償セクション1617との間の移行部において、各スペーサ1620(1、i)は、2つの長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、i)、1620b(2、i)に取り付けられる。長さ補償セクション1617の内側では、操縦ワイヤ部分16(1、3)は、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、4)と1620b(2、1)との間に配置され、操縦ワイヤ部分16(4、3)は、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、2)と1620b(2、4)との間に配置され、操縦ワイヤ部分16(2、3)は、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、3)と1620b(2、2)との間に配置され、操縦ワイヤ部分16(3、3)は、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、1)と1620b(2、3)との間に配置される。
【0123】
[0143]長手方向案内要素長さ補償部分のセット、1620a(2、4)/1620b(2、1)、1620a(2、2)/1620b(2、4)、1620a(2、3)/1620b(2、2)、及び1620a(2、1)/1620b(2、3)それぞれは、これらが操縦ワイヤ部分16(1、3)、16(4、3)、16(2、3)、及び16(3、3)それぞれを長手方向に案内し、長さ補償セクション1617内の操縦ワイヤ16(1、3)、16(4、3)、16(2、3)、及び16(3、3)それぞれの独立した接線方向移動を防止するように、小さいスロットによって、操縦ワイヤ部分16(1、3)、16(4、3)、16(2、3)、及び16(3、3)それぞれから分離される。
【0124】
[0144]遠位端に向かって、各1つの2つの長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、i)、及び1620b(2、i)それぞれは、端部分1620a(2、i)E、及び1620b(2、i)Eそれぞれに取り付けられる。2つの端部分1620a(2、i)E及び1620b(2、i)Eは、これらが長手方向に独立的に移動することができるように、スロットによって分離される。一実施形態では、スロットは、2つの端部分1620a(2、i)E及び1620b(2、i)Eが相互の接線方向移動を防止するように構成される。
【0125】
[0145]すべての端部分1620a(2、i)E、1620b(2、i)Eは、静止状況において、これらが遠位方向に移動可能であることを可能にする遠位方向に向かう自由スペースが存在するように配置される。図示される実施形態では、この自由スペースは、長さ補償セクション1617と可撓性本体セクション1615との間の移行部で終了する。この自由スペースの内側の操縦ワイヤ16(i)の部分は、参照番号16(i、4)で示され、その一方で可撓性本体セクション1615内の操縦ワイヤ16(i)の部分は、参照番号16(i、5)で示される。図示される実施形態では、操縦ワイヤ部分16(i、5)は、長さ補償セクション1617と可撓性本体セクション1615との間の移行部では、その自由スペースの内側よりも広いが、これは必要とはされない。
【0126】
[0146]本実施形態の組み立てられた状態では、第3の中間チューブ1621が、第2の中間チューブ1620の外側に存在し、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)の各1つは、1つの操縦ワイヤ部分16(i、3)と位置合わせされ、それにより、これは、その操縦ワイヤ部分16(i、3)をその全長に沿って覆い、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)の径方向運動から独立したその操縦ワイヤ部分16(i、3)のいかなる径方向移動も防止する。
【0127】
[0147]一実施形態では、操縦ワイヤ部分16(1、3)、16(4、3)、16(2、3)、及び16(3、3)のそれぞれの独立した接線方向移動をさらに防止するために、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、4)/1620b(2、1)、1620a(2、2)/1620b(2、4)、1620a(2、3)/1620b(2、2)、及び1620a(2、1)/1620b(2、3)それぞれの各セットの、端部分1620a(2、4)E/1620b(2、1)E、1620a(2、2)E/1620b(2、4)E、1620a(2、3)E/1620b(2、2)E、及び1620a(2、1)E/1620b(2、3)Eそれぞれの各セットは、取り付け場所1655a、1655b(
図26Aを参照)において、1つの端部分1621(2、1)E、1621(2、3)E、1621(2、2)E、及び1621(2、4)Eそれぞれに取り付けられる。したがって、端部分1620a(2、4)E/1620b(2、1)E、1620a(2、2)E/1620b(2、4)E、1620a(2、3)E/1620b(2、2)E、及び1620a(2、1)E/1620b(2、3)Eそれぞれの各セットの端部分は、相互の接線方向及び長手方向移動に固定される。
【0128】
[0148]第1の中間チューブ1619内に設けられ、
図26Cに示されるようなスロットのパターンは、
図26Aに示されるような、第3の中間チューブ1621内のものに非常に似ている。
【0129】
[0149]
図26Cを参照するこの実施形態では、操縦セクション1618の内側の第1の中間チューブ1619の最も右の部分は、中実部分を備える。これは、たとえばヒンジを形成するために、1つ又は複数のスロット付きパターンを有してもよい。
【0130】
[0150]長さ補償セクション1617内に、スロットによって分離された4つのストリップ様の内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)が設けられる。内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)の各1つは、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)及び操縦ワイヤ部16(2、i)と同じ方法で、器具の中央軸の周りでらせん状になる。
【0131】
[0151]4つの内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)の各1つは、その遠位端において、内側操縦ワイヤ案内部分端部1619(2、i)Eに取り付けられる。
【0132】
[0152]第2の中間チューブ1620(
図26Bを参照)内の長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、4)/1620b(2、1)、1620a(2、2)/1620b(2、4)、1620a(2、3)/1620b(2、2)、及び1620a(2、1)/1620b(2、3)それぞれの各セットの、端部分1620a(2、4)E/1620b(2、1)E、1620a(2、2)E/1620b(2、4)E、1620a(2、3)E/1620b(2、2)E、及び1620a(2、1)E/1620b(2、3)Eそれぞれの各セットは、取り付け場所1656において、1つの端部分1619(2、1)E、1619(2、3)E、1619(2、2)E、及び1619(2、4)Eそれぞれに取り付けられる。したがって、端部分1620a(2、4)E/1620b(2、1)E、1620a(2、2)E/1620b(2、4)E、1620a(2、3)E/1620b(2、2)E、及び1620a(2、1)E/1620b(2、3)Eそれぞれの各セットの端部分は、相互の接線方向及び長手方向移動に固定される。
【0133】
[0153]これらの内側操縦ワイヤ案内部分端部1619(2、i)Eの各1つは、静止状態おいて(すなわち可撓性本体セクション1613の曲げ無し)、これが可撓性本体セクション1615から距離を離して配置される。したがって、これらの各1つは、すべての他の内側操縦ワイヤ案内部分端部1619(2、i)Eから独立して、近位方向と遠位方向の両方に、特定の設計された範囲まで長手方向に移動することができる。
【0134】
[0154]次に
図26Dに移ると、内側チューブ1601の一部が、さらなる中間チューブ1608内に挿入されて示されている。組み立てられた状態において、これらは、第1の中間チューブ1619の内側に位置する。近位端において、すなわち操縦セクション1618内では、さらなる中間チューブ1608は、さらなる中間チューブ部分を備え、この中間チューブ部分は、その部分の必要とされる機能に応じて、中実であっても、又はたとえばヒンジ用の適切なスロット付きパターンが設けられてもよい。長さ補償セクション1617の近位側には、この実施形態では、さらなる中間チューブ1608の部分は存在しない。長さ補償セクション1617の遠位側において、さらなる中間チューブ1608は、4つ(この実施形態では、操縦ワイヤ16(i)と同じ数)のさらなる中間チューブシフト可能部分1608(i)を備える。これらのさらなる中間チューブシフト可能部分1608(i)は、この実施形態では、先端の近位端に向かって延び、ここでこれらは、先端セクション1613において長手方向に移動できないように取り付けられる。隣接するさらなる中間チューブシフト可能部分1608(i)は、これらが長手方向に前後に内側チューブ1601に沿ってシフトすることができるように、スロットによって分離される。これらのスロットは、好ましくは、これらの間の接線方向のあそびを回避するために可能な限り小さく製造される。可撓性本体セクション1615の内側では、さらなる中間チューブ1608は、たとえば、操縦ワイヤ部分16(1、5)に取り付けられた操縦ワイヤ部分を備えてもよい。
【0135】
[0155]さらに
図26Dを参照すれば、内側操縦ワイヤ案内部分端部1619(2、i)Eの各1つは、たとえば取り付け場所1673において、1つのそのようなさらなる中間チューブシフト可能部分1608(i)に取り付けられる。
【0136】
[0156]
図26A~
図26Cに示されるように、各外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、i)は、その長さに沿って、径方向に見てそれぞれの操縦ワイヤ部分16(2、i)の外面を覆うような幅を有する。さらに、各内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、i)は、その長さに沿って、径方向に見てそれぞれの操縦ワイヤ部分16(2、i)の内面を覆うような幅を有する。
【0137】
[0157]外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、1)、1621(2、4)、1621(2、2)、及び1621(2、3)それぞれの幅は、操縦ワイヤ部分16(1、3)の幅に長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、4)/1620b(2、1)のセットの幅を加えたもの、操縦ワイヤ部分16(4、3)の幅に長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、2)/1620b(2、4)のセットの幅を加えたもの、操縦ワイヤ部分16(2、3)の幅に長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、3)/1620b(2、2)のセットの幅を加えたもの、及び操縦ワイヤ部分16(3、3)の幅に長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、1)/1620b(2、3)のセットの幅を加えたものそれぞれに等しくてもよい。
【0138】
[0158]さらに、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)1619(2、4)、1619(2、2)、及び1619(2、3)それぞれの幅は、外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、1)、1621(2、4)、1621(2、2)、及び1621(2、3)それぞれの幅に等しくてもよい。
【0139】
[0159]その結果、各操縦ワイヤ部分16(i、3)は、長さ補償セクション1617内のチャネルの内側に位置する。すなわち、操縦ワイヤ部分16(1、3)は、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、4)/1620b(2、1)、及び外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、1)によって形成されたチャネル内に位置する。操縦ワイヤ部分16(4、3)は、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、4)、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、2)/1620b(2、4)、及び外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、4)によって形成されたチャネル内に位置する。操縦ワイヤ部分16(2、3)は、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、2)、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、3)/1620b(2、2)、及び外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、2)によって形成されたチャネル内に位置する。操縦ワイヤ部分16(3、3)は、内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、3)、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、1)/1620b(2、3)、及び外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、3)によって形成されたチャネル内に位置する。
【0140】
[0160]
図26A~
図26Dの実施形態の長さ補償セクション1617は、次の方法で機能する。これは、本実施形態において対向して位置する操縦ワイヤ16(1)、16(2)を参照して説明される。この説明は、他の対向する操縦ワイヤに関しても同じである。器具が
図26A~
図26Dに対して接線方向にわずかに回転された
図26E(側面図)及び
図26F(斜視図)に参照がなされる。
【0141】
[0161]さらなる中間チューブシフト可能部分1608(1)の近位端が近位端に向けて押し出されるように、可撓性本体セクション1615が曲げられていると想定する。次いで、さらなる中間チューブシフト可能部分1608(1)の近位端、内側操縦ワイヤ案内部分端部1619(2、1)E、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、4)/1620b(2、1)の端部分1620a(2、4)E/1620b(2、1)Eのセット、及び外側案内操縦ワイヤ案内部分端部1621(2、1)Eは、これらがすべて取り付けられているため、近位端に向かって摺動する。これにより、長さ補償セクション1617内の内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、1)、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、4)/1620b(2、1)、及び外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、1)のらせん部が中央軸から離れて移動する。これにより、より長い経路長さが長さ補償セクション1617内の操縦ワイヤ16(1)に利用可能となり、この長さは、可撓性本体セクション1615の曲げによって操縦ワイヤ部分16(1、5)が長さ補償セクション1617内に特定の範囲まで長手方向に移動することを補償するために必要である。
【0142】
[0162]可撓性本体部分1615の曲げにより、さらなる中間チューブシフト可能部分1608(2)の反対に位置する近位端は、遠位端に向かって引っ張られる。次いで、さらなる中間チューブシフト可能部分1608(2)の近位端、内側操縦ワイヤ案内部分端部1619(2、2)E、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、3)/1620b(2、2)の端部分1620a(2、3)E/1620b(2、2)Eのセット、及び外側案内操縦ワイヤ案内部分端部1621(2、2)Eは、これらがすべて取り付けられているため、遠位端に向かって摺動する。これにより、長さ補償セクション1617内の内側操縦ワイヤ案内部分1619(2、2)、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、3)/1620b(2、2)、及び外側操縦ワイヤ案内部分1621(2、2)のらせん部は、中央軸に向かって移動する。これにより、より短い経路長さが長さ補償セクション1617内の操縦ワイヤ16(2)に利用可能となり、この長さは、可撓性本体セクション1615の曲げによって操縦ワイヤ部分(2、4)が可撓性本体セクション1615内に特定の範囲まで長手方向に移動することを補償するために必要である。
【0143】
[0163]可撓性本体セクション1615の内側の曲げは、操縦ワイヤ部分16(3、4)/16(3、3)及び16(4、4)/16(4、3)が、全く移動せず、長さ補償を必要としないようなものであってもよい。しかし、その曲げの方向に応じて、これらは移動してもよく、この移動は、長さ補償セクション1617内で同様の方法で補償される。
【0144】
[0164]したがって、可撓性本体セクション1615の内側のそのセクションの曲げによる操縦ワイヤ部分16(i、5)のすべての移動は、長さ補償セクション1617の内側のボーデンケーブル構造によって補償され、先端セクション1613は、不注意に曲げられない。
【0145】
[0165]当然ながら、必要とされるチューブの数を低減し、そのような器具の組み立てを可能な限り容易にすることを目的として、本体構造、操縦ワイヤ、及びボーデンケーブル要素がチューブ内で組み合わせられるさらなる実施形態が予想され得る。
【0146】
[0166]
図27は、器具全体の直径を増大させることなく、また別個の成形プロセスの必要なく、長さ補償セクション1617の圧縮可能又は伸張可能な湾曲形状が器具の接線方向に作製され得る実施形態を示す。この実施形態では、操縦ワイヤ案内部の別個の構造は必要とされない。操縦ワイヤ16(i)は、内側及び外側チューブによって径方向に、また、操縦ワイヤ16(i)に隣接して位置する長手方向案内要素によって接線方向に案内される。また、形状が長手方向に圧縮可能又は伸張可能である限り、また、操縦ワイヤ16(i)に対する摩擦が許容可能なレベルに保たれる限り、多くの他の形状が可能であることが予想され得る。これらの後者の観察は、
図13~
図26Fに示されるような径方向に形成された形状にも適用可能である。
【0147】
[0167]
図27の実装例では、内側チューブ1601及び中間チューブ1620の一部のみが示されている。外側チューブ1621は示されていない。
図26A~
図26Fのように、長さ補償セクション1617の内側で、操縦ワイヤ部分16(1、3)は、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、4)と1620b(2、1)との間に配置され、操縦ワイヤ部分16(4、3)は、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、2)と1620b(2、4)との間に配置され、操縦ワイヤ部分16(2、3)は、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、3)と1620b(2、2)との間に配置され、操縦ワイヤ部分16(3、3)は、長手方向案内要素長さ補償部分1620a(2、1)と1620b(2、3)との間に配置される。これらの長手方向案内要素長さ補償部分は、より画定されたチャネルを作りだすために、内側チューブ1601又は外側チューブ1602内のブリッジ要素によって結合され得る。各操縦ワイヤ16(i)は、操縦ワイヤ操縦セクション部分16(i、2)と、操縦ワイヤ長さ補償セクション部分16(i、3)と、操縦ワイヤ本体セクション部分16(i、5)とを有する(これらの先端部分は示されないが、他の実施形態と同様であってもよい)。ここでは、
図26Bの長さ補償セクション1617と操縦セクション1618との間の移行部において示されるような各スペーサ1620(1、i)は、2つの部分1620a(1、i)、1620b(1、i)に分離され、これらの部分はいずれも、場所1657において、たとえばレーザ溶接、接着などによって、内側チューブ1601若しくは外側チューブ1621、又はその両方に取り付けられる。そのような分割は必要ではない。
【0148】
[0168]本体セクション1615内では、操縦ワイヤ部分16(1、5)は、長手方向案内要素本体部分1620a(3、4)と1620b(3、1)との間に配置され、操縦ワイヤ部分16(4、5)は、長手方向案内要素本体部分1620a(3、2)と1620b(3、4)との間に配置され、操縦ワイヤ部分16(2、5)は、長手方向案内要素本体部分1620a(3、3)と1620b(3、2)との間に配置され、操縦ワイヤ部分16(3、5)は、長手方向案内要素本体部分1620a(3、1)と1620b(3、3)との間に配置される。これらの後者の長手方向案内要素本体部分は、本体セクション1615と先端セクション1613との間の移行部まで延び、そこで、その場所における長手方向運動を防止するために、たとえばレーザ溶接、接着などによって、内側チューブ1601若しくは外側チューブ1602又はその両方に取り付けられる。
図27の実施形態は、操縦ワイヤ(16(i))及び関連する操縦ワイヤ案内部分の各第1の部分が、可撓性本体セクション(1615)の曲げによる可撓性本体セクション(1615)内側の操縦ワイヤ(16(i))の第2の部分の長さ変化を吸収するために変形するように構成された、接線方向のみに湾曲した構成を有する長さ補償要素としてここで構成されれば、本質的には、
図16~
図26Fのものと同じ方法で作用する。
【0149】
[0169]
図28a及び
図28bは、1つのチューブ1620内に構築されることが可能であり、径方向に形成することを必要としない長さ補償セクション1617の実施形態を示す。実際には、この長さ補償セクション1617は、
図27の実施形態のように単一の内側チューブ1619及び単一の外側チューブ1621によって完全に封入され得る。
図28aは、平坦図を示しており、
図28bは、「そのように切断された」3D図を示している。これらの図は、2つの操縦ワイヤ16(1)、16(2)が互いに対して回転されて180度に位置する実施形態を示している。しかし、チューブの直径が十分な大きさである場合、3つ以上の操縦ワイヤが適用されてもよい。また、1つだけの操縦ワイヤを有する実施形態が作製され得る。
【0150】
[0170]操縦ワイヤ16(i)の各1つは、2つの部分、すなわち第1の部分及び第2の部分に分割される。第1の部分には、90度未満であるが0度超の所定の角度で接線方向に延在する突起部16(i、9)が設けられる。たとえば、30度超80度未満の角度である。先端セクション1613の遠位端に取り付けられた第2の部分は、たとえば、2つの延長部16(i、6)と16(i、7)との間に位置する凹部16(i、8)を有する。凹部16(i、8)は、摺動可能に突起部16(i、9)を受け入れるように成形される。この目的を達成するために、一実施形態では、凹部16(i、8)は、突起部16(i、9)と同一の形態を有し、すなわち、同じ角度で接線方向にも延在している。
【0151】
[0171]操縦ワイヤ16(i)間には、操縦ワイヤ案内要素が設けられる。これらの操縦ワイヤ案内要素は、器具の本体に取り付けられる。図示される実施形態では、これらは、接線方向に操縦ワイヤ16(i)から90度回転して位置する。これらの操縦ワイヤ案内要素は、2つの操縦ワイヤ案内要素のセットにグループ化される。各セットは、第1の操縦ワイヤ案内要素1620(3、1)、1620(3、3)と、第2の操縦ワイヤ案内要素1620(3、2)と、1620(3、4)とを有する。各第1の操縦ワイヤ案内要素1620(3、1)、1620(3、3)は、凹部1620(3、1、1)、1620(3、3、1)を有する。各第2の操縦ワイヤ案内要素1620(3、2)、1620(3、4)は、第1の操縦ワイヤ案内要素1620(3、1)、1620(3、3)の凹部1620(3、1、1)、1620(3、3、1)内に受け入れられる突起部1620(3、2、1)、1620(3、4、1)を有する。突起部1620(3、2、1)、1620(3、4、1)と凹部1620(3、1、1)、1620(3、3、1)の両方は、90度未満であるが0度超である所定の角度で接線方向に延在している。たとえば30度超80度未満である。これらの角度は、操縦ワイヤ突起部16(i、9)及び操縦ワイヤ凹部16(i、8)内に適用されるように同じであってもよい。
【0152】
[0172]第1の操縦ワイヤ案内要素1620(3、1)及び1620(3、3)は、操縦可能な先端セクションの近位端の領域内で器具の本体に接続される。第2の操縦ワイヤ案内要素1620(3、2)及び1620(3、4)もまた、器具の本体の適切な部分に接続される。
【0153】
[0173]
図28a、
図28bの器具の本体セクション1615が曲げられたとき、第1の操縦ワイヤ案内要素1620(3、1)及び1620(3、3)の近位端部は、特定の長さにわたって長手方向に変位する。この変位により、傾斜した突起部1620(3、2、1)、1620(3、4、1)は、傾斜した凹部1620(3、1、1)、1620(3、3、1)内外に接線方向に摺動する。したがって、第2の操縦ワイヤ案内要素1620(3、2)、1620(3、4)は、接線方向に移動する。この移動において、これはまた、器具の近位端において操縦デバイスに長手方向に取り付けられた操縦ワイヤ16(i)の第1の部分を接線方向に変位させる。操縦デバイスに取り付けられた操縦ワイヤ16(i)の第1の部分が接線方向に変位されたとき、これは、操縦ワイヤ16(i)の第2の部分を長手方向に変位させる。すべての要素の突起部及び凹部の接線方向の傾斜角度を適正に選択することにより、操縦ワイヤ16(i)の変化の長さは、先端セクション1613が本体セクション1615の曲げによって偏向しないように補償され得る。この構造は、このとき、長さ補償要素として作動する。
【0154】
[0174]さらに、所望の方法で先端セクション613を偏向させるように操縦ワイヤが長手方向に移動される場合、これは、図示される構造に影響されない。操縦ワイヤ16(i)の第1の部分の長手方向移動は、操縦ワイヤ16(i)の第2の部分の同じ長手方向移動に伝えられる。
【0155】
[0175]
図28a、
図28bは、受動的操縦ワイヤ端部を操縦ワイヤ端部と全く同じ量及び方向に長手方向に変位させることを模倣する摺動機構の実施形態を説明している。当然ながら、他の摺動又はレバー機構が予想され得る。
【0156】
[0176]
図27、
図28a/
図28bは、長さ補償セクション1617が単一のチューブ1620内に切断される可能な実施形態を2つだけ示している。より多くの形状が可能であり、長さ補償セクションはまた、2つ以上のチューブを利用しながら構築され得ることが、予想され得る。
【0157】
[0177]
図29は、長さ補償セクション1617内のボーデンケーブル配置が、中央軸1622に向かって径方向に内方向に延在している実施形態を示している。明確にするために、
図29は、チューブ1619とその長さ補償部分1619(2、i)のみを示している。他のチューブ1620及び1621は、長さ補償セクション1617において類似の設計を有する。さらに、内側チューブ1601及び外側チューブ1602が同様に適用されてもよい。長さ補償セクション1617の内側に要素1619(2、i)、16(i)及び1621(2、i)の各セットに十分な内側スペースを提供するために、接線方向に隣接するそのようなセット1619(2、i)、16(i)及び1621(2、i)は、中央軸1622まで内側に曲がるときに互いに接触できないように、特定の長手方向距離に沿って図示されるようにシフトされてもよい。
【0158】
[0178]
図30は、長さ補償セクション1617内で各操縦ワイヤ16(i)に隣接して接線方向に位置する少なくとも1つの長手方向案内要素長さ補償部分1620(2、2)を有する実施形態を示す。長さ補償セクション内の要素は、径方向に外方向に曲がる。図は、各操縦ワイヤ16(i)のための1つのそのような長手方向案内要素長さ補償部分1620(2、2)を示しているが、各側に1つあってもよい。各長手方向案内要素長さ補償部分1620(2、2)は、操縦ワイヤ16(i)が切断されるのと同じチューブ1620から切断される。これらは、スロットを作製するために使用される最小限のレーザビームから生じるのと同じ小ささであってもよい小さいスロットによって互いに分離される。
【0159】
[0179]各長手方向案内要素長さ補償部分1620(2、2)は、長手方向案内要素1620(2、1)、1620(2、2)、1620(2、3)の一部である。長さ補償セクション1617と操縦セクション1618との間の移行部において、各操縦ワイヤ操縦セクション部分16(i、2)は、たとえば、レーザ溶接、接着などによって内側チューブ1619若しくは外側チューブ1621、又はその両方に取り付けられた2つの隣接する近位長手方向案内要素部分1620(2、1)間に接線方向に位置する。本体セクション1615内では、各操縦ワイヤ本体セクション部分16(i、4)は、本体セクション1615と先端セクション1613との間の移行部まで延び、そこで、その場所での長手方向運動を防止するために、たとえばレーザ溶接、接着などによって内側チューブ1619若しくは外側チューブ1621又はその両方に取り付けられた2つの隣接する長手方向案内要素本体部分1620(2、3)間に接線方向に位置する。ここでも、分離スロットは、非常に小さくてもよく、すなわちスロットを作製するために使用される最小限のレーザビームから生じるのと同じ小ささであってもよい。
【0160】
[0180]
図30はまた、長さ補償セクション1617内の1つ又は複数のカバープレート1659、1661を示す。すなわち、たとえば外側チューブ1621から切断された1つ又は複数のカバープレート1659は、操縦ワイヤ16(i)をその径方向外側において覆い、たとえばレーザ溶接、接着などによって隣接する長手方向案内要素長さ補償部分1620(2、2)に取り付けられる。さらに、たとえば内側チューブ1619から切断された1つ又は複数のカバープレート1661は、操縦ワイヤ16(i)をその径方向内側において覆い、たとえばレーザ溶接、接着などによって隣接する長手方向案内要素長さ補償部分1620(2、2)に取り付けられる。したがって、長さ補償セクション1617内で、各操縦ワイヤ16(i)は、少なくとも3つの側面において隣接する案内要素によって案内される。4つの側面での案内が実施されてもよい。
【0161】
[0181]
図31aから
図31cは、古典的なケーブル1309(i)の形態のワイヤを有する操縦可能で偏向可能な器具と、チューブから製造された操縦ワイヤ16(i)の両方に適用され得る電気機械式長さ補償セクション1617の異なる実施形態を示す。後者の場合、操縦可能で偏向可能な器具は、先の
図13~
図27、
図19、
図30のいずれか1つを参照して本文書で説明されたような実施形態の1つであってもよい。これにより、先端セクションは、参照記号1301と1613の両方で示され、本体セクションは、参照記号1303と1615の両方で示される。ロボット用途で設計される場合、長さ補償セクション1617は、操縦ワイヤ案内部及び操縦ワイヤ16(i)に結合され得るロボット式操縦セクションの一体部分として作製され得る。
【0162】
[0182]
図31aは、操縦ワイヤ案内部の近位端がセンサ1663(i)に結合された実施形態を示す。センサ1663(i)は、それぞれのセンサ信号1667(i)をプロセッサ1670に送信するために、プロセッサ1670に接続される。これらのセンサ1663(i)は、本体セクション1303、1615が曲げられたときに各操縦ワイヤ案内部の近位端の移動の大きさ及び長手方向を測定する。それぞれのセンサ信号1667(i)は、これらの移動の大きさ及び移動方向の表示である。プロセッサ1670は、センサ信号1667(i)に応じて複数のアクチュエータ1665(i)の各1つに対して補償信号1669(i)を生成する。各アクチュエータ1665(i)は、各操縦ワイヤ1309(i)/操縦ワイヤ16(i)が、センサ1663(i)によって測定された、それぞれの操縦ワイヤ案内部の近位端と同じ方向及び同じ経路長さに沿って移動されるように、1つの操縦ワイヤ1309(i)/操縦ワイヤ16(i)に結合される。このようにして、1つのセンサ1663(i)及び1つのアクチュエータ1665(i)の各セットは、1つの操縦ワイヤ1309(i)/操縦ワイヤ16(i)及びその関連する操縦ワイヤ案内部のための長さ補償ユニットとして機能する。
【0163】
[0183]代替的には、別個のプロセッサのセットが、上記で言及された機能を実行するために、1つのセンサ1663(i)及び1つのアクチュエータ1665(i)の1つのセットに1つずつ接続されて適用される。別個のプロセッサのセットの各1つは、それぞれのセンサ1663(i)の近く若しくはその内側、又はそれぞれのアクチュエータ1665(i)の近く若しくはその内側のいずれかに位置することができる。
【0164】
[0184]さらに、この例では、各アクチュエータ1665(i)は、先端セクション1301/1613の偏向を制御するために、プロセッサ1670によって生成された適切なアクチュエータ信号によって制御されるようにその操縦ワイヤ1309(i)/操縦ワイヤ16(i)を移動させるように構成される。プロセッサ1670は、補償信号及び作動信号を同時に生成することができる。これは、器具を湾曲したチャネルを通って、たとえば人体の内側で前進させながら先端セクション1301/1613を能動的に操縦するために有用であることができる。
【0165】
[0185]適用された各プロセッサには、適切なメモリユニット(RAM、ROM、EPROM、など)及び適切な入力/出力ユニットに接続された、中央処理ユニットCPUが装備される。メモリユニットは、CPUによってロードされると、必要とされる機能を実行するための能力をCPUに提供する適切なコンピュータプログラムを記憶している。入力ユニットは、たとえばセンサ1663(i)から入力信号を受信し、これらをさらなる処理のためにCPUに送信するように構成される。出力ユニットは、CPUから出力信号を受信し、これらを作動モータ1665(i)及びブレーキ1671(i)のような外部デバイスに送信するように構成される。
【0166】
[0186]
図31bは、
図31aと同じセットアップを示すが、このとき各センサ1663(i)には、プロセッサ1670にこれもまた結合されるブレーキデバイス1671(i)が装備される。ブレーキデバイスは、それぞれの操縦ワイヤ案内近位端の長手方向運動を可能にする又はブロックするように構成される。各ブレーキデバイス1671(i)は、本体セクション1303/1615がその現在の曲げ状態又は曲げられていない状態を変更させられずに、操縦ワイヤ1309(i)/操縦ワイヤ16(i)によって先端セクション1301/1613を偏向させることをアクチュエータ1665(i)が制御するための作動信号をプロセッサ1670が生成したときに、適切なブレーキ制御信号でプロセッサ1670によって起動され得る。このようにして、操縦ワイヤ案内部は、次いで、静止位置に保たれ、その結果、本体セクション1303/1615は、その現在の、場合によっては湾曲した位置に保たれる。したがって、操縦ワイヤ1309(i)/操縦ワイヤ16(i)の起動は、本体セクション1303/1615の操縦とはならない。
【0167】
[0187]
図31cは、
図31bに示されるようなシステムの別の実施形態を示しているが、このとき、各アクチュエータ1665(i)は、その関連する操縦ワイヤ案内部の近位端に機械的に結合され、本体セクションの曲げ中に操縦ワイヤ案内近位端と共に移動するように構成され、また、アクチュエータ1665(i)によって制御信号が受信されない限り、操縦ワイヤ1309(i)/操縦ワイヤ16(i)がその操縦ワイヤ案内部の外側で近位に延在している距離を一定に保つように構成される。この実施形態では、アクチュエータ1665(i)を含む機械的ユニットにも、作動信号が受信される限りアクチュエータ1665(i)、したがって操縦ワイヤ案内近位端部を特定の固定された位置に保持する、
図31bのようなブレーキデバイス1671(i)が装備され得る。予想され得るように、センサを起動する簡単なワイヤのようなより簡単な要素で、操縦ワイヤ案内部を置き換えることも可能である。
【0168】
[0188]
図14及び
図15に説明されるように、器具の本体が曲げられたときに望ましくない先端操縦を排除することが可能であり、長さ補償セクションを組み込むボーデンケーブル配置によって、先端が能動的に操縦されているときの本体操縦を排除することが可能である。
図16から
図27は、長さ補償セクションがそのようなボーデンケーブル配置に基づき、長さ補償が径方向又は接線方向の操縦ワイヤ案内要素及び操縦ワイヤの同時の変形によって確立される実施形態を示している。長さ補償セクションを変形させるための代替策として、
図28a及び
図28bは、操縦ワイヤ案内要素を操縦ワイヤ端部と全く同じ量及び方向に長手方向に変位させることを模倣する摺動機構を有する長さ補償セクションの実施形態を説明している。図示される解決策は使用可能であるが、得ることができる長さ補償に関して制限を有する。長さ補償が大きくならなければならないほど、突起部のスロープ角度も大きくならなければならない。長さ補償が相対的に大きくならなければならず、スロープ角度が40度又は50度を上回るようになる場合、摺動摩擦は、機構がそれ以上作動できなくなるほど高くなることがあり、又は本体長さ感知要素内の起動押し出し又は引っ張り力が許容できなくなるほどの高さになることがある。したがって、長さ補償セクションの代替的な摺動機構が、
図32~
図42Eを参照してこれ以後概略的に提示される。
【0169】
[0189]
図32は、
図32~
図42Hによる実施形態の原理を説明するために、長さ補償セクション3200の概略的なセットアップを示している。この長さ補償セクション3200は、操縦可能な器具の(
図13では1303で示される)可撓性本体セクションと(
図13では1307で示される)操縦セクションとの間の場所に位置する。
図32は、
図14から
図27の上記の実施形態における操縦ワイヤ案内要素と同じ機能を有する本体長さ感知要素3201を示すが、この本体長さ感知要素3201は、本体長さの感知のみに使用され、操縦ワイヤ案内部の主要機能を有さないことが異なる。この実施形態の場合、本体長さ感知要素3201及び操縦ワイヤ16(i)が同じ平面内に位置することが想定される。また、本体長さ感知要素3201及び操縦ワイヤ16(i)が、鉛直方向又は図の平面に垂直な方向ではなく、長手方向のみに移動することができるように周囲構造によって案内されることが想定される。
【0170】
[0190]より詳細には、
図32は、第1の部分16(i、1)及び第2の部分16(i、2)を有するように示される操縦ワイヤ16(i)の長手方向に垂直な横断方向に延在する第1の壁3202を示す。本体長さ感知要素3201は、操縦ワイヤ16(i)と同じ長手方向に延在するストリップとして実装される。長さ補償セクション3200はまた、第1の壁3202に平行に延在する第2の壁3204と、矢印dVで示されるように横断方向に壁3202と3204との間を上下に摺動することができる第1のスライダ3218とを備える。第1のスライダ3218には、第2のスライダ3219を収容する開口部3203が設けられ、それにより、第2のスライダ3219は、矢印dHによって示されるように長手方向に平行な方向に開口部3203内で前後に摺動することができる。
【0171】
[0191]ここでは、本体長さ感知要素3201は、第1の壁3202内の適切な開口部を通って第1の壁3202と第2の壁3204との間のスペース内に延在する。本体長さ感知要素3201には、第1のスライダ3218の内側のスロット3212内を延在する突起部3206が設けられる。ここでは、スロット3212は、まっすぐであり、長手方向に対して0<α1<90度の角度で延在している。
【0172】
[0192]第1の操縦ワイヤ部分16(i、1)もまた、第1の壁3202内の適切な開口部を通って第1の壁3202と第2の壁3204との間のスペース内に延在する。第1の操縦ワイヤ部分16(i、1)には、第2のスライダ3219の内側のスロット3214内を延在する突起部3208が設けられる。ここでは、スロット3214は、まっすぐであり、横断方向に対して0<α2<90度の角度で延在している。
【0173】
[0193]第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)もまた、第1及び第2の操縦ワイヤ部分16(i、1)、16(i、2)が長さ補償セクション3200から相反する方向に延在するように、第2の壁3204内の適切な開口部を通って第1の壁3202と第2の壁3204との間のスペース内に延在する。第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)には、第2のスライダ3219の内側のスロット3216内を延在する突起部3210が設けられる。ここでは、スロット3216は、まっすぐであり、横断方向に延在している。
【0174】
[0194]すべての突起部3206、3208、3210は、丸みがあるか、若しくは対応するスロットの幾何学的形状に成形された固定された突起部として実装されることが可能であり、又はこれは、突起部3206について
図33A、
図33B、
図33Cに示されるように、摺動摩擦を低減するために、たとえばピン及びホイール構造であることができる。
【0175】
[0195]
図32では、本体長さ感知要素3201は、たとえば、湾曲した器具本体の内側湾曲部内に位置し、したがって、これは、
図32の右手方向に移動する器具本体の中立線と比較して過剰な長さを得た。角度付けられたスロット3212により、第1のスライダ3218は、ここで、本体長さ感知要素3201の距離Laにわたる水平移動によって、距離H1にわたって上方向に横断方向に押し出される。この移動はまた、横断方向に第1のスライダ3218に接続されるが、長手方向に自由に移動することができる第2のスライダ3219を距離H2にわたって上方向に移動させ、この場合H1=H2である。
【0176】
[0196]第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)が、たとえば第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)に取り付けられた(手動又はロボット式の)操縦入力ユニットによって、所定の場所に静止して保持される場合、操縦ワイヤ4bが内部に接続されるスロット3216は横断方向に延在しているため、第2のスライダ3219は、横断方向に上方向に移動するときに長手方向に移動しない。第2のスライダ3219内の他の角度付けされたスロット3214により、角度付けされたスロット3214の内側の突起部3208に取り付けられた第1の操縦ワイヤ部分16(i、1)の端部は、第2のスライダ3219が第1のスライダ3218と共に横断方向に上方向に移動するとき、距離Lrにわたって長手方向に変位される。第2のスライダ3219内のスロット3214の傾斜角度90~α2が、第1のスライダ3218内のスロット3212の傾斜角度α1と同じである場合、第1の操縦ワイヤ部分16(i、1)の変位Lrは、本体長さ感知要素3201の変位Laと全く同じにされる。器具の(たとえば
図32の図面の左手側に位置する)先端の操縦が望まれるとき、第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)は長手方向に(たとえば手動で又はロボット式デバイスによって)引っ張られるか、又は押し出されることが可能であり、この移動は次いで、第2のスライダ3219も長手方向に引っ張り、又は押し出す。第1の操縦ワイヤ部分も第2のスライダ3219に接続されているため、第1の操縦ワイヤ部分16(i、1)も、第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)と同じ長手方向変位で長手方向に引っ張られるか、又は押し出され、操縦は達成される。
【0177】
[0197]角度α1が、変位La及びLrが異なり得るように角度α2から逸脱してもよいことが観察される。
【0178】
[0198]長さ補償セクション3200内の内部摩擦及び起動力は、それぞれのスロット3212、3214の傾斜角度α1、α2に強く依存する。たとえば、第1のスライダ3218内のスロット3212が長手方向に近い場合、本体長さ感知要素3201と共にスライダ3218を上方に移動させるのに必要とされる起動力は、非常に小さく、突起部3206とスロット3212との間の摩擦も非常に小さいことが理解され得る。第1のスライダ3218内のスロット3212が横断方向に近い場合、第1のスライダ3218を上方(又は下方)に移動させるために非常に大きい起動力が必要とされ、突起部3206とスロット3212との間の摩擦も非常に大きいことが理解され得る。同時に、角度α2は、第1及び第2のスライダ3218、3219が上方又は下方に移動した後に突起部3208が最小の摩擦でスロット3214内で摺動することを可能にするが、第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)が引っ張られるか、又は押し出されるときに突起部3208がスロット3214内で摺動しやすくなることを防止するために、最小にされなければならない。そのため、摩擦及び起動力を許容レベルに保つために、傾斜角度α1及びα2ができるだけ最小にされなければならないという結論に至ることができる。上記の例では、所与の変位La、Lr及びH1、H2において両方のスロット3212、3214の傾斜角度α1、α2を最小にすることが望まれる場合、これらの傾斜角度は、約45度でなければならない。これら両方の適切な設計範囲は、35~55度の間であり、好ましくは40~50度の間である。
【0179】
[0199]
図32の機構は、
図34に示されるように、所与の長さ変位La及びLr(Lrは、好ましくは、正しい長さ補償を得るためにLaと等しい)と組み合わせて傾斜角度が最小にされ得る場合、摩擦、起動力、及び得ることができる長さ補償に関してさらに最適化され得る。
【0180】
[0200]
図32と
図34の実施形態間の相違は、スロット3216が、もはや横断方向に平行ではなく、横断方向に対して0<α3<90度の角度で延在していることである。角度α2及びα3は、横断方向に対して相反する方向に向けられる。第1の操縦ワイヤ部分16(i、1)及びその突起部3208の長手方向変位は、Lr1で示されている。第2の操縦ワイヤ部分16(i、1)及びその突起部3210の長手方向変位は、Lr2で示されている。
【0181】
[0201]
図34の上記の概略解決策では、Lr1に加えてLr2が所与の横断方向変位H1=H2でLaに等しい限り、すべてのスロット3212、3214、3216の傾斜角度α1、α2、α3が最小にされ得る。この機構では、すべてのスロット3212、3214、3216は、このとき、45度より小さい傾斜角度α1、α2、α3を有することができる。それぞれの所与のLa及びH1=H2について、本体長さ感知要素3201にかかる最大許容可能起動力、摩擦係数、及び第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)に必要とされる出力が知られている場合、スライダ3218内のスロット3212を含むすべてのスロットの最適な傾斜角度α1、α2、α3が、算出され得る。
【0182】
[0202]
図35は、第1のスライダ3218の内側でこれに対して横断方向ではなく長手方向に移動することができるように第1のスライダ3218内にそのいずれもが配置された第3のスライダ3219a及び第4のスライダ3219bによって、第2のスライダ3219が代用される実施形態を示している。これらの長手方向変位は、矢印dH1及びdH2によってそれぞれ示される。
【0183】
[0203]第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)に取り付けられた突起部3210は、第4のスライダ3219bの内側のスロット3216内を延在する。ここでは、スロット3216は、まっすぐであり、横断方向に対して0<α3<90度の角度で延在する。角度α2及びα3は、横断方向に対して相反する方向に向けられる。
【0184】
[0204]操縦ワイヤ16(i)には、第1の操縦部分16(i、1)と第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)との間に長手方向に配置された第3の操縦部分16(i、3)が設けられる。第3のワイヤ部分16(i、3)の第1の端部は、0<α4<90度の角度で第3のスライダ3219aの内側のスロット3222内を延在する突起部3220に取り付けられる。角度α2及びα4は、横断方向に対して相反する方向に向けられる。第1の端部の反対側の第3のワイヤ部分16(i、3)の第2の端部は、0<α5<90度の角度で第4のスライダ3219bの内側のスロット3226内を延在する突起部3224に取り付けられる。角度α3及びα5は、横断方向に対して相反する方向に向けられる。
【0185】
[0205]第1の操縦ワイヤ部分16(i、1)及び突起部3208の長手方向変位は、Lr1で示される。第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)及び突起部3210の長手方変位は、Lr2で示される。第3のスライダ3219aに対する第3の操縦ワイヤ部分16(i、3)及び突起部3220の長手方向変位は、Lr4で示される。第4のスライダ3219bに対する第3の操縦ワイヤ部分16(i、3)及び突起部3224の長手方向変位は、Lr3で示される。
【0186】
[0206]
図35の実施形態では、操縦ワイヤ16(i)の必要される長手方向長さ変化Lr=Lr1+Lr2+Lr3+Lr4は、2つのスロットではなく、4つのスロット3214、3216、3222、3226上で長手方向変位Laを分割することによって得られる。この場合、Lr1+Lr2+Lr3+Lr4=Laである限り、すべてのスロット3212、3214、3216、3222、3226の傾斜角度α1、α2、α3、α4、α5はさらに低減され得ることは明らかである。また、傾斜角度をさらに一層低減するために、スライダ3219a、3219bを3つ以上有する機構も予想され得る。
【0187】
[0207]本体長さ感知要素の2つ以上のグループを有することができることが、予想され得る。
図36では、外側チューブ3228の内側の2つの操縦ワイヤ16(i)、16(i+1)が、概略的に示される。器具は、先端セクション1301と、第1の本体セクション1303aと、第2の本体セクション1303bとを有する。感知要素3201(i)/3201(i+1)、3203(i)/3203(i+1)の2つのグループが示される。感知要素3201(i)、3201(i+1)の第1のグループは、器具本体の遠位部内の場所A内に取り付けられ、感知要素3203(i)、3203(i+1)の第2のグループは、場所B内に取り付けられる。操縦ワイヤ16(i)は、場所C内に取り付けられる。感知要素の各グループは、器具の近位部内にそれ独自の長さ補償セクションを有する。一例が
図37に示される。
【0188】
[0208]
図37は、
図34に示されるもののような第1の長さ補償セクションと、同様に第2の長さ補償セクションとを示す。第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)は、このとき、第3の操縦ワイヤ部分16(i、3)によって代用される。さらに、壁3204はこのとき、第2の長さ補償セクションの壁としても機能し、第1のグループの1つの感知要素3201(i)は、
図34の感知要素3201のように第1のスライダ3218内に延在する。
【0189】
[0209]第2の長さ補償セクションは、第1の壁3202及び第2の壁3204に平行に延在する第3の壁3230と、矢印dV2で示されるような横断方向に壁3204と3230との間を上下に摺動することができる第3のスライダ3228とを備える。第3のスライダ3228には、第4のスライダ3232を収容する開口部3237が設けられ、それにより、第4のスライダ3232は、長手方向に平行な方向に開口部3237内で前後に摺動することができる。
【0190】
[0210]ここでは、第2のグループの本体長さ感知要素3203(i)は、第2の壁3204内の適切な開口部を通って第2の壁3204と第3の壁3230との間のスペース内に延在する。本体長さ感知要素3203(i)には、第3のスライダ3228の内側のスロット3229内を延在する突起部3227が設けられる。ここでは、スロット3229は、まっすぐであり、長手方向に対して0<α6<90度の角度で延在している。
【0191】
[0211]第3のワイヤ部分16(i、3)もまた、第2の壁3204内の適切な開口部を通って第2の壁3204と第3の壁3230との間のスペース内に延在する。第3の操縦ワイヤ部分16(i、3)には、第4のスライダ3232の内側のスロット3234内を延在する突起部3236が設けられる。ここではスロット3216は、まっすぐであり、横断方向に対して0<α8<90度の角度で延在している。
【0192】
[0212]第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)もまた、第2及び第3の操縦ワイヤ部分16(i、2)、16(i、3)が長さ補償セクション3200から相反する方向に延在するように、第3の壁3230内の適切な開口部を通って第2の壁3204と第3の壁3230との間のスペース内に延びる。第2の操縦ワイヤ部分16(i、2)には、第4のスライダ3232の内側のスロット3238内を延在する突起部3240が設けられる。ここでは、スロット3238は、まっすぐであり、横断方向に対して0<α7<90度の角度で延在している。
【0193】
[0213]第2のグループの感知要素3203(i)、3203(i+1)は、本体セクション1303bの長さ変化La2を感知する。この変化は、Lr2+Lr3=La2であるように完全に補償されなければならない。第1のグループの感知要素3201(i)、3201(i+1)は、本体セクション1303bの長さ変化に加えて本体セクション1303aの長さ変化を感知する。本体セクション1303bの長さ変化は、第2のグループの感知要素3203(i)、3203(i+1)に取り付けられた機構によってすでに補償されており、したがって、第1のグループの感知要素3201(i)、3201(i+1)に取り付けられた機構によってこれ以上補償される必要はない。この機構が生成しなければならない唯一の補償は、本体セクション1303aの補償に加えて、本体セクション1303a内の曲げと同じ方向の曲げ構成で先端セクション1301を強制する特定の量の過補償である。そのため、Lr1+Lr4=La1-La2+過補償となる。
【0194】
[0214]この実施形態は、
図38A及び
図38Bに示されるような湾曲したチャネルを通って器具を前進させる場合に有用となり得る。チャネルの緩く湾曲したセクションを通る前進中、器具の先端セクション1301が、まっすぐなままである場合には問題はなく、この状態は、第2のグループの感知要素3203(i)、3203(i+1)に取り付けられた長さ補償セクションによって達成される。先端セクション1301がチャネルのきつく湾曲したセクションを通過しなければならないとき、先端セクション1301が湾曲した方向に自動で操縦する場合が有利である。これは、第1のグループの感知要素3201(i)、3201(i+1)に取り付けられた補償セクションによって達成されることが可能であり、この補償セクションでは、長さ補償ユニットがいわば過補償し、第1のグループの感知要素3201(i)、3201(i+1)によって感知された湾曲の方向に先端セクションを操縦する。また、感知ワイヤ及び対応する長さ補償セクションの3つ以上のグループが使用され得ることが、予想され得る。さらに、各グループは、3つ以上の感知要素を有してもよく、同様に3つ以上の操縦ワイヤが存在してもよい。
【0195】
[0215]また、本発明の範囲内で、操縦ワイヤの2つ以上のグループが使用され得ること、及び2つの操縦可能な先端セクションが互いから独立的に操縦され得る操縦ワイヤの2つのセットの長さを補償するために、本体長さ感知ワイヤの1つのセットの入力信号が使用され得ることが予想され得る。
図39を参照されたい。
【0196】
[0216]
図39は、
図34のすべての要素を備える。さらに、
図39の実施形態は、長手方向に延在する2つの別個の部分にも分割される第2の操縦ワイヤ16(i+1)のための同一のセクションを備える。
【0197】
[0217]第2の操縦ワイヤの第1の部分16(i+1、1)もまた、第1の壁3202内の適切な開口部を通って第1の壁3202と第2の壁3204との間のスペース内に延びる。第1の部分16(i+1、1)には、第3のスライダ3244の内側のスロット3246内を延びる突起部3248が設けられる。ここでは、スロット3246は、まっすぐであり、横断方向に対して0<α9<90度の角度で延在している。第3のスライダ3244は、第1のスライダ3218から独立的に長手方向に第1のスライダ3218の内側で移動可能であるが、第1のスライダ3218と共にのみ横断方向に移動可能であるように、第1のスライダ3218の内側に配置される。
【0198】
[0218]第2の操縦ワイヤの第2の部分16(i+1、2)もまた、第1及び第2の部分16(i+1、1)、16(i+1、2)が長さ補償セクション3200から相反する方向に延在するように、第2の壁3204内の適切な開口部を通って第1の壁3202と第2の壁3204との間のスペース内に延びる。第2の部分16(i+1、2)には、第2のスライダ3219の内側のスロット3250内を延在する突起部3252が設けられる。ここでは、スロット3250は、まっすぐであり、横断方向に対して角度α10で延在している。
【0199】
[0219]機構は、このとき、操縦ワイヤ16(i)と16(i+1)の両方に対して同じように作動し、ここではこれ以上の明確化は必要ではない。
【0200】
[0220]
図34の機構が
図39の実施形態内の2つ以上の操縦ワイヤ16(i)で複製されるのと同じように、これは、
図32、
図35、及び
図37のすべての実施形態にも適用可能である。
【0201】
[0221]実務上の問題は、長い器具がフープによってパッケージ内にパッケージングされることが多いことである可能性がある。長い器具を巻かれた円形の形態でパッケージングすると、非常に長い、小型の薄い箱ではなく、よりコンパクトで持ちやすいパッキング箱形状となる。器具を巻くことに関する問題は、本体長さ感知要素の変位が非常に大きくなり、実際には、器具の通常使用中に生成される変位よりもかなり大きくなる可能性があることである。巻いている間に感知要素が破損又は座屈することを防止するために、補償機構は、大きな長さ変化を取り扱うことができなければならない。実際、これは、スライダ3218(及び3228)の許容可能な摺動能力が制限されるため、問題となる可能性がある。別の方法は、
図40に示されるような別の方法で本体長さ感知要素の長さ変化を吸収することである。
【0202】
[0222]
図40では、
図34に示されるものとほぼ同一の実施形態が示されている。その相違は、このとき、スロット3212には、その両端において長手方向に延在する端部スロット部分が設けられることである。
【0203】
[0223]同じ原理が、当然ながら、すべての他の図示及び説明される実施形態に適用され得る。
【0204】
[0224]このようにして、本体長さ感知要素の過剰な長さ変化は、横断変位Hを実際的でない大きさに増大させることなく可能である。妥協点は、長手方向変位Laに到達すると、本体長さ感知要素のさらなる変位は、操縦ワイヤをこれ以上補償せず、その結果、先端セクションはこれ以上まっすぐに保たれなくなることである。パッケージングフープチューブが、曲げられた先端を収容するのに十分な大きさである直径を有する場合、これは問題ではない。
【0205】
[0225]
図32~
図40の上記の例では、機構は、平坦な平面で提示される。しかし、この機構は、管状形状でも適用され得る。管状器具では、長手方向移動は、そこでは、器具の長手方向軸に等しい方向であり、横断方向移動は、そこでは、器具の長手方向軸周りの接線方向又は回転方向に等しく、図の平面に対して垂直な運動は、このとき、径方向、すなわち器具の長手方向軸に対して垂直である。
【0206】
[0226]
図32~
図40を参照して説明されるような機構は、手動操作によって、又はロボット式操縦デバイスによって操縦され得るようなものを含む、
図1~
図31のすべての操縦可能な器具の実施形態に適用され得る。
【0207】
[0227]前に示された
図32~
図40に提示されるような機構を管状器具に適用することが望まれる場合、また、本体長さ感知要素及び操縦ワイヤが同じ管状壁内にある場合、次の事項を記憶しておかなければならない。本体長さ感知要素が操縦ワイヤのものとは異なる管状壁内の円周方向場所にある場合、器具本体が曲げられたときに本体長さ感知ワイヤが受ける変位、及び操縦ワイヤが器具先端をまっすぐに保つ必要がある長さ補償において相違がある。操縦ワイヤ16(i)及び感知ワイヤ3201が同じチューブ内であるが、異なる接線方向場所に位置するように描かれている
図41Aを参照されたい。
【0208】
[0228]たとえば、
図41Aに示されるように、本体長さ感知要素3201は、操縦ワイヤ16(i)の円周方向場所から90度離れて位置し、本体が操縦ワイヤ16(i)の場所を貫通する平面内で湾曲されるとき、本体長さ感知要素端3201は、その湾曲長さが変化しないために変位されない。しかし、操縦ワイヤ16(i)は、先端をまっすぐに保つために長さ補償Lを必要とする。この場合、機構は正しく作動しない。実際には、本体長さ感知要素3201が操縦ワイヤのすぐ隣にあるとき、本体長さ感知要素端の変位における相違は、補償操縦ワイヤ16(i)が必要とする長さにほぼ等しく、実際には、この相違は、器具のパフォーマンスにおいて顕著なものではない。
【0209】
[0229]しかし、本体長さ感知要素3201の場所から正確に180度異なる円周方向場所において操縦ワイヤ16(i)の長さを補償する、反転スロットを有する第2のスライダ3219を変位させる第1のスライダ3218の起動に、本体長さ感知要素が使用されるとき、この問題は克服され得る。
【0210】
[0230]別の解決策は、
図41Bに示されるように、異なるチューブ層内に本体長さ感知要素3201及び操縦ワイヤを位置付けることである。このとき、本体長さ感知要素3201の長さ変化、及び操縦ワイヤ16(i)が必要とする補償における相違は、互いに対する径方向場所に応じて依然として存在する。たとえば、操縦ワイヤが、径方向に見て本体長さ感知要素の上部にあるとき、操縦ワイヤ16(i)は、本体長さ感知要素3201の長さ変化より大きい長さ補償を必要とする。これは、このとき、感知要素3201と操縦ワイヤ16(i)との曲げ半径間の比に等しいLaとLrとの間の固定された比が存在するように機構内のスロットの傾斜角度を調整することによって、容易に補償され得る。
【0211】
[0231]
図42A~
図42Hは、すべての構成要素が、いくつかの同軸に配置されたチューブ内に適切なスロット付きパターンを作製し、たとえば(レーザ)溶接、接着などによって、結果として生じた構成要素のいくつかを別の隣接するチューブ内の他の構成要素に取り付けることから生じる管状の操縦可能な器具の近位端にある長さ補償セクションの1つの実施形態を示している。
【0212】
[0232]
図42Aは、本体長さ感知要素及び操縦ワイヤが切断される第1のチューブ4202を示し、
図42B、
図42C、
図42D、及び
図42Eはそれぞれ、最終的に組み立てられた状態に次の順序で互いの上部に置かれた、第2の、第3の、第4の、及び第5のチューブ4204、4206、4208、及び4210それぞれを示す。
【0213】
[0233]
図42Aは、合計で4つの操縦ワイヤの2つの操縦ワイヤ16(1)、16(2)を示している。器具の近位端において、第1のチューブ4202は、その2つを見ることができる4つの本体長さ感知要素3201(1)~3202(4)を備える。
図42Aの例では、隣り合う感知要素3201(i)は、近位端においてそれらの長さの少なくとも一部に沿って互いに接触する。各感知要素3201(i)は、2つの隣り合う操縦ワイヤ16(i)、16(i+1)間の遠位端に向かって延在するより小さい(幅が小さい)感知要素部分を有する。それらの遠位端において、これらのより小さい感知要素部分は、曲げによって1つ又は複数の操縦ワイヤ16(i)(
図36を参照)の望ましくない長さ変化が生じる曲げ可能な又は可撓性のセクションに取り付けられる。
【0214】
[0234]
図42Bは、第1のチューブ4202の上部の第2のチューブ4204を示す。この図は、1つ又は複数の取り付け場所4214(1)において第1のチューブ4202内の操縦ワイヤ16(1)の端部に取り付けられた、たとえば溶接された第1の操縦ワイヤ取り付け部4212(1)を示している。これはまた、1つ又は複数の取り付け場所4222(1)において第1のチューブ4202の本体長さ感知要素3201(1)の端部に取り付けられた、たとえば溶接された感知要素取り付け部4220(1)も示している。これはまた、長手方向に第1の操縦ワイヤ取り付け部4212(1)を線形案内するための第1の開口部4216(1)と、長手方向に本体長さ感知要素取り付け部4220(1)を線形案内するための第2の開口部4218(1)とを有する「フィックスドワールド(fixed world)」管状部材4205も示している。
【0215】
[0235]第2のチューブ4204はまた、操縦ワイヤ16(i)に取り付けられ、すべての他の操縦ワイヤ16(i)のための開口部4216(i)の内側に位置する第1の操縦ワイヤ取り付け部4212(i)を備える。これらの機能は、第1の操縦ワイヤ取り付け部4212(1)のものと同様である。さらに、第2のチューブ2404は、それぞれの感知要素3201(i)に取り付けられ、すべての感知要素3201(i)のための開口部4218(i)内に位置する感知要素取り付け部4220(i)を備える。これらの機能は、感知要素取り付け部4220(1)のものと同じである。
【0216】
[0236]
図42Cは、1つ又は複数の取り付け場所4207において第2のチューブ4204の「フィックスドワールド」管状部材4205に取り付けられた、たとえば溶接された第3のチューブ4206の「フィックスドワールド」シリンダ4206(1)を示している。第2の操縦ワイヤ取り付け部4224(i)は、長手方向に第2の操縦ワイヤ取り付け部4224(i)を案内するように構成された開口部4226(i)の内側に位置する。すべての第2の操縦ワイヤ取り付け部4224(i)は、たとえば溶接によって、1つ又は複数の取り付け場所4228(i)において第2のチューブ4204内の第1の操縦ワイヤ取り付け部4212(i)に取り付けられる。
【0217】
[0237]図はまた、短いシリンダ4206(3)によって分離されてもよい第1及び第2の長さ補償起動シリンダ4206(2)及び4206(4)も示す。これらの機能は、
図32~
図40内のスライダ3218のものと同じである。これらは、矢印C及び矢印Dによって示されるように第2のチューブ4204の周りを自由に回転することができる。可撓性本体の左-右平面に1つの起動シリンダ及び上-下平面に1つのシリンダが存在する。
【0218】
[0238]第1の長さ補償起動シリンダ4206(2)には、円周方向に対して相反する角度(0度超であるが90度未満)で延在する2つのスロット4234が設けられる。突起部(
図42Cでは見えない)が各スロット4234の内側に設けられ、感知要素取り付け部4220(i)の端部に取り付けられる。これらの突起部は、たとえば
図32の第1のスライダ3218の内側の突起部3206に匹敵するものである。第2の長さ補償起動シリンダ4206(4)には、円周方向に対して相反する角度(0度超であるが90度未満)で延在する2つのスロット4236が設けられる。参照番号4238(1)で1つが示される突起部4238(i)が、各スロット4236の内側に設けられる。突起部4238(1)は、感知要素取り付け部4220(1)の端部に取り付けられる。これらの突起部4238(i)もまた、たとえば
図32の第1のスライダ3218の内側の突起部3206に匹敵するものである。
【0219】
[0239]したがって、
図42Cは、2つの対向する感知要素3201(2)、3201(4)が1つの「第1の」スライダ4206(2)に接続され、2つの他の対向する(第1の言及された2つに対して90度回転された)感知要素3201(1)、3201(3)が1つの他の「第1の」スライダ4206(4)に接続される様子を示している。
【0220】
[0240]第1及び第2の長さ補償起動シリンダ4206(2)及び4206(4)の回転は、突起部4238(i)によって起動され、すなわち、これらは、カムフォロアのように動作する。本体長さ感知要素3201(i)が長手方向に移動するとき、それぞれのカムフォロアは、スライダ3218内のスロット3212内の参照する突起部3206を回転させるようにそれぞれのシリンダを強制する。
【0221】
[0241]
図42Dは、第3のチューブ4206の上部の第4のチューブ4208を示している。第4のチューブ4208は、操縦ワイヤ16(i)ごとに1つずつ開口部4240(i)が設けられた「フィックスドワールド」シリンダ4208(1)を備える。第3の操縦ワイヤ取り付け部4242(i)は、各開口部4240(i)の内側に配置され、第3のチューブ4206内の第2の操縦ワイヤ取り付け部4228(i)に取り付けられる。開口部4240(i)は、長手方向に線形に第3の操縦ワイヤ取り付け部4242(i)を案内するように構成される。フィックスドワールドシリンダ4208(1)は、1つ又は複数の取り付け場所4241、4250においてフィックスドワールドシリンダ4206(1)に取り付けられる。
【0222】
[0242]第4のチューブ4208はまた、互いに対して接線方向に180度回転されて位置し、線形案内ストリップとして作用する2つの長手方向に延在するストリップ4248を有するシリンダ4208(2)を備える。線形案内ストリップ4248は、これらが長さ補償シリンダ4206(2)と一緒に回転することができるように、(スライダ3218として作用する)長さ補償シリンダ4206(2)に取り付けられ、たとえば溶接される。これらの2つの長手方向に延在するストリップ4248間に、第4のチューブ4208は、互いに対して接線方向に180度回転されて位置する(スライダ3219として作用する)2つの長さ補償スライダ4208(3)を備える。各長さ補償スライダ4208(2)は、円周方向に対して相反する角度で配向された2つのスロット4254、4256を備える(これらのスロットは、
図34の実施形態のスロット3214、3216に匹敵するものである)。これらのスロット4254、4256は、(
図34の16(i、1)、16(i、2)のような)それぞれの操縦ワイヤ部分に取り付けられた(
図42Dには見えないが、突起部3208、3210に匹敵する)それぞれの突起部を収容する。これが実装され得る様子について
図42Eを参照されたい。ストリップ4248は、長さ補償シリンダ4206(2)が回転せず、これらが長手方向に長さ補償スライダ4208(3)を案内する場合に、長さ補償スライダ4208(3)が接線方向/円周方向に移動し得ることを防止する。したがって、長さ補償シリンダ4206(2)が本体長さ感知要素3201(i)の長手方向変位によって回転する場合、(スライダ3219のような)長さ補償スライダ4208(3)は、長手方向に移動するように強制される。
【0223】
[0243]第4のチューブ4208はまた、互いに対して180度接線方向に回転されて位置し、線形案内ストリップとして作用する2つの長手方向に延在するストリップ4265、4267を有するシリンダ4208(5)を備える。線形案内ストリップ4265、4267は、これらが長さ補償シリンダ4206(4)と一緒に回転することができるように、(スライダ3218として作用する)長さ補償シリンダ4206(2)に取り付けられ、たとえば溶接される。これらの2つの長手方向に延在するストリップ4265、4267間に、第4のチューブ4208は、互いに対して180度接線方向に回転されて位置する(スライダ3219として作用する)2つの長さ補償スライダ4208(4)を備える。各長さ補償スライダ4208(4)は、円周方向に対して相反する角度で配向された2つのスロット4258、4260を備える(これらのスロットは、
図34の実施形態のスロット3214、3216に匹敵する)。これらのスロット4258、4260は、(
図34の16(i、1)、16(i、2)のような)それぞれの操縦ワイヤ部分に取り付けられた(突起部3208、3210に匹敵する)それぞれの突起部4262、4264を収容する。これが実装され得る様子について
図42Eを参照されたい。ストリップ4265、4267は、長さ補償シリンダ4206(4)が回転せず、これらが長手方向に長さ補償シリンダ4208(4)を案内する場合に、長さ補償スライダ4208(4)が接線方向/円周方向に移動し得ることを防止する。他方で、長さ補償シリンダ4206(4)が本体長さ感知要素3201(i)の長手方向変位によって回転する場合、(スライダ3219のような)長さ補償スライダ4208(4)は、長手方向に移動するように強制される。
【0224】
[0244]
図42Eは、第5のチューブ4210を示す。この第5のチューブ4210は、線形案内部4278(i)を有する次なる「フィックスドワールド」シリンダ4277を備える。2つの隣り合う線形案内部4278(i)、4278(i+1)間に、第5のチューブ4210は、(16(i、1)に匹敵する)第1の部分4270(i)と、(操縦ワイヤ16(i)の16(i、2)に匹敵する)第2の部分4274(i)とを収容する長手方向開口部4268を有する。線形案内部4278(i)を有するフィックスドワールドシリンダ4277は、1つ又は複数の取り付け場所4276、4280において、たとえばレーザ溶接によって、下方にあるフィックスドワールドシリンダ4208(1)に取り付けられる。
【0225】
[0245]第1の操縦ワイヤ部分4270(i)(操縦ワイヤ部分16(i、1))は、長手方向にのみ移動することができ、線形案内部4278(i)は、接線方向/円周方向の移動を防止する。同じことが、第2の操縦ワイヤ部分4274(i)(操縦ワイヤ部分16(i、2))に当てはまる。
【0226】
[0246]第1の操縦ワイヤ部分4270(i)は、その遠位端において、たとえばレーザ溶接によって、取り付け場所4272において第3の取り付けスライダ4242(i)に取り付けられる。第1の操縦ワイヤ部分4270(i)は、その近位端において、取り付け場所4273においてスロット4258内の突起部4262に取り付けられる。第2の操縦ワイヤ部分4274(i)は、その遠位端において、たとえばレーザ溶接によって、取り付け場所4275においてスロット4260内の突起部4264に取り付けられる。したがって、長さ補償スライダ4206(4)が、本体長さ感知要素の長手方向変位によって強制されて回転し、近位操縦ワイヤ16(i)が固定された位置に保持される場合、線形案内部4265、4267もまた、長さ補償スライダ4208(4)と一緒に回転し、突起部4262、4264は、操縦ワイヤ16(i)のすべての長さ補償のために必要とされる距離にわたって、必要とされる長手方向に第1の操縦ワイヤ部分4270(i)を強制する。
【0227】
[0247]
図42F~
図42Hは、突起部4262及び4264が適用されず、内方向に曲げられたリップによって代用される実施形態を示している。ここでは、第1の操縦ワイヤ部分4270(i)には、その近位端において、スロット4258内に内方向に曲げられたリップ4282が設けられる。さらに、第2の操縦ワイヤ部分4274(i)には、その遠位端において、スロット4260内に内方向に曲げられたリップ4284が設けられる。
図42Hは、リップ4284を拡大スケールで示している。
【0228】
[0248]
図42A~42Hの実施形態のすべての4つの操縦ワイヤ16(i)に対してこの機構がどのように作動するかは当業者には明白であろう。さらに、機構はまた、任意の他の数の操縦ワイヤ及び感知要素の数(その数は等しくなる必要はない)に対して作動する。
【0229】
[0249]実際、機構を保護し、第1の操縦ワイヤ部分4270(i)及び第2の(近位の)操縦ワイヤ部分4274(i)を所定の場所に径方向に保持する、
図42Eに示される組立体上に設けられる最後の管状要素が存在する。この管状要素は描かれていない。さらに、実際には、内側保護管状要素が、第1のチューブ4202に挿入される。
【0230】
[0250]明らかなことに、
図42A~
図42Hを参照して上記で説明された実施形態は、
図32~
図41Bに従って提案されるような基本的な機構の1つの可能な実用的な実装形態にすぎない。本発明の範囲内で、多くのより可能な実用的な実装形態が考慮可能である。この実施形態に説明される管状要素をより少なく又は多く有し、スライダなどの要素、操縦ワイヤ、及び感知ワイヤが実施形態で説明されたものとは異なる管状要素内に配置された器具が構築され得る。当然ながら、本発明の範囲内で、異なる管状要素において、操縦ワイヤが本体長さ感知要素の上部に位置するか、又はその反対の形で位置する器具が構築され得ることも想定され得る。また、
図35のように、2つ以上の長さ補償スライダ(スライダ3218)を有し、別個の操縦ワイヤブリッジ要素がこれらのスライダを接続することができる器具も想定され得る。また、
図36のように、それ自体の長さ補償機構をそれぞれが有する本体長さ感知要素の2つ以上のグループを有する管状器具も想定され得る。また、
図39のように、器具の先端内に2つ又はそれ以上の操縦可能なセクションを有し、1つの本体長さ感知ワイヤ入力を有する機構が操縦ワイヤの2つ又はそれ以上のセットの長さを同時に補償することができる器具も想定され得る。また、
図32~
図41Bに示されるような機構の異なる態様の他の組み合わせが可能であり、たとえば、
図39のような操縦ワイヤの2つのセットと組み合わせた
図37のような本体長さ感知ワイヤの2つのセットを有する器具が想定され得る。等である。
[破砕要素]
[0251]上記で説明された操縦可能な器具では、製造中、破砕要素が適用される。破砕要素及びこれらが製造中に使用され得る方法の例は、最初に、本出願人の国際公開第2016/089202号に詳細に説明されている。
【0231】
[0252]通常、たとえば破砕要素1629(j)を参照してここで説明されるように、そのような破砕要素は、次の方法で設計され得る。破砕要素は、他の要素がチューブから切断されるのと同じプロセスステップにおいて作製される。破砕される前、各破砕要素は、2つのチューブ部分の対向部分に取り付けられる。このようにして、これらは、これらの2つの対向部分を一緒に保ち、2つの部分が切断プロセス後にばらばらになるのを防止する。これらの対向部分は、破砕要素内の応力が操作中に周囲材料及び/又は構造内の応力以上に増大するような幾何学的形状を有する。したがって、2つの対向部分を互いに対して移動させようとするような偏向又は十分な大きさの力が2つの対向部分上にかけられた場合、破砕要素内の応力は、チューブ材料の降伏応力を上回って上昇して、破砕要素の恒久的偏向を引き起こす。さらにより大きい偏向又はより大きい力をかけた結果、応力は破砕要素の最大引っ張り応力に到達し、2つの部分内に蓄積された応力はその降伏応力を下回ったままであるので、2つの部分の恒久的変形を引き起こすことなく破砕要素の破砕を引き起こす。
【0232】
[0253]このようにして、最終的な操縦可能な器具内に互いに対して独立的に移動可能でなければならないチューブの要素は、異なるチューブが互いに挿入されている間分離されることが可能であり、要素はこれ以上ばらばらになることはできない。すなわち、破砕するプロセスは、好ましくは、操縦可能な器具が仕上げられ、すべてのチューブが互いに挿入され、互いに取り付けられなければならない要素が取り付けられたときに行われる。
【0233】
[0254]これは、
図43、
図44、及び
図45に概略的に示される。
図43は、チューブ4300の第1のチューブ部分4302及び第2のチューブ部分4304に取り付けられた破砕要素4306を示している。ここでは、破砕要素4306は、小さいブリッジを介して第1のチューブ部分4302及び第2のチューブ部分4304に取り付けられた小さいディスクの形態を有する。
図43では、第1のチューブ部分4302及び第2のチューブ部分4304は、チューブ4300の長手方向に互いに対して移動することができる。対向する第1の部分4302及び第2の部分4304への破砕要素4306のブリッジは、これらが互いに対して移動し、上記の応力状態が適用されると破砕することになる。
【0234】
[0255]
図44は、組み立て中、小さいブリッジの形態の破砕要素4306によって互いに取り付けられたままである2つの対向する第1のチューブ部分4302及び第2のチューブ部分4304を有する実施形態を示している。この実施形態では、対向する第1のチューブ要素4302及び第2のチューブ要素4304は、矢印4402で示される図の表面内で互いに対して回転することができる。これらが互いに対して回転すると、上記で説明されたように、破砕要素4306の内側の応力が最大引っ張り応力を上回って上昇することで一時的な破砕要素4306が破砕するまで、破砕要素4306の内側及び対向するチューブ要素4302、4304の周囲材料の内側に力が蓄積される。
【0235】
[0256]
図45は、第1のチューブ部分4302及び第2のチューブ部分4304が、矢印4502で示されるように互いに対して回転することができる
図44に示されるものの代替策を示している。このとき、破砕要素4306は、小さいブリッジによって2つの対向するチューブ部分4302、4304に取り付けられた小さいディスクの形状を有する。この実施形態では、これらのブリッジは、上記で説明された応力状態の下で破砕することになる。
【0236】
[0257]
図43、
図44、及び
図45は、互いに対して長手方向に移動するか、又は互いに対して回転することができる2つの対向するチューブ部分4302、4304間の破砕要素4306の用途を示すが、使用中の十分な大きさの移動により、最終的にはこれらの破砕要素4306は破砕されるため、これら破砕要素は、回転的、長手方向的、径方向的、又は接線方向的であれ、操縦可能な器具の使用において互いに対して移動する2つの対向するチューブ部分間の操縦可能な器具内のどこにおいても使用され得る。
破砕要素4306を破損するための他の機構は、破砕要素に低い又は高いサイクル疲労をかけることによって達成されてもよい。破砕要素内の応力は、疲労限界を上回って上昇されて、疲労破砕を引き起こす。この疲労限界が、上記で言及された最大引っ張り応力未満であることに留意されたい。すべての場合、破砕要素4306が取り付けられた2つの対向するチューブ要素の周囲の構造/材料内の応力は、チューブ材料の降伏応力を少なくとも下回ったままである。いくつかの疲労サイクルをかけることによる破砕のプロセスは、好ましくは、操縦可能な器具が仕上げられ、すべてのチューブが互いに挿入され、互いに取り付けられなければならない要素が取り付けられたときに行われる。
【0237】
[0258]
図46~
図49は、破砕要素の代替構造、すなわち溶融要素を示している。
【0238】
[0259]
図46は、切断プロセスの後に第2のチューブ部分4304に取り付けられたより大きい部分4606と第1のチューブ部分4306に取り付けられた小さいブリッジ4604とを有する溶融要素の例を示す。ここでは、第1のチューブ部分4302及び第2のチューブ部分4304は、操縦可能な器具の通常の使用中に互いに対して回転するように意図される。このとき、溶融要素4604/4606は、これが溶融し、より大きい部分4606の溶融した材料が第2のチューブ要素4304を図示されるチューブの内側のチューブのチューブ部分に取り付けるように、エネルギービーム、たとえばレーザビームで照射される。それと同時に、溶融要素の小さいブリッジ4604が接続解除するため、第1のチューブ部分4302と第2のチューブ部分4304との間の取り付けは解放される。
【0239】
[0260]
図46は、溶融要素が、第2のチューブ部分4304に取り付けられた丸みのあるより大きい部分4606を有する実施形態を示しているが、
図47は、より大きい部分4606が矩形形状を有する実施形態を示している。本発明の概念から逸脱することなく、他の形状も可能である。
【0240】
[0261]
図48、
図49は、異なる可能な形状を有するより小さいブリッジ4604(1)、4604(2)、4604のみを有する溶融要素を示している。また、他の形状が適用されてもよい。第1のチューブ要素4302と第2のチューブ要素4304との間の取り付けを解放するために、ここでもエネルギービーム、たとえばレーザビームが、より小さいブリッジ4604(1)、4604(2)、4604に対して、これが蒸発するように向けられる。
【0241】
[0262]
図46~
図49は、使用時に互いに対して回転するように意図された2つの対向するチューブ部分4302、4304間の溶融要素4604/4606の適用を示しているが、これらは、回転的、長手方向的、径方向的、又は接線方向的であれ、操縦可能な器具の使用において互いに対して移動する2つの対向するチューブ部分間で操縦可能な器具内のどこにおいても使用され得る。
【0242】
[0263]溶融要素はまた、いくつかのステップ、すなわち溶融要素が部分的にのみ蒸発される第1のステップ及び溶融要素の残りの部分が上記で説明された破砕プロセス又はいくつかの破砕サイクルをかけるプロセスのいずれかによって破砕される第2のステップを適用することによって、2つのチューブ部分間の取り付けを解放するように設計され得ることが観察される。
【0243】
[0264]溶融プロセスは、溶融要素が、たとえば周囲チューブ内の適切な開口部を介してエネルギービームによって到達されることが可能である限り、操縦可能な器具の製造中の任意の適切なときに実行される。
【0244】
[0265]
図43~
図49を参照して説明された破砕要素及び溶融要素は、
図1~
図42を参照して説明された操縦可能な器具のいずれのチューブのいずれにも適用され得る。
[総論]
[0266]材料除去手段は、材料を溶融し、蒸発させるレーザビーム又は水噴射切断ビームであることができ、このビームは、0.01から2.00mm、この用途に対してより典型的には0.015から0.04mmの間の幅を有することができる。そのため、チューブの隣接する部分間のスロットは、0.01~2.00mmの間の、より具体的には0.015~0.04mmの間の最小幅を有してもよい。
【0245】
[0267]チューブの壁厚は、その用途に依存する。医療用途の場合、壁厚は、0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲内であってもよい。チューブの直径は、その用途に依存する。医療用途の場合、直径は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲内であってもよい。隣接するチューブ間の径方向のあそびは、0.01~0.3mmの範囲内であってもよい。
【0246】
[0268]1つのチューブ内の長手方向及び他の要素は、隣接するチューブ内の長手方向の他の要素に取り付けられることが可能であり、それにより、これら要素は一緒になって、曲げ可能な部分が曲がるように、器具の近位端にある操縦ワイヤから器具の遠位端にある器具の曲げ可能な部分まで長手方向運動を伝えるように動作可能となる。これは、本出願人の国際公開第2017/213491号(たとえばそのPCT出願内の
図12、
図13a、及び
図13bを参照されたい)に詳細に説明される。
【0247】
[0269]本発明の範囲が前述において論じられた例に限定されず、添付の特許請求の範囲において定義された本発明の範囲から逸脱することなく、そのいくつかの補正及び改変が可能であることが、当業者に明確であろう。本発明は、図及び説明において詳細に示され、説明されてきたが、そのような図及び説明は、制限的ではなく、例証的又は例示的にのみ考慮されるものである。本発明は、開示される実施形態に限定されず、利点に行き着くことができる開示された実施形態の任意の組み合わせを備える。
【0248】
[0270]開示された実施形態に対する変更は、図、説明、及び添付された特許請求の範囲を検討することから、特許請求される本発明を実施する際に当業者によって理解され、もたらされ得る。説明及び特許請求の範囲において、用語「備えている」は、他の要素を排除せず、不定冠詞「1つ(a)」又は「1つ(an)」は、複数を排除しない。実際、これは、「少なくとも1つ」を意味すると解釈されるものである。特定の特徴が相互に異なる従属請求項において記載されているという事実だけで、これらの特徴の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照記号も、本発明の範囲を限定するとして解釈されてはならない。上記で説明された実施形態及び態様の特徴は、その組み合わせが明白な技術的対立を生じさせない限り、組み合わせることが可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】