(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】電磁ポンプ
(51)【国際特許分類】
H01J 35/08 20060101AFI20240628BHJP
H02K 44/04 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
H01J35/08 D
H01J35/08 B
H01J35/08 C
H02K44/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575901
(86)(22)【出願日】2022-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2022065449
(87)【国際公開番号】W WO2022258641
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】317016811
【氏名又は名称】エクシルム・エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルンドストレーム、ウルフ
(57)【要約】
真空環境中で液体金属ジェットを提供するための装置が提供される。装置は、真空チャンバと、液体金属ジェットを提供するように構成されたノズルと、真空チャンバ内に備えられ、液体金属ジェットから液体金属を受け取るように構成されたジェットレシーバと、第1の入口及び第1の出口を備える第1の電磁ポンプセクションと、ここで、第1の入口は、第1の直径を有し、第2の入口及び第2の出口、並びに第2の入口を第2の出口に接続する圧送導管を備える第2の電磁ポンプセクションと、ここで、圧送導管は、第2の直径を有し、を備え、第1の出口は、第2の入口に液体金属を提供するように構成される。第1の直径は、第2の直径の少なくとも1.8倍大きい。対応する方法も提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空環境中で液体金属ジェットを提供するための装置であって、
真空チャンバと、
前記液体金属ジェットを提供するように構成されたノズルと、
前記真空チャンバ内に備えられ、前記液体金属ジェットから液体金属を受け取るように構成されたジェットレシーバと、
第1の入口及び第1の出口を備える第1の電磁ポンプセクションと、ここで、前記第1の入口は、第1の直径を有し、
第2の入口及び第2の出口、並びに前記第2の入口を前記第2の出口に接続する圧送導管を備える第2の電磁ポンプセクションと、ここで、前記圧送導管は、第2の直径を有し、
を備え、前記第1の出口は、前記第2の入口に液体金属を提供するように構成される、装置において、
前記第1の直径は、前記第2の直径の少なくとも1.8倍大きいことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1の入口を前記第2の入口に接続する供給導管を更に備え、前記供給導管は、前記供給導管に沿って、前記第1の入口における前記第1の直径から前記第2の入口における前記第2の直径まで減少する直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記供給導管は、前記第1の入口から前記第2の入口まで連続して先細りである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の出口を前記第2の入口に接続する接続導管を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の電磁ポンプセクション及び前記第2の電磁ポンプセクションの両方に電流を提供するための電流源を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電磁ポンプセクションと前記第2の電磁ポンプセクションとの間に前記電流用の経路を提供する電気的接続を前記第1の電磁ポンプセクションと前記第2の電磁ポンプセクションとの間に更に備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電磁ポンプセクションに電流を提供するための第1の電流源と、前記第2の電磁ポンプセクションに電流を提供するための第2の電流源とを更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の直径は、前記第2の直径の少なくとも2.5倍大きい、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
液体金属ジェット放射線源であって、
請求項1~8のいずれか一項に記載の装置と、
放射線が発生するように相互作用領域中で前記液体金属ジェットと相互作用するエネルギービームを提供するためのエネルギー源と
を備え、前記ジェットレシーバは、前記液体金属ジェットの流れ方向における前記相互作用領域の下流に配置される、液体金属ジェット放射線源。
【請求項10】
前記液体金属ジェット放射線源は、X線源であり、前記エネルギー源は、X線放射が発生するように前記液体金属ジェットと相互作用する電子ビームを提供するための電子源である、請求項9に記載の液体金属ジェット放射線源。
【請求項11】
真空環境中で液体金属ジェットを提供するための方法であって、
レシーバ中に液体金属を収集することと、前記レシーバは、真空チャンバ中に配置され、
第1の電磁ポンプセクションを使用して、前記レシーバから第2の電磁ポンプセクションに液体金属を圧送することと、
前記第2の電磁ポンプセクションを使用して、液体金属ジェットを生成するためのノズルに液体金属を圧送することと
を備え、前記第1の電磁ポンプセクションは、第1の入口及び第1の出口を備え、前記第1の入口は、第1の直径を有し、前記第2の電磁ポンプセクションは、第2の入口及び第2の出口、並びに前記第2の入口を前記第2の出口に接続する圧送導管を備え、前記圧送導管は、第2の直径を有する、方法において、
前記第1の直径は、前記第2の直径の少なくとも1.8倍大きいことを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記第1の電磁ポンプセクションを使用して、前記レシーバから前記第2の電磁ポンプセクションに液体金属を圧送することは、前記第1の入口を前記第2の入口に接続する供給導管を通って前記液体金属を圧送することを備え、前記供給導管は、前記供給導管に沿って、前記第1の入口における前記第1の直径から前記第2の入口における前記第2の直径まで減少する直径を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
共通電流源が、前記第1の電磁ポンプセクション及び前記第2の電磁ポンプセクションの両方に電流を提供するために使用される、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
エネルギービームと前記液体金属ジェットとの間の相互作用から放射線を発生させるために、前記エネルギービームを前記液体金属ジェット上に向けることを更に備える、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記エネルギービームは、X線放射を発生させるために前記液体金属ジェットと相互作用する電子ビームである、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願に至るプロジェクトは、助成金契約第826589号の下でECSEL共同事業(JU)からの資金提供を受けている。JUは、欧州連合のホライズン2020研究及びイノベーションプログラム、並びにフランス、ドイツ、オーストリア、イタリア、スウェーデン、オランダ、ベルギー、ハンガリー、ルーマニア、イスラエルからの支援を受ける。
【技術分野】
【0002】
本開示は、特にX線源などの液体金属ジェット放射線源で使用するための、電磁ポンプを使用して液体金属ジェットを提供するための方式に関する。
【背景技術】
【0003】
真空環境中で液体金属ジェットを提供することは、多くの事例において有用であり得る。一群の例は、エネルギービームが相互作用領域中で液体金属ジェットと相互作用して放射線を生成する放射線源を含む。このグループ内の一例は、電子ビームが液体金属ジェットと相互作用してX線放射を生成する液体金属ジェットX線源である。この相互作用は、典型的には、液体金属の酸化並びに電子の散乱を回避するために真空チャンバ内で行われる。X線放射は、従来、X線透過窓を通して放出される。このグループ内の別の例は、レーザビームが液体金属ジェットと相互作用するように提供されるEUV源である。別の群の例は、遮蔽及び/又は冷却用途に関する。液体金属ジェットは、例えば、核融合炉において壁遮蔽を提供するために使用され得る。
【0004】
液体金属ジェットX線源においてターゲット材料を圧送するための電磁ポンプの使用は、従来技術において研究されており、速度、形状、及び断面サイズの点でジェットの均一性を改善するための、また液体金属の漏れを回避するための有望な技術である。液体金属を循環させ、液体ジェットを生成するために、従来のポンプを電磁ポンプによって置き換えることによって、圧送システム中の可動部を低減することができるか、又は排除することさえできる。
【0005】
電子衝撃ターゲットとして使用される導電性液体を圧送するための電磁ポンプを備えるX線源の一例は、WO2020/225333に開示されており、ここでは、電磁ポンプを直列に配置して、増大した最終圧力を提供することが提案されている。
【0006】
電子ビーム衝突X線源においてターゲットとして使用するための液体金属ジェットを生成するために、液体は、典型的には、液体金属ジェットを生成するためにノズルを通って噴出される前に、100barを超えて加圧される必要がある。導電性液体金属中の圧力の上昇は、磁場と液体を通って流れる電流との間の相互作用から生じる磁力によって達成され得る。磁力の方向は、電流及び磁場の方向の両方を備える平面に対して概ね垂直であり、この平面を液体金属を運ぶ導管の長さ方向に対して実質的に垂直に配向することによって、液体の流れが導管を通って誘導され得る。電流を運ぶ導体上の磁力は、以下のように書かれ得る:
【0007】
【0008】
言い換えれば、発生する力は、磁場及び電流の両方に対して垂直であり、互いに対して垂直な磁場及び電流の成分のみが、発生する力に寄与する。結果として生じる磁力、故に液体の流れは、このことから、磁場の強度、液体を通って流れる電流、及び磁力が作用する導管の長さによって影響を受ける。更に、磁力の強度は、磁場が電流の方向と成す角度によって影響される。典型的には、磁場は、このことから、最大の磁力を提供するために、電流の方向に対して垂直に提供される。
【発明の概要】
【0009】
従来の電磁ポンプは、最大で数十barの範囲内の圧力を提供するように設計されることが多い。しかしながら、液体金属ジェットX線源の場合、最大で数百bar、例えば、200bar、350bar、又は1000barさえもの圧力が必要とされ得る。認識されるように、液体金属ジェットは、液体の連続ジェット、又はジェットを形成する液滴の噴霧のうちのいずれかを備え得る。また、連続液体ジェットは、ノズルからある距離を離れたところで表面張力に起因して自然に液滴に分裂し得る。液体ジェットの正確な性質は、本明細書で提供される本発明の教示に必須ではない。
【0010】
小型であり、X線源などの液体金属ジェット放射線源中に組み込むのに適した電磁ポンプを使用してそのような高圧を達成するためには、電磁ポンプを通って液体金属を運ぶ導管はかなり狭いことが好ましい。この場合、ジェットレシーバ容器からポンプに液体金属を供給するのに重力が不十分であるという問題が生じ得る。この文脈では、例えば液体金属ジェット放射線源において循環される液体金属用のレシーバは、典型的には、真空チャンバ中に配置され、それは、液体金属をポンプ中に押し込むのを助ける周囲圧力が存在しないことを意味することに留意されたい。本開示は、第1段電磁ポンプが、利用可能な重力圧力によってレシーバ容器から供給されるのに十分に大きい入口を有し、第2段電磁ポンプが、必要とされる圧力に達するのに十分に小さい内径を有する圧送導管を備える、2段圧送方式を使用することによって、この問題に対する解決策を提供する。第1段電磁ポンプの供給導管は、第2段電磁ポンプの圧送導管に結合される。故に、第1段電磁ポンプは、第2段電磁ポンプに供給し、前者は、ジェットレシーバ容器から提供される重力圧力によって供給され得る。
【0011】
本発明は、重力誘起圧力が電磁ポンプ中への液体金属の流れをどのように作成するかという理解に基づいている。電磁ポンプは、圧力を実質的に増大させることが可能であり得るが、流れは、ポンプ中に入る液体の量によって制限されるであろう。単純なモデルでは、ポンプ中の圧力上昇は、1/導管直径に比例し、故に、当業者は、導管直径を減少させることを奨励される。他方では、導管の直径が小さくなると、導管内の粘度圧力損失が増大する。設計上の選択は、このことから、典型的には、最大有効圧力増大を達成するためのこれら2つの効果の間のバランスであろう。ポンプ中の電流及び/又は磁場を増大させることによって、圧力が制御され得る。所与のノズル直径に対してジェット速度を増大させるためには、圧力がジェット速度の2乗に比例することを示す以下の方程式(2)から分かるように、圧力が増大する必要がある。所与のノズル直径に対してジェット速度を増大させることはまた、液体流を増大させることを暗示する。しかしながら、流れは、重力誘起圧力及びポンプ入口直径によって制限される。このことから、ポンプ中の圧力を上昇させるために容量を増大させる努力にもかかわらず、ジェット速度が増大しない状況に陥り得る。
【0012】
この状況を改善するために、プリポンプ、即ち第1段ポンプが導入される。プリポンプの入口は、手元に掛かる重力誘起圧力を考慮して、必要とされる流れを収容するように設計されるべきである。プリポンプの出口直径は、主ポンプ入口の出口直径に一致すべきである。プリポンプは、主ポンプの入口直径に一致するように設計された受動出口部を備え得、その受動出口部において、圧送力が液体金属に印加されない。代替として、例えば、第1の直径がプリポンプの入口直径に一致し、第2の直径が圧送導管又は主ポンプの入口直径に一致する先細りの供給導管を備えることによって、プリポンプは、シームレスな形で主ポンプと合流し得る。磁場及び電流は、プリポンプの先細りの供給導管の全長にわたって印加され得、このことから、プリポンプのいかなる受動部分も排除する。
【0013】
以下で議論するように、第1段ポンプの入口直径は、主(第2段)ポンプの圧送導管の直径の少なくとも1.8倍、例えば2.5倍であるべきであることが判明した。
【0014】
このことから、請求項1に記載の装置が提供される。放射線源において液体金属を圧送するための対応する方法も提供される。従属請求項は、様々な好ましい実施形態に関する。
【0015】
第2段電磁ポンプは、実質的に一定の内径の圧送導管を有し得る。第1段電磁ポンプの供給導管と第2段電磁ポンプの圧送導管との間の接続は、供給導管の出口を圧送導管の入口に接続する接続導管を使用して実施され得る。代替として、第1段ポンプ中の供給導管は、出口における直径が第2段ポンプの入口に一致するように、例えば、その入口からその出口まで連続して先細りであることによって、直径が徐々に減少し得る。
【0016】
2つの電磁ポンプは、別個の電流源を有し得る。そのような実施形態では、接続導管は、電流が接続導管を通って流れることができないように電気的に絶縁され得る。第1の電磁ポンプ及び第2の電磁ポンプの両方に共通電流源が使用される実装態様では、第1の電磁ポンプと第2の電磁ポンプとの間の電流用の経路は、2つのポンプ間の電気的接続によって(即ち、導管から分離して)提供することができる。
【0017】
2つの電磁ポンプは、磁場を提供するために、永久磁石、好ましくはNdFeB磁石を備え得る。更に、各ポンプは、鉄、磁性鋼、等などの強磁性材料から成るヨークを設けられ得る。そのようなヨークの設計意図は、磁気回路を閉じ、このことから、磁場を閉じ込めることである。これは、ポンプ効率が改善され得ること、及び閉じ込められた磁場がポンプ装置を備える放射線源の動作に干渉しないことなど、いくつかの点で有利である。特に、電子ビームが液体ジェットとの相互作用のために提供される実施形態の場合、漂遊磁場を回避することは、電子ビームのより良好な制御を提供する。前記閉じ込めを達成するために、前記ヨークの厚さは、磁石の磁場強度とヨークを構成する材料の飽和磁化との間の比でスケーリングされた、電磁ポンプを通る電流に対して平行な方向に沿った永久磁石の長さよりも大きくなるように選択され得る。更に、ヨークは、機械的支持を提供するように構成され得る。特に、ヨークは、電磁ポンプによって発生する液体金属圧力に耐えるように構成され得る。
【0018】
本明細書で開示する本発明の圧送方式は、X線放射が発生するように液体金属ジェットと相互作用する電子ビームを提供するための電子源を備える液体金属ジェットX線源に適切に適用される。しかしながら、本発明の方式はまた、レーザ誘起プラズマ、等から放射線が発生する供給源など、放射線を発生させるためのターゲットとして液体金属が使用される他の放射線源に適用され得る。別の適用分野は、例えば核融合炉における遮蔽又は冷却の目的である。
【0019】
本発明の範囲内において、いくつかの修正形態及び変形形態が可能である。特に、1つよりも多くの液体金属ジェット又は1つよりも多くのエネルギービームを備える放射線源が、本発明の概念の範囲内で考えられる。更に、本明細書で説明するタイプのX線源は、有利には、限定されないが、医療診断、非破壊検査、リソグラフィ、結晶解析、顕微鏡検査、材料科学、顕微鏡検査表面物理学、X線回折によるタンパク質構造決定、X線分光法(XPS)、限界寸法小角X線散乱(CD-SAXS)、広角X線散乱(WAXS)、及びX線蛍光(XRF)によって例証される特定の用途に合わせて調整されたX線光学系及び/又は検出器と組み合わせられ得る。
【0020】
以下の詳細な説明では、添付の図面への参照が成される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本明細書で開示する2段階圧送方式を組み込む放射線源を概略的に示す。
【
図4】放射線源中の液体金属を圧送するための方法を概説するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な説明は、当業者が本明細書で開示する教示を実施することを可能にするために与えられる。
【0023】
導入として、本明細書で開示する2段階電磁圧送方式の原理の基礎となるいくつかの式/方程式を導出することが有用であろう。まず、流れの連続性の制約の下で得ることができる圧力増大に関連するいくつかの一般的な式を提示する。次いで、液体金属ジェットに適用可能なより具体的な式を提示する。
【0024】
動作中、例えば電子衝撃X線源の真空チャンバ内の周囲圧力は、10-6mbar以下であり得る。第1のポンプへの流入を作成するために利用可能な圧力p0は、次いで、主に(又は、実際には、単独で)重力によって提供され、以下のように書かれ得る:
【0025】
【0026】
ここで、ρは、液体金属の密度であり、gは、重力加速度であり、h0は、第1のポンプへの入口とレシーバ容器の表面との間の垂直高さである。
【0027】
圧力降下pに関連する流速vは、第1近似(粘度を無視する)に対して、以下から得られ得る:
【0028】
【0029】
このことから、円形導管の場合、流速に断面積を乗じると流量に等しいことに留意して、流量Q(単位時間当たりの体積)について以下の式が得られる:
【0030】
【0031】
ここで、dは、導管の内径である。これに続いて、高さh0の液体カラムからの重力誘起圧力が直径d0の円形アパーチャを通って駆動することができる流量Q0は、以下のように書くことができる:
【0032】
【0033】
連続性(ポンプの導管に沿って液体金属用の供給源又は吸収源がない)に起因して流量が両方のポンプを通じて同じでなければならないので、第2のポンプの入口における圧力p1は、重力誘起流量Q0及び第2のポンプの導管の内径d1に関して表され得る:
【0034】
【0035】
このことから、流れの連続性の制約の下で、第1のポンプへの入口において重力によって提供される液体金属の利用可能な流れは、方程式(5)に従って第2のポンプの入口において得ることができる圧力を制限する。第2のポンプの入口において得ることができる圧力は、導管直径の4乗に対する比によって増幅された第1のポンプの重力誘起入口圧力である。第2のポンプ用のこの入口圧力を上昇させるために液体金属の十分に高いカラムを有することは、多くの場合、非実用的であるか、又は不可能でさえある。例えば、1デシメートルのガリウムは、約58mbarの圧力に対応するだけである。このことから、重力誘起圧力は、第2のポンプが圧力を100barよりも高く上昇させることが可能でなければならないほとんどの実際の用途には小さすぎると結論付けることができる。それ故に、本明細書で開示する教示によると、第2のポンプに供給するのに十分な圧力を提供するために、圧力は少なくとも1桁の大きさに拡大されるべきである。言い換えれば、第1の導管への入口の直径は、第2の導管への入口の直径の少なくとも
【0036】
【0037】
倍であるべきである。
【0038】
真空環境中で液体金属ジェットを提供するための装置では、上記の概要で議論された制約から生じる状況は、いくつかの基本的な数学的関係によって例示され得る。所与のノズル直径dn及び所望のジェット速度vjetに対して、システム全体を通した流量は、流量Qが流速に断面積を乗じたものに等しいことに留意することによって計算され得る:
【0039】
【0040】
同じ流れが、連続性を保つために電磁ポンプ中に入らなければならない。このことから、ポンプシステムの入口直径をd0と仮定すると、以下の式が達成される:
【0041】
【0042】
【0043】
ここで、v0は、ポンプ入口における流速である。ポンプ入口における圧力p0と流速v0との間の関係は、非粘性の場合に対して、上記の方程式(2)に従って、以下のように近似され得る:
【0044】
【0045】
ここで、ρは、液体金属の密度である。ポンプの入口で利用可能な圧力は、ジェットレシーバによって収集された液体金属材料によって作成された重力誘起圧力である。上記の方程式(1)と(9)を組み合わせると、流速についての以下の式が導かれる:
【0046】
【0047】
これを上記のポンプ入口直径についての方程式(8)中に挿入することによって、ポンプ入口直径についての式が以下のように得られ得る:
【0048】
【0049】
これは、ポンプ入口直径についての下界を表す。入口がより小さく作られる場合、ポンプ中への利用可能な流れが制限要因となるので、圧送容量に関係なく所望のジェット速度に到達しないであろう。このことから、ポンプ入口直径の下界は、以下のように書かれ得る:
【0050】
【0051】
電流Iと寸法d1の断面にわたる磁束密度Bとによって電力供給される電磁ポンプによって生成される圧力増大は、以下のように書かれ得る:
【0052】
【0053】
ここで、Cは、ポンプ設計によって決定される幾何学的定数である。WO2020/225333に開示された実施形態によるポンプでは、Cは、圧送導管が巻かれる巻き数、即ち、電流と磁場とのクロス積が何回適用されるべきかを表し得る。ノズルにおいて、達成された圧力p1は、以下に従って所望のジェット速度を作成するために使用される:
【0054】
【0055】
これから、ポンプ導管直径d1の上界は、以下のように得ら得れる:
【0056】
【0057】
上記の関係の右辺の所与の値に対して、d1は、ポンプが所望のジェット速度を達成するために必要とされる圧力に達することが可能となるためには、この制限値よりも小さくなければならない。
【0058】
これらの制約が、一定の断面導管直径、即ちd0がd1に等しい直径を有する電磁ポンプで満たされるためには、導管直径の上界は、入口直径の下界よりも大きくあるべきである。ジェット速度、ノズル直径、及び液体金属密度に関するジェットの所与の要件に対して、これは、以下のように書かれ得る積CBIに関するポンプ入力の要件に変換される:
【0059】
【0060】
上記の関係から、所望のジェット速度が増大するか、又は所望のジェット幅(即ち、ノズル直径)が増大するにつれて、電磁ポンプの要件が増大するであろうことは明らかである。特に重要なのは、ポンプ入力(CBI)がジェット速度のように2.5乗まで増大しなければならないときのジェット速度である。これは、多くの用途にとって非実用的である。この認識が、2段電磁ポンプを提供する本発明をもたらした。実施形態では、2つのポンプが直列に設けられ、ここで、第1のポンプの入口は、上記で計算された下界を満たすように選ばれ、それに対して、第2のポンプの圧送導管の直径は、上記で計算された上界を満たすように選ばれる。これら2つの直径の比は、以下によって与えられる分数よりも大きくなければならない:
【0061】
【0062】
ノズル直径100μm、ジェット速度100m/s、液体金属密度6000kg/m3、液体金属の利用可能な高さ0.1m、磁束密度1T、電流100A、巻き数100などの典型的な値に対して、約2.5の直径比の下界が得られる。所望のジェット速度を200m/sに、利用可能な電流を300Aに増大させると、約4.8の下界が得られる。上記の議論では、電磁ポンプ内の粘度損失は無視されていることに留意されたい。実際には、このことから、設計基準として直径比の導出された下界のみを使用することは不十分であり得る。しかしながら、一般に、様々なパラメータの任意の値に対して、本発明の実施形態における直径比は、少なくとも1.8であり、それは、上記の方程式(1)~(5)を参照して導出されるように、10倍の圧力増大を提供する。
【0063】
本明細書で開示する原理による放射線源100を、
図1に概略的に示す。エネルギー源102、液体金属ジェット106を発生させるためのノズル104、容器108を有するジェットレシーバ、及び容器108からノズル104に液体金属を圧送するための圧送装置110a、110bは、全て真空チャンバ112内に配置されている。エネルギー源102は、例えば、X線透過窓118を通して真空チャンバから放出されるX線放射116を発生させるために液体金属ジェット106と相互作用する電子ビーム114を生成する電子源であり得る。他の実施形態では、エネルギー源は、極端紫外線(EUV)放射を発生させるために液体金属ジェットと相互作用するレーザビームを生成するレーザを備え得る。圧送装置は、
図1に概略的に示すように、第1の電磁ポンプ110a及び第2の電磁ポンプ110bを備える。第1のポンプ110aは、容器108から液体金属を受け取り、第2のポンプ110bに液体金属を供給する。
【0064】
第2の(主)ポンプ110bは、有利には、上述したWO2020/225333に開示されている種類のものであり得、それは、参照によって本明細書に援用される。そのようなポンプは、少なくとも第1及び第2のセクションを備え得る。第1の永久磁石は、第1のセクション中に配置され得、第2の永久磁石は、第2のセクション中に配置され得、第1及び第2の永久磁石は、反対の磁場配向で配置される。主ポンプの両方のセクション中で液体金属に沿って同じ方向の圧送力を達成するために、第1のセクション中の導管の巻き方向は、第2のセクション中の導管の巻き方向とは反対であり得る。このようにして、電流は、装置全体を通って同じ方向に流れることができる。そのような装置は、任意の数のセクションに拡張することができ、磁場配向及び導管の巻き方向は、各セクション間で適宜切り替えられることを認識されたい。
【0065】
上記の説明及び導出は、第2のポンプの導管が一定の内径を有することを仮定しているが、第2のポンプ導管は、先細りであり得るか、又は先細りの部分を有することができることを理解されたい。
【0066】
図2に示す実施形態によると、第1のポンプ(プリポンプ)は、第1の入口211を有する第1の直径の実質的に真っ直ぐな金属管210を備える。
図2のBに示すように、磁場が、一対の永久磁石によって管の断面に対して垂直に提供される。電流は、管の外側にろう付けされるか、又は他の方法で取り付けられた、例えば、はんだ付けされるか、又は溶接された2つの電極(図示せず)によって、管の断面及び磁場に対して垂直に提供される。前記第1の直径の管210は、管及び第2のポンプの入口に取り付けられた(例えば溶接された)直径制限部212によって第2の主管220の入口に接続される。第2のポンプ(主ポンプ)は、好ましくは、上記で説明した種類のものである。第1の電流源240aは、プリポンプ管にろう付けされた一対の電極に接続される。第2の電流源240bは、第2のポンプの端部上に配置された電極に接続される。第2のポンプを通る電流は、
図2の矢印Iによって示す。第1のポンプの効率を更に改善するために、外側磁気ヨーク(図示せず)が、2つの永久磁石間の磁気回路を閉じるように設けられ得る。例えば、1つの永久磁石と、磁気回路を閉じ、Bに示すような磁場を提供するように設計された適切なヨークとを有する代替の実施形態も、本発明の範囲内に備えられる。液体金属の流れ方向は、
図2のPによって示し、230に示すように、導管の巻き方向は、ポンプのセクションで反転され、そこでは、流れ方向が磁場に一致するように磁場が反転される。第2のポンプの出口は、
図2の234に示す。
【0067】
図3の実施形態によると、第1のポンプ110aは、上記で簡潔に議論したWO2020/225333によるポンプの第1のセクションとして実現される。ジェットレシーバからの液体は、第1の直径の入口310中に供給される。前記第1の入口310に接続された第1の導管312は、鉄(又は何らかの他の適切な磁性材料)から作られたコア314の周りに巻かれる。永久磁石(又は複数の永久磁石)は、導管の断面に対して垂直なコアの半径方向に磁場を提供する。電流は、コアの長手方向軸に沿った方向に、このことから導管312の断面に対して実質的に垂直に導管に印加される。第1の導管は、交互の巻き方向を有する複数のセクション中で同じコア314の周りに巻かれた第2の直径の第2の導管316に接続される。これらのセクションは、
図3のBにおける矢印によって示すように、近隣するセクションの磁場方向が切り替わるように配置された永久磁石を備え、液体金属の流れ方向Pは、330において示すように、それに対応して反転する。本実施形態における第1のポンプ110aは、第1のセクションに対応し、第2のポンプ110bは、後続するセクションに対応する。この例では、330aにおける流れ方向の第1の反転は、このことから、第1のポンプ110aから第2のポンプ110bへの移行に対応する。1つの電流源340は、直列の全てのセグメントを通る電流Iを提供するように構成される。導管の近隣する巻きは、互いに電気的に接続される。セクション間には、あるセクションから次のセクションへの電流用の低抵抗経路を提供するために電気的接続が配置される。第1の直径は、第2の直径の少なくとも1.8倍である。これに対応するために、外側磁石の内径は、第1のセクション中で、後続のセクションと比較してより大きい。第1のセクション中の導管と第2のセクション中の導管との間の接続は、第1の直径から第2の直径への直径の低減を備える。
図3では、第2のポンプの出口は、334に示す。
【0068】
液体金属ジェット放射線源中で液体金属を圧送するための方法を
図4に概説する。圧送方式は液体金属をループで循環させることが理解されるが、本方法は、真空チャンバ中に配置されたレシーバ中に液体金属を収集するステップ401から開始するものとして説明することができる。液体金属は、次いで、第1の電磁ポンプを使用して、レシーバから第2の電磁ポンプに圧送される402。第2の電磁ポンプは、次いで、液体金属ジェットを生成するためにノズルに液体金属を圧送する403。第1の電磁ポンプは、レシーバから液体金属を受け取るための第1の直径の入口を有し、第2の電磁ポンプは、第2の直径の圧送導管を備える。本明細書で開示する原理によると、第1の直径は、第2の直径の少なくとも1.8倍、例えば2.5倍である。共通電流源を、第1の電磁ポンプセクション及び第2の電磁ポンプセクションの両方に電流を提供するために使用することができる。しかしながら、第1及び第2の電磁ポンプが別個の電流源を有することも考えられる。
【0069】
結論として、真空環境中で液体金属ジェットを提供するための装置を開示している。電磁ポンプを使用してジェットを生成するのに十分な圧力及び液体流を達成するために、この装置は、容器から液体金属を受け取り、第2の電磁ポンプの入口にこの金属を圧送する第1の電磁ポンプを含む。第1のポンプへの入口圧力は、容器と第1のポンプ入口との間の高さの差によって重力によって提供され、その一方で、第2のポンプへの入口圧力は、第1のポンプによって提供される。流れの連続性の制約の下での十分な圧力増大は、第1のポンプの入口直径を第2のポンプの圧送導管の直径の少なくとも1.8倍にすることによって、本発明の装置によって提供される。
【0070】
本発明を、そのいくつかの特定の実施形態を参照して説明したが、添付の特許請求の範囲内で様々な修正形態及び代替の実装形態が可能であることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空環境中で液体金属ジェットを提供するための装置であって、
真空チャンバと、
前記液体金属ジェットを提供するように構成されたノズルと、
前記真空チャンバ内に備えられ、前記液体金属ジェットから液体金属を受け取るように構成されたジェットレシーバと、
第1の入口及び第1の出口を備える第1の電磁ポンプセクションと、ここで、前記第1の入口は、第1の直径を有し、
第2の入口及び第2の出口、並びに前記第2の入口を前記第2の出口に接続する圧送導管を備える第2の電磁ポンプセクションと、ここで、前記圧送導管は、第2の直径を有し、
を備え、前記第1の出口は、前記第2の入口に液体金属を提供するように構成される、装置において、
前記第1の直径は、前記第2の直径の少なくとも1.8倍大きいことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1の入口を前記第2の入口に接続する供給導管を更に備え、前記供給導管は、前記供給導管に沿って、前記第1の入口における前記第1の直径から前記第2の入口における前記第2の直径まで減少する直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記供給導管は、前記第1の入口から前記第2の入口まで連続して先細りである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の出口を前記第2の入口に接続する接続導管を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の電磁ポンプセクション及び前記第2の電磁ポンプセクションの両方に電流を提供するための電流源を更に備える、請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の電磁ポンプセクションと前記第2の電磁ポンプセクションとの間に前記電流用の経路を提供する電気的接続を前記第1の電磁ポンプセクションと前記第2の電磁ポンプセクションとの間に更に備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の電磁ポンプセクションに電流を提供するための第1の電流源と、前記第2の電磁ポンプセクションに電流を提供するための第2の電流源と、を更に備える、請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の直径は、前記第2の直径の少なくとも2.5倍大きい、請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
液体金属ジェット放射線源であって、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置と、
放射線が発生するように相互作用領域中で前記液体金属ジェットと相互作用するエネルギービームを提供するためのエネルギー源と
を備え、前記ジェットレシーバは、前記液体金属ジェットの流れ方向における前記相互作用領域の下流に配置される、液体金属ジェット放射線源。
【請求項10】
前記液体金属ジェット放射線源は、X線源であり、前記エネルギー源は、X線放射が発生するように前記液体金属ジェットと相互作用する電子ビームを提供するための電子源である、請求項9に記載の液体金属ジェット放射線源。
【請求項11】
真空環境中で液体金属ジェットを提供するための方法であって、
レシーバ中に液体金属を収集することと、前記レシーバは、真空チャンバ中に配置され、
第1の電磁ポンプセクションを使用して、前記レシーバから第2の電磁ポンプセクションに液体金属を圧送することと、
前記第2の電磁ポンプセクションを使用して、液体金属ジェットを生成するためのノズルに液体金属を圧送することと
を備え、前記第1の電磁ポンプセクションは、第1の入口及び第1の出口を備え、前記第1の入口は、第1の直径を有し、前記第2の電磁ポンプセクションは、第2の入口及び第2の出口、並びに前記第2の入口を前記第2の出口に接続する圧送導管を備え、前記圧送導管は、第2の直径を有する、方法において、
前記第1の直径は、前記第2の直径の少なくとも1.8倍大きいことを特徴とする、方法。
【請求項12】
前記第1の電磁ポンプセクションを使用して、前記レシーバから前記第2の電磁ポンプセクションに液体金属を圧送することは、前記第1の入口を前記第2の入口に接続する供給導管を通って前記液体金属を圧送することを備え、前記供給導管は、前記供給導管に沿って、前記第1の入口における前記第1の直径から前記第2の入口における前記第2の直径まで減少する直径を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
共通電流源が、前記第1の電磁ポンプセクション及び前記第2の電磁ポンプセクションの両方に電流を提供するために使用される、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
エネルギービームと前記液体金属ジェットとの間の相互作用から放射線を発生させるために、前記エネルギービームを前記液体金属ジェット上に向けることを更に備える、請求項11
又は12に記載の方法。
【請求項15】
前記エネルギービームは、X線放射を発生させるために前記液体金属ジェットと相互作用する電子ビームである、請求項14に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
本発明を、そのいくつかの特定の実施形態を参照して説明したが、添付の特許請求の範囲内で様々な修正形態及び代替の実装形態が可能であることを理解されたい。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 真空環境中で液体金属ジェットを提供するための装置であって、
真空チャンバと、
前記液体金属ジェットを提供するように構成されたノズルと、
前記真空チャンバ内に備えられ、前記液体金属ジェットから液体金属を受け取るように構成されたジェットレシーバと、
第1の入口及び第1の出口を備える第1の電磁ポンプセクションと、ここで、前記第1の入口は、第1の直径を有し、
第2の入口及び第2の出口、並びに前記第2の入口を前記第2の出口に接続する圧送導管を備える第2の電磁ポンプセクションと、ここで、前記圧送導管は、第2の直径を有し、
を備え、前記第1の出口は、前記第2の入口に液体金属を提供するように構成される、装置において、
前記第1の直径は、前記第2の直径の少なくとも1.8倍大きいことを特徴とする、装置。
[2] 前記第1の入口を前記第2の入口に接続する供給導管を更に備え、前記供給導管は、前記供給導管に沿って、前記第1の入口における前記第1の直径から前記第2の入口における前記第2の直径まで減少する直径を有する、[1]に記載の装置。
[3] 前記供給導管は、前記第1の入口から前記第2の入口まで連続して先細りである、[2]に記載の装置。
[4] 前記第1の出口を前記第2の入口に接続する接続導管を更に備える、[1]~[3]のいずれか一項に記載の装置。
[5] 前記第1の電磁ポンプセクション及び前記第2の電磁ポンプセクションの両方に電流を提供するための電流源を更に備える、[1]~[4]のいずれか一項に記載の装置。
[6] 前記第1の電磁ポンプセクションと前記第2の電磁ポンプセクションとの間に前記電流用の経路を提供する電気的接続を前記第1の電磁ポンプセクションと前記第2の電磁ポンプセクションとの間に更に備える、[5]に記載の装置。
[7] 前記第1の電磁ポンプセクションに電流を提供するための第1の電流源と、前記第2の電磁ポンプセクションに電流を提供するための第2の電流源とを更に備える、[1]~[4]のいずれか一項に記載の装置。
[8] 前記第1の直径は、前記第2の直径の少なくとも2.5倍大きい、[1]~[7]のいずれか一項に記載の装置。
[9] 液体金属ジェット放射線源であって、
[1]~[8]のいずれか一項に記載の装置と、
放射線が発生するように相互作用領域中で前記液体金属ジェットと相互作用するエネルギービームを提供するためのエネルギー源と
を備え、前記ジェットレシーバは、前記液体金属ジェットの流れ方向における前記相互作用領域の下流に配置される、液体金属ジェット放射線源。
[10] 前記液体金属ジェット放射線源は、X線源であり、前記エネルギー源は、X線放射が発生するように前記液体金属ジェットと相互作用する電子ビームを提供するための電子源である、[9]に記載の液体金属ジェット放射線源。
[11] 真空環境中で液体金属ジェットを提供するための方法であって、
レシーバ中に液体金属を収集することと、前記レシーバは、真空チャンバ中に配置され、
第1の電磁ポンプセクションを使用して、前記レシーバから第2の電磁ポンプセクションに液体金属を圧送することと、
前記第2の電磁ポンプセクションを使用して、液体金属ジェットを生成するためのノズルに液体金属を圧送することと
を備え、前記第1の電磁ポンプセクションは、第1の入口及び第1の出口を備え、前記第1の入口は、第1の直径を有し、前記第2の電磁ポンプセクションは、第2の入口及び第2の出口、並びに前記第2の入口を前記第2の出口に接続する圧送導管を備え、前記圧送導管は、第2の直径を有する、方法において、
前記第1の直径は、前記第2の直径の少なくとも1.8倍大きいことを特徴とする、方法。
[12] 前記第1の電磁ポンプセクションを使用して、前記レシーバから前記第2の電磁ポンプセクションに液体金属を圧送することは、前記第1の入口を前記第2の入口に接続する供給導管を通って前記液体金属を圧送することを備え、前記供給導管は、前記供給導管に沿って、前記第1の入口における前記第1の直径から前記第2の入口における前記第2の直径まで減少する直径を有する、[11]に記載の方法。
[13] 共通電流源が、前記第1の電磁ポンプセクション及び前記第2の電磁ポンプセクションの両方に電流を提供するために使用される、[11]又は[12]に記載の方法。
[14] エネルギービームと前記液体金属ジェットとの間の相互作用から放射線を発生させるために、前記エネルギービームを前記液体金属ジェット上に向けることを更に備える、[11]~[13]のいずれか一項に記載の方法。
[15] 前記エネルギービームは、X線放射を発生させるために前記液体金属ジェットと相互作用する電子ビームである、[14]に記載の方法。
【国際調査報告】