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特表2024-524052乳製品代用組成物のための感覚改質剤
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】乳製品代用組成物のための感覚改質剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20240628BHJP
   A23C 11/10 20210101ALI20240628BHJP
   A23C 19/00 20060101ALI20240628BHJP
   A23G 9/00 20060101ALI20240628BHJP
   A23L 11/60 20210101ALI20240628BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20240628BHJP
   A23L 29/00 20160101ALI20240628BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20240628BHJP
   A23J 3/16 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23C11/10
A23C19/00
A23G9/00 101
A23L11/60
A23L5/00 H
A23L29/00
A23J3/14
A23J3/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576037
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022073013
(87)【国際公開番号】W WO2022266669
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/212,396
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/227,635
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、ジョン フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】サランガパーニ、ラーマ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】シュメルツァー、ウェイド ノーラン
【テーマコード(参考)】
4B014
4B020
4B035
4B047
【Fターム(参考)】
4B014GB18
4B014GG04
4B014GG06
4B014GG14
4B014GK07
4B014GL03
4B014GL04
4B014GL08
4B014GL10
4B014GL11
4B014GP01
4B014GP13
4B014GP14
4B020LB27
4B020LC01
4B020LG10
4B020LK03
4B020LK05
4B020LP03
4B020LP15
4B020LP18
4B020LP19
4B035LC01
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4B035LG32
4B035LG33
4B035LG34
4B047LB08
4B047LB09
4B047LE02
4B047LF10
4B047LG03
4B047LG08
4B047LG11
4B047LG18
4B047LG27
4B047LG30
4B047LG36
4B047LG39
4B047LG40
4B047LG41
4B047LP02
(57)【要約】
植物由来のタンパク質及び/又は植物由来のミルク製品と、感覚改質剤と、を有する乳製品代用組成物であって、その結果、感覚改質剤を含まない同等の乳製品代用組成物と比較して、乳製品代用品が、植物性タンパク質風味の低減、酸味の増加、乳酸風味の増加、又はこれらの組み合わせを有する、乳製品代用組成物。例えば、乳製品代用品は、乳製品を含まないチーズ、乳製品を含まないヨーグルト、又は乳製品を含まないアイスクリームであり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳製品代用組成物であって、
親水コロイド、デンプン、又はそれらの組み合わせと、
脂質組成物、植物由来のタンパク質、又はそれらの組み合わせと、
0.001%(重量)~1.0%(重量)の感覚改質剤であって、
ジカフェオイルキナ酸又はその塩と、
モノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、を含む、感覚改質剤と、を含む、乳製品代用組成物。
【請求項2】
前記感覚改質剤が、前記感覚改質剤の乾燥重量基準での重量パーセンテージとして、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は0.05%(重量)未満のクロロフィル、又は0.1%(重量)未満のフラン、フラン含有化学物質、テオブロミン、テオフィリン、若しくはトリゴネリンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記感覚改質剤が、0%(重量)のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0%(重量)のクロロフィルを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記感覚改質剤が、前記組成物の0.001重量%~0.5重量%、0.005重量%~0.1重量%、0.01重量%~0.05重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ジカフェオイルキナ酸又はジカフェオイルキナ塩が、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記感覚改質剤中に存在する全てのジカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ塩の合計が、前記感覚改質剤の総重量の10%(重量)以上、15重量%以上、20%(重量)以上、25%(重量)以上、30%(重量)以上、35%(重量)以上、40%(重量)以上、45%(重量)以上、50%(重量)以上、60%(重量)以上、70%(重量)以上、25~75%(重量)、又は40~60%(重量)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記感覚改質剤が、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、及びそれらの塩からなる群から選択されるモノカフェオイルキナ構成成分を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記感覚改質剤が、モノカフェオイルキナ構成成分とジカフェオイルキナ構成成分とを含み、前記モノカフェオイルキナ構成成分及び前記ジカフェオイルキナ構成成分が一緒になって、前記感覚改質剤の50%(重量)超、好ましくは60%(重量)超、70%(重量)超、80%(重量)超、90%(重量)超、又は95%(重量)超を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、0.001%(重量)~0.5%(重量)、0.005%(重量)~0.25%(重量)、又は0.01%(重量)~0.1%(重量)の前記感覚改質剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記植物由来のタンパク質が、エンドウマメタンパク質、ダイズタンパク質、トウモロコシタンパク質、ジャガイモタンパク質、コムギタンパク質、豆類タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、米タンパク質、ヒマワリタンパク質、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、0.5%(重量)~20%(重量)、1%(重量)~15%(重量)、2%(重量)~10%(重量)、又は3%(重量)~8%(重量)の植物由来のタンパク質単離物を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、1%(重量)~30%(重量)、5%(重量)~25%(重量)、又は10%(重量)~20%(重量)の前記脂質組成物を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記脂質組成物が、ヤシ油、パーム油、ヒマワリ油、ダイズ油、キャノーラ油、植物油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される油を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、1%(重量)~20%(重量)又は2%(重量)~15%(重量)のデンプンを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、セルロース、コンニャクガム、又はそれらの組み合わせを含む親水コロイドを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、0.1%(重量)~10.0%(重量)、0.5%(重量)~8.0%(重量)、又は1.0%(重量)~5.0%(重量)の前記親水コロイドを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、0.01%(重量)~10.0%(重量)、0.05%(重量)~8.0%(重量)、又は0.1%(重量)~5.0%(重量)のレシチンを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、15重量%~80重量%、20重量%~70重量%、15重量%~50重量%、20重量%~40重量%、50重量%~80重量%、又は55重量%~75重量%の植物由来の乳製品を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、1重量%~80重量%、5重量%~75重量%、15重量%~70重量%、45重量%~65重量%、50重量%~60重量%、1重量%~20重量%、又は5重量%~15重量%水を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物中の水と植物由来の乳製品との前記組み合わせが、前記組成物の50重量%~95重量%、60重量%~92重量%、又は60重量%~90重量%である、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物の酸味が、前記感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の酸味と比較して増加している、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、植物由来のタンパク質を含み、前記組成物の植物タンパク質風味が、前記感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の植物タンパク質風味と比較して低減されている、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、乳酸を含み、前記組成物の乳酸風味が、前記感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の乳酸風味と比較して増加している、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記感覚改質剤は、前記組成物の酸味強度値が、前記感覚改質剤を含まない同等の組成物の酸味強度値と比較して少なくとも0.5単位増加するように、酸味を増加させるのに有効な量で前記組成物中に存在し、酸味強度値が、標準化酸味強度試験によって測定される、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、乳製品を含まないチーズ、乳製品を含まないヨーグルト、又は乳製品を含まないアイスクリームである、請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
乳製品代用組成物中の乳酸風味を増加させるための方法であって、
感覚改質剤を、
親水コロイド、デンプン、又はそれらの組み合わせと、
脂質組成物、植物由来のタンパク質、又はそれらの組み合わせと、を含む乳製品代用組成物に添加して、
改質された乳製品代用品を形成することであって、前記感覚改質剤が、ジカフェオイルキナ酸又はその塩、並びにモノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、形成することを含み、
前記組成物の乳酸風味が、前記感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の乳酸風味と比較して増加している、方法。
【請求項27】
乳製品代用組成物中の酸味を増加させるための方法であって、
感覚改質剤を、
親水コロイド、デンプン、又はそれらの組み合わせと、
脂質組成物、植物由来のタンパク質、又はそれらの組み合わせと、を含む乳製品代用組成物に添加して、
改質された乳製品代用品を形成することであって、前記感覚改質剤が、ジカフェオイルキナ酸又はその塩、並びにモノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、形成することを含み、
前記組成物の酸味が、前記感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の酸味と比較して増加している、方法。
【請求項28】
前記感覚改質剤が、前記感覚改質剤の乾燥重量基準での重量パーセンテージとして、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は0.05%(重量)未満のクロロフィル、又は0.1%(重量)未満のフラン、フラン含有化学物質、テオブロミン、テオフィリン、若しくはトリゴネリンを含む、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記感覚改質剤が、0%(重量)のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0%(重量)のクロロフィルを含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記感覚改質剤が、前記組成物の0.001重量%~0.5重量%、0.005重量%~0.1重量%、0.01重量%~0.05重量%である、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記ジカフェオイルキナ酸又はジカフェオイルキナ塩が、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記感覚改質剤中に存在する全てのジカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ塩の合計が、前記感覚改質剤の総重量の10%(重量)以上、15重量%以上、20%(重量)以上、25%(重量)以上、30%(重量)以上、35%(重量)以上、40%(重量)以上、45%(重量)以上、50%(重量)以上、60%(重量)以上、70%(重量)以上、25~75%(重量)、又は40~60%(重量)を含む、請求項26~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記感覚改質剤が、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、及びそれらの塩からなる群から選択されるモノカフェオイルキナ構成成分を含む、請求項26~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記感覚改質剤が、モノカフェオイルキナ構成成分とジカフェオイルキナ構成成分とを含み、前記モノカフェオイルキナ構成成分及び前記ジカフェオイルキナ構成成分が一緒になって、前記感覚改質剤の50%(重量)超、好ましくは60%(重量)超、70%(重量)超、80%(重量)超、90%(重量)超、又は95%(重量)超を含む、請求項26~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物が、非乳製品タンパク質を追加的に含む、請求項26~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記非乳製品タンパク質が、エンドウマメタンパク質、ダイズタンパク質、トウモロコシタンパク質、ジャガイモタンパク質、コムギタンパク質、豆類タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、米タンパク質、ヒマワリタンパク質、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物由来のタンパク質である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物が、0.5%(重量)~20%(重量)、1%(重量)~15%(重量)、2%(重量)~10%(重量)、又は3%(重量)~8%(重量)の植物由来のタンパク質単離物を含む、請求項26~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物が、10%(重量)~30%(重量)、12%(重量)~25%(重量)、又は15%(重量)~20%(重量)の油を含む、請求項26~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記油が、ヤシ油、パーム油、ヒマワリ油、ダイズ油、キャノーラ油、植物油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項26~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記組成物が、5%(重量)~20%(重量)又は10%(重量)~15%(重量)のデンプンを含む、請求項26~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記デンプンが、アルファ化デンプン、加工デンプン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項26~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記親水コロイドが、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項26~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記組成物が、0.1%(重量)~10.0%(重量)、0.5%(重量)~8.0%(重量)、又は1.0%(重量)~5.0%(重量)の前記親水コロイドを含む、請求項26~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記組成物が、レシチンを含む、請求項26~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記組成物が、0.1%(重量)~10.0%(重量)、0.5%(重量)~8.0%(重量)、又は1.0%(重量)~5.0%(重量)のレシチンを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物が、30.0%(重量)~80.0%(重量)、35.0%(重量)~70.0%(重量)、又は40.0%(重量)~60.0%(重量)水を含む、請求項26~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記組成物が、乳製品を含まないチーズ、乳製品を含まないヨーグルト、又は乳製品を含まないアイスクリームである、請求項26~46のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年6月18日に出願された米国特許仮出願第63/212,396号、及び2021年7月30日に出願された米国特許仮出願第63/227,635号の利益を主張し、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
動物タンパク質を含まない乳製品代用品に対する需要は、様々な理由で増加している。多くの消費者は、乳製品由来のチーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどに最も類似して機能する乳製品代用品を好む。しかしながら、場合によっては、消費者は、不快であるか、又は動物ミルク由来の乳製品組成物とは異なる動物タンパク質を含まずに調製された乳製品代用品の感覚的及び時間的味プロファイルの違いを認識し得る。これらの感覚特性は、これらの製品に対する消費者の選好を制限し、乳製品代用品の用途を制限する可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、親水コロイド、デンプン、又はそれらの組み合わせと、脂質組成物、植物由来のタンパク質、又はそれらの組み合わせと、0.001%(重量)~1.0%(重量)の感覚改質剤であって、ジカフェオイルキナ酸又はその塩、並びにモノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、感覚改質剤と、を含有する乳製品組成物を提供する。組成物の酸味は、感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の酸味と比較して増加し得る。感覚改質剤は、組成物の酸味強度値が、感覚改質剤を含まない同等の組成物の酸味強度値と比較して少なくとも0.5単位増加するように、酸味を増加させるのに有効な量で組成物中に存在し得、酸味強度値は、標準化酸味強度試験によって測定される。組成物は、植物由来のタンパク質を含み得、組成物の植物タンパク質風味は、感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の植物タンパク質風味と比較して低減されている。組成物は、乳酸を含み得、組成物の乳酸風味は、感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の乳酸風味と比較して増加している。組成物は、乳製品を含まないチーズ、乳製品を含まないヨーグルト、又は乳製品を含まないアイスクリームであり得る。
【0004】
感覚改質剤は、感覚改質剤の乾燥重量基準での重量パーセンテージとして、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は0.05%(重量)未満のクロロフィル、又は0.1%(重量)未満のフラン、フラン含有化学物質、テオブロミン、テオフィリン、若しくはトリゴネリンを含み得る。感覚改質剤は、0%(重量)のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0%(重量)のクロロフィルを含み得る。感覚改質剤は、組成物の0.001重量%~0.5重量%、0.005重量%~0.1重量%、0.01重量%~0.05重量%であり得る。ジカフェオイルキナ酸又はジカフェオイルキナ塩(dicaffeoylquinic salt)は、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含み得る。いくつかの態様では、感覚改質剤中に存在する全てのジカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ塩の合計は、感覚改質剤の総重量の10%(重量)以上、15重量%以上、20%(重量)以上、25%(重量)以上、30%(重量)以上、35%(重量)以上、40%(重量)以上、45%(重量)以上、50%(重量)以上、60%(重量)以上、70%(重量)以上、25~75%(重量)、又は40~60%(重量)を含む。感覚改質剤は、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、及びそれらの塩からなる群から選択されるモノカフェオイルキナ構成成分を含み得る。感覚改質剤は、モノカフェオイルキナ構成成分とジカフェオイルキナ構成成分とを含み得、モノカフェオイルキナ構成成分及びジカフェオイルキナ構成成分が一緒になって、感覚改質剤の50%(重量)超、好ましくは60%(重量)超、70%(重量)超、80%(重量)超、90%(重量)超、又は95%(重量)超を含み得る。組成物は、0.001%(重量)~0.5%(重量)、0.005%(重量)~0.25%(重量)、又は0.01%(重量)~0.1%(重量)の感覚改質剤を含み得る。
【0005】
組成物は、エンドウマメタンパク質、ダイズタンパク質、トウモロコシタンパク質、ジャガイモタンパク質、コムギタンパク質、豆類タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、米タンパク質、ヒマワリタンパク質、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物由来のタンパク質を含み得る。組成物は、0.5%(重量)~20%(重量)、1%(重量)~15%(重量)、2%(重量)~10%(重量)、又は3%(重量)~8%(重量)の植物由来のタンパク質単離物を含み得る。
【0006】
組成物は、1%(重量)~30%(重量)、5%(重量)~25%(重量)、又は10%(重量)~20%(重量)の脂質組成物を含み得る。脂質組成物は、ヤシ油、パーム油、ヒマワリ油、ダイズ油、キャノーラ油、植物油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される油を含み得る。
【0007】
組成物は、1%(重量)~20%(重量)又は2%(重量)~15%(重量)のデンプンを含み得る。デンプンは、アルファ化デンプン、加工デンプン、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0008】
組成物は、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、セルロース、コンニャクガム、又はそれらの組み合わせを含む親水コロイドを含み得る。組成物は、0.1%(重量)~10.0%(重量)、0.5%(重量)~8.0%(重量)、又は1.0%(重量)~5.0%(重量)の親水コロイドを含み得る。
【0009】
組成物は、0.01%(重量)~10.0%(重量)、0.05%(重量)~8.0%(重量)、又は0.1%(重量)~5.0%(重量)のレシチンを含み得る。
【0010】
組成物は、15重量%~80重量%、20重量%~70重量%、15重量%~50重量%、20重量%~40重量%、50重量%~80重量%、又は55重量%~75重量%の植物由来のミルク製品を含み得る。組成物は、1重量%~80重量%、5重量%~75重量%、15重量%~70重量%、45重量%~65重量%、50重量%~60重量%、1重量%~20重量%、又は5重量%~15重量%水を含み得る。組成物中の水と植物由来のミルク製品との組み合わせは、組成物の50重量%~95重量%、60重量%~92重量%、又は60重量%~90重量%であり得る。
【0011】
本開示はまた、乳製品代用組成物中の乳酸風味を増加させるための方法であって、感覚改質剤を、親水コロイド、デンプン、又はそれらの組み合わせと、脂質組成物、植物由来のタンパク質、又はそれらの組み合わせと、を含む乳製品代用組成物に添加して、改質された乳製品代用品を形成することであって、感覚改質剤が、ジカフェオイルキナ酸又はその塩、並びにモノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、形成することを含み、組成物の乳酸風味が、感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の乳酸風味と比較して増加している、方法を提供する。
【0012】
本開示はまた、乳製品代用組成物中の酸味を増加させるための方法であって、感覚改質剤を、親水コロイド、デンプン、又はそれらの組み合わせと、脂質組成物、植物由来のタンパク質、又はそれらの組み合わせと、を含む乳製品代用組成物に添加して、改質された乳製品代用品を形成することであって、感覚改質剤が、ジカフェオイルキナ酸又はその塩、並びにモノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、形成することを含み、組成物の酸味が、感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の酸味と比較して増加している、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本特許又は出願は、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を含む本特許又は特許出願公開のコピーは、請求及び必要な手数料の支払いに応じて特許庁によって提供される。
【0014】
図面は、一般に、限定の手段によらないが、例の手段によって、本明細書で考察される様々な態様を例示する。
図1】実施例3に記載される感覚結果のレーダーチャートを示す。
図2A】実施例12に従って調製された植物由来のタンパク質試料の写真を示す。
図2B】実施例12に従って調製された植物由来のタンパク質試料の写真を示す。
図2C】実施例12に従って調製された植物由来のタンパク質試料の写真を示す。
図2D】実施例12に従って調製された植物由来のタンパク質試料の写真を示す。
図2E】実施例12に従って調製された植物由来のタンパク質試料の写真を示す。
図3A】実施例13に従って調製されたエンドウマメタンパク質単離物試料の写真を示す。
図3B】実施例13に従って調製されたエンドウマメタンパク質単離物試料の写真を示す。
図3C】実施例13に従って調製されたエンドウマメタンパク質単離物試料の写真を示す。
図3D】実施例13に従って調製されたエンドウマメタンパク質単離物試料の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、開示される主題のある特定の態様が詳細に参照され、その例は、添付の図面に部分的に例示される。開示される主題は、列挙される特許請求の範囲と共に説明されるが、例示される主題は、特許請求の範囲を開示される主題に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。
【0016】
本文書では、用語「a」、「an」、又は「the」は、文脈が別段明確に指示しない限り、1つ又は1つを超えるものを含むために使用される。用語「又は」は、別段示されない限り、非排他的な「又は」を指すために使用される。本文書で参照される全ての刊行物、特許、及び特許文献は、参照により個々に組み込まれているかのように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。この文書とこのように参照により組み込まれるそれらの文書との間で使用が一貫していない場合、組み込まれる参考文献における使用は、この文書のものを補足するものであると解釈されるべきであり、相容れない矛盾の場合、この文書における使用を優先する。
【0017】
範囲形式で表される値は、範囲の限度として明示的に列挙された数値を含むだけでなく、各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も含むように、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約X~Y」という記述は、別段示されない限り、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、別段示されない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
【0018】
明示的な記載のない限り、ppm(parts per million、百万分率)は、パーセンテージ、及び比は、重量基準である。重量基準のパーセンテージは、以下で重量%又は%(重量)とも称される。
【0019】
本開示は、植物タンパク質風味の低減及び/又は苦味の低減などの改善された感覚特性を有する、様々な乳製品代用組成物に関する。本開示はまた、概して、感覚改質剤及びその使用に関する。様々な態様では、感覚改質剤は、1つ以上のカフェオイル置換キナ酸及びその塩を含有する。本開示は、植物由来のタンパク質構成成分と関連する望ましくない特性を低減し、本明細書に記載される感覚改質剤を含まない乳製品代替品を含む植物タンパク質と比較して改善された組成物を提供する方法に更に関する。
【0020】
組成物
本開示は、使用においてその感覚知覚を改質する役割を果たす様々な改善を含む乳製品代用組成物を提供する。乳製品代用品は、乳製品を含まないチーズ、乳製品を含まないヨーグルト、乳製品を含まないアイスクリームなどであり得る。
【0021】
本明細書で使用される場合、「乳製品代用品(dairy substitute)」及び「乳製品代用組成物(dairy substitute composition)」という用語は、互換的に使用され、いかなる動物由来のミルクを含有せずに、動物性ミルク製品を使用して製造される乳製品(dairy product)の一般的な外観、栄養素含有量、及び/又は味覚を模倣する組成物を指す。いくつかの態様では、乳製品代用品は、いかなる動物由来のミルク又は動物由来のミルクタンパク質も完全に含まない。乳製品代用品は、乳製品を含まないチーズ、乳製品を含まないヨーグルト、乳製品を含まないアイスクリームなどであってもよい。
【0022】
本明細書で使用される場合、「植物由来のタンパク質組成物」という用語は、植物由来のタンパク質を含む組成物を指す。例えば、植物由来のタンパク質は、エンドウマメタンパク質、ダイズタンパク質、トウモロコシタンパク質、ジャガイモタンパク質、コムギタンパク質、豆類タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、米タンパク質、ヒマワリタンパク質、及びそれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。植物由来のタンパク質組成物は、テクスチャ加工植物由来のタンパク質、粉末化植物由来のタンパク質、植物由来のタンパク質単離物、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0023】
本明細書で使用する場合、「テクスチャ加工タンパク質」及び「テクスチャ加工植物由来のタンパク質」は、互換的に使用され、食用タンパク質源から加工され、かつ繊維、細断片、チャンク、小片、顆粒、スライスなどとして現れる個々の単位が、水和及び調理、又は消費用食品の製造において使用される他の手順に耐えるように、構造的完全性及び識別可能な構造を有することを特徴とする食用食物成分を指す。一般に、テクスチャ加工植物由来のタンパク質は、テクスチャを変更又は増強し、水に結合するために使用され得る。テクスチャ加工タンパク質が製造される食用タンパク質源としては、豆果(例えば、豆類タンパク質)、エンドウマメ、ダイズ、トウモロコシ、コムギ、ヒヨコマメ、ジャガイモ、米、ヒマワリなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。テクスチャ加工タンパク質としては、テクスチャ加工エンドウマメタンパク質、テクスチャ加工ダイズ粉、テクスチャ加工ダイズ濃縮物、テクスチャ加工コムギタンパク質、テクスチャ加工ジャガイモタンパク質、又はそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。タンパク質テクスチャ加工のための方法は、当技術分野において既知であり、記載されており、例えば、高温高圧押出、スピニング、凍結テクスチャ加工、化学的又は酵素的テクスチャ加工などを含み得る。
【0024】
粉末化植物由来のタンパク質及び植物由来のタンパク質単離物は、一般に、食品成分として使用される植物由来のタンパク質の可溶性形態である。植物由来のタンパク質単離物又は粉末としては、エンドウマメタンパク質、脱脂ダイズ粉、脱脂ダイズ単離物、ダイズ濃縮物、活性コムギグルテン、ジャガイモタンパク質、トウモロコシタンパク質単離物、米タンパク質、ヒマワリタンパク質、又はそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書に記載される乳製品代用組成物は、1つ以上の脂質組成物、例えば、脂肪、油、又はそれらの組み合わせを含み得る。一般に、脂肪は、室温で固体である脂質組成物を指し、一方、油は、室温で液体である。脂質組成物は、飽和脂肪酸(「飽和脂肪」とも称される)、不飽和脂肪酸(「不飽和脂肪」とも称される)、又はそれらの組み合わせを含み得る。脂質組成物としては、植物油、ココナッツ油、パーム油、ヒマワリ油、ダイズ油、キャノーラ油、又はそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。乳製品代用組成物は、乳製品代用品の種類に応じて、1重量%~80重量%、1重量%~70重量%、1重量%~10重量%、1重量%~5重量%、5重量%~30重量%、10重量%~25重量%、10重量%~75重量%、又は15重量%~70重量%の脂質組成物を含み得る。当業者であれば、所与の乳製品代用組成物に対する適切な脂質組成物含有率を理解するであろう。
【0026】
脂質組成物はまた、植物由来のミルク製品の形態で乳製品組成物中に提供され得る。例えば、乳製品代用品としては、ココナッツミルク、ココナッツクリーム、アーモンドミルク、アーモンドクリーム、アーモンドバター、豆乳、オートミルク、ヘンプミルク、ヘーゼルナッツミルク、ライスミルク、エンドウマメミルク、及びそれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない植物由来のミルク製品が挙げられ得る。乳製品代用品の脂質構成成分の少なくとも一部分又は全部を提供することに加えて、植物由来のミルク製品はまた、乳製品代用品に風味を提供することに加えて、乳製品代用品に追加のタンパク質、繊維、ビタミン、及びミネラルを提供し得る。乳製品代用組成物は、15重量%~80重量%、20重量%~70重量%、15重量%~50重量%、20重量%~40重量%、50重量%~80重量%、又は55重量%~75重量%の植物由来のミルク製品を含み得る。
【0027】
乳製品代用品は、水を含み得る。例えば、乳製品代用品は、乳製品代用品の種類に応じて、1重量%~80重量%、5重量%~75重量%、15重量%~70重量%、45重量%~65重量%、50重量%~60重量%、1重量%~20重量%、又は5重量%~15重量%の水を含み得る。
【0028】
いくつかの態様では、乳製品代用品は、水及び植物由来のミルクの両方を含む。水及び植物由来のミルクの合計は、乳製品代用組成物の50重量%~95重量%、60重量%~92重量%、又は60重量%~90重量%であり得る。
【0029】
乳製品代用品は、繊維を含み得る。繊維としては、ペクチン、アップル繊維、サイリウム、亜麻繊維、米ぬかエキス、コンニャク粉などが挙げられ得るが、これらに限定されない。乳製品代用品は、0.01%(重量)~3%(重量)、0.05%(重量)~2%(重量)、又は0.1%(重量)~2%(重量)の繊維を含み得る。乳製品代用品は、最大0.5%(重量)、最大1%(重量)、最大1.5%(重量)、最大2%(重量)、最大2.5%(重量)、又は最大3%(重量)の量の繊維を含み得る。
【0030】
乳製品代用品は、デンプンを含み得る。デンプンは、アルファ化デンプン、加工デンプン、又はそれらの組み合わせを含み得る。デンプンとしては、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプンなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。乳製品代用品は、0.5%(重量)~25%(重量)、1.0%(重量)~20%(重量)、又は2%(重量)~18%(重量)のデンプンを含み得る。
【0031】
乳製品代用品は、親水コロイドを含み得る。例えば、乳製品代用品は、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、セルロース、コンニャクガム、及びそれらの組み合わせを含み得る。乳製品代用品は、0.01重量%~5重量%、0.05重量%~4.5重量%、0.1重量%~4.0重量%、又は0.5重量%~3.8重量%の親水コロイドを含み得る。乳製品代用品は、最大5重量%、最大4.5重量%、最大4.0重量%、最大3.8重量%、最大3.5重量%、最大2.5重量%、最大2.0重量%、又は最大1.0重量%の親水コロイドを含み得る。
【0032】
乳製品代用品は、レシチンを含み得る。乳製品代用品は、0.01重量%~10重量%、0.05重量%~8.0重量%、又は0.1重量%~5重量%レシチンを含み得る。
【0033】
乳製品代用品は、防腐剤を含み得る。例えば、乳製品代用品としては、ソルビン酸カリウムなどであるがこれに限定されない防腐剤が挙げられ得る。乳製品代用品は、乳製品代用品の最大0.1重量%、最大0.5重量%、又は最大1.0重量%の量の防腐剤を含み得る。
【0034】
乳製品代用品は、香味料又は調味料を含み得る。例えば、乳製品代用品は、天然又は人工の香味料及び/又は調味料を含み得る。調味料としては、甘味料、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、ココア、チョコレート、シナモン、ナツメグ、ココナッツ、アーモンド、それらの組み合わせなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。乳製品代用品は、1%~20%、1.5%~10%、5%~20%、又は2%~18%の甘味料を含み得る。乳製品代用品は、いかなる甘味料も含まなくてもよい。乳製品代用品は、0.001%~3.0%、.01%~2.0%、又は.025%~1.75%の塩を含み得る。乳製品代用品は、塩を含まなくてもよい。
【0035】
乳製品代用品は、甘味料を含み得る。好適な甘味料は、当技術分野において既知であり、記載されている。甘味料は、ノンカロリー甘味料又はカロリー甘味料のうちの少なくとも1つであり得る。甘味料は、任意の種類の甘味料、例えば、植物若しくは植物製品から得られた甘味料、又は植物から得られた物理的若しくは化学的に修飾された甘味料、又は合成甘味料であり得る。例示的な甘味料としては、ステビオールグリコシド、モグロサイド、スクロース、フルクトース、グルコース、エリトリトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン(例えば、a-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、及びγ-シクロデキストリン)、リブロース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノース又はイソマルツロース、エリトロース、デオキシリボース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、フクロース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、キシロオリゴ糖類(キシロトリオース、及びキシロビオースなど)、ゲンチオオリゴ糖類(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、及びゲンチオテトラオースなど)、ガラクトオリゴ糖類、ソルボース、ケトトリオース(デヒドロキシアセトン)、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)、ニゲロオリゴ糖類、フルクトオリゴ糖類(ケストース、及びニストースなど)、マルトテトラオース、マルトトリオース、四糖類、マンナンオリゴ糖類、マルトオリゴ糖類(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、及びマルトヘプタオースなど)、デキストリン類、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノース、リボース、スクラロース、アセスルファムK、アスパルテーム、サッカリン、カップリング糖類、大豆オリゴ糖類、及びそれらの組み合わせが挙げられる。適用可能な場合、D又はL構成を使用することができる。好適な甘味料及びそれらの態様もまた、国際公開第2019/071220号及び同第2019/071182号、並びに米国特許出願公開第2019/0223481号及び同第2019/0223483号に記載されており、これらは各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0036】
乳製品代用品は、酸を含み得る。適切な酸としては、クエン酸、乳酸、ソルビン酸、リンゴ酸、それらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。乳製品代用品は、乳製品代用品の最大0.001%、最大0.005%、最大0.01%、最大0.1%、最大1.0%、最大1.5%、又は最大2.0%の量の酸を含み得る。乳製品代用品は、0.0001重量%~2.0重量%、0002重量%~1.5重量%、0.0003重量%~1.0重量%の酸を含み得る。
【0037】
いくつかの態様では、乳製品代用品は、乳製品を含まないチーズであり、本明細書に記載される親水コロイド、デンプン、脂質組成物、植物由来のタンパク質、及び感覚改質剤を含む。乳製品を含まないチーズは、0.01重量%~10重量%、0.1重量%~8重量%、0.5重量%~5重量%、又は1重量%~4重量%の親水コロイド、1重量%~20重量%、5重量%~18重量%、又は10重量%~15重量%のデンプン、5重量%~30重量%、10重量%~25重量%、又は15重量%~20重量%の脂質組成物、1重量%~15重量、2重量%~10重量%、又は3重量%~8重量%の植物由来のタンパク質、及び本明細書に記載される感覚改質剤を含み得る。乳製品を含まないチーズはまた、30重量%~70重量%、40重量%~65重量%、又は45重量%~60重量%の水、0.0001重量%~2.0重量%、.0002重量%~1.5重量%、0.0003重量%~1.0重量%の酸、0.001%~3.0%、.01%~2.0%、又は.025%~1.75%の塩、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0038】
いくつかの態様では、乳製品代用品は、乳製品を含まないヨーグルトであり、本明細書に記載されるデンプン、脂質組成物、植物由来のタンパク質、及び感覚改質剤を含む。乳製品を含まないヨーグルトは、0.5重量%~10重量%、1重量%~8重量%、又は2重量%~7重量%のデンプン、0.1重量%~10重量%、0.5重量%~8重量%、又は1重量%~5重量%の植物由来のタンパク質、15重量%~80重量%又は20重量%~75重量%の脂質組成物を含む植物由来のミルク、及び本明細書に記載される感覚改質剤を含み得る。乳製品を含まないヨーグルトはまた、0.01%(重量)~3%(重量)、0.05%(重量)~2%(重量)、又は0.1%(重量)~2%(重量)の繊維、15重量%~80重量%又は20重量%~75重量%水、0.1%~15%、0.5%~10%、又は1.0%~8%甘味料、0.001%~3.0%、0.01%~2.0%、又は.025%~1.75%の塩、又はそれらの組み合わせを含み得る。乳製品を含まないヨーグルト中の水と植物由来のミルクとの組み合わせは、乳製品を含まないヨーグルトの50重量%~95重量%、60重量%~92重量%、又は60重量%~90重量%であり得る。
【0039】
いくつかの態様では、乳製品代用品は、乳製品を含まないアイスクリームであり、本明細書に記載される親水コロイド、脂質組成物、植物由来のタンパク質、及び感覚改質剤を含む。乳製品を含まないアイスクリームは、0.01重量%~10重量%、0.05重量%~5重量%、又は0.1重量%~3重量%の親水コロイド、30重量%~70重量%、40重量%~65重量%、又は45重量%~60重量%の植物由来のミルク、0.1%~10%、0.5%~8%、又は1%~5%の脂質組成物、及び本明細書に記載される感覚改質剤を含み得る。乳製品を含まないアイスクリームはまた、0.1重量%~20重量%、0.5重量%~18重量%、又は1重量%~15重量%水、1重量%~30重量%、2重量%~25重量%、又は5重量%~20重量%甘味料、又はそれらの組み合わせを含み得る。乳製品を含まないアイスクリーム中の水と植物由来のミルクとの組み合わせは、乳製品を含まないアイスクリームの50重量%~95重量%、60重量%~92重量%、又は60重量%~90重量%であり得る。
【0040】
感覚改質剤
感覚改質剤は、特定の量で、消耗品、例えば、飲料、食品製品などの感覚特徴又は感覚特性を変化させる化合物又は組成物である。感覚改質剤が変化させ得る感覚特徴の非限定的な例としては、苦味、酸味、しびれ、渋味、クリーミーさ、金属性、甘味の後引き、乾燥、甘味、デンプン質、口当たり、甘味の時間的側面、塩味の時間的側面、苦味の時間的側面、本明細書に記載の任意の感覚特徴の時間的側面、並びにリコリス、バニラ、プルーン、コットンキャンディ、乳酸、旨味、及び糖蜜風味の感じなどの風味の感じが挙げられる。感覚改質剤は、酸味を増強する、及び乳酸風味を補強するなど、感覚特徴を増強し得るか、苦味を低減するか、又は植物由来のタンパク質風味を低減するなど、感覚特徴を抑制し得るか、あるいは例えば、苦味の発生を遅らせるか、又は苦味若しくは塩味残存を低減するか、又はそれらの組み合わせによって感覚特徴の時間的側面を変化させ得る。いくつかの態様では、乳製品代用組成物中で使用される量は、少なくとも1つの感覚特徴を変化させ、例えば、組成物は、感覚改質剤を欠く同等の乳製品代用品と比較して、低減された苦味、低減された植物由来のタンパク質風味、低減された塩味、増強された酸味、増強された乳酸風味、又はそれらの組み合わせを有し得る。
【0041】
本開示は、1つ以上のカフェオイル置換キナ酸と、その塩とを含む感覚改質剤を提供する。様々な態様では、カフェオイル置換キナ酸は、カフェ酸のカルボン酸及びキナ酸のアルコールから得られるエステルを含む。「カフェオイル置換キナ酸」又は「カフェオイルキナ酸」は、それらの用語が本明細書で使用される場合、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸並びにそれらの塩を含む。モノカフェオイルキナ酸は、単一のカフェイン酸、及びキナ酸(例えば、クロロゲン酸(5-O-カフェオイルキナ酸)、ネオクロロゲン酸(3-O-カフェオイルキナ酸)、及びクリプトクロロゲン酸(4-O-カフェオイルキナ酸))から得られるエステルを含む。ジカフェオイルキナ酸は、2つのカフェイン酸、及びキナ酸(例えば、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸)から得られるエステルを含む。したがって、感覚改質剤は、カフェオイル置換キナ酸の酸形態及び塩形態の両方を含む。様々なカフェオイル置換キナ酸の遊離酸形態が表1に示される。
【0042】
【表1】
【0043】
様々な態様では、感覚改質剤は、キナ酸、カフェイン酸、フェルラ酸、シナピン酸、p-クマル酸、キナ酸のエステル、カフェイン酸のエステル、フェルラ酸のエステル、シナピン酸のエステル、p-クマル酸のエステル、カフェイン酸及びキナ酸のエステル、単一のカフェイン酸部分を含むカフェ酸及びキナ酸のエステル、2つ以上のカフェイン酸部分を含むカフェイン酸及びキナ酸のエステル、フェルラ酸及びキナ酸のエステル、単一のフェルラ酸部分を含むフェルラ酸及びキナ酸のエステル、2つ以上のフェルラ酸部分を含むフェルラ酸及びキナ酸のエステル、シナピン酸及びキナ酸のエステル、単一のシナピン酸部分を含むシナピン酸及びキナ酸のエステル、2つ以上のシナピン酸部分を含むシナピン酸及びキナ酸のエステル、p-クマル酸及びキナ酸のエステル、単一のp-クマル酸部分を含むp-クマル酸及びキナ酸のエステル、2つ以上のp-クマル酸部分を含むp-クマル酸及びキナ酸のエステル、1つのカフェイン酸部分及び1つのフェルラ酸部分を含有するキナ酸のジ-エステル、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸のカフェイン酸エステル、酒石酸のカフェイン酸エステル、2つ以上のカフェイン酸部分を含有する酒石酸のカフェイン酸エステル、並びに/又はそれらの異性体、及び対応する塩のうちの1つ以上を更に含む。
【0044】
いくつかの態様では、感覚改質剤は、クロロゲン酸(5-O-カフェオイルキナ酸)、ネオクロロゲン酸(3-O-カフェオイルキナ酸)、クリプトクロロゲン酸(4-O-カフェオイルキナ酸)、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、3-O-フェルロイルキナ酸、4-O-フェルロイルキナ酸、5-O-フェルロイルキナ酸、1,3-ジフェルロイルキナ酸、1,4-ジフェルロイルキナ酸、1,5-ジフェルロイルキナ酸、3,4-ジフェルロイルキナ酸、3,5-ジフェルロイルキナ酸、4,5-ジフェルロイルキナ酸、ロスマリン酸、カフタル酸(モノカフェオイル酒石酸)、チコリ酸(cichoric acid)(ジカフェオイル酒石酸)及び塩、並びに/又はそれらの異性体、及び対応する塩のうちの1つ以上を含む。
【0045】
いくつかの態様では、感覚改質剤は、クロロゲン酸(5-O-カフェオイルキナ酸)、ネオクロロゲン酸(3-O-カフェオイルキナ酸)、クリプトクロロゲン酸(4-O-カフェオイルキナ酸)、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの任意の組み合わせ、それらの異性体、及び対応する塩からなるリストから選択される1つ以上の化合物から本質的になる。様々な態様では、カフェオイル部分の1つ以上のアルコールは、水素で置換されるか、又はC1~C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルなど)、C1~C10アルケニル、C6~C10アリール、C2~C10アシル、アクリレート、カフェオイル、o-クマロイル、p-クマロイル、m-クマロイル、シンナモイル、4-ヒドロキシシンナモイル、フェルロイル、イソ-フェルロイル、シナポイル、ガロイル、サルフェート、ホスフェート、若しくはホスホネートで置換される。したがって、修飾及び置換されたカフェイン酸部分は、ケイ皮酸、o-クマロイル、p-クマリン酸、m-クマリン酸、フェルラ酸、並びにそれらのアシル及びエステル形態をもたらす。様々な態様では、キナ酸部分の1つ以上のアルコールは、C1~C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルなど)、C1~C10アルケニル、C6~C10アリール、C2~C10アシル、アクリレート、カフェオイル、o-クマロイル、p-クマロイル、m-クマロイル、シンナモイル、4-ヒドロキシシンナモイル、フェルロイル、イソ-フェルロイル、シナポイル、ガロイル、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートで置換される。
【0046】
感覚改質剤は、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸のカフェイン酸エステル、酒石酸のカフェイン酸エステル、キナ酸のフェルラ酸エステル、又はカフェオイルキナ酸以外のキナ酸の任意の他の任意選択的に置換されたシンナモイルエステルのうちの1つ以上を含み得る。キナ酸のフェルラ酸エステルの例としては、3-O-フェルロイルキナ酸、4-O-フェルロイルキナ酸、5-O-フェルロイルキナ酸、1,3-ジフェルロイルキナ酸、1,4-ジフェルロイルキナ酸、1,5-ジフェルロイルキナ酸、3,4-ジフェルロイルキナ酸、3,5-ジフェルロイルキナ酸、4,5-ジフェルロイルキナ酸、及びそれらの組み合わせが挙げられる。3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸のカフェイン酸エステルの一例は、ロスマリン酸である。酒石酸のカフェイン酸エステルの例としては、チコリ酸(ジカフェオイル酒石酸)及びカフタル酸(モノカフェオイル酒石酸)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
代替の態様では、感覚改質剤は、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸のカフェイン酸エステル、酒石酸のカフェイン酸エステル、キナ酸のフェルラ酸エステル、又はカフェオイルキナ酸以外のキナ酸の任意の他の任意選択的に置換されたシンナモイルエステルのうちの1つ以上からなる混合物である。このような感覚改質剤はまた、塩画分及び酸画分を有するようにその塩も含む。したがって、カフェオイルキナ酸及び他の感覚改質剤に関連する、本明細書に記載される様々な態様の各々が、この代替手段に等しく適用可能であり得ることが更に想定される。
【0048】
コーヒー酸は、以下の構造を有する:
【0049】
【化1】
【0050】
キナ酸は、以下の構造を有する:
【0051】
【化2】
【0052】
上記に提供される構造は、D-(-)-キナ酸であり、示される数字は、現行のIUPAC番号付けに対応する。
【0053】
様々な態様では、感覚改質剤は、カフェイン酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つ以上が濃縮され得る。用語「濃縮された」は、感覚改質剤中に存在する1つ以上の他の化合物と比較して、カフェイン酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つの量の増加を指す。カフェイン酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つ以上が濃縮されている感覚改質剤は、乳製品代用組成物の感覚特性を改質することができる。
【0054】
1つ以上のジカフェオイルキナ酸が濃縮された感覚改質剤は、乳製品代用組成物の感覚特性を改質することができる。ジカフェオイルキナ酸が濃縮されている感覚改質剤は、感覚改質剤の総重量のパーセンテージとして、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上、又は90%以上のジカフェオイルキナ酸を含み得る。
【0055】
様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、モノカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、クロロゲン酸(5-O-カフェオイルキナ酸)及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、ネオクロロゲン酸(3-O-カフェオイルキナ酸)及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、クロロゲン酸(4-O-カフェオイルキナ酸)及びその塩であり得る。
【0056】
様々な更なる態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、1,3-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、1,4-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、1,5-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、3,4-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、3,5-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、4,5-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。
【0057】
感覚改質剤は、例えば、20:1~1:20、例えば、3:1~1:20のモノカフェオイルキナ酸及び塩全体のジカフェオイルキナ酸及び塩全体に対する重量比を有することができる。様々な態様では、感覚改質剤は、15:1~1:15、10:1~1:10、5:1~1:5、3:1~1:3、2:1~1:2、1.5:1~1:1.5、5:1~1:1、3:1~1:1、2:1~1:1、1.5:1~1:1.1、1:1~1:20、1:1~1:15、1:1~1:10、1:5~1:20、1:5~1:15、1:5~1:10、1:2~1:20、1:2~1:15、1:2~1:10、1:2~1:5、1:1~1:3、1:1~1:2、又は1:1~1:1.5のモノカフェオイルキナ酸及びその塩:ジカフェオイルキナ酸及びその塩の重量比を有する。いくつかの態様では、感覚改質剤は、モノカフェオイルキナ酸及びモノカフェオイルキナ酸の塩の量と比較して、重量でより大量のジカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸の塩を有する。様々な態様では、感覚改質剤は、約1:1のモノカフェオイルキナ酸:ジカフェオイルキナ酸(それらの塩を含む)の比を有する。
【0058】
本明細書に提供される感覚改質剤は、塩形態である部分(「塩画分」に対応する)、及び酸形態である部分(「酸画分」に対応する)を含有し得る。様々な態様では、塩画分は、感覚改質剤全体の少なくとも50重量%を占める。様々な態様では、感覚改質剤は、塩画分及び酸画分を含み、塩画分は、モノカフェオイルキナ酸の塩及びジカフェオイルキナ酸の塩のうちの1つ以上を含み、酸画分は、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つ以上を含み、塩画分は、感覚改質剤全体の少なくとも50重量%を含む。
【0059】
例えば、塩画分は、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、又は少なくとも若しくは約90重量%を含む。更なる態様では、塩画分は、感覚改質剤全体の約60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%(若しくはそれら未満)、又は約90重量%(若しくはそれ未満)を含む。なお更なる態様では、塩画分は、感覚改質剤全体の50重量%~90重量%、50重量%~80重量%、50重量%~75重量%、60重量%~90重量%、60重量%~80重量%、65重量%~80重量%、又は65重量%~75重量%を含む。別段の定めがない限り、塩画分の重量%は、平衡カチオン種を含めて計算されるべきである。
【0060】
更なる例では、酸画分は、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、又は少なくとも若しくは約45重量%を含む。更なる態様では、酸画分は、感覚改質剤全体の約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%(若しくはそれら未満)、又は約50重量%未満を含む。なお更なる態様では、酸画分は、感覚改質剤全体の5重量%~50重量%、10重量%~50重量%、15重量%~50重量%、20重量%~50重量%、5重量%~40重量%、10重量%~40重量%、15重量%~40重量%、20重量%~40重量%、5重量%~35重量%、10重量%~35重量%、15重量%~35重量%、20重量%~35重量%、5重量%~30重量%、10重量%~30重量%、15重量%~30重量%、20重量%~30重量%、5重量%~20重量%、10重量%~20重量%、15重量%~20重量%、5重量%~15重量%、10重量%~15重量%、又は5重量%~10重量%を含む。
【0061】
様々な態様では、例えば、水溶液中では、感覚改質剤全体の塩形態は、酸形態と平衡状態で存在する。例えば、特定の塩形態分子は、プロトン化され、したがって酸形態に変換され得、酸形態分子は、脱プロトン化されて塩形態をもたらすことができる。平衡に近づいた又は平衡を達成した後、このような相互作用は、感覚改質剤全体の所与の形態又は画分の全体的な重量%を実質的に変化させない。例えば、感覚改質剤全体の50重量%以上の塩画分を有する組成物は、様々な化合物がある画分から別の画分に交換し得るとしても、塩及び酸画分の同じ割合を維持することができる。
【0062】
塩形態と酸形態との間の平衡が、組成物への構成成分の添加に応答してシフトし得る場合もある。例えば、緩衝液、塩、酸、又は塩基の添加は、平衡をシフトさせて塩画分又は酸画分を選ぶことができ、したがって組成物の重量%を変化させることができる。
【0063】
様々な他の態様では、例えば、固体組成物において、塩形態及び酸形態は、固体状態であり得、塩形態と酸形態との間の割合は動かない。様々な態様では、顆粒状の塩組成物などの固体組成物中の塩画分対酸画分の比は、固体組成物が添加される得られる溶液の比とは異なり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの態様では、固体状態の塩組成物は、溶解するか又は崩壊すると、少なくとも50重量%が塩形態である感覚改質剤を有する溶液をもたらす。
【0064】
感覚改質剤の有効量
本開示の組成物は、感覚改質剤を含まない同等の乳製品代用組成物と比較して、乳製品代用組成物中の植物性タンパク質風味を低減し、オフテイストを低減し、かつ/又は酸味及び乳酸風味を増強するのに有効な量の感覚改質剤を含む。
【0065】
本明細書で使用される場合、「植物タンパク質風味」は、植物由来のタンパク質が食品及び飲料製品中の成分として使用される場合に、植物由来のタンパク質と関連し、かつそれから予想される特徴的な風味を指す。例えば、植物タンパク質風味としては、通常、植物由来のタンパク質から見出され、予想される、豆様の(beany)、エンドウマメ、トウモロコシ様の(corny)、干し草、グリーンノート、植物ノート、イヌビエ、発酵、ワキシー、苦い後味、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一般に、ある特定の特徴的な植物タンパク質風味は、ある特定の植物由来のタンパク質に起因し得る。例えば、エンドウマメタンパク質は、グリーンノート、エンドウマメ風味、及び干し草風味と関連付けられ得、ダイズタンパク質は、豆様の風味及び干し草風味と関連付けられ得、トウモロコシタンパク質は、トウモロコシ様の風味及び干し草風味と関連付けられ得、ジャガイモタンパク質は、イヌビエ風味及び発酵風味と関連付けられ得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、「オフテイスト」は、本明細書に記載される物質若しくは組成物に特徴的ではないか、若しくは通常関連しない味若しくは風味プロファイル、及び/又は望ましくない物質若しくは組成物と関連する特徴的な味若しくは風味を指す。例えば、オフテイストは、苦味などの望ましくない味、渋味などの望ましくない口当たり、口内乾燥、酸敗臭などの望ましくない風味、厚紙、後味、一貫性のない風味(例えば、発生又は強度が不均一な風味、早すぎる又は遅すぎると知覚され得る風味)などであり得る。
【0067】
感覚パネルを使用して、植物性タンパク質風味の低減又はその時間的プロファイルのシフトの大きさを決定し、それによって、植物性タンパク質風味を低減するのに有効な感覚改質剤の量を定量化することができる。感覚パネルは、食品科学産業に不可欠である科学的及び再現可能な方法である。感覚パネルは、2人以上の個々のパネリストの群を含む。パネリストは、個人的な主観性の影響を回避し、再現性を強化するために、産業において認識された慣行に従って指導される。例えば、パネリストは、試験製品の感覚特性を客観的に評価するが、個人的選好などの主観的特性を提供しない。様々な態様では、感覚パネルは、2人、3人、4人、5人、6人以上のパネリストを用いて行うことができ、パネリストは、所与の試料セットについての感覚特性の語彙を特定し、それに同意する。特定の試料を評価した後、パネリストは、強度スケールを使用して各特性について数値強度スコアを割り当てることができる。例えば、強度スケールは、0~6(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=わずか、3=中程度、4=明確、5=強い、6=極度)、0~9(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)、又は0~15の範囲であり得、ここで、0は、特性の不在に対応し、6、9、又は15は、それぞれ、特性の上限極度発生に対応する。パネルは、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用してもよく、又はパネリストは、感覚特性を個別にスコア付け及び評価してもよい。どちらの形式でも、専門用語に関する考察を指示し、特定の製品及び特性を評価するようにパネルに指示するパネルリーダーを更に含み得る。他の態様では、訓練された感覚パネルを利用して、記述分析又は時間強度方法論を使用して特定の特性を評価することができる。
【0068】
本明細書で使用される場合、「パネリスト」は、記述分析などの感覚的方法論に一般的に使用されるものなどの高度に訓練された専門の食味検査員、及び/又は試験されている感覚特性に精通した経験のある食味検査員を指す。いくつかの態様では、パネリストは、訓練されたパネリストであり得る。訓練されたパネリストは、試験された製品に関連するそれらの感覚特性と関連付けられた用語及び感覚現象を理解するための訓練を受けており、対象のそれらの感覚特性についての共通の記述子(すなわち、感覚語彙)の使用に関して整列される。例えば、所与の組成物を試験する訓練されたパネリストは、当該組成物と関連する用語及び感覚特性、例えば、塩味、酸味、苦味、渋味、口当たり、酸味などを理解するであろう。訓練されたパネリストは、試験される感覚特性に相当する参照試料に対して訓練されており、したがって、そのような基準を認識し、定量的に評価するように較正するであろう。いくつかの態様では、パネリストは、熟練した食味検査員であり得る。
【0069】
本明細書で使用される場合、「ラウンドテーブルコンセンサスアプローチ」は、パネリストが、アッセイされている特定の感覚特性についての強度スコア及び特性特徴付けに相互に同意する前に、感覚特性及び強度を考察する感覚パネルアッセイ方法論を指す。ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用する感覚パネルは、2人、3人、4人、5人、6人、又はそれ以上のパネリストを含み得る。コンセンサス強度スケールは、0~6(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=わずか、3=中程度、4=明確、5=強い、6=極度)又は0~9(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)の範囲であり得る。試料の所与のセットについて、パネリストは、適用可能な場合、特定の感覚特性についての参照試料又は標準化された試料(感覚アンカーとも称される)を含む、感覚特性の語彙を特定し、それに同意する。所与の感覚特性のために使用される参照試料は、アッセイされている試料及びパネルによって決定される感覚特性の語彙に依存する。当業者は、所与の試料の感覚評価に必要な適切な語彙及び参照又は標準試料を認識するであろう。
【0070】
いくつかの態様では、試料は、パネリストが、適用可能な場合、特定の感覚特性についての参照試料(感覚アンカーとも称される)に対するアッセイ特異的較正を含む、感覚特性及び強度スコアの語彙について同意したか又は指導された後に、パネリストによって独立してスコア付けされ、評価される。共通参照試料の例を以下に記載する。パネリストは、試料を反復して評価することができ、試験している試料を盲検化することができる。試験されている試料は、無作為に又は連続した順序でパネリストに提供され得る。いくつかの態様では、無作為化均衡連続順序を使用して、パネリストによって試料を試験することができる。次いで、個々のパネリストからのスコアを、標準的な統計分析方法を使用して評価して、平均感覚強度スコアを決定する。当業者は、所与の試料の感覚評価に必要な適切な語彙及び参照又は標準試料、並びに適切な統計分析方法を認識するであろう。
【0071】
本明細書で使用される場合、「無作為化均衡連続順序」は、順序が無作為化されているが、全てのパネリストにわたって、試料の全ての可能な順序が提示されて、特定の順序で試験されている試料に対する偏りを除去する、試料が提示される順序を指す。例えば、2つの試料の無作為化均衡連続順序では、所与のパネリストが試料2の前に試料1を受け取り、試料1の前に試料2を受け取る可能性は等しいであろう。3つの試料(すなわち、試料1、2、及び3)を伴う例では、無作為化均衡連続順序は、パネリストが以下の順序で試料を受け取る等しい可能性を含むであろう:(i)1、2、3;(ii)1、3、2;(iii)2、1、3;(iv)2、3、1;(v)3、2、1;(vi)3、1、2。
【0072】
所与の組成物の感覚特性は、1つ以上の参照又はアンカー試料と比較して評価され得る。例えば、塩化ナトリウム溶液は、所与の組成物について塩味の相対強度を評価するための塩味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用され得、スクロース溶液は、所与の組成物に対する甘味の相対強度を評価するための甘味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用され得、クエン酸溶液は、所与の組成物の酸味の相対強度を評価するための酸味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用され得、コーヒー溶液は、所与の組成物についての苦味の相対強度を評価するための苦味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用することができ、グルタミン酸一ナトリウム(monosodium glutamate、MSG)溶液は、所与の組成物についての旨味の相対強度を評価するための旨味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用することができる。経験のあるパネリストに、感覚特性を評価するための溶液、例えば、10~20mLの試料を提示することができる。パネリストは、約3~4mLの各溶液を自身の口に分配し、舌を動かすことによって溶液を分散させ、試験されている特定の感覚特性の値を記録する。複数の溶液がセッション中に試験される場合、パネリストは、試料間で口蓋を水で洗浄することができる。例えば、塩味、甘味、酸味、旨味などのラウンドテーブル評価は、0~9のスケールを割り当てることができ、例えば、0のスコアは、塩味がないことを示し、9のスコアは、極度の塩味を示す(0=検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)。同等のスケール及び方法論を、甘味、苦味、酸味、及び旨味の感覚特性に使用することができる。
【0073】
更なる例として、組成物の塩味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ、2、2.5、5、8.5、10、11、13、及び15の塩味強度値に対応する0.18%(重量)、0.2%(重量)、0.35%(重量)、0.5%(重量)、0.567%(重量)、0.6%(重量)、0.65%(重量)、及び0.7%(重量)塩化ナトリウム溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験されている試料/組成物に依存して、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、2、2.5、及び5の塩味強度値に対応する溶液のみを使用して)ことを認識するであろう。各試験組成物について、パネリストは、水で調製された液体組成物若しくは溶液については2~5mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かす/咀嚼することによって組成物を分散させ、前述の塩化ナトリウム溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の塩味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された塩味強度値が標準塩化ナトリウム溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準0.18%、0.2%、0.35%、0.5%、0.567%、0.6%、0.65%、及び0.7%塩化ナトリウム溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料の場合)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識するであろう。本明細書では、この試験を「標準化塩味強度試験」と称す。
【0074】
組成物の酸味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ、2、3、5、10、及び15の酸味強度値に対応する、0.035%(重量)、0.05%(重量)、0.07%(重量)、0.15%(重量)、及び0.2%(重量)クエン酸溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験されている試料/組成物に依存して、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、2及び7の酸味強度値に対応する溶液のみを使用して)ことを認識するであろう。各試験組成物について、パネリストは、液体組成物若しくは水で調製した溶液については約2~5 mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かす/咀嚼することによって組成物を分散させ、前述の標準クエン酸溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の酸味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された酸味強度値が標準クエン酸溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準0.035%、0.05%、0.07%、0.15%、及び0.2%クエン酸溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料の場合)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識するであろう。本明細書では、この試験を「標準化酸味強度試験」と称される。
【0075】
組成物の苦味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ、2、3、4、5、10、及び15の苦味強度値に対応する、0.0125%(重量)、0.01875%(重量)、0.025%(重量)、0.031%(重量)、0.07%(重量)及び0.12%(重量)カフェイン溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験されている試料/組成物に依存して、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、2、3、及び5の苦味強度値に対応する溶液のみを使用して)ことを認識するであろう。各試験組成物について、パネリストは、液体組成物若しくは水で調製した溶液については約2~5mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かす/咀嚼することによって組成物を分散させ、前述の標準カフェイン溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の苦味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された苦味強度値が標準カフェイン溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準0.0125%、0.01875%、0.025%、0.031%、0.07%、及び0.12%カフェイン溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料の場合)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識するであろう。本明細書では、この試験を「標準化苦味強度試験」と称する。
【0076】
組成物の甘味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ、2、5、8、10、及び15の甘味強度値に対応する、2%(重量)、5%(重量)、8%(重量)、10%(重量)、及び15%(重量)スクロース溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験されている試料/組成物に依存して、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、2、5、及び8の甘味強度値に対応する溶液のみを使用して)ことを認識するであろう。各試験組成物について、パネリストは、液体組成物若しくは水で調製した溶液については約2~5mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かす/咀嚼することによって組成物を分散させ、前述の標準カフェイン溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の甘味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された甘味強度値が標準スクロース溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準2%、5%、8%、10%、及び15%スクロース溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料の場合)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識するであろう。本明細書では、この試験を「標準化甘味強度試験」と称する。
【0077】
組成物の旨味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ、4及び6.5の旨味強度値に対応する0.75%(重量)及び0.125%(重量)グルタミン酸一ナトリウム(MSG)溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験されている試料/組成物に依存して、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、旨味強度が、4~6.5の旨味強度値のかなり外側であると予想される場合、追加の旨味溶液を添加する)ことを認識するであろう。各試験組成物について、パネリストは、液体組成物若しくは水で調製した溶液については約2~5mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かす/咀嚼することによって組成物を分散させ、前述の標準MSG溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の旨味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された旨味強度値が標準MSG溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準0.075%及び0.125%MSG溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料の場合)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識するであろう。本明細書では、この試験を「標準化旨味強度試験」と称する。
【0078】
対照試料は、典型的には、基準点として、又は比較目的で使用される。例えば、感覚改質剤の有効性を適格とするために、対照試料が使用され得る。対照試料は、本明細書に記載される組成物であるが、感覚改質剤が存在しない組成物などの組成物であり得る。感覚改質剤以外、対照試料は、他の点で同一であり、同相対濃度で同じ構成成分及び他の成分を含有するべきである。他の標準試料、例えば、上記で概説される感覚特性の強度を評価するために使用される標準試料が、感覚パネルで一般的に使用される。他の態様では、対照試料は、競合感覚改質剤などの異なる感覚改質剤を含有する改質対照試料であり得る。
【0079】
本開示は、経験のある又は訓練を受けたパネリストによる感覚試験に限定されない。例えば、訓練を受けていない及び経験のないパネリストを利用することが可能である。しかしながら、訓練を受けていない及び経験のないパネリストの場合、より多くのこれらのパネリストが、再現可能な結果を提供するために、通常必要であり、これは典型的には、選好又は全体的な好みなどの主観的特性に焦点を合わせる。同様に、訓練されていない及び経験のないパネリストは、2つの試料間の所与の感覚特性の相対的変化を評価するように求められ得る。例えば、特定の試料が、参照試料よりも多少塩辛い、多少甘い、多少苦いなどである場合。
【0080】
更なる感覚特性の例示された感覚アッセイ及び試験基準は、本開示に提供される実施例に記載される。ラウンドテーブル感覚パネル及び感覚試験に関する更なる説明は、国際公開第2019/071220号として2019年4月11日に公開された国際出願第PCT/US2018/054743号に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0081】
いくつかの態様では、植物タンパク質風味を減少させるのに有効な感覚改質剤の量は、感覚改質剤を欠く同等の組成物中の植物タンパク質風味強度と比較して、植物タンパク質風味強度スコアを少なくとも0.5、1、1.5、2、又は少なくとも2.5単位低減するのに有効な量であり得る。植物タンパク質風味強度スコアは、0~9のスケールを使用するラウンドテーブル方法論を使用して、植物タンパク質組成物を味見する訓練を受けた少なくとも3人のパネリストによって決定され、0のスコアは、植物タンパク質風味がないことを示し、9は、極度の植物タンパク質風味強度を示す(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)。いくつかの態様では、植物タンパク質風味は、少なくとも2単位、少なくとも3単位、又は少なくとも4単位低減され得る。いくつかの態様では、植物タンパク質風味強度は、豆様の、エンドウマメ、トウモロコシ様の、干し草、グリーンノート、イヌビエ、発酵、又はワキシー風味強度をアッセイすることによって評価されてもよく、それぞれ、豆様の、エンドウマメ、トウモロコシ様の、干し草、グリーンノート、イヌビエ、発酵、又はワキシー風味強度の減少は、植物タンパク質風味強度の減少を示す。同様の評価プロセスを使用して、本明細書に記載の乳製品組成物の他の感覚特性をスコア付けし得る。
【0082】
いくつかの態様では、植物タンパク質風味を減少させるのに有効な感覚改質剤の量は、感覚改質剤を欠く同等の組成物中の植物タンパク質風味強度と比較して、植物タンパク質風味強度スコアを少なくとも0.5、1、1.5、2、又は少なくとも2.5単位低減するのに有効な量であり得る。植物タンパク質風味強度スコアは、0~15のスケールを使用した試料の無作為化均衡連続順序評価時に、感覚評価において訓練された少なくとも7人のパネリストからの平均植物タンパク質風味強度スコアとして決定することができ、0のスコアは、植物タンパク質風味がないことを示し、15は、極度の植物タンパク質風味強度を示す。いくつかの態様では、植物タンパク質風味は、少なくとも2単位、少なくとも3単位、又は少なくとも4単位低減され得る。いくつかの態様では、植物タンパク質風味強度は、豆様の、エンドウマメ、トウモロコシ様の、干し草、グリーンノート、イヌビエ、発酵、又はワキシー風味強度をアッセイすることによって評価されてもよく、それぞれ、豆様の、エンドウマメ、トウモロコシ様の、干し草、グリーンノート、イヌビエ、発酵、又はワキシー風味強度の減少は、植物タンパク質風味強度の減少を示す。同様の評価プロセスを使用して、本明細書に記載の乳製品組成物の他の感覚特性をスコア付けし得る。
【0083】
いくつかの態様では、酸味を増加させるのに有効な感覚改質剤の量は、感覚試験を経験した少なくとも4人のパネリストによる標準化酸味強度試験によって測定される酸味強度値を少なくとも1単位増加するのに有効な量であり得る。他の態様では、酸味を増加させるのに有効な量は、同じ方式で測定される酸味強度値を、少なくとも1単位、2単位、3単位、4単位、5単位、又は6単位以上増加するのに有効な量を含む。他の態様では、酸味を増加させるのに有効な量は、同じ方式で測定される酸味強度値を2、3、4、5、6、又は7単位を超えて増加させるのに有効な量を含む。同様の試験を使用して、記載の乳製品代用組成物中の甘味、塩味、苦味、及び旨味を減少又は増加させるのに有効な感覚改質剤の量を評価することができる。
【0084】
乳製品代用組成物は、様々な量の感覚改質剤を有することができる。感覚改質剤は、特定の使用にとって所望される任意の量で乳製品代用組成物中に存在し得る。例えば、感覚改質剤は、乳製品代用組成物中に、0.001%(重量)~1.0%(重量)、0.001%(重量)~0.5%(重量)、0.005%(重量)~0.1%(重量)、0.005%(重量)~0.050%(重量)、又は0.005%(重量)~0.02%(重量)の総濃度で存在し得る。乳製品代用組成物は、乳製品代用組成物の少なくとも0.001重量%、0.002重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.02重量%、又は0.05重量%の濃度で感覚改質剤を含み得る。乳製品代用組成物は、1.0%(重量)、0.5%(重量)、0.25%(重量)、0.2%(重量)、0.1%(重量)、又は0.05%(重量)までの濃度で感覚改質剤を含み得る。
【0085】
本明細書に記載される様々な組成物中の個々の感覚改質剤種の量は、各々独立して変化し得る。例えば、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約1ppm~約1000ppmの濃度で乳製品代用組成物中に存在し得る。いくつかの態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約100ppm~約1000ppm、約200ppm~約1000ppm、300ppm~約1000ppm、400ppm~約1000ppm、500ppm~約1000ppm、600ppm~約1000ppm、700ppm~約1000ppm、800ppm~約1000ppm、900ppm~約1000ppmの濃度で乳製品代用組成物中に存在し得る。いくつかの態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000ppm以上の濃度で乳製品代用組成物中に存在し得る。いくつかの態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約100ppm~約800ppm、約200ppm~約800ppm、300ppm~約800ppm、400ppm~約800ppm、500ppm~約800ppm、600ppm~約800ppm、又は700ppm~約800ppmの濃度で出会った組成物中に存在し得る。いくつかの態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約400ppm~約800ppmの濃度で乳製品代用組成物中に存在し得る。
【0086】
感覚改質剤の植物源
様々な態様では、感覚改質剤は、植物源から単離され得る。様々な植物源は、感覚改質剤を含み、感覚改質剤は、これらの植物源から単離され得る。感覚改質剤が単離され得る植物源のいくつかの例としては、Eucommia ulmoides、ハニーサックル、Nicotiana benthamiana、アーティチョーク、グローブアーティチョーク、カルドン、Stevia rebaudiana、モンクフルーツ、コーヒー、コーヒー豆、生コーヒー豆、茶、白茶、黄茶、緑茶、ウーロン茶、黒茶、紅茶、発酵後茶、竹、ヘザー、ヒマワリ、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリー、グラウスベリー、ハイデルベリー、リンゴンベリー、カウベリー、ハックルベリー、ブドウ、チコリ、ムラサキバレンギク、エキナセア、イースタンペリトリーオブザウォール(Eastern pellitory-of-the-wall)、アップライトペリトリー(Upright pellitory)、リヒワート(Lichwort)、グレーターセランダイン(Greater celandine)、テッターワート(Tetterwort)、ニップルワート(Nipplewort)、スワローワート(Swallowwort)、赤根草、コモンネトル、スティンギングネトル、ジャガイモ、ジャガイモの葉、ナス(Eggplant)、ナス(Aubergine)、トマト、チェリートマト、ビターアップル、サンザシの実、サツマイモ、リンゴ、モモ、ネクタリン、チェリー、サワーチェリー、ワイルドチェリー、アプリコット、アーモンド、プラム、プルーン、セイヨウヒイラギ、イェルバマテ、マテ茶、グアユサ、ヤポンホーリー、苦丁茶、ガラナ、ココア、ココア豆、カカオ、カカオ豆、コラナッツ、コラノキ、コーラナッツ、コーラノキ、クサソテツ、イヌガンソク(Ostrich fern)、フィドルヘッドファーン(Fiddlehead fern)、シャトルコックファーン(Shuttlecock fern)、イヌガンソク(Oriental ostrich fern)、アジアゼンマイ、ゼンマイ、ブラッケン(Bracken)、ブレーキ(Brake)、コモンブラッケン(Common bracken)、イーグルファーン(Eagle fern)、イースタンブラッケンファーン(Eastern brakenfern)、クローブ、シナモン、インディアンベイリーフ、ナツメグ、ベイローレル、ベイリーフ、バジル、グレートバジル、セントジョセフワート、タイム、セージ、ガーデンセージ、コモンセージ、カリナリーセージ、ローズマリー、オレガノ、ワイルドマジョラム、マジョラム、スイートマジョラム、ノッテッドマジョラム、ポットマジョラム、ディル、アニス、スターアニス、フェンネル、フローレンスフェンネル、タラゴン、エストラゴン、オオヨモギ、リコリス(Licorice)、リコリス(Liquorice)、ダイズ、大豆(Soybean)、大豆(Soyabean)、大豆(Soya vean)、コムギ、普通コムギ、米、キャノーラ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、パクチョイ、ケール、コラードグリーン、芽キャベツ、コールラビ、ウィンターズバーク(Winter’s bark)、エルダーフラワー、アサペイシェ(Assa-Peixe)、グレイターバードック(Greater burdock)、ヴァレリアン、及びカモミールが挙げられる。
【0087】
いくつかの植物源は、カフェイン酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つ以上が濃縮されている感覚改質剤を生成し得る。例えば、イェルバマテ植物(Ilex paraguariensis)から単離された感覚改質剤は、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸が濃縮されている。他の態様では、ジカフェオイルキナ酸が濃縮されているイェルバマテ植物から単離された感覚改質剤は、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、又は50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上、又は90%以上の、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの1つ以上の組み合わせを含み得る。例えば、他の植物源から単離された感覚改質剤は、ジカフェオイルキナ酸が濃縮され得る。他の態様では、ジカフェオイルキナ酸が濃縮されている他の植物源から単離された感覚改質剤は、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、又は50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上、又は90%以上の、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの1つ以上の組み合わせを含み得る。
【0088】
感覚改質剤は、様々な方式で単離され得る。いくつかの好適なプロセスは、2019年4月4日に出願され、「Steviol Glycoside Solubility Enhancers」と題された米国出願第16/373,206号(米国特許出願公開第2019/0223481号として2019年7月25日に公開された)、2018年10月5日に出願され、「Steviol Glycoside Solubility Enhancers」と題された国際出願第PCT/US2018/054691号、2017年10月6日に出願され、「Steviol Glycoside Solubility Enhancers」と題された米国仮出願第62/569,279号、2019年4月4日に出願され、「Methods for Making Yerba Mate Composition」と題された米国出願第16/374,894号(米国特許出願公開第2019/0231834号として2019年8月1日に公開された)、2018年10月5日に出願され、「Methods for Making Yerba Mate Composition」と題された国際出願第PCT/US2018/054688号、2018年5月25日に出願され、「Methods for Making Yerba Mate Extract Composition」と題された米国仮出願第62/676,722号、及び2020年4月6日に出願され、「Stevia Processing」と題され、2020年10月15日に国際公開第2020/210161号として公開された国際出願第PCT/US2020/026885号に開示されている。例えば、感覚改質剤は、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの1つ以上を含む植物源から単離されてもよい。例えばイェルバマテバイオマス及びステビアバイオマスを使用して、感覚改質剤を調製することができる。1つの例示的なプロセスでは、感覚改質剤は、商業的に得られる粉砕イェルバマテバイオマスから調製される。簡潔に述べると、イェルバマテバイオマスを50%(v/v)エタノール/水に懸濁し、少なくとも1時間振盪し、得られた混合物を濾過して初期抽出物を得る。この初期抽出物を水で35%(v/v)エタノールに希釈し、再濾過する。次いで、再濾過した透過液を、35%(v/v)エタノール/水で平衡化されたAMBERLITE(登録商標)FPA 53樹脂カラムに適用し、カラム透過液を捨てる。カラムを35%(v/v)エタノール/水で洗浄し、カラム透過液を捨てる。次いで、カラムを、50%(v/v)エタノール/水中の10%(w/v)FCCグレードの塩化ナトリウムで溶出し、溶出液を保持する。窒素ガスを溶出液の表面上に室温で吹き込んでエタノールを除去し、その元の体積の1/3まで溶出液を減少させる。次いで、減少した体積の溶出液を0.2μmのポリエーテルスルホンフィルターを通して濾過し、次いで、3kDaの分子量カットオフ膜を通過させることによって脱色する。脱色された透過液を保持し、ナノ濾過膜を通過させることによって脱塩する。次いで、脱塩された透過物を凍結乾燥して、感覚改質剤を得る。このプロセスはまた、ステビアバイオマスから感覚改質剤を得るのに好適であり、他の植物源、例えば、上記のものから感覚改質剤を得るように適合され得る。
【0089】
いくつかの態様では、感覚改質剤は、2つ以上の植物源から単離された感覚改質剤のブレンドであり得る。
【0090】
いくつかの化合物は、水溶液又は乳製品代用組成物の風味又は香りに悪影響を及ぼし得る。植物抽出物から調製されたものなどの特定の感覚改質剤は、表2に示される化合物のうちの1つ以上、又はこれらの任意の組み合わせを、開示される好ましい含量レベルを超えて含まない。全ての好ましい含量レベルは、乾燥重量基準での重量パーセントとして記載される。ある特定の商業的に望ましい固体(乾燥)感覚改質剤は、好ましいレベルを超えた、表2に列挙される化合物のうちのいずれも含まない。酸であるこれらの列挙される化合物について、化合物は、酸形態及び/又はスラット(slat)形態で存在してもよい。
【0091】
【表2-1】
【0092】
【表2-2】
【0093】
いくつかの態様では、感覚改質剤は、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は約0.05%(重量)未満のクロロフィル、を含み得る。
【0094】
いくつかの態様では、記載される乳製品代用組成物は、ある特定のカットオフ重量%を超えるある特定の化合物を含まない。例えば、水溶液は、乳製品代用組成物に依存して、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は約0.05%(重量)未満のクロロフィルを含み得る。
【0095】
本発明は、例示として提供される以下の実施例を参照することによって、よりよく理解され得る。本発明は、本明細書に示される実施例に限定されない。
【実施例
【0096】
材料及び方法
試験された感覚改質剤は、イェルバマテから調製され、かつ65:35の比の塩画分対酸画分を有する、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸と塩との混合物であった。組成物の一部については、感覚改質剤をステビオールグリコシドと共噴霧乾燥した。表3は、様々な構成成分の含量及び供給元を列挙する。
【0097】
【表3】
【0098】
植物タンパク質アッセイ
様々な量の感覚改質剤を有する植物性タンパク質単離物溶液の感覚特性を特徴付けるために、アッセイを実施した。感覚試験の経験がある個人のパネルによって、組成物の感覚特性は試験された。経験のあるパネリストは、豆風味、干し草風味、口内乾燥、クリーミーさ、グリーンピース風味、苦味、オイルノート、トウモロコシ風味、デンプン質、イヌビエ風味、酸味、及び渋味などであるが、これらに限定されない感覚特性を評価した。感覚特性は、0が感覚特性強度なしを示し、9が極度の感覚特性強度を示す(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)0~9の尺度でスコア付けされた。いくつかの実施例では、ラウンドテーブル方法論を使用して、様々な風味特性を評価した。各組成物を試験するために、経験のあるパネリストは、2~4液量オンスの各溶液を自身の口に分配し、舌を動かすことによって溶液を分散させ、コンセンサス感覚特性スケール値を記録した。溶液を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができた。
【0099】
特定の方法論又はパネルが使用されたアッセイは、以下の個々の実施例において示される。
【0100】
実施例1-植物由来のチーズ代用品
植物由来のチーズを、表4に概説される成分を用いて調製した。植物由来のチーズを調製するために、水をブレンダに添加し、約110°F(43.3℃)まで加熱した。グアーガム及びカラギーナンを含むがレシチンを除く親水コロイドを、加熱した水に添加し、2~5分間撹拌した。次いで、タンパク質を添加し、更に2~3分間混合した。タンパク質の添加に続いて、デンプン、塩、クエン酸三ナトリウム、クエン酸、及び香味料を含むがレシチンを除く乾燥成分を(適用可能な場合)、混合を継続しながら添加した。別に、油を50℃まで加熱し、レシチンをそれに添加した。油とレシチンとの混合物を、水由来の混合物にゆっくり添加した。油と水との混合物を組み合わせたら、ブレンダの混合速度を増加させ、混合物を180°F(82.2℃)まで更に加熱し、その温度で約3分間保持した。最終加熱後、生成物をブラストフリーザ中の容器に5~10分間入れた。凍結後、植物由来のチーズ製品を4℃で保存する。感覚改質剤を、適用可能な場合、乾燥成分と共に添加した。
【0101】
【表4】
全ての値は重量%として提供される
【0102】
実施例2-植物由来のチーズの感覚評価
様々な量の感覚改質剤を有するチーズ代用組成物の感覚特性を特徴付けるために、アッセイを実施した。感覚試験の経験がある4人のパネルによって、組成物の感覚特性は試験された。経験のあるパネリストは、ラウンドテーブル方法論を使用して、植物タンパク質風味、咀嚼性、苦味、塩味、口内乾燥、及びクリーミーさを含むがこれらに限定されない感覚特性を評価した。各組成物を試験するために、経験のあるパネリストは、約7gの各組成物を自身の口に分配し、咀嚼し、舌を動かすことによって組成物を分散させ、試験されている特性の値又はコメントを記録した。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができた。感覚特性を、植物由来のチーズが調製された同じ日、6日後、及び1ヶ月後にアッセイした。感覚特性結果を表5に概説する。
【0103】
【表5】
【0104】
実施例3-植物性タンパク質チーズ試料の感覚評価
表6に記載の植物由来のチーズ試料の、塩味、酸味、旨味、乳酸風味、豆類風味、及び味見後の酸味を含む感覚特性を特徴付けるために、アッセイを行った。実施例1に概説した方法は、本明細書に記載の試料を調製するためにも使用された。アッセイは、植物由来のチーズの調製の3週間後に実施した。
【0105】
【表6】
全ての値は重量%として提供される
【0106】
全ての感覚特性を1~15のスケールでスコア付けし、1は強度なしを示し、15は強い強度を示す。アッセイの前に、9人の高度に訓練された経験のある外部味覚パネリストが、1~15のスケールを使用した、標準化試料(塩標準として塩化ナトリウム溶液、酸味標準としてクエン酸溶液、及び旨味標準としてMSG溶液)に対する訓練を受けた。試験した感覚特性の各々に使用した特性の同一性を表7に概説する。感覚特性アッセイのために、9人のパネリストに試料間に10分間の休憩を与え、休憩中にのみ濾過水及び塩味クラッカーを与えた。全ての試料を、無作為化された均衡のとれた連続順序で、一度に1つずつ評価した。パネリストに、アッセイのために約2.5インチの立方体の植物由来のチーズを与え、各植物由来のチーズ試料を二連で分析した。各試料についての各感覚特性を、パネリストによって個々にスコア付けし、スコアを、標準的な統計分析を使用して評価した。感覚特性アッセイ結果を図1及び表8に提供する。
【0107】
【表7】
【0108】
【表8】
異なる文字が続く平均値は、p≦0.05で互いに有意に異なる。
【0109】
0.02%の感覚改質剤を含む植物由来のチーズ試料3.2は、酸味、乳酸風味、及び30秒での酸味の後味について、感覚改質剤を含まない植物由来のチーズ試料3.1よりも有意に高いスコアを示した。
【0110】
実施例4-ダイズタンパク質単離物溶液の感覚評価
ダイズタンパク質単離物溶液の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを実施した。豆風味、干し草風味、口内乾燥、及びクリーミーさのスコアを、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用して4人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストは、上記の植物タンパク質アッセイ法を使用した。ダイズタンパク質単離物溶液は、ダイズタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、感覚改質剤を、ダイズタンパク質単離物と混合する前に水に添加した。試験したダイズタンパク質単離物溶液を表9に概説し、感覚特性結果を表10に概説する。
【0111】
【表9】
【0112】
【表10】
【0113】
実施例5-エンドウマメタンパク質単離物溶液の感覚評価
エンドウマメタンパク質単離物溶液の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを実施した。グリーンピース風味、苦味、及び油/クリーミースコアを、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用して3人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストは、上記の植物タンパク質アッセイ法を使用した。エンドウマメタンパク質単離物溶液は、エンドウタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、感覚改質剤を、エンドウマメタンパク質単離物と混合する前に水に添加した。試験したエンドウマメタンパク質単離物溶液を表11に概説し、感覚特性結果を表12に概説する。
【0114】
【表11】
【0115】
【表12】
【0116】
実施例6-トウモロコシタンパク質単離物溶液の感覚評価
トウモロコシタンパク質単離物溶液の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを実施した。トウモロコシ強度、デンプン質、及び口内乾燥スコアを、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用して6人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストは、上記の植物タンパク質アッセイ法を使用した。トウモロコシタンパク質単離物溶液は、トウモロコシタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、感覚改質剤を、トウモロコシタンパク質単離物と混合する前に水に添加した。試験したトウモロコシタンパク質単離物溶液を表13に概説し、感覚特性結果を表14に概説する。
【0117】
【表13】
【0118】
【表14】
【0119】
実施例7-ジャガイモタンパク質単離物溶液の感覚評価
ジャガイモタンパク質単離物溶液の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを実施した。イヌビエ風味、酸味、渋味、及び苦味のスコアを、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用して5人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストは、上記の植物タンパク質アッセイ法を使用した。ジャガイモタンパク質単離物溶液は、ジャガイモタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、感覚改質剤を、ジャガイモタンパク質単離物と混合する前に水に添加した。試験したジャガイモタンパク質単離物溶液を表15に概説し、感覚特性結果を表16に概説する。
【0120】
【表15】
【0121】
【表16】
【0122】
実施例8-アイスクリーム
様々な量の感覚改質剤を有する乳製品を含まないアイスクリームの感覚特性を特徴付けるために、アッセイを実施した。グリーンオート風味、乾草風味、及び口内乾燥は、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用して3人のパネルによって決定された。パネリストは、感覚試験を経験した。乳製品を含まないアイスクリームの組成物は表17における概説である。乳製品を含まないアイスクリーム試料は、水、アーモンドミルク、及び親水コロイドを含む水相を90~100°F(32.2~37.8℃)まで予熱することによって調製された。エンドウマメタンパク質を添加し、予熱した水相中で10~15分間水和させる。エンドウマメタンパク質の水和後、植物性グリセリン、液糖、レシチン濃縮物、及びソルビン酸カリウムを含む乾燥成分をブレンドし、組成物に添加する。ココナッツ油を溶融して組成物にする。次いで、組成物を2000psi(1500psi 1st/500psi 2nd)で均質化し、140°F(60℃)まで予熱し、185°F(85℃)で30秒間低温殺菌し、次いで40°F(4.4℃)まで冷却し、一晩熟成させる。冷却及び熟成後、組成物を32°F(0℃)以下で凍結する。感覚改質剤を含む試料については、感覚改質剤を、凍結前に適切な濃度で組成物に添加した。アイスクリーム組成物の感覚特性結果を表18に概説する。
【0123】
【表17】
全ての値は重量%として提供される
【0124】
【表18】
【0125】
実施例9-ココナッツヨーグルト
乳製品を含まないヨーグルト試料は、液体成分(ココナッツクリーム及び水)を150°F(約65.6℃)まで予熱し、次いで乾燥成分を添加し、混合することによって調製された。次いで、混合物を合計1000psi(500psi 1st/500psi 2nd)で均質化する。均質化の後、組成物を185°F(85℃)で30秒間低温殺菌し、次いで110°F(約43.3℃)まで冷却する。「DA YF-L02」培養物を添加し、4.60~4.65のpHまでインキュベートする。所望のpHに達したら、生成物を混合し、50°F(10℃)まで冷却し、4℃で保存する。感覚改質剤を含む、及び含まないココナッツヨーグルト組成物を表19及び20に概説する。
【0126】
【表19】
全ての値は重量%として提供される
【0127】
【表20】
全ての値は重量%として提供される
【0128】
実施例10-アーモンドヨーグルト
乳製品を含まないヨーグルト試料は、水を90~100°F(32.2~37.8℃)まで予熱し、乾燥成分を添加し、10分間混合することによって調製した。10分後、アーモンドクリームを添加し、更に5分間混合する。次いで、混合物を150°F(約65.6℃)まで加熱し、2000psi(1500psi 1st/500 psi 2nd)で均質化する。均質化した混合物を185°F(85℃)まで加熱し、5分間保持し、次いで105~108°F(40.5~42.2℃)まで冷却する。培養物を添加し、4.55~4.60のpHまでインキュベートする。必要であれば、50%クエン酸溶液を添加して、pHを4.45より上に上げてもよい。次いで、生成物を混合し、60~65°F(15.6~18.3℃)まで冷却し、次いで4℃で保存する。感覚修飾剤を含む、及び含まないアーモンドヨーグルト組成物を表21に概説する。
【0129】
【表21】
全ての値は重量%として提供される
【0130】
実施例11-アイスクリーム
様々な量の感覚改質剤、エンドウマメマスカ、及び/又はキャラメルエスプレッソ風味を有する乳製品を含まないアイスクリームの感覚特性を特徴付けるために、アッセイを実施した。エンドウマメタンパク質風味及び風味感覚特性を、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用して5人のパネルによって分析した。パネリストは、感覚試験を経験した。乳製品を含まないアイスクリームの組成物は、表22における概説である。乳製品を含まないアイスクリーム試料は、水、アーモンドミルク、及び親水コロイドを含む水相を90~100°F(32.2~37.8℃)まで予熱することによって調製された。エンドウマメタンパク質を添加し、予熱した水相中で10~15分間水和させる。エンドウマメタンパク質の水和後、植物性グリセリン、液糖、レシチン濃縮液、及びソルビン酸カリウムをブレンドし、組成物に添加する。ココナッツ油を溶融して組成物にする。次いで、組成物を2000psi(1500psi 1st/500psi 2nd)で均質化し、140°F(60℃)まで予熱し、185°F(85℃)で30秒間低温殺菌し、次いで40°F(4.4℃)まで冷却し、一晩熟成させる。冷却及び熟成後、組成物を32°F(0℃)以下で凍結する。試料11.2、11.3、11.4、及び11.5については、感覚改質剤、市販のエンドウマメ風味マスカ、及び/又はキャラメルエスプレッソ風味を、凍結前に適切な濃度で組成物に添加した。アイスクリーム組成物の感覚特性結果を表23に概説する。
【0131】
【表22】
全ての値は重量%として提供される
【0132】
【表23】
【0133】
実施例12-植物由来のタンパク質溶液の感覚評価
様々な植物源からの植物由来のタンパク質単離物の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを実施した。感覚特性強度スコアは、少なくとも6人のパネルによって決定された。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストが上記の植物タンパク質アッセイ法を使用し、個々の感覚特性強度スコアを平均して以下に報告した。植物由来のタンパク質溶液は、植物由来のタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、感覚改質剤を、植物由来のタンパク質単離物と混合する前に水に添加した。試験した植物由来のタンパク質単離物溶液を表24に概説する。
【0134】
【表24】
【0135】
植物由来のタンパク質溶液のほとんどは、それぞれ、5.58及び6.05のpHを有する米及びヒマワリタンパク質を除いて、中性に近いpHを有していた。感覚改質剤をヒヨコマメ及びジャガイモ溶液に添加した場合、溶液は暗灰色/緑色に見えた(図2A図2B、及び図2E)。しかしながら、感覚修飾剤を米及びヒマワリ溶液に添加した場合、色の変化は観察されなかった(図2C及び図2D)。感覚改質剤の添加は、pHに対して有意な効果を有さなかった(表24)。
【0136】
全ての試料について、全体的な香り及び粘度の感覚特性を評価した。全体的な香り及び粘度に加えて、パネリストは、各植物由来のタンパク質源について最も優勢であった4つの追加の感覚特性を集合的に選択し、感覚改質剤を用いて調製した試料と用いずに調製した試料との間で当該特性を比較した。各植物由来のタンパク質源についてアッセイした感覚特性のリストを以下の表25~29に示し、感覚特性定義を表30に提供する。表25に示すように、感覚改質剤を高粘度ヒヨコマメタンパク質溶液に添加した場合、ダイズ/豆腐及びどの感覚特性の強度も減少した。低粘度ヒヨコマメ溶液については、感覚改質剤の添加は、渋味の強度を減少させた(表26)。米タンパク質の溶液への感覚改質剤の添加は、プレイドウ(play dough)の強度を減少させた(表27)。表28に示されるように、穀物の外殻(hully)、厚紙、及び渋味の強度は、感覚改質剤を用いて調製されたヒマワリタンパク試料において減少した。ジャガイモタンパク質単離物溶液について、感覚改質剤の添加は、ジャガイモの皮のノートの強度を減少させた(表29)。
【0137】
【表25】
【0138】
【表26】
【0139】
【表27】
【0140】
【表28】
【0141】
【表29】
【0142】
【表30】
【0143】
実施例13-エンドウマメタンパク質溶液の感覚評価
様々なエンドウマメタンパク質単離物の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを実施した。エンドウマメタンパク質単離物は、標準等電沈殿抽出エンドウマメタンパク質、加水分解エンドウマメタンパク質、低ナトリウムエンドウマメタンパク質、及び酵素修飾エンドウマメタンパク質を含んでいた。感覚特性強度スコアは、少なくとも5人のパネルによって決定された。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストが上記の植物タンパク質アッセイ法を使用し、個々の感覚特性強度スコアを平均して以下に報告した。エンドウマメタンパク質溶液は、エンドウマメタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、感覚改質剤を、エンドウマメタンパク質単離物と混合する前に水に添加した。試験したエンドウマメタンパク質単離物溶液を表31に概説する。
【0144】
【表31】
【0145】
植物由来のタンパク質溶液のほとんどは、中性に近いpHを有していた。感覚改質剤の添加は、pHに対して有意な効果を有さなかった(表31)。感覚修飾剤をエンドウマメタンパク質単離物溶液に添加した場合、溶液は暗灰色/緑色に見えた(図3A図3D)。
【0146】
全ての試料について、苦味及び粘度の感覚特性を評価した。苦味及び粘度に加えて、パネリストは、各エンドウマメタンパク質単離物について最も優勢であった追加の感覚特性をまとめ、感覚改質剤を用いて調製した試料と用いずに調製した試料との間で当該特性を比較した。感覚特性定義を表33に提供する。各植物由来のタンパク質源についてアッセイした感覚特性のリストを表32に示す。
【0147】
表32に示すように、感覚改質剤を含んだ試料は、感覚改質剤を含まない同等のエンドウマメタンパク質単離物溶液と比較して、1つ以上の感覚特性の強度の低下を有した。例えば、感覚修飾剤を標準的なエンドウマメタンパク質単離物に添加した場合、試料は、苦味、エンドウマメ、及び草/緑の強度が減少した。加水分解エンドウマメタンパク質を用いて調製した試料において、感覚改質剤を含む試料は、感覚改質剤を含まない試料と比較して苦味強度が低下していた。酵素修飾エンドウマメタンパク質を用いて調製した試料について、感覚改質剤の添加は、エンドウマメ及び青物/草のような強度の低下を示した。最後に、低ナトリウム及び感覚改質剤を含む試料は、エンドウマメタンパク質単離物のみを含む試料と比較して、苦味、エンドウマメ、渋味、及び粉っぽさの強度が低下していた。
【0148】
【表32】
空白は、所与の試料について評価されなかった感覚特性を示す
【0149】
【表33】
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
【国際調査報告】