(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】タンパク質組成物のための感覚改質剤
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20240628BHJP
A23J 3/08 20060101ALI20240628BHJP
A23J 3/14 20060101ALI20240628BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20240628BHJP
A23L 29/00 20160101ALI20240628BHJP
A23L 2/66 20060101ALN20240628BHJP
A23L 2/00 20060101ALN20240628BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23J3/08
A23J3/14
A23L5/00 H
A23L5/00 M
A23L29/00
A23L2/00 J
A23L2/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576040
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022073011
(87)【国際公開番号】W WO2022266668
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397058666
【氏名又は名称】カーギル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】サランガパーニ、ラーマ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】シュメルツァー、ウェイド ノーラン
【テーマコード(参考)】
4B035
4B047
4B117
【Fターム(参考)】
4B035LC01
4B035LG07
4B035LG13
4B035LG15
4B035LG32
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4B117LL06
(57)【要約】
植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせ、及び感覚改質剤を有するタンパク質組成物であって、感覚改質剤を含まない同等のタンパク質組成物と比較して苦味及び/又は植物タンパク質風味が低減されている、組成物。感覚改質剤は、ジカフェオイルキナ酸又はその塩、並びにモノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びこれらの塩からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質組成物であって、
少なくとも2.0%(重量)の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせと、
感覚改質剤であって、
ジカフェオイルキナ酸又はその塩と、
モノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物と、を含む、感覚改質剤と、を含む、タンパク質組成物。
【請求項2】
前記感覚改質剤が、前記感覚改質剤の乾燥重量基準での重量パーセンテージとして、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は0.05%(重量)未満のクロロフィル、又は0.1%(重量)未満のフラン、フラン含有化学物質、テオブロミン、テオフィリン、若しくはトリゴネリンを含む、請求項1に記載のタンパク質組成物。
【請求項3】
前記感覚改質剤が、0%(重量)のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0%(重量)のクロロフィルを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記感覚改質剤が、前記組成物の少なくとも0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、又は少なくとも1.0重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ジカフェオイルキナ酸又はジカフェオイルキナ塩が、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記感覚改質剤中に存在するジカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ塩の全ての合計が、前記感覚改質剤の総重量の10%(重量)以上、15重量%以上、20%(重量)以上、25%(重量)以上、30%(重量)以上、35%(重量)以上、40%(重量)以上、45%(重量)以上、50%(重量)以上、60%(重量)以上、70%(重量)以上、25~75%(重量)、又は40~60%(重量)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記感覚改質剤が、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、及びこれらの塩からなる群から選択されるモノカフェオイルキナ構成成分を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記感覚改質剤が、モノカフェオイルキナ構成成分とジカフェオイルキナ構成成分とを含み、前記モノカフェオイルキナ構成成分及び前記ジカフェオイルキナ構成成分が一緒になって、50%(重量)超、好ましくは60%(重量)超、70%(重量)超、80%(重量)超、90%(重量)超、又は95%(重量)超の前記感覚改質剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、エンドウマメタンパク質、ダイズタンパク質、トウモロコシタンパク質、ジャガイモタンパク質、コムギタンパク質、豆類タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される植物由来タンパク質を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、カゼイン、乳清、加水分解乳清、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される動物性乳タンパク質を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、少なくとも50%(重量)の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせと、少なくとも0.1%(重量)の前記感覚改質剤とを含む乾燥タンパク質組成物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、50重量%~99.9重量%、55重量%~99.5重量%、60重量%~99重量%、又は70重量%~98重量%の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、約0.1%(重量)~約20.0%(重量)、約0.5%(重量)~約15.0%(重量)、又は約1.0%(重量)~約10.0%(重量)の前記感覚改質剤を含む、請求項11又は12に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、繊維、親水コロイド、レシチン、又はこれらの組み合わせを追加的に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
甘味料を追加的に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が植物由来タンパク質を含み、水に添加される場合、前記組成物の植物タンパク質風味強度が、前記感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の植物タンパク質風味強度と比較して低減される、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記植物タンパク質風味が、豆類、エンドウマメ、トウモロコシ、干し草、グリーンノート、バーンヤード、発酵、ワックス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される風味である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、水に添加される場合、得られる溶液の苦味強度値が、前記感覚改質剤を欠く同等の組成物を用いて調製される水溶液の苦味強度値と比較して少なくとも1単位低減され、苦味強度値が、標準化された苦味強度試験によって測定される、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物を含む、食品。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物を含む、飲料製品。
【請求項21】
請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物を水又は水溶液に添加することによって調製される、飲料。
【請求項22】
前記飲料が、0.001%(重量)~1.0%(重量)、0.001%(重量)~0.5%(重量)、0.005%(重量)~0.1%(重量)、0.005%(重量)~0.050%(重量)、又は0.005%(重量)~0.02%(重量)の前記感覚改質剤を含む、請求項21に記載の飲料。
【請求項23】
前記飲料が、少なくとも0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、0.75重量%、1.0重量%、1.5重量%、又は少なくとも2重量%の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせを含む、請求項20又は21のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項24】
前記組成物が、0.1重量%~20重量%、0.5重量%~18重量%、1重量%~15重量%、1.5重量%~14重量%、又は2重量%~13重量%の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせを含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項25】
タンパク質組成物中の植物タンパク質風味を減少させるための方法であって、
植物由来タンパク質を含むタンパク質組成物に、ジカフェオイルキナ酸又はその塩、並びにモノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む感覚改質剤とを添加して、修飾タンパク質組成物を作製することを含み、
水に添加される場合、前記修飾タンパク質組成物の植物タンパク質風味が、前記感覚改質剤を含まずに調製された同等のタンパク質組成物を用いて調製された水溶液中の植物タンパク質風味と比較して低減される、方法。
【請求項26】
前記植物タンパク質風味が、豆類、エンドウマメ、トウモロコシ、干し草、グリーンノート、バーンヤード、発酵、ワックス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される風味である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記感覚改質剤が、前記感覚改質剤の乾燥重量基準での重量パーセンテージとして、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は0.05%(重量)未満のクロロフィル、又は0.1%(重量)未満のフラン、フラン含有化学物質、テオブロミン、テオフィリン、若しくはトリゴネリンを含む、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記感覚改質剤が、0%(重量)のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0%(重量)のクロロフィルを含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記感覚改質剤が、前記修飾タンパク質組成物の少なくとも0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、又は少なくとも1.0重量%である、請求項25~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
前記ジカフェオイルキナ酸又はジカフェオイルキナ塩が、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記感覚改質剤中に存在するジカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ塩の全ての合計が、前記感覚改質剤の総重量の10%(重量)以上、15重量%以上、20%(重量)以上、25%(重量)以上、30%(重量)以上、35%(重量)以上、40%(重量)以上、45%(重量)以上、50%(重量)以上、60%(重量)以上、70%(重量)以上、25~75%(重量)、又は40~60%(重量)を含む、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記感覚改質剤が、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、及びこれらの塩からなる群から選択されるモノカフェオイルキナ構成成分を含む、請求項25~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記感覚改質剤が、モノカフェオイルキナ構成成分とジカフェオイルキナ構成成分とを含み、前記モノカフェオイルキナ構成成分及び前記ジカフェオイルキナ構成成分が一緒になって、50%(重量)超、好ましくは60%(重量)超、70%(重量)超、80%(重量)超、90%(重量)超、又は95%(重量)超の前記感覚改質剤を含む、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記植物由来タンパク質が、エンドウマメタンパク質、ダイズタンパク質、トウモロコシタンパク質、ジャガイモタンパク質、コムギタンパク質、豆類タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年6月18日に出願された米国特許仮出願第63/212,390号の利益を主張し、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
植物由来タンパク質組成物に対する需要は、様々な理由で増加している。多くの消費者は、動物タンパク質由来の対応物に最も類似して予め形成されるか、又は改善された感覚特徴を有する植物由来タンパク質を含有する食品を好む。例えば、乳タンパク質飲料に最も類似する植物由来タンパク質飲料が挙げられる。しかしながら、場合によっては、消費者は、不快であるか、又は動物由来タンパク質組成物とあまりにも似ていない植物由来タンパク質組成物を含有する食品の感覚的及び時間的味覚プロファイルの違いを識別することがある。これらの感覚特性は、これらの製品に対する消費者の選好を制限し、植物由来タンパク質組成物の用途を制限する可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、少なくとも2.0%(重量)の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせと、ジカフェオイルキナ酸又はその塩、並びにモノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む感覚改質剤と、を含有する組成物を提供する。
【0004】
感覚改質剤は、感覚改質剤の乾燥重量基準での重量パーセンテージとして、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は0.05%(重量)未満のクロロフィル、又は0.1%(重量)未満のフラン、フラン含有化学物質、テオブロミン、テオフィリン、若しくはトリゴネリンを含み得る。感覚改質剤は、0%(重量)のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0%(重量)のクロロフィルを含み得る。ジカフェオイルキナ酸又はジカフェオイルキナ塩は、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含んでもよい。いくつかの態様では、感覚改質剤中に存在するジカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ塩の全ての合計は、感覚改質剤の総重量の10%(重量)以上、15重量%以上、20%(重量)以上、25%(重量)以上、30%(重量)以上、35%(重量)以上、40%(重量)以上、45%(重量)以上、50%(重量)以上、60%(重量)以上、70%(重量)以上、25~75%(重量)、又は40~60%(重量)を含んでもよい。感覚改質剤は、クロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、及びこれらの塩からなる群から選択されるモノカフェオイルキナ構成成分を含んでもよい。感覚改質剤は、モノカフェオイルキナ構成成分とジカフェオイルキナ構成成分とを含んでもよく、モノカフェオイルキナ構成成分及びジカフェオイルキナ構成成分が一緒になって、50%(重量)超、好ましくは60%(重量)超、70%(重量)超、80%(重量)超、90%(重量)超、又は95%(重量)超の感覚改質剤を含む。感覚改質剤は、組成物の少なくとも0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、又は少なくとも1.0重量%であってもよい。
【0005】
組成物は、エンドウマメタンパク質、ダイズタンパク質、トウモロコシタンパク質、ジャガイモタンパク質、コムギタンパク質、豆類タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される植物由来タンパク質を含んでもよい。組成物は、カゼイン、乳清、加水分解乳清、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される動物性乳タンパク質を含んでもよい。
【0006】
組成物は、少なくとも50%(重量)の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせと、少なくとも0.05%(重量)の感覚改質剤とを含む乾燥タンパク質組成物であってもよい。乾燥タンパク質組成物は、50重量%~99.9重量%、55重量%~99.5重量%、60重量%~99重量%、又は70重量%~98重量%の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。組成物は、約0.05%(重量)~約20.0%(重量)、約0.1%(重量)~約15.0%(重量)、又は約1.0%(重量)~約10.0%(重量)の感覚改質剤を含んでもよい。組成物は、0.01%~5%(重量)、0.05%~1%(重量)、又は0.1%~0.5%(重量)の感覚改質剤を含んでもよい。
【0007】
組成物は、繊維、親水コロイド、レシチン、又はこれらの組み合わせを追加的に含むことができる。組成物は、甘味料を追加的に含むことができる。
【0008】
組成物が植物由来タンパク質を含み、水に添加される場合、組成物の植物タンパク質風味強度は、感覚改質剤を含まずに調製された同等の組成物中の植物タンパク質風味強度と比較して低減される。植物タンパク質風味は、豆類、エンドウマメ、トウモロコシ、干し草、グリーンノート、バーンヤード、発酵、ワックス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される風味であってもよい。組成物が水に添加される場合、得られる溶液の苦味強度値が、感覚改質剤を欠く同等の組成物を用いて調製される水溶液の苦味強度値と比較して少なくとも1単位低減され、苦味強度値は、標準化された苦味強度試験によって測定される。
【0009】
本開示はまた、本明細書に記載のタンパク質組成物を含む食品又は飲料製品を提供する。本開示はまた、本明細書に記載のタンパク質組成物を水又は水溶液に添加することによって調製される飲料を提供する。飲料は、0.001%(重量)~1.0%(重量)、0.001%(重量)~0.5%(重量)、0.005%(重量)~0.1%(重量)、0.005%(重量)~0.050%(重量)、又は0.005%(重量)~0.02%(重量)の感覚改質剤を含んでもよい。飲料は、少なくとも0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、0.75重量%、1.0重量%、1.5重量%、又は少なくとも2重量%の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。組成物は、0.1重量%~20重量%、0.5重量%~18重量%、1重量%~15重量%、1.5重量%~14重量%、又は2重量%~13重量%の植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0010】
本開示はまた、タンパク質組成物中の植物タンパク質風味を減少させるための方法であって、植物由来タンパク質を含むタンパク質組成物に、修飾タンパク質組成物を作製するための感覚改質剤を添加することを含み、感覚改質剤は、ジカフェオイルキナ酸又はその塩と、モノカフェオイルキナ酸、モノフェルロイルキナ酸、ジフェルロイルキナ酸、モノクマロイルキナ酸、ジクマロイルキナ酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含み、水に添加される場合、修飾タンパク質組成物の植物タンパク質風味は、感覚改質剤を含まずに調製された同等のタンパク質組成物を用いて調整される水溶液中の植物タンパク質風味と比較して低減される、方法を提供する。植物タンパク質風味は、豆類、エンドウマメ、トウモロコシ、干し草、グリーンノート、バーンヤード、発酵、ワックス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される風味であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本特許又は出願は、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を含む本特許又は特許出願公開のコピーは、請求及び必要な手数料の支払いに応じて特許庁によって提供される。
【0012】
図面は、一般に、限定の手段によらないが、例の手段によって、本明細書で考察される様々な態様を例示する。
【
図1A】実施例8に概説されるように調製された植物由来タンパク質溶液の写真を示す。
【
図1B】実施例8に概説されるように調製された植物由来タンパク質溶液の写真を示す。
【
図1C】実施例8に概説されるように調製された植物由来タンパク質溶液の写真を示す。
【
図1D】実施例8に概説されるように調製された植物由来タンパク質溶液の写真を示す。
【
図1E】実施例8に概説されるように調製された植物由来タンパク質溶液の写真を示す。
【
図2A】実施例9に概説されるように調製されたエンドウマメタンパク質単離物溶液の写真を示す。
【
図2B】実施例9に概説されるように調製されたエンドウマメタンパク質単離物溶液の写真を示す。
【
図2C】実施例9に概説されるように調製されたエンドウマメタンパク質単離物溶液の写真を示す。
【
図2D】実施例9に概説されるように調製されたエンドウマメタンパク質単離物溶液の写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、開示される主題のある特定の態様が詳細に参照され、その例は、添付の図面に部分的に例示される。開示される主題は、列挙される特許請求の範囲と共に説明されるが、例示される主題は、特許請求の範囲を開示される主題に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。
【0014】
本文書では、用語「a」、「an」、又は「the」は、文脈が別段明確に指示しない限り、1つ又は2つ以上のものを含むために使用される。用語「又は」は、別段示されない限り、非排他的な「又は」を指すために使用される。本文書で参照される全ての刊行物、特許、及び特許文献は、参照により個々に組み込まれているかのように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。この文書とこのように参照により組み込まれるそれらの文書との間で使用が一貫していない場合、組み込まれる参考文献における使用は、この文書のものを補足するものであると解釈されるべきである。相容れない矛盾の場合、この文書における使用を優先する。
【0015】
範囲形式で表される値は、範囲の限度として明示的に列挙された数値を含むだけでなく、各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も含むように、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約X~Y」という記述は、別段示されない限り、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、別段示されない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
【0016】
明示的な記載のない限り、ppm(parts per million、百万分率)は、パーセンテージ、及び比は、重量基準である。重量基準のパーセンテージは、以下で重量%又は%(重量)とも称される。
【0017】
本開示は、苦味の低減及び植物タンパク質風味の低減などの改善された感覚特性を有する、様々なタンパク質組成物に関する。本開示は、タンパク質組成物を用いて製造された飲料であって、低減された苦味及び/又は低減された植物タンパク質風味などの改善された感覚特性を有する飲料に更に関する。本開示はまた、概して、感覚改質剤及びその使用に関する。様々な態様では、感覚改質剤は、1つ以上のカフェオイル置換キナ酸及びその塩を含有する。本開示は、植物由来及び動物性乳タンパク質と関連する望ましくない特性を低減し、本明細書に記載される感覚改質剤を欠く同等のタンパク質組成物と比較して改善された組成物を提供する方法に更に関する。
【0018】
組成物
本開示は、非肉タンパク質(例えば、植物由来タンパク質又は動物性乳タンパク質)を含有する組成物、及び使用時にその感覚知覚を改質する役割を果たす様々な改善を提供する。
【0019】
本明細書で使用される場合、「非肉タンパク質」という用語は、植物、真菌、又は乳製品に由来するタンパク質を指し、インビボ脊椎動物組織に由来するタンパク質を除外する。例えば、非肉タンパク質としては、植物由来タンパク質、真菌由来タンパク質、動物性乳タンパク質(例えば、カゼイン及び乳清)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの態様では、タンパク質組成物は、動物の肉組織から単離又は由来する任意のタンパク質を除外する。
【0020】
本明細書で使用される場合、「植物由来タンパク質組成物」という用語は、植物由来タンパク質を含む組成物を指す。例えば、植物由来タンパク質は、エンドウマメタンパク質、ダイズタンパク質、トウモロコシタンパク質、ジャガイモタンパク質、コムギタンパク質、豆類タンパク質、ヒヨコマメタンパク質、キャノーラタンパク質、及びこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。植物由来タンパク質組成物は、テクスチャ加工植物由来タンパク質、粉末化植物由来タンパク質、植物由来タンパク質単離物、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの態様では、タンパク質組成物は、植物由来タンパク質を含んでもよく、動物性乳タンパク質を含まない。動物性乳タンパク質を含まない当該組成物は、「乳製品を含まない」組成物と呼ぶことができる。
【0021】
本明細書で使用される場合、「テクスチャ加工タンパク質」及び「テクスチャ加工植物由来タンパク質」は互換的に使用され、食用タンパク質源から加工され、繊維、細片、欠片、小片、顆粒、スライスなどとして現れる個々の単位が、水和及び調理又は消費用食品の製造において使用される他の手順に耐えるように、構造的完全性及び識別可能な構造を有することを特徴とする食用食物成分を指す。一般に、テクスチャ加工植物由来タンパク質は、テクスチャを増強し、組成物中の水に結合するために使用される。テクスチャ加工タンパク質が製造される食用タンパク質源としては、マメ科植物(例えば豆類)、エンドウマメ、大豆、トウモロコシ、小麦、ヒヨコマメ、ジャガイモ、キャノーラなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。テクスチャ加工タンパク質としては、テクスチャ加工エンドウマメタンパク質、テクスチャ加工ダイズ粉、テクスチャ加工ダイズ濃縮物、テクスチャ加工コムギタンパク質、テクスチャ加工ジャガイモタンパク質、又はこれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0022】
粉末化植物由来タンパク質及び植物由来タンパク質単離物は、一般に、食品成分として使用される植物由来タンパク質の可溶性形態である。植物由来タンパク質単離物又は粉末としては、エンドウマメタンパク質単離物、ダイズ粉、ダイズ単離物、ダイズ濃縮物、活性コムギグルテン、ジャガイモタンパク質、トウモロコシタンパク質単離物、又はこれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用される場合、「動物性乳タンパク質組成物」という用語は、動物乳由来のタンパク質、例えば、カゼイン及び乳清を含む組成物を指す。動物性乳タンパク質組成物は、カゼイン、乳清、加水分解乳清、加水分解カゼイン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0024】
タンパク質、好ましくは非肉タンパク質は、1つ以上の感覚改質剤と共に、乾燥固体組成物に配合することができる。例えば、固体組成物は、錠剤、カプセル、立方体、又は粉末の形態である。タンパク質組成物は、植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせを、本明細書に記載の感覚改質剤と共に含む、粉末、錠剤、カプセル、又は立方体の形態であってもよい。
【0025】
乾燥固体タンパク質組成物は、50重量%~99.9重量%、55重量%~99.5重量%、60重量%~99重量%、又は70重量%~98重量%の非食肉タンパク質を含んでもよい。乾燥固体タンパク質組成物は、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%の非肉タンパク質を含んでもよい。
【0026】
タンパク質、好ましくは非肉タンパク質は、1つ以上の感覚改質剤と共に、液体組成物に配合することができる。液体タンパク質組成物は、水、水溶液、又は非肉タンパク質及び感覚改質剤が溶解及び/又は懸濁される別の液体マトリックスを追加的に含むことができる。
【0027】
液体タンパク質組成物は、少なくとも0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、0.75重量%、1.0重量%、1.5重量%、又は少なくとも2重量%の非肉タンパク質を含んでもよい。液体タンパク質組成物は、0.1重量%~20重量%、0.5重量%~18重量%、1重量%~15重量%、1.5重量%~14重量%、又は2重量%~13重量%の非肉タンパク質を含んでもよい。
【0028】
本明細書に記載されるタンパク質組成物は、1つ以上の脂質組成物、例えば、脂肪、油、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。一般に、脂肪は室温で固体である脂質組成物を指し、一方、油は室温で液体である。脂質組成物は、飽和脂肪酸(「飽和脂肪」とも呼ばれる)、不飽和脂肪酸(「不飽和脂肪」とも呼ばれる)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。脂質組成物は、植物油、ココナッツ油、パーム油、ヒマワリ油、ダイズ油、キャノーラ油、又はこれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。当業者は、所与のタンパク質組成物についての適切な脂質組成物包含率を理解するであろう。
【0029】
タンパク質組成物はデンプンを含んでもよい。デンプンは、アルファ化デンプン、加工デンプン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。デンプンは、マルトデキストリン、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプンなどを含んでもよいが、これらに限定されない。乾燥固体タンパク質組成物は、少なくとも0.5%(重量)、1.0%(重量)、2%(重量)、又は少なくとも5%(重量)のデンプンを含んでもよい。
【0030】
タンパク質組成物は繊維を含んでもよい。繊維としては、植物繊維、ペクチン、アップル繊維、オオバコ、亜麻繊維、米ぬか抽出物、コンニャク粉などが挙げられ得るが、これらに限定されない。乾燥粉末タンパク質組成物は、0.01%(重量)~3%(重量)、0.05%(重量)~2%(重量)、又は0.1%(重量)~2%(重量)の繊維を含んでもよい。乾燥粉末タンパク質組成物は、最大0.5%(重量)、最大1%(重量)、最大1.5%(重量)、最大2%(重量)、最大2.5%(重量)、又は最大3%(重量)の量の繊維を含んでもよい。
【0031】
タンパク質組成物は親水コロイドを含んでもよい。例えば、タンパク質組成物は、グアーガム、キサンタンガム、イナゴマメガム、カラギーナン、セルロース、コンニャクガム、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。乾燥粉末タンパク質組成物は、0.01重量%~5重量%、0.05重量%~4.5重量%、0.1重量%~4.0重量%、又は0.5重量%~3.8重量%の親水コロイドを含んでもよい。乾燥粉末タンパク質組成物は、最大5重量%、最大4.5重量%、最大4.0重量%、最大3.8重量%、最大3.5重量%、最大2.5重量%、最大2.0重量%、又は最大1.0重量%の親水コロイドを含んでもよい。
【0032】
タンパク質組成物はレシチンを含んでもよい。例えば、タンパク質組成物は、ダイズレシチン、ヒマワリレシチン、これらの組み合わせ、及び/又は他の供給源に由来するレシチンを含んでもよい。乾燥粉末タンパク質組成物は、0.01重量%~10重量%、0.05重量%~8.0重量%、又は0.1重量%~5重量%のレシチンを含んでもよい。
【0033】
タンパク質組成物は保存料を含んでもよい。例えば、タンパク質組成物は、安息香酸塩、ソルベート(例えば、ソルビン酸カリウム)、プロピオン酸塩、亜硝酸塩、これらの組み合わせなどの保存料を含んでもよいが、これらに限定されない。タンパク質組成物は、タンパク質組成物の最大0.1重量%、最大0.5重量%、又は最大1.0重量%の量で保存料を含んでもよい。
【0034】
タンパク質組成物は、風味材料及び風味成分を含んでもよい。例えば、タンパク質は、天然又は人工の風味料及び/又は調味料を含んでもよい。風味材料及び風味成分としては、甘味料、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、ココア(例えば、ココア粉末)、チョコレート、シナモン、ナツメグ、ココナッツ、アーモンド、果物、野菜、これらの組み合わせなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。乾燥粉末タンパク質組成物は、0.1%~20%、0.5%~10%、1%~20%、又は2%~18%の甘味料を含んでもよい。タンパク質組成物は、いかなる甘味料も含まなくてもよい。乾燥粉末タンパク質組成物は、0.001%~3.0%、.01%~2.0%、又は.025%~1.75%の塩を含んでもよい。タンパク質組成物は、塩を含まなくてもよい。
【0035】
タンパク質組成物は、甘味料を追加的に含むことができる。好適な甘味料は、当技術分野において既知であり、記載されている。甘味料は、ノンカロリー甘味料又はカロリー甘味料のうちの少なくとも1つであり得る。甘味料は、任意の種類の甘味料、例えば、植物若しくは植物製品から得られた甘味料、又は植物から得られた物理的若しくは化学的に修飾された甘味料、又は合成甘味料であり得る。例示的な甘味料としては、ステビオールグリコシド、モグロサイド、スクロース、フルクトース、グルコース、エリトリトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン(例えば、a-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、及びγ-シクロデキストリン)、リブロース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノース又はイソマルツロース、エリトロース、デオキシリボース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、フクロース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、キシロオリゴ糖類(キシロトリオース、及びキシロビオースなど)、ゲンチオオリゴ糖類(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、及びゲンチオテトラオースなど)、ガラクトオリゴ糖類、ソルボース、ケトトリオース(デヒドロキシアセトン)、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)、ニゲロオリゴ糖類、フルクトオリゴ糖類(ケストース、及びニストースなど)、マルトテトラオース、マルトトリオース、四糖類、マンナンオリゴ糖類、マルトオリゴ糖類(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、及びマルトヘプタオースなど)、デキストリン類、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノース、リボース、スクラロース、アセスルファムK、アスパルテーム、サッカリン、カップリング糖類、ダイズオリゴ糖類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。適用可能な場合、D又はL構成を使用することができる。好適な甘味料及びそれらの態様もまた、国際公開第2019/071220号及び同第2019/071182号、並びに米国特許出願公開第2019/0223481号及び同第2019/0223483号に記載されており、これらは各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0036】
いくつかの態様では、タンパク質組成物は、ステビオールグリコシド甘味料を含むことができる。例示的なステビオールグリコシド甘味料は、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドD、レバウジオシドC、ステビオシド、ルブソシド、及びレバウジオシドAを含むことができる。いくつかの態様では、ステビオールグリコシドのうちの1つ以上は、ステビア(Stevia rebaudiana)から単離される。いくつかの態様では、ステビオールグリコシド構成成分のうちの1つ以上は、操作された微生物による発酵によって生成されるか、又は植物由来のステビオールから酵素的に生成され、更に単離される。例えば、レバウジオシドD及びMは、操作された生物によって生成され、次いで単離されて、主としてレバウジオシドD及びレバウジオシドMのステビオールグリコシド構成成分を、主なステビオールグリコシド種として生成することができる。いくつかの態様では、ステビオールグリコシドのうちの1つ以上は、酵素及び葉抽出物による生物変換によって生成される。
【0037】
レバウジオシドM、レバウジオシドD、又は両方は、ステビオールグリコシド甘味料中又は組成物中のステビオールグリコシド総量の約80%(重量)以上(例えば、RM80)、90%(重量)以上(例えば、RM90)、95%(重量)以上(例えば、RM95)、又は99%(重量)以上の総量で、ステビオールグリコシド甘味料中に存在し得る。レバウジオシドMは、ステビオールグリコシド甘味料中の主なステビオールグリコシドであり得、例えば、ステビオールグリコシド甘味料中又は組成物中のステビオールグリコシド総量の約50%~約95%、約70%~約90%、又は約75%~約85%の範囲の量で存在し得る。レバウジオシドDは、例えば、ステビオールグリコシド甘味料中又は組成物中のステビオールグリコシドの総量の約5%~約25%、約10%~約20%、又は約10%~約15%の範囲の量など、レバウジオシドMよりも少ない量であり得る。例えば、甘味料は、主にレバウジオシドM及び/又はDを含むことができ、ステビオールグリコシド組成物中のステビオールグリコシド総量の約5%(重量)以下、約2%(重量)以下、又は約1%(重量)以下の量のレバウジオシドA、レバウジオシドB、又はステビオシドのうちの1つ以上を含み得る。
【0038】
レバウジオシドAは、組成物中のステビオールグリコシド甘味料中のステビオールグリコシドの総量の約40%(重量)以上、50%(重量)以上(例えば、RA50)、60%(重量)以上(例えば、RA60)、80%(重量)以上(例えば、RA80)、95%(重量)以上(例えば、RA95)、又は99%(重量)以上の量でステビオールグリコシド甘味料中に存在することができる。
【0039】
タンパク質組成物は酸を含んでもよい。好適な酸としては、クエン酸、乳酸、ソルビン酸、リンゴ酸、これらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。タンパク質組成物は、タンパク質組成物の最大0.001%、最大0.005%、最大0.01%、最大0.1%、最大1.0%、最大1.5%、又は最大2.0%の量で酸を含んでもよい。タンパク質組成物は、0.0001重量%~2.0重量%、.0002重量%~1.5重量%、0.0003重量%~1.0重量%の酸を含んでもよい。
【0040】
いくつかの態様では、タンパク質組成物は、炭水化物、ポリオール類、アミノ酸及びそれらの対応する塩類、ポリアミノ酸及びそれらの対応する塩類、糖酸類及びそれらの対応する塩類、ヌクレオチド類、有機酸類、無機酸類、有機酸塩類及び有機塩基塩類を含む有機塩類、無機塩類、苦味化合物、収れん化合物、タンパク質又はタンパク質加水分解物、界面活性剤、乳化剤、増量剤、ガム類、酸化防止剤、着色剤、フラボノイド類、アルコール類、ポリマー類、並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない添加剤を含有する。このような成分の例及びそれらの態様は、国際公開第2019/071220号及び同第2019/071182号、並びに米国特許出願公開第2019/0223481号及び同第2019/0223483号であり、これらは各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0041】
植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせと感覚改質剤とを含むタンパク質組成物はまた、実際の又は知覚される健康上の利益を組成物にもたらす1つ以上の機能性成分を含有することができる。機能性材料としては、サポニン類、酸化防止剤、食物繊維源、脂肪酸類、ビタミン類、グルコサミン、ミネラル類、保存料、水和剤、鎮痛薬、プロバイオティクス、プレバイオティクス、体重管理剤、骨粗しょう症管理剤、植物エストロゲン類、長鎖一級脂肪族飽和アルコール類、フィトステロール類、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。機能性成分の例及びそれらの態様は、国際公開第2019/071220号及び同第2019/071182号、並びに米国特許出願公開第2019/0223481号及び同第2019/0223483号に記載されており、これらは各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0042】
タンパク質組成物は、1つ以上のバルク剤を更に含むことができる。好適な「バルク剤」としては、マルトデキストリン(10DE、18DE、又は5DE)、コーンシロップ固体(20又は36DE)、スクロース、フルクトース、グルコース、転化糖、ソルビトール、キシロース、リブロース、マンノース、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、エリトリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、マルトース、タガトース、ラクトース、イヌリン、グリセロール、プロピレングリコール、ポリオール、ポリデキストロース、フルクトオリゴ糖、セルロース、及びセルロース誘導体等、並びにそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。加えて、更に他の態様によると、顕著にカロリーを付加せずに良好な含有物均一性を提供することにより、グラニュー糖(スクロース)、又は結晶フルクトース、他の炭水化物、若しくは糖アルコール等の他のカロリー甘味料をバルク剤として使用することができる。
【0043】
タンパク質組成物は、結合剤を更に含むことができる。好適な「結合剤」としては、ステアリン酸マグネシウム、デキストロース、ソルビトール、キシリトール、ラクトース、ポリビニルピロリドン(PVP)、マンニトール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオール(例えば、糖アルコール)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
1つ以上の感覚改質剤と共に非肉タンパク質(例えば、植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせ)を含む本明細書に記載のタンパク質組成物は、任意の既知の食材、又はヒト若しくは動物の口腔による消化及び/若しくは接触が意図とされている他の組成物、例えば、医薬組成物、食用ゲル混合物及び組成物、歯科用及び口腔衛生用組成物、食品(例えば、糖菓、調味料、チューインガム、シリアル組成物、オーブン調理された食品、オーブン調理用の食品、料理用アジュバント、乳製品、及び卓上甘味料組成物)、並びに飲料製品(例えば、飲料、飲料混合物、飲料濃縮物など)に組み込まれるか、あるいはそれらを調製するために使用することができる。このような組成物の例及びそれらの態様は、国際公開第2019/071220号及び同第2019/071182号、並びに米国特許出願公開第2019/0223481号及び同第2019/0223483号に記載されており、これらは各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0045】
医薬組成物は、薬学的に活性な物質と、薬学的に許容される担体又は賦形剤材料とを含む。歯科用組成物は、口腔の少なくとも一部分の審美性又は健康を改善する活性歯科用物質と、ビヒクルとして使用される不活性物質であるベース材料とを含む。
【0046】
タンパク質組成物は、飲料製品であってもよいか、又は飲料製品を調製するために使用することができる。本明細書で使用される場合、「飲料製品」としては、インスタント飲料、飲料濃縮物、飲料シロップ、冷凍飲料、又は粉末飲料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なレディ・トゥ・ドリンク飲料としては、炭酸飲料及び非炭酸飲料が挙げられる。炭酸飲料としては、高発泡性清涼飲料、コーラ、レモンライム風味の発泡性清涼飲料、オレンジ風味の発泡性清涼飲料、ブドウ風味の発泡性清涼飲料、イチゴ風味の発泡性清涼飲料、パイナップル風味の発泡性清涼飲料、ジンジャーエール、ソフトドリンク、及びルートビアが挙げられるがこれらに限定されない。非炭酸飲料としては、果汁、フルーツフレーバーのジュース、ジュース飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜フレーバーのジュース、スポーツドリンク、エナジードリンク、成分を強化した水飲料(enhanced water drinks)、ビタミンで強化した水飲料、ほとんど水の飲料(例えば、水に天然風味材料又は合成風味材料を加えたもの)、ココナッツs水、お茶タイプの飲料(例えば、黒茶、緑茶、紅茶、ウーロン茶)、コーヒー、ココア飲料、乳成分を含有している飲料(例えば、乳飲料、乳成分を含有しているコーヒー、カフェラテ、ミルクティー、果汁乳飲料)、穀類抽出物を含有している飲料、スムージー及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。冷凍飲料の例には、アイシー、冷凍カクテル、ダイキリ、ピナコラダ、マルガリータ、ミルクシェイク、冷凍コーヒー、冷凍レモネード、グラニタ、及びスラッシーが含まれるが、これらに限定されない。飲料濃縮物及び飲料シロップは、初期体積の液体マトリックス(例えば、水)及び所望の飲料成分で調製され得る。以降、更なる体積の水を添加することによって最終濃度の飲料を調製する。粉末飲料は、液体マトリックスの不在下で飲料原料の全てを乾式混合することによって調製される。次いで、全強度の飲料は、全体積の水を添加することによって、調製される。
【0047】
いくつかの態様では、本明細書で提供されるタンパク質飲料を調製する方法は、本明細書に記載のタンパク質組成物を液体マトリックス(例えば、水溶液)に添加することを含む。本方法は、液体マトリックスに添加する前に、飲料又はタンパク質組成物に1つ以上の甘味料、添加剤及び/又は機能性成分を添加することを更に含むことができる。更に別の態様では、飲料を調製する方法は、液体マトリックスと、非食肉タンパク質(例えば、植物由来タンパク質、動物性乳タンパク質、又はこれらの組み合わせ)及び感覚改質剤を含むタンパク質組成物とを組み合わせることを含み、タンパク質組成物は、甘味料、ビタミン、ミネラル、電解液、及び鎮痛薬のうちの1つ以上を任意に含む。
【0048】
別の態様では、飲料は、ステビオールグリコシドを含有する乾燥固体タンパク質組成物を使用して調製され、ステビオールグリコシドは、乾燥固体植物由来タンパク質組成物中に存在し、これによって、そこから調製される飲料は、約1ppm~約10,000ppm、例えば、約25ppm~約800ppmの範囲にわたる量でステビオールグリコシドを含有する。別の態様では、ステビオールグリコシドは、乾燥固体発泡性組成物中に存在し、これによって、そこから調製される飲料は、約100ppm~約600ppmの範囲にわたる量でステビオールグリコシドを含む。更に他の態様では、ステビオールグリコシドは、乾燥固体発泡性組成物中に存在し、これによって、そこから調製される飲料は、約100~約200ppm、約100ppm~約300ppm、約100ppm~約400ppm、又は約100ppm~約500ppmの範囲にわたる量でステビオールグリコシドを含む。更に別の態様では、ステビオールグリコシドは、乾燥固体発泡性組成物中に存在し、これによって、そこから調製される飲料は、例えば、約400ppm~約600ppmなどの約300~約700ppmの範囲にわたる量でステビオールグリコシドを含む。特定の態様では、ステビオールグリコシドは、乾燥固体発泡性組成物中に存在し、これによって、そこから調製される飲料は、約500ppmの量のステビオールグリコシドを含む。
【0049】
感覚改質剤
感覚改質剤は、特定の量で、消耗品、例えば、飲料、食品などの感覚特徴又は感覚特性を変化させる化合物又は組成物である。感覚改質剤が変化させ得る感覚特徴の非限定的な例としては、苦味、酸味、しびれ、渋味、クリーミーさ、金属性、甘味の後引き、乾燥、甘味、デンプン味、口当たり、甘味の時間的側面、塩味の時間的側面、苦味の時間的側面、又は本明細書に記載の任意の感覚特徴の時間的側面、並びにリコリス、バニラ、プルーン、綿菓子、乳の味、旨味、及び糖蜜風味の感じなどの風味の感じが挙げられる。感覚改質剤は、クリーミーさを増強するなど、感覚特徴を増強し得るか、苦味を低減するか又は植物タンパク質風味を低減するなど、感覚特徴を抑制し得るか、又は、例えば、植物タンパク質風味の開始を遅延させること、苦味の残存を減少させること、又はこれらの組み合わせによって、感覚特徴の時間的側面を変化させ得る。いくつかの態様では、植物由来タンパク質及び1つ以上の感覚改質剤を有するタンパク質組成物において用いられる量は、少なくとも1つの感覚特徴を変化させ、例えば、この組み合わせは、感覚改質剤を有しないタンパク質組成物と比較して、低減された苦味又は低減された植物タンパク質の風味を有し得、組成物において得られる感覚特徴は、予想よりも良好である。
【0050】
本開示は、1つ以上のカフェオイル置換キナ酸と、その塩とを含む感覚改質剤を提供する。様々な態様では、カフェオイル置換キナ酸は、カフェ酸のカルボン酸及びキナ酸のアルコールから得られるエステルを含む。「カフェオイル置換キナ酸」又は「カフェオイルキナ酸」は、それらの用語が本明細書で使用される場合、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸並びにそれらの塩を含む。モノカフェオイルキナ酸は、単一のカフェイン酸、及びキナ酸(例えば、クロロゲン酸(5-O-カフェオイルキナ酸)、ネオクロロゲン酸(3-O-カフェオイルキナ酸)、及びクリプトクロロゲン酸(4-O-カフェオイルキナ酸))から得られるエステルを含む。ジカフェオイルキナ酸は、2つのカフェイン酸、及びキナ酸(例えば、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸)から得られるエステルを含む。したがって、感覚改質剤は、カフェオイル置換キナ酸の酸形態及び塩形態の両方を含む。様々なカフェオイル置換キナ酸の遊離酸形態が表1に示される。
【0051】
【0052】
様々な態様では、感覚改質剤は、キナ酸、カフェイン酸、フェルラ酸、シナピン酸、p-クマル酸、キナ酸のエステル、カフェイン酸のエステル、フェルラ酸のエステル、シナピン酸のエステル、p-クマル酸のエステル、カフェイン酸及びキナ酸のエステル、単一のカフェイン酸部分を含むカフェ酸及びキナ酸のエステル、2つ以上のカフェイン酸部分を含むカフェイン酸及びキナ酸のエステル、フェルラ酸及びキナ酸のエステル、単一のフェルラ酸部分を含むフェルラ酸及びキナ酸のエステル、2つ以上のフェルラ酸部分を含むフェルラ酸及びキナ酸のエステル、シナピン酸及びキナ酸のエステル、単一のシナピン酸部分を含むシナピン酸及びキナ酸のエステル、2つ以上のシナピン酸部分を含むシナピン酸及びキナ酸のエステル、p-クマル酸及びキナ酸のエステル、単一のp-クマル酸部分を含むp-クマル酸及びキナ酸のエステル、2つ以上のp-クマル酸部分を含むp-クマル酸及びキナ酸のエステル、1つのカフェイン酸部分及び1つのフェルラ酸部分を含有するキナ酸のジ-エステル、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸のカフェイン酸エステル、酒石酸のカフェイン酸エステル、2つ以上のカフェイン酸部分を含有する酒石酸のカフェイン酸エステル、並びに/又はそれらの異性体、及び対応する塩のうちの1つ以上を更に含む。
【0053】
いくつかの態様では、感覚改質剤は、クロロゲン酸(5-O-カフェオイルキナ酸)、ネオクロロゲン酸(3-O-カフェオイルキナ酸)、クリプトクロロゲン酸(4-O-カフェオイルキナ酸)、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、3-O-フェルロイルキナ酸、4-O-フェルロイルキナ酸、5-O-フェルロイルキナ酸、1,3-ジフェルロイルキナ酸、1,4-ジフェルロイルキナ酸、1,5-ジフェルロイルキナ酸、3,4-ジフェルロイルキナ酸、3,5-ジフェルロイルキナ酸、4,5-ジフェルロイルキナ酸、ロスマリン酸、カフタル酸(モノカフェオイル酒石酸)、チコリ酸(cichoric acid)(ジカフェオイル酒石酸)及び塩、並びに/又はそれらの異性体、及び対応する塩のうちの1つ以上を含む。
【0054】
いくつかの態様では、感覚改質剤は、クロロゲン酸(5-O-カフェオイルキナ酸)、ネオクロロゲン酸(3-O-カフェオイルキナ酸)、クリプトクロロゲン酸(4-O-カフェオイルキナ酸)、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの任意の組み合わせ、それらの異性体、及び対応する塩からなるリストから選択される1つ以上の化合物から本質的になる。様々な態様では、カフェオイル部分の1つ以上のアルコールは、水素で置換されるか、又はC1-C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルなど)、C1-C10アルケニル、C6-C10アリール、C2-C10アシル、アクリレート、カフェオイル、o-クマロイル、p-クマロイル、m-クマロイル、シンナモイル、4-ヒドロキシシンナモイル、フェルロイル、イソ-フェルロイル、シナポイル、ガロイル、サルフェート、ホスフェート、若しくはホスホネートで置換される。したがって、修飾及び置換されたカフェイン酸部分は、ケイ皮酸、o-クマロイル、p-クマリン酸、m-クマリン酸、フェルラ酸、並びにそれらのアシル及びエステル形態をもたらす。様々な態様では、キナ酸部分の1つ以上のアルコールは、C1-C10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピルなど)、C1-C10アルケニル、C6-C10アリール、C2-C10アシル、アクリレート、カフェオイル、o-クマロイル、p-クマロイル、m-クマロイル、シンナモイル、4-ヒドロキシシンナモイル、フェルロイル、イソ-フェルロイル、シナポイル、ガロイル、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートで置換される。
【0055】
感覚改質剤は、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸のカフェイン酸エステル、酒石酸のカフェイン酸エステル、キナ酸のフェルラ酸エステル、又はカフェオイルキナ酸以外のキナ酸の任意の他の任意選択的に置換されたシンナモイルエステルのうちの1つ以上を含み得る。キナ酸のフェルラ酸エステルの例としては、3-O-フェルロイルキナ酸、4-O-フェルロイルキナ酸、5-O-フェルロイルキナ酸、1,3-ジフェルロイルキナ酸、1,4-ジフェルロイルキナ酸、1,5-ジフェルロイルキナ酸、3,4-ジフェルロイルキナ酸、3,5-ジフェルロイルキナ酸、4,5-ジフェルロイルキナ酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸のカフェイン酸エステルの一例は、ロスマリン酸である。酒石酸のカフェイン酸エステルの例としては、チコリ酸(ジカフェオイル酒石酸)及びカフタル酸(モノカフェオイル酒石酸)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
代替の態様では、感覚改質剤は、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸のカフェイン酸エステル、酒石酸のカフェイン酸エステル、キナ酸のフェルラ酸エステル、又はカフェオイルキナ酸以外のキナ酸の任意の他の任意選択的に置換されたシンナモイルエステルのうちの1つ以上からなる混合物である。このような感覚改質剤はまた、塩画分及び酸画分を有するようにその塩も含む。したがって、カフェオイルキナ酸及び他の感覚改質剤に関連する、本明細書に記載される様々な態様の各々が、この代替手段に等しく適用可能であり得ることが更に想定される。
【0057】
コーヒー酸は、以下の構造を有する:
【0058】
【0059】
キナ酸は、以下の構造を有する:
【0060】
【0061】
上記に提供される構造は、D-(-)-キナ酸であり、示される数字は、現行のIUPAC番号付けに対応する。
【0062】
様々な態様では、感覚改質剤は、カフェイン酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つ以上が濃縮され得る。用語「濃縮された」は、感覚改質剤中に存在する1つ以上の他の化合物と比較して、カフェイン酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つの量の増加を指す。カフェイン酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つ以上が濃縮されている感覚改質剤は、塩組成物の感覚特性を改質することができる。
【0063】
1つ以上のジカフェオイルキナ酸が濃縮された感覚改質剤は、塩組成物の感覚特性を改質することができる。ジカフェオイルキナ酸が濃縮されている感覚改質剤は、感覚改質剤の総重量のパーセンテージとして、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上、又は90%以上のジカフェオイルキナ酸を含み得る。
【0064】
様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、モノカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、クロロゲン酸(5-O-カフェオイルキナ酸)及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、ネオクロロゲン酸(3-O-カフェオイルキナ酸)及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、クリプトクロロゲン酸(4-O-カフェオイルキナ酸)及びその塩であり得る。
【0065】
様々な更なる態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、1,3-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、1,4-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、1,5-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、3,4-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、3,5-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。様々な態様では、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、又は少なくとも若しくは約50重量%は、4,5-ジカフェオイルキナ酸及びその塩であり得る。
【0066】
感覚改質剤は、例えば、20:1~1:20、例えば、3:1~1:20のモノカフェオイルキナ酸及び塩全体のジカフェオイルキナ酸及び塩全体に対する重量比を有することができる。様々な態様では、感覚改質剤は、15:1~1:15、10:1~1:10、5:1~1:5、3:1~1:3、2:1~1:2、1.5:1~1:1.5、5:1~1:1、3:1~1:1、2:1~1:1、1.5:1~1:1.1、1:1~1:20、1:1~1:15、1:1~1:10、1:5~1:20、1:5~1:15、1:5~1:10、1:2~1:20、1:2~1:15、1:2~1:10、1:2~1:5、1:1~1:3、1:1~1:2、又は1:1~1:1.5のモノカフェオイルキナ酸及びその塩:。ジカフェオイルキナ酸及びその塩を有する。いくつかの態様では、感覚改質剤は、モノカフェオイルキナ酸及びモノカフェオイルキナ酸の塩の量と比較して、重量でより大量のジカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸の塩を有する。様々な態様では、感覚改質剤は、約1:1のモノカフェオイルキナ酸:ジカフェオイルキナ酸(それらの塩を含む)の比を有する。
【0067】
本明細書に提供される感覚改質剤は、塩形態である部分(「塩画分」に対応する)、及び酸形態である部分(「酸画分」に対応する)を含有し得る。様々な態様では、塩画分は、感覚改質剤全体の少なくとも50重量%を占める。様々な態様では、感覚改質剤は、塩画分及び酸画分を含み、塩画分は、モノカフェオイルキナ酸の塩及びジカフェオイルキナ酸の塩のうちの1つ以上を含み、酸画分は、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つ以上を含み、塩画分は、感覚改質剤全体の少なくとも50重量%を含む。
【0068】
例えば、塩画分は、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、又は少なくとも若しくは約90重量%を含む。更なる態様では、塩画分は、感覚改質剤全体の約60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%(若しくはそれら未満)、又は約90重量%(若しくはそれ未満)を含む。なお更なる態様では、塩画分は、感覚改質剤全体の50重量%~90重量%、50重量%~80重量%、50重量%~75重量%、60重量%~90重量%、60重量%~80重量%、65重量%~80重量%、又は65重量%~75重量%を含む。別段の定めがない限り、塩画分の重量%は、平衡カチオン種を含めて計算されるべきである。
【0069】
更なる例では、塩画分は、感覚改質剤全体の少なくとも若しくは約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、又は少なくとも若しくは約45重量%を含む。更なる態様では、酸画分は、感覚改質剤全体の約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%(若しくはそれら未満)、又は約50重量%未満を含む。なお更なる態様では、酸画分は、感覚改質剤全体の5重量%~50重量%、10重量%~50重量%、15重量%~50重量%、20重量%~50重量%、5重量%~40重量%、10重量%~40重量%、15重量%~40重量%、20重量%~40重量%、5重量%~35重量%、10重量%~35重量%、15重量%~35重量%、20重量%~35重量%、5重量%~30重量%、10重量%~30重量%、15重量%~30重量%、20重量%~30重量%、5重量%~20重量%、10重量%~20重量%、15重量%~20重量%、5重量%~15重量%、10重量%~15重量%、又は5重量%~10重量%を含む。
【0070】
様々な態様では、例えば、水溶液中では、感覚改質剤全体の塩形態は、酸形態と平衡状態で存在する。例えば、特定の塩形態分子は、プロトン化され、したがって酸形態に変換され得、酸形態分子は、脱プロトン化されて塩形態をもたらすことができる。平衡に近づいた又は平衡を達成した後、このような相互作用は、感覚改質剤全体の所与の形態又は画分の全体的な重量%を実質的に変化させない。例えば、感覚改質剤全体の50重量%以上の塩画分を有する組成物は、様々な化合物がある画分から別の画分に交換し得るとしても、塩及び酸画分の同じ割合を維持することができる。
【0071】
塩形態と酸形態との間の平衡が、組成物への構成成分の添加に応答してシフトし得る場合もある。例えば、緩衝液、塩、酸、又は塩基の添加は、平衡をシフトさせて塩画分又は酸画分を選ぶことができ、したがって組成物の重量%を変化させることができる。
【0072】
様々な他の態様では、例えば、固体組成物において、塩形態及び酸形態は、固体状態であり得、塩形態と酸形態との間の割合は動かない。様々な態様では、顆粒状の塩組成物などの固体組成物中の塩画分対酸画分の比は、固体組成物が添加される得られる溶液の比とは異なり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの態様では、固体状態の塩組成物は、溶解するか又は崩壊すると、少なくとも50重量%が塩形態である感覚改質剤を有する溶液をもたらす。
【0073】
感覚改質剤の有効量
本開示の組成物は、水又は水溶液に添加されたときに植物タンパク質風味を低減し、及び/又は苦味を低減するのに有効な量で、感覚改質剤を含む。
【0074】
本明細書で使用される場合、「植物タンパク質風味」は、植物由来タンパク質が食品及び飲料製品中の成分として使用される場合に、当該植物由来タンパク質に関連し、かつそれから予想される特徴的な風味を指す。例えば、植物タンパク質風味としては、通常植物由来タンパク質から見出され、予想される、豆類、エンドウマメ、トウモロコシ、干し草、グリーンノート、バーンヤード、発酵、ワックス、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一般に、特定の特徴的な植物タンパク質風味は、特定の植物由来タンパク質源に起因し得る。例えば、エンドウマメタンパク質は、グリーンノート、エンドウマメ風味、及び干し草風味と関連してもよく、ダイズタンパク質は豆類風味及び干し草風味と関連してもよく、トウモロコシタンパク質はトウモロコシ風味及び干し草風味と関連してもよく、ジャガイモタンパク質はバーンヤード風味及び発酵風味と関連してもよい。
【0075】
本明細書で使用される場合、「妙な味」とは、本明細書に記載の物質若しくは組成物に特徴的ではないか、若しくは通常関連しない味若しくは風味プロファイル、及び/又は物質若しくは組成物に関連する望ましくない特徴的な味若しくは風味を指す。例えば、妙な味は、苦味などの望ましくない味、渋味などの望ましくない口当たり、口の乾燥、酸敗臭などの望ましくない風味、ボール紙、後味、一貫性のない風味(例えば、開始又は強度が不均一な風味、早すぎる又は遅すぎると知覚され得る風味)などであってもよい。
【0076】
感覚パネルを使用して、苦味の低減又はその時間的プロファイルのシフトの大きさを決定し、それによって、苦味を低減するのに有効な感覚改質剤の量を定量化することができる。感覚パネルは、食品科学産業に不可欠である科学的及び再現可能な方法である。感覚パネルは、2人以上の個々のパネリストの群を含む。パネリストは、個人的な主観性の影響を回避し、再現性を強化するために、産業において認識された慣行に従って指導される。例えば、パネリストは、試験製品の感覚特性を客観的に評価するが、個人的選好などの主観的特性を提供しない。様々な態様では、感覚パネルは、2人、3人、4人、5人、6人、又はそれ以上のパネリストを用いて行うことができ、パネリストは、所与の試料セットについての感覚特性の語彙を特定し、それに同意する。特定の試料を評価した後、パネリストは、強度スケールを使用して各特性について数値強度スコアを割り当てることができる。例えば、強度スケールは、0~6(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=わずか、3=中程度、4=明確、5=強い、6=極度)、0~9(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)、又は0~15の範囲であり得、ここで、0は、特性の不在に対応し、6、9、又は15は、それぞれ、特性の上限極度発生に対応する。パネルは、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用してもよく、又はパネリストは、感覚特性を個別にスコア付け及び評価してもよい。どちらの形式でも、専門用語に関する考察を指示し、特定の製品及び特性を評価するようにパネルに指示するパネルリーダーを更に含み得る。他の態様では、訓練された感覚パネルを利用して、記述分析又は時間強度方法論を使用して特定の特性を評価することができる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「パネリスト」は、記述分析などの感覚的方法論に一般的に使用されるものなどの高度に訓練された専門の食味検査員、及び/又は試験される感覚特性に精通した経験のある食味検査員を指す。いくつかの態様では、パネリストは、訓練されたパネリストであり得る。訓練されたパネリストは、試験された製品に関連するそれらの感覚特性と関連付けられた用語及び感覚現象を理解するための訓練を受けており、対象のそれらの感覚特性についての共通の記述子(すなわち、感覚語彙)の使用に関して整列される。例えば、所与の組成物を試験する訓練されたパネリストは、上記組成物と関連する用語及び感覚特性、例えば、塩味、酸味、苦味、渋味、口当たり、酸味などを理解するであろう。訓練されたパネリストは、試験される感覚特性に相当する参照試料に対して訓練されており、したがって、そのような基準を認識し、定量的に評価するように較正するであろう。いくつかの態様では、パネリストは、熟練した食味検査員であり得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「ラウンドテーブルコンセンサスアプローチ」は、パネリストが、アッセイされている特定の感覚特性についての強度スコア及び特性特徴付けに相互に同意する前に、感覚特性及び強度を考察する感覚パネルアッセイ方法論を指す。ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用する感覚パネルは、2人、3人、4人、5人、6人、又はそれ以上のパネリストを含み得る。コンセンサス強度スケールは、0~6(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=わずか、3=中程度、4=明確、5=強い、6=極度)又は0~9(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)の範囲であり得る。試料の所与のセットについて、パネリストは、適用可能な場合、特定の感覚特性についての参照試料又は標準化された試料(感覚アンカーとも称される)を含む、感覚特性の語彙を特定し、それに同意する。所与の感覚特性のために使用される参照試料は、アッセイされる試料及びパネルによって決定される感覚特性の語彙に依存する。当業者は、所与の試料の感覚評価に必要な適切な語彙及び参照又は標準試料を認識するであろう。
【0079】
いくつかの態様では、試料は、パネリストが、適用可能な場合、特定の感覚特性についての参照試料(感覚アンカーとも称される)に対するアッセイ特異的較正を含む、感覚特性及び強度スコアの語彙について同意したか又は指導された後に、パネリストによって独立してスコア付けされ、評価される。共通参照試料の例を以下に記載する。パネリストは、試料を反復して評価することができ、試験している試料を盲検化することができる。試験される試料は、無作為に又は連続した順序でパネリストに提供され得る。いくつかの態様では、無作為化均衡連続順序を使用して、パネリストによって試料を試験することができる。次いで、個々のパネリストからのスコアを、標準的な統計分析方法を使用して評価して、平均感覚強度スコアを決定する。当業者は、所与の試料の感覚評価に必要な適切な語彙及び参照又は標準試料、並びに適切な統計分析方法を認識するであろう。
【0080】
本明細書で使用される場合、「無作為化均衡連続順序」は、順序が無作為化されているが、全てのパネリストにわたって、試料の全ての可能な順序が提示されて、特定の順序で試験される試料に対する偏りを除去する、試料が提示される順序を指す。例えば、2つの試料の無作為化均衡連続順序では、所与のパネリストが試料2の前に試料1を受け取り、試料1の前に試料2を受け取る可能性は等しくなろう。3つの試料(すなわち、試料1、2、及び3)を伴う例では、無作為化均衡連続順序は、パネリストが以下の順序で試料を受け取る等しい可能性を含むであろう:(i)1、2、3;(ii)1、3、2;(iii)2、1、3;(iv)2、3、1;(v)3、2、1;(vi)3、1、2。
【0081】
所与の組成物の感覚特性は、1つ以上の参照又はアンカー試料と比較して評価され得る。例えば、塩化ナトリウム溶液は、所与の組成物について塩味の相対強度を評価するための塩味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用され得、スクロース溶液は、所与の組成物に対する甘味の相対強度を評価するための甘味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用され得、クエン酸溶液は、所与の組成物の酸味の相対強度を評価するための酸味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用され得、コーヒー溶液は、所与の組成物についての苦味の相対強度を評価するための苦味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用することができ、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)溶液は、所与の組成物についての旨味の相対強度を評価するための旨味アンカーとして、経験のあるパネリストによって使用することができる。経験のあるパネリストに、感覚特性を評価するための溶液、例えば、10~20mLの試料を提示することができる。パネリストは、約3~4mLの各溶液を自身の口に分配し、舌を動かすことによって溶液を分散させ、試験されている特定の感覚特性の値を記録する。複数の溶液がセッション中に試験される場合、パネリストは、試料間で口蓋を水で洗浄することができる。例えば、塩味、甘味、酸味、旨味などのラウンドテーブル評価は、0~9のスケールを割り当てることができ、例えば、0のスコアは、塩味がないことを示し、9のスコアは、極度の塩味を示す(0=検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)。同等のスケール及び方法論を、甘味、苦味、酸味、及び旨味の感覚特性に使用することができる。
【0082】
更なる例として、組成物の塩味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ2、2.5、5、8.5、10、11、13、及び15の塩味強度値に相当する0.18%(重量)、0.2%(重量)、0.35%(重量)、0.5%(重量)、0.567%(重量)、0.6%(重量)、0.65%(重量)、及び0.7%(重量)の塩化ナトリウム水溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験される試料/組成物に応じて、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、2、2.5、及び5の塩味強度値に対応する溶液のみを使用して)ことを認識する。各試験組成物について、パネリストは、液体組成物若しくは水で調製された溶液については約2~5mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かすこと/咀嚼によって組成物を分散させ、前述の標準塩化ナトリウム溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の塩味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された塩味強度値が標準塩化ナトリウム溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準0.18%、0.2%、0.35%、0.5%、0.567%、0.6%、0.65%、及び0.7%塩化ナトリウム溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識する。本明細書では、この試験を「標準化された塩味強度試験」と呼ぶ。
【0083】
組成物の酸味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ2、3、5、10、及び15の酸味強度値に相当する0.035%(重量)、0.05%(重量)、0.07%(重量)、0.15%(重量)、及び0.2%(重量)のクエン酸水溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験される試料/組成物に応じて、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、2及び7の酸味強度値に対応する溶液のみを使用して)ことを認識する。各試験組成物について、パネリストは、液体組成物若しくは水で調製された溶液については約2~5mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かすこと/咀嚼によって組成物を分散させ、前述の標準クエン酸溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の酸味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された酸味強度値が標準クエン酸溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準0.035%、0.05%、0.07%、0.15%、及び0.2%クエン酸溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識する。本明細書では、この試験を「標準化された酸味強度試験」と呼ぶ。
【0084】
組成物の苦味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ2、3、4、5、10、及び15の苦味強度値に相当する0.0125%(重量)、0.01875%(重量)、0.025%(重量)、0.031%(重量)、0.07%(重量)、及び0.12%(重量)のカフェイン溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験される試料/組成物に応じて、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、2、3、及び5の苦味強度値に対応する溶液のみを使用して)ことを認識する。各試験組成物について、パネリストは、液体組成物若しくは水で調製された溶液については約2~5mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かすこと/咀嚼によって組成物を分散させ、前述の標準カフェイン溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の苦味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された苦味強度値が標準カフェイン溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準0.0125%、0.01875%、0.025%、0.031%、0.07%、及び0.12%カフェイン溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識する。本明細書では、この試験を「標準化された苦味強度試験」と呼ぶ。
【0085】
組成物の甘味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ2、5、8、10、及び15の甘味強度値に相当する2%(重量)、5%(重量)、8%(重量)、10%(重量)、及び15%(重量)のスクロース溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験される試料/組成物に応じて、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、2、5、及び8の甘味強度値に対応する溶液のみを使用して)ことを認識する。各試験組成物について、パネリストは、液体組成物若しくは水で調製された溶液については約2~5mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かすこと/咀嚼によって組成物を分散させ、前述の標準スクロース溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の甘味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された甘味強度値が標準スクロース溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準2%、5%、8%、10%、及び15%スクロース溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識する。本明細書では、この試験を「標準化された甘味強度試験」と呼ぶ。
【0086】
組成物の旨味は、少なくとも2人のパネリストのパネルによって試験することができる。パネリストは、それぞれ4及び6.5の旨味強度値に対応する0.75%(重量)及び0.125%(重量)のグルタミン酸一ナトリウム(MSG)溶液の標準範囲を使用することができる。当業者は、試験される試料/組成物に応じて、標準溶液の数及び範囲が変更され得る(例えば、旨味強度が、4~6.5の旨味強度値のかなり外側であると予想される場合、追加の旨味溶液を添加する)ことを認識する。各試験組成物について、パネリストは、液体組成物若しくは水で調製された溶液については約2~5mL、又は固体組成物については5~10gの各組成物を自身の口に分配し、舌を動かすこと/咀嚼によって組成物を分散させ、前述の標準MSG溶液との比較に基づいて、各組成物について0~15の旨味強度値を記録する。組成物を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができる。パネリストはまた、記録された旨味強度値が標準MSG溶液のスケールに対して正確であることを確実にするために、試験溶液を味見する間に、標準0.075%及び0.125%MSG溶液を自由に味見することができる。試験が行われる温度は、試験を開始する試料に特異的であってもよく、例えば、試料は、22℃(例えば、室温)、0℃(例えば、冷凍試料)、又は60~80℃(例えば、温かいまま提供された調理試料)で試験されてもよい。当業者は、所与の試料を試験するための適切な温度を認識する。本明細書では、この試験を「標準化された旨味強度試験」と呼ぶ。
【0087】
対照試料は、典型的には、基準点として、又は比較目的で使用される。例えば、感覚改質剤の有効性を適格とするために、対照試料が使用され得る。対照試料は、本明細書に記載の組成物などの組成物であってもよいが、感覚改質剤が存在しない組成物であってもよい。感覚改質剤以外、対照試料は、他の点で同一であり、同じ成分及び同じ相対濃度の他の成分を含有するべきである。他の標準試料、例えば、上記で概説したような感覚特性の強度を評価するために使用される標準試料が、感覚パネルで一般的に使用される。他の態様では、対照試料は、競合感覚改質剤などの異なる感覚改質剤を含有する改質対照試料であり得る。
【0088】
本開示は、経験のある又は訓練を受けたパネリストによる感覚試験に限定されない。例えば、訓練を受けていない経験の浅いパネリストを利用することが可能である。しかしながら、訓練を受けていない経験の浅いパネリストの場合、より多くのこれらのパネリストが、通常、再現可能な結果を提供するために必要であり、これは典型的には、選好又は全体的な好みなどの主観的特性に焦点を合わせる。同様に、訓練を受けていない経験の浅いパネリストは、2つの試料間の所与の感覚特性の相対的変化を評価するように求められ得る。例えば、特定の試料が、参照試料よりも多い又は少ない塩分、多い又は少ない甘味、多い又は少ない苦味などである場合。
【0089】
更なる感覚特性の例示された感覚アッセイ及び試験基準は、本開示に提供される実施例に記載される。ラウンドテーブル感覚パネル及び感覚試験に関する更なる説明は、国際公開第2019/071220号として2019年4月11日に公開された国際出願第PCT/US2018/054743号に記載され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0090】
いくつかの態様では、植物タンパク質風味を減少させるのに有効な感覚改質剤の量は、感覚改質剤を欠く同等の組成物中の植物タンパク質風味強度と比較して、植物タンパク質風味強度スコアを少なくとも1単位減少させるのに有効な量であり得る。植物タンパク質風味強度スコアは、0~9のスケールを使用するラウンドテーブル方法論を使用して、植物タンパク質組成物を味見する訓練を受けた少なくとも3人のパネリストによって決定され、0のスコアは、植物タンパク質風味がないことを示し、9は、極度の植物タンパク質風味強度を示す(すなわち、0=検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)。いくつかの態様では、植物タンパク質風味は、少なくとも2単位、少なくとも3単位、又は少なくとも4単位低減され得る。いくつかの態様では、植物タンパク質風味強度は、豆類、エンドウマメ、トウモロコシ、干し草、グリーンノート、バーンヤード、発酵、又はワックス風味強度をアッセイすることによって評価されてもよく、豆類、エンドウマメ、トウモロコシ、干し草、グリーンノート、バーンヤード、発酵、又はワックス風味強度の低減は、それぞれ、植物タンパク質風味強度の低減を示す。
【0091】
いくつかの態様では、苦味を減少させるのに有効な感覚改質剤の量は、感覚試験を経験した少なくとも4人のパネリストによる標準化された苦味強度試験によって測定される苦味強度値を少なくとも1単位低減するのに有効な量であり得る。他の態様では、苦味を減少させるのに有効な量は、同様に測定した、苦味強度値を少なくとも1単位、2単位、3単位、4単位、5単位、又は6単位以上低減するのに有効な量を含む。他の態様では、苦味を減少させるのに有効な量は、同様に測定した、苦味強度値を7、6、5、4、3、又は2単位未満まで低減するのに有効な量を含む。いくつかの態様では、苦味を減少させるのに有効な量は、同様に測定した、苦味強度値を0に低減するのに有効な量を含む。同等の試験を使用して、記載されたタンパク質組成物中の甘味、酸味、塩味、及び旨味を減少又は増加させるのに有効な感覚改質剤の量を評価することができる。
【0092】
タンパク質組成物は、様々な量の感覚改質剤を有することができる。感覚改質剤は、特定の使用にとって所望される任意の量でタンパク質組成物中に存在することができる。例えば、感覚改質剤は、約0.1%(重量)~約20.0%(重量)、約0.5%(重量)~約15.0%(重量)、又は約1.0%(重量)~約10.0%(重量)の総濃度で、乾燥タンパク質組成物中に存在することができる。いくつかの態様では、感覚改質剤は、乾燥タンパク質組成物の1%~10%(重量)、2%~8%(重量)、又は3%~6%(重量)である。いくつかの態様では、感覚改質剤は、少なくとも0.5重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、3.0重量%、4.0重量%、5.0重量%、6.0重量%、7.0重量%、8.0重量%、9.0重量%、又は少なくとも10重量%の組成物の総濃度で、乾燥タンパク質組成物中に存在することができる。いくつかの態様では、感覚改質剤は、乾燥タンパク質組成物の少なくとも1%(重量)、少なくとも2%(重量)、少なくとも3%(重量)、少なくとも4%(重量)、少なくとも5%(重量)、少なくとも6%(重量)、少なくとも7%(重量)、又は少なくとも8%(重量)である。いくつかの態様では、感覚改質剤は、0.001%(重量)~1.0%(重量)、0.001%(重量)~0.5%(重量)、0.005%(重量)~0.1%(重量)、0.005%(重量)~0.050%(重量)、又は0.005%(重量)~0.02%(重量)の濃度で、液体タンパク質組成物中に存在することができる。液体タンパク質組成物は、少なくとも0.001重量%、0.002重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.02重量%、又は0.05重量%の感覚改質剤を含有してもよい。液体タンパク質組成物は、最大1.0%(重量)、0.5%(重量)、0.25%(重量)、0.2%(重量)、0.1%(重量)、又は0.05%(重量)の濃度で感覚改質剤を含んでもよい。
【0093】
感覚改質剤は、水又は水溶液に添加された場合に、得られる水性タンパク質組成物が0.001%(重量)~1.0%(重量)、0.001%(重量)~0.5%(重量)、0.005%(重量)~0.1%(重量)、0.005%(重量)~0.050%(重量)、又は0.005%(重量)~0.02%(重量)の感覚改質剤を含むような総濃度でタンパク質組成物中に存在することができる。タンパク質組成物は、そのために作製される水性タンパク質組成物が、少なくとも0.001重量%、0.002重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.02重量%、又は0.05重量%の感覚改質剤を含有するような濃度で感覚改質剤を含んでもよい。タンパク質組成物は、それから調製される水性タンパク質組成物が最大1.0%(重量)、0.5%(重量)、0.25%(重量)、0.2%(重量)、0.1%(重量)、又は0.05%(重量)の感覚改質剤を含有するような濃度で感覚改質剤を含んでもよい。
【0094】
乾燥タンパク質組成物は、乾燥タンパク質組成物が水溶液に添加される場合に、感覚改質剤が特定の用途に望ましい量で水溶液中に存在するような量の感覚改質剤を含むことができる。例えば、感覚改質剤は、約1ppm~約1000ppm又は約1ppm~約2000ppmの総濃度で、水溶液中に存在し得る。いくつかの態様では、感覚改質剤は、約100ppm~約2000ppm、約200ppm~約2000ppm、300ppm~約2000ppm、400ppm~約2000ppm、500ppm~約2000ppm、600ppm~約2000ppm、700ppm~約2000ppm、800ppm~約2000ppm、900ppm~約2000ppm、又は1000ppm~約2000ppmの総濃度で、水溶液中に存在し得る。いくつかの態様では、感覚改質剤は、約10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、110、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、又は2000ppmを超える総濃度で、水溶液中に存在し得る。様々な態様では、感覚改質剤は、約100ppm~約1000ppm、約200ppm~約1000ppm、300ppm~約1000ppm、400ppm~約1000ppm、500ppm~約1000ppm、600ppm~約1000ppm、700ppm~約1000ppm、800ppm~約1000ppm、又は900ppm~約1000ppmの総濃度で、水溶液中に存在し得る。いくつかの態様では、感覚改質剤は、約100ppm~約800ppm、約200ppm~約800ppm、300ppm~約800ppm、400ppm~約800ppm、500ppm~約800ppm、600ppm~約800ppm、又は700ppm~約800ppmの総濃度で、水溶液中に存在し得る。いくつかの態様では、感覚改質剤は、約400ppm~約800ppmの総濃度で、水溶液中に存在し得る。
【0095】
本明細書に記載される様々な組成物中の個々の感覚改質剤種の量は、各々独立して変化し得る。例えば、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約1ppm~約1000ppmの濃度でタンパク質組成物に存在し得る。いくつかの態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約100ppm~約1000ppm、約200ppm~約1000ppm、300ppm~約1000ppm、400ppm~約1000ppm、500ppm~約1000ppm、600ppm~約1000ppm、700ppm~約1000ppm、800ppm~約1000ppm、900ppm~約1000ppmの濃度でタンパク質組成物中に存在し得る。いくつかの態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約10、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000ppmを超える濃度でタンパク質組成物中に存在し得る。いくつかの態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約100ppm~約800ppm、約200ppm~約800ppm、300ppm~約800ppm、400ppm~約800ppm、500ppm~約800ppm、600ppm~約800ppm、又は700ppm~約800ppmの濃度で満たされた置換組成物中に存在し得る。いくつかの態様では、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、又は両方は各々、個々に、約400ppm~約800ppmの濃度でタンパク質組成物中に存在し得る。
【0096】
感覚改質剤の植物源
様々な態様では、感覚改質剤は、植物源から単離され得る。様々な植物源は、感覚改質剤を含み、感覚改質剤は、これらの植物源から単離され得る。感覚改質剤が単離され得る植物源のいくつかの例としては、Eucommia ulmoides、ハニーサックル、Nicotiana benthamiana、アーティチョーク、グローブアーティチョーク、カルドン、Stevia rebaudiana、モンクフルーツ、コーヒー、コーヒー豆、生コーヒー豆、茶、白茶、黄茶、緑茶、ウーロン茶、黒茶、紅茶、発酵後茶、竹、ヘザー、ヒマワリ、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリー、グラウスベリー、ハイデルベリー、リンゴンベリー、カウベリー、ハックルベリー、ブドウ、チコリ、ムラサキバレンギク、エキナセア、イースタンペリトリーオブザウォール(Eastern pellitory-of-the-wall)、アップライトペリトリー(Upright pellitory)、リヒワート(Lichwort)、グレーターセランダイン(Greater celandine)、テッターワート(Tetterwort)、ニップルワート(Nipplewort)、スワローワート(Swallowwort)、赤根草、コモンネトル、スティンギングネトル、ジャガイモ、ジャガイモの葉、ナス(Eggplant)、ナス(Aubergine)、トマト、チェリートマト、ビターアップル、サンザシの実、サツマイモ、リンゴ、モモ、ネクタリン、チェリー、サワーチェリー、ワイルドチェリー、アプリコット、アーモンド、プラム、プルーン、セイヨウヒイラギ、イェルバマテ、マテ茶、グアユサ、ヤポンホーリー、苦丁茶、ガラナ、ココア、ココア豆、カカオ、カカオ豆、コラナッツ、コラノキ、コーラナッツ、コーラノキ、クサソテツ、イヌガンソク(Ostrich fern)、フィドルヘッドファーン(Fiddlehead fern)、シャトルコックファーン(Shuttlecock fern)、イヌガンソク(Oriental ostrich fern)、アジアゼンマイ、ゼンマイ、ブラッケン(Bracken)、ブレーキ(Brake)、コモンブラッケン(Common bracken)、イーグルファーン(Eagle fern)、イースタンブラッケンファーン(Eastern brakenfern)、クローブ、シナモン、インディアンベイリーフ、ナツメグ、ベイローレル、ベイリーフ、バジル、グレートバジル、セントジョセフワート、タイム、セージ、ガーデンセージ、コモンセージ、カリナリーセージ、ローズマリー、オレガノ、ワイルドマジョラム、マジョラム、スイートマジョラム、ノッテッドマジョラム、ポットマジョラム、ディル、アニス、スターアニス、フェンネル、フローレンスフェンネル、タラゴン、エストラゴン、オオヨモギ、リコリス(Licorice)、リコリス(Liquorice)、大豆(Soy)、大豆(Soybean)、大豆(Soyabean)、大豆(Soya vean)、小麦、普通小麦、米、キャノーラ、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、チンゲン菜、ケール、コラードグリーン、芽キャベツ、コールラビ、ウィンターズバーク(Winter’s bark)、エルダーフラワー、アサペイシェ(Assa-Peixe)、グレイターバードック(Greater burdock)、ヴァレリアン、及びカモミールが挙げられる。
【0097】
いくつかの植物源は、カフェイン酸、モノカフェオイルキナ酸、及びジカフェオイルキナ酸のうちの1つ以上が濃縮されている感覚改質剤を生成し得る。例えば、イェルバマテ植物(Ilex paraguariensis)から単離された感覚改質剤は、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸が濃縮されている。他の態様では、ジカフェオイルキナ酸が濃縮されているイェルバマテ植物から単離された感覚改質剤は、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、又は50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上、又は90%以上の、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの1つ以上の組み合わせを含み得る。例えば、他の植物源から単離された感覚改質剤は、ジカフェオイルキナ酸が濃縮され得る。他の態様では、ジカフェオイルキナ酸が濃縮されている他の植物源から単離された感覚改質剤は、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、又は50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上、又は90%以上の、1,3-ジカフェオイルキナ酸、1,4-ジカフェオイルキナ酸、1,5-ジカフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、及び4,5-ジカフェオイルキナ酸、並びにそれらの塩のうちの1つ以上の組み合わせを含み得る。
【0098】
感覚改質剤は、様々な方式で単離され得る。いくつかの好適なプロセスは、2019年4月4日に出願され、「Steviol Glycoside Solubility Enhancers」と題された米国出願第16/373,206号(米国特許出願公開第2019/0223481号として2019年7月25日に公開された)、2018年10月5日に出願され、「Steviol Glycoside Solubility Enhancers」と題された国際出願第PCT/US2018/054691号、2017年10月6日に出願され、「Steviol Glycoside Solubility Enhancers」と題された米国仮出願第62/569,279号、2019年4月4日に出願され、「Methods for Making Yerba Mate Composition」と題された米国出願第16/374,894号(米国特許出願公開第2019/0231834号として2019年8月1日に公開された)、2018年10月5日に出願され、「Methods for Making Yerba Mate Composition」と題された国際出願第PCT/US2018/054688号、2018年5月25日に出願され、「Methods for Making Yerba Mate Extract Composition」と題された米国仮出願第62/676,722号、及び2020年4月6日に出願され、「Stevia Processing」と題され、2020年10月15日に国際公開第2020/210161号として公開された国際出願第PCT/US2020/026885号に開示されている。例えば、感覚改質剤は、モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、及びそれらの塩のうちの1つ以上を含む植物源から単離されてもよい。例えばイェルバマテバイオマス及びステビアバイオマスを使用して、感覚改質剤を調製することができる。1つの例示的なプロセスでは、感覚改質剤は、商業的に得られる粉砕イェルバマテバイオマスから調製される。簡潔に述べると、イェルバマテバイオマスを50%(v/v)エタノール/水に懸濁し、少なくとも1時間振盪し、得られた混合物を濾過して初期抽出物を得る。この初期抽出物を水で35%(v/v)エタノールに希釈し、再濾過する。次いで、再濾過した透過液を、35%(v/v)エタノール/水で平衡化されたAMBERLITE(登録商標)FPA 53樹脂カラムに適用し、カラム透過液を捨てる。カラムを35%(v/v)エタノール/水で洗浄し、カラム透過液を捨てる。次いで、カラムを、50%(v/v)エタノール/水中の10%(w/v)FCCグレードの塩化ナトリウムで溶出し、溶出液を保持する。窒素ガスを溶出液の表面上に室温で吹き込んでエタノールを除去し、その元の体積の1/3まで溶出液を減少させる。次いで、減少した体積の溶出液を0.2μmのポリエーテルスルホンフィルターを通して濾過し、次いで、3kDaの分子量カットオフ膜を通過させることによって脱色する。脱色された透過液を保持し、ナノ濾過膜を通過させることによって脱塩する。次いで、脱塩された透過物を凍結乾燥して、感覚改質剤を得る。このプロセスはまた、ステビアバイオマスから感覚改質剤を得るのに好適であり、他の植物源、例えば、上記のものから感覚改質剤を得るように適合され得る。
【0099】
いくつかの態様では、感覚改質剤は、2つ以上の植物源から単離された感覚改質剤のブレンドであり得る。
【0100】
いくつかの化合物は、水溶液又はタンパク質組成物溶液の風味又は芳香に悪影響を及ぼし得る。植物抽出物から調製されたものなどの特定の感覚改質剤は、表2に示される化合物のうちの1つ以上、又はこれらの任意の組み合わせを、開示される好ましい含量レベルを超えて含まない。全ての好ましい含量レベルは、乾燥重量基準での重量パーセントとして記載される。ある特定の商業的に望ましい固体(乾燥)感覚改質剤は、好ましいレベルを超えた、表2に列挙される化合物のうちのいずれかを含まない。酸であるこれらの列挙される化合物について、化合物は、酸形態及び/又はスラット(slat)形態で存在してもよい。
【0101】
【0102】
【0103】
いくつかの態様では、感覚改質剤は、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は約0.05%(重量)未満のクロロフィル、を含み得る。
【0104】
いくつかの態様では、本明細書に記載のタンパク質組成物を水溶液に添加することによって調製されるタンパク質水溶液を含むタンパク質組成物は、ある特定のカットオフ重量%を超えるある特定の化合物を含まない。例えば、タンパク質水溶液は、0.3%(重量)未満のマロネート、マロン酸、オキサレート、シュウ酸、ラクテート、乳酸、サクシネート、コハク酸、マレート、若しくはリンゴ酸、又は0.05%(重量)未満のピルベート、ピルビン酸、フマレート、フマル酸、タータレート、酒石酸、ソルベート、ソルビン酸、アセテート、若しくは酢酸、又は約0.05%(重量)未満のクロロフィル、を含み得る。
【0105】
本発明は、例示として提供される以下の実施例を参照することによって、よりよく理解され得る。本発明は、本明細書に示される実施例に限定されない。
【実施例】
【0106】
材料及び方法
試験された感覚改質剤は、イェルバマテから調製され、かつ65:35の比の塩画分対酸画分を有する、モノカフェオイルキナ酸及びジカフェオイルキナ酸と塩との混合物であった。組成物の一部については、感覚改質剤をステビオールグリコシドと共噴霧乾燥した。表3は、様々な構成成分の含量及び供給元を列挙する。
【0107】
【0108】
植物タンパク質アッセイ
様々な量の感覚改質剤を有する植物タンパク質単離溶液の感覚特性を特徴付けるために、アッセイを実施した。感覚試験の経験がある個人のパネルによって、組成物の感覚特性を試験した。経験のあるパネリストは、感覚特性、例えば、これらに限定されないが、豆類風味、干し草風味、口の乾燥、クリーミーさ、グリーンピース風味、苦味、オイルノート、トウモロコシ風味、デンプン質、バーンヤード風味、酸味、及び渋味を評価した。感覚特性強度は、0が検出されないことを示し、9が極度な感覚特性強度を示す0~9の尺度でスコア化した(すなわち、0=検出されない/検出されない、1=微量、2=かすか、3=わずか、4=軽度、5=中程度、6=明確、7=強い、8=非常に強い、9=極度)。いくつかの実施例では、ラウンドテーブル方法論を使用して、様々な風味特性を評価した。各組成物を試験するために、経験のあるパネリストは、約2~5mLの各溶液を自身の口に分配し、舌を動かすことによって溶液を分散させ、コンセンサス感覚特性スケール値を記録した。溶液を味見する間で、パネリストは、口蓋を水で洗浄することができた。
【0109】
実施例1-乳清タンパク質加水分解物
乳清タンパク質加水分解物溶液の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを行った。苦味、渋味、及びダイアリー風味スコアを、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用して3人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。乳清タンパク質加水分解物溶液を、表4に概説するように調製した。乳清タンパク質加水分解物溶液を調製するために、乳清タンパク質加水分解物、及び任意選択で感覚改質剤を水に溶解した。試料の感覚特性を表5に概説する。
【0110】
【0111】
【0112】
実施例2-タンパク質飲料
乾燥ブレンドタンパク質粉末飲料製品を、表6又は7に概説する成分を用いて調製する。乾燥ブレンド飲料製品を調製するために、処方の全乳清タンパク質(又はダイズタンパク質)の半分をミキサーに添加し、約1分間撹拌する。混合しながら、アセスルファムカリウム、スクラロース、バニリン、ヒマワリレシチン、カラギーナン、塩、及びココア粉末をこの順序で添加する。乳清タンパク質(又はダイズタンパク質)の最後の半分を添加し、混合物を5分間混合する。塊を確認しながら、混合物を更に2~3分間撹拌する。
【0113】
乾燥粉末タンパク質生成物から完成した飲料を調製するために、30gの乾燥粉末を振盪ボトル中の10オンスの水又はミルクに添加し、粉末が完全に分散するまで振盪する。
【0114】
【0115】
【0116】
実施例3-ダイズタンパク質単離物溶液の感覚評価
ダイズタンパク質単離物溶液の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを行った。豆類風味、干し草風味、口の乾燥、及びクリーミーさのスコアを、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用して4人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストは、上記の植物タンパク質アッセイ法を使用した。ダイズタンパク質単離物溶液は、ダイズタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、ダイズタンパク質単離物と混合する前に、感覚改質剤を水に添加した。試験したダイズタンパク質単離物溶液を表8に概説する。
【0117】
【0118】
【0119】
実施例4-エンドウマメタンパク質単離物溶液の感覚評価
エンドウマメタンパク質単離物溶液の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを行った。グリーンピースの風味、苦味及び油/クリーミーのスコアを、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを用いて3人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストは、上記の植物タンパク質アッセイ法を使用した。エンドウマメタンパク質単離物溶液は、エンドウマメタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、エンドウマメタンパク質単離物と混合する前に、感覚改質剤を水に添加した。試験したエンドウマメタンパク質単離物溶液を表10に概説する。
【0120】
【0121】
【0122】
実施例5-トウモロコシタンパク質単離物溶液の感覚評価
トウモロコシタンパク質単離物溶液の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを行った。トウモロコシ強度、デンプン質、及び口の乾燥スコアを、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを使用して6人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストは、上記の植物タンパク質アッセイ法を使用した。トウモロコシタンパク質単離物溶液は、トウモロコシタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、トウモロコシタンパク質単離物と混合する前に、感覚改質剤を水に添加した。試験したトウモロコシタンパク質単離物溶液を表12に概説する。
【0123】
【0124】
【0125】
実施例6-ジャガイモタンパク質単離物溶液の感覚評価
ジャガイモタンパク質単離物溶液の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを行った。バーンヤード風味、酸味、渋味、及び苦味のスコアを、ラウンドテーブルコンセンサスアプローチを用いて5人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストは、上記の植物タンパク質アッセイ法を使用した。ジャガイモタンパク質単離物溶液は、ジャガイモタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、ジャガイモタンパク質単離物と混合する前に、感覚改質剤を水に添加した。試験したジャガイモタンパク質単離物溶液を表14に概説する。
【0126】
【0127】
【0128】
実施例8-植物由来タンパク質溶液の感覚評価
様々な植物源からの植物由来タンパク質単離物の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを行った。感覚特性強度スコアを、少なくとも6人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストが上記の植物タンパク質アッセイ法を使用し、個々の感覚特性強度スコアを平均して以下に報告した。植物由来タンパク質溶液は、植物由来タンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、植物由来タンパク質単離物と混合する前に、感覚改質剤を水に添加した。試験した植物由来タンパク質単離物溶液を表16に概説する。
【0129】
【0130】
ほとんどの植物由来タンパク質溶液は中性に近いpHを有していたが、米及びヒマワリタンパク質はそれぞれ5.58及び6.05のpHを有していた。感覚改質剤をヒヨコマメ及びジャガイモ溶液に添加すると、溶液は暗灰色/緑色に見えた(
図1A、1B、及び1E)。しかしながら、感覚改質剤を米及びヒマワリ溶液に添加した場合、色の変化は観察されなかった(
図1C及び1D)。感覚改質剤の添加は、pHに対して有意な影響を及ぼさなかった(表16)。
【0131】
全ての試料について、全体的な芳香及び粘度の感覚特性を評価した。全体的な芳香及び粘度に加えて、パネリストは、各植物由来タンパク質源について最も優勢であった4つの追加の感覚特性をまとめて選択し、感覚改質剤を用いて調製した試料と用いずに調製した試料との間で当該特性を比較した。各植物由来タンパク質源についてアッセイした感覚特性のリストを以下の表17~21に示し、感覚特性の定義を表22に示す。表17に示すように、感覚改質剤を高粘度ヒヨコマメタンパク質溶液に添加した場合に、ダイズ/豆腐及び小麦の感覚特性の強度が低下した。低粘度ヒヨコマメ溶液については、感覚改質剤の添加により渋味の強度が低下した(表18)。米タンパク質の溶液に感覚改質剤を添加すると、プレイドウノートの強度が低下した(表19)。表20に示すように、感覚改質剤で調製したヒマワリタンパク質試料では、穀粒の外皮、ボール紙及び渋味の強度が低下した。ジャガイモタンパク質単離物溶液について、感覚改質剤の添加は、ジャガイモ皮ノートの強度を低下させた(表21)。
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
実施例9-エンドウマメタンパク質溶液の感覚評価
様々なエンドウマメタンパク質単離物の感覚特性を特徴付けるためにアッセイを行った。エンドウマメタンパク質単離物には、標準的な等電沈殿抽出エンドウマメタンパク質、加水分解エンドウマメタンパク質、低ナトリウムエンドウマメタンパク質、及び酵素修飾エンドウマメタンパク質が含まれた。感覚特性強度スコアを、少なくとも5人のパネルによって決定した。パネリストは、感覚試験を経験した。全てのパネリストが上記の植物タンパク質アッセイ法を使用し、個々の感覚特性強度スコアを平均して以下に報告した。エンドウマメタンパク質溶液は、エンドウマメタンパク質単離物を水と混合することによって調製した。感覚改質剤を含む組成物については、エンドウマメタンパク質単離物と混合する前に、感覚改質剤を水に添加した。試験したエンドウマメタンパク質単離物溶液を表23に概説する。
【0139】
【0140】
ほとんどの植物由来タンパク質溶液は、中性に近いpHを有していた。感覚改質剤の添加は、pHに対して有意な影響を及ぼさなかった(表23)。感覚改質剤をエンドウマメタンパク質単離物溶液に添加すると、溶液は暗灰色/緑色に見えた(
図2A~2D)。
【0141】
全ての試料について、粘度の感覚特性を評価した。粘度に加えて、パネリストは、各エンドウマメタンパク質単離物について最も優勢であった追加の感覚特性をまとめて選択し、感覚改質剤を用いて調製した試料と用いずに調製した試料との間で当該特性を比較した。感覚特性の定義を表25に示す。各植物由来タンパク質源についてアッセイした感覚特性のリストを表24に示す。
【0142】
表24に示すように、感覚改質剤を含む試料は、感覚改質剤を含まない同等のエンドウマメタンパク質単離物溶液と比較して、1つ以上の感覚特性の強度が低下した。例えば、感覚改質剤を標準的なエンドウマメタンパク質単離物に添加した場合、試料は、苦味、エンドウマメ、及び草のような/葉っぱのような強度が低下した。加水分解エンドウマメタンパク質を用いて調製した試料では、感覚改質剤を含む試料は、感覚改質剤を含まない試料と比較して苦味強度が低下していた。酵素修飾エンドウマメタンパク質を用いて調製した試料について、感覚改質剤の添加は、エンドウマメ及び葉っぱのような/草のような強度の低下を示した。最後に、低ナトリウム及び感覚改質剤を含む試料は、エンドウマメタンパク質単離物のみを含む試料と比較して、苦味、エンドウマメ、渋味、及びチョークのような強度が低下していた。
【0143】
【表24】
空白は、所与の試料について評価されなかった感覚特性を示す。
【0144】
【国際調査報告】