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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】液体洗濯洗剤
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/32 20060101AFI20240628BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C11D3/32
C11D17/08
C11D3/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577215
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2022036885
(87)【国際公開番号】W WO2023287834
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/222,454
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イズミトリ、アスリン
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル、マイケル シー.
(72)【発明者】
【氏名】プルコッディ、ランダラ
(72)【発明者】
【氏名】サティオサタム、ムハンタン
(72)【発明者】
【氏名】トゥルチンスキー、マイケル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ワッサーマン、エリック
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003DC02
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB22
4H003ED02
4H003FA06
(57)【要約】
液体洗濯洗剤であって、液体担体と、洗浄界面活性剤と、式(I)
【化1】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものである洗浄ブースタと、を含む、液体洗濯洗剤が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体担体と、
洗浄界面活性剤と、洗浄ブースタと、を含む液体洗濯洗剤配合物であって、前記洗浄ブースタが、
式(I)
【化1】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【化2】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものである、液体洗濯洗剤配合物。
【請求項2】
前記液体洗濯洗剤配合物が、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%の前記液体担体と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%の前記洗浄界面活性剤と、
前記液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.1~15重量%の前記洗浄ブースタと、を含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項3】
前記液体担体が、水を含む、請求項2に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項4】
前記洗浄ブースタ中の式(II)の70~100モル%の平均の出現で、aが、2~30である、請求項3に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項5】
式(II)の前記洗浄ブースタ中のR基の70~100モル%が、式(IIa)
【化3】

[式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各Rは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、yは、2~30である]のものである、請求項3に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項6】
式(II)の前記洗浄ブースタ中のR基の70~100モル%が、式(IIb)
【化4】

[式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~12アルキル基からなる群から選択され、EOは、エチレンオキシド基であり、POは、プロピレンオキシド基であり、hは、0~30であり、iは、0~30であり、jは、0及び30であり、h+i+jは、2~30である]のものである、請求項3に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項7】
bが、2であり、xが、1である、請求項6に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項8】
Rが、メチル基である、請求項7に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項9】
が、C1~4アルキル基であり、hが、0~1であり、iが、2~5であり、jが、2~6である、請求項8に記載の液体洗濯洗剤配合物。
【請求項10】
布地物品を洗浄する方法であって、
汚れた布地物品を準備することと、
請求項1に記載の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、
洗浄水を提供することと、
前記洗浄水及び前記液体洗濯洗剤配合物を前記汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗濯洗剤配合物に関する。特に、本発明は、液体担体と、洗浄界面活性剤と、洗浄ブースタと、を含む液体洗濯洗剤配合物であって、洗浄ブースタが、式(I)
【化1】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【化2】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものである、液体洗濯洗剤配合物に関する。
【0002】
優れた全体的な洗浄を提供する液体及びゲル形態の洗濯洗剤は、消費者にとって望ましい。そのような洗濯洗剤は、典型的には、消費者が所望の洗浄効果を果たすために、成分の中でもとりわけ界面活性剤を含む。それにもかかわらず、環境への気配りの高まり及び材料費の上昇により、洗濯洗剤での界面活性剤の利用を減らす動きが高まっている。その結果、洗剤メーカーは、全体的な洗浄性能を維持しながら、洗濯洗剤の単位用量あたりの界面活性剤の量を減らす方法を模索している。
【0003】
界面活性剤の単位用量を減らすための1つのアプローチは、Boutiqueらによって、米国特許出願公開第2009/0005288号に記載されているように、ポリマーを液体洗剤配合物に組み込むことである。Boutiqueらは、約2~約20重量%の界面活性剤を有する液体又はゲル洗濯洗剤配合物で使用するためのポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブチレンオキシドとビニルアセテートとの約1:0.2~約1:10の重量比のグラフトコポリマーを開示している。
【0004】
それにもかかわらず、減少した界面活性剤の充填量で、維持された主要な洗浄性能を示し、好ましくは、改善された再付着防止性能も提供する、液体洗濯洗剤配合物への継続的な必要性が残されている。また、従来の洗浄ブースタと比較した場合に、OECD 301Fプロトコールに従って改善された生分解性を有する新しい洗浄ブースタが引き続き必要とされている。
【0005】
本発明は、液体担体と、洗浄界面活性剤と、洗浄ブースタと、を含む液体洗濯洗剤配合物であって、洗浄ブースタが、式(I)
【化3】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【化4】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものである、液体洗濯洗剤配合物を提供する。
【0006】
本発明は、布地物品を洗浄する方法であって、汚れた布地物品を準備することと、本発明の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、洗浄水及び液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
驚くべきことに、本明細書に記載される洗浄ブースタを有する液体洗濯洗剤配合物は、皮脂汚れ除去のための主要洗浄性能の改善を促進する一方で、埃皮脂及び粘土に対して良好な再付着防止性能を付与し、またOECD 301Fプロトコールに従って望ましい生分解性プロファイルを示すことが見出された。
【0008】
別段示されない限り、比率、百分率、部などは、重量によるものである。組成物中の重量百分率(又は重量%)は、乾燥重量の、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を除外する百分率である。
【0009】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体担体(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、25~97.9重量%(より好ましくは、30~95.8重量%、なおより好ましくは、40~93.5重量%、更により好ましくは、45~91.75重量%、最も好ましくは、50~89重量%)の液体担体)と、洗浄界面活性剤(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは2~60重量%(より好ましくは4~50重量%、なおより好ましくは、6~40重量%、更により好ましくは、7.5~35重量%、最も好ましくは、10~30重量%)の洗浄界面活性剤)と、洗浄ブースタ(液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、好ましくは、0.1~15重量%(より好ましくは、0.2~12重量%、なおより好ましくは、0.5~10重量%、更により好ましくは、0.75~8重量%、最も好ましくは、1~7.5重量%)の洗浄ブースタ)と、を含み、洗浄ブースタは、式(I)
【化5】

[式中、bは、2~4(好ましくは、2)であり、xは、0~2(好ましくは、1)であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基(好ましくは、水素、C1~5アルキル基、及び-CHC(=O)R基、より好ましくは、水素、C1~2アルキル基、及び-CHC(=O)R基、なおより好ましくは、メチル及び-CHC(=O)R基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【化6】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びCアルキル基)からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である)のものである(即ち、式(I)中のRの個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)]のものである。
【0010】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体担体を含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%(好ましくは、30~95.8重量%、より好ましくは、40~93.5重量%、更により好ましくは、45~91.75重量%、最も好ましくは、50~89重量%)の液体担体を含む。なおより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%(好ましくは、30~95.8重量%、より好ましくは、40~93.5重量%、更により好ましくは、45~91.75重量%、最も好ましくは、50~89重量%)の液体担体を含み、液体担体は、水を含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、25~97.9重量%(好ましくは、30~95.8重量%、より好ましくは、40~93.5重量%、更により好ましくは、45~91.75重量%、最も好ましくは、50~89重量%)の液体担体を含み、液体担体は、水である。
【0011】
好ましくは、液体担体は、任意選択的に、C1~3アルカノール、C1~3アルカンジオール、及びこれらの混合物などの水混和性液体を含む。より好ましくは、液体担体は、任意選択的に、液体担体の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.2~8重量%、より好ましくは、0.5~7.5重量%)の水混和性液体を含み、水混和性液体は、C1~3アルカノール、C1~3アルカンジオール(例えば、プロピレングリコール)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、液体担体は、任意選択的に、液体担体の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.2~8重量%、より好ましくは、0.5~7.5重量%)の水混和性液体を含み、水混和性液体は、エタノール、プロピレングリコール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0012】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、洗浄界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(好ましくは、4~50重量%、より好ましくは、6~40重量%、更により好ましくは、7.5~35重量%、最も好ましくは、10~30重量%)の洗浄界面活性剤を含む。なおより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(好ましくは、4~50重量%、より好ましくは、6~40重量%、更により好ましくは、7.5~35重量%、最も好ましくは、10~30重量%)の洗浄界面活性剤を含み、その洗浄界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される。更になおより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(好ましくは、4~50重量%、より好ましくは、6~40重量%、更により好ましくは、7.5~35重量%、最も好ましくは、10~30重量%)の洗浄界面活性剤を含み、その洗浄界面活性剤は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、2~60重量%(好ましくは、4~50重量%、より好ましくは、6~40重量%、更により好ましくは、7.5~35重量%、最も好ましくは、10~30重量%)の洗浄界面活性剤を含み、その洗浄界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネートと、ラウリルエトキシ硫酸ナトリウムと、非イオン性アルコールエトキシレートとの混合物を含む。
【0013】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルポリエトキシスルフェート、アルコキシル化アルコール、パラフィンスルホン酸、パラフィンスルホネート、オレフィンスルホン酸、オレフィンスルホネート、アルファ-スルホカルボキシレート、アルファ-スルホカルボキシレートのエステル、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、脂肪酸のスルフェート、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、アルキルフェノール、アルキルフェノールポリエトキシエーテルスルフェート、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホン酸、2-アクリルオキシ-アルカン-1-スルホネート、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホン酸、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホネート、アミンオキシド、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましいアニオン性界面活性剤としては、C8-20アルキルベンゼンスルフェート、C8-20アルキルベンゼンスルホン酸、C8-20アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホン酸、パラフィンスルホネート、アルファ-オレフィンスルホン酸、アルファ-オレフィンスルホネート、アルコキシル化アルコール、C8-20アルキルフェノール、アミンオキシド、脂肪酸のスルホネート、脂肪酸エステルのスルホネート、C8-10アルキルポリエトキシスルフェート、およびそれらの混合物が挙げられる。より好ましいアニオン性界面活性剤としては、C12~16アルキルベンゼンスルホン酸、C12~16アルキルベンゼンスルホネート、C12~18パラフィンスルホン酸、C12~18パラフィンスルホネート、C12~16アルキルポリエトキシスルフェート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0014】
非イオン性界面活性剤としては、アルコキシレート(例えば、ポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、末端基キャップされたポリグリコールエーテル、混合エーテル、ヒドロキシ混合エーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテルが挙げられる。より好ましい非イオン性界面活性剤としては、二級アルコールエトキシレート、エトキシル化2-エチルヘキサノール、エトキシル化された種子油、ブタノールキャップされたエトキシル化2-エチルヘキサノール、及びそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい非イオン性界面活性剤としては、二級アルコールエトキシレートが挙げられる。
【0015】
カチオン性界面活性剤としては、第四級界面活性化合物が挙げられる。好ましいカチオン性界面活性剤としては、アンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ヨードニウム基、及びアルソニウム基のうちの少なくとも1つを有する四級界面活性化合物が挙げられる。より好ましいカチオン性界面活性剤としては、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドのうちの少なくとも1つが挙げられる。なおより好ましいカチオン性界面活性剤としては、C16~18ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、C8~18アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドジタロージメチルアンモニウムクロリド、及びジタロージメチルアンモニウムクロリドのうちの少なくとも1つが挙げられる。最も好ましいカチオン性界面活性剤としては、ジタロージメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0016】
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミンオキシド、アルキルアミドアルキルアミン、アルキル置換アミンオキシド、アシル化アミノ酸、脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい両性界面活性剤としては、脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。より好ましい両性界面活性剤としては、8~18個の炭素原子を有する長鎖基を有する脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。更により好ましい両性界面活性剤としては、C12-14アルキルジメチルアミンオキシド、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシル-アンモニオ)プロパン-1-スルホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシプロパン-1-スルホネートのうちの少なくとも1つが挙げられる。最も好ましい両性界面活性剤としては、C12~14アルキルジメチルアミンオキシドのうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0017】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.1~15重量%(好ましくは、0.2~12重量%、より好ましくは、0.5~10重量%、更により好ましくは、0.75~8重量%、最も好ましくは、1~7.5重量%)の洗浄ブースタを含み、洗浄ブースタは、式(I)
【化7】

[式中、bは、2~4(好ましくは、2)であり、xは、0~2(好ましくは、1)であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基(好ましくは、水素、C1~5アルキル基、及び-CHC(=O)R基、より好ましくは、水素、C1~2アルキル基、及び-CHC(=O)R基、なおより好ましくは、メチル及び-CHC(=O)R基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【化8】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びCアルキル基)からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である)のものである(即ち、式(I)中のRの個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)]のものである。
【0018】
より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.1~15重量%(好ましくは、0.2~12重量%、より好ましくは、0.5~10重量%、更により好ましくは、0.75~8重量%、最も好ましくは、1~7.5重量%)の洗浄ブースタを含み、洗浄ブースタは、式(I)[式中、bは、2~4(好ましくは、2)であり、xは、0~2(好ましくは、1)であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基(好ましくは、水素、C1~5アルキル基、及び-CHC(=O)R基、より好ましくは、水素、C1~2アルキル基、及び-CHC(=O)R基、なおより好ましくは、メチル及び-CHC(=O)R基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びCアルキル基)からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30であり、洗浄ブースタ中の式(II)の70~100モル%(好ましくは、80~100モル%、より好ましくは、90~100モル%、最も好ましくは、95~100モル%)の出現で、aは、2~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である)のものである(即ち、式(I)中のRの個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)]のものである。
【0019】
なおより好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.1~15重量%(好ましくは、0.2~12重量%、より好ましくは、0.5~10重量%、更により好ましくは、0.75~8重量%、最も好ましくは、1~7.5重量%)の洗浄ブースタを含み、洗浄ブースタは、式(I)[式中、bは、2~4(好ましくは、2)であり、xは、0~2(好ましくは、1)であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基(好ましくは、水素、C1~5アルキル基、及び-CHC(=O)R基、より好ましくは、水素、C1~2アルキル基、及び-CHC(=O)R基、なおより好ましくは、メチル及び-CHC(=O)R基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びCアルキル基)からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30であり、式(II)の洗浄ブースタ中のR基の70~100モル%(好ましくは、80~100モル%、より好ましくは、90~100モル%、最も好ましくは、95~100モル%は、式(IIa)
【化9】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、C1~4アルキル基、最も好ましくは、Cアルキル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、yは、2~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である)のものである)のものである(即ち、式(I)中のRの個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)]のものである。
【0020】
最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0.1~15重量%(好ましくは、0.2~12重量%、より好ましくは、0.5~10重量%、更により好ましくは、0.75~8重量%、最も好ましくは、1~7.5重量%)の洗浄ブースタを含み、洗浄ブースタは、式(I)[式中、bは、2~4(好ましくは、2)であり、xは、0~2(好ましくは、1)であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基(好ましくは、水素、C1~5アルキル基、及び-CHC(=O)R基、より好ましくは、水素、C1~2アルキル基、及び-CHC(=O)R基、なおより好ましくは、メチル及び-CHC(=O)R基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びCアルキル基)からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30であり、式(II)の洗浄ブースタ中のR基の70~100モル%(好ましくは、80~100モル%、より好ましくは、90~100モル%、最も好ましくは、95~100モル%)は、式(IIb)
【化10】

(式中、は、式(Ia)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~12アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、C1~4アルキル基、最も好ましくは、Cアルキル基)からなる群から選択され、EOは、エチレンオキシド基であり、POは、プロピレンオキシド基であり、hは、0~30(好ましくは、0~5、より好ましくは、0~2、最も好ましくは、0~1)であり、iは、0~30(好ましくは、0~10、より好ましくは、0~7、最も好ましくは、2~5)であり、jは、0及び30(好ましくは、2~10、より好ましくは、2~8、最も好ましくは、2~6)であり、h+i+jは、2~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である)のものである)のものである(即ち、式(I)中のRの個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)]のものである。
【0021】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、構造化剤を更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~2重量%(好ましくは、0.05~0.8重量%;より好ましくは、0.1~0.4重量%)の構造化剤を更に含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~2重量%(好ましくは、0.05~0.8重量%;より好ましくは、0.1~0.4重量%)の構造化剤を更に含み、構造化剤は、その場で結晶化されたときに、液体洗濯洗剤配合物全体にわたって糸状の構造化システムを形成することができる非ポリマー結晶性ヒドロキシ官能性材料である。
【0022】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、ヒドロトロープを更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~15重量%(好ましくは、0.1~12重量%;より好ましくは、0.2~10重量%;最も好ましくは、0.5~7.5重量%)のヒドロトロープを更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~15重量%(好ましくは、0.1~12重量%;より好ましくは、0.2~10重量%;最も好ましくは、0.5~7.5重量%)のヒドロトロープを更に含み、そのヒドロトロープは、アルキルヒドロキシド;グリコール、尿素、モノエタノールアミン;ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、及びクメンスルホン酸のカルシウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩、それらの塩;及びそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~15重量%(好ましくは、0.1~12重量%;より好ましくは、0.2~10重量%;最も好ましくは、0.5~7.5重量%)のヒドロトロープを更に含み、そのヒドロトロープは、エタノール、プロピレングリコール、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸カルシウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0023】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、香料を更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.001~5重量%;より好ましくは、0.005~3重量%;最も好ましくは、0.01~2.5重量%)の香料を更に含む。
【0024】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、ビルダを更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、5~50重量%;より好ましくは、7.5~30重量%)のビルダを更に含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~50重量%(好ましくは、5~50重量%;より好ましくは、7.5~30重量%)のビルダを更に含み、ビルダー、そのビルダーは、無機ビルダー(例えば、トリポリホスフェート、ピロホスフェート)、アルカリ金属炭酸塩、ホウ酸塩、重炭酸塩、水酸化物、ゼオライト、クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)、ポリカルボキシレート、モノカルボキシレート、アミノトリスメチレンホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸の塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸の塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)の塩、エチレンジアミンテトラエチレン-ホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレン-ホスホン酸の塩、オリゴマーホスホネート、ポリマーホスホネート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0025】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、柔軟仕上げ剤を更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~10重量%)の柔軟仕上げ剤を更に含む。最も好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、液体洗濯洗剤配合物の重量に基づいて、0~10重量%(好ましくは、0.5~10重量%)の柔軟仕上げ剤を更に含み、布地柔軟仕上げ剤は、カチオン性コアセルベート化ポリマー(例えば、カチオン性ヒドロキシルエチルセルロース、ポリクオタニウムポリマー、及びそれらの組み合わせ)である。
【0026】
好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、pH調整剤を更に含む。より好ましくは、本発明の液体洗濯洗剤配合物は、任意選択的に、pH調整剤を更に含み、液体洗濯洗剤配合物は、6~12.5(好ましくは、6.5~11;より好ましくは、7.5~10)のpHを有する。pHを調整するための塩基としては、水酸化ナトリウム(ソーダ灰を含む)及び水酸化カリウムなどの無機塩基、重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、並びに有機塩基(例えば、モノ-、ジ-、又はトリ-エタノールアミン、及び2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール(DMAMP))が挙げられる。pHを調整するための酸としては、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、及び硫酸)並びに有機酸(例えば、酢酸)が挙げられる。
【0027】
好ましくは、本発明の布地物品を洗浄する方法は、汚れた布地物品(好ましくは、汚れた布地物品は、皮脂油、埃、及び粘土汚れのうちの少なくとも1つにより汚れており、より好ましくは、汚れた布地物品は、皮脂油及び粘土汚れにより汚れている)(好ましくは、汚れた布地物品は、シミの付いた綿布地、シミの付いた綿インターロック布地、シミの付いた綿テリー布地、シミの付いたポリエステル綿混紡布地、シミの付いたポリエステルニット布地、シミの付いたポリエステル織布、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、汚れた布地物品は、シミの付いた綿布地及びシミの付いた綿インターロック布地のうちの少なくとも1つである)を準備することと、本発明の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、洗浄水及び液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、を含む。より好ましくは、本発明の布地物品を洗浄する方法は、汚れた布地物品(好ましくは、汚れた布地物品は、皮脂油、埃、及び粘土汚れのうちの少なくとも1つにより汚れており、より好ましくは、汚れた布地物品は、皮脂油及び粘土汚れにより汚れている)(好ましくは、汚れた布地物品は、シミの付いた綿布地、シミの付いた綿インターロック布地、シミの付いた綿テリー布地、シミの付いたポリエステル綿混紡布地、シミの付いたポリエステルニット布地、シミの付いたポリエステル織布、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、汚れた布地物品は、シミの付いた綿布地及びシミの付いた綿インターロック布地のうちの少なくとも1つである)を準備することと、本発明の液体洗濯洗剤配合物を提供することと、洗浄水を提供することと、すすぎ水を提供することと、洗浄水及び液体洗濯洗剤配合物を汚れた布地に適用して、洗浄された布地物品を提供することと、次いで、すすぎ水を洗浄された布地物品に適用して、洗浄された布地物品から液体洗濯洗剤配合物を除去することと、を含む。
【0028】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0029】
実施例で使用した試薬を表1に記載する。
【表1】
【0030】
合成S1:EO-末端ブロックPO-コポリマー
水素化カリウム(0.5g)を、窒素下で撹拌しながらエチレングリコールモノブチルエーテル(25g)に溶解した。この混合物のうち、23.6gを窒素パージした反応器にシリンジで充填した。反応器を密封し、次いでプロピレンオキシド(41.5g;50.0mL)を120℃にて1mL/分のポンピング速度で充填した。プロピレンオキシドを添加するにつれて、反応器圧力の上昇が認められた。反応器の内容物をプロピレンオキシドの添加により9時間反応させ、その間に反応器の圧力が低下することが観察され、次いでプロピレンオキシドが消費されるにつれて横ばいになった。次いで、エチレンオキシド(33.5g;38.0mL)を反応器の内容物に130℃にて1mL/分のポンピング速度で充填した。反応器の内容物をエチレンオキシドの添加により4時間反応させた。次いで、反応器を排気し、窒素でパージし、生成物を回収した。収量は定量的であった。H NMR(CDCl,δ,ppm):0.90t(3H,CH),1.13m(8.48H,POのCH),1.35m(2H,CH),1.55m(2H,CH),3.55m(35.93H,POのCHCH+EOのCHCH).NMR分析は、回収された生成物について以下の式を示唆した:CHCHCHCHOCHCHO(PO)2.83(EO)5.36H。GPC(THF中):M=739,M=859,PDI=1.16.以下に参照された合成における反応化学量論を計算する目的で、NMRから確立された上記の実験式から計算されたFWを使用した:519ダルトン。
【0031】
合成S2:EO-末端ブロックPO-コポリマー
水素化カリウム(0.4g)を、窒素下で撹拌しながらエチレングリコールモノブチルエーテル(20.75g)に溶解した。この混合物のうち、21.15gを窒素パージした反応器にシリンジで充填した。反応器を密封し、次いでプロピレンオキシド(41.5g;50.0mL)を115℃にて1mL/分のポンピング速度で充填した。プロピレンオキシドを添加するにつれて、反応器圧力の上昇が認められた。反応器の内容物をプロピレンオキシドの添加により22時間反応させ、その間に反応器の圧力が低下することが観察され、次いでプロピレンオキシドが消費されるにつれて横ばいになった。次いで、エチレンオキシド(28.85g;33.0mL)を反応器の内容物に130℃にて1mL/分のポンピング速度で充填した。反応器の内容物をエチレンオキシドの添加により4時間反応させた。次いで、反応器を排気し、窒素でパージし、生成物を回収した。収率は、85.4g(93%)であった。H NMR(CDCl,δ,ppm):0.90t(3H,CH),1.13m(11.05H,POのCH),1.35m(2H,CH),1.55m(2H,CH),3.55m(31.02H,POのCHCH+EOのCHCH).NMR分析は、以下の式を示唆する:CHCHCHCHOCHCHO(PO)3.68(EO)3.49H。GPC(THF中):M=641,M=761,PDI=1.19.以下の実施例における反応化学量論を計算する目的で、NMRから確立された上記の実験式から計算されたFWを使用した:486ダルトン。
【0032】
合成S3:ジメチルマレエート+3,3’-ジアミノ-n-メチルジプロピルアミン
3,3’-ジアミノ-n-メチルジプロピルアミン(7.492g、50.5mmol)を、磁気撹拌棒を備えたガラスバイアルに充填した。隔壁を含むキャップでバイアルを密封し、次いで、穏やかに混合するために磁気撹拌棒上部の氷浴中に置いた。針型熱電対プローブを、隔壁を通して挿入し、温度を記録した。次いで、ジメチルマレエート(15.050g、101mmol、2.0当量)を、シリンジを介して30分間かけてバイアル中にゆっくりと送達して、25.1℃の最大内部温度を達成する程度まで発熱反応を制御した。ジメチルマレエートの添加後、バイアルを、IKA磁気撹拌/加熱プレートに取り付けられたOptiTHERM(登録商標)反応ブロック内で、45℃の標的温度にて加熱した。バイアルの内容物を44.0~46.5℃の温度で2時間維持した。次いで、透明な淡黄色油状生成物を冷却し、特定した。H NMR(アセトン-d,δ,ppm):6.80*(s,0.1H),3.87-3.74(0.4H),3.69(s,5.6H),3.63(s,5.6H),3.59(t,J=6.9Hz,2.0H),2.76-2.62(3.8H),2.62-2.44(4.0H),2.32(tt,J=6.6,3.3Hz,4.2H),2.13(s,3.7H),1.55(m,J=6.9Hz,4.0H).13C{H}NMR(アセトン-d,δ,ppm):174.71(2.1C),171.82(2.2C),165.72*(0.1C),133.98*(0.2C),58.68(2.1C),56.71(2.1C),53.96-50.50(5.4C),48.46-46.19(2.0C),42.48(1.1C),38.52(2.0C),28.60(2.0C).(アスタリスクでマークされたピークは、ジメチルフマレート副生成物に帰属した)。
【0033】
合成S4:アルコキシル化ブタノールとのエステル交換
合成S3に従って調製した生成物(1.9897g、4.59mmol)、合成S1に従って調製したEO末端ブロックコポリマー(10.0177g、19.3mmol、4.2当量)、及びチタンイソプロポキシド(0.1765g、0.6210mmol、14モル%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いでIKA磁気加熱プレートに取り付けられたOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中、100℃の設定温度で加熱した。100℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプにより、フラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコ内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で109.2~118.2℃の温度にて6時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、特定した。CDCl中で取得した13C NMRスペクトルに基づいて、残留メチルエステル炭素(51.8ppm)対Nに結合したメチル炭素(42.1ppm)の比は0.28:1であり、CHOH基(61.4ppm)対Nに結合したメチル炭素の比は0.17:1である。アルコキシル化ブタノールのブチル基に結合したメチル炭素(13.9ppm)対Nに結合したメチル炭素の比が4:1であることを考慮すると、反応の程度は>90%であると思われる。
【0034】
合成S5:ジメチルマレエート付加物とアルコキシル化ブタノールとのエステル交換。
合成S2に従って調製したEO末端ブロックコポリマー(10.0862g、20.8mmol、4.4当量)、合成S3に従って調製した材料(2.0554g、4.74mmol)、及びチタンイソプロポキシド(0.1769g、0.62mmol、13モル%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いでIKA磁気加熱プレートに取り付けられたOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中、120℃の設定温度で加熱した。112.8℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプにより、フラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコ内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で119.9~121.2℃の温度にて7時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、特定した。CDCl中で取得した13C NMRスペクトルに基づいて、反応の程度は、残留メチルエステル炭素(51.8ppm)についてのシグナルの消失により>95%であった。
【0035】
比較例C1~C2および実施例1~2:液体洗濯洗剤
後続の実施例の洗浄試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を、pH8.5に中和された表3に示されるような洗浄ブースタを用いて、表2に記載されるような全体的な配合を有するように調製し、標準的な液体洗濯配合物の調製手順によって調製した。
【表2】

【表3】
【0036】
主要洗浄性能
22℃の設定試験温度、18分間の洗浄サイクルを使用するLaunder-Ometer(SDL Atlas、モデルM228AA)で、比較例C1~C2及び実施例1~2の液体洗濯洗剤配合物の主要洗浄性能を評価した。20個の1.2リットルキャニスターに、Ca:Mgモル比が2:1の100質量ppmの硬度調整水500mLを充填し、各実験に使用した。洗浄した布地を、Eberbach E6000レシプロ式シェーカーで100ppm(2/1のCa/Mg)に硬度を調整した周囲温度の水300mLで、260osc/分pmで5分間すすいだ。試験で使用したシミの付いた布地及び汚れたバラストは、PCS-S-132高識別皮脂BEY顔料、及び収縮前の綿インターロック布地に縫い付けたTestfabricsからのPCS-S-94皮脂/埃ASTMシミであった。綿インターロックのサイズは、5×5cmであった。シミの付いた見本は、2.5×3cmであった。1つの5×5cmの切片のSBL-CFT汚れバラストを各キャニスタに添加して、洗浄溶液に対するベースラインの汚れを提供した。洗浄液体中の総界面活性剤濃度は、200ppmであった。
【0037】
反射率測定及びシミ除去指数(Stain Removal Index、SRI)
ASTM方法D4265-14を使用して、主要洗浄性能試験で評価した液体洗濯洗剤配合物の各々の汚れ除去指数(soil removal index、SRI)を判定した。条件ごとに8つの見本(ポットごとに2つの見本、4つのポット)から取得した平均SRIを、表4に提供する。
【0038】
シミの付いた布地のL、a及びbの値を、Colour ConsultからのMach 5分光光度計を用いて洗浄の前及び後に測定した。未洗浄のシミのないポリコットン布地についてのL、a、及びbの値を、以下のようにSRI計算において測定した:
【数1】

式中、USは、未洗浄のシミ領域であり、UFは、未洗浄(シミのない)布地領域であり、WSは、洗浄したシミ領域であり、ΔE (US-UF)は、未洗浄のシミと未洗浄の布地との間のΔE色差であり、ΔE (WS-UF)は、洗浄したシミと未洗浄の布地との間のΔE色差である。ΔEの値は、次のように計算する
【数2】

表4に提供されるΔSRIの値は、比較例C1について測定したSRIに対する、示された実施例について測定したSRIの間の差を示す。正の値は、比較例C1に対する汚れ除去の増加を示す。
【表4】
【0039】
比較例C3~C4及び実施例3:液体洗濯洗剤
pH8.5に調整された表5に記載される標準液体洗濯洗剤配合物0.5gを、表6に記載される洗浄ブースタの1重量%水溶液1.5gと組み合わせることによって、後続の実施例の洗浄試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を調製した。
【表5】

【表6】
【0040】
再付着防止
比較例C3~C4及び実施例3の標準的な液体洗濯洗剤+洗浄ブースタの組み合わせの再付着防止性能を、毎分90サイクルで撹拌されたTerg-o-tometerモデル7243ESで、表7に示される条件により評価した。
【表7】
【0041】
再付着防止性能は、MACH 5+機器(L、a及びb)で測定したΔEを計算することによって決定した。結果を表8に示し、ΔEは、次式に従う。
【数3】

式中、ΔEawは、洗浄後の布地から測定され、ΔEbwは、洗浄前の布地から測定される。より高いΔEは、より良好な再付着防止性能に対応する。
【表8】
【国際調査報告】