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特表2024-524098心拍変動特徴値を抽出するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】心拍変動特徴値を抽出するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/352 20210101AFI20240628BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61B5/352 100
A61B5/02 310A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577473
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2022011904
(87)【国際公開番号】W WO2023048400
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2021-0126071
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520047532
【氏名又は名称】ビュノ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VUNO, INC.
【住所又は居所原語表記】9F, 479, Gangnam-daero, Seocho-gu, Seoul 06541 REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ヨンジェ
(72)【発明者】
【氏名】イ・ソンジェ
【テーマコード(参考)】
4C017
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA19
4C017AC16
4C017AC28
4C017BC21
4C017BD04
4C017FF05
4C127AA02
4C127GG05
(57)【要約】
本開示の一実施例に基づき、1つ以上のプロセッサーを含むコンピューティング装置により実行される心拍変動(HRV:Heart Rate Variability)特徴値を抽出するための方法であって、第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得する段階;及び前記第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記第1時間期間より長い時間期間に対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階;を含む心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサーを含むコンピューティング装置により実行される心拍変動(HRV:Heart Rate Variability)の特徴値を抽出するための方法であって、
第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得する段階;及び
前記第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記第1時間期間より長い時間期間に対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階;
を含む、
心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記事前学習された神経回路網モデルは、
第2時間期間の間測定された第2生体信号データを時間で分割した複数のセグメント(segment)を基に生成されたデータセットを用いて学習されたものである、
心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階は、
前記複数のセグメントの各々と対応する心拍変動特徴値に基づき、前記1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階;
を含み、
前記複数のセグメントの各々の時間期間は、前記第1時間期間より長い、
心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、
前記データセットは、
前記複数のセグメントのうち第1セグメントを時間で分割した複数のサブ(sub)セグメントを入力データとして含み、且つ
前記第1セグメントから抽出された第3生体信号データと対応する心拍変動特徴値を、前記入力データの正解(ground truth)データとして含む、
心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記複数のサブセグメントの各々の時間期間は、前記第1時間期間と対応する、
心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
不整脈疾患が存在するという入力を受信した場合、前記第1生体信号データが測定される前記第1時間期間は、前記不整脈疾患が存在しない利用者より長く設定されたり、前記利用者から事前に定義されたパターンの信号が測定される時点までの時間期間に設定される、
心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記第1生体信号データを前記事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階は、
前記第1生体信号データを前記事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記1つ以上の心拍変動特徴値をドメイン(domain)別に出力する段階;
を含む、
心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記ドメインは、
時間ドメイン(time domain)、周波数ドメイン(frequency domain)又は非線形ドメイン(nonlinear domain)のうち、少なくとも1つを含む、
心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記事前学習された神経回路網モデルは、
前記ドメインごとに個別に学習された複数のサブ神経回路網モデルを含む、
心拍変動特徴値を抽出するための方法。
【請求項10】
コンピューター可読保存媒体に保存されているコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムは、1つ以上のプロセッサーで実行される場合、前記プロセッサーに心拍変動特徴値を抽出するための方法を実行させ、前記方法は:
第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得する段階;及び
前記第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記第1時間期間より長い時間期間に対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階;
を含む、
コンピューター可読保存媒体に保存されたコンピュータープログラム。
【請求項11】
心拍変動特徴値を抽出するためのコンピューティング装置であって、
1つ以上のコアを含むプロセッサー;
前記プロセッサーにおいて実行可能なプログラムコードを含むメモリー;
を含み、
前記プロセッサーは、
第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得し;且つ
前記第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記第1時間期間より長い時間期間に対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力する、
心拍変動特徴値を抽出するためのコンピューティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、心臓に係る生体信号に対する測定及び分析方法に係り、より具体的に、神経回路網を用いて心拍変動特徴値を抽出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、人間の現在の状態を把握するために、或いは、未来の状態を予測するために、多様な方式で生体信号が測定されることが可能である。例えば、人間の心臓に係る状態を確認するために用いられるものの例として、心電図(ECG:Electrocardiogram)信号、又は、光電式血流測定(PPG:Photoplethysmography)信号が測定されることが可能である。
【0003】
心電図信号は、心臓の動きにより局所的に発生する電気の変化を記録したものである。そして、光電式血流測定信号は、身体組織に光を照射して血管の膨張及び収縮によって光の反射率が変わる原理を利用して心拍を測定したものである。
【0004】
心電図信号及び光電式血流測定信号に対する分析結果は、色々な疾患の診断に活用されることが可能である。かかる心電図信号及び光電式血流測定信号から得られる情報の1つとして、心拍変動(HRV:Heart Rate Variability)がある。
【0005】
心拍変動は、心臓の拍動の変動の度合いを意味し、特定の心周期とその次の心周期との間における微細な変動を意味する。心拍変動は、自律神経系のバランス及び活性度の確認、ストレス関連疾患の発病危険度予測及び評価、疾病に対する抵抗能力の評価、治療効果の確認及び追跡検査等に活用される。
【0006】
心拍変動から導出できる特徴値の大部分は、長期間測定(例えば、5分以上、10分以上又は24時間以上等)を行わなければ信頼度のある結果値が得られない項目が存在する。
【0007】
信頼できる水準の心拍変動特徴値を抽出するために、利用者は、心電図等の心臓に係る生体信号の測定期間中、動かずに静止状態を保ち、きれいな信号が測定されるようにする必要がある。
【0008】
このように、心電図信号又は光電式血流測定信号の長期間測定において、利用者に大きな不便さをもたらし、利用者の動きのような多様な変数により、信号の品質が下がる可能性があるという問題点が存在する。
【0009】
従って、短期間測定でも信頼できる心拍変動特徴値を抽出するための方法に係る研究及び開発の必要性が存在する。
【0010】
韓国の公開特許公報第10-2018-0032829号は、心拍信号測定装置について開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示は、前述の背景技術に対応して案出されたものであり、神経回路網を用いて心拍変動特徴値を抽出するための方法を提供することを目的とする。
【0012】
本開示における技術的課題は、前述の技術的課題に限定されるものではなく、当業者は以下の記載内容に基づき、前述の技術的課題以外の課題についても明確に理解することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述のような課題を解決するための本開示の複数の実施例における、1つ以上のプロセッサーを含むコンピューティング装置により実行される心拍変動(HRV:Heart Rate Variability)特徴値を抽出するための方法であって、第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得する段階;及び前記第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記第1時間期間より長い時間期間に対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階;を含むことが可能である。
【0014】
代案として、前記事前学習された神経回路網モデルは、第2時間期間の間測定された第2生体信号データを時間で分割した複数のセグメント(segment)を基に生成されたデータセットを用いて学習されたものになり得る。
【0015】
代案として、前記1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階は、前記複数のセグメントの各々と対応する心拍変動特徴値に基づき、前記1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階;を含み、前記複数のセグメントの各々の時間期間は、前記第1時間期間より長いものになり得る。
【0016】
代案として、前記データセットは、前記複数のセグメントのうち第1セグメントを時間で分割した複数のサブ(sub)セグメントを、入力データとして含み、且つ、前記第1セグメントから抽出された第3生体信号データと対応する心拍変動特徴値を、前記入力データの正解(ground truth)データとして含むことが可能である。
【0017】
代案として、前記複数のサブセグメントの各々の時間期間は、前記第1時間期間と対応することが可能である。
【0018】
代案として、不整脈疾患が存在するという入力を受信した場合、前記第1生体信号データが測定される前記第1時間期間は、前記不整脈疾患が存在しない利用者より長く設定されたり、前記利用者から事前に定義されたパターンの信号が測定される時点までの時間期間に設定されることが可能である。
【0019】
代案として、前記第1生体信号データを前記事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階は、前記第1生体信号データを前記事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記1つ以上の心拍変動特徴値をドメイン(domain)別に出力する段階;を含むことが可能である。
【0020】
代案として、前記ドメインは、時間ドメイン(time domain)、周波数ドメイン(frequency domain)又は非線形ドメイン(nonlinear domain)のうち、少なくとも1つを含むことが可能である。
【0021】
代案として、前記事前学習された神経回路網モデルは、前記ドメインごとに個別に学習された複数のサブ神経回路網モデルを含むことが可能である。
【0022】
前述のような課題を解決するための本開示の他の複数の実施例における、コンピューター可読保存媒体に保存されているコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムは、1つ以上のプロセッサーで実行される場合、前記プロセッサーに、心拍変動特徴値を抽出するための方法を実行させ、前記方法は:第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得する段階;及び前記第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記第1時間期間より長い時間期間に対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力する段階;を含むことが可能である。
【0023】
前述のような課題を解決するための本開示のさらに他の複数の実施例における、心拍変動特徴値を抽出するためのコンピューティング装置であって、1つ以上のコアを含むプロセッサー;前記プロセッサーにおいて実行可能なプログラムコードを含むメモリー;を含み、前記プロセッサーは、第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得し;且つ、前記第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデルに入力し、前記第1時間期間より長い時間期間に対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。
【発明の効果】
【0024】
本開示は、神経回路網を用いて心拍変動特徴値を抽出することが可能である。
【0025】
本開示から得られる効果は、前述の効果に限定されることなく、本開示が属する技術分野における通常の知識を有する者は、以下の記載内容に基づき、前述の効果以外の効果についても明確に理解することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面を参照して多様な様相について説明する。以下の図面の記載において、類似の図面番号は全般的に類似の構成要素を示すために使われる。以下の実施例において、説明のために、多数の特定の細部事項が、1つ以上の様相の総合的な理解を助けるために提供される。しかし、かかる(複数の)要素を、かかる細部事項がなくても実施できることは明確である。
図1図1は、本開示の複数の実施例に基づく、心拍変動特徴値を抽出するためコンピューティング装置のブロック構成図である。
図2図2は、本開示の複数の実施例に基づく、ネットワーク関数を表す概略図である。
図3図3は、本開示の複数の実施例に基づく、神経回路網モデルを用いて心拍変動特徴値を抽出する過程を説明するための図面である。
図4図4は、本開示の複数の実施例に基づく、心拍変動特徴値を抽出するための方法を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、本開示の他の複数の実施例に基づく、心拍変動特徴値を抽出するための方法を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、本開示のさらに他の複数の実施例に基づく、心拍変動特徴値を抽出するための方法を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、本開示のさらに他の複数の実施例に基づく、心拍変動特徴値を抽出するための方法において、神経回路網モデルを学習させるためのデータセットを構成する過程を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、本開示の複数の実施例に基づく、生体信号データを取得するための方法を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、本開示の他の複数の実施例に基づく、生体信号データを取得するための方法を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、本開示の実施例を具現化できる例示的なコンピューティング環境に係る簡略で一般的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
多様な実施例が以下に図面を参照しながら説明されるが、図面を通して類似の図面番号は類似の構成要素を表すために使われる。本明細書において多様な説明が本開示に対する理解を容易にするために示される。しかし、これらの実施例がこれらの具体的な説明がなくても間違いなく実施されることができる。
【0028】
本明細書において、「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」等の用語は、コンピューター関連エンティティ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、またはソフトウェアの実行を指す。例えば、コンポーネントは、プロセッサー上で実行される処理手順(procedure)、プロセッサー、オブジェクト、実行スレッド、プログラム、及び/またはコンピューターになり得るが、これらに限定されるものではない。例えば、コンピューティング装置で実行されるアプリケーションとコンピューティング装置は、両方ともコンポーネントになり得る。1つ以上のコンポーネントは、プロセッサー及び/または実行スレッドの中に常駐することができ、1つのコンポーネントは1つのコンピューターの中でローカル化されることができ、または2つ以上のコンピューターに配分されることもできる。また、このようなコンポーネントは、その内部に保存されている多様なデータ構造を持つ、多様なコンピューター可読媒体から実行することができる。コンポーネントは、例えば1つ以上のデータパケットを持つ信号(例えば、ローカルシステム、分散システムにおいて他のコンポーネントと相互作用する1つのコンポーネントからのデータ及び/または信号を通じて、他のシステムと、インターネットのようなネットワークを介して伝送されるデータ)によってローカル及び/または遠隔処理等を通じて通信することができる。
【0029】
用語「または」は、排他的な「または」ではなく、内包的な「または」を意味する意図で使われる。つまり、特に特定されておらず、文脈上明確ではない場合、「XはAまたはBを利用する」は、自然な内包的置換のうち1つを意味するものとする。つまり、XがAを利用したり;XがBを利用したり;またはXがA及びBの両方を利用する場合、「XはAまたはBを利用する」は、これらのいずれにも当てはまるとすることができる。また、本明細書における「及び/または」という用語は、取り挙げられた関連アイテムのうち、1つ以上のアイテムの可能なすべての組み合わせを指し、含むものと理解されるべきである。
【0030】
また、述語としての「含む(含める)」及び/または修飾語として「含む(含める)」という用語は、当該特徴及び/または構成要素が存在することを意味するものと理解されるべきである。ただし、述語としての「含む(含める)」及び/または修飾語として「含む(含める)」という用語は、1つ以上の他のさらなる特徴、構成要素及び/またはこれらのグループが存在すること、または追加されることを排除しないものと理解されるべきである。また、特に数が特定されていない場合や、単数の形を示すことが文脈上明確でない場合、本明細書と請求範囲において単数は、一般的に「1つまたはそれ以上」を意味するものと解釈されるべきである。
【0031】
そして、「A又はBのうち少なくとも1つ」という用語については、「Aだけを含む場合」、「Bだけを含む場合」、「AとBの組み合わせの場合」を意味するものと解釈されたい。
【0032】
当業者は、さらに、ここに開示される実施例に係るものとして説明された多様な例示的論理的ブロック、構成、モジュール、回路、手段、ロジック及びアルゴリズム段階が、電子ハードウェア、コンピューターソフトウェア、またはその両方の組み合わせによって実現されることができることを認識すべきである。ハードウェアとソフトウェアとの相互交換性を明確に例示するために、多様な例示的コンポーネント、ブロック、構成、手段、ロジック、モジュール、回路及び段階が、それらの機能性の側面で一般的に上述された。そのような機能性がハードウェアとして実装されるか或いはソフトウェアとして実装されるかは、全般的なシステムに係る特定のアプリケーション(application)及び設計制限によって決まる。熟練した技術者は、個々の特定アプリケーションのために多様な方法で説明された機能性を実現できる。ただし、そのような実現に係る決定が本開示内容の領域を逸脱するものと解釈されてはならない。
【0033】
ここに示す実施例に係る説明は、本開示の技術分野において通常の知識を持つ者が本発明を利用したりまたは実施できるように提供される。このような実施例に対する多様な変形は、本開示の技術分野において通常の知識を持つ者にとっては明確であり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲を逸脱することなく他の実施例に適用されることができる。従って、本開示はここに示す実施例によって限定されるものではなく、ここに示す原理及び新規な特徴と一貫する最広義の範囲で解釈されるべきである。
【0034】
本開示において、ネットワーク関数、人工神経回路網及びニューラルネットワーク(neural network)は、相互置換可能に用いることが可能である。
【0035】
図1は、本開示の複数の実施例に基づく、心拍変動(HRV: Heart Rate Variability)特徴値を抽出するためコンピューティング装置のブロック構成図である。
【0036】
図1に図示されたコンピューティング装置(100)の構成は、簡略化して示した例示に過ぎない。本開示の一実施例において、コンピューター装置(100)には、コンピューター装置(100)のコンピューティング環境を実装するための他の構成が含まれることが可能であり、開示されている構成のうち一部だけでコンピューター装置(100)を構成することも可能である。
【0037】
コンピューター装置(100)は、プロセッサー(110)、メモリー(130)、ネットワーク部(150)を含むことができる。
【0038】
本開示の一実施例において、プロセッサー(100)は、1つ以上のコアで構成されることが可能であり、コンピューティング中央処理装置(CPU:central processing unit)、汎用グラフィック処理装置(GPGPU:general purpose graphics processing unit)、テンサー処理装置(TPU:tensor processing unit)等のデータ分析、ディープラーニングのためのプロセッサーを含むことができる。プロセッサー(110)は、メモリー(130)に保存されたコンピュータープログラムを読み取り、本開示の一実施例における機械学習のためのデータ処理を実行することができる。本開示の一実施例に基づき、プロセッサー(110)は、ニューラルネットワークの学習のための演算を行うことができる。プロセッサー(110)は、ディープラーニング(DL:deep learning)において、学習のための入力データの処理、入力データからのフィーチャーの抽出、誤差計算、逆伝播(backpropagation)を利用したニューラルネットワークの重みの更新等のニューラルネットワークの学習のための計算を実行することができる。プロセッサー(110)のCPUとGPGPUとTPUとのうち、少なくとも1つが、ネットワーク関数の学習を処理できる。例えば、CPUとGPGPUとがともにネットワーク関数の学習やネットワーク関数を利用したデータの分類を行うことができる。なお、本開示の一実施例において、複数のコンピューティング装置のプロセッサーを一緒に使ってネットワーク関数の学習やネットワーク関数を利用したデータ分類を行うことができる。また、本開示の一実施例における、コンピューティング装置において実行されるコンピュータープログラムは、CPU、GPGPU又はTPUで実行可能なプログラムになり得る。
【0039】
本開示の一実施形態によれば、メモリ(130)は、本開示の一実施形態による病変読み取りを実行し、病変読影の結果を提供するためのコンピュータープログラムを格納することができ、格納されたコンピュータープログラムは、プロセッサ(110)によって読み出されて駆動することができる。
【0040】
本開示の一実施例において、メモリー(130)は、フラッシュメモリータイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリー(例えばSD又はXDメモリー等)、ラム(Random Access Memory、RAM)、SRAM(Static Random Access Memory)、ロム(Read-Only Memory、ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリー、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの保存媒体を含むことができる。コンピューティン装置(100)は、インターネット(internet)上で前記メモリー(130)の保存機能を実行するウェブストレージ(web storage)と連携して動作することも可能である。前述のメモリーに係る記述は、例示に過ぎず、本開示はこれらに限定されない。
【0041】
本開示の一実施例におけるネットワーク部(150)は、任意の形態のデータ及び信号等を送受信できる任意の有線・無線通信ネットワークが本開示内容において表現されるネットワークに含まれることが可能である。
【0042】
本明細書において説明されている技術は、前記のネットワークだけでなく、他のネットワークで使われることも可能である。
【0043】
プロセッサー(110)は、心拍変動特徴値を抽出するために、第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得することが可能である。ここで、第1時間期間は、特定の長さの時間期間を意味し、一例として短期間(例えば、2分30秒未満)を意味することが可能である。例えば、第1時間期間は、利用者から特定の信号が含まれた第1生体信号データを取得するための所要時間になり得る。例えば、第1時間期間は、心電図測定の所要時間期間を意味することが可能である。他の例として、第1時間期間は、光電式血流測定の所要時間期間を意味することが可能である。他の例として、第1時間期間は、学習された神経回路網モデルのインファレンス(inference)の過程において用いられる入力データが必要とする時間期間を意味することが可能である。
【0044】
本開示における短期間及び長期間は、相対的に長い時間期間及び相対的に短い時間期間を表すために用いられる用語である。一例として、短期間は、2分30秒未満、1分未満、30秒未満又は10秒未満の時間期間を意味することが可能であり、長期間は、2分30秒以上、5分以上、10分以上、1時間以上又は24時間以上の時間期間を意味することが可能である。短期間は、長期間に比べて比較的短い時間期間を意味することが可能である。
【0045】
生体信号データは、人体から取得できる生物学的信号であり、電気的又は磁気的形態のデータを意味することが可能である。第1生体信号データは、心臓に係る生体信号データを意味することが可能であり、かかる心臓に係る生体信号データは、例えば、心電図データ又は光電式血流測定データを含むことが可能である。心電図データは、利用者(例えば、被検者)の肌に少なくとも1つのリードを着けて一定時間測定することで取得されることが可能である。光電式血流測定データは、光源と光検出器を含むセンサーモジュールを用いて、身体の一部分(例えば、指)に着けて、一定時間測定することで取得されることが可能である。心電図データ及び光電式血流測定データは、それぞれ、時間に沿った心拍信号の強さを表したグラフの情報を含むことが可能である。具体的に、グラフの情報は、利用者の心臓の筋肉に流れている微細な電流を増幅した心電図曲線の形、心電図曲線の波形間の距離、心電図曲線の高さ、心電図曲線の角度等を含むことが可能である。
【0046】
かかる生体信号データを分析することで、心拍変動(HRV:Heart Rate Variability)を取得することが可能である。心拍変動は、心拍の変動の度合いを意味し、特定の心周期とその次の心周期との間における微細な変動を意味する。心拍変動の分析を通じて、1つ以上の心拍変動特徴値が抽出されることが可能である。心拍変動特徴値は、時間ドメイン、周波数ドメイン、又は非線形ドメイン等のうち、それぞれ事前に設定された基準に沿って定量化された値を意味することが可能である。例えば、心拍変動特徴値は、mRR、SDRR、mHR、SDHR、RMSSD、NN50、pNN50、VLF、LF、HF、pVLF、pLF、pHF、prcVLF、prcLF、powHF、nLF、nHF、LF/HF、SD1、SD2、ApEn、SampEn、D、Alpha1、Alpha2、Lmean、Lmax、REC、DET、及び/又はShanEn等を含むことが可能である。
【0047】
心拍変動特徴値を表すパラメータの例は、以下の表1のように示すことが可能である。
【0048】
【表1】
【0049】
多様な形態の生体信号データを測定する方式が複数存在するが、以下においては説明を容易にするために、生体信号データを測定するための方式を説明する際、心電図測定方式が例示として記載される。
【0050】
プロセッサー(110)は、別途の測定装置から測定された第1生体信号データを取得したり、コンピューティング装置(100)に含まれている少なくとも1つのリード(図示は省略)から直接第1生体信号を取得することが可能である。一例として、第1生体信号データは、神経回路網モデル(200)のインファレンスの過程において用いられるデータになり得る。
【0051】
そして、第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデル(200)に入力し、1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。前述の神経回路網モデル(200)は、図2及び3を参照し、後述する。
【0052】
図2は、本開示の一実施例におけるネットワーク関数を示す概略図である。
【0053】
本明細書全体において、演算モデル、神経回路網、神経回路網モデル、サブ神経回路網モデル、ネットワーク関数、ニューラルネットワーク(neural network)は、同一の意味として用いられることが可能である。神経回路網は、一般的にノードと呼ばれる相互連結された計算単位の集合で構成されることが可能である。このようなノードは、ニューロン(neuron)と称されることも可能である。神経回路網は、少なくとも1つ以上のノードを含めて構成される。神経回路網を構成するノード(又はニューロン)は、1つ以上のリンクによって相互連結されることが可能である。
【0054】
神経回路網において、リンクを介して繋がっている1つ以上のノードは、相対的に入力ノード及び出力ノードの関係を形成することができる。入力ノード及び出力ノードの概念は相対的なものであり、あるノードに対して出力ノードとなる任意のノードは、他のノードとの関係においては入力ノードになり得るが、その逆も成立する。前述のように、入力ノードと出力ノードとの関係はリンクを中心にして成立することができる。1つの入力ノードに1つ以上の出力ノードがリンクを介して繋がることができ、その逆も成立する。
【0055】
1つのリンクを介して繋がっている入力ノード及び出力ノードの関係において、出力ノードのデータは入力ノードに入力されたデータに基づきその値が決められることが可能である。ここで入力ノードと出力ノードとを相互連結するノードは加重値(weight)を持つことができる。加重値は可変的なものになり得るが、神経回路網が所望の機能を行うために、利用者またはアルゴリズムによって変わることが可能である。例えば、1つの出力ノードに1つ以上の入力ノードが各リンクによって相互連結されている場合、出力ノードは前記出力ノードに繋がっている入力ノードに入力された値及び各入力ノードに対応するリンクに設定された加重値に基づき出力ノードの値を決定することができる。
【0056】
前述のように、神経回路網は、1つ以上のノードが1つ以上のリンクを介して相互連結され神経回路網の中で入力ノードと出力ノードの関係を形成する。神経回路網において、ノードとリンクの数及びノードとリンクとの間の相関関係、各リンクに付与された加重値の値によって、神経回路網の特性が決まることが可能である。例えば、同数のノード及びリンクが存在し、リンクの加重値の値がそれぞれ異なる2つの神経回路網が存在する場合、その2つの神経回路網を、相異なるものと認識することができる。
【0057】
神経回路網は、1つ以上のノードの集合で構成することができる。神経回路網を構成するノードの部分集合は、レイヤー(layer)を構成できる。神経回路網を構成する複数のノードのうち一部は、第1入力ノードからの距離に基づき、1つのレイヤー(layer)を構成することができる。例えば、第1入力ノードからの距離がnであるノードの集合は、nレイヤーを構成することができる。第1入力ノードからの距離は、第1入力ノードから当該ノードに到達するために経由しなければならないリンクの最小限の数を基に定義することができる。しかし、このようなレイヤーの定義は、説明のために任意に取り挙げたものであり、神経回路網の中におけるレイヤーの構成は、前述の説明と異なる方法で定義されることができる。例えば、ノードのレイヤーは、最終出力ノードからの距離を基に定義することもできる。
【0058】
第1入力ノードは、神経回路網の中のノードのうち、他のノードとの関係においてリンクを経由せずにデータが直接入力される1つ以上のノードを意味することができる。または、神経回路網のネットワークの中で、リンクを基準にしたノード間の関係において、リンクを介して繋がっている他の入力ノードを持たないノードを意味することができる。これと同様に、最終出力ノードは、神経回路網の中のノードのうち、他のノードとの関係において、出力ノードを持たない1つ以上のノードを意味することができる。また、ヒドンノードは、第1入力ノード及び最終出力ノードではないノードで、神経回路網を構成するノードを意味することができる。
【0059】
本開示の一実施例による神経回路網は、入力レイヤーのノードの数が、出力レイヤーのノードと同数で、入力レイヤーからヒドンレイヤーへと進むにつれ、ノードの数が一度減ってから、再び増加する形の神経回路網になり得る。本開示の一実施例による神経回路網は、入力レイヤーのノードの数が、出力レイヤーのノードの数より少なく、入力レイヤーからヒドンレイヤーへと進むにつれ、ノードの数が減少していく形の神経回路網になり得る。また、本開示の他の一実施例による神経回路網は、入力レイヤーのノードの数が、出力レイヤーのノードの数より多く、入力レイヤーからヒドンレイヤーへと進むにつれ、ノードの数が増加していく形の神経回路網になり得る。本開示の他の一実施例における神経回路網は、上述の神経回路網を組み合わせた形の神経回路網になり得る。
【0060】
ディープニューラルネットワーク(DNN:deep neural network、深層神経回路網)は、入力レイヤーと出力レイヤー以外に複数のヒドンレイヤーを含む神経回路網を意味することができる。ディープニューラルネットワークを利用するとデータの潜在的な構造(latent structures)を把握することができる。つまり、写真、文章、ビデオ、音声、音楽の潜在的な構造(例えば、ある物が写真に映っているか、文章の内容と感情はどのようなものなのか、音声の内容と感情はどのようなものなのか等)を把握することができる。ディープニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:convolutional neural network)、リカレントニューラルネットワーク(RNN;:recurrent neural network)、オートエンコーダー(auto encoder)、GAN(Generative Adversarial Networks)、制限ボルツマンマシン(RBM:restricted boltzmann machine)、深層信頼ネットワーク(DBN:deep belief network)、Qネットワーク、Uネットワーク、シャムネットワーク、敵対的生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Network)等を含むことができる。前述のディープニューラルネットワークは、例示に過ぎず本開示はこれらに限定されない。
【0061】
本開示の一実施例において、ネットワーク関数は、オートエンコーダー(autoencoder)を含むこともできる。オートエンコーダーは、入力データに類似した出力データを出力するための人工神経回路網の一種になり得る。オートエンコーダーは、少なくとも1つのヒドンレイヤーを含むことができ、奇数個のヒドンレイヤーが入出力レイヤーの間に配置されることができる。各レイヤーのノード数は、入力レイヤーのノード数から、ボトルネックレイヤー(エンコード)という中間レイヤーに向かって減っていき、ボトルネックレイヤーから出力レイヤー(入力レイヤーと対称を成す)に向かって、縮小と対称する形で、拡張することもできる。オートエンコーダーは、非線形次元減少を行うことができる。入力レイヤー及び出力レイヤーの数は、入力データの前処理後に次元に対応することができる。オートエンコーダー構造において、エンコーダーに含まれたヒドンレイヤーのノードの数は、入力データから遠くなるほど減っていく構造を持つことができる。ボトルネックレイヤー(エンコーダーとデコーダーの間に位置する、ノードの数が最も少ないレイヤー)のノードの数が少なすぎる場合、十分な量の情報が伝わらない可能性があるため、特定の数以上(例えば、入力レイヤーの半分以上等)に維持されることもあり得る。
【0062】
ニューラルネットワークは、教師あり学習(supervised learning)、教師なし学習(unsupervised learning)、半教師あり学習(semi supervised learning)、または、強化学習(reinforcement learning)のうち、少なくともいずれか1つの方式で学習されることができる。ニューラルネットワークの学習は、ニューラルネットワークが特定の動作を行うための知識をニューラルネットワークに提供する過程になり得る。
【0063】
ニューラルネットワークは、出力のエラーを最小化する方向で学習されることが可能である。ニューラルネットワークの学習において、繰り返し学習データをニューラルネットワークに入力させ、学習データに関するニューラルネットワークの出力とターゲットのエラーを計算し、エラーを減らすための方向としてニューラルネットワークのエラーをニューラルネットワークの出力レイヤーから入力レイヤーの方向へ逆伝播(back propagation)してニューラルネットワークの各ノードの加重値を更新するプロセスが行われる。教師あり学習の場合、個々の学習データに正解がラベリングされている学習データを使い(つまり、ラベリングされた学習データ)、教師なし学習の場合は、個々の学習データに正解がラベリングされていない場合がある。つまり、例えばデータ分類に関する教師あり学習における学習データは、学習データの各々にカテゴリがラベリングされたデータになり得る。ラベリングされた学習データがニューラルネットワークに入力され、ニューラルネットワークの出力(カテゴリ)と学習データのラベルを比較することでエラー(error)を計算することが可能である。他の例として、データ分類に関する教師なし学習の場合、入力である学習データをニューラルネットワークの出力と比較することでエラーを計算することが可能である。計算されたエラーは、ニューラルネットワークにおいて逆方向(つまり、出力レイヤーから入力レイヤー方向)へ逆伝播され、逆伝播を通じてニューラルネットワークの各レイヤーの各ノードの連結加重値を更新することが可能である。更新される各ノードの連結加重値は、学習率(learing rate)によって変化量が決まることが可能である。入力データに対するニューラルネットワークの計算とエラーの逆伝播は、学習のサイクル(epoch)を構成することができる。学習率は、ニューラルネットワークの学習のサイクルの反復回数によって適用方式が変わることが可能である。例えば、ニューラルネットワークの学習初期においては、学習率を高くしてニューラルネットワークが早く一定のレベルの性能を確保するようにすることで効率を高め、学習の後半においては学習率を低くして精度を上げることが可能である。
【0064】
ニューラルネットワークの学習において、一般的に学習データは実際のデータ(つまり、学習されたニューラルネットワークを利用して処理しようとするデータ)の部分集合であることが可能であり、そのため学習データに係るエラーは減少するが、実際のデータに係るエラーは増加する学習サイクルが存在し得る。過剰適合(over fitting)は、このように学習データについて過度に学習したため、実際のデータにおいてエラーが増加する現象である。例えば、黄色い猫を見て猫を学習したニューラルネットワークが、黄色以外の色の猫を見ると猫であることを認識できない現象が過剰適合の一種になり得る。過剰適合は、マシンラーニングアルゴリズムのエラーを増加させる原因になり得る。このような過剰適合を防ぐために、多様な最適化方法を適用できる。過剰適合を防ぐためには、学習データを増加させる方法、正則化(regulaization)、学習の過程でネットワークのノードの一部を非活性化するドロップアウト(drop out)、バッチ正規化レイヤー(batch normalization layer)の活用等の方法を適用できる。
【0065】
本開示の一実施例に基づき、データ構造を保存したコンピューター可読保存媒体が開示される。
【0066】
データ構造は、データに効率的なアクセスおよび修正を可能にするデータの組織、管理、保存を意味することができる。データ構造は、特定の問題(例えば、最短時間でデータ検索、データ保存、データ修正)を解決するためのデータ組織を意味することができる。データ構造は、特定のデータ処理機能をサポートするように設計されたデータ要素間の物理的または論理的な関係と定義することもできる。データ要素間の論理的な関係は、ユーザーが考えるデータ要素間の連結関係を含むことができる。データ要素間の物理的な関係は、 コンピューター可読保存媒体(例えば、ハードディスク)に物理的に保存されているデータ要素間の実際の関係を含むことができる。データ構造は具体的にデータの集合、データ間の関係、データに適用できる関数またはコマンドを含むことができる。効果的に設計されたデータ構造により、コンピューティング装置はコンピューティング装置のリソースを最小限に使用しながら計算を行うことができる。具体的にコンピューティング装置は効果的に設計されたデータ構造を通じて演算、読み取り、挿入、削除、比較、交換、検索の効率性を高めることができる。
【0067】
データ構造はデータ構造の形態によって線形データ構造と非線形データ構造に区分されることができる。線形データ構造は、一つのデータの後に一つのデータだけが連結される構造である可能性がある。線形データ構造はリスト(List)、スタック(Stack)、キュー(Queue)、デッキ(Deque)を含むことができる。リストは、内部的に順序が存在する一連のデータセットを意味することが可能である。リストは連結リスト(Linked List)を含むことができる。連結リストはそれぞれのデータがポインタを持って一列に連結されている方式でデータが連結されたデータ構造でありうる。連結リストでポインタは、次や以前のデータとの連結情報を含むことができる。連結リストは形態によって単一連結リスト、二重連結リスト、円形連結リストで表現できる。スタックは制限的にデータにアクセスできるデータリスト構造である可能性がある。スタックは、データ構造の片端でのみデータを処理(例えば、挿入または削除)できる線形データ構造である可能性がある。スタックに保存されたデータは、遅く入るほど早く出てくるデータ構造(LIFO-Last in First Out)である可能性がある。キューは制限的にデータにアクセスできるデータ羅列構造であり、スタックとは異なり遅く保存されたデータほど遅く出てくるデータ構造(FIFO-FirstinFirstOut)であることができる。デッキはデータ構造の両端でデータを処理できるデータ構造になり得る。
【0068】
非線形データ構造は、一つのデータの後に複数のデータが連結される構造である可能性がある。非線形データ構造はグラフ(Graph)データ構造を含むことができる。グラフデータ構造は頂点(Vertex)と幹線(Edge)で定義でき、幹線は互いに異なる二つの頂点を連結する線を含むことができる。グラフデータ構造ツリー(Tree)データ構造を含むことができる。ツリーデータ構造はツリーに含まれる複数の頂点のうち、互いに異なる2つの頂点を連結させる経路が一つのデータ構造になり得る。すなわち、グラフデータ構造でループ(loop)を形成しないデータ構造になり得る。
【0069】
本明細書にかけて、演算モデル、神経回路網、ネットワーク関数、ニューラルネットワークは同じ意味で使用できる。(以下ではニューラルネットワークで統一して記述する。)データ構造はニューラルネットワークを含むことができる。そして、ニューラルネットワークを含むデータ構造は、コンピューター可読保存媒体に保存されることができる。ニューラルネットワークを含むデータ構造はまた、ニューラルネットワークに入力されるデータ、ニューラルネットワークの加重値、ニューラルネットワークのハイパーパラメータ、ニューラルネットワークから獲得したデータ、ニューラルネットワークの各ノードまたはレイヤーに関連する活性関数、ニューラルネットワークの学習のための損失関数を含むことができる。ニューラルネットワークを含むデータ構造は、前記開示された構成のうち任意の構成要素を含むことができる。すなわち、ニューラルネットワークを含むデータ構造は、ニューラルネットワークに入力されるデータ、ニューラルネットワークの加重値、ニューラルネットワークのハイパーパラメータ、ニューラルネットワークから獲得したデータ、ニューラルネットワークの各ノードまたはレイヤーに関連する活性関数、ニューラルネットワークのトレーニングのための損失関数など、全部またはこれらの任意の組み合わせを含んで構成されることができる。前述した構成以外にも、ニューラルネットワークを含むデータ構造は、ニューラルネットワークの特性を決定する任意の他の情報を含むことができる。また、データ構造は、ニューラルネットワークの演算過程で使用されたり発生するすべての形態のデータを含むことができ、前述の事項に制限されるわけではない。コンピューター可読保存媒体は、コンピューター可読記録媒体および/またはコンピューター可読伝送媒体を含むことができる。ニューラルネットワークは、一般的にノードと呼ばれる相互接続された計算単位の集合で構成されることができる。このようなノードはニューロン(neuron)と呼ばれることができる。ニューラルネットワークは、少なくとも1つ以上のノードを含んで構成される。
【0070】
データ構造は、ニューラルネットワークに入力されるデータを含むことができる。ニューラルネットワークに入力されるデータを含むデータ構造は、コンピューター可読保存媒体に保存されることができる。ニューラルネットワークに入力されるデータは、ニューラルネットワークの学習過程で入力される学習データおよび/または学習が完了したニューラルネットワークに入力される入力データを含むことができる。ニューラルネットワークに入力されるデータは、前処理(pre-processing)を経たデータおよび/または前処理対象となるデータを含むことができる。前処理はデータをニューラルネットワークに入力させるためのデータ処理過程を含むことができる。したがって、データ構造は前処理対象となるデータおよび前処理で発生するデータを含むことができる。前述のデータ構造は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0071】
データ構造は、ニューラルネットワークの加重値を含むことができる。(本明細書で加重値、パラメータは同じ意味で使用できる。)そして、神経回路網の加重値を含むデータ構造はコンピューター可読保存媒体に保存されることができる。ニューラルネットワークは、複数の加重値を含むことができる。加重値は可変的であり、ニューラルネットワークが望む機能を遂行するために、ユーザーまたはアルゴリズムによって可変することができる。例えば、一つの出力ノードに一つ以上の入力ノードがそれぞれのリンクによって相互接続された場合、出力ノードは前記出力ノードと連結された入力ノードに入力された値及びそれぞれの入力ノードに対応するリンクに設定されたパラメータに基づいて出力ノード値を決定することができる。前述のデータ構造は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0072】
制限ではなく例として、加重値は神経回路網学習過程で可変する加重値および/または神経回路網学習が完了した加重値を含むことができる。ニューラルネットワーク学習過程で可変される加重値は、学習サイクルが始まる時点の加重値および/または学習サイクルの間に可変される加重値を含むことができる。ニューラルネットワーク学習が完了した加重値は、学習サイクルが完了した加重値を含むことができる。したがって、ニューラルネットワークの加重値を含むデータ構造は、ニューラルネットワーク学習過程で可変される加重値および/またはニューラルネットワーク学習が完了した加重値を含むデータ構造を含むことができる。したがって、上述した加重値および/または各加重値の組み合わせは、神経回路網の加重値を含むデータ構造に含まれるものとする。前述のデータ構造は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0073】
ニューラルネットワークの加重値を含むデータ構造は、直列化(serialization)過程を経た後、コンピューター可読保存媒体(例えば、メモリ、ハードディスク)に保存されることができる。直列化は、データ構造を同一または他のコンピューティングデバイスに保存し、後で再構成して使用できる形態に変換する過程である可能性がある。コンピューティングデバイスは、データ構造を直列化し、ネットワークを介してデータを送受信することができる。直列化されたニューラルネットワークの加重値を含むデータ構造は、逆直列化(deserialization)を通じて同じコンピューティング装置または他のコンピューティング装置で再構成されることができる。ニューラルネットワークの加重値を含むデータ構造は、シリアル化に限定されるものではない。さらに、神経回路網の加重値を含むデータ構造は、コンピューティング装置の資源を最小限に使用しながら演算の効率を高めるためのデータ構造(例えば、非線形データ構造で B-Tree、Trie、m-way search tree、AVLtree、Red-Black Tree)を含むことができる。前述の事項は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0074】
データ構造は、ニューラルネットワークのハイパーパラメータ(Hyper-parameter)を含むことができる。そして、ニューラルネットワークのハイパーパラメータを含むデータ構造は、コンピューター可読保存媒体に保存されることができる。ハイパーパラメータは、ユーザーによって可変される変数である可能性がある。ハイパーパラメータは、例えば、学習率(learning rate)、コスト関数(cost function)、学習サイクル反復回数、加重値初期化(例えば、加重値初期化対象となる加重値の範囲設定)、Hidden Unit個数(例えば、ヒドゥンレイヤーの個数、ヒドゥンレイヤーのノード数)を含むことができる。前述のデータ構造は例示に過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0075】
図3は、本開示の複数の実施例に基づく、神経回路網モデルを用いて心拍変動特徴値を抽出する過程を説明するための図面である。
【0076】
図3に示す神経回路網モデル(200)の構成は、簡略化された例示にすぎない。本開示の複数の実施例において、神経回路網モデル(200)は、他の構成が含まれることが可能であり、開示された構成の一部だけが神経回路網モデル(200)を構成することも可能である。心拍変動特徴値は、時間ドメイン、周波数ドメイン、非線形ドメイン等各々において、それぞれ事前に設定された基準に沿って定量化された値を意味することが可能である。例えば、心拍変動特徴値は、mRR、SDRR、mHR、SDHR、RMSSD、NN50、pNN50、VLF、LF、HF、pVLF、pLF、pHF、prcVLF、prcLF、powHF、nLF、nHF、LF/HF、SD1、SD2、ApEn、SampEn、D、Alpha1、Alpha2、Lmean、Lmax、REC、DET、ShanEn等を含むことが可能である。
【0077】
図3を参照すると、神経回路網モデル(200)は、ドメインごとに個別に学習された複数のサブ神経回路網モデルを含むことが可能である。例えば、複数のサブ神経回路網モデルは、第1サブ神経回路網モデル(210)、第2サブ神経回路網モデル(220)、第3サブ神経回路網モデル(230)を含むことが可能である。一例として、複数のサブ神経回路網モデル(210、220、230)は、1つの神経回路網モデル(200)を構成することが可能である。複数のサブ神経回路網モデル(210、220、230)におけるネットワーク構造、学習方法、入力データ形式又は出力データ形式のうち、少なくとも1つは、同一であることが可能である。複数のサブ神経回路網モデル(210、220、230)は、ネットワーク構造、学習方法、入力データ形式又は出力データ形式のうち、少なくとも1つを相互共有することが可能である。神経回路網モデル(200)は、複数のサブ神経回路網モデル(210、220、230)の出力をアンサンブル(ensemble)したり、又は、これらの出力に対する追加の後処理プロセスを通じて最終出力物を生成することが可能である。
【0078】
他の例として、複数のサブ神経回路網モデル(210、220、230)は、神経回路網モデル(200)とは個別に存在することも可能である。
【0079】
本開示内容の一実施例において、複数のサブ神経回路網モデル(210、220、230)の各々は、複数の心拍変動特徴値のうち、相異なるドメインに該当する複数の心拍変動特徴値に基づき学習されることが可能である。
【0080】
第1サブ神経回路網モデル(210)は、時間ドメイン(time domain)と対応する1つ以上の心拍変動特徴値が出力されるように学習されたモデルであることが可能である。従って、コンピューティング装置(100)によって神経回路網モデル(200)に第1生体信号データが入力された場合、第1サブ神経回路網モデル(210)は、時間ドメインと対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。例えば、時間ドメインと対応する1つ以上の心拍変動特徴値は、mRR、SDRR、mHR、SDHR、RMSSD、NN50、pNN50等を含むことが可能である。
【0081】
第2サブ神経回路網モデル(220)は、周波数ドメイン(frequency domain)と対応する1つ以上の心拍変動特徴値が出力されるように学習されたモデルであることが可能である。従って、コンピューティング装置(100)によって神経回路網モデル(200)に第1生体信号データが入力された場合、第2サブ神経回路網モデル(220)は、周波数ドメインと対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。例えば、周波数ドメインと対応する1つ以上の心拍変動特徴値は、VLF、LF、HF、pVLF、pLF、pHF、prcVLF、prcLF、powHF、nLF、nHF、LF/HF等を含むことが可能である。
【0082】
第3サブ神経回路網モデル(230)は、非線形ドメイン(nonlinear domain)と対応する1つ以上の心拍変動特徴値が出力されるように学習されたモデルであることが可能である。従って、コンピューティング装置(100)によって神経回路網モデル(200)に第1生体信号データが入力された場合、第3サブ神経回路網モデル(220)は、非線形ドメインと対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。例えば、非線形ドメインと対応する1つ以上の心拍変動特徴値は、SD1、SD2、ApEn、SampEn、D、Alpha1、Alpha2、Lmean、Lmax、REC、DET、ShanEn等を含むことが可能である。
【0083】
図3に関する説明において詳述した複数の実施例のように、神経回路網モデル(200)は、複数のサブ神経回路網モデルを含み、1つ以上の心拍変動特徴値をドメイン別に出力することが可能である。また、神経回路網モデル(200)は、ドメイン別に出力された1つ以上の心拍変動特徴値に基づき、全体の心拍変動特徴値を出力することも可能である。全体の心拍変動特徴値を出力する方法は、例えば、各ドメイン別に出力された心拍変動特徴値を合算する方法、各ドメイン別に出力された心拍変動特徴値の各々に事前に決定された重みを適用して合算する方法、各ドメイン別に出力された心拍変動特徴値に事前に決定されたアルゴリズムを適用して合算する方法、又は、各ドメイン別に出力された心拍変動特徴値を人工知能モデルに入力し、その出力を合算値として用いる方法等の多様な方法を含むことが可能である。
【0084】
従って、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、神経回路網モデル(200)を用いて、利用者の要求に合わせて、ドメイン別又は全体の1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。
【0085】
図1乃至3に係る説明において前述したコンピューティング装置(100)において、神経回路網モデル(200)を用いて心拍変動特徴値を抽出する方法について後述する。
【0086】
図4は、本開示の複数の実施例に基づく、心拍変動特徴値を抽出するための方法を説明するためのフローチャートである。
【0087】
図4を参照すると、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得することが可能である(S100)。
【0088】
ここで、第1時間期間は、短期間(例えば、30秒未満、1分未満又は2分30秒未満)を意味することが可能である。本明細書における時間期間に係る例示は、説明を容易にするため、且つ理解を容易にするために用いられた例示に過ぎず、かかる時間期間に関する例示的な時間期間は、適用されるアプリケーションの種類及び取得されるパラメータ(例えば、心拍変動特徴値)の種類によって変わり得る、可変的なものであることが可能である。
【0089】
第1生体信号データは、心電図データ又は光電式血流測定データを含むことが可能である。
【0090】
また、プロセッサー(110)は、別途の測定装置から測定された第1生体信号データを取得したり、コンピューティング装置(100)に含まれている少なくとも1つのリード(図示は省略)から直接第1生体信号を取得することが可能である。
【0091】
この場合、プロセッサー(110)は、第1生体信号データを神経回路網モデル(200)に入力するために前処理を行うことが可能である。前処理とは、神経回路網モデル(200)に入力するために入力データに対して事前処理を行うことを意味する。例えば、プロセッサー(110)は、第1生体信号データからR波の最大値(peak)を導出することが可能である。この場合、R波の最大値は、ウェーブレット変換(wavelet transform)、パン-トンプキンスアルゴリズム(pan-tompkins algorithm)、深層学習アルゴリズム(deep learning algorithm)等の多様なR波の最大値検出アルゴリズムを用いて導出することが可能であり、R波の最大値検出のアルゴリズムは、これらに限らない。
【0092】
他の例を挙げると、プロセッサー(110)は、第1生体信号データについて、フーリエ変換(fourier transform)を用いて、時間ドメインのデータから周波数ドメインのデータへ、又は時間-周波数ドメインのデータへ変換することが可能である。
【0093】
従って、プロセッサー(110)は、前処理された第1生体信号データを神経回路網モデル(200)に入力することが可能である。
【0094】
コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデル(200)に入力し、第1時間期間より長い時間期間に対応する1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である(S200)。例えば、学習された神経回路網モデル(200)を用いて、短期間測定された生体信号データを基に、比較的長期間測定された心拍変動特徴値を出力する、神経回路網インファレンス動作が実行されることが可能である。
【0095】
この場合、神経回路網モデル(200)は、ドメインごとに個別に学習された複数のサブ神経回路網モデルを含むことが可能である。従って、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデル(200)に入力し、1つ以上の心拍変動特徴値をドメイン別に出力することが可能である。また、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、神経回路網モデル(200)を用いて、ドメイン別に出力された1つ以上の心拍変動特徴値を1つに統合して、全体の心拍変動特徴値を出力することも可能である。
【0096】
本開示の複数の実施例において、神経回路網モデル(200)は、入力データ及び入力データの正解データを含むデータセットを用いて、教師あり学習で学習されたモデルを含むことが可能である。教師あり学習で学習されたモデルは、神経回路網構造を用いて学習されたモデルを含むことが可能である。教師あり学習で学習されたモデルは、入力データの正解データを用いて学習過程における誤差を減らして学習されたモデルを意味することが可能である。教師あり学習で学習されたモデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク又はリカレントニューラルネットワークを用いて学習されたモデルであることが可能である。
【0097】
また、神経回路網モデル(200)は、畳み込みニューラルネットワークやリカレントニューラルネットワークだけでなく、アテンションメカニズム(attention mechanism)モデル、及び/又はトランスフォーマー(transformer)等を単独、又は組み合わせで構成したモデルを含むことが可能である。
【0098】
神経回路網モデル(200)は、入力データだけを用いて、教師なし学習で学習されたモデルを含むことが可能である。教師なし学習で学習されたモデルは、神経回路網構造を用いて学習されたモデルを含むことが可能である。教師なし学習で学習されたモデルは、入力データと出力されるデータとを比較して誤差が計算され、計算された誤差を逆方向へ逆伝播し、各階層の各ノードの連結における重みが更新される方式で学習されたモデルを意味することが可能である。教師なし学習で学習されたモデルは、例えば、オートエンコーダーを用いて学習されたモデルであることが可能である。
【0099】
図4に係る説明において詳述した複数の実施例のように、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、短期間測定された生体信号データを神経回路網モデル(200)に入力し、長期間測定された生体信号データと対応する心拍変動特徴値、つまり、信頼度の高い心拍変動特徴値を出力することが可能である。
【0100】
図5は、本開示の他の複数の実施例に基づく、心拍変動特徴値を抽出するための方法を説明するためのフローチャートである。
【0101】
図5を参照すると、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得することが可能である。
【0102】
コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1時間期間より長い第2時間期間の間測定された第2生体信号データを時間で分割した複数のセグメント(segment)を基に生成されたデータセットを用いて、神経回路網モデル(200)を学習させることが可能である(S310)。
【0103】
この場合、第2時間期間は、長期間(例えば、5分以上、10分以上、N時間以上又は24時間以上等)を意味することが可能である。ここでNは自然数に該当するものである。第2時間期間は、神経回路網モデル(200)の学習のためのデータを確保するために必要な時間であることが可能である。例えば、第2時間期間は、神経回路網モデル(200)の学習に用いられる学習データに求められる最低限の時間期間を意味することが可能である。他の例として、第2時間期間を構成する下位時間期間が、神経回路網モデル(200)の学習に用いられる学習データに求められる最低限の時間期間を意味することが可能である。例えば、第2時間期間は、前記第1時間期間に比べて比較的長い時間期間を意味することが可能である。他の例として、第2時間期間は、ホルターデータのような長期測定データの測定時間期間を意味することも可能である。他の例として、第2時間期間は、生体信号の測定結果が事前に決定されたしきい値以上の信頼度値を有するようになるラベルを抽出することのできる時間期間を意味することが可能である。第2時間期間は、どのような心拍変動特徴値を抽出するかによって変わり得る、可変的な値を有することが可能である。第2時間期間は、心拍変動特徴値の種類、生体信号取得方式、神経回路網モデルの学習方式、又は適用されるアプリケーションの種類のうち、少なくとも1つによって変わり得る、可変的なものであることが可能である。第2生体信号データは、神経回路網モデル(200)の学習に必要なデータであることが可能である。
【0104】
本開示内容におけるセグメントは、事前に決定されたしきい値以上の信頼度を有するラベルを抽出することのできる測定時間期間を意味することが可能である。セグメントと対応する時間期間も、他の時間期間と同様に、心拍変動特徴値の種類、学習方式の種類、適用されるアプリケーションの種類等によって、可変的に決定されることが可能である。
【0105】
また、本開示の複数の実施例によると、複数のセグメントは、事前に設定された時間期間で、第2生体信号データを連続的に分割した時間領域、又は時間の単位を意味することが可能である。例えば、事前に設定された時間期間が5分である場合、第1セグメントは、第2生体信号データにおける0~5(0以上5未満)分の領域であり、第2セグメントは、第2生体信号データにおける5~10(5以上10未満)分の領域であることが可能である。
【0106】
本開示の他の複数の実施例によると、複数のセグメントは、事前に設定された時間期間分だけ累積されるように第2生体信号データを分割した時間領域を意味することも可能である。例えば、事前に設定された時間期間が10分である場合、第1セグメントは、第2生体信号データにおける0~10(0以上10未満)分の領域であり、第2セグメントは、第2生体信号データにおける0~20(0以上20未満)分の領域であることが可能である。
【0107】
本開示の他の複数の実施例によると、複数のセグメントは、可変的な時間期間で、第2生体信号データを連続的に分割した時間領域又は時間の単位を意味することも可能である。例えば、第1セグメントは、第2生体信号データにおける0~5(0以上5未満)分の領域であり、第2セグメントは、 第2生体信号データにおける5~15(5以上15未満)分の領域であることが可能である。
【0108】
本開示の他の複数の実施例によると、複数のセグメントは、事前に設定された時間期間に基づき、第2生体信号データを不連続的に分割した時間領域、又は時間の単位を意味することが可能である。例えば、事前に設定された時間期間が5分である場合、第1セグメントは、第2生体信号データにおける0~5(0以上5未満)分の領域であり、第2セグメントは、第2生体信号データにおける10~15(10以上15未満)分の領域であることが可能である。
【0109】
一方、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、別途の測定装置から定された第2生体信号データを取得したり、コンピューティング装置(100)に含まれている少なくとも1つのリード(図示は省略)から直接第2生体信号を取得することが可能である。コンピューティング装置(100)には、第2生体信号データが事前に保存されていることが可能である。
【0110】
従って、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第2生体信号データを分割してデータセットを構成することで、長時間測定されたデータの量が不十分な場合でも、データセットの構成が容易になり、データの量と関係なく、神経回路網モデルを学習させることが可能である。
【0111】
コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、複数のセグメントの各々と対応する心拍変動特徴値に基づき、1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である(S320)。
【0112】
具体的に、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデル(200)に入力し、複数のセグメントの各々と対応する心拍変動特徴値に基づき、1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。
【0113】
また、複数のセグメントの各々の時間期間は、神経回路網モデル(200)のインファレンス過程において、利用者から特定の信号が含まれた第1生体信号データを取得するための所要時間である第1時間期間より長い第3時間期間であることが可能である。第3時間期間は、神経回路網モデル(200)の学習に利用可能なデータを確保するために必要な時間であることが可能である。具体的に、第3時間期間は、第1時間期間と、神経回路網モデル(200)の学習のためのデータを確保するために必要な時間である第2時間期間との間の期間であることが可能である。第3時間期間は、セグメントと対応する時間期間を意味することが可能である。一例として、第3時間期間は、神経回路網モデル(200)の学習に用いられる学習データに求められる最低限の時間期間を意味することが可能である。他の例として、第3時間期間を構成する下位時間期間が、神経回路網モデル(200)の学習に用いられる学習データに求められる最低限の時間期間を意味することが可能である。
【0114】
本開示の複数の実施例において、神経回路網モデル(200)は、入力データ及び入力データの正解データを含むデータセットを用いて、教師あり学習で学習されたモデルを含むことが可能である。教師あり学習で学習されたモデルは、神経回路網構造を用いて学習されたモデルを含むことが可能である。教師あり学習で学習されたモデルは、入力データの正解データを用いて学習過程における誤差を減らして学習されたモデルを意味することが可能である。教師あり学習で学習されたモデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク又はリカレントニューラルネットワークを用いて学習されたモデルであることが可能である。
【0115】
また、神経回路網モデル(200)は、畳み込みニューラルネットワークやリカレントニューラルネットワークだけでなく、アテンションメカニズム(attention mechanism)モデル、トランスフォーマー(transformer)等を単独、又は組み合わせで構成したモデルを含むことが可能である。
【0116】
神経回路網モデル(200)は、入力データだけを用いて、教師なし学習で学習されたモデルを含むことが可能である。教師なし学習で学習されたモデルは、神経回路網構造を用いて学習されたモデルを含むことが可能である。教師なし学習で学習されたモデルは、入力データと出力されるデータとを比較して誤差が計算され、計算された誤差を逆方向へ逆伝播し、各階層の各ノードの連結における重みが更新される方式で学習されたモデルを意味することが可能である。教師なし学習で学習されたモデルは、例えば、オートエンコーダーを用いて学習されたモデルであることが可能である。
【0117】
図5に係る説明において詳述した他の複数の実施例のように、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1生体信号データに比べ時間期間がより長い複数のセグメントを用いて神経回路網モデル(200)を学習させることで、短期間測定した第1生体信号データを神経回路網モデル(200)に入力し、長期間測定した場合に得られる信頼度の高い1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。図5において例示的に図示している本開示内容の一実施例に基づく学習方式を通じて、短期間測定した生体信号データに係るインファレンスを実行する場合、比較的長期間測定した場合に対応する信頼度を有する心拍変動特徴値が出力されることが可能である。
【0118】
図6は、本開示のさらに他の複数の実施例に基づく、心拍変動特徴値を抽出するための方法を説明するためのフローチャートである。
【0119】
図6を参照すると、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1時間期間の間測定された第1生体信号データを取得することが可能である。
【0120】
そして、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1時間期間より長い第2時間期間の間測定された第2生体信号データを時間で分割し、複数のセグメントを生成することが可能である(S410)。
【0121】
ここで、第2時間期間は、長期間(例えば、10分、又はN時間以上等)を意味することが可能である。ここで、Nは、自然数を意味する。
【0122】
また、本開示の複数の実施例によると、複数のセグメントは、事前に設定された時間期間で、第2生体信号データを連続的に又は不連続的に分割した時間領域を意味することが可能である。例えば、事前に設定された時間期間が5分である場合、第1セグメントは、第2生体信号データにおける0~5(0以上5未満)分の領域であり、第2セグメントは、第2生体信号データにおける5~10(5以上10未満)分の領域であることが可能である。他の例として、第2生体信号データの値を基準にして、複数のセグメントが不連続的に分割されることも可能である。この場合、第2時間期間が10分であるという例示において、例えば、5分乃至5分30秒における生体信号データが不整脈等により有意味な形態の値を有していないと判断された場合、0~5分までの生体信号データは、第1セグメントに割り当てられることが可能であり、5分30秒から10分30秒までの生体信号データは、第2セグメントに割り当てられることが可能である。本開示内容の一実施例において、プロセッサー(110)は、生体信号データの値を分析することで、取得された生体信号データをどのような方式で分割するかを決定することが可能である。
【0123】
本開示の他の複数の実施例によると、複数のセグメントは、事前に設定された時間期間分だけ累積されるように第2生体信号データを分割した時間領域を意味することも可能である。例えば、事前に設定された時間期間が10分である場合、第1セグメントは、第2生体信号データにおける0~10(0以上10未満)分の領域であり、第2セグメントは、第2生体信号データにおける0~20(0以上20未満)分の領域であることが可能である。
【0124】
コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、複数のセグメントのうち第1セグメントを時間で分割した複数のサブ(sub)セグメントを、入力データとして生成することが可能である(S420)。
【0125】
複数のサブセグメントの各々の時間期間は、第1時間期間と対応することが可能である。従って、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1生体信号データと時間期間が対応する入力データを用いて神経回路網モデル(200)を事前学習させることで、正確度の高い1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。
【0126】
コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1セグメントから抽出された第3生体信号データと対応する心拍変動特徴値を入力データの正解(ground truth)データとして生成することが可能である(S430)。
【0127】
具体的に、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1セグメントから抽出された第3生体信号データを前処理したデータを用いて、心拍変動特徴値を抽出することが可能である。そして、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、抽出された第3生体信号データの心拍変動特徴値を入力データの正解データとして生成することが可能である。
【0128】
第3生体信号データは、神経回路網モデル(200)の学習のために第2時間期間を構成する下位時間期間中に測定されたデータであることが可能である。
【0129】
コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、入力データ及び入力データの正解データを含むデータセットを用いて神経回路網モデル(200)を学習させることが可能である(S440)。
【0130】
具体的に、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、入力データとして、複数のセグメントのうち第1セグメントを時間で分割した複数のサブセグメントをそれぞれ生成し、その各々に係る入力データの正解データは、第3生体信号データを前処理したデータを用いて抽出した心拍変動特徴値であることが可能である。
【0131】
本開示の複数の実施例において、神経回路網モデル(200)は、入力データ及び入力データの正解データを含むデータセットを用いて、教師あり学習で学習されたモデルを含むことが可能である。教師あり学習で学習されたモデルは、神経回路網構造を用いて学習されたモデルを含むことが可能である。教師あり学習で学習されたモデルは、入力データの正解データを用いて学習過程における誤差を減らして学習されたモデルを意味することが可能である。教師あり学習で学習されたモデルは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク又はリカレントニューラルネットワークを用いて学習されたモデルであることが可能である。
【0132】
具体的に、神経回路網モデル(200)は、入力データとして複数のサブセグメントの各々をニューラルネットワークに入力させ、出力層を通じて出力される値と、入力データの正解データである第3生体信号データと対応する心拍変動特徴値との誤差を計算し、誤差を減らすために、出力層から入力層の方向へ逆伝播し、ニューラルネットワークの各ノードの重みを更新する教師あり学習によって事前学習されることが可能である。
【0133】
また、神経回路網モデル(200)は、畳み込みニューラルネットワークやリカレントニューラルネットワークだけでなく、アテンションメカニズム(attention mechanism)モデル、トランスフォーマー(transformer)等を単独、又は組み合わせで構成したモデルを含むことが可能である。
【0134】
例えば、神経回路網モデル(200)は、エンコーダー(encoder)及びデコーダー(decoder)を含むトランスフォーマーであることが可能である。具体的に、神経回路網モデル(200)は、入力データとして複数のサブセグメントの各々をエンコーダーに入力することが可能である。この場合、複数のサブセグメントの各々は、画像形態のデータであることが可能である。
【0135】
神経回路網モデル(200)において、エンコーダーは、入力されたサブセグメントを多数のセットに分割してから、分割された各々のセットを多数のサブ画像に分割し、分割された多数のサブ画像を並列で処理し、一セットの出力画像を生成することが可能である。そして、エンコーダーは、生成された一セットの出力画像の各々について、一セットの特徴マップを生成し、生成された各セットの特徴マップを統合し、統合された特徴マップを処理して画像ベクターを出力する。この場合、エンコーダーがサブセグメントを処理する方法は、畳み込みニューラルネット、SIFT(scale invariant feature transform)、HOG(histogram of oriented gradient)、SURF(speeded up robust features)等の多様な方法が用いられることが可能である。
【0136】
神経回路網モデル(200)において、デコーダーは、エンコーダーから出力された画像ベクターをアテンションメカニズムに適用し、目標値である第3生体信号データと対応する心拍変動特徴値を出力するように、繰り返し学習されることが可能である。
【0137】
そして、神経回路網モデル(200)は、入力データだけを用いて教師なし学習で学習されたモデルを含むことが可能である。教師なし学習で学習されたモデルは、神経回路網構造を用いて学習されたモデルを含むことが可能である。教師なし学習で学習されたモデルは、入力データと出力されるデータとを比較して誤差が計算され、計算された誤差を逆方向へ逆伝播し、各階層の各ノードの連結における重みが更新される方式で学習されたモデルを意味することが可能である。教師なし学習で学習されたモデルは、例えば、オートエンコーダーを用いて学習されたモデルであることが可能である。
【0138】
一方、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1生体信号データを事前学習された神経回路網モデル(200)に入力し、1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。
【0139】
図6に係る説明において詳述した、さらに他の複数の実施例のように、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1時間期間より長い第2時間期間の間測定された、第2生体信号データを時間で分割した複数のセグメントを基にデータセットを構成することで、長時間測定されたデータの量が十分ではない場合でも、データセットの構成が容易になり、データの量と関係なく、神経回路網モデルを学習させることが可能である。
【0140】
図6において例示的に図示している本開示内容の一実施例に基づく学習方式を通じて、短期間測定した生体信号データに係るインファレンスを実行する場合、比較的長期間測定した場合に対応する信頼度を有する心拍変動特徴値が出力されることが可能である。
【0141】
図7は、本開示のさらに他の複数の実施例に基づく、心拍変動特徴値を抽出するための方法において、神経回路網モデルを学習させるためのデータセットを構成する過程を説明するためのフローチャートである。
【0142】
図7を参照すると、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第2生体信号データ(10)を複数のセグメント(20)に分割することが可能である。具体的に、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第2生体信号データ(10)を、時間を基準に、複数のセグメント(20)に分割することが可能である。
【0143】
続いて、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、複数のセグメント(20)のうち第1セグメント(21)から第3生体信号データを抽出することが可能である。そして、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、抽出された第3生体信号データと対応する心拍変動特徴値(30)を抽出することが可能である。
【0144】
続いて、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1セグメント(21)を、複数のサブセグメント(40)に分割することが可能である。具体的に、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1セグメント(21)を、時間を基準に、複数のサブセグメント(40)に分割することが可能である。この場合、複数のサブセグメント(40)は、第1サブセグメント(41)及び第2サブセグメント(42)を含むことが可能である。例えば、サブセグメントは、セグメントの下位概念を意味することが可能である。一例として、サブセグメントは、30秒又は1分又は2分30秒と対応する時間期間を有することが可能である。一例として、サブセグメントは、インファレンスの過程において用いられる入力データが有する時間期間と対応する時間期間を有することが可能である。
【0145】
続いて、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、心拍変動特徴値(30)及び複数のサブセグメント(40)を用いて、データセット(50)を生成することが可能である。具体的に、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1サブセグメント(41)及び第2サブセグメント(42)を入力データとして含み、抽出された第3生体信号データと対応する心拍変動特徴値(30)を入力データの正解データとして含むデータセット(50)を生成することが可能である。図7に係る説明において詳述した、さらに他の複数の実施例のように、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、神経回路網モデル(200)の学習のためのデータを確保するために必要な時間である第2時間期間の間測定された、第2生体信号データを分割した複数のセグメントを基にデータセットを構成することで、多数のデータセットを構成することができるため、取得したデータの量が少ない場合でも高い性能を有するように神経回路網モデルを学習させることが可能である。コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、図7を参照して詳述した過程に沿って、第1セグメント(21)だけでなく、複数のセグメント(20)の各々から生体信号データを抽出することが可能である。そして、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、複数の生体信号データの各々と対応する複数の心拍変動特徴値を抽出することが可能である。従って、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、複数のセグメント(20)をデータセットとして構成することが可能である。
【0146】
図8は、本開示の複数の実施例に基づく、生体信号データを取得するための方法を説明するためのフローチャートである。
【0147】
図8を参照すると、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1生体信号データを取得する前に、利用者から不整脈疾患の存在有無に係る入力を受信することが可能である(S510)。
【0148】
具体的に、不整脈疾患は、脈拍のリズムが不規則な状態である。従って、利用者に不整脈疾患がある場合、測定時間が十分でないと有意味な生体信号データを取得できない状況が発生しかねない。具体的に、利用者の脈拍が存在しない生体信号データを取得したため、分析が不可能になるといった状況が発生する場合がある。このような状況の発生を防ぐために、本開示に基づくコンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、利用者から不整脈疾患の存在有無に係る入力を受信し、第1生体信号データが測定される第1時間期間の調整の要否を判断することが可能である。
【0149】
コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、不整脈疾患が存在するという入力を受信した場合(S510、Yes)、第1生体信号データが測定される第1時間期間(又は、第1時間期間の値)を、不整脈疾患が存在しない利用者より長く設定することが可能である(S520)。
【0150】
図8に係る説明において詳述した複数の実施例のように、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、不整脈疾患の存在有無を考慮して第1時間期間(又は、第1時間期間の値)を調整することで、脈拍が存在しない第1生体信号データが測定されることを防ぐことが可能である。
【0151】
図9は、本開示の他の複数の実施例に基づく、生体信号データを取得するための方法を説明するためのフローチャートである。
【0152】
図9を参照すると、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、第1生体信号データを取得する前に、利用者から不整脈疾患の存在有無に係る入力を受信することが可能である(S510)。
【0153】
具体的に、不整脈疾患は、脈拍のリズムが不規則な状態である。従って、利用者に不整脈疾患がある場合、測定時間が十分でないと有意味な生体信号データを取得できない状況が発生しかねない。具体的に、利用者の脈拍が存在しない生体信号データを取得したため、分析が不可能になるといった状況が発生する場合がある。このような状況の発生を防ぐために、本開示に基づくコンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、利用者から不整脈疾患の存在有無に係る入力を受信し、第1生体信号データが測定される第1時間期間の調整の要否を判断することが可能である。
【0154】
コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、不整脈疾患が存在するという入力を受信した場合(S510、Yes)、第1生体信号データが測定される第1時間期間(又は、第1時間期間の値)を、利用者から事前に定義されたパターンの信号が測定される時点までの時間期間に設定することが可能である(S530)。
【0155】
具体的に、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、事前に定義されたパターンの信号をR波の最大値(peak)を導出できる信号に設定することが可能である。
【0156】
図9に係る説明において詳述した複数の実施例のように、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、不整脈疾患の存在有無を考慮して第1時間期間(又は、第1時間期間の値)を調整することで、脈拍が存在しない第1生体信号データが測定されることを防ぐことが可能である。
【0157】
図4乃至図9に示めされている段階又は過程は、例示的な段階又は過程であり、本開示内容の思想の範囲を逸脱しない限り、図4乃至図9における段階又は過程の一部が省略されたり、さらに他の段階又は過程が追加されることが可能であるということは、当業者にとって自明なことである。
【0158】
図1乃至9に係る説明において詳述した複数の実施例のように、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、短期間測定された生体信号データを神経回路網モデル(200)に入力し、長期間測定された生体信号データと対応する心拍変動特徴値を出力することが可能である。つまり、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、短期間測定された生体信号データを用いて、長期間測定した場合に得られる信頼度の高い1つ以上の心拍変動特徴値を出力することが可能である。従って、コンピューティング装置(100)のプロセッサー(110)は、長時間生体信号を測定しなくてもいいため、ウェアラブル機器でも簡単に生体信号を測定できるようになり、利用者の利便性向上に寄与することが可能である。
【0159】
さらに、従来の技術においては、特に心拍変動特徴値のうちLF、HF等は、2分30秒未満又は1分未満等の短期間測定された心電図波形からは、信頼にできる結果値が得られなかったが、本開示内容の一実施例に基づく心拍変動特徴値抽出方式の場合、比較的短い時間期間の間心電図を測定しても、十分に信頼できる心拍変動特徴値を抽出することができるという長所を有することが可能である。
【0160】
図10は、本開示の実施例が具現化されることのできる例示的なコンピューティング環境に係る簡略で一般的な概略図である。
【0161】
本開示が一般的にコンピューティング装置により具現化されることができると前述されているが、当業者であれば本開示が一つ以上のコンピューター上で実行されることのできるコンピューター実行可能命令及び/またはその他のプログラムモジュールと結合して及び/またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして具現化されることができるということをよく理解できるだろう。
【0162】
一般的に、本明細書におけるモジュールは、特定のタスクを実行したり特定の抽象的なデータ類型を実装するルーティン、プログラム、コンポーネント、データ構造、その他等々を含む。また、当業者なら本開示の方法がシングルプロセッサーまたはマルチプロセッサーコンピューターシステム、ミニコンピューター、メインフレームコンピューターはもちろん、パーソナルコンピューター、ハンドヘルド(handheld)コンピューティング装置、マイクロプロセッサー基盤、またはプログラム可能な家電製品、その他等々(これらは、それぞれ1つ以上の関連する装置と繋がって動作することができる)をはじめとする、他のコンピューターシステムの構成によって実施されることができることをよく理解できるだろう。
【0163】
本開示において説明された実施例は、さらに、あるタスクが通信ネットワークを通じて繋がっている遠隔処理装置によって実行される分散コンピューティング環境で実施されることができる。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカルや遠隔メモリー保存装置の両方に位置することができる。
【0164】
コンピューターは、多様なコンピューター可読媒体を含む。コンピューターによってアクセス可能な媒体はいずれもコンピューター可読媒体になり得るが、このようなコンピューター可読媒体は揮発性及び非揮発性媒体、一時的(transitory)及び非一時的(non-transitory)媒体、移動式及び非-移動式媒体を含む。制限ではなく例として、コンピューター可読媒体は、コンピューター可読保存媒体及びコンピューター可読伝送媒体を含むことができる。コンピューター可読保存媒体は、コンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュール又はその他のデータのような情報を保存する任意の方法又は技術により実装される揮発性及び非揮発性媒体、一時的及び非-一時的媒体、移動式及び非移動式媒体を含む。コンピューター可読保存媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリーまたはその他のメモリー技術、CD-ROM、DVD(digital video disk)またはその他の光ディスク保存装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク保存装置またはその他の磁気保存装置、またはコンピューターによってアクセスされることができ、情報を保存するのに使われることのできる任意のその他の媒体を含むが、これに限定されない。
【0165】
コンピューター可読伝送媒体は、通常、搬送波(carrier wave)またはその他の伝送メカニズム(transport mechanism)のような被変調データ信号(modulated data signal)にコンピューター可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータ等を実装し、すべての情報伝達媒体を含む。被変調データ信号という用語は、信号の中で情報をエンコードするように、その信号の特性のうち1つ以上を設定または変更した信号を意味する。制限ではなく例として、コンピューター可読伝送媒体は、有線ネットワークまたは直接配線接続(direct-wired connection)のような有線媒体、そして音響、RF、赤外線、その他の無線媒体のような無線媒体を含む。前述の媒体のいずれかによる任意の組み合わせもまたコンピューター可読伝送媒体の範囲に含まれるものとする。
【0166】
コンピューター(1102)を含む本開示の多様な側面を実現する例示的な環境(1100)が示されており、コンピューター(1102)は、処理装置(1104)、システムメモリー(1106)、システムバス(1108)を含む。システムバス(1108)は、システムメモリー(1106)(これに限定されない)をはじめとするシステムコンポーネントを処理装置(1104)につなげる。処理装置(1104)は、多様な商用プロセッサーのうち任意のプロセッサーになり得る。デュエルプロセッサーとその他のマルチプロセッサーアーキテクチャもまた処理装置(1104)として利用されることができる。
【0167】
システムバス(1108)は、メモリーバス、周辺装置バス、そして多様な商用バスアーキテクチャの中から、任意のものを使用するローカルバスにさらに相互連結されることのできる複数の類型のバス構造のうちいずれかになり得る。システムメモリー(1106)は、読み取り専用メモリー(ROM)(1110)やランダムアクセスメモリー(RAM)(1112)を含む。基本的な入出力システム(BIOS)は、ROM、EPROM、EEPROM等の非揮発性メモリー(1110)に保存され、このBIOSは、起動中の時等にコンピューター(1102)の中の複数の構成要素間の情報のやりとりをサポートする基本的なルーティンを含む。RAM(1112)は、またデータをキャッシュするための静的RAM等の高速RAMを含むことができる。
【0168】
コンピューター(1102)においては、また、内蔵型ハードディスクドライブ(HDD)(1114)(例えば、EIDE、SATA)―この内蔵型ハードディスクドライブ(1114)はまた適切なシャシー(図示は省略)の中で外付け型の用途で構成されることができる―、磁気フロッピーディスクドライブ(FDD)(1116)(例えば、移動式ディスケット(1118)から読み取ったりそれに書き込むためのものである)及び光ディスクドライブ(1120)(例えば、CD-ROMディスク(1122)を読み取ったり、DVD等のその他の高容量光媒体から読み取ったり、それに書き込むためのものである)を含む。ハードディスクドライブ(1114)、磁気ディスクドライブ(1116)及び光ディスクドライブ(1120)は、それぞれハードディスクドライブインターフェース(1124)、磁気ディスクドライブインターフェース(1126)及び光ドライブインターフェース(1128)によってシステムバス(1108)に繋がることができる。外付け型ドライブの実装のためのインターフェース(1124)は、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394インターフェース技術のうち、少なくとも1つまたはその両方を含む。
【0169】
これらのドライブ及びこれらに係るコンピューター可読媒体は、データ、データ構造、コンピューターで実行可能な命令、その他等々の非揮発性保存を提供する。コンピューター(1102)の場合、ドライブ及び媒体は、任意のデータを適切なデジタル形式に保存することに対応する。前述におけるコンピューター可読保存媒体に係る説明が、HDD、移動式磁気ディスク及びCDまたはDVD等の移動式光媒体について触れているが、当業者ならジップドライブ(zip drive)、磁気カセット、フラッシュメモリーカード、カートリッジ、その他等々のコンピューターにより読み取り可能な他の類型の保存媒体もまた例示的な運営環境で使われることができ、さらに、このような媒体のうち任意のある媒体が、本開示の方法を実行するためのコンピューターで実行可能な命令を含むことができることをよく理解できるだろう。
【0170】
運営システム(1130)、1つ以上のアプリケーションプログラム(1132)、その他のプログラムモジュール(1134)及びプログラムデータ(1136)をはじめとする多数のプログラムモジュールが、ドライブ及びRAM(1112)に保存されることができる。運営システム、アプリケーション、モジュール及び/またはデータの全部またはその一部分がまたRAM(1112)にキャッシュされることができる。本開示が商業的に利用可能な様々な運営システムまたは複数の運営システムの組み合わせにより実装されることができることをよく理解できるだろう。
【0171】
ユーザーは、1つ以上の有線・無線の入力装置、例えば、キーボード(1138)及びマウス(1140)等のポインティング装置を通じてコンピューター(1102)に命令及び情報を入力することができる。その他の入力装置(図示は省略)としてはマイク、IRリモコン、ジョイスティック、ゲームパッド、スタイラスペン、タッチスクリーン、その他等々があり得る。これら及びその他の入力装置が、よくシステムバス(1108)に繋がっている入力装置インターフェース(1142)を通じて処理装置(1104)に繋がることがあるが、並列ポート、IEEE1394直列ポート、ゲームポート、USBポート、IRインターフェース、その他等々のその他のインターフェースによって繋がることができる。
【0172】
モニター(1144)または他の類型のディスプレイ装置も、ビデオアダプター(1146)等のインターフェースを通じてシステムバス(1108)に繋がる。モニター(1144)に加えて、コンピューターは一般的にスピーカー、プリンター、その他等々のその他の周辺出力装置(図示は省略)を含む。
【0173】
コンピューター(1102)は、有線及び/または無線通信による(複数の)遠隔コンピューター(1148)等の1つ以上の遠隔コンピューターへの論理的接続を利用し、ネットワーク化された環境で動作することができる。(複数の)遠隔コンピューター(1148)は、ワークステーション、サーバーコンピューター、ルーター、パーソナルコンピューター、携帯用コンピューター、マイクロプロセッサー基盤の娯楽機器、ピア装置またはその他の通常のネットワークノードになることができ、一般的にコンピューター(1102)について述べられた構成要素のうち、多数またはその全部を含むが、簡略化するために、メモリー保存装置(1150)のみ図示されている。図示されている論理的接続は、近距離通信網(LAN)(1152)及び/または、より大きいネットワーク、例えば、遠距離通信網(WAN)(1154)における有線・無線の接続を含む。このようなLAN及びWANのネットワーキング環境は、オフィスや会社では一般的なもので、イントラネット等の全社的コンピューターネットワーク(enterprise-wide computer network)を容易にし、これらはすべて全世界のコンピューターネットワーク、例えば、インターネットに繋がることができる。
【0174】
LANネットワーキング環境で使われるとき、コンピューター(1102)は、有線及び/または無線通信ネットワークインターフェース、または、アダプター(1156)を通じてローカルネットワーク(1152)に繋がる。アダプター(1156)は、LAN(1152)への有線または無線通信を容易にすることができ、このLAN(1152)は、また無線アダプター(1156)と通信するためにそれに設置されている無線アクセスポイントを含む。WANネットワーキング環境で使われるとき、コンピューター(1102)は、モデム(1158)を含むことができたり、WAN(1154)上の通信サーバーに繋がったり、またはインターネットを通じる等、WAN(1154)を通じて通信を設定するその他の手段を持つ。内蔵型又は外付け型、そして、有線または無線装置になり得るモデム(1158)は、直列ポートインターフェース(1142)を通じてシステムバス(1108)に繋がる。ネットワーク化された環境において、コンピューター(1102)について説明されたプログラムモジュールまたはその一部分が、遠隔メモリー/保存装置(1150)に保存されることができる。図示されたネットワーク接続が例示的なものであり、複数のコンピューター間で通信リンクを設定する他の手段が使われることができるということは容易に理解できることである。
【0175】
コンピューター(1102)は、無線通信で配置されて動作する任意の無線装置またはユニット、例えば、プリンター、スキャナー、デスクトップ及び/または携帯用コンピューター、PDA(portable data assistant)、通信衛星、無線で検出可能なタグに係る任意の装備または場所及、及び電話と通信する動作をする。これは、少なくともWi-Fi及びブルートゥース(登録商標)無線技術を含む。従って、通信は、従来のネットワークのように予め定義された構造であったり、単純に少なくとも2つの装置の間でのアドホック通信(ad hoc communication)になり得る。
【0176】
Wi-Fi(Wireless Fidelity)は、有線で繋がっていなくても、インターネット等への接続を可能にする。Wi-Fiは、このような装置、例えば、コンピューターが室内及び室外で、つまり基地局の通話圏内のどこからでもデータを送受信できるようにするセル電話のような無線技術である。Wi-Fiネットワークは、安全で信頼性があり、高速である無線接続を提供するためにIEEE802.11(a、b、g、その他)という無線技術を使う。コンピューターを互いに、インターネット及び有線ネットワーク(IEEE802.3またはイーサネットを使う)に接続するためにWi-Fiが使われることができる。Wi-Fiネットワークは、非認可2.4や5GHzの無線帯域において、例えば、11Mbps(802.11a)または54Mbps(802.11b)のデータレートで動作したり、両帯域(デュエル帯域)を含む製品において動作することができる。
【0177】
本開示の技術分野における通常の知識を持つ者は情報及び信号が任意の多様な異なる技術及び手法を利用して示されることができることを理会できる。例えば、前記の説明において参照できるデータ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁気派、磁場等または粒子、光学場等または粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって示されることができる。
【0178】
本開示の技術分野において通常の知識を持つ者は、ここに開示された実施例に係る説明で取り挙げられた多様な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサー、手段、回路、アルゴリズム段階が電子ハードウェア、(利便性のために、ここでは「ソフトウェア」と称される)多様な形のプログラムまたは設計コード、またはこれらすべての結合により実装されることができることを理解できるだろう。ハードウェア及びソフトウェアのこのような相互互換性を明確に説明するために、多様な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及び段階がこれらの機能に着目して前記で一般的に説明された。このような機能がハードウェアやソフトウェアで実装されるかどうかは、特定のアプリケーションおよび全体システムに対して付与される設計上の制限によって決まる。本開示の技術分野において通常の知識を持つ者は、個々の特定のアプリケーションについて多様な手法で説明された機能を実現することができるが、このような実現の決定は、本開示の範囲を逸脱するものと解釈されてはならない。
【0179】
ここに示された多様な実施例は、方法、装置、または標準プログラミング及び/またはエンジニアリング技術を使った製造物品(article)によって実現できる。用語「製造物品」は、任意のコンピューターで可読な装置からアクセス可能なコンピュータープログラム、キャリアー、または媒体(media)を含む。例えば、コンピューターで可読保存媒体は、磁気保存装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ等)、光学ディスク(例えば、CD、DVD等)、スマートカード及びフラッシュメモリー装置(例えば、EEPROM、カード、スティック、キードライブ等)を含むが、これらに限定されるものではない。また、ここに示されている多様は保存媒体は、情報を保存するための1つ以上の装置及び/または他の機械可読媒体を含む。
【0180】
示されたプロセスにおける複数の段階の特定の順番または階層構造は、例示的なアプローチの一例であることを理解すべきである。設計上の優先順位に基づき、本開示の範囲内で、プロセスにおける段階の特定の順番または階層構造が再配列されることができることを理解すべきである。添付の方法請求項は、サンプルとしての順番で、多様な段階のエレメントを提供するが、示された特定の順番または階層構造に限定されることを意味するわけではない。
【0181】
示された実施例に関する説明は、任意の本開示の技術分野において通常の知識を持つ者が、本開示を利用したりまたは実施できるように提供される。このような実施例に対する多様な変形は、本開示の技術分野において通常の知識を持つ者には明確に理解できるものであり、ここに定義された一般的な原理は、本開示の範囲を逸脱することなく他の実施例に適用されることができる。従って、本開示はここに示す実施例によって限定されるものではなく、ここに示す原理及び新規な特徴と一貫する最広義の範囲で解釈されるべきである。
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【国際調査報告】