(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】金型試験・検査装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20240628BHJP
G01N 3/32 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
G01R31/00
G01N3/32 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577562
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 IB2022055493
(87)【国際公開番号】W WO2022264026
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】102021000015893
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518294812
【氏名又は名称】コッラーダ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【氏名又は名称】比企野 健
(72)【発明者】
【氏名】クラートリ アルベルト
【テーマコード(参考)】
2G036
2G061
【Fターム(参考)】
2G036AA28
2G036BA46
2G036CA09
2G061AA02
2G061EA01
2G061EB02
(57)【要約】
電気用途用の金型であって、特に、他方の上に積み重ねられ、又は重ね合わせられて、電気機械に使用する積み重ねパックを構成するのに適する磁性金属板を切断する金型用試験・検査装置(10)であって、切断金型(21)の1個以上の切断部材を起動・停止する、切断金型(21)の特殊機能部材(20)又は機械要素を有する相互作用手段を備え、前記装置は、前記切断金型(21)に接続されて、切断プレス外で、切断金型をテストする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気用途向け金型、特に、上下にパックし又は重ねて電気機械で用いられるように積み重ねパックを構成するのに適する磁性金属板を切断する金型用試験・検査装置(10)であって、
切断金型(21)の特殊機能部材(20)又は機械要素に直接接続される1個以上のアクチュエータ(18)であって、当該切断金型の1個以上の切断部材を起動・停止するアクチュエータと、箱型本体(13)を有する装置(12)であって、前記少なくとも1個のアクチュエータ(18)の動作を起動・停止するために、1個以上の電磁弁(14)を内部に有する装置と、前記1個以上の電磁弁(14)に接続されて前記電磁弁を起動・停止する1個以上のタイミング手段(15)と、前記少なくとも1個の電磁弁(14)と前記少なくとも1個のタイマー(15)とに給電する電源(16)とを備え、前記装置は、前記金型(21)に接続されて、切断プレス外で切断金型を試験する金型用試験・検査装置。
【請求項2】
前記アクチュエータ(18)は、複動形ピストンを備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複動形ピストンは、空気圧式であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1個の電磁弁(14)は、圧縮空気パイプ(17)により少なくとも1個のアクチュエータ(18)に接続され、ケーブル(19)により前記少なくとも1個のタイマー(15)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電磁弁(14)は、前記タイマー(15)により選択されたパルスの数及び順序に応じて前記圧縮空気回路を開閉して、前記タイマー自体により選択されたパルス数で前記アクチュエータ(18)の起動・停止を行うことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1個のタイマー(15)は、前記電磁弁(14)に対するオン・オフ形式の電気パルスであって、1分当たりのパルス数を調節することによって時間的に調節自在である電気パルスにより、前記少なくとも1個の電磁弁(14)を起動・停止することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記タイマー(15)の数は、試験対象の切断金型の特殊機能部材(20)の数に対応するアクチュエータ18の数に対応する電磁弁(14)の数に応じていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型用試験・検査装置に関する。
【0002】
詳述すると、本発明は、電気用途向けの金型、具体的には、互いにパックされ又は重ね合わされて、電気機械、例えば、モータ、発電機、変圧器、計器、点火コイル等の電気装備用途向けの積み重ねパックを構成するのに適した磁性金属板の切断金型用試験・検査装置に関する。
【背景技術】
【0003】
公知のように、積み重ねパックを形成するのに必要な磁性金属板は、専用金型による切断処理を施す金属シートを元に作られる。専用金型は、その目的のため、業界、すなわち金型の機械部品の業界で「特殊機能部材」と呼ばれる部材であって、金型の1個以上の切断部材を可動・停止する空気圧式又は油圧式ピストン、又は手動で起動される部材を備える。
【0004】
「特殊機能部材」の例として、金属板を積み重ねた順送金型タイプのものがあり、互いに上下に積み重ねた金属板の各々には、突出爪を設けられている。順送金型タイプは、反対面(爪が設けられる面に対して反対側の面)に凹部を備え、金属板の爪は、隣接する金属板の凹部に拘束され、2枚の隣接し相互に拘束された金属板の間には、別の金属板が介在し、この別の金属板には、金属板の爪が交差するのに適した貫通穴が設けられることにより、隣接する金属板の凹部と接続する。このタイプのものでは、特殊機能部材は、プレスのストローク毎に起動し停止する。
【0005】
さらに、順送タイプの金型に、複数個の「特殊機能部材」を設けられる、例えば、上述の金型を重ねて、積み重ね状態にするものがあり、特殊機能部材を起動・停止することにより切断金型を起動・停止して、切断品(例えば、金属板)を多段構造又は形状で得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、「特殊機能部材」には、特殊機能部材が、金属板と積み重ねパックの製造サイクル中に起動・停止される点で問題がある。
【0007】
典型的には、金型を、切断プレスに載せたまま試験するので、「特殊機能部材」も金型と一緒にテストすることになる。したがって、金型又は「特殊機能部材」の故障、破損等が切断プレスで直接生じ、こうした事象が起きると、切断プレスを停止する必要がある。
【0008】
この結果、破損又は故障が、プレスで直接生ずることになるので、メインテナンス関連費用が増加する。さらに、マシンダウンタイムにより生ずる生産コストの上昇を招く。
【0009】
本発明の目的は、上述した問題を解消することにある。
【0010】
取り分け、本発明の目的は、金型試験・検査装置、より詳しくは、パックされ又は互いに重ね合わされて重ね合わせパックを構成するのに適した磁性金属板を切断する金型の所謂「特殊機能部材」用試験・検査装置を提供することにある。
【0011】
本発明の更なる目的は、プレス(従来は、プレスで行っていた)ではなく、作業台で金型の特殊機能部材を試験できる試験・検査装置を提供することにある。
【0012】
本発明の更なる目的は、金型の「特殊機能部材」の一部をなす重要部品を作業台で試験できるのに適した試験装置を提供することにある。
【0013】
本発明の更なる目的は、金型の「特殊機能部材」について、ストレス試験、すなわち、疲労及び/又は摩耗試験を遂行することにより、金型を据え付けたプレスによる生産稼働段階中における特殊機能部材の調子を予測できるのに適した試験装置を提供することにある。
【0014】
本発明の更なる目的は、時間が経過しても高い強度と信頼性とを確保するのに適した金型試験・検査装置を、取り分け、容易に、かつ費用効果的にユーザに提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの目的、及びその他の目的は、請求項1に記載した構成上の特徴を有する本発明により達成される。
【0016】
本発明によれば、特に、互いに積み重ねられ、又は重ね合わせられて、電気機械に使用する積み重ねパックを構成するのに適する磁性金属板を切断する金型用試験・検査装置であって、切断金型の1個以上の切断部材を起動・停止する、切断金型の特殊機能部材又は機械要素を有する相互手段を備え、前記切断金型に接続されて、切断プレス外で、切断金型をテストする電気用途向けの金型用試験・検査装置が提供される。
【0017】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項から明らかとなる。
【0018】
本発明による金型用試験・検査装置の構造的及び作用的特徴は、好ましい実施形態ではあるが、非限定的な実施形態を図示する添付図面を参照しながら後述する詳細な説明から、より理解される。添付図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による金型試験・検査装置の構成要素を概略的に示す。
【
図2】本発明による金型試験・検査装置を接続した切断金型を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上記図面を参照すると、本発明による金型試験・検査装置は、全体を符号10で示してあり、箱型本体13を備える装置12で構成される。箱型本体内には、本装置の動作用作用部材が設けられ、動作用作用部材は、1個以上の電磁弁14と、これら1個以上の電磁弁14に接続された1個以上のタイミング手段15と、少なくとも1個の電磁弁14及び少なくとも1個のタイミング手段15に給電する電源16とを備える。
【0021】
少なくとも1個の電磁弁14は、圧縮空気パイプ17を介して少なくとも1個のアクチュエータ18に、ケーブル19を介して少なくとも1個のタイマー15に接続される。
【0022】
少なくとも1個のアクチュエータ18は、好ましくは、複動形ピストン、典型的には、空気式のもので構成され、切断金型21の「特殊機能部材」20に直接接続される。
【0023】
1個の電磁弁14は、圧縮空気回路の開閉を制御して、少なくとも1個のアクチュエータ18の動作を起動・停止する。
【0024】
少なくとも1個のタイマー15が行う作用は、少なくとも1個の電磁弁14を開閉することにより、少なくとも1個のアクチュエータ18の動作の起動・停止を行うことにある。
【0025】
特に、少なくとも1個のタイマー15は、オン・オフ式の電気パルスを電磁弁14に送り、電磁弁は、アクチュエータ18の起動・停止を制御する。タイマーの電流パルスは、「特殊機能部材」の具体的な試験条件に応じて、1分当たりのパルス数を調節することによって、時間的に制御可能である。
【0026】
電磁弁14は、タイマー15により選択されたパルス数及び順序に応じて、圧縮空気回路を開閉して、アクチュエータ18は、対応するタイマーにより選択されたパルス数に同期して起動・停止されることにより、アクチュエータは、パルス数に応じて、切断金型21の特殊機能部材20を起動・停止する。
【0027】
タイマー15の数は、電磁弁14の数に応じており、電磁弁14の数は、アクチュエータ18の数に対応し、アクチュエータ18の数は、試験対象となる特殊機能部材の数に対応する。
【0028】
本発明による金型試験・検査装置が達成する特有の効果は、次の説明から明らかとなる。
【0029】
本発明による金型試験・検査装置は、好ましいことに、金型の特殊機能部材を作業台で、すなわち、切断金型から外して試験でき、試験時間が大幅に短縮される。特に、本発明による装置は、金型の特殊機能部材の一部をなす機械部品を作業台で試験でき、このため、処理中の特殊機能部材が破壊される可能性を低くすることができ、試験回数を減らす(ひいては、コストを削減する)ことができる。
【0030】
本発明による装置のもう一つの特有の効果は、特殊機能部材の一部をなす重要な部品の予測ができることである。実際、本発明による装置は、摩耗と疲労に晒され易い可動部品である金型の特殊機能部材に機械的な試験を行うことができ、本発明による試験装置により、生産工程で、金型が晒される限界状態を予測できる。
【0031】
もう一つの特有の効果は、本発明による試験・検査装置が、金型の特殊機能部材のストレス試験、又は疲労若しくは摩耗試験を行って、金型の生産動作を予測できることである。実際、少なくとも1個のタイマーにより1分当たりの所望のパルス数を選択しながら、速度状態と切断状態とをシミュレートできる。
【0032】
本発明について、非限定的な実施形態である一実施形態を参照しながら説明したが、上記説明に基づいて、数多くの変更または変形が、当業者には明らかである。したがって、本発明は、特許請求の範囲内に入るあらゆる変更または変形を包含するものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
電気用途向け金型、特に、上下にパックし又は重ねて電気機械で用いられるように積み重ねパックを構成するのに適する磁性金属板を切断する金型用試験・検査装置(10)であって、
前記試験・検査装置は、切断金型(21)の1個以上の切断部材を起動・停止にする前記切断金型の特殊機能部材(20)又は機械要素を切断プレス外で試験・検査するための作業台上の前記切断金型に接続される金型用試験・検査装置において、
箱型本体(13)であって、内部に、1個以上の電磁弁(14)が、切断金型(21)の特殊機能部材(20)又は機械要素に直接接続された、1個以上のアクチュエータ(18)の動作を起動・停止にするように設けられた箱型本体を有する装置(12)を備え、
前記1個以上の電磁弁(14)に接続されて
、前記少なくとも1個の電磁弁を起動・停止する1個以上のタイミング手段(15)と、
前記少なくとも1個の電磁弁(14)と前記少なくとも1個のタイマー(15)とに給電する電源(16)とを備
える金型用試験・検査装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
前記タイマー(15)の数は、試験対象の切断金型の特殊機能部材(20)の数に対応するアクチュエータ
(18
)の数に対応する電磁弁(14)の数に応じていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【国際調査報告】