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特表2024-524120手持ち式レーザシステムにおける洗浄機能性
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】手持ち式レーザシステムにおける洗浄機能性
(51)【国際特許分類】
   B08B 7/00 20060101AFI20240628BHJP
   B23K 26/36 20140101ALI20240628BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20240628BHJP
【FI】
B08B7/00
B23K26/36
B23K26/064 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577765
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 US2022034158
(87)【国際公開番号】W WO2022266530
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/212,280
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/242,175
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501012517
【氏名又は名称】アイピージー フォトニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ユーリー・マークショフ
(72)【発明者】
【氏名】ユーリ・グラポフ
(72)【発明者】
【氏名】ナム・リ
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ・ノヴィコフ
【テーマコード(参考)】
3B116
4E168
【Fターム(参考)】
3B116BC01
4E168AD00
4E168AD07
4E168AD11
4E168BA32
4E168DA02
4E168DA28
4E168DA42
4E168DA43
4E168EA17
4E168FB03
(57)【要約】
レーザ放射を使用して表面を洗浄するための方法およびシステムが提供される。一例において、レーザ放射を使用して表面を洗浄するためのシステムは、レーザ放射を生成するように構成されると共に、レーザ放射を洗浄モードで発するように構成されるレーザ源であって、洗浄モードは、100%未満のデューティサイクル、少なくとも10キロヘルツ(kHz)よりも大きいパルス繰り返し周波数、および、1マイクロ秒(μs)から10(ミリ秒)msまでの範囲でのFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードとして特徴付けられる、レーザ源と、レーザ放射を表面へと方向付ける手持ち式装置として構成される筐体と、手持ち式装置をレーザ源に連結する光ファイバと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ放射を使用して表面を洗浄するためのシステムであって、
レーザ放射を生成するように構成されると共に、レーザ放射を洗浄モードで発するように構成されるレーザ源であって、前記洗浄モードは、100%未満のデューティサイクル、少なくとも10キロヘルツ(kHz)のパルス繰り返し周波数、および、1マイクロ秒(μs)から10ミリ秒(ms)までの範囲でのFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードとして特徴付けられる、レーザ源と、
前記レーザ放射を前記表面へと方向付ける手持ち式装置として構成される筐体と、
前記手持ち式装置を前記レーザ源に連結する光ファイバと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記パルス繰り返し周波数は10kHz~55kHzの範囲にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記洗浄モードは1500ワット(W)の最大出力を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記デューティサイクルは10%~95%の範囲にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記レーザ源を制御するように構成される制御装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記筐体の中に位置決めされる少なくとも1つの移動可能な鏡であって、前記レーザ放射のレーザビームを、前記レーザビームが5mmよりも大きいウォブル振幅を有するようにウォブルさせるように構成される少なくとも1つの移動可能な鏡をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記筐体に取り付けられるように構成され、前記洗浄モードで発せられたレーザ放射を、洗浄される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記洗浄ノズルは、前記レーザ放射の通過を可能にする開口を伴って構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記レーザ放射は前記表面に走査線を形成する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記開口はガスを前記表面へと送達するようにさらに構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記開口は、前記レーザ放射のレーザビームが15mmのウォブル振幅を有するようにさらに構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記洗浄ノズルは、
一点構成、
二点構成、または、

のうちの1つを伴って構成されるノズル先端を有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記ノズル先端は、前記洗浄ノズルの管状体部分に圧入されるように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
表面をレーザで洗浄するための方法であって、
レーザ源を提供するステップであって、前記レーザ源は、レーザ放射を洗浄モードで発するように構成され、前記洗浄モードは、100%未満のデューティサイクル、少なくとも10キロヘルツ(kHz)のパルス繰り返し周波数、および、1マイクロ秒(μs)から10ミリ秒(ms)までの範囲でのFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードとして特徴付けられる、ステップと、
レーザ放射を前記レーザ源から前記洗浄モードで生成するステップと、
前記レーザ源から発せられた前記レーザ放射を、洗浄される表面へと方向付けるステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記パルス繰り返し周波数は10~55kHzの範囲にある、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記洗浄モードは1500ワット(W)の最大出力を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記デューティサイクルは10~95%の範囲にある、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記レーザビームが5mmよりも大きいウォブル長を有するように、前記発せられたレーザ放射のレーザビームをウォブルさせるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記レーザ放射を発する手持ち式デバイスを提供するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記手持ち式デバイスに取り付けられるように構成され、前記洗浄モードで発せられたレーザ放射を、前記洗浄される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルを提供するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
レーザ源から発せられるレーザ放射を、洗浄される表面へと送達するように構成されるレーザ加工ヘッドで使用される洗浄ノズルであって、前記レーザ放射を許容するように構成される開口と、前記表面へと送達されるガスとを備える、洗浄ノズル。
【請求項22】
前記洗浄ノズルは、
一点構成、
二点構成、または、

のうちの1つを伴って構成されるノズル先端を有する、請求項21に記載の洗浄ノズル。
【請求項23】
前記ノズル先端は、前記洗浄ノズルの管状体部分に連結されるように構成される、請求項22に記載の洗浄ノズル。
【請求項24】
前記管状体部分は前記レーザ加工ヘッドに連結されるように構成される、請求項23に記載の洗浄ノズル。
【請求項25】
前記管状体部分は取付機構で前記レーザ加工ヘッドに連結される、請求項24に記載の洗浄ノズル。
【請求項26】
前記表面へと送達される前記レーザ放射は走査線を形成する、請求項21に記載の洗浄ノズル。
【請求項27】
前記レーザ加工ヘッドは、前記表面へと送達される前記レーザ放射のレーザビームをウォブルさせるように構成され、前記開口は、前記レーザビームのウォブル振幅を受け入れるように構成される、請求項21に記載の洗浄ノズル。
【請求項28】
レーザ放射を使用して表面を不動態化するためのシステムであって、
レーザ放射を生成するように構成されるレーザ源であって、100%未満のデューティサイクル、30~55キロヘルツ(kHz)の範囲でのパルス繰り返し周波数、および、ナノ秒程度以上のFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードでレーザ放射を発するように構成されるレーザ源と、
前記レーザ放射を前記表面へと方向付ける手持ち式装置として構成される筐体と、
前記手持ち式装置を前記レーザ源に連結する光ファイバと、
を備える、システム。
【請求項29】
前記変調されたCWモードは1500ワット(W)の最大出力を有する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記デューティサイクルは10~95%の範囲にある、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記FWHMパルス期間は最大でミリ秒の程度である、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
前記筐体の中に位置決めされる少なくとも1つの移動可能な鏡であって、前記レーザ放射のレーザビームを、前記レーザビームが5mmよりも大きいウォブル振幅を有するようにウォブルさせるように構成される少なくとも1つの移動可能な鏡をさらに備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項33】
前記筐体に取り付けられるように構成され、不動態化モードで発せられたレーザ放射を、不動態化される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルをさらに備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項34】
前記洗浄ノズルは、前記レーザ放射の通過を可能にし、ガスを前記表面へと送達する開口を伴って構成される、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記レーザ放射は前記表面に走査線を形成する、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記開口は、前記レーザ放射のレーザビームが15mmのウォブル振幅を有するようにさらに構成される、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
表面をレーザで不動態化するための方法であって、
レーザ源を提供するステップであって、前記レーザ源は、100%未満のデューティサイクル、30~55キロヘルツ(kHz)の範囲でのパルス繰り返し周波数、および、ナノ秒程度以上のFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードでレーザ放射を発するように構成される、ステップと、
レーザ放射を前記レーザ源から前記変調されたCWモードで生成するステップと、
前記レーザ源から発せられた前記レーザ放射を、不動態化される表面へと方向付けるステップと、
を含む、方法。
【請求項38】
前記変調されたCWモードは1500ワット(W)の最大出力を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記デューティサイクルは10~95%の範囲にある、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記FWHMパルス期間は最大でミリ秒の程度である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記レーザビームが5mmよりも大きいウォブル長を有するように、前記発せられたレーザ放射のレーザビームをウォブルさせるステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記レーザ放射を発する手持ち式デバイスを提供するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記手持ち式デバイスに取り付けられるように構成され、前記変調されたCWモードで発せられたレーザ放射を、前記不動態化される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルを提供するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記表面は溶接線を備え、前記レーザ放射は前記溶接線へと方向付けられる、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記表面は、ニッケル、ニッケル合金、インコネル、チタン、チタン合金、およびステンレス鋼のうちの1つを含む金属材料である、請求項37に記載の方法。
【請求項46】
レーザ放射を使用して表面を不動態化するためのシステムであって、
レーザ放射を生成するように構成されるレーザ源であって、1500ワット(W)の最大出力を有する連続波(CW)モードでレーザ放射を発するように構成されるレーザ源と、
前記レーザ放射を前記表面へと方向付ける手持ち式装置として構成される筐体と、
前記手持ち式装置を前記レーザ源に連結する光ファイバと、
を備えるシステム。
【請求項47】
前記筐体の中に位置決めされる少なくとも1つの移動可能な鏡であって、前記レーザ放射のレーザビームを、前記レーザビームが5mmよりも大きいウォブル振幅を有するようにウォブルさせるように構成される少なくとも1つの移動可能な鏡をさらに備える、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記筐体に取り付けられるように構成され、前記CWモードで発せられたレーザ放射を、不動態化される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルをさらに備える、請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
前記洗浄ノズルは、前記レーザ放射の通過を可能にし、ガスを前記表面へと送達するための開口を伴って構成される、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記レーザ放射は前記表面に走査線を形成する、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記開口は、前記レーザ放射のレーザビームが15mmのウォブル振幅を有するようにさらに構成される、請求項49に記載のシステム。
【請求項52】
表面をレーザで不動態化するための方法であって、
レーザ源を提供するステップであって、前記レーザ源は、1500ワット(W)の最大出力を有する連続波(CW)モードでレーザ放射を発するように構成される、ステップと、
レーザ放射を前記レーザ源から前記CWモードで生成するステップと、
前記レーザ源から発せられた前記レーザ放射を、不動態化される表面へと方向付けるステップと、
を含む、方法。
【請求項53】
前記レーザビームが5mmよりも大きいウォブル長を有するように、前記発せられたレーザ放射のレーザビームをウォブルさせるステップをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記レーザ放射を発する手持ち式デバイスを提供するステップをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記手持ち式デバイスに取り付けられるように構成され、前記CWモードで発せられたレーザ放射を、前記不動態化される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルを提供するステップをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記表面は溶接線を備え、前記レーザ放射は前記溶接線へと方向付けられる、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記表面は、ニッケル、ニッケル合金、インコネル、チタン、チタン合金、およびステンレス鋼のうちの1つを含む金属材料である、請求項52に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年6月18日に出願された「CLEANING FUNCTIONALITY IN HANDHELD LASER SYSTEM」という名称の米国仮特許出願第63/212,280号と、2021年9月9日に出願された「CLEANING FUNCTIONALITY IN HANDHELD LASER SYSTEM」という名称の米国仮特許出願第63/242,175号とへの優先権を主張し、それらの内容は、それらの全体において、本明細書において参照により組み込まれている。
【0002】
本出願は、2021年8月25日に出願された「HANDHELD LASER SYSTEM」という名称のPCT国際出願番号PCT/US2021/047498と、2021年6月18日に出願された「MATERIAL PROCESSING FUNCTIONALITY IN HANDHELD LASER SYSTEM」という名称の米国仮特許出願第63/212,290号とに関し、それらの内容は、それらの全体において、本明細書において参照により組み込まれている。
【0003】
技術分野は、概して、材料加工動作のために使用され得る手持ち式レーザデバイスに関し、より詳細には、洗浄機能性を伴って構成される手持ち式レーザデバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
表面において実施される材料加工は、酸化物、有機材料、もしくは無機材料などの汚染物、または溶接跡を表面から除去する洗浄処理を必要とする可能性がある。レーザ照射は、表面の上層を蒸発させる熱入力を表面に提供するために使用され得る。
【0005】
高い出力の能力(例えば、少なくとも1kW)を伴うレーザに基づく材料加工機器が、産業用の切断および溶接のために従来から使用されてきたが、典型的には、多くの比較的小さい機械工場または他の比較的小さい規模の最終使用者には高価すぎていた。しかしながら、時間と共に、レーザダイオードの平均出力が相当に増加した一方で、それらの1ワットあたりの平均価格は飛躍的に低下した。また、技術的な進歩が、比較的高い出力のレーザシステムにおいて行われた。これらの因子は、比較的高い出力のレーザを、手持ち式レーザデバイスなどの比較的小さい材料加工システムに実装することをより実現可能にする。このようなシステムは、比較的小さい産業工場にとって望ましいだけでなく、これらのデバイスは、比較的大きいレーザシステムが使用するのに非現実的または不可能である用途において特に有用となる。
【0006】
切断および溶接の他に、他のレーザに基づく材料加工には、穿孔、ロウ付け、半田付け、クラッディング、および、洗浄などの他の熱処理がある。特に、ファイバレーザ技術は、エキシマまたはCOシステムなどの他のレーザ技術に対していくつかの利点を提供する。比較的低い維持コストの他に、ファイバレーザ技術は、高いウォールプラグ効率、長いダイオード耐用期間も提供し、より容易に運ぶことができる。特に、ファイバレーザ洗浄は、吹付け加工、コールドジェット、化学洗浄、および熱洗浄などの他の洗浄方法に対して相当の利点を提供する。しかしながら、これまでの従来のファイバレーザ洗浄方法は、ファイバに基づく手持ち式レーザデバイスを使用する洗浄の高い品質で経済的な形態を提供していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
態様および実施形態は、レーザ放射を使用して表面を洗浄および/または不動態化するための方法およびシステムに向けられている。
【0008】
例示の実施形態によれば、レーザ放射を使用して表面を洗浄するためのシステムが提供される。一例において、システムは、レーザ放射を生成するように構成されると共に、レーザ放射を洗浄モードで発するように構成されるレーザ源であって、洗浄モードは、100%未満のデューティサイクル、少なくとも10キロヘルツ(kHz)のパルス繰り返し周波数、および、1マイクロ秒(μs)から10ミリ秒(ms)までの範囲でのFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードとして特徴付けられる、レーザ源と、レーザ放射を表面へと方向付ける手持ち式装置として構成される筐体と、手持ち式装置をレーザ源に連結する光ファイバと、を備える。
【0009】
一例において、パルス繰り返し周波数は10~55kHzの範囲にある。
【0010】
一例において、洗浄モードは1500ワット(W)の最大出力を有する。
【0011】
一例において、デューティサイクルは10~95%の範囲にある。
【0012】
一例において、システムは、レーザ源を制御するように構成される制御装置をさらに備える。
【0013】
一例において、システムは、筐体の中に位置決めされる少なくとも1つの移動可能な鏡であって、レーザ放射のレーザビームを、レーザビームが5mmよりも大きいウォブル振幅を有するようにウォブルさせるように構成される少なくとも1つの移動可能な鏡をさらに備える。
【0014】
一例において、システムは、筐体に取り付けられるように構成され、洗浄モードで発せられたレーザ放射を、洗浄される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルをさらに備える。
【0015】
一例において、洗浄ノズルは、レーザ放射の通過を可能にする開口を伴って構成される。さらなる例において、レーザ放射は表面に走査線を形成する。さらなる例において、開口はガスを表面へと送達するようにさらに構成される。一例において、開口は、レーザ放射のレーザビームが15mmのウォブル振幅を有するようにさらに構成される。他の例では、洗浄ノズルは、一点構成、二点構成、または、溝のうちの1つを伴って構成されるノズル先端を有する。一例において、ノズル先端は、洗浄ノズルの管状体部分に圧入されるように構成される。
【0016】
他の例示の実施形態によれば、表面をレーザで洗浄するための方法が提供される。一例において、方法は、レーザ源を提供するステップであって、レーザ源は、レーザ放射を洗浄モードで発するように構成され、洗浄モードは、100%未満のデューティサイクル、少なくとも10キロヘルツ(kHz)のパルス繰り返し周波数、および、1マイクロ秒(μs)から10ミリ秒(ms)までの範囲でのFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードとして特徴付けられる、ステップと、レーザ放射をレーザ源から洗浄モードで生成するステップと、レーザ源から発せられたレーザ放射を、洗浄される表面へと方向付けるステップとを含む。
【0017】
一例において、パルス繰り返し周波数は10~55kHzの範囲にある。
【0018】
一例において、洗浄モードは1500ワット(W)の最大出力を有する。
【0019】
一例において、デューティサイクルは10~95%の範囲にある。
【0020】
一例において、方法は、レーザビームが5mmよりも大きいウォブル長を有するように、発せられたレーザ放射のレーザビームをウォブルさせるステップをさらに含む。
【0021】
一例において、方法は、レーザ放射を発する手持ち式デバイスを提供するステップをさらに含む。
【0022】
一例において、方法は、手持ち式デバイスに取り付けられるように構成され、洗浄モードで発せられたレーザ放射を、洗浄される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルを提供するステップをさらに含む。
【0023】
他の例示の実施形態によれば、レーザ源から発せられるレーザ放射を、洗浄される表面へと送達するように構成されるレーザ加工ヘッドで使用される洗浄ノズルが提供される。一例において、洗浄ノズルは、レーザ放射を許容するように構成される開口と、表面へと送達されるガスとを備える。
【0024】
一例において、洗浄ノズルは、一点構成、二点構成、または、溝のうちの1つを伴って構成されるノズル先端を有する。他の例において、ノズル先端は、洗浄ノズルの管状体部分に連結されるように構成される。他の例において、管状体部分はレーザ加工ヘッドに連結されるように構成される。他の例において、管状体部分は取付機構でレーザ加工ヘッドに連結される。一例において、表面へと送達されるレーザ放射は走査線を形成する。一例において、レーザ加工ヘッドは、表面へと送達されるレーザ放射のレーザビームをウォブルさせるように構成され、開口は、レーザビームのウォブル振幅を受け入れるように構成される。
【0025】
他の例示の実施形態によれば、レーザ放射を使用して表面を不動態化するためのシステムが提供される。一例において、システムは、レーザ放射を生成するように構成されるレーザ源であって、100%未満のデューティサイクル、30~55キロヘルツ(kHz)の範囲でのパルス繰り返し周波数、および、ナノ秒程度以上のFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードでレーザ放射を発するように構成されるレーザ源と、レーザ放射を表面へと方向付ける手持ち式装置として構成される筐体と、手持ち式装置をレーザ源に連結する光ファイバとを備える。
【0026】
一例において、変調されたCWモードは1500ワット(W)の最大出力を有する。
【0027】
一例において、デューティサイクルは10~95%の範囲にある。
【0028】
一例において、FWHMパルス期間は最大でミリ秒の程度である。
【0029】
一例において、システムは、筐体の中に位置決めされる少なくとも1つの移動可能な鏡であって、レーザ放射のレーザビームを、レーザビームが5mmよりも大きいウォブル振幅を有するようにウォブルさせるように構成される少なくとも1つの移動可能な鏡をさらに備える。
【0030】
一例において、システムは、筐体に取り付けられるように構成され、不動態化モードで発せられたレーザ放射を、不動態化される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルをさらに備える。
【0031】
一例において、洗浄ノズルは、レーザ放射の通過を可能にし、ガスを表面へと送達する開口を伴って構成される。
【0032】
一例において、レーザ放射は表面に走査線を形成する。
【0033】
一例において、開口は、レーザ放射のレーザビームが15mmのウォブル振幅を有するようにさらに構成される。
【0034】
他の実施形態によれば、表面をレーザで不動態化するための方法が提供される。一例において、方法は、レーザ源を提供するステップであって、レーザ源は、100%未満のデューティサイクル、30~55キロヘルツ(kHz)の範囲でのパルス繰り返し周波数、および、ナノ秒程度以上のFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードでレーザ放射を発するように構成される、ステップと、レーザ放射をレーザ源から変調されたCWモードで生成するステップと、レーザ源から発せられたレーザ放射を、不動態化される表面へと方向付けるステップとを含む。
【0035】
一例において、変調されたCWモードは1500ワット(W)の最大出力を有する。
【0036】
一例において、デューティサイクルは10~95%の範囲にある。
【0037】
一例において、FWHMパルス期間は最大でミリ秒の程度である。
【0038】
一例において、方法は、レーザビームが5mmよりも大きいウォブル長を有するように、発せられたレーザ放射のレーザビームをウォブルさせるステップをさらに含む。
【0039】
一例において、方法は、レーザ放射を発する手持ち式デバイスを提供するステップをさらに含む。さらなる例において、方法は、手持ち式デバイスに取り付けられるように構成され、変調されたCWモードで発せられたレーザ放射を、不動態化される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルを提供するステップをさらに含む。
【0040】
一例において、表面は溶接線を備え、レーザ放射は溶接線へと方向付けられる。
【0041】
一例において、表面は、ニッケル、ニッケル合金、インコネル、チタン、チタン合金、およびステンレス鋼のうちの1つを含む金属材料である。
【0042】
他の例示の実施形態によれば、レーザ放射を使用して表面を不動態化するためのシステムが提供される。一例において、システムは、レーザ放射を生成するように構成されるレーザ源であって、1500ワット(W)の最大出力を有する連続波(CW)モードでレーザ放射を発するように構成されるレーザ源と、レーザ放射を表面へと方向付ける手持ち式装置として構成される筐体と、手持ち式装置をレーザ源に連結する光ファイバとを備える。
【0043】
一例において、システムは、筐体の中に位置決めされる少なくとも1つの移動可能な鏡であって、レーザ放射のレーザビームを、レーザビームが5mmよりも大きいウォブル振幅を有するようにウォブルさせるように構成される少なくとも1つの移動可能な鏡をさらに備える。
【0044】
一例において、システムは、筐体に取り付けられるように構成され、CWモードで発せられたレーザ放射を、不動態化される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルをさらに備える。他の例において、洗浄ノズルは、レーザ放射の通過を可能にし、ガスを表面へと送達するための開口を伴って構成される。一例において、レーザ放射は表面に走査線を形成する。一例において、開口は、レーザ放射のレーザビームが15mmのウォブル振幅を有するようにさらに構成される。
【0045】
他の例示の実施形態によれば、表面をレーザで不動態化するための方法が提供される。一例において、方法は、レーザ源を提供するステップであって、レーザ源は、1500ワット(W)の最大出力を有する連続波(CW)モードでレーザ放射を発するように構成される、ステップと、レーザ放射をレーザ源からCWモードで生成するステップと、レーザ源から発せられたレーザ放射を、不動態化される表面へと方向付けるステップとを含む。
【0046】
一例において、レーザビームが5mmよりも大きいウォブル長を有するように、発せられたレーザ放射のレーザビームをウォブルさせるステップをさらに含む。
【0047】
一例において、方法は、レーザ放射を発する手持ち式デバイスを提供するステップをさらに含む。
【0048】
一例において、方法は、手持ち式デバイスに取り付けられるように構成され、CWモードで発せられたレーザ放射を、不動態化される表面へと送達するように構成される洗浄ノズルを提供するステップをさらに含む。
【0049】
一例において、表面は溶接線を備え、レーザ放射は溶接線へと方向付けられる。
【0050】
一例において、表面は、ニッケル、ニッケル合金、インコネル、チタン、チタン合金、およびステンレス鋼のうちの1つを含む金属材料である。
【0051】
なおも他の態様、実施形態、および、これらの例の態様および実施形態の利点は、以下において詳細に検討されている。さらに、前述の情報と以下の詳細な記載との両方が、様々な態様および実施形態の単なる図示の例であり、請求されている態様および実施形態の性質および特徴を理解するための概要または構想を提供するように意図されていることを理解されたい。本明細書で開示されている実施形態は他の実施形態と組み合わせることができ、「実施形態」、「例」、「いくつかの実施形態」、「いくつかの例」、「代替の実施形態」、「様々な実施形態」、「一実施形態」、「少なくとも1つの実施形態」、「この実施形態および他の実施形態」、「特定の実施形態」などへの参照は、必ずしも相互に排他的ではなく、記載されている具体的な特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを指示するように意図されている。本明細書におけるこのような用語の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているのではない。
【0052】
少なくとも1つの実施形態の様々な態様が、同一の縮尺で描かれるように意図されていない添付の図を参照して以下で検討されている。図は、様々な態様および実施形態の図示およびさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成しているが、任意の具体的な実施形態の限定の定義として意図されているのではない。図面は、本明細書の残りの部分と共に、記載および請求された態様および実施形態の原理および動作を説明するように供する。図では、様々な図で示されている各々の同一またはほとんど同一の構成要素が、同様の符号によって表されている。明確性の目的のために、すべての構成要素がすべての図で符号付けされているとは限らない可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本開示の態様による手持ち式レーザシステムの一例の概略図である。
図2A】本開示の態様による手持ち式レーザに取り付けられた洗浄ノズルの1つの非限定的な例の写真である。
図2B】本開示の態様による手持ち式レーザに取り付けられた洗浄ノズルの例の斜視図である。
図3】本開示の態様による二点式洗浄ノズルの1つの非限定的な例の斜視図である。
図3A】本開示の態様による手持ち式レーザに取り付けられる二点式洗浄ノズルの1つの非限定的な例の写真である。
図3B】本開示の態様による洗浄処置においてレーザ放射を発する洗浄ノズルを正面から見た写真である。
図3C】本開示の態様による洗浄処置においてレーザ放射を発する洗浄ノズルを斜めから見た写真である。
図4】本開示の態様による溝付き先端を伴って構成された洗浄ノズルの1つの非限定的な例の斜視図である。
図5】本開示の態様によるボール端付き先端を伴って構成された一点式洗浄ノズルの1つの非限定的な例の斜視図である。
図6】本発明の態様によるレーザヘッドに取り付けられた洗浄ノズルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本明細書において、本出願者によって所有され、本明細書において参照によりその全体において組み込まれている、以後において「基本手持ち式レーザ出願」と称されるPCT国際出願番号PCT/US2021/047498が参照される。基本手持ち式レーザ出願は、光ファイバを介して手持ち式構成要素に連結される空冷式レーザ源を備える手持ち式レーザシステムを記載している。手持ち式レーザシステムは、少なくとも1kWの程度である出力能力を有し、ビームをウォブルさせる能力を伴って構成される。
【0055】
図1は、基本手持ち式レーザ出願で開示されている手持ち式レーザシステムと類似している手持ち式レーザシステム100の一例の概略を示している。これらの類似は、レーザ源115と、制御装置または制御システム150と、手持ち式装置120(本明細書では手持ち式デバイスとも称される)として構成される筐体と、レーザ源115を手持ち式装置120に連結する光ファイバ130と、レーザ源115、制御装置150、および、レーザ源115を冷却する空冷システム140を収容するレーザモジュール110とを含む。レーザモジュール110は移動可能カート160に搭載され得る。レーザ源115は、発せられたレーザ光のレーザビーム122で、加工物105に材料加工動作を実施するための波長(例えば、Ybの1030~1090nm)でレーザ光を発する。手持ち式装置120は、ビームをウォブルさせる能力を伴って構成されてもいる。
【0056】
手持ち式装置120として構成されている筐体は、レーザビーム122のための出口123または出射部を有する。本記載を通じて、「手持ち式」という用語は、使用者の片手または両手によって容易に保持されて動作させられるのに十分な小ささと軽さとの両方があるレーザデバイスに言及すると理解される。さらに、手持ち式レーザデバイスは持ち運び可能とされるべきであり、そのため、レーザ加工の間に使用者によってあちこちへ容易に移動させることができる。しかしながら、本発明の実施形態は「手持ち式」と称され、自立した持ち運び可能デバイスとして使用され得るが、手持ち式レーザデバイスは、いくつかの実施形態では、固定された機器と接続され、固定された機器との組み合わせで使用されてもよい。
【0057】
洗浄モード
本明細書に記載されている特定の実施形態は、基本手持ち式レーザ出願と関連付けられる手持ち式レーザシステムのために開発されたいくつかの追加の機能性を含む。明確には、1つの追加の機能性は、動作の洗浄モードを行うことに関係がある。
【0058】
少なくとも1つの実施形態によれば、洗浄モードは、100%未満のデューティサイクル、少なくとも10キロヘルツ(kHz)のパルス繰り返し周波数、および、1マイクロ秒(μs)から10ミリ秒(ms)までの範囲でのFWHMパルス期間を有する変調された連続波(CW)モードとして特徴付けられる。動作の洗浄モードは、レーザ源115を制御する制御装置150を通じて実施される。
【0059】
いくつかの実施形態では、洗浄モードは、10~60kHzの範囲でのレーザパルス周波数で動作し、さらなる実施形態では、パルス周波数は約10~55kHzの範囲にある。変調されたCWモードの構成は、CWを洗浄表面に現わせるように、十分に高い繰り返し速さ(例えば、数十kHz)を提供する。
【0060】
洗浄モードは、1500ワット(W)の最大出力を有することで特徴付けられてもよい。いくつかの実施形態では、洗浄モードは少なくとも1キロワット(kW)の出力を有する。いくつかの実施形態では、洗浄モードは約1500Wの出力を有する。1kWを超えての洗浄は、多くの従来のレーザ洗浄技術によって提供される出力である比較的低いレーザ出力での洗浄よりも高い品質および迅速な洗浄加工を提供する。さらに、本発明者は、高いピーク出力を伴うパルスレーザ放射を含む比較的高いレーザ出力が、追加的な洗浄の恩恵を何も追加しないことを見出した。例えば、kHzのレベルの周波数および2500Wのピーク出力での洗浄が、同じレベルの周波数および1500Wの最大出力よりも有意に良好に洗浄することはなかった。
【0061】
洗浄モードも、最大で100%のデューティサイクルで動作する。いくつかの実施形態では、デューティサイクルは10~99%の範囲にあり、他の実施形態では、デューティサイクルは10~95%の範囲にある。比較的低いデューティサイクルは、油による軽い表面の汚染など、軽い洗浄だけを必要とする洗浄用途において使用することができ、一方、比較的高いデューティサイクルは、速さが重要である特定の用途、および/または、望ましくない材料(例えば、塗料、錆)の膜が洗浄される表面に存在する例においてなど、より激しい洗浄が必要である特定の用途において、使用することができる。
【0062】
変調されたCWを使用する動作の洗浄モードは、洗浄のCWモードまたはパルスモードなど、他の洗浄モードから区別可能である。1つには、変調されたCW出力は、洗浄加工における高められた柔軟性を可能にする。いくつかの洗浄用途は、比較的低い洗浄速さも意味する比較的低いデューティサイクルを使用することから便益を得るが、他の用途は、比較的高いデューティサイクルによって提供される比較的高い洗浄速さから便益を得る。例えば、100%のデューティサイクルで実施される洗浄動作は、10%のデューティサイクルで実施される洗浄動作よりも10倍速いことになる。また、洗浄の「純粋」なパルスモードは、本明細書に記載されている変調されたCWの洗浄モードよりもはるかに遅い。
【0063】
手持ち式システム100は、ウォブルさせる能力を伴って構成されてもいる。少なくとも1つの移動可能な鏡が、レーザビーム122をウォブルさせるように構成される筐体120の中に位置決めされ得る。移動可能な鏡は、レーザビームを反射および移動させ、つまり、レーザビームを1つの軸においてウォブルさせる。洗浄モードは、ビームウォブルを実施するようにも構成されるが、ウォブルを使用する動作の他のモードから区別可能である。例えば、洗浄モード以外の動作モードにおいて、ウォブルの動きはレーザビーム122を前後に振動させ、5mmの最大ウォブル長(ウォブル振幅とも称される)を有する。洗浄モードについて、ウォブル振幅は、5mmよりも大きくなる能力を有する。これは、レーザ放射に、加工物においてより大きい表面積を処理させることができる。一実施形態では、ウォブル振幅は、5mmよりも大きく、最大で15mmまでであり得る。少なくとも1つの実施形態では、ウォブル振幅は、5mmよりも大きく、最大で23mmまでである。他の実施形態によれば、ウォブル振幅は、5mmよりも大きく、最大で25mmまでである。
【0064】
本明細書に記載されている洗浄モードは、加工物表面を洗浄することに言及しているが、ある例では、洗浄加工は表面を研磨することを含み得る。これは、表面の種類だけでなく、洗浄モードについての動作パラメータにも依存し得る。いくつかの例では、Rms表面粗さおよび/または水接触角についての目標測定基準が、動作の洗浄モードを制御するときの目標値として使用されてもよい。これは、フィードバック機構、または、所望の目標値を達成する動作パラメータの所定のセットのいずれかで実施され得る。
【0065】
洗浄ノズルの例
少なくとも1つの実施形態によれば、洗浄ノズルには、洗浄動作を実施するための手持ち式レーザが含まれ得る。図3図4、および図5は、洗浄動作を実施するための手持ち式レーザが含まれ得る、またはそのような手持ち式レーザと対にされ得る洗浄ノズル170、180、および190の3つの非限定的な例の斜視図である。
【0066】
洗浄ノズル170、180、190は、手持ち式レーザの筐体120に取り付けられるようにそれぞれ構成され、レーザ源によって発せられるレーザ放射を、洗浄される表面へと送達するようにそれぞれ構成される。洗浄ノズル170、180、190は、本出願者によって所有され参照によりその全体において組み込まれている同時係属の米国仮特許出願第63/212,290号に記載されているような取付機構165(例えば、図2Aおよび図2Bを参照されたい)を伴う手持ち式レーザの筐体120に取り付けられる。
【0067】
洗浄ノズル170、180、および190の各々は管状体部分172(主本体部分とも称される)を備える。管状体部分172の一端は、筐体120に取り付けられ(例えば、図2Aおよび図2Bを参照)、レーザ放射およびガスがノズルに入る入口ポート176を伴って構成される。管状体部分172の他端は、図3図4、および図5にそれぞれ示されているノズル先端175、185、および195の3つの異なる例で、ノズル先端(接触先端とも称される)を伴って構成されている。ノズル先端175、185、195は、圧入取り付けを含め、いくつかの異なる方法のうちの任意の1つで管状体部分172に連結するかまたは取り付けることができる。ネジ取り付けまたは機械的取り付けを含め、他の取付機構も本開示の範囲内にある。いくつかの実施形態では、ノズル先端175、185、および195は、管状体部分172と交換可能であり、異なる洗浄構成を実施するときに使用者がノズル先端を交換するのを容易にする。管状体部分172とノズル先端175、185、195とは、金属または金属合金を含め、いくつかの異なる材料のうちの任意の1つから構築することができる。いくつかの実施形態では、ノズルは、アルミニウム、アルミニウム合金、または鋼鉄から作られる。洗浄ノズルは、洗浄加工と有害な干渉をしない任意の材料から構築することができ、用途に特有であってもよい。
【0068】
ノズル先端175の第1の例が図3に示されている。ノズル先端175は、二点(二突起とも称される)の構成を伴って構成される。各々の接触点174は、洗浄または他の処理がされている加工物の表面への損害(例えば、引っ掻きまたは損傷)を防止するように、丸められた形を有する。また、いくつかの実施形態によれば、接触点174は、加工物への損害を防止するために、加工物の材料よりも柔らかい材料から製造され得る。一実施形態によれば、ノズル先端175はアルミニウム合金から構築される。
【0069】
ノズル先端175は、レーザ放射およびガスを、処理されている表面へと送達させるように構成される出口ポート178(端に出口または開口とも称される)を備える。少なくとも1つの実施形態によれば、ガスは空気とでき、他の例では、不活性ガスまたは半不活性ガス(例えば、遮蔽ガス)が使用されてもよい。ノズル先端175は、溶接前および/または溶接後の洗浄のために使用されてもよい。洗浄動作で使用されるノズル170と同様の洗浄ノズルの例が、図3Aに示されている。接触点は、洗浄される表面に載っており、レーザ放射は、2つの接触先端の間の出口ポートを通じて発せられる。接触先端は、加工されているときに使用者が表面に沿って手持ちレーザを案内することをより容易にする。
【0070】
いくつかの実施形態において、レーザ放射は表面に走査線167を形成する。例えば、レーザ放射は、図3Bおよび図3Cに示されているように、2つの接触点の間に走査線を形成する。特定の実施形態では、出口ポート178は、表面に送達されるレーザ放射が走査線を形成するように構成される。例えば、接触点174の間の距離179が、走査線を可能とするように寸法決定され得る。手持ち式レーザデバイスなどのレーザ加工ヘッドは、表面に送達されるレーザ放射のレーザビームを振動またはウォブルさせるように構成させることができ、出口ポート178の接触点174同士の間の距離179は、レーザビームのウォブル振幅を受け入れるように構成される。例えば、先に記載されている洗浄モードの間に送達されるレーザ放射は、5mmよりも大きいウォブル振幅で実施され得る。出口寸法179は、この振幅を受け入れるように構成される。いくつかの実施形態によれば、接触点174同士の間の距離または寸法179は、15mmのウォブル振幅を受け入れるように構成される。他の実施形態では、距離179は、25mmのウォブル振幅を受け入れるように構成される。
【0071】
少なくとも一つの実施形態によれば、洗浄ノズル170(ならびに、以下に記載されている洗浄ノズル180および190)は、互換性もある、または、安全伝導性インターロック(SCI)などの少なくとも1つの安全インターロックの機能性を可能にする。例えば、1つまたは複数のセンサと、制御装置150と、レーザ源と、加工ヘッド(例えば、手持ち式デバイス120)と、ノズル170とを備えるレーザインターロックシステムが、ノズル170が加工物表面に触れていない限りレーザ放射がレーザ源から発せられないことを確保するために使用できる。使用中、例えばノズルが表面に触れているなど、安全インターロックが連動されている場合に、制御装置はレーザ源への出力を作動させるだけである。理解されるように、これは、(ほとんどの場合に)ノズル170における接触の特徴が伝導性であることを意味する。
【0072】
ここで図4を見ると、溝186を伴って構成されたノズル先端185を有する洗浄ノズル180の斜視図が示されており、洗浄動作を実施するための手持ち式レーザと共に使用できる。溝付きの構成は、外側の角の表面形状で使用できる。例えば、ノズル先端185の溝付き構成は、ノズル出口ポート188(本明細書では、単に出口または開口とも称される)を通じて来る発せられたレーザエネルギーで洗浄するために、加工物の外側の角にノズル180を位置決めするために使用できる。図3の出口ポート178と同様に、出口ポート188はガスを発するようにも構成される。いくつかの実施形態によれば、出口ポート188は、レーザビームのウォブル振幅(例えば、15mm)を受け入れるようにも構成され、いくつかの実施形態では、表面に送達されるレーザ放射が走査線を形成するように構成される。例えば、出口ポート188の直径189は、レーザビームのウォブル振幅を受け入れるように構成されてもよい。
【0073】
図5は、一点(一突起とも称される)構成を有するノズル先端195を伴うノズル190の斜視図である。いくつかの実施形態において、先端は、図5に示されているようなボールまたは丸められた端の構成196を有する。特定の実施形態において、丸められた端196は、加工物表面の角の内側に洗浄ノズルを位置決めするために使用され得る。いくつかの実施形態では、一点構成の先端は、加工物表面を少なくとも部分的に覆う被覆(例えば、粉体塗装)、塗料、錆などの材料の層を突破するおよび/または引っ掻く(または除去する)ように構成される先端を有する。この一点構成は、ノズル185を通じて来る発せられたレーザ放射が加工物表面を洗浄することができるように、この表面と接触するためにこれらの被覆材料を突破するために使用され得る。いくつかの例において、ノズル先端195は、塗料または酸化物層など、除去される材料よりも硬い材料から構築され得る。洗浄ノズル170および180と同様に、洗浄ノズル190は、手持ち式レーザの筐体120に取り付けられるように構成されており、出口ポート198(単に出口または開口とも称される)を通じて表面にレーザ放射およびガスを送達するように構成される。また、いくつかの実施形態では、出口ポート198は、例えば15mmのウォブル振幅といった、レーザビームのウォブル振幅を受け入れるようにも構成され、表面に送達されるレーザ放射が走査線を形成するように構成される。例えば、出口ポート198の直径199は、レーザビームのウォブル振幅を受け入れるように構成されてもよい。
【0074】
本明細書に記載されている例は、手持ち式レーザデバイスとの組み合わせで使用される洗浄ノズルに言及しているが、洗浄ノズルが、手持ち式であるものだけでなく、いくつかの異なるレーザ加工ヘッドのいずれか1つと共に使用できることは、理解されるものである。レーザヘッド1020を伴うレーザシステム200の例が図6の概略図で示されている。レーザ加工ヘッド1020(単にレーザヘッドとも称される)は、レーザ源115から発せられるレーザ放射を、洗浄される表面105へと送達させるように構成される。レーザヘッド1020は、レーザ源からのレーザ放射をレーザヘッドの出力端の外へ方向付ける。レーザヘッド1020は、レーザ源115を含まない可能性があるが、レーザ源115から発せられるレーザ放射を方向付けるように筐体に含まれる光学系およびビーム案内部品を含む。ノズル170、180、および190は、取付機構165を使用してレーザ加工ヘッド1020に連結する。ガスもレーザヘッド1020の出力端を出て、本明細書の記載されているようなノズルを通じてなどで、加工物へと方向付けられる。レーザ放射はレーザビーム122としてノズルを出る。さらに、不動態化加工(後でより詳細に検討されている)が、レーザ加工ヘッド1020を使用して実施されてもよく、そのためまた、手持ち式レーザデバイスだけに限定されない。制御装置150も、制御信号を送り、いくつかの例ではフィードバック信号および/または入力信号を受信する目的のために、レーザヘッド1020およびレーザ源115に連結される。
【0075】
不動態化
他の態様によれば、手持ち式レーザは、金属表面において不動態化を実施するために使用されてもよい。不動態化は、洗浄の形態として見なすことができる。不動態化は、腐食が起こることと、腐食が処理された領域へと移動することとの両方を防止する耐食表面を作り出す。不動態化を実施するためにレーザを使用することは、加工物表面全体に影響を与え、化学廃棄物を作り出す化学的不動態化など、他の不動態化加工に対していくつかの利点を提供する。レーザは標的領域を不動態化するために使用でき、廃棄される必要がある化学品の使用がない。不動態化加工におけるレーザエネルギーの効果は、鉄が空気における酸素と反応できず、錆を形成できないように、加工物表面から遊離鉄を除去するように機能する。溶接と同様に、不動態化はアルゴンまたは窒素などのガスの存在下において実施されてもよい。
【0076】
不動態化は、いくつかの金属表面のうちのいずれか1つにおいて実施され得る。いくつかの実施形態において、金属材料は、ニッケル、ニッケル合金、インコネル、チタン、チタン合金、およびステンレス鋼のうちの1つを含む。この列記が包括的ではなく、実際には、金属材料が、鉄含量を有する任意の金属に及び得ること、または、鉄で汚染され得ることは、理解されるものである。少なくとも1つの実施形態によれば、不動態化を実施するように構成されたレーザ放射が溶接線に適用されてもよい。例えば、処理される表面は、溶接線(例えば、金属材料の突き合わせ継手)を備える可能性があり、レーザ放射は溶接線を不動態化するために溶接線へと方向付けられる。いくつかの例において、レーザ放射は、前方および後方へのパスといった、2回以上で溶接線にわたって通過させられてもよい。いくつかの例において、不動態化は、酸化が起こる機会を得ないように、溶接の直後に、または、溶接の後の短い時間期間のうちに、実施され得る。不動態化は、金属表面を腐食から保護するために、(溶接線以外の)金属表面において実施されてもよいことは、理解されるものである。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、レーザ源115は、レーザ放射を不動態化モードで発するために、制御装置150によって制御される。特定の実施形態によれば、洗浄ノズル170、180、および/または190を参照して先に記載されているような洗浄ノズルが、不動態化動作を実施するために使用され得る。それによって、洗浄ノズルは、不動態化モードで発せられるレーザ放射を、不動態化される表面へと送達するために、手持ち式装置またはレーザヘッドの筐体に取り付けられるように構成される。洗浄ノズルは、先に記載されているように、レーザ放射およびガスの通過を可能にする開口(例えば、開口178、188、198)を伴って構成される。また、レーザ放射は、図3Bおよび図3Cにおける走査線167など、走査線を表面において形成することができる。同じく先に検討されているように、開口(例えば、開口178、188、198)は、レーザビームのウォブル振幅を受け入れるように構成される。いくつかの実施形態において、ウォブル振幅は15mmである。
【0078】
不動態化モードは、繊細な不動態化および高速の不動態化へとさらに分類することができる。繊細な不動態化モードでは、レーザ源115は、100%未満のデューティサイクル、30~55kHzの範囲でのパルス繰り返し周波数、および、ナノ秒程度以上のFWHMパルス期間を有する変調されたCWモードでレーザ放射を発するように構成される。いくつかの実施形態では、変調されたCWモードのデューティサイクルは10~99%の範囲にあり、他の実施形態では、デューティサイクルは10~95%の範囲にある。いくつかの実施形態では、変調されたCWモードについてのパルス繰り返し周波数は30~50kHzの範囲にある。いくつかの実施形態では、パルス期間はマイクロ秒(μs)程度以上のものである。いくつかの実施形態では、FWHMパルス期間はマイクロ秒の程度から最大でミリ秒の程度までのものである。一実施形態では、FWHMパルス期間は0.5~10msの範囲にあり、他の実施形態では、FWHMパルス期間は0.5~5msの範囲にある。異なる金属表面において繊細な不動態化が実施された実験が、以下に記載されている。高速の不動態化モードでは、レーザ源115は、1500Wの最大出力を有する連続(CW)モードでレーザ放射を発するように構成される。
【0079】
繊細な不動態化モードでの実験
異なる材料において実施された一連の突き合わせ継手溶接が、繊細な不動態化モードで構成されたレーザ放射に曝され、その結果が、対照群(つまり、不動態化が溶接後に適用されていない)に対して、塩水噴霧試験条件において比較された。繊細な不動態化モードのためのレーザ出力が、2つの設定つまり、55kHzのパルス繰り返し周波数(1.2msのパルス期間))を伴う650Wでの第1の設定と、60kHzのパルス繰り返し周波数(1.1msのパルス期間)を伴う800Wでの第2の設定とにおいて実施された。両方の例において、デューティサイクルは65%であり、ウォブル振幅は8mmであり、2回のパスが各々の溶接線にわたって行われた。塩水噴霧試験(つまり、ASTM B117-19に準拠)が、華氏95度において30度の角度で2時間にわたって実施された。
【0080】
以下のTable 1(表1)は、処理された材料およびその厚さを列記しており、それぞれの対照群と比較して、(両方の設定において)不動態化処理による改善した保護(つまり、ほとんどまたはまったく酸化物の形成がない)を示した。
【0081】
【表1】
【0082】
本開示は、態様および実施形態は、レーザ放射を使用して表面を洗浄および/または不動態化するための方法およびシステムを提供する。例えば、本明細書で開示されている溶接前の洗浄システムおよび方法は、酸化物、錆、油、およびグリスを除去する能力を提供し、溶接後の洗浄システムおよび方法は、溶接を磨く、または、煤もしくは破片を除去する能力を提供する。両方の洗浄用途が、有害な化学品または研磨剤の必要性を排除し、最小限の材料の準備または後仕上げしか必要としない。
【0083】
本発明により本明細書で開示されている態様は、その適用において、以下の記載において述べられているかまたは添付の図面において示されている構造の詳細および構成要素の配置に限定されない。これらの態様は、他の実施形態を取ることができ、様々な方法で実施および実行することができる。特定の実施の例が、本明細書において例示の目的だけのために提供されており、限定となるように意図されていない。具体的には、任意の1つまたは複数の実施形態との関連で検討されている行為、構成要素、要素、および特徴が、任意の他の実施形態における同様の役割から排除されるようには意図されていない。
【0084】
また、本明細書で使用されている言葉遣いおよび用語は、説明の目的のためであり、限定として解釈されるべきではない。本明細書において単数形で言及されているシステムおよび方法の例、実施形態、構成要素、要素、または行為へのあらゆる言及は、複数を含む実施形態も含んでおり、本明細書における任意の実施形態、構成要素、要素、または行為への複数での言及も、単数だけを含む実施形態を含むことができる。単数形または複数形の形態での言及は、現在開示されているシステムまたは方法、それらの構成要素、行為、または要素を限定するように意図されていない。「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」、「伴う」、およびそれらの変形の本明細書での使用は、以後において列記された項目およびそれらの均等だけでなく、追加の項目を網羅するように意味されている。「または」への言及は、「または」を使用して記載されている項目が、記載された項目のうちの1つだけ、2つ以上、および全部のいずれかを指示することができるように、包括的と解釈され得る。また、本文書と、参照により本明細書において組み込まれた文書との間での用語の使用の不一致の場合、組み込まれた参考文献における用語の使用は、本文書の用語の使用への補足であり、矛盾する不一致については、本文書での用語の使用が統制する。さらに、表題または副題が、読者の利便性のために本明細書において使用され得るが、それらは本発明の範囲に影響を持たない。
【0085】
少なくとも1つの例のいくつかの態様をこのように記載したが、様々な変更、修正、および改良が当業者には容易に思い付くことは、理解されるものである。例えば、本明細書で開示されている例は、他の状況で使用されてもよい。このような変更、修正、および改良は、本開示の一部となるように意図されており、本明細書で検討された例の範囲の中にあるように意図されている。したがって、前述の記載および図面は単なる例によるものである。
【符号の説明】
【0086】
100 手持ち式レーザシステム
105 加工物、洗浄される表面
110 レーザモジュール
115 レーザ源
120 手持ち式装置、手持ち式デバイス、筐体
122 レーザビーム
123 出口
130 光ファイバ
140 空冷システム
150 制御装置、制御システム
165 取付機構
167 走査線
170 洗浄ノズル
172 管状体部分
174 接触点
175 ノズル先端
176 入口ポート
178 出口ポート、開口
179 距離、出口寸法
180 洗浄ノズル
185 ノズル先端
186 溝
188 ノズル出口ポート、開口
189 直径
190 洗浄ノズル
195 ノズル先端
196 丸められた端
198 出口ポート、開口
199 直径
200 レーザシステム
1020 レーザヘッド
図1
図2A
図2B
図3
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
【国際調査報告】