(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】熱調節装置の熱交換パネル
(51)【国際特許分類】
F24D 3/16 20060101AFI20240628BHJP
F24D 3/14 20060101ALI20240628BHJP
E04C 2/52 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
F24D3/16 A
F24D3/14
E04C2/52 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577788
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 RU2022000286
(87)【国際公開番号】W WO2023063847
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523470968
【氏名又は名称】ポタポフ ウラジーミル スタニスラヴォヴィチ
【氏名又は名称原語表記】POTAPOV, Vladimir Stanislavovich
【住所又は居所原語表記】ul. Tazaeva, 5, kv. 18 Sankt-Peterburg, g. Kolpino, 196655, Russia
(71)【出願人】
【識別番号】523470979
【氏名又は名称】マヴリュートフ ラファエル シャムシトディノビッチ
【氏名又は名称原語表記】MAVLIUTOV, Rafael Shamsitdinovich
【住所又は居所原語表記】191036, Sank-Petersburg, ul. 8-ya Sovetskaya ul. 21-21, Russia
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ポタポフ ウラジーミル スタニスラヴォヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】マヴリュートフ ラファエル シャムシトディノビッチ
【テーマコード(参考)】
2E162
3L070
【Fターム(参考)】
2E162CD02
2E162CD03
3L070BD02
3L070BD03
3L070BD05
3L070BD15
(57)【要約】
本発明は、任意の目的地の居住及び非居住施設の両方における温度状況調節、部屋加熱のための装置及びシステムの分野に関する。本発明は、広い温度範囲における熱交換パネル構造の熱安定性の向上を確保し、その使用範囲を広げることを可能にする。
熱調節装置の熱交換パネルは、低熱伝導率ポリマー材料で作られた平坦化されたベースと、高熱伝導率材料で作られた熱交換コーティングとを備える。ベースは、外側エッジに沿って狭い横側部と結合された2つの対向する平坦な機能側部を有し、該機能側部の一方は、熱交換ループの配管要素を受け入れるためのチャネルを備えた溝を有する。熱交換コーティングは、ベースの溝付き機能側部の表面上に、その平坦な表面及びチャネルキャビティーの表面の両方を覆うように配置される。プロトタイプの特徴は、熱交換コーティングが箔で作られ、ベースの機能側部の表面に接着接合されることである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱調節装置の熱交換パネルであって、低熱伝導率ポリマー材料で作られた平坦化されたベースと、高熱伝導率材料で作られた熱交換コーティングとを備え、前記ベースは、輪郭に沿って狭い横側部と結合された2つの対向する平坦な機能側部を有し、機能側部の一方は、熱交換ループの配管要素を受け入れるためのチャネルを備えた溝を有し、前記熱交換コーティングは、前記ベースの溝付き機能側部の表面上に配置され、その平坦な表面及び溝チャネルキャビティーの表面の両方を覆う可能性があり、
前記熱交換コーティングは箔で作られ、前記ベースの前記機能側部の表面に接着接合され、前記接合は、PSAタイプの「残存粘着性」を持つグルーコーティングとして実現され、-40℃~+100℃の温度範囲で弾性を維持し、前記ベースは、ストレートチャネルと弓形チャネルを備えた溝を組み合わせたセットを含み、前記チャネルは一緒に結合されて連続的な輪郭を形成し、前記ベースの横側部と共役する前記溝チャネルの端側部は開放されている、ことを特徴とするパネル。
【請求項2】
前記熱交換コーティングは、ストレート溝セクションに沿って、プロファイルされた縦方向のゴーファを含み、前記ゴーファのそれぞれの突起は、前記ベースの対応する溝の対応部分であり、前記弓形チャネルを備えたベース溝セクションの上方の熱交換コーティングの平坦な表面には、前記溝輪郭の中央線に沿ったミシン目と、それを横断する切り込みとが設けられ、ミシン目の破断線と葉の切り込みに沿った熱交換コーティングの形成と、それらの前記溝チャネルのキャビティー内への折り畳みの可能性を確保する、ことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
前記ベースは、密度が35kg/m
3以上の発泡ポリスチレン又はポリウレタンフォ一ムのポリマー材料で作られる、ことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項4】
前記熱交換コーティングは、アルミニウム又は銅箔で作られる、ことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項5】
各ベース溝の前記チャネルは、プロファイルの断面がひっくり返ったオメガ状形態で、チャネルの下部セクションが水平に配向された円筒形で、上部が狭くなるように変化し、平行な垂直に配向された横側部を持つチャネルのセクションが下から開口し、上から開口して溝口を形成するように作られる、ことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項6】
前記溝口の幅は、力による熱交換輪郭の配管要素の通過のために十分になるが、それらの断面の最大幅の0.9以上であり、下部チャネル部分の直径は、熱交換輪郭の配管要素の断面の最大幅に匹敵し、下部チャネル部分の内部キャビティーにおける配管要素の配置の可能性を確保する、ことを特徴とする請求項5に記載のパネル。
【請求項7】
前記ベース溝チャネルの輪郭は、平行チャネルを備えた2つ以上のストレートセクションと、弓形チャネルを備えた1つ以上の回転溝セクションとを含み、前記ストレートセクションは、前記ベースの対応する作用側部の表面を横断し、前記回転溝セクションは、前記ストレートセクションのチャネルの間に配置され、それらと結合されて共通の溝輪郭を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項8】
前記ベース溝チャネルの輪郭は、平行チャネルを備えた少なくとも2つのストレートセクションと、弓形回転セクションと、ターンセクションとを含み、前記ストレートセクションは、前記ベースの作用側部の表面を横断し、前記弓形回転セクションは、前記ストレートセクションの間に配置され、それらと結合され、前記ターンセクションは、回転セクションの弓の断片の形態であり、セクションの側部の1つによって、隣接するベース横側部と結合され、前記セクションは、前記ベースの作用面上に対称的に配置され、共通の溝輪郭を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【請求項9】
前記溝チャネル輪郭は、前記ベースの作用面の対称軸に関して対称にされ、かつ前記溝チャネル輪郭は、前記ベースの作用面の対称中心に関して対称にされる、ことを特徴とする請求項8に記載のパネル。
【請求項10】
前記熱交換コーティングには、前記パネルの断面分割線に沿って配置された切り込みの形態でマーキングがさらに設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の目的地の居住及び非居住施設の両方における温度状況調節のための装置及びシステムの分野に関し、特に、加熱される床及び天井パネルを含む、加熱及び冷却のためのパネル輻射システムに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術レベルから、加熱ケーブルが配置される平行チャネルを備えたパネルの形態で特許公報EP 360889に開示されている加熱要素の決定が知られている。この装置はまた追加の半球モジュールを含む。該半球モジュールは、パネルの2つの反対側のチャネルへの入口の間に配置され、ケーブルを1つのチャネルから取り外して隣接するチャネルに挿入するときにループを形成する際にケーブルがしっかりとフィットする丸い表面を形成して、ケーブルのよじれや破損を防止する。しかしながら、この設計は実際の応用が難しく、パネルによって形成されたコーティングの表面全体にわたる温度状況の均一維持を提供しない。
【0003】
また、この決定は公報CN103422650からも知られている。公報CN103422650は、熱伝導性材料(布)で覆われ、丸い形又は長方形のストレート及び回転溝(ガター)が平行に配置されたモジュールからなる(サンドイッチパネルタイプの)加熱パネルの製造方法及び構造を開示しており、この構造は、インサートとパネル材料の異なる熱伝導率特性により、加熱輪郭上及び加熱輪郭間のクリーンコーティング間の熱分配が不規則であるため、効率が低い。この構造は、加熱装置のコーティングのすべての層を設置する場所で追加の組み立て作業が必要であるため、組み立てが複雑であり、また、加熱される部屋の測定のためのパネルの寸法タイプの調整中に、インサートとパネルに使用される材料の結果として、加熱装置のコーティング自体とその上に配置されるクリーンコーティング構造の両方で材料バックリングのリスクが増加する。使用されるガターのパターンでは、加熱輪郭の加熱要素を敷設するスキームを変更することができないため、この決定を実際に使用する可能性が狭まる。
【0004】
この決定は、スウェーデンのサーモテック社の加熱付き水温床、及び/又は特許公報DE19755856に開示された同様の決定について知られており、低熱伝導率のポリマー材料で作られた平坦されたベースと、熱分配コーティングとが含まれる。ベースの側部の1つには、加熱輪郭の加熱要素を取り付けるための溝が設けられる。熱分配コーティングは、溝が設けられた側のベース上に配置される。熱の取り出しと分配のために、オメガ状のプロファイルを有する特別な突起を備えたアルミニウム板が、加熱パネルのベース上に取り付けられる。加熱パネルのベースは、発泡プラスチックで作られ、アルミニウム板の対応する突起を配置するため、且つ加熱輪郭の加熱要素、特に加熱パイプを取り付けるための直線状溝、又はオメガ状のプロファイルを有する弓形の溝を備える。しかしながら、この構造は、CN103422650に開示された構造に関して先に指摘された点を含め、構造上及び操作上の一連の欠点がある。特に、加熱輪郭の加熱要素に熱伝導材料をしっかりと係合し、熱分配要素におけるそれらの位置を固定するために必要なオメガ状のプロファイルは、製造が複雑であり、特殊な設備の存在を必要とする。オメガ状のプロファイルを有する突起を備えたアルミニウム板を製造するために、優れた熱伝導性、剛性、弾性特性を同時に備えた特殊な合金を使用する必要がある。その結果、技術プロセスの価格が大幅に上昇し、大量生産が困難になる。また、CN103422650の場合では、指定されたプロファイルを有する板は、特定の断面を持つ加熱要素にのみ適しており、他の寸法タイプの加熱要素を選択した場合には使用できない。これには、ワークピースの断面プロファイルが異なるパネルを製造する必要があり、加熱輪郭の加熱要素の寸法タイプに既存の加熱パネルを迅速に適合させる可能性が狭まる。加熱パネルの約10~15%には、熱の取り出し、分配、及びクリアコーティングへの伝達に有効な表面がない。さらに、加熱装置の要素は、別個のコンポーネントであるため、敷設中にいくつかの段階で作業が実行される。これは、設置時間の増加につながるだけでなく、最初の段階で間違いがあったことがすぐに敷設中に判明した場合、高価な材料(熱分配板)の過剰な消費にもつながる。この場合、熱分配板には、耐久性が弱められた追加の縦方向及び横方向の線、及び/又は熱交換の効率と構造全体の熱分配の均一性が低下する切り込みが設けられる。
実用新案RU156635のRF特許の公開から、平坦されたベースと熱分配コーティングとを含む加熱装置の汎用熱分配パネルの決定が知られている。このベースは、低熱伝導率のポリマー材料で作られ、その側面の1つには、加熱輪郭の加熱要素を取り付けるための溝が設けられる。熱分配コーティングは、溝が設けられた側のベース上に配置される。そのうえ、ベースと熱分配コーティングは、接着接合によって着脱不能に結合され、垂直方向に多層のパネル構造を形成する。ベースには、ストレートセクションと弓形セクションを備えた溝を組み合わせたセットが含まれる。溝のチャネルは一緒に結合されて、連続的な輪郭を形成する。さらに、少なくとも1つの溝はベースの両端側から開放される。熱分配コーティングは高熱伝導率材料で作られ、溝のストレートセクションに沿って、プロファイルされた縦方向のゴーファを含む。各ゴーファの突起は、ベースの対応する溝の対応部分であり、それと接着接合によって着脱不能に結合され、熱分配コーティングを有するパネル溝チャネルを形成する。弓形チャネルを備えたベース溝セクション上の熱分配コーティングの平坦な表面には、溝輪郭の中央線に沿ったミシン目と、それを横断する切り込みとが設けられ、ミシン目の破断線と葉切り込みに沿って熱分配コーティングを形成し、かつそれらを溝チャネルのキャビティー内に折り畳むことが確保される。重要な機能を総合すると、この決定は宣言されたものに最も近く、そのプロトタイプとして選択される。この決定の欠点の1つは、台形チャネルセクションによって調整された、隣接するチャネル壁に対する外部パイプの表面の係合が不均一であり、パネルの熱交換効率が低下することである。さらに、パイプの直径17~20mmは、溝口、つまり台形チャネルへの入り口の幅の1.7~2倍であり、チャネル壁に強い圧力を与え、パネルの曲がりや破損に影響を与える。全体としてのすべては、構造の十分な耐久性を確保せず、縦方向チャネルの軸に沿ってその破断を促進する。これらの問題を回避するために、パネルのベースを強化するか、より高い横方向の安定性特性を有する材料を使用するか、又は上向きに狭くなった台形のチャネルの壁への熱要素の圧力を低減する。
【0005】
さらに、プロトタイプを含む上記の類似物のすべてについて、この欠点はまた、熱分配(熱取り出し)コーティングを有するベースの着脱不能な接着接合を構造に使用することによって生じる典型的なものであり、硬化中にハード接合が形成されるが、低温及び高温の両方の広い温度範囲でこれらのパネルを使用する可能性は例外である。結合された材料と使用されたグルー層の熱膨張の違いにより、パネルが大幅な温度上昇の条件で使用されたり、低温で使用されたりすると、後者が破壊される。これは、(例えば、冬における)集中的な加熱及び実際の不在又は(例えば、夏期における)冷却システムの使用による状況の変更を含む、サービスを受ける部屋の温度状況の調節中にグルー層に影響を与えるため、これらのパネルの使用分野とその効率を狭めることになる。かなりの加熱の場合、このような熱交換パネルのベースと熱分配コーティングとの接着接合の形成に使用される、技術レベルで知られているグルー組成物が溶けて接着特性が失われ、その結果、パネルの完全性が損なわれ、その熱伝導特性が失われる。
【0006】
したがって、広範囲の温度に対して前記タイプの熱交換パネルを効果的に使用する可能性を広げるという問題は、現在現実のものであり、その決定を必要としている。
【発明の概要】
【0007】
宣言された発明において解決される技術的課題は、既知の技術的決定の上述の欠点を解消できる、熱調節装置の熱交換パネルの単純な汎用構造の創出である。
【0008】
技術的な結果として、熱交換パネル構造の幅広い温度範囲での熱安定性が向上し、熱交換効率とその使用の普遍性を損なうことなく、居住用及び無人用の加熱と冷却システムの両方で当該パネルの使用範囲を広げることが可能になる。
【0009】
開発された熱調節装置の熱交換パネルには、低熱伝導率のポリマー材料で作られた平坦化されたベースと、高熱伝導率材料で作られた熱交換コーティングとが含まれる。ベースは、輪郭に沿って狭い横側部に結合された2つの対向する平坦な機能側部を有し、機能側部の一方は、熱交換ループの配管要素を受け入れるためのチャネルを備えた溝を有する。熱交換コーティングは、ベースの溝付き機能側部の表面上に配置され、その平坦な表面及び溝チャネルキャビティーの表面の両方を覆うようにする。熱交換コーティングは箔で作られ、ベースの機能側部の表面に接着接合される。前記接合は、PSAタイプの「残存粘着性」を有するグルーコーティングの形態で実現され、-40℃~+100℃の温度範囲で弾性を維持する。ベースは、連続的な輪郭を形成しながら一緒に接合されたストレートチャネルと弓形チャネルを備えた溝を組み合わせたセットを含む。ベースの横側部と結合した溝チャネルの端側部は開放されている。
【0010】
実現の好ましい変形では、グルーコーティングは、アクリルベース上の「残存粘着性」を有するグルーでベース上に作られる。
【0011】
宣言された発明の実現の可能な変形の1つでは、熱交換コーティングは、溝のストレートセクションに沿って、プロファイルされた縦方向のゴーファを含み、ゴーファのそれぞれの突起は、ベースの対応する溝の対応部分である。弓形チャネルを備えたベース溝セクションの上方の熱交換コーティングの平坦な表面には、溝輪郭の中央線に沿ったミシン目と、中央線を横断する切り込みとが設けられ、ミシン目の破断線と葉の切り込みに沿った熱交換コーティングの形成と、溝チャネルキャビティー内でのそれらの折り畳みの可能性を確保する。
【0012】
宣言された決定によれば、ベースは、密度が35kg/m3以上の発泡ポリスチレン及び/又はポリウレタンフォ一ムで作られてもよい。そのうえ、熱交換コーティングは、アルミニウム又は銅箔で作られてもよい。
【0013】
また、宣言された決定の実現の好ましい変形の1つでは、各ベース溝のチャネルは、プロファイルの断面がひっくり返ったオメガ状形態で、チャネルの下部セクションが水平に配向された円筒形で、上部が狭くなるように変化し、平行な垂直に配向された横側部を持つチャネルのセクションが下から開口し、上部から開口して溝口を形成するように実現されてもよい。そのうえ、溝口の幅は、力による熱交換輪郭の配管要素の通過のために十分になるが、それらの断面の最大幅の0.9以上であることが好ましく、下部チャネル部分の直径は、熱交換輪郭の配管要素の断面の最大幅に匹敵し、下部チャネル部分の内部キャビティーにおける配管要素の配置可能性を確保する。そのうえ、実現の別の変形では、口の幅は、好ましくは10.8mmを超えず、溝チャネルの直径は22mmを超えない。
【0014】
実現の可能な変形では、ベース溝チャネルの輪郭は、平行チャネルを備えた2つ以上のストレートセクションと、弓形チャネルを備えた1つ以上の回転溝セクションとを含み、ストレートセクションは、対応するベース機能側部の表面を横断し、弓形チャネルは、ストレートセクションチャネルの間に配置され、それらと結合されて共通の溝輪郭を形成する。
【0015】
宣言された発明実現の別の変形では、ベース溝チャネルの輪郭は、ベース作用側部の表面を横断する、平行チャネルを備えた2つ以上のストレートセクションと、ストレートセクションの間に配置されそれらと結合された弓形回転セクション、及び/又は、回転セクションの弓の断片の形態で、セクションの側部の1つによって隣接するベース横側部と結合されたターンセクションから構成されてもよい。上記のセクションは、ベースの作用面の対称軸に関して、もう1つの変形ではその対称中心に関して、また、実現のもう1つの変形ではそれらの組み合わせの可能性を伴って、対称的に配置され、示された実現の変形のそれぞれにおいて共通の溝輪郭を形成する。
【0016】
実現のあらゆる変形では、接着接続のグルーコーティングは、角度的に配置された形態で行われ、角度は平行なストリップの縦軸及び/又は横軸の方向に対する0と90°以外の角度であり、別の変形では、好ましくは、長方形ベースの短辺に対して20~35°の角度である。そのうえ、グルーコーティングのストリップは幅5~10mmで作られ、熱交換コーティングには、パネルの断面分割線に沿って配置された切り込みの形態のマーキングが追加で設けられてもよい。そのうえ、実現の変形の1つにおける切り込みは、溝のストレートセクションと回転セクションとの共役点を通過するパネルの横側部に垂直な表面線に沿って配置されてもよい。そのとき、実現の別の変形では、切り込みは、溝のストレートセクションと形付きセクションとの共役点を通過するパネルの横側部に垂直な表面線に沿って配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
宣言された決定は以下の図面に示される。
【
図1a】縦軸に沿って溝が軸対称に配置された熱交換パネルのベースである。
【
図1b】縦軸に沿って溝が軸対称に配置された熱交換パネルの熱交換コーティングである。
【
図1c】組み立ての縦軸に沿って溝が線対称に配置された熱交換パネルである。
【
図2a】縦軸と横軸に沿って溝が軸対称に配置された熱交換パネルのベースである。
【
図2b】組み立ての縦軸と横軸に沿って溝が線対称に配置された熱交換パネルである。
【
図3a】グルーのストリップが塗布された熱交換パネルのベースの断片である。
【
図3b】熱交換パネルの一部上の熱交換コーティングがわずかに持ち上げられ、ベース及び熱交換コーティングにグルーがストリップで塗布された熱交換パネルの断片である。
【
図4】縦軸と横軸に沿って溝が線対称に配置されたパネルの例における熱交換パネルのベースの上面図及び側面図である。
【
図5】(縦と横の対称軸に沿って溝が線対称に配置されたパネルの例における)熱交換パネルのセグメント化の幾つかの可能な変形の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
提示された例では、加熱される床構造(温床)で使用される決定を主に参照して、その実現が検討される。しかしながら、指定された利用モードで、均一に分配する一定の室温を維持するために、熱調節装置の熱交換パネル表面の加熱と冷却の両方を実行できることは明らかである。したがって、本発明は、対応する熱交換パネルの熱交換表面を加熱する可能性を確保することに加えて、均一な温度を保つ使用環境に関係なく、対応する表面の冷却中に効率的な熱交換プロセスとその均一な分配を確保するのにも同様に適している。上記によれば、宣言された発明の文脈において、熱交換要素を含む熱交換輪郭として、輪郭は、指定された利用モードでサービスを受ける施設内の温度を一定に保つことを確保するものと考えられる。この目的のために、加熱要素と冷却要素の両方の輪郭が使用され得、これらのモードのそれぞれで動作することもでき、加熱と冷却環境、さらには室内の温度状況管理(熱調節)のシステムに等しく適している。
【0019】
図1~5の図面からわかるように、熱交換パネルは、熱交換輪郭要素の敷設のための溝2を備えたベース1と、弾性接着接合によってベース1と結合された熱交換コーティング3とから構成され、垂直方向に熱交換パネルの多層構造が形成される。
【0020】
平坦化されたベース1は、好ましくは、密度が35kg/m3以上の押出成形された発泡ポリスチレン、ポリウレタンフォ一ムなどの低熱伝導率ポリマー材料で作られる。このようにベース1によって実現されたパネルの支持層は、熱交換コーティング3と結合された熱交換表面側から反対側への熱拡散を防止し、同時に、溝チャネル輪郭を形成しそこで熱交換輪郭要素を敷設する際に追加の外装を必要とせずに、ベースの十分な強度を確保する。上述の物理化学的特性を備えた材料でベースを製造することにより、溝ベースの低い点でのベースの最小厚さに対する溝の高さの比例比に関する厳しい要件を必要とせずに、ベースの溝チャネルをあらゆる構成及び形態で作る可能性を確保し、プロトタイプの決定で必要とされるように、一方では、異なるセクションのパイプの熱交換輪郭の構成における使用の可能性を広げることを可能にし、もう一方では、熱交換の品質と熱交換パネル構造の耐久性を損なうことなく、薄いベースを形成することを可能にする。このとき、溝チャネルの断面の高さは、加熱要素の断面の高さの最大値よりも10%以上高いことが好ましく、これにより、溝チャネル内の熱交換輪郭の確実な固定、及び熱伝導コーティングの均一な加熱を確保する。また、熱交換効率及び熱分配の均一性を確保するために、パネルの熱交換層を形成する熱交換コーティング3は、必要な熱伝導特性を確保し、衛生温度基準を遵守し、かつ熱分配を長時間にわたって効率的に均一に維持する可能性のある高熱伝導率材料で作られ、アルミニウム又は銅箔を用いることが好ましい。宣言された決定の実現の考慮された例では、特に、厚さ30mmの押出発泡ポリスチレンのベースに施されたアルミニウム箔、例えば厚さ150mcmのFG 0.15 x 600 H 8011 Hが使用される。このように製造されると、熱交換層及びベースにより、装置内でクリアコーティングの表面上の熱交換プロセスの均一な分配、及び熱交換パネルとクリアコーティングの隣接する表面間で効率的な熱交換が確保される。このようにして、必要な温度状況を迅速に経済的に達成しており、サービスを受ける部屋の全容積に均一な分配を得、且つ、熱交換コーティングの表面全体にわたる熱交換プロセスの均一性によりエネルギー消費が低くなり、熱損失が最小限、実質的にゼロに減少しながら必要な熱交換特性を長期間にわたって維持する。宣言された決定の異なる例におけるクリアコーティングとして、床コーティング、温床要素及び壁、天井コーティングの両方が、熱交換パネルの宣言された決定の熱交換コーティングの外面と共役して使用され得る。
【0021】
宣言された発明によれば、熱交換パネルは、効率を損なうことなく、-40℃~+100℃の幅広い温度範囲で動作能力を維持する。これは、ベースと熱交換コーティングを一緒に結合するための接着接合の使用により宣言された決定で確保され、利用過程において、示された動作温度範囲内でその弾性を維持する。
【0022】
熱交換パネルのベースと熱交換コーティングを結合するための以前の技術レベルから知られている類似物では、接着剤グルーが使用され、それには上限温度(約+55℃)の耐熱制限が組み込まれているが、例えば、冷却システム(特に融雪システム、冷蔵室、及び冷却パネル)の要素としてマイナス温度でのそれらの使用の可能性は排除される。これは、低温では(例えば、冷却システムにおいて)、熱交換パネルの構造要素の接合に伝統的に使用されている接着剤材料が脆くなり、その結果、熱交換コーティングがベースから剥がれ、すべての構造がその機能目的である熱交換の確保を物理的に果たさなくなり、価値がなくなってしまうためである。また、+80℃を超える高温では、示された構造に使用されている硬質接着剤グルーが溶けて、その結果、表面全体に接着剤グルーが再分配し、コーティングに不均一な張力が現れ、過剰な張力がかかる場所での破壊が促進される。さらに、高い値の温度では、これらの組成物の接着特性が失われ、その結果、ベースと熱交換コーティングの接着が弱くなる。その際、動作温度範囲内であっても、以前の技術レベルから知られ、プロトタイプの決定に使用されたグルー(接着剤)接合は、グルー付き表面の接合中に急速に硬くなり、取り外し不可能な剛性接合を形成する。その結果、温度急上昇又は不安定な温度状況の条件下では、結合された材料の熱拡大特性に存在する違いにより、グルー接合自体とそれに結合された表面との両方に座屈が発生する。熱交換パネル要素のグルー接合の完全性の破壊により、熱交換プロセスが破壊され、その効率が低下する。
【0023】
さらに、熱交換輪郭の内側を通過する熱媒体の対応する加熱/冷却時のパイプ要素構造の拡大/圧縮の影響によって引き起こされる、既知の決定における熱交換コーティングの変形は、熱交換パネルの溝チャネルに配置された熱交換輪郭のパイプ要素の壁に現れる張力によっても調整される。パイプ要素の拡大/圧縮の影響は、箔付き熱交換コーティングによって形成された表面層を含むチャネルの隣接する壁に影響を及ぼし、その結果、コーティングの変形やコーティングの完全性の破壊が生じる。この効果は、接着接合の破壊の場合には、上記した利用温度状況の変化と構造の共役要素の熱拡大の違いの影響下でのグルー接合の破壊又は溶解のプロセスにより、強化される。
【0024】
このようにして、技術レベルで知られている構造はすぐにその動作特性を失い、均一な熱交換プロセスにより施設内で必要な温度状況を確保するという機能目的の実行を停止する。これは、熱交換輪郭を備え、冷却(温度のマイナス値まで)又は最大100℃の温度での加熱のために動作する、床構造と壁及び天井との両方で使用される熱交換パネルにも等しく当てはまる。
【0025】
これらの類似物とは対照的に、宣言された決定では、ベースと熱交換コーティングの接着接合として、グルーPSA(感圧接着剤)が使用される。それは、結合される表面への塗布又はグルー付け後に硬くならず、「常に粘着性のある状態」を維持する(いわゆる「残存粘着性」を有するグルー)。
【0026】
要求される温度範囲-40℃~+100℃で熱交換パネルの動作能力を確保するために、好ましくは、ベース上にアクリル系(変性アクリル系)PSA材料を使用し、示された温度範囲での利用においてそれらの特性を維持し、熱交換パネルを融雪システムや倉庫の冷蔵庫の熱交換要素として、屋根、スロープ、プラットフォームなどの加熱のために使用することを可能にする。示された目標を達成するには、例えば、H.B.Fuller社の登録商標SwiftRcol 9060、Fulltak SE 7614、Fulltak SE 5235(https://www.klei-kontakt.ru/produktsiya/klei-s-ostatochnoy-lipkostyu/)、ERGOTAK(http://termo-klev.ru/termoklev-s-ostatochnoi-lipkostiu)、VAPA-ERなどのグルーが使用されてもよい。
【0027】
上記の検討された特性に加えて、このような接着剤材料の使用により、グルー層の塗布後数時間から数日間まで細部を結合して接着することが可能であるので、耐久性に優れた時間破断を製造サイクルに組み込む可能性があることにより、熱交換パネル製造の技術プロセスを簡素化し、より柔軟にすることができまる。
【0028】
アクリル系ベース上に残存粘着性を有するグルーは、グルー塊の安定した内部(凝集)耐久性、即ち、剥離やずれに対する高い強度を有する。これにより、グルー組成物を、幅5~7mm、隙間幅10~15mmのストリップ11(
図3a)及びb))の形態で経済的に塗布することができる。グルー消費のこの経済性にもかかわらず、構造全体は、剥離、圧縮、拡大及び/又は縮小を含む、層に影響を与える縦方向と横方向の力の両方で層間の強度を維持する。
【0029】
グルー塗り付け機のシャフト上のストリップによって接着剤層を塗布するために、チャネルは(例えば、スリットの作成により)幅と深さ5~7mmで作られ、内部にグルーを保持する。スリット間のシャフトの平坦な表面は、グルー塗布中に物品をシャフト間に挟み込み、移動方向に沿ってそれを押すだけでなく、グルーを平坦な表面からガター(スリット)に向かって絞り出し、箔付き要素ベースの表面に凸状のグルーストリップを形成する。
【0030】
熱交換層の箔をパネルのベースに結合した後の技術サイクルでは、カレンダーシャフトにより、箔をベースにクランプする。その結果、グルーストリップの凸部が平坦化され、層の高い表面係合及び接着接合が確保され、異なる熱状況での製品の取り付け及び利用のプロセスにおける層の変位のダンピングの低減が確保される。
【0031】
接着剤組成物の連続層への塗布と比較して、残存粘着性を有するグルーストリップの形態の接着剤組成物の塗布は、経済的であることに加えて、パネルの対称軸(縦方向又は横方向の対称軸)に対してある角度でグルーストリップを塗布する可能性を確実にし、それにより、追加の技術的及び運用上の利点を得ることができる。そのため、グルーをパネルの対称軸(縦方向又は横方向)と同方向に塗布するのとは対照的に、グルーが要素の外縁だけでなく、チャネルのストレート及び回転セクションの縁にも、箔付き熱伝導層をプレートベースに耐久性のあり均一に接着するのに十分な量で付着するように、各物品を中心に置く必要はない。接着剤組成物(グルー)をパネルの対称軸に対して傾斜して均一に分配したストリップの形態で塗布することにより、十分な量のグルーは、結合されるパネル層の縁と溝チャネルのボーダーの両方に付着し、熱交換パネルの共役層のすべての表面上で熱交換コーティングとベースとの均一な接合を確保する。
【0032】
パネルのすべての(縦方向、横方向)対称軸に対して傾斜したグルーストリップを塗布すると、接着接合が連続コーティングの形態で、又はパネルの対称軸の1つに沿ったストリップによるグルー組成物の塗布の形態で行われる熱交換パネル構造に固有の、ベース溝チャネルのキャビティーへのグルーの流入を排除することもできる。過剰なグルーがストレート及び回転チャネルに流入すると、グルーが流入する箇所に箔付きコーティングが部分的に接着され、チャネル壁に不均一なレリーフが形成され、点接着の箇所に箔付きコーティングの過剰な張力がかかる箇所が形成される。将来的には、これらの条件の両方により、溝内への熱交換輪郭の配置と、外部輪郭に沿った箔付きコーティングによる熱交換輪郭の均一な被覆が妨げられる。その結果、熱交換層の箔付きコーティングの過剰なグルーが点接着で流入する箇所における過剰な張力ゾーンの形成を伴うチャネル内の箔コーティングの不均一なレリーフにより、熱交換輪郭を溝に取り付けるプロセス、又は熱交換パネル若しくはこのタイプの熱交換パネルに含まれるコーティングを利用するプロセスにおいて、熱交換コーティングの完全性が破壊され、熱交換特性が失われる。
【0033】
効率的な熱交換のために、箔付き熱交換コーティングは、熱交換輪郭及びベース表面に最も密接に隣接している必要がある。この目的のために、箔付き熱交換コーティングは、係合の上面で接着され、溝チャネル内に自由に配置され、溝チャネル内に取り付ける際に熱交換輪郭要素をしっかりと覆い、圧迫する可能性を確保する必要がある。その際、グルー層は、一定の「移動性」(弾性)を有する必要があるので、箔は、ストレート及び回転チャネルセクションの両方のリブに沿って剥離しない。この効果は、パネル対称軸に対して傾斜した等距離に配置されたストリップの形態で塗布された残存粘着性を有するグルー組成物を用いて、ベース表面と熱交換コーティングを接着接合する際に、完全に達成可能である。ストリップによるグルーの塗布時のグルーの費用を節約すると、チャネルにグルーが流入するリスク、又はグルーが外部パネルのボーダーに過剰に形成されるリスクが軽減される。また、グルーストリップの傾斜配置により、パネルの外縁に形成されたリブに沿って、また溝チャネルの境界でグルーが完全に存在しない可能性が排除される。これは、傾斜したストリップは、常に示されたリブを十分な量で横切り、ベースと熱交換コーティングの間に接着接合を形成するのに十分な量のグルーを塗布するためである。箔付きコーティングは確実にパネルのベース及びチャネルのリブにしっかりと接着されているが、その際にチャネル自体は自由であり、ベースにしっかりと取り付けられておらず、逆に、グルーの特性とその凝集特性の発現のための自由空間により、可動(弾性)のままである。
【0034】
外部パネルボーダーとストレート及び回転溝チャネルセクションのボーダーとの両方であるすべてのボーダーに、傾斜したストリップでグルーを塗布するため、要素ベース上に箔付き熱交換コーティングを保持するのに十分な量のグルーの塊が形成され、且つ、グルーストリップとグルーのない間隔との間の距離は、たとえグルーが接着される箔の隅まで正確に付着しなかったとしても、グルーの量が各箔セクションを保持するのに十分であり、パネルの方向、断片性、及び/又は断片(要素)を切り込む線の数と無関係に、箔付きコーティング及びプレートベースは、常にグルー層で締め付けられ、それにより、製品の品質と物理的特性を損なうことなく、あらゆる面の比率で、取り付け(敷設)箇所でパネルの構成(アンダーカット、断片)を調整することが可能になる。
【0035】
グルーストリップは、要素がグルー塗り付け機に供給される(シャフト線に対して垂直な)線に対して90°と0°以外の角度で塗布されてもよい。実際に見てみると、最適な角度は、グルー塗り付け機のシャフトの線に対して(要素の短辺に対して)、又はパネルの対称軸に対して20~35°であり、グルーマシンの作業領域の幅を大幅に拡大する必要はない。
【0036】
ベース1には、上から開かれた構造の異なる溝2を組み合わせたセットが含まれ、溝のチャネルは互いに結合されて連続的な輪郭を形成する。宣言された発明によれば、溝の連続的な輪郭は、特に、実現の変形の1つにおいて、チャネルが平行に配置されたベースの対応する作業側の表面を横断する2つ以上のストレートセクション4と、ストレートセクションのチャネルの間に配置され、共通の溝輪郭を形成するようにストレートセクションのチャネルと結合される、弓形チャネルを備えた1つ以上の回転溝セクション5とを含む。好ましい変形におけるベース溝チャネル輪郭は、少なくとも、チャネルが平行に配置された、ベースの作用側の表面を横断する2つのストレートセクションと、ストレートセクションの間に配置されてそれらと共役する弓形回転セクションと、回転セクションの弓の断片の形態の回転セクション6とを含む。回転セクション6は、セクションの側部の1つによって隣接するベースの横側部と共役する。上記セクションは、ベースの作用面上に対称的に配置されて共通の溝輪郭を形成する(
図1.4)。宣言された決定の実現の他の可能な変形では、溝チャネルの輪郭は、ベースの作用面の対称軸の1つ、ベースの作用面の対称軸、ベースの作用面の対称中心に関して対称にされる。溝輪郭の形成の別の変形も可能であり、好ましくは、そのセクション配置の選択された対称原理に従って配置される。異なる構成(ストレートと弓形)のチャネルを備えた溝のセクションを含む共通の溝輪郭の形成により、選択した敷設スキームに従って溝輪郭に沿って熱交換輪郭要素を連続的に敷設する可能性が確保され、取り付けプロセスが簡素化され、その実現にかかる時間が短縮され、また、溝輪郭の汎用性のため、熱交換輪郭の敷設のあらゆるスキームを取付けプロセスに使用する可能性も広がる。
【0037】
宣言された発明によれば、溝の対称的に配置されたセクションにより、実際の使用においても熱交換パネルを一体化できることが明らかである。宣言された決定によれば、パネルの側面に対称的なチャネル出力を有するため、パネルを簡単に一緒に取り付けることができる。溝輪郭セクションの対称的な配置スキームを使用することにより、パネルは、設置場所での熱調節装置の取り付け中に、最小限の廃棄物で簡単にセグメント化することができる。これは、セグメント化された要素はチャネル配置の構造を失わず、簡単に取り付けることができるためである。これにより、取り付け作業の時間が大幅に短縮されており、且つ、溝輪郭の不正確な結合による熱交換効率の損失のリスク、及びその結果、チャネル輪郭の破壊による隙間の形成及び/又は熱交換コーティングの完全性の破壊場合の、ベースによって形成された保護層の完全性の破壊の可能性、ならびに熱交換パネルの結合された断片化した要素によってもたらされる熱交換の特性に影響を与える他の相互の外部の不利な影響が軽減される。
【0038】
さらに、モジュール上へのパネルの断面分割の便宜のために、熱交換コーティングには、断面分割線の方向に実現され、この線が通過する支持点の位置を決定する、ミシン目9によって施された切り込み10が設けられてもよい。示されているモジュールは、取り付けられた隣接する溝チャネルの空間的向き及び構成(ストレート、回転(屈曲))に関係なく、常に一緒に、および隣接する熱交換パネルに取り付けられる。それにより、熱交換輪郭の敷設の選択されたスキームに従って、示されるパネルとモジュールの取り付け時に形成される熱交換コーティングの表面全体にわたる熱交換のより高い効率及び均一性が促進され、利用する装置の条件に基づいて、熱交換の最適な特性を確保しており、また、従来の技術レベルで知られている加熱パネルを使用した場合には達成できなかった、溝チャネルの必要な構成を備えたモジュールの製造、及び熱交換装置のベースへの取り付けにかかる製造経費及び時間経費の大幅な削減も促進される。
【0039】
宣言された発明によれば、実現の変形の1つでは、弾性的に可動性を維持し、残存粘着性を有するグルーによって接着接合でベース1と結合された熱交換コーティング3は、コーティングの平坦な表面と共役するストレート溝セクション4のチャネルに沿って、凹状ガターの形態の、特にU字形のプロファイルを有する、プロファイルされた縦方向のゴーファ7を含む。各ゴーファ7の突起8は、ベースの対応する溝4の対応部分である。プロファイルされたゴーファの存在により、ストレート溝セクションのチャネル領域におけるパネルの多層構造の形成が確実になる。さらに、熱交換コーティングがベースとチャネルに敷設された熱交換輪郭の要素との両方に密に係合することにより、必要な温度状況への到達時間の短縮のため、熱交換コーティング3の表面全体の熱交換のより高い効率が促進され、また、コーティング3の表面全体にわたる熱交換のより高い効率及び均一性も促進される。
【0040】
実現の可能な変形では、弓形溝セクション上の熱交換コーティング3は、ベース溝輪郭の中央線に沿ったミシン目9と、それを横断する溝幅にある切り込み10とを備えた平坦な表面の形態で実現されてもよい。この平面は、回転又は形付き溝セクションを使用する場合、切断されて熱交換輪郭の要素に密接に隣接し、熱交換輪郭の敷設中に示されたセクションを使用しない場合、熱交換コーティングを維持する。
【0041】
熱交換輪郭の要素を溝チャネルに敷設する際の熱交換コーティングのミシン目9の裂けは、コーティングの平坦な表面の溝チャネルのエッジで接着接合により固定された線から、ミシン目線に沿った破断線まで、チャネルの横側部に翼(図示せず)を同時に形成することによって実現される。このようにして形成された翼は、溝キャビティー内に折り畳まれる可能性を備えている。横断する切り込み10は、形成された翼を別個の葉(図示せず)に分解するのに役立ち、熱交換輪郭へのそれらの密な係合が確保される。ミシン目線に沿って形成された熱交換コーティングの翼を、そして横断する切り込みの線に沿って破断する翼により形成される葉に分割することによって、熱交換コーティングを回転溝セクションの弓形チャネルに配置する際の熱交換コーティングの変形の問題が解消され、熱交換の効率向上と均一性が確保される。
【0042】
すべての構造の熱交換のより高い効率が確保される。これは、発明の宣言された決定によれば、熱交換コーティングは、表面の平坦なセクション及びストレート溝セクションの熱交換輪郭だけでなく、ほとんどの施設の加熱面の約10~15%である屈曲セクションも覆い、サービスを受ける表面全体にわたる熱交換の均一性と効率が大幅に向上し、より少ないエネルギー費用で必要な温度状況を長期間維持する可能性が向上するためである。
【0043】
宣言された発明によれば、ベースのストレート、回転及びターン溝セクションを有するチャネルは、好ましくは、「ひっくり返した」オメガ形の形態のプロファイルセクションにより実現される。チャネル口の断面の幅は、好ましくは、使用されたパイプラインの最小直径の0.9、即ち10.8mm以下である。円筒部分のチャネルの高さ(直径)は22mmを超えない。そのため、ひっくり返ったオメガ状形態の断面輪郭を持つチャネルの上部は、チャネル内にパイプを通し、チャネル内にパイプを保持する閉ロックの役割を果たし、これにより、チャネルの壁全体ではなく、チャネル口の入口ボーダーにのみ影響を及ぼし、チャネルにおいてベースの材料に対する破壊力の影響を除外する。さらに、このような形態は、チャネル内のパイプを直線的に大幅に広げる際のパネルの曲げと破損の影響が示される台形チャネルとは対照的に、チャネル内のパイプを直線的に広げる際のチャネル壁に対する影響のリスクを軽減する。さらに、チャネルの円筒部分の輪郭は、チャネル内に敷設された熱交換輪郭要素の輪郭を繰り返すため、また、可動性の弾性接着接合を使用する、残存粘着性を有するグルーの使用により、熱交換層は、熱交換輪郭の要素(パイプ)に密接に隣接し、それにより熱交換輪郭と熱交換層との間の高い熱交換効率が確保される。
【0044】
そこで、本発明による装置は次のように動作する。
【0045】
熱交換パネルは一緒にベースの表面上に密着して敷設される。選択した敷設スキームに従って熱交換コーティングを備えたパネルの溝に、熱交換輪郭の要素、例えば熱媒体を備えたパイプやケーブルが取り付けられる。熱交換輪郭の敷設中、その要素は、溝チャネルを口領域で狭くすることで形成された「ロック」によってチャネル内に固定され、溝キャビティー内の熱交換コーティングに密接に隣接する。
産業上の利用可能性
【0046】
アルミニウム箔の熱交換コーティングは、パネルベース溝のチャネル内に配置された熱交換輪郭要素との相互作用の結果として熱交換を実行し、熱交換パネルの熱交換表面全体に熱を分配し、その後、熱がバックルに伝達されるか、要素の熱交換コーティングの上に敷かれたクリアコーティングに直接伝達される。
【0047】
熱伝導性材料で作られた熱交換コーティング層が移動可能に接着された熱交換パネルのベースは、熱交換パネルの耐用期間中にすべての使用温度範囲で弾性特性を維持し、支持層に加えて断熱層として機能し、すべての構造の下方(熱交換コーティングと共役する側部とは反対側のベースの側部)への熱損失を防ぐため、上方(クリアコーティング側)への熱伝達効率を向上させる。
【0048】
このようにして、宣言された発明は、広範囲の温度において熱交換パネル構造の熱安定性を十分に高めることを可能にし、それにより、熱交換効率やそれらの使用の汎用性を損なうことなく、居住及び非居住施設の加熱及び冷却システムの両方における熱交換パネルの使用分野を拡大することを可能にする。
【国際調査報告】