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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ポリマー再生材の加工および生成物
(51)【国際特許分類】
   B29B 17/00 20060101AFI20240628BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B29B17/00 ZAB
C08L23/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577835
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022034345
(87)【国際公開番号】W WO2022271700
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/238,655
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/213,429
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510320575
【氏名又は名称】イクイスター・ケミカルズ・エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】マヴリディス,ハリラオス
(72)【発明者】
【氏名】ハンドレイ,ミック,シー.
(72)【発明者】
【氏名】メハタ,サミール ディー.
(72)【発明者】
【氏名】コンサルヴィ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】メイエル,ゲルハルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】コーコラン,リンゼイ,イー.
【テーマコード(参考)】
4F401
4J002
【Fターム(参考)】
4F401AA08
4F401AA09
4F401AA10
4F401AB10
4F401BA13
4F401CA58
4F401CA79
4F401CA87
4F401CB01
4F401CB18
4F401DA01
4F401FA01Z
4F401FA03Z
4F401FA04Z
4F401FA05Z
4F401FA07Z
4F401FA10Z
4F401FA20Z
4J002BB03X
4J002BB12X
4J002BB20W
4J002BB20X
(57)【要約】
【解決手段】 ポリエチレンおよびポリプロピレンを含むがこれに限定されないポリオレフィン再生材の加工方法およびその組成物を提供する。ポリオレフィン再生材原料をビスブロークして、加工特性を改善したり、脱揮して廃棄副生成物を除去して加工済みポリオレフィン再生材を製造したりすることができる。加工済みポリオレフィン再生材は、プレコンシューマポリオレフィンと配合されて、許容可能な、または改善された加工特性を有するブレンド組成物を生成する。このようなプレコンシューマポリオレフィンはまた、そのようなポリマーブレンドの加工特性をさらに調整するためにビスブロークすることもできる。押出機および/または押出機ゾーンの組み合わせは、ポリオレフィン再生材および/またはプレコンシューマポリオレフィンの両方のビスブレーキングおよび/または配合のために、同じまたは異なる場所で使用することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン再生材の加工方法であって、
a. ポリオレフィン原料を提供するステップであって、前記ポリオレフィン原料は、
i) 0.900g/cm~0.970g/cmの範囲の第1密度、
ii) 5.0g/10分以下の第1メルトインデックス(I)、
iii) 4.0より大きい第1分子量分布(M/M)、
iv) 85,000ダルトン以上の第1重量平均分子量(「Mw1」)、および
v) 0.5以上の第1溶融弾性(「ER」)を有する、ステップと、
b. 前記ポリオレフィン再生材を第1押出機に添加して第1ポリオレフィン再生材溶融物を製造するステップと、
c. 前記第1ポリオレフィン再生材溶融物にビスブレーキング条件を適用して、第2ポリオレフィン溶融物を製造するステップであって、前記第2ポリオレフィン溶融物は、
i) 前記第1密度に対する比が1.0以上である第2密度、
ii) 前記第1メルトインデックスに対する比が5.0以上である第2メルトインデックス(I)、
iii) 前記第1分子量分布に対する比が0.99以下である第2分子量分布、
iv) Mw2/Mw1が0.99以下である第2重量平均分子量(「Mw2」)、および
v) 前記第1溶融弾性に対する比が0.90以下である第2溶融弾性を有する、ステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ポリオレフィン原料は、ポストコンシューマリサイクル廃棄物、ポストインダストリアルリサイクル廃棄物、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビスブレーキング条件は熱ビスブレーキングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記熱ビスブレーキングは300℃以上の温度で行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1ポリオレフィン溶融物に脱揮条件を適用して第2ポリオレフィン再生材溶融物を製造するステップをさらに含み、
前記ポリオレフィン再生材原料は、第1揮発性有機化合物含有量を有し、
前記第1ポリオレフィン再生材溶融物は、第2揮発性有機化合物含有量を有し、
前記第1揮発性有機化合物の含有量に対する前記第2揮発性有機化合物の含有量の比が0.9以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記脱揮条件は、掃気ガスの注入および抽出を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
i) 前記ポリオレフィン再生材原料は、第1高負荷メルトインデックス(i21)を有し、前記第2ポリオレフィン再生材溶融物は、第2高負荷メルトインデックスを有し、前記第1高負荷メルトインデックスに対する前記第2高負荷メルトインデックスの比が2.0以上であること、
ii) 前記ポリオレフィン再生材原料は、第1メルトインデックス比(I21/I)を有し、前記第2ポリオレフィン再生材溶融物は、第2メルトインデックス比を有し、前記第1メルトインデックス比に対する前記第2メルトインデックス比の比が0.30~0.60の範囲内であること、
(iii) 前記ポリオレフィン再生材原料は、第1長鎖分岐パラメータ(g')を有し、前記第2ポリオレフィン再生材溶融物は第2g'を有し、第1g'に対する第2g'の比が1.0未満であり、および/または前記第1g'が0.70~0.99の範囲内であること、
iv) 前記ポリオレフィン再生材原料は、0.60以上の第1長鎖分岐インデックス(「LCBI」)を有し、前記第2ポリオレフィン再生材溶融物は、第2 LCBIを有し、前記第1 LCBIに対する前記第2 LCBIの比が0.40以下であること、
v) 前記ポリオレフィン再生材原料は、第1総多分散性測定値(「PDR」)を有し、前記第2ポリオレフィン再生材溶融物は第2 PDRを有し、前記第1 PDRに対する前記第2 PDRの比が0.50以下であること、
vi) 前記ポリオレフィン再生材原料は、第1複合粘度比を有し、前記第2ポリオレフィン再生材溶融物は、第2複合粘度比を有し、前記第1複合粘度比に対する前記第2複合粘度比の比が0.50以下、および/または10以下であること、
vii) 前記ポリオレフィン再生材原料は、第1固有粘度を有し、前記第2ポリオレフィン再生材溶融物は、第2固有粘度を有し、前記第1固有粘度に対する前記第2固有粘度の比が0.90以下であること、のうちの1つまたは複数を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2ポリオレフィン再生材溶融物を前記第1押出機から取り出し、前記第2ポリオレフィン再生材溶融物をさらに加工または造粒して、ポリオレフィン再生材生成物を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリオレフィン再生材生成物と前記第1ポリオレフィンブレンド成分とを第2押出機に添加するステップと、
前記第2押出機内で配合条件を達成し、前記加工済みポリオレフィン再生材生成物と前記第1ポリオレフィンブレンド成分との溶融ブレンド混合物を含むポリオレフィン生成物を形成するステップと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1ポリオレフィンブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
a. 前記バージンポリオレフィンは、バージンLDPE、バージンLLDPE、バージンHDPE、バージンMDPE、バージンポリプロピレン、またはこれらの組合せを含み、
b. 前記ポリオレフィン再生材原料は、LDPE再生材原料、LLDPE再生材原料、HDPE再生材原料、MDPE再生材原料、ポリプロピレン再生材原料またはこれらの組み合わせを含み、
c. 前記加工済みポリオレフィン再生材は、第2加工済みLDPE再生材、第2加工済みLLDPE再生材、第2加工済みHDPE再生材、第2加工済みMDPE再生材、第2加工済みポリプロピレン再生材、またはこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記第1ポリオレフィンブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリオレフィン再生材生成物は、前記ポリオレフィン再生材と前記第1ポリオレフィンブレンド成分との合計重量に対して5重量%~90重量%の範囲の量で添加される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記配合条件は300℃以下の温度を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第2ポリオレフィンブレンド成分を第3押出機に添加するステップと、
前記第3押出機内で溶融条件を達成して、前記第2ポリオレフィンブレンド成分溶融物を製造するステップと、
前記第2ポリオレフィンブレンド成分溶融物を前記第1ポリオレフィンブレンド成分として取り出すステップと、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記第2ブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはこれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ポリマーブレンドを含む組成物であって、前記ポリマーブレンドは、
a.第1ポリマーおよびb.第2ポリマーを含み、
前記第1ポリマーは、
i)第1加工済みポリオレフィンの再生材であり、
ii)5重量%~90重量%の範囲の量で存在し、
また、
前記第2ポリマーは、
i)バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材またはそれらの組み合わせであり、
ii)10重量%~95重量%の範囲の量で存在し、
全ての重量パーセントは、前記第1および第2ポリマーの合計重量に基づく、組成物。
【請求項18】
a. 前記バージンポリオレフィンは、バージンLDPE、バージンLLDPE、バージンHDPE、バージンMDPE、バージンポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含み、
b. 前記ポリオレフィン再生材原料は、LDPE再生材原料、LLDPE再生材原料、HDPE再生材原料、MDPE再生材原料、ポリプロピレン再生材原料またはこれらの組み合わせを含み、
c. 前記加工済みポリオレフィン再生材は、加工済みLDPE再生材、加工済みLLDPE再生材、加工済みHDPE再生材、加工済みMDPE再生材、加工済みポリプロピレン再生材またはこれらの組み合わせを含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記加工済みとは、熱ビスブレーキングを受け、場合によっては脱揮を受けることを意味する、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
第1 Iを有するビスブロークンポリオレフィンと、
第2 Iを有するバージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせと、を含む、ブレンドであって、
【数1】

ここで、
(Iブレンドは、最終ブレンドの目標メルトインデックスである。
nは混合物中の成分の数である。
iは、n成分ブレンドのi番目の成分である、ブレンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、特許協力条約に基づいてなされており、2021年6月22日に提出された、発明の名称が「ポリマー再生材の加工および生成物」の米国仮出願第63/213,429号、および2021年8月30日に提出された、発明の名称が「ポリマー再生材の加工および生成物」の米国仮出願第63/238,655号の優先権を主張しており、当該出願の内容は全体として引用によりここに組み込まれている。
【0002】
本開示は、単独で、または他のポリオレフィンと組み合わせて、ポリオレフィン再生材の加工特性を改善するための押出プロセスの使用に関する。本発明はまた、このような方法により製造された組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレンやポリプロピレンを含むポリオレフィンは、食品やその他の商品、電子機器、自動車部品、およびさまざまな生成物の包装を含む多くの用途に使用できる。廃プラスチック材料は、軟包装(キャストフィルム、インフレーションフィルム、BOPPフィルム)、硬質包装、ブロー成形ボトル、射出成形容器で構成される都市プラスチック廃棄物の分別回収など、さまざまな供給源から入手できる。一般に、2つの主要なポリオレフィン画分は、PVC、PETまたはPSなどの他のポリマーから分離する工程によって得られる、すなわち、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPEを含む)およびポリプロピレン(ホモポリマー、ランダムコポリマー、多相コポリマーを含む)である。
【0004】
回収されたポリオレフィンまたはポリオレフィン画分の多成分特性は、バージンポリオレフィンの一部が回収されたポリマーで置換された状態で、調製された物品またはポリオレフィン製剤の機械的および光学的特性が低いとなる可能性がある。予測できない機械的特性および/または光学的特性は、メルトインデックス、高負荷メルトインデックス、溶融弾性、複素粘度、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、再生ポリオレフィンの1つまたは複数の特性の変動から生じる可能性がある。さらに、再生ポリオレフィンまたはポリオレフィン画分には、不純物または他の成分による汚染が含まれる可能性がある。さらに、再生ポリオレフィンまたはポリオレフィン画分の分子量、分子量分布および/またはコモノマー含量により、再生ポリオレフィンを組み込むことができるバージンポリオレフィンの範囲が制限される可能性がある。再生ポリオレフィンを使用する際のもう1つの制限は、使用中にこれらのポリマーに吸収される可能性のある揮発性有機化合物に由来する不快な臭気の存在である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリエチレン廃棄物は、主としてHDPE、MDPE、LDPE、LLDPEまたはポリプロピレンのうちの1つまたは複数の部分に分割されることが望ましい。有用な性能の組み合わせを有する再生ポリオレフィンを含むポリオレフィン組成物の製造方法を提供する。この開示された方法は、非常に柔軟性があり、多種多様な生成物を製造するために、一般的な装置および慣れ親しんだ技術で実施することができる。
【0006】
一般的に、本開示は、ポリオレフィン再生材、特に1つまたは複数の高密度ポリエチレン(「HDPE」)再生材、1つまたは複数の中密度ポリエチレン(「MDPE」)再生材、1つまたは複数の低密度ポリエチレン(「LDPE」)再生材、1つまたは複数の低密度ポリエチレン(「LDPE」)再生材、1つまたは複数のポリプロピレン(「PP」)再生材、またはこれらの組み合わせを加工する方法に関する。この加工は、ポリオレフィン再生材を重量平均分子量が低減されたビスブロークンポリオレフィン再生材にするために、押出機内でビスブレーキング条件を実施することを含む。いくつかの実施形態では、ポリオレフィン再生材を脱揮条件に供して、ポリオレフィン再生材を、重量平均分子量が減少し、揮発性有機化合物(「VOC」)含有量が減少したビスブロークンポリオレフィン再生材に変換する。
【0007】
ビスブレーキング条件は、熱ビスブレーキングおよび/または過酸化ビスブレーキングを含む。熱ビスブレーキングは、ポリマー鎖の分岐または架橋を超えるポリマー鎖の破断をもたらすのに十分な温度、圧力および機械的せん断を含む。過酸化物を押出機内のポリマー溶融物に添加した後、過酸化物を熱分解してラジカルを生成し、このラジカルがポリマー鎖と反応して鎖が破断すると、過酸化物のビスブレーキングが発生することがある。いくつかの実施形態では、ビスブレーキング条件は、ポリオレフィンの融点よりも少なくとも180℃高い温度で、無酸素または実質的に無酸素で熱ビスブレーキングを行うことを含む。
【0008】
脱揮条件には、高温でのVOCの除去を可能にする集中混合装置および脱揮セクションを有する押出機の一部によるポリオレフィン中のVOCの低減が含まれ得る。脱揮条件は、押出機へのガスの注入、ポリマー溶融物中にガスを分配してVOC成分を除去すること、および排気および/または真空によるガスおよび除去されたVOC成分の抽出によってさらに高めることができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、加工済みポリオレフィン再生材は、押出機から排出される間に生成物として造粒されてもよい。他の実施形態では、加工済みポリオレフィン再生材は、第2押出機に供給されて、バージンポリオレフィンと配合またはブレンドされてもよい。他の実施形態では、さらに他の実施形態では、バージンポリオレフィンは、重合装置からのポリオレフィン粉末生成物、ペレット化ポリオレフィン、または第3の押出機の生成物であるポリオレフィン溶融物であってもよい。この段落の実施形態のいずれにおいても、バージンポリオレフィンは、第2反応器に添加する前にビスブレーキングプロセスに供されていてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンが第3の押出機に供給され、第3の押出機からのポリマー溶融物が、加工済みポリオレフィン再生材溶融物とともに第2の押出機に同時供給される。
【0011】
いくつかの実施形態では、5重量%~90重量%のポリオレフィン再生材と10重量%~95重量%のバージンポリオレフィンとのポリマーブレンドであるか、またはそれを含む組成物が提供される。重量パーセントは、ポリマーブレンドの合計重量に基づいており、ポリオレフィン再生材原料およびバージンポリオレフィンの一方または両方がビスブロークされている。ビスブレーキングは、熱ビスブレーキングおよび/または過酸化ビスブレーキングであってもよい。
【0012】
前述は、本発明の次の詳細な説明をよりよく理解するために、本発明の特徴および技術的利点をかなり広範に概説してきた。以下、本発明の請求項の主題を構成する本発明の追加の特徴および利点について説明する。開示された概念および特定の実施形態は、本発明の同じ目的を実行するための他の膜構造および/またはプロセスを修正または設計するための基礎として容易に利用できることが当業者には理解されるべきである。当業者はまた、このような均等な構造が、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱しないことを認識する。本発明の新規な特徴は、その構造および製造方法、並びに他の目的および利点を含むことが、以下の説明からよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
特許請求の範囲に記載された主題は、添付図面と併せて以下の説明を参照することによって理解され得る。図面において、同様の参照番号は同様の要素を示す。
図1図1は、本発明の実施形態による、加工されたポリオレフィン再生材を得るプロセスの簡略化されたフロー図である。
図2図2は、本発明の実施形態による、2台の押出機を使用して加工ポリオレフィン再生材とバージンポリオレフィンのブレンドを得るプロセスの簡略化されたフロー図である。
図3図3は、本発明の実施形態による、3台の押出機を使用して加工ポリオレフィン再生材とバージンポリオレフィンのブレンドを得るプロセスの簡略化されたフロー図である。 開示された方法および組成物は様々な変形および代替形態の影響を受けやすいが、添付の図面は、本明細書で例示的に詳細に説明された具体的な実施形態を示す。しかしながら、本明細書における特定の実施形態の説明は、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図しておらず、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に含まれるすべての修正、同等物、および代替物をカバーすることを意図していることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の請求項に係る主題の例示的な実施形態が、これから開示される。明確にするために、実際に実装されているいくつかの特徴は、本明細書に記載されていないことがある。そのような実際の実施形態の開発においては、実装によって異なるシステム関連およびビジネス関連の制約に準拠するなど、開発者の特定の目標を達成するために、実装に固有の多くの決定がなされなければならないことが理解されるべきである。さらに、そのような開発作業は、たとえ複雑で時間がかかるものであっても、本開示から利益を得る当業者にとっては通常の作業であることを理解されたい。
【0015】
ここで使用される語句は、当業者がこれらの語句について理解したのと一致する意味を有するものとして理解され、解釈されるべきである。用語または語句の特別な定義、すなわち、当業者が理解する一般的および慣習的な意味とは異なる定義は、用語または語句を本明細書で一貫して使用することによって暗示されることを意図していない。ある程度、用語または語句は、特別な意味、すなわち、当業者が理解する最も広い意味以外の意味を有することが意図されており、このような特別なまたは明確な定義は、用語または語句の特別なまたは明確な定義を提供するための明細書の定義方法において明確に記述される。また、明細書および特許請求の範囲で使用されているように、単数形「1つ(a)」、「一(an)」および「前記(the)」は、別段の規定がない限り、複数の引用を含むことに留意すべきである。
【0016】
例えば、以下の説明は、本開示で使用されるいくつかの特定の用語の定義の非網羅的なリストを含む(他の用語は、本明細書の別の場所で定義され、または明確にすることができる)。これらの定義は、本明細書で使用される用語の意味を明確にすることを目的としている。これらの用語は、一般的な意味と一貫した方法で使用されていると考えられるが、明確にするために、ここでは定義を依然として指定している。
定義
【0017】
ここで使われている「酸化防止剤」とは酸化を抑える化合物のことで、酸化とはラジカルや連鎖反応を起こす化学反応のことである。
【0018】
本明細書で使用される「配合条件」とは、2つ以上のポリマーおよび場合により添加剤を緊密に混合して実質的に均質なポリマー生成物を生成するために押出機内で実施される温度、圧力、および剪断力の条件を意味する。
【0019】
本明細書で使用される「脱揮条件」とは、押出機内のポリマー溶融物を、掃気ガスの注入および排出、熱の添加、物理的混合、通気もしくは真空の適用による減圧、またはそれらの組み合わせに供することを意味する。押出機内で実施される脱揮条件は、押出機に供給されるポリマーのVOCを所定の割合で、および/または押出機を出るポリマーの所定のVOC目標まで低下させるのに十分である。脱揮条件は、高温でのVOCの除去を可能にする集中混合装置および脱揮セクションを有する押出機の一部によってポリオレフィン中のVOCを低減することを目的としている。押出機にガスを注入し、ポリマー溶融物中にガスを分配してVOC成分を除去し、ガスと除去されたVOC成分を排気または真空により取り出すことにより、脱揮条件をさらに向上させることができる。
【0020】
本明細書で使用される「脱揮ポリオレフィン再生物」は、ポリオレフィン再生原料を本明細書に記載の脱揮条件に供することによって得られる生成物を意味する。
【0021】
「第1押出機」、「第2押出機」、および「第3押出機」の文脈内において、本明細書で使用される「押出機」は、いくつかの実施形態では、別個の押出装置を意味し、他の実施形態では、単一の押出装置内の別個のセクションを意味する。いくつかの実施形態では、第1押出機と第2押出機とは別個の機械である。いくつかの実施形態では、第1押出機および第2押出機は、単一の機械における独立した部分である。いくつかの実施形態では、第2押出機と第3押出機とは別個の機械である。いくつかの実施形態では、第2押出機および第3押出機は、単一の機械における独立した部分である。いくつかの実施形態では、第1押出機、第2押出機、および第3押出機は、独立した機械である。いくつかの実施形態では、第1押出機、第2押出機、および第3押出機は、単一の機械における独立した部分である。本明細書で使用される「押出機」は、ファレル連続ミキサー(FCM(登録商標)ミキサー、Farrel Corporation、Ansonia、Connecticutから入手可能)を含むがこれに限定されない、ビスブレーキング条件、配合条件、溶融条件、または脱揮条件で1つまたは複数のポリオレフィンを連続的に加工することができる任意の装置または装置の組み合わせを含む。
【0022】
本明細書で使用される「HDPE」とは、気相および/またはスラリー相重合により製造されるエチレンホモポリマーおよびエチレンコポリマーであって、密度が0.940g/cm~0.970g/cmの範囲にあるエチレンコポリマーをいう。
【0023】
本明細書で使用される「ポリオレフィン再生材原料」とは、収集および選別後であるが、本明細書に開示されるプロセスに供される前のポリオレフィン再生材原料を意味する。
【0024】
本明細書で使用される「ポリオレフィン再生材」とは、ポストコンシューマリサイクル(「PCR」)ポリオレフィンおよび/またはポストインダストリアルリサイクル(「PIR」)ポリオレフィンをいう。ポリオレフィン再生材は、消費財としてそのライフサイクルを終えた最終生成物からのものであり、それ以外の場合は廃棄物(ポリエチレンボトルなど)として廃棄されるか、産業プロセスで廃棄物として発生するプラスチック廃棄物からのものである。ポストコンシューマポリオレフィンには、軟包装(キャストフィルム、インフレーションフィルム、BOPPフィルム)、硬質包装、ブロー成形ボトル、射出成形容器などの商業用および家庭用リサイクルプログラムで収集されたポリオレフィンが含まれる。一般に、PVC、PETまたはPSのような他のポリマーから分離された工程により、ポリエチレン再生材(HDPE、MDPE、LDPEおよびLLDPEを含む)およびポリプロピレン再生材(ホモポリマー、ランダムコポリマーおよび多相コポリマーを含む)の2つの主要なポリオレフィン画分が得られる。ポリエチレン再生材をさらに分離してポリオレフィンを主成分とする部分を回収してもよい。様々なポリマーからの汚染に加えて、ポリオレフィン再生材にはPMMA、PC、木材、紙、繊維生成物、セルロース、食品、その他の有機廃棄物などの不純物が多く含まれており、その多くは通常の加工の前後でポリオレフィン再生材に不快な臭いを発生させる原因となる。
【0025】
本明細書で使用される「LDPE」とは、高圧ラジカル重合法により製造され、密度が0.910g/cm~0.940g/cmの範囲にあるエチレンホモポリマーおよびエチレンコポリマーをいう。
【0026】
本明細書で使用される「LLDPE」とは、気相および/またはスラリー相重合により製造され、密度が0.910g/cm~0.940g/cmの範囲にあるエチレンコポリマーをいう。
【0027】
本明細書で使用される「MDPE」とは、気相および/またはスラリー相重合により製造され、密度が0.925g/cm~0.940g/cmの範囲にあるエチレンコポリマーをいう。
【0028】
本明細書で使用される「溶融条件」とは、ポリマー粒子または粉末の供給からポリマー溶融物を生成するために必要な温度、圧力およびせん断力の条件を単独または相互に組み合わせたものである。
【0029】
本明細書で使用される「加工済みポリオレフィン再生材」とは、ポリオレフィン再生材原料をビスブレーキング状態にしたもの、またはビスブレーキング状態にした後に揮発状態にしたものをいう。
【0030】
本明細書で使用される「バージンポリオレフィン」はプレコンシューマポリオレフィンである。プレコンシューマポリオレフィンは、重合装置に供給される石油化学原料から直接または間接的に得られるポリオレフィン生成物である。プレコンシューマポリオレフィンは、押出、造粒、ビスブレーキング、および/または生成物が最終用途の消費者に到達する前に完了する他の加工などの重合後工程を経てもよいが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンは単一の熱履歴を有する。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンは、1つまたは複数の熱履歴を有する。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンは添加剤を含まない。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンは添加剤を含む。
【0031】
本明細書で使用される「ビスブレーキング条件」とは、熱ビスブレーキングおよび/または過酸化ビスブレーキングを意味する。熱ビスブレーキングは、ポリマー鎖の分岐または架橋を主とするポリマー鎖の破壊をもたらすのに十分な温度、圧力および/または機械的せん断を含む。過酸化ビスブレーキングは、押出機内のポリマー溶融物に過酸化物を添加した後、過酸化物が熱分解してラジカルを生成し、このラジカルがポリマー鎖と反応して鎖が破壊されると起こる。本明細書で使用する場合、ビスブロークンポリマーは、より低い数平均分子量および重量平均分子量、より狭い分子量分布、より高いメルトインデックス、およびより高い高負荷メルトインデックスを有することになる。いくつかの実施形態では、ビスブレーキング条件は、酸素の不在下、または実質的に酸素の不在下で、300℃以上、または320℃から400℃の範囲の温度での熱ビスブレーキングからなる。
【0032】
本明細書で使用される「ビスブレーキング」とは、M、MおよびMWD(M/M)を低下させるようにポリマーを熱加工および/または化学加工し、加工したポリオレフィンのメルトインデックスI(ASTMD-1238、2.16kg@190℃)および高負荷メルトインデックスI21(ASTMD-1238、21.6kg@190℃)を向上させることをいう。ポリオレフィン材料に高温を適用すること、および/または過酸化物のようなラジカル源を添加することは、ポリマー鎖の分解およびポリマーの平均分子量の低下をもたらす。同時に分子量分布が狭くなる。ポリマーの性質を変えるためにこの方法が意図的に採用される場合、これらの方法は一般に「ビスブレーキング」と呼ばれる。
【0033】
本明細書で使用される「ビスブロークンポリオレフィン再生材」は、ポリオレフィン再生材原料を本明細書に記載のビスブレーキング条件にさらすことによって得られる生成物を意味する。
ポリオレフィン再生材原料の加工
【0034】
図1において、フロー図100は、ビスブレーキングゾーン115および任意の脱揮ゾーン120を有するビスブレーキング押出機110を含む。ポリオレフィン再生材原料125を押出機110の押出機入口端付近に添加する。ポリオレフィン再生物は、押出機110のバレル内の1つまたは複数の回転スクリュドライバを介して押出機110を介して吸引される。ビスブレーキング押出機110の長さは、1つまたは複数のゾーンに分割されている。各ゾーンは、スクリュドライバの1つまたは複数の指定されたピッチ、ガスを注入するための入口130、135、ガスを排出するための通気または真空接続部140、熱を追加または排出するための手段、過酸化物を注入するための入口145、および圧力、温度および/またはせん断力を含むがこれに限定されない予め選択されたプロセス条件を与えるための添加剤を注入するための入口を有してもよい。
【0035】
図1は、ビスブレーキングゾーン115と、任意に揮発除去ゾーン120の両方を有する実施形態を示している。他の実施形態は、脱揮ゾーンを持たずに、ビスブレーキングゾーン115を単独で有してもよい。ビスブレーキング押出機110の加工条件は、スクリュドライバの回転速度によってさらに制御することができる。加工済みポリオレフィン再生材150は、ビスブレーキング押出機110の出口付近で取り出され、さらに加工または造粒される。
-HDPEまたはMDPE
【0036】
HDPEおよび/またはMDPEは、ホモポリマーと、エチレンに由来する単位と、C~C12α-オレフィンに由来する単位の1種以上とのコポリマーと、エチレンに由来する単位と、α-モノオレフィンに由来する単位の1種以上とのコポリマーとを含む。このようなC~C12α-オレフィンは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデカンおよびそれらの異性体のような置換または非置換のC~C12α-オレフィンを含むが、これらに限定されない。コモノマーが存在する場合、コモノマーは20重量%、15重量%、10重量%または5重量%まで存在することができる。
【0037】
このようなエチレンホモポリマーおよび/またはコポリマーは、既知の装置および反応条件を用いて、懸濁、溶液、スラリーまたは気相法で製造することができる。いくつかの実施形態では、大気圧、亜大気圧、または超大気圧において、重合温度の範囲は約0℃から約300℃である。
【0038】
スラリーまたは溶液重合システムは、約40℃から約300℃の範囲の亜大気圧または超大気圧の圧力および温度を利用することができる例示的な液相重合システムは、米国特許第324,095号に記載されており、その開示内容が引用によって完全にここに組み込まれている。液相重合システムは、一般に、オレフィンモノマーおよび触媒組成物を添加する反応器を含み、この反応器は、ポリオレフィンを溶解または懸濁させるための液体反応媒体を含む。液体反応媒体は、バルク状の液体モノマー、または、採用された重合条件では反応しない不活性な液体炭化水素から構成されていてもよい。このような不活性液状炭化水素は、触媒組成物やこの方法で得られたポリマーの溶媒として使用する必要はないが、重合に使用されるモノマーの溶媒として一般的に使用される。この目的に適した不活性液状炭化水素としては、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。オレフィンモノマーと触媒組成物との間の反応性接触は、一定の撹拌またはかき混ぜによって維持されるべきである。オレフィンポリマー生成物および未反応のオレフィンモノマーを含む反応媒体は、反応器から連続的に取り出される。オレフィンポリマー生成物は分離され、未反応のオレフィンモノマーと液体反応媒体は反応器に再循環される。
【0039】
気相重合システムは、1psig(6.9kPag)~1000psig(6.9MPag)、50psig(344kPag)~400psig(2.8MPag)または100psig(689kPag)~300psig(2.1MPag)の範囲の超大気圧、および30℃~130℃または65℃~110℃の範囲の温度を利用することができる。気相重合システムは、撹拌床システムまたは流動床システムであり得る。いくつかの実施形態では、気相流動層プロセスは、固体粒子層を懸濁状態に維持するのに十分な速度で、反応条件下および触媒組成物の存在下で、1つまたは複数のオレフィンモノマーを含む流れを流動層反応器を連続的に通過させることによって行われる。未反応モノマーを含む流れは、反応器から連続的に取り出され、圧縮され、冷却され、場合により部分的または完全に凝縮されて、反応器に再循環される。生成物は反応器から取り出され、補給モノマーが再生材流に加えられる。重合システムの温度制御の必要性に応じて、触媒組成物および反応物に対して不活性な任意のガスもガス流中に存在することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、VIB族金属に基づく触媒が使用される。いくつかの実施形態では、触媒はクロム系触媒である。本発明のHDPEホモポリマーおよび/またはコポリマーは、いくつかの長鎖分岐を有し、密度が0.940g/cm~0.970g/cmの範囲にある。MDPEコポリマーは、いくつかの長鎖分岐を有し、密度が0.925g/cm~0.940g/cmの範囲にある。
【0041】
いくつかの実施形態では、チーグラー・ナッタ(ZN)触媒が使用される。このような触媒は、IVB族遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物(助触媒)をベースとしている。このような遷移金属には、Ti、Zr、およびHfが含まれるが、これらに限定されない。亜鉛触媒系の非限定的な例としては、TiCl+EtAlおよびTiCl+AlEtClが挙げられる。HDPEホモポリマーおよび/またはコポリマーは、0.940g/cm~0.970g/cmの範囲の密度を有するいくつかの長鎖分岐を有する。
-LLDPE
【0042】
LLDPEは、エチレンホモポリマーと、エチレンに由来する単位と、C~C12α-オレフィンに由来する単位の1種以上とのコポリマーと、エチレンに由来する単位と、α-モノオレフィンに由来する単位の1種以上とのコポリマーとを含む。このようなC~C12α-オレフィンは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデカンおよびそれらの異性体のような置換または非置換のC~C12α-オレフィンを含むが、これらに限定されない。コモノマーが存在する場合、コモノマーは20重量%、15重量%、10重量%または5重量%まで存在することができる。このようなエチレンホモポリマーおよび/またはコポリマーは、既知の装置および反応条件を用いて、懸濁、溶液、スラリーまたは気相法で製造することができる。いくつかの実施形態では、大気圧、亜大気圧、または超大気圧において、重合温度の範囲は約0℃から約300℃である。
【0043】
スラリーまたは溶液重合システムは、約40℃から約300℃の範囲の亜大気圧または超大気圧の圧力および温度を利用することができる例示的な液相重合システムは、米国特許第324,095号に記載されており、その開示内容が引用によって完全にここに組み込まれている。液相重合システムは、一般に、オレフィンモノマーおよび触媒組成物を添加する反応器を含み、この反応器は、ポリオレフィンを溶解または懸濁させるための液体反応媒体を含む。液体反応媒体は、バルク状の液体モノマー、または、採用された重合条件では反応しない不活性な液体炭化水素から構成されていてもよい。このような不活性液状炭化水素は、触媒組成物やこの方法で得られたポリマーの溶媒として使用する必要はないが、重合に使用されるモノマーの溶媒として一般的に使用される。この目的に適した不活性液状炭化水素としては、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。オレフィンモノマーと触媒組成物との間の反応性接触は、一定の撹拌またはかき混ぜによって維持されるべきである。オレフィンポリマー生成物および未反応のオレフィンモノマーを含む反応媒体は、反応器から連続的に取り出される。オレフィンポリマー生成物は分離され、未反応のオレフィンモノマーと液体反応媒体は反応器に再循環される。
【0044】
気相重合システムは、1psig(6.9kPag)~1000psig(6.9MPag)、50psig(344kPag)~400psig(2.8MPag)または100psig(689kPag)~300psig(2.1MPag)の範囲の超大気圧、および30℃~130℃または65℃~110℃の範囲の温度を利用することができる。気相重合システムは、撹拌床システムまたは流動床システムであってもよい。いくつかの実施形態では、気相流動層プロセスは、固体粒子層を懸濁状態に維持するのに十分な速度で、反応条件下および触媒組成物の存在下で、1つまたは複数のオレフィンモノマーを含む流れを流動層反応器を連続的に通過させることによって行われる。未反応モノマーを含む流れは、反応器から連続的に取り出され、圧縮され、冷却され、場合により部分的または完全に凝縮されて、反応器に再循環される。生成物は反応器から取り出され、補給モノマーが再生材流に加えられる。重合システムの温度制御の必要性に応じて、触媒組成物および反応物に対して不活性な任意のガスもガス流中に存在することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、チーグラー・ナッタ(ZN)触媒が使用される。このような触媒は、IVB族遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物(助触媒)をベースとしている。このような遷移金属には、Ti、Zr、およびHfが含まれるが、これらに限定されない。亜鉛触媒系の非限定的な例としては、TiCl+EtAlおよびTiCl+AlEtClが挙げられる。LLDPEホモポリマーおよび/またはコポリマーは、0.910g/cm~0.940g/cmの範囲の密度を有するいくつかの長鎖分岐を有する。
-LDPE
【0046】
LLDPEは、エチレンホモポリマー、エチレンから誘導される単位と、C~C12α-オレフィンから誘導される1種以上の単位とのコポリマー、エチレンから誘導される単位と、極性基を含むα-モノオレフィンから誘導される1種以上の単位とのコポリマー、またはそれらの混合物を含む。
【0047】
このようなエチレンホモポリマーは、高圧ラジカル重合プロセス、例えば、1つまたは複数のチューブ型反応器、1つまたは複数のオートクレーブ反応器、またはそれらの組み合わせにおいて製造することができる。高圧プロセスの動作条件には、70MPaから700MPaの範囲の圧力および150℃から500℃の範囲の温度が含まれるが、これらに限定されないこのホモポリマーは、高度に長鎖分岐し、密度が0.910g/cm~0.940g/cmの範囲にある。
【0048】
エチレンとC~C12α-オレフィンとのコポリマーは、高圧ラジカル重合プロセス、例えば1つまたは複数のチューブ型反応器、1つまたは複数のオートクレーブ反応器、またはこれらの組み合わせで製造することができる。このようなC~C12α-オレフィンは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデカンおよびそれらの異性体のような置換または非置換のC~C12α-オレフィンを含むが、これらに限定されない。コモノマーが存在する場合、コモノマーは15重量%、10重量%または5重量%まで存在することができる。高圧プロセスの動作条件には、70MPaから700MPaの範囲の圧力および150℃から500℃の範囲の温度が含まれるが、これらに限定されないこのホモポリマーは、高度に長鎖分岐し、密度が0.910g/cm~0.940g/cmの範囲にある。
【0049】
エチレンと極性基を含む1つまたは複数のαモノオレフィンとのコポリマーは、高圧ラジカル重合プロセス、例えば1つまたは複数のチューブ型反応器、1つまたは複数のオートクレーブ反応器、またはそれらの組み合わせで製造することができる。極性基を含むαモノオレフィンは、メタクリル酸、エステル、ニトリルおよびアミド、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアミドまたはそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。コモノマーが存在する場合、コモノマーは15重量%、10重量%または5重量%まで存在することができる。高圧プロセスの動作条件には、70MPaから700MPaの範囲の圧力および150℃から500℃の範囲の温度が含まれるが、これらに限定されないこのホモポリマーは、高度に長鎖分岐し、密度が0.910g/cm~0.940g/cmの範囲にある。
-ポリプロピレン
【0050】
ポリプロピレンは、プロピレンホモポリマー、およびプロピレンに由来する単位と、エチレンおよびC~C12α-オレフィンのうちの1つ以上に由来する単位とのコポリマーを含む。ポリプロピレンは、ホモポリマー、異相コポリマー、ランダムコポリマー、およびそれらの組み合わせであってもよい。
ポリオレフィン再生材原料
【0051】
いくつかの実施形態では、ポリオレフィン再生材原料は、1つまたは複数のHDPE、1つまたは複数のMDPE、1つまたは複数のLDPE、1つまたは複数のLLDPE、1つまたは複数のPP、またはそれらの組み合わせから得られる。HDPE、MDPE、LLDPE、LDPE、PPまたはこれらの組み合わせから誘導される上記のポリオレフィン再生材原料は、以下の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度は0.900g/cm~0.970g/cm<の範囲内であること
ii) メルトインデックス(I、2.16kg、190℃)は5.0g/10分以下であること
iii) 分子量分布(M/M)は4.0以上5.0以上であること
iv) 重量平均分子量は、85,000ダルトン以上、100,000ダルトン以上、150,000ダルトン以上、200,000ダルトン以上、250,000ダルトン以上、および/または600,000ダルトン以下、500,000ダルトン以下、400,000ダルトン以下、または300,000ダルトン以下であること
v) 溶融弾性(ER)は0.5以上であること
【0052】
いくつかの実施形態では、前述の特性に加えて、ポリオレフィン再生材原料は、さらに、以下の1つまたは複数の特性を有することを特徴としてもよい。
vi) 第1VOC含有量、
vii) 第1高負荷メルトインデックス(I21、21.6kg、190℃)、
viii) 第1メルトインデックス比(MIR、I21/I
ix) 第1長鎖分岐パラメータ(g')は1.0、0.99、0.98、0.97以下であること
x) 第1総多分散性比(PDR)
xi) 第1複素粘度比(η 0.1/η 100)、および
xii) 第1固有粘度
ビスブレーキング押出機
【0053】
ポリオレフィン再生材原料は、第1押出機に供給され、ビスブレーキング条件および必要に応じて脱揮条件に供される。
-ビスブレーキング
【0054】
ビスブレーキング条件は、第1押出機のビスブレーキングゾーンで実施され、ポリオレフィン用にカスタマイズされる。いくつかの実施形態では、ビスブレーキング条件は、熱ビスブレーキングおよび/または過酸化ビスブレーキングを意味する。いくつかの実施形態では、ビスブレーキング条件は、ビスブレーキングゾーンの温度が300℃以上であり、鎖切断反応が長鎖分岐および/または架橋反応を上回ると考えられる熱ビスブレーキングを含む。いくつかの実施形態では、ビスブレーキングゾーンの温度は、320℃~500℃、340℃~480℃、または360℃~460℃の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の押出機の排出における計器は、直接的または間接的にレオロジー(I、I21、粘度、溶融弾性、複素粘度比など)を監視して、ビスブレーキングの測定および制御を支援する。いくつかの実施形態では、酸化防止剤の添加がビスブレーキングと併せて使用される場合、酸化防止剤の添加点は、ビスブレーキング反応のかなりの部分が起こった後の第1の押出機上の位置にある。いくつかの実施形態では、ビスブレーキング条件は、無酸素または実質的に無酸素の熱ビスブレーキングを含み、実質的に無酸素は、押出機内のポリマーの総重量に基づいて、1.0重量%以下、0.10重量%以下、または0.01重量%以下を意味する。いくつかの実施形態では、ビスブレーキング押出機は、1つまたは複数の溶融物フィルターを含む。
-揮発
【0055】
脱揮条件を第1押出機で実施することも可能であり、高密度混合配置脱揮部を有する押出機の一部により、ポリオレフィン再生材原料中のVOCを低減し、高温でのVOC除去を可能とする。脱揮状態は、例えば窒素、二酸化炭素、水、またはこれらの組み合わせのような掃気を押出機に注入することによって、さらに改善することができる、VOC成分を除去するためのポリマー溶融物中のガスの分布;また、排気および/または真空によりガスおよび除去されたVOC成分を取り出す。
加工済みポリオレフィン再生材
【0056】
加工済みポリオレフィン再生材は、ビスブレーキング押出機の排出物から排出され、ここで「加工済み」とは、ポリオレフィン再生材原料がビスブレーキング状態またはそれに続くビスブレーキング状態にあることを意味する。上記のように、加工済みポリオレフィン再生材は、次の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度:ポリオレフィン再生材原料の密度に対する加工済みポリオレフィン再生材の密度の比が1.0以上である。
ii) メルトインデックス:加工済みポリオレフィン再生材のメルトインデックスとポリオレフィン再生材原料のメルトインデックスとの比が5.0以上であり、および/または加工済みポリオレフィン再生材のメルトインデックスが5.0g/10min以上10.0g/10min以上である。
iii) 分子量分布:ポリオレフィン再生材原料の分子量分布に対する加工済みポリオレフィン再生材の分子量分布の比が、0.25~0.60、0.30~0.55または0.35~0.50の範囲内である。
iv) 重量平均分子量(「Mw2」):ポリオレフィン再生材原料の重量平均分子量に対する加工済みポリオレフィン再生材の重量平均分子量の比が、0.10~0.70、0.15~0.60または0.20~0.50の範囲内である。また、
v) 溶融弾性(「ER」):ポリオレフィン再生材原料のERERに対する加工済みポリオレフィン再生材の比が0.10~0.45、0.15~0.40、0.20~0.35の範囲にあり、および/または第2溶融弾性が2.0以下、1.5以下、1.3以下、および/または0.75以上、0.85以上、0.95以上である。
【0057】
いくつかの実施形態では、上記の特性に加えて、加工済みポリオレフィン再生材は、以下の1つまたは複数を有することを特徴とする。
vi) VOC含有量:加工済みポリオレフィン再生材のVOC含有量に対するポリオレフィン再生材原料のVOC含有量の比は、それぞれ単独で、または0.1以上の下限との組み合わせで、0.9、0.8、0.7、0.6または0.5以下である。
vii) 高負荷メルトインデックス(I21、21.6kg、190℃):ポリオレフィン再生材原料の高負荷メルトインデックスに対する加工済みポリオレフィン再生材の高負荷メルトインデックスの比が2.0以上、3.0以上、4.0以上である。
viii) メルトインデックス比(MIR、I21/I):ポリオレフィン再生材原料のMIRに対する加工済みポリオレフィン再生材のMIRの比が0.30~0.60の範囲内である。
ix) 長鎖分岐パラメータ(g'):ポリオレフィン再生材原料のg'に対する加工済みポリオレフィン再生材のg'の比が1.0以下である。
x) 第1長鎖分岐インデックス(「LCBI」)は0.60以上であり、加工済みポリオレフィン再生材のLCBIが0.40以下である。
xi) 総多分散性比(PDR):ポリオレフィン再生材原料のPDRに対する加工済みポリオレフィン再生材のPDRの比が0.50以下、0.45以下、0.40以下である。
xii) 複素粘度比(η 0.1/η 100):ポリオレフィン再生材原料の複素粘度に対する加工済みポリオレフィン再生材の複素粘度の比が0.50以下、0.40以下、または0.30以下であるであり、および/または第2複素粘度比が10以下、8.0以下、または6.0以下であり、かつ、190℃の温度において、複素粘度が0.1rad/secη 0.1秒であり、かつ、複素粘度が100rad/secη 100秒である。
xiii) 極限粘度[η]:ポリオレフィン再生材原料の極限粘度に対する加工済みポリオレフィン再生材の極限粘度の比が0.90以下、0.80以下、0.70以下である。
加工済みポリオレフィン再生材とポリオレフィンブレンド成分とのブレンド-2台の押出機
【0058】
図2において、フロー図200は、ビスブレーキング押出機210および配合押出機255を含む。図2に示すように、本発明の実施形態は、ビスブレーキングゾーン215と脱揮ゾーン220とを有するビスブレーキング押出機210を含む。ポリオレフィン再生材原料225を押出機の入口端近傍の粘・破押出機210に添加する。ポリオレフィン再生材原料225は、ビスブレーキング押出機210のシリンダ内の1つまたは複数の回転スクリュドライバを介して、ビスブレーキング押出機210を介して吸引される。ビスブレーキング押出機210の長さは、1つまたは複数のゾーンに分割されている。各ゾーンは、スクリュドライバ上の1つまたは複数の指定されたピッチ、ガスを注入するための入口230、235、ガスを排出するための通気または真空接続部240、熱を追加または排出するための手段、過酸化物を注入するための入口245、および添加剤を注入するための入口を有し、圧力、温度およびせん断力を含むがこれに限定されない予め選択されたプロセス条件を与えることができる。
【0059】
図2は、ビスブレーキングゾーン215および脱揮ゾーン220を有する実施形態を示している。他の実施形態は、ビスブレーキングゾーン215または脱揮ゾーン220を別個に有していてもよい。ビスブレーキング押出機210の工程条件は、スクリュドライバの回転速度によってさらに制御することができる。加工済みポリオレフィン再生材250は、ビスブレーキング押出機210の出口付近で取り出され、さらに加工される。
【0060】
図2の実施形態は、混合ゾーン260を有する第2押出機255を含む。加工済みポリオレフィン再生材250は、ポリオレフィンブレンド成分252と共に、配合押出機255に第1ブレンド成分として添加され、配合条件に供される。ポリオレフィンブレンド成分252は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンは、バージンHDPE、バージンLLDPE、バージンHDPE、バージンMDPE、バージンポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリオレフィン再生材原料は、LDPE再生材原料、LLDPE再生材原料、HDPE再生材原料、MDPE再生材原料、ポリプロピレン再生材原料、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、加工済みポリオレフィン再生材は、加工済みLDPE再生材、加工済みLLDPE再生材、第2加工済みHDPE再生材、第2加工済みMDPE再生材、加工済みポリプロピレン再生材、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリオレフィンブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む。加工済みポリオレフィン再生材250とポリオレフィンブレンド成分252との混合物を、押出機255バレル内の1つまたは複数の回転スクリュドライバにより、配合押出機255を介して吸引する。押出機の入口端に近い1つまたは複数の追加の入口が、酸化防止剤265および/または他の成分270を添加するために使用される。配合押出機255の長さは、1つまたは複数のゾーンに分割することができる。各ゾーンは、スクリュドライバ上の1つまたは複数の特定のピッチと、熱を追加または取り出すための手段と、添加剤を注入するための入口とを有してもよい。圧力、温度およびせん断力を含むがこれに限定されない、予め選択されたプロセス条件を与えるために、ガスを取り出すためのベントまたは真空接続部275を含む。加工済みポリオレフィン再生材250とポリオレフィンブレンド成分252とのブレンド280を、配合押出機255から排出する際に取り出し、さらなる加工または造粒を行う。
【0061】
いくつかの実施形態では、ポリオレフィンブレンド成分は、第3押出機から取り出された生成物である重合装置からのポリオレフィン粉末生成物、造粒ポリオレフィンまたはポリオレフィン溶融物であってもよい。これらの実施形態のいくつかでは、重合装置は、2つ、3つ以上の重合反応器および/または重合反応器内の2つ、3つ以上の重合ゾーンを含む。より具体的な重合装置の実施形態は、これらに限定されるものではないが、直列に接続された2つまたは3つの気相流動層反応器、直列に接続された2つまたは3つのスラリー相反応器、およびマルチゾーン循環反応器に直列に接続された気相流動層反応器を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、それ自体が2つ以上のポリマーを含むことができるポリオレフィンブレンド成分の量は、対数混合則に基づいて決定され、ブレンド成分は次の方程式を満たす。
【数1】
ここで、
MFRは、I、I21、または他の選択されたメルトインデックスである。
MFRブレンドは、最終ブレンド生成物のターゲットMFRである。
nはブレンド中の成分の数である。
iはn成分ブレンドのi番目の成分である。
ブレンド成分
【0063】
第1ブレンド成分は、ビスブレーキング押出機によって製造されたポリオレフィンの加工済み再生材である。第2ブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンは、バージンLDPE、バージンLLDPE、バージンHDPE、バージンポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリオレフィン再生材原料は、LDPE再生材原料、LLDPE再生材原料、HDPE再生材原料、ポリプロピレン再生材原料、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、加工済みポリオレフィン再生材は、加工済みLDPE再生材、加工済みLLDPE再生材、第2加工済みポリオレフィン再生材、加工済みポリプロピレン再生材、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリオレフィンブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む。加工済みポリオレフィン再生材が他の加工済みポリオレフィン再生材とブレンドされるとき、第1ポリオレフィン再生材は、第2加工済みポリオレフィン再生材と区別する少なくとも1つのパラメータを有する。
-バージンポリオレフィン
【0064】
いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンは、エチレンホモポリマー、エチレンに由来する単位と1つ以上のC~C12α-オレフィンに由来する単位とのコポリマー、エチレンに由来する単位と1つ以上のαモノオレフィンに由来する単位とのコポリマーに由来する。このようなC~C12α-オレフィンは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデカンおよびそれらの異性体のような置換または非置換のC~C12α-オレフィンを含むが、これらに限定されない。コモノマーが存在する場合、コモノマーは20重量%、15重量%、10重量%または5重量%まで存在することができる。バージンポリオレフィンは、バージンポリオレフィンの総重量に対して80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上を意味するポリオレフィン再生材を主成分とするポストコンシューマ再生ポリオレフィンおよび/またはポストインダストリアルリサイクルポリオレフィンの一部として誘導され得る。
【0065】
このようなエチレンホモポリマーおよび/またはコポリマーは、既知の装置および反応条件を用いて、懸濁、溶液、スラリーまたは気相法で製造することができる。いくつかの実施形態では、大気圧、亜大気圧、または超大気圧において、重合温度の範囲は約0℃から約300℃である。
【0066】
スラリーまたは溶液重合システムは、約40℃から約300℃の範囲の亜大気圧または超大気圧の圧力および温度を利用することができる例示的な液相重合システムは、米国特許第324,095号に記載されており、その開示内容が引用によって完全にここに組み込まれている。本発明の液相重合システムは、一般に、オレフィンモノマーおよび触媒組成物を添加する反応器を含み、この反応器は、ポリオレフィンを溶解または懸濁させるための液体反応媒体を含む。液体反応媒体は、バルク状の液体モノマー、または、採用された重合条件では反応しない不活性な液体炭化水素から構成されていてもよい。このような不活性液状炭化水素は、触媒組成物やこの方法で得られたポリマーの溶媒として使用する必要はないが、重合に使用されるモノマーの溶媒として一般的に使用される。この目的に適した不活性液状炭化水素としては、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。オレフィンモノマーと触媒組成物との間の反応性接触は、一定の撹拌またはかき混ぜによって維持されるべきである。オレフィンポリマー生成物および未反応のオレフィンモノマーを含む反応媒体は、反応器から連続的に取り出される。オレフィンポリマー生成物は分離され、未反応のオレフィンモノマーと液体反応媒体は反応器に再循環される。
【0067】
気相重合システムは、1psig(6.9kPag)~1000psig(6.9MPag)、50psig(344kPag)~400psig(2.8MPag)または100psig(689kPag)~300psig(2.1MPag)の範囲の超大気圧、および30℃~130℃または65℃~110℃の範囲の温度を利用することができる。気相重合システムは、撹拌床システムまたは流動床システムであってもよい。いくつかの実施形態では、気相流動層プロセスは、固体粒子層を懸濁状態に維持するのに十分な速度で、反応条件下および触媒組成物の存在下で、1つまたは複数のオレフィンモノマーを含む流れを流動層反応器を連続的に通過させることによって行われる。未反応モノマーを含む流れは、反応器から連続的に取り出され、圧縮され、冷却され、場合により部分的または完全に凝縮されて、反応器に再循環される。生成物は反応器から取り出され、補給モノマーが再生材流に加えられる。重合システムの温度制御に必要なように、触媒組成物および反応物に対して不活性な任意のガスもガス流中に存在してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、VIB族金属に基づく触媒が使用される。いくつかの実施形態では、触媒はクロム系触媒である。このようなHDPEホモポリマーおよび/またはコポリマーは、0.940g/cm~0.970g/cmの範囲の密度を有するいくつかの長鎖分岐を有する。本発明のHDPEホモポリマーおよび/またはコポリマーは、0.925g/cm~0.940g/cmの範囲の密度を有するいくつかの長鎖分岐を有する。
【0069】
バージンHDPEは、以下の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度は0.940g/cm~0.970g/cmの範囲内であること、
ii) メルトインデックス(I、2.16kg、190℃)は、1.0g/10分~100g/10分、2.0g/10分~80g/10分、または3.0g/10分~50g/10分の範囲内であること、
iii) 分子量分布(M/M)は15以上であること、
iv) 重量平均分子量は250,000ダルトン以下、200,000ダルトン以下、150,000ダルトン以下、100,000ダルトン以下であること
【0070】
バージンMDPEは、以下の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度は0.925g/cmから0.940g/cmの範囲内であること、
ii) メルトインデックス(I、2.16kg、190℃)は、1.0g/10分~100g/10分、2.0g/10分~80g/10分、または3.0g/10分~50g/10分の範囲内であること、
iii) 分子量分布(M/M)は15以上であること、
iv) 重量平均分子量は250,000ダルトン以下、200,000ダルトン以下、150,000ダルトン以下、100,000ダルトン以下であること
ポリオレフィン再生材原料
【0071】
いくつかの実施形態では、ポリオレフィン再生材原料は、1つまたは複数のHDPE、1つまたは複数のMDPE、1つまたは複数のLDPE、1つまたは複数のLLDPE、1つまたは複数のPP、またはそれらの組み合わせから得られる。HDPE、MDPE、LLDPE、LDPE、PPまたはこれらの組み合わせから誘導される上記のポリオレフィン再生材原料は、以下の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度は0.900g/cm~0.970g/cmの範囲内であること、
ii) メルトインデックス(I、2.16kg、190℃)は5.0g/10分以下であること、
iii) 分子量分布(M/M)は4.0より大きいか5.0より大きいこと、
iv) 重量平均分子量は、85,000ダルトン以上、100,000ダルトン以上、150,000ダルトン以上、200,000ダルトン以上、250,000ダルトン以上、および/または600,000ダルトン以下、500,000ダルトン以下、400,000ダルトン以下、または300,000ダルトン以下であること、
v) 溶融弾性(ER)は0.5以上であること
【0072】
いくつかの実施形態では、前述の特性に加えて、ポリオレフィン再生材原料は、以下の1つまたは複数の特性を有することを特徴としてもよい。
vi) 第1VOC含有量、
vii) 第1高負荷メルトインデックス(I21、21.6kg、190℃)、
viii) 第1メルトインデックス比(MIR、I21/I
ix) 第1長鎖分岐パラメータ(g')は1.0、0.99、0.98、0.97以下であること
x) 第1総多分散性比(PDR)、
xi) 第1複素粘度比(η 0.1/η 100)、および
xii) 第1固有粘度
-加工済みポリオレフィン再生材
【0073】
加工済みポリオレフィン再生物は、ビスブレーキング押出機の排出物から取り出される。「加工済み」とは、ポリオレフィン再生物原料がビスブレーキング条件、またはビスブレーキング条件に続いて脱揮条件に供されたことを意味する。上記のように、加工済みポリオレフィン再生材は、次の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度:ポリオレフィン再生材原料の密度に対する加工済みポリオレフィン再生材の密度の比は1.0以上である。
ii) メルトインデックス:ポリオレフィン再生材原料のメルトインデックスに対する加工済みポリオレフィン再生材のメルトインデックスの比は5.0以上である。
iii) 分子量分布:ポリオレフィン再生材原料の分子量分布に対する加工済みポリオレフィン再生材の分子量分布の比は0.99以下、0.95以下、0.80以下である。
iv) 重量平均分子量(「Mw2」):ポリオレフィン再生材原料の重量平均分子量に対する加工済みポリオレフィン再生材の重量平均分子量の比は0.99以下、0.95以下、0.80以下、0.70以下である。また、
v) 溶融弾性(「ER」):ポリオレフィン再生材原料のERに対する加工済みポリオレフィン再生材のERの比は0.90以下、0.70以下、0.50以下である。
【0074】
いくつかの実施形態では、上記の特性に加えて、加工済みポリオレフィン再生材は、さらに、以下の1つまたは複数の特性を有することを特徴としてもよい。
vi) VOC含有量:加工済みポリオレフィン再生材のVOC含有量に対するポリオレフィン再生材原料のVOC含有量の比が、それぞれ単独で、または0.1以上の下限との組み合わせで、0.9、0.8、0.7、0.6または0.5以下である。
vii) 高負荷メルトインデックス(I21、21.6kg、190℃):ポリオレフィン再生材原料の高負荷メルトインデックスに対する加工済みポリオレフィン再生材の高負荷メルトインデックスの比は2.0以上、3.0以上、4.0以上、5.0以上である。
viii) メルトインデックス比(MIR、I21/I):ポリオレフィン再生材原料のMIRに対する加工済みポリオレフィン再生材のMIRは0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下である。
ix) 総多分散性比(PDR):ポリオレフィン再生材原料のPDRに対する加工済みポリオレフィン再生材のPDRの比は0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.50以下である
x) 複素粘度比(η 0.1/η 100):ポリオレフィン再生材原料の複素粘度比に対する加工済みポリオレフィン再生材の複素粘度比の比は0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下である。
xi) 極限粘度[η]:ポリオレフィン再生材原料の極限粘度に対する加工済みポリオレフィン再生材原料の極限粘度の比は0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.50以下である。
配合押出機
【0075】
加工済みポリオレフィン再生材およびポリオレフィンブレンド成分は、第2押出機またはミキサーに供給され、ここで、ブレンドは配合条件に供される。混合条件は、第2押出機またはミキサーの混合ゾーンで実施され、特定のポリオレフィンと任意の添加剤との混合物のためにカスタマイズされる。温度、圧力および剪断力条件は、第2押出機またはミキサーにおいて実施され、加工済みポリオレフィン再生材と、バージンポリオレフィンとの実質的に均一なポリマーブレンドを生成するために、バージンポリオレフィンと、任意に添加剤との緊密な混合を提供するのに十分である。いくつかの実施形態では、混合条件は、300℃以下、250℃以下、または200℃以下の混合ゾーンの温度を含む。いくつかの実施形態では、混合ゾーン内の温度は、125℃~195℃、130℃~180℃、または135℃~165℃の範囲内であってもよい。
加工済みポリオレフィン再生材とポリオレフィンブレンド成分とのブレンド
【0076】
いくつかの実施形態では、ブレンドは、それぞれ、5重量%~90重量%、10重量%~80重量%、15重量%~70重量%、20重量%~60重量%、または25重量%~50重量%の加工済みポリオレフィン再生材と、10重量%~95重量%、20重量%~90重量%、30重量%~85重量%、40重量%~80重量%、または50重量%~75重量%のポリオレフィンブレンド成分とを含み、すべての重量%がポリマーブレンドの合計重量に基づく。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンはビスブロークされている。このようなバージンポリオレフィンのビスブレーキングは、熱ビスブレーキングおよび/または過酸化ビスブレーキングであってもよい。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンのこのようなビスブレーキング条件は、無酸素または実質的に無酸素で、ポリオレフィンの融点より高く、300℃以上、または320℃から400℃の範囲内の温度での熱ビスブレーキングを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、加工済みポリオレフィン再生材とポリオレフィンブレンド成分とのブレンドであって、前段のブレンド比と組み合わせて、または独立して、二峰性ポリマーを含み、加工済みポリオレフィン再生材生成物は、重量平均分子量(「Mw3」)を有し、ポリオレフィンブレンド成分は、重量平均分子量(「Mw4」)を有する。そして、Mw3/Mw4は、0.9、0.8、0.7、0.6または0.5以下、または1.1、1.25、1.5、1.75または2.0以上である。
加工済みポリオレフィン再生材とポリオレフィンブレンド成分のブレンド-3台の押出機
【0078】
図3において、フロー図300は、ビスブレーキング押出機310、溶融押出機357、および配合押出機355を含む。図3に示される本発明の実施形態は、ビスブレーキングゾーン315および脱揮ゾーン320を有するビスブレーキング押出機310を含む。ポリオレフィン再生材原料325を押出機の入口端近傍のビスブレーキング押出機310に添加する。ポリオレフィン再生材原料325は、ビスブレーキング押出機310のバレル内の1つまたは複数の回転スクリュドライバを介して、ビスブレーキング押出機310を介して吸引される。ビスブレーキング押出機310の長さは、1つまたは複数のゾーンに分割されている。各ゾーンは、スクリュドライバ上の1つまたは複数の指定されたピッチ、ガスを注入するための入口330、335、ガスを取り出すための通気または真空接続部340、熱を追加または取り出すための手段、過酸化物を注入するための入口345、および圧力、温度およびせん断力を含むがこれに限定されない予め選択されたプロセス条件を与えるための添加剤を注入するための入口を有してもよい。
【0079】
図3は、ビスブレーキングゾーン315と脱揮ゾーン320とを有する実施形態を示している。他の実施形態は、ビスブレーキングゾーン315または脱揮ゾーン320を別個に有していてもよい。ビスブレーキング押出機310の加工条件は、スクリュドライバの回転速度によってさらに制御することができる。加工済みポリオレフィン再生材350は、ビスブレーキング押出機310の出口付近で取り出され、さらなる加工が行われる。
【0080】
図3の実施形態は、混合ゾーン360を有する第2押出機355と、溶融ゾーン362を有する第3押出機357とを含む。第3ブレンド成分383は、酸化防止剤365および他の成分370と共に、押出機357の入口端に近い溶融押出機に添加される。ポリオレフィンブレンド成分352は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンは、バージンLDPE、バージンLLDPE、バージンHDPE、バージンMDPE、バージンポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリオレフィン再生材原料は、LDPE再生材原料、LLDPE再生材原料、HDPE再生材原料、MDPE再生材原料、ポリプロピレン再生材原料、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、加工済みポリオレフィン再生材は、加工済みLDPE再生材、加工済みLLDPE再生材、第2加工済みHDPE再生材、第2加工済みMDPE再生材、加工済みポリプロピレン再生材、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリオレフィンブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む。第3ブレンド成分352と任意の酸化防止剤365および/または他の成分370との混合物は、溶融押出機357のバレル内の1つまたは複数の回転スクリュドライバを介して溶融押出機357を介して吸引される。溶融押出機の長さ357は、1つまたは複数のゾーンに分割することができる。各ゾーンは、圧力、温度、およびせん断力を含むがこれに限定されない予め選択されたプロセス条件を与えるために、スクリュドライバ上の1つまたは複数の指定されたピッチ、熱を追加または取り出すための手段、添加剤を注入するための入口、およびガスを取り出すためのベントまたは真空接続部を有してもよい。ポリオレフィンブレンド成分352の溶融物は溶融押出機357の吐出口近傍で取り出され、さらに加工または造粒が行われる。
【0081】
加工済みポリオレフィン再生材350は、ポリオレフィンブレンド成分352の溶融物と共に、押出機入口端付近の配合押出機355に添加される。加工済みポリオレフィン再生材350とポリオレフィンブレンド成分352との混合物は、配合押出機355のバレル内の1つまたは複数の回転スクリュドライバを介して、配合押出機355によって吸引され、混合物は配合状態にされる。配合押出機355の長さは、1つまたは複数のゾーンに分割することができる。各ゾーンは、圧力、温度、およびせん断力を含むがこれに限定されない予め選択されたプロセス条件を与えるために、スクリュドライバ上の1つまたは複数の特定のピッチ、熱を追加または取り出すための手段、添加剤を注入するための入口、およびガスを取り出すための通気および/または真空接続部375を有していてもよい。加工済みポリオレフィン再生材350とポリオレフィンブレンド成分352の溶融物とのブレンド380は、配合押出機355で排出する際に取り出され、更なる加工または造粒が行われる。
【0082】
いくつかの実施形態では、ポリオレフィンブレンド成分は、第3押出機から取り出された生成物である重合装置からのポリオレフィン粉末生成物、造粒ポリオレフィンまたはポリオレフィン溶融物であってもよい。これらの実施形態のいくつかでは、重合装置は、2つ、3つ以上の重合反応器および/または重合反応器内の2つ、3つ以上の重合ゾーンを含む。より具体的な重合装置の実施形態は、これらに限定されるものではないが、直列に接続された2つまたは3つの気相流動層反応器、直列に接続された2つまたは3つのスラリー相反応器、およびマルチゾーン循環反応器に直列に接続された気相流動層反応器を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、それ自体が2つ以上のポリマーを含むことができるポリオレフィンブレンド成分の量は、対数混合則に基づいて決定され、ブレンド成分は次の方程式を満たす。
【数2】
ここで、
MFRは、I、I21、または他の選択されたメルトインデックスである。
MFRブレンドは、最終ブレンド生成物のターゲットMFRである。
nはブレンド中の成分の数である。
iは、n成分ブレンドのi番目の成分である。
ブレンド成分
【0084】
第1ブレンド成分は、ビスブレーキング押出機で製造されたポリオレフィンの加工済み再生材である。第2ブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンは、バージンLDPE、バージンLLDPE、バージンHDPE、バージンMDPE、バージンポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリオレフィン再生材原料は、LDPE再生材原料、LLDPE再生材原料、HDPE再生材原料、MDPE再生材原料、ポリプロピレン再生材原料、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、加工済みポリオレフィン再生材は、加工済みLDPE再生材、加工済みLLDPE再生材、第2加工済みHDPE再生材、第2加工済みMDPE再生材、加工済みポリプロピレン再生材、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第2ブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む。加工済みポリオレフィン再生材が他の加工済みポリオレフィン再生材とブレンドされるとき、第1ポリオレフィン再生材は、第2加工済みポリオレフィン再生材と区別する少なくとも1つのパラメータを有する。
-バージンポリオレフィン
【0085】
いくつかの実施形態では、ポリオレフィン再生材原料は、エチレンホモポリマー、エチレンに由来する単位と1つ以上のC~C12α-オレフィンに由来する単位とのコポリマー、エチレンに由来する単位と1つ以上のαモノオレフィンに由来する単位とのコポリマーに由来する。このようなC~C12α-オレフィンは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデカンおよびそれらの異性体のような置換または非置換のC~C12α-オレフィンを含むが、これらに限定されない。コモノマーが存在する場合、コモノマーは20重量%、15重量%、10重量%または5重量%まで存在することができる。ポリオレフィン再生材原料は、ポリオレフィン再生材原料の全重量に対して80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上を意味するポリオレフィン再生材を主成分とするポストコンシューマ再生ポリオレフィンおよび/またはポストインダストリアルリサイクルポリオレフィンの一部として誘導することができる。
【0086】
このようなエチレンホモポリマーおよび/またはコポリマーは、既知の装置および反応条件を用いて、懸濁、溶液、スラリーまたは気相法で製造することができる。いくつかの実施形態では、大気圧、亜大気圧、または超大気圧において、重合温度の範囲は約0℃から約300℃である。
【0087】
スラリーまたは溶液重合システムは、約40℃から約300℃の範囲の亜大気圧または超大気圧の圧力および温度を利用することができる例示的な液相重合システムは、米国特許第324,095号に記載されており、その開示内容が引用によって完全にここに組み込まれている。本発明の液相重合システムは、一般に、オレフィンモノマーおよび触媒組成物を添加する反応器を含み、この反応器は、ポリオレフィンを溶解または懸濁させるための液体反応媒体を含む。液体反応媒体は、バルク状の液体モノマー、または、採用された重合条件では反応しない不活性な液体炭化水素から構成されていてもよい。このような不活性液状炭化水素は、触媒組成物やこの方法で得られたポリマーの溶媒として使用する必要はないが、重合に使用されるモノマーの溶媒として一般的に使用される。この目的に適した不活性液状炭化水素としては、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。オレフィンモノマーと触媒組成物との間の反応性接触は、一定の撹拌またはかき混ぜによって維持されるべきである。オレフィンポリマー生成物および未反応のオレフィンモノマーを含む反応媒体は、反応器から連続的に取り出される。オレフィンポリマー生成物は分離され、未反応のオレフィンモノマーと液体反応媒体は反応器に再循環される。
【0088】
気相重合システムは、1psig(6.9kPag)~1000psig(6.9MPag)、50psig(344kPag)~400psig(2.8MPag)または100psig(689kPag)~300psig(2.1MPag)の範囲の超大気圧、および30℃~130℃または65℃~110℃の範囲の温度を利用することができる。気相重合システムは、撹拌床システムまたは流動床システムであってもよい。いくつかの実施形態では、気相流動層プロセスは、固体粒子層を懸濁状態に維持するのに十分な速度で、反応条件下および触媒組成物の存在下で、1つまたは複数のオレフィンモノマーを含む流れを流動層反応器を連続的に通過させることによって行われる。未反応モノマーを含む流れは、反応器から連続的に取り出され、圧縮され、冷却され、場合により部分的または完全に凝縮されて、反応器に再循環される。生成物は反応器から取り出され、補給モノマーが再生材流に加えられる。重合システムの温度制御に必要なように、触媒組成物および反応物に対して不活性な任意のガスもガス流中に存在してもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、VIB族金属に基づく触媒が使用される。いくつかの実施形態では、触媒はクロム系触媒である。このようなHDPEホモポリマーおよび/またはコポリマーは、0.940g/cm~0.970g/cmの範囲の密度を有するいくつかの長鎖分岐を有する。このようなMDPEコポリマーは、いくつかの長鎖分岐を有し、密度が0.925g/cm~0.940g/cmの範囲にある。
【0090】
バージンHDPEは、以下の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度は0.940g/cm~0.970g/cmの範囲内であること、
ii) メルトインデックス(I、2.16kg、190℃)は、1.0g/10分~100g/10分、2.0g/10分~80g/10分、または3.0g/10分~50g/10分の範囲内であること、
iii) 分子量分布(M/M)は15以上であること、
iv) 重量平均分子量は250,000ダルトン以下、200,000ダルトン以下、150,000ダルトン以下、100,000ダルトン以下であること
【0091】
バージンMDPEは、以下の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度は0.925g/cm~0.940g/cmの範囲内であること、
ii) メルトインデックス(I、2.16kg、190℃)は、1.0g/10分~100g/10分、2.0g/10分~80g/10分、または3.0g/10分~50g/10分の範囲内であること、
iii) 分子量分布(M/M)は15以上であること、
iv) 重量平均分子量は250,000ダルトン以下、200,000ダルトン以下、150,000ダルトン以下、100,000ダルトン以下であること
ポリオレフィン再生材原料
【0092】
いくつかの実施形態では、ポリオレフィン再生材原料は、1つまたは複数のHDPE、1つまたは複数のMDPE、1つまたは複数のLDPE、1つまたは複数のLLDPE、1つまたは複数のPP、またはそれらの組み合わせから得られる。HDPE、MDPE、LLDPE、LDPE、PPまたはこれらの組み合わせから誘導される上記のポリオレフィン再生材原料は、以下の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度は0.900g/cm~0.970g/cmの範囲内であること、
ii) メルトインデックス(I、2.16kg、190℃)は5.0g/10分以下であること、
iii) 分子量分布(M/M)は4.0より大きいか5.0より大きいこと、
iv) 重量平均分子量は、85,000ダルトン以上、100,000ダルトン以上、150,000ダルトン以上、200,000ダルトン以上、250,000ダルトン以上、および/または600,000ダルトン以下、500,000ダルトン以下、400,000ダルトン以下、または300,000ダルトン以下であること、
v) 溶融弾性(ER)は0.5以上であること
【0093】
いくつかの実施形態では、前述の特性に加えて、ポリオレフィン再生材原料は、さらに、以下の1つまたは複数の特性を有することを特徴としてもよい。
vi) 第1VOC含有量、
vii) 第1高負荷メルトインデックス(I21、21.6kg、190℃)、
viii) 第1メルトインデックス比(MIR、I21/I)、
ix) 第長鎖分岐パラメータ(g')は1.0,0.99,0.98,0.97以下であること、
x) 第1総多分散性比(PDR)、
xi) 第1複素粘度比(η 0.1/η 100)、
xii) 第1固有粘度
-加工済みポリオレフィン再生材
【0094】
加工済みポリオレフィン再生物は、ビスブレーキング押出機の排出物から取り出される。「加工済み」とは、ポリオレフィン再生物原料がビスブレーキング条件、またはビスブレーキング条件に続いて脱揮条件に供されたことを意味する。上記のように、加工済みポリオレフィン再生材は、次の特性を有することを特徴としてもよい。
i) 密度:ポリオレフィン再生材原料の密度に対する加工済みポリオレフィン再生材の密度の比は1.0以上である。
ii) メルトインデックス:ポリオレフィン再生材原料のメルトインデックスに対する加工済みポリオレフィン再生材のメルトインデックスの比は5.0以上である。
iii) 分子量分布:ポリオレフィン再生材原料の分子量分布に対する加工済みポリオレフィン再生材の分子量分布の比は0.99以下、0.95以下、0.80以下である。
iv) 重量平均分子量(「Mw2」):ポリオレフィン再生材原料の重量平均分子量に対する加工済みポリオレフィン再生材の重量平均分子量の比は0.99以下、0.95以下、0.80以下、0.70以下である。および
v) 溶融弾性(「ER」):ポリオレフィン再生材原料のERに対する加工済みポリオレフィン再生材のERの比は0.90以下、0.70以下、0.50以下である。
【0095】
いくつかの実施形態では、上記の特性に加えて、加工済みポリオレフィン再生材は、さらに、以下の1つまたは複数の特性を有することを特徴としてもよい。
vi) VOC含有量:加工されたポリオレフィン再生材原料のVOC含有量に対するポリオレフィン再生材原料のVOC含有量の比が、それぞれ単独で、または0.1以上の下限との組み合わせで、0.9、0.8、0.7、0.6または0.5以下である。
vii) 高負荷メルトインデックス(I21、21.6kg、190℃):ポリオレフィン再生材原料の高負荷メルトインデックスに対する加工済みポリオレフィン再生材の高負荷メルトインデックスの比は2.0以上、3.0以上、4.0以上、5.0以上である。
viii) メルトインデックス比(MIR I21/I):ポリオレフィン再生材原料のMIRに対するポリオレフィン再生材の加工品のMIRは0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下である。
ix) 総多分散性比(PDR):ポリオレフィン再生材原料のPDRに対する加工済みポリオレフィン再生材のPDRの比は0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.50以下である。
x) 複素粘度比(η 0.1/η 100):ポリオレフィン再生材原料の複素粘度比に対する加工済みポリオレフィン再生材の複素粘度比の比は0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下である。また、
xi) 極限粘度[η]:ポリオレフィン再生材原料の極限粘度に対する加工済みポリオレフィン再生材原料の極限粘度の比は0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.50以下である。
溶融押出機
【0096】
ポリオレフィンブレンド成分および任意の酸化防止剤および/または他の成分は、第3の押出機またはミキサーに供給され、そこでブレンドは溶融条件にさらされる。溶融条件は、第3押出機またはミキサーの溶融ゾーンで実施され、特定のポリオレフィンと任意の添加剤との混合物のためにカスタマイズされる。加工済みポリオレフィン再生材とバージンポリオレフィンとの実質的に均一なポリマーブレンドを生成するために、加工済みポリオレフィン再生材とバージンポリオレフィンとの緊密な混合を提供するのに十分な温度、圧力およびせん断力条件が、第2押出機またはミキサーにおいて達成される。いくつかの実施形態では、溶融条件は、溶融ゾーンの温度が130℃~250℃または150℃~230℃の範囲内であることを含む。
配合押出機
【0097】
加工済みポリオレフィン再生材およびポリオレフィンブレンド成分は第2の押出機またはミキサーに供給され、そこでブレンドは配合条件にさらされる。混合条件は、第2押出機またはミキサーの混合ゾーンで実施され、特定のポリオレフィンと任意の添加剤との混合物のためにカスタマイズされる。加工済みポリオレフィン再生材とバージンポリオレフィンとの実質的に均一なポリマーブレンドを生成するために、加工済みポリオレフィン再生材とバージンポリオレフィンとの緊密な混合を提供するのに十分な温度、圧力およびせん断力条件が、第2押出機またはミキサーにおいて達成される。いくつかの実施形態では、混合条件は、300℃以下、250℃以下、または200℃以下の混合ゾーンの温度を含む。いくつかの実施形態では、混合ゾーン内の温度は、125℃~195℃、130℃~180℃、または135℃~165℃の範囲内であってもよい。
加工済みポリオレフィン再生材とポリオレフィンブレンド成分とのブレンド
【0098】
いくつかの実施形態では、ブレンドは、それぞれ、5重量%~90重量%、10重量%~80重量%、15重量%~70重量%、20重量%~60重量%、または25重量%~50重量%の加工済みポリオレフィン再生材と、10重量%~95重量%、20重量%~90重量%、30重量%~85重量%、40重量%~80重量%、または50重量%~75重量%のポリオレフィンブレンド成分とを含み、すべての重量%がポリマーブレンドの合計重量に基づく。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンはビスブロークされている。このようなバージンポリオレフィンのビスブレーキングは、熱ビスブレーキングおよび/または過酸化ビスブレーキングであってもよい。いくつかの実施形態では、バージンポリオレフィンのこのようなビスブレーキング条件は、無酸素または実質的に無酸素で、ポリオレフィンの融点より高く、300℃以上、または320℃から400℃の範囲内の温度での熱ビスブレーキングを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、加工済みポリオレフィン再生材とポリオレフィンブレンド成分とのブレンドは、前段のブレンド比と組み合わせてまたは独立して、二峰性ポリマーを含み、ここで、加工済みポリオレフィン再生材生成物は、重量平均分子量(「Mw3」)を有し、ポリオレフィンブレンド成分は、重量平均分子量(「Mw4」)を有する。そして、Mw3/Mw4は、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5以下、または1.1、1.25、1.5、1.75、2.0以上である。
二峰性ブレンド
【0100】
優れた性能の組み合わせを有するポリオレフィンは、いわゆる二峰性または多峰性ポリオレフィンである。これらのポリオレフィンは、組成の異なる2種以上の成分からなる。多峰性ポリオレフィンの成分は、分子量および/またはコモノマー組成に関して異なってもよい。多峰性ポリオレフィン組成物は、異なる重合条件で操作される2つ以上の重合ゾーンの組み合わせで調製されることが多い。2つ以上の重合ゾーンは、通常、一連の2つ以上の重合反応器内に配置される。
【0101】
多峰性ポリオレフィンは、幅広い用途に有用である。しかし、異なる用途では、異なるポリマー特性の組み合わせが必要とされる。したがって、異なる用途で使用するように設計された多峰性ポリオレフィンは、分子量およびコモノマー組成が変化する異なる成分を一般的に含み、異なる量の異なる成分を一般的に含む。また、分子量分布の狭い成分を採用することにより、異なる成分の重なりが少なくなり、より正確にポリオレフィン組成物をカスタマイズすることができる。
-圧縮成形
【0102】
圧縮成形は、キャップとクロージャーの高速プラスチック変換プロセスであり、短いサイクル時間と低エネルギー消費という点で効率的な加工を実現する。これにより、最終製品のスループットと寸法の一貫性の点で優れたパフォーマンスが得られる。変換温度が低いため、材料が劣化しにくい。
【0103】
射出成形工程で使用されるポリオレフィンは、ボトルのキャップやシールの製造を含むがこれに限定されない圧縮成形工程でも一般的に使用されている。いくつかの実施形態では、圧縮成形用ポリオレフィンは、明らかなせん断減肉および非比例的な低い流動抵抗を有する。これらの特性は、生産される最終生成物において、ESCRなどの優れた特性を維持するのに寄与するが、これに限定されるものではない。
【0104】
ダイスウェルは、ポリマー材料の溶融流がダイを通過するポリオレフィン押出プロセスでは一般的な現象である。関連するプロセスには、圧縮成形、射出成形、およびブロー成形が含まれるが、これらに限定されない。ダイスウェルは、流れの中のポリマーのエントロピーと緩和に直接関係する現象である。ポリマーメルトフローストリームはダイに入る前は一定の速度を有しており、ストリーム内のポリマー鎖はほぼ球形の立体構造を占め、エントロピーが最大化される。ダイを通して押し出すと、ダイの断面積が減少することもあり、ポリマーの流量が増加する。ダイを通って流れるポリマー溶融物中のポリマー鎖は、流量の増加により球形を失い始める。ポリマー鎖はより長くなり、ポリマー鎖間の物理的なもつれは、ダイ内のポリマーの時間の長さに依存する程度まで低減される。ポリマー流がダイから出ると、残っている物理的もつれにより、エントロピーを最大化するほぼ球状の立体構造に戻るために、ダイ流中のポリマー鎖が以前の形状と球状の体積の一部を取り戻す。
【0105】
ポリマー鎖の解きほぐしは動的プロセスであるため、ダイを長くしたり流量を低くすると、解きほぐす時間が長くなる。商業的動機により、ダイを通過するポリマーの流量の下限と、ポリマーがダイ内に留まる時間の上限の両方が設定される。したがって、高度にポリマー鎖が絡み合いにくいポリマーが必要とされている。
【0106】
キャップやクロージャーの圧縮成形にポリマー再生材を使用する場合の課題の1つは、過度のダイスウェルである。ダイスウェルは、押出物のスライスステップと金型への移送の間に問題を引き起こす。ポリマーはスウェルして「キノコ」状になり、転写するのが困難になる。このスウェルは、ポリマー再生材流、特に低いIおよび/またはI21を有するポリマー再生材流に固有の材料特性である。
【0107】
ダイスウェルは、ポリマー系が収縮および膨張する可能性があるため、ポリマーの弾性に関係している。絡み合ったポリマー鎖のランダムコイルのシステムが溶融条件下でキャピラリーダイに入るとき、収縮を受け、キャピラリー内で部分的に弛緩した後、キャピラリーによる拘束がなくなると出口で部分的に回復する。キャピラリーからの排出時の膨張は、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンなどのポリオレフィン(これらに限定されない)では非常に強い場合がある。スウェルの効果は、圧縮成形などの一部のポリマープロセスにおいて重要であるが、これに限定されるものではない。スウェルが大きすぎると、加工上の問題や成形品の欠陥につながることがある。ISO 11443は、キャピラリーレオメーターの付属品を使用したダイスウェルの測定方法を指定している。
【0108】
ポリマー鎖の解きほぐしは動的プロセスであるため、ダイを長くしたり流量を低くすると、解きほぐす時間が長くなる。商業的動機により、ダイを通過するポリマーの流量の下限と、ポリマーがダイ内に留まる時間の上限の両方が設定される。したがって、高度にポリマー鎖が絡み合いにくいポリマーが必要とされている。
【0109】
一般的に、ダイのスウェルは、このような鎖交絡にあまり感受性のないポリマー、例えば、短い平均鎖長を有するポリマーを使用することによっても減少させることができ、それによって、より高いIおよび/またはI21を生成することができる。ポリマー再生材自体は、多量の長鎖ポリマーを含み、従って、ポリマー再生材のIおよび/またはI21が低減される。高Iおよび/またはI21バージンポリマーとポリマー再生材とをドライブレンドおよび/または配合し、低流動性ポリエチレンはブレンドの総Iおよび/またはI21を増加させる1つの方法である。しかし、このアプローチでは、ブレンドのポリマー再生材成分中に長い分子量鎖が継続的に存在するため、全体的なダイスウェルの改善には限界がある。
【0110】
ビスブロークンポリマー再生材は、圧縮成形中のダイスウェルを許容レベルまで低減するのに十分に高いIおよび/またはI21を有する加工ポリマー再生材を生成することができる。このような加工済みポリマー再生材は、単独で、または1つ以上のバージンポリマーおよび/または1つ以上の他の加工済みポリマー再生材と組み合わせて、圧縮成形操作に使用することができる。
【0111】
ビスブレーキングは、熱ビスブレーキング、過酸化物ビスブレーキング、またはそれらの組み合わせによって達成できる。ポリエチレンをそのまま使用するか、バージンポリエチレンとのブレンドの一部として使用することが、潜在的な解決策となる。制御されたビスブレーキングは、長い分子量鎖をターゲットにし、ダイスウェルを低減し、キャップやクロージャーの圧縮成形における加工性を向上させる。
【0112】
いくつかの実施形態では、圧縮成形用の加工済みポリオレフィン再生材は、150%以下、140%以下、130%以下、120%以下、110%以下、100%以下(ASTMD3835またはISO11443によって測定される)のダイスウェルを有する。
【0113】
いくつかの実施形態では、圧縮成形用の加工済みポリオレフィン再生材は、ダイスウェル(ASTMD3835またはISO11443により測定)が200%以下、190%以下、または180%以下である。
特定の実施形態
【0114】
いくつかの実施形態において、高密度ポリエチレン(「HDPE」)再生材および/または中密度ポリエチレン(「MDPE」)再生材を加工する方法は、ポリオレフィン再生材原料を提供すること、ポリオレフィン再生材を第1押出機に添加して第1ポリオレフィン再生材溶融物を生成すること、および第1ポリオレフィン再生材溶融物にビスブレーキング条件を適用して第2ポリオレフィン再生材溶融物を生成することを含む。ポリオレフィン再生材原料では、第1密度は0.900g/cm~0.970g/cmの範囲内であり、第1メルトインデックス(2.16kg、190℃)は5.0g/10分以下であり、第1分子量分布(M/M)は、6.0より大きい、8.0より大きい、または10より大きい、および/または25より小さい、20より小さい、または15より小さく、第1重量平均分子量(「Mw1」)は、85,000ダルトン以上、100,000ダルトン以上、150,000ダルトン以上、200,000ダルトン以上、250,000ダルトン以上、および/または600,000ダルトン以下、500,000ダルトン以下、400,000ダルトン以下、300,000ダルトン以下であり、第1溶融弾性(「ER」)は0.5以上である。
【0115】
第2ポリオレフィン再生材溶融物では、第2密度は、第1密度に対する比が1以上であり、第2メルトインデックスは、第1メルトインデックスに対する比が5.0以上であり、第2分子量分布は、第1分子量分布に対する比が0.99以下、0.95以下、0.80以下であり、第2重量平均分子量(「Mw2」)は、Mw2/Mw1が0.99以下、0.95以下、0.80以下、または0以下であり、第2溶融弾性体は、第1溶融弾性体に対する比が0.90以下、0.70以下、0.50以下である。
【0116】
さらなる実施形態では、方法は、さらに、以下の1つまたは複数を特徴としている。
a)ポリオレフィン再生材原料は、ポストコンシューマリサイクル廃棄物、ポストインダストリアルリサイクル廃棄物、またはこれらの組み合わせを含む。
b)ビスブレーキング条件は、熱ビスブレーキングを含み、場合によっては300℃以上の温度で、または320℃から400℃の温度範囲で実施される。
c)第1HDPEポリオレフィン再生材溶融物は、第2ポリオレフィン再生材溶融物を生成するためにさらに揮発条件を適用され、ここで、ポリオレフィン再生材原料は、第1揮発性有機化合物の含有量を有し、第1HDPEポリオレフィン再生材溶融物は、第2揮発性有機化合物の含有量を有し、第2揮発性有機化合物の含有量と第1揮発性有機化合物の含有量との比が0.9以下であり、場合によっては、揮発条件は、以下をさらに含む:
i)掃気ガスの注入および抽出:および場合によっては、掃気ガスは、窒素、二酸化炭素、水またはこれらの組み合わせを含むこと、
ii)通気条件、真空条件またはこれらの組み合わせ、
d)第2ポリオレフィン再生材物の溶融物は、溶融物フィルターを通過すること、
e)第1押出機に酸化防止剤を添加すること、および
f)ポリオレフィン再生材原料は、第1高負荷メルトインデックス(21.6kg、190℃)を有し、第2ポリオレフィン再生材溶融物は、第2高負荷メルトインデックスを有し、第2高負荷メルトインデックスと第1高負荷メルトインデックスとの比が2.0以上、3.0以上、4.0以上、5.0以上であること、
g)ポリオレフィン再生材原料は、第1溶融物指数比(I21/I)を有し、第2ポリオレフィン再生材溶融物は、第2溶融物指数比を有し、第1溶融物指数比に対する第2溶融物指数比の比が0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下であること、
h)総多分散性測定値(「PDR」)であって、第2ポリオレフィン再生材溶融物は第2PDRを有し、第1PDRに対する第2PDRの比が0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.50以下であること、
i)ポリオレフィン再生材原料は、第1複素粘度比(η 0.1/η 100)を有し、第2ポリオレフィン再生材溶融物は、複素粘度比を有し、第1複素粘度比に対する第2複素粘度比の比が0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下であること、および
j)ポリオレフィン再生材原料は、第1固有粘度[η]を有し、第2ポリオレフィン再生材溶融物は、固有粘度を有し、第1固有粘度に対する第2固有粘度の比が、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下であること
【0117】
いくつかの実施形態では、前記方法は、第2ポリオレフィン再生材溶融物をさらに加工または造粒するために、第1押出機から第2ポリオレフィン再生材溶融物を取り出してポリオレフィン再生材生成物を形成することをさらに含む。
【0118】
上記方法のさらなる実施形態では、ポリオレフィン再生材と第1ポリオレフィンブレンド成分とを第2押出機に添加し、第2押出機で混合条件に影響を与えて、加工済みポリオレフィン再生材と第1ポリオレフィンブレンド成分との溶融ブレンド混合物からなるポリオレフィン生成物を形成する。いくつかの実施形態では、このような混合条件は、300℃以下の温度を含む。いくつかの実施形態では、第1ポリオレフィンブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態では、バージンポリオレフィンは、バージンLDPE、バージンLLDPE、バージンポリオレフィン、バージンMDPE、バージンポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含む、ポリオレフィン再生材原料としては、LDPE再生材原料、LLDPE再生材原料、ポリオレフィン再生材原料、MDPE再生材原料、ポリプロピレン再生材原料、またはこれらの組み合わせが挙げられる。加工済みポリオレフィン再生材は、加工済みLDPE再生材、加工済みLLDPE再生材、第2加工済みHDPE再生材、加工済みMDPE再生材、加工済みポリプロピレン再生材、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第1ポリオレフィンブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む。
【0119】
上記方法のさらなる実施形態では、ポリオレフィン再生材生成物は、ポリオレフィン再生材生成物と第1ポリオレフィンブレンド成分との合計重量に対して、5重量%~90重量%、または20重量%~60重量%の範囲の量で添加され、および/または、ポリオレフィン再生材生成物は、第3重量平均分子量(「Mw3」)を有し、第1ポリオレフィンブレンド成分は、第4重量平均分子量(「Mw4」)を有し、
w3/Mw3は0.8以下1.25以上である。
【0120】
上記方法のさらなる実施形態では、第1ポリオレフィンブレンド成分は、第1重合装置で調製されたポリマー生成物を含む第1バージンポリオレフィンであり、ここで、ポリマー生成物は、いくつかの場合には、重合後にビスブレーキングプロセスを受け、いくつかの実施形態では、ビスブレーキングプロセスは、熱によるビスブレーキング、過酸化物によるビスブレーキング、またはこれらの組み合わせを含む。
【0121】
前記方法のさらに実施形態では、第1ポリオレフィンブレンド成分は、第1重合装置で調製されたポリオレフィン粉末を含む。
【0122】
上記の方法の更なる実施形態では、酸化防止剤が第2押出機に添加される。
【0123】
前述の方法のさらなる実施形態では、方法は、第2ポリオレフィンブレンド成分を第3押出機に添加するステップと、第3押出機内で溶融条件を達成して、第2ポリオレフィンブレンド成分溶融物を生成するステップと、第2ポリオレフィンブレンド成分溶融物を第1ポリオレフィンブレンド成分として取り出すステップと、をさらに含む。
【0124】
上記方法のさらなる実施形態では、第2ポリオレフィンブレンド成分は、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはそれらの組み合わせを含む。
【0125】
上記方法のさらなる実施形態では、第2ポリオレフィンブレンド成分は、重合後にビスブレーキングプロセスを経て、場合によっては、ビスブレーキングプロセスは、熱的なビスブレーキングを含む。
【0126】
上記方法のさらに実施形態において、第2ポリオレフィンブレンド成分は、第2重合装置で調製されたポリエチレン粉末および/またはポリエチレン粒子を含む。
【0127】
上記方法のさらなる実施形態では、第1および/または第2重合装置は、それぞれ、2つ以上の重合反応器および/または重合反応器内の2つ以上の重合ゾーンを含む。
【0128】
上記方法のさらなる実施形態では、第1および/または第2重合装置は、それぞれ、直列に接続された2つ以上の気相流動層反応器、直列に接続された2つ以上のスラリー相反応器、またはマルチゾーン循環反応器と直列に接続された気相流動層反応器を含む。
【0129】
上記の方法の更なる実施形態では、酸化防止剤が第3押出機に添加される。
【0130】
いくつかの実施形態では、組成物は、第1ポリマーと第2ポリマーとのポリマーブレンドを含む。第1ポリマーは、第1加工済みポリオレフィン再生材であり、5重量%~90重量%の範囲の量で存在する。第2ポリマーは、バージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材またはそれらの組み合わせであり、10重量%から95重量%の範囲内の量で存在する。全ての重量パーセントは、第1および第2ポリマーの合計重量に基づく。
【0131】
前記組成物のさらなる実施形態では、バージンポリオレフィンは、バージンLDPE、バージンLLDPE、バージンHDPE、バージンMDPE、バージンポリプロピレン、またはこれらの組み合わせを含む、ポリオレフィン再生材原料としては、LDPE再生材原料、LLDPE再生材原料、HDPE再生材原料、MDPE再生材原料、ポリプロピレン再生材原料またはこれらの組み合わせが挙げられる。加工済みポリオレフィン再生材は、加工済みLDPE再生材、加工済みLLDPE再生材、第2加工済みHDPE再生材、第2加工済みMDPE再生材、加工済みポリプロピレン再生材、またはこれらの組み合わせを含む。
【0132】
上記組成物のさらなる実施形態では、加熱によるビスブレーキング、または加熱によるビスブレーキングおよび脱揮の加工手段が施される。
いくつかの実施形態では、ブレンドは、第1Iおよび第2Iを有するバージンポリオレフィン、ポリオレフィン再生材原料、加工済みポリオレフィン再生材、またはこれらの組み合わせを含むビスブロークンポリオレフィンを含み、
【数3】
ここで、
(Iブレンドは最終ブレンドの目標メルトインデックスである。
nはブレンド中の成分の数である。
iは、n成分ブレンドのi番目の成分である。
【0133】
以下の実施形態は、本発明を示す、しかしながら、当業者は、本発明の精神および請求項の範囲内の多くの変更点を認識するであろう。本発明のよりよい理解を容易にするために、以下に好ましい実施形態の例を示す。以下の実施形態は、本発明の範囲を限定または定義するものと解釈されるべきではない。
実施例
【0134】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含まれる。当業者であれば、以下の実施形態に開示される技術は、発明者が発見した本発明の実施形態でうまく機能している技術を表しており、本発明の実施形態の好ましい形態を構成していると考えることができることを理解する。しかしながら、本開示によれば、当業者は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、開示された具体的な実施形態において多くの変更を行うことができ、依然として同様のまたは同様の結果を得ることができることを理解するであろう。
【0135】
以下の実施形態では、低メルトインデックスを有する市販のHDPE組成物をHDPE再生材原料の代替物として使用する。本明細書に記載されるように、加工後、ビスブロークン低メルトインデックスHDPEを、単独で、または他の成分とブレンドして、より高いメルトインデックスのバージンHDPEと比較する。
【0136】
テスト方法
【0137】
密度は、ASTM D-4703およびASTM D-1505/ISO-1183に従って測定される。
【0138】
ダイスウェルは、本明細書では、Goetfert Rheograph 25キャピラリーレオメーターを使用して社内で開発されたテストによって測定され。ポリマー溶融物は、温度190℃、せん断速度525s-1でダイから押し出される。押出物のダイスウェルは、ダイの底部から78mm下の位置に配置されたレーザーによって測定される。ダイのオリフィス直径は1mm、L/Dは0.25、入口角度は90°である。押出ストランドは、測定前にダイの底部から120mm下の位置で切断される。
【0139】
高負荷メルトインデックス(I21’’)はASTM D-1238-F(190℃/21.6kg)によって測定される。
【0140】
せん断レオロジー測定はASTM4440-95aに従って実行され、動的粘弾性特性(貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”、および振動頻度ωの関数としての複素粘度(η)を特徴付ける。回転レオメーター(TA Instruments)をレオロジー測定に使用する。25mmの平行平板固定具が使用される。190℃のホットプレスを使用してサンプルをディスク(直径約29mm、厚さ約1.3mm)に圧縮成形する。190℃で発振頻度掃引実験(398.1rad/secから0.0251rad/sec)を行う。加えられるひずみの大きさは約10%であり、加工クリアランスは1mmに設定されている。測定中の熱酸化を最小限に抑えるために、試料チャンバ内に窒素ガス流を適用する。
【0141】
溶融弾性(「ER」)は、アプライアンスポリマサイエンス誌57(1995)1605でR.ShroffとH.Mavridisが論じているように、によって決定される。米国特許第7,238,754号、第6,171,993号および第5,534,472号(欄10、20~30行目)は、参照によってここに組み込まれている。したがって、貯蔵弾性率(G')と損失弾性率(G'')が測定される。9つの最低頻度点(頻度10年ごとに5点)が使用され、最小二乗回帰によって直線方程式がlogG'対logG''に当てはめられる。次に、ERを次の式に基づいて計算する。
【数4】
G’=5,000dyn/cmの値である。直鎖状および長鎖状に分岐したポリオレフィンについては、同一のER計算手順および方程式を用いる。
【0142】
PDRまたは「総多分散性測定値」は、R.ShroffおよびH.Mavridisがアプリケーションポリマーサイエンス誌57(1995)1605,1619ページの方程式27で、G*ref,1=1.95*10dyn/cmおよびlog10(G*ref,3/G*ref,1)=2で議論しているように決定されている。直鎖状および長鎖状に分岐したポリオレフィンについても、同様の手順および式を用いてPDR計算を行う。
【0143】
0.1rad/sの頻度での複素粘度の比(η 0.1/η 100η 0.1)と、100rad/sの頻度での複素粘度の比η 100とは、せん断感受性とポリマー溶融物のレオロジー幅または多分散性の追加的な尺度として使用される。
【0144】
メルトインデックス(「I」)はASTMD-1238-E(190℃/2.16kg)により測定される。
【0145】
メルトフローレート(「MFR」)は、ASTM D-1238-L(230℃/2.16kg)によって測定される。
【0146】
サイズ排除クロマトグラフィー(「SEC」)とも呼ばれる高温高分子炭ゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)を用いて、フィルタベースの赤外線検出器IR5、4キャピラリー差動ブリッジ粘度計、およびWyatt18角光散乱検出器を備えた分子量分布(「MWD」)および分子量平均値(数平均分子量M、重量平均分子量Mおよびz平均分子量M)を測定する。M、M、M、MWD、短鎖分岐(SCB)曲線は赤外線検出器を使用して報告され、長鎖分岐パラメータg'は粘度計と赤外線検出器の組み合わせを使用して145(℃で決定される1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)中の流体力学的寸法に基づいて、300ppmの酸化防止剤ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を移動相とした3本のAnchillen PLgel Olexis GPCカラムを用いて145(℃でポリマー分級を行った。ポリマー16mgを10mLバイアルに計量し、GPC測定用に密封した。溶解工程は、160(℃(8ml TCB中)で1時間連続して自動的に得られ、アジロンオートサンプラ中で連続的に振とうされた。溶解工程では、小瓶に20Lのヘプタンを流量目印として注入した。溶解工程後、GPCカラムに200Lの溶液を注入した。GPCカラムは、578g/mole~3,510,000g/moleの範囲の12個の単分散ポリスチレン(PS)標準(PSSによって提供)に基づいて校正される。コモノマー組成(またはSCB分布)は、確立された溶液NMR技術を用いて測定されたCH/1000総炭素の既知値を有する、比較的狭い一連のポリエチレン(ポリマーカーボンは1-ヘキセンと1-オクテンのコモノマーを有するポリエチレンを提供し、内部的には1-ブテンのコモノマーを有するポリエチレンを合成する)を用いて得られた異なる較正分布に基づいて報告された。GPC oneソフトウェアを使用してデータを分析する。長鎖分岐パラメータg'は、次式により決定される。
【数5】
ここで、[η]はポリマーの平均固有粘度であり、次のようにGPCプロファイル上のスライスの合計によって導出される。
【数6】
ここで、cはIR検出器から得られた特定のスライスの濃度であり、[η]は粘度計検出器から測定されたスライスの固有粘度である。[η]linは、線状高密度ポリエチレンの以下のMark-Houwink方程式を用いてIR検出器から得られ、ここで、基準線状ポリエチレンの粘度平均分子量をM、線状ポリマーのMark-Houwink定数をKおよびαとしたとき、線状ポリエチレンの場合はK=0.000374、α=0.7265、線状ポリプロピレンの場合はK=0.00041、α=0.6570である。
【数7】
【0147】
揮発性有機化合物(「VOC」)は、熱分解ガスクロマトグラフィー/質量分析法(「P-GC/MS」)により、10億分の1(ppb)、100万分の1(ppm)、またはマイクロg/立方メートル(g/m)で測定される。
【0148】
ゼロせん断粘度ηは、Shroff&Mavridis(1999)Macromolecules,32,8454-8464(付録Bを中心に)「実質的に直鎖ポリエチレンの長鎖分岐インデックス」に記載されているように、ラジアン頻度に対する動的複素粘度のSabia方程式フィッティングを用いて決定されており、その開示内容は引用によって本明細書に完全に組み込まれている。
【0149】
LCBIは式13を使用して決定される。
【数8】

式13とその応用は、Shroff&Mavridis(1999)「実質的に直鎖ポリエチレンの長鎖分岐インデックス」、大分子、32、8454-8464に記載されており、その開示内容は引用によって本明細書に完全に組み込まれている。
【0150】
炭素原子100万個あたりの長鎖分岐の比率によって特徴付けられる長鎖分岐頻度、つまりLCB/10Cは、Janzen&Colby(J.Janzen and R.H.Colby、「ポリエチレンにおける長鎖分岐の診断」、ジャーナル・オブ・モレキュラー・ストラクチャー、第485~486巻、1999年8月10日、569~583ページ)による方法によって、上記参考文献の表2の定数を使用して、決定される。具体的には、別途説明するように、Sabia方程式により複素粘度データを外挿して190℃におけるゼロせん断粘度η を求める。重量平均分子量MwはGPCにより測定される。これら2つのパラメータとJanzen&Colbyの手法を用いて、長鎖分岐頻度LCB/10Cを数値的に決定することができ、3つのパラメータ(η、M、LCB/10C)すべてが式(2-3)を満たす。Janzen&Colby法は、材料のゼロせん断粘度η/η0,線形と、平均分子量が同じ完全線状ポリマー(LCB/10C=0)のゼロせん断粘度の比が、LCB/10Cのある値で最大値を示すことを予測し、η/η0,線形の値ごとに、LCB/10 Cのレベルまたは値が2つ存在し、この比が可能であることを示した。この計算のために、LCB/10 Cの最小値は、常にη/η0,線形の所定の比率で選択される。
【0151】
原材料
【0152】
ここで使われている原材料は、次の表1のようなものである。
【表1】
*LyondellBasell Industries NVから入手可能
** 190℃/2.16kg
*** 230℃/2.16kg
実施例1~9
【0153】
表2の実施例1~9は、LLDPE、LDPEおよびそれらのブレンドのビスブレーキング破砕結果を示している。P1はLLDPE再生材原料の代表格と考えられている。P2は低密度ポリエチレン再生材原料に相当すると考えられる。実施例2~8は、P1、P2およびそれらのブレンドのビスブレーキング部を介して調製される。ビスブレーキングは、P1、P2、およびそれらのブレンドをWerner&Pfleiderer ZSK40二軸押出機に供給速度50ポンド/時間、スクリュー速度600rpmおよび目標温度プロファイル200/250/325/325/325/325/325/325/325℃(フィード口からダイまで)で供給することによって実施した。実施例3~7は、P1とP1のビスブレーキングブレンドから生成されるI、密度、HLMI、HLMI/MI、ER、PDR、η、η 0.1、η 100、η 0.1/η 100、M、M、M/M、M/M、IV、g'、およびLCBIの変化を示している。
【表2】
【表3】
表2(続き)
【表4】
【表5】
【0154】
実施例1~9の解析に基づいて生成された動振データを表3に示す。表3のデータは、実施例1-9の場合、複素粘度は頻度が高くなるにつれて低下することを示している。表3はさらに、実施例2-8におけるLLDPEとLDPEのビスブロークンブレンドが、すべてのテストの頻度値に対して低い複素粘度ηを示している。
表3
【表6】
【表7】
【表8】
表3(続き)
【表9】

【表10】
【表11】
【表12】
実施例10~17
【0155】
表4の実施例10~17は、HDPE、PP、およびそれらのブレンドのビスブレーキングの結果を示す。P3はHDPEの再生材原料として優れていると考えられている。P4はポリプロピレン再生材原料に相当すると考えられている。実施例11~15は、P3、P4およびそれらのブレンドのビスブレーキング部を介して調製される。ビスブレーキングは、P3、P4、およびそれらのブレンドをWerner&Pfleiderer ZSK40二軸押出機に供給速度50ポンド/時間、スクリュー速度600rpm、目標温度プロファイル200/250/325/325/325/325/325/325/325℃(フィード入口からダイまで)で供給することによって実施した。実施例12~14は、P3およびP4のビスブレーキングブレンドから生じるI2、MFR、ER、PDR、η 0@200℃、η 0@190℃、η0.1、η100、η0.1/η100、Mw、Mz、Mw/Mn、Mz/Mw、IV、g'、およびLCBIの変化を示している。
表4
【表13】
【表14】
表4(続き)
【表15】
【表16】
【0156】
実施例11~16の分析に基づいて生成された動的振動データを以下の表5に示す。表5のデータは、実施例11~16では頻度が増加するにつれて複素粘度が減少することを示している。表3はさらに、実施例12~14のHDPEとPPのビスブロークンブレンドが、すべての試験された頻度値においてより低い複素粘度(η)を有することを示している。
表5
【表17】
【表18】
表5(続き)
【表19】
【表20】
【0157】
図7は、実施例4と実施例5について生成された分子量曲線の比較である。重ね合わせたグラフは、ビスブレーキングによって達成される分子量の減少と分子量分布の狭まりの両方を示している。
実施例18~25
【0158】
表6の実施例18~25は、HDPE、PP、およびそれらのブレンドのビスブレーキングの結果を示す。P3はHDPEの再生材原料として優れていると考えられている。P5はPP再生材原料の合理的な代表と考えられている。実施例19~23は、P3、P5およびそれらのブレンドのビスブレーキング部を介して調製される。ビスブレーキングは、P3、P5、およびそれらのブレンドをWerner&Pfleiderer ZSK40二軸押出機に供給速度50ポンド/時間、スクリュー速度600rpm、目標温度プロファイル200/250/325/325/325/325/325/325/325℃(フィード入口からダイまで)で供給することによって実施した。実施例20~22は、P3およびP4のビスブレーキングブレンドから生じるI、MFR、ER、PDR、η0@200℃、η0@190℃、η 0.1、η 100、η 0.1/η 100、M、M、M/M、M/M、IV、g'およびLCBIの変化を示す。
表6
【表21】
【表22】
表6(続き)
【表23】
【表24】
【0159】
実施例19~24の分析に基づいて生成された動的振動データを以下の表7に示す。表7のデータは、実施例11~16では周波数が増加するにつれて複素粘度が減少することを示している。表3はさらに、実施例20~22のHDPEとPPのビスブロークンブレンドが、頻度のすべての試験値についてより低い複素粘度(η)を有することを示している。
表7
【表25】
【表26】
表7(続き)
【表27】
【表28】
【0160】
簡潔にするために、ここでは特定の範囲のみが明確に開示されている。ただし、記載された範囲に加えて、明示的に記載されていない範囲を記載するために、任意の下限値と任意の上限値を組み合わせることができ、また、明示的に記載されていない範囲を記載するために、任意の下限値からの範囲を他の任意の下限値と組み合わせることもできる。同様に、任意の上限の範囲を他の上限と組み合わせて、明示的に記載されていない範囲を記載することができる。また、範囲内には、明示的に列挙されていなくても、端点間の各点または個々の値が含まれている。したがって、明示的に記載されていない範囲を記載するために、すべての点または個々の値は、他の点または個々の値または他の下限または上限と組み合わせた独自の下限または上限として機能する場合がある。
【0161】
本発明およびその利点について詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、および変更が可能であることが理解されるべきである。さらに、本明細書の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、膜構造、層の構成、装置、方法、および/またはステップの特定の実施形態に限定されることを意図していない。当業者であれば、本発明の開示から容易に理解できるように、実質的に機能する、現在存在する、または今後開発されるプロセス、機械、フィルム構造、層の組成、手段、方法、および/またはステップは、本明細書で説明される対応する実施形態と同じ機能または実質的に同じ結果を達成するものを、本発明に従って利用することができる。したがって、特許請求の範囲は、これらのプロセス、機械、膜構造、層の構成、装置、方法、および/またはステップを含むことを意図している。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】