(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】病原体を破壊するためのカスタマイズされた集積電子回路を有する装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578150
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 IN2022050548
(87)【国際公開番号】W WO2022264169
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】202141027063
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523475011
【氏名又は名称】マンダジ、ナルシンハ チャーリー
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンダジ、ナルシンハ チャーリー
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA01
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK11
4C058KK32
(57)【要約】
病原体を破壊するためのカスタマイズされた集積電子回路を有する装置。本発明は、ルクス強度を最大化することができるカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光を生成するための装置に関する。カスタマイズされた集積電子回路は、また、高電子加速を発生させるためのトランスレス高密度電子生成機にも用いられている。低コストで軽量な装置は、非常に短い時間で、有害な病原体を死滅させるのに有効である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗、コンデンサの組み合わせを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプ、
前記フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップ、
を有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項2】
複数のダイオードと複数の抵抗との前記組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成する、
請求項1に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項3】
複数のダイオードとコンデンサとの前記組み合わせは、電圧逓倍回路を形成する、
請求項1に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項4】
前記電圧逓倍回路は、230V ACを、650-700V DCに変換できる、
請求項3に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項5】
前記電圧逓倍回路の正極端子は、前記可変抵抗を介して、前記フィラメントレス・ランプの一端に接続されている、
請求項3に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項6】
前記電圧逓倍回路の負極端子は、前記フィラメントレス・ランプの他端に接続されている、
請求項3に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項7】
前記フィラメントレス・ランプは、故障したUV-Cランプ、蛍光ランプ、金属ハロゲン化物ランプ、水銀蒸気ランプ、ナトリウム蒸気ランプ、hydrargyrum medium-arc iodide(HMI)ランプのいずれか1つである、
請求項1に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項8】
前記フィラメントレス・ランプに取り付けられる前記ストリップは、銀、銅、金、アルミニウム、鉄、又は、それらの組み合わせから形成されている、
請求項1に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項9】
前記高ルクス強度光が、効果的に、前記病原体を不活性化し、又は、死滅させる、
請求項1に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項10】
前記病原体は、15秒以内に、不活性化し、又は、死滅される、
請求項9に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光生成装置。
【請求項11】
複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗器、コンデンサ、及び、複数のツェナー・ダイオードの組み合わせ、トランジスタ(TIP 41C)、及び、1つ以上の銅コイルを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機、
を有する高密度電子生成装置。
【請求項12】
複数のダイオードと複数の抵抗器との前記組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成する、
請求項11に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する高密度電子生成装置。
【請求項13】
複数のダイオードとコンデンサとの前記組み合わせは、電圧逓倍回路を形成する、
請求項11に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する高密度電子生成装置。
【請求項14】
前記電圧逓倍回路は、230V ACを650-700V DCに変換できる、
請求項13に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する高密度電子生成装置。
【請求項15】
前記高電子発生機は、効果的に、前記病原体を不活性化し、又は、死滅させる、
請求項11に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する高密度電子生成装置。
【請求項16】
前記高電子発生機は、18分以内に、効果的に、前記病原体を不活性化し、又は、死滅させる、
請求項11に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する高密度電子生成装置。
【請求項17】
冷却ファンは、前記回路に接続される、
請求項11に係るカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する高密度電子生成装置。
【請求項18】
高ルクス強度光を生成するためのカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプであって、
前記集積電子回路は、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗器、コンデンサ、及び、前記フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップを有するもの、
を有する装置に表面を暴露する方法、
を有する病原体を不活性化し、又は、死滅させる方法。
【請求項19】
高密度電子を生成するためのカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機であって、
前記集積電子回路は、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗、コンデンサ、複数のツェナー・ダイオード、トランジスタ(TIP 41C)、及び、1以上の銅コイルの組み合わせを有するもの、
を有する装置に表面を暴露する方法、
を有する病原体を不活性化し、又は、死滅させる方法。
【請求項20】
高ルクス強度光を生成するためのカスタマイズされた集積電子回路を備えたフィラメントレス・ランプであって、
前記集積電子回路は、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗器、コンデンサ、及び、前記フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップを有するもの、
を有する装置の、周囲環境において病原体を不活性化し、又は、死滅させる際の、使用。
【請求項21】
高密度電子を生成するためのカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機であって、
前記集積電子回路は、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗、コンデンサ、複数のツェナー・ダイオード、トランジスタ(TIP 41C)、及び、1つ以上の銅コイルの組み合わせを有するもの、
を有する装置の、周囲環境において病原体を不活性化し、又は、死滅させる際の、使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野]】
【0001】
本発明は、病原体を不活性化し、又は、死滅させるための装置に関し、この装置は、カスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有している。本発明は、また、病原体を不活性化し、又は、死滅させるための装置に関し、この装置は、カスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレスの電子ビーム発生機を有している。
【0002】
本発明は、また、病原体を不活性化し、又は、死滅させるための方法、及び、その装置の使用に関する。
【発明の背景】
【0003】
紫外線エネルギーは、一般的に、その波長によって識別される。波長の値は、紫外線エネルギーの種類を決定するナノメータ(nm)で測定される。UV-Aは、315ナノメートルと400ナノメートルとの間の波長を包含し、UV-B波長は、280ナノメートルと315ナノメートルとの間に入り、UV-C波長は、100ナノメートルと280ナノメートルとの間に入り、UV-C波長は、ウイルス、バクテリア、カビ、及び、真菌を含む病原体の不活性化に有効である。
【0004】
DNA、及び、RN-Aは、265ナノメートル付近の損傷を受けやすいため、UV-Cは、有効な殺菌力のある波長である。病原体が、UV-C波長の放射線に曝露されると、チミンとアデニンとを一緒に結合する二重結合は、二量化と呼ばれるプロセスにおいて、破壊され、病原体のゲノムの構造を改変する。この改変により、病原体が、複製、又は、再生しようとするとき、ゲノム改変は、それが成功することを妨げる。
【0005】
UV-Cは、チミン(RNA中のウラシル)の波長感受性により、殺菌機能を実行するその能力で、他に類を見ない。紫外線-C(UV-C)ランプは、病気の原因となる特定のウイルス、及び、バクテリアを減少させるために、一般的に、表面で、使用される。しかしながら、異なる発明者は、有害な病原体を死滅させるための異なるアプローチを追求してきた。
【0006】
CN1303364Cは、マイクロ波励起を利用して、殺菌を行う紫外線を生成できるマイクロ波無電極放電紫外線殺菌電子レンジを開示する。これは、マイクロ波電力を調整、及び、制御するための電力減衰装置を使用する。
【0007】
US9339579B2は、ダクトレス・エア・コンディショナのための汚染制御システムを開示する。汚染制御システムは、管状ハウジング内に収容される汚染除去ランプを有している。汚染除去ランプは、光活性化センサで作動させることができる。管状ハウジング内に封入される汚染除去ランプは、殺菌UV光を放出できる1/2インチ未満の直径を有する遮蔽UVランプであってもよい。
【0008】
EP650312B1は、フィラメント、又は、誘起要素を利用することなく、ランプ内に存在するガスをイオン化するトランスレス・バラスト回路を開示する。
【0009】
JP2002209982Aは、靴の殺菌のためのマグネトロン、及び、無電極ランプを用いる紫外線殺菌装置を開示する。
【0010】
CN212699749Uは、家庭用器具としてのマイクロ波無電極UV消毒キャビネットを開示する。
【0011】
CN104616964Aは、冷陰極調光非フィラメント光源を開示する。高パワーデバイスを用いて、広範囲の電圧を達成することは難しい。
【0012】
US6953940B2は、歯ブラシ、歯科器具などの携帯性を有し、コンパクトで、小型の物、又は、器具を消毒するための子供の安全機能を備えた手持ち式殺菌UVランプが開示する。
【0013】
ASHRAEは、90%以上の死滅率で微生物を不活性化するUV-C殺菌照射(UVGI)チューブ・ランプの有効性を実証する。
【0014】
SteRl-AiReクリーン快適性単一ランプUVコイル精製器は、居住用空気ハンドラ装置に適している。
【0015】
ハニカム型UV処理システムは、高強度254nmmのUV-Cランプを使用して乗客席の断面全体を照射するポータブルUV-Cランプである。それは、10分内で30列の席のキャビン、又は、普通席を処置できる。
【0016】
UV-C技術は、所定の照射量で目標表面の種々のバクテリア、及び、ウイルスを有意に減少させることが見出されている。UV-Cは、最短波長、及び、最高エネルギーを有し、そのことが、UV-Cに、ウイルス、及び、バクテリアのデオキシリボ核酸(DNA)を一緒に保持する分子結合を破壊する能力を与える。UV光は、UV-A(315-400nm)、UV-B(280-315nm)、及び、UV-C(100-280nm)の3つの異なるクラスに分けられる。DNAは、254nmでUV光の最大吸収性を有している。
【0017】
UV-C放射が、SARS-CoV-2ウイルスの外側タンパク質コーティングを破壊することが示されている。多くの空気消毒装置は、UVランプの適切な波長、及び、入力電子ドリフトに関する増強される電界強度を有するUVチャンバの設計を伴う課題に直面する。電子の速度は、UVアセンブリの電子の移動度に比例し、フィラメントは、対処すべき主要な課題である。
【0018】
ルクスは、表面に照射する光の割合の尺度である。UV-Cランプ内のルクスを増加させようとすると、結果的に、フィラメントが破裂する可能性につながる。市場で入手可能なUV-Cランプは、より少ないルクスを有し、また、UV-Cランプにおいてルクスを増加させようとすると、そのフィラメントが壊れ、ランプの故障につながる可能性がある。
【0019】
上記の欠点を克服するために、光の拡散後にゼロになるまでに、残留水銀を用いて、ルクス強度を最大化することができるカスタマイズされた集積電子回路(ChARy式とも呼ばれる)が開発されてきた。カスタマイズされた集積電子回路を有する本発明は、1288ルクス強度を、80オームで1350ルクス強度、160オームで632ルクス強度、及び、240オームで405ルクス強度を、同じUV-Cランプで、UV-Cランプの寿命を伸ばす最適な水銀含有量を利用することによって、生成できる。本発明は、また、病原体を死滅させるための高密度電子を生成できるカスタマイズされた集積電子回路を有する。
【発明の対象】
【0020】
本発明の主要な目的は、SARS-CoV-2ウイルス、及び、他の感染性ウイルスを含む病原体を、消毒のために、従来技術で利用可能な他のUVランプよりも数倍速い時間である数秒以内に、不活性化し、又は、死滅させる装置のためのカスタマイズされた集積電子回路を設計することである。
【0021】
本発明の別の目的は、非常に短い時間スパンで病原体を死滅させることができる高ルクス強度を発生できる、軽量で低コストの装置を提供することである。本発明のさらに別の目的は、フィラメントレス・UVランプ、コンパクト蛍光ランプ(CFL)、金属ハロゲン化物ランプ、ナトリウム蒸気ランプ、水銀蒸気ランプ、誘導ランプ、及び、hydrargyrum medium-arc iodide(HMI)ランプなどのランプにおけるチョーク、及び、スタータを必要としないカスタマイズされた集積電子回路を提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、発光効率が高く、寿命が長く、低電圧で動作する能力を有し、簡単な回路を有し、また、製造、及び、設置も容易である軽量で低コストの装置を提供することである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、水銀含有量を最適に利用するフィラメントレス・ランプと共にカスタマイズされた集積電子回路を提供することである。本発明のさらに別の目的は、1に近い力率を維持するカスタマイズされた集積電子回路を提供することである。
【0024】
本発明のさらに別の目的は、高電子加速を発生する電子発生機、及び、カスタマイズされた集積電子回路を有する装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、高い電子加速を発生させることができ、及び、非常に短いスパンで病原体を不活性化し、又は、死滅させることができる一方、一般の人に安価である軽量で低コストの装置を提供することである。
【0026】
本発明のさらに別の目的は、フィラメントレスUV-Cランプを使用して、周囲環境の病原体を不活性化し、又は、死滅させる方法を提供することである。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、高い電子加速を発生させることができる装置を用いて、周囲環境の病原体を不活性化し、又は、死滅させる方法を提供することである。
【発明の概要】
【0028】
本発明は、新規な集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプに関する。
【0029】
本発明は、また、UV-Cフィラメントレス・ランプに関する。
【0030】
本発明は、さらに、新規な集積電子回路からの発生電子の速度、及び、密度を向上させることができる装置に関する。
【0031】
したがって、本発明は、フィラメントレス・ランプ、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗、コンデンサ、及び、フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光を生成するための装置に関する。複数のダイオードと複数の抵抗との組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成する.複数のダイオードとコンデンサとの組み合わせは、電圧逓倍回路を形成する。電圧逓倍回路は、230V ACを650-700V DCに変換できる。電圧逓倍回路のプラス端子は、可変抵抗器を介して、フィラメントレス・ランプの一端に接続される。電圧逓倍回路のマイナス端子は、フィラメントレス・ランプの他端に接続される。フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップは、銀、銅、金、アルミニウム、鉄、又は、これらの組み合わせで構成される。
【0032】
抵抗の数は、本発明のエンド・ユーティリティに応じて選択できる。したがって、本発明はまた、フィラメントレス・ランプ、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップを有するカスタマイズされたフィラメントレス・ランプを有する高ルクス強度光を生成するための装置を規定する。
【0033】
本発明は、さらに、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗、コンデンサ、ツェナー・ダイオード、トランジスタ(TIP 41C)、及び、1つ以上の銅コイルを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する高密度電子を生成するための装置に関する。複数のダイオードと複数の抵抗との組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成する。複数のダイオードとコンデンサとの組み合わせは、電圧逓倍回路を形成する。
【0034】
別の実施形態では、本発明は、また、冷却ファンと共にカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス高密度電子生成機を提供する。
【0035】
本発明は、また、本発明の装置のいずれかを用いて、周囲環境の病原体を不活性化し、又は、死滅させる方法に関する。
【0036】
本発明は、また、周囲環境の病原体を不活性化し、又は、死滅させるための様々な実施形態による装置の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
詳細な説明と同様、本発明の概要は、添付の図面と併せて読むと、よりよく理解される。
【0038】
図1aは、本発明に係る、高ルクス強度を発生させるための、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗、及び、及び、コンデンサを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有するフィラメントレス・ランプ装置を示す。
【0039】
図1bは、本発明に係る、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)、抵抗(R1、R2、R3、R4、R6、R7、及び、R8)、可変抵抗(R5)、コンデンサ(C1、C2)、及び、フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップを有し、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)と抵抗(R1、R2、R3、及び、R4)との組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成し、及び、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)とコンデンサ(C1、C2)との組み合わせは、電圧逓倍回路を形成するカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有するフィラメントレス・ランプ装置を示す。
【0040】
図1cは、本発明に係る、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)、抵抗(R1、R2、R3、及び、R4)、可変抵抗(R1)、コンデンサ(C1、C2)、及び、高ルクス強度を生成するためのフィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップを有する改良された集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有するフィラメントレス・ランプ装置を示す。
【0041】
図2aは、本発明に係る、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗、コンデンサ、ツェナー・ダイオード、トランジスタ(TIP 41C)、及び、1つ以上の銅製コイルを有し、複数のダイオードと複数の抵抗との組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成し、及び、複数のダイオードとコンデンサとの組み合わせは、電圧逓倍回路を形成するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を示す。
図2bは、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)、ツェナー・ダイオード、抵抗(R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、及び、R9)、可変抵抗(R7)、非偏光コンデンサ(C1、C2、C3、及び、C4)、TIP41Cトランジスタ、及び、銅製コイルを有し、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)と抵抗(R1、R2、R3、及び、R4)との組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成し、及び、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)とコンデンサ(C1、C2)との組み合わせは、電圧逓倍回路を形成するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス高密度電子生成機を有する装置を示す。
【0042】
図2cは、本発明に係る、高電子加速を生成するためのダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)、ツェナー・ダイオード、抵抗(R1、R2、R3、及び、R4)、及び、コンデンサ(C1、C2、C3、C4)、トランジスタ(TIP41C)、並びに、銅製コイルを有する改良された集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレスの高密度電子生成機を有する装置を示す。
【0043】
図3は、本発明に係る、冷却ファンと共に、高電子加速を生成するためのダイオード、ツェナー・ダイオード、抵抗、可変抵抗、非偏光コンデンサ、トランジスタ(TIP 41C)、及び、銅コイルを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス高密度電子生成機を有する装置を示す。
【0044】
図4a、及び、
図4bは、本発明によるカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する装置を用いて得られるウイルスの減少を示す。
【0045】
図5a、及び、
図5bは、本発明によるカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する装置を用いて得られるウイルスの減少を示す。
【発明の詳細な説明】
【0046】
本発明は、カスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプ、及び、フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップを有する高ルクス強度を生成するための装置に関する。
【0047】
本発明は、また、カスタマイズされた集積電子回路、ツェナー・ダイオード、トランジスタ(TIP 41C)、及び、1つ以上の銅コイルを有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する高密度電子を生成するための装置に関する。
【0048】
本発明は、また、本発明の装置のいずれかを用いて、周囲環境の病原体を不活化し、又は、死滅させる方法に関する。
【0049】
本発明は、また、周囲環境の病原体を不活化し、又は、死滅させるための装置の使用に関する。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、
図1aに示すように、フィラメントレス・ランプ装置は、
高ルクス強度を発生させるための、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗器、コンデンサ、及び、フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有している。複数のダイオードと複数の抵抗との組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成する。複数のダイオードとコンデンサとの組み合わせは、電圧逓倍回路を形成する。
【0051】
本発明の別の実施形態では、
図1bに示すように、高ルクス強度光を生成するための前記装置は、フィラメントレス・ランプ、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)抵抗(R1、R2、R3、R4、R6、R7、及び、R8)、可変抵抗(R5)、コンデンサ(C1、C2)、及び、フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップを有している。ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)と抵抗(R1、R2、R3、及び、R4)との組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成する。ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)とキャパシタ(C1、C2)との組み合わせは、電圧逓倍回路を形成する。電圧逓倍回路は、230V ACを650-700V DCに変換できる。電圧逓倍回路のプラス端子は、可変抵抗器(R5)を介して、フィラメントレス・ランプの一端に接続される。電圧逓倍回路のマイナス端子は、フィラメントレス・ランプの他端に接続される。フィラメントレス・ランプに取り付けられるストリップは、銀、銅、金、アルミニウム、鉄、又は、これらの組み合わせで構成される。
【0052】
前記抵抗R1、R2、R3、及び、R4は、1オームから3オームまでの範囲の抵抗値、及び。1000ワットから2000ワットまでの定格電力を有している。抵抗R6、R7、及び、R8は、1メガオームから3メガオームまでの範囲の抵抗値、及び、0.25から5ワットまでの範囲の定格電力を有している。可変抵抗器(R5)は、20オームから100オームまでの範囲の抵抗値、及び、0.25ワットから5ワットまでの定格電力を有する。可変抵抗器R5は、ニクロム、鉄、銅、アルミニウム、又は、これらの組み合わせのような金属で構成されている。非偏光コンデンサは、400ボルトから1050ボルトまでの範囲の定格電圧を有している。
【0053】
ACを高電圧DCに変換するために用いられる電圧逓倍回路は、電子放電現象のための前記フィラメントレス・ランプに用いるために、コンデンサC1、及び、C2と抵抗R6、及び、R7との組み合わせを有している。脈動DCは、その値を変えるが、方向を変えないことがある。脈動DCブリッジ整流回路は、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)、及び、抵抗(R1、R2、R3、及び、R4)を有している。コンデンサが整流回路の出力に接続されると、コンデンサは、任意の半サイクルの間にピーク整流電圧に充電され、及び、整流回路は、出力電圧を生成する。次いで、コンデンサは、整流回路が、別のピークを生成し、コンデンサを充電するまで、負荷にエネルギーを供給する。この経路にわたる総電圧を考慮すると、15V=VC1+VC2=Vm+Vm=2Vmであり、回路の実効容量は、Ci-C2/Ci+C2=Cである。
【0054】
正相(230V)はダイオードD1、及び、ダイオードD 2に結合される一方、逆相(230V)はダイオードD3、及び、ダイオードD4に結合される。非偏光コンデンサは、電源がオフのときに、コンデンサC1、C2の安全な放電を助ける抵抗、及び、ダイオードに、並列に、接続される。無偏光コンデンサの一端は、可変抵抗器R5を介して、フィラメントレス・ランプの一端に接続される一方、非偏光コンデンサの他端は、フィラメントレス・ランプの他の一端、又は、フィラメントレスUVランプ、コンパクト蛍光ランプ(CFL)、金属ハロゲン化物ランプ、ナトリウム蒸気ランプ、水銀蒸気ランプ、誘導ランプ、及び、hydrargyrum medium-arc iodide(HMI)ランプを含む他の任意のソースに接続される。電圧逓倍回路は、ブリッジ整流回路から、DC電圧を入力し、及び、DC出力電圧を2倍にする。電圧逓倍回路は、4つのスイッチングダイオードD1、D2、D3、及び、D4、並びに、非偏光コンデンサC1、及び、C2を有する。電圧逓倍回路は、交流電流(AC)を直流電流(DC)に変換しながら、直流(DC)レベルを増加する。230VのAC電源が提供されると、電圧逓倍回路は、ACをDCに変換でき、230V ACは、650-700V DCまで増加される。電圧逓倍回路を用いて、AC電圧を高DC電圧に変換し、フィラメントレス・ランプ・チャンバにおいて、電子放出現象を生成する。電圧逓倍回路は、アプリケーションの要求に応じて変更できる。フィラメントレス・ランプ・チャンバ用に設計される高電圧逓倍回路は、紫外線(UV)チャンバになる。この紫外線(UV)チャンバは、紫外線(UV)ルクスを、非常に高いスピード、及び、エネルギーに、推進させる電子加速において、重要や役割を果たし、紫外線(UV)チャンバで、よく規定された波長ビームを維持する。静電加速によって、静電場は、光子を加速し、結果として、フィラメントレス・ランプ・チャンバに、高密度、及び、高品質の紫外線(UV)ランプ源をもたらす。
【0055】
フィラメントレス・ランプ・チャンバ内の電子ドリフトを、抵抗R1、R2、R3、及び、R4を適切に選択し、最適化してきた。荷電粒子は、電位差を通過し、及び、出力エネルギーは、可変抵抗R5によって、制限される。ニクロム、鉄、銅、アルミニウム、又は、これらの組み合わせのような金属の可変抵抗を用いて、原子核の加速は、行われる。可変抵抗は、アスペクト比、電流強度、及び、光の位置などの粒子線パラメータを変化させる際に、重要な役割を果たす。
【0056】
前述のカスタマイズされた集積電子回路の構成では、可変抵抗器R5は、エネルギーを節約するために、用いられる。力率0.5の機器の電流消費(チョークの場合)は、力率0の負荷のそれの2倍である(可変抵抗器の場合と同様)。したがって、力率を最小にするために、可変抵抗器が、採用される。荷電粒子は、電位差を通過し、及び、出力エネルギーは、可変抵抗(R5)によって制限される。
【0057】
紫外線(UV)チャンバの最も重要な要件は、紫外線(UV)場の体積である。電界が印加されると、電子は,ドリフトを開始する。高電界が印加されると、電子ドリフトは、紫外線(UV)チャンバ内で、加速する。この電子ドリフトは、抵抗R1、R2、R3、及び、R4の適切な選択によって達成される。電界強度の増加がある場合、電子は、抵抗値を低下させることによって達成されるアノードで、UV光を放出する。抵抗R1、R2、R3、及び、R4によって生成される静電力は、荷電粒子の移動を助ける。ドリフト速度によって特徴付けられる電子ドリフトは、Eは電界であり、Vは電圧であり、Dはギャップであり、μeは電子移動度であり、pはガス圧力である等式E=V/D、VD(e)=Vμe/pDによって、表される。電子移動度は、
図1bに示される前述のカスタマイズされた集積電子回路設計によって増加される。自由電子は、陽イオンによって捕捉される。カスタマイズされた集積電子回路の電流は、
図1bに示される可変抵抗器R5を用いて、平衡に、又は、制限される。この抵抗値は、フィラメントレス・ランプにおける電子の流れの増加に伴って、減少する。これにより、アノードに254nmのUV-C光が、放出される。
【0058】
前述のカスタマイズされた集積電子回路は、フィラメントレス・ランプに結合される。このフィラメントレス・ランプ装置は、ガラス管本体の上に、銀、銅、金、アルミニウム、鉄などの金属の矩形ストリップを有している。コンデンサは、いずれかのタイプの非偏光コンデンサである。
【0059】
別の実施形態では、本発明は、フィラメントレス・ランプ、電圧逓倍回路、抵抗(R2、R3、及び、R4)、可変抵抗(R1)、及び、
図1cに示すようなストリップ有するカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを提供する。この装置は、非常に短い時間で危険な病原体を不活化し、又は、死滅させることができる高ルクス強度を発生ことができる。可変抵抗R1は、前述のカスタマイズされた集積電子回路の電流を平衡に、又は、制限することを意図している。可変抵抗R1は、ニクロム、鉄、銅、アルミニウム、又は、これらの組み合わせからなる。ストリップは、ガラス管本体の上に取り付けられる。ブリッジ整流回路は、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)、抵抗(R2、R3、及び、R4)、非偏光コンデンサ(C1、C2)を有している。
【0060】
フィラメントレス・ランプは、エリア全体を99%の効率で殺菌するのに役立つ1200より大きいルクスを生成する。それは、220-254nmの波長に維持される。電圧逓倍回路は、交流(AC)を直流(DC)に変換し、直流(DC)レベルを増加する。
【0061】
UV-C線を発生するカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有する前述の装置は、ウイルス、バクテリア、及び、原虫を不活性化し、又は、死滅させることによって、表面に置かれたときに、周囲の環境を消毒する。本発明の装置は、殺菌のために他の利用可能なUV-Cランプよりも何倍も早に時間内で、SARS-COV-2ウイルス、及び、他の感染性ウイルスを不活性化し、又は、死滅させることができる。
【0062】
本発明の前述の装置は、長寿命の、軽量、低コスト、高効率発光装置である。それは、低電圧で良好な適用性を有し、簡単な回路設計を有し、製造に便利であり、また、設置が容易である。フィラメントレス・ランプに取り付けられたカスタマイズされた集積電子回路は、トランスを有する任意のランプ装置を置き換えることができ、小型化につながり、したがって、費用効果をよりよくできる。本発明を、用いて、空気、水、及び、食品を消毒し、バクテリア、ウイルス、及び、微生物を不活性化し、又は、死滅させることができる。オフィス、学校、モール、ホテル、空港、及び、任意の屋内空間のような任意の環境に、それを、設置できる。
【0063】
ルクスは、どのような割合の光が表面に落下するかの尺度である。しかし、UV-Cランプ内のルクスをその能力よりも増加させようとする試みは、フィラメントの破裂による光の故障につながる可能性がある。光の強度に耐えるために、ガラス管の厚さ、及び、直径を、増加できる。また、水銀含有量を、増加させて、UV-Cランプの寿命を改善できる。カスタマイズされた集積電子回路は、光が拡散された後に、ルクスがゼロになるまで、残留水銀を用いて、ルクスを最大に最適化する助けとなる。
【0064】
細胞分子生物学センター(CCMB)、インドの科学産業研究機構(CSIR)下の研究室で、フィラメントレスUV-Cランプを用いて、30ワット、及び、254ナノメートルの範囲で、ウイルスサンプルに、テストが実施された。交互に、異なる仕様を有する任意の他のランプを、用いることができた。カスタマイズされた集積電子回路は、要件と同じランプに1288ルクスを生成でき、したがって、光の厚さを増加する。技術検証結果は、粉末冶金新材料国際先端研究センター(International Advanced Research Centre for Powder Metallurgy and New Materials:ARCI)によって承認される一方、生体実験は、CCMBにおいて実施され、SARS-COV-2に対して、フィラメントを有する、及び、有さないカスタマイズされた集積電子回路の効率を評価した。
【0065】
本発明は、電子を励起し、そして、電子を正極端子から負極端子に移動させ、電圧を2000Vまで上昇し、それによって、管状光が発光し、そして、変動バランスを維持することによって、直ちに240Vに降下するその種で最初の技術である。
【0066】
市場で入手可能なUV-Cランプは、ルクスが低く、また、市販されているUV-Cランプのルクスを増加させようとする試みは、フィラメントを破壊し、ランプの故障につながる。したがって、本発明では、強度に耐えるために、ガラス管の厚さ、及び、直径の両方を、増大し、また、水銀含有量は、ゼロになるまで、最適に利用され、すなわち、残留水銀は存在しない。カスタマイズされた集積電子回路は、UV-Cランプの寿命を延ばす。
【0067】
UV-Cランプの強度を、要求される消毒時間に基づいて、カスタマイズできる。フィラメントレスUV-Cランプを含む本発明は、現在市場で利用できるUV-Cランプ、又は、UV-C殺菌ボックスよりかなり速い15秒以内で、SARS-COV-2ウイルス、及び、他の感染性ウイルスを不活性化し、又は、死滅させるのに有効である。本技術は、電子を励起し、電子をUV-Cランプの一端から他端まで移動させ、それによって、生物学的ウイルスに存在するスパイクタンパク質を中和するUV-C光を放出する高ルクス強度を生成することを含む。
【0068】
フィラメントを有する、及び、有さないUV-Cランプからのルクス強度、時間範囲、および、効率についての実験結果を、表1に示す。
【0069】
【0070】
チョーク、及び、スタータを有する光を有する通常のフィラメント、及び、チョークを有さず、及び、スタータを有さないフィラメントレス・ランプを用いて、同様の実験を、行った。ルクス強度を、異なるワット数で測定した。チョークを有さず、及び、スタータを有さないフィラメントレス・ランプに関する電力ワット数対ルクス強度を、表2に示す。
【0071】
【0072】
ARCIで、放射照度(磁束密度)測定を、行った。これらの測定は、ランプに接続されたカスタマイズされた電子回路を有するUV-Cランプを検証するために行われた。UV-Cランプ(254nm)の放射照度を、放射線計を用いて、光源光から5cm、及び、10cmの距離で測定した。以下は、カスタマイズされた集積電子回路を用いて、及び、用いずに作成されたUV-Cランプ放射照度測定の結果である。測定を、カスタマイズされた集積電子回路に接続された同じランプで繰り返し、放射照度の増加を観察した。結果を、表3に示す。
【0073】
【0074】
放射照度の値は、カスタマイズされた集積電子回路がランプに接続されたときに、放射照度が、約4.8倍に増加したことを示した。カスタマイズされた集積電子回路が接続されていない場合、放射照度の値は、もちろん、カスタマイズされた電子回路の役割を実証していなかった。
【0075】
放射線量を、以下の式を用いて計算できる。
放射線量(μJ/cm2)=放射照度(μW/cm2)X時間(秒)
【0076】
本発明のカスタマイズされた集積電子回路を用いないと、5cmの距離で、80mW/cm2の放射照度、これは、殺菌消毒のために62秒を要する。しかしながら、本発明のカスタマイズされた集積電子回路を用いると、5cmの距離で、336mW/cm2の放射照度、これは、殺菌消毒のために20-25秒を要する。
【0077】
本発明を、サンプルと光源との間の距離30cmを維持しながら、SARS-CoV-2ウイルスを用いてテストした。実験を、CCMBで行い、ウイルス低減を確認した。ルクス強度を1288に維持し、異なる時点(15、30、60、600、1200秒)におけるウイルス濃度を、測定した。ルクス強度を、また、1350、632、及び、405に維持し、また、異なる時点(5、15、30、45、60、300秒)におけるウイルス濃度を測定した。
【0078】
テストに関し、ウイルスとして、SARS-COV-2ウイルスの分離(患者由来)を検討した。選択された宿主細胞株は、Vero(アフリカ・グリーン・モンキー腎臓細胞(ATCC(登録商標)CCL-81(トレードマーク))であった。使用された培地、及び、試薬は、それぞれ、細胞培養培地(10%ウシ胎児血清を含むイーグル最小必須培地)、胎児ウシ血清(FBS)、及び、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)であった。
【0079】
10%ウシ胎児血清(FBS)を含むDMEM培地中で、1組のvero細胞を、フラスコ内で、増殖させた。ウイルス懸濁液を石英キュベット内に置き、そして、所定時間(15、30、60、600、1200秒)、及び、(5、15、30、45、60、300秒)の間、紫外線(UV)ランプに曝露した。未処理のウイルス懸濁液を、コントロール試料とした。SARS-CoV-2のための容認されるポジティブ・コントロールがないので、研究では、ポジティブ・コントロールを用いなかった。宿主細胞を、異なる時間(15、30、60、600、1200秒)、及び、(5、15、30、45、60、300秒)の間、UV処理したウイルステストサンプルで感染させた。ウイルステストサンプル、及び、コントロール(未処理)ウイルスサンプルを、5日間インキュベートした。インキュベーション後、vero細胞のウイルス感染性を、測定した。5日間のインキュベーション後、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を用いて、ウイルス濃度を、測定した。アッセイは、概略的に、以下で示される。
【0080】
20分の時間まで処理されたウイルスを、5日間インキュベートし、細胞病原効果(CPE)を確かめた。
【0081】
【0082】
TCID 50(メジアン組織培養感染用量)アッセイ法を用いて、テストウイルスのウイルス力価を確かめた。
【0083】
【0084】
生存率(%)を、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)による細胞上清中の細胞変性効果、又は、ウイルス列挙(viral enumeration)によって、測定する。ウイルス濃度判定キットの詳細を、以下に示す。
【0085】
ウイルス・リボ核酸(RNA)を、ウイルス・リボ核酸(RNA)分離キットを用いて、宿主細胞から分離する。様々なウイルス・リボ核酸(RNA)サンプルを、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)で増幅した。
【0086】
ウイルス粒子の定量は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)から取得される受信Ct値を用いる解釈に基づく。
【0087】
HiMeDiA社、及び、Applied Biosystemsにより製造されるHiGenoMB(ウイルスRNA単離キット)、及び、MagMAX(ウイルス/病原体II核酸単離キット)を、ウイルスRNA抽出に用いた。Fosun Pharma社によって製造されるFosun COVID-19 RT-PCR検出キットを、アッセイ用に、用いた。カスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプからの高ルクス強度光によるウイルス低減を有効にするために、実験を、行った。テスト結果を、
図4a、及び、
図4bに示す。上記テストの結果は、全てのテストの時点で、99%のウイルス低減を示した。テストされた時点のウイルス数は、1288ルクス強度で、106.7から103.5まで減少した。試験された時点のウイルス数は、1350ルクス強度で、106.6から104.1まで減少した。試験された時点のウイルス数は、632ルクス強度で、106.6から104.2まで減少した。試験された時点のウイルス数は、405ルクス強度で、106.6から103.6まで減少した。実験を、繰り返し、そして、値を平均化し、%ウイルス低減を計算し、また、表4に提示した。
【0088】
【0089】
SARS-COV-2ウイルスに特異的なN遺伝子のウイルス粒子対Ct値の測定に用いる回帰式を以下に示す。
(x=ウイルス粒子の数、y=Ct値)として、(y=-4.9474x+39.723、R2=0.9964)
ウイルス粒子の数を、x=(39.723-CtN遺伝子@異なる時点)/4.9474を用いて、計算する。
(%ウイルス低減)=
[UV曝露を伴わないウイルス粒子の数(コントロール)-UV曝露を伴うウイルス粒子の数(テスト)]/UV曝露を伴わないウイルス粒子の数(コントロール)X100
【0090】
本発明の別の実施形態によれば、本発明の実施形態は、また、高密度電子を生成するためのカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、バッテリレス装置に関する。
【0091】
本発明の一実施形態によれば、
図2aに示すように、カスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機は、複数のダイオード、複数の抵抗、可変抵抗、コンデンサ、ツェナー・ダイオード、トランジスタ(TIP 41C)、及び、1つ以上の銅コイルを有する。複数のダイオードと複数の抵抗との組み合わせは、DCブリッジ整流回路を形成する。複数のダイオードとコンデンサとの組み合わせは、電圧逓倍回路を形成する。
【0092】
図2bは、本発明の別の実施形態に係る高電子加速を生成する高密度電子生成回路を示す。回路は、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)、ツェナー・ダイオード、抵抗(R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、及び、R9)、可変抵抗(R7)、非偏光コンデンサ(C1、C2、C3、及び、C4)、TIP 41Cトランジスタ、及び、銅コイルを有している。カスタマイズされた電子集積回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス高密度電子生成機に用いられる可変抵抗R7は、ニクロム、鉄、銅、アルミニウム、又は、それらの組み合わせで構成される。銅コイルのワイヤゲージ厚さ、長さ、及び、巻数は、いろいろにできる。抵抗、及び、コンデンサの値は、いろいろにできる。ダイオードのサイズも、いろいろにできる。このカスタマイズされた集積電子回路は、高密度電子を生成する。
【0093】
抵抗R1、R2、R3、及び、R4は、1オームから3オームまでの範囲の抵抗値、及び、1000ワットから2000ワットまで範囲の定格電力を有している。抵抗R5、及び、R6は、1メガオームから3メガオームまでの抵抗値、及び、0.25ワットから5ワットまでの範囲の定格電力を有している。可変抵抗(R7)は、1オームから9オームまでの範囲の抵抗値、及び、500ワットから2000ワットまでの範囲の定格電力を有する。これは、1つの金属、又は、金属の組み合わせで構成される。抵抗R8は、1キロオームから10キロオームまでの抵抗、及び、1ワットから5ワットまでの範囲の定格電力を有している。ツェナー・ダイオードは、9ボルトと28ボルトと間の範囲の定格電圧を有している。非偏光コンデンサは、400ボルトから1050ボルトまでの範囲の定格電圧を有している。使用されるトランジスタは、ベース、コレクタ、及び、エミッタ端子を揺するTIP 41Cである。
図2bに示される回路は、2つの銅コイルを有し、そのうちの1つの銅コイルは、3から9の間の範囲の巻き数を有する一方、第2の銅コイルは、900、9000、90000、900000等の巻き数を有する。銅コイルのワイヤゲージ、すなわち、巻き数、及び、抵抗、及び、コンデンサのレンジ値は、病原体を不活性化し/死滅させるためのカバー範囲の大きさに応じて、様々にできる。
【0094】
本発明の別の実施形態によれば、
図2cに示されるように、改良された集積電子回路と共に、トランスレス、及び、バッテリレスの高密度電子生成機を有する装置は、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)、ツェナー・ダイオード、抵抗(R1、R2、R3、及び、R4)、及び、コンデンサ(C1、C2、C3、及び、C4)、トランジスタ(TIP 41C)、及び、銅コイルを有している。
【0095】
銅コイルのワイヤゲージ厚さ、長さ、及び、巻数は、様々にできる。抵抗、及び、コンデンサの値は、様々にできる。ダイオードのサイズも、様々にできる。このカスタマイズされた集積電子回路は、高密度電子を生成する。
【0096】
図3は、冷却ファンを有するトランスレス高密度電子生成機である。12V DCブラシレス冷却ファンを、既存の回路に接続し、ツェナー・ダイオードに必要な冷却を提供する。ブリッジ整流回路は、AC電源をDC電源に変換する。回路は、ダイオード(D1、D2、D3、及び、D4)、抵抗(R1、R2、及び、R3)、コンデンサ(C1、C2、及び、C3)、ツェナー・ダイオード、及び、12V DCブラシレス冷却ファンを有する。コンデンサC3を、抵抗R1にまたがって接続する。デバイスが長時間動作している場合、ツェナー・ダイオードの温度が上昇し、その故障に至る可能性がある。ツェナー・ダイオードを熱故障から保護するために、12V DCブラシレス冷却ファンを、接続する。
【0097】
カスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレスの高密度電子生成機を有する前述の装置は、面上に配置されると、ウイルス、バクテリア、及び、原生動物を不活性化し、又は、死滅させることによって、周囲環境を消毒する。本発明の装置は、消毒のために現在市場で利用できるUV-Cランプより数倍速い数秒以内で、SARS-COV-2ウイルス、及び、他の感染性ウイルスを不活性化し、又は、死滅させることができる。
【0098】
実験を、CCMBで実施し、また、銅コイルを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス電子発生機に起因するウイルス低減を確認した。サンプルと放射源との間の距離を、4cmに維持した。ウイルス濃度を、5、15、30、120、300秒で、それぞれ、測定することによって、%ウイルス低減を、計算した。Applied Biosystems社によって製造されるMagMAX
TM ウイルス/病原体II核酸単離キットを、ウイルスRNA抽出に用いた。Fosun Pharma社によって製造されるFosun COVID-19 RT-PCR検出キットを、アッセイ用に、用いた。銅コイルを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス電子発生機を有する装置は、5分で7%のウイルス低減を示した。研究から得られた結果を、
図5aに示す。
【0099】
追加のテストを、CCMBで、実施し、銅コイルを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス電子発生機に起因するウイルス低減を確認した。サンプルと放射源との間の距離を4cmに維持した。ウイルス濃度を、18、36、及び、54分で、それぞれ、測定することによって、%ウイルス低減を計算した。Applied Biosystems社によって製造されるMagMAX
TM ウイルス/病原体II核酸単離キットを、ウイルスRNA抽出に用いた。MERIF Diagnostics社によって製造されるMERIF Covid―19 One-Step RT-PSR検出キットを、アッセイ用に、用いた。銅コイルを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス電子発生機を有する装置は、18、及び、36分で、17%の、及び、54分で36%の、ウイルス低減を示した。得られた結果を、
図5bに示す。ウイルス粒子は、18、36分、及び、54分で、それぞれ、Log
10
6.6からLog
10
6.5まで、Log
10
6.5からLog
10
6.4まで、低減した。実験を、2度繰り返し、及び、値を、平均化し、%ウイルス低減を計算した。
【0100】
SARS-COV-2ウイルスに特異的なN遺伝子のウイルス粒子対Ct値の測定に用いる回帰式を以下に示す。
(x=ウイルス粒子の数、y=Ct値)として、(y=-3.8424x+40.364、R2=0.99)
ウイルス粒子の数を、x=(40.364-CtN遺伝子@異なる時点)/3.8424を用いて、計算する。
(%ウイルス低減)=
[UV曝露を伴わないウイルス粒子の数(コントロール)-UV曝露を伴うウイルス粒子の数(テスト)]/UV曝露を伴わないウイルス粒子の数(コントロール)X100
【0101】
本発明の実施形態によれば、本発明の目的は、高ルクス強度光を生成するための装置を介して達成され,前述の装置は、DCブリッジ整流回路、電圧逓倍回路、可変抵抗、及び、ストリップを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するフィラメントレス・ランプを有している。前述のDCブリッジ整流回路は、複数のダイオードと抵抗との組み合わせを有し、及び、前述の電圧逓倍回路は、複数のダイオードとコンデンサとの組み合わせを有している。前述のフィラメントレス・ランプは、カスタマイズされた集積電子回路を有し、15秒以内で病原体を不活性化し、又は、死滅させる。
【0102】
本発明の実施形態によれば、本発明の目的は、DCブリッジ整流回路、電圧逓倍回路、可変抵抗、複数のツェナー・ダイオード、トランジスタ(TIP 41C)、及び、1つ以上の銅コイルを有するカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機を有する高密度電子を生成するための装置を介して、達成される。前述のDCブリッジ整流回路は、複数のダイオードと抵抗との組み合わせを有し、前述の電圧逓倍回路は、複数のダイオードとコンデンサとの組み合わせを有する。前述のカスタマイズされた集積電子回路を有するトランスレス、及び、バッテリレス発電機は、18分以内に病原体を不活性化し、又は、死滅させる高密度電子を生成する。
【0103】
本発明の様々な実施形態の前述の装置は、長寿命で、軽量、低コスト、高効率な装置である。
【0104】
しかしながら、本発明は、詳細に記述されていない構成要素、配置、及び、材料に関する任意の手段によって限定されるものではないことを理解されたく、また、本発明に記述される精神、及び、範囲から逸脱することなく、技術、及び、アプローチに関する任意の変更、及び、改良を実施できる。
【国際調査報告】