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特表2024-524193個別の薬剤を吐出させるための方法、コンピュータプログラム製品、及び吐出装置
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  • 特表-個別の薬剤を吐出させるための方法、コンピュータプログラム製品、及び吐出装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】個別の薬剤を吐出させるための方法、コンピュータプログラム製品、及び吐出装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240628BHJP
   B65B 1/30 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
B65B1/30 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023578800
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 NL2022050022
(87)【国際公開番号】W WO2022271009
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】17/353,986
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラッケー,マルティヌス ヨハネス ドナトゥス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ローン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ヴォーン,パトリック
【テーマコード(参考)】
3E118
4C047
【Fターム(参考)】
3E118AA02
3E118AA07
3E118AB07
3E118BA03
3E118BA10
3E118BB02
3E118BB06
3E118BB08
3E118CA10
3E118DA02
3E118EA01
3E118FA07
4C047JJ01
4C047JJ06
4C047JJ12
4C047JJ31
(57)【要約】
個別の薬剤を吐出するための方法、コンピュータプログラム製品、及び吐出装置において、吐出装置は吐出セクション、回収セクション、及び包装セクションを含み、吐出セクションは、複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、回収セクションは、回収方向に移動可能な第一の回収ユニットを含み、方法は、-第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置に位置決めするステップと、-第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置から取り外す前に、第二のフィーダユニットを、回収方向に第一のフィーダ位置の下流の第二のフィーダ位置に位置決めするステップと、を含み、第一のフィーダユニットと第二のフィーダユニットは同じ第一の組成の薬剤を保持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出セクション(2、102)、回収セクション(3、103)、及び包装セクション(6、106)を含む吐出装置(1、101)により個別の薬剤(90)を吐出する方法であって、前記吐出セクション(2、102)は、無限回収経路(Z1、Z2)に沿って分散された、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記回収セクション(3、103)は前記フィーダ位置(20、120)の列に関して、前記無限回収経路(Z1、Z2)に沿って回収方向(C)に、第一の包装位置(P1)の前記回収方向(C)に下流の開始位置(A)から前記第一の包装位置(P1)の、又はその付近の終了位置(B)まで移動可能である第一の回収ユニット(31)を含む方法において、
-前記複数のフィーダユニット(40)のうちの第一のフィーダユニット(41)を前記フィーダ位置(20、120)の列のうちの第一のフィーダ位置(21、121)に位置付けるステップと、
-前記第一のフィーダユニット(41)を前記第一のフィーダ位置(21、121)から取り外す前に、前記複数のフィーダユニット(40)のうちの第二のフィーダユニット(42)を、前記フィーダ位置(20、120)の列のうちの、前記回収方向(C)に前記第一のフィーダ位置(21、121)の下流にある第二のフィーダ位置(22、122)に位置付けるステップと、
を含み、
前記第一のフィーダユニット(41)と前記第二のフィーダユニット(42)は同じ第一の組成(91)の薬剤(90)を保持する、
方法。
【請求項2】
前記第一のフィーダユニット(41)が空であるか、前記第一のフィーダ位置(21、121)において前記薬剤(90)を前記第一の回収ユニット(31)に吐出できない場合、
-前記第一の回収ユニット(31)を前記回収方向(C)に移動させて、前記薬剤(90)を前記第二のフィーダ位置(22、122)における前記第二のフィーダユニット(42)から前記第一の回収ユニット(31)に吐出する
ステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一のフィーダユニット(41)を前記第一のフィーダ位置(21、121)に位置決めする前に、前記第一のフィーダユニット(41)は前記フィーダ位置(20、120)の列の、前記第一のフィーダ位置(21、121)の下流の以前のフィーダ位置(23)に位置付けられており、
-前記第一のフィーダユニット(41)を前記以前のフィーダ位置(23)から取り外すステップと、
-前記第一のフィーダユニット(41)を前記以前のフィーダ位置(23)から前記第一のフィーダ位置(21、121)に移動するステップと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
-前記第一のフィーダユニット(41)を前記以前のフィーダ位置(23)から前記第一のフィーダ位置(22、122)に移動させている間に、前記薬剤(90)を前記第二のフィーダ位置(22)における前記第二のフィーダユニット(42)から前記第一の回収ユニット(31)に吐出する
ステップをさらに含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の回収ユニット(31)は、前記無限回収経路(Z1、Z2)に沿って、前記開始位置(A)から始まり、前記終了位置(B)で終了する回収範囲(R)にわたり移動可能である、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一のフィーダ位置(21、121)は、前記開始位置(A)から考慮して第一の回収範囲(R)の前半に配置される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第二のフィーダ位置(22、122)は、前記開始位置(A)から考慮して前記回収範囲(R)の後半に配置される、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第一のフィーダ位置(21、121)と前記第二のフィーダ位置(22、122)は少なくとも5度の離間角度(H)にわたり前記回収方向に離間される、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記吐出装置(1、101)はロボットマニピュレータ(11)を含み、前記第一のフィーダユニット(41)及び前記第二のフィーダユニット(42)の位置決め及び/又は取り外しは、前記ロボットマニピュレータ(11)を使って行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記無限回収経路(Z1)は円形である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記フィーダ位置(20)の列は回転軸(X)の周囲で円周方向に分散され、前記第一の回収ユニット(31)は、前記回転軸(X)の周囲で前記無限回収経路(Z1)に沿って回転可能である、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記無限回収経路(Z2)は非円形である、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
プロセッサ(71)により実行されると、吐出装置(1、101)に請求項1に記載の方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
個別の薬剤(90)を吐出する吐出装置(1、101)において、
無限回収経路(Z1、Z2)に沿って分散された、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定する吐出セクション(2、102)であって、前記フィーダ位置(20、120)の列は少なくとも第一のフィーダ位置(21、121)と第二のフィーダ位置(22、122)を含む吐出セクションと、
前記フィーダ位置(20、120)の列に関して、前記無限回収経路(Z1、Z2)に沿って回収方向(C)に移動可能な第一の回収ユニット(31)を含む回収セクション(3、103)と、
前記回収セクション(3、103)から受け取った前記薬剤(90)を包装するための包装セクション(6、106)と、
ロボットマニピュレータ(11)及び、前記ロボットマニピュレータ(11)を、
第一のフィーダユニット(41)を前記第一のフィーダ位置(21、121)に位置決めし、
前記第一のフィーダユニット(41)を前記第一のフィーダ位置(21、121)から取り外す前に、第二のフィーダユニット(42)を前記第二のフィーダ位置(22、122)に位置決めし、前記第二のフィーダ位置(22、122)は前記回収方向(C)に前記第一のフィーダ位置(21、121)の下流にある
ように制御するための制御ユニット(7)と、
を含み、
前記第一のフィーダユニット(41)と前記第二のフィーダユニット(42)は、同じ第一の組成(91)の薬剤(90)を保持する、
吐出装置(1、101)。
【請求項15】
前記包装セクション(6)は第一の包装位置(P1)にある、又はそれに接続される第一の包装ユニット(61)を含む、
請求項14に記載の吐出装置。
【請求項16】
前記第一の回収ユニット(31)は、第一の包装位置(P1)の、前記回収方向(C)に下流の開始位置(A)と前記第一の包装位置(P1)の、又はその付近の終了位置(B)との間で移動可能である、
請求項14に記載の吐出装置。
【請求項17】
前記第一の回収ユニット(31)はホッパを含む、
請求項13に記載の吐出装置。
【請求項18】
前記無限回収経路(Z1)は円形である、
請求項13に記載の吐出装置。
【請求項19】
前記フィーダ位置(20)の列は回転軸(X)の周囲で円周方向に分散され、前記第一の回収ユニット(31)は前記回転軸(X)の周囲で前記無限回収経路(Z1)に沿って回転可能である、請求項18に記載の吐出装置。
【請求項20】
前記無限回収経路(Z2)は非円形である、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
吐出セクション(2、102)、回収セクション(3、103)、及び包装セクション(6、106)を含む吐出装置により個別の薬剤(90)を連続的に吐出、回収、及び包装する方法であって、前記吐出セクション(2、102)は、無限回収経路(Z1、Z2)に沿って分散された、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を含み、前記回収セクション(3、103)は、保持位置(20、120)の列に関して、回収方向(C)に前記無限回収経路(Z1、Z2)に沿って移動可能であり、複数の前記フィーダ位置(120)の列と整列する第一の回収ユニット(31)を含む方法において、
第一のフィーダユニット(41)を前記フィーダ位置(20、120)の列のうちの第一のフィーダ位置(21、121)に設置するステップと、
第二のフィーダユニット(42)を前記フィーダ位置(20、120)の列のうちの第二のフィーダ位置(22、122)に設置するステップであって、第二の保持位置(22、122)は第一の保持位置(21、121)の下流にあるステップと、
前記薬剤(90)を前記第一のフィーダユニット(41)から前記第一の回収ユニット(31)に吐出させるステップと、
前記第一のフィーダユニット(31)が空になったか、前記薬剤(90)を吐出しなくなったときに、前記第一の回収ユニット(31)を前記回収方向(C)に移動させて、前記第二のフィーダユニット(42)と整列させるステップと、
前記薬剤(90)を前記第二のフィーダユニット(42)から前記第一の回収ユニット(31)に吐出させるステップと、
を含み、
前記第一のフィーダユニット(41)と前記第二のフィーダユニット(42)には同じ第一の組成(91)の薬剤(90)が入っている、
方法。
【請求項22】
第一及び第二のフィーダ(41、42)を設置する前記ステップは、ロボット(11)を使って行われる、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記薬剤(90)を前記第一の回収ユニット(31)から第一の包装ユニット(61)に包装するために移送するステップをさらに含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第一のフィーダユニット(41)を取り外し、及び/又は交換するステップをさらに含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項25】
吐出装置(1、101)により個別の薬剤(90)を吐出する方法であって、
前記吐出装置(1、101)は、前記薬剤(90)を吐出する吐出セクション(2、102)を含み、前記吐出セクション(2)は、前記複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記複数のフィーダユニット(40)の各フィーダユニット(40)は、前記各フィーダユニット(40)に特定の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記薬剤(90)を前記容器(50)から前記出口(51)へと制御して供給するための吐出機構(52)を含む方法において、
-前記複数のフィーダユニット(40)のうちの第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)内の前記薬剤(90)の残りがなくなるか、その使用期限が切れる将来の薬剤切れ時間を予想するステップと、
-前記薬剤切れ時間より前に、前記第一のフィーダユニット(41)と同じ組成(91)の薬剤(90)を保持する第二のフィーダユニット(42)を前記吐出装置(1、101)に提供する必要があるとの通知(81)を、前記第二のフィーダユニット(42)を前記吐出装置(1、101)に提供期限(83)と共に提供するステップと、
-少なくとも前記提供期限(83)までに前記第一のフィーダユニット(41)からの前記薬剤(90)の吐出を継続するステップと、
を含む方法。
【請求項26】
前記薬剤切れ時間は、開始時における前記第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)内の前記薬剤(90)の量の記録及び、前記開始時以降に前記第一のフィーダユニット(41)の前記出口(51)から吐出された前記薬剤(90)の計数に基づいて予想される、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記薬剤切れ時間は、前記第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)の中に残っている薬剤(90)の実際の量に基づいて予想される、
請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記提供期限(83)は前記薬剤切れ時間と等しい、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記提供期限(83)は前記薬剤切れ時間より前である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
-前記第二のフィーダユニット(42)を前記吐出装置(1、101)で受けるステップと、
-前記薬剤切れ時間の前に前記第二のフィーダユニット(42)を前記フィーダ位置(20、120)の列の前記フィーダ位置(22、122)のうちの1つに設置するステップと、
をさらに含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記第二のフィーダユニット(42)は前記第一のフィーダユニット(41)の代わりとなる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
プロセッサ(71)によって実行されると、吐出装置(1、101)に請求項25に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項33】
個別の薬剤(90)を吐出するための吐出装置(1、101)において、
前記薬剤(90)を吐出するための吐出セクション(2、102)を含み、前記吐出セクション(2、102)は、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記複数のフィーダユニット(40)の各フィーダユニット(40)は、前記それぞれのフィーダユニット(40)に特定の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含み
グラフィカルユーザインタフェース(8)と、前記グラフィカルユーザインタフェース(8)及び前記複数のフィーダユニット(40)を制御するための制御ユニット(7)をさらに含み、前記制御ユニット(7)はプロセッサ(71)と、前記プロセッサ(71)により実行されると、前記制御ユニット(7)に薬剤切れ時間を予想させ、前記薬剤切れ時間の通知(81)を提供期限(83)と共に前記グラフィカルユーザインタフェース(8)上で提供させ、前記複数のフィーダユニット(40)を制御して、請求項25に記載の前記方法の前記ステップにしたがって吐出を継続させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)をさらに含む、
吐出装置(1、101)。
【請求項34】
吐出装置(1、101)により個別の薬剤(90)を吐出する方法であって、前記吐出装置(1、101)は、前記薬剤(90)を吐出するための吐出セクション(2、102)であって、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記複数のフィーダユニット(40)の各フィーダユニット(40)は、前記各フィーダユニット(40)に特定の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含む方法において、
-第一の選択及び第一の量の薬剤(90)が前記複数のフィーダユニット(40)から吐出されるように要求する第一の吐出命令セット(G1)を受け取るステップと、
-前記第一の吐出命令セット(G1)の後に実行すべき1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)を受け取るステップであって、前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)のうちの少なくとも1つのセットは、前記第一の選択とは異なる選択又は前記第一の量とは異なる量を要求するステップと、
-前記第一の吐出命令セット(G1)を実行する前に、前記複数のフィーダユニット(40)に、前記第一の吐出命令セット(G1)による前記第一の選択及び前記第一の量の薬剤(90)の前記吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤(90)が入っているか否かを特定するステップと、
を含み、
前記複数のフィーダユニット(40)に、前記第一の吐出命令セット(G1)による前記第一の選択及び前記第一の量の薬剤(90)の前記吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤(90)が入っていない場合、
-前記第一の吐出命令セット(G1)を実行する前に、前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)のうちの1つ又は複数のセットを実行するステップ
をさらに含む、
方法。
【請求項35】
前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)のうちの前記1つ又は複数のセットの実行中に、前記複数のフィーダユニット(40)に、前記第一の吐出命令セット(G1)による前記第一の選択及び前記第一の量の薬剤(90)の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤(90)が確実に入っているようにするための行動がとられる、
請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記行動は、1つ又は複数のフィーダユニット(40)を、前記複数のフィーダユニット(40)のうち、前記第一の吐出命令セット(G1)による前記第一の選択及び前記第一の量の薬剤の前記吐出を完了させるために十分な、すぐに利用可能な薬剤(90)が入っていない1つ又は複数のフィーダユニット(40)を補充又は交換するために、前記吐出装置(1、101)に提供することである、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第一の吐出命令セット(G1)及び前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)は、前記第一の吐出命令セット(G1)と前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)を共通のバッチにリンクさせるロジスティックパラメータ(L)を共有する、
請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記ロジスティックパラメータ(L)は、送達先住所である、
請求項37に記載の方法。
【請求項39】
プロセッサ(71)によって実行されると、吐出装置(1、101)に請求項34に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項40】
個別の薬剤(90)を吐出するための吐出装置(1、101)において、
前記薬剤(90)を吐出するための吐出セクション(2)を含み、前記吐出セクション(2、102)は複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記複数のフィーダユニット(40)の各フィーダユニット(40)は、前記それぞれのフィーダユニット(40)に特定の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含み、
制御ユニット(7)をさらに含み、前記制御ユニット(7)は、プロセッサ(71)と、前記プロセッサ(71)により実行されると、前記制御ユニット(7)に請求項34に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
吐出装置(1、101)。
【請求項41】
第一のフィーダユニット(41)で個別の薬剤(90)を吐出するための方法であって、
前記第一のフィーダユニット(41)は、第一の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含む方法において、
-前記容器(50)内に残っている前記薬剤(90)の量を示す残量値を特定するステップと、
-前記残量値を閾値と比較するステップと、
-前記残量値が前記閾値より高い場合の完全空状態検出モード(M1)と前記残量値が前記閾値より低い場合の短縮空状態検出モード(M2)との間で選択を行うステップと、
-前記吐出機構(52)を制御した後に薬剤(90)が前記容器(50)から前記出口(51)に供給されない場合、前記完全空状態検出モード(M1)と前記短縮空状態検出モード(M2)のうちの選択された一方を実行するステップと、
を含む方法。
【請求項42】
前記完全空状態検出モード(M1)は、第一の行動を第一のインスタンス数だけ実行するステップを含み、前記短縮空状態検出モード(M2)は前記第一の行動を前記第一のインスタンス数より少ない第二のインスタンス数だけ実行するステップを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第一の行動は前記吐出機構(52)を制御することである、
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記完全空状態検出モード(M1)は、第一の行動と前記第一の行動とは異なる第二の行動を行うステップを含み、前記短縮空状態検出モード(M2)は前記第一の行動と前記第二の行動のうちの一方だけを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記完全空状態検出モード(M1)は第一の持続時間(D1)を有し、前記短縮空状態検出モード(M2)は、前記第一の持続時間(D1)より短い第二の持続時間(D2)を有する、
請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記残量値は開始時の前記第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)内の前記薬剤(90)の量の記録及び前記開始時以降に前記第一のフィーダユニット(41)の前記出口(52)から吐出された前記薬剤の計数に基づいて予想される、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記残量値は、前記第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)内に残る薬剤(90)の実際の量に基づいて特定される、
請求項41に記載の方法。
【請求項48】
プロセッサ(71)によって実行されると、第一のフィーダユニット(41)を備える吐出装置(1、101)に請求項41に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項49】
個別の薬剤(90)を吐出するための吐出装置(1、101)において、
第一の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含む第一のフィーダユニット(41)が提供され、
制御ユニット(7)をさらに含み、前記制御ユニット(7)は、プロセッサ(71)と、前記プロセッサ(71)により実行されると、前記制御ユニット(7)に請求項41に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
吐出装置(1、101)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の、医薬品、薬剤、ピル、錠剤、又はカプセル等の個別の薬剤を吐出させるための方法、コンピュータプログラム製品、及び吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2014/0366489号明細書は、医療用の固体物質を吐出する装置を開示している。この装置には多数のフィーダユニットが提供され、これらは「キャニスタ」としても既知であり、回転軸の周囲に放射状グリッドとして分散される。各フィーダユニットは、そのそれぞれのフィーダユニットに特定のある量の固体物質を保持する。したがって、フィーダユニットはまとまって様々な種類の固体物質を吐出できる。
【0003】
装置にはさらに、フィーダ位置の列の下方で回転軸の周囲で回転可能な回収フレームが提供される。回収フレームには、フィーダ位置の列の中のフィーダユニットの何れかから吐出される固体物質を回収するための一連の回収トレイが提供される。
【0004】
装置は、回収フレームの下方の静止位置に配置された、回収トレイから受け取った固体物質を包装するための包装ユニットをさらに含む。回収フレームは、回転軸の周囲で回転させられて、各回収トレイはフィーダ位置の列の中のフィーダユニットの各々に沿って通過してから、包装ユニットに到達する。
【0005】
米国特許出願公開第2014/0366489号明細書から知られる装置は、固体物質を連続的に吐出、回収、包装することにおいて、フィーダユニットが確実に前記固体物質を吐出しているかぎりは、非常に良好である。しかしながら、フィーダユニットのうちの1つが、例えば前記それぞれのフィーダユニット内に保持される固体物質の残りがなくなったことにより予期せず固体物質を吐出できない場合、又は残りの固体物質が何らかの理由で簡単に吐出されなくなった場合、又は残りの固体物質の使用期限が切れた場合、その吐出は中断される。
【0006】
それぞれのフィーダユニットが実際に空になったことを確認するために、自動チェック又は行動、例えば吐出試行を繰り返すこと及び/又は揺動させることが行われ得る。このチェックの結果に応じて、人間のオペレータに、適当な行動をとるべきこと、例えば空のフィーダユニットと交換するための満杯のフィーダユニットを提供すべきことが知らせられる。チェック及び人間の介入により貴重な時間が浪費され、その間に装置の吐出動作が中断される。さらに、幾つかのフィーダユニットを同時に交換しなければならず、それによってさらに長いダウンタイムが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、吐出動作の継続性が改善され得る、個別の薬剤を吐出させるための方法、コンピュータプログラム製品、及び吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の態様は、吐出装置により個別の薬剤を吐出する方法を提供し、
吐出装置は吐出セクション、回収セクション、及び包装セクションを含み、吐出セクションは、無限回収経路に沿って円周方向に分散された、複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、回収セクションはフィーダ位置の列に関して、無限回収経路に沿って回収方向に、第一の包装位置の回収方向に下流の開始位置から第一の包装位置の、又はその付近の終了位置まで移動可能である第一の回収ユニットを含み、
方法は、
-複数のフィーダユニットのうちの第一のフィーダユニットをフィーダ位置の列のうちの第一のフィーダ位置に位置付けるステップと、
-第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置から取り外す前に、複数のフィーダユニットのうちの第二のフィーダユニットを、フィーダ位置の列のうちの、回収方向に第一のフィーダ位置の下流にある第二のフィーダ位置に位置付けるステップと、
を含み、
第一のフィーダユニットと第二のフィーダユニットは同じ第一の組成の薬剤を保持する。
【0009】
第一のフィーダユニットは、例えば不正確な充填等によって予想より早く空になり得るか、又は残りの薬剤があってもそれを吐出できないかもしれない。このような状況が発生したときに吐出動作の中断を防止するために、第二のフィーダユニットを第一のフィーダユニットに変わる「ホットスタンバイ」とすることができ、もともと第一のフィーダユニットにより吐出されるはずであった第一の組成の薬剤を吐出する。換言すれば、第二のフィーダユニットは、前記第一のフィーダユニットが第一の組成の必要な薬剤を吐出しなくなったときに、第一のフィーダユニットから吐出動作を引き継ぐことができる状態にある。前記第二のフィーダユニットを第一のフィーダユニットの下流に相対的な位置付けることにより、第一の回収ユニットは待機し、又は後方に移動させられる必要がない。その代わりに、第一の回収ユニットは、回収方向への移動を続けながら、第二のフィーダから第一の組成の足りない薬剤を依然として受け取ることができる。より重要な点として、第一の回収ユニットは、第一の包装位置に到達する前にそのようにすることができる。したがって、吐出動作及びその後の包装動作は実質的に中断されず、及び/又は遅延が生じない。
【0010】
特に、上述の方法は、第一のフィーダユニットが空になった、又は第一のフィーダ位置で薬剤を第一の回収ユニットに吐出することができなくなったとき、
-前記第一の回収ユニットを回収方向に移動させ、薬剤を第二のフィーダ位置において第二のフィーダユニットから第一の回収ユニットへと吐出させるステップ
をさらに含む。
【0011】
他の実施形態において、第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置に位置付ける前に、第一のフィーダユニットはフィーダ位置の列のうちの、前記第一のフィーダ位置の下流の以前のフィーダ位置に位置付けられており、方法は、
-第一のフィーダユニットを前記以前のフィーダ位置から取り外すステップと、
-前記第一のフィーダユニットを以前のフィーダ位置から第一のフィーダ位置に向かって移動させるステップ
をさらに含む。
【0012】
「ホットスタンバイ」のフィーダユニットは下流のフィーダ位置に設置されて、より上流のフィーダ位置にある空のフィーダユニットの吐出動作の前述の引継ぎが行われるようにされる。しばらくして、「ホットスタンバイ」であったフィーダユニットは空になる。このようなほとんど空のフィーダユニットは、満杯のフィーダユニットにより占有されるはずの下流のフィーダ位置を占める。スペースを空けるために、ほとんど空のフィーダユニットは、より上流のフィーダ位置に向かって再位置決めされ得て、それによって吐出できなかったことが早期に識別されて、方法の新しいサイクルを始め得る。この実施形態は、例えば第一のフィーダユニット内に残っている薬剤の量が所定の閾値より少なくなったときに、第一のフィーダユニットのためのこのような再位置決めプロセスを説明する。
【0013】
そのある実施形態において、方法は、
-第一のフィーダユニットを以前のフィーダ位置から第一のフィーダ位置へと移動させている間に第二のフィーダ位置において第二のフィーダユニットから薬剤を第一の回収ユニットへと吐出させるステップ
をさらに含む。
【0014】
したがって、第二のフィーダユニットは、前記第一のフィーダユニットが再位置決めされている間に、第一のフィーダユニットから吐出を一時的に引き継ぐことができる。再位置決めされると、第一のフィーダユニットは吐出を再開でき、第二のフィーダユニットは、第一のフィーダユニットのための、最終的にその中の薬剤がなくなったか、又は吐出できなくなったときの「ホットスタンバイ」のまま残る。
【0015】
他の実施形態では、第一の回収ユニットは無限回収経路に沿って、開始位置から始まり、終了位置で終わる回収範囲にわたり移動可能である。
【0016】
第一のフィーダ位置は、開始位置から考慮して第一の回収範囲の前半の中に配置される。第一のフィーダ位置が第一の回収範囲の前半の中にあるとき、第二のフィーダ位置を選択する際、選択すべき下流の位置がまだ数多くある。
【0017】
第二のフィーダ位置は、開始位置から考慮して回収範囲の後半の中にあり得る。第一のフィーダユニットが回収範囲の前記前半の中で薬剤を吐出できなかった場合、吐出装置は、回収範囲の後半に到達する前に、その吐出戦略を第二のフィーダユニットに基づいて調整するための時間が十分にある。
【0018】
他の実施形態において、第一のフィーダ位置と第二のフィーダ位置は少なくとも5度、好ましくは少なくとも10度の離間角度だけ回収方向に離間される。第一のフィーダユニットが回収範囲の前記前半において薬剤を吐出できない場合、吐出装置はその吐出戦略を、離間角度に沿った第一の回収ユニットの移動中に調整できる。
【0019】
他の実施形態では、吐出装置はロボットマニピュレータを含み、第一のフィーダユニット及び第二のフィーダユニットの位置決め及び/又は取り外しはロボットマニピュレータを使って行われる。フィーダユニットの位置決め、取り外し、及び/又は再位置決めはそれゆえ、自動化して、前記フィーダユニットの薬剤のそれぞれの量を考慮して、フィーダ位置にわたるフィーダユニットの最善の分布を素早く、及び/又は効率的に得ることができる。
【0020】
第二の態様は、プロセッサによって実行されると、吐出装置に第一の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0021】
コンピュータプログラム製品は、吐出装置とは別に提供されて、前記吐出装置の前述の機能を設定、アップデート、及び/又はインストールすることができ、その結果、前述のような技術的利点が得られる。
【0022】
第三の態様は、個別の薬剤を吐出するための吐出装置を提供し、
吐出装置は、
無限回収経路に沿って分散された、複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定する吐出セクションであって、フィーダ位置の列は少なくとも第一のフィーダ位置と第二のフィーダ位置を含む吐出セクションと、
フィーダ位置の列に関して、無限回収経路に沿って回収方向に移動可能な第一の回収ユニットを含む回収セクションと、
回収セクションから受け取った薬剤を包装するための包装セクションと、
ロボットマニピュレータ及び、ロボットマニピュレータを、
第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置に位置決めし、
第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置から取り外す前に、第二のフィーダユニットを第二のフィーダ位置に位置決めし、第二のフィーダ位置は回収方向に第一のフィーダ位置の下流にある
ように制御するための制御ユニットと、
を含み、
第一のフィーダユニットと第二のフィーダユニットは、同じ第一の組成の薬剤を保持する。
【0023】
1つの実施形態において、包装セクションは第一の包装位置にある、又はそれに接続される第一の包装ユニットを含む。
【0024】
1つの実施形態において、第一の回収ユニットは、第一の包装位置の、回収方向に下流の開始位置と第一の包装位置の、又はその付近の終了位置との間で移動可能である。
【0025】
1つの実施形態において、第一の回収ユニットはホッパを含む。
【0026】
1つの実施形態において、無限回収経路は円形である。
【0027】
1つの実施形態において、フィーダ位置の列は回転軸の周囲で円周方向に分散され、第一の回収ユニットは前記回転軸の周囲で無限回収経路に沿って回転可能である。
【0028】
代替的に、無限回収経路は非円形である。前述の吐出装置は、関係する方法のステップを実行するようになされ、構成され、及び/又はプログラムされ、それゆえ方法及びそのそれぞれの実施形態と同じ技術的利点を有する。
【0029】
第四の態様は、吐出セクション、回収セクション、及び包装セクションを含む吐出装置により個別の薬剤を連続的に吐出、回収、及び包装する方法を提供し、吐出セクションは、無限回収経路に沿って分散された、複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を含み、回収セクションは、保持位置の列に関して、回収方向に無限回収経路に沿って移動可能であり、フィーダ位置の複数の列と整列する第一の回収ユニットを含み、方法は、
第一のフィーダユニットをフィーダ位置の列のうちの第一のフィーダ位置に設置するステップと、
第二のフィーダユニットをフィーダ位置の列のうちの第二のフィーダ位置に設置するステップであって、第二の保持位置は第一の保持位置の下流にあるステップと、
薬剤を第一のフィーダユニットから第一の回収ユニットに吐出させるステップと、
第一のフィーダユニットが空になったか、薬剤を吐出しなくなったときに、第一の回収ユニットを回収方向に移動させて、第二のフィーダユニットと整列させるステップと、
薬剤を第二のフィーダユニットから第一の回収ユニットに吐出させるステップと、
を含み、
第一のフィーダユニットと第二のフィーダユニットには同じ第一の組成の薬剤が入っている。
【0030】
1つの実施形態において、第一及び第二のフィーダユニットを設置するステップは、ロボットを使って行われる。
【0031】
1つの実施形態は、薬剤を第一の回収ユニットから第一の包装ユニットに包装するために移送するステップをさらに含む。
【0032】
1つの実施形態において、方法は、
第一のフィーダユニットを取り外し、及び/又は交換するステップ
をさらに含む。
【0033】
第五の態様は、吐出装置により個別の薬剤を吐出する方法を提供し、
吐出装置は、薬剤を吐出する吐出セクションを含み、吐出セクションは、複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、複数のフィーダユニットの各フィーダユニットは、前記それぞれのフィーダユニットに特定の組成の薬剤を保持するための容器、薬剤を吐出するための出口、及び容器と出口との間の、薬剤を容器から出口へと制御して供給するための吐出機構を含み、
方法は、
-複数のフィーダユニットのうちの第一のフィーダユニットの容器内の薬剤の残りがなくなるか、又はその使用期限が切れる将来の薬剤切れ時間を予想するステップと、
-前記薬剤切れ時間より前に、第一のフィーダユニットと同じ組成の薬剤を保持する第二のフィーダユニットを吐出装置に提供する必要があるとの通知を、前記第二のフィーダユニットを吐出装置に提供すべき期限と共に提供するステップと、
-少なくともその提供期限までに第一のフィーダユニットからの薬剤の吐出を継続するステップと、
を含む。
【0034】
通知を提供することにより、人間のオペレータには、提供期限の前に、同じ薬剤の第二のフィーダユニットが必要であることを警告できる。提供期限又は時間窓を提供することによって、人間のオペレータは優先順位を付け、及び/又は事前に計画を立てて、1つ又は複数のフィーダユニットをそれぞれの提供期限の前に準備することができる。その間、吐出装置は中断せずに残りの薬剤を吐出し続け得る。残りがなくなった、又は使用期限が過ぎた場合、関係するフィーダユニットには提供期限の前に、提供期限に、又は提供期限のすぐ後に効率的に補充又は交換できる。
【0035】
好ましくは、薬剤切れ時間は、開始時における第一のフィーダユニットの容器内の薬剤の量の記録及び、前記開始時以降に第一のフィーダユニットの出口から吐出された薬剤の計数に基づいて予想される。薬剤切れ時間はそのように、理論的に計算される。その正確さは、開始時における量の記録の正しさ及び正しい計数と、計算された平均吐出レートの正確さに依存する。
【0036】
代替的に、薬剤切れ時間は、第一のフィーダユニットの容器の中に残っている薬剤の実際の量に基づいて予想される。例えば、薬剤の実際の量の指標として重量が使用され得る。代替的に、実際の量は、例えば画像認識又は1つ若しくは複数のセンサを用いて、容器内の薬剤の上面位置に基づいて視覚的に特定され得る。
【0037】
他の実施形態において、提供期限は薬剤切れ時間と等しい。したがって、第二のフィーダユニットは、第一のフィーダユニットを補充又は交換するために「ジャストインタイム」で提供され得る。
【0038】
代替的に提供期限は薬剤切れ時間より前である。提供期限及び薬剤切れ時間までの残り時間は、例えば第一のフィーダユニットが予想より早く空になった場合、又は吐出装置が、フィーダ位置の列の中に設置する前に第二のフィーダユニットを処理するための時間が依然として必要であるときのバッファとして使用できる。
【0039】
他の実施形態において、方法は、
-第二のフィーダユニットを吐出装置で受けるステップと、
-薬剤切れ時間の前に第二のフィーダユニットをフィーダ位置の列のフィーダ位置のうちの1つに設置するステップと、
をさらに含む。
【0040】
したがって、吐出装置にとって、提供期限の前に第二のフィーダを受け取り、チェックし、及び/又は位置付けるための時間がまだある。第二のフィーダユニットは、例えば第一の態様において説明したように「ホットスタンバイ」状態となるように位置付けることができる。
【0041】
好ましくは、第二のフィーダユニットは第一のフィーダユニットと交換される。第一の態様と異なり、第一のフィーダユニット及び第二のフィーダユニットは1つのフィーダ位置で交換され得る。
【0042】
第六の態様は、プロセッサにより実行されると、吐出装置に第五の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0043】
コンピュータプログラム製品は、吐出装置とは別に提供して、前記吐出装置の前述の機能を設定、アップグレード、及び/又はインストールでき、その結果、前述の技術的利点が得られる。
【0044】
第七の態様は、個別の薬剤を吐出する吐出装置を提供し、
吐出装置は、薬剤を吐出するための吐出セクションを含み、吐出セクションは複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、複数のフィーダユニットの各フィーダユニットは、前記それぞれのフィーダユニットに特定の組成の薬剤を保持するための容器と、薬剤を吐出するための出口と、容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構と、を含み、
吐出装置は、グラフィカルユーザインタフェースと、グラフィカルユーザインタフェース及び複数のフィーダユニットを制御するための制御ユニットと、をさらに含み、制御ユニットは、プロセッサと、プロセッサにより実行されると、制御ユニットに薬剤切れ時期を予想させ、前記薬剤切れ時間の通知をグラフィカルユーザインタフェース上で提供させ、複数のフィーダユニットを制御して、第五の態様による方法のステップにしたがって吐出を継続させる非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0045】
上述の吐出装置は、関係する方法のステップを実行するようになされ、構成され、及び/又はプログラムされ、それゆえ方法及びそのそれぞれの実施形態と同じ技術的利点を有する。
【0046】
第八の態様は、吐出装置により個別の薬剤を吐出する方法を提供し、
吐出装置は、薬剤を吐出するための吐出セクションを含み、吐出セクションは複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、複数のフィーダユニットの各フィーダユニットは、前記それぞれのフィーダユニットに特定の組成の薬剤を保持するための容器と、薬剤を吐出するための出口と、容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構と、を含み、
方法は、
-複数のフィーダユニットから第一の選択及び第一の量の薬剤が吐出されることを要求する第一の吐出命令セットを受け取るステップと、
-第一の吐出命令セットの後に実行すべき1つ又は複数の別の吐出命令セットを受け取るステップであって、1つ又は複数の別の吐出命令セットのうちの少なくとも1つのセットは、第一の選択とは異なる選択又は第一の量とは異なる量を要求するステップと、
-第一の吐出命令セットを実行する前に、複数のフィーダユニットに、第一の吐出命令セットによる第一の選択及び第一の量の薬剤の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤が入っているか否かを特定するステップと、
を含み、
複数のフィーダユニットに、第一の吐出命令セットによる第一の選択及び第一の量の薬剤の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤が入っていない場合、方法は、
-前記第一の吐出命令セットを実行する前に、1つ又は複数の別の吐出命令セットのうちの1つ又は複数のセットを実行するステップ
をさらに含む。
【0047】
1つ又は複数の吐出命令セットは、第一の吐出命令セットより優先させて、薬剤の不足分が補充されるようにすることができる。薬剤の第一の選択及び第一の量の吐出は、優先された吐出命令セットが完了した後、できるだけ早く開始することができる。命令セットの順序を変えることによって、吐出装置が当初の順序で命令セットを処理した場合に生じたであろうダウンタイムの少なくとも一部を阻止できる。
【0048】
好ましくは、もう1つの別の吐出命令セットのうちの1つ又は複数のセットの実行中に、複数のフィーダユニットの中に、第一の吐出命令セットによる第一の選択及び第一の量の薬剤の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤が確実に入っているようにするための行動がとられる。1つ又は複数の別の吐出命令セットの実行中に適切な行動をとることにより、適当な行動をとるのに必要な時間の少なくとも一部を吐出動作を継続するために使用できる。より好ましくは、この動作は、1つ又は複数のフィーダユニットを、複数のフィーダユニットのうち、第一の吐出命令セットによる第一の選択及び第一の量の薬剤の吐出を完了させるために十分な、すぐに利用可能な薬剤が入っていない1つ又は複数のフィーダユニットを補充又は交換するために、吐出装置に提供することである。1つ又は複数のユニットは、例えば第一の態様による、ほとんど空のフィーダユニットのための「ホットスタンバイ」として設置されてもよく、それによって吐出を中断せずに再開できる。
【0049】
他の実施形態において、第一の吐出命令セット及び1つ又は複数の別の吐出命令セットは、第一の吐出命令セットと1つ又は複数の別の吐出命令セットを共通のバッチにリンクさせるロジスティックパラメータを共有する。好ましくは、ロジスティックパラメータは送達先住所である。共通のバッチの吐出命令セットを一体に保持することによって、吐出命令セットが処理される順序を変更しても前記共通のバッチの他のロジスティクスに与える影響が小さくなる。例えば、前記吐出命令の結果として吐出される薬剤が全て同じ送達先住所に送達されなければならい場合、吐出命令セットの順序が変わったかどうかは問題にならない。
【0050】
第九の態様は、プロセッサにより実行されると、吐出装置に第八の態様により方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0051】
コンピュータプログラム製品は、吐出装置とは別に提供して、前記吐出装置の前述の機能を設定、アップグレード、及び/又はインストールすることができ、その結果、先述の技術的利点が得られる。
【0052】
第十の態様は、個別の薬剤を吐出するための吐出装置を提供し、
吐出装置は、薬剤を吐出するための吐出セクションを含み、吐出セクションは複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、複数のフィーダユニットの各フィーダユニットは、前記それぞれのフィーダユニットに特定の組成の薬剤を保持するための容器と、薬剤を吐出するための出口と、容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構と、を含み、
吐出装置は制御ユニットをさらに含み、制御ユニットは、プロセッサと、プロセッサにより実行されると、制御ユニットに第八の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0053】
上述の吐出装置は、関係する方法のステップを実行するようになされ、構成され、及び/又はプログラムされ、それゆえ、方法及びそのそれぞれの実施形態と同じ技術的利点を有する。
【0054】
第十一の態様は、第一のフィーダユニットで個別の薬剤を吐出するための方法を提供し、
第一のフィーダユニットは、第一の組成の薬剤を保持するための容器と、薬剤を吐出するための出口と、容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構と、を含み、
方法は、
-容器内に残っている薬剤の量を示す残量値を特定するステップと、
-前記残量値を閾値と比較するステップと、
-前記残量値が閾値より高い場合の完全空状態検出モードと残量値が閾値より低い場合の短縮空状態検出モードとの間で選択を行うステップと、
-吐出機構を制御した後に薬剤が容器から出口に供給されない場合、完全空状態検出モードと短縮空状態検出モードのうちの選択された一方を実行するステップと、
を含む。
【0055】
上記の方法は、第一のフィーダユニットがほとんど空であると予想された場合、前記第一のフィーダユニットの空の状態をわざわざチェックする必要がないとの前提に基づく。薬剤が残っていない場合、残量はほとんどなく、第一のフィーダユニットを不必要に取り外すリスクは比較的小さい。したがって、第一のフィーダユニットが空であるかをチェックするためには、限定的な回数の試行又は限定的な数の行動ののみを行えばよい。それに対して、残量が依然して閾値より高い場合、問題なく吐出させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤が残っていると仮定される。換言すれば、2つのモードの何れかを選択することにより、ほとんど空の第一のフィーダユニット及び比較的満杯に近い第一のフィーダユニットのどちらについても、確実な空状態検出。短縮空状態検出モードは、完全空状態検出モードと比較して、例えば10~20秒の範囲というかなりの時間を節約できる。したがって、吐出装置のダウンタイムは空状態検出チェックの結果として大幅に削減できる。
【0056】
好ましくは、完全空状態検出モードは、第一の行動を第一のインスタンス数だけ実行するステップを含み、短縮空状態検出モードは第一の行動を第一のインスタンス数より少ない第二のインスタンス数だけ実行するステップを含む。第一の行動のインスタンス数を減らすことにより、モード間の空状態検出チェックの時間を大きく削減できる。
【0057】
より好ましくは、第一の行動は吐出機構を制御することである。吐出機構の制御することにより、固体物質が吐出されることになるべきである。吐出機構の制御の、例えばそれを複数ステップ移動させることによる試行を繰り返すことになり、薬剤は安定化して、吐出機構へと進むことができる。
【0058】
代替的に、完全空状態検出モードは、第一の行動と第一の行動とは異なる第二の行動を行うステップを含み、短縮空状態検出モードは第一の行動と第二の行動のうちの一方だけを含む。第二の行動は、第一の行動とは異なる吐出結果をトリガし得る。第二の行動は例えば、第二のフィーダユニットを、例えばロボットマニピュレータで揺動させることであり得る。第一又は第二の行動は、モード間の時間を節約するために、短縮空状態検出モードから除外されてよい。
【0059】
別の実施形態において、完全空状態検出モードは第一の持続時間を有し、短縮空状態検出モードは、第一の持続時間より短い第二の持続時間を有する。前述のように、短縮空状態検出モードはより少ない行動又はより少ない種類の行動を含み得て、その結果、前記モードでの空状態検出を完了させるための時間が短くなる。代替的に、短縮空状態検出モードは時間的に限定され得るか、又は行動は時間を節約するために、より速く実行され得る。
【0060】
別の実施形態において、残量値は開始時の第一のフィーダユニットの容器内の薬剤の量の記録及び前記開始時以降に第一のフィーダユニットの出口から吐出された薬剤の計数に基づいて予想される。薬剤切れ時間はそれゆえ、理論的に計算される。その正確さは、開始時の量の記録の正確さと正しい計数に依存する。
【0061】
代替的に、残量値は、第一のフィーダユニットの容器内に残る薬剤の実際の量に基づいて特定される。例えば、薬剤の実際の量の指標として重量が使用され得る。代替的に、実際の量は、例えば画像認識又は1つ若しくは複数のセンサにより、容器内の薬剤の上面位置に基づいて視覚的特定され得る。
【0062】
第十二の態様は、プロセッサにより実行されると、第一のフィーダユニットを備える吐出装置に第十一の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0063】
コンピュータプログラム製品は、吐出装置とは別に提供して、前記吐出装置の前述の機能を設定、アップグレード、及び/又はインストールすることができ、その結果、前述の技術的利点が得られる。
【0064】
第十三の態様は、個別の薬剤を吐出するための吐出装置を提供し、
吐出装置には、第一の組成の薬剤を保持するための容器、薬剤を吐出するための出口、及び容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構を含む第一のフィーダユニットが提供され、
吐出装置は制御ユニットをさらに含み、制御ユニットは、プロセッサと、プロセッサにより実行されると、制御ユニットに第十一の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0065】
上述の吐出装置は、関係する方法のステップを実行するようになされ、構成され、及び/又はプログラムされ、それゆえ、方法及びそのそれぞれの実施形態と同じ技術的利点を有する。
【0066】
本明細書に記載され、示された各種の態様及び特徴は、可能なかぎり個別に適用できる。これらの個別の態様、特に付属の特許請求の範囲に記載された態様及び特徴は、分割特許出願の主題とすることができる。
【0067】
本発明は、下記のような添付の概略的図面に示される実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1図1は、第一の実施形態による、吐出セクション、回収セクション、及び包装セクションを備える吐出装置の等角図を示す。
図2図2Aは、図1による吐出装置の上面図を示し、図2Bは、吐出セクションの、図2B図2Aとつなぐ矢印により示される以前のフィーダ位置にある第一のフィーダユニットの正面図を示し、図2Cは、吐出セクションの、図2C図2Aとつなぐ矢印により示される装填引出し位置にある第二のフィーダユニットの正面図を示す。
図3図3A図3B及び図3Cは、第二のフィーダユニットが吐出セクションの装填引出し位置から第二のフィーダ位置へと移動させられている、それぞれ図2A、2B、及び2Cに対応する図を示す。
図4図4A図4B及び図4Cは、第一のフィーダユニットが吐出セクションの以前のフィーダ位置から第一のフィーダ位置へと移動させられている、それぞれ図3A、3B、3Cに対応する図を示す。
図5図5A図5B及び図5Cは、第一のフィーダユニットが吐出装置から取り外された、それぞれ図4A、4B、4Cに対応する図を示す。
図6図6は、図1による吐出装置の吐出セクション内のフィーダユニットを交換又は補充するためのタイムラインを提供するグラフィカルユーザインタフェースのスクリーンを示す。
図7A図7Aは、図1による吐出装置の異なる選択及び量の薬剤を吐出するための3つの吐出命令セットを含む共通バッチを概略的に示す。
図7B図7Bは、吐出装置により実行される、図7Aによる吐出命令セットのうちの1つ又は複数の優先順位を付ける方法のステップの略図を示す。
図7C図7Cは、図7Bによる方法の優先順付けの結果として3つの吐出命令セットの順序を変更した後の、図7Aの共通バッチを概略的に示す。
図8A図8A及び図8Bは、図1による吐出装置内のフィーダユニットが空であるか否かを検出するための、完全空状態検出モードと短縮空状態検出モードとの何れかを選択する方法のステップの略図の2つの部分を示す。
図8B図8A及び図8Bは、図1による吐出装置内のフィーダユニットが空であるか否かを検出するための、完全空状態検出モードと短縮空状態検出モードとの何れかを選択する方法のステップの略図の2つの部分を示す。
図9図9Aは、第二の実施形態による、吐出セクション、回収セクション、及び包装セクションを備える代替的な吐出装置の上面図を示し、図9Bは、吐出セクションの、図9B図9Aとつなぐ矢印により示される以前のフィーダ位置にある第一のフィーダユニットの正面図を示し、図9Cは、吐出セクションの、図9C図9Aとつなぐ矢印により示される装填引出し位置にある第二のフィーダユニットの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1は、個別の薬剤、個別の固形薬剤、医薬品、又は医療用の固体品目、成形品、若しくは物質90、例えばピル、錠剤、カプセル等を吐出するための第一の実施形態による吐出装置1を示している。医薬品は、これらをひとつずつ、個別に、別々に、又は1包分を吐出できるという意味で「個別」である。
【0070】
吐出装置1は、薬剤90を吐出するための吐出セクション2、吐出セクション2からの薬剤90を回収するための回収セクション3、薬剤90を包装するための包装セクション6を含む。回収セクション3は、吐出セクション2の下方、又は垂直に下方に配置される。包装セクション6は、回収セクション3の下方、又は垂直に下方に配置される。吐出装置1は、上述のセクション2、3、6に不正に近付けないように遮蔽するためのハウジング10をさらに含む。
【0071】
吐出セクション2は、複数のキャニスタ、タブレットケース、又はフィーダユニット40を受ける、又は保持するためのフィーダ位置20の列を画定する。各フィーダ位置はフィーダユニット40のそれぞれの1つと嵌合する、又はそれを受けるドッキング部材を含み、これは吐出された薬剤90がフィーダ位置20を通ってその下の回収セクション3へと通過できるような適当な開口又はチャネルを有する。フィーダ位置20の列は、無限回収経路Z1に沿って分散される。この例では、無限回収経路Z1は円形又は実質的に円形であり、フィーダ位置20の列は回転軸Xの周囲で円周方向に分散される。より具体的には、フィーダ位置20の列は、円周方向に、又は放射状グリッドにしたがって、例えば回転軸Xの周囲で円周方向に隣り合わせで、又は隣接して配置される複数の放射状に延びる列に分散される。好ましくは、ハウジング10はフィーダ位置20の列の周囲に円筒状に延びる。この例では、ハウジング10の円周に沿った壁には、一時的に使用されていない、又は補助的なフィーダユニット40を保持するための複数の貯蔵位置12が設けられている。
【0072】
吐出装置1にはさらに、フィーダユニット40をフィーダ位置20の列に関して自動的に、自動化して、又は自律的に取り扱い、位置決めし、取り外し、及び/又は再位置決めするための、例えばロボットアームを含むことのできる、ロボットマニピュレータ11が設けられる。ロボットマニピュレータ11には、フィーダユニット40をピックアンドプレースするグリッパヘッドが設けられる。この実施形態では、ロボットマニピュレータ11はフィーダ位置20の列の中心に、例えば回転軸Xに近付けて、そこに、又はその付近に配置される。前記位置では、フィーダ位置20と貯蔵位置10は全て、好都合に、ロボットマニピュレータ11が届く範囲にある。
【0073】
図2Bは、複数のフィーダユニット40のうちの1つのフィーダユニット40をより詳しく示している。以下のフィーダユニット40の説明は、複数のフィーダユニット40の全てのフィーダユニット40を代表する。
【0074】
図2Bに示されるように、各フィーダユニット40は前記それぞれのフィーダユニット40に特定の組成91のある量の薬剤90を保持するための容器50を含む。「組成」という用語は、薬剤90の化学又は医薬組成、例えば活性成分の組合せとして解釈されるものとし、これは若干の違いも含むことができる。各フィーダユニット40は典型的に、1つの組成の薬剤90のみを保持する。容器50は薬剤90を、その大きさと形状に応じて数百又はそれ以上(又はそれ以下)保持し得る容積を有する。
【0075】
各フィーダユニット40は、薬剤90を回収セクション3に向かって吐出するための出口51、例えば竪樋と、容器50と出口51との間の、容器50から出口51への薬剤90の制御された供給のための吐出機構52をさらに含む。この実施形態では、吐出機構52は、薬剤90を個別化し、出口51に向かってひとつずつ供給するための回転ドアとして機能するホイールを含む。当業者にとっては、薬剤90を個別化できる代替的な吐出機構が提供され得ることは明らかであろう。
【0076】
各フィーダユニット40にはさらに、薬剤90の種類、組成、及び/又は完全性を確認するため、及び吐出された薬剤90の量をカウントするための1つ又は複数のセンサ53、54、例えばビジョンカメラ、光センサ、レーザセンサ、レベルセンサ、重量センサ又はその他が提供され得る。
【0077】
図1において最もよくわかるように、吐出セクション2は、新しいフィーダユニット40を吐出装置1へと受けるため、及び吐出装置1からフィーダユニット40を取り外すための複数のフィーダ装填位置25を有するフィーダ装填部材24をさらに含む。この例では、フィーダ装填部材24は引出しとして形成される。代替的に、ドア又はその他も使用され得る。吐出セクション2は、任意選択により、前述のフィーダユニット40で自動的に吐出するのに適さない薬剤90が手作業で装填されるマニュアル装填部材(図示せず)、例えば薬品輸送プレートを受けるためのマニュアル装填位置26を含み得る。
【0078】
図1にさらに示されるように、回収セクション3は複数の回収ユニット、特に回収ホッパ30を含み、これらは吐出セクション2と対向する面において開放し、フィーダユニット40のうちの1つ又は複数から選択的に吐出された薬剤90を受け取る。この例では、各回収ホッパ30は複数のフィーダユニット40の下に延び、同時にこれらのフィーダユニット40の何れかからの薬剤90を受け取る。各回収ホッパ30は底部に向かってテーパが付けられ、前記底部において、回収された薬剤90を包装セクション6の中へと落下させるように動作できるバルブ(図示せず)が設けられる。
【0079】
この実施形態では、複数の回収ホッパ30は回転軸Xの周囲に円周方向に分散される。より具体的には、複数の回収ホッパ30は回収フレーム32の中に保持され、これは無限回収経路Z1に沿って例えば前記回転軸Xの周囲で回転することによって移動可能であり、複数の回収ホッパ30を吐出セクション2のフィーダ位置20の列に関して移動させる。回転はステップ式の回転であり得、各ステップは、複数の回収ホッパ30をフィーダ位置20の列のフィーダユニット40の次のグループと整列させる。各回収ホッパ30は、放射状に配置されるフィーダ位置20の列に沿って放射状に延びる。
【0080】
通常の動作では、回収フレーム32は無限回収経路Z1に沿って回収方向Cに一方向に回転し、それによって各回収ホッパ30は回転軸Xの周囲で360度丸1回転して、フィーダ位置20の列の全てのフィーダ位置20を経由することができるが、幾つかの実施形態では、回転運動はより限定的とすることができる。
【0081】
包装セクション6は、回転軸Xの周囲の第一の包装位置又は第一の角度包装位置P1において第一の包装ユニット61を含む。任意選択により、包装セクション6は第二の包装位置又は第二の角度包装位置P2において第二の包装ユニット62を含み得て、吐出装置1の包装効率が高められる。回収ホッパ30の弁は、回収ホッパ30のそれぞれ1つが包装ユニット61、62のうちの選択された1つの頭上、又は真上の位置にあるときに動作して、回収された薬剤90をそれぞれの包装ユニット61、62の中へと落下させる。各包装ユニット61、62は包装材料、この場合は箔を保持するための貯蔵部材、箔の上に薬剤90に関する情報を印刷するためのプリンタ、薬剤90を受けるように箔を位置付けるための充填部材、受け取った薬剤90を包囲するパウチを形成するためのシール部材、箔に連続して形成されるパウチ間のミシン目を提供するための穿孔部材、及び包装された薬剤Fを吐出装置1から排出するための排出部材を含む。
【0082】
代替的に、包装ユニット61、62のうちの一方又は両方は、薬剤90を箔以外の貯蔵材料の中、例えばバイアル、瓶、又はカードの中に包装するように配置され得る。
【0083】
第一の包装位置P1及び/又は第二の包装位置P2は、少なくとも吐出動作中、回転軸Xに関して固定できる。
【0084】
図1に示されるように、吐出装置1にはさらに、ロボットマニピュレータ11、フィーダユニット40、包装ユニット61、62、及びその他の電子機器、例えばドライブ、センサ、及びその他に動作的及び/又は電気的に接続されて、吐出装置1の動作を制御する制御ユニット7が提供される。制御ユニット7は、特定用途プロセッサ71と、プロセッサ71により実行されると、吐出装置1に以下により詳しく説明する方法にしたがって動作させるコンピュータ可読コード又は命令を保持するコンピュータ可読媒体72を含む。コンピュータ可読媒体72は、非一時的又は有形の、例えば、ハードドライブ、USB-ドライブ、RAMメモリ、又はその他のような物理データキャリアである。
【0085】
吐出装置1にはさらに、人間のオペレータに吐出、回収、及び包装動作に関する有益な情報を提供するためのグラフィカルユーザインタフェース8、例えばスクリーンが設けられ得る。
【0086】
以下に吐出装置1の動作方法を、複数のフィーダユニット40のうちの第一のフィーダユニット41及び第二のフィーダユニット42、複数の回収ホッパ30のうちの第一の回収ホッパ31、及び2つの包装ユニット61、62のうちの第一の包装ユニット61のみに関して説明する。しかしながら、当業者にとっては、吐出装置1はフィーダユニット40、回収ホッパ30、及び/又は包装ユニット61、62の他の何れの選択肢についても実質的に同様に動作させることができ、フレキシブルで実質的に中断されない、すなわち連続的な吐出、回収、及び包装プロセスが確保されることが明らかであろう。
【0087】
図2Aに示されるように、第一の回収ホッパ31は回転軸Xの周囲で回収方向Cにフィーダ位置20の列に関して、回収方向Cに第一の包装位置P1の下流の開始位置又は角度開始位置Aと第一の包装位置P1の、又はその付近の、この場合はその上方の終了位置又は角度終了位置Bとの間で回転可能である。換言すれば、第一の回収ホッパ31は回転軸Xの周囲で、角度開始位置Aから始まり角度終了位置Bで終わる回収範囲Rにわたり回転可能である。この例では、回収範囲Rは360度より5度小さく、ほとんど丸1回転である。
【0088】
制御ユニット7がフィーダユニット40からある選択及び量の薬剤90を吐出するための命令セットを受け取ると、制御ユニット7は、どのフィーダユニット40を使用するかを、前記フィーダユニット40内の薬剤90の現在の、又は残りの量に基づいて特定する。制御ユニット7は、コンピュータ可読媒体72上に、開始時におけるフィーダユニット内の薬剤90の量を保存し、前記薬剤90の吐出を、例えばカウントするためのセンサを使ってモニタし、各フィーダユニット40内の薬剤90の残量を計算又は予想するように構成され得る。フィーダユニット40のうちの1つが空に近い場合、制御ユニット7は、ロボットマニピュレータ11を制御して、同じ薬剤90、すなわち空に近いフィーダユニット40と同じ種類、同じブランド、同じメーカ、及び/又は同じ組成91の薬剤90を有する他のフィーダユニット40を、空になりつつあるフィーダユニット40からの吐出をそれが実際に空になったときに引き継ぐための「ホットスタンバイ」として位置決めしておくように構成できる。換言すれば、上述のフィーダユニット40のペアの中の薬剤90は、同じ活性成分及び/又は、医薬学的に類似又は同じである。他のフィーダユニット40は、吐出セクション2の中の貯蔵位置12のうちの1つから移動され得る。代替的に、制御ユニット7は、人間のオペレータに、フィーダ装填部材24において新しいフィーダユニット40を吐出装置1に提供するように通知し得る。
【0089】
第一及び第二のフィーダユニット41、42は典型的に同じ種類の薬剤90を有するが、幾つかの実施形態では、薬剤90は、例えば同じ薬剤90が入手できないとき、ただし典型的には人間のオペレータが承認した場合にかぎり、完全に同じではないが、相互に代替的な役割を果たすことができる。
【0090】
図2A~2C、3A~3C、4A~4C、及び5A~5Cは、本発明の実施形態による、第一のフィーダユニット41が空になりつつあり、第二のフィーダユニット42を「ホットスタンバイ」として位置決めするプロセスを示す。
【0091】
具体的には、図2Aは、第一のフィーダユニット41が図2Bに示されるように、列のフィーダ位置20の以前のフィーダ位置23にある状況を示す。図2Bに示されるように、第一のフィーダユニット41は積極的に吐出している。以前のフィーダ位置23は、第一のフィーダユニット41が、それが第一の組成91の薬剤90で満杯又は比較的満杯であったときに、方法の以前のサイクル中にそこにあったという意味で「以前の」である。今、第一のフィーダユニット41が空になりつつあり、例えばもともとの量の50パーセント未満、及び幾つかの実施形態ではもともとの量の30パーセント未満が残っている。この場合、以前のフィーダ位置23は開始位置Aから回収方向Cに考えて回収範囲Rの後半にある。本発明による方法は、空になりつつあるフィーダユニット40を回収方向Cに関して回収範囲Rの上流、例えば開始位置Aから回収方向Cに考えて前記回収範囲Rの前半に設置することを目指す。図4Aに示されるように、第一のフィーダユニット41は、フィーダ位置20の列の、図2Aの以前のフィーダ位置23の上流の回収範囲Rの前半にある第一のフィーダ位置21に向かって移動される。
【0092】
第一のフィーダユニット41を以前のフィーダ位置23から第一のフィーダ位置21へと移動させる前に、第二のフィーダユニット42は、図2Aに示されるように、フィーダ装填部材24のフィーダ装填位置25のうちの1つにおける吐出装置1の中にすでに存在でき、吐出装置1に挿入され、ロボットマニピュレータ11によってピックアップされる準備ができている。代替的に、第二のフィーダユニット42は、図1に示されるように、フィーダユニット40のうち、回収セクション2の中、例えば貯蔵位置12の内の1つの中にすでにある1つであり得る。第二のフィーダユニット42には典型的に、第一のフィーダユニット41と同じ第一の組成91の薬剤90が充填される。
【0093】
図3Aは、ロボットマニピュレータ11によってフィーダ装填位置25からピックアップされ、フィーダ位置20の列の中のフィーダ位置22に位置決めされた後の第二のフィーダユニット42を示す。この例では、第二のフィーダ位置22は以前のフィーダ位置23から回収方向Cに下流にあるが、この段階で、このことは厳格に必要というわけではない。代替的に、以前のフィーダ位置23は回収方向Cに第二のフィーダ位置22の下流であり得る。図3Cに示されるように、図2A及び4A間での前記第一のフィーダユニット41の移動中に、第一の組成91の薬剤90の吐出の継続性を確保するために必要であれば、第二のフィーダユニット42は第一のフィーダユニット41からの吐出を一時的に引き継ぐことができる。
【0094】
図4Aは、第一のフィーダユニット41がロボットマニピュレータ11によって以前のフィーダ位置23から取り外された、第一のフィーダ位置21に位置決めされた状況を示す。第一のフィーダユニット41は今度は、図4Bに示されるように、第一の組成91の薬剤90がなくなり、又は第一のフィーダユニット41が残りの薬剤90を吐出できなくなるまで、吐出を再開できる。第二のフィーダユニット42は、図4Cに示されるように、「ホットスタンバイ」状態であり、第一のフィーダユニット41が薬剤90を吐出できない場合に第一のフィーダユニット41からの吐出を引き継ぐ。
【0095】
図5Aは、第一のフィーダユニット41が、図5Bに示されるように、空である、又は薬剤90を吐出できなくなった状況を示す。その結果、第一の回収ホッパ31は第一のフィーダユニット41からの第一の組成91の必要な薬剤90を回収できていない。第一の回収ホッパ31は、第一のフィーダユニット41が交換されるのを持つ必要がない。その代わりに、第一の回収ホッパ31は、それが第二のフィーダ位置22内の第二のフィーダユニット42の下、又は真下になるまで、無限回収経路Z1に沿って回収方向Cにさらに移動又は回転させることができる。その間、コントローラ7は、第一のフィーダユニット41から第一の組成91の薬剤90が吐出されないことを考慮してその吐出戦略を適応させており、第二のフィーダユニット42を、図5Cに示されるように、前記第一のフィーダユニット41からの吐出を引き継ぐように割り当てる。換言すれば、第二のフィーダユニット42は第一の組成91の足りない薬剤90を吐出できる。
【0096】
第一のフィーダ位置21と第二のフィーダ位置22は典型的に、回収方向に、少なくとも5度、好ましくは少なくとも10度の離間角度H、又はフィーダ位置20の列の少なくとも1つの放射状の列だけ離間されて、制御ユニット7及び/又は人間のオペレータが、例えば第一の回収ホッパ31が第一のフィーダ位置21から第二のフィーダ位置22へと中断せずに移動するのにかかる通常の時間内に吐出戦略を調整する十分な時間が確保される。
【0097】
空の第一のフィーダユニット41は、ロボットマニピュレータ11によってピックアップし、フィーダ装填部材24におけるフィーダ装填位置25のうちの1つへと移動させて、前記空の第一のフィーダユニット41を吐出装置1から取り外し、又は取り出すことができる。
【0098】
図6は、上述の吐出装置1のグラフィカルユーザインタフェース8をより詳しく示す。グラフィカルユーザインタフェース8は、図1に示されるように、制御ユニット7によって生成される。図6に示されるように、グラフィカルユーザインタフェース8は、人間のオペレータに対し、任意選択的なタイムライン80及び、1つ又は複数のフィーダユニット40の薬剤切れ時間82に関する1つ又は複数の通知81を提示する。通知81は、タイムライン80上に、及び/又は前記タイムライン80とは別に提供され得る。タイムライン80は、左(現在)から右(未来)への時間軸tを有する。薬剤切れ時間82は、制御ユニット7により予想又は計算される。薬剤切れ時間82は、開始時におけるそれぞれのフィーダユニット40の容器50内の薬剤90の量の記録及び、例えば図2Bに示される計数センサ54に基づく、前記開始時以降にそれぞれのフィーダユニット40の出口51から吐出された薬剤90の計数に基づいて予想又は計算され得る。代替的に、薬剤切れ時間82は、図2Bに示されるように、それぞれのフィーダユニット40の容器50内に残っている薬剤90の実際の量を示すセンサ53、54からのセンサデータに基づいて、例えばビジョンカメラ、レベルセンサ、及び/又は重量センサからのデータに基づいて予想できる。
【0099】
各通知81は、予想される薬剤切れ時間82の前に、それぞれの薬剤切れ時間82になくなる薬剤90を補充するための提供期限83と共に提示される。通知81は単に、特定の組成91の薬剤90がどれだけ必要かを示し得るか、又はほとんど空であるフィーダユニット40と交換する、又はそれを補充すべき、同じ組成91の薬剤90を保持する特定のフィーダユニット40を示す、又は要求し得る。人間のオペレータは、必要なフィーダユニット40を呼び出して、前述のようにそれを吐出装置1に提供することができる。
【0100】
その間、1つ又は複数の関係するフィーダユニット40からの薬剤90の吐出は、少なくとも提供期限83まで継続される。したがって、吐出動作は中断されないままである。
【0101】
提供期限83は好ましくは、薬剤切れ時間82より前に、人間のオペレータが必要なフィーダユニット40を呼び出し、及び/又は準備できるようにある程度の安全マージン、例えば少なくとも1分、少なくとも3分、又は少なくとも5分を設けて選択される。人間のオペレータはまた、同時に1つ又は複数の必要なフィーダユニット40の呼び出しをまとめて行い得る。代替的に、提供期限83は薬剤切れ時間82と同じに設定され得て、それゆえ人間のオペレータによるよりタイムリ又は厳格なアプローチが必要となる。
【0102】
1つ又は複数の必要なフィーダユニット40は、それぞれの薬剤切れ時間82より前にロボットマニピュレータ11によってピックアップされ、それぞれのフィーダ位置20に設置されることが可能であり、それゆえ吐出装置1のダウンタイムが生じない。このプロセスは例えば、第一のフィーダユニット41及び第二のフィーダユニット42に関して前述した方法と同様であり得る。代替的に、第二のフィーダユニット42は、第一のフィーダユニット41が薬剤切れの状態となったか、又はその中に入っている薬剤90の使用期限が切れたらすぐに、1つのフィーダ位置20において第一のフィーダユニット41と交換され得る。
【0103】
図7A、7B、及び7Cは、前述の吐出装置1を使って薬剤90を吐出する方法に関し、これには、吐出命令セットG1、G2、G3が図1に示されるような制御ユニット7のプロセッサ71によって実行される順序を変更するステップが含まれる。
【0104】
具体的には、図7Aは、組成Aの薬剤90を45回、組成Bの薬剤90を50回、組成Cの薬剤90を10回、組成Dの薬剤90を15回要求する第一の吐出命令セットG1を示す。同様に、同様の組成C、D、又は異なる組成E、Fの薬剤90の異なる量を要求する第二の吐出命令セットG2及び第三の吐出命令セットG3が提供される。当所は、プロセッサ71が吐出命令セットG1、G2、G3を図の順序で左(現在)から右(未来)へと時間軸tに沿って実行することが意図されている。
【0105】
図7Bは、第一の吐出命令セットG1を複数のフィーダユニット40の中に残っている薬剤90で完了させることができない場合に、吐出命令セットG1、G2、G3を実行するための別の順序を特定するためにプロセッサ71が実行すべき方法のステップの略図を示す。
【0106】
具体的には、方法は、吐出命令セットG1、G2、G3を受け取るステップ(ステップS1)と、第一の吐出命令セットG1を実行する前に、制御ユニット7に、複数のフィーダユニット40に、第一の吐出命令セットG1による第一の選択及び第一の量の薬剤90の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤90が入っているか否かを特定させるステップ(ステップS2)を含む。薬剤90は、複数のフィーダユニット40の中に吐出されることが許可された十分な薬剤90が残っている場合に、「すぐに利用可能」である。前記許可は、薬剤90が吐出の時点でシステム内に記憶された使用期限を超えることになる場合は取り消され得る。残っていれば、制御ユニット7は第一の吐出命令セットの実行を進め(ステップS3)、その後の各吐出命令セットに関する特定を繰り返す(ステップS4)。
【0107】
しかしながら、複数のフィーダユニット40に、第一の吐出命令セットG1による第一の選択及び第一の量の薬剤90の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤90が入っていない場合、制御ユニット7は1つ又は複数の別の吐出命令セットG2、G3のうちの1つ又は複数のセットを実行するように切り替え(ステップS6)、任意選択によりその前に、フィーダユニット40に、その後の別の吐出命令セットG2、G3の各々に関連する選択及び量の薬剤90の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤90が入っているか否かが特定される(ステップS5)。したがって、吐出命令セットG1、G2、G3が実行される順序は、図7Cに示されるように変更できる。
【0108】
1つ又は複数の別の吐出命令セットG2、G3の実行中、複数のフィーダユニット40に、第一の吐出命令セットG1による第一の選択及び第一の量の薬剤90の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤90が確実に入っているようにするための行動を取ることができる。具体的には、人間のオペレータに、例えば図2A~2C、3A~3C、4A~4C、及び5A~5Cに示される方法にしたがって、関係するフィーダユニット40を交換又は補充するように通知され得る。
【0109】
吐出命令セットG1、G2、G3の何れか1つによる吐出を完了させるのに十分な、容易に利用可能な薬剤90が入っていない場合、制御ユニット7はステップS2の特定に戻り、薬剤90が補充されるのを待つ。
【0110】
図7A及び7Cに示されるように、第一の吐出命令セットG1及び1つ又は複数の別の吐出命令セットG2、G3は好ましくは、第一の吐出命令セットG1と1つ又は複数の別の吐出命令セットG2、G3を共通のバッチにリンクさせるロジスティックパラメータLを共有する。制御ユニット7は、共通バッチ内の吐出命令セットG1~G3の順序を変更することたけに限定される。ロジスティックパラメータLは、送達先住所、患者の注文、クライアントの名前、又はその他であり得る。
【0111】
図8A及び8Bは、フィーダユニット40のうちの1つから薬剤90を吐出する方法の図を示し、これには前記フィーダユニット40の空状態検出のためのステップが含まれる。
【0112】
図8Aに示されるように、方法は、フィーダユニット40のうちの1つにおいて吐出が検出されないとき、例えば薬剤90が、容器50から出口51に向かって供給されない、及び/又は吐出機構52が動作しているときに前記出口51において検出されないときに開始され得る(ステップS101)。図1に示されるような制御ユニット7のプロセッサ71は、モード選択プログラムを開始する(S102)。プログラムには、吐出が行われなかったフィーダユニット40の容器50内に残る薬剤90の量を示す残量値の特定(ステップS103)が含まれる。
【0113】
残量値は、図6における薬剤切れ時間82の特定と同様にして、例えば開始時以降の計数に基づいて予想及び/又は計算することによって、又は図2Aに示されるようにフィーダユニット40における1つ又は複数のセンサ53、54で実際の量を検出することによって特定できる。
【0114】
図8Aにさらに示されるように、プロセッサ71は残量値を閾値と比較する(ステップS104)。閾値は事前に決定できる。閾値は、個々のフィーダユニット40について同じであってよく、又はフィーダユニット40ごとに異なっていてもよい。閾値は、容器50の容積のパーセンテージ、前記容器50内の内容物の上面位置として、又は薬剤90の量として表され得る。閾値は例えば、薬剤90の当初の量の50%であり得る。
【0115】
残量値が閾値より多いか、それを上回る場合、プロセッサ71は完全空状態検出モードM1を選択及び/又は開始する(ステップS105)。完全空状態検出モードM1は、第一の行動を第一の回数又はインスタンス数だけ実行することを含む(ステップS106)。第一の行動は例えば、吐出機構52を繰り返し制御することであり得る。第一の行動は例えば、10回実行され得る。
【0116】
第一の行動の各インスタンス後に、又はある回数又はインスタンス数だけ第一の行動を実行した終わりに、吐出が検出されたか否かのチェックが行われる(ステップS107)。検出されていれば、通常の吐出が継続又は再開され得る(ステップS108)。依然として吐出が検出されない場合、完全空状態検出モードM1はさらに、第二の行動を複数回又はインスタンス数だけ実行するステップを含み得る(S109)。第二の行動は、例えば別の方法の吐出、吐出機構52を反対にすること、又はロボットマニピュレータ11を使ってフィーダユニット40を揺動させることであり得る。
【0117】
再び、第二の行動の各インスタンス後、又は第二の行動をある回数又はインスタンス数だけ実行した終わりに、吐出が検出される、又は検出されたか否かのチェックが行われる(ステップS110)。代替的に、第二の行動の種類に応じて、完全検出モードM1はまず、例えば第二の行動自体が吐出行動(例えば、ロボットマニピュレータによる揺動)ではない場合に、ステップS106及びS107を繰り返すことを含み得る。
【0118】
第二の行動を実行した後、及び任意選択的に第一の行動を繰り返した後に吐出が検出された場合、吐出は継続又は再開され得る(ステップS111又はS108)。依然として吐出が検出されない場合、フィーダユニット40は空であると仮定され(ステップS112)、例えば前述の方法の何れかを使ってフィーダユニット40を補充又は交換するための適切な行動がとられ得る。
【0119】
開始(ステップS105)からフィーダユニット40が空であるとの特定(ステップS112)まで、完全空状態検出モードM1には比較的長い時間がかかり得て、これは図8Aにおいて第一の持続時間D1で表される。第一の持続時間D1は15秒超、20秒超、さらには30秒超であり得る。この時間中、第一の回収ホッパ31は、完全空状態検出モードM1中にうまく吐出される薬剤90を捕捉するために、試験中のフィーダユニット40の下方で静止した状態のままでなければならない。したがって、1つのフィーダユニット40の完全空状態検出モードM1は、吐出装置1全体の吐出動作におけるダウンタイムを生じさせる。
【0120】
したがって、プロセッサ71は、ステップS103で特定された残量値が閾値より低い場合(ステップS201)、短縮空状態検出モードM2に切り替わる、又はそれを選択するように構成又はプログラムされる。
【0121】
短縮空状態検出モードM2は図8Bにおいてより詳しく示されている。短縮空状態検出モードM2が選択された後(ステップS201)、プロセッサ71は前記短縮空状態検出モードM2を開始する(ステップS202)。
【0122】
短縮空状態検出モードM2には、完全空状態検出モードM1の第一の行動及び第二の行動を、完全空状態検出モードM1でのこれらの動作の回数又はインスタンス数より少ない第二の回数若しくはインスタンス数だけ実行することか、又は第一の行動又は第二の行動の一方のみを同じ回数若しくはインスタンス数だけ、又はより少ない回数若しくはインスタンス数だけ実行することの何れか(ステップS203)を含む。ステップS203は例えば、関係するフィーダユニット40の吐出機構52を、完全空状態検出モードM1のステップS106と比較して、半分の回数又はインスタンス数だけ動作させることのみを含み得る。また、第二の行動は、貴重な時間を節約するために、短縮空状態検出モードM2から完全に除かれ得る。
【0123】
ステップS203の各行動の後、又はステップS203の行動をある回数又はインスタンス数だけ行った後、薬剤90が吐出されるか吐出されたか否かを確認するためのチェックが行われる(ステップS204)。吐出されれば、通常の吐出を再開又は継続できる(ステップS205)。依然として吐出が検出されない場合、フィーダユニット40が空であると仮定され(ステップS206)、完全空状態検出モードの終了と同様の適当な行動がとられ得る。
【0124】
開始(ステップS202)から、フィーダユニット40が空であるとの特定(ステップS206)まで、短縮空状態検出モードM2は比較的短い時間を要し、これは図8Bの第二の持続時間D2により表される。第二の持続時間D2は例えば、第一の持続時間D1の半分未満、好ましくは第一の持続時間D1の4分の1未満であり得る。
【0125】
図9A~9Cは、本発明の第二の実施形態による代替的な吐出装置101を示しており、これは前述の吐出装置1とは、回収セクション102が代替的な非円形の回収経路Z2に沿って分散されたフィーダ位置120の列を含むという点で異なる。回収経路Z2は無限であり、これは本発明の第一の実施形態の円形の回収経路Z1と同様である。代替的な回収経路Z2は1つ又は複数の円形及び非円形のセグメントを含み得る。この例では、代替的な回収経路Z2は2つの直線又は線形セグメントと、2つの直線又は線形セグメントを接続する2つの半円形セグメントを含み、セグメントを無限に接続する。
【0126】
同様に、回収セクション103は、代替的な回収経路Z2に沿って回収方向Cに開始位置Sと終了位置Bとの間で移動し、それによって複数のフィーダ位置120の各フィーダ位置120を経由して、前記フィーダ位置120に保持されたフィーダユニット40から必要な薬剤90を回収するように構成される複数の回収ホッパ31を含む。複数の回収ホッパ31は例えば、複数のホッパ31を代替的な回収経路X2に沿って回収方向Cに駆動する無限駆動ベルト、チェーン132、又はその他の上に配置され得る。
【0127】
代替的な吐出装置101は、代替的な回収経路Z2に沿って第一の包装位置P1に位置付けられた第一の包装ユニット61を有する包装セクション106をさらに含む。
【0128】
図9Aは、第一のフィーダ位置121にある第一のフィーダユニット41(図9B参照)と、回収方向Cに第一のフィーダ位置121の下流の第二のフィーダ位置122にある第二のフィーダユニット42(図9C参照)を、前述の実施形態のフィーダユニット41、42の相対的位置付けと同様の方法で示す。
【0129】
前述の実施形態で示したものと同様のロボットマニピュレータ11が、代替的な回収経路Z2内の中心位置に配置され得る。
【0130】
本発明の第一の実施形態による吐出装置1に関して述べた吐出動作及び方法は、本発明の第二の実施形態による代替的な吐出装置101にも、適切な変更を加えて適用できることが明らかであろう。
【0131】
説明は薬剤、錠剤等に関しているが、装置及び方法は、その他の種類の固体の個別の品目を分離及び包装のために吐出するためにも使用できる。
【0132】
以上の説明は実施形態の動作を解説するために含められており、本発明の範囲を限定しようとするものではないと理解されたい。以上の説明から、当業者にとっては様々な変形型が明らかであり、これらも本発明の主旨と範囲により包含される。
【符号の説明】
【0133】
1 吐出装置
10 ハウジング
11 ロボットマニピュレータ
12 貯蔵位置
2 吐出セクション
20 フィーダ位置の列
21 第一のフィーダ位置
22 第二のフィーダ位置
23 以前のフィーダ位置
24 フィーダ装填部材
25 フィーダ装填位置
26 マニュアル装填位置
3 回収セクション
30 複数の回収ホッパ
31 第一の回収ホッパ
32 回収フレーム
40 複数のフィーダユニット
41 第一のフィーダユニット
42 第二のフィーダユニット
50 容器
51 出口
52 吐出機構
53 確認センサ
54 計数センサ
6 包装セクション
61 第一の包装ユニット
62 第二の包装ユニット
7 制御ユニット
71 プロセッサ
72 コンピュータ可読媒体
8 グラフィカルユーザインタフェース
80 タイムライン
81 通知
82 薬剤切れ時間
83 提供期限
90 薬剤
91 第一の組成の薬剤
101 代替的な吐出装置
102 吐出セクション
120 フィーダ位置の列
121 第一のフィーダ位置
122 第二のフィーダ位置
103 回収セクション
132 駆動チェーン
106 包装セクション
A 開始位置
B 終了位置
C 回収方向
D1 第一の持続時間
D2 第二の持続時間
F 包装された薬剤
G1 第一の吐出命令セット
G2 第二の吐出命令セット
G3 第三の吐出命令セット
H 離間角度
L ロジスティックパラメータ
M1 完全空状態検出モード
M2 短縮空状態検出モード
P1 第一の包装位置
P2 第一の包装位置
R 回収範囲
S1~S6 優先順位付け方法のステップ
S101~S112 空状態検出方法のステップ
S201~S206 空状態検出方法の他のステップ
t 時間
X 回転軸
Z1 無限回収経路
Z2 代替的な無限回収経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-02-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の、医薬品、薬剤、ピル、錠剤、又はカプセル等の個別の薬剤を吐出させるための方法、コンピュータプログラム製品、及び吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2014/0366489号明細書は、医療用の固体物質を吐出する装置を開示している。この装置には多数のフィーダユニットが提供され、これらは「キャニスタ」としても既知であり、回転軸の周囲に放射状グリッドとして分散される。各フィーダユニットは、そのそれぞれのフィーダユニットに特定のある量の固体物質を保持する。したがって、フィーダユニットはまとまって様々な種類の固体物質を吐出できる。
【0003】
装置にはさらに、フィーダ位置の列の下方で回転軸の周囲で回転可能な回収フレームが提供される。回収フレームには、フィーダ位置の列の中のフィーダユニットの何れかから吐出される固体物質を回収するための一連の回収トレイが提供される。
【0004】
装置は、回収フレームの下方の静止位置に配置された、回収トレイから受け取った固体物質を包装するための包装ユニットをさらに含む。回収フレームは、回転軸の周囲で回転させられて、各回収トレイはフィーダ位置の列の中のフィーダユニットの各々に沿って通過してから、包装ユニットに到達する。
【0005】
米国特許第5709063号明細書は、装置を停止せずに錠剤の再充填を行うことのできる、錠剤を連続的に包装する装置と方法を開示している。錠剤包装機は、複数の錠剤フィーダを格納するケースを有する。このケースには、バックアップ錠剤フィーダと、バックアップ排出ャチャネルも設けられ、バックアップ錠剤フィーダから排出された錠剤はそこを通って錠剤包装機の中のホッパ内に落下する。バックアップ錠剤フィーダには、事前に錠剤が充填される。
【0006】
米国特許出願公開第2019127091号明細書は、固体物質を吐出する装置と方法を開示しており、この装置は、複数のフィーダユニットを備えるフィーダセクション、複数のホッパを備える回収セクション、及び吐出セクションを含み、装置はホッパから汚れを除去するためのクリーニング装置を含む。
【0007】
米国特許出願公開第2014/0366489号明細書から知られる装置は、固体物質を連続的に吐出、回収、包装することにおいて、フィーダユニットが確実に前記固体物質を吐出しているかぎりは、非常に良好である。しかしながら、フィーダユニットのうちの1つが、例えば前記それぞれのフィーダユニット内に保持される固体物質の残りがなくなったことにより予期せず固体物質を吐出できない場合、又は残りの固体物質が何らかの理由で簡単に吐出されなくなった場合、又は残りの固体物質の使用期限が切れた場合、その吐出は中断される。
【0008】
それぞれのフィーダユニットが実際に空になったことを確認するために、自動チェック又は行動、例えば吐出試行を繰り返すこと及び/又は揺動させることが行われ得る。このチェックの結果に応じて、人間のオペレータに、適当な行動をとるべきこと、例えば空のフィーダユニットと交換するための満杯のフィーダユニットを提供すべきことが知らせられる。チェック及び人間の介入により貴重な時間が浪費され、その間に装置の吐出動作が中断される。さらに、幾つかのフィーダユニットを同時に交換しなければならず、それによってさらに長いダウンタイムが発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、吐出動作の継続性が改善され得る、個別の薬剤を吐出させるための方法、コンピュータプログラム製品、及び吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第一の態様は、吐出装置により個別の薬剤を吐出する方法を提供し、
吐出装置は吐出セクション、回収セクション、及び包装セクションを含み、吐出セクションは、無限回収経路に沿って円周方向に分散された、複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、回収セクションはフィーダ位置の列に関して、無限回収経路に沿って回収方向に、第一の包装位置の回収方向に下流の開始位置から第一の包装位置の、又はその付近の終了位置まで移動可能である第一の回収ユニットを含み、
方法は、
-複数のフィーダユニットのうちの第一のフィーダユニットをフィーダ位置の列のうちの第一のフィーダ位置に位置付けるステップと、
-第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置から取り外す前に、複数のフィーダユニットのうちの第二のフィーダユニットを、フィーダ位置の列のうちの、回収方向に第一のフィーダ位置の下流にある第二のフィーダ位置に位置付けるステップと、
を含み、
第一のフィーダユニットと第二のフィーダユニットは同じ第一の組成の薬剤を保持する。
【0011】
第一のフィーダユニットは、例えば不正確な充填等によって予想より早く空になり得るか、又は残りの薬剤があってもそれを吐出できないかもしれない。このような状況が発生したときに吐出動作の中断を防止するために、第二のフィーダユニットを第一のフィーダユニットに変わる「ホットスタンバイ」とすることができ、もともと第一のフィーダユニットにより吐出されるはずであった第一の組成の薬剤を吐出する。換言すれば、第二のフィーダユニットは、前記第一のフィーダユニットが第一の組成の必要な薬剤を吐出しなくなったときに、第一のフィーダユニットから吐出動作を引き継ぐことができる状態にある。前記第二のフィーダユニットを第一のフィーダユニットの下流に相対的な位置付けることにより、第一の回収ユニットは待機し、又は後方に移動させられる必要がない。その代わりに、第一の回収ユニットは、回収方向への移動を続けながら、第二のフィーダから第一の組成の足りない薬剤を依然として受け取ることができる。より重要な点として、第一の回収ユニットは、第一の包装位置に到達する前にそのようにすることができる。したがって、吐出動作及びその後の包装動作は実質的に中断されず、及び/又は遅延が生じない。
【0012】
特に、上述の方法は、第一のフィーダユニットが空になった、又は第一のフィーダ位置で薬剤を第一の回収ユニットに吐出することができなくなったとき、
-前記第一の回収ユニットを回収方向に移動させ、薬剤を第二のフィーダ位置において第二のフィーダユニットから第一の回収ユニットへと吐出させるステップ
をさらに含む。
【0013】
他の実施形態において、第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置に位置付ける前に、第一のフィーダユニットはフィーダ位置の列のうちの、前記第一のフィーダ位置の下流の以前のフィーダ位置に位置付けられており、方法は、
-第一のフィーダユニットを前記以前のフィーダ位置から取り外すステップと、
-前記第一のフィーダユニットを以前のフィーダ位置から第一のフィーダ位置に向かって移動させるステップ
をさらに含む。
【0014】
「ホットスタンバイ」のフィーダユニットは下流のフィーダ位置に設置されて、より上流のフィーダ位置にある空のフィーダユニットの吐出動作の前述の引継ぎが行われるようにされる。しばらくして、「ホットスタンバイ」であったフィーダユニットは空になる。このようなほとんど空のフィーダユニットは、満杯のフィーダユニットにより占有されるはずの下流のフィーダ位置を占める。スペースを空けるために、ほとんど空のフィーダユニットは、より上流のフィーダ位置に向かって再位置決めされ得て、それによって吐出できなかったことが早期に識別されて、方法の新しいサイクルを始め得る。この実施形態は、例えば第一のフィーダユニット内に残っている薬剤の量が所定の閾値より少なくなったときに、第一のフィーダユニットのためのこのような再位置決めプロセスを説明する。
【0015】
そのある実施形態において、方法は、
-第一のフィーダユニットを以前のフィーダ位置から第一のフィーダ位置へと移動させている間に第二のフィーダ位置において第二のフィーダユニットから薬剤を第一の回収ユニットへと吐出させるステップ
をさらに含む。
【0016】
したがって、第二のフィーダユニットは、前記第一のフィーダユニットが再位置決めされている間に、第一のフィーダユニットから吐出を一時的に引き継ぐことができる。再位置決めされると、第一のフィーダユニットは吐出を再開でき、第二のフィーダユニットは、第一のフィーダユニットのための、最終的にその中の薬剤がなくなったか、又は吐出できなくなったときの「ホットスタンバイ」のまま残る。
【0017】
他の実施形態では、第一の回収ユニットは無限回収経路に沿って、開始位置から始まり、終了位置で終わる回収範囲にわたり移動可能である。
【0018】
第一のフィーダ位置は、開始位置から考慮して第一の回収範囲の前半の中に配置される。第一のフィーダ位置が第一の回収範囲の前半の中にあるとき、第二のフィーダ位置を選択する際、選択すべき下流の位置がまだ数多くある。
【0019】
第二のフィーダ位置は、開始位置から考慮して回収範囲の後半の中にあり得る。第一のフィーダユニットが回収範囲の前記前半の中で薬剤を吐出できなかった場合、吐出装置は、回収範囲の後半に到達する前に、その吐出戦略を第二のフィーダユニットに基づいて調整するための時間が十分にある。
【0020】
他の実施形態において、第一のフィーダ位置と第二のフィーダ位置は少なくとも5度、好ましくは少なくとも10度の離間角度だけ回収方向に離間される。第一のフィーダユニットが回収範囲の前記前半において薬剤を吐出できない場合、吐出装置はその吐出戦略を、離間角度に沿った第一の回収ユニットの移動中に調整できる。
【0021】
他の実施形態では、吐出装置はロボットマニピュレータを含み、第一のフィーダユニット及び第二のフィーダユニットの位置決め及び/又は取り外しはロボットマニピュレータを使って行われる。フィーダユニットの位置決め、取り外し、及び/又は再位置決めはそれゆえ、自動化して、前記フィーダユニットの薬剤のそれぞれの量を考慮して、フィーダ位置にわたるフィーダユニットの最善の分布を素早く、及び/又は効率的に得ることができる。
【0022】
第二の態様は、プロセッサによって実行されると、吐出装置に第一の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0023】
コンピュータプログラム製品は、吐出装置とは別に提供されて、前記吐出装置の前述の機能を設定、アップデート、及び/又はインストールすることができ、その結果、前述のような技術的利点が得られる。
【0024】
第三の態様は、個別の薬剤を吐出するための吐出装置を提供し、
吐出装置は、
無限回収経路に沿って分散された、複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定する吐出セクションであって、フィーダ位置の列は少なくとも第一のフィーダ位置と第二のフィーダ位置を含む吐出セクションと、
フィーダ位置の列に関して、無限回収経路に沿って回収方向に移動可能な第一の回収ユニットを含む回収セクションと、
回収セクションから受け取った薬剤を包装するための包装セクションと、
ロボットマニピュレータ及び、ロボットマニピュレータを、
第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置に位置決めし、
第一のフィーダユニットを第一のフィーダ位置から取り外す前に、第二のフィーダユニットを第二のフィーダ位置に位置決めし、第二のフィーダ位置は回収方向に第一のフィーダ位置の下流にある
ように制御するための制御ユニットと、
を含み、
第一のフィーダユニットと第二のフィーダユニットは、同じ第一の組成の薬剤を保持する。
【0025】
1つの実施形態において、包装セクションは第一の包装位置にある、又はそれに接続される第一の包装ユニットを含む。
【0026】
1つの実施形態において、第一の回収ユニットは、第一の包装位置の、回収方向に下流の開始位置と第一の包装位置の、又はその付近の終了位置との間で移動可能である。
【0027】
1つの実施形態において、第一の回収ユニットはホッパを含む。
【0028】
1つの実施形態において、無限回収経路は円形である。
【0029】
1つの実施形態において、フィーダ位置の列は回転軸の周囲で円周方向に分散され、第一の回収ユニットは前記回転軸の周囲で無限回収経路に沿って回転可能である。
【0030】
代替的に、無限回収経路は非円形である。前述の吐出装置は、関係する方法のステップを実行するようになされ、構成され、及び/又はプログラムされ、それゆえ方法及びそのそれぞれの実施形態と同じ技術的利点を有する。
【0031】
第四の態様は、吐出セクション、回収セクション、及び包装セクションを含む吐出装置により個別の薬剤を連続的に吐出、回収、及び包装する方法を提供し、吐出セクションは、無限回収経路に沿って分散された、複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を含み、回収セクションは、保持位置の列に関して、回収方向に無限回収経路に沿って移動可能であり、フィーダ位置の複数の列と整列する第一の回収ユニットを含み、方法は、
第一のフィーダユニットをフィーダ位置の列のうちの第一のフィーダ位置に設置するステップと、
第二のフィーダユニットをフィーダ位置の列のうちの第二のフィーダ位置に設置するステップであって、第二の保持位置は第一の保持位置の下流にあるステップと、
薬剤を第一のフィーダユニットから第一の回収ユニットに吐出させるステップと、
第一のフィーダユニットが空になったか、薬剤を吐出しなくなったときに、第一の回収ユニットを回収方向に移動させて、第二のフィーダユニットと整列させるステップと、
薬剤を第二のフィーダユニットから第一の回収ユニットに吐出させるステップと、
を含み、
第一のフィーダユニットと第二のフィーダユニットには同じ第一の組成の薬剤が入っている。
【0032】
1つの実施形態において、第一及び第二のフィーダユニットを設置するステップは、ロボットを使って行われる。
【0033】
1つの実施形態は、薬剤を第一の回収ユニットから第一の包装ユニットに包装するために移送するステップをさらに含む。
【0034】
1つの実施形態において、方法は、
第一のフィーダユニットを取り外し、及び/又は交換するステップ
をさらに含む。
【0035】
第五の態様は、吐出装置により個別の薬剤を吐出する方法を提供し、
吐出装置は、薬剤を吐出する吐出セクションを含み、吐出セクションは、複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、複数のフィーダユニットの各フィーダユニットは、前記それぞれのフィーダユニットに特定の組成の薬剤を保持するための容器、薬剤を吐出するための出口、及び容器と出口との間の、薬剤を容器から出口へと制御して供給するための吐出機構を含み、
方法は、
-複数のフィーダユニットのうちの第一のフィーダユニットの容器内の薬剤の残りがなくなるか、又はその使用期限が切れる将来の薬剤切れ時間を予想するステップと、
-前記薬剤切れ時間より前に、第一のフィーダユニットと同じ組成の薬剤を保持する第二のフィーダユニットを吐出装置に提供する必要があるとの通知を、前記第二のフィーダユニットを吐出装置に提供すべき期限と共に提供するステップと、
-少なくともその提供期限までに第一のフィーダユニットからの薬剤の吐出を継続するステップと、
を含む。
【0036】
通知を提供することにより、人間のオペレータには、提供期限の前に、同じ薬剤の第二のフィーダユニットが必要であることを警告できる。提供期限又は時間窓を提供することによって、人間のオペレータは優先順位を付け、及び/又は事前に計画を立てて、1つ又は複数のフィーダユニットをそれぞれの提供期限の前に準備することができる。その間、吐出装置は中断せずに残りの薬剤を吐出し続け得る。残りがなくなった、又は使用期限が過ぎた場合、関係するフィーダユニットには提供期限の前に、提供期限に、又は提供期限のすぐ後に効率的に補充又は交換できる。
【0037】
好ましくは、薬剤切れ時間は、開始時における第一のフィーダユニットの容器内の薬剤の量の記録及び、前記開始時以降に第一のフィーダユニットの出口から吐出された薬剤の計数に基づいて予想される。薬剤切れ時間はそのように、理論的に計算される。その正確さは、開始時における量の記録の正しさ及び正しい計数と、計算された平均吐出レートの正確さに依存する。
【0038】
代替的に、薬剤切れ時間は、第一のフィーダユニットの容器の中に残っている薬剤の実際の量に基づいて予想される。例えば、薬剤の実際の量の指標として重量が使用され得る。代替的に、実際の量は、例えば画像認識又は1つ若しくは複数のセンサを用いて、容器内の薬剤の上面位置に基づいて視覚的に特定され得る。
【0039】
他の実施形態において、提供期限は薬剤切れ時間と等しい。したがって、第二のフィーダユニットは、第一のフィーダユニットを補充又は交換するために「ジャストインタイム」で提供され得る。
【0040】
代替的に提供期限は薬剤切れ時間より前である。提供期限及び薬剤切れ時間までの残り時間は、例えば第一のフィーダユニットが予想より早く空になった場合、又は吐出装置が、フィーダ位置の列の中に設置する前に第二のフィーダユニットを処理するための時間が依然として必要であるときのバッファとして使用できる。
【0041】
他の実施形態において、方法は、
-第二のフィーダユニットを吐出装置で受けるステップと、
-薬剤切れ時間の前に第二のフィーダユニットをフィーダ位置の列のフィーダ位置のうちの1つに設置するステップと、
をさらに含む。
【0042】
したがって、吐出装置にとって、提供期限の前に第二のフィーダを受け取り、チェックし、及び/又は位置付けるための時間がまだある。第二のフィーダユニットは、例えば第一の態様において説明したように「ホットスタンバイ」状態となるように位置付けることができる。
【0043】
好ましくは、第二のフィーダユニットは第一のフィーダユニットと交換される。第一の態様と異なり、第一のフィーダユニット及び第二のフィーダユニットは1つのフィーダ位置で交換され得る。
【0044】
第六の態様は、プロセッサにより実行されると、吐出装置に第五の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0045】
コンピュータプログラム製品は、吐出装置とは別に提供して、前記吐出装置の前述の機能を設定、アップグレード、及び/又はインストールでき、その結果、前述の技術的利点が得られる。
【0046】
第七の態様は、個別の薬剤を吐出する吐出装置を提供し、
吐出装置は、薬剤を吐出するための吐出セクションを含み、吐出セクションは複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、複数のフィーダユニットの各フィーダユニットは、前記それぞれのフィーダユニットに特定の組成の薬剤を保持するための容器と、薬剤を吐出するための出口と、容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構と、を含み、
吐出装置は、グラフィカルユーザインタフェースと、グラフィカルユーザインタフェース及び複数のフィーダユニットを制御するための制御ユニットと、をさらに含み、制御ユニットは、プロセッサと、プロセッサにより実行されると、制御ユニットに薬剤切れ時期を予想させ、前記薬剤切れ時間の通知をグラフィカルユーザインタフェース上で提供させ、複数のフィーダユニットを制御して、第五の態様による方法のステップにしたがって吐出を継続させる非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0047】
上述の吐出装置は、関係する方法のステップを実行するようになされ、構成され、及び/又はプログラムされ、それゆえ方法及びそのそれぞれの実施形態と同じ技術的利点を有する。
【0048】
第八の態様は、吐出装置により個別の薬剤を吐出する方法を提供し、
吐出装置は、薬剤を吐出するための吐出セクションを含み、吐出セクションは複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、複数のフィーダユニットの各フィーダユニットは、前記それぞれのフィーダユニットに特定の組成の薬剤を保持するための容器と、薬剤を吐出するための出口と、容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構と、を含み、
方法は、
-複数のフィーダユニットから第一の選択及び第一の量の薬剤が吐出されることを要求する第一の吐出命令セットを受け取るステップと、
-第一の吐出命令セットの後に実行すべき1つ又は複数の別の吐出命令セットを受け取るステップであって、1つ又は複数の別の吐出命令セットのうちの少なくとも1つのセットは、第一の選択とは異なる選択又は第一の量とは異なる量を要求するステップと、
-第一の吐出命令セットを実行する前に、複数のフィーダユニットに、第一の吐出命令セットによる第一の選択及び第一の量の薬剤の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤が入っているか否かを特定するステップと、
を含み、
複数のフィーダユニットに、第一の吐出命令セットによる第一の選択及び第一の量の薬剤の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤が入っていない場合、方法は、
-前記第一の吐出命令セットを実行する前に、1つ又は複数の別の吐出命令セットのうちの1つ又は複数のセットを実行するステップ
をさらに含む。
【0049】
1つ又は複数の吐出命令セットは、第一の吐出命令セットより優先させて、薬剤の不足分が補充されるようにすることができる。薬剤の第一の選択及び第一の量の吐出は、優先された吐出命令セットが完了した後、できるだけ早く開始することができる。命令セットの順序を変えることによって、吐出装置が当初の順序で命令セットを処理した場合に生じたであろうダウンタイムの少なくとも一部を阻止できる。
【0050】
好ましくは、もう1つの別の吐出命令セットのうちの1つ又は複数のセットの実行中に、複数のフィーダユニットの中に、第一の吐出命令セットによる第一の選択及び第一の量の薬剤の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤が確実に入っているようにするための行動がとられる。1つ又は複数の別の吐出命令セットの実行中に適切な行動をとることにより、適当な行動をとるのに必要な時間の少なくとも一部を吐出動作を継続するために使用できる。より好ましくは、この動作は、1つ又は複数のフィーダユニットを、複数のフィーダユニットのうち、第一の吐出命令セットによる第一の選択及び第一の量の薬剤の吐出を完了させるために十分な、すぐに利用可能な薬剤が入っていない1つ又は複数のフィーダユニットを補充又は交換するために、吐出装置に提供することである。1つ又は複数のユニットは、例えば第一の態様による、ほとんど空のフィーダユニットのための「ホットスタンバイ」として設置されてもよく、それによって吐出を中断せずに再開できる。
【0051】
他の実施形態において、第一の吐出命令セット及び1つ又は複数の別の吐出命令セットは、第一の吐出命令セットと1つ又は複数の別の吐出命令セットを共通のバッチにリンクさせるロジスティックパラメータを共有する。好ましくは、ロジスティックパラメータは送達先住所である。共通のバッチの吐出命令セットを一体に保持することによって、吐出命令セットが処理される順序を変更しても前記共通のバッチの他のロジスティクスに与える影響が小さくなる。例えば、前記吐出命令の結果として吐出される薬剤が全て同じ送達先住所に送達されなければならい場合、吐出命令セットの順序が変わったかどうかは問題にならない。
【0052】
第九の態様は、プロセッサにより実行されると、吐出装置に第八の態様により方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0053】
コンピュータプログラム製品は、吐出装置とは別に提供して、前記吐出装置の前述の機能を設定、アップグレード、及び/又はインストールすることができ、その結果、先述の技術的利点が得られる。
【0054】
第十の態様は、個別の薬剤を吐出するための吐出装置を提供し、
吐出装置は、薬剤を吐出するための吐出セクションを含み、吐出セクションは複数のフィーダユニットを保持するためのフィーダ位置の列を画定し、複数のフィーダユニットの各フィーダユニットは、前記それぞれのフィーダユニットに特定の組成の薬剤を保持するための容器と、薬剤を吐出するための出口と、容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構と、を含み、
吐出装置は制御ユニットをさらに含み、制御ユニットは、プロセッサと、プロセッサにより実行されると、制御ユニットに第八の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0055】
上述の吐出装置は、関係する方法のステップを実行するようになされ、構成され、及び/又はプログラムされ、それゆえ、方法及びそのそれぞれの実施形態と同じ技術的利点を有する。
【0056】
第十一の態様は、第一のフィーダユニットで個別の薬剤を吐出するための方法を提供し、
第一のフィーダユニットは、第一の組成の薬剤を保持するための容器と、薬剤を吐出するための出口と、容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構と、を含み、
方法は、
-容器内に残っている薬剤の量を示す残量値を特定するステップと、
-前記残量値を閾値と比較するステップと、
-前記残量値が閾値より高い場合の完全空状態検出モードと残量値が閾値より低い場合の短縮空状態検出モードとの間で選択を行うステップと、
-吐出機構を制御した後に薬剤が容器から出口に供給されない場合、完全空状態検出モードと短縮空状態検出モードのうちの選択された一方を実行するステップと、
を含む。
【0057】
上記の方法は、第一のフィーダユニットがほとんど空であると予想された場合、前記第一のフィーダユニットの空の状態をわざわざチェックする必要がないとの前提に基づく。薬剤が残っていない場合、残量はほとんどなく、第一のフィーダユニットを不必要に取り外すリスクは比較的小さい。したがって、第一のフィーダユニットが空であるかをチェックするためには、限定的な回数の試行又は限定的な数の行動ののみを行えばよい。それに対して、残量が依然して閾値より高い場合、問題なく吐出させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤が残っていると仮定される。換言すれば、2つのモードの何れかを選択することにより、ほとんど空の第一のフィーダユニット及び比較的満杯に近い第一のフィーダユニットのどちらについても、確実な空状態検出。短縮空状態検出モードは、完全空状態検出モードと比較して、例えば10~20秒の範囲というかなりの時間を節約できる。したがって、吐出装置のダウンタイムは空状態検出チェックの結果として大幅に削減できる。
【0058】
好ましくは、完全空状態検出モードは、第一の行動を第一のインスタンス数だけ実行するステップを含み、短縮空状態検出モードは第一の行動を第一のインスタンス数より少ない第二のインスタンス数だけ実行するステップを含む。第一の行動のインスタンス数を減らすことにより、モード間の空状態検出チェックの時間を大きく削減できる。
【0059】
より好ましくは、第一の行動は吐出機構を制御することである。吐出機構の制御することにより、固体物質が吐出されることになるべきである。吐出機構の制御の、例えばそれを複数ステップ移動させることによる試行を繰り返すことになり、薬剤は安定化して、吐出機構へと進むことができる。
【0060】
代替的に、完全空状態検出モードは、第一の行動と第一の行動とは異なる第二の行動を行うステップを含み、短縮空状態検出モードは第一の行動と第二の行動のうちの一方だけを含む。第二の行動は、第一の行動とは異なる吐出結果をトリガし得る。第二の行動は例えば、第二のフィーダユニットを、例えばロボットマニピュレータで揺動させることであり得る。第一又は第二の行動は、モード間の時間を節約するために、短縮空状態検出モードから除外されてよい。
【0061】
別の実施形態において、完全空状態検出モードは第一の持続時間を有し、短縮空状態検出モードは、第一の持続時間より短い第二の持続時間を有する。前述のように、短縮空状態検出モードはより少ない行動又はより少ない種類の行動を含み得て、その結果、前記モードでの空状態検出を完了させるための時間が短くなる。代替的に、短縮空状態検出モードは時間的に限定され得るか、又は行動は時間を節約するために、より速く実行され得る。
【0062】
別の実施形態において、残量値は開始時の第一のフィーダユニットの容器内の薬剤の量の記録及び前記開始時以降に第一のフィーダユニットの出口から吐出された薬剤の計数に基づいて予想される。薬剤切れ時間はそれゆえ、理論的に計算される。その正確さは、開始時の量の記録の正確さと正しい計数に依存する。
【0063】
代替的に、残量値は、第一のフィーダユニットの容器内に残る薬剤の実際の量に基づいて特定される。例えば、薬剤の実際の量の指標として重量が使用され得る。代替的に、実際の量は、例えば画像認識又は1つ若しくは複数のセンサにより、容器内の薬剤の上面位置に基づいて視覚的特定され得る。
【0064】
第十二の態様は、プロセッサにより実行されると、第一のフィーダユニットを備える吐出装置に第十一の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0065】
コンピュータプログラム製品は、吐出装置とは別に提供して、前記吐出装置の前述の機能を設定、アップグレード、及び/又はインストールすることができ、その結果、前述の技術的利点が得られる。
【0066】
第十三の態様は、個別の薬剤を吐出するための吐出装置を提供し、
吐出装置には、第一の組成の薬剤を保持するための容器、薬剤を吐出するための出口、及び容器と出口との間の、容器から出口への薬剤の制御された供給のための吐出機構を含む第一のフィーダユニットが提供され、
吐出装置は制御ユニットをさらに含み、制御ユニットは、プロセッサと、プロセッサにより実行されると、制御ユニットに第十一の態様による方法のステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0067】
上述の吐出装置は、関係する方法のステップを実行するようになされ、構成され、及び/又はプログラムされ、それゆえ、方法及びそのそれぞれの実施形態と同じ技術的利点を有する。
【0068】
本明細書に記載され、示された各種の態様及び特徴は、可能なかぎり個別に適用できる。これらの個別の態様、特に付属の特許請求の範囲に記載された態様及び特徴は、分割特許出願の主題とすることができる。
【0069】
本発明は、下記のような添付の概略的図面に示される実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1図1は、第一の実施形態による、吐出セクション、回収セクション、及び包装セクションを備える吐出装置の等角図を示す。
図2図2Aは、図1による吐出装置の上面図を示し、図2Bは、吐出セクションの、図2B図2Aとつなぐ矢印により示される以前のフィーダ位置にある第一のフィーダユニットの正面図を示し、図2Cは、吐出セクションの、図2C図2Aとつなぐ矢印により示される装填引出し位置にある第二のフィーダユニットの正面図を示す。
図3図3A図3B及び図3Cは、第二のフィーダユニットが吐出セクションの装填引出し位置から第二のフィーダ位置へと移動させられている、それぞれ図2A、2B、及び2Cに対応する図を示す。
図4図4A図4B及び図4Cは、第一のフィーダユニットが吐出セクションの以前のフィーダ位置から第一のフィーダ位置へと移動させられている、それぞれ図3A、3B、3Cに対応する図を示す。
図5図5A図5B及び図5Cは、第一のフィーダユニットが吐出装置から取り外された、それぞれ図4A、4B、4Cに対応する図を示す。
図6図6は、図1による吐出装置の吐出セクション内のフィーダユニットを交換又は補充するためのタイムラインを提供するグラフィカルユーザインタフェースのスクリーンを示す。
図7A図7Aは、図1による吐出装置の異なる選択及び量の薬剤を吐出するための3つの吐出命令セットを含む共通バッチを概略的に示す。
図7B図7Bは、吐出装置により実行される、図7Aによる吐出命令セットのうちの1つ又は複数の優先順位を付ける方法のステップの略図を示す。
図7C図7Cは、図7Bによる方法の優先順付けの結果として3つの吐出命令セットの順序を変更した後の、図7Aの共通バッチを概略的に示す。
図8A図8A及び図8Bは、図1による吐出装置内のフィーダユニットが空であるか否かを検出するための、完全空状態検出モードと短縮空状態検出モードとの何れかを選択する方法のステップの略図の2つの部分を示す。
図8B図8A及び図8Bは、図1による吐出装置内のフィーダユニットが空であるか否かを検出するための、完全空状態検出モードと短縮空状態検出モードとの何れかを選択する方法のステップの略図の2つの部分を示す。
図9図9Aは、第二の実施形態による、吐出セクション、回収セクション、及び包装セクションを備える代替的な吐出装置の上面図を示し、図9Bは、吐出セクションの、図9B図9Aとつなぐ矢印により示される以前のフィーダ位置にある第一のフィーダユニットの正面図を示し、図9Cは、吐出セクションの、図9C図9Aとつなぐ矢印により示される装填引出し位置にある第二のフィーダユニットの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、個別の薬剤、個別の固形薬剤、医薬品、又は医療用の固体品目、成形品、若しくは物質90、例えばピル、錠剤、カプセル等を吐出するための第一の実施形態による吐出装置1を示している。医薬品は、これらをひとつずつ、個別に、別々に、又は1包分を吐出できるという意味で「個別」である。
【0072】
吐出装置1は、薬剤90を吐出するための吐出セクション2、吐出セクション2からの薬剤90を回収するための回収セクション3、薬剤90を包装するための包装セクション6を含む。回収セクション3は、吐出セクション2の下方、又は垂直に下方に配置される。包装セクション6は、回収セクション3の下方、又は垂直に下方に配置される。吐出装置1は、上述のセクション2、3、6に不正に近付けないように遮蔽するためのハウジング10をさらに含む。
【0073】
吐出セクション2は、複数のキャニスタ、タブレットケース、又はフィーダユニット40を受ける、又は保持するためのフィーダ位置20の列を画定する。各フィーダ位置はフィーダユニット40のそれぞれの1つと嵌合する、又はそれを受けるドッキング部材を含み、これは吐出された薬剤90がフィーダ位置20を通ってその下の回収セクション3へと通過できるような適当な開口又はチャネルを有する。フィーダ位置20の列は、無限回収経路Z1に沿って分散される。この例では、無限回収経路Z1は円形又は実質的に円形であり、フィーダ位置20の列は回転軸Xの周囲で円周方向に分散される。より具体的には、フィーダ位置20の列は、円周方向に、又は放射状グリッドにしたがって、例えば回転軸Xの周囲で円周方向に隣り合わせで、又は隣接して配置される複数の放射状に延びる列に分散される。好ましくは、ハウジング10はフィーダ位置20の列の周囲に円筒状に延びる。この例では、ハウジング10の円周に沿った壁には、一時的に使用されていない、又は補助的なフィーダユニット40を保持するための複数の貯蔵位置12が設けられている。
【0074】
吐出装置1にはさらに、フィーダユニット40をフィーダ位置20の列に関して自動的に、自動化して、又は自律的に取り扱い、位置決めし、取り外し、及び/又は再位置決めするための、例えばロボットアームを含むことのできる、ロボットマニピュレータ11が設けられる。ロボットマニピュレータ11には、フィーダユニット40をピックアンドプレースするグリッパヘッドが設けられる。この実施形態では、ロボットマニピュレータ11はフィーダ位置20の列の中心に、例えば回転軸Xに近付けて、そこに、又はその付近に配置される。前記位置では、フィーダ位置20と貯蔵位置10は全て、好都合に、ロボットマニピュレータ11が届く範囲にある。
【0075】
図2Bは、複数のフィーダユニット40のうちの1つのフィーダユニット40をより詳しく示している。以下のフィーダユニット40の説明は、複数のフィーダユニット40の全てのフィーダユニット40を代表する。
【0076】
図2Bに示されるように、各フィーダユニット40は前記それぞれのフィーダユニット40に特定の組成91のある量の薬剤90を保持するための容器50を含む。「組成」という用語は、薬剤90の化学又は医薬組成、例えば活性成分の組合せとして解釈されるものとし、これは若干の違いも含むことができる。各フィーダユニット40は典型的に、1つの組成の薬剤90のみを保持する。容器50は薬剤90を、その大きさと形状に応じて数百又はそれ以上(又はそれ以下)保持し得る容積を有する。
【0077】
各フィーダユニット40は、薬剤90を回収セクション3に向かって吐出するための出口51、例えば竪樋と、容器50と出口51との間の、容器50から出口51への薬剤90の制御された供給のための吐出機構52をさらに含む。この実施形態では、吐出機構52は、薬剤90を個別化し、出口51に向かってひとつずつ供給するための回転ドアとして機能するホイールを含む。当業者にとっては、薬剤90を個別化できる代替的な吐出機構が提供され得ることは明らかであろう。
【0078】
各フィーダユニット40にはさらに、薬剤90の種類、組成、及び/又は完全性を確認するため、及び吐出された薬剤90の量をカウントするための1つ又は複数のセンサ53、54、例えばビジョンカメラ、光センサ、レーザセンサ、レベルセンサ、重量センサ又はその他が提供され得る。
【0079】
図1において最もよくわかるように、吐出セクション2は、新しいフィーダユニット40を吐出装置1へと受けるため、及び吐出装置1からフィーダユニット40を取り外すための複数のフィーダ装填位置25を有するフィーダ装填部材24をさらに含む。この例では、フィーダ装填部材24は引出しとして形成される。代替的に、ドア又はその他も使用され得る。吐出セクション2は、任意選択により、前述のフィーダユニット40で自動的に吐出するのに適さない薬剤90が手作業で装填されるマニュアル装填部材(図示せず)、例えば薬品輸送プレートを受けるためのマニュアル装填位置26を含み得る。
【0080】
図1にさらに示されるように、回収セクション3は複数の回収ユニット、特に回収ホッパ30を含み、これらは吐出セクション2と対向する面において開放し、フィーダユニット40のうちの1つ又は複数から選択的に吐出された薬剤90を受け取る。この例では、各回収ホッパ30は複数のフィーダユニット40の下に延び、同時にこれらのフィーダユニット40の何れかからの薬剤90を受け取る。各回収ホッパ30は底部に向かってテーパが付けられ、前記底部において、回収された薬剤90を包装セクション6の中へと落下させるように動作できるバルブ(図示せず)が設けられる。
【0081】
この実施形態では、複数の回収ホッパ30は回転軸Xの周囲に円周方向に分散される。より具体的には、複数の回収ホッパ30は回収フレーム32の中に保持され、これは無限回収経路Z1に沿って例えば前記回転軸Xの周囲で回転することによって移動可能であり、複数の回収ホッパ30を吐出セクション2のフィーダ位置20の列に関して移動させる。回転はステップ式の回転であり得、各ステップは、複数の回収ホッパ30をフィーダ位置20の列のフィーダユニット40の次のグループと整列させる。各回収ホッパ30は、放射状に配置されるフィーダ位置20の列に沿って放射状に延びる。
【0082】
通常の動作では、回収フレーム32は無限回収経路Z1に沿って回収方向Cに一方向に回転し、それによって各回収ホッパ30は回転軸Xの周囲で360度丸1回転して、フィーダ位置20の列の全てのフィーダ位置20を経由することができるが、幾つかの実施形態では、回転運動はより限定的とすることができる。
【0083】
包装セクション6は、回転軸Xの周囲の第一の包装位置又は第一の角度包装位置P1において第一の包装ユニット61を含む。任意選択により、包装セクション6は第二の包装位置又は第二の角度包装位置P2において第二の包装ユニット62を含み得て、吐出装置1の包装効率が高められる。回収ホッパ30の弁は、回収ホッパ30のそれぞれ1つが包装ユニット61、62のうちの選択された1つの頭上、又は真上の位置にあるときに動作して、回収された薬剤90をそれぞれの包装ユニット61、62の中へと落下させる。各包装ユニット61、62は包装材料、この場合は箔を保持するための貯蔵部材、箔の上に薬剤90に関する情報を印刷するためのプリンタ、薬剤90を受けるように箔を位置付けるための充填部材、受け取った薬剤90を包囲するパウチを形成するためのシール部材、箔に連続して形成されるパウチ間のミシン目を提供するための穿孔部材、及び包装された薬剤Fを吐出装置1から排出するための排出部材を含む。
【0084】
代替的に、包装ユニット61、62のうちの一方又は両方は、薬剤90を箔以外の貯蔵材料の中、例えばバイアル、瓶、又はカードの中に包装するように配置され得る。
【0085】
第一の包装位置P1及び/又は第二の包装位置P2は、少なくとも吐出動作中、回転軸Xに関して固定できる。
【0086】
図1に示されるように、吐出装置1にはさらに、ロボットマニピュレータ11、フィーダユニット40、包装ユニット61、62、及びその他の電子機器、例えばドライブ、センサ、及びその他に動作的及び/又は電気的に接続されて、吐出装置1の動作を制御する制御ユニット7が提供される。制御ユニット7は、特定用途プロセッサ71と、プロセッサ71により実行されると、吐出装置1に以下により詳しく説明する方法にしたがって動作させるコンピュータ可読コード又は命令を保持するコンピュータ可読媒体72を含む。コンピュータ可読媒体72は、非一時的又は有形の、例えば、ハードドライブ、USB-ドライブ、RAMメモリ、又はその他のような物理データキャリアである。
【0087】
吐出装置1にはさらに、人間のオペレータに吐出、回収、及び包装動作に関する有益な情報を提供するためのグラフィカルユーザインタフェース8、例えばスクリーンが設けられ得る。
【0088】
以下に吐出装置1の動作方法を、複数のフィーダユニット40のうちの第一のフィーダユニット41及び第二のフィーダユニット42、複数の回収ホッパ30のうちの第一の回収ホッパ31、及び2つの包装ユニット61、62のうちの第一の包装ユニット61のみに関して説明する。しかしながら、当業者にとっては、吐出装置1はフィーダユニット40、回収ホッパ30、及び/又は包装ユニット61、62の他の何れの選択肢についても実質的に同様に動作させることができ、フレキシブルで実質的に中断されない、すなわち連続的な吐出、回収、及び包装プロセスが確保されることが明らかであろう。
【0089】
図2Aに示されるように、第一の回収ホッパ31は回転軸Xの周囲で回収方向Cにフィーダ位置20の列に関して、回収方向Cに第一の包装位置P1の下流の開始位置又は角度開始位置Aと第一の包装位置P1の、又はその付近の、この場合はその上方の終了位置又は角度終了位置Bとの間で回転可能である。換言すれば、第一の回収ホッパ31は回転軸Xの周囲で、角度開始位置Aから始まり角度終了位置Bで終わる回収範囲Rにわたり回転可能である。この例では、回収範囲Rは360度より5度小さく、ほとんど丸1回転である。
【0090】
制御ユニット7がフィーダユニット40からある選択及び量の薬剤90を吐出するための命令セットを受け取ると、制御ユニット7は、どのフィーダユニット40を使用するかを、前記フィーダユニット40内の薬剤90の現在の、又は残りの量に基づいて特定する。制御ユニット7は、コンピュータ可読媒体72上に、開始時におけるフィーダユニット内の薬剤90の量を保存し、前記薬剤90の吐出を、例えばカウントするためのセンサを使ってモニタし、各フィーダユニット40内の薬剤90の残量を計算又は予想するように構成され得る。フィーダユニット40のうちの1つが空に近い場合、制御ユニット7は、ロボットマニピュレータ11を制御して、同じ薬剤90、すなわち空に近いフィーダユニット40と同じ種類、同じブランド、同じメーカ、及び/又は同じ組成91の薬剤90を有する他のフィーダユニット40を、空になりつつあるフィーダユニット40からの吐出をそれが実際に空になったときに引き継ぐための「ホットスタンバイ」として位置決めしておくように構成できる。換言すれば、上述のフィーダユニット40のペアの中の薬剤90は、同じ活性成分及び/又は、医薬学的に類似又は同じである。他のフィーダユニット40は、吐出セクション2の中の貯蔵位置12のうちの1つから移動され得る。代替的に、制御ユニット7は、人間のオペレータに、フィーダ装填部材24において新しいフィーダユニット40を吐出装置1に提供するように通知し得る。
【0091】
第一及び第二のフィーダユニット41、42は典型的に同じ種類の薬剤90を有するが、幾つかの実施形態では、薬剤90は、例えば同じ薬剤90が入手できないとき、ただし典型的には人間のオペレータが承認した場合にかぎり、完全に同じではないが、相互に代替的な役割を果たすことができる。
【0092】
図2A~2C、3A~3C、4A~4C、及び5A~5Cは、本発明の実施形態による、第一のフィーダユニット41が空になりつつあり、第二のフィーダユニット42を「ホットスタンバイ」として位置決めするプロセスを示す。
【0093】
具体的には、図2Aは、第一のフィーダユニット41が図2Bに示されるように、列のフィーダ位置20の以前のフィーダ位置23にある状況を示す。図2Bに示されるように、第一のフィーダユニット41は積極的に吐出している。以前のフィーダ位置23は、第一のフィーダユニット41が、それが第一の組成91の薬剤90で満杯又は比較的満杯であったときに、方法の以前のサイクル中にそこにあったという意味で「以前の」である。今、第一のフィーダユニット41が空になりつつあり、例えばもともとの量の50パーセント未満、及び幾つかの実施形態ではもともとの量の30パーセント未満が残っている。この場合、以前のフィーダ位置23は開始位置Aから回収方向Cに考えて回収範囲Rの後半にある。本発明による方法は、空になりつつあるフィーダユニット40を回収方向Cに関して回収範囲Rの上流、例えば開始位置Aから回収方向Cに考えて前記回収範囲Rの前半に設置することを目指す。図4Aに示されるように、第一のフィーダユニット41は、フィーダ位置20の列の、図2Aの以前のフィーダ位置23の上流の回収範囲Rの前半にある第一のフィーダ位置21に向かって移動される。
【0094】
第一のフィーダユニット41を以前のフィーダ位置23から第一のフィーダ位置21へと移動させる前に、第二のフィーダユニット42は、図2Aに示されるように、フィーダ装填部材24のフィーダ装填位置25のうちの1つにおける吐出装置1の中にすでに存在でき、吐出装置1に挿入され、ロボットマニピュレータ11によってピックアップされる準備ができている。代替的に、第二のフィーダユニット42は、図1に示されるように、フィーダユニット40のうち、回収セクション2の中、例えば貯蔵位置12の内の1つの中にすでにある1つであり得る。第二のフィーダユニット42には典型的に、第一のフィーダユニット41と同じ第一の組成91の薬剤90が充填される。
【0095】
図3Aは、ロボットマニピュレータ11によってフィーダ装填位置25からピックアップされ、フィーダ位置20の列の中のフィーダ位置22に位置決めされた後の第二のフィーダユニット42を示す。この例では、第二のフィーダ位置22は以前のフィーダ位置23から回収方向Cに下流にあるが、この段階で、このことは厳格に必要というわけではない。代替的に、以前のフィーダ位置23は回収方向Cに第二のフィーダ位置22の下流であり得る。図3Cに示されるように、図2A及び4A間での前記第一のフィーダユニット41の移動中に、第一の組成91の薬剤90の吐出の継続性を確保するために必要であれば、第二のフィーダユニット42は第一のフィーダユニット41からの吐出を一時的に引き継ぐことができる。
【0096】
図4Aは、第一のフィーダユニット41がロボットマニピュレータ11によって以前のフィーダ位置23から取り外された、第一のフィーダ位置21に位置決めされた状況を示す。第一のフィーダユニット41は今度は、図4Bに示されるように、第一の組成91の薬剤90がなくなり、又は第一のフィーダユニット41が残りの薬剤90を吐出できなくなるまで、吐出を再開できる。第二のフィーダユニット42は、図4Cに示されるように、「ホットスタンバイ」状態であり、第一のフィーダユニット41が薬剤90を吐出できない場合に第一のフィーダユニット41からの吐出を引き継ぐ。
【0097】
図5Aは、第一のフィーダユニット41が、図5Bに示されるように、空である、又は薬剤90を吐出できなくなった状況を示す。その結果、第一の回収ホッパ31は第一のフィーダユニット41からの第一の組成91の必要な薬剤90を回収できていない。第一の回収ホッパ31は、第一のフィーダユニット41が交換されるのを持つ必要がない。その代わりに、第一の回収ホッパ31は、それが第二のフィーダ位置22内の第二のフィーダユニット42の下、又は真下になるまで、無限回収経路Z1に沿って回収方向Cにさらに移動又は回転させることができる。その間、コントローラ7は、第一のフィーダユニット41から第一の組成91の薬剤90が吐出されないことを考慮してその吐出戦略を適応させており、第二のフィーダユニット42を、図5Cに示されるように、前記第一のフィーダユニット41からの吐出を引き継ぐように割り当てる。換言すれば、第二のフィーダユニット42は第一の組成91の足りない薬剤90を吐出できる。
【0098】
第一のフィーダ位置21と第二のフィーダ位置22は典型的に、回収方向に、少なくとも5度、好ましくは少なくとも10度の離間角度H、又はフィーダ位置20の列の少なくとも1つの放射状の列だけ離間されて、制御ユニット7及び/又は人間のオペレータが、例えば第一の回収ホッパ31が第一のフィーダ位置21から第二のフィーダ位置22へと中断せずに移動するのにかかる通常の時間内に吐出戦略を調整する十分な時間が確保される。
【0099】
空の第一のフィーダユニット41は、ロボットマニピュレータ11によってピックアップし、フィーダ装填部材24におけるフィーダ装填位置25のうちの1つへと移動させて、前記空の第一のフィーダユニット41を吐出装置1から取り外し、又は取り出すことができる。
【0100】
図6は、上述の吐出装置1のグラフィカルユーザインタフェース8をより詳しく示す。グラフィカルユーザインタフェース8は、図1に示されるように、制御ユニット7によって生成される。図6に示されるように、グラフィカルユーザインタフェース8は、人間のオペレータに対し、任意選択的なタイムライン80及び、1つ又は複数のフィーダユニット40の薬剤切れ時間82に関する1つ又は複数の通知81を提示する。通知81は、タイムライン80上に、及び/又は前記タイムライン80とは別に提供され得る。タイムライン80は、左(現在)から右(未来)への時間軸tを有する。薬剤切れ時間82は、制御ユニット7により予想又は計算される。薬剤切れ時間82は、開始時におけるそれぞれのフィーダユニット40の容器50内の薬剤90の量の記録及び、例えば図2Bに示される計数センサ54に基づく、前記開始時以降にそれぞれのフィーダユニット40の出口51から吐出された薬剤90の計数に基づいて予想又は計算され得る。代替的に、薬剤切れ時間82は、図2Bに示されるように、それぞれのフィーダユニット40の容器50内に残っている薬剤90の実際の量を示すセンサ53、54からのセンサデータに基づいて、例えばビジョンカメラ、レベルセンサ、及び/又は重量センサからのデータに基づいて予想できる。
【0101】
各通知81は、予想される薬剤切れ時間82の前に、それぞれの薬剤切れ時間82になくなる薬剤90を補充するための提供期限83と共に提示される。通知81は単に、特定の組成91の薬剤90がどれだけ必要かを示し得るか、又はほとんど空であるフィーダユニット40と交換する、又はそれを補充すべき、同じ組成91の薬剤90を保持する特定のフィーダユニット40を示す、又は要求し得る。人間のオペレータは、必要なフィーダユニット40を呼び出して、前述のようにそれを吐出装置1に提供することができる。
【0102】
その間、1つ又は複数の関係するフィーダユニット40からの薬剤90の吐出は、少なくとも提供期限83まで継続される。したがって、吐出動作は中断されないままである。
【0103】
提供期限83は好ましくは、薬剤切れ時間82より前に、人間のオペレータが必要なフィーダユニット40を呼び出し、及び/又は準備できるようにある程度の安全マージン、例えば少なくとも1分、少なくとも3分、又は少なくとも5分を設けて選択される。人間のオペレータはまた、同時に1つ又は複数の必要なフィーダユニット40の呼び出しをまとめて行い得る。代替的に、提供期限83は薬剤切れ時間82と同じに設定され得て、それゆえ人間のオペレータによるよりタイムリ又は厳格なアプローチが必要となる。
【0104】
1つ又は複数の必要なフィーダユニット40は、それぞれの薬剤切れ時間82より前にロボットマニピュレータ11によってピックアップされ、それぞれのフィーダ位置20に設置されることが可能であり、それゆえ吐出装置1のダウンタイムが生じない。このプロセスは例えば、第一のフィーダユニット41及び第二のフィーダユニット42に関して前述した方法と同様であり得る。代替的に、第二のフィーダユニット42は、第一のフィーダユニット41が薬剤切れの状態となったか、又はその中に入っている薬剤90の使用期限が切れたらすぐに、1つのフィーダ位置20において第一のフィーダユニット41と交換され得る。
【0105】
図7A、7B、及び7Cは、前述の吐出装置1を使って薬剤90を吐出する方法に関し、これには、吐出命令セットG1、G2、G3が図1に示されるような制御ユニット7のプロセッサ71によって実行される順序を変更するステップが含まれる。
【0106】
具体的には、図7Aは、組成Aの薬剤90を45回、組成Bの薬剤90を50回、組成Cの薬剤90を10回、組成Dの薬剤90を15回要求する第一の吐出命令セットG1を示す。同様に、同様の組成C、D、又は異なる組成E、Fの薬剤90の異なる量を要求する第二の吐出命令セットG2及び第三の吐出命令セットG3が提供される。当所は、プロセッサ71が吐出命令セットG1、G2、G3を図の順序で左(現在)から右(未来)へと時間軸tに沿って実行することが意図されている。
【0107】
図7Bは、第一の吐出命令セットG1を複数のフィーダユニット40の中に残っている薬剤90で完了させることができない場合に、吐出命令セットG1、G2、G3を実行するための別の順序を特定するためにプロセッサ71が実行すべき方法のステップの略図を示す。
【0108】
具体的には、方法は、吐出命令セットG1、G2、G3を受け取るステップ(ステップS1)と、第一の吐出命令セットG1を実行する前に、制御ユニット7に、複数のフィーダユニット40に、第一の吐出命令セットG1による第一の選択及び第一の量の薬剤90の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤90が入っているか否かを特定させるステップ(ステップS2)を含む。薬剤90は、複数のフィーダユニット40の中に吐出されることが許可された十分な薬剤90が残っている場合に、「すぐに利用可能」である。前記許可は、薬剤90が吐出の時点でシステム内に記憶された使用期限を超えることになる場合は取り消され得る。残っていれば、制御ユニット7は第一の吐出命令セットの実行を進め(ステップS3)、その後の各吐出命令セットに関する特定を繰り返す(ステップS4)。
【0109】
しかしながら、複数のフィーダユニット40に、第一の吐出命令セットG1による第一の選択及び第一の量の薬剤90の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤90が入っていない場合、制御ユニット7は1つ又は複数の別の吐出命令セットG2、G3のうちの1つ又は複数のセットを実行するように切り替え(ステップS6)、任意選択によりその前に、フィーダユニット40に、その後の別の吐出命令セットG2、G3の各々に関連する選択及び量の薬剤90の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤90が入っているか否かが特定される(ステップS5)。したがって、吐出命令セットG1、G2、G3が実行される順序は、図7Cに示されるように変更できる。
【0110】
1つ又は複数の別の吐出命令セットG2、G3の実行中、複数のフィーダユニット40に、第一の吐出命令セットG1による第一の選択及び第一の量の薬剤90の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤90が確実に入っているようにするための行動を取ることができる。具体的には、人間のオペレータに、例えば図2A~2C、3A~3C、4A~4C、及び5A~5Cに示される方法にしたがって、関係するフィーダユニット40を交換又は補充するように通知され得る。
【0111】
吐出命令セットG1、G2、G3の何れか1つによる吐出を完了させるのに十分な、容易に利用可能な薬剤90が入っていない場合、制御ユニット7はステップS2の特定に戻り、薬剤90が補充されるのを待つ。
【0112】
図7A及び7Cに示されるように、第一の吐出命令セットG1及び1つ又は複数の別の吐出命令セットG2、G3は好ましくは、第一の吐出命令セットG1と1つ又は複数の別の吐出命令セットG2、G3を共通のバッチにリンクさせるロジスティックパラメータLを共有する。制御ユニット7は、共通バッチ内の吐出命令セットG1~G3の順序を変更することたけに限定される。ロジスティックパラメータLは、送達先住所、患者の注文、クライアントの名前、又はその他であり得る。
【0113】
図8A及び8Bは、フィーダユニット40のうちの1つから薬剤90を吐出する方法の図を示し、これには前記フィーダユニット40の空状態検出のためのステップが含まれる。
【0114】
図8Aに示されるように、方法は、フィーダユニット40のうちの1つにおいて吐出が検出されないとき、例えば薬剤90が、容器50から出口51に向かって供給されない、及び/又は吐出機構52が動作しているときに前記出口51において検出されないときに開始され得る(ステップS101)。図1に示されるような制御ユニット7のプロセッサ71は、モード選択プログラムを開始する(S102)。プログラムには、吐出が行われなかったフィーダユニット40の容器50内に残る薬剤90の量を示す残量値の特定(ステップS103)が含まれる。
【0115】
残量値は、図6における薬剤切れ時間82の特定と同様にして、例えば開始時以降の計数に基づいて予想及び/又は計算することによって、又は図2Aに示されるようにフィーダユニット40における1つ又は複数のセンサ53、54で実際の量を検出することによって特定できる。
【0116】
図8Aにさらに示されるように、プロセッサ71は残量値を閾値と比較する(ステップS104)。閾値は事前に決定できる。閾値は、個々のフィーダユニット40について同じであってよく、又はフィーダユニット40ごとに異なっていてもよい。閾値は、容器50の容積のパーセンテージ、前記容器50内の内容物の上面位置として、又は薬剤90の量として表され得る。閾値は例えば、薬剤90の当初の量の50%であり得る。
【0117】
残量値が閾値より多いか、それを上回る場合、プロセッサ71は完全空状態検出モードM1を選択及び/又は開始する(ステップS105)。完全空状態検出モードM1は、第一の行動を第一の回数又はインスタンス数だけ実行することを含む(ステップS106)。第一の行動は例えば、吐出機構52を繰り返し制御することであり得る。第一の行動は例えば、10回実行され得る。
【0118】
第一の行動の各インスタンス後に、又はある回数又はインスタンス数だけ第一の行動を実行した終わりに、吐出が検出されたか否かのチェックが行われる(ステップS107)。検出されていれば、通常の吐出が継続又は再開され得る(ステップS108)。依然として吐出が検出されない場合、完全空状態検出モードM1はさらに、第二の行動を複数回又はインスタンス数だけ実行するステップを含み得る(S109)。第二の行動は、例えば別の方法の吐出、吐出機構52を反対にすること、又はロボットマニピュレータ11を使ってフィーダユニット40を揺動させることであり得る。
【0119】
再び、第二の行動の各インスタンス後、又は第二の行動をある回数又はインスタンス数だけ実行した終わりに、吐出が検出される、又は検出されたか否かのチェックが行われる(ステップS110)。代替的に、第二の行動の種類に応じて、完全検出モードM1はまず、例えば第二の行動自体が吐出行動(例えば、ロボットマニピュレータによる揺動)ではない場合に、ステップS106及びS107を繰り返すことを含み得る。
【0120】
第二の行動を実行した後、及び任意選択的に第一の行動を繰り返した後に吐出が検出された場合、吐出は継続又は再開され得る(ステップS111又はS108)。依然として吐出が検出されない場合、フィーダユニット40は空であると仮定され(ステップS112)、例えば前述の方法の何れかを使ってフィーダユニット40を補充又は交換するための適切な行動がとられ得る。
【0121】
開始(ステップS105)からフィーダユニット40が空であるとの特定(ステップS112)まで、完全空状態検出モードM1には比較的長い時間がかかり得て、これは図8Aにおいて第一の持続時間D1で表される。第一の持続時間D1は15秒超、20秒超、さらには30秒超であり得る。この時間中、第一の回収ホッパ31は、完全空状態検出モードM1中にうまく吐出される薬剤90を捕捉するために、試験中のフィーダユニット40の下方で静止した状態のままでなければならない。したがって、1つのフィーダユニット40の完全空状態検出モードM1は、吐出装置1全体の吐出動作におけるダウンタイムを生じさせる。
【0122】
したがって、プロセッサ71は、ステップS103で特定された残量値が閾値より低い場合(ステップS201)、短縮空状態検出モードM2に切り替わる、又はそれを選択するように構成又はプログラムされる。
【0123】
短縮空状態検出モードM2は図8Bにおいてより詳しく示されている。短縮空状態検出モードM2が選択された後(ステップS201)、プロセッサ71は前記短縮空状態検出モードM2を開始する(ステップS202)。
【0124】
短縮空状態検出モードM2には、完全空状態検出モードM1の第一の行動及び第二の行動を、完全空状態検出モードM1でのこれらの動作の回数又はインスタンス数より少ない第二の回数若しくはインスタンス数だけ実行することか、又は第一の行動又は第二の行動の一方のみを同じ回数若しくはインスタンス数だけ、又はより少ない回数若しくはインスタンス数だけ実行することの何れか(ステップS203)を含む。ステップS203は例えば、関係するフィーダユニット40の吐出機構52を、完全空状態検出モードM1のステップS106と比較して、半分の回数又はインスタンス数だけ動作させることのみを含み得る。また、第二の行動は、貴重な時間を節約するために、短縮空状態検出モードM2から完全に除かれ得る。
【0125】
ステップS203の各行動の後、又はステップS203の行動をある回数又はインスタンス数だけ行った後、薬剤90が吐出されるか吐出されたか否かを確認するためのチェックが行われる(ステップS204)。吐出されれば、通常の吐出を再開又は継続できる(ステップS205)。依然として吐出が検出されない場合、フィーダユニット40が空であると仮定され(ステップS206)、完全空状態検出モードの終了と同様の適当な行動がとられ得る。
【0126】
開始(ステップS202)から、フィーダユニット40が空であるとの特定(ステップS206)まで、短縮空状態検出モードM2は比較的短い時間を要し、これは図8Bの第二の持続時間D2により表される。第二の持続時間D2は例えば、第一の持続時間D1の半分未満、好ましくは第一の持続時間D1の4分の1未満であり得る。
【0127】
図9A~9Cは、本発明の第二の実施形態による代替的な吐出装置101を示しており、これは前述の吐出装置1とは、回収セクション102が代替的な非円形の回収経路Z2に沿って分散されたフィーダ位置120の列を含むという点で異なる。回収経路Z2は無限であり、これは本発明の第一の実施形態の円形の回収経路Z1と同様である。代替的な回収経路Z2は1つ又は複数の円形及び非円形のセグメントを含み得る。この例では、代替的な回収経路Z2は2つの直線又は線形セグメントと、2つの直線又は線形セグメントを接続する2つの半円形セグメントを含み、セグメントを無限に接続する。
【0128】
同様に、回収セクション103は、代替的な回収経路Z2に沿って回収方向Cに開始位置Sと終了位置Bとの間で移動し、それによって複数のフィーダ位置120の各フィーダ位置120を経由して、前記フィーダ位置120に保持されたフィーダユニット40から必要な薬剤90を回収するように構成される複数の回収ホッパ31を含む。複数の回収ホッパ31は例えば、複数のホッパ31を代替的な回収経路X2に沿って回収方向Cに駆動する無限駆動ベルト、チェーン132、又はその他の上に配置され得る。
【0129】
代替的な吐出装置101は、代替的な回収経路Z2に沿って第一の包装位置P1に位置付けられた第一の包装ユニット61を有する包装セクション106をさらに含む。
【0130】
図9Aは、第一のフィーダ位置121にある第一のフィーダユニット41(図9B参照)と、回収方向Cに第一のフィーダ位置121の下流の第二のフィーダ位置122にある第二のフィーダユニット42(図9C参照)を、前述の実施形態のフィーダユニット41、42の相対的位置付けと同様の方法で示す。
【0131】
前述の実施形態で示したものと同様のロボットマニピュレータ11が、代替的な回収経路Z2内の中心位置に配置され得る。
【0132】
本発明の第一の実施形態による吐出装置1に関して述べた吐出動作及び方法は、本発明の第二の実施形態による代替的な吐出装置101にも、適切な変更を加えて適用できることが明らかであろう。
【0133】
説明は薬剤、錠剤等に関しているが、装置及び方法は、その他の種類の固体の個別の品目を分離及び包装のために吐出するためにも使用できる。
【0134】
以上の説明は実施形態の動作を解説するために含められており、本発明の範囲を限定しようとするものではないと理解されたい。以上の説明から、当業者にとっては様々な変形型が明らかであり、これらも本発明の主旨と範囲により包含される。
【符号の説明】
【0135】
1 吐出装置
10 ハウジング
11 ロボットマニピュレータ
12 貯蔵位置
2 吐出セクション
20 フィーダ位置の列
21 第一のフィーダ位置
22 第二のフィーダ位置
23 以前のフィーダ位置
24 フィーダ装填部材
25 フィーダ装填位置
26 マニュアル装填位置
3 回収セクション
30 複数の回収ホッパ
31 第一の回収ホッパ
32 回収フレーム
40 複数のフィーダユニット
41 第一のフィーダユニット
42 第二のフィーダユニット
50 容器
51 出口
52 吐出機構
53 確認センサ
54 計数センサ
6 包装セクション
61 第一の包装ユニット
62 第二の包装ユニット
7 制御ユニット
71 プロセッサ
72 コンピュータ可読媒体
8 グラフィカルユーザインタフェース
80 タイムライン
81 通知
82 薬剤切れ時間
83 提供期限
90 薬剤
91 第一の組成の薬剤
101 代替的な吐出装置
102 吐出セクション
120 フィーダ位置の列
121 第一のフィーダ位置
122 第二のフィーダ位置
103 回収セクション
132 駆動チェーン
106 包装セクション
A 開始位置
B 終了位置
C 回収方向
D1 第一の持続時間
D2 第二の持続時間
F 包装された薬剤
G1 第一の吐出命令セット
G2 第二の吐出命令セット
G3 第三の吐出命令セット
H 離間角度
L ロジスティックパラメータ
M1 完全空状態検出モード
M2 短縮空状態検出モード
P1 第一の包装位置
P2 第一の包装位置
R 回収範囲
S1~S6 優先順位付け方法のステップ
S101~S112 空状態検出方法のステップ
S201~S206 空状態検出方法の他のステップ
t 時間
X 回転軸
Z1 無限回収経路
Z2 代替的な無限回収経路
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出セクション(2、102)、回収セクション(3、103)、及び包装セクション(6、106)を含む吐出装置(1、101)により個別の薬剤(90)を吐出する方法であって、前記吐出セクション(2、102)は、無限回収経路(Z1、Z2)に沿って分散された、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記回収セクション(3、103)は前記フィーダ位置(20、120)の列に関して、前記無限回収経路(Z1、Z2)に沿って回収方向(C)に、第一の包装位置(P1)の前記回収方向(C)に下流の開始位置(A)から前記第一の包装位置(P1)の、又はその付近の終了位置(B)まで移動可能である第一の回収ユニット(31)を含む方法において、
-前記複数のフィーダユニット(40)のうちの第一のフィーダユニット(41)を前記フィーダ位置(20、120)の列のうちの第一のフィーダ位置(21、121)に位置付けるステップと、
-前記第一のフィーダユニット(41)を前記第一のフィーダ位置(21、121)から取り外す前に、前記複数のフィーダユニット(40)のうちの第二のフィーダユニット(42)を、前記フィーダ位置(20、120)の列のうちの、前記回収方向(C)に前記第一のフィーダ位置(21、121)の下流にある第二のフィーダ位置(22、122)に位置付けるステップと、
を含み、
前記第一のフィーダユニット(41)と前記第二のフィーダユニット(42)は同じ第一の組成(91)の薬剤(90)を保持する、
方法。
【請求項2】
前記第一のフィーダユニット(41)が空であるか、前記第一のフィーダ位置(21、121)において前記薬剤(90)を前記第一の回収ユニット(31)に吐出できない場合、
-前記第一の回収ユニット(31)を前記回収方向(C)に移動させて、前記薬剤(90)を前記第二のフィーダ位置(22、122)における前記第二のフィーダユニット(42)から前記第一の回収ユニット(31)に吐出する
ステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一のフィーダユニット(41)を前記第一のフィーダ位置(21、121)に位置決めする前に、前記第一のフィーダユニット(41)は前記フィーダ位置(20、120)の列の、前記第一のフィーダ位置(21、121)の下流の以前のフィーダ位置(23)に位置付けられており、
-前記第一のフィーダユニット(41)を前記以前のフィーダ位置(23)から取り外すステップと、
-前記第一のフィーダユニット(41)を前記以前のフィーダ位置(23)から前記第一のフィーダ位置(21、121)に移動するステップと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
-前記第一のフィーダユニット(41)を前記以前のフィーダ位置(23)から前記第一のフィーダ位置(22、122)に移動させている間に、前記薬剤(90)を前記第二のフィーダ位置(22)における前記第二のフィーダユニット(42)から前記第一の回収ユニット(31)に吐出する
ステップをさらに含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の回収ユニット(31)は、前記無限回収経路(Z1、Z2)に沿って、前記開始位置(A)から始まり、前記終了位置(B)で終了する回収範囲(R)にわたり移動可能である、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一のフィーダ位置(21、121)は、前記開始位置(A)から考慮して第一の回収範囲(R)の前半に配置される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第二のフィーダ位置(22、122)は、前記開始位置(A)から考慮して前記回収範囲(R)の後半に配置される、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第一のフィーダ位置(21、121)と前記第二のフィーダ位置(22、122)は少なくとも5度の離間角度(H)にわたり前記回収方向に離間される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記吐出装置(1、101)はロボットマニピュレータ(11)を含み、前記第一のフィーダユニット(41)及び前記第二のフィーダユニット(42)の位置決め及び/又は取り外しは、前記ロボットマニピュレータ(11)を使って行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記無限回収経路(Z1)は円形である、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記フィーダ位置(20)の列は回転軸(X)の周囲で円周方向に分散され、前記第一の回収ユニット(31)は、前記回転軸(X)の周囲で前記無限回収経路(Z1)に沿って回転可能である、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記無限回収経路(Z2)は非円形である、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
プロセッサ(71)により実行されると、ロボットマニピュレータ(11)を備える吐出装置(1、101)に請求項1に記載の方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項14】
個別の薬剤(90)を吐出する吐出装置(1、101)において、
無限回収経路(Z1、Z2)に沿って分散された、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定する吐出セクション(2、102)であって、前記フィーダ位置(20、120)の列は少なくとも第一のフィーダ位置(21、121)と第二のフィーダ位置(22、122)を含む吐出セクションと、
前記フィーダ位置(20、120)の列に関して、前記無限回収経路(Z1、Z2)に沿って回収方向(C)に移動可能な第一の回収ユニット(31)を含む回収セクション(3、103)と、
前記回収セクション(3、103)から受け取った前記薬剤(90)を包装するための包装セクション(6、106)と、
ロボットマニピュレータ(11)及び、前記ロボットマニピュレータ(11)を、
第一のフィーダユニット(41)を前記第一のフィーダ位置(21、121)に位置決めし、
前記第一のフィーダユニット(41)を前記第一のフィーダ位置(21、121)から取り外す前に、第二のフィーダユニット(42)を前記第二のフィーダ位置(22、122)に位置決めし、前記第二のフィーダ位置(22、122)は前記回収方向(C)に前記第一のフィーダ位置(21、121)の下流にある
ように制御するための制御ユニット(7)と、
を含み、
前記第一のフィーダユニット(41)と前記第二のフィーダユニット(42)は、同じ第一の組成(91)の薬剤(90)を保持する、
吐出装置(1、101)。
【請求項15】
前記包装セクション(6)は第一の包装位置(P1)にある、又はそれに接続される第一の包装ユニット(61)を含む、
請求項14に記載の吐出装置。
【請求項16】
前記第一の回収ユニット(31)は、第一の包装位置(P1)の、前記回収方向(C)に下流の開始位置(A)と前記第一の包装位置(P1)の、又はその付近の終了位置(B)との間で移動可能である、
請求項14に記載の吐出装置。
【請求項17】
前記第一の回収ユニット(31)はホッパを含む、
請求項14に記載の吐出装置。
【請求項18】
前記無限回収経路(Z1)は円形である、
請求項14に記載の吐出装置。
【請求項19】
前記フィーダ位置(20)の列は回転軸(X)の周囲で円周方向に分散され、前記第一の回収ユニット(31)は前記回転軸(X)の周囲で前記無限回収経路(Z1)に沿って回転可能である、
請求項18に記載の吐出装置。
【請求項20】
前記無限回収経路(Z2)は非円形である、
請求項14に記載の吐出装置
【請求項21】
吐出セクション(2、102)、回収セクション(3、103)、及び包装セクション(6、106)を含む吐出装置により個別の薬剤(90)を連続的に吐出、回収、及び包装する方法であって、前記吐出セクション(2、102)は、無限回収経路(Z1、Z2)に沿って分散された、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を含み、前記回収セクション(3、103)は、保持位置(20、120)の列に関して、回収方向(C)に前記無限回収経路(Z1、Z2)に沿って移動可能であり、複数の前記フィーダ位置(120)の列と整列する第一の回収ユニット(31)を含む方法において、
第一のフィーダユニット(41)を前記フィーダ位置(20、120)の列のうちの第一のフィーダ位置(21、121)に設置するステップと、
第二のフィーダユニット(42)を前記フィーダ位置(20、120)の列のうちの第二のフィーダ位置(22、122)に設置するステップであって、第二の保持位置(22、122)は第一の保持位置(21、121)の下流にあるステップと、
前記薬剤(90)を前記第一のフィーダユニット(41)から前記第一の回収ユニット(31)に吐出させるステップと、
前記第一のフィーダユニット(31)が空になったか、前記薬剤(90)を吐出しなくなったときに、前記第一の回収ユニット(31)を前記回収方向(C)に移動させて、前記第二のフィーダユニット(42)と整列させるステップと、
前記薬剤(90)を前記第二のフィーダユニット(42)から前記第一の回収ユニット(31)に吐出させるステップと、
を含み、
前記第一のフィーダユニット(41)と前記第二のフィーダユニット(42)には同じ第一の組成(91)の薬剤(90)が入っている、
方法。
【請求項22】
第一及び第二のフィーダ(41、42)を設置する前記ステップは、ロボット(11)を使って行われる、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記薬剤(90)を前記第一の回収ユニット(31)から第一の包装ユニット(61)に包装するために移送するステップをさらに含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第一のフィーダユニット(41)を取り外し、及び/又は交換するステップをさらに含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項25】
吐出装置(1、101)により個別の薬剤(90)を吐出する方法であって、
前記吐出装置(1、101)は、前記薬剤(90)を吐出する吐出セクション(2、102)を含み、前記吐出セクション(2)は、前記複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記複数のフィーダユニット(40)の各フィーダユニット(40)は、前記各フィーダユニット(40)に特定の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記薬剤(90)を前記容器(50)から前記出口(51)へと制御して供給するための吐出機構(52)を含む方法において、
-ある選択及びある量の薬剤が前記複数のフィーダユニットから吐出されることを要求する吐出命令セットを受け取るステップと、
-前記複数のフィーダユニット(40)のうちの第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)内の前記薬剤(90)の残りがなくなるか、その使用期限が切れる将来の薬剤切れ時間を時間単位で予想するステップと、
-前記薬剤切れ時間より前に、前記第一のフィーダユニット(41)と同じ組成(91)の薬剤(90)を保持する第二のフィーダユニット(42)を前記吐出装置(1、101)に提供する必要があるとの通知(81)を、前記第二のフィーダユニット(42)を前記吐出装置(1、101)に提供期限(83)と共に提供するステップと、
-少なくとも前記提供期限(83)までに前記第一のフィーダユニット(41)からの前記薬剤(90)の吐出を継続するステップであって、前記提供期限(83)は前記薬剤切れ時間と等しいか、それより前であるステップと、
を含む方法。
【請求項26】
前記薬剤切れ時間は、開始時における前記第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)内の前記薬剤(90)の量の記録及び、前記開始時以降に前記第一のフィーダユニット(41)の前記出口(51)から吐出された前記薬剤(90)の計数に基づいて予想される、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記薬剤切れ時間は、前記第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)の中に残っている薬剤(90)の実際の量に基づいて予想される、
請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記提供期限(83)は前記薬剤切れ時間と等しい、
請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記提供期限(83)は前記薬剤切れ時間より前である、
請求項25に記載の方法。
【請求項30】
-前記第二のフィーダユニット(42)を前記吐出装置(1、101)で受けるステップと、
-前記薬剤切れ時間の前に前記第二のフィーダユニット(42)を前記フィーダ位置(20、120)の列の前記フィーダ位置(22、122)のうちの1つに設置するステップと、
をさらに含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記第二のフィーダユニット(42)は前記第一のフィーダユニット(41)の代わりとなる、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
プロセッサ(71)によって実行されると、第一のフィーダユニットを備える吐出装置(1、101)に請求項25に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項33】
個別の薬剤(90)を吐出するための吐出装置(1、101)において、
前記薬剤(90)を吐出するための吐出セクション(2、102)を含み、前記吐出セクション(2、102)は、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記複数のフィーダユニット(40)の各フィーダユニット(40)は、前記それぞれのフィーダユニット(40)に特定の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含み、
グラフィカルユーザインタフェース(8)と、前記グラフィカルユーザインタフェース(8)及び前記複数のフィーダユニット(40)を制御するための制御ユニット(7)をさらに含み、前記制御ユニット(7)はプロセッサ(71)と、前記プロセッサ(71)により実行されると、前記制御ユニット(7)に薬剤切れ時間を予想させ、前記薬剤切れ時間の通知(81)を提供期限(83)と共に前記グラフィカルユーザインタフェース(8)上で提供させ、前記複数のフィーダユニット(40)を制御して、請求項25に記載の前記方法の前記ステップにしたがって吐出を継続させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)をさらに含む、
吐出装置(1、101)。
【請求項34】
吐出装置(1、101)により個別の薬剤(90)を吐出する方法であって、前記吐出装置(1、101)は、前記薬剤(90)を吐出するための吐出セクション(2、102)であって、複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記複数のフィーダユニット(40)の各フィーダユニット(40)は、前記各フィーダユニット(40)に特定の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含み、
前記吐出装置(1、101)は制御ユニット(7)をさらに含む方法において、
前記制御ユニット(7)によって、第一の選択及び第一の量の薬剤(90)が前記複数のフィーダユニット(40)から吐出されるように要求する第一の吐出命令セット(G1)を受け取るステップと、
前記制御ユニット(7)によって、前記第一の吐出命令セット(G1)の後に実行すべき1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)を受け取るステップであって、前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)のうちの少なくとも1つのセットは、前記第一の選択とは異なる選択又は前記第一の量とは異なる量を要求するステップと、
-前記第一の吐出命令セット(G1)を実行する前に、前記制御ユニット(7)を使って、前記複数のフィーダユニット(40)に、前記第一の吐出命令セット(G1)による前記第一の選択及び前記第一の量の薬剤(90)の前記吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤(90)が入っているか否かを特定するステップと、
を含み、
前記複数のフィーダユニット(40)に、前記第一の吐出命令セット(G1)による前記第一の選択及び前記第一の量の薬剤(90)の前記吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤(90)が入っていない場合、
-前記第一の吐出命令セット(G1)を実行する前に、前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)のうちの1つ又は複数のセットを実行するステップ、をさらに含む、
方法。
【請求項35】
前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)のうちの前記1つ又は複数のセットの実行中に、前記複数のフィーダユニット(40)に、前記第一の吐出命令セット(G1)による前記第一の選択及び前記第一の量の薬剤(90)の吐出を完了させるのに十分な、すぐに利用可能な薬剤(90)が確実に入っているようにするための行動がとられる、
請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記行動は、1つ又は複数のフィーダユニット(40)を、前記複数のフィーダユニット(40)のうち、前記第一の吐出命令セット(G1)による前記第一の選択及び前記第一の量の薬剤の前記吐出を完了させるために十分な、すぐに利用可能な薬剤(90)が入っていない1つ又は複数のフィーダユニット(40)を補充又は交換するために、前記吐出装置(1、101)に提供することである、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第一の吐出命令セット(G1)及び前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)は、前記第一の吐出命令セット(G1)と前記1つ又は複数の別の吐出命令セット(G2、G3)を共通のバッチにリンクさせるロジスティックパラメータ(L)を共有する、
請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記ロジスティックパラメータ(L)は、送達先住所である、
請求項37に記載の方法。
【請求項39】
プロセッサ(71)によって実行されると、複数のフィーダユニット(40)を備える吐出装置(1、101)に請求項34に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項40】
個別の薬剤(90)を吐出するための吐出装置(1、101)において、
前記薬剤(90)を吐出するための吐出セクション(2)を含み、前記吐出セクション(2、102)は複数のフィーダユニット(40)を保持するためのフィーダ位置(20、120)の列を画定し、前記複数のフィーダユニット(40)の各フィーダユニット(40)は、前記それぞれのフィーダユニット(40)に特定の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含み、
制御ユニット(7)をさらに含み、前記制御ユニット(7)は、プロセッサ(71)と、前記プロセッサ(71)により実行されると、前記制御ユニット(7)に請求項34に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む吐出装置(1、101)。
【請求項41】
第一のフィーダユニット(41)で個別の薬剤(90)を吐出するための方法であって、
前記第一のフィーダユニット(41)は、第一の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含む方法において、
-前記容器(50)内に残っている前記薬剤(90)の量を示す残量値を特定するステップと、
-前記残量値を閾値と比較するステップと、
-前記残量値が前記閾値より高い場合の完全空状態検出モード(M1)と前記残量値が前記閾値より低い場合の短縮空状態検出モード(M2)との間で選択を行うステップと、
-前記吐出機構(52)を制御した後に薬剤(90)が前記容器(50)から前記出口(51)に供給されない場合、前記完全空状態検出モード(M1)と前記短縮空状態検出モード(M2)のうちの選択された一方を実行するステップと、
含み、
前記完全空状態検出モード(M1)は第一の持続時間(D1)を有し、前記短縮空状態検出モード(M2)は、前記第一の持続時間(D1)より短い第二の持続時間(D2)を有する、
方法。
【請求項42】
前記完全空状態検出モード(M1)は、第一の行動を第一のインスタンス数だけ実行するステップを含み、前記短縮空状態検出モード(M2)は前記第一の行動を前記第一のインスタンス数より少ない第二のインスタンス数だけ実行するステップを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第一の行動は前記吐出機構(52)を制御することである、
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記完全空状態検出モード(M1)は、第一の行動と前記第一の行動とは異なる第二の行動を行うステップを含み、前記短縮空状態検出モード(M2)は前記第一の行動と前記第二の行動のうちの一方だけを含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記残量値は開始時の前記第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)内の前記薬剤(90)の量の記録及び前記開始時以降に前記第一のフィーダユニット(41)の前記出口(52)から吐出された前記薬剤の計数に基づいて予想される、
請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記残量値は、前記第一のフィーダユニット(41)の前記容器(50)内に残る薬剤(90)の実際の量に基づいて特定される、
請求項41に記載の方法。
【請求項47】
プロセッサ(71)によって実行されると、第一のフィーダユニット(41)を備える吐出装置(1、101)に請求項41に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項48】
個別の薬剤(90)を吐出するための吐出装置(1、101)において、
第一の組成(91)の薬剤(90)を保持するための容器(50)、前記薬剤(90)を吐出するための出口(51)、及び前記容器(50)と前記出口(51)との間の、前記容器(50)から前記出口(51)への前記薬剤(90)の制御された供給のための吐出機構(52)を含む第一のフィーダユニット(41)が提供され、
制御ユニット(7)をさらに含み、前記制御ユニット(7)は、プロセッサ(71)と、前記プロセッサ(71)により実行されると、前記制御ユニット(7)に請求項41に記載の前記方法の前記ステップを実行させる命令を保持する非一時的コンピュータ可読媒体(72)を含む、
吐出装置(1、101)。
【国際調査報告】