(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】マルチゾーン熱伝達構造物を用いた基板処理装置および温度制御方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240628BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240628BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240628BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240628BHJP
C23C 16/46 20060101ALI20240628BHJP
C23C 14/50 20060101ALI20240628BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/205
H01L21/31 C
H01L21/68 R
C23C16/46
C23C14/50 E
H02N13/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578844
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 KR2022009453
(87)【国際公開番号】W WO2023277623
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0087370
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519110076
【氏名又は名称】クァンウン ユニバーシティー インダストリーアカデミック コラボレーション ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】KWANGWOON UNIVERSITY INDUSTRY-ACADEMIC COLLABORATION FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】20, Gwangun-ro,Nowon-gu, Seoul (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クォン ギチョン
(72)【発明者】
【氏名】クォン ヒテ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジファン
(72)【発明者】
【氏名】バン インヨン
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本実施形態は、冷媒が供給されるベース構造物および基板の間にマルチゾーン熱伝達調節構造物を設け、熱伝達ガスの圧力変化を利用して、基板および静電チャックとベース構造物の間または特定構造物の間で発生可能な熱を遮断または伝達して、工程中または工程後の基板の温度調節を容易にする基板処理装置およびマルチゾーン温度制御方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
チャンバと、
前記チャンバの内部に位置し、静電力を利用して基板を固定する静電チャックが設けられた基板ホルダと、
前記チャンバの内部に位置し、チャンネルが形成されたベース構造物と、
前記基板ホルダおよび前記ベース構造物の間に位置し、複数の内部空間を有する熱伝達調節構造物と、
前記基板ホルダに連結され、基板後面にガスを供給する基板ガス供給装置と、
前記静電チャックに連結され、前記静電チャックにチャッキングパワーを供給するチャッキングパワー供給装置と、
前記熱伝達調節構造物に連結され、熱伝達ガスを供給する熱伝達ガス制御装置と、
前記ベース構造物に連結され、高周波パワーを供給する高周波パワー供給装置と、
前記チャンネルに連結され、冷媒を供給する冷媒供給装置と
を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記基板ホルダは、前記基板の温度を調節するヒート構造物を含み、
前記ヒート構造物にヒートパワーを供給するヒートパワー供給装置を含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記熱伝達調節構造物は、上板、下板、側壁、分離壁によって前記複数の内部空間を有し、前記上板、前記下板、前記側壁、またはそれらの組み合わせに連結されたガスポートを介して前記熱伝達ガスが流入または流出されることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記熱伝達調節構造物は、前記分離壁によって内部源および外部源に区分されることを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記熱伝達調節構造物の前記上板に連結され、上板温度を測定し、
前記熱伝達調節構造物の前記下板に連結され、下板温度を測定し、
前記ベース構造物に連結され、前記ベース構造物の温度を測定する温度測定装置を含むことを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記熱伝達調節構造物と前記ベース構造物との間の熱膨張率が±50%以内で差を有するように設定されることを特徴とする、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記熱伝達ガス制御装置は、前記温度測定装置とデータ通信し、前記上板温度と前記下板温度との差を予め設定された範囲内に調節することを特徴とする、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記熱伝達調節構造物の前記側壁は、曲線構造に形成されることを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記熱伝達調節構造物の前記上板および前記下板の間に複数の支持柱を含むことを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記熱伝達調節構造物の前記上板の下面および前記下板の上面は、スパイク構造で形成されることを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記熱伝達調節構造物の前記上板の下面および前記下板の上面は、フィン構造で形成されることを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記熱伝達調節構造物の前記上板の下面および前記下板の上面は、エンボス構造で形成されることを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記熱伝達ガス制御装置は、時間的分離方式によって単一ガスポートを介して前記熱伝達調節構造物に前記熱伝達ガスを供給または排気することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記熱伝達ガス制御装置は、空間的分離方式によって分離された、設置された複数のガスポートを介して前記熱伝達調節構造物に前記熱伝達ガスを供給または排気することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記熱伝達ガス制御装置は、前記熱伝達ガスの圧力を調節して、前記熱伝達調節構造物の複数の内部空間の温度変化を制御することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記熱伝達調節構造物は、前記熱伝達ガスの圧力の変化に応じて、前記上板および前記下板の間の熱伝達量を可変して熱伝達時間を制御することを特徴とする、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
熱伝達調節構造物によるマルチゾーン温度制御方法であって、
前記熱伝達調節構造物を熱源およびヒートシンクの間に設置する段階と、
前記熱伝達調節構造物のマルチゾーンのうち、第1内部空間に第1熱伝達ガスを供給する段階と、
前記熱伝達調節構造物のマルチゾーンのうち、第2内部空間に第2熱伝達ガスを供給する段階と、
前記第1熱伝達ガスの圧力を調節する段階と、
前記第2熱伝達ガスの圧力を調節する段階と、
前記第1熱伝達ガスの圧力の変化および前記第2熱伝達ガスの圧力の変化に応じて、前記熱源および前記ヒートシンクの間の熱伝達量を可変させて熱伝達時間を制御する段階と
を含む、マルチゾーン温度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が属する技術分野は、基板処理装置および温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述された内容は、単に本実施形態に関する背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
エッチング(Etching)、蒸着(Deposition)などの半導体工程において、静電チャック(Electrostatic Chuck、ESC)上部に位置する基板は、工程中プラズマ(Plasma)、光(Light)、ヒーター(Heater)などのエネルギーによって温度が上昇するのを防ぐために、静電チャックの下部に位置する冷媒チャンネルを含み、RF(Radio Frequency)電極として利用できるベース構造物に冷媒(Coolant)を供給する方法によって温度が調節されることができる。
【0004】
既存のエッチング、蒸着などの工程において工程難易度が高くなるにつれて、静電チャックの下部に位置するベース構造物は、必要に応じて基板に(i)100℃以上の高温、(ii)-100℃以上から0℃以下の低温、(iii)-100℃以下の極低温(Cryogenic)環境の組成を必要とする工程状況が発生する。
【0005】
工程が終了した後にも、基板の温度が基板に(i)100℃以上の高温、(ii)-100℃以上から0℃以下の低温、(iii)-100℃以下の極低温で発生する場合がある。基板が-100℃以上から0℃以下の低温または-100℃以下の極低温の温度でチャンバ(Chamber)の外部に移送される際、基板に水蒸気による凝結(Condensation)、パーティクル(Particle)吸着などの問題が発生することがある。
【0006】
工程中、-100℃以上から0℃以下の低温から-100℃以下の極低温に、または-100℃以下の極低温から-100℃以上から0℃以下の低温に基板温度が可変するのは、チラーから供給される冷媒の温度を可変するまで、比較的長い時間がかかるだけでなく、-100℃以下の極低温から0℃以上の温度まで広い範囲の温度可変が困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2020-0096145号(2020.08.11)
【特許文献2】韓国登録特許公報第10-2106419号(2020.04.24)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、基板処理装置で冷媒が供給されるベース構造物および基板の間にマルチゾーン熱伝達調節構造物を設け、熱伝達ガスの圧力変化を利用して、基板および静電チャックとベース構造物との間または特定構造物の間で発生し得る熱を遮断または伝達して、工程中または工程後の基板の温度調節を容易にすることに、本発明の主な目的がある。
【0009】
本発明の明示されていない他の目的は、以下の詳細な説明およびその効果から容易に推論できる範囲内でさらに考慮することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態の一側面によれば、基板処理装置であって、チャンバと、前記チャンバの内部に位置し、静電力を利用して基板を固定する静電チャックが設けられた基板ホルダと、前記チャンバの内部に位置し、チャンネルが形成されたベース構造物と、前記基板ホルダおよび前記ベース構造物の間に位置し、複数の内部空間を有する熱伝達調節構造物と、前記基板ホルダに連結され、基板ガスを供給する基板ガス供給装置と、前記静電チャックに連結され、前記静電チャックにチャッキングパワーを供給するチャッキングパワー供給装置と、前記熱伝達調節構造物に連結され、熱伝達ガスを供給する熱伝達ガス制御装置と、前記ベース構造物に連結され、高周波パワーを供給する高周波パワー供給装置と、前記チャンネルに連結され、冷媒を供給する冷媒供給装置とを含む、基板処理装置を提供する。
【0011】
前記基板ホルダは、前記基板の温度を調節するヒート構造物を含み、前記基板処理装置は、前記ヒート構造物にヒートパワーを供給するヒートパワー供給装置を含んでもよい。
【0012】
前記熱伝達調節構造物は、上板、下板、側壁、分離壁によって前記複数の内部空間を有し、前記上板、前記下板、前記側壁、またはそれらの組み合わせに連結されたガスポートを介して前記熱伝達ガスが流入または流出されてもよい。
【0013】
前記熱伝達調節構造物は、前記分離壁によって内部源および外部源に分けることができる。
【0014】
前記基板処理装置は、前記熱伝達調節構造物の前記上板に連結されて上板温度を測定し、前記熱伝達調節構造物の前記下板に連結されて下板温度を測定し、前記ベース構造物に連結されて前記ベース構造物の温度を測定する温度測定装置を含んでもよい。
【0015】
前記熱伝達調節構造物と前記ベース構造物との間の熱膨張率が±50%以内で差を有するように設定されることができる。
【0016】
前記熱伝達ガス制御装置は、前記温度測定装置とデータ通信し、前記上板温度と前記下板温度との差を予め設定された範囲内に調節することができる。
【0017】
前記熱伝達調節構造物の前記側壁は、曲線構造で形成されてもよい。
【0018】
前記熱伝達調節構造物の前記上板および前記下板の間に複数の支持柱を含んでもよい。
【0019】
前記熱伝達調節構造物の前記上板の下面および前記下板の上面は、スパイク構造で形成されてもよい。
【0020】
前記熱伝達調節構造物の前記上板の下面および前記下板の上面は、フィン構造で形成されてもよい。
【0021】
前記熱伝達調節構造物の前記上板の下面および前記下板の上面は、エンボス構造で形成されてもよい。
【0022】
前記熱伝達ガス制御装置は、時間的分離方式に従って単一のガスポートを介して前記熱伝達調節構造物に前記熱伝達ガスを供給または排気することができる。
【0023】
前記熱伝達ガス制御装置は、空間的分離方式に従って分離された、設置された複数のガスポートを介して前記熱伝達調節構造物に前記熱伝達ガスを供給または排気することができる。
【0024】
前記熱伝達ガス制御装置は、前記熱伝達ガスの圧力を調節して、前記熱伝達調節構造物の複数の内部空間の温度変化を制御することができる。
【0025】
前記熱伝達調節構造物は、前記熱伝達ガスの圧力の変化に応じて、前記上板および前記下板の間の熱伝達量を可変させて熱伝達時間を制御することができる。
【0026】
本実施形態の他の側面によれば、熱伝達調節構造物によるマルチゾーン温度制御方法であって、前記熱伝達調節構造物を熱源およびヒートシンクの間に設置する段階と、前記熱伝達調節構造物のマルチゾーンのうち、第1内部空間に第1熱伝達ガスを供給する段階と、前記熱伝達調節構造物のマルチゾーンのうち、第2内部空間に第2熱伝達ガスを供給する段階と、前記第1熱伝達ガスの圧力を調節する段階と、前記第2熱伝達ガスの圧力を調節する段階と、前記第1熱伝達ガスの圧力の変化および前記第2熱伝達ガスの圧力の変化に応じて、前記熱源および前記ヒートシンクの間の熱伝達量を可変させて熱伝達時間を制御する段階とを含む、マルチゾーン温度制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0027】
以上で説明したように、本発明の実施形態によれば、基板処理装置において冷媒が供給されるベース構造物および基板の間にマルチゾーン熱伝達調節構造物を設け、熱伝達ガスの圧力変化を利用して基板および静電チャックとベース構造物の間、または特定の構造物体の間で発生し得る熱を遮断または伝達して、工程中または工程後の基板の温度調節を容易にすることができる効果がある。
【0028】
ここで明示的に言及されていない効果であっても、本発明の技術的特徴によって期待される以下の明細書に記載された効果およびその暫定効果は、本発明の明細書に記載されていると同様に扱われる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を例示したブロック図である。
【
図2-3】本発明の実施形態による基板処理装置の構造を例示した図である。
【
図4-13】本発明の実施形態による基板処理装置の熱伝達調節構造物を例示した図である。
【
図14-16】本発明の実施形態による基板処理装置の熱伝達ガス制御装置を例示した図である。
【
図17-18】本発明の他の実施形態による温度制御方法を例示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を説明するに当たって関連する公知機能について、この分野の技術者に自明な事項として本発明の要旨を不要に曖昧にすることがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略し、本発明の一部の実施形態を例示的な図面を通して詳細に説明する。
【0031】
本実施形態は、エッチング(Etching)、蒸着(Deposition)などの半導体工程で用いられる静電チャック(Electrostatic Chuck、ESC)が含まれた基板処理装置物において、熱伝達調節構造物の熱伝達(Heat Transfer)ガスの圧力変化を利用して、熱伝達量を可変して基板の温度を調節する。
【0032】
本実施形態によれば、プラズマ(Plasma)、ヒーター(Heater)などが用いられる半導体工程中または工程後、基板処理装置内部のチラー(Chiller)によって供給された冷媒(Coolant)を含むベース(Base)構造物と、基板および静電チャックとの間、または特定の構造物の間に位置した熱伝達調節構造物を通じて、基板および静電チャックとベース構造物との間、または特定の構造物との間で発生し得る熱を伝達または遮断することができる。
【0033】
熱伝達調節構造物は、基板処理装置または単一構造物または複数の構造物の間に作製または挿入されて、熱源(Heat Source)とヒートシンク(Heat Sink)との間の温度差から発生し得る熱伝達(Heat Transfer)を制御することができる。熱源またはヒートシンクの温度が-100℃以下の極低温、-100℃以上0℃以下の低温、または0℃以上の温度でも使用が可能である。
【0034】
熱伝達調節構造物は、基板処理装置に加えて、特定の構造物間の熱伝達調節を必要とする様々な技術分野に適用することができる。
【0035】
図1は本発明の一実施形態による基板処理装置を例示したブロック図であり、
図2は本発明の一実施形態による単一熱伝達空間を有する基板処理装置の構造を例示した図であり、
図3は、本発明の他の実施形態によるマルチゾーン熱伝達空間を有する基板処理装置の構造を例示した図である。
【0036】
基板処理装置を例にして説明すると、基板処理装置10は、基板ホルダ300、熱伝達調節構造物500、ベース構造物700を含む。
【0037】
基板処理装置10はチャンバ100内部に位置することができ、チャンバ100の内部は大気圧または真空システムによって真空状態に維持されてもよい。
【0038】
基板ホルダ300は、チャンバの内部に位置し、静電力を利用して基板を固定する静電チャック400が設けられている。基板ガス供給装置350は基板ホルダに連結され、基板後面にガスを供給する。チャッキングパワー供給装置450は静電チャックに連結され、静電チャックにチャッキングパワーを供給する。
【0039】
基板ホルダ300は、基板の温度を調節するヒート構造物900を含んでもよい。基板処理装置10は、ヒート構造物にヒートパワーを供給するヒートパワー供給装置950を含んでもよい。
【0040】
熱伝達調節構造物500は、基板ホルダ300およびベース構造物700の間に位置し、単一内部空間を有する。熱伝達調節構造物500は複数の内部空間を有してもよい。熱伝達ガス制御装置600は、熱伝達調節構造物に連結され、熱伝達ガスを供給する。
【0041】
ベース構造物700はチャンバの内部に位置し、チャンネル800が形成される。高周波パワー供給装置750はベース構造物に連結され、高周波パワーを供給する。冷媒供給装置850はチャンネルに連結され、冷媒を供給する。
【0042】
静電チャックは、基板に形成された空間内の電気的力(例えば、クーロン力(Coulomb Force)、ジョンソン・ラベック力(Jonhsen-Rabek Force))を発生させて基板位置を固定する。形成された空間内基板ガス供給装置によって供給される基板後面ガスにより基板温度および温度均一度を制御する。
【0043】
基板ガス供給装置350から供給される基板後面ガスは、基板ホルダ300と基板との間に噴射され、基板ホルダ300と基板との間に発生する熱伝達を調節することができる。熱伝達調節構造物500がない場合、基板後面ガスはベース構造物500に供給される-100℃以上0℃以下の低温または-100℃以下の極低温の比較的低い温度の冷媒により、基板ホルダ300のヒーター構造物によって基板温度上昇効果が期待しにくい点がある。一方、熱伝達調節構造物500をベース構造物700と基板ホルダ300との間に形成する場合、ベース構造物に供給される-100℃以上0℃以下の低温または-100℃以下の極低温の比較的低い温度の冷媒と基板ホルダ300との熱伝達を効果的に制御し、ヒータ構造物により基板ホルダ300および基板の温度を上昇させることができる。例えば、熱伝達調節構造物内部の熱伝達空間が真空状態であれば、ベース構造物700と基板ホルダ300は、熱伝達がほとんどない真空断熱状態であり、構造物から発生した熱を基板に効率的に伝達することができる。
【0044】
熱伝達調節構造物500の熱伝達ガスは、基板後面ガスよりも広い範囲のガス圧力を制御することができる。基板後面ガスは約1Torr~100Torrの間のガス圧力が好ましく、比較的高い圧力では基板後面ガスのリークまたは基板離脱現象が発生する可能性がある。基板後面ガスのリークは工程中のプラズマ組成に影響を与え、工程に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、熱伝達調節構造物の熱伝達ガスは、10mTorr以下の真空から760Torr以上の比較的低いか高い圧力で、熱伝達ガスのリーク無しで工程を行うことができる。
【0045】
基板後面ガスは、例えば熱伝導度を有するガスであるヘリウム、窒素、アルゴンなどであってもよい。ヘリウムの熱伝導度が最も優れるため、ヘリウムを使用することが望ましい。
【0046】
静電チャックは主に誘電物質(Dielectric Material)で構成され、チャッキング電極(Chucking Electrode)が埋め込まれている。誘電物質は、代表的な例として、Al2O3、Doped-Al2O3、AlNなどであってもよく、誘電物質の比抵抗(Volume resistivity)は1~10オーム×cmとなってもよい。チャッキング電極は、単一電極(Mono-polar Electrode)または両電極(Bi-polar Electrode)となることができ、金属物質(例えば、Mo、W、など)で具現されることができる。
【0047】
チャッキングパワー供給装置は、フィルタ(Filter)および直流(Direct Current、DC)電源供給装置または交流(Alternating curent、AC)電源供給装置などで具現することができる。例えば、比抵抗範囲(<1013オーム*cm)の誘電物質から構成された静電チャックおよび静電チャックが位置する基板の間に形成された空間内チャッキングパワー供給装置を用いて空間内電圧(Voltage)を発生させ、電気的力を利用して基板位置が静電チャック上に固定されることができる。電気的力はジョンソン-ラベック力であってもよい。ジョンソン-ラベック力は静電チャックの温度に依存するため、静電チャック温度が変化時にジョンソン-ラベック力またはクーロン力になることができる。例えば、比抵抗範囲(<1013オーム*cm)の誘電物質から構成された静電チャックおよび静電チャック上に位置する基板位置を固定するために、チャッキングパワー供給システムgを使用することができる。チャッキングパワー供給装置によって静電チャックに電圧(Voltage)を発生させ、電気的な力を利用して基板位置が静電チャック上に固定されることができる。電気的力はクーロン力であってもよい。クーロン力は静電チャックの温度に依存するため、静電チャック温度の変化時にクーロン力またはジョンソン-ラベック力になることができる。
【0048】
基板直径は300mm、200mmなどであってもよく、静電チャックの直径は基板の直径以下または直径に該当する直径を有することができる。静電チャック内チャッキング電極外基板後面ガス供給ライン(例えば、微細孔)を有してもよい。静電チャックの表面粗さ(Surface roughness、Ra)は、例えば≦0.3の範囲を有してもよい。静電チャックは、ヒーター構造物と一体(One-body)で作製されてもよい。
【0049】
基板ガス供給装置は、必要に応じて、複数のガスラインが含まれるガス供給によって制御されることができる。
【0050】
基板処理装置の誘電体、金属材からなる構造物間の熱膨張率は、±50%以内で差があるほど、構造物間の結合時の温度変化による衝撃が少なくなり得る。例えば、静電チャックの誘電物質であるAl2O3の熱膨張率が約10×10-6/kであり、静電チャックの誘電物質Al2O3と結合された構造物の熱膨張率は5×10-6/k~15×10-6/kの間の値を有することが好ましい。
【0051】
ヒータ構造物は、静電チャックによって固定された位置状態である基板の温度および温度均一度を制御するために使用されることができる。ヒータ構造物は、誘電物質(Dielectric Material)で構成されることができ、誘電物質内発熱電極(Heating Electrode)が埋め込まれてもよい。基板の温度および温度の均一度を制御するために埋め込まれた発熱電極は、1つまたは複数であり、適正な発熱電極パターン(Pattern)を有してもよい。誘電物質はAlNなどであってもよく、発熱電極構成物質はSiC、Wなどであってもよい。
【0052】
ヒータパワー供給装置は、フィルタ(Filter)および直流(Direct Current、DC)電源供給装置、または交流(Alternating curent、AC)電源供給装置などで具現することができる。例えば、ヒータパワー供給装置を用いて発熱電極にパワー(Power、P=I2R)供給時に、ヒータ温度および温度均一度が制御され、基板の温度および温度均一度が制御される。ヒーター構造物は静電チャックと一体(One-body)になってもよい。
【0053】
ベース構造物は、外部RF(Radio Frequency)パワー供給源を含むRFパワー供給装置において、コネクタを介してRF整合システムを経たパワーが供給され、電極として利用でき、これを介してプラズマを発生することができ、金属材質である。例えば、アルミニウム、チタニウム合金などの金属であってもよい。装置は、反応性イオンエッチング(RIE、Reactive Ion Etching)反応器などに応用されることができる。ベース構造物には、複数の孔がベース構造物を貫通してもよい。複数の孔は、ベース構造物の上部にガス供給、温度測定機構またはコネクタを貫通して、温度測定およびパワー供給に用いられることができる。コネクタは、ベース構造物を貫通して上部チャッキング電極、ヒータなどの構造物に連結されてもよい。
【0054】
ベース構造物は、高温に加熱された静電チャック、基板の冷却のために使用されることができる。プラズマを用いた工程において、プラズマに基板が露出されるとき、基板へのイオン衝撃(Ion Bombardment)または輻射(Radiation)などのエネルギー供給によって基板の温度が上昇することがある。基板の温度が上昇する場合、基板の損傷または工程結果の不均一性が上昇する可能性があるため、基板を冷却する必要があり得る。
【0055】
ベース構造物には、冷却のために、冷媒が流れるチャンネルが形成されてもよい。ベース構造物の冷媒チャンネルに注入される冷媒は、水、エチレングリコール液体テフロン(登録商標)などの冷媒であってもよい。基板に応じて-100℃以上0℃以下の低温を形成するために、有機溶媒であるヒドロフルオロエーテル、ガルデン溶液、-100℃以下の極低温を形成するために、液体窒素、液体メタン、液体アルゴンなどの冷媒であってもよい。この際、ベース構造物に供給される冷媒は、チャンバ外部のチラーを含む冷媒供給装置を用いて供給されてもよい。
【0056】
冷媒は、基板に発生する熱だけでなく、ベース構造物に印加される電力に応じて発生する熱も吸収することができる。
【0057】
ベース構造物に形成される通常の構成は、基板アンロードのためのリフトピンなどの構成については図示を省略する。
【0058】
図4~
図13は、本発明の実施形態による基板処理装置の熱伝達調節構造物を例示した図である。
【0059】
図4は、ベース構造物700に形成された熱伝達調節構造物挿入空間に単一熱伝達空間511を有する熱伝達調節構造物が挿入される構造を示す。
図5は、ベース構造物700に形成された熱伝達調節構造物挿入空間に、分離壁525によるマルチゾーン熱伝達空間521、522を有する熱伝達調節構造物が挿入される構造を示す。
【0060】
熱伝達調節構造物は、基板処理装置とは別に作製され、ベース構造物に形成された熱伝達調節構造物挿入空間に挿入されてもよい。熱伝達調節構造物とベース構造物は、必要に応じて溶接または機械的結合などによって結合されることができる。機械的結合には、例えばボルトなどを用いた結合であってもよい。熱伝達調節構造物がベース構造物に形成された熱伝達調節構造物挿入空間に挿入される方式ではなく、熱伝達調節構造物がベース構造物と一体に作製されてもよい。
【0061】
基板処理装置の内部に位置した熱伝達調節構造物を通じて、必要に応じて熱源とヒートシンクとの間に発生する熱を遮断または伝達することができ、工程中または工程後の基板の温度調節を容易にすることができる。例えば、基板の温度を常温から極低温まで、熱伝達調節構造物を用いて可変することができる。
【0062】
熱源は、ヒートシンクよりも温度の高い構造物になってもよい。例えば、光またはプラズマなどのエネルギーを受けて特定の温度を有するか、温度が持続的に上昇中の基板、工程後の基板、ヒータなどであってもよい。ヒートシンクは、熱源よりも温度が低い構造物であってもよい。例えば、基板処理装置内部の冷媒を含むベース構造物、熱源より温度の低い構造物などであってもよい。
【0063】
熱源とヒートシンクとの間に位置した熱伝達調節構造物内部の熱伝達空間が真空状態であると、真空断熱効果によって上板から下板に流れる熱を比較的完璧に遮断することができる。例えば、上板に接した熱源の温度が-100℃以上0℃以下の低温または0℃以上の温度であり、下板に接したヒートシンクの温度が-100℃以下の極低温で不変する温度を有するとするとき、上板に接した熱源の温度は、-100℃以上0℃以下の低温または0℃以上の温度であってもよい。
【0064】
熱源とヒートシンクとの間に位置した熱伝達調節構造物内部熱伝達空間が高い圧力の熱伝達ガスの供給を受け、約5W/K以上の十分に大きい熱伝導度を有するとき、熱伝達空間の圧力上昇は熱伝導度上昇効果を通じて熱源とヒートシンクとの間で起こる熱伝達を比較的円滑にすることができる。例えば、下板に接したヒートシンクの温度が-100℃以下の極低温で不変する温度を有するとするとき、上板に接した熱源の温度は-150℃以下の極低温でヒートシンクと同じ温度になることができる。
【0065】
熱源とヒートシンクとの間に位置した熱伝達調節構造物内部の熱伝達空間の熱伝達ガス圧力の変化による熱源とヒートシンクとの間の熱伝達量の変化により、熱源の温度を可変することができる。
【0066】
図6~
図9は、単一熱伝達空間511を有する熱伝達調節構造物の構造を示す。
【0067】
図6は、熱伝達調節構造物が1つの熱伝達ポートを有する場合と2つ以上の熱伝達ポートを有する場合を示す。
【0068】
熱伝達調節構造物は、上板531、下板532、側壁533、熱伝達空間、熱伝達ガスポート534を含む。熱伝達ガスポートは、熱伝達ガス供給ポートまたは熱伝達ガス排気ポートが複数または1つのポートで供給と排気がなされてもよい。上板と下板は0.5~10mm程度の厚さを有し、金属材質である。例えば、アルミニウムステンレススチールまたは他の金属および合金などであってもよい。ただし、材質に応じて、上板と下板は、熱源とヒートシンクと必要に応じて連続した一体で作製されてもよい。
【0069】
熱伝達調節構造物の上板および下板は、特定の温度を有する熱源とヒートシンクとの間に位置してもよい。熱伝達調節構造物と接する熱源とヒートシンクの温度が互いに異なり、熱伝達空間が可変可能な熱伝導度および熱伝達係数(Heat Transfer Coefficient)を有する場合、熱源とヒートシンクとの間で可変可能な熱伝達が起こり得る。この時、上板と下板の厚さは薄いほど、熱源とヒートシンクとの間の熱伝達に有利である。
【0070】
熱伝達調節構造物の上板下板の表面粗さは低いほど、熱源とヒートシンクとの間の熱伝達に有利であり得る。例えば、熱伝達調節構造物を製造する際の研磨工程により、上板と下板の表面粗さを低くすることができる。
【0071】
熱伝達調節構造物の側壁、熱伝達空間構造に関する内容は、熱伝達空間に1つまたは複数の熱伝達ガスポート535、536が連結された場合にも適用することができる。
【0072】
図7は、熱伝達調節構造物の上板と下板とを連結する側壁の楕円状構造を示す。上板と下板は側壁を介して連結され、内部に熱伝達空間を形成してもよい。側壁は、熱伝達調節構造物に含まれる熱伝達ガスポートを除いて、熱伝達調節構造物の熱伝達空間を外部環境から分離させる。側壁は、上板と下板とを直線に連結する型であってもよく、直線状以外に特殊な形態であってもよい。例えば、側壁は、楕円形または3つの楕円が連続した形態であってもよい。
【0073】
図8は、熱伝達調節構造物内部の熱伝達空間のスパイク(Spike)構造、フィン(Fin)構造、エンボス(Embossing)構造などの熱伝達調節構造物の様々な構造を示す。熱伝達調節構造物の熱伝達空間は、3~3000μmの間隔が通常用いられ、50μm以下の間隔が好ましい。この際、熱伝達空間は、平坦な構造の他にも、熱伝達ガスと接触面積を広げるためのスパイク構造、フィン構造、エンボス構造などで具現されてもよい。熱伝達空間の熱伝達ガス接触面積の増加は、熱伝達空間で熱伝達量を増やして急速に熱伝達を制御するのに有利であり得る。
【0074】
図9は、熱伝達調節構造物内部の熱伝達空間の内部支持柱の配置を示す。熱伝達空間の内部は、熱伝達調節構造物の上部に配置され得る熱源またはヒートシンクの荷重による熱伝達空間の崩壊を防ぐために、内部支持柱541が配置されてもよい。内部支持柱は上板、下板と当接しており、円柱、多角柱など多様な形態になってもよい。内部支持柱の配置形態は、同心円、直線などの形態となってもよく、柱1つ当たり約2cm
2以上の面積を支持することが好ましい。内部支持柱は金属材質または誘電物質で作製されてもよい。例えば、上板、下板などの金属材質、またはAl
2O
3などの誘電物質であってもよい。
【0075】
熱伝達調節構造物は、熱伝達空間の熱伝達ガスを介して伝達される熱伝達の他に寄生熱伝達を有してもよい。寄生熱伝達には、熱伝達調節構造物の構造的特性によって伝導される熱、上板と下板との間に発生する輻射熱、または外部環境と発生する輻射熱などが含まれる。寄生熱伝達を通じて、上板と下板との間の熱伝達ガス圧力による可変的な熱伝達量ではなく、固定的な熱伝達量を有することもできる。寄生熱伝達は、熱伝達空間の熱伝達ガスによって伝達される熱伝達量に比べて比較的少ない熱伝達量を有し得る。上板と下板の間の内部支持柱のサイズは小さく、数は少ないほど寄生熱伝達量を減らすことができる。上板と下板を連結する側壁の長さが長くて薄くなるほど、寄生熱伝達量を減らすことができる。
【0076】
熱伝達調節構造物の熱伝達空間は、熱伝達ガスポートを介して熱伝導性を有する熱伝達ガスが供給されることができる。熱伝達ガスポートは、熱伝達調節構造物の上板、下板、側壁などに配置されてもよい。熱伝達ガスポートが上板または下板に配置されるとき、上板または下板と接した熱源またはヒートシンクに熱伝達ガスラインが通過するように加工が必要である。熱伝達ガスポートは、金属製、例えばアルミニウムステンレススチールまたは他の金属および合金であってもよい。
【0077】
熱伝達ガスは、例えば、熱伝導度を有するガスであるヘリウム、窒素、アルゴンなどであってもよい。ヘリウムの熱伝導度が最も優れるため、ヘリウムを用いることが好ましい。熱伝達空間間隔が一定の場合、熱伝達空間内部の熱伝達ガス圧力の上昇は、上板と下板との間の熱伝達量を可変することができる。逆に、熱伝達空間内部の熱伝達ガス圧力が低くなるほど、上板と下板との間の熱伝達量が減少する。熱伝達空間の間隔が異なる場合、熱伝達空間の熱伝達量は空間別に異なることができる。
【0078】
図10~
図13は、マルチゾーン熱伝達空間を有する熱伝達調節構造物の構造を示す。
【0079】
図10は、熱伝達調節構造物が1つの熱伝達ポートを有する場合と2つ以上の熱伝達ポートを有する場合を示す。
【0080】
図10を参照すると、マルチゾーン熱伝達調節構造物は、内部に2つ以上分離された複数の熱伝達空間を有し、熱伝達空間は、それぞれの熱伝達ガスポート554、557を用いて熱伝達ガスを供給、排気し、熱伝達空間の熱伝達ガス圧力調節により、マルチゾーン熱伝達調節構造物の熱伝達量を調節することができる。マルチゾーンに供給ガスポート555、558と排気ガスポート556、559をそれぞれ連結することもできる。例えば、マルチゾーン熱伝達調節構造物の中央熱伝達空間、側面熱伝達空間の熱伝達ガス圧力の変化は、熱源とヒートシンクの中央、側面の熱伝達量が異なるように調節することができる。
【0081】
図11は、熱伝達調節構造物の上板と下板とを連結する側壁の楕円状構造を示す。上板と下板は側壁を介して連結され、内部にマルチゾーン熱伝達空間を形成することができる。
【0082】
図12は、熱伝達調節構造物内部の熱伝達空間のスパイク(Spike)構造、フィン(Fin)構造、エンボス(Embossing)構造などの熱伝達調節構造物の様々な構造を示す。
【0083】
図13は、熱伝達調節構造物内部の熱伝達空間の内部支持柱の配置を示す。熱伝達空間の内部は、熱伝達調節構造物の上部に配置され得る熱源またはヒートシンクの荷重による熱伝達空間の崩壊を防ぐために、内部支持柱が配置されてもよい。
【0084】
熱伝達調節構造物は、上板、下板、側壁、分離壁によって複数の内部空間を有し、上板、下板、側壁、またはそれらの組み合わせで連結されたガスポートを介して熱伝達ガスが流入または流出することができる。
【0085】
熱伝達調節構造物は、分離壁525によって第1内部空間521および第2内部空間522に分けることができる。第1内部空間521および第2内部空間522は、外部源および内部源に分けられてもよい。第1内部空間521に第1内部支持柱561が設けられ、第2内部空間522に第2内部支持柱562が設けられてもよい。
【0086】
図14~
図16は、本発明の実施形態による基板処理装置の熱伝達ガス制御装置を例示した図である。
【0087】
熱伝達ガス制御装置は、ガス供給装置とガス排気装置とを含む。
【0088】
熱伝達調節構造物の熱伝達ガス供給とガス排気は、1つの熱伝達ガスポートまたは2つ以上の複数のポートによって行われてもよい。
【0089】
熱伝達調節構造物が1つの熱伝達ガスポートを有するとき、ガス供給管は、ガス供給源からガス制御装置とガス供給弁を通過した後、ガス排気装置に分岐点601を介して分岐し、熱伝達空間の熱伝達ガスは1つの熱伝達ガスポートを介して供給かつ排気されることができる。
【0090】
熱伝達調節構造物が1つのガスポートを有する場合、熱伝達調節構造物のガス供給装置610は、熱伝達空間に熱伝達ガスを供給し、熱伝達ガス供給装置は、ガス供給管、ガス供給源613、ガス制御装置612、ガス供給弁611などを含む。熱伝達調節構造物のガス排気装置620は熱伝導空間の熱伝達ガスを排気し、排気装置は、ガス排気管、圧力ゲージ622、圧力調整弁623、真空ポンプ624などを含む装置であってもよい。熱伝達ガス排気装置は、熱伝達空間内部の熱伝達調節ガスの圧力が基準値より高い場合、熱伝達ガスを排気させる役割を果たすことができる。
【0091】
熱伝達調節構造物が複数のガスポートを有するとき、熱伝達調節構造物にガス供給ライン631とガス排気ライン641は分離されることができ、ガス供給装置とガス排気装置は、供給ポート、排気ポートなど複数のポートを介して分離して連結される。
【0092】
熱伝達調節構造物が複数のガスポートを有するとき、熱伝達調節構造物のガス供給装置は熱伝導空間に熱伝達ガスを供給し、ガス供給装置はガス供給管、ガス供給源634、ガス制御装置633、ガス供給弁632を含む。熱伝達調節構造物のガス排気装置は、熱伝達空間の熱伝達ガスを排気し、排気装置は、ガス排気管、圧力ゲージ642、圧力調整弁643、真空ポンプ644などを含む装置であってもよい。熱伝達ガス排気装置は、熱伝達空間内部の熱伝達調節ガスの圧力が基準値より高い場合、熱伝達調節ガスを排気させる役割を果たすことができる。
【0093】
熱伝達ガス供給装置および排気装置は、中央熱伝達空間と側面熱伝達空間にそれぞれ適用することができる。
【0094】
図15を参照すると、第1内部空間に連結されたガスポート602に、ガス供給装置610とガス排気装置620に連結され、第2内部空間に連結されたガスポート603に、ガス供給装置650とガス排気装置660に連結されることができる。
【0095】
図16を参照すると、第1内部空間に連結されたガス供給ポートにガス供給装置630が連結され、ガス排気ポートにガス排気装置640が連結され、第2内部空間に連結されたガス供給ポートにガス供給装置670が連結され、ガス排気ポートにガス排気装置660に連結されてもよい。
【0096】
図17および
図18は、本発明の他の実施形態による温度制御方法を例示したフローチャートである。温度制御方法は、熱伝達調節構造物によって行うことができる。
【0097】
図17を参照すると、熱伝達調節構造物による温度制御方法は、熱伝達調節構造物を熱源およびヒートシンクの間に設置する段階(S10)、熱伝達調節構造物の単一内部空間に熱伝達ガスを供給する段階(S20)、熱伝達ガスの圧力を調節する段階(S30)、熱伝達ガスの圧力の変化に応じて熱源およびヒートシンクの間の熱伝達量を可変して熱伝達時間を制御する段階(S40)を含む。基板処理装置を参照すると、熱源は基板ホルダに対応し、ヒートシンクはベース構造物に対応することができる。
【0098】
図18を参照すると、熱伝達調節構造物によるマルチゾーン温度制御方法は、熱伝達調節構造物を熱源およびヒートシンクの間に設置する段階(S10)、熱伝達調節構造物のマルチゾーンのうち、第1内部空間に第1熱伝達ガスを供給する段階(S21)、熱伝達調節構造物のマルチゾーンのうち、第2内部空間に第2熱伝達ガスを供給する段階(S22)、第1熱伝達ガスの圧力を調節する段階(S31)、第2熱伝達ガスの圧力を調節する段階(S32)、第1熱伝達ガスの圧力の変化および第2熱伝達ガスの圧力の変化に応じて、熱源およびヒートシンクの間の熱伝達量を可変して熱伝達時間を制御する段階を含む。基板処理装置を参照すると、熱源は基板ホルダに対応し、ヒートシンクはベース構造物に対応することができる。
【0099】
基板処理装置に含まれた構成要素が、
図1では分離して示されているが、複数の構成要素は互いに結合されて少なくとも1つのモジュールで具現されてもよい。
【0100】
基板処理装置は、ハードウェア的要素が備えられたコンピューティングデバイスに、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせの形で搭載されることができる。コンピューティングデバイスは、各種機器または有無線通信網と通信を行うための通信モデムなどの通信装置、プログラムを実行するためのデータを保存するメモリ、プログラムを実行して演算および命令するためのマイクロプロセッサなどを全部または一部含む様々な装置を意味することができる。
【0101】
本実施形態は、本実施形態の技術思想を説明するためのものであり、このような実施形態によって本実施形態の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施形態の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施形態の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0102】
10 ・・・基板処理装置
100 ・・・チャンバ
200 ・・・基板
300 ・・・基板ホルダ
350 ・・・基板ガス供給装置
400 ・・・静電チャック
450 ・・・チャッキングパワー供給装置
500 ・・・熱伝達調節構造物
600 ・・・熱伝達ガス制御装置
700 ・・・ベース構造物
750 ・・・高周波パワー供給装置
800 ・・・チャンネル
850 ・・・冷媒供給装置
900 ・・・ヒート構造物
950 ・・・ヒートパワー供給装置
1000 ・・・温度測定装置
【国際調査報告】