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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】コンパクト折り畳み式テレカメラ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20240628BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240628BHJP
   G03B 19/00 20210101ALI20240628BHJP
   G03B 17/17 20210101ALI20240628BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20240628BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20240628BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20240628BHJP
【FI】
G02B13/00
G03B30/00
G03B19/00
G03B17/17
G03B5/00 J
H04N23/55
G02B13/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578880
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 IB2022055745
(87)【国際公開番号】W WO2022269486
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/213,899
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/245,892
(32)【優先日】2021-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/288,047
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/291,628
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515347201
【氏名又は名称】コアフォトニクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】シャブタイ,ガル
(72)【発明者】
【氏名】ゴウリンスキ,ナダヴ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデンバーグ,エフライム
(72)【発明者】
【氏名】シェーラー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シェメシュ,ジヴ
【テーマコード(参考)】
2H054
2H087
2H101
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H054BB02
2H087KA01
2H087LA01
2H087PA03
2H087PA04
2H087PA05
2H087PA17
2H087PB03
2H087PB04
2H087PB05
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA14
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA34
2H087RA41
2H087RA44
2H087UA01
2H101FF08
2K005AA06
2K005CA02
2K005CA23
5C122DA03
5C122DA04
5C122DA09
5C122EA12
5C122EA37
5C122FB03
5C122FC01
5C122FC02
(57)【要約】
N≧3のレンズ要素Lを有し、EFL、開口直径DA、F値f/#、TTL、及びBFLを有するレンズであって、レンズ要素それぞれはそれぞれの焦点距離fを有し、第1のレンズ要素Lが物体側に面し、最後のレンズ要素Lが像側に面する、レンズ;センサ対角線(SD)を有する画像センサ;および物体と画像センサとの間に折り畳み式光路を提供するための光路折り畳み要素(OPFE)を備え、レンズがOPFEの物体側に位置し、EFLが8mm<EFL<50mmの範囲にあり、BFLとTTLとの間の比率がBFL/TTL>0.75を満たす、折り畳み式デジタルカメラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N≧3個のレンズ要素Lを有し、有効焦点距離(EFL)、開口直径(DA)、f値(f/#)、全トラック長(TTL)及び後焦点距離(BFL)を有するレンズであって、レンズ要素それぞれがそれぞれの焦点距離fを有し、第1のレンズ要素Lが物体側に面し、最後のレンズ要素Lが像側に面する、レンズ;
センサ対角線(SD)を有する画像センサ;および
物体と前記画像センサとの間に折り畳み式光路を提供するための光路折り畳み要素(OPFE)を備えるカメラであり、
前記カメラは折り畳み式デジタルカメラであり、
前記レンズは前記OPFEの物体側に位置し、EFLは8mm<EFL<50mmの範囲にあり、BFL/TTL>0.5であるカメラ。
【請求項2】
BFL/TTL>0.6である請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
BFL/TTL>0.7である請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
BFL/TTL>0.8である請求項1に記載のカメラ。
【請求項5】
BFL/TTL>0.9である請求項1に記載のカメラ。
【請求項6】
前記BFLと前記EFLとの比率は、BFL/EFL>0.7を満たす、請求項1に記載のカメラ。
【請求項7】
前記BFLと前記EFLとの比率は、BFL/EFL>0.9を満たす、請求項1に記載のカメラ。
【請求項8】
前記EFLが、15mm<EFL<50mmの範囲にある請求項1に記載のカメラ。
【請求項9】
前記EFLが、25mm<EFL<45mmの範囲にある請求項1に記載のカメラ。
【請求項10】
前記レンズは合焦及び光学式画像安定化のために、前記OPFEに対して及び前記画像センサに対して移動可能である請求項1に記載のカメラ。
【請求項11】
前記レンズおよび前記OPFEは合焦および光学式画像安定化のために、前記画像センサに対して一緒に移動可能である請求項1に記載のカメラ。
【請求項12】
前記レンズは光学式画像安定化のために、前記OPFEに対して及び前記画像センサに対して移動可能であり、前記レンズ及び前記OPFEは、合焦のために前記画像センサに対して一緒に移動可能である請求項1に記載のカメラ。
【請求項13】
前記DAは5mm<DA<11mmの範囲にあり、前記f/#は、2<f/#<6.5の範囲にある請求項1に記載のカメラ。
【請求項14】
前記DAが7mm<DA<9mmの範囲にあり、前記f/#が、3<f/#<5.5の範囲にある請求項1に記載のカメラ。
【請求項15】
前記SDは、3mm<SD<10mmの範囲にある請求項1に記載のカメラ。
【請求項16】
前記SDは、4mm<SD<7mmの範囲にある請求項1に記載のカメラ。
【請求項17】
肩高さ(SH)およびモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、前記SHは3.5mm<SH<8mmの範囲にあり、前記MHは6mm<MH<12.5mmの範囲にある、請求項1に記載のカメラ。
【請求項18】
肩高さ(SH)およびモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、前記SHは4mm<SH<6mmの範囲にあり、前記MHは7mm<MH<11mmの範囲にある、請求項1に記載のカメラ。
【請求項19】
肩高さ(SH)とモジュール高さ(MH)とを有するカメラモジュールに含まれ、SH/MH比率<0.8である請求項1に記載のカメラ。
【請求項20】
肩高さ(SH)とモジュール高さ(MH)とを有するカメラモジュールに含まれ、SH/MH比率<0.65である請求項1に記載のカメラ。
【請求項21】
肩高さ(SH)およびモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、SH/MH比率が<0.55である請求項39に記載のカメラ。
【請求項22】
ΔLOは前記像側に向かうLの最後の面と前記OPFEとの間の距離であり、ΔLO/TTL<0.01である請求項1に記載のカメラ。
【請求項23】
ALTが全てのレンズ要素L~Lのレンズ厚さの平均であり、ALT/TTL<0.05である請求項1に記載のカメラ。
【請求項24】
ALTが全てのレンズ要素L~Lのレンズ厚さの平均であり、ALT/TTL<0.025である請求項1に記載のカメラ。
【請求項25】
AGTが全てのレンズ要素L~L間の全ての隙間の厚さの平均であり、AGT/TTL<0.01である請求項1に記載のカメラ。
【請求項26】
d34はLとLとの間の距離であり、ALTは全てのレンズ要素L~Lのレンズ厚さの平均であり、d34/ALT>2である請求項1に記載のカメラ。
【請求項27】
TTL/EFL<1.15である請求項1に記載のカメラ。
【請求項28】
TTL/EFL<1.05である請求項1に記載のカメラ。
【請求項29】
は、ガラス製である請求項1に記載のカメラ。
【請求項30】
の前記fと前記EFLとの比率は、f/EFL<0.75を満たす請求項1に記載のカメラ。
【請求項31】
前記N=5であり、レンズ要素L~Lの度数配列は、正負負正負である請求項1に記載のカメラ。
【請求項32】
N=3であり、レンズ要素L~Lの度数配列は、正負負である請求項1に記載のカメラ。
【請求項33】
とLとの間の距離d23と、レンズ厚さLTとの比率が、d23/LT<0.1を満たす、請求項1に記載のカメラ。
【請求項34】
とLとの間の距離d23と、レンズ厚さLTとの比率が、d23/LT<0.05を満たす請求項1に記載のカメラ。
【請求項35】
の中心厚さTは、他の何れのレンズ要素Lの中心厚さTよりも大きい請求項1に記載のカメラ。
【請求項36】
の中心厚さTと全てのレンズ要素L~Lの平均レンズ厚さ(ALT)との比率は、T/ALT>1.5を満たす請求項1に記載のカメラ。
【請求項37】
の中心厚さTと全てのレンズ要素L~Lの平均レンズ厚さ(ALT)との比率は、T/ALT>1.75を満たす請求項1に記載のカメラ。
【請求項38】
のエッジ厚さETは、全てのレンズ要素の最大エッジ厚さを有するレンズ要素Lのエッジ厚さETよりも小さい請求項1に記載のカメラ。
【請求項39】
前記レンズは、レンズ光軸に平行な軸に沿って切断された切断レンズである請求項1に記載のカメラ。
【請求項40】
モジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、前記レンズは軸対称レンズ直径に対して20%だけ切断され、前記MHは前記切断によって10%を上回って低減される、請求項39に記載のカメラ。
【請求項41】
請求項1~40のいずれか1項に記載のカメラを含み、
機器厚さTと、バンプ高さBを有するカメラバンプとを有し、前記バンプ領域は高められた高さT+Bを有し、前記カメラの第1の領域は、前記カメラバンプ領域に組み込まれ、前記カメラの第2の領域は前記カメラバンプに組み込まれない、モバイル機器。
【請求項42】
前記カメラの前記第1の領域が前記カメラのレンズを含み、前記カメラの前記第2の領域が前記カメラの画像センサを含む、請求項41に記載のモバイル機器。
【請求項43】
前記1~40のいずれか1項に記載のカメラを含み、スマートフォンであるモバイル機器。
【請求項44】
N≧4個のレンズ要素Lを有し、有効焦点距離(EFL)、開口直径(DA)、f値(f/#)、全トラック長(TTL)及び後焦点距離(BFL)を有するレンズであって、レンズ要素それぞれがそれぞれの焦点距離fを有し、第1のレンズ要素Lが物体側に面し、最後のレンズ要素Lが像側に面する、レンズ;
センサ対角線(SD)を有する画像センサ:および
物体と画像センサとの間に折り畳み式光路を提供するための光路折り畳み要素(OPFE)を備えるカメラであり、
前記カメラは折り畳み式デジタルカメラであり、
前記レンズは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とに分割され、
G1は前記OPFEの物体側に位置し、
G2は前記OPFEの像側に位置し、
EFLは、8mm<EFL<50mmの範囲にあり、
G1とG2との間の距離d(G1-G2)は、d(G1-G2)>TTL/2を満たすカメラ。
【請求項45】
d(G1-G2)>0.75TTLである請求項44に記載のカメラ。
【請求項46】
d(G1-G2)>0.85TTLである請求項44に記載のカメラ。
【請求項47】
前記EFLが、15mm<EFL<45mmの範囲にある請求項44に記載のカメラ。
【請求項48】
G1は合焦及び光学式画像安定化のために、前記OPFEに対して、G2に対して、及び前記画像センサに対して、移動可能である請求項44に記載のカメラ。
【請求項49】
G1および前記OPFEは合焦および光学式画像安定化のために、G2に対して及び前記対画像センサに対して一緒に移動可能である請求項44に記載のカメラ。
【請求項50】
G1は光学式画像安定化のために、前記OPFEに対して、G2に対して、および前記画像センサに対して移動可能であり、G1および前記OPFEは合焦のために、G2に対して、および前記画像センサに対して一緒に移動可能である請求項44に記載のカメラ。
【請求項51】
前記DAが5mm<DA<11mmの範囲にあり、前記f/#が2<f/#<6.5の範囲にある、請求項44に記載のカメラ。
【請求項52】
前記DAは7mm<DA<9mmの範囲にあり、前記f/#は、3<f/#<5.0の範囲にある、請求項44に記載のカメラ。
【請求項53】
前記SDは、3mm<SD<10mmの範囲にある請求項44に記載のカメラ。
【請求項54】
肩高さ(SH)およびモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、前記SHは3.5mm<SH<8mmの範囲にあり、前記MHは6mm<MH<12.5mmの範囲にある、請求項44に記載のカメラ。
【請求項55】
肩高さ(SH)およびモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、前記SHは4mm<SH<6mmの範囲にあり、前記MHは7mm<MH<11mmの範囲にある、請求項44に記載のカメラ。
【請求項56】
肩高さ(SH)およびモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、SH/MH比率<0.8である請求項44に記載のカメラ。
【請求項57】
肩高さ(SH)およびモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、SH/MH比率が<0.65である請求項44に記載のカメラ。
【請求項58】
肩高さ(SH)およびモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、SH/MH比率が<0.55である請求項44に記載のカメラ。
【請求項59】
ΔLOは前記像面に向かうLの最後の面と前記OPFEとの間の距離であり、ΔLO/TTL<0.01である請求項44に記載のカメラ。
【請求項60】
ALTが全てのレンズ要素L~Lのレンズ厚さの平均であり、ALT/TTL<0.05である請求項44に記載のカメラ。
【請求項61】
ALTが全てのレンズ要素L~Lのレンズ厚さの平均であり、ALT/TTL<0.025である請求項44に記載のカメラ。
【請求項62】
AGTが全てのレンズ要素L~L間の全ての間隙厚さの平均であり、AGT/TTL<0.01である請求項44に記載のカメラ。
【請求項63】
TTL/EFL<1.25である請求項44に記載のカメラ。
【請求項64】
TTL/EFL<1.15である請求項44に記載のカメラ。
【請求項65】
は、ガラス製である請求項44に記載のカメラ。
【請求項66】
の前記fと前記EFLとの比率が、f1/EFL<0.75を満たす、請求項44に記載のカメラ。
【請求項67】
N=4であり、レンズ要素L~Lの度数配列は、正正負正である請求項44に記載のカメラ。
【請求項68】
とLとの間の距離d23と、レンズ厚さLTとの比率が、d23/LT<0.1を満たす請求項44に記載のカメラ。
【請求項69】
とLとの間の距離d23と、レンズ厚さLTとの比率が、d23/LT<0.05を満たす請求項44に記載のカメラ。
【請求項70】
の中心厚さTは、他の何れのレンズ要素Lの中心厚さTiiよりも大きい請求項44に記載のカメラ。
【請求項71】
の中心厚さTと全てのレンズ要素Lの平均レンズ厚さ(ALT)との比率は、T1/ALT>1.5を満たす、請求項44に記載のカメラ。
【請求項72】
の中心厚さTと全てのレンズ要素L~Lの平均レンズ厚さ(ALT)との比率は、T/ALT>1.75を満たす、請求項44に記載のカメラ。
【請求項73】
のエッジ厚さET1は、全てのレンズ要素の最大エッジ厚さを有するレンズ要素Lのエッジ厚さETよりも小さい、請求項44に記載のカメラ。
【請求項74】
前記レンズが、G1の光軸に平行な軸に沿って切断された切断レンズである請求項44に記載のカメラ。
【請求項75】
モジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、前記レンズは軸対称レンズ直径に対して20%だけ切断され、前記MHは前記切断によって10%を上回って低減される、請求項74に記載のカメラ。
【請求項76】
請求項44~75のいずれか1項に記載のカメラを含み、
機器厚さTと、バンプ高さBを有するカメラバンプとを有し、前記バンプ領域は高められた高さT+Bを有し、前記カメラの第1の領域は、前記カメラバンプ領域に組み込まれ、前記カメラの第2の領域は前記カメラバンプに組み込まれない、モバイル機器。
【請求項77】
前記カメラの前記第1の領域はG1を含み、前記カメラの前記第2の領域はG2および前記カメラの画像センサを含む、請求項76に記載のモバイル機器。
【請求項78】
前記44~75のいずれか1項に記載のカメラを含み、スマートフォンであるモバイル機器。
【請求項79】
N≧4のレンズ要素Lを有し、光軸(OA)、有効焦点距離(EFL)、開口直径DA、f値f/#、全トラック長(TTL)及び後方焦点距離(BFL)を有するレンズであって、レンズ要素それぞれがそれぞれの焦点距離fを有し、第1のレンズ要素Lが物体側に面し、最後のレンズ要素Lが像側に面する、レンズ;
センサ対角線(SD)を有する画像センサ;および
物体と前記画像センサとの間に折り畳み式光路を提供するための光路折り畳み要素(OPFE)であって、前記OPFEが前記レンズOAに対して角度βで配向される、光路折り畳み要素を備えるカメラであり、
前記カメラは折り畳み式デジタルカメラであり、前記レンズは前記OPFEの物体側に位置し、45<β<60度であり、EFLは8mm<EFL<50mmの範囲にあり、SD/EFL>0.45であるカメラ。
【請求項80】
SD/EFL>0.5である請求項79に記載のカメラ。
【請求項81】
SD/EFL>0.55である請求項79に記載のカメラ。
【請求項82】
前記SDが、5mm<SD<15mmの範囲にある請求項79に記載のカメラ。
【請求項83】
前記SDが、7.5mm<SD<12.5mmの範囲にある請求項79に記載のカメラ。
【請求項84】
47<β<55度である請求項79に記載のカメラ。
【請求項85】
48<β<52.5度である請求項79に記載のカメラ。
【請求項86】
TTL/EFL<1.1である請求項79に記載のカメラ。
【請求項87】
TTL/EFL<1である請求項79に記載のカメラ。
【請求項88】
モジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、MHが6mm<MH<13mmの範囲にある、請求項79に記載のカメラ。
【請求項89】
モジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、MHが8mm<MH<11mmの範囲にある、請求項79に記載のカメラ。
【請求項90】
モジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、比率SD/MH>0.7である請求項79に記載のカメラ。
【請求項91】
モジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、比率SD/MH>0.8である請求項79に記載のカメラ。
【請求項92】
モジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、比率SD/MH>0.9である請求項79に記載のカメラ。
【請求項93】
前記レンズが、レンズ光軸に平行な軸に沿って切断された切断レンズである請求項79に記載のカメラ。
【請求項94】
前記レンズは軸対称レンズ直径に対して20%切断され、前記MHは前記切断によって7.5%を上回って(>7.5%)低減される、請求項93に記載のカメラ。
【請求項95】
請求項79に記載のカメラを含み、
機器厚さTおよびカメラバンプ高さBを有し、前記カメラバンプ領域は高められた高さT+Bを有し、前記カメラは、前記カメラバンプに完全に組み込まれる、モバイル機器。
【請求項96】
N=4であり、レンズ要素L~Lの度数配列が正負正負である請求項79に記載のカメラ。
【請求項97】
BFL/TTL>0.6である請求項79に記載のカメラ。
【請求項98】
BFL/TTL>0.7である請求項79に記載のカメラ。
【請求項99】
DAが4mm<DA<10mmの範囲にあり、前記f/#が1.5<f/#<4.5の範囲にある請求項79に記載のカメラ。
【請求項100】
DAが5mm<DA<8mmの範囲にあり、前記f/#が2.0<f/#<3.5の範囲にある請求項79に記載のカメラ。
【請求項101】
前記EFLが、10mm<EFL<20mmの範囲にある請求項79に記載のカメラ。
【請求項102】
前記レンズは、合焦及び光学式画像安定化のために前記OPFEに対して及び前記画像センサに対して移動可能である請求項79に記載のカメラ。
【請求項103】
前記レンズおよび前記OPFEは合焦および光学式画像安定化のために、前記画像センサに対して一緒に移動可能である請求項79に記載のカメラ。
【請求項104】
前記レンズは光学式画像安定化のために前記OPFEに対しておよび前記画像センサに対して移動可能であり、前記レンズおよび前記OPFEは、合焦のために前記画像センサに対して一緒に移動可能である請求項79に記載のカメラ。
【請求項105】
ΔLOは前記像側に向かうLの最後の面と前記OPFEとの間の距離であり、ΔLO/TTL<0.1である請求項79に記載のカメラ。
【請求項106】
N=4であり、レンズ要素L~Lの度数配列が正負正負である請求項79に記載のカメラ。
【請求項107】
N=4であり、レンズ要素L~Lの度数配列が正負正正である請求項79に記載のカメラ。
【請求項108】
前記第2のレンズ要素Lは負であり、焦点距離fを有し、fの大きさ|f|が|f|/EFL<0.5を満たす請求項79に記載のカメラ。
【請求項109】
前記第2のレンズ要素Lは負であり、焦点距離fを有し、fの大きさ|f|が|f|/EFL<0.3を満たす請求項79に記載のカメラ。
【請求項110】
前記第2のレンズ要素Lは負であり、焦点距離fを有し、fの大きさ|f|が|f|/EFL<0.2を満たす請求項79に記載のカメラ。
【請求項111】
前記第1のレンズ要素Lは正であり、f/EFL<0.5を満たす焦点距離fを有する、請求項79に記載のカメラ。
【請求項112】
前記第3のレンズ要素Lは正であり、f/EFL<0.4を満たす焦点距離fを有する、請求項79に記載のカメラ。
【請求項113】
とLとの間の距離d34と、レンズ厚さLTとの比率が、d34//LT<2%を満たす請求項79記載のカメラ。
【請求項114】
第1のレンズ要素厚さTとレンズ厚さLTとの間の比率が、T/LT>0.4を満たす、請求項79に記載のカメラ。
【請求項115】
前記レンズはレンズ厚さLTを有し、2つの連続するレンズ要素LとLi+1との間の最小限のギャップがGAPであり、2つの連続するレンズ要素間の全てのギャップに対してGAP/LT<0.02である請求項79に記載のカメラ。
【請求項116】
前記レンズはレンズ厚さLTを有し、2つの連続するレンズ要素LとLi+1との間の最小限のギャップがGAPであり、2つの連続するレンズ要素間の少なくとも2つのギャップについてGAP/LT<0.02である請求項79に記載のカメラ。
【請求項117】
前記GAPのうちの少なくとも1つは、前記レンズ要素の中心に位置しない、請求項116に記載のカメラ。
【請求項118】
前記GAPsのうちの2つ以上は前記レンズ要素の中心に位置しない、請求項116に記載のカメラ。
【請求項119】
前記レンズがレンズ厚さLTを有し、前記第1のレンズ要素Lと前記第2のレンズ要素Lとの間の距離がd12であり、d12/LT<2%である請求項79に記載のカメラ。
【請求項120】
N=4であり、LおよびLの両方が、2つ以上の偏向点を有するレンズ表面を有する、請求項79に記載のカメラ。
【請求項121】
がガラス製である、請求項79に記載のカメラ。
【請求項122】
全てのレンズ要素がプラスチック製である、請求項79に記載のカメラ。
【請求項123】
請求項79~122のいずれか1項に記載のカメラを含み、
機器厚さTと、バンプ高さBを有するカメラバンプとを有し、前記バンプ領域は高められた高さT+Bを有し、前記カメラは、前記カメラバンプ領域に完全に組み込まれる、モバイル機器。
【請求項124】
前記79~122のいずれか1項に記載のカメラを含み、スマートフォンであるモバイル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年6月23日に出願された米国仮特許出願第63/213,899号、2021年9月19日に出願された米国仮特許出願第63/245,892号、2021年12月10日に出願された米国仮特許出願第63/288,047号、および2021年12月20日に出願された米国仮特許出願第63/291,628号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(分野)
本開示の主題は一般に、デジタルカメラの分野に関する。
【0003】
(定義)
本出願において、ならびに、説明および図面全体を通して言及される光学的および他の特性について、以下の記号および略語が、当技術分野で公知のすべての用語のために使用される。
【0004】
全トラック長(TTL):第1のレンズ要素Lの前表面Sの点と画像センサとの間の、レンズの光軸に平行な軸に沿って測定される、系が無限物体距離に合焦されるときの最大距離。
【0005】
後方焦点距離(BFL):最後のレンズ要素Lの後表面S2Nの点と画像センサとの間の、レンズの光軸に平行な軸に沿って測定される、系が無限遠物体距離に合焦されるときの最小距離。
【0006】
有効焦点距離(EFL):レンズ(レンズ要素L~Lの集合体)において、レンズの後側主点P’と後側焦点F’との間の間隔。
【0007】
F値(f/#):入射瞳直径(または単に開口直径「DA」)に対するEFLの比率。
【背景技術】
【0008】
(背景)
マルチ開口カメラ(または「マルチカメラ」、2つのカメラを有する「デュアルカメラ」はマルチカメラの一例である)は、ミラー携帯電子機器モバイル機器(「モバイル機器」、たとえばスマートフォン、タブレットなど)での今日の標準である。マルチカメラセットアップは、通常、広視野(または「広角」)FOVカメラ(「ワイド」カメラまたは「W」カメラ)と、少なくとも1つの、例えば、(FOVよりも)狭い視野(FOVを有する望遠または「テレ」)を有したり、または超広視野FOVUW(FOVよりも広い、「UW」カメラ)を有したりする追加カメラとを備える。
【0009】
図1Aは幅WOPFEを有する光路折り畳み要素(OPFE)102(例えば、プリズムまたはミラー)と、OPFE102からΔLO離れた位置にあるレンズ鏡筒110に含まれる複数のレンズ要素(この図では見えない)を有するレンズ104と、画像センサ106とを備える既知の折り畳み式テレカメラ100を示す。OPFE102は、第1のOP112からの光路(OP)を、レンズ104の光軸を形成する第2のOP108に折り畳む。レンズ104は、OPFE102の像側に配置される。カメラ100のTTLおよびBFLの両方は、OP108に平行な1つ次元に沿って配向される。カメラ100を含むカメラモジュールの長さ(「最小モジュール長」または「MML」)およびカメラモジュールの高さ(「最小モジュール高さ」または「MMH」)の理論的限界が示されている。MMLおよびMMHは、カメラ100に含まれる構成要素の最小寸法によって定義される。以下、「MH」は、「カメラモジュール高さ」またはより単純な「モジュール高さ」を示す。TTLはTTL=MML-WOPFE-ΔLOによって与えられ、したがって、TTLはTTL<MML-LOPFEによって幾何学的に制限され、したがって、BFL/TTLの比率は比較的小さく、たとえば、0.3以下である。
【0010】
図1Bは、折り畳み式テレカメラ100と、複数のレンズ要素(この図では見えない)を有するレンズ132および画像センサ138を含む(垂直または直立)ワイドカメラ130とを備える既知のデュアルカメラ150を示す。レンズ132は、レンズ鏡筒134に含まれる。ワイドカメラ130は、OP136を有する。
【0011】
図1Cは外部後表面162を有し、折り畳み式テレカメラ100’を含む公知のモバイル機器160を断面図で概略的に示す。カメラ100’の開口101は、後表面162に配置され、前表面166は例えば、スクリーン(見えない)を含むことができる。モバイル機器160は、厚さ(「T」)の規則的な領域と、規則的な領域よりも高さBだけ高くされたカメラバンプ領域164とを有する。バンプ領域は、バンプ長(「BL」)およびバンプ厚さT+Bを有する。カメラ100’は、OPFE 102’と、複数のレンズ要素を有するレンズ104’と、画像センサ106’とを含む。一般に、ここに示されるように、カメラ100’はバンプ領域内に完全に統合され、MMLおよびMMHはバンプ領域の下限、すなわちBLおよびT+Bの下限を定義する。工業設計上の理由から、小さいカメラバンプ(すなわち、短絡BL)が望まれる。130のような垂直カメラとおよび所与のバンプ厚さT+Bについて比較して、100のような折り畳み式カメラでは、より大きいBFL、より大きいTTL、および結果として、より大きい画像ズーム係数に対応するより大きいEFLを実現することができ、これは望ましい。しかしながら、大きなTTLは、望ましくない大きなBLと共に進行する。
【0012】
上で定義したように、f/#=EFL/DA。入射瞳は、レンズ系の前方開口を通して「見られる」開口絞り(aperture stop)の光学像である。前方開口は、レンズの物体側開口である。知られているように、低f/#は、下記に説明する3つの主要な利点、すなわち、良好な低光感度、強い「自然である」Bokeh効果、および高画像解像度を有するので、望ましい:
1. 低光感度は、例えばデジタル一眼レフ(DSLR)カメラと比較したときに、今日のモバイル機器互換カメラの主要な性能欠点である。一例として、(同じEFLに対して)カメラのf/#を半分にすると、開口面積が4倍増加し、これは4倍の光がカメラに入射することを意味する。この差は、低光量のシーンを撮像する場合に特に関連する。
【0013】
2. Bokehは画像の焦点外セグメントで生成されるぼけの美的品質であり、今日のスマートフォンにとって非常に要求されている特徴である。Bokeh効果は、画像の被写界深度(DOF)と逆相関する(ここで、DOF~f/#)。低いf/#は、強い「自然である」Bokeh効果をサポートするために有益である。今日のスマートフォンカメラに存在するf/#は、十分な「自然である」Bokehを提供しないので、強いBokehに対する需要は「人工的である」Bokehによって、すなわち、焦点外の画像セグメントにぼけを人工的に適用することによって、答えられる。
【0014】
3. 画素解像度が連続的に増加する画像センサは、2019年に初めて100メガピクセルを超えるモバイル機器に入ってきている。(他の要因の中でも)このことは、単一ピクセルのサイズを縮小すること、すなわち、空間ピクセル周波数を増加させることによって達成される。ピクセル解像度を画像解像度に変換するために、カメラレンズは、センサの空間ピクセル周波数kPixelを支援しなければならない。良好に設計された(回折限界)カメラレンズではレンズkLensの分解可能な空間周波数がf/#に逆相関し(ここで、kLens~1/f/#)、すなわち、より低いf/#は(充分な空間画素周波数を有する画像センサを仮定して)より高い画像解像度に対応する。
【0015】
あるEFLが与えられると、低いf/#を達成するために大きなDAが望まれる。
【0016】
大きなズーム係数のための大きなEFLを提供し、短いBLを有する小さなカメラバンプを依然としてサポートするために、0.75以上の大きなBFL/TTL比率を有する折り畳み式テレカメラを有することが有益であろう。
【発明の概要】
【0017】
(要約)
様々な例示的な実施形態では、N≧3のレンズ要素Lを有し、EFL、開口直径DA、F値f/#、TTL、およびBFLを有するレンズであって、レンズ要素それぞれがそれぞれの焦点距離fを有し、第1のレンズ要素Lが物体側に面し、最後のレンズ要素Lが像側に面するレンズ;センサ対角線(SD)を有する画像センサ;および、物体と前記画像センサとの間に折り畳み式光路を提供する光路折り畳み要素(OPFE)を備える折り畳み式デジタルカメラが提供され、これにおいて、前記レンズが前記OPFEの物体側に位置し、EFLが8mm<EFL<50mmの範囲にあり、BFLとTTLとの間の比率がBFL/TTL>0.75を満たす。
【0018】
様々な例示的な実施形態では、N≧4のレンズ要素Lを有し、EFL、開口直径DA、F値f/#、TTL、およびBFLを有するレンズであって、レンズ要素それぞれがそれぞれの焦点距離fを有し、第1のレンズ要素Lが物体側に面し、最後のレンズ要素Lが像側に面するレンズ;SDを有する画像センサ;および、物体と前記画像センサとの間に折り畳み式光路を提供するためのOPFEを備える折り畳み式デジタルカメラが提供され、これにおいて、前記レンズは第1のレンズ群と第2のレンズ群とに分割され、前記第1のレンズ群はOPFEの物体側に位置し、前記第2のレンズ群はOPFEの像側に位置し、EFLは8mm<EFL<50mmの範囲にあり、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間の距離d(G1-G2)はd(G1-G2)>TTL/2を満たす。
【0019】
様々な例示的な実施形態において、N≧4のレンズ要素Lを有し、OA、EFL、開口直径DA、F値f/#、TTLおよびBFLを有するレンズであって、レンズ要素それぞれがそれぞれの焦点距離fを有し、第1のレンズ要素Lが物体側に面し、最後のレンズ要素Lが像側に面する、レンズ;SDを有する画像センサ;および、物体と前記画像センサとの間に折り畳み式光路を提供するためのOPFEであって、前記OPFEが前記レンズOAに対して角度βで配向されるOPFEを備える折り畳み式デジタルカメラが提供され、これにおいて、前記レンズが前記OPFEの物体側に位置し、45<β<60度であり、EFLが8mm<EFL<50mmの範囲にあり、SD/EFL>0.45である。
【0020】
いくつかの実施例では、BFL/TTL>0.8である。いくつかの実施例では、BFL/TTL>0.9である。
【0021】
いくつかの実施例では、BFL/EFL>0.7である。いくつかの実施例では、BFL/EFL>0.9である。
【0022】
いくつかの実施例では、EFLが15mm<EFL<40mmの範囲にある。
【0023】
いくつかの実施例では、レンズが合焦および光学式画像安定化(OIS)のために、OPFEおよび画像センサに対して移動可能である。
【0024】
いくつかの実施例では、レンズおよびOPFEが合焦およびOISのために、画像センサに対して一緒に移動可能である。
【0025】
いくつかの実施例では、DAは5mm<DA<11mmの範囲にあり、f/#は2<f/#<6.5の範囲にある。
【0026】
いくつかの実施例では、DAは7mm<DA<9mmの範囲にあり、f/#は3<f/#<5.5の範囲にある。
【0027】
いくつかの実施例では、SDが3mm<SD<10mmの範囲にある。
【0028】
いくつかの実施例では、上述または下述のような折り畳み式デジタルカメラが肩高さ(SH)およびモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、SHは4mm<SH<8mmの範囲にあり、MHは6mm<MH<12mmの範囲にある。いくつかの実施例では、4.5mm<SH<6mmであり、MHは7mm<MH<9mmの範囲にある。
【0029】
いくつかの実施例では、SH/MH<0.8である。いくつかの実施例では、SH/MH<0.7である。
【0030】
いくつかの実施例では、Lの最後の表面と前記OPFEとの間の間隔ΔLOとTTLとの比率がΔLO/TTL<0.01を満たす。
【0031】
いくつかの実施例では、全てのレンズ要素L~Lの平均レンズ厚さ(ALT)とTTLとの間の比率がALT/TTL<0.05を満たす。
【0032】
いくつかの実施例では、レンズの上部に位置する全てのレンズ要素L~L間の平均ギャップ厚(AGT)とTTLとの間の比率がAGT/TTL<0.01を満たす。
【0033】
いくつかの実施例では、LとLとの間の距離d34はd34/ALT>2を満たし、ALTは、前記OPFEの物体側に位置する全てのレンズ要素L~Lの平均レンズ厚さである。
【0034】
いくつかの実施例では、EFL/TTL<1である。いくつかの実施例では、EFL/TTL<0.9である。
【0035】
いくつかの実施例では、Lは、ガラス製である。
【0036】
いくつかの実施例では、LのfとEFLとの間の比率がf1/EFL>0.4を満たす。
【0037】
いくつかの実施例では、LのfとEFLとの間の比率がf1/EFL>0.5を満たす。
【0038】
いくつかの実施例では、前記OPFEの物体側に位置する最後のレンズは負である。
【0039】
いくつかの実施例では、LとLとの間の距離d23と、レンズ厚さLTとの比率は、d23/LT<0.1を満たす。いくつかの実施例では、d23/LT<0.05である。
【0040】
いくつかの実施例では、Lの中心厚さTは、他の何れのレンズ要素Lの中心厚さTよりも大きい。
【0041】
いくつかの実施例では、Tと全てのレンズ要素L~LのALTとの間の比率がT/ALT>1。5を満たす。いくつかの実施例では、T/ALT>1.75である。
【0042】
いくつかの実施例では、Lのエッジ厚さETが、OPFEの物体側に位置する全てのレンズ要素の最大エッジ厚さを有するレンズ要素Lのエッジ厚さETよりも小さい。
【0043】
いくつかの実施例では、前記レンズが前記画像センサ上の法線に平行な軸に沿って切断された切断レンズである。前記レンズは軸対称レンズ直径に対して20%切断されてもよく、MHは画像センサ上の法線およびレンズの光軸に垂直な軸に沿って測定された同じレンズ直径を有する軸対称レンズに対して、切断によって10%を上回って(>10%)低減されてもよい。
【0044】
様々な例示的な実施形態では、上述または下述のようなカメラを含むモバイル機器が提供され、これにおいて、前記モバイル機器は機器厚さTと、バンプ高さBを有するカメラバンプとを有し、前記バンプ領域は高められた高さT+Bを有し、前記カメラは前記カメラバンプ領域に完全に組み込まれる。いくつかの実施例では、前記モバイル機器はスマートフォンである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
(図面の簡単な説明)
本明細書に開示される実施形態の非限定的な例は、この段落の後に列挙される、本明細書に添付される図を参照して以下に記載される。図面および説明は本明細書に開示される実施形態を明瞭にし、明確にすることを意図しており、決して限定するものと見なされるべきではない。
図1A】公知の折り畳み式テレカメラを示す。
図1B】公知のデュアルカメラを示す。
図1C】外面を有し、折り畳み式テレカメラを含む、公知のモバイル機器を概略的に示す。
図2A】本明細書に開示される折り畳み式テレカメラの実施形態を概略的に示す。
図2B】本明細書に開示される折り畳み式テレカメラの別の実施形態を概略的に示す。
図2C】外面を有し、図2Aのような折り畳み式テレカメラを含む、図1Cに記載されるような寸法を有するモバイル機器の断面図を概略的に示す。
図2D】本明細書に開示される折り畳み式テレカメラの別の実施形態を概略的に示す。
図2E図1Cに記載されたような寸法を有し、図2Dのような折り畳み式テレカメラを含む別のモバイル機器の断面図を概略的に示す。
図2F図1Cに記載されたような寸法を有し、図2Dのような折り畳み式テレカメラを含む、さらに別のモバイル機器の断面図を概略的に示す;
図2G図2Aおよび図2Dの折り畳み式カメラのためのオートフォーカス(AF)および光学式画像安定化(OIS)機構の実施形態を示す。
図2H図2Aの折り畳み式カメラのためのAFおよびOIS機構の別の実施形態を示す。
図2I図2Aの折り畳み式カメラのためのAFおよびOIS機構のさらに別の実施形態を示す。
図2J図2Dの折り畳み式カメラのためのAFおよびOIS機構のさらに別の実施形態を示す。
図2K図2Dの折り畳み式カメラのためのAFおよびOIS機構のさらに別の実施形態を示す。
図3A】本明細書に開示される光学レンズ系の実施形態を概略的に示す。
図3B】本明細書に開示される光学レンズ系の別の実施形態を概略的に示す。
図3C】本明細書に開示される光学レンズ系のさらに別の実施形態を概略的に示す。
図3D】本明細書に開示される光学レンズ系のさらに別の実施形態を概略的に示す。
図3E】本明細書に開示される光学レンズ系のさらに別の実施形態を概略的に示す。
図3F】本明細書に開示される光学レンズ系のさらに別の実施形態を概略的に示す。
図4A】平面P上の2つの衝突点IPおよびIPの直交投影IPorth,1、IPorth,2を示す。
図4B】平面P上の2つの衝突点IPおよびIPの直交投影IPorth,3、IPorth,4を示す。
図5A】透明高さ(CH)の定義を提供する。
図5B】透明開口(CA)の定義を提供する。
図6】HおよびHoptの定義を提供する;
図7】複数の切断レンズ要素とレンズハウジングとを含むレンズ鏡筒を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
(詳細な説明)
以下の詳細な説明では、完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本開示の主題は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者によって理解されるのであろう。他の例では、本開示の主題を不明瞭にしないように、周知の方法および特徴は詳細に説明されていない。
【0047】
図2Aは、本明細書に開示され、200と番号付けされた折り畳み式テレカメラの実施形態を概略的に示す。カメラ200は、L~Lに番号付けされた複数のN個のレンズ要素(ここではN=4)を有するレンズ202を備え、Lは物体側に向けられる。カメラ200は、OP212をOP208に折り畳むOPFE204と、画像センサ206とをさらに備える。カメラ要素は図示されるように、ハウジング214内に含まれ得る。カメラ200において、OP212はy軸に実質的に平行であり、OP208は、z軸に実質的に平行である。OPFE204は、y軸およびz軸の両方に対して45度の角度を形成する。
【0048】
図3A~3Dに提示されるような光学レンズ系を含むカメラモジュールの最小寸法の理論的限界を推定するために、以下のパラメータおよび相互依存性を導入する。
【0049】
<MMLおよび「モジュール長」(「ML」)>
最小モジュール長(「MML」)は、カメラ200のすべての構成要素を含むカメラモジュールの長さの理論的限界である。
【0050】
MML=max(ZLens、ZOPFE)-ZSensorである。max(ZLens、ZOPFE)はレンズ202(ZLens)またはOPFE204(ZOPFE)の最大z値であり、ZSensorは画像センサ206の最小z値である。いくつかの実施形態では、図2Aに示されるように、ZLens>ZOPFEであるため、MML=ZLens-ZSensorとなる。
【0051】
・カメラモジュール長(「ML」)の現実的な推定を達成するために、例えば、MMLに3.5mmの長さを加えて、すなわち、ML=MML+3.5mmとしてもよい。追加の長さは、OISならびに画像センサパッケージング、ハウジングなどに必要とされ得るレンズストロークを占める。
【0052】
<R1>
・MMLの第1の領域(「R1」)は、第1の最小モジュール高さMMH1に関連する。
【0053】
・R1=max(WL、WOPFE)である。ここで、WLはz軸に沿って測定されたレンズ202の幅であり、WOPFEは、z軸に沿って測定されたOPFE204の幅である。いくつかの実施形態では図2Aに示されるように、WL>WOPFEであるため、R1はレンズ202によってのみ決定され、R1=WLである。
【0054】
・光学レンズ幅(「WL」)と機械的レンズ幅(「WL」)とを区別する。
【0055】
・全ての軸上光線を含むことによって得られるOPFE204の幅(「WOPFE-ON」)と、全ての軸外光線を含むことによって得られる幅(「WOPFE-OFF」)とを区別する。
【0056】
<R2>
・MMLの第2の領域(「R2」)は、第2の最小モジュール高さMMH2に関連し、MMH2<MMH1である。
【0057】
・R2=MML-R1である。
【0058】
・一般に、所与のMMLについて、工業設計の観点から、R2を最大化する(R1を最小化する)ことが有益であり得る。
【0059】
<MMH1および「モジュール高さ」(「MH」)>
・MMH1=HOPFE+ΔLO+LTである。HOPFEはOPFE204の高さであり(OPFE204がy軸およびz軸の両方に対して45度に配向されると仮定すると、HOPFE=WOPFEである)、ΔLOはレンズ202の中心とOPFE204との間の距離であり、LTはレンズ202の高さ(または「厚さ」)である。
【0060】
・カメラモジュールの高さの現実的な推定を達成するために、MMH1に1.5mmの追加の高さを加えることによってMHを計算し、すなわち、MH=MMH1+1.5mmである。追加の長さは、AFならびにハウジング、レンズカバーなどに必要とされ得るレンズストロークを占める。
【0061】
・全ての軸上光線を含むことによって得られるMMH1(「MMH1ON」)と、全ての軸外光線を含むことによって得られる高さ(「MMH1OFF」)とを区別する。MHONおよびMHOFFは、すべての軸上光線を含むことによって、およびすべての軸外光線(「MMH1OFF」)をそれぞれ含むことによって得られるMHである。MHONおよびMHOFFは、それぞれMMH1ONおよびMMH1OFFを使用して計算される。
【0062】
・他の実施例では例えば、画像センサ206がOPFE204よりも低いy値を占有する場合、MMH1はMMH1>HOPFE+ΔLO+LTであり得る。これらの実施例ではMMH1が画像センサ206によって占有される最も低いy値と、レンズ202によって占有される最も高いy値との間の差異によって与えられる。
【0063】
<MMH2および「肩高さ」(「SH」)>
・第2の最小モジュール高さ(「MMH2」)は、第2の領域(「R2」)にカメラ200のすべての構成要素を含むカメラモジュールの高さの理論上の限界である。MMH2=min(HS, HOPFE)である。HSは画像センサ206の高さであり、HOPFEはOPFE204の高さである。画像センサ206はセンサ対角線(SD)がSD=5/3・HSによって与えられるように、幅:高さの比率が4:3であってもよい。
【0064】
・いくつかの実施形態では、図2Aに示されるように、MMH2は画像センサ206によってのみ決定されてもよく、すなわち、MMH2=HSである。
【0065】
・実際のカメラモジュールの高さの現実的な推定を達成するために、肩高さSHは例えば、1.5mmの追加の高さをMMH2に加えることによって計算され、すなわち、SH=MMH2+1.5mmである。追加の高さは、接触センサ206ならびにハウジングを占める。
【0066】
<BMin
・カメラバンプ164または234などのカメラバンプの高さBの理論上の最小値。
【0067】
Min=MMH1-Tであり。表1および表12のBMinを計算するために、装置の厚さT=7mmと仮定する。
【0068】
・BMin-ONおよびBMin-OFFは、それぞれMMH1ONおよびMMH1OFFを使用して計算される。
【0069】
公知のカメラ100および所与のMMLと比較して、カメラ200は、より大きいTTLおよびBFLを有し得る。より大きいTTLは、大きなEFL、したがって、当技術分野で知られているような高いズームファクタ(ZF)、または画像倍率を有するテレカメラを達成するために有益である。一般に、テレカメラのZFは、テレカメラと並んでマルチカメラに含まれるワイドカメラ130などの(垂直または直立)ワイドカメラに対して定義される。
【0070】
レンズ202は、OPFE204の物体側に配置される。したがって、カメラ200のTTLおよびBFLの両方は、1つの寸法に沿ってではなく、2つの寸法に沿って配向される。第1の部分TTLおよびBFLはOP212と平行であり、第2の部分TTLおよびBFLは、OP208と平行である。TTLおよびBFLは、TTL=TTL+TTLおよびBFL=BFL+BFLによって得られ、ここでTTL=BFLである。したがって、TTLはTTL<MML-WOPFEによって幾何学的に制限されず、したがって、BFL/TTLの比率はカメラ100の場合よりも著しく高くなり得る。例えば、カメラ200では、BFL/TTL=0.9である。レンズ202のレンズ厚さLTは、LT=TTL-BFLによって与えられる。
【0071】
レンズ202がOPFE204の物体側に配置されることの別の利点は、大きな開口直径(「DA」)が達成され得ることである。これは100のような既知の折り畳み式カメラとは反対に、レンズ202の屈折力はOPFEに衝突した後ではなく、OPFE204に衝突する前に光を集中させるためである。「光を集中させる」とは、ここではそれぞれがレンズの光軸に対して垂直に配向され、画像センサにおいて像を形成する全ての光線を含む第1および第2の円について、レンズの物体側に位置する第1の円が、レンズの像側およびOPFEの物体側に位置する第2の円よりも小さいことを意味する。したがって、OPFE102またはOPFE204などのOPFEのサイズが、既知のカメラ100と比較されると、カメラ200において、より大きいDA(したがって、より低いf/#)を達成することができる。
【0072】
カメラ200には、光学レンズ系310、320、330などの光学レンズ系が含まれていてもよい。
【0073】
図2Bは、本明細書に開示され、220と番号付けされた折り畳み式テレカメラの別の実施形態を概略的に示す。カメラ220は、2つのレンズ群に分割された複数のN個のレンズ要素(ここではN=5)のL~Lを有するレンズ202を備え、第1の群202-1(「G1」)はL~Lを含み、OPFEの物体側に位置し、第2のレンズ群202-2(「G2」)は、Lを含み、OPFEの像側に位置する。G1とG2との間の距離d(G1-G2)はd(G1-G2)=d(G1-G2)+d(G1-G2)によって与えられ、ここで、d(G1-G2)はOP212に沿って配向され、d(G1-G2)はOP208に沿って配向される。カメラ200と同様に、TTLはOP212と平行であり、TTLはOP208と平行であり、TTL=TTL+TTLである。しかしながら、BFLは、2つの垂直成分に分割されない。カメラ220のすべてのさらなる構成要素は、カメラ200の構成要素と同一である。いくつかの実施形態(例えば、実施形態300)では、IRフィルタなどの光学要素(図示せず)がOPFE204とG2(202-2)との間に配置され得る。他の実施形態では、光学要素がG2(202-2)と画像センサ206との間に配置されてもよい。カメラ220には、光学レンズ系300などの光学レンズ系が含まれていてもよい。
【0074】
図2Cは外面232を有し、本明細書に開示される折り畳み式テレカメラ200を含む、図1Cに記載されるような寸法を有するモバイル機器230(例えば、スマートフォン)を断面図で概略的に示す。カメラバンプ領域が234とマークされる。前表面236は例えば、スクリーン(見えない)を含むことができる。カメラ200のR1は高さT+Bの234に統合され、一方、カメラ200のR2は高さTの通常の機器領域に統合される。カメラ100’がバンプ領域に完全に統合されるモバイル機器160と比較して、カメラ200がバンプ領域に部分的にのみ統合されるモバイル機器230はより小さいBLを有することができ、これは工業設計上の理由から有益である。他の実施形態では、本明細書に開示される折り畳み式テレカメラ220などの別の折り畳み式テレカメラがモバイル機器230に含まれてもよい。一般に、スリムなモバイル機器の場合、MMH1およびMMH2を最小限に抑えることが有益である。特に、MMH1の最小化は、Bの最小化を可能にするので、興味深い。コンパクトカメラの場合、MMLの最小化も有益である。特にR1を最小化することは、BLを最小化することを可能にするので、興味深い。
【0075】
図2Dは、本明細書に開示され、240と番号付けされた折り畳み式テレカメラの実施形態を概略的に示す。カメラ240は、L~Lと番号付けされた複数のN個のレンズ要素(ここではN=4)を有するレンズ202を備え、Lは物体側に向けられる。カメラ240は、OP212をOP208に折り畳むOPFE204と、画像センサ206とをさらに備える。カメラ要素は図示されるように、ハウジング214内に含まれ得る。カメラ240において、OP212は、y軸に実質的に平行である。OP208はz軸と角度αを形成するので、OP208は「傾斜OP」と呼ばれる。OPFE204はy軸に対してβ>45度の角度βを形成し、z軸に対して90-β<45度の角度を形成する。OP208の勾配の時点で、BFLおよびTTLはそれぞれ、y軸に沿って測定される構成要素(「TTL2」、「BFL2」)およびz軸に沿って測定される構成要素(「TTL2」、「BFL2」)を有し、したがって、例えば、BFL=sqrt(BFL2 +BFL2 )である。傾斜OPの時点で、センサ206は、y軸と2×(β-45)の角度を形成する。
【0076】
傾斜OPを有するそのようなカメラの利点は下記である:
1.大型、例えば1/2インチ以上の画像センサの組み込み。
【0077】
2.よりコンパクトなモジュールサイズ、すなわち、MMHおよびMMLは、非傾斜OPを有するカメラに対してより小さくすることができる(それぞれ傾斜OPおよび非傾斜OPを有するカメラについて同一のEFL、レンズ開口、および画像センサイズを仮定する)。
【0078】
図3Eに示されるような光学レンズ系を含むカメラモジュールの最小寸法の理論的限界を推定するために、以下のパラメータおよび相互依存性を導入する:
<MMLおよび「モジュール長」(「ML」)>
最小モジュール長(「MML」)は、カメラ240のすべての構成要素を含むカメラモジュールの長さの理論的限界である。
【0079】
・MML=max(ZLens、ZOPFE)-ZSensorである。max(ZLens、ZOPFE)はレンズ202(ZLens)またはOPFE204(ZOPFE)の最大z値であり、ZSensorは画像センサ206の最小z値である。いくつかの実施形態では、図2Dに示されるように、MML=ZLens-ZSensorとなるようにZLens>ZOPFEである。
【0080】
・カメラモジュール長(「ML」)の現実的な推定を達成するために、例えば、MMLに3.5mmの長さを加えてもよく、すなわち、ML=MML+3.5mmである。追加の長さは、OISならびに画像センサパッケージング、ハウジングなどに必要とされ得るレンズストロークを占める。
【0081】
<MMH および「モジュール高さ」(「MH」)>
・MMH=HOPFE+ΔLO+LTである。HOPFEはOPFE204の高さである(傾斜OP208の場合、HOPFE≠WOPFE)。
【0082】
・カメラモジュールの高さを現実的に推定するために、MMHに1.5mmの追加高さを加えてMHを計算し、すなわち、MH=MMH+1.5mmである。
【0083】
カメラ240には、光学レンズ系340などの光学レンズ系が含まれていてもよい。
【0084】
図2Eは本明細書に開示される折り畳み式テレカメラ240を含む、図1Cおよび図2Cに記載されるような寸法および構成要素を有するモバイル機器250(たとえば、スマートフォン)を断面図で概略的に示す。カメラ240は、カメラバンプ234に完全に一体化される。
【0085】
図2Fは、本明細書に開示されるような折り畳み式テレカメラ240を含む、図1C図2C図2D、および図2Eに記載されるような、寸法および構成要素を伴う別のモバイル機器260を断面図で概略的に示す。カメラ240は、カメラバンプ234に完全に一体化される。OP208は、z軸と角度αを形成する傾斜OPである。レンズ202のレンズ要素は、レンズバレル218によって担持される。
【0086】
図2Gは、カメラ200およびカメラ240のための、本明細書に開示される第1のオートフォーカス(AF)および光学式手ぶれ補正(OIS)機構の実施形態を示す。レンズ202は、図2A~Fと同じ向きで示されている。レンズ202は、AFのためのy軸に平行な軸に沿って、第1の軸に沿ったOISのためのz軸に平行な第1のOIS軸(「OIS1」)に沿って、および第2の軸に沿ったOISのためのx軸に平行な第2のOIS軸(「OIS2」)に沿って、OPFEおよび画像センサ(両方とも図示せず)に対して移動される。レンズ202は1つのユニットとして移動される、すなわち、N個のレンズ要素(ここではL~L)間の距離を変更せずに、OPFEまでおよび画像センサまでの距離を変更する(両方とも図示せず)。
【0087】
図2Hは、カメラ200のための本明細書に開示される第2のAFおよびOIS機構の別の実施形態を示す。レンズ202およびOPFE204は、図2A~Fと同じ向きで示されている。レンズ202およびOPFE204は、AFのためのz軸に平行な軸に沿って、および第1の軸に沿ったOISのためのy軸に平行な第1のOIS軸(「OIS1」)に沿って、および第2の軸に沿ったOISのためのx軸に平行な第2のOIS軸(「OIS2」)に沿って、画像センサ(図示せず)に対して1つのユニットとして移動される。1つのユニットとしてのレンズ202およびOPFE204を移動するとは、N個のレンズ要素(ここではL~L)間およびレンズ202とOPFE204との間の距離が変化しないことを意味する。画像センサ(図示せず)までの距離のみを変更する。
【0088】
図2Iは、カメラ200のための本明細書に開示される第3のAFおよびOIS機構のさらに別の実施形態を示す。レンズ202およびOPFE204は、図2A~Fと同じ向きで示されている。レンズ202は、第1の軸に沿ったOISのためのz軸に平行な第1のOIS軸(「OIS1」)に沿って、および第2の軸に沿ったOISのためのx軸に平行な第2のOIS軸(「OIS2」)に沿って、OPFEおよび画像センサ(図示せず)に対して移動される。AFの場合、レンズ202およびOPFE204は、z軸に平行な軸に沿って、画像センサ(図示せず)に対して1つのユニットとして移動される。y軸に沿った運動の不在は、第3のAFおよびOIS機構に従ってAFおよびOISを実行することに関連しないことに留意されたい。これはすなわち、(y軸に平行な軸に沿って測定される)一次的な、追加の高さの不利益の不在が、第3のAFおよびOIS機構に従ってAFおよびOISを実行することと関連し、換言すると、第3のAFおよびOIS機構に従ってAFおよびOISを実行することはMMH1をわずかにしか増大させない。「一次的な、追加の高さの不利益の不在」および「MMH1をわずかにしか増大させない」は、y軸に沿った運動の不在が必要とされ事実を指す。しかしながら、第3のAFおよびOIS機構を使用する実施形態は、第2のAFおよびOIS機構を使用する実施形態よりもわずかに大きいOPFE204を必要とし得る。これは第3のAFおよびOIS機構を実装するために、OPFE204はX-Z平面に沿ってわずかに大きくなければならず、その結果、すべての可能なOIS位置においてレンズ202を通過する光線は依然としてOPFE204に入射し、画像センサにおいて形成される画像に寄与し得るからである。
【0089】
図2Jは、カメラ240について本明細書で説明される第2のAFおよびOIS機構の実施形態を示す。レンズ202およびOPFE204は図2D図2Fと同じ向きで示されるが、示される座標系は異なる向きを有する。座標系は、そのz軸がOP208に実質的に平行になるように(x軸を中心に)回転される。レンズ202およびOPFE204は、AFのためのz軸に平行な軸に沿って、および第1の軸に沿ったOISのためのy軸に平行な第1のOIS軸(「OIS1」)に沿って、および第2の軸に沿ったOISのためのx軸に平行な第2のOIS軸(「OIS2」)に沿って、画像センサ(図示せず)に対して1つのユニットとして移動される。1つのユニットとしてのレンズ202およびOPFE204を移動するとは、N個のレンズ要素(ここではL~L)間およびレンズ202とOPFE204との間の距離が変化しないことを意味する。画像センサ(図示せず)までの距離のみが変更する。
【0090】
カメラ200のための第2のAFおよびOIS機構の実施形態(図2Hを参照)と、カメラ240のための第2のAFおよびOIS機構の実施形態(図2Jを参照)との間の差は以下に基づく。AFを実行するために、画像平面の動きは、画像センサ平面に対して垂直でなければならない。これは、レンズ202およびOPFE204を、画像センサ平面に垂直な軸に沿って画像センサに対して一緒に移動させることによって達成される。OISを実行するために、画像平面の動きは、画像センサ平面に平行でなければならない。これは、レンズ202およびOPFE204を、画像センサ平面に平行な軸に沿って画像センサに対して一緒に移動させることによって達成される。
【0091】
図2Kは、カメラ240のための本明細書に開示される第3のAFおよびOIS機構の実施形態を示す。レンズ202およびOPFE204は、図2A~Fと同じ向きで示されている。
【0092】
第1のOIS方位の周りおよび第2のOIS方位の周りのOISの場合、運動は、図2A~Fに示される座標系と同じ向きを有する座標系270に対して実行される。AFの場合、図2Jに示される座標系と同じ方位の座標系272に対して運動が行われる。
【0093】
OISの場合、レンズ202は、第1の軸に沿ったOISのための(座標系270の)z軸に平行な第1のOIS軸(「OIS1」)に沿って、及び第2の軸に沿ったOISのための(座標系270の)x軸に平行な第2のOIS軸(「OIS2」)に沿って、OPFE及び画像センサ(図示せず)に対して移動される。AFの場合、レンズ202およびOPFE204は、座標系272のz軸に平行な軸に沿って、画像センサ(図示せず)に対して1つの単位として移動される。座標系270のy軸に沿ったわずかな運動だけが、第3のAFおよびOIS機構に従ってAFおよびOISを実行することに関連することに留意されたい。
【0094】
カメラ200のための第3のAFおよびOIS機構の実施形態(図2Iを参照)と、カメラ240のための第3のAFおよびOIS機構の実施形態(図2Kを参照)との間の差は、図2Jで説明したのと同じ考慮事項に基づく。
【0095】
図3A~3Dは、本明細書に開示される光学レンズ系を示す。図3A~3Dに示される全てのレンズ系は、図2A~Cおよび図2G~Hに示されるような折り畳み式カメラに含めることができる。
【0096】
表1は、図3A~3Dに示されるレンズ系に含まれる様々な特徴の数値および比率(WL、WL、LT、WOPFE-ON、WOPFE-OFF、HS、SD、ΔLO、R1、R2、TTL、BFL、TTL、TTL、BFL、EFL、DA、ALT、AGT、d23、f、T、ET、ET、MML、ML、MMH1ON、MMH1OFF、MHON、MHOFF、MMH2、SH、mmで与えられるBmin-ON、Bmin-OFF、度で与えられるHFOV)を纏めたものである。ここで与えられる定義および単位は、表12についても有効である。
【0097】
・DAは開口直径である。実施形態330の切断レンズ332については、当技術分野で知られている有効なDAが与えられる。
【0098】
・平均レンズ厚さ(「ALT」)は、ミラーの物体側に位置する全てのレンズ要素の平均厚さを測定する。例えば、実施形態310、320、及び330について、ALTは、全てのレンズ要素の平均厚さを与える。実施形態300では、ALTがL~LN-1(Lを除く)の厚さを与える。
【0099】
・平均ギャップ厚さ(「AGT」)は、ミラーの物体側に位置するレンズ要素間の全てのギャップの平均厚さを測定する。
【0100】
・d23は、LとLの距離である。
【0101】
・TはLの中心厚さである。
【0102】
・ETは、そのエッジにおけるLの厚さである。
【0103】
・ETはそのエッジにおけるLの厚さであり、Lは、ミラーの物体側に位置するレンズ要素の最大エッジ厚さを有するレンズ要素である。
【0104】
<表1>
【0105】
【表1】

図3Aは、本明細書に開示され、300と番号付けされた光学レンズ系の実施形態を概略的に示す。レンズ系300は、レンズ302と、ミラー304と、光学要素306と、画像センサ308とを備える。系300は光線トレーシングと共に示されている。光学要素306は任意であり、例えば赤外線(IR)フィルタ、及び/又はガラス画像センサダストカバーであってもよい。レンズ302は、L~L(「G1」)を含む302-1と、L(「G2」)を含む302-2との2つのレンズ群に分割される。ミラー304は、y軸およびz軸に対して45度の角度で配向される。光線は302-1を通過し、ミラー304によって反射され、302-2を通過し、画像センサ308上に画像を形成する。図3Aは、それぞれについて5つの光線を有する5つの照射野を示す。
【0106】
レンズ302は、複数のN個のレンズ要素L(ここで、「i」は1~Nの整数である)を含む。Lが物体側に最も近いレンズ要素であり、Lは像側、すなわち、画像センサが位置する側に最も近いレンズ要素である。この順序は、本明細書に開示されるすべてのレンズおよびレンズ要素に当てはまる。N個のレンズ要素は、光学(レンズ)軸311に沿って軸対称である。レンズ要素Lそれぞれは、それぞれの前表面S2i-1(指標「2i-1」は前表面の番号である)と、それぞれの後表面S2i(指標「2i」は後表面の番号である)とを備え、ここで、「i」は1~Nの整数である。この番号付け規則は、明細書の全体にわたって使用される。あるいは、本明細書全体を通して行われるように、レンズ表面は「S」としてマークされ、kは1~2Nである。前表面および後表面は、場合によっては非球面であってもよい。しかしながら、これは限定的なものではない。本明細書で使用される場合、各レンズ要素の「前表面」という用語はカメラの入口(カメラ物体側)のより近くに位置するレンズ要素の表面を指し、「後表面」という用語は、画像センサ(カメラ画像側)のより近くに位置するレンズ要素の表面を指す。
【0107】
詳細な光学データおよび表面データを、図3Aのレンズ要素の例について表2~3に示す。これらの実施例のために提供される値は純粋に例示であり、他の実施例によれば、他の値を使用することができる。
【0108】
表面タイプは表2に定義されている。表面の係数は表3に定義されている。表面タイプは以下のとおりである:
a) プラノ(Plano):平面、曲率なし
b) Qタイプ1(QT1)表面たるみ式:
【0109】
【数1】

<表2>
【表2】
【0110】
ここで、{z、r}は基準円筒極座標であり、cは表面の近軸曲率であり、kは円錐パラメータであり、rnormは一般に、表面の明瞭な開口の半分であり、Aは、レンズデータ表に示される多項式係数である。Z軸は、画像に向かって正である。CAの値は、明瞭な開口半径として、すなわちCA/2として与えられる。基準波長は555.0nmである。単位は、屈折率(「指数」)およびアッベ#を除いて、mmである。レンズ要素Lそれぞれは、表1に示されるそれぞれの焦点距離fを有する。FOVは、半FOV(HFOV)として与えられる。表面タイプ、Z軸、CA値、基準波長、ユニット、焦点距離、およびHFOVの定義は、表2~11に有効である。
<表3>
【0111】
【表3】

AFおよびOISのための運動スキームでは、レンズ運動を全く行わないという意味で、レンズ群302-2が画像センサ308の一部であると考えられる。明示的に、これは以下の3つの段落で説明される。
【0112】
第1のAFおよびOIS方法(図2G参照)による光学レンズ系300のフォーカシングおよびOISの場合、レンズ群302-1のすべてのレンズ要素が一緒に移動される。レンズ群302-2のレンズ要素は移動しない。
【0113】
第2のAFおよびOIS方法(図2H参照)によるフォーカシングおよびOIS光学系300の場合、レンズ群302-1およびミラー304のすべてのレンズ要素が一緒に移動される。レンズ群302-2のレンズ要素は移動しない。
【0114】
第3のAFおよびOIS方法(図2I参照)によるフォーカシングおよびOIS光学系300の場合、OISについては、レンズ群302-1のすべてのレンズ要素が一緒に移動される。レンズ群302-2のレンズ要素は移動しない。AFの場合、レンズ群302-1およびミラー304のすべてのレンズ要素が一緒に移動される。レンズ群302-2のレンズ要素は移動しない。
【0115】
G1とG2との距離はd(G1-G2)であり、d(G1-G2)=d(G1-G2)+d(G1-G2)に従って測定される。300において、d(G1-G2)=3.97mm、d(G1-G2)=27.02mm、d(G1-G2)=30.99mmおよびd(G1-G2)/TTL=0.93である。
【0116】
最後のレンズ要素Lは、光学要素306の像側及び画像センサ308の物体側に配置される。他の実施形態(図示せず)では、Lが光学要素306および画像センサ308の両方の物体側面に配置され得る。
【0117】
最後のレンズ要素Lは画像センサ308のすぐ隣に配置され、すなわち、Lから画像センサ308までの距離(または厚さ)は0である(表2の厚さ12)。他の実施形態(図示せず)ではLが画像センサ308からより遠くに配置されてもよく、例えば、Lは画像センサ308から0.05mm~5mm離れて配置されてもよい。レンズ要素L~Lの度数配列は、正正負正である。
【0118】
、LおよびL、Lは、互いに非常に近い。ここで、および以下において、一対の連続するレンズ要素L、Li+1は、y軸に沿って測定されたLとLi+1との間の最も近い間隙(または距離)「Gap」が、光軸311とLまたはLi+1の直径半径との間のある位置においてGap<0.1mmである場合、「互いに非常に近い」。具体的には、Gap=0.03mm(LとLの間)、Gap=0.03mm(LとLの間)である。
【0119】
図3Bは、本明細書に開示され、310と番号付けされた光学レンズ系の別の実施形態を概略的に示す。レンズ系310は、レンズ312と、ミラー314と、光学要素306と、画像センサ308とを備える。レンズ312は、L~Lと番号付けされた5つのレンズ要素を含む。
【0120】
表面タイプは表4に定義されている。表面の係数は表5に定義されている。レンズ要素L~Lの度数配列は、正負正負である。
【0121】
<表4>
【0122】
【表4】

<表5>
【0123】
【表5】

レンズ312の全てのレンズ要素は、互いに非常に近い。具体的には、Gap=0.03mm(LとL間)、Gap=0.03mm(LとL間)、Gap=0.03mm(LとL間)、Gap=0.02mm(LとL間)である。
【0124】
図3Cは、本明細書に開示され、320と番号付けされた光学レンズ系のさらに別の実施形態を概略的に示す。レンズ系320は、レンズ322と、ミラー324と、光学要素306と、画像センサ308とを備える。レンズ322は、L~Lと番号付けされた3つのレンズ要素を含む。レンズ要素L~Lの度数配列は、正負負である。
【0125】
レンズ322の全てのレンズ要素は、互いに非常に近い。具体的には、Gap=0.03mm、Gap=0.03mmである。表面タイプは表6に定義されている。表面の係数は表7に定義されている。
【0126】
<表6>
【0127】
【表6】

<表7>
【0128】
【表7】

図3Dは、本明細書に開示され、330と番号付けされた光学レンズ系のさらに別の実施形態を概略的に示す。レンズ系330は、レンズ332と、ミラー334と、光学要素306と、画像センサ308とを備える。レンズ332は、L~Lと番号付けされた3つのレンズ要素を含む。レンズ要素L~Lの度数配列は、正負負である。レンズ332は、レンズ322のレンズ要素の幅を20%切断することによって得られる。レンズ332に含まれるレンズ要素の詳細については、表6及び表7を参照されたい。切断はレンズ光軸に平行な方向(すなわち、y軸に平行な方向)に沿って行われ、z方向に沿って測定されるレンズWLの幅(WL)は、x方向に沿って測定されるWLの幅(WL)よりも小さくなり、すなわち、WL<WLである(図7参照)。
【0129】
表1から分かるように、レンズ332の切断はモジュール高さ(MH)の観点から大幅な節約になり、これはスリムモバイル機器設計に有利であり、MMHONおよびMMH1OFFはそれぞれ8.6mmから7.24mmおよび9.01mmから7.54mmに低減される。MHONは10.1mmから8.74mmに低減される(約16%低減)。レンズ332を20%切断することは、カメラモジュールの高さを約15~20%節約することになる。
【0130】
レンズ系330では、モジュール長(ML)に関して著しい節約はない。視野曲率のとき、より小さい垂直(すなわち、y軸に沿った)画像領域上のレンズ最適化は、最適な焦点距離をより高いz値にシフトさせ、z方向の切断の低減を減少させる。レンズ332の全てのレンズ要素は、互いに非常に近い。具体的には、Gap=0.03mm、Gap=0.03mmである。
【0131】
図3Eは、本明細書に開示され、340と番号付けされた光学レンズ系の実施形態を概略的に示す。レンズ系340は、図2D~Fに示されるような傾斜OPを有する折り畳み式カメラに含まれ得る。レンズ系340は、レンズ342と、ミラー344と、光学要素306(任意)と、画像センサ308とを備える。レンズ342は、L~Lと番号付けされた4つのレンズ要素を含む。
【0132】
表面タイプは表8に定義されている。表面の係数は表9に定義されている。ミラー344の半直径(D/2)は、それを完全に組み込む円によって定義されている。yzミラー平面で測定されるミラー344の長さは4.2mmであり、その幅(x軸に沿って測定され、ここでは示されていない)は6mmである。ミラー344のz軸に対する傾斜角度βは51度である。OP313は、z軸に平行ではなく、z軸と角度αを形成する。
【0133】
およびLの両方は、2つ以上の偏向点を有するレンズ表面を有する。レンズ要素L~Lの度数配列は、正負正負である。
【0134】
レンズ340の全てのレンズ要素は、互いに非常に近い。具体的には、Gap=0.03mm(LとL間)、Gap=0.03mm(LとL間)、Gap=0.04mm(LとL間)である。3つのGap全てが、Gap/LT<0.015を満たす。
【0135】
他の実施形態では、レンズ342がレンズ342に基づく切断レンズを達成するための切断であってもよい。切断されたレンズは、レンズ342のレンズ要素の幅を10%~40%切断することによって得ることができる。切断はレンズ光軸に平行な方向(すなわち、y軸に平行な方向)に沿って行われ、y方向に沿って測定されるレンズWLの幅(「WL」)はx方向に沿って測定されるWLの幅(「WL」)よりも小さく、すなわち、WL<WLである(図7参照)。レンズ342の切断はMHに関して著しい節約になり、これはスリムなモバイル機器設計に有益である:レンズ342を20%切断することによって、MHおよびMMHはそれぞれ10.3mmから9.23mm(約11%MH低減)および8.8mmから7.73mm(約14%MMH低減)に低減される。MMLは13.28mmから12.68mmに低減される。切断により、レンズ開口は6mmから5.68mmに低減し、F値は2.78から2.94に増加した。
【0136】
<表8>
【0137】
【表8】

<表9>
【0138】
【表9】

図3Fは、本明細書に開示され、350と番号付けされた光学レンズ系の別の実施形態を概略的に示す。レンズ系350は、図2D~Fに示されるような傾斜OPを有する折り畳み式カメラに含まれ得る。レンズ系350は、レンズ352と、ミラー354と、光学要素306(任意)と、画像センサ308とを備える。レンズ352は、L~Lと番号付けされた4つのレンズ要素を含む。
【0139】
表面タイプは表10に定義されている。表面の係数は表11に定義されている。ミラー354の半直径(D/2)は、それを完全に組み込む円によって定義されている。yzミラー平面内で測定されるミラー354の長さは5.2mmであり、その幅(x軸に沿って測定され、ここでは示されていない)は5.6mmである。ミラー354のz軸に対する傾斜角度βは48.2度である。OP313は、z軸に平行ではなく、z軸と角度αを形成する。LおよびLの両方は、2つ以上の偏向点を有するレンズ表面を有する。
【0140】
レンズ350のレンズ要素対L、LおよびL、Lは、互いに非常に近い。具体的には、Gap=0.04mm、Gap=0.04mmである。GapおよびGapは、Gap/LT<0.015およびGap/LT<0.015が満たされている。レンズ系340および350の両方において、GAPのうちの少なくとも1つは、レンズ要素の中心に位置しない。レンズ要素L~Lの度数配列は、正負正正である。
【0141】
他の実施形態では、レンズ352がレンズ352に基づいて切断レンズを達成するように切断されてもよい。切断されたレンズは、レンズ352のレンズ要素の幅を10%~40%切断することによって得ることができる。この幅の切断は、y軸に平行な方向に沿って行われ、y方向に沿って測定されるレンズWLの幅(「WL」)はx方向に沿って測定されるWLの幅(「WL」)よりも小さく、すなわち、WL<WLである(図7参照)。例えば、レンズ352を20%切断することによって、MHは約7.5%~20%低減され得、MMHは約10%~20%低減され得る。
【0142】
<表10>
【0143】
【表10】

<表11>
【0144】
【表11】

レンズ系340および350に含まれる値および比率を表12に示す。表12において、表1と同じ定義および単位が使用される。
【0145】
<表12>
【0146】
【表12】

以下では、レンズ要素の「高さ」(例えば、透明高さ、機械的高さなど)を指すことに留意されたい。ここに開示される光学レンズ系では、表1及び表12と同様に、この高さをレンズ又はレンズ要素の「幅」(例えば、WLM,WL等)と呼ぶ。これは、本明細書に開示される光学レンズ系ではレンズ光軸が画像センサ上の法線に平行で、以下に見られる例示的な光学レンズ系とは対照的に、レンズ光軸が画像センサ上の法線に垂直であるためである。
【0147】
以下に説明するように、透明高さ値CH(S)は1≦k≦2Nについて各表面Sに対して定義することができ、透明開口値CA(S)は、1≦k≦2Nについて各表面Sに対して定義することができる。CA(S)およびCH(S)は、各レンズ要素の各表面Sの光学特性を規定する。CH用語は図5Aを参照して定義され、CA用語は以下の図5Bを参照して定義される。また、高さ(「HLi」、1≦i≦N)は、各レンズ要素のLに対して定義される。HLiはレンズ要素Lごとに、レンズ要素の光軸に垂直な軸に沿って測定されたレンズ要素Lの最大高さに対応する。所与のレンズ要素について、高さは、この所与のレンズ要素の前表面および後表面の透明高さ値CHおよび透明開口値CAよりも大きいか、またはそれに等しい。典型的には軸対称レンズ要素の場合、HLi図6に見られるようなレンズ要素Lの直径である。通常、軸対称レンズ要素の場合、HLi=max{CA(S2i-1)、CA(S2i)}+機械的部品サイズである。一般に、レンズ設計では、機械的部品サイズがレンズの光学特性に寄与しないものとして定義される。このため、レンズの2つの高さ、すなわち、光学活性領域602の光学的高さHopt(CA値に対応する)と、光学活性領域および光学不活性領域を覆うレンズ領域604全体のレンズHの幾何学的(または機械的)高さとを規定する(図6)。機械部品およびその特性は、以下に定義される。HLiに対する機械的部品寸法の寄与は、典型的には200~1000μmである。
【0148】
図4A図4B、および図5A図5Bに示されるように、表面S(1≦k≦2N)を通過する光線それぞれは、衝突点IPでこの表面に衝突する。光線は表面Sからカメラ200または220に入り、S2NにSする表面を通過する。いくつかの光線は任意の表面Sに衝突することができるが、画像センサ206には到達することができない/到達しない。所与の表面Sに対して、画像センサ206上に像を形成することができる光線のみが考慮される。CH(S)は2つの可能な最も近い平行線(レンズ要素の光軸に直交する平面P上に位置する図5Aの線500および502を参照)間の距離として定義される。図4Aおよび4Bの表現において、平面Pは、平面X-Yに平行であり、平面P上のすべての衝突点IPの直交投影IPorthが2つの平行線の間に位置するように、光軸402に直交する。CH(S)は、各表面S(前表面および後表面、1≦k≦2N)について定義することができる。
【0149】
CH(S)の規定は、画像センサ上に像を形成することが「できる」光線を指すので、現在結像されている物体に依存しない。したがって、現在撮像されている物体が光を生成しない黒い背景に位置している場合であっても、画像を形成するために画像センサに到達することが「できる」任意の光学光線(例えば、黒い背景とは反対に、光を放射する背景によって放射される光学光線)を指すので、定義は、この黒い背景を指すものではない。
【0150】
例えば、図4Aは、光軸402に直交する平面P上の2つの衝突点IP及びIPの直交投影IPorth,1、IPorth,2を示す。例えば、図4Aの表現では、表面Sは凸状である。
【0151】
図4Bは、平面P上の2つの衝突点IPおよびIPの直交投影IPorth,3、IPorth,4を示す。例えば、図4Bの表現では、表面Sは凹状である。
【0152】
図5Aでは、平面P上の表面Sの全ての衝突点IPの直交投影IPorthが平行な線500と線502との間に位置する。したがって、CH(S)は、線500と線502との間の距離である。
【0153】
図5Bに注目する。本開示の主題によれば、透明な開口CA(S)は円の直径として、所与の表面S(1≦k≦2N)ごとに定義され、ここで、円は、光軸402に直交する平面Pに位置し、平面P上のすべての衝突点の直交投影IPorthを取り囲む、可能な限り最小の円である。CH(S)に関して上述したように、CA(S)の定義も、現在撮像されている物体にも依存しない。
【0154】
図5Bに示されるように、平面P上の全ての衝撃点の外接直交投影IPorthは円510である。円510の直径はSを規定する。
【0155】
図7は、複数の切断レンズ要素とレンズハウジング704とを含むレンズ鏡筒700を示す。第1の切断レンズ要素L702が見える。Lはx軸に沿った幅(「WL」)を有し、これは、z軸に沿った幅(「WL」)よりも大きい、すなわちWL>WLである。x軸およびz軸は、図2Aおよび図2Bと同じ向きである。
【0156】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明されている、本開示の主題の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される、本開示の主題の様々な特徴は別々に、または任意の適切な組み合わせで提供されてもよい。
【0157】
特に明記しない限り、選択のための選択肢のリストの最後の2つのメンバーの間の「および/または」という表現の使用は列挙された選択肢のうちの1つまたは複数の選択が適切であり、行われ得ることを示す。
【0158】
特許請求の範囲または明細書が「a」または「an」要素を参照する場合、そのような参照は、その要素のうちの1つのみであると解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0159】
本明細書において言及される全ての特許および特許出願は、それぞれの個々の特許または特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されるのと同程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。加えて、本出願における任意の参考文献の引用または同定は、そのような参考文献が本開示に対する先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸(OA)を有し、N≧4のレンズ要素L (1≦i≦N)、および有効焦点距離(EFL)を有するレンズであって、第1のレンズ要素L が物体側に面し、最後のレンズ要素L が像側に面する、レンズ;
センサ対角線(SD)を有する画像センサ;および
前記OAに平行な第1の光路(OP1)から前記画像センサに直交する第2の光路(OP2)に光を折り畳むことによって、物体と前記画像センサとの間に折り畳み式光路を提供するための光路折り畳み要素(OPFE)を備えるカメラであり、
前記カメラは折り畳み式デジタルカメラであり、前記レンズは前記OPFEの物体側に位置し、8mm<EFL<50mmであり、SD/EFL>0.45であるカメラ。
【請求項2】
前記OPFEは、前記レンズOAに対して角度βで配向され、45<β≦60度である請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
47≦β≦55度である請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
がガラス製である、請求項1に記載のカメラ。
【請求項5】
全てのレンズ要素がプラスチック製である、請求項1に記載のカメラ。
【請求項6】
SD/EFL>0.5である請求項1に記載のカメラ。
【請求項7】
SD/EFL>0.55である請求項1に記載のカメラ。
【請求項8】
前記OP1に沿って測定されるモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、SD/MH>0.8である請求項1に記載のカメラ。
【請求項9】
比率SD/MH>0.9である請求項8に記載のカメラ。
【請求項10】
前記OP2に沿って測定されるモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、EEF/ML>0.9である請求項1に記載のカメラ。
【請求項11】
前記レンズは、全トラック長(TTL)及び後方焦点距離(BFL)を有し、BFL/TTL>0.7である請求項1に記載のカメラ。
【請求項12】
前記EFLが、10mm<EFL<20mmの範囲にある請求項1に記載のカメラ。
【請求項13】
7.5mm<SD<12.5mmである請求項1に記載のカメラ。
【請求項14】
前記レンズは、f値(f/#)を有し、前記f/#が2.0<f/#<3.5の範囲にある請求項1に記載のカメラ。
【請求項15】
f/#<2.9である請求項14に記載のカメラ。
【請求項16】
前記レンズは、OP1に沿って測定されるレンズ厚さ(LT)を有し、
とL との間の距離d 34 と、LTとの比率が、d 34 /LT<0.02を満たす請求項1に記載のカメラ。
【請求項17】
前記レンズはOP1に沿って測定されるレンズ厚さ(LT)を有し、2つの連続するレンズ要素L とL i+1 との間の最小限のギャップがGAP であり、2つの連続するレンズ要素間の全てのギャップに対してGAP /LT<0.02である請求項1に記載のカメラ。
【請求項18】
前記レンズはOP1に沿って測定されるレンズ厚さ(LT)を有し、2つの連続するレンズ要素L とL i+1 との間の最小限のギャップがGAP であり、2つの連続するレンズ要素間の少なくとも2つのギャップについてGAP /LT<0.02である請求項1に記載のカメラ。
【請求項19】
前記レンズがOP1に沿って測定されるレンズ厚さ(LT)を有し、前記第1のレンズ要素L と前記第2のレンズ要素L との間の距離がd 12 であり、d 12 /LT<0.02である請求項1に記載のカメラ。
【請求項20】
N=4であり、レンズ要素L ~L の度数配列が正負正負である請求項1に記載のカメラ。
【請求項21】
N=4であり、レンズ要素L ~L の度数配列が正負正正である請求項1に記載のカメラ。
【請求項22】
OP1に沿って測定されるモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、6mm<MH<13mmである、請求項1に記載のカメラ。
【請求項23】
OP1に沿って測定されるモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、8mm<MH<11mmである、請求項1に記載のカメラ。
【請求項24】
OP1に沿って測定されるモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、比率SD/MH>0.7である請求項1に記載のカメラ。
【請求項25】
OP1に沿って測定されるモジュール高さ(MH)を有するカメラモジュールに含まれ、比率SD/MH>0.9である請求項1に記載のカメラ。
【請求項26】
モバイル機器に含まれ、
前記モバイル機器は、OP1に沿って測定される機器厚さTと、OP1に沿って測定されるバンプ高さBを有するカメラバンプとを有し、前記カメラバンプは高められた高さT+Bを有し、前記カメラは、前記カメラバンプに完全に組み込まれる、請求項1~25のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項27】
前記モバイル機器がスマートフォンである、請求項26に記載のカメラ。
【請求項28】
カメラモジュールに含まれ、
前記カメラモジュールは、OP1に沿って測定されるモジュール領域高さ(MH)を有する第1のモジュール領域と、OP1に沿って測定される方領域高さ(SH)を有する第2の肩領域と、を含み、MH>SHである、請求項1に記載のカメラ。
【請求項29】
前記カメラは開口直径(DA)を有し、DA>SH-3mmである、請求項28に記載のカメラ。
【請求項30】
DA>SH-2mmである、請求項29に記載のカメラ。
【請求項31】
DA>SH-1mmである、請求項29に記載のカメラ。
【請求項32】
前記カメラモジュールは、モバイル機器に含まれ、前記モバイル機器は、OP1に沿って測定される機器厚さTと、OP1に沿って測定されるバンプ高さBを有するカメラバンプとを有し、前記カメラバンプはOP1に沿って測定される高められた高さT+Bを有し、前記第1モジュール領域は、前記カメラバンプに組み込まれ、前記第2方領域は、前記カメラバンプに組み込まれない、請求項28に記載のカメラ。
【請求項33】
前記モバイル機器は、スマートフォンである請求項32に記載のカメラ。
【国際調査報告】