IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エディティブ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特表2024-524216コンクリート部材の製造方法及び製造システム、並びにコンクリート部材
<>
  • 特表-コンクリート部材の製造方法及び製造システム、並びにコンクリート部材 図1
  • 特表-コンクリート部材の製造方法及び製造システム、並びにコンクリート部材 図2
  • 特表-コンクリート部材の製造方法及び製造システム、並びにコンクリート部材 図3
  • 特表-コンクリート部材の製造方法及び製造システム、並びにコンクリート部材 図4
  • 特表-コンクリート部材の製造方法及び製造システム、並びにコンクリート部材 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】コンクリート部材の製造方法及び製造システム、並びにコンクリート部材
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/02 20060101AFI20240628BHJP
   B28B 23/02 20060101ALI20240628BHJP
   B28B 13/02 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C04B28/02
B28B23/02 Z
B28B13/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578920
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 DE2022100459
(87)【国際公開番号】W WO2022268263
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021116194.0
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522192850
【氏名又は名称】エディティブ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Aeditive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ゲルバース,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ノルテ,ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】リンデマン,ヘンドリク
【テーマコード(参考)】
4G055
4G112
【Fターム(参考)】
4G055AA01
4G055AB00
4G055CA05
4G112PC04
4G112PC11
(57)【要約】
本発明は、コンクリート部材(100,200)を製造する方法であって、コンクリートを用いて第1構成部分(126,226)及び第2構成部分(132,232)を製造するステップを含み、第1構成部分(126,226)及び第2構成部分(132,232)は自由成形法で製造され、前記コンクリートは、第1構成部分(126,226)のコンクリートの第1硬化時間と第2構成部分(132,232)のコンクリートの第2硬化時間とが異なるように供給される、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート部材(100,200)を製造する方法であって、
コンクリートで第1構成部分(126,226)及び第2構成部分(132,232)を製造するステップを含み、
前記第1構成部分(126,226)及び前記第2構成部分(132,232)は、自由成形法により製造され、
前記コンクリートは、前記第1構成部分(126,226)のコンクリートの第1硬化時間と前記第2構成部分(132,232)のコンクリートの第2硬化時間とが異なるように供給される、
方法。
【請求項2】
前記コンクリートは、促進剤を備え、
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートは、第1促進剤成分を有し、前記第2構成部分(132,232)のコンクリートは、前記第1促進剤成分とは異なる第2促進剤成分を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートは、第1促進剤を備え、前記第2構成部分(132,232)のコンクリートは、第2促進剤を備え、
前記第1促進剤は前記第1硬化時間に影響し、前記第2促進剤は前記第2硬化時間に影響する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1構成部分(126,226)は、充填空間(136)を側方から取り囲むように製造され、
前記第2構成部分(132,232)は、前記充填空間(136)を充填するように製造され、
前記第1構成部分(126,226)は、前記第2構成部分(132、232)よりも時間的に前に製造され、
好ましくは、前記第1硬化時間は、前記第2硬化時間よりも短い、
請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
補強ユニット(112,212)を配置するステップを含み、
前記第1構成部分(126,226)は、第1側部(118,218)上に少なくとも部分的に製造され、前記第2構成部分(132,232)は、前記補強ユニット(112,212)の前記第1側部(118,218)とは反対側の第2側部(120,220)上に製造される、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記補強ユニット(112,212)は、特にコンクリート部材(100,200)の製造中に、垂直方向に整列されて補強空間(134,234)を形成する側方補強部(114,116,214,216)を備え、
前記第1構成部分(126,226)は、前記補強ユニット(112,212)の側方補強部(114,116,214,216)を取り囲み、
前記第2構成部分(132,232)は、前記補強空間(134,234)内に製造され、前記補強空間(134,234)を少なくとも部分的に充填し、
前記第1硬化時間は、前記第2硬化時間よりも短い、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記充填空間(136)及び/又は補強空間(234)内に、前記第1構成部分(126,226)にかかる静水圧を低減するように配置及び構成された、特にコンクリート製の支持構造体(238)を製造するステップを含み、
好ましくは、前記支持構造体(238)は、前記第2構成部分(132,232)のコンクリートを受け入れるための2以上の支持空間(246,248)を形成する、
請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記第1構成部分(126,226)及び前記第2構成部分(132,232)のうちの少なくとも1つに結合されたカバー層(138)を製造するステップを含み、
前記カバー層は、第3硬化時間を有するコンクリートで製造され、
前記第3硬化時間は、前記第1硬化時間及び/又は前記第2硬化時間よりも長い、
請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
コンクリート部材(100,200)を製造するための製造システム(250)、特に請求項1~8のいずれか1つに記載の方法を実行するための製造システム(250)であって、
促進剤を備え、コンクリートで第1構成部分(126,226)及び第2構成部分(132,232)を製造するための塗布ユニット(252)と、
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートの第1硬化時間と前記第2構成部分(132,232)のコンクリートの第2硬化時間とが異なるように、前記促進剤によるコンクリートの混合を制御するように配置及び構成された制御装置(256)と、
を備える、製造システム(250)。
【請求項10】
第1構成部分(126,226)と、
第2構成部分(132,232)と、
を備え、
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートは、第1硬化時間を有し、
前記第2構成部分(132,232)のコンクリートは、第2硬化時間を有し、
前記第1硬化時間と前記第2硬化時間とは異なる、
コンクリート部材(100,200)。
【請求項11】
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートは、第1促進剤成分を有し、
前記第2構成部分(132,232)のコンクリートは、前記第1促進剤成分とは異なる第2促進剤成分を有する、
請求項10に記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項12】
補強ユニット(112,212)を備え、
前記第1構成部分(126,226)は、第1側部(118,218)上に少なくとも部分的に配置され、
前記第2構成部分(132,232)は、前記第1側部とは反対側の前記補強ユニット(112,212)の第2側部(120,220)上に配置されている、
請求項10又は11に記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項13】
前記補強ユニット(112,212)は、特にコンクリート部材(100,200)の製造中に、垂直方向に整列されて補強空間(134,234)を形成する側方補強部(114,116,214,216)を備え、
前記第1構成部分(126,226)は、前記補強ユニット(112,212)の側方補強部(114,116,214,216)を取り囲み、
前記第2構成部分(132,232)は、前記補強空間(134,234)内で製造され、前記補強空間(134,234)を少なくとも部分的に充填し、
前記第1硬化時間は、前記第2硬化時間よりも短い、
請求項10~12のいずれか1つに記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項14】
前記第1構成部分(126,226)は、充填空間(136)を側方から取り囲み、
前記第2構成部分(132,232)は、前記充填空間(136)を充填し、
好ましくは、前記第1硬化時間は、第2硬化時間より短い、
請求項10~13のいずれか1つに記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項15】
前記充填空間(136)内に配置され、前記第1構成部分(126,226)にかかる静水圧を低減するように配置及び構成された、特にコンクリートで作成され又はコンクリートを含む支持構造体(238)を備え、
好ましくは、前記支持構造体(238)は、前記第2構成部分(132,232)のコンクリートが配置される2以上の支持空間(246,248)を有する、
請求項10~14のいずれか1つに記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項16】
前記第1構成部分(126,226)及び前記第2構成部分(132,232)のうちの少なくとも1つに結合されたカバー層(138)であって、第3硬化時間を有するコンクリートを含む又は当該コンクリートで構成されたカバー層(138)を備え、
前記第3硬化時間は、前記第1硬化時間及び/又は前記第2硬化時間よりも長い、
請求項10~15のいずれか1つに記載のコンクリート部材(100,200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート部材を製造するための方法及び製造システム、並びにコンクリート部材に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート部材を製造する方法は、一般的に知られている。例えば、吹付けコンクリート法や押し出し法などの自由成形法でコンクリート部材を製造するためには、通常、様々なコンクリート混和剤が必要である。自由成形法を用いたコンクリート部材の制御された構築のためには、通常、促進剤(アクセラレータ又は略してBEとも呼ばれる)が必要である。
【0003】
処理されるコンクリート中の促進剤の割合が高いと、特に、下層が重力によって大きく変形することなく、多数の層を互いの上に配置することができるため、高い塗布速度が可能になる。促進剤を使用することの欠点は、個々の層間の結合が不足することが多いことである。一体化された補強部材を有するコンクリート部材の場合、コンクリートは通常、補強部材の後方にも配置されなければならないため、促進剤の割合が高いと、飛散影が生じたり、コンクリートと補強部材との結合が不十分になったりするという欠点が生じる。更に、促進剤の割合が高いと、コンクリート部材の平滑性が低下する。
【0004】
促進剤は、コストが高く、工程に関連する欠点があるため、促進剤の使用をできるだけ少なくすることが課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、前述した1以上の欠点を低減又は除去するコンクリート部材を製造するための方法及び製造システム、並びにコンクリート部材を提供することにある。具体的には、本発明の目的は、コンクリート部材に使用されるコンクリート中の必要な促進剤の含有量を低減する解決策を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立特許請求の範囲の特徴に係るコンクリート部材、並びに、方法及び製造システムによって解決される。これらの態様の更に有利な実施形態は、それぞれの従属特許請求の範囲に示されている。特許請求の範囲及び明細書に個別に列挙された特徴は、本発明の更なる実施形態が示されることにより、任意の技術的に有用な方法で互いに組み合わせることができる。
【0007】
第1態様によれば、この課題は、コンクリート部材を製造する方法であって、好ましくは促進剤を含むコンクリートを用いて第1構成部分及び第2構成部分を製造するステップを含み、第1構成部分及び第2構成部分は、自由成形法、特に吹付けコンクリート法及び/又は押し出し法で製造され、コンクリートは、第1構成部分のコンクリートの第1硬化時間と第2構成部分のコンクリートの第2硬化時間とが異なるように供給される、方法によって解決される。
【0008】
本発明は、構成部分固有の硬化時間を有するコンクリート部材の製造が、より低コスト且つ高品質で可能になるという認識に基づいている。例えば、促進剤の含有量を低減することによって、1つ上に配置された個々のコンクリート層の結合が改善される。更に、表面の平滑性も向上する。更に、塗布されるコンクリートと付加される補強材との間の結合が最適化される。更に、促進剤の含有量を低くするほど、空気の巻き込みの危険性が低くなる。更に、本発明者らは、低い促進剤の含有率で送達速度を増加させることができるため、製造工程の生産性が向上することを見出した。
【0009】
第1構成部分及び第2構成部分は、好ましくは促進剤を含むコンクリートで製造される。促進剤は、特にコンクリートの他の成分と混合される。コンクリートは、特に複合材料を意味すると理解される。具体的には、コンクリートは、バインダ及び骨材に液体を加えて分散液として混合される建築材料である。バインダは、好ましくはセメントであり、及び/又は、骨材は、骨材である。第1構成部分及び/又は第2構成部分は、好ましくは、第1構成部分及び/又は第2構成部分の平面的範囲に対して角度をなすコンクリート塗布方向を有するように構成され、好ましくは、コンクリート塗布方向は、第1構成部分及び/又は第2構成部分の平面的範囲に直交する平面に対して角度を成して配向される。
【0010】
第1構成部分及び第2構成部分は、好ましくは、特にその形状に基づいて予め決定される。第1構成部分は、好ましくは第1形状を有し、第2構成部分は、第2形状を有し、これらの形状は互いに異なる。例えば、第1形状は、壁であってもよく、第2形状は、充填材であってもよい。第1構成部分及び第2構成部分の製造は、好ましくはスチールパレット上で行われる。第1形状は、好ましくは、角度の付いたコンクリート塗布方向に構成される。第2形状は、好ましくは、タンブリングコンクリート塗布方向に構成される。
【0011】
第1構成部分及び第2構成部分が製造される前に、まず、コンクリート部材の最下層として理解されるベース部が製造されることが好ましい。このベース部は、例えば、ベース、特に前述したスチールパレット上に製造されてもよい。コンクリート塗布方向、特にスプレーノズルのコンクリート吐出方向は、好ましくは、ベース部を製造するために、ベース部に対して本質的に直交するように整列される。
【0012】
特に、促進剤は、コンクリートの硬化及び/又は硬化を促進するコンクリート混和剤として理解される。例えば、促進剤は、凝結促進剤、硬化促進剤、及び/又は吹付けコンクリート促進剤であってもよい。
【0013】
第1構成部分及び第2構成部分は、自由成形法により製造される。自由成形法は、特に型枠を使用しない方法として理解される。自由成形法は、特に吹付けコンクリート法及び/又は押し出し法、特にコンクリート押し出し法である。
【0014】
第1構成部分及び第2構成部分を製造するためのコンクリートは、第1構成部分のコンクリートの第1硬化時間と第2構成部分のコンクリートの第2硬化時間とが異なるように供給される。異なる硬化時間は、例えば、以下により詳細に説明するように、異なる割合の促進剤を用いて可能にすることができる。その結果、一方の構成部分のコンクリートは、他方の構成部分よりも促進剤が少なくなる。
【0015】
例えば、塗布されたコンクリートの硬化時間は、塗布後、可塑状態から固体状態に移行するまでの時間を表す。また、硬化時間は、硬化開始までの時間として理解することもできる。更に、硬化時間は、コンクリートが硬化するのに必要な時間、例えば、硬化の終了まで、及び/又はそれを超えて初期強度が形成されるまでの時間として理解することができる。
【0016】
本方法の好適な実施形態は、コンクリートが促進剤を備え、第1構成部分のコンクリートが第1促進剤成分を有し、第2構成部分のコンクリートが第1促進剤成分とは異なる第2促進剤成分を有することを特徴とする。
【0017】
促進剤は、例えば、レディーミックスに添加してもよい。従って、促進剤を含むコンクリートは、コンクリートミキサーからの初期ミックスとして既に提供されている。代替的又は追加的に、促進剤は、吹付けコンクリートノズルで添加されてもよい。
【0018】
促進剤の含有量は、例えば、コンクリート中の促進剤の割合である。促進剤の割合は、例えば百分率で表すことができる。更に、促進剤の割合は、重量割合、例えばコンクリート1トン当たりのキログラムのように、重量による促進剤の割合として指定してもよい。更に、促進剤の割合は、例えばコンクリートの立方メートル当たりのリットルのように、体積基準による促進剤の割合として指定してもよい。構成部分の1つが他の構成部分よりも高い促進剤の含有量で製造される場合、その構成部分は、より速く硬化し、より短い硬化時間を有する。促進剤の割合は、ゼロにしてもよい。また、第1及び/又は第2促進剤の割合は、それぞれ特定の範囲にしてもよい。
【0019】
促進剤の割合は、コンクリート成分の少なくとも1つの成分方向に沿って徐々に調整してもよい。例えば、促進剤の割合は、第1促進剤の割合から第2促進剤の割合まで連続的に、例えば直線的に変化してもよい。本方法は、特に、コンクリートで第1構成部分と第2構成部分との間に配置された第3構成部分を製造するステップであって、第3構成部分のコンクリートの第3促進剤部分が、構成方向に沿って、特に第1構成部分から第2構成部分に向けられた構成方向に沿って変化する、ステップを含むことが特に好ましい。
【0020】
更なる好適な実施形態において、第1構成部分のコンクリートは、第1促進剤を備え、第2構成部分のコンクリートは、第2促進剤を備え、第1促進剤は第1硬化時間に影響し、第2促進剤は第2硬化時間に影響することが提供される。
【0021】
異なる促進剤の割合に代えて又はそれに加えて、異なる促進剤が適用されてもよく、それらは異なる方法で硬化時間に影響を与える。第1促進剤と第2促進剤とは、異なることが好ましい。
【0022】
本方法の更に好適な実施形態は、第1構成部分が充填空間を側方から取り囲むように製造され、第2構成部分が充填空間を充填するように製造され、第1構成部分が第2構成部分よりも時間的に前に製造されることを特徴とする。好ましくは、第1硬化時間は、第2硬化時間よりも短い。
【0023】
第1構成部分は、1つ、2つ、又はそれ以上の側壁として構成されることが好ましい。これらの側壁は、充填空間を囲むことが好ましい。例えば、第1構成部分は、実質的に長方形の断面を形成するように配置された4つの側壁を有してもよい。第1構成部分は、短い第1硬化時間で急速に構築される。更に、充填空間を取り囲む構成部分を高い促進剤の含有量又は短い第1硬化時間で構築することは、第1構成部分のコンクリートが溶解しないため、特に有利である。従って、第1構成部分は、特に正確な形状で製造することができる。
【0024】
その後、第1構成部分により構成される充填空間がコンクリートで充填され、この充填物が第2構成部分を構成する。第2構成部分は、より長い第2硬化時間を有する。第2構成部分のコンクリートは、第1構成部分によって特定の位置に保持されるため、促進剤の含有量を高くしたり、硬化時間を短くしたりする必要がない。第2構成部分は、例えば、促進剤を含まないコンクリートを用いて製造されてもよい。
【0025】
第2構成部分は、個々の層間に良好な結合を有するという特徴がある。また、第2構成部分は、優れた強度を有する。充填空間を迅速且つ安全に形成するためのこのような第1構成部分と、その後の促進剤をほとんど又は全く含まないコンクリートによる充填空間の充填物との組み合わせにより、特に高品質の構成部材が短時間で得られる。
【0026】
本方法の更に好適な実施形態は、補強ユニット、特に補強ケージを配置するステップを含み、第1構成部分は、少なくとも第1側部上で製造され、第2構成部分は、補強ユニットの第1側部とは反対側の第2側部上に製造される。
【0027】
補強ユニットは、少なくとも1つの補強部材、好ましくは2以上の補強部材を備えている。補強ケージとして構成された補強ユニットは、好ましくは複数の補強部材を備える。補強部材は、好ましくは、直線状及び/又は曲がった鋼製部材である。補強ユニットは、好ましくは、固化したベース部上に配置される。これにより、補強ユニットの正確な位置決めが可能となる。また、スペーサを用いて補強ユニットをベース上に配置した後、補強ユニットの下にベース部を製造してもよい。ベース部は、少量の促進剤を使用して製造されることが特に好ましい。
【0028】
本方法の更に好適な実施形態は、補強ユニットが、特にコンクリート部材の製造中に、垂直方向に整列されて補強空間を形成する側方補強部を備え、第1構成部材が、補強ユニットの側方補強部を取り囲み、第2構成部分が、補強空間内で製造され、補強空間を少なくとも部分的に充填し、第1硬化時間が、第2硬化時間より短い、ことを特徴とする。
【0029】
側方補強部は、好ましくは、垂直方向に整列された平坦な延長部を有する。前記平面な延長部と直交する面は、実質的に水平方向に整列している。
【0030】
第1構成部分は、補強ユニットの側方補強部を取り囲む。従って、側方補強部は、少なくとも部分的に第1構成部分内に配置される。従って、充填空間を有利な方法で製造することができる。
【0031】
本方法の更に好適な実施形態によれば、本方法は、充填空間及び/又は補強空間内に、第1構成部分に対する静水圧を低減するように配置及び構成された、特にコンクリート製の支持構造体を製造するステップを含み、好ましくは、支持構造体は、第2構成部分のコンクリートを受け入れるための2以上の支持空間を形成する。
【0032】
大容量のコンクリート部材において、第1構成部分によって構成される充填空間は、大きな容積を有する。この充填空間が第2構成部分のコンクリートで充填されると、第1構成部分、特に第1構成部分の側壁には高い静水圧がかかる。コンクリート部材が大きく構成されればされるほど、この静水圧は大きくなり得る。第1構成部分にかかる荷重を低減するため、及び/又は、第1構成部分にかかる静水圧を低減するために、支持構造体が製造される。
【0033】
好ましくは、支持構造体は、2以上の支持空間を形成する。支持空間は、好ましくは互いに流体的に分離されている。2以上の支持空間は、第1構成部分にかかる静水圧を低減する。その結果、特に、より高いコンクリート品質及びより高い寸法安定性を有する、より優れたコンクリート部材を製造することができる。
【0034】
本方法の別の好適な実施形態は、第1構成部分及び/又は第2構成部分に結合されたカバー層を製造するステップを含み、カバー層は、第3硬化時間を有するコンクリートで製造され、第3硬化時間は、第1硬化時間及び/又は第2硬化時間よりも長い。カバー層は、例えば、第1構成部分及び/又は第2構成部分に物質的に接着されてもよく、好ましくは物質的に接着される。好ましくは、カバー層は、カバー層の平面形成に対して実質的に直交する向きのコンクリート塗布方向を有するように構成される。
【0035】
更に好ましくは、コンクリート部材の外側に面する側面に更なるコンクリート層が配置され、当該コンクリート層は、コンクリート部材の平滑性を向上させるために、長い硬化時間、特に第1、第2、及び/又は第3硬化時間よりも長い硬化時間を有する。
【0036】
本方法の更に好適な実施形態においては、第1構成部分、第2構成部分、及び/又はカバー層を製造するために遅延剤が加えられるステップが提供される。
【0037】
更なる態様によれば、上述の課題は、コンクリート部材を製造するための、特に、前述した実施形態の1つによる方法を実施するための製造システムであって、促進剤を備え、コンクリートで第1構成部分及び第2構成部分を製造するための塗布ユニットと、第1構成部分のコンクリートの第1硬化時間及び第2構成部分のコンクリートの第2硬化時間とが異なるように、促進剤によるコンクリートの混合を制御するように配置及び構成される制御装置と、を備える、製造システムによって解決される。
【0038】
塗布ユニットは、コンクリートを用いて第1構成部分及び第2構成部分を製造するように配置及び構成される。例えば、塗布ユニットは、コンクリートを噴霧及び/又は押し出すように構成されてもよい。
【0039】
好ましくは、制御装置は、硬化時間の構成部材固有の設定を可能にするように配置及び構成される。制御装置は、塗布ユニットで支持構造体及び/又はカバー層を製造するように配置及び構成されることが更に好ましい。
【0040】
製造システムは、塗布ユニット及び/又は制御装置に結合された混合ユニット及び/又は供給ユニットを備えることが更に好ましい。混合ユニットは、好ましくは、コンクリートを促進剤と混合するように配置及び構成される。供給ユニットは、好ましくは、コンクリート及び/又は促進剤を供給するように配置される。
【0041】
更なる態様によれば、上述の課題は、第1構成部分と第2構成部分とを備え、第1構成部分のコンクリートは、第1硬化時間を有し、第2構成部分のコンクリートは、第2硬化時間を有し、第1硬化時間と第2硬化時間とは異なる、コンクリート部材によって解決される。
【0042】
コンクリート部材は、例えば、橋の蓋、擁壁、特に自然石、母屋、階段、又はバルコニーであってもよい。更に、コンクリート部材は、橋梁又はトンネルのセグメント、インフラ部材、壁又は床部材、柱、梁、又は基礎であってもよい。
【0043】
好ましくは、第1構成部材及び/又は第2構成部材は、製造時に底面として機能するベース部に隣接する。
【0044】
コンクリート部材の好適な更なる形成は、第1構成部材のコンクリートが第1促進剤成分を有し、第2構成部材のコンクリートが第1促進剤成分とは異なる第2促進剤成分を有することを特徴とする。原則として、促進剤成分が多いほど、硬化時間は短くなる。また、促進剤成分は、ゼロであってもよい。
【0045】
コンクリート部材の好適な実施形態は、補強ユニット、特に補強ケージを備え、第1構成部分は少なくとも第1側部に少なくとも部分的に配置され、第2構成部分は、第1側部とは反対側の補強ユニットの第2側に配置されている。
【0046】
コンクリート部材の更に好適な実施形態において、補強ユニットは、特にコンクリート部材の製造中に、垂直に整列されて補強空間を形成する側方補強部を備え、第1構成部分が補強ユニットの側方補強部を取り囲み、第2構成部分は、補強空間内で製造され、特に補強空間を少なくとも部分的に充填し、第1硬化時間は、第2硬化時間よりも短いことが提供される。
【0047】
コンクリート部材は、充填空間内に配置され、第1構成部分にかかる静水圧を低減するように配置及び構成された、特にコンクリートで作成され又はコンクリートを含む支持構造体を備えることが更に好ましい。支持構造体は、第2構成部分のコンクリートが配置される2以上の支持空間を有することが好ましい。
【0048】
好ましくは、支持構造体は、互いに角度を成す垂直支持部材及び水平支持部材を備える。例えば、これらは、互いに90°の角度を成してもよい。静水圧は、コンクリート部材の製造中に、特に第2構成部分のコンクリートによって発生する。
【0049】
コンクリート部材の別の好適な実施形態は、第1構成部分及び/又は第2構成部分に結合されたカバー層を備える。カバー層は、第3硬化時間を有するコンクリートを含む又は当該コンクリートで構成されている。第3硬化時間は、第1硬化時間及び/又は第2硬化時間よりも長い。
【0050】
更なる利点、更なる態様の実施形態、及びそれらの可能な更なる実施形態の詳細については、コンクリート部材を製造するための方法の対応する特徴及び更なる実施形態に関する先に与えられた説明も参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
好適な実施形態を、添付の図面を参照して例示的に説明する。それらを以下に示す。
【0052】
図1】コンクリート部材の例示的な実施形態の概略的な二次元図である。
図2】コンクリート部材の更なる例示的な実施形態の概略的な二次元図である。
図3】製造システムの更なる例示的な実施形態の概略的な二次元図である。
図4】方法の例示的な実施形態の概略図である。
図5】更なる方法の例示的な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図面において、同一又は実質的に機能的に同一又は類似の要素は、同一の参照符号を付している。
【0054】
図1は、コンクリート部材100を示している。コンクリート部材100は、コンクリート部材100が製造されたスチールパレット1上に配置されている。コンクリート部材100は、上端部102から下端部104まで、及び、第1側方端部106から第2側方端部108まで延びている。
【0055】
コンクリート部材100は、コンクリート層として構成されたベース部110を備え、当該ベース部110は、好ましくは、製造中に最初に作成される。更に、コンクリート部材100は、補強ユニット112を備えている。補強ユニット112は、破線で示されている。補強ユニット112は、第1側方補強部114と、第2側方補強部116とを備えている。第1及び第2側方補強部114,116は、上側補強部122及び下側補強部124に接続され、図示しない他の側方補強部とともに補強空間134を製造する。下側補強部124は、ベース部110に隣接している。製造時において、補強ユニット112は、下側補強部124がベース部110に配置されている。
【0056】
補強ユニット112、具体的には第1側方補強部114は、外向きの第1側部118と、内向きの第2側部120とを備えている。
【0057】
コンクリート部材100は、第1構成部分126と、第2構成部分132とを更に備えている。第1構成部分126は、第1側壁128と、第2側壁130とを備えている。第1構成部分126は、第1及び第2側壁128,130を接続する(ここでは図示しない)2つの更なる側壁を備えることが好ましい。第1構成部分126のコンクリートは、製造中に第1硬化時間を有する。これは、第1構成部分126のコンクリートが第1促進剤部分を有することに起因する。この促進剤の割合が比較的高いので、第1構成部分126の第1及び第2側壁128,130は、迅速且つ幾何学的に信頼できる方法で製造することができる。
【0058】
充填空間136は、第1構成部分126、特に第1側壁128及び第2側壁130を貫通するように構成されている。
【0059】
充填空間136は、第1側壁128から第2側壁130まで延びている。充填空間136にはコンクリートが充填され、当該コンクリートが第2構成部分132を形成する。第2構成部分132のコンクリートは、第1硬化時間よりも長い第2硬化時間を有する。特に、第2構成部分132のコンクリートは、側壁128,130のために第2構成部分132の急速な固化が要求されないので、促進剤をほとんど有さないか又は有さなくてもよい。上端部102に隣接して、コンクリート部材100は、カバー層138を備えている。カバー層138は、好ましくは、第1及び/又は第2硬化時間よりも大きい第3硬化時間を有する。
【0060】
図2は、コンクリート部材200の別の実施形態を示している。コンクリート部材200は、上端部202から下端部204まで、及び、第1側方端部206から第2側方端部208まで延びている。コンクリート部材200は、第1側方補強部214及び第2側方補強部216を有する補強ユニット212を更に備えている。更に、補強ユニット212は、第1及び第2側方補強部214,216とともに補強空間234を形成する上方補強部222及び下方補強部224を備えている。第1側方補強部214は、外向きの第1側部218と、内向きの第2側部220とを備えている。
【0061】
コンクリート部材200は、充填空間236を形成する第1構成部分226を備えている。この充填空間236は、特に第1側壁228と第2側壁230との間に延び、好ましくは、ここでは図示されていない第1構成部分226の更に2つの側壁の間に延びている。充填空間236には、支持構造体238が配置されている。支持構造体238は、垂直支持部材240と2つの水平支持部材242とを備えている。合計6つの支持空間246,248は、支持部材240,242によって構成されている。第2構成部分232のコンクリートは、製造中に支持空間246,248に充填される。その結果、第1構成部分226、特に第1側壁228及び第2側壁230にかかる静水圧が低減される。
【0062】
図3は、コンクリート部材100,200を製造するための製造システム250を示している。製造システム250は、促進剤を含むコンクリートで第1構成部分126,226及び第2構成部分132,232を製造するための塗布ユニット252を備えている。コンクリートは、コンクリート塗布方向254に塗布ユニット252を出て、本実施例では斜めにコンクリート部材200に衝突する。更に、製造システム250は、第1構成部分126,226のコンクリートの第1硬化時間と第2構成部分132,232のコンクリートの第2硬化時間とが異なるように、コンクリートと促進剤との混合を制御するように配置及び構成された制御装置256を備えている。
【0063】
図4は、概略的な方法を示している。ステップ300において、ベース部110が作成される。ステップ302において、ベース部110上に補強ユニット112,212が配置される。補強ユニット112,212を配置する時点で、ベース部110のコンクリートは、好ましくは既に固化及び/又は硬化している。
【0064】
ステップ304において、自由成形法を用いて第1構成部分126,226が製造される。第1構成部分126,226は、第1硬化時間を有するコンクリートで構成されるか、当該コンクリートを含む。このコンクリートの第1硬化時間は、例えば、第1促進剤部分によって生じる。
【0065】
ステップ306において、自由成形法によって第2構成部分132,232が製造される。第2構成部分132,232は、例えば、第1促進剤部分とは異なる第2促進剤部分によって生じる第2硬化時間を有するコンクリートで構成されるか、当該コンクリートを含む。ステップ308においては、カバー層138,238が製造される。
【0066】
図5は、別の概略的な方法を示している。ステップ400において、ベース部110が製造され、ステップ402において、その上に補強ユニット112,212が配置される。ステップ404において、第1硬化時間を有するコンクリートを用いて、自由成形法によって第1構成部分126,226が製造される。
【0067】
ステップ406において、特にコンクリートの充填空間236及び/又は補強空間234内に支持構造体238が作成される。支持構造体238は、第1構成部分226にかかる静水圧を低減するように配置及び構成される。支持構造体238は、複数の支持空間246,248を有するように製造される。その後、又は部分的に同時に、ステップ408において、第2構成部分232が製造される。ここでは特に、コンクリートが支持空間246,248に配置される。
【0068】
前述したコンクリート部材100,200及びこのようなコンクリート部材100,200を製造する方法は、複数の利点を特徴とする。このコンクリート部材100,200は、必要最小限の量の促進剤のみが常に適用されるので、公知の部材よりも高品質である。更に、促進剤の量が少ないコンクリートはコンクリート圧が低いので、コンクリート部材100,200の製造方法は生産性が高い。更に、補強材を使用することにより、飛散影の発生を低減又は排除することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 スチールパレット
100 コンクリート部材
102 上端部
104 下端部
106 第1側方端部
108 第2側方端部
110 ベース部
112 補強ユニット
114 第1側方補強部
116 第2側方補強部
118 第1側部
120 第2側部
122 上側補強部
124 下側補強部
126 第1構成部分
128 第1側壁
130 第2側壁
132 第2構成部分
134 補強空間
136 充填空間
138 カバー層
200 コンクリート部材
202 上端部
204 下端部
206 第1側方端部
208 第2側方端部
212 補強ユニット
214 第1側方補強部
216 第2側方補強部
218 第1側部
220 第2側部
222 上側補強部
224 下側補強部
226 第1構成部分
228 第1側壁
230 第2側壁
232 第2構成部分
234 補強空間
236 充填空間
238 支持構造体
240 垂直支持部材
242 水平支持部材
244 水平支持部材
246 第1支持空間
248 第2支持空間
250 製造システム
252 塗布ユニット
254 コンクリート塗布方向
256 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート部材(100,200)を製造する方法であって、
コンクリートで第1構成部分(126,226)及び第2構成部分(132,232)を製造するステップを含み、
前記第1構成部分(126,226)及び前記第2構成部分(132,232)は、自由成形法により製造され、
前記コンクリートは、前記第1構成部分(126,226)のコンクリートの第1硬化時間と前記第2構成部分(132,232)のコンクリートの第2硬化時間とが異なるように供給される、
方法。
【請求項2】
前記コンクリートは、促進剤を備え、
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートは、第1促進剤成分を有し、前記第2構成部分(132,232)のコンクリートは、前記第1促進剤成分とは異なる第2促進剤成分を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートは、第1促進剤を備え、前記第2構成部分(132,232)のコンクリートは、第2促進剤を備え、
前記第1促進剤は前記第1硬化時間に影響し、前記第2促進剤は前記第2硬化時間に影響する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1構成部分(126,226)は、充填空間(136)を側方から取り囲むように製造され、
前記第2構成部分(132,232)は、前記充填空間(136)を充填するように製造され、
前記第1構成部分(126,226)は、前記第2構成部分(132、232)よりも時間的に前に製造され、
記第1硬化時間は、前記第2硬化時間よりも短い、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
補強ユニット(112,212)を配置するステップを含み、
前記第1構成部分(126,226)は、第1側部(118,218)上に少なくとも部分的に製造され、前記第2構成部分(132,232)は、前記補強ユニット(112,212)の前記第1側部(118,218)とは反対側の第2側部(120,220)上に製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記補強ユニット(112,212)は、コンクリート部材(100,200)の製造中に、垂直方向に整列されて補強空間(134,234)を形成する側方補強部(114,116,214,216)を備え、
前記第1構成部分(126,226)は、前記補強ユニット(112,212)の側方補強部(114,116,214,216)を取り囲み、
前記第2構成部分(132,232)は、前記補強空間(134,234)内に製造され、前記補強空間(134,234)を少なくとも部分的に充填し、
前記第1硬化時間は、前記第2硬化時間よりも短い、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記充填空間(136)又は補強空間(234)内に、前記第1構成部分(126,226)にかかる静水圧を低減するように配置及び構成された、コンクリート製の支持構造体(238)を製造するステップを含み、
記支持構造体(238)は、前記第2構成部分(132,232)のコンクリートを受け入れるための2以上の支持空間(246,248)を形成する、
請求項4又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1構成部分(126,226)及び前記第2構成部分(132,232)のうちの少なくとも1つに結合されたカバー層(138)を製造するステップを含み、
前記カバー層は、第3硬化時間を有するコンクリートで製造され、
前記第3硬化時間は、前記第1硬化時間及び/又は前記第2硬化時間よりも長い、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
コンクリート部材(100,200)を製造するため且つ、請求項1に記載の方法を実行するための製造システム(250)であって、
促進剤を備え、コンクリートで第1構成部分(126,226)及び第2構成部分(132,232)を製造するための塗布ユニット(252)と、
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートの第1硬化時間と前記第2構成部分(132,232)のコンクリートの第2硬化時間とが異なるように、前記促進剤によるコンクリートの混合を制御するように配置及び構成された制御装置(256)と、
を備える、製造システム(250)。
【請求項10】
第1構成部分(126,226)と、
第2構成部分(132,232)と、
を備え、
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートは、第1硬化時間を有し、
前記第2構成部分(132,232)のコンクリートは、第2硬化時間を有し、
前記第1硬化時間と前記第2硬化時間とは異なる、
コンクリート部材(100,200)。
【請求項11】
前記第1構成部分(126,226)のコンクリートは、第1促進剤成分を有し、
前記第2構成部分(132,232)のコンクリートは、前記第1促進剤成分とは異なる第2促進剤成分を有する、
請求項10に記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項12】
補強ユニット(112,212)を備え、
前記第1構成部分(126,226)は、第1側部(118,218)上に少なくとも部分的に配置され、
前記第2構成部分(132,232)は、前記第1側部とは反対側の前記補強ユニット(112,212)の第2側部(120,220)上に配置されている、
請求項10に記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項13】
前記補強ユニット(112,212)は、コンクリート部材(100,200)の製造中に、垂直方向に整列されて補強空間(134,234)を形成する側方補強部(114,116,214,216)を備え、
前記第1構成部分(126,226)は、前記補強ユニット(112,212)の側方補強部(114,116,214,216)を取り囲み、
前記第2構成部分(132,232)は、前記補強空間(134,234)内で製造され、前記補強空間(134,234)を少なくとも部分的に充填し、
前記第1硬化時間は、前記第2硬化時間よりも短い、
請求項12に記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項14】
前記第1構成部分(126,226)は、充填空間(136)を側方から取り囲み、
前記第2構成部分(132,232)は、前記充填空間(136)を充填し、
記第1硬化時間は、第2硬化時間より短い、
請求項10に記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項15】
前記充填空間(136)内に配置され、前記第1構成部分(126,226)にかかる静水圧を低減するように配置及び構成された、コンクリートで作成され又はコンクリートを含む支持構造体(238)を備え、
記支持構造体(238)は、前記第2構成部分(132,232)のコンクリートが配置される2以上の支持空間(246,248)を有する、
請求項14に記載のコンクリート部材(100,200)。
【請求項16】
前記第1構成部分(126,226)及び前記第2構成部分(132,232)のうちの少なくとも1つに結合されたカバー層(138)であって、第3硬化時間を有するコンクリートを含む又は当該コンクリートで構成されたカバー層(138)を備え、
前記第3硬化時間は、前記第1硬化時間及び/又は前記第2硬化時間よりも長い、
請求項10に記載のコンクリート部材(100,200)。
【国際調査報告】