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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】車両用サイドシル
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20240628BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B62D25/20 F
B62D21/15 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578951
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2022009305
(87)【国際公開番号】W WO2023277567
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0084513
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0078607
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ギュ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク、 ジョン-チョル
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB12
3D203CA02
3D203CA04
3D203CA25
3D203CA29
3D203CA36
3D203CA53
3D203CA57
3D203CB05
3D203CB07
(57)【要約】
本発明は、中空部を含むサイドシルフレーム;及び上記中空部の内部に上記サイドシルフレームの長さ方向に配置される強化フレーム;を含み、上記強化フレームは、上記サイドシルフレームの長さ方向に連続し、高さが変化する単位区間を有し、上面と下面が上記サイドシルフレームと離隔した車両用サイドシルを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を含むサイドシルフレーム;及び
前記中空部の内部に前記サイドシルフレームの長さ方向に配置される強化フレーム;を含み、
前記強化フレームは、
前記サイドシルフレームの長さ方向に連続し、高さが変化する単位区間を有し、上面と下面が前記サイドシルフレームと離隔した、車両用サイドシル。
【請求項2】
前記単位区間は、
前記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第1平面部;
前記第1平面部につながり、傾斜して配置される傾斜部;及び
前記傾斜部につながり、前記第1平面部よりも低い位置に存在する第2平面部;を含む、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項3】
前記傾斜部は、
前記第1平面部から前記第2平面部につながり、下向きに傾斜して配置される第1傾斜部;及び
前記第2平面部から前記第1平面部につながり、上向きに傾斜して配置される第2傾斜部;を含む、請求項2に記載の車両用サイドシル。
【請求項4】
前記サイドシルフレームは、
前記強化フレームの一側が接合された第1サイドシルフレーム;及び
前記強化フレームの他側が接合され、前記第1サイドシルフレームと接合された第2サイドシルフレーム;を含み、
前記第1平面部及び前記第2平面部は、
前記第1サイドシルフレームと前記第2サイドシルフレームの接合部と対面するように配置される、請求項2に記載の車両用サイドシル。
【請求項5】
前記第1平面部及び前記第2平面部の少なくともいずれか一つは、
凹凸部を含む、請求項4に記載の車両用サイドシル。
【請求項6】
前記第1平面部及び前記第2平面部の前記サイドシルフレームの長さ方向への長さは、40mm以上70mm以下のいずれか一つの値である、請求項2から5のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【請求項7】
前記第1平面部の延長線と前記傾斜部が形成する角度及び前記第2平面部の延長線と前記傾斜部が形成する角度は、45°以上75°以下のいずれか一つの値である、請求項2から5のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【請求項8】
前記単位区間は、
前記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第3平面部;
前記第3平面部からつながり、上向きに傾斜して配置される第3傾斜部;及び
前記第3傾斜部からつながり、下向きに傾斜して配置される第4傾斜部;を含む、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項9】
前記単位区間は、
前記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第4平面部;
前記第4平面部からつながり、下向きに傾斜して配置される第5傾斜部;及び
前記第5傾斜部からつながり、上向きに傾斜して配置される第6傾斜部;を含む、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項10】
前記単位区間は、
上向きに傾斜して配置される第7傾斜部;及び
前記第7傾斜部からつながり、下向きに傾斜して配置される第8傾斜部;を含む、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項11】
前記第7傾斜部及び前記第8傾斜部は、平板状を有する、請求項10に記載の車両用サイドシル。
【請求項12】
前記第7傾斜部及び前記第8傾斜部は、湾曲した板状を有する、請求項10に記載の車両用サイドシル。
【請求項13】
前記単位区間は、
前記サイドシルフレームの高さ方向に上側に配置される第1単位区間;及び
前記第1単位区間の下側に配置される第2単位区間;を含み、
前記第1単位区間は、
前記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第5平面部;
前記第5平面部からつながり、上向きに傾斜して配置される第9傾斜部;及び
前記第9傾斜部からつながり、下向きに傾斜して配置される第10傾斜部;を含み、
前記第2単位区間は、
前記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第6平面部;
前記第6平面部からつながり、下向きに傾斜して配置される第11傾斜部;及び
前記第11傾斜部からつながり、上向きに傾斜して配置される第12傾斜部;を含む、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項14】
前記第5平面部と前記第6平面部が接して配置される、請求項13に記載の車両用サイドシル。
【請求項15】
前記単位区間は、
高さ方向に上側に配置される第1単位区間;及び
前記第1単位区間の下側に配置される第2単位区間;を含み、
前記第1単位区間は、
前記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第7平面部;
前記第7平面部につながり、上向きに傾斜して配置される第13傾斜部;
前記第13傾斜部につながり、前記第7平面部よりも低い位置に存在する第8平面部;及び
前記第8平面部につながり、下向きに傾斜して配置される第14傾斜部;を含み、
前記第2単位区間は、
前記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第9平面部;
前記第9平面部につながり、下向きに傾斜して配置される第15傾斜部;
前記第15傾斜部につながり、前記第9平面部よりも低い位置に存在する第10平面部;及び
前記第10平面部につながり、上向きに傾斜して配置される第16傾斜部;を含む、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項16】
前記第7平面部と前記第9平面部が接して配置される、請求項15に記載の車両用サイドシル。
【請求項17】
前記単位区間は、
前記サイドシルフレームの高さ方向に上側に配置される第1単位区間;及び
前記第1単位区間の下側に配置される第2単位区間;を含み、
前記第1単位区間は、
上向きに傾斜して配置される第17傾斜部;及び
前記第17傾斜部からつながり、下向きに傾斜して配置される第18傾斜部;を含み、
前記第2単位区間は、
下向きに傾斜して配置される第19傾斜部;及び
前記第19傾斜部からつながり、上向きに傾斜して配置される第20傾斜部;を含む、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項18】
前記サイドシルフレーム及び前記強化フレームの少なくともいずれか一つは、鋼材からなる、請求項1から5及び8から16のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【請求項19】
前記強化フレームは、
単一鋼板からなる、請求項1から5及び8から17のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【請求項20】
前記強化フレームの厚さは、1.8mm以上2.2mm以下のいずれか一つの値である、請求項1から5及び8から17のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【請求項21】
前記強化フレームは、
引張強度1180MPa以上でありながら、降伏強度が850MPa以上1060MPa以下のいずれか一つの値である、請求項1から5及び8から17のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サイドシルに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述された内容は、単に本発明に対する背景情報を提供するのみであって、従来技術を構成するものではない。
【0003】
車両用サイドシルは、側面衝突時に衝突エネルギーを吸収して乗客を保護する役割を果たす。
【0004】
電気車などの環境にやさしい車両に適用されるサイドシルは、乗客だけでなく床面に位置するバッテリも保護する役割を果たす。バッテリは、車両の他の構成要素に比べて相対的にその体積が大きいため、バッテリを装着した車両の側面空間は内燃機関が装着された車両に比べて相対的に狭い。
【0005】
したがって、環境にやさしい車両に適用されるサイドシルは、狭い空間内で最大限の衝突エネルギーを吸収できなければならず、環境にやさしい車両のエネルギー効率を向上させるためには最小限の重量を有する必要がある。
【0006】
このために環境にやさしい車両のサイドシルには、アルミニウム押出素材が適用されてきたが、衝突エネルギー吸収能力の向上及び軽量化の達成は引き続き要求されている実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開実用新案第20-1998-0043143号公報(1998.09.25)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、サイドシルの衝突エネルギー吸収効率の向上及び軽量化の達成を一つの目的とする。
【0009】
本発明は、サイドシルの剛性を増大させ、製造原価を節減することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための一側面として、本発明は中空部を含むサイドシルフレーム;及び、上記中空部の内部に上記サイドシルフレームの長さ方向に配置される強化フレーム;を含み、上記強化フレームは、上記サイドシルフレームの長さ方向に連続し、高さが変化する単位区間を有し、上面と下面が上記サイドシルフレームと離隔した車両用サイドシルを提供する。
【0011】
上記単位区間は、上記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第1平面部;上記第1平面部につながり、傾斜して配置される傾斜部;及び上記傾斜部につながり、上記第1平面部よりも低い位置に存在する第2平面部;を含むことができる。
【0012】
上記傾斜部は、上記第1平面部から上記第2平面部につながり、下向きに傾斜して配置される第1傾斜部;及び上記第2平面部から上記第1平面部につながり、上向きに傾斜して配置される第2傾斜部;を含むことができる。
【0013】
上記強化フレームの一側が接合された第1サイドシルフレーム;及び上記強化フレームの他側が接合され、上記第1サイドシルフレームと接合された第2サイドシルフレーム;を含み、上記第1平面部及び上記第2平面部は、上記第1サイドシルフレームと上記第2サイドシルフレームの接合部と対面するように配置されることができる。
【0014】
上記第1平面部及び上記第2平面部の少なくともいずれか一つは、凹凸部を含むことができる。
【0015】
上記第1平面部及び上記第2平面部の上記サイドシルフレームの長さ方向への長さは、40mm以上70mm以下のいずれか一つの値であることができる。
【0016】
上記第1平面部の延長線と上記傾斜部が形成する角度及び上記第2平面部の延長線と上記傾斜部が形成する角度は、45°以上75°以下のいずれか一つの値であることができる。
【0017】
上記単位区間は、上記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第3平面部;上記第3平面部からつながり、上向きに傾斜して配置される第3傾斜部;及び上記第3傾斜部からつながり、下向きに傾斜して配置される第4傾斜部;を含むことができる。
【0018】
上記単位区間は、上記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第4平面部;上記第4平面部からつながり、下向きに傾斜して配置される第5傾斜部;及び上記第5傾斜部からつながり、上向きに傾斜して配置される第6傾斜部;を含むことができる。
【0019】
上記単位区間は、上向きに傾斜して配置される第7傾斜部;及び上記第7傾斜部からつながり、下向きに傾斜して配置される第8傾斜部;を含むことができる。
【0020】
上記第7傾斜部及び上記第8傾斜部は、平板状を有することができる。
【0021】
上記第7傾斜部及び上記第8傾斜部は、湾曲した板状を有することができる。
【0022】
上記単位区間は、上記サイドシルフレームの高さ方向に上側に配置される第1単位区間;及び上記第1単位区間の下側に配置される第2単位区間;を含み、上記第1単位区間は、上記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第5平面部;上記第5平面部からつながり、上向きに傾斜して配置される第9傾斜部;及び上記第9傾斜部からつながり、下向きに傾斜して配置される第10傾斜部;を含み、上記第2単位区間は、上記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第6平面部;上記第6平面部からつながり、下向きに傾斜して配置される第11傾斜部;及び上記第11傾斜部からつながり、上向きに傾斜して配置される第12傾斜部;を含むことができる。
【0023】
上記第5平面部と上記第6平面部が接して配置されることができる。
【0024】
上記単位区間は、高さ方向に上側に配置される第1単位区間;及び上記第1単位区間の下側に配置される第2単位区間;を含み、上記第1単位区間は、上記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第7平面部;上記第7平面部につながり、上向きに傾斜して配置される第13傾斜部;上記第13傾斜部につながり、上記第7平面部よりも低い位置に存在する第8平面部;及び上記第8平面部につながり、下向きに傾斜して配置される第14傾斜部;を含み、上記第2単位区間は、上記サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第9平面部;上記第9平面部につながり、下向きに傾斜して配置される第15傾斜部;上記第15傾斜部につながり、上記第9平面部よりも低い位置に存在する第10平面部;及び上記第10平面部につながり、上向きに傾斜して配置される第16傾斜部;を含むことができる。
【0025】
上記第7平面部と上記第9平面部が接して配置されることができる。
【0026】
上記単位区間は、上記サイドシルフレームの高さ方向に上側に配置される第1単位区間;及び上記第1単位区間の下側に配置される第2単位区間;を含み、上記第1単位区間は、上向きに傾斜して配置される第17傾斜部;及び上記第17傾斜部からつながり、下向きに傾斜して配置される第18傾斜部;を含み、上記第2単位区間は、下向きに傾斜して配置される第19傾斜部;及び上記第19傾斜部からつながり、上向きに傾斜して配置される第20傾斜部;を含むことができる。
【0027】
上記サイドシルフレーム及び上記強化フレームの少なくともいずれか一つは鋼材からなることができる。
【0028】
上記強化フレームは単一鋼板からなることができる。
【0029】
上記強化フレームの厚さは、1.8mm以上2.2mm以下のいずれか一つの値であることができる。
【0030】
上記強化フレームは、引張強度1180MPa以上でありながら、降伏強度が850MPa以上1060MPa以下のいずれか一つの値であることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、サイドシルの衝突エネルギー吸収効率を向上させることができ、サイドシルを軽量化することができる。
【0032】
本発明によると、サイドシルの剛性を増大させることができ、製造原価を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の第1実施例に係る車両用サイドシルの斜視図である。
図2図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
図3】本発明の第2実施例に係る強化フレームの断面図である。
図4】通常の車両用サイドシルの断面図である。
図5図1の車両用サイドシルと図4の車両用サイドシルの荷重-変位線図である。
図6】本発明の第3実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
図7】本発明の第4実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
図8】本発明の第5実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
図9】本発明の第6実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
図10】本発明の第7実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
図11】本発明の第8実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
図12】本発明の第9実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
図13】本発明の第10実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施例に関する説明の理解を助けるために、添付の図面に同一の符号を付した要素は同一の要素であり、各実施例において同一の作用をする構成要素のうち、関連する構成要素は同一又は延長線上の数字で表記した。
【0035】
なお、本発明の要旨を明確にするために、従来の技術によってよく知られた要素と技術に対する説明は省略し、以下では、添付図面を参考にして本発明に関して詳細に説明する。
【0036】
但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されるものではなく、当業者によって特定の構成要素が追加、変更、削除された他の形態でも提案されることができるが、これも本発明と同じ思想の範囲内に含まれる。
【0037】
以下、添付図面に示されたX軸はサイドシルの幅方向であり、Y軸はサイドシルの長さ方向であり、Z軸はサイドシルの高さ方向である。
【0038】
図1は、本発明の第1実施例に係る車両用サイドシルの斜視図であり、図2は、図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
【0039】
図1に示されたように、本発明の第1実施例に係る車両用サイドシル100は、中空部113を備えるサイドシルフレーム110、上記中空部113に位置する強化フレーム120を含むことができる。
【0040】
上記強化フレーム120の両側が上記サイドシルフレーム110に結合されることができ、上記サイドシルフレーム110の上記中空部113においてY軸方向に一定区間連続して存在することができる。
【0041】
強化フレーム120は、サイドシルフレーム110の長さ方向に連続し、高さが変化する単位区間を有し、強化フレーム120の上面と下面が上記サイドシルフレーム110と離隔することができる。これは衝突エネルギー吸収効率の向上及び軽量化を同時に達成するためである。
【0042】
具体的には、強化フレーム(図1の120)は、上記第1サイドシルフレーム(図1の111)の上面及び下面、上記第2サイドシルフレーム(図1の112)の上面及び下面とそれぞれ離隔することができる。
【0043】
このような強化フレームによると、サイドシルフレーム(図1の110)にX軸方向(図1のX)に衝撃が加えられるとき、衝突エネルギーを吸収する能力が向上することができる。
【0044】
強化フレーム120をサイドシルフレーム110の上面及び下面とそれぞれ離隔するように配置することで、X軸方向などで衝撃が加えられるとき、強化フレーム120が最大変形荷重を実現することができるようにZ軸方向の中央領域に配置されることができ、これによって車両の軽量化を最大限達成しながら衝突エネルギー吸収効率を向上させることができる効果がある。
【0045】
上記強化フレーム120は、上記中空部113でY軸方向に千鳥状に存在することができる。
【0046】
本発明の第1実施例において、上記サイドシルフレームは、上記強化フレーム120の一側が接合された第1サイドシルフレーム及び上記強化フレームの他側が接合される第2サイドシルフレームを含むことができる。
【0047】
上記第1サイドシルフレームと上記第2サイドシルフレームは、相互接合されて接合部114を形成することができる。
【0048】
図2には、本発明の第1実施例に係る強化フレーム(図1の120)のサイドシルフレームの長さ方向、すなわちY軸方向への断面形状が示されている。
【0049】
上記強化フレームの断面形状は、サイドシルフレームの長さ方向に平行に位置する第1平面部121a、上記第1平面部121aにつながり、傾斜して配置される傾斜部122及び上記傾斜部122につながる第2平面部121bを含むことができる。
【0050】
上記第2平面部121bは、Z軸方向に上記第1平面部121aよりも低い位置に存在することができる。
【0051】
上記第1平面部121a及び上記第2平面部121bは、第1サイドシルフレーム(図1の111)及び第2サイドシルフレーム(図1の112)の接合部(図1の114)と対面するように上記中空部(図1の113)に備えられることができる。ここで、対面するという意味は、第1平面部121a及び上記第2平面部121bが接合部114を向かい合うように配置されることを意味する。
【0052】
第1平面部121aは、上側に配置される第1サイドシルフレーム(図1の111)及び第2サイドシルフレーム(図1の112)の接合部(図1の114)に向かい合うように配置されることができる。第2平面部121bは、下側に配置される第1サイドシルフレーム(図1の111)及び第2サイドシルフレーム(図1の112)の接合部(図1の114)を向かい合うように配置されることができる。
【0053】
上側に配置される接合部114と第1平面部121aは互いに対面した状態で離隔して配置されることができ、下側に配置される接合部114と第2平面部121bは互いに対面した状態で離隔して配置されることができる。
【0054】
上記第1平面部121a及び上記第2平面部121bは、Y軸方向に平行に位置することができ、上記傾斜部122は上記第1平面部121aと上記第2平面部121bを連結することができる。
【0055】
傾斜部122は、第1傾斜部122a及び第2傾斜部122bを含むことができる。第1傾斜部122aは、第1平面部121aから上記第2平面部121bにつながり、下向きに傾斜して配置されることができ、第2傾斜部122bは第2平面部121bから上記第1平面部121aにつながり、上向きに傾斜して配置されることができる。
【0056】
上記第1平面部121a、上記第2平面部121b、及び上記傾斜部122は、上記中空部(図1の113)でY軸方向に連続して存在することができる。単位区間は、第1平面部121a、第1傾斜部122a、第2平面部121b、第2傾斜部122bで構成されることができる。複数個の単位区間がY軸方向に繰り返されることができる。
【0057】
本発明の一実施例に係ると、上記第1平面部121a及び上記第2平面部121bは、Y軸方向への長さが同一であることができる。
【0058】
また、本発明の第1実施例に係ると、上記第1平面部121a及び上記第2平面部121bのY軸方向への長さは、40mm以上70mm以下のいずれか一つの値であることができる。
【0059】
第1平面部121a及び上記第2平面部121bのY軸方向への長さが40mm未満の場合、強化フレーム120の単位区間の繰り返しパターンの周期が短くなるため、使用される素材の量が増加しながら重量が増加して軽量化に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0060】
第1平面部121a及び上記第2平面部121bのY軸方向への長さが70mmを超過する場合、第1平面部121a及び上記第2平面部121bの変形に対する抵抗力の低下が発生することがあり、強化フレーム120の単位区間の繰り返しパターンの周期が長くなるため、変形に対して抵抗する抵抗部分の減少により衝突エネルギー吸収効率の性能低下が発生する可能性がある。
【0061】
また、本発明の第1実施例に係ると、上記第2平面部121bの延長線と上記傾斜部122が形成する角度は、45°以上75°以下のいずれか一つの値であることができる。
【0062】
これは、上記第1平面部121aにも同様に適用されることができ、上記第1平面部121aの延長線と上記傾斜部122が形成する角度θも45°以上75°以下のいずれか一つの値であることができる。
【0063】
第2平面部121bの延長線と上記傾斜部122が形成する角度θが45°未満の場合、強化フレーム120の単位区間の繰り返しパターンの周期が長くなるため、変形に対して抵抗する抵抗部分の減少により衝突エネルギー吸収効率の性能低下が発生する可能性がある。これは、第1平面部121aの延長線と上記傾斜部122が形成する角度θが45°未満の場合にも、同様に衝突エネルギー吸収効率の性能低下が発生することがある。
【0064】
第2平面部121bの延長線と上記傾斜部122が形成する角度θが75度を超過する場合、強化フレーム120の単位区間の繰り返しパターンの周期が短くなるため、使用される素材の量が増加しながら重量が増加して軽量化に悪影響を及ぼす可能性がある。これは、第1平面部121aの延長線と上記傾斜部122が形成する角度θが75度を超過する場合にも、同様に軽量化に悪影響を及ぼすことがある。
【0065】
一方、傾斜部122のZ軸方向への長さは、追って車両用サイドシルが適用される車両のシートクロスメンバ(Seat Cross Member)の断面高さとバッテリのマウンティング(Mounting)構造によって適宜選択されて適用されることができる。
【0066】
このような本発明によると、強化フレームの重量に対するその衝突エネルギー吸収能を最大化することができる。
【0067】
図3には、本発明の第2実施例に係る強化フレーム(図1の120)の断面が示されている。図3に示されたように、本発明のまた他の一実施例に係る強化フレームの上記第1平面部121a及び上記第2平面部121bの少なくともいずれか一つは凹凸部130を含むことができる。
【0068】
上記凹凸部130は、Z軸が増加する方向に突出した突出部131及びZ軸が増加する方向基準に凹状に形成された凹部132を含むことができる。
【0069】
上記突出部131は上記第2平面部121bに形成されることができ、上記凹部132は上記第1平面部121aに形成されることができる。しかしながら、これは必ずしも本発明によって限定されるものではなく、突出部131が上記第1平面部121aに形成されることもでき、凹部132が第2平面部121bに形成されることもできる。また、第1平面部121a及び第2平面部121bには、突出部と凹部が同時に存在することもできる。
【0070】
上記突出部131及び上記凹部132によると、強化フレーム(図1の120)の剛性をさらに増大させることができる。
【0071】
上記突出部131及び上記凹部132は、上記強化フレーム(図1の120)を折り曲げ成形することによって形成されることができる。
【0072】
上記突出部131及び上記凹部132によると、強化フレーム(図1の120)の重量の増加なしにも上記強化フレームの剛性を増大させることができる。
【0073】
一方、図4には通常の車両用サイドシル10の断面が示されており、図5には図4の車両用サイドシル(図4の10)と図1の車両用サイドシル(図1の100)の荷重-変位線図が示されている。
【0074】
図5では、本発明による車両用サイドシル(図1の100)の強化フレーム(図1の120)の第1平面部(図2の121a)の長さを50mm、第2平面部(図2の121b)の長さを50mm、第2平面部(図2の121b)の延長線と上記傾斜部(図2の122)が形成する角度θ及び第1平面部(図2の121a)の延長線と上記傾斜部(図2の122)が形成する角度θを51.2°、強化フレーム(図1の120)の厚さを2.0mmで適用した。
【0075】
図5図1に示された本発明による車両用サイドシル(図1の100)の荷重-変位値を第1値L1で示し、図4に示された車両用サイドシル(図4の10)の荷重-変位値を第2値L2で示した。
【0076】
第1値L1と第2値L2を参照すると、図1に示された車両用サイドシル(図1の100)が図4に示された通常の車両用サイドシル(図4の10)に比べて同一荷重での変位が比較的小さいことが分かる。
【0077】
また、本発明による車両用サイドシル(図1の100)の断面構造が通常の車両用サイドシル(図4の10)の断面構造に比べて単純であり、本発明による車両用サイドシル(図1の100)の構成要素の個数が通常の車両用サイドシル(図4の10)の構成要素の個数より少ないことを参照すると、本発明の車両用サイドシルは、通常の車両用サイドシルに対する衝撃エネルギー吸収能が格段に向上したことが分かる。
【0078】
また、試験結果値によると、本発明による車両用サイドシル(図1の100)のサイドシルフレーム(図1の110)は、その重量が15.8Kgのとき、単位重量当たりの衝突エネルギー吸収能(1kg当たりのInternal Energy割合(KJ/kg))が82.9%であり、通常の車両用サイドシル(図4の10)のサイドシルフレーム(図4の11、12)は、その重量が22.1Kgのとき、単位重量当たりの衝突エネルギー吸収能(1kg当たりのInternal Energy割合(KJ/kg))が61.7%であるため、本発明による車両用サイドシルは、通常の車両用サイドシルに比べて軽いながらも衝突エネルギー吸収能は格段に高いことが分かる。
【0079】
このような本発明によると、車両用サイドシルを軽量化しながらも、その衝突エネルギー吸収能は向上させることができる。
【0080】
また、サイドシルフレーム内部で強化フレームを最適な位置に配置して、最小限の強化フレームの個数及び最小限の強化フレームの重量で最大の衝撃エネルギー吸収能を実現することができる。
【0081】
以下では、図6図13を参照して、本発明の第3~第10実施例に係る車両用サイドシルについて説明する。
【0082】
ここで、本発明の第3~第10実施例に係る車両用サイドシルは、強化フレームの構成のみが一部相違し、残りの構成要素は、上述した第1実施例(図1図2参照)の車両用サイドシルの構成と同一であることができる。
【0083】
したがって、上述した車両用サイドシルに含まれたサイドシルフレームなどの構成要素の様々な実施形態が本発明の第3~第10実施例に適用され得ることは言うまでもない。
【0084】
図6は、本発明の第3実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
【0085】
本発明の第3実施例の単位区間120Uは、第3平面部121c、第3傾斜部122c、及び第4傾斜部122dを含むことができる。複数個の単位区間120UがY軸方向に繰り返されることができる。第3平面部121c、第3傾斜部122c及び第4傾斜部122dは、中空部113でY軸方向に連続して存在することができる。
【0086】
第3平面部121cは、サイドシルフレーム110の長さ方向に平行に位置することができる。第3傾斜部122cは、第3平面部121cからつながり、上向きに傾斜して配置されることができる。第4傾斜部122dは、第3傾斜部122cからつながり、下向きに傾斜して配置されることができる。一例として、第3傾斜部122cと第4傾斜部122dは、長さが同一であることができる。
【0087】
第3平面部121cは、Y軸方向への長さは40mm以上70mm以下のいずれか一つの値であることができる。これによる効果は、先に本発明の第1実施例で説明した効果と同一であることができる。
【0088】
第3平面部121cの延長線と第3傾斜部122cが形成する角度θは、45°以上75°以下のいずれか一つの値であることができる。第3平面部121cの延長線と第4傾斜部122dが形成する角度θは、45°以上75°以下のいずれか一つの値であることができる。これによる効果は、先に本発明の第1実施例で説明した効果と同一であることができる。
【0089】
図7は、本発明の第4実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
【0090】
本発明の第4実施例の単位区間120Uは、第4平面部121d、第5傾斜部122e、及び第6傾斜部122fを含むことができる。複数個の単位区間120UがY軸方向に繰り返されることができる。第4平面部121d、第5傾斜部122e及び第6傾斜部122fは、中空部113でY軸方向に連続して存在することができる。
【0091】
第4平面部121dは、サイドシルフレーム110の長さ方向に平行に位置することができる。第5傾斜部122eは、第4平面部121dからつながり、下向きに傾斜して配置されることができる。第6傾斜部122fは、第5傾斜部122eからつながり、上向きに傾斜して配置されることができる。
【0092】
第4平面部121dは、Y軸方向への長さは40mm以上70mm以下のいずれか一つの値であることができる。これによる効果は、先に本発明の第1実施例で説明した効果と同一であることができる。
【0093】
第3平面部121cの延長線と第5傾斜部122eが形成する角度θは、45°以上75°以下のいずれか一つの値であることができる。第4平面部121dの延長線と第6傾斜部122fが形成する角度θは、45°以上75°以下のいずれか一つの値であることができる。これによる効果は、先に本発明の第1実施例で説明した効果と同一であることができる。
【0094】
図8は、本発明の第5実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図であり、図9は、本発明の第6実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
【0095】
本発明の第5、6実施例の単位区間120Uは、第7傾斜部122g及び第8傾斜部122hを含むことができる。第7傾斜部122gは上向きに傾斜して配置されることができる。第8傾斜部122hは、第7傾斜部122gからつながり、下向きに傾斜して配置されることができる。一例として、第7傾斜部122gと第8傾斜部122hは、長さが同一であることができる。
【0096】
図8を参照すると、第7傾斜部122g及び第8傾斜部122hは、平板状を有することができる。
【0097】
図9を参照すると、第7傾斜部122g及び第8傾斜部122hは、湾曲した板状を有することができる。
【0098】
図10は、本発明の第7実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
【0099】
本発明の第7実施例の単位区間120Uは、第1単位区間120U-1及び第2単位区間120U-2を含むことができる。第1単位区間120U-1はサイドシルフレーム110の高さ方向に上側に配置され、第2単位区間120U-2は第1単位区間120U-1の下側に配置されることができる。
【0100】
第1単位区間120U-1は、第5平面部121e、第9傾斜部122i、及び第10傾斜部122jを含むことができる。
【0101】
第5平面部121eは、サイドシルフレーム110の長さ方向に平行に位置することができる。第9傾斜部122iは、第5平面部121eからつながり、上向きに傾斜して配置されることができる。第10傾斜部122jは、第9傾斜部122iからつながり、下向きに傾斜して配置されることができる。一例として、第9傾斜部122iと第10傾斜部122jは、長さが同一であることができる。
【0102】
第2単位区間120U-2は、第6平面部121f、第11傾斜部122k及び第12傾斜部122lを含むことができる。
【0103】
第6平面部121fは、サイドシルフレーム110の長さ方向に平行に位置することができる。第11傾斜部122kは、第6平面部121fからつながり、下向きに傾斜して配置されることができる。第12傾斜部122lは、第11傾斜部122kからつながり、上向きに傾斜して配置されることができる。一例として、第11傾斜部122kと第12傾斜部122lは、長さが同一であることができる。
【0104】
第5平面部121eと第6平面部121fが接して配置されることができる。一例として、第5平面部121eと第6平面部121fは、接着剤または溶接方式により互いに接合されることができる。
【0105】
X軸方向などで衝撃が加えられるとき、強化フレーム120の第1単位区間120U-1と第2単位区間120U-2には変形が発生することがある。このとき、第1単位区間120U-1の第5平面部121eと第2単位区間120U-2の第6平面部121fが互いに接するように配置されることで、第1単位区間120U-1と第2単位区間120U-2が互いの変形を正すことができ、車両用サイドシルの衝突エネルギー吸収効率を向上させることができる。
【0106】
図11は、本発明の第8実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
【0107】
本発明の第8実施例の単位区間120Uは、第1単位区間120U-1及び第2単位区間120U-2を含むことができる。第1単位区間120U-1はサイドシルフレーム110の高さ方向に上側に配置され、第2単位区間120U-2は第1単位区間120U-1の下側に配置されることができる。
【0108】
第1単位区間120U-1は、第7平面部121g、第13傾斜部122m、第8平面部121h、及び第14傾斜部122nを含むことができる。
【0109】
第7平面部121gは、サイドシルフレーム110の長さ方向に平行に位置することができる。第13傾斜部122mは、第7平面部121gにつながり、上向きに傾斜して配置されることができる。第8平面部121hは、第13傾斜部122mにつながり、第7平面部121gよりも低い位置に存在することができる。第14傾斜部122nは、第8平面部121hにつながり、下向きに傾斜して配置されることができる。
【0110】
第7平面部121g及び第8平面部121hは、Y軸方向に平行に位置することができ、第7平面部121gは、Z軸方向に第8平面部121hより低い位置に存在することができる。
【0111】
第2単位区間120U-2は、第9平面部121i、第15傾斜部122o、第10平面部121j及び第16傾斜部122pを含むことができる。
【0112】
第9平面部121iは、サイドシルフレーム110の長さ方向に平行に位置することができる。第15傾斜部122oは、第9平面部121iにつながり、下向きに傾斜して配置されることができる。第10平面部121jは、第15傾斜部122oにつながり、第9平面部121iよりも低い位置に存在することができる。第16傾斜部122pは、第10平面部121jにつながり、上向きに傾斜して配置されることができる。
【0113】
第9平面部121i及び第10平面部121jは、Y軸方向に平行に位置することができ、第10平面部121jは、Z軸方向に第9平面部121iより低い位置に存在することができる。
【0114】
第7平面部121gと第9平面部121iが接して配置されることができる。一例として、第7平面部121gと第9平面部121iは、接着剤または溶接方式によって互いに接合されることができる。
【0115】
X軸方向などで衝撃が加えられるとき、強化フレーム120の第1単位区間120U-1と第2単位区間120U-2には変形が発生することがある。このとき、第1単位区間120U-1の第7平面部121gと第2単位区間120U-2の第9平面部121iが互いに接するように配置されることで、第1単位区間120U-1と第2単位区間120U-2が互いの変形を正すことができ、車両用サイドシルの衝突エネルギー吸収効率を向上させることができる。
【0116】
図12は、本発明の第9実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図であり、図13は、本発明の第10実施例に係る車両用サイドシルを図1のI-I’線に沿った方向に示した断面図である。
【0117】
本発明の第9、10実施例の単位区間120Uは、第1単位区間120U-1及び第2単位区間120U-2を含むことができる。第1単位区間120U-1はサイドシルフレーム110の高さ方向に上側に配置され、第2単位区間120U-2は第1単位区間120U-1の下側に配置されることができる。
【0118】
第1単位区間120U-1は、第17傾斜部122q及び第18傾斜部122rを含むことができる。第17傾斜部122qは上向きに傾斜して配置されることができる。第18傾斜部122rは、第17傾斜部122qからつながり、下向きに傾斜して配置されることができる。一例として、第17傾斜部122qと第18傾斜部122rは長さが同一であることができる。
【0119】
第2単位区間120U-2は、第19傾斜部122s及び第20傾斜部122tを含むことができる。第19傾斜部122sは下向きに傾斜して配置されることができる。第20傾斜部122tは、第19傾斜部122sからつながり、上向きに傾斜して配置されることができる。一例として、第19傾斜部122sと第20傾斜部122tは長さが同一であることができる。
【0120】
図12を参照すると、第17傾斜部122q、第18傾斜部122r、第19傾斜部122s及び第20傾斜部122tは平板状を有することができる。図13を参照すると、第17傾斜部122q、第18傾斜部122r、第19傾斜部122s、及び第20傾斜部122tは、湾曲した板状を有することができる。
【0121】
第1単位区間120U-1の第17傾斜部122q、第18傾斜部122rが交差する下側の交差地点と、第2単位区間120U-2の第19傾斜部122s及び第20傾斜部122tが交差する上側の交差地点は互いに接して配置されることができる。第1単位区間120U-1の下側の交差地点と第2単位区間120U-2の上側の交差地点は、接着剤または溶接方式によって互いに接合されることができる。
【0122】
本発明の第1~第10実施例において、サイドシルフレーム110及び強化フレーム120の少なくともいずれか一つは鋼材からなることができる。これによると車両用サイドシルの機械的強度が向上することができる。また、これによると同一重量のアルミニウムからなる車両用サイドシル(図示せず)よりも衝突エネルギー吸収能力がさらに向上することができる。
【0123】
したがって、アルミニウムからなる車両用サイドシルに対して全体自動車の荷重が増加することを防止しながら、アルミニウムからなる車両用サイドシルよりも衝突エネルギー吸収能力が向上した車両用サイドシルを実現することができる。
【0124】
本発明の第1~第10実施例において、強化フレーム120の厚さは、1.8mm以上2.2mm以下のいずれか一つの値であることができる。
【0125】
強化フレーム120の厚さが1.8mm未満の場合、強化フレーム120の変形に対する抵抗力の低下により衝突エネルギー吸収効率の性能低下が発生する可能性がある。強化フレーム120の厚さが2.2mmを超過する場合、強化フレーム120の重量の増加により軽量化の効果が低減されるという問題点がある。
【0126】
本発明の第1~第10実施例において、強化フレーム120は、引張強度980MPa級以上の超高強度鋼を含む材質からなることができる。
【0127】
本発明の第1~第10実施例において、強化フレーム120は、1180 TRIP鋼を含む材質からなることができる。
【0128】
本発明の第1~第10実施例において、第1サイドシルフレーム111及び第2サイドシルフレーム112は、1470 MART鋼を含む材質からなることができる。
【0129】
また、本発明の第1~第10実施例において、強化フレーム120は、単一鋼板を折り曲げて形成されることができる。これによると強化フレーム120の機械的強度をさらに向上させることができ、製造原価の削減に寄与することができる。
【0130】
また、本発明の第1~第10実施例において、強化フレーム120は、引張強度が1180MPa以上であり、降伏強度が850MPa以上1060MPa以下のいずれか一つの値を有することができる。
【0131】
上記のように車両用サイドシルを鋼材で形成すると、その衝突エネルギー吸収能力は、同一重量のアルミニウムからなる車両用サイドシルの衝突エネルギー吸収能力と少なくとも同一またはそれを超過することができる。
【0132】
したがって、サイドシルをアルミニウムで生産したときに対してサイドシルを軽量化しながらも衝突エネルギー吸収効率を同等以上に向上させることができるようになる。
【0133】
本発明の第1~第10実施例において、強化フレーム120の一側は、第1サイドシルフレーム111にアーク溶接されることができる。さらに、強化フレーム120の他側は、第2サイドシルフレーム112に接着剤によって接着されることができる。これによると車両用サイドシルの製造作業の利便性を向上させることができる。
【0134】
上記のような本発明の車両用サイドシルによると、X軸方向に荷重が加えられるとき、車両用サイドシルがX軸方向に圧縮変形されることを容易にすることができ、衝撃吸収能を向上させることができる。したがって、車両用バッテリが存在する空間(図示せず)及び乗客が存在する空間に衝撃が伝達されることを最小化することができる。
【0135】
以上で説明した事項は、本発明の一実施例について説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0136】
110 サイドシルフレーム 111 第1サイドシルフレーム
112 第2サイドシルフレーム 113 中空部
114 接合部 120 強化フレーム
120U 単位区間 120U-1 第1単位区間
120U-2 第2単位区間 121a 第1平面部
121b 第2平面部 121c 第3平面部
121d 第4平面部 121e 第5平面部
121f 第6平面部 121g 第7平面部
121h 第8平面部 121i 第9平面部
121j 第10平面部 122 傾斜部
122a 第1傾斜部 122b 第2傾斜部
122c 第3傾斜部 122d 第4傾斜部
122e 第5傾斜部 122f 第6傾斜部
122g 第7傾斜部 122h 第8傾斜部
122i 第9傾斜部 122j 第10傾斜部
122k 第11傾斜部 122l 第12傾斜部
122m 第13傾斜部 122n 第14傾斜部
122o 第15傾斜部 122p 第16傾斜部
122q 第17傾斜部 122r 第18傾斜部
122s 第19傾斜部 122t 第20傾斜部
130 凹凸部 131 突出部
132 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】