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特表2024-524232非円形基板用の電気めっき装置および電気めっき方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】非円形基板用の電気めっき装置および電気めっき方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 21/00 20060101AFI20240628BHJP
   C25D 17/00 20060101ALI20240628BHJP
   C25D 17/10 20060101ALI20240628BHJP
   C25D 21/12 20060101ALI20240628BHJP
   C25D 7/12 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C25D21/00 J
C25D17/00 B
C25D17/10 Z
C25D21/12 A
C25D21/00 Z
C25D7/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578990
(86)(22)【出願日】2022-06-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2022097216
(87)【国際公開番号】W WO2022267873
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110686111.2
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャア ジャオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】フゥ ユィル
【テーマコード(参考)】
4K024
【Fターム(参考)】
4K024BB12
4K024BC10
4K024CB04
4K024CB06
4K024CB08
4K024CB21
4K024CB24
(57)【要約】
中心電極領域の大きさは非円形基板10の内接円であり、中心電極領域101内に中心電極101が配置されている。周辺電極領域は中心電極領域101を取り囲んでいる。周辺電極領域の外周サイズは、非円形基板200の外接円である。周辺電極領域には点電極102が密に配置されており、点電極102が周辺電極領域を充填している。電源ユニット103は、中心電極101および点電極102に電力を供給する。制御装置104は、電源ユニット103と中心電極101及び点電極102との間に接続され、中心電極101及び点電極102のオンオフを制御する。制御装置104は基板200の回転位置を追跡し、基板200で覆われた中心電極領域101と周辺電極領域の電極がオンになり、基板200で覆われていない電極はオフになる。本発明は、非円形基板200の電気めっき方法も開示した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非円形基板用の電気めっき装置であって、
円形の中心電極領域は、非円形基板の内接円の大きさの前記中心電極領域の全体を充填する中心電極で構成され、
周辺電極領域は、前記中心電極領域を取り囲む前記非円形基板の外接円の大きさの前記周辺電極領域を充填する点電極の密集配置で構成され、
電源ユニットは、前記中心電極および前記点電極に接続され、前記中心電極および前記点電極に電力を供給し、
制御装置は、前記電源ユニットと、前記中心電極と、前記点電極との間に接続され、前記中心電極と前記点電極のオンオフを制御し、前記制御装置は、前記基板の回転位置を追跡して、前記基板に覆われた前記中心電極領域と前記周辺電極領域の電極をオンにし、前記基板で覆われていない電極をオフにすることを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非円形基板用の電気めっき装置であって、
前記中心電極は常に前記基板によって覆われており、前記基板によって覆われた前記周辺電極領域の前記点電極が以下のように決定されることを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
円の中心に対する前記非円形基板の各頂角の位置を決定し、
前記頂角を構成する2辺に応じて各頂角の開き角を決定し、
前記基板の前記回転位置を検出し、前記基板の前記回転位置に応じて前記基板の各頂角の位置を決定し、前記頂角は前記周辺電極領域の外周上に位置し、
各頂角を原点とし、各頂角の開き角に応じて前記周辺電極領域内の投影領域を決定し、前記投影領域にある点電極が前記基板に覆われた点電極となる。
【請求項3】
請求項2に記載の非円形基板用の電気めっき装置であって、
前記制御装置は、
前記基板の回転角度を追跡するように構成された角度センサと、
前記基板の前記回転角度に応じて各頂角の位置を決定し、各頂角の開き角に応じて前記投影領域を決定する投影シミュレータと、
前記周辺電極領域の前記点電極と前記電源ユニットとの間に接続され、現在前記投影領域にある点電極をオンにし、現在前記投影領域にない点電極をオフにするスイッチング装置を有することを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
【請求項4】
請求項1に記載の非円形基板用の電気めっき装置であって、
前記中心電極は、
前記中心電極領域を充填する単一の円形電極、
複数のブロック電極が組み合わされて円を形成し、前記中心電極領域を充填する複数のブロック電極、または
複数のリング電極が組み合わされて円を形成し、前記中心電極領域を充填する複数のリング電極であることを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
【請求項5】
請求項4に記載の非円形基板用の電気めっき装置であって、前記中心電極領域から外側に向かって順に周回する同心円状の複数の周辺電極領域が存在し、その最外周辺電極領域の大きさが前記非円形基板の前記外接円であることを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
【請求項6】
請求項5に記載の非円形基板用の電気めっき装置であって、前記電源ユニットは、前記中心電極に電力を供給する中心電源と、対応する周辺電極領域の前記点電極にそれぞれ電力を供給する複数の周辺電源とを備え、各周辺電極領域はそれぞれ独自の周辺電源とスイッチング装置で構成されていることを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
【請求項7】
請求項5に記載の非円形基板用の電気めっき装置であって、前記電源ユニットは、前記中心電極に電力を供給する中心電源と、すべての周辺電極領域の前記点電極に電力を供給する周辺電源とを備え、各周辺電極領域はそれぞれ独自の周辺電源で構成され、同じスイッチング装置を共有することを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
【請求項8】
請求項5に記載の非円形基板用の電気めっき装置であって、前記電源ユニットは、すべての周辺電極領域の前記中心電極及び前記点電極に電力を供給し、各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置で構成され、すべての周辺電極領域と前記中心電極は同一の電源ユニットを共有することを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
【請求項9】
請求項5に記載の非円形基板用の電気めっき装置であって、3つの周辺電極領域が前記中心電極領域の周りに順次に配置され、前記点電極の形状が円形、正方形、六角形、または円弧形であることを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
【請求項10】
請求項9に記載の非円形基板用の電気めっき装置であって、
前記非円形基板は、
前記最外周辺電極領域の外周上に4つの頂角が位置し、各頂角の開き角が90度であり、各頂角の開き角が円の直径に対して対称である正方形の基板、または
前記最外周辺電極領域の外周に4つの頂角があり、各頂角の開き角が90度であり、各頂角の開き角が円の直径に対して非対称である長方形基板であることを特徴とする非円形基板用の電気めっき装置。
【請求項11】
非円形基板用の電気めっき方法であって、
電極領域を、非円形基板の内接円の大きさの中心電極領域を充填する中心電極で構成された円形の中心電極領域と、周辺電極領域を充填する点電極の密集配置で構成された周辺電極領域とに分割し、前記周辺電極領域の周囲の大きさは、前記中心電極領域を囲む前記非円形基板の外接円であり、
前記基板の回転を追跡し、基板の回転位置を追跡し、
電源ユニットは、前記電極のオンオフを制御し、前記中心電極および前記点電極のオンオフを制御する制御装置を介して前記中心電極および前記点電極に接続され、前記中心電極および前記点電極に電力を供給し、点電極であって、前記制御装置は、前記基板の回転位置に応じて、前記中心電極領域および前記周辺電極領域のうち前記基板で覆われた領域の電極をオンにし、前記基板で覆われていない領域の電極をオフにし、前記基板の回転に応じて電極がオンまたはオフになることを特徴とする非円形基板用の電気めっき方法。
【請求項12】
請求項11に記載の非円形基板用の電気めっき方法であって、
前記中心電極が常に前記基板によって覆われており、前記基板によって覆われている前記周辺電極領域の前記点電極が以下のように決定されることを特徴とする非円形基板用の電気めっき方法。
円の中心に対する前記非円形基板の各頂角の位置を決定し、
前記頂角を構成する2辺に応じて各頂角の開き角を決定し、
前記基板の前記回転位置を検出し、前記基板の前記回転位置に応じて前記基板の各頂角の位置を決定し、前記頂角は前記周辺電極領域の外周上に位置し、
各頂角を原点とし、各頂角の開き角に応じて前記周辺電極領域内の投影領域を決定し、前記投影領域にある点電極が前記基板に覆われた点電極となる。
【請求項13】
請求項12に記載の非円形基板の電気めっき方法であって、
前記制御装置は、
角度センサを通じて前記基板の回転角度を追跡し、
投影シミュレータを通じて前記基板の前記回転角度に応じて各頂角の位置を決定し、各頂角の開き角に応じて投影領域を決定し、
前記周辺電極領域の前記点電極と前記電源ユニットとの間に接続されたスイッチング装置を介して、現在前記投影領域にある点電極をオンにし、現在前記投影領域にない点電極をオフし、点電極のオンオフを制御するように構成されていることを特徴とする非円形基板の電気めっき方法。
【請求項14】
請求項11に記載の非円形基板の電気めっき方法であって、
前記中心電極は、
前記中心電極領域を充填する単一の円形電極、
複数のブロック電極が組み合わされて円を形成し、前記中心電極領域を充填する複数のブロック電極、または
複数のリング電極が組み合わされて円を形成し、前記中心電極領域を充填する複数のリング電極であることを特徴とする非円形基板用の電気めっき方法。
【請求項15】
請求項11に記載の非円形基板用の電気めっき方法であって、前記中心電極領域から外側に向かって順に周回する同心円状の複数の周辺電極領域が存在し、その最外周辺電極領域の大きさが前記非円形基板の前記外接円であることを特徴とする非円形基板用の電気めっき方法。
【請求項16】
請求項15に記載の非円形基板用の電気めっき方法であって、前記電源ユニットは、前記中心電極に電力を供給する中心電源と、対応する周辺電極領域の前記点電極にそれぞれ電力を供給する複数の周辺電源とを備え、各周辺電極領域はそれぞれ独自の周辺電源とスイッチング装置で構成されていることを特徴とする非円形基板用の電気めっき方法。
【請求項17】
請求項15に記載の非円形基板用の電気めっき方法であって、前記電源ユニットは、前記中心電極に電力を供給する中心電源と、すべての周辺電極領域の前記点電極に電力を供給する周辺電源とを備え、各周辺電極領域はそれぞれ独自の周辺電源で構成され、同じスイッチング装置を共有することを特徴とする非円形基板用の電気めっき方法。
【請求項18】
請求項15に記載の非円形基板用の電気めっき方法であって、前記電源ユニットは、すべての周辺電極領域の前記中心電極及び前記点電極に電力を供給し、各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置で構成され、すべての周辺電極領域と前記中心電極は同一の電源ユニットを共有することを特徴とする非円形基板用の電気めっき方法。
【請求項19】
請求項15に記載の非円形基板用の電気めっき方法であって、3つの周辺電極領域が前記中心電極領域の周りに順次に配置され、前記点電極の形状が円形、正方形、六角形または円弧形であることを特徴とする非円形基板用の電気めっき方法。
【請求項20】
請求項19に記載の非円形基板用の電気めっき方法であって、
前記非円形基板は、
前記最外周辺電極領域の外周上に4つの頂角が位置し、各頂角の開き角が90度であり、各頂角の開き角が円の直径に対して対称である正方形の基板、または
前記最外周辺電極領域の外周に4つの頂角があり、各頂角の開き角が90度であり、各頂角の開き角が円の直径に対して非対称である長方形基板であることを特徴とする非円形基板用の電気めっき方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造の技術分野に関し、より具体的には、半導体製造技術における電気めっきプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の基板のほとんどは円形で、チップのほとんどは正方形である。円形の基板上に正方形のチップを複数形成する場合、形状の不一致により基板の端の部分は使用できずに廃棄される。したがって、円形の基板上に正方形のチップを製造する面積利用率は高くなく、チップの生産効率にもある程度の影響を与える。
【0003】
ファンアウト型の先端パッケージング技術が徐々に普及し、基板材料が変化するにつれて、正方形基板の用途が増加している。正方形の基板の形状は、正方形のチップの形状とよりよく一致する。同じ面積の異なる基板では、正方形の基板の方が円形の基板よりも多くのチップを収容でき、正方形の基板の端の領域にもチップを配置できる。正方形基板の面積利用率が向上するため、チップの生産効率が向上する。
【0004】
しかし、その後、機材の不一致が問題になった。現在主流の半導体装置は円形基板をベースに設計されている。電気めっき装置の場合、電極は円形またはリング状に設計されており、基板を回転させてめっきプロセスを完了する。円形またはリング状の電極は円形の基板に適合しており、基板は電極領域全体をカバーできる。正方形の基板の場合、円形やリング状の電極と形状が合わず、電極の面積をすべてカバーすることができない。正方形の基板の回転中、基板の上隅が電極領域を掃引し、同時に電極領域の一部のみがカバーされる。電極が完全にオンのままであると、基板の端に切断電界が形成され、めっきの不均一が発生し、基板端の銅ピラーの高さが大幅に増加する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、非円形基板用の電気めっき装置および電気めっき方法を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、非円形基板用の電気めっき装置が提案される。この装置は、中心電極領域、周辺電極領域、電源ユニット、および制御装置を含む。中心電極領域は円形であり、中心電極領域の大きさは非円形基板の内接円である。中心電極は、中心電極領域内に配置され、中心電極領域を充填する。周辺電極領域は中心電極領域を取り囲んでいる。周辺電極領域の外周の大きさは、非円形基板の外接円である。周辺電極領域には点電極が密に配置されており、点電極が周辺電極領域を充填する。電源ユニットは、中心電極および点電極に接続され、中心電極および点電極に電力を供給する。制御装置は、電源ユニットと中心電極と点電極との間に接続される。制御装置は中心電極と点電極のオンオフを制御し、制御装置は基板の回転位置を追跡することで、基板で覆われた中心電極領域と周辺電極領域の電極がオンになる。基板で覆われていない電極はオフになる。基板の回転に応じて電極がオンまたはオフになる。
【0007】
一実施形態では、中心電極は常に基板によって覆われており、基板によって覆われた周辺電極領域内の点電極は次のように決定される。
円の中心に対する非円形基板の各頂角の位置を決定し、
各頂角について、頂角を構成する2つの辺に応じて開口角度を決定し、
基板の回転位置を検出し、基板の回転位置に応じて基板の各頂角の位置を決定し、頂角は周辺電極領域の外周に位置し、
各頂角を原点とし、各頂角の開き角に応じて周辺電極領域の投影面積が決定され、投影領域にある点電極は基板に覆われた点電極である。
【0008】
一実施形態では、制御装置は、角度センサ、投影シミュレータ、およびスイッチング装置を含む。角度センサは、基板の回転角度を追跡するために使用される。投影シミュレータは、基板の回転角度に応じて各頂角の位置を決定し、頂角と開口角に応じて周辺電極領域内の投影領域を決定する。スイッチング装置は、周辺機器の点電極と電源ユニットの間に接続される。スイッチング装置は、現在投影領域にある点電極をオンにし、現在投影領域にない点電極をオフにする。
【0009】
一実施形態では、中心電極は以下のいずれかである。
中心電極領域を充填する単一の円形電極、または
複数のブロック電極を組み合わせて円を形成し、中心電極領域を充填する複数のブロック電極である。
【0010】
複数のリング電極を組み合わせて円を形成し、中心電極領域を充填する複数のリング電極である。
【0011】
一実施形態では、複数の周辺電極領域があり、複数の周辺電極領域は同心のリングである。複数の周辺電極領域は、中心電極領域から始まり、外側に向かって順に周回する。ここで、最外周辺電極領域の大きさは、非円形基板の外接円である。
【0012】
一実施形態では、電源ユニットは、中心電源と複数の周辺電源とを備える。中心電源は中心電極に電力を供給し、各周辺電源は対応する周辺電極領域内の点電極にそれぞれ電力を供給する。各周辺電極領域はそれぞれ独自の周辺電源とスイッチング装置を有する。
【0013】
一実施形態では、電源ユニットは、中心電極用の中心電源と、すべての周辺電極領域内の点電極用の周辺電源とを備える。各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置を有するが、すべての周辺電極領域は同じ周辺電源を共有する。
【0014】
一実施形態では、電源は、中心電極およびすべての周辺電極領域内の点電極に同時に電力を供給する。各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置を有するが、中心電極とすべての周辺電極領域は同じ電源を共有する。
【0015】
一実施形態では、周辺電極領域が中心電極領域の周りに連続的に配置される。点電極は、円形、正方形、六角形、または円弧形にすることができる。
【0016】
一実施形態では、非円形基板は正方形基板であり、正方形基板の4つの頂角は最外周辺電極領域の外周上に位置する。各頂角の開き角は90度であり、各頂角の開き角は円の直径に対して対称である。あるいは、非円形基板は長方形基板であり、長方形基板の4つの頂角は最外周辺電極領域の外周上に位置する。各頂角の開き角は90度であり、各頂角の開き角は円の直径に対して非対称である。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、非円形基板を電気めっきするための方法が提案される。
電極領域を分割する。電極領域を中心電極領域と周辺電極領域に分割する。中心電極領域は円形であり、中心電極の大きさは非円形基板の内接円である。中心電極は中心電極領域に設置され、中心電極は中心電極領域に充填される。周辺電極領域は中心電極領域を取り囲んでいる。周辺電極領域の外周の大きさは、非円形基板の外接円である。周辺電極領域には点電極が密に配置されており、点電極は周辺電極領域を充填する。
基板の回転を追跡し、基板の回転位置を追跡する。
電極のオンオフを制御する。電源ユニットは、制御装置を介して中心電極および点電極に接続され、中心電極および点電極に電力を供給する。制御装置は、中心電極および点電極のオンオフを制御する。制御装置は、基板の回転位置に応じて、中心電極領域および周辺電極領域のうち基板で覆われた領域の電極をオンにし、基板で覆われていない領域の電極をオフにする。基板の回転に応じて電極がオンまたはオフになる。
【0018】
一実施形態では、中心電極は常に基板によって覆われており、周辺電極領域内の基板によって覆われている点電極は次のように決定される。
円の中心に対する非円形基板の各頂角の位置を決定する。
各頂角について、頂角を構成する2つの辺に応じて開口角度を決定する。
基板の回転位置を検出し、回転位置に応じて基板の各頂角の位置を決定する。すべての頂角は、周辺電極領域の外周上に位置する。
各頂角を原点とし、各頂角の開き角に応じて周辺電極領域の投影面積が決定され、投影領域にある点電極は基板に覆われた点電極である。
【0019】
一実施形態では、制御装置は以下を意味する。
角度センサを通じて基板の回転角度を追跡し、
投影シミュレータを使用して、基板の回転角度に応じて各頂角の位置を決定し、頂角の位置と開口角度に応じて周辺電極領域内の投影領域を決定する。
周辺電極領域の点電極と電源ユニットとの間に接続されたスイッチング装置により、点電極のオンオフを制御する。スイッチング装置は、現在投影領域にある点電極をオンにし、現在投影領域にない点電極をオフにする。
【0020】
一実施形態では、中心電極は以下のいずれかである。
中心電極領域を充填する単一の円形電極、または
複数のブロック電極を組み合わせて円を形成し、中心電極領域を充填する複数のブロック電極である。
複数のリング電極を組み合わせて円を形成し、中心電極領域を充填する複数のリング電極である。
【0021】
一実施形態では、複数の周辺電極領域があり、複数の周辺電極領域は同心のリングである。複数の周辺電極領域は、中心電極領域から始まり、外側に向かって順に周回する。最外周辺電極領域の大きさは、非円形基板の外接円である。
【0022】
一実施形態では、電源ユニットは、中心電源と複数の周辺電源とを備える。中心電源は中心電極に電力を供給し、各周辺電源は対応する周辺電極領域内の点電極にそれぞれ電力を供給する。各周辺電極領域はそれぞれ独自の周辺電源とスイッチング装置を有する。
【0023】
一実施形態では、電源ユニットは、中心電極用の中心電源と、すべての周辺電極領域内の点電極用の周辺電源とを備える。各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置を有するが、すべての周辺電極領域は同じ周辺電源を共有する。
【0024】
一実施形態では、電源は、中心電極およびすべての周辺電極領域内の点電極に同時に電力を供給する。各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置を有するが、中心電極とすべての周辺電極領域は同じ電源を共有する。
【0025】
一実施形態では、周辺電極領域が中心電極領域の周りに連続的に配置される。点電極は、円形、正方形、六角形、または円弧形にすることができる。
【0026】
一実施形態では、非円形基板は正方形であり、正方形基板の4つの頂角は最外周辺電極領域の外周上に位置する。各頂角の開き角は90度であり、各頂角の開き角は円の直径に対して対称である。あるいは、非円形基板は長方形基板であり、長方形基板の4つの頂角は最外周辺電極領域の外周上に位置する。各頂角の開き角は90度であり、各頂角の開き角は円の直径に対して非対称である。
【0027】
本発明の非円形基板の電気めっき装置及び電気めっき方法は、正方形、長方形等の形状の基板の電気めっきに使用することができる。基板の回転に続いて、基板によって覆われた領域の電極がオンになり、覆われていない領域の電極がオフになる。基板全体を均一な電界強度下に置くことができ、基板切断電界の状況が回避され、基板上の、特に基板のエッジ領域における電気めっきの均一性が保証される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1aは、本発明の一実施形態による非円形基板の電気めっき装置の構造図を示す。図1bおよび1cは、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置における中心電極の異なる形状を示す。
図2図2aおよび2bは、本発明の電気めっき装置上で正方形の基板を回転させたときの被覆面積の変化の概略図を示す。
図3図3は、本発明の電気めっき装置上で正方形の基板を回転させたときに、周辺電極領域において基板によって覆われる点電極を決定する方法の概略図を示す。
図4図4は、本発明の電気めっき装置上で長方形基板を回転させたときに、周辺電極領域において基板によって覆われる点電極を決定する方法の概略図を示す。
図5a図5aは、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置の電源ユニットおよび制御装置の第1の配置の概略図を示す。
図5b図5bは、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置の電源ユニットおよび制御装置の第2の配置の概略図を示す。
図5c図5cは、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置の電源ユニットおよび制御装置の第3の配置の概略図を示す。
図5d図5dは、本発明の一実施形態による、非円形基板用の電気めっき装置の電源ユニットおよび制御装置の第4の配置の概略図を示す。
図6図6は、本発明の一実施形態による非円形基板の電気めっき方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1aを参照されたい。図1aは、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置の構造図を示す。非円形基板用の電気めっき装置は、中心電極領域101、複数の周辺電極領域、電源ユニット103、および制御装置104を含む。
【0030】
中心電極領域101は円形であり、中心電極領域101の大きさは非円形基板の内接円である。非円形基板の一般的な形状は正方形または長方形である。中心電極領域101は、正方形または長方形の内接円である。非円形基板が他の形状である場合、中心電極領域101も非円形基板の内接円となる。中心電極は、中心電極領域101内に配置され、中心電極領域101を充填する。中心電極は中心電極領域全体を充填するため、本明細書および添付図面では、参照符号101は中心電極領域および中心電極の両方を表す。中心電極は中心電極領域全体を充填しているが、中心電極にはさまざまな構成もある。図1aに示す実施形態では、中心電極は、中心電極領域を充填する単一の円形電極である。以下の詳細な説明において、すべての説明は主に、図1aに示された、中心電極が単一の円形電極として構成された実施形態に基づいている。他の実施形態では、中心電極も他の構成を有する。例えば、複数のブロック電極として構成され、複数のブロック電極の組み合わせが円を形成し、中心電極領域を充填する。図1bおよび1cは、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置における中心電極の異なる形状を示す。図3bに示される実施形態では、複数の扇形ブロック電極が結合されて中心電極101を形成する。図3cに示される実施形態では、複数の同心の環状電極が結合されて中心電極101を形成する。中心電極を複数のブロック電極を組み合わせて構成することにより、中心電極の制御をより柔軟にすることができる。
【0031】
周辺電極領域は中心電極領域を取り囲んでおり、周辺電極領域の周囲の大きさは非円形基板の外接円である。周辺電極領域には点電極が密に配置されており、点電極が周辺電極領域を充填している。図1aに示される実施形態では、複数の周辺電極領域があり、複数の周辺電極領域は同心円状の形状である。複数の周辺電極領域は、中心電極領域101から順に外側に向かって周回しており、最外周辺電極領域の大きさは非円形基板の外接円である。同様に、非円形の基板の形状は正方形または長方形が一般的であり、最外周の電極領域は正方形または長方形の外接円となる。非円形基板が他の形状である場合には、最外周辺電極領域も非円形基板の外接円となる。図示の実施形態では、中心電極領域の周りに3つの周辺電極領域、すなわち第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、第3周辺電極領域123が順に配置されている。最外周辺電極領域は、非円形基板の外接円である第3周辺電極領域123である。図示されている実施形態では、3つの周辺電極領域121、122、123の幅は等しい。他の実施形態では、第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、および第3周辺電極領域123の幅は等しくなくてもよい。周辺電極領域には点電極102が密に配置されている。点電極102は均一に分布し、周辺電極領域を充填している。3つの周辺電極領域はすべて、点電極102が密に配置されている。点電極102は均等に分布し、3つの周辺電極領域を充填する。点電極102は、円形、正方形、六角形、または円弧形とすることができる。図示の実施形態では、点電極102は、互いに近接して配置された円形の電極であり、周辺電極領域全体を充填している。点電極が円形、四角形、円弧状の場合、その形状により点電極間に隙間が生じる。点電極が六角形でハニカムパターンに配置されている場合、点電極間のギャップは小さくても、ギャップがなくてもよい。周辺電極領域は他の数に分割することもできるし、単一の環状周辺電極領域のみを中心電極領域の周囲に配置することもできる。周辺電極領域は点電極で充填されているため、周辺電極領域を分割するか、分割する領域の数は点電極の加工プロセスには影響しない。制御および表現の便宜上、この実施形態では通常、周辺電極領域は3つの環状領域に分割されており、本明細書における以降の説明では、説明のための例としてこの構成を使用する。
【0032】
電源ユニット103は、中心電極101および点電極102に接続され、中心電極101および点電極102に電力を供給する。
【0033】
制御装置104は、電源ユニット103と中心電極101および点電極102との間に接続され、中心電極101および点電極102のオンオフを制御する。制御装置104は、基板によって覆われた中心電極領域および周辺電極領域の電極がオンになり、基板によって覆われていない電極がオフになるように、基板の回転位置を追跡する。基板の回転に応じて電極がオンまたはオフになる。
【0034】
図2aおよび2bは、本発明の電気めっき装置上で正方形の基板を回転させたときの被覆面積の変化の概略図を示す。図2aは、時刻t1における電気めっき装置内の正方形基板の状態を示し、図2bは、正方形基板が回転された後の時刻t2における電気めっき装置内の正方形基板の状態を示す。図2aおよび図2bに示すように、中心電極101は正方形の基板200の内円であるため、中心電極101は常に基板200によって覆われている。第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、および第3周辺電極領域123は、基板200の4つの頂角によってのみ覆われており、最も外側の第3周辺電極領域123は、正方形の基板200の外接円であるため、正方形の基板200は、電気めっき装置の範囲を超えない。図2aおよび図2bに示すように、3つの周辺電極領域内の斜線で示される点電極102は、基板200によって覆われていない点電極であり、黒塗りで示される点電極102は、基板200によって覆われた点電極102である。異なる時刻t1およびt2では、基板の回転により、基板によって覆われた点電極が異なる。一実施形態では、複数の周辺電極領域内のどの点電極が現在基板によって覆われているかを決定するために、以下の方法が使用される。このプロセスは、本発明の電気めっき装置上で正方形の基板が回転されるときに、周辺電極領域において基板によって覆われる点電極の決定方法の概略図を示す図3を参照することができる。
【0035】
図3に示すように、正方形の基板200を例にとると、周辺電極領域内の基板によって覆われた点電極は次のように決定される。
【0036】
正方形の基板200の場合、中心電極領域101の直径は正方形の一辺の長さに等しいため、中心電極領域101は正方形の基板200の内接円となる。最外周の第3周辺電極領域123の直径は正方形の対角線の長さに等しいので、第3周辺電極領域は正方形の基板200の外接円となる。
【0037】
まず、円の中心に対する非円形基板の各頂角の位置を決定する。ここでの円の中心は、同心の中心電極領域101、第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、および第3周辺電極領域123の共通の中心である。正方形の基板200は4つの頂角を有する。
【0038】
各頂角について、角度を構成する2つの辺から開口角度が決定される。正方形の基板200の場合、各頂角を構成する2辺は互いに直交する2辺であるため、各頂角の開き角は90度である。正方形の基板200の4つの頂角は、最外周辺電極領域の外周上に位置する。各頂角の開き角は90度であり、各頂角の開き角は円の直径に対して対称である。
【0039】
基板の回転位置を検出し、回転位置から基板の各頂角の位置を求める。頂角は最外周辺電極領域の外周上に位置する。基板の回転角度に応じて、基板の4つの角の角度位置を計算することができる。図3を例として説明する。各円形の電極領域の上方向を初期位置、すなわち0度の位置として定めることができる。円周に沿って時計回りに正の角度を設定することができる。1週間のサイクリング後、360度が0度と一致する。正方形の基板200のある頂角が基準頂角として定められ、他の3つの角と基準頂角との角度差は、90度、180度、270度である。基板の回転位置の検出は、基準頂角と0度位置とのずれを検出することである。たとえば、初期位置では基準頂角が0度であり、残りの3つの角度は90度、180度、270度として計算することができる。基板の回転中に基準頂角が30度になったことを検出すると、残りの3つの角度の位置を120度、210度、300度の位置で順番に計算することができる。
【0040】
各頂角を始点として、各頂角の開き角に応じて各周辺電極領域の投影面積が決定され、投影領域にある点電極が基板に覆われた点電極となる。各頂角の位置が決まると、各頂角の開き角が90度になるように2辺を延長し、基板で覆われる投影領域を3つの周辺電極領域に区切ることができる。投影領域に位置する点電極は、基板によって覆われた点電極である。点電極を識別するには、番号付け方法を使用して、基板で覆われた投影領域にどの点電極が配置されているかを決定することができる。
【0041】
図4は、本発明の電気めっき装置上で長方形基板を回転させたときに、周辺電極領域において基板によって覆われる点電極を決定する方法の概略図を示す。図4に示すように、長方形の基板300を例にとると、周辺電極領域内の基板によって覆われた点電極は次のように決定される。
【0042】
長方形の基板300の場合、中心電極領域101の直径は長方形の短辺の長さに等しいため、中心電極領域101は長方形の基板300の内接円となる。最外周の第3周辺電極領域123の直径は長方形の対角線の長さに等しいので、第3周辺電極領域は長方形の基板300の外接円となる。
【0043】
まず、円の中心に対する非円形基板の各頂角の位置を決定する。ここでの円の中心は、同心の中心電極領域101、第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、および第3周辺電極領域123の共通の中心である。長方形の基板300は4つの頂角を有する。
【0044】
各頂角について、角度を構成する2つの辺から開口角度が決定される。長方形の基板300の場合、各頂角を構成する2辺は互いに直交する2辺であるため、各頂角の開き角は90度である。長方形基板300の4つの頂角は、最外周辺電極領域の外周上に位置している。各頂角の開き角は90度であり、各頂角の開き角は円の直径に対して非対称である。各頂角を円の中心に結ぶと、頂角の開き角は長辺近くで小さく、短辺近くで大きくなり、直径に対して対称に分布していないことがわかる。
【0045】
基板の回転位置を検出し、回転位置から基板の各頂角の位置を求める。頂角は最外周辺電極領域の外周上に位置する。基板の回転角度に応じて、基板の4つの角の角度位置を計算することができる。図4を例として説明する。各円形の電極領域の上方向を初期位置、すなわち0度の位置として定めることができる。円周に沿って時計回りに正の角度を設定することができる。1週間のサイクリング後、360度が0度と一致する。長方形基板300のある頂角が基準頂角として定められており、他の3つの角と基準頂角との間には角度差が存在する。長方形基板の残りの3つの角度と基準頂角の間の角度差は等距離ではない。例えば、2番目の頂角は基準頂角と60度異なり、3番目の頂角は基準頂角と180度異なり、4番目の頂角は基準頂角と240度異なる。基板の回転位置の検出は、基準頂角と0度位置とのずれを検出することである。例えば、初期位置における基準頂角は0度であり、残りの3つの角度は、60度、180度、240度として計算できる。基板の回転中に基準頂角が30度になったことを検出すると、残りの3つの角度の位置を90度、210度、270度の位置で順番に計算することができる。
【0046】
各頂角を始点として、各頂角の開き角に応じて各周辺電極領域の投影面積が決定され、投影領域にある点電極が基板に覆われた点電極となる。各頂角の位置が決まると、各頂角の開き角が90度になるように2辺を延長し、基板で覆われる投影領域を3つの周辺電極領域に区切ることができる。投影領域に位置する点電極は、基板によって覆われた点電極である。点電極を識別するには、番号付け方法を使用して、基板で覆われた投影領域にどの点電極が配置されているかを決定することができる。図4図3を比較すると、基板の形状の違いにより、同じ基板角度でも投影領域の位置が異なることが分かる。
【0047】
図1に戻って参照すると、上記のプロセスを実行するために、制御装置104は、角度センサ141、投影シミュレータ142、およびスイッチング装置143を含む。角度センサ141は基板の回転角度を追跡する。角度センサ141によって決定された基板の回転角度に応じて、基準頂角の角度を決定することができ、それに応じて残りの3つの角度の角度を計算することができる。投影シミュレータ142は、基板の回転角度に応じて各頂角の位置を決定し、各頂角とその開口角に応じて各周辺電極領域内の投影面積を決定する。投影シミュレータ142は、各頂点の位置と開口角度に応じて各周辺電極領域内の投影領域を決定し、どの点電極が投影領域にあり基板によって覆われているかを順次決定する。スイッチング装置143は、周辺電極領域の点電極102と電源ユニット103との間に接続されている。スイッチング装置143は、投影領域にある点電極102をオンにし、投影領域にない点電極102をオフにする。
【0048】
異なる実施形態では、電源ユニットおよび制御装置、主に制御装置内のスイッチング装置は、異なる構成モードを有する。図5aから図5cは、3つの異なる構成モードを明らかにする。
【0049】
まず図5aを参照すると、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置の電源ユニットおよび制御装置の第1の配置の概略図が示されている。第1の構成モードでは、電源ユニット103は、中心領域電源131と、図示の実施形態では、第1周辺領域電源132、第2周辺領域電源133、および第3周辺領域電源134を含む複数の周辺領域電源を備える。中心領域電源131は中心電極101に電力を供給し、各周辺領域電源130は対応する周辺電極領域106の点電極に電力を供給する。具体的には、第1周辺領域電源132は第1周辺電極領域121の点電極に電力を供給し、第2周辺領域電源133は第2周辺電極領域122の点電極に電力を供給し、第3周辺領域電源134は第3周辺電極領域123の点電極に電力を供給する。スイッチング装置143は、第1周辺領域電源132、第2周辺領域電源133、第3周辺領域電源134にそれぞれ接続されている。スイッチング装置143には複数のスイッチングコンポーネントがあり、スイッチング装置と点電極との関係は1対1に対応する。図示の実施形態では、スイッチング装置143のスイッチングコンポーネントは、それぞれ第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、第3周辺電極領域123の点電極に対応する3つの部分に分割されている。このように、各周辺電極領域はそれぞれ独自の周辺領域電源およびスイッチング装置を有する。第1の構成モードでは、中心電極領域と周辺電極領域とが独立した電源とスイッチを有する。図示の実施形態では、中心電極は、スイッチング装置なしで中心領域電源に直接接続されている。中心電極は常に基板で覆われているため、電気めっきプロセス中は常に導通状態にあり、主電源によって直接制御することができる。別途電源を追加する必要はない。
【0050】
図5bは、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置の電源ユニットおよび制御装置の第2の配置の概略図を示す。第2の構成モードでは、電源ユニット103は、中心領域電源131と周辺領域電源135とを含む。中心領域電源131は中心電極101に電力を供給し、周辺領域電源135は周辺電極領域内のすべての点電極に電力を供給する。すなわち、第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、および第3周辺電極領域123は、いずれも周辺領域電源135によって給電される。スイッチング装置143は、周辺領域電源135に接続されている。スイッチング装置143には複数のスイッチングコンポーネントがあり、スイッチングコンポーネントと点電極との関係は1対1に対応する。図示の実施形態では、スイッチング装置143のスイッチングコンポーネントは、それぞれ第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、第3周辺電極領域123の点電極に対応する3つの部分に装置分割されている。第2の構成モードでは、各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置を有し、同じ周辺領域電源を共有する。図5aと同様に、図5bに示される実施形態では、中心電極は、スイッチング装置なしで中心領域電源に直接接続される。
【0051】
図5cは、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置の電源ユニットおよび制御装置の第3の配置の概略図を示す。第3の構成モードでは、電源ユニット103は、中心電極と周辺電極領域内のすべての点電極に同時に電力を供給する。中心電極領域101、第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、および第3周辺電極領域123には同一の電源が供給される。スイッチング装置143は、電源ユニット103に接続されている。スイッチング装置143には複数のスイッチングコンポーネントがあり、スイッチングコンポーネントと点電極との関係は1対1に対応する。図示の実施形態では、スイッチング装置143のスイッチングコンポーネントは、それぞれ第1周辺電極領域121、第2周辺電極領域122、第3周辺電極領域123の点電極に対応する3つの部分に装置分割されている。第3の構成モードでは、各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置を有し、同じ周辺領域電源を共有する。前図と同様に、図5cに示される実施形態では、中心電極は、スイッチング装置なしで中心領域電源に直接接続される。
【0052】
図5aから図5cに示される3つの異なる構成モードは、主に、中心領域と周辺電極領域との間の制御関係に焦点を当てている。上述したように、中心電極領域は、単一の円形電極として構成するだけでなく、複数のブロック電極として構成することもできる。中心電極領域が複数のブロック電極として構成される場合、ブロック電極が結合されて中心電極領域が形成され、スイッチングコンポーネントのグループも中心電極領域に追加される。図5dは、本発明の一実施形態による非円形基板用の電気めっき装置の電源ユニットおよび制御装置の第4の配置の概略図を示す。第4の構成モードは主に中心電極領域用である。図5dに示される第4の構成モードと図5aに示される第1の構成モードとの違いは、第4の構成モードでは中心電極が2つの同心の環状電極から構成されることである。したがって、中心領域電源も、2つの部分131aおよび131bと、中心領域電源と中心電極との間に追加される2つのグループのスイッチングコンポーネント143aおよび143bとを含む。中心領域電源の2つの部分とスイッチングコンポーネントの2つのグループは、それぞれ中心電極を構成する2つの電極を制御する。図示の実施形態では、中心領域電源の部分131aおよびスイッチングコンポーネント143aのうちの1つが、円形電極である内側リングの電極を制御する。中心電源の別の部分131bおよびスイッチングコンポーネント143bは、リング電極である外側の円の電極を制御する。円形電極とリング電極により中心電極が形成される。中心電極を制御するためのスイッチングコンポーネント143aおよび143bは、スイッチング装置143の一部であり、スイッチング装置に含まれる。図5bおよび図5cに示す実施形態では、中心電極を多数のブロック電極で構成し、中心電極領域にスイッチングコンポーネントを追加することもできる。中心電極の異なる領域に個別の中心領域電源とスイッチングコンポーネントを配置することで、中心電極の動作状態をより適切に制御できる。
【0053】
本発明は、非円形基板の電気めっき方法も開示するが、この方法は、上述の非円形基板の電気めっき装置の動作プロセスとしても理解できる。図6は、本発明の一実施形態による非円形基板の電気めっき方法のフローチャートを示す。図6に示すように、非円形基板の電気めっき方法は以下のステップを含む。
S1:電極領域を分割する。電極領域は中心電極領域と周辺電極領域に分けられる。中心電極領域は円形であり、中心電極領域の大きさは非円形基板の内接円である。中心電極は中心電極領域内に配置され、中心電極は中心電極領域を充填する。周辺電極領域は中心電極領域を取り囲んでおり、周辺電極領域の周囲の大きさは非円形基板の外接円である。周辺電極領域には点電極が密に配置されており、点電極が周辺電極領域を充填している。中心電極は、単一の円形電極、複数のブロック電極、または複数のリング電極として構成することができる。単一の円形電極だけで中心電極領域を充填している。複数のブロック電極が結合されて円を形成し、複数のブロック電極は中心電極領域を充填する。複数のリング電極が組み合わされて円を形成し、複数のリング電極は中心電極領域を充填する。一実施形態では、複数の周辺電極領域があり、複数の周辺電極領域は同心のリングである。複数の周辺電極領域は中心電極領域から外側に向かって順次取り囲んでおり、最外周辺電極領域の大きさは非円形基板10の外接円である。周辺電極領域には点電極が密に配置されており、点電極が均一に分布して周辺電極領域を充填している。一実施形態では、3つの周辺電極領域が中心電極領域の周りに連続して配置され、3つの周辺電極領域の幅は等しい。点電極は、円形、正方形、六角形、または円弧形にすることができる。
S2:基板の回転を追跡し、基板の回転位置を追跡する。
S3:電極のオンオフを制御する。電源ユニットは、制御装置を介して中心電極および点電極に接続され、中心電極および点電極に電力を供給する。制御装置は、中心電極および点電極のオンオフを制御する。制御装置は、基板の回転位置に応じて、中心電極領域および周辺電極領域のうち基板で覆われた領域の電極をオンにし、基板で覆われていない領域の電極をオフにする。基板の回転に応じて電極がオンまたはオフになる。
【0054】
ここで、中心電極は常に基板で覆われており、周辺電極領域において基板で覆われている点電極は次のように決定される。
【0055】
円の中心に対する非円形基板の各頂角の位置を決定する。
【0056】
各頂角について、頂角を構成する2つの辺に応じて開口角度を決定する。一実施形態では、非円形基板は正方形基板であり、正方形基板の4つの角は最外周辺電極領域の外周上に位置する。各角の開き角は90度であり、各頂角の開き角は円の直径に対して対称である。別の実施形態では、非円形基板は長方形基板であり、長方形基板の4つの角は最外周辺電極領域の外周上に位置する。各角の開き角は90度であり、各頂角の開き角は円の直径に対して非対称である。
【0057】
基板の回転位置を検出し、基板の回転位置に応じて基板の各頂角の位置を決定し、頂角は、周辺電極領域の外周に位置する。
【0058】
各頂角を原点とし、各頂角の開き角に応じて周辺電極領域の投影面積が決定され、投影領域にある点電極は基板に覆われた点電極である。
【0059】
制御装置は、以下のコンポーネントを通じて、周辺電極領域内の基板で覆われた点電極を決定する。
【0060】
角度センサを通じて基板の回転角度を追跡する。
投影シミュレータを使用して、基板の回転角度に応じて各頂角の位置を決定し、頂角の位置と開口角度に応じて周辺電極領域内の投影領域を決定する。
周辺電極領域の点電極と電源ユニットとの間に接続されたスイッチング装置により、点電極のオンオフを制御する。スイッチング装置は、現在投影領域にある点電極をオンにし、現在投影領域にない点電極をオフにする。
【0061】
電源ユニットと制御装置は以下の3つの構成で構成することができる。
【0062】
電源ユニットは、中心電源と複数の周辺電源で構成される。中心電源は中心電極に電力を供給し、各周辺電源は対応する周辺電極領域内の点電極にそれぞれ電力を供給する。各周辺電極領域はそれぞれ独自の周辺電源とスイッチング装置を有し、または、
【0063】
電源ユニットは、中心電極用の中心電源と、すべての周辺電極領域の点電極用の周辺電源とを備えている。各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置を有するが、すべての周辺電極領域は同じ周辺電源を共有し、または、
【0064】
電源は、中心電極とすべての周辺電極領域の点電極に同時に電力を供給する。各周辺電極領域はそれぞれ独自のスイッチング装置を有するが、中心電極とすべての周辺電極領域は同じ電源を共有する。
【0065】
非円形基板の電気めっき方法の実施の詳細は、上述の非円形基板の電気めっき装置に対応する。詳細については、非円形基板用の電気めっき装置に関する上記の説明を参照されたい。
【0066】
本発明の非円形基板の電気めっき装置および電気めっき方法は、正方形、長方形などの形状の基板を電気めっきすることができる。基板の回転に続いて、基板によって覆われた領域の電極がオンになり、覆われていない領域の電極がオフになる。これにより、基板全体を均一な電界強度に保ち、基板切断電界の発生を回避して、基板、特に基板のエッジ領域上の電気めっきの均一性を確保することができる。
【0067】
また、上述の実施形態は本発明の特定の実施形態にすぎないことに留意されたい。本発明が上記実施形態に限定されないことは明らかである。本発明で開示された内容から当業者が直接導き出すことができる、または容易に連想できるその後の同様の変更または変形は、本発明の保護の範囲内に含まれるものとする。実施形態は、本発明を実現または使用するために当業者に提供されるものであり、当業者は、本の発明の思想から逸脱することなく、実施形態にさまざまな修正または変更を加えることができる。したがって、本発明の保護範囲は、上記実施形態によって限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された革新的な特徴の最大範囲に一致するものでなければならない。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
【国際調査報告】