(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】機械的ロック装置を備えるパネル及び関連の組立物品
(51)【国際特許分類】
F16B 12/02 20060101AFI20240628BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
F16B12/02 C
F16B12/02 D
F16B5/06 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579042
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 SE2022050628
(87)【国際公開番号】W WO2023277765
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、メイイェル
【テーマコード(参考)】
3J001
3J024
【Fターム(参考)】
3J001FA07
3J001GA10
3J001GB01
3J001HA04
3J001HA09
3J001JD02
3J001JD28
3J001KA21
3J001KB03
3J024AA13
3J024BA03
3J024CA14
3J024CA16
(57)【要約】
開示は、ロック状態をとるように構成される第1パネル(1)及び第2パネル(2)を備え、当該ロック状態において、第1パネルの第1主面(M1)が第2パネルの第2主面(M2)に対して30°~150°の角度(φ)で配置されるパネルのセットに関する。溝(3)の挿入溝(5)に配置された別個の舌部(6)が、第1主面に垂直な第1方向(X)において第1パネル及び第2パネルを互いにロックするために第2パネルのエッジセクション(4)に設けられる舌部溝(7)と協働するように構成され、エッジセクション(4)は、第1主面(M1)に平行な第2方向(Y)において第1パネル(1)及び第2パネル(2)を互いにロックするために、溝と協働するように構成される。溝の底部は、少なくとも第2方向に沿って溝の外側セクションに配置される隆起部(8)を有し、隆起部の面積は、底部の境界に沿って延びる矩形の境界領域の面積の少なくとも3%である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック状態をとるように構成される第1パネル(1)及び第2パネル(2)を備えるパネルのセットであって、当該ロック状態において前記第1パネルの第1主面(M1)が前記第2パネルの第2主面(M2)に対して30°~150°、例えば45°~135°、の角度(φ)で配置され、前記第1パネル(1)のサイドエッジ面(1c)及び内側面(1a)が互いに本質的に垂直に配置され、前記セットは、
前記内側面(1a)において及び前記第1パネルのエッジセクション(9)において設けられる溝(3)と、
前記第2パネルのエッジセクション(4)と、
前記第1パネルの前記溝(3)に設けられる挿入溝(5)であって、別個の舌部(6)が配置される挿入溝(5)と、
前記第2パネルの前記エッジセクション(4)に設けられる舌部溝(7)と、を備え、
前記別個の舌部(6)は、前記第1主面(M1)に垂直な第1方向(X)において前記第1パネル(1)及び前記第2パネル(2)を互いにロックするために前記舌部溝(7)と協働するように構成され、
前記第2パネルの前記エッジセクション(4)は、前記第1主面(M1)に平行であり且つ前記第1パネルのサイドエッジ面(1c)に向かって延びる第2方向(Y)において前記第1パネル(1)及び前記第2パネル(2)を互いにロックするために、前記第1パネルの前記溝(3)と協働するように構成され、
前記溝(3)の底部(3a)は、少なくとも前記第2方向(Y)に沿う前記溝(3)の外側セクション(12)に配置される隆起部(8)を有し、前記隆起部(8)の面積(A)は、前記底部(3a)の境界に沿って延びる矩形の境界領域(R)の面積(B)の少なくとも10%である、
パネルのセット。
【請求項2】
前記隆起部(8)の前記面積(A)及び前記境界領域(R)の前記面積(B)は、前記第1パネル(1)の断面側面図において定められる、請求項1に記載のセット。
【請求項3】
前記境界領域(R)が、
前記第1主面(M1)に平行な第1平面(P1)及び第2平面(P2)であって、前記第1平面(P1)が前記溝(3)の最も内側の部分(12a)に沿って延び、前記第2平面(P2)が前記第1方向(X)に沿って前記隆起部(8)の最も高い部分(8b)に沿って延びる、第1平面(P1)及び第2平面(P2)、及び/又は
前記第1方向(X)に沿って延び且つ前記第1方向(X)及び前記第2方向(Y)に垂直な第3方向(Z)に沿って延びる第3平面(P3)及び第4平面(P4)であって、前記第3平面(P3)及び前記第4平面(P4)は、前記第2方向(Y)に沿って前記底部(3a)のそれぞれの最も外側の壁部(12b;12c)に沿って延びる、第3平面(P3)及び第4平面(P4)
によって定められる、請求項1又は2に記載のセット。
【請求項4】
前記第2方向(Y)に沿った前記隆起部(8)の幅(W)は、前記第2方向(Y)に沿った前記底部(3a)の幅(WB)の少なくとも20%である、好ましくは少なくとも30%である、請求項1~3のいずれかに記載のセット。
【請求項5】
前記第1方向(X)に沿った前記隆起部(8)の高さ(H)は、前記溝(3)の深さ(D)の5~60%である、好ましくは12~50%である、請求項1~4のいずれかに記載のセット。
【請求項6】
前記溝(3)は、前記第1方向(X)に沿って前記底部(3a)の外側に設けられる主溝部(3b)を更に備え、前記エッジセクション(4)は、第1エッジ部(4a)及び第2エッジ部(4b)を備え、前記第2エッジ部(4b)は、前記ロック状態において前記主溝部(3b)と協働するように構成される、請求項1~5のいずれかに記載のセット。
【請求項7】
前記第2エッジ部(4b)及び前記主溝部(3b)は、前記第2方向(Y)にロックするために協働するように構成される、請求項6に記載のセット。
【請求項8】
前記エッジセクション(4)の第1エッジ部(4a)は、前記第1方向(X)に沿って外側に移動するテーパー状である、請求項1~7のいずれかに記載のセット。
【請求項9】
前記隆起部(8)の外壁(8a)は、前記溝(3)の最も内側の部分(12a)と、前記第1方向(X)に沿って前記底部(3a)の外側に設けられる主溝部(3b)との間に延びる、請求項1~8のいずれかに記載のセット。
【請求項10】
前記隆起部(8)の外壁(8a)は、少なくとも1つの平面セグメントを備える、請求項1~9のいずれかに記載のセット。
【請求項11】
前記隆起部(8)の外壁(8a)は、凸状セグメント及び/又は凹状セグメントを含む、請求項1~10のいずれかに記載のセット。
【請求項12】
前記隆起部(8)の外壁(8a)の形状は、前記ロック状態において前記外壁に面するように構成される前記第1エッジ部(4a)の先細りセグメント(4c)の形状に実質的に対応する、請求項1~11のいずれかに記載のセット。
【請求項13】
少なくとも前記溝(3)の主溝部(3b)の内側セクション(10a)は、本質的に一定の幅(WG)を有し、及び/又は、少なくとも前記エッジセクション(4)の第2エッジ部(4b)のセクション(10b)は、本質的に一定の幅(WE)を有する、請求項1~12のいずれかに記載のセット。
【請求項14】
前記底部(3a)は、前記第1方向(X)に沿って延びる中心線(CX)に沿って非対称である、請求項1~13のいずれかに記載のセット。
【請求項15】
前記底部(3a)及び/又は前記第1エッジ部(4a)は、前記ロック状態において、前記第1方向(X)に沿って前記挿入溝(5)の開口部(5a)の内側に配置される、請求項1~14のいずれかに記載のセット。
【請求項16】
前記隆起部(8)は、好ましくは底部(3a)全体が、前記ロック状態において、前記第2パネルの前記エッジセクション(4)から少なくとも1つの空間(S1;S2;S3)だけ間隔を空けられている、請求項1~15のいずれかに記載のセット。
【請求項17】
前記溝(3)と前記第1パネルのサイドエッジ面(1c)との間の前記第2方向(Y)に沿った厚さ(U1)は、前記第2パネルの前記エッジセクション(4)の最小厚さ(U2)よりも大きい、請求項1~16のいずれかに記載のセット。
【請求項18】
前記第2方向(Y)に沿った前記隆起部(8)の幅(W)と前記溝(3)の深さ(D)との間の比(W/D)は、0.20を超える、請求項1~17のいずれかに記載のセット。
【請求項19】
前記第1主面(M1)は、前記第2主面(M2)に対して本質的に垂直に配置される、請求項1~18のいずれかに記載のセット。
【請求項20】
エッジストリップ(1h)が、前記サイドエッジ面(1c)に設けられる、請求項1~19のいずれかに記載のセット。
【請求項21】
請求項1~20のいずれかに記載のパネルのセットを含む、組立物品(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示は、一般に、機械的ロック装置によって互いに対し、30°~150°の角度で、例えば本質的に垂直に、ロックされるように構成された第1パネル及び第2パネルを備えるパネルのセットに関する。棺や棺桶などの箱を提供するように、或いは台所設備、本棚、食器棚、ワードローブ又は引き出しなどの家具組立物品を提供するように、パネル同士が組み立てられて互いに対してロックされてもよい。
【背景技術】
【0002】
WO2015/105449は、互いに対して垂直に配置された第1パネルと第2パネルを含むパネルのセットを開示する。それらのパネルは、第1パネルの第1エッジを第2パネルの第2エッジに対してロックするための機械的ロック装置とともに設けられる。第2エッジのエッジセクションは、第1エッジにおけるエッジセクション溝内に挿入可能である。エッジセクション溝に設けられた挿入溝に配置された可撓性舌部は、第2パネルのエッジセクションに設けられた舌部溝と協働する。エッジセクション溝と第1エッジの最外面との間の芯材の第1厚さは、第2パネルのエッジセクションの芯材の最小の第2厚さよりも大きい。
【0003】
パネルのセットは、改良された強度と、随意的に安定性と、を有する機械的ロックシステムとともに組立製品を提供してもよい。
【0004】
この種のセットのこれらの及び多くの他の利点にもかかわらず、機械式ロックシステムのロバスト性が不十分であったり損なわれたりする場合がありうる。例えば、舌部溝はエッジセクションを満足できない程度まで弱めうる。更に、いくつかの適用において、好ましくは上記の利点の少なくともいくつかを維持しつつ、とりわけ強力なロック機能が必要とされうる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本開示の少なくとも実施形態の目的は、パネルのエッジセクションにおいてなど、高荷重及び/又は高トルクに対してより一層の耐性があるパネルのセットを提供することである。
【0006】
本開示の少なくとも実施形態の別の目的は、例えば19mmを超えない、好ましくは16mmを超えない、厚さを有する、より薄いパネルに特に適した機械的ロック装置を含むパネルのセットを提供することである。
【0007】
本開示の少なくとも実施形態の更に別の目的は、満足のいくロバスト性及び/又はロック強度が提供又は維持されうるように、機械的ロック装置の協働要素のデザイン間のバランスのとれた妥協点を提供することである。
【0008】
また、対応する組立物品を提供することも目的である。
【0009】
記述から明らかになるこれらの及び他の目的及び利点は、以下に説明する様々な態様、実施形態及び例によって達成される。
【0010】
開示の第1態様によれば、第1パネルの第1主面が第2パネルの第2主面に対して30°~150°、例えば45°~135°、の角度で配置されるロック状態をとるように構成される第1パネル及び第2パネルを含むパネルのセットが提供される。前記セットは、第1パネルに設けられた溝と、第2パネルのエッジセクションと、前記第1パネルの溝に設けられた挿入溝と、挿入溝に配置された別個の舌部と、第2パネルのエッジセクションに設けられた舌部溝とを含む。別個の舌部は、第1主面に垂直な第1方向において第1パネル及び第2パネルを互いにロックするための舌部溝と協働するように、好ましくは係合するように、構成され、第2パネルのエッジセクションは、第1主面に平行であり且つ第1パネルのサイドエッジ面に向かって延びる第2方向において第1パネル及び第2パネルを互いにロックするための第1パネルの溝と協働するように、好ましくは係合するように、構成される。その溝の底部は、少なくとも第2方向に沿った溝の外側セクションに配置された隆起部を含み、隆起部の面積は、底部の境界に沿って延びる矩形境界領域の面積の少なくとも3%である。
【0011】
隆起部は、第1パネルのセクション、好ましくはエッジセクション、を補強してもよく、それによってロック強度を向上させうる。更に、第1パネルのセクションに、例えばそのエッジセクションに、溝を設けることによって、棺や棺桶などの箱を提供するために或いは台所設備、本棚、食器棚、ワードローブ又は引き出しなどの家具組立物品を提供するためにパネルが組み立てられるように構成される場合など、いくつかの適用に関してパネルが弱くなりすぎうる。特に、溝を含むセクションは、ある閾値を超えるトルクに抵抗することができないかもしれず、当該ある閾値を超えるトルクは、例えばパネルに大きな負荷がかかる場合及び/又は第2パネルのエッジセクションが溝内に挿入される場合に誘発されうる。これらの問題は、溝が深い場合、例えば溝の底と溝の底に隣り合う第1パネルの外面との間の第1方向に沿った距離が小さくなりすぎる場合、顕著になりうる。顕著になった問題は、溝の底に位置するピボット点の周りに過度に大きなレベルのアームを有する外側セクションにおける溝の協働面に起因しうるものであり、協働面が第2方向におけるロックを提供しうる。しかしながら、これらの潜在的な欠陥は、第1態様による隆起部によって低減され、或いはいくつかの適用においては解消されることさえある。実際、隆起部は、セクションを補強しうるものであり、それによって、特に第2方向に沿って、高荷重及び/又は高トルクに対してより高い耐性を提供しうる。
【0012】
第2パネルのエッジセクションは、例えば凹部を含むことによって、隆起部を収容する形状にされうる。第1方向に沿ったエッジセクションのこの短縮の結果として、例えば、それによって組立中及び/又はロック状態におけるレバーアームが短くなりうるものであり、エッジセクションが強化されうる。
【0013】
上記を考慮すると、第1パネル及び第2パネルの両方において十分に高いロバスト性及び/又は強いロック強度が提供又は維持されうるように、エッジセクションのデザイン間のバランスの取れた妥協が提供されうる。
【0014】
矩形の境界領域は、第1方向及び/又は第2方向に沿って底部の外側境界に沿って延びうる。
【0015】
開示全体を通じて「パネル」に言及する場合、第1パネル及び第2パネルは、そのような「パネル」の例として含まれる。
【0016】
各パネルは、一対の面と、それらの面間に延びる一対のサイドエッジ面とを含みうる。パネルの、好ましくは第1パネル及び/又は第2パネルの、面及びサイドエッジ面は、互いに本質的に垂直に配置されてもよい。更に、各パネルは、その面とそのサイドエッジ面との間に延在する一対のサイド端面(サイド部)を含んでいてもよい。サイドエッジ面は、各パネルのそれぞれのエッジセクションに設けられうる。
【0017】
それらが第1パネルに関して定められうるものであっても、第2パネルを説明する際には、通常、第1方向及び第2方向(及び第3方向)も参照されうる。例えば、パネルがロックされた状態をとる場合に、第2パネルを参照する場合に前記方向が用いられうる。
【0018】
各パネルの厚さは、場合によってはパネルの一方又は両方のエッジセクションにおけるのを除いて、本質的に一定であってもよい。それにより、内側面及び外側面は、第1方向に互いから本質的に一定の距離をおいて、設けられうる。例えば、各パネルは平行六面体、例えば直方体、として実質的に形成されうる。
【0019】
第1主面及び第2主面は、(断面)側面から見て30°~150°の角度で、好ましくは第1方向及び第2方向に対して垂直な第3方向に沿って、配置されうる。
【0020】
一般にここでは、協働要素(分離舌部と舌部溝との間、エッジセクションと溝との間、取付溝とコーナー部との間、又はオーバーラップ部と面エッジ部との間など)は、直接的な係合によって協働してもよいし、間接的に協働してもよい。ここに記載されるいずれの実施形態においても、ワックス、シリコーン、ゴムストリップ又は接着剤などの封止剤が協働要素間に設けられうるものであり、それによって間接的係合の例を提供する。
【0021】
いくつかの実施形態において、隆起部の面積は、矩形の境界領域の面積の少なくとも10%、例えば少なくとも20%、或いは更には少なくとも30%、であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、隆起部の面積は、矩形の境界領域の面積の70%を超えないかもしれず、例えば3%~70%、例えば10~70%又は10~50%、例えば20~60%又は20~35%、である。
【0023】
ここに開示されるパネルは、パーティクルボード(particle boards)、HDFボード、MDFボード、OSBボード、無垢木材ボード、木質繊維複合ボード又は合板ボードなどの木質繊維ベースのボードを含んでいてもよいし、当該木質繊維ベースのボードであってもよい。例えば、パネルのコアはこれらのボードのいずれかであってもよい。随意的に、それらのボードは、その面のうちの少なくとも1つに装飾構造、例えばボードを少なくとも部分的に包む装飾層やペイントなど、とともに設けられてもよい。例えば、そのボードのサイド端面及び/又はサイドエッジ面は、ボードの補強及び/又は装飾効果を提供するための境界ストリップとともに設けられうる。第1態様によるパネルのセットは、異方性ボード、軟質ボード又は脆性ボードに特に有利であるかもしれず、それらは、高荷重及び/又は高トルクの下で変形しやすく或いは亀裂又は層間剥離などによる損傷をより受けやすいかもしれない。
【0024】
ここに開示されたパネルは、代替的に、ポリマーベースのボードを含んでいてもよいし或いはポリマーベースのボードであってもよく、当該ポリマーベースのボードは、例えばPVCなどの熱可塑性ポリマー含み、或いは、メラミンホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂を含む。
【0025】
隆起部の面積及び境界領域の面積は、第1パネルの断面側面図において、好ましくは第1方向及び第2方向に垂直な第3方向に沿って、定められてもよい。
【0026】
境界領域は、第1主面に平行な第1平面及び第2平面によって定められてもよく、第1平面は、溝の最も内側の部分に沿って延び、第2平面は、第1方向に沿って隆起部の最も高い部分に沿って延びる。代替的に又は追加的に、境界領域は、第1方向に沿って及び第1方向及び第2方向に直交する第3方向に沿って延びる第3平面及び第4平面によって定められてもよく、第3平面及び第4平面は、第2方向に沿って底部のそれぞれの最も外側の壁部に沿って延びる。
【0027】
溝は、第1パネルのエッジセクションに設けられてもよい。或いは、又は好ましくは追加的に、溝は第1パネルの内側面に設けられてもよい。
【0028】
第2方向に沿った隆起部の幅、好ましくは最大幅、は第2方向に沿った底部の幅、好ましくは最大幅、の少なくとも20%であってもよく、好ましくは少なくとも30%であってもよく、更には少なくとも40%であってよい。
【0029】
第1方向に沿った隆起部の高さ、好ましくは最大高さ、は溝の深さ、好ましくは最大深さ、の5~60%であってもよく、好ましくは12~50%であってよい。それにより、第1パネルの堅牢なエッジセクション及び/又は強力なロック機能を維持しながら、パネルの安定した組立を提供しうる。
【0030】
溝は、第1方向に沿って底部の外側に設けられた主溝部を更に含んでもよい。第2パネルのエッジセクションは、第1エッジ部及び第2エッジ部を含んでもよく、第2エッジ部は、第1パネル及び第2パネルのロック状態において主溝部と協働するように構成される。第2エッジ部及び主溝部は、第2方向へのロックのために協働するように構成されてもよい。
【0031】
第2パネルのエッジセクションの第1エッジ部は、第1方向に沿って、外側に向かって、すなわち外側に動くように、テーパーがつけられてもよい。それにより、第2パネルは改良されたやり方で溝内に案内されうる。
【0032】
隆起部の外壁は、溝の最内側部と、第1方向に沿って底部の外側に設けられた主溝部との間に延在してもよい。
【0033】
隆起部の外壁は、少なくとも1つの平面セグメントを含んでもよい。
【0034】
隆起部の外壁は、凸状セグメント及び/又は凹状セグメントを含んでもよい。凸状セグメントによって、溝により多くの芯材が設けられてもよく、凹状セグメントによって、一方の隆起部と、他方の溝の最内側部及び主溝部との間の推移が滑らかにされてもよい。これらのシナリオの両方において、第1パネルのエッジセクションのひび割れの可能性が低減されうる。
【0035】
隆起部の外壁の形状は、ロック状態において外壁に面するように構成された第1エッジ部の第1先細りセグメントの形状に実質的に対応しうる。それにより、溝のより大きな部分が第2パネルのエッジセクションから材料で占められうるものであり、それによりロック強度が更に向上されうる。
【0036】
溝の主溝部の少なくとも内側セクションは、好ましくは第2方向に沿って、本質的に一定の幅を有してもよく、及び/又は、少なくとも第2パネルのエッジセクションの第2エッジ部のセクションは、好ましくは第2方向に沿って、本質的に一定の幅を有してもよい。それにより、パネルの第2方向へのロックを提供しながら、パネルの簡単な組み立てが提供されうる。
【0037】
底部は、第1方向に沿って延びる中心線に沿って非対称であってもよい。例えば、隆起部の大部分、例えば面積の少なくとも50%、は溝の外側セクションに設けられてもよい。いくつかの実施形態において、面積の少なくとも70%、場合によっては全域が、外側セクションに設けられてもよい。
【0038】
底部及び/又は第1エッジ部は、ロック状態において、第1方向に沿って挿入溝の開口部の内側で配置されてもよい。好ましくは、底部は、第2方向に沿って本質的に一定の幅を有する溝のセクションの内側に設けられる。前記セクションは、少なくとも主溝部の内側セクションであってもよい。
【0039】
隆起部は、好ましくは底部全体が、ロック状態において、第2パネルのエッジセクションから、少なくとも1つの空間だけ、間隔が空けられてもよい。それにより、改良された、例えばよりフェイルセーフな、パネルのロックが提供されうる。例えば、パネルは、一方では別個の舌部と舌部溝との間の協働によって、他方ではエッジセクションに設けられた取付溝と第1パネルのコーナー部との間の協働によって、第1方向にロックされうる。
【0040】
溝と第1パネルのサイドエッジ面との間の第2方向に沿った厚さ、例えば最小の厚さ、は、第2パネルのエッジセクションの最小の厚さよりも大きくてもよい。
【0041】
第2方向に沿った隆起部の幅と溝の深さとの間の比は、0.20を超えてもよい。それにより、第1方向及び第2方向に沿った高い耐荷重性及び/又は引張強度と、ロック強度との間のバランスの取れた妥協が提供されうる。
【0042】
溝の開口部は、溝の主溝部の内側セクションよりも広くてもよい。
【0043】
第1主面は、第2主面に対して本質的に垂直に配置されてもよい。それにより、第2方向は、第2パネルの第2主面に対して垂直であってもよい。
【0044】
サイドエッジ面には、エッジバンディング(edge banding)などのエッジストリップが設けられてもよい。それにより、第1パネルのエッジセクションの補強及び/又は強度を更に向上させうる。代替的に、或いは追加的に、隆起部によってエッジストリップの厚さが小さくされてもよい。それにより、より少ない材料が使用されうることになり、コストが削減されうる。また、エッジストリップはサイドエッジ面まで延びる溝を隠してもよい。エッジストリップは、第1パネル、及び好ましくは第2パネル、がパーティクルボードなどの木質繊維ベースのボードを含む場合に、特に有用であってもよい。
【0045】
開示の第2態様によれば、第1態様の実施形態のいずれかによるパネルのセットを含む組立物品が提供される。組立物品は、棺や棺桶などの箱であってもよいし、或いは台所設備、本棚、食器棚、ワードローブ又は引き出しなどの家具組立物品を提供するものであってもよい。
【0046】
開示の態様は、主にいくつかの実施形態を参照して上述してきた。しかしながら、当業者には容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定められるように、開示の態様の範囲内において、上記に開示されたもの以外の実施形態も同様に可能である。
【0047】
一般に、特許請求の範囲において使用される全ての用語は、ここに明示的に別段の定めがない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈される。「a/an/the[要素、装置、構成要素、手段、ステップなど]」への言及はすべて、明示的に別段の記載がない限り、当該要素、装置、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つの例を指すものとしてオープンに解釈されるものとする。1つまたは複数の「少なくとも1つの要素」等への言及は、短く「1又は複数の要素」ととして言及されうる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
開示は、以下において、例示的な実施形態に関連して、添付の例示的な図面を参照してより詳細に説明される:
【
図1a】
図1a~1cは、ロック状態(
図1a)及びロック解除状態(
図1b~1c)におけるパネルのセットの実施形態を斜視図で示す。
【
図1b】
図1a~1cは、ロック状態(
図1a)及びロック解除状態(
図1b~1c)におけるパネルのセットの実施形態を斜視図で示す。
【
図1c】
図1a~1cは、ロック状態(
図1a)及びロック解除状態(
図1b~1c)におけるパネルのセットの実施形態を斜視図で示す。
【
図1d】
図1dは、
図1a~1cにおけるパネルをロックするために使用されうる別個の舌部の実施形態を、断面上面図及び断面側面図で示す。
【
図2a】
図2a~2dは、ラインA-A、B-B及びC-Cに沿った
図1a~1cにおけるパネルのセットの断面側面図及び
図2cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図を示す。
【
図2b】
図2a~2dは、ラインA-A、B-B及びC-Cに沿った
図1a~1cにおけるパネルのセットの断面側面図及び
図2cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図を示す。
【
図2c】
図2a~2dは、ラインA-A、B-B及びC-Cに沿った
図1a~1cにおけるパネルのセットの断面側面図及び
図2cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図を示す。
【
図2d】
図2a~2dは、ラインA-A、B-B及びC-Cに沿った
図1a~1cにおけるパネルのセットの断面側面図及び
図2cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図を示す。
【
図2e】
図2e~2gは、パネルのセットの第1パネルの内側面の実施形態を正面図で示す。
【
図2f】
図2e~2gは、パネルのセットの第1パネルの内側面の実施形態を正面図で示す。
【
図2g】
図2e~2gは、パネルのセットの第1パネルの内側面の実施形態を正面図で示す。
【
図3a】
図3a~3dは、ロック解除状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図及びロック状態における
図3cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図を示す。
【
図3b】
図3a~3dは、ロック解除状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図及びロック状態における
図3cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図を示す。
【
図3c】
図3a~3dは、ロック解除状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図及びロック状態における
図3cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図を示す。
【
図3d】
図3a~3dは、ロック解除状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図及びロック状態における
図3cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図を示す。
【
図3e】
図3e~3fは、ロック状態におけるパネルのセットの実施形態を拡大した部分断面側面図で示す。
【
図3f】
図3e~3fは、ロック状態におけるパネルのセットの実施形態を拡大した部分断面側面図で示す。
【
図4a】
図4a~4dは、ロック解除状態及びロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図及び
図4cにおけるパネルのセットの拡大された部分断面側面図を示す。
【
図4b】
図4a~4dは、ロック解除状態及びロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図及び
図4cにおけるパネルのセットの拡大された部分断面側面図を示す。
【
図4c】
図4a~4dは、ロック解除状態及びロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図及び
図4cにおけるパネルのセットの拡大された部分断面側面図を示す。
【
図4d】
図4a~4dは、ロック解除状態及びロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図及び
図4cにおけるパネルのセットの拡大された部分断面側面図を示す。
【
図5a】
図5a~5dは、ロック解除状態及びロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図と、
図5cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図とを示す。
【
図5b】
図5a~5dは、ロック解除状態及びロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図と、
図5cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図とを示す。
【
図5c】
図5a~5dは、ロック解除状態及びロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図と、
図5cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図とを示す。
【
図5d】
図5a~5dは、ロック解除状態及びロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図と、
図5cにおけるパネルのセットの拡大部分断面側面図とを示す。
【
図5e】
図5eは、ロック解除状態における第1パネルの実施形態を断面側面図で示す。
【
図6a】
図6a~6bは、ロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図を示す。
【
図6b】
図6a~6bは、ロック状態におけるパネルのセットの実施形態の断面側面図を示す。
【
図7a】
図7a~7bは、パネルのセットの実施形態の断面側面図を示す。
【
図7b】
図7a~7bは、パネルのセットの実施形態の断面側面図を示す。
【
図7c】
図7c~7dは、家具組立物品などの組立物品の実施形態を斜視図(
図7c)及び側面図(
図7d)で示す。
【
図7d】
図7c~7dは、家具組立物品などの組立物品の実施形態を斜視図(
図7c)及び側面図(
図7d)で示す。
【
図7e】
図7eは、例えば
図1aにおいてラインE-Eに沿った正面図におけるパネルのセットの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
次に、第1パネル1と第2パネル2とを備えるパネルのセットの様々な実施形態を、例えば
図1a~1d、2a~2g、3a~3f、4a~4d、5a~5e、6a~6b及び7a~7eにおける実施形態を参照して、説明する。それらのパネルは、第1パネル1の第1主面M1が第2パネル2の第2主面M2に対して30°~150°、例えば45°~135°、の角度φで配置されたロック状態をとるように構成されている。いくつかの実施形態において、
図1a~1c、2a~2d、3a~3f、4a~4d、5a~5e及び7a~7eに示すように、第1主面M1は、第2主面M2に対して本質的に垂直に、すなわち90°で、配置される。いくつかの実施形態において、
図6a及び
図6bに示すように、第1主面M1は、第2主面M2に対してそれぞれ45°及び135°の角度φで配置される。実施形態において、第1主面M1の法線N1は、第2主面M2の法線N2に対して、30°~150°、例えば45°~135°、の角度φで、例えば角度φ=90°で、配置されうる。
【0050】
ここで一般に、パネル1、2は、組立物品20に組み付けられるように構成されてもよく、当該組立物品20は、桶や棺桶などの箱、又はキッチン設備、本棚、食器棚、ワードローブ或いは引き出しなどの家具組立物品であってもよい。そのような物品20の実施形態については、
図7c~7dが参照される。
【0051】
例えば
図1a~1cに示すように、各パネル1、2は、一対の内側面1a、2a及び外側面1bと、それらの面1a、1b、2a、2b間に延在する一対のサイドエッジ面1c、1d、2c、2dと、それらの面とサイドエッジ面1c、1d、2c、2dとの間に延在する一対のサイド端面1e、1f、2e、2fとを含んでもよい。内側面1a、2aは、ロック状態で互いに隣り合って設けられてもよい。サイドエッジ面1c、1d、2c、2dは、各パネル1、2のそれぞれのエッジセクション9、9’、4、4’に設けられてもよい。ロック状態において、第2パネル2のエッジセクション4のサイドエッジ面2cは、第1パネル1の内側面1aに面してもよく、及び/又は、第1パネル1の内側面1aに設けられてもよい。好ましくは、第1パネル1のエッジセクション9とエッジセクション4とは、ロック状態において互いに隣り合うように構成されうる。第2パネルの外側面2bと第1パネルのサイドエッジ面1cとは、ロック状態において本質的に同一平面となるように構成されうる。サイドエッジ面1cは、内側面1a及び/又は外側面1bに対して本質的に垂直に配置されてもよい。
【0052】
各パネル1、2は、パーティクルボード、HDFボード、MDFボード、OSBボード、無垢木材ボード、木質繊維複合ボード又は合板ボードなどの木質繊維ベースのボードのコアを含んでもよいし、当該木質繊維ベースであってもよい。ここで一般に、
図3cに模式的に示すように、第1パネル1(第2パネル2)の木質繊維ベースのボードの木質繊維14、15の繊維配向は、第1主面M1(第2主面M2)に対して本質的に平行であってもよい。随意的に、パネルのサイドエッジ面1c、1d、2c、2d及び/又はサイド端面1e、1f、2e、2fは、境界ストリップとともに設けられてもよい。
【0053】
好ましくは、パネル1、2は本質的に均一な厚さT1、T2を有する、
図1b~1c参照。非限定的な例において、T1、T2は10mmより大きく、例えば12~18mm又は19~25mmである。より薄いパネルは、例えば、19mmを超えない厚さを有してもよく、好ましくは16mmを超えない厚さ、例えば8~19mm又は10~16mmの厚さ有してもよい。
【0054】
そのセットは、第1のもの1及び第2のもの2を互いにロックするための機械的ロック装置を備える。そのセットは、第1パネル1に、好ましくはその内側面1aに及び好ましくはエッジセクション9に、設けられた溝3を備える。そのセットは更に、溝3に設けられた挿入溝5を備え、当該挿入溝5において、別個の、好ましくは可撓性の、舌部6が配置されている。更に、そのセットは、第2パネルのエッジセクション4と、エッジセクション4に設けられた舌部溝7とを備える。
【0055】
第1主面M1は、内側面1a及び/又は外側面1bに平行であってもよく、第2主面M2は、内側面2a及び/又は外側面2bに平行であってもよい。好ましくは、第1面M1及び第2面M2は、それぞれ内側面1a及び内側面2aに沿って延びる。
【0056】
第1パネル1は、第1主面M1に垂直な第1方向Xに、及び、第2方向Yに延在してもよく、当該第2方向Yは、第1主面M1に平行であり且つサイドエッジ面1cに向かって延び、当該サイドエッジ面1cは、第1パネル1のエッジセクション9に設けられてもよい。ロック状態において、第2方向Yは、第1主面M1に沿った法線N2の投影N2’に平行であってもよい、
図6a~6b参照。φ=90°の場合、N2とN2’が一致してもよいことに留意される。第1パネル1は、第1方向X及び第2方向Yに垂直な第3方向Zにも延びてもよい。したがって、第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zは、それぞれ、面1a、1b間、サイドエッジ面1c、1d間、及びサイド端面1e、1f間に延びるベクトルに平行であってもよい。
【0057】
別個の舌部6は、第1方向Xにおいて第1パネル1と第2パネル2とを互いにロックするために舌部溝7と協働するように構成される。更に、エッジセクション4は、第1パネル1と第2パネル2とを第2方向Yに互いにロックするために溝3と協働するように構成される。
【0058】
パネル1、2は、第1主面M1が第2主面M2に対して30°~150°の角度φ、例えば本質的に90°で、配置される場合に、パネルの相対的な本質的に直線的な変位、好ましくは第1方向Xに沿う変位、によって互いにロックされるように構成されうる。
【0059】
溝3は、底部3aと、第1方向Xに沿って底部3aの外側に設けられた主溝部3bとを含んでもよい。底部3aは、第1方向Xに沿って挿入溝5の開口部5aの内側に配置されてもよい。少なくとも主溝部3bの部分は、第2方向Yに沿って底部3aよりも幅広であってもよい。主溝部3bは、開口セクション3c及び内側セクション10aを含む。溝3の開口3cは、好ましくは、主溝部3bの内側セクション10aよりも幅広い。例えば
図1a~1b、
図2c、
図3c、
図3e~3f、
図4c、
図5c、
図5e及び
図6a~6bに示すように、底部3aは、好ましくは断面側面図で見られるように、第1方向Xに沿って延びる底部溝3aの中心線CXに沿って、非対称であってもよい。
【0060】
エッジセクション4は、第1エッジ部4a及び第2エッジ部4bを備えてもよく、第2エッジ部4bは、ロック状態において主溝部3bと、好ましくは内側セクション10aと、協働するように構成される。第2パネル2に関し、第1エッジ部4aは、第1方向Xに沿って第2エッジ部4bの外側に配置されてもよい。ロック状態において、第1パネル1に関し、第1エッジ部4aは、第1方向Xに沿って開口部5aの内側に配置されてもよい。更に、第2パネル2に関し、第1エッジ部4aは、好ましくは、第1方向Xに沿って外側に移動するテーパー状である。それにより、第1エッジ部4aは、溝3の(下方に導入される)隆起部8を収容するための凹部4eを含んでもよい。好ましくは、ロック状態においても、第1エッジ部4aは中心線CXに沿って非対称である。エッジセクション4は、好ましくは外側面2bにおいて、ロック状態でエッジセクション9のリップ部9aを収容するように構成された窪み部4fを含んでいてもよい。リップ部9aは、第2方向Yに沿って溝3の外側に設けられていてもよい。リップ部9aは、第1方向Xに沿って挿入溝5を越えて内側面1aに向かう方向に延びていてもよく、好ましくは内側面1a及び/又は第1主面M1まで延びる。それにより、サイドエッジ面1cは、挿入溝5を越えて、好ましくは内側面1aまで、延びてもよい。
【0061】
好ましくは、少なくとも主溝部3bの内側セクション10aは、第2方向Yに沿って本質的に一定の幅WGを有する。代替的に、又は好ましくは追加的に、少なくとも第2エッジ部4bのセクション10bは、ロック状態で定められるように、好ましくは第2方向Yに沿って、本質的に一定の幅WEを有する。内側セクション10a及び/又はセクション10bの一定の幅WG及び/又はWEは、第1方向Xに沿って延びてもよく、例えば溝3の深さD(更に後述する)の少なくとも5%又は少なくとも10%に、例えば深さの5~40%に、例えば深さの10~30%に、対応する。ロック状態において、内側セクション10a及びセクション10bは、第1方向Xに沿って挿入溝5の内側に設けられてもよい。
【0062】
溝3と第1パネル1のサイドエッジ面1cとの間の第2方向Yに沿った、好ましくは最小の、厚さU1は、第2パネル2のエッジセクション4の最小の厚さU2よりも大きくてもよい。例えば、厚さU1は、主溝部3bの内側セクション10aとサイドエッジ面1cとの間の距離であってもよい。最小厚さU2は、第2主面M2に対して、好ましくは主面M2に対して、角度αで提供される方向DAに沿って決定されてもよい、
図2d参照。U2は、例えば舌部溝7の底から窪み部4fの内面4hまで、例えばセクション10bまで又はセクション10bの内側で、測定されてもよい。例えば、キャリパー(caliper)を用いて測定が行われてもよい。好ましくは、その角度αは45°~135°である。非限定的な例において、U1はU2の少なくとも1.1倍又は少なくとも1.25倍、例えば2.0倍~3.0倍、であってもよい。代替的に、又は追加的に、比U1/T1は、ここで一般に0.35を超えてもよく、好ましくは0.35~0.60であってもよく、例えば0.44~0.55であってもよい。
【0063】
別個の舌部6は、高分子材料を含んでもよく、好ましくはガラス繊維などの補強構造体含んでもよい。更に、
図1dに概略的に示されるように、
図1a~1c、
図2a~2g、
図3a~3f、
図4a~4d、
図5a~5e、
図6a~6b及び
図7a~7eの実施形態のいずれかにおいても考えられるように、別個の舌部6は可撓性突出部6cを含んでいてもよく、当該可撓性突出部6cは、別個の舌部の横断方向Tに曲げ可能であり、例えばスナップ動作であってもよいロックの際に挿入溝5において別個の舌部を変位させてもよい。その変位は、可撓性突出部6cのバイアス力(biasing force)によって引き起こされうる。
図1dにおける別個の舌部6はブリッスル舌部(bristle tongue)と称されてもよく、当該ブリッスル舌部は、好ましくは射出成形によって形成される。別個の舌部6は、例えばWO2012/154113A1の8頁14行目~9頁3行目及び
図4a~4dに、記載されているように具体化されてもよく、WO2012/154113A1の内容は参照によりここに組み込まれる。
【0064】
挿入溝5は、第2方向Yに沿って溝3の内側壁12dに設けられてもよい。好ましくは、挿入溝5は、主面M1に対して、例えば10°~60°の角度βで、傾斜している。挿入溝5は、反対に配置された一対の内壁5a、5bを含んでもよい、例えば
図1dを参照。好ましくは、別個の舌部6は、例えば方向Lに沿って直線的に変位可能であるなどによって、挿入溝5に変位可能に挿入される。ロック中、別個の舌部6は挿入溝5内に変位してもよく、その後、挿入溝から舌部溝7内に変位してもよい。ロック中、別個の舌部6は、ロック状態において最も内側の部分12a及び/又は内側壁12dに面するように構成された第1エッジ部4aの第2先細りセグメント4dなどのエッジセクション4と、別個の舌部との間の協働によって、例えば係合によって、挿入溝内に変位してもよい。その別個の舌部は、2つの反対の変位面6a、6bを含んでもよく、当該変位面6a、6bのうちの一方又は両方は、ロック中に、内壁5a、5bに対して、好ましくは平行に、変位可能であってもよい。
【0065】
舌部溝7は、第2パネル2の内側面2aに設けられてもよい。第2パネル2に関し、舌部溝7は、好ましくは、第1方向Xに沿ってセクション10bの内側に設けられ、セクション10bは本質的に一定の幅WEを有する(
図2bの破線間の領域を参照)。いくつかの実施形態において、舌部溝7の底部は、セクション10bの内側に設けられる。舌部溝は、ロック状態において別個の舌部6と係合するように構成された舌部壁7aを含んでいてもよい。例えば、別個の舌部6は、セクション10aの外側で及び/又はセクション10bの内側で舌部溝7と係合してもよい。好ましくは、舌部壁7aは、第2主面M2に対して、例えば25°~65°の角度δだけ、傾斜している。舌部溝は、例えば主面M2に対して25°~65°の角度εで傾斜している、対向舌部壁7bを含んでもよい。例えば、舌部溝は実質的に三角形状であってもよい。
【0066】
第2パネル2は、好ましくはエッジセクション4に及び内側面2aに設けられた、取付溝10を含んでいてもよい。取付溝10は、第1方向Xに沿って舌部溝7の内側に設けられてもよい。取付溝10は、好ましくは内側壁12d及び/又は内側面1aに設けられた、第1パネル1のコーナー部11と協働するように構成されてもよく、例えばそれらの間に接合部を形成する。
【0067】
ロック状態において、第1パネル1と第2パネル2は、好ましくは、第2方向Yに沿って溝3の外側に設けられた内側面1aの少なくとも面エッジ部1gが隠れうるように、互いに接している、
図2d参照。例えば、窪み部4fのオーバーラップ部4gは、面エッジ部1gと協働、例えば係合、してもよい。
【0068】
別個の舌部6と舌部溝7との間の協働は、好ましくは取付溝10とコーナー部11との間の協働及び/又はオーバーラップ部4gと面エッジ部1gとの間の協働は、第1方向Xにおけるパネル1、2のロックを提供しうる。更に、内側セクション10aとセクション10bとの間の協働、及び随意的に取付溝10とコーナー部11との間の協働、は、第2方向Yにおけるパネル1、2のロックを提供してもよい。
【0069】
底部3aは、少なくとも第2方向Yに沿って溝3の外側セクション12に配置された隆起部8を含む。例えば、外側セクション12は、第2方向Yに沿って中心線CXの外側に設けられてもよい。底部3aは隆起部8を完全に収納してもよい。隆起部8の面積Aは、底部3aの境界に沿って延びる矩形境界領域Rの面積Bの少なくとも3%、例えば少なくとも10%又は少なくとも20%、である。例えば、面積Aは、面積Bの3~70%、例えば10~70%又は10~50%、例えば20~60%又は20~35%、であってもよい。好ましくは、面積A、Bは、第1パネル1の断面側面図において、例えば第3方向Zに沿った図において、定められる、
図2d、
図3d、
図4d及び
図5d参照。
【0070】
境界領域Rは、各々が第1主面M1に対して平行である第1平面P1及び第2平面P2によって定められてもよく、第1平面P1は、溝3の最も内側の部分12aに沿って延び、第2平面P2は、第1方向Xに沿って隆起部8の最も高い部分8bに沿って延びる。代替的に、又は好ましくは追加的に、境界領域Rは、各々が第1方向Xに沿って及び第3方向Zに沿って延びる第3平面P3及び第4平面P4によって定められてもよく、第3平面P3及び第4平面P4は、第2方向Yに沿って底部3aのそれぞれ最も外側の壁部12b、12cに沿って延びる。
【0071】
隆起部8は、少なくとも、第1平面P1と第3平面P3とによって定められうる。特に、隆起部8は、矩形境界領域R内に配置されてもよい。
【0072】
図1a~1c、
図2a~2d、
図3a~3d、
図4a~4d、
図5a~5e及び
図7a~7bに示されるような垂直に配置されたパネルに関し、境界領域Rは、各々が第2主面M2に平行である第3平面P3及び第4平面P4によって定められてもよく、第3平面P3及び第4平面P4は、第2方向Yに沿って設けられた底部3aのそれぞれ最も外側の壁部12b、12cに沿って延びる。第2主面M2が、第3方向Zと平行な軸を中心に時計回り方向に90°-φの角度だけ回転され、それによって回転された第2主面M2’がM2の代わりに得られ且つ使用されうるという条件で、同様の記述が、
図6a~6bに示されるような、30°~150°の角度φで配置されたパネルについてもなされうる。回転後、主面M1、M2’は互いに垂直に配置されてもよい。鈍角φは、負の角度による回転、すなわち反時計回り方向の正の角度φ-90°による回転、を意味することが分かる。
【0073】
隆起部8は、最も内側の部分12aに対し、第1方向Xに沿って隆起していてもよい。例えば、それは平面P1に対して隆起していてもよい。隆起部の外壁8aは、最も内側の部分12aと主溝部3bとの間に延在していてもよい。例えば
図2a、
図3a、
図3e~3f、
図5a及び
図5eに示すように、最も内側の部分12aは溝3の最も内側の壁であってもよく、例えば平面状であり、好ましくは第2方向Yに沿って延びる。代替的に、最も内側の部分12aは、例えば
図4aに示すように、好ましくは傾斜した、外壁8aの最も深いセクションであってもよい。
【0074】
隆起部8は、第1方向X及び第2方向Yに延在部を有してもよく、第2方向Yに沿って底部3aの幅WBの部分に沿って延在してもよい、
図2a、
図3a、
図4a、
図5a及び
図5e参照。例えば、隆起部8は外側セクション12のみに配置されてもよい。第2方向Yに沿った隆起部8の幅Wは、底部3aの幅WBの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%であってよい。例えば、WはWBの20~80%又は20~60%、例えば30~50%、であってもよい。更に、第1方向Xに沿った隆起部8の高さHは、溝3の深さDの5~60%、好ましくは12~50%、であってもよい。幅W及び/又は高さHは、最大幅及び/又は最大高さであってもよい。深さDは、最も内側の部分12aから第1パネルの内側面1aまでの第1方向Xに沿った距離、例えば最大距離、であってもよい。幅Wと深さDとの間の比W/Dは、0.20を超えてもよく、例えば0.20~0.60、例えば0.25~0.50であってもよい。非限定的な例において、1mm≦W≦WB、例えば2mm≦W≦5mm及び/又は1mm≦H≦4mm、である。
【0075】
面積BはWB*Hとして計算されてもよい。実質的に三角形の隆起部8については、面積Aは、W*H/2として計算されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、例えば
図4a~4dに示すように、隆起部8は、底部3aの幅WBの実質的に全体に沿って延びていてもよい。
【0077】
外壁8aは、少なくとも1つの平面セグメントを含んでもよい。外壁8aは、
図2a~2d及び
図4a~4dにおいて単一の、好ましくは傾斜した、平面セグメントを含み、
図3a~3dにおいて複数の、例えば2つ又は3つの、平面要素を含む。例えば、隆起部8は、好ましくは断面側面図で見られるように、実質的に三角形状であってもよい。傾斜した平面状の外壁8aと第2主面M2との間の角度γは、0°~80°、例えば25°~70°、であってもよい。
【0078】
図3e~3f及び5eにおいて、外壁8aは凸状セグメントを含み、
図3f及び5a~5dにおいて、外壁8aは凹状セグメントを含む。例えば
図5eおけるような凸状セグメントを含む隆起部の面積Aは、面積Bの70%までであってもよい。
【0079】
例えば
図2a~2d、
図3a~3f、
図4a~4d、
図6a~6b及び
図7a~7cに示すように、外壁8aの形状は、ロック状態において外壁に面するように構成された第1エッジ部4aの第1先細りセグメント4cの形状に実質的に対応してもよい。
【0080】
ロック状態において、隆起部8は、好ましくは底部3a全体が、エッジセクション4から少なくとも1つの空間S1、S2、S3だけ間隔が空けられてもよい、例えば
図2c、
図3c、
図4c及び
図5c参照。これらの実施形態のいずれにおいても、内側セクション10a及びセクション10bは好ましくは協働する。
【0081】
いくつかの実施形態において、エッジストリップ1hが、サイドエッジ面1cに、接着されるなどして、設けられる、
図7a~7b参照。第1例において、
図7aに示すように、第2パネルの外側面2bと、エッジストリップ1h、好ましくはエッジストリップ1hの外側面1j、とは、ロック状態において本質的に互いに同一平面にあってもよい。第2例において、
図7bに示すように、外側面2bとサイドエッジ面1cは、ロック状態において本質的に互いに同一平面にあってもよく、及び/又は、エッジストリップ1h、好ましくはエッジストリップ1hの外側面1j、は、第2方向Yに沿ってサイドエッジ面1cの外側に延びてもよい。随意的に、サイドエッジ面1d及び/又は2dも、エッジストリップ1i、2hとともに設けられてもよいが、これらは省かれてもよい。
【0082】
エッジストリップ1h、1i、2hは、エッジバンディングであってもよい。例えば、エッジストリップ1h、1i、2hは、紙、単板、又はポリプロピレン、PP、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン、ABSなどの熱可塑性ストリップを含んでもよい。その紙は、含浸されるなどしてメラミンホルムアルデヒド樹脂などの樹脂を含んでもよい。エッジストリップ1h、1i、2hの、好ましくは最大の、厚さTSは、2.0mm未満であってもよく、好ましくは0.4~1.5mmであってもよく、より好ましくは0.5~1.0mmであってもよい。エッジストリップは、接着剤によってサイドエッジ面1c、1d、2dに接着されてもよい。例えば、ホットメルト接着剤が使用されてもよいし、熱風又はレーザーによる活性化から溶融するように構成された接着剤層をエッジストリップが含んでいてもよい。例えば
図1a~1c、2a~2g、3a~3f、4a~4d、5a~5e、6a~6b及び7c~7eのいずれかにおけるように、ここに開示される実施形態のいずれかは、1つ又は複数のエッジストリップ1h、1i、2hを含んでもよい。
【0083】
例えば
図1a~1c、
図2a~2g、
図3a~3f、
図4a~4d、
図5a~5e、
図6a~6b及び
図7a~7eのいずれかにおけるように、ここでの実施形態のいずれかにおいて、挿入溝5は、第3方向Zに沿った第1パネルの長さL1の少なくとも50%に沿って、例えばその全長L1に沿って、延びていてもよい。代替的に、又は好ましくは追加的に、エッジセクション4、好ましくは舌部溝7を含むエッジセクション4、は、第3方向Zに沿った第2パネルの長さL2の少なくとも50%に沿って、例えばその全長L2に沿って、本質的に一定の断面を有してもよい。
【0084】
図1a~1c、
図2a~2g、
図3a~3f、
図4a~4d、
図5a~5e、
図6a~6b及び
図7a~7eのいずれかにおけるように、ここでの実施形態のいずれかにおいて、隆起部8は、第3方向Zに沿った溝3の長手方向長さLGの少なくとも5%、好ましくは少なくとも50%、場合によっては全体、の長さL0に沿って延びていてもよい。隆起部8を有しない長手方向長さLGの残りの部分は、面積Bの3%よりも小さい面積A’を有する盛上り部8’を含んでいてもよく、盛上り部8’は例えば存在しないようにしてもよく、
図2c、
図2f及び
図5dを参照すると、隆起部8を有しない溝3が破線3’によって外側セクション12に示されている。例えば、溝3は実質的に完全な深さを有してもよい。盛上り部8’の他の特徴は、隆起部8に関するものと同じであってもよい。例えば、面積A’は、平面P1、P2及び/又はP3、P4によって定められてもよく、
図5d参照、更に、盛上り部8’は凹状セグメントを含んでもよい。
【0085】
第1例において、溝3は第1パネルの全長L1に沿って延び、隆起部8は実質的に溝3全体に沿って延びている、
図2e参照。第2例において、溝3は第1パネルの全長L1に沿って延び、隆起部8は長さL1の20%未満に沿って、例えばサイドエッジ面1c、1dに沿った領域で、例えば一方又は両方のサイド端面1e、1fに近接して、延びる、
図2f参照。それにより、それは局所的な補強を提供しうる。第3例において、溝3は、長さL1の部分に沿って延び、それによって好ましくは1つ又は2つのサイド壁13によって定められ、隆起部8は好ましくは全長LGに沿って延びる、
図2g参照。その1又は複数のサイド壁13によって、溝3はサイド端面1e及び/又は1fにおいて隠されてもよい。エッジセクション4は、それぞれのサイド壁13を収容するための1つのキャビティ16又は2つのキャビティを含んでいてもよい、
図7e参照。
【0086】
図6A~6Bに示された実施形態は例示的なものであり、ここに記載された他の要素3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17などのいずれもがそこで使用されうることが強調される。例えば、
図2d、
図3d-3f、
図4d又は
図5d-5eのいずれかに示す拡大領域における実施形態は、
図6a又は
図6bのパネル1、2についても同様に考えられる。加えて、
図6a~6bのパネル1、2は、例えば
図7c~7dに示される実施形態に類似して、箱又は家具組立物品などの組立物品20に組み付けられるように適合されるのに適している。随意的に、その物品20は、例えばパネルの裏側溝に設けられた及び/又はそれに釘付けされた、裏側部材17を含んでいてもよい。
【0087】
開示の態様は、いくつかの実施形態を参照して主に上述された。しかしながら、当業者には容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定められる開示の範囲内において、上記に開示されたもの以外の実施形態が同様に可能である。例えば、パネルのセットは、第1パネル及び第2パネルと同様の複数のパネルを含んでいてもよく、当該複数のパネルは、第1パネル及び第2パネルと同様のやり方で組み立てられて互いにロックされてもよい。更に、ここに開示される第1パネル及び/又は第2パネルは、反対のエッジセクション9’及び/又は4’における機械的ロック装置とともに、更に設けられてもよいことが理解され、当該機械的ロック装置は、ここに記載されるエッジセクション4及び/又は9(又は9及び/又は4)に設けられる機械的ロック装置と同様である、
図7c~
図7d参照。
例
SS-EN14749:2016に従って、箱形の家具の組立ピース(assembled piece)に設けられた葉状のパーティクルボードの形態のパネル1、2のペアのサンプルの棚受けの強度がテストされた。その家具のピースは、パネル1、2のサンプルの2つのセットと、葉状HDFの3mmサンプルの裏側部材17とを含んでいた、
図7d参照。659~690kg/m
3の密度及び0.40~0.58の内部結合を有するサンプルペアR1、R2、R3、R4及びQ1、Q2、Q3、Q4と、672~688kg/m
3の密度及び0.64の内部結合を有するサンプルペアR1’、R2’、R3’及びQ1’、Q2’、Q3’とがテストされた。その内部結合はEN319でテストされた。パネル1及びパネル2のサンプルは、それぞれ、720×350mmの面寸法及び384.6×350mmの面寸法を有しており、すべてのサンプルが16mmの厚さT1、T2を有していた。パネル1のサンプルは、それらのそれぞれのエッジセクション9、9’において溝3を含み、パネル2のサンプルは、反対に配置される一対のエッジセクション4、4’を含み、各々がその主要部分から8.3mm延びていた。更に、その溝は、WB=6.15mm、D=8.5mm及びU1=9.0mmによって特徴付けられていた。各溝はサイド壁13によって区切られ、それによって溝の全深さDは一方のサイド端面1fから50mmで始まり、他方のサイド端面1eにおいて側方に開いていた、
図7e参照。溝の断面は、長手方向の全長LGに沿って一定であった。第2パネル2のサンプルのエッジセクション4、4’の断面は、一方のサイド端面2fから50mm延びるキャビティ16の位置におけるのを除いて、全長L2に沿って一定であった。
【0088】
Q1~Q4及びQ1’~Q3’の第1パネル1のサンプルは、W=3mm且つH=2mmを有する実質的に三角形状の隆起部を含み、それによって約3mm
2の面積Aを有し、底部の面積Bは約12.3mm
2であり、A/Bは24%に対応する約0.24であることが示されていた。R1~R4及びR1’~R3’のパネル1のサンプルは、
図2cにおいて破線3’で示されるもののような標準的なタイプの溝、すなわち隆起部のない溝を含んでいた。それにもかかわらず、この溝は、約1.2mmの外半径を持つ、それによって約0.31mm
2の面積A’を持つ凹状セグメントの形の盛上り部8’を含んでいた。したがって、上記と同じであった底部の面積Bと比較すると、これらの基準サンプルのA’/Bの対応値は、1%に対応する約0.01であった。
【0089】
R2、R3、R4、Q2、Q3、Q4、R1’、R2’、R3’、Q1’、Q2’及びQ3’のパネル1、2のサンプルは、それらのそのサイドエッジ面におけるエッジバンディングとともに設けられていた。エッジストリップ1hの外側面1jは、
図7bに示されるように、サイドエッジ面1cの外側に延びていた。それらの厚さTSが表1にまとめられている。R1及びQ1は、いかなるエッジバンディングも設けられていなかった。また表1は、SS-EN14749:2016にしたがって実施された各サンプルペアのテスト結果も示している。第1パネル1の基準サンプルの典型的なクラックCRが
図2cにおいて模式的に示されている。基準サンプルR1~R4と比較して、それぞれのサンプルQ1~Q4の不良率は著しく低下していたことが分かりうる。更に、サンプルQ3’はテストに合格したが、参照サンプルR3’は合格しなかった。それゆえ、隆起部を持つことで、動的な負荷に対する耐性が大幅に向上した。更に、前記耐性を提供しつつ、より薄いエッジバンディングが使用されうる。
【0090】
【0091】
実施形態
項目1 ロック状態をとるように構成される第1パネル(1)及び第2パネル(2)を備え、当該ロック状態において、前記第1パネルの第1主面(M1)が前記第2パネルの第2主面(M2)に対して30°~150°、例えば45°~135°、の角度(φ)で配置されるパネルのセットであって、
前記第1パネルに設けられる溝(3)と、
前記第2パネルのエッジセクション(4)と、
前記第1パネルの前記溝(3)に設けられる挿入溝(5)であって、別個の舌部(6)が配置される挿入溝(5)と、
前記第2パネルの前記エッジセクション(4)に設けられる舌部溝(7)を備え、
前記別個の舌部(6)は、前記第1主面(M1)に垂直な第1方向(X)において前記第1パネル(1)及び前記第2パネル(2)を互いにロックするために前記舌部溝(7)と協働するように構成され、
前記第2パネルの前記エッジセクション(4)は、前記第1主面(M1)に平行であり且つ第1パネルのサイドエッジ面(1c)に向かって延びる第2方向(Y)において前記第1パネル(1)及び前記第2パネル(2)を互いにロックするために、前記第1パネルの前記溝(3)と協働するように構成され、
前記溝(3)の底部(3a)は、少なくとも前記第2方向(Y)に沿う前記溝(3)の外側セクション(12)に配置される隆起部(8)を有し、前記隆起部(8)の面積(A)は、前記底部(3a)の境界に沿って延びる矩形の境界領域(R)の面積(B)の少なくとも3%である、
パネルのセット。
【0092】
項目2 前記隆起部(8)の前記面積(A)及び前記境界領域(R)の前記面積(B)が、前記第1パネル(1)の断面側面図において定められる、項目1に記載のセット。
【0093】
項目3 前記境界領域(R)が、
前記第1主面(M1)に平行な第1平面(P1)及び第2平面(P2)であって、前記第1平面(P1)が前記溝(3)の最も内側の部分(12a)に沿って延び、前記第2平面(P2)が前記第1方向(X)に沿って前記隆起部(8)の最も高い部分(8b)に沿って延びる、第1平面(P1)及び第2平面(P2)、及び/又は
前記第1方向(X)に沿って延び且つ前記第1方向(X)及び前記第2方向(Y)に垂直な第3方向(Z)に沿って延びる第3平面(P3)及び第4平面(P4)であって、前記第3平面(P3)及び前記第4平面(P4)が、前記第2方向(Y)に沿って前記底部(3a)のそれぞれの最も外側の壁部(12b;12c)に沿って延びる、第3平面(P3)及び第4平面(P4)
によって定められる、項目1又は2に記載のセット。
【0094】
項目4 前記溝(3)は、前記第1パネル(1)のエッジセクション(9)に設けられる、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0095】
項目5 前記第2方向(Y)に沿った前記隆起部(8)の幅(W)は、前記第2方向(Y)に沿った前記底部(3a)の幅(WB)の少なくとも20%である、好ましくは少なくとも30%である、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0096】
項目6 前記第1方向(X)に沿った前記隆起部(8)の高さ(H)は、前記溝(3)の深さ(D)の5~60%である、好ましくは12~50%である、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0097】
項目7 前記溝(3)は、前記第1方向(X)に沿って前記底部(3a)の外側に設けられる主溝部(3b)を更に備え、前記エッジセクション(4)は、第1エッジ部(4a)及び第2エッジ部(4b)を備え、前記第2エッジ部(4b)は、前記ロック状態において前記主溝部(3b)と協働するように構成される、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0098】
項目8 前記エッジセクション(4)の第1エッジ部(4a)は、前記第1方向(X)に沿って外側に移動するテーパー状である、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0099】
項目9 前記隆起部(8)の外壁(8a)は、前記溝(3)の最も内側の部分(12a)と、前記第1方向(X)に沿って前記底部(3a)の外側に設けられる主溝部(3b)との間に延びる、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0100】
項目10 前記隆起部(8)の外壁(8a)は、少なくとも1つの平面セグメントを備える、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0101】
項目11 前記隆起部(8)の外壁(8a)は、凸状セグメント及び/又は凹状セグメントを含む、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0102】
項目12 前記隆起部(8)の外壁(8a)の形状は、前記ロック状態において前記外壁に面するように構成される前記第1エッジ部(4a)の先細りセグメント(4c)の形状に実質的に対応する、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0103】
項目13 少なくとも前記溝(3)の主溝部(3b)の内側セクション(10a)は、本質的に一定の幅(WG)を有し、及び/又は、少なくとも前記エッジセクション(4)の第2エッジ部(4b)のセクション(10b)は、本質的に一定の幅(WE)を有する、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0104】
項目14 前記底部(3a)は、前記第1方向(X)に沿って延びる中心線(CX)に沿って非対称である、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0105】
項目15 前記底部(3a)及び/又は前記第1エッジ部(4a)は、前記ロック状態において、前記第1方向(X)に沿って前記挿入溝(5)の開口部(5a)の内側に配置される、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0106】
項目16 前記隆起部(8)が、好ましくは底部(3a)全体が、前記ロック状態において、前記第2パネルの前記エッジセクション(4)から少なくとも1つの空間(S1;S2;S3)だけ間隔を空けられている、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0107】
項目17 前記溝(3)と前記第1パネルのサイドエッジ面(1c)との間の前記第2方向(Y)に沿った厚さ(U1)は、前記第2パネルの前記エッジセクション(4)の最小厚さ(U2)よりも大きい、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0108】
項目18 前記第2方向(Y)に沿った前記隆起部(8)の幅(W)と前記溝(3)の深さ(D)との間の比(W/D)は、0.20を超える、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0109】
項目19 前記第1主面(M1)は、前記第2主面(M2)に対して本質的に垂直に配置される、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0110】
項目20 エッジストリップ(1h)が、前記サイドエッジ面(1c)に設けられる、先行する項目のいずれかに記載のセット。
【0111】
項目21 先行する項目1~20のいずれかに記載のパネルのセットを含む、組立物品(20)。
【国際調査報告】