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特表2024-524243ボルト増し締め装置及びそれを用いたクライミングロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ボルト増し締め装置及びそれを用いたクライミングロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20240628BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20240628BHJP
   B23P 19/06 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B25J5/00 A
B25B21/00 540Z
B23P19/06 U
B23P19/06 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579097
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2022077729
(87)【国際公開番号】W WO2022267507
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110685935.8
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121383696.2
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523479385
【氏名又は名称】国網安徽省電力有限公司
【氏名又は名称原語表記】STATE GRID ANHUI ELECTRIC POWER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 9, Huangshan Road, Baohe District Hefei, Anhui 230061(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】張金鋒
(72)【発明者】
【氏名】劉軍
(72)【発明者】
【氏名】程智余
(72)【発明者】
【氏名】孫磊
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴォン▼志文
(72)【発明者】
【氏名】孫丙宇
(72)【発明者】
【氏名】張天忠
(72)【発明者】
【氏名】汪勝和
(72)【発明者】
【氏名】羅義華
(72)【発明者】
【氏名】黄杰
(72)【発明者】
【氏名】劉大平
(72)【発明者】
【氏名】劉勇
(72)【発明者】
【氏名】劉承志
(72)【発明者】
【氏名】王道静
(72)【発明者】
【氏名】姚蘭波
(72)【発明者】
【氏名】郭興源
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS26
3C707CS08
3C707CT02
3C707DS01
3C707GS04
3C707GS16
3C707HS27
3C707HT20
3C707HT23
3C707KS29
3C707KV11
3C707NS24
3C707WA16
3C707WA18
(57)【要約】
本発明は、電力作業用クライミングロボットの技術分野に属し、具体的には、ボルト増し締め装置及びそれを用いたクライミングロボットに関する。ボルト増し締め装置は、延長アームと、延長アームに固定された作業ヘッドとを含み、前記延長アームは、本体に固定される底部フレームを含み、底部フレームには、作業ヘッドが回転動作を行うように駆動するための回転アセンブリと作業ヘッドが定点操作を行うように駆動するための平面変位アセンブリとが取り付けられる。該ボルト増し締め装置は、現在の従来型番のクライミングロボットの本体に取り付け可能であり、手作業に代わり、高精度と高効率の高所作業のニーズを満たす。本発明は、上記ボルト増し締め装置を取り付けることにより、工事の安全性を確保した上で、高所作業時のソケットのオンライン交換機能をよりよく実現し、最終的に人力による点検のコストを大幅に削減し、点検効率を高め、送電システムの安全かつ確実な稼働を確保する好適なクライミングロボットを提供することをもう1つの目的とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
延長アーム(11)と、延長アーム(11)に固定された作業ヘッド(12)とを含むボルト増し締め装置であって、
前記延長アーム(11)は、本体(30)に固定される底部フレーム(111)を含み、底部フレーム(111)には、作業ヘッド(12)が回転動作を行うように駆動するための回転アセンブリ(112)と、作業ヘッド(12)が定点操作を行うように駆動するための平面変位アセンブリとが取り付けられ、
回転アセンブリ(112)は、底部フレーム(111)に回転動作を行うことができる回転ベース(112a)を含み、回転ベース(112a)の回転軸線が山形鋼主材の長さ方向に垂直であり、且つ、前記回転軸線は、山形鋼主材の稜線が位置する、山形鋼主材の対称面に位置し、回転ベース(112a)は、回転動力源によって駆動されて指定動作を行い、
平面変位アセンブリは、変位方向が互いに直交するX軸変位機構(113)及びY軸変位機構(114)を含み、前記X軸変位機構(113)は、X軸フレーム(113a)と、X軸フレーム(113a)の長さ方向に沿って往復直線運動をすることができるX軸可動ブロック(113b)とを含み、X軸可動ブロック(113b)の運動方向と回転ベース(112a)の回転軸線との間には45度の夾角が形成され、且つ前記夾角の開口が山形鋼主材に向いており、前記Y軸変位機構(114)は、Y軸フレーム(114a)と、Y軸フレーム(114a)の長さ方向に沿って往復直線運動をすることができるY軸可動ブロック(114b)とを含み、Y軸フレーム(114a)とX軸可動ブロック(113b)は互いに固着され、
作業ヘッド(12)は、打撃ベース(12a)と、打撃ベース(12a)の先端に取り付けられソケットを位置決めして回転させるための打撃アンカーロッド(12b)とを含み、前記打撃アンカーロッド(12b)の先端の外部輪郭がソケットにおける予め設置された着脱用孔の形状輪郭に対応し、且つ、打撃アンカーロッド(12b)の先端と着脱用孔とは着脱可能な弾性係合関係又は螺合関係を有し、前記打撃ベース(12a)は、Y軸可動ブロック(114b)に固定され、且つ、打撃ベース(12a)内に打撃モータ(12d)が配置されることにより、打撃アンカーロッド(12b)が駆動されてソケットの軸線回りの回転動作を行う、ことを特徴とするボルト増し締め装置。
【請求項2】
前記打撃アンカーロッド(12b)の先端は、着脱用孔の形状に対応する四角柱形状であり、前記先端の側壁に位置決めピン孔が凹設され、位置決めピン孔内に打撃アンカーロッド(12b)の径方向に沿って弾性伸縮動作を行うことができる弾性ピン(12c)が配置されることにより、着脱用孔の孔壁におけるノッチと弾性係合される、ことを特徴とする請求項1に記載のボルト増し締め装置。
【請求項3】
X軸フレーム(113a)にはX軸リードスクリュー(113c)が回転可能に係合され、X軸リードスクリュー(113c)にはX軸可動ブロック(113b)が螺合され、Y軸フレーム(114a)にはY軸リードスクリュー(114c)が回転可能に係合され、Y軸リードスクリュー(114c)にはY軸可動ブロック(114b)が螺合され、X軸リードスクリュー(113c)とY軸リードスクリュー(114c)はそれぞれ1組の同期モータ(115)によって駆動されて対応する回転動作を行う、ことを特徴とする請求項2に記載のボルト増し締め装置。
【請求項4】
前記回転動力源は、回転モータ(112b)であり、回転ベース(112a)は、底部フレーム(111)における位置決めホルダに回転可能に係合され、ウォームホィールによって回転モータ(112b)の出力軸におけるウォームと動力伝達可能に係合する、ことを特徴とする請求項2に記載のボルト増し締め装置。
【請求項5】
クライミングロボットであって、請求項1~4のいずれか1項に記載のボルト増し締め装置を含み、本体(30)と、本体(30)に駆動されて山形鋼主材に沿って昇降動作を行う走行部(40)とをさらに含み、
前記本体(30)には、作業ヘッド(12)との間での高所ソケット交換操作を容易にするソケット交換補助箱がさらに配置され、ソケット交換補助箱とボルト増し締め装置とはいずれも本体(30)の先端に固定され、前記ソケット交換補助箱は、箱本体(21)を含み、箱本体(21)には、単一のソケットを入れることができる収容孔(211)が設けられ、収容孔(211)は、2組以上であり、且つ所定の方向に沿って順に配置され、前記ソケット交換補助箱は、長さ方向が収容孔(211)の径方向と平行するアンロックプルロッド(22)をさらに含み、箱本体(21)は、収容孔(211)の横に、収容孔(211)に連通するガイドキャビティ又はガイドレールが設けられ、アンロックプルロッド(22)は、ガイドキャビティ内又はガイドレールに位置することにより、収容孔(211)の配置方向に沿った往復走行動作を行うことができ、前記ソケット交換補助箱は、アンロックプルロッド(22)が前記往復走行動作を行うように駆動するための動力源(23)をさらに含み、収容孔(211)の孔キャビティに向かうアンロックプルロッド(22)の一側には位置制限突起が凸設され、位置制限突起は、収容孔(211)の孔キャビティ内に挿入され、ソケットにおける予め設置された位置決め凹部と、ソケットの上がり動作を制限するようなさねはぎ構造を形成して係合され、アンロックプルロッド(22)が往復走行動作を行う場合、同時に1組の位置制限突起及びそれに対応する位置決め凹部のみが互いに離脱することができ、これにより、前記位置決め凹部に対応するソケットをロック解除することができる、ことを特徴とするクライミングロボット。
【請求項6】
前記箱本体(21)は、長方形ブロック状であり、収容孔(211)は、箱本体(21)の長さ方向に沿って順に均一に分布され、前記アンロックプルロッド(22)は、長方形ロッド状であり、且つアンロックプルロッド(22)のロッド本体は、収容孔(211)の孔キャビティと重なる部分があり、アンロックプルロッド(22)には、各ソケットに対応してソケットの上り経路の形成を可能にするための逃がし円弧溝(22a)が配置され、アンロックプルロッド(22)のロッド長さ方向に沿って隣接する各逃がし円弧溝(22a)同士の間の領域には前記位置制限突起が形成され、且つ各位置制限突起の幅が順に増大又は順に減少することにより、同時に1組の位置制限突起及びそれに対応する位置決め凹部のみが互いに離脱できることを確保する、ことを特徴とする請求項5に記載のクライミングロボット。
【請求項7】
前記箱本体(21)は、長方形箱状の筐体(21a)と、筐体(21a)内に配置される取付基板(21b)とを含み、前記取付基板(21b)は、筐体(21a)のキャビティを上部キャビティと下部キャビティとに仕切るように水平に配置され、筐体(21a)の蓋には取付孔が貫通して配置され、前記取付孔の孔壁が収容孔(211)の孔壁を構成し、取付基板(21b)の上板面が収容孔(211)の底部を構成し、このようにザグリ状の収容孔(211)が形成され、アンロックプルロッド(22)は、上部キャビティ内に延びるとともに各収容孔(211)内の対応するソケットとさねはぎ構造を形成して係合される、ことを特徴とする請求項6に記載のクライミングロボット。
【請求項8】
前記動力源(23)は電動プッシュロッドであり、動力源(23)は取付基板(21b)の下板面に固定され、動力源(23)の伸縮軸とアンロックプルロッド(22)の動力端は接続ブロック(24)を介して互いに固着される、ことを特徴とする請求項7に記載のクライミングロボット。
【請求項9】
前記箱本体(21)は、円柱状であり、収容孔(211)は、箱本体(21)の周方向に沿って順に均一に分布され、前記アンロックプルロッド(22)は、C字形ロッド状又は円環ロッド状であり、且つアンロックプルロッド(22)のロッド本体は、収容孔(211)の孔キャビティと重なる部分があり、アンロックプルロッド(22)の内ロッド面に各ソケットに対応してソケットの上り経路の形成を可能にするための逃がし円弧溝(22a)が配置され、アンロックプルロッド(22)の周方向に沿って隣接する各逃がし円弧溝(22a)同士の間の領域には前記位置制限突起が形成され、且つ各位置制限突起の幅が順に増大又は順に減少することにより、同時に1組の位置制限突起及びそれに対応する位置決め凹部のみが互いに離脱できることを確保する、ことを特徴とする請求項5に記載のクライミングロボット。
【請求項10】
前記アンロックプルロッド(22)には、感知点(22b)が配置され、前記感知点(22b)の数はソケットの数に一致し、感知点(22b)同士の間の距離は隣接するソケットの間隔に等しく、感知点(22b)の位置をモニタリングするための光電スイッチ(25)は箱本体(21)内に配置され、且つ光電スイッチ(25)の感知面は感知点(22b)の変位経路上に位置する、ことを特徴とする請求項5に記載のクライミングロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力作業用クライミングロボットの技術分野に属し、具体的には、ボルト増し締め装置及びそれを用いたクライミングロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
電力の安定性及び安全性は、各産業の発展を促進するための基本的な保証となる。中国では、図16に示すような送電用山形鋼鉄塔は、数が多く、分布が広く、且つ長期間にわたって野外環境ひいては埃っぽい強風かつ高湿度の過酷な環境に曝される。よって、後続の点検・保守の過程において、保守担当者は、高所作業を行い、送電用山形鋼鉄塔の接続ボルトを増し締めし安定させる必要がある。この場合、リスク係数が高く作業負荷が大きいだけでなく、高所滞在時間が長いため、作業者の体力の過度な消耗を引き起こしやすく、さらに、作業者の健康へ悪影響を及ぼすと共に、保守方法の効率が明らかに非常に低くなる。近年、この分野では、高所環境でのボルト増し締め作業のニーズを満たすことができる、送電用山形鋼鉄塔用又は他の高所作業用のクライミングロボットの開発は、早急に解決すべき課題だと言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来技術の欠点を克服し、現在の従来型番のクライミングロボットの本体に取り付け可能で、手作業に取って代わり、高精度かつ高効率という高所作業ニーズを満たすボルト増し締め装置を提供することを目的とする。本発明は、上記ボルト増し締め装置が取り付けられることにより、施工の安全性を確保した上で、高所作業時のソケットのオンライン交換機能をよりよく実現し、最終的に人力による点検のコストを大幅に削減し、点検効率を高め、送電システムの安全かつ確実な稼働を確保する好適なクライミングロボットを提供することをもう1つの目的とする。
【0004】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的解決手段を採用する。
【0005】
ボルト増し締め装置であって、延長アームと、延長アームに固定された作業ヘッドとを含み、前記延長アームは、本体に固定される底部フレームを含み、底部フレームには、作業ヘッドが回転動作を行うように駆動するための回転アセンブリと作業ヘッドが定点操作を行うように駆動するための平面変位アセンブリとが取り付けられ、
回転アセンブリは、底部フレームに回転動作を行うことができる回転ベースを含み、回転ベースの回転軸線が山形鋼主材の長さ方向に垂直であり、且つ該回転軸線は、山形鋼主材の稜線の位置する、山形鋼主材の対称面に位置し、回転ベースが回転動力源によって駆動されて指定動作を行い、
平面変位アセンブリは、変位方向が互いに直交するX軸変位機構及びY軸変位機構を含み、前記X軸変位機構は、X軸フレームと、X軸フレームの長さ方向に沿って往復直線運動をすることができるX軸可動ブロックとを含み、X軸可動ブロックの運動方向と回転ベースの回転軸線との間には45度の夾角が形成され、且つ該夾角の開口が山形鋼主材に向いており、前記Y軸変位機構は、Y軸フレームと、Y軸フレームの長さ方向に沿って往復直線運動をするY軸可動ブロックとを含み、Y軸フレームとX軸可動ブロックは互いに固着され、
作業ヘッドは、打撃ベースと、打撃ベースの先端に取り付けられソケットを位置決めして回転させるための打撃アンカーロッドとを含み、前記打撃アンカーロッドの先端の外部輪郭がソケットにおける予め設置された着脱用孔の形状輪郭に対応し、且つ、打撃アンカーロッドの先端と着脱用孔とは着脱可能な弾性係合関係又は螺合関係を有し、前記打撃ベースは、Y軸可動ブロックに固定され、且つ、打撃ベース内には打撃モータが配置されることにより、打撃アンカーロッドが駆動されてソケットの軸線回りの回転動作を行う、ことを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記打撃アンカーロッドの先端は、着脱用孔の外形に対応する四角柱形状であり、該先端の側壁に位置決めピン孔が凹設され、位置決めピン孔内に打撃アンカーロッドの径方向に沿って弾性伸縮動作を行うことができる弾性ピンが配置されることにより、着脱用孔の孔壁におけるノッチと弾性係合される。
【0007】
好ましくは、X軸フレームにX軸リードスクリューが回転可能に係合され、X軸リードスクリューにはX軸可動ブロックが螺合され、Y軸フレームにはY軸リードスクリューが回転可能に係合され、Y軸リードスクリューにはY軸可動ブロックが螺合され、X軸リードスクリューとY軸リードスクリューはそれぞれ1組の同期モータによって駆動されて対応する回転動作を行う。
【0008】
好ましくは、前記回転動力源は、回転モータであり、回転ベースは、底部フレームにおける位置決めホルダに回転可能に係合され、且つウォームホィールによって回転モータの出力軸におけるウォームと動力伝達可能に係合する。
【0009】
好ましくは、前記ボルト増し締め装置を用いたクライミングロボットは、本体と、本体に駆動されて山形鋼主材に沿って昇降動作を行う走行部とを含み、前記本体には、作業ヘッドとの間での高所ソケット交換操作を容易にするソケット交換補助箱がさらに配置され、且つソケット交換補助箱とボルト増し締め装置とはいずれも本体の先端に固定され、前記ソケット交換補助箱は、箱本体を含み、箱本体には、単一のソケットを入れることができる収容孔が設けられ、収容孔は、2組以上であり、且つ所定の方向に沿って順に配置され、該ソケット交換補助箱は、長さ方向が収容孔の径方向と平行するアンロックプルロッドをさらに含み、箱本体は、収容孔の横に、収容孔に連通するガイドキャビティ又はガイドレールが設けられ、アンロックプルロッドは、ガイドキャビティ内又はガイドレールに位置することにより、収容孔の配置方向に沿った往復走行動作を行うことができ、該ソケット交換補助箱は、アンロックプルロッドが上記往復走行動作を行うように駆動するための動力源をさらに含み、収容孔の孔キャビティに向かうアンロックプルロッドの一側に位置制限突起が凸設され、位置制限突起は、収容孔の孔キャビティ内に挿入され、ソケットにおける予め設置された位置決め凹部と、ソケットの上がり動作を制限するようなさねはぎ構造を形成して係合され、アンロックプルロッドが往復走行動作を行う場合、同時に1組の位置制限突起及びそれに対応する位置決め凹部のみが互いに離脱することができ、これにより、該位置決め凹部に対応するソケットをロック解除することができる、ことを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記箱本体は、長方形ブロック状であり、収容孔は、箱本体の長さ方向に沿って順に均一に分布され、前記アンロックプルロッドは、長方形ロッド状であり、アンロックプルロッドのロッド本体は、収容孔の孔キャビティと重なる部分があり、アンロックプルロッドには、各ソケットに対応してソケットの上り経路の形成を可能にするための逃がし円弧溝が配置され、アンロックプルロッドのロッド長さ方向に沿って隣接する各逃がし円弧溝同士の間の領域には前記位置制限突起が形成され、且つ各位置制限突起の幅が順に増大又は順に減少することにより、同時に1組の位置制限突起及びそれに対応する位置決め凹部のみが互いに離脱できることを確保する。
【0011】
好ましくは、前記箱本体は、長方形箱状の筐体と、筐体内に配置される取付基板とを含み、前記取付基板は、筐体のキャビティを上部キャビティと下部キャビティとに仕切るように水平に配置され、筐体の蓋に取付孔が貫通して配置され、該取付孔の孔壁が収容孔の孔壁を構成し、取付基板の上板面が収容孔の底部を構成し、このようにザグリ状の収容孔が形成され、アンロックプルロッドは、上部キャビティ内に延びるとともに各収容孔内の対応するソケットとさねはぎ構造を形成して係合される。
【0012】
好ましくは、前記動力源は電動プッシュロッドであり、動力源は取付基板の下板面に固定され、動力源の伸縮軸とアンロックプルロッドの動力端は接続ブロックを介して互いに固着される。
【0013】
好ましくは、前記箱本体は、円柱状であり、収容孔は、箱本体の周方向に沿って順に均一に分布され、前記アンロックプルロッドは、C字形ロッド状又は円環ロッド状であり、アンロックプルロッドのロッド本体は、収容孔の孔キャビティと重なる部分があり、アンロックプルロッドの内ロッド面には、各ソケットに対応してソケットの上り経路の形成を可能にするための逃がし円弧溝が配置され、アンロックプルロッドの周方向に沿って隣接する各逃がし円弧溝同士の間の領域には前記位置制限突起が形成され、且つ各位置制限突起の幅が順に増大又は順に減少することにより、同時に1組の位置制限突起及びそれに対応する位置決め凹部のみが互いに離脱できることを確保する。
【0014】
好ましくは、前記アンロックプルロッドには感知点が配置され、前記感知点の数はソケットの数に一致し、感知点同士の間の距離は隣接するソケットの間隔に等しく、感知点の位置をモニタリングするための光電スイッチは箱本体内に配置され、且つ光電スイッチの感知面は感知点の変位経路上に位置する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0016】
1)送電用山形鋼鉄塔におけるボルトの数が多く、型番も様々であることが現状であるため、ソケットのオンライン交換操作の実現が困難であることは明らかである。例えば、毎回異なる型番のソケットを有したクライミングロボットを使用すると、明らかに、コストパフォーマンスは日常のニーズを満たすことができない。
【0017】
これに鑑みて、本発明は、現在の従来型番のクライミングロボットの本体に取り付け可能なボルト増し締め装置を提供し、これにより、回転アセンブリと平面変位アセンブリとの協働によって作業ヘッドの位置決めをすることができ、さらに、作業ヘッドに位置する打撃モータによって任意の位置のボルト増し締め機能を実現することができ、また、ボルトの型番を変更するたびに、作業ヘッドの打撃アンカーロッドに設けられたソケットをオンラインで交換することにより、利便性及び効率向上の作業目的を容易に達成することができる。なお、回転アセンブリの回転軸線を山形鋼主材の稜線の位置する、山形鋼主材の対称面に位置させる必要がある。このように、回転軸線と45°の角をなすX軸変位機構が常に山形鋼主材の一方の外壁の壁面に沿って水平に移動することを確保することができ、さらに、Y軸変位機構は、作業ヘッドの増し締めすべきボルトに対して接近及び離間する動作を可能にし、よって、その操作性及び作業の正確性はいずれも効果的に確保される。
【0018】
明らかに、上述したように、本発明によれば、1つの機器を多目的に使用することができるため、様々な送電用山形鋼鉄塔のボルト増し締めの場合に適用し、一方、延長アームの駆動によって、作業ヘッドの定点動作が極めて正確で確実になるため、手作業を代替することができると共に、高精度と高効率の高所作業ニーズを満たすことができる。
【0019】
2)本発明は、上記ボルト増し締め装置が取り付けられることにより、施工の安全性を確保した上で、高所作業時のソケットのオンライン交換機能をよりよく実現し、最終的に人力による点検のコストを大幅に削減し、点検効率を高め、送電システムの安全かつ確実な稼働を確保する好適なクライミングロボットを提供することをもう1つの目的とする。
【0020】
具体的には、送電用山形鋼鉄塔の特殊な高所遠隔制御操作環境を考慮に入れると、高所から不意の落下物が非常に危険であるため、作業の安全性が最優先される。作業ヘッドの上記着脱可能な構造を採用し、地上に組み立てる場合、安全性が確保されるが、作業効率を最大化することができない。本発明では、地上での組立方式を廃止し、ユニークな高所組立構造を採用し、収容孔内のソケットに対するアンロックプルロッドのロック特性を利用して、同時にちょうど作業ヘッドに必要なソケット型番となる1組のソケットのみをロック解除できることを確保する。このように、本発明では、実際の作業時に、従来のクライミングロボットに完全に適用することができ、着脱可能な作業ヘッドと組み合わせることにより、工事の安全性を確保した上で、高所作業時のソケットのオンライン交換機能を実現し、作業効率も最大化することができる。
【0021】
3)実際に組み立てる時、アンロックプルロッドはスプリングボルトと見なすことができ、スプリングボルトとソケットの位置決め凹部との間のロック及びアンロック動作により、所定の収容孔内のソケットの出し入れの目的を達成する。上記思想に基づいて、本発明は以下の2つの具体的な実施形態を提供する。
【0022】
第一に、箱本体は長方形であり、長方形ロッド状のアンロックプルロッドと組み合わせられ、作業時に、アンロックプルロッドをロッド長さ方向に沿って直線的に引っ張られる動作により、アンロックプルロッドにおける位置制限突起及び逃がし円弧溝の位置決め凹部に対するロック及びアンロック動作を実現する。直線運動するアンロックプルロッドを採用する場合、動力源としては、リニアモータ又は電動プッシュロッドなどのリニアストローク動力部品を採用することができ、これにより、アンロックプルロッドに対するオンライン駆動機能を実現することができる。
【0023】
第二に、箱本体は円柱状であり、C字形ロッド状又は円環ロッド状のアンロックプルロッドと組み合わせられ、作業時、アンロックプルロッドの箱本体の周方向に沿って回転する動作により、アンロックプルロッドにおける位置制限突起及び逃がし円弧溝の位置決め凹部に対するロック及びアンロック動作を実現する。アンロックプルロッドが箱本体の周方向に沿って回転する時、アンロックプルロッドと同軸の回転モータを用いてアンロックプルロッドを直接駆動してもよいし、アンロックプルロッドのロッド側にラックを配置して、回転モータにおける駆動歯車と噛み合わせてもよい。例えばサーボなどのスイングアームモータを採用する場合、ヒンジ連結手段を直接使用して動力伝達の目的を達成することができ、ここでは説明を省略する。
【0024】
4)実際に作動する時、高所遠隔操作作業であるため、本発明に感知部材を追加する必要があり、それにより、アンロックプルロッドの位置に対するオンライン感知効果を奏し、現在、どのソケットがアンロック状態にあるかを明確にする。本発明では、感知点と光電スイッチとを組み合わせる方法を採用し、その構造が簡単で明らかであるとともに、よりコンパクトで合理的になり、高所作業環境での使用に適している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ボルト増し締め装置の組立模式図である。
図2】ボルト増し締め装置の構造模式図である。
図3】回転アセンブリの構造を模式的に示す斜視図である。
図4図3に示す構造の組立分解図である。
図5】X軸変位アセンブリの構造を模式的に示す斜視図である。
図6図5に示す構造の組立分解図である。
図7】Y軸変位アセンブリと作業ヘッドの組み立てを模式的に示す斜視図である。
図8図7に示す構造の組立分解図である。
図9】作業ヘッドの組立分解図である。
図10】ソケット交換補助箱の作業状態図である。
図11図10に示す構成から筐体を取り外した正面図である。
図12図11の平面図である。
図13図11の斜視図である。
図14】アンロックプルロッドの動作フローチャートである。
図15】アンロックプルロッドの動作フローチャートである。
図16】送電用山形鋼鉄塔の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、理解を容易にするために、図1図16を参照しながら、本発明のクライミングロボットの具体的な構造及び動作方法についてさらに説明する。
【0027】
本発明のクライミングロボットの具体的な構造は、図2に示すように、主に、走行部40を有する本体30と、本体30にある作業キットとを含む。本体は、作業キットの載置本体として機能し、図16に示すような送電用山形鋼鉄塔に対する上方への登攀機能と下方への走行機能を実現する。作業キットは、ソケット交換補助箱とボルト増し締め装置とを含む。ボルト増し締め装置は、延長アーム11と作業ヘッド12とを組み合わせてなるものであり、それにより、送電用山形鋼鉄塔の四隅に位置する山形鋼主材aのボルト及び周辺領域のボルトに対する作業キットによるオンライン増し締め機能を実現する。ソケット交換補助箱は、ボルト増し締め装置に基づく補助装置であり、送電用山形鋼鉄塔に固定するためのボルトとナットの型番が複数あるため、ボルトを増し締めする際に、異なるタイミングでソケットを交換しなければならない可能性があり、したがって、ソケット交換補助箱が設置される。
【0028】
本体について
図1は、本体30、走行部及び作業キットの組立状態を示す概略図である。図1に示すように、本体30及び走行部40としては、実際には、従来の市販されている一般的なインチワーム型ロボット又は車輪付きロボット等を採用してもよく、作業時に作業キットを取り付けるだけでその作業目的を達成することができる。勿論、必要に応じて、ソケット交換補助箱と共に使用するのではなく、ボルト増し締め装置のみを取り付けてもよいが、この場合、ソケットを交換しようとするたびに、地上に着脱する必要があり、ソケット交換補助箱と共に使用する場合よりも効率が低くなる。
【0029】
ボルト増し締め装置について
図2図9は、ボルト増し締め装置の構造模式図であり、各図に示すように、ボルト増し締め装置は、順に組み立てられた底部フレーム111、回転アセンブリ112、平面変位アセンブリ、及び作業ヘッド12を含む。
【0030】
底部フレーム111は、図2に示すように、回転アセンブリ112と本体30の先端とを接続するための一般的な固定フレーム構造体であり、ここでは説明を省略する。回転アセンブリ112は、図2図3に示すように、ウォームギアを利用して回転モータ112bから回転ベース112aまでの動力伝達を実現し、それにより、当該山形鋼主材の稜線の位置する、山形鋼主材の対称面における回転ベース112aの回転を実現する。言い換えれば、回転アセンブリ112のみが動作し始める時に、作業ヘッド12の山形鋼主材の左側における振れ角度と山形鋼主材の右側における振れ角度は一致し、これにより、基準位置決めを実現し、後続の作業ヘッドの定点でのボルトの増し締めに基本的な保障を提供する。
【0031】
上記構造に基づいて、本発明はまた、図5図8に示すように、X軸変位機構113とY軸変位機構114とを組み合わせてなる平面変位アセンブリが配置される。X軸変位機構113及びY軸変位機構114は、それぞれ対応する同期モータ115によって駆動される。
【0032】
組立時に、X軸変位機構113は、X軸フレーム113aと、X軸フレーム113aに回転可能に嵌合されたX軸リードスクリュー113cとを含み、X軸リードスクリュー113cにX軸可動ブロック113bがさらに配置されることにより、X軸可動ブロック113bは、回転ベース112aの回転軸線と45°の角をなす方向に沿って直線的に伸縮運動することができる。山形鋼主材が90°山形鋼であり、回転ベース112aの回転軸線は、山形鋼主材の稜線の位置する、山形鋼主材の対称面に位置するため、X軸可動ブロック113bの軸線の運動方向は、山形鋼主材の一方の側壁と実質的に平行であり、したがって、ボルトに対する作業ヘッド12の正確な位置決めを確保するとともに、作業ヘッド12が動作した際に山形鋼主材と干渉しないことを確保し、即ち、一挙両得である。Y軸変位機構114は、X軸変位機構113と同様に、対応するY軸フレーム114a、Y軸リードスクリュー114c、及びY軸可動ブロック114bを含み、Y軸フレーム114aは、X軸可動ブロック113bに固定されることにより、Y軸可動ブロック114bに固定された打撃ベース12aの直進動作を確保する。
【0033】
作業ヘッド12は、図8図9に示すように、実際には、同軸に配置された打撃モータ12dと、打撃モータ12dの出力軸に位置する打撃アンカーロッド12bとによって、打撃アンカーロッド12bに固定されたソケットのオンライン回転動作を実現する。ソケットレンチのように、ソケットbの回転動作により、ソケットキャビティ内のボルトを増し締めさせる。毎回ボルトに対してソケットを挿抜する際に、Y軸変位機構114によって実現してもよく、毎回ソケットとボルトとの相対位置を正確に位置決めする際に、回転アセンブリ112とX軸変位機構113の協働によって実現してもよい。
【0034】
ソケット交換補助箱について
図10図15は、ソケット交換補助箱の具体的な一実施例の構造模式図であり、即ち、箱本体21が直方体である場合の具体的な実施構造体を示す図である。図10図15に示すように、箱本体21は、中空キャビティを有する筐体21aを備え、筐体21aのキャビティ内に水平板状の取付基板21bを配置することにより、筐体21aのキャビティを上部キャビティと下部キャビティという2つの部分に分ける。図10に示すように、筐体21aの蓋に3つの収容孔211が貫通して配置され、3つの収容孔211は、それぞれM16ソケット、M18ソケット、M20ソケットに対応する。各ソケットは、いずれも外壁において各ソケットと同軸に位置決め凹部b1が凹設される。筐体21aの内部には、上部キャビティにおける収容孔211と連通する長尺状のガイドキャビティが形成される。アンロックプルロッド22は、ガイドキャビティ内を移動し、アンロックプルロッド22の収容孔211内に挿入される部分は、図12及び図14図15に示すように、片側が突出した四角形の鋸歯状を呈し、即ち、位置制限突起が形成されている。言い換えれば、アンロックプルロッド22の収容孔211内に挿入される部分は、図12及び図14図15に示すように、一側が凹んで等脚台形状の逃がし円弧溝22aが形成され、隣接する逃がし円弧溝22aの間には上記位置制限突起が形成される。アンロックプルロッド22の収容孔211から延出する部分の末端、即ち、動力端は、接続ブロック24を介して動力源23の伸縮軸に固定され、動力源23は、電動プッシュロッドである。電動プッシュロッドは、取付基板21bの下面に固定され、電動プッシュロッドの出力に伴い、伸縮軸が水平移動してアンロックプルロッド22を水平移動させる。
【0035】
図12に示すように、アンロックプルロッド22の他側には、等間隔に配置された3つの突出した四角形の鋸歯がさらに配置されて感知点22bとなり、3つの突出した感知点22bは、それぞれ光電スイッチ25に接触することができる。電動プッシュロッドの出力が停止すると、アンロックプルロッド22が停止し、感知点22bにより光電スイッチ25を動作させることによって現在のアンロックプルロッド22の位置を検知することができる。
【0036】
電動プッシュロッドが最小位置まで収縮すると、アンロックプルロッド22の一側がいずれもソケットの位置決め凹部b1に係止され、全てのソケットの移動を制限する。
【0037】
図11図13に示すように、アンロックプルロッド22が最初に停止する時、M20ソケットはアンロックプルロッド22の最も右側の逃がし円弧溝22aに対応し、アンロックプルロッド22はM20ソケットに対して制限作用を発揮せず、M20ソケットを取り出すことができ、残りの2つのソケットは、アンロックプルロッド22の直辺(位置制限突起)に対応する。同様に、図14図15に示すように、M16ソケット、M18ソケットは順にロックを解除することができ、これにより、同時に1つのソケットのみがロックを解除して取り出されることができることを確保する。
【0038】
ボルトの増し締めが必要となる場合、まず、使用状況に応じて、必要なソケットbをロック解除し、その後、延長アーム11の作業ヘッド12をソケットbの後部の着脱用孔b2に合わせて、ゆっくりと回転させながら着脱用孔b2内に挿入する。作業ヘッド12の側面には弾性ピン12cが設けられ、着脱用孔b2の孔壁にはノッチが凹設され、弾性ピン12cがノッチに挿入された後、作業ヘッド12の回転移動を停止し、延長アーム11により作業ヘッド12を駆動して現在のソケットbを箱本体21の収容孔211から離脱させ、作業を行う。
【0039】
使用済みのソケットを戻した時、延長アームにより作業ヘッドを駆動してそれに設けられたソケットを箱本体21の対応する収容孔211に合わせる。アンロックプルロッド22は、対応する逃がし円弧溝22aの位置が上記対応する収容孔211の位置と一致して収納経路を空けるまで移動する。ソケットを収納経路に沿って対応する収容孔211に挿入した後、対応する収容孔211が再びロックされるまでアンロックプルロッド22を移動させる。
【0040】
もちろん、当業者であれば、本発明は上記例示的な実施例の細部に限定されず、本発明の精神又は基本的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で実現できる同一又は類似の構成も含む。したがって、実施形態は、全ての点において、例示的であり、限定的ではないものとして考慮されるべきであり、本発明の範囲は、上記説明ではなく、添付の特許請求の範囲により限定され、従って、特許請求の範囲の等価物の意味と範囲内にある全ての変更は、本発明内に包含されることが意図される。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、関係する特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0041】
また、本明細書が実施形態に従って説明されるが、各実施形態が独立した技術的解決手段のみを含むわけではなく、明細書のこのような説明は単に明確にするためのものであり、当業者であれば、明細書を全体として使用すべきであり、各実施形態における技術的解決手段を適切に組み合わせて、当業者が理解できる他の実施形態を形成することもできることを理解すべきである。
【0042】
本発明の詳細に記載されていない技術、形状、構造部分は、いずれも公知技術である。
【符号の説明】
【0043】
a:山形鋼主材
b:ソケット
b1:位置決め凹部
b2:着脱用孔
11:延長アーム
111:底部フレーム
112:回転アセンブリ
112a:回転ベース
112b:回転モータ
113:X軸変位機構
113a:X軸フレーム
113b:X軸可動ブロック
113c:X軸リードスクリュー
114:Y軸変位機構
114a:Y軸フレーム
114b:Y軸可動ブロック
114c:Y軸リードスクリュー
115:同期モータ
12:作業ヘッド
12a:打撃ベース
12b:打撃アンカーロッド
12c:弾性ピン
12d:打撃モータ
21:箱本体
211:収容孔
21a:筐体
21b:取付基板
22:アンロックプルロッド
22a:逃がし円弧溝
22b:感知点
23:動力源
24:接続ブロック
25:光電スイッチ
30:本体
40:走行部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】