(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】処理装置の通信プロトコル
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20240628BHJP
G06Q 50/02 20240101ALI20240628BHJP
【FI】
A01G7/00 603
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579177
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2022067384
(87)【国際公開番号】W WO2022269053
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521508254
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ アグロ トレードマークス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】ツィース,マイク
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC01
(57)【要約】
圃場(14)を処理するための処理装置の動作データを提供するためのコンピュータ実装方法であって、処理装置は、圃場(14)を処理するための少なくとも第1の処理装置(21)及び第2の処理装置(22)を含み、方法は、少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップ、少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた第2の処理装置を選択するための選択データを提供するステップを含む、コンピュータ実装方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場上の処理装置の選択データを提供するためのコンピュータ実装方法であって、前記処理装置は、前記圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置を含み、前記方法は、
少なくとも前記第1の処理装置から、前記圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップ、
前記少なくとも1つの区画に関連付けられた前記圃場データに基づいて、前記圃場の前記少なくとも1つの区画に関連付けられた前記第2の処理装置を選択するための選択データを提供するステップ
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
選択データを提供することは、前記第1の処理装置から取得された前記圃場データに基づいて、前記圃場の前記少なくとも1つの区画を処理するための適切な第2の処理装置を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
選択データを提供することは、前記第2の処理装置に関連付けられた動作識別子を、圃場データから決定された圃場状態と照合することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
照合は、前記圃場を処理するための処理装置のサブセットの動作識別子を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
選択データを提供することは、前記区画までの距離又は動作識別子に関連するコスト関数に基づいて第2の処理装置を選択することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
選択データを提供することは、前記第1の処理装置によって提供された圃場データから決定された区画状態に基づいて第2の処理装置を選択することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記選択データは、ミッションスケジュールに基づいており、前記ミッションスケジュールは、前記圃場を処理するための前記第2の処理装置及び/又は他の処理装置の割り当て及び/又は利用可能性を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ミッションスケジュールは、開始位置、初期軌道又は軌道決定のための初期命令を含む初期動作データを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
選択データを提供することは、処理中に前記圃場を処理するために使用される第1の処理装置、第2の処理装置及び/又は更なる処理装置の数の動的調整を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記区画の少なくとも1つの圃場状態(113)は、圃場データから導出され、選択データを提供することは、前記区画の前記少なくとも1つの圃場状態(113)に基づいて選択データを決定することを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
圃場データは、前記区画について取得され、及び選択データは、前記同じ区画のために提供される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
圃場上の処理装置の選択データを提供するためのシステムであって、
前記圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
少なくとも前記第1の処理装置から、前記圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するように構成された監視又は取得ユニット、
前記少なくとも1つの区画に関連付けられた前記圃場データに基づいて、前記圃場の前記少なくとも1つの区画に関連付けられた前記第2の処理装置を選択するための選択データを提供するように構成された提供ユニット
を含むシステム。
【請求項13】
前記第1の処理装置は、第1の処理動作を行うように構成され、及び前記第2の処理装置は、第2の処理動作を行うように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
圃場上の処理装置を動作させるためのシステムであって、
前記圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
任意選択的に、クラウド環境及び/又は地上局、
圃場上の処理装置の選択データを提供するように構成された1つ以上のコンピューティング装置であって、命令を含み、前記命令は、前記1つ以上のコンピューティング装置上で実行されると、
少なくとも前記第1の処理装置から、前記圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップ、
前記少なくとも1つの区画に関連付けられた前記圃場データに基づいて、前記圃場の前記少なくとも1つの区画に関連付けられた前記第2の処理装置を選択するための選択データを提供するステップ
を実行する、1つ以上のコンピューティング装置
を含むシステム。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法若しくは請求項12~14のいずれか一項に記載のシステムにおける、処理装置(102、103、104、106、107)若しくは処理製品の使用又は少なくとも1つの処理装置(102、103、104、106、107)を動作させるための、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法によって取得された動作データの使用。
【請求項16】
命令を有するコンピュータ要素であって、1つ以上のコンピューティング装置上で実行されると、請求項12~14のいずれか一項に記載のシステムにおいて、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法の前記ステップを実施するように構成されるコンピュータ要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圃場を処理するための処理装置の選択データを提供するためのコンピュータ実装方法、圃場を処理するための処理装置の選択データを提供するためのシステム、そのような方法における使用及びコンピュータプログラム要素に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の一般的な背景は、圃場、温室などであり得る圃場における植物の処理である。栽培作物などの植物の処理は、圃場に存在する雑草の処理、圃場に存在する虫の処理又は圃場に存在する病原体の処理も含み得る。
【0003】
農業をより持続可能なものにし、且つ環境への影響を低減するために、精密農業技術が開発されている。ここで、ドローン、ロボット、スマート噴霧機などの半自動又は全自動植物処理装置は、生態学的及び経済的なルールに基づいて圃場における雑草、虫及び/又は病原体を処理するように構成され得る。ドローン又はロボットの分野における技術開発により、農家のための新たな処理スキームが可能になる。
【0004】
例えば、国際公開第2019075179A1号パンフレットは、複数の植物に対して個別管理を提供するためのシステム及び方法を開示している。例示的なシステムは、第1のドローン含む複数のドローンと、ドッキングステーションと、サーバとを含む。第1のドローンは、複数の植物のうちの第1の植物に割り当てられ、ドローンアタッチメントの複数の組み合わせに適合するように構成される。ドッキングステーションは、複数のドローンアタッチメントを含む。サーバは、複数の植物に関連するデータベースを含む。データベースは、第1の植物に関連付けられた場所情報を含む。第1のドローンは、第1の植物を複数回訪問し、第1の植物に関連付けられた植物固有の情報を収集し、1つ以上の要件に関連付けられている、植物固有の情報に基づく処方を取得し、その処方に基づいて第1の植物に対するケアを提供するように更に構成される。
【0005】
中国特許出願公開第112015200A号明細書は、農業用無人航空機グループ協調動作システムを開示している。このシステムは、2つ以上の対応する補助無人航空機に命令を送信し、また補助無人航空機から位置情報及び動作タスク状態情報を受信し、受信した位置情報及び動作タスク状態情報に従って飛行ルートを計画して動作タスクを決定し、計画された飛行ルート及び決定された動作タスクに従って命令を生成し、その命令を補助無人航空機に送信するために使用される主無人航空機を含む。(観察及び噴霧なし)
【0006】
中国特許出願公開第108983823A号明細書の発明は、植物保護UAV(無人航空機)クラスタ協調制御方法に関する。先行技術と比較して、この方法は、植物保護UAVクラスタ方法が農業害虫監視及び農薬散布の自動協調制御を達成できないという欠点を打開する。この方法は、以下のステップ:UAVクラスタの初期化と、個々のUAVのタスクの全体配置と、個々のUAVの空間全体配置と、父UAV及び子UAVの動作計画と、自由動作空間におけるUAVクラスタの探索の制御動作と、父UAVによる検出、認識及び農薬散布とを含む。この方法により、植物保護UAVクラスタの協調制御を達成し、従来の成熟した害虫画像認識方法による害虫認識後、UAVクラスタが自動農薬散布を実行することが可能になる。(観察及び噴霧なし)
【0007】
中国特許出願公開第107728642A号明細書は、無人飛行機飛行制御システムを開示している。無人飛行機飛行制御システムは、主コントローラと、実行メカニズムと、通信装置と、地上局装置とを含む。マスタ制御システムは、データ収集モジュールと、データ処理モジュールと、通信モジュールとを含む。データ収集モジュールは、様々なセンサの測定信号を収集し、且つ測定信号をデータ処理モジュールにアップロードするために使用される。データ処理モジュールは、無人飛行機飛行における様々な飛行モード上及び実行メカニズム上の管理及び制御を実行することができる。実行メカニズムは、モータ電気調整装置と噴霧装置とを含む。地上局装置は、追跡プログラミングを実行し、且つ複数の無人飛行機に対するフォーメーションを実行して、複数の無人飛行機の協調プログラミングを実行することができる。マスタコントローラは、無人飛行機の地形シミュレーション飛行制御、高信頼性耐障害制御及び自律障害物回避制御を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
圃場を処理するために処理装置を制御するための情報を提供する更なる必要性が存在することが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、圃場上の処理装置の動作データを提供するためのコンピュータ実装方法が提示され、処理装置は、圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置を含み、方法は、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップであって、取得された圃場データは、第1の処理装置及び少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態を示す、ステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、第2の処理装置のための、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するステップ
を含む。
【0010】
本開示の更なる態様では、圃場上の処理装置の動作を制御するためのコンピュータ実装方法が提示され、処理装置は、圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置を含み、方法は、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップであって、取得された圃場データは、第1の処理装置及び少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態を示す、ステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、第2の処理装置に対して、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するステップ、
提供された動作データに基づいて、第2の処理装置の動作を制御するステップ
を含む。
【0011】
本開示の更なる態様では、圃場上の処理装置の動作を管理するためのコンピュータ実装方法が提示され、処理装置は、圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置を含み、方法は、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップであって、取得された圃場データは、第1の処理装置及び少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態を示す、ステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、圃場の少なくとも1つの区画を処理するための適切な第2の処理装置を選択し、且つ適切な第2の処理装置のために及び/又は適切な第2の処理装置に対して、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するステップ、
任意選択的に、提供された動作データに基づいて、第2の処理装置の動作を制御するステップ
を含む。
【0012】
更なる態様では、圃場上の処理装置の動作データを提供するためのシステムが提示され、システムは、
圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するように構成された監視又は取得ユニットであって、取得された圃場データは、第1の処理装置及び少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態を示す、監視又は取得ユニット、
少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、第2の処理装置のための、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するように構成された提供ユニット
を含む。
【0013】
更なる態様では、圃場上の処理装置の動作を制御するためのシステムが提示され、システムは、
圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するように構成された監視ユニットであって、取得された圃場データは、第1の処理装置及び少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態を示す、監視ユニット、
少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、第2の処理装置に対して、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するように構成された提供ユニット、
提供された動作データに基づいて、第2の処理装置の動作を制御するように構成された制御ユニット
を含む。
【0014】
更なる態様では、圃場上の処理装置の動作を管理するためのシステムが提示され、システムは、
圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するように構成された監視ユニットであって、取得された圃場データは、第1の処理装置及び少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態を示す、監視ユニット、
少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、圃場の少なくとも1つの区画を処理するための適切な第2の処理装置を選択し、且つ選択された第2の処理装置のために及び/又は選択された第2の処理装置に対して、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するように構成された提供ユニット、
任意選択的に、提供された動作データに基づいて、第2の処理装置の動作を制御するように構成された制御ユニット
を含む。
【0015】
圃場上の処理装置を動作させるためのシステムであり、システムは、
圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
任意選択的に、クラウド環境及び/又は地上局、
圃場上の処理装置の動作データを提供するように構成された1つ以上のコンピューティング装置であって、命令を含み、命令は、1つ以上のコンピューティング装置上で実行されると、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップであって、取得された圃場データは、少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態を示す、ステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、第2の処理装置のための、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するステップ
を実行する、コンピューティング装置、又は
圃場上の処理装置の制御動作を提供するように構成された1つ以上のコンピューティング装置であって、命令を含み、命令は、1つ以上のコンピューティング装置上で実行されると、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップであって、取得された圃場データは、第1の処理装置及び少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態を示す、ステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、第2の処理装置に対して、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するステップ、
提供された動作データに基づいて、第2の処理装置の動作を制御するステップ
を実行する、コンピューティング装置、又は
圃場上の処理装置の動作を管理するように構成された1つ以上のコンピューティング装置であって、命令を含み、命令は、1つ以上のコンピューティング装置上で実行されると、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップであって、取得された圃場データは、第1の処理装置及び少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態を示す、ステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、圃場の少なくとも1つの区画を処理するための適切な第2の処理装置を選択し、且つ適切な第2の処理装置のために及び/又は適切な第2の処理装置に対して、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するステップ、
任意選択的に、提供された動作データに基づいて、第2の処理装置の動作を制御するステップ
を実行する、コンピューティング装置
を含む。
【0016】
別の態様では、圃場上の処理装置の選択データを提供するためのコンピュータ実装方法が提示され、処理装置は、圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置を含み、方法は、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた第2の処理装置を選択するための選択データを提供するステップ
を含む。
【0017】
別の態様では、圃場上の処理装置の動作を制御するためのコンピュータ実装方法が提示され、処理装置は、圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置を含み、方法は、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた第2の処理装置を選択するための選択データを提供するステップ、
提供された選択データに基づいて、処理装置の動作を制御するステップ
を含む。
【0018】
別の態様では、圃場上の処理装置の動作を管理するためのコンピュータ実装方法が提示され、処理装置は、圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置を含み、方法は、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画を処理するための適切な第2の処理装置を選択するための選択データを提供し、且つ適切な第2の処理装置のために及び/又は適切な第2の処理装置に対して、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するステップ、
任意選択的に、提供された選択及び動作データに基づいて、第2の処理装置の動作を制御するステップ
を含む。
【0019】
更なる態様では、圃場上の処理装置の選択データを提供するためのシステムが提示され、システムは、
圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するように構成された監視又は取得ユニット、
少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた第2の処理装置を選択するための選択データを提供するように構成された提供ユニット
を含む。
【0020】
別の態様では、圃場上の処理装置の動作を制御するためのシステムが提示され、システムは、
圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するように構成された監視又は取得ユニット、
少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた第2の処理装置を選択するための選択データを提供するように構成された提供ユニット、
提供された選択データに基づいて、処理装置の動作を制御するように構成された制御ユニット
を含む。
【0021】
別の態様では、圃場上の処理装置の動作を管理するためのシステムが提示され、システムは、
圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するように構成された監視又は取得ユニット、
少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画を処理するための適切な第2の処理装置を選択するための選択データ及び適切な第2の処理装置のための且つ/又は適切な第2の処理装置に対する、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するように構成された提供ユニット、
任意選択的に、提供された選択及び動作データに基づいて、第2の処理装置の動作を制御するように構成された制御ユニット
を含む。
【0022】
圃場上の処理装置を動作させるためのシステムであり、システムは、
圃場を処理するための少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置、
任意選択的に、クラウド環境及び/又は地上局、
圃場上の処理装置の選択データを提供するように構成された1つ以上のコンピューティング装置であって、命令を含み、命令は、1つ以上のコンピューティング装置上で実行されると、
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた第2の処理装置を選択するための選択データを提供するステップ、又は
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた第2の処理装置を選択するための選択データを提供するステップ、
提供された選択データに基づいて、処理装置の動作を制御するステップ、又は
少なくとも第1の処理装置から、圃場の少なくとも1つの区画の圃場データを取得するステップ、
少なくとも1つの区画に関連付けられた圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画を処理するための適切な第2の処理装置を選択するための選択データを提供し、且つ適切な第2の処理装置のために及び/又は適切な第2の処理装置に対して、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供するステップ、
任意選択的に、提供された選択及び動作データに基づいて、第2の処理装置の動作を制御するステップ
を実行する、1つ以上のコンピューティング装置
を含む。
【0023】
更なる態様では、本明細書に開示される方法のいずれか1つにおいて又はそれを実行するための処理装置の使用が提示される。別の態様では、本明細書に開示される方法のいずれか1つにおいて又はそれを実行するために処理装置を使用するための方法が提示される。
【0024】
更なる態様では、少なくとも1つの処理装置を動作させるための、本明細書に開示される方法のいずれか1つによって取得された動作データの使用が提示される。別の態様では、少なくとも1つの処理を動作させるために、本明細書に開示される方法のいずれか1つを実行することによって取得された動作データを使用するための方法が提示される。
【0025】
更なる態様では、1つ以上のコンピューティング装置上で実行されると、本明細書に開示されるシステムのいずれかにおいて、本明細書に開示される方法のいずれかのステップを実施するように構成される、命令を有するコンピュータ要素、特にコンピュータプログラム製品又はコンピュータ可読媒体が提示される。
【0026】
更なる態様では、本明細書に開示される方法のいずれか又は本明細書に開示されるシステムのいずれかにおける処理製品の使用が提示される。別の態様では、農業領域を処理するための方法が提示され、方法は、本明細書に開示される方法のいずれか又は本明細書に開示されるシステムのいずれかにおいて使用するための処理製品を提供するステップを含む。
【0027】
実施形態
本明細書で説明されるいかなる開示及び実施形態も、上記で概説された方法、システム、処理装置、コンピュータ要素に関し、その逆も同様である。有利には、実施形態及び例のいずれかによってもたらされる利益は、全ての他の実施形態及び例にも同様に当てはまり、その逆も同様である。
【0028】
本明細書で使用される「決定すること」は、「決定を開始すること又は決定させること」も含み、「生成すること」は、「生成を開始すること又は生成させること」も含み、「提供すること」は、「決定、生成、選択、送信若しくは受信を開始すること又は決定、生成、選択、送信若しくは受信させること」も含む。「あるアクションの実行を開始すること又は実行させること」は、それぞれのアクションを実行するようにコンピューティング装置をトリガする任意の処理信号を含む。
【0029】
本明細書で開示される方法、システム及びコンピュータ要素は、圃場を処理するための効率的であり、持続可能であり、堅牢な方法を提供する。特に、少なくとも1つの区画に関連付けられた監視及び処理状態に基づいて、圃場の少なくとも1つの区画に対する第2の処理装置の動作データを提供することにより、冗長な動作を回避し、的を絞った動作を可能にする。第1の処理装置からの監視及び処理状況を考慮することにより、第2の処理装置は、その特定の区画に対して第1の処理装置によって取得された監視及び処理状況に基づいて、圃場の特定の区画を処理するように動作させることができる。第2の処理装置は、第1の処理装置によって既に取得された圃場データに基づいて処理され得るため、全体として、これによってより調整され、より持続可能な動作を提供する。したがって、複数の処理装置を、効率的に準オンデマンド方式で動作させることができる。
【0030】
本発明の目的は、効率的であり、持続可能であり、堅牢な圃場を処理する方法を提供することである。これら及び他の目的は、以下の説明を読んだ上で明らかになり、独立請求項の主題により解決される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を指す。
【0031】
処理装置という用語は、この場合に広義に理解されるべきであり、圃場を処理するように構成された任意の装置を含む。処理装置は、圃場を横断するように構成され得る。処理装置は、地上又は空中の車両、例えば、軌条車両、ロボット、飛行機、無人航空機(UAV)、ドローンなどであり得る。処理装置は、1つ以上の処理ユニット及び/又は1つ以上の監視ユニットを装備し得る。処理装置は、処理ユニット及び/又は監視ユニットを介して圃場データを収集するように構成され得る。処理装置は、監視ユニットを介して圃場の圃場データを感知するように構成され得る。処理装置は、処理ユニットを介して圃場を処理するように構成され得る。処理ユニットは、処理装置の監視ユニットによって提供される監視信号に基づいて動作させることができる。処理装置は、接続のための通信ユニットを含み得る。通信ユニットを介して、処理装置は、圃場データを提供、受信若しくは送信し、動作データを提供、送信若しくは受信し、且つ/又は動作データを提供、送信若しくは受信するように構成され得る。
【0032】
動作識別子は、この場合に広義に理解されるべきであり、処理装置が実行することができる動作に関連付けられた任意の識別子を指す場合がある。動作識別子は、処理動作識別子又は監視動作識別子であり得る。
【0033】
処理動作識別子は、この場合に広義に理解されるべきであり、特に圃場の圃場状態に基づく、圃場を処理するための処理装置の動作に関連付けられたデータを指す場合がある。処理動作識別子は、処理動作を示す場合がある。処理動作識別子は、処理指示のクラスを指す場合がある。処理指示は、例えば、播種、収穫、雑草管理、菌類管理、殺虫剤管理などを指す場合がある。例えば、雑草管理の場合、処理動作識別子は、除草剤Aの散布、除草剤Bの散布、除草剤Cの散布に関連付けられ得る。処理動作識別子は、圃場を処理するための処理装置の特徴付け、選択、起動又は動作のための任意のデータを含む場合がある。
【0034】
監視動作識別子は、この場合に広義に理解されるべきであり、圃場を監視するための、特に圃場の圃場データを収集するための、処理装置の動作に関連付けられたデータを指す場合がある。監視動作識別子は、監視動作を示す場合がある。監視動作識別子は、監視タイプ及び/又は監視モードによって特徴付けられ得る。監視タイプは、雑草処理のための植物感知、播種のための土壌感知などの監視指示を指す場合がある。監視モードは、単一の監視タイプのモード又はモードのクラスを指す場合がある。植物感知の場合、モードは、雑草画像検出、作物画像検出、菌類光学検出などであり得る。監視動作識別子は、圃場を監視するための処理装置の特徴付け、選択、起動又は動作のための任意のデータを含む場合がある。
【0035】
第1の処理装置及び第2の処理装置は、この場合に広義に理解されるべきであり、圃場を処理するための少なくとも2つの異なる処理装置を指す場合がある。第1の処理装置は、第2の処理装置の監視及び/又は処理ユニットと異なる監視及び/又は処理ユニットを装備し得る。第1の処理装置は、第1の処理装置のグループの一部であり得る。第2の処理装置は、第2の処理装置のグループの一部であり得る。処理装置のグループは、同じタイプ又はモードの監視及び/又は処理ユニットを装備する複数の処理装置を指す場合がある。
【0036】
処理という用語は、この場合に広義に理解されるべきであり、植物の栽培のための任意の処理に関連し得る。処理をすること又は処理という用語は、この場合に広義に理解されるべきであり、植物の栽培のためなどの圃場の任意の処理に関連し得る。処理には、播種、製品の散布、収穫など、圃場のシーズン中に実施される任意の処理が含まれ得る。
【0037】
処理製品という用語は、この場合に広義に理解されるべきであり、処理に有用な任意の物体又は材料を指す場合がある。本発明に関連して、処理製品という用語は、
- 化学製品、例えば防カビ剤、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、軟体動物駆除剤、殺線虫剤、殺鳥剤、殺魚剤、殺鼠剤、忌避剤、殺菌剤、殺生物剤、毒性緩和剤、植物生長調節剤、ウレアーゼ阻害剤、硝酸化成抑制剤、脱窒阻害剤又はそれらの任意の組み合わせ、
- 生物学的製品、例えば防カビ剤(バイオ防カビ剤)、除草剤(バイオ除草剤)、殺虫剤(バオ殺虫剤)、殺ダニ剤(バイオ殺ダニ剤)、軟体動物駆除剤(バイオ軟体動物駆除剤)、殺線虫剤(バイオ殺線虫剤)、殺鳥剤、殺魚剤、殺鼠剤、忌避剤、殺菌剤、殺生物剤、毒性緩和剤、植物生育調節剤、ウレアーゼ阻害剤、硝酸化成抑制剤、脱窒阻害剤又はそれらの任意の組み合わせとして有用な微生物、
- 肥料及び栄養物、
- 種子及び苗木、
- 水、及び
- それらの任意の組み合わせ
を含み得る。
【0038】
分散コンピューティング環境は、この場合に広義に理解されるべきであり、圃場を処理するための複数の処理装置を有する分散マシンセットアップを指す場合がある。複数の処理装置は、相互接続され得る。複数の処理装置は、1つ以上の分散コンピューティング装置を介して接続され得る。コンピューティング装置は、処理装置の一部であり得、且つ/又はネットワークを通して接続された処理装置から遠隔であり得る。
【0039】
圃場は、この場合に広義に理解されるべきであり、処理される圃場を指す場合がある。圃場は、農場、温室などの任意の植物又は作物栽培領域であり得る。それは、鉄道路、道路脇など、処理される任意の領域も含み得る。植物は、作物、雑草、自生植物、前の生育期からの作物、有用植物又は圃場に存在する任意の他の植物であり得る。圃場は、その地理的位置又は地理参照された位置データを通して識別され得る。基準座標、サイズ及び/又は形状は、圃場を更に特定するために使用され得る。圃場は、基準座標及び圃場境界によって識別され得る。
【0040】
圃場の区画は、この場合に広義に理解されるべきであり、圃場上の少なくとも1つの位置又は場所に関連し得る。区画は、圃場上の複数の位置又は場所を含む圃場のゾーンに関連し得る。区画、例えばゾーンは、圃場の連続した領域を形成する複数の位置又は場所に関連し得る。区画は、共通の圃場状態を示す圃場上の複数の位置又は場所の分散されたパッチに関連し得る。区画は、区画の圃場状態を示すように分析され得る。区画は、圃場状態を示す1つ以上のフラグがフラグ付けされた圃場上の1つ以上の位置又は場所を含み得る。圃場は、1つ以上の区画を含み得る。区画は、圃場データ、特に圃場状態に関連し得る。区画は、フラグ付けされ得る。区画は、その地理的場所又は地理参照された位置データを通して識別され得る。基準座標、サイズ及び/又は形状は、区画を更に識別するために使用され得る。区画は、副圃場の解像度であり得る。区画は、複数百メートル~数ミリメートルの範囲、好ましくは数メートル~数センチメートル、より好ましくは複数のセンチメートル、例えば1~300センチメートルの範囲、10~200センチメートルの範囲又は20~150センチメートルの範囲の空間解像度を含み得る。区画は、圃場の副領域又は副領域の地理的場所又は場所座標を指す。
【0041】
圃場データは、この場合に広義に理解されるべきであり、処理装置によって取得され得る任意のデータを含み得る。圃場データは、処理装置の処理ユニット及び/又は監視ユニットから取得され得る。圃場データは、処理装置によって取得された測定データを含み得る。圃場データは、処理装置の監視ユニットを制御するように又は制御するために構成された監視ユニットデータを含み得る。圃場データは、処理装置の処理ユニットを制御するように又は制御するために構成された処理ユニットデータを含み得る。圃場データは、圃場上の圃場状態が導出され得るデータを含み得る。圃場データは、処理装置の処理及び/又は監視動作に関連するデータを含み得る。圃場データは、少なくとも1つの区画の監視又は処理状態が導出され得るデータを含み得る。圃場データは、画像データ、スペクトルデータ、区画が分析されるか、又は区画が例えば監視又は処理状態でフラグ付けされ得る区画データ、作物データ、雑草データ、土壌データ、地理データ、処理装置の軌道データ、測定された環境データ(例えば、湿度、気流、温度、日射)及び処理動作に関連する処理データを含み得る。圃場データは、圃場における場所又は位置などの区画に関連付けられ得る。圃場データは、圃場における場所又は位置などの特定の区画に関連付けられた場所又は位置などの区画固有のデータであり得る。
【0042】
圃場状態は、この場合に広義に理解されるべきであり、圃場の状態に関連付けられ得る。圃場状態は、圃場データの一部であり得るか又は圃場データから導出され得る。圃場状態は、圃場の区画に関連付けられた区画状態に関連し得る。圃場状態は、測定された監視ユニットデータ又は処理ユニットデータから導出され得る。圃場状態は、測定された監視ユニットデータから導出された監視状態を含むか又は示し得る。圃場状態は、処理ユニットデータから導出された処理状態を含むか又は示し得る。これにより、収集された圃場データに基づいて処理又は監視状況を示すことができ、そこから、圃場の区画における特定の雑草、虫若しくは菌類の存在又は処理される任意の更なる雑草、虫又は菌類の不存在など、圃場の状態を導出することができる。圃場状態は、処理装置に関連付けられた圃場の区画の監視又は処理状態に関連し得る。区画状態は、「処理対象」、「未処理」又は「処理済み」であり得る。状態「処理対象」は、異なる処理メカニズムを有する別の装置による処理を表す圃場状態の検出に関連し得る。例えば、雑草、菌類、養分レベル、水レベル、成長段階又は他の状態は、例えば、処理装置の監視ユニットにより、処理を必要とする区画上で検出され得る。状態「処理済み」は、処理装置によって処理が実施されたことを示す区画の処理状態に関連し得る。状態フラグ「未処理」は、処理が要求されていないことを示す圃場状態の検出又は監視状態に関連し得る。区画の状態を示すために、他の状態が使用され得る。
【0043】
本明細書で使用される選択データは、この場合に広義に理解されるべきであり、処理装置を選択するように構成された任意のデータに関連する。選択データという用語は、1つの処理装置をアドレス指定するように構成されたデータを指す場合がある。選択データは、動作データを提供するために1つの処理装置をアドレス指定するために使用され得る。
【0044】
本明細書で使用される動作データは、この場合に広義に理解されるべきであり、処理装置を動作させるように構成された任意のデータに関連する。動作データという用語は、他の処理装置に関連して少なくとも1つの処理装置を動作させるように構成されたデータを指す場合がある。特に、動作データは、処理装置を動作させるように構成された制御信号であり得るか、又は処理装置を動作させるように構成された制御信号は、動作データから導出され得る。動作データは、処理装置の1つ以上の技術的手段を制御するように構成され得る。動作データは、処理装置の処理及び/又は監視ユニットを制御するためのデータを含み得る。動作データは、処理装置の移動を制御するように構成され得る。動作データは、処理装置の操舵及び駆動ユニットを制御するように構成され得る。動作データは、他の処理装置に関連して1つの処理装置を制御するように構成され得る。
【0045】
本明細書で使用される、圃場データに基づく動作データの提供は、圃場データを含み、且つ/又は圃場データから導出される動作データに関連し得る。圃場データに基づく動作データは、第2の処理装置に提供され得る。圃場データに基づく動作データは、別の処理装置に更に提供され得る。圃場データに基づく動作データの提供は、圃場データから動作データを決定することを含み得る。
【0046】
選択データ又は動作データの提供は、圃場データから動作データを決定又は導出する1つ以上のコンピューティング装置によって実行され得る。コンピューティング装置は、第1の処理装置及び/又は第2の処理装置の一部であり得、且つ/又は任意の遠隔コンピューティング装置であり得る。提供には、分散コンピューティング装置のインターフェース間の任意の通信又は分散コンピューティング装置の任意のインターフェース、ハードウェア要素若しくはソフトウェア要素又は分散コンピューティング装置に実装された任意の内部インターフェース、ハードウェア要素若しくはソフトウェア要素に対して決定、生成、選択、送信又は受信の結果を利用可能にするプロセスを含み得る。
【0047】
1つのオプションでは、動作データは、第1の処理装置から第2の処理装置に提供され得る。第2の処理装置の動作データは、第1の処理装置又は別の処理装置によって取得又は収集された圃場データに基づいて、第1の処理装置によって決定され得る。別のオプションでは、第1の処理装置又は別の処理装置によって取得又は収集された圃場データは、遠隔コンピューティング装置によって取得され得、動作データは、遠隔コンピューティング装置によって決定され、第2の処理装置に提供され得る。更に別のオプションでは、第1の処理装置又は別の処理装置によって取得又は収集された圃場データは、第2の処理装置によって取得され得、動作データは、第2の処理装置、例えば第2の処理装置のコンピューティングユニットの1つによって決定され、第2の処理装置の別のコンピューティングユニットに提供され得る。更に別のオプションでは、第1の処理装置又は別の処理装置によって取得又は収集された圃場データは、第2の処理装置によって取得され得、動作データは、第2の処理装置の1つのコンピュータ要素によって決定され、第2の処理装置の別のコンピュータ要素に提供され得る。更に別のオプションでは、第1の処理装置又は他の処理装置によって取得又は収集された圃場データは、遠隔コンピューティング装置及び/又は任意の処理装置によって取得され得、動作データは、遠隔コンピューティング装置及び/又は任意の処理装置によって決定され、第2の処理装置に提供され得る。同様に、選択データは、様々な形態で提供され得る。
【0048】
一実施形態では、圃場データは、少なくとも第1の処理装置に取り付けられた監視ユニット及び/又は処理ユニットから取得され得る。監視ユニット及び/又は処理ユニットは、圃場データを収集することができる。監視ユニット及び/又は処理ユニットは、収集した圃場データを提供することができる。
【0049】
第2の処理装置のための、圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた動作データを提供することは、少なくとも1つの区画及び第1の処理装置に関連付けられた監視及び処理状態に基づき得る。圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた第2の処理装置を選択するための選択データを提供することは、少なくとも1つの区画及び第1の処理装置に関連付けられた圃場データに基づき得る。圃場の少なくとも1つの区画に関連付けられた第2の処理装置を選択するための選択データを提供することは、圃場データ、特に区画状態、より具体的には少なくとも1つの区画に関連付けられた処理状態又は監視状態に基づき得る。
【0050】
更なる実施形態では、区画に対する少なくとも1つの圃場状態は、圃場データから導出され得る。選択データ又は動作データの提供することは、区画に関連付けられた少なくとも1つの圃場状態、例えば区画状態に基づいて、選択又は動作データを決定又は更新することを含み得る。少なくとも1つの圃場状態に関連付けられた区画は、分析された区画と呼ばれる場合もある。
【0051】
好ましい実施形態では、区画に対して圃場データが得られ、同じ区画に対して動作又は選択データが提供される。換言すれば、第1の区画に対して圃場データが得られ、第1の区画に対して動作又は選択データが提供される。したがって、圃場データ及び動作又は選択データは、同じ区画に関連付けられ得る。
【0052】
更なる実施形態では、動作データは、圃場の区画上の第2の処理装置によって実行される処理及び/又は監視動作に関連し得る。そのような処理及び/又は監視動作は、第2の処理装置に関連付けられた処理及び/又は監視動作識別子によって示されるか又は表され得る。換言すれば、動作データは、第2の処理装置に対する処理又は監視動作を示すか又は表す動作識別子を含み得る。
【0053】
更なる実施形態では、第1の処理装置に関連付けられた第1の動作識別子は、第2の処理装置に関連付けられた第2の動作識別子と異なり得る。第2の動作識別子は、第1の処理装置の少なくとも1つの監視又は処理動作と異なる第2の処理装置の少なくとも1つの監視又は処理動作を示し得る。換言すれば、第1の処理装置は、圃場上の第1の処理動作を行うように構成され、及び第2の処理装置は、圃場上の第2の処理動作を行うように構成される。追加的又は代替的に、第1の処理装置は、圃場上の第1の監視又は処理動作を行うように構成され得、及び第2の処理装置は、圃場上の第2の監視又は処理動作を行うように構成され得る。例えば、第2の処理装置は、第1の処理装置の少なくとも1つの第1の監視ユニットと異なる少なくとも1つの第2の監視ユニットを含み得る。例えば、第2の処理装置は、第1の処理装置の少なくとも1つの第1の処理ユニットと異なる少なくとも1つの第2の処理ユニットを含み得る。例えば、第2の処理装置は、第1の処理装置の少なくとも1つの第1の処理製品と異なる少なくとも1つの第2の処理製品を含み得る。
【0054】
更なる実施形態では、動作データは、第1の処理装置の第1のグループ及び第2の処理装置の第2のグループのための順次動作モード又は少なくとも第1の処理装置及び第2の処理装置のための同時動作モードを示すか又はそれに関連付けられる。少なくとも第1及び第2の処理装置の動作データは、処理動作の動作開始及び/又は動作停止を示す時間パラメータを含み得る。同時動作モードでは、時間パラメータは、少なくとも第1及び第2の処理装置又は全ての処理装置に対して等しくてもよい。順次動作モードでは、時間パラメータは、少なくとも第1及び第2の処理装置で異なり得るか、又は全ての処理装置で異なり得る。混合動作モードでは、動作データは、処理装置の異なるグループに対する時間パラメータを指定し得、異なる処理装置識別子に関連付けられ得る。動作データは、順次に動作する第1の処理装置の第1のグループ及び第2の処理装置の第2のグループを示すことができ、第1の処理装置の第1のグループが同時に動作し、第2の処理装置の第2のグループが同時に動作する。換言すれば、第1の処理装置のグループは、同時動作モードで動作され得、第2の処理装置のグループは、同時動作モードで動作され得、第1の処理装置のグループは、第2の処理装置のグループに対して順次動作モードで動作され得る。このように、圃場上の動作している処理装置の数は、圃場の異なる区画に対する複数の処理又は監視動作の制御を単純化する動作データを通して制限され得る。
【0055】
一実施形態では、本明細書に開示される方法は、少なくとも第1の処理装置及び/又は第2の処理装置に初期動作データを提供することを更に含む。第1の初期動作データは、第1の処理装置又は第1の処理装置のグループに提供され得る。第2の初期動作データは、第2の処理装置又は第2の処理装置のグループに提供され得る。
【0056】
更なる実施形態では、初期動作データは、開始位置、初期軌道又は軌道決定のための初期命令を含み得る。軌道は、圃場上の処理装置の移動のための場所データ又は位置データを含み得る。軌道は、処理装置の操舵及び駆動ユニットのための制御データを含み得る。初期動作データは、処理装置の監視ユニットを動作させるための初期監視ユニットデータ又は処理装置の処理ユニットを動作させるための初期処理ユニットデータを含み得る。初期動作データを提供することにより、圃場の処理開始時の動作をより効率的にすることを可能にする。初期動作データが提供されない場合、計算及び通信の遅延により、それぞれの動作データが更新される前に、複数の処理装置が特定の場所を2回訪問する場合がある。これは、冗長性を引き起こす場合があり、指揮される複数のインターフェースを有する中央アーキテクチャにおいて特に有利である。少なくとも開始点を提供することにより、衝突を回避するために必要な修正動作の回数を低減することができる。これは、例えば集団的に自己組織化された群れを有する分散型アーキテクチャにおいて特に有利である。
【0057】
更なる実施形態では、第2の処理装置に対して動作データを提供することにより、第2の処理装置に関連付けられた動作データは、第2の処理装置の処理動作中、好ましくは第1の処理装置から提供された圃場データ、特に圃場データから導出された圃場状態に基づいて動的に調整され得る。処理動作は、圃場上の動作を指す場合がある。動作データのそのような動的調整により、圃場上の感知された圃場状態に基づいて、圃場上の処理装置の自己組織的な動作を可能にすることができる。その結果、圃場の処理は、リアルタイムの圃場上状態を考慮して動的且つ柔軟に実行され、信頼性を向上させることができる。
【0058】
動作データを提供することは、第1の処理装置の監視又は処理状態に基づいて、第2の処理装置の軌道又は軌道派生を決定又は更新することを含み得る。動作データを提供することは、区画に関連付けられた圃場データ又は圃場状態に基づいて、軌道を決定又は更新することを含み得る。動作データを提供することは、区画に関連付けられた圃場データ又は圃場状態に基づいて、軌道決定のための命令を決定又は更新することを含み得る。このように、第1の装置の圃場データを分析して、第2の処理装置の動作に直接影響を与えることができる。例えば、1つの位置が第1の処理装置によって処理済みであり、第1の処理装置の監視ユニットが処理対象となる更なる圃場状態を検出しない場合、そのような位置は、「処理済み」とフラグ付けされて第2の処理装置の軌道から削除され得るため、時間及びエネルギーを節約する。例えば、1つの位置が第1の処理装置によって未処理であり、第1の処理装置の監視ユニットが処理対象となる更なる圃場状態を検出した場合、そのような位置は、「処理対象」とフラグ付けされて第2の処理装置の軌道に追加され得るため、より的を絞った動作を可能にする。
【0059】
動作データを提供することは、区画に関連付けられた圃場データ又は圃場状態に基づいて、処理ユニットデータを決定又は更新することを含み得る。動作データを提供することは、区画に関連付けられた圃場データ又は圃場状態に基づいて、処理ユニットデータを決定するための命令を決定又は更新することを含み得る。動作データは、圃場状態に関連するデータを含み得る。そのようなデータは、第1の処理装置からの処理状態を含むことができ、そこから、第2の処理装置の処理ユニットデータが決定され得る。メタデータは、区画の画像データ若しくは所与の区画のスペクトルデータ又は第1の処理装置の監視ユニットからの任意の他の測定生データを含み得る。処理状態は、圃場データの分析に基づいて識別され得、第2の処理装置の処理ユニットデータが決定され得る。処理ユニットデータは、処理タイプ又はモードに関連し得る。処理ユニットデータは、第2の処理装置の制御パラメータに関連し得る。例えば、処理ユニットデータは、例えば、散布速度を適合させるための噴霧ユニットのためのバルブ若しくはノズルの制御パラメータ又は電気パルスの強度を適合させるための電気システムのための電圧制御パラメータに関連し得る。そのような実施形態は、第1の処理装置の処理ユニットが監視された圃場状態を処理するために装備されていない場合に有利である。
【0060】
動作データを提供することは、区画に関連付けられた圃場データ又は圃場状態に基づいて、監視ユニットデータを決定又は更新することを含み得る。動作データを提供することは、区画に関連付けられた圃場データ又は圃場状態に基づいて、監視ユニットデータを決定するための命令を決定又は更新することを含み得る。動作データは、圃場状態に関連するデータを含み得る。そのようなデータは、圃場状態の識別に関連する信頼レベルを含み得る。第1の処理装置の監視ユニットを通して圃場状態を特定するための信頼レベルが閾値未満である場合、第2の処理装置の監視ユニットに対して、監視ユニット制御データが決定され得る。第2の処理装置の監視ユニットは、第1の処理装置の監視ユニットと少なくとも部分的に異なり得る。これは、監視ユニットのハードウェア又はソフトウェアのセットアップに関連し得る。例えば、第1の処理装置の監視ユニットは、例えば、光学的範囲に関して又は感度に関して異なるカメラセットアップを有し得る。例えば、第1の処理装置の監視ユニットは、例えば、雑草クラス、菌類クラス又は虫クラスの識別に関して異なる識別モジュールを有し得る。監視ユニットデータは、ハードウェア又はソフトウェアの動作設定に関連し得る。例えば、監視ユニットデータは、識別モジュールの使用又はハードウェアモジュールの特定の設定に関連し得る。そのような実施形態は、第1の処理装置の監視ユニットが、十分な確実性で圃場状態に関する圃場データを監視及び分析する機能を装備していない場合に有利である。
【0061】
更なる実施形態では、第1の処理装置は、第1の動作識別子に関連付けられ得、及び第2の処理装置は、第2の動作識別子に関連付けられ得る。動作識別子は、処理装置のハードウェア又はソフトウェアのセットアップを示し得る。動作識別子は、処理装置識別子と更に関連付けられ得る。このように、処理装置は、処理装置識別子及び処理装置のハードウェア又はソフトウェアのセットアップを示す関連する動作識別子によって特徴付けられ得る。
【0062】
更なる実施形態では、選択データを提供することは、第1の処理装置から取得された圃場データに基づいて、圃場の少なくとも1つの区画を処理するための適切な第2の処理装置を選択することを含み得る。選択データは、処理装置に関連付けられた処理装置識別子及び/又は処理若しくは監視動作識別子を含み得る。選択データを提供することは、第1の処理装置から取得された圃場データに基づいて、特に圃場データから導出された圃場状態に基づいて、より具体的には圃場データから導出された処理及び/又は監視状態に基づいて、適切な第2の処理装置を選択することを含み得る。換言すれば、提供ユニットは、圃場の区画を処理するための適切な第2の処理装置を選択することを含む選択データを提供するように構成され得る。換言すれば、提供ユニットは、第1の処理装置から取得された圃場データに基づいて、特に圃場データから導出された圃場状態に基づいて、より具体的には圃場データから導出された処理及び/又は監視状態に基づいて、適切な第2の処理装置を選択するように構成され得る。
【0063】
更なる実施形態では、選択データを提供することは、第2の処理装置に関連付けられた動作識別子を、圃場データから決定された圃場状態と照合させることを含み得る。これには、圃場状態、より具体的には区画状態、例えば監視及び/又は処理状態を、第2の処理装置に関連付けられた動作識別子と照合することを含み得る。動作識別子は、第2の処理装置に関連付けられた処理動作識別子又は監視動作識別子であり得る。監視状態は、処理及び/又は監視動作識別子と照合され得る。処理状態は、処理及び/又は監視動作識別子と照合され得る。
【0064】
更なる実施形態では、照合は、圃場を処理するための処理装置のサブセットの動作識別子を含み得る。そのような処理装置のサブセットは、予め定義されたローカル範囲内の処理装置又は第1の処理装置の通信範囲内の処理装置を含み得る。これは、自己組織化された処理装置の動作を伴う分散型アーキテクチャを実現するのに有益である。
【0065】
更なる実施形態では、選択データを提供することは、例えば、区画状態又は監視若しくは処理動作識別子などの動作識別子によって示されるような処理又は監視される区画までの距離に関連するコスト関数に基づいて第2の処理装置を選択することを含む。
【0066】
更なる実施形態では、選択データを提供することは、第1の処理装置によって提供される圃場データから決定されるような区画状態に基づいて第2の処理装置を選択することを含む。区画状態は、例えば、未処理区画、監視対象の区画又は処理対象の区画を表し得る。区画状態は、圃場データによって提供され得るか又は圃場データから導出され得る。区画状態は、区画位置のメタデータとして提供され得る。区画状態は、各処理装置に関連付けられた処理又は監視動作を示す動作識別子と照合され得る。
【0067】
区画状態は、第1の処理装置によって提供された処理動作と異なる処理動作によって処理される区画を示し得る。そのような区画状態は、他の処理装置の処理動作識別子と照合され得る。区画状態は、第1の処理装置によって提供された監視動作と異なる監視動作によって監視される区画を示し得る。そのような区画状態は、他の処理装置の監視動作識別子と照合され得る。このように、いくつかの実施形態において識別された区画状態をその区画に最も近い距離の位置で処理又は監視処理するための適切な又は最適な処理装置が選択され得る。
【0068】
更なる実施形態では、選択データを提供することは、ミッションスケジュールに基づき得、ミッションスケジュールは、圃場を処理するための第2の処理装置及び/又は他の処理装置の割り当て及び/又は利用可能性を含む。これは、処理装置の動作を制御する遠隔コンピューティング装置を有する中央アーキテクチャを実現するのに有益である。ミッションスケジュールは、第1の処理装置、第2の処理装置、他の処理装置のための装置識別子と、各処理装置に関連付けられた監視及び/又は処理動作のための動作識別子と、且つ/又は第1の処理装置、第2の処理装置、他の処理装置のための動作データ、好ましくは現在の動作データとを含む識別データを含み得る。
【0069】
更なる実施形態では、ミッションスケジュールは、開始位置、初期軌道又は軌道決定のための初期命令を含む初期動作データを含み得る。初期動作データは、空間座標、未監視部分を有する空間的な圃場レイアウト及び圃場上の動作される各処理装置の初期動作データに基づき得る。初期動作データは、各処理装置の空間的な開始位置及び初期動作データを含み得る。初期動作データは、圃場の処理中に更新され得る。
【0070】
更なる実施形態では、選択又は動作データを提供することは、処理中に圃場の処理のために使用される第1の処理装置、第2の処理装置及び/又は更なる処理装置の数の動的調整を含む。選択データの提供は、動作データの提供を含むか又はそれに続いて行われ得る。装置の数の調整は、例えば中央アーキテクチャにおいて、ミッションスケジュールに基づき得る。そのような調整は、例えば分散型アーキテクチャにおいて、第1の処理装置又はマスタ処理装置とのネゴシエーションメカニズムに基づき得る。
【0071】
選択データ又は動作データは、自己組織化された動作モードに基づいて決定され得る。そのようなモードは、群アルゴリズム又はファジー論理アルゴリズムによって実現され得る。選択データ又は動作データは、群アルゴリズム又はファジー論理アルゴリズムなどの自己組織化アルゴリズムによって決定され得る。そのような決定は、他の処理装置の監視又は処理状態に基づいて、各処理装置の軌道を決定することを含み得る。処理装置は、自己組織化モードで動作させることができる。これには、第2の処理装置の選択又は動作データを決定するための第1の処理装置の監視及び処理状態を含み得る。
【0072】
本明細書に開示される方法は、更なるデータ処理のために、圃場データ及び/又は動作データを記憶するために、圃場データ及び/又は動作データを遠隔コンピューティング装置に転送するステップを更に含み得る。処理装置の限られた記憶容量及び圃場上の強化された処理動作に対するビッグデータの利用のために、遠隔記憶容量は、有益である。処理能力に対するそのような転送の影響を低減するために、転送は、バッチデータ処理によって行われ得る。
【0073】
本明細書に開示されるシステム及びコンピュータ要素は、上述の方法を実行するように更に構成され得る。システムは、例えば集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して且つ/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、処理装置から処理装置に直接、動作データを提供するように構成され得る。システムは、圃場データを分析し、且つそのような分析の結果を、例えば集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して且つ/又は例えば分散型アーキテクチャにおいて、任意の処理装置を介して提供するように構成され得る。システムは、例えば集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して且つ/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、任意の処理装置を介して適切な第2の処理装置を選択するように構成され得る。システムは、例えば集中型アーキテクチャにおいて、クラウド環境又は地上局を介して且つ/又は例えば非集中型アーキテクチャにおいて、任意の処理装置を介して直接、ミッションスケジュールに基づいて動作データを決定及び/又は提供するように構成され得る。システムは、動作データを提供すると、圃場を処理するために使用される第1の処理装置及び/又は第2の処理装置の数を動的に調整するように構成され得る。
【0074】
以下では、本開示が添付の図面に関連して更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1】複数のUAVを有する、圃場の処理のためのシステムの例示的な実施形態を示す。
【
図2】地上局をマスタとする中央アーキテクチャを示す。
【
図3】マスタUAVを有する中央アーキテクチャを示す。
【
図4】2つの自己組織化されたUAVを有する分散型アーキテクチャを示す。
【
図5】3つの自己組織化されたUAVを有する分散型アーキテクチャを示す。
【
図6】2つのUAV及び圃場噴霧機を自己組織的に配置した非集中型アーキテクチャを示す。
【
図7】1つのUAV、1つのロボット及び圃場噴霧機を自己組織的に配置した非集中型アーキテクチャを示す。
【
図8】圃場を処理するように適合されたUAVを示す。
【
図9】圃場を処理するように適合された地上ロボットを示す。
【
図10】スポット噴霧を介して圃場を処理するように適合された圃場噴霧機を示す。
【
図11】
図8、
図9及び
図10に示されたUAV、ロボット、圃場噴霧機などの処理装置の例示的なコンピューティング構成要素のブロック図である。
【
図12】処理装置管理システムの例示的なシステムアーキテクチャのブロック図である。
【
図13】処理装置管理システムの別の例示的なシステムアーキテクチャのブロック図である。
【
図14】処理装置管理システムの別の例示的なシステムアーキテクチャのブロック図である。
【
図15】圃場を処理するための処理装置の動作データを提供するための例示的な方法のフロー図である。
【
図16】処理装置の選択及び動作データを提供するための更なる例示的な方法のフロー図である。
【
図17】処理装置の選択及び動作データを提供するための例示的な方法のデータフロー図である。
【
図18】処理装置の選択及び動作データを提供するための更なる例示的な方法のデータフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
本開示は、圃場が、圃場全体にわたって分散する不均一な特性(例えば、植物、雑草、土壌など)を含むという知見に基づく。これらの特性は、永続的なものではなく、したがって処理装置が圃場を処理する前に完全には知られていない。圃場の処理プロセス中に処理装置を用いて監視することにより、圃場のこれらの特定の特性が少なくとも部分的に明らかになる。これらの特定の特性に関する収集された情報は、1つ以上の更なる処理装置の処理戦略を有益に改善するのに役立つ。そうすることにより、圃場における変化する状態に対して、オンデマンドで(再)対応することが可能である。換言すれば、本方法は、圃場を通過する第1及び/又は更なる処理装置の手段を介して圃場データを収集し、第2及び/又は更なる処理装置に対して圃場データに基づいて動作データを提供する。これにより、複数の処理装置を用いた圃場の需要に応じた処理が可能となり、有利には処理効率を向上させる。
【0077】
以下の実施形態は、本明細書に開示される方法、システム又はコンピュータ要素を実装するための単なる例であり、限定的なものとみなされるべきではない。
【0078】
図1は、圃場112の処理のための複数のUAV102、104、106を有するシステムの例示的な実施形態を示す。
【0079】
図1のシステムは、複数のUAV102、104、106、1つ以上の地上局110、1つ以上のユーザ装置108及びクラウド環境100を含む分散型システムを示す。UAV102、104、106は、無人航空機であり、オンボードコンピュータによって自律的に制御され得るか、ユーザ装置108としてのパイロットコントローラによって遠隔で制御され得るか、又は例えば初期動作データを用いて部分的に遠隔で制御され得る。
【0080】
UAV102、104、106は、UAV102、104、106に搭載された様々なオンボードセンサ及びアクタから収集されたデータ信号を送信することができる。このようなデータは、現在の高度、速度、バッテリレベル、位置、天候又は風速、圃場データ又は場所データなどの現在の飛行データを含み得る。UAV102、104、106は、クラウド環境100、地上局110、ユーザ装置108又は他のUAV102、104、106に圃場データ又は動作データなどのデータ信号を直接的又は間接的に送信することができる。UAV102、104、106は、クラウド環境100、地上局110、ユーザ装置108又は他のUAV102、104、106から圃場データ又は動作データなどのデータ信号を直接的又は間接的に受信することができる。
【0081】
クラウド環境100は、UAV102、104、106、地上制御局110及びユーザ装置108との且つそれらの間のデータ交換を容易にすることができる。クラウド環境100は、インターネット上でアクセス可能な複数のクラウドサーバにデータを記憶して計算するためのサーバベースの分散型コンピューティング環境であり得る。クラウド環境100は、UAV102、104、106、1つ以上の地上局110、ユーザ装置108又は1つ以上のユーザ装置108によって実行されるトランザクションのための分散型不変データベースを容易にする分散台帳ネットワークであり得る。台帳ネットワークは、少なくとも2つのネットワークノードを含む任意のデータ通信ネットワークを指す。ネットワークノードは、a)データブロックによるデータ包含をリクエストし、且つ/又はb)リクエストされた、チェーンへのデータ包含を検証し、且つ/又はc)チェーンデータを受信するように構成され得る。そのような分散型アーキテクチャでは、UAV102、104、106、1つ以上の地上局110、1つ以上のユーザ装置108は、トランザクションデータをデータブロックに記憶し、コンセンサスプロトコルに参加してトランザクションを検証する、ノードとして機能することができる。少なくとも2つのネットワークノードがチェーン内に存在する場合、台帳ネットワークは、ブロックチェーンネットワークと呼ばれる場合がある。台帳ネットワーク100は、ノードにより作成されたデータブロックの、ブロックチェーン又は暗号によりリンクされたリストから構成され得る。各データブロックは、圃場データ又は動作データに関する1つ以上のトランザクションを含み得る。ブロックチェーンは、複数の相互接続されたデータブロックで提供される連続的に拡張可能なデータセットを指し、各データブロックは、複数のトランザクションデータを含み得る。トランザクションデータは、トランザクションのオーナにより署名されることができ、相互接続は、暗号化手段を用いたチェーンニングにより提供されることができる。チェーンニングは、2つのデータブロックを互いに相互接続する任意のメカニズムである。例えば、少なくとも2つのブロックが、ブロックチェーンにおいて互いに直接的に相互接続され得る。ハッシュ関数暗号化メカニズムを使用して、ブロックチェーンにおけるデータブロックを連結し得、且つ/又は既存のブロックチェーンに新たなデータブロックを付加し得る。あるブロックは、先行するブロックのハッシュを参照するその暗号ハッシュによって識別され得る。
【0082】
装置102、104、106、108、110間の通信チャネル及び装置102、104、106、108、110とクラウド環境100との間の通信チャネルは、無線通信プロトコルを通して確立され得る。セルラーネットワークは、UAV102、104、106からUAV102、104、106、UAV102、104、106から地上局110への、UAV102、104、106からクラウド環境100への又は地上局110からクラウド環境100への通信のために確立され得る。そのようなセルラーネットワークは、2G、3G、4G又は5Gのような規格を使用するSM、GPRS、EDGE、UMTS/HSPA、LTE技術などの任意の既知のネットワーク技術に基づき得る。圃場112のローカルエリアでは、UAV102、104、106からUAV102、104、106への又はUAV102、104、106から地上局110への通信のために無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、例えば無線フィデリティ(Wi-Fi)が確立され得る。UAV102、104、106からUAV102、104、106への又はUAV102、104、106から地上局110へのセルラーネットワークは、フライングアドホックネットワーク(FANET)であり得る。UAV102、104、106及び地上管制局103は、UAV102、104、106のための遠隔制御などのユーザ装置108と、クラウド環境100を介して間接的に又は直接的に、データ信号を共有することができる。UAV102、104、106のための遠隔制御などのユーザ装置108は、セルラーネットワーク、好ましくはローカルネットワークの一部であり得る。
【0083】
第1のUAV102は、第1の処理動作を行うように構成され得る。第2のUAV104は、第2の処理動作を行うように構成され得る。第3のUAV104は、第3の処理動作を行うように構成され得る。好ましくは、UAV102、104、106の処理動作は、処理タイプ又は処理モードに関して異なり得る。処理タイプという用語は、使用される適用原理に関連する。処理タイプは、播種、収穫、薬剤散布などを含み得る。薬剤散布のための処理モードは、噴霧モード(例えば、フラット、スポット、可変レート)であり得、機械的散布のための処理モードは、除去モード(例えば、グラバ、カッタ)であり得、電気的散布のための処理モードは、電気的適用モード(例えば、レーザー、電圧パルス)であり得る。処理タイプという用語は、虫、菌類又は雑草クラス及び対応する処理製品クラスにも関連し得る。
【0084】
図2は、地上局110をマスタとする中央アーキテクチャを示す。
【0085】
示される配置では、UAV102、104、106並びに遠隔制御部108は、地上局110と、地上局110を介して通信する。圃場112の領域内のローカルWLANネットワークにより、そのような通信が可能になる。UAV102、104、106のミッション制御部は、UAV102、104、106にそれぞれの動作データを提供する地上局110によって実行され得る。遠隔制御部108を介して、ユーザは、UAV102、104、106を監視又は制御することができる。地上局110は、圃場112上の処理動作後又は処理動作中に、クラウド環境100にデータをストリーミングすることができる。
【0086】
UAV102、104、106は、圃場112を集合的に処理するために、異なる処理ユニット及び監視ユニットを搭載することができる。例えば、UAV102、104、106は、圃場112を監視するための撮像ユニットを搭載し得る。UAV102は、スポット噴霧のための第1の噴霧ノズルを有する化学的処理ユニットを搭載し得る。UAV104は、グラバを有する機械的処理ユニットを搭載し得る。UAV106は、電気パルス配置を有する電気的処理ユニットを搭載し得る。
【0087】
図3は、マスタUAVを有する中央アーキテクチャを示す。
【0088】
示される配置では、UAV104、106、遠隔制御部108、地上局110は、マスタUAV102と、マスタUAV102を介して通信する。圃場112の領域内のローカルWLANネットワークにより、そのような通信が可能になる。UAV102、104、106のミッション制御部は、UAV104、106にそれぞれの動作データを提供するマスタUAV102によって実行され得る。遠隔制御部108を介して、ユーザは、UAV102、104、106を監視又は制御することができる。
【0089】
UAV102、104、106は、例えば
図2で説明したように、圃場112を集合的に処理するために、異なる処理ユニット及び監視ユニットを搭載することができる。
【0090】
図4は、2つの自己組織化されたUAVを有する非集中型アーキテクチャを示す。
【0091】
示される配置では、UAV102、104は、互いに通信する。FANETが、そのような通信を可能にする。UAV102、104のミッション制御部は、UAV102、104間で確立されたネゴシエーション及びハンドオーバプロトコルによって自己組織化され得る。遠隔制御部108を介して、ユーザは、UAV102、104を監視又は制御することができる。
【0092】
UAV102、104、106は、例えば
図2で説明したように、圃場112を集合的に処理するために、異なる処理ユニット及び監視ユニットを搭載することができる。
【0093】
図5は、3つの自己組織化されたUAVを有する分散型アーキテクチャを示す。
【0094】
図4のセットアップとは対照的に、
図5の配置は、第3のUAV106を含む。UAV106は、第1及び第2のUAV102、104に対して順次モードで動作させることができる。このように、UAV102、104は、圃場112を処理し、処理中の圃場状態を監視することができる。そのような監視に基づいて、第1及び第2のUAV102、104が圃場112の処理を完了した後、それぞれの区画113が後続の処理のためにUAV106に提供され得る。代わりに、UAV106を第1及び第2のUAV102、104と同時モードで動作させることができる。このように、UAV102、104は、圃場112を処理し、処理中の圃場状態を監視することができる。そのような監視に基づいて、第1及び第2のUAV102、104が圃場112を処理している間、それぞれの区画113が、UAV106に提供され得る。
【0095】
図6は、2つのUAV102、104及び圃場噴霧機107を自己組織的に配置した分散型アーキテクチャを示す。
【0096】
図4及び
図5のセットアップとは対照的に、
図6の配置は、処理製品散布のための噴霧ノズルのブームを有する圃場噴霧機107を含む。圃場噴霧機107は、散布ブームを有するトラクタベースのシステムである。他の実施形態では、トラクタベースのシステムは、収穫機又は播種機のブームを装備し得る。
【0097】
UAV102、104及び圃場噴霧機107は、例えば、
図2で説明したように、圃場112を集合的に処理するために、異なる処理ユニット及び監視ユニットを搭載することができる。
【0098】
図7は、1つのUAV104、1つのロボット103及び圃場噴霧機107を自己組織的に配置した分散型アーキテクチャを示す。
【0099】
図6のセットアップとは対照的に、
図7の配置は、ロボット103を含む。ロボット103は、UAV104に匹敵するが、空中ベースではなく地上ベースである。UAV104に加えてロボット103を使用することは、ロボット103が地上に対して安定した距離を有し、且つ把持又は切断のような地上ベースの処理動作のために取り扱うのにより容易であり得るという利点を有する。
【0100】
図8は、圃場112を処理するように適合された飛行しているUAV102、104、106を示す。
【0101】
この例に示されるUAV102、104、106は、圃場データを収集するための監視ユニット124としてのカメラと、処理製品を噴霧するための処理ユニット120、122としての2つの噴霧ノズルとを含む。噴霧ノズル120、122は、UAV102、104、106によって運搬される少なくとも1つのタンクと流体連通する。そのようなセットアップにより、収集された圃場データ及び監視された圃場状態に応じて処理ユニット120、122が圃場112を処理するためにトリガされ得るため、より効率的で的を絞った圃場処理を可能にする。両方の動作は、UAV102、104、106がそれぞれの圃場区画113の上をホバリングしている間に実行され得る。他の実施形態では、UAV102、104、106は、圃場データを収集し、且つ圃場状態を監視するための監視ユニット124を含む偵察UAV102、104、106であり得る。他の実施形態では、UAV102、104、106は、処理製品を噴霧するための処理ユニット120、122を含む噴霧UAV102、104、106であり得る。
【0102】
図9は、圃場112を処理するように適合された地上ロボット103を示す。
【0103】
図8のUAV102、104、106とは対照的に、
図9の処理装置103は、地上ベースであり、地上を横断する。この例に示されるように、ロボット103は、圃場データを収集し、且つ圃場状態を監視するための監視ユニット124と、処理製品を噴霧するための処理ユニットとしての噴霧ノズル122、124とを含む。噴霧ノズル120、122は、ロボット103によって運搬される少なくとも1つのタンクと流体連通する。他の実施形態では、ロボット103は、圃場データを収集し、且つ圃場状態を監視するための監視ユニット124を含む偵察ロボット103であり得る。他の実施形態では、ロボット103は、処理製品を噴霧するための処理ユニット122、120を含む噴霧ロボット103であり得る。
【0104】
図10は、スポット噴霧を介して圃場112を処理するように適合された圃場噴霧機107を示す。
【0105】
図10は、処理ユニットとして噴霧ノズル107aを含む、圃場噴霧機107などの大規模処理装置の一例を示す。
図10は、主要な構成要素を単に概略的に示すに過ぎず、圃場噴霧機107は、示されたものよりも多い構成要素又は少ない構成要素を含み得ることに留意されたい。
【0106】
圃場噴霧機107は、
図1に示されるシステムの一部であり得、圃場112又はその1つ以上の副領域に処理製品を散布するように構成され得る。圃場噴霧機107は、トラクタに解放可能に又は直接的に取り付けられ得る。少なくともいくつかの実施形態では、圃場噴霧機107は、ブームに沿って配置された複数の噴霧ノズル107aを有するブームを含む。噴霧ノズル107aは、固定され得るか、又はブームに沿って一定間隔又は不規則間隔で移動可能に取り付けられ得る。各噴霧ノズル107aは、噴霧ノズル107aから圃場112への流体の放出を調節するために、1つ以上の、好ましくは別個の、制御可能なバルブ107bと共に配置され得る。
【0107】
1つ以上のタンク107c、d、eは、ハウジング107f内に配置され、1つ以上の流体ライン107gを通してノズル107aと流体連通し、1つ以上の処理製品又は水のような組成物成分を噴霧ノズル107aに分配する。これには、処理製品又は混合物、処理製品又は混合物の個々の成分、選択的又は非選択的な処理製品、殺菌剤、殺菌剤混合物の成分、植物成長調節剤、植物成長調節剤混合物の成分、水、油又は任意の他の処理製品のような化学的に活性又は不活性な成分を含み得る。各タンク107c、d、eは、タンク107c、d、eから流体ライン107gへの流体の放出を調節するために制御可能なバルブを更に含み得る。
【0108】
監視及び/又は検出のために、圃場噴霧機は、例えばブームに沿って配置された複数の監視ユニット107iを有する検出システム107hを含む。監視ユニット107iは、ブームに沿って一定間隔又は不規則間隔で固定又は移動可能に配置され得る。監視ユニット107iは、圃場データを感知し、且つ圃場107jの1つ以上の状態を導出するように構成され得る。監視ユニット107iは、圃場112の画像を提供する光学構成要素であり得る。適切な光学監視構成要素107iは、マルチスペクトルカメラ、ステレオカメラ、IRカメラ、CCDカメラ、ハイパースペクトルカメラ、超音波カメラ又はLIDAR(光検出及び測距システム)カメラである。代替的又は追加的に、監視構成要素107iは、湿度、光、温度、風又は圃場112上の任意の他の適切な状態を測定するための更なるセンサを含み得る。
【0109】
少なくともいくつかの実施形態では、監視ユニット107iは、
図2に示されるように、ユニット107iを処理装置107の移動方向に対して垂直に、且つノズル107aの(駆動方向から見て)前方に配置され得る。
図10に示される実施形態では、監視ユニット107iは、光学監視ユニット107hであり、各監視ユニット107iは、ノズルがそれぞれの位置に達すると、視野がそれぞれのノズル107aの噴霧プロファイルを含むか又はそれと少なくとも重なるように単一のノズル107aに関連付けられる。他の配置では、各監視ユニット107iは、2つ以上のノズル107aに関連付けられ得るか、又は複数の監視ユニット107iは、各ノズル107aに関連付けられ得る。
【0110】
監視ユニット107i、タンクバルブ及び/又はノズルバルブ107bは、制御システム107kに通信可能に結合される。
図10に示される実施形態では、制御システム107kは、主ハウジング107f内に配置され、それぞれの構成要素に有線接続される。別の実施形態では、監視ユニット107i、タンクバルブ又はノズルバルブ107bは、制御システム107kに無線接続され得る。更に別の実施形態では、2つ以上の制御システム107kが、装置ハウジング107f内に分配され、監視ユニット107h、タンクバルブ又はノズルバルブ107bに通信可能に結合され得る。
【0111】
制御システム107kは、制御ファイル若しくは制御ファイルによって提供された動作データに基づいて且つ/又は通信制御プロトコルに従い、監視構成要素107i、タンクバルブ又はノズルバルブ107bを制御及び/又は監視するように構成され得る。この点で、制御システム107kは、複数の電子モジュールを含み得る。例えば、1つのモジュールは、監視ユニット107iを制御して、圃場112の画像などの圃場データを収集するように構成され得る。更なるモジュールは、画像などの収集された圃場データを分析して、タンク又はノズルバルブ制御107bのパラメータを導出するように構成され得る。更なるモジュールは、制御信号を導出するために動作データを受信するように構成され得る。なおも更なるモジュールは、そのような導出された制御信号に基づいて、駆動システム、タンクバルブ及び/又はノズルバルブ107bを制御するように構成され得る。
【0112】
上述したように、圃場噴霧機107は、画像捕捉装置107iなどの監視ユニット107iを含むか又は監視ユニット107iに通信可能に結合され、関心領域の1つ以上の画像を、例えばデータ処理ユニットによって処理され得る画像データとして、制御システム107kに提供するように構成される。監視ユニット107iによる少なくとも1つの画像の捕捉と、制御システム107kによる同じ処理との両方が、圃場噴霧機の動作中に、オンボードで又は通信手段を通して、すなわちリアルタイムで実行されることに留意されたい。圃場状態が導出可能である画像データ以外の任意の他のデータセットが使用され得ることに更に留意されたい。
【0113】
図11は、
図8、
図9又は
図10に示されたUAV、ロボット又は圃場噴霧機107など、処理装置102、104、106、107の例示的な内部構成要素のブロック図を示す。
【0114】
処理装置102、103、104、106、107は、アクチュエータ134及びアクチュエータ制御部136を含む、処理ユニット130を含む。アクチュエータは、エンジンアクチュエータ、処理装置102、103、104、106、107を操縦するために使用され得る操舵アクチュエータを含み得る。アクチュエータは、圃場112を処理し、且つ例えばアクチュエータ制御部136を介して圃場データを提供するように構成された、処理アクチュエータを含み得る。アクチュエータ制御部136は、取得ユニット、提供ユニット又は制御ユニットなどのサブユニットを含み得る。
【0115】
処理装置102、103、104、106、107は、センサ138及びセンサ制御部140を有する監視ユニット132を更に含む。センサ138は、加速度計、ジャイロスコープ及び磁力計を含み得、これらは、処理装置102、103、104、106、107の加速度及び速度を推定するために使用され得る。センサ138は、圃場状態を感知し、且つ圃場データを提供するように構成された圃場監視センサを含み得る。センサ制御部140は、取得ユニット、提供ユニット又は制御ユニットなどのサブユニットを含み得る。
【0116】
処理装置102、103、104、106、107は、圃場112上の処理装置102、103、104、106、107のミッションを制御又は監視するように構成されたミッションコントローラ142を含む。ミッションコントローラ142は、取得ユニット、提供ユニット又は制御ユニットなどのサブユニットを更に含み得る。
【0117】
処理装置102、103、104、106、107は、例えば、ミッションスケジュール、圃場データ、動作データなどを記憶するためのオンボードメモリ148も含む。処理装置102、103、104、106、107は、全地球測位システム(GPS)又はカメラベースの、例えばオプティカルフローベースの測位システムなど、処理装置102、103、104、106、107の現在位置を提供するように構成された測位システム146を更に含む。処理装置102、103、104、106、107は、例えば、燃料又は充電式バッテリを含む電源又は燃料タンク148及びバッテリコントローラを更に含む。バッテリコントローラは、例えば、ミッション前又はミッション中に残っているバッテリレベルを提供するように構成され得る。処理装置102、103、104、106、107は、パイロットコントローラによって遠隔を介して完全に自律的に制御されるものから、例えば初期ミッションスケジュールによって部分的に遠隔で/自律的に制御されるものに及ぶ様々なレベルの制御部を備え得る。
【0118】
地上局110又は他の処理装置102、103、104、106、107若しくはクラウド環境100などの他の装置との通信のために、処理装置102、103、104、106、107は、無線通信インターフェース144を含む。無線通信インターフェース144は、4G又は5G回路などの1つ以上のセルラー通信回路又はBluetooth若しくはZigBeeインターフェースなどの1つ以上の短距離通信回路で構成され得る。無線通信インターフェース144は、他のUAV102、103、104、106、107、地上局110、クラウド環境100又は遠隔コントローラ108など、分散型システムの他の装置との通信を可能にする。クラウド環境100へのアクセスは、処理装置102、103、104、106、107の通信インターフェース144を介して、又は処理装置102、103、104、106、107の遠隔コントローラ108などのクライアント装置108を介して、又は地上局110を介して提供され得る。
【0119】
図12は、処理装置102、セルラーネットワーク150及びクラウド環境100を有する処理装置102管理システムの例示的なシステムアーキテクチャのブロック図を示す。
【0120】
処理装置102管理システムは、処理装置102の一部としての処理装置レイヤ152、遠隔コンピューティング装置に関連付けられたクラウドサービスレイヤ154及びクライアント装置108に関連付けられた遠隔制御部又はクライアントレイヤ156を含む。
【0121】
処理装置レイヤ152は、いくつかの階層レイヤ:ハードウェアレイヤ、ミドルウェアレイヤ及びインターフェースレイヤに分割され得る。ハードウェアレイヤは、センサ及びアクチュエータなどのハードウェアリソースに関連する。ミドルウェアは、ロボット動作のための任意の適切なミドルウェアに関連する。その一例は、ナビゲーション、動作計画、低レベル装置制御、メッセージパッシングなど、ハードウェア、ネットワーク及びオペレーティングシステムに対する様々な抽象化を提供するロボットオペレーティングシステム(ROS)である。通信レイヤは、通信プロトコルに関連する。UAVにおいて使用される1つの通信プロトコルは、UAV102と他の装置との間のメッセージ交換を可能にする異なるトランスポートプロトコル(すなわちUDP、TCP、テレメトリ、USB)の上に構築される、例えばMAVLinkである。そのようなソフトウェアアーキテクチャにより、ハードウェアと相互作用することなく、処理装置102を制御及び監視することを可能にする。追加のアプリケーションレイヤにより、例えばROSによって提供された機能性をカスタマイズして、a)処理装置102の圃場動作を追跡し、b)圃場状態に関して圃場データを収集及び/又は分析し、c)フラグ付けされた区画及び動作データを提供し、d)処理装置102の動作データを更新し、e)処理装置102の動作データを受信し、f)地上局110、クラウド環境100又はクライアント装置108に圃場データをストリーミングすることを可能にする。
【0122】
クラウドサービスレイヤ154は、大容量記憶レイヤ、コンピューティングレイヤ、インターフェースレイヤを含み得る。記憶レイヤは、処理装置102によって提供されたデータのストリームのための大容量記憶装置を提供するように構成される。各処理装置102は、例えば、動作データ、圃場データ、制御データなどを、圃場動作中にリアルタイムで、断続的にバッチで又は圃場処理後にストリームするように構成され得る。そのようなデータは、SQLデータベースなどの構造化データベース又はHDFSなどの分散ファイルシステム、HBaseなどのNoSQLデータベースに記憶され得る。コンピューティングレイヤは、標準的なクラウドサービスによって提供された機能性をカスタマイズして、例えば圃場データ、動作データ、選択データ、ミッションスケジュールに基づいてコンピューティング処理を実行することを可能にするアプリケーションレイヤを含み得る。そのような機能性には、a)処理装置102によって提供された圃場データをストリーミングすること、b)処理装置102によって提供された圃場データを分析すること、c)処理装置102の選択又は動作データを決定又は生成すること、d)処理装置102の選択又は動作データを更新すること、e)処理装置102の初期動作データを提供すること、f)処理装置のミッションスケジュールに基づいて選択又は動作データを決定すること、g)圃場状態を決定すること、又はh)圃場112上でアクティブな処理装置102の数を動的に調整することを含み得る。そのようなアプリケーションでは、新たなイベントが検出されると、リアルタイムでのアプリケーション処理が必要となる場合がある。新たなイベントを考慮した後、ミッションの実行の最適性を確実にするために、圃場112上の処理装置102の動作の動的な再スケジューリングが使用され得る。インターフェースレイヤは、ウェブサービス、UDP若しくはTCPなどのネットワークインターフェース又はウェブソケットインターフェースを実装することができる。そのようなインターフェースは、処理装置102から送信されたJSONシリアライズメッセージを聞き、ストリーミングアプリケーションを処理することを可能にし得る。UAV管理に関連して、MAVLinkメッセージは、ネットワークインターフェース(UDP又はTCP)を通してUAV102から受信され、次いで、監視又は遠隔制御のために、Websocketを通してクライアント装置108に転送され得る。ネットワークインターフェース(UDP又はTCP)は、連続ストリームを処理するために使用され得る一方、ウェブサービスは、処理装置102に制御コマンドを送信し、クラウド環境100又は地上局110から情報を取得するために使用され得る。
【0123】
クライアントレイヤ156は、エンドユーザと処理装置102の両方にインターフェースを提供する。エンドユーザに対して、クライアントレイヤ156は、クラウドサービスレイヤ154又は処理装置レイヤ152へのインターフェースを提供するクライアント側ウェブアプリケーションを実行することができる。ユーザは、複数の処理装置102、104、106の登録、動作パラメータの定義及び修正並びにクラウド100によって提供されたデータ分析に基づく意思決定のためのアクセスを提供され得る。アプリケーションは、ユーザが、処理装置102、104、106及びそれらの動作を遠隔で監視及び制御するように構成され得る。アプリケーションは、接続/切断、利用可能な物理的処理装置及びそれらのサービスの使用、圃場112上の動作の構成及び制御並びに圃場112上の動作の監視のための機能性を提供することができる。
【0124】
この時点において、
図1に示される分散型システム内の異なる装置によって実行される処理ステップの任意の分散に対して本記載が適用されることに留意されたい。例えば、処理装置102、104、106は、圃場データ又は動作データを収集して、クラウド環境100に提供するように構成され得る。そのようなデータは、クラウド環境100において、例えば圃場状態に対して分析されるか、又は例えばミッションスケジュール若しくは動作データを決定するために使用され得る。クラウド環境100は、そのような分析又は決定の結果を、処理装置102、104、106又はクライアント装置108に提供することができる。代わりに、処理装置102、104、106は、圃場データを収集し、分析し、且つ/又は圃場状態若しくは動作データを決定するように構成され得る。結果は、クラウド環境100に渡され得、クラウド環境100は、例えば、ミッションスケジュールを更新するためにその結果を更に処理し得、且つ/又は他の処理装置102、104、106若しくはクライアント装置108にその結果を提供し得る。更に代替的に、処理装置102、104、106は、圃場データを収集し、分析し、且つ/又は圃場状態若しくは動作データを決定するように構成され得る。そのような分析又は決定の結果は、他の処理装置102、104、106又はクライアント装置108に提供され得る。圃場データ、動作データ及び/又は任意の分析の結果は、記憶目的でクラウド環境100にストリーミングされ得る。ここで説明した代替形態は、単に説明のためのものであり、限定的にみなされるべきではない。
【0125】
図13及び
図14は、集中型管理システム及び自己組織化に基づく非集中型管理システムを有する例示的なシステムアーキテクチャのブロック図を示す。
【0126】
集中型の実施形態では、処理装置102は、圃場データを収集し、そのような圃場データを分析し、地上局110又はクラウド環境100から選択データ又は動作データを受信する。地上局110又はクラウド環境100は、処理装置102から圃場データをストリーミングし、処理装置102、104、106のミッションを管理し、ミッションスケジュールに基づいて選択データ又は動作データを生成し、圃場データ及びミッションスケジュールに基づいて動作データを更新する。
【0127】
非集中型の実施形態では、処理装置102、104、106は、圃場データを収集し、そのような圃場データを分析し、選択又は動作データを生成又は更新し、他の処理装置102、104、106とのハンドオーバをネゴシエーションする。そのような実施形態では、圃場上の処理装置102、104、106の完全に自己組織化された集団行動が実現され得る。記憶目的のために、処理装置102、104、106は、クラウド環境100又は地上局110にデータをストリーミングすることができる。クラウド環境100又は地上局110のために、
図12及び
図13に説明されて示された更なるサービスが処理装置102、104、106上で実施され得る。
【0128】
図15は、圃場112を処理するために、処理装置102、104、106の動作データを提供するための例示的な方法のフロー図を示す。
【0129】
図15に示される方法ステップは、第1の処理装置102若しくは第1の処理装置102と、地上局110、クラウド環境100、少なくとも1つの第2の処理装置104との組み合わせ又はそれらの任意の組み合わせによって実行され得る。説明を容易にするために、以下は、圃場112を処理するための第1の処理装置102及び第2の処理装置102に関連する。これは限定的であるとみなされるべきではなく、複数の第1の処理装置102及び複数の第2の処理装置104だけでなく、3タイプ以上の処理装置106にも適用可能である。
【0130】
第1のステップ160では、第1の処理装置102及び/又は第2の処理装置104に初期動作データが提供される。初期動作データは、圃場112上の処理装置102、104、106の所定のミッションに関連し得る。動作データは、例えば、クラウド環境100によって準備されたJSONファイルの形態で提供され得る。動作データは、雑草処理、施肥処理、疾病処理などの処理動作を指定することができる。動作データは、処理時間、初期位置若しくは初期軌道又は処理される圃場112を指定することができる。
【0131】
第2のステップ162では、第1の処理装置102は、そのミッションを開始又は継続する。第1の処理装置102は、圃場112の少なくとも1つの区画113の圃場データを取得する。圃場データは、1つ以上の光学センサなどの1つ以上の監視ユニット132によって取得され得る。いくつかのセンサの例は、RGBカメラ、ハイパースペクトルカメラ、赤外線センサ、雑草センサ、疾病センサ、土壌センサ、気流センサ、レーダーセンサ、LIDARセンサ、LADARセンサ、湿度センサ又は日射センサである。監視ユニットは、1つ以上のセンサを含み得る。圃場データは、第1の処理装置120によって感知された圃場状態に関連する。
【0132】
第3のステップ164において、取得された圃場データは、1つ以上の圃場状態を識別するために分析される。そのような圃場状態は、圃場112の区画113に関連付けられた区画状態を含み得る。区画状態は、例えば、1つ以上の雑草、菌類又は虫が圃場112に存在し、処理される必要があることを示す監視状態であり得る。
【0133】
第4のステップ166では、各監視状態「処理対象の雑草、菌類又は虫」に対する処理動作が決定され得る。識別された監視状態に応じて、オンボード処理ユニットが選択されてトリガされ得る。これは、処理ユニット及びそれぞれの圃場状態、具体的にはそれぞれの監視状態に関連付けられた処理動作識別子を含むルックアップテーブルを通して行われ得る。したがって、第1の処理装置102の処理ユニット130の適用可能性は、区画の監視状態を考慮してチェックされる。
【0134】
識別された監視状態が、第1の処理装置102の処理ユニット130が圃場112上の区画113の関連する監視状態を処理するために適切であることを表す場合、第1の処理装置102の処理ユニット130は、第5のステップ168においてトリガされる。圃場区画113の処理の結果、ステップ168において、処理状態がそれぞれの区画113に対して処理済みに設定される。次いで、処理装置は、次の区画113に移動し、ステップ162において圃場データを取得する。特定の区画113に対して未処理の圃場状態が検出されなかった場合、第1の処理装置102は、任意選択的に、その区画に関連して処理済み状態を記憶し、更に任意選択的に、第1の処理装置102によって訪問された区画113を関連する区画状態と共にマッピングした処理済みマップを更新する。そのような更新された処理マップは、ミッションコントローラ142、地上局110、クラウド環境100、他の処理装置104、106又はそれらの組み合わせによって生成され得る。特定の区画において第1の処理装置102によって実行された処理動作に関連する更なる圃場データが提供され得る。それぞれの区画113に対する処理の完了を示す圃場データが記憶され得る。例えば測位システム及び処理ユニット130によって提供されるように、処理が実行された場所を表す圃場状態は、オンボードメモリ148に記憶されるか、又は地上局110、クラウド環境100若しくは他の処理装置104、106にブロードキャストされ得る。
【0135】
第1の処理装置102を介した処理を必要とする区画113における処理が実行されるようなミッションが完了するまで、第1の処理装置102は、上記のステップに示されたような圃場データを取得する。ミッションが完了した場合、第1の処理装置102は、動作を停止する。
【0136】
識別された監視状態が、第1の処理装置の処理ユニット130が圃場112上の関連区画113を処理するために適切でないことを表す場合、第1の処理装置102の処理ユニット130は、第5のステップ168においてトリガされない。
【0137】
ステップ170において、第2の処理装置104は、第1の処理装置102からの動作データを提供するために選択される。動作データは、第1の処理装置102に装備されたようなオンボード監視ユニットによって感知された圃場データに関連して、且つ第1の処理装置102に装備されたようなオンボード処理メカニズムに関連して圃場状態の識別子を含み得る。そのような識別子及び圃場データ又は圃場状態に対する関係は、ルックアップテーブルを介して提供され得る。このように、第1の処理装置102又は第1の処理装置102のミッションコントローラ142は、それぞれの監視ユニット132によって感知された圃場データを分析し、任意の識別された圃場状態に対して、第1の又は他の処理装置102、104、106の適用可能な処理ユニット130を選択することができる。例えば、画像において雑草が検出された場合、画像は、第1の処理装置102によって収集された圃場データであり、そのような画像において検出された雑草識別子は、圃場状態、具体的には、第1の処理装置102によって識別された監視状態である。第1の処理装置102がかかる雑草を処理する処理ユニット130を装備していない場合、雑草識別子は、第1の処理装置102に関連付けられた処理動作識別子のルックアップテーブルにリストアップされない。その結果、第1の処理装置は、そのような識別された雑草を処理しないことになる。第1の処理装置は、監視状態及び他の処理装置の動作識別子を有するルックアップテーブルに基づいて適切な第2の処理装置104を選択するか又は選択するようにトリガする。
【0138】
ステップ172において、第1の処理装置102から取得された圃場データから導出された、関連する監視状態を有する区画133が、動作データとして第2の処理装置104に送信される。
【0139】
このように、第1の処理装置102は、第2の処理装置104のミッションを間接的に制御する。第2の処理装置に送信される動作データは、第1の処理装置によって識別された処理される区画の座標を含み得る。更に、関連する区画に対していずれの処理ユニット130がトリガされるかを表す処理ユニットデータを含み得る。例えば、第1の処理装置102が処理することができない、監視状態「処理対象の雑草、菌類又は虫」を第1の処理装置102が検出した場合、第2の処理装置104は、そのような識別された雑草、菌類又は虫を処理することになる。
【0140】
図15の例では、特定の監視状態に対して未処理の区画状態がトリガされて、第1の処理装置102が第2の処理装置104に動作データを提供する。第2の処理装置104によって処理される必要があるか、又は第2の処理装置104によって監視される必要がある、特定の監視状態のような他の状態も同様に適用可能であり得る。
図15の例において、第1の処理装置102の処理ユニット130が識別された処理される圃場状態の1つに適合しない場合、圃場102の未処理区画113が識別され、その区画状態は、未処理になる。未処理状態を有する区画を表す圃場データは、第1の処理装置102、第2の処理装置104、他の処理装置104、106、地上局110、クラウド環境100又はそれらの組み合わせの更なるコンピューティングモジュールに提供され得る。
【0141】
特定の区画113に対する未処理区画状態が設定されると、第2の処理装置104の動作データが提供される。第2の処理装置104の動作データは、第2の処理装置104に送信されて更新され得る。そのような第2の処理装置104に対して更新された動作データは、ミッションコントローラ142、地上局110、クラウド環境100、他の処理装置104、106又はそれらの組み合わせによって生成され得る。そのような場合、動作データは、第1の処理装置102によって提供された圃場データに基づいて更新される。更新には、処理される区画と、任意選択的に、第2の又は任意の適切な処理装置104の適切な処理ユニット130の識別子とを含み得る。第2の又は任意の適切な処理装置104の更新された軌道が決定され得、第2の又は任意の適切な処理装置104によってそれぞれの区画113が処理され得る。動作データを更新するステップは、第1の処理装置102、他の処理装置104、106、地上局110、クラウド環境100又はそれらの組み合わせによって実行され得る。
【0142】
このように、圃場112の少なくとも1つの区画に対する第2の処理装置104の動作データは、第1の処理装置102によって取得された圃場112の少なくとも1つの区画113に対する圃場データから導出された監視及び処理状態に基づいて提供される。例えば、適切な処理ユニット130を装備した第2の処理装置104の更新された動作データが第2の処理装置104に提供される。更新された動作データは、第2の処理装置104に直接提供され得るか、又は更新は、第2の処理装置104によって実行され得る。
【0143】
動作データは、圃場112の区画113上で第2の処理装置104によって実行される処理動作又は監視動作に関連し得る。動作は、動作識別子によって識別され得る。第2の処理装置104に関連付けられた第2の動作識別子は、これにより第1の処理装置102の第1の動作識別子と異なる。
【0144】
図16は、圃場112を処理するための処理装置102、104、106の選択データを提供するための例示的な方法のフロー図を示す。
【0145】
図15に関連して説明したように、第1の処理装置102によって未処理の場所が識別された場合、そのような区画状態は、第1のステップ172において、第1の処理装置102、第2の処理装置104、他の処理装置104、106、地上局110、クラウド環境100又はそれらの組み合わせの更なるコンピューティングモジュールに提供される。
【0146】
後続のステップ174~180において、圃場112の少なくとも1つの区画113を処理するための適切な第2の処理装置104、106が選択され、選択された第2の処理装置104の動作データが、そのような第2の処理装置104に提供される。
【0147】
ステップ174において、適切な処理装置102、104、106の割り当てを決定して、選択データに対する可能な装置識別子を生成する。そのような決定は、コスト関数に基づき得る。コスト関数は、最も近い処理装置104、106が最も低いコストに関する未処理区画までの移動距離に関連し得る。コスト関数は、処理ユニット130及び識別された監視状態又は圃場状態を処理する際の有効性又は効力に更に関連し得る。そのような場合、第1の処理装置102によって提供されたデータは、適切な処理ユニット識別子ではなく、識別された圃場状態を含み得る。割り当て及びコストの決定は、第1の処理装置102、第2の処理装置104、他の処理装置106、地上局110、クラウド環境100又はそれらの組み合わせによって実行され得る。
【0148】
ステップ176において、コストが最も低い処理装置識別子が、選択データとして提供されて選択され得る。ステップ178において、割り当てられた装置の利用可能性が、更に検証され得る。そのような検証は、割り当てられた利用可能な処理装置102、104、106のミッションスケジュール追跡に基づき得る。
【0149】
装置104が180において利用可能である場合、利用可能な装置104が確認され得る。ステップ182において、割り当てられた利用可能な装置を追跡するミッションスケジュールが、選択されて検証された装置104に関して更新され得る。
【0150】
最後のステップ184において、動作データが、選択されて検証された装置104に提供され得る。したがって、第2の処理装置104によって実行される処理動作に関する動作データが第2の処理装置104に提供される。そのような動作データは、区画113、更新された軌道若しくは軌道決定、圃場データ若しくは圃場状態、起動される処理ユニット130に関連付けられた処理ユニット識別子、そのような処理ユニット130を起動するための区画113又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。動作データは、遅延を低減するために、例えば1つのマスタ処理装置102、104、106によってリアルタイムで提供され得る。動作データは、帯域幅要件を低減するために、例えばクラウド環境100又は地上局110によってバッチで提供され得る。動作データは、処理装置102、104、106間で直接的にハンドオーバを通してリアルタイムで提供され得る。
【0151】
選択された装置104が180において利用可能でない場合、ステップ186において、次に低コストの装置106が選択される。選択された装置106の利用可能性が検証される。そのような検証は、割り当てられた利用可能な装置を追跡するミッションスケジュールに基づき得る。そのような装置が利用可能である場合、それに応じてミッションスケジュールが更新される。最後のステップにおいて、第2の処理装置104によって実行される処理動作に関する動作データが第2の処理装置104に提供される。
【0152】
本方法の範囲では、圃場112を処理するために使用される処理装置102、104、106の数は、動的であり得る。処理装置102、104、106の数は、例えば、処理装置102、104、106の利用可能性及び/又は処理される残りの圃場領域に依存して増加及び減少し得る。例えば、処理装置が壊れるか又は消耗した場合、数は減少する。例えば、再充電された処理装置が再び使用され得る場合、数は増加する。処理装置は、本方法が適用されるネットワークにそれ自身を登録及び登録解除することができる。これにより、処理装置102、104、106の数が変化する場合、方法の柔軟性を高めて、適合の労力を減少させることができる。
【0153】
図17は、圃場を処理するための処理装置の動作データを提供するための更なる例示的な方法の1つの可能なデータフロー図を示す。分散コンピューティング環境の異なる部分を使用する複数の他の実施形態も可能であり得る。
【0154】
第1のメッセージとして、第1の処理装置102は、地上局110に未処理区画の圃場データをプッシュする。地上局110は、圃場データに基づいて、利用可能な第2の処理装置104を決定し、その動作データを更新する。更新された動作データは、第2の処理装置104にプッシュされる。
【0155】
処理が完了すると、第2の処理装置104は、割り当てられた使用可能な装置を追跡するミッションスケジュールを更新するために、地上局110にそのような更新をプッシュすることができる。第2の処理装置104がそのミッションを完了すると、それぞれのメッセージが地上局110に送信され得る。検証すると、地上局110は、第2の処理装置102が更なる活動を停止するように、ホーム復帰コマンドを送信する。
【0156】
図18は、圃場を処理するための処理装置の動作データを提供するための更なる例示的な方法の1つの可能なデータフロー図を示す。分散コンピューティング環境の異なる部分を使用する複数の他の実施形態も可能であり得る。
【0157】
第1のメッセージとして、第1の処理装置102は、他の処理装置104、106に未処理区画の圃場データをブロードキャストする。他の処理装置104、106は、未処理区画113までの距離及び監視/処理IDを送信する。第1の処理装置102は、コスト関数に基づいて1つの他の処理装置104、106を選択する。そのような選択により、第1の処理装置102は、選択された処理装置104、106とのハンドオーバを開始し、圃場データ又は動作データを提供する。選択された処理装置104、106は、そのようなハンドオーバを確認する。選択されなかった処理装置に対して、第1の処理装置102は、ハンドオーバなしで相互作用終了メッセージをブロードキャストする。
【0158】
好ましい実施形態と併せて本開示を例として説明してきた。しかしながら、図面、本開示及び特許請求の範囲を検討することにより、他の変形形態は、当業者により、特許請求の範囲に記載の発明を実施することによって理解され、実施され得る。とりわけ、特に提示された任意のステップは、任意の順序で実行され得、すなわち、本発明は、これらのステップの特定の順序に限定されるものではない。更に、異なるステップが特定の場所又は分散型システムの1つのノードで実施されることも必須ではない。すなわち、ステップのそれぞれは、異なる機器/データ処理ユニットを使用して異なるノードで実施され得る。
【0159】
特許請求の範囲及び本明細書では、「含む」という語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を除外するものではない。単一の要素又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されたいくつかのエンティティ又は項目の機能を果たし得る。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実のみでは、これらの手段の組み合わせを有利な実装形態において使用できないことを示すものではない。
【国際調査報告】