(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-S-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩
(51)【国際特許分類】
C07D 211/54 20060101AFI20240628BHJP
A61K 31/445 20060101ALI20240628BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240628BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240628BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240628BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20240628BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240628BHJP
A61P 29/02 20060101ALI20240628BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C07D211/54 CSP
A61K31/445
A61P43/00 111
A61P29/00
A61P35/00
A61P31/00
A61P25/00
A61P3/00
A61P9/00
A61P11/00
A61P1/16
A61P13/12
A61P27/02
A61P17/00
A61P25/18
A61P25/04
A61P29/02
A61P15/00
A61P37/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579191
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2022067278
(87)【国際公開番号】W WO2022269010
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】エンケルマン,デニス・ディモ
(72)【発明者】
【氏名】ヒトバー,ピルミン
(72)【発明者】
【氏名】ワームリンガー,マルク
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC21
4C086GA13
4C086GA15
4C086MA01
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4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA08
4C086ZA18
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4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZB07
4C086ZB26
4C086ZB32
4C086ZC21
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩ならびにその水和物、溶媒和物および多形に関する。本発明はさらに、この化合物を含む医薬組成物、ならびに最も特にNLRP3阻害による医学的疾患、障害および状態の処置ならびに予防におけるこの化合物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩、またはその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項2】
一カリウム塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項3】
およそ5.14°2θ、16.30°2θ、および20.66°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する、請求項2に記載の塩の多形。
【請求項4】
10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する、請求項2または3に記載の塩の多形:5.14°2θ、8.90°2θ、12.60°2θ、16.30°2θ、17.86°2θ、18.60°2θ、20.00°2θ、20.66°2θ、22.54°2θ、23.70°2θ、24.26°2θ、25.36°2θ、25.90°2θ、28.90°2θ、30.30°2θ、32.50°2θ、32.92°2θ、35.40°2θ、および36.56°2θ。
【請求項5】
25℃~210℃の間で最大約3%の重量損失を含むTGAプロファイルを有する、請求項3または4に記載の多形。
【請求項6】
約233℃~約241℃の範囲の温度での開始を有する、単一の吸熱現象を含むDSCプロファイルを有する、請求項3から5のいずれか一項に記載の多形。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか一項に記載の多形の製造方法であって、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を溶媒系に懸濁させて、懸濁液を形成すること;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を、請求項3から6のいずれか一項に記載の多形として得ること、を含む、製造方法。
【請求項8】
工程(a)で使用される溶媒系が、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、tert-ブチルメチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、2-メチルテトラヒドロフラン、ニトロメタン、トルエン、アニソール、クロロベンゼン、およびそれらの混合物から選択される溶媒を含む、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
およそ4.86°2θ、9.74°2θ、16.08°2θ、および19.16°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する、請求項2に記載の塩の多形。
【請求項10】
10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する、請求項2または9に記載の塩の多形:4.86°2θ、8.42°2θ、9.74°2θ、12.76°2θ、14.64°2θ、16.08°2θ、16.94°2θ、17.62°2θ、19.16°2θ、19.46°2θ、20.06°2θ、20.98°2θ、24.52°2θ、および29.56°2θ。
【請求項11】
25℃~160℃の間で約5.3%~約7.3%の重量損失を含むTGAプロファイルを有する、請求項9または10に記載の多形。
【請求項12】
第一の広範な吸熱現象と、約143℃~約151℃の範囲の温度での第一の開始、および約147℃~約155℃の範囲の温度での第二の開始を有する発熱現象と、約229℃~約237℃の範囲の温度での開始を有する第二の吸熱現象を含むDSCプロファイルを有する、請求項9から11のいずれか一項に記載の多形。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか一項に記載の多形の製造方法であって、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、またはそれらの混合物を含む溶媒系に懸濁させて、懸濁液を形成すること;
(b)懸濁液に水を加えて、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を溶解させて、溶液を形成すること;および
(c)溶液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を、請求項9から12のいずれか一項に記載の多形として得ること、を含む、製造方法。
【請求項14】
およそ4.90°2θ、6.60°2θ、および7.06°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する、請求項2に記載の塩の多形。
【請求項15】
10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する、請求項2または14に記載の塩の多形:4.58°2θ、4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、9.26°2θ、9.84°2θ、11.64°2θ、13.06°2θ、13.28°2θ、14.16°2θ、16.32°2θ、17.24°2θ、17.98°2θ、18.58°2θ、18.74°2θ、19.78°2θ、20.36°2θ、および21.36°2θ。
【請求項16】
25℃~150℃の間で約9.9%~約11.9%の重量損失を含むTGAプロファイルを有する、請求項14または15に記載の多形。
【請求項17】
3連の吸熱現象、その後に弱い発熱現象、その後に弱い吸熱現象、その後に広範な吸熱現象を含むDSCプロファイルを有する、請求項14から16のいずれか一項に記載の多形。
【請求項18】
請求項14から17のいずれか一項に記載の多形の製造方法であって、
(a)メタノール中に1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を提供して、混合物を形成すること;および
(b)混合物から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を、請求項14から17のいずれか一項に記載の多形として得ること、を含む、製造方法。
【請求項19】
請求項1もしくは2に記載の結晶性塩、または請求項3から6、もしくは請求項9から12、もしくは請求項14から17のいずれか一項に記載の多形、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項20】
医療に使用するための、請求項1もしくは2に記載の結晶性塩、または請求項3から6、もしくは請求項9から12、もしくは請求項14から17のいずれか一項に記載の多形、または請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
疾患、障害もしくは状態の処置または予防における使用のためのものであって、疾患、障害または状態が、NLRP3阻害に応答する、請求項1もしくは2に記載の結晶性塩、または請求項3から6、請求項9から12、もしくは請求項14から17のいずれか一項に記載の多形、または請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
以下から選択される、疾患、障害もしくは状態の処置または予防における使用のための、請求項1もしくは2に記載の結晶性塩、または請求項3から6、もしくは請求項9から12、もしくは請求項14から17のいずれか一項に記載の多形、または請求項19に記載の医薬組成物:
(i)炎症;
(ii)自己免疫疾患;
(iii)がん;
(iv)感染症;
(v)中枢神経系疾患;
(vi)代謝性疾患;
(vii)心血管疾患;
(viii)呼吸器疾患;
(ix)肝臓疾患;
(x)腎臓疾患;
(xi)眼疾患;
(xii)皮膚疾患;
(xiii)リンパ系の状態;
(xiv)精神障害;
(xv)疼痛;および
(xvi)個体がNLRP3の生殖系列または体細胞の非サイレント変異を保有していると判定された疾患。
【請求項23】
NLRP3を阻害する方法であって、NLRP3を阻害するための、請求項1もしくは2に記載の結晶性塩、または請求項3から6、もしくは請求項9から12、もしくは請求項14から17のいずれか一項に記載の多形、または請求項19に記載の医薬組成物の使用を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩ならびにその水和物、溶媒和物および多形に関する。本発明はさらに、この化合物を含む医薬組成物、ならびに最も特にNLRP3阻害による医学的疾患、障害および状態の処置ならびに予防におけるこの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの小分子がNLRP3インフラマソームを阻害することが示されている。グリブリドは、NLRP3の活性化に応答してマイクロモル濃度でIL-1β産生を阻害するが、NLRC4またはNLRP1は阻害しない。これまでに特徴付けられている他の弱いNLRP3阻害剤には、パルテノリド、3,4-メチレンジオキシ-β-ニトロスチレン、およびジメチルスルホキシド(DMSO)が含まれるが、これらの薬剤の力価は限定されており、かつ非特異的である。
【0003】
ある特定のスルホニル尿素含有化合物は、NLRP3の阻害剤としても開示されている(例えば、Baldwinら、J.Med.Chem.、59(5)、1691~1710頁、2016年;およびWO2016/131098A1を参照のこと)。WO2019/008025A1は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの非晶質カリウム塩を開示している。
【0004】
改善された薬理的および/または生理的および/または物理化学的特性を有する化合物、および/または既知の化合物の有用な代替物を提供する化合物を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドのカリウム塩の結晶形、またはその水和物もしくは溶媒和物を提供する。
【0006】
本発明の第2の態様は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの一カリウム塩の結晶多形、またはその水和物もしくは溶媒和物を提供する。このような多形の好ましい例としては、本明細書において形態A、形態D、および形態Bと呼ばれる多形が挙げられる。このような多形の他の例としては、本明細書において形態C、形態E、形態F、形態G、形態H、形態I、形態J、形態K、形態L、形態M、および形態Nと呼ばれる多形が挙げられる。
【0007】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様の結晶形または本発明の第2の態様の多形と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0008】
本発明のさらなる態様は、最も具体的にはNLRP3阻害による、疾患、障害もしくは状態の処置または予防の医学的使用および方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図10】評価実施例2に記載のように多形Aの粉砕前処理(下部のディフラクトグラム)と重ね合わせた多形Aの粉砕後処理(上部のディフラクトグラム)のXRPD分析を示す。
【
図11】比較例1からの非晶質生成物のXRPD分析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
活性薬学的化合物の固体形態間の差異は、化合物の特性に重大な影響を与える可能性がある。例えば、同じ化合物の非晶質および他の多形と比較して、化合物の多形の結晶化度、溶解度、固有の溶解速度、生物学的利用能、機械的粉砕に対する安定性、保存安定性、ならびに水性媒体および他の媒体中での安定性に差異が生じる可能性がある。
【0011】
本発明は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩またはその水和物もしくは溶媒和物を提供し、これは、非晶質形態に比べてある特定の利点を有する。本発明はまた、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩の多形またはその水和物もしくは溶媒和物を提供し、これは、他の多形および非晶質形態に比べてある特定の利点を有する。
【0012】
本発明の第1の態様は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドのカリウム塩の結晶形、またはその水和物もしくは溶媒和物を提供する。1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド(遊離酸とも呼ばれる)は、以下の式を有する。
【化1】
【0013】
本発明の第1の態様の結晶形は、カリウムイオンに対する遊離酸の共役塩基の任意の比を有する塩、例えば一カリウム塩、二カリウム塩、およびヘミカリウム塩を包含する。一実施形態では、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩は、一カリウム塩である。
【0014】
本発明の第1の態様の結晶形は、無水物、または水和物(例えば、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物もしくは非化学量論的水和物)もしくは他の溶媒和物の形態であってもよい。このような溶媒和物は、アルコール溶媒、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノールを含むがこれらに限定されない一般有機溶媒を用いて形成することができる。一実施形態では、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩は、無水物である。一実施形態では、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩は、水和物である。
【0015】
本発明の第1の態様の結晶形は、好ましくは50%以上(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、または99%以上)の結晶化度を有する。本明細書で使用される場合、本発明の第1の態様の結晶形は、90%以上(例えば、95%以上、または99%以上)の結晶化度を有する場合、典型的には結晶性と呼ばれる。本明細書で使用される場合、結晶化度は、塩の総重量のパーセンテージとして表される、1つまたは複数の多形である本発明の第1の態様の結晶形の重量パーセンテージである。典型的には、結晶化度は、XRPDまたはDSCによって、好ましくはXRPDによって決定される。
【0016】
本発明の第1の態様の結晶形は、HPLCで測定した化学純度が、好ましくは少なくとも95wt%、より好ましくは少なくとも97wt%、より好ましくは少なくとも98wt%、より好ましくは少なくとも99wt%、より好ましくは少なくとも99.5wt%、さらにより好ましくは少なくとも99.8wt%、および最も好ましくは少なくとも99.9wt%である。
【0017】
本発明の第1の態様の結晶形は、1H NMRで測定した化学純度が、好ましくは少なくとも95wt%、より好ましくは少なくとも97wt%、より好ましくは少なくとも98wt%、より好ましくは少なくとも99wt%、およびより好ましくは少なくとも99.5wt%である。
【0018】
一実施形態では、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド無水物の結晶性一カリウム塩である。
【0019】
一実施形態では、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性カリウム塩は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド水和物(例えば、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、または非化学量論的水和物)の結晶性一カリウム塩である。
【0020】
本発明の第1の態様の結晶形は、1つまたは複数の多形で存在し得る。多型とは、固体物質が1つまたは複数の異なる結晶構造(すなわち、結晶格子内で1つまたは複数の互いに対して異なる分子配置)で存在する能力を指す。物質の異なる多形は、生物学的利用能、溶解度、固有の溶解速度、および熱量測定挙動(例えば融点)などの異なる物理的特性を有することができる。異なる多形は、安定性の差異(例えば、他の結晶形または非晶質形態への変換に関する安定性の差異、または粉砕に対する安定性の差異)を示すこともある。医薬品有効成分の物理的特性は、医薬品の安全性性能および有効性に影響を与える場合がある。したがって、薬学的に許容される特性を有する原体の多形を同定することは有利である。
【0021】
したがって、本発明の第2の態様は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの一カリウム塩の結晶多形、またはその水和物もしくは溶媒和物を提供する。
【0022】
本発明の第1の態様の結晶形および本発明の第2の態様の多形は、12C、13C、1H、2H(D)、14N、15N、16O、17O、18O、19Fおよび127I、を含むがこれらに限定されない任意の安定同位体、ならびに11C、14C、3H(T)、13N、15O、18F、123I、124I、125Iおよび131Iを含むがこれらに限定されない任意の放射性同位体を含有することができる。
【0023】
本発明の第2の態様の多形は、XRPDまたはDSCによって測定された場合、好ましくはXRPDによって測定された場合、好ましくは化合物の単結晶多形を80%超、好ましくは90%超、より好ましくは95%超、さらにより好ましくは98%超、および最も好ましくは99%超含む。
【0024】
ある特定の実施形態では、第2の態様の多形は、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩の多形である。
【0025】
第2の態様の多形の好ましい例としては、本明細書において形態A、形態D、および形態Bと呼ばれる多形が挙げられる。このような多形の他の例としては、本明細書において形態C、形態E、形態F、形態G、形態H、形態I、形態J、形態K、形態L、形態M、および形態Nと呼ばれる多形が挙げられる。
【0026】
形態Aから形態Nまでの多形は、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)および/またはフーリエ変換赤外分光法(TGA-FTIR)と組み合わせた熱重量分析などの技術によって特徴付けることができる。
【0027】
本明細書で使用される場合、XRPDデータは、典型的には、20℃でCuKa1放射線を使用して得ることができるデータである。本明細書で使用される場合、XRPDピークの位置に関連して使用される「およそ」または「ほぼ」という用語は、典型的には、記載された位置±0.2°2θ、好ましくは±0.15°2θを指す。本明細書で使用される場合、DSC、TGA、およびTGA-FTIRデータは、典型的には、それぞれ10K/分、5K/分、および10K/分の加熱速度を使用して得ることができるデータである。
【0028】
形態A多形
形態A多形は、第1の特に好ましい多形である。これは同定された唯一の無水結晶形であった。これは、良好な溶解性を有し、熱力学的に安定であるだけでなく、長時間の粉砕条件に対しても安定であることが見出された。したがって、形態A多形は医薬品としての開発に好適である。
【0029】
形態A多形は、典型的には、およそ5.14°2θ、16.30°2θ、および20.66°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態A多形は、およそ5.14°2θ、16.30°2θ、20.00°2θ、および20.66°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態A多形は、およそ5.14°2θ、16.30°2θ、20.66°2θ、および22.54°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態A多形は、およそ5.14°2θ、16.30°2θ、17.86°2θ、20.00°2θ、および20.66°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態A多形は、およそ5.14°2θ、16.30°2θ、17.86°2θ、18.60°2θ、20.00°2θ、20.66°2θ、および22.54°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおさらに典型的には、形態A多形は、およそ5.14°2θ、12.60°2θ、16.30°2θ、17.86°2θ、18.60°2θ、20.00°2θ、20.66°2θ、22.54°2θ、25.36°2θ、および25.90°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおさらに典型的には、形態A多形は、およそ5.14°2θ、12.60°2θ、16.30°2θ、17.86°2θ、18.60°2θ、20.00°2θ、20.66°2θ、22.54°2θ、23.70°2θ、25.36°2θ、25.90°2θ、32.50°2θ、および36.56°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおさらに典型的には、形態A多形は、およそ5.14°2θ、8.90°2θ、12.60°2θ、16.30°2θ、17.86°2θ、18.60°2θ、20.00°2θ、20.66°2θ、22.54°2θ、23.70°2θ、24.26°2θ、25.36°2θ、25.90°2θ、28.90°2θ、30.30°2θ、32.50°2θ、32.92°2θ、35.40°2θ、および36.56°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0030】
形態A多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.14°2θ、8.90°2θ、12.60°2θ、16.30°2θ、17.86°2θ、18.60°2θ、20.00°2θ、20.66°2θ、22.54°2θ、23.70°2θ、24.26°2θ、25.36°2θ、25.90°2θ、28.90°2θ、30.30°2θ、32.50°2θ、32.92°2θ、35.40°2θ、および36.56°2θ。より典型的には、形態A多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.14°2θ、12.60°2θ、16.30°2θ、17.86°2θ、18.60°2θ、20.00°2θ、20.66°2θ、22.54°2θ、23.70°2θ、25.36°2θ、25.90°2θ、32.50°2θ、および36.56°2θ。なおより典型的には形態A多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.14°2θ、12.60°2θ、16.30°2θ、17.86°2θ、18.60°2θ、20.00°2θ、20.66°2θ、22.54°2θ、25.36°2θ、および25.90°2θ。
【0031】
形態A多形は、以下の表1にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表1】
【0032】
形態A多形は、
図1Aまたは1Bにほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0033】
形態A多形は、無水多形である。形態A多形は同定された唯一の無水結晶形であった。
【0034】
また、形態A多形は吸湿性があり、さまざまな量の非同化水(non-assimilated water)(すなわち、水和水ではない)を含有し得る。非同化水の量は、使用する調製および保存条件によって異なる。形態A多形では、最大約3%の量の非同化水が観察されている。周囲条件(約20~40%RH(典型的には約30%RH)および約20~25℃)で保存した場合、形態A多形は、典型的には、約1%~約1.5%の非同化水を含有する。
【0035】
形態A多形は、典型的には、25℃~210℃の間で最大約3%(典型的には最大約2.5%、典型的には最大約2%)の重量損失を含むTGAプロファイルを有する。
【0036】
形態A多形は、
図2にほぼ示されるようなTGAプロファイルを有し得る。
【0037】
形態A多形は典型的には、単一の吸熱現象を含むDSCプロファイルを有し、分解を伴って融解すると考えられている。形態A多形の吸熱現象は、典型的には、約227℃~約247℃の範囲の温度(例えば、約232℃~約242℃の範囲の温度、約233℃~約241℃の範囲の温度、または約237℃の温度)での開始を有する。形態A多形の吸熱現象は、典型的には、約233℃~約253℃の範囲の温度(例えば、約238℃~約248℃の範囲の温度、約239℃~約247℃の範囲の温度、または約243℃の温度)にピークを有する。
【0038】
形態A多形は、
図3にほぼ示されるようなDSCプロファイルを有し得る。
【0039】
形態A多形は、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を溶媒系に懸濁させて、懸濁液を形成すること;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態A多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0040】
好ましい実施形態では、工程(a)で使用される溶媒系は、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、tert-ブチルメチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、2-メチルテトラヒドロフラン、ニトロメタン、トルエン、アニソール、クロロベンゼン、およびそれらの混合物から選択される溶媒を含む。好ましい実施形態では、工程(a)で使用される溶媒系は、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、tert-ブチルメチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、2-メチルテトラヒドロフラン、ニトロメタン、トルエン、アニソール、クロロベンゼン、およびそれらの混合物から選択される溶媒からなる。好ましい実施形態では、工程(a)で使用される溶媒系は、アセトン、アセトニトリル、およびそれらの混合物から選択される溶媒を含む。好ましい実施形態では、工程(a)で使用される溶媒系は、アセトン、アセトニトリル、およびそれらの混合物から選択される溶媒からなる。好ましい実施形態では、溶媒系はアセトンまたはアセトニトリルからなる。
【0041】
いくつかの実施形態では、工程(a)は、5℃~60℃の範囲、または10℃~30℃の範囲、または15℃~25℃の範囲の温度で実行する。
【0042】
形態D多形
形態D多形は、第2の特に好ましい多形である。形態D多形は良好な溶解性を有し、溶媒もしくは共溶媒のいずれかとしての水の存在下、または湿度(25℃で>30%RHなど)の存在下で安定であることが見出された。したがって、形態D多形は医薬品としての開発に好適である。
【0043】
形態D多形は、典型的には、およそ4.86°2θ、9.74°2θ、16.08°2θ、および19.16°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態D多形は、およそ4.86°2θ、8.42°2θ、9.74°2θ、16.08°2θ、および19.16°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態D多形は、およそ4.86°2θ、9.74°2θ、16.08°2θ、16.94°2θ、および19.16°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態D多形は、およそ4.86°2θ、9.74°2θ、14.64°2θ、16.08°2θ、19.16°2θ、および19.46°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態D多形は、およそ4.86°2θ、9.74°2θ、14.64°2θ、16.08°2θ、16.94°2θ、17.62°2θ、19.16°2θ、19.46°2θ、および20.98°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおさらに典型的には、形態D多形は、およそ4.86°2θ、8.42°2θ、9.74°2θ、12.76°2θ、14.64°2θ、16.08°2θ、16.94°2θ、17.62°2θ、19.16°2θ、19.46°2θ、20.06°2θ、および20.98°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0044】
形態D多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.86°2θ、8.42°2θ、9.74°2θ、12.76°2θ、14.64°2θ、16.08°2θ、16.94°2θ、17.62°2θ、19.16°2θ、19.46°2θ、20.06°2θ、20.98°2θ、24.52°2θ、および29.56°2θ。より典型的には、形態D多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.86°2θ、8.42°2θ、9.74°2θ、12.76°2θ、14.64°2θ、16.08°2θ、16.94°2θ、17.62°2θ、19.16°2θ、19.46°2θ、20.06°2θ、および20.98°2θ。なおより典型的には、形態D多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.86°2θ、9.74°2θ、14.64°2θ、16.08°2θ、16.94°2θ、17.62°2θ、19.16°2θ、19.46°2θ、20.06°2θ、および20.98°2θ。
【0045】
形態D多形は、以下の表2にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表2】
【0046】
形態D多形は、
図4Aまたは4Bにほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0047】
形態D多形は、水和物である。形態D多形は、約4%~約8%の間の水を含有する。周囲条件(約20~40%RH(典型的には約30%RH)および約20~25℃)で保存した場合、形態D多形は典型的には、約6%~約7%の水を含有する(1molの1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム当たり約1.5mol~約1.8mol)。
【0048】
形態D多形は、典型的には、25℃から160℃の間で、約4.3%~約8.3%の重量損失(例えば、約5.3%~約7.3%の重量損失、約5.8%~約6.8%の重量損失、約6.1%~約6.5%の重量損失、または約6.3%の重量損失)を含むTGAプロファルを有する。
【0049】
形態D多形は、
図5にほぼ示されるようなTGAプロファイルを有し得る。
【0050】
形態D多形は典型的には、第一の吸熱現象(水和水の損失であると考えられる)、発熱現象(形態A多形への相転移であると考えられる)、および第二の吸熱現象(分解を伴い融解していると考えられる)を含むDSCプロファイルを有する。
【0051】
形態D多形の第一の吸熱現象は、約25℃~約138℃で起こる広範囲の吸熱現象である。
【0052】
形態D多形の発熱現象は、典型的には、約137℃~約157℃の範囲の温度(例えば、約142℃~約152℃の範囲の温度、約143℃~約151℃の範囲の温度、または約147℃の温度)での第一の開始、および約141℃~約161℃の範囲の温度(例えば、約146℃~約156℃の範囲の温度、約147℃~約155℃の範囲の温度、または約151℃の温度)での第二の開始を有する。形態D多形の発熱現象は、典型的には、約140℃~約160℃の範囲の温度(例えば、約145℃~約155℃の範囲の温度、約146℃~約154℃の範囲の温度、または約150℃の温度)での第一のピーク、および約152℃~約172℃の範囲の温度(例えば、約157℃~約167℃の範囲の温度、約158℃~約166℃の範囲の温度、または約162℃の温度)での第二のピークを有する。
【0053】
形態D多形の第二の吸熱現象は、典型的には、約223℃~約243℃の範囲の温度(例えば、約228℃~約238℃の範囲の温度、約229℃~約237℃の範囲の温度、または約233℃の温度)での開始を有する。形態D多形の第二の吸熱現象は、典型的には、約229℃~約249℃の範囲の温度(例えば、約234℃~約244℃の範囲の温度、約235℃~約243℃の範囲の温度、または約239℃の温度)にピークを有する。
【0054】
形態D多形は、
図6にほぼ示されるようなDSCプロファイルを有し得る。
【0055】
形態D多形は、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、またはそれらの混合物を含む溶媒系に懸濁させて、懸濁液を形成すること;
(b)懸濁液に水を加えて、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を溶解させて、溶液を形成すること;および
(c)溶液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態D多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0056】
好ましい実施形態では、工程(a)で使用される溶媒系は、メチルエチルケトンを含む。好ましい実施形態では、工程(a)で使用される溶媒系は、メチルエチルケトンからなる。
【0057】
好ましい実施形態では、工程(a)の溶媒系対工程(b)の水の体積比は、100:1~1:1(例えば、40:1~1:1、または約12.5:1)である。
【0058】
好ましい実施形態では、工程(b)において、懸濁液を加熱して溶液を形成し、工程(c)において、溶液を冷却して(例えば、室温または約20~25℃に)、溶液から形態D多形を得る。
【0059】
形態B多形
形態B多形は、典型的には、およそ4.90°2θ、6.60°2θ、および7.06°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態B多形は、およそ4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、および13.28°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態B多形は、およそ4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、および18.58°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態B多形は、およそ4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、13.06°2θ、13.28°2θ、および18.58°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態B多形は、およそ4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、11.64°2θ、13.06°2θ、13.28°2θ、18.58°2θ、20.36°2θ、および21.36°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおさらに典型的には、形態B多形は、およそ4.58°2θ、4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、11.64°2θ、13.06°2θ、13.28°2θ、17.98°2θ、18.58°2θ、18.74°2θ、20.36°2θ、および21.36°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおさらに典型的には、形態B多形は、およそ4.58°2θ、4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、9.26°2θ、9.84°2θ、11.64°2θ、13.06°2θ、13.28°2θ、14.16°2θ、16.32°2θ、17.24°2θ、17.98°2θ、18.58°2θ、18.74°2θ、19.78°2θ、20.36°2θ、および21.36°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0060】
形態B多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.58°2θ、4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、9.26°2θ、9.84°2θ、11.64°2θ、13.06°2θ、13.28°2θ、14.16°2θ、16.32°2θ、17.24°2θ、17.98°2θ、18.58°2θ、18.74°2θ、19.78°2θ、20.36°2θ、および21.36°2θ。より典型的には、形態B多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.58°2θ、4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、11.64°2θ、13.06°2θ、13.28°2θ、17.98°2θ、18.58°2θ、18.74°2θ、20.36°2θ、および21.36°2θ。なおより典型的には、形態B多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.58°2θ、4.90°2θ、6.60°2θ、7.06°2θ、11.64°2θ、13.06°2θ、13.28°2θ、18.58°2θ、20.36°2θ、および21.36°2θ。
【0061】
形態B多形は、以下の表3にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表3】
【0062】
形態B多形は、
図7Aまたは7Bにほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0063】
形態B多形は、水和物である。
【0064】
形態B多形は、典型的には、25℃~150℃の間で、約8.9%~約12.9%の重量損失(例えば、約9.9%~約11.9%の重量損失、約10.4%~約11.4%の重量損失、約10.7%~約11.1%の重量損失、または約10.9%の重量損失)を含むTGAプロファルを有する。
【0065】
形態B多形は、
図8にほぼ示されるようなTGAプロファイルを有し得る。
【0066】
形態B多形は、典型的には、3連の吸熱現象(水放出であると考えられる)、その後に弱い発熱現象、その後に弱い吸熱現象、その後に広範な吸熱現象を含むDSCプロファイルを有する。
【0067】
形態B多形は、
図9にほぼ示されるようなDSCプロファイルを有し得る。
【0068】
形態B多形は、
(a)メタノール中に1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を提供して、混合物を形成すること;および
(b)混合物から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態B多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0069】
好ましい実施形態では、工程(b)において、溶媒がエバポレートして混合物から形態B多形が得られるまで、混合物を撹拌しながら周囲条件(約20~40%RH(典型的には約30%RH)および約20~25℃)に維持する。
【0070】
形態C多形
形態C多形は、典型的には、およそ5.1°2θ、8.9°2θ、9.1°2θ、15.2°2θ、および22.7°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態C多形は、およそ5.1°2θ、8.2°2θ、8.9°2θ、9.1°2θ、13.3°2θ、15.2°2θ、17.2°2θ、21.4°2θ、22.7°2θ、および23.1°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態C多形は、およそ5.1°2θ、8.2°2θ、8.9°2θ、9.1°2θ、11.8°2θ、12.3°2θ、12.4°2θ、13.3°2θ、15.1°2θ、15.2°2θ、16.4°2θ、17.2°2θ、20.9°2θ、21.2°2θ、21.4°2θ、22.2°2θ、22.7°2θ、23.1°2θ、25.5°2θ、および27.7°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0071】
形態C多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.1°2θ、8.2°2θ、8.9°2θ、9.1°2θ、11.8°2θ、12.3°2θ、12.4°2θ、13.3°2θ、15.1°2θ、15.2°2θ、16.4°2θ、17.2°2θ、20.9°2θ、21.2°2θ、21.4°2θ、22.2°2θ、22.7°2θ、23.1°2θ、25.5°2θ、および27.7°2θ。より典型的には、形態C多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.1°2θ、8.2°2θ、8.9°2θ、9.1°2θ、13.3°2θ、15.2°2θ、17.2°2θ、21.4°2θ、22.7°2θ、および23.1°2θ。
【0072】
形態C多形は、以下の表4にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表4】
【0073】
形態C多形は、
図12にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0074】
形態C多形は、水和物である。
【0075】
形態C多形は、
(a)形態Aの1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を密閉容器内で水上約100%RHに維持すること;および
(b)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態C多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0076】
好ましい実施形態では、工程(a)において、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約5~20日間(好ましくは約13日間)維持する。
【0077】
形態E多形
形態E多形は、典型的には、およそ5.6°2θ、6.2°2θ、10.7°2θ、11.3°2θ、および21.7°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態E多形は、およそ5.6°2θ、6.2°2θ、8.7°2θ、10.7°2θ、11.3°2θ、14.4°2θ、20.8°2θ、21.5°2θ、21.7°2θ、および21.9°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態E多形は、およそ5.6°2θ、6.2°2θ、8.7°2θ、9.1°2θ、10.7°2θ、11.3°2θ、11.5°2θ、11.7°2θ、12.4°2θ、13.1°2θ、13.4°2θ、14.4°2θ、15.6°2θ、16.6°2θ、18.7°2θ、19.0°2θ、20.8°2θ、21.5°2θ、21.7°2θ、および21.9°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0078】
形態E多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.6°2θ、6.2°2θ、8.7°2θ、9.1°2θ、10.7°2θ、11.3°2θ、11.5°2θ、11.7°2θ、12.4°2θ、13.1°2θ、13.4°2θ、14.4°2θ、15.6°2θ、16.6°2θ、18.7°2θ、19.0°2θ、20.8°2θ、21.5°2θ、21.7°2θ、および21.9°2θ。より典型的には、形態E多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.6°2θ、6.2°2θ、8.7°2θ、10.7°2θ、11.3°2θ、14.4°2θ、20.8°2θ、21.5°2θ、21.7°2θ、および21.9°2θ。
【0079】
形態E多形は、以下の表5にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表5】
【0080】
形態E多形は、
図13にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0081】
形態E多形は、水和物である。
【0082】
形態E多形は、
(a)約5/95(v/v)の比のアセトニトリル/水の混合物中に1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩(好ましくは形態A)を懸濁させて、懸濁液を形成すること;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態E多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0083】
好ましい実施形態では、工程(a)において、懸濁液は、好ましくは密閉容器内で、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約1~20日間(好ましくは約6日間)維持する。
【0084】
形態F多形
形態F多形は、典型的には、およそ4.9°2θ、9.8°2θ、19.1°2θ、20.5°2θ、および22.2°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態F多形は、およそ4.9°2θ、9.8°2θ、15.6°2θ、17.0°2θ、19.1°2θ、19.4°2θ、19.9°2θ、20.5°2θ、21.7°2θ、および22.2°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態F多形は、およそ4.9°2θ、6.5°2θ、9.8°2θ、12.9°2θ、13.9°2θ、14.7°2θ、15.6°2θ、15.9°2θ、16.4°2θ、17.0°2θ、17.6°2θ、19.1°2θ、19.4°2θ、19.9°2θ、20.1°2θ、20.5°2θ、20.9°2θ、21.2°2θ、21.7°2θ、および22.2°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0085】
形態F多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.9°2θ、6.5°2θ、9.8°2θ、12.9°2θ、13.9°2θ、14.7°2θ、15.6°2θ、15.9°2θ、16.4°2θ、17.0°2θ、17.6°2θ、19.1°2θ、19.4°2θ、19.9°2θ、20.1°2θ、20.5°2θ、20.9°2θ、21.2°2θ、21.7°2θおよび22.2°2θ。より典型的には、形態F多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.9°2θ、9.8°2θ、15.6°2θ、17.0°2θ、19.1°2θ、19.4°2θ、19.9°2θ、20.5°2θ、21.7°2θ、および22.2°2θ。
【0086】
形態F多形は、以下の表6にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表6】
【0087】
形態F多形は、
図14にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0088】
形態F多形は、水和物である。
【0089】
形態F多形は、
(a)約95/5(w/w)の比のアセトニトリル/水の混合物中で1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩(好ましくは形態A)を懸濁させて、懸濁液を形成すること;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態F多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0090】
好ましい実施形態では、工程(a)において、懸濁液は、好ましくは密閉容器内で、約15~25℃(好ましくは約21℃)の温度で約1~20日間(好ましくは約3日間)維持する。
【0091】
形態G多形
形態G多形は、典型的には、およそ4.8°2θ、8.7°2θ、9.0°2θ、16.4°2θ、および18.0°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態G多形は、およそ4.8°2θ、8.7°2θ、9.0°2θ、10.5°2θ、14.5°2θ、15.8°2θ、16.4°2θ、18.0°2θ、20.3°2θ、および22.7°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態G多形は、およそ4.8°2θ、8.7°2θ、9.0°2θ、9.6°2θ、10.1°2θ、10.5°2θ、13.5°2θ、14.5°2θ、15.8°2θ、16.4°2θ、18.0°2θ、19.8°2θ、20.3°2θ、21.8°2θ、22.7°2θ、23.4°2θ、23.7°2θ、24.9°2θ、27.2°2θ、および29.2°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0092】
形態G多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.8°2θ、8.7°2θ、9.0°2θ、9.6°2θ、10.1°2θ、10.5°2θ、13.5°2θ、14.5°2θ、15.8°2θ、16.4°2θ、18.0°2θ、19.8°2θ、20.3°2θ、21.8°2θ、22.7°2θ、23.4°2θ、23.7°2θ、24.9°2θ、27.2°2θ、および29.2°2θ。より典型的には、形態G多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.8°2θ、8.7°2θ、9.0°2θ、10.5°2θ、14.5°2θ、15.8°2θ、16.4°2θ、18.0°2θ、20.3°2θ、および22.7°2θ。
【0093】
形態G多形は、以下の表7にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表7】
【0094】
形態G多形は、
図15にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0095】
形態G多形は、水和物である。
【0096】
形態G多形は、
(a)形態Cの1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を約0%RHで乾燥させること;および
(b)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態G多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0097】
好ましい実施形態では、工程(a)において、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩を、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約1~10日間(好ましくは約5日間)乾燥させる。
【0098】
形態H多形
形態H多形は、典型的には、およそ5.1°2θ、5.6°2θ、6.5°2θ、14.9°2θ、および21.4°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態H多形は、およそ5.1°2θ、5.6°2θ、6.5°2θ、13.1°2θ、14.9°2θ、15.2°2θ、17.7°2θ、17.9°2θ、21.4°2θ、および22.3°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態H多形は、およそ5.1°2θ、5.6°2θ、6.5°2θ、8.6°2θ、10.2°2θ、11.3°2θ、11.6°2θ、12.9°2θ、13.1°2θ、13.3°2θ、14.2°2θ、14.9°2θ、15.2°2θ、15.3°2θ、15.6°2θ、17.7°2θ、17.9°2θ、19.6°2θ、21.4°2θ、および22.3°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0099】
形態H多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.1°2θ、5.6°2θ、6.5°2θ、8.6°2θ、10.2°2θ、11.3°2θ、11.6°2θ、12.9°2θ、13.1°2θ、13.3°2θ、14.2°2θ、14.9°2θ、15.2°2θ、15.3°2θ、15.6°2θ、17.7°2θ、17.9°2θ、19.6°2θ、21.4°2θ、および22.3°2θ。より典型的には、形態H多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.1°2θ、5.6°2θ、6.5°2θ、13.1°2θ、14.9°2θ、15.2°2θ、17.7°2θ、17.9°2θ、21.4°2θ、および22.3°2θ。
【0100】
形態H多形は、以下の表8にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表8】
【0101】
形態H多形は、
図16にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0102】
形態H多形は、水和物である。
【0103】
形態H多形は、
(a)約85/15(v/v)の比のアセトニトリル/水の混合物中に1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩(好ましくは形態A)を懸濁させて、懸濁液を形成すること;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態H多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0104】
好ましい実施形態では、工程(a)において、懸濁液は、好ましくは密閉容器内で、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約1~20日間(好ましくは約13日間)維持する。
【0105】
形態I多形
形態I多形は、典型的には、およそ4.7°2θ、5.0°2θ、6.2°2θ、6.7°2θ、および15.6°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態I多形は、およそ3.7°2θ、4.7°2θ、5.0°2θ、6.2°2θ、6.7°2θ、10.2°2θ、12.3°2θ、12.9°2θ、14.6°2θ、および15.6°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態I多形は、およそ3.7°2θ、4.7°2θ、5.0°2θ、6.2°2θ、6.7°2θ、7.0°2θ、7.1°2θ、7.7°2θ、9.5°2θ、9.8°2θ、10.2°2θ、10.4°2θ、10.8°2θ、11.0°2θ、11.3°2θ、12.3°2θ、12.9°2θ、14.6°2θ、14.9°2θ、および15.6°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0106】
形態I多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:3.7°2θ、4.7°2θ、5.0°2θ、6.2°2θ、6.7°2θ、7.0°2θ、7.1°2θ、7.7°2θ、9.5°2θ、9.8°2θ、10.2°2θ、10.4°2θ、10.8°2θ、11.0°2θ、11.3°2θ、12.3°2θ、12.9°2θ、14.6°2θ、14.9°2θ、および15.6°2θ。より典型的には、形態I多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:3.7°2θ、4.7°2θ、5.0°2θ、6.2°2θ、6.7°2θ、10.2°2θ、12.3°2θ、12.9°2θ、14.6°2θ、および15.6°2θ。
【0107】
形態I多形は、以下の表9にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表9】
【0108】
形態I多形は、
図17にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0109】
形態I多形はn-プロパノール溶媒和物であると考えられている。
【0110】
形態I多形は、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩(好ましくは形態A)をn-プロパノールに懸濁させて、懸濁液を形成する(好ましくは、密閉容器内で)こと;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態I多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0111】
好ましい実施形態では、工程(a)において、懸濁液は、好ましくは密閉容器内で、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約1~24時間(好ましくは約2時間)維持する。
【0112】
形態J多形
形態J多形は、典型的には、およそ5.2°2θ、5.7°2θ、19.2°2θ、21.6°2θ、および22.9°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態J多形は、およそ5.2°2θ、5.7°2θ、19.2°2θ、19.7°2θ、20.6°2θ、21.2°2θ、21.6°2θ、21.9°2θ、22.9°2θ、および23.6°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態J多形は、およそ5.2°2θ、5.7°2θ、6.6°2θ、17.0°2θ、19.2°2θ、19.7°2θ、20.3°2θ、20.4°2θ、20.6°2θ、20.7°2θ、21.0°2θ、21.2°2θ、21.6°2θ、21.8°2θ、21.9°2θ、22.0°2θ、22.9°2θ、23.6°2θ、24.4°2θ、および24.5°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0113】
形態J多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.2°2θ、5.7°2θ、6.6°2θ、17.0°2θ、19.2°2θ、19.7°2θ、20.3°2θ、20.4°2θ、20.6°2θ、20.7°2θ、21.0°2θ、21.2°2θ、21.6°2θ、21.8°2θ、21.9°2θ、22.0°2θ、22.9°2θ、23.6°2θ、24.4°2θ、および24.5°2θ。より典型的には、形態J多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.2°2θ、5.7°2θ、19.2°2θ、19.7°2θ、20.6°2θ、21.2°2θ、21.6°2θ、21.9°2θ、22.9°2θ、および23.6°2θ。
【0114】
形態J多形は、以下の表10にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表10】
【0115】
形態J多形は、
図18にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0116】
形態J多形はエタノール溶媒和物であると考えられている。
【0117】
形態J多形は、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩(好ましくは形態A)をエタノールに懸濁させて、懸濁液を形成する(好ましくは、密閉容器内で)こと;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態J多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0118】
好ましい実施形態では、工程(a)において、懸濁液は、好ましくは密閉容器内で、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約1~24時間(好ましくは約2時間)維持する。
【0119】
形態K多形
形態K多形は、典型的には、およそ5.1°2θ、6.1°2θ、18.2°2θ、19.3°2θ、および20.6°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態K多形は、およそ5.1°2θ、5.8°2θ、6.1°2θ、11.7°2θ、16.2°2θ、18.2°2θ、18.5°2θ、19.3°2θ、20.6°2θ、および21.7°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態K多形は、およそ5.1°2θ、5.8°2θ、6.1°2θ、9.1°2θ、10.1°2θ、11.7°2θ、12.2°2θ、13.5°2θ、15.2°2θ、15.6°2θ、16.2°2θ、17.2°2θ、18.2°2θ、18.5°2θ、19.0°2θ、19.3°2θ、19.5°2θ、20.3°2θ、20.6°2θ、および21.7°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0120】
形態K多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.1°2θ、5.8°2θ、6.1°2θ、9.1°2θ、10.1°2θ、11.7°2θ、12.2°2θ、13.5°2θ、15.2°2θ、15.6°2θ、16.2°2θ、17.2°2θ、18.2°2θ、18.5°2θ、19.0°2θ、19.3°2θ、19.5°2θ、20.3°2θ、20.6°2θ、および21.7°2θ。より典型的には、形態K多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.1°2θ、5.8°2θ、6.1°2θ、11.7°2θ、16.2°2θ、18.2°2θ、18.5°2θ、19.3°2θ、20.6°2θ、および21.7°2θ。
【0121】
形態K多形は、以下の表11にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表11】
【0122】
形態K多形は、
図19にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0123】
形態K多形はn-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶媒和物であると考えられている。
【0124】
形態K多形は、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩(好ましくは形態A)をn-メチル-2-ピロリドン(NMP)に懸濁させて、懸濁液を形成する(好ましくは、密閉容器内で)こと;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態K多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0125】
好ましい実施形態では、工程(a)において、懸濁液は、好ましくは密閉容器内で、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約1~24時間(好ましくは約2時間)維持する。
【0126】
形態L多形
形態L多形は、典型的には、およそ5.0°2θ、10.0°2θ、11.6°2θ、18.1°2θ、および18.5°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態L多形は、およそ5.0°2θ、5.9°2θ、10.0°2θ、11.6°2θ、18.1°2θ、18.3°2θ、18.5°2θ、19.3°2θ、20.2°2θ、および20.8°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態L多形は、およそ5.0°2θ、5.9°2θ、10.0°2θ、11.6°2θ、17.4°2θ、18.1°2θ、18.3°2θ、18.5°2θ、18.9°2θ、19.1°2θ、19.3°2θ、20.2°2θ、20.8°2θ、21.5°2θ、23.6°2θ、24.6°2θ、25.1°2θ、27.8°2θ、28.8°2θ、および30.3°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0127】
形態L多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.0°2θ、5.9°2θ、10.0°2θ、11.6°2θ、17.4°2θ、18.1°2θ、18.3°2θ、18.5°2θ、18.9°2θ、19.1°2θ、19.3°2θ、20.2°2θ、20.8°2θ、21.5°2θ、23.6°2θ、24.6°2θ、25.1°2θ、27.8°2θ、28.8°2θ、および30.3°2θ。より典型的には、形態L多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.0°2θ、5.9°2θ、10.0°2θ、11.6°2θ、18.1°2θ、18.3°2θ、18.5°2θ、19.3°2θ、20.2°2θ、および20.8°2θ。
【0128】
形態L多形は、以下の表12にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表12】
【0129】
形態L多形は、
図20にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0130】
形態L多形はメタノール溶媒和物であると考えられている。
【0131】
形態L多形は、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩(好ましくは形態A)をメタノールに懸濁させて、懸濁液を形成する(好ましくは、密閉容器内で)こと;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態L多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0132】
好ましい実施形態では、工程(a)において、懸濁液は、好ましくは密閉容器内で、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約1~24時間(好ましくは約2時間)維持する。
【0133】
形態M多形
形態M多形は、典型的には、およそ5.5°2θ、5.7°2θ、6.4°2θ、19.3°2θ、および19.8°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態M多形は、およそ4.6°2θ、5.5°2θ、5.7°2θ、6.4°2θ、19.3°2θ、19.8°2θ、19.9°2θ、20.2°2θ、21.0°2θ、および21.1°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態M多形は、およそ4.6°2θ、5.5°2θ、5.7°2θ、6.4°2θ、12.8°2θ、14.7°2θ、15.6°2θ、16.2°2θ、17.3°2θ、17.5°2θ、19.3°2θ、19.8°2θ、19.9°2θ、20.2°2θ、20.4°2θ、21.0°2θ、21.1°2θ、23.0°2θ、24.0°2θ、および24.5°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0134】
形態M多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.6°2θ、5.5°2θ、5.7°2θ、6.4°2θ、12.8°2θ、14.7°2θ、15.6°2θ、16.2°2θ、17.3°2θ、17.5°2θ、19.3°2θ、19.8°2θ、19.9 °2θ、20.2°2θ、20.4°2θ、21.0°2θ、21.1°2θ、23.0°2θ、24.0°2θ、および24.5°2θ。より典型的には、形態M多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:4.6°2θ、5.5°2θ、5.7°2θ、6.4°2θ、19.3°2θ、19.8°2θ、19.9°2θ、20.2°2θ、21.0°2θ、および21.1°2θ。
【0135】
形態M多形は、以下の表13にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表13】
【0136】
形態M多形は、
図21にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0137】
形態M多形は、ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒和物であると考えられている。
【0138】
形態M多形は、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩(好ましくは形態A)をジメチルホルムアミド(DMF)に懸濁させて、懸濁液を形成する(好ましくは、密閉容器内で)こと;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態M多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0139】
好ましい実施形態では、工程(a)において、懸濁液は、好ましくは密閉容器内で、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約1~15日間(好ましくは約9日間)維持する。
【0140】
形態N多形
形態N多形は、典型的には、およそ5.0°2θ、5.8°2θ、17.7°2θ、20.2°2θ、および22.7°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。より典型的には、形態N多形は、およそ5.0°2θ、5.4°2θ、5.8°2θ、11.3°2θ、17.7°2θ、19.0°2θ、20.2°2θ、21.1°2θ、21.6°2θ、および22.7°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。なおより典型的には、形態N多形は、およそ5.0°2θ、5.4°2θ、5.8°2θ、6.3°2θ、7.3°2θ、10.7°2θ、11.3°2θ、12.4°2θ、13.7°2θ、14.6°2θ、15.2°2θ、17.7°2θ、19.0°2θ、20.2°2θ、20.9°2θ、21.1°2θ、21.6°2θ、22.7°2θ、23.3°2θ、および25.4°2θにピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する。
【0141】
形態N多形は、典型的には、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.0°2θ、5.4°2θ、5.8°2θ、6.3°2θ、7.3°2θ、10.7°2θ、11.3°2θ、12.4°2θ、13.7°2θ、14.6°2θ、15.2°2θ、17.7°2θ、19.0°2θ、20.2°2θ、20.9°2θ、21.1°2θ、21.6°2θ、22.7°2θ、23.3°2θ、および25.4°2θ。より典型的には、形態N多形は、10個の最も強いピークが以下から選択されるおよその2θ値を有する5個以上(例えば、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個)のピークを含むXRPDディフラクトグラムを有する:5.0°2θ、5.4°2θ、5.8°2θ、11.3°2θ、17.7°2θ、19.0°2θ、20.2°2θ、21.1°2θ、21.6°2θ、および22.7°2θ。
【0142】
形態N多形は、以下の表14にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る:
【表14】
【0143】
形態N多形は、
図22にほぼ示されるようなXRPDディフラクトグラムを有し得る。
【0144】
形態N多形は、ジメチルスルホキシド(DMSO)溶媒和物であると考えられている。
【0145】
形態N多形は、
(a)1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム塩(好ましくは形態A)をジメチルスルホキシド(DMSO)に懸濁させて、懸濁液を形成する(好ましくは、密閉容器内で)こと;および
(b)懸濁液から、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミドの結晶性一カリウム塩を形態N多形として得ること、を含む方法によって得ることができる。
【0146】
好ましい実施形態では、工程(a)において、懸濁液は、好ましくは密閉容器内で、約15~25℃(好ましくは約23℃)の温度で約1~15日間(好ましくは約9日間)維持する。
【0147】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様の結晶形または本発明の第2の態様の多形と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0148】
好適な薬学的製剤の選択および調製のための従来の手順は、例えば、「Aulton’s Pharmaceutics - The Design and Manufacture of Medicines」、M.E.AultonおよびK.M.G.Taylor、Churchill Livingstone Elsevier、第4版、2013年に記載されている。本発明の医薬組成物に使用され得るアジュバント、希釈剤または担体を含む薬学的に許容される賦形剤は、薬学的製剤の分野で従来から使用されているものである。
【0149】
本発明の第4の態様は、医療における使用、および/または疾患、障害、もしくは状態の処置または予防における使用のための、本発明の第1の態様の結晶形、本発明の第2の態様の多形、または本発明の第3の態様の医薬組成物を提供する。
【0150】
本発明の第5の態様は、疾患、障害、もしくは状態の処置または予防のための医薬の製造における、本発明の第1の態様の結晶形、本発明の第2の態様の多形、または本発明の第3の態様の医薬組成物の使用を提供する。
【0151】
本発明の第6の態様は、疾患、障害もしくは状態の処置または予防方法であって、本発明の第1の態様の結晶形、本発明の第2の態様の多形、または本発明の第3の態様の医薬組成物の有効量を投与し、それによって疾患、障害もしくは状態の処置または予防する工程を含む、方法を提供する。
【0152】
典型的には、本発明の第1の態様の結晶形、本発明の第2の態様の多形、または本発明の第3の態様の医薬組成物を、疾患、障害および状態の処置または予防に使用する場合、本発明の第1の態様の結晶形または本発明の第2の態様の多形は、NLRP3阻害剤として作用する。
【0153】
一実施形態では、処置または予防される疾患、障害もしくは状態は、以下から選択される:
(i)炎症;
(ii)自己免疫疾患;
(iii)がん;
(iv)感染症;
(v)中枢神経系疾患;
(vi)代謝性疾患;
(vii)心血管疾患;
(viii)呼吸器疾患;
(ix)肝臓疾患;
(x)腎臓疾患;
(xi)眼疾患;
(xii)皮膚疾患;
(xiii)リンパ系の状態;
(xiv)精神障害;
(xv)疼痛;および
(xvi)個体がNLRP3の生殖系列または体細胞の非サイレント変異を保有していると判定された疾患。
【0154】
典型的には、疾患、障害もしくは状態の処置または予防は、本発明の第1の態様の結晶形、本発明の第2の態様の多形、または本発明の第3の態様の医薬組成物の対象への投与を含む。
【0155】
本発明の第7の態様は、NLRP3を阻害する方法であって、NLRP3を阻害するための、本発明の第1の態様の結晶形、本発明の第2の態様の多形、または本発明の第3の態様の医薬組成物の使用を含む、方法を提供する。本発明の第7の態様の一実施形態では、この方法はex vivoまたはin vitroで実行する。
【0156】
特に明記しない限り、本発明の第4~第7の態様のいずれにおいても、対象はヒトまたは他の動物であり得る。典型的には、対象は哺乳動物であり、より典型的には、ヒト、またはウシ、ブタ、子ヒツジ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ネコ、イヌ、ウサギ、マウスなどの家畜哺乳動物である。最も典型的には、対象はヒトである。
【0157】
本発明で使用される医薬のいずれも、経口、非経口(静脈内、皮下、筋肉内、皮内、気管内、腹腔内、関節内、頭蓋内および硬膜外を含む)、気道(エアロゾル)、直腸、膣または局所(経皮、頬側、粘膜、および舌下を含む)投与によって投与することができる。
【0158】
典型的には、選択される投与様式は、処置または予防される障害、疾患、または状態に最も適したものである。
【0159】
誤解を避けるために、実行可能な限り、本発明の所与の態様の任意の実施形態は、本発明の同じ態様の他の任意の実施形態と組み合わせて実現することができる。さらに、実行可能な限り、本発明の任意の態様の好ましい、典型的または任意選択の実施形態は、本発明の他の態様の好ましい、典型的または任意選択の実施形態としても考慮されるべきであることが理解されるべきである。
【実施例】
【0160】
すべての溶媒、試薬および化合物は、購入し、特に明記しない限りさらに精製することなく使用した。
【0161】
RHは、相対湿度を意味する。
【0162】
実施例で言及したX線粉末回折(XRPD)、熱重量分析(TGA)、フーリエ変換赤外分光法と組み合わせた熱重量分析(TGA-FTIR)、および示差走査熱量測定(DSC)技術は、以下の条件下で実行した:
【0163】
高分解能X線粉末回折(XRPD)
高分解能X線粉末回折パターンを、透過幾何学的に記録した。X線回折パターンは、20℃でCuKa1照射(1.5406Å)およびMythen位置高感度検出器を使用するSTOES TADIP回折計で記録した。試料(約10~50mg)を、薄いポリマーフィルムの間に調製し、通常は物質をさらに処理(例えば、粉砕またはふるい分けなど)することなく分析した。
【0164】
形態E、F、H、I、J、K、L、MおよびNを、4.7°2θと6.1°2θの間の典型的な広い反射を引き起こす2枚のKapton(登録商標)フィルム間で測定した。
【0165】
熱重量分析(TGA)
熱重量分析は、Mettler-Toledo熱重量分析装置TGA/DSC1、TGA/DSC3+で実行した。熱重量分析では、約5~15mgの試料をアルミニウムパンに入れ、正確に秤量し、穴あき蓋で密閉した。測定前に、穴あき蓋を自動的に穿孔し、その結果、およそ0.5mmのピンホールが開けられた。次いで、試料を、約50mL/分の窒素流下で、5K/分の加熱速度を適用して、典型的には最高温度350℃まで加熱した。
【0166】
フーリエ変換赤外分光法(TGA-FTIR)と組み合わせた熱重量分析
熱重量分析を、TGA出口で発生するガス流を分析するために、Bruker Vertex70IR分光計に接続されたNetzsch TG209F1 Libraで実行した。熱重量分析では、約5~15mgの試料をアルミニウムパンに入れ、正確に秤量し、穴あき蓋で密閉した。測定前に、穴あき蓋を自動的に穿孔し、その結果、およそ0.5mmのピンホールが開けられた。次いで、試料を、約20mL/分の窒素流下で10K/分の加熱速度を適用して、典型的には最高温度200℃まで加熱した。
【0167】
示差走査熱量測定(DSC)
DSCサーモグラムは、Mettler-Toledo示差走査熱量計DSC2を使用して記録した。測定では、約2~6mgの試料をアルミニウムパンに入れ、正確に秤量し、穴あき蓋で密閉した。測定前に、穴あき蓋を穿孔し、その結果、およそ0.5mmのピンホールが開けられた。加圧下で試料を測定するために、密閉蓋を使用することもできる。次いで、試料を、約100mL/分の窒素流下で、典型的には1~20K/分、通常は10K/分の加熱速度を適用して、典型的には最高温度180~350℃(分解温度に応じて)まで加熱した。
【0168】
比較例1:非晶質1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウムは、WO2019/008025に記載されているように調製することができる(実施例6)。
【0169】
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウムの調製に関してWO2019/008025に記載されている手順(実施例6)を、そこに記載されているように繰り返した。具体的には、冷却した(0℃)THF中の1-エチルピペリジン-4-スルホンアミドの溶液に、カリウムtert-ブトキシドを加えた。氷浴を取り外し、反応混合物を撹拌しながら、40分かけて室温まで温めた。THF中の4-イソシアナト-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセンの溶液を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、水を加えた。懸濁液を脱脂綿で濾過し、続いて自動逆相カラムクロマトグラフィー(水を5分間使用し、続いて25分かけて水:MeOHを30:70の比率に徐々に変更)による精製にかけて、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウムを白色の固体として得て、これをXRPDで分析したところ、非晶質であることが判明した。非晶質形態のXRPDを
図11に示す。
【0170】
実施例1:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム(50mg、1wt.)の一部および表15に列挙した適切な溶媒(1000μl、20体積)を別々の容器に充填し、20℃で7日間撹拌した。この後、生成物を濾過によって単離し、再循環した熟成溶媒(maturation solvent)で洗浄し、減圧下40℃で乾燥させ、XRPDによって分析した。
【表15】
【0171】
形態AのXRPD、TGAおよびDSCスペクトルをそれぞれ
図1~3に示す。形態Aは、DSCによれば無水である。
【0172】
実施例2:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウムを反応容器に充填した。メタノール(116.4kg)を容器に充填し、必要に応じて温度を15~25℃に調節し、10~20分間撹拌した(固体の塊が存在しない均一な濁った溶液が形成されるまで)。溶液を15~25℃で1μmフィルターに通して濾過した。フィルターを15~25℃にてメタノール(11.3kg)で洗浄した。溶液を、25~35℃で約44Lまで濃縮した。アセトニトリル(116.6kg)を混合物に充填し、溶液を、25~35℃で約74Lまで濃縮した。アセトニトリル(58.7kg)を混合物に加え、混合物を≦35℃で約74Lまで濃縮した。混合物を、1H NMRにより残留メタノール含有量について分析した。合格基準 ≦3.0%w/wメタノール。
【0173】
アセトニトリル(58.8kg)を容器に充填し、温度を15~25℃に調整した。スラリーを、15~25℃で少なくとも1時間(目標1~2時間)熟成させ、その後15~25℃で20μmの布で濾過した。濾過ケーキを15~25℃でアセトニトリル(23.9kg、23.6kg)により2回洗浄した。
【0174】
湿った濾過ケーキを、HPLCにより残留フェノールについて分析した。合格基準 ≦面積0.20%フェノール。固体を窒素流下、最高50℃で少なくとも2時間乾燥させ、KFを使用して残留水分含有量について分析した。合格基準 ≦2.0%w/w水。試料を分析している間、乾燥を継続した。
【0175】
固体を、1H NMRにより残留アセトニトリルについて分析した。合格基準 ≦0.2%w/wMeCN。固体を、1H NMRにより残留DMSOについて分析した。合格基準 ≦0.4%w/w DMSO。固体を、GCにより残留溶媒レベルについて分析した。合格基準 ≦3750ppm DMSO、≦2250ppm、MeOH、および≦308ppm MeCN。
【0176】
生成物1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Aを、以下により得た:
放出:14.42kg
収率:98%
HPLC純度:99.5%
図1~3のものと同様のXRPD、TGA、およびDSCスペクトルが観察された。
【0177】
実施例3:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態D
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウムをバイアルに充填し、メチルエチルケトンを加えた(750μl、10体積)。懸濁液を85℃に設定したホットプレート上で加熱し、完全な溶解が達成されるまで水共溶媒(60μl)を加えた。溶液を冷却し、24時間静置した。生成物1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Dを遠心分離により単離し、ペレットを減圧下、40℃で20時間オーブン乾燥させ、取り出してXRPDにより分析した。収率56%。
【0178】
形態DのXRPD、TGAおよびDSCスペクトルをそれぞれ
図4~6に示す。形態Dは、DSCによれば水和物である。
【0179】
実施例4:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態D
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウムをバイアルに充填し、アセトンを加えた(750μl、10体積)。懸濁液を85℃に設定したホットプレート上で加熱し、完全な溶解が達成されるまで水共溶媒(100μl)を加えた。溶液を冷却し、24時間静置した。生成物1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Dを遠心分離により単離し、ペレットを減圧下、40℃で20時間オーブン乾燥させ、取り出してXRPDにより分析した。収率46%。
【0180】
図4~6のものと同様のXRPD、TGA、およびDSCスペクトルが観察された。
【0181】
実施例5:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態B
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム(501.6mg)を、周囲条件でメタノール(4mL)に溶解した。得られた濁った溶液を、0.22μmPVDFシリンジフィルターに通して濾過し、溶媒がエバポレートするまで周囲条件(約30%RH、22℃)にて撹拌(100rpm)下でエバポレーションさせ、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Bを得た。
【0182】
形態BのXRPD、TGAおよびDSCスペクトルをそれぞれ
図7~9に示す。形態Bは、TGA-FTIRによれば水和物である。
【0183】
実施例6:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態C
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(50mg)を、23℃にて、密閉容器内で、純水上、相対湿度100%で13日間保存した。得られた白色の固体を高湿度保存庫から取り出し、直ちにXRPDで、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Cとして分析した。
【0184】
【0185】
実施例7:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態E
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(500mg)を、アセトニトリル/水 5/95(v/v)(3mL)に、密閉容器内で、23℃で6日間懸濁させた。白色のスラリーを濾過し、得られた1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Eをさらに乾燥させることなく、得られた固体を直ちにXRPDで分析した。
【0186】
【0187】
実施例8:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態F
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(200mg)を、アセトニトリル/水 95/5(w/w)(2.6g)に、密閉容器内で、21℃で3日間懸濁させた。白色の均一な懸濁液のアリコートをろ紙上に置き、液相を除去した。得られた1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Fをさらに乾燥させることなく、固体材料を直ちにXRPDで分析した。
【0188】
【0189】
実施例9:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態G
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Gを、5日間23℃にて、0%RHで乾燥させることによって得た。得られた白色の固体材料を、乾燥雰囲気から取り出し、直ちにXRPDで、1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Gとして分析した。
【0190】
【0191】
実施例10:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態H
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(124mg)を、アセトニトリル/水 85/15(v/v)(0.5mL)に、密閉容器内で、23℃で13日間懸濁させた。白色のスラリーを濾過し、得られた1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Hをさらに乾燥させることなく、得られた固体を直ちにXRPDで分析した。
【0192】
【0193】
実施例11:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態I
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(100mg)を、n-プロパノール(1mL)に、密閉容器内で、23℃で2時間懸濁させた。白色のスラリーを濾過し、得られた1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Iをさらに乾燥させることなく、得られた固体を直ちにXRPDで分析した。
【0194】
【0195】
実施例12:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態J
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(100mg)を、エタノール(1mL)に、密閉容器内で、23℃で2時間懸濁させた。白色のスラリーを濾過し、得られた1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Jをさらに乾燥させることなく、得られた固体を直ちにXRPDで分析した。
【0196】
【0197】
実施例13:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態K
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(50mg)を、n-メチル-2-ピロリドン(NMP)(0.1mL)に、密閉容器内で、23℃で2時間懸濁させた。白色のスラリーを濾過し、得られた1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Kをさらに乾燥させることなく、得られた固体を直ちにXRPDで分析した。
【0198】
【0199】
実施例14:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態L
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(50mg)を、メタノール(0.1mL)に、密閉容器内で、23℃で2時間懸濁させた。白色のスラリーを濾過し、得られた1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Lをさらに乾燥させることなく、得られた固体を直ちにXRPDで分析した。
【0200】
【0201】
実施例15:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態M
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(100mg)を、ジメチルホルムアミド(DMF)(0.5mL)に、密閉容器内で、23℃で9日間懸濁させた。最初の白色のスラリーは、撹拌できない無色の結晶の固体ブロックに変化した。得られた1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Mをさらに乾燥させることなく、湿った固体を直ちにXRPDで分析した。
【0202】
【0203】
実施例16:1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態N
1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態A(50mg)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)(0.1mL)に、密閉容器内で、23℃で9日間懸濁させた。最初の白色のスラリーは、撹拌できない無色の結晶の固体ブロックに変化した。得られた1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド一カリウム 形態Nをさらに乾燥させることなく、湿った固体を直ちにXRPDで分析した。
【0204】
【0205】
評価実施例1:競合懸濁液の平衡化
形態A(50mg、1wt.)および形態D(量は表16を参照のこと)をバイアルに充填し、無水アセトニトリル(1000μl、20体積)を加えた。バイアルを、20℃または40℃で96時間撹拌した。
【表16】
【0206】
20℃または40℃で撹拌すると(表16を参照のこと)、96時間後に単一形態である形態Aへの完全な転換が観察された。この研究は、これらの条件下では、形態Aが熱力学的により安定な多形であることを示している。
【0207】
評価実施例2:形態Aの機械的粉砕
形態A(50.4mg)を24時間粉砕した。生成物を回収し、XRPDによって分析して、相変化が起こったかどうかを判定した。
【0208】
図10は、形態Aの粉砕前処理(下部のディフラクトグラム)と重ね合わせた形態Aの粉砕後処理(上部のディフラクトグラム)のXRPDを示す。
図10に示すように、多形の顕著な変化は観察されなかった。この実験は、形態Aが長時間の粉砕条件に対して物理的に安定であることを示している。
【0209】
評価実施例3:溶解度決定
結晶性1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド塩(50mg、1wt.)または結晶性1-エチル-N-((1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-s-インダセン-4-イル)カルバモイル)ピペリジン-4-スルホンアミド遊離酸(対照として)(50mg、1wt.)を、精製水(1000μl、20体積)中で20℃にて撹拌した。限界溶解度(mg/ml)を、20℃で48時間後にQ
1H NMRにより測定して決定した(内標準、2,3,5,6-テトラクロロニトロベンゼンに対して測定)。
【表17】
【0210】
この研究は、結晶性カリウム塩がこれらの条件下で最大の溶解度を示し、加水分解が最も少ないことを示している。
【0211】
本発明は、単なる例として上に説明されたことが理解されるであろう。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲および精神から逸脱することなく、種々の修正および実施形態を行うことができる。
【国際調査報告】