(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】車両用サイドシル
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20240628BHJP
B62D 21/15 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B62D25/20 F
B62D21/15 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579238
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 KR2022008866
(87)【国際公開番号】W WO2023277441
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0083670
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ギュ-ミン
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB12
3D203CA02
3D203CA04
3D203CA25
3D203CA29
3D203CA36
3D203CA53
3D203CA57
3D203CB03
3D203CB07
(57)【要約】
本発明の一実施例による車両用サイドシルは、中空部を備えるように形成されたサイドシルフレーム;と、上記中空部に配置され、上記サイドシルフレームに接合された第1強化フレーム;及び上記中空部に配置され、上記第1強化フレーム及び上記サイドシルフレームに接合された第2強化フレーム;を含み、上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームは、上記サイドシルフレームの厚さ方向の断面において、上記中空部に閉断面を形成するように上記中空部に配置されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を備えるように形成されたサイドシルフレーム;
前記中空部に配置され、前記サイドシルフレームに接合された第1強化フレーム;及び
前記中空部に配置され、前記第1強化フレーム及び前記サイドシルフレームに接合された第2強化フレーム;を含み、
前記第1強化フレーム及び前記第2強化フレームは、
前記サイドシルフレームの厚さ方向の断面において前記中空部に閉断面を形成するように前記中空部に配置された、車両用サイドシル。
【請求項2】
前記サイドシルフレーム、前記第1強化フレーム及び前記第2強化フレームの少なくともいずれか一つは鋼材からなる、請求項1に記載の車両用サイドシル。
【請求項3】
前記第1強化フレーム及び前記第2強化フレームは、
前記サイドシルフレームの長さ方向への断面形状が凹凸部を含む、請求項2に記載の車両用サイドシル。
【請求項4】
前記第1強化フレーム及び前記第2強化フレームは、前記中空部で重なる、請求項3に記載の車両用サイドシル。
【請求項5】
前記凹凸部は、
前記サイドシルフレームの長さ方向に突出部と凹部が連続して形成された、請求項4に記載の車両用サイドシル。
【請求項6】
前記第1強化フレームの前記突出部は、前記第2強化フレームの前記突出部に重なり、前記第1強化フレームの前記凹部は、前記第2強化フレームの前記凹部に重なる、請求項5に記載の車両用サイドシル。
【請求項7】
前記サイドシルフレームは、
前記第1強化フレームが接合された第1サイドシルフレーム;及び
前記第1サイドシルフレームと接合され、その内面に前記第2強化フレームが接合された第2サイドシルフレーム;を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【請求項8】
前記第1強化フレームの厚さ方向の断面の形状は、
両端部が折り曲げられて形成され、前記第1サイドシルフレームの内面に接合された複数の第1下部フランジ部;
複数の前記第1下部フランジ部にそれぞれつながり、前記第2強化フレームの方向に延びる複数の第1延長部;及び
複数の前記第1延長部につながる第1上部フランジ部;を含む、請求項7に記載の車両用サイドシル。
【請求項9】
前記第2強化フレームの厚さ方向の断面の形状は、
前記第1延長部に接合され、前記第2サイドシルフレームの方向に延びる複数の第2延長部;及び
前記第2延長部につながり、前記第2サイドシルフレームの内面に接合された第2上部フランジ部;を含む、請求項8に記載の車両用サイドシル。
【請求項10】
前記第2上部フランジ部は、
平面である、請求項9に記載の車両用サイドシル。
【請求項11】
前記第2強化フレームの厚さ方向の断面の形状は、
前記第2延長部に段差が生じている、請求項9に記載の車両用サイドシル。
【請求項12】
前記第2強化フレームの厚さ方向の断面における複数の前記第2延長部間の幅は、
一側の前記第2延長部の端部から他側の前記第2延長部の端部までの幅が最も広い、請求項11に記載の車両用サイドシル。
【請求項13】
前記第2延長部の端部は、前記第1延長部上に存在する、請求項12に記載の車両用サイドシル。
【請求項14】
前記第1下部フランジ部は前記第1サイドシルフレームに溶接接合され、
前記第2延長部は、前記第1延長部に溶接接合され、
前記第2上部フランジ部は、前記第2サイドシルフレームに接着剤により接合される、請求項9から13のいずれか一項に記載の車両用サイドシル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サイドシルに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用サイドシルは、側面衝突時に衝突エネルギーを吸収して乗客を保護する役割を果たす。
【0003】
電気車などの環境にやさしい車両に適用されるサイドシルは、乗客だけでなく床面に位置するバッテリも保護する役割を果たす。バッテリは、車両の他の構成要素に比べて相対的にその体積が大きいため、バッテリを装着した車両の側面空間は内燃機関が装着された車両に比べて相対的に狭い。
【0004】
したがって、環境にやさしい車両に適用されるサイドシルは、狭い空間内で最大限の衝突エネルギーを吸収できなければならず、環境にやさしい車両のエネルギー効率を向上させるためには最小限の重量を有する必要がある。
【0005】
このために環境にやさしい車両のサイドシルには、アルミニウム押出素材が適用されてきたが、衝突エネルギー吸収能力の向上及び軽量化の達成は引き続き要求されている実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開実用新案第20-1998-0043143号公報(1998.09.25)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、サイドシルの衝突エネルギー吸収効率の向上及び軽量化の達成を一つの目的とする。
【0008】
本発明は、サイドシルの剛性を増大させ、製造原価を節減することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例による車両用サイドシルは、中空部を備えるように形成されたサイドシルフレームと、上記中空部に配置され、上記サイドシルフレームに接合された第1強化フレーム及び上記中空部に配置され、上記第1強化フレーム及び上記サイドシルフレームに接合された第2強化フレームを含み、上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームは、上記サイドシルフレームの厚さ方向の断面において上記中空部に閉断面を形成するように、上記中空部に配置されることができる。
【0010】
また、上記サイドシルフレーム、上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームの少なくともいずれか一つは鋼材からなることができる。
【0011】
また、上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームは、上記サイドシルフレームの長さ方向への断面形状が凹凸部を含むことができる。
【0012】
また、上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームは、上記中空部で重なることができる。
【0013】
また、上記凹凸部は、上記サイドシルフレームの長さ方向に突出部と凹部が連続して形成されることができる。
【0014】
また、上記第1強化フレームの上記突出部は、上記第2強化フレームの上記突出部に重なり、上記第1強化フレームの上記凹部は、上記第2強化フレームの上記凹部に重なることができる。
【0015】
また、上記サイドシルフレームは、上記第1強化フレームが接合された第1サイドシルフレーム及び上記第1サイドシルフレームと接合され、その内面に上記第2強化フレームが接合された第2サイドシルフレーム;を含むことができる。
【0016】
また、上記第1強化フレームの厚さ方向の断面の形状は、両端部が折り曲げられて形成され、上記第1サイドシルフレームの内面に接合された複数の第1下部フランジ部と、複数の上記第1下部フランジ部にそれぞれつながり、上記第2強化フレームの方向に延びる複数の第1延長部及び複数の上記第1延長部につながる第1上部フランジ部を含むことができる。
【0017】
また、上記第2強化フレームの厚さ方向の断面の形状は、上記第1延長部に接合され、上記第2サイドシルフレームの方向に延びる複数の第2延長部及び上記第2延長部につながり、上記第2サイドシルフレームの内面に接合された第2上部フランジ部を含むことができる。
【0018】
また、上記第2上部フランジ部は平面であることができる。
【0019】
また、上記第2強化フレームの厚さ方向の断面の形状は、上記第2延長部に段差が生じることができる。
【0020】
また、上記第2強化フレームの厚さ方向の断面における複数の上記第2延長部間の幅は、一側の上記第2延長部の端部から他側の上記第2延長部の端部までの幅が最も広いことができる。
【0021】
また、上記第2延長部の端部は上記第1延長部上に存在することができる。
【0022】
また、上記第1下部フランジ部は上記第1サイドシルフレームに溶接接合され、上記第2延長部は上記第1延長部に溶接接合され、上記第2上部フランジ部は上記第2サイドシルフレームに接着剤により接合されることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、サイドシルの衝突エネルギー吸収効率を向上させることができ、サイドシルを軽量化することができる。
【0024】
本発明によると、サイドシルの剛性を増大させることができ、製造原価を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例による車両用サイドシルの斜視図である。
【
図5】本発明の一実施例による車両用サイドシルの斜視図である。
【
図7】本発明の一実施例による第1強化フレームの断面図である。
【
図8】本発明の一実施例による第2強化フレームの断面図である。
【
図9】本発明の一実施例による車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図10】本発明の一実施例による車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図12】
図1の車両用サイドシルと
図11の車両用サイドシルの荷重-変位線図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施例に関する説明の理解を助けるために、添付の図面に同一の符号を付した要素は同一の要素であり、各実施例において同一の作用をする構成要素のうち、関連する構成要素は同一又は延長線上の数字で表記した。
【0027】
なお、本発明の要旨を明確にするために、従来の技術によってよく知られた要素と技術に対する説明は省略し、以下では、添付図面を参考にして本発明に関して詳細に説明する。
【0028】
但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されるものではなく、当業者によって特定の構成要素が追加、変更、削除された他の形態でも提案されることができるが、これも本発明と同じ思想の範囲内に含まれる。
【0029】
以下、添付図面に示されたX軸はサイドシルの幅方向であり、Y軸はサイドシルの長さ方向であり、Z軸はサイドシルの高さ方向である。
【0030】
図1に示したように、本発明の一実施例による車両用サイドシル100は、中空部111を備えるサイドシルフレーム110、中空部に位置する第1強化フレーム120及び上記中空部111に位置する第2強化フレーム130を含むことができる。
【0031】
上記第1強化フレーム120は、上記サイドシルフレーム110に接合されて上記中空部111で固定されることができる。
【0032】
上記第2強化フレーム130は、上記第1強化フレーム120及び上記サイドシルフレーム110に接合されて上記中空部111で固定されることができる。
【0033】
上記第1強化フレーム120及び上記第2強化フレーム130は、上記サイドシルフレームの厚さ方向の断面において上記中空部111に閉断面を形成することができる。
【0034】
図2に示したように、上記サイドシルフレーム110は、上記第1強化フレーム120が接合された第1サイドシルフレーム112及び上記第1サイドシルフレーム112と接合部を形成するように上記第1サイドシルフレーム112に接合された第2サイドシルフレーム113を含むことができる。
【0035】
本発明の一実施例によると、上記第1サイドシルフレーム112、上記第2サイドシルフレーム113、上記第1強化フレーム120、及び上記第2強化フレーム130の少なくともいずれか一つは、鋼材からなることができる。これによると、車両用サイドシルの機械的強度が向上することができる。
【0036】
上記第2サイドシルフレーム113の内面には、上記第2強化フレーム130が接合されることができる。
【0037】
上記第1強化フレーム120及び上記第2強化フレーム130は、X軸に平行になるようにそれぞれ上記第1サイドシルフレーム112及び上記第2サイドシルフレーム113に接合されることができる。
【0038】
上記第1強化フレーム120の外面には、上記第2強化フレーム130の内面が接合されることができる。これにより、上記第1強化フレーム120及び上記第2強化フレーム130は、上記中空部内で重なることができる。
【0039】
上記のような接合によって、上記中空部は閉断面になることができる。これにより、X軸方向に衝撃が加えられるとき、衝突エネルギーを吸収する能力が向上することができる。
【0040】
また、これによると、同一重量のアルミニウムからなる第1サイドシルフレーム112、第2サイドシルフレーム113、第1強化フレーム120及び第2強化フレーム130よりも衝突エネルギー吸収能力がさらに向上することができる。
【0041】
したがって、アルミニウムからなる車両用サイドシルに比べて、全体自動車の荷重が増加することを防止しながら、アルミニウムからなる車両用サイドシルよりも衝突エネルギー吸収能力が向上した車両用サイドシルを実現することができる。
【0042】
本発明の一実施例において、上記第1強化フレーム120及び上記第2強化フレーム130は、引張強度980MPa級以上の超高強度鋼を含む材質からなることができる。
【0043】
本発明の一実施例において、上記第1強化フレーム120及び上記第2強化フレーム130は、1180 TRIP鋼を含む材質からなることができる。
【0044】
本発明の一実施例において、上記第1サイドシルフレーム112及び上記第2サイドシルフレーム113は、1470 MART鋼を含む材質からなることができる。
【0045】
但し、これは必ずしも本発明によって限定されるものではなく、鋼材の範囲内で適宜変更して適用できる事項である。
【0046】
上記第1サイドシルフレーム112、上記第2サイドシルフレーム113、上記第1強化フレーム120、及び上記第2強化フレーム130の少なくともいずれか一つは、鋼板をフォームフォーミング又はクラッシュフォーミングして成形することができる。これは、金型費用などの節減による製造原価の節減に寄与することができる。
【0047】
上記第1サイドシルフレーム112、上記第2サイドシルフレーム113、上記第1強化フレーム120、及び上記第2強化フレーム130を
図2のように配置して相互結合すると、X軸に平行な方向への閉断面の形成を容易にすることができる。したがって、車両用サイドシルの組立性及び生産効率性が向上することができる。
【0048】
また、車両用サイドシルの断面を
図2に示したように構成することによって、車両用サイドシルが側面、すなわちX軸方向に衝撃を受けるとき、車両用サイドシルがZ軸方向に均一に変形するようにすることができる。
【0049】
また、これによると、第1強化フレーム120及び第2強化フレーム130がZ軸方向に不均一に傾いた変形挙動を示すことを防止することができ、X軸方向に正常圧縮変形するようにすることができる。
【0050】
上記のように、車両用サイドシルを鋼材で形成すると、その衝突エネルギー吸収能力は、同一重量のアルミニウムからなる車両用サイドシルの衝突エネルギー吸収能力と少なくとも同一またはそれを超過することができる。したがって、サイドシルをアルミニウムで生産したときに比べて、サイドシルを軽量化しながらも衝突エネルギー吸収効率を同等以上に向上させることができる。
【0051】
図3に示したように、本発明の一実施例による第1強化フレーム120は、Y軸方向への断面形状が凹凸部140を含むように備えられることができる。
【0052】
また、
図4に示したように、本発明の一実施例による第2強化フレーム130もY軸方向への断面形状が凹凸部140を含むように備えられることができる。
【0053】
上記凹凸部140は、Y軸方向に突出部141と凹部142が連続することによって形成されることができる。上記突出部141と上記凹部142は、Y軸方向に一定区間連続して備えられることができる。
【0054】
上記第1強化フレーム(
図3の120)と上記第2強化フレーム(
図4の130)の上記凹凸部140によると、上記第1強化フレーム120及び上記第2強化フレーム130の重量を増加させることなく、剛性を増大させることができる。
【0055】
上記突出部141と上記凹部142のY軸方向への長さ及びZ軸方向への長さは、本発明によって必ずしも限定されるものではなく、第1強化フレーム120及び第2強化フレーム130に適用された鋼材の種類及び厚さのうち、少なくともいずれか一つの要素を考慮して決定されることができ、車両用サイドシルとして要求される仕様によって決定されることができる事項である。
【0056】
図5に示したように、第1強化フレーム120と第2強化フレーム130は、中空部内で重なることができる。上記第1強化フレーム120と上記第2強化フレーム130が重なる領域は、重なり部150になることができる。上記重なり部150は、Y軸方向に連続されることができる。
【0057】
上記重なり部150によると、中空部111内で第1強化フレーム120と第2強化フレーム130の組み立てのための別途の結合部材が不要となり、設計自由度を向上させることができる。
【0058】
また、別途の結合部材を必要としないため、車両用サイドシルの軽量化に寄与することができるようになる。
【0059】
図6に示したように、本発明の一実施例において、第1強化フレーム120に形成された第1突出部141aは、第2強化フレーム130に形成された第2突出部141bに重なり、上記第1強化フレーム120に形成された第1凹部142aは、上記第2強化フレーム130に形成された第2凹部142bに重なることができる。
【0060】
一方、
図7には、本発明の一実施例による第1強化フレーム120が示されている。上記第1強化フレーム120は、単一鋼板を曲げ成形して形成されることができる。単一鋼板を曲げ成形することによって、第1強化フレーム120の機械的強度をさらに向上させることができる。
【0061】
上記第1強化フレーム120の厚さ方向の断面の形状は、両端部121が折り曲げられて形成され、第1サイドシルフレーム(
図5の112)の内面に接合された複数の第1下部フランジ部122、複数の上記第1下部フランジ部122にそれぞれつながり、第2強化フレーム(
図5の130)の方向に延びる複数の第1延長部123及び複数の上記第1延長部123につながる第1上部フランジ部124を含むことができる。
【0062】
上記第1延長部123と上記第1下部フランジ部122は、相互交差して配置されるように上記第1強化フレーム120を曲げ成形することができる。
【0063】
上記第1下部フランジ部122は、上記第1サイドシルフレーム(
図5の112)の内面に溶接によって接合されることができる。
【0064】
図8には、本発明の一実施例による第2強化フレーム130が示されている。上記第2強化フレーム130は、単一鋼板を曲げ成形して形成されることができる。単一鋼板を曲げ成形することによって、第2強化フレーム130の機械的強度をさらに向上させることができる。
【0065】
上記第2強化フレーム130は、厚さ方向の断面の形状が両端部131がZ軸方向に互いに向かい合う形態を有するように成形されることができる。また、上記第2サイドシルフレーム(
図5の113)の方向に延びる複数の第2延長部132を有し、複数の上記第2延長部132につながり、上記第2サイドシルフレーム(
図5の113)の内面に接合された第2上部フランジ部133を含むことができる。
【0066】
本発明の一実施例において、上記第2上部フランジ部133は平面であることができる。これによると第2上部フランジ部133に第2サイドシルフレーム(
図5の113)との接着のための接着剤などが塗布されるとき、上記第2上部フランジ部133の接着力を向上させることができ、接着及び組み立て作業の利便性を向上させることができる。
【0067】
上記第2延長部132は、上記第1延長部(
図7の123)に接合されることができる。そして、上記第2強化フレーム130の端部131は、上記第1延長部(
図7の123)上に存在することができる。
【0068】
本発明の一実施例において、上記第2延長部132は、上記第1延長部(
図7の123)に溶接によって接合されることができる。
【0069】
また、本発明の一実施例において、上記第2延長部132は、X軸方向に段差を生じるように備えられることができる。また、複数の上記第2延長部132間の幅は、一側の端部から他側の端部までの幅Dが最も広く備えられることができる。これによると第2強化フレーム130を第1強化フレーム120により容易に重ねることができ、組み立ての利便性を向上させることができる。
【0070】
図9には、本発明の一実施例による車両用サイドシルの衝突試験における衝突初期の変形解析結果が示されている。衝撃は、第1サイドシルフレーム112から第2サイドシルフレーム113の方向に加えられる。
【0071】
図9を参照すると、衝突初期において、第1サイドシルフレーム112及び第2サイドシルフレーム113がX軸方向に圧縮されながらZ軸方向に引張して変形され、第1強化フレーム120及び第2強化フレーム130もX軸方向に圧縮されることが分かる。
【0072】
このとき、上記第1強化フレーム120及び上記第2強化フレーム130は、変形がいずれか一方に偏らず、変形がZ軸方向に均一に分布することが分かる。
【0073】
図10には、衝突後期の変形解析結果が示されている。第1サイドシルフレーム112及び第2サイドシルフレーム113がX軸方向にさらに圧縮されながら、Z軸方向にさらに引張して変形されたことを確認することができる。
【0074】
このとき、上記第1強化フレーム120及び上記第2強化フレーム130の変形は、依然としてZ軸方向に均一に分布していることが分かる。
【0075】
図11には、従来の車両用サイドシル10の断面が示されている。従来の車両用サイドシルは、複数のサイドシルフレーム11、12及び上記サイドシルフレーム11、12の内部に備えられた補強部材13、14、15を含むことができる。
【0076】
このような形態の従来の車両用サイドシル10と本発明の一実施例による車両用サイドシル(
図1の100)の荷重-変位線図が
図12に示されている。
図12において、
図1に示された車両用サイドシル(
図1の100)の荷重-変位値を第1値L1で示しており、
図11に示された車両用サイドシル(
図11の10)の荷重-変位値を第2値L2で示した。
【0077】
第1値L1と第2値L2を参照すると、
図1に示された車両用サイドシル(
図1の100)が
図11に示された車両用サイドシル(
図11の10)に比べて同一荷重での変位が比較的小さいことが分かる。
【0078】
また、第2値L2の場合、衝突後期に該当する変位60mm以上で衝撃吸収能力が急激に低下する。
【0079】
図11に示された従来の車両用サイドシル10の場合、第1補強部材14と第2補強部材13が接合形成されている。したがって、衝突が発生する場合、第2補強部材13が変形されるにつれて、第1補強部材14が独立して安定した圧壊挙動を形成せず、一緒に変形される。このような理由で、第2値L2の場合、衝突後期に該当する変位60mm以上では衝撃吸収能力が急激に低下する。
【0080】
一方、第1値L1の場合、衝突後期でも安定して衝撃を吸収することが分かる。
【0081】
図1に示された車両用サイドシル100の場合、
図9及び
図10に示したように、衝突が発生する場合、第1強化フレーム120の変形特性が安定した圧壊挙動を示すため、衝突後期に該当する変位60mm以上でも衝撃吸収能力がある程度安定して維持されることが分かる。
【0082】
以上で説明した事項は、本発明の一実施例について説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0083】
110 サイドシルフレーム 111 中空部
112 第1サイドシルフレーム 113 第2サイドシルフレーム
120 第1強化フレーム 122 第1下部フランジ部
123 第1延長部 124 第1上部フランジ部
130 第2強化フレーム 132 第2延長部
133 第2上部フランジ部 140 凹凸部
141 突出部 142 凹部
150 重なり部
【国際調査報告】