(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】除神経確認機能を有する鼻神経除神経器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/24 20060101AFI20240628BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20240628BHJP
A61B 5/388 20210101ALI20240628BHJP
A61B 18/12 20060101ALN20240628BHJP
【FI】
A61B17/24
A61B18/14
A61B5/388
A61B18/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579242
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 IB2022055768
(87)【国際公開番号】W WO2022269496
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
(72)【発明者】
【氏名】ライト・アリソン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス・ジェフリー・ディー
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA04
4C127DD03
4C127LL07
4C160KK03
4C160KK16
4C160KK20
4C160KK23
4C160MM06
4C160NN02
(57)【要約】
装置は、シャフトアセンブリと、第1及び第2の電極アセンブリと、コントローラとを含む。シャフトアセンブリは、患者の鼻腔内に嵌合するように構成される。第1及び第2の電極アセンブリは、シャフトアセンブリの遠位端にある。第2の電極アセンブリは、刺激電極及び感知電極を含む。刺激電極及び感知電極は、シャフトアセンブリの縦軸線に対して両側方に位置決めされている。コントローラは、第1の電極アセンブリを介して標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を実行するための電気信号を生成し、第2の電極アセンブリの刺激電極を介して標的神経を刺激するための電気刺激信号を生成し、第2の電極アセンブリの感知電極を介して標的神経から受信した応答信号を処理するように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)遠位端を有するシャフトアセンブリであって、患者の鼻腔内に嵌合するように構成され、縦軸を画定する、シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある第1の電極アセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある第2の電極アセンブリであって、前記第2の電極アセンブリは、
(i)刺激電極と、
(ii)感知電極であって、前記刺激電極及び前記感知電極は、前記シャフトアセンブリの前記縦軸に対して両側方に位置付けられている、感知電極と、を含む第2の電極アセンブリと、
(d)コントローラであって、前記コントローラは、
(i)前記第1の電極アセンブリを介して標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を実行するための電気信号を生成し、
(ii)前記第2の電極アセンブリの前記刺激電極を介して前記標的神経を刺激するための電気刺激信号を生成し、
(iii)前記第2の電極アセンブリの前記感知電極を介して前記標的神経から受信された応答信号を処理するように動作可能である、コントローラと、を含む装置。
【請求項2】
前記シャフトアセンブリは、剛性部分及び可撓性部分を有し、前記可撓性部分が前記遠位端を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
アクチュエータを更に備え、前記アクチュエータは、前記可撓性部分を偏向させ、それによって、前記遠位端を前記縦軸に対して横方向に駆動するように動作可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記遠位端にあるカメラアセンブリを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
位置センサを更に備え、前記位置センサは、三次元空間内の前記遠位端の位置を示す信号を生成するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記遠位端にあるカフを更に備え、前記第1の電極アセンブリは、前記カフを介して前記遠位端に固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の電極アセンブリは、前記カフを介して前記遠位端に固定されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記カフは、電気絶縁材料から形成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の電極アセンブリは、第1の電極及び第2の電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の電極及び前記第2の電極が協働して、前記縦軸を取り囲む概ね円形の形状を画定する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、第1の間隙及び第2の間隙によって互いに角度的に離間されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、各々、弓形形状を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記シャフトアセンブリの前記遠位端から離れて遠位に面する、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の電極アセンブリは、
(i)第1のシャフトであって、前記刺激電極が前記第1のシャフトに固定されている、第1のシャフトと、
(ii)第2のシャフトであって、前記感知電極が前記第2のシャフトに固定されている、第2のシャフトと、を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
アクチュエータを更に備え、前記アクチュエータは、前記第2の電極アセンブリを前記シャフトアセンブリに対して長手方向に駆動するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記刺激電極は、第1の針電極を備え、前記感知電極は、第2の針電極を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の電極アセンブリは、第1の電極及び第2の電極を含み、前記刺激電極は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に角度をなして挿入されている、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記コントローラは、変調された波形を有する電気刺激信号を生成するように更に動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
装置であって、
(a)遠位端を有するシャフトアセンブリであって、患者の鼻腔内に嵌合するように構成され、縦軸を画定する、シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある第1の電極アセンブリであって、遠位に面する第1の電極を含む、第1の電極アセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある第2の電極アセンブリであって、前記第2の電極アセンブリは、
(i)刺激電極と、
(ii)感知電極と、を含む第2の電極アセンブリと、
(d)コントローラであって、前記コントローラは、
(i)前記第1の電極アセンブリを介して標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を実行するための電気信号を生成し、
(ii)前記第2の電極アセンブリの前記刺激電極を介して前記標的神経を刺激するための電気刺激信号を生成し、
(iii)前記第2の電極アセンブリの前記感知電極を介して前記標的神経から受信された応答信号を処理するように動作可能である、コントローラと、を含む装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年6月24日に出願の「Nasal Nerve Denervation Instrument with Denervation Confirmation」と題された米国仮特許出願第63/214,372号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
鼻炎は、鼻腔内の粘膜の刺激作用及び炎症として呈する医学的状態である。炎症は、過剰な量の粘液の生成をもたらし、これは鼻汁、鼻詰まり、くしゃみ、及び/又は後鼻漏を引き起こす可能性がある。アレルギー性鼻炎は、空中のアレルゲンなどの環境要因に対するアレルギー反応であり、非アレルギー性(又は「血管運動性」)鼻炎は、環境要因とは独立して呈する慢性疾患である。鼻炎の従来の治療としては、例えば、抗ヒスタミン剤、局所又は全身コルチコステロイド、及び局所抗コリン薬が挙げられる。
【0003】
症状が重度かつ持続的である難治性鼻炎の場合、更なる治療の選択肢は、翼突管(又は「翼突筋」)神経の一部分の外科的除去であり、ヴィディアン神経切除術として知られる処置である。ヴィディアン神経切除術の理論的な基礎は、鼻炎が鼻腔の副交感神経支配と交感神経支配との間の不均衡、及び結果として生じる粘膜の粘液腺の過剰刺激によって引き起こされるということである。ヴィディアン神経切除術は、この不均衡をかき乱し、ヴィディアン神経の外科的治療を介して鼻粘膜分泌物を減少させることを目的とする。しかしながら、場合によっては、ヴィディアン神経切除術は、涙腺に付帯的損傷を引き起こす可能性があり、その涙腺は、ヴィディアン神経によって刺激される。涙腺へのそのような損傷は、慢性ドライアイなどの、患者にとって長期の健康上の合併症をもたらし得る。後方鼻神経切除、又は後方鼻神経の一部分の外科的除去は、難治性鼻炎を治療するためのヴィディアン神経切除術の有効な代替方法であり得る。
【0004】
図1は、鼻腔(10)、前頭洞(12)、蝶形骨洞(14)、及び蝶形骨(16)を示す、患者の頭部の一部分の左矢状面の図を示す。鼻腔(10)は、鼻甲介(20)と、中鼻甲介(22)と、上鼻甲介(24)と、を含む鼻部の壁(18)によって横方向に画定される。ヴィディアン神経(32)は、蝶形骨(16)によって部分的に画定され、中鼻甲介(22)と概ね整列して蝶形骨洞(14)の後方に位置するヴィディアン(すなわち「翼突」)管(30)の内部に存在する。ヴィディアン神経(32)は、大錐体神経(34)と深錐体神経(36)との接合部によってその後方端に形成され、その前方端で翼口蓋神経節(38)と接合し、その翼口蓋神経節(38)は、鼻粘膜への血流の調節に関与する。後鼻神経(40)は、翼口蓋神経節(38)と接合し、下鼻甲介(20)を取り囲む領域を通って延在する。
【0005】
ヴィディアン神経切除術を実行するための器具及び方法、後鼻神経切除術、並びに鼻甲介整復は知られているが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載された本発明を行い、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】特定の副鼻腔及び神経の詳細を示し、ヴィディアン神経及び後鼻神経が含まれる、患者の頭部の一部分の左矢状面の図である。
【
図2】一対の電極が、器具のシャフトアセンブリに対して近位後退位置にあり、鼻腔内でアブレーション処置を実行するために使用され得る器具の例の斜視図である。
【
図3A】一対の針電極がシャフトアセンブリに対して近位後退位置にある、
図2の器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図3B】一対の針電極がシャフトアセンブリに対して遠位伸長位置にある、
図2の器具のシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図である。
【
図4】
図2に記した器具のシャフトアセンブリの変形形態の遠位部分に関する斜視図を示す。
【
図5】概ね正弦波形を有する高周波信号のグラフを示す。
【
図6】概ね方形波形を有する低周波信号のグラフを示す。
【
図7】
図5及び
図6の信号の波形を組み合わせた変調信号のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【0008】
本開示を明確にするために、本明細書において、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他の操作者に対して定義される。「近位」という用語は、外科医のより近くに配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタのより近くにかつ外科医からより遠くに配置された要素の位置を指す。更に、図面を参照して「上側」、「下側」、「垂直」、「水平」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、このような用語は、例示的な記述目的にのみ使用され、限定する又は絶対的であることを意図するものではないことが理解されよう。その点において、本明細書に開示されるものなどの外科用器具を、本明細書で図示及び記載するものに限定されない様々な向き及び位置で使用してもよいことが理解されよう。
【0009】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲の「約」及び「およそ」という用語は、構成要素の部分又は集合が、本明細書で記載されているその本来の目的のために機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。
【0010】
I.浅いアブレーション、深いアブレーション、及び体積アブレーションの例
いくつかの臨床シナリオでは、電気エネルギー(例えば、無線周波数(AC型)又はパルス場(DC型)エネルギー)を組織に印加して、組織をアブレーションし、組織の可逆的電気穿孔を提供し、組織の不可逆的電気穿孔を提供し、又は別様に組織を治療することが望ましい場合がある。これは、組織の表面を1つ以上の電極と接触させることと、次いで、1つ以上の電極を作動させて、電気エネルギーを組織に印加することと、を含んでもよい。1つの電極が使用される場合、接地パッドは、患者の皮膚と接触して配置されてもよく、標的組織表面と接触するその1つの電極は、単極電気エネルギーを標的組織表面に印加してもよい。2つ以上の電極が使用される場合、その2つ以上の電極は、標的組織表面と接触して配置されてもよく、これらの電極を作動させて双極電気エネルギーを標的組織表面に印加してもよい。電気穿孔を提供するために、様々な適切な電極配置が使用され得る。用語「アブレーション」、「アブレーションする」、及びそれらの変形が本明細書で使用される限り、そのような用語は、電気穿孔(可逆的及び不可逆的)も含むものとして読まれるべきであり、その結果、本発明者らは、アブレーションに関する以下の教示の全てが電気穿孔の文脈においても適用され得ることを企図する。
【0011】
組織治療電極は更に、組織を貫通する針の形態であってもよく、針が組織に挿入されると、組織治療電極を作動させて電気エネルギーを印加する。組織表面接触の組織治療電極とは異なり、針電極は、組織の表面をはるかに越えたアブレーション及び/又は他の効果を容易にし得る。場合によっては、針電極は、組織表面を通した針電極の貫通にもかかわらず、組織表面のアブレーション又は別様の治療を回避し得、表面下組織のみがアブレーション又は別様に治療される。
【0012】
いくつかの耳、鼻、及び喉(ear, nose, and throat、ENT)アブレーション処置の文脈では、電極に接触する組織表面のみが使用されるように、比較的浅いRFアブレーション又は他の組織治療を提供することが望ましい場合がある。いくつかの他のENTシナリオでは、組織貫通針電極が使用されるように、比較的深いRFアブレーション又は他の組織を提供することが望ましい場合がある。なお他のENTシナリオでは、浅いアブレーションと深いアブレーションとの組み合わせを提供することが望ましい場合があり、それにより、組織表面接触電極と組織貫通針電極との併用を通して、体積アブレーションをもたらす。
【0013】
上記を考慮すると、2つ以上の器具の使用を必要とすることなく、比較的浅いRFアブレーション若しくは他の組織治療、比較的深いアブレーション若しくは他の組織治療、又は体積アブレーション(すなわち、浅いアブレーションと深いアブレーションの組み合わせ)若しくは他の組織治療を実行するように動作可能なアブレーション器具を提供することが望ましい場合がある。換言すれば、器具操作者の選択に従って、浅いアブレーション/治療モダリティ、深いアブレーション/治療モダリティ、及び体積アブレーション/治療モダリティの間で移行するように動作可能な単一の器具を提供することが望ましい場合がある。以下は、これらのモダリティ間の選択可能性を可能にする器具のいくつかの例を提供する。これらの例は、ENT処置という文脈において説明されるが、以下に説明される器具は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであるように、患者の解剖学的構造の他の領域における他の処置において使用されてもよい。
【0014】
II.弓状電極、針電極、及びカメラアセンブリを伴う器具の実施例
A.概要
図2~3Bは、電気エネルギーを組織に送達するために使用され得る器具(100)の一例を示す。例えば、器具(100)は、神経(例えば、後鼻神経(40))をアブレーションするため、鼻甲介(例えば、鼻甲介(20、22、24)のいずれか)をアブレーションするため、又は患者の頭部における任意の他の種類の解剖学的構造をアブレーションする、電気穿孔する、若しくは抵抗加熱を適用するために使用されてもよい。この例の器具(100)は、ハンドルアセンブリ(110)、シャフトアセンブリ(130)、及びエンドエフェクタ(200)、電極(202、206、222、226)を含む。器具(100)は、電気発生器(102)と連結されており、これは、以下でより詳細に説明するように、電極(202、206、222、226)を介して組織に送達するための電気外科用エネルギーを生成するように動作可能である。発生器(102)は、位置センサ信号処理、神経刺激信号処理などを含むがこれらに限定されない他の機能を提供するコントローラに組み込まれてもよい。
【0015】
この実施例のハンドルアセンブリ(110)は、本体(112)、第1のスライダ(120)、及び第2のスライダ(122)を含む。本体(112)は、パワーグリップ、ペンシルグリップ、又は任意の他の好適な種類のグリップなどを介して、操作者の片手で握持して操作されるようにサイズ決定され、かつそのように構成されている。各スライダ(120、122)は、本体(112)に対して長手方向に並進するように動作可能である。スライダ(120、122)は、いくつかの変形形態では、互いに対して独立して並進するように動作可能である。スライダ(120)は、カメラアセンブリ(210)と連結されており、したがって、カメラアセンブリ(210)をシャフトアセンブリ(130)に対して長手方向に並進させるように動作可能である。いくつかの変形例では、カメラアセンブリ(210)は、シャフトアセンブリ(130)に対して長手方向に固定され、その結果、スライダ(120)は省略され得る(210)。代替的に、スライダ(120)は、任意の他の好適な構成要素(複数可)を長手方向に並進させるように動作可能であってもよい。スライダ(122)は、針電極(222、226)と連結されており、したがって、以下でより詳細に説明するように、針電極(222、226)を長手方向に並進させるように動作可能である。
図3Aから
図3Bへの移行は、針電極(222、226)がスライダ(122)によって近位位置から遠位位置へ駆動されていることを示す。
【0016】
本実施例のシャフトアセンブリ(130)は、剛性部分(132)、剛性部分(132)の遠位にある可撓性部分(134)、及び開放遠位端(136)を含む。プルワイヤ(図示せず)は、可撓性部分(134)と結合され、かつハンドルアセンブリ(110)の偏向制御ノブ(116)と結合されている。偏向制御ノブ(116)は、プルワイヤを近位に選択的に後退させるために、シャフトアセンブリ(130)の縦軸線に垂直な軸を中心として、本体(112)に対して回転可能である。プルワイヤが近位に後退すると、可撓性部分(134)が曲がり、それにより、遠位端(136)を剛性部分(132)の縦軸線から横方向に離れて偏向させる。したがって、偏向制御ノブ(116)、プルワイヤ、及び可撓性部分(134)が協働して、シャフトアセンブリ(130)に操縦性を付与する。単に例として、シャフトアセンブリ(130)のこのような操縦性は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年11月25日に公開された「Shaft Deflection Control Assembly for ENT Guide Instrument」と題された米国特許出願第2021/0361912号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。他の変形例は、偏向制御ノブ(116)の代わりに、可撓性部分(134)の操縦を駆動するためのいくつかの他の種類のユーザ入力機構を提供してもよい。いくつかの代替の変形例では、偏向制御ノブ(116)は省略され、可撓性部分(134)は、可鍛性である。なお他の変形例では、シャフトアセンブリ(130)の全長は、剛性である。
【0017】
シャフトアセンブリ(130)はまた、剛性部分(132)の縦軸線を中心として、ハンドルアセンブリ(110)に対して回転可能である。このような回転は、ハンドルアセンブリ(110)の本体(112)と回転可能に結合された回転制御ノブ(114)を介して駆動され得る。代替的に、シャフトアセンブリ(130)は、いくつかの他の形態のユーザ入力を介して回転されてもよいか、又は、ハンドルアセンブリ(110)に対して回転不可能であってもよい。更に、本明細書に記載されるハンドルアセンブリ(110)の例は、単に例示的な例であることを理解されたい。シャフトアセンブリ(130)は、代わりに、任意の他の好適な種類のハンドルアセンブリ又は他の支持体と結合されてもよい。
【0018】
B.電極の例
図3A~
図3Bで最も良く分かるように、シャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)にあるエンドエフェクタ(200)は、弓状電極(202、206)と、針電極(222、226)と、カメラアセンブリ(210)とを含む。この例の各弓状電極(202、206)は、カフ(209)を介してシャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)に対してしっかりと固定された、遠位に向いた弓状導電性要素(例えば、金属)の形態である。本実施例の弓状電極(202、206)は、上部間隙(208)及び下部間隙(204)によって互いに角度的に分離される。弓状電極(202、206)及びカフ(209)は協働して、概ね円形の形状を画定するが、他の変形例では、弓状電極(202、206)及びカフ(209)は協働して、楕円形、卵形、正方形、三角形、又は別様に非円形の形状を画定してもよい。本実施例では、弓状電極(202、206)及びカフ(209)によって画定された概ね円形状は、シャフトアセンブリ(130)の縦軸線に垂直な平面に沿って延在している。いくつかの他の変形形態では、弓状電極(202、206)及びカフ(209)によって画定された略円形状(又は他の非円形状)は、シャフトアセンブリ(130)の縦軸線に対して斜めに配向されるか、又は別様にこれを横断する平面に沿って延在している。
【0019】
いくつかの変形形態では、弓状電極(202、206)は各々、導電性ワイヤ、プレート、フィルム、及び/又はコーティングのうちの任意の1つ以上を含んでもよく、銅、金、鋼、アルミニウム、銀、ニチノールなどの金属導電性材料、及び/又は、導電性ポリマー、シリサイド、グラファイトなどの非金属導電性材料を含むが、これらに限定されない任意の好適な材料又は材料の組み合わせから形成されてもよい。弓状電極(202、206)は、接着剤、蒸着、又は他の方法を介して固定されることを含むが、これらに限定されない任意の好適な様式でカフ(209)に固定されてもよい。同様に、カフ(209)は、任意の好適な様式で可撓性部分(134)に固定されてもよく、接着剤を介して、圧入を介して、ねじ結合を介して、又は他の方法で固定されることが挙げられるがこれらに限定されない。2つの弓状電極(202、206)が示されているが、任意の他の好適な数の弓状電極(202、206)が設けられてもよい。
【0020】
各弓状電極(202、206)は、弓状電極(202、206)を電気発生器(102)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)、トレース(複数可)、及び/又は他の導電素子(複数可)と連結されている。シャフトアセンブリ(130)の可撓性部分(134)が導電性材料から形成されている変形形態では、カフ(209)は、カフ(209)が弓状電極(202、206)を可撓性部分(134)に対して電気的に絶縁するように、電気絶縁材料から形成されてもよい。カフ(209)の絶縁特性はまた、弓状電極(202、206)間の短絡の形成を防止し得る。電極(202、206)が発電機(102)と連結されている状態で、電極(202、206)は、弓状電極(202、206)に接触している組織に電気エネルギーを印加するように動作可能である。いくつかの変形形態では、弓状電極(202、206)は、弓状電極(202、206)が弓状電極(202、206)に接触する組織に双極電気エネルギーを印加するように動作可能であるように、異なる極性で提供される。いくつかの他の変形例(例えば、患者が接地パッドと接触している場合)では、弓状電極(202、206)は、単極電気エネルギーを弓状電極(202、206)に接触している組織に印加するように動作可能である。
【0021】
いくつかのシナリオでは、弓状電極(202、206)からの電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)は、アブレーションを提供し、電気穿孔を提供し、又は別様に組織を治療するために使用される。いくつかの他のシナリオでは、電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)は、神経刺激又は他の効果を提供するために使用される。電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)を組織に印加することに加えて、又は電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)を組織に印加する代わりに、弓状電極(202、206)を使用して、組織から電位をピックアップし、組織のインピーダンスを感知し、及び/又は他の感知能力を提供してもよい。
【0022】
針電極(222、226)は、針電極(222)がシャフト(220)の遠位端にあり、針電極(226)がシャフト(224)の遠位端にあるように、それぞれのシャフト(220、224)の遠位端に位置付けられる。本実施例では、シャフト(220、224)及び針電極(222、226)は、直線状であり、針電極(222、226)が
図3Bに示すように遠位に位置付けられたときに、シャフトアセンブリ(130)の縦軸線に沿って、又はこれと平行に延在するように構成されている。いくつかの変形形態では、シャフト(220、224)及び/又は針電極(222、226)は、針電極(222、226)が遠位に位置付けられたときに、シャフトアセンブリ(130)の縦軸線に対して外向きに広がるように弾性的に付勢されてもよい。単に例として、針電極(222、226)のこのような付勢及び/又は外向きの広がりは、2020年8月19日に出願の「ENT Ablation Instrument with Electrode Loop」と題された米国特許出願第63/067,495号の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0023】
いくつかの変形形態(例えば、シャフト(220、224)が導電性材料で形成されている場合)では、絶縁層又は他の電気絶縁バリアが、各電極(222、226)とそのそれぞれのシャフト(220、224)との間に挿入されている。本実施例のシャフト(220、224)は、スライダ(122)と連結され、その結果、スライダ(122)は、シャフト(220、224)を介して、針電極(222、226)を、上述のような近位後退位置(
図3A)と遠位延出位置(
図3B)との間で駆動するように動作可能である。各針電極(222、226)は、本実施例では鈍い遠位先端を有する。いくつかの他の変形形態では、針電極(222、226)の一方又は両方は、鋭利な遠位先端を有する。針電極(222、226)のいくつかの変形例は、組織を貫通してもよい。このような変形形態では、第2のスライダ(122)が遠位に前進したとき、針電極(222、226)は、
図3Bに示すように、弓状電極(202、206)によって画定された横断面を越えて遠位に延在するように駆動される。操作者は、第2のスライダ(122)の遠位前進をハンドルアセンブリ(110)の本体(112)の長さに沿った任意の好適な位置で停止させて、針電極(222、226)の組織内への任意の好適な貫通深さを達成してもよい。
【0024】
針電極(222、226)及びシャフト(220、224)のいくつかの変形形態は更に、針電極(222、226)及びシャフト(220、224)が流体(例えば、潅注流体、治療薬など)を送達するために使用され得るように、中空であってもよい。2つの針電極(222、226)及びシャフト(220、224)が示されているが、任意の他の好適な数の針電極及びシャフトが提供されてもよい。
【0025】
各針電極(222、226)は、針電極(222、226)を電気発生器(102)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)、トレース(複数可)、及び/又は他の導電素子(複数可)と連結されている。上述したように、絶縁材料は、針電極(222、226)がシャフト(220、224)に通電するのを防止することができ、これは次に、シャフト(220、224)がシャフトアセンブリ(130)の可撓性部分(134)に通電するのを防止することができる。
図3Bに示されるように、シャフト(220、224)は、針電極(220、226)間の空間的分離を維持し、それによって針電極(222、226)間の短絡の形成を防止するように構成される。針電極(222、226)が発電機(102)と連結されている状態で、針電極(222、226)は、針電極(222、226)に接触している組織に電気エネルギーを印加するように動作可能である。いくつかの変形形態では、針電極(222、226)は、針電極(222、226)が針電極(222、226)に接触する組織に双極電気エネルギーを印加するように動作可能であるように、異なる極性で提供される。いくつかの他の変形形態では(例えば、患者が接地パッドと接触している場合)、針電極(222、226)は、針電極(222、226)に接触している組織に単極電気エネルギーを印加するように動作可能である。
【0026】
いくつかのシナリオでは、針電極(222、226)からの電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)は、アブレーションを提供するため、電気穿孔を提供するため、又は別様に組織を治療するために使用される。いくつかの他のシナリオでは、電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)は、神経刺激又は他の効果を提供するために使用される。電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)を組織に印加することに加えて、又は電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)を組織に印加する代わりに、針電極(222、226)を使用して、組織から電位をピックアップし、組織のインピーダンスを感知し、及び/又は他の感知能力を提供してもよい。
【0027】
いくつかの変形形態では、弓状電極(202、206)は、互いに協働して双極電気エネルギーを組織に印加するように構成され、針電極(222、226)も更に、互いに協働して双極電気エネルギーを組織に印加するように構成される。弓状電極(202、206)の一方又は両方は更に、針電極(222、226)の一方又は両方と協働して、双極電気エネルギーを組織に印加することもできる。例えば、針電極(222、226)は、共に活性電極(又は戻り電極)として機能してもよく、一方、弓状電極(202、206)は、共に双極電気エネルギーを組織に提供するための戻り電極(又は活性電極)として機能する。別の変形形態として、エンドエフェクタ(200)の一方の側半分上の電極(202、222)は、共に活性電極(又は戻り電極)として機能してもよく、一方、エンドエフェクタ(200)の他方の側半分上の電極(206、224)は、共に戻り電極(又は活性電極)として機能してもよい。更に別の変形例として、電極(202、224)は共に活性電極(又は戻り電極)として機能してもよく、一方、電極(206、222)は共に戻り電極(又は活性電極)として機能してもよい。極性について任意の他の好適な組み合わせ及び/又は構成が使用されてもよい。
【0028】
針電極(222、226)が電気エネルギーを組織に送達するために使用されるとき、針電極(222、226)は、針電極(222、226)が組織を貫通するように組織内に前進してもよく、次いで、針電極(222、226)を作動させて、電気エネルギーを貫通された組織に印加してもよい。弓状電極(202、206)が電気エネルギーを組織に送達するために使用されるとき、弓状電極(202、206)は、弓状電極(202、206)が組織を係合するように組織に対して押圧されてもよく、次いで、弓状電極(202、206)を作動させて、電気エネルギーを係合された組織に印加してもよい。
【0029】
器具(100)は、操作者が電気エネルギーを、(例えば、弓状電極(202、206)を介して)組織の表面に印加すること、及び/又は(例えば、針電極(222、226)を介して)貫通された組織内に印加することの間で、選択することを可能にする。器具(100)は、比較的浅いアブレーション(例えば、弓状電極(202、206)を介して)、比較的深いアブレーション(例えば、針電極(222、226)を介して)、又は体積アブレーション(例えば、針電極(222、226)と組み合わせた弓状電極(202、206)を介して)を実行するために使用され得る。単に更なる例として、器具(100)は、ヴィディアン神経切断術、後鼻神経切除術、鼻甲介整復、又は任意の他の好適な処置を実行するために使用されてもよい。場合によっては、弓状電極(202、206)と針電極(222、226)との組み合わせを使用して、鼻甲介整復を実行してもよい。針電極(222、226)及び/又は弓状電極(202、206)を使用して電気エネルギーを組織に印加し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0030】
C.カメラアセンブリの例
上述のように、本実施例の器具(100)は、シャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)においてエンドエフェクタ(200)の技術を形成するカメラアセンブリ(210)を更に含む。カメラアセンブリ(210)は、遠位端(136)の遠位にある標的組織部位において可視化を提供するように動作可能である。本実施例のカメラアセンブリ(210)は、カメラ(212)と、カメラ(212)の側方に隣接する一対の照明要素(214)とを含む。カメラ(212)は、シャフトアセンブリ(130)内で針電極(222、226)及びシャフト(220、224)のための空間を依然として可能にしながら、シャフトアセンブリ(130)内に嵌合するように好適にサイズ決めされたカメラの形態であってもよい。
【0031】
照明要素(214)は、カメラ(212)の視野を照明するように構成され、かつ動作可能である。本実施例では、2つの照明要素(214)が使用されているが、他の変形例では、1つの照明要素(214)のみ、又は3つ以上の照明要素(214)を使用してもよい。本実施例では、照明要素(214)は、LEDを含む。いくつかの他の変形例では、照明要素(214)は、光ファイバ構成要素を含む。例えば、各照明要素(214)は、1つ又は2つ以上のそれぞれの光ファイバ又は光ファイバ束と光学的に結合されたレンズを含んでもよい。このような光ファイバ又は光ファイバ束は、シャフトアセンブリ(130)に沿って延在してもよく、ハンドルアセンブリ(110)(又はシャフトアセンブリ(130)がそこから延在するいくつかの他の本体)に組み込まれるか、又は別様に提供される光源と光学的に結合されてもよい。
【0032】
照明要素(214)によってとられる形態にかかわらず、いくつかの変形形態では、照明要素(214)は、組織状態の視覚化を容易にするように選択された1つ以上の波長で光を放出するように駆動される。例えば、照明要素(214)の一方又は両方は、十分にアブレーションされた組織の色と関連付けられた波長で光を放出するように駆動されてもよい。いくつかのこのような変形形態では、光は、アブレーションが完了したことを操作者が視覚的に確認するのを支援するために、操作者に視覚的強調を提供してもよい。加えて、又は代替として、照明要素(214)の一方又は両方は、アブレーションされる組織の色と関連付けられた波長で光を放出するように駆動されてもよい。別の例として、いくつかの変形形態では、照明要素(214)の一方又は両方によって放出された光の波長の選択可能な変化を提供してもよく、その結果、波長は、操作者の選択に基づいて、かつ/又は処置の段階に基づいて変化してもよい。例えば、1つ以上のセンサ(例えば、組織インピーダンス検出器、サーミスタなど)は、標的組織の状態に関するリアルタイムのフィードバックを提供してもよく、このフィードバックは、照明要素(214)の一方又は両方によって放出された光の波長を自動的に変化させるために使用されてもよい。あるいは、照明要素(214)の一方又は両方によって放出された光は、任意の他の好適な特性を有してもよい。
【0033】
いくつかの変形形態では、カメラアセンブリ(210)は、1つ以上の流体導管を更に含む。そのような流体導管は、灌注流体(例えば、生理食塩水など)を標的組織部位に適用するため、カメラ(212)から破片を洗い流すため、及び/又は任意の他の好適な目的のために使用され得る。いくつかのシナリオでは、カメラアセンブリ(210)を介して放出された流体は、電極(202、206、222、226)のうちの1つ以上と隣接組織との間の電気的連続性を促進するのを支援し得る。加えて、又は代替的に、カメラアセンブリ(210)の1つ以上の導管は、吸引を適用するために使用され得る。そのような吸引は、組織アブレーションプロセスから生じる煙、蒸気、及び/又は他の吸引可能な結果を吸引するために適用され得る。このような吸引は、カメラ(212)の視野をクリアにするのに役立つことによって、アブレーションプロセス中及びその後の視覚化を更に促進し得る。そのような吸引は更に、過剰な灌注流体を引き去ることができる。カメラアセンブリ(210)の導管を介して吸引を適用することに加えて、又はその代替として、吸引は、シャフトアセンブリ(130)の内部を介して適用されてもよい。代替として、流体連通及び/又は吸引は、任意の他の好適な様式で提供されてもよい。いくつかの変形形態では、流体連通及び/又は吸引は省略される。
【0034】
上述したように、カメラアセンブリ(210)は、ハンドルアセンブリ(110)に沿って長手方向にスライダ(120)を駆動することによって、シャフトアセンブリ(130)に対して長手方向に駆動され得る。シャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)とカメラアセンブリ(210)との間の相対的な長手方向の移動は、アブレーションが起こる前にアブレーションの標的となる組織領域を操作者がより容易に視覚化すること、アブレーション中に標的組織領域を視覚化すること、及び/又はアブレーション後に標的組織領域を視覚化することを可能にし得る。いくつかの変形形態では、スライダ(120)は、操作者がカメラアセンブリ(210)をシャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)を越えて遠位に駆動することを可能にし得る。加えて、又は代替的に、スライダ(120)は、操作者がカメラアセンブリ(210)をシャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)よりも近位の位置まで近位に後退させることを可能にし得る。
【0035】
シャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)とカメラアセンブリ(210)との間の相対的な長手方向の移動を可能にする変形形態では、操作者は、
図3A及び
図3Bに示すように、シャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)とカメラアセンブリ(210)とを実質的に同じ長手方向位置に有することを望む場合があり、その間、操作者は、遠位端(136)を標的組織領域に向かって操作する。操作者が標的組織領域に到達し、弓状電極(202、206)を標的組織に対して押圧すると、操作者は、弓状電極(202、206)を介して組織に電気エネルギーを印加しながら、カメラアセンブリ(210)を遠位端(136)に対して近位に後退させることを望む場合がある。アブレーションが完了したと操作者が考えると、操作者は、アブレーションされた組織をより良好に視覚化して、アブレーションに満足していることを確認するために、カメラアセンブリ(210)を遠位端(136)に対して遠位に前進させることを望む場合がある。操作者が、シャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)に対して異なる長手方向位置にあるカメラアセンブリ(210)を有する器具(100)を利用することを望む場合がある他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0036】
いくつかの他の変形形態では、カメラ(210)の長手方向位置は、シャフト(130)に対して固定され、その結果、スライダ(120)は省略されるか、又はいくつかの他の目的のために使用される。単に更なる例として、カメラアセンブリ(210)は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2022年2月24日に公開された「ENT Ablation Instrument with Electrode Loop」と題された米国特許出願第2022/0054188号の教示の少なくともいくつかに従って構成及び作動され得る。
【0037】
D.代替エンドエフェクタの実施例
図4は、上述のエンドエフェクタ(200)の代わりにシャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)に組み込まれ得る別の例示的な遠位端(300)を示す。シャフトアセンブリ(130)及び器具(100)の残りの部分は、依然として上述の例と同様に構成され、動作可能であり得るため、重複する詳細は以下では繰り返さない。本実施例のエンドエフェクタ(300)は、6つの電極(310、314、318、322、326、330)を含む。この例の各電極(310、314、318、322、326、330)は、カフ(309)を介してシャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)に対してしっかりと固定された、遠位に向いた弓状の導電性要素(例えば、金属)の形態である。電極(310、318、322、330)は、電極(310、318、322、330)が同じ角度範囲に沿って延在するように、互いに同じ長さを有する。電極(314、326)は、電極(314、326)が同じ角度範囲に沿って延在するように、互いに同じ長さを有する。本実施例では、電極(310、318、322、330)は電極(314、326)よりも長い。
【0038】
電極(310)は、電極(322)から180度だけ角度オフセットされている。電極(314)は、電極(326)から180度だけ角度オフセットされている。電極(318)は、電極(330)から180度だけ角度オフセットされている。電極(310、314)は、間隙(312)によって互いから角度的に分離される。電極(314、318)は、間隙(316)によって互いから角度的に分離される。電極(318、322)は、間隙(320)によって互いから角度的に分離される。電極(322、326)は、間隙(324)によって互いから角度的に分離される。電極(326、330)は、間隙(320)によって互いから角度的に分離される。電極(330、310)は、間隙(332)によって互いから角度的に分離される。
【0039】
電極(310、314、318、322、326、330)及びカフ(309)は、協働して概ね円形の形状を画定するが、他の変形例では、電極(310、314、318、322、326、330)及びカフ(309)は協働して、楕円形、卵形、正方形、三角形、又は他の非円形の形状を画定してもよい。本実施例では、電極(310、314、318、322、326、330)及びカフ(309)によって画定された概ね円形の形状は、シャフトアセンブリ(130)の縦軸線に垂直な平面に沿って延在している。いくつかの他の変形形態では、電極(310、314、318、322、326、330)及びカフ(309)によって画定された略円形状(又は他の非円形状)は、シャフトアセンブリ(130)の縦軸線に対して斜めに配向されるか、又は別様にこれを横断する平面に沿って延在している。
【0040】
いくつかの変形形態では、電極(310、314、318、322、326、330)は各々、導電性ワイヤ、プレート、フィルム、及び/又はコーティングのうちの任意の1つ以上を含んでもよく、銅、金、鋼、アルミニウム、銀、ニチノールなどの金属導電性材料、及び/又は、導電性ポリマー、シリサイド、グラファイトなどの非金属導電性材料を含むが、これらに限定されない任意の好適な材料又は材料の組み合わせから形成されてもよい。電極(310、314、318、322、326、330)は、接着剤、蒸着、又は他の方法を介して固定されることを含むが、これらに限定されない任意の好適な様式でカフ(309)に固定されてもよい。同様に、カフ(309)は、任意の好適な様式で可撓性部分(134)に固定されてもよく、接着剤を介して、圧入を介して、ねじ結合を介して、又は他の方法で固定されることが挙げられるがこれらに限定されない。6つの電極(310、314、318、322、326、330)が示されているが、任意の他の好適な数の電極(310、314、318、322、326、330)が設けられてもよい。
【0041】
各電極(310、314、318、322、326、330)は、電極(310、314、318、322、326、330)を電気発生器(102)と電気的に連結する、対応する1つ以上のワイヤ(複数可)、トレース(複数可)、及び/又は他の導電素子(複数可)と連結されている。シャフトアセンブリ(130)の可撓性部分(134)が導電性材料から形成されている変形形態では、カフ(309)は、カフ(309)が弓状電極(310、314、318、322、326、330)を可撓性部分(134)に対して電気的に絶縁するように、電気絶縁材料から形成されてもよい。カフ(309)の絶縁特性はまた、電極(310、314、318、322、326、330)間の短絡の形成を防止し得る。電極(310、314、318、322、326、330)が電気発電機(102)と連結された状態で、電極(310、314、318、322、326、330)は、組織接触電極(310、314、318、322、326、330)に電気エネルギーを印加するように動作可能である。いくつかの変形形態では、電極(310、314、318、322、326、330)は、電極(310、314、318、322、326、330)が組織接触電極(310、314、318、322、326、330)に双極電気エネルギーを印加するように動作可能であるように、異なる極性で提供される。いくつかの他の変形形態では(例えば、患者が接地パッドと接触している場合)、電極(310、314、318、322、326、330)は、単極電気エネルギーを組織接触電極(310、314、318、322、326、330)に印加するように動作可能である。
【0042】
いくつかのシナリオでは、電極(310、314、318、322、326、330)からの電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)は、アブレーションを提供するため、電気穿孔を提供するため、又は別様に組織を治療するために使用される。いくつかの他のシナリオでは、電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)は、神経刺激又は他の効果を提供するために使用される。電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)を組織に印加することに加えて、又は電気エネルギー(又は他の電気エネルギー)を組織に印加することの代替として、電極(310、314、318、322、326、330)は、組織から電位をピックアップし、組織のインピーダンスを感知し、及び/又は他の感知能力を提供するために使用され得る。
【0043】
E.器具の他の特徴の例
上述したように、エンドエフェクタ(200)又はエンドエフェクタ(300)がシャフトアセンブリ(130)の遠位端(136)に位置付けられているか否かに関わらず、様々な電気回路構成要素がシャフトアセンブリ(130)に組み込まれ得る。そのような電気回路構成要素は、可撓性回路及び様々な他の種類の構成要素を含み得る。単に例として、シャフトアセンブリ(130)及びエンドエフェクタ(200、300)は、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2022年1月26日に出願された「Flexible Sensor Assembly for ENT Instrument」と題する米国特許出願公開第17/584,693号に記載される様々な特徴のうちのいずれかを含んでもよい。
【0044】
図示されていないが、器具(100)は更に、三次元空間における器具(100)のエンドエフェクタ(200)及び/又はいくつかの他の構成要素(複数可)の位置を示す信号を生成するように動作可能な1つ以上の位置センサを含んでもよい。このような位置センサは、シャフトアセンブリ(130)に直接組み込まれてもよいか、又は他の場所で器具(100)に組み込まれてもよい。加えて、又は代替的に、このような位置センサは、シャフトアセンブリ(130)内に配設されたガイドワイヤ又は他の構成要素に組み込まれてもよい。このような位置センサは、交番磁界の存在に応答して信号を生成する1つ以上のコイルの形態をとってもよい。このような位置信号によって生成された位置データは、器具(100)のエンドエフェクタ及び/又はいくつかの他の構成要素(複数可)が患者内のどこに位置するかをリアルタイムで操作者に示すために、視覚的表示を操作者に提供するシステムによって処理されてもよい。このような視覚的表示は、患者の解剖学的構造の、手術前に得らされた1つ又は2つ以上の画像(例えば、CTスキャン)上のオーバーレイとして提供されてもよい。このような位置感知及びナビゲーション能力は、本明細書に引用される様々な参考文献の教示の少なくともいくつかに従って提供され得る。
【0045】
III.除神経の成功を試験するための神経刺激の例
器具(100)のような器具が除神経処置を行うために使用される処置では、除神経が成功したかどうかを確認するために、除神経を試みた直後に試験を行うことが望ましい場合がある。除神経試行の成功を試験するために、除神経試行に使用されたものと同じ器具を使用することが更に望ましい場合がある。これは、除神経処置を実行するために1つの器具を使用し、除神経処置の成功を試験するために他の別個の器具を使用する必要性を回避し得る。以下に説明するように、器具(100)のような器具は、除神経の試みと除神経試験との間に患者から器具(100)を引き抜く必要なく、まず除神経処置を行い、次に除神経処置の成功を試験するために使用され得る。このような除神経の実施及び試験は、器具がエンドエフェクタ(200)又はエンドエフェクタ(300)を装備しているか否かに関わらず行われ得る。
【0046】
器具(100)がエンドエフェクタ(200)を装備している変形形態では、操作者は、シャフトアセンブリ(130)を患者の鼻腔(10)内にナビゲートし、エンドエフェクタ(200)を標的組織部位(例えば、後鼻神経(40)、ヴィディアン神経(34)など)に隣接して位置決めすることができる。エンドエフェクタ(200)のそのような位置決めは、カメラアセンブリ(210)からの視覚的誘導によって行われてもよい。加えて、又は代替的に、エンドエフェクタ(200)のそのような位置決めは、エンドエフェクタ(200)内及び/又はシャフトアセンブリ(130)内及び/又は器具(100)内の他の位置に配置された1つ以上の位置センサからの誘導によって行われ得る。
【0047】
エンドエフェクタ(200)が標的組織部位に隣接して位置付けられると、弓状電極(202、206)が組織に押し付けられ、起動されて電気エネルギーを組織に印加することができる。いくつかの変形形態では、弓状電極(202、206)は、双極電気エネルギーを組織に印加するために、反対の極性で作動される。いくつかの他の変形形態では、弓状電極(202、206)は、同じ極性で作動され、患者に接触する接地パッドと協働して、単極電気エネルギーを組織に印加する。いずれの場合も、電気エネルギーは、組織のアブレーションを引き起こし得る。標的部位が神経(例えば、後鼻神経(40)、ヴィディアン神経(34)など)を含むシナリオでは、電気エネルギーは、標的部位における神経の部分を効果的に破壊することによって除神経を提供し得る。
【0048】
電気エネルギーが弓状電極(202、206)を介して組織に印加された後、針電極(222、226)は、
図3Aに示される位置から
図3Bに示される位置まで遠位に前進され得る。いくつかのシナリオでは、これにより、針電極(222、226)が組織を貫通する。針電極(222、226)が組織内に配置されるか、又は別様に組織と連通している状態で、針電極(222、226)を使用して、弓状電極(202、206)による電気的除神経が成功したかどうかを試験することができる。そのような試験を完了するために、一方の針電極(222)は、電気刺激信号を神経に印加してもよく、他方の針電極(226)は、信号が刺激信号に対する神経応答を示すかどうかを検出するためのセンサとして機能する。いくつかの他の変形形態では、両方の針電極(222、226)が、(例えば、双方向多重化技法を使用して)刺激及び感知能力を提供する。いずれの場合も、エンドエフェクタ(200)は、一方の針電極(222)が標的神経の一方の側に位置付けられ、他方の針電極(226)が標的神経の他方の側に位置付けられるように配置されてもよい。上述したように、位置センサは、標的神経に対する針電極(222、226)のそのような位置決めを提供するのに役立ち得る。電気発電機(102)を含むコントローラを使用して、刺激信号を生成し、応答を処理することができる。刺激信号は電気的であってもよいが、必ずしもRF範囲内である必要はない。
【0049】
感知針電極(226)が、刺激針電極(222)からの刺激信号の伝送の成功を検出する場合、そのような伝送の成功は、除神経手技が成功しなかったことを示し得る。コントローラは、それに応じて操作者に通知することができる。そのようなシナリオでは、操作者は、弓状電極(202、206)を介して組織に電気エネルギーを再び印加することができ、針電極(222、226)は、除神経における次の試みが成功したかどうかを検出するために再び使用され得る。このプロセスは、感知針電極(226)が刺激針電極(222)からの刺激信号の伝送を検出できなくなるまで繰り返されてもよい。感知針電極(226)が刺激針電極(222)からの刺激信号の伝達を検出できないことは、除神経処置が成功したことを示し得る。再び、コントローラは、それに応じて操作者に通知することができる。その時点で、シャフトアセンブリ(130)を移動させて、エンドエフェクタ(200)を別の標的部位に再配置することができ、又は鼻腔(10)から完全に除去されてもよい。
【0050】
器具(100)がエンドエフェクタ(300)を装備している変形形態では、操作者は、シャフトアセンブリ(130)を患者の鼻腔(10)内にナビゲートし、エンドエフェクタ(300)を標的組織部位(例えば、後鼻神経(40)、ヴィディアン神経(34)など)に隣接して位置決めすることができる。エンドエフェクタ(300)のそのような位置決めは、カメラアセンブリ(210)からの視覚的誘導によって行われてもよい。加えて、又は代替的に、エンドエフェクタ(300)のそのような位置決めは、エンドエフェクタ(300)内及び/又はシャフトアセンブリ(130)内及び/又は器具(100)内の他の場所に位置付けられた1つ以上の位置センサからの誘導によって行われてもよい。
【0051】
エンドエフェクタ(230)が標的組織部位に隣接して位置付けられると、電極(310、318、322、330)は、組織に押し付けられ、電気エネルギーを組織に印加するように起動されてもよい。いくつかの変形形態では、電極(310、318、322、330)は、双極電気エネルギーを組織に印加するために反対の極性で作動される。いくつかの他の変形形態では、電極(310、318、322、330)は、同じ極性で作動され、患者に接触する接地パッドと協働して、単極電気エネルギーを組織に印加する。いずれの場合も、電気エネルギーは、組織のアブレーションを引き起こし得る。標的部位が神経(例えば、後鼻神経(40)、ヴィディアン神経(34)など)を含むシナリオでは、電気エネルギーは、標的部位における神経の部分を効果的に破壊することによって除神経を提供し得る。
【0052】
電気エネルギーが電極(310、318、322、330)を介して組織に印加された後、電極(314、326)は、弓状電極(202、206)による電気的除神経が成功したかどうかを試験するために使用され得る。そのような試験を完了するために、一方の電極(314)は、電気刺激信号を神経に印加してもよく、他方の針電極(326)は、信号が刺激信号に対する神経応答を示すかどうかを検出するためのセンサとして機能する。いくつかの他の変形形態では、両方の電極(314、326)が、(例えば、双方向多重化技法を使用して)刺激及び感知能力を提供する。いずれの場合も、エンドエフェクタ(300)は、一方の電極(314)が標的神経の一方の側に位置付けられ、他方の電極(326)が標的神経の他方の側に位置付けられるように位置付けられてもよい。上述したように、位置センサは、標的神経に対する電極(314、326)のそのような位置決めを提供するのに役立ち得る。電気発電機(102)を含むコントローラを使用して、刺激信号を生成し、応答を処理することができる。刺激信号は電気的であってもよいが、必ずしもRF範囲内である必要はない。
【0053】
感知電極(326)が刺激電極(314)からの刺激信号の送信の成功を検出した場合、そのような送信の成功は、除神経処置が成功しなかったことを示し得る。コントローラは、それに応じて操作者に通知することができる。そのようなシナリオでは、操作者は、電極(310、318、322、330)を介して組織に電気エネルギーを再び印加することができる。電極(314、326)は、除神経における次の試みが成功したかどうかを検出するために再び使用され得る。このプロセスは、感知電極(326)が刺激電極(314)からの刺激信号の伝達を検出できなくなるまで繰り返され得る。感知電極(326)が刺激電極(314)からの刺激信号の伝達を検出できないことは、除神経処置が成功したことを示し得る。再び、コントローラは、それに応じて操作者に通知することができる。その時点で、シャフトアセンブリ(130)は、エンドエフェクタ(300)を別の標的部位に再配置するために移動されても、又は鼻腔(10)から完全に除去されてもよい。
【0054】
上述したように、エンドエフェクタ(200)の針電極(222、226)又はエンドエフェクタ(200)の電極(314、326)を使用して、標的神経の除神経に成功したかどうかを判定することができる。そのようなプロセスでは、神経刺激信号は様々な形態をとり得る。
図5は、比較的高い周波数の信号(402)のグラフ(400)を示す。この高周波信号(402)は、信号(402)が組織の下にある神経に到達する前に振幅を失うことなく、組織(例えば、粘膜など)を貫通するのに有効であり得る。高周波の信号(402)が組織の貫通を促進して下にある神経に到達する程度まで、高周波は必ずしも神経を刺激するのに理想的ではない場合がある。対照的に、
図6は、方形波形を有する比較的低い周波数の信号(412)のグラフ(410)を示す。場合によっては、そのような比較的低い周波数の方形波信号(412)は、神経を刺激するのに有効であり得る。しかしながら、そのような比較的低い周波数の方形波信号(412)は、組織を貫通して下層の神経に到達するのに必ずしも理想的ではない場合がある。
【0055】
したがって、信号(402)の組織貫通能力と信号(412)の神経刺激能力との組み合わせを提供する神経刺激信号を提供することが望ましい場合がある。そのために、
図7は、信号(412)で変調された信号(402)のバージョンを表す信号(422)のグラフ(420)を示す。したがって、信号(422)は、信号(412)と同じ周波数でポケット(424)を効果的に提供するギャップ(426)によって分離された、信号(402)の高周波数のポケット(424)を提供する。換言すれば、高周波信号は、高周波信号を効果的にパルス化する方形波デューティサイクル及び振幅を通して印加される。そのような波形は、信号(402)の組織貫通能力と信号(412)の神経刺激能力とを効果的に組み合わせることができ、その結果、標的神経への電気刺激の非常に効率的かつ効果的な印加をもたらすことができる。上述したように、信号(422)は、エンドエフェクタ(200)の針電極(222、226)を介して、エンドエフェクタ(200)の電極(314、326)を介して、又は任意の他の好適な種類(複数可)の電極を介して、標的神経に印加され得る。更に、上述したように、標的神経は、後鼻神経(40)、ヴィディアン神経(34)、又は任意の他の好適な種類の神経を含んでもよい。
【0056】
電気発電機(102)を含むコントローラは、信号(422)を生成するために使用され得る構成要素を更に含んでもよい。例えば、コントローラは、信号(402)の波形のような波形を生成する第1の波形生成器と、信号(412)の波形のような波形を生成する第2の波形生成器と、第1の波形生成器の波形を第2の波形生成器の波形で変調することによって信号(422)のような信号を生成する変調器とを含んでもよい。
【0057】
IV.組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示が組み合わされ得るか又は適用され得る、様々な非網羅的な方式に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得るいかなる特許請求の範囲も限定することを意図するものではないことを、理解されたい。一切の権利放棄が、意図されていない。以下の実施例は、単に例解目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、その他の多くの方式で構成及び適用され得ることが、企図される。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得ることもまた、企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由のためにも追加されているものとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0058】
装置であって、(a)遠位端を有するシャフトアセンブリであって、患者の鼻腔内に嵌合するように構成され、縦軸を画定する、シャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリの遠位端にある第1の電極アセンブリと、(c)シャフトアセンブリの遠位端にある第2の電極アセンブリであって、第2の電極アセンブリは、(i)刺激電極と、(ii)感知電極とを含み、刺激電極及び感知電極は、シャフトアセンブリの縦軸に対して両側方に位置付けられている、第2の電極アセンブリと、(d)コントローラであって、コントローラは、(i)第1の電極アセンブリを介して標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を行うための電気信号を生成し、(ii)第2の電極アセンブリの刺激電極を介して標的神経を刺激するための電気刺激信号を生成し、(iii)第2の電極アセンブリの感知電極を介して標的神経から受信した応答信号を処理するように動作可能である、コントローラと、を備える装置。
【実施例2】
【0059】
シャフトアセンブリが、剛性部分と可撓性部分とを有し、可撓性部分が遠位端を含む、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0060】
アクチュエータを更に備え、アクチュエータは、可撓性部分を偏向させ、それによって、遠位端を縦軸に対して横方向に駆動するように動作可能である、実施例2に記載の装置。
【実施例4】
【0061】
遠位端にあるカメラアセンブリを更に備える、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例5】
【0062】
三次元空間内の遠位端の位置を示す信号を生成するように動作可能である位置センサを更に備える、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例6】
【0063】
遠位端にあるカフを更に備え、第1の電極アセンブリは、カフを介して遠位端に固定されている、実施例1~5のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例7】
【0064】
第2の電極アセンブリが、カフを介して遠位端に固定されている、実施例6に記載の装置。
【実施例8】
【0065】
カフが、電気的に絶縁の材料から形成されている、実施例6~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例9】
【0066】
第1の電極アセンブリは、第1の電極及び第2の電極を含む、実施例1~8のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例10】
【0067】
第1の電極及び第2の電極が協働して、縦軸を取り囲む概ね円形の形状を画定する、実施例9に記載の装置。
【実施例11】
【0068】
第1の電極及び第2の電極は、第1の間隙及び第2の間隙によって互いに角度的に離間されている、実施例9~10のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例12】
【0069】
第1の電極及び第2の電極が各々弓形状を有する、実施例9~11のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例13】
【0070】
第1の電極及び第2の電極は、シャフトアセンブリの遠位端から離れて遠位に面する、実施例9~12のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例14】
【0071】
シャフトアセンブリの遠位端が、遠位に面する周縁部を画定し、第1の電極及び第2の電極が、シャフトアセンブリの遠位端の遠位に面する周縁部に配置されている、実施例13に記載の装置。
【実施例15】
【0072】
第1の電極及び第2の電極は、双極電気エネルギーを組織に印加するように動作可能である、実施例9~14のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例16】
【0073】
第2の電極アセンブリが、(i)第1のシャフトであって、刺激電極が第1のシャフトに固定されている、第1のシャフトと、(ii)第2のシャフトであって、感知電極が第2のシャフトに固定されている、第2のシャフトと、を更に含む、実施例1~15のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例17】
【0074】
第1のシャフトが、第2のシャフトと平行である、実施例16に記載の装置。
【実施例18】
【0075】
第1のシャフト及び第2のシャフトは、両方とも縦軸線と平行である、実施例17に記載の装置。
【実施例19】
【0076】
アクチュエータを更に備え、アクチュエータは、第2の電極アセンブリをシャフトアセンブリに対して長手方向に駆動するように動作可能である、実施例1~18のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例20】
【0077】
アクチュエータは、第2の電極アセンブリを近位位置から遠位位置に駆動するように動作可能であり、刺激電極及び感知電極は、第2の電極アセンブリが近位位置にあるとき、シャフトアセンブリの遠位端に対して近位に位置付けられ、刺激電極及び感知電極は、第2の電極アセンブリが遠位位置にあるとき、シャフトアセンブリの遠位端に対して遠位に位置付けられる、実施例19に記載の装置。
【実施例21】
【0078】
刺激電極が第1の針電極を備え、感知電極が第2の針電極を備える、実施例1~20のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例22】
【0079】
第1の電極アセンブリは、第1の電極及び第2の電極を含み、刺激電極が第1の電極及び第2の電極との間に角度をなして挿入されている、実施例1~21のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例23】
【0080】
感知電極は、第2の電極と第1の電極との間に角度をなして挿入されている、実施例22に記載の装置。
【実施例24】
【0081】
第1の電極アセンブリは、第3の電極及び第4の電極を更に含み、第3の電極は、第2の電極と感知電極との間に角度をなして挿入されており、第4の電極は、感知電極と第1の電極との間に角度をなして挿入されている、実施例23に記載の装置。
【実施例25】
【0082】
第1の電極、第2の電極、第3の電極、第4の電極、刺激電極、及び感知電極が協働して、縦軸を取り囲む概ね円形形状を画定する、実施例24に記載の装置。
【実施例26】
【0083】
刺激電極及び感知電極は、シャフトアセンブリの遠位端から離れて遠位に面する、実施例22~25のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例27】
【0084】
シャフトアセンブリの遠位端が、遠位に面する周縁部を画定し、刺激電極及び感知電極が、シャフトアセンブリの遠位端の遠位に面する周縁部に配置されている、実施例26に記載の装置。
【実施例28】
【0085】
コントローラは、変調波形を有する電気刺激信号を生成するように更に動作可能である、実施例1~27のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例29】
【0086】
変調波形は、パルス高周波信号を提供する、実施例28に記載の装置。
【実施例30】
【0087】
変調波形は、方形波デューティサイクルを通じて印加される高周波信号ポケットを提供する、実施例29に記載の装置。
【実施例31】
【0088】
装置であって、(a)遠位端を有するシャフトアセンブリであって、患者の鼻腔内に嵌合するように構成され、長手方向軸を画定する、シャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリの遠位端にある第1の電極アセンブリであって、遠位に面する第1の電極を含む、第1の電極アセンブリと、(c)シャフトアセンブリの遠位端にある第2の電極アセンブリであって、第2の電極アセンブリは、(i)刺激電極と、(ii)感知電極とを含む、第2の電極アセンブリと、(d)コントローラであって、コントローラは、(i)第1の電極アセンブリを介して標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を行うための電気信号を生成し、(ii)第2の電極アセンブリの刺激電極を介して標的神経を刺激するための電気刺激信号を生成し、(iii)第2の電極アセンブリの感知電極を介して標的神経から受信した応答信号を処理するように動作可能である、コントローラと、を備える装置。
【実施例32】
【0089】
シャフトアセンブリが、剛性部分と可撓性部分とを有し、可撓性部分が遠位端を含む、実施例31に記載の装置。
【実施例33】
【0090】
アクチュエータを更に備え、アクチュエータは、可撓性部分を偏向させ、それによって、遠位端を縦軸に対して横方向に駆動するように動作可能である、実施例32に記載の装置。
【実施例34】
【0091】
遠位端にあるカメラアセンブリを更に備える、実施例31~33のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例35】
【0092】
三次元空間内の遠位端の位置を示す信号を生成するように動作可能である位置センサを更に備える、実施例31~34のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例36】
【0093】
遠位端にあるカフを更に備え、第1の電極アセンブリは、カフを介して遠位端に固定されている、実施例31~35のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例37】
【0094】
第2の電極アセンブリが、カフを介して遠位端に固定されている、実施例36に記載の装置。
【実施例38】
【0095】
カフが、電気的に絶縁の材料から形成されている、実施例36~37のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例39】
【0096】
第1の電極アセンブリは、第2の電極を含む、実施例31~38のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例40】
【0097】
第1の電極及び第2の電極が協働して、縦軸を取り囲む概ね円形形状を画定する、実施例39に記載の装置。
【実施例41】
【0098】
第1の電極及び第2の電極は、第1の間隙及び第2の間隙によって互いに角度的に離間されている、実施例39~40のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例42】
【0099】
第1の電極及び第2の電極が各々弓形状を有する、実施例39~41のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例43】
【0100】
シャフトアセンブリの遠位端が、遠位に面する周縁部を画定し、第1の電極及び第2の電極が、シャフトアセンブリの遠位端の遠位に面する周縁部に配置されている、実施例39~42のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例44】
【0101】
第1の電極及び第2の電極は、双極電気エネルギーを組織に印加するように動作可能である、実施例39~43のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例45】
【0102】
第2の電極アセンブリが、(i)第1のシャフトであって、刺激電極が第1のシャフトに固定されている、第1のシャフトと、(ii)第2のシャフトであって、感知電極が第2のシャフトに固定されている、第2のシャフトと、を更に含む、実施例31~44のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例46】
【0103】
第1のシャフトが、第2のシャフトと平行である、実施例45に記載の装置。
【実施例47】
【0104】
第1のシャフト及び第2のシャフトは、縦軸線と平行である、実施例46に記載の装置。
【実施例48】
【0105】
アクチュエータを更に備え、アクチュエータは、第2の電極アセンブリをシャフトアセンブリに対して長手方向に駆動するように動作可能である、実施例31~47のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例49】
【0106】
アクチュエータは、第2の電極アセンブリを近位位置から遠位位置に駆動するように動作可能であり、刺激電極及び感知電極は、第2の電極アセンブリが近位位置にあるとき、シャフトアセンブリの遠位端に対して近位に位置付けられ、刺激電極及び感知電極は、第2の電極アセンブリが遠位位置にあるとき、シャフトアセンブリの遠位端に対して遠位に位置付けられる、実施例48に記載の装置。
【実施例50】
【0107】
刺激電極が第1の針電極を備え、感知電極が第2の針電極を備える、実施例31~49のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例51】
【0108】
第1の電極アセンブリは、第1の電極及び第2の電極を含み、刺激電極が第1の電極及び第2の電極との間に角度をなして挿入されている、実施例31~50のいずれか1つ以上の装置。
【実施例52】
【0109】
感知電極は、第2の電極と第1の電極との間に角度をなして挿入されている、実施例51に記載の装置。
【実施例53】
【0110】
第1の電極アセンブリは、第3の電極及び第4の電極を更に含み、第3の電極は、第2の電極と感知電極との間に角度をなして挿入され、第4の電極は、感知電極と第1の電極との間に角度をなして挿入されている、実施例52に記載の装置。
【実施例54】
【0111】
第1の電極、第2の電極、第3の電極、第4の電極、刺激電極、及び感知電極が協働して、縦軸を取り囲む概ね円形形状を画定する、実施例53に記載の装置。
【実施例55】
【0112】
刺激電極及び感知電極は、シャフトアセンブリの遠位端から離れて遠位に面する、実施例51~54のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例56】
【0113】
シャフトアセンブリの遠位端が、遠位に面する周縁部を画定し、刺激電極及び感知電極が、シャフトアセンブリの遠位端の遠位に面する周縁部に配置されている、実施例55に記載の装置。
【実施例57】
【0114】
コントローラは、変調波形を有する電気刺激信号を生成するように更に動作可能である、実施例31~56のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例58】
【0115】
変調波形は、パルス高周波信号を提供する、実施例57に記載の装置。
【実施例59】
【0116】
変調波形は、方形波デューティサイクルを通じて印加される高周波信号ポケットを提供する、実施例58に記載の装置。
【実施例60】
【0117】
刺激電極及び感知電極は、シャフトアセンブリの縦軸に対して両側方に位置付けられている、実施例31~59のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例61】
【0118】
方法であって、(a)シャフトアセンブリを患者の鼻腔に挿入することであって、シャフトアセンブリは、縦軸を画定する、ことと、(b)患者の組織を第1の電極アセンブリと係合させることと、(c)第1の電極アセンブリを介して組織に電気エネルギーを印加することと、(d)組織を第2の電極アセンブリと係合させることと、(e)組織に関連付けられた神経に電気刺激を印加することであって、電気刺激は、第2の電極アセンブリの刺激電極を介して印加され、刺激電極は、縦軸の第1の側方において組織に接触する、ことと、(f)刺激電極を介して印加された電気刺激に応答して、第2の電極アセンブリの感知電極を介して信号が受信されたか否かを判定することであって、感知電極は、縦軸の第2の側方において組織に接触する、ことと、を含む方法。
【実施例62】
【0119】
シャフトアセンブリの遠位部分を縦軸に対して横方向に偏向させることを更に含む、実施例61に記載の方法。
【実施例63】
【0120】
挿入の前に偏向が実施される、実施例62に記載の方法。
【実施例64】
【0121】
シャフトアセンブリ内のカメラアセンブリを介して鼻腔の少なくとも一部を可視化することを更に含む、実施例62~63のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例65】
【0122】
鼻腔を通るシャフトアセンブリの遠位端の移動を追跡することを更に含み、移動は、1つ以上の位置センサによって生成される信号に基づいて追跡される、実施例61~64のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例66】
【0123】
第1の電極アセンブリが、シャフトアセンブリの遠位端に固定された少なくとも1つの遠位に面する電極を含む、実施例61~65のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例67】
【0124】
第1の電極アセンブリは、少なくとも2つの電極を含む、実施例61~66のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例68】
【0125】
第1の電極アセンブリを介して組織に電気エネルギーを印加することが、組織に双極電気エネルギーを印加することを含む、実施例67に記載の方法。
【実施例69】
【0126】
第2の電極アセンブリが、(i)第1のシャフトであって、刺激電極が第1のシャフトに固定されている、第1のシャフトと、(ii)第2のシャフトであって、感知電極が第2のシャフトに固定されている、第2のシャフトと、を更に含む、実施例61~68のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例70】
【0127】
組織を第2の電極アセンブリと係合させることが、第1のシャフト及び第2のシャフトをシャフトアセンブリに対して遠位に駆動することを含む、実施例69に記載の方法。
【実施例71】
【0128】
刺激電極及び感知電極は、第1のシャフト及び第2のシャフトをシャフトアセンブリに対して遠位に駆動する前にシャフトアセンブリの遠位端に対して近位に配置され、刺激電極及び感知電極は、第1のシャフト及び第2のシャフトをシャフトアセンブリに対して遠位に駆動した後にシャフトアセンブリの遠位端に対して遠位に配置される、実施例70に記載の方法。
【実施例72】
【0129】
組織を第2の電極アセンブリと係合させることは、刺激電極及び感知電極が組織を貫通するように、刺激電極及び感知電極を組織内に駆動することを含む、実施例61~71のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例73】
【0130】
電気刺激を印加することが、変調波形を有する電気刺激信号を印加することを含む、実施例61~72のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例74】
【0131】
変調波形は、パルス高周波信号を提供する、実施例73に記載の方法。
【実施例75】
【0132】
変調波形は、方形波デューティサイクルを通じて印加される高周波信号ポケットを提供する、実施例74に記載の方法。
【実施例76】
【0133】
神経は、後鼻神経を含む、実施例61~75のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例77】
【0134】
神経は、ヴィディアン神経を含む、実施例61~75のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例78】
【0135】
信号が感知電極を介して受信されたか否かを判定することは、信号が感知電極を介して受信されたことを判定することを含み、受信された信号は、神経が除神経されていないことを示し、方法は、電気エネルギーを組織に印加する行為と、電気刺激を組織に関連付けられた神経に印加する行為と、信号が感知電極を介して受信されたか否かを判定する行為とを繰り返すことを更に含む、実施例61~77のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例79】
【0136】
電気エネルギーを組織に印加して、神経の除神経をもたらす、実施例61~78のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例80】
【0137】
信号が感知電極を介して受信されるかどうかを判定することは、信号が感知電極を介して受信されないことを判定することを含み、信号の非受信は、神経が除神経されたことを示す、実施例79に記載の方法。
【実施例81】
【0138】
方法であって、(a)シャフトアセンブリを患者の鼻腔に挿入することであって、シャフトアセンブリは、縦軸を画定する、ことと、(b)患者の組織を第1の電極アセンブリと係合させることであって、第1の電極アセンブリは、シャフトアセンブリの遠位端に固定された少なくとも1つの遠位に面する電極を含む、ことと、(c)第1の電極アセンブリの少なくとも1つの遠位に面する電極を介して組織に電気エネルギーを印加することと、(d)組織を第2の電極アセンブリと係合させることと、(e)組織に関連付けられた神経に電気刺激を印加することであって、電気刺激は、第2の電極アセンブリの刺激電極を介して印加される、ことと、(f)刺激電極を介して印加された電気刺激に応答して、第2の電極アセンブリの感知電極を介して信号が受信されたかどうかを判定することと、を含む方法。
【実施例82】
【0139】
シャフトアセンブリの遠位部分を縦軸に対して横方向に偏向させることを更に含む、実施例81に記載の方法。
【実施例83】
【0140】
挿入の前に偏向が実施される、実施例82に記載の方法。
【実施例84】
【0141】
シャフトアセンブリ内のカメラアセンブリを介して鼻腔の少なくとも一部を可視化することを更に含む、実施例82~83のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例85】
【0142】
鼻腔を通るシャフトアセンブリの遠位端の移動を追跡することを更に含み、移動は、1つ以上の位置センサによって生成される信号に基づいて追跡される、実施例81~84のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例86】
【0143】
第1の電極アセンブリは、少なくとも2つの電極を含む、実施例81~85のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例87】
【0144】
第1の電極アセンブリを介して組織に電気エネルギーを印加することが、組織に双極電気エネルギーを印加することを含む、実施例86に記載の方法。
【実施例88】
【0145】
第2の電極アセンブリが、(i)第1のシャフトであって、刺激電極が第1のシャフトに固定されている、第1のシャフトと、(ii)第2のシャフトであって、感知電極が第2のシャフトに固定されている、第2のシャフトと、を更に含む、実施例81~87のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例89】
【0146】
組織を第2の電極アセンブリと係合させることが、第1のシャフト及び第2のシャフトをシャフトアセンブリに対して遠位に駆動することを含む、実施例88に記載の方法。
【実施例90】
【0147】
刺激電極及び感知電極は、第1のシャフト及び第2のシャフトをシャフトアセンブリに対して遠位に駆動する前にシャフトアセンブリの遠位端に対して近位に配置され、刺激電極及び感知電極は、第1のシャフト及び第2のシャフトをシャフトアセンブリに対して遠位に駆動した後にシャフトアセンブリの遠位端に対して遠位に配置される、実施例89に記載の方法。
【実施例91】
【0148】
組織を第2の電極アセンブリと係合させることは、刺激電極及び感知電極が組織を貫通するように、刺激電極及び感知電極を組織内に駆動することを含む、実施例81~90のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例92】
【0149】
電気刺激を印加することが、変調波形を有する電気刺激信号を印加することを含む、実施例81~91のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例93】
【0150】
変調波形は、パルス高周波信号を提供する、実施例92に記載の方法。
【実施例94】
【0151】
変調波形は、方形波デューティサイクルを通じて印加される高周波信号ポケットを提供する、実施例93に記載の方法。
【実施例95】
【0152】
神経は、後鼻神経を含む、実施例81~94のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例96】
【0153】
神経は、ヴィディアン神経を含む、実施例81~94のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例97】
【0154】
信号が感知電極を介して受信されたか否かを判定することは、信号が感知電極を介して受信されたことを判定することを含み、受信された信号は、神経が除神経されていないことを示し、方法は、電気エネルギーを組織に印加する行為と、電気刺激を組織に関連付けられた神経に印加する行為と、信号が感知電極を介して受信されたか否かを判定する行為とを繰り返すことを更に含む、実施例81~96のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例98】
【0155】
電気エネルギーを組織に印加して、神経の除神経をもたらす、実施例81~97のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例99】
【0156】
信号が感知電極を介して受信されるかどうかを判定することは、信号が感知電極を介して受信されないことを判定することを含み、信号の非受信は、神経が除神経されたことを示す、実施例98に記載の方法。
【実施例100】
【0157】
刺激電極が、縦軸の第1の側方において組織に接触し、感知電極が、縦軸の第2の側方において組織に接触する、実施例81~99のいずれか1つ以上に記載の方法。
【実施例101】
【0158】
装置であって、(a)遠位端を有するシャフトアセンブリであって、患者の鼻腔内に嵌合するように構成され、縦軸を画定する、シャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリの遠位端にある第1の電極アセンブリであって、第1の電極アセンブリは、組織に電気エネルギーを印加するように動作可能であり、それによって、標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を行う、第1の電極アセンブリと、(c)シャフトアセンブリの遠位端にある第2の電極アセンブリであって、第2の電極アセンブリは、(i)電気刺激信号を印加して標的神経を刺激するように動作可能である刺激電極と、(ii)標的神経から応答信号を受信するように動作可能である感知電極と、を含み、刺激電極及び感知電極は、シャフトアセンブリの縦軸に対して両側方に位置付けられている、第2の電極アセンブリと、を備える装置。
【実施例102】
【0159】
装置であって、コントローラを更に備え、コントローラは、(i)第1の電極アセンブリを介して標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を行うために電気信号を生成し、(ii)第2の電極アセンブリの刺激電極を介して標的神経を刺激するための電気刺激信号を生成し、(iii)第2の電極アセンブリの感知電極を介して標的神経から受信された応答信号を処理するように動作可能である、実施例101に記載の装置。
【実施例103】
【0160】
装置であって、(a)遠位端を有するシャフトアセンブリであって、患者の鼻腔内に嵌合するように構成され、縦軸を画定する、シャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリの遠位端にある第1の電極アセンブリであって、第1の電極アセンブリは、遠位に面する第1の電極を含み、遠位に面する第1の電極は、組織に電気エネルギーを印加するように動作可能であり、それによって、標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を行う、第1の電極アセンブリと、(c)シャフトアセンブリの遠位端にある第2の電極アセンブリであって、第2の電極アセンブリは、(i)電気刺激信号を印加して標的神経を刺激するように動作可能である刺激電極と、(ii)標的神経から応答信号を受信するように動作可能である感知電極とを含む、第2の電極アセンブリと、を含む装置。
【実施例104】
【0161】
装置であって、コントローラを更に備え、コントローラは、(i)第1の電極アセンブリを介して標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を行うために電気信号を生成し、(ii)第2の電極アセンブリの刺激電極を介して標的神経を刺激するための電気刺激信号を生成し、(iii)第2の電極アセンブリの感知電極を介して標的神経から受信された応答信号を処理するように動作可能である、実施例103に記載の装置。
【0162】
V.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載のその他の教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上と組み合わせられてもよいことを、理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例等は、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせてもよい様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて、当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0163】
参照により本明細書に組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又はその他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又はその他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを、理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載のその他の開示内容と矛盾するあらゆる内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0164】
上で説明されるデバイスの変形例は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計され得る。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてもよい。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含んでもよい。具体的には、デバイスのいくつかの変形例は分解されてもよく、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換され得る又は取り外され得る。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形例を、再調整用の施設において、又は手技の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0165】
単に例として、本明細書に記載される変形例は、手技の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスを、プラスチック製又はTYVEK製のバックなどの密閉された容器及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスは、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌容器内に保管されてもよい。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意のその他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0166】
本発明の様々な実施形態を示し記載してきたが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化が実現され得る。このような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は、当業者には明らかであろう。例えば、上で考察された実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0167】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)遠位端を有するシャフトアセンブリであって、患者の鼻腔内に嵌合するように構成され、縦軸を画定する、シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある第1の電極アセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある第2の電極アセンブリであって、前記第2の電極アセンブリは、
(i)刺激電極と、
(ii)感知電極であって、前記刺激電極及び前記感知電極は、前記シャフトアセンブリの前記縦軸に対して両側方に位置付けられている、感知電極と、を含む第2の電極アセンブリと、
(d)コントローラであって、前記コントローラは、
(i)前記第1の電極アセンブリを介して標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を実行するための電気信号を生成し、
(ii)前記第2の電極アセンブリの前記刺激電極を介して前記標的神経を刺激するための電気刺激信号を生成し、
(iii)前記第2の電極アセンブリの前記感知電極を介して前記標的神経から受信された応答信号を処理するように動作可能である、コントローラと、を含む装置。
(2) 前記シャフトアセンブリは、剛性部分及び可撓性部分を有し、前記可撓性部分が前記遠位端を含む、実施態様1に記載の装置。
(3) アクチュエータを更に備え、前記アクチュエータは、前記可撓性部分を偏向させ、それによって、前記遠位端を前記縦軸に対して横方向に駆動するように動作可能である、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記遠位端にあるカメラアセンブリを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(5) 位置センサを更に備え、前記位置センサは、三次元空間内の前記遠位端の位置を示す信号を生成するように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
【0168】
(6) 前記遠位端にあるカフを更に備え、前記第1の電極アセンブリは、前記カフを介して前記遠位端に固定されている、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記第2の電極アセンブリは、前記カフを介して前記遠位端に固定されている、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記カフは、電気絶縁材料から形成されている、実施態様6に記載の装置。
(9) 前記第1の電極アセンブリは、第1の電極及び第2の電極を含む、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記第1の電極及び前記第2の電極が協働して、前記縦軸を取り囲む概ね円形の形状を画定する、実施態様9に記載の装置。
【0169】
(11) 前記第1の電極及び前記第2の電極は、第1の間隙及び第2の間隙によって互いに角度的に離間されている、実施態様9に記載の装置。
(12) 前記第1の電極及び前記第2の電極は、各々、弓形形状を有する、実施態様9に記載の装置。
(13) 前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記シャフトアセンブリの前記遠位端から離れて遠位に面する、実施態様9に記載の装置。
(14) 前記第2の電極アセンブリは、
(i)第1のシャフトであって、前記刺激電極が前記第1のシャフトに固定されている、第1のシャフトと、
(ii)第2のシャフトであって、前記感知電極が前記第2のシャフトに固定されている、第2のシャフトと、を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(15) アクチュエータを更に備え、前記アクチュエータは、前記第2の電極アセンブリを前記シャフトアセンブリに対して長手方向に駆動するように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
【0170】
(16) 前記刺激電極は、第1の針電極を備え、前記感知電極は、第2の針電極を備える、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記第1の電極アセンブリは、第1の電極及び第2の電極を含み、前記刺激電極は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に角度をなして挿入されている、実施態様1に記載の装置。
(18) 前記コントローラは、変調された波形を有する電気刺激信号を生成するように更に動作可能である、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)遠位端を有するシャフトアセンブリであって、患者の鼻腔内に嵌合するように構成され、縦軸を画定する、シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある第1の電極アセンブリであって、遠位に面する第1の電極を含む、第1の電極アセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの前記遠位端にある第2の電極アセンブリであって、前記第2の電極アセンブリは、
(i)刺激電極と、
(ii)感知電極と、を含む第2の電極アセンブリと、
(d)コントローラであって、前記コントローラは、
(i)前記第1の電極アセンブリを介して標的神経の組織アブレーション又は除神経の一方又は両方を実行するための電気信号を生成し、
(ii)前記第2の電極アセンブリの前記刺激電極を介して前記標的神経を刺激するための電気刺激信号を生成し、
(iii)前記第2の電極アセンブリの前記感知電極を介して前記標的神経から受信された応答信号を処理するように動作可能である、コントローラと、を含む装置。
(20) 方法であって、
(a)シャフトアセンブリを患者の鼻腔に挿入することであって、前記シャフトアセンブリは、縦軸を画定する、ことと、
(b)前記患者の組織を第1の電極アセンブリと係合させることと、
(c)前記第1の電極アセンブリを介して前記組織に電気エネルギーを印加することと、
(d)前記組織を第2の電極アセンブリと係合させることと、
(e)前記組織に関連付けられた神経に電気刺激を印加することであって、前記電気刺激は、前記第2の電極アセンブリの刺激電極を介して印加され、前記刺激電極は、前記縦軸の第1の側方において前記組織に接触する、ことと、
(f)前記刺激電極を介して印加された前記電気刺激に応答して、前記第2の電極アセンブリの感知電極を介して信号が受信されたか否かを判定することであって、前記感知電極は、前記縦軸の第2の側方において前記組織に接触する、ことと、を含む方法。
【国際調査報告】