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特表2024-524266ラクターゼを含むフレーバー修飾組成物
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  • 特表-ラクターゼを含むフレーバー修飾組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ラクターゼを含むフレーバー修飾組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20240628BHJP
   A23C 9/00 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A23L27/00 E
A23C9/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579286
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 EP2022067001
(87)【国際公開番号】W WO2022268875
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/213,919
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】21185920.2
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-リュック ジェラン
(72)【発明者】
【氏名】ダッタトレヤ バナヴァラ
【テーマコード(参考)】
4B047
【Fターム(参考)】
4B047LB09
4B047LF05
4B047LG05
4B047LG06
4B047LG14
4B047LG15
4B047LG18
4B047LG22
4B047LG23
4B047LG24
4B047LG32
4B047LG33
4B047LG34
4B047LG51
4B047LG57
(57)【要約】
本開示は、概して、フレーバー修飾組成物、および乳製品を含む食品、飲料品、栄養製品などの様々な食用製品におけるその使用に関する。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物はラクターゼを含む。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、1種以上の甘味増強剤を含む。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、糖、高強度甘味料、またはそれらの組み合わせを含むものの、これらに限定されない甘味料などの1種以上のフレーバー付与物質も含む。幾つかの態様では、本開示は、様々な食用組成物におけるそのようなフレーバー修飾組成物の使用を提供する。そのような食用組成物には、動物性タンパク質(例えば乳タンパク質)や非動物性タンパク質などの様々な追加の成分が含まれる。そのような食用組成物は、食品、飲料品、または動物飼料製品として包装することができ、あるいはそれらの中に含めることができる。幾つかの実施形態では、そのような製品は、乳製品、例えば乳製品飲料、ヨーグルト、チーズ、コンデンスミルク、エバミルク、粉ミルク、乳児用調製粉乳、バターミルク、ケフィア、クリーム、クリーマー、カスタード、アイスクリーム、ジェラート、フローズンカスタード、フローズンカスタード、カッテージチーズなどである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーバー修飾組成物であって、
(a)ラクターゼと、
(b)甘味料、甘味増強剤、またはそれらの混合物と
を含む、フレーバー修飾組成物。
【請求項2】
甘味増強剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピルプロパンアミドを含まない、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、またはその食用として許容される塩を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
ヘスペレチンジヒドロカルコン、ヘスペレチンジヒドロカルコン-4’-O’グルコシド、ネオヘスペレチンジヒドロカルコン、ブラゼイン、ヘスペリジン、フィロズルシン、ナリンゲニン、ナリンギン、フロレチン、グルコシル化ステビオールグリコシド、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン、ルブソシド、ソーマチン、モネリン、ミラクリン、グリチルリチン、ナリンギンジヒドロカルコン、ミリセチン、ノビレチン、ポリメトキシフラボン、混合メトキシ-およびヒドロキシフラボン、ケルセチン、アミノ酸、ならびにそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
甘味料を含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記甘味料が、スクロース、フルクトース、レバウジオシドA、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドM、スクラロース、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
食用組成物の甘味を増強するための、請求項1から7までのいずれか1項記載のフレーバー修飾組成物の使用。
【請求項9】
前記食用組成物がラクトースを含む、請求項8記載の使用。
【請求項10】
前記食用組成物が1種以上の乳タンパク質を含む、請求項8または9記載の使用。
【請求項11】
前記食用組成物が非動物性タンパク質を含む、請求項8または9記載の使用。
【請求項12】
請求項1から7までのいずれか1項記載のフレーバー修飾組成物とラクトースとを含む食用組成物。
【請求項13】
1種以上の乳タンパク質をさらに含む、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
請求項12または13記載の食用組成物を含むフレーバー付き製品。
【請求項15】
乳製品である、請求項14記載のフレーバー付き製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、フレーバー修飾組成物、および乳製品を含む食品、飲料品、栄養製品などの様々な食用製品におけるその使用に関する。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物はラクターゼを含む。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、1種以上の甘味増強剤を含む。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、糖、高強度甘味料、またはそれらの組み合わせを含むものの、これらに限定されない甘味料などの1種以上のフレーバー付与物質も含む。幾つかの態様では、本開示は、様々な食用組成物におけるそのようなフレーバー修飾組成物の使用を提供する。そのような食用組成物には、動物性タンパク質(例えば乳タンパク質)や非動物性タンパク質などの様々な追加の成分が含まれる。そのような食用組成物は、食品、飲料品、または動物飼料製品として包装することができ、あるいはそれらの中に含めることができる。幾つかの実施形態では、そのような製品は、乳製品、例えば乳製品飲料、ヨーグルト、チーズ、コンデンスミルク、エバミルク、粉ミルク、乳児用調製粉乳、バターミルク、ケフィア、クリーム、クリーマー、カスタード、アイスクリーム、ジェラート、フローズンカスタード、フローズンカスタード、カッテージチーズなどである。
【0002】
関連技術の説明
味覚系は、外界の化学組成物についての感覚情報を提供する。味覚伝達は、化学的に誘発される動物の感覚のうちのより洗練された形態の1つである。味覚のシグナル伝達は、単純な後生動物から最も複雑な脊椎動物まで、動物界全体でみられる。哺乳類は、甘味、苦味、酸味、塩味、およびうま味の5つの基本的な味覚様式を持つと考えられている。
【0003】
甘味は、糖を多く含む食品を食べているときに最も一般的に知覚される味である。哺乳類は、通常、過剰な場合を除き、甘さを心地よい感覚であると認識する。スクロースやフルクトースなどの有カロリー甘味料は、甘味物質の典型例である。様々なゼロカロリーおよび低カロリーの代替品が存在するものの、これらの有カロリー甘味料は、依然として消費時に食用製品に甘味の知覚を生じさせるための主要な手段である。
【0004】
肥満、糖尿病、および心血管疾患などの代謝障害ならびに関連する疾患は、世界中の主要な公衆衛生の懸念事項である。そして、これらの罹患率は、ほぼ全ての先進国で驚くべき速度で増加してきている。有カロリー甘味料は、消費者の口により合うようにするために様々な加工食品および飲料品に含まれているため、この傾向の主な要因である。多くの場合、スクロースやフルクトースの代わりに、ノンカロリーまたは低カロリーの代替品を食品および飲料に使用することができる。そうであっても、これらの化合物は有カロリー甘味料とは異なる甘味を付与し、多くの消費者はそれらを適切な代替品とみなしていない。さらに、そのような化合物は、特定の製品に配合することが難しい場合がある。場合によっては、これらは有カロリー甘味料の部分的な代替品として使用されることもあるが、それらが存在するだけで、多くの消費者に渋味、苦味、金属味、およびカンゾウの味などの不快な異味を感じさせる可能性がある。そのため、低カロリー甘味料は、その採用に関して特定の課題に直面している。
【0005】
そのような甘味料を使用して乳製品を甘くすることは、ごく一般的である。乳製品は、典型的にはラクトースの形態でも天然の糖を含んでいる。ラクトースは、1,4-β結合によって結合されたD-ガラクトースとD-グルコースとから構成される二糖である。したがって、乳製品に甘味を付与する場合、甘味が付与された製品中のラクトースの存在とフレーバーとによってもたらされる課題にも直面することがある。
【0006】
したがって、乳製品などの様々なフレーバー付き製品において、スクロースなどの有カロリー甘味料の感覚プロファイルをより効果的に模倣することができる新規な組成物を発見することが必要とされている。
【0007】
概要
本開示は、特定の甘味増強剤と組み合わせて使用されるラクターゼ酵素が、フルクトースやスクロースなどの多量の有カロリー甘味料の添加を必要とせずに、乳製品の甘味を改善できるという発見に関する。
【0008】
第1の態様では、本開示は、(a)ラクターゼと、(b)甘味料、甘味増強剤、またはそれらの組み合わせとを含むフレーバー修飾組成物を提供する。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、天然ステビオールグリコシド甘味料(レバウジオシドAやレバウジオシドMなど)、スクラロース、アルロースなどの甘味料を含む。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、甘味増強剤、例えばフロレチン、ナリンゲニン、グルコシル化天然ステビオールグリコシド、または合成化合物、例えばN-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドもしくはその任意の食用として許容される塩を含む。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物はバニリンまたは類似物質を含む。
【0009】
第2の態様では、本開示は、食用組成物の甘味を増加または増強するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の甘味を増加または増強する方法を提供する。
【0010】
第3の態様では、本開示は、食用組成物の苦味を低減または遮断するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の甘味を低減または遮断する方法を提供する。
【0011】
第4の態様では、本開示は、食用組成物の知覚される渋味を低減するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚される渋味を低減する方法を提供する。
【0012】
第5の態様では、本開示は、食用組成物の青臭い味のノート(例えばエンドウ豆のノート)の知覚を低減するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の青臭い味のノート(例えばエンドウ豆のノート)の知覚を低減する方法を提供する。
【0013】
第6の態様では、本開示は、食用組成物の穀物の味のノートの知覚を低減するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の穀物の味のノートの知覚を低減する方法を提供する。
【0014】
第7の態様では、本開示は、食用組成物の知覚されるクリーミーさを増強するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚されるクリーミーさを増強する方法を提供する。
【0015】
第8の態様では、本開示は、食用組成物の知覚される脂肪感を増強するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚される脂肪感を増強する方法を提供する。
【0016】
第9の態様では、本開示は、食用組成物のよい味(うま味やこく味など)を増加または増強するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物のよい味(うま味やこく味など)を増加または増強する方法を提供する。
【0017】
第10の態様では、本開示は、食用組成物の口当たりまたは口内での広がりを増強するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の口当たりまたは口内での広がりを増加する方法を提供する。
【0018】
第11の態様では、本開示は、食用組成物の知覚されるジューシーさを増強するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚されるジューシーさを増強する方法を提供する。
【0019】
第12の態様では、本開示は、食用組成物の知覚される濃厚さを増強するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚される濃厚さを増強する方法を提供する。
【0020】
第13の態様では、本開示は、食用組成物のバニラの特徴を増強するための、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物のバニラの特徴を増強する方法を提供する。
【0021】
第14の態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を含む食用組成物を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、乳製品や乳製品類似製品などの飲料品である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー付き製品は、ヨーグルトなどの食品である。幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品は、猫の飼料製品または犬の飼料製品などの動物飼料製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。
【0022】
第15の態様では、本開示は、第14の態様のいずれかの食用組成物を含むフレーバー付き製品を提供する。幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品は、乳製品や乳製品類似製品などの飲料品である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー付き製品は、ヨーグルトなどの食品である。幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品は、猫の飼料製品または犬の飼料製品などの動物飼料製品である。幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品はオーラルケア製品である。
【0023】
更なる態様およびそれらの実施形態は、以降の詳細な説明、要約、および特許請求の範囲に記載される。
【0024】
以下の図面は、本明細書に開示の組成物および方法の様々な実施形態を説明する目的のために提供される。図面は、例示のみを目的として提供されており、好ましい組成物または好ましい方法を説明すること、または特許請求の範囲に記載の発明の範囲に対する何らかの限定の根拠としての役割を持たせることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドの化学構造を示す。これは、その食用として許容される塩と共に、本明細書に開示されるフレーバー修飾組成物の特定の実施形態において適切に使用することができる。
【0026】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、本明細書で提供される様々な態様および実施形態を説明している。この説明は、関連技術の当業者の観点から読まれるべきである。したがって、そのような当業者に周知の情報は必ずしも含まれない。
【0027】
定義
以下の用語および語句は、本明細書で別途示されていない限り、以下に示す意味を有する。本開示は、本明細書で明示的に定義されていない別の用語および語句を使用する場合がある。そのような他の用語および語句は、本開示の文脈内で当業者に対してそれらが持つ意味を有する。場合によっては、用語または語句は単数形または複数形で定義されることがある。そのような場合、そうではないとの明示的な指示がない限り、単数形の用語がその複数形の対応するものを含む場合があり、その逆の場合もあることが理解される。
【0028】
本明細書において使用される「甘味料」、「甘味フレーバー付与剤」、「甘味体」、または「甘味化合物」は、全て、対象に検出可能な甘いフレーバーを生じさせる化合物またはその食用として許容される塩、例えば生体内スクリーニングの過程でヒトT1R2もしくはT1R3受容体を活性化させる化合物、または被験者による官能試験によって甘いと報告される化合物を指す。
【0029】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈からそうでないとの明示的な指示がない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「ある置換基(a substituent)」への言及は、単一の置換基のみならず、2つ以上の置換基なども包含する。
【0030】
本明細書で使用される「例えば(for example、for instance)」、「など(such as)」、または「含む(including)」は、より一般的な主題をさらに明確にする例を紹介することを意図している。別段の明示的な指示がない限り、そのような例は、本開示に示される実施形態を理解するための補助としてのみ提供されており、いかなる形でも限定することを意図するものではない。また、これらの語句は、開示の実施形態に対するいかなる種類の選択も示さない。
【0031】
本明細書で使用される「含む(compriseまたはcomprisesまたはcomprisingまたはcomprised of)」は、開放されたグループを指す。これは、そのグループが、明示的に列挙されたものに加えて追加の要素を含み得ることを意味する。例えば、「Aを含む」という語句は、Aが存在しなければならないが、他の要素も存在し得ることを意味する。「~を含む」、「~を有する」、および「~から構成される」という用語およびそれらの文法上の変形形態は同じ意味を有する。対照的に、「からなる(consist ofまたはconsists ofまたはconsisting of)」は閉じられたグループを指す。例えば、「Aからなる」という語句は、AおよびAのみが存在することを意味する。
【0032】
本明細書で使用される「任意選択的に」は、その後に記載される事象が生じても生じなくてもよいことを意味する。幾つかの実施形態では、任意選択的な事象は生じない。幾つかの別の実施形態では、任意選択的な事象は1回以上生じる。
【0033】
本明細書で使用される「または」は、その最も広い合理的な解釈が与えられるべきであり、いずれか/または構成に限定されるべきではない。したがって、「AまたはBを含む」という語句は、Aが存在することができ、かつBが存在しないこと、またはBが存在し、かつAが存在しないこと、またはAとBの両方が存在することを意味する。さらに、例えばAが複数の要素、例えばAおよびAを有することができる分類を定義する場合には、分類の1つ以上の要素が同時に存在することができる。
【0034】
他の用語は、このサブセクションには含まれていないものの、本明細書の他の部分で定義される。
【0035】
フレーバー修飾組成物
特定の態様では、本開示は、(a)ラクターゼと、(b)甘味料、甘味増強剤、またはそれらの組み合わせとを含むフレーバー修飾組成物を提供する。
【0036】
本明細書において使用される「ラクターゼ」という用語は、二糖であるラクトースをその構成単糖であるD-ガラクトースおよびD-グルコースへと加水分解することができる任意の酵素を指す。限定するものではないが、天然に存在するラクターゼ、酵母抽出物由来のラクターゼ、またはある量のラクトースをその構成成分である単糖へと加水分解することができる他の任意のそのような酵素などの、任意の適切なラクターゼを使用することができる。幾つかの実施形態では、ラクターゼは微生物を含む生物から単離される。幾つかのそのような実施形態では、ラクターゼは、クルイベロミセス(Kluyveromyces)およびバチルス(Bacillu)などの微生物の細胞内成分である。幾つかの別の実施形態では、ラクターゼは、真菌ラクターゼ、例えばK.フラジリス(K. fragilis)およびK.ラクティス(K. lacti)などのクルイベロミセス(Kluyveromyces)、ならびにカンジダ(Candida)属、トルラ(Torula)属、およびトルロプシス(Torulopsis)属などの他の真菌に由来するラクターゼである。
【0037】
そのような生物由来のそのようなラクターゼ調製物は市販されている。例えば、幾つかの実施形態では、それぞれK. lactisから製造されているLACTOZYM(Novozymes, Denmark)、HA-Lactase(Chr. Hansen, Denmark)、およびMAXILACT(DSM, Netherlands)を、本明細書に記載のフレーバー修飾組成物において適切に使用することができる。幾つかの別の実施形態では、SAPHERA(Novozymes, Denmark)、GODO-YNL2(DuPont, Wilmington, Del., US)、およびラクターゼF100-SD(Amano)が、本明細書に開示のフレーバー修飾組成物において使用される。本明細書に開示のフレーバー修飾組成物における使用に適した他のラクターゼ調製物としては、国際公開第2009/071539号に記載のラクターゼ調製物が挙げられる。幾つかの別の実施形態では、国際公開第2017/167848号に記載のラクターゼ調製物が、本明細書に開示のフレーバー修飾組成物において使用される。幾つかの別の実施形態では、国際公開第2017/167849号に記載のラクターゼ調製物が、本明細書に開示のフレーバー修飾組成物において使用される。
【0038】
幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は甘味増強剤を含む。本明細書において使用される「甘味増強剤」という用語は、生体内スクリーニングの過程でヒトT1R2もしくはT1R3受容体の甘味料の活性化を促進する化合物、または被験者による官能試験によってそのような甘味料の知覚される甘味を促進すると報告される化合物を指す。
【0039】
合成甘味増強剤、天然甘味増強剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な甘味増強剤を、本明細書に開示のフレーバー修飾組成物において使用することができる。
【0040】
適切な合成甘味増強剤の例としては、限定するものではないが、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミド、もしくはその任意の食用として許容される塩、または米国特許第8,541,421号明細書;同第8,815,956号明細書;同第9,834,544号明細書;同第8,592,592号明細書;同第8,877,922号明細書;同第9,000,054号明細書;および同第9,000,051号明細書、ならびに米国特許出願公開第2017/0119032号明細書に記載されている任意の化合物が挙げられる。
【0041】
天然甘味増強剤の適切な例としては、限定するものではないが、ヘスペレチンジヒドロカルコン、ヘスペレチンジヒドロカルコン-4’-O’グルコシド、ネオヘスペレチンジヒドロカルコン、ブラゼイン、ヘスペリジン、フィロズルシン、ナリンゲニン、ナリンギン、フロレチン、グルコシル化ステビオールグリコシド、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン、ルブソシド、ソーマチン、モネリン、ミラクリン、グリチルリチンおよびその食用として許容される塩(モノアンモニウム塩など)、ナリンギンジヒドロカルコン、ミリセチン、ノビレチン、ポリメトキシフラボン、混合メトキシ-およびヒドロキシフラボン、ケルセチン、特定のアミノ酸などが挙げられる。本明細書において使用される「グルコシル化ステビオールグリコシド」という用語は、天然ステビオールグリコシド化合物を酵素によりグルコシル化した生成物を指す。グルコシル化は、一般的には、α-1,2結合、α-1,4結合、α-1,6結合、β-1,2結合、β-1,4結合、β-1,6結合などのグリコシド結合を介して生じる。
【0042】
前述した実施形態のいずれかの幾つかの実施形態では、食用組成物は、3-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2,2-ジメチル-N-プロピル-プロパンアミド、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]-チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、またはその食用として許容される塩を含む。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、またはその食用として許容される塩を含む。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミド、および3-ヒドロキシ安息香酸を含む。
【0043】
甘味増強剤は、ラクターゼに対して任意の適切な量でフレーバー修飾組成物中に存在することができる。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物中のラクターゼ対甘味増強剤の重量比は、1:1~20:1、または1:1~10:1、または2:1~8:1の範囲である。
【0044】
幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、1種以上の甘味料を含む。有カロリー甘味料、低カロリー甘味料、またはゼロカロリー甘味料を含む、任意の適切な甘味料を使用することができる。幾つかの別の実施形態では、甘味料はフレーバー修飾組成物から省かれてもよく(そして上記実施形態のいずれかによれば、甘味増強剤が存在する)、甘味料は、フレーバー修飾組成物が導入されるフレーバー付き製品の食用組成物に含まれる。甘味料の様々な実施形態を以降でさらに詳しく説明するが、これは参照により本明細書に援用されるものとする。
【0045】
甘味料がフレーバー修飾組成物中に存在する実施形態では、甘味料はラクターゼに対して任意の適切な濃度を有することができる。甘味料が低カロリー甘味料である実施形態では、甘味料対ラクターゼの重量比は、10:1~500:1、または20:1~300:1の範囲である。任意の低強度甘味料(または甘味料の組み合わせ)を使用することができる。非限定的な例としては、スクロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、D-グルコース、ラクトース、D-ガラクトース、およびマルトースが挙げられる。幾つかの実施形態では、甘味料はスクロースである。幾つかの実施形態では、甘味料はフルクトースである。
【0046】
甘味料が低強度低カロリー甘味料である実施形態では、甘味料対ラクターゼの重量比は、10:1~500:1、または20:1~300:1の範囲である。任意の低強度低カロリー甘味料(または甘味料の組み合わせ)を、単独で、または有カロリー甘味料もしくは高強度甘味料と組み合わせて使用することができる。非限定的な例としては、エリスリトール、アルロース、キシリトール、ソルビトール、タガトース、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、およびイソマルトが挙げられる。
【0047】
甘味料が高強度甘味料である実施形態では、甘味料とラクターゼの重量比は、1:20~2:1、または1:10~1:1の範囲である。任意の高強度甘味料(または甘味料の組み合わせ)を、単独で、または有カロリー甘味料もしくは高強度甘味料と組み合わせて使用することができる。非限定的な例としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、シクラメート、サッカリン、スクラロース、ステビオールグリコシド(レバウジオシドA、レバウジオシドM、レバウジオシドD、レバウジオシドE、およびそれらの任意の組み合わせなど)、およびモグロシド(モグロシドIII、モグロシドIV、モグロシドV、シアメノシドI、イソモグロシドV、モグロシドIV、イソモグロシドIV、モグロシドIII、11-オキソモグロシドV、シアメノシドIの1,6-α異性体、およびそれらの任意の組み合わせなど)が挙げられる。幾つかの実施形態では、甘味料は、レバウジオシドAやレバウジオシドMなどのステビオールグリコシドである。幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物はスクラロースを含む。幾つかの別の実施形態では、フレーバー修飾組成物は、モグロシドV、イソモグロシドV、シアメノシドI、またはシアメノシドIの1,6-α異性体などのモグロジドを含む。
【0048】
幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物はフレーバー付与物質を含む。存在する場合、フレーバー付与物質は、食用組成物、または食用組成物が使用される、得られるフレーバー付き製品の味およびフレーバーを改善する。そのような改善には、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の苦味を低減すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の青臭い味のノート(エンドウ豆のノートなど)の知覚を低減すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の穀物のノートの知覚を低減すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品のクリーミーさの知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品のクリーミーさの知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の脂肪感の知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の甘味の知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の食用組成物のよい味(うま味やこく味など)の知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の口当たりまたは口内での広がりを改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品のジューシーさの知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の濃厚さの知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品のバニラの特徴を改善すること、またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0049】
任意の適切なフレーバー付与物質を使用することができる。幾つかの実施形態では、フレーバー付与物質には、合成フレーバーオイルおよびフレーバー付与芳香物質もしくはオイル、含油樹脂、ならびに植物、葉、花、果実などに由来する抽出物、またはこれらの組み合わせが含まれる。フレーバーオイルの非限定的な例としては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーン油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、ジャパニーズミント油、クローブ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、シダーリーフ油、ナツメグ油、オールスパイス、セージ油、メイス、ビターアーモンド油、およびカッシア油が挙げられる。他のフレーバーの非限定的な例としては、バニラ、ならびにレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ(yazu)、スダチなどの柑橘系オイル、ならびにリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、スイカ、アンズ、バナナ、メロン、アンズ、ウメ、チェリー、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどのようなフルーツエッセンスなどの、天然および人工のフルーツフレーバーが挙げられる。その他の有望なフレーバーとしては、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;グリーンティーフレーバー、ウーロンティーフレーバー、ティーフレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバーなどのティーまたはコーヒーフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、およびジャパニーズミントフレーバーなどのミントフレーバー;アサフェティダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンジェリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェイフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、ペッパーフレーバー、コリアンダーフレーバー、ササフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、サンショウフレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、スターアニスフレーバー、ホースラディッシュフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビ(Japanese horseradish)フレーバーなどのスパイシーフレーバー;ワインフレーバー、ウイスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、およびリキュールフレーバーなどのアルコールフレーバー;フローラルフレーバー;ならびにオニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、およびトマトフレーバーなどの野菜フレーバーが挙げられる。これらのフレーバー付与剤は、液体または固体の形態で使用することができ、別々に、または混合して使用することができる。乳製品または乳製品類似製品との関係において最も一般的に使用されるフレーバー付与剤は、バニラ、フレンチバニラ、チョコレート、バナナ、レモン、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、アーモンド、ストロベリー、モカ、コーヒー、ティー、チャイ、シナモン、キャラメル、クリーム、ブラウンシュガー、トフィー、ピーカン、バターピーカン、トフィー、アイリッシュクリーム、ホワイトチョコレート、ラズベリー、パンプキンパイスパイス、ペパーミント、またはそれらの組み合わせなどのフレーバーを付与する物質である。
【0050】
幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、フレーバー付与物質にバニラフレーバーを付与するバニリンまたはバニリン類似体を含む。幾つかの更なる実施形態では、フレーバー修飾組成物は、フレーバー付与物質にクリーミーなフレーバーを付与する1種以上のラクトンを含む。
【0051】
幾つかの実施形態では、フレーバー修飾組成物は、酵母溶解物などの酵母抽出物を含む。そのような抽出物は任意の適切な酵母菌株から得ることができ、そのような抽出物はヒトの摂取に適している。そのような酵母の非限定的な例としては、サッカロミセス(Saccharomyces)属の酵母、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)またはサッカロミセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus);カンジダ(Candida)属の酵母、例えばカンジダ・ユティリス(Candida utilis);クルイベロミセス(Kluyveromyces)属の酵母、例えばクルイベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)またはクルイベロミセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus);ピキア(Pichia)属の酵母、例えばピキア・パストリス(Pichia pastoris);デバリオミセス(Debaryomyces)属の酵母、例えばデバリオミセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii);およびジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属の酵母、例えばジゴサッカロミセス・メリス(Zygosaccharomyces mellis)が挙げられる。幾つかの実施形態では、酵母は、ビールや日本酒などの醸造後に採取される酵母である。幾つかの実施形態では、酵母は、採取後に乾燥処理された酵母(乾燥酵母)である。
【0052】
そのような抽出物は、任意の適切な手段によって製造することができる。通常、酵母抽出物または溶解物は、細胞壁材料から酵母細胞の内容物を抽出することによって製造される。多くの場合、細胞内の消化酵素(または組成物に添加される追加の酵素)は、酵母中のタンパク質およびポリヌクレオチドを、アミノ酸、オリゴペプチド(例えば2~10個のペプチド)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド(2~10個のペプチド)、およびそれらの混合物へと分解する。酵母溶解物は、酵母を溶解することによって調製することができる。例えば、幾つかの実施形態では、培養後の酵母は、酵素分解法、自己消化法、アルカリ抽出法、熱水抽出法、酸分解法、超音波破砕法、モジナイザーによる破砕、凍結融解法など(これらの2つ以上が併用されてよい)によって破砕または溶解され、それによって酵母溶解物が得られる。酵母は、従来の方法によって培養することができる。幾つかの実施形態では、培養後の酵母を加熱処理し、その後溶解酵素で処理することで酵素溶解物が得られる。熱処理の条件は、例えば80℃~90℃で5分~30分間である。酵素分解法に使用される溶解酵素としては、酵母の細胞壁を溶解できる限り様々な酵素を使用することができる。反応条件は、使用する溶解酵素に最適または適切になるように設定することができ、その具体例としては、50℃~60℃の温度、および7.0~8.0のpHを挙げることができる。反応時間も特に限定されず、例えば3時間~5時間とすることができる。
【0053】
酵母溶解物を含む組成物は、様々な商業的供給元から入手することができる。例えば、幾つかの実施形態では、酵母溶解物は、MODUMAX(DSM Food Specialties BV, Delft, Netherlands)の名称で販売されているフレーバー付与剤によって提供される。
【0054】
幾つかの更なる実施形態では、フレーバー修飾組成物は、1種以上のうま味増強化合物を含む。そのようなうま味増強化合物としては、限定するものではないが、天然由来の化合物、または米国特許第8,735,081号明細書;同第8,124,121号明細書;および同第8,968,708号明細書に記載されている任意の化合物などの合成化合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、うま味増強化合物は、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシ-ヘプタデク-16-エン、(2R,4R)-1,2,4-トリヒドロキシヘプタデク-16-イン、またはそれらの混合物である。幾つかの実施形態では、うま味増強化合物は、(3R,5S)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)デカン-3,5-ジオールジアセテートである。幾つかの実施形態では、うま味増強化合物は、N-(ヘプタン-4-イル)ベンゾ-[d][1,3]ジオキソール-5-カルボキサミドである。
【0055】
幾つかの更なる実施形態では、フレーバー修飾組成物は、1種以上の清涼化作用を増強する化合物を含む。そのような清涼化作用を増強する化合物としては、限定するものではないが、メントールもしくはその類似体などの天然由来の化合物、または米国特許第9,394,287号明細書および同第10,421,727号明細書に記載されている任意の化合物などの合成化合物が挙げられる。
【0056】
幾つかの更なる実施形態では、フレーバー修飾組成物は、1種以上の苦味を遮断する化合物を含む。そのような苦味を遮断する化合物としては、限定するものではないが、メントールもしくはその類似体などの天然由来の化合物、または米国特許第8,076,491号明細書;同第8,445,692号明細書;および同第9,247,759号明細書に記載されている任意の化合物などの合成化合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、苦味を遮断する化合物は、3-(1-((3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)-メチル)-1H-ピラゾール-4-イル)-1-(3-ヒドロキシベンジル)-イミダゾリジン-2,4-ジオンである。
【0057】
幾つかの更なる実施形態では、フレーバー修飾組成物は、1種以上の酸味を調節する化合物を含む。
【0058】
幾つかの更なる実施形態では、フレーバー修飾組成物は、1種以上の口当たり修正する化合物を含む。そのような口当たりを修正する化合物としては、限定するものではないが、タンニン、セルロース系物質、竹粉などが挙げられる。
【0059】
幾つかの更なる実施形態では、フレーバー修飾組成物は、1種以上のフレーバーマスキング化合物を含む。そのようなフレーバーマスキング化合物としては、限定するものではないが、セルロース系物質、真菌から抽出された物質、植物から抽出された物質、クエン酸、炭酸(または炭酸塩)などが挙げられる。
【0060】
幾つかの実施形態では、上述したフレーバー修飾化合物は、食用組成物自体の中に存在し得る、またはそのような組成物を使用するフレーバー付き製品内に含まれ得る他の味物質を改善するために含まれる。そのような味物質としては、甘味料、うま味物質、こく味物質、苦味物質、酸味物質などが挙げられる。
【0061】
使用および方法
特定の態様では、本開示は、食用組成物の甘味を増加または増強するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の甘味を増加または増強する方法を提供する。
【0062】
特定の態様では、本開示は、食用組成物の苦味を低減または遮断するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の甘味を低減または遮断する方法を提供する。
【0063】
特定の態様では、本開示は、食用組成物の知覚される渋味を低減するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚される渋味を低減する方法を提供する。
【0064】
特定の態様では、本開示は、食用組成物の青臭い味のノート(例えばエンドウ豆のノート)の知覚を低減するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の青臭い味のノート(例えばエンドウ豆のノート)の知覚を低減する方法を提供する。
【0065】
特定の態様では、本開示は、食用組成物の穀物の味のノートの知覚を低減するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の穀物の味のノートの知覚を低減する方法を提供する。
【0066】
特定の態様では、本開示は、食用組成物の知覚されるクリーミーさを増強するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚されるクリーミーさを増強する方法を提供する。
【0067】
特定の態様では、本開示は、食用組成物の知覚される脂肪感を増強するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚される脂肪感を増強する方法を提供する。
【0068】
特定の態様では、本開示は、食用組成物のよい味(うま味やこく味など)を増加または増強するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物のよい味(うま味やこく味など)を増加または増強する方法を提供する。
【0069】
特定の態様では、本開示は、食用組成物の口当たりまたは口内での広がりを増強するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の口当たりまたは口内での広がりを増加させる方法を提供する。
【0070】
特定の態様では、本開示は、食用組成物の知覚されるジューシーさを増強するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚されるジューシーさを増強する方法を提供する。
【0071】
特定の態様では、本開示は、食用組成物の知覚される濃厚さを増強するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、第1の態様のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物の知覚される濃厚さを増強する方法を提供する。
【0072】
特定の態様では、本開示は、食用組成物のバニラの特徴を増強するための、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物の使用を提供する。幾つかの実施形態では、食用組成物は、食品、飲料品、オーラルケア製品、または動物飼料製品などのフレーバー付き製品である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、1種以上の乳タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、マイコタンパク質、藻類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせなどの1種以上の非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース(すなわちβ-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコース)を含む。特定の関連する態様では、本開示は、上記のいずれかのフレーバー修飾組成物を食用組成物に導入することを含む、食用組成物のバニラの特徴を増強する方法を提供する。
【0073】
前述した使用および方法の態様および実施形態で列挙された食用組成物は、以降でさらに詳しくするように、多くの他の特徴を含み得る。
【0074】
食用組成物
本明細書に開示の食用組成物は、上記態様および実施形態のいずれかによるフレーバー修飾組成物を含む。一般的に、フレーバー付与物質は、食用組成物、または食用組成物が使用される、得られるフレーバー付き製品の味およびフレーバーを改善する。そのような改善には、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の苦味を低減すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の渋味を低減すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の青臭い味のノート(エンドウ豆のノートなど)の知覚を低減すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の穀物のノートの知覚を低減すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品のクリーミーさの知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品のクリーミーさの知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の脂肪感の知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の甘味の知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の食用組成物のよい味(うま味やこく味など)の知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の口当たりまたは口内での広がりを改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品のジューシーさの知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品の濃厚さの知覚を改善すること、食用組成物または得られるフレーバー付き製品のバニラの特徴を改善すること、またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0075】
幾つかの実施形態では、食用組成物は追加のフレーバー付与物質を含む。任意の適切なフレーバー付与物質を使用することができる。幾つかの実施形態では、そのようなフレーバー付与物質には、合成フレーバーオイルおよびフレーバー付与芳香物質もしくはオイル、含油樹脂、ならびに植物、葉、花、果実などに由来する抽出物、またはこれらの組み合わせが含まれる。フレーバーオイルの非限定的な例としては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーン油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、ジャパニーズミント油、クローブ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、シダーリーフ油、ナツメグ油、オールスパイス、セージ油、メイス、ビターアーモンド油、およびカッシア油が挙げられる。他のフレーバーの非限定的な例としては、バニラ、ならびにレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ(yazu)、スダチなどの柑橘系オイル、ならびにリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、スイカ、アンズ、バナナ、メロン、アンズ、ウメ、チェリー、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどのようなフルーツエッセンスなどの、天然および人工のフルーツフレーバーが挙げられる。その他の有望なフレーバーとしては、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;グリーンティーフレーバー、ウーロンティーフレーバー、ティーフレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバーなどのティーまたはコーヒーフレーバー;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、およびジャパニーズミントフレーバーなどのミントフレーバー;アサフェティダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンジェリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェイフレーバー、クミンフレーバー、クローブフレーバー、ペッパーフレーバー、コリアンダーフレーバー、ササフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、サンショウフレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ジンジャーフレーバー、スターアニスフレーバー、ホースラディッシュフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビ(Japanese horseradish)フレーバーなどのスパイシーフレーバー;ワインフレーバー、ウイスキーフレーバー、ブランデーフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、およびリキュールフレーバーなどのアルコールフレーバー;フローラルフレーバー;ならびにオニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、およびトマトフレーバーなどの野菜フレーバーが挙げられる。これらのフレーバー付与剤は、液体または固体の形態で使用することができ、別々にまたは混合して使用することができる。乳製品または乳製品類似製品との関係において最も一般的に使用されるフレーバー付与剤は、バニラ、フレンチバニラ、チョコレート、バナナ、レモン、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、アーモンド、ストロベリー、モカ、コーヒー、ティー、チャイ、シナモン、キャラメル、クリーム、ブラウンシュガー、トフィー、ピーカン、バターピーカン、トフィー、アイリッシュクリーム、ホワイトチョコレート、ラズベリー、パンプキンパイスパイス、ペパーミント、またはそれらの組み合わせなどのフレーバーを付与する物質である。
【0076】
幾つかの実施形態では、食用組成物は、乳タンパク質や骨ブロス由来のタンパク質など肉ではない動物性タンパク質を含む。そのようなタンパク質は、消費者がそのような製品に望み得るフレーバーがないフレーバーを付与する可能性がある。これは、タンパク質単離物、例えばホエイタンパク質、コラーゲンタンパク質、カゼインタンパク質などのタンパク質単離物に特に当てはまる。したがって、前述した態様のフレーバー修飾組成物は、そのようなタンパク質を含む食用組成物のフレーバーを改善するために使用することができる。幾つかの実施形態では、肉ではない動物性タンパク質は、ウシ、ブタ、ロバ、ウマ、ニワトリ、アヒル、ヤギ、ガチョウ、ウサギ、子羊、ヒツジ、水牛、ダチョウ、ラクダなどのような動物の骨に由来するコラーゲンタンパク質などの骨タンパク質である。幾つかの実施形態では、肉ではない動物性タンパク質は、ホエイタンパク質、カゼインタンパク質、またはこれらの任意の組み合わせなどの乳タンパク質である。乳は、ウシ、ロバ、ウマ、ヒツジ、水牛、ラクダなどのような任意の適切な動物の乳であってよい。
【0077】
本明細書に開示の食用組成物は、畜乳または畜乳由来の原料を含む特定の食品または飲料品に入れることもできる。そのような製品としては、チーズ、チーズスプレッド、ヨーグルト、ケフィア、乳、加工乳製品、カッテージチーズ、サワークリーム、バターなどが挙げられる。
【0078】
幾つかの別の実施形態では、食用組成物は、植物性タンパク質、藻類タンパク質、またはマイコタンパク質などの非動物性タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、食用組成物は植物ベースのタンパク質を含む。植物性タンパク質の非限定的な例としては、エンドウ豆タンパク質、大豆タンパク質、アーモンドタンパク質、カシュータンパク質、キャノーラ(菜種)タンパク質、ヒヨコ豆タンパク質、ソラマメタンパク質、ヒマワリタンパク質、小麦タンパク質、オーツ麦タンパク質、およびジャガイモタンパク質が挙げられる。
【0079】
そのような非動物性タンパク質を含むフレーバー付き製品は、任意の適切な製品であってよい。幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品は、豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、ココナッツミルク、オーツ麦ミルク、プロテイン飲料、食事代替飲料、乳製品を含まないヨーグルトまたはケフィア製品などの飲料である。場合によっては、そのような製品は乳製品を模倣するように設計されており、乳製品類似品と呼ばれることがある。幾つかの別の実施形態では、フレーバー付き製品は、植物ベースの鶏肉製品(植物ベースのチキンナゲットなど)、植物ベースの牛肉製品(植物ベースのハンバーガーなど)などのような肉代替製品である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー付き製品は、プロテイン粉末、食事代替粉末、コーヒーまたはお茶用の植物ベースのクリームなどである。特定の更なる実施形態では、そのような製品はいずれも、そのような製品の調製および/または製造において典型的に使用されているような追加の成分を含み、また追加の特徴を有する。
【0080】
上記タンパク質のいずれかを含む食用組成物については、タンパク質は、フレーバー修飾組成物中のラクターゼに対して任意の適切な比率で食用組成物中に存在することができる。例えば、幾つかの実施形態では、食用組成物に導入される肉ではない動物性タンパク質または非動物性タンパク質対ラクターゼの重量比は、10:1~500:1、または20:1~200:1、または30:1~150:1の範囲である。
【0081】
幾つかの実施形態では、食用組成物は、得られるフレーバー付き製品にテクスチャーおよび増粘特性を付与する親水コロイドおよび他の繊維ブレンドを含む。本明細書において使用される「親水コロイド」という用語は、水中でコロイド状に分散可能な物質を指し、これは、これらが水中でコロイド懸濁液を形成することを意味する。ほとんどの場合、そのような親水コロイドが水中に分散されると、親水コロイドは沈降せず、濾過によって水から分離することができない。親水コロイドには、植物ベースの繊維、他の非動物由来(植物由来、藻類由来、または菌類由来)の多糖、およびポリペプチドが含まれ得る。親水コロイドの例は、ペクチン、セルロースエーテル、カラギーナン、グアーガム、ゼラチン、アルギン酸塩、アラビアガム、オオバコ種皮繊維(またはガム)、キサンタンガム、ローカストビーンガム、セルロース、セルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、キトサン、デキストラン、マルトデキストリン、イヌリン、n-オクテニルコハク酸無水物、タラガム、グルコマンナン、ガラクトマンナン、トラガカントガム、微生物多糖、微生物由来のタンパク質などである。幾つかの実施形態では、親水コロイドは多糖である。幾つかの別の実施形態では、親水コロイドはタンパク質である。幾つかの実施形態では、親水コロイドはオオバコ種皮繊維である。幾つかの実施形態では、親水コロイドは、上記1種以上の他の親水コロイドと組み合わされたオオバコ種皮繊維を含む。
【0082】
親水コロイドは、食用組成物中の繊維含有量の任意の適切な割合を占めることができる。例えば、幾つかの実施形態では、繊維ブレンドは、食用組成物中の繊維ブレンドの総重量を基準として、10重量パーセント~70重量パーセント、または20重量パーセント~60重量パーセント、または30重量パーセント~50重量パーセント、または35重量パーセント~45重量パーセントのオオバコ繊維を含む。
【0083】
幾つかの実施形態では、繊維ブレンドは不溶性繊維も含む。一般に、不溶性繊維は、繊維ブレンドを25℃かつ大気圧で水に例えば少なくとも2日間、または少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間、または少なくとも7日間入れた場合に、親水コロイドマトリックス中に懸濁したままである。
【0084】
任意の適切な不溶性繊維を使用することができる。幾つかの実施形態では、不溶性繊維は植物由来の繊維である。非限定的な例としては、ナッツ繊維、穀物繊維、米繊維、種子繊維、オーツ麦繊維、エンドウ豆繊維、ジャガイモ繊維、ベリー繊維、大豆繊維、バナナ繊維、柑橘繊維、リンゴ繊維、およびニンジン繊維が挙げられる。幾つかの実施形態では、不溶性繊維はエンドウ豆繊維である。不溶性繊維は、繊維ブレンドの任意の適切な割合を占めることができる。例えば、幾つかの実施形態では、繊維ブレンドは、食用組成物中の繊維ブレンドの総重量を基準として、30重量パーセント~90重量パーセント、または40重量パーセント~80重量パーセント、または50重量パーセント~70重量パーセント、または55重量パーセント~65重量パーセントを構成する。
【0085】
幾つかの実施形態では、繊維ブレンドは、親水コロイドを三次元ネットワーク構造に形成するための架橋剤を含む。適切な架橋剤の非限定的な例としては、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、過硫酸アンモニウム、およびグルタルアルデヒドが挙げられる。
【0086】
幾つかの実施形態では、繊維ブレンドは、いずれも組成物の総重量を基準として、35重量パーセント~45重量パーセントのオオバコ種皮繊維(またはガム)および55重量パーセント~65重量パーセントのエンドウ豆繊維を含む。その幾つかの更なる実施形態では、繊維ブレンドは、5重量パーセント以下、または4重量パーセント以下、または3重量パーセント以下、または2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、エンドウ豆繊維以外の別の不溶性繊維を含む。
【0087】
幾つかの実施形態では、食用組成物または得られるフレーバー付き製品は甘味料を含む。甘味料は、甘味料としての甘味料の有効性や溶解性などの因子に応じて、任意の適切な濃度で存在することができる。例えば、幾つかの実施形態では、甘味料は0.1重量パーセント~12重量パーセントの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.2重量%~10重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.3重量%~8重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.4重量%~6重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.5重量%~5重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は1重量%~2重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.1重量%~5重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.1重量%~4重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.1重量%~3重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.1重量%~2重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.1重量%~1重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.1重量%~0.5重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は0.5重量%~10重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は2重量%~8重量%の量で存在する。この段落に記載の実施形態の幾つかの更なる実施形態では、追加の甘味料は、スクロース、フルクトース(高フルクトースコーンシロップや果汁など)、グルコース、キシリトール、エリスリトール、グルコース、アルロース、またはそれらの任意の組み合わせである。幾つかの実施形態では、甘味料はスクロースである。
【0088】
幾つかの別の実施形態では、甘味料は、10ppm~1000ppmの範囲の量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は20ppm~800ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は30ppm~600ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は40ppm~500ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は50ppm~400ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は50ppm~300ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は50ppm~200ppmの量で存在する。幾つかの実施形態では、甘味料は50ppm~150ppmの量で存在する。この段落に記載の実施形態の幾つかの更なる実施形態では、追加の甘味料は、ステビオールグリコシド(レバウジオシドA、レバウジオシドM、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドM、およびそれらの任意の組み合わせなど)、モグロシド(モグロシドIII、モグロシドIV、モグロシドV、シアメノシドI、イソモグロシドV、モグロシドIV、イソモグロシドIV、モグロシドIII、11-オキソモグロシドV、シアメノシドIの1,6-α異性体、およびそれらの任意の組み合わせなど)、上記のいずれかの誘導体、例えばグリコシド誘導体(例えばグルコシレート)、シクラメート、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0089】
通常、食用組成物およびフレーバー付き製品は、任意の適切な甘味料または甘味料の組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態では、甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコースなどの一般的なサッカリド甘味料、ならびにコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)または天然の果物系原料および野菜系原料に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物などの天然糖を含む甘味料組成物である。幾つかの実施形態では、甘味料は、スクロース、フルクトース、またはそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、甘味料はスクロースである。幾つかの別の実施形態では、甘味料は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、およびD-ロイクロースを含む天然の希少糖から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料は、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリンなどの半合成「糖アルコール」甘味料から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料は、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファム-K、シクラメート、スクラロース、およびアリテームなどの人工甘味料から選択される。幾つかの実施形態では、甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、ネオテームおよび他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン加水分解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA、その他の甘いステビアベースのグリコシド、化学修飾されたステビオールグリコシド(グルコシル化ステビオールグリコシドなど)、モグロシド、化学修飾されたモグロシド(グルコシル化モグロシドなど)、カレラメ、および他のグアニジンベースの甘味料からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、追加の甘味料は、この段落に記載される甘味料の2つ以上の組み合わせである。幾つかの実施形態では、甘味料は、本明細書に開示の2種、3種、4種、または5種の甘味料の組み合わせであってよい。幾つかの実施形態では、追加の甘味料は糖であってよい。幾つかの実施形態では、追加の甘味料は、1種以上の糖と他の天然および人工の甘味料との組み合わせである。幾つかの実施形態では、追加の甘味料は糖である。幾つかの実施形態では、追加の糖はサトウキビ糖である。幾つかの実施形態では、糖は甜菜糖である。幾つかの実施形態では、糖は、スクロース、フルクトース、グルコース、またはそれらの組み合わせであってよい。幾つかの実施形態では、糖はスクロースである。幾つかの実施形態では、糖はフルクトースとグルコースとの組み合わせである。
【0090】
幾つかの実施形態では、甘味料には、例えば、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、高マルトースコーンシロップ、グルコースシロップ、スクラロースシロップ、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン加水分解物(HSH)、または天然の果物系原料もしくは野菜系原料に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物、またはポリオールなどの半合成「糖アルコール」甘味料のような、1種以上の天然または合成の炭水化物を含む甘味料組成物も含まれ得る。幾つかの実施形態におけるポリオールの非限定的な例としては、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、トレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元マルトースシロップ、還元グルコースシロップ、イソマルツロース、マルトデキストリンなど、および糖アルコール、または味に悪影響を及ぼさない還元可能な任意の他の炭水化物もしくはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0091】
甘味料は、限定するものではないが、アガベイヌリン、アガベネクター、アガベシロップ、アマザケ、ブラゼイン、玄米シロップ、ココナッツ結晶、ココナッツ糖、ココナッツシロップ、デーツ糖、フルクタン(イヌリン繊維、フルクトオリゴ糖、またはオリゴフルクトースとも呼ばれる)、グリーンステビア粉末、ステビアレバウジアナ、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドM、およびその他の甘いステビアベースのグリコシド、ステビオシド、ステビオシド抽出物、ハチミツ、キクイモシロップ、カンゾウの根、ラカンカ(果実、粉末、または抽出物)、ルクマ(果実、粉末、または抽出物)、カエデの樹液(例えばサトウカエデ(Acer saccharum)、クロカエデ(Acer nigrum)、アメリカハナノキ(Acer rubrum)、ギンヨウカエデ(Acer saccharinum)、ノルウェーカエデ(Acer platanoides)、トネリコバノカエデ(Acer negundo)、ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、オオキレハカエデ(Acer grandidentatum)、ロッキーマウンテンメープル(Acer glabrum)、イタヤカエデ(Acer mono)から抽出された樹液など)、メープルシロップ、メープルシュガー、クルミの樹液(例えばバタグルミ(Juglans cinerea)、クロクルミ(Juglans nigra)、オニグルミ(Juglans ailatifolia)、ペルシャグルミ(Juglans regia)から抽出された樹液など)、シラカバの樹液(例えばアメリカシラカバ(Betula papyrifera)、キハダカンバ(Betula alleghaniensis)、スウィートビーチ(Betula lenta)、リバーバーチ(Betula nigra)、ハイイロカンバ(Betula populifolia)、ヨーロッパシラカンバ(Betula pendula)から抽出された樹液など)、シカモアの樹液(例えばアメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)から抽出された樹液など)、アイアンウッドの樹液(例えばアメリカアサダ(Ostrya virginiana)から抽出された樹液など)、マスコバド、モラセス(例えばブラックストラップモラセスなど)、モラセス糖、モナチン、モネリン、サトウキビ糖(天然糖、未精製サトウキビ糖、またはスクロースとも呼ばれる)、パーム糖、パノチャ、ピロンチーロ、ラパドゥラ、粗糖、ライスシロップ、ソルガム、ソルガムシロップ、キャッサバシロップ(タピオカシロップとも呼ばれる)、ソーマチン、ヤーコンの根、麦芽シロップ、大麦麦芽シロップ、大麦麦芽粉末、ビーツ糖、サトウキビ糖、結晶性果汁結晶、カラメル、カルビトール、イナゴマメシロップ、上白糖、加水分解水添デンプン、加水分解缶ジュース、加水分解デンプン、転化糖、アネトール、アラビノガラクタン、アロープ、シロップ、P-4000、アセスルファムカリウム(アセスルファムKまたはace-Kとも呼ばれる)、アリテーム(アクラメとも呼ばれる)、アドバンテーム、アスパルテーム、バイユノシド、ネオテーム、ベンズアミド誘導体、ベルナデーム(bernadame)、キャンデレル、カレラメ、および他のグアニジンベースの甘味料、植物繊維、コーンシュガー、カップリングシュガー、クルクリン、シクラメート、シクロカリオシドI、デメララ、デキストラン、デキストリン、糖化モルト、ズルチン、スクロール、バルジン、ズルコシドA、ズルコシドB、エムリン、エノキソロン、マルトデキストリン、サッカリン、エストラゴール、エチルマルトール、グルシン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルコサミン、グルコロン酸、グリセロール、グリシン、グリシフィリン、グリチルリチン、グリチルレチン酸モノグルクロニド、ゴールデンシュガー、イエローシュガー、ゴールデンシロップ、グラニュー糖、アマチャヅル、ヘルナンドゥルシン、異性化液糖、ジャラブ、チコリルート食物繊維、キヌレニン誘導体(N’-ホルミル-キヌレニン、N’-アセチル-キヌレニン、6-クロロ-キヌレニンなど)、ガラクチトール、リテッセ、リジカン(ligicane)、リカシン、ラグドゥネーム、グアニジン、ファレルナム、マビンリンI、マビンリンII、マルトール、マルチソルブ、マルトデキストリン、マルトトリオール、マンノサミン、ミラクリン、水飴、モグロシド(例えばモグロシドIV、モグロシドV、およびネオモグロシドなど)、ムクロジオシド、ナノシュガー、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ニブシュガー、ニゲロオリゴ糖、ノルブ、オルゲートシロップ、オスラジン、ペクメズ、ペンタジン、ペリアンドリンI、ペリルアルデヒド、ペリラルチン、ペトフィラム(petphyllum)、フェニルアラニン、フロミソシドI、フロロジジン(phlorodizin)、フィロズルチン、ポリグリシトールシロップ、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、レビアナ、リファイナーシロップ、ラブシロップ、ルブソシド、セリグエアインA、シュグル(shugr)、シアメノシドI、ラカンカ(Siraitia grosvenorii)、大豆オリゴ糖、スプレンダ、SRIオキシムV、ステビオールグリコシド、ステビオールビオシド、ステビオシド、ストロギン1、2、および4、スクロン酸、スクロノネート(sucrononate)、糖、スオサン、フロリジン、スーパーアスパルテーム、四糖、トレイトール、糖蜜、トリロブタイン(trilobtain)、トリプトファンおよび誘導体(6-トリフルオロメチル-トリプトファン、6-クロロ-D-トリプトファン)、バニラシュガー、ボレミトール、バーチシロップ、アスパルテーム-アセスルファム、アスグリン、ならびにこれらの任意の2種以上の組み合わせまたはブレンドを含む天然または合成の甘味料であってよい。
【0092】
さらに別の実施形態では、甘味料は、化学的にまたは酵素により変性された天然の高強度甘味料であってよい。変性された天然の高強度甘味料には、1~50個のグリコシド残基を含むグルコシル-、ガラクトシル-、またはフルクトシル-誘導体などのグリコシル化された天然の高強度甘味料が含まれる。グリコシル化された天然の高強度甘味料は、トランスグリコシル化活性を有する様々な酵素によって触媒される酵素的トランスグリコシル化反応によって製造することができる。幾つかの実施形態では、変性された甘味料は、置換されていても無置換であってもよい。
【0093】
追加の甘味料には、前述した任意の甘味料のいずれか2種以上の組み合わせも含まれる。幾つかの実施形態では、甘味料は、2種、3種、4種、または5種の本明細書に開示の甘味料の組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態では、甘味料は糖であってよい。幾つかの実施形態では、甘味料は、1種以上の糖と他の天然および人工の甘味料との組み合わせであってよい。幾つかの実施形態では、甘味料は、スクロース、フルクトース、キシリトール、エリスリトール、またはこれらの組み合わせなどの有カロリー甘味料である。幾つかの実施形態では、食用組成物は、ステビオールグリコシド、グルコシル化ステビオールグリコシド、またはレバウジオシドなどのステビア由来の甘味料を含まないか、(または幾つかの実施形態では)実質的に含まない。例えば、幾つかの実施形態では、食用組成物は、ステビア由来の甘味料を含まないか、または1000ppm以下、もしくは500ppm以下、もしくは200ppm以下、もしくは100ppm以下、もしくは50ppm以下、もしくは20ppm以下、もしくは10ppm以下、もしくは5ppm以下、もしくは3ppm以下、もしくは1ppm以下の濃度でステビア由来の甘味料を含む。
【0094】
幾つかの実施形態では、食用組成物は、レバウジオシドAおよびグルコシル化ステビオールグリコシドを含む。レバウジオシドAは、上に示したような任意の濃度で存在することができる。グルコシル化ステビオールグリコシドは、1ppm~50ppm、または1ppm~40ppm、または1ppm~30ppm、または1ppm~20ppm、または1ppm~10ppmの範囲の濃度で存在し得る。幾つかの別の実施形態では、レバウジオシドAは、レバウジオシドMなどの他のステビオールグリコシド甘味料によって部分的に置き換えることができる。
【0095】
幾つかの実施形態では、加水分解乳製品組成物は、ガラクトースやグルコースなどのラクトース加水分解生成物をさらに含み、これらは、食用組成物中に存在するラクトースをフレーバー修飾組成物由来のラクターゼが加水分解するときに形成される。したがって、幾つかの実施形態では、ラクトース加水分解生成物は、例えばラクターゼによるラクトースの少なくとも一部の加水分解に由来する。したがって、幾つかの実施形態では、食用組成物はラクトース、グルコース、およびガラクトースを含む。
【0096】
幾つかの実施形態では、ラクターゼ含有フレーバー修飾組成物を食用組成物に導入すると、食用組成物中に存在するラクトースの少なくとも一部、例えばラクターゼの導入前に食用組成物中に存在するラクトースの少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%が加水分解される。幾つかの実施形態では、食用組成物中のラクトース加水分解生成物対ラクトースの重量/重量比は、2:1~100:1、または3:1~100:1、または4:1~100:1、または5:1~100:1、または10:1~100:1、または20:1~100:1、または40:1~100:1、または50:1~100:1の範囲である。
【0097】
幾つかの実施形態では、食用組成物は、非親水コロイド乳化剤などの乳化剤を含む。任意の適切な非親水コロイド乳化剤を使用することができる。例えば、幾つかの非限定的な実施形態では、乳化剤は、レシチン、モノグリセリド、ジグリセリド、ポリソルベート、植物油などを含む。幾つかの実施形態では、乳化剤はレシチンを含む。乳化剤は任意の適切な濃度で存在することができ、これは、例えばフレーバー付き製品に配合される場合、食用組成物中の他の成分の安定なエマルジョンを形成するように調整することができる。
【0098】
場合によっては、得られるフレーバー付き製品の粘度の調整を補助する添加剤を含めることが望ましい場合がある(例えば食用組成物を水に導入する場合)。そのような調整を行うために、様々な塩および酸を使用することができる。幾つかの実施形態では、食用組成物または得られるフレーバー付き製品は、1種以上の塩を含む。適切な塩の非限定的な例としては、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、ソルビン酸カリウム、リン酸カリウム、一リン酸カリウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、またはそれらの任意の混合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、食用組成物または得られるフレーバー付き製品は、単独でまたは前述した塩と組み合わせて使用できる1種以上の酸も含む。適切な酸の非限定的な例としては、クエン酸、乳酸、酢酸、酒石酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、リン酸、リン酸一カリウム、グルコン酸、グルコノラクトン、グルクロン酸、グリチルレチン酸、葉酸、パントテン酸、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0099】
食用組成物は、特定の実施形態では、食品および飲料品で一般的に使用されている任意の追加の成分または成分の組み合わせを含むことができ、それらとしては、限定するものではないが:
例えばクエン酸、リン酸、アスコルビン酸、硫酸ナトリウム、乳酸、または酒石酸などの酸;
例えばカフェイン、キニーネ、緑茶、カテキン、ポリフェノール、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、塩化カリウム、メントール、またはタンパク質(植物、藻類、または真菌に由来するタンパク質およびタンパク質単離物など)などの苦味成分;
例えばカラメル色、赤色#40、黄色#5、黄色#6、青色#1、赤色#3、ムラサキニンジン、クロニンジン果汁、ムラサキサツマイモ、野菜汁、果汁、ベータカロテン、ターメリッククルクミン、または二酸化チタンなどの着色剤;
例えば安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、または安息香酸などの防腐剤;
例えばアスコルビン酸、EDTAカルシウム二ナトリウム、アルファトコフェロール、混合トコフェロール、ローズマリー抽出物、ブドウ種子抽出物、レスベラトロール、またはヘキサメタリン酸ナトリウムなどの酸化防止剤;
例えばレスベラトロール、Co-Q10、オメガ3脂肪酸、テアニン、塩化コリン(シトコリン)、ファイバーゾル、イヌリン(チコリルート)、タウリン、オタネニンジン抽出物、グアナナ抽出物、ジンジャー抽出物、L-フェニルアラニン、L-カルニチン、L-酒石酸塩、D-グルコロノラクトン、イノシトール、バイオフラボノイド、エキナセア、イチョウ、イェルバ・マテ、亜麻仁油、ガルシニアカンボジア外皮抽出物、白茶抽出物、リボース、オオアザミ抽出物、ブドウ種子抽出物、ピリドキシンHCl(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビオチン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム(パントテン酸)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化クロム、ポリニコチン酸クロム、硫酸第二銅、葉酸、ピロリン酸第二鉄、鉄、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン、ヨウ化カリウム、リン酸カリウム、リボフラビン、硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、チアミン一硝酸塩、ビタミンD3、パルミチン酸ビタミンA、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、または硫酸亜鉛などのビタミンまたは機能性成分;
例えばエステルガム、臭素化植物油(BVO)、またはイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)などの混濁剤;
例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、または塩などの緩衝液;
プロピレングリコール、エチルアルコール、グリセリン、アラビアガム(アカシアガム)、変性コーンスターチ、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、またはリン酸三カルシウム;または
例えばポリソルベート60、ポリソルベート80、中鎖トリグリセリドなどのデンプンおよび安定剤
を挙げることができる。
【0100】
幾つかの実施形態では、成分(a)は、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、アカシア繊維、水溶性エンドウ豆繊維、水溶性小麦繊維、アラビノキシラン、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖などをさらに含むことができる。
【0101】
フレーバー付き製品
特定の態様では、本開示は、上記の態様および実施形態の任意の食用組成物を含むフレーバー付き製品を提供する。幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品は、乳製品または乳製品類似製品などの飲料品である。幾つかの別の実施形態では、フレーバー付き製品は、ヨーグルトなどの食品である。幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品は、猫用飼料製品または犬用飼料製品などの動物飼料製品である。幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品は、洗口液、歯磨き粉、歯のホワイトニング製品などのオーラルケア製品である。
【0102】
特定の実施形態では、フレーバー付き製品は乳製品である。本明細書において使用される「乳製品」という用語は、主成分が乳ベースである食品を指す。幾つかの態様では、主成分は、ラクターゼ活性を有する酵素で処理された乳ベースの基質である。本開示との関係において、「主成分」とは、乳製品の乾燥物質全体の少なくとも20重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%を構成する乾燥物質を有する成分を指す。乳製品の非限定的な例としては、スキムミルク、低脂肪乳、全乳、クリーム、UHT乳、保存期間が延長された乳、発酵乳製品、チーズ、ヨーグルト、バター、乳製品スプレッド、バターミルク、酸性化乳飲料、サワークリーム、ホエイベースの飲料、アイスクリーム、コンデンスミルク、ドゥルセ・デ・レチェ、およびフレーバー付き乳飲料が挙げられる。そのような乳製品は、当該技術分野で公知の任意の方法によって製造することができる。
【0103】
乳製品は、さらに、例えば植物油、植物性タンパク質、または植物炭水化物などの植物成分のような非乳成分を含み得る。乳製品は、酵素、フレーバー付与剤、微生物培養物、例えばプロバイオティクス培養物、塩、甘味料、糖、酸、果物、果汁、または乳製品の成分もしくは添加剤として当該技術分野で公知の他の成分などの更なる添加物も含み得る。
【0104】
幾つかの実施形態では、乳製品は、ガラクトオリゴ糖の添加によって強化されていない乳製品である。幾つかの実施形態では、酵素処理された乳ベースの基質は、乳製品の成分として使用される前に乾燥されない。
【0105】
幾つかの実施形態では、乳製品はアイスクリームである。本明細書との関係において、アイスクリームは、全脂肪アイスクリーム、低脂肪アイスクリーム、またはヨーグルトもしくは他の発酵乳製品をベースとしたアイスクリームなど、任意の種類のアイスクリームであってよい。アイスクリームは、当該技術分野で公知の任意の方法によって製造することができる。
【0106】
幾つかの実施形態では、乳製品は乳またはコンデンスミルクである。コンデンスミルクは、当該技術分野で公知の任意の方法によって製造することができる。
【0107】
幾つかの実施形態では、乳製品はUHT乳である。本開示との関係におけるUHT乳は、細菌芽胞を含む全ての微生物を死滅させることを意図した殺菌処置が行われた乳である。UHT(超高温)処理には、例えば、約130℃の温度で少なくとも30秒間の熱処理、または約145℃の温度で少なくとも1秒間の熱処理が含まれる。
【0108】
幾つかの実施形態では、乳製品はESL乳である。本発明との関係におけるESL乳は、精密濾過または熱処理によって延長された保存期間を有し、2℃~5℃の店の棚で少なくとも15日間、好ましくは少なくとも20日間新鮮さを保つことができる乳である。
【0109】
幾つかの態様では、乳製品は、ヨーグルトなどの乳酸発酵乳製品である。ヨーグルトは、ギリシャ風ヨーグルトなどの任意の適切な種類のヨーグルトであってよい。
【0110】
本開示との関係における「発酵乳製品」は、あらゆるタイプの発酵が製造プロセスの一部を形成するあらゆる乳製品として理解されるべきである。発酵乳製品の非限定的な例としては、ヨーグルト、バターミルク、クレームフレーシュ(サワークリーム)、クワルク、およびフロマージュフレなどの製品が挙げられる。発酵乳製品は、当該技術分野で公知の任意の方法によって製造することができる。
【0111】
特定の実施形態では、「発酵」は、1種以上の微生物の作用による炭水化物のアルコールまたは酸への変換を指す。あるいは、幾つかの別の実施形態では、「発酵」は、ラクトースから乳酸への変換を指す。
【0112】
本開示との関係における「微生物」には、乳基質を発酵させることができる任意の細菌、酵母、カビ、または真菌が含まれる。
【0113】
ほとんどの発酵乳製品に使用される微生物は、一般に乳酸菌と呼ばれる細菌群から選択される。本明細書で使用される「乳酸菌」という用語は、主に産生される酸としての乳酸ならびに酢酸およびプロピオン酸を含む酸の産生を伴い、糖を発酵する、グラム陽性の微好気性菌または嫌気性菌を意味する。工業的に最も有用な乳酸菌は、ラクトコッカス属(Lactococcus spp.)、ストレプトコッカス属(Streptococcus spp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus spp.)、ロイコノストック属(Leuconostoc spp.)、シュードロイコノストック属(Pseudoleuconostoc spp.)、ペディオコッカス属(Pediococcus spp.)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium spp.)、エンテロコッカス属(Enterococcus spp.)、およびプロピオニバクテリウム属(Propionibacterium spp.)を含む「ラクトバチルス目」の中で見られる。さらに、単独でまたは乳酸菌と組み合わせて食品培養物としてよく使用される嫌気性菌の群に属する乳酸産生菌であるビフィズス菌、すなわちビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium spp)も一般に乳酸菌の群に含まれる。
【0114】
乳酸菌は、通常、バルクスターター増殖用の凍結培養物または凍結乾燥培養物として、あるいは発酵乳製品製造用の発酵槽またはバットに直接接種することを目的とした、いわゆる「ダイレクトバットセット」(DVS)培養物として乳製品産業に供給される。そのような培養物は、一般に「スターター培養物」または「スターター」と呼ばれる。
【0115】
一般的に使用される乳酸菌のスターター培養株は、一般に、至適生育温度が約30℃である中温菌と、至適生育温度が約40~45℃の範囲である好熱菌とに分けられる。中温菌に属する代表的な生物としては、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ロイコノストック・メセンテロイデス亜種クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris)、シュードロイコノストック・メセンテロイデス亜種クレモリス(Pseudoleuconostoc mesenteroides subsp. cremoris)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス次亜種ジアセチルラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar. diacetylactis)、ラクトバチルス・カゼイ亜種カゼイ(Lactobacillus casei subsp. casei)、およびラクトバチルス・パラカゼイ亜種パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)が挙げられる。好熱乳酸菌種としては、例えばストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー亜種ラクティス(Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・デルブルエッキイー亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、およびラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)が挙げられる。
【0116】
また、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、およびビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)などのビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する嫌気性細菌も乳製品スターター培養物として一般的に使用されており、一般に乳酸菌の群に含まれる。さらに、プロピオニバクテリウム(Propionibacteria)の種は、特にチーズの製造において乳製品スターター培養物として使用される。さらに、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する生物は食品スターター培養物として一般的に使用される。
【0117】
微生物スターター培養物の別の群は、酵母培養物や糸状菌の培養物などの真菌培養物であり、これらは特に特定の種類のチーズおよび飲料の製造に使用される。真菌の例としては、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)、ペニシリウム・カンディダム(Penicillium candidum)、ジェオトリクム・カンディダム(Geotrichum candidum)、トルラ・ケフィア(Torula kefir)、サッカロミセス・ケフィア(Saccharomyces kefir)、およびサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が挙げられる。
【0118】
幾つかの実施形態では、乳ベースの基質の発酵に使用される微生物は、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、またはストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)とラクトバチルス・デルブルエッキイー亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)との混合物である。
【0119】
本開示の方法において使用するための発酵プロセスは周知であり、当業者であれば、適切な処理条件、例えば温度、酸素、微生物の量および特性、添加物、例えば炭水化物、フレーバー、ミネラル、酵素、ならびに処理時間を選択する方法を認識しているであろう。当然、発酵条件は、本開示の達成を支援するように選択される。
【0120】
フレーバー付き製品が飲料である幾つかの別の実施形態では、飲料は、強化スパークリング飲料、コーラ、レモンライムフレーバースパークリング飲料、オレンジフレーバースパークリング飲料、グレープフレーバースパークリング飲料、ストロベリーフレーバースパークリング飲料、パイナップルフレーバースパークリング飲料、ジンジャーエール、ルートビア、フルーツジュース、フルーツフレーバージュース、果汁飲料、ネクター、野菜ジュース、野菜フレーバージュース、スポーツ飲料、エネルギー飲料、強化ウォーター飲料、ビタミン強化水、ニアウォーター飲料、ココナッツウォーター、お茶タイプの飲料、コーヒー、ココア飲料、乳成分を含む飲料、穀物抽出物を含む飲料、およびスムージーからなる群から選択することができる。幾つかの実施形態では、飲料はソフトドリンクであってよい。
【0121】
幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品は、担体と、任意選択的な少なくとも1種の補助剤とをさらに含む。「担体」という用語は、溶媒、結合剤、増量剤、または他の不活性媒体などの通常は不活性な補助的な物質を意味し、本化合物および1種以上の任意選択的な補助剤と組み合わせて使用されて配合物を形成する。例えば、フレーバー付き製品のために、水またはデンプンを担体にすることができる。幾つかの実施形態では、担体は、フレーバー付き製品を再構成するための希釈媒体と同じであり;別の実施形態では、担体は希釈媒体とは異なる。本明細書で使用される「担体」という用語には、限定するものではないが、食用として許容される担体が含まれる。
【0122】
「補助剤」という用語は、本発明の化合物などの有効成分の意図された機能または有効性を補足、安定化、維持、または強化する添加物を意味する。一実施形態では、少なくとも1種の補助剤は、1種以上のフレーバー付与剤を含む。フレーバー付与剤は、チョコレート、コーヒー、ティー、モカ、フレンチバニラ、ピーナッツバター、チャイ、またはこれらの組み合わせのフレーバーなど、当業者または消費者に知られている任意のフレーバーであってよい。別の実施形態では、少なくとも1種の補助剤は、1種以上の甘味料を含む。1種以上の甘味料は、本出願に記載の任意の甘味料であってよい。別の実施形態では、少なくとも1種の補助剤は、乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上の成分を含む。乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、ならびに塩の例は、米国特許第6,468,576号明細書に記載されており、この内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用されるものとする。
【0123】
フレーバー付き製品は、少なくとも1種の補助剤として、凝固点降下剤、核剤、またはその両方をさらに含み得る。凝固点降下剤は、化合物または薬剤が添加される液体または溶媒の凝固点を低下させることができる、摂取が許容される化合物または薬剤である。すなわち、凝固点降下剤を含む液体または溶液は、凝固点降下剤を含まない液体または溶媒よりも低い凝固点を有する。開始凝固点を低下させることに加えて、凝固点降下剤は、フレーバー付き製品の水分活性を低下させることもできる。凝固点降下剤の例としては、限定するものではないが、炭水化物、油、エチルアルコール、ポリオール、例えばグリセロール、およびこれらの組み合わせが挙げられる。核剤は、核形成を促進することができる摂取が許容される化合物または薬剤を意味する。フレーバー付き製品中に核剤が存在すると、望ましい氷結晶化中心の数を増やすことにより、凍結スラッシュの凍結ブラッシュの口当たりを改善し、凍結温度におけるスラッシュの物理的特性および性能の維持を補助することができる。核剤の例としては、限定するものではないが、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0124】
幾つかの実施形態では、フレーバー付き製品は、保存寿命を延ばすために低い水分活性を持つように配合される。水分活性は、同じ温度における純水の蒸気圧に対する配合物中の水の蒸気圧の比率である。一実施形態では、フレーバー付き製品は約0.85未満の水分活性を有する。別の実施形態では、フレーバー付き製品は約0.80未満の水分活性を有する。別の実施形態では、フレーバー付き製品は約0.75未満の水分活性を有する。
【0125】
調製方法
本明細書に開示の食用組成物は、フレーバー付与組成物を含む製品の製造に典型的に使用される任意の適切な手段によって製造することができる。そのような方法としては、乾式混合、造粒、カプセル化、噴霧乾燥などが挙げられる。
【0126】
実施例
本発明をさらに説明するために、以下の実施例が含まれる。当然、実施例は、本発明を具体的に限定すると解釈されるべきではない。特許請求の範囲内のこれらの実施例の変形は、当業者の理解の範囲内であり、それらは本明細書に記載され特許請求される本発明の範囲内にあると考えられる。読み手は、本開示を理解した熟練した技術者および当業者が、網羅的な実施例なしで本発明を準備および使用できることを認識するであろう。
【0127】
実施例1-甘味料入り乳製品
甘味料入り乳製品を形成するために、本明細書に開示のフレーバー修飾組成物が使用される。表1は、本明細書に開示のフレーバー修飾組成物を使用する2つの対照配合物および1つの試験配合物を示す。なお、甘味増強剤Aは、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)イソニコチンアミドである。
【0128】
【表1】
図1
【国際調査報告】