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特表2024-524277GLP-1Rアゴニストを含む医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】GLP-1Rアゴニストを含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20240628BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240628BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240628BHJP
   A61K 38/26 20060101ALI20240628BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240628BHJP
   C07K 14/605 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P19/02
A61K9/08
A61K9/10
A61K47/18
A61K47/04
A61K47/26
A61K47/10
A61K38/26
A61P43/00 111
C07K14/605 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579378
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2022067269
(87)【国際公開番号】W WO2022269001
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】21305865.4
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21306467.8
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521208712
【氏名又は名称】4ムービング バイオテック
【氏名又は名称原語表記】4MOVING BIOTECH
【住所又は居所原語表記】Campus de l’Institut Pasteur de Lille,1 rue du Professeur Calmette,59000 Lille(FR)
(71)【出願人】
【識別番号】518170446
【氏名又は名称】ソルボンヌ ウニベルシテ
(71)【出願人】
【識別番号】523480691
【氏名又は名称】アシスタンス パブリック オピトー ド パリ
(71)【出願人】
【識別番号】521442659
【氏名又は名称】インスティテュート ナショナル デ ラ サンテ エ デ ラ ルシェルシュ メディカル
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ラッテンバッハ,リバイタル
(72)【発明者】
【氏名】ベレンバウム,フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ビスマス,ケレン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,セリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ミウロ,コラリ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076AA22
4C076BB21
4C076CC09
4C076DD26Z
4C076DD38D
4C076DD50Z
4C076DD67D
4C076EE23D
4C076FF31
4C084AA17
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA19
4C084BA23
4C084BA44
4C084DB35
4C084MA05
4C084MA17
4C084MA23
4C084MA56
4C084NA03
4C084ZA96
4C084ZC41
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA18
4H045BA19
4H045DA30
4H045EA20
(57)【要約】
本発明は、リラグルチドまたはセマグルチドなどのGLP-1Rアゴニストと、トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液から選択される緩衝液と、グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールから選択される等張剤を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、関節疾患を治療するための方法における使用のための上記医薬組成物にも関する。
【選択図】図なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節疾患、特に変形性関節症および/または関節痛、より具体的には炎症性関節痛を治療するための方法における使用のための医薬組成物であって、
関節内注射により、特に関節腔中への関節内注射により投与される溶液または懸濁液であり、かつ
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む、医薬組成物。
【請求項2】
-前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ペガパモジュチド(pegapamodutide)、タスポグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチド、セマグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、さらにより好ましくは前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチドであり、
-前記緩衝液が、リン酸緩衝液、好ましくは緩衝剤として第二リン酸ナトリウム二水和物を含むリン酸緩衝液であり、
-前記等張剤が、プロピレングリコールである、
請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項3】
-GLP-1Rアゴニストであって、好ましくはリラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ペガパモジュチド、タスポグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくはリラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、さらにより好ましくはリラグルチド、セマグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、よりよくはリラグルチドである、GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項4】
前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ペガパモジュチド(pegapamodutide)、タスポグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチド、セマグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、さらにより好ましくは前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチドである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項5】
前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチドでありかつ好ましくは0.0245mg~6.3mgのリラグルチドの用量で、好ましくは0.7mg~6.3mgのリラグルチドの用量で、より好ましくは0.3mg、1.0mg、3.0mgまたは6.0mgのリラグルチドの用量で投与される予定である、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項6】
前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチドでありかつ好ましくは0.0245mg~6.3mgのセマグルチドの用量で、好ましくは0.7mg~6.3mgのセマグルチドの用量で、より好ましくは0.25mg、0.5mgまたは1mgのセマグルチドの用量で投与される予定である、請求項4に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物の前記用量が、1回または少なくとも2回の関節内注射で投与される予定である、請求項5または6に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項8】
前記医薬組成物の用量が、毎月投与される予定である、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項9】
1年で投与されるGLP-1Rアゴニストの総用量が、0.18mg~72mg、好ましくは0.7mg~8.4mgである、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項10】
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む、医薬組成物。
【請求項11】
前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ペガパモジュチド(pegapamodutide)、タスポグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチド、セマグルチドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され、さらにより好ましくは前記GLP-1Rアゴニストが、リラグルチドである、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む、請求項10または11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む、請求項10または11に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記緩衝液が、緩衝剤としてトロメタミンを含むトロメタミン緩衝液であり、好ましくは0.1mg/mL~10mg/mL、より好ましくは0.5mg/mL~1mg/mL、さらにより好ましくは約0.97mg/mLのトロメタミンを含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記緩衝液が、緩衝剤として第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液であり、好ましくは0.1mg/mL~10mg/mL、より好ましくは0.75mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.14mg/mLの第二リン酸ナトリウムを含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記等張剤が、グルコースであり、好ましくは10mg/mL~50mg/mL、より好ましくは20mg/mL~40mg/mL、さらにより好ましくは約30mg/mLのグルコースを含む、請求項10~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記等張剤が、800g.mol-1未満、好ましくは100g.mol-1~600g.mol-1である分子量を有するポリエチレングリコールであり、好ましくは前記等張剤が、PEG400であり、かつ
好ましくは20mg/mL~100mg/mL、好ましくは40mg/mL~80mg/mL、より好ましくは約60mg/mLのポリエチレングリコールを含む、請求項10~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記等張剤が、グリセロールであり、好ましくは5mg/mL~50mg/mL、好ましくは10mg/mL~25mg/mL、より好ましくは約17mg/mLまたは約18mg/mLのグリセロールを含む、請求項10~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リラグルチドまたはセマグルチドなどのGLP-1Rアゴニストを含む医薬組成物に関する。本発明はまた、関節疾患の治療における使用のためのリラグルチドまたはセマグルチドなどのGLP-1Rアゴニストを含む医薬組成物に関し、医薬組成物は、例えば関節内注射によって投与される。
【背景技術】
【0002】
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、膵臓ベータ細胞上で発現されるGLP-1受容体に結合するペプチドホルモンであり、血糖濃度の上昇に応答して、グルコーストランスポーター2の発現およびインスリンの分泌を増加させる。さらに、GLP-1は、一部の炎症誘発性サイトカインの分泌を減少させる。GLP-1Rアゴニストは、2型糖尿病の治療薬として一般に使用されている。
【0003】
慢性関節疾患の中で、変形性関節症(OA)は、最も一般的な疾患であり、65歳を超える人のほぼ50%が罹患しており、解剖学的異常、関節損傷後、または肥満の場合に、若年者でも発症する。世界中で約2億5,000万人がOAに罹患し;この疾患は、経済的、社会的に影響を有する。
【0004】
近年、リラグルチドなどのGLP-1Rアゴニストが、OAに関連する炎症、抗分解、および再生プロセスに関連するメカニズムを標的とすることが判明した。国際公開第2020104833号はしたがって、関節疾患、例えばOAの治療における使用のための、リラグルチドなどのGLP-1Rアゴニストを含む医薬組成物に関する。国際公開第2020104833号による医薬組成物は特に、リラグルチドおよびアルブミンを含むゲルの形態である。
【0005】
しかし、すでに市販されている製剤と少なくとも同程度の効果があり、さらに関節内注射により投与されると長期効果、具体的には少なくとも3週間持続する効果、より具体的には少なくとも4週間持続する効果を誘導できる、リラグルチドまたはセマグルチドなどのGLP-1Rアゴニストを含む新規製剤を見つける必要がある。実際に、関節内注射の頻度を制限することは、患者の治療を簡素化し患者の快適さを向上させ、かつ介護者の介入を必要とする医療処置の数を制限するであろう。
【0006】
本発明者らは驚くべきことに、本発明によるリラグルチドまたはセマグルチドなどのGLP-1Rアゴニストを含む医薬組成物の製剤が、関節内注射を介して投与されると長期効果、具体的には少なくとも3週間持続する効果、より具体的には少なくとも4週間持続する効果を誘導できることを見出した。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、関節疾患、特に変形性関節症および/または関節痛、より具体的には炎症性関節痛を治療するための方法における使用のための医薬組成物に関し、
ここで、上記医薬組成物は、関節内注射により、特に関節腔中への関節内注射により投与される液相であり、
ここで、上記医薬組成物は:
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0008】
有利には、液相は、溶液、懸濁液、およびエマルジョンからなる群から選択され得る。
【0009】
本発明は、関節疾患、特に変形性関節症および/または関節痛、より具体的には炎症性関節痛を治療するための方法における使用のための医薬組成物に関し、
ここで、上記医薬組成物は、関節内注射により、特に関節腔中への関節内注射により投与される溶液または懸濁液であり、
ここで、上記医薬組成物は:
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0010】
一実施形態では、医薬組成物は、溶液である。
【0011】
別の実施形態では、医薬組成物は、懸濁液である。
【0012】
有利には:
-GLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ペガパモジュチド(pegapamodutide)、タスポグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され;好ましくは、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され;より好ましくは、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、セマグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され;さらにより好ましくは、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドであり;
-緩衝液は、リン酸緩衝液、好ましくは緩衝剤として第二リン酸ナトリウム二水和物を含むリン酸緩衝液であり、
-等張剤は、プロピレングリコールである。
【0013】
有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドまたはセマグルチドであり、緩衝液は、リン酸緩衝液、好ましくは緩衝剤として第二リン酸ナトリウム二水和物を含むリン酸緩衝液であり、等張剤は、プロピレングリコールである。
【0014】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドであり、緩衝液は、リン酸緩衝液、好ましくは緩衝剤として第二リン酸ナトリウム二水和物を含むリン酸緩衝液であり、等張剤は、プロピレングリコールである。
【0015】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、セマグルチドであり、緩衝液は、リン酸緩衝液、好ましくは緩衝剤として第二リン酸ナトリウム二水和物を含むリン酸緩衝液であり、等張剤は、プロピレングリコールである。
【0016】
有利には、上記医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニスト、好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ペガパモジュチド、タスポグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され;より好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され;さらにより好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、セマグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され;よりよくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチドであり、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液、および
-グルコース、ポリエチレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0017】
有利には、上記医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニスト、好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチドまたはセマグルチドであり、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液、および
-グルコース、ポリエチレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0018】
有利には、上記医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニスト、好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチドであり、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液、および
-グルコース、ポリエチレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0019】
有利には、上記医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニスト、好ましくはGLP-1Rアゴニストは、セマグルチドであり、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液、および
-グルコース、ポリエチレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0020】
有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ペガパモジュチド、タスポグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され;好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、セマグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、さらにより好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチドである。
【0021】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドである。さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドであり、上記医薬組成物は、0.0245mg~6.3mgのリラグルチドの用量で、好ましくは0.7mg~6.3mgのリラグルチドの用量で投与される。
【0022】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドである。さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドであり、上記医薬組成物は、0.0245mg~6.3mgのリラグルチドの用量で、好ましくは0.3mg、1.0mg、3.0mgまたは6.0mgのリラグルチドの用量で投与される。
【0023】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、セマグルチドである。さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、セマグルチドであり、上記医薬組成物は、0.0245mg~6.3mgのセマグルチドの用量で、好ましくは0.7mg~6.3mgのセマグルチドの用量で、より好ましくは0.25mg、0.5mg、または1mgのセマグルチドの用量で投与される。
【0024】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、エキセナチドである。
【0025】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、リキシセナチドである。
【0026】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、アルビグルチドである。
【0027】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、ベイナグルチドである。
【0028】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、デュラグルチドである。
【0029】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、ペガパモジュチドである。
【0030】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、タスポグルチドである。
【0031】
有利には、上記医薬組成物のある用量は、1回または少なくとも2回の関節内注射で投与される。
【0032】
好ましくは、上記医薬組成物の用量は、毎月投与される。
【0033】
有利には、1年間に投与されるGLP-1Rアゴニストの総用量は、0.18mg~72mg、好ましくは0.7mg~8.4mgである。
【0034】
本発明はまた、医薬組成物にも関し、上記医薬組成物は、液相であり、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0035】
有利には、液相は、溶液、懸濁液、およびエマルジョンからなる群から選択され得る。
【0036】
本発明はまた、医薬組成物にも関し、上記医薬組成物は、溶液または懸濁液であり、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0037】
一実施形態では、医薬組成物は、溶液である。
【0038】
別の実施形態では、医薬組成物は、懸濁液である。
【0039】
有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ペガパモジュチド、タスポグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され;好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、セマグルチド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、さらにより好ましくはGLP-1Rアゴニストは、リラグルチドである。
【0040】
より有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドまたはセマグルチドである。
【0041】
さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、セマグルチドである。
【0042】
さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドである。
【0043】
さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、エキセナチドである。
【0044】
さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、リキシセナチドである。
【0045】
さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、アルビグルチドである。
【0046】
さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、ベイナグルチドである。
【0047】
さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、デュラグルチドである。
【0048】
さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、ペガパモジュチドである。
【0049】
さらにより有利には、GLP-1Rアゴニストは、タスポグルチドである。
【0050】
有利には、医薬組成物は、2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む。
【0051】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む。
【0052】
有利には、緩衝液は、緩衝剤としてトロメタミンを含むトロメタミン緩衝液であり、好ましくは医薬組成物は、0.1mg/mL~10mg/mL、より好ましくは0.5mg/mL~1mg/mL、さらにより好ましくは約0.97mg/mLのトロメタミンを含む。
【0053】
より有利には、緩衝液は、緩衝剤として第二リン酸ナトリウムを含むリン酸緩衝液であり、好ましくは医薬組成物は、0.1mg/mL~10mg/mL、より好ましくは0.75mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.14mg/mLの第二リン酸ナトリウムを含む。
【0054】
有利には、等張剤は、グルコースであり、好ましくは上記医薬組成物は、10mg/mL~50mg/mL、より好ましくは20mg/mL~40mg/mL、さらにより好ましくは約30mg/mLのグルコースを含む。
【0055】
有利には、等張剤は、800g.mol-1未満、好ましくは100g.mol-1~600g.mol-1の分子量を有するポリエチレングリコールであり、好ましくは、等張剤は、PEG400である。好ましくは、医薬組成物は、20mg/mL~100mg/mL、より好ましくは40mg/mL~80mg/mL、さらにより好ましくは約60mg/mLのポリエチレングリコールを含む。
【0056】
有利には、等張剤は、グリセロールであり、好ましくは上記医薬組成物は、5mg/mL~50mg/mL、好ましくは10mg/mL~25mg/mL、より好ましくは約17mg/mLまたは約18mg/mLのグリセロールを含む。
【0057】
定義
本発明において、以下の用語は、以下の意味を有する:
数字または数字の前にある「約」は、その数字または数の額面のプラス10%またはマイナス10%を指す。一実施形態では、数字または数の前の「約」は、その数字または数の額面のプラス5%またはマイナス5%を指す。
【0058】
「活性剤」は、治療効果を有する剤を指す。剤は、化学物質または生物学的物質であり得る。治療効果は、病的状態に関連する少なくとも1つの症状の重症度および/もしくは頻度における予防、遅延、低減またはその抑制、もしくは病的状態の根本原因の予防、減速もしくは抑制、または損傷の改善もしくは修復であり得る。
【0059】
「急性疾患」は、非慢性疾患を指す。
【0060】
「組み合わせでの投与」は、少なくとも2つの活性剤の連続の、同時のまたは別々の投与を指す。組み合わせでの投与が同時である場合、同時に投与される活性剤は、同じ医薬組成物中に存在し得る。
【0061】
「緩衝液」は、弱酸とその共役塩基、または弱塩基とその共役酸の混合物を指し、そのpHは、少量の強酸または強塩基がそれに添加されるときに一定に維持される。一実施形態では、緩衝液は、リン酸緩衝液である。一実施形態では、緩衝液は、トロメタミン緩衝液である。「リン酸緩衝液」は、緩衝剤としてリン酸塩またはその誘導体を含む緩衝液である。「トロメタミン緩衝液」は、緩衝剤としてトロメタミンまたはその誘導体を含む緩衝液である。
【0062】
「緩衝剤」は、緩衝液中に酸性形態および塩基性形態の両方で存在し、医薬組成物のpHが一定に維持されるようにする、特定の化学物質を指す。一実施形態では、緩衝剤は、リン酸塩またはその誘導体である。一実施形態では、緩衝剤は、トロメタミンまたはその誘導体である。
【0063】
「軟骨」または「軟骨基質」または「関節軟骨」は、ヒトを含む哺乳動物における弾性のある半透明の結合組織を指す。軟骨は、軟骨細胞、II型コラーゲン、少量の他の型のコラーゲン、他の非コラーゲン性タンパク質、プロテオグリカン、および水で構成される。ほとんどの軟骨は成熟時に骨になるが、いくらかの軟骨は、鼻、耳、膝などのいくつかの場所において、その元の形態で残る。軟骨には、血液または神経の供給がない。
【0064】
「慢性疾患」は、障害および重篤な合併症の脅威をしばしば伴う、長期の進行性疾病を指す。慢性疾患は、少なくとも数ヶ月間、特に少なくとも3ヶ月間で、いくぶん急速に進行する。
【0065】
「GLP-1Rアゴニストの複合体」は、相互作用する、1つ以上の独立した実体(イオンまたは分子)からなる多原子構造を指し、この構造は、GLP-1Rアゴニストを含む。
【0066】
「含む(comprising)」または「含む(comprise)」は、オープンで包括的な意味で解釈されるが、これに限定されない。一実施形態では、「含む(comprising)」は、「本質的にからなる(consisting essentially of)」を意味する。一実施形態では、「含む(comprising)」は、「からなる(consisting of)」を意味し、これに限定されると解釈されるものとする。
【0067】
「用量」は、2週間~1ヶ月で投与されるGLP-1Rアゴニストの累積量を指す。一実施形態では、1つの「用量」は、2週間で投与されるGLP-1Rアゴニストの累積量を指す。別の実施形態では、1つの「用量」は、3週間で投与されるGLP-1Rアゴニストの累積量を指す。別の実施形態では、1つの「用量」は、1ヶ月で投与されるGLP-1Rアゴニストの累積量を指す。
【0068】
活性剤の「有効量」は、毒性でないが、所望の治療効果を提供するのに十分な量の活性剤を指す。
【0069】
「賦形剤」は、好適な剤形での活性剤の製剤化に必要とされる、任意の不活性成分を指す。一実施形態では、「賦形剤」は、任意のあらゆる溶媒、希釈剤、担体、充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、ポリマー、滑剤、流動促進剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、安定剤、吸収促進剤、風味剤、防腐剤、抗酸化剤、緩衝剤、またはそれらの任意の組み合わせを指す。当業者であれば、特に粘度、溶媒などの観点から、関節内注射に好適な製剤を得るために好適な賦形剤を選択する方法に精通している。
【0070】
「X~Y」は、XとYの間の値の範囲を指し、XとYの区域の端は、その範囲に含まれる。
【0071】
「ゲル」は、流体によりその全容積全体に拡張される非流体コロイドネットワークまたはポリマーネットワークを指し、この流体は、「膨潤剤」と呼ばれる。「ハイドロゲル」は、膨潤剤が水であるゲルを指す。「コロイドの」は、細分化された状態を指し、媒体中に分散された分子または高分子粒子が少なくとも一方向におよそ1nm~1μmの寸法を有することを意味する。「ネットワーク」は、そこで本質的に各構成単位が、この構造内を通る多くの経路により互いの構成単位におよび巨視的な相境界に接続される、高度に分岐された構造を指し、そのような経路の数は、介在する構成単位の平均数に応じて増加し;これらの経路は平均で、この構造と同一の広がりであるはずである。
【0072】
「GLP-1」または「グルカゴン様ペプチド1」は、「GLP-1(1-37)」へのプログルカゴンペプチドの翻訳後プロセシングに由来する30または31アミノ酸長のペプチドホルモンを指し、それはさらに、腸のL細胞における組織特異的翻訳後プロセシングによってN末端が切り詰められ、2つの切り詰められかつ等効力の生物学的活性形態、「GLP-1(7-36)アミド」および「GLP-1(7-37)」をもたらす。ヒトにおいて、GLP-1(1-37)は、配列番号1で表すアミノ酸配列を有し;GLP-1(7-36)アミドは、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有し;GLP-1(7-37)は、配列番号3で表すアミノ酸配列を有する。
【0073】
「GLP-1Rアゴニスト」または「GLP-1受容体アゴニスト」は、GLP-1受容体(GLP1R)のアゴニストを指す。GLP-1Rアゴニストは、GLP-1類似体であってもよい。-GLP-1Rアゴニストは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、ペガパモジュチド、およびタスポグルチドからなる群から選択され得る。本発明によれば、用語「GLP-1Gアゴニスト」は、GLP-1Rアゴニストエナンチオマー、GLP-1Rアゴニストエステル、GLP-1Rアゴニストラセミ体、GLP-1Rアゴニストの塩、GLP-1Rアゴニストの溶媒和物、GLP-1Rアゴニストの水和物、GLP-1Rアゴニストの多形体、およびGLP-1Rアゴニストの複合体を含む。
【0074】
「GLP-1Rアゴニストエナンチオマー」は、GLP-1Rアゴニストと同じ分子式および結合原子配列を有するが、空間におけるその原子の三次元配向においてGLP-1Rアゴニストとは異なる、分子を指す。GLP-1Rアゴニストおよびそのエナンチオマーは、互いに鏡像であり、重ね合わせることができない。
【0075】
「GLP-1Rアゴニストエステル」は、エステル基を介して別の化学分子に結合されたGLP-1Rアゴニストを指す。
【0076】
「GLP-1Rアゴニストラセミ体」は、GLP-1Rアゴニストの左旋性エナンチオマーと右旋性エナンチオマーの等しい割合の混合物を指す。
【0077】
「化合物の水和物」は、化合物と1つ以上の薬学的に許容される溶媒分子を含む分子複合体を指し、ここで溶媒は、水である。
【0078】
「関節内注射」は、ヒトの身体の関節の閉じた空洞中への直接の注射を指す。
【0079】
「等張剤」は、医薬組成物とその中で医薬組成物が投与される生物学的媒体の間の等張性を確保するために医薬組成物に添加される剤を指す。
【0080】
「関節(joint)」および「関節(articulation)」は、互換的に使用される。
【0081】
「関節疾患」は、ヒトの身体の少なくとも1つの関節に影響を及ぼすあらゆる疾患を指す。関節疾患の例としては、これらに限定されないが、炎症性関節炎(特に、変形性関節症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性関節炎、強直性脊椎炎、狼瘡および関連結合組織疾患、滑膜炎、結晶性関節症(痛風、軟骨石灰沈着症、oochronsis、hydroxyapatitis)、abarticular pathology(腱炎、関節包炎、付着部炎)、敗血症性関節炎、軟骨下骨の病状(骨壊死、不全骨折、骨髄病変)、遺伝性関節症、炎症性関節痛、または他の関節痛が挙げられる。関節疾患は、これらに限定されないが、動きの制限、関節痛、関節の炎症、関節の圧痛、関節の硬直、および関節の腫脹を含む1つまたは複数の症状によって特徴付けられ得る。
【0082】
「リラグルチド」は、3.7kDaの32アミノ酸のペプチドを指す。これは、ヒトGLP-1(7-37)の合成アシル化類似体であり、28位(番号付け配列番号3)のリジン残基が、アルギニン残基に置き換えられ、C16脂肪酸(パルミチン酸)が、γ-グルタミルリンカーを介して20位のリジン残基(番号付け配列番号3)のε-アミノ基に結合される。リラグルチドの化学構造は、次のとおりである:
【化1】
【0083】
「変形性関節症」または「OA」は、関節疾患である。変形性関節症は、身体のあらゆる可動関節、例えば、膝、腰、および/または手、に影響を及ぼし得る疾患である。それは組織の破壊および関節の細胞構造の異常な変化として現れることがあり、それらは損傷によって引き起こされ得る。関節が修復しようとすると、他の問題を生じ得る。変形性関節症はまず、関節内の生物学的プロセスの変化として現れ、次に軟骨の破壊、骨の再形成、骨のしこり、関節の炎症、および関節機能の喪失などの、関節の異常な変化が生じる。これは、疼痛、こわばり、動きの喪失を生じ得る。遺伝的要因、他の関節疾患(関節リウマチなど)、事故または手術による関節の損傷、過体重、またはスポーツもしくはヒトの仕事での激しい身体活動を行うなどの、ある人々を、変形性関節症を発症しやすくする、特定の要因が存在する。
【0084】
「医薬組成物」は、少なくとも1つの活性剤と少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤の組み合わせを指す。
【0085】
「薬学的に許容される」は、一般に安全で非毒性であり、動物、特にヒトにとって生物学的、生理学的、またはその他の点で望ましくなくないものを指す。
【0086】
「GLP-1Rアゴニストの多形体」は、上記GLP-1Rアゴニストの別の結晶構造を指す。
【0087】
「防腐剤」は、微生物の成長によるまたは望ましくない化学的変化による組成物の分解を防ぐために組成物に添加される、任意の物質または化学物質を指す。
【0088】
「GLP-1Rアゴニストの塩」は、GLP-1Rアゴニストの酸付加塩または塩基付加塩を指す。酸付加塩は、薬学的に許容される有機酸または無機酸を用いて形成される;塩基付加塩は、GLP-1Rアゴニスト中の酸プロトンが、金属イオンによって置換されるか、または薬学的に許容される有機塩基もしくは無機塩基と配位すると形成される。
【0089】
「溶液」は、その中で少なくとも1つの溶質が溶解される少なくとも1つの溶媒を含む液体均一相を指し、少なくとも1つの溶質は、溶液の微量成分である。本発明によれば、溶液は、ゲルではなく、そのため非流体コロイドネットワークまたはポリマーネットワークを含まない。有利には、溶液は、非イオン性界面活性剤、セルロース、ポリエーテル、グルカン、グリセロリン脂質、多糖類、タンパク質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含まない。
【0090】
「GLP-1Rアゴニストの溶媒和物」は、GLP-1Rアゴニストと1つ以上の薬学的に許容される溶媒分子を含む分子複合体を指す。「GLP-1Rアゴニストの水和物」は、GLP-1Rアゴニストと1つ以上の薬学的に許容される溶媒分子を含む分子複合体を指し、ここで溶媒は、水である。
【0091】
「対象」または「患者」は、動物、特に哺乳動物を指す。一実施形態では、「対象」は、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、および非ヒト霊長類からなる群から選択される動物を指す。好ましい一実施形態では、「対象」は、ヒト(男性または女性)を指す。好ましい実施形態によれば、「対象」は、18歳以上、好ましくは50歳以上、より好ましくは65歳以上のヒトを指す。
【0092】
「懸濁液」は、その中で少なくとも1つの溶質が分散される少なくとも1つの溶媒を含む液体の均一な相を指し、少なくとも1つの溶質は、固体粒子であり、かつ溶液の微量成分である。本発明によれば、懸濁液はゲルではなく、そのため非流体コロイドネットワークまたはポリマーネットワークを含まない。有利には、懸濁液は、非イオン性界面活性剤、セルロース、ポリエーテル、グルカン、グリセロリン脂質、多糖類、タンパク質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含まない。
【0093】
活性剤の「治療的有効量」は、毒性でないが、所望の治療効果を提供するのに十分な量の活性剤を指す。
【0094】
「治療する」または「治療」は、病理学的状態に関連する少なくとも1つの症状の重症度および/もしくは頻度を予防する、遅延させる、減少させること、もしくは少なくとも1つの症状を抑制すること、または病的状態の根本原因を予防する、減速させるもしくは抑制すること、または損傷の改善もしくは修復を可能にする、あらゆる行為を指す。特に、本発明の文脈において、用語「治療する」または「治療」はより具体的には、軟骨の関節炎による破壊の阻害または減速を指し得る。特に、本発明の文脈において、用語「治療する」または「治療」はより具体的には、関節痛の低減またはさらに抑制を指し得る。一実施形態では、「治療」は、治癒的治療を指す。別の実施形態では、「治療」は、予防的治療を指す。別の実施形態では、「治療」は、予防的および/または治癒的治療を指す。
【0095】
「注射用水」は、水性ビヒクルを用いた非経口薬物の調製物(注射用バルク水)のため、または活性剤の溶解もしくは希釈のため、または非経口投与用の調製物(注射用滅菌水)のいずれかを目的とした水である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
医薬組成物
本発明は、少なくとも1つのGLP-1Rアゴニスト、またはその薬学的に許容されるエステル、塩、複合体、多形体、水和物、溶媒和物、エナンチオマーもしくはラセミ体、緩衝剤および少なくとも1つの等張剤を含む医薬組成物に関する。
【0097】
上の定義で述べたように、本発明におけるGLP-1Rアゴニストの言及はまた、GLP1-Rアゴニストの薬学的に許容される任意のエステル、塩、複合体、多形体、水和物、溶媒和物、エナンチオマーまたはラセミ体も包含する。
【0098】
本発明の医薬組成物は、活性剤としてGLP1-Rアゴニスト、および好ましくは関節内注射に好適な賦形剤の混合物を含み、この賦形剤の混合物は、緩衝液および少なくとも1つの等張剤を含む。
【0099】
本発明による医薬組成物は、溶液または懸濁液である。本発明による医薬組成物の溶媒は有利には、水であり得、より有利には注射用の水であり得る。
【0100】
医薬組成物の詳細な化合物
有利には、GLP-1Rアゴニストは、ポリペプチド、抗体、核酸、アプタマー、および低分子からなる群から選択される。好ましくは、GLP-1Rアゴニストは、ポリペプチドである。ポリペプチドは、リラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、アルビグルチド、ベイナグルチド、デュラグルチド、セマグルチド、およびタスポグルチドからなる群から選択され得る。好ましい実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドまたはセマグルチドである。より好ましい実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドである。別のより好ましい実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、セマグルチドである。
【0101】
一実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、リラグルチドである。
【0102】
別の実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、エキセナチドである。
【0103】
別の実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、リキシセナチドである。
【0104】
別の実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、アルビグルチドである。
【0105】
別の実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、ベイナグルチドである。
【0106】
別の実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、デュラグルチドである。
【0107】
別の実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、セマグルチドである。
【0108】
別の実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、ペガパモジュチドである。
【0109】
別の実施形態では、GLP-1Rアゴニストは、タスポグルチドである。
【0110】
有利には、緩衝液は、トロメタミン緩衝液、リン酸緩衝液、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0111】
有利には、緩衝液は、トロメタミン緩衝液である。トロメタミン緩衝液は、トロメタミン(トリス)、酢酸トロメタミン(トリス)、リン酸トロメタミン(トリス)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される緩衝剤を含んでよい。より好ましくは、緩衝液は、緩衝剤としてトロメタミン(トリス)を含むトロメタミン緩衝液である。
【0112】
有利には、緩衝液は、リン酸緩衝液である。リン酸緩衝液は、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム二水和物、およびそれらの任意の水和物または組み合わせからなる群から選択される緩衝剤を含んでよい。より好ましくは、緩衝液は、緩衝剤として第二リン酸ナトリウムまたは第二リン酸ナトリウム二水和物を含むリン酸緩衝液である。さらにより好ましくは、緩衝液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)である。
【0113】
有利には、等張剤は、グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0114】
有利には、等張剤は、グルコース、ポリエチレングリコール、グリセロール、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0115】
有利には、等張剤は、プロピレングリコールである。
【0116】
有利には、等張剤は、ポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールは、800g.mol-1未満、好ましくは100g.mol-1~800g.mol-1、より好ましくは100g.mol-1~600g.mol-1の分子量を有するポリエチレングリコール、さらにより好ましくは200g.mol-1~400g.mol-1の分子量を有するポリエチレングリコール、さらにより好ましくは400g.mol-1(=PEG400)または200g.mol-1(=PEG200)の分子量を有するポリエチレングリコールであり得る。一実施形態では、ポリエチレングリコールは、100g.mol-1、200g.mol-1、300g.mol-1、400g.mol-1、500g.mol-1、600g.mol-1、700g.mol-1または800g.mol-1の分子量を有するポリエチレングリコールである。
【0117】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0118】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0119】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0120】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-リン酸緩衝液と、
-グルコースおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0121】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、プロピレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0122】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0123】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、プロピレングリコール、およびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0124】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、
を含む。
【0125】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、
を含む。
【0126】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0127】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0128】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0129】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0130】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0131】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0132】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0133】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0134】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0135】
有利には、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0136】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0137】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0138】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0139】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてグルコース、
を含む。
【0140】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてポリエチレングリコール、好ましくはPEG400、
を含む。
【0141】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてグリセロールと、
を含む。
【0142】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコール、
を含む。
【0143】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0144】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0145】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0146】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてグルコース、
を含む。
【0147】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤として、ポリエチレングリコール、好ましくはPEG400、
を含む。
【0148】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてグリセロールと、
を含む。
【0149】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコール、
を含む。
【0150】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0151】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0152】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-グルコース、ポリエチレングリコールおよびグリセロールからなる群から選択される等張剤、
を含む。
【0153】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてグルコース、
を含む。
【0154】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤として、ポリエチレングリコール、好ましくはPEG400、
を含む。
【0155】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてグリセロール、
を含む。
【0156】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-トロメタミン緩衝液およびリン酸緩衝液からなる群から選択される緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコール、
を含む。
【0157】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-GLP-1Rアゴニストと、
-リン酸緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコール、
を含む。
【0158】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコール、
を含む。
【0159】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドまたはセマグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコールと、
-フェノール、
を含む。
【0160】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコール、
を含む。
【0161】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-リラグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコールと、
-フェノール、
を含む。
【0162】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコール、
を含む。
【0163】
好ましい一実施形態では、医薬組成物は、
-セマグルチドと、
-リン酸緩衝液と、
-等張剤としてプロピレングリコールと、
-フェノール、
を含む。
【0164】
有利には、本発明による医薬組成物は、プロピレングリコールを含まない。
【0165】
有利には、本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの追加の賦形剤をさらに含む。追加の賦形剤は、防腐剤であってよい。防腐剤は、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、パラベン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。好ましくは、防腐剤は、フェノールである。
【0166】
有利には、本発明の医薬組成物は、関節疾患、特に変形性関節症の治療において使用される少なくとも1つのさらなる活性剤を含む。関節疾患、特に変形性関節症の治療において使用されるさらなる活性剤は、GIP(グルコース依存性インスリン放出ポリペプチド)などのインクレチン、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素の阻害剤、成長因子または成長因子標的剤(FGF-18、BMP7、抗NGF剤)、Wnt経路分子標的剤(DYRK1A標的剤、CLK2標的薬)、メタロプロテアーゼおよび/またはアグリカナーゼ標的化剤(ADAMTS4標的化剤、ADAMTS5標的化剤、MMP標的化剤)、老化経路標的化剤、骨吸収分子標的化剤(カテプシンK標的薬)、鎮痛剤(例えば、オピオイド、トラマドール、アセトアミノフェン、カプサイシン)、非ステロイド系抗炎症薬(修飾アンジオポエチン様3(ANGPTL3)タンパク質(例えば、LNA043)および抗IL1(例えば、アナキンラ、カナキヌマブ))、ステロイド系抗炎症薬、症候性遅効性抗関節炎剤(SYSADOA)、ヒアルロン酸、多血小板血漿(PRP))、α-1糖タンパク質およびアルブミンからなる群から選択され得る。
【0167】
有利には、本発明の医薬組成物は、関節疾患、特に変形性関節症の治療において使用される少なくとも1つのさらなる活性剤を含む。関節疾患、特に変形性関節症の治療において使用される少なくとも1つのさらなる活性剤は、GIP(グルコース依存性インスリン放出ポリペプチド)などのインクレチン、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素の阻害剤、成長因子または成長因子標的剤(FGF-18、BMP7、抗NGF剤)、Wnt経路分子標的化剤(DYRK1A標的化剤、CLK2標的化剤)、メタロプロテアーゼおよび/またはアグリカナーゼ標的化剤(ADAMTS4標的化剤、ADAMTS5標的化剤、MMP標的化剤)、老化経路標的化剤、骨吸収分子標的化剤(カテプシンK標的化剤)、鎮痛剤(例えば、オピオイド、トラマドール、アセトアミノフェン、カプサイシン)、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、セレコキシブ、インドメタシン)、抗関節炎剤(修飾アンジオポエチン様3(ANGPTL3)タンパク質(例えば、LNA043)抗IL1(例えば、アナキンラ、カナキヌマブ))、ステロイド系抗炎症薬、症候性遅効性抗関節炎剤(SYSADOA)、ヒアルロン酸、多血小板血漿(PRP))、α-1糖タンパク質およびアルブミンおよび細胞療法(幹細胞の注射および間葉系間質細胞など)からなる群から選択され得る。
【0168】
グルコース依存性インスリン放出ポリペプチドは、GIP受容体アンタゴニスト(例えば、Amgen製の抗GIPRモノクローナル抗体)およびチルゼパチド(Lilly製)からなる群から選択され得る。
【0169】
ジペプチジルペプチダーゼIV酵素の阻害剤は、シタグリプチン、サキサグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチンおよびリナグリプチンからなる群から選択され得る。
【0170】
成長因子は、線維芽細胞成長因子(FGF-18スプリフェルミン)、NGFおよびBMP7タンパク質からなる群から選択され得る。
【0171】
成長因子標的化剤は、線維芽細胞成長因子標的化剤、タネズマブなどの抗NGF剤、およびBMP7タンパク質標的化剤からなる群から選択され得る。
【0172】
Wnt経路分子の標的化剤は、CLK2阻害剤、DYRK1A阻害剤、およびロレシビビントからなる群から選択され得る。
【0173】
メタロプロテアーゼおよびアグリカナーゼは、ADAMTS5阻害剤およびADAMTS5抗体からなる群から選択され得る。
【0174】
老化経路の標的化は、MDM2-p53相互作用阻害剤であり得る。
【0175】
骨吸収分子は、カテプシンKであり得る。
【0176】
鎮痛剤は、アセチルサリチル酸、アセチルサリチル酸リシン、フェニルブタゾン、スリンダク、ジクロフェナクカリウムまたはナトリウム、アセクロフェナク、チアプロフェン酸、イブプロフェン、ケトプロフェン、アルミノプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、インドメタシン、メフェナム酸、ニフルム酸、テノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、CNTX-4975、およびベジンベトマブからなる群から選択され得る。
【0177】
非ステロイド系抗炎症薬は、アセチルサリチル酸、アセチルサリチル酸リシン、フェニルブタゾン、スリンダク、ジクロフェナクカリウムまたはナトリウム、アセクロフェナク、チアプロフェン酸、イブプロフェン、ケトプロフェン、アルミノプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、インドメタシン、メフェナム酸、ニフルム酸、テノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、セレコキシブおよびエトリコキシブからなる群から選択され得る。
【0178】
ステロイド系抗炎症薬は、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、チキソコルトールおよびトリアムシノロンからなる群から選択され得る。
【0179】
症候性遅効性抗関節炎剤は、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、グルコサミン硫酸、ジアセレイン、ならびにアボカドおよびダイズの不ケン化抽出物(市販製品Piascledine(登録商標)でなどの)からなる群から選択され得る。
【0180】
一実施形態によれば、関節疾患の治療において使用される少なくとも1つのさらなる活性剤は、ヒアルロン酸、アルブミンおよびα-1糖タンパク質からなる群から選択される。
【0181】
一実施形態では、医薬組成物は、溶液である。溶液は、水性溶液であり得る。水性溶液は、注射用の水性溶液、さらに具体的には関節内注射用の水性溶液であり得る。
【0182】
一実施形態では、医薬組成物は、懸濁液である。溶液は、水性懸濁液であり得る。水性懸濁液は、注射用の水性懸濁液、さらにより具体的には関節内注射用の水性懸濁液であり得る。
【0183】
医薬組成物の化合物の濃度
有利には、医薬組成物は、2mg/mL~20mg/mL、好ましくは2mg/mL~8mg/mL、より好ましくは4mg/mL~8mg/mL、さらにより好ましくは約6mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約2、3、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む。
【0184】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む。
【0185】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~100mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~80mg/mL、より好ましくは1mg/mL~60mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含む。
【0186】
有利には、医薬組成物は、2mg/mL~20mg/mL、好ましくは2mg/mL~8mg/mL、より好ましくは4mg/mL~8mg/mL、さらにより好ましくは約6mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、リラグルチドである。一実施形態では、医薬組成物は、約2、3、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、リラグルチドである。
【0187】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、セマグルチドである。一実施形態では、医薬組成物は、約0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、セマグルチドである。
【0188】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~4mg/mL、より好ましくは2.5mg/mL~3.5mg/mL、さらにより好ましくは約3.01mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、エキセナチドである。一実施形態では、医薬組成物は、約0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、エキセナチドである。
【0189】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.01mg/mL~2mg/mL、より好ましくは0.05mg/mL~1.0mg/mL、さらにより好ましくは約0.1mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、リキシセナチドである。一実施形態では、医薬組成物は、約0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、リキシセナチドである。
【0190】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~100mg/mL、好ましくは10mg/mL~80mg/mL、より好ましくは50mg/mL~70mg/mL、さらにより好ましくは約60mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、アルビグルチドである。一実施形態では、医薬組成物は、約0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、アルビグルチドである。
【0191】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、ベイナグルチドである。一実施形態では、医薬組成物は、約0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、ベイナグルチドである。
【0192】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは1.5mg/mL~9mg/mL、より好ましくは3mg/mL~9mg/mL、さらにより好ましくは約9mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、デュラグルチドである。一実施形態では、医薬組成物は、約00.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、デュラグルチドである。
【0193】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、ペガパモジュチドである。一実施形態では、医薬組成物は、約00.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、ペガパモジュチドである。
【0194】
有利には、医薬組成物は、0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、タスポグルチドである。一実施形態では、医薬組成物は、約00.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mg/mLのGLP-1Rアゴニストを含み、ここでGLP-1Rアゴニストは、タスポグルチドである。
【0195】
有利には、医薬組成物は、0.1mg/mL~10mg/mL、より好ましくは0.5mg/mL~1mg/mL、さらにより好ましくは約0.97mg/mLのトロメタミンを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または10.0mg/mLのトロメタミンを含む。
【0196】
有利には、医薬組成物は、0.80mM~80mM、好ましくは2mM~20mM、より好ましくは6mM~10mM、さらにより好ましくは約8mMのトロメタミンを含む。
【0197】
有利には、医薬組成物は、0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.75mg/mL~1.5mg/mL、より好ましくは約1.14mg/mLの第二リン酸ナトリウムを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または10.0mg/mLの第二リン酸ナトリウムを含む。一実施形態では、医薬組成物は、0.70mM~70mM、好ましくは2mM~20mM、より好ましくは3mM~10mM、さらにより好ましくは約8mMまたは約3mMの第二リン酸ナトリウムを含む。
【0198】
有利には、医薬組成物は、0.05mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.25mg/mL~2.0mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物を含む。好ましくは、医薬組成物は、約0.47mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物を含む。より好ましくは、医薬組成物は、約1.42mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約0.05、0.1、0.2、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.41、1.42、1.43、1.44、1.45、1.46、1.47、1.48、1.491.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または10.0mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物を含む。
【0199】
有利には、医薬組成物は、10mg/mL~50mg/mL、好ましくは20mg/mL~40mg/mL、より好ましくは約30mg/mLのグルコースを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約10、15、20、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45または50mg/mLのグルコースを含む。
【0200】
有利には、医薬組成物は、20mg/mL~100mg/mL、好ましくは40mg/mL~80mg/mL、より好ましくは約60mg/mLのポリエチレングリコール、特にPEG400またはPEG200、より具体的にはPEG400を含む。一実施形態では、医薬組成物は、約20、25、30、35、40、45、50、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、70、75、80、85、90、95または100mg/mLのポリエチレングリコール、特にPEG400またはPEG200、より具体的にはPEG400を含む。
【0201】
有利には、医薬組成物は、5mg/mL~50mg/mL、好ましくは10mg/mL~25mg/mL、より好ましくは約17mg/mLまたは約18mg/mLのグリセロールを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45または50mg/mLのグリセロールを含む。
【0202】
有利には、医薬組成物は、1mg/mL~20mg/mLのプロピレングリコールを含む。好ましくは、医薬組成物は、1mg/mL~10mg/mL、より好ましくは4mg/mL~6mg/mL、さらにより好ましくは約4.7mg/mLのプロピレングリコールを含む。好ましくは、医薬組成物は、10mg/mL~20mg/mL、より好ましくは12mg/mL~16mg/mL、さらにより好ましくは約14mg/mLのプロピレングリコールを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約1、2、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、8、9、10、11、12.0、12.5、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.5、16、17、18、19または20mg/mLのプロピレングリコールを含む。
【0203】
有利には、医薬組成物は、0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは1mg/mL~7.5mg/mLのフェノールを含む。好ましくは、医薬組成物は、1mg/mL~2.5mg/mL、より好ましくは約1.8mg/mLのフェノールを含む。好ましくは、医薬組成物は、2.5mg/mL~7.5mg/mL、より好ましくは約5.5mg/mLのフェノールを含む。一実施形態では、医薬組成物は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.5、4.0、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または10.0mg/mLのフェノールを含む。
【0204】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.75mg/mL~1.5mg/mL、より好ましくは約1.14mg/mLの第二リン酸ナトリウム、
-10mg/mL~50mg/mL、好ましくは20mg/mL~40mg/mL、より好ましくは約30mg/mLのグルコース、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0205】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~1mg/mL、より好ましくは約0.97mg/mLのトロメタミン、
-10mg/mL~50mg/mL、好ましくは20mg/mL~40mg/mL、より好ましくは約30mg/mLのグルコース、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0206】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.75mg/mL~1.5mg/mL、より好ましくは約1.14mg/mLの第二リン酸ナトリウム、
-20mg/mL~100mg/mL、好ましくは40mg/mL~80mg/mL、より好ましくは約60mg/mLのPEG400、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0207】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~1mg/mL、より好ましくは約0.97mg/mLのトロメタミン、
-20mg/mL~100mg/mL、好ましくは40mg/mL~80mg/mL、より好ましくは約60mg/mLのPEG400、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0208】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.75mg/mL~1.5mg/mL、より好ましくは約1.14mg/mLの第二リン酸ナトリウム、
-5mg/mL~50mg/mL、好ましくは10mg/mL~25mg/mL、より好ましくは約17mg/mLのグリセロール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0209】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~1mg/mL、より好ましくは約0.97mg/mLのトロメタミン、
-5mg/mL~50mg/mL、好ましくは10mg/mL~25mg/mL、より好ましくは約18mg/mLのグリセロール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0210】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.05mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.25mg/mL~2.0mg/mL、より好ましくは約0.47mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物、
-1mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~6mg/mL、より好ましくは約4.7mg/mLのプロピレングリコール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0211】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.05mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.25mg/mL~2.0mg/mL、より好ましくは約0.47mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物、
-1mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~6mg/mL、より好ましくは約4.7mg/mLのプロピレングリコール、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは1mg/mL~2.5mg/mL、より好ましくは約1.8mg/mLのフェノール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0212】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.05mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.25mg/mL~2.0mg/mL、より好ましくは約1.42mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物、
-1mg/mL~20mg/mL、好ましくは12mg/mL~16mg/mL、より好ましくは約14mg/mLのプロピレングリコール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0213】
有利には、医薬組成物は、
-2mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~8mg/mL、より好ましくは約6mg/mLのリラグルチド、
-0.05mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.25mg/mL~2.0mg/mL、より好ましくは約1.42mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物、
-1mg/mL~20mg/mL、好ましくは12mg/mL~16mg/mLのプロピレングリコール、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは2.5mg/mL~7.5mg/mL、より好ましくは約5.5mg/mLのフェノール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0214】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.75mg/mL~1.5mg/mL、より好ましくは約1.14mg/mLの第二リン酸ナトリウム、
-10mg/mL~50mg/mL、好ましくは20mg/mL~40mg/mL、より好ましくは約30mg/mLのグルコース、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0215】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~1mg/mL、より好ましくは約0.97mg/mLのトロメタミン、
-10mg/mL~50mg/mL、好ましくは20mg/mL~40mg/mL、より好ましくは約30mg/mLのグルコース、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0216】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.75mg/mL~1.5mg/mL、より好ましくは約1.14mg/mLの第二リン酸ナトリウム、
-20mg/mL~100mg/mL、好ましくは40mg/mL~80mg/mL、より好ましくは約60mg/mLのPEG400、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0217】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~1mg/mL、より好ましくは約0.97mg/mLのトロメタミン、
-20mg/mL~100mg/mL、好ましくは40mg/mL~80mg/mL、より好ましくは約60mg/mLのPEG400、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0218】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.75mg/mL~1.5mg/mL、より好ましくは約1.14mg/mLの第二リン酸ナトリウム、
-5mg/mL~50mg/mL、好ましくは10mg/mL~25mg/mL、より好ましくは約17mg/mLのグリセロール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0219】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~1mg/mL、より好ましくは約0.97mg/mLのトロメタミン、
-5mg/mL~50mg/mL、好ましくは10mg/mL~25mg/mL、より好ましくは約18mg/mLのグリセロール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0220】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.05mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.25mg/mL~2.0mg/mL、より好ましくは約0.47mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物、
-1mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~6mg/mL、より好ましくは約4.7mg/mLのプロピレングリコール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0221】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.05mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.25mg/mL~2.0mg/mL、より好ましくは約0.47mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物、
-1mg/mL~20mg/mL、好ましくは4mg/mL~6mg/mL、より好ましくは約4.7mg/mLのプロピレングリコール、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは1mg/mL~2.5mg/mL、より好ましくは約1.8mg/mLのフェノール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0222】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.05mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.25mg/mL~2.0mg/mL、より好ましくは約1.42mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物、
-1mg/mL~20mg/mL、好ましくは12mg/mL~16mg/mL、より好ましくは約14mg/mLのプロピレングリコール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0223】
有利には、医薬組成物は、
-0.01mg/mL~20mg/mL、好ましくは0.5mg/mL~2mg/mL、より好ましくは1mg/mL~1.5mg/mL、さらにより好ましくは約1.34mg/mLのセマグルチド、
-0.05mg/mL~10mg/mL、好ましくは0.25mg/mL~2.0mg/mL、より好ましくは約1.42mg/mLの第二リン酸ナトリウム二水和物、
-1mg/mL~20mg/mL、好ましくは12mg/mL~16mg/mLのプロピレングリコール、
-0.1mg/mL~10mg/mL、好ましくは2.5mg/mL~7.5mg/mL、より好ましくは約5.5mg/mLのフェノール、および
-注射用の水
を含むかまたはそれらからなる。
【0224】
本発明者らは驚くべきことに、上記の本発明による医薬組成物が、関節内注射を介して投与されると長期効果、特に少なくとも3週間持続する効果、より具体的には少なくとも4週間持続する効果を誘導することを見出した。
【0225】
少なくとも1つの関節疾患を治療するための使用のための医薬組成物
本発明はまた、少なくとも1つの関節疾患の治療における使用のための、上記の本発明による医薬組成物に関する。
【0226】
本発明はまた、上記の本発明による医薬組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与することにより、少なくとも1つの関節疾患を治療する方法に関する。
【0227】
本発明はまた、少なくとも1つの関節疾患の治療のための医薬品の製造のための、上記の本発明による医薬組成物の使用に関する。
【0228】
本発明はまた、少なくとも1つの関節疾患の治療のための、上記の本発明による医薬組成物の使用に関する。
【0229】
本発明はまた、少なくとも1つの関節疾患を治療するための方法における使用のための、上記の本発明による医薬組成物に関する。
【0230】
本発明による医薬組成物に関連する上記のすべての特徴は、少なくとも1つの関節疾患の治療における使用のための本発明による医薬組成物に対し、本発明による医薬組成物の有効量をそれを必要とする患者に投与することにより少なくとも1つの関節疾患を治療する方法に対し、少なくとも1つの関節疾患の治療のための医薬品の製造のための本発明による医薬組成物の使用に対し、少なくとも1つの関節疾患の治療のための本発明の医薬組成物の使用に対し、および少なくとも1つの関節疾患を治療するための方法における使用のための本発明による医薬組成物に対し準用する。
【0231】
関節疾患
有利には、上記少なくとも1つの関節疾患は、慢性疾患である。慢性疾患は、変形性関節症であり得る。
【0232】
有利には、上記少なくとも1つの関節疾患は、急性疾患である。急性疾患は、急性疼痛であり得る。
【0233】
有利には、上記少なくとも1つの関節疾患は、変形性関節症、関節痛、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましい実施形態では、上記少なくとも1つの関節疾患は、関節痛である。関節痛は、炎症性関節痛または非炎症性関節痛であり得る。
【0234】
治療される関節疾患、特に変形性関節症は、あらゆる関節、例えば股関節(変形性関節症)、膝関節(変形性膝関節症)、足首関節、足関節、手関節、手首関節、肘関節、肩関節、脊椎関節、および/または側頭下顎骨関節に影響を与え得る。好ましくは、治療される関節疾患、特に変形性関節症は、股関節、膝関節、手関節および/または脊柱の関節に影響を与える。
【0235】
少なくとも1つの関節疾患を治療することは、それを必要とする対象における既存の関節炎症を低減することを含み得る。
【0236】
少なくとも1つの関節疾患を治療することは、それを必要とする対象における軟骨細胞の増殖および/または軟骨細胞の分化の増加、および/または滑膜炎を減少させることを含み得る。
【0237】
投与
一実施形態では、医薬組成物は、関節内注射により、特に関節腔中への関節内注射により投与されるか、または投与される予定である。
【0238】
医薬組成物は、ヒアルロン酸、非ステロイド系抗炎症薬、幹細胞、成長因子(スプリフェルミンまたはBMP7など)、MMP阻害剤、Wnt阻害剤および/または鎮痛物質などの、少なくとも1つの他の局所的に作用する物質と組み合わせて投与され得る。
【0239】
有利には、医薬組成物は、0.7μg~180μgのリラグルチド、好ましくは20μg~180μg、より好ましくは20μg~120μgのリラグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。1つの用量は、2週間~1ヶ月で投与されるGLP-1Rアゴニストの累積量を指す。一実施形態では、医薬組成物は、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179または180μgのリラグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。
【0240】
有利には、医薬組成物は、0.7μg~180μgのリラグルチド、好ましくは20μg~180μg、より好ましくは20μg~120μgのリラグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。1つの用量は、2週間~1ヶ月で投与されるGLP-1Rアゴニストの累積量を指す。一実施形態では、医薬組成物は、0.7、1、2、2.2、3、4、5、6、6.7、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179または180μgのリラグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。
【0241】
有利には、医薬組成物は、0.7μg~180μgのセマグルチド、好ましくは20μg~180μg、より好ましくは20μg~120μgのセマグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。1つの用量は、2週間~1ヶ月で投与されるGLP-1Rアゴニストの累積量を指す。一実施形態では、医薬組成物は、0.7、1、2、2.2、3、4、5、6、6.7、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179または180μgのセマグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。
【0242】
有利には、医薬組成物は、0.0245mg~6.3mg、好ましくはリラグルチド0.7mg~6.3mgのリラグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。一実施形態によれば、医薬組成物は、0.0245mg~6.3mgのリラグルチド、好ましくは0.3mg~6.0mgのリラグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。1つの用量は、2週間~1ヶ月で投与されるGLP-1Rアゴニストの累積量を指す。一実施形態では、医薬組成物は、0.0245、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.67、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.00、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.41、1.42、1.43、1.44、1.45、1.46、1.47、1.48、1.49、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.60、1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.67、1.67、1.68、1.69、1.70、1.71、1.72、1.73、1.74、1.75、1.76、1.77、1.78、1.79、1.80、1.81、1.82、1.83、1.84、1.85、1.86、1.87、1.88、1.89、1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.05、2.10、2.15、2.20、2.25、2.30、2.35、2.40、2.45、2.50、2.55、2.60、2.65、2.70、2.75、2.80、2.85、2.90、2.95、3.00、3.05、3.10、3.15、3.20、3.25、3.30、3.35、3.40、3.45、3.50、3.55、3.60、3.65、3.70、3.75、3.80、3.85、3.90、3.95、4.00、4.05、4.10、4.15、4.20、4.25、4.30、4.35、4.40、4.45、4.50、4.55、4.60、4.65、4.70、4.75、4.80、4.85、4.90、4.95、5.00、5.05、5.10、5.15、5.20、5.25、5.30、5.35、5.40、5.45、5.50、5.55、5.60、5.65、5.70、5.75、5.80、5.85、5.90、5.95、6.00、6.05、6.10、6.15、6.20、6.25または6.3mgのリラグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。一実施形態では、医薬組成物は、0.3mg、1.0mg、3.0mgまたは6.0mgのリラグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。
【0243】
有利には、医薬組成物は、0.0245mg~6.3mgのセマグルチド、好ましくは0.7mg~6.3mg、好ましくは0.25~1mgのセマグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。1つの用量は、2週間~1ヶ月で投与されるGLP-1Rアゴニストの累積量を指す。一実施形態では、医薬組成物は、0.0245、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.67、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.00、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.41、1.42、1.43、1.44、1.45、1.46、1.47、1.48、1.49、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.60、1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.67、1.67、1.68、1.69、1.70、1.71、1.72、1.73、1.74、1.75、1.76、1.77、1.78、1.79、1.80、1.81、1.82、1.83、1.84、1.85、1.86、1.87、1.88、1.89、1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.00、2.05、2.10、2.15、2.20、2.25、2.30、2.35、2.40、2.45、2.50、2.55、2.60、2.65、2.70、2.75、2.80、2.85、2.90、2.95、3.00、3.05、3.10、3.15、3.20、3.25、3.30、3.35、3.40、3.45、3.50、3.55、3.60、3.65、3.70、3.75、3.80、3.85、3.90、3.95、4.00、4.05、4.10、4.15、4.20、4.25、4.30、4.35、4.40、4.45、4.50、4.55、4.60、4.65、4.70、4.75、4.80、4.85、4.90、4.95、5.00、5.05、5.10、5.15、5.20、5.25、5.30、5.35、5.40、5.45、5.50、5.55、5.60、5.65、5.70、5.75、5.80、5.85、5.90、5.95、6.00、6.05、6.10、6.15、6.20、6.25または6.3mgのセマグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。一実施形態では、医薬組成物は、0.25、0.5または1mgのセマグルチドの用量で投与されるか、または投与される予定である。
【0244】
有利には、上記の医薬組成物の上記の用量は、1回もしくは少なくとも2回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定である。
【0245】
有利には、上記の医薬組成物の上記の用量は、同じ関節において、1回または少なくとも2回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定である。
【0246】
一実施形態では、上記の医薬組成物の上記の用量は、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定である。例えば、用量は、リラグルチドまたはセマグルチド20μgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定である。例えば、用量は、リラグルチド20μgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定である。例えば、用量は、セマグルチド20μgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定である。別の例として、用量は、リラグルチド0.3mg、1.0mg、3.0mgまたは6.0mgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定である。別の例として、用量は、セマグルチド0.25、0.5または1mgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定である。この関節内注射は、2週間ごとに繰り返され得る。この関節内注射は、3週間ごとに繰り返され得る。この関節内注射は、毎月繰り返され得る。
【0247】
有利には、用量は、リラグルチド0.3mgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定であり、関節内注射は、2週間ごとに、3週間ごとに、または毎月繰り返される。
【0248】
有利には、用量は、リラグルチド1.0mgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定であり、関節内注射は、2週間ごとに、3週間ごとに、または毎月繰り返される。
【0249】
有利には、用量は、リラグルチド3.0mgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定であり、関節内注射は、2週間ごとに、3週間ごとに、または毎月繰り返される。
【0250】
有利には、用量は、リラグルチド6.0mgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定であり、関節内注射は、2週間ごとに、3週間ごとに、または毎月繰り返される。
【0251】
有利には、用量は、セマグルチド0.25mgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定であり、関節内注射は、2週間ごとに、3週間ごとに、または毎月繰り返される。
【0252】
有利には、用量は、セマグルチド0.5mgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定であり、関節内注射は、2週間ごとに、3週間ごとに、または毎月繰り返される。
【0253】
有利には、用量は、セマグルチド1mgであり、1回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定であり、関節内注射は、2週間ごとに、3週間ごとに、または毎月繰り返される。
【0254】
別の実施形態では、上記の医薬組成物の上記の用量は、2回の関節内注射で投与されるか、または投与される予定であり、例えば、特に同じ関節で、両方の関節内注射が、同じ日に投与されるかもしくは投与される予定である、または両方の注射が、異なる日に投与されるかもしくは投与される予定である。特に、医薬組成物の用量は、2回の関節内注射にて:例えば、1回目はJ1で、2回目はJ8で、または1回目はJ1で、2回目はJ15で、投与され得る。
【0255】
この用量が複数回の注射で投与されるか、または投与される予定である場合、各注射は、同じ量のGLP-1Rアゴニストまたは異なる量のGLP-1Rアゴニストを含み得る。例えば、用量は、20μgのリラグルチドであり、10μgのリラグルチドの2回の関節内注射:J1での1回目の注射とJ8での2回目の注射、またはJ1での1回目の注射とJ15での2回目の注射、で投与されるか、または投与される予定である;これらの2回の注射は、3週間ごとに繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ22である。これらの2回の注射は、毎月繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ29である。1回目の注射がJ1であり2回目の注射がJ8である場合、2回の注射は、2週間ごとに繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ15である。例えば、用量は、0.3mg、1.0mg、3.0mgまたは6.0mgのリラグルチドであり、それぞれ0.15mg、0.5mg、1.5mgまたは3.0mgのリラグルチドの2回の関節内注射:J1での1回目の注射とJ8での2回目の注射、またはJ1での1回目の注射とJ15での2回目の注射、で投与されるか、または投与される予定である;これらの2回の注射は、3週間ごとに繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ22である。これらの2回の注射は、毎月繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ29である。1回目の注射がJ1であり2回目の注射がJ8である場合、2回の注射は、2週間ごとにを繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ15である。さらに別の例では、用量は、20μgのセマグルチドであり、10μgのセマグルチドの2回の関節内注射:J1での1回目の注射とJ8での2回目の注射、またはJ1での1回目の注射とJ15での2回目の注射は、で投与されるか、または投与される予定である;これらの2回の注射は、3週間ごとに繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ22である。これらの2回の注射は、毎月繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ29である。1回目の注射がJ1であり2回目の注射がJ8である場合、2回の注射は、2週間ごとに繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ15である。さらに別の例では、用量は、0.25、0.5または1mgのセマグルチドであり、それぞれ0.125mg、0.25mgまたは0.5mgのセマグルチドの2回の関節内注射:J1での1回目の注射とJ8での2回目の注射、またはJ1での1回目の注射とJ15での2回目の注射、で投与されるか、または投与される予定である;これらの2回の注射は、3週間ごとに繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ22である。これらの2回の注射は、毎月繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ29である。1回目の注射がJ1であり2回目の注射がJ8である場合、2回の注射は、2週間ごとに繰り返されてよく、すなわち、さらなる1回目の注射はJ15である。
【0256】
実際に、本発明の発明者らは驚くべきことに、半用量のリラグルチドの2回関節内注射(J1で1回の注射およびJ8で1回の注射)が、リラグルチドの用量の1回の関節内注射(J1で)と同じ鎮痛効果および鎮痛効果の同じ持続期間を誘導することを見出した。例えば、10μgのリラグルチドの2回の関節内注射(J1で1回の注射およびJ8で1回の注射)は、20μgのリラグルチドの1回の関節内注射(J1で)と同じ鎮痛効果および鎮痛効果の同じ持続時間を誘導する。
【0257】
一実施形態では、いくつかの用量の医薬組成物が対象に投与されるか、または投与される予定であり、それらの用量は、2週間ごと~1ヶ月ごとに投与される。1つの好ましい実施形態では、いくつかの用量の医薬組成物が対象に投与されるか、または投与される予定であり、それらの用量は、3週間ごとに投与される。より好ましい一実施形態では、いくつかの用量の医薬組成物が対象に投与されるか、または投与される予定であり、それらの用量は、毎月投与される。
【0258】
実際に、本発明の発明者らは驚くべきことに、本発明による医薬組成物が、急性関節内投与後に3週間持続する鎮痛効果、特に急性関節内投与後に4週間持続する鎮痛効果を有することを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0259】
図1】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤1によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図2】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤2によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)。
図3】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤3によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図4】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤4によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図5】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤5によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図6】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤6によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図7】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤7によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図8】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤8によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図9】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤9によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図10】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤10によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図11】LPS刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のビクトーザ(登録商標)によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図12】IL-1β刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤2によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図13】IL-1β刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のリラグルチド事前製剤6によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図14】IL-1β刺激条件(nM)における4.1nM~3μMの範囲の異なる濃度のビクトーザ(登録商標)(PBS)によるNO分泌に対するIC50の測定。平均値±SEM、n=4(各条件を4重で実施した)
図15】11日目までの右後足での引っ込め閾値のフォンフライ試験。平均値±SEM、n=8/群。
図15A】対照ビヒクル、MIA/ビヒクルおよびビクトーザ(20μg)群と比較した事前製剤-2。
図15B】対照ビヒクル、MIA/ビヒクルおよびビクトーザ(20μg)群と比較した事前製剤-6。-***p<0.001 D2、D7、およびD10での対照/ビヒクル(1M)対MIA/ビヒクル群(2M)。-***p<0.001 D7およびD10でのビクトーザ20μg群(3M)対MIA/ビヒクル群(2M);-***p<0.001 D7およびD10でのMIA/ビヒクル群(2M)対20μg群および120μg群での事前製剤-2および-6(9M、8M、6Mおよび5M)。-**p<0.001 D7でのMIA/ビヒクル群(2M)対3.3μg群(4M)での事前製剤-2;-***p<0.001 D10でのMIA/ビヒクル群(2M)対3.3μg群(4M)での事前製剤-2;-**p<0.01 D7でのMIA/ビヒクル群(2M)対3.3μg群(7M)での事前製剤-2;-***p<0.01 D10でのMIA/ビヒクル群(2M)対3.3μg群(7M)での事前製剤-2;
図16】32日目までの右後足での引っ込め閾値のフォンフライ試験。平均値±SEM、n=8/群。**p<0.01、***p<0.001対MIA/ビヒクル群2M。
図17】31日目までの右後足での引っ込め閾値のフォンフライ試験。平均値±SEM、n=8/群。図17A:対照ビヒクル、MIA/ビヒクル、MIA/ビクトーザ(登録商標)(20μg)およびMIA/オゼンピック(登録商標)(20μg)群と比較した、事前製剤-2の6用量のうちの3つ。図17B:対照ビヒクル、MIA/ビヒクル、MIA/ビクトーザ(登録商標)(20μg)およびMIA/オゼンピック(登録商標)(20μg)群と比較した、事前製剤-2の3つの他の用量。***p<0.001 D2、D7、D10、D18、D25、およびD31での対照/ビヒクル(11M)対MIA/ビヒクル群(12M)。**p<0.01 D7での事前製剤-20.7μg群(13M)対MIA/ビヒクル群(2M);p<0.05 D10での事前製剤-20.7μg群(13M)対MIA/ビヒクル群(2M);**p<0.01 D7およびD10での事前製剤-22.2μg群(14M)対MIA/ビヒクル群(2M);***p<0.001 D7およびD10での事前製剤-26.7μg、20μg、および60μg群(15M、16M、および17M)対MIA/ビヒクル群(2M)。***p<0.001 D7、D10、D18、D25およびD31での事前製剤-2180μg群(18M)対MIA/ビヒクル群(2M)。***p<0.001 D7、D10、D18、D25およびD31でのビクトーザ20μg群(19M)対MIA/ビヒクル群(2M)。***p<0.001 D7、D10、D18、D25およびD31でのオゼンピック20μg群(19M)対MIA/ビヒクル群(2M)。
【0260】
図18】右後足での引っ込め閾値のフォンフライ・フィラメント試験の結果。$$$p<0.001 2日目の対照/ビヒクル群(31M)対MIA/ビヒクル群および処置群(32M、33M、34M、35M、36M、および37M)。p<0.05 7日目のMIA/ビヒクル群(32M)対エキセナチド(E2)処置群(35M)。**p<0.01 7日目のMIA/ビヒクル群(32M)対リキシセナチド処置群(36M)。**p<0.01 10日目および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対エキセナチド(E1)処置群(34M)。***p<0.001 7日目、10日目、18日目、24日目および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対リラグルチド処置群(37M)。***p<0.001 7日目、10日目、18日目、24日目および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対リキシセナチド処置群(36M)。***p<0.001 10日目、18日目、24日目及び30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対エキセナチド(E2)処置群(35M)。***p<0.001 10日目、18日目および24日目のMIA/ビヒクル群(32M)対エキセナチド(E1)処置群(34M)。***p<0.001 7日目、10日目、18日目、24日目および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対デュラグルチド処置群(33M)。***p<0.001 2日目、7日目、10日目、18日目、24日目、および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対ビヒクル/対照群(31M)。7日目までの、平均±SEM、n=4/群。10日目以降の、平均±SEM、n=7~8/群。31M-ビヒクル群のスコアは、すべて15(g)以上であった。
図19】群41M、42M、43M、および44Mについての機械的疼痛の評価(インキャパシタンステスト)。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。対照群41Mと処置群43Mおよび44Mの間に有意差はなかったので、それらは図19で示されない。
図20】右後足での引っ込め閾値のフォンフライ試験の結果。MIA/ビヒクル(46M)対対照/ビヒクル(45M)(マンホイットニー検定;***p<0,001)。MIA/ビヒクル(46M)対MIA事前製剤2および事前製剤11(47Mおよび48M)(マンホイットニー検定;p<0.05、**p<0.01、***p<0,001)。
図21】群51M、52M、および53Mについてのリラグルチドの血漿用量。
図22】群54M、55M、および56Mについてのリラグルチドの滑液用量。
【0261】
実施例
本発明は、以下の実施例によりさらに説明される。
実施例1:本発明による組成物のpHおよび重量オスモル濃度
6つの医薬組成物を調製した。
【0262】
事前製剤1は以下を含んだ:6mg/mLリラグルチド、8mM第二リン酸ナトリウム、30mg/mLグルコースおよび注射用水。
【0263】
事前製剤2は以下を含んだ:6mg/mLリラグルチド、8mMトロメタミン、30mg/mLグルコースおよび注射用水。
【0264】
事前製剤5は以下を含んだ:6mg/mLリラグルチド、8mM第二リン酸ナトリウム、60mg/mLPEG400および注射用水。
【0265】
事前製剤6は以下を含んだ:6mg/mLリラグルチド、8mMトロメタミン、60mg/mL PEG400および注射用水。
【0266】
事前製剤7は以下を含んだ:6mg/mLリラグルチド、8mM第二リン酸ナトリウム、17mg/mLグリセロールおよび注射用水。
【0267】
事前製剤8は以下を含んだ:6mg/mLリラグルチド、8mMトロメタミン、18mg/mLグリセロールおよび注射用水。
【0268】
組成物のpHおよび重量オスモル濃度を、測定した。
【0269】
【表1】
【0270】
重量オスモル濃度および粒子径の測定結果を、次表に示す。
【0271】
【表2】
【0272】
6つの組成物は、リラグルチドの可溶化を可能にするpHを有したと考えられる。さらに、48時間後および1ヶ月後の重量オスモル濃度の値は、T0で得られた値と同様であった。組成物の重量オスモル濃度はしたがって、安定であった。
【0273】
実施例2:マウスマクロファージ細胞株RAW264.7に対する本発明による10の組成物のin vitro有効性
テストシステム
使用した細胞株は、RAW264.7(Abelsonマウス白血病ウイルスにより形質転換されたBalb/C雄マウスからのマクロファージ)であり、そのATCC参照番号は、TIB-71である。
【0274】
試験品および試験品ビヒクル
【0275】
【表3】
【0276】
実施例2の事前製剤1、2、5、6、7および8は、それぞれ実施例1の事前製剤1、2、5、6、7および8と同一である。
【0277】
製剤
別の参照が示される場合を除き、10種類の事前製剤について、グルコースは、Sigma16325-SZBF2860Vであり、第二リン酸ナトリウムは、Sigma-04276-90900であり、トロメタミンは、SigmaT6687-WXBC2569Vであり、ダルベッコのリン酸緩衝食塩水は、SigmaD8662-RNBJ0600であり、プロピレングリコールは、Sigma16033-SZBC2900Vであり、PEG400は、Sigma81172-BCBT2825であり、グリセロールは、Fluka49783-BCBD0423である。
【0278】
粉末として供給されるLPS(Sigma)を、PBS中1mg/mlで調製した。濃縮されたストック溶液を、実験のためにDMEM処理培地中で100ng/mlの最終濃度に希釈した。
【0279】
6mg/mlのリラグルチドで溶液として供給されたリラグルチドの事前製剤(1~10)を、ストック溶液としてPBS中で希釈した。濃縮ストック溶液を次いで、DMEM処理培地中で希釈して、3μM、1μM、333.3nM、111.1nM、37.0nM、12.3nMおよび4.1nMの最終濃度に達した。
【0280】
ビクトーザ(登録商標)(Novo Nordisk)は、市販のリラグルチド薬である。6mg/mlで溶液として供給された試験品を、ストック溶液としてPBS中で希釈した。濃縮ストック溶液を次いで、DMEM処理培地中で希釈して、3μM、1μM、333.3nM、111.1nM、37.0nM、12.3nMおよび4.1nMの最終濃度に達した。ビクトーザ(登録商標)およびビクトーザ(登録商標)から得られる試験品は、それらがGLP-1Rアゴニスト(リラグルチド)、リン酸緩衝液および等張剤としてプロピレングリコールを含むため、本発明による組成物である。
【0281】
ビヒクル(PBS)を、「ready to use」で提供し、1:100の最終濃度にて細胞処理培地中で希釈した。
【0282】
実験デザイン
【0283】
細胞培養
細胞を、80%コンフルエントまで培養し、セルスクレーパーを使用して採取し、試験を開始するのに十分な細胞が得られるまで新しいフラスコ中で再懸濁した。
【0284】
播種
細胞を、セルスクレーパーを使用して70~80%コンフルエントで採取し、カウントし、播種培地(DMEM高グルコース+1%P/S)中で1x10細胞/mlの最終濃度に再懸濁した。次に、細胞を、96ウェルマイクロタイタープレートに播種した(100μl/ウェル~100,000細胞/ウェル)。細胞培養物を、5%CO、37℃にて24時間インキュベーター中にて滅菌条件下で維持した。
【0285】
処置
播種培地を、96マイクロタイタープレートから吸引した。次に、異なる用量の事前に製剤化されたリラグルチドまたはビクトーザ(登録商標)(4.1nM~3μM)またはビヒクルと共にビヒクルまたは00ng/mlでLPSを含む培地の200μlを、試験デザインについて表4に従い、試験タイムラインについて表5に従い、各ウェルに添加した。プレートを、37℃、5%COで24時間インキュベートした。
【0286】
【表4】
【0287】
各条件の処置を、4重で行なった。
【0288】
【表5】
【0289】
試験および評価
試験終了時に、各ウェルの培養培地(±200μl)を、1.5mlチューブ(1チューブ/ウェル)に収集し、室温にて4000rpmで遠心分離し、上清を、新しい1.5mlチューブに加えた。
【0290】
亜硝酸酸化物の投与量(Griess試薬)
亜硝酸塩試薬アッセイを、製造業者の指示に従って実施した(亜硝酸塩試薬アッセイ、Promega)。この試験システムは、亜硝酸イオン(NO-)およびN-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(NED)の存在下でスルファニルアミドをアゾ化合物に変換する化学反応に基づく。アゾ化合物の着色は、540nmで検出可能である。この溶液は、「ready to use」型である。亜硝酸塩標準物質を、培養培地で希釈して、定量化のための参照曲線(0~100μM)を得た。50μlのブランク、標準、または培養上清を、96マイクロタイタープレートのウェルに添加した。50μlのスルファニルアミド溶液を、ウェルに添加し、プレートを、暗所で5~10分間インキュベートした。次に、50μlのNED溶液を、ウェルに添加し、プレートを、暗所で5~10分間インキュベートした。紫/マゼンタ色がすぐに生じ、吸光度を、540nmで30分以内に測定した。読み取ったブランクウェルの平均光学密度(OD)を、各読み取り値から引いた。亜硝酸イオンの濃度を、参照曲線から計算した。
【0291】
予想どおり、ビヒクル条件でのNOの産生は、検出限界を下回り、その値は1.56μMであった。LPS刺激条件では、培養培地中の亜硝酸酸化物の検出は、ビヒクルと比較して大幅に増加される。この分泌は、LPS単独条件と比較して、本発明によるリラグルチド組成物の各試験用量(すなわち、事前製剤1~10およびビクトーザ(登録商標)試験品)により有意に減少され、シグモイド用量応答パターンを有した。結果を図1~11に示す。IC50を、Prismソフトウェアを使用して各製剤について計算し、結果の概要を表6に示す。
【0292】
高グルコース条件で培養されたRAW264.7細胞について、NO分泌に対するリラグルチド事前製剤1のIC50用量は、53nMであり、48nM~59nMの信頼区間を有する(図1);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤2のIC50用量は、51nMであり、44nM~59nMの信頼区間を有する(図2);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤3のIC50用量は、50nMであり、43M~59nMの信頼区間を有する(図3);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤4のIC50用量は、61nMであり、52M~72nMの信頼区間を有する(図4);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤5のIC50用量は、53nMであり、47M~61nMの信頼区間を有する(図5);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤6のIC50用量は、49nMであり、42M~57nMの信頼区間を有する(図6);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤7のIC50用量は、54nMであり、47M~62nMの信頼区間を有する(図7);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤8のIC50用量は、48nMであり、43M~55nMの信頼区間を有する(図8);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤9のIC50用量は、53nMであり、47M~59nMの信頼区間を有する(図9);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤10のIC50用量は、50nMであり、42M~58nMの信頼区間を有する(図10);NO分泌に対するビクトーザ(登録商標)(PBS)のIC50用量は、52nMであり、46nM~58nMの信頼区間を有する(図11)。
【0293】
【表6】
【0294】
結論
本試験の目的は、マウスマクロファージ細胞株であるRAW264.7細胞において、市販のリラグルチド薬(4.1nM~3μM)であるビクトーザ(登録商標)と比較して、10種のリラグルチド事前製剤の7つの用量を試験することであった。
【0295】
本発明者らは、本発明によるすべての組成物(すなわち、リラグルチド事前製剤1~10およびビクトーザ(登録商標)試験品)が、RAW264.7細胞におけるLPS誘導性のNO産生を用量依存的に阻害できることを実証した。
【0296】
LPS刺激条件でのRAW264.7細胞株モデルにおけるNO産生に対するリラグルチド事前製剤1~10、リラグルチドAPIおよびビクトーザ(登録商標)のIC50用量を、計算した。本発明者らは、試験した10種のリラグルチド事前製剤1~10が、全般的にビクトーザ(登録商標)と同じ抗炎症効果を有することを確認した。
【0297】
事前製剤1~10のin vitro有効性が実証され、48nM~61nMの平均IC50値を有する。
【0298】
実施例3:マウス初代軟骨細胞に対する実施例2の事前製剤2および6のin vitro有効性
テストシステム
【0299】
C57Bl/6新生マウス由来のマウス初代軟骨細胞。
【0300】
試験品および試験品ビヒクル
【表7】
【0301】
事前製剤2および6は、それぞれ実施例1の事前製剤2および6と同一である。
【0302】
製剤化:
粉末として供給されるインターロイキン-1β(IL-1β)(PeproTech)を、0.1mg/mlでストック溶液として水に溶解した。濃縮したストック溶液を次いで、補充物(P/S、BSA、+/-リラグルチド)を含む培地中に最終濃度(2ng/ml)で希釈した。
【0303】
6mg/mlで溶液として供給されるリラグルチドの事前製剤(2および6)を、ストック溶液としてPBS中で希釈した。濃縮したストック溶液を次いで、DMEM培地中で希釈して、3μM、1μM、333.3nM、111.1nM、37.0nM、12.3nMおよび4.1nMの最終濃度に達した。
【0304】
ビクトーザ(登録商標)は、市販のリラグルチド薬である。6mg/mlで溶液として供給される試験品を、ストック溶液としてPBS中で希釈した。濃縮したストック溶液を次いで、DMEM培地中で希釈して、3μM、1μM、333.3nM、111.1nM、37.0nM、12.3nMおよび4.1nMの最終濃度に達した。ビクトーザ(登録商標)およびビクトーザ(登録商標)から得られる試験品は、それらがGLP-1Rアゴニスト(リラグルチド)、リン酸緩衝液および等張剤としてプロピレングリコールを含むため、本発明による組成物である。
【0305】
ビヒクル(PBS)を、「ready to use」で提供し、1:100の最終濃度で細胞播種培地中にて希釈した。
【0306】
実験デザイン
マウス関節軟骨の単離
未熟なマウス軟骨細胞は、新生子マウス(生後5~6日のC57Bl/6)に由来した。関節を、メスにより周囲組織から取り除き、次にそれを半分に切断して2つの球体に分離し、次いで半分に切断した。これは、消化を容易にする。大腿骨頭、関節丘、脛骨プラトーもまた、30mlの1XPBS中に入れた。
【0307】
未熟マウス軟骨細胞の単離
軟骨片を、ペトリ皿100mm中で、37℃、5%COのインキュベーター中にて45分間、10mlの消化溶液(DMEM、2mML-グルタミン、1g/Lのグルコース+1%P/S+コラゲナーゼ3mg/ml)中で2回インキュベートした。2回の消化と消化の間に、軟骨片を、取り出し、新しいペトリ皿に置いた。2回の消化後に、凝集体の分散を行って、単離された細胞の懸濁液を得た。軟骨片を、37℃、5%COのインキュベーター中で一晩、10mlのDMEM、2mML-グルタミン、1g/Lのグルコース+0.5mg/mlでコラゲナーゼD溶液(1/6に希釈)を含む1%P/S中でインキュベートした。
【0308】
軟骨細胞の播種
一晩の消化後に、10mlのDMEM、2mM L-グルタミン、1g/Lのグルコース+10%FBS+1%P/Sを、ペトリ皿に添加してコラゲナーゼDの作用を停止させた。ピペットサイズを小さくして凝集体を分散させた後、単離された細胞の懸濁液を得て、滅菌70μmセルストレーナーで濾過した。次に、細胞を、20℃、400gで10分間遠心分離した。培地を除去し、ペレットを、5mlのPBSに再懸濁して細胞を洗浄した。細胞を、20℃、400gで10分間遠心分離し、PBSを、15mlのDMEM、2mM L-グルタミン、1g/Lのグルコース+10%FBS+1%P/Sにより置き換えた。軟骨細胞を、ノイバウエル血球計でカウントし、抽出された細胞の生存率を評価するために観察した。軟骨細胞を、12ウェルプレート中の1ウェルあたり、2mMのL-グルタミン、1g/Lのグルコース+10%FBS+1%P/SのDMEM2ml中に40x10細胞の密度で播種した。培養物を、37℃、5%COでインキュベーター中にて滅菌条件下で維持した。
【0309】
軟骨細胞の培養
未熟なマウス関節軟骨細胞は、培養6~7日までにコンフルエントに達すると予想される。培養培地を、3日間の培養後に交換した。7日目に、10%FBSを含むDMEM培地を、除去し、ウェルを、1mlのPBSで2回すすぎ、1mlのDMEM、2mML-グルタミン、1g/Lのグルコース+1%P/S+0.1%BSAを、添加した。8日目に、培地を除去した。2ng/mlのIL-1β±リラグルチド事前製剤またはビクトーザ(登録商標)を含む、2mM L-グルタミン、1g/Lのグルコース+1%P/S+0.1%BSAを含む500μlの新鮮DMEMを、表8に従って各ウェルに添加した。プレートを、24時間37℃+5%COでインキュベートした。
【0310】
【表8】
【0311】
各条件の処置を、4重で行なった。
【0312】
【表9】
【0313】
試験および評価
試験終了時に、各ウェルの培養培地(±500μl)を1.5mlチューブ(1チューブ/ウェル)に収集し、室温にて4000rpmで遠心分離し、上清を、新しい1.5mlチューブに加えた。サンプルを、2~8℃で2~3日間保存するか、同日にグリース試薬アッセイを行わない場合は-70℃で凍結した。
【0314】
予想どおり、ビヒクル条件でのNOの産生は、検出限界を下回り、その値は1.56μMであった。IL-1β刺激条件では、培養培地中の亜硝酸酸化物の検出は、ビヒクルと比較して大幅に増加される。この分泌は、IL-1β単独条件と比較して、リラグルチド事前製剤またはビクトーザ(登録商標)の各試験用量により顕著に減少され、シグモイド用量応答パターンを有した。IC50を、Prismソフトウェアを使用して各製剤について計算し、要約結果を表10に示す。
【0315】
低グルコース条件で培養されたマウス初代軟骨細胞について、NO分泌に対するリラグルチド事前製剤2のIC50用量は、60nMであり、53M~69nMの信頼区間を有する(図12);NO分泌に対するリラグルチド事前製剤6のIC50用量は、55nMであり、46M~64nMの信頼区間を有する(図13);NO分泌に対するビクトーザ(登録商標)のIC50用量は、52nMであり、46nM~59nMの信頼区間を有する(図14)。
【0316】
【表10】
【0317】
結論
本試験の目的は、マウス初代軟骨細胞において、市販のリラグルチド薬(4.1nM~3μM)であるビクトーザ(登録商標)と比較して、2つの選択されたリラグルチド事前製剤2および6の7つの用量を試験することであった。
【0318】
本発明者は、本発明による組成物(すなわち、リラグルチド事前製剤2および6、ならびにビクトーザ(登録商標)試験品)が、マウス初代軟骨細胞におけるIL-1β誘導性NO産生を用量依存的に阻害できることを実証した。IL-1β刺激条件でのマウス初代軟骨細胞モデルにおけるNO産生に対するリラグルチド事前製剤2および6およびビクトーザ(登録商標)のIC50用量を、計算した。本発明者らは、試験した2つのリラグルチド事前製剤が、全般的にビクトーザ(登録商標)と同じ抗炎症効果および抗分解効果を有することを確認した。
【0319】
組成物2および6のin vitro有効性が実証され、52nM~60nMの平均IC50値を有する。
【0320】
実施例4:ラットにおける変形性関節症および炎症性疼痛のMIA誘導モデルを利用する、事前製剤2および6の3つの漸増用量の単回関節内(IA)膝注射の有効性
【0321】
テストシステム
【0322】
Sprague Dawleyラット。
【0323】
試験品
【表11】
【0324】
事前製剤2および6は、それぞれ実施例1の事前製剤2および6と同一である。
【0325】
製剤化:
6mg/mlで溶液として供給されるリラグルチドの事前製剤(2および6)を、PBS中で希釈して、30μL中3、3μg、20μg、および120μgの最終濃度に達した。
【0326】
ビクトーザ(登録商標)は、市販のリラグルチド薬である。6mg/mlで溶液として供給される試験品を、PBS中で希釈して、30μL中20μgの最終濃度に達した。ビクトーザ(登録商標)およびビクトーザ(登録商標)から得られる試験品は、それらがGLP-1Rアゴニスト(リラグルチド)、リン酸緩衝液および等張剤としてプロピレングリコールを含むため、本発明による組成物である。
【0327】
ビヒクル(PBS)を、「ready to use」で提供し、1:100の最終濃度で細胞播種培地中にて希釈した。
【0328】
実験デザイン
MIA(ヨード酢酸一ナトリウム)の関節内(IA)注射によるOA誘導
動物を、吸入麻酔(5%イソフルラン)を使用するチャンバー導入技術によって麻酔した。処置中、動物を、空気流量1~2リットル/分で1.5~3%のレベルのイソフルラン下で維持した。麻酔導入後に、右後肢の皮膚表面から、動物用電気バリカンを使用して毛を切り取った。剃毛後に、膝関節周囲領域を、アルコールで拭いた。3mgのMIA(ヨード酢酸一ナトリウム)を含む容量30μLを、膝蓋腱を介して膝関節に関節内(IA)注射した。カニューレ挿入チューブを取り付けた29ゲージ、0.5インチのニードルを使用して、ニードルの3~4mmのみが関節を刺すことができるようにした。注射後に、膝を、マッサージして溶液の均一な分布を確実にした。動物に、1日目に1回注射した(群2M、3M、4M、5M、6M、7M、8M、9M)。群1M(偽対照)では、30μLの注射用生理食塩水を、膝関節中に注射した。
【0329】
機械的疼痛評価(フォンフライ試験)
MIA(ヨード酢酸一ナトリウム)注射後のラットにおけるフォンフライ試験を、4P-Pharmaの標準操作手順(SOP)に従って実施した。ラットを、指定された透明なプレキシガラスチャンバーに個別に入れ、10~15分間順応させた。機械的刺激に対する引っ込め応答を、プラスチックメッシュ床の開口部(12x12mm)を介してケージの下から適用される刺激装置ハンドル上に直径0.5mmの先端を備えた電子フォンフライ装置(BIO-EVF5,Bioseb)を使用して測定した。各ラットについての重量グラムでの引っ込め応答を、3回の試験から計算した。フォンフライ試験を、合計3回、2日目(群の割り付けのための、治療前のベースラインとして)、7日目および10日目(それぞれ、治療後4日目および7日目)に、動物に対し実施した。実験者(複数可)は、群の識別情報(identity)に関して知らされなかった。
【0330】
【表12】
【0331】
【表13】
【0332】
統計計画
統計に関しては、中心となるマンホイットニー(ノンパラメトリック)検定を保持しながら、実験の期待値を反映する逐次検定戦略を適用した。逐次統計を、次の順序で比較するために作成した:
1.対照/ビヒクル群(1M)およびMIA/ビヒクル群(2M)。
2.MIA/ビヒクル群(2M)およびMIA/ビクトーザ(登録商標)処置動物(20μg)(3M)。
3.MIA/ビヒクル群(2M)およびより高い用量の事前製剤-2または-6(120μg)(6Mおよび9M)。その後、MIA/ビヒクル群(2M)を比較する。
【0333】
試験および評価
機械的疼痛評価(フォンフライ試験)
【0334】
1日目のOA誘導後のラットの異痛症を、群割り当てのベースラインとして2日目に評価し、その後、機械的誘導疼痛に対する治療の効果を評価するために7日目および10日目に評価した。各群について、左および右の後足についての、電子フォンフライ装置によって得られる、引っ込め応答の平均を計算した。群平均の動物の引っ込め応答の結果を、右後足について表14に示す。右後足での結果を、図15に示す。図15Aは、ビヒクル対照群、MIA/ビヒクル群およびMIA/ビクトーザ(登録商標)群(1M~3M)を事前製剤2の3つの群(4M~6M)と比較し、図15Bは、ビヒクル対照群、MIA/ビヒクル群およびMIA/ビクトーザ(登録商標)群(1M~3M)を事前製剤6の3つの群(7M~9M)と比較する。
【0335】
7日目に、MIA注射動物における足引っ込め閾値の有意な増加が、ビクトーザ(登録商標)処置群3MとMIA/ビヒクル群2Mの間であった(平均±SD;p<0.001)。有意な用量効果が、7日目に、事前製剤群120μg(9Mおよび6M)、20μg(8Mおよび5M)、および3.3μg(7Mおよび4M)対MIA/ビヒクル群2Mで観察された(120μgおよび20μg用量について平均±SD;p<0.001、3.3μg用量について平均±SD;p<0.01)。
【0336】
D7~D10の引っ込め閾値の有意な減少が、20μgの事前製剤-2(5M)を使用して観察された(平均±SD;p<0.05)。引っ込め閾値効果は、3.3、および120μgで事前製剤2(4Mおよび6M)および事前製剤6(7M、8M、および9M)を使用してD7~D10で持続した。なぜなら非統計的差異が、これらの群(4M、6M、7M、8M、および9M)においてD7~D10で観察されたためである。より高い足引っ込め閾値が、20μgのビクトーザ(登録商標)IA注射剤と20μgの事前製剤2および6を比較した場合に観察された。
【0337】
【表14】
MIA/ビヒクル(2M)対対照/ビヒクル(1M)(マンホイットニー検定;***p<0,001)。
MIA/ビヒクル(2M)対MIA事前製剤2および6(4M、5M、6M、7M、8Mおよび9M)(マンホイットニー検定;**p<0.01、***p<0,001)。
【0338】
結論
結論として、20μgのビクトーザ(登録商標)のIA注射と事前製剤2および6の3用量(3.3、20、および120μg)の間のこの比較試験において、事前製剤2および6の両方が、用量依存的な鎮痛効果を示すことを観察した。
【0339】
実施例5:ラットにおける変形性関節症および炎症性疼痛のMIA誘導モデルを利用するビクトーザ(登録商標)の関節内(IA)膝注射の有効性
【0340】
目的:
本試験の目的は2つであった:ラットのモノヨード酢酸塩(MIA)誘導変形性関節症および炎症性疼痛モデルを利用して、ビクトーザ(登録商標)を使用する用量応答試験を実施して、50%効果濃度EC50を計算すること(短期MIAモデル)、およびビクトーザ(登録商標)の単回関節内投与後の鎮痛効果の持続期間を選択した5つの群について決定すること(長期MIAモデル)。デキサメタゾンを、この試験において参照陽性対照群として使用した。
【0341】
方法:
8匹/群のSDラットを含む9つの群を、4サイクルで実施されるこの試験に割り当てた。化学的に誘導されるOA疾患を、9つの群のうち8つの群に行った。1日目に、30μL中の3mgのMIAを、右膝関節の関節内(IA)に注射した。最後の群(偽対照)は、右膝関節に30μLの生理食塩水IAを受けた。9つの群は、次のとおりであった:ビヒクル(水)で処理した1つの偽対照群(1M)、ビヒクル(2M)、0.7μg(3M)、2.2μg(4M)、6.7μg(5M)、20μg(6M)、60μg(7M)または180μg(8M)のビクトーザ(登録商標)、120μg(9M)のデキサメタゾンで処理した8つのMIA群。ビクトーザ(登録商標)およびビクトーザ(登録商標)から得られる試験品は、それらがGLP-1Rアゴニスト(リラグルチド)、リン酸緩衝液および等張剤としてプロピレングリコールを含むため、本発明による組成物である。すべての動物に、3日目に1回IA注射した。試験の間、死亡率および罹患率の観察、ならびに電子フォンフライ装置を使用するフォンフライ試験を行った。群の割り当てを、フォンフライの結果に基づき、2日目に実施した。膝採取を、試験終了時(短期MIAモデルについて11日目、長期MIAモデルについて32日目)に、随意の分析のために行った。
【0342】
結果:
EC50、全群についての短期MIAモデル(11日目まで):
死亡率/罹患率:死亡または罹患は、試験の間に観察されなかった。
【0343】
フォンフライ試験:予想どおり、偽対照(群1M)と比較して、MIA注射後に足引っ込め閾値の顕著な減少があり、モデル誘導を確認した。この効果は、群2Mの試験終了まで持続した。7日目に、足引っ込め閾値の有意な用量依存的増加が、MIA/ビクトーザ(登録商標)処置群5M、6M、7Mおよび8Mならびにデキサメタゾン120μgで処置した群9MとMIA/ビヒクル群2Mの間で観察された。計算されたEC50は、3.3μgであった。10日目に、足引っ込め閾値の顕著な用量依存的増加が、MIA/ビクトーザ(登録商標)処置群4M、5M、6M、7M、および8Mならびに群9M(デキサメタゾン)とMIA/ビヒクル群2Mの間で観察された。計算されたEC50は、2.1μgであった。
【0344】
選択した5つの群の長期MIAモデル(32日目まで):
選択した5つの群は:1M(偽/ビヒクル)、2M(MIA/ビヒクル)、7M(MIA/ビクトーザ(登録商標)60μg)、8M(MIA/ビクトーザ(登録商標)180μg)、および9M(MIA/デキサメタゾン)、であった。
【0345】
死亡率/罹患率:死亡または罹患は、試験の間にも観察されなかった。
【0346】
フォンフライ試験:10日目(すなわち、急性処置後1週間)の後で、フォンフライ試験を、試験終了まで18日目、25日目、31日目で週に1回実施した。MIA注射後の足引っ込め閾値の顕著な減少が、偽対照群1Mと比較して、群2Mで試験終了まで続き、31日目までモデルの誘導および維持を確認した。他の群について、結果は、ビクトーザ(登録商標)60μg(群7M)および180μg(群8M)ならびにデキサメタゾン120μg(群9M)の鎮痛効果が、25日目(すなわち、急性期後3週間)まで有意に維持されたが、31日目(すなわち、急性注射後4週間)に消失したことを示した。結果を図16に示す。
【0347】
結論:
結論として、この試験は、局所的に投与される本発明による組成物(例えば、ビクトーザ(登録商標))が、ラットにおけるMIA誘導性OAおよび炎症性疼痛モデルにおける疼痛に関与する関連機構を標的とすることを確認する。計算された50%効果濃度は、7日目で2.1μgおよび10日目で3.3μgである。さらに、ここで、デキサメタゾン陽性対照の鎮痛効果に匹敵する、急性IA投与後の本発明による組成物(例えば、ビクトーザ(登録商標))の4週間持続する鎮痛効果を、実証する。
【0348】
実施例6:ラットにおける変形性関節症および炎症性疼痛のMIA誘導モデルを利用するオゼンピック(登録商標)および事前製剤2の6つの漸増用量の単回関節内(IA)膝注射の有効性
【0349】
テストシステム
Sprague Dawleyラット。
【0350】
試験品
【表15】
【0351】
事前製剤2は、実施例1の事前製剤2と同一である。
【0352】
製剤化:
【0353】
6mg/mlで溶液として供給されるリラグルチドの事前製剤2を、PBS中で希釈して、30μL中0.7μg、2.2μg、6.7μg、20μg、60μg、および180μgの最終濃度に達した。
【0354】
ビクトーザ(登録商標)は、市販のリラグルチド薬である。6mg/mlで溶液として供給される試験品を、PBS中で希釈して、30μL中20μgの最終濃度に達した。ビクトーザ(登録商標)およびビクトーザ(登録商標)から得られる試験品は、それらがGLP-1Rアゴニスト(リラグルチド)、リン酸緩衝液および等張剤としてプロピレングリコールを含むため、本発明による組成物である。
【0355】
オゼンピック(登録商標)は、市販のセマグルチド薬である。1.34mg/mlで溶液として供給される試験品を、PBS中で希釈して、30μL中20μgの最終濃度に達した。
【0356】
ビヒクル(PBS)を、「ready to use」で提供し、1:100の最終濃度で細胞播種培地中で希釈した。
【0357】
実験デザイン
MIA(ヨード酢酸一ナトリウム)の関節内(IA)注射によるOA誘導
【0358】
動物を、吸入麻酔(5%イソフルラン)を使用するチャンバー導入技術によって麻酔した。処置の間、動物を、空気流量1~2リットル/分で1.5~3%のレベルのイソフルラン下で維持した。麻酔の導入後に、右後肢の皮膚表面から、動物用電気バリカンを使用して毛を切り取った。剃毛後に、膝関節周囲領域を、アルコールで拭いた。3mgのMIA(ヨード酢酸一ナトリウム)を含む容量30μLを、膝蓋腱を介して膝関節中に関節内(IA)注射した。カニューレ挿入チューブを取り付けた29ゲージ、0.5インチのニードルを使用して、ニードルの3~4mmのみが関節を刺すことができるようにした。注射後に、膝を、溶液の均一な分布を確実にするためにマッサージした。動物に、1日目に1回注射した(群12M、13M、14M、15M、16M、17M、18M、19Mおよび20M)。群11M(偽対照)では、30μLの注射用生理食塩水を、膝関節中に注射した。
【0359】
機械的疼痛評価(フォンフライ試験)
MIA(ヨード酢酸一ナトリウム)注射後のラットにおけるフォンフライ試験を、4P-Pharmaの標準操作手順(SOP)に従って実施した。ラットを、指定された透明なプレキシガラスチャンバーに個別に入れ、10~15分間順応させた。機械的刺激に対する引っ込め応答を、プラスチックメッシュ床の開口部(12x12mm)を介してケージの下から適用される刺激装置ハンドル上に直径0.5mmの先端を備えた電子フォンフライ装置(BIO-EVF5,Bioseb)を使用して測定した。各ラットの重量グラムでの引っ込め応答を、3回の試験から計算した。フォンフライ試験を、合計6回、2日目(群の割り付けのための、治療前のベースラインとして)、7日目、10日目、18日目、25日目、および31日目(それぞれ、治療後4、7、15、22、28日目)に、動物に対し実施した。実験者(複数可)は、群の識別情報(identity)に関して知らされなかった。
【0360】
【表16】
【0361】
N=動物の数
【0362】
【表17】
【0363】
統計計画
統計に関しては、中心となるマンホイットニー(ノンパラメトリック)検定を保持しながら、実験の期待値を反映する逐次検定戦略を適用した。逐次統計を、次の順序で比較するために作成した:
1.対照/ビヒクル群(11M)およびMIA/ビヒクル群(12M)。
2.MIA/ビヒクル群(12M)およびMIA/ビクトーザ(登録商標)処置動物(20μg)(19M)。
3.MIA/ビヒクル群(12M)およびより高用量の事前製剤2(180μg)(18M)。その後、MIA/ビヒクル群(12M)とMIA/オゼンピック(登録商標)処置動物(20μg)(20M)を比較した。
【0364】
試験および評価
機械的疼痛評価(フォンフライ試験)
【0365】
1日目のOA誘導後のラットにおける異痛症を、群割り当てのベースラインとして2日目に評価し、その後、機械的に誘導された疼痛に対する治療の効果を評価するために、7日目、10日目、18日目、25日目及び31日目に評価した。各群について、左および右の後足についての、電子フォンフライ装置によって得られる、引っ込め応答の平均を、計算した。群平均の動物の引っ込め応答結果を、右後足について表18Aおよび表18Bに示す。右後足での結果を、図17に示す。図17Aは、ビヒクル対照群、MIA/ビヒクル群、MIA/ビクトーザ(登録商標)群およびMIA/オゼンピック(登録商標)群(11M、12M、19M、20M)を、事前製剤-2の6つの群のうちの3つ(13M~15M)と比較し、図17Bは、ビヒクル対照、MIA/ビヒクル、MIA/ビクトーザ(登録商標)およびMIA/オゼンピック(登録商標)群(11M、12M、19M、20M)を事前製剤-2の他の3つの群(16M~18M)と比較する。
【0366】
7日目、10日目、18日目、25日目、および31日目に、ビクトーザ(登録商標)処置群19MとMIA/ビヒクル群12Mの間で、MIA注射動物における足引っ込め閾値の有意な増加があった(平均±SD;p<0.001)。有意な用量効果が、7日目、10日目、18日目、25日目および31日目目に、事前製剤群(13M~18M)対MIA/ビヒクル群12M(平均±SD;p<0.001、p<0.01およびp<0.05)で観察された。有意な用量効果が、7日目、10日目、18日目、25日目、および31日目に、オゼンピック(登録商標)処置群(20M)とMIA/ビヒクル群12M(平均±SD;p<0.001)で観察された。すべての処置群(13M群~20M群)の間で、足引っ込め閾値における有意差はなかった。
【0367】
【表18】
【0368】
【表19】
MIA/ビヒクル(12M)対対照/ビヒクル(11M)(マンホイットニー検定;***p<0,001)。
MIA/ビヒクル(12M)対MIA事前製剤-2、ビクトーザおよびオゼンピック(14M、15M、16M、17M、18M、19Mおよび20M)(マンホイットニー検定;p<0.05、**p<0.01、***p<0,001)。
【0369】
結論
結論として、20μgのビクトーザ(登録商標)、20μgのオゼンピック(登録商標)、および6つの用量(0.7μg、2.2μg、6.7μg、20μg、60μgおよび180μg)の事前製剤-2のIA注射間のこの比較試験において、すべての事前製剤-2(すなわち、本発明による組成物)が用量依存的な鎮痛効果を示すことを観察した。さらに、ビクトーザ(登録商標)(すなわち、本発明による組成物)およびオゼンピック(登録商標)もまた、鎮痛効果を示す。
【0370】
実施例7:ラットにおける変形性関節症および炎症性疼痛のMIA誘導モデルを利用する様々なGLP-1Rアゴニストの鎮痛効果の評価
目的:
本試験の目的は、ラットにおける変形性関節症および炎症性疼痛のMIA誘発モデルにおいて、液体均質組成物、特に溶液中でのリラグルチドと比較して、液体均質組成物、特に溶液中でのGLP-1Rアゴニストであるデュラグルチド(登録商標)、エキセナチドおよびリキシセナチドの実現可能な最大用量の鎮痛効果を評価することであった。
【0371】
方法:
8匹/群のSDラットを含む9つの群を、2サイクルで実施されるこの試験に割り当てた(4SDラット/サイクル)。化学的に誘導されるOA疾患を、1日目に30μL中3mgのMIAを右膝関節中に関節内(IA)注射することにより、7群のうち6群で実施した。対照群(偽/ビヒクル対照)は、右膝関節に30μLの生理食塩水IAを受けた。7つの群は、次のとおりであった:ビヒクル(NaCl 0.9%)で処置した偽/ビヒクル対照群(群31M)、およびビヒクル(群32M)、270μgのデュラグルチド(群33M)、92.31μgのエキセナチド(E1)(群34M)、70.6μgのエキセナチド(E2)(群35M)、3μgのアドリキシン(群36M)、および180μgのビクトーザ(登録商標)(群37M)で処置した6つのMIA群。すべての群31M~37Mは、1日目に生理食塩水(群31M)またはMIA(群32M~37M)のいずれかの1IA注射を受け、3日目に処置注射を受けた。試験の間、体重測定(週2回)、電子フォンフライ装置を使用するフォンフライ試験(C1について2、7日目)およびフォンフライ・フィラメント(C1について10日目、18日目、24日目、30日目、C2について2日目、7日目、10日目、18日目、24日目、および30日目)を、実施した。群の割り当てを、フォンフライの結果に基づき、2日目に実施した。膝採取を、32日目の試験終了時に随意分析のために実施した。
【0372】
製剤化:
NaCl 0.9%(ビヒクル)を、群31Mおよび32Mの関節内注射(30μL)用に「ready to use」状態で提供する。
【0373】
デュラグルチドを含む溶液を、製品トルリシティ(登録商標)から調製する。トルリシティ(登録商標)は、市販のデュラグルチド薬である。トルリシティ(登録商標)を、4.5mg/0.50mLで「ready to use」溶液として提供す。それは、群33Mでは、ラットあたり30μL中270μgの膝関節中への注射のために、適切な量のビヒクル(NaCl 0.9%)中で希釈される。
【0374】
エキセナチド(E1)を含む溶液は、製品ビデュリオン(登録商標)から調製される。ビデュリオン(登録商標)は、市販のエキセナチド薬である。ビデュリオン(登録商標)は、2mg/0.65mLで「ready to use」溶液として提供される。それは、群34Mでは、ラットあたり30μL中92.31μgの膝関節中への注射のために、適切な量のビヒクル(NaCl 0.9%)中で希釈される。
【0375】
エキセナチド(E2)を含む別の溶液を、製品Bydureon Bcise(登録商標)から調製する。Bydureon Bcise(登録商標)は、市販の徐放性エキセナチド薬である。Bydureon Bcise(登録商標)を、2.35mg/mLで「ready to use」溶液として提供する。それは、群35Mでは、ラットあたり30μL中70.6μgの膝関節中への注射のために、適切な量のビヒクル(NaCl 0.9%)中で希釈される。
【0376】
リキシセナチドを含む溶液を、製品アドリキシン(登録商標)から調製する。アドリキシン(登録商標)は、市販のリキシセナチド薬である。アドリキシン(登録商標)を、100μg/mLで「ready to use」溶液として提供する。それは、群36Mでは、ラットあたり30μL中3μgの膝関節中への注射のために、適切な量のビヒクル(NaCl 0.9%)中で希釈される。
【0377】
リラグルチドを含む溶液を、製品ビクトーザ(登録商標)から調製する。ビクトーザ(登録商標)は、市販のリラグルチド薬である。ビクトーザ(登録商標)を、6mg/mLで「ready to use」溶液として提供する。それは、群37Mでは、ラットあたり30μL中180μgの膝関節中への注射のために、適切な量のビヒクル(NaCl 0.9%)中で希釈される。
【0378】
実験デザイン
MIA(ヨード酢酸一ナトリウム)の関節内(IA)注射によるOA誘導
【0379】
9週齢の56匹の雄SDラットを、吸入麻酔(5%イソフルラン)を使用するチャンバー導入技術によって麻酔した。処置の間、動物を、空気流量1~2リットル/分で1.5~3%のレベルのイソフルラン下で維持した。麻酔の導入後に、右後肢の皮膚表面から、動物用電気バリカンを使用して毛を切り取った。剃毛後に、膝関節周囲領域を、アルコールで拭いた。3mgのMIAを含む容量30μLを、膝蓋腱を介して膝関節中に関節内(IA)注射した。カニューレ挿入チューブを取り付けた29ゲージ、0.5インチのニードルを使用して、ニードルの3~4mmのみが関節を刺すことができるようにした。注射後に、膝を、溶液の均一な分布を確実にするためにマッサージした。動物に、1日目に1回注射した(群32M、33M、34M、35M、36M、37M)。群31M(偽対照)では、30μLの注射用生理食塩水を、膝関節中に注射した。
【0380】
本試験を、試験デザインについて表19かつ試験タイムラインについて表20に従い、2サイクルで実施した。群の割り当てを、フォンフライから2日目に行った。
【0381】
【表20】
【0382】
N=動物の数
【0383】
【表21】
【0384】
機械的疼痛の評価(フォンフライ試験)
MIA注射後のラットにおけるフォンフライ試験を、4P-Pharmaの手順「機械的神経障害性疼痛評価(電子的フォンフライ)(Mechanical Neuropathic Pain Evaluation(electronic Von Frey))」および4P-Pharmaの手順「機械的神経障害性疼痛評価(フォンフライ)(Mechanical Neuropathic Pain Evaluation(Von Frey))」に従って実施した。ラットを、指定された透明なプレキシガラスチャンバーに個別に入れ、10~15分間順応させた。機械的刺激に対する引っ込め応答を、プラスチックメッシュ床の開口部(12x12mm)を介してケージの下から適用される刺激装置ハンドル上に置かれる直径0.5mmの先端を有する電子フォンフライ装置(BIO-EVF5,Bioseb)を使用してまたはフォンフライ・フィラメント(Bio-VF-M,Bioseb)により測定した。各ラットについての重量グラムでの引っ込め応答を、フォンフライ装置での3回の試験およびフォンフライ・フィラメントによる1回の試験から計算した。フォンフライ試験を、2日目(群の割り付けのための、治療前のベースラインとして)、7日目および10日目(それぞれ、治療後4日目および7日目)で動物に対し実施した。実験者(複数可)は、群の識別情報に関して知らされなかった。
【0385】
統計計画
統計に関しては、中心となるマンホイットニー(ノンパラメトリック)検定を保持しながら、実験の期待値を反映する逐次検定戦略を適用して、機械的疼痛評価を実施した。まず、偽(群31M)とMIA/ビヒクル(群32M)の間の差を比較した。差が有意であると判明したため、次に、MIA/リラグルチド処置動物(群37M)とMIA/ビヒクル(群32M)動物の間の差を比較した。結果が有意であると判明したため、本発明者らは、MIA/ビヒクルと残りのGLP-1類似体処置動物(群33M、34M、35Mおよび36M)の間の統計的差を試験した。
【0386】
結果:機械的疼痛の評価(フォンフライ試験):長期MIAモデルにおける異痛症の評価
1日目のOA誘導後のラットにおける異痛症を、群割り当てのベースラインとして2日目に評価し、その後、機械的に誘導された疼痛に対する治療の効果を評価するために、7日目、10日目、18日目、24日目及び30日目に評価した。各群について、電子フォンフライ装置(サイクル1の2日目および7日目の動物)(表21)またはフォンフライ・フィラメント(サイクル1の7日目およびサイクル2の2日目)(表22および22bis、図18)によって得られる平均の引っ込め応答を、右後足について計算した。図18は、ビヒクル対照およびMIA/ビヒクル群(31M、32M)を処置群(33M~37M)と比較する。
【0387】
個々の動物の引っ込め応答を、右後足について表21に示す。1日目のMIA IA注射は、生理食塩水群(31M)と残りのMIA群(32M~37M)の間で2日目に特徴付けられた足引っ込め閾値の有意な減少をもたらした(平均±SD;p<0.005、$$$p<0.001)。群32Mでは、この効果は、試験終了まで持続し、したがってラットにおける同側肢での急速な疼痛様応答に対するMIAIA注射およびMIAラットモデルを検証する(図18)。
【0388】
1群あたり4匹の動物のみを比較しておよび7日目にフォンフライ・フィラメント法を使用して、結果は、MIA/ビヒクル処置群(32M)と比較して70.6μgのエキセナチド(E2)、3μgのリキシセナチドおよび180μgのリラグルチドで処置したMIA注射動物(35M、36M、および37M)では、足引っ込め閾値の有意な上昇があったことを示した(平均±SD;p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)(図18)。10日目から30日目までに、すべての処置群(33M、34M、35M、36M、および37M)は、各日についてMIA/ビヒクル処置群(32M)と比較して、足引っ込め閾値の有意な増加を示した(平均±SD;**p<0.01、***p<0.001)(図18)。
【表22】
【0389】
【表23】
【0390】
【表24】
表22および表22bisについて:
$$$p<0.001 2日目の対照/ビヒクル群(31M)対MIA/ビヒクル群および処置群(32M、33M、34M、35M、36M、および37M)。
p<0.05 7日目のMIA/ビヒクル群(32M)対エキセナチド(E2)処置群(35M)。
**p<0.01 7日目のMIA/ビヒクル群(32M)対リキシセナチド処置群(36M)。
**p<0.01 10日目および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対エキセナチド(E1)処置群(34M)。
***p<0.001 7日目、10日目、18日目、24日目および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対リラグルチド処置群(37M)。
***p<0.001 7日目、10日目、18日目、24日目および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対リキシセナチド処置群(36M)。
***p<0.001 10日目、18日目、24日目及び30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対エキセナチド(E2)処置群(35M)。
***p<0.001 10日目、18日目および24日目のMIA/ビヒクル群(32M)対エキセナチド(E1)処置群(34M)。
***p<0.001 7日目、10日目、18日目、24日目および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対デュラグルチド処置群(33M)。
***p<0.001 2日目、7日目、10日目、18日目、24日目、および30日目のMIA/ビヒクル群(32M)対ビヒクル/対照群(31M)。
7日目まで、平均±SEM、n=4/群。
10日目から、平均±SEM、n=7~8/群。
【0391】
結論
平均して、すべての群は、試験された各時点で、左(健康な)後足についてフォンフライ・フィラメントを使用して正常範囲内(15~50gの範囲内)の応答を有した。左後足について群間の差はなかった。
【0392】
右後足について、1日目のMIA IA注射は、生理食塩水群(31M)と残りのMIA群(32M~37M)の間で2日目に特徴付けられた足引っ込め閾値の有意な減少をもたらした(平均±SD;p<0.005、$$$p<0.001)。群32Mでは、この効果は、試験終了まで持続し、したがってラットにおける同側肢での急速な疼痛様応答に対するMIAIA注射およびMIAラットモデルを検証する(図18)。
【0393】
1群あたり4匹の動物のみを比較しておよび7日目にフォンフライ・フィラメント法を使用して、結果は、MIA/ビヒクル処置群(32M)と比較して70.6μgのエキセナチド(E2)、3μgのリキシセナチドおよび180μgのリラグルチドで処置したMIA注射動物(35M、36M、および37M)では、足引っ込め閾値の有意な上昇があったことを示した(平均±SD;p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)(図18)。
【0394】
10日目から30日目までに、すべての処置群(33M、34M、35M、36M、および37M)は、各日についてMIA/ビヒクル処置群(32M)と比較して、足引っ込め閾値の有意な増加を示した(平均±SD;**p<0.01、***p<0.001)(図18)。
【0395】
比較試験:フォンフライフィラメントvs電子フォンフライ
1日目のOA誘導後のラットにおける異痛症を、電子フィラメント(サイクル1用)およびフォンフライフィラメント(サイクル2用)の両方を使用して、2日目および7日目に評価した。両方の試験は、信頼性が高く、ラットの同側後足での機械的感受性の評価に有効である。さらに、フォンフライフィラメントのスコアは、同等の電子フォンフライスコア(グラム/mm単位の理論圧力)に近似的に置き換えることができる。得られた結果を確実にするために、3つの異なる群(31M、32M、および37M)からの3匹のラットに対しフォンフライフィラメントおよび電子フォンフライ装置の両方を使用して試験を行った。フォンフライフィラメントスコアから置き換えられた同等の電子フォンフライスコアは、同じ動物で電子フォンフライ装置を使用する平均スコアに匹敵すると判明した。
【0396】
同等の電子フォンフライスコアを、フォンフライフィラメントで得られた結果から、「Aesthesio Precision Tactile sensory data chart」を使用して計算した。したがって、電子フォンフライ装置を使用して以前の実験で得られた結果のより代表的な展望を有するために、サイクル1(2日目および7日目)から得られた電子フォンフライスコアと、サイクル1(10日目から)およびサイクル2のフォンフライフィラメントで得られた結果から計算された同等のスコアの両方を、組み合わせた。さらに、ビヒクル群と比較して異なる処置のラットにおける足引っ込め効果の概念を有するために、以前の結果(フォンフライフィラメントからの電子的等価スコア+サイクル1の2日目および7日目の電子フォンフライスコア)を、各日でのサイクル1またはサイクル2からの対応するビヒクル群(%)に対し正規化した。フォンフライスコアをビヒクル群(31M)に対し正規化した場合、リラグルチド/MIA処置群(37M)は、10日目に70%のスコアに達し、20日間このレベルを維持した。同様に、リキシセナチド/MIA処置群(36M)は、60%に上昇し、それを維持した。デュラグルチド/MIA-(33M)、エキセナチド(E1)/MIA-(34M)、エキセナチド(E2)/MIA-(35M)処置群は、100%に正規化されたビヒクル群(31M)と比較した場合、30日目で50~60%のスコアに徐々に達した。
【0397】
結論
結論として、180μgのリラグルチド、270μgのデュラグルチド、92.31μgのエキセナチド(E1)、70.6μgのエキセナチド(E2)および3μgのリキシセナチドを含む溶液のIA注射間のこの比較試験により、次のことを観察した:
-すべてのGLP-1類似体は、同様のプロファイルを有して30日間、増加する抗炎症/鎮痛効果を示す。
-ラットにおけるフォンフライフィラメントアッセイは、相違するが相補的な方法を使用した異なる実験を比較する目的で、「Aesthesio Precision Tactile sensory data chart」により、類似の電子フォンフライスコアに変換できる。
【0398】
結論として、この試験は、リラグルチド180μg、デュラグルチド270μg、エキセナチド92.31μg(E1)、エキセナチド70.6μg(E2)およびリキシセナチド3μgを含む溶液の局所投与(IA投与)が、ラットにおけるMIA誘導性OAおよび炎症性疼痛モデルでの疼痛に関連する関連メカニズムを標的とすることを確認する。したがって、リラグルチド、デュラグルチド、エキセナチド、およびリキシセナチドなどの様々なGLP-1Rアゴニストを含む溶液のIA投与は、ラットにおけるMIA誘導性OAおよび炎症性疼痛モデルでの疼痛に関連する関連メカニズムを標的にし、したがって、関節疾患、特に変形性関節症および/または関節痛を治療するための方法において使用され得る。
【0399】
実施例8:従来技術による組成物と本発明による組成物の鎮痛効果の比較
テストシステム
Sprague Dawleyラット。
【0400】
試験品
【表25】
【0401】
事前製剤2は、実施例1の事前製剤2と同一である。
【0402】
【表26】
【0403】
ハイドロゲル製剤P6、P8、およびP20は、特許出願国際公開第2020/104833号の表3、23~24ページにそれぞれ開示される製剤番号6、8、および20と同一である。
【0404】
製剤化:
6mg/mlで溶液として供給されるリラグルチドの事前製剤2を、PBS中で希釈して、30μL中180μgの最終濃度に達した。
【0405】
リラグルチドの事前製剤11を、市販のリラグルチド薬であるビクトーザ(登録商標)から得た。6mg/mlで溶液として供給される試験品(ビクトーザ(登録商標))を、PBS中で希釈して、30μL中20μgの最終濃度に達した。
【0406】
ビヒクル(PBS)を、「ready to use」状態で提供し、最終濃度1:100で細胞播種培地中にて希釈した。
【0407】
実験デザイン
手術誘導性OA:内側靱帯切断(MLT)処置およびその後の内側半月板切除(MMx)によるOAの誘導:群41M、42M、43M、44M
【0408】
麻酔を、吸入麻酔(4.0%のイソフルラン)を使用するチャンバー導入技術により各ラットに導入した。手術中、動物を、1~2リットル/分の酸素流量で、1.5~2.5%のレベルのイソフルランにより維持した。眼科用軟膏を、麻酔期間中の組織の乾燥を防ぐために、目に塗布した。麻酔の導入後に、右脚の皮膚表面から、動物用電気バリカンを使用して毛を刈り取った。膝関節の剃毛後に、皮膚をヨウ素で消毒し、傍膝蓋骨皮膚切開を、関節の内側で行った。関節腔の内側を、切開した。内側靱帯を切断し、内側半月板を、顕微手術用ナイフを使用して切除した。創傷を、バイクリル5/0編組吸収性縫合糸で閉じた。すべての手術手順を、手術用顕微鏡を使用して行った。群の割り当てを表25に、および試験タイムラインを表26に示す。
【0409】
【表27】
【0410】
【表28】
【0411】
MIA(ヨード酢酸一ナトリウム)の関節内(IA)注射によるOA誘導:群45M、46M、47M、および48M
【0412】
群46M、47Mおよび48Mに対するMIA(ヨード酢酸一ナトリウム)の関節内(IA)注射によるOA誘導のためのプロトコルは、実施例6に開示したとおりであり、動物に、1日目に1回MIAを注射した。群45M(偽対照)では、30μLの注射用生理食塩水を膝関節中に注射した。
【0413】
機械的疼痛の評価(フォンフライ試験):群45M、46M、47M、および48M
【0414】
機械的疼痛評価のプロトコルは、実施例6に開示したとおりであった。
【0415】
【表29】
【0416】
N=動物の数
【0417】
【表30】
【0418】
群45M、46M、47M、および48Mについての統計計画
【0419】
統計に関しては、中心となるマンホイットニー(ノンパラメトリック)検定を保持しながら、実験の期待値を反映する逐次検定戦略を適用した。逐次統計を、次の順序で比較するために作成した:
1.対照/ビヒクル群(45M)およびMIA/ビヒクル群(46M)。
2.MIA/ビヒクル群(46M)およびMIA/事前製剤11で処置した動物(20μg)(48M)。
3.MIA/ビヒクル群(46M)およびMIA/事前製剤2で処置した動物(180μg)(47M)。
【0420】
群45M、46M、47M、および48Mの機械的疼痛評価(フォンフライ試験)
1日目のOA誘導後のラットにおける異痛症を、群割り当てのベースラインとして2日目に評価し、その後、機械的誘導疼痛に対する治療の効果を評価するために7日目、10日目、18日目、25日目及び31日目に評価した。各群について、電子フォンフライ装置によって得られる、左および右の後足に対する引っ込め応答の平均を、計算した。動物の群平均引っ込め応答結果を、右後足について表29および表30に示す。右後足での結果を、図20に示す。図20は、MIA/ビヒクル群(46M)をMIA/事前製剤11(48M)と比較し、MIA/ビヒクル(46M)を事前製剤-2の群(47M)と比較する。
【0421】
7日目、10日目、18日目、25日目および31日目に、事前製剤11処置群48MとMIA/ビヒクル群46Mの間で、MIA注射動物における足引っ込め閾値の有意な増加があった(平均±SD;p<0.001)。MIA注射動物における有意な用量効果および足引っ込め閾値の有意な増加が、7日目、10日目、18日目、25日目、31日目に事前製剤2群(47M)対MIA/ビヒクル群46Mで観察された(平均±SD;p<0.001、p<0.01およびp<0.05)。
【0422】
統計分析は、右膝での単回IA注射後最大4週間まで、対照群と本発明による液体製剤(事前製剤11および事前製剤2)で処置した群(47M、48M)の間の有意差を明らかにした。事前製剤11処置群48Mと事前製剤2で処置した群47Mの足引っ込め閾値の間の有意差はない。鎮痛効果は、図20に見られ得るように、本発明による事前製剤2および11の単回関節内注射後、最大4週間維持され、31日目まで安定である曲線プラトーを有した。
【0423】
【表31】
【0424】
【表32】
MIA/ビヒクル(46M)対対照/ビヒクル(45M)(マンホイットニー検定;***p<0,001)。
MIA/ビヒクル(46M)対MIA事前製剤2および事前製剤11(47Mおよび48M)(マンホイットニー検定;p<0.05、**p<0.01、***p<0,001)。
【0425】
群41M、42M、43M、および44Mについての機械的疼痛の評価(インキャパシタンステスト)。
OAを有するラットの体重負荷変化を、インキャパシタンステスターを使用して測定した。報告によると疼痛の閾値と手足の重量配分の変化を示す、姿勢の不均衡が、低減される。各ラットを、各後足がインキャパシタンス装置上の別個のフォースプレート上に置かれるように配置し、各後肢が負担する重量を、5秒間測定した。右後肢対左後肢により負担される重量の比率を、計算する。各ラットについて5回の連続測定の平均を、記録した。体重負荷機能(インキャパシタンステスト)を、合計4回、ベースライン(-1日目)、14日目、28日目、および35日目で実施した。実験者(複数可)は、群に関して知らされなかった。
【0426】
ラットを、36日目にCO窒息により屠殺した。膝関節構造を、さらなる組織学的分析のために、4%緩衝ホルマリン溶液中で固定した。反対側の(非損傷)膝もまた、4%緩衝ホルマリン溶液中で固定した。
【0427】
数値結果を、平均値±SDとして与えた。外れ値のデータポイント(アスタリスクによりマーク)を、アルファ=5%でのグラブス検定分析の後に特定し、群平均の計算には含めなかった。該当する場合、統計分析を、二元配置分散分析(その後ボンフェローニ事後検定)または一元配置分散分析(その後ダネット多重比較事後検定)を使用して行った。5%(p<0.05)の確率を、有意とみなした。図では、群間の統計的有意差の程度を、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001として示した。
【0428】
結果を、表19に示す。統計分析は、14日目、例えば右膝への単回IA注射後7日目でのみ、対照群41Mとゲル製剤P6による処置群42Mの間の有意差を明らかにした。28日目(例えば、右膝への単回IA注射の14日後)および35日目(例えば、右膝への単回IA注射の21日後)では、対照群41Mとゲル製剤による処置群42Mの間に有意差はなかった。したがって、先行技術による製剤P6により誘導される効果は、右膝での単回IA注射後7日目には顕著であったが、右膝への単回IA注射後14日までは始まらなかった。これは図19で見ることができ、ここでは14日目(例えば、右膝への単回IA注射の7日後)に得られた効果は、その後(すなわち、28日目(例えば、右膝への単回IA注射の14日後))および35日目(例えば、右膝への単回IA注射の21日後)で)維持されない。さらに、対照群41Mと処置群43Mおよび44Mの間に有意差はなく、これは、図19で群43M(製剤P8)および44M(製剤P20)に関連する曲線がない理由を説明する。
【0429】
結論
結論として、溶液のIA注射とゲル製剤の間のこの比較試験において、本発明による溶液製剤(グループ47Mおよび48M)が、右膝での単回IA注射後に最長で4週間鎮痛効果をもたらし、一方で従来技術によるゲル製剤(群42M、43Mおよび44M)は、統計的に有意な鎮痛効果をもたらさなかったか、または右膝への単回IA注射後14日目、例えば7日後にのみ鎮痛効果をもたらしたことを観察した。
【0430】
実施例9:本発明による3つの事前製剤間の滑液および血漿における薬物動態の比較
テストシステム
イヌ、ビーグル、3~6歳
【0431】
試験品
【0432】
【表33】
【0433】
事前製剤2および6は、それぞれ実施例1の事前製剤2および6と同一である。事前製剤2、6および12は、本発明による医薬組成物である。
【0434】
製剤化:
事前製剤2:注射用水中のリラグルチド6mg/ml、トロメタミン(8mM)およびグルコース(30mg/ml)。
【0435】
事前製剤6:注射用水中のリラグルチド6mg/ml、トロメタミン(8mM)およびPEG400(60mg/ml)。
【0436】
事前製剤12:ビクトーザ(登録商標)、例えば:注射用水中のリラグルチド6mg/ml、第二リン酸ナトリウム二水和物1.42mg/ml、プロピレングリコール14mg/ml、フェノール5.5mg/ml。ビクトーザ(登録商標)は、市販のリラグルチド薬である。
【0437】
方法:
1群あたり2匹または3匹のイヌを含む3つの群を、血漿中の薬物動態の試験に割り当て、1群あたり3匹のイヌを含む3つの群を、滑液中の薬物動態の試験に割り当てた。
【0438】
【表34】
【0439】
N=動物の数
【0440】
【表35】
【0441】
統計計画
統計には、一元配置分散分析+Tukey事後検定を適用した。
【0442】
結果:
群51M、52M、および53Mについてのリラグルチドの血漿用量。
【0443】
群51M、52M、および53Mについてのリラグルチドの血漿用量を、図21に示す。Tukey多重比較検定は、事前製剤12対事前製剤2、事前製剤12対事前製剤6、および事前製剤2対事前製剤6のIA注射後24時間の間にリラグルチド血漿濃度のAUCに有意差はないと結論付けることができた。
【0444】
測定されたAUC(=曲線下の面積)を、以下の表にまとめる。
【0445】
【表36】
【0446】
群54M、55M、および56Mについてのリラグルチドの滑液用量。
【0447】
群54M、55Mおよび56Mについてのリラグルチドの滑液用量を、図22に示す。
【0448】
測定されたAUC(=曲線下の面積)を、以下の表にまとめる。
【0449】
【表37】
【0450】
結論
結論として、リラグルチドのIA注射または皮下注射後の24時間の間リラグルチド血漿濃度のAUCは同様である。しかし、リラグルチドを皮下経路で投与した場合、皮内注射後24時間の間滑液中にリラグルチドは存在しないが、リラグルチドを関節内経路で投与した場合、関節内注射後24時間の間滑液中にリラグルチドが存在する。
【0451】
実施例10:臨床試験フェーズ1
変形性関節症(ケルグレン・ローレンス(KL)ステージ2~4)を有する患者の標的膝関節に注射された単回の漸増用量の4P004対プラセボの安全性、忍容性、薬物動態および有効性を評価する第I相臨床試験。4P004は、本発明による組成物、すなわちIA注射用のGLP-1Rアゴニストを含む組成物、を指す。
【0452】
目的
主要目的
変形性関節症を有する患者において、膝関節内の(IA)、単回の漸増用量として投与される場合のリラグルチドの臨床的および生物学的安全性、ならびに一般的および局所的な忍容性を評価すること。
【0453】
副次的目的
変形性関節症を有する患者(ステージKL2~4)において漸増する用量レベルで単回IA用量として投与される場合のリラグルチドの血漿PKを決定すること。
【0454】
評価項目
主要評価項目
1.有害事象の数における4P004処置対象とプラセボの間の差[期間:スクリーニングから最終フォローアップ来院まで]
2.異常なバイタルサインの数における4P004処置対象とプラセボの間の差[期間:スクリーニングから最終フォローアップ来院まで]
3.異常な臨床検査評価の数における4P004処置対象とプラセボの間の差[期間:スクリーニングから最終フォローアップ来院まで]
4.異常な身体検査の数における4P004処置対象とプラセボの間の差[期間:スクリーニングから最終フォローアップ来院まで]
【0455】
副次的評価項目
PKパラメータの評価:(Cmax、Tmax、AUC0-t、AUC0-∞、T1/2)1日目および2日目。
【0456】
探索的評価項目:
4P004の作用に関連する液体バイオマーカーを評価するための体液(尿、血液、滑液)の収集。
【0457】
全体デザイン
この第I相は、以下の患者における関節内4P004の0.3mg、1mg、3mg、および6mgの単回の漸増用量の安全性および忍容性を評価するためのランダム化二重盲検プラセボ対照試験である:
・18歳~80歳、
・変形性関節症を有する。
【0458】
合計32名の参加者が、4つのコホートで登録され、各コホートは、4P004またはプラセボ(6:2)を受ける。4P004の用量は、コホート1~4で増加する。
【0459】
包含基準
・インフォームド・コンセントを与える能力があり、かつ試験に関連するすべての手順および評価に従う意思のある患者(法的に権限を与えられた代理人による同意は受け入れられない)
・患者は、18歳以上80歳以下でなければならない。
・局所的に評価された原発性変形性関節症(ステージKL2~4)と診断された患者。
【0460】
除外基準
・スクリーニング前の4週間以内の、1日当たり10mgを超えるプレドニゾンまたは同等量の全身性グルココルチコイドによる治療
・任意の既知の活動性感染症
・少なくとも3ヶ月間十分に制御されていない任意の慢性状態
・過去2年以内の何らかの臓器系の悪性腫瘍歴(限局性皮膚基底細胞癌または上皮内子宮頸癌を除く)
・GLP-1類似体により管理されるI型およびII型糖尿病患者
・グルカゴンペプチド1類似体ホルモンに曝露された患者
・3ヶ月以内の関節内注射(ステロイド、ヒアルロン酸誘導体)による標的の膝の治療
・スクリーニングの7日以内の膝OAの治療のための局所鎮痛剤(ゲル、クリーム、またはパッチ)の使用
・3ヶ月以内の吸引を必要とする標的の膝の滲出液
・4週間以内のOAに対する電気療法または鍼治療の使用
・標的の膝の重大でかつ臨床的に明らかな位置ずれ
・研究者の意見において、試験への参加に対するリスクもしくは禁忌を構成する、または試験の目的、実施、もしくは評価を妨げる可能性がある臨床検査所見を含む、あらゆる状態
・12週間以内の臨床研究試験への参加
・活性物質に対するまたは賦形剤のいずれかに対する過敏症:第二リン酸ナトリウム二水和物、プロピレングリコール、フェノール。
【0461】
結果
本発明者らは、4P004が安全であり、試験用量内の用量では、ヒトにおいて十分に許容される、ということを実証することを期待する。ならびに本発明者らは、患者の膝関節への1回の関節内注射の薬物動態パラメータを決定することを期待する。
【0462】
実施例11:臨床試験フェーズ2
第2相試験
軽度~中等度の変形性膝関節症を有する患者における関節内注射により投与される4P004の有効性および安全性を評価するための用量範囲試験。4P004は、本発明による組成物、すなわちIA注射用のGLP-1Rアゴニストを含む組成物、を指す。
【0463】
目的
主要目的
変形性関節症における4P004の有効性を実証すること、かつ最適な用量レジメンを決定すること。
【0464】
副次的目的
4P004の異なる用量レジメン対プラセボの安全性および忍容性を評価すること。
【0465】
4P004対プラセボの相補的な臨床有効性を評価すること。
【0466】
探索的目的
【0467】
バイオマーカー
画像による構造的変化の臨床徴候
【0468】
評価項目
【0469】
主要評価項目
3ヶ月にてプラセボに対し、Western Ontario and McMaster Universities変形性関節症指数(WOMAC)の膝疼痛スコアを用いて疼痛の大幅な改善を実証すること。
【0470】
OMERACT-OARSISスコアにおけるベースラインからの変化
【0471】
副次的評価項目
-臨床のおよび実験室の安全性
-第II相試験参加者についてのビジュアルアナログスケール(VAS)を使用するベースライン疼痛からの変化
-疾患スケールの医師の全体的な評価によるベースラインからの変化
-ベースラインの患者全般評価(PGA)からの変化
-OMERACT-OARSISスコアにおけるベースラインからの変化
-6ヶ月目および12ヶ月目のMRI評価による滑膜炎におけるベースラインからの変化
-標的の膝で狭くなる関節腔における変化。
【0472】
包含基準
・18歳~80歳の男性または女性、
・臨床試験に参加する者の避妊の方法に関する各地域の規制に準拠した避妊薬を使用すること、
・書面によるインフォームド・コンセントを提供する意欲および能力を有すること
・少なくとも6ヶ月間の標的の膝関節におけるOAの確立された臨床診断(臨床基準およびX線基準)
・膝OAのケルグレン・ローレンスグレードによる、標的の膝におけるレントゲンによる(X線)疾患のステージ2または3
・身体全体の疼痛の主な原因は、標的の膝におけるOAによる
・30~80mm(100mmVAS上)の疼痛ビジュアルアナログスケール(VAS)スコアおよびWOMAC合計
・スクリーニング時に標的の膝について72~192(240中)のスコア
・歩行;補助デバイス(例えば、杖)は、時間の50%未満で必要ならば許可されたが、歩行器のいかなる使用も、除外された
・BMI<40
【0473】
除外基準
・試験前12ヶ月以内の標的の膝での大規模な膝手術、または試験期間中に予定される手術
・標的の膝における部分的なまたは完全な関節置換術
・現在、歩行補助デバイス(例えば、車椅子、平行棒、歩行器、杖、または松葉杖)の恒常的な使用を必要とする
・関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、痛風または偽痛風、および線維筋痛症を含むが、これらに限定されない、標的の膝の試験主要項目評価に影響を与え得る併存疾患
・I型およびII型糖尿病患者
・グルカゴンペプチド1類似体ホルモンに曝露された患者
・過去3年以内の悪性腫瘍歴
・12週間以内の臨床研究試験への参加
・2ヶ月以内の関節内ステロイドまたは6ヶ月以内のヒアルロン酸誘導体による標的の膝の治療
・スクリーニング前の4週間以内の、1日当たり10mgを超えるプレドニゾンまたは同等量の全身性グルココルチコイドによる治療・3ヶ月以内の吸引を必要とする標的の膝の滲出液
・4週間以内のOAに対する電気療法または鍼治療の使用
・標的の膝の重大でかつ臨床的に明らかな位置ずれ
・任意の既知の活動性感染症
・少なくとも3ヶ月間の十分に制御されていない任意の慢性状態
・スクリーニング前の12週間以内の中枢作用性鎮痛剤(例えば、デュロキセチン)の使用
・発作または片頭痛の予防のために使用される場合を除く、スクリーニング前12週間以内の抗けいれん薬の使用
・スクリーニング後7日以内の膝OAの治療のための局所鎮痛剤(ゲル、クリーム、またはパッチ)の使用
・研究者の意見における、試験への参加に対するリスクもしくは禁忌を構成する、または試験の目的、実施、もしくは評価を妨げる可能性がある臨床検査所見を含む、あらゆる状態
【0474】
全体デザイン
これは、
・18歳~80歳であり、
・軽度または中等度の変形性関節症を有する
患者における、3つの漸増用量での関節内4P004のまたはプラセボの3つの用量の有効性および安全性を評価するための、用量範囲を調査する、無作為化された、二重盲検およびプラセボ対照試験である。
【0475】
約500名の参加者が、4つの治療群のうちの1つに無作為に割り付けられて、3つの固定用量の4P004またはプラセボの1つを受ける。
【0476】
結果
4P004が、WOMAC評価試験に基づきプラセボと比較して、疼痛を有意に軽減したことを実証すること、かつ変形性関節症患者における機能改善の臨床徴候を得ることを期待する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【配列表】
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【手続補正書】
【提出日】2024-02-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
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【国際調査報告】