(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】湿度制御デバイス
(51)【国際特許分類】
B65B 3/18 20060101AFI20240628BHJP
B65G 65/40 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B65B3/18
B65G65/40 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579804
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022073363
(87)【国際公開番号】W WO2023279091
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501477831
【氏名又は名称】アール.ピー. シェーラー テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トッド・アンソニー・スタッズマン
(72)【発明者】
【氏名】スコット・アラン・マネバック
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・マイケル・パーカー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエラ・チョロボク
【テーマコード(参考)】
3E118
3F075
【Fターム(参考)】
3E118AB01
3E118BB01
3E118CA03
3F075BA01
3F075DA13
(57)【要約】
閉鎖型コンテナの中の湿度を制御する湿度制御デバイス、システム、および方法が提供される。湿度制御デバイスは、コンテナに取り付けるように構成されているキャップと;第1のチューブ状部材であって、第1のチューブ状部材は、キャップを通過し、第1のチューブ状部材の第1の部分、および、第1のチューブ状部材の第2の部分を形成しており、第1の部分は、キャップから離れるように延在する近位端部を含み、第2の部分は、流体を受け入れるように構成されている入口部を含み、キャップがコンテナに取り付けられているときに、第1の部分は、コンテナの中にあり、第2の部分は、コンテナの外側にある、第1のチューブ状部材と;を含むことが可能であり、第1のチューブ状部材の近位端部は、コンテナの内部スペースに流体を送達するための出口部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿度制御デバイスであって、前記湿度制御デバイスは、
コンテナに取り付けるように構成されているキャップと;
第1のチューブ状部材であって、該第1のチューブ状部材は、前記キャップを通過し、前記第1のチューブ状部材の第1の部分、および、前記第1のチューブ状部材の第2の部分を形成しており、前記第1の部分は、前記キャップから離れるように延在する近位端部を含み、前記第2の部分は、流体を受け入れるように構成されている入口部を含み、前記キャップが前記コンテナに取り付けられているときに、前記第1の部分は、前記コンテナの中にあり、前記第2の部分は、前記コンテナの外側にある、第1のチューブ状部材と;
を含み、
前記第1のチューブ状部材の前記近位端部は、前記コンテナの内部スペースに前記流体を送達するための出口部を含む、湿度制御デバイス。
【請求項2】
前記第1のチューブ状部材は、前記キャップに対して中央に位置決めされている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、第2のチューブ状部材を含み、前記第2のチューブ状部材は、前記キャップを通過し、前記第2のチューブ状部材の第1の部分、および、前記第2のチューブ状部材の第2の部分を形成しており、前記第1の部分は、前記キャップから離れるように延在する近位端部を含み、前記第2の部分は、流体を受け入れるように構成されている入口部を含み、前記キャップが前記コンテナに取り付けられているときに、前記第1の部分は、前記コンテナの中にあり、前記第2の部分は、前記コンテナの外側にあり、
前記第2のチューブ状部材の前記近位端部は、前記コンテナの内部スペースに前記流体を送達するための出口部を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
それぞれの出口部は、1つ以上のノズルを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスは、前記キャップの中にエアベントを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記エアベントは、フィルターを含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、前記キャップの中に圧力リリーフバルブを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記流体は、圧縮空気を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、20%以下の前記コンテナの中の相対湿度を実現するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
湿度制御システムであって、前記湿度制御システムは、
コンテナと;
湿度制御デバイスと;
を含み、
前記湿度制御デバイスは、
前記コンテナに取り付けるように構成されているキャップと;
第1のチューブ状部材であって、該第1のチューブ状部材は、前記キャップを通過し、前記第1のチューブ状部材の第1の部分、および、前記第1のチューブ状部材の第2の部分を形成しており、前記第1の部分は、前記キャップから離れるように延在する近位端部を含み、前記第2の部分は、流体を受け入れるように構成されている入口部を含み、前記キャップが前記コンテナに取り付けられているときに、前記第1の部分は、前記コンテナの中にあり、前記第2の部分は、前記コンテナの外側にある、第1のチューブ状部材と;
流体供給部であって、前記流体供給部は、前記湿度制御デバイスの前記チューブ状部材の前記第2の部分に流体的に接続されており、前記湿度制御デバイスに流体を送達するように構成されている、流体供給部と;
を含み、
前記第1のチューブ状部材の前記近位端部は、前記コンテナの内部スペースに前記流体を送達するための出口部を含む、湿度制御システム。
【請求項11】
湿度制御デバイスであって、前記湿度制御デバイスは、
コンテナに取り付けるように構成されているキャップと;
中央チューブ状部材であって、該中央チューブ状部材は、前記キャップを通過し、前記中央チューブ状部材の第1の部分、および、前記中央チューブ状部材の第2の部分を形成しており、前記第1の部分は、前記キャップから離れるように延在する近位端部を含み、前記第2の部分は、流体を受け入れるように構成されている入口部を含み、前記キャップが前記コンテナに取り付けられているときに、前記第1の部分は、前記コンテナの中にあり、前記第2の部分は、前記コンテナの外側にある、中央チューブ状部材と;
前記中央チューブ状部材の前記第1の部分の前記近位端部から延在する複数の分岐部であって、それぞれの分岐部は、前記中央チューブ状部材にある遠位端部、および、前記中央チューブ状部材から離れるように延在する近位端部を含み、それぞれの分岐部の前記近位端部は、前記コンテナの内部スペースに前記流体を送達するための出口部を含む、複数の分岐部と;
を含む、湿度制御デバイス。
【請求項12】
前記複数の分岐部は、4つの、5つの、または6つの分岐部を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
それぞれの出口部は、1つ以上のノズルを含む、請求項11または12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスは、前記キャップの中にエアベントを含む、請求項11から13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記エアベントは、フィルターを含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスは、前記キャップの中に圧力リリーフバルブを含む、請求項11から15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、前記中央チューブ状部材が前記キャップを通過する方向に対して垂直の方向に、前記中央チューブ状部材から離れるように延在している、請求項11から16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、前記中央チューブ状部材が前記キャップを通過する方向に対して0度から90度の間の角度にある方向に、前記中央チューブ状部材から離れるように、および、前記キャップから離れるように延在している、請求項11から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、前記中央チューブ状部材が前記キャップを通過する方向に対して30度から60度の間の角度にある方向に、前記中央チューブ状部材から離れるように、および、前記キャップから離れるように延在している、請求項11から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記複数の分岐部は、前記中央チューブ状部材の前記近位端部の周りに等しく間隔を置いて配置されている、請求項11から19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記複数の分岐部は、前記中央チューブ状部材の前記近位端部の周りに等しく間隔を置いて配置されていない、請求項11から19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記流体は、圧縮空気を含む、請求項11から21のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項23】
前記デバイスは、20%以下の前記コンテナの中の相対湿度を実現するように構成されている、請求項11から22のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項24】
湿度制御システムであって、前記湿度制御システムは、
コンテナと;
湿度制御デバイスと;
を含み、
前記湿度制御デバイスは、
前記コンテナに取り付けるように構成されているキャップと;
中央チューブ状部材であって、該中央チューブ状部材は、前記キャップを通過し、前記中央チューブ状部材の第1の部分、および、前記中央チューブ状部材の第2の部分を形成しており、前記第1の部分は、前記コンテナの中にあり、前記キャップから離れるように延在する近位端部を含み、前記第2の部分は、前記コンテナの外側にあり、流体を受け入れるように構成されている入口部を含む、中央チューブ状部材と;
前記中央チューブ状部材の前記第1の部分の前記近位端部から延在する複数の分岐部であって、それぞれの分岐部は、前記中央チューブ状部材にある遠位端部、および、前記中央チューブ状部材から離れるように延在する近位端部を含み、それぞれの分岐部の前記近位端部は、前記コンテナの内部スペースに前記流体を送達するための出口部を含む、複数の分岐部と;
を含み、
また、前記湿度制御システムは、
流体供給部であって、前記流体供給部は、前記湿度制御デバイスの前記中央チューブ状部材の前記第2の部分に流体的に接続されており、前記湿度制御デバイスに流体を送達するように構成されている、流体供給部、
を含む、湿度制御システム。
【請求項25】
前記システムは、前記コンテナを退出する流体の湿度を測定するように構成されている湿度計を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記システムは、コントローラーを含み、前記コントローラーは、前記湿度計から受信される湿度測定値に基づいて、前記流体供給部から前記湿度制御デバイスへ流れる前記流体を制御するように構成されている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記システムは、調節メカニズムを含み、前記調節メカニズムは、前記中央チューブ状部材の前記第1の部分および前記第2の部分の長さを調節するために、前記中央チューブ状部材が前記キャップを通ってスライドすることを可能にするように構成されており、前記調節メカニズムは、所望の位置が実現されると、前記中央チューブ状部材を適切な場所にロックするように構成されている、請求項24から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の分岐部は、4つの、5つの、または6つの分岐部を含む、請求項24から27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
それぞれの出口部は、1つ以上のノズルを含む、請求項24から28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記システムは、前記キャップの中にエアベントを含む、請求項24から29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記エアベントは、フィルターを含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記システムは、前記キャップの中に圧力リリーフバルブを含む、請求項24から31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、前記中央チューブ状部材が前記キャップを通過する方向に対して垂直の方向に、前記中央チューブ状部材から離れるように延在している、請求項24から32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、前記中央チューブ状部材が前記キャップを通過する方向に対して0度から90度の間の角度にある方向に、前記中央チューブ状部材から離れるように、および、前記キャップから離れるように延在している、請求項24から33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、前記中央チューブ状部材が前記キャップを通過する方向に対して30度から60度の間の角度にある方向に、前記中央チューブ状部材から離れるように、および、前記キャップから離れるように延在している、請求項24から34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記複数の分岐部は、前記中央チューブ状部材の前記近位端部の周りに等しく間隔を置いて配置されている、請求項24から35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記複数の分岐部は、前記中央チューブ状部材の前記近位端部の周りに等しく間隔を置いて配置されていない、請求項24から36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記流体は、圧縮空気を含む、請求項24から37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記デバイスは、20%以下の前記コンテナの中の相対湿度を実現するように構成されている、請求項24から38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
コンテナの湿度を制御する方法であって、前記方法は、
流体供給部から流体を受け入れるステップと;
湿度制御デバイスに前記流体を通過させるステップであって、前記湿度制御デバイスは、前記湿度制御デバイスが前記コンテナの壁部を通過するようにコンテナに取り付けられており、前記湿度制御デバイスは、前記流体供給部に流体的に接続されている、ステップと;
前記コンテナの中に20%相対湿度以下の湿度を実現するように、コンテナの内部スペースの中へ前記流体を拡散させるステップと;
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年7月1日に出願された米国仮出願第63/217,445号の利益を主張し、その文献の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、湿度制御デバイスおよびシステムに関し、より具体的には、医薬品製造プロセスのための湿度制御デバイスおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
製造プロセスの効率は、1つのユニットから別のユニットへ移送する、プロセスの全体を通した材料の能力に大きく依存する。たとえば、マイクロ粒子またはナノ粒子を含む製造プロセスは、周囲空気の中の湿分によって引き起こされる流動性の課題に直面する可能性がある。湿度が大きくなるほど(すなわち、周囲空気の中の湿分の量の増加に起因して)、粒子が湿分のいくらかを吸収すること、および、粒子が機器に粘着するかまたは互いに粘着することを引き起こす可能性がある。したがって、高い湿度または制御されていない湿度は、乏しい流動性を引き起こす可能性があり、それは、目詰まり、機器誤動作、一貫しない製品品質などにつながる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
製造プロセスにおいて使用するための湿度制御デバイスおよびシステムが、本明細書で提供される。また、製造プロセスの閉鎖型コンテナの中の湿度を制御する方法も含まれる。説明されている湿度制御デバイス、システム、および方法は、マイクロ粒子およびナノ粒子の流動性を増加させることが可能であり、それは、材料目詰まり、粘着、および乏しい流動性に起因するダウンタイムの量、機器誤動作、および一貫しない品質を最小化することが可能である。いくつかの実施形態において、提供される湿度制御デバイスは、医薬品製造プロセス(たとえば、ローラーコンパクション、タブレット圧縮、および/またはカプセル化を含むものなど)において使用されることが可能である。
【0005】
具体的には、ローラーコンパクションプロセスでは、制御されていない湿度に起因する乏しい流動性は、さまざまなリボン完全性(variable ribbon integrity)を引き起こす可能性がある。さまざまなリボン完全性は、顆粒の異なる粒子サイズ分布を引き起こす可能性があり、それは、下流へのフロー、最終製品の溶解、最終ブレンドの潤滑効率、および、顆粒の空隙率/固相率の変化に影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
タブレット圧縮プロセスでは、乏しい流動性は、一貫しない重量を引き起こす可能性がある。一貫しない重量は、仕様外の許容できない含量均一性または効力値につながる可能性がある。また、これは、タブレット硬度、摩損度、および、ほとんどのプロセスにおいて次のステップとして水性フィルムコートを適用する能力にも影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
さらに、乏しい流動性は、一貫しない重量を引き起こすことによって、カプセル充填プロセスに悪影響を与える可能性がある。一貫しない重量は、仕様外の許容できない含量均一性および/または効力値につながる可能性がある。
【0008】
したがって、本明細書で提供される湿度制御デバイス、システム、および方法は、製造プロセスの間に所望の湿度を実現および維持することを助けることが可能である。また、本明細書で提供される湿度制御デバイスは、製造プロセスにおける材料を曝気し、流動性を改善することが可能である。所定の湿度レベルを実現および維持することによって、製造プロセスにおける材料は、より効果的に下流に流れることができる可能性がある。材料の流動性の増加は、処理機器の目詰まりおよび誤動作を最小化することを助けることが可能であり、また、一貫しない均一性を最小化することも可能である。
【0009】
追加的に、いくつかの製造プロセスでは、吸湿性材料が使用される。吸湿性材料は、周囲環境から水を吸収または吸着する。したがって、吸湿性材料のための最適な処理条件は、一般的に、低い湿度を含む。しかし、吸湿性材料を適正にハンドリングするための従来のシステムは、高性能の除湿システムを備えた特別な空気ハンドリングユニットを必要とする。これらのシステムは、既存の施設を改造するのにコストおよび時間がかかる。
【0010】
いくつかの実施形態において、湿度制御デバイス、システム、および方法は、マイクロ粒子またはナノ粒子を使用する製造プロセスとともに使用されるように構成されている。いくつかの実施形態において、提供される湿度制御デバイスは、医薬品製造プロセスとともに使用されるように構成されている。特に、本明細書で説明されているデバイスおよびシステムは、乾燥した医薬品製造プロセス(たとえば、ローラーコンパクションまたは直接ブレンド)とともに使用され、その他の方法で可能となることとなるものよりも高い薬物負荷を実現することが可能である。たとえば、40重量%以上の薬物負荷は、いくつかの実施形態による湿度制御デバイスおよびシステムによって実現されることが可能である。
【0011】
いくつかの実施形態において、説明されている湿度制御デバイスは、たとえば、ホッパーまたはビンなどのコンテナに取り付けるように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、異なるサイズである2つ以上の異なるコンテナ(たとえば、ホッパー、ビン)に取り付けるように構成されることが可能である。湿度制御デバイスは、コンテナの最上部の表面においてコンテナに取り付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、コンテナの側部表面または底部表面において取り付けられることが可能である。いくつかの実施形態による湿度制御デバイスは、流体供給部に流体的に連結されることが可能である。たとえば、流体供給部は、圧縮空気を湿度制御デバイスに供給することが可能である。いくつかの実施形態において、流体供給部は、流量計によって調整される。
【0012】
本明細書で説明されている湿度制御デバイスは、複数の出口部を含む。コンテナに取り付けられているときに、複数の出口部は、コンテナの中に位置決めされている。いくつかの実施形態において、出口部は、材料の中に浸漬されている。いくつかの実施形態において、出口部は、材料の上側表面の上方において、コンテナの空隙または空いたスペースの中に位置決めされている。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、コンテナの外部からコンテナの内部へ通過する1つ以上のチューブ状部材を含む。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、複数の分岐部を含み、複数の分岐部は、ビン蓋がビン/コンテナに連結されているときにコンテナの中に位置付けされる1つ以上のチューブ状部材の一部分から延在している。それぞれの分岐部は、近位端部において1つ以上の出口部を含む。いくつかの実施形態において、それぞれのチューブ状部材は、ビン蓋がビン/コンテナに連結されているときにコンテナの中に位置付けされるチューブ状部材の部分の遠位端部に、1つ以上の出口部を含む。流体供給部からの流体は、湿度制御デバイスから出口部を経由してコンテナの内部へ通る。いくつかの実施形態において、それぞれの出口部は、ノズルを含む。
【0013】
本明細書で提供される湿度制御デバイスは、追加的にエアベントを含むことが可能である。エアベントは、フィルターを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、圧力リリーフバルブを含むことが可能である。
【0014】
いくつかの実施形態において、出口部がコンテナの中へ延在する深さは、調節可能である。たとえば、所望の深さは、コンテナのサイズ、コンテナの中の材料の量(および、出口部が材料の表面の下に浸漬されていることが望まれるか、または、材料の表面の上方にあることが望まれるか)などに依存する可能性がある。
【0015】
いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスが提供され、デバイスは、コンテナに取り付けるように構成されているキャップと;第1のチューブ状部材であって、第1のチューブ状部材は、キャップを通過し、第1のチューブ状部材の第1の部分、および、第1のチューブ状部材の第2の部分を形成しており、第1の部分は、キャップから離れるように延在する近位端部を含み、第2の部分は、流体を受け入れるように構成されている入口部を含み、キャップがコンテナに取り付けられているときに、第1の部分は、コンテナの中にあり、第2の部分は、コンテナの外側にある、第1のチューブ状部材と;を含み、第1のチューブ状部材の近位端部は、コンテナの内部スペースに流体を送達するための出口部を含む。
【0016】
デバイスのいくつかの実施形態において、第1のチューブ状部材は、キャップに対して中央に位置決めされている。
【0017】
デバイスのいくつかの実施形態において、デバイスは、第2のチューブ状部材を含み、第2のチューブ状部材は、キャップを通過し、第2のチューブ状部材の第1の部分、および、第2のチューブ状部材の第2の部分を形成しており、第1の部分は、キャップから離れるように延在する近位端部を含み、第2の部分は、流体を受け入れるように構成されている入口部を含み、キャップがコンテナに取り付けられているときに、第1の部分は、コンテナの中にあり、第2の部分は、コンテナの外側にあり、第2のチューブ状部材の近位端部は、コンテナの内部スペースに流体を送達するための出口部を含む。
【0018】
デバイスのいくつかの実施形態において、それぞれの出口部は、1つ以上のノズルを含む。
【0019】
デバイスのいくつかの実施形態において、デバイスは、キャップの中にエアベントを含む。
【0020】
デバイスのいくつかの実施形態において、エアベントは、フィルターを含む。
【0021】
デバイスのいくつかの実施形態において、デバイスは、キャップの中に圧力リリーフバルブを含む。
【0022】
デバイスのいくつかの実施形態において、流体は、圧縮空気を含む。
【0023】
デバイスのいくつかの実施形態において、デバイスは、20%以下のコンテナの中の相対湿度を実現するように構成されている。
【0024】
いくつかの実施形態において、湿度制御システムが提供され、システムは、コンテナと;湿度制御デバイスと;を含み、湿度制御デバイスは、コンテナに取り付けるように構成されているキャップと;第1のチューブ状部材であって、第1のチューブ状部材は、キャップを通過し、第1のチューブ状部材の第1の部分、および、第1のチューブ状部材の第2の部分を形成しており、第1の部分は、キャップから離れるように延在する近位端部を含み、第2の部分は、流体を受け入れるように構成されている入口部を含み、キャップがコンテナに取り付けられているときに、第1の部分は、コンテナの中にあり、第2の部分は、コンテナの外側にある、第1のチューブ状部材と;流体供給部であって、流体供給部は、湿度制御デバイスのチューブ状部材の第2の部分に流体的に接続されており、湿度制御デバイスに流体を送達するように構成されている、流体供給部と;を含み、第1のチューブ状部材の近位端部は、コンテナの内部スペースに流体を送達するための出口部を含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスが提供され、デバイスは、コンテナに取り付けるように構成されているキャップと;中央チューブ状部材であって、中央チューブ状部材は、キャップを通過し、中央チューブ状部材の第1の部分、および、中央チューブ状部材の第2の部分を形成しており、第1の部分は、キャップから離れるように延在する近位端部を含み、第2の部分は、流体を受け入れるように構成されている入口部を含み、キャップがコンテナに取り付けられているときに、第1の部分は、コンテナの中にあり、第2の部分は、コンテナの外側にある、中央チューブ状部材と;中央チューブ状部材の第1の部分の近位端部から延在する複数の分岐部であって、それぞれの分岐部は、中央チューブ状部材にある遠位端部、および、中央チューブ状部材から離れるように延在する近位端部を含み、それぞれの分岐部の近位端部は、コンテナの内部スペースに流体を送達するための出口部を含む、複数の分岐部と;を含む。
【0026】
デバイスのいくつかの実施形態において、複数の分岐部は、4つの、5つの、または6つの分岐部を含む。
【0027】
デバイスのいくつかの実施形態において、それぞれの出口部は、1つ以上のノズルを含む。
【0028】
デバイスのいくつかの実施形態において、デバイスは、キャップの中にエアベントを含む。
【0029】
デバイスのいくつかの実施形態において、エアベントは、フィルターを含む。
【0030】
デバイスのいくつかの実施形態において、デバイスは、キャップの中に圧力リリーフバルブを含む。
【0031】
デバイスのいくつかの実施形態において、複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、中央チューブ状部材がキャップを通過する方向に対して垂直の方向に、中央チューブ状部材から離れるように延在している。
【0032】
デバイスのいくつかの実施形態において、複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、中央チューブ状部材がキャップを通過する方向に対して0度から90度の間の角度にある方向に、中央チューブ状部材から離れるように、および、キャップから離れるように延在している。
【0033】
デバイスのいくつかの実施形態において、複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、中央チューブ状部材がキャップを通過する方向に対して30度から60度の間の角度にある方向に、中央チューブ状部材から離れるように、および、キャップから離れるように延在している。
【0034】
デバイスのいくつかの実施形態において、複数の分岐部は、中央チューブ状部材の近位端部の周りに等しく間隔を置いて配置されている。
【0035】
デバイスのいくつかの実施形態において、複数の分岐部は、中央チューブ状部材の近位端部の周りに等しく間隔を置いて配置されていない。
【0036】
デバイスのいくつかの実施形態において、流体は、圧縮空気を含む。
【0037】
デバイスのいくつかの実施形態において、デバイスは、20%以下のコンテナの中の相対湿度を実現するように構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態において、湿度制御システムが提供され、システムは、コンテナと;湿度制御デバイスと;を含み、湿度制御デバイスは、コンテナに取り付けるように構成されているキャップと;中央チューブ状部材であって、中央チューブ状部材は、キャップを通過し、中央チューブ状部材の第1の部分、および、中央チューブ状部材の第2の部分を形成しており、第1の部分は、コンテナの中にあり、キャップから離れるように延在する近位端部を含み、第2の部分は、コンテナの外側にあり、流体を受け入れるように構成されている入口部を含む、中央チューブ状部材と;中央チューブ状部材の第1の部分の近位端部から延在する複数の分岐部であって、それぞれの分岐部は、中央チューブ状部材にある遠位端部、および、中央チューブ状部材から離れるように延在する近位端部を含み、それぞれの分岐部の近位端部は、コンテナの内部スペースに流体を送達するための出口部を含む、複数の分岐部と;を含み、また、湿度制御システムは、流体供給部であって、流体供給部は、湿度制御デバイスの中央チューブ状部材の第2の部分に流体的に接続されており、湿度制御デバイスに流体を送達するように構成されている、流体供給部を含む。
【0039】
システムのいくつかの実施形態において、システムは、コンテナを退出する流体の湿度を測定するように構成されている湿度計を含む。
【0040】
システムのいくつかの実施形態において、システムは、コントローラーを含み、コントローラーは、湿度計から受信される湿度測定値に基づいて、流体供給部から湿度制御デバイスへ流れる流体を制御するように構成されている。
【0041】
システムのいくつかの実施形態において、システムは、調節メカニズムを含み、調節メカニズムは、中央チューブ状部材の第1の部分および第2の部分の長さを調節するために、中央チューブ状部材がキャップを通ってスライドすることを可能にするように構成されており、調節メカニズムは、所望の位置が実現されると、中央チューブ状部材を適切な場所にロックするように構成されている。
【0042】
システムのいくつかの実施形態において、複数の分岐部は、4つの、5つの、または6つの分岐部を含む。
【0043】
システムのいくつかの実施形態において、それぞれの出口部は、1つ以上のノズルを含む。
【0044】
システムのいくつかの実施形態において、システムは、キャップの中にエアベントを含む。
【0045】
システムのいくつかの実施形態において、エアベントは、フィルターを含む。
【0046】
システムのいくつかの実施形態において、システムは、キャップの中に圧力リリーフバルブを含む。
【0047】
システムのいくつかの実施形態において、複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、中央チューブ状部材がキャップを通過する方向に対して垂直の方向に、中央チューブ状部材から離れるように延在している。
【0048】
システムのいくつかの実施形態において、複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、中央チューブ状部材がキャップを通過する方向に対して0度から90度の間の角度にある方向に、中央チューブ状部材から離れるように、および、キャップから離れるように延在している。
【0049】
システムのいくつかの実施形態において、複数の分岐部のそれぞれの分岐部は、中央チューブ状部材がキャップを通過する方向に対して30度から60度の間の角度にある方向に、中央チューブ状部材から離れるように、および、キャップから離れるように延在している。
【0050】
システムのいくつかの実施形態において、複数の分岐部は、中央チューブ状部材の近位端部の周りに等しく間隔を置いて配置されている。
【0051】
システムのいくつかの実施形態において、複数の分岐部は、中央チューブ状部材の近位端部の周りに等しく間隔を置いて配置されていない。
【0052】
システムのいくつかの実施形態において、流体は、圧縮空気を含む。
【0053】
システムのいくつかの実施形態において、デバイスは、20%以下のコンテナの中の相対湿度を実現するように構成されている。
【0054】
いくつかの実施形態において、コンテナの湿度を制御する方法が提供され、その方法は、流体供給部から流体を受け入れるステップと;湿度制御デバイスに流体を通過させるステップであって、湿度制御デバイスは、湿度制御デバイスがコンテナの壁部を通過するようにコンテナに取り付けられており、湿度制御デバイスは、流体供給部に流体的に接続されている、ステップと;コンテナの中に20%相対湿度以下の湿度を実現するように、コンテナの内部スペースの中へ流体を拡散させるステップと;を含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、実施形態のいずれかに関して上記に議論されている特徴、特質、またはエレメントのうちの任意の1つ以上は、上記に述べられているかまたは本明細書の他のどこかで説明されている他の実施形態のいずれかの中へ組み込まれることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】いくつかの実施形態による、コンテナに取り付けられている湿度制御デバイスを示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による湿度制御デバイスを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による湿度制御デバイスのイメージを示す図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、コンテナに取り付けられている湿度制御デバイスを含む湿度制御システムのイメージを示す図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、コンテナの内部の湿度を制御する方法を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、ビン蓋に装着されている湿度制御デバイスを示す図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、ビン蓋に装着されている湿度制御デバイスを示す図である。
【
図8A】いくつかの実施形態による、中央チューブ状部材から延在する複数の分岐部の拡大図である。
【
図8B】いくつかの実施形態による、中央チューブ状部材から延在する複数の分岐部の拡大図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、複数の出口部の拡大図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、さまざまな湿度制御デバイス構成に関する吐出時間データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
製造プロセスにおいて使用するための湿度制御デバイスが、本明細書で説明されている。湿度制御デバイスは、材料を取り囲む環境の湿度を制御することによって、さまざまな材料(たとえば、マイクロ粒子、ナノ粒子などを含む材料)の流動性を改善することが可能である。また、いくつかの実施形態による湿度制御デバイスおよびシステムは、コンテナの中の材料を曝気し、材料の流動性を改善することが可能である。曝気は、粒子がそのような様式で再配置するためにおよび重力によって移動するために必要とされる空隙に起因して、粒子のフローを促進させる。
【0058】
従来の湿度制御システムは、多くの製造プロセスにおいて必要である<20%相対湿度の低い湿度レベルを実現するために、特別なエアハンドラー(それは、非常に高価である)を備えた部屋または施設を必要とした。たとえば、いくつかの化合物(たとえば、吸湿性の化合物)は、化合物の安定性および/または効力を損なうことなく、そのような低い湿度レベルにおいてのみ成功的にハンドリングされることが可能である。
【0059】
したがって、本明細書で説明されている実施形態による湿度制御デバイスおよびシステムは、最適な材料フローおよびハンドリングに必要な所望の処理条件(たとえば、湿度レベル)を実現することが可能である。これらの湿度制御デバイスおよびシステムは、その他の方法で必要とされることとなる、処理部屋または施設全体を適合させるために必要とされるよりも低いコストで、より少ない材料で、および、より少ない労働力で、そのような処理条件を実現することが可能である。
【0060】
いくつかの実施形態において、本明細書で説明されている湿度制御デバイスは、製造プロセスの間に使用されるコンテナ(たとえば、ビン、ホッパー)に取り付けるように、より具体的には、ビン/コンテナ蓋またはキャップに取り付けるように構成されることが可能である。本明細書で提供される湿度制御デバイスとともに使用するのに適切であり得るコンテナは、ブレンド、貯蔵、および/または、下流の処理への移送のために使用されるコンテナを含むことが可能である。追加的に、説明されている湿度制御デバイスおよびシステムは、従来のコンテナとともに使用されるように構成されている。空気ジェットのためのポートを含む特定のコンテナ/ビンが存在するが、これらのビンは高価であり、特注されなければならないことが多い。したがって、湿度デバイスは、特別に注文または製造される必要のない従来のコンテナとともに使用されることが可能であるので、湿度を制御して材料の流動性を改善することに関連付けられるコストが最小化される。さらに、湿度制御デバイスは、従来のコンテナとともに使用されることが可能であるので、デバイスは、多用途性および可搬性であり、それは、1つのコンテナから別のコンテナへ、および、1つの処理ラインから別の処理ラインへ、それらが容易に切り替えられることを可能にする。
【0061】
湿度制御デバイスは、処理環境の中の流体(たとえば、ガス)を拡散させることによって、材料の流動性を改善することが可能である。流体は、所定の湿度を実現および維持するために使用されることが可能である。湿度制御デバイスによって提供される材料の制御された湿度および曝気は、材料流動性を改善し、機器の目詰まりまたは誤動作の発生を最小化することが可能である。また、改善された流動性は、最終製品の含量均一性を改善することも可能である。さらに、処理環境の湿度を制御することは、たとえば、吸湿性材料などの特定の材料にとってとりわけ有用である可能性がある。吸湿性材料は、吸収または吸着を通して周囲環境から水を引き付ける。これが起こるときに、吸湿性材料の物理的特性(たとえば、体積、粘度)が変化し、それは、その流動性に悪影響を与える可能性がある。とりわけ、吸湿性材料が周囲環境から湿分を吸収または吸着するときに、吸湿性材料の凝集特性が増加し、それは、材料の流動性を減少させる。
【0062】
いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、医薬品製造プロセス、食品製造プロセス、栄養補助食品処理、および、粉末または顆粒状材料の移送を含む任意の他のプロセスにおいて使用されることが可能である。さらに、本明細書で提供される湿度制御デバイスは、ドライプロセス、ウェットプロセス、および/または、制御された雰囲気を必要とする酸素に敏感なプロセスもしくは他のプロセスにおいて使用されることが可能である。たとえば、乾燥医薬品製造プロセス(たとえば、ローラーコンパクションまたは直接ブレンド)は、いくつかの実施形態による湿度制御デバイス/システムを使用して、その他の方法で可能になるよりも高い薬物負荷を実現することが可能である。たとえば、最大で90重量%以上の薬物負荷が、いくつかの実施形態による湿度制御デバイスおよびシステムによって実現されることが可能である。
【0063】
湿度制御システムは、湿度制御デバイスに流体連通している流体供給部を含むことが可能である。流体供給部から湿度制御デバイスへの流体のフローは、流量計によって制御されることが可能である。流体は、流体供給部から湿度制御デバイスへ延在する導管を通して湿度制御デバイスに進入し、複数の出口部を通して排出される。製造プロセスのコンテナに取り付けられているときに、湿度制御デバイスの出口部は、閉鎖型コンテナの中に位置決めされている。出口部は、ノズルをそれぞれ含むことが可能であり、流体は、ノズルを通ってデバイスを退出し、処理環境(たとえば、コンテナの内部スペース)に進入する。
【0064】
湿度制御システムは、追加的に、エアベント(それは、随意的にフィルターを含むことが可能である)、圧力リリーフバルブ、および/または、調節メカニズムを含むことが可能であり、調節メカニズムは、出口部がコンテナの中へ延在する深さを調節することが可能である。
【0065】
いくつかの実施形態において、湿度制御システムの湿度制御デバイスは、1つ以上のチューブ状部材を含み、1つ以上のチューブ状部材は、湿度制御デバイスがコンテナに取り付けられているときに、コンテナの外部からコンテナの内部へ延在している。湿度制御デバイスがコンテナの上部表面に取り付けられているケースでは、1つ以上のチューブ状部材は、垂直方向に延在することが可能である。いくつかの実施形態において、デバイスがコンテナに取り付けられているときにコンテナの中に位置決めされている1つ以上のチューブ状部材の部分は、複数の分岐部を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、複数の分岐部は、中央本体部から放射状に延在している。分岐部は、1つ以上のチューブ状部材にある遠位端部と、近位端部と、をそれぞれ含む。それぞれの分岐部の近位端部には、出口部があり、流体は、出口部からデバイスを退出し、コンテナの内部に進入する。
【0066】
ここで図面を参照すると、同様のパーツは、本明細書および図面の全体を通して、同じ参照番号でそれぞれマークされている。図面の図は、必ずしも縮尺通りではなく、特定の図では、パーツは、明確化の目的のために誇張されている可能性がある。
【0067】
図1は、いくつかの実施形態による、コンテナ104に取り付けられている湿度制御デバイス102を示している。示されているように、湿度制御デバイス102は、チューブ状部材106、複数の分岐部108、および複数の出口部110を含む。
【0068】
コンテナ104は、製造プロセスの間に使用される任意の閉鎖型チャンバーであることが可能である。たとえば、コンテナ104は、ビン、ホッパー、大きな袋、ドラム、タブレットプレス、カプセル化マシン、高剪断造粒機、低剪断造粒機、collette gralなどであることが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイス102は、図に示されているように、上部の場所において、コンテナ104に取り付けるように構成されている。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイス102は、コンテナ104の側部または底部においてコンテナ104に取り付けるように構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイス102は、コンテナ104に中央で取り付けられることが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、中心場所からオフセットされてコンテナ104に取り付けられることが可能である。
【0069】
コンテナ104は、医薬化合物のための製造プロセスにおいて使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、コンテナ104は、医薬化合物のための材料を保持するように構成されている。材料は、賦形剤および/または医薬品有効成分(API)を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、材料は、マイクロ粒子、ナノ粒子などを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、材料は、開示されている湿度制御デバイスを使用することによって、その他の方法で実現され得るよりも高い薬物負荷を含むことが可能である。たとえば、材料は、10~90重量%のAPIを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、材料は、90、80、70、60、50、40、30、または20重量%以下のAPIを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、材料は、10、20、30、40、または50重量%以上のAPIを含むことが可能である。
【0070】
湿度制御デバイス102は、チューブ状部材106を含み、チューブ状部材106は、コンテナ104の外部からコンテナ104の壁部を通ってコンテナ104の内部へ延在している。いくつかの実施形態において、チューブ状部材106は、湿度制御デバイス102がコンテナ104の中へ延在する深さを調節するために、コンテナ104の中におよびコンテナ104から外にスライドするように構成されている。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイス102がコンテナ104の上部に取り付けられているときに、チューブ状部材106は、コンテナ104の中へ垂直方向に延在することが可能である。チューブ状部材106は、
図1に示されているように、真っ直ぐなシャフトを含むことが可能であり、または、チューブ状部材106は、(たとえば、
図3に示されているように)複数の真っ直ぐなセクションを形成するために、1つ以上のベンドを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、チューブ状部材106は、キャップを通過しており、キャップは、キャップの幾何学的中心においてコンテナ104に取り付けられている。いくつかの実施形態において、チューブ状部材106は、キャップの幾何学的中心ではないキャップの場所を通過している。いくつかの実施形態において、チューブ状部材106は、(湿度制御デバイス102がコンテナ104に取り付けられているときに)コンテナ104の中に1つ以上のベンドを含む。いくつかの実施形態において、チューブ状部材106は、(湿度制御デバイス102がコンテナ104に取り付けられているときに)コンテナ104の外部に1つ以上のベンドを含む。
【0071】
(湿度制御デバイス102がコンテナ104に取り付けられているときに)コンテナ104の中に位置付けされているチューブ状部材106の部分は、チューブ状部材106から放射状に延在する複数の分岐部108を含むことが可能である。それぞれの分岐部108は、(チューブ状部材106における)遠位端部、および近位端部を含む。いくつかの実施形態において、それぞれの分岐部は、チューブ状部材106がキャップを通過する方向に対して垂直の方向に、チューブ状部材106から放射状に延在している。いくつかの実施形態において、それぞれの分岐部は、それぞれの分岐部の近位端部がチューブ状部材106の進入ポイント(すなわち、チューブ状部材106がコンテナ104の壁部を通過するポイント)から離れる方を向くような角度で、チューブ状部材106から延在している。
【0072】
いくつかの実施形態において、それぞれの近位端部は、出口部110を含み、流体は、出口部110から湿度制御デバイス102を退出し、コンテナ104の内部環境に進入する。いくつかの実施形態において、それぞれの出口部110は、ノズルを含む。いくつかの実施形態において、それぞれの出口部110は、2つ以上のノズルを含む。いくつかの実施形態において、それぞれの出口部110および/または分岐部108は、デバイス102から異なる方向に流体を方向付けることができる2つ以上のノズルを含む。いくつかの実施形態において、それぞれの出口部110は、孔部を含み、流体は、孔部からデバイス102を退出することが可能である。いくつかの実施形態において、それぞれの分岐部108は、複数の孔部を含み、流体は、複数の孔部を通ってデバイス102を退出することが可能である。
【0073】
いくつかの実施形態において、湿度制御デバイス102は、分岐部を含まなくてもよい。たとえば、チューブ状部材106は、湿度制御デバイスがコンテナ104に取り付けられているときにコンテナ104の中に位置付けされているチューブ状部材106の端部において、出口部110を含むことが可能である。
【0074】
いくつかの実施形態において、湿度制御デバイス102は、2つの、3つの、4つの、5つの、6つの、7つの、8つの、9つの、または10個の分岐部108を含むことが可能である。複数の分岐部108のそれぞれの分岐部108は、複数の分岐部108がチューブ状部材106の周りに等しく間隔を置いて配置されるように、チューブ状部材106から延在することが可能である。いくつかの実施形態において、複数の分岐部108のそれぞれの分岐部108は、チューブ状部材106の周りに等しく間隔を置いて配置されなくてもよい。いくつかの実施形態において、それぞれの分岐部108は、単一の真っ直ぐな部材を含むことが可能である。単一の真っ直ぐな部材を有する分岐部108は、(チューブ状部材106がキャップを通過する方向に対して)垂直方向にまたは所定の角度でチューブ状部材106から延在する(たとえば、所定の角度でおよびチューブ状部材106から離れるように延在する)ことが可能である。いくつかの実施形態において、それぞれの分岐部108は、1つ以上のベンド、または、2つ以上の真っ直ぐな部材を含むことが可能である。たとえば、
図1は、それぞれがベンドを有する分岐部108を示している。別の言い方をすれば、
図1におけるそれぞれの分岐部108は、2つの真っ直ぐな部材を含む。いくつかの実施形態において、1つの真っ直ぐな部材は、チューブ状部材106に対して垂直方向に延在することが可能であり、1つの真っ直ぐな部材は、チューブ状部材106に対して平行に延在することが可能である。いくつかの実施形態において、1つの真っ直ぐな部材は、チューブ状部材106に対して垂直方向に延在することが可能であり、1つの真っ直ぐな部材は、チューブ状部材106がキャップを通過する方向に対して0度から90度の間の角度で延在することが可能である。いくつかの実施形態において、2つの真っ直ぐな部材は、チューブ状部材106に対して0度から90度の間の角度で延在することが可能である。いくつかの実施形態において、1つの真っ直ぐな部材は、チューブ状部材106がキャップを通過する方向に対して平行に延在することが可能である。いくつかの実施形態において、分岐部108の1つ以上の真っ直ぐな部材は、チューブ状部材106に対して30度から60度の間の角度でチューブ状部材106から離れるように延在することが可能である。具体的には、分岐部108の1つ以上の真っ直ぐな部材は、チューブ状部材106がコンテナ104の壁部を通過する方向に対して所定の角度でチューブ状部材106から離れるように延在することが可能である。分岐部108の構成は、効率的な湿度制御メカニズムを実現するために重要である可能性があり、材料のタイプおよび粒子サイズ、コンテナのサイズおよび形状、ならびに/または、チューブ状部材106がピンの中へ延在する深さに依存する可能性がある。
【0075】
いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、チューブ状部材106から延在する分岐部を含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、複数のチューブ状部材のそれぞれから延在する複数の分岐部を備えているかまたは備えていない、複数のチューブ状部材を含むことが可能である。
【0076】
たとえば、いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、たとえば、
図6および/または
図7に描かれているものなどのビン蓋またはキャップを通過する1つ以上のチューブ状部材を含むことが可能である。たとえば、中央本体部から(たとえば、放射状に)延在する複数の分岐部を含む
図1の中央チューブ状部材106の代わりに、湿度制御デバイスは、たとえば、複数の延在する分岐部を備えない中央チューブ状部材などのビン蓋またはキャップを通過する単一のチューブ状部材を含むことが可能である。この実施形態では、ビン蓋またはキャップの表面の下方にあるチューブ状部材の部分の中にあるか、または、蓋/キャップがビンに取り付けられているときにビンの中にある。いくつかの実施形態において、中央本体部から(たとえば、放射状に)延在する複数の分岐部を含む
図1の中央チューブ状部材の代わりに、湿度制御デバイスは、ビン蓋またはキャップを通過する複数のチューブ状部材を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、複数のチューブ状部材は、単一のチューブがビン蓋に対して中央に位置付けされないように、ビン蓋/キャップを通過することが可能である。いくつかの実施形態において、チューブ状部材は、ビン蓋に対して対称的に位置決めされることが可能である。いくつかの実施形態において、複数のチューブ状部材の1つ以上のチューブ状部材は、チューブの底部部分から(たとえば、放射状に)延在する複数の分岐部を有することが可能である。いくつかの実施形態において、チューブ状部材は、延在する分岐部を含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、ノズルまたは孔部は、ビン蓋またはキャップの表面の下方にあるチューブ状部材の部分の中にあるか、または、蓋/キャップがビンに取り付けられているときにビンの中にある。いくつかの実施形態において、湿度デバイスは、2~10個の、2~8つの、2~6つの、または3~5つのチューブ状部材を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、10個、9つ、8つ、7つ、6つ、5つ、4つ、または3つ以下のチューブ状部材を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つ以上のチューブ状部材を含むことが可能である。
【0077】
図2は、いくつかの実施形態による湿度制御システム200を示している。示されているように、湿度制御システム200は、湿度制御デバイス202を含み、湿度制御デバイス202は、チューブ状部材206、キャップ207、複数の分岐部208、出口部210、圧力リリーフバルブ222、エアベント224、フィルター226、および調節メカニズム220を含む。また、湿度制御システム200は、流体供給部212、流量計216、導管214、およびカップリングメカニズム218を含む。
【0078】
湿度制御デバイス202は、
図1の湿度制御デバイス102に関して上記に説明されている任意の特徴を含むことが可能である。湿度制御デバイス202は、キャップ207を通過するチューブ状部材206を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、キャップ207は、湿度制御デバイスが取り付けられるコンテナのための蓋としての役割を果たすことが可能である。コンテナに取り付けられているときに、チューブ状部材206は、コンテナの壁部の開口部を通過し、チューブ状部材206の内部部分(すなわち、206b)およびチューブ状部材206の外部部分(すなわち、206a)を形成する。いくつかの実施形態において、チューブ状部材206は、単一の真っ直ぐなシャフトを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、チューブ状部材206は、1つ以上のベンドを含み、複数の真っ直ぐなセクションを形成している。いくつかの実施形態において、チューブ状部材206は、キャップ207の幾何学的中心においてキャップ207を通過することが可能である。いくつかの実施形態において、チューブ状部材206は、キャップ207の幾何学的中心からオフセットされている場所において、キャップ207を通過している。
【0079】
内部部分206bの長さおよび外部部分206aの長さは、調節メカニズム220を使用して調節されることが可能である。たとえば、チューブ状部材206がコンテナの中へ延在する深さは、特定の製造プロセス、材料のタイプ、材料の量、出口部210が材料の中に浸漬されているか、またはコンテナの中の材料の上方に位置決めされているかなどに依存する可能性がある。いくつかの実施形態において、調節メカニズム220は、ナット、クランプなどを含むことが可能である。
【0080】
チューブ状部材206の内部部分206bは、キャップ207(チューブ状部材206がコンテナの壁部を通過する場所)に位置付けされている遠位端部と、進入ポイントから最も遠く(すなわち、チューブ状部材206がコンテナに進入するポイント)に位置付けされている近位部分と、を含む。いくつかの実施形態において、複数の分岐部208は、近位端部の近くの場所から延在している。それぞれの分岐部は、チューブ状部材206における遠位端部と、近位端部と、を含む。それぞれの分岐部208のそれぞれの近位端部には、出口部があり、出口部から、流体は、湿度制御デバイス202から、デバイスが取り付けられているコンテナの内部スペースへ通る。いくつかの実施形態において、複数の分岐部208のすべての分岐部208は、同じサイズおよび形状のものである。いくつかの実施形態において、複数の分岐部208は、2つ以上の異なるサイズおよび/または形状を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、チューブ状部材206の内部部分206bの近位端部も、出口部を含む。たとえば、
図2に示されているように、出口部は、内部部分206bの最も近位の端部と、内部部分206bの近位端部の近くの場所から延在するそれぞれの分岐部208の近位端部との両方において位置付けされている。
【0081】
分岐部208は、異なる形態をとることが可能である。いくつかの実施形態において、分岐部208は、単一の真っ直ぐなセクションを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、分岐部208は、2つ以上の真っ直ぐなセクションを含む(たとえば、1つ以上のベンドを有する)ことが可能である。たとえば、
図2に示されているように、4つの分岐部208のそれぞれは、単一のベンド、または2つの真っ直ぐなセクションを含む。いくつかの実施形態において、分岐部208の1つの真っ直ぐなセクションは、チューブ状部材206がキャップ207を通って延在する方向に対して垂直に延在することが可能である。いくつかの実施形態において、分岐部208の2つ以上の真っ直ぐなセクションは、チューブ状部材206がキャップ207を通って延在する方向に対して、0度から90度の間の角度で、または、30度から60度の間の角度で延在することが可能である。いくつかの実施形態において、1つ以上の真っ直ぐなセクションは、キャップ207から離れる方向に延在している。それぞれの出口部は、ノズルまたはスプレーヘッドを含むことが可能である。
【0082】
また、湿度制御デバイス202は、圧力リリーフバルブ222、エアベント224、およびフィルター226を含む。圧力リリーフバルブ222は、閉鎖型コンテナの中の圧力上昇を解放するように構成されている。エアベント224は、閉鎖型コンテナから空気を外に出すように構成されている。フィルター226は、フィルターソックスを含むことが可能であり、エアベント224とともに働くことが可能である。フィルター226は、材料が閉鎖型コンテナの中に留まるように、材料(たとえば、マイクロ粒子、ナノ粒子)を濾過しながら、空気を通過させる(および、閉鎖型コンテナから外に出す)ことが可能である。いくつかの実施形態において、圧力リリーフバルブ222およびエアベント224は、両方ともキャップ207の上の場所に位置付けされている。圧力リリーフバルブ222は、たとえば、フィルター226が材料によって目詰まりした場合に、安全メカニズムとして作用することが可能である。これが起こる場合には、圧力リリーフバルブ222は開き、コンテナの中の任意の圧力上昇を取り除くように構成されている。コンテナの中の湿度は、湿度計を使用して、エアベント224を通ってシステムを退出する空気の湿度を測定することによってモニタリングされることが可能である。
【0083】
コンテナの中の湿度を制御するために、湿度制御システム200は、流体供給部212を含むことが可能である。具体的には、湿度制御デバイス202は、流体供給部212に流体的に連結されることが可能である。たとえば、流体供給部212は、圧縮空気を提供することが可能である。他の適切なガスまたは流体は、窒素、アルゴン、または任意の他の不活性ガスを含むことが可能である。流体供給部212は、導管214を経由して湿度制御デバイス202に流体的に連結されることが可能である。導管214は、カップリングメカニズム218において湿度制御デバイス202のチューブ状部材206に連結することが可能である。いくつかの実施形態において、カップリングメカニズム218は、クイックコネクトカップリングであることが可能である。
【0084】
流量計216は、流体供給部212から湿度制御デバイス202への流体のフローを制御するために使用されることが可能である。流量計216は、流体供給部212から導管214を通って湿度制御デバイス202へ通る流体のフローを測定および制御するように構成されることが可能である。たとえば、流量計216は、1~20標準立方フィート/分から湿度制御デバイスに流れる流体の圧力を制御することができる可能性がある。
【0085】
いくつかの実施形態において、湿度制御システム200は、コントローラーを含む。コントローラーは、所定の湿度レベルが実現および維持されるように、コンテナ204に供給される流体を制御するように設計されることが可能である。いくつかの実施形態において、コントローラーは、たとえば、所望のまたは所定の湿度レベルなどのユーザーからの入力を受け取るように構成されている。この入力に基づいて、コントローラーは、導管214を介して湿度制御デバイス202に送達される流体供給部212からの流体のフローを制御するように構成されている。上記に説明されているように、湿度計は、エアベント224を介してコンテナ204を退出する空気の湿度を測定することが可能である。この測定値は、コントローラーに送信されることが可能であり、コントローラーは、それにしたがって(たとえば、流量計216を経由する)流体のフローを調節することが可能である。いくつかの実施形態において、コントローラーは、連続的に湿度をモニタリングし、それにしたがって、流入する流体フローを制御するように構成されている。
【0086】
いくつかの実施形態において、湿度制御システム200は、手動で動作される。
【0087】
いくつかの実施形態において、単一の湿度制御デバイス/システムが、複数の異なるコンテナサイズとともに使用されることが可能である。したがって、湿度制御デバイスおよびシステムは、多用途性および可搬性であることが可能である。その理由は、それらが、さまざまな異なるコンテナで、処理ラインで、異なる材料などとともに使用されることが可能であるからである。
【0088】
湿度制御デバイスは、容易にクリーニングされ、多用途性(たとえば、異なるビンにおいておよび/または異なる材料とともに使用すること)を可能にし、交差汚染を最小化することが可能である。追加的に、デバイスは、たとえば、目に見えるネジ山および衛生的なフランジなどの徹底的なクリーニングを可能にする特徴を含むことが可能である。それは、たとえば、ステンレス鋼および/またはアルミニウムなどの衛生的な材料から作製されることが可能である。
【0089】
また、湿度制御デバイスは、さまざまなコンテナサイズに対処するために異なるサイズであることが可能である。たとえば、1つのサイズは、10Lおよび15Lのビンにフィットするようにカスタム設計されている。別のサイズは、50Lおよび100Lのビンとともに使用されることが可能であり、別のサイズは、200L、300L、400L、および600Lのビンとともに使用するのに適切である可能性がある。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、1400L以上までのコンテナに対処するように構成されることが可能である。
【0090】
図3は、いくつかの実施形態による湿度制御デバイス300のイメージを示している。示されているように、
図3の湿度制御デバイスのチューブ状部材は、キャップの下方に少なくとも2つのベンドを含み、幾何学的中心からオフセットされているキャップの場所を通過している。
図4は、いくつかの実施形態による、コンテナに取り付けられている湿度制御デバイスを含む湿度制御システム400のイメージを示している。
【0091】
湿度制御デバイスを使用して湿度を制御する方法
湿度制御デバイスおよび湿度制御システムは、閉鎖スペースの湿度を制御し、コンテナの中の材料を曝気し、材料の流動性を改善するために使用されることが可能である。たとえば、本明細書で提供されるデバイスおよびシステムは、製造プロセスにおいて使用されるコンテナ(たとえば、ビン、ホッパー、大きな袋)の湿度を制御するために使用されることが可能である。いくつかの実施形態において、デバイスおよびシステムは、医薬品製造プロセスにおいて使用されるコンテナの湿度を制御するために使用されることが可能である。湿度を制御することは、プロセスにおける材料の流動性を改善することが可能であり、それは、処理上の課題(たとえば、目詰まり、誤動作)を最小化し、製品品質を改善することが可能である。
【0092】
閉鎖スペースの湿度を制御するために、および、閉鎖スペースの中の材料の流動性を改善するために、湿度デバイスは、コンテナに取り付けられる。コンテナに取り付けられているときに、流体入口部は、コンテナの外部に位置付けされており、流体出口部は、コンテナの内部に位置付けされている。湿度制御デバイスは、コンテナと気密シールを形成することが可能である。流体は、流体供給部から湿度制御デバイスに進入し、流体供給部は、湿度制御デバイスの流体入口部に流体的に接続されている。流体は、湿度制御デバイスを通過し、湿度制御デバイスの流体出口部を通って排出される。したがって、湿度制御デバイスは、閉鎖スペース(すなわち、コンテナ)の中へ流体を拡散させ、材料(たとえば、マイクロ粒子、ナノ粒子を含む)を曝気する。また、湿度制御デバイスは、必要に応じて湿度を制御することが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、閉鎖スペースの湿度を1~75%、5~50%、5~30%、5~20%、または5~10%に制御することが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、閉鎖スペースの湿度を75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%以下に制御することが可能である。いくつかの実施形態において、湿度制御デバイスは、湿度を1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%以上に制御することが可能である。従来の湿度制御方法は、処理施設を修正または改造することを必要とする。しかし、本明細書で説明されている湿度制御デバイスは、処理施設を修正する必要なしに、単一のコンテナの湿度を制御するために使用されることが可能である。これは、大幅な時間および費用を節約することが可能である。
【0093】
図5は、いくつかの実施形態による、湿度を制御し、したがって、コンテナの中の材料の流動性を改善する方法500を示している。
【0094】
ステップ502において、流体が、流体供給部(たとえば、
図2の流体供給部212)から受け取られる。ステップ504において、流体が、湿度制御デバイス(たとえば、
図1の湿度制御デバイス102、
図2の湿度制御デバイス202)を通過させられる。湿度制御デバイスは、湿度制御デバイスがコンテナの壁部を通過するようにコンテナに取り付けられており、流体供給部に流体的に接続されている。ステップ506において、流体が、湿度制御デバイスからコンテナの内部スペースの中へ拡散される。これは、20%以下のコンテナの中の相対湿度を実現することが可能である。
【0095】
(実施例)
本開示は、以下の非限定的な例によってさらに図示されている。
【0096】
(実施例1)
湿度制御デバイスおよびシステムの1つの例は、
図2に示されている構成にあることが可能である。下記に説明されているように、この構成は、異なるサイズのコンテナとともに使用するための3つの異なるサイズの湿度制御デバイスを開発するために使用された。
【0097】
チューブ状部材206は、1/4インチステンレス鋼パイプである。分岐部108も、1/4インチステンレス鋼パイプから作製されている。4つの分岐部は、
図2に示されているように、「X字」または「T字」パターンで構成されていた。上部において、カップリングメカニズム218は、空気入口部を受け入れるためのクイックコネクトカップリングである。調節メカニズム220は、ロックナットである。エアベント224は、2インチのフェルールであり、フィルター226は、1ミクロンのフィルターソックスである。キャップ207は、コンテナ蓋の上にフィットすることができるトリクローバー(tri-clover)キャップである。出口部210は、フルコーンスプレーノズルであり、流体供給部212によって供給される流体は、圧縮空気である。
【0098】
3つの異なるサイズの湿度制御デバイスのそれぞれに関するそれぞれの寸法は、以下の通りである。それぞれは、ビン蓋の上にフィットする8”トライクローバーキャップから構成されている。「X字」パターンの空気ノズルは、おおよそ180mm離れており、下向きに45°に角度を付けられている。第5のノズルは、真下を向いている。調節可能なパイプおよび空気ノズルの合計高さは、10Lおよび15Lのビンに関しておおよそ150mmであり、50Lおよび100Lのビンに関して300mmであり、200Lおよび300Lのビンに関して600mmである。
【0099】
(実施例2)
湿度制御デバイスの4つの異なる構成が、タルクによってテストされ、タルクの吐出時間に対するそれぞれの構成の効果を決定した。具体的には、吐出時間は、タルクがビンを退出するための時間の合計量を測定する。それぞれの試験は、同じサイズビンおよび同じ量のタルク(ビンはタルクで80%満たされている)を含んでいた。コントロール(湿度デバイスなし)に加えて、テストされた4つの構成は、1つのチューブ状部材と、4つのチューブ状部材と、タルク製品の上方に複数の分岐部を含む(すなわち、アントラー設計(antler design))チューブ状部材と、タルク製品の中に複数の分岐部を含む(すなわち、アントラー設計)チューブ状部材と、を含む。
【0100】
第1の構成である1つのチューブ状部材構成が、
図6に示されている。図に示されているように、単一のチューブ状部材636または、中央本体部は、ビン蓋またはキャップ607を通過させられている。蓋607は、内側蓋630および外側蓋632を含む。内側蓋630は、5つの圧縮フィッティング634を含み、外側蓋632は、4つの圧縮フィッティング634を含む。それぞれの圧縮フィッティング634は、チューブ状部材を挿入するために使用されることが可能であり、または、キャップを外されることが可能である。チューブ状部材/中央本体部636は、チューブ状部材の下側部分(すなわち、ビンの中へ挿入される部分)に複数の孔部を含む。
【0101】
第2の構成である4つのチューブ状部材構成が、
図7に示されている。図に示されているように、4つのチューブ状部材736が、内側蓋732を通過させられている。(蓋707は、蓋607のように、内側蓋732および外側蓋734を含み、そのそれぞれも、複数の圧縮フィッティング732を含む。)内側蓋730は、5つの圧縮フィッティング734を含み、外側蓋732は、4つの圧縮フィッティング734を含む。それぞれの圧縮フィッティング734は、チューブ状部材を挿入するために使用されることが可能であり、または、キャップを外されることが可能である。チューブ状部材736のそれぞれは、チューブ状部材の下側部分(すなわち、ビンの中へ挿入される部分)に複数の孔部を含む。
【0102】
第3および第4の構成の両方、すなわち、アントラー構成が、
図8Aおよび
図8Bに表されている。示されているように、このアントラー構成は、下向きの角度でチューブ状部材から延在する複数の分岐部808を含む中央チューブ状部材806を含む。分岐部808のそれぞれは、内向きの複数の孔部を含む。
【0103】
図9は、チューブ状部材636、736および/または分岐部808のそれぞれにおける孔部940の拡大図を示している。
【0104】
図10は、4つの構成およびコントロールのそれぞれの吐出時間を示している。「製品の上方のアントラーの構成」は、
図8Aおよび
図8Bに示されている分岐部808が、それらがタルクレベルの上方にあるように、ビンの中に位置決めされたということを示しており、「製品の中のアントラー」は、
図8Aおよび
図8Bに示されている分岐部808が、それらがタルクレベルの下方にある(すなわち、タルクの中へ挿入される)ように、ビンの中に位置決めされたということを示しているということに留意されたい。
【0105】
この例では、タルクが使用された。その理由は、タルクが比較的乏しいフロー特質を有するからである。
図10のグラフに示されているように、吐出時間が短いほど、湿度制御デバイス/構成の性能が良いことを示している。したがって、1つのチューブ状部材、4つのチューブ状部材、および、製品の中のアントラーの構成が、最も効果的であった。
【0106】
先述の説明は、例示的なシステム、方法、技法、およびパラメーターなどを記載している。しかし、そのような説明は、本開示の範囲に関する限定として意図されるのではなく、その代わりに、例示的な実施形態の説明として提供されているということが認識されるべきである。
【0107】
本明細書における説明は、さまざまなエレメントを説明するために、第1の、第2のなどという用語を使用するが、これらのエレメントは、その用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つのエレメントを別のエレメントから区別するために使用されているだけである。
【符号の説明】
【0108】
102 湿度制御デバイス
104 コンテナ
106 チューブ状部材
108 分岐部
110 出口部
200 湿度制御システム
202 湿度制御デバイス
206 チューブ状部材
206a チューブ状部材206の外部部分
206b チューブ状部材206の内部部分
207 キャップ
208 分岐部
210 出口部
212 流体供給部
214 導管
216 流量計
218 カップリングメカニズム
220 調節メカニズム
222 圧力リリーフバルブ
224 エアベント
226 フィルター
300 湿度制御デバイス
400 湿度制御システム
607 蓋、キャップ
630 内側蓋
632 外側蓋
634 圧縮フィッティング
636 単一のチューブ状部材
707 蓋
730 内側蓋
732 内側蓋
734 圧縮フィッティング
736 4つのチューブ状部材
806 中央チューブ状部材
808 分岐部
940 孔部
【国際調査報告】