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特表2024-524356ベースバンドデータを使用したアンテナ位相中心の決定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ベースバンドデータを使用したアンテナ位相中心の決定
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20240628BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20240628BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
G01S7/40 126
G01S13/931
G01S7/02 216
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580375
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 US2022035577
(87)【国際公開番号】W WO2023278615
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/202,958
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コナヌア,アナンド エス.
(72)【発明者】
【氏名】サルホトラ,アツール
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC06
5J070AC11
5J070AD05
5J070AD08
5J070AF03
(57)【要約】
本開示の1つまたは複数の態様は、センサ構成要素の構成および管理に関する。より具体的には、本出願の1つまたは複数の態様は、車両に搭載されたレーダセンサの動作パラメータの管理に関する。レーダセンサは、例示的に、フェーズドアレイを提供する多入力、多出力ベースのレーダ構成要素で構成される。制御構成要素は、アンテナアレイの測定された複素応答を取得して処理し、処理結果を利用して位相中心を決定し、レーダセンサ構成要素の動作を最適化する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダセンサアンテナの位相中心を決定する方法であって、
トランシーバポートの組み合わせについての複素ベースバンド応答のうちの少なくとも1つを取得するステップと、
ベクトル場として角度の関数として前記少なくとも1つの複素ベースバンド応答を特徴付けるステップと、
複数のオフセットについて、オフセットの関数としてラプラシアン演算の積分の計算に基づいて角運動量値のセットを生成するステップと、
角度カットにわたる前記ラプラシアン演算子の最小積分で前記オフセットを決定するステップと、
前記最小積分を有する前記オフセットをアンテナの位相中心として識別するステップと、を含み、
前記アンテナが多入力多出力アレイである、方法。
【請求項2】
前記トランシーバポートの組み合わせが、トランシーバTx-Rxの組み合わせを含む、請求項1に記載のレーダセンサアンテナの位相中心を決定する方法。
【請求項3】
前記アンテナの前記位相中心が、前記多入力多出力アンテナの仮想位相中心を含む、請求項1に記載のレーダセンサアンテナの位相中心を決定する方法。
【請求項4】
角度カットにわたる前記ラプラシアン演算子の最小積分で前記オフセットを決定するステップが、粒子群最適化の利用を含む、請求項1に記載のレーダセンサアンテナの位相中心を決定する方法。
【請求項5】
レーダセンサ構成処理システムであって、
応答を受信するように構成されたアンテナと、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
複素ベースバンド応答のうちの少なくとも1つを取得し、
前記少なくとも1つの複素ベースバンド応答をベクトル場として特徴付け、
ラプラシアン演算子の積分をオフセットの関数として計算し、
前記ラプラシアン演算子の最小積分で前記オフセットを決定し、
前記最小積分を有する前記オフセットを前記アンテナの位相中心として識別するように構成されている、レーダセンサ構成処理システム。
【請求項6】
前記オフセットが、前記位相中心と物理的中心との間の前記オフセットに対応する、請求項5に記載のレーダセンサ構成処理システム。
【請求項7】
前記応答が、前記複素ベースバンド応答である、請求項5に記載のレーダセンサ構成処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサが、オフセットのセットに対する前記オフセットの関数として前記ラプラシアン演算子の積分を計算するようにさらに構成されている、請求項5に記載のレーダセンサ構成処理システム。
【請求項9】
前記ラプラシアン演算子の最小積分を有するオフセットを決定することが、粒子群最適化の利用を含む、請求項5に記載のレーダセンサ構成処理システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの複素ベースバンド応答の各々が、トランシーバポートTx-Rxの組み合わせに対応する、請求項5に記載のレーダセンサ構成処理システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの複素ベースバンド応答の各々が、各周波数および角度走査における前記トランシーバポートTx-Rxの組み合わせに対応する、請求項10に記載のレーダセンサ構成処理システム。
【請求項12】
前記アンテナが、多入力多出力アンテナを備える、請求項5に記載のレーダセンサ構成処理システム。
【請求項13】
前記アンテナの前記位相中心が、前記多入力多出力アンテナの仮想アレイの前記位相中心を含む、請求項12に記載のレーダセンサ構成処理システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの複素ベースバンド応答をベクトル場として特徴付けることが、前記ベクトル場としての角度の関数としてのアンテナアレイの前記少なくとも1つのベースバンド応答を特徴付けることを含む、請求項5に記載のレーダセンサ構成処理システム。
【請求項15】
車両ベースのレーダ構成システムであって、
多入力多出力アンテナを備える車両であって、前記多入力多出力アンテナが、波形発生器のアレイのうちの少なくとも1つと、デジタル受信機のアレイのうちの少なくとも1つとを備える、車両と、
プロセッサを備える制御構成要素であって、前記プロセッサが、複素ベースバンド応答のうちの少なくとも1つを取得し、受信した複素ベースバンド応答に基づいて、前記多入力多出力アンテナの位相中心を決定するように構成されている、制御構成要素と、を備える、レーダ構成システム。
【請求項16】
前記位相中心が、物理的中心からのオフセットとして決定される、請求項15に記載の車両ベースのレーダ構成システム。
【請求項17】
前記制御構成要素が、前記複素ベースバンド応答に基づいて、前記多入力多出力アンテナの前記位相中心を、
仮想オフセットの関数としてラプラシアン演算子の積分を計算することと、
前記ラプラシアン演算子の最小積分を用いて前記仮想オフセットを決定することと、
前記ラプラシアン演算子の前記最小積分を前記多入力多出力アンテナの位相中心とする前記仮想オフセットを識別することと、によって決定する、請求項15に記載の車両ベースのレーダ構成システム。
【請求項18】
前記複素ベースバンド応答に基づく前記多入力多出力アンテナの前記位相中心の決定が、仮想オフセットの関数としてラプラシアン演算子の積分を計算する前に、前記少なくとも1つの複素ベースバンド応答をベクトル場として特徴付けることをさらに含む、請求項17に記載の車両ベースのレーダ構成システム。
【請求項19】
前記多入力多出力アンテナの前記位相中心が、前記多入力多出力アンテナの仮想位相中心を含む、請求項15に記載の車両ベースのレーダ構成システム。
【請求項20】
前記多入力多出力アンテナの前記位相中心の決定が、仮想オフセットのセットの計算された角運動量にさらに基づく、請求項15に記載の車両ベースのレーダ構成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
・関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月1日に出願された「DETERMINING ANTENNA PHASE CENTER USING BASEBAND DATA」と題する米国仮出願第63/202958号の優先権を主張する。米国仮出願第63/202958号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
一般的に説明すると、電気自動車、燃焼機関車、ハイブリッド車などの様々な車両は、動作を容易にするために様々なセンサおよび構成要素で構成することができる。例えば、車両は、自律的または半自律的に動作するように構成することができ、ユーザ入力は、移動中に任意選択であり、低減され、または強調されない。そのような用途では、レーダ検出システムなどの様々なセンサ/構成要素によって捕捉された車両の動きおよび周囲の運転環境に関する情報を使用して、車両の動作を支援し得る。典型的には、レーダ構成要素などのセンサ構成要素によって提供される利益は、較正される制御機構およびセンサ構成要素に直接依存し得る。
【0003】
レーダアンテナなどのアンテナ構成要素に関して、アンテナ位相中心の決定に基づいて、アンテナ構成要素の性能を最適化または改善することができる。一般的に説明すると、アンテナ位相中心は、信号が収集される点であると定義される。アンテナの平均位相中心と幾何学的中心との間のオフセットは、数ミリメートルから数センチメートルの範囲であり得る。今日の物理アンテナ位相中心は、アンテナを残りの無線周波数(RF)およびベースバンドシステムから分離し、アンテナを電波暗室に置き、次いで、3D角度の関数としてのアンテナの位相応答を含むアンテナパターン(複雑なアンテナパターン)の精密走査を実行することによって、入念に決定される。その後、アンテナ応答は、位相中心を決定するために後処理される。
【0004】
他の場合では、アンテナは、その位相応答が回転に反応しなくなるまで、測定ドメイン内で繰り返し移動される。この場合、位相中心は、測定を繰り返した後に試行錯誤によって決定することができる。これらの方法のいずれも、完全に機能するシステムでは使用できない。アンテナをシステムから分離する行為は、ある意味で、測定の完全性を乱し、他の場合には、方法を非実用的にするだけである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】位相中心推定システムの一実施形態のブロック図である。
【0006】
図2A】制御構成要素およびレーダ構成要素を含む車両の様々な構成要素を論理的に表すブロック図である。
【0007】
図2B】位相中心推定システムの一実施形態のブロック図である。
【0008】
図3】分析方法を実行するための処理構成要素/サービスの例示的な構成要素のブロック図である。
【0009】
図4】レーダセンサ構成処理のための方法を示す。
【0010】
図5】最小化されたベクトル応答を示す。
【0011】
図6A】位相中心オフセットの前後のアンテナアレイ応答の1次元角度測定の一実施形態を示す。
【0012】
図6B】位相中心オフセットの前後のアンテナアレイ応答の1次元角度測定の一実施形態を示す。
【0013】
図6C】位相中心オフセットの前後のアンテナアレイ応答の1次元角度測定の一実施形態を示す。
【0014】
図7】2次元アンテナベクトル応答および2つの最適化アルゴリズムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
一般的に説明すると、本開示の1つまたは複数の態様は、センサ構成要素の構成および管理に関する。より具体的には、本出願の1つまたは複数の態様は、車両に搭載されたレーダセンサの動作パラメータの管理に関する。レーダセンサは、例示的に、フェーズドアレイを提供する多入力、多出力ベースのレーダ構成要素で構成される。制御構成要素は、アンテナアレイの測定された複素応答を取得して処理し、処理結果を利用して位相中心を決定し、レーダセンサ構成要素の動作を最適化する。
【0016】
一般的に説明すると、無線信号を発信し、反射信号が戻ってきたことを検出することによって、環境特徴への距離、角度、またはドップラー周波数シフトを能動的に推定するために、車両ベースの無線検出および測距(RADAR)システムを使用することができる。無線反射特徴までの距離は、送信と受信との間の時間遅延に従って決定することができる。車両ベースのレーダシステムは、時間変化する周波数ランプを有する信号など、経時的に周波数が変化する信号を発信し、次いで、放射信号と反射信号との間の周波数の差を距離推定値に関連付けることができる。いくつかのシステムはまた、受信した反射信号のドップラー周波数シフトに基づいて反射物体の相対運動を推定し得る。
【0017】
いくつかの例では、指向性アンテナを信号の送信または受信に使用して、各距離推定値を軸受に関連付けることができる。より一般的には、指向性アンテナを使用して、物体/情報を検出するために車両の前向き、横向き、および後ろ向きの表面などの関心のある所与の視野に放射エネルギーを集束させることもできる。測定された距離と方向情報とを組み合わせることにより、周囲の環境特徴をマッピングすることが可能になる。他の例では、無指向性アンテナを代替的に使用することができる。これらの例では、受信アンテナは、90度の視野を有し得、受信信号の到来角を決定するために位相オフセットを有する複数のチャネルを利用するように構成され得る。したがって、レーダセンサは、例えば、センサ情報によって示される障害物を回避するために自律型車両制御システムによって使用することができる。
【0018】
いくつかの例示的な自動車用レーダシステムは、76~77ギガヘルツ(GHz)の電磁波周波数範囲で動作するように構成されてもよい。これらのレーダシステムは、レーダシステム内の受信アンテナ(例えば、広角ビームを有する)が車両の環境を高精度に測定することを可能にするために、放射エネルギーを密なビームに集束し得る送信アンテナを使用し得る。
【0019】
特に消費者空間における多くの現代の電気通信規格は、単一アンテナトランシーバ(SISO)を利用する同様のシステムを超える大きな利点を提供するため、多入力多出力アンテナ(MIMO)技術を採用している。多入力多出力(MIMO)レーダは、開口全体に分散されたデジタル受信機および波形発生器を使用する高度なタイプのフェーズドアレイレーダである。MIMOレーダ信号は、マルチスタティックレーダと同様に伝搬する。
【0020】
従来のフェーズドアレイシステムでは、空間分解能を改善するために追加のアンテナおよび関連するハードウェアが必要である。MIMOレーダシステムは、複数の送信アンテナから相互に直交する信号を送信し、これらの波形は、整合フィルタのセットによって各受信アンテナから抽出することができる。例えば、MIMOレーダシステムがx個の送信アンテナおよびy個の受信アンテナ、積、またはx*yを有する場合、送信された信号の直交性のために受信機から信号を抽出することができる。すなわち、受信信号に対してデジタル信号処理を実行することによってx+yアンテナのみを使用してx*y要素仮想アンテナアレイが作成され、それにより、そのフェーズドアレイの対になるものと比較してより細かい空間分解能が取得される。
【0021】
レーダアンテナ中心を取得するための従来の方法は、完全に機能するシステムで使用することができる。アンテナをシステムから分離する行為は、ある意味で、測定の完全性を乱し、他の場合には、方法を非実用的にするだけである。例えば、レーダ受信機アレイにおける8個または10個のポートの位相中心を測定することは、(ポートの近接度および導波路フィードのサイズが大きいために)毎回供給される少数のポートを有する複数のクーポンを作成することを含む。さらに、MIMOレーダでは、実際の受信機アレイとTxアンテナアレイの位置との畳み込みによって形成される仮想アレイの位相中心に最も直接関係している。上述した従来の方法は、トランシーバチップが各送信機アンテナ素子を介して異なる符号化チャープを送信しているときにのみ形成されるため、そのような仮想アレイを測定することができない。
【0022】
本開示は、これらの位相中心を推定するために無線トランシーバ自体の出力を使用する方法を提供し、アンテナフィードポートへの物理的アクセスの必要性を排除する。このように、レーダ/GNSSなどのアンテナをin-situ(車両上)で較正するために使用することができ、製造ラインから転がり落ちるすべての車に手順を拡大する可能性がある。アンテナ位相中心または放射中心は、放射が発生しているように見える仮想点を指す。このような点は、GNSS/GPS、自動車用レーダなどの用途において重要である。GPSシステムでは、固定位置は、GNSSアンテナの位相中心の位置である。レーダ用途では、散乱信号の到来角の推定の精度は、主に、信号処理アルゴリズムによって保持されるアンテナの推定位相中心の精度によって決定される。
【0023】
例示的には、制御構成要素は、ベクトル場(測定の向きに対応する点に沿って置かれたベクトルの集合)としての角度(例えば方位角)の関数として、(周波数ドメインにおける)アンテナアレイの測定された複素応答を取得して処理する。次に、制御構成要素は、座標系の原点の仮想変換から変換された複素応答を計算する。そのような仮想原点の各々について、制御構成要素は、ベクトル場の変動を最小化する点を識別するために、アレイポートの複素応答における平坦度を決定する。そのような処理結果は、アンテナアレイの位相中心を宣言または識別することとして特徴付けることができる。
【0024】
様々な態様が例示的な実施形態および特徴の組み合わせに従って説明されるが、当業者は、例および特徴の組み合わせが本質的に例示的であり、限定として解釈されるべきではないことを理解するであろう。図1は、本出願の態様に従って形成された車両およびアナライザシステム100の様々な構成要素を論理的に表すブロック図である。図1に示すように、車両102は、車両の動作に利用するための1つまたは複数のレーダセンサ構成要素104を含む。個々のレーダセンサ構成要素は、図1に示すようにMIMOアレイで実装することができる。システムは、信号を生成し、MIMOアレイから測定された応答を取得し、MIMOアレイの動作パラメータを決定するためのネットワークアナライザ110および別のアンテナ112(例示的にはホーンアンテナ)をさらに含むことができる。例示的には、MIMOアレイ動作パラメータの処理は、レーダ構成要素104の手動調整またはMIMOアレイ114を実装する基礎となるハードウェア構成要素の物理構成要素の修正を必要としない。したがって、これは、本開示において部分的に説明されるように、より効率的な方法でMIMOアレイの動作パラメータを決定する能力をもたらし、他の決定方法のための従来の方法における欠点に対処する。以下、本出願の分析方法の詳細な構成について説明する。
【0025】
例示的な実施形態では、本出願の1つまたは複数の態様は、レーダ感知構成要素を利用し得る車両または他の装置内の車両およびアナライザシステム100の例示的な構成要素の決定に対応し得、図2Aは、レーダ構成要素104、アンテナ106およびコントローラ構成要素110を備える車両102を例示している。車両102は、1つまたは複数のレーダ感知構成要素を組み込んだ任意のタイプの車両を含み得る。さらに、コントローラ構成要素108は、レーダ感知構成要素104およびアンテナ106の動作を制御し、レーダ感知構成要素104の様々な動作パラメータを決定するための処理を実施するように構成された1つまたは複数の物理的または仮想的構成要素を含み得る。したがって、本出願の態様は、車両102、レーダ感知構成要素104またはアンテナ106の任意の特定のタイプまたは実装形態に限定されない。
【0026】
図2Bは、本出願の態様に従って形成された車両およびアナライザシステム100の様々な構成要素を論理的に表すブロック図である。図2Bは、本出願の分析方法の利用および構成を示す、図1を論理的に表す代替実施形態を表す。図1は、同軸ケーブルまたは導波路を介してアンテナにアクセスする測定のための構成を表し得る。図2は、アンテナへのアクセスがない位相中心推定をサポートするためのデータ収集の構成を表し得る。高度に統合された設計のために、アンテナにアクセスできない場合がある。図2Bは、MIMOアンテナ114によって受信された信号120の生成を示す。さらに、図2Bは、本出願の様々な態様による、MIMOアンテナ114の動作パラメータの決定を容易にするためのMIMOアレイ114による生成された出力122の受信をさらに示す。
【0027】
図3は、車両およびアナライザシステム100の機能を実行するための処理構成要素/サービスを示すブロック図である。処理構成要素は、処理ユニット302と、ネットワークインターフェース304と、コンピュータ可読媒体ドライブ306と、入出力装置インターフェースとを備える。
【0028】
ネットワークインターフェース304は、1つまたは複数のネットワークまたはコンピューティングシステムへの接続を提供し得る。したがって、処理ユニット302は、ネットワークを介して他のコンピューティングシステムまたはサービスから情報および命令を受信し得る。処理ユニット302はまた、メモリ310と通信し、入出力装置インターフェース308を介して任意選択のディスプレイのための出力情報をさらに提供し得る。いくつかの実施形態では、車両およびアナライザシステム100は、図3に示す構成要素よりも多くの(またはより少ない)構成要素を含み得る。
【0029】
メモリ310は、処理ユニット304が1つまたは複数の実施形態を実装するために実行するコンピュータプログラム命令を含み得る。メモリ310は、一般に、RAM、ROM、または他の永続的もしくは非一時的メモリを含む。メモリ310は、顧客コンピューティング装置102の一般的な管理および動作において処理ユニット302によって使用されるコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム314を格納し得る。メモリ310は、本開示の態様を実装するためのコンピュータプログラム命令および他の情報をさらに含み得る。例えば、一実施形態において、メモリ310は、発見されたSAML対応サービスおよび処理のリストを、顧客からの1つまたは複数のサービスを選択することによって受信するためのインターフェースソフトウェア312を含む。
【0030】
さらに、メモリ310は、ベースバンド処理構成要素314と、仮想オフセットのセット316と、位相中心決定構成要素318とを含む。
【0031】
ここで図4を参照すると、例示的なレーダセンサ構成処理のためのルーチン400が説明される。ルーチン400は、図2Bに示すように、処理構成要素/サービスによって実装される例示的なものである。ブロック402において、処理構成要素は、各トランシーバポートTx-Rxの組み合わせの複素ベースバンド応答を取得する。例示的には、複素ベースバンド応答は、各周波数および角度走査について取得される。例示的には、処理構成要素は、複素ベースバンド応答を取得するために、車両のレーダ感知構成要素およびアンテナに近接して配置され得る。ブロック404において、処理構成要素は、ベクトル場としての複素応答を見る。
【0032】
ブロック406において、処理構成要素は、オフセットとして定義することができる、レーダ感知構成要素の原点または中心の仮想的な変化を仮定する。これにより、各相対的な目標原点/中心から複素応答まで測定された複数のE^(j*追加の経路遅延)の確立が可能になる。ブロック408において、処理構成要素は、ベクトル場全体にわたるラプラシアン演算子の積分をオフセットの関数として計算する。
【0033】
式(1)は、ラプラシアン関数を以下のように記述する。
ラプラシアン(F(Θi,φj))=0.25*(F(Θi+1,φj)+F(Θi,φj+1)+F(Θi-1,φj)+F(Θi,φj-1))-F(Θi,φj
【0034】
一般に、円または球上に記述されるベクトル場のラプラシアンの物理的意味を説明する。アンテナ応答ベクトル場のラプラシアンを最小化することは、ベクトル場の角度の変化に対して不変(または最小変化)の応答をもたらすアンテナの位置の固定オフセットを見つけることと等価である。図5は、結果として得られる最小化されたベクトル応答500を示す。図5に示すように、すべての点502について、処理構成要素は、隣接する点を見て、平均測定距離をとる。処理結果は、すべての点にわたる合計の最小値に対応する。
【0035】
ブロック410において、処理構成要素はさらなる処理を実行する。例示的には、さらなる処理は、角度カット全体にわたってラプラシアンの最小積分を有するオフセットを決定するための粒子群最適化または他の探索アルゴリズムの利用を含む。例示的には、結果として得られる決定されたオフセットは、単一の平面によるものであっても、球の一部にわたるものであってもよい。
【0036】
ブロック412において、処理構成要素は、上記の基準を用いてオフセットをアンテナの位相中心(物理的な回転中心からのオフセット)として識別する。図6A図6Cは、アンテナアレイの3つの例示的なポートについて、位相中心オフセット602、612、622の前および結果として生じる位相中心オフセット604、614、624の後のアンテナアレイ応答の1次元角度測定を示す。図6A図6Cに示すように、アンテナ位置を適切にオフセットすることにより、多くの「ターン」(例えば、原点に対する高いインデックス番号)を有するベクトル場応答が、(すなわち、新しい原点に対する0インデックス)「ほぼ平行」ベクトル応答を有するものに低減される。ブロック412によれば、処理構成要素は、新しい原点を、アレイのこの特定の要素(ポート)の位相中心であると識別する。
【0037】
図7は、オフセット変換がアンテナのベクトル場応答に適用される場合の、最小化されたラプラシアンを有する均一ベクトル場702を示す2次元アンテナベクトル応答の例を説明する。例示的には、この例では、処理構成要素は、ラプラシアンの最小積分を提供する点を探索するために2つの標準的な数値最適化アルゴリズム、すなわち粒子群最適化(PSO)704および模擬アニーリング(SA)706を利用する。しかしながら、当業者は、任意の標準的な数値最適化アルゴリズムを適切なパラメータと共に使用することができるなど、追加のまたは代替のアルゴリズムを使用することができることを理解するであろう。
【0038】
前述の開示は、本開示を開示された正確な形態または特定の使用分野に限定することを意図していない。したがって、本明細書に明示的に記載されているか暗示されているかにかかわらず、本開示に対する様々な代替の実施形態および/または修正が本開示に照らして可能であると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく形態および詳細に変更を行い得ることを認識するであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0039】
前述の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正または実装することができる。したがって、この説明は例示と見なされるべきであり、開示された換気アセンブリの様々な実施形態を作成および使用する方法を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。同等の要素、材料、プロセスまたはステップは、本明細書に代表的に示され記載されたものに置き換えられてもよい。さらに、本開示のいくつかの特徴は、本開示のこの説明の利益を得た後に当業者に明らかになるように、他の特徴の使用とは無関係に利用し得る。本開示を記載および特許請求するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「構成する(consisting of)」、「有する(have)」、「~である(is)」などの表現は、非排他的な方法で解釈されること、すなわち、明示的に記載されていない項目、構成要素または要素も存在することを可能にすることを意図している。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
【0040】
さらに、本明細書に開示された様々な実施形態は、例示的かつ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。すべての接合についての言及(例えば、取り付け、固定、結合、接続など)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステムおよび/または方法の位置、向き、または使用に関して限定を生じさせなくてもよい。したがって、接合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。さらに、そのような接合についての言及は、2つの要素が互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。
さらに、限定するものではないが、「第1」、「第2」、「第3」、「1次」、「2次」、「メイン」などのすべての数値用語、または任意の他の通常のおよび/または数値用語もまた、本開示の様々な要素、実施形態、変形例および/または修正例の読者の理解を助けるために、識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、任意の要素、実施形態、変形例および/または修正例の、別の要素、実施形態、変形例および/または修正例に対する、または別の要素、実施形態、変形例および/または修正例を超える順序または好みに関して、いかなる限定も生じさせなくてもよい。
【0041】
特定の用途に応じて有用であるように、図面/図に示された要素のうちの1つまたは複数はまた、より分離または統合された方法で実装され得、またはいくつかの場合には動作不能として除去またはレンダリングされてもよいことも理解されよう。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
【国際調査報告】