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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】布地処理
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/83 20060101AFI20240628BHJP
   C11D 1/00 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 3/40 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240628BHJP
   D06M 13/262 20060101ALI20240628BHJP
   D06M 13/184 20060101ALI20240628BHJP
   D06M 13/17 20060101ALI20240628BHJP
   D06M 15/53 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C11D1/83
C11D1/00
C11D1/14
C11D1/22
C11D1/29
C11D3/20
C11D3/43
C11D3/48
C11D3/50
C11D3/40
C11D1/72
D06M13/262
D06M13/184
D06M13/17
D06M15/53
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580489
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 US2022073179
(87)【国際公開番号】W WO2023278970
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】21182763.9
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ビニー、ニコラ・ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】ブルーカー、アラン・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヒースコート、リンゼー
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、リビ
(72)【発明者】
【氏名】ペレス-プラート・ヴィヌエサ、エヴァ・マリア
(72)【発明者】
【氏名】レーダー、レイチェル・モーガン・クレイトン
【テーマコード(参考)】
4H003
4L033
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB27
4H003AB31
4H003BA09
4H003BA12
4H003EA28
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB22
4H003ED02
4H003FA07
4H003FA12
4H003FA26
4H003FA28
4H003FA34
4L033AB04
4L033AC10
4L033BA14
4L033BA16
4L033BA29
4L033CA48
(57)【要約】
布地を処理する方法であって、アニオン性界面活性剤と、約100ppm~約7,000ppmの酸性化剤とを含む水溶液に、布地を供する処理工程を含み、処理工程の後にすすぎ除去工程が続かない、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地を処理する方法であって、前記布地を、アニオン性界面活性剤と、約100ppm~約7,000ppmの酸性化剤とを含む水性液に供する処理工程を含み、前記処理工程の後にすすぎ除去工程が続かない、方法。
【請求項2】
前記処理工程が、
i)前記水性液中に前記布地を完全に浸漬すること、又は
ii)前記水性液で前記布地をスプレーすること、を伴う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理工程が、前記水性液中に前記布地を完全に浸漬することを伴い、かつ前記処理工程が、洗浄機の最終すすぎサイクルで行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記水性液が、25℃で測定して4.5未満、好ましくは4未満、より好ましくは1.5~3.8のpHを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記アニオン性界面活性剤が、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記酸性化剤が有機酸を含み、好ましくはギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの混合物からなる群から選択される有機酸を含む、請求項1~3又は5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記酸性化剤が、クエン酸及びギ酸を含む、請求項1~3又は5及び6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記水性液が、少なくとも10ppmのアニオン性界面活性剤、好ましくは約15ppm~約1,000ppmのアニオン性界面活性剤を含む、請求項1~3又は5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記水性液中の酸性化剤対アニオン性界面活性剤の重量比が、約800:1~約0.5:1、好ましくは約650:1~約0.8:1、より好ましくは約600:1~約1:1である、請求項1~3又は5~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記水性液が、追加の界面活性剤、ヒドロトロープ、湿潤剤、染料、追加の抗菌活性物質、抑泡剤、溶媒、錯化剤、汚れ放出ポリマー、粘度調整剤、構造化剤、香料、pH調整剤、光学的増白剤、封入活性物質及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の追加成分を含む、請求項1~3又は5~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記水性液が、非イオン性界面活性剤、好ましくはアルコールアルコキシレート界面活性剤を含む追加の界面活性剤を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記布地を処理する前に、前記水性液が、組成物を水中で前記組成物の初期濃度の0.01~99.5%の濃度まで希釈又は溶解することによって形成される、請求項1~3又は5~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、液体の形態であり、
a)前記組成物の約0.05~約4.5重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の少なくとも7重量%、好ましくは約8~約35重量%、より好ましくは約9~約30重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、イタコン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、
c)任意に、前記組成物の約0.5~約3重量%の追加の界面活性剤であって、好ましくは非イオン性界面活性剤、より好ましくはアルコールアルコキシレート界面活性剤である、追加の界面活性剤と、を含む、請求項1~3又は5~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、固体の形態であり、
a)前記組成物の約1~約10重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の少なくとも7重量%、好ましくは約8~約70重量%、より好ましくは9~65重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、イタコン酸、安息香酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、すぐに使用できるスプレーの形態であり、
a)前記組成物の約0.001重量%~約0.1重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の少なくとも0.01重量%、好ましくは約0.015重量%~約0.7重量%、より好ましくは約0.1重量%~約0.6重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、イタコン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地ケアの利点及び/又は細菌増殖の低減を提供するために布地を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
布地上の湿気は細菌の増殖を促進する。消費者の家庭でよく見られる状況では、湿気の多い布地では細菌が非常に急速に増殖する。例えば、高温多湿な気候の地域において室内で乾燥される布地は乾燥に時間が要し、乾燥中に周囲の熱と湿気により布地上の細菌の増殖が促進される。他の地域又は更に回転式乾燥機を使用する消費者にとっても、洗濯プロセス後、乾燥する前に濡れた衣類を洗浄機内に一定時間放置することは珍しくなく、これにより、衣類が濡れたまま機械内に放置されている間、洗濯プロセス後に布地に残った細菌が容易に増殖する可能性がある。最適な条件下では、所与の衣類の乾燥に8時間かかる場合、及び洗浄プロセス後に2つの細菌が残っており、細菌の増殖を防ぐための処理が行われていない場合、細菌の数は20分ごとに2倍になる可能性があり、8時間の乾燥プロセスの終了時点で衣類には10^6を超える細菌が含まれている可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、好ましくは刺激の強い又は環境に悪い成分を使用せずに、布地上の細菌の増殖を低減又は防止すること、及び/又は布地ケアの利点を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、布地を処理する方法であって、布地を水性液に供する処理工程を含む、方法を提供することによって上記のニーズの1つ以上を解決しようとするものである。この水性液は、アニオン性界面活性剤と、約100~約7,000ppm、より好ましくは約150~約2,000ppmの酸性化剤と、を含む。本発明の方法には、処理工程に続くすすぎ工程が含まれない、すなわち、処理工程の後にすすぎ除去工程が続かない。この方法は、布地の処理中及び処理後に布地上の細菌の増殖の低減を提供し得る。この方法は、悪臭の軽減、洗いたて感の向上、わきの下の黄色の染み(アルミニウム含有)除去の向上、布地の感触の改善(より柔らかく)、色の明るさ(付着物の除去)、白色度、及びすすぎの容易化能力に寄与する安定性の低い泡にも寄与することができる。
【0005】
好ましくは、当該液は、4.5未満、より好ましくは4未満、特に約1.5~約3.8のpHを有する。
【0006】
水性液は、界面活性剤と、酸性化剤と、任意による抗菌活性剤とを、更なる任意による添加剤と共に含む、組成物を水に添加することによって形成することができる。組成物は液体又は固体の形態であり得る。水性液は、洗濯プロセスでの最終すすぎ液であり得る。代替的な水性液は、スプレー形態の組成物などのすぐに使用できる組成物であってもよい。本発明の方法の水性液は、細菌の増殖を低減するために抗菌活性物質を要件としないが、更なる利点を提供するために抗菌活性物質を含有してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で使用される場合、「the」、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求の範囲又は明細書において使用されるとき、特許請求又は記載されているものの1つ以上を意味すると理解される。
【0008】
本明細書で使用される場合、「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含む(including)」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0009】
本明細書で使用される場合、「活性物質」及び「剤」という用語は、互換的に使用される。
【0010】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語は、単に別の成分の不純物若しくは意図しない副産物としての成分の完全な欠如又はその最小量のいずれかを指す。成分を「実質的に含まない」組成物とは、組成物が、組成物の約0.01重量%未満、又は約0.001重量%未満、又は更に0重量%の成分を含むことを意味する。
【0011】
本明細書で使用される百分率、比率、及び割合は全て、別段の指定がない限り、組成物の重量%である。全ての平均値は、別段の明示的な指示がない限り、組成物の「重量により」計算される。別段の指定がない限り、全ての比率は重量/重量レベルとして計算される。
【0012】
別段の指定がない限り、全ての測定は、25℃で実施される。
【0013】
別途注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0014】
方法
本発明の方法では、布地を水性液と接触させることによって布地を処理する。この液は、アニオン性界面活性剤と、約100ppm~約7,000ppm、好ましくは約150~約2,000ppm、より好ましくは約200~約1,500ppmの酸性化剤と、を含む。「水性液」とは、本明細書では、水をベースとしたもの、好ましくは液の約80重量%~約99重量%の水を含むものを意味する。布地を処理するために液が使用される。この処理は、洗濯プロセスの最後のすすぎ中に行うことができる。処理工程は、洗浄サイクルで実現される場合よりも、すすぎで実現される場合の方が有益である。すすぎは単独のすすぎであっても、洗浄に続いて行ってもよい。処理工程は手洗いの一部であっても、洗浄機で行ってもよい。布地が複数回のすすぎを伴うプロセスで処理される場合、アニオン性界面活性剤及び酸性化剤を含む水溶液は最終すすぎに送達され、これは、長期間にわたる細菌の増殖の低減に役立つ布地上への酸の沈着に貢献する。「処理工程の後にすすぎ除去工程が続かない」とは、本明細書では、布地が本発明の方法の処理工程にさらされた後に別の液にさらされないことを意味する。
【0015】
好ましくは、本発明の方法の水性液は、4.5未満、より好ましくは4未満、特に1.5~3.8のpHを有する。
【0016】
布地は、典型的な布地洗濯プロセスの一部であり得る接触工程(本明細書では処理工程とも称される)において水性液と接触する。例えば、本発明の方法は、(i)洗濯工程において、水性洗浄液で布地を処理する工程と、(ii)任意に、布地を水で1回又は2回以上すすぐ工程と、(iii)接触工程において、布地を、アニオン性界面活性剤及び酸性化剤を含むすすぎ水性液と接触させる工程と、を含み得る。工程(iii)は、好ましくは、手洗い又は機械洗浄による布地洗濯プロセスにおけるすすぎ工程である。接触工程に続いて、布地は乾燥工程(iv)で乾燥される。
【0017】
洗浄/洗濯工程では、概して、例えば従来の洗浄工程において、有効量の洗剤組成物が水に添加されて、水性洗浄液が形成される。このように形成された水性洗浄液を、次に、典型的には撹拌下で、洗濯する布地と接触させる。洗剤組成物は、典型的には、界面活性剤系及び任意による洗浄補助剤を含む。界面活性剤系は、好ましくは、アニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤を含む。
【0018】
水に添加して水性洗濯溶液を生成する洗剤組成物の有効量は、水性洗浄溶液中に約500~25,000ppm若しくは500~15,000ppmの組成物を生成するのに十分な量を含んでもよく、又は約1,000~3,000ppmの本明細書の洗剤組成物が水性洗浄溶液に供給される。
【0019】
典型的には、洗浄液は、洗浄液中の洗剤の濃度が0.1g/l超~5g/l、又は1g/lから4.5g/l、又は4.0g/l、又は3.5g/l、又は3.0g/l、又は2.5g/l、又は更には2.0g/l、又は更には1.5g/lになるような量で、洗剤を洗浄水と接触させることによって形成される。
【0020】
洗浄液は、64リットル以下、40リットル以下の水、又は30リットル以下、又は20リットル以下、又は10リットル以下、又は8リットル以下、又は更に6リットル以下の水を含んでもよい。典型的には、洗浄液単位リットル当たり0.01kg~2kgの布地が当該洗浄液に投入される。典型的には、洗剤を含む洗浄液のpHは3~11.5、典型的には7~10である。
【0021】
洗濯工程の後に、1回以上の任意によるすすぎ工程が続いてもよい。
【0022】
処理工程(iii)では、布地は、好ましくは手洗い工程又は洗濯洗浄機のすすぎ工程のいずれかにおいて、水性液で処理される。この工程は、布地を乾燥させる直前の最終すすぎ工程である。所望により、布地柔軟剤組成物は、本明細書の接触工程の前若しくは接触工程中、又は本明細書の接触工程後のすすぎ工程の後に添加され得る。
【0023】
布地の乾燥は、機械乾燥であろうと戸外乾燥であろうと、家庭環境又は工業環境のいずれかの任意の従来手段によることができる。布地は、通常の消費者又は施設での使用条件で洗濯することができる任意の布地を含むことができ、本発明は、ポリエステル及びナイロンなどの合成繊維、セルロース系繊維を含む天然繊維、並びにポリコットンなどの合成繊維と天然繊維とを含む混合繊維に好適である。接触工程における水温は、典型的には約5℃~約90℃の範囲であるが、60℃、40℃、又は30℃までのより低い水温も有用である。水と布地との比は、典型的には、約1:1~約30:1である。
【0024】
代替的に、接触工程は、例えばスプレーによって布地に水性液を直接適用することによってもよい。すぐに使用できる組成物は、ユーザに更なる利便性を提供することができる。
【0025】
接触工程は、約10秒~約20分、又は約15秒~約16分、又は30秒~約10、又は5、又は3、又は2、又は1分であってもよい。
【0026】
本発明の方法は、布地の処理中及び処理後に布地上の細菌の増殖の低減を提供することができる。この方法は、悪臭の軽減、洗いたて感の向上、わきの下の黄色の染み(アルミニウム含有)除去の向上、布地の感触の改善(より柔らかく)、色の明るさ(付着物の除去)、白色度、及びすすぎの容易化能力に寄与する安定性の低い泡にも寄与することができる。本発明の方法は、処理された布地の衛生状態を改善することができる。
【0027】
本発明の方法で使用するための組成物
本発明の方法で使用するための組成物は、任意の好適な形態とすることができ、例えば、粉末形態などの液体又は固体形態とすることができる。それを溶解又は希釈して水性液を形成することができる。代替的に、組成物は、すぐに使用できるスプレーの形態であってもよい。
【0028】
界面活性剤
本開示の方法で使用するための水性液は、アニオン性界面活性剤を含み、追加の界面活性剤を含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸及びアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、ポリカルボキシル化アニオン性界面活性剤及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0029】
アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸、及びアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、直鎖状又は分岐鎖、置換又は非置換であってもよい。界面活性剤が分岐している場合、好ましくは、界面活性剤は中鎖分岐サルフェート又はスルホネート界面活性剤である。好ましくは、分岐基はC1~C4アルキル基、典型的にはメチル基及び/又はエチル基を含む。
【0030】
好ましくは、本発明の方法で使用するための組成物は、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(linear alkyl benzene sulphonates、LAS)、C10~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸、C6~C20直鎖状又は分岐鎖状アルキルサルフェート、及びC6~C20直鎖状又は分岐鎖状アルキルアルコキシサルフェートからなる群から選択される少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む。
【0031】
「直鎖状アルキルサルフェート」とは、本明細書では、直鎖状アルキル鎖が6~20個の炭素原子、好ましくは8~16個の炭素原子、より好ましくは8~14個の炭素原子を含む非置換アルキルサルフェートを意味し、このアルキル鎖は、一方の末端がサルフェート化されている。
【0032】
典型的には、アルキルアルコキシル化サルフェートは、0.5~30又は20、又は0.5~10の平均アルコキシル化度を有する。好ましくは、アルコキシル化基はエトキシル化基である。特に好ましいのは、0.5~10、0.5~7、0.5~5、又は更には0.5~3の平均エトキシル化度を有するC8~18アルキルエトキシル化サルフェートである。
【0033】
好適な直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖状アルキルベンゼン(linear alkyl benzene、LAB)をスルホン化することによって得ることができ、好適なLABとしては、商標名Isochem(登録商標)としてSasolによって供給されているもの又は商標名Petrelab(登録商標)としてPetresaによって供給されているものなどの低2-フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、商標名Hyblene(登録商標)としてSasolによって供給されているものなどの高2-フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩が使用される。
【0034】
組成物は、ポリカルボキシル化アニオン性界面活性剤を含んでもよい。好適なポリカルボキシル化アニオン性界面活性剤は、米国特許第5376298号、欧州特許第0129328号、国際公開第03018733号、及び米国特許第5120326号に記載されている。
【0035】
好適なポリアルコキシレートポリカルボキシル化界面活性剤は、以下の実験式を有することができ、
R-O-(CH(x)-CH(y)-O)n-R1
式中、
Rは、疎水性基、好ましくは、6~16個の炭素原子、好ましくは8~14個の炭素原子を、典型的に含有する炭化水素基であり、x及びyは、ただし、分子ごとに少なくとも1つのx又はy部分がコハク酸ラジカルであるという条件で、それぞれ独立して、水素、メチル、及びコハク酸ラジカルからなる群から選択され、また、nは、1~60であり、R1は、水素、置換炭化水素、非置換炭化水素であり、好ましくはその炭化水素は、1~8個の炭素原子、硫酸、又はスルホン酸ラジカルを有し、いかなる酸性基も、例えばナトリウム、カリウム、アルカノールアンモニウム、マグネシウムなどの、相応のカチオン性の基によって中和される。
【0036】
好適なポリアルコキシレートポリカルボキシレート界面活性剤は、以下の実験式を有することができ、
R-O-(C2H4O)x-[CH(L)CH(L)]y-[CH2CH(CH3)O)zQ
式中、
Rは、炭化水素疎水基、好ましくはアルキルであり、6~16個の炭素原子、好ましくは8~14個の炭素原子を含有し、xは、0~60の数、好ましくは4~50の数、より好ましくは6~50の数であり、Lは、C1~3アルキル基又は式-CH-(COO-)CH2(COO-)を有する基のいずれかであり、各分子中の少なくとも1つのL基が、-CH(COO-)CH2(COO-)であり、yは、1~12の数、好ましくは2~10の数、より好ましくは3~8の数であり、zは、0~20の数、好ましくは0~15の数、より好ましくは0~10の数であり、Qは、水素(H)及びスルホネート基からなる群から選択され、化合物は、カチオン性基の存在によって電気的に中性にされ、好ましくはナトリウム、カリウム、及び置換アンモニウム(例えば、モノエタノールアンモニウム)のカチオンからなる群から選択される。そのようなポリアルコキシレートポリカルボキシレート界面活性剤の具体例としては、以下のものが挙げられる:Poly-Tergent(登録商標)C9-51B(CS-l)(x=12、y=8、及びZ=17)、Poly-Tergent(登録商標)C9-62P(x=4、y=3、及びz=17)、Poly-Tergent(登録商標)C9-74P(x=10、y=3.5、及びZ=3 5.)、及びPoly-Tergent(登録商標)C9-92(x=約55、y=6.5、及びz=0)。Rは、直鎖状C9アルキル基などのアルキル基であると考えられ、Qは、水素(H)であると考えられている。なおPoly-Tergent(登録商標)界面活性剤は現在、BASFによってPlurafac(登録商標)の商標名で販売されている。
【0037】
好ましくは、水性液は少なくとも10ppmのアニオン性界面活性剤を含む。より好ましくは15~1000ppm、特に20~500ppmのアニオン性界面活性剤。特に好ましい水性液は、30~300ppmのアニオン性界面活性剤を含み、好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0038】
本発明の方法で使用するための組成物のいくつかは、概して、使用前に、例えば洗浄プロセスのすすぎ工程で水に添加することによって希釈することを意図している。液体組成物の場合、組成物は、組成物の約0.05重量%~約5重量%、好ましくは約0.5~約4重量%、より好ましくは約1~約4重量%のアニオン性界面活性剤を含み得る。好ましくは、組成物はカチオン性界面活性剤を実質的に含まない。
【0039】
組成物が固体形態、好ましくは粉末形態である場合、組成物は、組成物の約2~約10重量%のアニオン性界面活性剤、好ましくは組成物の約3~約8重量%のアニオン性界面活性剤を含み得る。好ましくは、組成物はカチオン性界面活性剤を実質的に含まない。
【0040】
組成物がスプレー形態である場合、組成物は、組成物の約0.001重量%~約0.5重量%のアニオン性界面活性剤、好ましくは組成物の約0.005重量%~約0.4重量%、より好ましくは約0.01~約0.1重量%のアニオン性界面活性剤を含み得る。好ましくは、組成物はカチオン性界面活性剤を実質的に含まない。
【0041】
酸性化剤
本発明の方法の水性液は、少なくとも100ppm、より好ましくは少なくとも120ppm、特に約120~約3,000ppmの酸性化剤を含む。水性液は、本明細書に開示される組成物を水に添加することによって形成することができ、組成物は液体又は固体の形態であり得る。酸性化剤は、緩衝能力を提供することにより、すすぎ液のpHを安定させるのに役立ち得る。酸性化剤は、鉄、銅、マンガンなどを含む遷移金属を封鎖することもできる。酸性化剤は、組成物の抗菌活性を更に高めるように選択され得る。酸性化剤は、米国EPA/カナダ保健省登録活性物質、又は欧州で通知された抗菌物質であってもよい。
【0042】
好適な酸性化剤は、有機酸及びポリマー酸からなる群から選択することができる。
【0043】
好適な酸性化剤としては、少なくとも1つのカルボン酸基を含むC1~C11有機酸、及び少なくとも3つのカルボン酸基を含むポリマー酸が挙げられる。
【0044】
C1~C11有機酸の非限定的な例としては、ギ酸、酢酸、ジヒドロ酢酸、安息香酸、マロン酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルタル酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、サリチル酸、アジピン酸、2-エチル-1-ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、ウンデシレン酸、ブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。有機酸は、再生可能な植物ベースの原料に由来し、発酵などの自然プロセスを使用して生成され得、例としては、生物由来の酢酸、生物由来のクエン酸、生物由来の乳酸、生物由来のコハク酸などが挙げられる。有機酸は、食品用途に使用されているか、米国食品医薬品局によって概ね安全とみなされる(Generally Regarded As Safe、GRAS)ものであってもよく、食品添加物であってもよい。
【0045】
有機酸は、ギ酸、酢酸、マロン酸、クエン酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、グルタル酸、乳酸、サリチル酸、ソルビン酸、安息香酸、イタコン酸、及びオクタン酸からなる群から選択することができる。好ましくは、有機酸は、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、イタコン酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される。クエン酸及びギ酸を含む組成物は、静菌性の観点から特に好適であることが見出された。クエン酸及びギ酸を含有する好ましい組成物は、クエン酸対ギ酸の重量比が150:1~5:1、より好ましくは100:1~2:1、更により好ましくは50:1~3:1である。
【0046】
ポリマー酸の非限定的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、若しくはイタコン酸のポリマー、又はアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸のコポリマー、若しくはそれらの混合物が挙げられる。ポリマー酸は、500g/モル以上の分子量を有するホモポリマー又はコポリマーであってもよい。ポリマー酸は、500g/モル~約1,000,000g/モル、又は500g/モル~100,000g/モル、又は約1,000g/モル~20,000g/モルの範囲の分子量を有し得る。コポリマーは、ランダムコポリマーであってもブロックコポリマーであってもよい。カルボン酸基を含むモノマー単位に加えて、コポリマーはまた、スチレン、アクリル酸エステル、アクリルアミド、オレフィンスルホネート、及びオレフィンアセテートなどの1つ以上の他のモノマーを含み得る。
【0047】
組成物はまた無機酸を含有してもよく、好適な無機酸としては、リン酸、硫酸、尿素-硫酸、塩酸、スルファミン酸、メチル硫酸、次亜塩素酸、重硫酸ナトリウム(硫酸水素ナトリウム)などが挙げられる。
【0048】
好ましくは、液体形態の組成物は、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、イタコン酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、7%~40%、又は8%~35%、又は9%~30%の、有機酸を含む。より好ましくは、有機酸は、ギ酸、クエン酸、乳酸、酢酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0049】
組成物が固体形態、好ましくは粉末形態である場合、組成物は、組成物の約7~約70重量%の酸性化剤、好ましくは組成物の約10~約60重量%の酸性化剤を含み得る。好ましくは、酸性化剤は、クエン酸を含む。
【0050】
組成物がスプレー形態である場合、組成物は、組成物の約0.009重量%~約5重量%の酸性化剤、好ましくは組成物の約0.1重量%~約4.5重量%の酸性化剤を含み得る。
【0051】
酸性化剤の濃度が増加すると、組成物の予備緩衝能力が向上し、希釈時のpH変動が減少する。
【0052】
組成物中の有機酸対アニオン性界面活性剤の重量比は、約1350:1~1:1、より好ましくは約875:1~1.3:1、更により好ましくは約600:1~2:1であり得る。
【0053】
任意による成分:
追加の抗菌剤
本発明の方法の組成物は、追加の抗菌剤を含んでもよく、追加の抗菌剤を含まなくてもよい。
【0054】
追加の界面活性剤
組成物は、追加の界面活性剤、好ましくは非イオン性又は双性イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0055】
好適な非イオン性洗浄性界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールが挙げられる。
【0056】
アルキルポリグリコシドは、生分解性非イオン性界面活性剤である。好適なアルキルポリグリコシドは、一般式CnH2n+1O(C6H10O5)xHを有することができ、式中、nは、好ましくは8~16、より好ましくは8~14であり、xは、少なくとも1である。好適なアルキルポリグルコシド界面活性剤の例は、DowからのTRITON(商標)アルキルポリグルコシド、BASFからのAgnique PG、Disponil APG、及びGlucoponアルキルポリグルコシドである。好ましいアルキルポリグルコシド界面活性剤は、nが8~12、より好ましくは8~10、例えばTriton CG50(Dow)などのものである。
【0057】
好適なアルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤は、式RO-(A)nHによるものであり、式中、Rは、一級C4~C18、好ましくはC6~C16、より好ましくはC6~C14分岐鎖状若しくは直鎖状アルキル鎖、又はC6~C28アルキルベンゼン鎖であり、Aは、エトキシ又はプロポキシ又はブトキシ単位、あるいはこれらの混合物であり、nは1~30、好ましくは1~15、より好ましくは3~12、更により好ましくは3~8である。本明細書における使用に好ましいR鎖は、C6~C16直鎖状又は分岐鎖状アルキル鎖である。
【0058】
一態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、平均エトキシル化度が1~10、1~7、更には1~5、又は3~7、又は更には3若しくは2未満のC8~18アルキルエトキシル化アルコールであってもよい。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。
【0059】
好適な分岐鎖状アルコキシル化アルコールは、C4~C10アルキル分岐鎖状アルコキシル化アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。分岐鎖状アルコキシル化アルコールは、1つ以上のC1~C4分岐基を有するC4~C10一級モノアルコールからなる群から選択されるC4~C10アルキル分岐鎖状アルコールのアルコキシル化に由来し得る。
【0060】
C4~C10一級モノ-アルコールは、一級モノ-アルコールの主鎖が、合計4~10個の炭素原子を有することを意味する。C4~C10一級モノ-アルコールは、メチルブタノール、エチルブタノール、メチルペンタノール、エチルペンタノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、ジメチルヘキサノール、トリメチルヘキサノール、メチルヘプタノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、ジメチルヘプタノール、トリメチルヘプタノール、メチルオクタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、ジメチルオクタノール、トリメチルオクタノール、メチルノナノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、ジメチルノナノール、トリメチルノナノール、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0061】
C4~C10一級モノアルコールは、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、及びこれらの混合物からなる群から選択することできる。
【0062】
好ましくは、C4~C10一級モノアルコールは、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール及びこれらの混合物からなる群から選択することできる。
【0063】
C4~C10一級モノアルコールは、最も好ましくはエチルヘキサノール及びプロピルヘプタノールである。
【0064】
分岐鎖状アルコキシル化アルコールでは、1つ以上のC1~C4分岐基を、出発アルコールのヒドロキシル基から測定されるように、C1~C3位置、好ましくはC1~C2位置、より好ましくはC2位置でC4~C10一級モノアルコールに置換することができる。
【0065】
分岐鎖状アルコキシル化アルコールは、1~14、好ましくは2~7、より好ましくは4~6のエトキシレート単位、及び任意に、1~9、好ましくは2~7、より好ましくは4~6のプロポキシレート単位を含むことができる。
【0066】
分岐鎖状アルコキシル化アルコールは、好ましくは、4~6の程度までエトキシル化された2-エチルヘキサン-1-オールであり、4~6の程度までプロポキシル化され、より好ましくは、アルコールは、最初にプロポキシル化され、次いでエトキシル化される。別の好ましい分岐鎖状アルコキシル化アルコールは、1~14、好ましくは2~7、より好ましくは3~6のエトキシレート又はエトキシレート-プロポキシレート単位を有するアルコキシル化C10ゲルベアルコールなどの2-アルキル-1-アルカノールである。
【0067】
好適な分岐鎖状アルコキシル化アルコールの非限定的な例は、例えば、Dowから市販されているEcosurf(登録商標)EH3、EH6、及びEH9、並びにBASFから入手可能なLutensol(登録商標)XPアルコキシル化ゲルベアルコール及びLutensol(登録商標)XLエトキシル化ゲルベアルコールである。
【0068】
好適な両性/双性イオン性界面活性剤としては、アミンオキシド及びベタインが挙げられる。
【0069】
好適なアミンオキシド界面活性剤としては、R1R2R3NOが挙げられ、式中、R1、R2、及びR3の各々は、独立して、1~30個の炭素原子を有する飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖である。好ましいアミンオキシド界面活性剤は、以下の式:R1R2R3NOを有するアミンオキシドであり、式中、R1は、1~30個、好ましくは6~20個、より好ましくは8~16個の炭素原子を含む炭化水素鎖であり、R2及びR3は、独立して、1~4個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖であり、より好ましくはメチル基である。R1は、飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖であってもよい。
【0070】
好適なベタインは、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、及びホスホベタインである。
【0071】
好適なベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインであり、
R1-N+(CH3)2-CH2COO- (Ia)
R1-CO-NH(CH2)3-N+(CH3)2-CH2COO- (Ib)
R1-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3- (Ic)
R1-CO-NH-(CH2)3-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3- (Id)
式中、R1は、飽和又は不飽和C6~C22アルキル残基、好ましくはC8~C18アルキル残基である。
【0072】
錯化剤又はキレート剤
本発明の方法で使用される組成物は、錯化剤又はキレート化剤を含み得る。理論に束縛されるわけではないが、錯化剤又はキレート剤は、抗菌活性物質に対するグラム細菌の外膜の透過性を高めることによって、抗菌活性物質に対するグラム細菌の感受性を高めることができることが知られている。加えて、錯化剤は、本発明の方法で使用される水中の遊離硬度の価を減少させることができる。アニオン性アルキルサルフェート及びアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、高硬度の環境ではカルシウム石鹸として沈殿する傾向があるため、水の硬度が低い場合により効果的である。
【0073】
好適な錯化剤又はキレート剤としては、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤及びそれらの混合物が挙げられる。好適な分子としては、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、ポリイタコン酸、それらの塩、及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用するのに好適なキレート剤の非限定的な例としては、エチレンジアミンテトラアセテート、N-(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロプリオネート(ethylenediamine tetraproprionates)、トリエチレンテトラアミンヘキサセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(diethylenetriamine penta(methylene phosphonic acid)、DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(ethylenediamine disuccinate、EDDS)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸(hydroxyethanedimethylenephosphonic acid、HEDP)、メチルグリシン二酢酸(methylglycinediacetic acid、MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(diethylenetriaminepentaacetic acid、DTPA)、それらの塩、及びそれらの混合物が挙げられる。本発明で使用されるキレート剤の他の非限定的な例は、米国特許第7,445,644号、同第7,585,376号及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号に見出される。本明細書に用いるのに好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto、DuPont、及びNalco,Inc.製のキレート剤である。
【0074】
抑泡剤
泡の形成を低減又は抑制するための化合物を、本発明の方法で使用される組成物に組み込むことができる。広範な材料を抑泡剤として使用してもよく、抑泡剤は当業者に周知である。例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第7巻、430~447頁(John Wiley & Sons,Inc.、1979年)を参照されたい。抑泡剤の例としては、モノカルボン脂肪酸及びその可溶性塩、高分子量炭化水素、例えば、パラフィン、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18~C40ケトン(例えば、ステアロン(stearone))、N-アルキル化アミノトリアジン、好ましくは約100℃未満の融点を有するろう質炭化水素、シリコーン抑泡剤、並びに二級アルコールが挙げられる。抑泡剤は、米国特許第2,954,347号、同第4,265,779号、同第4,265,779号、同第3,455,839号、同第3,933,672号、同第4,652,392号、同第4,978,471号、同第4,983,316号、同第5,288,431号、同第4,639,489号、同第4,749,740号、及び米国特許第4,798,679号、同第4,075,118号、欧州特許出願第89307851.9号、欧州特許公開第150,872号及び独国特許公開第2,124,526号に記載されている。
【0075】
自動洗濯洗浄機で使用される任意の組成物について、泡は、洗浄機をオーバーフローする程度まで形成されるべきではない。すすぎサイクルで使用される組成物では、ユーザは目に見える泡がないことによってすすぎの有効性を判断するので、泡が全くないことが非常に好ましい。抑泡剤は、利用される場合、好ましくは「泡抑制量」で存在する。「泡抑制量」とは、組成物の配合者が、すすぎサイクルで使用したときに組成物が目に見える泡を形成するのを防止するこの抑泡剤の量を選択することができることを意味する。本明細書の組成物は、概ね、0%~10%の抑泡剤を含む。抑泡剤として利用する場合、モノカルボン脂肪酸及びその塩は、典型的には組成物の5重量%までの量で存在する。好ましくは、0.5%~3%の脂肪モノカルボキシレート抑泡剤が利用される。シリコーン抑泡剤は、典型的には、組成物の2.0重量%以下の量で利用されるが、更に多い量を使用してもよい。モノステアリルホスフェート抑泡剤は、概ね、組成物の約0.1重量%~約2重量%の範囲の量で利用される。炭化水素抑泡剤は、典型的には0.01%~5.0%の範囲の量で利用されるが、より高いレベルを使用してもよい。アルコール抑泡剤は、典型的には、最終組成物の0.2重量%~3重量%で使用される。
【0076】
分散剤
組成物はまた、好ましくは分散剤を含有してもよい。好適な水溶性有機材料としては、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はこれらの塩が挙げられ、この場合、ポリカルボン酸は、互いに炭素原子2個以下だけ離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0077】
ヒドロトロープ
組成物はまた、難溶性有機分子の溶解度を高め、組成物の安定性を向上させるためにヒドロトロープを含有してもよい。特に好ましいヒドロトロープは、メチル、ジメチル及びメチルエチルベンゼンスルホネート、特にナトリウムクメンスルホネート、ナトリウムキシレンスルホネート及びナトリウムトルエンスルホネートである。
【0078】
布地シェーディング染料
本発明の方法で使用される組成物は、布地シェーディング染料を含んでもよい。好適な布地シェーディング染料(色調剤、青味剤又は白色化剤と称されることもある)は、典型的には、青又は紫の色合いを布地にもたらす。布地シェーディング染料は、単独、又は組み合わせのいずれかで使用されてもよく、特定の色相の色合いを得ることができ、及び/又は異なるタイプの布地に色合いをつけることができる。これは、例えば赤と緑-青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることによりもたらされ得る。布地シェーディング染料は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、前金属化した(premetallized)アゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない任意の既知の染料の化学分類から選択され得る。
【0079】
好適な布地シェーディング染料としては、染料及び染料-クレイ結合体が挙げられる。好ましい布地シェーディング染料は、小分子染料及びポリマー染料から選択される。好適な小分子染料としては、例えばブルー、バイオレット、レッド、グリーン、若しくはブラックとして分類され、単独で、又は他の染料と組み合わせて、若しくは他の補助成分と組み合わせて、所望の色合いを提供する、アシッド染料、ダイレクト染料、ベーシック染料、リアクティブ(反応性)染料、ソルベント染料又はディスパース染料のカラーインデックス(Colour Index、C.I.)分類に該当する染料からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。欧州特許公開第1794274(A)号に記載されているような、加水分解された反応性染料として記載されている染料も挙げられ得る。別の態様では、好適な小分子染料としては、カラーインデックス(染色業者及びカラーリスト協会(Society of Dyers and Colourists,Bradford,UK))番号が、ダイレクトバイオレット染料5、7、9、11、31、35、48、51、66、及び99など、ダイレクトブルー染料1、71、80、及び279など、アシッドレッド染料17、73、52、88、及び150など、アシッドバイオレット染料15、17、24、43、49、及び50など、アシッドブルー染料15、17、25、29、40、45、48、75、80、83、90、及び113など、アシッドブラック染料1など、ベーシックバイオレット染料1、3、4、10、及び35など、ベーシックブルー染料3、16、22、47、66、75、及び159など、米国特許出願公開第2008/034511(A1)号、又は米国特許第8,268,016(B2)号に記載されているものなどのディスパース又はソルベント染料、あるいはソルベントバイオレット13などの米国特許第7,208,459(B2)号に開示されている染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な低分子染料としては、以下:C.I.番号アシッドバイオレット17、アシッドブルー80、アシッドバイオレット50、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、及びそれらの混合物からなる群から選択される低分子染料が挙げられる。
【0080】
好適なポリマー染料としては、共有結合している(結合していると称されることもある)色原体(染料-ポリマー結合体)を含有するポリマー、例えば、ポリマーの主鎖に共重合した色原体を有するポリマー及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。ポリマー染料としては、国際公開第2011/98355号、米国特許出願公開第2012/225803(A1)号、米国特許出願公開第2012/090102(A1)号、国際公開第2012/166768号、米国特許第7,686,892(B2)号、及び国際公開第2010/142503号に記載されているものが挙げられる。
【0081】
他の好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken、Spartanburg,S.C.,USA)の名称で販売されている布地直接着色剤、並びに少なくとも1つの反応性染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーとから形成される染料-ポリマー結合体からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。更に別の態様では、好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)Violet Conn.、Megazyme,Wicklow,Irelandから商品名AZO-CM-CELLULOSE、商品コードS-ACMCで販売されているC.I.リアクティブブルー19と結合体化しているカルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose、CMC)などの、1つ以上のリアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているCMC、アルコキシル化トリフェニル-メタンポリマー着色料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料、アルコキシル化炭素環式及びアルコキシル化複素環式アゾ着色料、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。好ましいポリマー染料には、アルコキシル化トリフェニル-メタンポリマー着色料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料、アルコキシル化炭素環式及びアルコキシル化複素環式アゾ着色料などの任意に置換されたアルコキシル化染料、並びにLiquitint染料などのそれらの混合物が含まれる。
【0082】
好ましい色相染料としては、国際公開第08/87497(A1)号、国際公開第2011/011799号及び米国特許出願公開第2012/129752(A1)号に見られる白色化剤が挙げられる。本発明で使用するのに好ましい色相剤は、国際公開第2011/011799号の表5の実施例1~42から選択されるものを含む、これらの参考文献に開示されている好ましい染料であってもよい。他の好ましい染料は、米国特許第8,138,222号に開示されている。他の好ましい染料は、米国特許第7,909,890(B2)号に開示されている。
【0083】
光学的増白剤
本発明の方法で使用される組成物は、1つ以上の光学的増白剤を含んでもよい。光学的増白剤の好適な例は、例えば、スチルベン増白剤、クマリン増白剤、ベンゾオキサゾール増白剤及びそれらの混合物である。ジアミノスチルベンジスルホン酸型増白剤(以下、「DAS」と称される)は、国際公開第98/52907(A)号において親水性として分類されている。DASの市販例は、Tinopal DMS(CIBA製)である。別のタイプの低ClogP増白剤は、ジスチリルビフェニル増白剤(以下、「DSBP」と称される)である。このタイプの増白剤の市販例は、Tinopal CBS-X(これもCIBA製)である。本発明において有用であり得る市販の光学的増白剤は、サブグループに分類することができ、スチルベン、ピラゾリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びにその他の様々な物質の誘導体が挙げられるが、これらに限らない。特に好ましい増白剤は、2(4-スチリル-3-スルホフェニル)-2H-ナフトール(napthol)[-1.3,2-d]トリアゾールナトリウム、4,4’-ビス{[(4-アニリノ-6-(Nメチル-N-2-ヒドロキシエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)]アミノ}-スチルベン-2-2’ジスルホン酸二ナトリウム、4,4’-ビス{[(4-アニリノ-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)]アミノ}スチルベン-2-2’ジスルホン酸二ナトリウム、及び4,4’-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウムから選択される。このような増白剤の他の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」(M.Zahradnik、John Wiley&Sons刊、New York(1982年))に開示されている。
【0084】
審美的染料
本発明の方法で使用される組成物は、審美的染料及び/又は顔料を含んでもよい。好適な染料としては、洗浄組成物及び/又は処理組成物を着色するために使用される、任意の従来の染料、典型的には小分子染料又はポリマー染料が挙げられる。これらは、概して、非布地シェーディング染料である。
【0085】
溶媒系
本発明の組成物は、例えば水単独又は有機溶媒の混合物を含む溶媒系を含んでもよい。好ましい有機溶媒としては、1,2-プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール、及びこれらの混合物が挙げられる。また、他の低級アルコール、C1~C4アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンを使用してもよい。溶媒系は、より典型的には、液体組成物の約0.1重量%~約98重量%、好ましくは少なくとも約1重量%~約50重量%、より通常は約5重量%~約25重量%の範囲の濃度で存在する。
【0086】
増粘剤/構造化剤
本発明のいくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される組成物は、構造化された液体の形態である。このような構造化された液体は、内部的に構造化され得、一次成分(例えば、界面活性剤材料)によって構造体を形成し、及び/又は例えば、増粘剤として使用するために、二次成分(例えば、ポリマー、粘土及び/又はシリケート材料)を使用して三次元マトリックス構造をもたらすことによって、外部的に構造化され得る。組成物は、構造化剤、好ましくは0.01重量%~5重量%、0.1重量%~2.0重量%の構造化剤を含んでもよい。好適な構造化剤の例は、米国特許出願公開第2006/0205631(A1)号、米国特許出願公開第2005/0203213(A1)号、米国特許第7294611号、同第6,855,680号に与えられている。構造化剤は、典型的には、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロース系材料、マイクロファイバーセルロース、Polygel W30(3VSigma)などのアリー(ally)変性アルカリ膨潤性エマルジョン、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、水添ヒマシ油、水添ヒマシ油の誘導体、例えば、その非エトキシル化デリバティーブ(derivatieve)及びこれらの混合物からなる群から選択され、特に、水添ヒマシ油、水添ヒマシ油の誘導体、マイクロファイバーセルロース、ヒドロキシ官能性結晶性材料、長鎖脂肪族アルコール、12-ヒドロキシステアリン酸、粘土及びこれらの混合物の群から選択されるものである。好ましい構造化剤は、好適なヒドロキシ官能性結晶質材料を詳細に定義している米国特許第6,855,680号に記載されている。好ましいのは、水添ヒマシ油である。
【0087】
汚れ放出ポリマー
本発明の方法で使用される組成物は、汚れ放出ポリマーを含んでもよい。好適な汚れ放出ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel-o-tex SF、SF-2及びSRP6を含むRepel-o-texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Clamantによって供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325を含むTexcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Sasolにより供給されているMarloquestポリマー、例えばMarloquest SLである。
【0088】
移染防止剤(dye Transfer Inhibitor、DTI)
本発明の組成物は、移染防止剤を含んでもよい。好適な移染防止剤は、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルイミダゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。他の好適なDTIは、国際公開第2012/095354号に記載されているトリアジン、国際公開第2010/130624号に記載されている重合ベンゾオキサジン、独国特許出願公開第102009001144(A)号に記載されているポリビニルテトラゾール、国際公開第2009/127587号に記載されている多孔質ポリアミド粒子、及び国際公開第2009/124908号に記載されている不溶性ポリマー粒子である。他の好適なDTIは、国際公開第2012/004134号に記載されており、又は(a)両親媒性アルコキシル化ポリアミン、両親媒性グラフトコポリマー、双性イオン性汚れ懸濁ポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーである。好ましいDTIのクラスとしては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。
【0089】
封入体
本発明の方法で使用される組成物は、封入体、例えば、コアと、内表面及び外表面を有するシェルとを含む封入体であって、当該シェルが当該コアを封入する、封入体を含んでもよい。コアは、任意の洗濯ケア補助剤、好ましくは香料を含んでもよい。シェルは、ポリエチレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、アミノプラスト(一態様では、当該アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンを含んでもよく、一態様では、当該ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでもよい)、ポリオレフィン、多糖類、(一態様では、当該多糖類は、アルギネート及び/又はキトサンを含んでもよい)、ゼラチン、シェラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、水不溶性無機材料、シリコーン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。好ましい態様では、組成物は、好ましくは封入剤に加えて、付着助剤を含んでもよい。好ましい付着助剤は、カチオン性及び非イオン性ポリマーからなる群から選択される。好適なポリマーとしては、カチオンデンプン、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルホルムアルデヒド、ローカストビーンガム、マンナン、キシログルカン、タマリンドガム、ポリエチレンテレフタレート、並びに任意にアクリル酸及びアクリルアミドを含む群から選択される1つ以上のモノマーと共にジメチルアミノエチルメタクリレートを含有するポリマーが挙げられる。
【0090】
香料
本発明の方法で使用される好ましい組成物は、香料を、好ましくは0.001~3重量%、最も好ましくは0.1~1重量%の範囲で含む。CTFA(Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association)1992 International Buyers Guide(CFTA Publications刊)、及びOPD 1993 Chemicals Buyers Directory 80th Annual Edition(Schnell Publishing Co.刊)に、香料の好適な例が数多く示されている。通常、本発明の組成物には、複数の香料成分が存在している。
【0091】
pH修正剤
所望のpHを生成するために、pH修正剤を組み込んでもよい。
【0092】
本発明の方法で使用される組成物のpHは、好ましくは4.5未満、より好ましくは4未満、更により好ましくは1.5~3.8である。洗濯製品製造の当業者に公知のアルカリ又は酸、例えば、水酸化ナトリウム若しくはカリウム、炭酸ナトリウム若しくはカリウム、又はケイ酸ナトリウム若しくはカリウム、又は塩酸などの酸を添加してもよい。緩衝能を付加するpH修正剤が特に好ましい場合がある。
【0093】
真珠光沢剤
国際公開第2011/163457号に記載の真珠光沢剤を本発明の組成物に組み込んでもよい。
【0094】
本発明のプロセスに使用するのに好ましい液体組成物は、
a)組成物の約0.05~約4.5重量%のアニオン性界面活性剤であって、アルキルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)組成物の少なくとも7重量%、好ましくは約8~約35重量%、より好ましくは約9~約30重量%の、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、イタコン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される有機酸と、を含み好ましくは有機酸は、クエン酸とギ酸との混合物を含む。
【0095】
本発明のプロセスに使用するのに好ましい固体組成物は、
a)組成物の約2~約10重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)組成物の少なくとも7重量%、好ましくは約8~約70重量%、より好ましくは9~65重量%のクエン酸と、を含む。
【0096】
すぐに使用できる組成物の形態の好ましい組成物は、
a)組成物の約0.001重量%~約0.1重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)組成物の少なくとも0.01重量%、好ましくは約0.015重量%~約0.7重量%、より好ましくは約0.1重量%~約0.6重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、イタコン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、を含み、好ましくは、酸性化剤は、クエン酸を含む。
【実施例
【0097】
(実施例1)
細菌調製物
凍結グリセロール細菌ストックを、接種ループを使用してトリプトン大豆寒天プレート(tryptone soy agar plate、TSA)上にプレーティングし、32~35℃で24時間インキュベートした後、新しいTSAプレートへの追加のパスを実施し、その後、本発明の方法で使用される組成物の静菌有効性を試験するために作業細菌懸濁液を作製した。
【0098】
寒天プレートからいくつかのコロニーを滅菌生理食塩水(0.85%NaCl)に移すことによって、作業細菌懸濁液を調製した。分光光度計を使用して425nmでODを測定することによって、細菌濃度を10^8CFU/mlに調整した。この細菌懸濁液を、Tryptone Soy Broth(TSB)を使用して10^5CFU/mlに更に希釈した。過剰汚れ条件下で試験した試料については、細菌懸濁液に5%ウマ血清を補充した。
【0099】
布地調製/及び前処理
綿布地見本を、Standard Test Method for the Evaluation of Laundry Sanitizers and Disinfectants ASTM E2274に記載されているように、洗い滅菌した。
【0100】
3つの試験見本を布地バラストと組み合わせて、試験レグ当たり1.69gの布地の束を作り、各試験試料の30mlの溶液を示された濃度及び水硬度で調製し、50mlの遠心分離管に加え、調製された1.69gの布地束を遠心分離管に加え、管をStuart Rotatorに入れ、すすぎサイクルの持続時間を再現する示された時間にわたって40rpmで撹拌した。
【0101】
処理した試験布地を滅菌ピンセットで滅菌12ウェルマイクロタイタープレートのウェルに移し、およそ1時間乾燥させた。乾燥してから、各試験布地に、上記のように調製した細菌懸濁液20μLを接種した。接種した試験布地を、32℃かつ一定の湿度で18~24時間インキュベートした。各試験レグについて3つの布地を調製した。参照布地を、同じプロトコルに従って、試験試料と同じ硬度の水で処理した。
【0102】
細菌増殖防止効力の決定:
各試験及び参照試料につき3つの試験及び参照見本を、10mlの中和剤(Letheen Broth)を入れたバイアルに移し、各バイアルを高速で30秒間ボルテックスして、布地から細菌を抽出した。1:10連続希釈物を中和剤中で調製し、100μLの各希釈物を、滅菌スプレッダを使用してプレート全体に広げることによって55mmTSAプレート上にプレーティングした。プレートを32℃で18~24時間インキュベートした。
【0103】
試験試料から抽出された細菌の数を参照試料から抽出された細菌の数から差し引くことによって、細菌増殖防止効力を決定した。細菌数を、試験試料及び参照試料から抽出されたCFUを計数することによって決定した。各プレートに存在する計数されたCFUにプレートされた溶液の希釈を掛け、この数を対数スケールに変換することによって、試験(test)及び参照(reference)見本に存在する総CFUを計算した。
静菌効力=LogCFUreference-LogCFUTest
【0104】
以下の表1に示される製剤を調製し、それらの抗菌効力を、JIS1902「testing for antibacterial activity and efficacy on textile products」のガイダンスに従う上記の方法に記載されるように試験した。
【0105】
組成物を、本発明の方法における試験の前に、示された濃度に希釈した。布地を、希釈した組成物で示された時間処理した。布地を、組成物で処理した後にすすがなかった。処理後、布地に、Tryptone Soy Broth中で調製した10^5CFU/mlの細菌Salmonella entericaATCC 10708、Staphylococcus aureusATCC 6538、又はKlebsiellapneumoniaeATCC 13883を接種し、18~24時間インキュベートした。参照布地を同じ方式で調製したが、水で処理した。Letheen Broth中で布地から細菌を抽出することによって、対数減少を参照布地に対して測定した。生細菌を、標準的な微生物学技術に従って、希釈、プレーティング及びコロニー計数によって定量化した。
【0106】
組成物中の全ての成分は、活性重量%である。
【0107】
【表1】
(1)2-エチルヘキシルPO5EO6アルキルアルコキシレート。Ecosurf EH 6。Dow
(2)チノサンHP100。BASF
(3)製品はV/Vで投与され、示されたppm値は、各製品の体積に密度を掛けることによって得られた。
(4)ASTM E2274工業標準法に記載のAOAC硬質水
(5)5%ウマ血清
NT-試験せず
【0108】
表1に提示したデータから、組成物A~Iを希釈して得られ、少なくとも100ppmの酸性化剤及びアニオン性界面活性剤を有する水性液で本発明の方法に従って処理された布地が、log2.8~log6.8の非常に高い静菌効力を示す一方、100ppm未満の酸性化剤を提供する比較組成物C1、C2及びC3を希釈して得られた水性液で処理された布地は、測定可能な静菌効力を示さないことが分かる。
【0109】
(実施例2)
布地調製/及び前処理
綿布地見本を、Standard Test Method for the Evaluation of Laundry Sanitizers and Disinfectants ASTM E2274に記載されているように、洗い3.8cm×3.8cmの正方形に切断し滅菌した。各試験レグについて、重さ約1gの4つの試験見本を滅菌50mL遠心分離管内に置き、各試験試料の18ml溶液を、布地を入れた遠心分離管に添加した。
【0110】
各試験試料の溶液を、以下の表2に示す組成物142.8μLを硬度3gpgの水100mlに添加することによって調製した。管をStuart Rotatorに置き、40rpmで10分間撹拌した。3gpgの水で処理した参照布地を同一の様式で調製した。56.79gのCaCl・2HO及び26.13gのMgCl・6HOを1Lの脱イオン水中に溶解し、この溶液0.5mlを、1Lの脱イオン水で更に希釈することによって、硬度3gpgの水を調製した。
【0111】
処理された試験布地を、滅菌ピンセットを用いて滅菌250mlガラス瓶に移し、蓋を半開きにして2時間乾燥させた後、細菌を接種して静菌効力を評価した。
【0112】
静菌効力の決定:
処理された布地が細菌の増殖を防ぐ能力を、繊維材料の抗菌効力を決定するための工業標準方法AATCC100に従って評価した。
【0113】
【表2】
(1)C12~C14EO7-9アルコールアルコキシレート
【0114】
表2に提示したデータから、組成物J~Pを希釈して得られ、少なくとも100ppmの酸性化剤及びアニオン性界面活性剤を有する水性液で本発明の方法に従って処理された布地は、工業標準方法AATCC100に従って測定した、少なくともSalmonella entericaのlog2減少という静菌効力を示すことが分かる。1%を超えるギ酸を含む組成物で処理された布地は、最大log5.5の減少という最高の静菌効果を示す。好ましくはクエン酸対ギ酸の比は150対5、より好ましくは100対2、更により好ましくは50対3である。
【0115】
表3、表4及び表5は、本発明の方法での使用に好適な組成物を示す。
【0116】
【表3】
(1)C12~C14EO7-9アルコールアルコキシレート
(2)2-エチルヘキシルPOEOアルキルアルコキシレート。Ecosurf EH 9。Dow
(3)Repel-o-tex又はTexcareポリマー
【0117】
【表4】
(4)Silwet界面活性剤などの有機シリコーン界面活性剤。Momentive
【0118】
【表5】
【0119】
「本明細書に開示される寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
「本明細書に開示される寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
本明細書は以下の発明を開示する。
[1]
布地を処理する方法であって、前記布地を、アニオン性界面活性剤と、約100ppm~約7,000ppmの酸性化剤とを含む水性液に供する処理工程を含み、前記処理工程の後にすすぎ除去工程が続かない、方法。
[2]
前記処理工程が、
i)前記水性液中に前記布地を完全に浸漬すること、又は
ii)前記水性液で前記布地をスプレーすること、を伴う、[1]に記載の方法。
[3]
前記処理工程が、前記水性液中に前記布地を完全に浸漬することを伴い、かつ前記処理工程が、洗浄機の最終すすぎサイクルで行われる、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
前記水性液が、25℃で測定して4.5未満、好ましくは4未満、より好ましくは1.5~3.8のpHを有する、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記アニオン性界面活性剤が、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記酸性化剤が有機酸を含み、好ましくはギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの混合物からなる群から選択される有機酸を含む、請求項[1]~[3]又は[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
前記酸性化剤が、クエン酸及びギ酸を含む、請求項[1]~[3]又は[5]及び[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
前記水性液が、少なくとも10ppmのアニオン性界面活性剤、好ましくは約15ppm~約1,000ppmのアニオン性界面活性剤を含む、[1]~[3]又は[5]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
前記水性液中の酸性化剤対アニオン性界面活性剤の重量比が、約800:1~約0.5:1、好ましくは約650:1~約0.8:1、より好ましくは約600:1~約1:1である、[1]~[3]又は[5]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
前記水性液が、追加の界面活性剤、ヒドロトロープ、湿潤剤、染料、追加の抗菌活性物質、抑泡剤、溶媒、錯化剤、汚れ放出ポリマー、粘度調整剤、構造化剤、香料、pH調整剤、光学的増白剤、封入活性物質及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の追加成分を含む、[1]~[3]又は[5]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
前記水性液が、非イオン性界面活性剤、好ましくはアルコールアルコキシレート界面活性剤を含む追加の界面活性剤を含む、[1]~[10]のいずれか一項に記載の方法。
[12]
前記布地を処理する前に、前記水性液が、組成物を水中で前記組成物の初期濃度の0.01~99.5%の濃度まで希釈又は溶解することによって形成される、[1]~[3]又は[5]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]
前記組成物が、液体の形態であり、
a)前記組成物の約0.05~約4.5重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の少なくとも7重量%、好ましくは約8~約35重量%、より好ましくは約9~約30重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、イタコン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、
c)任意に、前記組成物の約0.5~約3重量%の追加の界面活性剤であって、好ましくは非イオン性界面活性剤、より好ましくはアルコールアルコキシレート界面活性剤である、追加の界面活性剤と、を含む、[1]~[3]又は[5]~[12]のいずれかに記載の方法。
[14]
前記組成物が、固体の形態であり、
a)前記組成物の約1~約10重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の少なくとも7重量%、好ましくは約8~約70重量%、より好ましくは9~65重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、イタコン酸、安息香酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、を含む、[12]に記載の方法。
[15]
前記組成物が、すぐに使用できるスプレーの形態であり、
a)前記組成物の約0.001重量%~約0.1重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の少なくとも0.01重量%、好ましくは約0.015重量%~約0.7重量%、より好ましくは約0.1重量%~約0.6重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、イタコン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、含む、[12]に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地を処理する方法であって、前記布地を、アニオン性界面活性剤と、約100ppm~約7,000ppmの酸性化剤とを含む水性液に供する処理工程を含み、前記処理工程の後にすすぎ除去工程が続かない、方法。
【請求項2】
前記処理工程が、
i)前記水性液中に前記布地を完全に浸漬すること、又は
ii)前記水性液で前記布地をスプレーすること、を伴う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理工程が、前記水性液中に前記布地を完全に浸漬することを伴い、かつ前記処理工程が、洗浄機の最終すすぎサイクルで行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記水性液が、25℃で測定して4.5未満、好ましくは4未満、より好ましくは1.5~3.8のpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アニオン性界面活性剤が、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記酸性化剤が有機酸を含み、好ましくはギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、イタコン酸、安息香酸及びそれらの混合物からなる群から選択される有機酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記酸性化剤が、クエン酸及びギ酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記水性液が、少なくとも10ppmのアニオン性界面活性剤、好ましくは約15ppm~約1,000ppmのアニオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記水性液中の酸性化剤対アニオン性界面活性剤の重量比が、約800:1~約0.5:1、好ましくは約650:1~約0.8:1、より好ましくは約600:1~約1:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記水性液が、追加の界面活性剤、ヒドロトロープ、湿潤剤、染料、追加の抗菌活性物質、抑泡剤、溶媒、錯化剤、汚れ放出ポリマー、粘度調整剤、構造化剤、香料、pH調整剤、光学的増白剤、封入活性物質及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の追加成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記水性液が、非イオン性界面活性剤、好ましくはアルコールアルコキシレート界面活性剤を含む追加の界面活性剤を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記布地を処理する前に、前記水性液が、組成物を水中で前記組成物の初期濃度の0.01~99.5%の濃度まで希釈又は溶解することによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、液体の形態であり、
a)前記組成物の約0.05~約4.5重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の少なくとも7重量%、好ましくは約8~約35重量%、より好ましくは約9~約30重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、イタコン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、
c)任意に、前記組成物の約0.5~約3重量%の追加の界面活性剤であって、好ましくは非イオン性界面活性剤、より好ましくはアルコールアルコキシレート界面活性剤である、追加の界面活性剤と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、固体の形態であり、
a)前記組成物の約1~約10重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の少なくとも7重量%、好ましくは約8~約70重量%、より好ましくは9~65重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、イタコン酸、安息香酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、すぐに使用できるスプレーの形態であり、
a)前記組成物の約0.001重量%~約0.1重量%のアニオン性界面活性剤であって、好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の少なくとも0.01重量%、好ましくは約0.015重量%~約0.7重量%、より好ましくは約0.1重量%~約0.6重量%の酸性化剤であって、ギ酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、ソルビン酸、酢酸、サリチル酸、オクタン酸、リンゴ酸、グリコール酸、安息香酸、イタコン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、酸性化剤と、含む、請求項に記載の方法。
【国際調査報告】