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特表2024-524395がん細胞の交流電場への感受性を増大させるための組成物及び方法
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  • 特表-がん細胞の交流電場への感受性を増大させるための組成物及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】がん細胞の交流電場への感受性を増大させるための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20240628BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240628BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580564
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2022055589
(87)【国際公開番号】W WO2023275649
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/216,964
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519275847
【氏名又は名称】ノボキュア ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リラチ・アヴィグドル
(72)【発明者】
【氏名】タリ・ボロシン-セラ
【テーマコード(参考)】
4C084
【Fターム(参考)】
4C084AA17
4C084NA05
4C084ZB26
(57)【要約】
がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が本明細書において開示される。治療有効性を増大させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。がんを有する対象を治療する方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。IGF1R1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、及び/又はERK阻害剤のいずれかと組み合わせて、交流電場をある期間使用してがん細胞の生存能を低減させる方法であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、方法が開示される。がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と;がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、
a.がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、
b.がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程と
を含む方法。
【請求項2】
交流電場の周波数が、100~500kHzである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
交流電場の周波数が、180~220kHzである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
がん細胞が、神経膠芽腫細胞、卵巣細胞又は肺転移性癌細胞である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
がん細胞が、対象において存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
がん細胞が、交流電場及びIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ同時に曝露される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
IGFR阻害剤が、シクスツムマブ(IMC-A12)、フィギツムマブ(CP-751,871)、ダロツズマブ(MK-0646;h7C10)、ガニツマブ(AMG 479)、R1507、SCH 717454(19D12)、AVE1642(EM164)、BIIB022、MEDI-573、リンシチニブ(OSI-096)、BMS-754807、BVP 51004、XL228、INSM-18(NDGA)、NVP-AEW541、GSK1904529A、NVP-ADW742、BMS-536924、セリチニブ(LDK378)、AG-1024、GSK1838705A、SBI-477、PQ 401、AZD3463、NT157、ブリガチニブ(AP26113)、ピクロポドフィリン(PPP)及び5961からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
JNK阻害剤が、SP600125、AS601245、N-(3-シアノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチエン-2-イル)アミド、アザキノロンアナログ168及びN-アルキル(プロピル及びブチル)-保有ピラゾロアントロンスキャフォールド、7-(6-N-フェニルアミノヘキシル)アミノ-2H-アントラ[1,9-cd]ピラゾール-6-オン、HCC又はBi-78D3、PYC98、PYC71N、アダマンチルアザキノロン、ピリミジニル-置換ベンザゾール-アセトニトリル、6-アニリノインダゾール、20-アニリノ-4,40-ビピリジン、イソキサゾール誘導体、XG-102、4-キノロンアナログ13c、4-フェニルイソキノロン11g、ジンセノサイドRg1.、及びピリドピリミジノン誘導体、JNK-IN-1~JNK-IN-12、IRAK1、PIK3C3、PIP4K2C、PIP5K3、アントラピラゾロン、インダゾール、アミノピラゾール、アミノピリジン、ピリジンカルボキサミド、ベンゾチエン-2-イルアミド及びベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、キノリン誘導体、並びにアミノピリミジンからなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
RPS6阻害剤が、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パキサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ヴィスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3又は8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロヴィルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD、TML-6、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206)エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3)イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA、スクテラリン、GNE-317、GNE-403並びにNSC781406からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ERK阻害剤が、BVD-523、CC-90003、GDC-0094、コビメチニブ、MK-8353、ボスチニブ、BIX 02189、レスベラトロール、SCH772984、ハイパフォリン、KO-947、ウロリチンB、SEA0400、ロウレイリンB、エザチオスタット、トラケロシド、MRTX-1257、ファルカリンジオール、HI-TOPK-032、ククルビタシンIIb、BAY-885、DEL-22379、アストラガロシドIV、TIC10、MK-8353、トランス-ゼアチン、AZD0364、ウスニン酸、ASTX-029、VX-11e、ノトギンセノシドR1、CC-90003、2'5'-ジヒドロキシアセトフェノン、ムルベロシドA、ERK5-IN-1、マグノリン、XMD8-92、LY3214996、プルリポチン(SC1)、ウリキセルチニブ(BVD-523)、メチルチオウラシル、アジュジン、FR 180204、AG-126、コリノキセイン、ERK5-IN-2、ラヴォキセルチニブ(GCD-0994)、セルメチニブ、ミルダメチニブ、トラメチニブ、U0126-EtOH、PD184352、トラメチニブDM SO溶媒和物、PD98059、BIX 02189、ピマセルチブ、ペリチニブ、BIX 02188、TAK-733、AZD8330、ビニメチニブ、PD318088、ホノキオール、SL-327、レファメチニブ、ミリセチン、BI-847325、コビメチニブ、RO5126766又はGDC-0623からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
がんを有する対象を治療する方法であって、(a)交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、(b)治療有効量のIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤を対象へ投与する工程とを含む方法。
【請求項12】
対象においてがん細胞の生存能を低減させる方法であって、(a)交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、(b)治療有効量のIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤を対象へ投与する工程とを含む方法。
【請求項13】
がんが、神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌である、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
IGFR1阻害剤が、シクスツムマブ(IMC-A12)、フィギツムマブ(CP-751,871)、ダロツズマブ(MK-0646;h7C10)、ガニツマブ(AMG 479)、R1507、SCH 717454(19D12)、AVE1642(EM164)、BIIB022、MEDI-573、リンシチニブ(OSI-096)、BMS-754807、BVP 51004、XL228、INSM-18(NDGA)、NVP-AEW541、GSK1904529A、NVP-ADW742、BMS-536924、セリチニブ(LDK378)、AG-1024、GSK1838705A、SBI-477、PQ 401、AZD3463、NT157、ブリガチニブ(AP26113)、ピクロポドフィリン(PPP)、5961からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
JNK阻害剤が、SP600125、AS601245、N-(3-シアノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチエン-2-イル)アミド、アザキノロンアナログ168及びN-アルキル(プロピル及びブチル)-保有ピラゾロアントロンスキャフォールド、7-(6-N-フェニルアミノヘキシル)アミノ-2H-アントラ[1,9-cd]ピラゾール-6-オン、HCC又はBi-78D3、PYC98、PYC71N、アダマンチルアザキノロン、ピリミジニル-置換ベンザゾール-アセトニトリル、6-アニリノインダゾール、20-アニリノ-4,40-ビピリジン、イソキサゾール誘導体、XG-102、4-キノロンアナログ13c、4-フェニルイソキノロン11g、ジンセノサイドRg1.、及びピリドピリミジノン誘導体、JNK-IN-1~JNK-IN-12、IRAK1、PIK3C3、PIP4K2C、PIP5K3、アントラピラゾロン、インダゾール、アミノピラゾール、アミノピリジン、ピリジンカルボキサミド、ベンゾチエン-2-イルアミド及びベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、キノリン誘導体、並びにアミノピリミジンからなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
RPS6阻害剤が、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パキサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ヴィスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3又は8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロヴィルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD、TML-6、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206)エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3)イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA、スクテラリン、GNE-317、GNE-403並びにNSC781406からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ERK阻害剤が、BVD-523、CC-90003、GDC-0094、コビメチニブ、MK-8353、ボスチニブ、BIX 02189、レスベラトロール、SCH772984、ハイパフォリン、KO-947、ウロリチンB、SEA0400、ロウレイリンB、エザチオスタット、トラケロシド、MRTX-1257、ファルカリンジオール、HI-TOPK-032、ククルビタシンIIb、BAY-885、DEL-22379、アストラガロシドIV、TIC10、MK-8353、トランス-ゼアチン、AZD0364、ウスニン酸、ASTX-029、VX-11e、ノトギンセノシドR1、CC-90003、2'5'-ジヒドロキシアセトフェノン、ムルベロシドA、ERK5-IN-1、マグノリン、XMD8-92、LY3214996、プルリポチン(SC1)、ウリキセルチニブ(BVD-523)、メチルチオウラシル、アジュジン、FR 180204、AG-126、コリノキセイン、ERK5-IN-2、ラヴォキセルチニブ(GCD-0994)、セルメチニブ、ミルダメチニブ、トラメチニブ、U0126-EtOH、PD184352、トラメチニブDM SO溶媒和物、PD98059、BIX 02189、ピマセルチブ、ペリチニブ、BIX 02188、TAK-733、AZD8330、ビニメチニブ、PD318088、ホノキオール、SL-327、レファメチニブ、ミリセチン、BI-847325、コビメチニブ、RO5126766及びGDC-0623からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、請求項11から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
周波数が、100~500kHzである、請求項11から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
周波数が、180~220kHzである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、
a.がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、
b.がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程と
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月30日出願の米国仮出願第63/216,964号の利益を主張し、当該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
腫瘍治療電場(Tumor Treating Field)又はTTフィールドは、がん細胞増殖を阻害する中間周波数範囲(例えば、100~500kHz)内の低強度(例えば、1~3V/cm)の交流電場である。この非侵襲的治療は、固形腫瘍を標的化し、全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第7,565,205号において説明されている。TTフィールドは、神経膠芽腫(GBM)の治療についてFDAにより承認されており、例えば、Optune(商標)システムによりデリバリーされ得る。Optune(商標)は、電場ジェネレーターと、患者の剃毛した頭部上に設置される2対のトランスデューサーアレイ(すなわち、電極アレイ)とを含む。1対の電極は、腫瘍の左右に位置付けられ、他方の対の電極は、腫瘍の前後に位置付けられる。前臨床環境において、TTフィールドは、例えば、Inovitro(商標)TTフィールド研究用システム(Inovitro(商標)TTFields lab bench system)を使用してin vitroにおいて適用することができる。
【0003】
TTフィールド治療は、再発性神経膠芽腫について承認された単独療法、及び新規に診断された神経膠芽腫及び切除不能な悪性胸膜中皮腫患者について承認された化学療法との組合せ療法である。これらの電場は、患者の頭皮に直接載せられたトランスデューサーアレイ(すなわち、電極のアレイ)によって非侵襲的に誘導される。TTフィールドは、身体の他の部分の腫瘍を治療するためにも有益であるようである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,565,205号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
交流電場(例えば、TTフィールド)と、がん細胞の交流電場への感受性を増大させることを補助するためのIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種とを使用する組合せ療法が、本明細書において開示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0007】
治療有効性を増大させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0008】
がんを有する対象を治療する方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0009】
IGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、及び/又はERK阻害剤のいずれかと組み合わせて、交流電場をある期間使用してがん細胞の生存能を低減させる方法であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、方法が開示される。
【0010】
がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と;がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0011】
開示される方法及び組成物の更なる利点は、一部には以下の説明において示され、一部には説明から理解されるか、又は開示される方法及び組成物の実施によって習得され得る。開示される方法及び組成物の利点は、附属の特許請求の範囲において特に示される要素及び組合せによって実現及び達成される。上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲の本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【0012】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する附属の図面は、開示される方法及び組成物のいくつかの実施形態を例示し、説明と共に、開示される方法及び組成物の原理を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】A2780(卵巣がん細胞株)におけるタンパク質発現の変化を示すLuminex分析からの結果である:短期(左)は、対照試料結果と比較した、72時間後のTTフィールドにおけるタンパク質発現変化を示している。長期(右)は、対照試料結果と比較した、168時間後のTTフィールドにおけるタンパク質発現変化を示している。丸内の色-図の左下部分の凡例-スケールの上部へ向かって濃くなる色は、発現の増大を示し、スケールの下部へ向かって薄くなる色は、発現の減少を示し、無色は変化なしを示す。丸の周囲の線-図の右下部分の凡例-統計的有意性の程度。直線はタンパク質間の直接的接続を示し、一方で、点線は間接的接続を示す。
図2】U87(神経膠芽腫細胞株)におけるタンパク質発現の変化を示すLuminex分析結果からの結果である:短期(左)は、対照試料結果と比較した、72時間後のTTフィールドにおけるタンパク質発現変化を示している。長期(右)は、対照試料結果と比較した、312時間後のTTフィールドにおけるタンパク質発現変化を示している。丸内の色-図の左下部分の凡例-スケールの上部へ向かって濃くなる色は、発現の増大を示し、スケールの下部へ向かって薄くなる色は、発現の減少を示し、無色は変化なしを示す。丸の周囲の線-図の右下部分の凡例-統計的有意性の程度。直線はタンパク質間の直接的接続を示し、一方で、点線は間接的接続を示す。
図3図3A:TTフィールドの適用がin vivoにおいてAKTリン酸化を活性化することを示す。図3B:TTフィールドの適用がin vivoにおいてRPS6リン酸化を活性化することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
開示される方法及び組成物は、以下の特定の実施形態の詳細な説明及びその中に含まれる実施例、並びに図面及びそれらの上記及び下記の説明を参照することにより、より容易に理解され得る。
【0015】
開示される方法及び組成物は、別に特定されない限り、特定の合成法、特定の分析技法又は特定の試薬に限定されず、そのため、変動し得ることを理解すべきである。また、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためであり、限定であるとは意図されないことを理解すべきである。
【0016】
開示される方法及び組成物に使用することができるか、これらと共に使用することができるか、これらの調製において使用することができるか、又はこれらの生成物である材料、組成物及び成分が開示される。これら及び他の材料は本明細書において開示されており、これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、群等が開示されている場合、これらの化合物の各様々な個々の及び集合的な組合せ及び並べ替えの特定の言及が明白に開示されていない場合でも、各々は本明細書において特に企図及び説明されていることが理解される。したがって、分子A、B及びCのクラス、並びに分子D、E及びFのクラスが開示されており、且つ組合せ分子の一例であるA-Dが開示されている場合、各々が個々に列挙されていない場合でも、各々は個々に且つ集合的に企図される。したがって、この実施例において、組合せA-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E及びC-Fの各々は、特に企図され、A、B及びC;D、E及びF;並びに例の組合せA-Dの開示から開示されていると考えるべきである。同様に、また、これらの任意のサブセット又は組合せは、特に企図及び開示される。したがって、例えば、A-E、B-F及びC-Eのサブ群は、特に企図され、A、B及びC;D、E及びF;並びに例の組合せA-Dの開示から開示されていると考えるべきである。この概念は、非限定的に、開示される組成物を製造及び使用する方法における工程を含む、本出願のすべての態様に適用される。したがって、実施され得る様々な追加の工程が存在する場合、これらの追加の工程の各々は、開示される方法の任意の特定の実施形態又は実施形態の組合せにより実施され得ること、及び各そのような組合せは、特に企図され、開示されていると考えるべきであることが理解される。
【0017】
A.定義
説明されている特定の方法、プロトコール及び試薬は変動し得るので、開示される方法及び組成物は、これらに限定されないことが理解される。また、本明細書において使用される用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためであり、本発明の範囲を限定するとは意図されず、本発明の範囲は附属の特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解すべきである。
【0018】
本明細書において及び附属の特許請求の範囲において使用される場合、文脈が明らかに別のように示さない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示物を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「1種のJNK阻害剤」又は「1種のERK阻害剤」についての言及は、複数のそのようなJNK又はERK阻害剤を含み、「そのがん細胞(the cancer cell)」についての言及は、1つ又は複数のがん細胞及び当業者に公知のそれらの同等物についての言及である等と言える。
【0019】
本明細書において使用される場合、「交流電場(alternating electric field又はalternating electric fields)」とは、対象へデリバリーされる非常に低強度の指向性の中間周波数交流電場、対象から得られる試料、又は対象又は患者内の特定の位置(例えば、標的部位)を指す。一部の態様において、交流電場は、単一の方向であってもよく、多方向性であってもよい。一部の態様において、交流電場は、治療される核心部内に垂直磁場を生成する2対のトランスデューサーアレイを通してデリバリーされ得る。例えば、Optune(商標)システム(交流電場デリバリーシステム)について、1対の電極は、核心部の左右(LR)に位置し、他方の対の電極は、核心部の前後(AP)に位置する。これらの2方向(すなわち、LR及びAP)間の磁場を周期循環させることにより、最大範囲の細胞方向が標的化されることを確実にする。一部の態様において、交流電場は、交流電場腫瘍治療システム(TTF)と称され得る。
【0020】
in-vivo及びin-vitro研究から、電場の強度が増大するにつれて、交流電場療法の有効性が増大することが示されている。それゆえ、Optuneシステムでは、所望される腫瘍領域における強度を増大させるために、患者の腫瘍領域に対するアレイの設置の最適化が行われ得る。アレイ設置の最適化は、患者の腫瘍の幾何学的形状である、腫瘍寸法を説明する「経験則(rule of thumb)」測定(例えば、標的部位の所望の領域(例えば、がん細胞)に可能な限り近く腫瘍上にアレイを置くこと)によって行われ得る。入力として使用される測定値は、画像化データに由来し得る。画像化データは、例えば、単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)画像データ、x線コンピュータ断層撮影(x線CT)データ、磁気共鳴画像化(MRI)データ、陽電子放出型断層撮影(PET)データ、光学機器(例えば、写真用カメラ、電荷結合素子(CCD)カメラ、赤外線カメラ等)によって捉えられ得るデータ等の任意の種類の視覚的データを含むと意図される。ある特定の実行において、画像データは、3Dスキャナーから得られた又は3Dスキャナーによって生成された3Dデータ(例えば、点群データ)を含み得る。最適化は、アレイの位置の関数として電場がどのように頭部内で分布するかを理解することに依存し、一部の態様において、様々な患者の頭部内での電気特性分布における変動を考慮してもよい。
【0021】
「対象」という用語は、投与の標的、例えば、動物を指す。したがって、開示される方法の対象は、脊椎動物、例えば、哺乳動物であり得る。例えば、対象は、ヒトであり得る。この用語は、特定の年齢又は性別を示さない。対象は、「個体」又は「患者」と互換的に使用され得る。例えば、投与の対象は、交流電場のレシピエントを意味し得る。
【0022】
「治療する」により、がん(神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌)の影響の悪化を予防若しくは遅延させるために、又はがんの影響を部分的又は完全に逆行させるために、治療法、例えば、交流電場を、がんを有するか又はがんの発症しやすさが増大している対象、例えば、ヒト又は他の哺乳動物(例えば、動物モデル)に投与又は適用することを意味する。
【0023】
「予防する」により、がんの発症しやすさが増大している対象が、がんを発症する機会を最小限にすることを意味する。
【0024】
本明細書において使用される場合、「投与すること」及び「投与」という用語は、治療薬、例えば、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、又はERK阻害剤を対象へ提供する任意の方法を指す。そのような方法は、当業者に周知であり、非限定的に、経口投与、経皮投与、吸入による投与、鼻投与、局所投与、膣内投与、眼の投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、口腔投与、並びに静脈内投与、動脈内投与、筋内投与及び皮下投与等の注射剤を含む非経口投与を含むが、これらに限定されない。投与は、連続性であっても、間欠性であってもよい。様々な態様において、調製物は、治療的に投与され得る;つまり、現存の疾患又は状態を治療するために投与され得る。更なる様々な態様において、調製物は、予防的に投与され得る;つまり、疾患又は状態の予防のために投与され得る。一態様において、当業者は、対象を治療するための投与の有効な用量、有効なスケジュール又は有効な経路を決定し得る。一部の態様において、投与することは、曝露することを含む。したがって、一部の態様において、がん細胞を交流電場へ曝露することは、交流電場をがん細胞へ投与する(適用する)ことを意味する。
【0025】
「場合による」又は「場合により」とは、次に記載される事象、状況又は材料が起こってもよく起こらなくてもよいか、又は存在してもよく存在しなくてもよいこと、及びその記述が、事象、状況又は材料が起こるか又は存在する場合、及びそれが起こらないか又は存在しない場合を含むことを意味する。
【0026】
範囲は、本明細書において「約」ある特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までと表され得る。そのような範囲が表される場合、文脈が具体的に別のように示さない限り、ある特定の値から及び/又は他の特定の値までの範囲も特に企図され、開示されていると考えられる。同様に、値が「約」という先行詞の使用により近似値として表される場合、特定の値は、文脈が具体的に別のように示さない限り、開示されていると考えるべきである別の特に企図される実施形態を形成することが理解される。範囲の各々の終点は、文脈が具体的に別のように示さない限り、他の終点との関係において有意であること、及び他の終点とは独立的に有意であることの両方が、更に理解される。最後に、明白に開示される範囲内に含有される個々の値及び値のサブ範囲のすべても、文脈が具体的に別のように示さない限り、特に企図され、開示されていると考えるべきであることを理解すべきである。上記のことは、特定の場合においてこれらの実施形態の一部又はすべてが明白に開示されているかどうかにかかわらず、適用される。
【0027】
別に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、開示される方法及び組成物が属する分野の当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において説明される方法及び材料と同様又は同等の任意の方法及び材料は、本方法及び組成物の実施又は試験において使用することができるが、特に有用な方法、デバイス及び材料は説明される通りである。本明細書において引用される出版物及びそれらが引用される材料は、特に、これにより参照により本明細書に組み込まれる。本明細書中のいかなる記載も、本発明が先行発明のためにそのような開示に先行する権利を与えられないことを認めるものとは解釈すべきでない。いかなる参考文献も先行技術を構成するとは承認されない。参考文献の説明は、それらの著者らが主張することを説明するものであり、出願人は引用される文献の正確さ及び関連性の正当性を問う権利を保有している。いくつかの出版物が本明細書において参照されているが、そのような参照は、これらの文献のいずれかが当該技術分野の共通一般知識の部分を形成するという承認を構成しないことが明らかに理解される。
【0028】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、「~を含む(comprise)」という語及びこの語の変形、例えば「~を含むこと(comprising)」及び「~を含む(comprises)」は、「~を含むが、これらに限定されない(including but not limited to)」を意味し、例えば、他の添加物、成分、整数又は工程を除外することを意図しない。特に、1つ又は複数の工程又は操作を含むと言及される方法において、各工程は(その工程が「~からなる(consisting of)」等の限定的な用語を含まない限り)列挙されるものを含むことが特に企図され、各工程は、例えば、工程において列挙されていない他の添加物、成分、整数又は工程を除外することを意図しないことを意味する。
【0029】
B.感受性を増大させる方法
一部の態様において、交流電場は、ある特定の遺伝子の発現を増大させ得る。例えば、交流電場の、細胞又は対象への適用は、細胞又は対象における遺伝子、例えばIGF1R、JNK、RPS6及びERKの発現を増大させ得る。
【0030】
インスリン様増殖因子1(IGF-1)受容体は、ヒト細胞の表面上に見出されるタンパク質である。それは、インスリン様増殖因子1(IGF-1)と呼ばれるホルモンによって、及びIGF-2と呼ばれる関連するホルモンによって活性化される膜貫通受容体である。それは、チロシンキナーゼ受容体の大きなクラスに属する。この受容体は、分子構造においてインスリンと同様のポリペプチドタンパク質ホルモンであるIGF-1の効果を媒介する。IGF-1は、成長において重要な役割を果たし、成人において同化作用を有し続け、このことは、それが骨格筋及び他の標的組織の肥大を誘発し得ることを意味する。IGF-1受容体を欠くマウスは、発生後期に死に、体重の劇的な低減を示す。IGF-1Rは、乳がん、前立腺がん及び肺がんを含むいくつかのがんにおいて関連が示唆されている。一部の場合、その抗アポトーシス特性は、がん性細胞が化学療法薬又は放射線療法の細胞傷害特性に抵抗することを可能にする。EGFR阻害剤、例えばエルロチニブがEGFRシグナル伝達経路を阻害するために使用されている、乳がんにおいては、IGF-1Rは、ヘテロダイマーの二分の一を形成することによって抵抗性を与え(エルロチニブの頁のEGFRシグナル伝達の説明を参照されたい)、EGFRシグナル伝達が好適な阻害剤の存在下において再開することを可能にする。このプロセスは、EGFRとIGF-1Rとの間のクロストーク(crosstalk)と称される。それは、血管新生を促進する能力を与えることにより元の腫瘍の転移潜在性を増大させることによって、乳がんにおいて更に関係が示唆される。
【0031】
IGF-1Rのレベルの増大は、原発性及び転移性前立腺がん患者腫瘍の大多数において発現される。証拠から、前立腺がん細胞がアンドロゲン独立性へ進行する場合、IGF-1Rシグナル伝達は、生存及び増殖に必要とされることが示唆される。加えて、後期疾患を模倣した不死化された前立腺がん細胞を、IGF-1RリガンドであるIGF-1により処理すると、細胞は、より運動性になる。また、IGF受容体ファミリーのメンバー及びそれらのリガンドは、イヌの乳房腫瘍の発癌に関与しているように見える。TCGAデータの解析に基づくと、IGF1Rは、いくつかのがんタイプにおいて増幅されており、遺伝子増幅は、がんにおけるIGF1Rの過剰発現のための1機構であり得る。
【0032】
c-Jun N末端キナーゼ(JNK)は、元々、c-Junを、その転写活性化ドメイン内のSer-63及びSer-73において結合及びリン酸化するキナーゼとして特定された。それらは、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼファミリーに属し、ストレス刺激、例えばサイトカイン、紫外線照射、熱ショック及び浸透圧ショックに応答性である。また、それらは、T細胞分化及び細胞アポトーシス経路において役割を果たす。活性化は、キナーゼサブドメインVIIIに位置するThr-Pro-Tyrモチーフ内のトレオニン(Thr)及びチロシン(Tyr)残基の二重リン酸化を通して起こる。活性化は、2つのMAPキナーゼキナーゼである、MKK4及びMKK7によって行われ、JNKは、Ser/Thr及びTyrタンパク質ホスファターゼによって不活性化され得る。このシグナル伝達経路は、哺乳動物及び昆虫において炎症反応に寄与することが示唆されている。
【0033】
JNKは、リン酸化によって、ミトコンドリアに存在するか又は核内において作用する多くのタンパク質の活性を改変する。JNKによって活性化される下流分子として、c-Jun、ATF2、ELK1、SMAD4、p53及びHSF1が挙げられる。JNK活性化によって阻害される下流分子として、NFAT4、NFATC1及びSTAT3が挙げられる。このようにして他の低分子を活性化及び阻害することによって、JNK活性は、細胞増殖、分化、生存及びアポトーシスを含む、いくつかの重要な細胞機能を調節する。JNK活性化は、いくつかのがんタイプの腫瘍発生に関与する。
【0034】
リボソームタンパク質S6(rpS6又はeS6)は、40Sリボソームサブユニットの1成分であり、それゆえ、翻訳に関与している。マウスモデル研究から、eS6のリン酸化は、細胞サイズ、細胞増殖及びグルコースホメオスタシスの調節に関与していることが示された。
【0035】
細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)又は古典的MAPキナーゼは、広範に発現されるタンパク質キナーゼ細胞内シグナル伝達分子であり、これは、分化した細胞において減数分裂、有糸分裂及び有糸分裂後の機能の調節を含む機能に関与している。増殖因子、サイトカイン、ウイルス感染、ヘテロ三量体Gタンパク質連結型受容体についてのリガンド、形質転換剤及び発癌物質を含む多くの様々な刺激は、ERK経路を活性化する。ERK経路、特に、Ras、c-Raf、及びHER2等の受容体の破壊は、がんにおいて一般的である。また、ERKは、腫瘍において生存促進性経路を活性化し得る。
【0036】
異常なRAS/RAFシグナル伝達、DNA損傷及び酸化ストレスによるERK1/2経路の活性化は、細胞の老化をもたらす。がん治療から生ずる少量のDNA損傷は、ERK1/2が老化を誘発することを引き起こし、一方で、より高い量のDNA損傷は、ERK1/2を活性化することができず、したがって、アポトーシスによる細胞死を誘発する。
【0037】
本明細書において提供される通り、IGF1R、JNK、RPS6及びERKのうちの1つ又は複数の発現を減少又は阻害することは、交流電場の、細胞又は対象への使用又は適用の延長を可能にすることができるか、或いは細胞又は対象へ適用される周波数又は電場強度の増大を可能にすることができる。また、本明細書において提供されるように、IGF1R、JNK、RPS6及びERKのうちの1つ又は複数の発現を減少又は阻害することは、生存を延長し、TTフィールド処置の有効性を向上することができる。TTフィールドの使用の延長は、あまり関係がないように見える。
【0038】
交流電場は、いくつかの疾患及び障害を処置するために、例えばがん治療として、使用することができるので、交流電場からの任意の負の副作用(例えば、疾患進行又は生存の低減をもたらし得る、転写経路及びプロテアソーム経路の活性化)を低減又は防止することは、細胞又は対象の交流電場への感受性を増大させることを補助し得る。がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。また、細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、細胞をIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。一部の態様において、細胞又はがん細胞は、対象内に存在し、細胞をIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤へ曝露することは、対象の交流電場への感受性を増大させる。
【0039】
一部の態様において、交流電場は、IGF1Rの発現を増大させることができる。IGFR1の過剰発現は、がん増殖を誘発し得る。交流電場は、いくつかの疾患及び障害を処置するために、例えばがん治療として、使用することができるので、交流電場からの任意の負の副作用を低減又は防止することは、交流電場の感受性を増大させることを補助することができ、したがって、交流電場により引き起こされるIGF1Rの発現を減少又は阻害することは、交流電場の感受性を増大させることができる。
【0040】
一部の態様において、IGFR1阻害剤は、抗体、低分子、オリゴヌクレオチドであり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、抗体は、IFG1Rに対するモノクローナル抗体、又はIFG1Rリガンドに対するモノクローナル抗体であり得る。一部の態様において、低分子は、IGF1Rチロシンキナーゼ阻害剤であり得る。一部の態様において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNA干渉又は環状RNAであってもよい。一部の態様において、IGFR1阻害剤は、シクスツムマブ(cixutumumab)(IMC-A12)、フィギツムマブ(CP-751,871)、ダロツズマブ(Dalotuzumab)(MK-0646;h7C10)、ガニツマブ(Ganitumab)(AMG 479)、R1507、SCH 717454(19D12)、AVE1642(EM164)、BIIB022、MEDI-573、リンシチニブ(Linsitinib)(OSI-096)、BMS-754807、BVP 51004、XL228、INSM-18(NDGA)、NVP-AEW541、GSK1904529A、NVP-ADW742、BMS-536924、セリチニブ(LDK378)、AG-1024、GSK1838705A、SBI-477、PQ 401、AZD3463、NT157、ブリガチニブ(AP26113)、ピクロポドフィリン(Picropodophyllin)(PPP)、5961からなる群のうちの1つ又は複数から選択することができるが、これらに限定されない。したがって、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をIGF1R阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。また、細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、細胞をIGF1R阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。一部の態様において、細胞又はがん細胞は、対象内に存在する。
【0041】
一部の態様において、JNK阻害剤は、SP600125、AS601245、N-(3-シアノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチエン-2-イル)アミド、アザキノロンアナログ168及びN-アルキル(プロピル及びブチル)-保有ピラゾロアントロン(pyrazoloanthrone)スキャフォールド、7-(6-N-フェニルアミノヘキシル)アミノ-2H-アントラ[1,9-cd]ピラゾール-6-オン、HCC又はBi-78D3、PYC98、PYC71N、アダマンチルアザキノロン、ピリミジニル-置換ベンザゾール-アセトニトリル、6-アニリノインダゾール、20-アニリノ-4,40-ビピリジン、イソキサゾール誘導体、XG-102、4-キノロンアナログ13c、4-フェニルイソキノロン11g、ジンセノサイドRg1.、及びピリドピリミジノン誘導体、JNK-IN-1~JNK-IN-12、IRAK1、PIK3C3、PIP4K2C、PIP5K3、アントラピラゾロン、インダゾール、アミノピラゾール、アミノピリジン、ピリジンカルボキサミド、ベンゾチエン-2-イルアミド及びベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、キノリン誘導体、並びにアミノピリミジンであり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をJNK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。また、細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、細胞をJNK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0042】
一部の態様において、RPS6阻害剤は、RPS6を阻害するか、RPS6のリン酸化を阻害するか、又はリン酸化されたRPS6を阻害する任意の組成物又は化合物であり得る。一部の態様において、RPS6阻害剤は、shRNAであり得る。一部の態様において、RPS6阻害剤は、mTOR阻害剤であってもよく、ここで、mTOR阻害剤は、RPS6の脱リン酸化剤として作用する。一部の態様において、mTOR阻害剤は、トルキニブ(torkinib)、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ(dactolisib)、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ(sapanisertib)、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ(gedatosilib))、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ(Gedatolisib)、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ(voxtasilib))、ビミラリシブ(Bimiralisib)(PQR309)、パキサリシブ(Paxalisib)(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク(Rapalink)-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン(Torin)1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ヴィスツセルチブ(Vistusertib)(AZD2014)、WYE-125132、パロミド(Palomid)529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ(Samotolisib))、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3又は8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロヴィルブキシン(Cyclovirbuxine)D、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸(usunic acid)、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリド(Arnicolide)D及びTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択することができるが、これらに限定されない。一部の態様において、RPS6阻害剤は、AKT阻害剤であってもよく、ここで、AKT阻害剤の作用は、RPS6リン酸化を防止し得る。一部の態様において、AKT阻害剤は、ラパチニブ、H 8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(Afuresertib)(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(uprosertib)(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(Edelfosine)(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(erucylphosphocholine)(ErPC)、エルホシン(erufosine)(ErPC3、エルシルホスホホモコリン(erucylphosphohomocholine))、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(Triciribine)(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド(3 oxo tirucallic acid)、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド(3α- and 3β acetoxy tirucallic acid)、アセトキシチルカリック(acetoxy tirucallic)、ラクトキノマイシン(Lactoquinomycin)、フレノリシン(Frenolicin)B、カラフンギン、メデルマイシン(medermycin)、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(Rigosertib)(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(Miransertib)(ARQ 092)、ボルセルチブ(Borussertib)、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチン(Urolithin)B、ABTL-0821、ロウレイリン(Loureirin)A、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン(Resibfogenin)、テラメプロコル(Terameprocol)、オロキシン(Oroxin)B、LM22B-10、アマロゲンチン(Amarogentin)、オリドニン(Oridonin)、プラエルプトリン(Praeruptorin)A、スクテラリン(Scutellarin)、GNE-317、GNE-403、又はNSC781406であり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をRPS6阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。また、細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、細胞をRPS6阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。一部の態様において、細胞又はがん細胞は、対象内に存在する。
【0043】
一部の態様において、ERK阻害剤は、BVD-523、CC-90003、GDC-0094、コビメチニブ、MK-8353、ボスチニブ、BIX 02189、レスベラトロール、SCH772984、ハイパフォリン(hypaphorine)、KO-947、ウロリチン(urolithin)B、SEA0400、ロウレイリン(loureirin)B、エザチオスタット、トラケロシド(tracheloside)、MRTX-1257、ファルカリンジオール、HI-TOPK-032、ククルビタシンIIb、BAY-885、DEL-22379、アストラガロシドIV、TIC10、MK-8353、トランス-ゼアチン、AZD0364、ウスニン酸、ASTX-029、VX-11e、ノトギンセノシド(notoginsenoside)R1、CC-90003、2'5'-ジヒドロキシアセトフェノン、ムルベロシド(mulberroside)A、ERK5-IN-1、マグノリン(magnolin)、XMD8-92、LY3214996、プルリポチン(pluripotin)(SC1)、ウリキセルチニブ(ulixertinib)(BVD-523)、メチルチオウラシル、アジュジン、FR 180204、AG-126、コリノキセイン(corynoxeine)、ERK5-IN-2、ラヴォキセルチニブ(ravoxertinib)(GCD-0994)からなる群のうちの1つ又は複数から選択することができるが、これらに限定されない。ERKは、MEKの唯一の基質であるので、一部の態様において、ERK阻害剤は、ERKの上流のエレメントの阻害剤、例えばMEK阻害剤であってもよい。MEK阻害剤の例は、セルメチニブ(selumetinib)、ミルダメチニブ(mirdametinib)、トラメチニブ、U0126-EtOH、PD184352、トラメチニブDM SO溶媒和物、PD98059、BIX 02189、ピマセルチブ(pimasertib)、ペリチニブ(pelitinib)、BIX 02188、TAK-733、AZD8330、ビニメチニブ、PD318088、ホノキオール、SL-327、レファメチニブ(refametinib)、ミリセチン、BI-847325、コビメチニブ、RO5126766、GDC-0623であり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。また、細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、細胞をERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。一部の態様において、細胞又はがん細胞は、対象内に存在する。
【0044】
一部の態様において、がん細胞は、神経膠芽腫細胞、卵巣細胞又は肺転移性癌細胞である。一部の態様において、がん細胞は、任意のがんに由来し得る。
【0045】
一部の態様において、がん細胞は、対象内に存在する。したがって、一部の態様において、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程は、交流電場を対象の、がん細胞を含む領域へ適用することを含む。例えば、がん細胞が神経膠芽腫細胞である場合、交流電場は、対象の頭部へ適用され得る。
【0046】
一部の態様において、がん細胞は、交流電場、及びIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ同時に曝露される。一部の態様において、がん細胞は、交流電場、及びIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ連続的に曝露される。一部の態様において、がん細胞は、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤投与の直前又は直後に交流電場へ曝露される。
【0047】
がん細胞の交流電場への感受性を増大させる上記方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含み、細胞を化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン(foscan)、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン(pthalocyanine)、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン(texaphyrins)、エチルエチオプルプリンスズ(Tin ethyl etipurpurin))へ曝露する工程を更に含む方法のいずれかが開示される。一部の態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗悪性腫瘍性抗生物質薬、有糸分裂阻害薬であり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、方法は、細胞を放射線療法へ曝露する工程を更に含み得る。一部の態様において、方法は、細胞を免疫腫瘍療法薬へ曝露する工程を更に含み得る。一部の態様において、免疫腫瘍療法薬とは、免疫チェックポイント阻害剤、例えば、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ及びデュルバルマブであり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、薬剤及び治療法のこれらのカテゴリーは重複しており、例えば、ペムブロリズマブは、免疫腫瘍療法薬であり、抗悪性腫瘍薬とも考えられる。
【0048】
更なる態様において、抗悪性腫瘍性抗生物質薬は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン及びバルルビシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0049】
更なる態様において、代謝拮抗薬は、ジェムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキセート、フロクスウリジン、メトトレキセート及びチオグアニン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0050】
更なる態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、デカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン及びストレプトゾシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0051】
更なる態様において、有糸分裂阻害薬は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン(rubitecan)、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、イクサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン及びテニポシド又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0052】
一部の態様において、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)は、交流電場の前、それと同時に又はその後に投与してもよい。一部の態様において、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)は、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤の前、それと同時に又はその後に投与してもよい。
【0053】
C.治療方法
治療有効性を増大させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0054】
がんを有する対象を治療する方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0055】
一部の態様において、IGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用する前に投与される。一部の態様において、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用した後に投与される。一部の態様において、IGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用するのと同時に投与される。
【0056】
一部の態様において、がんは、神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌である。一部の態様において、がんは、任意のがんであり得る。
【0057】
一部の態様において、IGFR1阻害剤は、抗体、低分子、オリゴヌクレオチドであり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、抗体は、IFG1Rに対するモノクローナル抗体、又はIFG1Rリガンドに対するモノクローナル抗体であり得る。一部の態様において、低分子は、IGF1Rチロシンキナーゼ阻害剤であり得る。一部の態様において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNA干渉又は環状RNAであってもよい。一部の態様において、IGFR1阻害剤は、シクスツムマブ(IMC-A12)、フィギツムマブ(CP-751,871)、ダロツズマブ(MK-0646;h7C10)、ガニツマブ(AMG 479)、R1507、SCH 717454(19D12)、AVE1642(EM164)、BIIB022、MEDI-573、リンシチニブ(OSI-096)、BMS-754807、BVP 51004、XL228、INSM-18(NDGA)、NVP-AEW541、GSK1904529A、NVP-ADW742、BMS-536924、セリチニブ(LDK378)、AG-1024、GSK1838705A、SBI-477、PQ 401、AZD3463、NT157、ブリガチニブ(AP26113)、ピクロポドフィリン(PPP)、5961からなる群のうちの1つ又は複数から選択することができるが、これらに限定されない。したがって、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をIGF1R阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0058】
一部の態様において、JNK阻害剤は、SP600125、AS601245、N-(3-シアノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチエン-2-イル)アミド、アザキノロンアナログ168及びN-アルキル(プロピル及びブチル)-保有ピラゾロアントロンスキャフォールド、7-(6-N-フェニルアミノヘキシル)アミノ-2H-アントラ[1,9-cd]ピラゾール-6-オン、HCC又はBi-78D3、PYC98、PYC71N、アダマンチルアザキノロン、ピリミジニル-置換ベンザゾール-アセトニトリル、6-アニリノインダゾール、20-アニリノ-4,40-ビピリジン、イソキサゾール誘導体、XG-102、4-キノロンアナログ13c、4-フェニルイソキノロン11g、ジンセノサイドRg1.、及びピリドピリミジノン誘導体、JNK-IN-1~JNK-IN-12、IRAK1、PIK3C3、PIP4K2C、PIP5K3、アントラピラゾロン、インダゾール、アミノピラゾール、アミノピリジン、ピリジンカルボキサミド、ベンゾチエン-2-イルアミド及びベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、キノリン誘導体、並びにアミノピリミジンであり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をJNK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0059】
一部の態様において、RPS6阻害剤は、RPS6を阻害するか、RPS6のリン酸化を阻害するか、又はリン酸化されたRPS6を阻害する任意の組成物又は化合物であり得る。一部の態様において、RPS6阻害剤は、shRNAであり得る。一部の態様において、RPS6阻害剤は、mTOR阻害剤であってもよく、ここで、mTOR阻害剤は、RPS6の脱リン酸化剤として作用する。一部の態様において、mTOR阻害剤は、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク(Rapalink)-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD又はTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択され得るが、これらに限定されない。一部の態様において、RPS6阻害剤は、AKT阻害剤であってもよく、ここで、AKT阻害剤の作用は、RPS6リン酸化を防止し得る。一部の態様において、AKT阻害剤は、ラパチニブ、H 8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA、スクテラリン、GNE-317、GNE-403又はNSC781406であり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をRPS6阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0060】
一部の態様において、ERK阻害剤は、BVD-523、CC-90003、GDC-0094、コビメチニブ、MK-8353、ボスチニブ、BIX 02189、レスベラトロール、SCH772984、ハイパフォリン、KO-947、ウロリチンB、SEA0400、ロウレイリンB、エザチオスタット、トラケロシド、MRTX-1257、ファルカリンジオール、HI-TOPK-032、ククルビタシンIIb、BAY-885、DEL-22379、アストラガロシドIV、TIC10、MK-8353、トランス-ゼアチン、AZD0364、ウスニン酸、ASTX-029、VX-11e、ノトギンセノシドR1、CC-90003、2'5'-ジヒドロキシアセトフェノン、ムルベロシドA、ERK5-IN-1、マグノリン、XMD8-92、LY3214996、プルリポチン(SC1)、ウリキセルチニブ(BVD-523)、メチルチオウラシル、アジュジン、FR 180204、AG-126、コリノキセイン、ERK5-IN-2、ラヴォキセルチニブ(GCD-0994)からなる群のうちの1つ又は複数から選択することができるが、これらに限定されない。ERKは、MEKの唯一の基質であるので、一部の態様において、ERK阻害剤は、ERKの上流のエレメントの阻害剤、例えばMEK阻害剤であってもよい。MEK阻害剤の例は、セルメチニブ、ミルダメチニブ、トラメチニブ、U0126-EtOH、PD184352、トラメチニブDM SO溶媒和物、PD98059、BIX 02189、ピマセルチブ、ペリチニブ、BIX 02188、TAK-733、AZD8330、ビニメチニブ、PD318088、ホノキオール、SL-327、レファメチニブ、ミリセチン、BI-847325、コビメチニブ、RO5126766、GDC-0623であり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0061】
一部の態様において、治療有効性を増大させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)と組み合わせて、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を投与する工程とを含む方法が開示される。
【0062】
一部の態様において、治療有効性を増大させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、放射線療法と組み合わせて、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程であって、その結果が、放射線療法によるDNA損傷への細胞のかかりやすさの増大である、工程とを含む方法が開示される。
【0063】
治療有効性を増大させる上記方法、又はがんを有する対象を治療する方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤、及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含み、化学療法剤を対象へ投与する工程を更に含む方法のうちのいずれかが開示される。一部の態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗悪性腫瘍性抗生物質薬及び有糸分裂阻害薬であり得るが、これらに限定されない。
【0064】
更なる態様において、抗悪性腫瘍性抗生物質薬は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン及びバルルビシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0065】
更なる態様において、代謝拮抗薬は、ジェムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキセート、フロクスウリジン、メトトレキセート及びチオグアニン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0066】
更なる態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、デカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン及びストレプトゾシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0067】
更なる態様において、有糸分裂阻害薬は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、イクサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン及びテニポシド又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0068】
一部の態様において、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)は、交流電場の前、それと同時に又はその後に投与してもよい。一部の態様において、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)は、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤の前、それと同時に又はその後に投与してもよい。
【0069】
D.がん細胞の生存能を低減させる方法
がん細胞の生存能を低減させる方法であって、IGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種をがん細胞へ投与するか、又はがん細胞をこれらへ曝露することと組み合わせて、交流電場をがん細胞へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程を含む方法が開示される。
【0070】
また、対象においてがん細胞の生存能を低減させる方法であって、IGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与することと組み合わせて、交流電場をがん細胞へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程を含み、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)を対象へ投与する工程を更に含む方法が開示される。一部の態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗悪性腫瘍性抗生物質薬及び有糸分裂阻害薬であり得るが、これらに限定されない。
【0071】
更なる態様において、抗悪性腫瘍性抗生物質薬は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン及びバルルビシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0072】
更なる態様において、代謝拮抗薬は、ジェムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキセート、フロクスウリジン、メトトレキセート及びチオグアニン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0073】
更なる態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、ダカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン及びストレプトゾシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0074】
更なる態様において、有糸分裂阻害薬は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、イクサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン及びテニポシド又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0075】
一部の態様において、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)は、交流電場の前、それと同時に又はその後に投与してもよい。一部の態様において、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)は、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤の前、それと同時に又はその後に投与してもよい。
【0076】
交流電場+阻害剤
対象においてがん細胞の生存能を低減させる方法であって、交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、治療有効量のIGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を対象へ投与する工程とを含む方法が開示される。
【0077】
一部の態様において、IGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用する前に投与される。一部の態様において、IGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用した後に投与される。一部の態様において、IGF1R阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤及び/又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種は、交流電場を適用するのと同時に投与される。
【0078】
一部の態様において、がんは、神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌である。一部の態様において、がんは、任意のがんであり得る。
【0079】
一部の態様において、IGFR1阻害剤は、抗体、低分子、オリゴヌクレオチドであり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、抗体は、IFG1Rに対するモノクローナル抗体、又はIFG1Rリガンドに対するモノクローナル抗体であり得る。一部の態様において、低分子は、IGF1Rチロシンキナーゼ阻害剤であり得る。一部の態様において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNA干渉又は環状RNAであってもよい。一部の態様において、IGFR1阻害剤は、シクスツムマブ(IMC-A12)、フィギツムマブ(CP-751,871)、ダロツズマブ(MK-0646;h7C10)、ガニツマブ(AMG 479)、R1507、SCH 717454(19D12)、AVE1642(EM164)、BIIB022、MEDI-573、リンシチニブ(OSI-096)、BMS-754807、BVP 51004、XL228、INSM-18(NDGA)、NVP-AEW541、GSK1904529A、NVP-ADW742、BMS-536924、セリチニブ(LDK378)、AG-1024、GSK1838705A、SBI-477、PQ 401、AZD3463、NT157、ブリガチニブ(AP26113)、ピクロポドフィリン(PPP)、5961からなる群のうちの1つ又は複数から選択することができるが、これらに限定されない。したがって、がん細胞の生存能を低減させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をIGF1R阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0080】
一部の態様において、JNK阻害剤は、SP600125、AS601245、N-(3-シアノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチエン-2-イル)アミド、アザキノロンアナログ168及びN-アルキル(プロピル及びブチル)-保有ピラゾロアントロンスキャフォールド、7-(6-N-フェニルアミノヘキシル)アミノ-2H-アントラ[1,9-cd]ピラゾール-6-オン、HCC又はBi-78D3、PYC98、PYC71N、アダマンチルアザキノロン、ピリミジニル-置換ベンザゾール-アセトニトリル、6-アニリノインダゾール、20-アニリノ-4,40-ビピリジン、イソキサゾール誘導体、XG-102、4-キノロンアナログ13c、4-フェニルイソキノロン11g、ジンセノサイドRg1.、及びピリドピリミジノン誘導体、JNK-IN-1~JNK-IN-12、IRAK1、PIK3C3、PIP4K2C、PIP5K3、アントラピラゾロン、インダゾール、アミノピラゾール、アミノピリジン、ピリジンカルボキサミド、ベンゾチエン-2-イルアミド及びベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、キノリン誘導体、並びにアミノピリミジンであり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞の生存能を低減させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をJNK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0081】
一部の態様において、RPS6阻害剤は、RPS6を阻害するか、RPS6のリン酸化を阻害するか、又はリン酸化されたRPS6を阻害する任意の組成物又は化合物であり得る。一部の態様において、RPS6阻害剤は、shRNAであり得る。一部の態様において、RPS6阻害剤は、mTOR阻害剤であってもよく、ここで、mTOR阻害剤は、RPS6の脱リン酸化剤として作用する。一部の態様において、mTOR阻害剤は、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD及びTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択され得るが、これらに限定されない。一部の態様において、RPS6阻害剤は、AKT阻害剤であってもよく、ここで、AKT阻害剤の作用は、RPS6リン酸化を防止し得る。一部の態様において、AKT阻害剤は、ラパチニブ、H 8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA、スクテラリン、GNE-317、GNE-403、又はNSC781406であり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞の生存能を低減させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をRPS6阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0082】
一部の態様において、ERK阻害剤は、BVD-523、CC-90003、GDC-0094、コビメチニブ、MK-8353、ボスチニブ、BIX 02189、レスベラトロール、SCH772984、ハイパフォリン、KO-947、ウロリチンB、SEA0400、ロウレイリンB、エザチオスタット、トラケロシド、MRTX-1257、ファルカリンジオール、HI-TOPK-032、ククルビタシンIIb、BAY-885、DEL-22379、アストラガロシドIV、TIC10、MK-8353、トランス-ゼアチン、AZD0364、ウスニン酸、ASTX-029、VX-11e、ノトギンセノシドR1、CC-90003、2'5'-ジヒドロキシアセトフェノン、ムルベロシドA、ERK5-IN-1、マグノリン、XMD8-92、LY3214996、プルリポチン(SC1)、ウリキセルチニブ(BVD-523)、メチルチオウラシル、アジュジン、FR 180204、AG-126、コリノキセイン、ERK5-IN-2、ラヴォキセルチニブ(GCD-0994)からなる群のうちの1つ又は複数から選択することができるが、これらに限定されない。ERKは、MEKの唯一の基質であるので、一部の態様において、ERK阻害剤は、ERKの上流のエレメントの阻害剤、例えばMEK阻害剤であってもよい。MEK阻害剤の例は、セルメチニブ、ミルダメチニブ、トラメチニブ、U0126-EtOH、PD184352、トラメチニブDM SO溶媒和物、PD98059、BIX 02189、ピマセルチブ、ペリチニブ、BIX 02188、TAK-733、AZD8330、ビニメチニブ、PD318088、ホノキオール、SL-327、レファメチニブ、ミリセチン、BI-847325、コビメチニブ、RO5126766、GDC-0623であり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞の生存能を低減させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0083】
E.アポトーシスを増大させる方法
がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と;がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0084】
一部の態様において、IGFR1阻害剤は、抗体、低分子、オリゴヌクレオチドであり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、抗体は、IFG1Rに対するモノクローナル抗体、又はIFG1Rリガンドに対するモノクローナル抗体であり得る。一部の態様において、低分子は、IGF1Rチロシンキナーゼ阻害剤であり得る。一部の態様において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNA干渉又は環状RNAであってもよい。一部の態様において、IGFR1阻害剤は、シクスツムマブ(IMC-A12)、フィギツムマブ(CP-751,871)、ダロツズマブ(MK-0646;h7C10)、ガニツマブ(AMG 479)、R1507、SCH 717454(19D12)、AVE1642(EM164)、BIIB022、MEDI-573、リンシチニブ(OSI-096)、BMS-754807、BVP 51004、XL228、INSM-18(NDGA)、NVP-AEW541、GSK1904529A、NVP-ADW742、BMS-536924、セリチニブ(LDK378)、AG-1024、GSK1838705A、SBI-477、PQ 401、AZD3463、NT157、ブリガチニブ(AP26113)、ピクロポドフィリン(PPP)、5961からなる群のうちの1つ又は複数から選択することができるが、これらに限定されない。したがって、がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をIGF1R阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0085】
一部の態様において、JNK阻害剤は、SP600125、AS601245、N-(3-シアノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチエン-2-イル)アミド、アザキノロンアナログ168及びN-アルキル(プロピル及びブチル)-保有ピラゾロアントロンスキャフォールド、7-(6-N-フェニルアミノヘキシル)アミノ-2H-アントラ[1,9-cd]ピラゾール-6-オン、HCC又はBi-78D3、PYC98、PYC71N、アダマンチルアザキノロン、ピリミジニル-置換ベンザゾール-アセトニトリル、6-アニリノインダゾール、20-アニリノ-4,40-ビピリジン、イソキサゾール誘導体、XG-102、4-キノロンアナログ13c、4-フェニルイソキノロン11g、ジンセノサイドRg1.、及びピリドピリミジノン誘導体、JNK-IN-1~JNK-IN-12、IRAK1、PIK3C3、PIP4K2C、PIP5K3、アントラピラゾロン、インダゾール、アミノピラゾール、アミノピリジン、ピリジンカルボキサミド、ベンゾチエン-2-イルアミド及びベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、キノリン誘導体、並びにアミノピリミジンであり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をJNK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0086】
一部の態様において、RPS6阻害剤は、RPS6を阻害するか、RPS6のリン酸化を阻害するか、又はリン酸化されたRPS6を阻害する任意の組成物又は化合物であり得る。一部の態様において、RPS6阻害剤は、shRNAであり得る。一部の態様において、RPS6阻害剤は、mTOR阻害剤であってもよく、ここで、mTOR阻害剤は、RPS6の脱リン酸化剤として作用する。一部の態様において、mTOR阻害剤は、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD及びTML-6からなる群のうちの1つ又は複数から選択され得るが、これらに限定されない。一部の態様において、RPS6阻害剤は、AKT阻害剤であってもよく、ここで、AKT阻害剤の作用は、RPS6リン酸化を防止し得る。一部の態様において、AKT阻害剤は、ラパチニブ、H 8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA、スクテラリン、GNE-317、GNE-403、又はNSC781406であり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をRPS6阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0087】
一部の態様において、ERK阻害剤は、BVD-523、CC-90003、GDC-0094、コビメチニブ、MK-8353、ボスチニブ、BIX 02189、レスベラトロール、SCH772984、ハイパフォリン、KO-947、ウロリチンB、SEA0400、ロウレイリンB、エザチオスタット、トラケロシド、MRTX-1257、ファルカリンジオール、HI-TOPK-032、ククルビタシンIIb、BAY-885、DEL-22379、アストラガロシドIV、TIC10、MK-8353、トランス-ゼアチン、AZD0364、ウスニン酸、ASTX-029、VX-11e、ノトギンセノシドR1、CC-90003、2'5'-ジヒドロキシアセトフェノン、ムルベロシドA、ERK5-IN-1、マグノリン、XMD8-92、LY3214996、プルリポチン(SC1)、ウリキセルチニブ(BVD-523)、メチルチオウラシル、アジュジン、FR 180204、AG-126、コリノキセイン、ERK5-IN-2、ラヴォキセルチニブ(GCD-0994)からなる群のうちの1つ又は複数から選択することができるが、これらに限定されない。ERKは、MEKの唯一の基質であるので、一部の態様において、ERK阻害剤は、ERKの上流のエレメントの阻害剤、例えばMEK阻害剤であってもよい。MEK阻害剤の例は、セルメチニブ、ミルダメチニブ、トラメチニブ、U0126-EtOH、PD184352、トラメチニブDM SO溶媒和物、PD98059、BIX 02189、ピマセルチブ、ペリチニブ、BIX 02188、TAK-733、AZD8330、ビニメチニブ、PD318088、ホノキオール、SL-327、レファメチニブ、ミリセチン、BI-847325、コビメチニブ、RO5126766、GDC-0623であり得るが、これらに限定されない。したがって、また、がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法が開示される。
【0088】
一部の態様において、交流電場、及びIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤は、同時に投与される。一部の態様において、交流電場、及びIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤の同時投与後、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤は除去され、一方で、がん細胞は交流電場へ曝露されたままである。一部の態様において、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤が除去された後でさえも、がん細胞のアポトーシスにおける増大は残存する。
【0089】
がん細胞のアポトーシスを増大させる上記方法であって、がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含み、細胞を化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)へ曝露する工程を更に含む方法のいずれかが開示される。一部の態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗悪性腫瘍性抗生物質薬及び有糸分裂阻害薬であり得るが、これらに限定されない。
【0090】
更なる態様において、抗悪性腫瘍性抗生物質薬は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン及びバルルビシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0091】
更なる態様において、代謝拮抗薬は、ジェムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキセート、フロクスウリジン、メトトレキセート及びチオグアニン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0092】
更なる態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、デカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン及びストレプトゾシン又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0093】
更なる態様において、有糸分裂阻害薬は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトポシド、ビンクリスチン、イクサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン及びテニポシド又はそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0094】
一部の態様において、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)は、交流電場の前、それと同時に又はその後に投与してもよい。一部の態様において、化学療法剤、抗がん薬、細胞傷害薬、疼痛管理薬、緑膿菌外毒素A、非放射性同位体(例えばホウ素中性子捕獲療法のためのホウ素-10)及び/又は光増感剤(例えばフォトフリン、フォスキャン、5-アミノレブリン酸、モノ-L-アスパルチルクロリンe6、フタロシアニン、メタ-テトラ(ヒドロキシフェニル)ポルフィリン、テキサフィリン、エチルエチオプルプリンスズ)は、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤の前、それと同時に又はその後に投与してもよい。
【0095】
F.交流電場
本明細書で開示される方法は、交流電場を含む。一部の態様において、本明細書で開示される方法において使用される交流電場は、交流電場腫瘍治療システム(TTField)である。一部の態様において、交流電場は、交流電場が適用される細胞の種類又は状態に依存して変動し得る。一部の態様において、交流電場は、対象の身体に設置された1つ又は複数の電極を通して適用することができる。一部の態様において、2対又はそれ以上の対の電極が存在し得る。例えば、アレイは、患者の前/後及び側方に設置してもよく、本明細書で開示されるシステム及び方法により使用することができる。2対の電極が使用される一部の態様において、交流電場は、電極対間で交替し得る。例えば、第1の対の電極を対象の前後に設置してもよく、第2の対の電極を対象のいずれかの側方に設置してもよく、その後、交流電場を適用してもよく、前後の電極間と、その後、側方~側方の電極とで交替してもよい。
【0096】
一部の態様において、交流電場の周波数は、100~500kHzである。また、交流電場の周波数は、50~500kHz、100~500kHz、25kHz~1MHz、50~190kHz、25~190kHz、180~220kHz又は210~400kHzであり得るが、これらに限定されない。一部の態様において、交流電場の周波数は、50kHz、100kHz、200kHz、300kHz、400kHz、500kHz又はその間の任意の周波数の電場であり得る。一部の態様において、交流電場の周波数は、約200kHz~約400kHz、約250kHz~約350kHzであり、およそ300kHzであってもよい。
【0097】
一部の態様において、交流電場の電場強度は、1~4V/cm RMSであり得る。一部の態様において、異なる電場強度を使用してもよい(例えば、0.1~10V/cm)。一部の態様において、電場強度は、1.75V/cm RMSであり得る。一部の実施形態において、電場強度は、少なくとも1V/cmである。他の実施形態において、電場強度の組合せは、例えば、2つ又はそれ以上の周波数を同時に組み合わせて、且つ/又は2つ又はそれ以上の周波数を異なる時間に適用して、適用される。
【0098】
一部の態様において、交流電場は、0.5時間~72時間に及ぶ様々な異なる間隔の間、適用してもよい。一部の態様において、異なる持続期間を使用してもよい(例えば、0.5時間~14日間)。一部の態様において、交流電場の適用は、周期的に繰り返してもよい。例えば、交流電場は、毎日、2時間の持続期間の間適用してもよい。
【0099】
一部の態様において、曝露は、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも36時間、少なくとも48時間若しくは少なくとも72時間又はそれ以上の間継続し得る。
【0100】
G.キット
上記に説明される材料及び他の材料は、開示される方法を実施するか又はその性能を補助するのに有用なキットとして任意の好適な組合せにおいて共に包装してもよい。所与のキットのキット成分が、開示される方法における共同での使用のために設計及び適合される場合、有用である。例えば、がんを治療するためのキットが開示される。一部の態様において、キットは、交流電場を適用するための機器を含み得る。
【0101】
交流電場、及び開示されるIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を投与するためのシステム又は機器を含むキットが開示される。
【0102】
交流電場、及び場合により、開示されるIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を投与することができるデバイスを含むキットが開示される。交流電場、及び場合により、開示されるIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種を投与することができるデバイスを含むキットが開示される。一部の態様において、キットは、デバイスを使用するための使用説明書を更に含む。
【0103】
一部の態様において、本明細書において開示されるキットは、開示されるIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤のうちの1種又は複数種と組み合わせて、交流電場を投与することができるデバイスを使用するための使用説明書を更に含み得る。
【0104】
一部の態様において、本明細書において開示されるキットは、交流電場をどこへ適用するかについての使用説明書を含み得る。一部の態様において、本明細書において開示されるキットは、対象の身体の一部の3Dモデル内の関心領域(ROI)を決定し、ROIの中心に基づいて対象の身体の部分を横断する平面であって、平面の輪郭に沿って複数の位置対を含む平面を決定し、解剖学的制限に基づいて複数の位置対のうちの1つ又は複数の位置を調節して改変された平面を生成し、改変された平面上の複数の位置対のうちの各位置対についてシミュレートした電場分布を決定し、シミュレートした電場分布に基づいて複数の位置対のうちの各位置対について投薬計量を決定し、トランスデューサーアレイの対間の角度制限を満たす複数の位置対のうちの1つ又は複数の組の位置対を決定し、投薬計量と角度制限を満たす1つ又は複数の組の位置対とに基づいて1つ又は複数の候補トランスデューサーアレイレイアウトマップを決定するための使用説明書を含み得る。
【0105】
一部の態様において、本明細書において開示されるキットは、交流電場を適用するための電極を含む、交流電場を投与することができるデバイスを含む。(例えば、Optuneシステム)。一部の態様において、本明細書において開示されるキットは、交流電場療法の有効性を増大させるために電極をどこへ適用するかについての使用説明書を更に含み得る。一部の態様において、本明細書において開示されるキットは、電極をどこへ適用するか、又は交流電場をどこへ適用するかを決定するための測定を実施及び解析するための使用説明書を更に含む。
【0106】
H.実施形態
実施形態1:がん細胞の交流電場への感受性を増大させる方法であって、(A)がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、(B)がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法。
【0107】
実施形態2:交流電場の周波数が、100~500kHzである、実施形態1に記載の方法。
【0108】
実施形態3:交流電場の周波数が、180~220kHzである、実施形態1又は2に記載の方法。
【0109】
実施形態4:がん細胞が、神経膠芽腫細胞、卵巣細胞又は肺転移性癌細胞である、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
【0110】
実施形態5:がん細胞が、対象において存在する、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
【0111】
実施形態6:がん細胞が、交流電場、及びIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ同時に曝露される、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
【0112】
実施形態7:IGFR阻害剤が、シクスツムマブ(IMC-A12)、フィギツムマブ(CP-751,871)、ダロツズマブ(MK-0646;h7C10)、ガニツマブ(AMG 479)、R1507、SCH 717454(19D12)、AVE1642(EM164)、BIIB022、MEDI-573、リンシチニブ(OSI-096)、BMS-754807、BVP 51004、XL228、INSM-18(NDGA)、NVP-AEW541、GSK1904529A、NVP-ADW742、BMS-536924、セリチニブ(LDK378)、AG-1024、GSK1838705A、SBI-477、PQ 401、AZD3463、NT157、ブリガチニブ(AP26113)、ピクロポドフィリン(PPP)及び5961からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態1から6のいずれかに記載の方法。
【0113】
実施形態8:JNK阻害剤が、SP600125、AS601245、N-(3-シアノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチエン-2-イル)アミド、アザキノロンアナログ168及びN-アルキル(プロピル及びブチル)-保有ピラゾロアントロンスキャフォールド、7-(6-N-フェニルアミノヘキシル)アミノ-2H-アントラ[1,9-cd]ピラゾール-6-オン、HCC又はBi-78D3、PYC98、PYC71N、アダマンチルアザキノロン、ピリミジニル-置換ベンザゾール-アセトニトリル、6-アニリノインダゾール、20-アニリノ-4,40-ビピリジン、イソキサゾール誘導体、XG-102、4-キノロンアナログ13c、4-フェニルイソキノロン11g、ジンセノサイドRg1.、及びピリドピリミジノン誘導体、JNK-IN-1~JNK-IN-12、IRAK1、PIK3C3、PIP4K2C、PIP5K3、アントラピラゾロン、インダゾール、アミノピラゾール、アミノピリジン、ピリジンカルボキサミド、ベンゾチエン-2-イルアミド及びベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、キノリン誘導体、並びにアミノピリミジンからなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態1から7のいずれかに記載の方法。
【0114】
実施形態9:RPS6阻害剤が、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パクサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ビスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3若しくは8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロビルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD、TML-6、ラパチニブ、H 8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA、スクテラリン、GNE-317、GNE-403、及びNSC781406である、実施形態1から8のいずれかに記載の方法。
【0115】
実施形態10:ERK阻害剤が、BVD-523、CC-90003、GDC-0094、コビメチニブ、MK-8353、ボスチニブ、BIX 02189、レスベラトロール、SCH772984、ハイパフォリン、KO-947、ウロリチンB、SEA0400、ロウレイリンB、エザチオスタット、トラケロシド、MRTX-1257、ファルカリンジオール、HI-TOPK-032、ククルビタシンIIb、BAY-885、DEL-22379、アストラガロシドIV、TIC10、MK-8353、トランス-ゼアチン、AZD0364、ウスニン酸、ASTX-029、VX-11e、ノトギンセノシドR1、CC-90003、2'5'-ジヒドロキシアセトフェノン、ムルベロシドA、ERK5-IN-1、マグノリン、XMD8-92、LY3214996、プルリポチン(SC1)、ウリキセルチニブ(BVD-523)、メチルチオウラシル、アジュジン、FR 180204、AG-126、コリノキセイン、ERK5-IN-2、ラヴォキセルチニブ(GCD-0994)、セルメチニブ、ミルダメチニブ、トラメチニブ、U0126-EtOH、PD184352、トラメチニブDM SO溶媒和物、PD98059、BIX 02189、ピマセルチブ、ペリチニブ、BIX 02188、TAK-733、AZD8330、ビニメチニブ、PD318088、ホノキオール、SL-327、レファメチニブ、ミリセチン、BI-847325、コビメチニブ、RO5126766又はGDC-0623からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態1から9のいずれかに記載の方法。
【0116】
実施形態11:がんを有する対象を治療する方法であって、(A)交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、(B)治療有効量のIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤を対象へ投与する工程とを含む方法。
【0117】
実施形態12:対象においてがん細胞の生存能を低減させる方法であって、(A)交流電場を対象の標的部位へある期間適用する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有し、標的部位が1つ又は複数のがん細胞を含む、工程と、(B)治療有効量のIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤を対象へ投与する工程とを含む方法。
【0118】
実施形態13:IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤が、交流電場を適用する前に投与される、実施形態11又は12に記載の方法。
【0119】
実施形態14:IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤が、交流電場を適用した後に投与される、実施形態11又は12に記載の方法。
【0120】
実施形態15:IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤が、交流電場を適用するのと同時に投与される、実施形態11又は12に記載の方法。
【0121】
実施形態16:交流電場が、1つ又は複数のがん細胞においてIGFR1、JNK、RPS6又はERKの発現を増大させる、実施形態11から16のいずれかに記載の方法。
【0122】
実施形態17:がんが、神経膠芽腫、卵巣癌又は肺転移性癌である、実施形態11から16のいずれかに記載の方法。
【0123】
実施形態18:IGFR1阻害剤が、シクスツムマブ(IMC-A12)、フィギツムマブ(CP-751,871)、ダロツズマブ(MK-0646;h7C10)、ガニツマブ(AMG 479)、R1507、SCH 717454(19D12)、AVE1642(EM164)、BIIB022、MEDI-573、リンシチニブ(OSI-096)、BMS-754807、BVP 51004、XL228、INSM-18(NDGA)、NVP-AEW541、GSK1904529A、NVP-ADW742、BMS-536924、セリチニブ(LDK378)、AG-1024、GSK1838705A、SBI-477、PQ 401、AZD3463、NT157、ブリガチニブ(AP26113)、ピクロポドフィリン(PPP)、5961からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態11から17のいずれかに記載の方法。
【0124】
実施形態19:JNK阻害剤が、SP600125、AS601245、N-(3-シアノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチエン-2-イル)アミド、アザキノロンアナログ168及びN-アルキル(プロピル及びブチル)-保有ピラゾロアントロンスキャフォールド、7-(6-N-フェニルアミノヘキシル)アミノ-2H-アントラ[1,9-cd]ピラゾール-6-オン、HCC又はBi-78D3、PYC98、PYC71N、アダマンチルアザキノロン、ピリミジニル-置換ベンザゾール-アセトニトリル、6-アニリノインダゾール、20-アニリノ-4,40-ビピリジン、イソキサゾール誘導体、XG-102、4-キノロンアナログ13c、4-フェニルイソキノロン11g、ジンセノサイドRg1.、及びピリドピリミジノン誘導体、JNK-IN-1~JNK-IN-12、IRAK1、PIK3C3、PIP4K2C、PIP5K3、アントラピラゾロン、インダゾール、アミノピラゾール、アミノピリジン、ピリジンカルボキサミド、ベンゾチエン-2-イルアミド及びベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、キノリン誘導体、並びにアミノピリミジンからなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態11から18のいずれかに記載の方法。
【0125】
実施形態20:RPS6阻害剤が、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パキサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ヴィスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3又は8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロヴィルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD、TML-6、ラパチニブ、H8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206)エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3)イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA、スクテラリン、GNE-317、GNE-403並びにNSC781406からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態11から19のいずれかに記載の方法。
【0126】
実施形態21:ERK阻害剤が、BVD-523、CC-90003、GDC-0094、コビメチニブ、MK-8353、ボスチニブ、BIX 02189、レスベラトロール、SCH772984、ハイパフォリン、KO-947、ウロリチンB、SEA0400、ロウレイリンB、エザチオスタット、トラケロシド、MRTX-1257、ファルカリンジオール、HI-TOPK-032、ククルビタシンIIb、BAY-885、DEL-22379、アストラガロシドIV、TIC10、MK-8353、トランス-ゼアチン、AZD0364、ウスニン酸、ASTX-029、VX-11e、ノトギンセノシドR1、CC-90003、2'5'-ジヒドロキシアセトフェノン、ムルベロシドA、ERK5-IN-1、マグノリン、XMD8-92、LY3214996、プルリポチン(SC1)、ウリキセルチニブ(BVD-523)、メチルチオウラシル、アジュジン、FR 180204、AG-126、コリノキセイン、ERK5-IN-2、ラヴォキセルチニブ(GCD-0994)、セルメチニブ、ミルダメチニブ、トラメチニブ、U0126-EtOH、PD184352、トラメチニブDM SO溶媒和物、PD98059、BIX 02189、ピマセルチブ、ペリチニブ、BIX 02188、TAK-733、AZD8330、ビニメチニブ、PD318088、ホノキオール、SL-327、レファメチニブ、ミリセチン、BI-847325、コビメチニブ、RO5126766及びGDC-0623からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態11から20のいずれかに記載の方法。
【0127】
実施形態22:周波数が、100~500kHzである、実施形態11から21のいずれかに記載の方法。
【0128】
実施形態23:周波数が、180~220kHzである、実施形態22に記載の方法。
【0129】
実施形態24:がん細胞のアポトーシスを増大させる方法であって、(A)がん細胞を交流電場へある期間曝露する工程であって、交流電場が周波数及び電場強度を有する、工程と、(B)がん細胞をIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤へ曝露する工程とを含む方法。
【0130】
実施形態25:交流電場、及びIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤が、同時に投与される、実施形態24に記載の方法。
【0131】
実施形態26:交流電場、及びIGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤の同時投与後、IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤が除去され、一方で、がん細胞が交流電場へ曝露されたままである、実施形態25に記載の方法。
【0132】
実施形態27:IGFR1阻害剤、JNK阻害剤、RPS6阻害剤又はERK阻害剤が除去された後でさえも、がん細胞のアポトーシスにおける増大が残存する、実施形態24から26のいずれかに記載の方法。
【0133】
実施形態28:IGFR1阻害剤が、シクスツムマブ(IMC-A12)、フィギツムマブ(CP-751,871)、ダロツズマブ(MK-0646;h7C10)、ガニツマブ(AMG 479)、R1507、SCH 717454(19D12)、AVE1642(EM164)、BIIB022、MEDI-573、リンシチニブ(OSI-096)、BMS-754807、BVP 51004、XL228、INSM-18(NDGA)、NVP-AEW541、GSK1904529A、NVP-ADW742、BMS-536924、セリチニブ(LDK378)、AG-1024、GSK1838705A、SBI-477、PQ 401、AZD3463、NT157、ブリガチニブ(AP26113)、ピクロポドフィリン(PPP)及び5961からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態24から27のいずれかに記載の方法。
【0134】
実施形態29:JNK阻害剤が、SP600125、AS601245、N-(3-シアノ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-ベンゾチエン-2-イル)アミド、アザキノロンアナログ168及びN-アルキル(プロピル及びブチル)-保有ピラゾロアントロンスキャフォールド、7-(6-N-フェニルアミノヘキシル)アミノ-2H-アントラ[1,9-cd]ピラゾール-6-オン、HCC又はBi-78D3、PYC98、PYC71N、アダマンチルアザキノロン、ピリミジニル-置換ベンザゾール-アセトニトリル、6-アニリノインダゾール、20-アニリノ-4,40-ビピリジン、イソキサゾール誘導体、XG-102、4-キノロンアナログ13c、4-フェニルイソキノロン11g、ジンセノサイドRg1.、及びピリドピリミジノン誘導体、JNK-IN-1~JNK-IN-12、IRAK1、PIK3C3、PIP4K2C、PIP5K3、アントラピラゾロン、インダゾール、アミノピラゾール、アミノピリジン、ピリジンカルボキサミド、ベンゾチエン-2-イルアミド及びベンゾチアゾール-2-イルアセトニトリル、キノリン誘導体、並びにアミノピリミジンからなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態24又は25に記載の方法。
【0135】
実施形態30:RPS6阻害剤が、トルキニブ、エベロリムス、テムシロリムス、(CCI-779)、ラパマイシン(シロリムス)、エベロリムス、CC-223、MKK-1、AZD8055、AZD02114、INK-128、CC-223、051-027、ダクトリシブ、BGT226、SF1126、PKI-587、NVPBE235、サパニセルチブ、AZD8055、AZD2014、BEZ235、XL765、GDC0980、SF1126、PF-04691502、PF-052123384(ジェダトリシブ)、LY3023414、PF-05212384(ジェダトリシブ、PKI-587)、XL795(ヴォクスタリシブ)、ビミラリシブ(PQR309)、パキサリシブ(GDC-0084)、DS-7423、PKI-179、GSK458V、P7170、SB2343、ラパリンク-1、PI-103、NU7441、KU-0063794、リダフォロリムス(デフォロリムス、MK-8669)、トリン1、トリン2、OSI-027、GSK1059615、WYE-354、ヴィスツセルチブ(AZD2014)、WYE-125132、パロミド529(P529)、WYE-687、XL388、MHY1485、LY3023414(サモトリシブ)、GNE-447、CC-115、ゾタロリムス(ABT-578)、PQR620、SF2523、mTor阻害剤-1、2、3又は8、PRQ626、WAY-600、PF-04979064、3BDO、ジヒドロミリセチン、ETP-46464、PKI-402、シクロヴィルブキシンD、CZ415、VS-5584、(+)-ウスニン酸、RMC-5552、PRQ530、JR-AB2-011、アルニコリドD、TML-6、ラパチニブ、H 8、H 89、NL 71 101、GSK690693、7アザインドール、6フェニルプリン誘導体、ピロロ[2,3 d]ピリミジン誘導体、CCT128930、3アミノピロリジン、アニリノトリアゾール誘導体、スピロインドリン誘導体、AZD5363(カピバセルチブ)、イパタセルチブ(GDC 0068、RG7440)、A 674563、A 443654、AT7867、AT13148、アフレセルチブ(GSK2110183)、2ピリミジル5アミドチオフェン誘導体(DC120)、アプロセルチブ(GSK2141795)、2,3ジフェニルキノキサリン誘導体、トリアゾロ[3,4 f][1,6]ナフチリジン3(2H)オン誘導体(MK 2206) エデルホシン(1 Oオクタデシル2 Oメチルracグリセロ3ホスホコリン、ET-18-OCH3) イルモホシン(BM 41.440)、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン、HePC)、ペリホシン(D 21266)、エルシルホスホコリン(ErPC)、エルホシン(ErPC3、エルシルホスホホモコリン)、インドール3カルビノール、3クロロアセチルインドール、ジインドリルメタン、ジエチル6メトキシ5,7ジヒドロインドロ[2,3 b]カルバゾール2,10ジカルボキシレート(SR13668)、OSU A9、PH 316、PHT 427、PIT 1、PIT 2、M PIT 1、[(1メチル1Hピラゾール4イル)カルボニル]N'(3ブロモフェニル)チオウレア、トリシリビン(TCN、NSC 154020)、トリシリビンモノホスフェート活性アナログ(TCN P)、4アミノピリド[2,3 d]ピリミジン誘導体API 1、3フェニル3Hイミダゾ[4,5 b]ピリジン誘導体、ARQ 092、BAY 1125976、3メチルキサンチン、キノリン4カルボキサミド及び2[4(シクロヘキサ1,3ジエン1イル)1Hピラゾール3イル]フェノール、3オキソチルカリックアシッド、3α-及び3βアセトキシチルカリックアシッド、アセトキシチルカリック、ラクトキノマイシン、フレノリシンB、カラフンギン、メデルマイシン、Boc Pheビニルケトン、4ヒドロキシノネナール(4 HNE)、1,6ナフチリジノン誘導体、イミダゾ1,2ピリジン誘導体)、リゴセルチブ(ON-01910)、トリシリビン、ホノキオール、ミランセルチブ(ARQ 092)、ボルセルチブ、SC66、A-674563、TIC10アナログ、ウロリチンB、ABTL-0821、ロウレイリンA、ホモサレート、デグエリン、レジブフォゲニン、テラメプロコル、オロキシンB、LM22B-10、アマロゲンチン、オリドニン、プラエルプトリンA、スクテラリン、GNE-317、GNE-403、又はNSC781406からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態24から29のいずれかに記載の方法。
【0136】
実施形態31:ERK阻害剤が、BVD-523、CC-90003、GDC-0094、コビメチニブ、MK-8353、ボスチニブ、BIX 02189、レスベラトロール、SCH772984、ハイパフォリン、KO-947、ウロリチンB、SEA0400、ロウレイリンB、エザチオスタット、トラケロシド、MRTX-1257、ファルカリンジオール、HI-TOPK-032、ククルビタシンIIb、BAY-885、DEL-22379、アストラガロシドIV、TIC10、MK-8353、トランス-ゼアチン、AZD0364、ウスニン酸、ASTX-029、VX-11e、ノトギンセノシドR1、CC-90003、2'5'-ジヒドロキシアセトフェノン、ムルベロシドA、ERK5-IN-1、マグノリン、XMD8-92、LY3214996、プルリポチン(SC1)、ウリキセルチニブ(BVD-523)、メチルチオウラシル、アジュジン、FR 180204、AG-126、コリノキセイン、ERK5-IN-2、ラヴォキセルチニブ(GCD-0994)、セルメチニブ、ミルダメチニブ、トラメチニブ、U0126-EtOH、PD184352、トラメチニブDM SO溶媒和物、PD98059、BIX 02189、ピマセルチブ、ペリチニブ、BIX 02188、TAK-733、AZD8330、ビニメチニブ、PD318088、ホノキオール、SL-327、レファメチニブ、ミリセチン、BI-847325、コビメチニブ、RO5126766又はGDC-0623からなる群のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態24から30のいずれかに記載の方法。
【0137】
実施形態32:化学療法剤を対象に投与する工程を更に含む、実施形態1、11又は12のいずれかに記載の方法。
【0138】
実施形態33:細胞を化学療法剤へ曝露する工程を更に含む、実施形態24から32のいずれかに記載の方法。
【実施例
【0139】
図1及び図2に示される通り、Luminexアッセイを行って、TTフィールドに応答した発現レベルを決定した。これらの結果に基づいて、統計的に有意であり、また両方の細胞株において同じ傾向を示したタンパク質を選択して、注目した。IGF1Rはアップレギュレートされている。IRSはダウンレギュレートされているが、IRS1の活性化は細胞シグナル伝達の多くの効果を有するので、それは危険であり得る。JNKはアップレギュレートされている。RPS6はアップレギュレートされている。ERKは統計的に有意な変化を示さなかったが、ERK阻害はJNKの並行経路であるので、それは優れた選択肢であり得る。NFκBはアップレギュレートされているが、発現を変更することは有害効果を有し得る。これらの結果に基づいて、IGF1R、JNK、ERK及びRPS6の阻害を選択して阻害した。
【0140】
図3は、免疫組織化学(IHC)及びウェスタンブロット結果を示し、RSP6がTTフィールド後に増大されることを示している。
【0141】
当業者は、単なるルーチン実験を使用して本明細書において説明される方法及び組成物の特定の実施形態についての多くの均等物を認識するか、又は確認することができる。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されると意図される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】