(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】コンプレッサにおける熱回収のための方法及びコンプレッサ
(51)【国際特許分類】
F04B 41/00 20060101AFI20240628BHJP
F04C 23/00 20060101ALI20240628BHJP
F04C 28/26 20060101ALI20240628BHJP
F04C 29/04 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
F04B41/00 B
F04C23/00 D
F04C28/26 Z
F04C29/04 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023580603
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 FI2022050476
(87)【国際公開番号】W WO2023275441
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523487955
【氏名又は名称】タンターボ・ユルキネン・オサケユキチュア
【氏名又は名称原語表記】TAMTURBO OYJ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クイスマネン,オッリ
(72)【発明者】
【氏名】ランミ,ユハ
【テーマコード(参考)】
3H076
3H129
【Fターム(参考)】
3H076AA16
3H076BB31
3H076CC82
3H076CC84
3H129AA01
3H129AA22
3H129AB02
3H129BB12
3H129BB42
3H129CC13
3H129CC23
3H129CC34
3H129CC56
(57)【要約】
本発明は、ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)と、圧縮ガスを冷却するための2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2)と、を備える、コンプレッサ(1)に関する。2つ以上の熱交換器(2)の各々は、少なくとも、熱交換器(2)を通して圧縮ガスを移送するための一次部品と、圧縮ガスから熱を回収するために熱交換器(2)を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を備える。コンプレッサ(1)は、コンプレッサの内部構成要素の冷却のための1つ以上の液体-液体熱交換器であって、熱交換器(2)を通してクーラントを移送するための一次部品と、内部構成要素から冷却物質に熱を移送するために、液体-液体熱交換器(2.4)を通して冷却物質を移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、1つ以上の液体-液体熱交換器を更に備える。液体-液体熱交換器(2.4)及び2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2)を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路(5)と、複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)及び圧縮ガス熱交換器(2)を介してガスの流れを導くためのガス流回路(6)と、が提供される。クーラント回路(5)は、液体-液体熱交換器(2.4)が直列接続のシーケンスにおける第1又は第2のものであり、かつ2つ以上の圧縮ガス熱交換器のうちの少なくとも2つが直列接続されるように、少なくとも部分的に直列に連結されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサ(1)であって、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)と、
圧縮ガスを冷却するための2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2)であって、前記2つ以上のガス熱交換器(2)の各々が、
前記ガス熱交換器(2)を通して前記圧縮ガスを移送するための一次部品と、
前記圧縮ガスから熱を回収するために前記ガス熱交換器(2)を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2)と、
前記コンプレッサの内部構成要素の冷却のための1つ以上の液体-液体熱交換器(2.4)であって、
前記液体-液体熱交換器(2)を通してクーラントを移送するための一次部品と、
前記内部構成要素から冷却物質に熱を移送するために、前記液体-液体熱交換器(2.4)を通して前記冷却物質を移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、1つ以上の液体-液体熱交換器(2.4)と、
前記液体-液体熱交換器(2.4)及び前記2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2)を介して前記クーラントの流れを導くためのクーラント回路(5)と、
前記複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)及び前記圧縮ガス熱交換器(2)を介してガスの流れを導くためのガス流回路(6)と、を備え、
前記コンプレッサ(1)が、
-クーラント温度、
-圧縮効率のうちの少なくとも1つを最適化するために、前記熱交換器(2)のうちのいずれかを少なくとも部分的にバイパスするための手段(13.3)を更に備えることを特徴とする、コンプレッサ(1)。
【請求項2】
前記クーラント回路(5)は、前記液体-液体熱交換器(2.4)が直列接続のシーケンスにおける第1又は第2のものであり、かつ前記2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2)のうちの少なくとも2つが直列接続されるように、少なくとも部分的に直列に連結されており、前記液体-液体熱交換器(2.4)が、前記圧縮ガス熱交換器(2)と直列であるか、又は前記圧縮ガス熱交換器(2)のうちの少なくとも1つと並列であるかのいずれかである、請求項1に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項3】
少なくとも3つ以上のガス熱交換器(2)の前記クーラント回路(5)は、前記直列接続がコンプレッサステージ(1.1~1.3)間の前記直列接続とは少なくとも部分的に異なり、かつ前記コンプレッサステージ(1.1~1.3)の逆順序とは異なり、クーラント温度又はエネルギー含有量を最適化するように選択されるように、少なくとも部分的に直列に連結されている、請求項1又は2に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項4】
コンプレッサ(1)であって、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)と、
圧縮ガスを冷却するための2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2)であって、前記2つ以上の熱交換器(2)の各々が、
前記熱交換器(2)を通して前記圧縮ガスを移送するための一次部品と、
前記圧縮ガスから熱を回収するために前記熱交換器(2)を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2)と、
前記コンプレッサの内部構成要素の冷却のための1つ以上の液体-液体熱交換器であって、
前記熱交換器(2)を通してクーラントを移送するための一次部品と、
前記内部構成要素から冷却物質に熱を移送するために、前記液体-液体熱交換器(2.4)を通して前記冷却物質を移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、1つ以上の液体-液体熱交換器と、
前記液体-液体熱交換器(2.4)及び前記2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2)を介して前記クーラントの流れを導くためのクーラント回路(5)と、
前記複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)及び前記圧縮ガス熱交換器(2)を介してガスの流れを導くためのガス流回路(6)と、を備え、
前記クーラント回路(5)は、前記液体-液体熱交換器(2.4)が前記直列接続のシーケンスにおける前記第1又は第2のものであり、かつ前記2つ以上の圧縮ガス熱交換器のうちの少なくとも2つが直列接続されるように、少なくとも部分的に直列に連結されており、前記液体-液体熱交換器(2.4)が、前記圧縮ガス熱交換器(2)と直列であるか、又は前記圧縮ガス熱交換器(2)のうちの少なくとも1つと並列であるかのいずれかであることを特徴とする、コンプレッサ(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの熱交換器(2)が、各圧縮ステージ(1.1~1.3)のガス出力部(1.1b~1.3c)と連結されている、請求項4に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項6】
前記熱交換器(2)の前記二次部品が前記クーラント回路(5)によって連結される順序が、1つ以上の所定の基準に基づいて選択される、請求項4又は5に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項7】
1つ以上の所定の基準が、
-クーラント循環から出る前記クーラントを利用するプロセスに必要な熱量、
-前記コンプレッサ(1)の入力部において許容される最大空気量、
-前記コンプレッサ/1)の出力部での前記圧縮ガスの温度、
-前記コンプレッサから出る液体の温度、
-前記コンプレッサ(1)の効率、
-循環回路(5)の入力部での前記クーラントの温度、及び/又は
-異なる圧縮ステージ(1.1~1.3)間の圧力比のうちの1つ以上である、請求項6に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの熱交換器(2)が、各圧縮ステージ(1.1~1.3)のガス出力部(1.1b~1.3c)と連結されている、請求項4~7のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項9】
前記熱交換器(2)の総数が、前記圧縮ステージ(1.1~1.3)の総数よりも少なくとも1つ多い、請求項4~8のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項10】
前記コンプレッサ(1)が、前記クーラント回路(5)によって3つ以上の前記熱交換器(2)間の相互接続を調整するための手段を備える、請求項4~9のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項11】
前記相互接続を調整するための手段が、前記コンプレッサ(1)の動作特性又は前記コンプレッサ(1)が動作している環境に基づいて、前記3つ以上の熱交換器(2)間の前記相互接続を調整するように構成されている、請求項10に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項12】
前記相互接続を調整するための手段が、クーラント温度及び圧縮効率を最適化するために、前記相互接続を調整するか、又は3つの前記熱交換器のうちのいずれかを少なくとも部分的にバイパスするように構成されている、請求項10又は11に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項13】
前記熱交換器(2)が、
冷却のために前記圧縮ガスを導入するためのガス入力部(2.1a~2.4a)と、冷却された前記ガスを前記一次部品から出力するためのガス出力部(2.1b~2.4b)と、を有する、一次部品と、
前記クーラントを導入するためのクーラント入力部(2.1c~2.4c)と、前記クーラントを前記二次部品から出力するためのクーラント出力部(2.1d~2.4d)と、を有する、二次部品と、を備える、請求項4~12のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項14】
水冷式である追加のアフタークーラを備える、請求項4~13のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項15】
コンプレッサ(1)であって、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)と、
圧縮ガスを冷却するための3つ以上の熱交換器(2)であって、前記3つ以上の熱交換器(2)の各々が、
前記熱交換器(2)を通して前記圧縮ガスを移送するための一次部品と、
前記圧縮ガスから熱を回収するために前記熱交換器(2)を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、3つ以上の熱交換器(2)と、
前記3つ以上の熱交換器(2)を介して前記クーラントの流れを導くためのクーラント回路(5)と、
前記複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)及び前記熱交換器(2)を介してガスの流れを導くためのガス流回路(6)と、を備え、
少なくとも3つ以上の熱交換器(2)の前記クーラント回路(5)は、直列接続が少なくとも部分的に、
コンプレッサステージ(1.1~1.3)間の前記直列接続とは異なり、かつ前記コンプレッサステージ(1.1~1.3)の逆順序とは異なり、クーラント温度又はエネルギー含有量を最適化するように選択されるように、少なくとも部分的に直列に連結されていることを特徴とする、コンプレッサ(1)。
【請求項16】
前記熱交換器(2)の前記二次部品が前記クーラント回路(5)によって連結される順序が、1つ以上の所定の基準に基づいて選択される、請求項15に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項17】
1つ以上の所定の基準が、
-クーラント循環から出る前記クーラントを利用するプロセスに必要な熱量、
-前記コンプレッサ(1)の入力部において許容される最大空気量、
-前記コンプレッサ(1)の出力部での前記圧縮ガスの温度、
-前記コンプレッサから出る液体の温度、
-前記コンプレッサ(1)の効率、
-循環回路(5)の入力部での前記クーラントの温度、及び/又は
-異なる圧縮ステージ(1.1~1.3)間の圧力比のうちの1つ以上である、請求項16に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項18】
前記熱交換器(2)の総数が、前記圧縮ステージ(1.1~1.3)の総数よりも少なくとも1つ多い、請求項15~17のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項19】
前記コンプレッサ(1)が、前記クーラント回路(5)によって前記3つ以上の熱交換器(2)間の相互接続を調整するための手段を備える、請求項15~18のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項20】
前記相互接続を調整するための手段が、前記コンプレッサ(1)の動作特性又は前記コンプレッサ(1)が動作している環境に基づいて、前記3つ以上の熱交換器(2)間の前記相互接続を調整するように構成されている、請求項19に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項21】
前記相互接続を調整するための手段が、クーラント温度及び圧縮効率を最適化するために、前記相互接続を調整するか、又は3つの前記熱交換器のうちのいずれかを少なくとも部分的にバイパスするように構成されている、請求項19又は20に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項22】
前記熱交換器(2)が、
冷却のために前記圧縮ガスを導入するためのガス入力部(2.1a~2.4a)と、冷却された前記ガスを前記一次部品から出力するためのガス出力部(2.1b~2.4b)と、を有する、一次部品と、
前記クーラントを導入するためのクーラント入力部(2.1c~2.4c)と、前記クーラントを前記二次部品から出力するためのクーラント出力部(2.1d~2.4d)と、を有する、二次部品と、を備える、請求項15~21のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項23】
水冷式である追加のアフタークーラを備える、請求項15~22のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項24】
前記クーラント回路(5)が、
外部クーラントソース(8)から前記クーラント回路(5)にクーラントを受容するためのクーラント入力部(18)と、
前記クーラント回路(5)から前記クーラントを出すためのクーラント出力部(19)と、を備える、請求項15~23のいずれか一項に記載のコンプレッサ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンプレッサにおける熱回収のための方法に関する。方法はまた、コンプレッサであって、ガスを圧縮するための複数の圧縮ステージと、圧縮ガスを冷却するための3つ以上の熱交換器であって、3つ以上の熱交換器の各々が、少なくとも、冷却のために圧縮ガスを導入するガス入力部と、冷却されたガスを一次部品から出力するためのガス出力部と、を有する、一次部品と、クーラントを導入するためのクーラント入力部と、クーラントを二次部品から出力するためのクーラント出力部と、を有する、二次部品と、を少なくとも備える、3つ以上の熱交換器と、を備え、3つ以上の熱交換器を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路と、複数の圧縮ステージ及び熱交換器を介してガスの流れを直列に導くためのガス流回路と、を更に備える、コンプレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
コンプレッサは、典型的には、コンプレッサの1つ以上のコンプレッサステージによって圧縮されたガスの温度を低減するための1つ以上の熱交換器を有する。多ステージコンプレッサは、典型的には、各圧縮ステージの後に、圧縮ステージによって圧縮されたガスを冷却するための熱交換器を有する。熱交換器のクーラント入力部は、通常、水などのクーラントが各熱交換器に並列に供給されるように、並列に連結される。これは、クーラントの温度が熱交換器の各入力部で同じであることを意味する。しかしながら、各コンプレッサステージは、熱回収効率及び結果として各コンプレッサステージの効率が最適でない場合がある同じ動作パラメータを有していない場合がある。
【0003】
コンプレッサステージの入力部の温度がコンプレッサステージの効率に影響することが知られている。基本的に、入力部のガスの温度が高いほど、圧縮に必要なエネルギーが高くなる。
【0004】
熱交換器は、典型的には、一次部品及び二次部品を有する。一部の熱交換器はまた、三次部品を有することができる。コンプレッサ用途では、一次部品などの部品のうちの1つは、熱交換器を通して圧縮ガスを案内するために提供され、二次部品は、熱交換器を通してクーラントを案内するために提供される。したがって、圧縮ガスの熱の少なくとも一部は、圧縮ガスの温度がクーラントの温度よりも高いときに、圧縮ガスからクーラントに移送される。
【0005】
ある物質から別の物質への熱の移送は、ある物質から別の物質への熱回収とも呼ばれ得る。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一部の実施形態によれば、従来技術の方法及びコンプレッサと比較して、熱回収効率及び出口部クーラント温度を改善することができる方法及び多ステージ式コンプレッサが提供されている。本発明の背後にある1つの基本的なアイデアは、クーラントが異なる熱交換器を通って流れる順序が、静的に又は動的に、圧縮パラメータに基づいて選択され得、熱回収の順序が、圧縮ガスが異なる熱交換器を通って流れる順序とは異なるように、クーラント回路を配設することである。
【0007】
冷却回路の直列接続では、1つの熱交換器の出力部からのクーラント又はクーラントの一部は、別の熱交換器の入力部に導かれる。
【0008】
本明細書では、「圧縮ステージの順序」という表現は、圧縮されるガスがコンプレッサの圧縮ステージを通って移動する順序を意味し、第1の圧縮ステージは、ガスがコンプレッサの外部から入力される圧縮ステージであり、最後のコンプレッサステージは、例えば、製造プラントで、又は処理、ろ過、乾燥などの後に利用するために、更なる処理のために圧縮ガスを出力する。しかしながら、ガスの一部をコンプレッサから取り出すことができるコンプレッサ内の中間ガス出口部を有することも可能であり得る。
【0009】
本開示の第1の態様によれば、コンプレッサが提供されており、コンプレッサは、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージと、
圧縮ガスを冷却するための3つ以上の熱交換器であって、3つ以上の熱交換器の各々が、
熱交換器を通して圧縮ガスを移送するための一次部品と、
圧縮ガスから熱を回収するために熱交換器を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、3つ以上の熱交換器と、
3つ以上の熱交換器を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路と、
複数の圧縮ステージ及び熱交換器を介してガスの流れを導くためのガス流回路と、を備え、
コンプレッサは、
熱交換器のうちのいずれかを少なくとも部分的にバイパスして、
-クーラント温度、
-圧縮効率のうちの少なくとも1つを最適化するための手段を更に備えることを特徴とする。
【0010】
一実施形態によれば、クーラント回路は、液体-液体熱交換器が直列接続のシーケンスにおける第1又は第2のものであり、かつ2つ以上の圧縮ガス熱交換器のうちの少なくとも2つが直列接続されるように、少なくとも部分的に直列に連結されており、液体-液体熱交換器は、圧縮ガス熱交換器と直列であるか、又は圧縮ガス熱交換器のうちの少なくとも1つと並列であるかのいずれかである。
【0011】
一実施形態によれば、少なくとも3つ以上の熱交換器のクーラント回路は、直列接続がコンプレッサステージ間の直列接続とは少なくとも部分的に異なり、かつコンプレッサステージの逆順序とは異なり、クーラント温度又はエネルギー含有量を最適化するように選択されるように、少なくとも部分的に直列に連結されている。
【0012】
一実施形態によれば、少なくとも1つの熱交換器は、各圧縮ステージのガス出力部と連結されている。
【0013】
一実施形態によれば、少なくとも1つの熱交換器は、各圧縮ステージのガス出力部と連結されている。
【0014】
一実施形態によれば、熱交換器の総数は、圧縮ステージの総数よりも少なくとも1つ多い。
【0015】
一実施形態によれば、バイパスするための手段は、1つ以上の制御可能なバルブを備える。
【0016】
本開示の第2の態様によれば、コンプレッサが提供されており、コンプレッサは、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージと、
圧縮ガスを冷却するための2つ以上の圧縮ガス熱交換器であって、2つ以上の熱交換器の各々が、
熱交換器を通して圧縮ガスを移送するための一次部品と、
圧縮ガスから熱を回収するために熱交換器を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、2つ以上の圧縮ガス熱交換器と、
コンプレッサの内部構成要素の冷却のための1つ以上の液体-液体熱交換器であって、
熱交換器を通してクーラントを移送するための一次部品と、
内部構成要素から冷却物質に熱を移送するために、液体-液体熱交換器を通して冷却物質を移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、1つ以上の液体-液体熱交換器と、
液体-液体熱交換器及び2つ以上の圧縮ガス熱交換器を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路と、
複数の圧縮ステージ及び圧縮ガス熱交換器を介して直列にガスの流れを導くためのガス流回路と、を備え、
クーラント回路は、液体-液体熱交換器が直列接続のシーケンスにおける第1又は第2のものであり、かつ2つ以上の圧縮ガス熱交換器のうちの少なくとも2つが直列接続されるように、少なくとも部分的に直列に連結されていることを特徴とする。
【0017】
一実施形態によれば、少なくとも3つの冷却ステージが直列であり、その結果、クーラントが少なくとも3つの冷却ステージに提供される順序が、1つ以上の所定の基準に基づいて選択可能であるように、2つ以上の圧縮ステージを備えたコンプレッサが提供されている。
【0018】
一実施形態によれば、少なくとも3つの冷却ステージが直列であり、その結果、クーラントが少なくとも3つの冷却ステージに提供される順序が、1つ以上の所定の基準に基づいて選択可能であるように、2つ以上の圧縮ステージを備えたコンプレッサが提供されている。
【0019】
一実施形態によれば、少なくとも3つの冷却ステージが直列であり、その結果、クーラントが少なくとも3つの冷却ステージに提供される順序が、コンプレッサの動作中に調整可能であるように、2つ以上の圧縮ステージを備えたコンプレッサが提供されている。
【0020】
一実施形態によれば、コンプレッサ構成要素から(すなわち、圧縮空気からではなく)熱を移送するための三次冷却回路がまた存在し得、当該冷却回路は、圧縮空気冷却回路のいずれかと並列であるか、又はそれらと直列であり得、当該回路は、コンプレッサの動作中に調整可能であり得る。
【0021】
一実施形態によれば、コンプレッサは、空気コンプレッサである。
一実施形態によれば、少なくとも2つの冷却ステージが、流出するクーラントの温度を上昇させるために少なくとも部分的に直列であるように、2つ以上の圧縮ステージを有する空気コンプレッサが提供されている。
【0022】
一実施形態によれば、圧縮ステージと、ガス流の下流の最後の圧縮ステージの後のアフタークーラとの間に1つ以上のインタークーラを有する空気コンプレッサが提供されており、インタークーラは、アフタークーラの前に直列にある。これにより、圧縮プロセス中に空気が高温になりすぎるのを防ぐことができる。しかしながら、アフタークーラは、1つ以上のインタークーラの前に配置することもできる。
【0023】
一実施形態によれば、コンプレッサの後に圧縮空気を冷却するための追加のアフタークーラを備えた空気コンプレッサが提供されている。
【0024】
一実施形態によれば、全ての熱交換器が直列である空気コンプレッサが提供されている。
【0025】
一実施形態によれば、熱交換器の全てではなく一部のみが直列である空気コンプレッサが提供されている。
【0026】
一実施形態によれば、クーラントの流れ及び部分的又は完全に直列の冷却ステージの順序は、動作特性に基づいて調整可能である。
【0027】
一実施形態によれば、クーラントが熱交換器を通して流れる論理は、クーラント温度及び圧縮効率を最適化するように調整される。
【0028】
一実施形態によれば、冷却回路のうちの1つが熱交換器によって回収された熱を利用し、かつ冷却回路のうちの別の1つが熱を大気中に放散するように、3つの別個の冷却回路を有する空気コンプレッサが提供されている。
【0029】
一実施形態によれば、水冷式である追加のアフタークーラを備える空気コンプレッサが提供されている。
【0030】
一実施形態によれば、空冷式の追加のアフタークーラを備える空気コンプレッサが提供されている。
【0031】
一実施形態によれば、圧縮熱式乾燥機であり得る空気乾燥機を有する空気コンプレッサが提供されており、コンプレッサ出口温度は、乾燥機の効率及び製造プラントの熱利用を最適化するように選択される。
【0032】
本開示の第3の態様によれば、コンプレッサが提供されており、コンプレッサは、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージと、
圧縮ガスを冷却するための3つ以上の熱交換器であって、3つ以上の熱交換器の各々が、
熱交換器を通して圧縮ガスを移送するための一次部品と、
圧縮ガスから熱を回収するために熱交換器を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、3つ以上の熱交換器と、
3つ以上の熱交換器を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路と、
複数の圧縮ステージ及び熱交換器を介してガスの流れを導くためのガス流回路と、を備え、
少なくとも3つ以上の熱交換器のクーラント回路は、直列接続がコンプレッサステージ間の直列接続とは少なくとも部分的に異なり、かつコンプレッサステージの逆順序とは異なり、クーラント温度又はエネルギー含有量を最適化するように選択されるように、少なくとも部分的に直列に連結されていることを特徴とする。
【0033】
一実施形態によれば、少なくとも1つの熱交換器は、各圧縮ステージのガス出力部と連結されている。
【0034】
一実施形態によれば、熱交換器の二次部品がクーラント回路によって連結される順序は、1つ以上の所定の基準に基づいて選択される。
【0035】
一実施形態によれば、1つ以上の所定の基準は、
-クーラント循環から出るクーラントを利用するプロセスに必要な熱量、
-コンプレッサの入力部において許容される最大空気量、
-コンプレッサの出力部での圧縮ガスの温度、
-コンプレッサから出る液体の温度、
-コンプレッサの効率、
-循環回路の入力部でのクーラントの温度、及び/又は
-異なる圧縮ステージ間の圧力比のうちの1つ以上である。
【0036】
一実施形態によれば、少なくとも1つの熱交換器は、各圧縮ステージのガス出力部と連結されている。
【0037】
一実施形態によれば、熱交換器の総数は、圧縮ステージの総数よりも少なくとも1つ多い。
【0038】
一実施形態によれば、コンプレッサは、クーラント回路によって3つ以上の熱交換器間の相互接続を調整するための手段を備える。
【0039】
一実施形態によれば、相互接続を調整するための手段は、制御可能なバルブを備える。
一実施形態によれば、相互接続を調整するための手段は、コンプレッサの動作特性又はコンプレッサが動作している環境に基づいて、3つ以上の熱交換器間の相互接続を調整するように構成されている。
【0040】
一実施形態によれば、相互接続を調整するための手段は、クーラント温度及び圧縮効率を最適化するために、相互接続を調整するか、又は3つの熱交換器のうちのいずれかを少なくとも部分的にバイパスするように構成されている。
【0041】
一実施形態によれば、コンプレッサは、冷却回路のうちの1つが熱交換器によって回収された熱を利用するように構成され、かつ冷却回路のうちの別の1つが熱を大気中に放散するように構成されるように、2つの別個の冷却回路を備える。
【0042】
一実施形態によれば、コンプレッサは、乾燥機の効率及び製造プラントの熱利用を最適化するために、2つの別個の冷却回路を調整するように構成されている。
【0043】
一実施形態によれば、熱交換器は、
冷却のために圧縮ガスを導入するためのガス入力部と、冷却されたガスを一次部品から出力するためのガス出力部と、を有する、一次部品と、
クーラントを導入するためのクーラント入力部と、クーラントを二次部品から出力するためのクーラント出力部と、を有する、二次部品と、を備える。
【0044】
一実施形態によれば、コンプレッサは、水冷式である追加のアフタークーラを備える。
一実施形態によれば、クーラント回路は、
外部クーラントソースからクーラント回路にクーラントを受容するためのクーラント入力部と、
クーラント回路からクーラントを出すためのクーラント出力部と、を備える。
【0045】
本発明は、とりわけ、コンプレッサの全体的な効率を増加することができ、かつ/又は廃棄エネルギーを少なくとも部分的に利用することができるように、異なる熱交換器の直列接続を配設する可能性に起因して、コンプレッサの熱回収効率を改善することができる。効率に影響を与え得る1つの要因は、熱交換器に入るクーラントの温度である。一部の圧縮ステージでは、クーラントをできるだけ冷たく先行する熱交換器に入力することによって達成され得る入力ガス流の低温を有することが有益であり得、一方で、一部の他の圧縮ステージでは、コンプレッサの全体的な効率を考慮して、入力ガス流のより高い温度が許容され得る。
【0046】
以下、添付の図面を参照して、本開示の一部の実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】一実施形態による、簡略化されたプロセスチャートとして、コンプレッサを示す。
【
図2a】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2b】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2c】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2d】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2e】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2f】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2g】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2h】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2i】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図3】多ステージコンプレッサを利用し得るプロセスの実施例を描示する。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、いくつかの熱交換器2を有する多ステージコンプレッサ1の実施例を簡略化されたプロセスチャートとして示している。この実施例では、コンプレッサは、3つの圧縮ステージ1.1、1.2、1.3及び3つの圧縮ガス熱交換器2.1、2.2、2.3を有するが、実用的な実装形態では、コンプレッサ1はまた、2つの圧縮ステージのみ若しくは3つを超える圧縮ステージ、及び/又は3つを超える熱交換器を有することができる。更に、圧縮ステージの総数と熱交換器の総数は、同じである必要はない。
【0049】
以下では、圧縮ガス熱交換器1.1~1.3は、熱交換器1.1~1.3とも呼ばれ得、一方で、内部冷却用の熱交換器17は、液体-液体熱交換器2.4と呼ばれる。
【0050】
各圧縮ステージ1.1、1.2、1.3は、ガス入力部1.1a、1.2a、1.3a、及びガス出力部1.1b、1.2b、1.3bを有する。各交換器2.1、2.2、2.3は、冷却ガス用の一次部品及びクーラント用の二次部品を有する。一次部品は、ガス入力部2.1a、2.2a、2.3a、及びガス出力部2.1b、2.2b、2.3bを有し、二次部品は、クーラント入力部2.1c、2.2c、2.3c、及びクーラント出力部2.1d、2.2d、2.3dを有する。
【0051】
コンプレッサ1は、1つ以上の圧縮ステージ1.1、1.2、1.3を回転させるための少なくとも1つのモータ3を有する。一部の実施形態では、各圧縮ステージがモータ3の軸3.1aに連結されている1つのモータ3.1のみが存在するが、
図1の実施例では、全ての圧縮ステージ1.1、1.2、1.3は、第1の圧縮ステージ1.1が、第1のモータ3.1の軸3.1aに連結され、第2の圧縮ステージ1.2が、第2のモータ3.2の軸3.2aに連結され、第3の圧縮ステージ1.3が、第3のモータ3.3の軸3.3aに連結されるように、個々のモータ3.1、3.2、3.3によって駆動される。なおも別の実施形態では、いくつかの圧縮ステージは、同じモータによって駆動され得、いくつかの他の圧縮ステージは、別のモータによって駆動され得る。各モータ3はまた、モータ制御回路4を有し得、又は
図1の実施例に示されるような共通のモータ制御回路があり得、ここで、各モータ3.1、3.2、3.3は、同じモータ制御回路4によって制御される。
【0052】
コンプレッサ1はまた、熱交換器2の二次部品を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路5と、圧縮ステージ1.1、1.2、1.3及び熱交換器2.1、2.2、2.3を介してガスの流れを導くためのガス流回路6とを有する。
【0053】
コンプレッサ1はまた、例えば、
図1に示されていないバルブ、乾燥機などの更なる構成要素を有し得ることに留意されたい。
【0054】
図1の実施形態では、圧縮されるべきガスの流れは次のとおりである。ガスは、第1の圧縮ステージ1.1のガス入力部1.1aでガスソース7から到達する。ガスは、例えば、外気又は他のガスソースからのものである。モータ3.1は、ガスを圧縮するために第1の圧縮ステージ1.1を回転させるモータの軸3.1aを回転させる。圧縮されたガスは、第1の圧縮ステージ1.1のガス出力部1.1bから出力される。ガス流回路6は、圧縮ガスを第1の圧縮ステージ1.1から第1の熱交換器2.1の一次部品のガス入力部2.1aに運び、圧縮ガスの温度を下げ、すなわち、圧縮ガスから熱を回収する。第1の熱交換器2.1の一次部品のガス出力部2.1bは、第2の圧縮ステージ1.2のガス入力部1.2aに流れ接続されており、冷却された圧縮ガスは、更なる圧縮のために第2の圧縮ステージ1.2に流れることができる。第2の圧縮ステージ1.2によって圧縮されたガスは、第2の圧縮ステージ1.2のガス出力部1.2bから出力される。ガス流回路6は、圧縮ガスを第2の圧縮ステージ1.2から第2の熱交換器2.2の一次部品のガス入力部2.2aに運び、圧縮ガスから熱を回収する。第2の熱交換器2.2の一次部品のガス出力部2.2bは、第3の圧縮ステージ1.3のガス入力部1.3aに流れ接続されており、冷却された圧縮ガスは、更なる圧縮のために第3の圧縮ステージ1.3に流れることができる。第3の圧縮ステージ1.3によって圧縮されたガスは、第3の圧縮ステージ1.3のガス出力部1.3bから出力され、かつ第3の熱交換器2.3の一次部品のガス入力部2.3aに流れる。冷却されたガスは、例えば、乾燥のために、製造プラント、発電所などで利用するために、更なる処理のために、第3の熱交換器2.3の一次部品の出力部2.2dから取り出すことができる。コンプレッサ1によって圧縮されたガスの利用は、本発明の説明及び理解には基本的に無関係であり、ここではより詳細に説明しない。
【0055】
次に、
図1のコンプレッサ1内のクーラントの流れをより詳細に説明する。この実施例では、熱交換器の二次部品の各々は直列であり、コンプレッサステージ1.1、1.2、1.3の順序とは異なる順序であると仮定する。順序はまた、第1の熱交換器2.1、次に第3の熱交換器2.3、次に第2の熱交換器2.2であると仮定される。したがって、クーラントソース8から取り出されたクーラントは、第1の熱交換器2.1の二次部品のクーラント入力部2.1cに流れている。一部の熱は、第1の熱交換器2.1内でガスからクーラントに回収され、クーラントの温度は、第1の熱交換器2.1を通して流れる間に上昇する。次いで、加熱されたクーラントは、クーラント回路5によって第1の熱交換器2.1の二次部品のクーラント出力部2.1dから第3の熱交換器2.3の二次部品のクーラント入力部2.3cに向けられる。繰り返しになるが、一部の熱は、第3の熱交換器2.3内でガスからクーラントに回収され、クーラントの温度は、第3の熱交換器2.3を通して流れる間に上昇する。次いで、加熱されたクーラントは、クーラント回路5によって第3の熱交換器2.3の二次部品のクーラント出力部2.3dから、更なる熱回収が生じる第2の熱交換器2.2の二次部品のクーラント入力部2.2cに向けられる。次いで、加熱されたクーラントは、クーラント回路5によって第2の熱交換器2.2の二次部品のクーラント出力部2.3dからコンプレッサ1のクーラント出力部に向けられる。加熱されたクーラント又はその一部は、例えば、製造プラント16で利用され得る。
【0056】
熱交換器の二次部品の直列接続は、第3の熱交換器2.3、次に第1の熱交換器2.1、次に第2の熱交換器2.2であるように、上記とは異なる場合があることに留意されたい。
【0057】
図2a~
図2iは、コンプレッサ1の異なる熱交換器2間の接続の一部の更なる実施例を示す。これらの図は、主にクーラントの循環経路を開示している。
【0058】
図2aの実施例では、3ステージコンプレッサ1が圧縮空気を生成するために利用されるシステムが、描示されている。熱交換器内で循環するクーラントの順序は、第1の熱交換器2.1、次に第3の熱交換器2.3、次に第2の熱交換器2.2である。また、制御ユニット4の内部構成要素及びコンプレッサのモータ3の温度を制御するために使用されるクーラントを冷却する、液体-液体熱交換器2.4がある。この実施例では、第1の熱交換器2.1及び液体-液体熱交換器2.4のクーラント流は、クーラントが第2の熱交換器2.2及び第3の熱交換器2.3に入る前に並列であり、クーラントの温度は、第2の熱交換器2.2及び第3の熱交換器2.3よりも低くてもよい。したがって、制御ユニット及びモータの冷却効率は、液体-液体熱交換器2.4が第2の熱交換器2.2若しくは第3の熱交換器2.3と並列である場合、又は第3の熱交換器2.3の後にさえある場合よりも優れている可能性がある。
【0059】
制御ユニット4の内部構成要素及びコンプレッサ1のモータ3は、例えば、集積回路及び他の半導体、並びに他の電気部品などを含み得る。したがって、少なくとも半導体の温度をそれらの最大動作温度よりもはるかに低く維持することが有利であろう。これは、クーラント回路の初期ステージで、例えば、内部構成要素を冷却するための第1の熱交換器又は第2の熱交換器として、液体-液体熱交換器2.4にクーラントを提供することによって達成され得る。
【0060】
一実施形態によれば、コンプレッサステージの熱交換器を介して循環される同じクーラントはまた、内部冷却の熱交換器17を介して循環される。したがって、内部構成要素によって生成された熱の少なくとも一部はまた、システムによって利用され、大気中に無駄にされない。
【0061】
この例示的な実施形態では、クーラントが第1の2.1、第3の2.3、及び第2の熱交換器2.2を通って循環した後にクーラントから熱を回収して、熱交換器を通してクーラントを再循環させる前にクーラントの温度を下げるための第5の熱交換器2.5がまた存在する。クーラントは、必要に応じて、ブロワなどの追加のクーラ14によって更に冷却され得る。追加のクーラ14は、例えば、モータ15によって動力供給され得る。
【0062】
コンプレッサ1からの圧縮空気はまた、圧縮空気の温度が圧縮空気の利用位置で低くなければならないときに冷却され得る。この目的のために、ブロワ及び別のクーラ11に動力供給するためのモータ12などの別のクーラ11がある。実施例によれば、追加のクーラ11は、液体-液体熱交換器などの熱交換器である。
【0063】
コンプレッサ1はまた、クーラント及び/又はガスの流れを制御するためのバルブ13又は複数のバルブを有し得る。例えば、第1のバルブ13.1は、第1のバルブ13.1が、第1の熱交換器2.1の二次部品を通るクーラントの流れを調整することができ、第2のバルブ13.2が、液体-液体熱交換器2.4の二次部品を通るクーラントの流れを調整することができるように、クーラント循環回路8に連結される。第1のバルブ13.1は、より少ない冷却が必要な場合、第1の熱交換器2.1の二次部品を通るクーラントの流量を減少させることができ、それぞれ、第1のバルブ13.1は、より多くの冷却が必要な場合、第1の熱交換器2.1の二次部品を通るクーラントの流量を増加させることができる。同様の動作は、コンプレッサ1の内部回路の冷却要件に関して、第2のバルブ13.2によって実施され得る。
【0064】
図2aの例示的な実施形態では、第3の熱交換器2.3の二次部品に並列な第3のバルブ13.3がある。第3のバルブ13.3は、循環クーラントの一部又は全てが第3の熱交換器2.3をバイパスするようにすることができる。
【0065】
循環クーラントのバイパスは、最後の熱交換器にある必要はなく、他の熱交換器にも配置され得ることに留意されたい。更に、コンプレッサ1の動作中の状況に応じて、バイパスするための手段のいずれも作動させられないか、1つ又は2つ以上を作動することができるように、熱交換器をバイパスするための手段が複数あってもよい。
【0066】
そのようなバイパスのための1つの目的は、クーラントがコンプレッサ1から製造プラント16に向けられるような構成でもクーラントを利用することができるように、コンプレッサ1の出力部でのクーラントの温度を可能な限り一定に維持することであり、このような構成では、クーラントの一定の温度が必要とされるか、又は少なくとも推奨される。更に、クーラントがバイパスされる(又はバイパスされない)方式を調整することは、クーラントの温度に影響を与える可能性があり、より高い温度が必要な場合、例えば、バイパスは使用されない場合がある。
【0067】
一部の熱はまた、エンドユーザのプロセスで利用されるコンプレッサ1から熱を回収するために、第5の熱交換器2.5によって回収され得る。例えば、熱は、プロセスで使用されるきれいな水などの液体に回収される。コンプレッサ1内で循環するクーラントは、必要に応じて、例えば、ブロワ及び別のクーラ14に動力供給するためのモータ15を含む追加のクーラ14によって更に冷却され得る。
【0068】
図2bの実施例では、クーラント循環回路に追加の第6の熱交換器2.6があることを除いて、
図2aのシステムとほぼ同様のシステムが描示されている。第6の熱交換器2.6の一次部品は、第2の熱交換器2.2の一次部品と直列に第3の圧縮ステージ1.3のガス出力部と連結されており、第3の圧縮ステージ2.3からの圧縮ガスは、必要に応じて2つの熱交換器によって冷却され得る。第3の熱交換器2.3及び第6の熱交換器2.6の二次部品におけるクーラントの流量制御は、それぞれ、バルブ13.3、13.4によって制御され得る。したがって、第3のバルブ13.3は、循環クーラントの一部又は全てが第3の熱交換器2.3をバイパスするようにすることができる。第6の熱交換器2.6の代わりに、第3の熱交換器2.3は、第1の圧縮ステージ1.1の後に圧縮ガスからの追加の熱回収を提供するための三次部品を有することができる。
【0069】
三次部品(冷却回路)は、例えば、コンプレッサ構成要素から(すなわち、圧縮空気からではなく)熱を移送するために使用され得る。三次部品は、圧縮空気冷却回路のいずれかと並列であるか、又は圧縮空気冷却回路のいずれかと直列であり得る。更に、三次部品は、コンプレッサの動作中に調整可能であり得る。
【0070】
図2cの実施例は、
図2aの実施例の修正バージョンである。この実施形態では、内部回路の冷却17のためのものである液体-液体熱交換器2.4は、他の熱交換器2.1、2.2、2.3と直列である。
図2aに描示されるバルブのいくつかは省略されており、条件(例えば、クーラント及び/又は圧縮ガスの温度)がそうすることを可能にする場合、第3の熱交換器2.3の二次部品に並列なバルブ13.3のみが、第3の熱交換器2.3をバイパスすることができるように維持される。
【0071】
図2dの実施例では、第1の熱交換器2.1と第2の熱交換器2.2は並列であり、バルブ13.1、13.2によって制御されているが、第3の熱交換器2.3と液体-液体熱交換器2.4は互いに直列であり、並列に連結された第1の熱交換器2.1と第2の熱交換器2.2は直列である。
【0072】
一実施形態によれば、循環クーラントの一部又は全ては、コンプレッサ1の外側、例えば、熱交換器2.1~2.4のうちの1つの後の大気にバイパスされ得る。
【0073】
一実施形態によれば、クーラントが熱交換器2.1~2.4を通して流れる順序は、固定されていないが、1つ以上の所定の基準に従って少なくとも部分的に修正され得る。例えば、圧縮ステージ1.1~1.3によって出力されるガスの温度を測定することができ、これに基づいて、必要に応じて順序を変更することができる。別の基準は、1つ以上の圧縮ステージ1.1~1.3の効率であり得、圧縮ステージ1.1~1.3の効率を修正する必要がある場合、熱交換器2.1~2.4の順序を、修正された効率によりよく対応するように変更することができる。なおも別の基準は、ガスの温度が他の圧縮ステージよりも高い圧縮ステージが、その特定の圧縮ステージの出力部における熱交換器がクーラント循環の始まり、例えば、熱交換器2.1~2.4のチェーンの第1のものにあるように選択されることを引き起こし得る、クーラントの温度であり得る。
【0074】
図2eの実施例では、第1の熱交換器2.1及び第2の熱交換器2.2を介したクーラントの流れは、開放/閉鎖バルブ13.1~13.6で修正され得る。例えば、第1のバルブ13.1、第2のバルブ13.2、第3のバルブ13.3、及び第4のバルブ13.4が開いており、かつ第5のバルブ13.5及び第6のバルブ13.6が閉じているときに、第1の熱交換器2.1と第2の熱交換器2.2は並列である。第1のバルブ13.1、第4のバルブ13.4、及び第5のバルブ13.5が開いており、かつ第2のバルブ13.2、第3のバルブ13.3、及び第6のバルブ13.6が閉じているときに、クーラントは、最初に第1の熱交換器2.1を通して流れ、次に第2の熱交換器2.2を通して流れる。第1のバルブ13.1、第4のバルブ13.4、及び第5のバルブ13.5が閉じており、かつ第2のバルブ13.2、第3のバルブ13.3、及び第6のバルブ13.6が開いているときに、クーラントは、最初に第2の熱交換器2.2を通して流れ、次に第1の熱交換器2.1を通して流れる。
【0075】
一実施形態によれば、クーラントは循環されないが、クーラントは、ソース8から入力され、クーラントの流路内の最後の熱交換器の後に、クーラントは、エンティティによって利用されるように提供されている。そのような構成の実施例を
図2fに示しており、
図2eの実施例とほぼ同様であるが、クーラント回路は、クーラントが、クーラント回路5にクーラント入力部18を介してクーラントソース8から受容され、クーラントが、クーラント回路5を通して流れた後に、クーラント出力部19を介してクーラント回路5から出るように、開いている。この例示的な実施形態では、クーラントがクーラント回路及び第5の熱交換器2.5を出た後にクーラントを冷却するための追加のクーラ14はないが、一部の他の実施形態では、追加のクーラ14及び/又は第5の熱交換器2.5を利用することができる。
【0076】
図2gの実施例では、クーラント回路の第1の熱交換器は、内部冷却17のために、すなわち、内部構成要素17を冷却するために使用される液体-液体熱交換器2.4であり、クーラントの温度は、コンプレッサステージによってまだ上昇していない。次いで、クーラントは、第1のコンプレッサステージ1.1を冷却するための第1の熱交換器2.1、第2のコンプレッサステージ1.2を冷却するための第2の熱交換器2.2、及び第3のコンプレッサステージ1.3を冷却するための第3の熱交換器2.3を介して循環される。また、この実施例では、クーラント回路は、クーラントが、クーラント回路5にクーラント入力部18を介してクーラントソース8から受容され、クーラントが、クーラント回路5を通って流れた後に、クーラント出力部19を介してクーラント回路5から出るように、開いているが、エンドユーザのプロセスの他の部分でクーラントが使用されない場合、クーラント回路5はまた閉じられ得る。閉じられたクーラント回路においても、クーラントの温度は、追加の熱交換器、例えば、
図2aに描示された第5の熱交換器を通してクーラントを循環させることによってプロセスによって利用され得ることに留意されたい。
【0077】
図2hの実施例では、第2の熱交換器は、内部冷却17に使用される液体-液体熱交換器2.4であり、クーラントの温度は、第1の熱交換器2.1によって冷却される第1のコンプレッサステージ1.1でわずかに上昇し得る。次いで、クーラントは、第2のコンプレッサステージ1.2を冷却するための第2の熱交換器2.2、及び第3のコンプレッサステージ1.3を冷却するための第3の熱交換器2.3に提供されている。また、この実施例では、クーラント回路は、クーラントが、第7の熱交換器2.7を介してクーラントソース8から受容され、それにより、圧縮ガスの熱の少なくとも一部がクーラントに移送され、その結果、クーラント入力部18でのクーラントの温度が低くなりすぎないように、開いている。第7の熱交換器2.7から、クーラントは、クーラント回路5に流れ、クーラントは、クーラント回路5を通って流れた後に、クーラント出力部19を介してクーラント回路5から出るが、エンドユーザのプロセスの他の部分でクーラントが使用されない場合、クーラント回路5はまた閉じられ得る。
【0078】
図2iのクーラント回路は、クーラント回路が閉じられており、かつ第7の熱交換器2.7が第3の熱交換器2.3の後にあることを除いて、
図2hのクーラント回路とほぼ同様であり、その結果、コンプレッサ1の出力部におけるガスの熱の少なくとも一部は、クーラントがクーラントソース8に戻って流れる前に、クーラントに移送され得る。
【0079】
図2a~
図2iの異なる実施例は、更なる実施例に混合され得ることに留意されたい。一実施例として、
図2iの配設は、第7の熱交換器2.7からのクーラントがクーラントソース8に戻って流れるのではなく、利用のために製造プラント16の更なるステージに戻るように修正され得る。
【0080】
また、
図2g、
図2h、及び
図2iに示される実施形態では、クーラントがコンプレッサステージを介して循環される順序は、ガスがコンプレッサステージ1.1~1.3によって圧縮される順序とは異なる場合があることに留意されたい。例えば、第1の熱交換器2.1は、第3のコンプレッサステージ1.3を冷却するために配設され得、第2の熱交換器2.2は、第1のコンプレッサステージ1.1を冷却するために配設され得、第3の熱交換器2.3は、第2のコンプレッサステージ1.2を冷却するために配設され得る。
【0081】
一部の実施形態では、コンプレッサ1又は複数のコンプレッサ1が配置されている部屋は、暖められてもよく、部屋はまた、例えば、ヒートポンプ又は冷蔵庫によって冷却されてもよい。
【0082】
2つの圧縮ステージの間にある熱交換器はまた、インタークーラと呼ばれ得、その熱交換器又は最後の圧縮ステージの後にあるそれらの熱交換器はまた、アフタークーラと呼ばれ得る。アフタークーラの前にインタークーラを直列に連結することで、圧縮プロセスで空気が高温になりすぎることを防ぐことができる。
【0083】
最後の熱交換器の後など、クーラント回路の熱交換器2.1~2.5のうちのいくつかの後にクーラントの一部又は全てをバイパスすることができる実施形態では、バイパスされたクーラントの温度は、バイパスするクーラントの量を調整することによって調節され得る。例えば、温度は、一定の値に保たれ得る。
【0084】
一実施形態によれば、バイパスされたクーラントを使用して、例えば、アフタークーラから、いくつかのエネルギーをコンプレッサ1に戻すことができる。
【0085】
一部の状況では、それ以外の場合、コンプレッサ1に入るには冷たすぎる場合、暖かい外気を使用してクーラントを温めることができる。
【0086】
一実施形態によれば、コンプレッサは、冷却回路のうちの1つが熱交換器によって回収された熱を利用し、かつ冷却回路のうちの別の1つが熱を大気中に放散するように、2つの別個の冷却回路を有する。
【0087】
一実施形態によれば、例えば、圧縮型乾燥機の熱であり得る空気乾燥機を有する空気コンプレッサが提供されている。コンプレッサ出口温度は、乾燥機の効率及び製造プラントの熱利用を最適化するように選択される。例えば、乾燥機の熱の要求がより多い場合、より多くの熱が乾燥機を通って流れる空気に回収され、より少ない熱がクーラントに回収され、それぞれ、乾燥機の熱の要求がより少ない場合、より多くの熱がクーラントに回収され得、より少ない熱が乾燥機を通って流れる空気に回収される。
【0088】
一部の実施形態によれば、最後の圧縮ステージは、温度の影響を最も受けず、その圧縮ステージにはより少ない冷却電力が提供され得、他の圧縮ステージにはより多くの冷却電力が提供され得る。言い換えると、最後の圧縮ステージの後にあるその熱交換器は、クーラントの経路内の全ての以前の熱交換器の後にクーラントを受容し得、すなわち、クーラントの下流にある最後の熱交換器である。
【0089】
一実施形態によれば、部分的又は完全に直列であるクーラントの流れ及び熱交換器2の順序は、コンプレッサ1の動作特性又はコンプレッサ1が動作している環境に基づいて調整可能である。
【0090】
一実施形態によれば、クーラントが熱交換器2を通して流れる順序を有する論理は、クーラント温度及び圧縮効率を最適化するように調整される。
【0091】
一実施形態によれば、クーラントが熱交換器2を通して流れる順序は、コンプレッサ1からのクーラント出力部19におけるクーラントのクーラント温度及び/又はエネルギー含有量を最適化するように選択される。
【0092】
以下に、クーラントが熱交換器2.1~2.4を通して流れる順序に影響を与える可能性のあるいくつかの要因を簡単に説明する。
【0093】
-クーラント循環から出るクーラントを利用するプロセスに必要な熱量、
-コンプレッサの入力部において許容される最大空気量、
-コンプレッサの出力部での圧縮ガスの温度、
-コンプレッサから出る液体の温度、
-コンプレッサの効率、
-循環経路の入力部でのクーラントの温度、及び/又は
-異なる圧縮ステージ間の圧力比。
【0094】
コンプレッサ1内のクーラントについての経路を決定するときに考慮され得る他の要因がまた存在し得ることに留意されたい。
【0095】
クーラント、流入ガス、圧縮ガスなどの温度を決定するために、いくつかの温度センサをコンプレッサ1内の適切な場所に設置することができる。したがって、コンプレッサ1内の圧力を決定するために、いくつかの圧力センサをコンプレッサ1内の適切な場所にも設置することができる。しかしながら、これらのセンサは、図に描示されていない。
【0096】
図3は、多ステージコンプレッサ1を利用することができるプロセスの大幅に簡略化された図である。製造プラント16のための圧縮ガス及び加熱されたクーラントを生成する、1つ以上のコンプレッサ1のためのガスのソース7及びクーラントのソース8がある。
【0097】
以下では、一実施形態による、コンプレッサ1における適応熱回収のための方法を、
図2eの図を参照して説明する。コンプレッサ1は、3つの圧縮ステージ1.1~1.3及び3つの熱交換器2.1~2.3を有すると仮定されるが、コンプレッサ1は、正確に3つの圧縮ステージ2.1~2.3を有する必要はなく、2つだけ、又は3つより多い圧縮ステージ1.1~1.3、及び少なくとも同じ量の熱交換器2.1~2.4を有することができることは明らかである。また、バルブ13.1~13.6は、クーラントが第2の熱交換器2.2を介して最初に流れ、次いで第1の熱交換器2.1を介して流れるような位置に最初にあると仮定される。圧縮されるガスは、ガスソース7からコンプレッサ1の第1の圧縮ステージ1.1に流れている。ガスソースは、例えば、ガス容器又は大気であり得る。第1の圧縮ステージ1.1は、ガスを圧縮し、ガスの圧力及び温度が増加する。圧縮ガスは、第1の熱交換器2.1の一次部品に向けられる。クーラントは、第1の熱交換器2.1の二次部品に流れている。第1の熱交換器2.1では、少なくとも一部の熱がガスからクーラントに回収される。第1の熱交換器2.1から、ガスは、圧縮のために第2の圧縮ステージ1.2に流れ、更に第2の熱交換器2.2に流れる。第2の熱交換器2.2から、ガスは、第3の圧縮ステージ1.3で更に圧縮され、その後、圧縮されたガスは、第3の熱交換器2.3によって冷却され、かつ利用のために出力される。
【0098】
制御回路4は、1つ以上の温度センサ及び1つ以上の圧力センサ(図示せず)から測定信号を受信し、かつ測定信号をいくつかの所定の基準と比較して、クーラントの流路を変更する必要があるかどうかを決定する。比較が所定の基準のうちの1つ以上が満たされたことを示す場合、制御回路4は、クーラントの流路が測定された条件に対応するように、バルブ13.1~13.6のうちの1つ以上の状態を変更する。例えば、クーラントが第1の熱交換器2.1及び第2の熱交換器2.2を通して流れる順序は、交換され得、又は並列接続に変更され得る。
【0099】
一実施形態によれば、コンプレッサ1の出力部でのクーラントの温度は、従来技術のコンプレッサよりもはるかに高くてもよい。一実施例として、本発明が利用される場合、温度が20℃をはるかに下回る冷たい水道水をクーラントとして使用する場合に、コンプレッサ1の出力部でのクーラントの温度は、80℃を超える場合があり、例えば、84℃になる場合がある。
【0100】
同じクーラントがコンプレッサ1のクーラント回路5内を循環するように、クーラントの流路を閉じる必要はないが、クーラントが外部ソース(例えば、水道水)からクーラント回路5に入り、クーラント回路5を通って流れ、かつクーラント回路5から出るように、クーラントの流路を開いてもよいことに留意されたい。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサ(1)であって、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)と、
圧縮ガスを冷却するための2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2.1~2.3)であって、前記2つ以上のガス熱交換器(2.1~2.3)の各々が、
前記ガス熱交換器(2.1~2.3)を通して前記圧縮ガスを移送するための一次部品と、
前記圧縮ガスから熱を回収するために前記ガス熱交換器(2.1~2.3)を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2.1~2.3)と、
前記コンプレッサの内部構成要素の冷却のための1つ以上の液体-液体熱交換器であって、
前記液体-液体熱交換器(2.4)を通してクーラントを移送するための一次部品と、
前記内部構成要素からクーラントに熱を移送するために、前記液体-液体熱交換器(2.4)を通して前記クーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、1つ以上の液体-液体熱交換器と、
前記液体-液体熱交換器(2.4)及び前記2つ以上の圧縮ガス熱交換器(2.1~2.3)を介して前記クーラントの流れを導くためのクーラント回路(5)と、
前記複数の圧縮ステージ(1.1~1.3)及び前記圧縮ガス熱交換器(2)を介してガスの流れを導くためのガス流回路(6)と、を備え、
前記2つ以上の圧縮ガス熱交換器のうちの少なくとも2つが、直列接続されており、前記コンプレッサ(1)は、前記液体-液体熱交換器(2.4)が前記圧縮ガス熱交換器(2.1~2.3)と直列であるか、又は前記圧縮ガス熱交換器(2.1~2.3)のうちの少なくとも1つと並列であるかのいずれかであるように、前記クーラントの前記流れを制御するためのバルブ(13.1、13.2)を備えることを特徴とする、コンプレッサ(1)。
【請求項2】
前記クーラント回路(5)は、前記液体-液体熱交換器(2.4)が前記直列接続のシーケンスにおける第1又は第2のものであるように、少なくとも部分的に直列に連結されている、請求項1に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの熱交換器(2.1~2.3)が、各圧縮ステージ(1.1~1.3)のガス出力部(1.1b~1.3c)と連結されている、請求項1または2に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項4】
前記熱交換器(2.1~2.3)の前記二次部品が前記クーラント回路(5)によって連結される順序が、1つ以上の所定の基準に基づいて選択される、請求項1または2に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項5】
1つ以上の所定の基準が、
-クーラント循環から出る前記クーラントを利用するプロセスに必要な熱量、
-前記コンプレッサ(1)の入力部において許容される最大空気量、
-前記コンプレッサ(1)の出力部での前記圧縮ガスの温度、
-前記コンプレッサから出る液体の温度、
-前記コンプレッサ(1)の効率、
-循環回路(5)の入力部での前記クーラントの温度、及び/又は
-異なる圧縮ステージ(1.1~1.3)間の圧力比のうちの1つ以上である、請求項4に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項6】
少なくとも1つのガス熱交換器(2.1~2.3)が、各圧縮ステージ(1.1~1.3)のガス出力部(1.1b~1.3c)と連結されている、請求項1または2に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項7】
前記ガス熱交換器(2.1~2.3)の総数が、前記圧縮ステージ(1.1~1.3)の総数よりも少なくとも1つ多い、請求項1または2に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項8】
前記コンプレッサ(1)が、前記クーラント回路(5)によって前記ガス熱交換器(2.1~2.3)間の相互接続を調整するための手段を備える、請求項1または2に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項9】
前記相互接続を調整するための手段は、前記コンプレッサ(1)の動作特性又は前記コンプレッサ(1)が動作している環境に基づいて、前記ガス熱交換器(2.1~2.3)間の前記相互接続を調整するように構成されている、請求項8に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項10】
前記相互接続を調整するための手段が、クーラント温度及び圧縮効率を最適化するために、前記相互接続を調整するか、又は前記ガス熱交換器のうちのいずれかを少なくとも部分的にバイパスするように構成されている、請求項7に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項11】
前記ガス熱交換器(2.1~2.3)が、
冷却のために前記圧縮ガスを導入するためのガス入力部(2.1a~2.4a)と、冷却された前記ガスを前記一次部品から出力するためのガス出力部(2.1b~2.4b)と、を有する、一次部品と、
前記クーラントを導入するためのクーラント入力部(2.1c~2.4c)と、前記クーラントを前記二次部品から出力するためのクーラント出力部(2.1d~2.4d)と、を有する、二次部品と、を備える、請求項1または2に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項12】
水冷式である追加のアフタークーラを備える、請求項1または2に記載のコンプレッサ(1)。
【請求項13】
クーラント温度及び圧縮効率を最適化するために、前記相互接続を調整するか、又は前記ガス熱交換器(2.1~2.3)のうちのいずれかを少なくとも部分的にバイパスするように構成されている、相互接続を調整するための手段(13.3)を備える、請求項1または2に記載のコンプレッサ(1)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンプレッサにおける熱回収のための方法に関する。本発明はまた、コンプレッサであって、ガスを圧縮するための複数の圧縮ステージと、圧縮ガスを冷却するための3つ以上の熱交換器であって、3つ以上の熱交換器の各々が、少なくとも、冷却のために圧縮ガスを導入するガス入力部と、冷却されたガスを一次部品から出力するためのガス出力部と、を有する、一次部品と、クーラントを導入するためのクーラント入力部と、クーラントを二次部品から出力するためのクーラント出力部と、を有する、二次部品と、を少なくとも備える、3つ以上の熱交換器と、を備え、3つ以上の熱交換器を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路と、複数の圧縮ステージ及び熱交換器を介してガスの流れを直列に導くためのガス流回路と、を更に備える、コンプレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
コンプレッサは、典型的には、コンプレッサの1つ以上のコンプレッサステージによって圧縮されたガスの温度を低減するための1つ以上の熱交換器を有する。多ステージコンプレッサは、典型的には、各圧縮ステージの後に、圧縮ステージによって圧縮されたガスを冷却するための熱交換器を有する。熱交換器のクーラント入力部は、通常、水などのクーラントが各熱交換器に並列に供給されるように、並列に連結される。これは、クーラントの温度が熱交換器の各入力部で同じであることを意味する。しかしながら、各コンプレッサステージは、熱回収効率及び結果として各コンプレッサステージの効率が最適でない場合がある同じ動作パラメータを有していない場合がある。
【0003】
コンプレッサステージの入力部の温度がコンプレッサステージの効率に影響することが知られている。基本的に、入力部のガスの温度が高いほど、圧縮に必要なエネルギーが高くなる。
【0004】
熱交換器は、典型的には、一次部品及び二次部品を有する。一部の熱交換器はまた、三次部品を有することができる。コンプレッサ用途では、一次部品などの部品のうちの1つは、熱交換器を通して圧縮ガスを案内するために提供され、二次部品は、熱交換器を通してクーラントを案内するために提供される。したがって、圧縮ガスの熱の少なくとも一部は、圧縮ガスの温度がクーラントの温度よりも高いときに、圧縮ガスからクーラントに移送される。
【0005】
ある物質から別の物質への熱の移送は、ある物質から別の物質への熱回収とも呼ばれ得る。
【0006】
特許出願引用文献第WO2020/195528A1号は、圧縮ガスを排出するためのコンプレッサ、圧縮ガスを冷却するためのアフタークーラ、冷却液をコンプレッサに供給し、冷却熱交換器によって冷却液を冷却するための第1の冷却液経路と、冷却液をアフタークーラに通し、熱回収熱交換器によって冷却液から廃熱を回収するための第2の冷却液経路と、を有する、システムを開示している。コンプレッサシステムは、第1の冷却液経路と第2の冷却液経路とを接続する複数のバイパス経路に配置された第1のバルブ及び第2のバルブと、第1の冷却液経路に配置された第3のバルブ及び第4のバルブと、制御ユニットと、を含み、制御ユニットは、第1のバルブ及び第2のバルブを閉じ、かつ第3のバルブ及び第4のバルブを開くための第1の制御を実施する。
【0007】
特許出願第JP2016/079894A号は、熱回収熱交換器のための水の導入のための水処理設備に対する悪影響を防止しながら、ロード/アンロード機械を使用する熱回収システムを介した熱回収を開示している。熱回収熱交換器は、コンプレッサから空気冷却器まで延在する空気通路に設置され、圧縮空気と水とを熱交換して温水を作る。コンプレッサから熱回収熱交換器まで延在する空気通路と熱回収熱交換器からクーラまで延在する空気通路とは、バイパス通路によって接続される。コンプレッサからの圧縮空気が熱回収熱交換器に流れるか、又はバイパス通路に流れるかを切り替えることができる。コンプレッサは、ロード/アンロード機械として適用され得、圧縮空気は、コンプレッサがアンロード状態に保たれている間、熱回収熱交換器に導かれない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一部の実施形態によれば、従来技術の方法及びコンプレッサと比較して、熱回収効率及び出口部クーラント温度を改善することができる方法及び多ステージ式コンプレッサが提供されている。本発明の背後にある1つの基本的なアイデアは、クーラントが異なる熱交換器を通って流れる順序が、静的に又は動的に、圧縮パラメータに基づいて選択され得、熱回収の順序が、圧縮ガスが異なる熱交換器を通って流れる順序とは異なるように、クーラント回路を配設することである。
【0009】
冷媒回路の直列接続では、1つの熱交換器の出力部からのクーラント又はクーラントの一部は、別の熱交換器の入力部に導かれる。
【0010】
本明細書では、「圧縮ステージの順序」という表現は、圧縮されるガスがコンプレッサの圧縮ステージを通って移動する順序を意味し、第1の圧縮ステージは、ガスがコンプレッサの外部から入力される圧縮ステージであり、最後のコンプレッサステージは、例えば、製造プラントで、又は処理、ろ過、乾燥などの後に利用するために、更なる処理のために圧縮ガスを出力する。しかしながら、ガスの一部をコンプレッサから取り出すことができるコンプレッサ内の中間ガス出口部を有することも可能であり得る。
【0011】
本開示の第1の態様によれば、コンプレッサが提供されており、コンプレッサは、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージと、
圧縮ガスを冷却するための3つ以上の熱交換器であって、3つ以上の熱交換器の各々が、
熱交換器を通して圧縮ガスを移送するための一次部品と、
圧縮ガスから熱を回収するために熱交換器を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、3つ以上の熱交換器と、
3つ以上の熱交換器を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路と、
複数の圧縮ステージ及び熱交換器を介してガスの流れを導くためのガス流回路と、を備え、
コンプレッサは、
-クーラント温度、
-圧縮効率のうちの少なくとも1つを最適化するために、熱交換器のうちのいずれかを少なくとも部分的にバイパスするための手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
一実施形態によれば、クーラント回路は、液体-液体熱交換器が直列接続のシーケンスにおける第1又は第2のものであり、かつ2つ以上の圧縮ガス熱交換器のうちの少なくとも2つが直列接続されるように、少なくとも部分的に直列に連結されており、液体-液体熱交換器は、圧縮ガス熱交換器と直列であるか、又は圧縮ガス熱交換器のうちの少なくとも1つと並列であるかのいずれかである。
【0013】
一実施形態によれば、少なくとも3つ以上の熱交換器のクーラント回路は、直列接続がコンプレッサステージ間の直列接続とは少なくとも部分的に異なり、かつコンプレッサステージの逆順序とは異なり、クーラント温度又はエネルギー含有量を最適化するように選択されるように、少なくとも部分的に直列に連結されている。
【0014】
一実施形態によれば、少なくとも1つの熱交換器は、各圧縮ステージのガス出力部と連結されている。
【0015】
一実施形態によれば、少なくとも1つの熱交換器は、各圧縮ステージのガス出力部と連結されている。
【0016】
一実施形態によれば、熱交換器の総数は、圧縮ステージの総数よりも少なくとも1つ多い。
【0017】
一実施形態によれば、バイパスするための手段は、1つ以上の制御可能なバルブを備える。
【0018】
本開示の第2の態様によれば、コンプレッサが提供されており、コンプレッサは、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージと、
圧縮ガスを冷却するための2つ以上の圧縮ガス熱交換器であって、2つ以上の熱交換器の各々が、
熱交換器を通して圧縮ガスを移送するための一次部品と、
圧縮ガスから熱を回収するために熱交換器を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、2つ以上の圧縮ガス熱交換器と、
コンプレッサの内部構成要素の冷却のための1つ以上の液体-液体熱交換器であって、
熱交換器を通してクーラントを移送するための一次部品と、
内部構成要素から冷却物質に熱を移送するために、液体-液体熱交換器を通して冷却物質を移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、1つ以上の液体-液体熱交換器と、
液体-液体熱交換器及び2つ以上の圧縮ガス熱交換器を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路と、
複数の圧縮ステージ及び圧縮ガス熱交換器を介して直列にガスの流れを導くためのガス流回路と、を備え、
クーラント回路は、液体-液体熱交換器が直列接続のシーケンスにおける第1又は第2のものであり、かつ2つ以上の圧縮ガス熱交換器のうちの少なくとも2つが直列接続されるように、少なくとも部分的に直列に連結されていることを特徴とする。
【0019】
一実施形態によれば、少なくとも3つの冷却ステージが直列であり、その結果、クーラントが少なくとも3つの冷却ステージに提供される順序が、1つ以上の所定の基準に基づいて選択可能であるように、2つ以上の圧縮ステージを備えたコンプレッサが提供されている。
【0020】
一実施形態によれば、少なくとも3つの冷却ステージが直列であり、その結果、クーラントが少なくとも3つの冷却ステージに提供される順序が、1つ以上の所定の基準に基づいて選択可能であるように、2つ以上の圧縮ステージを備えたコンプレッサが提供されている。
【0021】
一実施形態によれば、少なくとも3つの冷却ステージが直列であり、その結果、クーラントが少なくとも3つの冷却ステージに提供される順序が、コンプレッサの動作中に調整可能であるように、2つ以上の圧縮ステージを備えたコンプレッサが提供されている。
【0022】
一実施形態によれば、コンプレッサ構成要素から(すなわち、圧縮空気からではなく)熱を移送するための三次冷却回路がまた存在し得、当該冷却回路は、圧縮空気冷却回路のいずれかと並列であるか、又はそれらと直列であり得、当該回路は、コンプレッサの動作中に調整可能であり得る。
【0023】
一実施形態によれば、コンプレッサは、空気コンプレッサである。
一実施形態によれば、少なくとも2つの冷却ステージが、流出するクーラントの温度を上昇させるために少なくとも部分的に直列であるように、2つ以上の圧縮ステージを有する空気コンプレッサが提供されている。
【0024】
一実施形態によれば、圧縮ステージと、ガス流の下流の最後の圧縮ステージの後のアフタークーラとの間に1つ以上のインタークーラを有する空気コンプレッサが提供されており、インタークーラは、アフタークーラの前に直列にある。これにより、圧縮プロセス中に空気が高温になりすぎるのを防ぐことができる。しかしながら、アフタークーラは、1つ以上のインタークーラの前に配置することもできる。
【0025】
一実施形態によれば、コンプレッサの後に圧縮空気を冷却するための追加のアフタークーラを備えた空気コンプレッサが提供されている。
【0026】
一実施形態によれば、全ての熱交換器が直列である空気コンプレッサが提供されている。
【0027】
一実施形態によれば、熱交換器の全てではなく一部のみが直列である空気コンプレッサが提供されている。
【0028】
一実施形態によれば、クーラントの流れ及び部分的又は完全に直列の冷却ステージの順序は、動作特性に基づいて調整可能である。
【0029】
一実施形態によれば、クーラントが熱交換器を通して流れる論理は、クーラント温度及び圧縮効率を最適化するように調整される。
【0030】
一実施形態によれば、冷却回路のうちの1つが熱交換器によって回収された熱を利用し、かつ冷却回路のうちの別の1つが熱を大気中に放散するように、3つの別個の冷却回路を有する空気コンプレッサが提供されている。
【0031】
一実施形態によれば、水冷式である追加のアフタークーラを備える空気コンプレッサが提供されている。
【0032】
一実施形態によれば、空冷式の追加のアフタークーラを備える空気コンプレッサが提供されている。
【0033】
一実施形態によれば、圧縮熱式乾燥機であり得る空気乾燥機を有する空気コンプレッサが提供されており、コンプレッサ出口温度は、乾燥機の効率及び製造プラントの熱利用を最適化するように選択される。
【0034】
本開示の第3の態様によれば、コンプレッサが提供されており、コンプレッサは、
ガスを圧縮するために直列に接続された複数の圧縮ステージと、
圧縮ガスを冷却するための3つ以上の熱交換器であって、3つ以上の熱交換器の各々が、
熱交換器を通して圧縮ガスを移送するための一次部品と、
圧縮ガスから熱を回収するために熱交換器を通してクーラントを移送するための1つ以上の二次部品と、を少なくとも備える、3つ以上の熱交換器と、
3つ以上の熱交換器を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路と、
複数の圧縮ステージ及び熱交換器を介してガスの流れを導くためのガス流回路と、を備え、
少なくとも3つ以上の熱交換器のクーラント回路は、直列接続がコンプレッサステージ間の直列接続とは少なくとも部分的に異なり、かつコンプレッサステージの逆順序とは異なり、クーラント温度又はエネルギー含有量を最適化するように選択されるように、少なくとも部分的に直列に連結されていることを特徴とする。
【0035】
一実施形態によれば、少なくとも1つの熱交換器は、各圧縮ステージのガス出力部と連結されている。
【0036】
一実施形態によれば、熱交換器の二次部品がクーラント回路によって連結される順序は、1つ以上の所定の基準に基づいて選択される。
【0037】
一実施形態によれば、1つ以上の所定の基準は、
-クーラント循環から出るクーラントを利用するプロセスに必要な熱量、
-コンプレッサの入力部において許容される最大空気量、
-コンプレッサの出力部での圧縮ガスの温度、
-コンプレッサから出る液体の温度、
-コンプレッサの効率、
-循環回路の入力部でのクーラントの温度、及び/又は
-異なる圧縮ステージ間の圧力比のうちの1つ以上である。
【0038】
一実施形態によれば、少なくとも1つの熱交換器は、各圧縮ステージのガス出力部と連結されている。
【0039】
一実施形態によれば、熱交換器の総数は、圧縮ステージの総数よりも少なくとも1つ多い。
【0040】
一実施形態によれば、コンプレッサは、クーラント回路によって3つ以上の熱交換器間の相互接続を調整するための手段を備える。
【0041】
一実施形態によれば、相互接続を調整するための手段は、制御可能なバルブを備える。
一実施形態によれば、相互接続を調整するための手段は、コンプレッサの動作特性又はコンプレッサが動作している環境に基づいて、3つ以上の熱交換器間の相互接続を調整するように構成されている。
【0042】
一実施形態によれば、相互接続を調整するための手段は、クーラント温度及び圧縮効率を最適化するために、相互接続を調整するか、又は3つの熱交換器のうちのいずれかを少なくとも部分的にバイパスするように構成されている。
【0043】
一実施形態によれば、コンプレッサは、冷却回路のうちの1つが熱交換器によって回収された熱を利用するように構成され、かつ冷却回路のうちの別の1つが熱を大気中に放散するように構成されるように、2つの別個の冷却回路を備える。
【0044】
一実施形態によれば、コンプレッサは、乾燥機の効率及び製造プラントの熱利用を最適化するために、2つの別個の冷却回路を調整するように構成されている。
【0045】
一実施形態によれば、熱交換器は、
冷却のために圧縮ガスを導入するためのガス入力部と、冷却されたガスを一次部品から出力するためのガス出力部と、を有する、一次部品と、
クーラントを導入するためのクーラント入力部と、クーラントを二次部品から出力するためのクーラント出力部と、を有する、二次部品と、を備える。
【0046】
一実施形態によれば、コンプレッサは、水冷式である追加のアフタークーラを備える。
一実施形態によれば、クーラント回路は、
外部クーラントソースからクーラント回路にクーラントを受容するためのクーラント入力部と、
クーラント回路からクーラントを出すためのクーラント出力部と、を備える。
【0047】
本発明は、とりわけ、コンプレッサの全体的な効率を増加することができ、かつ/又は廃棄エネルギーを少なくとも部分的に利用することができるように、異なる熱交換器の直列接続を配設する可能性に起因して、コンプレッサの熱回収効率を改善することができる。効率に影響を与え得る1つの要因は、熱交換器に入るクーラントの温度である。一部の圧縮ステージでは、クーラントをできるだけ冷たく先行する熱交換器に入力することによって達成され得る入力ガス流の低温を有することが有益であり得、一方で、一部の他の圧縮ステージでは、コンプレッサの全体的な効率を考慮して、入力ガス流のより高い温度が許容され得る。
【0048】
以下、添付の図面を参照して、本開示の一部の実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】一実施形態による、簡略化されたプロセスチャートとして、コンプレッサを示す。
【
図2a】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2b】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2c】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2d】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2e】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2f】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2g】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2h】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図2i】一部の実施形態による、コンプレッサの異なる熱交換器間の接続のいくつかの実施例を示す。
【
図3】多ステージコンプレッサを利用し得るプロセスの実施例を描示する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、いくつかの熱交換器2を有する多ステージコンプレッサ1の実施例を簡略化されたプロセスチャートとして示している。この実施例では、コンプレッサは、3つの圧縮ステージ1.1、1.2、1.3及び3つの圧縮ガス熱交換器2.1、2.2、2.3を有するが、実用的な実装形態では、コンプレッサ1はまた、2つの圧縮ステージのみ若しくは3つを超える圧縮ステージ、及び/又は3つを超える熱交換器を有することができる。更に、圧縮ステージの総数と熱交換器の総数は、同じである必要はない。
【0051】
以下では、圧縮ガス熱交換器1.1~1.3は、熱交換器1.1~1.3とも呼ばれ得、一方で、内部冷却用の熱交換器17は、液体-液体熱交換器2.4と呼ばれる。
【0052】
各圧縮ステージ1.1、1.2、1.3は、ガス入力部1.1a、1.2a、1.3a、及びガス出力部1.1b、1.2b、1.3bを有する。各交換器2.1、2.2、2.3は、冷却ガス用の一次部品及びクーラント用の二次部品を有する。一次部品は、ガス入力部2.1a、2.2a、2.3a、及びガス出力部2.1b、2.2b、2.3bを有し、二次部品は、クーラント入力部2.1c、2.2c、2.3c、及びクーラント出力部2.1d、2.2d、2.3dを有する。
【0053】
コンプレッサ1は、1つ以上の圧縮ステージ1.1、1.2、1.3を回転させるための少なくとも1つのモータ3を有する。一部の実施形態では、各圧縮ステージがモータ3の軸3.1aに連結されている1つのモータ3.1のみが存在するが、
図1の実施例では、全ての圧縮ステージ1.1、1.2、1.3は、第1の圧縮ステージ1.1が、第1のモータ3.1の軸3.1aに連結され、第2の圧縮ステージ1.2が、第2のモータ3.2の軸3.2aに連結され、第3の圧縮ステージ1.3が、第3のモータ3.3の軸3.3aに連結されるように、個々のモータ3.1、3.2、3.3によって駆動される。なおも別の実施形態では、いくつかの圧縮ステージは、同じモータによって駆動され得、いくつかの他の圧縮ステージは、別のモータによって駆動され得る。各モータ3はまた、モータ制御回路4を有し得、又は
図1の実施例に示されるような共通のモータ制御回路があり得、ここで、各モータ3.1、3.2、3.3は、同じモータ制御回路4によって制御される。
【0054】
コンプレッサ1はまた、熱交換器2の二次部品を介してクーラントの流れを導くためのクーラント回路5と、圧縮ステージ1.1、1.2、1.3及び熱交換器2.1、2.2、2.3を介してガスの流れを導くためのガス流回路6とを有する。
【0055】
コンプレッサ1はまた、例えば、
図1に示されていないバルブ、乾燥機などの更なる構成要素を有し得ることに留意されたい。
【0056】
図1の実施形態では、圧縮されるべきガスの流れは次のとおりである。ガスは、第1の圧縮ステージ1.1のガス入力部1.1aでガスソース7から到達する。ガスは、例えば、外気又は他のガスソースからのものである。モータ3.1は、ガスを圧縮するために第1の圧縮ステージ1.1を回転させるモータの軸3.1aを回転させる。圧縮されたガスは、第1の圧縮ステージ1.1のガス出力部1.1bから出力される。ガス流回路6は、圧縮ガスを第1の圧縮ステージ1.1から第1の熱交換器2.1の一次部品のガス入力部2.1aに運び、圧縮ガスの温度を下げ、すなわち、圧縮ガスから熱を回収する。第1の熱交換器2.1の一次部品のガス出力部2.1bは、第2の圧縮ステージ1.2のガス入力部1.2aに流れ接続されており、冷却された圧縮ガスは、更なる圧縮のために第2の圧縮ステージ1.2に流れることができる。第2の圧縮ステージ1.2によって圧縮されたガスは、第2の圧縮ステージ1.2のガス出力部1.2bから出力される。ガス流回路6は、圧縮ガスを第2の圧縮ステージ1.2から第2の熱交換器2.2の一次部品のガス入力部2.2aに運び、圧縮ガスから熱を回収する。第2の熱交換器2.2の一次部品のガス出力部2.2bは、第3の圧縮ステージ1.3のガス入力部1.3aに流れ接続されており、冷却された圧縮ガスは、更なる圧縮のために第3の圧縮ステージ1.3に流れることができる。第3の圧縮ステージ1.3によって圧縮されたガスは、第3の圧縮ステージ1.3のガス出力部1.3bから出力され、かつ第3の熱交換器2.3の一次部品のガス入力部2.3aに流れる。冷却されたガスは、例えば、乾燥のために、製造プラント、発電所などで利用するために、更なる処理のために、第3の熱交換器2.3の一次部品の出力部2.2dから取り出すことができる。コンプレッサ1によって圧縮されたガスの利用は、本発明の説明及び理解には基本的に無関係であり、ここではより詳細に説明しない。
【0057】
次に、
図1のコンプレッサ1内のクーラントの流れをより詳細に説明する。この実施例では、熱交換器の二次部品の各々は直列であり、コンプレッサステージ1.1、1.2、1.3の順序とは異なる順序であると仮定する。順序はまた、第1の熱交換器2.1、次に第3の熱交換器2.3、次に第2の熱交換器2.2であると仮定される。したがって、クーラントソース8から取り出されたクーラントは、第1の熱交換器2.1の二次部品のクーラント入力部2.1cに流れている。一部の熱は、第1の熱交換器2.1内でガスからクーラントに回収され、クーラントの温度は、第1の熱交換器2.1を通して流れる間に上昇する。次いで、加熱されたクーラントは、クーラント回路5によって第1の熱交換器2.1の二次部品のクーラント出力部2.1dから第3の熱交換器2.3の二次部品のクーラント入力部2.3cに向けられる。繰り返しになるが、一部の熱は、第3の熱交換器2.3内でガスからクーラントに回収され、クーラントの温度は、第3の熱交換器2.3を通して流れる間に上昇する。次いで、加熱されたクーラントは、クーラント回路5によって第3の熱交換器2.3の二次部品のクーラント出力部2.3dから、更なる熱回収が生じる第2の熱交換器2.2の二次部品のクーラント入力部2.2cに向けられる。次いで、加熱されたクーラントは、クーラント回路5によって第2の熱交換器2.2の二次部品のクーラント出力部2.3dからコンプレッサ1のクーラント出力部に向けられる。加熱されたクーラント又はその一部は、例えば、製造プラント16で利用され得る。
【0058】
熱交換器の二次部品の直列接続は、第3の熱交換器2.3、次に第1の熱交換器2.1、次に第2の熱交換器2.2であるように、上記とは異なる場合があることに留意されたい。
【0059】
図2a~
図2iは、コンプレッサ1の異なる熱交換器2間の接続の一部の更なる実施例を示す。これらの図は、主にクーラントの循環経路を開示している。
【0060】
図2aの実施例では、3ステージコンプレッサ1が圧縮空気を生成するために利用されるシステムが、描示されている。熱交換器内で循環するクーラントの順序は、第1の熱交換器2.1、次に第3の熱交換器2.3、次に第2の熱交換器2.2である。また、制御ユニット4の内部構成要素及びコンプレッサのモータ3の温度を制御するために使用されるクーラントを冷却する、液体-液体熱交換器2.4がある。この実施例では、第1の熱交換器2.1及び液体-液体熱交換器2.4のクーラント流は、クーラントが第2の熱交換器2.2及び第3の熱交換器2.3に入る前に並列であり、クーラントの温度は、第2の熱交換器2.2及び第3の熱交換器2.3よりも低くてもよい。したがって、制御ユニット及びモータの冷却効率は、液体-液体熱交換器2.4が第2の熱交換器2.2若しくは第3の熱交換器2.3と並列である場合、又は第3の熱交換器2.3の後にさえある場合よりも優れている可能性がある。
【0061】
制御ユニット4の内部構成要素及びコンプレッサ1のモータ3は、例えば、集積回路及び他の半導体、並びに他の電気部品などを含み得る。したがって、少なくとも半導体の温度をそれらの最大動作温度よりもはるかに低く維持することが有利であろう。これは、クーラント回路の初期ステージで、例えば、内部構成要素を冷却するための第1の熱交換器又は第2の熱交換器として、液体-液体熱交換器2.4にクーラントを提供することによって達成され得る。
【0062】
一実施形態によれば、コンプレッサステージの熱交換器を介して循環される同じクーラントはまた、内部冷却の熱交換器17を介して循環される。したがって、内部構成要素によって生成された熱の少なくとも一部はまた、システムによって利用され、大気中に無駄にされない。
【0063】
この例示的な実施形態では、クーラントが第1の2.1、第3の2.3、及び第2の熱交換器2.2を通って循環した後にクーラントから熱を回収して、熱交換器を通してクーラントを再循環させる前にクーラントの温度を下げるための第5の熱交換器2.5がまた存在する。クーラントは、必要に応じて、ブロワなどの追加のクーラ14によって更に冷却され得る。追加のクーラ14は、例えば、モータ15によって動力供給され得る。
【0064】
コンプレッサ1からの圧縮空気はまた、圧縮空気の温度が圧縮空気の利用位置で低くなければならないときに冷却され得る。この目的のために、ブロワ及び別のクーラ11に動力供給するためのモータ12などの別のクーラ11がある。実施例によれば、追加のクーラ11は、液体-液体熱交換器などの熱交換器である。
【0065】
コンプレッサ1はまた、クーラント及び/又はガスの流れを制御するためのバルブ13又は複数のバルブを有し得る。例えば、第1のバルブ13.1は、第1のバルブ13.1が、第1の熱交換器2.1の二次部品を通るクーラントの流れを調整することができ、第2のバルブ13.2が、液体-液体熱交換器2.4の二次部品を通るクーラントの流れを調整することができるように、クーラント循環回路8に連結される。第1のバルブ13.1は、より少ない冷却が必要な場合、第1の熱交換器2.1の二次部品を通るクーラントの流量を減少させることができ、それぞれ、第1のバルブ13.1は、より多くの冷却が必要な場合、第1の熱交換器2.1の二次部品を通るクーラントの流量を増加させることができる。同様の動作は、コンプレッサ1の内部回路の冷却要件に関して、第2のバルブ13.2によって実施され得る。
【0066】
図2aの例示的な実施形態では、第3の熱交換器2.3の二次部品に並列な第3のバルブ13.3がある。第3のバルブ13.3は、循環クーラントの一部又は全てが第3の熱交換器2.3をバイパスするようにすることができる。
【0067】
循環クーラントのバイパスは、最後の熱交換器にある必要はなく、他の熱交換器にも配置され得ることに留意されたい。更に、コンプレッサ1の動作中の状況に応じて、バイパスするための手段のいずれも作動させられないか、1つ又は2つ以上を作動することができるように、熱交換器をバイパスするための手段が複数あってもよい。
【0068】
そのようなバイパスのための1つの目的は、クーラントがコンプレッサ1から製造プラント16に向けられるような構成でもクーラントを利用することができるように、コンプレッサ1の出力部でのクーラントの温度を可能な限り一定に維持することであり、このような構成では、クーラントの一定の温度が必要とされるか、又は少なくとも推奨される。更に、クーラントがバイパスされる(又はバイパスされない)方式を調整することは、クーラントの温度に影響を与える可能性があり、より高い温度が必要な場合、例えば、バイパスは使用されない場合がある。
【0069】
一部の熱はまた、エンドユーザのプロセスで利用されるコンプレッサ1から熱を回収するために、第5の熱交換器2.5によって回収され得る。例えば、熱は、プロセスで使用されるきれいな水などの液体に回収される。コンプレッサ1内で循環するクーラントは、必要に応じて、例えば、ブロワ及び別のクーラ14に動力供給するためのモータ15を含む追加のクーラ14によって更に冷却され得る。
【0070】
図2bの実施例では、クーラント循環回路に追加の第6の熱交換器2.6があることを除いて、
図2aのシステムとほぼ同様のシステムが描示されている。第6の熱交換器2.6の一次部品は、第2の熱交換器2.2の一次部品と直列に第3の圧縮ステージ1.3のガス出力部と連結されており、第3の圧縮ステージ2.3からの圧縮ガスは、必要に応じて2つの熱交換器によって冷却され得る。第3の熱交換器2.3及び第6の熱交換器2.6の二次部品におけるクーラントの流量制御は、それぞれ、バルブ13.3、13.4によって制御され得る。したがって、第3のバルブ13.3は、循環クーラントの一部又は全てが第3の熱交換器2.3をバイパスするようにすることができる。第6の熱交換器2.6の代わりに、第3の熱交換器2.3は、第1の圧縮ステージ1.1の後に圧縮ガスからの追加の熱回収を提供するための三次部品を有することができる。
【0071】
三次部品(冷却回路)は、例えば、コンプレッサ構成要素から(すなわち、圧縮空気からではなく)熱を移送するために使用され得る。三次部品は、圧縮空気冷却回路のいずれかと並列であるか、又は圧縮空気冷却回路のいずれかと直列であり得る。更に、三次部品は、コンプレッサの動作中に調整可能であり得る。
【0072】
図2cの実施例は、
図2aの実施例の修正バージョンである。この実施形態では、内部回路の冷却17のためのものである液体-液体熱交換器2.4は、他の熱交換器2.1、2.2、2.3と直列である。
図2aに描示されるバルブのいくつかは省略されており、条件(例えば、クーラント及び/又は圧縮ガスの温度)がそうすることを可能にする場合、第3の熱交換器2.3の二次部品に並列なバルブ13.3のみが、第3の熱交換器2.3をバイパスすることができるように維持される。
【0073】
図2dの実施例では、第1の熱交換器2.1と第2の熱交換器2.2は並列であり、バルブ13.1、13.2によって制御されているが、第3の熱交換器2.3と液体-液体熱交換器2.4は互いに直列であり、並列に連結された第1の熱交換器2.1と第2の熱交換器2.2は直列である。
【0074】
一実施形態によれば、循環クーラントの一部又は全ては、コンプレッサ1の外側、例えば、熱交換器2.1~2.4のうちの1つの後の大気にバイパスされ得る。
【0075】
一実施形態によれば、クーラントが熱交換器2.1~2.4を通して流れる順序は、固定されていないが、1つ以上の所定の基準に従って少なくとも部分的に修正され得る。例えば、圧縮ステージ1.1~1.3によって出力されるガスの温度を測定することができ、これに基づいて、必要に応じて順序を変更することができる。別の基準は、1つ以上の圧縮ステージ1.1~1.3の効率であり得、圧縮ステージ1.1~1.3の効率を修正する必要がある場合、熱交換器2.1~2.4の順序を、修正された効率によりよく対応するように変更することができる。なおも別の基準は、ガスの温度が他の圧縮ステージよりも高い圧縮ステージが、その特定の圧縮ステージの出力部における熱交換器がクーラント循環の始まり、例えば、熱交換器2.1~2.4のチェーンの第1のものにあるように選択されることを引き起こし得る、クーラントの温度であり得る。
【0076】
図2eの実施例では、第1の熱交換器2.1及び第2の熱交換器2.2を介したクーラントの流れは、開放/閉鎖バルブ13.1~13.6で修正され得る。例えば、第1のバルブ13.1、第2のバルブ13.2、第3のバルブ13.3、及び第4のバルブ13.4が開いており、かつ第5のバルブ13.5及び第6のバルブ13.6が閉じているときに、第1の熱交換器2.1と第2の熱交換器2.2は並列である。第1のバルブ13.1、第4のバルブ13.4、及び第5のバルブ13.5が開いており、かつ第2のバルブ13.2、第3のバルブ13.3、及び第6のバルブ13.6が閉じているときに、クーラントは、最初に第1の熱交換器2.1を通して流れ、次に第2の熱交換器2.2を通して流れる。第1のバルブ13.1、第4のバルブ13.4、及び第5のバルブ13.5が閉じており、かつ第2のバルブ13.2、第3のバルブ13.3、及び第6のバルブ13.6が開いているときに、クーラントは、最初に第2の熱交換器2.2を通して流れ、次に第1の熱交換器2.1を通して流れる。
【0077】
一実施形態によれば、クーラントは循環されないが、クーラントは、ソース8から入力され、クーラントの流路内の最後の熱交換器の後に、クーラントは、エンティティによって利用されるように提供されている。そのような構成の実施例を
図2fに示しており、
図2eの実施例とほぼ同様であるが、クーラント回路は、クーラントが、クーラント回路5にクーラント入力部18を介してクーラントソース8から受容され、クーラントが、クーラント回路5を通して流れた後に、クーラント出力部19を介してクーラント回路5から出るように、開いている。この例示的な実施形態では、クーラントがクーラント回路及び第5の熱交換器2.5を出た後にクーラントを冷却するための追加のクーラ14はないが、一部の他の実施形態では、追加のクーラ14及び/又は第5の熱交換器2.5を利用することができる。
【0078】
図2gの実施例では、クーラント回路の第1の熱交換器は、内部冷却17のために、すなわち、内部構成要素17を冷却するために使用される液体-液体熱交換器2.4であり、クーラントの温度は、コンプレッサステージによってまだ上昇していない。次いで、クーラントは、第1のコンプレッサステージ1.1を冷却するための第1の熱交換器2.1、第2のコンプレッサステージ1.2を冷却するための第2の熱交換器2.2、及び第3のコンプレッサステージ1.3を冷却するための第3の熱交換器2.3を介して循環される。また、この実施例では、クーラント回路は、クーラントが、クーラント回路5にクーラント入力部18を介してクーラントソース8から受容され、クーラントが、クーラント回路5を通って流れた後に、クーラント出力部19を介してクーラント回路5から出るように、開いているが、エンドユーザのプロセスの他の部分でクーラントが使用されない場合、クーラント回路5はまた閉じられ得る。閉じられたクーラント回路においても、クーラントの温度は、追加の熱交換器、例えば、
図2aに描示された第5の熱交換器を通してクーラントを循環させることによってプロセスによって利用され得ることに留意されたい。
【0079】
図2hの実施例では、第2の熱交換器は、内部冷却17に使用される液体-液体熱交換器2.4であり、クーラントの温度は、第1の熱交換器2.1によって冷却される第1のコンプレッサステージ1.1でわずかに上昇し得る。次いで、クーラントは、第2のコンプレッサステージ1.2を冷却するための第2の熱交換器2.2、及び第3のコンプレッサステージ1.3を冷却するための第3の熱交換器2.3に提供されている。また、この実施例では、クーラント回路は、クーラントが、第7の熱交換器2.7を介してクーラントソース8から受容され、それにより、圧縮ガスの熱の少なくとも一部がクーラントに移送され、その結果、クーラント入力部18でのクーラントの温度が低くなりすぎないように、開いている。第7の熱交換器2.7から、クーラントは、クーラント回路5に流れ、クーラントは、クーラント回路5を通って流れた後に、クーラント出力部19を介してクーラント回路5から出るが、エンドユーザのプロセスの他の部分でクーラントが使用されない場合、クーラント回路5はまた閉じられ得る。
【0080】
図2iのクーラント回路は、クーラント回路が閉じられており、かつ第7の熱交換器2.7が第3の熱交換器2.3の後にあることを除いて、
図2hのクーラント回路とほぼ同様であり、その結果、コンプレッサ1の出力部におけるガスの熱の少なくとも一部は、クーラントがクーラントソース8に戻って流れる前に、クーラントに移送され得る。
【0081】
図2a~
図2iの異なる実施例は、更なる実施例に混合され得ることに留意されたい。一実施例として、
図2iの配設は、第7の熱交換器2.7からのクーラントがクーラントソース8に戻って流れるのではなく、利用のために製造プラント16の更なるステージに戻るように修正され得る。
【0082】
また、
図2g、
図2h、及び
図2iに示される実施形態では、クーラントがコンプレッサステージを介して循環される順序は、ガスがコンプレッサステージ1.1~1.3によって圧縮される順序とは異なる場合があることに留意されたい。例えば、第1の熱交換器2.1は、第3のコンプレッサステージ1.3を冷却するために配設され得、第2の熱交換器2.2は、第1のコンプレッサステージ1.1を冷却するために配設され得、第3の熱交換器2.3は、第2のコンプレッサステージ1.2を冷却するために配設され得る。
【0083】
一部の実施形態では、コンプレッサ1又は複数のコンプレッサ1が配置されている部屋は、暖められてもよく、部屋はまた、例えば、ヒートポンプ又は冷蔵庫によって冷却されてもよい。
【0084】
2つの圧縮ステージの間にある熱交換器はまた、インタークーラと呼ばれ得、その熱交換器又は最後の圧縮ステージの後にあるそれらの熱交換器はまた、アフタークーラと呼ばれ得る。アフタークーラの前にインタークーラを直列に連結することで、圧縮プロセスで空気が高温になりすぎることを防ぐことができる。
【0085】
最後の熱交換器の後など、クーラント回路の熱交換器2.1~2.5のうちのいくつかの後にクーラントの一部又は全てをバイパスすることができる実施形態では、バイパスされたクーラントの温度は、バイパスするクーラントの量を調整することによって調節され得る。例えば、温度は、一定の値に保たれ得る。
【0086】
一実施形態によれば、バイパスされたクーラントを使用して、例えば、アフタークーラから、いくつかのエネルギーをコンプレッサ1に戻すことができる。
【0087】
一部の状況では、それ以外の場合、コンプレッサ1に入るには冷たすぎる場合、暖かい外気を使用してクーラントを温めることができる。
【0088】
一実施形態によれば、コンプレッサは、冷却回路のうちの1つが熱交換器によって回収された熱を利用し、かつ冷却回路のうちの別の1つが熱を大気中に放散するように、2つの別個の冷却回路を有する。
【0089】
一実施形態によれば、例えば、圧縮型乾燥機の熱であり得る空気乾燥機を有する空気コンプレッサが提供されている。コンプレッサ出口温度は、乾燥機の効率及び製造プラントの熱利用を最適化するように選択される。例えば、乾燥機の熱の要求がより多い場合、より多くの熱が乾燥機を通って流れる空気に回収され、より少ない熱がクーラントに回収され、それぞれ、乾燥機の熱の要求がより少ない場合、より多くの熱がクーラントに回収され得、より少ない熱が乾燥機を通って流れる空気に回収される。
【0090】
一部の実施形態によれば、最後の圧縮ステージは、温度の影響を最も受けず、その圧縮ステージにはより少ない冷却電力が提供され得、他の圧縮ステージにはより多くの冷却電力が提供され得る。言い換えると、最後の圧縮ステージの後にあるその熱交換器は、クーラントの経路内の全ての以前の熱交換器の後にクーラントを受容し得、すなわち、クーラントの下流にある最後の熱交換器である。
【0091】
一実施形態によれば、部分的又は完全に直列であるクーラントの流れ及び熱交換器2の順序は、コンプレッサ1の動作特性又はコンプレッサ1が動作している環境に基づいて調整可能である。
【0092】
一実施形態によれば、クーラントが熱交換器2を通して流れる順序を有する論理は、クーラント温度及び圧縮効率を最適化するように調整される。
【0093】
一実施形態によれば、クーラントが熱交換器2を通して流れる順序は、コンプレッサ1からのクーラント出力部19におけるクーラントのクーラント温度及び/又はエネルギー含有量を最適化するように選択される。
【0094】
以下に、クーラントが熱交換器2.1~2.4を通して流れる順序に影響を与える可能性のあるいくつかの要因を簡単に説明する。
【0095】
-クーラント循環から出るクーラントを利用するプロセスに必要な熱量、
-コンプレッサの入力部において許容される最大空気量、
-コンプレッサの出力部での圧縮ガスの温度、
-コンプレッサから出る液体の温度、
-コンプレッサの効率、
-循環経路の入力部でのクーラントの温度、及び/又は
-異なる圧縮ステージ間の圧力比。
【0096】
コンプレッサ1内のクーラントについての経路を決定するときに考慮され得る他の要因がまた存在し得ることに留意されたい。
【0097】
クーラント、流入ガス、圧縮ガスなどの温度を決定するために、いくつかの温度センサをコンプレッサ1内の適切な場所に設置することができる。したがって、コンプレッサ1内の圧力を決定するために、いくつかの圧力センサをコンプレッサ1内の適切な場所にも設置することができる。しかしながら、これらのセンサは、図に描示されていない。
【0098】
図3は、多ステージコンプレッサ1を利用することができるプロセスの大幅に簡略化された図である。製造プラント16のための圧縮ガス及び加熱されたクーラントを生成する、1つ以上のコンプレッサ1のためのガスのソース7及びクーラントのソース8がある。
【0099】
以下では、一実施形態による、コンプレッサ1における適応熱回収のための方法を、
図2eの図を参照して説明する。コンプレッサ1は、3つの圧縮ステージ1.1~1.3及び3つの熱交換器2.1~2.3を有すると仮定されるが、コンプレッサ1は、正確に3つの圧縮ステージ2.1~2.3を有する必要はなく、2つだけ、又は3つより多い圧縮ステージ1.1~1.3、及び少なくとも同じ量の熱交換器2.1~2.4を有することができることは明らかである。また、バルブ13.1~13.6は、クーラントが第2の熱交換器2.2を介して最初に流れ、次いで第1の熱交換器2.1を介して流れるような位置に最初にあると仮定される。圧縮されるガスは、ガスソース7からコンプレッサ1の第1の圧縮ステージ1.1に流れている。ガスソースは、例えば、ガス容器又は大気であり得る。第1の圧縮ステージ1.1は、ガスを圧縮し、ガスの圧力及び温度が増加する。圧縮ガスは、第1の熱交換器2.1の一次部品に向けられる。クーラントは、第1の熱交換器2.1の二次部品に流れている。第1の熱交換器2.1では、少なくとも一部の熱がガスからクーラントに回収される。第1の熱交換器2.1から、ガスは、圧縮のために第2の圧縮ステージ1.2に流れ、更に第2の熱交換器2.2に流れる。第2の熱交換器2.2から、ガスは、第3の圧縮ステージ1.3で更に圧縮され、その後、圧縮されたガスは、第3の熱交換器2.3によって冷却され、かつ利用のために出力される。
【0100】
制御回路4は、1つ以上の温度センサ及び1つ以上の圧力センサ(図示せず)から測定信号を受信し、かつ測定信号をいくつかの所定の基準と比較して、クーラントの流路を変更する必要があるかどうかを決定する。比較が所定の基準のうちの1つ以上が満たされたことを示す場合、制御回路4は、クーラントの流路が測定された条件に対応するように、バルブ13.1~13.6のうちの1つ以上の状態を変更する。例えば、クーラントが第1の熱交換器2.1及び第2の熱交換器2.2を通して流れる順序は、交換され得、又は並列接続に変更され得る。
【0101】
一実施形態によれば、コンプレッサ1の出力部でのクーラントの温度は、従来技術のコンプレッサよりもはるかに高くてもよい。一実施例として、本発明が利用される場合、温度が20℃をはるかに下回る冷たい水道水をクーラントとして使用する場合に、コンプレッサ1の出力部でのクーラントの温度は、80℃を超える場合があり、例えば、84℃になる場合がある。
【0102】
同じクーラントがコンプレッサ1のクーラント回路5内を循環するように、クーラントの流路を閉じる必要はないが、クーラントが外部ソース(例えば、水道水)からクーラント回路5に入り、クーラント回路5を通って流れ、かつクーラント回路5から出るように、クーラントの流路を開いてもよいことに留意されたい。
【国際調査報告】