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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】毛細血管採血装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/151 20060101AFI20240628BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61B5/151 100
G01N1/10 V
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580640
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2022034619
(87)【国際公開番号】W WO2023278220
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/216,223
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ブイ.トリス
(72)【発明者】
【氏名】キショア ケー.ボッカ スリニヴァサ ラオ
(72)【発明者】
【氏名】スコット ウェンゼル
(72)【発明者】
【氏名】ヴラッド ヤクニッシュ
【テーマコード(参考)】
2G052
4C038
【Fターム(参考)】
2G052AA30
2G052AD06
2G052BA04
2G052BA12
2G052BA17
2G052DA02
2G052DA03
2G052DA22
2G052HC25
2G052HC32
4C038TA02
4C038UE07
(57)【要約】
血液サンプルを採取するための装置は、サンプル源を受け入れるためのホルダであって、作動部及びポートを有するホルダと、ホルダに接続される容器係合部と、容器係合部に取り外し可能に接続し得る収集容器であって、収集キャビティを画定する収集容器と、を備え、作動部は、ホルダに保持された患者の指に対して角度が付けられ、患者の指の指先に向けて圧力勾配を生成する、少なくとも2つの翼部を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液サンプルを採取するための装置であって、前記装置は、
サンプル源を受け入れるためのホルダであって、前記ホルダは、作動部及びポートを有する、前記ホルダと、
前記ホルダに接続される容器係合部と、
前記容器係合部に取り外し可能に接続し得る収集容器であって、前記収集容器は、収集キャビティを画定する、前記収集容器と、を備え、
前記作動部は、前記ホルダに保持された患者の指に対して角度が付けられ、前記患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成する、少なくとも2つの翼部を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部は、前記患者の指の爪の近位であって、前記患者の指の第一関節から遠位の位置で、前記ホルダに配置されることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部のそれぞれは、使用者が所望の位置で前記翼部を押し付けることを確実にする、タッチパッドを含むことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記ホルダは、さらに、前記ホルダの近位端に設けられた安定化延長部を備えることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記安定化延長部は、前記ホルダに保持された前記患者の指と接触するように、前記安定化延長部の内面から内側に延びる、少なくとも1つの保持バンプを含むことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部のうちの少なくとも1つの翼部は、前記翼部の外面から外側に延びる、接触防止突起を含むことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、前記接触防止突起は、前記少なくとも1つの翼部のタッチパッドの下方に配置され、使用者が、前記タッチパッドの下方ではなく、前記タッチパッドのところで、前記少なくとも1つの翼部を把持することを確実にすることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記ホルダの近位端は、前記患者の指を受け入れるための外側曲がり端を含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、移行部が、前記ホルダと前記容器係合部との間に配置され、前記装置の使用中に、前記患者の指の少なくとも一部を受け入れることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記ホルダの遠位端は、前記患者の爪が前記ホルダの前記遠位端を越えて延びることを可能にしながら、患者の指先を受け入れるための湾曲した縁部を含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、前記ホルダは、指受け部の外面に少なくとも1つの膨出部を含む前記指受け部を含み、前記指受け部に保持された前記患者の指の動脈血供給に対する圧力を防止することを特徴とする装置。
【請求項12】
血液サンプルを採取するための装置であって、前記装置は、
サンプル源を受け入れるためのホルダであって、前記ホルダは、作動部及びポートを有する、前記ホルダと、
前記ホルダに接続される容器係合部と、を備え、
前記作動部は、患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成するために、前記ホルダに保持された患者の指に対して角度が付けられた、少なくとも2つの翼部を備えることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部は、患者の指の爪の近位であって、前記患者の指の第一関節から遠位の位置で、前記ホルダに配置されることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項12に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部のそれぞれは、使用者が、所望の位置で前記翼部を押し付けることを確実にするタッチパッドを含むことを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項12に記載の装置であって、前記ホルダは、さらに、前記ホルダの近位端に設けられた、安定化延長部を備えることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、前記安定化延長部は、前記安定化延長部の内面から内側に延びて、前記ホルダに保持された前記患者の指と接触する、少なくとも1つの保持バンプを含むことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項12に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部のうちの少なくとも1つの翼部は、前記翼部の外面から外側に延びる接触防止突起を含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、前記接触防止突起は、前記少なくとも1つの翼部のタッチパッドの下方に配置され、使用者が、前記タッチパッドの下方ではなく、前記タッチパッドのところで、前記少なくとも1つの翼部を把持することを確実にすることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項12に記載の装置であって、前記ホルダの近位端は、患者の指を受け入れるための外側曲がり端を含むことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項12に記載の装置であって、移行部が、前記ホルダと前記容器係合部との間に配置され、前記装置の使用中に前記患者の指の少なくとも一部を受け入れることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項12に記載の装置であって、前記ホルダの遠位端は、湾曲した縁部を含み、患者の爪が、前記ホルダの前記遠位端を越えて延びることを可能にしながら、前記患者の指先を受け入れることを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項12に記載の装置であって、前記ホルダは、指受け部の外面に少なくとも1つの膨出部を含む前記指受け部を含み、前記指受け部に保持された患者の指の動脈血供給に対する圧力を防止することを特徴とする装置。
【請求項23】
血液サンプルを採取するための装置であって、前記装置は、
サンプル源を受け入れるためのホルダであって、前記ホルダは、作動部及びポートを有する、前記ホルダと、
前記ホルダに接続される容器係合部と、
前記容器係合部に取り外し可能に接続し得る収集容器であって、前記収集容器は、収集キャビティを画定する、前記収集容器と、
前記容器係合部に取り外し可能に接続されたランセット装置と、を備え、
前記作動部は、患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成するために、前記ホルダに保持された前記患者の指に対して角度が付けられた、少なくとも2つの翼部を備えることを特徴とする装置。
【請求項24】
血液サンプルを取得するための装置を操作する方法であって、前記方法は、
使用者による操作のための装置を提供する工程であって、前記装置は、
サンプル源を受け入れるためのホルダであって、前記ホルダは、作動部及びポートを有する、前記ホルダと、
前記ホルダに接続される容器係合部と、を含み、
前記作動部は、前記ホルダに保持された患者の指に対して角度が付けられた、少なくとも2つの翼部を備え、前記患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成する、前記装置を提供する工程と、
前記少なくとも2つの翼部を一緒に押し付けで、患者の指先に前記圧力勾配を生じさせる工程であって、前記少なくとも2つの翼部は、0.25秒から1秒の間、押し付けられる、前記圧力勾配を生じさせる工程と、
前記少なくとも2つの翼部を閉じた状態で、最大0.5秒間、保持する工程と、
前記少なくとも2つの翼部への圧力を、最大0.5秒間、解放する工程と、
前記少なくとも2つの翼部を開いた状態で、最大1秒間、保持する工程と、を備えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年6月29日に出願された、「毛細血管採血装置」という名称の、米国仮出願第63/216,223号に対する優先権を主張し、その全開示は、全体として、参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本開示は、概して、生物学的サンプルを取得するための装置に関する。より具体的には、本開示は、制御された態様で、指を刺通し、圧迫し、血液サンプルを収集し、安定させ、分配する能力を備えた、一体化された指ベースの毛細血管採血装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
血液サンプルなどの生体サンプルを取得及び収集するための装置は、医療業界で一般的に使用される。医療分野で一般的に行われる採血の1つのタイプは、検査用の血液サンプルを収集するために、しばしば行われる毛細血管採血である。糖尿病などの特定の病気は、例えば、患者の血糖値を監視するために、患者の血液が、定期的に検査されることを必要とする。さらに、コレステロール検査キットなどの検査キットは、分析のために、しばしば、血液サンプルを必要とする。採血手順は、通常、血液サンプルを採取するために、指又は他の適切な身体部分を穿刺することを必要とする。通常、そのような検査に必要な血液の量は、比較的少量であり、通常は、小さな穿刺創又は切開が、これらの検査に十分な量の血液を提供する。患者の皮膚を穿刺して患者から毛細血管血液サンプルを採取するために使用される、様々なタイプのランセット装置が開発されている。
【0003】
多くの異なるタイプのランセット装置が、個人消費者だけでなく、病院、診療所、医院、および、その他に、市販される。そのような装置は、通常、針などの鋭利な部材、又は、刃などの鋭利な部材を含み、これは、少量の血液の流出をもたらすために、患者の皮膚に素早い穿刺創又は切開を加えるために使用される。多くの人にとって、手持ちの針や刃物で自分の指を刺すことは、多くの場合、生理学的にも心理的にも難しい。その結果、ランセット装置は、トリガー機構の作動時に患者の皮膚を穿刺したり切開したりする自動装置に進化した。一部の装置では、針又は刃物は、それが、患者からの採血を担当する医療専門家又は患者自身であり得る、使用者によってトリガーされるまで、待機位置に保持される。トリガーすることで、針又は刃物が、例えば、患者の指である、患者の皮膚を穿刺するか切開する。多くの場合、患者の皮膚を穿刺したり切開したりするために必要な「自動的な」力を提供するために、装置に、ばねが組み込まれる。
【0004】
穿刺要素又は切開要素を、装置から及び装置内へ、自動的に進出及び後退させることを特徴とする、接触作動式ランセット装置の1つのタイプは、本出願の譲受人であるベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニーによって所有される、米国特許第9,380,975号(特許文献1)である。このランセット装置は、ハウジングと、穿刺要素を有するランセット構造とを含む。ランセット構造は、ハウジング内に配置され、穿刺要素がハウジング内に保持される保持位置又は作動前位置と、穿刺要素がハウジングの前端を通って延びる穿刺位置との間の移動に適合させられる。ランセット装置は、ランセット構造を穿刺位置に向かって付勢する、ハウジング内に配置された駆動ばねと、駆動ばねの付勢力に抗してランセット構造を後退位置に保持する保持ハブとを含む。保持ハブは、ランセット構造と干渉係合する枢動レバーを含む。ハウジング内のアクチュエータがレバーを旋回させ、それによってランセット構造をハウジングの後端に向かって移動させて、駆動ばねを少なくとも部分的に圧縮し、レバーをランセット構造との干渉係合から解放する。受け取られ血液サンプルは、その後、収集され、及び/又は、検査される。この検査はポイントオブケア(POC)検査装置で行われ得、また、それは、収集され、検査施設に送られ得る。
【0005】
現在、毛細血管採血のワークフローは、高度なスキルレベルを必要とする、複雑な複数の工程のプロセスである。このプロセスの複数の工程の特質は、溶血、不十分なサンプル安定化、および、微小凝固などの、サンプル品質の問題を引き起こし得る、いくつかの変動を導入する。血液サンプルを採取するためのランセット装置の使用は、検査中にランセットを静止状態に保持すること、穿刺部位から十分な血流を得ること、適切に血液を収集すること、血液の凝固を防止すること、及び、その他の条件を含むが、これらに限定されない、毛細血管血液サンプルの収集に影響を与える、いくつかの変動をもたらし得る。プロセス変動の最も一般的な原因は、(1)不適切な刺通部位の清浄化と、潜在的に汚染されたサンプルをもたらし得る最初の滴の除去、(2)潜在的に不十分なサンプル量と間質液の大きな分画をもたらし得る、刺通位置と深さの不整合、(3)潜在的にサンプルの溶血をもたらし得る、採血(例えば、血液ミルキング)を促進するための、刺通部位付近での整合性のない圧迫技術や過度の圧力、(4)潜在的に溶血した、又は、汚染されたサンプルをもたらし得る、変動する転送インターフェースと収集手法、(5)潜在的に微小凝血をもたらし得る、抗凝固剤との不十分なサンプル混合である。
【0006】
毛細血管採血の血液引き出しは、通常、指を使って穿刺部位の周囲の組織を手動で圧迫する医療従事者によるか、真空圧を使用して部位から血液を引き出す器具によって実行される。
【0007】
収集部位を手動で圧迫することは、成功率とサンプルの品質(溶血-血球の破裂によって測定される)に、非常に大きなばらつきをもたらす、高度に技術に依存するプロセスである。医療従事者は、通常、患者による血流の違いを補うために、彼らが圧迫する圧力と速度を調整する。強く圧迫することは、血流がより早くなることを手助けするが、また、溶血も増加させる。圧迫する場所は、また、個人の好み、経験、および、手の疲労に応じて、医療従事者の間で変動する。若干の作業者は、指の「ミルキング」と称される作業さえも実行し得、その場合、彼らは、指の付け根で圧力を加えることを開始し、指先に向かって滑動させる。このプロセスは、サンプルの品質の低下につながるので、国内及び国際的な保健機関によって推奨されない。
【0008】
真空力を与える装置は、血流の圧力と技術を標準化するが、通常は、全体的な血流の低下によって悩ませられる。適用され得る最大圧力は、大気圧と絶対真空の差(-14psi)によって制限され、装置は、絶対真空の分数でのみ動作する。参考までに、男性と女性の握力は、平均で、50-100ポンドの範囲であり、これは、手作業による方法が、流れよりはむしろ、溶血によって、代わりに影響される理由を示している。また、真空法は、一定の圧力を印加し、血液を再充満させるための組織の能力を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第9,380,975号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0052809号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、当技術分野では、制御された方法で、指を刺通して圧迫し、サンプルを収集し、サンプルを安定させ、その後、サンプルを分配する能力を有する装置に対する必要性が存在する。また、当技術分野では、溶血や微小凝血を含む低サンプル品質に、通常は、関連する、ワークフローのばらつきを排除することにより、毛細血管採血を簡素化し合理化する装置に対する必要性が存在する。さらに、当技術分野では、血液の曝露と装置の再利用を排除する閉鎖システム収集と移送に対するさらなる必要性が存在する。さらに、当技術分野では、(1)異なる毛細血管採血及び移送容器の収容に柔軟性を導入し、(2)高品質で均一に混合/安定化された、毛細血管血液サンプルを生成する機能を有し、(3)毛細血管血漿サンプルからオンボード血漿を生成する機能を有し、(4)軽減された痛みで、大量の毛細血管血液サンプル(>50-500pL)を収集する機能を有し、(5)収集時に患者情報とペアになる固有のサンプル識別子を含み、(6)毛細血管血液を収集し、オンボード診断を実行する機能を有し、(7)同じ又は異なる抗凝固剤を有する、異なる容器に血液サンプルを収集するための、複数の収集ポートを有する、装置に対するさらなる必要性が存在する。当技術分野では、圧力印加の標準化され制御された位置、適切な血流には十分に高いが、溶血閾値未満の印加圧力、血液が指に再充満することを可能にする、終始一貫した圧力よりはむしろ、規定されたリズミカルな圧力の印加、平均血流量の増加、及び、オペレーターによる最大の印加力を低下させることによる、軽減された使用者の疲労を含む、毛細血管採血装置に対するさらなる必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
本開示は、毛細血管採血装置などの、生物学的サンプルを取得するための装置を対象とし、この装置は、上述された必要性を満たし、制御された方法で、指を刺通して圧迫し、サンプルを収集し、サンプルを安定化させ、その後にサンプルを分配する能力を有する。また、装置は、溶血や微小凝血を含む低サンプル品質に、通常、関連する、ワークフローの変動を排除することによって、毛細血管採血を簡素化し、及び、合理化する。
【0012】
本開示は、例えば、最大500マイクロリットルまで、または、これを超える、大量の毛細血管血液サンプルを、刺通、収集し、安定化させる能力を備えた、内蔵型の、完全に一体化された指ベースの毛細血管採血装置を含む。装置は、溶血、微小凝血、及び、患者の不快感を含む、低サンプル品質に、通常、関連する、ワークフローの工程と変動を排除することにより、大量の毛細血管採血を簡素化し、及び、合理化する。装置は、指を刺通し得る伸縮可能な刺通機構と、穿刺された指の部位から収集容器への、毛細血管血の付着及び移送を確実にする、関連する血液流路とを備える。装置は、また、指からの血流を促進、すなわち、圧送するために、周期的に圧迫され得るホルダを含み、また、収集されたサンプルを安定させるために、流路又は収集容器に、抗凝固剤が投入される。
【0013】
1つの設計によれば、装置は、ホルダ、ランセット、収集容器などの、個別の構成要素を備え得る。別の設計によれば、ランセット及び収集容器は、1つの装置に一体化され得、それは、ホルダとともに使用される。さらに別の設計によれば、ホルダ、ランセット、及び、収集容器は、単一のシステムに一体化され得る。これらの設計はどれも、自立型の使い捨て装置として、及び/又は、痛みの軽減制御のための外部電源と組み合わせて使用されることが想定される。毛細血管採血装置は、小さなチューブから毛細管ディスペンサーまでの範囲のさまざまな毛細血管採血容器のみならず、搭載された血漿分離モジュールのプラットフォームとして機能し得る。この機能は、ポイントオブケア(POC)カートリッジ、又は、遠心分離機や分析機器で使用され得る小型の収集チューブ移送への分配を含むさまざまな用途に、製品の柔軟性を拡張する。
【0014】
本開示の一実施形態では、血液サンプルを採取するための装置は、サンプル源を受け入れるためのホルダであって、作動部及びポートを有するホルダと、ホルダに接続される容器係合部と、容器係合部に取り外し可能に接続し得る収集容器であって、容器は、収集キャビティを画定する収集容器と、を備え、作動部は、ホルダに保持された患者の指に対して角度が付けられ、患者の指の指先に向けて圧力勾配を生成する、少なくとも2つの翼部を備える。
【0015】
本開示の一実施形態では、少なくとも2つの翼部は、患者の指の爪の近位で、患者の指の第一関節から遠位の位置で、ホルダに配置され得る。少なくとも2つの翼部のそれぞれは、使用者が所望の位置で翼部を押し付けることを確実にするタッチパッドを含み得る。ホルダは、ホルダの近位端に設けられた安定化延長部を含み得る。安定化延長部は、安定化延長部の内面から内側に延びて、ホルダに保持された患者の指に接触する、少なくとも1つの保持バンプを含み得る。少なくとも2つの翼部のうちの少なくとも1つの翼部は、翼部の外面から外側に延びる、接触防止突起を含み得る。接触防止突起は、使用者がタッチパッドの下方ではなくタッチパッドのところで少なくとも1つの翼部を押し付けるのを確実にするために、少なくとも1つの翼部のタッチパッドの下方に配置され得る。ホルダの近位端は、患者の指を受け入れるための外側曲がり端を含み得る。移行部は、装置の使用中に患者の指の少なくとも一部を受け入れるために、ホルダと容器係合部との間に配置され得る。ホルダの遠位端は、患者の爪がホルダの遠位端を越えて延びることを可能にしながら、患者の指先を受け入れるための湾曲した縁部を含み得る。ホルダは、指受け部に保持された患者の指の動脈血供給に対する圧力を防止するために、指受け部の外面に少なくとも1つの膨出部を含む指受け部を含み得る。
【0016】
本開示の一実施形態では、血液サンプルを採取するための装置は、サンプル源を受け入れるためのホルダであって、作動部及びポートを有するホルダを含み得、容器係合部は、ホルダに接続され、作動部は、患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成するために、ホルダに保持された患者の指に対して、角度が付けられた少なくとも2つの翼部を備える。
【0017】
本開示の一実施形態では、少なくとも2つの翼部は、患者の指の爪の近位であって、患者の指の第一関節から遠位の位置で、ホルダに配置され得る。少なくとも2つの翼部のそれぞれは、使用者が所望の位置で翼部を確実に押し付けることを確実にするタッチパッドを含み得る。ホルダは、ホルダの近位端に設けられた安定化延長部を含み得る。安定化延長部は、安定化延長部の内面から内側に延びて、ホルダに保持された患者の指に接触する、少なくとも1つの保持バンプを含み得る。少なくとも2つの翼部のうちの少なくとも1つの翼部は、翼部の外面から外側に延びる接触防止突起を含み得る。接触防止突起は、使用者が、タッチパッドの下方ではなくタッチパッドのところで、少なくとも1つの翼部を把持するのを確実にするために、少なくとも1つの翼部のタッチパッドの下方に配置され得る。ホルダの近位端は、患者の指を受け入れるための外側曲がり端を含み得る。移行部は、装置の使用中に患者の指の少なくとも一部を受け入れるために、ホルダと容器係合部との間に配置され得る。ホルダの遠位端は、患者の爪がホルダの遠位端を越えて延びることを可能にしながら、患者の指先を受け入れるための湾曲した縁部を含み得る。ホルダは、指受け部に保持された患者の指の動脈血供給に対する圧力を防止するために、指受け部の外面に少なくとも1つの膨出部を含む、指受け部を含み得る。
【0018】
本開示の一実施形態では、血液サンプルを採取するための装置は、サンプル源を受け入れるためのホルダであって、作動部及びポートを有するホルダと、ホルダに接続された容器係合部と、容器係合部に取り外し可能に接続し得る取集容器であって、収集キャビティを画定する収集容器と、容器係合部に取り外し可能に接続されたランセット装置と、を含み得、作動部は、患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成するために、ホルダに保持された患者の指に対して角度が付けられた、少なくとも2つの翼部を備える。
【0019】
本開示の一実施形態では、血液サンプルを取得するための装置を操作する方法は、使用者による操作のために装置を提供する工程であって、装置は、サンプル源を受け入れるためのホルダであって、作動部とポートを有するホルダと、ホルダに接続された容器係合部と、を含み得、作動部は、患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成するために、ホルダに保持された患者の指に対して角度が付けられた少なくとも2つの翼部を備える、装置を提供する工程と、少なくとも2つの翼部を一緒に押し付けて、患者の指先に圧力勾配を生じさせる工程であって、少なくとも2つの翼部は、0.25秒と1秒の間押し付けられる、圧力勾配を生じさせる工程と、少なくとも2つの翼部を、最大0.5秒間閉じた状態に保持する工程と、少なくとも2つの翼部への圧力を、最大0.5秒間解放する工程と、少なくとも2つの翼部を開いたまま最大1秒間保持する工程と、を含み得る。
【0020】
本発明は、また、以下の項目で説明される。
【0021】
項目1:血液サンプルを採取するための装置であって、前記装置は、サンプル源を受け入れるためのホルダであって、前記ホルダは、作動部及びポートを有する、前記ホルダと、前記ホルダに接続される容器係合部と、前記容器係合部に取り外し可能に接続し得る収集容器であって、前記収取容器は、収集キャビティを画定する、前記収集容器と、を備え、前記作動部は、前記ホルダに保持された患者の指に対して角度が付けられ、患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成する、少なくとも2つの翼部を備えることを特徴とする装置。
【0022】
項目2:項目1に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部は、前記患者の指の爪の近位であって、前記患者の指の第一関節から遠位の位置で、前記ホルダに配置されることを特徴とする装置。
【0023】
項目3:項目1又は2に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部のそれぞれは、使用者が所望の位置で翼部を確実に押し付けることを確実にする、タッチパッドを含むことを特徴とする装置。
【0024】
項目4:項目1から3のいずれか一項に記載の装置であって、前記ホルダは、さらに、前記ホルダの近位端に設けられた安定化延長部を備えることを特徴とする装置。
【0025】
項目5:項目4に記載の装置であって、前記安定化延長部は、前記ホルダに保持された前記患者の指と接触するように、前記安定化延長部の内面から内側に延びる、少なくとも1つの保持バンプを含むことを特徴とする装置。
【0026】
項目6:項目1から5のいずれか一項に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部のうちの少なくとも1つの翼部は、前記翼部の外面から外側に延びる、接触防止突起を含むことを特徴とする装置。
【0027】
項目7:項目6に記載の装置であって、前記接触防止突起は、前記少なくとも1つの翼部のタッチパッドの下方に配置され、使用者が、前記タッチパッドの下方ではなく、前記タッチパッドのところで、前記少なくとも1つの翼部を把持することを確実にすることを特徴とする装置。
【0028】
項目8:項目1から7のいずれか一項に記載の装置であって、前記ホルダの近位端は、前記患者の指を受け入れるための外側曲り端を含むことを特徴とする装置。
【0029】
項目9:項目1から8のいずれか一項に記載の装置であって、移行部が、前記ホルダと前記容器係合部との間に配置され、前記装置の使用中に、前記患者の指の少なくとも一部を受け入れることを特徴とする装置。
【0030】
項目10:項目1から9のいずれか一項に記載の装置であって、前記ホルダの遠位端は、前記患者の爪が前記ホルダの前記遠位端を越えて延びることを可能にしながら、患者の指先を受け入れるための湾曲した縁部を含むことを特徴とする装置。
【0031】
項目11:項目1から10のいずれか一項に記載の装置であって、前記ホルダは、前記指受け部の外面に少なくとも1つの膨出部を含む前記指受け部を含み、前記指受け部に保持された前記患者の指の動脈血供給に対する圧力を防止することを特徴とする装置。
【0032】
項目12:血液サンプルを採取するための装置であって、前記装置は、サンプル源を受け入れるためのホルダであって、前記ホルダは、作動部とポートを有する、前記ホルダと、前記ホルダに接続された容器係合部と、を備え、前記作動部は、患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成するために、前記ホルダに保持された患者の指に対して角度が付けられた、少なくとも2つの翼部を備えることを特徴とする装置。
【0033】
項目13:項目12に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部は、前記患者の指の爪の近位であって、前記患者の指の第一関節から遠位の位置で、前記ホルダに配置されることを特徴とする装置。
【0034】
項目14:項目12又は13に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部のそれぞれは、使用者が所望の位置で前記翼部を押し付けることを確実にするタッチパッドを含むことを特徴とする装置。
【0035】
項目15:項目12から14のいずれか一項に記載の装置であって、前記ホルダは、さらに、前記ホルダの近位端に設けられた、安定化延長部を備えることを特徴とする装置。
【0036】
項目16:項目15に記載の装置であって、前記安定化延長部は、前記安定化延長部の内面から内側に延びて、前記ホルダに保持された前記患者の指に接触する、少なくとも1つの保持バンプを含むことを特徴とする装置。
【0037】
項目17:項目12から16のいずれか一項に記載の装置であって、前記少なくとも2つの翼部のうちの少なくとも1つの翼部は、前記翼部の外面から外側に延びる接触防止突起を含むことを特徴とする装置。
【0038】
項目18:項目17に記載の装置であって、前記接触防止突起は、前記少なくとも1つの翼部のタッチパッドの下方に配置され、使用者が、前記タッチパッドの下方ではなく、前記タッチパッドのところで、前記少なくとも1つの翼部を把持するのを確実にすることを特徴とする装置。
【0039】
項目19:項目12から18のいずれか一項に記載の装置であって、前記ホルダの近位端は、患者の指を受け入れるための外側曲がり端を含むことを特徴とする装置。
【0040】
項目20:項目12から19のいずれか一項に記載の装置であって、移行部が、前記ホルダと前記容器係合部との間に配置され、前記装置の使用中に前記患者の指の少なくとも一部を受け入れることを特徴とする装置。
【0041】
項目21:項目12から20のいずれか一項に記載の装置であって、前記ホルダの遠位端は、湾曲した縁部を含み、患者の爪が、前記ホルダの前記遠位端を越えて延びることを可能にしながら、前記患者の指先を受け入れることを特徴とする装置。
【0042】
項目22:項目12から21のいずれか一項に記載の装置であって、前記ホルダは、指受け部の外面に少なくとも1つの膨出部を含む前記指受け部を含み、前記指受け部に保持された前記患者の指の動脈血供給に対する圧力を防止することを特徴とする装置。
【0043】
項目23:血液サンプルを採取するための装置であって、前記装置は、サンプル源を受け入れるためのホルダであって、前記ホルダは、作動部とポートを有する、前記ホルダと、前記ホルダに接続された容器係合部と、前記容器係合部に取り外し可能に接続し得る収集容器であって、前記収集容器は、収集キャビティを画定する、前記収集容器と、前記容器係合部に取り外し可能に接続されたランセット装置と、を備え、前記作動部は、患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成するために、前記ホルダに保持された前記患者の指に対して角度が付けられた、少なくとも2つの翼部を備えることを特徴とする装置。
【0044】
項目24:血液サンプルを採取するための装置を操作する方法であって、前記方法は、使用者による操作のための装置を提供する工程であって、前記装置は、サンプル源を受け入れるためのホルダであって、前記ホルダは、作動部とポートとを有する、前記ホルダと、前記ホルダに接続された容器係合部と、を含み、前記作動部は、前記ホルダに保持された前記患者の指に対して角度が付けられた少なくとも2つの翼部を備え、患者の指の指先に向かって圧力勾配を生成する、前記装置を提供する工程と、前記少なくとも2つの翼部を一緒に押し付けて前記患者の指先に圧力勾配を生じさせる工程であって、前記少なくとも2つの翼部は、0.25秒から1秒の間押し付けられる、前記圧力勾配を生じさせる工程と、前記少なくとも2つの翼部を閉じた状態で、最大0.5秒間、保持する工程と、前記少なくとも2つの翼への圧力を、最大0.5秒間、解放する工程と、前記少なくとも2つの翼を開いた状態で、最大1秒間、保持する工程と、を備えることを特徴とする方法。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の一実施形態によるホルダの斜視図である。
図2図1のホルダの上面図である。
図3図1のホルダの側面図である。
図4図1のホルダの正面図である。
図5図1のホルダの背面図である。
図6図1のホルダによって利用されるポンピング方法を示すグラフ図である。
図7】ホルダの受動状態と能動状態との間の、図1のホルダの遷移を示す概略図である。
図8図1のホルダを使用したときの、血液生成及び不快感の測定を示すグラフ図である。
図9】本開示の別の実施形態による、患者の指から血液サンプルを採取するための装置及び収集容器の斜視図である。
図10】本開示の別の実施形態による、患者の指から血液サンプルを採取するための装置及びランセットの断面図である。
図11】本開示の別の実施形態による、患者の指から血液サンプルを採取するための装置及びサンプル収集容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
発明の説明
以下の説明は、当業者が、本発明の実施のために企図された、説明される実施形態を、作製し、使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、及び、代替物が、当業者には容易に明らかなままであろう。あらゆる全ての、そのような修正、変形、等価物、及び、代替物は、本発明の精神及び範囲内に置かれることを意図される。
【0047】
以下においては、説明のために、「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「横方向」、「縦方向」という用語、及び、それらの派生語は、それが、図面において方向づけられるように、本発明に関係するであろう。しかし、本発明は、それと反対に明示的に特定される場合を除き、代替の変形例及び工程順を想定し得ることが理解されるべきである。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載される、特定の装置及びプロセスは、本発明の単なる例示的な実施形態であることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示される実施形態に関連する、特定の寸法及び他の物理的特性は、限定的なものとみなされるべきではない。
【0048】
本開示は、毛細血管採血装置などの、生物学的サンプルを取得するための装置を対象とし、この装置は、上述の必要性を満たし、制御された方法で、指を刺通して圧迫し、サンプルを収集し、サンプルを安定化させ、その後に、サンプルを分注する能力を有する。また、装置は、溶血や微小凝固を含む低サンプル品質に、通常、関連する、ワークフローの変動を排除することで、毛細血管採血を簡素化及び合理化する。装置は、看護師や医師を含む医療従事者、又は、装置を使用する際の自己適用の患者によって使用され得る。
【0049】
採血は、基本的に、圧力駆動の流れによって駆動される。装置又は技術は、いずれも、血管の外側の圧力を下げるか(真空作動による流れ)、血管内の圧力を高める。どちらのアプローチも血管の圧力と外部の圧力の差を増加させ、血管の内側から収集容器が存在する外側への流量を増加させる。柔らかい組織(脂肪、皮膚、筋肉組織など)は、血液で灌流させられるが、硬い組織や関節は、不十分に灌流させられるか、患者に痛みを与えずに圧迫するには、余りにも機械的に安定しているので、圧迫する場所が、また、重要であり得る。
【0050】
赤血球(RBC)は、採取中に溶血を受ける。溶血(RBC破壊)は、サンプルの液体血清に細胞内容物をばらまいたり、ヘモグロビンによって血清が赤く着色して比色反応を妨げたりすることによって、診断分析用のサンプルを汚染する。収集中の溶血量は、流速と流路に起因する細胞のせん断による破壊のみならず、組織や血管の物理的圧縮が細胞を損傷させ得る、圧力駆動の溶血によって推進される。したがって、加えられる圧力と流れが、圧迫される指のどの位置でも高すぎないことを確実にすることで、溶血が制御され得る。
【0051】
本開示は、例えば、最大500マイクロリットルまで、または、それ以上の大量の毛細血管血液サンプルを、刺通し、収集し、安定化させる能力を備えた、内蔵型の、完全に一体化された指ベースの毛細血管採血装置を含む。装置は、溶血、微小凝固、患者の不快感を含む低サンプル品質に、通常、関連する、ワークフロー工程と変動を排除することで、大量の毛細血管採血を簡素化及び合理化する。装置は、指を刺通し得る伸縮可能な刺通機構と、穿刺された指の部位から収集容器への毛細血管血液の付着及び移送を確実にする、関連する血液流路とを備える。装置は、また、周期的に圧迫されて、指からの血流を促進、つまり圧送し得るホルダと、また、収集されたサンプルを安定させるために流路又は収集容器に投入された抗凝固剤を含む。
【0052】
1つの設計によれば、装置は、ホルダ、ランセット、収集容器などの個別の構成要素を備え得る。別の設計によれば、ランセット及び収集容器は、1つの装置に一体化され、それは、ホルダとともに使用され得る。さらに別の設計によれば、ホルダ、ランセット、及び、収集容器は、単一のシステムに一体化され得る。これらの設計のいずれも、自立型の使い捨て装置として、及び/又は、痛み軽減制御のための外部電源と組み合わせて使用されることが想定される。毛細血管採血装置は、小さなチューブから毛細管ディスペンサーまでの範囲の、様々な毛細血管採血容器、及び搭載された血漿分離モジュールのプラットフォームとして機能し得る。この機能は、ポイントオブケア(POC)カートリッジや、遠心分離機や分析機器で使用され得る小型の収集チューブ移送への分注を含む様々な用途に、製品の柔軟性を拡張する。
【0053】
図9及び図10を参照すると、例示的な実施形態では、本開示の装置10は、別個の構成要素、例えば、ホルダ12(図1図5に示される)、ランセットハウジング又はランセット14、及び、収集容器16を含む。別の例示的な実施形態では、本開示の半一体型装置は、傾斜した流れを含み、別個のホルダに接続され得る、一体化されたランセットハウジング及び収集容器を含み得る。別の例示的な実施形態では、本開示の半一体型装置は、水平の流れを有し、別個のホルダに接続され得る、一体型ランセットハウジング及び収集容器を含み得る。別の例示的な実施形態では、本開示の一体型装置は、傾斜した流れを有し、一体化された、ホルダ、ランセットハウジング、及び、収集容器を含み得る。別の例示的な実施形態では、本開示の一体型装置は、水平の流れを有し、一体化された、ホルダ、ランセットハウジング、及び、収集容器を含み得る。
【0054】
図1図5を参照すると、血液サンプル18(図9に示される)などの生体サンプルを供給するためのサンプル源、例えば、指19を受け入れ得る、本開示のホルダ12の例示的な実施形態が示され、説明される。本開示のホルダ12は、一般に、第1の開口部22(図1)を有する指受け部20、作動部24、第2の開口部28を有するポート26、及び、指端ガード30を含む。一実施形態では、指端ガード30は、ホルダ12内で指19を適切に位置合わせして固定するための停止部を提供する。指端ガード30は、さらに、患者の指19が指受け部20内の適切な位置に配置されることを確実にするのを支援し、その結果、患者の指19に加えられた圧力は、適切な血流をもたらす。本開示の一実施形態では、指端ガード30は、患者の指19が指受け部20の端部で停止するのを確実にすると同時に、患者の指の爪が、指受け部20の端部を通過することを許容する、湾曲した指先置き部を有し得る。指受け部20は、患者集団に存在する人工及び自然の指の爪スタイルでのホルダ12の使用を可能にする。
【0055】
指受け部20の第1の開口部22は、血液サンプル18などの生体サンプルを供給するためのサンプル源、例えば、指19を受け入れるように構成される。サンプル源は、第1の開口部22内に嵌め込み得る、身体の他の部分を含み得るであろうことが理解され得る。ポート26は、指受け部20と接続する。例えば、指19がホルダ12内に受け入れられると、ポート26は、指19の一部と接続する。本開示のホルダ12は、あらゆる指のサイズに適合するようなサイズにされ得る。
【0056】
ポート26の第2の開口部28は、以下でより詳細に説明されるように、ランセットハウジング14及び収集容器16を受け入れるように構成される。一実施形態では、ポート26は、ランセットハウジング14及び収集容器16を、ポート26内にしっかりと受け入れるためのロック部32を含む。
【0057】
一実施形態では、作動部24は、ホルダ12が第1の直径を画定する第1の位置と、ホルダ12が第2の直径を画定する第2の位置との間で移行可能であり、第2の直径は第1の直径よりも小さい。一実施形態では、作動部24は、ホルダ12が第1の楕円形を画定する第1の位置と、ホルダ12が第2の楕円形を画定する第2の位置との間で移行可能であり、第1の楕円形は、第2の楕円形とは異なる。このようにして、ホルダ12が減少した直径を有する第2の位置にあるとき、ホルダ12の一部はサンプル源と接触し、ホルダ12の作動部24は、以下でさらに詳細に説明されるように、血液18を送り出し、及び/又は、引き出し得る。
【0058】
図1図3、及び、図4を参照すると、一実施形態では、作動部24は、接触部34を含む。図7を参照すると、作動部24が第1の位置にあるとき、接触部34は非係合位置にあり、すなわち、接触部34は、サンプル源、例えば、指19に対して、第1の位置に提供され、その結果、接触部34は、それとわずかに接触する状態であり得る。図7を参照すると、作動部24が第2の位置にあるとき、接触部34は係合位置にあり、すなわち、接触部34は、サンプル源、例えば、指19に対して、第2の位置に提供され、その結果、接触部34は、指19と加圧接触する状態であり、ホルダ12の作動部24は、血液18を送り出し、及び/又は、引き出し得る。例えば、接触部34が、係合位置にあると、接触部34は、サンプル源に圧力を及ぼす。
【0059】
図1図5を参照すると、一実施形態では、作動部24は、サンプル源、例えば、指19に、圧力を加えるためのポンプ部36を含む。一実施形態では、ポンプ部36は、一対の対向するタブ又は翼部38を備える。そのような実施形態では、各タブ38は、接触部34を含み得る。図1及び図3を参照すると、一実施形態では、ホルダ12は、リビングヒンジ部42を含む。リビングヒンジ部42は、使用者が、第1の位置(受動状態)(図7)と第2の位置(能動状態)(図7)との間で、翼部38を押し付け合うことを可能にする。患者の指19から血液を抜き出すための、タブ又は翼部38の使用は、患者の指19からの適切な血流を維持しながら溶血を最小限にする。翼部38の休止位置及びヒンジは、ホルダ12に適合し得る、最小の患者の指との接触及び保持を維持する一方で、血液の閉塞を生じさせることなく、最大の患者の指をホルダ12内に収容するために屈曲するように設計される。一実施形態では、翼部38は、患者の指19上の硬組織を避けるために、患者の爪の近位であって、患者の第一関節の遠位に位置づけられる位置で、指受け部20に配置され得る。
【0060】
有利には、本開示のホルダ12は、使用者が、所望の量の血液18が収集容器16内に満たされるまで、翼部38を繰り返し押し付け合ったり解放したりして、指19から血液18を送り出し、及び/又は、引き出すことを可能にする。翼部38は、ホルダ12とともに使用され得る、患者の指のサイズの範囲との優しい接触を維持し、ホルダ12を患者の指19に保持するために、屈曲するように構成される。翼部38は、また、ホルダ12に能動的な圧力態様を提供し得る。一実施形態では、翼部38は、患者の指19への理想的な圧迫圧力に対して最適化された、長さ、厚さ、及び、角度を有し得る。一実施形態では、ホルダ12での翼部38の位置は、患者の関節などの、患者の指19の硬組織を回避しながら、患者の指19の軟組織が圧力下に置かれることを確実にする。さらに、一実施形態では、翼部38と患者の指19との間の角度は、患者の指先に向かって圧力勾配を生成し、患者の指19からの血流を支援するために先細りである。指19の自然なテーパに対する翼部38の角度は、指19の遠位端から近位端へ小さな圧力勾配を生成し、流れの方向が指先に向かうことを確実にする一方で、サンプル品質に関する国際的なベストプラクティスにより、指のミルキングを回避する。
【0061】
一実施形態では、翼部38は、また、ホルダ12の使用者により把持されるタッチパッド86を、その外面に備え得る。タッチパッド86は、患者の指19から採血する際に、使用者が、適切な、把持圧力、快適さ、及び、溶血のために、正しい所望の位置で、翼部38を把持することを確実にし得る。一実施形態では、翼部38は、また、翼部38の外面から延びる接触防止突起88を含み得る。一実施形態では、接触防止突起88は、タッチパッド86の下方の翼部38上に配置される。接触防止突起88は、翼部38から外側に延び、使用者が翼部38をあまりにも低く押し付けすぎたり、翼部38に過度の圧力を印加したりすることを妨げるように配置され、及び、構成される。接触防止突起88は、翼部38が、適切な圧力の印加に応じて曲がるように、使用者が、翼部38を余りにも低く押し付けないことを確実にする。使用者は、接触防止突起88が一旦接触させられると、使用者の把持が、タッチパッド86により近接した上方に移動させられる必要があることを知るように指示され得、タッチパッド86は、適切な圧力が、患者の指19に印加されることを確実にする。
【0062】
有利には、ホルダ12が指19に配置された状態で、ホルダ12は、血流を制限せず、刺通位置及び指圧迫位置を画定する。押し込みタブ又は翼部38は、指19全体に一貫して印加される押し付け圧力の予め定められた範囲を画定する。そうすることによって、ホルダ12は、血液の抜き取りを促進し、潜在的な溶血を最小限にする、優しい制御された指マッサージを提供する。
【0063】
図1を参照すると、一実施形態では、ホルダ12は安定化延長部40を含む。これは、ホルダ12が指19にしっかりと配置されるための追加のサポートを提供する。一実施形態では、指受け部20は、ほぼC字形の部材を形成し、ホルダ12が指19にしっかりと配置されるための、追加の把持及び支持を提供するための、複数の内側把持部材を含む。安定化延長部40は、ホルダ12の使用中に、血液供給及び患者の指19の関節を避けながら、患者の指19との接触を維持するのに役立つ。
【0064】
一実施形態では、指受け部20は、可撓性材料で形成される。いくつかの実施形態では、指受け部20及びポート26は、可撓性材料から形成される。
【0065】
本開示の血液サンプル18を採取するための装置10は、ホルダ12のポート26に取り外し可能に接続し得るランセットハウジング又はランセット14を含む。図10を参照すると、一実施形態では、ランセットハウジング14は、入口又は開口部50、内部52、穿刺部材54、係合部56、伸縮機構58、及び、駆動ばね60を含む。一実施形態では、穿刺部材54は、穿刺部材54が、ランセットハウジング14の内部52内に保持される、作動前位置と、穿刺部材54の少なくとも一部が、ランセットハウジング14の入口50を通って延び、指19の一部を刺通する、穿刺位置との間で移動可能である。
【0066】
一実施形態では、本開示のランセット14は、接触作動のランセットであり、本出願と共に譲渡され、その開示全体が、それへの参照により、本明細書に、ここにおいて、明示的に組み込まれる、2005年5月6日に出願された「接触作動のランセット装置」と題する、特許文献2に開示された態様に従って構成され得る。
【0067】
一実施形態では、ランセットハウジング14は、ホルダ12及び収集容器16とは別個の構成要素であり得る。いくつかの実施形態では、収集容器16及びランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26に取り外し可能に接続し得る、単一の構成要素を形成する。いくつかの実施形態では、収集容器16、ランセットハウジング14、及び、ホルダ12は、単一の構成要素を形成する。
【0068】
図10を参照すると、一実施形態では、ホルダ12とランセットハウジング14が別個の構成要素であり、ランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26に取り外し可能に接続し得る。そのような実施形態では、ランセットハウジング14は、係合部56を含む。図10を参照すると、一実施形態では、ランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26内に押し込まれ、その結果、ランセットハウジング14の係合部56が、ホルダ12のロック部32内にロックされる。このようにして、ランセットハウジング14は、ホルダ12に、しっかりと接続され、及び、ロックされ、その結果、ランセットハウジング14の穿刺部材54は、サンプル源、例えば指19を、刺通し、又は、穿刺するように作動させられ得る。いくつかの実施形態では、ホルダ12のポート26は、ランセット14又は収集容器16を、ポート26内に固定し、及び、ロックするための複数のリブを含む。
【0069】
ランセット14を作動させるために、ランセット14は、指19に押し付けられて、ランセット14の伸縮機構58を作動させ、指19を刺通する。本開示のランセット14は、正しい刺通深さと、予め画定された穿刺位置を終始一貫して実現し、したがって、十分なサンプル量を確実にする。
【0070】
一実施形態では、ランセット14は、穿刺部材54を穿刺位置に向かって付勢するために、ランセットハウジング14の内部52内に配置された駆動ばね60を含む。穿刺後、穿刺部材54は直ちに後退させられ、ランセットハウジング14の内部52内に安全に固定される。
【0071】
一実施形態では、本開示のランセット14は、指19の皮膚を刺通するために使用され、その後、以下により詳細に説明されるように、血液サンプル18が収集容器16内に絞り出される。
【0072】
一実施形態では、本開示のランセットハウジング14は、以下により詳細に説明されるように、刺通経路に沿って指19の皮膚を刺通するために使用され、その後、血液サンプル18は、刺通経路に対してある角度で、血液流路を流れ落ちる。
【0073】
一実施形態では、ランセット14は中空針を含み得る。そのような実施形態では、本開示のランセットハウジング14は、刺通経路に沿って、指19の皮膚を刺通するために使用され、その後、血液サンプル18は、平行な血液流路に沿い、中空針を通って流れる。
【0074】
図9及び図11に示されるように、本開示の血液サンプル18を採取する装置10は、ホルダ12のポート26(図1に示される)に取り外し可能に接続し得る収集容器16を含む。特に図11を参照すると、収集容器16は、血液サンプル18(図9に示される)を受け入れるための収集キャビティ70、容器係合部72、血液収集部74、及び、キャップ又はセプタム76を画定する。所望の量の血液18が容器16内に収集されると、収集されたサンプル18を診断機器及び/又は検査装置に送るために、血液収集部74が収集装置10から取り外される。血液収集部74は、収集装置10から取り外されると、キャップ又はセプタム76を介して密封され、収集キャビティ70内に血液サンプル18を保護するように密封する。
【0075】
一実施形態では、収集容器16は、ホルダ12及びランセットハウジング14とは別個の構成要素であり得る。いくつかの実施形態では、収集容器16及びランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26に取り外し可能に接続し得る、単一の構成要素を形成する。いくつかの実施形態では、収集容器16、ランセットハウジング14、及び、ホルダ12は、単一の構成要素を形成する。
【0076】
一実施形態では、ホルダ12と収集容器16は別個の構成要素であり、容器16は、ホルダ12のポート26に取り外し可能に接続し得る。そのような実施形態では、容器16は、容器係合部72を含む。一実施形態では、容器16は、ホルダ12のポート26内に押し込まれ、その結果、容器16の容器係合部72が、ホルダ12のロック部32内にロックされる。このようにして、容器16は、ホルダ12にしっかりと接続され、ロックされ、その結果、血液サンプル18は、ホルダ12内の指19から容器16の収集キャビティ70まで安全に流れ得る。
【0077】
いくつかのタイプの収集容器16が、本開示の装置10とともに使用され得ることが理解され得る。また、収集容器16が、別個の分配ユニットと関連付けられ得、又は、収集容器16が、血液18を検査装置に分配するための、一体の分配部を含み得ることが理解され得る。
【0078】
次に、図1図5図9、及び、図10を参照して、個別の構成要素、例えば、ホルダ12、ランセットハウジング又はランセット14、及び、収集容器16を有する、本開示の装置10の使用が、説明されるであろう。
【0079】
図3を参照すると、最初に、所望の指19が清浄化され、所望の指19に対して適切なサイズを有するホルダ12が選択され、指19にしっかりと配置される。次に、図10を参照すると、ランセットハウジング14が、ホルダ12のポート26に接続される。上述のように、ランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26内に押し込まれ、ランセットハウジング14の係合部56がホルダ12のロック部32内にロックされる。このようにして、ランセットハウジング14は、ホルダ12にしっかりと接続され、ロックされ、その結果、ランセットハウジング14の穿刺部材54は、サンプル源、例えば、指19を刺通又は穿刺するために作動させられ得る。ランセット14がホルダ12のポート26に接続されると、ランセットは指19と接続する。
【0080】
指19の皮膚を刺通するためにランセット14を作動させることが望まれるとき、ランセット14は指19に押し付けられ、ランセット14の伸縮機構58を作動させて指19を刺通する。本開示のランセット14は、正しい刺通深さと、予め画定された刺通位置を終始一貫して実現し、したがって、十分なサンプル量を確実にする。
【0081】
指19が刺通されて指19から血液18の流れを生じさせた後、ランセット14は、ホルダ12から取り外され、収集容器16が、ホルダ12のポート26に押し込まれる。図11を参照すると、容器16は、ホルダ12のポート26内に押し込まれ、容器16の容器係合部72が、ホルダ12のロック部32内にロックされる。このようにして、容器16は、ホルダ12に、しっかりと接続されて、ロックされ、その結果、血液サンプル18は、ホルダ12内の指19から、容器16の収集キャビティ70まで、安全に流れ得る。
【0082】
図7及び図8を参照すると、血液サンプル18の採取のために、容器16が、ホルダ12に適切に固定されると、使用者は、所望の量の血液18が収集容器16に満たされるまで、ホルダ12の翼部38を繰り返し押し付け合ったり解放したりして、指19から血液18を送り出し、及び/又は、引き出し得る。有利には、ホルダ12が指19に配置された状態で、ホルダ12は、血流を制限せず、刺通及び指の圧迫位置を画定する。押し込みタブ又は翼部38は、指19全体に終始一貫して印加される、予め画定された圧迫圧力を提供する。そうすることによって、ホルダ12は、血液の引き出しを促進し、いかなる潜在的な溶血も最小化する、優しい制御された指19のマッサージを提供する。
【0083】
例えば、図7及び図8を参照すると、一実施形態では、作動部24は接触部34を含む。図7を参照すると、作動部24が第1の位置にあるとき、接触部34は非係合位置にあり、すなわち、接触部34は、サンプル源、例えば指19に対して、第1の位置にある。図7を参照すると、作動部24が第2の位置にあるとき、接触部34は係合位置にあり、すなわち、接触部34は、第2の位置にあって、サンプル源、例えば指19と加圧接触しており、ホルダ12の作動部24は、血液18を送り出し、及び/又は、引き出し得る。例えば、接触部34が係合位置にあるとき、接触部34は、サンプル源に圧力を加える。
【0084】
所望の量の血液18が容器16内に収集されると、収集されたサンプル18を診断機器及び/又は検査装置に送るために、血液収集部74が、収集装置10から取り外される。血液収集部74は、収集装置10から取り外されると、キャップ又はセプタム76を介して密封され、血液サンプル18を、収集キャビティ70内で保護するように密封する。
【0085】
本開示の装置は、検査装置が、オフサイト検査装置であろうとポイントオブケア検査装置であろうと、任意の既知の検査装置と互換性がある。様々なポイントオブケア検査装置が当技術分野で知られる。そのようなポイントオブケア検査装置は、検査及び分析用の、検査ストリップ、スライドガラス、診断カートリッジ、又は、他の検査装置を含む。検査ストリップ、スライドガラス、診断カートリッジは、血液サンプルを受け取り、その血液の1つ以上の生理学的及び生化学的状態を検査する、ポイントオブケア検査装置である。分析のためにサンプルをラボに送る必要なく、ベッドサイドで微量の血液を分析するために、カートリッジベースの構造を使用する、ポイントオブケア装置が数多く存在する。これは、長期にわたって結果を得ることの時間を節約するが、非常に型どおりのラボ環境と比較して、異なる一連の課題を生じさせる。そのような検査カートリッジの例は、アボット企業グループの「i-STAT」(登録商標)検査カートリッジを含む。「i-STAT」(登録商標)カートリッジなどの検査カートリッジは、化学物質や電解質の存在、血液学、血液ガス濃度、凝固、又は、心臓マーカーを含む、さまざまな状態を検査するために使用され得る。そのようなカートリッジを使用する検査の結果は、臨床医に、迅速に提供される。
【0086】
収集容器16はまた、その中に配置された、血液サンプル及び/又は血液サンプルの成分を安定化するために、サンプル安定剤、例えば、抗凝固剤を含み得る。収集容器16は、また、所定量のサンプルに対応する少なくとも1つの充填ラインを含み得る。収集容器は、また、収集された血液量を表示/計量し得る。
【0087】
別の例示的な実施形態では、本開示の血液サンプル18を採取する装置は、ある角度の流れを有し、一体化された、ホルダ12、ランセットハウジング14、及び、収集容器16を含む。そのような実施形態では、使用者は、別個のランセットハウジング14をホルダ12のポート26に接続したり、指19の皮膚を刺通した後にランセット14を取り外したり、その後、収集容器16をホルダ12のポート26に接続したりする必要がない。その代わりに、ランセットハウジング14は、ホルダ12のポート26内に永久的に固定される。ランセットハウジング14は、血液流路を含む。収集容器16は、ランセットハウジング14に固定され、ランセットハウジング14の一部に取り外し可能に接続し得る、血液収集部74を含む。
【0088】
一実施形態では、容器16がランセットハウジング14に接続されると、ランセットハウジング14の長手方向軸は、容器16の長手方向軸104に対してある角度をなしている。一実施形態では、ランセットハウジング14は、刺通経路に沿って、指19の皮膚を刺通するために使用され、その後、血液サンプル18は、刺通経路に対してある角度で、血液流路を流下する。
【0089】
本開示の血液サンプルを採取する装置のいずれも、自立型の使い捨て装置として、及び/又は、疼痛軽減制御のために外部電源と組み合わせて使用され得る。例えば、ホルダ12の一部は、外部疼痛制御モジュールから信号を受信して、疼痛軽減制御のために、熱、振動、又は、経皮的電気神経刺激(TENS)のうちの少なくとも1つを送達する、埋め込み電極を含み得る。本開示の血液サンプルを採取する装置は、また、搭載された血漿分離のための様々なオプションを含み得る。本開示の血液サンプルを取得する装置は、また、収集時に患者情報と組み合わせられ得る、固有のサンプル識別子を含み得る。本開示の血液サンプルを採取する装置は、また、採取時に、搭載された診断フィードバックを含み得る。本開示の血液サンプルを取得する装置は、また、二重収集、例えば、同じ供給源からの複数のサンプルの収集を可能にする、複数の収集ポートを使用して、2つの別々の容器へ2つのサンプルを収集すること、及び、抗凝固剤などの異なるサンプル安定剤でサンプルを処理することを可能にする。
【0090】
本開示の血液サンプルを採取する装置は、ランセット及び毛細血管を使用する、従来の毛細血管採取と比較して、指からの大量の毛細血管採取を、大幅に簡素化し、高度の技術の必要をなくす。本開示の装置は、血液への曝露を排除し、装置の再利用を防止する。
【0091】
本開示の血液サンプルを採取する装置は、採取プロセスを簡素化し、高度の技術の必要をなくし、合理化する。これは、すべて、指に装着された後、刺通、血液抽出、安定化、格納の機能を、すべて1つのユニットで提供するであろう、自己完結型の閉鎖システム装置によって実現される。
【0092】
本開示の血液サンプルを採取する装置は、自動ポンピング、制御された指押し付け、及び、自動化されたサンプルのラベル付け及び処理を提供する、自立型ユニットと関連付けられ得る。
【0093】
図1図5を参照すると、本開示の様々な実施形態に従って、ホルダ12の追加の態様が示され、説明される。一実施形態では、ホルダ12は、患者の指19から血液サンプル18を採取するのを支援する、受動的圧力態様を含み得る。受動的圧力態様は、血流を制限することなく、採血のためのホルダ12の使用前及び使用中に、ホルダ12の適切な位置決めを支援し、及び、確実にするように設計される。ホルダ12は、指受け部20の開口部22に設けられた外側曲がり端80を含み得る。外側曲がり端80は、鋭い角の代わりに、置かれる患者の指19に対する快適な位置を与え得る。代わりに、外側曲がり端80は、患者の指19に快適な載置スペースを提供するのに役立つ、丸められた又は湾曲したエッジを含み得る。
【0094】
一実施形態では、ホルダ12は、指受け部20の外面から延びる少なくとも2つの膨出部82を含み得る。膨出部82は、丸められた端部を有し得、指受け部20内に位置決めされる患者の指19の動脈血の供給に対する圧力を防止するように構成され得る。
【0095】
一実施形態では、ホルダ12は、また、安定化延長部40上に設けられた少なくとも1つの保持バンプ84を含み得る。一実施形態では、安定化延長部40は、2つの保持バンプ84を含む。保持バンプ84は、安定化延長部40の内面から延び、患者の指19が指受け部20内に配置されたとき、患者の指19に係合し、接触する。保持バンプ84は、患者の指19との快適な係合を提供するために曲面を有し得る。保持バンプ84は、患者の指19への動脈血の供給を制限することなく、ホルダ12を患者の指19に固定するために設けられ得る。
【0096】
一実施形態では、図4に示されるように、指受け部20から開口部28への移行部90は、流れの制限や溶血を伴うことなく、翼部38を押し付け合う際の圧力下で、患者の指19の膨らみを可能にする。移行部90は、患者の指19の一部が、開口部28内に延びることを可能にし、指受け部20内の圧力下で、指が膨らむことを可能にする。患者の指19のこの膨らみを許容することにより、患者の指19からの血流の制限及び溶血が回避される。
【0097】
図6を参照すると、本開示の一実施形態に従って、患者の指19から血液を採取するためにホルダ12を使用する方法が説明される。ホルダ12の使用方法は、上記で詳細に説明されているが、一方で、以下の開示は、適切かつ所望の量の血液が患者の指19から採取されることを確実にするように、ホルダ12を使用するための特定の圧迫リズムを説明する。しかしながら、より速い、より遅い、より多様な、及び、異なる圧力リズムを含む、任意の数の圧迫リズムが、ホルダ12とともに使用され得ることが、理解されるべきである。一実施形態では、圧迫リズムは、最初に、患者の指19に圧力を加えるために、ホルダ12の翼部38を互いに向かって押し付けることを含む。一実施形態では、翼部38は、翼部38を互いに向かって閉じるために、最小0.25秒、最大1秒間、押し付けられる。一実施形態では、翼部38は、その後、互いに閉じた状態に保持される。翼部38は、最大0.5秒間、閉じた位置に保持され得る。一実施形態では、翼部38は、閉じた位置に保持されなくてもよく、代わりに、閉じる状態に押し付けられ、その後、開いた状態に解放される。一実施形態では、翼部38は、0.5秒間、開いた状態に解放され得る。その後、翼部38は、最大1秒間、開いた位置に保持され得る。また、翼部38は、開いた位置のままであることを許容されなくてもよく、代わりに、閉じた位置から解放された後、再び、閉じる状態に押し付けられることが考えられる。
【0098】
図6に示されるように、本開示の一実施形態によれば、ホルダ12のための圧迫リズムが示され、説明される。翼部38は、ポンピング方式で、閉じた状態に押し付けられ、開いた位置に解放され得る。翼部38が開いた位置に解放される前に、ある時間の間、閉じた位置に保持され得ることが、また、考えられる。翼部38は、血流を制限することなくホルダ12が所定の位置にしっかりと留まることを可能にする、指19へのホルダ12の静止嵌合を含む、受動圧力状態と、使用者およびホルダ12によって加えられる圧力を含み、血液サンプルを溶血したり損傷したりすることなく、血液が、指19から流れることをもたらす、能動圧力状態との間で移動する。本開示の一実施形態では、圧力のオーバーシュートなく、所望の圧力にすばやく達するために、使用者が、翼部38に所定の所望の圧力を印加することが望ましい。圧力のオーバーシュートは、ホルダ12の翼部38をあまりにもすばやく押し付けることによって現実化される。したがって、患者の指19からの望ましくない血流をもたらし得る、圧力のオーバーシュートを避けるために、翼部38に加えられる、より均一な圧力が望ましい。さらに、図6に示されるように、翼部38のゆっくりとした解放は、それが、患者の指19内の血流の、より遅い再充満を生起するため、通常は望ましくない。代わりに、患者の指19への圧力を迅速に低下させて、患者の指19を通る血流の、より速い再充満を可能にするために、翼部38のより迅速な解放が望ましい。受動及び能動圧力態様、及び、能動押し付け状態と受動静止状態との間の移動のリズムは、システムとして協働して、指19が、どこでどのように圧迫されるかを制御して、専門の毛細血管採取医療専門家と同等の、平均溶血25%未満での血流速度を提供する。
【0099】
図7及び図8を参照すると、患者の指19に印加される圧力に関連した血流及び不快感を詳細に示すために、ホルダ12の異なる状態又は位置が示される。図8のグラフは、患者の指19から得られる血液生成に関連した接触圧力と、増大した圧力により患者によって経験される、結果として起こる不快感及び痛みを示す。グラフは、ホルダ12を圧迫する間に、患者の指の周囲に印加される圧力を示す。グラフは、患者の指19の最下層の真皮部分からさらに遠くの患者の指19の周囲に圧力が印加されるほど、特に指の硬組織領域で、より多くの痛みや不快感が、患者によって経験されることを示す。
【0100】
本開示のホルダ12は、従来の毛細血管採血装置に勝る利点を提供する。ホルダ12は、患者の指19の特徴と整列するように構成され、ホルダ12が、終始一貫して、しっかりと所定の位置に留まり、正しい位置に圧力を加えることを確実にする。この態様は、硬組織や血管への圧力を回避しながら、採取部位近くの軟組織への圧迫を制限するために、いくつかの解剖学的情報源(指の幅と長さ、関節と動脈の位置)を分析することによって実現された。さらに、翼部38は、2段階で圧力を印加するように構成される。最初の段階は、印加される圧力に比例して増大させられる、指への圧力を有する。しかしながら、強度が増大するにつれて、翼部38は、撓みはじめ、それらが接触して、それ以上変位し得なくなるまで曲がる。これは、十分な圧力が、適切な血流を有することを可能にするが、溶血を避けるために最大圧力を制限する。これは、少なすぎる圧力を印加する、流れ及び真空法を促進することがより困難な、医療従事者の圧迫に関する問題を回避する。規定された圧迫リズムは、また、指先に血液を再び満たすことを可能にするように規定される。これは、手動技術からの使用者変動や、毛細血管床が再充満されることを可能にしない真空法による一貫した圧力を回避する。
【0101】
指を締め付ける翼部38は、さらに、圧力位置を画定し、一方向にのみ操作され得る。翼部38は、また、適切な指の配置及び作業者による操作を促進するためのパッド86と、不適切な操作を回避するための接触防止構造を有する。これは、不適切な「ミルキング」技術の使用を防止し、翼部38の正しい動作を確実にし、これらは、両方とも、より良好な溶血に寄与する。翼部38は、さらに、レバーとして機能し、これは、使用者が翼部38を閉じるためにより低いピーク力を加えること、代わりに、指19を、直接圧迫するよりも、圧迫動作中にさらに遠くに移動させることを意味する。これは、手動圧迫を、疲労しやすい小さな変位、大きな力運動から、日常使用により適した、大きな変位、小さな力運動に変える。
【0102】
装置は、経験的に決定された溶血限界内で、指先の軟組織に圧力を印加し、指に場所的に印加されるピーク圧力を制限し、組織全体に印加される平均圧力を最大化するように設計される。軟組織に印加される圧力を制限することは、血液を生成するために必要とされる最大の力を低下させた。指の個々の領域(側面、上部、下部など)に印加されるピーク圧力を減少させることは、溶血や患者の痛みに寄与するであろう。平均圧力を最大化することは、血流が、依然として、実際の毛細血管採血を行うのに十分であろうことを確実にした。
【0103】
翼部38は、また、変形可能なレバーとして作用することによって、使用者の疲労と、印加される最大圧力を制限する。通常、レバーは、力を変位と交換することによって機能し、使用者は、より長い移動距離にわたって、圧迫する必要があるが、必要な力は、指を直接圧迫するよりもはるかに小さくなる。これは、通常は発生させられるピーク力によって引き起こされる使用者の疲労を軽減する。
【0104】
しかしながら、翼部38は、また、曲がるように設計される。最初に翼部38に力が印加されると、指の軟組織が、スポンジのように圧縮し、血液を絞り出す。血液が流出し、軟組織が、さらに圧縮すると、それらは、硬くなり、圧迫を続けるにはより大きな力を必要とする。この圧迫方式は、血流の価値を減少させたが、圧力が急速に上昇するため、溶血に大きく寄与し得る。これが起こると、翼部38に加えられる力も比例して増加する。この方式では、翼部38は、点荷重の下で古典的な片持ち梁として機能し始め、翼部38の端部は、翼部38の角変位に加えて、たわみ始める。これは、翼部38が、急速に互いに接触し、変位の総量を制限し、したがって、幾何学的に硬くて、たわまない翼よりも印加される最大圧力を制限する。翼部38は、軟組織が十分に圧縮されたとき、すなわち、血液が指から適切に絞り出され、それ以上の圧迫圧力が有害であるときのみ、偏向するという追加の利点を有する。
【0105】
本開示の一実施形態によれば、患者の指19、及び/又は、ホルダ12は、装置10及びホルダ12の使用前に消毒され得る。清浄化/消毒の目的は、皮膚穿刺及び採血後の採取部位の感染や刺激のリスクを最小限にすることである。患者の薬指又は中指がランセット14の刺通部位となり得る。したがって、患者の指19を穿刺する前、及び/又は、患者の指19をホルダ12に挿入する前に、患者の指19は、アルコールワイプで消毒され得る。いくつかの例では、患者の指の採取部位、隣接する指などの近位組織、及び、患者の手の残りの部分、及び/又は、少なくとも穿刺部位及び患者の手の掌が、周囲領域の大部分と共に、アルコールワイプで消毒され得る。70%のイソプロピルアルコール及び水が、患者の指19及びホルダ12を消毒するために使用され得、また、70%のエチルアルコール及び水が、患者の指19及びホルダ12を消毒するために使用され得る。アルコールは、蒸発を確実にするために、少なくとも10秒間、乾燥することを可能にされ得る。完全な乾燥は、刺通中の追加の痛みを防ぎ、サンプルの品質低下につながる追加のサンプル溶血を避けるために必要である。
【0106】
本開示の別の実施形態では、ホルダ12は、アルコールワイプで消毒され得る。特に、70%アルコールワイプが、ホルダを消毒するために使用され得る。指受け部20、作動部24、及び、ホルダ12のすべての他の残りの部分は、ホルダ12の表面を消毒するためにアルコールワイプで拭かれ得る。患者の指19及びホルダ12の消毒は、患者の指19の中又は上への、汚染物質の導入又は再導入を防止することに役立つ。患者の指19の穿刺部位は、ホルダの開口部28内に置かれるであろうから、患者の指19の消毒された部分が、ホルダ12の表面に接触する必要性はなく、それによって、さらに、患者の指19の汚染を防ぐのに役立つ。本開示の別の実施形態では、アルコールワイプを使用する代わりに、水刷毛及び70%アルコール溶液分配器が、患者の指19及び/又はホルダ12を消毒するために使用され得る。特に、水刷毛は、ホルダ12が適切に消毒されたことを示す光沢がホルダ12の表面に存在するまで、指受け部20及びホルダ12の他の部分の表面を拭くために使用され得る。
【0107】
毛細血管採血は、通常、医療従事者が、彼らの指を使って穿刺部位の周囲の組織を手動で圧迫するか、真空圧を使用して部位から血液を引き出す装置によって実行される。しかし、毛細血管採血は、量とサンプルの品質の問題により、特に成人のコアラボパネル検査の目的のための、一般的でない採血手法である。静脈穿刺と静脈血が至適基準であり、毛細血管血サンプルは、静脈サンプルが取得され得ない場合の代替としてのみ使用される。古典的な例は、太いアクセス可能な静脈が、静脈穿刺による採血に利用できない場合の、新生児の血液検査である。この場合、乳児のかかとをターゲットにし、ランセットを使用して毛細血管血が取得されるであろう。ヒールスティック法による毛細血管採取の前に、まず、かかとが清浄化される。これは、最も一般的には、アルコールワイプとガーゼを使用して行われる。しかし、収集は毛細血管内において直接生じ、サンプル収集中に、医療従事者を支援するための、指カフや類似の装置は使用されず、したがって、装置の清浄化工程は存在しない。
【0108】
従来の技術/実践は、採取部位を消毒するためにアルコールワイプを使用し、その後すぐにサンプル採取が続くが、これは、静脈穿刺や従来の毛細血管採取にも当てはまる。しかし、採取へのすぐの進行は、アルコール刺痛により、患者によって経験される、さらなる痛みにつながり得るが、さらに重要なことに、また、増加した溶血によるサンプルの品質に影響を与え得る。この問題は、濡れたアルコールのスポットをガーゼで拭くことによって解決され得、これは、その領域を効果的に乾燥させるが、汚染物質を再導入し、感染のリスクを高め得る。
【0109】
穿刺部位の消毒と清浄化は、細菌量を減らし、院内感染のリスクを最小限にするように作用する。アルコール(エタノール又はイソプロパノール)の使用は、直接に接触すると、微生物を脱水し、タンパク質を変性させることによって効く。溶液(通常70%アルコール)は、また、非常に揮発性が高く、結果として、消毒された部位が採血に差し支えなくなるまでに、短時間の蒸発だけを必要とする。これらの態様は、適切な用法が続けば、残留物や人工物を残さない、優れた消毒ソリューションを実現する。
【0110】
毛細血管採血装置の一実施形態が、添付図面に示され、上記で詳細に説明されたが、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者により、他の実施形態が明らかであり、容易に作製され得るであろう。したがって、前述の説明は、限定的ではなく例示的であることを意図される。上述した本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義され、特許請求の範囲の意味及び均等の範囲内にある本発明に対するすべての変更は、その範囲内に包含されるべきである。
図1
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【国際調査報告】