(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】太陽光発電システム、高速シャットダウン方法、および太陽光発電インバータ
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20240628BHJP
【FI】
H02M7/48 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580654
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2021103479
(87)【国際公開番号】W WO2023272574
(87)【国際公開日】2023-01-05
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521531171
【氏名又は名称】ファーウェイ デジタル パワー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ,リ
(72)【発明者】
【氏名】シン,カイ
(72)【発明者】
【氏名】ユィ,シンユィ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ボピン
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770BA11
5H770CA01
5H770CA05
5H770DA03
5H770DA34
5H770EA01
5H770FA13
5H770JA17Y
5H770LB07
5H770PA02
(57)【要約】
本出願は、太陽光発電システム、高速シャットダウン方法、および太陽光発電インバータを開示する。本システムは、インバータ、ファン、およびコントローラを備えている。太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、インバータの正の入力端と負の入力端との間に接続されている。コントローラは、高速シャットダウン命令を受信して、駆動信号をインバータ内のスイッチングトランジスタに送信し、その結果、スイッチングトランジスタは、駆動信号の動作の下で、スイッチング動作を実行し、そして、スイッチングトランジスタは、スイッチング動作の最中に電気エネルギを消費する。または、コントローラは、ファンを使用することによって電気エネルギを消費するために、高速シャットダウン命令を受信した後にファンをオンにする。もしくは、コントローラは、駆動信号をスイッチングトランジスタに送信して、また、ファンがオンにされるようにも制御することができ、その結果、スイッチングトランジスタおよびファンの両方が電気エネルギを消費する。本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムでは、追加のハードウェア回路が追加されることなく、直流バス電圧の低下が加速されるように、直流バスコンデンサの放電速度が増加され、それによって、太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に直流バスコンデンサに蓄積された電気が適時に放出されることが確実になり、高速シャットダウンの基準要件を満たす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータ、ファン、および、コントローラを備える、太陽光発電システムであって、
太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、前記インバータの正入力端と負入力端との間に接続されており、
前記インバータは、
前記太陽光発電ストリングによって提供される直流電気を交流電気へと変換し、かつ、
前記交流電気を、交流電力グリッドまたは負荷に送る、
ように構成されており、
前記コントローラは、
高速シャットダウン命令を受信し、かつ、
少なくとも1つの方式で前記直流バスコンデンサ上の電圧を低減する、
ように構成されており、
前記少なくとも1つの方式は、
電気エネルギを消費するために、スイッチングトランジスタが、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行するように、前記コントローラによって、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信すること、または、
電気エネルギを消費するために、前記コントローラによって、前記ファンをオンにすること、
を含む、太陽光発電システム。
【請求項2】
前記駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され、
前記コントローラは、特に、
前記駆動信号の周波数を変更するために、前記搬送波の周波数を変更し、かつ、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信する、
ように構成されており、
前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる、
請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記駆動信号は、前記変調波および前記搬送波を使用することによって生成され、
前記コントローラは、特に、
前記駆動信号を変更するために、前記変調波の周波数を変更し、かつ、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信する、
ように構成されており、
前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる、
請求項1または2に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記太陽光発電システムは、さらに、オプティマイザを備え、
前記インバータの入力端は、相互に並列に接続された複数の太陽光発電ストリングに接続されており、
各太陽光発電ストリングは、複数の太陽光発電モジュールおよび複数のオプティマイザを備え、
前記複数の太陽光発電モジュールは、前記複数のオプティマイザと一対一の対応関係にあり、
各太陽光発電モジュールの出力端は、対応するオプティマイザの入力端に接続されており、
1つの太陽光発電ストリング内の全てのオプティマイザの出力端は、相互に直列に接続され、かつ、前記インバータの前記入力端に接続されており、
前記オプティマイザは、
前記高速シャットダウン命令を受信し、
動作を停止し、かつ、
前記太陽光発電モジュールから切断する、
ように構成されている、
請求項1乃至3いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
前記太陽光発電システムは、さらに、フィルタ回路を備え、
前記インバータは、電力変換回路および前記フィルタ回路を備え、
前記電力変換回路の入力端は、前記太陽光発電ストリングに接続されており、かつ、
前記フィルタ回路は、前記電力変換回路の出力端に接続されており、
前記コントローラが、前記駆動信号を、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに送信するとき、
前記直流バスコンデンサ、前記スイッチングトランジスタ、および、前記フィルタ回路は、前記フィルタ回路が、電気エネルギを消費して、前記直流バスコンデンサ上の前記電圧を低減するように、経路を形成し、
より高い周波数の前記駆動信号は、前記フィルタ回路内でインダクタによって消費されるより多くの電気を示している、
請求項1乃至4いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項6】
前記太陽光発電システムは、さらに、前記インバータの出力端と前記交流電力グリッドとの間に接続されているグリッド接続回路遮断器を備え、
前記コントローラは、さらに、
前記高速シャットダウン命令を受信した後で、前記インバータを前記交流電力グリッドから切断するために、前記グリッド接続回路遮断器を制御する、
ように構成されている、
請求項1乃至5いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項7】
前記太陽光発電システムは、さらに、上位コンピュータを備え
前記上位コンピュータは、
前記コントローラおよび前記オプティマイザに対して前記高速シャットダウン命令を送信する、
ように構成されている、
請求項4に記載の太陽光発電システム。
【請求項8】
前記駆動信号の周波数は、非基本周波数である、
請求項1乃至7いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項9】
前記インバータは、3レベルT型インバータである、
請求項1乃至8いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記インバータのキャビネット内に統合されており、かつ、
前記ファンは、前記インバータの前記キャビネット内に統合されている、
請求項1乃至9いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項11】
前記インバータは、ストリングインバータ、または、セントラルインバータである、
請求項1乃至10いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項12】
太陽光発電システムの高速シャットダウン方法であって、
前記太陽光発電システムは、インバータおよびファンを備え、
前記インバータは、スイッチングトランジスタを備え、
太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、前記インバータの正入力端と負入力端との間に接続されており、
前記インバータは、前記太陽光発電ストリングによって提供される直流電気を交流電気へと変換し、かつ、前記交流電気を交流電力グリッドまたは負荷に送るように構成されており、
前記方法は、
高速シャットダウン命令を受信するステップと、
少なくとも1つの方式で前記直流バスコンデンサ上の電圧を低減するステップと、を含み、
前記少なくとも1つの方式は、
電気エネルギを消費するために、スイッチングトランジスタが、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行するように、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信すること、または、
前記ファンが電気エネルギを消費するように、前記ファンをオンにすること、
を含む、
方法。
【請求項13】
前記駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され、
前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信することは、
前記駆動信号の周波数を変更するために、前記搬送波の周波数を変更すること、および、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信すること、を含み、
前記スイッチングトランジスタおよび前記フィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させる、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記駆動信号は、前記変調波および前記搬送波を使用することによって生成され、
前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信することは、
前記駆動信号を変更するために、前記変調波の周波数を変更すること、および、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信すること、を含み、
前記スイッチングトランジスタおよび前記フィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させる、
請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記太陽光発電システムは、さらに、フィルタ回路を備え、
前記フィルタ回路は、前記インバータの出力端に接続されており、かつ、
前記方法は、さらに、
前記フィルタ回路が、電気エネルギを消費して、前記直流バスコンデンサ上の前記電圧を低減するように、前記直流バスコンデンサ、前記スイッチングトランジスタ、および、前記フィルタ回路を制御して、経路を形成すること、を含み、
より高い周波数の前記駆動信号は、前記フィルタ回路内でインダクタによって消費されるより多くの電気を示している、
請求項12乃至14いずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
電力変換回路、ファン、および、インバータコントローラを備える、太陽光発電インバータであって、
前記電力変換回路は、スイッチングトランジスタを含み、
太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、前記電力変換回路の正入力端と負入力端との間に接続されており、
前記インバータコントローラは、
高速シャットダウン命令を受信し、かつ、
少なくとも1つの方式で前記直流バスコンデンサ上の電圧を低減する、
ように構成されており、
前記少なくとも1つの方式は、
電気エネルギを消費するために、前記スイッチングトランジスタが、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行するように、前記インバータコントローラによって、前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信すること、または、
電気エネルギを消費するために、前記インバータコントローラによって、前記ファンをオンにすること、
を含む、
太陽光発電インバータ。
【請求項17】
前記駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され、
前記インバータコントローラは、特に、
前記駆動信号の周波数を変更するために、前記搬送波の周波数を変更し、かつ、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信する、
ように構成されており、
前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる、
請求項16に記載の太陽光発電インバータ。
【請求項18】
前記駆動信号は、前記変調波および前記搬送波を使用することによって生成され、
前記インバータコントローラは、特に、
前記駆動信号を変更するために、前記変調波の周波数を変更し、かつ、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信する、
ように構成されており、
前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる、
請求項16または17に記載の太陽光発電インバータ。
【請求項19】
前記太陽光発電インバータは、さらに、フィルタ回路を備え、
前記電力変換回路の入力端は、前記太陽光発電ストリングに接続されており、かつ、
前記フィルタ回路は、前記電力変換回路の出力端に接続されており、
前記インバータコントローラが、前記駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信するとき、
前記直流バスコンデンサ、前記スイッチングトランジスタ、および、前記フィルタ回路は、前記フィルタ回路が、電気エネルギを消費して、前記直流バスコンデンサ上の前記電圧を低減するように、経路を形成し、
より高い周波数の前記駆動信号は、前記フィルタ回路内でインダクタによって消費されるより多くの電気を示している、
請求項16乃至18いずれか一項に記載の太陽光発電インバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、太陽光発電技術の分野に関する。特には、太陽光発電(photovoltaic)システム、高速シャットダウン方法、および、太陽光発電インバータに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムにおいては、ときどき、太陽光発電システムを迅速にシャットダウンする必要があるIAケースが発生する。安全を確保するために、高速シャットダウンがトリガされるとき、太陽光発電システムにおけるインバータの任意の直流入力コンダクタ間の電圧、および、接地(ground)に対するインバータの任意の直流入力コンダクタの電圧の両方が、30秒以内に30V以下に低減される必要がある。
【0003】
現在、太陽光発電システムが高速シャットダウンを受けるとき、インバータは、高速シャットダウン命令を受信した後にシャットダウン保護を実行し、そして、インバータの直流入力コンダクタ間の放電、および、接地に対するインバータの任意の直流入力コンダクタの放電は、コンダクタのそれぞれの抵抗を使用することによって実施される。しかしながら、内部抵抗を使用することによって実行される直流入力コンダクタの自己放電(self-discharge)は、上述の高速シャットダウン基準を満たさないことがある。
【0004】
インバータの任意の直流入力コンダクタ間の電圧、および、接地に対するインバータの任意の直流入力コンダクタの電圧は、高速シャットダウンの最中、30秒以内に30V以下に低減されることを確実にするために、現在、スイッチングトランジスタを使用することによって、エネルギ吸収回路が、追加的に、インバータの入力端において直流バスに並列に接続され得る。高速シャットダウン命令を受信した後で、インバータは、スイッチングトランジスタがオンされる(turned on)ように制御し、その結果、エネルギ吸収回路を通じて、放電が実施される。このソリューションは、インバータの放電速度が前述の安全基準を満たすことを保証することができるが、このソリューションにおいては、追加的なハードウェア回路(エネルギ吸収回路およびスイッチングトランジスタを含む)が追加され、インバータのコストを増加させている。さらに、追加されたスイッチングトランジスタは、誤動作のリスクをもたらす。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、太陽光発電システム、高速シャットダウン方法、および太陽光発電インバータを提供し、その結果、太陽光発電システムが迅速にシャットダウンされる必要があるときに、直流側の電圧は、基準で要求される時間内に指定電圧以下まで低減され得る。
【0006】
本出願の一つの実施形態は、インバータ、ファン、および、コントローラを備える、太陽光発電システムを提供する。太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、前記インバータの正入力端と負入力端との間に接続されている。前記インバータは、前記太陽光発電ストリングによって提供される直流電気を交流電気へと変換し、かつ、前記交流電気を、交流電力グリッドまたは負荷に送るように構成されている。前記コントローラは、高速シャットダウン命令を受信し、かつ、少なくとも1つの方式で前記直流バスコンデンサ上の電圧を低減するように構成されている。前記少なくとも1つの方式は、電気エネルギを消費するために、スイッチングトランジスタが、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行するように、前記コントローラによって、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信すること、または、電気エネルギを消費するために、前記コントローラによって、前記ファンをオンにすることを含む。
【0007】
本出願において提供されるソリューションに従って、高速シャットダウン命令を受信した後で、コントローラは、駆動信号をインバータ内のスイッチングトランジスタに送信し、その結果、スイッチングトランジスタは、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行し、そして、スイッチングトランジスタは、スイッチング動作の最中に電気エネルギを消費する。もしくは、高速シャットダウン命令を受信した後で、コントローラは、ファンをオンにして、ファンを使用することによって電気エネルギを消費するか、または、コントローラは、駆動信号をスイッチングトランジスタに送信し、かつ、ファンがオンにされるようにも、また、制御し、その結果、スイッチングトランジスタおよびファンの両方が電気エネルギを消費する。本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムでは、追加のハードウェア回路が追加されることなく、直流バスコンデンサの放電速度が増加され、その結果、直流バス電圧の低下が加速され、それによって、直流バスコンデンサに蓄積された電気が、太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に適時に放出されて、高速シャットダウンのための基準要件を満たすことを確実にしている。
【0008】
一つの可能な実装において、前記駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され、そして、前記コントローラは、特に、前記駆動信号の周波数を変更するために、前記搬送波の周波数を変更し、かつ、変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信するように構成されており、前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる。本発明のこの実施形態におけるソリューションに従って、スイッチングトランジスタにより消費される電力を調整するように、搬送波の周期を調整することにより、駆動信号の周期が変更される。その結果、スイッチングトランジスタは、所定の時間内に、直流バスコンデンサに蓄積された電力を消費し、それによって、太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に、直流バスコンデンサに蓄積された電気が適時に放出され、高速シャットダウンの基準要求を満たすことを保証している。
【0009】
一つの可能な実装において、前記駆動信号は、前記変調波および前記搬送波を使用することによって生成され、そして、前記コントローラは、特に、前記駆動信号を変更するために、前記変調波の周波数を変更し、かつ、変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信するように構成されており、前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる。本発明のこの実施形態におけるソリューションに従って、スイッチングトランジスタにより消費される電力を調整するように、搬送波の周期を調整することにより、駆動信号の周波数も、また、変更される。その結果、スイッチングトランジスタは、所定の時間内に、直流バスコンデンサに蓄積された電力を消費し、それによって、太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に、直流バスコンデンサに蓄積された電気が適時に放出され、高速シャットダウンの基準要求を満たすことを保証している。
【0010】
一つの可能な実装において、本出願のこの実施形態で提供される太陽光発電システムは、さらに、オプティマイザを備える。前記インバータの入力端は、相互に並列に接続された複数の太陽光発電ストリングに接続されている。各太陽光発電ストリングは、複数の太陽光発電モジュールおよび複数のオプティマイザを備える。前記複数の太陽光発電モジュールは、前記複数のオプティマイザと一対一の対応関係にある。各太陽光発電モジュールの出力端は、対応するオプティマイザの入力端に接続されている。1つの太陽光発電ストリング内の全てのオプティマイザの出力端は、相互に直列に接続され、かつ、前記インバータの前記入力端に接続されている。前記オプティマイザは、前記高速シャットダウン命令を受信し、動作を停止し、かつ、前記太陽光発電モジュールから切断するように構成されている。電圧昇圧(voltage boost)機能に加えて、本出願のこの実施形態におけるオプティマイザは、さらに、最大電力点追従機能を有し得る。オプティマイザは、1つの対応する太陽光発電モジュールに追跡するので、オプティマイザは、オプティマイザに対応する太陽光発電モジュールに対してMPPTを実行してよく、その結果、太陽光発電の電気エネルギ変換効率を改善することができる。
【0011】
一つの可能な実装において、本出願のこの実施形態で提供される太陽光発電システムは、さらに、フィルタ回路を備える。前記インバータは、電力変換回路および前記フィルタ回路を備える。前記電力変換回路の入力端は、前記太陽光発電ストリングに接続されている。前記フィルタ回路は、前記電力変換回路の出力端に接続されている。前記コントローラが、前記駆動信号を、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに送信するとき、前記直流バスコンデンサ、前記スイッチングトランジスタ、および、前記フィルタ回路は、前記フィルタ回路が、電気エネルギを消費して、前記直流バスコンデンサ上の前記電圧を低減するように、経路を形成する。より高い周波数の前記駆動信号は、前記フィルタ回路内でインダクタによって消費されるより多くの電気を示している。本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムがフィルタ回路を含む場合、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路は、スイッチングトランジスタが動作するときに経路を形成することができ、その結果、フィルタ回路におけるインピーダンスを使用することによって電気エネルギが消費され、それによって、直流バス電圧の低減をさらに加速している。
【0012】
一つの可能な実装において、本出願のこの実施形態で提供される太陽光発電システムは、さらに、前記インバータの出力端と前記交流電力グリッドとの間に接続されているグリッド接続回路遮断器を備える。前記コントローラは、さらに、前記高速シャットダウン命令を受信した後で、前記インバータを前記交流電力グリッドから切断するために、前記グリッド接続回路遮断器を制御するように構成されている。
【0013】
一つの可能な実装において、本出願のこの実施形態で提供される太陽光発電システムは、さらに、上位コンピュータを備える。前記上位コンピュータは、前記コントローラおよび前記オプティマイザに対して前記高速シャットダウン命令を送信するように構成されている。
【0014】
一つの可能な実装において、前記駆動信号の周波数は、非基本周波数である。
【0015】
一つの可能な実装において、前記インバータは、3レベルT型インバータである。
【0016】
一つの可能な実装において、前記コントローラは、前記インバータのキャビネット内に統合されており、かつ、前記ファンは、前記インバータの前記キャビネット内に統合されている。
【0017】
一つの可能な実装において、前記インバータは、ストリングインバータ、または、セントラルインバータである。
【0018】
上記で提供された太陽光発電システムに従って、この出願の一つの実施形態は、さらに、太陽光発電システムの高速シャットダウン方法を提供する。前記太陽光発電システムは、インバータおよびファンを備える。前記インバータは、スイッチングトランジスタを備える。太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、前記インバータの正入力端と負入力端との間に接続されている。前記インバータは、前記太陽光発電ストリングによって提供される直流電気を交流電気へと変換し、かつ、前記交流電気を交流電力グリッドまたは負荷に送るように構成されている。前記方法は、高速シャットダウン命令を受信するステップと、少なくとも1つの方式で前記直流バスコンデンサ上の電圧を低減するステップとを含む。前記少なくとも1つの方式は、電気エネルギを消費するために、スイッチングトランジスタが、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行するように、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信すること、または、前記ファンが電気エネルギを消費するように、前記ファンをオンにすることである。
【0019】
一つの可能な実装において、前記駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され、そして、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信することは、特に、前記駆動信号の周波数を変更するために、前記搬送波の周波数を変更すること、および、変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信することを含み、前記スイッチングトランジスタおよび前記フィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させる。
【0020】
一つの可能な実装において、前記駆動信号は、前記変調波および前記搬送波を使用することによって生成され、そして、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信することは、特に、前記駆動信号を変更するために、前記変調波の周波数を変更すること、および、変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信することを含み、前記スイッチングトランジスタおよび前記フィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させる。
【0021】
一つの可能な実装において、前記太陽光発電システムは、さらに、フィルタ回路を備え、前記フィルタ回路は、前記インバータの出力端に接続されており、かつ、前記方法は、さらに、前記フィルタ回路が、電気エネルギを消費して、前記直流バスコンデンサ上の前記電圧を低減するように、前記直流バスコンデンサ、前記スイッチングトランジスタ、および、前記フィルタ回路を制御して、経路を形成することを含む。ここで、より高い周波数の前記駆動信号は、前記フィルタ回路内でインダクタによって消費されるより多くの電気を示している。
【0022】
前述の実施形態において提供される太陽光発電システムおよび太陽光発電システムの高速シャットダウン方法に従って、本出願の一つの実施形態は、さらに、電力変換回路、ファン、および、インバータコントローラを備える、太陽光発電インバータを提供する。前記電力変換回路は、スイッチングトランジスタを含む。太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、前記電力変換回路の正入力端と負入力端との間に接続されている。前記インバータコントローラは、高速シャットダウン命令を受信し、かつ、少なくとも1つの方式で前記直流バスコンデンサ上の電圧を低減するように構成されている。ここで、前記少なくとも1つの方式は、電気エネルギを消費するために、前記スイッチングトランジスタが、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行するように、前記インバータコントローラによって、前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信すること、または、電気エネルギを消費するために、前記インバータコントローラによって、前記ファンをオンにすることを含む。
【0023】
一つの可能な実装において、前記駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され、そして、前記インバータコントローラは、特に、前記駆動信号の周波数を変更するために、前記搬送波の周波数を変更し、かつ、変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信するように構成されており、前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる。
【0024】
一つの可能な実装において、前記駆動信号は、前記変調波および前記搬送波を使用することによって生成され、そして、前記インバータコントローラは、特に、前記駆動信号を変更するために、前記変調波の周波数を変更し、かつ、変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信するように構成されており、前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる。
【0025】
一つの可能な実装において、前記太陽光発電インバータは、さらに、フィルタ回路を備える。前記電力変換回路の入力端は、前記太陽光発電ストリングに接続されている。前記フィルタ回路は、前記電力変換回路の出力端に接続されている。前記インバータコントローラが、前記駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信するとき、前記直流バスコンデンサ、前記スイッチングトランジスタ、および、前記フィルタ回路は、前記フィルタ回路が、電気エネルギを消費して、前記直流バスコンデンサ上の前記電圧を低減するように、経路を形成する。より高い周波数の前記駆動信号は、前記フィルタ回路内でインダクタによって消費されるより多くの電気を示している。
【0026】
上記の技術的ソリューションから、本出願の実施形態は、以下の利点を有することが分かる。
【0027】
本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムは、インバータ、ファン、およびコントローラを含む。太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、インバータの正の入力端と負の入力端との間に接続されている。高速シャットダウン命令を受信した後で、コントローラは、駆動信号をインバータ内のスイッチングトランジスタに送信し、その結果、スイッチングトランジスタは、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行し、そして、スイッチングトランジスタは、スイッチング動作の最中に電気エネルギを消費する。もしくは、高速シャットダウン命令を受信した後で、コントローラは、ファンを使用することによって電気エネルギを消費するために、ファンをオンにし、または、コントローラは、駆動信号をスイッチングトランジスタに送信して、ファンがオンされるようにも制御し、その結果、スイッチングトランジスタおよびファンの両方が電気エネルギを消費し、それによって、直流バスコンデンサの放電を加速し、かつ、インバータの直流側、すなわち、出力端の電圧をできるだけ速く低減している。本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムでは、追加のハードウェア回路が追加されることなく、直流バス電圧の低下が加速されるように、直流バスコンデンサの放電速度が増加され、それによって、高速シャットダウンの基準要件、すなわち、インバータの直流側の電圧を30秒以内に30V以下に低下させることを満たすように、太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に直流バスコンデンサに蓄積された電気が適時に放出されることを確実にしている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の一つの実施形態に従った、太陽光発電システムの構造に係る模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の一つの実施形態に従った、インバータの構造に係る概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の一つの実施形態に従った、別の太陽光発電システムの構造に係る模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の一つの実施形態に従った、インバータにおけるDC/AC回路の構造に係る概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の一つの実施形態に従った、ファンの動作原理図である。
【
図6】
図6は、本発明の一つの実施形態に従った、さらに別の太陽光発電システムの構造に係る模式図である。
【
図7】
図7は、本出願の一実施形態に従った、太陽光発電システムの高速シャットダウン方法に係るフローチャートである。
【
図8】
図8は、本出願の一つの実施形態に従った、太陽光発電インバータの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明において、「第1(“first”)」および「第2(“second”)」といった用語は、単に説明の目的で使用されており、そして、相対的な重要性の指示または含意、もしくは、示された技術的特徴の量の暗黙の指示として理解されるべきではない。従って、「第1」、「第2」などによって修飾された特徴は、1つ以上の特徴を明示的または暗示的に含み得る。本出願の説明においては、特に明記しない限り、「複数の(“a plurality of”)」は2つ以上を意味する。
【0030】
加えて、本出願において、「上(“above”)」および「下(“below”)」といった方向を示す用語は、これに限定されるわけではないが、添付の図面において概略的に配置されたコンポーネントの方向に対する定義を含み得る。これらの方向を示す用語は、相対的な概念であり、相対的な説明および明確化のために使用され、そして、添付図面においてコンポーネントが配置される方向(orientation)の変化に基づいて、対応して変化し得ることが理解されるべきである。
【0031】
本出願において、特に指定され限定されない限り、用語「接続(“connection”)」は、広い意味で理解されるべきである。例えば、「接続」は、固定接続、取り外し可能な接続、または、統合であってよく、そして、直接接続、または、中間媒体を介して実施される間接接続であってよい。加えて、用語「結合(“coupling”)」は、信号伝送を実施するための電気的接続の方式であり得る。「結合」は、直接的な電気的接続であってよく、または、中間媒体を介した間接的な電気的接続であってよい。
【0032】
当業者が本出願の実施形態において提供される技術的ソリューションをよりよく理解するのを助けるために、以下では、最初に、太陽光発電システムのアーキテクチャについて説明する。
【0033】
図1は、本発明の一つの実施形態に従った、太陽光発電システムの構造に係る模式図である。
【0034】
本出願のこの実施形態における太陽光発電システムは、1つの太陽光発電ストリングを含んでよく、または、複数の太陽光発電ストリングを含んでもよい。
図1の太陽光発電システムについては、2個だけの太陽光発電ストリングの例が使用されている。このことは、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0035】
図1に示されるように、本出願のこの実施形態における太陽光発電システムは、インバータ100、第1太陽光発電ストリング300、および、第2太陽光発電ストリング400を含んでいる。インバータ100は、直流バスコンデンサ101および電力変換回路102を含み得る。別の言葉で言えば、直流バスコンデンサ101は、インバータ100のキャビネット内に統合され得る。代替的に、直流バスコンデンサ101は、インバータ100のキャビネットの外側に配置され得る。
【0036】
第1太陽光発電ストリング300および第2太陽光発電ストリング400のそれぞれは、インバータ100の入力端に接続されている。インバータ100の出力側は、交流電力グリッド200に接続するように構成されている。この実施形態においては、インバータ100が三相インバータである例を用いて説明する。本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムは、三相(three-phase)太陽光発電システムであってよく、または、家庭用の単相(single-phase)太陽光発電システムであってよいことが理解されるべきである。このことは、本出願のこの実施形態において特に限定されない。
【0037】
インバータ100の正の入力端は、正の直流バスに接続され、そして、インバータ100の負の入力端は、負の直流バスに接続されている。直流バスコンデンサ101は、正の直流バスと負の直流バスとの間に接続されるので、太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に、比較的高い電圧が、インバータ100の入力端、すなわち、直流バスコンデンサ101において依然として蓄積される。従って、インバータ100の直流側、すなわち、入力端の電圧を30秒以内に30V以下に低減するために、高速シャットダウンの最中に直流バスコンデンサ101を迅速に放電するための効果的なソリューションが必要とされる。
【0038】
現在は、高速シャットダウンの最中に直流バスコンデンサにおける電圧を迅速に解放するために、スイッチングトランジスタを使用することによって、エネルギ吸収回路が、インバータの入力端において直流バスに対して追加的に接続され得る。高速シャットダウン命令を受信した後で、インバータは、スイッチングトランジスタがオンにされるように制御し、その結果、エネルギ吸収回路を介して、直流バス上の電圧が解放される。しかしながら、この方法では、追加的なハードウェア回路が、直流バスに追加される必要があり、そして、その結果として、太陽光発電システムのコストが増加する。さらに、スイッチングトランジスタの誤動作が発生することがあり、不要な損失を生じている。
【0039】
本出願の実施形態は、太陽光発電システムを提供し、その結果、インバータの入力端における電圧は、追加的なハードウェア回路を必要とせずに、高速シャットダウンの最中に迅速に低減され得る。高速シャットダウン命令を受信した後で、コントローラは、直流バスコンデンサに蓄積された電気エネルギを消費するために、インバータ内のスイッチングトランジスタを使用することができ、そして、また、直流バスコンデンサに蓄積された電気エネルギを消費するために、ファンを使用することができる。本出願の実施形態において提供される技術的ソリューションに従って、インバータの入力端における電圧を迅速に低減することができ、そして、追加のハードウェア回路が追加される必要はない。従って、太陽光発電システムのコストを低減することができる。
【0040】
当業者が本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムをよりよく理解するのを助けるために、以下では、本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムにおけるインバータの構造を具体的に説明する。
【0041】
本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムにおけるインバータは、ストリングインバータ(string inverter)であってよく、または、セントラルインバータ(central inverter)であってよい。ストリングインバータは、2つのレベルの回路を含んでおり、ここで、第1レベルの回路は、DC/DC(DC/DC、直流/直流)回路であり、かつ、第2レベルの回路は、DC/AC(DC/AC、直流/交流)回路である。セントラルインバータは、1つのレベルのDC/AC回路だけを含んでいる。以下では、本出願の実施形態において提供されるインバータを説明するために、一つの例として
図2のストリングインバータを使用している。
【0042】
図2は、本発明の一つの実施形態に従った、インバータの構造に係る概略図である。
【0043】
この実施形態においては、説明のために、直流バスコンデンサ101がインバータに組み込まれる例が使用されている。
図2に示されるように、本願のこの実施形態におけるインバータは、直流バスコンデンサ101、および、電力変換回路102を含んでいる。
【0044】
本出願のこの実施形態においては、説明のために、直流バスコンデンサ101が、直列に接続された、第1コンデンサC1および第2コンデンサC2を含む例が、使用されている。本出願のこの実施形態において、直流バスコンデンサ101の構造は、単に例として、第1コンデンサC1および第2コンデンサC2を使用することによって説明されていることが留意されるべきである。実際のアプリケーションにおいて、直流バスコンデンサは、1つのコンデンサを含んでよく、または、より多くのコンデンサを含んでもよい。このことは、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0045】
本願のこの実施形態における電力変換回路102の入力端は、直流バスコンデンサ101に接続されている。直流バスコンデンサ101が複数のコンデンサを含む場合、
図2に示されるように、直列に接続された直流バスコンデンサ101内の第1コンデンサC1および第2コンデンサC2は、電力変換回路102の正の入力端と電力変換回路102の負の入力端との間に接続されている。直流バスコンデンサ101が1つのコンデンサのみを含む場合、直流バスコンデンサ101は、電力変換回路102の正の入力端と電力変換回路102の負の入力端との間に接続される。
【0046】
電力変換回路102は、DC/DC回路1021、DC/AC回路1022、第3コンデンサC3および第4コンデンサC4を含んでいる。直列に接続された第3コンデンサC3および第4コンデンサC4は、DC/DC回路1021の正の出力端と負の出力端との間に接続されている。DC/AC回路1022の正の入力端および負の入力端は、DC/DC回路1021の正の出力端および負の出力端にそれぞれ接続されている。本願のこの実施形態において提供されるDC/DC回路1021は、DC/DC回路1021の入力端において、直流電気(direct current electricity)に対して昇圧(boost)または降圧(buck)処理を実行し、そして、次いで、処理された直流電気をDC/AC回路1022に出力するように構成されている。そして、本願のこの実施形態において提供されるDC/AC回路1022は、DC/DC回路1021によって出力された直流電気を交流電気に変換し、かつ、交流電気を交流電力グリッドまたは交流負荷に提供するように構成されていることが、理解されるべきである。
【0047】
太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に、本出願のこの実施形態において提供されるソリューションにおいて、インバータの入力端における直流電圧は、主に第1コンデンサC1および第2コンデンサC2に蓄積された電気エネルギを放出することによって低減されることが理解されるべきである。
【0048】
以下では、添付の図面を参照して、本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムを具体的に説明する。
【0049】
システムの実施形態(System Embodiment)
本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムは、インバータ、ファン、および、コントローラを含んでいる。太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサは、インバータの正の入力端と負の入力端との間に接続されている。高速シャットダウン命令を受信した後で、コントローラは、インバータにおけるスイッチングトランジスタに駆動信号を送信し、その結果、スイッチングトランジスタは、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行し、そして、スイッチングトランジスタは、スイッチング動作の最中に電気エネルギを消費する。もしくは、高速シャットダウン命令を受信した後で、コントローラは、ファンをオンにし、ファンを使用することによって電気エネルギを消費し、または、コントローラは、スイッチングトランジスタに駆動信号を送信し、かつ、また、ファンがオンにされるように制御してよく、その結果、スイッチングトランジスタおよびファンの両方が電気エネルギを消費し、それにより、直流バスコンデンサの放電を加速し、かつ、直流バス電圧をできるだけ速く低減している。本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムでは、追加的なハードウェア回路が追加されることなく、直流バス電圧の低下が加速されるように、直流バスコンデンサの放電速度が増加され、それによって、太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に直流バスコンデンサに蓄積された電気が適時に(in a timely manner)放出され、高速シャットダウンの基準要件を満たし、すなわち、インバータの直流側の電圧を30秒以内に30V以下に低下させている。
【0050】
本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムがファンを含む場合、実施形態において提供されるファンは、インバータのキャビネットに統合され、そして、インバータが正常に動作するときにインバータのために熱を放散してよく、もしくは、本出願の実施形態におけるファンは、インバータとは無関係に存在してもよい。このことは、本出願の実施形態において限定されない。本出願の実施形態におけるコントローラは、インバータのキャビネット内に統合されてよく、または、別個のデバイスとして独立して存在してもよい。このことは、本出願の実施形態において限定されない。本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムは、フィルタ回路を含んでよく、または、フィルタ回路を含まなくてもよい。このことは、本出願の実施形態において限定されない。本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムがフィルタ回路を含む場合、フィルタ回路は、インバータの出力端に接続された独立したデバイスとして機能してよく、または、インバータ内に統合されてもよい。このことは、本出願の実施形態において限定されない。以下では、本出願の一つの実施形態において提供される太陽光発電システムを説明するために、
図3が例として使用されている。
【0051】
図3は、本発明の一つの実施形態に従った、別の太陽光発電システムの構造に係る模式図である。
【0052】
本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムは、インバータ100、ファン500、フィルタ回路600、および、コントローラ700を含んでいる。
【0053】
インバータ100の正入力端と負入力端との間には、太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが接続されている。インバータ100は、太陽光発電ストリングによって提供される直流電気を交流電気へと変換し、そして、交流電気を交流電力グリッドまたは負荷に送るように構成されている。例えば、インバータ100は、3レベルT型インバータであってよい。
【0054】
コントローラ700は、高速シャットダウン命令を受信し、そして、以下の方式のうち少なくとも1つで、直流バスコンデンサ上の電圧を低減するように構成されており、ここで、少なくとも1つの方式は、以下を含んでいる。コントローラ700は、インバータ100におけるスイッチングトランジスタに対して駆動信号を送信し、その結果、スイッチングトランジスタは、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行して、電気エネルギを消費し、もしくは、コントローラ700は、ファン500をオンにして、電気エネルギを消費する。
【0055】
コントローラ700は、インバータ100およびファン500のそれぞれに接続されていることが理解されるべきである。可能な実装形態において、本出願のこの実施形態における太陽光発電システムが、フィルタ回路600を含む場合、インバータ700の出力端は、フィルタ回路600に接続されている。本出願のこの実施形態におけるスイッチングトランジスタが駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行して、電気エネルギを消費する場合、インバータ700の出力端に接続されたフィルタ回路600上の電流も、また、それに応じて変化する。この場合には、フィルタ回路600も、また、いくらかの電気エネルギを消費する。
【0056】
本出願のこの実施形態において、駆動信号の周波数は、非基本周波数であってよいことが留意されるべきである。例えば、コントローラによってインバータに送信される駆動信号は、パルス幅変調(PWM、Pulse Width Modulation)信号であってよい。
【0057】
本願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に、コントローラは、スイッチング動作を実行するためにスイッチングトランジスタを制御するように、駆動信号をスイッチングトランジスタに送信し、そして、スイッチングトランジスタは、動作を実行するときに電気エネルギを消費し、ここで、スイッチングトランジスタのより高いスイッチング周波数は、より大きい電気エネルギ消費を示すか、もしくは、コントローラは、ファンがオンにされるように制御し、その結果、ファンは、電気エネルギを迅速に消費することが分かる。本出願のこの実施形態において提供されるソリューションにおいては、代替的に、コントローラは、スイッチングトランジスタを駆動し、同時に、ファンをオンにして、電気エネルギを消費し、それによって、出力バスコンデンサの電気エネルギ放出を加速することができ、その結果、直流側、すなわち、インバータの出力端の電圧が低減される。従って、本出願のこの実施形態において提供されるソリューションに従って、追加的なエネルギ吸収回路が追加されることなく、直流バスコンデンサの放電速度が増加され、その結果、直流バス電圧の低減が加速される。このことは、インバータが、高速シャットダウンの最中に適時に、直流バスコンデンサに蓄積された電気を放出することを確実にし、その結果、本出願のこの実施形態において提供されるインバータの放電速度が、高速シャットダウンに最中に指定された安全基準に到達する。ここで、本件基準は、直流側、すなわち、インバータの入力端の電圧が、30秒以内に30V以下に低減されることである。
【0058】
本願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムにおいて、高速シャットダウンの最中に直流バスコンデンサ上の電圧を迅速に低減するために、可能な実装においては、インバータ内のスイッチングトランジスタが、電気エネルギを消費するためにスイッチング動作を実行するように制御されてよい。もしくは、別の可能な実装において、本願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムは、ファンを使用することによって、電気エネルギを消費し得ることが理解されるべきである。確かに、本出願のこの実施形態において提供されるソリューションにおいて、これらの2つのソリューションは、ファン、インバータ内のスイッチングトランジスタ、および、フィルタ回路を同時に使用することによって電気エネルギを消費するために、組み合わされ得る。加えて、太陽光発電システムがフィルタ回路を含む場合、スイッチングトランジスタが動作するとき、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路は、経路(path)を形成することができ、その結果、フィルタ回路のインピーダンスを使用することによって電気エネルギが消費され、それにより、さらに、直流バス電圧の低下を加速している。
【0059】
本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムは、インバータの特定のトポロジを限定するものではない。例えば、インバータは、T型(T-type)インバータまたはI型(I-type)インバータであってよく、または、別のトポロジのインバータであってもよい。インバータは、三相インバータであってよく、または、単相インバータであってもよい。本出願のこの実施形態における太陽光発電システムは、フィルタ回路を含んでよく、または、フィルタ回路を含まなくてもよい。以下では、フィルタ回路を含み、かつ、
図4に示されている、三相T型インバータのみが、本出願の実施形態において提供される技術的ソリューションを説明するための例として使用されている。
【0060】
図4は、本発明の一つの実施形態に従った、インバータにおけるDC/AC回路の構造に係る概略図である。
【0061】
図4は、3相インバータにおけるDC/AC回路を示している。各相の構造は同じであり、かつ、各相はT型トポロジであるので、以下では、添付の図面を参照して、1つの相の構造および高速シャットダウンの最中の動作原理について説明する。他の2つの相の回路構造は、それと同様であり、そして、詳細は、本明細書では説明されない。
【0062】
本出願のこの実施形態において提供されるDC/AC回路における1つの相は、第1スイッチングトランジスタQ1、第2スイッチングトランジスタQ2、第3スイッチングトランジスタQ3、第4スイッチングトランジスタQ4、インダクタL、および、コンデンサCfを含んでいる。
【0063】
第3コンデンサC3の第1端は、DC/AC回路の正の入力端に接続され、すなわち、PV+に接続される。第3コンデンサC3の第2端は、第4コンデンサC4の第1端に接続される。第4コンデンサC4の第2端は、DC/AC回路の負の入力端に接続され、すなわち、PV-に接続される。
【0064】
第1スイッチングトランジスタQ1の第1端は、DC/AC回路の正の入力端PV+に接続されている。第1スイッチングトランジスタQ1の第2端は、インダクタLの第1端に接続されている。インダクタLの第2端は、コンデンサCfの第1端に接続されている。コンデンサCfの第2端は、第3コンデンサC3の第2端に接続されている。第4スイッチングトランジスタQ4の第2端は、DC/AC回路の負の入力端PV-に接続されている。第4スイッチングトランジスタQ4の第1端は、第1スイッチングトランジスタQ1の第2端に接続されている。第2スイッチングトランジスタQ2および第3スイッチングトランジスタQ3は、第1スイッチングトランジスタQ1の第2端と第3コンデンサC3の第2端との間に直列に接続されている。
【0065】
インダクタLおよびコンデンサCfは、第1相フィルタ回路を構成している。同様に、他の2つの相それぞれのフィルタ回路も、また、直列に接続されたインダクタおよびコンデンサを含んでいる。
【0066】
高速シャットダウンの最中には、直流バスコンデンサに蓄積された電気エネルギを消費するために、例えば、第1スイッチングトランジスタQ1がオンにされ、かつ、第4スイッチングトランジスタQ4がオンにされるとき、直流バスコンデンサ上の放電電流(discharge current)の経路は、第1スイッチングトランジスタQ1、インダクタL、そして、コンデンサCfであることが理解されるべきである。第1スイッチングトランジスタQ1、インダクタL、およびコンデンサCfは、全てが内部抵抗を有するので、第1スイッチングトランジスタQ1、インダクタL、そして、コンデンサCfを通って電流が流れるときに、電気エネルギは、前述のコンポーネントの内部抵抗を使用することによって消費される。加えて、各スイッチングトランジスタは、また、スイッチング損失および導通損失(conduction loss)も含んでいる。三相回路のスイッチングトランジスタが継続的にオンまたはオフにされるので、インダクタLが配置されているフィルタ回路の電流は、継続的に変化し、その結果、より多くの電気エネルギが消費され得る。このようにして、直流バスコンデンサに蓄積された電気エネルギは、迅速に消費される。インダクタは、一つの例として使用されている。インダクタは、銅損(copper loss)および鉄損(iron loss)を有し、かつ、インダクタは、表皮効果を有しており、その結果、インダクタ上の損失は、スイッチングトランジスタのスイッチング周波数に対してスイッチング周波数が高いほど、より大きいインダクタでの電気エネルギ損失を示す。このようにして、直流バスコンデンサ上の電気エネルギ消費を加速することができ、その結果、インバータの入力端における電圧は、30V以下まで迅速に低減される。
【0067】
可能な実装において、本出願の実施形態において提供される駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され得る。電気エネルギ消費を加速し、かつ、インバータの入力端における電圧を30V以下にできるだけ速く低減するために、コントローラは、キャリアの周波数を変更することによって駆動信号の周波数を変更し、そして、変更された駆動信号をスイッチングトランジスタに送信することができる。例えば、駆動信号の周波数を高くする、すなわち、スイッチングトランジスタのスイッチング周波数を高くすることは、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路が電気エネルギを消費する速度を速くすることができる。駆動信号を生成する搬送波の周波数は、駆動信号の周波数に影響を及ぼし、そして、搬送波の周波数は、搬送波によって生成される駆動信号の周波数に等しいことが理解されるべきである。従って、キャリアの周波数が高いほど、インバータのスイッチングトランジスタのより高いスイッチング周波数、および、フィルタ回路の電流変化のより高い周波数を結果として生じるので、従って、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路のより大きな消費電力を生じさせる。
【0068】
可能な実装形態において、本出願の実施形態において提供される駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成される。電気エネルギ消費を加速し、かつ、インバータの入力端における電圧を30V以下にできるだけ速く低減するために、コントローラは、変調波の周波数を変更することによって駆動信号を変更し、そして、周波数が増加された駆動信号をスイッチングトランジスタに送信することができ、その結果、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路が電気エネルギを消費する速度を増加させるようになる。駆動信号を生成する変調波の周波数は、ある程度、駆動信号の周波数に影響を及ぼすことが理解されるべきである。変調波の周波数が高いほど、変調波によって生成される駆動信号のより高い周波数を示し、そして、従って、インバータにおけるスイッチングトランジスタのより高いスイッチング周波数、および、フィルタ回路の電流変化のより高い周波数を結果として生じ、それによって、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路のより大きな消費電力を生じさせている。
【0069】
本出願の実施形態において提供される駆動信号の周波数は、インバータの通常動作の最中に存在する駆動信号周波数であってよく、または、インバータの高速シャットダウンのために設定される、特定の周波数であってよいことに留意すべきである。このことは、本出願の実施形態において限定されない。
【0070】
高速シャットダウンの最中に、本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムは、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路を使用することによって、電気エネルギを消費することができること、もしくは、別の可能な実装形態では、高速シャットダウンの最中に、本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムは、ファンを使用することによって、電気エネルギを消費することができ、その結果、インバータの直流側の電圧を基準必要電圧以下にできるだけ速く低減するようなる。
【0071】
以下は、添付図面を参照して、本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムが、ファンを使用することによって電気エネルギを消費する、技術的ソリューションを説明している。
【0072】
図5は、本発明の一つの実施形態に従った、ファンの動作原理図である。
【0073】
本出願のこの実施形態において提供されるファン500は、補助電源800を使用することによって電力供給されており、そして、コントローラ700によって送信される制御信号を受信する。補助電源800は独立した電源ではなく、かつ、補助電源800の電源は直流バスであってよいことが留意されるべきである。コントローラ700が高速シャットダウン命令を受信するとき、ファン500の動作が補助電源800の電気エネルギを消費することができ、それによって、直流バスコンデンサ上の電圧を低減している。
【0074】
本出願のこの実施形態において、コントローラ700が高速シャットダウン命令を受信するとき、コントローラ700は、ファンをオンにし、そして、ファン700を動作するように制御し、その結果、直流バスコンデンサに蓄積された電気エネルギを消費するようになり、それによって、直流バスコンデンサの高速放電を実施している。直流バスコンデンサの高速放電を実施し、かつ、インバータの入力端の電圧を30秒以内に30V以下に低減するために、本出願で提供されるソリューションにおいて、ファンの電力は、事前設定された電力より大きくなるようにさらに制御されてよく、もしくは、ファンは、事前設定された速度よりも速い速度で動作するように制御されてもよく、その結果、インバータの入力端の電圧が30秒以内に30V以下に低減されることを確実にするようになることが理解されるべきである。本出願のこの実施形態において、事前設定された電力および事前設定された速度は、実際の要件に基づいて設定され得る。
【0075】
以下は、本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムが、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路を使用することによって、電気エネルギを消費する、具体的な実装形態について説明している。
【0076】
実施形態においては、2つの太陽光発電ストリングが含まれる例が、説明のために依然として使用されており、ここで、各太陽光発電ストリングは、2つの太陽光発電モジュールが含まれる例を使用することによって説明される。太陽光発電システムは、より多くの太陽光発電ストリングを含んでもよく、そして、各太陽光発電ストリングは、より多くの太陽光発電モジュールを含んでよいことが理解されるべきである。可能な実装形態において、本出願の実施形態における太陽光発電システムは、オプティマイザ(optimizer)をさらに含み得る。オプティマイザの数量は、太陽光発電モジュールの数量と一対一の対応関係にあってよく、または、複数の太陽光発電モジュールが1つのオプティマイザに対応してもよい。別の言葉で言えば、オプティマイザの数量は、太陽光発電モジュールの数量以上であってよい。説明を容易にするために、本出願の実施形態においては、オプティマイザの数量が太陽光発電モジュールの数量と同じであり、かつ、オプティマイザが太陽光発電モジュールと一対一の対応関係にある例が、説明のために使用されている。
【0077】
図6は、本発明の一つの実施形態に従った、さらに別の太陽光発電システムの構造に係る概略図である。
【0078】
インバータ100の入力端は、相互に並列に接続されている、複数の太陽光発電ストリング、例えば、第1太陽光発電ストリング300および第2太陽光発電ストリング400に対して接続されている。
【0079】
各太陽光発電ストリングは、複数の太陽光発電モジュールを含んでいる。例えば、第1太陽光発電ストリング300は、太陽光発電モジュール1-1および太陽光発電モジュール1-2を含み、そして、第2太陽光発電ストリング400は、太陽光発電モジュール2-1および太陽光発電モジュール2-2を含んでいる。加えて、第1太陽光発電ストリング300は、さらに、オプティマイザ1-1およびオプティマイザ1-2を含み、そして、第2太陽光発電ストリング400は、さらに、オプティマイザ2-1およびオプティマイザ2-2を含んでいる。
【0080】
例えば、光発電モジュール1-1はオプティマイザ1-1に対応し、光発電モジュール1-2はオプティマイザ1-2に対応し、光発電モジュール2-1はオプティマイザ2-1に対応し、そして、光発電モジュール2-2はオプティマイザ2-2に対応している。各太陽光発電モジュールの出力端は、対応するオプティマイザの入力端に接続されている。例えば、光発電モジュール1-1の出力端はオプティマイザ1-1の入力端に接続され、光発電モジュール1-2の出力端はオプティマイザ1-2の入力端に接続され、光発電モジュール2-1の出力端はオプティマイザ2-1の入力端に接続され、そして、光発電モジュール2-2の出力端はオプティマイザ2-2の入力端に接続されている。
【0081】
太陽光発電ストリング内の全てのオプティマイザの出力端は、相互に直列に接続され、そして、インバータの入力端に対して接続されている。例えば、第1太陽光発電ストリング300におけるオプティマイザ1-1およびオプティマイザ1-2の出力は、相互に直列に接続され、インバータ100の入力に接続されている。すなわち、第1太陽光発電ストリング300におけるオプティマイザ1-1およびオプティマイザ1-2の出力端は、正の直流バスBUS+と負の直流バスBUS-との間において直列に接続されており、かつ、第2太陽光発電ストリング400におけるオプティマイザ2-1およびオプティマイザ2-2の出力端は、相互に直列に接続され、インバータ100の入力に接続されている。すなわち、第2太陽光発電ストリング400におけるオプティマイザ2-1およびオプティマイザ2-2の出力端は、正の直流バスBUS+と負の直流バスBUS-との間において直列に接続されている。
【0082】
オプティマイザ1-1は、高速シャットダウン命令を受信し、動作を停止し、そして、太陽光発電モジュール1-1から切断するように構成されている。オプティマイザ1-2は、高速シャットダウン命令を受信し、動作を停止し、そして、太陽光発電モジュール1-2から切断するように構成されている。オプティマイザ2-1は、高速シャットダウン命令を受信し、動作を停止し、そして、太陽光発電モジュール2-1から切断するように構成されている。オプティマイザ2-2は、高速シャットダウン命令を受信し、動作を停止し、そして、太陽光発電モジュール2-2から切断するように構成されている。
【0083】
図6の太陽光発電システムについては、第1太陽光発電ストリング300および第2太陽光発電ストリング400のみが、本出願における技術的ソリューションを説明するための例として使用されていることが理解されるべきである。実際のアプリケーションにおいて、インバータ100の入力端は、1つ以上の太陽光発電ストリングに接続されてよい。このことは、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0084】
図6の太陽光発電システムにおける第1太陽光発電ストリング300は、第1太陽光発電ストリング300が、直列に接続されている太陽電池モジュール1-1および太陽電池モジュール1-2を含む一つの例を使用することによって説明されている。実際のアプリケーションにおいて、第1太陽光発電ストリング300または第2太陽光発電ストリング400は、1つの太陽電池モジュール、または、相互に直列に接続された複数の太陽電池モジュールを含んでよい。このことは、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0085】
本出願のこの実施形態におけるオプティマイザは、DCDC昇圧(boost)のために使用されてよく、または、降圧(buck)および昇圧(boost)、または降圧のために使用されてもよいことが留意されるべきである。例えば、本出願のこの実施形態におけるオプティマイザは、また、昇圧回路を含むこともできる。電圧昇圧機能に加えて、本出願のこの実施形態におけるオプティマイザは、最大電力点追従(MPPT、Maximum Power Point Tracking)機能をさらに有し得る。オプティマイザは、1つの対応する太陽光発電モジュールを追跡するので、オプティマイザは、オプティマイザに対応する太陽光発電モジュールに対してMPPTを実行することができ、その結果、太陽光発電の電気エネルギ変換効率を改善し得る。
【0086】
可能な実装形態において、さらに、本出願のこの実施形態で提供される太陽光発電システムは、インバータ100の出力端と交流電力グリッド200との間に接続さているグリッド接続回路遮断器900を含むことができる。そして、コントローラ700は、さらに、高速シャットダウン命令を受信した後で、インバータ100を交流電力グリッド200から切断するためにグリッド接続回路遮断器900を制御するように構成されている。
【0087】
高速シャットダウン命令を受信した後で、本出願のこの実施形態において提供されるコントローラは、最初に、インバータを交流電力グリッドから切断するためにグリッド接続回路遮断器を制御し得ることが理解されるべきである。グリッド接続回路がインバータを交流電力グリッドから切断した後で、インバータの入力端における電圧は、以下の方式のうち少なくとも1つで低減される。ここで、少なくとも1つの方式は、コントローラが、インバータ内のスイッチングトランジスタに駆動信号を送信し、その結果、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路が電気エネルギを消費すること、もしくは、コントローラがファンをオンにして電気エネルギを消費すること、を含む。
【0088】
本出願のこの実施形態において提供されるインバータの出力端は、リレーを含み得る。これに対応して、インバータの出力端は、リレーを使用することによって、グリッド接続された回路遮断器に接続されている。リレーは、インバータを保護するように構成されている。リレーは、インバータのキャビネットにおいて統合されてよく、または、インバータのキャビネットから独立していてもよい。このことは、本出願のこの実施形態において限定されない。
【0089】
本出願のこの実施形態において提供されるインバータは、交流電力グリッドに直接的に接続されてよく、または、変圧器を使用することによって、交流電力グリッドに接続されてもよく、すなわち、変圧器は、インバータの出力端と交流電力グリッドとの間に接続されていることが留意されるべきである。変圧器は、インバータを交流電力グリッドから電気的に絶縁するように構成されている。例えば、インバータの出力端は、リレーを介して変圧器の一次側巻線に接続されており、そして、変圧器の二次側巻線は、グリッド接続回路遮断器を介して交流電力グリッドに接続されている。
【0090】
可能な実装形態では、本出願のこの実施形態で提供される太陽光発電システムは、さらに、上位コンピュータ(upper computer)1000を含み得る。
【0091】
上位コンピュータ1000は、コントローラ700およびオプティマイザ(オプティマイザ1-1、オプティマイザ1-2、オプティマイザ2-1、オプティマイザ2-2)に対して高速シャットダウン指示を送信する。
【0092】
オプティマイザは、また、制御機能も有することが理解されるべきである。各オプティマイザは、1つの補助コントローラに対応してよく、そして、補助コントローラは、オプティマイザに対して制御を実施することがでる。例えば、オプティマイザ1-2は、補助コントローラ1-2を含んでいる。
【0093】
図6に示されるように、本出願のこの実施形態においては、上位コンピュータ1000が高速シャットダウン命令をオプティマイザ1-2に送信する一つの例が使用されている。上位コンピュータ1000は、高速シャットダウン命令をオプティマイザ1-2に対応する補助コントローラ1-2に送信し、そして、補助コントローラ1-2は、オプティマイザ1-2を制御して、動作を停止し、かつ、太陽光発電モジュール1-2から切断する。コントローラ700および補助コントローラ1-2は、相互に独立したコントローラである。
【0094】
要約すると、本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電インバータが高速シャットダウン命令を受信するとき、インバータコントローラは、駆動信号をスイッチングトランジスタに送信し、そして、スイッチングトランジスタは、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行する。ここで、駆動信号のより高い周波数は、スイッチングトランジスタのスイッチング動作によって引き起こされる、より大きい電力消費を示し、もしくは、インバータコントローラは、ファンをオンにし、その結果、ファンが、電気エネルギを迅速に消費する。本出願のこの実施形態において提供されるソリューションにおいて、代替的に、コントローラは、同時に、スイッチングトランジスタを駆動し、かつ、ファンをオンにして電気エネルギを消費することができ、それによって、直流バスコンデンサの電気エネルギ放出を加速しており、その結果、インバータの直流側、すなわち、出力端の電圧が低減される。従って、本出願のこの実施形態において提供されるソリューションに従って、追加のエネルギ吸収回路が追加されることなく、直流バスコンデンサの放電速度が増加され、その結果、直流バス電圧の低減が加速される。このことは、インバータが、高速シャットダウンの最中に、適時に、直流バスコンデンサに蓄積された電気を放出することを確実にする。従って、本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電インバータは、高速シャットダウンの最中の基準要件を満たすことができる。ここで、要件は、直流側、すなわち入力端の電圧が、30秒以内に30V以下に低減されることである。
【0095】
方法の実施形態(Method Embodiment)
前述の実施形態において提供された太陽光発電システムに基づいて、本出願の実施形態は、さらに、太陽光発電システムのための高速シャットダウン方法を提供する。以下は、添付図面を参照して、詳細な説明を提供している。
【0096】
本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムの高速シャットダウン方法が適用される太陽光発電システムは、フィルタ回路を含んでよく、または、フィルタ回路を含まなくてもよい。このことは、本出願の実施形態において限定されない。本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムがフィルタ回路を含まない場合、電気エネルギは、駆動信号の動作の下でスイッチングトランジスタを使用することによって消費され得る。以下では、本出願の一つの実施形態において提供される太陽光発電システムの高速シャットダウン方法を説明するために、
図7を例として使用している。
【0097】
図7は、本出願の一実施形態に従った、太陽光発電システムの高速シャットダウン方法に係るフローチャートである。
【0098】
本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムのための高速シャットダウン方法が適用される太陽光発電システムは、インバータおよびファンを含んでいる。インバータは、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路を含んでいる。太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサは、インバータの正の入力端と負の入力端との間に接続されている。インバータは、太陽光発電ストリングによって提供される直流電気を交流電気へと変換し、そして、交流電気を交流電力グリッドまたは負荷に送るように構成されている。本方法は、以下のステップを含む。
【0099】
S701:高速シャットダウン命令を受信する。
【0100】
S702:以下の方式のうち少なくとも1つで直流バスコンデンサ上の電圧を低減する。すなわち、駆動信号をインバータ内のスイッチングトランジスタに送信し、その結果、スイッチングトランジスタが駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行して、電気エネルギを消費すること、もしくは、ファンをオンにし、その結果、ファンが電気エネルギを消費することである。
【0101】
可能な実装において、本願のこの実施形態における駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され得る。本出願のこの実施形態において、駆動信号をインバータ内のスイッチングトランジスタに送信することは、具体的には、駆動信号の周波数を変更するためにキャリアの周波数を変更すること、および、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させるために、変更された駆動信号をスイッチングトランジスタに送信すること、を含む。
【0102】
可能な実装において、本願のこの実施形態における駆動信号は、変調波およびキャリアを使用することによって生成される。本出願のこの実施形態において、駆動信号をインバータ内のスイッチングトランジスタに送信することは、具体的には、駆動信号を変更するために変調波の周波数を変更すること、および、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させるために、変更された駆動信号をスイッチングトランジスタに送信すること、を含む。
【0103】
可能な実装において、本出願のこの実施形態におけるファンをオンにすることは、具体的には、ファンをオンにすること、および、事前設定された速度よりも速い速度で動作するように、ファンを制御すること、を含む。
【0104】
可能な実装において、太陽光発電システムがフィルタ回路を含む場合、本出願のこの実施形態で提供される方法は、さらに、経路を形成するために、直流バスコンデンサ、スイッチングトランジスタ、およびフィルタ回路を制御することを含み、その結果、フィルタ回路は、直流バスコンデンサ上の電圧を低減するように電気エネルギを消費する。例えば、フィルタ回路は、直列に接続されているインダクタおよびコンデンサを含んでいる。インダクタおよびコンデンサの両方は、インピーダンスを有しており、そして、電流がインピーダンスを通過する際に電気エネルギが消費される。
【0105】
要約すると、本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムのための高速シャットダウン方法に従って、高速シャットダウン命令が受信された後で、スイッチングトランジスタが、スイッチング動作を実行するように駆動され、もしくは、ファンが、電気エネルギを迅速に消費するようにオンにされる。追加のハードウェア回路を追加することなく、高速シャットダウンの最中に直流バスコンデンサに蓄積された電気を放出する速度が増加され、その結果、インバータが、高速シャットダウンの最中に、適時に、直流バスコンデンサに蓄積された電気を放出することを確実にするようにして、それにより、インバータの直流側の電圧を30秒以内に30V以下に低減している。
【0106】
インバータの実施例(Inverter Embodiment)
上記の実施形態で提供される太陽光発電システムおよび太陽光発電システムの高速シャットダウン方法に基づいて、本出願の実施形態は、さらに、太陽光発電インバータを提供する。以下は、添付図面を参照して、詳細な説明を提供している。
【0107】
本出願の実施形態において提供される太陽光発電インバータは、セントラルインバータであってよく、または、ストリングインバータであってもよい。本出願の実施形態においては、ストリングインバータが、説明のための一つの例として使用されている。
【0108】
実施形態において提供される太陽光発電インバータの入力端は、たいてい、複数の太陽光発電ストリングに接続されており、または、単一の太陽光発電ストリングに接続され得る。このことは、本明細書において限定されない。以下は、太陽光発電インバータの入力端が2つの太陽光発電ストリングに接続されている一つの例を使用することによって、説明を提供している。
【0109】
図8は、本出願の一つの実施形態に従った、太陽光発電インバータの構造の概略図である。
【0110】
本出願のこの実施形態における太陽光発電インバータ8000の入力端は、第1太陽光発電ストリング300および第2太陽光発電ストリング400それぞれに接続するように構成されており、かつ、太陽光発電インバータ8000の出力端は、交流電力グリッド200に接続するように構成されている。
【0111】
本出願のこの実施形態においては、太陽光発電インバータ8000がフィルタ回路802を含む一つの例が、説明のために使用されている。代替的に、太陽光発電インバータ8000は、フィルタ回路を含まなくてもよい。
【0112】
図8に示されるように、本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電インバータ8000は、電力変換回路801、フィルタ回路802、ファン804、および、インバータコントローラ803を含んでいる。電力変換回路801は、スイッチングトランジスタを含んでいる。スイッチングトランジスタの具体的なタイプは、スイッチングトランジスタが制御可能なスイッチングトランジスタであれば、本出願のこの実施形態において特には限定されない。
【0113】
電力変換回路801の正入力端と負入力端との間には、太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが接続されている。フィルタ回路802は、電力変換回路の出力端に接続されている。
【0114】
インバータコントローラ803は、高速シャットダウン命令を受信し、以下の方式のうち少なくとも1つで直流バスコンデンサ上の電圧を低減するように構成されている。ここで、少なくとも1つの方式は、インバータコントローラ803が、スイッチングトランジスタに駆動信号を送信し、その結果、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路802が電気エネルギを消費すること、または、インバータコントローラ803が、電気エネルギを消費するためにファン804をオンにすることである。
【0115】
本出願のこの実施形態は、ファン804およびインバータコントローラ803が太陽光発電インバータにおいて統合されるソリューションであることが理解されるべきである。実際の機能および効果の観点から、インバータコントローラは、上述の実施形態におけるコントローラと同等であり、かつ、ファンは、上述の実施形態におけるファンと同等である。対応して、本出願のこの実施形態において、駆動信号の周波数は、非基本周波数であり得る。例えば、インバータコントローラによってスイッチングトランジスタに送信される駆動信号は、パルス幅変調信号であり得る。
【0116】
可能な実装において、本願のこの実施形態における駆動信号は、変調波およびキャリアを使用することによって生成され、そして、インバータコントローラは、特に、駆動信号の周波数を変更するためにキャリアの周波数を変更し、かつ、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させるために、変更された駆動信号をスイッチングトランジスタに送信するように構成されている。
【0117】
可能な実装において、本願のこの実施形態における駆動信号は、変調波およびキャリアを使用することによって生成され、そして、インバータコントローラは、特に、駆動信号を変更するために変調波の周波数を変更し、かつ、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させるために、変更された駆動信号をスイッチングトランジスタに送信するように構成されている。
【0118】
可能な実装形態では、本出願のこの実施形態における太陽光発電インバータは、さらに、フィルタ回路を含んでいる。電力変換回路の入力端は、太陽光発電ストリングに接続されており、そして、フィルタ回路は、電力変換回路の出力端に接続されている。インバータコントローラが駆動信号をスイッチングトランジスタに送信すると、直流バスコンデンサ、スイッチングトランジスタ、および、フィルタ回路は経路を形成し、その結果、フィルタ回路は、直流バスコンデンサ上の電圧を低減するように、電気エネルギを消費する。
【0119】
要約すると、高速シャットダウン命令を受信した後で、本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電インバータは、スイッチング動作を実行するように、スイッチングトランジスタを駆動し、もしくは、電気エネルギを迅速に消費するように、ファンをオンにする。追加のハードウェア回路を追加することなく、直流バスコンデンサの電気放出速度が増加され、その結果、直流バスコンデンサに蓄積された電気が高速シャットダウンの最中に適時に放出されることが確実にするようにして、それにより、インバータの直流側、すなわち、入力端の電圧が30秒以内に30V以下に低減している。
【0120】
本出願において、「少なくとも1つの(項目)(“at least on(item)”)」は、1つ以上を意味し、そして、「複数の(“a plurality of”)」は、2つ以上を意味することが理解されるべきである。「及び/又は(“and/or”)」という用語は、関連するオブジェクト間の関連関係性を説明するために使用され、かる、3つの関係が存在し得ることを表している。例えば、「A及び/又はB(“A and/or B”)」は、以下の3つの場合を表すことができる。Aのみが存在すること、Bのみがすること、AとBの両方が存在することであり、ここで、AおよびBは、それぞれ、単数または複数であり得る。文字「/」は、一般的に、関連するオブジェクト間の「または(“or”)」関係を示している。「以下の項目(ピース)の少なくとも1つ(“at least one of the following items(pieces)”)」、または、これに類似する表現は、これらの項目の任意の組み合わせを意味し、単一の項目(ピース)または複数の項目(ピース)の任意の組み合わせを含んでいる。例えば、a、b、またはcのうち少なくとも1つは、a、b、c、「aかつb(“a and b”)」、「aかつc(“a and c”)」、「bかつc(“c and b”)」、または、「aかつbかつc(“a and b and c”)」を表すことができ、ここで、a、b、およびcは、それぞれ、単数または複数であり得る。
【0121】
前述の実施形態は、本出願を限定するものではなく、むしろ、単に本出願の技術的ソリューションを説明することを意図されているに過ぎない。本出願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者であれば、対応する技術的ソリューションの本質を、本出願の実施形態における技術的ソリューションの趣旨および範囲から逸脱させることなく、前述の実施形態において説明された技術的ソリューションに対して修正をさらに行うことができ、もしくは、そのいくつかの技術的特徴に対して同等な置換を行うことができることを理解するべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータ、ファン、および、コントローラを備える、太陽光発電システムであって、
太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、前記インバータの正入力端と負入力端との間に接続されており、
前記インバータは、
前記太陽光発電ストリングによって提供される直流電気を交流電気へと変換し、かつ、
前記交流電気を、交流電力グリッドまたは負荷に送る、
ように構成されており、
前記コントローラは、
高速シャットダウン命令を受信し、かつ、
少なくとも1つの方式で前記直流バスコンデンサ上の電圧を低減する、
ように構成されており、
前記少なくとも1つの方式は、
電気エネルギを消費するために、スイッチングトランジスタが、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行するように、前記コントローラによって、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信すること、または、
電気エネルギを消費するために、前記コントローラによって、前記ファンをオンにすること、
を含む、太陽光発電システム。
【請求項2】
前記駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され、
前記コントローラは、特に、
前記駆動信号の周波数を変更するために、前記搬送波の周波数を変更し、かつ、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信する、
ように構成されており、
前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる、
請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記駆動信号は、前記変調波および前記搬送波を使用することによって生成され、
前記コントローラは、特に、
前記駆動信号を変更するために、前記変調波の周波数を変更し、かつ、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信する、
ように構成されており、
前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる、
請求
項2に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記太陽光発電システムは、さらに、オプティマイザを備え、
前記インバータの入力端は、相互に並列に接続された複数の太陽光発電ストリングに接続されており、
各太陽光発電ストリングは、複数の太陽光発電モジュールおよび複数のオプティマイザを備え、
前記複数の太陽光発電モジュールは、前記複数のオプティマイザと一対一の対応関係にあり、
各太陽光発電モジュールの出力端は、対応するオプティマイザの入力端に接続されており、
1つの太陽光発電ストリング内の全てのオプティマイザの出力端は、相互に直列に接続され、かつ、前記インバータの前記入力端に接続されており、
前記オプティマイザは、
前記高速シャットダウン命令を受信し、
動作を停止し、かつ、
前記太陽光発電モジュールから切断する、
ように構成されている、
請求項1乃至3いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
前記インバータは、電力変換回路およ
びフィルタ回路を備え、
前記電力変換回路の入力端は、前記太陽光発電ストリングに接続されており、かつ、
前記フィルタ回路は、前記電力変換回路の出力端に接続されており、
前記コントローラが、前記駆動信号を、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに送信するとき、
前記直流バスコンデンサ、前記スイッチングトランジスタ、および、前記フィルタ回路は、前記フィルタ回路が、電気エネルギを消費して、前記直流バスコンデンサ上の前記電圧を低減するように、経路を形成し、
より高い周波数の前記駆動信号は、前記フィルタ回路内でインダクタによって消費されるより多くの電気を示している、
請求項1乃至4いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項6】
前記太陽光発電システムは、さらに、前記インバータの出力端と前記交流電力グリッドとの間に接続されているグリッド接続回路遮断器を備え、
前記コントローラは、さらに、
前記高速シャットダウン命令を受信した後で、前記インバータを前記交流電力グリッドから切断するために、前記グリッド接続回路遮断器を制御する、
ように構成されている、
請求項1乃至5いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項7】
前記太陽光発電システムは、さらに、上位コンピュータを備え
前記上位コンピュータは、
前記コントローラおよび前記オプティマイザに対して前記高速シャットダウン命令を送信する、
ように構成されている、
請求項4に記載の太陽光発電システム。
【請求項8】
前記駆動信号の周波数は、非基本周波数である、
請求項1乃至7いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項9】
前記インバータは、3レベルT型インバータである、
請求項1乃至8いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記インバータのキャビネット内に統合されており、かつ、
前記ファンは、前記インバータの前記キャビネット内に統合されている、
請求項1乃至9いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項11】
前記インバータは、ストリングインバータ、または、セントラルインバータである、
請求項1乃至10いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項12】
太陽光発電システムの高速シャットダウン方法であって、
前記太陽光発電システムは、インバータおよびファンを備え、
前記インバータは、スイッチングトランジスタを備え、
太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、前記インバータの正入力端と負入力端との間に接続されており、
前記インバータは、前記太陽光発電ストリングによって提供される直流電気を交流電気へと変換し、かつ、前記交流電気を交流電力グリッドまたは負荷に送るように構成されており、
前記方法は、
高速シャットダウン命令を受信するステップと、
少なくとも1つの方式で前記直流バスコンデンサ上の電圧を低減するステップと、を含み、
前記少なくとも1つの方式は、
電気エネルギを消費するために、スイッチングトランジスタが、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行するように、前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信すること、または、
前記ファンが電気エネルギを消費するように、前記ファンをオンにすること、
を含む、
方法。
【請求項13】
前記駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され、
前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信することは、
前記駆動信号の周波数を変更するために、前記搬送波の周波数を変更すること、および、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信すること、を含み、
前記スイッチングトランジスタおよ
びフィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させる、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記駆動信号は、前記変調波および前記搬送波を使用することによって生成され、
前記インバータ内の前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信することは、
前記駆動信号を変更するために、前記変調波の周波数を変更すること、および、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信すること、を含み、
前記スイッチングトランジスタおよび前記フィルタ回路によって消費される電気エネルギを増加させる、
請求
項13に記載の方法。
【請求項15】
前記太陽光発電システムは、さらに、フィルタ回路を備え、
前記フィルタ回路は、前記インバータの出力端に接続されており、かつ、
前記方法は、さらに、
前記フィルタ回路が、電気エネルギを消費して、前記直流バスコンデンサ上の前記電圧を低減するように、前記直流バスコンデンサ、前記スイッチングトランジスタ、および、前記フィルタ回路を制御して、経路を形成すること、を含み、
より高い周波数の前記駆動信号は、前記フィルタ回路内でインダクタによって消費されるより多くの電気を示している、
請求項12乃至14いずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
電力変換回路、ファン、および、インバータコントローラを備える、太陽光発電インバータであって、
前記電力変換回路は、スイッチングトランジスタを含み、
太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、前記電力変換回路の正入力端と負入力端との間に接続されており、
前記インバータコントローラは、
高速シャットダウン命令を受信し、かつ、
少なくとも1つの方式で前記直流バスコンデンサ上の電圧を低減する、
ように構成されており、
前記少なくとも1つの方式は、
電気エネルギを消費するために、前記スイッチングトランジスタが、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行するように、前記インバータコントローラによって、前記スイッチングトランジスタに対して前記駆動信号を送信すること、または、
電気エネルギを消費するために、前記インバータコントローラによって、前記ファンをオンにすること、
を含む、
太陽光発電インバータ。
【請求項17】
前記駆動信号は、変調波および搬送波を使用することによって生成され、
前記インバータコントローラは、特に、
前記駆動信号の周波数を変更するために、前記搬送波の周波数を変更し、かつ、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信する、
ように構成されており、
前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる、
請求項16に記載の太陽光発電インバータ。
【請求項18】
前記駆動信号は、前記変調波および前記搬送波を使用することによって生成され、
前記インバータコントローラは、特に、
前記駆動信号を変更するために、前記変調波の周波数を変更し、かつ、
変更された駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信する、
ように構成されており、
前記スイッチングトランジスタによって消費される電気エネルギを増加させる、
請求
項17に記載の太陽光発電インバータ。
【請求項19】
前記太陽光発電インバータは、さらに、フィルタ回路を備え、
前記電力変換回路の入力端は、前記太陽光発電ストリングに接続されており、かつ、
前記フィルタ回路は、前記電力変換回路の出力端に接続されており、
前記インバータコントローラが、前記駆動信号を、前記スイッチングトランジスタに送信するとき、
前記直流バスコンデンサ、前記スイッチングトランジスタ、および、前記フィルタ回路は、前記フィルタ回路が、電気エネルギを消費して、前記直流バスコンデンサ上の前記電圧を低減するように、経路を形成し、
より高い周波数の前記駆動信号は、前記フィルタ回路内でインダクタによって消費されるより多くの電気を示している、
請求項16乃至18いずれか一項に記載の太陽光発電インバータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムは、インバータ、ファン、およびコントローラを含む。太陽光発電ストリングおよび直流バスコンデンサが、インバータの正の入力端と負の入力端との間に接続されている。高速シャットダウン命令を受信した後で、コントローラは、駆動信号をインバータ内のスイッチングトランジスタに送信し、その結果、スイッチングトランジスタは、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行し、そして、スイッチングトランジスタは、スイッチング動作の最中に電気エネルギを消費する。もしくは、高速シャットダウン命令を受信した後で、コントローラは、ファンを使用することによって電気エネルギを消費するために、ファンをオンにし、または、コントローラは、駆動信号をスイッチングトランジスタに送信して、ファンがオンされるようにも制御し、その結果、スイッチングトランジスタおよびファンの両方が電気エネルギを消費し、それによって、直流バスコンデンサの放電を加速し、かつ、インバータの直流側、すなわち、入力端の電圧をできるだけ速く低減している。本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムでは、追加のハードウェア回路が追加されることなく、直流バス電圧の低下が加速されるように、直流バスコンデンサの放電速度が増加され、それによって、高速シャットダウンの基準要件、すなわち、インバータの直流側の電圧を30秒以内に30V以下に低下させることを満たすように、太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に直流バスコンデンサに蓄積された電気が適時に放出されることを確実にしている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
本出願の実施形態において提供される太陽光発電システムにおけるインバータは、ストリングインバータ(string inverter)であってよく、または、セントラルインバータ(central inverter)であってよい。ストリングインバータは、2つのレベルの回路を含んでおり、ここで、第1レベルの回路は、DC/DC
(直流/直流)回路であり、かつ、第2レベルの回路は、DC/AC
(直流/交流)回路である。セントラルインバータは、1つのレベルのDC/AC回路だけを含んでいる。以下では、本出願の実施形態において提供されるインバータを説明するために、一つの例として
図2のストリングインバータを使用している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
コントローラ700は、インバータ100およびファン500のそれぞれに接続されていることが理解されるべきである。可能な実装形態において、本出願のこの実施形態における太陽光発電システムが、フィルタ回路600を含む場合、インバータ100の出力端は、フィルタ回路600に接続されている。本出願のこの実施形態におけるスイッチングトランジスタが駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行して、電気エネルギを消費する場合、インバータ100の出力端に接続されたフィルタ回路600上の電流も、また、それに応じて変化する。この場合には、フィルタ回路600も、また、いくらかの電気エネルギを消費する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
本願のこの実施形態において提供される太陽光発電システムの高速シャットダウンの最中に、コントローラは、スイッチング動作を実行するためにスイッチングトランジスタを制御するように、駆動信号をスイッチングトランジスタに送信し、そして、スイッチングトランジスタは、動作を実行するときに電気エネルギを消費し、ここで、スイッチングトランジスタのより高いスイッチング周波数は、より大きい電気エネルギ消費を示すか、もしくは、コントローラは、ファンがオンにされるように制御し、その結果、ファンは、電気エネルギを迅速に消費することが分かる。本出願のこの実施形態において提供されるソリューションにおいては、代替的に、コントローラは、スイッチングトランジスタを駆動し、同時に、ファンをオンにして、電気エネルギを消費し、それによって、出力バスコンデンサの電気エネルギ放出を加速することができ、その結果、直流側、すなわち、インバータの入力端の電圧が低減される。従って、本出願のこの実施形態において提供されるソリューションに従って、追加的なエネルギ吸収回路が追加されることなく、直流バスコンデンサの放電速度が増加され、その結果、直流バス電圧の低減が加速される。このことは、インバータが、高速シャットダウンの最中に適時に、直流バスコンデンサに蓄積された電気を放出することを確実にし、その結果、本出願のこの実施形態において提供されるインバータの放電速度が、高速シャットダウンに最中に指定された安全基準に到達する。ここで、本件基準は、直流側、すなわち、インバータの入力端の電圧が、30秒以内に30V以下に低減されることである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
本出願のこの実施形態において、コントローラ700が高速シャットダウン命令を受信するとき、コントローラ700は、ファンをオンにし、そして、ファン500を動作するように制御し、その結果、直流バスコンデンサに蓄積された電気エネルギを消費するようになり、それによって、直流バスコンデンサの高速放電を実施している。直流バスコンデンサの高速放電を実施し、かつ、インバータの入力端の電圧を30秒以内に30V以下に低減するために、本出願で提供されるソリューションにおいて、ファンの電力は、事前設定された電力より大きくなるようにさらに制御されてよく、もしくは、ファンは、事前設定された速度よりも速い速度で動作するように制御されてもよく、その結果、インバータの入力端の電圧が30秒以内に30V以下に低減されることを確実にするようになることが理解されるべきである。本出願のこの実施形態において、事前設定された電力および事前設定された速度は、実際の要件に基づいて設定され得る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
実施形態においては、2つの太陽光発電ストリングが含まれる例が、説明のために依然として使用されており、ここで、各太陽光発電ストリングは、2つの太陽光発電モジュールが含まれる例を使用することによって説明される。太陽光発電システムは、より多くの太陽光発電ストリングを含んでもよく、そして、各太陽光発電ストリングは、より多くの太陽光発電モジュールを含んでよいことが理解されるべきである。可能な実装形態において、本出願の実施形態における太陽光発電システムは、オプティマイザ(optimizer)をさらに含み得る。オプティマイザの数量は、太陽光発電モジュールの数量と一対一の対応関係にあってよく、または、複数の太陽光発電モジュールが1つのオプティマイザに対応してもよい。別の言葉で言えば、オプティマイザの数量は、太陽光発電モジュールの数量以下であってよい。説明を容易にするために、本出願の実施形態においては、オプティマイザの数量が太陽光発電モジュールの数量と同じであり、かつ、オプティマイザが太陽光発電モジュールと一対一の対応関係にある例が、説明のために使用されている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
太陽光発電ストリング内の全てのオプティマイザの出力端は、相互に直列に接続され、そして、インバータの入力端に対して接続されている。例えば、第1太陽光発電ストリング300におけるオプティマイザ1-1およびオプティマイザ1-2の出力は、相互に直列に接続され、インバータ100の入力に接続されている。すなわち、第1太陽光発電ストリング300におけるオプティマイザ1-1およびオプティマイザ1-2の入力端は、正の直流バスBUS+と負の直流バスBUS-との間において直列に接続されており、かつ、第2太陽光発電ストリング400におけるオプティマイザ2-1およびオプティマイザ2-2の出力端は、相互に直列に接続され、インバータ100の入力に接続されている。すなわち、第2太陽光発電ストリング400におけるオプティマイザ2-1およびオプティマイザ2-2の入力端は、正の直流バスBUS+と負の直流バスBUS-との間において直列に接続されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
本出願のこの実施形態におけるオプティマイザは、DC/DC昇圧(boost)のために使用されてよく、または、降圧(buck)および昇圧(boost)、または降圧のために使用されてもよいことが留意されるべきである。例えば、本出願のこの実施形態におけるオプティマイザは、また、昇圧回路を含むこともできる。電圧昇圧機能に加えて、本出願のこの実施形態におけるオプティマイザは、最大電力点追従(MPPT、Maximum Power Point Tracking)機能をさらに有し得る。オプティマイザは、1つの対応する太陽光発電モジュールを追跡するので、オプティマイザは、オプティマイザに対応する太陽光発電モジュールに対してMPPTを実行することができ、その結果、太陽光発電の電気エネルギ変換効率を改善し得る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
高速シャットダウン命令を受信した後で、本出願のこの実施形態において提供されるコントローラは、最初に、インバータを交流電力グリッドから切断するためにグリッド接続回路遮断器を制御し得ることが理解されるべきである。前記グリッド接続回路遮断器がインバータを交流電力グリッドから切断した後で、インバータの入力端における電圧は、以下の方式のうち少なくとも1つで低減される。ここで、少なくとも1つの方式は、コントローラが、インバータ内のスイッチングトランジスタに駆動信号を送信し、その結果、スイッチングトランジスタおよびフィルタ回路が電気エネルギを消費すること、もしくは、コントローラがファンをオンにして電気エネルギを消費すること、を含む。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
要約すると、本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電インバータが高速シャットダウン命令を受信するとき、インバータコントローラは、駆動信号をスイッチングトランジスタに送信し、そして、スイッチングトランジスタは、駆動信号の動作の下でスイッチング動作を実行する。ここで、駆動信号のより高い周波数は、スイッチングトランジスタのスイッチング動作によって引き起こされる、より大きい電力消費を示し、もしくは、インバータコントローラは、ファンをオンにし、その結果、ファンが、電気エネルギを迅速に消費する。本出願のこの実施形態において提供されるソリューションにおいて、代替的に、コントローラは、同時に、スイッチングトランジスタを駆動し、かつ、ファンをオンにして電気エネルギを消費することができ、それによって、直流バスコンデンサの電気エネルギ放出を加速しており、その結果、インバータの直流側、すなわち、入力端の電圧が低減される。従って、本出願のこの実施形態において提供されるソリューションに従って、追加のエネルギ吸収回路が追加されることなく、直流バスコンデンサの放電速度が増加され、その結果、直流バス電圧の低減が加速される。このことは、インバータが、高速シャットダウンの最中に、適時に、直流バスコンデンサに蓄積された電気を放出することを確実にする。従って、本出願のこの実施形態において提供される太陽光発電インバータは、高速シャットダウンの最中の基準要件を満たすことができる。ここで、要件は、直流側、すなわち入力端の電圧が、30秒以内に30V以下に低減されることである。
【国際調査報告】