(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】単量体融合ペプチドとその使用方法
(51)【国際特許分類】
C07K 14/605 20060101AFI20240628BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240628BHJP
C07K 14/575 20060101ALI20240628BHJP
C07K 7/06 20060101ALI20240628BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240628BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20240628BHJP
C12N 15/16 20060101ALN20240628BHJP
C12N 15/10 20060101ALN20240628BHJP
【FI】
C07K14/605
C07K19/00 ZNA
C07K14/575
C07K7/06
A61P3/10
A61K38/02
C12N15/16
C12N15/10 200Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580787
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 US2022035699
(87)【国際公開番号】W WO2023278683
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517381452
【氏名又は名称】アリスタ ファーマスーティカルス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100124659
【氏名又は名称】白洲 一新
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】オトヴォス,ラズロ
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA01
4C084AA02
4C084BA41
4C084BA44
4C084DB35
4C084MA16
4C084MA17
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZC351
4C084ZC352
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA17
4H045BA40
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA30
4H045EA27
4H045EA30
4H045FA52
4H045FA74
(57)【要約】
GLP1変異体を含む融合ペプチド、およびスペーサーを介してGLP1変異体に化学的に結合している少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチド。GLP1変異体部分は、野生型GLP1に対して1つ以上の置換を含み得る。アディポネクチンアゴニスト・ペプチドは様々な結合位置でGLP1変異体に結合し得る。融合ペプチドを使用することにより、代謝性疾患または病態を治療する方法も提供される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GLP1変異体と少なくとも一つのアディポネクチンアゴニストとを含む融合ペプチドであって、当該少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドがスペーサーを介して当該GLP1変異体に化学的に結合していることを特徴とする融合ペプチド。
【請求項2】
配列番号1に対応する前記GLP1変異体配列の8番がGlyに置換されることを特徴とする請求項1に記載の融合ペプチド。
【請求項3】
配列番号1に対応する前記GLP1変異体配列の18番がLysに置換されたことを特徴とする請求項1に記載の融合ペプチド。
【請求項4】
配列番号1に対応する前記GLP1変異体配列の22番がLysへの置換されたことを特徴とする請求項1に記載の融合ペプチド。
【請求項5】
前記少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドが、GLP1変異体配列の26番にスペーサーを介して結合していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の融合ペプチド。
【請求項6】
前記少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドが、GLP1変異体配列の34番にスペーサーを介して結合していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの記載の融合ペプチド。
【請求項7】
前記少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドが、第1のアディポネクチンアゴニスト・ペプチドと第2のアディポネクチンアゴニスト・ペプチドとを含み、当該第1のアディポネクチンアゴニスト・ペプチドと当該第2のアディポネクチンアゴニスト・ペプチドとが同じまたは異なり、前記GLP1変異体配列の2つの異なる位置にスペーサーを介してそれぞれに結合していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の融合ペプチド。
【請求項8】
前記異なる2つの結合部位が、配列番号1に対応するGLP1変異体配列の26番と34番とからなることを特徴とする請求項7に記載の融合ペプチド。
【請求項9】
前記少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドがALY688を含むことを特徴とする請求項1乃至8にいずれかに記載の融合ペプチド。
【請求項10】
前記スペーサーがGGGを含むことを特徴とする請求項1乃至9にいずれかに記載の融合ペプチド。
【請求項11】
GLP1変異体が、配列番号4と配列番号5と配列番号6とから成るグループから選択された配列であることを特徴とする請求項に記載の融合ペプチド。
【請求項12】
2型糖尿病を持つ患者を治療する方法であって、上述の請求項のいずれかの融合ペプチドの有効量を患者に投与することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重アゴニスト活性を持つ単量体ポリペプチド、特に修飾されたグルカゴン様1アゴニストおよびアディポネクチン受容体アゴニストおよび糖尿病の治療におけるその使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
2型糖尿病は世界的に公衆衛生上の大きな脅威である。現在、糖尿病などの代謝性疾患に対する治療処方のほとんどは、インスリン産生を増加させるなど、一つの局面だけを対象としている。しかし、エネルギー恒常性の乱れに対する耐性と、ヒトの代謝性疾患の多様な病態生理とが組み合わさることで、現在の薬理学的選択肢の持続可能性と効力を制限している。調節不全性エネルギー消費の細胞特性とインスリン抵抗性への洞察が深まりつつあり、これによりグルコース動態のみを標的とするのではなく、複数のシグナル経路を協調して標的とすることが、こうした疾患の進行を逆転させる大幅な改善のために恐らく必要であることが示唆されている。
【0003】
本明細書において「グルカゴン様ペプチド1」または、「GLP1」あるいは「GLP1(7-36)」アミドと呼ばれるアミノ酸配列を有する30アミノ酸残基ホルモンは、「遊離アミノ末端‐HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR‐アミド(配列番号1)」で、食物摂取後に膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を制御することでグルコース恒常性を調節する。このホルモンは、栄養素/食物の摂取後に、消化管から放出され、食後の急性のインスリン分泌を刺激し血糖値を調節する。さらに、GLP1は満腹因子として機能し、消化管で消化された食物の排泄時間を遅らせることで食物摂取量を減らすことにより、消化管の消化作用を遅延させ、体重を減らし得る。GLP1アゴニスト活性を持つペプチド医薬品は修飾され、特にジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)によるタンパク分解を低減させ、半減期を延長させている。しかし、GLP1類似体は、抗炎症作用や抗線維化作用はなく、標的組織でのインスリン抵抗性に影響しない。
【0004】
GLP1とホルモン類似体との組み合わせがこれまでに報告されており、GLP1とコレシストキニン、ペプチドYY、グルカゴン、GLP2、胃抑制ポリペプチド(GIP)、ガストリン、ニューロテンシン、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)、メラノコルチン受容体4(MC4R)アゴニスト、インスリンおよびSGLT2阻害剤の組み合わせが含まれる。
【0005】
脂肪細胞から最も豊富に分泌されるペプチドとしてアディポネクチンは肥満、インスリン抵抗性および炎症間の相互関係の重要な調節因子である。インスリン抵抗性を伴う中心性肥満は、2型糖尿病およびその合併症への発症進行における重要な因子である。
【0006】
アディポネクチンは循環血中に単量体、三量体、六量体、18量体までの高分子量複合体のタンパク質凝集体として存在する。AdipoR1とAdipoR2とがin vivoおよび細胞作用を仲介するその主要レセプターである。アディポネクチン受容体は、AMP(アデニル酸)キナーゼ(AMPK)活性化の信号を出し、脂肪組織、筋肉、肝臓および膵臓など複数の臓器内でのエネルギー恒常性を調節する上で直接的影響を及ぼし、インスリン感受性を改善する。これらの受容体は、ほぼすべての組織及び細胞タイプに普遍的に発現している。さらに、アディポネクチン受容体シグナル伝達の活性化は複数の細胞内シグナル伝達経路に影響を与え、様々な有益な作用を引き起こす。それには次のようなものが含まれる。
・肝臓と筋肉におけるデノボ脂質生成の抑制および脂質酸化亢進
・炎症性メディエーターの減少(IL-6、TNF-αおよびIL-1bなどの炎症性サイトカインの抑制を含む)並びに単球活性化抑制
・障害後の抗アポトーシス作用および細胞再生作用および
・親線維化経路の抑制。
【0007】
GLP1とアディポネクチンの作用を併せ持つ分子や薬品は、単独で投与された場合には見られないメリットを提供する可能性がある。特に、GLP1類似体は、食後のインスリン分泌の促進に効果があり、一方アディポネクチンはインスリン感受性を高める上で効果がある。これら2つの作用を組み合わせることで、グルコース処理により大きな効果をもたらす。GLP1とアディポネクチンの作用を組み合わせる一つのアプローチは、GLP1と球形アディポネクチンを含む融合タンパク質を作成することが試みられている。GaoらはGLP1とアディポネクチンの分子特性に基づき融合タンパク質を設計した(Mingming Gao, Yue Tong, Wen Li, Xiangdong Gao & Wenbing Yao (2013), Artificial Cells, Nanomedicine, and Biotechnology, 41:3, 159-164)。構築されたプラスミドは細菌内で発現され、生じた大型タンパク質が抽出、精製され、グルコース低下作用を保持していることが示された。しかし、このアプローチの限界は、高価で非効率的な発現システムを使用し、構造的整合性を維持するために慎重に処理する必要のある大型タンパク質を生成することである。
【0008】
人体への投与に適した組換え型アディポネクチンの開発は、その大きさ、広範な翻訳後修飾、および自己凝集傾向、および哺乳動物タンパク質製造システムに伴う費用のために困難であるとされてきた。もう一つのアプローチは、アディポネクチン受容体と結合することができるより小さいペプチド類似体を同定し、アゴニスト活性を証明することである。そうしたアゴニストペプチドは、アミノ酸10個から成る化学的に合成されたペプチド、ALY688(ADP355としても知られる)「(H-DAsn-Ile-Pro-Nva-Leu-Tyr-DSer-Phe-Ala-DSer-NH2)(Hは遊離アミノ末端、イタリック体のDはそのアミノ酸がD立体配置を取ることを示し、最後のNH2はカルボキシ末端がアミド化されていることを、またNvaはL‐ノルバリン(配列番号1)を示す)」で、特異な方法でアディポネクチン受容体に結合し活性化することが示されている。
【発明の概要】
【0009】
一つの実施態様において、本発明は、GLP1変異体と少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドであって、当該少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドがスペーサーを介して当該GLP1変異体に科学的に結合している。いくつかの実施形態では、GLP1変異体配列の8番のGlyへの置換を含む。いくつかの実施形態では、GLP1変異体配列の18番のLysへの置換を含む。いくつかの実施形態では、GLP1変異体配列の22番のLysへの置換を含む。これらの実施形態では、位置は配列番号1の位置に相当する。いくつかの実施形態では、GLP1変異体は配列番号4、配列番号5および配列番号6から成る集団から選択された配列を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドが、GLP1変異体配列の26番にスペーサーを介して結合している。
【0011】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドが、GLP1変異体配列の34番にスペーサーを介して結合している。
【0012】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドは、第1のアディポネクチンアゴニスト・ペプチドと第2のアディポネクチンアゴニスト・ペプチドを含み、当該第1のアディポネクチンアゴニスト・ペプチドと当該第2のアディポネクチンアゴニスト・ペプチドが同じまたは異なり、前記GLP1変異体配列の2つの異なる位置にスペーサーを介してそれぞれに結合している。この異なる2つの結合部位が、配列番号1に対応するGLP1変異体配列の26番および34番を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態においては、少なくとも一つのアディポネクチンアゴニスト・ペプチドはALY688を含む。
【0014】
いくつかの実施形態においては、スペーサーはGGGを含む。
【0015】
もう一つの態様においては、本発明は2型糖尿病を持つ患者を治療する方法を提供し、その方法は、本明細書において開示されている融合ペプチドの有効量を患者に投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A-1Eは、本発明のいくつかの実施形態による、ある融合タンパク質の構造の概略図である。
【0017】
図2A-2Cは、HEK-hGLP1R-Luc細胞における、本発明のALY688-GLP1v融合ペプチドによるGLP1受容体活性化を示す。HEK-hGLP1R-Luc細胞は、GLP1受容体活性化の用量依存性を評価するためgly8置換(2A)を持つGLP1v100μlで処理され、またはALY688-GLP1v融合ペプチド(GLP1vの残基18、22、26、34にALY688が結合)のGLP1受容体シグナル伝達の活性化を評価するため、50nM(2B)および100nM(2C)の濃度のALY688-GLP1v融合ペプチド(GLP1vの残基18、22、26、34にALY688が結合)で処理された(n=3)。
【0018】
図3は本発明の中のあるALY688-GLP1v融合ペプチドの時間および濃度依存性アディポネクチンシグナル伝達効果を、pP38MAPK ELISAを用いL6骨格筋細胞でスクリーニングした結果を示す。L6骨格筋細胞は、4つの異なるALY688-GLP1v融合ペプチド(0、100、300、500nM)、gAd (1μg/ml)、fAd (10μg/ml)、ALY688(100nM)およびアニソマイシン(0.2, 1μg/mL)とともに15分または30分インキュベーションし、それからpP38MAPK ELISAでアディポネクチン様シグナル伝達の評価を行った。
【0019】
図4は、本発明のある例において使用された検査手順を示す。
【0020】
図5A-5Bは、本発明のある例におけるグルコース負荷前後の血糖(5A)およびAUC(5B)を示す。溶剤とその他のすべてのグループを比較した2元配置分散分析およびボンフェローニの事後検定で*p<0.05、**p<0.01 および ***p<0.001。溶剤とその他のすべてのグループを比較したクラスカル・ワリスおよびダン事後検定で**p<0.01。
【0021】
図6は、マウスにおける本発明のGLP1およびある融合ペプチドの薬物動態プロファイルを示す。
【発明の実施形態の説明】
【0022】
本発明は、適切な化学的リンカーまたはスペーサーにより、第1の部分と、GLP1変異体と、第2の部分と、短いペプチドを基とするアディポネクチン受容体アゴニストとの結合により形成される融合ペプチドを提供する。
【0023】
作用機序が異なるため、GLP1とアディポネクチン類似体とを組み合わせることは、代謝調節不全が炎症および/または線維化を伴う状態において、様々な望ましい効果の増強に向けての斬新なアプローチと言える。2型糖尿病において、食後のインスリン分泌を刺激するGLP1作用と筋肉と肝臓におけるインスリン感受性を向上させるアディポネクチンの作用を結合させることは、全体的に血糖管理を向上させる相補的アプローチとなるであろう。
【0024】
ペプチドは一般に注射(例:静脈内または皮下)が必要であるため、別々の薬物の注射回数は最小限にできることが望ましいと思われる。従って、その構成成分の活性を保持し、単一の注射製剤となし得る融合ペプチドは、2つの別個の注射を行うより望ましいと言えよう。さらに、単一の融合ペプチドが標的組織に到達するのは、2つのペプチドが同時に標的組織に到達するより容易であり、従って、単一の化学物質の方が、接種材料における2つのペプチドの物理的混合物より好ましい。融合ペプチドはまた、少なくとも一つの個々のペプチドと比較して優れた薬物動態特性および安静性を有している。また、単一製剤は、2つの個々のペプチドを含む配合製剤(それぞれ独自のpHなどの安定性要件、添加剤安定化の必要性、溶解性保持のための構成成分の要件を有する)より優れている場合がある。
【0025】
球形アディポネクチン(gAd)全体またはアディポネクチン全長(fAd)の代わりにアディポネクチンタンパク質の活性部位を組み込むことは、治療環境においてgAdまたはfAdと比較してALY688のすべての利点を完全にペプチド性である薬剤に提供する。本明細書に記載の融合ペプチドはその個々の構成成分の活性を保持する一方で、融合ペプチドの全体的作用の構成成分を超えて拡大する。
【0026】
本明細書で使用されている「融合ペプチド」という術語は、ペプチドまたはペプチド誘導体で、少なくとも2つの融合した、または化学的に結合したペプチド部分を含む。融合ペプチドは、一つ以上の枝を備えた分岐配列を取り得る。本明細書で使用されている「ペプチド」という術語は、望ましくはアミド結合で鎖状に連鎖した2つ以上のアミノ酸を指すが、またそうした構造物の誘導体を指し、これにおいてはある天然アミノ酸残基が非天然残基により置換されている。融合ペプチドは、固相または固相および液体ペプチド合成法の組み合わせにより調製され得、従って非天然アミノ酸は、大規模なペプチド合成に使用できる形で市販されているものから選択することができる。
【0027】
本明細書で使用されている「GLP1変異体」(または「GLP1v」)という術語は、修飾されたGLP1を指し、これにおいてはGLP1の一つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸または脂質などの化学物質で置き換えられ/置換されている。そうした置換の場所は野生型GLP1の配列(配列番号1)の中の位置に従って番号付けされており、置換のタイプもGLP1に基づいている。そうした置換はヒトまたは獣医薬物環境で使用されると、治療効果の増加をもたらす。この申請で記載されているGLP1変異体は、GLP1受容体への結合および適切なモデルにおいてグルコースレベルを低下させる能力に基づいたGLP1機能を保持している。
【0028】
いくつかの実施形態においては、GLP1変異体は、残基8の置換、例えばAla8Gly、残基18の置換、例えばSer18Lys、残基22の置換、例えばGly22Lysなどの置換を含み得る。数多くの追加の修飾が可能である。
【0029】
融合ペプチドの第2の部分は、小分子アディポネクチン受容体アゴニストであり得、例えば10量体のALY688またはアディポネクチンタンパク質の完全な18残基活性結合部位「アミノ酸149-166、H-Lys-Phe-His-Cys-Asn-Ile-Pro-Gly-Leu-Tyr-Tyr-Phe-Ala-Tyr-His-Ile-Thr-Val-NH2(配列番号3)(Otvos et al., BMC Biotechnol 11, 90 (2011))」またはその断片、並びにALY688様置換またはその他の非天然アミノ酸残基による置換を伴うその断片などであり得る。
【0030】
融合ペプチドの第1および第2のペプチドは、リンカー/スペーサーで結合している。例えば、第2のポリペプチド部分は、(例えばそのN末端またはC末端で)第1のペプチド部とその長さに沿った位置、例えば、GLP1変異体の18、22、26、34の位置で結合し得る。第1のペプチド部のそうした位置はまた、結合部位とも呼ばれる。結合部位は、置換部位と一致することもあり、置換部位と異なる場合もある。
【0031】
第1の部分と第2の部分とを結合するリンカーは、構成成分の第1または第2のペプチドの活性を妨げない。スペーサーは、ペプチドのこともあれば、非ペプチドのこともあり得る。例えば、スペーサーペプチドは、βターンまたはγターン形成残基を含み、構成成分の立体配座をαヘリックスまたはβプリーツシート構造にならないようにし得る。グリシン、プロリン、セリンまたは類似のターン形成残基から成る3から4の残基スペーサーは、通常、融合ペプチドの構成成分の間で適切なターンを形成する。
【0032】
そうした融合ペプチドは、第1のペプチドが第2のペプチドの1つ以上、例えば2、3、4またはより多くの分子と結合した産物を含み得、そこでは第2のペプチドのそれぞれは、GLP1変異体と(同じまたは異なる)化学的リンカーでそれぞれの付着部位に付着する。
【0033】
本発明の融合ペプチドの一つの実施形態において、GLP1の第8位のアラニン(Ala8)は、グリシン(Gly8)(配列番号4)で置換されている。Ala8は、タンパク質分解を起こすジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-IV)の開裂部位であり、Ala8をGly8で置換すると開裂が妨げられ、レセプター結合効率が減少することにより、半減期の延長をきたすことが知られている。
【0034】
もう一つの実施形態において、GLP1の18位のセリンはリジン(配列番号5)で置換されている。第2の部分は、スペーサー(例えば‐GGG‐(またはG3)スペーサー)を介してLys18に付着し得る。Ser18は中性エンドペプチダーゼ24.11(NEP24.11)の開裂部位であり、従ってSer18を大きな側鎖で置換すると、タンパク質分解を減少させる。また、Ser18はレセプター結合と活性化には役割を果たしていないため、Ser18 を Lys18で置換してもレセプター結合効率には影響しない。
【0035】
もう一つの実施形態において、GLP1の22位のグリシン(Gly22)はリジン(Lys22)(配列番号6)で置換されている。この第2の部分は、スペーサー(例えばG3スペーサー)を介してLys22に付着し得る。Gly22はGLP1の2つのヘリックスを結合するジペプチドの一部であるため、機能的または構造的な意義はない。従ってGly22 をリジン(Lys22)で置換してもレセプター結合効率には影響しない。
【0036】
一つの実施形態において、Lys26はGLP1変異体における第2の部分を結合するための結合部位として使用される。Lys26はPhe28からアミノ酸2つを隔てており、Phe28はレセプター活性化に必要であるため、Lys26における側鎖の付着は、レセプター結合効率を妨害するとは予想されていない。さらに、リラグルチドとセマグルチドでは、Lys26は脂肪酸を担っており、レセプター結合能を変えることなくいろいろな機能的改善のため自由に修飾可能である。
【0037】
もう一つの実施形態において、Lys34は第2の部分を付着する付着部位として使用されている。Lys34はGLP1のC末端ヘリックスの最後の残基であり、特殊な機能を有しない。また、上流の3-4位には陰性荷電残基はないため、Lys34はイオン相互作用を通してヘリックスを安定化することはない。従ってLys34はGLP1変異体の結合能に影響を及ぼすことなく大きな側鎖基と付着可能である。
【0038】
一つの実施形態において、融合ペプチドは、次の形を取る(‐G3‐スペーサーを介してALY688とLys
18で結合する配列番号5):
H-[GLP1-Gly
8(7-36)Lys
18]-(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-NH
2。その構造は
図1Aに示されている。
【0039】
一つの実施形態において、融合ペプチドは、次の形を取る(‐G3‐スペーサーを介してALY688とLys
22で結合する配列番号6):
H-[GLP1-Gly
8(7-36)Lys
22]-(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-NH
2。 その構造は
図1Bに示されている。
【0040】
一つの実施形態において、融合ペプチドは、次の形を取る(‐G3‐スペーサーを介してALY688とLys
26で結合する配列番号4):
H-[GLP1-Gly
8(7-36)Lys
26]-(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-NH
2。その構造は
図1Cに示されている。
【0041】
一つの実施形態において、融合ペプチドは、次の形を取る(‐G3‐スペーサーを介してALY688とLys
34で結合する配列番号4):
H-[GLP1-Gly
8(7-36)Lys
34]-(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-NH
2。その構造は
図1Dに示されている。
【0042】
一つの実施形態において、融合ペプチドは、次の形を取る(それぞれ‐G3‐スペーサーを介してALY688とLys
26 および Lys
34で結合する配列番号4):その構造は
図1Eに示されている。
【0043】
更なる態様において、本発明は本明細書に記載された融合ペプチドを含む医薬組成物および医薬として許容される担体を提供する。
【0044】
更なる態様において、本発明は、本明細書に記載された融合ペプチドの治療効果のある量を含む構成成分を対象(例えばヒト患者)に投与することにより、2型糖尿病を予防し、治療し、改善する方法を提供する。
【実施例】
【0045】
ヒト血漿におけるALY688-GLP1v融合ペプチドの安定性試験
いくつかのALY688-GLP1v融合ペプチドのタンパク質分解に対する安定性と抵抗性が37℃でヒト血漿中でのインキュベーション後に評価された。
【0046】
GLP1ぺプチドまたはALY688-GLP1v融合ペプチド(N=3/時点)を示された時間K2EDTA抗凝固剤を加えたヒト血漿中でインキュベーションし、次いで残存内容について分析した。HPLC(存在する可能性のある分解産物を分離するための緩徐な勾配を持つSupelco Discovery BIO Wide Pore C5-3(2.1 X 50 mm))の各ペプチドを定量するために使用した。高分解能質量分析(Thermo Q Exactive)Plusを使用し、フルスキャンおよびMS2スペクトラムを収集し、存在する可能性のある分解産物の特徴づけを行った。データは、用手的およびProteome Discovererデータマイニング・ソフトウェアを用いて評価した。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
上記の表では、温度= 37℃、濃度= 1000 ng/ml、N=3/時点。
【0051】
結果:上記の表1~3に示されているように、ALY688-GLP1v(Lys26)およびALY688-GLP1v(Lys34)(ここでGLP1vはGLP1融合ペプチドに対してGly8置換を含む)(具体的なALY688-GLP1v融合ペプチドについて述べる場合は、付着部位を示すために末尾の下付き文字が使用される)は、ヒト血漿において、37℃でインキュベーションした場合、タンパク質分解に対してより高い抵抗性を示し、これは8および22時間インキュベーションした後、GLP1ペプチドと比較して無傷のペプチドの割合がより大きいことにより示されている。
【実施例】
【0052】
ALY688-GLP1v融合ペプチドによるGLP1レセプター活性化のIn vitro分析
【0053】
ALY688-GLP1v融合ペプチドの1つ以上がGLP1レセプターを活性化する能力を保持しているか決定するため、in vitroレポーター細胞株を使用しGLP1活性化レベルを定量した。GLP1レセプターの活性化はGLP1自体と4つの異なるALY688-GLP1v融合ペプチドを使って評価し、それら融合ペプチドがGLP1レセプター活性化能を保持しているか判定した。これら4つの異なる融合ペプチドにおいて、ALY688はそれぞれGLP1v配列の18,22,26,34残基に結合しており、すべてのGLP1v部分は、Gly8置換を有していた。ALY688が残基18に結合している場合、残基18はLysで置換されている。ALY688が残基22に結合している場合、残基18はLysで置換されている。GLP1vの26位および34で結合しているALY688では(すでにLys残基を有している)、GLP1vのSer18とGly22は置換されていない。これら4つのALY688-GLPv融合ペプチドの配列は次のようである。
【0054】
ALY688-GLP1v(Lys18)(または本発明の図では、単に「Lys 18」または「Lys18 sub」として示される):
H-His7-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Lys18(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg36-NH2
【0055】
ALY688-GLP1v(Lys22):(または本発明の図では、単に「Lys22」または「Lys22 sub」として示される)
H-His7-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Lys22(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg36-NH2
【0056】
ALY688-GLP1v(Lys26):(または本発明の図では、単に「Lys 26」または「Lys26 sub」として示される)
H-His7-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys26(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg36-NH2
【0057】
ALY688-GLP1v(Lys34):(または本発明の図では、単に「Lys34」または「Lys34 sub」として示される)
H-His7-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys34(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-Gly-Arg36-NH2
【0058】
これらの配列はまた本明細書の他の例でも使用される。
【0059】
バイオセンサー・レポーター細胞モデル、HEK-hGLP1R-Luc、はヒト胎児腎臓293(HEK293)由来で、GLP1レセプター依存性シグナル伝達の活性化のスクリーニングを可能にしたが、これはGLP1レセプターの活性化またはGIPレセプターの活性化がそれぞれ環状アデノシン一リン酸(cAMP)産生とルシフェラーゼ遺伝子発現に通じ、そのリガンドの活性を示すという原理に基づいている。
【0060】
結果:
図2A-2Cに示されているように、GLP1は、GLP1レセプター依存性シグナル伝達をバイオマークするように設計されたこれらの細胞でルシフェラーゼ活性(EC50 54nM)の典型的な用量依存性活性化を示した。ALY688-GLP1v融合ペプチド(ALY688がGLP1vの18,22,26,34位に結合しており、その構造は上に記載されている)の効果を試験するために濃度として50nMおよび100nMが選択された。融合ペプチドのそれぞれは、GLP1レセプターを活性化能を保持していた。GLP1スタンダードと様々なALY688-GLP1v融合ペプチドの間には、反応に有意の差はなく、GLP1を活性化する融合ペプチドの能力はALY688ペプチドがGLP1vに結合した後も保持されていることが示された。
【実施例】
【0061】
ALY688-GLP1v融合ペプチドのアディポネクチンシグナル伝達効果のIn vitro分析。
【0062】
ALY688単独でL6マウス骨格筋細胞において、アディポネクチン様シグナル伝達を誘導することが示されており、これにはELISA分析を介して検出され、核へのリン酸化依存性転位の免疫蛍光画像により確認されるP38MAPK(T180/Y182)リン酸化の増加が含まれる。P38MAPKは、アディポネクチンの有益な代謝効果に関与する既知のアディポネクチンレセプター・シグナル伝達キナーゼである。4つの異なるALY688-GLP1v融合ペプチドがALY688単独で以前に示されたように、アディポネクチン様シグナル伝達活性を保持しているかどうか評価するために、これが使用された。
【0063】
結果:4つのすべての融合ペプチド(実施例2における4つの融合ペプチドと同じ)によるp38MAPKの活性化が観察された。
図3に示されているように、融合ペプチドへの反応で観察されたp38MAPKの活性化は、ALY688単独の場合と同様であり、少なくとも組換え型球形(gAd)または全長性(fAd)アディポネクチンタンパク質と同程度に強力であった。従って、ALY688-GLP1v融合ペプチドはALY688単独の場合と同様のアディポネクチンシグナル伝達活性化能を保持していた。
【実施例】
【0064】
動物モデル(マウス)における血糖レベルに対する単回静脈注射の効果
【0065】
ALY688-GLP1v融合ペプチドが生体全体においてGLP1の生理的作用を保持しているか決定するために、マウスに各ペプチドを単回投与し、血糖を評価し、GLP1の活性化により誘導された血糖低下活性を評価した。
【0066】
図4は、グループ化と試験手順の概略図で、ここでマウスは4時間絶食させ、次いで溶剤、GLP1v(Gly8置換を伴う)単独、GLP1v融合ペプチド、エキセナチドまたはALY688を10分時点で静注し、それから経口ブドウ糖負荷試験を行った。経口的ブドウ糖負荷は、1gブドウ糖/kg体重だった。血糖レベルは、経口ブドウ糖負荷後-30分、0(経口ブドウ糖負荷直前)、15、30、60 および90分で血糖測定器にて測定した。マウスは90分後安楽死させた。
【0067】
結果:
図5A-5Bに示されているように、急性投与されたすべてのALY688-GLP1v融合ペプチドは、ブドウ糖負荷後有意に低い血糖レベルを示した。ALY688は、溶剤と比較してグルコース効果は示さぬ一方、GLP1v(Gly8置換を伴う)とエキセナチドはともに予想されたグルコース低下活性を示した。4つのすべてのALY688-GLP1v融合ペプチド(実施例2-3のものと同じ)はまた、Lys26およびLys34置換を伴うGLP1v融合ペプチドに少なくとも匹敵するグルコース低下作用を証明し、GLP1v単独の場合と比較してより大きなグルコース低下作用を示した。従って、ALY688-GLP1v融合ペプチドの投与でGLP1活性化のグルコース低下作用は保持されており、向上した。
【実施例】
【0068】
マウスにおけるGLP1vおよび融合ペプチドの薬物動態的プロファイル
ALY688-GLP1v融合ペプチドが、共有結合で結合している結果、薬物動態的ふるまいの差異を示すか評価する目的で、3つのALY688-GLP1v融合ペプチドの薬物動態的プロファイルをGLP1vペプチドと比較した。
【0069】
GLP1vペプチド(Gly8置換を伴う)とGLP1v融合ペプチドを一度皮下注射で投与した(濃度= 10 mg/kg)。血液をプロテアーゼ阻害剤のカクテル(DPP-4とアプロチニン)を含むK2EDTA管に採取した。Bioanalytical Method BAM.0634.01をK2EDTAマウス血漿中のGLP1vおよびGLP1v融合ペプチドの定量のために使用した。これは、タンパク質沈殿抽出に基づくもので、その後LC-MS/MS機器分析を行い、測定範囲は1.00~1000 ng/mLである。試料は、ESI電離を備えたThermo Scientific TSQ Vantage三連四重極型質量分析装置と連結したWaters Acquity液体クロマトグラフで分析した。
【0070】
結果:
図6に示されているように(そのデータは、下記の表にも要約されている)、各ペプチドの単回注射後の曝露に有意の差が観察され、ALY688-GLP1v
(Lys26)融合ペプチドはAUCにおいて2倍の増加、Tmaxが5分から10分まで増加し、一方ALY688-GLP1v
(Lys34)およびALY688-GLP1v
(Lys26,34)の両者は曝露総量の減少を示したが、Tmaxはさらに増加し、吸収と血液レベルの進展の遅延を示した。
【0071】
【0072】
ALY688-GLP1v(Lys26,34)の配列は次の通りである:
H-His7-Gly-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys26(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys34(Gly-Gly-Gly-DSer-Ala-Phe-DSer-Tyr-Leu-Nva-Pro-Ile-DAsn-H)-Gly-Arg36-NH2
【0073】
上記発明は、理解を明確化する目的で図と説明によりある程度詳細に記載されているが、特定の変更と修正が実施されることは当業者には明らかである。従って、説明と例は、開示された発明の範囲を制限するものとして解釈されてはならない。
配列リスト
配列番号1(GLP1、またはGLP1(7-36)アミド):
7 H-His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr- 19
20 Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu- 32
33 Val-Lys-Gly-Arg-NH2 36
配列番号2(ALY688):
H-DAsn-Ile-Pro-Nva-Leu-Tyr-DSer-Phe-Ala-DSer-NH2
配列番号3:
H-Lys-Phe-His-Cys-Asn-Ile-Pro-Gly-Leu-Tyr-Tyr-Phe-Ala-Tyr-His-Ile-Thr-Val-NH2
配列番号4:
H-His-Gly8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser18-Tyr-Leu-Glu-Gly22-Gln-Ala-Ala-Lys26-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys34-Gly-Arg-NH2
配列番号5:
H-His-Gly8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Lys18-Tyr-Leu-Glu-Gly22-Gln-Ala-Ala-Lys26-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys34-Gly-Arg-NH2
配列番号6:
H-His-Gly8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser18-Tyr-Leu-Glu-Lys22-Gln-Ala-Ala-Lys26-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys34-Gly-Arg-NH2
[1]
【国際調査報告】