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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】熱強化エアロゾル形成基体
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20240628BHJP
   A24B 15/42 20060101ALI20240628BHJP
   A24B 3/14 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B15/42
A24B3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023580824
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 EP2022068981
(87)【国際公開番号】W WO2023281012
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】21184365.1
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22178767.4
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22178772.4
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22178770.8
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン ホウシュエ
(72)【発明者】
【氏名】アジスクマール アヌ
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BA29
4B043BB01
4B043BB11
4B043BB17
4B043BB22
4B043BC10
(57)【要約】
加熱式エアロゾル発生物品で使用するためのエアロゾル形成基体が提供されており、エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料の層と炭素系熱伝導性材料の層を含む共積層シートを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成材料の層および炭素系熱伝導性材料の層を含む共積層シートを含む、加熱式エアロゾル発生物品で使用するためのエアロゾル形成基体。
【請求項2】
前記炭素系熱伝導性材料の層がフィルムまたは箔の形態である、請求項1に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項3】
前記炭素系熱伝導性材料の層が、炭素繊維、黒鉛、またはグラフェンを含むか、またはそれらから成る、請求項1または2に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項4】
前記熱伝導性材料の層が、1W/mK超の熱伝導率を有する材料を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項5】
前記共積層シートが、シートの集合体を含むか、またはシートの集合体の形態である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項6】
前記熱伝導性材料の層が、熱伝導性粒子を含む再構成炭素系材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項7】
前記熱伝導性材料の層が、1メガパスカル(MPa)超の引張強度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項8】
エアロゾル発生物品用のロッドであって、前記ロッドが、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル形成基体を含む、ロッド。
【請求項9】
請求項8に記載のロッドを含む、加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項10】
請求項9に記載のエアロゾル発生物品および電気的に作動するエアロゾル発生装置を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項11】
エアロゾル形成基体を形成する方法であって、
エアロゾル形成材料の層を炭素系熱伝導性材料の層と組み合わせて、共積層シートを形成することを含む、方法。
【請求項12】
前記方法が、前記エアロゾル形成材料のシートを形成する工程をさらに含む、請求項11に記載のエアロゾル形成基体を形成する方法。
【請求項13】
前記シートを組み合わせる工程が、前記炭素系熱伝導性材料のシート上に前記エアロゾル形成材料のシートを鋳造することを含む、請求項12に記載のエアロゾル形成基体を形成する方法。
【請求項14】
エアロゾル形成基体を含むロッドを形成する方法であって、前記方法が、
エアロゾル形成材料および炭素系熱伝導性材料を含む共積層シートを提供する工程と、
前記共積層シートをその長軸方向軸に対して横方向に集合させる工程と、
前記共積層シートの集合体をラッパーで包んで連続的ロッドを形成する工程と、
前記連続的ロッドを複数の個別のロッドへと切断する工程と、を含む、方法。
【請求項15】
複数の構成要素からエアロゾル発生物品を組み立てることを含む、エアロゾル発生物品を形成する方法であって、前記複数の構成要素が、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル形成基体を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエアロゾル形成基体に関する。本開示はまた、エアロゾル形成基体を備えるロッド、エアロゾル発生物品、およびエアロゾル発生システム、ならびにエアロゾル形成基体、ロッド、およびエアロゾル発生物品を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なエアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備える。使用時に、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾル形成基体を加熱し、エアロゾル形成基体に揮発性化合物を放出させる。これらの化合物は冷却されエアロゾルを形成し、ユーザーによって吸入される。
【0003】
既知のエアロゾル形成基体は典型的に、比較的低い熱伝導率を有する。これは、特にブレードがエアロゾル形成基体に挿入され、エアロゾル形成基体を加熱するために加熱されるエアロゾル発生システムにおいて望ましくない場合がある。これは、エアロゾル形成基体の低い熱伝導率が、使用中にエアロゾル形成基体の比較的大きな温度勾配をもたらし得るためである。これは、ブレードから最も遠くに位置するエアロゾル形成基体の部分が高温に達さず、そのためエアロゾル形成基体の熱伝導率が高い場合ほど多くの揮発性化合物を放出しないことを意味する場合がある。言い換えれば、エアロゾル形成基体の低い熱伝導率は、望ましくないことに、エアロゾル形成基体の使用効率の低下をもたらしうる。
【0004】
さらに、既知のエアロゾル形成基体は典型的に、誘導によって動作温度に加熱可能ではない。これは、誘導加熱のために、別個のサセプタ要素が典型的に必要とされることを意味する。これにより、コストが増加する可能性がある。さらに、これは、上述のものと同じ問題につながる可能性がある。例えば、誘導加熱サセプタ要素が基体の中央位置に配置される場合、サセプタ要素から最も遠い位置に位置するエアロゾル形成基体の部分は高温に達しない場合があり、従って多くの揮発性化合物を放出しない場合がある。
【0005】
エアロゾル形成基体の熱伝導率を増加させる試みがなされてきた。しかしながら、今日まで、これらの試みは、一つ以上の点で不十分であった。
【0006】
本発明の目的は、改善されたエアロゾル形成基体、例えば、熱伝導率が増加したエアロゾル形成基体を提供することである。また、本発明の目的は、熱伝導率を増加させつつも、引張強度も改善した、こうしたエアロゾル形成基体を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
本開示によると、エアロゾル形成基体が提供されている。エアロゾル形成基体は、加熱式エアロゾル発生物品内で使用されるのに適してもよい。エアロゾル形成基体は、共積層シートを含んでもよい。共積層シートは、エアロゾル形成材料の層を含みうる。共積層シートは、炭素系熱伝導性材料の層を含みうる。
【0008】
したがって、本開示の第一の態様によると、加熱式エアロゾル発生物品で使用するためのエアロゾル形成基体が提供されており、エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料の層および炭素系熱伝導性材料の層を含む共積層シートを含む。
【0009】
本明細書で使用される場合、「炭素系熱伝導性材料」という用語は、炭素を含む材料、例えば、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、および木炭のうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る材料を指すために使用される。
【0010】
黒鉛および膨張黒鉛のうちの少なくとも一つを含むか、またはそれらから成る炭素系熱伝導性材料の層が特に好ましい場合がある。炭素系熱伝導性材料の層は、炭素材料または炭素含有材料と呼ばれる場合がある。
【0011】
有利なことに、炭素系熱伝導性材料の層は、エアロゾル形成基体の熱伝導率を増加させうる。これは、使用中に基体全体にわたってより均一な温度分布を提供し得る。これにより、エアロゾル形成基体の大部分が揮発性化合物を放出するのに十分高い温度に達し、したがってエアロゾル形成基体の使用効率がより高くなり得る。別の方法として、または追加的に、基体の熱伝導率の増加は、ヒーター、例えば基体を加熱するように構成された加熱ブレードがより低い温度で動作し、それ故に必要とする電力が少なくなる場合がある。
【0012】
有利なことに、上記に列挙したものなどの炭素系熱伝導性材料の層、特に黒鉛および膨張黒鉛を含む材料は、高い熱伝導率および低密度を有し得、そのためエアロゾル形成基体の密度を著しく増加させることなく、エアロゾル形成基体の熱伝導率を実質的に改善することができる。エアロゾル形成基体の密度を著しく増加させることを回避することが有利であり得る。これは、密度の増加が、基体の所与の体積に対する重量、したがって輸送コストを増加させる場合があるためである。
【0013】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。シートの幅は10mmよりも大きく、20、30、40、50、60、70、80、90、100ミリメートルよりも大きいことが好ましい。シートの幅は、300、250、200、150ミリメートル未満であってもよい。説明するように、共積層シートは、集合などの処理工程を受けうる。こうした場合、シートの「幅」は、集合前のシートの幅を指しうる。
【0014】
本明細書で使用される「共積層シート」という用語は、互いに密着した二層以上の材料から形成された単一のシートを意味する。特に、共積層シートは、熱伝導性材料の層と密着したエアロゾル形成材料の層を含み得る。エアロゾル形成材料の層と炭素系熱伝導性材料の層との間の密着は、熱が伝導によってエアロゾル形成材料の層によってエアロゾル形成材料の層全体に伝達されうることを意味する。これは、エアロゾル形成基体の熱伝導率を改善する。
【0015】
炭素系熱伝導性材料の層は、エアロゾル形成材料の層の長さおよび幅と類似または同一の長さおよび幅を有してもよい。
【0016】
炭素系熱伝導性材料の層は、熱伝導性材料の表面の実質的に全体にわたってエアロゾル形成材料の層と接触してもよい。
【0017】
共積層シートの層は、単一のシートを形成しうる。
【0018】
共積層シートは、複数のエアロゾル形成材料の層を含みうる。共積層シートは、複数の熱伝導性材料の層を含みうる。エアロゾル形成材料の層または各層は、熱伝導性材料の層の間に挟まれてもよい。別の方法としてまたは追加的に、熱伝導性材料の層または各層は、エアロゾル形成材料の層の間に挟まれてもよい。
【0019】
共積層シートは、炭素系熱伝導性材料およびエアロゾル形成材料以外の材料を含む一つ以上の追加的な層を含みうる。
【0020】
熱伝導性材料の層または各層は、フィルムまたは箔の形態であってもよい。フィルムまたは箔は薄いため、熱伝導性材料の層によって取り込まれうるエアロゾル形成基体の体積は少量のみである。しかしながら、熱伝導性層は層として提供されてもよく、これは有利なことにエアロゾル形成基体全体を通して延在してもよいため、基体の熱伝導率は基体全体を通して改善される。
【0021】
熱伝導性材料の層または各層は可撓性であってもよい。エアロゾル形成材料の層または各層は、可撓性であってもよい。このようにして、共積層シートはまた、可撓性であってもよい。これは、下記に説明する通り、共積層シートが集合されてエアロゾル形成基体のロッドを形成する時に特に有利でありうる。共積層シートの集合体は、実質的にロッドの全長に沿って、かつ実質的にロッドの横断断面積全体を横切って延在することが好ましい。
【0022】
熱伝導性材料の層または各層は、10、5、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、または0.02ミリメートル未満の厚さを有してもよい。
【0023】
熱伝導性材料の層または各層は、10~0.02、または5~0.02、3~0.02、2~0.02、1~0.02、0.9~0.02、0.8~0.02、0.7~0.02、0.6~0.02、0.5~0.02、0.4~0.02、0.3~0.02、0.2~0.02、0.1~0.02、0.09~0.02、0.08~0.02、0.07~0.02、0.06~0.02、0.05~0.02、0.04~0.02ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0024】
好ましくは、炭素系熱伝導性材料の層は、炭素繊維、黒鉛、またはグラフェンを含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。
【0025】
さらにより好ましくは、炭素系熱伝導性材料の層は、膨張黒鉛を含んでもよく、または膨張黒鉛からなってもよい。
【0026】
随意に、炭素系熱伝導性材料の層は、黒鉛および膨張黒鉛の両方を含んでもよい。
【0027】
炭素系熱伝導性材料の層は、可撓性の黒鉛または可撓性の黒鉛および膨張黒鉛箔またはフィルムから成ってもよい。
【0028】
炭素系熱伝導性材料の層は、エアロゾル形成材料の密度以下の密度を有してもよい。
【0029】
熱伝導性材料の層は、エアロゾル形成材料の密度よりも少なくとも1、2、5、10、15、20、25、または30%小さい密度を有してもよい。
【0030】
エアロゾル形成基体は、1050、1000、950、900、850、800、850、800、750、700、または650kg/m3未満の密度を有してもよい。
【0031】
エアロゾル形成基体は、500~900kg/m3、例えば600~800kg/m3の密度を有してもよい。
【0032】
炭素系熱伝導性材料の層は、3、2、1.8、1.5、1.2、1、0.8、0.5、0.2、0.1、0.05、0.02グラム/センチメートル立方体(g/cm3)未満の密度を有してもよい。
【0033】
炭素系熱伝導性材料の層は、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、0.8、1、1.2、1.5、または1.8グラム/センチメートル立方体(g/cm3)を超える密度を有してもよい。
【0034】
炭素系熱伝導性材料の層は、0.01~3、0.01~2、0.01~1.8、0.01~1.5、0.01~1.2、0.01~1、0.01~0.8、0.01~0.5、0.02~3、0.02~2、0.02~1.8、0.02~1.5、0.02~1.2、0.02~1、0.02~0.8、0.02~0.5、0.01~3、0.05~2、0.05~1.8、0.05~1.5、0.05~1.2、0.05~1、0.05~0.8、0.05~0.5g/cm3、0.1~3、0.1~2、0.1~1.8、0.1~1.5、0.1~1.2、0.1~1、0.1~0.8、0.1~0.5、0.2~3、0.2~2、0.2~1.8、0.2~1.5、0.2~1.2、0.2~1、0.2~0.8、0.2~0.5、0.5~3、0.5~2、0.5~1.8、0.5~1.5、0.5~1.2、0.5~1、0.5~0.8、0.8~3、0.8~2、0.8~1.8、0.8~1.5、0.8~1.2、0.8~1グラム/センチメートル立方体(g/cm3)の密度を有してもよい。
【0035】
有利なことに、熱伝導性材料の低密度層を使用すると、基体の密度が低くなることがある。これにより、所与の体積の基体の重量が軽減され、したがって輸送コストを削減し得る。
【0036】
炭素系熱伝導性材料の層は、1、2、3、4、5、6、7、8または9メガパスカル(MPa)を超える引張強度を有してもよい。
【0037】
こうした炭素系熱伝導性材料の層を含む共積層シートの形態のエアロゾル形成基体を提供することは有利なことに、基体全体の引張強度を増大させうる。さらに、炭素系熱伝導性材料の層は、層エアロゾル形成材料に対する支持を提供しうる。そのため、エアロゾル発生基体のロッドが追加的な支持層を備える必要がない場合がある。一部の実施形態では、エアロゾル形成基体の製造中、エアロゾル形成材料は有利なことに、炭素系熱伝導性材料の層上に直接キャストされてもよい。
【0038】
炭素系熱伝導性材料の層は、少なくとも90重量%、95重量%、97重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%の黒鉛または膨張黒鉛を含む箔またはフィルムから成ってもよい。
【0039】
炭素系熱伝導性材料の層は、再構成炭素系材料、好ましくは黒鉛または膨張黒鉛の再構成シート、さらにより好ましくは再構成黒鉛または膨張黒鉛フィルムまたは箔を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。
【0040】
再構成炭素系材料は熱伝導性粒子を含みうる。熱伝導性粒子の各熱伝導性粒子は、摂氏25度で少なくとも一方向に、少なくとも1ワット/メートルケルビン[W/(mK)]の熱伝導率を有してもよい。熱伝導性粒子の一部またはすべては、炭素、例えば少なくとも10、30、50、70、90、95、98、または99重量%の炭素を含む。随意に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブおよび木炭のうちの一つ以上を含む。随意に、熱伝導性粒子の一部またはすべては黒鉛粒子である。随意に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、膨張黒鉛粒子である。随意に、熱伝導性粒子の一部またはすべてはグラフェン粒子である。こうした材料は、有利なことに、比較的高い熱伝導率を有し得る。
【0041】
再構成炭素系材料は、少なくとも10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%の熱伝導性粒子を含みうる。再構成炭素系は、90重量%、95重量%、80重量%未満の熱伝導性粒子を含んでもよい。
【0042】
再構成炭素系材料はエアロゾル形成体を含んでもよい。再構成炭素系材料は、7~60重量%の乾燥重量基準でエアロゾル形成体を含んでもよい。
【0043】
再構成炭素系材料は繊維を含んでもよい。再構成炭素系材料の層は、2~20重量%の場合、乾燥重量基準で繊維を含んでもよい。随意に、繊維はセルロース繊維である。有利なことに、セルロース繊維は高価ではなく、基体の引張強度を増大させることができる。
【0044】
随意に、繊維の各々は、三つの相互に直交する寸法を有し、三次元の最大寸法は、三次元の最小寸法よりも少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍大きい。随意に、繊維の各々は、三つの相互に直交する寸法を有し、三次元の最大寸法は、三次元の第二の最大寸法よりも少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍大きい。
【0045】
再構成炭素系材料は結合剤を含んでもよい。再構成炭素系材料は、乾燥質量基準で2~10重量%の結合剤を含みうる。随意に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも4、6、または8重量%の結合剤を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、8、6、または4重量%以下の結合剤を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、2~4重量%の結合剤を含む。基体は、乾燥重量基準で、2.1~10重量%の結合剤を含むことが特に好ましい場合がある。
【0046】
好ましい結合剤は当技術分野でよく知られており、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアーおよびヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コンニャク粉、キサンタンガム、およびこれに類するものを含むが、これらに限定されない。結合剤はグアーであるか、またはグアーを含むことが特に好ましい場合がある。結合剤は、カルボキシメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロース、またはグアーガムなどのガムのうちの一つ以上を含むか、またはそれから成ることが特に好ましい場合がある。
【0047】
随意に、熱伝導性粒子は、熱伝導性材料の層全体に実質的に均一に分布される。随意に、エアロゾル形成体は、熱伝導性材料の層全体に実質的に均一に分布される。随意に、繊維は熱伝導性材料の層全体に実質的に均一に分布される。随意に、結合剤は熱伝導性材料の層全体に実質的に均一に分布される。有利なことに、基体の構成要素の均一な分布により、基体がより空間的に均一な特性を有することになる。例えば、実質的に均一に分布した熱伝導性粒子は、基体が実質的に均一な熱伝導率を有することになる。別の実施例として、実質的に均一に分布した結合剤または繊維は、実質的に均一な引張強度を有する基体をもたらし得る。
【0048】
有利なことに、繊維および結合剤の一方または両方は、再構成炭素系材料の引張強度を増大させうる。引張強度の増大は、容易に破れない再構成炭素系材料のシートの製造を可能にしうる。引張強度の増大は、既存の製造機械を使用した再構成炭素系材料の製造を可能にしうる。
【0049】
熱伝導性粒子は各々、「粒子径」を有してもよい。「粒子径」という用語の意味および粒子径を測定する方法を、後に記載する。
【0050】
熱伝導性粒子は、粒子径分布によって特徴付けられてもよい。粒子径分布は、数D10、D50、およびD90の粒子径を有してもよい。数D10の粒子径は、粒子の10%が数D10の粒子径以下の粒子径を有するように定義される。同様に、数D50の粒子径は、粒子の50%が数D50の粒子径以下の粒子径を有するように定義される。したがって、数D50の粒子径は、中央粒子径と呼ばれ得る。数D90の粒子径は、粒子の90%が数D90の粒子径以下の粒子径を有するように定義される。したがって、分布内に1,000個の粒子が存在し、粒子が粒子径の昇順に並ぶ場合、数D10の粒子径は100番目の粒子の粒子径とほぼ等しく、数D50の粒子径は500番目の粒子の粒子径とほぼ等しく、および数D90の粒子径は900番目の粒子の粒子径とほぼ等しいと予想される。
【0051】
粒子径分布は、体積D10、D50、およびD90の粒子径を有してもよい。体積D10の粒子径は、すべての粒子の体積の合計の10%が、体積D10の粒子径以下の粒子径を有する粒子の体積の合計によって占められるように定義される。同様に、体積D50の粒子径は、すべての粒子の体積の合計の50%が、体積D50の粒子径以下の粒子径を有する粒子の体積の合計によって占められるように定義される。また、体積D90の粒子径は、すべての粒子の体積の合計の90%が、体積D90の粒子径以下の粒子径を有する粒子の体積の合計によって占められるように定義される。
【0052】
随意に、熱伝導性粒子は、数D10の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D10の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0053】
随意に、熱伝導性粒子は、数D10の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D10の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0054】
粒子径を決定する際には、妥協しなければならない。より大きな熱伝導性粒子は有利なことに、より小さな熱伝導性粒子よりも再構成炭素系材料、したがってその再構成炭素系材料を含むエアロゾル形成基体の熱伝導率を増加させる場合がある。しかしながら、より大きい熱伝導性粒子は、基体内のエアロゾル形成材料に利用可能な空間を低減する場合がある。
【0055】
随意に、熱伝導性粒子は、数D50の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D50の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0056】
随意に、熱伝導性粒子は、数D50の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D50の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0057】
随意に、熱伝導性粒子は、数D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D90の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0058】
随意に、熱伝導性粒子は、数D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D90の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0059】
随意に、熱伝導性粒子は、数D10の粒子径および数D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D90の粒子径は、数D10の粒子径の50、40、30、20、10、または5倍以下である。
【0060】
随意に、熱伝導性粒子は、数D10の粒子径および数D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D90の粒子径は、数D10の粒子径の少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍である。
【0061】
粒子径分布に関しては妥協しなければならない。例えば、D90~D10の粒子径のより小さな比によって特徴付けられる、より緊密な粒子径分布は、有利なことに、再構成炭素系材料全体にわたってより均一な熱伝導率を提供し得る。これは、基体内の異なる位置における粒子径の変動がより少ないためである。これは有利なことに、エアロゾル形成基体全体を通してエアロゾル形成材料のより効率的な使用を可能にする場合がある。しかしながら、より緊密な粒子径分布は、不都合なことに、達成がより困難かつ高価である場合がある。発明者らは、上述の粒子径分布が、これらの二つの要因間の最適な妥協点を提供し得ることを見出した。
【0062】
随意に、熱伝導性粒子は、体積D10の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D10の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0063】
随意に、熱伝導性粒子は、体積D10の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D10の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0064】
随意に、熱伝導性粒子は、体積D50の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D50の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0065】
随意に、熱伝導性粒子は、体積D50の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D50の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0066】
随意に、熱伝導性粒子は、体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D90の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0067】
随意に、熱伝導性粒子は、体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D90の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0068】
熱伝導性粒子は、1~20ミクロンの体積D10の粒子径を有する粒子径分布を有することが特に好ましい場合がある。別の方法として、または追加的に、熱伝導性粒子は、50~300ミクロン、または50~200ミクロンの体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有することが特に好ましい場合がある。
【0069】
随意に、熱伝導性粒子は、体積D10の粒子径および体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D90粒子径は、体積D10の粒子径の50、40、30、20、10、または5倍以下である。
【0070】
随意に、熱伝導性粒子は、体積D10の粒子径および体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D90の粒子径は、体積D10の粒子径の少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍である。
【0071】
上述のように、粒子径分布に関連して妥協する必要があり、発明者らは、上記の粒子径分布が最適な妥協点を提供し得ることを見出した。
【0072】
随意に、熱伝導性粒子の各々は、少なくとも0.01、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンの粒子径を有する。随意に、熱伝導性粒子の各々は、1,000、500、300、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下の粒子径を有する。熱伝導性粒子の各々は、少なくとも1ミクロンの粒子径を有することが特に好ましい場合がある。別の方法として、または追加的に、熱伝導性粒子の各々は、300ミクロン以下の粒子径を有することが特に好ましい場合がある。1ミクロン未満の粒子は、製造中に取り扱うことが困難である場合がある。300ミクロンを超える粒子は、エアロゾル形成材料に使用されうる基体内でかなり大きな空間を占めうる。したがって、熱伝導性粒子の各々が、少なくとも1ミクロンの粒子径、または300ミクロン以下の粒子径、またはその両方を有することが特に有利であり得る。
【0073】
随意に、熱伝導性粒子の各々は、相互に直交する三つの寸法を有し、三つの寸法の最大寸法は、三つの寸法の最小寸法の10倍、8倍、5倍、3倍、または2倍以下である。随意に、熱伝導性粒子の各々は、三つの相互に直交する寸法を有し、三次元の最大寸法は、三次元の第二の最大寸法の10倍、8倍、5倍、3倍、または2倍以下である。随意に、熱伝導性粒子の各々は実質的に球状である。有利なことに、実質的に球状の粒子の配向は、非球状の粒子の配向ほど基体の熱伝導率に影響を与えない場合がある。したがって、より球状の粒子の使用は、粒子の配向が制御されない異なる基体間の変動性をそれほど生じさせない場合がある。さらに、実質的に球状の粒子は、特徴付けがより簡単である場合がある。
【0074】
随意に、熱伝導性粒子は、少なくとも10、20、50、100、200、500、または1000の粒子を含む。有利なことに、エアロゾル形成基体中のより多くの粒子は、基体の熱伝導率がより均一になることを可能にする場合がある。
【0075】
随意に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも20、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または85重量%の熱伝導性粒子を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、または15重量%以下の熱伝導性粒子を含む。 随意に、基体は、乾燥重量基準で、10~90、20~90、30~90、40~90、50~90、60~90、70~90、80~90、10~80、20~80、30~80、40~80、50~80、60~80、70~80、10~70、20~70、30~70、40~70、50~70、60~70、10~60、20~60、30~60、40~60、50~60、10~50、20~50、30~50、40~50、10~40、20~40、30~40、10~30、20~30、または10~20重量%の熱伝導性粒子を含む。基体は、乾燥重量基準で、50~90重量%、より好ましくは60~90重量%、またはさらにより好ましくは65~85重量%の熱伝導性粒子を含むことが特に好ましい場合がある。
【0076】
基体中の熱伝導性粒子の重量パーセントに対して、備える必要がある。エアロゾル形成基体中の粒子の重量パーセントを増大させることは有利なことに、基体の熱伝導率を増加させる場合がある。しかしながら、エアロゾル形成基体中の粒子の重量パーセントを増加させることはまた、エアロゾル形成体、結合剤、および繊維のうちの一つ以上に対する利用可能な空間を低減する場合があり、そのため、より少ないエアロゾルを形成する基体、またはより少ない引張強度を有する基体をもたらし得る。
【0077】
炭素系熱伝導性材料の層は、たばこを含まない。炭素系熱伝導性材料の層は、ニコチンを含まない場合がある。
【0078】
炭素系熱伝導性材料の層は、キャスティングプロセスによって形成されてもよい。
【0079】
共積層シートは、シートの集合体を含んでもよく、またはシートの集合体の形態を有してもよい。炭素系熱伝導性材料は、エアロゾル形成材料層を支持する一方で、集合プロセスに耐えるのに十分な引張強度を有してもよい。
【0080】
炭素系熱伝導性材料の層は、1、2、5、10、20、50、100、200、500、1000、または1500W/(mK)を超える熱伝導率を有してもよい。熱伝導率は、25°Cで測定される熱伝導率であってもよい。
【0081】
炭素系熱伝導性材料の層は、異方性熱伝導率を示しうる。炭素系熱伝導性材料の層は、平面内に置かれてもよく、または平面を画定してもよい。平面内の炭素系熱伝導性材料の層の熱伝導率は、1、2、5、10、20、50、100、200、500、1000、または1500W/mKより大きくてもよい。熱伝導率は、25°Cで測定される熱伝導率であってもよい。
【0082】
有利なことに、熱伝導性材料の層の熱伝導率を増加させることは、エアロゾル形成基体の熱伝導率を増加させうる。
【0083】
膨張黒鉛は、2、1.8、1.5、1.2、1、0.8、または0.5、0.2、0.1、0.05、0.02グラム/センチメートル立方体(g/cm3)未満の密度を有してもよい。
【0084】
膨張黒鉛は、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、0.8、1、1.2、1.5、または1.8グラム/センチメートル立方体(g/cm3)を超える密度を有してもよい。
【0085】
膨張黒鉛は、0.01~3、0.01~2、0.01~1.8、0.01~1.5、0.01~1.2、0.01~1、0.01~0.8、0.01~0.5、0.02~3、0.02~2、0.02~1.8、0.02~1.5、0.02~1.2、0.02~1、0.02~0.8、0.02~0.5、0.01~3、0.05~2、0.05~1.8、0.05~1.5、0.05~1.2、0.05~1、0.05~0.8、0.05~0.5g/cm3、0.1~3、0.1~2、0.1~1.8、0.1~1.5、0.1~1.2、0.1~1、0.1~0.8、0.1~1.5、0.2~3、0.2~2、0.2~1.8、0.2~1.5、0.2~1.2、0.2~1、0.2~0.8、0.2~0.5、0.5~3、0.5~2、0.5~1.8、0.5~1.5、0.5~1.2、0.5~1、0.5~0.8、0.8~3、0.8~2、0.8~1.8、0.8~1.5、0.8~1.2、0.8~1グラム/センチメートル立方体(g/cm3)の密度を有してもよい。
【0086】
炭素系熱伝導性材料の層は、10、30、50、70、80、90、95、98、99、99.5、または99.9重量%を超える炭素を含んでもよい。炭素系熱伝導性材料の層は、微量の不純物を除いて炭素から成ってもよい。
【0087】
炭素系熱伝導性材料の層は、エアロゾル形成基体の90、80、70、60、50、20、10、または5重量パーセント以下を占めてもよい。炭素系熱伝導性材料の層は、エアロゾル形成基体の0.1、0.2、0.5、1、2、3、5、10、20、30、40、または50重量パーセント以上を占めてもよい。炭素系熱伝導性材料の層は、エアロゾル形成基体の20~90、20~90、30~90、40~90、20~80、30~80、40~80、20~70、30~70、40~70、20~60、30~60、40~60、20~50、30~50重量パーセントを占めてもよい。
【0088】
有利なことに、発明者らは、こうした重量パーセントが、エアロゾル形成基体の熱伝導率を増加させることと、適切な量のエアロゾルを形成するのに十分なエアロゾル形成材料を維持することとの間の最適な妥協点を提供することを見出した。
【0089】
エアロゾル形成材料の層は、0.1W/mK~0.2W/mKの熱伝導率を有してもよい。これは、エアロゾル形成材料が標準的な均質化したたばこである場合であり得る。したがって、一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は、例えば、25°Cで測定した場合、0.2W/mK未満の熱伝導率を有してもよく、炭素系熱伝導性材料の層は、例えば、25°Cで測定した場合、0.22W/mK超、好ましくは、0.22W/mKをはるかに超える熱伝導率を有してもよい。炭素系熱伝導性材料の層は、例えば、その平面方向に沿って市販の黒鉛箔に見られるように、1700W/mKもの高い熱伝導率を有してもよい。
【0090】
これらの熱伝導率は、材料の含水量が0~20、または5~15、例えば約10%である場合に測定されうる。この熱伝導率は、材料が0~20、または5~15、例えば約10重量%の水を含む場合に測定されうる。材料の水分または含水量は、滴定方法を使用して測定されてもよい。材料の水分または含水量は、カールフィッシャー法を使用して測定されてもよい。
【0091】
エアロゾル形成材料は、加熱に伴い、例えば摂氏120度~摂氏395度の温度への加熱に伴いエアロゾルを発生するように構成されていることが好ましい。いくつかの実施形態では、炭素系熱伝導性材料の層は、加熱時に、例えば摂氏120度~摂氏350度の温度に加熱する際にエアロゾルを発生するように構成されていない。したがって、これらの実施形態では、炭素系熱伝導性材料の層はエアロゾル形成材料ではない。こうした実施形態における炭素系熱伝導性材料の役割は、熱の伝達を容易にして、エアロゾル形成材料からのエアロゾル発生を最適化できるようにすることである。
【0092】
エアロゾル形成材料は、たばこなどの一つ以上の有機材料を含んでもよい。エアロゾル形成材料は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押し出し成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含んでもよい。好ましくは、エアロゾル形成材料は均質化したたばこから形成されてもよい。エアロゾル形成材料は、たばこおよびエアロゾル形成体を含むことが好ましい。エアロゾル形成材料は、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成されていることが好ましい。エアロゾル形成材料は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体を含む均質化したたばこ材料であってもよい。第一の材料は、第一の材料の構造を改善するために繊維および結合剤をさらに含んでもよい。
【0093】
有利なことに、繊維および結合剤のうちの一方または両方は、エアロゾル形成材料の引張強度を増大しうる。引張強度の増加により、容易に破れないエアロゾル形成基体の共積層シートの製造を可能にしうる。引張強度の増加により、既存の製造機械を使用して、エアロゾル形成基体の共積層シートの製造を可能にしうる。
【0094】
エアロゾル形成材料は一つ以上のエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体は当技術分野で周知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。エアロゾル形成体はグリセリンであるか、またはグリセリンを含むことが特に好ましい場合がある。随意に、エアロゾル形成基体はグリセリンおよびグリセロールのうちの一方または両方を含む。
【0095】
随意に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、または55重量%のエアロゾル形成体を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、55、50、45、40、35、30、25、20、または15重量%以下のエアロゾル形成体を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、7~60、10~60、20~60、30~60、40~60、50~60、7~50、10~50、20~50、30~50、40~50、7~40、10~40、20~40、30~40、7~30、10~30、20~30、7~20、10~20、または7~10重量%のエアロゾル形成体を含む。基体は、乾燥重量基準で、15~25重量%のエアロゾル形成体を含むことが特に好ましい場合がある。
【0096】
随意に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、または18重量%の繊維を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、20、18、16、14、12、10、8、6、または4重量%以下の繊維を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、4~20、6~20、8~20、10~20、12~20、14~20、16~20、18~20、2~18、4~18、6~18、8~18、10~18、12~18、14~18、16~18、2~16、4~16、6~16、8~16、10~16、12~16、14~16、2~14、4~14、6~14、8~14、10~14、12~14、2~12、4~12、6~12、8~12、10~12、2~10、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、または2~4重量%の繊維を含む。基体は、乾燥重量基準で、2.1~9.8重量%の繊維を含むことが特に好ましい場合がある。
【0097】
エアロゾル形成体はグリセリンであってもよい。エアロゾル形成基体は、少なくとも1、2、5、10、または15重量パーセントのグリセリンを含んでもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、12~25重量パーセントのグリセリンを含んでもよい。
【0098】
エアロゾル形成材料は、繊維、好ましくは2~20重量%の繊維を含んでもよい。エアロゾル形成材料は、結合剤、好ましくは2~10重量%の結合剤を含んでもよい。
【0099】
随意に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、または18重量%の繊維を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、20、18、16、14、12、10、8、6、または4重量%以下の繊維を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、4~20、6~20、8~20、10~20、12~20、14~20、16~20、18~20、2~18、4~18、6~18、8~18、10~18、12~18、14~18、16~18、2~16、4~16、6~16、8~16、10~16、12~16、14~16、2~14、4~14、6~14、8~14、10~14、12~14、2~12、4~12、6~12、8~12、10~12、2~10、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、または2~4重量%の繊維を含む。基体は、乾燥重量基準で、2.1~9.8重量%の繊維を含むことが特に好ましい場合がある。
【0100】
随意に、繊維はセルロース繊維である。有利なことに、セルロース繊維は高価ではなく、基体の引張強度を増大させることができる。
【0101】
随意に、繊維の各々は、三つの相互に直交する寸法を有し、三次元の最大寸法は、三次元の最小寸法よりも少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍大きい。随意に、繊維の各々は、三つの相互に直交する寸法を有し、三次元の最大寸法は、三次元の第二の最大寸法よりも少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍大きい。
【0102】
随意に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも4、6、または8重量%の結合剤を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、8、6、または4重量%以下の結合剤を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、2~4重量%の結合剤を含む。基体は、乾燥重量基準で、2.1~10重量%の結合剤を含むことが特に好ましい場合がある。
【0103】
好ましい結合剤は当技術分野でよく知られており、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアーおよびヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コンニャク粉、キサンタンガム、およびこれに類するものを含むが、これらに限定されない。結合剤はグアーであるか、またはグアーを含むことが特に好ましい場合がある。結合剤は、カルボキシメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロース、またはグアーガムなどのガムのうちの一つ以上を含むか、またはそれから成ることが特に好ましい場合がある。
【0104】
エアロゾル形成材料はニコチンを含んでもよい。随意に、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、3、または4重量%のニコチンを含む。随意に、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、5、4、3、2、または1重量%以下のニコチンを含む。随意に、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、0.01~5、1~5、2~5、3~5、4~5、0.01~4、1~4、2~4、3~4、0.01~3、1~3、2~3、0.01~2、1~2、0.01~1重量%のニコチンを含む。エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で0.5~3重量%のニコチンを含むことが特に好ましい場合がある。
【0105】
随意に、ニコチンはエアロゾル形成材料全体に実質的に均一に分布される。
【0106】
随意に、エアロゾル形成材料は酸を含む。随意に、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、3、または4重量%の酸を含む。随意に、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、5、4、3、2、または1重量%以下の酸を含む。随意に、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、0.01~5、1~5、2~5、3~5、4~5、0.01~4、1~4、2~4、3~4、0.01~3、1~3、2~3、0.01~2、1~2、0.01~1重量%の酸を含む。エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で0.5~3重量%の酸を含むことが特に好ましい場合がある。
【0107】
随意に、酸は、フマル酸、乳酸、安息香酸、およびレブリン酸のうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る。
【0108】
随意に、酸はエアロゾル形成材料全体に実質的に均一に分布される。
【0109】
随意に、エアロゾル形成材料は少なくとも一つの植物成分を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、5、10、または15重量%の少なくとも一つの植物成分を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、20、15、10、5、2、または1重量%以下の少なくとも一つの植物成分を含む。随意に、基体は、乾燥重量基準で、0.01~20、1~20、2~20、5~20、10~20、15~20、0.01~15、1~15、2~15、5~15、10~15、0.01~10、1~10、2~10、5~10、0.01~5、1~5、2~5、0.01~2、1~2、0.01~1重量%の少なくとも一つの植物成分を含む。基体は、乾燥重量基準で、5~15重量%の少なくとも一つの植物成分を含むことが特に好ましい場合がある。
【0110】
随意に、少なくとも一つの植物成分は、クローブおよび1316omprises16sの一方または両方を含むか13、またはこれらから成る。
【0111】
随意に、少なくとも一つの植物成分は、エアロゾル形成材料全体に実質的に均一に分布される。
【0112】
随意に、エアロゾル形成材料は少なくとも一つの風味剤を含む。随意に、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、少なくとも0.1、1、2、または5重量%の少なくとも一つの風味剤を含む。随意に、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、10、5、2、または1重量%以下の少なくとも一つの風味剤を含む。随意に、エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、0.1~10、1~10、2~10、5~10、0.1~5、1~5、2~5、0.1~2、1~2、0.1~1重量%の少なくとも一つの風味剤を含む。基体は、乾燥重量基準で、0.5~4.0重量%の少なくとも一つの風味剤を含むことが特に好ましい場合がある。
【0113】
随意に、少なくとも一つの風味剤は、被覆、例えばエアロゾル形成基体の一つ以上の他の構成要素上の被覆として存在する。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの風味剤はエアロゾル形成形成体全体に実質的に均一に分布される。
【0114】
随意に、エアロゾル形成材料は、たばこなどの少なくとも一つの有機材料を含む。随意に、少なくとも一つの有機材料は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押し出し成形たばこ、および膨化たばこのうちの少なくとも一つを含む。随意に、少なくとも一つの有機材料は、エアロゾル形成材料全体に実質的に均一に分布される。
【0115】
エアロゾル形成基体は、乾燥重量基準で、10、5、3、2、または1重量%未満のたばこを含んでもよい。随意に、エアロゾル形成基体は、たばこを含まないエアロゾル形成基体である。
【0116】
エアロゾル形成材料は、一つ以上のシート、例えば一つ以上のシートの集合体を含んでもよく、またはその形態であってもよい。シートまたは各シート、例えばシートの集合体は、少なくとも約10、25、50、または100ミリメートルの幅を有してもよい。シートまたは各シート、例えばシートの集合体は、少なくとも約3、5、または10ミリメートルの長さを有してもよい。シートまたは各シート、例えばシートの集合体は、少なくとも約100、150または200ミクロンの厚さを有してもよい。シートまたは各シート、例えばシートの集合体は、約500、400または300ミクロン未満の厚さを有してもよい。シートまたは各シート、例えばシートの集合体は、100~500、170~400、または200~300ミクロンの厚さを有してもよい。シートまたは各シート、例えばシートの集合体は、約235ミクロンの厚さを有してもよい。
【0117】
第二の態様によると、ロッドが提供されている。ロッドは、エアロゾル発生物品のためのロッドであってもよい。ロッドは、エアロゾル形成基体を含んでもよく、またはエアロゾル形成基体によって形成されてもよい。言い換えれば、エアロゾル形成基体のロッドが提供されてもよい。ロッドは、エアロゾル形成基体のシートの集合体を含んでもよい。
【0118】
ロッドは、エアロゾル形成基体のシートの集合体を包むラッパーを備えてもよい。エアロゾル形成基体は、第一の態様によるエアロゾル形成基体であることが好ましい。このように、ロッドは、第一の態様の共積層シートを集合することによって形成されうる。
【0119】
サセプタ要素はエアロゾル形成基体のロッド内に位置してもよい。サセプタ要素は細長いサセプタ要素であってもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッド内で長手方向に延在し得る。ロッドは、実質的に円筒形、例えば、実質的に直円筒形状であってもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッド内の半径方向中央位置に位置付けられてもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドの中央長軸方向軸に沿って延在してもよい。
【0120】
サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドの下流端まで全面的に延在してもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドの上流端まで全面的に延在してもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドと同じ長さを実質的に有してもよい。サセプタ要素は、エアロゾル形成基体のロッドの上流端から下流端まで全面的に延在してもよい。
【0121】
サセプタ要素は、ピン、ロッド、細片、またはブレードの形態であり得る。
【0122】
サセプタ要素は、5~15、6~12、または8~10ミリメートルの長さを有してもよい。サセプタ要素は、1~5ミリメートルの幅を有してもよい。サセプタ要素は、0.01~2、0.5~2、または0.5~1ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0123】
別の方法として、エアロゾル形成基体内またはエアロゾル形成基体のロッド内にサセプタ材料が存在しない場合がある。または、炭素系熱伝導性材料の層は、一つ以上のサセプタ材料を含んでもよく、またはそれらから成ってもよく、またエアロゾル形成基体内またはエアロゾル形成基体のロッド内に存在する唯一のサセプタ材料であってもよい。すなわち、熱伝導性材料の層を除いて、エアロゾル形成基体内またはエアロゾル形成基体のロッド内にサセプタ要素が存在しない場合がある。
【0124】
適切なサセプタ材料には、例えば、炭素、炭素系材料、グラフェン、黒鉛、膨張黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合体が挙げられるが、これらに限定されない。適切なサセプタ材料は、強磁性材料、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトを含みうる。適切なサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ材料は、5%超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことが好ましく、20%超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことが好ましく、50%超または90%超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含むことがより好ましい。好ましいサセプタ材料は、金属、金属合金または炭素を含んでもよい。
【0125】
特に好ましいサセプタ材料は、炭素、炭素系材料、グラフェン、黒鉛、または膨張黒鉛であってもよく、またはこれを含んでもよい。有利なことに、こうした材料は、比較的高い熱伝導率、比較的低い密度を有し、誘導加熱されてもよい。これらの材料は、炭素系熱伝導性材料の層がサセプタとして作用する、またはサセプタとして作用する材料を含む場合に好ましい場合がある。
【0126】
エアロゾル発生システムを参照して後でより詳細に説明するように、使用時にサセプタ材料は電磁エネルギーを熱に変換しうる。これによりエアロゾル形成基体のエアロゾル形成材料を加熱してもよい。
【0127】
エアロゾル形成基体は、長軸方向と、長軸方向に直交する横断方向または半径方向とを有してもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、プラグの形態であってもよい。プラグは、直円筒形状であってもよい。プラグは、長軸方向に延びる長さと、横断方向または半径方向に延びる半径とを有してもよい。長軸方向は、基体の上流端から下流端に延びる方向、または基体が一部である物品の上流端から下流端に延びる方向を指してもよい。エアロゾル形成基体は、摂氏25度で少なくとも一方向に、0、0.05、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.75、1、1.25、1.5、2、5、10、20、50、100、200、または500W/(mK)より大きい熱伝導率を有してもよい。
【0128】
有利なことに、基体の熱伝導率を増加させることは、使用時に基体の温度勾配を低減する場合がある。加熱ブレードとともに使用される時、従来の技術の基体において、大きな温度勾配が典型的に横断方向に存在するため、横断方向における基体の熱伝導率を増加させることが特に有利である場合がある。
【0129】
本開示の第三の態様によると、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品が提供されている。エアロゾル形成基体に関連して上述した任意の特徴は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に適用可能であってもよい。
【0130】
エアロゾル発生物品は、電気エアロゾル発生装置とともに使用するためのものであってもよい。
【0131】
エアロゾル発生物品は、複数の要素を備えてもよい。複数の要素は、ロッドの形態に組み立てられてもよい。複数の要素は、ラッパーまたはケーシング内に組み立てられてもよい。エアロゾル発生物品は、30mm~120mm、例えば40~80mm、例えば約45mmの長さを有し得る。エアロゾル発生物品は、3.5mm~10mm、例えば、4mm~8.5mm、例えば4.5mm~7.5mmの直径を有し得る。
【0132】
複数の要素は、上流要素を含んでもよい。複数の要素は、エアロゾル形成基体を含んでもよい。複数の要素は、支持要素を含んでもよい。複数の要素は、エアロゾル冷却要素を含んでもよい。複数の要素は、マウスピース要素を含んでもよい。
【0133】
エアロゾル発生物品は、中間空中セクションを備えてもよい。中間空中セクションは、エアロゾル発生基体のロッドとマウスピース要素との間に位置し得る。中間中空セクションは、支持要素およびエアロゾル冷却要素の一つまたは両方を含み得る。中間中空セクションは、支持要素およびエアロゾル冷却要素の一つまたは両方から成ってもよい。
【0134】
上流要素は、物品の上流端に位置してもよい。エアロゾル形成基体は、下流、例えば上流要素のすぐ下流に位置しうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は、例えば上流要素が存在しない場合に、物品の上流端に位置してもよい。支持要素は、下流、例えば、エアロゾル形成基体のすぐ下流に位置しうる。エアロゾル冷却要素は、下流、例えば支持要素のすぐ下流に位置してもよい。マウスピース要素は、下流、例えばエアロゾル冷却要素のすぐ下流に位置してもよい。マウスピース要素は、物品の下流端または口側端に位置してもよい。
【0135】
上流要素は、有利には、エアロゾル形成基体の上流端との直接的な物理的接触を防止し得る。上流要素はまた、有利なことに、エアロゾル形成基体からの材料が物品から落ちる可能性を低減し得る。支持要素は有利なことに、物品に支持を提供し、物品の他の構成要素を適切に位置付けるのに役立ちうる。エアロゾル冷却要素は有利なことに、エアロゾルがユーザーに達する時により望ましい温度となるようにエアロゾルを冷却することを可能にしうる。マウスピース要素は有利なことに、フィルターとして作用しうる。
【0136】
エアロゾル発生物品の複数の要素は、適切なラッパー、例えば紙巻たばこ用紙といった手段によって組み立てられうる。紙巻たばこ用紙は、エアロゾル発生物品の構成要素をロッドの形態に包装するための適切な任意の材料としうる。ラッパーのための適切な材料は当業界で周知である。紙巻たばこ用紙は、物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の構成要素要素を把持しうる。紙巻たばこ用紙は、構成要素要素をロッド内の所定位置に保持しうる。
【0137】
上流要素は、プラグ、例えば多孔性プラグの形態であってもよい。上流要素は、一つ以上の長軸方向に延在する空洞を備えてもよい。上流要素は、スリットまたは開口を備えてもよい。スリットまたは開口は、上流要素の上流端から下流端に延在してもよい。開口のスリットは、使用時に加熱ピン、ロッド、またはブレードが通過することを可能にするのに好適であり得る。上流要素は多孔性材料で作製されてもよい。上流要素は、マウスピース要素、エアロゾル冷却要素、または支持要素などのエアロゾル発生物品のその他の構成要素のうちの一つに使用されるものと同じ材料で作製されてもよい。上流要素は、フィルター材料、セラミック、高分子材料、酢酸セルロース、厚紙、ゼオライト、またはエアロゾル発生基体の一つ以上を含んでもよく、またはそれらの一つ以上から形成されてもよい。上流要素は、酢酸セルロース、例えば酢酸セルロースのプラグを含むか、またはそれから形成されることが好ましい場合がある。
【0138】
随意に、前方プラグは、2~10、3~8、または4~6mm、例えば約5mmの長さを有する。随意に、物品内のエアロゾル形成基体は、5~20、8~15、または10~15mm、例えば約12mmの長さを有する。
【0139】
上流要素は、1~10ミリメートル、3~8ミリメートル、または4~6ミリメートルの長さを有してもよい。上流要素は、約5ミリメートルの長さを有してもよい。
【0140】
有利なことに、上流要素は、消費者が物品の上流端を通して熱伝導性材料の層を見ることを防止しうる。
【0141】
支持要素は、中空管、例えば実質的に円筒形の中空管を含んでもよく、または中空管であってもよい。中空管は内部空洞を画定してもよい。内部空洞は、長軸方向に沿って延在してもよい。内部空洞を通る気流は、実質的に制限されなくてもよい。それ故に、中空管は、物品の引き出し抵抗(RTD)に実質的に寄与しない場合がある。中空管の壁の厚さは、2~4ミリメートルであってもよい。
【0142】
支持要素は、任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、酢酸セルロース、厚紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)から成る群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態では、支持要素は、酢酸セルロースから形成されている。他の好適な材料には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維が含まれる。支持要素は、セルロースアセテートを含むか、またはセルロースアセテートから形成されることが特に好ましい場合がある。
【0143】
支持要素はエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有してもよい。支持要素は、5~12、5~10、または5~8、6~12、6~10、または6~8ミリメートルの外径を有してもよい。支持要素は、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0144】
支持要素の周辺壁は、例えば支持要素が第二の中空管を含むか、または第二の中空管である場合、少なくとも1、1.5、または2ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0145】
支持要素は、少なくとも5、6、7、または8ミリメートルの長さを有してもよい。別の方法として、または追加的に、支持要素は、15、12、または10ミリメートル未満の長さを有してもよい。
【0146】
エアロゾル冷却要素は、第二の中空管、例えば実質的に円筒形の第二の中空管を含んでもよく、または第二の中空管であってもよい。第二の中空管は、第二の内部空洞を画定してもよい。第二の内部空洞は、長軸方向に延在してもよい。第二の内部空洞を通る気流は、実質的に制限されなくてもよい。それ故に、第二の中空管は、物品の引き出し抵抗(RTD)に実質的に寄与しない場合がある。第二の中空管の壁の厚さは、1~3ミリメートルであってもよい。
【0147】
エアロゾル冷却要素は、任意の好適な材料または材料の組み合わせを含んでもよく、またはそれらから形成されてもよい。例えば、エアロゾル冷却要素は、酢酸セルロース、厚紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)から成るリストから選択される一つ以上の材料を含んでもよく、それらから形成されてもよい。他の好適な材料には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維が含まれる。エアロゾル冷却要素は、セルロースアセテートを含むか、またはセルロースアセテートから形成されることが好ましい場合がある。
【0148】
エアロゾル冷却要素は、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有してもよい。エアロゾル冷却要素は、5~12、5~10、または5~8、6~12、6~10、または6~8ミリメートルの外径を有してもよい。エアロゾル冷却要素は、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0149】
エアロゾル冷却要素は、例えば、エアロゾル冷却要素が第二の中空管を含むか、または第二の中空管である場合、少なくとも約2、2.5、または3ミリメートルの内径を有してもよい。
【0150】
エアロゾル冷却要素の周辺壁は、例えば、エアロゾル冷却要素が第二の中空管を含むか、または第二の中空管である場合、約2.5、1.5、1.25、1、0.9、または0.8ミリメートル未満の厚さを有してもよい。
【0151】
エアロゾル冷却要素は、少なくとも5、6、7、または8ミリメートルの長さを有してもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル冷却要素は、15、12、または10ミリメートル未満の長さを有してもよい。
【0152】
マウスピース要素は、濾過材料、例えば繊維質の濾過材料を備え得る。マウスピース要素は、セルロースアセテートのプラグを含んでもよく、またはセルロースアセテートのプラグであってもよい。マウスピース要素は半透明または不透明であってもよい。
【0153】
マウスピース要素はエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有してもよい。マウスピース要素は、5~12、5~10、または5~8、6~12、6~10、または6~8ミリメートルの外径を有してもよい。マウスピース要素は、およそ7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0154】
マウスピース要素は、少なくとも5、8、または10ミリメートルの長さを有してもよい。別の方法として、または追加的に、マウスピース要素は、25、20、または15ミリメートル未満の長さを有してもよい。マウスピース要素は、およそ12ミリメートルの長さを有してもよい。
【0155】
有利なことに、より長いマウスピース要素は、変形に対してより弾性であってもよく、または変形後にその初期形状を回復するようにより適合されてもよく、また消費者による改善されたグリップを提供して、加熱装置へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にしてもよい。さらに、より長いマウスピース要素は、より高いレベルの濾過および望ましくないエアロゾル成分の除去を提供し得、それによって、より高品質なエアロゾルを送達することができる。さらに、より長いマウスピース要素の使用により、カプセル、スレッド、およびリストリクターなどのマウスピース構成要素を組み込むためのより多くのスペースがあるので、より複雑なマウスピースが提供されることが可能になる。
【0156】
エアロゾル発生物品は、38~70、40~70、42~70、38~60、40~60、または42~60、38~50、40~50、または42~50ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、約45ミリメートルの全長を有してもよい。
【0157】
エアロゾル発生物品は、少なくとも約5、6、または7ミリメートルの外径を有してもよい。エアロゾル発生物品は、約12、10、または8ミリメートル未満の外径を有してもよい。エアロゾル発生物品は、約7.2ミリメートルの外径を有してもよい。
【0158】
本開示によると、上述のエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムが提供される。
【0159】
エアロゾル発生装置は、電気エアロゾル発生装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品と係合可能、かつエアロゾル発生物品から係脱可能であってもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を受容するように構成されてもよい。
【0160】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を加熱するように構成されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置を抵抗加熱するように構成されてもよい。装置は、発熱体を備えてもよい。発熱体は、使用時にエアロゾル形成基体に接触する、例えば貫通するように構成されてもよい。発熱体は、抵抗加熱されるように構成されてもよい。発熱体は電気抵抗トラックを備えてもよい。使用時、トラックを抵抗加熱するために、電流がトラックを通過し得る。発熱体はピン、ロッドまたはブレードの形態であってもよい。
【0161】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を誘導加熱するように構成されてもよい。装置は、誘導コイルなどのインダクタを備えてもよい。装置は、変動電磁場を発生するように構成されてもよい。使用時に、この変動電磁場は、サセプタ材料、例えば、熱伝導性材料のサセプタ材料、または装置の発熱体のサセプタ材料、またはその両方に渦電流を誘導しうる。装置が誘導加熱可能な発熱体を備える場合、こうした発熱体は、使用時にエアロゾル形成基体と接触する、例えば貫通するように構成されてもよい。発熱体はピン、ロッドまたはブレードの形態であってもよい。渦電流は、サセプタ材料を加熱し、それによって使用時にエアロゾル形成基体を加熱し得る。
【0162】
本開示の第四の態様では、エアロゾル形成基体を形成する方法が提供される。
【0163】
方法は、エアロゾル形成材料の層を炭素系熱伝導性材料の層と組み合わせて、共積層シートを形成することを含みうる。
この方法を使用して製造されたエアロゾル形成基体は、第一の態様に関して説明した特徴を有してもよい。
【0164】
エアロゾル形成材料の層は、エアロゾル形成材料の連続的なシートであってもよい。炭素系熱伝導性材料の層は、炭素系熱伝導性材料の連続的なシートであってもよい。こうした場合、方法は、連続的な共積層シートを形成することを含みうる。
【0165】
方法は、共積層シートをその長軸方向軸に対して横方向に集合させることをさらに含んでもよい。方法は、共積層シートの集合体をラッパーで包んでロッドを形成することをさらに含みうる。
【0166】
方法が連続的な共積層シートを形成することを含む場合、ラッパーで包まれたシートの集合体は連続的ロッドを形成しうる。こうした場合、方法はさらに、連続的ロッドを複数の個別のロッドに切断することを含みうる。
【0167】
こうしたロッドは、加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体として使用されうる。エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であることが好ましい。エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺に直接吸入可能なニコチン含有エアロゾルを発生させる喫煙物品であることがより好ましい。
【0168】
層を組み合わせる工程は、炭素系熱伝導性材料の層およびエアロゾル形成材料層の層を互いに接触させて、好ましくは密着して配置することを含みうる。方法は、炭素系熱伝導性の層およびエアロゾル形成材料層の層を捲縮してもよく、これらの層は互いに接触する。これは、炭素系熱伝導性材料層およびエアロゾル形成材料層を捲縮ローラーを通して供給することを含みうる。捲縮ローラーは、層を一緒に係合および捲縮して、連続的な捲縮した共積層シートを形成してもよい。捲縮した共積層シートは、シートの長軸方向軸に実質的に平行な複数の間隙を介した隆起または波型を有してもよい。
【0169】
本明細書で使用される「捲縮した」という用語は、「しわ付けした」という用語と同義語であることが意図され、複数の実質的に平行した隆起または波形のあるシートを意味する。均質化されたたばこ材料の捲縮したシートは、実質的にロッドの円筒軸に平行な複数の隆起または波型を有することが好ましい。これは有利なことに、ロッドを形成するための均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にする。しかしながら、本発明で使用する均質化したたばこ材料の捲縮したシートは、代替的に、またはさらに、ロッドの円筒軸に対して鋭角または鈍角で配列された複数の実質的に平行な隆起または波形を有することが理解されよう。
【0170】
層を組み合わせる工程は、炭素系熱伝導性材料のシートをエアロゾル形成材料のシートの上に重ねることを含みうる。
【0171】
別の方法として、シートを組み合わせる工程は、エアロゾル形成材料のシートを炭素系熱伝導性材料のシートの上に重ねることを含みうる。
【0172】
いずれの場合でも、連続的なプロセスは、炭素系熱伝導性材料またはエアロゾル形成材料のシートのうちの一つを第一のボビンからコンベヤーに供給することによって有利に達成されうる。炭素系熱伝導性材料またはエアロゾル形成材料のその他のシートは、シートの上部にある第二のボビンからコンベヤー上の第一のボビンから供給されうる。
【0173】
随意に、方法は、エアロゾル形成材料の層を形成する工程をさらに含む。エアロゾル形成材料の層を形成する工程は、製紙プロセス、または好ましくはキャスティングプロセスの工程を含んでもよい。
【0174】
エアロゾル形成材料の層を形成する工程は、有機材料を含むスラリーをキャスティングすることを含んでもよい。有機材料は均質化したたばこ材料であることが好ましい。
【0175】
シートを形成する工程は、スラリーを乾燥してエアロゾル形成材料を形成することをさらに含む。
【0176】
エアロゾル形成材料の層を形成する工程は、層を組み合わせる工程の前に実施されてもよく、炭素系熱伝導性材料のシートをエアロゾル形成材料のシートの上に重ねることを含んでもよい。
【0177】
別の方法として、エアロゾル形成材料の層を形成する工程は、層を組み合わせる工程と同時に実施されてもよく、炭素系熱伝導性材料のシートをエアロゾル形成材料のシートの上に重ねることを含んでもよい。特に、エアロゾル形成材料のシートは、炭素系熱伝導性材料のシートの上に形成されてもよい。好ましくは、エアロゾル形成材料のスラリーは、炭素系熱伝導性材料上に、好ましくは直接キャストされてもよい。スラリーは、炭素系熱伝導性材料の上にあって乾燥されてもよい。このようにして、共積層シートは、エアロゾル形成材料の層を提供するのと同時に形成されうる。これは、共積層シートの製造の速度および容易さを改善する連続的なプロセスにおいて特に有利である。
【0178】
さらに、エアロゾル形成材料をキャスティングするプロセスは、多くの場合、スラリーを支持構造上にキャストすることを必要とする。しかしながら、エアロゾル形成材料の層を炭素系熱伝導性材料上にキャスティングすることは、有利なことに、追加的な支持構造の必要性を除去しうる。
【0179】
スラリーはエアロゾル形成体、補強繊維、および結合剤を含むことが好ましい。これらの特徴は、エアロゾル形成材料の特徴として第一の態様で説明されている。
【0180】
随意に、スラリーを形成することは、繊維を添加することを含む。
【0181】
随意に、方法、例えばスラリーを形成する工程は、スラリーを最初に混合することを含む。随意に、第一の混合は、500、400、300、250、または200mbar以下の第一の圧力下で行われる。随意に、第一の混合は、1~10、2~8、または3~6分、例えば約4分間行われる。
【0182】
随意に、方法、例えばスラリーを形成する工程は、第一の混合の後、第二の混合を含む。随意に、第二の混合は、第一の圧力よりも小さい第二の圧力下で行われる。随意に、第二の圧力は、500、400、300、200、150、または100mbar以下である。随意に、第二の混合は、5~120、5~80、5~40、または10~30秒間、例えば、約20秒間行われる。
【0183】
スラリーをキャスティングすることは、スラリーを平坦な支持体、例えば鋼板の平坦な支持体上にキャスティングすることを含んでもよい。別の方法として、上述の通り、スラリーは炭素系熱伝導性材料のシートまたは層上に直接キャストされてもよい。
【0184】
随意に、スラリーをキャスティングした後、およびスラリーを乾燥する前に、方法は、スラリーの厚さを設定すること、例えばスラリーの厚さを100~1200、200~1000、300~900、500~700ミクロン、例えば約600ミクロンに設定することを含み得る。
【0185】
随意に、スラリーを乾燥することは、スラリーの上またはスラリーを通過して空気などのガスの流れを提供することを含む。随意に、ガスの流れが加熱される。随意に、ガスの流れは、摂氏100~160度、または摂氏120~140度の温度に加熱される。随意に、ガスの流れは、1~10分間、または2~5分間提供される。随意に、スラリーを乾燥することは、スラリーが1~20重量%、2~15重量%、2~10重量%、または3~7重量%の含水量を有するまでスラリーを乾燥することを含む。
【0186】
随意に、スラリーを乾燥することは、エアロゾル形成材料のシートへと形成するための前駆体を形成する。
【0187】
随意に、方法は、エアロゾル形成材料のシートを切断してエアロゾル形成材料の個別の要素を形成することを含む。連続的なプロセスにおいて、エアロゾル形成材料のシートを切断する工程は、連続的ロッドを切断して個別のロッドを形成する工程と同じ工程であってもよい。
【0188】
別の方法としてまたは追加的に、第四の態様の方法は、炭素系熱伝導性材料の層を形成することを含んでもよい。これは、再構成炭素系材料を調製、形成、または製造することを含み得る。
【0189】
再構成炭素系材料を製造する工程は、熱伝導性粒子を含むスラリーを形成することを含みうる。再構成炭素系材料を製造する工程は、スラリーをキャスティングおよび乾燥して再構成炭素系材料を形成することを追加的に含んでもよい。
【0190】
スラリーは繊維を含んでもよいことが好ましい。スラリーは結合剤を含んでもよいことが好ましい。スラリー中の繊維および結合剤のうちの一方または両方の存在は、キャストスラリーおよび乾燥スラリーの引張強度を増大させる場合がある。
【0191】
随意に、スラリーはエアロゾル形成体を含んでもよい。
【0192】
随意に、スラリーは水を含む。随意に、スラリーは、20~90、30~90、40~90、40~85、50~80、60~80、または60~75重量%の水を含む。
【0193】
随意に、スラリーを形成することは、第一の混合物を形成することを含む。第一の混合物は繊維を含んでもよい。第一の混合物は水を含んでもよい。第一の混合物はエアロゾル形成体を含んでもよい。
【0194】
スラリーを形成することは、第二の混合物を形成することを含み得る。第二の混合物は熱伝導性粒子を含んでもよい。第二の混合物は結合剤を含んでもよい。スラリーを形成することは、第二の混合物を第一の混合物に添加して、組み合わせた混合物を形成することを含み得る。
【0195】
随意に、方法、例えばスラリーを形成する工程は、組み合わせた混合物の第一の混合を含む。随意に、第一の混合は、500、400、300、250、または200mbar以下の第一の圧力下で行われる。随意に、第一の混合は、1~10、2~8、または3~6分、例えば約4分間行われる。
【0196】
随意に、方法、例えばスラリーを形成する工程は、第一の混合の後、第二の混合を含む。随意に、第二の混合は、第一の圧力よりも小さい第二の圧力下で行われる。随意に、第二の圧力は、500、400、300、200、150、または100mbar以下である。随意に、第二の混合は、5~120、5~80、5~40、または10~30秒間、例えば、約20秒間行われる。
【0197】
随意に、スラリーをキャスティングすることは、スラリーを平坦な支持体、例えば鋼板平坦な支持体上にキャスティングすることを含む。
【0198】
随意に、スラリーをキャスティングした後、およびスラリーを乾燥する前に、方法は、スラリーの厚さを設定すること、例えばスラリーの厚さを100~1200、200~1000、300~900、500~700ミクロン、例えば約600ミクロンに設定することを含む。
【0199】
随意に、スラリーを乾燥することは、スラリーの上またはスラリーを通過して空気などのガスの流れを提供することを含む。随意に、ガスの流れが加熱される。随意に、ガスの流れは、摂氏100~160度、または摂氏120~140度の温度に加熱される。随意に、ガスの流れは、1~10分間、または2~5分間提供される。随意に、スラリーを乾燥することは、スラリーが1~20重量%、2~15重量%、2~10重量%、または3~7重量%の含水量を有するまでスラリーを乾燥することを含む。
【0200】
本開示の第五の態様では、エアロゾル形成基体を含むロッドを形成する方法が提供される。本方法は、
エアロゾル形成材料の層および炭素系熱伝導性材料の層を含む共積層シートを提供する工程と、
共積層シートをその長軸方向軸に対して横方向に集合させる工程と、
共積層シートの集合体をラッパーで包んで連続ロッドを形成する工程と、を含む。
【0201】
第五の態様の方法は、第四の態様の方法の工程のいずれかをさらに含み得る。
【0202】
第六の態様では、第五の態様の方法工程を含むエアロゾル発生物品を形成する方法が提供される。
【0203】
方法は、複数の構成要素からエアロゾル発生物品を組み立てることを含み、複数の構成要素は、エアロゾル形成基体を含む。
【0204】
そのような物品は、例えば、ラッパーまたはケーシング内で組み立てられたエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備え得るロッドの形態であってもよい。エアロゾル発生物品は、30mm~120mm、例えば40~80mm、例えば約45mmの長さを有し得る。エアロゾル発生物品は、3.5mm~10mm、例えば、4mm~8.5mm、例えば4.5mm~7.5mmの直径を有し得る。
【0205】
随意に、エアロゾル発生物品は、前部プラグを含む。随意に、エアロゾル発生物品は、第一の中空管、例えば第一の中空アセテート管を備える。随意に、エアロゾル発生物品は、第二の中空管、例えば第二の中空アセテート管を備える。随意に、第二の中空管は一つ以上の通気孔を備える。随意に、エアロゾル発生物品は、口プラグフィルターを含む。随意に、エアロゾル発生物品は、ラッパー、例えば紙ラッパーを備える。
【0206】
随意に、前部プラグは、物品の最上流端に配設される。随意に、エアロゾル形成基体は、前部プラグの下流に配設される。随意に、第一の中空管はエアロゾル形成基体の下流に配設されている。随意に、第二の中空管は、第一の中空管の下流に配設される。随意に、口プラグフィルターは、第一の中空管および第二の中空管のうちの一方または両方の下流に配設される。随意に、口プラグフィルターは、物品の最下流端に配設される。随意に、物品の口側端と呼ばれうる物品の最下流端は、ユーザーの口の中への挿入するために構成されてもよい。ユーザーは、例えば物品の口側端を直接吸入することができる場合がある。
【0207】
随意に、前部プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管および第二の中空管のうちの一方または両方、および口プラグフィルターは、ラッパー、例えば紙ラッパーによって包まれる。
【0208】
随意に、前方プラグは、2~10、3~8、または4~6mm、例えば約5mmの長さを有する。随意に、物品内のエアロゾル形成基体は、5~20、8~15、または10~15mm、例えば約12mmの長さを有する。随意に、第一の中空管は、2~20、5~15、または5~10mm、例えば約8mmの長さを有する。随意に、第二の中空管は、2~20、5~15、または5~10mm、例えば約8mmの長さを有する。随意に、口プラグフィルターは、5~20、8~15、または10~15mm、例えば約12mmの長さを有する。前部プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管、第二の中空管、および口プラグフィルターのうちの一つ以上の長さは、長軸方向に延在してもよい。
【0209】
前部プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管、第二の中空管、および口プラグフィルターのうちの一つ以上は、実質的に円筒状、例えば直円筒形状であってもよい。
【0210】
本開示を読んだ当業者によって理解されるように、一態様に関連して本明細書に記載の特徴は、任意の他の態様に適用可能であり得る。
【0211】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができるエアロゾルまたは揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指し得る。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、担体上にまたは支持体上に吸着、被覆、含浸、または別の方法で装填されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0212】
本明細書で使用される場合、「膨張黒鉛」という用語は、黒鉛系材料、または黒鉛様構造を有する材料を指し得る。膨張黒鉛は、炭素層間の間隔が通常の黒鉛内の炭素層間に見られる間隔よりも大きい炭素層(例えば、黒鉛に類似)を有してもよい。膨張黒鉛は、炭素層間の空間に介在する要素または化合物を有する炭素層を有してもよい。
【0213】
本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、「密度」という用語は、真密度を指すために使用され得る。真密度の測定は、多くの標準的な方法を使用して行うことができ、これらの方法はしばしばアルキメデスの原理に基づく。最も広く使用されている方法は、粉末の真密度を測定するために使用される場合、既知の体積の容器(ピクノメーター)内に粉末を入れて重量を測定することを必要とする。次いで、ピクノメーターは、粉末が可溶性ではない既知の密度の流体で充填される。粉末の体積は、ピクノメーターによって示される体積と、添加される液体の体積(すなわち、変位した空気の体積)との間の差によって決定される。
【0214】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生物品」は、例えば加熱される時、エアロゾルを発生、または放出することができる物品を指してもよい。
【0215】
本明細書で使用される場合、「長軸方向」という用語は、エアロゾル形成基体またはエアロゾル発生物品などの構成要素の下流または近位端と上流または遠位端との間に延びる方向を指し得る。
【0216】
上述の通り、「横断」という用語は、長軸方向に対して直交する方向を指してもよい。
【0217】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル発生装置」は、エアロゾルの発生または放出を可能にするために、エアロゾル発生物品と共に使用される装置を指してもよい。
【0218】
本明細書で使用される場合、「シート」という用語は、例えば、その厚さの少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、または50倍よりも実質的に大きい幅および長さを有する概して平面状の層状要素を指しうる。
【0219】
本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする、任意の適切な既知の化合物または化合物の混合物を指し得る。エアロゾルは、高密度で安定したエアロゾルであってもよい。エアロゾルは、エアロゾル形成基体またはエアロゾル発生物品の動作温度での熱分解に対して実質的に耐性であってもよい。
【0220】
本明細書で使用される「ロッド」という用語は、概して円筒状、例えば直円筒状、実質的に円形、楕円形、または楕円形の断面の要素を指してもよい。
【0221】
本明細書で使用される場合、「捲縮」という用語は、一つ以上の隆起または波形を有するシートまたは個別の要素を指し得る。隆起または波形は、実質的に平行であってもよい。エアロゾル発生物品の構成要素内に存在する時、隆起または波形は、エアロゾル発生物品に対して長軸方向に延在してもよい。
【実施例
【0222】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の特徴うちのいずれか一つ以上と組み合わされうる。
【0223】
実施例1.
加熱式エアロゾル発生物品で使用するためのエアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料の層および炭素系熱伝導性材料の層を含む共積層シートを含む。
実施例2.
炭素系熱伝導性材料の層が、炭素を含む材料、例えば、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、木炭、およびダイヤモンドのうちの一つ以上を含む、またはそれらから成る材料である、実施例1に記載のエアロゾル形成基体。
実施例3.
炭素系熱伝導性材料の層が、黒鉛および膨張黒鉛のうちの少なくとも一つを含むか、またはそれらからなり得る、実施例1または2に記載のエアロゾル形成基体。
実施例4.
共積層シートの幅が、10mmより大きく、好ましくは20、30、40、50、60、70、80、90、100ミリメートルより大きい、実施例1~3のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例5.
共積層シートの幅が、300、250、200、150ミリメートル未満である、実施例1~4のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例6.
共積層シートのエアロゾル形成材料の層が、熱伝導性材料の層と密着している、実施例1~5のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例7.
炭素系熱伝導性材料の層が、エアロゾル形成材料の層の長さおよび幅と類似または同じ長さおよび幅を有する、実施例1~6のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例8.
炭素系熱伝導性材料の層が、熱伝導性材料の層の表面の実質的に全体にわたってエアロゾル形成材料の層と接触する、実施例1~7のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例9.
共積層シートの層が、単一のシートを形成する、実施例1~8のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例10.
共積層シートが、エアロゾル形成材料の二つ以上の層を含む、実施例1~9のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例11.
共積層シートが、熱伝導性材料の二つ以上の層を含む、実施例1~10のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例12.
エアロゾル形成材料の層または各層が、熱伝導性材料の層の間に挟まれる、実施例10に記載のエアロゾル形成基体。
実施例13.
熱伝導性材料の層または各層が、エアロゾル形成材料の層の間に挟まれる、実施例11に記載のエアロゾル形成基体。
実施例14.
共積層シートが、炭素系熱伝導性材料の層およびエアロゾル形成材料以外の材料を含む一つ以上の追加的な層を含む、実施例1~13のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例15.
熱伝導性材料の層または各層が、フィルムまたは箔の形態である、実施例1~14のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例16.
熱伝導性材料の層または各層が可撓性である、実施例1~15のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例17.
エアロゾル形成材料の層または各層が可撓性である、実施例1~16のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例18.
共積層シートが可撓性である、実施例1~17のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例19.
熱伝導性材料の層または各層が、10、5、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、または0.02ミリメートル未満の厚さを有する、実施例1~18のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例20.
熱伝導性材料の層または各々が、10~0.02、または5~0.02、3~0.02、2~0.02、1~0.02、0.9~0.02、0.8~0.02、0.7~0.02、0.6~0.02、0.5~0.02、0.4~0.02、0.3~0.02、0.2~0.02、0.1~0.02、0.09~0.02、0.08~0.02、0.07~0.02、0.06~0.02、0.05~0.02、0.04~0.02ミリメートルの厚さを有する、実施例1~19のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例21.
炭素系熱伝導性材料の層が、炭素繊維、黒鉛、またはグラフェンを含むか、またはそれらから成る、実施例1~20のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例22.
炭素系熱伝導性材料の層が、膨張黒鉛を含むか、または膨張黒鉛から成る、実施例21に記載のエアロゾル形成基体。
実施例23.
炭素系熱伝導性材料の層が、黒鉛および膨張黒鉛の両方を含む、実施例21または22に記載のエアロゾル形成基体。
実施例24.
炭素系熱伝導性材料の層が、可撓性の黒鉛または可撓性の黒鉛および膨張黒鉛の箔またはフィルムから成る、実施例21~23のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例25.
炭素系熱伝導性材料の層が、エアロゾル形成材料の密度以下の密度を有する、実施例1~24のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例26.
熱伝導性材料の層が、エアロゾル形成材料の密度よりも少なくとも1、2、5、10、15、20、25、または30%小さい密度を有する、実施例1~25のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例27.
エアロゾル形成基体が、1050、1000、950、900、850、800、850、800、750、700、または650kg/m3未満の密度を有する、実施例1~26のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例28.
エアロゾル形成基体が、500~900kg/m3、例えば、600~800kg/m3の密度を有する、実施例1~27のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例29.
炭素系熱伝導性材料の層が、3、2、1.8、1.5、1.2、1、0.8、0.5、0.2、0.1、0.05、0.02グラム/センチメートル立方体(g/cm3)未満の密度を有する、実施例1~28のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例30.
炭素系熱伝導性材料の層が、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、0.8、1、1.2、1.5、1.8グラム/センチメートル立方体(g/cm3)より大きい密度を有する、実施例1~29のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例31.
炭素系熱伝導性材料の層が、0.01~3、0.01~2、0.01~1.8、0.01~1.5、0.01~1.2、0.01~1、0.01~0.8、0.01~0.5、0.02~3、0.02~2、0.02~1.8、0.02~1.5、0.02~1.2、0.02~1、0.02~0.8、0.02~0.5、0.01~3、0.05~2、0.05~1.8、0.05~1.5、0.05~1.2、0.05~1、0.05~0.8、0.05~0.5g/cm3、0.1~3、0.1~2、0.1~1.8、0.1~1.5、0.1~1.2、0.1~1、0.1~0.8、0.1~0.5、0.2~3、0.2~2、0.2~1.8、0.2~1.5、0.2~1.2、0.2~1、0.2~0.8、0.2~0.5、0.5~3、0.5~2、0.5~1.8、0.5~1.5、0.5~1.2、0.5~1、0.5~0.8、0.8~3、0.8~2、0.8~1.8、0.8~1.5、0.8~1.2、0.8~1グラム/センチメートル立方体(g/cm3)の密度を有する、実施例1~30のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例32.
炭素系熱伝導性材料の層が、1、2、3、4、5、6、7、8、または9メガパスカル(Mpa)を超える引張強度を有する、実施例1~31のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例33.
炭素系熱伝導性材料の層が、再構成炭素系材料を含むか、またはそれから成る、実施例1~32のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例34.
炭素系熱伝導性材料の層が、再構成された黒鉛シートを含むか、またはそれから成る、実施例33に記載のエアロゾル形成基体。
実施例35.
炭素系熱伝導性材料の層が、再構成黒鉛フィルムまたは箔を含むか、またはそれらから成る、実施例33または34に記載のエアロゾル形成基体。
実施例36.
再構成炭素系材料が熱伝導性粒子を含む、実施例33~35のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例37.
熱伝導性粒子の各熱伝導性粒子が、摂氏25度で少なくとも一方向に、少なくとも1ワット/メートルケルビン[W/(mK)]の熱伝導率を有する、実施例36に記載のエアロゾル形成基体。
実施例38.
熱伝導性粒子の一部またはすべてが、炭素、例えば、少なくとも10、30、50、70、90、95、98、または99重量%の炭素を含む、実施例36または37に記載のエアロゾル形成基体。
実施例39.
再構成炭素系材料がエアロゾル形成体を含む、実施例33~38のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例40.
再構成炭素系材料が、7~60重量%の乾燥重量基準でエアロゾル形成体を含む、実施例39に記載のエアロゾル形成基体。
実施例41.
再構成炭素系材料が繊維を含む、実施例33~40のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例42.
再構成炭素系材料の層が、2~20重量%の場合、乾燥重量基準で繊維を含む、実施例41に記載のエアロゾル形成基体。随意に、繊維はセルロース繊維である。
実施例43.
再構成炭素系材料が結合剤を含む、実施例33~42のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例44.
再構成炭素系材料が、乾燥重量基準で2~10重量%の結合剤を含む、実施例43に記載のエアロゾル形成基体。
実施例45.
炭素系熱伝導性材料の層が、たばこを含まない、実施例33~44のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例46.
炭素系熱伝導性材料の層が、ニコチンを含まなくてもよい、実施例45に記載のエアロゾル形成基体。
実施例47.
炭素系熱伝導性材料の層が、キャスティングプロセスによって形成されてもよい、実施例33~46のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例48.
共積層シートが、シートの集合体を含むか、またはシートの集合体の形態を有する、実施例1~47のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例49.
炭素系熱伝導性材料の層が、2、5、10、20、50、100、200、500、1000、または1500W/(mK)を超える熱伝導率を有する、実施例1~48のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例50.
炭素系熱伝導性材料の層は、平面内にあるか、または平面を画定し、平面内の炭素系熱伝導性材料の熱伝導率の層が、2、5、10、20、50、100、200、500、1000、または1500W/mKよりも大きい、実施例1~49のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例51.
炭素系熱伝導性材料の層が、10、30、50、70、80、90、95、98、99、99.5、または99.9重量%超の炭素を含む、実施例1~50のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例52.
炭素系熱伝導性材料の層が、エアロゾル形成基体の90、80、50、20、10、または5重量パーセント以下を構成する、実施例1~51のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例53.
炭素系熱伝導性材料の層が、エアロゾル形成基体の0.1、0.2、0.5、1、2、3、5、10、20、30、40、または50重量パーセント以上を構成する、実施例1~52のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例54.
炭素系熱伝導性材料の層が、エアロゾル形成基体の20~90、20~90、30~90、40~90、20~80、30~80、40~80、20~70、30~70、40~70、20~60、30~60、40~60、20~50、30~50重量パーセントを構成する、実施例1~53のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体。
実施例55.
実施例1~54のいずれか一つに定義されるエアロゾル形成基体のシートの集合体と、エアロゾル形成基体のシートの集合体を包むラッパーとを備える、エアロゾル発生物品用のロッド。
実施例56.
エアロゾル形成基体のロッド内に位置するサセプタ要素をさらに備える、実施例55に記載のロッド。
実施例57.
サセプタ要素が細長いサセプタ要素である、実施例56に記載のロッド。
実施例58.
サセプタ要素が、エアロゾル形成基体のロッド内に長軸方向に延在する、実施例56または57に記載のロッド。
実施例59.
ロッドが、実質的に円筒形状である、実施例56~58のいずれか一つに記載のロッド。
実施例60.
サセプタ要素が、エアロゾル形成基体のロッド内の半径方向中心位置に位置付けられて、エアロゾル形成基体のロッドの中央長軸方向軸に沿って延在する、実施例59に記載のロッド。
実施例61.
サセプタ要素が、ピン、ロッド、細片、またはブレードの形態である、実施例56~60のいずれか一つに記載のロッド。
実施例62.
サセプタ要素が、5~15、6~12、または8~10ミリメートルの長さを有する、実施例56~61のいずれか一つに記載のロッド。
実施例63.
炭素系熱伝導性材料の層が、サセプタ材料を含む、実施例62に記載のロッド。
実施例64.
熱伝導性材料の層を除いて、エアロゾル形成基体内またはエアロゾル形成基体のロッド内にサセプタ要素が存在しない、実施例63に記載のロッド。
実施例65.
物品が、実施例1~64のいずれか一つに記載のエアロゾル形成基体を含む、電気エアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル発生物品。
実施例66.
ロッドの形態のラッパーまたはケーシング内で組み立てられた複数の要素を備える、実施例65に記載のエアロゾル発生物品。
実施例67.
複数の要素が、上流要素、エアロゾル形成基体、支持要素、エアロゾル冷却要素、およびマウスピース要素を含む、実施例65に記載のエアロゾル発生物品。
実施例68.
エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生物品と係合可能、かつエアロゾル発生物品から係脱可能である、実施例65~67のいずれか一つに定義されるエアロゾル発生物品および電気エアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システム。
実施例69.
エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生物品を抵抗加熱するように構成される、実施例68に記載のエアロゾル発生システム。
実施例70.
装置が抵抗加熱式発熱体を備える、実施例69に記載のエアロゾル発生システム。
実施例71.
発熱体が、電気抵抗トラックを含む、実施例70に記載のエアロゾル発生システム。
実施例72.
エアロゾル発生装置が、エアロゾル発生物品を誘導加熱するように構成される、実施例71に記載のエアロゾル発生システム。
実施例73.
装置がインダクタコイルなどのインダクタを備える、実施例72に記載のエアロゾル発生システム。
実施例74.
装置が、変動電磁場を発生するように構成される、実施例73に記載のエアロゾル発生システム。
実施例75.
エアロゾル形成基体を形成する方法であって、エアロゾル形成材料の層を炭素系熱伝導性材料の層と組み合わせて、共積層シートを形成することを含む、方法。
実施例76.
エアロゾル形成材料の層が、エアロゾル形成材料の連続的なシートである、実施例75に記載の方法。
実施例77.
炭素系熱伝導性材料の層が、炭素系熱伝導性材料の連続的なシートである、実施例75または76に記載の方法。
実施例78.
方法が、連続的な共積層シートを形成することを含む、実施例75~77のいずれか一つに記載の方法。
実施例79.
共積層シートを、その長軸方向軸に対して横方向に集合させることをさらに含む、実施例75~78のいずれか一つに記載の方法。
実施例80.
方法が、共積層シートの集合体をラッパーで包んでロッドを形成することをさらに含む、実施例75~79のいずれか一つに記載の方法。
実施例81.
方法が、ラッパーで包まれたシートの集合体が連続的ロッドを形成するように、連続的共積層シートを形成することを含む、実施例80に記載の方法。
実施例82.
連続的ロッドを複数の個別のロッドに切断することをさらに含む、実施例81に記載の方法。
実施例83.
層を組み合わせる工程が、炭素系熱伝導性材料層およびエアロゾル形成材料層を互いに接触させ、好ましくは密着させることを含む、実施例75~82のいずれか一つに記載の方法。
実施例84.
これらの層が互いに接触している間に、炭素系熱伝導性の層およびエアロゾル形成材料層を捲縮することをさらに含む、実施例83に記載の方法。
実施例85.
捲縮する工程が、捲縮ローラーを通して炭素系熱伝導性の層およびエアロゾル形成材料層を供給して、連続的な捲縮した共積層シートを形成することを含む、実施例84に記載の方法。
実施例86.
捲縮した共積層シートが、シートの長軸方向軸に実質的に平行な複数の離間した隆起または波形を有する、実施例84に記載の方法。
実施例87.
シートを組み合わせる工程が、エアロゾル形成材料のシートを炭素系熱伝導性材料のシートの上に重ねることを含む、実施例75~86のいずれか一つに記載の方法。
実施例88.
層を組み合わせる工程が、炭素系熱伝導性材料のシートをエアロゾル形成材料のシートの上に重ねることを含む、実施例75~87のいずれか一つに記載の方法。
実施例89.
エアロゾル形成材料の層を形成する工程をさらに含む、実施例75~88のいずれか一つに記載の方法。
実施例90.
エアロゾル形成材料の層を形成する工程が、製紙プロセス、または好ましくはキャスティングプロセスの工程を含む、実施例89に記載の方法。
実施例91.
エアロゾル形成材料の層を形成する工程が、有機材料を含むスラリーをキャスティングすることを含む、実施例90に記載の方法。
実施例92.
シートを形成する工程が、スラリーを乾燥してエアロゾル形成材料を形成することをさらに含む、実施例91に記載の方法。
実施例93.
シートを組み合わせる工程が、エアロゾル形成材料のシートを炭素系熱伝導性材料のシートの上に重ねることを含み、エアロゾル形成材料の層を形成する工程が、層を組み合わせる工程の前に実施される、実施例91~93のいずれか一つに記載の方法。
実施例94.
エアロゾル形成材料の層を形成する工程が、層を組み合わせる工程と同時に実施され得る、実施例91~93のいずれか一つに記載の方法。
実施例95.
エアロゾル形成材料のシートが、炭素系熱伝導性材料のシートの上に形成される、実施例94に記載の方法。
実施例96.
エアロゾル形成材料のシートを形成する工程が、エアロゾル形成材料のスラリーを、炭素系熱伝導性材料の層上に、好ましくはその上に直接キャスティングすることを含む、実施例95に記載の方法。
実施例97.
炭素系熱伝導性材料の層の上にスラリーを乾燥する工程をさらに含む、実施例96に記載の方法。
実施例98.
炭素系熱伝導性材料の層を形成することをさらに含む、実施例75~97のいずれか一つに記載の方法。
実施例99.
炭素系熱伝導性材料の層を形成する工程が、再構成炭素系材料を調製、形成、または製造することを含む、実施例98に記載の方法。
実施例100.
再構成炭素系材料を製造する工程が、熱伝導性粒子を含むスラリーを形成することを含む、実施例99に記載の方法。
実施例101.
再構成炭素系材料を製造する工程が、スラリーをキャスティングおよび乾燥して再構成炭素系材料を形成することをさらに含む、実施例100に記載の方法。
実施例102.
スラリーが繊維を含む、実施例99または100に記載の方法。
実施例103.
スラリーが結合剤を含む、実施例99~102のいずれか一つに記載の方法。
実施例104.
スラリーを形成することが、第一の混合物を形成することをさらに含む、実施例99~103のいずれか一つに記載の方法。
実施例105.
第一の混合物が繊維を含む、実施例104に記載の方法。
実施例106.
スラリーを形成することが、第二の混合物を形成することを含む、実施例104または105に記載の方法。
実施例107.
第二の混合物が熱伝導性粒子を含む、実施例106に記載の方法。
実施例108.
エアロゾル形成基体を含むロッドを形成する方法であって、方法が、
エアロゾル形成材料の層および炭素系熱伝導性材料の層を含む共積層シートを提供する工程と、
共積層シートをその長軸方向軸に対して横方向に集合させる工程と、
共積層シートの集合体をラッパーで包んで連続ロッドを形成する工程と、を含む、方法。
実施例109.
方法が、実施例75~108のいずれか一つに記載の方法の工程のいずれかを含む、実施例108に記載の方法。
実施例110.
実施例108または109の方法工程を含む、エアロゾル発生物品を形成する方法。
【0224】
具体的な実施形態を以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0225】
図1図1は、エアロゾル発生物品の第一の実施形態の概略断面図を示す。
図2図2は、具体的な実施形態によるロッドを形成するための第一の装置の概略断面を示す。
図3図3は、具体的な実施形態によるロッドを形成するための第一の装置の概略断面を示す。
図4図4は、エアロゾル発生システムの第一の実施形態の概略断面図を示す。
図5図5は、エアロゾル発生システムの第二の実施形態の概略断面図を示す。
図6図6は、エアロゾル発生物品の第二の実施形態の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0226】
図1はエアロゾル発生物品10の第一の実施形態の概略断面図を示す。エアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基体のロッド12と、エアロゾル形成基体のロッド12の下流の位置にある下流セクション14とを備える。さらに、エアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基体のロッド12の上流の位置に上流セクション16を備える。したがって、エアロゾル発生物品10は、上流または遠位端18から下流または近位または口側端20まで延在する。
【0227】
エアロゾル発生物品は、約45ミリメートルの全長を有する。
【0228】
下流セクション14は、エアロゾル形成基体のロッド12のすぐ下流に位置する支持要素22を備え、支持要素22は、ロッド12と長手方向に整列している。図1の実施形態では、支持要素22の上流端は、エアロゾル発生基体のロッド12の下流端に当接している。加えて、下流セクション14は、支持要素22のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素24を備え、エアロゾル冷却要素24は、ロッド12および支持要素22と長軸方向の整列の状態にある。図1の実施形態において、エアロゾル冷却要素24の上流端は、支持要素22の下流端に当接している。
【0229】
以下の記述から明らかになる通り、支持要素22およびエアロゾル冷却要素24は、エアロゾル発生物品10の中間中空セクション50を一緒に画定する。全体として、中間中空セクション50は、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的に寄与しない。全体としての中間中空セクション26のRTDは、実質的に0ミリメートルH2Oである。
【0230】
支持要素22は、第一の中空管状セグメント26を含んでもよい。第一の中空管状セグメント26は、セルロースアセテートで作製された中空円筒状管の形態で提供されている。第一の中空管状セグメント26は、第一の中空管状セグメントの上流端30から第一の中空管状セグメント20の下流端32まで全面的に延在している、内部空洞28を画定する。内部空洞28は実質的に空であり、そのため内部空洞28に沿って、実質的に制限のない気流が可能である。第一の中空管状セグメント26、および結果として、支持要素22は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。より詳細には、第一の中空管状セグメント26のRTD(実質的に支持要素22のRTDである)は、実質的に0ミリメートルH2Oである。
【0231】
第一の中空管状セグメント26は、約8ミリメートルの長さ、約7.25ミリメートルの外径、および約1.9ミリメートルの内径(DFTS)を有する。したがって、第一の中空管状セグメント26の周辺壁の厚さは、約2.67ミリメートルである。
【0232】
エアロゾル冷却要素24は、第二の中空管状セグメント34を備える。第二の中空管状セグメント34は、セルロースアセテートで作製された中空円筒状管の形態で提供されている。第二の中空管状セグメント34は、第二の中空管状セグメントの上流端38から第二の中空管状セグメント34の下流端40にずっと延びる内部空洞36を画定する。内部空洞36は実質的に空であり、そのため内部空洞36に沿って、実質的に制限のない気流が可能である。第二の中空管状セグメント28、および結果として、エアロゾル冷却要素24は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。より詳細には、第二の中空管状セグメント34のRTD(本質的にエアロゾル冷却要素24のRTDである)は、実質的に0ミリメートルH2Oである。
【0233】
第二の中空管状セグメント34は、約8ミリメートルの長さ、約7.25ミリメートルの外径、および約3.25ミリメートルの内径(DSTS)を有する。したがって、第二の中空管状セグメント34の周辺壁の厚さは、約2ミリメートルである。したがって、第一の中空管状セグメント26の内径(DFTS)と第二の中空管状セグメント34の内径(DSTS)との間の比は、約0.75である。
【0234】
エアロゾル発生物品10は、第二の中空管状セグメント34に沿った場所に提供された通気ゾーン60を備える。より詳細に、通気ゾーンは、第二の中空管状セグメント34の上流端から約2ミリメートルにて提供されている。この実施形態では、通気ゾーン60は、紙ラッパー70を通る円周列の穿孔を備え、エアロゾル発生物品10の通気レベルは約25パーセントである。
【0235】
図1の実施形態では、下流セクション14は、中間中空セクション50の下流の位置にマウスピース要素42をさらに備える。より詳細には、マウスピース要素42は、エアロゾル冷却要素24のすぐ下流に位置付けられる。図1の図面に示す通り、マウスピース要素42の上流端は、エアロゾル冷却要素24の下流端40に当接する。
【0236】
マウスピース要素42は、低密度セルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供されている。
【0237】
マウスピース要素42は、約12ミリメートルの長さ、および約7.25ミリメートルの外径を有する。マウスピース要素42のRTDは、約12ミリメートルH2Oである。マウスピース要素42の長さと中間中空セクション50の長さとの比は約0.6である。
【0238】
エアロゾル形成基体のロッド12は、約7.25ミリメートルの外径、および約12ミリメートルの長さを有する。
【0239】
上流セクション16は、エアロゾル形成基体のロッド12のすぐ上流に位置する上流要素46を備え、上流要素46は、ロッド12と長手方向に整列している。図1の実施形態では、上流要素46の下流端は、エアロゾル形成基体のロッド12の上流端に当接する。上流要素46は、セルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供される。上流要素46は、約5ミリメートルの長さを有する。上流要素46のRTDは、約30ミリメートルH2Oである。
【0240】
上流要素46、エアロゾル形成基体のロッド12、支持要素22、エアロゾル冷却要素24、およびマウスピース要素42は、紙ラッパー70によって包まれている。
【0241】
エアロゾル形成基体のロッド12は、エアロゾル形成材料の層13および炭素系熱伝導性材料の層15を含む、共積層シートの集合体を含む。エアロゾル形成材料の層13は、炭素系熱伝導性材料の層と密着し、一方の層が他方の層の上に積み重ねられている。下記に説明するように、シートは、複数の実質的に平行な隆起または波形を形成するように集合される。このように、図1に示すシートの断面は、エアロゾル形成基体のロッド12の波型の共積層構造から生じる炭素系熱伝導性材料の層15の間に挟まれたエアロゾル形成材料の複数の層13を有するようである。
【0242】
エアロゾル形成材料13は、たばこ材料およびグリセリンを含む再構成シートを含む。
【0243】
炭素系熱伝導性材料の層15は、黒鉛、膨張黒鉛、または黒鉛および膨張黒鉛の両方で作製された箔である。
【0244】
厚紙管34は、16mmの長さを有し、物品10内に自由空間を提供し、その中にエアロゾル形成基体の加熱によって発生した揮発性成分が冷却されてエアロゾルを形成することができる。
【0245】
マウスピース要素42は、低密度セルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供されている。マウスピース要素42は、約12ミリメートルの長さ、および約7.25mmの外径を有する。マウスピース要素42のRTDは、約12ミリメートルH2Oである。
【0246】
図1のエアロゾル発生物品10の構成は、一例としてのみ機能することが意図されていることは明らかである。熱強化エアロゾル形成基体は、例えば、より長い、例えば、80mmの長さ、およびより薄い、例えば、直径4.5mmのエアロゾル発生物品に用いられ得る。
【0247】
図2は、エアロゾル形成基体のロッド12を形成するための装置を示す。装置は一般的に、均質化されたたばこおよびアルミ箔の連続的共積層シートを供給する供給手段と、連続的共積層シートを捲縮する捲縮手段と、捲縮した連続的共積層シートを集合させて、その集合させた材料をラッパーで包んで連続的ロッドを形成するロッド形成手段と、連続的ロッドを複数の個々のロッドに切断する切断手段とを含む。装置はまた、供給手段からロッド形成手段へ捲縮手段を介して、装置を通して下流に、連続的共積層シート材料を搬送する搬送手段を含む。
【0248】
図2に示す通り、連続的な一つに薄層形成されたシートを提供するための供給手段は、エアロゾル形成材料の層および熱伝導性材料の層を含む連続的な一つに薄層形成されたシートを備え、連続的共積層シートはボビン4上に取り付けられている。捲縮手段は一対の回転可能な捲縮ローラー6を含む。使用中、連続的共積層シート2は第一のボビン4から引き出され、一対の捲縮ローラー6まで、一連のガイドおよびテンションローラーを経由して搬送手段によって下流に搬送される。連続的共積層シート2が一対の捲縮ローラー6間に供給されると、捲縮ローラーが係合し、シート2を捲縮して、装置を通してシートの長軸方向軸に対して実質的に平行な複数の間隙を介した隆起または波型を有する、捲縮した連続的共積層シート8を形成する。
【0249】
連続的に捲縮したシート8は、一対の捲縮ローラー6からロッド形成手段へと下流に搬送され、そこで先細の漏斗またはホーン31を通して供給される。先細の漏斗31は、連続的共積層シート8をその長軸方向軸に対して横方向に集合する。材料のシート8は、先細の漏斗31を通過する際は実質的に円筒形の構造であると想定される。
【0250】
先細の漏斗31を出る際に、共積層シートの集合体は、包装材料の連続的なシート37の中に包まれる。包装材料の連続的なシートはボビン35から供給され、エンドレスベルトコンベアまたは装具によって、均質化したたばこ材料の連続的に捲縮したシートの集合体の周りで包まれる。図1に示す通り、ロッド形成手段は、包装材料の連続的なシートの対向にある長軸方向の端が接触し互いに接着して連続的ロッドを形成するように、包装材料の連続的なシートの長軸方向の端のうち片方に接着剤を塗布する接着剤塗布手段17を含む。
【0251】
ロッド形成手段は、接着剤塗布手段17の下流に乾燥手段19をさらに備え、これは使用時に、連続的ロッドがロッド形成手段から切断手段に下流に搬送される際に、連続的ロッドの継ぎ目に塗布された接着剤を乾燥させる。
【0252】
切断手段は、連続的ロッドを単位ロッド長さまたは複数単位ロッド長さの複数の個々のロッドに切断するロータリーカッター21を含む。
【0253】
図3は、エアロゾル形成基体のロッド12を形成するための代替的な装置を示す。図3の装置は、図2の装置と類似しており、同様の特徴は、それに応じて番号付けされる。図2および図3の装置間の差異は、図3の装置が、エアロゾル形成基体の共積層シートを含む単一のボビンではなく、エアロゾル形成材料の連続的なシートおよび熱伝導性材料の連続的なシートのための別個のボビン35を含むことである。
【0254】
図3の装置では、エアロゾル形成材料の連続的なシートは一次ボビン23上に取り付けられ、炭素系熱伝導性材料の連続的なシートは二次ボビン33上に取り付けられる。使用中、エアロゾル形成材料の連続的なシートは第一のボビン23から引き出され、一対の捲縮ローラー6まで、一連のガイドおよびテンションローラーを経由して搬送機構によって下流に搬送される。連続的なシート炭素系熱伝導性材料は、二次ボビン33から同様に引き出され、搬送機構によって一対の捲縮ローラー6に下流に搬送される。捲縮ローラー6を通過する前に、炭素系熱伝導性材料の連続的なシートは、炭素系熱伝導性材料がエアロゾル形成材料の上にあるように、エアロゾル形成材料と密着する。これにより、炭素系熱伝導性材料の層および捲縮ローラー6を通過するエアロゾル形成材料の層を含む連続的共積層シートを形成する。次に、連続的共積層シートは、図2に関連して説明したのと同じ方法で図3の装置を通過する。
【0255】
他の実施形態では、捲縮ローラーを通過する前にエアロゾル形成材料が炭素系熱伝導性材料の上にあるように、エアロゾル形成材料のボビンを炭素系熱伝導性材料のボビンと取り替えてもよい。
【0256】
一実施形態では、上述のエアロゾル形成材料は、以下の工程を含むキャスティングプロセスによって形成される:
・細かく切られたたばこ材料、結合剤、グアーガムをエアロゾル形成体、グリセリンと予混合して、予混合物を形成する工程と、
・予混合物を水と混合してスラリーを形成する工程と、
・高せん断ミキサーを使用してスラリーを均質化する工程と、
・スラリーをコンベヤーベルト上にキャスティングする工程と、
・スラリーの厚さを制御し、スラリーを乾燥させてエアロゾル形成材料の大きなシートを形成する工程。
【0257】
上記のプロセスを使用して、図3の装置のボビン23用のエアロゾル形成材料の連続的なシートを生成してもよい。
【0258】
別の実施形態において、上述のエアロゾル形成材料は、以下の工程を含むキャスティングプロセスによって形成される:
・細かく切られたたばこ材料、結合剤、グアーガムをエアロゾル形成体、グリセリンと予混合して、予混合物を形成する工程と、
・予混合物を水と混合してスラリーを形成する工程と、
・高せん断ミキサーを使用してスラリーを均質化する工程と、
・スラリーを炭素系熱伝導性材料の連続的なシート上にキャスティングする工程と、
・スラリーの厚さを制御し、スラリーを乾燥させてエアロゾル形成材料の大きなシートを形成する工程。
【0259】
上記のプロセスを使用して、エアロゾル形成材料の層を含む連続的共積層シートを生成しうる。上記のプロセスを使用して、図2の装置のボビン4用のエアロゾル形成材料の連続的なシートを生成してもよい。
【0260】
一実施形態では、炭素系熱伝導性材料は、市販の箔またはフィルムである。
【0261】
適切な炭素系熱伝導性材料は、NeoGraf solutions LLC, 11709 Madison Avenue, Lakewood, Ohio, United States 44107から入手可能である。特に、eGraf SpreaderShield(商標登録)ヒートスプレッダの範囲は、適切な炭素系熱伝導性材料である。NeoGraf溶液は、フィルムまたは箔の形態の低密度ヒートスプレッダを提供し、300~1600W/(mK)の面内伝導率、17マイクロメートルの厚さ、および7メガパスカルを超える引張強度を有する。
【0262】
好適な炭素系熱伝導性材料の別の例は、RSコンポーネンツから入手可能なPanasonic Industryの一連のEYGS182307 PGSグラファイトシートである(https://uk.rs-online.com/web/)。
【0263】
別の実施形態では、炭素系熱伝導性材料は再構成炭素系材料である。
【0264】
一実施形態では、方法は再構成炭素系材料を形成することを含む。スラリーは、粘性液体を混合する能力、液体を通して粉末を分散する能力、および混合物からガスを除去する能力を有するラボ分散機を使用して形成される(例えば、真空またはその他の適切には低圧を適用することによって)。この実施形態では、PC Laborsystemから市販のラボ分散機を使用した。
【0265】
スラリーを形成するために、第一の混合物は、約7.11グラムのエアロゾル形成体、次いで約157.5グラムの水、次いで約1.57グラムの繊維をラップ分散機に添加することによって形成される。次に、これらの第一の成分を摂氏25度で5分間、600~700rpmで混合して、均質な混合物を確保し、繊維を水和する。次に、熱伝導性粒子約32.95グラムおよび結合剤約0.92グラムを手動で混合することによって第二の混合物が形成される。第二の混合物のこの混合により、ラボ分散液中の塊の形成を回避する。次いで、第二の混合物を第一の混合物に添加して、組み合わせた混合物を形成する。次いで、組み合わせた混合物を、摂氏25度および約200mbarの第一の減圧下で、5000rpmで4分間混合する。減圧は、熱伝導性粒子が混合物中に均一に分散され、かつ組み合わされた混合物中に閉じ込められた空気がほとんどなく、かつ塊がほとんどないことを確実にするのに役立ち得る。次いで、組み合わせた混合物を、摂氏25度および約100mbarの第二の減圧下で、5000rpmで20秒間混合する。この第二の減圧は、残りの気泡を除去するのに役立ち得る。これによりキャスティング用のスラリーを形成する。
【0266】
スラリーは次に、適切な装置を使用してキャストおよび乾燥される。この実施形態では、市販のLabcoater Mathis装置を使用する。この装置は、ステンレス鋼、平坦な支持体、および平坦な支持体上にキャストされたスラリーの厚さを調整するための櫛ブレードを含む。
【0267】
スラリーは平坦な支持体上にキャストされ、櫛ブレードと平坦な支持体との間の間隙は0.6ミリメートルに設定される。これにより、どの点でも、スラリーの厚さが0.6ミリメートル以下になることを確実にする。
【0268】
スラリーは次に、2~5分間、摂氏120~140度の高温空気で乾燥される。この乾燥の後、エアロゾル形成基体のシートが形成される。このシートは、約159ミクロンの厚さ、約125.7グラム/平方メートルの坪量、および約0.79キログラム/立方メートルの密度を有する。
【0269】
図4は、エアロゾル発生システム100の第一の実施形態の概略断面図を示す。システム100は、エアロゾル発生装置102および図1のエアロゾル発生物品10を備える。
【0270】
エアロゾル発生装置102は、電池104、コントローラ106、電池に結合された加熱ブレード108、および吸煙検出機構(図示せず)を備える。コントローラ106は、電池104、加熱ブレード108、および吸煙検出機構に連結されている。
【0271】
エアロゾル発生装置102は、物品10の一部分を受容するための実質的に円筒状の空洞を画定するハウジング110をさらに備える。加熱ブレード108は、空洞内の中央に位置し、空洞の基体から長手方向に延在する。
【0272】
この実施形態では、加熱ブレード108は、基体と、基体上に位置する電気抵抗トラックとを備える。電池104は、電気抵抗トラックに電流を流し、電気抵抗トラックおよび加熱ブレード108を動作温度まで加熱できるように、加熱ブレード108に結合される。
【0273】
使用時に、ユーザーは物品10を空洞の中へと挿入し、加熱ブレード108を物品10のエアロゾル形成基体の上流要素46およびロッド12に貫通させる。図4は、装置102の空洞内に挿入された物品10を示す。
【0274】
次に、ユーザーは物品10の下流端を吸煙する。これにより、空気が装置102の空気吸込み口(図示せず)を通って流れ、次いで物品10を通って、上流端18から下流端20へと流れ、ユーザーの口の中へと流れる。
【0275】
ユーザーが物品10を吸煙すると、空気が装置の空気吸込み口を通って流れる。吸煙検出機構は、空気吸込み口を通る気流量が非ゼロ閾値流量よりも大きく増大したことを検出する。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ106に信号を送信する。次に、コントローラ106は、電気抵抗トラックに電流を流し、加熱ブレード108を加熱するように電池104を制御する。これは、加熱ブレード108と接触するエアロゾル形成基体のロッド12を加熱する。
【0276】
熱伝導性材料の層は、周囲のエアロゾル形成材料よりも著しく高い熱伝導率を有する。このように、熱伝導性材料の層は、エアロゾル形成材料のバルク全体にわたって熱エネルギーを伝導しうる。これにより、エアロゾル形成基体の大部分が揮発性化合物を放出するのに十分高い温度に達し、したがってエアロゾル形成基体の使用効率がより高くなり得る。
【0277】
エアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体は揮発性化合物を放出する。これらの化合物は、物品10の上流端18から物品10の下流端20に向かって流れる空気によって同伴される。化合物は、支持要素22およびエアロゾル冷却要素24の内部空洞28、36を通過する際に冷却および凝縮してエアロゾルを形成する。エアロゾルは次にマウスピース要素42を通過し、気流に混入した不要な粒子を濾過し、ユーザーの口の中へと入り得る。
【0278】
ユーザーが物品10での吸入を停止すると、装置の空気吸込み口を通る気流量は、非ゼロ閾値流量未満に減少する。これは、吸煙検出機構によって検出される。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ106に信号を送信する。次に、コントローラ106は、電気抵抗トラックに流れる電流をゼロに減少させるように電池104を制御する。
【0279】
物品10を数回吸煙した後、ユーザーは物品10を新しい物品と交換することを選択してもよい。
【0280】
図5は、エアロゾル発生システム200の第二の実施形態の概略断面図を示す。システム200は、エアロゾル発生装置202および図1のエアロゾル発生物品11を備える。
【0281】
エアロゾル発生装置202は、電池204、コントローラ206、インダクタコイル208、および吸煙検出機構(図示せず)を備える。コントローラ206は、電池204、インダクタコイル208、および吸煙検出機構に連結されている。
【0282】
エアロゾル発生装置202は、物品11の一部分を受容するための実質的に円筒状の空洞を画定するハウジング210をさらに備える。インダクタコイル208は、空洞の周りにスパイラル状に回転する。
【0283】
電池204は、交流電流をインダクタコイル208に通すことができるように、インダクタコイル208に結合される。
【0284】
使用時にユーザーは、物品11を空洞の中に挿入する。図5は、装置202の空洞内に挿入された物品11を示す。
【0285】
次に、ユーザーは物品11の下流端を吸煙する。これにより、空気が装置202の空気吸込み口(図示せず)を通って流れ、次いで物品11を通って、上流端18から下流端20へと流れ、ユーザーの口の中へと流れる。
【0286】
ユーザーが物品11を吸煙すると、空気が装置の空気吸込み口を通って流れる。吸煙検出機構は、空気吸込み口を通る気流量が非ゼロ閾値流量よりも大きく増大したことを検出する。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ206に信号を送信する。次に、コントローラ206は、インダクタコイル208を通して交流電流を流すように電池204を制御する。これにより、インダクタコイル208が変動電磁場を生成する。組み合わされたエアロゾル形成基体のロッド13は、この変動電磁場内に位置する。熱伝導性材料15、黒鉛および膨張黒鉛の材料は、サセプタ材料である。したがって、変動電磁場は、熱伝導性材料15(これも導電性である)に渦電流を引き起こす。これにより、熱伝導性材料15が加熱され、それによって近くのエアロゾル形成材料も加熱される。
【0287】
エアロゾル形成材料の加熱は、エアロゾル形成材料に揮発性化合物を放出させる。これらの化合物は、物品11の上流端18から物品11の下流端20に向かって流れる空気によって同伴される。化合物は、支持要素およびエアロゾル冷却要素の内部空洞28、36を通過する際に冷却および凝縮してエアロゾルを形成する。エアロゾルは次にマウスピース要素42を通過し、気流に混入した不要な粒子を濾過し、ユーザーの口の中へと入り得る。
【0288】
ユーザーが物品11での吸入を停止すると、装置の空気吸込み口を通る気流量は、非ゼロ閾値流量未満に減少する。これは、吸煙検出機構によって検出される。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ206に信号を送信する。次に、コントローラ206は、電気抵抗トラックを流れる電流をゼロに減少させるように電池204を制御する。
【0289】
物品11を数回吸煙した後、ユーザーは物品11を新しい物品と交換することを選択してもよい。
【0290】
図6は、エアロゾル発生物品510の第二の実施形態の概略断面図を示す。この第二の実施形態は、エアロゾル形成基体のロッド12がエアロゾル形成基体の代替的なロッド512によって置き換えられていることを除いて、図1の第一の実施形態と同一である。同一の参照番号が、図1および図6の実施形態における同一の構成要素に使用されている。
【0291】
図6の第二の実施形態のエアロゾル形成基体のロッド512は、図6の第二の実施形態のエアロゾル形成基体のロッド512が細長いサセプタ要素580を追加的に含むことを除いて、図1の第一の実施形態のエアロゾル形成基体のロッド12と同一である。
【0292】
サセプタ要素580は、エアロゾル形成基体のロッド512の長軸方向に対してほぼ平行になるように、エアロゾル形成基体のロッド512内に実質的に長軸方向に配設されている。図6の図面に示されるように、サセプタ要素580は、ロッド内の半径方向で中央の位置に位置付けられており、ロッド12の長手方向軸に沿って延在する。
【0293】
サセプタ要素580は、エアロゾル形成基体のロッド512の上流端から下流端まで全面的に延在する。したがって、サセプタ要素580は、エアロゾル形成基体のロッド512と実質的に同じ長さを有する。
【0294】
図6の実施形態では、サセプタ要素580は、強磁性鋼の細片の形態で提供されており、約12ミリメートルの長さ、約60マイクロメートルの厚さ、および約4ミリメートルの幅を有する。
【0295】
図6のエアロゾル発生物品510は、図2のエアロゾル発生物品11と同じ方法で、図4のエアロゾル発生装置202とともに使用されてもよい。特に、サセプタ要素580の包含は、熱伝導性材料が誘導加熱のための適切なサセプタ材料を含むかどうかにかかわらず、物品510が誘導加熱されうることを意味する。
【0296】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数Aは、A±10%のAとして理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられ得る。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用するいくつかの事例において、Aが逸脱する量が、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱し得る。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】