(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】熱強化エアロゾル形成基体
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20240628BHJP
A24B 15/42 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B15/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023580830
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 EP2022068955
(87)【国際公開番号】W WO2023281000
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン ホウシュエ
(72)【発明者】
【氏名】ワイリム エスター
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BA15
4B043BB01
4B043BB17
4B043BB22
4B043BC04
4B043BC05
4B043BC11
(57)【要約】
エアロゾル形成基体は、第一の材料および第二の材料を含み、第一の材料は、第一の複数の個別の要素としてエアロゾル形成基体内に含まれ、第二の材料は、第二の複数の個別の要素としてエアロゾル形成基体内に含まれる。第一の材料は、エアロゾル形成体を含み、第一の熱伝導率を有し、第二の材料は、第一の熱伝導率よりも大きい第二の熱伝導率を有する。エアロゾル形成基体中の第二の材料の個別の要素の存在により、熱伝導率が増大した基体を生成し、結果としてエアロゾル発生および送達の改善をもたらす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の材料および第二の材料を含むエアロゾル形成基体であって、前記第一の材料が、第一の複数の個別の要素として前記エアロゾル形成基体内に含まれ、前記第二の材料が、第二の複数の個別の要素として前記エアロゾル形成基体内に含まれ、前記第一の材料がエアロゾル形成体を含み、かつ第一の熱伝導率を有し、前記第二の材料が、前記第一の熱伝導率よりも大きい第二の熱伝導率を有する、エアロゾル形成基体。
【請求項2】
前記第二の材料の熱伝導率が、前記第一の材料の熱伝導率よりも少なくとも10%大きい、例えば、少なくとも12%大きい、または少なくとも15%大きい、または少なくとも20%大きい、請求項1に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項3】
前記第一の複数の個別の要素、または前記第二の複数の個別の要素、または前記第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方が細長い要素であり、各々が幅寸法および厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有し、例えば前記細長い要素が細片、断片、糸、またはリボンの形態である、請求項1または2のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項4】
前記第一の複数の個別の要素、または前記第二の複数の個別の要素、または前記第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方が、5ミクロン~2000ミクロン、例えば50ミクロン~500ミクロン、例えば150ミクロン~300ミクロンの平均厚さを有する、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項5】
前記第一の複数の個別の要素、または前記第二の複数の個別の要素、または前記第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方が、100ミクロン~2000ミクロン、例えば500ミクロン~1500ミクロン、例えば600ミクロン~1000ミクロンの平均幅を有する、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項6】
前記第一の複数の個別の要素、または前記第二の複数の個別の要素、または前記第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方が、100ミクロン~60ミリメートル、例えば、300ミクロン~45ミリメートル、例えば、500ミクロン~30ミリメートルミクロン、例えば、800ミクロン~20ミリメートルミクロン、例えば、1000ミクロン~10ミリメートルミクロン、例えば、1500ミクロン~6000ミクロンの平均長さを有する、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項7】
前記第二の材料が、乾燥重量基準で1%~95%の熱伝導性粒子、例えば乾燥重量基準で2%~90%の熱伝導性粒子、例えば乾燥重量基準で3%~80%の熱伝導性粒子、例えば乾燥重量基準で4%~50%の熱伝導性粒子を含む、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項8】
前記第二の材料が、炭素、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、炭素ナノ粒子、カーボンナノチューブ、木炭、ダイヤモンド、および金属から成るリストから選択される熱伝導性材料から形成された熱伝導性粒子を含む、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項9】
前記第二の材料が、炭素、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、および金属から成るリストから選択される熱伝導性材料であり、例えば、前記第二の材料のそれぞれの個別の要素が、金属箔または炭素箔、例えば銅箔、またはアルミ箔、またはステンレス鋼箔、または黒鉛箔の細片である、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項10】
前記第一の材料が、例えば25℃で、0.2W/mK未満の熱伝導率を有し、前記第二の材料が、0.22W/mK超、例えば25℃で、例えば0.22W/mK~1700W/mKの熱伝導率を有する、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項11】
前記第一の材料がたばこを含み、例えば前記第一の材料が均質化したたばこから形成される、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項12】
前記第二の材料が、エアロゾル形成体と、乾燥重量基準で前記第二の材料の3重量%~90重量%を構成する導電性粒子と、を含み、前記第二の材料が、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成される、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項13】
前記第二の材料が、たばこと、エアロゾル形成体と、乾燥重量基準で前記第二の材料の3重量%~90重量%を構成する導電性粒子と、を含み、前記第二の材料が、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成されている、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【請求項14】
前記第二の材料がたばこを含まず、例えば前記第二の材料が熱伝導性のたばこを含まない材料であり、繊維および結合剤をさらに含む、請求項12に記載のエアロゾル形成基体。
【請求項15】
前記第二の材料が、乾燥重量基準で、10~90重量%、例えば、20~85重量%または40~80重量%の粒子状炭素材料、10~40重量%のエアロゾル形成体、4~20重量%の繊維、および2~10重量%の結合剤を含み、前記粒子状炭素材料が黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、および木炭のうちの一つ以上から成る、請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体に関する。本開示はまた、エアロゾル形成基体の製造方法および基体を含むエアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なエアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置およびエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を備える。使用時に、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生物品と相互作用してエアロゾル形成基体を加熱し、エアロゾル形成基体に揮発性化合物を放出させる。これらの化合物は冷却されてエアロゾルを形成し、ユーザーによって吸入される。
【0003】
公知のエアロゾル形成基体は典型的に、比較的低い熱伝導率を有する。これは望ましくない場合がある。エアロゾル形成基体の低い熱伝導率は、使用中にエアロゾル形成基体の比較的大きな温度勾配をもたらし得る。一部のシステムにおいて、エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の中に挿入された発熱体によって加熱される。一部のシステムにおいて、エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の外部に位置するヒーターまたは熱源によって加熱される。基体が低い熱伝導率を有する場合、ヒーターまたは熱源から最も遠くに位置するエアロゾル形成基体の部分は高温に達しないため、エアロゾル形成基体が高い熱伝導率を有する場合ほど多くの揮発性化合物を放出しない。それ故に、エアロゾル形成基体の熱伝導率が低いと、望ましくないことに、エアロゾル形成基体の利用効率が低くなり得る。熱伝導率が低いという問題は、エアロゾル形成基体が複数の個別の要素の形態である場合、例えば基体がカットフィラーの形態である場合に悪化し得る。カットフィラーの個々の要素は、基体内のカットフィラーの他の要素とほとんど接触せず、これは、カットフィラーが加熱式エアロゾル発生システムにおいて基体として使用された時にエアロゾル送達が不十分になる可能性がある。
【0004】
エアロゾル形成基体の熱伝導率を増加させる試みがなされてきた。しかしながら、今日まで、これらの試みは、一つ以上の点で不十分であった。
【0005】
本発明の目的は、改善されたエアロゾル形成基体、例えば、熱伝導率が増加または増大されたエアロゾル形成基体を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
本開示によると、第一の材料の第一の複数の個別の要素および第二の材料の第二の複数の個別の要素を備えるエアロゾル形成基体が提供されてもよい。少なくとも第一の材料は、加熱に伴いエアロゾルを発生するように構成されている。第二の材料は、第一の材料よりも大きな熱伝導率を有する。
【0007】
例えば、第一の材料の第一の複数の個別の要素と第二の材料の第二の複数の個別の要素との混合物を含むエアロゾル形成基体が提供されてもよく、第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方は、幅寸法および厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する細片の形態である。
【0008】
例えば、第一の材料の第一の複数の個別の要素であって、第一の材料の第一の複数の個別の要素の各要素が、エアロゾル形成材料を含み、第一の熱伝導率を有する、第一の材料の第一の複数の個別の要素と、第二の材料の第二の複数の個別の要素であって、第二の材料の第二の複数の個別の要素の各要素が、第一の熱伝導率よりも少なくとも10%大きい第二の熱伝導率を有する、第二の材料の第二の複数の個別の要素とを含む、エアロゾル形成基体が提供されてもよい。
【0009】
例えば、第一の材料および第二の材料を含むエアロゾル形成基体が提供されてもよく、第一の材料は、第一の複数の個別の要素としてエアロゾル形成基体内に含まれ、第二の材料は、第二の複数の個別の要素としてエアロゾル形成基体内に含まれ、第一の材料はエアロゾル形成体を含み、かつ第一の熱伝導率を有し、第二の材料は、第一の熱伝導率よりも大きい第二の熱伝導率を有する。
【0010】
有利なことに、第一の材料よりも大きな熱伝導率を有する第二の材料の個別の要素の存在は、エアロゾル形成基体の全体的な熱伝導率を増加させ得る。基体の熱伝導率の増加は、使用中に基体全体にわたってより均一な温度分布を提供し得る。第二の材料の個別の要素は、第一の材料と比較して熱伝導率が増加し、エアロゾル形成基体を通して熱を輸送して第一の材料の個別の要素を加熱するように作用し得る。これにより、揮発性化合物を放出するのに十分に高い温度に達するエアロゾル形成基体のより多くの割合が得られ、したがってエアロゾル形成基体の使用効率がより高くなり得る。さらに、基体の熱伝導率の増加は、ヒーター、例えば基体または外部ヒーターを加熱するように構成された加熱ブレードがより低い温度で動作し、それ故により必要とする電力が少なくなり得る。さらになおも、基体の全体的な熱伝導率が増加すると、ヒーターが揮発性化合物がより少ない時間で放出される温度に基体を加熱することを可能にし得る。したがって、熱伝導率の増加によって、ユーザーにとって吸入可能なエアロゾルを形成するために必要な時間を削減し、またはエアロゾル送達のためにエアロゾル形成基体を調製するために必要な予熱時間を削減し得る。
【0011】
第二の熱伝導率は、第一の熱伝導率よりも少なくとも5%大きいことが好ましい。例えば、第二の熱伝導率は、第一の熱伝導率よりも少なくとも7%大きい、または少なくとも10%大きい、または少なくとも12%大きい、または少なくとも15%大きい場合がある。エアロゾル形成基体が、第一の材料の第一の個別の要素および第二の材料の第二の個別の要素の実質的に均質な混合物を含む場合、第二の材料の熱伝導率のわずかな増加は、エアロゾルの品質および送達の著しい改善をもたらし得る。
【0012】
一部の実施例では、第二の材料の熱伝導率は、第一の材料の熱伝導率よりも少なくとも10%大きい、例えば、少なくとも12%大きい、または少なくとも15%大きい、または少なくとも20%大きい。
【0013】
第一の複数の個別の要素は細長い要素であってもよく、各々が幅寸法および厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する。第二の複数の個別の要素は細長い要素であってもよく、各々が幅寸法および厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する。有利なことに、第一および第二の複数の個別の要素の両方は、細長い要素であってもよく、それぞれが幅寸法および厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する。細長い要素は、例えば細片、断片、糸、またはリボンの形態であってもよい。
【0014】
第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方は、鋳造プロセスまたは製紙プロセスによって形成されてもよい。例えば、個別の要素は、鋳造プロセスまたは製紙プロセス、続いて切断プロセスによって形成されてもよい。
【0015】
第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方は、押出成形プロセスによって形成されてもよい。例えば、スラリーまたは生地が形成され、押出成形されて細長いスパゲッティ様要素を形成してもよい。
【0016】
有利なことに、第一の複数の個別の要素の少なくとも一部分、または第二の複数の個別の要素の少なくとも一部分、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方の少なくとも一部分は、捲縮した要素であってもよい。各捲縮した要素は、捲縮した要素の長さ寸法で定義される一つ以上のねじれまたは方向変化を有してもよい。エアロゾル形成基体の少なくとも一部分を捲縮した要素の形態で提供することによって、エアロゾル形成基体の体積および基体を通る気流が制御されてもよい。
【0017】
一部の実施形態では、第一の材料は、カットフィラーの形態でエアロゾル形成基体内に含まれる。一部の実施形態では、第二の材料は、カットフィラーの形態でエアロゾル形成基体内に含まれる。有利なことに、第一の材料および第二の材料の両方は、カットフィラーの形態であってもよい。
【0018】
一部の実施形態では、第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方の個別の要素は、5ミクロン~2000ミクロン、例えば50ミクロン~500ミクロン、例えば150ミクロン~300ミクロンの平均厚さを有する。
【0019】
一部の実施形態では、第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方の個別の要素は、100ミクロン~2000ミクロン、例えば500ミクロン~1500ミクロン、例えば600ミクロン~1000ミクロンの平均幅を有する。
【0020】
一部の実施形態では、第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方の個別の要素は、100ミクロン~60ミリメートル、例えば500ミクロン~30ミリメートル、例えば1000ミクロン~10ミリメートル、または2000ミクロン~6ミリメートルの平均長さを有する。
【0021】
第二の材料は熱伝導性粒子を含んでもよい。例えば、第二の材料は、担体マトリクス、担体マトリクスによって位置する導電性粒子から形成されてもよい。担体マトリクスはエアロゾル形成マトリクスであってもよい。担体マトリクスはエアロゾル形成体を含み得る。担体マトリクスは、たばこを含まなくてもよい。担体マトリクスはたばこを含んでもよい。
【0022】
一部の実施形態では、第二の材料は、乾燥重量基準で1%~95%の熱伝導性粒子を含み得る。例えば、第二の材料は、乾燥重量基準で2%~90%、例えば3%~80%、または4%~70%、または5%~60%の熱伝導性粒子を含み得る。
【0023】
第二の材料は、炭素、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、および金属から成るリストから選択される熱伝導性材料から形成される熱伝導性粒子を含み得る。有利な実施形態では、熱伝導性粒子は、炭素系粒子、例えば、炭素、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、ダイヤモンド、およびカーボンナノチューブなどの炭素ナノ粒子から成るリストから選択される粒子であってもよい。
【0024】
「熱伝導性粒子」という用語が炭素を含む粒子、例えば黒鉛、延伸黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、木炭、およびダイヤモンドのうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る粒子を指すために使用される場合、熱伝導性粒子は、炭素粒子または炭素含有粒子と呼ばれ得る。
【0025】
任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、炭素、例えば少なくとも10、30、50、70、90、95、98、または99重量%の炭素を含む。
【0026】
任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、黒鉛粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、膨張黒鉛粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、グラフェン粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、カーボンナノチューブまたはカーボンナノチューブ粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、木炭粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、ダイヤモンド粒子、例えば人工ダイヤモンド粒子である。有利なことに、こうした材料は、比較的高い熱伝導率を有する。
【0027】
膨張黒鉛は、一立方センチメートル当たり2、1.8、1.5、1.2、1、0.8、または0.5、0.2、0.1、0.05、0.02グラム(g/cm3)未満の密度を有してもよい。膨張黒鉛は、一立方センチメートル当たり0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、0.8、1、1.2、1.5、または1.8グラム(g/cm3)よりも大きな密度を有してもよい。膨張黒鉛は、0.01~3、0.01~2、0.01~1.8、0.01~1.5、0.01~1.2、0.01~1、0.01~0.8、0.01~0.5、0.02~3、0.02~2、0.02~1.8、0.02~1.5、0.02~1.2、0.02~1、0.02~0.8、0.02~0.5、0.01~3、0.05~2、0.05~1.8、0.05~1.5、0.05~1.2、0.05~1、0.05~0.8、0.05~0.5g/cm3、0.1~3、0.1~2、0.1~1.8、0.1~1.5、0.1~1.2、0.1~1、0.1~0.8、0.1~0.5、0.2~3、0.2~2、0.2~1.8、0.2~1.5、0.2~1.2、0.2~1、0.2~0.8、0.2~0.5、0.5~3、0.5~2、0.5~1.8、0.5~1.5、0.5~1.2、0.5~1、0.5~0.8、0.8~3、0.8~2、0.8~1.8、0.8~1.5、0.8~1.2、0.8~1グラム/立方センチメートル(g/cm3)の密度を有してもよい。
【0028】
任意選択的に、熱伝導性粒子の各々が一つ以上の炭素粒子から必ずしも成らない態様によると、熱伝導性粒子の一部またはすべては金属を含む。別の方法として、または追加的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、合金を含む。別の方法として、または追加的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、金属間化合物を含む。有利なことに、こうした材料は、比較的高い熱伝導率を有する。
【0029】
任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、炭化ケイ素、銀、銅、金、窒化アルミニウム、アルミニウム、タングステン、および窒化ホウ素のうちの一つ以上を含む。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、炭化ケイ素粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、銀粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、銅粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、金粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、窒化アルミニウム粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、アルミニウム粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、タングステン粒子である。任意選択的に、熱伝導性粒子の一部またはすべては、窒化ホウ素粒子である。有利なことに、こうした材料は、比較的高い熱伝導率を有する。
【0030】
熱伝導性粒子は、各々「粒子径」を有し得る。「粒子径」という用語の意味、および粒子径を測定する方法について後に説明する。
【0031】
熱伝導性粒子は、粒子径分布によって特徴付けられ得る。粒子径分布は、数D10、D50、およびD90粒子径を有し得る。数D10粒子径は、粒子の10%が数D10粒子径以下の粒子径を有するように定義される。同様に、数D50粒子径は、粒子の50%が数D50粒子径以下の粒子径を有するように定義される。したがって、数D50粒子径は、中央粒子径とも呼ばれ得る。数D90粒子径は、粒子の90%が数D90粒子径以下の粒子径を有するように定義される。したがって、分布中に1,000個の粒子があり、粒子が粒子径で昇順に並ぶ場合、数D10粒子径は、100番目の粒子径とほぼ等しく、数D50粒子径は、500番目の粒子径とほぼ等しく、数D90粒子径は、900番目の粒子径とほぼ等しいものと予想される。
【0032】
粒子径分布は、体積D10、D50、およびD90粒子径を有し得る。体積D10粒子径は、すべての粒子の体積の合計の10%が、体積D10粒子径以下の粒子径を有する粒子の体積の合計で占められるように定義される。同様に、体積D50粒子径は、すべての粒子の体積の合計の50%が、体積D50粒子径以下の粒子径を有する粒子の体積の合計で占められるように定義される。また、体積D90粒子径は、すべての粒子の体積の合計の90%が、体積D90の粒子径以下の粒子径を有する粒子の体積の合計で占められるように定義される。
【0033】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D10粒子径を有する粒子径分布を有し、数D10粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0034】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D10の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D10粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0035】
粒子径を決定する際に妥協する必要がある。より大きな熱伝導性粒子は有利なことに、より小さな熱伝導性粒子よりも大きな第二の材料の熱伝導率を増加させ得る。しかしながら、より大きい熱伝導性粒子は、エアロゾル形成材料に利用可能な空間を低減してもよく、また第二の材料から作製された個別の要素の必要とされる厚さを増大してもよい。
【0036】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D50の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D50の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0037】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D50の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D50の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0038】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D90の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0039】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D90の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0040】
熱伝導性粒子は、1~20ミクロンの数D10の粒子径を有する粒子径分布を有することが特に好ましい場合がある。別の方法として、または追加的に、熱伝導性粒子は、50~300ミクロン、または50~200ミクロンの数D90の粒子径を有する粒子径分布を有することが特に好ましい場合がある。
【0041】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D10の粒子径および数D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D90の粒子径は、数D10の粒子径の50、40、30、20、10、または5倍以下である。
【0042】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、数D10の粒子径および数D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、数D90の粒子径は、数D10の粒子径の少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍である。
【0043】
粒子径分布に関しては妥協しなければならない。例えば、D90~D10の粒子径のより小さな比によって特徴付けられる、より緊密な粒子径分布は、有利なことに、材料、例えば、第二の材料全体にわたってより均一な熱伝導率を提供し得る。これは、材料内の異なる位置での粒子径の変動がより少ないためである。これは有利なことに、材料全体を通してエアロゾル形成構成要素のより効率的な使用を可能にする場合がある。しかしながら、より緊密な粒子径分布は、不都合なことに、達成がより困難かつ高価である場合がある。発明者らは、上述の粒子径分布が、これらの二つの要因間の最適な妥協点を提供し得ることを見出した。
【0044】
粒子径は、数の大きさよりも体積の大きさとの関係で定義するほうが便利であり得る。任意選択的に、熱伝導性粒子は、体積D10の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D10の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0045】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、体積D10の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D10の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0046】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、体積D50の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D50の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0047】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、体積D50の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D50の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0048】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D90の粒子径は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンである。
【0049】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D90の粒子径は、1,000、500、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下である。
【0050】
熱伝導性粒子は、1~20ミクロンの体積D10の粒子径を有する粒子径分布を有することが特に好ましい場合がある。別の方法として、または追加的に、熱伝導性粒子は、50~300ミクロン、または50~200ミクロンの体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有することが特に好ましい場合がある。
【0051】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、体積D10の粒子径および体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D90の粒子径は、体積D10の粒子径の50、40、30、20、10、または5倍以下である。
【0052】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、体積D10の粒子径および体積D90の粒子径を有する粒子径分布を有し、体積D90の粒子径は、体積D10の粒子径の少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍である。
【0053】
上述のように、粒子径分布に関連して妥協する必要があり、発明者らは、上記の粒子径分布が最適な妥協点を提供し得ることを見出した。
【0054】
任意選択的に、熱伝導性粒子の各々は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、または500ミクロンの粒子径を有する。任意選択的に、熱伝導性粒子の各々は、1,000、500、300、200、100、50、20、10、5、2、1、0.5、または0.2ミクロン以下の粒子径を有する。熱伝導性粒子の各々は、少なくとも1ミクロンの粒子径を有することが特に好ましい場合がある。別の方法として、または追加的に、熱伝導性粒子の各々は、300ミクロン以下の粒子径を有することが特に好ましい場合がある。1ミクロン未満の粒子は、製造中に取り扱うことが困難である場合がある。300ミクロンを超える粒子は、エアロゾル形成材料に使用され得る基体内でかなり大きな空間を占め得る。したがって、熱伝導性粒子の各々が、少なくとも1ミクロンの粒子径、または300ミクロン以下の粒子径、またはその両方を有することが特に有利であり得る。
【0055】
任意選択的に、熱伝導性粒子の各々は、三つの相互に直交する寸法を有してもよく、三次元の最大寸法は、三次元の最小寸法の10倍、8倍、5倍、3倍、または2倍以下である。任意選択的に、熱伝導性粒子の各々は、三つの相互に直交する寸法を有し、三次元の最大寸法は、三次元の第二の最大寸法の10倍、8倍、5倍、3倍、または2倍以下である。任意選択的に、熱伝導性粒子の各々は実質的に球状である。有利なことに、実質的に球状の粒子の配向は、非球状の粒子の配向ほど基体の熱伝導率に影響を与えない場合がある。従って、より球状の粒子の使用は、粒子の配向が制御されない異なる基体間の変動をそれほど生じさせない場合がある。さらに、実質的に球状の粒子は、特徴付けがより簡単であり得る。
【0056】
任意選択的に、第二の材料のそれぞれの個別の要素は、少なくとも10、20、50、100、200、500、または1000個の熱伝導性粒子を含む。有利なことに、それぞれの個別の要素内の多数の粒子は、基体の熱伝導率をより均一にすることを可能にし得る。
【0057】
任意選択的に、第二の材料は、乾燥重量基準で、少なくとも20、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または85重量%の熱伝導性粒子を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、または15重量%以下の熱伝導性粒子を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、10~90、20~90、30~90、40~90、50~90、60~90、70~90、80~90、10~80、20~80、30~80、40~80、50~80、60~80、70~80、10~70、20~70、30~70、40~70、50~70、60~70、10~60、20~60、30~60、40~60、50~60、10~50、20~50、30~50、40~50、10~40、20~40、30~40、10~30、20~30、または10~20重量%の熱伝導性粒子を含む。基体は、乾燥重量基準で、50~90重量%、より好ましくは60~90重量%、またはさらにより好ましくは65~85重量%の熱伝導性粒子を含むことが特に好ましい場合がある。
【0058】
基体内の熱伝導性粒子の重量パーセントに対して、備える必要がある。エアロゾル形成基体中の粒子の重量パーセントを増加させることは有利なことに、基体の熱伝導率を増加させる場合がある。しかしながら、エアロゾル形成基体中の粒子の重量パーセントを増加させることはまた、エアロゾル形成体、結合剤、および繊維のうちの一つ以上に対する利用可能な空間を低減する場合があり、そのため、より少ないエアロゾルを形成する基体、またはより少ない引張強度を有する基体をもたらし得る。
【0059】
第二の材料は、熱伝導率が増大した材料であってもよい。第二の材料は、熱伝導性粒子および担体マトリクスを含んでもよく、担体マトリクスは、エアロゾル形成体、例えばグリセリンまたはプロピレングリコール、繊維、および結合剤を含む。担体マトリクスは均質化したたばこ材料であってもよい。それ故に、第二の材料は、熱伝導性粒子の割合によってもたらされる増大された熱伝導率を有する均質化したたばこ材料であってもよい。
【0060】
一部の実施形態では、第二の材料は、炭素、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、および金属から成るリストから選択される熱伝導性材料であってもよい。例えば、第二の材料のそれぞれの個別の要素は、金属箔または炭素箔の細片、例えば銅箔、またはアルミ箔、またはステンレス鋼箔、または黒鉛箔であってもよい。
【0061】
第一の材料は、たばこ材料、例えばたばこ葉または均質化したたばこであってもよい。標準的な均質化したたばこは典型的に、0.1W/mK~0.2W/mKの熱伝導率を有する。したがって、一部の実施形態では、第一の材料は、例えば、25°Cで測定される場合、0.2W/mK未満の熱伝導率を有してもよく、第二の材料は、例えば、25°Cで測定される場合、0.22W/mK超の熱伝導率を有してもよい。第二の材料は、例えば、その平面方向に沿って市販の黒鉛箔に見られるように、1700W/mKもの高い熱伝導率を有してもよい。
【0062】
したがって、第一の材料は、0.2W/mK未満の熱伝導率を有してもよく、第二の材料は、25°Cで少なくとも一方向に少なくとも0.22W/mKの熱伝導率を有してもよい。これらの熱伝導率は、材料の含水量が0~20、または5~15、例えば約10%である場合に測定され得る。この熱伝導率は、材料が0~20、または5~15、例えば約10重量%の水を含む場合に測定され得る。材料の水分または含水量は、滴定方法を使用して測定されてもよい。材料の水分または含水量は、カールフィッシャー法を使用して測定されてもよい。
【0063】
第一の材料は、加熱に伴い、例えば摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱する際にエアロゾルを発生するように構成されていることが好ましい。一部の実施形態において、第二の材料は、加熱に伴い、例えば摂氏120度~摂氏350度の温度に加熱される際にエアロゾルを発生するように構成されていない。したがって、これらの実施形態では、第一の材料はエアロゾル発生材料であり、第二の材料はエアロゾル発生材料ではない。こうした実施形態における第二の材料の個別の要素の役割は、熱の伝達を容易にして、第一の材料からのエアロゾル発生を最適化することである。
【0064】
一部の実施形態では、第一の材料および第二の材料の両方は、加熱に伴い、例えば摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱される際にエアロゾルを発生するように構成されている。こうした実施形態では、第二の材料は、エアロゾルの送達に寄与し、基体全体の熱伝導率を改善する。
【0065】
第一の材料はたばこを含んでもよい。例えば、第一の材料は均質化したたばこから形成され得る。第一の材料は、たばこおよびエアロゾル形成体を含むことが好ましい。第一の材料は、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成されていることが好ましい。第一の材料は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体を含む均質化したたばこ材料であってもよい。第一の材料は、第一の材料の構造を改善するために繊維および結合剤をさらに含んでもよい。
【0066】
繊維および結合剤の存在は、第一の材料の引張強度を増大させ得る。引張強度の増大は、容易に破れない第一の材料のシートの製造を可能にし得る。
【0067】
任意選択的に、第一の材料および/または第二の材料は、乾燥重量基準で、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、または55重量%のエアロゾル形成体を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、55、50、45、40、35、30、25、20、または15重量%以下のエアロゾル形成体を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、7~60、10~60、20~60、30~60、40~60、50~60、7~50、10~50、20~50、30~50、40~50、7~40、10~40、20~40、30~40、7~30、10~30、20~30、7~20、10~20、または7~10重量%のエアロゾル形成体を含む。第一の材料および/または第二の材料は、乾燥重量基準で、15~25重量%のエアロゾル形成体を含むことが特に好ましい場合がある。
【0068】
任意選択的に、エアロゾル形成体は、多価アルコール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)の一つ以上を含む、またはそれらから成る。任意選択的に、第一の材料および/または第二の材料は、グリセリンおよびグリセロールのうちの一方または両方を含む。
【0069】
一部の実施形態では、第二の材料は、エアロゾル形成体および導電性粒子、例えば、乾燥重量基準で第二の材料の3重量%~90重量%を構成する導電性粒子を含む。それ故に、第二の材料は、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成されてもよい。
【0070】
第二の材料は、たばこと、エアロゾル形成体と、乾燥重量基準で第二の材料の3重量%~90重量%を構成する導電性粒子とを含んでもよく、それによって第二の材料は、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成されている。第二の材料は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体を含む熱伝導性の均質化したたばこ材料であってもよい。第二の材料は、繊維および結合剤をさらに含んでもよい。
【0071】
任意選択的に、第一の材料および/または第二の材料は、乾燥重量基準で、少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、または18重量%の繊維を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、20、18、16、14、12、10、8、6、または4重量%以下の繊維を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、4~20、6~20、8~20、10~20、12~20、14~20、16~20、18~20、2~18、4~18、6~18、8~18、10~18、12~18、14~18、16~18、2~16、4~16、6~16、8~16、10~16、12~16、14~16、2~14、4~14、6~14、8~14、10~14、12~14、2~12、4~12、6~12、8~12、10~12、2~10、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、または2~4重量%の繊維を含む。基体は、乾燥重量基準で、2~10重量%の繊維を含むことが特に好ましい場合がある。
【0072】
任意選択的に、繊維はセルロース繊維である。有利なことに、セルロース繊維は高価ではなく、材料の引張強度を増大させることができる。
【0073】
任意選択的に、繊維の各々は、三つの相互に直交する寸法を有し、三次元の最大寸法は、三次元の最小寸法よりも少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍大きい。任意選択的に、繊維の各々は、三つの相互に直交する寸法を有し、三次元の最大寸法は、三次元の第二の最大寸法よりも少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、または20倍大きい。一部の実施形態において、第二の材料はたばこを含まない。例えば、第二の材料は熱伝導性のたばこを含まない材料であってもよい。熱伝導性のたばこを含まない材料は、たばこを含まない担体マトリクス内に保持された熱伝導性粒子を含んでもよい。熱伝導性のたばこを含まない材料は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体を含んでもよく、繊維および結合剤をさらに含んでもよい。たばこを含まない第二の材料の好ましい実施形態では、熱伝導性粒子は炭素系粒子である。
【0074】
任意選択的に、第一の材料および/または第二の材料は、乾燥重量基準で、少なくとも4、6、または8重量%の結合剤を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、8、6、または4重量%以下の結合剤を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、4~10、6~10、8~10、2~8、4~8、6~8、2~6、4~6、2~4重量%の結合剤を含む。第一の材料および/または第二の材料は、乾燥重量基準で、2~10重量%の結合剤を含むことが特に好ましい場合がある。
【0075】
好ましい結合剤は当技術分野でよく知られており、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアーおよびヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コンニャク粉、キサンタンガム、およびこれに類するものを含むが、これらに限定されない。結合剤はグアーであるか、またはグアーを含むことが特に好ましい場合がある。結合剤は、カルボキシメチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロース、またはグアーガムなどのガムのうちの一つ以上を含むか、またはそれから成ることが特に好ましい場合がある。
【0076】
第一の材料の個別の要素および第二の材料の個別の要素は、エアロゾル形成材料を形成するために、別個に形成され、所定の比で一緒に混合されてもよい。正確な比は、エアロゾル形成基体からのエアロゾルの送達を制御するように選択されてもよい。
【0077】
任意選択的に、熱伝導性粒子は、第二の材料全体に実質的に均質に分散される。任意選択的に、エアロゾル形成体は、第二の材料全体に実質的に均質に分散される。任意選択的に、繊維は第二の材料全体に実質的に均質に分散されている。任意選択的に、結合剤は、第二の材料全体に実質的に均質に分布している。有利なことに、第二の材料の構成要素の均質な分布は、材料がより空間的に均一な特性を有することをもたらし得る。例えば、実質的に均質に分布した熱伝導性粒子は、実質的に均一な熱伝導率を有する材料をもたらし得る。別の実施例として、実質的に均質に分布した結合剤または繊維は、実質的に均一な引張強度を有する材料をもたらし得る。
【0078】
任意選択的に、第一の材料および/または第二の材料はニコチンを含んでもよい。任意選択的に、第一の材料および/または第二の材料は、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、3、または4重量%のニコチンを含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、5、4、3、2、または1重量%以下のニコチンを含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、0.01~5、1~5、2~5、3~5、4~5、0.01~4、1~4、2~4、3~4、0.01~3、1~3、2~3、0.01~2、1~2、0.01~1重量%のニコチンを含む。第一の材料および/または第二の材料は、乾燥重量基準で0.5~4重量%のニコチンを含むことが特に好ましい場合がある。
【0079】
任意選択的に、ニコチンは材料全体にわたって実質的に均質に分散される。
【0080】
任意選択的に、第一の材料および/または第二の材料は、酸をさらに含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、3、または4重量%の酸を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、5、4、3、2、または1重量%以下の酸を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、0.01~5、1~5、2~5、3~5、4~5、0.01~4、1~4、2~4、3~4、0.01~3、1~3、2~3、0.01~2、1~2、0.01~1重量%の酸を含む。第一の材料および/または第二の材料は、乾燥重量基準で、0.5~5重量%の酸を含むことが特に好ましい場合がある。
【0081】
任意選択的に、酸は、フマル酸、乳酸、安息香酸、およびレブリン酸のうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る。
【0082】
任意選択的に、酸は材料全体にわたって実質的に均質に分散される。
【0083】
任意選択的に、第一の材料および/または第二の材料は、少なくとも一つの植物成分を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、少なくとも0.01、1、2、5、10、または15重量%の少なくとも一つの植物成分を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、20、15、10、5、2、または1重量%以下の少なくとも一つの植物成分を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、0.01~20、1~20、2~20、5~20、10~20、15~20、0.01~15、1~15、2~15、5~15、10~15、0.01~10、1~10、2~10、5~10、0.01~5、1~5、2~5、0.01~2、1~2、0.01~1重量%の少なくとも一つの植物成分を含む。材料は、乾燥重量基準で、1~15重量%の少なくとも一つの植物成分を含むことが特に好ましい場合がある。
【0084】
任意選択的に、少なくとも一つの植物成分は、クローブおよびロスマリナスのうちの一方または両方を含むか、またはそれから成る。
【0085】
任意選択的に、少なくとも一つの植物成分は、材料全体に実質的に均質に分散される。
【0086】
任意選択的に、第一の材料および/または第二の材料は、少なくとも一つの風味剤を含む。任意選択的に、材料は、乾燥重量基準で、少なくとも0.1、1、2、または5重量%の少なくとも一つの風味剤を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、10、5、2、または1重量%以下の少なくとも一つの風味剤を含む。任意選択的に、基体は、乾燥重量基準で、0.1~10、1~10、2~10、5~10、0.1~5、1~5、2~5、0.1~2、1~2、0.1~1重量%の少なくとも一つの風味剤を含む。基体は、乾燥重量基準で、0.1~5重量%の少なくとも一つの風味剤を含むことが特に好ましい場合がある。
【0087】
任意選択的に、少なくとも一つの風味剤は、被覆、例えばエアロゾル形成基体の一つ以上の個別の要素上の被覆として存在する。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの風味剤は、材料全体に実質的に均質に分散される。
【0088】
一部の実施形態では、エアロゾル形成基体中の第一の材料と第二の材料との比は、1:10~10:1、例えば1:5~8:1、例えば1:1~5:1であってもよい。
【0089】
一部の実施形態では、第二の材料は、乾燥重量基準で、20~90重量%の粒子状炭素材料、例えば40~80重量%、10~40重量%のエアロゾル形成体、4~20重量%の繊維、および2~10重量%の結合剤を含んでもよい。粒子状炭素材料は、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブなどの炭素ナノ粒子、および木炭のうちの一つ以上から成ることが好ましい。
【0090】
第一の材料は、第二の材料よりも低い熱伝導率を有するが、第一の材料は、熱伝導率が増大した材料であってもよいことが想定される。第一の材料は、第二の材料に関連して上述した任意の粒子を含み得る。例えば、第一の材料は、乾燥重量基準で、40~80重量%の粒子状炭素材料、10~40重量%のエアロゾル形成体、4~20重量%の繊維、および2~10重量%の結合剤を含んでもよい。粒子状炭素材料は、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブなどの炭素ナノ粒子、および木炭のうちの一つ以上から成ることが好ましい。
【0091】
有利なことに、第二の材料および第一の材料は、エアロゾル形成基体内に均質に分布している。
【0092】
第二の態様では、本開示は、第一の材料から形成された第一の複数の個別の要素を提供する工程と、第二の材料から形成された第二の複数の個別の要素を提供する工程と、第一の複数の個別の要素を第二の複数の個別の要素と組み合わせてエアロゾル形成基体を形成する工程とを含む、エアロゾル形成基体を形成する方法を提供し得る。第二の材料は、第一の材料よりも大きな熱伝導率を有する。第一の材料は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどのエアロゾル形成体を含むエアロゾル形成材料であることが好ましい。第一の材料は、本発明の第一の態様に関連して上記で説明された任意の第一の材料であってもよい。第二の材料は、本発明の第一の態様に関連して上記で説明された任意の第二の材料であってもよい。
【0093】
エアロゾル形成基体を形成する方法は、第一の複数の個別の要素を第一の材料から形成する工程、および/または第二の複数の個別の要素を第二の材料から形成する工程、次いで第一の複数の個別の要素を第二の複数の個別の要素と組み合わせてエアロゾル形成基体を形成する工程を含み得る。
【0094】
第一の複数の個別の要素は、第一の材料のシートを細片に切断することによって形成されてもよい。第二の複数の個別の要素は、第二の材料のシートを細片に切断することによって形成されてもよい。有利なことに、第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素は、実質的に同じサイズに切断されてもよい。これは、エアロゾル形成基体のための二組の個別の要素の組み合わせを容易にし得る。
【0095】
第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素のうちの少なくとも一つを形成する工程は、捲縮の工程を伴い得る。例えば、第一の複数の個別の要素、第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方は、捲縮した要素であってもよい。捲縮は、シートが個別の要素に切断される前に、第一の材料または第二の材料のシート上で実施されてもよい。それ故に、第一の材料または第二の材料のシートは捲縮されてから切断されてもよい。別の方法として、個別の要素は形成され、その後捲縮されてもよい。捲縮は、複数のこうした個別の要素から形成されたエアロゾル形成基体に体積を与え得る個別の粒子に曲げおよびねじれを導入する。
【0096】
一部の実施形態では、第一の材料は、均質化したたばこシートをスライスすることによって生成されるカットリーフまたはカットフィラーなどのたばこ材料である。第一の複数の要素として適切な均質化したたばこおよびカットフィラーを作製する方法は、当業者に周知である。
【0097】
一部の実施形態において、第二の材料は担体マトリクス内に熱伝導性粒子を含む。一部の実施形態において、第一の材料は熱伝導性粒子も含む。第二の材料、および一部の事例では第一の材料に適した材料は、以下の方法によって形成されてもよい。
【0098】
導電性を強化した材料、例えば第二の材料を形成するための方法は、複数の熱伝導性粒子、エアロゾル形成体、補強繊維、および結合剤を含むスラリーを形成する工程と、スラリーを鋳造および乾燥して材料を形成する工程とを含み得る。材料およびその構成要素は、上述の通りであってもよい。
【0099】
スラリーは水を含んでもよい。任意選択的に、スラリーは、20~90、30~90、40~90、40~85、50~80、60~80、または60~75重量%の水を含む。
【0100】
任意選択的に、スラリーは酸を含む。任意選択的に、酸は、フマル酸、乳酸、安息香酸、およびレブリン酸のうちの一つ以上を含むか、またはそれらから成る。
【0101】
任意選択的に、スラリーはニコチンを含む。
【0102】
任意選択的に、スラリーを形成することは、第一の混合物を形成することを含む。第一の混合物はエアロゾル形成体を含んでもよい。第一の混合物は、繊維、例えばセルロース繊維を含んでもよい。第一の混合物は水を含んでもよい。第一の混合物は酸を含んでもよい。第一の混合物はニコチンを含んでもよい。スラリーを形成することは、第二の混合物を形成することを含み得る。第二の混合物は熱伝導性粒子を含んでもよい。第二の混合物は結合剤を含んでもよい。スラリーを形成することは、第二の混合物を第一の混合物に添加して、組み合わせた混合物を形成することを含み得る。
【0103】
したがって、スラリーを形成することは、エアロゾル形成体、繊維、水、任意選択的に酸、および任意選択的にニコチンを含む第一の混合物を形成することと、熱伝導性粒子および結合剤を含む第二の混合物を形成することと、第二の混合物を第一の混合物に添加して、組み合わせた混合物を形成することと、を含み得る。
【0104】
その後、組み合わせた混合物は、例えば混合によってスラリーの中に形成されてもよい。
【0105】
任意選択的に、第一の混合物を形成することは、エアロゾル形成体またはエアロゾル形成体およびニコチンを含む溶液を提供することを含む。
【0106】
任意選択的に、第一の混合物を形成することは、エアロゾル形成体またはエアロゾル形成体およびニコチンを含む溶液に酸を添加して、第一の予混合物を形成することを含む。
【0107】
任意選択的に、第一の混合物を形成することは、水をエアロゾル形成体またはエアロゾル形成体およびニコチンを含む溶液に、または第一の予混合物に添加して、第二の予混合物を形成することを含む。
【0108】
任意選択的に、第一の混合物を形成することは、第二の予混合物に繊維を添加することを含む。
【0109】
任意選択的に、第二の混合物を形成することは、熱伝導性粒子と結合剤を混合することを含む。
【0110】
任意選択的に、方法、例えばスラリーを形成する工程は、組み合わせられた混合物の第一の混合を含む。任意選択的に、第一の混合は、500、400、300、250、または200mbar以下の第一の圧力下で行われる。任意選択的に、第一の混合は、1~10分間、2~8分間、または3~6分間、例えば約4分間行われる。
【0111】
任意選択的に、方法、例えばスラリーを形成する工程は、第一の混合の後、第二の混合を含む。任意選択的に、第二の混合は、第一の圧力よりも小さい第二の圧力下で行われる。任意選択的に、第二の圧力は、500、400、300、200、150、または100mbar以下である。任意選択的に、第二の混合は、5~120、5~80、5~40、または10~30秒間、例えば約20秒間行われる。
【0112】
スラリーを鋳造することは、スラリーを平坦な支持体、例えば鋼板の平坦な支持体上に鋳造することを含んでもよい。
【0113】
任意選択的に、スラリーを鋳造した後、およびスラリーを乾燥する前に、方法は、スラリーの厚さを設定すること、例えばスラリーの厚さを100~1200、200~1000、300~900、500~700ミクロン、例えば約600ミクロンに設定することを含み得る。
【0114】
任意選択的に、スラリーを乾燥することは、スラリーの上またはスラリーを通過させて空気などのガスの流れを提供することを含む。任意選択的に、ガスの流れが加熱される。任意選択的に、ガスの流れは、摂氏100~160度、または摂氏120~140度の温度に加熱される。任意選択的に、ガスの流れは、1~10分間、または2~5分間提供される。任意選択的に、スラリーを乾燥することは、スラリーが1~20重量%、2~15重量%、2~10重量%、または3~7重量%の含水量を有するまでスラリーを乾燥することを含む。
【0115】
任意選択的に、スラリーを乾燥することにより、エアロゾル形成材料のシートへと形成するための前駆体を形成する。シートは、上述の一部の実施形態では使用される第二の材料のシートであってもよい。シートは、上述の一部の実施形態では使用される第一の材料のシートであってもよい。任意選択的に、方法は、エアロゾル形成材料のシートを切断してエアロゾル形成材料の個別の要素を形成することを含む。
【0116】
第三の態様では、本開示は、本発明の第一の態様に関連して上述したように、または本発明の第二の態様に関連して上述した任意の方法によって製造されたエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生を提供し得る。
【0117】
そのような物品は、例えば、ラッパーまたは鋳造内で組み立てられたエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備えるロッドの形態であってもよい。エアロゾル発生物品は、30mm~120mm、例えば、40mm~80mm、例えば、約45mmの長さを有してもよい。エアロゾル発生物品は、3.5mm~10mm、例えば、4mm~8.5mm、例えば、4.5mm~7.5mmの外径を有してもよい。
【0118】
任意選択的に、エアロゾル発生物品は、前方プラグを含む。任意選択的に、エアロゾル発生物品は、第一の中空管、例えば第一の中空アセテート管を備える。任意選択的に、エアロゾル発生物品は、第二の中空管、例えば第二の中空アセテート管を備える。任意選択的に、第二の中空管は一つ以上の通気孔を備える。任意選択的に、エアロゾル発生物品は、マウスプラグフィルターを含む。任意選択的に、エアロゾル発生物品は、ラッパー、例えば紙ラッパーを備える。
【0119】
任意選択的に、前方プラグは、物品の最上流端に配設される。任意選択的に、エアロゾル形成基体は、前方プラグの下流に配設される。任意選択的に、第一の中空管はエアロゾル形成基体の下流に配設される。任意選択的に、第二の中空管は、第一の中空管の下流に配設される。任意選択的に、マウスプラグフィルターは、第一の中空管および第二の中空管のうちの一方または両方の下流に配設される。任意選択的に、マウスプラグフィルターは、物品の最下流端に配設される。任意選択的に、物品の口側端と呼ばれ得る物品の最下流端は、ユーザーの口の中へ挿入するために構成されてもよい。ユーザーは、例えば物品の口側端を直接吸入することができる場合がある。
【0120】
任意選択的に、前方プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管および第二の中空管のうちの一方または両方、ならびにマウスプラグフィルターは、ラッパー、例えば紙ラッパーによって囲まれる。
【0121】
任意選択的に、前方プラグは、2~10、3~8、または4~6mm、例えば約5mmの長さを有する。任意選択的に、物品内のエアロゾル形成基体は、5~20、8~15、または10~15mm、例えば約12mmの長さを有する。任意選択的に、第一の中空管は、2~20、5~15、または5~10mm、例えば約8mmの長さを有する。任意選択的に、第二の中空管は、2~20、5~15、または5~10mm、例えば約8mmの長さを有する。任意選択的に、マウスプラグフィルターは、5~20、8~15、または10~15mm、例えば約12mmの長さを有する。前方プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管、第二の中空管、およびマウスプラグフィルターのうちの一つ以上の長さは、長軸方向に延びてもよい。
【0122】
前方プラグ、エアロゾル形成基体、第一の中空管、第二の中空管、およびマウスプラグフィルターのうちの一つ以上は、実質的に円筒状、例えば直円筒状であってもよい。
【0123】
本開示の第四の態様によると、エアロゾル発生システムが提供される。
【0124】
システムは、エアロゾル発生物品および電気エアロゾル発生装置を備えてもよい。物品は、上述の通りの物品、例えば第三の態様による物品であってもよい。
【0125】
任意選択的に、電気エアロゾル発生装置は、使用時にエアロゾル発生物品を抵抗加熱するように構成される。
【0126】
任意選択的に、電気エアロゾル発生装置は、使用時に、エアロゾル発生物品、例えばエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を誘導加熱するように構成される。
【0127】
本開示を読んだ当業者によって理解されるように、一態様に関連して本明細書に記載される特徴は、任意の他の態様に適用可能であり得る。例えば、第二の態様の組み合わされたエアロゾル形成基体に関連して、または第二の態様の組み合わされたエアロゾル形成基体の第一の第二の材料に関連して説明した特徴は、第一の態様のエアロゾル形成基体に適用可能であってもよく、その逆もまた可能である。
【0128】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができるエアロゾルまたは揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指してもよい。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、担体上にまたは支持体上に吸着、被覆、含浸、または別の方法で装填されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0129】
本明細書で使用される場合、「熱伝導性粒子」という用語は、摂氏25度にて少なくとも一つの方向、例えば摂氏25度にてすべての方向において、1W/(MK)を超える熱伝導率を有する粒子を指してもよい。粒子は異方性または等方性の熱伝導率を示し得る。
【0130】
本明細書で使用される場合、「膨張黒鉛」という用語は、黒鉛系材料、または黒鉛様構造を有する材料を指し得る。膨張黒鉛は、炭素層間の間隔が通常の黒鉛内の炭素層の間に見られる間隔よりも大きい炭素層(例えば、黒鉛に類似)を有してもよい。膨張黒鉛は、炭素層間の空間に介在する要素または化合物を有する炭素層を有してもよい。
【0131】
本明細書で使用される場合、「粒子径」という用語は、単一寸法を指してもよく、所与の粒子径を特徴付けるために使用されてもよい。寸法は、所与の粒子と同じ体積を占める球状粒子の直径であってもよい。本明細書の全ての粒子径および粒子径分布は、標準的なレーザー回折技術を使用して得ることができる。本明細書に記載される粒子径および粒子径分布は、市販のセンサー、例えば、Sympatec HELOSレーザー回折センサーを使用して取得され得る。
【0132】
本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、「密度」という用語は、真密度を指すために使用され得る。したがって、別段の指定がない限り、粉末または複数の粒子の密度は、粉末または複数の粒子の真密度を指し得る(粉末または複数の粒子のかさ密度ではなく、粉末または複数の粒子がどのように取り扱われるかに応じて大きく変化し得る)。真密度の測定は、いくつかの標準的な方法を使用して行うことができ、これらの方法はしばしばアルキメデスの原理に基づく。粉末の真密度を測定するために最も広く使用されている方法は、既知の体積の容器(ピクノメーター)の内部に粉末を入れて重量を測定することを必要とする。次いで、ピクノメーターは、粉末が可溶性ではない既知の密度の流体で充填される。粉末の体積は、ピクノメーターによって示される体積と、添加される液体の体積(すなわち、変位した空気の体積)との間の差によって決定される。
【0133】
本明細書で使用する場合、用語「エアロゾル発生物品」は、例えば加熱された時に、エアロゾルを発生、または放出することができる物品を指し得る。
【0134】
本明細書で使用される場合、「長軸方向」という用語は、エアロゾル形成基体またはエアロゾル発生物品などの構成要素の下流または近位端と上流または遠位端との間に延びる方向を指し得る。
【0135】
上述の通り、「横断」という用語は、長軸方向に対して直交する方向を指し得る。
【0136】
本明細書で使用する場合、用語「エアロゾル発生装置」は、エアロゾルの発生または放出を可能にするために、エアロゾル発生物品と共に使用される装置を指し得る。
【0137】
本明細書で使用される場合、「シート」という用語は、例えば、その厚さの少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、または50倍よりも実質的に大きい幅および長さを有する概して平面の層状要素を指し得る。
【0138】
本明細書で使用される場合、用語「細片」は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する、略平面の薄層状の要素を指し得る。細片の幅は、その厚さよりも大きくてもよく、例えばその厚さの少なくとも2倍、3倍、5倍、または10倍であってもよい。細片の長さは、その幅よりも大きくてもよく、例えばその幅の少なくとも2倍、3倍、5倍、または10倍であってもよい。
【0139】
本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物を指し得る。エアロゾルは、密度が高く安定したエアロゾルであってもよい。エアロゾルは、エアロゾル形成基体またはエアロゾル発生物品の動作温度において、熱分解に対して実質的に耐性であってもよい。
【0140】
本明細書で使用される「ロッド」という用語は、概して円筒状、例えば直円筒状、実質的に円形、楕円形、または楕円形の断面の要素を指してもよい。
【0141】
本明細書で使用される場合、「捲縮」という用語は、一つ以上の隆起または波形を有するシートまたは個別の要素を指し得る。隆起または波形は、実質的に平行であってもよい。エアロゾル発生物品の構成要素内に存在する時、隆起または波形は、エアロゾル発生物品に対して長軸方向に延びてもよい。
【0142】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の特徴うちのいずれか一つ以上と組み合わされ得る。
【0143】
実施例i
第一の材料の第一の複数の個別の要素および第二の材料の第二の複数の個別の要素を備え、少なくとも第一の材料が加熱に伴いエアロゾルを発生するように構成され、また第二の材料は第一の材料よりも大きな熱伝導率を有する、エアロゾル形成基体。
実施例ii
第一の材料の第一の複数の個別の要素と第二の材料の第二の複数の個別の要素との混合物を含み、第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方が、幅寸法および厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する細片の形態であり、少なくとも第一の材料が加熱に伴いエアロゾルを発生するように構成され、第二の材料が第一の材料よりも大きな熱伝導率を有する、エアロゾル形成基体。
実施例iii
第一の材料の第一の複数の個別の要素であって、第一の材料の第一の複数の個別要素の各要素が、エアロゾル形成材料を含み、かつ第一の熱伝導率を有する、第一の材料の第一の複数の個別の要素と、第二の材料の第二の複数の個別の要素であって、第二の材料の第二の複数の個別の要素の各要素が、第一の熱伝導率よりも少なくとも10%大きい第二の熱伝導率を有する、第二の材料の第二の複数の個別の要素の各要素と、を含む、エアロゾル形成基体。
実施例1
第一の材料および第二の材料を含み、第一の材料が、第一の複数の個別の要素としてエアロゾル形成基体内に含まれ、第二の材料が、第二の複数の個別の要素としてエアロゾル形成基体内に含まれ、第一の材料がエアロゾル形成体を含み、かつ第一の熱伝導率を有し、第二の材料が、第一の熱伝導率よりも大きい第二の熱伝導率を有する、エアロゾル形成基体。
実施例2
第二の熱伝導率が、第一の熱伝導率よりも少なくとも5%大きい、例えば、少なくとも7%大きい、または少なくとも10%大きい、または少なくとも12%大きい、または少なくとも15%大きい、実施例1に記載のエアロゾル形成基体。
実施例3
第二の材料の熱伝導率が、第一の材料の熱伝導率よりも少なくとも10%大きい、例えば、少なくとも12%大きい、または少なくとも15%大きい、または少なくとも20%大きい、実施例1~2のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例4
第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方が細長い要素であり、各々が幅寸法および厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する、実施例1~3のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例5
細長い要素が、細片、断片、糸、またはリボンの形態である、実施例4に記載のエアロゾル形成基体。
実施例6
第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方が、鋳造プロセスによって、例えば、鋳造プロセスに続く切断プロセスによって形成される、実施例1~5のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例7
第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方が、押出成形プロセスによって形成される、実施例1~6のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例8
第一の複数の個別の要素の少なくとも一部分、または第二の複数の個別の要素の少なくとも一部分、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方の少なくとも一部分が、捲縮した要素であり、例えば、各捲縮した要素が、捲縮した要素の長さ寸法に定義される一つ以上のねじれまたは方向の変化を有する、実施例1~7のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例9
第一の材料が、カットフィラーの形態でエアロゾル形成基体内に含まれる、実施例1~8のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例10
第二の材料が、カットフィラーの形態でエアロゾル形成基体内に含まれる、実施例1~9のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例11
第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方の個別の要素が、5ミクロン~2000ミクロン、例えば50ミクロン~500ミクロン、例えば150ミクロン~300ミクロンの平均厚さを有する、実施例1~10のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例12
第一の複数の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方の個別の要素が、100ミクロン~2000ミクロン、例えば500ミクロン~1500ミクロン、例えば600ミクロン~1000ミクロンの平均幅を有する、実施例1~11のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例13
第一の複数の個別の要素の個別の要素、または第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方の個別の要素が、100ミクロン~60ミリメートル、例えば、300ミクロン~45ミリメートルミクロン、例えば、500ミクロン~30ミリメートルミクロン、例えば、800ミクロン~20ミリメートルミクロン、例えば、1000ミクロン~10ミリメートルミクロン、例えば、1500ミクロン~6000ミクロンの平均長さを有する、実施例1~12のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例14
第二の材料が熱伝導性粒子を含む、実施例1~13のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例15
第二の材料が、乾燥重量基準で1%~95%の熱伝導性粒子、例えば乾燥重量基準で2%~90%の熱伝導性粒子、例えば乾燥重量基準で3%~80%の熱伝導性粒子、例えば乾燥重量基準で4%~50%の熱伝導性粒子を含む、実施例1~14のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例16
第二の材料が、炭素、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、炭素ナノ粒子、カーボンナノチューブ、木炭、ダイヤモンド、および金属から成るリストから選択される熱伝導性材料から形成された熱伝導性粒子を含む、実施例1~15のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例17
第二の材料が、炭素、黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、および金属から成るリストから選択される熱伝導性材料であり、例えば、第二の材料のそれぞれの個別の要素が、金属箔または炭素箔、例えば銅箔、またはアルミ箔、またはステンレス鋼箔、または黒鉛箔の細片である、実施例1~16のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例18
第一の材料が、例えば25°Cで、0.2W/mK未満の熱伝導率を有し、第二の材料が、0.22W/mK超、例えば25°Cで、例えば、0.22W/mK~1700W/mKの熱伝導率を有する、実施例1~17のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例19
第一の材料が、加熱時に、例えば摂氏120度~摂氏395度の温度への加熱時にエアロゾルを発生するように構成され、かつ第二の材料が、加熱時に、例えば摂氏120度~摂氏350度の温度への加熱時にエアロゾルを発生するように構成されていない、実施例1~18のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例20
第一の材料および第二の材料の両方が、加熱に伴い、例えば摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱される際に、エアロゾルを発生するように構成される、実施例i~18のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例21
第一の材料が、たばこを含み、例えば、第一の材料が均質化したたばこから形成される、実施例1~20のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例22
第一の材料が、たばこおよびエアロゾル形成体を含み、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成される、実施例1~21のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例23
第一の材料が均質化したたばこ材料であり、繊維および結合剤をさらに含む、実施例22に記載のエアロゾル形成基体。
実施例24
第二の材料が、エアロゾル形成体と、乾燥重量基準で3重量%~90重量%の第二の材料を構成する導電性粒子とを含み、第二の材料が、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成される、実施例1~23のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例25
第二の材料が、たばこと、エアロゾル形成体と、乾燥重量基準で3重量%~90重量%の第二の材料を構成する導電性粒子とを含み、第二の材料が、摂氏120度~摂氏395度の温度に加熱された時にエアロゾルを発生するように構成される、実施例1~24のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例26
第二の材料が熱伝導性の均質化したたばこ材料であり、繊維および結合剤をさらに含む、実施例25に記載のエアロゾル形成基体。
実施例27
第二の材料がたばこを含まず、例えば第二の材料が熱伝導性のたばこを含まない材料であり、繊維および結合剤をさらに含む、実施例24に記載のエアロゾル形成基体。
実施例28
第一の材料の個別の要素および第二の材料の個別の要素が別個に形成され、所定の比で一緒に混合されてエアロゾル形成材料を形成する、実施例1~27のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例29
エアロゾル形成基体中の第一の材料と第二の材料との比が、1:10~10:1、例えば1:5~8:1、例えば1:1~5:1である、実施例1~28のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例30
第二の材料が、乾燥重量基準で、20~90重量%、例えば、40~80重量%の粒子状炭素材料、10~40重量%のエアロゾル形成体、4~20重量%の繊維、および2~10重量%の結合剤を含み、粒子状炭素材料が黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、および木炭のうちの一つ以上から成る、実施例1~29のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例31
第一の材料が、乾燥重量基準で、40~80重量%の粒子状炭素材料、10~40重量%のエアロゾル形成体、4~20重量%の繊維、2~10重量%の結合剤を含み、粒子状炭素材料が黒鉛、膨張黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、および木炭、のうちの一つ以上から成り、第一の材料が、第二の材料よりも低い熱伝導率を有する、実施例1~30のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例32
第二の材料および第一の材料が、エアロゾル形成基体内に均質に分布している、実施例1~31のいずれかに記載のエアロゾル形成基体。
実施例33
エアロゾル形成基体を形成する方法であって、第一の材料から第一の複数の個別の要素を形成する工程と、第二の材料から第二の複数の個別の要素を形成する工程と、第一の複数の個別の要素を第二の複数の個別の要素と組み合わせてエアロゾル形成基体を形成する工程とを含み、第二の材料が第一の材料よりも大きな熱伝導率を有する、方法。
実施例34
エアロゾル形成基体を形成する方法であって、第一の材料から第一の複数の個別の要素を提供する工程と、第二の材料から第二の複数の個別の要素を提供する工程と、第一の複数の個別の要素を第二の複数の個別の要素と組み合わせてエアロゾル形成基体を形成する工程とを含み、第二の材料が第一の材料よりも大きな熱伝導率を有する、方法。
実施例35
第一の複数の個別の要素が、第一の材料のシートを細片に切断することによって形成され、第二の複数の個別の要素が、第二の材料のシートを細片に切断することによって形成される、実施例33または34に記載の方法。
実施例36
第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素が、実質的に同じサイズに切断される、実施例35に記載の方法。
実施例37
第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素のうちの少なくとも一つを形成する工程が、例えば第一の複数の個別の要素、第二の複数の個別の要素、または第一の複数の個別の要素および第二の複数の個別の要素の両方が捲縮した要素であるように、捲縮する工程を含む、実施例33~36のいずれかに記載の方法。
実施例38
第一の材料を形成する工程、第二の材料を形成する工程、または第一の材料および第二の材料の両方を形成する工程をさらに含む、実施例33~37のいずれかに記載の方法。
実施例39
エアロゾル形成基体が、i~32のいずれかに関連して記載される基体である、実施例33~38のいずれかに記載の方法。
実施例40
実施例i~32のいずれかに記載の、または実施例33~38に記載の任意の方法によって製造されるエアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生物品。
実施例41
物品が、ロッドの形態でラッパーまたはケーシング内で組み立てられるエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備える、実施例40に記載のエアロゾル発生物品。
【0144】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【
図1】
図1は、エアロゾル発生物品の第一の実施形態の概略断面図を示す。
【
図2】
図2は、第一の材料の複数の個別の要素を示す。
【
図3】
図3は、第二の材料の複数の個別の要素を示す。
【
図4】
図4は、
図2の第一の材料と
図3の第二の材料とを組み合わせることによって形成されたエアロゾル形成基体を示す。
【
図5】
図5は、エアロゾル発生システムの実施形態の概略断面図を示す。
【
図6】
図6は、エアロゾル発生システムのさらなる実施形態の概略断面図を示す。
【
図7】
図7は、エアロゾル発生システムのさらなる実施形態の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0146】
図1は、本発明の実施形態による例示的なエアロゾル発生物品10の概略断面図を示す。エアロゾル発生物品10は、上流または遠位端18から下流または近位または口側端20まで延在し、約45ミリメートルの全長および約7.2mmの直径を有する。
【0147】
エアロゾル発生物品10は、同軸に配置され、ラッパー70内に組み立てられた複数の要素を備える。物品を形成する複数の要素は、遠位端から近位端まで、前方プラグ46、熱的に強化されたエアロゾル形成基体のロッド12、厚紙の管を含まない流れフィルター34、およびマウスピースフィルター42である。ラッパー70は紙巻たばこである。
【0148】
上流要素とも呼ばれる前方プラグ46は、熱的に強化されたエアロゾル形成基体のロッド12のすぐ上流に位置する。前方プラグ46は、セルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供される。前方プラグ46は、約7.2mmの直径および約5ミリメートルの長さを有する。前方プラグ46のRTDは、約30ミリメートルH2Oである。
【0149】
熱的に強化されたエアロゾル形成基体のロッド12は、約7.2ミリメートルの直径、および約12ミリメートルの長さを有する。ロッドは、取り扱いを容易にするようにラッパーによって囲まれた熱的に強化されたエアロゾル形成基体12を備える。エアロゾル形成基体12は、第二の材料14の複数の要素と組み合わせた第一の材料13の複数の個別の要素を備える(明瞭にするために、第二の材料14の個別の要素は
図1にのみ示され、第一の材料13の個別の要素はエアロゾル形成基体12の影付き部分によって表されることに留意されたい)。個別の要素13、14は、捲縮したカットフィラーの細片の形態である。第一の材料は、摂氏150度~摂氏350度の温度に加熱された時にエアロゾルを形成するように構成されている。第二の材料は、エアロゾルを発生するように構成されてもよく、または構成されなくてもよい。第二の材料は、第一の材料の導電率よりも少なくとも10%大きい熱伝導率を有する。第一の材料は、例えば、均質化したたばこであってもよく、第二の材料は、例えば、黒鉛箔であってもよい。適切なエアロゾル形成基体12のいくつかの特定の例が以下に提供される。
【0150】
厚紙管34は、16mmの長さを有し、物品10内に自由空間を提供し、その中にエアロゾル形成基体の加熱によって発生した揮発性成分が冷却されてエアロゾルを形成することができる。
【0151】
マウスピース要素42は、低密度セルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供されている。マウスピース要素42は、約12ミリメートルの長さ、および約7.25mmの外径を有する。マウスピース要素42のRTDは、約12ミリメートルH2Oである。
【0152】
図1のエアロゾル発生物品10の構成は、一例としてのみ機能することが意図されていることは明らかである。熱強化エアロゾル形成基体は、例えば、より長い、例えば、80mmの長さ、およびより薄い、例えば、直径4.5mmのエアロゾル発生物品に用いられ得る。
【0153】
熱的に強化されたエアロゾル形成基体の一般原則は、
図2、3、および4に関連して図示されている。
【0154】
図2は、第一の材料13の複数の個別の要素を図示する。第一の材料の個別の要素13の各々は、捲縮したカットフィラーの細片の形態である。カットフィラーの各細片は、5mm~15mmの長さ、1mm~2mmの幅、および150ミクロン~250ミクロンの厚さを有する。第一の材料は、例えば均質化したたばこ材料であってもよく、複数の個別の要素は、その材料のシートを捲縮および切断することによって形成されてもよい。
【0155】
図3は、第二の材料14の複数の個別の要素を図示する。第二の材料の個別の要素14の各々は、捲縮したカットフィラーの細片の形態である。カットフィラーの各細片は、5mm~15mmの長さ、1mm~2mmの幅、および150ミクロン~250ミクロンの厚さを有する。第二の材料は、例えば、熱伝導率が増大した均質化したたばこ材料であってもよく、複数の個別の要素は、その材料のシートを捲縮および切断することによって形成されてもよい。
【0156】
熱的に強化されたエアロゾル形成基体12は、
図2に図示した第一の材料の複数の個別の要素を、
図3に図示した第二の材料の複数の個別の要素と組み合わせることによって形成される。結果として得られる熱的に強化されたエアロゾル形成基体を
図4に図示する。熱的に強化されたエアロゾル形成基体12は、第一の材料13の個別の要素および第二の材料14の個別の要素を含む。第二の材料14の各個別の要素は、第一の材料の多くの個別の要素と接触してもよく、従って基体を通る熱経路として作用することができる。第一の材料および第二の材料の比率は、第一の材料および第二の材料の特定の特性、およびエアロゾル形成基体12の所望の特性に応じて変化し得る。
【0157】
いくつかの特定の熱的に強化されたエアロゾル形成基体が、実施例として特定される。実施例は、以下に特定される三つの特定の材料、すなわち材料A、材料B、および材料Cの組み合わせを使用する。
【0158】
材料A
材料Aは標準的な均質化したたばこ材料である。材料Aは、たばこ粉末、約4重量%のセルロース繊維、結合剤として約3重量%のグアー、およびエアロゾル形成体として約15重量%のグリセリンを含む。
【0159】
材料Aは、以下の工程を含むプロセスによって形成される:
・結合剤であるグアーガムをエアロゾル形成体であるグリセリンと予混合して、第一の予混合物を形成する工程と、
・たばこ粉末と水を予混合して第二の予混合物を形成する工程と、
・第一および第二の予混合物を混合してスラリーを形成する工程と、
・高せん断ミキサーを使用してスラリーを均質化する工程と、
・スラリーをコンベヤーベルト上に鋳造する工程と、
・スラリーの厚さを制御し、スラリーを乾燥させて、再構成された、実質的に均質な、たばこ含有エアロゾル形成材料の大きなシートを形成する工程と、
・再構成されかつ実質的に均質なエアロゾル形成材料の大きなシートを捲縮および細断して、カットフィラーを形成する工程。
【0160】
材料Aは、0.15W/mKの熱伝導率を有する。
【0161】
材料B
材料Bは、熱伝導率が増大した均質化したたばこ材料である。材料Bは、たばこ粉末、約5重量%の膨張黒鉛粒子、約4重量%のセルロース繊維、結合剤として約3重量%のグアー、およびエアロゾル形成体として約15重量%のグリセリンを含む。
【0162】
膨張黒鉛粒子は、6.6ミクロンのD10粒子径、20ミクロンのD50粒子径、および56ミクロンのD90粒子径を有する粒子径分布を有する。膨張黒鉛粒子の各々は、2ミクロン超かつ100ミクロン未満の粒子径を有する。膨張黒鉛粒子は、約35ミクロンの体積平均粒子径を有する。膨張黒鉛粒子の各々は、実質的に球状の形状である。膨張黒鉛粒子は、1000キログラム/立方メートル未満の密度を有する。
【0163】
材料Bは、以下の工程を含むプロセスによって形成される:
・結合剤であるグアーガムをエアロゾル形成体であるグリセリンと予混合して、第一の予混合物を形成する工程と、
・たばこ粉末、膨張黒鉛粒子、および水を予混合して、第二の予混合物を形成する工程と、
・第一および第二の予混合物を混合してスラリーを形成する工程と、
・高せん断ミキサーを使用してスラリーを均質化する工程と、
・スラリーをコンベヤーベルト上に鋳造する工程と、
・スラリーの厚さを制御し、スラリーを乾燥させて、再構成された、実質的に均質な、たばこ含有エアロゾル形成材料の大きなシートを形成する工程と、
・再構成されかつ実質的に均質なエアロゾル形成材料の大きなシートを捲縮および細断して、カットフィラーを形成する工程。
【0164】
材料Bは、0.25W/mKの熱伝導率を有する。5重量%のたばこ粉末を膨張黒鉛粒子で置き換えることは、全体的なたばこ含有量、したがってニコチン含有量をわずかに減少させる。しかしながら、材料の熱伝導率は増加する。実験では、4.5重量%~10重量%の黒鉛粒子を均質化したたばこ材料に添加すると、熱伝導率が20%~50%増加した。
【0165】
材料C
材料Cは、高い熱伝導率を有する非たばこエアロゾル形成材料である。材料Cは、乾燥重量基準で、約76.1重量%の黒鉛粒子、特にGraphit Kropfmul GmbH、AMG Graphite GKからのFP 99.5(>99.5%純度)黒鉛粒子を含むが、他の粒子または粒子の混合物が使用され得る。
【0166】
材料Cは、約17.7重量%のエアロゾル形成体をさらに含む。この実施形態では、エアロゾル形成体はグリセロール、特にICOFヨーロッパ食品グレード(>99.5%純度)グリセロールである。
【0167】
材料Cは、乾燥重量基準で、約3.9重量%の繊維をさらに含む。この実施形態では、繊維はセルロース繊維であり、特にStora Enso OYJ製のカバノキセルロース繊維である。
【0168】
材料Cは、乾燥重量基準で、約2.3重量%の結合剤をさらに含む。この実施形態では、結合剤は、Gumix International Inc.製のグアーガム、特にグアーガムである。
【0169】
材料Cは、ニコチン、フマル酸などの酸、クローブまたはロスマリナスなどの植物成分、水、および風味剤のうちの一つ以上をさらに含み得る。
【0170】
材料Cは、以下に記載するプロセスによって形成される。
【0171】
スラリーは、粘性液体を混合する能力、液体を通して粉末を分散する能力、および混合物から気体を除去する(例えば、真空またはその他の適切に低い圧力を適用することによって)能力を有するラボディスパーサーを使用して形成される。この実施形態では、PC Laborsystemから市販されるラボディスパーサーを使用した。
【0172】
スラリーを形成するために、第一の混合物を、約7.11グラムのエアロゾル形成体、次いで約157.5グラムの水、次いで約1.57グラムの繊維をラボディスパーサーに添加することによって形成する。次いで、これらの第一の成分を摂氏25度で5分間、600~700rpmで混合して均質な混合物を確保し、繊維を水和する。次いで、約32.95グラムの熱伝導性粒子および約0.92グラムの結合剤を手動で混合することによって、第二の混合物を形成する。第二の混合物のこの混合により、ラボ分散液中に塊が形成されることが回避される。次いで、第二の混合物を第一の混合物に添加して、組み合わせられた混合物を形成する。次いで、組み合わせられた混合物を、摂氏25度および約200mbarの第一の減圧で、5000rpmで4分間混合する。減圧は、熱伝導性粒子が混合物中に均質に分散されること、および組み合わせられた混合物中に閉じ込められた空気が少なく、かつ塊がほとんどないことを確保するのに役立ち得る。次いで、組み合わせられた混合物を、摂氏25度および約100mbarの第二の減圧で、5000rpmで20秒分間混合する。この第二の減圧は、残りの気泡を除去するのに役立ち得る。これにより、鋳造用のスラリーが形成される。
【0173】
スラリーは次いで、適切な装置を使用して鋳造および乾燥される。この実施形態では、市販のLabcoater Mathis装置が使用される。この装置は、ステンレス鋼、平坦な支持体、および平坦な支持体上に鋳造されたスラリーの厚さを調整するためのコマブレードを含む。
【0174】
スラリーは平坦な支持体上に鋳造され、コマブレードと平坦な支持体との間のギャップは、0.6ミリメートルに設定される。これにより、任意の所与の点におけるスラリーの厚さが0.6ミリメートル以下であることが確保される。
【0175】
スラリーは次いで、摂氏120~140度の高温の空気で2~5分間乾燥される。この乾燥の後、エアロゾル形成基体のシートが形成される。このシートは、約159ミクロンの厚さ、約125.7グラム/平方メートルの坪量、および約0.79キログラム/立方メートルの密度を有する。
【0176】
次いで、シートを捲縮し、切断して材料Cを形成する。材料Cの熱伝導率は6W/mKである。
【0177】
材料A、B、およびCを異なる比率で組み合わせることによって、幅広い異なるエアロゾル形成基体が単に生成され得ることが分かる。
【0178】
従って、第一の例示的なエアロゾル形成基体12は、材料Aの60重量%の個別の要素と材料Bの40重量%の個別の要素との混合物を含み得る。材料Aおよび材料Bの両方は均質化したたばこ材料であるが、材料Bは膨張黒鉛粒子の存在によって熱伝導率を増大させた。第一の例示的なエアロゾル形成基体中の材料Bの存在は、熱伝導率を増加させ、結果としてエアロゾル送達およびニコチン送達が改善された個別の要素を提供する。
【0179】
第二の例示的なエアロゾル形成基体12は、70重量%の材料Aの個別の要素と30重量%の材料Cの個別の要素との混合物を含み得る。第二の例示的なエアロゾル形成基体中の材料Cの存在は、基体中のたばこの全体的な量を減少させたが、熱伝導率を著しく改善した。材料Cはまた、エアロゾルの発生に寄与する。
【0180】
第三の例示的なエアロゾル形成基体12は、80重量%の材料Bの個別の要素と20重量%の材料Cの個別の要素との混合物を含み得る。この実施例では、第一の材料は材料Bであり、熱伝導率が増大した均質化したたばこ材料であり、第二の材料は材料Cである。
【0181】
これら三つの例示的なエアロゾル形成基体のいずれかも、
図1のエアロゾル発生物品10の基体として使用されてもよい。
【0182】
エアロゾル発生物品は典型的に、物品を加熱するための装置を含むエアロゾル発生システムの一部として使用されることになる。
図5は、そのようなエアロゾル発生システム100の実施形態の概略断面図を示す。システム100は、エアロゾル発生装置102および
図1のエアロゾル発生物品10を備える。
【0183】
エアロゾル発生装置102は、電池104、コントローラ106、電池に結合された加熱ブレード108、および吸煙検出機構(図示せず)を備える。コントローラ106は、電池104、加熱ブレード108、および吸煙検出機構に連結されている。
【0184】
エアロゾル発生装置102は、物品10の一部分を受容するための実質的に円筒状の空洞を画定するハウジング110をさらに備える。加熱ブレード108は、空洞内の中央に位置し、空洞の基部から長手方向に延在する。
【0185】
この実施形態では、加熱ブレード108は、基体と、基体上に位置する電気抵抗トラックとを備える。電池104は、電気抵抗トラックに電流を流し、電気抵抗トラックおよび加熱ブレード108を動作温度に加熱できるように、加熱ブレード108に結合される。
【0186】
使用時に、ユーザーは物品10を空洞の中へと挿入し、加熱ブレード108を物品10のエアロゾル形成基体の上流要素46およびロッド12に貫通させる。
図3は、装置102の空洞内に挿入された物品10を示す。
【0187】
使用するために、ユーザーは物品10の下流端を吸煙する。これにより、空気が装置102の空気吸込み口(図示せず)を通って流れ、次いで物品10を通ってユーザーの口の中へと流れる。
【0188】
ユーザーが物品10を吸煙すると、空気が装置の空気吸込み口を通って流れる。吸煙検出機構は、空気吸込み口を通る気流量が非ゼロ閾値流量よりも大きく増加したことを検出する。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ106に信号を送信する。次に、コントローラ106は、電気抵抗トラックに電流を流し、加熱ブレード108を加熱するように電池104を制御する。これにより、加熱ブレード108と接触するエアロゾル形成基体のロッド12を加熱する。
【0189】
エアロゾル形成基体を加熱することにより、エアロゾル形成基体12は揮発性化合物を放出する。これらの化合物は、物品10を通って流れる空気によって同伴される。化合物は冷却および凝縮してエアロゾルを形成し、これが次にマウスピースを通過し、ユーザーの口に入る。
【0190】
ユーザーが物品10での吸入を停止すると、装置の空気吸込み口を通る気流量は、非ゼロ閾値流量未満に減少する。これは吸煙検出機構によって検出される。吸煙検出機構は、それに応じてコントローラ106に信号を送信する。次に、コントローラ106は、電気抵抗トラックを流れる電流をゼロに減少させるように電池104を制御する。
【0191】
物品10を数回吸煙した後、ユーザーは物品10を新鮮な物品と交換することを選択してもよい。
【0192】
図6は、エアロゾル発生システム200の第二の実施形態の概略断面図を示す。システム200は、エアロゾル発生装置202およびエアロゾル発生物品10’を備える。エアロゾル発生物品10’は、
図1の物品10と実質的に同一であるが、ステンレス鋼サセプタ材料の細片250がエアロゾル形成基体12内の半径方向中央位置に位置するという点が異なる。
【0193】
エアロゾル発生装置202は、装置のヒーターが抵抗ヒーターではなく、むしろインダクタコイル208であることを除いて、
図5に関連して説明した装置と類似している。インダクタコイル208は、空洞の周りにスパイラル状に回転し、サセプタ250と相互作用してサセプタを加熱する変動電磁場を発生するように制御することができる。サセプタからの熱は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生させる。
【0194】
図7は、
図6のシステムの変化を図示する。この場合、エアロゾル発生物品10は、
図1に記載の通りであり、第二の材料14の特定の選択は、変動電磁場内のサセプタ材料として作用することができる。それ故に、第二の材料は、例えば黒鉛箔、または上述の材料Cなどの高い黒鉛含有量を有する材料であってもよい。
図7のシステムでは、エアロゾル形成基体の第二の材料14は、基体を加熱するためのサセプタとして作用する。
【0195】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数Aは、A±10%のAとして理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられ得る。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用するいくつかの事例において、Aが逸脱する量が、特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱し得る。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】