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特表2024-524444救急患者重症度分類システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】救急患者重症度分類システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240628BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580838
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 KR2022001666
(87)【国際公開番号】W WO2023277293
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0083996
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.ウェブ公開(掲載日:2021年2月1日、Goole play https://play.google.com/store/apps/details?id=com.lunaair.ktas) 2.ウェブ公開(掲載日:2021年3月7日、NTIS https://www.ntis.go.kr/ThMain.do、https://www.ntis.go.kr/outcomes/popup/srchTotlRschRpt.do?cmd=get_contents&rstId=REP-2021-01112221145およびhttps://scienceon.kisti.re.kr/commons/util/originalView.do)
(71)【出願人】
【識別番号】504314133
【氏名又は名称】ソウル ナショナル ユニバーシティ ホスピタル
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドン コン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA02
(57)【要約】
救急患者重症度分類システムにおいて、患者の基本情報に関連するデータを獲得する基本情報部と、前記患者の来院情報に関連するデータを獲得する来院情報部と、前記患者の症状に関連するデータを獲得する症状検索部と、及び前記基本情報部、来院情報部、及び症状検索部で獲得されたデータのうちの少なくとも症状検索部で獲得されたデータに基づいて、救急患者の重症度を自動で分類する重症度分類部と、を含む、救急患者重症度分類システム及び方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
救急患者重症度分類システムにおいて、
患者の基本情報に関連するデータを獲得する基本情報部と、
前記患者の来院情報に関連するデータを獲得する来院情報部と、
前記患者の症状に関連するデータを獲得する症状検索部と、
前記基本情報部、来院情報部、及び症状検索部で獲得されたデータのうちの少なくとも症状検索部で獲得したデータに基づいて、救急患者の重症度を自動で分類する重症度分類部と、
を含む、救急患者重症度分類システム。
【請求項2】
前記基本情報部で獲得したデータは、患者の性別、生年月日のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項3】
前記来院情報部で獲得したデータは、前記患者の収縮期における血圧、拡張期における血圧、脈拍、呼吸、体温、酸素飽和度(SpO2)、及びグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)のうちの少なくとも1つの測定値である、請求項1に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項4】
前記症状検索部で獲得したデータは、前記患者の1つ以上の主症状に関連する情報であり、
前記症状検索部は、前記患者の症状が検索語として入力され、入力された検索語に関連する複数の主症状を検索し、検索された複数の主症状のうちからユーザーが少なくとも1つの主症状を選択できるように提示するように構成された、請求項1に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項5】
前記重症度分類部が患者の重症度を分類する前に活性化された状態で、前記症状検索部で獲得された1つ以上の主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行部をさらに含み、
前記分類進行部は、前記来院情報部で獲得したデータに基づいて、提示された詳細症状の一部又は全部が自動で選択されるようにするか、ユーザーが選択できないように非活性化し、
前記分類進行部又は症状検索部で選択された詳細症状に基づいて、前記重症度分類部が救急患者の重症度を優先順位に応じて自動で分類する、請求項4に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項6】
前記重症度分類部は、各詳細症状に応じた前記救急患者の少なくとも1つの症状項目別の重症度を分類し、
分類された症状項目別の重症度に対応した優先順位のうちの最も高い優先順位を前記救急患者の重症度として分類する、請求項5に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項7】
前記詳細症状は、各特定の症状に対する第1グループの症状項目又は第2グループの症状項目をさらに含み、
前記重症度分類部は、前記第1グループ又は第2グループの選択された症状項目に基づいて重症度を分類し、前記第1グループの1次考慮事項は、意識レベル、血行力学的状態、呼吸状態、及び体温状態に関連するものであり、
前記第2グループの1次考慮事項は、出血状態、事故メカニズム、急性又は慢性中心性疼痛、及び急性又は慢性末梢性疼痛に関連するものである、請求項5に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項8】
前記詳細症状は、各特定の症状に対する主症状別の必要症状項目からなる第3グループの症状項目をさらに含み、
前記第3グループの症状項目は、ユーザーに応じて当該症状の重症度を分類するのに優先的に用いられるか、又は用いられなくてもよい客観的な情報であり、
前記重症度分類部は、さらに、選択された主症状別の必要症状に基づいて重症度を分類する、請求項7に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項9】
前記重症度は、韓国緊急度判定支援システム(KTAS)を基準とし、前記重症度は等級によって分類され、等級の数字が低いほど診療優先順位が高く、前記等級は、
生命の危機状態で即時の診療を要する患者を緊急1等級と、
生命の危機状態になる恐れがあり、第1時間以内に診療を要する患者を緊急2等級と、
現在、生命の危機状態ではないが、深刻な状態に陥る恐れがあり、前記第1時間より遅い第2時間以内に診療を要する患者を緊急3等級と、
危機状態ではなく、前記第2時間より遅い第3時間以内に診療しても患者の状態が悪化する恐れの少ない患者を緊急4等級と、
非救急患者で前記第3時間より遅い第4時間以内に診療を要する患者を緊急5等級と、
に分類される、請求項5に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項10】
前記分類進行部は、前記基本情報部で獲得したデータのうちの患者の生年月日に基づいて、前記患者の年齢に適した詳細症状を提示及び選択できるようにする、請求項5に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項11】
前記症状検索部が過剰摂取を示す第1主症状、うつ状態を示す第2主症状、不安状況を示す第3主症状、及び発作を示す第4主症状データを獲得すると、
前記分類進行部は、前記第1~第4主症状に関連する高危険又は未確認物質の第1詳細症状項目、逃走の可能性や安全に対する危険の第2詳細症状項目、計画的な自殺試みの第3詳細症状項目、具体的な計画のない自殺念慮の第4詳細症状項目、過剰摂取の第5詳細症状項目、重症の不安の第6詳細症状項目、明らかな自殺意図の第7詳細症状項目、落ち込んでいるが自殺念慮はなしの第8詳細症状項目、現在発作中の第9詳細症状項目、発作後の状態の第10詳細症状項目、及び回復した状態、明瞭な意識の第11詳細症状項目のうちの少なくとも1つの詳細症状項目を含む画面を提示する、請求項5に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項12】
前記症状検索部がアレルギーを示す第1主症状、刺され(sting)を示す第2主症状、異物及び皮膚疾患を示す第3主症状データを獲得すると、
前記分類進行部は、重症呼吸困難の第1詳細症状項目、ショックの第2詳細症状項目、無意識の第3詳細症状項目、中症度呼吸困難の第4詳細症状項目、血行力学的障害の第5詳細症状項目、意識変化の第6詳細症状項目、発熱、免疫抑制状態の第7詳細症状項目、敗血症疑いの第8詳細症状項目、軽症呼吸困難の第9詳細症状項目、異常脈拍数の第10詳細症状項目、発熱がSIRS基準を満足するか否かの第11詳細症状項目、及び急性末梢性重症疼痛の第12詳細症状項目のうちの少なくとも1つを含む画面を提示する、請求項5に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項13】
重症呼吸困難の第1詳細症状項目、ショックの第2詳細症状項目、無意識の第3詳細症状項目のうちの少なくとも1つは自動選択され、
中症度呼吸困難の第4詳細症状項目、血行力学的障害の第5詳細症状項目、意識変化の第6詳細症状項目、発熱、免疫抑制状態の第7詳細症状項目、敗血症疑いの第8詳細症状項目、軽症呼吸困難の第9詳細症状項目、異常脈拍数の第10詳細症状項目、発熱がSIRS基準を満足するか否かの第11詳細症状項目のうちの少なくとも1つは非活性化された画面を提示する、請求項12に記載の救急患者重症度分類システム。
【請求項14】
プロセッサによって実行される救急患者重症度分類方法において、
患者の基本情報に関連するデータを獲得する基本情報入力段階と、
前記患者の来院情報に関連するデータを獲得する来院情報入力段階と、
前記患者の症状に関連するデータを獲得する症状検索段階と、
前記基本情報入力段階、来院情報入力段階、及び症状検索段階で獲得されたデータのうちの少なくとも症状検索段階で獲得したデータに基づいて、救急患者の重症度を自動で分類する重症度分類段階と、
を含む、救急患者重症度分類方法。
【請求項15】
前記基本情報入力段階で獲得したデータは、患者の性別、生年月日のうちの少なくとも1つである、請求項14に記載の救急患者重症度分類方法。
【請求項16】
前記来院情報入力段階で獲得したデータは、前記患者の収縮期における血圧、拡張期における血圧、脈拍、呼吸、体温、酸素飽和度(SpO2)、及びグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)のうちの少なくとも1つの測定値である、請求項14に記載の救急患者重症度分類方法。
【請求項17】
前記症状検索段階で獲得したデータは、前記患者の1つ以上の主症状に関連する情報であり、
前記症状検索段階は、前記患者の症状が検索語として入力され、入力された検索語に関連する複数の主症状を検索し、検索された複数の主症状のうちからユーザーが少なくとも1つの主症状を選択できるように提示するように構成された、請求項14に記載の救急患者重症度分類方法。
【請求項18】
前記重症度分類段階が患者の重症度を分類する前に活性化された状態で、前記症状検索段階で獲得された1つ以上の主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行段階をさらに含み、
前記分類進行段階は、前記来院情報入力段階で獲得したデータに基づいて、提示された詳細症状の一部又は全部が自動で選択されるようにするか、ユーザーが選択できないように非活性化し、
前記分類進行段階又は症状検索段階で選択された詳細症状に基づいて、前記重症度分類段階が救急患者の重症度を優先順位に応じて自動で分類する、請求項17に記載の救急患者重症度分類方法。
【請求項19】
前記重症度分類段階は、各詳細症状に応じた前記救急患者の少なくとも1つの症状項目別の重症度を分類し、
分類された症状項目別の重症度に対応した優先順位のうちの最も高い優先順位を前記救急患者の重症度として分類する、請求項18に記載の救急患者重症度分類方法。
【請求項20】
コンピュータによって読み取り可能であり、前記コンピュータによって動作可能なプログラム命令語を格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記プログラム命令語が前記コンピュータのプロセッサによって実行される場合、前記プロセッサが請求項14に記載の救急患者重症度分類方法を実行する、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急状況で患者を重症度別に分類して患者の重症度状態に応じて対応できるようにすると共に、あらゆる医療従事者が容易且つ正確な重症度分類を実施して迅速な救急医療を提供する救急患者重症度分類システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トリアージ(Triage)とは、応急処置と患者移送の優先順位を決めるために患者を症状別に区分することをいう。特にKTAS(Korean Triage and Acuity Scale、韓国型緊急度判定支援システム)は、救急救命室を来院するすべての患者を標準化された基準で重症度を分類する。
【0003】
図1は、既存の救急患者の重症度を分類する基準となる標準化された体系であるKTAS等級表である。図1を参照すると、重症度は5つの等級によって分類され、前記重症度は等級によって分類され、等級の数字が低いほど診療優先順位が高い。前記等級は、生命の危機状態で即時の診療を要する患者を緊急1等級と、生命の危機状態になる恐れがあり、1時間以内に診療を要する患者を緊急2等級と、現在、生命の危機状態ではないが、深刻な状態に陥る恐れがあり、前記1時間より遅い2時間以内に診療を要する患者を緊急3等級と、危機状態ではなく、前記2時間より遅い3時間以内に診療しても患者の状態が悪化する恐れの少ない患者を緊急4等級;及び非救急患者で前記3時間より遅い4時間以内に診療を要する患者を緊急5等級と、に分類される。重症度に応じて救急医療の優先治療が決定され、患者の軽・重を区分して応急処置及び移送の優先順位が付与される。
【0004】
ただし、患者の大量発生時には、限られた人員で多くの患者に最善の医療を提供しなければならないため、緊急状況で重症度をいちいち分類することが容易ではない。また、専門要員でなくても患者の軽・重症度を区分して応急処置及び移送の優先順位を付与しなければならない場合もあり得る。これは使用できる装備や資源の制限と重症度分類体系の複雑さよりも重要な原因であって緊急状況で患者の状態把握や処置にも時間が足りない中で重症度分類に十分な時間を割り当てるだけの余裕がないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためのものであって、救急患者の重症度を自動で分類し、重症度の優先順位に応じて医療スタッフが患者に迅速に救急医療を提供することができるようにする、救急患者重症度分類システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な具現例は、救急患者重症度分類システムであって、患者の基本情報に関連するデータを獲得する基本情報部と、前記患者の来院情報に関連するデータを獲得する来院情報部と、前記患者の症状に関連するデータを獲得する症状検索部と、及び前記基本情報部、来院情報部、及び症状検索部で獲得されたデータのうちの少なくとも症状検索部で獲得したデータに基づいて、救急患者の重症度を自動で分類する重症度分類部と、を含む、救急患者重症度分類システムを提供する。
【0007】
また、本発明の他の例示的な具現例は、プロセッサによって実行される救急患者重症度分類方法であって、患者の基本情報に関連するデータを獲得する基本情報入力段階;前記患者の来院情報に関連するデータを獲得する来院情報入力段階と、前記患者の症状に関連するデータを獲得する症状検索段階と、前記基本情報入力段階、来院情報入力段階、及び症状検索段階で獲得されたデータのうちの少なくとも症状検索段階で獲得したデータに基づいて、救急患者の重症度を自動で分類する重症度分類段階と、を含む、救急患者重症度分類方法を提供する。
【0008】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記基本情報部で獲得したデータは、患者の性別、生年月日のうちの少なくとも1つであってよい。
【0009】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記来院情報部で獲得したデータは、前記患者の収縮期における血圧、拡張期における血圧、脈拍、呼吸、体温、酸素飽和度(SpO2)、及びグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)のうちの少なくとも1つの測定値であってよい。
【0010】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記症状検索部で獲得したデータは、前記患者の1つ以上の主症状に関連する情報であり、前記症状検索部は、前記患者の症状が検索語として入力され、入力された検索語に関連する複数の主症状を検索し、検索された複数の主症状のうちからユーザーが少なくとも1つの主症状を選択できるように提示するように構成されてよい。
【0011】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記システムは、前記重症度分類部が患者の重症度を分類する前に活性化された状態で、前記症状検索部で獲得された1つ以上の主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行部をさらに含み、前記分類進行部は、前記来院情報部で獲得したデータに基づいて、提示された詳細症状の一部又は全部が自動で選択されるようにするか、ユーザーが選択できないように非活性化し、前記分類進行部又は症状検索部で選択された詳細症状に基づいて、前記重症度分類部が救急患者の重症度を優先順位に応じて自動で分類してよい。
【0012】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記重症度分類部は、各詳細症状に応じた前記救急患者の少なくとも1つの症状項目別の重症度を分類し、分類された症状項目別の重症度に対応した優先順位のうちの最も高い優先順位を前記救急患者の重症度として分類してよい。
【0013】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記詳細症状は、各特定の症状に対する第1グループの症状項目又は第2グループの症状項目をさらに含み、前記重症度分類部は、前記第1グループ又は第2グループの選択された症状項目に基づいて重症度を分類し、前記第1グループの1次考慮事項は、意識レベル、血行力学的状態、呼吸状態、及び体温状態に関連するものであり、前記第2グループの1次考慮事項は、出血状態、事故メカニズム、急性又は慢性中心性疼痛、及び急性又は慢性末梢性疼痛に関連するものであってよい。
【0014】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記詳細症状は、各特定の症状に対する主症状別の必要症状項目からなる第3グループの症状項目をさらに含み、前記第3グループの症状項目は、ユーザーに応じて当該症状の重症度を分類するのに優先的に用いられるか、又は用いられなくてもよい客観的な情報であり、前記重症度分類部は、さらに、選択された主症状別の必要症状に基づいて重症度を分類してよい。
【0015】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記重症度は、韓国緊急度判定支援システム(KTAS)を基準とし、前記重症度は等級によって分類され、等級の数字が低いほど診療優先順位が高く、前記等級は、生命の危機状態で即時の診療を要する患者を緊急1等級と、生命の危機状態になる恐れがあり、第1時間以内に診療を要する患者を緊急2等級と、現在、生命の危機状態ではないが、深刻な状態に陥る恐れがあり、前記第1時間より遅い第2時間以内に診療を要する患者を緊急3等級と、危機状態ではなく、前記第2時間より遅い第3時間以内に診療しても患者の状態が悪化する恐れの少ない患者を緊急4等級と、及び非救急患者で前記第3時間より遅い第4時間以内に診療を要する患者を緊急5等級と、に分類されてよい。
【0016】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記分類進行部は、前記基本情報部で獲得したデータのうちの患者の生年月日に基づいて、前記患者の年齢に適した詳細症状を提示及び選択できるようにしてよい。
【0017】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記症状検索部が、過剰摂取を示す第1主症状、うつ状態を示す第2主症状、不安状況を示す第3主症状、及び発作を示す第4主症状データを獲得すると、前記分類進行部は、前記第1~第4主症状に関連する高危険又は未確認物質の第1詳細症状項目、逃走の可能性や安全に対する危険の第2詳細症状項目、計画的な自殺試みの第3詳細症状項目、具体的な計画のない自殺念慮の第4詳細症状項目、過剰摂取の第5詳細症状項目、重症の不安の第6詳細症状項目、明らかな自殺意図の第7詳細症状項目、落ち込んでいるが自殺念慮はなしの第8詳細症状項目、現在発作中の第9詳細症状項目、発作後の状態の第10詳細症状項目、及び回復した状態、明瞭な意識の第11詳細症状項目のうちの少なくとも1つの詳細症状項目を含む画面を提示してよい。
【0018】
例示的な一具現例のシステムにおいて、前記症状検索部がアレルギーを示す第1主症状、刺され(sting)を示す第2主症状、異物及び皮膚疾患を示す第3主症状データを獲得すると、前記分類進行部は、重症呼吸困難の第1詳細症状項目、ショックの第2詳細症状項目、無意識の第3詳細症状項目、中症度呼吸困難の第4詳細症状項目、血行力学的障害の第5詳細症状項目、意識変化の第6詳細症状項目、発熱、免疫抑制状態の第7詳細症状項目、敗血症疑いの第8詳細症状項目、軽症呼吸困難の第9詳細症状項目、異常脈拍数の第10詳細症状項目、発熱がSIRS基準を満足するか否かの第11詳細症状項目、及び急性末梢性重症疼痛の第12詳細症状項目のうちの少なくとも1つを含む画面を提示してよい。
【0019】
例示的な一具現例のシステムにおいて、重症呼吸困難の第1詳細症状項目、ショックの第2詳細症状項目、無意識の第3詳細症状項目のうちの少なくとも1つは自動選択され、中症度呼吸困難の第4詳細症状項目、血行力学的障害の第5詳細症状項目、意識変化の第6詳細症状項目、発熱、免疫抑制状態の第7詳細症状項目、敗血症疑いの第8詳細症状項目、軽症呼吸困難の第9詳細症状項目、異常脈拍数の第10詳細症状項目、発熱がSIRS基準を満足するか否かの第11詳細症状項目のうちの少なくとも1つは非活性化された画面を提示してよい。
【0020】
例示的な一具現例の方法において、前記基本情報入力段階で獲得したデータは、患者の性別、生年月日のうちの少なくとも1つであってよい。
【0021】
例示的な一具現例の方法において、前記来院情報入力段階で獲得したデータは、前記患者の収縮期における血圧、拡張期における血圧、脈拍、呼吸、体温、酸素飽和度(SpO2)、及びグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)のうちの少なくとも1つの測定値であってよい。
【0022】
例示的な一具現例の方法において、前記症状検索段階で獲得したデータは、前記患者の1つ以上の主症状に関連する情報であり、前記症状検索段階は、前記患者の症状が検索語として入力され、入力された検索語に関連する複数の主症状を検索し、検索された複数の主症状のうちからユーザーが少なくとも1つの主症状を選択できるように提示するように構成されてよい。
【0023】
例示的な一具現例の方法において、前記重症度分類段階が患者の重症度を分類する前に活性化された状態で、前記症状検索段階で獲得された1つ以上の主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行段階をさらに含み、前記分類進行段階は、前記来院情報入力段階で獲得したデータに基づいて、提示された詳細症状の一部又は全部が自動で選択されるようにするか、ユーザーが選択できないように非活性化し、前記分類進行段階又は症状検索段階で選択された詳細症状に基づいて、前記重症度分類段階が救急患者の重症度を優先順位に応じて自動で分類してよい。
【0024】
例示的な一具現例の方法において、前記重症度分類段階は、各詳細症状に応じた前記救急患者の少なくとも1つの症状項目別の重症度を分類し、分類された症状項目別の重症度に対応した優先順位のうちの最も高い優先順位を前記救急患者の重症度として分類してよい。
【発明の効果】
【0025】
このような本発明に係る救急患者重症度分類システム及び方法によれば、緊急状況で患者を重症度別に分類して患者の重症度状態に応じて対応できるようにすると共に、あらゆる医療従事者が容易且つ正確な重症度分類を実施して迅速な救急医療を提供できるようにする。
【0026】
本発明の効果は前述した効果に限定されず、言及されていないまた他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるはずである。
【0027】
本発明又は従来技術の実施例の技術的解決策をより明確に説明するために、実施例に係る説明において必要な図面を以下に簡単に紹介する。以下の図面は、本明細書の実施例を説明するためのものであるに過ぎず、本発明を限定するためのものではないと理解されるべきである。また、説明の明瞭化のために、以下の図面では、誇張、省略などの種々の変形が適用された一部の要素が示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】既存の救急患者の重症度を分類する基準となる標準化された体系のKTAS等級表である。
図2】本発明の一実施例に係る救急患者重症度分類システムの概略図である。
図3】本発明の一実施例に係る救急患者重症度分類方法のフローチャートである。
図4】本発明の一実施例に係る主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行段階を示す画像である。
図5】本発明の一実施例に係る来院情報入力段階で獲得したデータに基づいて、主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行段階を示す画像である。
図6】本発明の一実施例に係る重症度分類段階で最終的に救急患者の等級を分類する過程を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで用いられる専門用語は、特定の実施例を言及するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。ここで用いられる単数形は、文言が明らかに逆の意味を示さない限り、複数形も含む。本明細書で用いられる「含む」は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、項目及び/又は成分を具体化し、他の特性、領域、整数、段階、動作、項目及び/又は成分の存在や付加を除くことを意味するものではない。
【0030】
特に定義していないが、ここで用いられる技術用語や科学用語を含むすべての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が一般的に理解する意味と同じ意味を持つ。通常用いられる辞典に定義された用語は、関連技術文献と現在開示された内容に符合する意味を持つものと追加解釈され、定義されない限り、理想的又は非常に公式的な意味として解釈されない。
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0032】
図2は、本発明の一実施例に係る救急患者重症度分類システムの概略図である。
【0033】
図2を参照すると、救急患者重症度分類システム1は、基本情報部11、来院情報部13、症状検索部15、分類進行部17、重症度分類部19を含んでよい。
【0034】
基本情報部11は、患者の基本情報に関連するデータを獲得する。前記データは、患者の性別、生年月日のうちの少なくとも1つであってよい。前記性別は、男/女のどちらかをクリックしてユーザーが選択することができる。
【0035】
来院情報部13は、患者の来院情報に関連するデータを獲得する。前記データは、前記患者の収縮期における血圧、拡張期における血圧、脈拍、呼吸、体温、酸素飽和度(SpO2)、及びグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)のうちの少なくとも1つの測定値であってよい。ディスプレイ上でユーザーが測定値の入力欄をクリックすると、数値を入力できるようにキーパッドが活性化されてよい。来院情報部で獲得したデータは、以降、活力徴候の1次考慮事項としてKTAS等級を自動分類するのに活用されてよい。体温の場合、小数点以下1桁まで入力可能であるが、これに制限されない。前記複数の測定値のすべてが入力されなくても、入力された測定値だけを用いて活力徴候の1次考慮事項として活用されてよい。
【0036】
症状検索部15で獲得したデータは、前記患者の1つ以上の主症状に関連する情報であり、前記症状検索部15は、前記患者の症状が検索語として入力され、入力された検索語に関連する複数の主症状を検索し、検索された複数の主症状のうちからユーザーが少なくとも1つの主症状を選択できるように提示するように構成されてよい。前記主症状としては複数の症状が入力されてよく、1つ以上の症状の入力は必須項目である。選択された主症状は、追加及び削除して修正され得る。
【0037】
重症度分類部19は、前記基本情報部、来院情報部、及び症状検索部で獲得されたデータのうちの少なくとも症状検索部で獲得されたデータに基づいて、救急患者の重症度を自動で分類する。一実施例において、前記重症度は、韓国型緊急度判定支援システム(KTAS)を基準としてよい。前記重症度分類部が患者の重症度を分類する前に活性化された状態で、救急患者重症度分類システム1は、前記症状検索部で獲得された1つ以上の主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行部17をさらに含んでよい。前記分類進行部17は、前記来院情報部13で獲得したデータに基づいて、提示された詳細症状の一部又は全部が自動で選択されるようにするか、ユーザーが選択できないように非活性化し、前記分類進行部17で選択された詳細症状に基づいて、前記重症度分類部19が救急患者の重症度を優先順位に応じて自動で分類できるようにする。前記重症度分類部19は、各詳細症状に応じた前記救急患者の少なくとも1つの症状項目別の重症度を分類し、分類された症状項目別の重症度に対応した優先順位のうちの最も高い優先順位を救急患者の重症度として分類してよい。分類進行部17は、成人/小児の17つの診療科項目による各詳細症状の検索を可能にする。
【0038】
症状別の客観的情報は、複数の項目を含む。一実施例において、前記症状別の客観的情報は、第1グループの症状項目及び第2グループの症状項目を含む。第1グループ及び第2グループに含まれる症状項目は、当該症状の重症度を分類するのに優先的に用いられる項目であって、1次考慮事項と呼ばれることもある。前記第1グループの症状項目は、各特定の症状の主症状に関連する客観的情報であって、大部分は活力徴候の側面の客観的情報である。例えば、前記第1グループの症状項目は、意識レベル、血行力学的状態、呼吸状態及び/又は体温状態に関連する情報を含んでもよい。前記第2グループの症状項目は、各特定の症状別に関連する客観的情報のうち、第1グループの活力徴候1次考慮事項の情報を除いたその他の1次考慮事項の客観的情報である。例えば、前記第2グループの症状項目は、出血状態、事故メカニズム、急性又は慢性中心性疼痛、及び急性又は慢性末梢性疼痛に関連する情報を含んでもよい。これらの第1及び第2グループの症状項目は、症状に応じて同じ項目に対して異なる値を有してもよい。
【0039】
前記詳細症状は、各特定の症状に対する主症状別の必要症状項目からなる第3グループの症状項目をさらに含み、前記第3グループの症状項目は、ユーザーに応じて当該症状の重症度を分類するのに優先的に用いられるか、又は用いられなくてもよい客観的な情報であり、前記重症度分類部19は、選択された主症状別の必要症状に基づいて重症度を分類してよい。
【0040】
前記分類進行部17は、基本情報部11で獲得したデータのうちの患者の生年月日に基づいて、前記患者の年齢に適した詳細症状を提示及び選択できるようにしてよい。前記年齢は、15歳を基準とし、分類進行部17が成人の救急患者と小児の救急患者とを区分して分類を進めてよいが、基準となる年齢はこれに制限されない。
【0041】
本発明の他の一側面に係る救急患者重症度分類方法は、プロセッサを含むコンピューティング装置によって実行される。前記プロセッサを含むコンピューティング装置は、例えば、前記救急患者重症度分類システム1又は一部の構成要素(例えば、基本情報部11、来院情報部13、症状検索部15、分類進行部17、重症度分類部19)によって実行されるか、又は他のコンピューティング装置によって実行されてもよい。以下、説明の明瞭化のために、前記救急患者重症度分類方法が前記救急患者重症度分類システム1によって実行される実施例で本発明をより詳細に述べることにする。
【0042】
図3は、本発明の一実施例に係る救急患者重症度分類方法のフローチャートである。
【0043】
図3を参照すると、救急患者重症度分類方法は、(例えば、基本情報部11によって)患者の基本情報に関連するデータを獲得する基本情報入力段階(S21)と、(例えば、来院情報部13によって)前記患者の来院情報に関連するデータを獲得する来院情報入力段階(S23)と、(例えば、症状検索部15によって)患者の症状に関連するデータを獲得する症状検索段階(S25)と、及び(例えば、重症度分類部19によって)前記基本情報入力段階、来院情報入力段階、及び症状検索段階で獲得されたデータのうちの少なくとも症状検索段階で獲得したデータに基づいて、救急患者の重症度を自動で分類する重症度分類段階(S29)と、を含んでよい。
【0044】
症状検索段階(S25)は、患者の症状が検索語として入力され、前記症状検索段階(S25)は、入力された検索語に関連する複数の主症状を提示しユーザーが主症状を選択できるように構成されてよい。前記主症状としては、複数の症状が入力されてよく、1つ以上の症状入力は必須項目である。選択された主症状は、ユーザーが追加及び削除して修正され得る。
【0045】
前記重症度分類段階(S29)が患者の重症度を分類する前に活性化された状態で、救急患者重症度分類方法は、前記症状検索段階で獲得された1つ以上の主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行段階(S27)をさらに含んでよい。前記分類進行段階(S27)は、前記来院情報入力段階(S23)で獲得したデータに基づいて、提示された詳細症状の一部又は全部が自動で選択されるようにするか、ユーザーが選択できないように非活性化し、前記分類進行段階(S27)で選択された詳細症状に基づいて、前記重症度分類段階(S29)が救急患者の重症度を優先順位に応じて自動で分類できるようにする。
【0046】
図4は、本発明の一実施例に係る主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行段階を示す画像である。
【0047】
図4を参照すると、分類進行段階(S27)は、重症度分類段階(S29)が患者の重症度を分類する前に活性化された状態で、症状検索部で獲得された1つ以上の主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにしてよい。図4に示すように、前記症状検索部が過剰摂取を示す第1主症状、うつ状態を示す第2主症状、不安状況を示す第3主症状、及び発作を示す第4主症状データを獲得すると、分類進行段階(S27)は、前記第1~第4主症状に関連する高危険又は未確認物質の第1詳細症状項目、逃走の可能性や安全に対する危険の第2詳細症状項目、計画的な自殺試みの第3詳細症状項目、具体的な計画のない自殺念慮の第4詳細症状項目、過剰摂取の第5詳細症状項目、重症の不安の第6詳細症状項目、明らかな自殺意図の第7詳細症状項目、落ち込んでいるが自殺念慮はなしの第8詳細症状項目、現在発作中の第9詳細症状項目、発作後の状態の第10詳細症状項目、及び回復した状態、明瞭な意識の第11詳細症状項目のうちの少なくとも1つの詳細症状項目を含む画面を提示してよい。提示された追加の詳細症状に対して該当項目がある場合、ユーザーが該当項目を選択した後に重症度分類段階(S29)が実行されてよく、追加の詳細症状に対して該当項目がない場合、ユーザーの選択なしに直ちに重症度分類段階(S29)が実行されてよい。
【0048】
図5は、本発明の一実施例に係る来院情報入力段階(S23)で獲得したデータに基づいて、主症状に関連する詳細症状を提示及び選択するようにする分類進行段階を示す画像である。
【0049】
図5を参照すると、前記分類進行段階(S27)は、前記来院情報入力段階(S23)で獲得したデータに基づいて、提示された詳細症状の一部又は全部が自動で選択されるようにするか、ユーザーが選択できないように非活性化し、前記分類進行段階(S27)で選択された詳細症状に基づいて、前記重症度分類段階(S29)が、救急患者の重症度を優先順位に応じて自動で分類できるようにする。
【0050】
分類進行段階(S27)は、各入力項目の値を予め設定された規則に適用して症状の項目のうちの一部又は全部を提示するように構成される。前記規則は、入力項目別の値、該値と比較される基準、そして該基準に予め関連付けられた症状項目からなる。
【0051】
図5に示すように、来院情報入力段階(S23)で獲得された血圧収縮期測定値(80)、酸素飽和度(77)、及びグラスゴー・コーマ・スケール(8)情報に基づいて、各項目の値に応じた一部の項目が自動で選択される。血圧収縮期の測定値80、酸素飽和度77、及びグラスゴー・コーマ・スケール8が入力されると、前記分類進行段階(S27)は、それぞれの値(80、77、8)を予め設定された規則に適用する。そうすると、重症呼吸困難、ショック、及び無意識の項目が自動で選択され、ユーザーに提示される。
【0052】
前記症状検索段階(S25)がアレルギーを示す第1主症状、刺され(sting)を示す第2主症状、異物及び皮膚疾患を示す第3主症状データを獲得すると、分類進行段階(S27)は、重症呼吸困難の第1詳細症状項目、ショックの第2詳細症状項目、無意識の第3詳細症状項目、中症度呼吸困難の第4詳細症状項目、血行力学的障害の第5詳細症状項目、意識変化の第6詳細症状項目、発熱、免疫抑制状態の第7詳細症状項目、敗血症疑いの第8詳細症状項目、軽症呼吸困難の第9詳細症状項目、異常脈拍数の第10詳細症状項目、発熱がSIRS基準を満足するか否かの第11詳細症状項目、及び急性末梢性重症痛の第12詳細症状項目のうちの少なくとも1つを含む画面を提示する。
【0053】
また、重症呼吸困難の第1詳細症状項目、ショックの第2詳細症状項目、無意識の第3詳細症状項目のうちの少なくとも1つは自動選択され、中症度呼吸困難の第4詳細症状項目、血行力学的障害の第5詳細症状項目、意識変化の第6詳細症状項目、発熱、免疫抑制状態の第7詳細症状項目、敗血症疑いの第8詳細症状項目、軽症呼吸困難の第9詳細症状項目、異常脈拍数の第10詳細症状項目、発熱がSIRS基準を満足するか否かの第11詳細症状項目のうちの少なくとも1つは非活性化された画面が提示される。このような自動選択及び非活性化機能によって、不必要な入力を減らし、繰り返しの作業を最小化して重症度分類段階(S29)に至るにようにすることで、迅速に救急患者の重症度を分類できるようにする。
【0054】
図6は、本発明の一実施例に係る重症度分類段階で最終的に救急患者の重症度等級を分類する過程を示す画像である。
【0055】
図6を参照すると、重症度分類段階(S29)で入力した情報と、それぞれの主症状、及びその主症状に係る詳細症状に基づいて、それぞれの主症状及び詳細症状別に分類されたKTAS等級がリスト化されてよい。入力情報に応じて異なるKTAS等級結果を示すことで、ユーザーがそれぞれの等級を一目で比較できるようにして利便性を提供する。前記詳細症状は、特定の主症状に関連する活力徴候に係る1次考慮事項又はその他の1次考慮事項をさらに含んでよい。前記活力徴候に係る1次考慮事項は、意識レベル、血行力学的状態、呼吸状態、及び体温状態に関連するものであり、前記その他の1次考慮事項は、出血状態、事故メカニズム、急性又は慢性中心性疼痛、及び急性又は慢性末梢性疼痛に関連するものであってよい。それぞれの主症状別の詳細症状項目に応じた個別的なKTAS等級の提供と同時に、重症度分類段階(S29)は、それぞれのKTAS等級のうちの等級数が最も低い(診療優先順位が最も高い)最終KTAS等級を提示し、当該主症状及び詳細症状項目を提示して診療の方向性を提供する。
【0056】
このような救急患者重症度分類システム及び方法によると、緊急状況で患者を重症度別に分類して患者の重症度状態に応じて対応できるようにし、あらゆる医療従事者が容易且つ正確な重症度分類を実施して迅速な救急医療を提供できるようにする。
【0057】
以上で説明した実施例に係る救急患者重症度分類方法による動作は、少なくとも部分的にコンピュータプログラムで実現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてよい。例えば、プログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能な媒体で構成されるプログラム製品と共に実現され、これは記述された任意の又はすべての段階、動作、又は過程を行うためのプロセッサによって実行されてよい。
【0058】
本発明の他の一側面に係る救急患者重症度分類方法は、プロセッサを含むコンピューティング装置によって実行されてよい。前記コンピューティング装置は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブック、スマートフォン、及びこれらと類似したコンピューティング装置であってもよく統合されてもよい任意の装置であってよい。コンピュータは、1つ以上の代替的且つ特別な目的のプロセッサ、メモリ、格納空間、及びネットワーキング構成要素(無線又は有線のいずれか)を有する装置である。コンピュータは、例えば、Microsoft(登録商標)のWindows(登録商標)と互換性のあるオペレーティングシステム、Apple(登録商標) OS X(登録商標)又はiOS、Linux(登録商標)ディストリビューション(Linux(登録商標) distribution)、又はGoogle(登録商標)のAndroid(登録商標) OSなどのオペレーティングシステムを実行することができる。
【0059】
前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータによって読み取り可能なデータが格納されるあらゆる種類の記録身元確認装置を含む。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶身元確認装置などが挙げられる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ネットワークを介して接続されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータが読み取り可能なコードが格納されて実行されてもよい。また、本実施例を具現するための機能的なプログラム、コード、及びコードセグメント(segment)は、本実施例が属する技術分野における当業者であれば容易に理解できるはずである。
【0060】
以上、本発明を図面に示された実施例を参照して説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該分野における当業者であれば種々の修正や変形が可能であることは理解できるはずである。しかし、かかる修正や変形は、本発明の技術的保護範囲内にあるとみなすべきである。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の実施例に係る救急患者重症度分類システム及び方法は、緊急状況で患者を重症度別に分類して患者の重症度状態に応じて対応できるようにすると共に、あらゆる医療従事者が容易且つ正確な重症度分類を実施して迅速な救急医療を提供できるようにする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】