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特表2024-524445多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法、装置、及び車載端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法、装置、及び車載端末
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20240628BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B60H1/00 101G
B60H1/22 651C
B60H1/00 101F
B60H1/22 611D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580839
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2021127733
(87)【国際公開番号】W WO2023070610
(87)【国際公開日】2023-05-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(71)【出願人】
【識別番号】523218452
【氏名又は名称】吉利汽車研究院(寧波)有限公司
【氏名又は名称原語表記】GEELY AUTOMOBILE RESEARCH INSTITUTE (NINGBO) CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 双岐
(72)【発明者】
【氏名】毛 玉虎
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211AA11
3L211BA06
3L211DA50
3L211EA16
3L211EA32
3L211EA35
3L211EA38
3L211GA09
3L211GA49
3L211GA83
(57)【要約】
多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法、装置(10)、及び車載端末(20)である。当該方法は以下のステップを含む。車載端末(20)は、車両の温度調整制御モード、目標温度、及び車両の各温度領域の温度調整需要量と吹出温度を取得することができる。車載端末(20)は、温度調整制御モード、目標温度、及び各温度領域の温度調整需要量と吹出温度に応じて、各温度領域の吹出温度が目標温度に達するように、各温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整することができる。当該方法は、乗員室の暖房/冷房ニーズに対する正確な制御を向上させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法であって、
車両の温度調整制御モード、目標温度、及び前記車両の各温度領域の温度調整需要量と前記温度領域に対応する吹出口の温度センサーにより測定された吹出温度を取得するステップと、
前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記吹出温度が目標温度に達するように、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するステップと、を含む、ことを特徴とする多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法。
【請求項2】
前記温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱、コンプレッサーによる加熱というモードの1つ又は複数を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、コンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数を上回るというモードのいずれかである場合に、前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するステップは、
各前記温度領域の前記温度調整需要量に応じて、その中に温度調整需要量が最も大きい第1の温度領域を決定するステップと、
前記第1の温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を固定値に設定するステップと、
前記目標温度と前記第1の温度領域を除いた他の温度領域の前記吹出温度とに応じて、前記他の温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記温度調整制御モードは、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱又はコンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数以下である場合に、前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するステップは、
前記目標温度及び各前記温度領域の前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するステップを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記目標温度及び各前記温度領域の前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するステップは、
前記吹出温度と前記目標温度との差に応じて、目標温度差を決定するステップと、
前記目標温度差と予め設定されたパラメータとの積に応じて、前記ハイブリッドダンパの開度値を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記温度領域の前記温度調整需要量は、前記温度領域に対応する吹出口の吹出量に応じて決定される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置であって、
車両の温度調整制御モード、目標温度、及び前記車両の各温度領域の温度調整需要量と吹出温度を取得するための取得モジュールと、
前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記吹出温度が目標温度に達するように、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するための制御モジュールと、を含む、ことを特徴とする多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置。
【請求項8】
メモリ及びプロセッサを含む車載端末であって、
前記メモリは、コンピュータ命令を記憶するために用いられ、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたコンピュータ命令に従い、請求項1~6のいずれか1項に記載の多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実現するために用いられる、ことを特徴とする車載端末。
【請求項9】
車両であって、前記車両の各吹出口には温度センサーが配置されており、前記車両には請求項8に示されている車載端末が配置されている、ことを特徴とする車両。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ命令が記憶されており、前記コンピュータ命令は、プロセッサにより実行されるとき、請求項1~6のいずれか1項に記載の多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実現するために用いられる、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ命令がプロセッサにより実行されるとき、請求項1~6のいずれか1項に記載の多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法が実現される、ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子電器の分野に関し、特に、多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法、装置、及び車載端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車産業が成長するにつれて、さらに多くのヒートポンプシステムが応用されている。現在、乗員室に暖房ニーズがある場合に、車両は、ヒートポンプ又はヒーター(Positive Temperature Coefficient、PTC)によって送風空気を加熱温度まで加熱する。空気は加熱後ヒーターコアを通じて吹出口に到達する。空気流動中の熱損失を補償するために、通常、車両の加熱温度を目標温度よりも高くしている。
【0003】
従来の技術において、吹出口の吹出温度が目標温度に達するようにするために、車両は、加熱されていない空気を温風に混合するようにハイブリッドダンパを制御することができる。車両のヒーターコア又は空気PTCの後ろに温度センサーがある。車両には熱損失パラメータが予め設定されている。車両は、当該温度センサーから取得された空気温度、予め設定された熱損失パラメータに応じて、ハイブリッドダンパの開度値を決定することによって、吹出温度を調整することができる。
【0004】
しかしながら、従来の技術において、車両の温度に対する調整制御は精度が低いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、従来の技術において車両の温度に対する調整制御は精度が低いという問題を解決するために、多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法、装置、及び車載端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の様態では、本願は、多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を提供し、前記方法は、
車両の温度調整制御モード、目標温度、及び前記車両の各温度領域の温度調整需要量と前記温度領域に対応する吹出口の温度センサーにより測定された吹出温度を取得するステップと、
前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記吹出温度が目標温度に達するように、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するステップと、を含む。
【0007】
選択的に、前記温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱、コンプレッサーによる加熱というモードの1つ又は複数を含む。
【0008】
選択的に、前記温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、コンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数を上回るというモードのいずれかである場合に、前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するステップは、
各前記温度領域の前記温度調整需要量に応じて、その中に温度調整需要量が最も大きい第1の温度領域を決定するステップと、
前記第1の温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を固定値に設定するステップと、
前記目標温度と前記第1の温度領域を除いた他の温度領域の前記吹出温度とに応じて、前記他の温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するステップと、を含む。
【0009】
選択的に、前記温度調整制御モードは、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱又はコンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数以下である場合に、前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するステップは、
前記目標温度及び各前記温度領域の前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するステップを含む。
【0010】
選択的に、前記目標温度及び各前記温度領域の前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するステップは、
前記吹出温度と前記目標温度との差に応じて、目標温度差を決定するステップと、
前記目標温度差と予め設定されたパラメータとの積に応じて、前記ハイブリッドダンパの開度値を決定するステップと、を含む。
【0011】
選択的に、前記温度領域の前記温度調整需要量は、前記温度領域に対応する吹出口の吹出量に応じて決定される。
【0012】
第2の態様では、本願は、多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置を提供し、前記装置は、
車両の温度調整制御モード、目標温度、及び前記車両の各温度領域の温度調整需要量と前記温度領域に対応する吹出口の温度センサーにより測定された吹出温度を取得するための取得モジュールと、
前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記吹出温度が目標温度に達するように、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するための制御モジュールと、を含む。
【0013】
選択的に、前記温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱、コンプレッサーによる加熱というモードの1つ又は複数を含む。
【0014】
選択的に、前記温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、コンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数を上回るというモードのいずれかである場合に、前記制御モジュールは、具体的に、
各前記温度領域の前記温度調整需要量に応じて、その中に温度調整需要量が最も大きい第1の温度領域を決定することと、
前記第1の温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を固定値に設定することと、
前記目標温度と前記第1の温度領域を除いた他の温度領域の前記吹出温度とに応じて、前記他の温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整することと、に用いられる。
【0015】
選択的に、前記温度調整制御モードは、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱又はコンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数以下である場合に、前記制御モジュールは、具体的に、
前記目標温度及び各前記温度領域の前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するために用いられる。
【0016】
選択的に、前記制御モジュールは、具体的に、
前記吹出温度と前記目標温度との差に応じて、目標温度差を決定することと、
前記目標温度差と予め設定されたパラメータとの積に応じて、前記ハイブリッドダンパの開度値を決定することと、に用いられる。
【0017】
選択的に、前記温度領域の前記温度調整需要量は、前記温度領域に対応する吹出口の吹出量に応じて決定される。
【0018】
第3の態様では、本願は、メモリ及びプロセッサを含む車載端末を提供し、
メモリは、プログラム命令を記憶するために用いられ、プロセッサは、メモリにおけるプログラム命令を呼び出して第1の態様及び第1の態様のいずれかの可能な設計における多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実行するために用いられる。
【0019】
第4の態様では、本願は、車両を提供し、前記車両の各吹出口には温度センサーが配置されており、前記車両には第3の態様及び第3の態様のいずれかの可能な設計における車載端末が配置されている。
【0020】
第5の態様では、本願は、可読記憶媒体を提供し、可読記憶媒体にはコンピュータ命令が記憶されており、車載端末の少なくとも1つのプロセッサが当該コンピュータ命令を実行すると、車載端末は第1の態様及び第1の態様のいずれかの可能な設計における多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実行する。
【0021】
第6の態様では、本願は、コンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品を提供し、車載端末の少なくとも1つのプロセッサが当該コンピュータ命令を実行すると、車載端末は第1の態様及び第1の態様のいずれかの可能な設計における多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実行する。
【発明の効果】
【0022】
本願により提供される多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法は、車両の温度調整制御モード、目標温度、及び車両の各温度領域の温度調整需要量と吹出温度を取得し、温度調整制御モード、目標温度、及び各温度領域の温度調整需要量と吹出温度に応じて、各温度領域の吹出温度が目標温度に達するように、各温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するという解決手段を用いて、乗員室加熱需要に対する正確な制御という効果を達成する。同時に、本願は、従来の技術においてヒーターコアの後ろに配置されている温度センサーに代わって、吹出口に配置されている温度センサーを使用するため、コストを削減するとともに、省エネの目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本願又は従来の技術の解決手段をより明確に説明するため、以下、実施例又は従来の技術の記述において使用する必要がある図面を簡単に説明する。当然ながら、以下、記載する図面は本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を想到しうる。
図1】本願の1つの実施例により提供されるヒートポンプシステムの構造概略図である。
図2】本願の1つの実施例により提供される多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法のフローチャートである。
図3】本願の1つの実施例により提供される多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置の構造概略図である。
図4】本願の1つの実施例により提供される車載端末のハードウェアの構造概略図である。
図5】本願の1つの実施例により提供される車両の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本願に係る図面を参照しながら、その技術的解決手段について明瞭、且つ完全に説明し、当然のことながら、記載される実施例は本願の実施例の一部にすぎず、そのすべての実施例ではない。当業者は、本願における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく、獲得されたその他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0025】
本願の明細書と特許請求の範囲、及び上記の図面における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」は、類似の対象を区別するためのものであり、特定の順序又はシーケンスを説明するためのものである必要はない。このように使用されるデータは、適切な場合に交換可能であることを理解すべきである。例えば、本明細書の範囲から逸脱することなく、第1の情報を第2の情報と呼ぶことができ、同様に、第2の情報を第1の情報と呼ぶこともできる。
【0026】
文脈に応じて、本明細書で使用される用語「・・・の場合」は、「・・・と」または「・・・のとき」または「決定に応じる」と解釈され得る。
【0027】
さらに、本明細書で使用されるように、単数形「一」、「1つ」及び「当該」は、文脈では逆の指示がない限り、複数形も含むことが意図している。
【0028】
「含める」、「含む」という用語は、記載されている特徴、ステップ、操作、構成要素、アセンブリ、項目、種類、及び/又はグループの存在を示すが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作、構成要素、アセンブリ、項目、種類、及び/又はグループの存在、出現、または追加を除外するものではないことをさらに理解されたい。
【0029】
本明細書中で使用される用語「又は」及び「及び/又は」は、包括的なものとして解釈されるか、あるいはいずれか又は任意の組み合わせを意味するものとする。したがって、「A、B、またはC」又は「A、B、及び/又はC」は、「A、B、C、AとB、AとC、BとC、AとBとCのいずれか」を意味する。この定義の例外は、構成要素、機能、ステップ、または操作の組み合わせが、特定の方法で相互に内的に排他的である場合にのみ発生する。
【0030】
従来の燃料自動車において、乗員室に暖房ニーズがあるとき、エンジンが生成する廃熱、燃焼されたガスの廃熱は熱伝達によって空気を加熱することを実現することができる。この熱伝達過程は熱冷却液によって実現される。冷却液は、廃熱の熱が取得された後、暖房通風と空気調節システム(Heating Ventilation and Air Conditioning、HVAC)内のヒーターコアを流れることによって、熱を空気に伝達することができる。当該加熱された空気は吹出口を通じて乗員室に到達し、乗員室の暖房ニーズを満たす。従来の燃料自動車では、常に十分な廃熱熱源があるため、ヒーターコアを通過した後の空気の温度は通常十分に高くなっている。車載端末は、ヒーターコアの後ろに温度センサーを配置することで、ヒーターコアにより加熱した空気を取得する。この後、車載端末は、空気が吹出口から吹き出される際に目標温度に達し得るように、ハイブリッドダンパの開度値を制御して、加熱された空気に加熱されていない空気を混入させることができる。
【0031】
電気自動車では、車両が発生する廃熱は燃料自動車の方よりはるかに小さい。近年、電気自動車産業が成長するにつれて、さらに多くのヒートポンプシステムが応用されている。乗員室に暖房ニーズがある場合に、車両は、ヒートポンプ又はヒーター(Positive Temperature Coefficient、PTC)によって送風空気を加熱温度まで加熱する。この後、車載端末は、吹出口の吹出温度が目標温度に達するように、ハイブリッドダンパを制御する。空調ヒーターコアの加熱温度の計算方法は、仮にハイブリッドダンパの開度が100%全暖房位置にある場合に、加熱温度が目標温度と温度補償量との和に等しいことである。
【0032】
温度補償量は、環境温度や風量などの要因によって決定される。環境温度や風量が異なる場合に、ヒーターコアから吹出口までの熱損失は異なる。したがって、当該熱損失に基づいて算出した温度補償量も異なる。一般的に、吹出口の温度が暖房ニーズを満たすことができるようにするために、車載端末は、乗員室の暖房ニーズが満たされるように、温度補償量を意識的に増加させる。
【0033】
本願は、コストを節約するために、ヒーターコアの後ろにある温度センサーを取り除く実行可能な解決手段を提案している。また、ハイブリッドダンパはヒーターコアの後ろに配置されているため、ヒーターコアの表面に温度センサーが配置された場合、当該温度センサーはやむを得ずにハイブリッドダンパの稼働に影響を及ぼすように配置され、安全上の危険は引き起こされると考えられる。同時に、電気自動車の消費電力量に対する高い要求に応えるために、車両にはより正確な暖房ニーズ制御手段が必要とされている。
【0034】
本願は、上記の問題について、多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を提案している。本願は、乗員室には冷房ニーズのみある場合に、車両端末は、ハイブリッドダンパを全冷房位置に固定して、車両の冷房ニーズを満たすことができる。本願は、また、乗員室に暖房ニーズがありかつPTCを利用して乗員室を加熱する場合に、車両端末は、ハイブリッドダンパを全暖房位置に固定することにより、PTCにより吹出温度を目標温度に達成させるように制御することができる。本願は、さらに、乗員室に暖房ニーズがありかつモーター及び/又はバッテリー余熱を利用して加熱する場合に、車両端末は、ハイブリッドダンパの開度値を調整することで、吹出温度が目標温度に達するようにすることもできる。本願は、さらに、乗員室に暖房ニーズがありかつコンプレッサーを利用して乗員室を加熱する場合に、車両端末は、コンプレッサーの回転数に応じてハイブリッドダンパを制御することができる。コンプレッサー回転数が850rpmを上回るような稼働可能な非最小回転数である場合に、車両端末は、ハイブリッドダンパを全暖房位置に固定することができる。これによって、車両端末は、コンプレッサーの回転数を制御することで、吹出温度が目標吹出温度に達するようにすることができる。コンプレッサー回転数が稼働可能な最小回転数T秒以上に維持され、かつ吹出温度と目標温度との差が第1のしきい値よりも大きい場合に、車両端末は、コンプレッサーの回転数を稼働可能な最低回転数に固定することができる。Tは経験値で、コンプレッサーが稼働可能な最小回転数は850rpmとすることができる。同時に、車両端末は、さらに、ハイブリッドダンパの開度を調整することで、吹出温度が目標吹出温度に達するようにすることもできる。本願は、ヒーターコアの後ろにある温度センサーを取り除き、コストの削減を実現するだけでなく、本願は、乗員室の暖房ニーズに対する正確な制御を車両端末によって実現し、省エネの目的を達成する。
【0035】
以下、本願の技術的解決手段について具体的な実施例を用いて詳細に説明する。以下のいくつかの具体的な実施例は、互いに組み合わされることができ、同じ又は類似する概念又はプロセスは一部の実施例で繰り返して説明されない場合がある。
【0036】
図1は、本願の1つの実施例により提供されるヒートポンプシステムの構造概略図を示している。図に示すように、点線は空気の流路を示す。送風された空気はヒーターコアを通過すると、空気は加熱される。加熱された空気は空調吹出口を経由して乗員室に到達し、乗員室に対する加熱を実現する。空気が空調吹出口を通過するとき、空調吹出口に配置されている温度センサーは吹出温度を取得する。当該温度センサーは測定された吹出温度を車両端末にアップロードする。車両端末は当該温度センサーからの測定温度を取得した後、当該吹出温度及び目標温度に応じて、ハイブリッドダンパを制御する。車両端末は、ハイブリッドダンパの開度値を調整することで、混入待ちの加熱されていない空気の量を調整して、吹出温度を調整する。
【0037】
本願では、車載端末を実行主体として、次の実施例に係る多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実行する。具体的に、当該実行主体は、車載端末のハードウェア装置であってもよいし、または下記の実施例を実現する車載端末におけるソフトウェアアプリケーションであってもよいし、または下記の実施例を実現するソフトウェアアプリケーションがインストールされたコンピュータ可読記憶媒体であってもよいし、または下記の実施例を実現するソフトウェアアプリケーションのコードであってもよい。
【0038】
図2は、本願の1つの実施例により提供される多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法のフローチャートを示している。図1に示される実施例に基づき、図2に示すように、車載端末を実行主体として、本実施例に係る方法は、S101~S102を含むことができる。
【0039】
S101では、車両の温度調整制御モード、目標温度、及び車両の各温度領域の温度調整需要量と吹出温度を取得し、吹出温度は、温度領域に対応する吹出口の温度センサーにより測定されたものである。
【0040】
本実施例では、車載端末は車両の温度調整制御モードを取得することができる。当該温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱、コンプレッサーによる加熱というモードの1つ又は複数を含むことができる。温度調整制御モードはコンプレッサーによる加熱である場合に、コンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数を上回る状況、及びコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数以下である状況は、異なるハイブリッドダンパの開度値の計算方法に対応することができる。
【0041】
車両端末は、また、目標温度を取得することができる。当該目標温度はユーザが車両端末にて設定した空調温度である。本実施例における温度調整は、各吹出口の吹出温度が目標温度に達し、これによって乗員室の温度が目標温度に達するように、吹出口の吹出温度を調整するために用いられる。
【0042】
車両端末は、さらに、各温度領域の温度調整需要量を取得することもできる。各温度領域には少なくとも1つの吹出口が含まれている。例えば、乗員室運転席を、ステアリングホイールの左右両側の2つの吹出口を含み得る温度領域とすることができる。また、例えば、乗員室の後部座席を、1つの吹出口を含む温度領域とすることができる。異なる温度領域の温度調整需求は異なる温度領域の吹出口の吹出量に応じて決定され得る。例えば、運転席に対応する温度領域の2つの吹出口は両方とも開かれている場合に、対応する温度調整需要量は2とすることができる。運転席に対応する温度領域の2つの吹出口は一方のみが開かれている場合に、対応する温度調整需要量は1とすることができる。運転席に対応する温度領域の2つの吹出口は、一方が閉ざされ、一方が半分開かれている場合に、その温度調整需要量は0.5とすることができる。さらに、例えば、後部座席の吹出口の大きさが運転席の吹出口の大きさの1.5倍にあたる場合に、当該後部座席の吹出口が開かれると、当該温度領域の温度調整需要量は1.5である。
【0043】
車両端末は、さらに、各吹出口に配置された温度センサーによって各吹出口の吹出温度を取得することもできる。
【0044】
S102では、温度調整制御モード、目標温度、及び各温度領域の温度調整需要量と吹出温度に応じて、各温度領域の吹出温度が目標温度に達するように、各温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整する。
【0045】
本実施例では、車両端末は、S101で取得された温度調整制御モード、目標温度、及び各温度領域の温度調整需要量と吹出温度に基づき、ハイブリッドダンパの開度値を計算することができる。車両端末は、ハイブリッドダンパの開度を制御することで、各ハイブリッドダンパに混入可能な処理されていない空気量を調整することができる。車両端末は、冷空気/熱空気に異なる量の処理されていない空調を加えることで、吹出口から吹き出された空気温度の調整を実現することができる。
【0046】
一例では、当該車両における1つのハイブリッドダンパは複数の吹出口に対応する場合に、ハイブリッドダンパに対応する複数の吹出口の吹出温度は、当該ハイブリッドダンパから入ってきた処理されていない空気量に応じて決定される。この場合には、車両端末は当該ハイブリッドダンパに対応する複数の吹出口の温度を取得した後、当該複数の吹出口の温度差を一括的に計算することによって、当該ハイブリッドダンパの開度を得ることができる。その具体的なステップは、ステップ1~ステップ4を含むことができる。
【0047】
ステップ1では、当該複数の吹出口における各吹出口からヒーターコアまでの距離に応じて、各吹出口の重みを決定する。
【0048】
ステップ2では、各吹出口の吹出温度に基づき、各吹出口の吹出温度と目標温度との温度差を計算する。
【0049】
ステップ3では、各吹出口の重み及び温度差に基づき、最終的な目標温度差を算出する。
【0050】
ステップ4では、当該目標温度差と予め設定されたパラメータとの積に応じて、当該ハイブリッドダンパの開度値を決定する。
【0051】
他例では、当該車両の各温度領域内の各吹出口は1つのハイブリッドダンパに対応してもよい。当該ハイブリッドダンパは、当該吹出口の吹出温度が目標温度に達するように、処理されていない空気を当該吹出口から吹き出された空気と混合することができる。この場合には、車両端末は、各吹出口の吹出温度に基づき、当該吹出口のハイブリッドダンパの開度値を計算することができる。その具体的なステップは、ステップ1~ステップ2を含むことができる。
【0052】
ステップ1では、各吹出口の吹出温度に基づき、当該吹出口の吹出温度と目標温度との温度差を計算する。
【0053】
ステップ2では、当該吹出口の温度差と予め設定されたパラメータとの積に応じて、ハイブリッドダンパの開度値を決定する。
【0054】
本実施例では、ハイブリッドダンパの開度値を直接に計算することに加えて、温度調整制御モードに応じて、ハイブリッドダンパの開度値を調整する必要もある。異なる温度調整制御モードでは、開度値の異なる構成は次の例で示されることができる。
【0055】
一例では、温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、コンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数を上回るというモードのいずれかである場合に、開度値の具体的な計算方法は、ステップ1~ステップ3を含む。
【0056】
ステップ1では、各温度領域の温度調整需要量に応じて、その中に温度調整需要量が最も大きい第1の温度領域を決定する。
【0057】
本ステップでは、車載端末は各温度領域の吹出量を取得することができる。車載端末は、当該吹出量に応じて、各温度領域の温度調整需要量を決定することができる。車載端末は、各温度領域の温度調整需要量を比較することで、温度調整需要量が最も大きい温度領域を決定することができる。車載端末は、当該温度調整需要量が最も大きい温度領域を第1の温度領域として、当該第1の温度領域を除いた温度領域を他の温度領域として決定することができる。
【0058】
ステップ2では、第1の温度領域のハイブリッドダンパの開度値を固定値に設定する。
【0059】
本ステップでは、当該固定値は0及び100%を含む。温度調整制御モードは暖房である場合に、当該固定値は100%すなわち全暖房として設定され得る。温度調整制御モードは冷房である場合に、当該固定値は0すなわち全冷房として設定され得る。
【0060】
ステップ3では、目標温度と第1の温度領域を除いた他の温度領域の吹出温度とに応じて、他の温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整する。
【0061】
本ステップでは、車載端末は、前の例で示された、吹出温度及び目標温度に基づいてハイブリッドダンパ開度値を計算する方法を用いて、各温度領域のダンパの開度値を算出することができる。
【0062】
例えば、乗員室には冷房ニーズのみある場合に、温度調整制御モードはコンプレッサーによる冷却である。車載端末は、多温度領域空調ボックスにおいて冷房ニーズが最も大きい温度領域を、第1の温度領域として決定することができる。車載端末は、当該第1の温度領域に対応するハイブリッドダンパを全冷房位置に固定することができる。同時に、他の温度領域のハイブリッドダンパについて、車載端末は、他の温度領域の吹出口の吹出温度及び目標温度に応じて、その開度値を調整制御する。
【0063】
また、例えば、乗員室に暖房ニーズがあり、かつPTCを個別に利用して乗員室を加熱する場合に、車載端末は、多温度領域空調ボックスにおいて暖房ニーズが最も大きい温度領域を、第1の温度領域として決定することができる。車載端末は、当該第1の温度領域に対応するハイブリッドダンパを全暖房位置に固定することができる。同時に、車載端末は、当該第1の温度領域のPTC出力電力を制御することで、当該第1の温度領域に対応する吹出温度が目標吹出温度に達するようにすることができる。他の温度領域のハイブリッドダンパについて、車載端末は、他の温度領域の吹出口の吹出温度及び目標温度に応じて、その開度値を調整制御する。
【0064】
さらに、例えば、乗員室に暖房ニーズがあり、かつPTCとコンプレッサーの両方を利用して乗員室を加熱する場合に、車載端末は、多温度領域空調ボックスにおいて暖房ニーズが最も大きい温度領域を、第1の温度領域として決定することができる。車載端末は、当該第1の温度領域に対応するハイブリッドダンパを全暖房位置に固定することができる。同時に、コンプレッサーは、この作業条件に設定された上限回転数で稼働し、車載端末は、PTC出力電力を制御することで、当該第1の温度領域に対応する吹出温度が目標吹出温度に達するようにすることができる。他の温度領域のハイブリッドダンパについて、車載端末は、他の温度領域の吹出口の吹出温度及び目標温度に応じて、その開度値を調整制御する。
【0065】
さらに、例えば、乗員室に暖房ニーズがあり、かつコンプレッサーを個別に利用して乗員室を加熱する場合に、コンプレッサー回転数が稼働可能な非最小回転数で、例えば、コンプレッサーの回転数が850rpmを上回ると、車載端末は、多温度領域空調ボックスにおいて暖房ニーズが最も大きい温度領域を、第1の温度領域として決定することができる。車載端末は、当該第1の温度領域に対応するハイブリッドダンパを全暖房位置に固定することができる。車載端末は、コンプレッサーの回転数を制御することで、当該第1の温度領域に対応する吹出温度が目標吹出温度に達するようにすることができる。同時に、他の温度領域のハイブリッドダンパについて、車載端末は、他の温度領域の吹出口の吹出温度及び目標温度に応じて、その開度値を調整制御する。
【0066】
他例では、温度調整制御モードは、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱又はコンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数以下である場合に、ハイブリッドダンパの開度値は、目標温度及び各温度領域の吹出温度に応じて決定されることができ、これによって、各温度領域のハイブリッドダンパに対する調整は完成する。コンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数以下である場合は、コンプレッサーの回転数が850rpmである場合としてもよい。
【0067】
例えば、乗員室に暖房ニーズがあり、かつモーター及び/又はバッテリー余熱を利用して乗員室を加熱する場合に、車載端末は、いかなるハイブリッドダンパの開度も直接に限定しなくてもよい。当該車両内の各ハイブリッドダンパの開度値はいずれも吹出温度及び目標温度に基づいて算出されることができ、これによって、各ハイブリッドダンパの開度に対する調整は実現され、各吹出口の吹出温度が目標温度に達するようになる。
【0068】
さらに、例えば、乗員室に暖房ニーズがあり、かつコンプレッサーのみ利用して乗員室を加熱する場合に、予め設定された条件が満たされれば、コンプレッサー回転数を稼働可能な最低回転数に固定し、かついかなるハイブリッドダンパの開度も直接に限定しないようにする。当該車両内の各ハイブリッドダンパの開度値はいずれも、吹出温度及び目標温度に基づいて算出されることができ、これによって、各ハイブリッドダンパの開度に対する調整は実現され、各吹出口の吹出温度が目標温度に達するようになる。予め設定された条件は、当該コンプレッサー回転数の持続時間が第1のしきい値を超える条件、及び、吹出温度と目標温度との差が第2のしきい値よりも大きい条件を含むことができる。
【0069】
本願により提供される多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法において、車載端末は、車両の温度調整制御モード、目標温度、及び車両の各温度領域の温度調整需要量と吹出温度を取得することができる。車両端末は、温度調整制御モード、目標温度、及び各温度領域の温度調整需要量と吹出温度に応じて、各温度領域の吹出温度が目標温度に達するように、各温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整することができる。本願では、温度調整制御モードに応じてハイブリッドダンパの開度値を直接に限定する手段と、吹出温度と目標温度との差に基づいてハイブリッドダンパの開度値を算出する手段とを組み合わせることによって、乗員室の暖房/冷房ニーズに対する正確な制御を実現している。同時に、本願は、従来の技術においてヒーターコアの後ろに配置されている温度センサーに代わって、吹出口に配置されている温度センサーを使用するため、コストを削減するとともに、省エネの目的を達成する。
【0070】
図3は、本願の1つの実施例により提供される多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置の構造概略図を示しており、図3に示すように、本実施例に係る多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置10は、上記のいずれかの方法の実施例において車載端末に対応する操作を実装するために用いられ、本実施例に係る多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置10は、取得モジュール11及び制御モジュール12を含む。
【0071】
取得モジュール11は、車両の温度調整制御モード、目標温度、及び車両の各温度領域の温度調整需要量と吹出温度を取得するために用いられ、吹出温度は、温度領域に対応する吹出口の温度センサーにより測定されたものである。
【0072】
制御モジュール12は、温度調整制御モード、目標温度、及び各温度領域の温度調整需要量と吹出温度に応じて、各温度領域の吹出温度が目標温度に達するように、各温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するために用いられる。
【0073】
一例では、温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱、コンプレッサーによる加熱というモードの1つ又は複数を含む。
【0074】
一例では、温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、コンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数を上回るというモードのいずれかである場合に、制御モジュール12は、具体的に、
各温度領域の温度調整需要量に応じて、その中に温度調整需要量が最も大きい第1の温度領域を決定することと、
第1の温度領域のハイブリッドダンパの開度値を固定値に設定することと、
目標温度と第1の温度領域を除いた他の温度領域の吹出温度とに応じて、他の温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整することと、に用いられる。
【0075】
一例では、温度調整制御モードは、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱又はコンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数以下である場合に、制御モジュール12は、具体的に、
目標温度及び各温度領域の吹出温度に応じて、各温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するために用いられる。
【0076】
一例では、制御モジュール12は、具体的に、
吹出温度と目標温度との差に応じて、目標温度差を決定することと、
目標温度差と予め設定されたパラメータとの積に基づいて、ハイブリッドダンパの開度値を決定することと、に用いられる。
【0077】
一例では、温度領域の温度調整需要量は、温度領域に対応する吹出口の吹出量に応じて決定される。
【0078】
本願の実施例により提供される多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置10は、上記の方法の実施例を実行することができ、その具体的な実現原理及び技術的効果は、上記の方法の実施例を参照することができ、本実施例はここで繰り返して説明しない。
【0079】
図4は、本願の実施例により提供される車載端末のハードウェアの構造概略図を示している。図4に示すように、当該車載端末20は、上記のいずれかの方法の実施例において車載端末に対応する操作を実装するために用いられ、本実施例に係る車載端末20は、メモリ21、プロセッサ22、及び通信インタフェース24を含むことができる。
【0080】
メモリ21は、コンピュータプログラムを記憶するために用いられる。当該メモリ21は、高速ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)を含むことができ、不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory、NVM)をさらに含むこともでき、不揮発性メモリは、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリとしてもよいし、USBディスク、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ、磁気ディスク、または光ディスクなどとしてもよい。
【0081】
プロセッサ22は、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行して、上記の実施例における多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実現するために用いられる。具体的に、前述した方法の実施例に関する説明を参照することができる。当該プロセッサ22は、中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)であってもよいし、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)などであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、または当該プロセッサは、任意の従来のプロセッサなどであってもよい。本発明と組み合わせて開示されている方法のステップは、ハードウェアプロセッサにより実行されて完成されること、またはプロセッサにおけるハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせで実行されて完成されることとして直接に具現化され得る。
【0082】
選択的に、メモリ21は、独立していてもよいし、プロセッサ22と集積されていてもよい。
【0083】
メモリ21は、プロセッサ22から独立したデバイスである場合に、車載端末20は、バス23をさらに含むことができる。当該バス23はメモリ21とプロセッサ22とを連続するために用いられる。当該バス23は、業界規格アーキテクチャ(Industry Standard Architecture、ISA)バス、外部デバイス相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス、または拡張業界規格アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バスなどであってもよい。バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類され得る。表示の便宜上、本願の図面におけるバスは1本又は1種のみに限定されるものではない。
【0084】
通信インタフェース24は、車両の各吹出口に配置された温度センサーを取得することと、制御命令をハイブリッドダンパに送信して、ハイブリッドダンパが算出された開度値に応じて吹出をオンにするように指示し、各温度領域の吹出温度が目標温度に達するようにすることと、に用いられる。
【0085】
本実施例により提供される車載端末は、上記した多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実行するために使用されることができ、その実現形態及び技術的効果が類似するため、本実施例はここで繰り返して説明しない。
【0086】
図5は、本願の実施例により提供される車両の構造概略図を示している。図5に示すように、当該車両30には、各吹出口に配置された温度センサー31及び図4に示されている車載端末32が含まれている。
【0087】
本願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ命令が記憶されており、コンピュータ命令は、プロセッサにより実行されると、上記した様々な実施形態により提供される方法を実現するために用いられる。
【0088】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ記憶媒体であってもよいし、通信媒体であってもよい。通信媒体は、1つの場所から別の場所へとコンピュータプログラムを伝送することを容易にする任意の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータがアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。例えば、プロセッサには、コンピュータ可読記憶媒体が結合されると、プロセッサは、当該コンピュータ可読記憶媒体から情報を読み取り、かつ当該コンピュータ可読記憶媒体に情報を書き込むことができる。当然ながら、コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサの構成部分であってもよい。プロセッサ及びコンピュータ可読記憶媒体は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASIC)内に配置され得る。また、当該ASICは、ユーザ機器に配置されてもよい。勿論、プロセッサ及びコンピュータ可読記憶媒体は、個別の構成要素として通信機器に存在し得る。
【0089】
具体的に、当該コンピュータ可読記憶媒体は、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random-Access Memory、SRAM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(Electrically-Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(Programmable read-only memory、PROM)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、任意のタイプの揮発性又は不揮発性記憶デバイス又はこれらの組み合わせで実装され得る。記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータがアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。
【0090】
本願は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。機器の少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体から当該コンピュータ命令を読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサは、当該コンピュータ命令を実行することによって、機器が上記した様々な実施形態により提供される方法を実施するようにする。
【0091】
本願により提供されるいくつかの実施例では、開示された装置及び方法は、その他の形態で実現されることができると理解すべきである。以上に説明された装置の実施例は例示的なものにすぎず、例えば、モジュールの分割は、論理機能上の分割にすぎず、実際に実施する際に別の形態で分割してもよく、例えば、複数のモジュールを別のシステムに組み合わせ又は集積させたり、又は一部の特徴を反映させず、実行しなかったりしてもよい。また、表示又は検討した互いの結合又は直接的な結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置又はモジュールを用いる間接的結合又は通信接続としてもよく、電気的形態、機械的形態又はその他の形態としてもよい。
【0092】
各モジュールは、例えば、1つのデバイスの異なる位置に配置されたり、異なるデバイスにインストールされたり、複数のネットワークユニットに分散されたり、複数のプロセッサに分散されたりするように、物理的に分離されるものであってもよいし、又は、各モジュールは、例えば、同じデバイスにインストールされたり、一連のコードに集積されたりするように、集積されたものであってもよい。各モジュールは、ハードウェアの形式で存在されてもよいし、ソフトウェアの形式で存在されてもよいし、またはソフトウェアとハードウェアの形式で存在されてもよい。本願は、実際の必要に応じて、そのモジュールの一部又は全部を選択して、本実施例に係る解決手段の目的を達成することができる。
【0093】
各モジュールがソフトウェア機能モジュールの形式で実装される集積モジュールは、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができる。上記のソフトウェア機能モジュールは、1つの記憶媒体に記憶され、1つのコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク機器などが挙げられる)又はプロセッサに、本願の各実施例に係る方法のステップの一部を実行させるためのいくつかの命令を含む。
【0094】
上記の実施例におけるフローチャートの各ステップは、矢印の指示に従って順次表示されているが、必ずしも矢印の指示に従って順次実行されるものではないことを理解すべきである。これらのステップの実行には、本明細書に明示的に記載されていない限り、厳密な順序制限がなく、他の順序で実行されることができる。さらに、図面のステップの少なくとも一部は、複数のサブステップ又は複数のステージを含むことができ、これらのサブステップ又はステージは、必ずしも同じ時点で実行されるのではなく、異なる時点で実行されてもよく、その実行順序は必ずしも順番ではなく、他のステップ又は他のステップのサブステップ又はステージの少なくとも一部と交互又は交替に実行されてもよい。
【0095】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものであって、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本願を詳細に説明するが、当業者であれば、依然として又はの各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱しないと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
近年、電気自動車産業が成長するにつれて、さらに多くのヒートポンプシステムが応用されている。現在、乗員室に暖房ニーズがある場合に、車両は、ヒートポンプ又はヒーター、例えば正温度係数サーミスタ(Positive Temperature Coefficient、PTC)によって送風空気を加熱温度まで加熱する。空気は加熱後ヒーターコアを通じて吹出口に到達する。空気流動中の熱損失を補償するために、通常、車両の加熱温度を目標温度よりも高くしている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
従来の燃料自動車において、乗員室に暖房ニーズがあるとき、エンジンが生成する廃熱、燃焼されたガスの廃熱は熱伝達によって空気を加熱することを実現することができる。この熱伝達過程は熱冷却液によって実現される。冷却液は、廃熱の熱が取得された後、暖房通風と空気調節システム(Heating Ventilation and Air Conditioning、HVAC)内のヒーターコアを流れることによって、熱を空気に伝達することができる。当該加熱された空気は吹出口を通じて乗員室に到達し、乗員室の暖房ニーズを満たす。従来の燃料自動車では、常に十分な廃熱熱源があるため、ヒーターコアを通過した後の空気の温度は通常十分に高くなっている。車載端末は、ヒーターコアの後ろに温度センサーを配置することで、ヒーターコアにより加熱した空気の温度を取得する。この後、車載端末は、空気が吹出口から吹き出される際に目標温度に達し得るように、ハイブリッドダンパの開度値を制御して、加熱された空気に加熱されていない空気を混入させることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
電気自動車では、車両が発生する廃熱は燃料自動車の方よりはるかに小さい。近年、電気自動車産業が成長するにつれて、さらに多くのヒートポンプシステムが応用されている。乗員室に暖房ニーズがある場合に、車両は、ヒートポンプ又はヒーター、例えば正温度係数サーミスタ(Positive Temperature Coefficient、PTC)によって送風空気を加熱温度まで加熱する。この後、車載端末は、吹出口の吹出温度が目標温度に達するように、ハイブリッドダンパを制御する。空調ヒーターコアの加熱温度の計算方法は、仮にハイブリッドダンパの開度が100%全暖房位置にある場合に、加熱温度が目標温度と温度補償量との和に等しいことである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
図1は、本願の1つの実施例により提供されるヒートポンプシステムの構造概略図を示している。図に示すように、点線は空気の流路を示す。送風された空気はヒーターコアを通過すると、空気は加熱される。加熱された空気は空調吹出口を経由して乗員室に到達し、乗員室に対する加熱を実現する。空気が空調吹出口を通過するとき、空調吹出口に配置されている温度センサーは吹出温度を取得する。当該温度センサーは測定された吹出温度を車両端末にアップロードする。車両端末は当該温度センサーからの測定温度を取得した後、当該吹出温度及び目標温度に応じて、ハイブリッドダンパを制御する。車両端末は、ハイブリッドダンパの開度値を調整することで、混入待ちの加熱されていない空気の量を調整して、吹出温度を調整する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
本実施例では、車両端末は、S101で取得された温度調整制御モード、目標温度、及び各温度領域の温度調整需要量と吹出温度に基づき、ハイブリッドダンパの開度値を計算することができる。車両端末は、ハイブリッドダンパの開度を制御することで、各ハイブリッドダンパに混入可能な処理されていない空気量を調整することができる。車両端末は、冷空気/熱空気に異なる量の処理されていない空気を加えることで、吹出口から吹き出された空気温度の調整を実現することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
通信インタフェース24は、車両の各吹出口に配置された温度センサーによって吹出温度を取得することと、制御命令をハイブリッドダンパに送信して、ハイブリッドダンパが算出された開度値に応じて混入された加熱されていない空気の量を調整するように指示し、各温度領域の吹出温度が目標温度に達するようにすることと、に用いられる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
図5は、本願の実施例により提供される車両の構造概略図を示している。図5に示すように、当該車両30には、各吹出口に配置された温度センサー31及び図に示されている車載端末32が含まれている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法であって、
車両の温度調整制御モード、目標温度、及び前記車両の各温度領域の温度調整需要量と前記温度領域に対応する吹出口の温度センサーにより測定された吹出温度を取得するステップと、
前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記吹出温度が目標温度に達するように、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するステップと、を含む、ことを特徴とする多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法。
【請求項2】
前記温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱、コンプレッサーによる加熱というモードの1つ又は複数を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記温度調整制御モードは、コンプレッサーによる冷却、ヒーターによる加熱、コンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数を上回るというモードのいずれかである場合に、前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するステップは、
各前記温度領域の前記温度調整需要量に応じて、その中に温度調整需要量が最も大きい第1の温度領域を決定するステップと、
前記第1の温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を固定値に設定するステップと、
前記目標温度と前記第1の温度領域を除いた他の温度領域の前記吹出温度とに応じて、前記他の温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記温度調整制御モードは、モーター及び/又はバッテリー余熱による加熱又はコンプレッサーによる加熱でかつコンプレッサー回転数はコンプレッサーが稼働可能な最小回転数以下である場合に、前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するステップは、
前記目標温度及び各前記温度領域の前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するステップを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記目標温度及び各前記温度領域の前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記ハイブリッドダンパの開度値を調整するステップは、
前記吹出温度と前記目標温度との差に応じて、目標温度差を決定するステップと、
前記目標温度差と予め設定されたパラメータとの積に応じて、前記ハイブリッドダンパの開度値を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記温度領域の前記温度調整需要量は、前記温度領域に対応する吹出口の吹出量に応じて決定される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置であって、
車両の温度調整制御モード、目標温度、及び前記車両の各温度領域の温度調整需要量と吹出温度を取得するための取得モジュールと、
前記温度調整制御モード、前記目標温度、及び各前記温度領域の前記温度調整需要量と前記吹出温度に応じて、各前記温度領域の前記吹出温度が目標温度に達するように、各前記温度領域のハイブリッドダンパの開度値を調整するための制御モジュールと、を含む、ことを特徴とする多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御装置。
【請求項8】
メモリ及びプロセッサを含む車載端末であって、
前記メモリは、コンピュータ命令を記憶するために用いられ、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたコンピュータ命令に従い、請求項1~6のいずれか1項に記載の多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実現するために用いられる、ことを特徴とする車載端末。
【請求項9】
車両であって、前記車両の各吹出口には温度センサーが配置されており、前記車両には請求項8に示されている車載端末が配置されている、ことを特徴とする車両。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ命令が記憶されており、前記コンピュータ命令は、プロセッサにより実行されるとき、請求項1~6のいずれか1項に記載の多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法を実現するために用いられる、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータ命令を含むコンピュータプログラであって、前記コンピュータ命令がプロセッサにより実行されるとき、請求項1~6のいずれか1項に記載の多温度領域空調ボックスのヒートポンプシステム制御方法が実現される、ことを特徴とするコンピュータプログラ
【国際調査報告】