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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】検出ユニット付ストラドル型車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/41 20200101AFI20240628BHJP
   B62J 45/42 20200101ALI20240628BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20240628BHJP
   B62J 6/04 20200101ALI20240628BHJP
   B62J 1/28 20060101ALI20240628BHJP
   B62K 19/40 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B62J45/41
B62J45/42
B62J45/00
B62J6/04
B62J1/28 C
B62K19/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580843
(86)(22)【出願日】2022-06-27
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2022055942
(87)【国際公開番号】W WO2023275707
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】102021000017489
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512185877
【氏名又は名称】ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】PIAGGIO & C. S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Viale Rinaldo Piaggio, 25, I-56025 Pontedera, PI,Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ブッキオーニ,マルコ
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BN04
(57)【要約】
リアキャリッジ上に配置されたテールライトと、リアキャリッジに取り付けられ、テールライトの上方に配置された支持ブラケットと、を備えるストラドルタイプの車両が記載されている。支持ブラケットは、乗員用の少なくとも1つのグリップ部を画定する形状を有する。
リアキャリッジ上に配置され、後方領域における他の車両の存在を検出するように構成されたレーダが設けられている。レーダは、支持ブラケットに直接または間接的に接続され、車両の側面図に従って、支持ブラケットの下方、前記支持ブラケットと前記テールライトとの間、および、テールライトに対してリアキャリッジに向かって長手方向に延びる片持ち梁の位置に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストラドル型車両(1)であって、
リアキャリッジ(4)上に配置されたテールライト(20)と、
前記リアキャリッジ(4)に取り付けられ、前記テールライト(20)の上方に配置された支持ブラケット(50)であって、乗客のための少なくとも1つのグリップ部(52)を画定する形状を有する、支持ブラケット(50)と、
前記リアキャリッジ(4)上に配置され、前記ストラドル型車両(1)の後部領域における他の車両の存在を検出するように構成されたレーダ(30)と、を備え、
前記レーダ(30)は、前記支持ブラケット(50)に直接的または間接的に接続され、前記車両の側面図において、前記支持ブラケット(50)の下方で、前記支持ブラケット(50)と前記テールライト(20)との間であって、前記テールライト(20)に対して、前記リアキャリッジ(4)に向かって長手方向に延びる方向(L)に片持ち支持されている、ストラドル型車両(1)。
【請求項2】
前記テールライト(20)に対する前記レーダ(30)の片持ち梁状の位置は、前記レーダ(30)の下方に開放空間(S)を画定し、
この開放空間(S)は、
前記テールライト(20)の遠位端(20d)と前記レーダ(30)の遠位端(30d)との間を前記長手方向(L)に延在するとともに、
前記テールライト(20)の少なくとも下端部(20i)まで延びる前記レーダ(30)の下端部(30i)の間を前記長手方向(L)に直交する垂直方向(T)に延在する、請求項1に記載のストラドル型車両(1)。
【請求項3】
前記レーダ(30)は、前記支持ブラケット(50)上に配置されている、請求項1-2のいずれかに記載のストラドル型車両(1)。
【請求項4】
前記支持ブラケット(50)は、前記車両の後部キャリッジフレーム部(32’)に連結される第1の端部(51)と、前記第1の端部(51)の反対にあって前記後部キャリッジフレーム部(32’)に対して片持ち支持された第2の端部(51’)との間を前記長手方向(L)に沿って延びており、
前記第2の端部(51’)には、前記支持ブラケット(50)と前記テールライト(20)との間の垂直方向(V)の位置に、収容空間(35)が画定されており、
前記レーダ(30)は、前記収容空間(35)に配置されている、請求項1に記載のストラドル型車両(1)。
【請求項5】
前記収容空間(35)は箱状容器(45)を有し、
前記箱状容器(45)は、一面(45’)が開口しており、前記レーダ(30)の検出画面(30’)を視認可能に維持しつつ前記車両の後側に向いた状態で前記検出ユニット(30)を収容でき、
特に、前記箱状容器(45)は、使用時に地面(T)に対向する前記支持ブラケット(50)の下面(54)に一体的に取り付けられている、請求項4に記載のストラドル型車両(1)。
【請求項6】
前記支持ブラケット(50)は、前記長手方向(L)に対して反対側で対称に延び、前記第2の端部(51’)に配置された支持プレート(53)を有し、
前記箱状容器(45)は、前記レーダ(30)を収容し保護するように、前記箱状容器(45)の上部で前記支持プレート(53)に結合される形状である、請求項5に記載のストラドル型車両(1)。
【請求項7】
前記レーダ(30)は、側面視で、前記長手方向(L)に従って、前記検出画面(30’)が、前記支持ブラケット(50)の前記第2の端部(51’)と実質的に一致する位置に配置されるように構成されている、請求項6に記載のストラドル型車両(1)。
【請求項8】
減衰手段が設けられており、
前記減衰手段は、走行中の前記レーダ(30)の振動を減衰させるように適合された減衰要素(33)を有し、
特に、前記減衰要素(33)は、前記レーダ(30)の周囲に介在されたゴム要素である、請求項1-7のいずれかに記載のストラドル型車両(1)。
【請求項9】
前記レーダ(30)の位置を調整するための位置調整手段(70)が設けられており、
前記位置調整手段(70)が、前記レーダ(30)の長手方向(L)および/または垂直方向(V)の移動を可能にするスライドガイド(74)を有する、請求項1-8のいずれかに記載のストラドル型車両(1)。
【請求項10】
前記位置調整手段(70)は、制御ユニット(ECU)によって制御されるアクチュエータ(72)を有し、前記スライドガイド(74)に沿って移動する前記レーダ(30)の位置を調整することができる、請求項9に記載のストラドル型車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2輪または3輪のストラドル型車両の分野に適用され、特に、走行中に周囲の他の車両の存在を検出するためのレーダを備えたストラドル型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
二輪または三輪のモータサイクルやスクータなどのストラドル型車両に、1つまたは複数の検出装置またはレーダ装置を配置する構成が知られている。
【0003】
実際、モータサイクルは、例えば自動車などの他の車両に比べて、後続車両による衝突の危険性が高い。そのため、モータサイクルに後続する、あるいはモータサイクルに近接する他の車両や自動車の存在を車両の運転者に知らせる必要があり、それによって運転者はモータサイクルを取り巻く状況を知らされ、例えば関連する運転操作によって、発生する可能性のある危険な状況に積極的かつ事前に対応することができる。
【0004】
この具体的な適用において、ドライバに送信される情報をできるだけ正確にするために、車両上のレーダ装置の位置とその機能効率が重要である。
【0005】
レーダ装置を車両上のさまざまな位置に取り付けることは知られている。例えば、US20210001945A1には、モータサイクルの後輪に適用されるレーダ装置が記載されている。
【0006】
特に、この装置は、車両のテールライトと車両のナンバープレートを収容する支持部との間の位置で、後輪の尾部に配置される。ナンバープレート支持部は、リアキャリッジから、詳細にはリアキャリッジの尾部の一部から、リアキャリッジに対して連続するように延びている。
【0007】
しかし、この位置関係は、レーダの視界を部分的に遮る。実際、ナンバープレート支持部の延長により、計器の視野が制限されるため、効率面で性能が低下する。
【0008】
WO2019186942A1は、ヘッドライトの後部光学ユニット内に配置された検出ユニットを提供する。この場合、検出ユニットは光学ユニットと一体化されているため、隠蔽される。この実施形態では、検出ユニットは、作動時に、ヘッドライトの光源、例えばストップランプの作動の影響を受けることができる。
【発明の概要】
【0009】
したがって、公知技術による解決策の欠点を克服する必要性が感じられる。
【0010】
したがって、本発明の目的は、その視野を拡大するようにレーダ装置の効率を最適化することを可能にする少なくとも1つの検出ユニットを備えるストラドル型車両を提供することである。
【0011】
したがって、本発明の目的は、装置の欠点および誤信号の発生を減少させることができる少なくとも1つの検出ユニットを備えたストラドル型車両を提供することである。
【0012】
これらおよび他の目的は、
リアキャリッジ上に配置されたテールライトであって、前記テールライトは、車両の後部方向に向かって光ビームを放射するように構成されている、テールライトと、
前記リアキャリッジ上に配置され、乗員用の少なくとも1つのグリップ部を備える支持ブラケットであって、車両の側面視において、前記支持ブラケットが、前記テールライトの上方に配置される、支持ブラケットと、
リアキャリッジに配置され、後方領域における他の車両の存在を検出するように構成されたレーダを備え、
前記レーダは、車両の側面図において、所定位置で前記支持ブラケットに直接または間接的に接続されており、
前記支持ブラケットの下であって、前記支持ブラケットと前記テールライトとの間には、前記リアキャリッジ側のテールライトに対して片持ち梁状に配置された、構成のストラドル型車両によって達成される。
【0013】
特に、レーダは、車両の長手方向の延在方向に沿ってリアキャリッジ上に片持ち式に配置される。
【0014】
これにより、テールライトに対して片持ち梁状に突出したリアキャリッジ上に配置されたレーダは、他の構成要素によって遮蔽されない完全に自由な視野を有することができる。従って、レーダは、車両の長手方向において最も遠い位置に設けられるが、その長手方向の大きさは全体的に小さい。さらに、この位置において、レーダは支持ブラケットによって保護されて遮蔽される。支持ブラケットは、レーダを上部から保護し、また、起こりうる衝撃や損傷から横方向にも保護する。この位置決めにより、フレームおよび/またはフェアリングの部品や形状の両方について、車両を改造する必要がない。
【0015】
特に、テールライトに対するレーダの片持ち梁位置は、レーダの下方に開放空間を画定し、前記テールライトの遠位端と前記レーダの遠位端との間を縦方向に、また、前記レーダの下端と前記テールライトの少なくとも下端との間を前記長手方向と直交する垂直方向に延在する。
【0016】
これにより、長手方向および横方向の両方において、レーダの下方に自由空間があるため、後車両に向かう信号の放射干渉が回避され、レーダの検出、特に、モータサイクルに後続し、モータサイクル自体に近接している車両の検出が良くなる。
【0017】
特に、支持ブラケットは、車両の長手方向に関して互いに対向する第1のグリップ部および第2のグリップ部を画定する。
【0018】
特に、支持ブラケットは、車両のリアキャリッジフレーム部に連結される第1の端部と、テールライトに対して片持ち支持される、第1の端部とは反対側の第2の端部との間を長手方向に延びている。テールライトは、車両のリアキャリッジテール部に配置される。支持ブラケットは、車両のリアキャリッジテール部に直接的または間接的に接続され、それに対して片持ち式に突出し、それに応じてテールライトに対しても突出する。
【0019】
特に、第2の端部には、支持ブラケットの下方で、支持ブラケットとテールライトとの間の位置に、収容空間が画定されている。検出ユニット、特にレーダは、前記収容空間に配置される。言い換えれば、このような収容空間は、リアキャリッジのテール部およびテールライトに対して突出する支持ブラケットの下方の領域に画定される。後者は、車両のリアキャリッジを覆い、前述のリアキャリッジテール部を画定するフェアリングに一体化されている。
【0020】
これにより、レーダは、直進車輪を備えた構成の車両の側面図において、リアキャリッジテール部の端部を越えて、すなわち、リアキャリッジテール部に対して片持ち梁状に、長手方向に沿って後車両に向かう方向に配置される。
【0021】
リアキャリッジテール部、または単にリアキャリッジは、実質的に、後輪の上方に延びる車両のリヤフレームおよび/またはフェアリング部である。言い換えれば、リアキャリッジテール部は、後輪の上方に延在し、テールライトを支持する車両の後端部である。テールライトは、車両本体の後方領域に面し、そこに光線を照射する。
【0022】
テールライトとは、リアキャリッジフレーム部に一体化された光学ユニットを意味し、夜間に車両を視認可能にするための少なくとも1つの光源を含み、ブレーキが作動したときに選択的に作動するストップライトをさらに含む。
【0023】
さらに、光学ユニットは、好ましくは、方向指示灯も含んでいる。
【0024】
第1の実施形態では、レーダは、支持ブラケットの下方で、支持ブラケットとテールライトとの間の、上記で定義された位置に、リアキャリッジテール部に搭載されている。この場合、レーダは、車両のリアキャリッジテール部と一体的に配置され、したがって、リアキャリッジテール部に直接接続される。
【0025】
第2の、より有利な実施形態では、レーダは支持ブラケット上に配置される。この場合、レーダは、支持ブラケットと一体となるように配置されるため、支持ブラケットに直接接続される。従って、支持ブラケットとレーダは一体となっている。この場合、以下に詳述するように、一体型レーダを備えた支持ブラケットは、既存の車両に後付け可能な付属品を形成することができる。
【0026】
上述した両方の実施形態において、レーダは、支持ブラケットおよび/またはリアキャリッジフレーム部によって、または支持ブラケットおよびリアキャリッジフレーム部上の結合部の組合せを含む締結によって支持することができる。このような構成とすることにより、走行時の振動による検出コーンの変動を抑制することができ、レーダの車両への取付剛性を向上させることができる。
【0027】
また、上記のようなレーダの位置決めにより、例えば道路の形状(路面の影響)による誤検出を低減することができ、同時に視野の広さを確保することができる。
【0028】
さらに、このような構成により、レーダの配置は、少なくとも水や塵などの影響から保護されるため、不浸透性および耐汚れ性の点で有利である。
【0029】
別の有利な態様によれば、レーダが車両の他の全てのリアキャリッジフレーム部に対して突出した位置に配置されているので、その検出効率が向上する。その結果、レーダによる車両の他の部分(例えば、ナンバープレート)の影響による誤検出が実質的にゼロになるので、検出の信頼性が向上する。
【0030】
有利には、レーダは検出スクリーンを備えており、前記検出スクリーンは、ストラドル型車両の前後方向における長手方向延長軸線に従って、後方のナンバープレートの端部位置またはリアキャリッジフレーム部と少なくとも等しい位置に配置されている。
【0031】
これにより、車両の他の部材の影響による誤検出が減少し、検出性能の向上とレーダの視野の拡大が保証される。
【0032】
有利なことに、収容空間は、特に少なくとも1つの後面に開口した箱型の容器からなる。この容器は、検出ユニットを収容しつつ、その検出スクリーンを視認可能な状態に維持する形状を有しており、車両の後部に面している。これにより、箱状の容器は、レーダを覆い、保護することで、レーダが隠された状態で一体化され、検出画面だけが見えるようになる。
【0033】
この実施形態では、レーダの各種ケーブルを箱状容器内に配置することができるため、モータサイクルの外観をすっきりとコンパクトに保つことができる。
【0034】
好ましくは、箱状容器は、その下面が使用時に地面に面するように支持ブラケットに一体的に取り付けられる。これにより、箱状容器は、少なくとも支持ブラケットの上部に固定され、支持ブラケットに一体化される。別法として、または組み合わせて、箱状容器の接続および固定は、リアキャリッジフレーム部と行うこともできる。
【0035】
特に、支持ブラケットは、長手方向に関して反対側に対称的に延び、第2の端部に配置された支持プレートからなる。箱状容器は、レーダを収容し保護するように、上部で支持プレートに結合されるように形成されている。これにより、上部支持板は、それが固定される箱状容器の上部壁を形成する。
【0036】
好ましくは、レーダの位置を調整するための手段を設けることができる。当該位置調整手段は、自動車の他の部分に対するその位置を調整することを可能にする。例えば、摺動ガイドを設けることができ、この摺動ガイドは、長手方向だけでなく、同時に又は代替的に、垂直方向への移動を可能にする。
【0037】
前記調整手段は、車両制御ユニット自体によって作動制御することができる。
特に、スライディングガイドに沿って移動するレーダの位置を調整することができる移動アクチュエータが設けられている。
【0038】
これにより、レーダの位置調整手段の配置は、例えばモータサイクルに存在する荷重の関数として、その検出効率を向上させるためにその位置を調整することを可能にする。これは、例えば、車両の姿勢が変化したとき、例えば、同乗者がいるとき、いないとき、スーツケースや荷物などの補助的な積荷があるときなどに必要となる。車両の姿勢、ひいてはレーダの入射および相対位置が変化することに加えて、レーダは、計器の検出コーンを部分的に遮蔽することができ、位置調整により、レーダをより効率的な位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明のさらなる利点および追加的な特徴は、添付図面を参照して非限定的な例として与えられるいくつかの実施形態の以下の説明によって強調される。
図1図1は、本発明によるリアキャリッジ上に配置されたレーダを備えるストラドル型車両、特にスクータの側面図である。
図2図2は、本発明による検出ユニットを備えたストラドル型車両、特に図1のスクータの上面図である。
図3図3は、本発明によるレーダの配置を示すモータサイクル、特にスクータのリアキャリッジの部分側面図である。
図3A図3Aは、レーダの位置を調整するための手段を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
添付図面において、同等または類似の要素は同じ参照数字で示されている。
【0041】
図1を参照すると、スクータのようなストラドル型車両1が示されている。
【0042】
添付図面には、モータサイクル1の実施形態が示されており、この実施形態は、特定の実施例では、いかなる限定も導入することなく、モータサイクル1によって、特に、前輪5と後輪6とを有する二輪スクータによって、あるいはまた、少なくとも2つの操舵されて傾斜する前輪を有する三輪三輪車、あるいは、少なくとも2つの操舵される2対の傾斜する車輪を有する四輪三輪車によって、具体化されている。
【0043】
以下、本明細書では、一般的なモータサイクル1について言及するが、これは、以下の説明が、モータサイクル本体2,3,4と、モータサイクル本体2,3,4に拘束された少なくとも2つの車輪5,6と、モータサイクル本体2,3,4に拘束され、2つの車輪5,6のうちの少なくとも1つに作動可能に連結された、例えば熱および/または電気またはハイブリッドモータなどの牽引モータ7と、を備える、あらゆるタイプのLカテゴリのモータサイクル1に一般的に適用可能であることを意味する。したがって、モータサイクル本体は、前部2、サドル15を備えた中間部3、および後部またはリアキャリッジ4から構成される。
【0044】
モータサイクル1はさらに、リアキャリッジ4上に配置されたテールライト20を備えている。テールライト20は、以下、ライト20とも呼ばれ、後方側に光ビームを照射する形状である。
【0045】
また、テールライト20の上方に配置された乗員支持ブラケット50も設けられている。支持ブラケット50は、運転者の後方に座るモータサイクル1の同乗者のためのサイドグリップ部52を画定している。
【0046】
モータサイクル1の後方に他の車両が存在することを検出するためのレーダ30も設けられている。レーダ30は、支持ブラケット50に直接的または間接的に接続されている。
【0047】
レーダ30は、車両の側面図(図1および図3参照)によれば、支持ブラケット50の下方で、支持ブラケット50とテールライト20との間の位置にある。レーダ30は、長手方向L(図2)に沿って、テールライト20に対して片持ち梁状に、リアキャリッジ4の側に配置されている。換言すれば、レーダ30は、車両の長手延在方向Lに沿ってリアキャリッジ4上に片持ち梁状に配置されている。
【0048】
これにより、レーダ30は、長手方向Lにおいてリアキャリッジのより遠位に位置する一方で、モータサイクルのフォアキャリッジとリアキャリッジとの間で測定されるモータサイクルの全長に含まれる。この位置では、レーダ30は支持ブラケット50の下、特に支持ブラケット50の支持プレート53(図2)の下にある。このため、支持面50’は、レーダ30を側面だけでなく上面でも保護し、後者の方が横方向のサイズが広いため、レーダ30は、汚れや悪天候だけでなく、起こり得る衝撃や損傷からも保護される。レーダ30のこの位置決めは、フレームおよび/またはフェアリングの構成要素もしくは形状、または支持ブラケット50の両方において、車両の構造的な変更を必要としないことに留意すべきである。さらなる構造的態様において、支持ブラケット50は、グリップ部52が乗員を収容する後部サドル部41に配置されるように、対向する側でリアキャリッジフレーム部32’を横方向に包含する。
【0049】
その検出の最適化に寄与する図1および図3に示す好ましい実施形態では、テールライト20に対するレーダ30の片持ち梁位置は、レーダ30自体の下方に自由空間Sを画定する。特に、自由空間Sは
-長手方向Lにおいて、テールライト20の遠位端20dとレーダ30の遠位端30dとの間、および
-長手方向Lに直交する垂直方向Vにおいて、レーダ30の下端30iとテールライト20の少なくとも下端20iとの間。
【0050】
これにより、長手方向Lおよび垂直方向Vの両方において、レーダ30の下方の自由空間Sは、リアキャリッジに向かう信号31の放射干渉を回避する。この特別な解決策により、レーダ30による他の後続車両の検出を最適化することができ、後続車両が短い距離にある場合、または他の後続車両がモータサイクルに部分的に隣接している横方向の空間にある場合に、レーダ30による他の後続車両の検出を最適化することができる。言い換えれば、自由空間Sにより、レーダ30の視野、特にレーダコーン31’(図2)の視野を、縦方向Lに沿って(180°に近いため)、および縦方向V(図1)の両方で広げることができる。これは、より広い検出範囲を意味し、例えば、交通量が多く、自転車などの小型車両が多い状況下で有用である。
【0051】
特に、支持ブラケット50は、車両のリアキャリッジフレーム部32’(図1)に連結される第1の端部51と、車両のリアキャリッジ4、特にテールライト20に対して片持ち支持される、第1の端部51とは反対側の第2の端部51’との間で、方向Lに縦方向に延びている。
【0052】
第2の端部51'には、支持ブラケット50とテールライト20との間の位置に、収容空間35が画定されている。
【0053】
特に、レーダ30は、収容空間35に配置される。これにより、レーダ30は、車両の側面図(図1および図3)において、リアキャリッジ4に対して片持ち梁状に配置される。リアキャリッジ4とは、モータサイクルの尾部、すなわち、後輪6の上方に延び、テールライト20を支持する車両の後端部を意味する。
【0054】
したがって、側面視で、上から下方向に従って、レーダ30は、支持ブラケット50とテールライト20との間の位置にある。
【0055】
収容空間35は、車両のリアキャリッジに対向する面において前方に開放されている。収容空間35は、収容空間の開放面に機器の検出画面が配置されるとともに車両のリアキャリッジに面するように、検出ユニット30を収容する形状である。
【0056】
例えば、収容空間は、レーダ30を収容し保護することができる、面45’(図1)に開口した箱状の容器45で構成される。したがって、計器の唯一の可視部分は、計器の検出スクリーン30'である。
【0057】
好ましい実施形態では、箱状容器45は、その下面において、使用時に地面Tに面して支持ブラケット50に一体的に取り付けられている。
【0058】
構造上の観点から、支持ブラケット50は、車両に対して長手方向に延びており、長手方向L(図2)に関して対向する側が対称形状である。支持ブラケット50は、その後端部51'に配置された支持プレート53をさらに備える。支持プレート53は、専用の連結手段によってこれに取り外し可能に固定されるトップボックス(図示せず)を収容する形状を有する。
【0059】
このように、支持板53は、レーダ30のベースとその上のカバーを画定する。したがって、箱状容器45は、レーダ30を収容し保護するように、支持板53に上部を結合する形状にすることができる。
【0060】
代替実施形態では、レーダ30は、リアキャリッジ4、特にリアキャリッジフレーム部32'に片持ち式に連結される。この場合、レーダ30は、乗員支持ブラケット50の下方の位置で、車両のリアキャリッジフレーム部32’と一体となるように配置される。
【0061】
本発明の第1の態様では、レーダ30がリアキャリッジフレーム部32'に直接連結された支持ブラケット50によって支持されるので、車両に対するレーダ30の取付剛性が向上し、走行中に発生する振動による検出角度の変動を抑制することができる。
【0062】
有利なことに、側面視において、レーダ30は、モータサイクル1の長手延在方向に従って、その後端部が、支持ブラケット50の車両前後方向の端部位置と少なくとも等しい位置に位置するように配置されている。従って、レーダ30は、リアキャリッジ4上であってテールライト20に対して突出しているか、又は、支持ブラケット50の端部51’をリアキャリッジ4に向けて横から見たときに少なくとも一直線上にある。したがって、レーダ30は、やはり側面から見たときに、車両のリアフェンダーおよび/またはナンバープレートとも実質的に一直線上にある。それにより、この位置関係により、電波31は、リアキャリッジ上の他の車両部品または部分に当たることなく伝播することができる。上述したように、この工夫により、車両の他の部材の影響による誤検知を減少させることができ、レーダ30の視野の拡大による検知性能の向上を確保することができる。
【0063】
言い換えれば、レーダ30は、車両のリアキャリッジ4の他のすべての部分に対して突出した位置に配置されるため、その検出効率が向上する。その結果、レーダ30による車両の他の部材(例えば、ナンバープレート)の影響による誤検出が実質的にゼロになるので、検出がより確実になる。
【0064】
他の構成態様では、図1に示すように、走行中のレーダ30の振動を減衰させるように適合された減衰要素33が設けられる。例えば、レーダ30の周囲に、例えば下部と上部の両方に介在するゴム要素が配置される。このような減衰要素33により、走行中にレーダ30に伝達される振動を減少させることができ、その結果、レーダ30の安定性が向上し、したがって、より信頼性の高い性能を確保することができる。
【0065】
図3Aに図式的に示す別の有利な態様では、レーダ30の位置を調整する手段を設けることができる。この位置調整手段により、支持ブラケット50に対するレーダ30の位置を調整することができ、また、車両のリアキャリッジ4に対するレーダ30の位置を調整することもできる。
【0066】
例えば、縦方向または横方向の移動または回転を可能にするスライドガイド74を設けることにより、レーダ30を縦方向Lに移動させることができ、同時にまたは代替的に、その高さ位置を調整するために、縦方向Vにも移動させることができる。
【0067】
好ましい実施形態では、前記調整手段70はアクチュエータ52で構成することができ、制御ユニット、例えば車両自体のECUによって制御される。車両のハンドルバーにボタンを設けることができ、これにより、例えば、その移動が可能になる。
【0068】
特に、位置調整は、スライドガイド74に沿って移動するレーダ30を移動させることができるアクチュエータ72によって作動するタイプのものである。
【0069】
一つまたは複数の具体的な実施形態の上記説明は、従来技術を使用する他の者が、さらなる研究を行うことなく、かつ本発明の概念から逸脱することなく、様々な用途において実施形態を変更および/または適合させることができるように、概念的な観点から本発明を示すことができるものであり、したがって、そのような適合および変更は、具体的な実施形態の等価物として相当することが理解される。記載された様々な機能を実施するための手段および材料は、本発明の範囲から逸脱することなく様々な性質のものであってよい。使用される表現または用語は、単に説明的であり、したがって非限定的な目的を有することが理解される。
図1
図2
図3
図3A
【国際調査報告】