(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】女性化乳房および/または乳房痛の治療
(51)【国際特許分類】
A61K 45/06 20060101AFI20240628BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240628BHJP
A61K 36/31 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/138 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/4535 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/585 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/4196 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/407 20060101ALI20240628BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240628BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240628BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/352 20060101ALI20240628BHJP
A61K 36/48 20060101ALI20240628BHJP
A61K 36/9066 20060101ALI20240628BHJP
A61K 36/87 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P15/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61K36/31
A61K31/138
A61K31/4535
A61K31/585
A61K31/4196
A61K31/404
A61K31/407
A61K9/48
A61K9/20
A61K36/185
A61K31/352
A61K36/48
A61K36/9066
A61K36/87
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581029
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2022067796
(87)【国際公開番号】W WO2023275088
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524003471
【氏名又は名称】チャイトウィツ,イラン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チャイトウィツ,イラン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB05
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(57)【要約】
女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)であって、ここで、本方法は、上記選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤を、(B)エストロゲン調節因子であって、上記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、エストロゲン調節因子と組み合わせて投与することを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)であって、
ここで、前記方法が、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤と、
(B)エストロゲン調節因子であって、前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、前記エストロゲン調節因子と、を組み合わせて投与することを含む、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項2】
請求項1に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)であって、
ここで、前記方法は、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤と、
(B)エストロゲン調節因子を含むサプリメントであって、好ましくはアブラナ科野菜サプリメントである、前記サプリメントと、を組み合わせて投与することを含む、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項3】
前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤(A)が、選択的エストロゲン受容体調節因子である、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項4】
前記選択的エストロゲン受容体調節因子が、トリフェニルエチレン型選択的エストロゲン受容体調節因子である、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項5】
前記選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)が、タモキシフェン、ラロキシフェンおよび/またはクロミフェン、好ましくはタモキシフェン、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物もしくは水和物から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項6】
前記アロマターゼ阻害剤が、テストラクトン、アナストロゾールおよびレトロゾール、好ましくはテストラクトン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項7】
前記エストロゲン調節因子(B)が、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物;好ましくは、インドール-3-カルビノール(I3C)および/または3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物;好ましくは、インドール-3-カルビノール(I3C)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項8】
-前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤(A)が、タモキシフェンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
-前記エストロゲン調節因子(B)が、インドール-3-カルビノール(I3C)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項9】
-前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤(A)と、
-前記エストロゲン調節因子(B)と、が
同時に、別々に、または連続して投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項10】
前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤が、1~100mg/日、好ましくは5~50mg/日、好ましくは10~40mg/日の投与量で投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項11】
前記エストロゲン調節因子(B)が、1~1000mg/日、好ましくは50~750mg/日、好ましくは100~400mg/日の投与量で投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項12】
-前記エストロゲン受容体調節因子および/もしくはアロマターゼ阻害剤(A)ならびに/または
-前記エストロゲン調節因子(B)が、
好ましくはカプセルまたは錠剤の形態で、経口、非経口、経皮、局所または経腸的に投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の使用のための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項13】
女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)であって、
ここで、前記方法が、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤と、
(B)アブラナ科野菜、野生イラクサ根、クリシン、大豆、ターメリック、マカ、フラボノイドまたはブドウ種子サプリメントまたは抽出物、好ましくはアブラナ科野菜サプリメントまたは抽出物と、を組み合わせて投与することを含む、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)。
【請求項14】
女性化乳房および/または乳房痛の治療または予防において使用するための、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と;(B)エストロゲン調節因子であって、前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、エストロゲン調節因子と;を含む組成物。
【請求項15】
女性化乳房および/または乳房痛を治療するための組み合わせ療法のための医薬組成物であって、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤を含む第1の医薬成分と;(B)エストロゲン調節因子を含む第2の医薬成分であって、前記エストロゲン調節因子が、前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、第2の医薬成分と;を有効成分として含む、組成物。
【請求項16】
女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するためのタモキシフェン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であって、
ここで、前記方法が、前記タモキシフェンを(B)インドール-3-カルビノール(I3C)および/または3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物と組み合わせて投与することを含む、
タモキシフェン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【請求項17】
女性化乳房および/または乳房痛の治療における同時、個別、または連続使用のための(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、の組み合わせであって:
ここで、好ましくは、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、前記エストロゲン調節因子が、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される、組み合わせ。
【請求項18】
女性化乳房および/または乳房痛の治療における同時、個別、または連続使用のために、医薬の組み合わせとして、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、を含む医薬品であって:
ここで、好ましくは、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、前記エストロゲン調節因子が、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される、医薬品。
【請求項19】
女性化乳房および/または乳房痛の治療における同時、個別、または連続使用のための(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、を含むキットであって:
ここで、好ましくは、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、前記エストロゲン調節因子が、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される、キット。
【請求項20】
女性化乳房および/または乳房痛を治療または予防する方法であって、前記方法が、それを必要とする対象に有効量の(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子とを、同時、個別、または連続に投与することを含み、
ここで、好ましくは、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、前記エストロゲン調節因子が、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される、方法。
【請求項21】
女性化乳房および/または乳房痛の治療のための組み合わせの医薬品の製造において、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、の使用であって:
ここで、好ましくは、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、前記エストロゲン調節因子が、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される、使用。
【請求項22】
(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、を含む医薬組成物であって:
ここで、好ましくは、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、前記エストロゲン調節因子が、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される、組成物。
【請求項23】
対象の乳房サイズおよび/または乳房の痛みを軽減するための(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、の使用であって:
ここで、好ましくは、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、前記エストロゲン調節因子が、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される、使用。
【請求項24】
対象の乳房サイズおよび/または乳房の痛みを軽減するための方法であって、前記方法が、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)前記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、を投与するステップを含み:
ここで、好ましくは、前記選択的エストロゲン受容体調節因子および/または前記アロマターゼ阻害剤が、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、前記エストロゲン調節因子が、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択され;
ここで、(A)および(B)は、同時に、別々に、または連続的に投与される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療における使用のための組み合わせ療法に関する。より具体的には、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療における使用のための、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)エストロゲン調節因子と、の組み合わせに関する。本発明はまた、本化合物を含む医薬組成物、女性化乳房および/または乳房痛を治療または予防する方法、ならびに女性化乳房および/または乳房痛の治療または予防のための医薬品の製造における本化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
女性化乳房は、世界において、男性の約60%が罹患している乳房疾患である。女性化乳房は、体重増加、薬物使用、アナボリックステロイド、または他の基礎となる医学的状態が原因であり得る。その結果、「女性様乳房」となり得る。男性の乳房肥大は、心理的、社会的、および感情的幸福に影響を与え得る。
【0003】
この徴候が、多くの男性が専門家の助けを求める理由である。幸いなことに、今日では、女性化乳房は、男性の乳房縮小術によって治療可能である。さらに、いくつかの種類の手術が、女性化乳房の治療に利用可能である。手術方法は、女性化乳房のグレードまたは乳房肥大の重症度によって異なる。様々な外科的処置により、奏功した効果的な結果が得られ得る。
【0004】
しかし、すべての男性が手術を受ける準備ができているわけではなく、すべての男性が適切な候補者でもなく、さらには手術による解決を望んでいるものでもない。さらに、最大3分の1の患者が手術結果に満足していないため、一般的には、手術結果が不良である。女性化乳房の手術リスクとしては以下が挙げられる:麻酔リスク;出血(血腫)、血塊、乳房の非対称性、乳房の輪郭および形状の不規則性、乳首または乳房の感覚の変化は、一時的または永続的であり得、神経、血管、筋肉および肺などの深部構造への損傷が生じ得、これらは、一時的または永続的であり得、深部静脈血栓症、心臓および肺の合併症、乳房中に見られる脂肪組織が死亡し得る(脂肪壊死)、体液の蓄積(漿液腫)、感染症-陥没乳頭、持続的な痛み、創傷治癒不良、再建手術の可能性、テープに対する反応、縫合糸の材料、接着剤、局所調製物または注射剤、容認できない傷跡。
【0005】
ほとんどの男性は、乳腺の問題を解決する医薬品を好むであろう。このため、医学的な解決法を見つけるための研究が行われてきた。これらの研究の一部は、選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)タモキシフェンを中心に展開している。多くの専門家は、女性化乳房の治療ためのタモキシフェンの選択肢が有望であると考えている。
【0006】
女性化乳房を有する患者での乳房の肥大は、典型的には、エストロゲンとアンドロゲンとの間のホルモンの不均衡の結果として引き起こされる乳房組織の成長によるものである。ホルモン間のバランスは、多くの場合、エストロゲン産生の増加または異常な高レベルのエストロゲンによって引き起こされる。したがって、女性化乳房の治療においては、エストロゲン産生を標的とすることが望ましい。
【0007】
乳房痛(Mastalgia)は、乳房痛(mastodynia)としても知られ、人生のある時点で最大70%の女性、特に30~50歳の女性に生じる一般的な乳房疾患である。これは、女性が医師の診察を受ける一般的な理由である。男性では、一般的に女性化乳房によって生じ、女性化乳房は、上述のとおり、世界の男性の約60%が罹患している乳房疾患である。乳房痛は、月経、体重増加、薬物使用、アナボリックステロイド、または他の基礎となる医学的状態が原因であり得る。乳房の痛みは、生活の質、日常活動、睡眠、心理的、社会的、感情的な幸福に影響を与える得るため、一般集団において重大な問題である(Scurr et al.2014)。
【0008】
乳房痛を有する女性の場合、局所非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、乳房の痛みを軽減するのに効果的であり、第一選択治療法として検討する必要がある。しかし、これらの治療が、常に効果的であるとは限らない。
【0009】
トランスジェンダー女性の場合、ホルモン療法により乳房の痛みが生じ得る。トランスジェンダー男性の場合、乳房切除術後に残っている可能性のある最少量の乳房組織によって、乳房の痛みが生じ得る。
【0010】
ダナゾールは、線維嚢胞性乳房の治療のために米国食品医薬品局によって承認された唯一の処方医薬品である。しかし、ダナゾールには、体重増加および音声の変化のみでなく、心臓および肝臓の問題など、重篤な副作用が発生し得るリスクがある。乳がんの治療および予防のための処方医薬品であるタモキシフェンは、役立ち得るが、この薬物には、乳房の痛みそのものよりも厄介になり得る副作用が生じ得る。
【0011】
この徴候が、女性化乳房を有する男性にとっては、多くの男性が専門家の助けを求める理由である。幸いなことに、今日では、女性化乳房関連の乳房痛は、男性の乳房縮小術によって治療可能である。さらに、いくつかの種類の手術が、女性化乳房の治療に利用可能である。手術方法は、乳房痛のグレードまたは乳房肥大の重症度によって異なる。様々な外科的処置により、奏功した効果的な結果が得られ得る。しかし、上述のとおり、手術は、多くの場合、望ましくない、または適切ではない。
【0012】
ほとんどの女性および男性は、乳腺の問題を迅速に解決し、副作用があったとしてもほとんどない医薬品を好むであろう。このため、医学的な解決法を見つけるための研究が行われてきた。これらの研究の一部は、選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)タモキシフェンを中心に展開している。多くの専門家は、乳房痛の治療ためのタモキシフェンの選択肢が有望であると考えている。
【0013】
乳房痛は典型的には、エストロゲンとアンドロゲンとの間のホルモンの不均衡の結果として引き起こされる乳房組織の成長が原因である。女性化乳房と同様に、ホルモン間の不均衡は、多くの場合、エストロゲン産生の増加または異常な高レベルのエストロゲンによって引き起こされる。この2つの状態は、多くの場合、同時に発生する。したがって、乳房痛の治療では、エストロゲンの産生を標的にすることが望ましい。
【0014】
タモキシフェンは、最も古く、最も処方されている選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)である。タモキシフェンは、現在米国食品医薬品局(FDA)では、以下を治療するために承認されている:
1)がんが戻る(再発)リスクを軽減するための手術(または場合によっては化学療法および放射線療法)後に、ホルモン受容体陽性の早期乳がんと診断された女性および男性。
【0015】
2.進行期または転移性のホルモン受容体陽性疾患と診断された女性および男性。
【0016】
3.乳がんと診断されていないものの、乳がんのリスクが平均より高い女性のリスクを軽減する。
【0017】
タモキシフェンは、乳房組織におけるエストロゲンの効果を妨げることによって作用する。タモキシフェンは、最も処方されている選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)である。タモキシフェンは、女性ホルモンのエストロゲンの機能を遮断または活性化することができる。乳房細胞の場合、エストロゲンがこの作用を遮断する。
【0018】
乳がんの予防において、タモキシフェンには、次の2つの作用機序があることが知られている:(1)受容体部位において17β-エストラジオール(E2)と競合し、乳がんにおけるE2の促進的な役割を遮断する;(2)代謝活性化後にDNAに結合し、発がんを開始する。
【0019】
タモキシフェンは、腫瘍学的状況以外にも内分泌療法にも使用されている。この治療は、乳房のがん細胞におけるエストロゲンの効果に影響を与え得る。この作用により、このがんの発症リスクが軽減される。さらに、乳房の密度が高いヒトには、乳房の密度を低下させるためにタモキシフェンを使用する。
【0020】
タモキシフェンは、乳房組織の発育を防ぐ補助となり得、女性化乳房および/または乳房痛の治療の有望な候補とみなされる(しかし、女性化乳房または乳房痛の治療については、規制当局によって承認されていない)。
【0021】
本発明者は、女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療するための代替方法および/または改善方法を求めた。本発明者は、驚くべきことに、(A)SERM(例えば、タモキシフェンなど)および/またはAIと、(B)インドール-3-カルビノール(I3C)などのエストロゲン調節因子(SERMとは異なり、AIとは異なる)との組み合わせにより、女性化乳房および/または乳房痛の治療に有望な結果をもたらすことを見出した。この2つの成分は、異なる生化学的経路を介して作用するため、エストロゲンの産生に対して協働的作用をもたらし、女性化乳房および/または乳房痛の組み合わせ治療となる。
【0022】
さらに、特定のSERMまたはAIは、重大な副作用を引き起こし得る。例えば、タモキシフェンの副作用としては、頭痛、悪心、ホットフラッシュ、皮膚の発疹、疲労、性機能不全、ならびに体重および気分の変化などが挙げられる。2番目のエストロゲン調節因子(B)の使用により、女性化乳房および/または乳房痛の治療中のSERM(例えば、タモキシフェン)および/またはAIの用量を減少させ得るため、これにより、副作用が軽減される。
【0023】
さらに、SERM/AIの用量を減少させることにより、SERM/AI耐性の可能性が減少する可能性がある。
【0024】
I3Cと抗エストロゲン剤タモキシフェンとの組み合わせは、エストロゲン依存性ヒトMCF-7乳がん細胞株の成長を、いずれかの剤単独よりも効果的に阻害するために協働することが示されている(Cover et al.,‘Indole-3-Carbinol and Tamoxifen Cooperate to Arrest the Cell Cycle of MCF-7 Human Breast Cancer Cells’.J Cancer Research.1244-1251,59(1999))。いくつかのエビデンスは、I3Cがタモキシフェンとは異なる機序を介して作用することを示唆している。例えば、I3Cは、エストロゲン受容体の結合に関して、エストロゲンと競合できないことが示されており、これは、特にCDK6の発現を下方制御する。
【0025】
これらの結果は、I3Cおよびタモキシフェンが、異なるシグナル伝達経路を介して働き、ヒト乳がん細胞の成長を抑制することを示している。
【0026】
I3Cおよびタモキシフェンによって誘導される成長抑制カスケードの特異な特徴を考慮して、Cover et al.(1999)は、タモキシフェンとI3Cとの組み合わせでは、いずれかの化合物単独よりも効果的な成長抑制応答、CDK2の特異的活性のより厳密な阻害、およびより多くの内因性Rbリン酸化を示すことを実証した。
【0027】
同様に、Malejka-Giganti et al.(2007)は、タモキシフェンおよびI3Cの両方で治療したラットでは、I3Cによる乳がん発生の抑制が弱まることはなく、タモキシフェンによる化学的予防の利点を促進することを見出した。このことは、ラットあたりの平均腫瘍数が大幅に減少していることから明らかであり、2つの化合物の協働効果を示す。
【0028】
しかし、タモキシフェンを服用している女性における乳がんバイオマーカーの調節に関して、インドール-3-カルビノールの分解から生じる主な活性代謝物であるジインドリルメタンを対象とした唯一の無作為化プラセボ対照試験において、Thomson et al.(2017)は、この組み合わせが、タモキシフェン代謝物の減少と関連していることを見出した。そのため、DIMは、タモキシフェンの臨床効果を減弱させると考えられる。Thomson et alは、DIMは、タモキシフェンの有効性を低下させる可能性があるため、DIMとタモキシフェンとの組み合わせには注意を促している。
【0029】
本発明の驚くべき態様は、異なるエストロゲン調節因子と組み合わせたSERMおよび/またはAIが、女性化乳房および/または乳房痛の組み合わせ療法となるという認識である。
【発明の概要】
【0030】
第1の態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)を提供し、
ここで、本方法は、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤を、
(B)エストロゲン調節因子であって、上記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、エストロゲン調節因子と組み合わせて投与することを含む。
【0031】
さらなる態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)を提供し、
ここで、本方法は、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤を、
(B)アブラナ科野菜、野生イラクサ根、クリシン、大豆、ターメリック、マカ、フラボノイドまたはブドウ種子サプリメントまたは抽出物、好ましくはアブラナ科野菜サプリメントまたは抽出物と組み合わせて投与することを含む。
【0032】
さらなる態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療または予防において使用するための、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と;(B)エストロゲン調節因子であって、上記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、エストロゲン調節因子と;を含む組成物を提供する。
【0033】
さらなる態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛を治療するための組み合わせ療法のための医薬組成物であって、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤を含む第1の医薬成分と;(B)エストロゲン調節因子を含む第2の医薬成分であって、上記エストロゲン調節因子が、上記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、第2の医薬成分と;を有効成分として含む、組成物を提供する。
【0034】
さらなる態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するためのタモキシフェン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、
ここで、本方法は、タモキシフェンを(B)インドール-3-カルビノール(I3C)および/または3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物と組み合わせて投与することを含む。
【0035】
さらなる態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療における同時、個別、または連続使用のために、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、の組み合わせを提供し:
ここで、好ましくは、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、エストロゲン調節因子は、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される。
【0036】
さらなる態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療における同時、個別、または連続使用のために、医薬の組み合わせとして、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、を含む医薬品を提供し:
ここで、好ましくは、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、エストロゲン調節因子は、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される。
【0037】
さらなる態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療における同時、個別、または連続使用のために、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、を含むキットを提供し:
ここで、好ましくは、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、エストロゲン調節因子は、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される。
【0038】
さらなる態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛を治療または予防する方法であって、本方法は、それを必要とする対象に有効量の(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子とを、同時、個別、または連続に投与することを含み、
ここで、好ましくは、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、エストロゲン調節因子は、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される。
【0039】
さらなる態様では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療のための組み合わせの医薬品の製造において、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、の使用を提供し:
ここで、好ましくは、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、エストロゲン調節因子は、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される。
【0040】
さらなる態様では、本発明は、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、を含む医薬組成物を提供し:
ここで、好ましくは、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、エストロゲン調節因子は、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される。
【0041】
さらなる態様では、本発明は、対象の乳房サイズおよび/または乳房の痛みを軽減するための(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、の使用を提供し:
ここで、好ましくは、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、エストロゲン調節因子は、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される。
【0042】
さらなる態様では、本発明は、対象の乳房サイズおよび/または乳房の痛みを軽減する方法を提供し、本方法は、(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と、(B)選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なるエストロゲン調節因子と、を投与するステップを含み:
ここで、好ましくは、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤は、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびクロミフェンから選択される選択的エストロゲン受容体調節因子、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であり;
好ましくは、エストロゲン調節因子は、インドール-3-カルビノール(I3C)、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および/または5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される;
ここで、(A)および(B)は、同時に、別々に、または連続的に投与される。
【0043】
本明細書に示される態様および/または実施形態の特徴は、別段の指示がない限り、技術的に実行可能な本発明のすべての態様および実施形態において、個別に使用可能であり、かつ組み合わせて使用可能である。
【0044】
成分(A)
本明細書における「SERM」は、選択的エストロゲン受容体調節因子を表す。本明細書における「AI」は、アロマターゼ阻害剤を表す。SERMおよびAIは、十分に確立された種類の化合物である。
【0045】
SERMは、典型的には、エストロゲン調節因子(B)とは異なる。典型的には、SERMは、AIとは異なり、AIは、典型的には、エストロゲン調節因子(B)とは異なる。
【0046】
成分(component)/成分(ingredient)/化合物/SERM/AIに関して論ずる場合はいずれも、「A」は、技術的に実行可能な場合には、本発明のすべての態様および実施形態に適用可能である。
【0047】
選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)
選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)は、エストロゲン受容体(ER)に作用する薬物の一種である。名前が示すように、それらの作用は、様々な組織内で異なるため、これらの物質は、純粋なERアゴニストおよびアンタゴニストとは異なる。この結果として、様々な組織におけるエストロゲン様作用を、選択的に阻害または刺激する可能性が得られる。
【0048】
特定の実施形態では、SERMは、非ステロイド系SERMである。さらに特定の実施形態では、SERMは、タモキシフェン、クロミフェン、およびラロキシフェン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される。以下に論じる化合物(タモキシフェン、クロミフェンおよびラロキシフェン、または他の化合物)は、その薬学的に許容される塩、溶媒和物または水和物として投与することができる。特定の実施形態では、SERMは、トリフェニルエチレン型SERMであり、すなわちトリフェニルエチレンコアをベースにしている。換言すると、SERMは、トリフェニルエチレン単位を含むことができる。
【0049】
タモキシフェンは、次式を有する:
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
特定の実施形態では、SERMは、次式の化合物:
【0054】
【化4】
(式中、R
1は、H、ハロゲン(好ましくはCl)、またはC
1~C
6アルキル(好ましくはC
1~C
2アルキル、すなわちメチルまたはエチル)から選択され、好ましくは、R
1は、Clおよびエチルから選択され;
各R
2は、H、またはC
1~C
6アルキル(好ましくはC
1~C
2アルキル、すなわちメチルまたはエチル)から独立して選択され、好ましくは両方のR
2基が同じであり、メチルまたはエチルである)
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
【0055】
SERMのタモキシフェンおよびクロミフェンの構造は類似しており、両方とも女性化乳房/乳房痛での使用が提唱されている。それらの生化学的/生理学的特性は類似している。
【0056】
本発明のすべての態様および実施形態において、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)は、タモキシフェン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物であることが好ましい。
【0057】
タモキシフェン
タモキシフェンは、ホルモン受容体陽性乳がんの治療に使用されるFDA承認の処方薬である。また、高リスク患者におけるがんの発症を軽減するためにも使用されている。1998年の承認以来、タモキシフェンは、乳がんと診断された女性および男性の両方の状態をすでに改善している。また、女性化乳房および乳房痛の治療においても有望な結果が示されている。
【0058】
腫瘍学的状況では、タモキシフェンは、乳がんの発症を防ぐことによって働く。腺組織におけるエストロゲンの効果を妨害することにより、治療および予防が可能になる。
【0059】
このため、タモキシフェンは、最も処方されている選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)である。これは、特定の乳房細胞におけるエストロゲンの機能を遮断または活性化することができる。タモキシフェンは、乳房細胞に対するエストロゲンの作用を遮断する。さらに、タモキシフェンは、がん細胞内のタンパク質またはホルモン受容体に付着する。ホルモン受容体の遮断により、事実上、がんの進行が停止する。
【0060】
タモキシフェンは、ホルモン治療を受けている他の医薬品と合わせて使用される。タモキシフェン治療は、身体のホルモンバランスを変化させることにより、がん細胞の進行を遅らせることができる。
【0061】
がんの急速な進行は、エストロゲンのレベルが高いことによる。タモキシフェンは、これらのエストロゲンレベルを低下させ、がんの発生を遅らせ、腫瘍の成長を低下させ得る。
【0062】
がん性細胞の発生を止めるのにタモキシフェンがいかに働くかにより、その有効性が示されている。また、再発性浸潤性乳がんを軽減することもできる。また、高リスクのヒトが疾患を発症する可能性を減少させる助けとなり得る。
【0063】
女性化乳房では、男性の胸部において乳房組織が発達する。この組織により、女性化乳房の乳腺成分が乳房脂肪と混合する。男性が女性化乳房を発症する理由はいくつかあるが、これは、ホルモンの不均衡の結果である。この不均衡は、エストロゲンのレベルが高くなりすぎ、男性ホルモンのテストステロンが低下したときに生じる。男性の場合、乳房痛、または乳房の痛みは、多くの場合、女性化乳房と同時に発生する。これは、この2つの症状が、同じ基礎状態から発生し得るためである。女性の場合、周期性乳房痛は、典型的には、月経時のホルモン変動によっても引き起こされる。
【0064】
タモキシフェンは、腺組織に対する抗エストロゲン効果および抗腫瘍効果の両方を有する。研究者は、「タモキシフェン効果」を利用して、女性化乳房および/または乳房痛の治療が可能か否かを判断できる。タモキシフェンは、場合によっては、特に思春期の女性化乳房または乳房痛に有益であり得る。
【0065】
タモキシフェンは、乳がんの治療および予防に効果の奏功をもたらすが、女性化乳房におけるタモキシフェンなど、他の状況における抗エストロゲン化合物についてはさらに研究を行う必要がある。
【0066】
タモキシフェンは、典型的には、1日1回または2回の錠剤として投与される。しかし、タモキシフェンのゲル製剤は、経口製剤に関連する副作用を大幅に軽減することが示されている。帯電誘導剤を含むタモキシフェンのカチオン性ナノエマルションは、生物医薬品の属性および薬物の抗がん能を改善するために開発されている。特定の実施形態では、SERMおよび/またはAIは、局所製剤(例えば、クリーム、皮膚パッチ、ゲルなど)として、またはカチオン性ナノエマルションとして投与される。
【0067】
ラロキシフェンは、タモキシフェンの姉妹薬であり、クロミフェンなどの他のSERMと共に、この製剤と共に使用する代替品として考えられようになる。
【0068】
乳房組織では、タモキシフェンは、典型的には、ERアンタゴニストとして作用し、これにより、エストロゲン応答性遺伝子の転写が阻害されるようになる。循環濃度の点でタモキシフェンの最も豊富な代謝物は、N-デスメチルタモキシフェン、N,N-ジデスメチルタモキシフェン、(Z)-エンドキシフェン、およびタモキシフェンN-オキシドである。
【0069】
アロマターゼ阻害剤
アロマターゼ阻害剤もよく知られた種類の化合物である。アロマターゼは、エストロゲン合成酵素としても知られ、エストロゲン生合成における重要な酵素である。アナストロゾールおよびレトロゾールなどのアロマターゼ阻害剤は、男児の骨端成熟を効果的に遅延させ、成人男性のテストステロンレベルを改善させる。したがって、アロマターゼ阻害剤は、ゴナドトロピン非依存性の思春期早発症、特発性低身長、体質的な思春期遅延を有する男児の成人身長を伸ばすために使用され得、ゴナドトロピン分泌を増加させ、それによってライディッヒ細胞およびセルトリ細胞の機能を刺激するために使用され得る。アロマターゼ阻害剤は、骨端閉鎖を予防または遅延させ、それによって成人の身長を伸ばすために使用され得る。アロマターゼ阻害剤は、女性の乳房痛および/または乳房痛の治療または予防にも使用され得る。アロマターゼ阻害の懸念は、骨の石灰化に有害な影響を与える可能性があることである。テストラクトンは、女性化乳房および/または乳房痛の治療薬として有望であるとみなされている。男性におけるアロマターゼ阻害剤の使用の長期的な有効性および安全性はまだ確立されていないが、抗エストロゲン標的化におけるアロマターゼ阻害剤の可能性は、重要である。したがって、例えばアロマターゼ阻害剤の投与量を潜在的に減少させることができる、またはそれらの抗エストロゲン特性を補うことができる、組み合わせ治療を追求することが非常に望ましい。
【0070】
特定の実施形態では、アロマターゼ阻害剤は、テストラクトン、アナストロゾールおよびレトロゾール、好ましくはテストラクトン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物から選択される。
【0071】
エストロゲン調節因子-成分(B)
本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療における、
(A)SERMおよび/またはAIと、
(B)エストロゲン調節因子との、組み合わせに関する。
【0072】
エストロゲン調節因子(B)は、典型的には、抗エストロゲン効果を有する化合物である。これは、選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)とは異なり、アロマターゼ阻害剤(AI)とは異なる。エストロゲン調節因子(B)が、SERMおよび/またはAIであるとみなされ得る場合、エストロゲン調節因子(B)は、SERMおよび/またはAI(A)とは異なる。
【0073】
特定の実施形態では、エストロゲン調節因子は、エストロゲン阻害剤である。特定の実施形態では、エストロゲン調節因子は、エストロゲン受容体アンタゴニストである。特定の実施形態では、エストロゲン調節因子(B)は、アロマターゼ阻害剤(AI)であり、好ましくは任意のアロマターゼ阻害剤(A)とは異なる。特定の実施形態では、エストロゲン調節因子(B)は、酵素CYP19A1(シトクロムP450ファミリーのメンバー)の阻害剤である(Eur J Nutr(2013)52:1483-1492)。特定の実施形態では、エストロゲン調節因子(B)は、エストロゲン応答性(ER+)乳房細胞におけるCYP19発現の下方制御因子であり、かつ/またはエストロゲン依存性(ER-)乳房細胞においてCYP19発現を増加させる剤である。特定の実施形態では、エストロゲン調節因子は、アリール炭化水素受容体(AhR)に結合することができる。特定の実施形態では、エストロゲン調節因子(B)は、SERMおよび/またはAI(A)への異なる生化学的経路を介してエストロゲン産生に影響を与える。
【0074】
特定の実施形態では、(B)のエストロゲン調節因子は、以下の化合物(i)~(iv):
【0075】
【化5】
またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物から選択される。
【0076】
化合物(i)は、インドール-3-カルビノール(I3C)である;化合物(ii)は、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)である;化合物(iii)は、5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)である;化合物(iv)は、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)である。
【0077】
本発明のすべての態様および実施形態において、好ましくは、エストロゲン調節因子(B)は、インドール-3-カルビノール(I3C)および/または3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物、好ましくはインドール-3-カルビノール(I3C)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
【0078】
2つ以上のエストロゲン調節因子が、本発明の成分(B)中に/成分(B)として存在してもよい。例えば、成分(B)は、少なくとも1つのエストロゲン調節因子、例えば少なくとも2つのエストロゲン調節因子であってもよく、またはそれを含んでもよい。複数のエストロゲン調節因子(B)が存在する場合、これらは同時に、別々に、または連続して投与され得る。上述したように、この点において、I3CとDIM(またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物)との組み合わせが特に好ましい。複数の調節因子(B)が存在する場合、それらは、一緒にまたは別々に製剤化させ得る。
【0079】
特定の実施形態では、第2の成分(B)は、以下の化合物(i’)~(iv’):
【0080】
【化6】
(式中、R
1は、H、置換または非置換ヒドロカルビル(例えば、アルキルまたはアリール)、-CO-[C
1~6アルキル]から選択され、好ましくは、R
1は、H、C
1~C
6ヒドロカルビル(好ましくはC
1~C
6アルキル)、-CO-[C
1~
6アルキル]から選択され、より好ましくは、R
1は、Hであり;
式中、各R
2は、H、置換または非置換ヒドロカルビル(例えば、アルキルまたはアリール)、-CO-[C
1~6アルキル]から独立して選択され、好ましくは、R
2は、H、C
1~C
6ヒドロカルビル(好ましくはC1~C6アルキル)、-CO-[C
1~
6アルキル]から選択され、より好ましくは、R
2は、Hである;)
またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物から選択される。
【0081】
独立して選択されるとは、各分子について、および各分子内を意味する。
【0082】
特定の実施形態では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛を治療する方法において使用するための選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)を提供し、
ここで、本方法は、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤を、上記化合物(i)~(iv)または(i’)~(iv’)のうちの少なくとも1つ、または前駆体(例えば、プロドラッグ)、または化合物(i)~(iv)もしくは(i’)~(iv’)の代謝物と組み合わせて投与することを含む。
【0083】
インドール-3-カルビノール
インドール-3-カルビノール(I3C)は、アブラナ科野菜中に含まれるグルコブラッシシンと呼ばれる物質から形成される。アブラナ科野菜とは、典型的には、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、コラード、カリフラワー、ケール、カラシナの葉、カブ、ルタバガ、および同様の緑葉野菜を意味する。I3Cは、これらの野菜を切断時、咀嚼時、または調理時に形成される。実験室で産生することも可能である。
【0084】
胃内では、I3C分子が酸触媒による縮合を受け、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)、および5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロサイクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)などの生物学的に活性な複数のI3Cオリゴマーが生成される。
【0085】
タモキシフェンおよび他のSERMと同様に、I3CおよびDIMは、ステロイドホルモン、薬物、発がん物質、および毒素などの多くの生物学的に活性な化合物の代謝および除去に関与する生体内変換酵素の発現および活性を調節することがわかっている。
【0086】
前臨床研究では、I3CおよびDIMの抗エストロゲン活性がホルモン依存性がんのリスク軽減に役立ち得ることが示唆された。I3CおよびDIMの補充により、女性の尿中エストロゲン代謝産物プロファイルが変化し得るが、乳がんリスクに対するI3CおよびDIMの効果は知られていない。
【0087】
I3Cと抗エストロゲン剤タモキシフェンとの組み合わせは、エストロゲン依存性ヒトMCF-7乳がん細胞株の成長を、いずれかの剤単独よりも効果的に阻害するために協働することが示されている(Cover et al.,‘Indole-3-Carbinol and Tamoxifen Cooperate to Arrest the Cell Cycle of MCF-7 Human Breast Cancer Cells’.J Cancer Research.1244-1251,59(1999))。いくつかのエビデンスは、I3Cがタモキシフェンとは異なる機序を介して作用することを示唆している。I3Cは、エストロゲン受容体の結合に関して、エストロゲンと競合できないことが示されており、これは、特にCDK6の発現を下方制御する。これらの結果は、I3Cおよびタモキシフェンが、異なるシグナル伝達経路を介して働き、ヒト乳がん細胞の成長を抑制することを示している。
【0088】
I3Cは、バイオアビリティを改善させるために他の化合物と組み合わせることができるが、典型的には、経口投与した場合に、有効成分のインドール-3-カルビノールは、ジインドリルメタンに変換される(下記を参照)。
【0089】
I3Cの活性持続時間は、in vivoでの分解を防ぐ他の分子の添加によっても改変され得る。
【0090】
3,3’-ジインドリルメタン
インドール-3-カルビノール(I3C)は、経口投与した場合に、胃酸による触媒により、ジインドリルメタン(DIM)および他のオリゴマーに変換される(
図1を参照)。これは、DIMが主要な活性剤であり、I3Cがin vivo内での前駆体、すなわち「プロドラッグ」であることを示唆している。しかし、中性溶液中で行われた細胞培養試験では、I3Cは、完全に活性であるとみなされている。
【0091】
しかし、DIMは、I3Cとは異なる生物学的活性およびエストロゲン抑制を有する。DIMは、単独で、またはI3Cと組み合わせて、SERM/AI(例えば、タモキシフェン)に対して協働的/相乗的に作用する可能性もあると考えられる。協働的/相乗的効果は、SERM/AI(例えば、タモキシフェン)に対する毒性の軽減、有効性の強化、または耐性の低下から生じ得る。したがって、特定の実施形態では、I3CとDIMとの混合物が、本発明の成分(B)中に存在する。
【0092】
DIMを他の化合物と組み合わせて、バイオアビリティを改善させることができる。例えば、タラ肝油およびポリソルベートを含む液体DIM(油溶液)を投与することにより、製剤化されていない結晶性DIMと比較して、高いバイオアベイラビリティが達成される。DIMの活性持続時間は、in vivoでの分解を防ぐ他の分子の添加によっても改変され得る。DIMをd-α-トコフェリルポリエチレングリコール-1000コハク酸塩と組み合わせると、腸での吸収性が高まる。したがって、特定の実施形態では、DIMは、液体(油溶液)として投与され、この液体は、タラ肝油およびポリソルベートを含む。特定の実施形態では、DIMは、d-α-トコフェリルポリエチレングリコール-1000コハク酸塩と組み合わされる。
【0093】
食品/野菜サプリメント(例えば、アブラナ科野菜サプリメント)
特定の実施形態では、成分(B)は、食品サプリメント、例えば野菜サプリメント、例えばアブラナ科野菜サプリメントである。
【0094】
特定の実施形態では、エストロゲン調節因子は、グルコブラッシシン誘導体である。「誘導体」とは、この文脈では典型的には、これらのアブラナ科野菜を切断、咀嚼、抽出、または調理することによって形成される化合物を意味する。典型的には、SERMおよび/またはAIと組み合わせて使用するための誘導体は、グルコブラッシシンの加水分解から形成される化合物である。
【0095】
本発明のさらなる態様では、本発明は、SERMおよび/またはAIと組み合わせた成分(B)としてのグルコブラッシシン自体、または1-メトキシグルコブラッシシン(ネオグルコブラッシシン)、4-ヒドロキシグルコブラッシシン、4-メトキシグルコブラッシシン、1,4-ジメトキシグルコブラッシシン、1-スルホグルコブラッシシン、6’-イソフェルロイルグルコブラッシシンなどの誘導体の使用を提供する。したがって、特定の実施形態では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療に使用するための、グルコブラッシシンまたはこれらの誘導体のうちの1つと組み合わせた、SERMおよび/またはAIの組み合わせを提供する。
【0096】
特定の実施形態では、エストロゲン調節因子は、アブラナ科野菜に由来する。アブラナ科野菜またはアブラナ属野菜は、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、コラード、カリフラワー、ケール、カラシナの葉、カブ、ルタバガ、および同様の緑葉野菜を含む。
【0097】
特定の実施形態では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するための、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)(好ましくはタモキシフェンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物)に関する。
【0098】
ここで、本方法は、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤を、
(B):アブラナ科の野菜サプリメントまたは抽出物(例えば、I3C、またはI3CおよびDIM、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物)と組み合わせて投与することを含む。
【0099】
サプリメントまたは抽出物とは、合成および天然に産生された化合物の両方を意味する。アブラナ科野菜サプリメント/抽出物またはアブラナ属野菜サプリメント/抽出物は、これらの野菜中に見出される化合物(合成または抽出の両方)、その合成型、ならびに野菜自体中には存在しないが、アブラナ科/アブラナ属の野菜材料中に見出される化合物(すなわち、切り刻まれ、切断され、抽出され、または何らかの方法で処理された後)を包含し得る。
【0100】
女性化乳房または乳房痛におけるハーブサプリメントの使用を証明する臨床データはないが、特定のサプリメントは、典型的には、がんを治療するための代替ホルモン療法の文脈において、エストロゲン調節剤としての可能性を有することが示されている。
【0101】
エストロゲン調節効果を有すると考えられる他の食品抽出物は、野生イラクサの根、クリシン、大豆、ターメリック、マカ、フラボノイド、ブドウ種子抽出物である。特定の実施形態では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療または予防における以下:
(A):選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(好ましくはタモキシフェンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物);
(B)野生イラクサの根、クリシン、大豆、ターメリック、マカ、フラボノイド、ブドウ種子抽出物の組み合わせに関する。
【0102】
相乗的/協働的な組み合わせ
タモキシフェン(TAM)には、次の2つの作用機序があることが知られている:(1)受容体部位において、17β-エストラジオール(E2)と競合し、組織内でのE2の促進的な役割を遮断する。これは、乳管の発達が著しく損なわれているエストロゲン受容体ノックアウトマウスでの実験によって実証されている。
【0103】
ヒトでは、女性の乳がんにおいてタモキシフェンが主に使用されていることから、臨床データおよび薬理学データの大部分は、この状況に基づいている。タモキシフェンは、通常、乳がん細胞においてエストロゲン受容体アンタゴニストとして作用するが、他の特定の細胞型においては、タモキシフェンは、エストロゲン受容体アゴニストとして作用し得る。タモキシフェンによる細胞成長の調節には、成長因子シグナル伝達の調節、細胞周期機構の制御、およびがん遺伝子の下方調節など、いくつかの機序が提唱されている。タモキシフェンは、エストロゲン受容体の活性を低下させることが示されているが、エストロゲン受容体細胞株に対して抗増殖効果を有しない。I3C(または他のエストロゲン調節因子)は、エストロゲン受容体の状態に関係なく細胞の成長を抑制できるため、これはこの用途にとって重要な特性である。
【0104】
I3Cおよびタモキシフェンによって誘導される成長抑制カスケードの既知の特異な特徴を考慮して、Cover et al.(1999)は、タモキシフェンとI3Cとの組み合わせでは、いずれかの化合物単独よりも効果的な成長抑制応答、CDK2の特異的活性のより厳密な阻害、およびより多くの内因性Rbリン酸化を示すことを実証した。著者らは、エストロゲン反応性乳がんをコントロールするための潜在的な組み合わせ療法として、I3Cおよびタモキシフェンを検討することを推奨している。著者らはさらに、I3Cをタモキシフェンと組み合わせることで、この証明された治療法のプラスの効果を利用しながら、タモキシフェン療法の欠点の一部を克服できる可能性があることを示唆した。タモキシフェン耐性を回避するために提唱されている方法のうちの2つは、タモキシフェンの低用量および/またはパルス投与である。この点に関して、この著者らの結果は、低用量のタモキシフェンおよびI3Cが、個別に添加した高用量のいずれかの剤と同程度にMCF-7細胞成長およびCDK2特異的活性を阻害することを示した。原理的には、この応答は、高用量のタモキシフェンの持続投与に対する獲得薬物耐性を回避するために利用できる可能性がある。あるいは、患者は、I3C治療を受けている間にタモキシフェンの断続的なパルスを受けることも考えられる。I3Cは、げっ歯類における自然発生的および発がん物質誘導性の両方の乳腫瘍の形成を、明らかな副作用なく減少させることが示されている。I3Cを摂取したヒト対象も、副作用は有さなかった。
【0105】
上述のとおり、エストロゲン調節因子(B)は、SERMおよび/またはAI(A)への異なる生化学的経路を介してエストロゲン産生に影響を与え得る。
【0106】
実際、タモキシフェンおよびI3Cは、異なる作用機序を介してエストロゲン経路に作用するため、女性化乳房/乳房痛に対する作用において協働的である(表1を参照されたい)。
【0107】
【0108】
驚くべきことに、本発明者は、成分(A)と(B)との組み合わせが女性化乳房および/または乳房痛の治療において好ましい結果をもたらすことを見出した。
【0109】
製剤
本発明の成分/化合物(A)および(B)は、好ましくは薬学的に許容される組成物として製剤化される。本発明の組成物に関連して使用される「薬学的に許容される」という語句は、生理学的に許容され、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与された場合に典型的には好ましくない反応を生じない、そのような組成物の分子実体および他の成分を指す。好ましくは、本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、連邦政府または州政府の規制当局によって承認されているか、米国薬局方または哺乳動物、特にヒトで使用するための他の一般に認められた薬局方でリストに掲載されていることを意味する。
【0110】
本発明の成分/化合物(A)および(B)は、塩、溶媒和物、水和プロドラッグまたはエステルの形態、特に塩の形態で投与できることが理解されるであろう。本発明は、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)、またはエストロゲン調節因子(B)、特にその薬学的に許容される塩かにかかわらず、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩、エステル、溶媒和物、またはプロドラッグも提供する。以下では、好適な塩、溶媒和物、プロドラッグ、またはエステルの形態について論じる。典型的には、薬学的に許容される塩は、所望の酸を使用することによって、容易に調製され得る。
【0111】
本発明の成分/化合物は、塩、溶媒和物、水和プロドラッグまたはエステルの形態、特に塩の形態で投与することができる。一般に、薬学的に許容される塩は、所望の酸を使用することによって、容易に調製され得る。塩は溶液から沈殿し、濾過によって収集するか、または溶媒の蒸発によって回収され得る。例えば、塩酸などの酸の水溶液を化合物の水性懸濁液に添加し、得られた混合物を蒸発乾固(凍結乾燥)して、酸付加塩を固体として得ることができる。あるいは、本発明の化合物を好適な溶媒、例えばイソプロパノールなどのアルコールに溶解してもよく、酸を同じ溶媒または別の好適な溶媒に加えてもよい。次いで、得られた酸付加塩を直接沈殿させるか、またはジイソプロピルエーテルまたはヘキサンなどの低極性溶媒を添加することによって沈殿させ、濾過によって単離することができる。
【0112】
好適な付加塩は、非毒性の塩を形成する無機酸または有機酸から形成され、例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、オキサロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、アルキルまたはアリールスルホン酸塩(例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩)、およびイセチオン酸塩である。代表的な例としては、トリフルオロ酢酸塩およびギ酸塩、例えばビスまたはトリトリフルオロ酢酸塩およびモノギ酸塩またはジギ酸塩、特にトリトリフルオロ酢酸塩またはビストリフルオロ酢酸塩およびモノギ酸塩が挙げられる。タモキシフェンの特に好ましい塩は、そのクエン酸塩である。したがって、特定の実施形態では、タモキシフェンが存在する場合、タモキシフェンはクエン酸タモキシフェンとして投与される。
【0113】
有機化学の当業者は、多くの有機化合物が、それらが反応する溶媒、またはそれらが沈殿または結晶化する溶媒と複合体を形成できることを理解するであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。化合物/成分(A)および(B)の塩は、溶媒和物(例えば水和物)を形成してもよく、本発明は、そのような溶媒和物もすべて含む。
【0114】
本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、身体内で、例えば血液中での加水分解によって、医学的効果を有する活性形態に変換される化合物を意味する。
【0115】
特定の実施形態では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療における以下:
(A):選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(好ましくはタモキシフェンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物)を含む医薬組成物と;
(B)エストロゲン調節因子を含む医薬組成物であって、上記エストロゲン調節因子が、上記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、医薬組成物と;
の組み合わせに関する。
【0116】
本発明の方法で使用するために、本発明の化合物(例えば、SERM/AI(A)またはエストロゲン調節因子(B))をバルク物質として投与することも可能であるが、医薬製剤中に有効成分が存在することが好ましく、例えば、剤は、意図された投与経路および標準的な製薬慣行に関して選択された薬学的に許容される賦形剤または担体と混合されている。したがって、女性化乳房および/または乳房痛の治療または予防における使用に関する議論はすべて、本発明の製剤にも適用される。したがって、特定の実施形態では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療に使用するための、(A)および(B)ならびに少なくとも1つの賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0117】
特定の実施形態では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するための、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤を含む医薬組成物(A)を提供し、
ここで、本方法は、上記医薬組成物(A)と、
(B)エストロゲン調節因子を含む医薬組成物(B)であって、上記エストロゲン調節因子が、上記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、医薬組成物と、を組み合わせて投与することを含む。
【0118】
このような考慮事項は、本発明の使用(複数可)、方法などのための他のすべての化合物/組成物に適用される。
【0119】
「賦形剤」という用語は、活性化合物が一緒に投与される希釈剤、担体、および/またはビヒクルを指す。本明細書で論じられる任意の医薬組成物(成分(A)または(B)のいずれについても)は、複数の賦形剤または担体の組み合わせを含有し得る。このような医薬賦形剤または担体は、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、グリセロール水溶液などの滅菌液体、および油、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ごま油などの石油、動物、植物または合成起源の油などであり得る。水、または生理食塩水水溶液、デキストロースおよびグリセロール水溶液は、好ましくは、特に注射用溶液の担体として使用される。好適な医薬担体は、EWの「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(E.W.Martin,18th Edition)に記載されている。薬学的担体の選択は、意図される投与経路および標準的な薬務慣行を考慮して選択することができる。医薬組成物は、賦形剤に加えて、任意の好適な結合剤(複数可)、滑剤(複数可)、懸濁剤(複数可)、コーティング剤(複数可)、および/または可溶化剤(複数可)を含んでもよい。本発明にとって特に好ましい担体は、即時放出、すなわち、60分以下などの短期間にわたる有効成分の大部分またはすべての放出に好適であり、薬物の迅速な吸収を可能にする担体である。
【0120】
本発明に従って使用するための医薬組成物((A)または(B)のいずれであっても)は、経口、非経口、経皮、吸入、頬側、局所、インプラント、経鼻、または経腸の投与形態、(または他の粘膜投与される)懸濁液、カプセルまたは錠剤、ゲル、液体調製物、皮膚パッチ、注射および注入であってもよいことが理解されるであろう。これらは、1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を使用して、従来の方法で製剤化され得る。好ましくは、本発明中における成分(A)および(B)は両方とも、カプセルまたは錠剤の形態で投与される。さらなる実施形態では、成分(A)および/または(B)は、局所製剤(例えば、クリーム、皮膚パッチ、ゲルなど)として投与される。
【0121】
また、バイオアベイラビリティを改善するために修飾されている、またはエストロゲンに対する同様の作用様式を有するが、バイオアベイラビリティ、持続時間、有効性、毒性または耐性効果が異なる媒体(例えば、ゲルと錠剤)中で送達される重要な有効成分も考慮される。
【0122】
異なる送達系に応じて、異なる組成物/製剤要件であり得る。同様に、組成物が、複数の活性構成成分を含む場合、それらの構成成分は、同じまたは異なる経路によって投与され得る。
【0123】
本発明の医薬製剤は、経口、粘膜および/または非経口投与に好適である液体、例えば、すぐに使用できるまたはフリーズドライ製品の希釈によって調製される滴剤、シロップ、溶液、注射用溶液であってよいが、好ましくは錠剤、カプセル、顆粒、粉末、ペレット、ペッサリー、座薬、クリーム、軟膏、ゲル、軟膏などの固体または半固体であるか、または、溶液、懸濁液、乳濁液、または経皮経路もしくは吸入による投与に好適である他の形態であり得る。
【0124】
タモキシフェンは主に2つの形態:1日1回服用する丸薬(商品名:Nolvadex)または液体形態(商品名:Soltamox)で入手可能である。したがって、特定の実施形態では、成分(A)(すなわち、SERMおよび/またはAI)は、丸薬/カプセル/錠剤として、または液体(すなわち、溶液/懸濁液)として投与される。
【0125】
本発明の化合物は、即時放出、遅延放出、修飾放出、持続放出、パルス放出、または制御放出用途のために投与することができる。
【0126】
一態様では、経口組成物は、緩徐放出、遅延放出、または位置決め放出(例えば、腸溶性、特に結腸放出)の錠剤またはカプセルである。この放出プロファイルは、制限なく、胃内の状態には耐性があるが、結腸または消化管の他の部分(ここで、部位は、特定されている)で、内容物を放出するコーティングを使用することによって達成され得る、または、遅延放出は、単に崩壊が緩徐であるコーティングによって達成され得る、または1つ以上の適切なコーティングおよび他の賦形剤を選択することにより、2つ(遅延放出および位置決め放出)のプロファイルを1つの製剤中に組み合わせることができる。このような製剤は、本発明のさらなる特徴を構成する。
【0127】
医薬組成物は、治療有効量の活性物質を、投与方法に応じて異なる形態を有し得る薬学的に許容される担体と混合することによって調製することができる。典型的には、組成物の成分には、結合剤、充填剤、滑剤、着臭剤、染料、甘味料、界面活性剤、防腐剤、安定剤および抗酸化剤のうちの1つ以上が含まれる。本発明の医薬組成物(すなわち、(A)および(B)について)は、0.01~99重量/体積%の活性物質を含有してもよい(例えば、SERMおよび/またはAIを含む医薬組成物は、0.01~99重量%のSERMおよび/またはAIを含むことができ、エストロゲン調節因子を含む医薬組成物は、0.01~99重量%のエストロゲン調節因子を含むことができる)。総治療用量(すなわち、SERM/AI(A)およびエストロゲン調節因子(B)の両方を合わせたもの)は、一般に、約10~2000mg/日、好ましくは約30~1500mg/日である。例えば、50~500mg/日、50~300mg/日、100~200mg/日などの他の範囲を使用してもよい。
【0128】
投与は、1日1回、1日2回、またはそれより多い頻度であってもよく、疾患または障害の維持期には、例えば毎日または1日2回の代わりに、2日または3日に1回など減量してもよい。用量および投与頻度は、当業者に公知の急性期の少なくとも1つまたはより好ましくは2つ以上の臨床徴候の減少または欠如を伴い、寛解期の維持を確認する臨床徴候に依存するであろう。
【0129】
本明細書に記載の化合物を別の医薬品、例えば女性化乳房および/または乳房痛に対する有効性が知られている別の剤と組み合わせて投与することは本発明の範囲内である。ここでの「組み合わせて」とは並列を意味し、他の剤は、本発明の化合物/製剤の投与前、投与中、または投与後に投与してもよい。
【0130】
用途
本発明の成分(A)および(B)は、本発明のすべての態様において、同時に、別々に、または連続的に投与することができ、すなわち、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)は、エストロゲン調節因子(B)と共に、同時に、別々に、または連続的に投与され得る。
【0131】
これは、使用するための組成物/化合物、使用するためのキット、方法、使用などにかかわらず、本発明のすべての実施形態/態様に当てはまる。
【0132】
本発明の成分(A)および(B)は、組み合わせ療法に使用される。概して、組み合わせ療法では、次の2つの成分が利用される:(A)および(B)。成分(ingredient)/成分(component)(A)は、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤であるか、またはそれらを含む。成分(ingredient)/成分(component)(B)は、エストロゲン調節因子であるか、またはエストロゲン調節因子を含み、エストロゲン調節因子は、選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる。ここでの「組み合わせて」とは、並列を意味し;成分(B)は、成分(A)の投与前、投与中、または投与後に投与することができる。成分(B)は、成分(A)と一緒に製剤化してもよく、または別々に製剤化してもよい。特定の実施形態では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛の治療または予防において使用するための、
(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と;
(B)エストロゲン調節因子と、を含む組成物(例えば、医薬組成物/製剤)を提供する。
【0133】
本発明の化合物は、女性化乳房および/または乳房痛に対する既知の有効性を有する他の化合物と組み合わせて使用することができる。
【0134】
本発明は、(A)と(B)との組み合わせ[例えば、(A)および(B)を含むキット、または(A)および(B)を含む組成物)]それ自体にも関する。したがって、特定の実施形態では、本発明は、以下:
(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤と;
(B)エストロゲン調節因子であって、上記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、エストロゲン調節因子と;を含む組成物(例えば、医薬製剤)を提供する。
【0135】
さらなる実施形態において、本発明は、
(A)選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤を含むかまたはそれらからなる第1の組成物と;
(B)エストロゲン調節因子を含むかまたはそれからなる第2の組成物であって、上記エストロゲン調節因子が、上記選択的エストロゲン受容体調節因子とは異なる、第2の組成物と;を含むキット(例えば、医薬品キット部品)を提供する。
【0136】
非治療的使用
本明細書に記載のいかなる使用が非治療的であるとみなされる場合、本発明は、対象、例えばヒト、例えばヒト男性の乳房サイズの縮小における成分(A)および(B)の使用も提供する。ヒト、例えばヒト男性は、成人であっても小児(すなわち、18歳未満)であってもよい。本発明は、本発明の成分(A)および(B)を投与することを含む、ヒト、例えばヒトヒト男性の乳房サイズを縮小する方法も提供する。ここでも、このような投与は、同時、別々に、または連続的であってよい。使用/方法は、非治療的および/または美容的であり得る。
【0137】
女性化乳房および/または乳房痛の治療
本発明の化合物および組み合わせは、女性化乳房および/または乳房痛の治療または予防における使用が提唱されている。「治療する」または「治療」とは、以下のうちの少なくとも1つを意味する:
(i).哺乳動物において発症する疾患の臨床症状の出現を予防または遅らせること;
(ii).疾患を阻害すること、すなわち、疾患の発症もしくはその再発、またはその少なくとも1つの臨床症状もしくは不顕性症状を阻止する、軽減するもしくは遅延させること、または
(iii).疾患の臨床症状または不顕性症状のうちの1つ以上を緩和または軽減させること。
【0138】
典型的には、女性化乳房を治療することとは、女性化乳房の結果として肥大した乳房を有する対象の乳房のサイズを縮小することを指す。通常、乳房痛を治療することとは、ホルモンの不均衡の結果として肥大した乳房を有する患者の乳房の痛みを軽減することを指す。
【0139】
本明細書において乳房痛は、女性化乳房関連の乳房痛を指す場合がある。本発明の化合物および組み合せは、女性化乳房の予防/治療、乳房痛の予防/治療、またはその両方に使用され得る。典型的には、乳房痛の場合、本発明の化合物または組み合わせは、予防とは対照的に治療に使用される。
【0140】
治療を受ける対象者にとっての利益は、統計的に有意であるか、少なくとも患者または医師が認識できるものである。一般に、当業者であれば、いつ「治療」が行われるかを理解することができる。
【0141】
予防という用語は、本明細書で使用される場合、予防的治療、すなわち女性化乳房および/または乳房痛を発症するリスクのある対象を治療することを網羅するために使用される。
【0142】
運動(腕立て伏せなど)が女性化乳房に影響を与えることは知られていないが、胸部領域での筋肉量の増加を助け得る。
【0143】
本発明の化合物または組み合せは、任意の動物対象、特に哺乳動物、より具体的にはヒトまたは疾患のモデルとして用いられる動物(例えば、マウス、サルなど)、好ましくはヒト、好ましくは男性ヒトに使用することができる。ヒトは、女性(トランスジェンダー女性を含む)であってもよい。ヒトは、成人であっても、小児(すなわち18歳未満)でもよい。
【0144】
「有効用量」とは、状況、障害、または状態を治療するために動物に投与した場合に、そのような治療を達成するのに十分な化合物の量を意味する。「有効用量」は、化合物、障害/疾患の重症度、治療を請ける対象の年齢、体重、身体状態、応答性に応じて異なり、最終的には担当医師の裁量となる。
【0145】
本発明のすべての態様または実施形態(使用するための化合物、使用、方法など)において、以下の成分の組み合わせが非常に好ましい:
(A)タモキシフェン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物;および
(B)インドール-3-カルビノール(I3C)および/または3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物。
【0146】
このため、特定の実施形態では、本発明は、女性化乳房および/または乳房痛を予防または治療する方法において使用するためのタモキシフェン、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、ここで、本方法は、タモキシフェン(またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物)をインドール-3-カルビノール(I3C)および/または3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物と組み合わせて投与することを含む。
【0147】
臨床試験データは、10mgまたは20mgのタモキシフェン(TAM)の毎日の投与が、女性化乳房および/または乳房痛の治療に有望であることを示している。これらの1日の投与量は、SERMおよび/またはAIの典型的な実施形態を表す。治療期間は、典型的には、3~9ヶ月である。
【0148】
I3Cは、典型的には、毎日の食品サプリメントとして、1日あたり100mg/日~500mg/日の範囲で摂取される。DIMは、典型的には、毎日のサプリメントとして、100mg/日~1000mg/日の範囲で摂取される。初期段階の臨床試験における治療用量は、毎日のサプリメントレジメンの一部として投与される2~3倍である。したがって、I3Cの好適な1日投与量は、100mg~1500mg/日である。したがって、DIMの好適な投与量範囲は、100mg~3000mg/日である。
【0149】
特定の実施形態では、選択的エストロゲン受容体調節因子および/またはアロマターゼ阻害剤(A)は、1~1000mg/日、好ましくは1~100mg/日、好ましくは1~50mg/日、好ましくは5~50mg/日、好ましくは10~40mg/日の投与量で投与される。(A)の特に好適な投与量範囲は、1~20mg/日である。
【0150】
特定の実施形態では、エストロゲン調節因子(B)は、1~5000mg/日、好ましくは1~2500mg/日、好ましくは1~1000mg/日、好ましくは50~750mg/日、好ましくは100~400mg/日の投与量で投与される。
【0151】
2つ以上のエストロゲン調節因子(B)が存在する場合、上記の投与量は、組み合わせた用量を指す。成分(A)として、SERMおよびAIの両方が存在する場合、または2つ以上のSERMが存在する場合も同様である。
【0152】
したがって、以下の治療プロトコルでは、例えば1~12ヶ月にわたって、例えば3、6または9ヶ月にわたって、それぞれ別々のまたは組み合わせた錠剤形態で、1日1回または2回摂取され、このプロトコルは、本発明にとって特に興味深いと考えられ、これらの特定の実施形態を以下に示す:
1)TAM10mg+I3C 200mg、
2)TAM10mg+I3C 100mg+DIM 100mg、
3)TAM10mg+DIM 200mg、
4)TAM20mg+DIM 200mg、
5)TAM20mg+I3C 200mg+DIM 200mg、
6)TAM20mg+I3C 500mg+DIM 500mg、
7)TAM20mg+DIM 1000mg、
8)TAM20mg+DIM 1000mg+I3C 500mg、
9)TAM20mg+I3C 500mg、
10)TAM5mg+I3C 200mg、
11)TAM5mg+I3C 400mg、
12)TAM5mg+I3C 500mg、
13)TAM5mg+I3C 1000mg、
14)TAM2mg+I3C 200mg、
15)TAM2mg+I3C 400mg、
16)TAM2mg+I3C 500mg、
17)TAM2mg+I3C 1000mg、
18)TAM1mg+I3C 200mg、
19)TAM1mg+I3C 400mg、
20)TAM1mg+I3C 500mg、
21)TAM1mg+I3C 1000mg。
【0153】
上記の値の+/-50%以内の投与量による治療プロトコルが本明細書で考慮され、また本発明の特定の実施形態を形成する。投与量TAM 5mg+I3C 200mgが特に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【
図1】生物学的に活性なI3Cオリゴマーを生成するためのインドール-3-カルビノール(I3C)(ii)3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、(iii)5,6,11,12,17,18-ヘキサヒドロシクロノナール[1,2-b:4,5-b’:7,8-b’’]トリインドール(CT)および(iv)5,11-ジヒドロインドロ-[3,2-b]カルバゾール(ICZ)の酸触媒による縮合を示す。
【
図2】インドール-3-カルビノール(I3C)とDIM3,3’-ジインドリルメタン(DIM)の抗エストロゲン作用を示す(AhR=炭化水素受容体;CYP=シトクロムP450、ERα=エストロゲン受容体アルファ、ESR1=ERαをコードする遺伝子)[参考文献7]。
【
図3】1日量5mgのタモキシフェンと別の錠剤200mg I3Cによる治療の1週目の写真を示す。
【
図4】1日量5mgのタモキシフェンと別の錠剤200mg I3Cによる治療の2週目の写真を示す。
【
図5】1日量5mgのタモキシフェンと別の錠剤200mg I3Cによる治療の3週目の写真を示す。
【
図6】1日量5mgのタモキシフェンと別の錠剤200mg I3Cによる治療の4週目の写真を示す。
【
図7】1日量5mgのタモキシフェンと別の錠剤200mg I3Cによる治療の5週目の写真を示す。
【
図8】1日量5mgのタモキシフェンと別の錠剤200mg I3Cによる治療の10週目の写真を示す。
【
図9】1日量5mgのタモキシフェンと別の錠剤200mg I3Cによる治療の11週目の写真を示す。
【
図10】1日量5mgのタモキシフェンと別の錠剤200mg I3Cによる治療の12週目の写真を示す。
【0155】
実施例
概論:
女性化乳房を有する男性対象に、タモキシフェンとI3Cとを組み合わせて投与した。症例試験の目的は、組み合わせによるあらゆる有害な効果とプラスの有効性を評価することであった。
【0156】
方法:
(I)3ヶ月間にわたり、対象は、1日量5mgのタモキシフェンを、朝食前の朝に別の錠剤200mg I3Cと共に摂取した。このレジメンを3ヶ月間継続した。また、対象は、プログラム終了までに、腕立て伏せ運動を1日5回から1日30回に増加させた。
【0157】
乳房サイズの縮小は、実験期間中に撮影された写真によって明らかである。乳房痛は報告されなかった。3ヶ月間にわたる写真記録(12週目まで)を
図3~10に示す。乳房の縮小により示される女性化乳房の改善の兆候は、3週間後に始まり、治療期間中に増大した。治療による顕著な副作用はなかった。実際に、タモキシフェンおよびI3Cは、頭痛、悪心、嘔吐、体重増加、陰萎、性欲喪失を引き起こすことが知られている。驚くべきことに、併用治療にもかかわらず、対象は、治験に伴う副作用もなく有効性を経験した。
【0158】
(I)3ヶ月間にわたり、対象は、1日量20mgのタモキシフェンを、朝食前の朝に別の錠剤200mg I3Cと共に摂取した。このレジメンを3ヶ月間継続した。また、対象は、プログラム終了までに、腕立て伏せ運動を1日5回から1日30回に増加させた。
【0159】
参考文献
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【国際調査報告】