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特表2024-524491健康緊急事態をユーザに警告する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】健康緊急事態をユーザに警告する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240628BHJP
   A61B 5/308 20210101ALI20240628BHJP
   A61B 5/358 20210101ALI20240628BHJP
   A61B 5/364 20210101ALI20240628BHJP
   A61B 5/021 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/308
A61B5/00 N
A61B5/358
A61B5/364
A61B5/021
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581031
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022035479
(87)【国際公開番号】W WO2023278544
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/216,512
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524003529
【氏名又は名称】エカス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ダンド, アマール
(72)【発明者】
【氏名】マラー, ジェイムズ イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーシュニー, アヌボド エス.
(72)【発明者】
【氏名】ユーン, ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】シロブルシッチ, ジョスコ
【テーマコード(参考)】
4C017
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA19
4C117XA04
4C117XA05
4C117XB04
4C117XC11
4C117XE06
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE23
4C117XE56
4C117XE57
4C117XJ12
4C117XJ45
4C127AA02
4C127BB03
4C127GG16
4C127HH06
(57)【要約】
本開示は、ユーザについての健康緊急事態の尤度に対してユーザに警告する方法及びシステムを提供する。方法は、ユーザが心臓系緊急事態及び/または神経系緊急事態などの健康緊急事態を経験していることの尤度に対応する1つ以上の確率的測定値を判定するように、ユーザについての現在の健康データをユーザについての患者履歴データと比較することを含み得る。確率的測定値(複数可)が閾値を超える場合、方法は、聴覚的通知及び/またはグラフィカル通知などの通知を出力することと、緊急事態医療サービスを自動で警告することと(例えば、呼び出す)、またはその両方と、を含み得る。方法は、アプリケーションまたはウェブページを開くことによって、1つ以上の症状の発症においてユーザによって開始され得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザについての健康緊急事態の尤度に対して前記ユーザに警告する方法であって、
コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)のプロセッサによって、前記ユーザについての患者履歴データを受信することと、
前記プロセッサによって、前記ユーザから現在の健康データを受信することと、
前記プロセッサによって、少なくとも部分的に、前記現在の健康データを前記患者履歴データと比較することによって、1つ以上の確率的測定値を判定することであって、前記1つ以上の確率的測定値は、健康緊急事態(例えば、心臓系緊急事態、例えば、心臓発作、及び/または神経系緊急事態、例えば、脳卒中)の尤度に対応する、前記判定することと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値の少なくとも一部が閾値を超えると判定することと、
前記プロセッサによって、前記ユーザへの通知(例えば、グラフィカル通知、聴覚的通知、またはその両方)を出力することであって、(例えば、前記通知は、前記1つ以上の確率的測定値の前記少なくとも一部の値を示し、)(例えば、前記通知は、健康緊急事態の尤度を示し、及び/または緊急事態サービスプロバイダに連絡するように前記ユーザに命令する)、前記出力することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値の少なくとも一部が閾値を超えると判定することと、
前記プロセッサによって、前記ユーザについての医療緊急事態をリモート緊急事態サービスプロバイダに知らせるように(例えば、911を自動で呼び出す)、前記プロバイダに自動で通知することと(例えば、呼び出す)、
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記プロセッサによって、前記リモート緊急事態サービスプロバイダに、前記現在の健康データの少なくとも一部及び/または前記1つ以上の確率的測定値の少なくとも一部を送信することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記患者履歴データを受信することは、前記プロセッサによって、前記ユーザによって提供される入力(例えば、グラフィカルユーザインタフェースへの)から前記患者履歴データの少なくとも一部を受信することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記患者履歴データを受信することは、前記プロセッサによって、電子医療記録データベースから前記患者履歴データの少なくとも一部を受信することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記現在の健康データを受信することは、前記プロセッサによって、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上のウェアラブル及び/または1つ以上のスマートパッチに統合された)から入力データを受信することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記現在の健康データを受信することは、前記プロセッサによって、前記ユーザによって手動で提供される入力(例えば、グラフィカルユーザインタフェースへの)から前記現在の健康データの少なくとも一部を受信することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記患者履歴データ及び前記現在の健康データは両方、1つ以上の生命兆候、神経系状態、心電図、または1つ以上の他の心血管系パラメータに対応するデータを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記プロセッサによって、或る期間内に1つ以上の確率的測定値が行われていなかったと判定することと、
前記プロセッサによって、グラフィカルユーザインタフェースにより、前記ユーザが追加の現在の健康データを入力することを要求することと、
を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記プロセッサによって、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上のウェアラブル及び/または1つ以上のスマートパッチに統合された)及び/または前記ユーザによって手動で提供される入力(例えば、グラフィカルユーザインタフェースへの)から、前記追加の現在の健康データ(例えば、1つ以上の生命兆候、神経系状態、心電図、または1つ以上の他の心血管系パラメータに対応する)を受信することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサによって、前記1つ以上の関心の症状のユーザから入力を受信することと、
前記プロセッサによって、前記1つ以上の症状が潜在的な健康緊急事態を示すと判定することと、
前記プロセッサによって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースによって)、前記1つ以上の関心の症状に対応する前記入力に基づいて、前記現在の健康データを要求することと、
を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記現在の健康データを要求することは、前記プロセッサによって、前記現在の健康データの少なくとも一部を獲得するために1つ以上のセンサを使用することを前記ユーザに要求する通知を前記ユーザに提供することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記健康緊急事態は、心臓系イベント(例えば、心臓発作)及び/または神経系イベント(例えば、脳卒中)、及び/または他の関連する医療状況(例えば、肺塞栓症)である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記患者履歴データは、1つ以上の以前の心臓系症状(例えば、胸の痛み)の強度、持続時間、位置、及びパターンのうちの1つ以上またはベースラインを含み、
前記現在の健康データは、1つ以上の現在の心臓系症状の強度、持続時間、及び位置の1つ以上を含み、
前記現在の健康データを前記患者履歴データと比較することは、
前記1つ以上の現在の心臓系症状の強度を前記1つ以上の以前の心臓系症状の強度もしくはベースラインと比較すること、
前記1つ以上の現在の心臓系症状の持続時間を前記1つ以上の以前の心臓系症状の持続時間もしくはベースラインと比較すること、
前記1つ以上の現在の心臓系症状の位置を前記1つ以上の以前の心臓系症状の位置もしくはベースラインと比較すること、
前記1つ以上の現在の心臓系症状のパターンを前記1つ以上の以前の心臓系症状のパターンもしくはベースラインと比較すること、または
それらの組み合わせ、
を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記プロセッサによって、前記1つ以上の関心の症状のユーザから入力を受信することと、
前記プロセッサによって、前記1つ以上の関心の症状を心臓系緊急事態の1つ以上の症状と一致させることと、
前記プロセッサによって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースによって)、前記一致させることに基づいて、前記現在の健康データを要求することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサによって、前記患者履歴データが対応する心臓系健康状態よりも良好でない心臓系健康状態に前記現在の健康データが対応すると判定することと、
前記判定に応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの前記1つ以上をインクリメントすること)と、
を含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記患者履歴データは、1つ以上のベースライン心臓系身体的兆候(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含み、
前記現在の健康データは、1つ以上の現在の心臓系身体的兆候(例えば、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される)(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含み、
前記現在の健康データを前記患者履歴データと比較することは、前記1つ以上の現在の心臓系身体的兆候を前記1つ以上のベースライン心臓系身体的兆候と比較することを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記プロセッサによって、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサから前記1つ以上の現在の身体的兆候を受信することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上の現在の心臓系身体的兆候を前記1つ以上の心臓系ベースライン身体的兆候と比較することは、前記プロセッサによって、(i)前記現在の健康データにおける新たな異常、(ii)前記現在の健康データにおける持続的に異常な身体的兆候、または(iii)(i)及び(ii)の両方、の存在を判定することを含み、
前記方法は、前記(i)、(ii)、または(iii)の存在を判定したことに応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの前記1つ以上をインクリメントすること)を含む、
請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記プロセッサによって、前記(ii)または(iii)の存在を判定することと、前記判定に応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の現在の心臓系身体的兆候のうちの1つ以上を含む追加の現在の健康データを要求することと、を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記現在の健康データは、現在の心電図(例えば、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される)の少なくとも一部を含み、
前記患者履歴データは、ベースライン心電図の少なくとも一部を含み、
前記現在の健康データを前記患者履歴データと比較することは、前記現在の心電図の前記少なくとも一部を前記ベースライン心電図の前記少なくとも一部と比較することを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記プロセッサによって、前記ベースライン心電図の前記少なくとも一部と比較される前記現在の心電図の前記少なくとも一部が心臓系緊急事態(例えば、少なくとも2つの連続するリードにおけるSTセグメント上昇)についてのパターンと一致すると判定することと、
前記判定に応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの前記1つ以上をインクリメントすること)と、
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上の確率的測定値を判定することは、前記現在の健康データにおける1つ以上の心臓系症状、1つ以上の身体的兆候、心電図、またはそれらの組み合わせを前記患者履歴データにおける対応する1つ(複数可)と比較することに基づいて、心臓系緊急事態を示す1つ以上のスコアを合計することを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記プロセッサによって、前記1つ以上の合計スコアが1つ以上の閾値を超えると判定することと、
前記プロセッサによって、前記ユーザに(例えば、グラフィカルに及び/または聴覚的に)及び/またはリモート緊急事態サービスプロバイダに自動で通知することと、
を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記患者履歴データは、1つ以上の以前の神経系症状(例えば、不明瞭な発語、バランス問題、右半身筋力低下)の強度、持続時間、位置、及びパターンのうちの1つ以上またはベースラインを含み、
前記現在の健康データは、1つ以上の現在の神経系症状の強度、持続時間、及び位置の1つ以上を含み、
前記現在の健康データを前記患者履歴データと比較することは、
前記1つ以上の現在の神経系症状の強度を前記1つ以上の以前の神経系症状の強度もしくはベースラインと比較すること、
前記1つ以上の現在の神経系症状の持続時間を前記1つ以上の以前の神経系症状の持続時間もしくはベースラインと比較すること、
前記1つ以上の現在の神経系症状の位置を前記1つ以上の以前の神経系症状の位置もしくはベースラインと比較すること、または
それらの組み合わせ、
を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記プロセッサによって、前記1つ以上の関心の症状のユーザから入力を受信することと、
前記プロセッサによって、前記1つ以上の関心の症状を神経系緊急事態の1つ以上の症状と一致させることと、
前記プロセッサによって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースによって)、前記一致させることに基づいて、前記現在の健康データを要求することと、
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記プロセッサによって、前記患者履歴データが対応する神経系健康状態よりも良好でない神経系健康状態に前記現在の健康データが対応すると判定することと、
前記判定に応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの前記1つ以上をインクリメントすること)と、
を含む、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記患者履歴データは、1つ以上のベースライン神経系身体的兆候(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含み、
前記現在の健康データは、1つ以上の現在の神経系身体的兆候(例えば、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成)))を含み、
前記現在の健康データを前記患者履歴データと比較することは、前記1つ以上の現在の神経系身体的兆候を前記1つ以上のベースライン神経系身体的兆候と比較することを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記プロセッサによって、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサから前記1つ以上の現在の神経系身体的兆候を受信することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上の現在の神経系身体的兆候を前記1つ以上のベースライン神経系身体的兆候と比較することは、前記プロセッサによって、(i)前記現在の健康データにおける新たな異常、(ii)前記現在の健康データにおける持続的に異常な身体的兆候、または(iii)(i)及び(ii)の両方、の存在を判定することを含み、
前記方法は、前記(i)、(ii)、または(iii)の存在を判定したことに応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの前記1つ以上をインクリメントすること)を含む、
請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
前記プロセッサによって、前記(ii)または(iii)の存在を判定することと、前記判定に応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の現在の神経系身体的兆候のうちの1つ以上を含む追加の現在の健康データを要求することと、を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記現在の健康データは、現在の心電図(例えば、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される)の少なくとも一部を含み、
前記患者履歴データは、ベースライン心電図の少なくとも一部を含み、
前記現在の健康データを前記患者履歴データと比較することは、前記現在の心電図の前記少なくとも一部を前記ベースライン心電図の前記少なくとも一部と比較することを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記プロセッサによって、前記現在の心電図の前記少なくとも一部が、前記ベースライン心電図の前記少なくとも一部と比較される新たな不整脈を含むと判定することと、
前記判定に応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの前記1つ以上をインクリメントすること)と、
を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記患者履歴データは、現在の神経系検査を含み、前記現在の健康データは、ベースライン神経系検査を含み、
前記現在の健康データを前記患者履歴データと比較することは、前記現在の神経系検査を前記ベースライン神経系検査と比較することを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記現在の神経系検査を前記ベースライン神経系検査と比較することは、前記プロセッサによって、前記現在の神経系検査が、神経系緊急事態(例えば、新たな言語障害及び右半身筋力低下)に一致する前記ベースライン神経系検査からの変化を含むと判定することを含み、
前記方法は、前記神経系緊急事態に一致する前記変化を判定したことに応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの前記1つ以上をインクリメントすること)を含む、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記1つ以上の確率的測定値を判定することは、前記現在の健康データにおける1つ以上の神経系症状、1つ以上の身体的兆候、心電図、またはそれらの組み合わせを前記患者履歴データにおける対応する1つ(複数可)と比較することに基づいて、神経系緊急事態を示す1つ以上のスコアを合計することを含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記プロセッサによって、前記1つ以上の合計スコアが1つ以上の閾値を超えると判定することと、
前記プロセッサによって、前記ユーザに(例えば、グラフィカルに及び/または聴覚的に)及び/またはリモート緊急事態サービスプロバイダに自動で通知することと、
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記プロセッサによって、少なくとも部分的に、前記現在の健康データを1つ以上の独立したベースライン基準に一致させることによって、前記1つ以上の確率的測定値を判定することを更に含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記1つ以上の独立したベースライン基準は、1つ以上の高リスク症状、1つ以上の高リスク身体的兆候、または高リスク心電図を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記プロセッサによって、前記患者履歴データとは独立した前記1つ以上の独立したベースライン基準に一致させることに基づいて、前記1つ以上の確率的測定値を改変することを含む、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記1つ以上の確率的測定値は、健康緊急事態についての予め定められたリスクスコア(例えば、心臓系リスクスコア及び/または神経系リスクスコア)を使用して判定される、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記患者履歴データは、1つ以上のベースライン身体的兆候(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含み、
前記現在の健康データは、1つ以上の現在の身体的兆候(例えば、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される)(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含み、
前記現在の健康データを前記患者履歴データと比較することは、前記1つ以上の現在の身体的兆候を前記1つ以上のベースライン身体的兆候と比較することを含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記プロセッサによって、前記プロセッサと通信する1つ以上のセンサから前記1つ以上の現在の身体的兆候を受信することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記1つ以上の現在の身体的兆候を前記1つ以上のベースライン身体的兆候と比較することは、前記プロセッサによって、(i)前記現在の健康データにおける新たな異常、(ii)前記現在の健康データにおける持続的に異常な身体的兆候、または(iii)(i)及び(ii)の両方、の存在を判定することを含み、
前記方法は、前記(i)、(ii)、または(iii)の存在を判定したことに応答して、前記プロセッサによって、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、前記1つ以上の確率的測定値のうちの前記1つ以上をインクリメントすること)を含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記プロセッサによって、1つ以上のトリガ及び/または1つ以上の客観的基準に対応する入力を受信することと、
前記プロセッサによって、前記入力から、前記1つ以上のトリガ及び/または前記1つ以上の客観的基準が存在すると判定することであって、(例えば、前記入力は、1つ以上の肯定的応答に対応する)、前記判定することと、
前記プロセッサによって、前記1つ以上のトリガ及び/または1つ以上の客観的基準に対応する前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記1つ以上の確率的測定値を判定すること(例えば、前記入力に起因して前記1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上をより多くインクリメントすること)と、
を含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記プロセッサによって、前記1つ以上の関心の症状のユーザから入力を受信することと、
前記プロセッサによって、前記現在の健康データ(及び任意選択で、前記患者履歴データ)が前記1つ以上の関心の症状について不完全であると判定することと、
を含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記現在の健康データが不完全であると判定すると、前記プロセッサによって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースによって)、追加の現在の健康データを要求することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記プロセッサによって、前記追加の現在の健康データを受信することを含み、
前記追加の現在の健康データは、現在の健康データとは異なるタイプの測定に対応する、請求項47または48に記載の方法。
【請求項50】
前記追加の現在の健康データは、1つ以上の第2のセンサからであり、
前記現在の健康データは、前記1つ以上の第2のセンサとは異なる1つ以上の第1のセンサ(例えば、1つ以上の異なるウェアラブル及び/または1つ以上の異なるスマートパッチ内の)からである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記追加の現在の健康データは、1つ以上のスマートパッチから受信され、前記現在の健康データは、1つ以上のウェアラブルから受信され、または
前記追加の現在の健康データは、1つ以上のウェアラブルから受信され、前記現在の健康データは、1つ以上のスマートパッチから受信される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
プロセッサ及びメモリを含むシステムであって、前記メモリは記憶された命令を含み、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法を実行させる、前記システム。
【請求項53】
前記プロセッサ及び前記メモリは、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータに備えられる、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
ユーザが健康緊急事態を経験していることがあるとき、前記ユーザから健康データを獲得するスマート第1エイドキットであって、
前記ユーザに装着するようなサイズにされかつ形状付けられ、第1の健康データを獲得し、コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)に前記第1の健康データを送信する(例えば、無線で)ように動作可能な1つ以上のウェアラブルと、
前記ユーザの皮膚に一時的に取り付けられるようなサイズにされかつ形状付けられ、第2の健康データを獲得し、コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)に前記第2の健康データを送信する(例えば、無線で)ように動作可能な1つ以上のスマートパッチと、
を備えた、前記スマート第1エイドキット。
【請求項55】
前記1つ以上のウェアラブルは、リストバンド、シャツ、(例えば、統合された電極を有する)、またはその両方を含む、請求項54に記載のスマート第1エイドキット。
【請求項56】
前記1つ以上のウェアラブルは、前記リストバンドを含み、
前記リストバンドは、血圧モジュール、脈拍モジュール、酸素飽和度モジュール、発汗モニタモジュール(例えば、発汗速度モニタモジュール)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項55に記載のスマート第1エイドキット。
【請求項57】
前記1つ以上のスマートパッチは、2つのリストパッチ、アンクルパッチ、及びチェスト(例えば、ニップル)パッチを含む、請求項54~56のいずれか一項に記載のスマート第1エイドキット。
【請求項58】
前記1つ以上のスマートパッチは、心電図データまたは発汗存在データを獲得するように共に動作可能である複数のスマートパッチを含む、請求項54~57のいずれか一項に記載のスマート第1エイドキット。
【請求項59】
(i)前記1つ以上のスマートパッチは、前記心電図データからSTセグメント(複数可)、心調律、もしくは脈拍変動を分析し、または前記発汗存在データから発汗の存在を分析するように動作可能であり、あるいは
(ii)前記1つ以上のスマートパッチは、前記1つ以上のウェアラブルにデータを送信する(例えば、無線で)ように動作可能であり、前記1つ以上のウェアラブルは、前記心電図データからSTセグメント(複数可)、心調律、もしくは脈拍変動を分析し、または前記発汗存在データから発汗の存在を分析するように動作可能である、
請求項58に記載のスマート第1エイドキット。
【請求項60】
ユーザが健康緊急事態を経験している可能性があるとき、前記ユーザから健康データを獲得する方法であって、
コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)のプロセッサによって、1つ以上のスマートパッチを使用して健康データを獲得する通知を提供する(例えば、グラフィカルにまたは聴覚的に)ことと、
前記プロセッサによって、前記ユーザの両方の手首、左足首、及び左乳腺に配置された複数のスマートパッチから健康データを受信することであって、前記健康データは、心電図データまたは発汗存在データである、前記受信することと、
を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
本出願は、本明細書におけるその全体での参照によって開示が以下に組み込まれる、2021年6月29日に出願された米国仮特許出願第63/216,512号の利益を主張する。
【0002】
本開示は概して、ユーザが医療緊急事態を体験しているかどうかを判定することにおいてユーザを支援する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの医療緊急事態は、医療現場の外で体験されている。すなわち、心筋梗塞または脳卒中などの医療緊急事態は、病院または診療所の外で、人々の日々の生活において人々に対して一般的に発生する。多くの人々は、緊急事態医療サービスが概して改善した健康上の成果と関連付けられるときでさえ、人々が状況の深刻度を確証しないまたは1つ以上の症状によってパニックになることを含む、様々な理由によるそのようなイベントを経験するとき、緊急事態医療支援を求めない。加えて、以前に心臓系緊急事態及び/または神経系緊急事態を体験してきた一部の患者は、患者が後に心臓系緊急事態及び/または神経系緊急事態を経験するとき、緊急事態医療サービスの支援を求める傾向が低い。潜在的な医療緊急事態の間に人々が人々の現在の健康状態を正確に評価することができないことは、緊急事態医療支援を求めることにおいて偽陽性及び偽陰性の両方を生じさせる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、とりわけ、人間についての健康緊急事態の尤度に対して人間に警告することにおいて支援することができる、人間の現在の健康状態に関する追加の情報を提供する方法及びシステムを提供する。健康緊急事態は、高度に時間に影響されやすい場合があり、人間は、人間の現在の健康状態の人間の自身の定性評価に基づいて、緊急事態医療サービスからの支援を求めることを迷ったりまたは望まなかったりすることがあり得る。例えば、人間は、体調が悪いと感じ得るが、人間が支援を求めなければならないと感じる程度ではない場合である。本明細書で開示される方法及びシステムは、人間が健康緊急事態を体験している可能性に対して警告するための、人間の現在の健康状態に関して、より詳細な情報、またはより詳細な情報から導出される概略(例えば、尤度)を人間に提供することができる。いくつかの実施形態では、現在の健康データは、心臓系緊急事態及び/または神経系緊急事態などの健康緊急事態を人間が体験している尤度に対応する、1つ以上の確率的測定値を判定するように、患者履歴データと比較される。これは、最大でも、ユーザが、症状(複数可)の自己説明を入力すること、及びそれらの症状(複数可)に対応し得る可能性のある医療診断を出力することを可能にすることができるにすぎない、症状検査アプリケーションなどの利用可能な代替に対する改善である。健康緊急事態が発生している尤度のいずれかの評価を行う(例えば、1つ以上の確率的測定値によって)ことにおいてユーザの医療履歴を考慮する比較をユーザが行い得るため、本明細書で開示される方法及びシステムは、個々のユーザに対して調整され得る。その上、即時的に評価される(例えば、医師または他の医療専門家の入力を最初に求めること及び取得することなく)、患者履歴、現在観察されている症状、現在の健康データ(例えば、心電図データ、顔及び/または音声認識データ、フィンガタッピングなどの生物測定データ)、並びに1つ以上のトリガなど、異なるタイプの情報の特定の組み合わせは、例えば、緊急事態医療サービスを求めるようにユーザに即時に通知すること、及び/またはユーザの状況に対して緊急事態医療サービスに警告することによって、ユーザが心臓系緊急事態及び/または神経系緊急事態を体験している尤度をより正確に反映し、したがって、ユーザが適切な処置を受ける尤度を高める1つ以上の確率的測定値を判定することにつながることができる。場合によっては心臓系緊急事態及び/または神経系緊急事態を体験するユーザについての1つ以上の確率的測定値を判定するときに異なるタイプの情報を共に組み合わせることによって、偽陽性及び偽陰性を同時に低減させることができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、ユーザについての健康緊急事態の尤度に対してユーザに警告する方法は、コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)のプロセッサによって、ユーザについての患者履歴データを受信することと、プロセッサによって、ユーザから現在の健康データを受信することと、プロセッサによって、少なくとも部分的に、現在の健康データを患者履歴データと比較することによって、1つ以上の確率的測定値を判定することであって、1つ以上の確率的測定値は、健康緊急事態(例えば、心臓系緊急事態、例えば、心臓発作、及び/または神経系緊急事態、例えば、脳卒中)の尤度に対応する、判定することと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、1つ以上の確率的測定値の少なくとも一部が閾値を超えると判定することを含む。その後、通知(例えば、グラフィカル通知、聴覚的通知、またはその両方)は、プロセッサによって、ユーザに出力され得る(例えば、通知は、1つ以上の確率的測定値の少なくとも一部の値を示す)(例えば、通知は、健康緊急事態の尤度を示し、及び/または緊急事態サービスプロバイダに連絡するようにユーザを命令する)。その後、プロセッサは、ユーザについての医療緊急事態をリモート緊急事態サービスプロバイダ(例えば、救急サービス)に知らせるように(例えば、911を自動で呼び出す)、プロバイダに自動で通知し得る(例えば、呼び出す)。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、リモート緊急事態サービスプロバイダに、現在の健康データの少なくとも一部及び/または1つ以上の確率的測定値の少なくとも一部を送信することを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、患者履歴データを受信することは、プロセッサによって、ユーザによって提供される入力(例えば、グラフィカルユーザインタフェースへの)から患者履歴データの少なくとも一部を受信することを含む。いくつかの実施形態では、患者履歴データを受信することは、プロセッサによって、電子医療記録データベースから患者履歴データの少なくとも一部を受信することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、現在の健康データを受信することは、プロセッサによって、プロセッサと通信する1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上のウェアラブル及び/または1つ以上のスマートパッチに統合された)から入力データを受信することを含む。いくつかの実施形態では、現在の健康データを受信することは、プロセッサによって、ユーザによって手動で提供される入力(例えば、グラフィカルユーザインタフェースへの)から現在の健康データの少なくとも一部を受信することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、患者履歴データ及び現在の健康データは両方、1つ以上の生命兆候、神経系状態、心電図、または1つ以上の他の心血管系パラメータに対応するデータを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、或る期間内に1つ以上の確率的測定値が行われていなかったと判定することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、グラフィカルユーザインタフェースにより、ユーザが追加の現在の健康データを入力することを要求することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、プロセッサと通信する1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上のウェアラブル及び/または1つ以上のスマートパッチに統合された)及び/またはユーザによって手動で提供される入力(例えば、グラフィカルユーザインタフェースへの)から、追加の現在の健康データ(例えば、1つ以上の生命兆候、神経系状態、心電図、または1つ以上の他の心血管系パラメータに対応する)を受信することを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、1つ以上の関心の症状のユーザから入力を受信することを含む。方法は、プロセッサによって、1つ以上の症状が潜在的な健康緊急事態を示すと判定することを更に含み得る。方法は、プロセッサによって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースによって)、1つ以上の関心の症状に対応する入力に基づいて、現在の健康データを要求することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、現在の健康データを要求することは、プロセッサによって、現在の健康データの少なくとも一部を獲得するために1つ以上のセンサを使用することをユーザに要求する通知をユーザに提供することを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、健康緊急事態は、心臓系イベント(例えば、心臓発作)及び/または神経系イベント(例えば、脳卒中)、及び/または他の関連する医療状況(例えば、肺塞栓症)である。
【0013】
いくつかの実施形態では、患者履歴データは、1つ以上の以前の心臓系症状(例えば、胸の痛み)の強度、持続時間、位置、及びパターンのうちの1つ以上またはベースラインを含み、現在の健康データは、1つ以上の現在の心臓系症状の強度、持続時間、及び位置の1つ以上を含む。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の心臓系症状の強度を1つ以上の以前の心臓系症状の強度もしくはベースラインと比較することを含み得る。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の心臓系症状の持続時間を1つ以上の以前の心臓系症状の持続時間もしくはベースラインと比較することを含み得る。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の心臓系症状の位置を1つ以上の以前の心臓系症状の位置もしくはベースラインと比較することを含み得る。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の心臓系症状のパターンを1つ以上の以前の心臓系症状のパターンもしくはベースラインと比較することを含み得る。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、先述の比較の組み合わせを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、1つ以上の関心の症状のユーザから入力を受信することを含む。方法は、プロセッサによって、1つ以上の関心の症状を心臓系緊急事態の1つ以上の症状と一致させることを更に含み得る。方法は、プロセッサによって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースによって)、一致させることに基づいて、現在の健康データを要求することを更に含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、患者履歴データが対応する心臓系健康状態よりも良好でない心臓系健康状態に現在の健康データが対応すると判定することを含む。判定に応答して、プロセッサは、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改編し得る(例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上をインクリメントする)。
【0016】
いくつかの実施形態では、患者履歴データは、1つ以上のベースライン心臓系身体的兆候(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含み、現在の健康データは、1つ以上の現在の心臓系身体的兆候(例えば、プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される)(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含む。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の心臓系身体的兆候を1つ以上のベースライン心臓系身体的兆候と比較することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、プロセッサと通信する1つ以上のセンサから1つ以上の現在の身体的兆候を受信することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つ以上の現在の心臓系身体的兆候を1つ以上の心臓系ベースライン身体的兆候と比較することは、プロセッサによって、(i)現在の健康データにおける新たな異常、(ii)現在の健康データにおける持続的に異常な身体的兆候、または(iii)(i)及び(ii)の両方、の存在を判定することを含む。方法は、(i)、(ii)、または(iii)の存在を判定したことに応答して、プロセッサによって、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上をインクリメントすること)を含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、(ii)または(iii)の存在を判定することと、判定に応答して、プロセッサによって、1つ以上の現在の心臓系身体的兆候のうちの1つ以上を含む追加の現在の健康データを要求することと、を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、現在の健康データは、現在の心電図(例えば、プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される)の少なくとも一部を含み、患者履歴データは、ベースライン心電図の少なくとも一部を含む。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、現在の心電図の少なくとも一部をベースライン心電図の少なくとも一部と比較することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、ベースライン心電図の少なくとも一部と比較される現在の心電図の少なくとも一部が心臓系緊急事態(例えば、少なくとも2つの連続するリードにおけるSTセグメント上昇)についてのパターンと一致すると判定することを含み得る。判定に応答して、プロセッサは、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改編し得る(例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上をインクリメントする)。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つ以上の確率的測定値を判定することは、現在の健康データにおける1つ以上の心臓系症状、1つ以上の身体的兆候、心電図、またはそれらの組み合わせを患者履歴データにおける対応する1つ(複数可)と比較することに基づいて、心臓系緊急事態を示す1つ以上のスコアを合計することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、1つ以上の合計スコアが1つ以上の閾値を超えると判定することと、プロセッサによって、ユーザに(例えば、グラフィカルに及び/または聴覚的に)及び/またはリモート緊急事態サービスプロバイダに自動で通知することと、を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、患者履歴データは、1つ以上の以前の神経系症状(例えば、不明瞭な発語、バランス問題、右半身筋力低下)の強度、持続時間、位置、及びパターンのうちの1つ以上またはベースラインを含み、現在の健康データは、1つ以上の現在の神経系症状の強度、持続時間、及び位置の1つ以上を含む。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の神経系症状の強度を1つ以上の以前の神経系症状の強度もしくはベースラインと比較することを含み得る。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の神経系症状の持続時間を1つ以上の以前の神経系症状の持続時間もしくはベースラインと比較することを含み得る。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の神経系症状の位置を1つ以上の以前の神経系症状の位置もしくはベースラインと比較することを含み得る。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、先述の比較の組み合わせを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、1つ以上の関心の症状のユーザから入力を受信することを含む。方法は、プロセッサによって、1つ以上の関心の症状を神経系緊急事態の1つ以上の症状と一致させることを更に含み得る。方法は、プロセッサによって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースによって)、一致させることに基づいて、現在の健康データを要求することを更に含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、患者履歴データが対応する神経系健康状態よりも良好でない神経系健康状態に現在の健康データが対応すると判定することを含む。判定に応答して、プロセッサは、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変し得る(例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上をインクリメントする)。
【0023】
いくつかの実施形態では、患者履歴データは、1つ以上のベースライン神経系身体的兆候(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含み、現在の健康データは、1つ以上の現在の神経系身体的兆候(例えば、プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される)(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含む。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の神経系身体的兆候を1つ以上のベースライン神経系身体的兆候と比較することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、プロセッサと通信する1つ以上のセンサから1つ以上の現在の神経系身体的兆候を受信することを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つ以上の現在の神経系身体的兆候を1つ以上のベースライン神経系身体的兆候と比較することは、プロセッサによって、(i)現在の健康データにおける新たな異常、(ii)現在の健康データにおける持続的に異常な身体的兆候、または(iii)(i)及び(ii)の両方、の存在を判定することを含む。方法は、(i)、(ii)、または(iii)の存在を判定したことに応答して、プロセッサによって、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上をインクリメントすること)を含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、(ii)または(iii)の存在を判定することと、判定に応答して、プロセッサによって、1つ以上の現在の神経系身体的兆候のうちの1つ以上を含む追加の現在の健康データを要求することと、を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、現在の健康データは、現在の心電図(例えば、プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される)の少なくとも一部を含み、患者履歴データは、ベースライン心電図の少なくとも一部を含む。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、現在の心電図の少なくとも一部をベースライン心電図の少なくとも一部と比較することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、現在の心電図の少なくとも一部が、ベースライン心電図の少なくとも一部と比較される新たな不整脈を含むと判定することを含む。いくつかの実施形態では、判定に応答して、プロセッサは、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変し得る(例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上をインクリメントする)。
【0026】
いくつかの実施形態では、患者履歴データは、現在の神経系検査を含み、現在の健康データは、ベースライン神経系検査を含む。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、現在の神経系検査をベースライン神経系検査と比較することを含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、現在の神経系検査をベースライン神経系検査と比較することは、プロセッサによって、現在の神経系検査が、神経系緊急事態(例えば、新たな言語障害及び右半身筋力低下)に一致するベースライン神経系検査からの変化を含むと判定することを含む。方法は、神経系緊急事態に一致する変化を判定したことに応答して、プロセッサによって、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上をインクリメントする)更に含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つ以上の確率的測定値を判定することは、現在の健康データにおける1つ以上の神経系症状、1つ以上の身体的兆候、心電図、またはそれらの組み合わせを患者履歴データにおける対応する1つ(複数可)と比較することに基づいて、神経系緊急事態を示す1つ以上のスコアを合計することを含む。
【0029】
方法は、プロセッサによって、1つ以上の合計スコアが1つ以上の閾値を超えると判定することと、プロセッサによって、ユーザに(例えば、グラフィカルに及び/または聴覚的に)及び/またはリモート緊急事態サービスプロバイダに自動で通知することと、を含み得る。
【0030】
方法は、プロセッサによって、少なくとも部分的に、現在の健康データを1つ以上の独立したベースライン基準に一致させることによって、1つ以上の確率的測定値を判定することを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の独立したベースライン基準は、1つ以上の高リスク症状、1つ以上の高リスク身体的兆候、または高リスク心電図を含む。いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、患者履歴データとは独立した1つ以上の独立したベースライン基準に一致させることに基づいて、1つ以上の確率的測定値を改変することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、1つ以上の確率的測定値は、健康緊急事態についての予め定められたリスクスコア(例えば、心臓系リスクスコア及び/または神経系リスクスコア)を使用して判定される。
【0032】
いくつかの実施形態では、患者履歴データは、1つ以上のベースライン身体的兆候(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含み、現在の健康データは、1つ以上の現在の身体的兆候(例えば、プロセッサと通信する1つ以上のセンサから受信される)(例えば、血圧、発汗(例えば、速度及び/またはその構成))を含む。現在の健康データを患者履歴データと比較することは、1つ以上の現在の身体的兆候を1つ以上のベースライン身体的兆候と比較することを含み得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、プロセッサと通信する1つ以上のセンサから1つ以上の現在の身体的兆候を受信することを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、1つ以上の関心の症状のユーザから入力を受信することを含む。方法は、プロセッサによって、現在の健康データ(及び任意選択で、患者履歴データ)が1つ以上の関心の症状について不完全であると判定することを更に含み得る。方法は、現在の健康データが不完全であると判定すると、プロセッサによって(例えば、グラフィカルユーザインタフェースによって)、追加の現在の健康データを要求することを更に含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、追加の現在の健康データを受信することを含み、追加の現在の健康データは、現在の健康データとは異なるタイプの測定に対応する。
【0036】
いくつかの実施形態では、追加の現在の健康データは、1つ以上の第2のセンサからであり、現在の健康データは、1つ以上の第2のセンサとは異なる1つ以上の第1のセンサ(例えば、1つ以上の異なるウェアラブル及び/または1つ以上の異なるスマートパッチ内の)からである。いくつかの実施形態では、追加の現在の健康データは、1つ以上のスマートパッチから受信され、現在の健康データは、1つ以上のウェアラブルから受信され、または追加の現在の健康データは、1つ以上のウェアラブルから受信され、現在の健康データは、1つ以上のスマートパッチから受信される。
【0037】
いくつかの実施形態では、1つ以上の現在の身体的兆候を1つ以上のベースライン身体的兆候と比較することは、プロセッサによって、(i)現在の健康データにおける新たな異常、(ii)現在の健康データにおける持続的に異常な身体的兆候、または(iii)(i)及び(ii)の両方、の存在を判定することを含む。方法は、(i)、(ii)、または(iii)の存在を判定したことに応答して、プロセッサによって、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上を改変すること(例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上の値を増加させることによって(例えば、ポイントを加算する)、例えば、1つ以上の確率的測定値のうちの1つ以上をインクリメントすること)を更に含み得る。
【0038】
いくつかの態様では、システムは、プロセッサ及びメモリを含み、メモリは記憶された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、本明細書で開示されるような方法を実行させる。いくつかの実施形態では、プロセッサ及びメモリは、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータに備えられる。
【0039】
ユーザが健康緊急事態を経験していることがあるとき、ユーザから健康データを獲得するスマート第1エイドキットは、ユーザに装着するようなサイズにされかつ形状付けられ、第1の健康データを獲得し、コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)に第1の健康データを送信する(例えば、無線で)ように動作可能な1つ以上のウェアラブルを含み得る。ユーザが健康緊急事態を経験していることがあるとき、ユーザから健康データを獲得するスマート第1エイドキットは、ユーザの皮膚に一時的に取り付けられるようなサイズにされかつ形状付けられ、第2の健康データを獲得し、コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)に第2の健康データを送信する(例えば、無線で)ように動作可能な1つ以上のスマートパッチを(例えば、代わりにまたは加えて)含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、1つ以上のウェアラブルは、リストバンド、シャツ、(例えば、統合された電極を有する)、またはその両方を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のウェアラブルは、リストバンドを含み、リストバンドは、血圧モジュール、脈拍モジュール、酸素飽和度モジュール、発汗モニタモジュール(例えば、発汗速度モニタモジュール)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、1つ以上のスマートパッチは、2つのリストパッチ、アンクルパッチ、及びチェスト(例えば、ニップル)パッチを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のスマートパッチは、心電図データまたは発汗存在データを獲得するように共に動作可能である複数のスマートパッチを含む。いくつかの実施形態では、(i)1つ以上のスマートパッチは、心電図データからSTセグメント(複数可)、心調律、もしくは脈拍変動を分析し、または発汗存在データから発汗の存在を分析するように動作可能であり、あるいは(ii)1つ以上のスマートパッチは、1つ以上のウェアラブルにデータを送信する(例えば、無線で)ように動作可能であり、1つ以上のウェアラブルは、心電図データからSTセグメント(複数可)、心調律、もしくは脈拍変動を分析し、または発汗存在データから発汗の存在を分析するように動作可能である。
【0042】
いくつかの態様では、ユーザが健康緊急事態を経験している可能性があるとき、ユーザから健康データを獲得する方法は、コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)のプロセッサによって、1つ以上のスマートパッチを使用して健康データを獲得する通知を提供する(例えば、グラフィカルにまたは聴覚的に)ことと、プロセッサによって、ユーザの両方の手首、左足首、及び左乳腺に配置された複数のスマートパッチから健康データを受信することであって、健康データは、心電図データまたは発汗存在データである、受信することと、を含み得る。
【0043】
この概要の章において説明される特徴を含む、本明細書において説明される特徴のいずれか2つ以上は、本明細書において特に明確に説明されていない実装態様を形成するように組み合され得る。
【0044】
本明細書において説明される方法、システム、及び技術の少なくとも一部は、1つ以上の処理デバイス上で、1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体に記憶された命令を実行することによって制御され得る。非一時的機械可読記憶媒体の実施例は、リードオンリメモリ、光学ディスクドライブ、メモリディスクドライブ、及びランダムアクセスメモリを含む。本明細書において説明される方法、システム、及び技術の少なくとも一部は、1つ以上の処理デバイスと、様々な制御動作を実行するように1つ以上の処理デバイスによって実行可能である命令を記憶したメモリと、を備えたコンピューティングシステムを使用して制御され得る。
【0045】
図面は、限定のためではなく、例示を目的に本明細書で提示される。開示の先述の及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、添付図面と併用して以下の説明を参照することによってより明白になり、より良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1A】本開示の例示的な実施形態に係る、ユーザについての健康緊急事態の尤度に対してユーザに警告する方法のフローチャートである。
【0047】
図1B】本開示の例示的な実施形態に係る、図1Aの方法において使用されることができる患者履歴データと現在の健康データを比較する方法のフローチャートである。
【0048】
図1C】本開示の例示的な実施形態に係る、図1Aの方法において使用されることができる健康緊急事態の尤度に対応する1つ以上の確率的測定値を判定する方法のフローチャートである。
【0049】
図2】本開示の例示的な実施形態に係る、ユーザについての健康緊急事態の尤度に対してユーザに警告するスマート第1エイドキットを使用する方法のフローチャートである。
【0050】
図3】本開示の例示的な実施形態に係る、本明細書で説明される方法及びシステムにおける使用のための実施例のネットワーク環境のブロック図である。
【0051】
図4】本開示の例示的な実施形態に係る、実施例のコンピューティングデバイス及び実施例のモバイルコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
開示のシステム、デバイス、方法、及びプロセスは、本明細書で説明される実施形態からの情報を使用して開発される変形及び適応を包含することが考えられる。本明細書で説明されるシステム、デバイス、方法、及びプロセスの改作及び/または修正は、当業者によって行われ得る。
【0053】
説明の全体にわたって、物品、デバイス、及びシステムが特定のコンポーネントを有する(having)、含む(including)、もしくは備える/含む(comprising)として説明される場合、またはプロセス及び方法が特定のステップを有する、含む(including)、もしくは備える/含む(comprising)として説明される場合、加えて、列挙したコンポーネントから本質的に構成され、または列挙したコンポーネントから構成される、本開示の特定の実施形態に係る物品、デバイス、及びシステムが存在し、列挙した処理ステップから本質的に構成され、または列挙した処理ステップから構成される、本開示の特定の実施形態に係るプロセス及び方法が存在すると考えられる。
【0054】
本出願では、コンテキストから他に明らかでない限りまたは他に明確に述べられない限り、(i)用語「a」は「少なくとも1つの」を意味するものと理解され得、(ii)用語「または」は「及び/または」を意味するものと理解され得、(iii)用語「備える/含む(comprising)」及び「含む(including)」は、それら自体によって提示されるかどうかに関わらず、または1つ以上の追加のコンポーネントもしくはステップと共に提示されるかどうかに関わらず、箇条書きにしたコンポーネントまたはステップを包含するものと理解され得、(iv)用語「約」及び「ほぼ」は当業者によって理解されるような標準的な変動を許容するものと理解され得、(v)範囲が提供される場合、端点が含まれる。ステップの順序または特定のアクションを実行する順序は、操作性が損なわれない限り、重要でないことを理解されるべきである。その上、2つ以上のステップまたはアクションが同時に行われ得る。ヘッダは、読み手の利便性のために提供され、特許請求される主題に関して限定することを意図しない。本明細書で使用されるように、コンテキストから他に明確でない限り、用語「患者」、「人間」、「及び「ユーザ」は、交換可能に使用され、用語「警告」及び「通知」は、交換可能に使用される。
【0055】
本開示は、とりわけ、ユーザが健康緊急事態を体験している尤度に対してユーザに警告する方法及びシステムを提供する。方法及びシステムは、携帯電話、タブレット、ラップトップ、またはスマートウォッチなどのパーソナルコンピューティングデバイスを使用して実装され得る。方法は、心臓系緊急事態(例えば、心臓発作、心筋梗塞)及び/または神経系緊急事態(例えば、脳卒中)などの健康緊急事態をユーザが経験している尤度に対応する1つ以上の確率的測定値を判定するように、ユーザについての現在の健康データをユーザについての患者履歴データ(例えば、ユーザについての電子医療記録から受信される)と比較することを含み得る。確率的測定値(複数可)が閾値を超える場合、方法は、ユーザへの聴覚的通知及び/またはグラフィカル通知などの通知を出力すること、緊急事態医療サービスを自動で警告すること(例えば、呼び出すこと)、またはその両方を含み得る。ユーザは、1つ以上の症状を入力するようにアプリケーションまたはウェブページを開くことによって、1つ以上の症状の発症において方法を開始し得る。方法は、1つ以上の確率的測定値の判定において支援するための現在の健康データを要求及び受信することを進めるかどうかを判定するために、この初期の症状(複数可)の入力を使用し得る。いくつかの実施形態では、ユーザについての患者履歴データと比較がなされなくても、現在の健康データに基づいて、確率的測定値が行われ、及び/またはユーザに通知され、及び/または緊急事態医療サービスが呼び出される。
【0056】
図1は、健康緊急事態の尤度に対してユーザに警告する方法100を例示するフローチャートである。任意選択のステップ102では、新たなユーザが登録される。新たなユーザ登録は、プロセッサによって、ユーザの1つ以上の電子医療記録もしくはその一部を受信及び記憶すること、または後のアクセスのためにユーザの電子医療記録をユーザプロファイルに結び付けることを含み得る。すなわち、患者履歴データは、コンピューティングデバイスにローカルに記憶され得、またはリモートデータベースからアクセスされ得る。任意選択のステップ104では、ユーザは、例えば、以前の心臓系イベント、神経系イベント、もしくは他のイベント、またはベースライン履歴に関連する、ユーザについての以前の心臓系履歴、神経系履歴、または他の関連する履歴を入力し得る。任意選択のステップ106では、ユーザは、例えば、ユーザの医師による定期訪問の間に測定されるような、生命兆候(例えば、脈拍もしくは血圧)、神経系検査、または心電図など、以前の心臓系兆候、神経系兆候、または他の身体的兆候を入力し得る。任意選択のステップ102~106は、いずれかの時に発生し得、概して、ユーザが場合によっては健康緊急事態を経験していないときに発生する。
【0057】
ステップ108では、ユーザは、健康緊急事態を表し得る1つ以上の症状を体験し始める。任意選択のステップ110では、ユーザは、関心の症状(複数可)を入力する(例えば、グラフィカルユーザインタフェースに)ことを要求され得る。方法は次いで、更なる現在の健康データが取得及び/または比較されるべきであるかどうかを判定するように、それらの関心の症状(複数可)を特定の健康緊急事態(例えば、心筋梗塞または脳卒中)と相関付けられた症状のリストと比較し得る。例えば、ユーザの症状は全体的に、特定の健康緊急事態と無相関であり得、方法は、プロセッサによって、健康緊急事態が存在しないことをユーザに通知する(例えば、グラフィカルに及び/または聴覚的に)ことを含み得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ユーザによって入力された症状を受信し、それに基づいて、追加の情報をユーザが提供するべきであると判定し(例えば、特定の健康緊急事態と相関付けられた症状の記録されたリストとの比較によって)、ユーザから現在の健康データを受信する。
【0058】
任意選択のステップ112及び114では、方法は、プロセッサによって、ユーザが、例えば、1つ以上のセンサを使用して(例えば、スマート第1エイドキットの一部として)現在の健康データを獲得することを要求し得る(例えば、グラフィカル通知及び/または聴覚的通知を介して)。利用されるセンサ(複数可)は、4リード心電図(EKG)、酸素センサ、血圧モニタ(例えば、カフ)、発汗センサ、温度プローブ、及び体重計、のうちの1つ以上を含み得る。スマート第1エイドキットは、ユーザによって装着されるようなサイズにされ及び形状付けられ、健康データを獲得し、コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)(例えば、方法100が実行される)に健康データを送信する(例えば、無線で)ように動作可能な1つ以上のウェアラブルを含み得る。スマート第1エイドキットはまた、ユーザの皮膚に一時的に取り付けられるようなサイズにされ及び形状付けられ、健康データを獲得し、コンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、またはパーソナルコンピュータ)(例えば、方法100が実行される)に健康データを送信する(例えば、無線で)ように動作可能な1つ以上のスマートパッチを含み得る。ウェアラブルは、リストバンドまたはシャツ(例えば、心電図を取得するように動作可能な統合電極(複数可)を有する)を含み得る。リストバンドは、血圧モジュール、脈拍モジュール、酸素飽和度モジュール、発汗モニタモジュール、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、スマート第1エイドキットは、例えば、心電図または心電図データ(例えば、心電図の一部)または発汗存在データを取得する(例えば、ユーザの両方の手首、左足首、及び左乳腺にそれらを配置することによって)ように共に動作可能な、2つのリストパッチ、アンクルパッチ、及びチェスト(例えば、ニップル)パッチを含む。いくつかの実施形態では、スマートパッチは、心電図データからSTセグメント(複数可)、心調律、または脈拍変動を分析し、発汗存在データから発汗の存在を分析するように動作可能である。いくつかの実施形態では、スマートパッチは、1つ以上の1つ以上のウェアラブルにデータを送信する(例えば、無線で)ように動作可能であり、1つ以上のウェアラブルは、心電図データからSTセグメント(複数可)、心調律、または脈拍変動を分析し、発汗存在データから発汗の存在を分析するように動作可能である。(図2は、方法100を実行するためにスマート第1エイドキットを使用する方法をより詳細に例示する。同様のステップは、同様のラベルを使用する。)例えば、それに含まれる1つ以上のセンサから測定されるデータを自動で同期/送信し(例えば、Bluetooth(登録商標)などにより)、送信の前に使用可能な形式にそのようなデータを処理するように動作可能であるため、「スマート」パッチまたは「スマート」ウェアラブル(例えば、リストバンド)は、スマートであり得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、ユーザは、従来の体重計、血圧計カフなど、非スマートセンサ(複数可)から、またはセンサの使用なしに(例えば、現在の脈拍を手動で判定する)、現在の健康データを手動で入力する。どの現在の健康データがユーザから要求されるかは、ステップ110においてユーザによって入力される症状(複数可)に基づいて、及び/またはユーザについての既知の患者履歴データに基づいて判定され得る。
【0060】
ステップ116では、ユーザから受信される現在の健康データは、患者履歴データと比較される。図1Bは、特に、潜在的な心臓系緊急事態及び神経系緊急事態についての、現在の健康データと患者履歴データとの間の比較を行うために使用され得るサブルーチンの詳細なビューを示す。
【0061】
図1Bを参照すると、ステップ116a~116gは、ユーザが場合によっては心臓系健康緊急事態を経験している場合に使用され得る。ステップ116aでは、プロセッサは、ユーザ入力から受信される患者症状(複数可)が心臓系症状の定義されたセット(例えば、データベースに記憶され、ユーザによって使用されるコンピューティングデバイスからローカルにまたはリモートに)に一致する(例えば、部分的に)と判定する。ステップ116bでは、1つ以上の現在の心臓系症状の強度、持続時間、位置、及びパターン(例えば、1つ以上のセンサから受信される)を含む現在の健康データは、1つ以上の以前の心臓系症状またはベースラインの強度、持続時間、位置、及びパターンのうちの1つ以上を含む患者履歴データと比較される(例えば、少なくとも部分的に一致される)(例えば、履歴データ及び現在のデータの強度、持続時間、位置、及びパターンのうちの1つ以上がそれぞれ比較される)。ステップ116cでは、現在の心臓系症状(複数可)が以前の心臓系症状(複数可)またはベースライン(複数可)と同一またはそれよりも悪いと比較が判定する場合、1つ以上の確率的測定値がインクリメントされることができる。ステップ116dでは、現在の健康データにおける1つ以上の現在の身体的兆候(例えば、存在または割合など、血圧及び/または発汗兆候)は、患者履歴データに含まれる1つ以上のベースライン身体的兆候と比較される。ステップ116eでは、ステップ116dにおける比較から新たな異常及び/または持続的に異常な身体的兆候が存在する(例えば、30秒などの期間にわたって)とプロセッサが判定する場合、1つ以上の確率的測定値がインクリメントされることができる。ステップ116fでは、現在の健康データにおける現在の心電図(EKG)は、患者履歴データにおけるベースライン心電図と比較される(例えば、少なくとも部分的に一致される)。ステップ116gでは、現在の健康データにおける心電図が、患者履歴データにおける心電図と比較されるとき、緊急事態心臓系または関連する疾患(例えば、少なくとも2つの連続するリードにおけるSTセグメントの上昇)についてのパターンと一致する(例えば、少なくとも部分的に)変化を示す場合、1つ以上の確率的測定値がインクリメントされることができる。いくつかの実施形態では、ステップ116b、116d、及び116fにおける比較の1回のみ、2回のみ、または3回全ては、ステップ116の間に実行される。ステップ116c、116e、及び116gのいずれか(または、それらの組み合わせ)は、ステップ118の一部として実行され得る(その後に議論される)。
【0062】
ステップ116h~116pは、ユーザが場合によっては神経系健康緊急事態を経験している場合に使用され得る。ステップ116hでは、プロセッサは、ユーザ入力から受信される患者症状(複数可)が、神経系症状の定義されたセット(例えば、データベースに記憶され、ユーザによって使用されるコンピューティングデバイスからローカルにまたはリモートに)に一致する(例えば、部分的に)と判定する。ステップ116iでは、1つ以上の現在の神経系症状の強度、持続時間、位置、及びパターン(例えば、1つ以上のセンサから受信される)を含む現在の健康データは、1つ以上の以前の神経系症状またはベースラインの強度、持続時間、位置、及びパターンのうちの1つ以上を含む患者履歴データと比較される(例えば、少なくとも部分的に一致される)(例えば、履歴データ及び現在のデータの強度、持続時間、位置、及びパターンのうちの1つ以上がそれぞれ比較される)。ステップ116jでは、現在の神経系症状(複数可)が以前の神経系症状(複数可)またはベースライン(複数可)と同一またはそれよりも悪いと比較が判定する場合、1つ以上の確率的測定値がインクリメントされることができる。
【0063】
欠陥のあるフィンガタッピングは、多くの脳卒中の兆候である。コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)は、フィンガタッピング分析能力が備えられ得る。性能は、ベースラインにおいて、右手及び左手における緊急事態の使用の間に判断されることができる。使用され得る性能メトリックは、タッピングの速度及び/またはケーデンスを含む。例えば、グラフィカルユーザインタフェースは、片手で(例えば、片手で1本の指)その手に対してできるだけ多くの回数で(例えば、10秒以下、20秒以下、または30秒以下の)インタフェース内のアイコンをユーザがタップすることを要求することができる。一実施例では、グラフィカルユーザインタフェースは、右手で20秒以内でできるだけ多くの回数で、次いで、左手で20秒以内でできるだけ多くの回数でタップするようにユーザを促す。両手でのタッピングの完了の後、前に記録されたベースラインとの比較によって、タッピングの速度及び/またはケーデンスが分析され得る。
【0064】
音声及び顔認識も、現在の神経系症状(複数可)が以前の神経系症状(複数可)またはベースライン(複数可)と同一であるか、またはそれよりも悪いかどうかを判定して、1つ以上の確率的測定値をインクリメントするかどうかを判定するように、ベースラインと比較され得る。例えば、グラフィカルユーザインタフェースは、予め定められたフレーズの音声記録を提供するようにユーザを促し得る。ベースラインと比較されるような記録(例えば、以前の記録)から判定される1つ以上の音声特徴の比較は、現在の神経系症状(複数可)が以前の神経系症状(複数可)またはベースライン(複数可)と同一でありまたはそれよりも悪いかどうかを判定するために使用され得る。同様に、顔認識は、現在の神経系症状(複数可)が以前の神経系症状(複数可)またはベースライン(複数可)と同一でありまたはそれよりも悪いかどうかを評価するように、コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)のカメラによって実施され得る。例えば、顔認識は、神経系苦痛の消沈または1つ以上の他の兆候を探索するために使用され得る。人工知能(例えば、機械学習)は、顔認識情報及び/または音声認識情報を分析するために使用され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、ユーザが一過性脳虚血性発作の履歴(例えば、ユーザによる入力として(例えば、グラフィカルユーザインタフェースにより促すと)として及び/または患者履歴データに含まれる)をも有する場合のみ、ステップ116jにおいて1つ以上の確率的測定値がインクリメントされる。ステップ116kでは、現在の健康データにおける1つ以上の現在の身体的兆候(例えば、存在または割合など、血圧及び/または発汗兆候)は、患者履歴データに含まれる1つ以上のベースライン身体的兆候と比較される。ステップ116lでは、ステップ116kにおける比較から新たな異常及び/または持続的に異常な身体的兆候が存在する(例えば、30秒などの期間にわたって)とプロセッサが判定する場合、1つ以上の確率的測定値がインクリメントされることができる。ステップ116mでは、現在の健康データにおける現在の神経系検査は、患者履歴データにおけるベースライン神経系検査と比較される。ステップ116nでは、ベースライン神経系検査と比較されるとき、緊急事態神経系疾患(例えば、新たな言語障害及び右半身筋力低下)のパターンに一致する変化を現在の神経系検査が示す場合、1つ以上の確率的測定値がインクリメントされることができる。ステップ116oでは、現在の健康データにおける現在の心電図(EKG)は、患者履歴データにおけるベースライン心電図と比較される(例えば、少なくとも部分的に一致される)。ステップ116pでは、現在の健康データにおける心電図が、患者履歴データにおける心電図と比較されるとき、新たな不整脈を示す場合、1つ以上の確率的測定値がインクリメントされることができる。いくつかの実施形態では、ステップ116i、116k、116m、及び116oにおける比較の1回のみ、2回のみ、3回のみ、または4回全ては、ステップ116の間に実行される。ステップ116j、116l、116n、及び116pのいずれか(または、それらの組み合わせ)は、ステップ118の一部として実行され得る(その後に議論される)。
【0066】
図1Aを参照し戻ると、ステップ118では、1つ以上の確率的測定値は、ステップ116における比較(患者履歴データとの現在の健康データの)に少なくとも部分的に基づいて判定される。図1Cは、心臓系健康緊急事態及び/または神経系健康緊急事態を経験していることがある患者についての患者履歴データ(例えば、ステップ110におけるユーザ入力から受信される1つ以上の関心の症状に応答してプロセッサによって判定されるような)と、現在の健康データとの比較から1つ以上の確率的測定値を判定するために使用され得るサブルーチンの詳細なビューを示す。
【0067】
図1Cを参照して、1つ以上の確率的測定値を判定するための根拠として症状(複数可)が使用される場合(例えば、ステップ116における比較の一部として)、ステップ118a~118dは、いくつかの実施形態では、ステップ118mとの組み合わせで使用され得る。ステップ118aでは、例えば、ユーザによる入力(例えば、ステップ110またはステップ112における)から受信される現在の健康データに含まれる1つ以上の症状に基づいて、症状サブルーチンが始動される。ステップ118bでは、現在の健康データに含まれる1つ以上の症状は、ユーザについての患者履歴データにおける1つ以上の症状と比較される。ステップ118cでは、現在の健康データに含まれる1つ以上の症状は、1つ以上の高リスク心臓系症状(いずれかの患者履歴データとは独立した)(例えば、左腕への放射による胸の痛み)と比較される。ステップ118dでは、現在の健康データに含まれる1つ以上の症状は、1つ以上の高リスク神経系症状(例えば、いずれかの患者履歴データとは独立した)(例えば、不明瞭な発語によるバランス問題)と比較される。1つ以上の確率的測定値は、ステップ118b、ステップ118c、またはステップ118dのうちのいずれかの1つ以上における症状の一致に基づいてインクリメントされ得る。例えば、心筋梗塞の尤度、別の心臓系緊急事態の尤度、脳卒中の尤度、及び別の神経系緊急事態の尤度についての別個の確率的測定値が存在し得る。すなわち、比較に基づいて各々がインクリメントされ得る(それにポイント(複数可)を加算する)4つの異なる確率的測定値が存在し得る。いくつかの実施形態では、4つではなく2つの確率的測定値が存在する(例えば、各々の1つが全ての潜在的な心臓系緊急事態及び全ての潜在的な神経系緊急事態についての)。
【0068】
症状サブルーチン118a~dについての確率的測定値は、ステップ118mを使用して判定され得、ステップ118mでは、健康緊急事態についての予め定められたリスクスコア(例えば、心臓系リスクスコア及び/または神経系リスクスコア)は、例えば、ユーザについての現在の健康データにおける症状を、それらの症状についての予め定められた(例えば、文献に基づく)リスクスコアと相関付ける。いくつかの実施形態では、確率的測定値は、リスクまたは尤度と特定の現在の健康データとの間の相関性に対応する量だけインクリメントされる。例えば、現在の健康データが高リスクの健康緊急事態と硬度に相関付けられる症状を含む場合、確率的測定値は、弱い相関性または低リスクの健康緊急事態との相関性に対して大量にインクリメントされ得る。いくつかの実施形態では、患者履歴データは、比較または一致に基づいて確率的測定値がインクリメントされる量を判定するために使用され得る。例えば、ユーザが高リスク症状の履歴を有する場合、現在の健康データがその症状を含むとき、確率的測定値は、ユーザがそのような履歴を有さなかった場合とは異なってインクリメントされ得る。
【0069】
1つ以上の確率的測定値を判定するための根拠として症状(複数可)が使用される場合(例えば、ステップ116における比較の一部として)、ステップ118e~118hは、いくつかの実施形態では、ステップ118mとの組み合わせで使用され得る。ステップ118eでは、例えば、ユーザによる入力(例えば、ステップ112における)から受信される現在の健康データに含まれる1つ以上の身体的兆候に基づいて、身体的兆候サブルーチンが始動される。ステップ118fでは、現在の健康データに含まれる1つ以上の症状は、ユーザについての患者履歴データにおける1つ以上の症状と比較される。ステップ118gでは、現在の健康データに含まれる1つ以上の身体的兆候は、1つ以上の高リスク心臓系身体的兆候(いずれかの患者履歴データとは独立した)(例えば、存在及び/または割合など、発汗)と比較される。ステップ118hでは、現在の健康データに含まれる1つ以上の身体的兆候は、1つ以上の高リスク神経系身体的兆候(例えば、いずれかの患者履歴データとは独立した)(例えば、高血圧、顔の非対称、腕の筋力低下、発話不全、視線の逸脱)と比較される。1つ以上の確率的測定値は、ステップ118f、ステップ118g、またはステップ118hのうちのいずれかの1つ以上における症状の一致に基づいてインクリメントされ得る。身体的兆候サブルーチン118e~hについての確率的測定値は、ステップ118mを使用して判定され得、ステップ118mでは、健康緊急事態についての予め定められたリスクスコア(例えば、心臓系リスクスコア及び/または神経系リスクスコア)は、例えば、ユーザについての現在の健康データにおける身体的兆候を、それらの症状についての予め定められた(例えば、文献に基づく)リスクスコアと相関付ける。
【0070】
1つ以上の確率的測定値を判定するための根拠として症状(複数可)が使用される場合(例えば、ステップ116における比較の一部として)、ステップ118i~118lは、いくつかの実施形態では、ステップ118mとの組み合わせで使用され得る。ステップ118iでは、例えば、ユーザによる入力(例えば、ステップ112における)から受信される現在の健康データに含まれる1つ以上の心電図に基づいて、心電図(EKG)サブルーチンが始動される。ステップ118jでは、現在の健康データに含まれる心電図(例えば、その一部)は、ユーザについての患者履歴データにおける心電図と比較される。ステップ118kでは、現在の健康データに含まれる心電図は、1つ以上の緊急事態心臓系または関連する疾患についての心電図(例えば、いずれかの患者履歴データとは独立した)と比較される(例えば、少なくとも2つの連続するリードにおけるSTセグメントの上昇が存在するかどうかを判定するように、例えば、そのパターンを比較することによって)。ステップ118lでは、現在の健康データに含まれる心電図は、不整脈を示す心電図(例えば、いずれかの患者履歴データとは独立した)と比較される。1つ以上の確率的測定値は、ステップ118j、ステップ118k、またはステップ118lのうちのいずれかの1つ以上における症状の一致に基づいてインクリメントされ得る。心電図(EKG)サブルーチン118i~lについての確率的測定値は、ステップ118mを使用して判定され得、ステップ118mでは、健康緊急事態についての予め定められたリスクスコア(例えば、心臓系リスクスコア及び/または神経系リスクスコア)は、例えば、ユーザについての現在の健康データにおける身体的兆候を、それらの身体的兆候についての予め定められた(例えば、文献に基づく)リスクスコアと相関付ける。
【0071】
いくつかの実施形態では、ステップ118a~dにおける症状サブルーチン、ステップ118e~hにおける身体的兆候サブルーチン、及びステップ118i~118lにおける心電図(EKG)サブルーチンの1つのみ、2つのみ、または3つの全ては、ステップ118の間に実行される。ステップ118b、118f、及び118iのいずれか(または、それらの組み合わせ)は、ステップ116の一部として実行され得る(その後に議論される)。すなわち、ステップ116及びステップ118は、第2のサブルーチン(例えば、心電図についての)の前にプロセッサによって処理される、患者履歴データの部分との現在の健康データの部分の比較及び1つの確率的測定値の判定を伴う第1のサブルーチン(例えば、身体的兆候についての)と同時にまたは交互に実行され得る。
【0072】
加えてまたは代わりに、プロセッサは、グラフィカルユーザインタフェースによって、1つ以上のトリガが最近発生したかどうか、例えば、或る期間内に発生したかどうか(例えば、先日、先週、または先月)に関する情報を入力するよう促し得る。全くのまたは特定の期間内のいずれかにおける1つ以上のトリガの存在または不存在は、確率的測定値を判定することへの因子であり得る。例えば、プロセスは、1つ以上のトリガが存在しない場合よりも1つ以上のトリガが存在するときに確率的測定値を多くインクリメントし得る。別の実施例として、プロセッサは、1つ以上のトリガが存在しない場合よりも1つ以上のトリガが存在するときに確率的測定値への特定の入力(複数可)を多く重み付け得る。グラフィカルユーザインタフェースは、特定のトリガ(複数可)に関する1つ以上の特定の質問に関する入力を提供するようにユーザを促す前に、1つ以上の一般的な質問に応答して、1つ以上のトリガが存在し得るかどうかを判定する入力を提供するようにユーザを最初に促し得る(例えば、ユーザは、特定のイベントが発生したかどうかに関して問い合わせる前に、いずれかの予期しないイベントがユーザの生活において発生したか否かについての入力を提供するように最初に依頼され得る)。一実施例として、ユーザは概して、愛した人の予期しない死など、突然の悲劇を体験した後に心臓系緊急事態を有するより高いリスクにある。そのような消失を最近体験したユーザに付いての1つ以上の症状が存在する場合、その症状の存在に基づいて判定される確率的測定値は、トリガの条件付きの存在に起因してより多くインクリメントされ得る。その上、特定のトリガを最近体験した者は、異常を感じると予期していることがあり、したがって、本明細書で開示されるシステム及び方法を使用して、それらが通常は存在しないよりもそれら自身で緊急事態支援を求める可能性が低くなり得る。1つ以上の確率的測定値を判定するために1つ以上のトリガを使用することは、潜在的な心臓系緊急事態及び神経系緊急事態の両方に対して有益であり得る。心臓系緊急事態についての確率的測定値(複数可)のために使用される1つ以上のトリガは、神経系緊急事態についての確率的測定値(複数可)のために使用される1つ以上のトリガとは異なり得る(または、そうでない)。
【0073】
いくつかの実施形態では、ユーザが心臓系緊急事態及び/または神経系緊急事態を体験している尤度を評価するために、1つ以上の客観的基準が使用される。例えば、その日の前よりもその日の後に(例えば、夜間に)心臓系緊急事態が発生する可能性が高いことが知られている。確率的測定値は、日中など、1つ以上の客観的基準に少なくとも部分的に基づいて判定され得る。いくつかの実施形態では、確率的測定値は、1つ以上の客観的基準が存在するときにより多くインクリメントされる。例えば、ユーザにおける1つ以上の症状の存在に起因してインクリメントされる確率的測定値は、それが夜間でもある場合よりも多くインクリメントされ得る。
【0074】
図1Aに参照し戻ると、任意選択のステップ120では、1つ以上の確率的測定値が記憶及び/または送信され得る(例えば、のユーザの電子医療記録に及び/または緊急事態医療サービスに)。任意選択のステップ122では、方法は、プロセッサによって(例えば、出力する1つ以上のグラフィカル通知及び/または聴覚的通知を介して)、1つ以上の確率的測定値が閾値を超えることに基づいてユーザに通知し得る。任意選択のステップ122では、方法は代わりにまたは加えて、プロセッサによって、1つ以上の確率的測定値が閾値を超えることに基づいて、ユーザにリモートである緊急事態医療サービスを通知し得る(911)(例えば、例えば、緊急事態医療サービスを自動で呼び出すことによって)。通知は、緊急事態医療サービス(例えば、呼び出し機能もしくはインターネット機能なしでデバイスで実行される場合)及び/またはユーザについての医師に連絡するようにユーザに命令し得る。
【0075】
任意選択のステップ124では、方法は、全ての所望の測定値が取得されたかどうかを判定し得る。ステップ122における通知は、1つ以上の確率的測定値の少なくとも一部の値を示し得る(例えば、健康緊急事態に応答することにおいてユーザ及び/または緊急事態医療サービスを支援するための)。そうでない場合、プロセッサは、1つ以上の所望の測定値を得るめに、追加の現在の健康データが入力されることを要求し得る(例えば、1つ以上のグラフィカル通知及び/または聴覚的通知を使用して、例えば、グラフィカルユーザインタフェースを介して)。消失していると判定される所望の測定値(複数可)は、例えば、どの現在の健康データが受信されたかに基づいて判定されなかった1つ以上の確率的測定値、及び/またはユーザによって入力され、まだ受信されていない症状(複数可)に基づいて予期された現在の健康データであり得る。(図1Aは、ステップ122の後に繰り返し、ステップ110において再始動するが、繰り返すことは、例えば、ステップ118もしくはステップ120のいずれかの後にも発生し得、及び/またはステップ112、ステップ114、もしくはステップ116のいずれかにおいて再始動し得ることを示す。)
【0076】
比較または一致は、いくつかの異なる方法のいずれかにおいて実行され得る。いくつかの実施形態では、比較または一致は、類似性の程度を判定するためのデータのビット単位の比較を伴う。いくつかの実施形態では、異なるデータを比較するために、機械学習または人工知能アルゴリズムが使用される。いくつかの実施形態では、データ(例えば、心電図)は、プロセッサによる比較の前に処理される(例えば、フィルタされ、切り捨てられる)。いくつかの実施形態では、比較または一致は、現在の健康データの部分と患者履歴データの部分との間の正確な等価性が存在するかどうかを判定することを含み得る。
【0077】
本明細書で開示されるシステム及び方法の例示的な実施形態は、コンピューティングデバイスによってローカルに実行される計算を参照して上記説明されてきた。しかしながら、ネットワークを通じて実行される計算も考えられる。図3は、本明細書で説明される方法及びシステムにおける使用のための例示的なネットワーク環境300を示す。簡潔な概要では、図3をここで参照して、例示的なクラウドコンピューティング環境300のブロック図が示され及び説明される。クラウドコンピューティング環境300は、1つ以上のリソースプロバイダ302a、302b、302c(集合的に、302)を含み得る。各々のリソースプロバイダ302は、コンピューティングリソースを含み得る。いくつかの実装態様では、コンピューティングリソースは、データを処理するために使用されるいずれかのハードウェア及び/またはソフトウェアを含み得る。例えば、コンピューティングリソースは、アルゴリズム、コンピュータプログラム、及び/またはコンピュータアプリケーションを実行する能力を有するハードウェア及び/またはソフトウェアを含み得る。いくつかの実装態様では、例示的なコンピューティングリソースは、記憶能力及び検索能力を有するアプリケーションサーバ及び/またはデータベースを含み得る。各々のリソースプロバイダ302は、クラウドコンピューティング環境300内のいずれかの他のリソースプロバイダ302に接続され得る。いくつかの実装態様では、リソースプロバイダ302は、コンピュータネットワーク308を通じて接続され得る。各々のリソースプロバイダ302は、コンピュータネットワーク308を通じて、1つ以上のコンピューティングデバイス304a、304b、304c(集合的に、304)に接続され得る。
【0078】
クラウドコンピューティング環境300は、リソースマネージャ306を含み得る。リソースマネージャ306は、コンピュータネットワーク308を通じて、リソースプロバイダ302及びコンピューティングデバイス304に接続され得る。いくつかの実装態様では、リソースマネージャ306は、1つ以上のリソースプロバイダ302による1つ以上のコンピューティングデバイス304へのコンピューティングリソースのプロビジョンを促進し得る。リソースマネージャ306は、特定のコンピューティングデバイス304からコンピューティングリソースについての要求を受信し得る。リソースマネージャ306は、コンピューティングデバイス304によって要求されるコンピューティングリソースを提供する能力を有する1つ以上のリソースプロバイダ302を識別し得る。リソースマネージャ306は、コンピューティングリソースを提供するリソースプロバイダ302を選択し得る。リソースマネージャ306は、リソースプロバイダ302と特定のコンピューティングデバイス304との間の接続を促進し得る。いくつかの実装態様では、リソースマネージャ306は、特定のリソースプロバイダ302と特定のコンピューティングデバイス304との間の接続を確立し得る。いくつかの実装態様では、リソースマネージャ306は、特定のコンピューティングデバイス304を、要求されるコンピューティングリソースを有する特定のリソースプロバイダ302にリダイレクトし得る。
【0079】
図4は、本開示において説明される方法及びシステムにおいて使用されることができるコンピューティングデバイス400及びモバイルコンピューティングデバイス450の実施例を示す。コンピューティングデバイス400は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、及び他の適切なコンピュータなど、様々な形式のデジタルコンピュータを表すことが意図される。モバイルコンピューティングデバイス450は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、及び他の類似のコンピューティングデバイスなど、様々な形式のモバイルデバイスを表すことが意図される。ここで示されるコンポーネント、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、実施例にすぎないことを意味し、限定することを意味しない。
【0080】
コンピューティングデバイス400は、プロセッサ402、メモリ404、記憶装置406、メモリ404及び複数の高速拡張ポート410に接続する高速インタフェース408、並びに低速拡張ポート414及び記憶装置406に接続する低速インタフェース412を含む。プロセッサ402、メモリ404、記憶装置406、高速インタフェース408、高速拡張ポート410、及び低速インタフェース412の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、必要に応じて共通のマザーボード上にまたは他の形式において搭載され得る。プロセッサ402は、高速インタフェース408に結合されたディスプレイ416など、外部入力/出力デバイスのGUIについてのグラフィカル情報を表示する、メモリ404または記憶装置406に記憶された命令を含む、コンピューティングデバイス400内での実行のための命令を処理することができる。他の実装態様では、複数のメモリ及び複数のタイプのメモリと共に、複数のプロセッサ及び/または複数のバスが必要に応じて使用され得る。また、複数のコンピューティングデバイスは、必要な演算の一部を提供する(例えば、サーババンク、ブレードサーバのグループ、またはマルチプロセッサシステムとして)各々のデバイスと接続され得る。また、複数のコンピューティングデバイスは、必要な演算の一部を提供する(例えば、サーババンク、ブレードサーバのグループ、またはマルチプロセッサシステムとして)各々のデバイスと接続され得る。よって、用語が本明細書で使用されるように、複数の機能が「プロセッサ」によって実行されるとして説明される場合、これは、いずれかの数のコンピューティングデバイス(例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス)のいずれかの数のプロセッサ(例えば、1つ以上のプロセッサ)によって複数の機能が実行される実施形態を包含する。更に、機能が「プロセッサ」によって実行されるとして説明される場合、これは、いずれかの数のコンピューティングデバイス(例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス)のいずれかの数のプロセッサ(例えば、1つ以上のプロセッサ)によって機能が実行される(例えば、分散コンピューティングシステムにおいて)実施形態を包含する。
【0081】
メモリ404は、コンピューティングデバイス400内に情報を記憶する。いくつかの実装態様では、メモリ404は、揮発性メモリユニット(複数可)である。いくつかの実装態様では、メモリ404は、不揮発性メモリユニット(複数可)である。メモリ404は、磁気ディスクまたは光学ディスクなど、別の形式のコンピュータ可読媒体でもあり得る。
【0082】
記憶装置406は、コンピューティングデバイス400に対して大容量記憶装置を提供する能力を有する。いくつかの実装態様では、記憶装置406は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光学ディスクデバイス、もしくはテープデバイス、フラッシュメモリもしくは他の類似のソリッドステートメモリデバイス、ストレージエリアネットワークもしくは他の構成におけるデバイスを含むデバイスのアレイなど、コンピュータ可読媒体であり得、またはコンピュータ可読媒体を含み得る。命令は、情報キャリアに記憶され得る。命令は、1つ以上の処理デバイス(例えば、プロセッサ402)によって実行されるとき、上記説明された方法など、1つ以上の方法を実行する。命令はまた、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体などの1つ以上の記憶装置(例えば、メモリ404、記憶装置406、またはプロセッサ402上のメモリ)に記憶されることができる。
【0083】
高速インタフェース408は、コンピューティングデバイス400に対する帯域幅集中的演算を管理すると共に、低速インタフェース412は、より低い帯域幅集中的演算を管理する。そのような機能の割り当ては、実施例にすぎない。いくつかの実装態様では、高速インタフェース408は、メモリ404、ディスプレイ416(例えば、グラフィックプロセッサまたはアクセラレータを通じて)、及び様々な拡張カード(図示しない)を受け入れ得る高速拡張ポート410に結合される。実装態様では、低速インタフェース412は、記憶装置406及び低速拡張ポート414に結合される。様々な通信ポート(例えば、USB、Bluetooth(登録商標)、イーサネット(登録商標)、無線イーサネット(登録商標))を含み得る低速拡張ポート414は、例えば、ネットワークアダプタを通じて、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナなどの1つ以上の入力/出力デバイス、またはスイッチもしくはルータなどネットワーキングデバイスに結合され得る。
【0084】
コンピューティングデバイス400は、図に示されるように、いくつかの異なる形式において実装され得る。例えば、それは、標準サーバ420として、またはそのようなサーバのグループにおいて複数実装され得る。加えて、それは、ラップトップコンピュータ422などのパーソナルコンピュータにおいて実装され得る。それはまた、ラックサーバシステム424の一部として実装され得る。代わりに、コンピューティングデバイス400からのコンポーネントは、モバイルコンピューティングデバイス450などのモバイルデバイス(図示しない)における他のコンポーネントと組み合わされ得る。そのようなデバイスの各々は、コンピューティングデバイス400及びモバイルコンピューティングデバイス450のうちの1つ以上を含み得、システム全体は、相互に通信する複数のコンピューティングデバイスから成り得る。
【0085】
モバイルコンピューティングデバイス450は、他のコンポーネントの中で、プロセッサ452、メモリ464、ディスプレイ454などの入力/出力デバイス、通信インタフェース466、及び送受信機468を含む。モバイルコンピューティングデバイス450がまた、追加の記憶を提供するための、マイクロドライブまたは他のデバイスなどの記憶装置が設けられ得る。プロセッサ452、メモリ464、ディスプレイ454、通信インタフェース466、及び送受信機468の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、コンポーネントのいくつかは、必要に応じて共通のマザーボード上にまたは他の形式において搭載され得る。
【0086】
プロセッサ452は、メモリ464に記憶された命令を含む、モバイルコンピューティングデバイス450内で命令を実行することができる。プロセッサ452は、別個の及び複数のアナログプロセッサ及びデジタルプロセッサを含むチップのチップセットとして実装され得る。プロセッサ452は、例えば、ユーザインタフェースの制御、モバイルコンピューティングデバイス450によって稼働するアプリケーション、及びモバイルコンピューティングデバイス450による無線通信など、モバイルコンピューティングデバイス450の他のコンポーネントの調整を提供し得る。
【0087】
プロセッサ452は、制御インタフェース458及びディスプレイ454に結合されたディスプレイインタフェース456を通じてユーザと通信し得る。ディスプレイ454は、例えば、TFT(薄膜-トランジスタ液晶ディスプレイ)ディスプレイもしくはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または他の適切なディスプレイ技術であり得る。ディスプレイインタフェース456は、グラフィカル情報及び他の情報をユーザに提供するようにディスプレイ454を駆動するための適切な回路を含み得る。制御インタフェース458は、ユーザからコマンドを受信し得、プロセッサ452へのサブミッションのためにそれらを変換し得る。加えて、外部インタフェース462は、他のデバイスとのモバイルコンピューティングデバイス450の短距離通信を有効にするように、プロセッサ452との通信を提供し得る。外部インタフェース462は、いくつかの実装態様では、例えば、有線通信を提供し得、または、他の実装態様では、無線通信を提供し得、複数のインタフェースも使用され得る。
【0088】
メモリ464は、モバイルコンピューティングデバイス450内に情報を記憶する。メモリ464は、コンピュータ可読媒体もしくは媒体(複数可)、揮発性メモリユニットもしくはユニット(複数可)、または不揮発性メモリユニットもしくはユニット(複数可)のうちの1つ以上として実装されることができる。拡張メモリ474も設けられ得、拡張インタフェース472を通じてモバイルコンピューティングデバイス450に接続され得、拡張インタフェース472は、例えば、SIMM(Single In Line Memry Module)カードインタフェースを含み得る。拡張メモリ474は、モバイルコンピューティングデバイス450に対して特別の記憶空間を提供し得、またはモバイルコンピューティングデバイス450に対してアプリケーションもしくは他の情報をも記憶し得る。特に、拡張メモリ474は、上記説明されたプロセスを実施または補完する命令を含み得、セキュア情報をも含み得る。よって、例えば、拡張メモリ474は、モバイルコンピューティングデバイス450に対してセキュリティモジュールとして設けられ得、モバイルコンピューティングデバイス450の安全な使用を許容する命令によりプログラムされ得る。加えて、ハッキングできない方式においてSIMMカードに識別情報を配置することなど、追加の情報と共に、SIMMカードを介してセキュアアプリケーションが設けられ得る。
【0089】
メモリは、例えば、以下で議論されるように、フラッシュメモリ及び/またはNVRAMメモリ(不揮発性ランダムアクセスメモリ)を含み得る。いくつかの実装態様では、命令は、情報キャリアに記憶され、1つ以上の処理デバイス(例えば、プロセッサ452)によって実行されるとき、上記説明された方法など、1つ以上の方法を実行する。命令はまた、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体などの1つ以上の記憶装置(例えば、メモリ464、拡張メモリ474、またはプロセッサ452上のメモリ)に記憶されることができる。いくつかの実装態様では、命令は、送受信機468または外部インタフェース462を通じて、伝播信号において受信されることができる。
【0090】
モバイルコンピューティングデバイス450は、必要な場合、デジタル信号処理回路を含み得る、通信インタフェース466を通じて無線で通信し得る。通信インタフェース466は、とりわけ、GSM(登録商標)ボイスコール(グローバルシステムフォーモバイル通信)、SMS(ショートメッセージングサービス)、EMS(エンハンストメッセージングサービス)、またはMMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(符号分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)、PDC(パーソナルデジタルセルラ)、WCDMA(登録商標)(ワイドバンド符号分割多重アクセス)、CDMA2000、またはGPRS(ジェネラルパケットラジオサービス)など、様々なモードまたはプロトコルの下での通信を提供し得る。そのような通信は、例えば、無線周波数を使用して送受信機468を通じて発生し得る。加えて、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(商標)、または他のそのような送受信機(図示しない)などを使用して、短距離通信が行われ得る。加えて、GPS(グローバルポジショニングシステム)受信機モジュール470は、モバイルコンピューティングデバイス450に、必要に応じてモバイルコンピューティングデバイス450上で稼働するアプリケーションによって使用され得る、追加のナビゲーションデータ及び位置関連無線データを提供し得る。
【0091】
モバイルコンピューティングデバイス450も、音声コーデック460を使用して聴覚的に通信し得、音声コーデック460は、ユーザから発話された情報を受信し得、それを使用可能なデジタル情報に変換し得る。音声コーデック460は同様に、例えば、モバイルコンピューティングデバイス450のハンドセットにおいて、スピーカなどを通じてユーザに対する可聴音を生成し得る。そのような音は、ボイス電話呼び出しからの音を含み得、記録された音(例えば、ボイスメッセージ、ミュージックファイルなど)を含み得、モバイルコンピューティングデバイス450上で動作するアプリケーションによって生成された音をも含み得る。
【0092】
モバイルコンピューティングデバイス450は、図に示されるように、いくつかの異なる形式において実装され得る。例えば、それは、携帯電話480として実装され得る。それはまた、スマートフォン482、パーソナルデジタルアシスタント、または他の類似のモバイルデバイスの一部として実装される。
【0093】
ここで説明されるシステム及び技術の様々な実装態様は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/またはそれらの組み合わせにおいて実現されることができる。それらの様々な実装態様は、少なくとも1つのプログラム可能プロセッサを含むプログラム可能システム上で実行可能及び/またはインタプリット可能である1つ以上のコンピュータプログラムにおける実装態様を含むことができ、少なくとも1つのプログラム可能プロセッサは、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び命令を受信し、それらにデータ及び命令を送信するように結合された、特殊目的または汎用目的であり得る。
【0094】
それらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られる)は、プログラム可能プロセッサに対する機械命令を含み、高レベル手続き的プログラミング言語及び/またはオブジェクト指向プログラミング言語、及び/またはアセンブリ/機械言語において実装されることができる。本明細書で使用されるように、機械可読媒体及びコンピュータ可読媒体という用語は、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む、プログラム可能プロセッサに機械命令及び/またはデータを提供するために使用されるいずれかのコンピュータプログラム製品、装置、及び/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光学ディスク、メモリ、プログラマブル論理回路(PLD))を指す。機械可読信号という用語は、プログラム可能プロセッサに機械命令及び/またはデータを提供するために使用されるいずれかの信号を指す。
【0095】
ユーザとのインタラクションを提供するために、ここで説明されるシステム及び技術は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、それによってユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有するコンピュータ上で実装されることができる。同様に、ユーザとのインタラクションを提供するために、他の種類のデバイスが使用されることができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、いずれかの形式の知覚フィードバック(例えば、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、または触知的フィードバック)であることができ、ユーザからの入力は、音響入力、発話入力、または触知的入力を含む、いずれかの形式において受信されることができる。
【0096】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバとして、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含むコンピューティングシステム、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザがここで説明されるシステム及び技術の実装態様とインタラクトすることができるグラフィカルユーザインタフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含むコンピューティングシステム、あるいはバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、またはフロントエンドコンポーネントのいずれかの組み合わせを含むコンピューティングシステムにおいて実装されることができる。システムのコンポーネントは、いずれかの形式または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続されることができる。通信ネットワークの実施例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及びインターネットを含む。
【0097】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは概して、相互にリモートであり、典型的には、通信ネットワークを通じてインタラクトする。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で稼働し、相互にクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムにより生じる。
【0098】
本開示の特定の実施形態が上記説明されてきた。しかしながら、本開示はそれらの実施形態に限定されず、むしろ、本開示において明確に説明されたことへの追加及び変更も開示の範囲内に含まれることも意図されていることが明確に示される。その上、本出願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示において説明された様々な実施形態の特徴は、互いに排他的でなく、様々な組み合わせ及び並べ換えにおいて、そのような組み合わせまたは並べ換えが明示されなかった場合でさえ、存在することができることを理解されよう。開示は、その特定の実施形態を特に参照して詳細に説明されてきたが、変形及び修正は、特許請求される発明の精神及び範囲内で達成されることができることを理解されよう。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
【国際調査報告】