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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】折り畳み式車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/14 20060101AFI20240628BHJP
   B62D 3/00 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B62D21/14
B62D3/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023581051
(86)(22)【出願日】2022-05-20
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 IL2022050528
(87)【国際公開番号】W WO2023281487
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】17/370,063
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524003873
【氏名又は名称】シティー トランスフォーマー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】フォルモザ アサフ
(72)【発明者】
【氏名】メリドール ウディ
(72)【発明者】
【氏名】レヴィンタント オラン
(72)【発明者】
【氏名】ドウィランスキ アニ
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA02
3D203CB38
3D203DA13
3D203DB02
3D203DB10
(57)【要約】
開示される折り畳み式車両は、シャーシであって、静的支持体と、少なくとも2つの実質的に対向するフレームパーツを含む動的シャーシフレームと、折り畳み状態と展開状態との間で前記車両の横軸を横切る少なくとも2つの実質的に対向する前記フレームパーツ間の距離を減少又は増加させる折り畳み機構とを備える、シャーシと、前記折り畳み機構を制御するコントローラと、を含み得る。コントローラを用いて折り畳み式車両の折り畳み及び展開を制御するための方法も開示される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシであって、
静的支持体と、
少なくとも2つの実質的に対向するフレームパーツを含む、前記静的支持体に連結された動的シャーシフレームと、
折り畳み状態と展開状態との間で前記車両の横軸を横切る前記少なくとも2つの実質的に対向するフレームパーツ間の距離を減少又は増加させる折り畳み機構と、
を備える、シャーシと、
前記折り畳み機構を制御するコントローラと、
を備える、折り畳み式車両。
【請求項2】
前記折り畳み機構は、前記フレームパーツのうちの少なくとも1つに接続された少なくとも1つのカルーセルを備える、請求項1に記載の折り畳み式車両。
【請求項3】
前記少なくとも1つのカルーセルは、前記静的支持体に接続され、前記静的支持体に直交する軸を中心に枢動する、請求項2に記載の折り畳み式車両。
【請求項4】
前記少なくとも1つのカルーセルは、前記2つのフレームパーツから実質的に等しい距離に配置される、請求項2又は請求項3に記載の折り畳み式車両。
【請求項5】
前記折り畳み機構は、前記静的支持体に接続された1つ又は複数のピストンを備え、前記ピストンは、前記少なくとも1つのカルーセルを駆動するように構成される、請求項2~4のいずれか一項に記載の折り畳み式車両。
【請求項6】
前記フレームパーツは、前記折り畳み状態で前記静的支持体に収縮する、請求項1~5のいずれか一項に記載の折り畳み式車両。
【請求項7】
前記シャーシは、1つ又は複数のトラックを備え、前記少なくとも2つのフレームパーツは、前記折り畳み状態と前記展開状態との間で前記トラックに沿って摺動する、請求項1~6のいずれか一項に記載の折り畳み式車両。
【請求項8】
前記少なくとも2つの実質的に対向するフレームパーツを、前記展開状態、前記折り畳み状態及び中間状態からなる状態の群から選択された状態にロックするロック機構をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の折り畳み式車両。
【請求項9】
ステアリングシャフトによってハンドルに接続可能な分割ステアリングギヤボックスを備える分割ステアリング機構と、2つのシャフト、すなわち、前記分割ステアリングギヤボックスを車両の第一の前輪に連結するための前記2つのシャフトのうちの第一のシャフトと、前記分割ステアリングギヤボックスを前記車両の第二の前輪に連結するための前記2つのシャフトのうちの第二のシャフトと、をさらに備え、前記分割ステアリングギヤボックスは、前記ステアリングシャフトの回転を前記シャフトの回転に伝達及び分割するように構成され、その結果、前記シャフトのそれぞれの前記回転は、前記ステアリングシャフトの前記回転と相関する、請求項1~8のいずれか一項に記載の折り畳み式車両。
【請求項10】
前記分割ステアリング機構は、前記折り畳み式車両の前記2つのフレームパーツ間の前記距離が減少又は増加するのに伴って、伸長及び収縮するシャフトを備える、請求項9に記載の折り畳み式車両。
【請求項11】
前記分割ステアリング機構は、前記折り畳み式車両の前記2つのフレームパーツ間の前記距離が減少又は増加する間に、前記折り畳み式車両の前輪の回転角を維持するように構成される、請求項9又は請求項10に記載の折り畳み式車両。
【請求項12】
前記分割ステアリング機構は、前記折り畳み式車両の高さが減少又は増加するのに伴って、伸長及び収縮するシャフトを備える、請求項9~11のいずれか一項に記載の折り畳み式車両。
【請求項13】
前記分割ステアリング機構は、前記折り畳み式車両の高さが減少又は増加する間に、前記折り畳み式車両の前輪の回転角を維持するように構成される、請求項9~12のいずれか一項に記載の折り畳み式車両。
【請求項14】
前記車両に対するリスクの評価に関連するパラメータを感知するために前記車両に配置された1つ以上のセンサをさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の折り畳み式車両。
【請求項15】
コントローラを使用して、折り畳み式車両の折り畳み及び展開を制御するための方法であって、
前記コントローラを使用して、折り畳み又は展開コマンドを受信するステップと、
前記コントローラを使用して、前記車両に対するリスクの評価に関連するパラメータを感知するために、前記車両に配置された1つ以上のセンサから感知されたデータを取得するステップと、
前記コントローラを使用して、前記リスクを評価するステップと、
前記コントローラを使用して、前記リスクが閾値を下回るかどうかをチェックするステップと、
前記コントローラを使用して、前記リスクが閾値を下回る場合、前記折り畳み又は展開を開始するステップと、
前記コントローラを使用して、前記折り畳み又は展開が完了したかどうかをチェックするステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記リスクが閾値を下回らない場合、前記折り畳み式車両の前記折り畳み又は展開を中断するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記折り畳み又は展開を中断した後、前記1つ以上のセンサから感知されたデータを取得するステップと、前記リスクを評価するステップと、前記リスクが閾値を下回るかどうかをチェックするステップと、をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記折り畳み又は展開が完了しない場合、前記1つ以上のセンサから感知されたデータを取得するステップと、前記リスクを評価するステップと、前記折り畳み又は展開が完了するまで、前記リスクが閾値を下回るかどうかをチェックするステップと、をさらに含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記リスクが閾値を下回らない場合、前記折り畳み式車両の前記折り畳み又は展開を中断するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記折り畳み又は展開を中断した後、前記1つ以上のセンサから感知されたデータを取得するステップと、前記リスクを評価するステップと、前記リスクが閾値を下回るかどうかをチェックするステップと、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記折り畳み式車両が折り畳み状態にある場合、前記折り畳み式車両の速度を制限するステップをさらに含む、請求項15~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記コントローラを使用して、折り畳み又は展開コマンドを自律的に生成するステップをさらに含む、請求項15~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記コントローラを使用して、受信した折り畳み又は展開コマンド間の競合を解決するステップをさらに含む、請求項15~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
分割ステアリング機構であって、
ステアリングシャフトによってハンドルに接続可能な分割ステアリングギヤボックスと、
2つのシャフト、すなわち、前記分割ステアリングギヤボックスを車両の第一の前輪に連結するための前記2つのシャフトのうちの第一のシャフトと、前記分割ステアリングギヤボックスを前記車両の第二の前輪に連結するための前記2つのシャフトのうちの第二のシャフトであって、前記分割ステアリングギヤボックスは、前記ステアリングシャフトの回転を前記シャフトの回転に伝達及び分割するように構成され、その結果、前記シャフトのそれぞれの前記回転は、前記ステアリングシャフトの前記回転と相関する、2つのシャフトと、
を含む、分割ステアリング機構。
【請求項25】
前記シャフトのそれぞれは、可変長を有する、請求項24に記載の分割ステアリング機構。
【請求項26】
前記シャフトが同時に異なる長さであることを促進するように構成された、請求項25に記載の分割ステアリング機構。
【請求項27】
前記前輪を旋回させるとき、アッカーマン補正を適用するように構成された、請求項24~26のいずれか一項に記載の分割ステアリング機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。より具体的には、本発明は、折り畳み式車両に関する。
【背景技術】
【0002】
1マイルの道路あたりの車両数は、需要の増加に伴って年々増加するにつれて、特に人口密度が高い都市部及び大都市における渋滞及び駐車の問題が増大している。公共輸送は、民間輸送手段の代替手段であるが、地方地域をカバーしきれず、可用性、快適性等の欠点を有する。パーソナル車両(例えば、ミニカー又はオートバイ)等の他の代替車は、道路及び駐車場におけるフットプリントがより小さいが、安全性の点でリスクを孕んでいる。車両の安定性は、その車幅と相関し得、典型的には、車幅が狭いほど重心が高くなり、特に、高速走行時に、その車両が運転条件の影響を受けやすくなる。小型車両は、コスト(例えば、価格、ガソリン及び駐車スペース)の点で経済的であるにもかかわらず、小型車両の運転に関連するリスクがメリットを上回る可能性がある。
【0003】
幅を調整可能な車両が導入され、拡張状態での快適性及び安全性を提供することも、狭い利用可能なスペースに容易に駐車することもできた。
【0004】
古典的なステアリングシステムは、典型的には、ホイールシャフトに結合されたホイールを(例えば、ホイールコラムを用いて)回転させることによって、車輪をある角度で回転させる。ホイールシャフトは、典型的には、ステアリングラックを介して車輪(例えば、通常は前輪)に連結される。調整可能な幅を有する車両のステアリングシステムは、車輪間の距離の変化に適合するように再設計することが必要なことがある。
【0005】
調整可能な寸法(例えば、幅、高さ、または長さ)を有する車両は、また、指定されたコントローラが必要なこともある。コントローラは、車幅の調整に関与する様々な要素を制御するように適合される必要があり得る。コントローラは、車幅の調整に関連する様々な状況及びリスクに対処する必要なこともある。
【0006】
狭い駐車スペースでの駐車を可能にするために容易で効率的な折り畳みが可能な車両を提供することが望ましい場合がある。また、車輪間の調節可能な距離に適合するように狭めたり広げたりするように適合されたステアリングアセンブリを提供することが望ましい場合もある。また、折り畳み式車両を安全に制御するように構成されたコントローラを提供することが望ましい場合もある。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の実施形態によれば、静的支持体を備えるシャーシと、静的支持体に連結され、少なくとも2つの実質的に対向するフレームパーツを含む動的シャーシフレームと、折り畳み状態と展開状態との間で車両の横軸を横切る少なくとも2つの実質的に対向するフレームパーツ間の距離を減少又は増加させるための折り畳み機構と、折り畳み機構を制御するコントローラと、を含む折り畳み式車両が提供される。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み機構は、フレームパーツのうちの少なくとも1つに接続された少なくとも1つのカルーセルを含む。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのカルーセルは、静的支持体に接続され、静的支持体に直交する軸を中心に枢動する。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのカルーセルは、2つのフレームパーツから実質的に等しい距離に配置される。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み機構は、静的支持体に接続された1つ又は複数のピストンを備え、ピストンは、少なくとも1つのカルーセルを駆動するように構成される。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、フレームパーツは、折り畳み状態で静的支持体に収縮する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、シャーシは、1つ又は複数のトラック(tracks)を備え、少なくとも2つのフレームパーツは、折り畳み状態と展開状態との間でトラックに沿って摺動する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み式車両は、少なくとも2つの実質的に対向するフレームパーツを、展開状態、折り畳み状態及び中間状態からなる状態の群から選択された状態にロックするロック機構をさらに備える。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み式車両は、ステアリングシャフトによってハンドルに接続可能な分割ステアリングギヤボックスを備える分割ステアリング機構と、2つのシャフト、すなわち、分割ステアリングギヤボックスを車両の第一の前輪に連結するための2つのシャフトのうちの第一のシャフトと、分割ステアリングギヤボックスを車両の第二の前輪に連結するための2つのシャフトのうちの第二のシャフトと、をさらに備え、分割ステアリングギヤボックスは、ステアリングシャフトの回転をシャフトの回転に伝達及び分割するように構成され、その結果、シャフトのそれぞれの回転は、ステアリングシャフトの回転と相関する。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、分割ステアリング機構は、折り畳み式車両の2つのフレームパーツ間の距離が減少又は増加するのに伴って、伸長及び収縮するシャフトを備える。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、分割ステアリング機構は、折り畳み式車両の2つのフレームパーツ間の距離が減少又は増加する間に、折り畳み式車両の前輪の回転角を維持するように構成される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、分割ステアリング機構は、折り畳み式車両の高さが減少又は増加するのに伴って、伸長及び収縮するシャフトを備える。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、分割ステアリング機構は、折り畳み式車両の高さが減少又は増加する間に、折り畳み式車両の前輪の回転角を維持するように構成される。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み式車両は、車両に対するリスクの評価に関連するパラメータを感知するために、車両に配置された1つ以上のセンサをさらに備える。
【0021】
したがって、本発明の実施形態によれば、コントローラを使用して折り畳み式車両の折り畳み及び展開を制御するための方法が提供され、この方法は、コントローラを使用して、折り畳み又は展開コマンドを受信するステップと、コントローラを使用して、車両に対するリスクの評価に関連するパラメータを感知するために車両に配置された1つ又は複数のセンサから感知されたデータを取得するステップと、コントローラを使用して、リスクを評価するステップと、コントローラを使用して、リスクが閾値を下回るかどうかをチェックするステップと、コントローラを使用して、リスクが閾値を下回る場合、折り畳み又は展開を開始するステップと、コントローラを使用して、折り畳み又は展開が完了したかどうかをチェックするステップと、を含む。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法は、リスクが閾値を下回らない場合、折り畳み式車両の折り畳み又は展開を中断するステップをさらに含む。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法は、折り畳み又は展開を中断した後、1つ以上のセンサから感知されたデータを取得するステップと、リスクを評価するステップと、リスクが閾値を下回るかどうかをチェックするステップと、をさらに含む。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法は、折り畳み又は展開が完了していない場合、1つ以上のセンサから感知されたデータを取得するステップと、リスクを評価するステップと、折り畳み又は展開が完了するまで、リスクが閾値を下回るかどうかをチェックするステップと、をさらに含む。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法は、リスクが閾値を下回らない場合、折り畳み式車両の折り畳み又は展開を中断するステップをさらに含む。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法は、折り畳み又は展開を中断した後、1つ以上のセンサから感知されたデータを取得するステップと、リスクを評価するステップと、リスクが閾値を下回るかどうかをチェックするステップと、をさらに含む。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法は、折り畳み式車両が折り畳み状態にある場合、折り畳み式車両の速度を制限するステップをさらに含む。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法は、コントローラを使用して、折り畳み又は展開コマンドを自律的に生成するステップをさらに含む。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法は、コントローラを使用して、受信した折り畳み又は展開コマンド間の競合を解決するステップをさらに含む。
【0030】
したがって、本発明の実施形態によれば、分割ステアリング機構が提供され、分割ステアリング機構は、ステアリングシャフトによってハンドルに接続可能な分割ステアリングギヤボックスと、2つのシャフト、すなわち、分割ステアリングギヤボックスを車両の第一の前輪に連結するための2つのシャフトのうちの第一のシャフトと、分割ステアリングギヤボックスを車両の第二の前輪に連結するための2つのシャフトのうちの第二のシャフトと、を含み、分割ステアリングギヤボックスは、ステアリングシャフトの回転をシャフトの回転に伝達及び分割するように構成され、その結果、シャフトのそれぞれの回転は、ステアリングシャフトの回転と相関する。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、シャフトのそれぞれは、可変長を有する。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によれば、分割ステアリング機構は、シャフトが同時に異なる長さであることを促進するように構成される。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によれば、分割ステアリング機構は、前輪を旋回させるとき、アッカーマン補正(Ackerman correction)を適用するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明をよりよく理解し、その実用的な用途を認識するために、以下の図は、以下に提供され、参照される。図は、例としてのみ与えられており、決して本発明の範囲を限定するものではないことに留意されたい。同様の構成要素は、同様の参照番号によって示される。
【0035】
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、展開状態にある折り畳み式車両のシャーシの上面図である。
図1B】折り畳み状態にある、図1Aに示す折り畳み式車両のシャーシの上面図である。
図2図1Aに示す折り畳み式車両のシャーシの折り畳み機構の底面図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態による、車両のいくつかの部分を示す、座席を有する折り畳み式車両の側面図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態による、折り畳み式車両の前輪に接続された分割ステアリング機構の正面図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態による、コントローラを有する折り畳み式車両のシャーシの側面図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態による、折り畳み式車両の折り畳み及び展開プロセスを制御する方法のフローチャートである。
図7】本発明のいくつかの実施形態による分割ステアリング機構の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細がなくても、本発明を実施できることを理解するであろう。他の例では、本発明を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、構成要素、モジュール、ユニット、及び/又は回路は、詳細に説明されていない。
【0037】
本発明の実施形態は、これに関して限定されないが、例えば、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「確立する」、「分析する」、「チェックする」等の用語を利用する議論は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理(例えば、電子)量として表されるデータを操作し、及び/又は変換して、同様にコンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理量として表される他のデータ、又は動作及び/又はプロセスを実行するための命令を記憶し得る他の情報持続性記憶媒体(例えば、メモリ)に変換するコンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、又は他の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又はプロセスを意味することがある。本発明の実施形態はこの点に関して限定されないが、本明細書で使用される「複数(plurality)」及び「複数(a plurality)」という用語は、例えば、「複数」、又は「2つ以上」を含むことがある。「複数(plurality)」及び「複数(a plurality)」という用語は、2つ以上の構成要素、デバイス、要素、ユニット、パラメータ等を説明するために本明細書全体にわたって使用されることがある。明示的に述べられていない限り、本明細書に記載される方法の実施形態は、特定の順序又はシーケンスに制約されない。さらに、記載された方法の実施形態又はその要素のいくつかは、同時に、同じ時点で、又は並行して起こるか、又は実行され得る。別段の指示がない限り、本明細書で使用される用語「又は」は、包括的である(記述された選択肢のいずれか又はすべて)と理解されるべきである。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態による折り畳み式車両が導入され、この折り畳み式車両は、折り畳み式車両の幅を調整し、そのような調整を制御するためのシステム及び機構を含み得る。折り畳み式車両は、調整可能な幅又は長さを有する車両、収縮可能及び伸長可能な要素を有する車両、その寸法が一定でない車両等を指してもよく、以下では折り畳み式車両と呼ぶ。本発明のいくつかの実施形態による折り畳み式車両は、折り畳み又は展開するように構成され、それによって、車両の横方向寸法(以下、幅)を減少又は増加させる。本発明のいくつかの実施形態によれば、車両の幅を増加又は減少させることは、対向する車輪(左車輪及び右車輪とも呼ばれる)間の距離を減少又は増加させることを含む。折り畳み式車両の幅は、車両の対向する部分間の距離を増加又は減少させることによって、増加又は減少させてもよい。例えば、折り畳み式車両の折り畳み機構は、折り畳み状態と展開状態との間で車両の横軸を横切る2つの実質的に対向するフレームパーツ間の距離を増加又は減少させてもよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、車両の対向する部分間の距離を増加又は減少させることは、対向する車輪間の距離を増加又は減少させることがある。以下では、車両の幅を減少させることを折り畳みと呼び、車両の幅を増加させることを展開と呼ぶ。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両又は折り畳み式車両は、シャーシを備えてもよい。シャーシは、静的支持体と、動的シャーシフレームと、折り畳み機構とを備えてもよい。動的シャーシフレームは、少なくとも2つの実質的に対向するフレームパーツを含むことができる。折り畳み機構は、折り畳み状態と展開状態との間で車両の横軸を横切る少なくとも2つの実質的に対向するフレームパーツ間の距離を減少又は増加させてもよい。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態による折り畳み式車両は、駐車スペースが乏しいエリアにおいて有用であり得る。車両を折り畳むことで、幅を減少させ、したがって、車両が駐車するために必要とされる駐車スペースの幅を減少させてもよい。折り畳み式車両は、また、狭い道路で操縦するのがより容易であり得る。車両の幅が減少すると、その車両の質量中心が地面より高く持ち上げられ、車両の安定性が低下することがある。折り畳み状態にあるとき、本発明のいくつかの実施形態による折り畳み式車両は、転倒を回避するために低速で駆動され得る。例えば、折り畳み状態において、折り畳み式車両のコントローラは、折り畳み式車両の運転速度を制限することができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み式車両は、折り畳み式車両の安定性を(例えば、速度、道路状況、車両の重量、旋回半径等のパラメータに応じて)維持するために、運転中に徐々に展開することができる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によると、所定の閾値速度を上回る速度で折り畳み式車両を駆動することは、推奨されなくてもよく、いくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、例えば、車両のコントローラに閾値速度制限を上回る速度で車両を駆動することを防止させることによって、そのような閾値速度制限を上回る速度を回避するように構成されてもよい。折り畳み式車両が展開状態にあるとき、質量中心は低下し、その結果、車両の安定性が高まる。例えば、折り畳み式車両は、駐車スペースを節約するために、又は限られた駐車スペースで駐車するために、駐車中に折り畳み状態であってもよい。折り畳み式車両が駐車スペースを出て、低速度から中速度(例えば、毎時最大40キロメートルの速度)で移動を開始するとき、車両は、依然として展開状態のままであってもよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み式車両は、所定の閾値速度(例えば、40Km/h)未満又は以下の速度で駆動されるように制限されてもよい。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み式車両の折り畳み又は展開プロセスは、折り畳み式車両のユーザ(例えば、運転者)によって、あるいは自律折り畳み式車両の場合には自動的に開始されてもよい。いくつかの実施形態では、折り畳み又は展開プロセスは、車両が運転中であり、所定の速度未満又は以下の速度で走行しているときにのみ、開始及び完了するように制限されてもよい。折り畳み又は展開プロセスは、折り畳み式車両のコントローラによって制御されてもよい。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、静的支持体を画定するフレームを含んでもよい。静的支持体は、1つ又は複数の座席を支持するように設計することができ、ハンドル、フロントガラス、1つ又は複数の壁、1つ又は複数の窓、1つ又は複数のドア、様々なインジケータを有するダッシュボード、スクリーン、及び典型的にはダッシュボードの一部である他の構成要素、並びに他の構成要素を含む客室の一部(例えば、床)とすることもできる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態では、静的支持体は、例えば、コネクタによって、動的シャーシに結合されてもよい。動的シャーシは、折り畳み式車両の折り畳み及び展開を容易にする1つ又は複数の可動フレーム、パーツ、構造、又はアセンブリを含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態では、動的シャーシは、静的支持体に結合される2つの実質的に対向するフレームパーツを含んでもよく、対向するフレームの各フレームは、車輪を含んでも、あるいは支持してもよい。例えば、左側のフレームは左側の車輪(例えば、前左輪、後左輪)に(例えば、サスペンションを介して)連結することができ、一方、右側のフレームは右側の車輪(例えば、右前輪、右後輪である)に(例えば、サスペンションを介して)連結することができる。以下では、車両の同じ側(例えば、右又は左)に位置する車輪を追従車輪と呼ぶ。本発明のいくつかの実施形態では、動的シャーシは、折り畳み式車両の各車輪のための可動フレームを含んでもよい。例えば、動的シャーシは、それぞれが折り畳み式車両の異なる車輪を支持する4つの可動フレームを含んでもよい。動的シャーシは、1つの可動フレームを含んでもよく、車輪のサブセットは、静的支持体に連結されてもよく、車輪の残りは、可動フレームに連結されてもよい。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、車両の折り畳み及び展開を容易にするための1つ又は複数の折り畳み機構を含んでもよい。折り畳み機構は、1つ又は複数のアクチュエータ、ドライバ、モータ、ピストン、パワートレイン及び駆動機構等を含んでもよく、以下では、アクチュエータと呼ぶ。本発明のいくつかの実施形態による折り畳み機構は、静的支持体を動的シャーシに結合するために使用されてもよい。折り畳み機構は、動的シャーシの構成要素に力を加えて、それらを引っ張って近づけるか、又は押し離して、それぞれ折り畳み状態又は展開状態に、あるいはそれらの間の中間状態に構成することができる。車両の幅は、折り畳み機構を動作させてフレームパーツ間の距離をそれぞれ増加又は減少させることによって、増加又は減少させてもよい。
【0046】
折り畳み機構は、動的シャーシの可動パーツを折り畳み状態及び展開状態に、それらの間で移動させるトラック、レール、ガイド、伝達要素、線形伝達要素等を含んでもよい。トラックは、所定の経路に沿って可動パーツを案内し、可動パーツを実質的に平行かつ互いに反対に維持するために使用されてもよい。トラックは、摺動要素、軸受、線形軸受、磁石、潤滑材料等を含んでもよい。トラックは、静的支持体上及び/又は動的シャーシ上に提供されてもよい。
【0047】
動的シャーシは、静的支持体の中、上、又は下に折り畳まれる可動パーツ(例えば、実質的に対向するフレームパーツ)を含んでもよい。動的シャーシは、車輪の回転軸又は車輪の回転軸に平行な軸に沿って、静的支持体に対して折り畳み又は展開してもよい。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、車両の全体の高さを変更することなく折り畳み又は展開されてもよい。折り畳み式車両は、折り畳み式車両の折り畳み及び展開中に、車両の前輪と後輪との間の平面に実質的に直交する垂直軸に沿って、折り畳み式車両の質量中心を維持してもよい。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、1つ又は複数のコントローラ(以下、簡潔にするためにコントローラ)を含んでもよい。折り畳み式車両は、また、1つ又は複数のセンサを含んでもよい。例えば、折り畳み式車両は、速度、加速度、位置、温度、車両内の乗客の数及び物理的位置、車輪の回転、ハンドルの回転、物体からの車両の距離、平行車輪のセット間の距離、動的シャーシの可動パーツ間の距離、並びに他の車両及び/又は走行パラメータを測定するセンサを含んでもよい。コントローラは、センサに接続され、前記センサから感知されたデータを取得し、取得した感知されたデータを処理してもよい。
【0050】
コントローラは、折り畳み機構を制御するように構成されてもよい。コントローラは、折り畳み式車両の折り畳み又は展開を開始するための入力を受信するように構成されてもよい。例えば、運転者等の車両のユーザは、車両を折り畳む又は展開するためにコントローラに発行される信号を開始してもよい。例えば、ユーザは、ボタンを押下し、ノブをオンにし、タッチスクリーン上の仮想ボタンを押下し、スマートフォン等の無線通信デバイスを使用し、別の手段のユーザインターフェースを採用し、信号をコントローラに送信して、車両を折り畳む、又は展開してもよい。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、自律的及び/又は遠隔制御可能であってもよい。コントローラは、ユーザから、又はコンピュータ、他のコントローラ、第三者デバイス、若しくは他の遠隔制御デバイス等の遠隔デバイスから、車両を折り畳む又は展開するための信号を自動的に生成してもよく、又は受信してもよい。例えば、コントローラは、自律折り畳み式車両を折り畳み及び展開するためのコマンドを自律折り畳み式車両から受信してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、展開信号(例えば、ユーザによって開始される)を受信し、車両が所定の速度制限閾値(例えば、40Km/h)を下回る速度で、例えば、第一の所定の速度閾値と、第一の速度閾値より高く、所定の速度制限閾値(例えば、40Km/h)以下である第二の所定の速度閾値との間で、走行していることを示す感知されたデータを受信しているときのみ、のときのみ、車両を展開するように、折り畳み機構へのコマンド信号を生成してもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、展開プロセスが完了するまで、折り畳み式車両の速度を(例えば、車両の推進システムのモータ又は他の部分を制御することによって)、所定の速度制限閾値以下又は未満に留まるように制限してもよい。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、折り畳み式車両を部分的に折り畳み、展開するためのコマンドを受信又は生成してもよい。折り畳み式車両は、折り畳み式車両の速度と車両の幅(例えば、展開の程度)との間の関係を有するように構成されてもよい。コントローラ(又は自律走行車の制御ユニット)は、折り畳み式車両の速度の関数として展開の程度を決定することができる。折り畳み中、コントローラは、それに応じて折り畳み式車両の速度を制限してもよい(例えば、折り畳み式車両の速度を車両の幅の関数として制限する)。折り畳み又は展開中、コントローラは、折り畳み式車両の速度に従って、折り畳み又は展開を制限又は中断することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、自律的であってもよい。折り畳み式車両は、車両の折り畳み及び展開を制御するためにコントローラに信号を送信してもよい。折り畳み式車両は、センサから信号を受信し、折り畳み式車両(例えば、折り畳み式車両の速度、方向、折り畳み及び展開を制御する)を自律的に制御してもよい。
【0054】
同様に、本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、折り畳み信号(例えば、ユーザによって開始される)を受信し、例えば、車両が所定の速度制限閾値(例えば、40Km/h)を下回る速度で走行していることを示す感知されたデータを受信したときにのみ、車両を折り畳むように折り畳み機構にコマンド信号を生成してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、であって、コントローラは、折り畳み式車両の速度を制限して(例えば、車両の推進システムのモータ又は他のパーツを制御することによって)、折り畳みプロセスが完了するまで、所定の速度制限閾値以下又は未満に留まるようにすることができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、位置データ(例えば、GPS)を使用してもよい。折り畳み式車両は、折り畳み式車両を折り畳み、展開するために位置データを使用してもよい。例えば、折り畳み式車両は、折り畳み式車両の近傍の駐車スペースを検出し、駐車に備えて折り畳むことができる。折り畳み式車両は、位置データを使用して、折り畳み式車両が高速道路に入っていくことを検出し、高速道路に入るのに備えて展開することができる。折り畳み式車両は、狭い道路を有するエリアを検出するために位置データを使用してもよく、その結果、折り畳み式車両は、折り畳むことができる(例えば、一部の狭い道路は、狭い幅の車両しか許さない場合がある)。
【0057】
コントローラは、動的シャーシの可動パーツを同期的かつ安定した方法で折り畳み及び展開するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、動的シャーシの2つの対向するフレームパーツを同時に移動させ、これらのパーツを同じ速度で移動させるように折り畳み機構を動作させてもよい。
【0058】
折り畳み式車両は、(例えば、指定されたコントローラを使用することによって)移動中にのみ折り畳み及び展開するように構成されてもよい。折り畳み中及び展開中の対向するフレームパーツの動きは、車両の全般的な進行方向に対して実質的に垂直な軸に沿ったものである。
【0059】
例えば、車両は、車両の移動中に、許容速度(例えば、5.38Km/h~40Km/hである)の範囲内で折り畳まれたり、展開したりするように設計されてもよい。許容速度の範囲は、予め決められていてもよい。許容速度の範囲は、規制、安全性、製造、ビジネス上の理由等に従って決定されてもよい。許容速度の範囲は、車両の製造業者及び任意の他の認可された機関(例えば、政府機関、規制機関、販売代理店)によって予め決定されてもよい。許容速度の範囲は、変化し得る。例えば、いくつかの国では、許容速度の範囲は5.38Km/h~40Km/hであってもよく、他の国では、許容速度の範囲は0(車両は非常に低速で展開されたままであり得る)~90Km/h(車両は高速で折り畳まれたままであり得る)であってもよい。許容速度の範囲は、旋回半径及び旋回中の速度等の運転条件に応じて変化してもよい。折り畳み式車両は、車両が静止しているとき又は非常に低速(例えば、5.38Km/h未満)で走行しているときに、車両を折り畳む又は展開するための折り畳み機構の動作を防止するように構成されてもよい。
【0060】
折り畳み式車両は、実質的に直線の経路に沿って移動している間、又は旋回しているときに(例えば、前輪が横向きの角度で回転される場合)折り畳まれ、展開するように構成されてもよい。例えば、前輪は、車両を左又は右に旋回させるようにある角度で旋回されてもよく、車両は、折り畳み又は展開中に車両がその正確な移動を維持し得るように、前輪がある角度で旋回されたままである間に折り畳み又は展開してもよい。折り畳み及び展開にかかわらず、車輪の回転角を維持することは、車両の安全対策として適用されてもよい。例えば、車両が旋回しているとき、車輪はある方向にある角度で旋回し、展開が開始され(例えば、車両が旋回しており、車両が高速に向かって加速している場合、展開が自動的に開始される)、回転角が維持されない場合、車両は、旋回中に方向を変え、衝突する可能性がある。折り畳み式車両は、折り畳み式車両の折り畳み中及び展開中も、通常運転中も、折り畳み式車両の旋回角を維持することができる。折り畳み式車両は、折り畳み式車両の折り畳み及び展開が中断された場合に、折り畳み式車両の旋回角を維持することができる。例えば、折り畳み式車両が折り畳み式車両の折り畳みを中断し、車両が折り畳まれた状態と展開された状態との間にある場合、ユーザは、折り畳み式車両の操舵に対する制御を維持することができ、折り畳み式車両の旋回角を維持することができる。本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両が折り畳まれている又は展開されている間の旋回中に、折り畳み式車両は、車両のユーザ(例えば、運転者)が何らかの変化を行う(例えば、ハンドルを回す)まで、車輪の回転角(例えば、ステアリング半径)を維持してもよい。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、折り畳み及び展開中の加速又は減速を防止し得る。代替的又は追加的に、折り畳み式車両は、折り畳み及び展開中に加速又は減速を可能にし得る。例えば、折り畳み式車両は、所定の加速度及び/又は速度の範囲内で折り畳み又は展開中に加速又は減速することができる。本発明のいくつかの実施形態では、車両のユーザは、折り畳み式車両の折り畳み及び展開中に、折り畳み式車両の速度、加速、及び減速(例えば、ガスペダル及びブレーキペダル)に対する制御を維持してもよい。折り畳み式車両は、折り畳み及び展開中に折り畳み式車両を操縦するためのハンドルの使用を可能にし得る。本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み中、折り畳み式車両は、例えば、速度が所定の限界(例えば、その瞬間の車両の幅による)を超えない場合、加速(例えば、速度の増加)を可能にすることができる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態では、分割ステアリング機構は、自動車が旋回しているときの前輪の回転角の調整を含む、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。例えば、左への旋回中、左前輪は右前輪よりも短い距離を走行し得、アッカーマン補正は、車両の旋回中の走行距離の差を考慮するために前輪の回転角を調整する。分割ステアリング機構は、左前輪をある角度で回転させ、右前輪を異なる回転角で回転させて、アッカーマン補正のために調整することができる。本発明のいくつかの実施形態では、アッカーマン補正は、車両の折り畳み及び展開中にもアクティブであり得る。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態では、分割ステアリング機構は、車両の幅(例えば、折り畳み及び展開)に従って、及び/又は車両の高さ(例えば、車両の高さは調整可能及び/又は変更可能であってもよい)に従って調整してもよい。車両は、その高さを調整してもよく、分割ステアリング機構は、車両の異なる高さで車輪の回転角を維持してもよい。例えば、分割ステアリング機構は、車両又は車輪のいずれかの高さ調整の前、最中及び後に、車輪の回転角を維持してもよい。分割ステアリング機構は、車両の異なる側部の間の高さの差を許容しながら、車輪の回転角を維持してもよい。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態では、分割ステアリング機構は、車両及び/又は車両の車輪のいずれかの高さに関連して、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。例えば、分割ステアリング機構は、車両の片側の高さが車両の別の側と異なる場合、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。分割ステアリング機構は、車輪の少なくとも1つ(例えば、前輪の1つ)の高さが別の車輪の高さと異なる場合(例えば、1つの車輪がより高く、他の全ての車輪が同じ高さにある)、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。例えば、分割ステアリング機構は、車両又は車輪のいずれかの高さ調整の前、最中及び後に、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。分割ステアリング機構は、車両の異なる側部の間の高さの差を許容しながら、アッカーマン補正のために前輪を調整する。
【0065】
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による、展開状態にある折り畳み式車両のシャーシの上面図である。折り畳み式車両100は、静的支持体20を含んでもよい。静的支持体20は矩形であってもよいが、別の形態で形成することもできる。静的支持体20は、静的支持体20に動的に結合される1つ又は複数のパーツの直線変位を提供するように、平坦な表面を有してもよい。運転席は、静的支持体20上に取り付けられてもよい。さらに、1つ又は複数の乗客用座席は、また、静的支持体20によって支持されてもよい。
【0066】
静的支持体は、また、ハンドル50、フロントガラス、1つ以上の壁、1つ以上の窓、1つ以上のドア、様々なインジケータを有するダッシュボード、スクリーン、及び典型的にはダッシュボードの一部である他の構成要素、並びに他の構成要素を含む客室(簡潔にするためにこの図には示されていない)を含んでもよい。
【0067】
折り畳み式車両100の静的支持体20及び他のパーツは、複数のパーツから組み立ててもよい。例えば、静的支持体20は、金属、金属複合材、炭素繊維、又は複合材料、あるいは他の剛性材料から製造される複数のバー又はロッドから溶接又は組み立てられてもよい。折り畳み式車両100の静的支持体20及び他のパーツ(例えば、フレームパーツ22a及びフレームパーツ22b)は、車両の重量を低減するために軽量の1つ又は複数の材料から製造されてもよい。例えば、静止フレーム20は、重量対強度比を高めるためにアルミニウムから製造されてもよい。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態による折り畳み機構は、1つ又は複数のアクチュエータ30を含み得る。折り畳み機構31は、1つ以上のアクチュエータ30を含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態では、2つのアクチュエータが、静的支持体20の前端及び後端に位置して、提供される。アクチュエータ30は、静的支持体20にボルト留め、溶接、組み立て、ねじ留め、又は取り付け、あるいは結合することができる。本発明のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のアクチュエータは、フレームパーツ22a及び/又は22bに結合されてもよい。折り畳み機構は、折り畳み式車両100の折り畳み及び展開を容易にするように構成されてもよい。折り畳み機構は、フレームパーツ22a及び22bを実質的に平行な軸に沿って移動させるように構成されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、平行な軸は、車両の概ね進行方向に対して実質的に垂直であり得る。例えば、折り畳み機構及びアクチュエータ30は、前輪の中心の間の軸に平行であり、その結果、折り畳み式車両100の折り畳み及び展開中に、前輪を前記軸に沿って引っ張ったり押したりできる。
【0069】
アクチュエータ30は、ピストン32を含んでもよい。アクチュエータ30は、油圧、空気圧、機械的ドライバ、及び/又は電気構成要素を使用して、ピストン32を駆動してもよい。ピストン32は、伸長及び収縮してもよい。例えば、ピストン32は、完全に又は部分的に伸長してもよく、あるいは完全に又は部分的に収縮してもよい。ピストン32は、ピボットジョイント36を介してカルーセル34に接続されてもよい。ピストン32は、カルーセル34に溶接され、組み立てられ、又は接続されてもよい。ピストン32の直線運動は、カルーセル34を、回転軸を中心に時計回りに回転させても、反時計回りに回転させてもよい。
【0070】
カルーセル34は、それぞれピボットジョイント38a及び38bを介してシャフト40a及び40bに接続してもよい。カルーセル34は、1つ又は複数のシャフトに接続してもよい。例えば、カルーセル34は、1つ又は複数の可動フレームパーツに接続してもよい。カルーセル34は、1つ又は複数のシャフトを介して可動フレームパーツに引張り又は押す力を加えることができる。カルーセル34のそれぞれは、静止基部20の中心縦軸に沿って、又は別の場所に配置されてもよい。例えば、第一のカルーセル34は、前輪の間の中間に配置されてもよく、第二のカルーセル34は、後輪の間の中間に配置されてもよい。各カルーセル34は、フレームパーツ間の距離を減少又は増加させるように、対称的かつ反対の力を対向するフレームパーツ22a及び22bに加えてもよい。カルーセル34は、フレームパーツ22aと22bとの間の異なる位置に配置されてもよい。例えば、静止フレーム20の遠位部分で接続される第一のカルーセル34は、フレームパーツ22aにより近く配置されてもよく、静止フレーム20の近位部分で接続される第二のカルーセル34は、フレームパーツ22bにより近く配置されてもよい。
【0071】
シャフト40a及び40bは、それぞれフレームパーツ22a及び22bに接続されてもよい。シャフト40a及び40bは、同様の長さであっても、又は異なる長さであってもよい。例えば、カルーセル34がフレームパーツ22aと22bとの間に中心を置かれる場合、シャフト40a及びシャフト40bは、それぞれフレームパーツ22a及び22b上の反対の位置で接続してもよく、シャフト40a及び40は、同様の長さを有してもよい。例えば、両方のカルーセル34が、フレームパーツ22bよりもフレームパーツ22aの近くに配置される場合、シャフト40a及び40は、結果として、異なる長さを有してもよい。シャフト40a及び40bは、伸長可能であってもよい(例えば、伸縮可能なポール、ピストン、長さ調節可能なシャフト)。シャフト40a及び40bは、折り畳み状態及び展開状態の意図された最大範囲に相関して長さが変化し得てもよい。シャフト40a及び40bは、折り畳み式車両100の展開及び折り畳みの範囲を制限するために使用されてもよい。例えば、シャフト40a及び40bの長さは、展開されたときにフレームパーツ22a及び22bがどれだけ離れて移動され得るかを制限してもよい。シャフト40a及び40bがより短い場合、フレームパーツ22a及び22bは、折り畳み状態と展開状態との間で、より短い距離を移動することができる。シャフト40a及び40bがより長い場合、フレームパーツ22a及び22bは、折り畳み状態と展開状態との間で、より長い距離を移動することができる。
【0072】
アクチュエータ30は、ピストン32を伸長させ、カルーセル34を回転させることができる。一方向に回転すると、カルーセル34は、シャフト40a及び40bを押し離すことができる。シャフト40a及び40bが押し広げられると、フレーム22aと22bとの間の距離が増加し、その結果、折り畳み式車両100が展開する。カルーセル34は、第一の方向と反対の第二の方向に回転すると、シャフト40a及び40bを引き寄せることができる。シャフト40a及び40bが近づくと、フレーム22aと22bとの間の距離が減少し、その結果、折り畳み式車両100が折り畳まれる。
【0073】
アクチュエータ30は、車両100を完全展開状態、完全折り畳み状態及び任意の中間状態にロックするためのロック機構を有してもよい。折り畳み機構には、1つ以上のラッチ、ストッパ、ロック、スイッチ、センサ、コントローラ、リミッタ、及び折り畳み機構をロック又は別様に制限するための他の要素が含まれてもよい。例えば、折り畳み機構は、フレームパーツ22a及び22bが、フレームパーツの分解を回避するように、特定の限界を越えて伸長又は収縮することを防止するように、ストッパを有してもよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み機構は、フレームパーツ22a及び22bを折り畳み状態、展開状態、及び折り畳み状態と展開状態との間の任意の中間状態でロックするためのラッチを含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、折り畳み機構は、完全展開状態、完全折り畳み状態、及び任意の中間状態に(例えば、折り畳み機構のピストンがどのくらい伸長及び収縮するかを制御することによって)折り畳み式車両100を電気的にロックすることができる。
【0074】
車両100は、電気モータによって、内燃機関によって、又はハイブリッド推進ユニットによって推進されてもよい。車両00は、前輪10a及び10bと、後輪10c及び10dとを有してもよい。車両100は、分割ステアリング機構を有してもよい。分割ステアリング機構は、ハンドル50を含んでもよい。ハンドル50は、ステアリングシャフト52に連結されてもよい。ステアリングシャフト52は、ステアリングアセンブリ54(例えば、パワーステアリングユニット)に接続されてもよい。ステアリングアセンブリ54は、運転者がハンドル50を回すのを支援するための電気モータ及びギヤを含んでもよい。ステアリングアセンブリ54及び/又はステアリングシャフト52は、ユニバーサルジョイント56を介してステアリングシャフト58に接続されてもよい。ステアリングシャフト58は、ハンドル50の前方への回転運動を、ユニバーサルジョイント60を介して分割ステアリングギヤボックス62に伝達してもよい。ユニバーサルジョイント65は、シャフト64によってステアリングボックス66に接続されてもよい。シャフト64は、車両の展開又は折り畳みに伴って、それぞれ伸長又は収縮してもよい。シャフト64は、車両100の展開又は折り畳み中に、分割ステアリング機構の回転状態、ひいては車輪の回転角を維持することができる。ステアリングボックス66は、タイロッド68を介して前輪10a及び10bに接続されている。
【0075】
第一のサスペンション67a及び第二のサスペンション67b(図4に図示)は、車両の車輪を動的フレームに接続することができる。第一のサスペンション67a及び第二のサスペンション67bは、第一のサスペンション67a及び第二のサスペンション67bに実質的に垂直な軸を画定してもよい。車輪10a(及び他の車輪)は、垂直軸を中心として枢動してもよい(例えば、車両が旋回し、車輪が角度を旋回するとき)。タイロッド68は、車輪10aをある角度で旋回させるためにフレーム22aに対して移動してもよく、第一のサスペンション67a(及び第二のサスペンション67b)は、車輪10aがある角度で旋回している間、フレーム22aに対して静止したままであってもよい。
【0076】
図1Bは、折り畳み状態にある、図1Aに示す折り畳み式車両のシャーシの上面図である。折り畳み式車両100は、アクチュエータ30がピストン32を収縮させるときに折り畳むことができる。ピストン32が収縮すると、カルーセル34は、シャフト40a及び40bを引っ張るように回転され、次いで、フレーム22a及び22bは、ともに引き寄せられる。前輪10a及び10bは、ある角度で旋回されてもよく、車両100の折り畳み又は展開中に、その回転角を維持してもよい。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両100は、車輪10aと10bとの間の相対回転角のアッカーマン補正のために調整しながら、前輪10a及び10bの回転角を維持することができる。分割ステアリング機構を、折り畳み式車両及び小型車両において使用してもよい。折り畳み式車両及び小型車両にステアリングシステム(例えば、アッカーマン補正のために車輪を調整するステアリングシステム)を実装することは困難なことがある。典型的には、ステアリングシステムは、車両の前方にスペースを必要とする場合がある。小型車両では、(例えば、アッカーマン補正のための調整を伴う)典型的な操舵を実装することは、設計制約(例えば、ペダル及び他の要素を車両の前方に配置すること)により困難であり得る。分割ステアリング機構は、アッカーマン補正及び車両の前方の空きスペース(例えばペダル)に合わせて調整することができる。
【0078】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による折り畳み式車両の折り畳み機構の底面図である。静的支持体20は、静的支持体20を横切って横方向に伸長するプレート24を含んでもよい。カルーセル34は、静的支持体34に実質的に垂直な回転の場所で回転することができるように、プレート24上の静的支持体20に枢動可能に接続されてもよい。静的支持体34は、1つ、2つ、又はそれ以上の折り畳みアセンブリを有してもよく、一方の折り畳みアセンブリは、静的支持体34の近位端に位置付けられてもよく、他方の折り畳みアセンブリは、動的シャーシフレームパーツ22a及び22bの折り畳み及び展開中に効率的かつ均一な電力分配のために、静的支持体34の遠位端に位置付けられてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み機構は、動力を節約し、動的シャーシのフレームパーツ22a及び22b上で運動量を均等に分配するための円滑な動作のために、一対、二対、又はそれ以上の対の対向する折り畳みアセンブリを含んでもよい。
【0079】
折り畳み機構は、1つ以上のレール44と、複数の摺動要素46とを含んでもよい。摺動要素46は、レール44に沿ったフレームパーツ22a及び22bの摺動を容易にするように、動的シャーシフレームパーツ22a及び22bに接続してもよい。
【0080】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による、座席を有する折り畳み式車両のシャーシの側面図である。車両100は、1つ又は複数の前部座席98を有してもよく、1つ又は複数の後部座席99を有してもよい。車両100は、複数の配置(arrangements)で複数の座席を有してもよい。例えば、車両100は、各列に2つの椅子を有する3列の座席を有してもよい。車両100の折り畳み及び展開中、座席98は、ハンドル50から一定の距離に留まることができる。ハンドル50は、車両100の折り畳み又は展開中に回転され、所望の回転位置に留まることができる。
【0081】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による、折り畳み式車両の前輪に接続された分割ステアリング機構の正面図である。ハンドル50は、ステアリングシャフト52に接続されてもよい。
【0082】
ステアリングアセンブリ54及び/又はステアリングシャフト52は、ユニバーサルジョイント56を介してステアリングシャフト58に接続されてもよく、ステアリングシャフト58は、ハンドル50の前方への回転運動を、ユニバーサルジョイント60を介して分割ステアリングギヤボックス62に伝達する。
【0083】
分割ステアリングギヤボックス62は、ユニバーサルジョイント63を介して2つの対向するシャフト64のそれぞれに接続してもよい。各シャフト64は、ユニバーサルジョイント65を介していずれかの車輪のステアリングボックス66に接続してもよい。分割ステアリングギヤボックス62は、ハンドル50の回転を、2つのシャフト64のそれぞれを介して車輪10a及び10bに伝達するように構成されてもよい。シャフト64は、車両の展開及び折り畳みに伴って伸長及び収縮し、車両が折り畳み状態、又は展開状態又は中間状態にあるときに、車輪10a及び10bをある角度で旋回するのを容易にする。分割ステアリングギヤボックス62は、車輪10aと10bとの間のアッカーマン角を維持しながら、ハンドル50の回転を車輪10a及び10bに変換するように構成されてもよい。サスペンション69は、車輪10a(及び他の車輪)をフレーム22aに懸架してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、シャフト64は、伸長可能でなくてもよく、ステアリングシステムは、分割ステアリングシステムであってもよい。例えば、シャフト64は、一定の長さを有してもよい。シャフト64は、一定の長さを有してもよく、アッカーマン角を調節し、及び/又は車両の前輪の回転角を維持してもよい。例えば、分割ステアリングシステムは、シャフトの長さが一定である小型マイクロカーに有用であり得る。分割ステアリングシステムによって、運転者の足及び任意の他の前部乗客のためのスペースを確保してもよい。
【0084】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による、折り畳み式車両の折り畳み及び展開のための方法のフローチャートである。折り畳み及び展開の方法は、コントローラを使用することを含んでもよい。コントローラは、折り畳み又は展開コマンドを受信すること602ができる。例えば、コントローラは、運転者等の車両のユーザから車両を折り畳む又は展開するためのコマンドを受信してもよい。さらに、コントローラは、折り畳み又は展開コマンドを生成又は受信してもよい。例えば、折り畳み式車両が自律的である場合、コントローラは、折り畳み又は展開コマンドを自律的に生成及び/又は受信してもよい。折り畳み又は展開方法は、折り畳み又は展開プロセスを妨げ得る車両外部及び車両内部の両方における車両に対するリスクを評価することに関連するパラメータを感知するための1つ以上のセンサ(例えば、車両に配置されたセンサ及び/又は外部センサ)から感知されたデータ(例えば、測定値及び信号)を取得するステップ604を含む。例えば、コントローラは、近接する障害物と衝突するリスクを評価するために、1つ以上の近接センサ、リスキーな操作又は危険な加速度を識別するための1つ以上の加速度センサ(例えば、ジャイロセンサ)、危険な速度を識別するための1つ以上の速度センサ、車両の近位近傍の画像を取得し、リスクを識別するために画像を処理するための1つ以上の撮像センサ(例えば、カメラ、ライダ)、1つ以上の場所センサ(例えば、GPSセンサ)、及び折り畳み及び展開の程度並びに任意の関連付けられた潜在的リスクに関するデータを測定するための任意の他の1つ以上のセンサから感知されたデータを取得してもよい。コントローラは、リスクを評価するために感知されたデータを取得してもよい。
【0085】
コントローラは、折り畳み及び展開に関連するリスクを評価すること606ができる。リスクは、感知されたデータが、所定の限度内にあるかどうかを評価することによって評価されてもよい。例えば、コントローラは、折り畳み式車両の速度が非危険範囲(例えば、5.38Km/h~40Km/hである)内にあるかどうかを評価してもよい。コントローラは、車両が急加速又は急減速しているかどうかを評価してもよい。コントローラは、折り畳み式車両が折り畳み又は展開に安全でない位置にあるかどうかを評価してもよい。コントローラは、急旋回中の折り畳み及び展開に関連する加速のリスクを評価してもよい。
【0086】
リスク(例えば、複合リスク)を評価するために、コントローラは、コントローラがリスク評価カテゴリを組み合わせ得る複合リスク評価を有してもよい。コントローラは、各リスク評価カテゴリ(例えば、速度、加速度、他の車両への近接度)において、リスクが閾値を下回るかどうかを評価してもよい。コントローラは、リスク評価カテゴリごとに合格/不合格基準を有してもよい。コントローラは、リスク評価カテゴリのうちの少なくとも1つが閾値を上回るリスクをもたらすかどうかをチェックすることによって、複合リスクを評価してもよい。コントローラは、リスク評価カテゴリごとにリスク指標(例えば、評価されたリスクの値)を割り当てることによってリスクを評価してもよい。コントローラは、リスク評価カテゴリのリスク指標を組み合わせることによって、複合リスクを評価してもよい。
【0087】
コントローラは、別の装置(例えば、自動車コンピュータ、安全コントローラ、自律制御ユニットである)又は遠隔装置(例えば、遠隔コンピュータ、クラウドシステム、遠隔監視システム、遠隔制御システム、自律走行遠隔制御等)から車両を折り畳み及び展開するためのコマンドを受信してもよい。コントローラは、また、1つ以上の特定の状況(例えば、車両の速度が所定の速度制限閾値に近づいているときの展開コマンド)において、折り畳み又は展開コマンドを生成してもよい。本発明のいくつかの実施形態によれば、コントローラは、競合するコマンド間の競合を解決するように構成されてもよい。例えば、コントローラがユーザ(例えば、運転者)から車両の折り畳みを開始するコマンドを受信し、同時に折り畳み機構が展開コマンドを実行している場合、コントローラは、競合解決ルール又はルールのセットに従って、競合するコマンド間の競合を解決するように構成されてもよい。コントローラは、リスク、優先度、安全性、車の状態、システムの状態、車の周囲状況、道路の状態、速度、加速度、及び他の要因を評価し、評価されたリスクに基づいて、受信及び/又は生成されたコマンド間の競合を解決するように構成されてもよい。
【0088】
コントローラは、リスクが閾値を下回るかどうかをチェックすること608ができる。例えば、コントローラは、リスク評価カテゴリが閾値を下回るかどうかをチェックしてもよい。コントローラは、複合リスク評価が閾値を下回るかどうかをチェックしてもよい。
【0089】
リスクが閾値を下回る場合、コントローラは、折り畳み又は展開を開始すること610ができる。コントローラは、様々な態様及びステップに関して、車両のユーザ及び/又は他の当事者(例えば、別のコンピューティングシステム、リモートコンピュータ、自律コントローラ)にフィードバックを与えるように構成されてもよい。例えば、コントローラは、車両が折り畳みを実行しているか展開を実行しているかに関する表示を運転者に提示させるように構成されてもよい。コントローラは、折り畳み又は展開プロセスの開始を妨げるリスクがあるという表示を運転者又は第三者(例えば、デバイス、ソフトウェア、クラウドコントローラ、サーバ等)に提示させるように構成されてもよい。コントローラは、折り畳み又は展開プロセスが中断されたという表示を運転者に提示させるように構成されてもよい。コントローラは、折り畳み又は展開プロセスが完了したという表示を運転者に提示させるように構成されてもよい。コントローラは、車両の折り畳み位置に関するフィードバックを提供するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、車両が折り畳み状態、展開状態、又は折り畳み状態と展開状態との間の中間位置にあることを示す表示を運転者に提示させてもよい。
【0090】
リスクが閾値を下回らない場合608、コントローラは、折り畳み又は展開を中断すること612ができる。例えば、コントローラは、折り畳み又は展開のために受信したコマンド602を遅延、一時停止、キャンセル、及び無視してもよい。コントローラが折り畳み又は展開を中断した後612、コントローラは、リスクが閾値を下回るまで、ステップ604~608に戻ってもよい。
【0091】
コントローラは、折り畳み又は展開が完了したかどうかをチェックすること614ができる。折り畳み又は展開が完了していない場合、コントローラは、感知されたデータを取得するステップ604、リスクを評価するステップ606、及び閾値を下回るリスクをチェックするステップ608に戻ってもよい(ステップ604~608を繰り返す)。例えば、折り畳み及び展開中にリスクが閾値を下回らない場合、コントローラは、リスクが閾値を下回るまで折り畳み又は展開を中断してもよい。折り畳み又は展開中に、コントローラは、感知されたデータを取得するステップ604、リスクを評価するステップ606、及び折り畳み又は展開が完了するまで閾値を下回るリスクをチェックするステップ608を繰り返してもよい。例えば、リスクが閾値を下回らない場合608、コントローラは、折り畳み又は展開を中断し612、リスクが閾値を下回るまでステップ604~608を繰り返してもよい。リスクが閾値を下回ると608、コントローラは、折り畳み又は展開が完了するまで、折り畳み又は展開を開始すること610ができる。
【0092】
折り畳み又は展開が完了した場合614、コントローラは、折り畳み又は展開のための新しいコマンドを受信すること616ができる。新しいコマンドを受信すると、コントローラは、ステップ602に進み、ステップ604に続き、以下同様である。
【0093】
コントローラは、折り畳み又は展開の間(例えば、ステップ610の間)に、新しいコマンドを受信することができる。コントローラは、折り畳みコマンドと展開コマンドとの間の競合を解決するように構成されてもよい。例えば、ステップ604~614のいずれかの間、コントローラは、折り畳み又は展開が完了するまで、任意の新しいコマンドを無視又は中断することができる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、ロック機構を有してもよく、コントローラは、折り畳みが完了すると、車両を折り畳み状態又は展開状態にロックするように、前記ロック機構を動作させてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、ロック機構は、(例えば、リスクが閾値を下回るまでコントローラが折り畳み又は展開を中断した場合に)折り畳み状態と展開状態との間の位置に車両をロックしてもよい。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み及び展開は自動化されてもよい。例えば、所定の速度に達すると、折り畳み式車両は、自動的に展開することができる。本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、折り畳み式車両の折り畳み及び展開を中断するように構成されてもよい。例えば、車両の急な回転(例えば、車両のユーザが操舵を速くしたこと)は、折り畳み式車両が折り畳み式車両の折り畳み及び展開を中断するように導いてもよい。さらに、過度の加速及び減速時に、折り畳み式車両は、折り畳み及び展開を中断してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、パニックステアリング(例えば、予期しない操作)中又は緊急ブレーキ中に、折り畳み機構は、折り畳み式車両の折り畳み及び展開を停止し、折り畳み機構をロックしてもよい。
【0096】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による、コントローラを有する折り畳み式車両のシャーシの側面図を示す。折り畳み式車両100は、コントローラ300を含んでもよい。コントローラ300は、車両100の折り畳み及び展開を制御するように構成されてもよい。折り畳み式車両100は、1つ又は複数のセンサを含んでもよい。コントローラ300は、センサに接続してもよい。コントローラ300は、センサから測定値を読み取ってもよい。
【0097】
コントローラ300は、車両100の折り畳み又は展開に関連するセンサのリスクファクタからの測定値に基づいて評価するしてもよい。例えば、コントローラ300は、別の車両が折り畳み式車両100に近すぎる場合、折り畳み式車両100が展開すると、折り畳み式車両100が折り畳み式車両100の近くの車両に衝突する可能性があるかどうかを評価するためにセンサから測定値を読み取ってもよく、さらに、コントローラ300は、加速度に関するセンサから測定値を読み取って、車両100が危険な高加速度で旋回していると判定してもよい。
【0098】
コントローラ300は、計算されたリスクファクタに基づいて、車両100の折り畳み及び展開を開始するかどうかを決定してもよい。例えば、リスクファクタが高い場合、コントローラ300は、折り畳み又は展開が開始されるのを防止してもよく、加えて、コントローラ300が車両100の折り畳み又は展開中に高いリスクを検出する場合、コントローラ300は、折り畳み又は展開を中間位置で中断してもよく、コントローラ300は、リスクが緩和された後に、折り畳み又は展開を開始してもよい。
【0099】
コントローラ300は、車両100の折り畳み又は展開に関連するセンサ制限からの測定値に基づいて評価してもよい。例えば、コントローラ300は、車両100の速度を読み取り、(例えば、加速中に速度が40Km/hに近づいているときに)展開を開始するかどうかを決定してもよい。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、道路状況及び車輪と道路との間の摩擦に関するデータを取得してもよい。コントローラは、折り畳み状態における車両の速度の上限を調整してもよい。道路状況及び車輪のトラクションに関して取得されたデータは、閾値を超えるリスクの評価が得られることがある。コントローラは、許容車両速度の制限を下げてもよい(例えば、車両は、折り畳み状態で40Km/hではなく30Km/hまで走行してもよい)。コントローラは、取得されたデータに従って、折り畳み式車両のパラメータを調整してもよい。例えば、道路状況が悪い場合、コントローラは、道路状況を考慮に入れるようにブレーキペダル及びアクセルペダルのパラメータを調整してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、道路状況(例えば、道路に対する左車輪と右車輪との間に異なる牽引係数又は摩擦係数の差がある場合)を補償するために、車両(又はモータ)の速度及びブレーキのパラメータを変更してもよい。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態では、コントローラは、手動モード及び自動モードを有してもよい。手動モードでは、コントローラは、折り畳み式車両のユーザからコマンドを受信して、折り畳み式車両を折り畳み、展開してもよい。例えば、手動モードでは、ユーザは、折り畳み式車両を折り畳む又は展開するためのボタンを押してもよい。自動モードでは、折り畳み式車両は、センサからのデータを連続的に収集及び分析し、折り畳み式車両を折り畳むように、又は展開するように自動的に生成することができる。
【0102】
図7は、本発明のいくつかの実施形態による分割ステアリング機構の底面図である。分割ステアリング機構は、分割ステアリングギヤボックス62を含んでもよい。分割ステアリングギヤボックス62は、ステアリングシャフト58によってハンドルに接続可能であってもよい。分割ステアリング機構は、分割ステアリングギヤボックス62に接続された2つのシャフト64を含んでもよい。分割ステアリングギヤボックス62は、ステアリングシャフト58に接続された中央ギヤと、シャフト64に接続された2つの周辺ギヤとを含んでもよい。中央ギヤは、中央ギヤの回転を周辺歯車の回転に伝達及び分割してもよい。分割ステアリングギヤボックス62は、ステアリングシャフト58の回転をシャフト64の回転に伝達及び分割するように構成されてもよく、その結果、シャフト64のそれぞれの回転は、ステアリングシャフト58の回転と実質的に相関する(例えば、実質的に同一である)。シャフト64は、ステアリングボックス66に接続してもよい。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態では、ステアリングボックス66は、ブラケット66aを介して車両のフレームパーツに接続されてもよい(例えば、2つの実質的に対向するフレームパーツのうちの1つに接続されてもよい)。ステアリングボックス66は、折り畳み式車両が展開するときに離れて移動してもよい。ステアリングボックス66は、折り畳み式車両が折り畳まれるときに互いに近づくように移動することができる。ステアリングボックス66は、レバー61の第一のジョイント61aによってレバー61に接続してもよい。ステアリングボックス66は、2つのギヤ、すなわち、シャフト64に接続された第一のギヤと、レバー61の第一のジョイント61aを接続する第二のギヤとを含んでもよい。ステアリングボックス66は、シャフト64の回転を(第一のギヤ及び第二のギヤを介して)レバー61に伝達してもよく、それにより、ハンドルが回転すると、レバー61が回転してもよい。例えば、レバー61は、ハンドルの回転方向と反対方向に回転してもよい。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態では、レバー61は、レバー61の第二のジョイント61bを用いて、ステアリングボックス66をタイロッド68に接続してもよい。レバー61が回転されると、タイロッド68は、車両の前輪を回転させることができる。例えば、車両が折り畳み状態にあるとき、ステアリングボックス66は、静止したままであってもよく(例えば、突出要素66aを有するフレームパーツに接続される)、ステアリングシャフト58の回転は、(例えば、アッカーマン補正に従って)タイロッド68を移動させるように、ステアリングボックス61を回転させてもよい、タイロッド68は、車両の前輪の回転角を変化させてもよい。
【0105】
典型的には、ステアリングロッドが車両の前輪間の軸の前方に接続される車両では、前輪を、アッカーマン補正(例えば、逆アッカーマン)に準拠しない角度で回転させてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、レバー61は、タイロッド68を接続し、タイロッド68を車両の前輪間の軸の前方に接続して、アッカーマン補正を適用してもよい。レバー61、タイロッド68及び前輪は、アッカーマン補正に適合する仮想矩形に沿って配置してもよい。仮想矩形の寸法(及び角度)は、アッカーマン補正を適用するために、レバー61の長さ、タイロッド68の長さ、車両の前輪間の距離、及び車両の他の寸法に適合してもよい。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態では、レバー61及びタイロッド68の長さは、アッカーマン補正に従って決定されてもよい。レバー61は、ステアリングボックス66から車両の近位方向(例えば、車両の前方)に向かって伸長することができる。レバー61は、車両の前輪の間の軸の前方に(例えば、車両の前方により近くに)配置されてもよい。レバー61の長さは、車両の前輪間の距離及び車両の他の寸法(例えば、車両の長さ、車両の中心から車両の前輪までの距離等である。)に従って決定されてもよい。レバー61の長さは、車両が折り畳み状態にあるときに、アッカーマン補正に従って決定されてもよい。レバー61の長さは、車両が展開状態にあるときに、アッカーマン補正に従って決定されてもよい。レバー61の長さは、折り畳み状態と展開状態との間の任意の状態に応じて、アッカーマン補正に従って決定されてもよい。例えば、レバー61の長さは、折り畳み状態及び展開状態における車両の前輪間の距離の数学的平均に従って決定されてもよい。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態では、車両(例えば、小型車両、マイクロ車両)は、分割ステアリングシステムを有してもよい。分割ステアリングシステムは、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。分割ステアリングシステムは、左前輪を第一の回転角で回転させ、右前輪を第二の異なる回転角で回転させて、アッカーマン補正のために調整してもよい。典型的には、小型車両及びマイクロ車両では、運転者の足のためのスペースは十分にない。分割ステアリングシステムは、貴重なスペース、例えば、運転者及び前部乗客の足のためのスペースを提供することができる。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態では、分割ステアリングシステムは、車両の幅(例えば、折り畳み及び展開)に従って、及び/又は車両の高さに従って調整してもよい。車両は、その高さを調整してもよく、分割ステアリングシステムは、車両の異なる高さで車輪の回転角を維持してもよい。例えば、分割ステアリングシステムは、車両又は車輪のいずれかの高さを調整する前、最中及び後に、車輪の回転角を維持してもよい。分割ステアリングシステムは、車両の異なる側部の間の高さの差を許容しながら、車輪の回転角を維持してもよい。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態では、分割ステアリングシステムは、車両及び/又は車両の車輪のいずれかの高さに関連して、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。例えば、分割ステアリングシステムは、車両の一方側の高さが車両の他方の側と異なる場合、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。分割ステアリングシステムは、車輪の少なくとも1つ(例えば、前輪の1つ)の高さが他の車輪と異なる場合(例えば、1つの車輪がより高く、他の全ての車輪が同じ高さにある場合)、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。例えば、分割ステアリングシステムは、車両又は車輪のいずれかの高さ調整の前、最中及び後に、アッカーマン補正のために前輪を調整してもよい。分割ステアリングシステムは、車両の異なる側部の間の高さの差を許容しながら、アッカーマン補正のために前輪を調整する。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態では、分割ステアリング機構は、ステアリングシャフトによってハンドルに接続可能な分割ステアリングギヤボックスを含んでもよい。分割ステアリング機構は、2つのシャフト、すなわち、分割ステアリングギヤボックスを車両の第一の前輪に連結するための2つのシャフトのうちの第一のシャフトと、分割ステアリングギヤボックスを車両の第二の前輪に連結するための2つのシャフトのうちの第二のシャフトと、を含んでもよい。分割ステアリングギヤボックスは、ステアリングシャフトの回転をシャフトの回転に伝達及び分割するように構成されてもよく、その結果、シャフトのそれぞれの回転がステアリングシャフトの回転と相関する(例えば、実質的に同一である)。例えば、車両のユーザがハンドルを回転させると、回転運動が分割ステアリングギヤボックスに伝達され、分割ステアリングギヤボックスは、ステアリングシャフトの回転をシャフトの回転に伝達及び分割するように構成されてもよい。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態では、分割操向機構は、シャフトのそれぞれの可変長を促進するように構成されてもよい。例えば、シャフトは、伸縮式であってもよく、シャフトの長さは、車輪の高さ及び/又は車両の幅に従って変化してもよい。分割ステアリング機構は、シャフトのそれぞれの長さの変更を促進しながら、車輪の回転角を変更することができる。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態では、分割ステアリング機構は、前記シャフトが同時に異なる長さになることを促進するように構成されてもよい。車両の1つ以上の車輪が残りの車輪とは異なる高さにある場合(例えば、車両が縁石に駐車している、車両の前輪が上昇している、車両が不均一なランプを上昇している場合等)、第一のシャフトの長さは、第二のシャフトの長さと異なってもよい。分割ステアリング機構は、車両の1つ以上の車輪が残りの車輪とは異なる高さにあるとき、シャフトの異なる長さを促進するように構成されてもよい。車両のフレームパーツが、他のフレームパーツとは異なる速度で又は異なる程度まで伸長する場合、第一のシャフトの長さは、第二のシャフトの長さと異なってもよい。分割ステアリング機構は、車両のフレームパーツが車両の中心から同時に異なる距離を有するとき、シャフトの異なる長さを促進するように構成されてもよい。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態では、であって、分割ステアリング機構は、前輪を旋回させるとき、アッカーマン補正を適用するように構成されてもよい。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態では、折り畳み式車両は、ステアリングシャフトによってハンドルに接続可能な分割ステアリングギヤボックスを備える分割ステアリング機構を含んでもよい。分割ステアリング機構は、また、2つのシャフト、すなわち、分割ステアリングギヤボックスを車両の第一の前輪に連結するための2つのシャフトのうちの第一のシャフトと、分割ステアリングギヤボックスを車両の第二の前輪に連結するための2つのシャフトのうちの第二のシャフトとを含んでもよい。分割ステアリングギヤボックスは、ステアリングシャフトの回転をシャフトの回転に伝達及び分割するように構成されてもよく、その結果、シャフトのそれぞれの回転がステアリングシャフトの回転と相関する(例えば、実質的に同一である)。
【0115】
異なる実施形態が本明細書に開示されている。特定の実施形態の特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせてもよい。したがって、特定の実施形態は、複数の実施形態の特徴の組み合わせであってもよい。本発明の実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示されている。網羅的であること、又は本発明を開示された厳密な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修正、変形、置換、変更、及び均等物が可能であることを当業者は理解すべきである。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神内に入るすべてのそのような修正及び変更をカバーすることが意図されていることを理解されたい。
【0116】
本発明のいくつかの特徴が本明細書に例示され記載されてきたが、当業者には、多くの修正、置換、変更、及び均等物が想起される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神内に入るすべてのそのような修正及び変更をカバーすることが意図されていることを理解されたい。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】