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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】車両スポイラー組立体
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20240628BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
H01Q1/22 A
H01Q21/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500018
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 EP2022069082
(87)【国際公開番号】W WO2023281060
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】21184661.3
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510191919
【氏名又は名称】エージーシー グラス ユーロップ
【氏名又は名称原語表記】AGC GLASS EUROPE
【住所又は居所原語表記】Avenue Jean Monnet 4, 1348 Louvain-la-Neuve, Belgique
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ブイ-ヴァン, ハ
(72)【発明者】
【氏名】サルキス, レミ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AA06
5J021HA10
5J021JA02
5J021JA03
5J047AA03
5J047AA12
5J047AB01
5J047EA01
(57)【要約】
本発明は、車両のためのスポイラー組立体(100)であって、スポイラー組立体(100)は、a.左端及び右端を有し、且つ下側部分(10a)及びカバー部分(10b)を有し、且つ内側部分(10a)がカバー部分(10b)の内面に面する内面を有する、スポイラーハウジング(10)、b.スポイラーハウジングの表面上に配置され、且つ異なる範囲の周波数で動作する複数のアンテナ素子(30、31、32)を含み、スポイラーハウジングは、少なくとも1つの中央領域(ゾーンA)と、中央領域(ゾーンA)の両側で且つスポイラーハウジングの端における少なくとも1つの側方領域(ゾーンB)とを有する。本発明によれば、中央領域(ゾーンA)において、少なくとも1つの衛星アンテナ素子(30)が設けられ、スポイラーハウジング(10)の左端及び右端における少なくとも1つの側方領域(ゾーンB)において、少なくとも1つのセルラーアンテナ素子及び/又はテレマティクスアンテナ素子(31a、31b)が設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のためのスポイラー組立体(100)であって、
a.左端及び右端を有し、且つ下側部分(10a)及びカバー部分(10b)を有するスポイラーハウジング(10)であって、前記内側部分(10a)は、前記カバー部分(10b)の内面に面する内面を有する、スポイラーハウジング(10)、
b.複数のアンテナ素子(30、31、32)であって、前記スポイラーハウジングの表面上に配置され、且つ異なる範囲の周波数で動作する複数のアンテナ素子(30、31、32)
を含み、
c.前記スポイラーハウジングは、少なくとも1つの中央領域(ゾーンA)と、前記中央領域(ゾーンA)の両側で且つ前記スポイラーハウジングの端における少なくとも1つの側方領域(ゾーンB)とを有し、
前記中央領域(ゾーンA)において、少なくとも1つの衛星アンテナ素子(30)が設けられ、前記スポイラーハウジング(10)の左端及び右端における少なくとも1つの側方領域(ゾーンB)において、少なくとも1つのセルラーアンテナ素子及び/又はテレマティクスアンテナ素子(31a、31b)が設けられる、スポイラー組立体(100)。
【請求項2】
前記中央領域(ゾーンA)と前記側方領域(ゾーンB)との間に配置される更なる領域(ゾーンC)は、V2X(32)及び/又はWifiアンテナ素子を設けられる、請求項1に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項3】
少なくともWiFiアンテナは、前記テレマティクスアンテナ素子及び/又はセルラーアンテナ素子(31a、31b)と前記V2Xアンテナ(32)との間に配置される、請求項2に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項4】
前記中央領域(ゾーンA)において、1~40GHzの周波数で動作する少なくとも1つの衛星アンテナ(30)が設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項5】
前記側方領域(ゾーンB)に設けられるアンテナ素子は、多入力多出力アレイ(MIMO)として構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの中央領域(ゾーンA)に設けられるアンテナ素子は、衛星ラジオ、GPSナビゲーション、衛星インターネット及び衛星通信の中から選択される衛星アンテナ(30)である、請求項1~5のいずれか一項に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項7】
前記側方領域(ゾーンB)に設けられるアンテナ素子(31a、31b)は、2G、3G、4G、LTE、5Gアンテナの1つである、請求項1~6のいずれか一項に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項8】
2つ以上のLTEアンテナ素子が設けられる、請求項1~7のいずれか一項に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項9】
前記アンテナ素子は、前記スポイラーハウジング内で横方向に離間される、請求項1~8のいずれか一項に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項10】
第2のV2Xアンテナ素子が設けられ、前記第1のV2X素子及び前記第2のV2X素子は、同じ若しくは異なる向き又は同じ若しくは異なる形状を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項11】
少なくとも1つの無線放送アンテナが設けられ、AM、FMなどのアナログ信号又はDABなどのデジタル信号のためのサービス、TVサービスを提供する、請求項1~10のいずれか一項に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの無線放送アンテナは、ワイヤ若しくは金属箔又は印刷金属パターンを有する可撓性膜で作られ、前記金属箔又は可撓性膜は、好ましくは、前記中央領域(ゾーンA)における衛星アンテナの下に配置され、前記衛星アンテナのための接地平面として機能する、請求項11に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項13】
前記放送アンテナは、ワイヤ若しくは金属箔又は印刷金属パターンを有する可撓性膜で作られ、前記金属箔又は可撓性膜は、好ましくは、前記V2Xアンテナの下に配置され、前記V2Xアンテナ(32)のための接地平面として機能する、請求項11又は12に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項14】
前記放送アンテナ素子は、ワイヤ若しくは金属箔又は印刷金属パターンを有する可撓性膜で作られ、前記金属箔又は可撓性膜は、好ましくは、前記側方領域(ゾーンB)におけるセルラー及び/又はテレマティクスアンテナ(31a、31b)の隣又は真下に配置され、好ましくは、前記セルラーアンテナ(31a、31b)は、前記サービス間の相互影響を低減するために、前記放送アンテナ素子と重複していない、請求項11~13のいずれか一項に記載のスポイラー組立体(100)。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のスポイラー組立体を含む車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のためのスポイラー組立体に関する。本発明の態様は、スポイラー組立体を有する車両にも関する。アンテナは、ガラス窓の可視領域に設置することができないため、制限されたアンテナ、例えば加熱グリッドと一体化された放送アンテナが車両ガラス窓に見られる。従って、シャークフィンは、一般的に、大部分のテレマティクスアンテナ及び衛星アンテナのための存在可能な場所と見なされる。
【背景技術】
【0002】
シャークフィンの利点は、その位置がいかなる妨害もなしにアンテナに理想的であることである。アンテナは、これらのアンテナのための接地平面としての自動車のルーフから利益を得ることもできる。しかし、審美的な理由のために、幾つかのアンテナ、即ち、通常、GPSアンテナ、2つのセルラーアンテナ及びおそらくWiFiアンテナを受け入れる一方、シャークフィンのサイズ及び形状は、かなり小さい。しかし、シャークフィンの使用は、利点を有するだけでない。従って、アンテナを密な間隔で配置したときのアンテナ間の干渉は、アンテナシステムの性能に影響を与えることがある。更に、既に限られた空間のため、新しい用途、例えばV2X又は将来的な5Gを増加させるためにシャークフィンを使用することができない。従って、代替の解決策が必要とされている。
【0003】
長年にわたり、車両スポイラーが車両アンテナのためのハウジングとしても使用され得ることがよく知られている。例えば、特開2003273617号公報では、スポイラーに一体化されたワイヤ自動車アンテナがルーフ上の可視車両アンテナの代替として記載されている。
【0004】
米国特許第6927736号明細書から、自動車スポイラーに設けられた衛星アンテナも知られている。
【0005】
欧州特許出願公開第1843429A1号明細書及び英国特許出願公開第2578597A号明細書は、自動車スポイラーに配置された複数のアンテナを記載している。複数のアンテナ及び無線ユニット受信器は、スポイラーにおけるエレクトロニクス及び電気デバイスを設けられる。従って、スポイラー内の空間が制限され、従ってスポイラーに配置されるアンテナの数及び設計も制限される。
【0006】
これらの上述の先行技術は、異なるタイプのアンテナを車両スポイラーに一体化することを提案している。しかし、これらのいずれも、アンテナの用途に基づいてアンテナの性能を最適化し、同時に異なる用途の幾つかのアンテナが同じスポイラーハウジングに共存するように、複数のアンテナを車両スポイラーに一体化する体系的な手法を提示していない。
【0007】
現在、一層多くのアンテナ及び異なるタイプのアンテナをスポイラーに一体化することが要求されている。テレマティクスアンテナ(例えば、セルラー、衛星、V2X)などの高い周波数で動作するアンテナ及び無線放送(AM/FM/DAB/TV)アンテナなどのより低い周波数で動作するアンテナ並びにアンテナの電力供給のタイプの多様性の必要性は、例えば、下記のような幾つかの問題を引き起こす:
- アンテナの性能を最大化するための異なるテレマティクスアンテナの位置、
- 異なる用途のアンテナが、例えば、高周波数テレマティクス用途と、より低い周波数における無線放送(AM/FM/DAB/TV)との間でスポイラーに共存することができる方法。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、車両のためのスポイラー組立体を提供し、前記組立体は、左横端及び右横端を有するスポイラーハウジング、複数のアンテナ素子であって、アンテナのより良好な性能を保持しながらスポイラーに共存するように配置された衛星アンテナ、セルラーアンテナを含むテレマティクスアンテナ並びにV2Xアンテナ及び無線放送アンテナである複数のアンテナ素子を含む。衛星アンテナ、セルラーアンテナを含むテレマティクスアンテナ及びV2Xアンテナは、スポイラーハウジングの表面に対して必要な方向に突出するように配置される。このような配置は、アンテナの機能に対する各アンテナの性能を向上させ、且つアンテナ一体化のためのスポイラーの最大使用を可能にする。
【0009】
本発明によれば、スポイラーハウジングは、下側部分及びカバー部分(上側部分)を有し、下側部分は、カバー部分の内面に面する内面を有する。スポイラーハウジングは、1つ又は2つの部片で作られ得る。
【0010】
従来の方法で車両のルーフにアンテナを設置すると、アンテナを効果的に保護し、アンテナを視界から隠すためにシャークフィン型囲いが必要になる。しかし、このような囲いは、必然的に車両の空気力学に悪影響を与える。更に、4G/5G通信プロトコルによって必要な高いデータ速度は、複数のアンテナを必要とし得る。加えて、衛星アンテナの受信は、ルーフに設置されることからも利益を得る。2つ以上のセルラー又は衛星アンテナを有すると、シャークフィンのサイズを増大させること又は複数のルーフ上部アンテナ囲いを設けることが必要になる。これは、車両の空気力学的性能を更に低下させる望ましくない影響を与える。更に、シャークフィン型囲いは、外観が悪く、その囲いが車両の審美的外観に影響を与えないように設計課題をもたらす。シャークフィン型囲いを快適な外観にしようとする試みにもかかわらず、ルーフ上のシャークフィン状囲いは、車両の外観に対して依然として視覚的に邪魔になる。更に、あまり邪魔にならない場所、例えば別の外部構成要素(例えば、サイドミラー、バンパー又はルーフの下)にアンテナを配置する場合、受信状態がある程度損なわれ、同軸ケーブルに関する減衰問題が悪化する。更に、このような場所は、アンテナ組立体を最適に構成するために十分な体積を有しない。ルーフ下の配置の場合、効果的なアンテナ組立体に必要な空間を与えることは、受け入れ難いほど車両の頭上空間を損なう。車両の機械的特性に悪影響が出るプラスチック及び/又はガラスルーフカバーも使用せざるを得ない。
【0011】
スポイラーハウジングに対して必要な方向(最高/要求性能に達するために上向き、下向き、平行)に突出する複数のアンテナ素子を有すると、車両の他の場所(例えば、従来のルーフ上部囲い)にアンテナを配置した場合にさもなければ生じる空気力学的不利益が殆ど又は全くなく、より低い周波数で動作する無線放送アンテナと組み合わせて、衛星アンテナ、セルラーアンテナ及びテレマティクス(例えば、2G、3G及び4G(LTE)並びに5G)、GNSS及びV2X又はWifiアンテナなどの現代の通信規格の必要なデータスループット及び帯域幅要件を与えるようにアンテナを適切に構成することができる。更に、この配置により、キャビン空間又は車両の外観を損なうことなく、高いデータスループット及び接続性を達成することができる。別の実施形態では、V2Xアンテナは、V2Vのためのものであり、専用短距離通信規格(例えば、IEEE 802.11p)及び3GPP(登録商標)によって提案されるセルラーV2X(C-V2X)規格に準拠する。
【0012】
本発明によれば、複数のテレマティクスアンテナ素子、セルラーアンテナ及び無線放送アンテナは、用途のタイプ、データスループット及び帯域幅要件で決まる位置でスポイラーに配置される。従って、受信及び送信信号の空間及び時間多重化を可能にするアンテナアレイとしてアンテナ素子を構成し得る。
【0013】
本発明によれば、スポイラーハウジングは、少なくとも1つの中央領域(ゾーンA)と、前記中央領域(ゾーンA)の両側で且つスポイラーハウジングの端における少なくとも1つの側方領域(ゾーンB)とを有する。ブレーキ灯を位置決めする場所に全体として関連する中央領域(ゾーンA)に衛星アンテナが配置される。ブレーキ灯は、後続の運転者に対する警告として機能する、ブレーキをかけた場合に点灯する、自動車の後部に装着された灯である。本発明によれば、ナビゲーションのためのGPS、衛星デジタルオーディオ無線サービスのためのSDARS、衛星通信アンテナを含む衛星アンテナがスポイラーの中央の近くに配置される。
【0014】
中央領域(ゾーンA)の両側における側方領域(ゾーンB)において、少なくとも1つのセルラー及び/又はテレマティクスアンテナ素子が設けられる。各側方領域(ゾーンB)は、スポイラーハウジングの端(右端及び左端)で終了する1つの側を有することが理解される。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、少なくともV2X及び/又はWifiアンテナ素子が衛星アンテナ素子とセルラー及び/又はテレマティクスアンテナ素子との間に更に設けられる。V2X及び/又はWifiアンテナ素子は、中央領域(ゾーンA)と側方領域(ゾーンB)との間に設けられた領域(ゾーンC)に設けられる。車車間・路車間通信用途のためのV2Xアンテナは、垂直に配置され、セルラーとスポイラーの中央との間にある。車両の周りに360度の受信可能範囲を与えるのに役立つ、スポイラーにおける単一V2Xアンテナ又は二重アンテナが存在し得る。
【0016】
WiFiアンテナを設ける場合、それは、セルラー/テレマティクスアンテナとV2Xアンテナとの間に配置される。
【0017】
従って、本発明の一実施形態によれば、スポイラーハウジングは、下記の少なくとも3つの領域に分けられ得る:
a.衛星アンテナ素子を設ける中央領域(ゾーンA)、
b.セルラーアンテナ素子及び/テレマティクスアンテナ素子を設けるスポイラーハウジングの左端及び右端における少なくとも1つの側方領域(ゾーンB)、
c.V2X及び/又はWifiアンテナ素子を設ける中央領域(ゾーンA)と側方領域(ゾーンB)との間に設けられた更なる領域(ゾーンC)。
【0018】
実施形態では、セルラー2G/3G/4G及び5Gアンテナを中心から外れて配置し、スポイラーの両側に均等に分布させ、MIMOシステムにおけるダイバーシティ及び性能を最大化する。実施形態では、有利には、側方領域(ゾーンB)におけるセルラーアンテナ素子を含むテレマティクスは、多入力多出力(MIMO)アレイとして構成される。実施形態では、アンテナ素子の数は、必要な用途に左右され、例えば既知の3GPP(登録商標)によって必要とされるように4G又は5Gのための4つのセルラーアンテナがあり得る。3GPP(登録商標)は、第3世代提携プロジェクトであり、通信システムの規格(例えば、4G、5G)を定義する機関である。これは、高いデータスループットを必要とする先進4G及び5Gデータ用途のためのアンテナ素子の最小推奨数を与える。5Gの場合、例えば、大規模なMIMOアンテナダイバーシティ方式を使用することが提案される。更に多くのアンテナを含むと、更に受信ダイバーシティが増加し、更に高いデータ送信及び受信速度並びにビーム形成の使用可能性を可能にする。例えば、幾つかの実施形態では、アンテナ素子は、例えば、受信/送信信号の指向性が決定されるアンテナ利得を増加させるために、適応ビーム形成を実行するように構成される。
【0019】
好ましくは、各アンテナ素子は、車両に設置された第1の送受信器に接続される。アンテナ及び送受信器は、一緒に作動して特定のタイプの信号を受信及び送信し、例えば、アンテナ素子は、中央領域(ゾーンA)に設けられる、GPS、GLONASS、Galileo若しくはBeiDouシステムを用いた衛星アンテナ素子(例えば、全地球的航法衛星システム(GNSS))であるか、又は側方領域(ゾーンB)に設けられたテレマティクス/セルラーアンテナ(2G、3G、4G、5G、LTE)であるか、又はV2X及び/若しくはWifiアンテナである。別の実施形態では、V2Xアンテナ及び送受信器は、V2Vのためのものであり、専用短距離通信規格(例えば、IEEE 802.11p)及び3GPP(登録商標)によって提案されるセルラーV2X(C-V2X)規格に準拠する。
【0020】
本発明で提案されるようなアンテナシステム配置の利点の1つは、上述の全アンテナが、AM/FM/DAB/TVを含む無線放送アンテナ(従ってこれらのアンテナをワイヤ又は箔で作ることができる)と共存し得ることである。
【0021】
アンテナが金属箔で作られる場合、箔アンテナは、衛星アンテナ、V2Xアンテナに対する接地平面としても機能し得、これらのアンテナの性能を更に向上させる。
【0022】
共存する場合、好ましくは、セルラーアンテナは、箔との最小の接触でスポイラーの端に配置される。
【0023】
信号受信状態を最適化するために、このようなV2Xアンテナ素子を垂直に方向付け、基地局又は路側ユニット(RSU)における送信器/受信器の垂直偏波を車両と一致させ得る。路側ユニット(RSU)は、例えば、支払のために自動車と通信するように道路に設置されたデバイスである。従来のルーフ上部アンテナ組立体が受ける重大な空気力学的不利益なしに、目立たない空間にアンテナが延在することができるように突出方向(垂直、水平、平行)が選択される。これは、必要なアンテナ長が、受信及び/又は送信されるために必要な最低波長に比例するため、広帯域幅受信を必要とする場合に特に当てはまる。
【0024】
スポイラーの全幅を効率的に使用し、異なるアンテナ素子における受信/送信信号間の空間的非相関に必要な間隔を設けるために、アンテナ素子をスポイラーハウジング内で横方向に離間させ得る。
【0025】
好ましくは、アンテナ素子をスポイラーハウジングに配置し、スポイラーハウジングの内面に対して必要な方向(下向き、上向き、平行)に突出するように構成する。例えば、内面は、スポイラーハウジングの上(又は最上)の空気力学的面であり得る。
【0026】
有利には、スポイラーハウジングは、上側部分及び下側部分を含み得、アンテナ素子は、上側部分から下側部分に下向きに突出するように配置される。従って、上側部分は、空気力学的スポイラー面及び下向きアンテナ素子の少なくとも一部を収容するように構成される下側部分を含み得る。有利には、下側部分は、車両の空気力学に悪影響がない、よい車両美観を与える下向きアンテナフィンである。下向きフィンは、質量を最小化するために上の空気力学的部分の幅にわたって部分的にのみ例えば中央部分にわたって延在し得、下向きアンテナ素子を収容するのに必要な体積のみを有するように構成され得る。
【0027】
他の実施形態では、アンテナ素子は、上側部分の下面から下向きに突出するように構成される。このように、上側部分及び下側部分は、別々に都合よく設計及び/又は製造され得る。例えば、単にアンテナを保持するために下側部分を設計する空気力学に基づいて上側部分を設計し得る。上側部分及び下側部分を互いに分離させ得、再度製造を単純化することができ、単にアンテナ素子及びアンテナ素子組立体の設計要件に基づいて下側部分の熱的、電磁的及び機械的特性を設計することもできる。
【0028】
本発明の別の態様では、上述のようなスポイラー組立体を含む車両が提供される。好ましくは、車両は、アンテナ素子に結合された送受信器を含む。送受信器は、スポイラーハウジングに含まれ得るか又は車両の他の場所に設置され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明をより容易に理解することができるように、ここで、本発明の実施形態について一例として3つの添付図面を参照して説明する。
図1】本発明によるスポイラー組立体を含む車両の説明図である。
図2】中央領域(ゾーンA)を例示する、ブレーキ灯を有するスポイラー組立体を含む説明図である。
図3】本発明の実施形態の観点から、一体化アンテナを有するスポイラー組立体の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1における車両1は、連続面を与えるように車両のルーフと実質的に整列された空気力学的面を与えるために、車両の後部に装着され、車両のルーフから延在する後部スポイラー10を含む自動車である。車両の横軸20及び縦軸21を図面のように示し、これにより、横軸及び縦軸への参照は、車両のこれらの軸に対して行われる。自動車が示されているが、本発明は、スポイラーを利用する他のタイプの電動車両に適用可能である。
【0031】
本発明によれば、スポイラーハウジングは、下側部分10a及びカバー部分10b(上側部分)を有し、下側部分10aは、カバー部分の内面に面する内面を有する。スポイラーハウジングは、1つ又は2つの部片で作られ得る。
【0032】
図2は、車両の後部に装着され、車両のルーフから延在する後部スポイラー10を含む自動車を示す。本発明で中央領域と呼ばれるものを定義するか又はよりよく理解するために、一例として後部スポイラーにブレーキ灯11を設ける。中央領域(ゾーンA)は、一般的に、ブレーキ灯11をスポイラー組立体に通常一体化する領域に関する。中央領域は、可能なブレーキ灯を設ける領域の下のゾーンに対応するゾーンでもある。
【0033】
図3に示すように、アンテナ組立体300を後部スポイラー10内に設置する。アンテナ組立体は、スポイラー内で横方向に分布された1つ又は複数のアンテナを含む。
【0034】
図3は、SDARs又はGNSSアンテナ素子30を中央領域(ゾーンA)に配置し、V2Xアンテナ素子32を、中央領域(ゾーンA)と側方領域(ゾーンB)との間に設置された領域に配置し、LTE31a、31bのアンテナを横軸20と合致するスポイラーハウジングの端における側方領域に設ける実施形態を示す。アンテナを各受信器に結合する。これらのアンテナは、各機能に適用できる帯域幅で信号を受信及び送信するのに適するように構成される。アンテナは、例えば、誘電体基板に印刷されることが多いPCB若しくはパッチ型アンテナ、又は放射アンテナ素子のアレイ、又は円偏波を与える二次元若しくは三次元アンテナであり得る。本発明による異なる機能を有するアンテナの位置により、空間的鳴きを省きながら、異なるタイプのアンテナを効率的に組み合わせることができる。アンテナは、プリントアンテナ又は箔アンテナであり得、1つ又は複数のアンテナは、通信ユニットから離れて位置し得るか、又は通信ユニットのモジュールを有する回路基板に一体化され得る。各パッチアンテナは、基板上の導電材料のパッチ又は領域によって形成され得る。典型的には、パッチアンテナは、長方形であり得るが、これは、必ずしも長方形であるとは限らない。他の形状、例えば多角形、T字形、L字形なども可能である。アンテナを車両に設置する場合、アンテナをスポイラー組立体に対して垂直に方向付け得る。例えば、アンテナ面は、アンテナが特定の用途(例えば、V2X)に対して好ましい垂直偏波を与えるようにスポイラー組立体の面(例えば、スポイラーハウジングの下側部分10aの内面)に垂直であり得る。一般的に、アンテナの向きは、即ち、基地局、又は衛星、又は路側ユニット、又は別の車両上の他のアンテナで伝送アンテナの向きと一致するように構成される。例えば、衛星放送及び伝送システムは、典型的には、円偏波され、パッチアンテナが通信に適するようにし、V2X通信は、垂直偏波され、垂直指向アンテナが適切な選択になる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、アンテナは、スポイラーハウジング10のカバー部分の内面に面する下側部分10aの内面に設けられる。しかし、アンテナは、スポイラーハウジング内のフィンにも設けられ得、フィンは、内側部分10aの内面及び/又はカバー部分10bの内面に固定されることが理解される。内側部分10aの内面は、カバー部分10bの内面に面する。
【0036】
衛星アンテナ30は、衛星ナビゲーションアンテナ(例えば、GPS、バイドゥ(Baidu)又は任意の他の同様なサービス用)、又は衛星デジタルオーディオ無線サービス(SDARS)、又は衛星インターネット又は衛星電気通信のための衛星通信モジュールであり得る。これらのアンテナは、中央領域(ゾーンA)に単独で設置され得るか、又は同じゾーンに他の衛星アンテナと共存し得る。これらのアンテナは、誘電体基板に印刷されることが多いパッチ型アンテナ、又は放射アンテナ素子のアレイ、又は円偏波を与える二次元若しくは三次元アンテナであり得る。本発明によれば、アンテナの性能及びサービス又は用途に関連する幾つかの利点を与える衛星アンテナ素子30が中央領域(ゾーンA)に配置される。まず、中央領域は、車体に近く、車体の両方のサイズまでの対称距離を有するという利益を有し、用途(例えば、SDARS)にとって重要である対称放射パターンを衛星アンテナが有するのに役立つ。更に、これらのアンテナは、利得及び性能を更に改善するために大きい接地平面として車体の利益を得ることができる。後に明らかになるように、衛星アンテナは、接地平面として無線放送アンテナの導電箔を使用することもできる。これらの条件は、衛星アンテナの放射特性を更に改善し、従ってサービスの質を改善する。
【0037】
LTE(ロングタームエボリューション)/4Gアンテナ31a-31bは、データスループットを改善するために、MIMO(多入力多出力)機能を含む空間ダイバーシティを与えるように配置されたアンテナのアレイを含み得る。即ち、ここで、アレイにおけるアンテナの1つ又は複数を使用してデータを送信し、別のアンテナを使用してデータを送信する。本発明における構成により、2つ以上のLTEアンテナが側方領域(ゾーンB)に分布されるため、空間ダイバーシティを更に改善する。別の利点は、側方領域が全車体によってあまり影響を受けないため、1つのアンテナ又はモジュールは、自動車の一方の側で受信可能範囲を与えることができる一方、スポイラーの他方の側における他方のアンテナは、他方の側をカバーする。多くの場合、スポイラーの両方の横側におけるこれらのアンテナの放射パターンは、互いに補完し、従って、両方の側方領域におけるこれらの2つ又は複数のアンテナの組み合わせは、車両の完全受信可能範囲を与える。
【0038】
更に、アンテナの信号対雑音比は、本発明の特定の構成としての一実施形態によって改善され得る。側方領域(ゾーンB)に設けられたLTEアンテナを、例えば2.6GHzの最高周波数を有する4G電気通信帯域における電気通信のために使用する。この実施形態では、LTE/4Gアンテナ(又はアンテナアレイ)を示すが、他のセルラー電気通信帯域(例えば、2G、3G及び5G)を使用することができる。
【0039】
スポイラーハウジングにわたって離間されるように横軸20にわたって横方向に離間された2つのLTEアンテナ31a、31bを設ける。アンテナ間の減結合の少なくとも10dBがあり、多入力多出力構成が可能であるように、LTEアンテナ間の間隔を理想的に配置する。従って、スポイラー内の空間を最適に利用して、高いデータスループットをLTEアンテナに与える。各アンテナ31a、31bは、基板上に配置された導電層を含むPCB型アンテナであり得る。しかし、特定の体積を有するスポイラーにアンテナを一体化することができるため、三次元体積アンテナ、更に三次元金属アンテナを含む全ての他の適切なタイプのアンテナを使用し得る。スポイラーの内面に固定された各ブラケットによってアンテナを装着し得る。自動車製造業者の要件に従ってLTEアンテナの数を増加させ得る。従って、4つのLTEをスポイラーに設け得る。
【0040】
更なるV2Xアンテナ32は、スポイラーハウジングで中央領域(ゾーンA)と側方領域(ゾーンB)との間に設置される、ゾーンCと呼ばれる領域に設置される。スポイラーに設置された1つ又は2つのV2Xアンテナがあり得る。好ましい実施形態では、2つのV2Xアンテナの場合、それらのアンテナを組立体スポイラーの両側におけるゾーンCに設置し、アンテナの一方は、スポイラーの前部の受信可能範囲を与える一方、他方のアンテナは、スポイラーの後部の受信可能範囲を与える。この構成では、幾つかのシナリオ(例えば、主要道路)にとって重要であるV2X用途に対する交信距離を改善する高利得アンテナを使用することができる。単一V2Xアンテナのみを使用する場合、アンテナは、自動車の周りに完全受信可能範囲(360度)を与える。この場合、アンテナは、一種の全方向性アンテナである。アンテナ素子の数及びアンテナ形状は、自動車製造業者の要件に従って適合されるべきであることが理解される。本発明及び上述のような位置のため、V2Xアンテナ素子をスポイラーに対して垂直に設置し得、この用途に必要な垂直偏波を与える一方、中央領域(ゾーンA)にある車両ブレーキ灯の存在によって影響を受けない。また、ゾーンCは、スポイラーの端(ゾーンB)からも遠い。従って、V2Xアンテナは、車体の少ない影響なしに、前部及び周囲に優れた受信可能範囲を更に与えることができる。これは、単一V2Xアンテナを使用し、自動車を囲む360度受信可能範囲を必要とする場合に特に重要である。本発明の特定の利点の1つは、ハードウェア及びケーブルのコストのために、単一V2XアンテナがV2X通信に対するフルサービスを提供することができる場合、自動車製造業者の好ましい解決策であることであるが、必須ではない。
【0041】
従って、本発明により、各サービスの必要な特性及びサービスに対する車体の物理的な影響を考慮して、アンテナサービスの各性能を更に最大化しながら、スポイラー組立体における複数のアンテナサービスのための配置が可能である。
【0042】
横軸20に沿って左から右にスポイラーを見る断面図を示す図3の斜視図は、スポイラーハウジングの各端に近いLTEアンテナ31-a、31-bを中央領域(ゾーンA)の両側の側方領域(ゾーンB)でスポイラーハウジングの下側部分10aの内面内に配置することができる方法を示す。図示のように、各LTEアンテナ31-a、31-bの一部は、ハウジングの下側部分10aに下向きに突出する。この実施形態では、下側部分10aは、ハウジングの一部を形成する単一の下向き指向アンテナフィンの形態を取る。図示のように、横方向に離間されたアンテナは、一般的に、横軸20に垂直な縦軸21に整列される。
【0043】
スポイラーの上の空気力学的面に対して下向きに突出する垂直指向アンテナ31-a、31-bを有することにより、アンテナ31-a、31-bは、車両の観察者の視界から外れ、従って車両の外観をより魅力的にすることができる。アンテナを下向きに突出させることにより、前方受信は、前方アンテナ利得の幾らかの劣化を引き起こす車両自体を進む信号を必然的に必要とする。しかし、本発明で提案されるように、スポイラーハウジングにおける各用途に対して適切な位置を選択することにより、このような欠点をアンテナのより良好な性能によって補償する。例えば、スポイラーの両側におけるセルラーアンテナは、他の各アンテナ(即ち異なる領域をカバーする)に対して補完することができ、アンテナの組み合わせは、完全一致を与える。
【0044】
特定の実施形態では、スポイラー組立体は、アナログAM/FM又はデジタルDAB/TVサービスのための無線放送アンテナを含む。この実施形態では、無線放送アンテナは、ワイヤ又は導電膜で作られ得、例えば箔アンテナ又はプラスチック膜(例えば、PET)で実現されたアンテナであり得る。本発明は、好ましくは、それらの箔アンテナをゾーンBとの最小の接触でゾーンA及びゾーンC内に配置することも提案する。更に、本発明は、箔アンテナの上に設置されたゾーンAに衛星アンテナを有することを提案する。これは、衛星アンテナに対する接地平面として箔アンテナを使用するという利点を有し、衛星アンテナの性能を更に向上させ、同時に車両の通信リンクを衛星で遮断しない。衛星アンテナの設計は、かなり小さいため、箔アンテナの上の衛星アンテナの存在は、箔アンテナの性能に対する影響がないように最小限である。更に、本発明は、ゾーンCにおけるV2X及び/又はWiFiアンテナの下に箔アンテナを配置することを提案する。V2Xアンテナの場合、通信は、スポイラー方向の下ではないが、水平面又は特定の高度で発生するため、下の箔アンテナの存在は、接地平面として機能し、V2Xアンテナの性能を更に向上させる。再度、V2Xアンテナを垂直に装着することが多いため、箔アンテナ上の重複領域は、かなり制限され、箔アンテナの性能に対する影響がないように最小限である。最後に、設計段階における箔アンテナは、これらのアンテナの存在を既に予想することができ、従って必要に応じて任意の影響を含み得る。この実施形態では、好ましくは、ゾーンBにおけるセルラー又はテレマティクスアンテナは、箔アンテナとの最小の接触を有する。必要に応じて、セルラーアンテナ又はテレマティクスアンテナは、箔アンテナの上に設置されることが提案される。この場合、箔アンテナは、セルラー及びテレマティクスアンテナに対する接地平面として機能する。セルラー又はテレマティクスアンテナの特定の設計に対して、この構成は、箔アンテナによって拡大されるこれらのアンテナに対する接地平面として重要な利点をもたらし、従ってこれらのセルラー又はテレマティクスアンテナの性能を更に向上させる。
【0045】
この実施形態では、下側部分10aは、スポイラーハウジング10のカバー(上側)部分10bと一体的に形成される。しかし、他の実施形態では、スポイラーハウジングは、2つの異なる構成部品で形成され得る。一方の構成部品は、カバー(上側)部分10bを含み、他方の構成部品は、下側部分10aを含む。
【0046】
従って、LTEアンテナ31a、31bの配置の例は、LTEアンテナ31a、31bをフィンの下のスポイラーハウジングに密封する方法で構成され得る。他の実施形態では、スポイラーハウジングの下側部分10aは、1つ又は複数のアンテナを各々密封する複数のフィンを含み得る。
【0047】
別の実施形態では、アンテナの一部は、ハウジングの下側部分10aの上側部分内に存在する。これは、スポイラーの空気力学的部分における利用可能空間を使用し、スポイラーの全重量及び空気力学的性能に悪影響が生じることがあるハウジングの下側部分10aによって必要な空間を最小化するという利点を有する。しかし、他の実施形態では、アンテナの全体は、垂直指向アンテナ素子の実質的に全体を下側部分内に含むように、上側部分と下側部分との間の境界に全体として対応する平面から又はこの平面の下に突出し得る。
【0048】
上述の実施形態では、アンテナをスポイラー組立体内に垂直に方向付けるが、他の実施形態では、アンテナは、垂直軸に対してある角度で方向付けられることにより全体として下向きに突出し得る。これは、必要な下向き空間を減らすか、又はアンテナ受信状態を過度に損なうことなく、スポイラーハウジングの所与の形状内にアンテナを適合させるのに役立ち得る。
【0049】
別の実施形態として、アンテナを垂直軸に対して45度で配置する。この設計自由度は、スポイラーハウジング内で必要な空間を減らし、且つ(即ち向きの変更のために)アンテナ受信状態を過度に損なうことなく、スポイラーハウジングの所与の形状内にアンテナを適合させるのに役立つことができる。
【0050】
図3において、セルラーアンテナが側方領域(ゾーンB)に設けられる。上述のように、例えばMIMO構成によってデータスループットを増加させるために、アンテナをアレイとして構成し得る。これは、4G及び5Gなどの高いデータ速度プロトコル並びに潜在的にV2Xプロトコルの将来的な使用に特に重要である。分かるように、車両に対する重大な空気力学的不利益を生じさせることなく、このような構成に対するデータスループットを更に増加するために、更なるセルラーアンテナをスポイラーハウジングに含むことができる。更に、実施形態では、スポイラーハウジングの奥行きを適切に増加させ、より長い垂直アンテナを収容し、より大きい信号帯域幅を与えることができる。別の用途において、ビーム形成技法を用いて信号を受信又は送信するようにアンテナを構成し得る。これを使用して、受信信号の方向を識別することができ、更にアンテナの受信又は送信の指向性を集中させ、その方向のアンテナ利得を改善することができる。ビーム形成性能を更なるアンテナで向上させ、従って場合によりスポイラーの面から下向きに突出するアンテナを有することによって作られる追加空間を有益に利用して、例えば車両の空気力学に影響を与えることなく、これらの追加機能又は改善機能を与えることができる。
【0051】
上述の実施形態では、V2X受信器/送受信器及び関連アンテナを説明している。一実施形態では、V2X受信器/送受信器及びアンテナは、V2V(車両間)通信のためのものであり、専用短距離通信(DSRC)規格(例えば、IEEE 802.11p)及びC-V2X規格に準拠する。
図1
図2
図3
【国際調査報告】