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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】洗浄ブースタ添加剤
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/32 20060101AFI20240628BHJP
   C07C 229/24 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20240628BHJP
   C11D 3/32 20060101ALI20240628BHJP
   D06L 1/12 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C11D7/32
C07C229/24
C11D3/30
C11D3/32
D06L1/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500027
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-04
(86)【国際出願番号】 US2022036886
(87)【国際公開番号】W WO2023287835
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/222,453
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イズミトリ、アスリン
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル、マイケル シー.
(72)【発明者】
【氏名】プルコッディ、ランダラ
(72)【発明者】
【氏名】サティオサタム、ムハンタン
(72)【発明者】
【氏名】トゥルチンスキー、マイケル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ワッサーマン、エリック
【テーマコード(参考)】
4H003
4H006
【Fターム(参考)】
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003BA12
4H003DA01
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB17
4H003EB22
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA06
4H006AA03
4H006AB70
4H006BP10
4H006BT12
4H006BU32
(57)【要約】
汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタであって、洗浄ブースタが、式(I)
【化1】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【化2】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものである、洗浄ブースタが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタであって、前記洗浄ブースタが、式(I)
【化1】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【化2】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものである、洗浄ブースタ。
【請求項2】
前記洗浄ブースタ中の前記R基の70~100モル%が、式(II)[式中、aは、2~30である]のものである、請求項1に記載の洗浄ブースタ。
【請求項3】
式(II)の前記洗浄ブースタ中の前記R基の70~100モル%が、式(IIa)
-0-[CHCH(R)O] (IIa)
[式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各Rは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、yは、2~30である]のものである、請求項1に記載の洗浄ブースタ。
【請求項5】
式(II)の前記洗浄ブースタ中の前記R基の70~100モル%が、式(IIb)
-O-(EO)-(PO)-(EO) (IIb)
[式中、は、式(Ia)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~12アルキル基からなる群から選択され、EOは、エチレンオキシド基であり、POは、プロピレンオキシド基であり、hは、0~30であり、iは、0~30であり、jは、0及び30であり、h+i+jは、2~30である]のものである、請求項1に記載の洗浄ブースタ。
【請求項6】
bが、2であり、xが、1であり、Rが、メチル基である、請求項5に記載の洗浄ブースタ。
【請求項7】
が、C1~4アルキル基である、請求項6に記載の洗浄ブースタ。
【請求項8】
hが、0~1であり、iが、2~5であり、jが、2~6である、請求項7に記載の洗浄ブースタ。
【請求項9】
請求項1に記載の洗浄ブースタと水との混合物を含む、洗濯添加剤。
【請求項10】
前記洗濯添加剤が、液体である、請求項8に記載の洗濯添加剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタに関する。特に、本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタであって、洗浄ブースタが、式(I)
【0002】
【化1】

[式中、各cは、独立して、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【0003】
【化2】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものである、洗浄ブースタが提供される。
【0004】
優れた全体的な洗浄を提供する洗濯洗剤、特に液体及びゲル形態の洗濯洗剤は、消費者にとって望ましい。そのような洗濯洗剤は、典型的には、消費者が所望の洗浄効果を果たすために、成分の中でもとりわけ界面活性剤を含む。それにもかかわらず、環境への気配りの高まり及び材料費の上昇により、洗濯洗剤での界面活性剤の利用を減らす動きが高まっている。その結果、洗剤メーカーは、全体的な洗浄性能を維持しながら、洗濯洗剤の単位用量あたりの界面活性剤の量を減らす方法を模索している。
【0005】
界面活性剤の単位用量を減らすための1つのアプローチは、Boutiqueらによって、米国特許出願公開第2009/0005288号に記載されているように、ポリマーを液体洗剤配合物に組み込むことである。Boutiqueらは、約2~約20重量%の界面活性剤を有する液体又はゲル洗濯洗剤配合物で使用するためのポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブチレンオキシドとビニルアセテートとの約1:0.2~約1:10の重量比のグラフトコポリマーを開示している。
【0006】
それにもかかわらず、(特に液体又はゲル洗濯洗剤配合物において)界面活性剤配合量を低減した洗濯洗剤配合物で維持された主要洗浄性能を促進する洗浄ブースタが引き続き必要とされている。好ましくは、改善された再付着防止性能も提供する、液体洗濯洗剤配合物への継続的な必要性が残されている。また、従来の洗浄ブースタと比較した場合に、OECD 301Fプロトコールに従って改善された生分解性を有する新しい洗浄ブースタが引き続き必要とされている。
【0007】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタであって、洗浄ブースタが、式(I)
【0008】
【化3】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【0009】
【化4】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものである、洗浄ブースタを提供する。
【0010】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタであって、洗浄ブースタが、式(I)
【0011】
【化5】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【0012】
【化6】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものであり、洗浄ブースタ中のR基の70~100モル%は、式(II)[式中、aは、2~30である]のものである、洗浄ブースタを提供する。
【0013】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタであって、洗浄ブースタが、式(I)
【0014】
【化7】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【0015】
【化8】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものであり、式(II)の洗浄ブースタ中のR基の70~100モル%は、式(IIa)
-0-[CHCH(R)O] (IIa)
[式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各Rは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、yは、2~30である]のものである、洗浄ブースタを提供する。
【0016】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタであって、洗浄ブースタが、式(I)
【0017】
【化9】

[式中、bは、2~4であり、xは、0~2であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【0018】
【化10】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30である)のものである]のものであり、式(II)の洗浄ブースタ中のR基の70~100モル%は、式(IIb)
-O-(EO)-(PO)-(EO) (IIb)
[式中、は、式(Ia)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~12アルキル基からなる群から選択され、EOは、エチレンオキシド基であり、POは、プロピレンオキシド基であり、hは、0~30であり、iは、0~30であり、jは、0及び30であり、h+i+jは、2~30である]のものである、洗浄ブースタを提供する。
【0019】
本発明は、本発明の洗浄ブースタと水との混合物を含む、洗濯添加剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
驚くべきことに、本明細書に記載される洗浄ブースタは、皮脂汚れ除去のための主要洗浄性能の改善を促進する一方で、埃皮脂及び粘土に対して良好な再付着防止性能を付与し、またOECD 301Fプロトコールに従って望ましい生分解性プロファイルを示すことが見出された。
【0021】
好ましくは、本発明の汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタは、式(I)
【0022】
【化11】

[式中、bは、2~4(好ましくは、2)であり、xは、0~2(好ましくは、1)であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基(好ましくは、水素、C1~5アルキル基、及び-CHC(=O)R基、より好ましくは、水素、C1~2アルキル基、及び-CHC(=O)R基、なおより好ましくは、メチル及び-CHC(=O)R基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)
【0023】
【化12】

(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びCアルキル基)からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である)のものである(即ち、式(I)中のRの個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)]のものである。
【0024】
より好ましくは、本発明の汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタは、式(I);[式中、bは、2~4(好ましくは、2)であり、xは、0~2(好ましくは、1)であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基(好ましくは、水素、C1~5アルキル基、及び-CHC(=O)R基、より好ましくは、水素、C1~2アルキル基、及び-CHC(=O)R基、なおより好ましくは、メチル及び-CHC(=O)R基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びCアルキル基)からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30であり、洗浄ブースタ中の式(II)の70~100モル%(好ましくは、80~100モル%、より好ましくは、90~100モル%、最も好ましくは、95~100モル%)の出現で、aは、2~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である)のものである(即ち、式(I)中のRの個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)]のものである。
【0025】
なおより好ましくは、本発明の汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタは、式(I);[式中、bは、2~4(好ましくは、2)であり、xは、0~2(好ましくは、1)であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基(好ましくは、水素、C1~5アルキル基、及び-CHC(=O)R基、より好ましくは、水素、C1~2アルキル基、及び-CHC(=O)R基、なおより好ましくは、メチル及び-CHC(=O)R基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びCアルキル基)からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30であり、式(II)の洗浄ブースタ中のR基の70~100モル%(好ましくは、80~100モル%、より好ましくは、90~100モル%、最も好ましくは、95~100モル%は、式(IIa)
-0-[CHCH(R)O] (IIa)
(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、C1~4アルキル基、最も好ましくは、Cアルキル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、yは、2~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である)のものである)のものである(即ち、式(I)中のRの個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)]のものである。
【0026】
最も好ましくは、本発明の汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタは、式(I);[式中、bは、2~4(好ましくは、2)であり、xは、0~2(好ましくは、1)であり、各Rは、独立して、水素、C1~22アルキル基、及び-CHC(=O)R基(好ましくは、水素、C1~5アルキル基、及び-CHC(=O)R基、より好ましくは、水素、C1~2アルキル基、及び-CHC(=O)R基、なおより好ましくは、メチル及び-CHC(=O)R基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各Rは、独立して、式(II)(式中、は、式(I)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~22アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びCアルキル基)からなる群から選択され、各R及びRは、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、但し、各サブユニットaにおいて、R及びRの少なくとも1つは水素であり、aは、0~30であり、式(II)の洗浄ブースタ中のR基の70~100モル%(好ましくは、80~100モル%、より好ましくは、90~100モル%、最も好ましくは、95~100モル%)は、式(IIb)
-O-(EO)-(PO)-(EO) (IIb)
(式中、は、式(Ia)への結合点を示し、Rは、水素及びC1~12アルキル基(好ましくは、水素及びC1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC1~5アルキル基、なおより好ましくは、C1~4アルキル基、最も好ましくは、Cアルキル基)からなる群から選択され、EOは、エチレンオキシド基であり、POは、プロピレンオキシド基であり、hは、0~30(好ましくは、0~5、より好ましくは、0~2、最も好ましくは、0~1)であり、iは、0~30(好ましくは、0~10、より好ましくは、0~7、最も好ましくは、2~5)であり、jは、0及び30(好ましくは、2~10、より好ましくは、2~8、最も好ましくは、2~6)であり、h+i+jは、2~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である)のものである)のものである(即ち、式(I)中のRの個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)]のものである。
【0027】
好ましくは、本発明の洗濯添加剤は、本発明の洗浄ブースタと水との混合物を含む。より好ましくは、本発明の洗濯添加剤は、洗濯添加剤の重量に基づいて、0.1~99重量%(好ましくは、0.2~98重量%、より好ましくは、0.5~95重量%;最も好ましくは、0.75~90重量%)の本発明の洗浄ブースタと、洗濯添加剤の重量に基づいて、1~99.9重量%(好ましくは、2~99.8重量%、より好ましくは、5~99.5重量%;最も好ましくは、10~99.25重量%)の水と、を含む混合物である。最も好ましくは、本発明の洗濯添加剤は、洗濯添加剤の重量に基づいて、0.1~99重量%(好ましくは、0.2~98重量%、より好ましくは、0.5~95重量%;最も好ましくは、0.75~90重量%)の本発明の洗浄ブースタと、洗濯添加剤の重量に基づいて、1~99.9重量%(好ましくは、2~99.8重量%、より好ましくは、5~99.5重量%;最も好ましくは、10~99.25重量%)の水と、を含む混合物であって、洗濯添加剤が液体である(好ましくは、洗濯添加剤が21℃及び1標準気圧で液体である)、混合物である。
【0028】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0029】
実施例で使用した試薬を表1に記載する。
【0030】
【表1】
【0031】
合成S1:EO-末端ブロックPO-コポリマー
水素化カリウム(0.5g)を、窒素下で撹拌しながらエチレングリコールモノブチルエーテル(25g)に溶解した。この混合物のうち、23.6gを窒素パージした反応器にシリンジで充填した。反応器を密封し、次いでプロピレンオキシド(41.5g;50.0mL)を120℃にて1mL/分のポンピング速度で充填した。プロピレンオキシドを添加するにつれて、反応器圧力の上昇が認められた。反応器の内容物をプロピレンオキシドの添加により9時間反応させ、その間に反応器の圧力が低下することが観察され、次いでプロピレンオキシドが消費されるにつれて横ばいになった。次いで、エチレンオキシド(33.5g;38.0mL)を反応器の内容物に130℃にて1mL/分のポンピング速度で充填した。反応器の内容物をエチレンオキシドの添加により4時間反応させた。次いで、反応器を排気し、窒素でパージし、生成物を回収した。収量は定量的であった。H NMR(CDCl,δ,ppm):0.90t(3H,CH),1.13m(8.48H,POのCH),1.35m(2H,CH),1.55m(2H,CH),3.55m(35.93H,POのCHCH+EOのCHCH).NMR分析は、回収された生成物について以下の式を示唆した:CHCHCHCHOCHCHO(PO)2.83(EO)5.36H。GPC(THF中):M=739,M=859,PDI=1.16.以下に参照された合成における反応化学量論を計算する目的で、NMRから確立された上記の実験式から計算されたFWを使用した:519ダルトン。
【0032】
合成S2:EO-末端ブロックPO-コポリマー
水素化カリウム(0.4g)を、窒素下で撹拌しながらエチレングリコールモノブチルエーテル(20.75g)に溶解した。この混合物のうち、21.15gを窒素パージした反応器にシリンジで充填した。反応器を密封し、次いでプロピレンオキシド(41.5g;50.0mL)を115℃にて1mL/分のポンピング速度で充填した。プロピレンオキシドを添加するにつれて、反応器圧力の上昇が認められた。反応器の内容物をプロピレンオキシドの添加により22時間反応させ、その間に反応器の圧力が低下することが観察され、次いでプロピレンオキシドが消費されるにつれて横ばいになった。次いで、エチレンオキシド(28.85g;33.0mL)を反応器の内容物に130℃にて1mL/分のポンピング速度で充填した。反応器の内容物をエチレンオキシドの添加により4時間反応させた。次いで、反応器を排気し、窒素でパージし、生成物を回収した。収率は、85.4g(93%)であった。H NMR(CDCl,δ,ppm):0.90t(3H,CH),1.13m(11.05H,POのCH),1.35m(2H,CH),1.55m(2H,CH),3.55m(31.02H,POのCHCH+EOのCHCH).NMR分析は、以下の式を示唆する:CHCHCHCHOCHCHO(PO)3.68(EO)3.49H。GPC(THF中):M=641,M=761,PDI=1.19.以下の実施例における反応化学量論を計算する目的で、NMRから確立された上記の実験式から計算されたFWを使用した:486ダルトン。
【0033】
合成S3:ジメチルマレエート+3,3’-ジアミノ-n-メチルジプロピルアミン
3,3’-ジアミノ-n-メチルジプロピルアミン(7.492g、50.5mmol)を、磁気撹拌棒を備えたガラスバイアルに充填した。隔壁を含むキャップでバイアルを密封し、次いで、穏やかに混合するために磁気撹拌棒上部の氷浴中に置いた。針型熱電対プローブを、隔壁を通して挿入し、温度を記録した。次いで、ジメチルマレエート(15.050g、101mmol、2.0当量)を、シリンジを介して30分間かけてバイアル中にゆっくりと送達して、25.1℃の最大内部温度を達成する程度まで発熱反応を制御した。ジメチルマレエートの添加後、バイアルを、IKA磁気撹拌/加熱プレートに取り付けられたOptiTHERM(登録商標)反応ブロック内で、45℃の標的温度にて加熱した。バイアルの内容物を44.0~46.5℃の温度で2時間維持した。次いで、透明な淡黄色油状生成物を冷却し、特定した。H NMR(アセトン-d,δ,ppm):6.80(s,0.1H),3.87-3.74(0.4H),3.69(s,5.6H),3.63(s,5.6H),3.59(t,J=6.9Hz,2.0H),2.76-2.62(3.8H),2.62-2.44(4.0H),2.32(tt,J=6.6,3.3Hz,4.2H),2.13(s,3.7H),1.55(m,J=6.9Hz,4.0H).13C{H}NMR(アセトン-d,δ,ppm):174.71(2.1C),171.82(2.2C),165.72(0.1C),133.98*(0.2C),58.68(2.1C),56.71(2.1C),53.96-50.50(5.4C),48.46-46.19(2.0C),42.48(1.1C),38.52(2.0C),28.60(2.0C).(アスタリスクでマークされたピークは、ジメチルフマレート副生成物に帰属した)。
【0034】
合成S4:アルコキシル化ブタノールとのエステル交換
合成S3に従って調製した生成物(1.9897g、4.59mmol)、合成S1に従って調製したEO末端ブロックコポリマー(10.0177g、19.3mmol、4.2当量)、及びチタンイソプロポキシド(0.1765g、0.6210mmol、14モル%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いでIKA磁気加熱プレートに取り付けられたOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中、100℃の設定温度で加熱した。100℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプにより、フラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコ内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で109.2~118.2℃の温度にて6時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、特定した。CDCl中で取得した13C NMRスペクトルに基づいて、残留メチルエステル炭素(51.8ppm)対Nに結合したメチル炭素(42.1ppm)の比は0.28:1であり、CHOH基(61.4ppm)対Nに結合したメチル炭素の比は0.17:1である。アルコキシル化ブタノールのブチル基に結合したメチル炭素(13.9ppm)対Nに結合したメチル炭素の比が4:1であることを考慮すると、反応の程度は>90%であると思われる。
【0035】
合成S5:ジメチルマレエート付加物とアルコキシル化ブタノールとのエステル交換。
合成S2に従って調製したEO末端ブロックコポリマー(10.0862g、20.8mmol、4.4当量)、合成S3に従って調製した材料(2.0554g、4.74mmol)、及びチタンイソプロポキシド(0.1769g、0.62mmol、13モル%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いでIKA磁気加熱プレートに取り付けられたOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中、120℃の設定温度で加熱した。112.8℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプにより、フラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコ内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で119.9~121.2℃の温度にて7時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、特定した。CDCl中で取得した13C NMRスペクトルに基づいて、反応の程度は、残留メチルエステル炭素(51.8ppm)についてのシグナルの消失により>95%であった。
【0036】
比較例C1~C2及び実施例1~2:液体洗濯洗剤
後続の実施例の洗浄試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を、pH8.5に中和された表3に示されるような洗浄ブースタを用いて、表2に記載されるような全体的な配合を有するように調製し、標準的な液体洗濯配合物の調製手順によって調製した。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
主要洗浄性能
22℃の設定試験温度、18分間の洗浄サイクルを使用するLaunder-Ometer(SDL Atlas、モデルM228AA)で、比較例C1~C2及び実施例1~2の液体洗濯洗剤配合物の主要洗浄性能を評価した。20個の1.2リットルキャニスターに、Ca:Mgモル比が2:1の100質量ppmの硬度調整水500mLを充填し、各実験に使用した。洗浄した布地を、Eberbach E6000レシプロ式シェーカーで100ppm(2/1のCa/Mg)に硬度を調整した周囲温度の水300mLで、260osc/分pmで5分間すすいだ。試験で使用したシミの付いた布地及び汚れたバラストは、PCS-S-132高識別皮脂BEY顔料、及び収縮前の綿インターロック布地に縫い付けたTestfabricsからのPCS-S-94皮脂/埃ASTMシミであった。綿インターロックのサイズは、5×5cmであった。シミの付いた見本は、2.5×3cmであった。1つの5×5cmの切片のSBL-CFT汚れバラストを各キャニスタに添加して、洗浄溶液に対するベースラインの汚れを提供した。洗浄液体中の総界面活性剤濃度は、200ppmであった。
【0040】
反射率測定及びシミ除去指数(Stain Removal Index、SRI)
ASTM方法D4265-14を使用して、主要洗浄性能試験で評価した液体洗濯洗剤配合物の各々の汚れ除去指数(soil removal index、SRI)を判定した。条件ごとに8つの見本(ポットごとに2つの見本、4つのポット)から取得した平均SRIを、表4に提供する。
【0041】
シミの付いた布地のL、a及びbの値を、Colour ConsultからのMach 5分光光度計を用いて洗浄の前及び後に測定した。未洗浄のシミのないポリコットン布地についてのL、a、及びbの値を、以下のようにSRI計算において測定した:
【0042】
【数1】

式中、USは、未洗浄のシミ領域であり、UFは、未洗浄(シミのない)布地領域であり、WSは、洗浄したシミ領域であり、ΔE (US-UF)は、未洗浄のシミと未洗浄の布地との間のΔE色差であり、ΔE (WS-UF)は、洗浄したシミと未洗浄の布地との間のΔE色差である。ΔEの値は、次のように計算する
ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*21/2
表4に提供されるΔSRIの値は、比較例C1について測定したSRIに対する、示された実施例について測定したSRIの間の差を示す。正の値は、比較例C1に対する汚れ除去の増加を示す。
【0043】
【表4】
【0044】
比較例C3~C4及び実施例3:液体洗濯洗剤
pH8.5に調整された表5に記載される標準液体洗濯洗剤配合物0.5gを、表6に記載される洗浄ブースタの1重量%水溶液1.5gと組み合わせることによって、後続の実施例の洗浄試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を調製した。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
再付着防止
比較例C3~C4及び実施例3の標準的な液体洗濯洗剤+洗浄ブースタの組み合わせの再付着防止性能を、毎分90サイクルで撹拌されたTerg-o-tometerモデル7243ESで、表7に示される条件により評価した。
【0048】
【表7】
【0049】
再付着防止性能は、MACH 5+機器(L、a及びb)で測定したΔEを計算することによって決定した。結果を表8に示し、ΔEは、次式に従う。
ΔE=ΔEaw-ΔEbw
式中、ΔEawは、洗浄後の布地から測定され、ΔEbwは、洗浄前の布地から測定される。より高いΔEは、より良好な再付着防止性能に対応する。
【0050】
【表8】
【国際調査報告】