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特表2024-524522使い捨て医療アイテム、使い捨て医療アイテムのセット、医療デバイス、システム、および最適化された操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】使い捨て医療アイテム、使い捨て医療アイテムのセット、医療デバイス、システム、および最適化された操作方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/98 20160101AFI20240628BHJP
   A61B 90/92 20160101ALI20240628BHJP
【FI】
A61B90/98
A61B90/92
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500068
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 EP2022062667
(87)【国際公開番号】W WO2023280455
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021117339.6
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508240177
【氏名又は名称】ビー.ブラウン メルズンゲン アーゲー
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AG
【住所又は居所原語表記】Carl-Braun-Str. 1, 34212 Melsungen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ エーレン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス カータカンプ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ディッシャー
(72)【発明者】
【氏名】マリア ブルガー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シュバルツ
(57)【要約】
本発明は、医療デバイス(100)上または内で使用される、医療用の使い捨てアイテム(1)、特に医療用チューブ(2)または医療用スライドクランプであって、医療用の使い捨てアイテム(1)は、識別特徴(10)として少なくとも1つの一体マーカ(8)を備え、少なくとも1つのマーカ(8)は、色を有する使い捨てアイテム(1)の所定部分、および/または磁化を有する使い捨てアイテム(1)の所定部分、および/または特にくぼみパターンの形態の幾何学的形状有する使い捨てアイテム(1)の所定部分、および/または所定の導電率を有する使い捨てアイテム(1)の部分、および/または使い捨てアイテム(1)に埋め込まれたRFIDタグである、使い捨てアイテムに関する。さらに、本発明は、追加の独立請求項による医療デバイス、医療システム、医療方法、およびコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイス(100)上または内で使用される医療用の使い捨てアイテム(1)、特に医療用チューブ(2)または医療用スライドクランプであって、
医療用の前記使い捨てアイテム(1)は、識別特徴(10)として少なくとも1つの一体マーカ(8)を備え、
前記少なくとも1つのマーカ(8)は、色を有する前記使い捨てアイテム(1)の所定部分、および/または磁気を有する前記使い捨てアイテム(1)の所定部分、および/または特にくぼみパターンの形態の幾何学的形状有する前記使い捨てアイテム(1)の所定部分、および/または所定の導電率を有する前記使い捨てアイテム(1)の部分、および/または前記使い捨てアイテム(1)に埋め込まれたRFIDタグであることを特徴とする、医療用の使い捨てアイテム(1)。
【請求項2】
前記使い捨てアイテム(1)は、種類の異なる少なくとも2つのマーカ(8)を備え、
医療デバイス(100)によって複合識別または2段階識別が行われるように、第1の識別特徴(10)としての第1のマーカ(8)は、磁気及び/又は幾何学的形状及び/又は所定の導電率を有する所定部分であり、第2の識別特徴(10)としての第2のマーカ(8)は、色を有する所定部分であることを特徴とする、請求項1に記載の医療用の使い捨て医療アイテム(1)。
【請求項3】
前記使い捨てアイテム(1)が、異なる種類の少なくとも2つのマーカ(8)を備え、
第1の識別特徴(10)としての第1のマーカ(8)は、無線トランスポンダ、特にRFIDタグであり、第2の識別特徴(10)としての第2のマーカ(8)は、色を有する所定部分であることを特徴とする、請求項1または2に記載の医療用の使い捨てアイテム(1)。
【請求項4】
前記使い捨てアイテム(1)は、輸液チューブ(2)であり、
前記輸液チューブ(2)が、その半径方向外面の少なくとも一部、特に端部に、前記輸液チューブ(2)の前記基礎色、特に白色透明とは異なる色被覆または基礎構造に導入された色素を備え、
好ましくは、さらに、磁化された粒子が、前記輸液チューブの前記一部、特に前記端部に導入されており、さらなる識別特徴(10)として磁気を提供することを特徴とする、先行する請求項に記載の医療用の使い捨てアイテム(1)。
【請求項5】
少なくとも1つの医療用の第1の使い捨てアイテム(1)および医療用の第2の使い捨てアイテム(1)を備える医療用の使い捨てアイテムセット(12)であって、
前記第1の使い捨てアイテム(1)および前記第2の使い捨てアイテム(1)の各々は、先行する請求項のいずれかに従って構成された使い捨てアイテム(1)であり、
前記第1の使い捨てアイテム(1)を前記第2の使い捨てアイテム(1)と区別するために、前記第1の使い捨てアイテム(1)の前記第1のマーカ(8)は、前記第2の使い捨てアイテム(1)の前記第2のマーカ(8)とは異なる構成であることを特徴とする、医療用の使い捨てアイテムセット(12)。
【請求項6】
前記第1の使い捨てアイテムおよび前記第2の使い捨てアイテム(1)の各々は、マーカ(8)として、磁気を有する少なくとも1つの部分を備え、
前記磁気に基づいて前記2つの使い捨てアイテム(1)を区別するために、前記磁気の空間的位置が異なっている、及び/又は、磁気の強さ、特に前記使い捨てアイテム(1)の異なる部分における磁気の強さが異なっていることを特徴とする、請求項5に記載の医療用の使い捨てアイテムセット(12)。
【請求項7】
前記第1の使い捨てアイテム(1)が、第1の輸液チューブ(2)であり、
前記第2の使い捨てアイテムが、第2の輸液チューブ(2)であり、
前記第1の輸液チューブ(2)の端部が、その半径方向外面に第1の色を備え、
前記第2の輸液チューブ(2)の端部が、その半径方向外面に異なる第2の色を備え、
好ましくは、さらに、前記第1の輸液チューブおよび前記第2の輸液チューブ(2)の識別および/または配向を可能にするために、前記第1の輸液チューブおよび前記第2の輸液チューブ(2)の前記端部が、さらなる識別特徴として磁気を備えるが、前記磁気は、前記第1および第1の輸液チューブおよび前記第2の輸液チューブ(2)において同じ構成であることを特徴とする、請求項5または6に記載の医療用の使い捨てアイテムセット(12)。
【請求項8】
医療デバイス(100)、特に輸液ポンプであって、
好ましくは先行する請求項のいずれかに記載された使い捨てアイテム(1)、特に使い捨て輸液アイテムのための受容部(102)または接続部と、
特にセンサ(108;112;120;122)、好ましくはポンプセンサを備える検出システム(4)であって、特に前記検出システム(104)に適合された少なくとも1つの一体マーカ(8)を、挿入または接続された前記使い捨てアイテム(1)の識別特徴(10)として検出するための検出システム(104)と、
検出された前記識別特徴(10)に基づいて前記使い捨てアイテム(1)を識別し、および/または前記検出システム(104)に対する前記使い捨てアイテム(1)の位置を特定するように設けられ、適合された制御ユニット(116)と、を備える、医療デバイス(100)。
【請求項9】
前記医療デバイス(100)が、
薬剤に関するデータが記憶されている薬剤データベース(114)を有する記憶ユニットと、
好ましくは、少なくとも2つの異なる使い捨てアイテムのデータが記憶されている使い捨てアイテムデータベースであって、前記記憶ユニットに記憶されている使い捨てアイテムデータベースと、
前記制御ユニット(116)であって、検出された、つまり識別された前記使い捨てアイテム(1)に基づいて、
前記薬剤データベース(114)の薬剤選択オプションをフィルタリング及び/又は制限し、および/または、
さらなる使い捨てアイテム(1)の選択オプションをフィルタリングおよび/または制限し、および/または、
薬剤または薬剤濃度と使い捨てアイテム(1)の所定の組み合わせで前記医療デバイスの治療が設定された場合、アラームを出力する、および/または治療の開始を禁止する、制御ユニット(116)と、をさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の医療デバイス(100)。
【請求項10】
前記検出システム(104)が、前記使い捨てアイテム(1)の磁場を識別特徴(10)として検出するように構成された磁気センサ(122)と、受容されたまたは接続された前記使い捨てアイテム(1)の所定部分の色を検出するように構成された色センサとを備え、
前記制御ユニット(116)は、第1段階において、検出された前記磁場に基づいて、前記使い捨てアイテム(1)が正しい位置にあるか、つまり正しく受容されているかまたは正しく接続されているかを判断し、前記使い捨てアイテムの位置が正しい場合には、第2段階において、検出された前記色に基づいて、前記使い捨てアイテム(1)の識別をするように構成されていることを特徴とする、請求項8または9のいずれかに記載の医療デバイス(100)。
【請求項11】
前記医療デバイス(100)は、位置特定のための通信ネットワークの割り当てが記憶された位置特定モジュール、特にGPSモジュールまたは通信モジュール、好ましくはWLANモジュールをさらに備え、
前記制御ユニットは、前記医療デバイスの特定された位置に基づいて、
前記薬剤データベース(114)の薬剤選択オプションをフィルタリングおよび/または制限し、および/または、
前記使い捨てアイテムの選択オプションをフィルタリングおよび/または制限するように構成されていることを特徴とする、請求項8から10のいずれかに記載の医療デバイス(100)。
【請求項12】
医療システム(1000)であって、
請求項8から11のいずれかに記載された医療デバイス(100)と、
特に請求項1から7のいずれかに記載された少なくとも1つの第1および第2の使い捨てアイテム(1)を備える使い捨てアイテムセット(12)であって、前記第1および第2の使い捨てアイテム(1)の各々が、前記医療デバイス(100)の前記検出システム(104)によって検出される所定の識別特徴として、少なくとも1つの一体マーカ(8)を備える、使い捨てアイテムセット(12)と、を備える医療システム(1000)。
【請求項13】
前記第1および第2の使い捨てアイテム(1)の各々は、識別特徴の一体マーカとしてRFIDタグを備え、
前記医療デバイス(100)は、前記RFIDタグの前記読取りデータを前記制御ユニット(116)にデジタル的に提供するRFIDリーダを備え、
前記制御ユニットは、患者のために記憶されたデータを有する患者データベースに基づいて、前記薬剤データベースの薬剤の選択オプションを制限し、ディスプレイ、特にOPモニタを介して、ユーザに対して前記選択オプションを表示するように構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の医療システム(1000)。
【請求項14】
医療デバイス(100)、特に輸液ポンプの最適操作のための医療方法であって、
好ましくは、識別特徴(10)としてマーカ(8)を有する使い捨てアイテム(1)を、医療デバイス(100)内へまたは医療デバイス(100)に挿入または接続するステップと、
検出システム(104)によって、前記使い捨てアイテム(1)の前記識別特徴(10)を識別して、前記使い捨てアイテム(1)および/または前記使い捨てアイテム(1)の位置を識別するステップと、
識別された前記使い捨てアイテム(1)に基づいて、薬剤選択および/または使い捨てアイテム選択をフィルタリングおよび/または制限し、および/または、薬剤または薬剤濃度と使い捨てアイテム(1)とが所定の組み合わせである場合に、アラームを出力し、および/または治療を禁止するステップと、を備える、医療方法。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項14に記載の方法ステップを実行させる命令を備えるコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療デバイスに挿入または接続されるように構成された使い捨て医療アイテム/付属アイテムに関する。さらに、本開示は、独立請求項のプレアンブルに係る、使い捨て医療アイテムのセット(使い捨てアイテムセット)と、使い捨てアイテムを接続または挿入可能な医療デバイス、特に輸液ポンプと、使い捨てアイテムセットおよび医療デバイスを含む医療システムと、医療方法と、コンピュータ可読記憶媒体とに関する。
【背景技術】
【0002】
輸液ポンプなどの医療デバイスは、患者の手術および治療のために使い捨ての医療アイテムおよび/または付属アイテムを必要とし、これらのアイテムは、治療を始める前にデバイスに挿入される。複数の挿入可能な使い捨てアイテムの中から、必要に応じておよび患者に合わせて、特定の使い捨てアイテムが選択されて医療デバイスに挿入され、適切に使用される場合がある。ユーザによって挿入される使い捨てアイテムのタイプ又は種類は、通常、必要な治療または使用される患者のIVラインに関連する。例えば、複数種類の異なる使い捨て輸液アイテムが容積式輸液ポンプに挿入されることがある。薬剤投与に加えて、胃経由の経腸栄養液の投与も可能で、経腸栄養液は使い捨て輸液アイテムを介して患者へ供給される。
【0003】
現在、ユーザ/オペレータ、本明細書では看護師や医師などの医療専門家は、まず最初に、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)上で医療用使い捨てアイテムを手動で選択し、その後、それを医療デバイスに手動で挿入している。しかしながら、これらは、ユーザの入力を確認せずに行われる。さらに、現在の医療デバイスには、薬剤と使い捨て輸液アイテムの両方を手動で選択するには多大な労力が必要であり、ユーザの高い集中力が常に必要であるという欠点がある。
【0004】
例えば、患者に致命的なあるいは生命を脅かすような薬剤と使い捨てアイテムの組み合わせをユーザがうっかり選択してしまったとしても、医療デバイスは、そのような選択やそのような操作を禁止することができない。輸液ポンプの操作手順には、使い捨て輸液アイテムと薬剤データベースから選択される薬剤(または他のデータ)との危険となり得る組み合わせまたは致命的な組み合わせの具体的な取り扱いは規定されていない。
【0005】
投薬または治療の実施と、選択された特定の使い捨て輸液アイテムが使用される特別な条件とを関連付けることもできない。例えば、使い捨てアイテムを使って投与される薬剤が紫外線に反応するもの又は光に反応するものである場合には、紫外線保護機能を有する使い捨てアイテムが使用されるべきである。
【0006】
従って、現状の技術では、使い捨てアイテムと、薬剤固有の標準設定および輸液パラメータの限度を含み得る対応する薬剤データを有する薬剤との間のインテリジェントな関連性が完全に欠けている。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本開示の課題は、現状技術の欠点を回避するかまたは少なくとも軽減することであり、特に、治療および患者の安全性を改善し、ユーザの人間工学操作性を向上させる医療用の使い捨てアイテム、医療用の使い捨てアイテムのセット(使い捨てアイテムセット)、医療デバイス、医療システム、使用、医療方法、およびコンピュータ可読記憶媒体を提供することである。さらなる部分的な課題は、ミスを確実に回避するために、挿入または導入された使い捨てアイテムに基づいて、薬剤および/または非適合設定へのアクセスを確実に制限することである。さらに、別の部分的な課題は、起こり得る適用ミスを防止するために、特に、使い捨てアイテムと薬剤との危険な組み合わせを許可しないことである。
【0008】
本開示の課題は、本発明に係る汎用の医療用使い捨てアイテムに関しては請求項1の特徴によって、本発明に係る医療用使い捨てアイテムのセット(使い捨てアイテムセット)に関しては請求項6の特徴によって、本発明に係る汎用の医療デバイスに関しては請求項8の特徴によって、本発明に係る汎用の医療システムに関しては請求項12の特徴によって、本発明に係る医療方法に関しては請求項14の特徴によって、本発明に係るコンピュータ可読記憶装置に関しては請求項15の特徴によって解決される。
【0009】
本開示の基本原理は、輸液チューブなどの医療用使い捨てアイテム/付属アイテムが、識別特徴として少なくとも1つの所定の一体マーカを備えるように構成されていることにある。この使い捨てアイテムが医療デバイスに挿入される(すなわち、受容されるまたは接続される)と、医療デバイスの対応する検出システムによって識別特徴が検出される。そして、検出された識別特徴から、医療デバイスは、使い捨てアイテムの結果、特にその正体(例えば、使い捨てアイテムの分類またはタイプまたはID)および/または(例えば、使い捨てアイテムが正しく接続されたかどうかを確認するために)使い捨てアイテムの位置を導き出してよい。特に、検出された識別特徴に基づいて、薬剤選択の適合および/またはさらなる(適切な)使い捨てアイテムの選択が行われる。
【0010】
換言すれば、本開示では、使い捨てアイテム(付属要素)、特に使い捨て輸液アイテムを識別し、特に薬剤データベースおよび/または使い捨てアイテムのデータセットをフィルタリングすることよって、医療デバイスの挙動/器具の挙動を適応させるための技術的原理が説明されている。このようにして、いわばインテリジェントな確認と適応が行われ、患者の治療の安全性が向上する。具体的には、本開示によると、薬剤データベースのフィルタリングは、使い捨てアイテムの選択または検出された使い捨てアイテムに基づいて行われる。
【0011】
具体的には、このようにして、ユーザインターフェース(UI)での薬剤データベースの操作、医療デバイスの操作、特に輸液ポンプの操作などの人間工学操作性が改善され得る。さらに、挿入された使い捨てアイテムに基づいて、特に薬剤データベース内の薬剤および他の設定へのアクセスが制限される。さらに、適用ミスを防止するために、使い捨てアイテムと薬剤との危険な組み合わせが禁止されてよい。別の利点は、使い捨てアイテムおよび使い捨てアイテムのセット、ならびに医療デバイスおよびシステムが、ポンプの治療形態を特定の使い捨てアイテムの使用とリンクさせる(例えば、PCA治療用の特定の使い捨てアイテムセット)ことができることによって、新しい概念が可能となることである。
【0012】
使い捨てアイテム、特に使い捨て輸液アイテムの識別および/または識別のためのメカニズムは、フィルタおよび/またはフィルタ機構の使用によって、医療デバイス、特に輸液ポンプの薬剤データベースの人間工学的使用を可能にする。具体的には、使い捨て輸液アイテムと薬剤の危険な組み合わせが防止される。
【0013】
有利な実施形態は、副請求項に記載されており、以下に具体的に説明される。
【0014】
(使い捨てアイテム)
本開示の課題は、使い捨てアイテムが識別特徴として一体マーカを備えることで解決される。
【0015】
言い換えれば、本開示によると、医療デバイス、特に輸液ポンプで使用される医療用の使い捨てアイテム、特に医療チューブまたは医療スライドクランプが提供され、この使い捨てアイテムは、識別特徴として少なくとも1つの一体マーカを備えることを特徴とし、少なくとも1つのマーカは、(それぞれ特徴を有する、所定の個別の色の集合の中の)(特定の)色を有する使い捨てアイテムの所定部分、および/または(永久)磁気または磁気効果を持つ材料を有する使い捨てアイテムの所定部分、および/または所定の幾何学的形状、特に窪みパターンの形態を有する使い捨てアイテムの所定部分、および/または所定の導電率を有する使い捨てアイテムの所定部分、および/または埋め込まれたRFIDタグである。
【0016】
本明細書において、一体マーカは、使い捨てアイテムに設けられた固有の識別特徴を意味する。
【0017】
一実施形態によれば、使い捨てアイテムは、識別特徴として、磁化構造を有する部分、特に磁化プラスチックまたは磁化可能なプラスチックを有する部分を備えてよい。このように、(識別)情報を磁気情報として使い捨てアイテムに組み込んでよい。これは目には見えず、使い捨てアイテムの偽造を防止して、オリジナル部品であることを特徴付けるために、特に、ブランド表示のため、すなわち会社をラベリングするために使用される。同様に、磁気識別特徴は、識別のための情報も提供してよい。具体的には、製造時に、使い捨てアイテムの一部分の材料、好ましくは使い捨てアイテム全体の材料として使用されるプラスチックに磁化可能な粒子または磁化された粒子を混ぜてよい。磁性は、医療デバイスによる検出、特に対応するフィルタリングのための新たな識別特徴を提供してよい。さらに、例えば、使い捨てアイテムには、配向のために磁気の特定の空間的位置および/または向きが設けられているので、使い捨磁気を利用して、好ましくは、使い捨てアイテムを特定の向きにしてよい。(永久)磁場は静的な向きを有するので、この向きを位置情報に使用してよい。さらに、マーカを形成し、磁気識別機能を提供する個別の磁石が使い捨てアイテムに挿入されてよい。換言すれば、考えられる識別特徴の変形は、磁気情報、特に磁化プラスチックであり、好ましくは、異なるチューブまたは異なるスライドクランプなどの異なる使い捨てアイテムには、異なる磁気(向きおよび/または強さ)が与えられる。一実施形態では、スライドクランプに磁石が挿入される。識別特徴の磁気情報は、磁気の違いに基づいて、使い捨てアイテム、特にスライドクランプの存在を検出するため、または使い捨てアイテム、特にスライドクランプの(相対的な)位置を特定し適切に判断するために使用されてよい。「磁気の違い」とは、特に、磁気の強さが異なること、および/または磁気の空間的位置が異なること、および/または使い捨てアイテムの異なる部分において磁気の強さが異なることを意味する。接続されていることおよび/または接続の位置を検出するために、使い捨てアイテムに磁石が挿入されてよいことが好ましい。
【0018】
さらなる実施形態によれば、識別特徴は、特別な幾何学的形状または幾何学的パターンを有する使い捨てアイテムの所定部分であってよい。設けられる幾何学的パターンは、特に、互いに対して特定の配置で設けられたくぼみ/溝/凹部の形態で設計される。具体的には、この幾何学的形状によって、使い捨てアイテムの正しい向きが保証され、検出のためのさらなる情報が提供されてよい。例えば、オリジナル製品だということをマーキングし、模造しにくくするように、輸液チューブの外周に軸方向に延びるくぼみ/溝を設けてよい。さらに、使い捨てアイテムを識別するために、幾何学的形状を使用してよい。このように、識別特徴の1つの特性は、特に、使い捨てアイテムであるホースクランプに設けられたくぼみ/溝/凹部の形態の所定の幾何学的形状であってよい。
【0019】
さらなる実施形態によると、使い捨てアイテムの所定部分には、例えば、赤、青、黄、または緑などの色が付いており、その可視色に基づいて使い捨てアイテムが識別されてよい。このように、例えば、UV感受性薬剤用の輸液チューブには青色を付けるなどして、チューブなどの特定の使い捨てアイテムの分類を特徴付けし、色によって(割り当てテーブルによって)チューブおよび/またはチューブの分類を識別できるようにしてよい。そして、色センサ、例えば、その後の色識別を行うカメラが、色に基づいて分類を特定し、例えば、フィルタリングのためにそれを薬剤データベースに提供してよい。このように、識別特徴の1つの特性として考えられるのは色である。具体的には、赤外線マーカおよび/または紫外線マーカが使い捨てアイテムに設けられる。IRマーカおよびUVマーカは目視できず、特定の波長域の励起または対応するセンサによってのみ検出される。具体的には、材料中の個々の粒子が、UVマーカおよび/またはIRマーカとして使い捨てアイテムに導入されてよい。使い捨てアイテムは、特定の吸収スペクトル/反射スペクトル/または透過スペクトルを有する。
【0020】
使い捨てアイテムは、所定の導電率を有する所定部分を備えてもよいことが好ましい。輸液ポンプに普段挿入される輸液チューブの部分は、例えば、被覆としてまたは円筒状チューブ部として円筒状シースの形態で構成されてよい。使い捨てアイテムの表面の少なくとも特定の領域に適切な材料を選択することによって、その材料に基づく導電率を設定することができる。具体的には、この導電率σは、最小で1x10^2S/m、好ましくは1x10^3S/m、および/または最大で60x10^6S/m、好ましくは1x10^5S/mである。この特性も人間の目には見えないので、一方では、不可視のブランド表示(ちょうど1つの導電率)を提供することができ、他方では、特に、異なる導電率を有する異なる表面材料を使用することによって、使い捨てアイテムの表面の特定の一部、例えばチューブ端部の外側ジャケットが識別特徴のために提供されてよい。
【0021】
具体的には、使い捨てアイテムは、一体マーカとしてRFIDタグを備えてよい。このRFIDタグは、分離不可能に使い捨てアイテムに接続されており、例えば、識別および情報送信のために機能する。さらに、位置が特定されてよく、使い捨てアイテムの位置特定に基づいて特定のフィルタリングが行われてよい。したがって、変形例は、例えばRFIDタグなどの無線モジュールまたはトランスポンダを含んでよい。これは、特に、位置特定および/または使い捨てアイテムの識別のために使われてよい。
【0022】
具体的には、使い捨てアイテムは、チューブ、特に輸液チューブであるか、またはチューブに取り付けられてチューブをクランプするように構成された(医療用の)スライドクランプであってよい。具体的には、使い捨てアイテムは、スライドクランプ付きチューブであってよい。本開示に係る使い捨てアイテムがスライドクランプである場合、チューブは均一に製造され、その後にマーキングされるだけでよいので、生産および製造コストの点で有利である。
【0023】
使い捨てアイテムは、第1の識別特徴と第2の識別特徴との組合せを備えてよいことが好ましい。換言すれば、使い捨てアイテムは、種類の異なる少なくとも2つの一体マーカを備えてよい。使い捨てアイテムとしての輸液チューブは、例えば、第1の識別特徴として磁気情報(磁気マーカ)を備え、第2の識別特徴として色(色マーカ)を備えてよい。具体的には、磁気構造に基づいて輸液チューブを配向することができ、例えば、色付きの部分が色センサに向かって配置され、その後、色に基づいて輸液チューブの識別が行われる。代替的または付加的に、スライドクランプに磁気構造を設けてよく、これにより、スライドクランプの測定位置が色センサに対して最適に配向されるように、クランプモジュールにおいてスライドクランプを配置することができる。あるいは、磁気に基づいてブランド表示を調べ、成功した場合にのみ、次のステップで色の識別が行われてよい。様々な識別特徴の特定の組み合わせにより、配向および/または識別をより良く行うことができる。具体的には、(第1のマーカである)第1の識別特徴によって薬剤選択がまず制限され(薬剤ベースが制限され)、それに基づいて、第2の識別特徴がさらに薬剤選択を制限してよい。例えば、第1の識別特徴を使って、非経口栄養剤用チューブや耐UVチューブなどの使い捨てアイテムのタイプが特定されてよく、第2の識別特徴を使って、化学療法患者用の栄養剤や輸液用の耐UVチューブなどのさらに厳密な制限が行われてよい。顧客専用に個別の制限をしてよい。さらに言い換えると、第1の特徴(例えば、色)は、非経口栄養液などの初めの大まかなフィルタリングのために使用されてよく、第2の特徴(例えば、RFIDタグ)は、特定の顧客または特定の診療所のためのフィルタリングに使用されてよい。このように、第1の特徴は、例えば、(第1の特徴に基づいて)薬剤ベースを制限するために使用されてよく、例えば、第2の識別特徴としての色に基づいて、さらなる制限が行われる。具体的には、識別特徴は、例えば、ソフトウェア/アプリケーションによって変更可能であり、例えば、識別特徴としてRFIDタグが使用されてよく、これにより、顧客専用のまたは特定の診療所のための個別の制限が生成される。
【0024】
具体的には、使い捨てアイテムは、所定の磁気を有する部分と、所定の導電率を有する部分とを備えてよい。磁気に基づいて、まずは使い捨てアイテムの存在を検出することができ、その後、導電率テストを行って使い捨てアイテムを識別することができる。
【0025】
一実施形態によれば、使い捨てアイテムは、種類の異なる少なくとも2つの一体マーカを備えてよく、医療デバイスによって複合識別または2段階識別が行われるように、第1の識別特徴としての第1のマーカは、磁気および/または幾何学的形状および/または所定の導電率を有する所定部分であり、第2の識別特徴としての第2のマーカは、色を有する所定部分である。このように、2つの異なる特徴によって、2つの異なる機能、すなわち存在識別と色識別を組み合わせてよいことが好ましい。特に、磁気と導電率は、外部からユーザには見えない。言い換えれば、特に磁気または特定の導電率によって、例えば、医療デバイスのクランプモジュール内のスライドクランプの存在を認識することができる。存在が認識された場合にのみ、次のステップで色の識別が行われる。このように、製品のブランド表示に加えて、クランプモジュール内のスライドクランプの存在を認識するもう1つの機能を使用することができる。磁気の種類、特に向きおよび/または強さによって、クランプモジュール内のスライドクランプの位置に関する結論を導き出すこともできる。これにより、スライドクランプが誤って挿入されたのか、正しく挿入されたのかが明らかになる。
【0026】
使い捨てアイテムは、IRマーカとしての一体マーカと磁気マーカの組合せを備えることが好ましい。
【0027】
さらなる実施形態によると、使い捨てアイテムは、種類の異なる少なくとも2つのマーカを備えてよく、第1の識別特徴としての第1のマーカは、無線トランスポンダ、特にRFIDタグであり、第2の識別特徴としての第2のマーカは、色を有する所定部分である。具体的には、製造者のみによって秘密鍵を使って符号化されて埋め込まれたチェックコードが、RFIDタグに記憶されてよく、公開鍵によって認証されてよい。このように、オリジナル部品であることの確認が行われ、その後(確認を通った場合のみ)色の識別が行われる。具体的には、RFIDタグが、マーカとして、チューブまたはチューブクランプに一体化されている。代替的または追加的に、RFIDタグの読み取り情報に基づいて薬剤ベースが選択されてもよく、色に基づいて特定の数の薬剤または1つの薬剤のみが選択可能であってよい。このように、マーカとして、したがって識別特徴として、色と無線モジュールおよび/またはトランスポンダが使用されてよい。
【0028】
一実施形態によれば、使い捨てアイテムは、所定の形状を有する部分と、特定の色を有する部分とを備えてよい。形状は、特に、使い捨てアイテム、特にチューブクランプに設けられた少なくとも2つの離間した孔または溝として構成されてよい。具体的には、明確な配向のための形状として保持輪郭が設けられてよく、配向が正しい場合に、色識別が行われてよい。代替的または追加的に、形状は、ブランド表示と真正性検証のために設けられてもよい。スライドクランプにくぼみ/幾何学的な印を設けることによって、例えば、製品のブランド表示(例えば、B.Braunの製品だという印付け)ができる。製品のブランド表示の検証が成功した場合にのみ、色識別と、特にチューブクランプの孔、溝またはその他の形状の形態の幾何学的情報とが使用されて、ブランド表示に基づいて色識別が可能となる。スライドクランプの所定の形状を使って、クランプモジュール内でスライドクランプを配向するための保持輪郭を可能にしてよい。
【0029】
さらなる実施形態によれば、第1の識別特徴は導電率であってよく、第2の識別特徴は色であってよい。特定の所定の導電率を材料に組み込むことで、使い捨てアイテムとしてのスライドクランプに製品のブランド表示が組み込まれてよい。導電率の確認が成功する場合に、色識別が可能となり、実行される。
【0030】
好ましくは、使い捨てアイテムは、輸液チューブであってよく、輸液チューブは、その半径方向外面の少なくとも1つの端部において、輸液チューブの基礎色、特に白色透明とは異なる色の被覆または基礎構造へ(基材へ)導入された色素を備えてよく、好ましくは、磁化粒子/磁気粒子が、マーカとして輸液チューブの端部にさらに導入されて、さらなる第2の識別特徴として磁気を提供してよい。
【0031】
使い捨てアイテムは、色マーカとして、赤外線マーカ(IRマーカ)および/または紫外線マーカ(UVマーカ)を備えてよいことが好ましい。IRマーカおよびUVマーカは、人間の可視範囲にないので、追加の手段がないと認識不可能である。対応する波長の光源を用いてこれらのマーカを励起すると、マーカが発する励起放射線を検出することができる。このようにして、識別特徴を提供する印を設けることができ、使い捨てアイテムのある種のブランド表示をすることができる。検出システムによる検査によって、使い捨てアイテムの真正性を確認することができる。具体的には、使い捨てアイテムに、UVマーカおよび/またはIRマーカの特定のパターン、例えば、QRコード(登録商標)、環帯、リングなどの形態のパターンを設けてもよい。使い捨てアイテムが輸液チューブである場合、UVマーカによって、長手方向に沿って互いに離間して配置される円周リングが好ましくは輸液チューブの一端に形成されてよい。例えば、UVマーカによって、医療デバイスの接続部に差し込まれる輸液チューブの端部に、輸液チューブの長手方向軸に同心に配置された2つのリングを設けてよい。UVマーカに適合した医療デバイスの検出システムが、チューブの識別特徴として2つのリングを検出し、例えば、それが製造者のオリジナル製品であり、2つのリングが薬剤の注入投与に適していると判断する。このように、輸液チューブがオリジナル製品であるということを(目に見えないように)輸液チューブにコード化してよく、こうすることで、患者の安全性をさらに高めることができ、さらに、(例えば「2つのリング」-「投薬に適している」など、対応する割り当て表を使って)輸液チューブが投薬に適した使い捨てアイテムであることを識別することができる。例えば、スライドクランプやチューブの製造時に成形される材料にUVマーカまたはIRマーカを直接入れ込むことにより、マーカが使い捨てアイテムに直接挿入されて、分離不可能に取り付けられるので、偽造に対する安全性が得られ、対応する情報による識別が可能である。
【0032】
具体的には、様々な識別特徴が同様に組み合わせられてよい。したがって、識別特徴としての色マーカを「ブランド表示」として使用してよく、色識別と、薬剤データベースでの薬剤選択の基礎となる削減が同様に行われてよい。
【0033】
具体的には、医療用の使い捨てアイテムは、輸液チューブ、または輸液チューブ/輸液ラインのスライドクランプ、または輸液チューブのポンプセグメントの始端または終端にあるクリップ、または輸液チューブを囲むカセット、または液体を通す流路の一部、またはエアフィルタまたは粒子フィルタ、またはシリンジ、または使い捨て輸液アイテム、または使い捨てアイテムに強固に接続され、好ましくは着脱可能な取り付け部品/取り付けモジュールであってよい。各識別特徴がこの使い捨てアイテムに設けられるか、および/または、識別特徴としてマーカが配置される。具体的には、マーカは、識別特徴として、シリンジのシリンダ及び/又はピストンに設けられてよい。具体的には、使い捨てアイテムは、使い捨て輸液アイテムであってよく、好ましくはカセットを有し、ポンプセグメントを有する又は有さない輸液チューブ(例えば、Space Lineと類似)として形成されてよい。あるいは、使い捨てアイテムはシリンジであってよい。一実施形態において、使い捨て輸液アイテムは、処理されて再利用されてもよい。
【0034】
使い捨てアイテム、特に使い捨て輸液アイテムの少なくとも1つの識別特徴の考えられる特性は、以下の識別特徴のうちの少なくとも1つ、またはそれらのうちの2つまたは復数個の識別特徴の組み合わせであってよい:色および/または特定の吸収スペクトル/反射スペクトル//透過スペクトル、特に赤外域の関連スペクトルの一部および/または紫外域の関連スペクトルの一部;コンピュータ可読2Dコード、特にバーコードまたはQRコード;ホログラム;磁気情報;使い捨てアイテムにある種の署名を導入する所定の形状;無線(RFIDを含む);および/または導電率。
【0035】
具体的には、識別特徴のさらなる特性は、ユーザおよび対応する検出システムを備える医療デバイス、特に輸液ポンプが、どの使い捨てアイテムなのかを(ユーザの感覚器官を介して)識別できるように、ひいてはどの治療形態に関連するのかを認識できるように、識別特徴が設計されていることである。具体的には、輸液チューブのチューブクランプの色によって実現されてよく、こうすることで、例えば、赤=「注意」または「重要な薬剤」、または紫色=「経腸栄養」など、より一般的なシグナル効果をもたらし得る。
【0036】
(使い捨てアイテムセット)
さらに、少なくとも1つの第1の医療用使い捨てアイテムおよび第2の医療用使い捨てアイテムを備える医療用使い捨てアイテムセットに関する本開示の課題は、第1の使い捨てアイテムおよび第2の使い捨てアイテムの各々が、特に、本実施形態に係る使い捨てアイテムであり、第1の識別特徴としての第1のマーカおよび第2の識別特徴としての第2のマーカを備え、第1の使い捨てアイテムを第2の使い捨てアイテムと区別するために、第1の使い捨てアイテムの第1のマーカが、第2の使い捨てアイテムの第2のマーカとは異なる構成であることで解決される。第1の使い捨てアイテムおよび第2の使い捨てアイテムが、本開示による使い捨てアイテムであり、識別可能なように、第1の使い捨てアイテムの識別特徴が、第2の使い捨てアイテムの識別特徴とは異なる構成であることが好ましい。
【0037】
一実施形態によれば、第1の使い捨てアイテムおよび第2の使い捨てアイテムの各々は、磁気を有する部分をマーカとして備えてよく、磁気に基づいて2つの使い捨てアイテムを区別することができるように、磁気の空間的位置/向きが異なる、および/または特に使い捨てアイテムの異なる部分における磁気の強さが異なる。磁気の特性の違いによって、第1の使い捨てアイテムは、第2の使い捨てアイテムに対して、いわば見えないようにコード化されてよい。具体的には、第1の使い捨てアイテムの磁気は第2の使い捨てアイテムの磁気と異なっていてよく、特に、磁気の空間的位置が異なっていてよい、および/または、使い捨てアイテムの異なる部分における磁気の強さが異なっていてよい。
【0038】
さらなる実施形態によれば、第1の使い捨てアイテムは第1の輸液チューブであってよく、第2の使い捨てアイテムは第2の輸液チューブであってよく、第1の輸液チューブの端部は半径方向外面に第1の色を有し、第2の輸液チューブの端部は半径方向外面に第1の色とは異なる第2の色を有し、好ましくはさらに、第1の輸液チューブの端部および第2の輸液チューブの端部はさらなる識別特徴として磁気を有するが、この磁気は、第1および第2の輸液チューブの識別および/または配向を可能にするように、第1および第2の輸液チューブにおいて同じ構成である。
【0039】
少なくとも第1および第2の使い捨てアイテムである使い捨てアイテムセットは、同一のアイテム、特にスライドクランプを備えてよく、これらはそれぞれ、オリジナル部品の確認を確実にし、使い捨てアイテムの向きの識別を可能にするように、両方の使い捨てアイテムで同一の構成である(第1の)磁気マーカと、識別特徴としての第2のマーカとを備え、第1の使い捨てアイテムの第2のマーカの構成は、第2の使い捨てアイテムの第2のマーカの構成とは異なることが好ましい。
【0040】
一実施形態によれば、使い捨てアイテムセットは、2つのタイプの異なる使い捨てアイテム、例えば、輸液バッグと輸液チューブを備えてもよく、これらの使い捨てアイテムの各々は、これら2つの使い捨てアイテムが一緒に属するということを示すために、同一色の色付き部分をマーカとして備え、区別および識別ができるように、使い捨てアイテムそれぞれには、異なるようにコード化されたRFIDタグがさらに挿入される。
【0041】
(医療デバイスおよび医療システム)
医療デバイス、特に輸液ポンプに関する課題は、医療デバイスが、少なくとも1つの使い捨てアイテム、特に使い捨て輸液アイテム、好ましくは前記請求項のいずれかの使い捨てアイテムのための受容部または接続部と、特に少なくとも1つのセンサ、好ましくはポンプセンサを備える検出システムであって、特に検出システムに適合された少なくとも1つの一体マーカを挿入または接続された使い捨てアイテムの識別特徴として検出するための検出システムと、検出された識別特徴に基づいて使い捨てアイテムを識別するように、および/または、検出システムに対する使い捨てアイテムの位置を特定するように設けられ、適合された制御ユニットとを備えることで達成される。
【0042】
一実施形態によれば、医療デバイスは、薬剤に関するデータが記憶されている薬剤データベースを備える記憶ユニットと、好ましくは、記憶ユニットに記憶されており、少なくとも2つの異なる使い捨てアイテムのデータが記憶されている使い捨てアイテムデータベースと、検出および識別された使い捨てアイテムに基づいて、薬剤データベースの薬剤選択オプションをフィルタリングおよび/または制限し、および/または、さらなる使い捨てアイテムの選択オプションをフィルタリングおよび/または制限し、および/または、薬剤または薬剤濃度と使い捨てアイテムとの所定の組み合わせで医療デバイスの治療が設定される場合に、アラームを出力する、および/または治療の開始を禁止するように設けられ、適合された制御ユニットとをさらに備えてよい。
【0043】
さらなる実施形態によると、検出システムは、使い捨てアイテムの磁場を識別特徴として検出するように構成された磁気センサを備えてよく、受容または接続された使い捨てアイテムの所定部分の色を検出するように構成された色センサをさらに備え、制御ユニットは、第1の段階において、検出された磁場に基づいて、使い捨てアイテムが医療デバイスに対して正しい位置にあるか、すなわち正しく受容されているかまたは正しく接続されているかを判断し、使い捨てアイテムの位置が正しい場合に、第2段階において、色センサによって検出された色に基づいて、使い捨てアイテムを識別するように構成されている。
【0044】
好ましくは、医療デバイスは、位置特定のための通信ネットワークの割り当てが記憶された位置特定モジュール、特にGPSモジュールまたは通信モジュール、好ましくはWLANモジュールをさらに備えてよく、制御ユニットは、特定された医療デバイスの位置に基づいて、薬剤データベースの薬剤選択オプションをフィルタリングおよび/または制限するように、および/または使い捨てアイテムの選択オプションをフィルタリングおよび/または制限するように構成されていてよい。換言すれば、医療デバイスは、好ましくは、第1のフィルタリングのために位置特定するための通信モジュール、特にWLANモジュールを備えてよい。例えば、輸液ポンプの場合、通信モジュールによって輸液ポンプが腫瘍病棟で使用されていると判断されると、制御ユニットは、この位置に基づいて、使用可能な使い捨てアイテムの選択および/または薬剤投与(どの薬剤をどの濃度/量で投与するか)をフィルタリングする。具体的には、制御ユニットには、記憶ユニットから、例えば、腫瘍学的療法を行う腫瘍病棟のIPアドレス192.168.10.11など、適切な療法を行う治療病棟のIPアドレスの割り当て表が提供される。識別特徴としての色と医療デバイスの色センサを使って、第2のフィルタリングを行うことができる。さらに別の言い方をすれば、輸液ポンプの通信モジュールによって(例えば、WLANを介して)行われる位置特定によって、ポンプの位置(病棟に関する予備知識)に基づいて輸液ポンプの薬剤選択を制限してよい。識別された使い捨てアイテム(その色/色識別)に基づいて、薬剤選択がさらに制限されてよい。
【0045】
具体的には、医療デバイスは、使い捨てアイテムの所定部分の導電率を特定するように構成された導電率センサを備える。例えば、使い捨てアイテムのための接続部に、2つの電気接点が設けられてよく、2つの電気接点は、使い捨てアイテムが接続されたときに、使い捨てアイテムと直接接触し、使い捨てアイテムの接続部の導電率を適切に測定できる。
【0046】
一実施形態では、医療デバイスは、接続または挿入され、マーカとしてRFIDタグを有する使い捨てアイテムを読み取るためのRFIDリーダを備えてよい。
【0047】
さらなる実施形態において、医療デバイスは、使い捨てアイテム(識別特徴)の接続部形状に対応する形状構造を有する(交換可能な)接続アダプタを備えてよく、こうすることで、マッチする構造を有する使い捨てアイテムのみを接続することができる。
【0048】
医療システムに関する課題は、医療システムが、使い捨てアイテム/付属アイテムを受容可能なまたは使い捨てアイテムを接続可能な医療デバイス、特に本開示に係る医療デバイスと、少なくとも1つの挿入可能な使い捨てアイテム、特に本開示に係る使い捨てアイテムであって、マーカに適合された医療デバイスの検出システムによって検出可能な少なくとも1つの一体マーカを識別特徴として備える少なくとも1つの挿入可能な使い捨てアイテムとを備えることで達成される。具体的には、医療システムは、少なくとも1つの第1の使い捨てアイテムおよび第2の使い捨てアイテムを備える使い捨てアイテムセット、特に、本開示に係る使い捨てアイテムセットを備え、第1および第2の使い捨てアイテムの各々は、2つの使い捨てアイテムが検出および区別されるように、医療デバイスの検出システムによって検出される少なくとも1つの所定の(互いに異なる)識別特徴を有する。
【0049】
好ましい実施形態によれば、第1および第2の使い捨てアイテムの各々は、識別特徴の一体マーカとしてRFIDタグを備えてよく、医療デバイスは、RFIDタグの読み出しデータを制御ユニットにデジタル的に提供するRFIDリーダを備えてよく、制御ユニットは、患者のために記憶されたデータを有する患者データベースに基づいて、薬剤データベースの薬剤選択オプションを制限し、ディスプレイ、特にOPモニタを介して選択オプションをユーザに示すよう適合されている。
【0050】
医療デバイスは、特に、使い捨てアイテム/付属アイテムとの対応する組み合わせを有する輸液ポンプであってよい。また、医療デバイスは、本開示に係る使い捨てアイテム/付属アイテとして特定の透析アイテムを有する、特に使い捨てアイテムセットとして透析セットを有する透析マシンであってよく、透析アイテムおよび/または透析セットの識別特徴を識別することによって、考えられる治療オプションおよび/またはデバイス設定がフィルタリングされる。さらに、医療デバイスは、使い捨てセットとして特定の(呼吸)チューブセットを備える肺呼吸器の形態であってもよく、少なくとも1つの識別特徴を識別することによって、考えられる治療オプションおよび/またはデバイス設定が自動的にフィルタリングされる。
【0051】
具体的には、医療デバイスは光センサを備えてよく、クランプの光センサに対する向き(形状)および/または検出システムに対する角度が、識別特徴として提供されてよい。
【0052】
具体的には、以下のようなコンセプトを有する医療デバイス、医療システム、医療方法が開示されている。
【0053】
医療デバイスは、特に輸液ポンプとして、特に好ましくはチューブポンプまたはシリンジポンプとして構成されてよい。医療デバイスは、使い捨てアイテムの識別特徴を検出するように適合された、少なくとも1つのセンサを有する検出システムを備える。具体的には、このセンサはポンプセンサであってよい。さらに、医療デバイスは、様々な薬剤に関するエントリ、好ましくはこれらの薬剤を用いる治療に関するエントリが記憶された薬剤データベースを有する記憶ユニットを備える。利用可能な使い捨てアイテムのリスト(使い捨てアイテムデータセット)を有するエントリを含む使い捨てアイテムデータベースも、記憶ユニット内に設けられてよく、薬剤の薬剤データベースと使い捨てアイテムの使い捨てデータベースとがリンクするおよび/または関連付けられることが好ましい。さらに、医療デバイスは制御ユニットを備える。医療デバイスは、ディスプレイ、特に入力用のタッチディスプレイをさらに備えることが好ましい。換言すれば、医療デバイスとしての(輸液)ポンプは、ユーザが入力デバイスおよびディスプレイを用いて輸液をプログラムし、輸液の投与を監視することを可能にしてよい。この際、輸液ポンプの制御ユニットが輸液の投与を制御する。具体的には、制御ユニットは、入力デバイスとディスプレイに必要なデータを提供する。その後、制御ユニットは、入力デバイスを介したユーザの入力を処理する。使い捨てアイテム、特に使い捨て輸液アイテムを挿入または配置するとき、または、治療中に使い捨てアイテムが挿入された状態にあるときに、使い捨て(輸液)アイテムは、識別特徴に基づいて、医療デバイス、特に輸液ポンプの検出システムによって識別される。
【0054】
使い捨てアイテムとして、特に、バッグおよび/またはチューブなどの輸液媒体のための液体ガイドを備える使い捨て輸液アイテムが使用されてよい。輸液媒体の例としては、例えば、薬剤を含む溶液、または電解質を含む溶液、または栄養溶液が挙げられる。使い捨てアイテムは、検出システムおよび/または検出システムの少なくとも1つのセンサにマッチするように/適合するように構成されたマーカを識別特徴として備える。識別特徴および/または識別特徴の組み合わせに基づいて、多数の異なる使い捨て輸液アイテムのタイプを区別できることが重要である。具体的には、マーカおよび/または識別特徴は、検出システムのセンサ、特にポンプセンサに適合している。
【0055】
制御ユニットは、特に、以下の動作(目的)のいずれか又はそれらの組み合わせのために、使い捨てアイテムの識別を使用するように適合されている。制御ユニットは、薬剤データベースの薬剤選択のフィルタリングをディスプレイに示してよい(一種の利便性機能)。フィルタの機能には、例えば、誤った薬剤が誤った患者のIVラインに投与されることを防止するために、識別された使い捨て輸液アイテムに基づいて選択可能な薬剤を制限することが含まれる。さらなるフィルタの機能は、識別された使い捨て(輸液)アイテムに基づいて選択可能な療法および輸液設定を制限することである。例えば、PCA療法は、特定の使い捨て輸液アイテムのみを用いて実施され得る。代替的または付加的に、制御ユニットは、ディスプレイなどの出力デバイスを介して、治療の開始時に致命的となり得るコンステレーションについてユーザに通知し、特に、そのような治療の開始を防止する(安全機能)。このような致命的となり得るコンステレーションは、例えば、ユーザが薬剤データベースで選択した薬剤やその濃度が、識別された使い捨てアイテムのタイプとマッチしないことを含む。例えば、IVライン用の使い捨てアイテムと共に栄養溶液が経腸的に使用されるという致命的なコンステレーションが起こる可能性がある。別の致命的なコンステレーションは、例えば、硬膜周囲腔で不適当な薬剤が投与される場合に起こる可能性がある。具体的には、挿入時にディスプレイ上での使い捨てアイテム選択のフィルタリングが行われて、ユーザに直接フィードバックを与える(利便性機能)。その後、選択された使い捨てアイテムは、制御ユニットにおいて、挿入された使い捨て輸液アイテムの操作に関連するパラメータを有効化または設定するために使用される。具体的には、医療デバイスは、この選択されて挿入された使い捨てアイテムを検出し、正しい実施を確認する。検出された使い捨てアイテムに基づいて設定される医療デバイスのパラメータは、特に以下のものである:送達(例えば、送達量または送達経路)を制御するためのパラメータ、および/または圧力検出を制御するためのパラメータ、および/または空気検出を制御するためのパラメータ、および/または使い捨てアイテムの最大滞留時間を規定するためのパラメータ、特に、滞留時間が経過すると対応する視覚的アラートを伴う、および/または空気停止フィルタに関するパラメータ(はい/いいえ)。具体的には、有効化されるまたは設定されるパラメータは、使い捨てアイテムと設定されるパラメータとが関連付けられるように、使い捨てアイテムデータセットに記憶されてよい。
【0056】
制御ユニットでのフィルタプロセスは、識別特徴に基づくフィルタ結果に含まれるヒットが1つだけである場合には、それ以上ユーザとやりとりすることなく自動的に選択を行う仕組み含んでよい。具体的には、薬剤データベースは、薬剤(または別の構造要素)ごとに、識別特徴依存性フィルタリングに使用され得る情報/データを含んでよい。代替的に又は追加的に、使い捨てアイテムデータセットは、使い捨てアイテムごとに、識別特徴依存性フィルタリングに使用され得る情報を含んでよい(及び/又はデータは、記憶ユニットに記憶されてよい)。
【0057】
具体的には、医療デバイス側、特に輸液ポンプ側での識別は、検出システムの(ポンプ)センサによって、または(ポンプ)センサと制御ユニットが相互作用することによって行われる。少なくとも1つの識別特徴の評価は、静的に(色の検出、動きに伴って変化せず、時間が経過しても変化しない)または動的/一時的に(時間の経過と共に変化する、特に動きによって変化する)行われる。
【0058】
個別に特許請求可能なさらなる実施形態によると、医療デバイスは、検出システムおよび制御デバイスを備えてよく、使い捨てアイテムの「動的識別」を行って、特に、使い捨てアイテムのヒステリシス曲線を特定し、使い捨てアイテムを識別するように適合されていてよい。具体的には、医療デバイスと、各々が磁化構造を備える第1および第2の使い捨てアイテムを有する使い捨てアイテムセットとを備える医療システムは、使い捨てアイテムが動的に挿入または接続される時にヒステリシス曲線を検出し、ヒステリシス曲線に基づいて対応するフィルタリングおよび/または制限を行う磁気センサを備えてよい。
【0059】
識別特徴の伝達の1つの種類は、例えば、使い捨てアイテムが常に識別特徴自体を発すること、例えば、磁場を発生させること、または医療デバイス、特に輸液ポンプによって使い捨てアイテムが積極的に励起されることである。例えば、医療デバイスが電磁放射線を放出してもよく、電磁放射線は、材料中の粒子の放射線を励起し、それに応じて放射される(対応する特定の吸収スペクトル/反射スペクトル/または透過スペクトルを有する励起放射線)。あるいは、RFIDタグが、対応する周波数で励起されて、対応する情報を有する電磁波を放出し、医療デバイスがそれを検出する。あるいは、使い捨てアイテムが、周囲/環境からのエネルギーによって励起されてもよい。
【0060】
具体的には、医療デバイス、特に輸液ポンプは、追加的に、さらなるフィルタ基準を使用してもよい。以下の属性が、個別にまたは組み合わせて使用されてよい:使用位置;現在の使用時間または使用予定時間;ポンプのタイプ;ポンプのシリアル番号;治療される患者に関する情報(すなわち、サイズ、性別、体表面積、年齢、疾患の種類、患者集団への他の割り当て)、通信ネットワークを介して提供される治療提案;および/または治療を行う医療施設または医療施設内の組織ユニット。
【0061】
(方法およびコンピュータ可読記憶媒体)
特に、使い捨てアイテムを検出することによって輸液ポンプを最適に操作する方法が開示されている。医療デバイス、特に輸液ポンプの最適操作のための医療方法に関して、本開示の課題は以下のステップによって解決される:好ましくは、医療デバイスに使い捨てアイテムを挿入または接続するステップと、検出システムによって、接続または挿入された使い捨てアイテムの識別特徴を識別するステップ、特に、使い捨てアイテムを検出および識別し、および/または使い捨てアイテムの位置を特定するステップと、好ましくは、特定された使い捨てアイテムの位置が使い捨てアイテムの意図された位置に対応しない場合、医療デバイスの機能を禁止するステップと、識別された使い捨てアイテムに基づいて、薬剤選択および/または使い捨てアイテム選択をフィルタリングおよび/または制限するステップと、および/またはアラームを出力するステップと、および/または薬剤もしくは薬剤濃度と使い捨てアイテムとの所定の組み合わせを用いる治療を禁止するステップ。
【0062】
使用に関して、課題は、本開示による使い捨てアイテムが、検出システムを有する医療デバイスで使用され、検出された識別特徴に基づいて、選択オプションがフィルタリングされるまたは制限されることで、達成される。
【0063】
コンピュータ可読記憶媒体に関して、課題は、コンピュータ可読記憶媒体が、コンピュータによって実行されたときに本開示による方法のステップをコンピュータに実行させる命令を含むことで、達成される。
【0064】
使い捨てアイテムおよび使い捨てアイテムセットに関する前述の開示は、本開示による医療デバイスおよび医療システムの開示としても適用され、その逆もまた同様であることを理解されたい。使い捨てアイテム、使い捨てアイテムセット、医療デバイス、医療システム、および医療方法の現在開示されている特徴は、交換可能であり、補足され得ることを理解されたい。
【0065】
以下、図を用いて、好ましい実施形態により本開示を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本開示の好ましい実施形態による、クランプを有する輸液チューブの形態をした使い捨てアイテムの概略図である。
図2】好ましい実施形態による使い捨てアイテムセットの概略図である。
図3】さらなる好ましい実施形態による使い捨てアイテムセットである。
図4】好ましい実施形態による、使い捨てアイテムセットとして透析セットを挿入した状態の透析マシンの形態をした医療デバイスの概略図である。
図5】好ましい実施形態による医療方法のフローチャートである。
【0067】
図面は概略的なものであり、本発明の理解を目的とするものである。同一の要素には同じ参照符号が付されている。異なる実施形態の特徴は入れ替え可能である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1は、本開示の好ましい実施形態による使い捨てアイテム1の斜視概略図を示す。使い捨てアイテム1は、輸液チューブ2の形態をしており、さらなる使い捨てアイテム1として輸液クランプ4を備える。図1には、本開示による、さらなる使い捨てアイテム1を備える使い捨てアイテム1または2つの使い捨てアイテム1が示されているとも言える。
【0069】
輸液チューブ2は、その端部に、医療デバイスの対応する接続部に接続されるように構成された(末端)接続部6、例えばルアーロック接続部を備える。この実施形態では、接続部6は、その全体が輸液チューブ2の所定部分として構成されており、色は緑であり、第1の一体マーカ8として、つまり輸液チューブ2の第1の識別特徴10として機能する。さらに、接続部は、製造中に磁気粒子が入れられたプラスチックでできているので、磁化可能な(磁気)粒子を含んでおり、独自の所定の静磁気を有する。この磁気は輸液チューブ2の第2の一体マーカ8として機能し、一体マーカは、輸液チューブ2と一体化されており、分離不能に輸液チューブ2に接続されている。
【0070】
端部に設けられた2つの所定の異なるタイプまたは種類のマーカ8は、一方では、視覚的に検出されるのに適しており、他方では、対応する磁気センサによって非視覚的に検出されるのに適している。第1のマーカ8としてのシグナルの緑色は、この輸液チューブ2が薬剤投与に適しているということをユーザに視覚的に知らせ、自動確認および識別を実施するための適切な色センサによって検出可能である一方、第2の磁気識別特徴10としての第2の磁気マーカ8は、医療デバイスに接続された時にのみ、対応するセンサによって検出可能である。第2の磁気マーカ8は、特に、輸液チューブ2がオリジナル部品であるということを示すブランド表示として機能する。さらに、第2の識別特徴10として第2の磁気マーカ8を用いることで、医療デバイスに接続されたときに、薬剤投与のための磁場の強さに基づいて、使い捨てアイテム1が特定の輸液チューブ2であるということを検出することができる。また、固有の磁場に基づいて、輸液チューブ2が正しく接続されているということが保証される。使い捨てアイテムのための磁気マーカは、完全に新規なものである。
【0071】
さらに、輸液チューブ2は、輸液チューブ2に沿って摺動可能であり、所望の箇所をクランプすることによって流体の流れを止める取り付け可能な輸液クランプ4も備える。輸液クランプ4は、従来の技術とは対照的に、電気的に絶縁された構成を有さず、特定の材料に対応する特定の導電率を有するように、材料として特定の導電性ポリマーを含む。本実施例では、輸液クランプ4は10~100S/mの間の導電率を有する。輸液クランプ4の(わずかに)導電性の材料は、輸液クランプ4のさらなるタイプのマーカ8を形成する。医療デバイスに挿入されると、一方では、医療デバイスが、2つの接触接続部を介して導電率を確認し、オリジナル製品であると判断し、他方では、例えば、薬物投与には10~110S/mの導電率、経腸溶液には1,000~10,000S/mの導電率など導電率の特定の設定値に基づいて、輸液セットの2つの異なる輸液クランプ4を識別および区別することができる。
【0072】
図2は、使い捨てアイテム1として2つの透析チューブ分岐部14を有する透析セットの形態をした使い捨てアイテムセット12を示す。この実施形態では、特に、第1の使い捨てアイテムとしての第1の透析チューブ分岐部14および第2の使い捨てアイテムとしての第2の透析チューブ分岐部14のそれぞれに、透析接続部16が形成されている。第1の透析接続部16は、第1の一体マーカとして、特定波長の蛍光を色として有し、第2の一体マーカとして、2つの小型内蔵磁石を有する磁気マーカを備え、磁石の1つは透析接続部16の端面に設けられており、もう1つは透析接続部16の端部に設けられている。第2の透析接続部16もまた、第1の透析接続部16と同じ蛍光の第1の一体マーカを備えるが、第2のマーカとしては、第2の透析接続部16の端部に磁石を1つのみを備えている。蛍光を用いることによって、対応する蛍光検出システムを有する医療デバイスが、オリジナル部品であること、または使い捨てアイテム1が接続されていることを確認することができる一方、検出システムの対応する磁気センサによって、第1の透析接続部16と第2の透析接続部16で構成が異なる第2の磁気マーカが検出され、透析チューブ分岐部14(使い捨てアイテム1)の磁気マーカの記憶されている割り当てテーブルに基づいて、少なくとも1種類の透析チューブ分岐部14、特にちょうど1つの透析チューブ分岐部14を、適切に適合された制御ユニットによって識別することができる。
【0073】
図3は、好ましい実施形態による輸液ポンプの形態をした医療デバイス100を備える医療システム1000の概略斜視図である。デバイス100は、使い捨て輸液アイテムの形態をした、輸液ポンプ用の挿入可能な使い捨てアイテム/付属アイテム1のための受容部102を備えており、本実施例では、使い捨て輸液アイテムは、輸液が入った輸液バッグの輸液チューブ2である。この実施形態では、肉眼では見えないUV吸収粒子および可視光域で反射するUV線(励起放射線;輸液チューブ2の製造時に導入される)の形態をしたUVマーカが、輸液チューブ全体(プラスチック材料内)に導入されている。さらに、デバイス100は、UVライト106およびUV光センサ108を有する検出システム104を備え、UV光センサ108は、検出システムに適合した識別特徴、本実施例では挿入された使い捨てアイテム1のUVスペクトルの形態の情報を検出するためのものである。さらに、検出システム104は、IRライトおよびIRセンサを備える。デバイス100の記憶ユニット内の薬剤データベース114には、薬剤に関するデータが記憶されている。デバイス100は、記憶ユニット内に、使い捨てアイテム1である少なくとも2つの異なる輸液チューブ2に関するデータが記憶されている使い捨てアイテムデータベース(不図示)をさらに備える。この使い捨てアイテムデータベースには、使い捨てアイテムの特定の識別特徴、本実施例では使い捨てアイテム1の特定の反射スペクトルが記憶されている。具体的には、IRマーカを有する輸液チューブおよびUVマーカを有する輸液チューブに関するデータが、使い捨てアイテムデータベースに記憶されている。IRマーカは、例えば、薬剤投与用の輸液チューブ2に適用される。UVマーカは、例えば、経腸栄養液供給用の輸液チューブに適用される。UVマーカを有する輸液チューブ2およびIRマーカを有する輸液チューブ2を含む使い捨てアイテムセット12である輸液チューブセットのUVマーカまたはIRマーカを使用することによって、使い捨てアイテムを識別し、選択オプションを制限することができる。例えば、UVマーカを有する輸液チューブ2が挿入された場合には、経腸栄養剤の選択のみを入力オプションとしてユーザに対して示すことができる。一方、IRマーカを有する輸液チューブ2が挿入された場合には、薬剤の選択オプションのみをユーザに対して示すことができる。
【0074】
この目的のために、デバイス100は、制御ユニット116を備えており、制御ユニット116は、検出された使い捨てアイテム1である輸液チューブ2に基づいて、薬剤データベース114の薬剤選択オプションをフィルタリングおよび制限し、使い捨てアイテムの選択をフィルタリングおよび制限するように設けられ、適合されている。さらに、医療デバイス100の治療が、薬剤または薬剤濃度と使い捨てアイテムとの致命的な所定の組み合わせ、例えば、使い捨てアイテム1と選択された薬剤との不適合な組み合わせで設定された場合、制御ユニット116は、タッチディスプレイ118を介してアラームを出力してよい、および/または、治療の開始を禁止してよい。タッチディスプレイ118は、ユーザへ情報を出力し、ユーザが操作入力する入力装置としても機能する。
【0075】
図4は、透析マシンの形態の医療デバイス100と、使い捨てアイテムセット12として挿入された透析チューブセットとを備える医療システム1000のさらに好ましい実施形態を示す。具体的には、透析マシンは、さらなる使い捨てアイテム1として挿入された透析フィルタ18を備える。透析マシンは、磁場を検出するために、挿入された透析フィルタ18の上部(上側)および下部(下側)に磁気センサ122を備える。透析フィルタ18には、透析フィルタ18特有の印付けを実現するために、上側のみに一体マーカ8として磁石が挿入されている。合計で、少なくとも3つの異なる種類の透析フィルタを特定することができる(上側に磁石あり、下側に磁石なし;上側に磁石あり、下側に磁石あり;上側に磁石なし、下側に磁石なし)。さらに、磁気の強さ(磁場の強さ)または磁場の向きによって、さらに区別されてもよい。そして、制御ユニット116は、記憶されている使い捨てアイテムデータベースに基づいて、どの透析フィルタ18が挿入されているかを特定し、特定された透析フィルタに基づいて、治療のパラメータを自動的に設定する。透析チューブセットは、一体化マーカとして、チューブの特定部分を備え、この部分は、通常クランプされる部分であり、導電率センサ120と接触し、10~100S/mの導電率を有する。
【0076】
その後、制御ユニット116は、識別された透析チューブセットに基づいて透析療法を適切にフィルタリングし、さらなるパラメータを自動的に設定してよい。従って、望ましくないユーザエラーを最初から排除できる。
【0077】
図5は、好ましい実施形態の医療方法、特に操作方法をフローチャートで示す。
【0078】
最初のステップS1では、検出システムによって、使い捨てアイテム(付属要素)の所定の識別特徴が検出され、識別される。
【0079】
ステップS2では、識別された使い捨てアイテムに基づいて薬剤の選択がフィルタリングおよび制限されるので、ユーザは使い捨てアイテムにマッチする薬剤のみを選択することができる。
【0080】
ステップS3では、識別された使い捨てアイテムに基づいて使い捨てアイテムの選択がフィルタリングおよび制限されるので、例えば、挿入され得るさらなる使い捨てアイテムの選択が制限される。
【0081】
ステップS4では、薬剤と使い捨てアイテムの特定の致命的な組み合わせ又は薬剤濃度と使い捨てアイテムの致命的な組み合わせが選択された場合に、アラームが出力され、治療の開始が禁止される。
【符号の説明】
【0082】
1:使い捨てアイテム
2:輸液チューブ
4:スライドクランプ
6:接続部
8:一体マーカ
10:識別特徴
12:使い捨てアイテムセット
14:透析チューブ分岐部
16:透析接続部
18:透析フィルタ
100:医療デバイス
102:受容部
104:検出システム
106:UVライト
108:UV光センサ
110:IRライト
112:IRセンサ
114:記憶ユニット内の薬剤データベース
116:制御ユニット
118:ディスプレイ
120:導電率センサ
122:磁気センサ
1000:医療システム
S1:使い捨てアイテムを識別するステップ
S2:薬剤選択を制限するステップ
S3:使い捨てアイテム選択を制限するステップ
S4:アラームを出力し、治療を禁止するステップ
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイス上または内で使用される医療用の使い捨てアイテムであって、
医療用の前記使い捨てアイテムは、識別特徴として少なくとも1つの一体マーカを備え、
記少なくとも1つのマーカは、色を有する前記使い捨てアイテムの所定部分、および/または磁気を有する前記使い捨てアイテムの所定部分、および/または幾何学的形状を有する前記使い捨てアイテムの所定部分、および/または所定の導電率を有する前記使い捨てアイテムの部分、および/または前記使い捨てアイテムに埋め込まれたRFIDタグであることを特徴とする、医療用の使い捨てアイテム。
【請求項2】
前記使い捨てアイテムは、種類の異なる少なくとも2つのマーカを備え、
医療デバイスによって複合識別または2段階識別が行われるように、第1の識別特徴としての第1のマーカは、磁気及び/又は幾何学的形状及び/又は所定の導電率を有する所定部分であり、第2の識別特徴としての第2のマーカは、色を有する所定部分であることを特徴とする、請求項1に記載の医療用の使い捨てアイテム。
【請求項3】
前記使い捨てアイテムが、異なる種類の少なくとも2つのマーカを備え、
第1の識別特徴としての第1のマーカは、無線トランスポンダであり、第2の識別特徴としての第2のマーカは、色を有する所定部分であることを特徴とする、請求項1に記載の医療用の使い捨てアイテム。
【請求項4】
前記使い捨てアイテムは、輸液チューブであり、
前記輸液チューブが、その半径方向外面の少なくとも一部に、前記輸液チューブの前記基礎色とは異なる色被覆または基礎構造に導入された色素を備え
とを特徴とする、請求項1に記載の医療用の使い捨てアイテム。
【請求項5】
少なくとも1つの医療用の第1の使い捨てアイテムおよび医療用の第2の使い捨てアイテムを備える医療用の使い捨てアイテムセットであって、
前記第1の使い捨てアイテムおよび前記第2の使い捨てアイテムの各々は、請求項1に従って構成された使い捨てアイテムであり、
前記第1の使い捨てアイテムを前記第2の使い捨てアイテムと区別するために、前記第1の使い捨てアイテムの前記第1のマーカは、前記第2の使い捨てアイテムの前記第2のマーカとは異なる構成であることを特徴とする、医療用の使い捨てアイテムセット。
【請求項6】
前記第1の使い捨てアイテムおよび前記第2の使い捨てアイテムの各々は、マーカとして、磁気を有する少なくとも1つの部分を備え、
前記磁気に基づいて前記2つの使い捨てアイテムを区別するために、前記磁気の空間的位置が異なっている、及び/又は、磁気の強さが異なっていることを特徴とする、請求項5に記載の医療用の使い捨てアイテムセット。
【請求項7】
前記第1の使い捨てアイテムが、第1の輸液チューブであり、
前記第2の使い捨てアイテムが、第2の輸液チューブであり、
前記第1の輸液チューブの端部が、その半径方向外面に第1の色を備え、
前記第2の輸液チューブの端部が、その半径方向外面に異なる第2の色を備え、
らに、前記第1の輸液チューブおよび前記第2の輸液チューブの識別および/または配向を可能にするために、前記第1の輸液チューブおよび前記第2の輸液チューブの前記端部が、さらなる識別特徴として磁気を備えるが、前記磁気は、前記第1および第1の輸液チューブおよび前記第2の輸液チューブにおいて同じ構成であることを特徴とする、請求項5に記載の医療用の使い捨てアイテムセット。
【請求項8】
医療デバイスであって、
請求項1に記載された使い捨てアイテムのための受容部または接続部と、
出システム(4)であって、前記検出システムに適合された少なくとも1つの一体マーカを、挿入または接続された前記使い捨てアイテムの識別特徴として検出するための検出システムと、
検出された前記識別特徴に基づいて前記使い捨てアイテムを識別し、および/または前記検出システムに対する前記使い捨てアイテムの位置を特定するように設けられ、適合された制御ユニットと、を備える、医療デバイス。
【請求項9】
前記医療デバイスが、
薬剤に関するデータが記憶されている薬剤データベースを有する記憶ユニットと、
なくとも2つの異なる使い捨てアイテムのデータが記憶されている使い捨てアイテムデータベースであって、前記記憶ユニットに記憶されている使い捨てアイテムデータベースと、
前記制御ユニットであって、検出された、つまり識別された前記使い捨てアイテムに基づいて、
前記薬剤データベースの薬剤選択オプションをフィルタリング及び/又は制限し、および/または、
さらなる使い捨てアイテムの選択オプションをフィルタリングおよび/または制限し、および/または、
薬剤または薬剤濃度と使い捨てアイテムの所定の組み合わせで前記医療デバイスの治療が設定された場合、アラームを出力する、および/または治療の開始を禁止する、制御ユニットと、をさらに備えることを特徴とする、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記検出システムが、前記使い捨てアイテムの磁場を識別特徴として検出するように構成された磁気センサと、受容されたまたは接続された前記使い捨てアイテムの所定部分の色を検出するように構成された色センサとを備え、
前記制御ユニットは、第1段階において、検出された前記磁場に基づいて、前記使い捨てアイテムが正しい位置にあるか、つまり正しく受容されているかまたは正しく接続されているかを判断し、前記使い捨てアイテムの位置が正しい場合には、第2段階において、検出された前記色に基づいて、前記使い捨てアイテムの識別をするように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記医療デバイスは、位置特定のための通信ネットワークの割り当てが記憶された位置特定モジュール、または通信モジュールをさらに備え、
前記制御ユニットは、前記医療デバイスの特定された位置に基づいて、
前記薬剤データベースの薬剤選択オプションをフィルタリングおよび/または制限し、および/または、
前記使い捨てアイテムの選択オプションをフィルタリングおよび/または制限するように構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項12】
医療システムであって、
請求項8に記載された医療デバイスと、
なくとも1つの第1および第2の使い捨てアイテムを備える使い捨てアイテムセットであって、前記第1および第2の使い捨てアイテムの各々が、前記医療デバイスの前記検出システムによって検出される所定の識別特徴として、少なくとも1つの一体マーカを備える、使い捨てアイテムセットと、を備える医療システム。
【請求項13】
前記第1および第2の使い捨てアイテムの各々は、識別特徴の一体マーカとしてRFIDタグを備え、
前記医療デバイスは、前記RFIDタグの前記読取りデータを前記制御ユニットにデジタル的に提供するRFIDリーダを備え、
前記制御ユニットは、患者のために記憶されたデータを有する患者データベースに基づいて、前記薬剤データベースの薬剤の選択オプションを制限し、ディスプレイを介して、ユーザに対して前記選択オプションを表示するように構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の医療システム。
【請求項14】
医療デバイスの最適操作のための医療方法であって
検出システムによって、前記使い捨てアイテムの前記識別特徴を識別して、前記使い捨てアイテムおよび/または前記使い捨てアイテムの位置を識別するステップと、
識別された前記使い捨てアイテムに基づいて、薬剤選択および/または使い捨てアイテム選択をフィルタリングおよび/または制限し、および/または、薬剤または薬剤濃度と使い捨てアイテムとが所定の組み合わせである場合に、アラームを出力し、および/または治療を禁止するステップと、を備える、医療方法。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項14に記載の方法ステップを実行させる命令を備えるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
医療用の前記使い捨てアイテムは、医療用チューブまたは医療用スライドクランプであることを特徴とする、請求項1に記載の医療用の使い捨てアイテム。
【請求項17】
前記幾何学的形状は窪みパターンの形態であることを特徴とする、請求項1に記載の医療用の使い捨てアイテム。
【請求項18】
前記医療デバイスは輸液ポンプであることを特徴とする、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項19】
さらに、磁化された粒子が、前記輸液チューブの前記一部に導入されて、さらなる識別特徴として磁気を提供することを特徴とする、請求項4に記載の医療用の使い捨てアイテム。
【請求項20】
識別特徴として一体マーカを有する使い捨てアイテムを、医療デバイス内へまたは医療デバイスに挿入または接続するステップをさらに備える、請求項14に記載の医療デバイスの最適操作のための医療方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
ステップS4では、薬剤と使い捨てアイテムの特定の致命的な組み合わせ又は薬剤濃度と使い捨てアイテムの致命的な組み合わせが選択された場合に、アラームが出力され、治療の開始が禁止される。
本明細書に開示される技術の特徴を列挙する。
(項目1)
医療デバイス(100)上または内で使用される医療用の使い捨てアイテム(1)、特に医療用チューブ(2)または医療用スライドクランプであって、
医療用の前記使い捨てアイテム(1)は、識別特徴(10)として少なくとも1つの一体マーカ(8)を備え、
前記少なくとも1つのマーカ(8)は、色を有する前記使い捨てアイテム(1)の所定部分、および/または磁気を有する前記使い捨てアイテム(1)の所定部分、および/または特にくぼみパターンの形態の幾何学的形状有する前記使い捨てアイテム(1)の所定部分、および/または所定の導電率を有する前記使い捨てアイテム(1)の部分、および/または前記使い捨てアイテム(1)に埋め込まれたRFIDタグであることを特徴とする、医療用の使い捨てアイテム(1)。
(項目2)
前記使い捨てアイテム(1)は、種類の異なる少なくとも2つのマーカ(8)を備え、
医療デバイス(100)によって複合識別または2段階識別が行われるように、第1の識別特徴(10)としての第1のマーカ(8)は、磁気及び/又は幾何学的形状及び/又は所定の導電率を有する所定部分であり、第2の識別特徴(10)としての第2のマーカ(8)は、色を有する所定部分であることを特徴とする、項目1に記載の医療用の使い捨て医療アイテム(1)。
(項目3)
前記使い捨てアイテム(1)が、異なる種類の少なくとも2つのマーカ(8)を備え、
第1の識別特徴(10)としての第1のマーカ(8)は、無線トランスポンダ、特にRFIDタグであり、第2の識別特徴(10)としての第2のマーカ(8)は、色を有する所定部分であることを特徴とする、項目1または2に記載の医療用の使い捨てアイテム(1)。
(項目4)
前記使い捨てアイテム(1)は、輸液チューブ(2)であり、
前記輸液チューブ(2)が、その半径方向外面の少なくとも一部、特に端部に、前記輸液チューブ(2)の前記基礎色、特に白色透明とは異なる色被覆または基礎構造に導入された色素を備え、
好ましくは、さらに、磁化された粒子が、前記輸液チューブの前記一部、特に前記端部に導入されており、さらなる識別特徴(10)として磁気を提供することを特徴とする、先行する項目に記載の医療用の使い捨てアイテム(1)。
(項目5)
少なくとも1つの医療用の第1の使い捨てアイテム(1)および医療用の第2の使い捨てアイテム(1)を備える医療用の使い捨てアイテムセット(12)であって、
前記第1の使い捨てアイテム(1)および前記第2の使い捨てアイテム(1)の各々は、先行する項目のいずれかに従って構成された使い捨てアイテム(1)であり、
前記第1の使い捨てアイテム(1)を前記第2の使い捨てアイテム(1)と区別するために、前記第1の使い捨てアイテム(1)の前記第1のマーカ(8)は、前記第2の使い捨てアイテム(1)の前記第2のマーカ(8)とは異なる構成であることを特徴とする、医療用の使い捨てアイテムセット(12)。
(項目6)
前記第1の使い捨てアイテムおよび前記第2の使い捨てアイテム(1)の各々は、マーカ(8)として、磁気を有する少なくとも1つの部分を備え、
前記磁気に基づいて前記2つの使い捨てアイテム(1)を区別するために、前記磁気の空間的位置が異なっている、及び/又は、磁気の強さ、特に前記使い捨てアイテム(1)の異なる部分における磁気の強さが異なっていることを特徴とする、項目5に記載の医療用の使い捨てアイテムセット(12)。
(項目7)
前記第1の使い捨てアイテム(1)が、第1の輸液チューブ(2)であり、
前記第2の使い捨てアイテムが、第2の輸液チューブ(2)であり、
前記第1の輸液チューブ(2)の端部が、その半径方向外面に第1の色を備え、
前記第2の輸液チューブ(2)の端部が、その半径方向外面に異なる第2の色を備え、
好ましくは、さらに、前記第1の輸液チューブおよび前記第2の輸液チューブ(2)の識別および/または配向を可能にするために、前記第1の輸液チューブおよび前記第2の輸液チューブ(2)の前記端部が、さらなる識別特徴として磁気を備えるが、前記磁気は、前記第1および第1の輸液チューブおよび前記第2の輸液チューブ(2)において同じ構成であることを特徴とする、項目5または6に記載の医療用の使い捨てアイテムセット(12)。
(項目8)
医療デバイス(100)、特に輸液ポンプであって、
好ましくは先行する項目のいずれかに記載された使い捨てアイテム(1)、特に使い捨て輸液アイテムのための受容部(102)または接続部と、
特にセンサ(108;112;120;122)、好ましくはポンプセンサを備える検出システム(4)であって、特に前記検出システム(104)に適合された少なくとも1つの一体マーカ(8)を、挿入または接続された前記使い捨てアイテム(1)の識別特徴(10)として検出するための検出システム(104)と、
検出された前記識別特徴(10)に基づいて前記使い捨てアイテム(1)を識別し、および/または前記検出システム(104)に対する前記使い捨てアイテム(1)の位置を特定するように設けられ、適合された制御ユニット(116)と、を備える、医療デバイス(100)。
(項目9)
前記医療デバイス(100)が、
薬剤に関するデータが記憶されている薬剤データベース(114)を有する記憶ユニットと、
好ましくは、少なくとも2つの異なる使い捨てアイテムのデータが記憶されている使い捨てアイテムデータベースであって、前記記憶ユニットに記憶されている使い捨てアイテムデータベースと、
前記制御ユニット(116)であって、検出された、つまり識別された前記使い捨てアイテム(1)に基づいて、
前記薬剤データベース(114)の薬剤選択オプションをフィルタリング及び/又は制限し、および/または、
さらなる使い捨てアイテム(1)の選択オプションをフィルタリングおよび/または制限し、および/または、
薬剤または薬剤濃度と使い捨てアイテム(1)の所定の組み合わせで前記医療デバイスの治療が設定された場合、アラームを出力する、および/または治療の開始を禁止する、制御ユニット(116)と、をさらに備えることを特徴とする、項目8に記載の医療デバイス(100)。
(項目10)
前記検出システム(104)が、前記使い捨てアイテム(1)の磁場を識別特徴(10)として検出するように構成された磁気センサ(122)と、受容されたまたは接続された前記使い捨てアイテム(1)の所定部分の色を検出するように構成された色センサとを備え、
前記制御ユニット(116)は、第1段階において、検出された前記磁場に基づいて、前記使い捨てアイテム(1)が正しい位置にあるか、つまり正しく受容されているかまたは正しく接続されているかを判断し、前記使い捨てアイテムの位置が正しい場合には、第2段階において、検出された前記色に基づいて、前記使い捨てアイテム(1)の識別をするように構成されていることを特徴とする、項目8または9のいずれかに記載の医療デバイス(100)。
(項目11)
前記医療デバイス(100)は、位置特定のための通信ネットワークの割り当てが記憶された位置特定モジュール、特にGPSモジュールまたは通信モジュール、好ましくはWLANモジュールをさらに備え、
前記制御ユニットは、前記医療デバイスの特定された位置に基づいて、
前記薬剤データベース(114)の薬剤選択オプションをフィルタリングおよび/または制限し、および/または、
前記使い捨てアイテムの選択オプションをフィルタリングおよび/または制限するように構成されていることを特徴とする、項目8から10のいずれかに記載の医療デバイス(100)。
(項目12)
医療システム(1000)であって、
項目8から11のいずれかに記載された医療デバイス(100)と、
特に項目1から7のいずれかに記載された少なくとも1つの第1および第2の使い捨てアイテム(1)を備える使い捨てアイテムセット(12)であって、前記第1および第2の使い捨てアイテム(1)の各々が、前記医療デバイス(100)の前記検出システム(104)によって検出される所定の識別特徴として、少なくとも1つの一体マーカ(8)を備える、使い捨てアイテムセット(12)と、を備える医療システム(1000)。
(項目13)
前記第1および第2の使い捨てアイテム(1)の各々は、識別特徴の一体マーカとしてRFIDタグを備え、
前記医療デバイス(100)は、前記RFIDタグの前記読取りデータを前記制御ユニット(116)にデジタル的に提供するRFIDリーダを備え、
前記制御ユニットは、患者のために記憶されたデータを有する患者データベースに基づいて、前記薬剤データベースの薬剤の選択オプションを制限し、ディスプレイ、特にOPモニタを介して、ユーザに対して前記選択オプションを表示するように構成されていることを特徴とする、項目12に記載の医療システム(1000)。
(項目14)
医療デバイス(100)、特に輸液ポンプの最適操作のための医療方法であって、
好ましくは、識別特徴(10)としてマーカ(8)を有する使い捨てアイテム(1)を、医療デバイス(100)内へまたは医療デバイス(100)に挿入または接続するステップと、
検出システム(104)によって、前記使い捨てアイテム(1)の前記識別特徴(10)を識別して、前記使い捨てアイテム(1)および/または前記使い捨てアイテム(1)の位置を識別するステップと、
識別された前記使い捨てアイテム(1)に基づいて、薬剤選択および/または使い捨てアイテム選択をフィルタリングおよび/または制限し、および/または、薬剤または薬剤濃度と使い捨てアイテム(1)とが所定の組み合わせである場合に、アラームを出力し、および/または治療を禁止するステップと、を備える、医療方法。
(項目15)
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに項目14に記載の方法ステップを実行させる命令を備えるコンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】